相場見通しのつもりだが・・・たぶん後講釈(2008年04月〜2008年09月)
(本当は債券市場の話をすべきなのですが、多分短期が中心になります)
こちらはあまり当らない相場見通しやら相場後講釈やらを書いております。一応債券だけどもマネーマーケットに限りなく近い範囲をカバーしつつも、昔取ったなんとやらで債券市場のお話も。まあどっちにしても板に張り付いている訳ではないのでピンボケになる場合もありそうです。その節はご指摘を。
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過去の相場後講釈はこちらです。
2007年下期
2007年上期
2006年下期
2006年上期
2005年下期
2005年上期
2004年下期
2004年上期
2003年下期(工事中)
2003年上期(工事未着工^^)
2002年下期(工事メド立たず)
2008年上期の相場後講釈見出し
2008/09/29「決済は大分回ってきましたが」
2008/09/26「ちょっと落ち着いてきました」
2008/09/25「フェイルの影響はまだ拡大/オペレートが更に上昇」
2008/09/24「結局大規模フェイル/オペレートがロンバート越え」
2008/09/22「さて22日が到来しました」
2008/09/11「債券先物(9月限)取引最終日も余波で色々ありました」
2008/09/10「債券先物がいろんな意味で壊れた日」
2008/09/09「月曜はGSEで下落ですが・・・・」
2008/09/08「金曜の相場は一転先物スーパー急騰と」
2008/09/05「わけ判りませんが相場急落」
2008/09/04「先月の輪番は期近債3400億円でした」
2008/09/03「翌日は入札なのに一転して相場上昇の巻」
2008/09/02「月初はいきなり急落の巻」
2008/08/27「さっぱりロジカルじゃない動きの債券市場」
2008/08/26「何だかわからん先物だけ動く相場」
2008/08/19「利下げネタで一発勝負キタコレ」
2008/08/18「出来高いきなり増えた金曜の相場メモ」
2008/08/15「市場メモ、短い所は堅調も少々ブレ気味か」
2008/08/14「3か月FB入札は堅調そのもの」
2008/08/13「2か月FB入札は小緩む」
2008/08/11「短い所は週末も堅調でした」
2008/08/08「短い所の金利が益々低下しています」
2008/08/07「金先久々に逆イールド/FBレートさらに低下」
2008/08/06「FBなどのレートが低下しています」
2008/07/30「結局月末のCPレートは落ち着いて推移/メリルの増資報道雑感」
2008/07/24「FBは引き続きやたら確りしておりますね」
2008/07/18「CPレート上昇一服」
2008/07/14「CPのレートが下がらない件について」
2008/07/11「相変わらず短期の超足元が予定調和的に動く件について」
2008/07/10「先物周りのカーブが相変わらず妙な件」
2008/07/09「オペレーション話2題」
2008/07/03「輪番の銘柄が相変わらず短い件/SCレートが妙に乱高下する件」
2008/06/27「スポ末のCPレートが急上昇しました」
2008/06/26「6月末攻撃は一旦目処付いたかな」
2008/06/25「補完供給貸付が変な使い方をされている件(後日補記あり)」
2008/06/24「CP祭り不発のようで」
2008/06/23「中短期戻るがCPは祭りの悪寒」
2008/06/20「GCレートが上昇とか」
2008/06/18「短期ゾーン戻るの巻き」
2008/06/13「何故か1、2年辺りが重いので相場の戻りで不思議な現象が」
2008/06/12「2年国債1%に接近」
2008/06/11「バーナンキ発言で尚金利上昇」
2008/06/09「インチキレポートで利上げネタなど」
2008/06/06「足元益々低下してます」
2008/06/05「税揚げぬけた途端に足元急低下の機械的マーケット」
2008/06/04「信用不安ネタで先物大爆発の巻/レポスクイーズ状態解消」
2008/06/03「10年入札前にカレントのレポ大締り」
2008/05/30「2年0.9%アンダーとな」
2008/05/26「またまた先物大下げの巻」
2008/05/23「輪番オペに関する考察」
2008/05/22「今日は輪番オペですが/格付けに怪しい雰囲気が」
2008/05/19「輪番オペで自爆の金曜相場」
2008/05/16「短いゾーンのカーブが立ってきました/輪番に関して」
2008/05/15「今度は債券相場だけ自爆/積み最終日ですが」
2008/05/12「特に材料があったとも思えませんが急騰の金曜相場」
2008/05/07「中々落ち着かない相場です」
2008/04/30「相場メモ/GCがやたら高止まり」
2008/04/28「金曜日も随分金利が上昇しまして/金先にプロラタ導入」
2008/04/25「金先続急落+債券先物大下げの巻」
2008/04/24「金先なおも続落/その他」
2008/04/23「LIBORのお話続報」
2008/04/22「金先の逆イールドが解消されました」
2008/04/21「実際にLIBOR上昇した翌日は割と拍子抜け相場」
2008/04/18「LIBOR騒動な相場でした」
2008/04/17「LIBORの信頼性?」
2008/04/16「いやあよく判らん相場で」
2008/04/11「何かまた閉店モードな動きがあるようで」
2008/04/08「相場のネタはリスク許容度復活ですか」
2008/04/07「運用圧力は何気にあるようで」
2008/04/01「期末に供給オペ乱れ打ち」
2008/09/29
○決済はだいぶ回ってきたみたいですが・・・・
木曜に引き続きまして金曜におきましてはあちこちのフェイルがやや回るようになったようでございます。ただどうも聞いている限りにおいてはリーマンがカウンターパーティーになっている取引はそのままフェイル状態でそっちを解消する動きは更々ないみたいでして、そもそもショートセールなどのような各種金融取引を想定していない民事再生手続きを金融市場での取引を行っている金融機関に適用する事自体が間違いであったとしか言いようが無いですわな。
と思うのですが、どうも重大問題の筈なのに華麗にスルーされている所が今後のことを考えますと非常に問題だと思いますが、肝心の当局様にその認識があるのやら。
と申しますのは、今朝テレビニュース見てたら「東証が海外の証券会社(国内の外資系じゃなく)が取引に参入する事を認める(というか推進するんでしょ)方向で具体化」とか言っている訳ですが、今般のように海外の会社がコケた場合の破綻法制がそもそもクロスボーダーで違っている問題とか、そもそも決済がDVPで出来るのかとか、参加者が飛んだ場合の決済処理がちゃんと回るのかとか、その辺真面目に考えてたらこのタイミングで具体化とかするかよと思うのですけど、過去の実績から勘案するとその辺ちゃんとやってなさそうなのが東証クオリティ。
現場の努力によってとりあえず表面上は決済が回った感じになっていますけれども、リーマン相手の取引は全然回っていない訳ですし、その間現場に無茶苦茶皺寄せが行って大変でしたし、まあ決済リスク意識ということでいきなりGCレポ市場の資金の出しが減ってしまったとか(その部分の資金がFBとか高格付けCPに回ったような節が見られる)、問題も生じている訳ですから、金融機関の破綻法制に関してはマジで検討すべきものであると思われます。
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2008/09/26
・ちょっと落ち着いてきたかも
昨日はレギュラー売買の受渡が月末(&期末)で、さてどうなることやらと思ってましたけど、少しフェイルがほぐれた感じなのと、資金に関してはまだGCには相変わらず金の出し手が引っ込みモードみたいですけれども、金自体は余っていますので、FBとかCPとかの買い切りとか現先とか(CPに関しては銘柄厳選の上ですが)にやや資金が戻りつつある感じがせんでもない。オペの金利もさすがに一昨日のような極端なレートじゃないですし(高いには高いですが)。
まーオペ待ちで実は寝転んでいるのかもしれないので正直当日まで予断を許さない面はあるんですけれども、決済が回ってきて資金の流れが戻ってくればFBあたりからレートが低下して徐々にそれが波及してくれるのでしょう、と思いますがどうでしょうかねえ。
・ドル資金供給オペ
今回は札割れになって、結局応札最低金利まで募入となったようですが、これはニーズが無いというよりは事務的な準備(担保繰りとか)が間に合わなかった分とかもあったのではないかと愚考します。まあこの資金供給の本命は年末越えのところですので、10月に実施される3か月もの入札がポイントになるんでしょうね。
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2008/09/25
○フェイルの影響はやっぱ広がるのね
22日の大量決済で大量フェイルになったのはご案内のとおりですが、もう新規の取引増えないのだから問題拡大しないかとか思ったあたくしですが、どうもコトはそう単純な話ではないようです。いやまあ予想自体も願望入ってたかもしれませんけれども、ということでどうもすいません。
結局ですな、リーマンのところにある玉が全部フリーズ状態になっているので、その流通玉に関連する取引がフェイルになって、そのフェイルによって他の取引も影響受けて・・・・という形になってしまいますし、大体からして世の中決済が円滑に回っていることを前提にして次の取引、その次の取引と取引が連鎖する訳ですし、その上リーマンは国債流通市場で積極的に業者間、対投資家ともに取引してたのですがら連鎖もでかくなりますわなという所です。
SC取引とか一部銘柄ではエライコッチャになってるみたいですし、その上期末接近と来ていますので、通常であってもレポ市場での品貸しに消極的な人が多い中でフェイル大会では益々レポ市場での品貸しが消極的になりの負の連鎖ですわな。GCだってカウンターパーティーリスクがどうのこうのとか、一括清算するときって実は「前日の引け」で清算するから債券処分する時に市場リスクがありますしとか(その話ってあのすいません現金担保レポ始まる時に論点になってた筈なんですが・・・・)、まあ市場の拡大を重視する中で微妙にスルーしていた破綻法制との整合性問題とか(その話って現金担保レポ始まる時に以下同文)、まあいろんなもんが出てきますわな。
えーっと、正直言ってあたくしもどこでどういう事が起きているのかほんの一部しか判りませんが、参加者の皆様におかれましても全体で何がどうなっているのかって全貌は把握しずらい(というか無理です)状態なのでして、まあ本件に関しましては日銀あたりが音頭取って(というか日銀しか音頭取れないでしょ)この間まずはどのような事が起きたのかをレビューして、本来どう処理すべきであったのかという点を論点整理すべきものかと存じます。
○オペ金利が益々上昇とかその他
・オペ金利上昇
えー、昨日の資金供給オペですが、共通担保即日オペ(翌日物)が平均0.759%(足きりは0.73%)でロンバート越えでございましたが、もっと上昇したのはタームものでありまして、共通担保全店オペの26日スタート10月16日エンドが足切り0.75%ですかそうですかと思ったら平均が何と0.823%となりました。
・・・・何か相当上の札入れてるみたいですけれども、あのそのロンバートって0.75%なんですけど。。。。ということで、タームの資金取り圧力がもうエライコッチャになっているというのは把握した。外銀などへのラインカットの影響に加えて、どう見てもリーマンのフェイルの影響が拡大しているのではないかと思われる次第です。
改めて監督官庁と保全管財人は(以下自主規制)。
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2008/09/24
○結局大規模フェイルですかそうですか
注目されていた22日の国債決済ですが、結局リーマン絡みの取引はフェイルになったらしく(全貌がどうなっているのかというと良く判らない)、その結果としてあちこちで受渡が止まり、フェイルの連鎖でレポの部門とか信託(レポ信託)やブローカーの関係部門は殺人的に忙しかったようで、誠にお疲れ様でございました。というかまだまだほぐれていない取引とかあると存じます。モノ繰りが止まる面もそうですが、受渡が止まると資金も止まってしまいますのでそっちの手当てとかも大変だった(だからこそ22日受渡からのGC取引レートとかオペの金利とか上昇しまくっているのですが)と思います。
で、国債発行に関しても払込が行われなかったらしいと報道されていましたが、国庫の資金繰りなんぞはどうとでもなるのですけれども、リーマンが落札して転売したりレポで貸付していたような取引分の流通玉がいきなり消滅となったのですから、まあレポもその分タイトになる(というかそういう認識が広がるので余計にタイト感が強まる)というものでしょう。
どうもGCレポ市場でも資金の出が悪くなっているとか報道されておりますが、(そりゃまあGCのエンドがフェイルになったら資金の出し手も困りますわな。戻りを資金繰りに当ててたらなお困りますし・・・)そんなこんなで短期金融市場では資金供給オペの金利が上昇しておりまして、新発CPレートとかにも影響が出ている次第ですが、日本の場合は国内金融機関で別に信用不安問題が生じている訳ではなく(これが欧州と違う所ですな)、短期市場金利の上昇は国債流通市場でそこそこ大きなプレゼンスを持つリーマン絡みの取引決済が止まっている影響の方が大きいと思うのです。現に無担保コール取引で邦銀が調達するレートとか絶賛低下しておりますしね。
ということで、今般の民事再生法適用による処理というのは、国債流通市場への影響から短期金融市場への影響というのを何も考えてないでしょとしか思えん進行でありまして(これが本当にデフォルトならば一括清算なのだが、事業継続前提なので止まりっぱなし)、監督官庁と保全管財人は何を考えとるんじゃとしか申し上げようがございませんのですが。
ま、連日悪態ついてますけど、民事再生手続の適用以外にやる方法があったのではないかとか、きちんとレビューして頂きたいと思います。まあそりゃ全く混乱しない訳には行かなかったでしょう(外銀とかのコールのラインが絞られるとかといった動きは別にフェイル関係なく起きてたでしょう)が、漫然と国債の決済をフェイルしまくったのを看過している状況というのは酷いですわな。
○オペレートがロンバート越えとか
そんな次第で邦銀取りのコールレートは大低下しているのですが、
月曜の資金供給オペではこんな結果が。
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba080922.htm
オファー内容は
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of080922.htm
なんですけれども、共通担保オペの25日スタート10月10日エンド9000億円が平均0.774%で足きりレートが0.76%(しかも按分薄め)となりまして、ロンバートレートを越える有様に。
ロンバートを毎日ロールするのも大変だし事務負担考えたらオペでターム取ったほうが良いというのは判りますが、それにしても足きりベースで堂々ロンバートを越え、この結果ですから0.78%の札が思いっきりある訳で、それだけ資金取り圧力が高いという事を反映しているかと思われます。
CP新発レートも上昇していまして、月曜は銘柄によっては一段と上昇した(銘柄ごとにもうマチマチにも程がある状態だったようです)ようでして、インターバンクにおける予備的資金需要の強さによってCPへの資金の出が悪くなって事業法人さんにも悪影響という事になっているようです。困ったもんです。
○ドル資金供給オペレーション
ドル資金オペレーションの対象先公募結果
http://www.boj.or.jp/type/release/adhoc/mos0809d.pdf
オペの実施スケジュール
http://www.boj.or.jp/type/release/adhoc/mok0809b.pdf
日程を見ますと、一発目の1か月ものが今日(結果発表は明日)で、3か月ものは年末越えになる10月のスタートになるようですね。10月7日オファーの8日結果発表と。
メンバーに関してはほほーとしか言いようがないですけど、FBはその他金利が上昇する中でちゃっかり堅調推移しているのはこのオペに対する担保として役に立ちそうだからってのもあるのじゃないかなと勝手に妄想しております。
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2008/09/22
○さて22日です
今日は3/9月利払いの決済集中とリーマンが落札した5年、10年新発国債(3か月FBはリーマンは入札から除外されているので無問題)の発行日でございます。
えーっと、まあ決済どう回るのでしょうかとしか言いようが無いのですけれども、リーマン絡みの取引もいつまで経ってもフェイルとかいう訳にも行かないと思うのですけれども、民事再生の枠組みだと会社が死んでないだけに、取引がいきなり強制終了する訳でもなく、はてさてどうなるのかというのは実質的に初のケースだけに色々と大変だと思います。
特に、リーマンの場合はクロスボーダーの取引がやたらめったらある訳でありまして、欧米主要国の間での取引もある中で、各国でのリーマンに対する破綻処理に対する法的処理の進め方が違う訳でして、その点から各国の国内法だけで閉じていないというのが処理の難しさに拍車を掛けているのではないかと思われます。
まー初回も初回だから仕方ないのですが、今後のことを考えますと、特に短期金融市場の決済に関わる主要各国の破綻法制に関しては、今般の混乱(というかフリーズ)を研究の題材として、これらの破綻法制の整備というのも重要な論点(一段落してからの話ですが)かと思います。破綻に関しても完全に死んでいるのかそうじゃないかとか、まあそもそも各国の破綻法制に関するロジックの問題にまで入ってくる話なので、具体的に法制を揃えるように整備するというのは大変かもしれませんが。
○その他少々
・補完供給緩和期限延長
http://www.boj.or.jp/type/release/adhoc/mos0809c.pdf
16日に補完供給の発動要件を緩和しましたが、期限が延長されました。この速攻の要件緩和はヒットでしたよね。とにかく今回は日銀の止血処理の迅速さは現場の皆様大変ですねと思いますが、ヒットだと思います。
・積み終了ですかそうですか
木曜のベースで積み終了先の準備預金残高が7400億円、金曜のベースで積み終了先の準備預金残高が16400億円と相成りました。積み期間が始まって1週間しか経ってないのですが、もう資金供給攻撃ですからこうなりますわな。落ち着いたら吸収大変ですね、と思いますが10月になっても市場が落ち着かなかったら空前のブタ積みのまま走ることになるのかもしれませんね。10月14日の次世代RTGS稼動があるので、その前の金曜には予備的資金需要がありそうですし。
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2008/09/11
お題「相場がアレでしたので相場雑談で勘弁」
朝起きて携帯電話のiチャンネルを見たら「リーマンブラザーズ株価約45%下落」というヘッドラインがあるのだが、それは火曜日NY市場のニュースであります。中身見たら昨日の21時配信とかでして、その時間はリーマンの決算発表後で株価が戻りだしてるのですが。配信しているどこぞの報道機関は華麗に切腹すべきかと存じます。
○半分お返しですかそうですか
昨日の債券市場、というか債券先物の動きでございますが、カレンダースプレッドは▲57銭といきなり前日の最終売買価格から40銭上昇してスタートして高値▲50銭でしたが、その後また下やって安値が▲72銭になって最終売買価格は▲70銭。でも先物の最終売買価格を見ると9月限が136円88銭で12月限が137円41銭なのでこれで見るスプレッドは▲54銭と何という怪しさ爆発の乖離。現物の引けから考えると▲60銭くらいになりそうな気がする(ちゃんと計算してないけどたぶん)んですが、もう最後の3日で大荒れしまくった今回の限月交代の最後を飾るにはふさわしい動きで。
10年273回債と276回債の引けを(めんどいので)単利比較をすると、火曜日は単利で9毛ひっくり返したのですが(結果15毛逆イールド)でしたが、昨日は5毛お返しの巻(なのですが依然10毛逆イールド)と相成りました。まあ相変わらず274回〜281回くらいまでのゾーンのイールドカーブが無茶な状態になっておりますが、何せ先物の需給がおかしくなって、なおかつ参加者にそれを成敗する勢いも無し(昨日申し上げましたように)という状況は困ったもんでありますな。
ちなみに昨日はカレンダー出来高5401枚しかないのも何か素敵でございまして、昨日の速報ベースで33432枚も当限建玉残ってたのですが(確報確認してませんすいませんすいません)、これもまた微妙にファンタスティックな先物当限の売買最終日なのでした。
#本当の終了は現受現渡が終わった時点ね
○で、今後相場の動きを見るには何を参考にすべきか
ま、昨日の相場はそんなこんなで12月限の超割高修正をする動きになったのですが、結構最初のうちはカオスな展開であちこちのゾーンが強かったり弱かったりしたので、本当の相場の位置ってどこなのよという感じでしたが、まあ昼過ぎくらいになったら5年と10年のカレントが若干のスティープをしつつ前日比1毛程度甘いという展開になりました。
超長期とか相変わらずみたいで、上がっても下がっても全然動かんの巻になってたようですが、これはまあ以前からの仕様ですのであまり驚かず(でもまあ動かないねって感じはしますが)ということで、相場の動きとして何見るのかといわれたら5年と10年のカレント見るのが適当っぽい気がします。ただ10年カレントゾーンって9年半あたりと比較してカレントプレミアムがついていまして、そんなプレミアムがついてないのが5年カレントですから、今の状態という限定的状況下では5年のカレントのプライスアクションでも見てれば大体相場の動きが判るんじゃなかろうかと思うのであります。
先物チーペストが手前対比逆イールドというアホアホ状態が解消されてくれませんと、先物が相場変動のバロメーターにもならないという悲しい状態になってしまう次第でありまして、位置が良く判らんとなると投資家の売買の手も出にくくなってしまいますし、昨日も申し上げましたが先物での現物売買のヘッジ機能がワークしないとなればマーケットメーカーの要求する流動性リスクプレミアム(要するにAsk-Bidのスプレッド)も拡大しますし、全く持って誰も得しない展開なのは困ったもんであります。
○短い所の雑談
債券先物の素敵な値動きに翻弄されてすっかり短い所の話をしておりませんでしたので少々。と申しましてもこれまた微妙に訳の判らん展開になっているのでありますが。
昨日は3か月FBの入札が行われたのですが、先週まで0.57%台だったのにいきなり58をスルーして0.59台の落札。前場引けの時点で59オファーだったみたいですので、まあ59台なのはそんなもんかいなという感じですが、テールがやたら短く、セカンダリーではあっさり買いが入って引けは0.58%でビットサイド。
ま、前日および当日前場の板からして0.59台で入札やりそうな感じでしたので、たくさん買いたい人が珍しく入札前まで我慢して札入れのところでがっつり行ったという所だったのでしょうか、ここの所入札前は確りするのに落札出ると平均のオファーがやたら重くてあっさちヘロヘロになるという展開が連続していたのですけれども、今回は珍しく買い方お上手。
そのどさくさに紛れて6か月だの1年だのもレートが低下してたのが謎なのですけれども、まあ待機資金というかキャッシュつぶしというか、そっちのニーズは相応に存在するでしょうから、FBのレートが上昇した所で動きがあったのかもしれませんですね。16日渡しだから積み期間変わるし。
ところが、資金供給オペの金利は足元で上昇してるんですなこれが。昨日のオペでは9月25日エンドの方が0.568/0.56と上昇してまして(月曜日は19日エンドで0.540/0.54)、こちらを見ると足元上昇の感じ。ただGCはクーポンGCの関係もあるので微妙なのですけれども、レギュラーの所では積み最終日要因があった火曜日の0.58〜0.59だったのに対して昨日は0.53近辺と普通のレートに、うーむ。
3か月のオペ金利はそんなに上昇してませんでしたが、足元の方が上昇したことからFBの9月償還の気配が若干上昇。その一方でCPでは10月償還ものがやや嫌がられているようでそっちのレートが上昇傾向と、参加者の違いが微妙に反映された動きになっております。
でもまあ総じて言えば徐々に期末っぽくなってきた感じじゃないでしょうか。
#というわけで、市場メモをダラダラ書いて終了で申し訳ないです。以下おまけ
○ちょっとだけ雑談
・景気対策で利上げ????
与謝野先生恐ろしい斜め上な話を・・・・・
これはですな、きっと与謝野センセイが身を張ってトンデモホイホイになろうということなんですよ。与謝野センセイに投票した議員はトンデモ金融政策論者であるという事が判明する良い検定試験なんですよ。
・・・・ああまったくもう頭が痛い。
・GSEにCDSイベント
おじちゃんあんまり(というか全然)詳しくないのですけれども、GSE救済策に関しては債券に対するCDSイベント扱いらしいのですが、利払い償還に関しては政府の暗黙のサポート体制が確認されるような声明が出たんですからこれって何か債券持ってる人的に必ずしもアンフェーバーな話じゃない(むしろフェーバーな気がする)のですが、プロテクション買ってる人ってこれによってわざわざ債券渡しちゃうんですか???何かさっぱり判らないのですけど、渡すか渡さないかってプロテクションの買い手のオプションじゃないんですか?
・・・・そんなのも知らんで質問するなですよねそうですよね(超大汗)。
#今後の展開に超注目なのであります、その前にちゃんと勉強しないといかんが
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2008/09/10
お題「世界のJGB」
どうも今年になってからは3の倍数の月になると超越アホ相場が展開される仕様になっているようでございまする。
という訳であまりの相場なので相場メモメモ。
○先物中心限月の割高ロール????
昨日の債券市場はもう先物のカレンダースプレッドが話題というか笑いというか唖然というかもうエライコッチャになったのはご案内の通りでございます。
カレンダースプレッドの値動きですけれども、前場は0銭まで戻る(前日はマイナス)場面もあったのですが、その後ジャンジャン下落して▲50銭近く(確か▲47銭)まで下落。その後5年入札後の後場になるとカレンダーもう一発下がって▲60銭近辺で暫く揉んでいたのですが、引けに掛けてなおもう一発下落して安値▲107銭で最終出合いは▲97銭。
どの位無茶なレートかと申しますと、昨日の引け値で9月限と12月限のチーペスト相当の273、276回が単利でそれぞれ1.175%に1.025%なので、なんと単利15毛逆イールドの巻となってしまいました。
先物独歩高とか言ってたのが先週の金曜でして、まあこの時点で270回と273回の関係が単利で7.5毛逆イールドとかでしたので、先物中心限月の割高さ(12月限はこの時点でも9月限と並んで高かったとは思うのですが)が凶悪になってロールされたという形になったという所でしょうか。
ま、9月限チーペストゾーンが手前対比で逆イールドになっている部分に関しては先物終了と共に中期債カテゴリーに入って手前に鞘寄せされるという現象はまあそうですねという所でして、270回と273回の引けが単利ベースでそれぞれ1.195%に1.175%となってまして、修正はだいぶ進みましたな。チーペストのスクイーズみたいなのが起きて当限先物だけ独歩高という現象は過去にも起きたことがありますが、その時は当限チーペストが先物終了後に修正されてチョンという結果になるんですけど、今回の場合は12月限チーペストゾーンに(というか12月限に)割高を移行というわけのわからん展開。
まー月曜の時点で既に5年VS274〜6回ゾーンってインバートしてたのですが、昨日の引けベースで新発5年75回VS274〜6回ゾーンは5毛くらいインバートの巻と相変わらず無茶しやがって状態になっております。
まあ簡単にまとめてしまえば、先物ロングにしている人のロングロールに対して、割高な当限を買い向かう人が居なかったのでこんな事態になったという所なのでしょうが、ロールされて先限がそのまま(というかより一層)割高になるとかどんなプレイだよという実に不可思議千万な相場なのでございまする・・・・・・
しかしまあ昨日は異例ずくめでして、カレンダースプレッドが一日で高安107銭とかそんなの見た覚えないですし、売買高にしても当限27261枚で先限17738枚に対してカレンダースプレッドが38280枚ってカレンダーの方が出来高多いのかよという結果にも呆れるという感じでした。
○かなり妄想の世界になりますが背景について愚考してみる
まず先に申し上げますと、この先物のわけわからん展開は誰に聞いても「結局のところ何がどうなっているのか判らん」という所でして、いやまあ色々とお友達と世間話しながら勝手に妄想を逞しくした産物なのであまり真に受けないで下さいませなのでございまする。
前回3月にも先物アホアホ相場が展開されたのですが、あの時の背景としては先物売り建てになっていた人の強制閉店などがトリガーになって先物の需給が一時的に悪化という図だったと思うのですな。その後4月になって海外のインフレ懸念とかがネタになった時には先物の割高はかなり解消されましたし、ピーク時でも先物「だけ」が飛ぶという絵になってましたし。
で今回ですが、そもそも論として先物をロングロールしてなお一層割高な先物を買うという経済的な意味がさっぱり判らん。チーペストをスクイーズしてる訳でもなさそう(276回のSCレポは大変になったみたいですけれども、そりゃまあここまで割高にされたら入れ替えベースで売りたくなる投資家多いでしょうからレポしてる場合じゃないわなというのは判りますのでレポ締まるのはやむない面大有り)ですし(てかチーペストスクイーズとかするなら当限で完結する話ですわな)。
そんなこんなでつらつら考えたのですが、これは結局「債券先物を根っ子でロングにしているファンドみたいな人が何も考えずにロングロールしているんじゃねえのか」という妄想成分が高い説にたどり着きました(笑)。金融不安だの世界的景気後退だのをネタにして債券のロングポジションを作っているファンドみたいな人にとっては、レバレッジが効くしカウンターパーティーリスクとか殆ど考えなくていい先物でのポジション構築が効率的ですから、こいつらにとってみたら債券先物のお値段は「5桁の数字」であって、別にイールドカーブ上先物独歩高とかそんな細けえ事はどうでも良いって論理になっているのではないかという勝手な想像を。
つまり、この人たちにとっては現物は(金も資本も食うので)ポジショニングできないけど先物ならおっけーなので、現物対比先物が割高であろうともポジションを先物対比割安なほかの現物に乗り換えるなどという事はできないしやる気もないとなり、おかげで割高な先物は割高なままで、買ってるファンドも別に得はしないし、先物が壊れてしまって機能しなくなるので、実際に現物の売買してる人たちも得はしないという誰も得しない展開。
何かね、この先物のアホアホな動きを見てますと、原油市場で大暴騰して急激調整(今朝は101ドルとかでしたっけ)しているのも、単にファンドか何かが先物をロングにして突っ込んで、それが去ったら修正されたとかいう図なのではないかとか思っちゃったりしてなのです(笑)。
従来ですと、こーゆーアホ展開になってもアービトラージャーとか投資家が割高を成敗して割安を助けるオペレーションをしてくるので、一定の所で歯止めというのが掛かっていたのですが、サブプライム問題から始まった業者の体力低下、債券先物のシステム変更による参加者の減少、他にあるとすればマーケットメーカーの体力低下で流動性が落ちた(債券先物が壊れた影響もありますが)とか、あと言うなら運用部門のパッシブ傾向とか、リスクテイカーが激減してしまっているので、もう歪みが歪みのまま進行しちゃうという状態になっているのでしょう。
○先物がおかしくなってさてどうなる
これまた妄想成分が高いのですけれども。
そんなわけで12月限がおかしなことになってしまいましたが、こうなりますと現物売買のヘッジに先物を使うのはちょっとしたポジションでもおそロシアという事になりますので、ヘッジはどうしますかとなるとこりゃもう10年と5年のカレント現物でヘッジする方がよっぽどマシという展開になりそう。
で、ヘッジャーが去って流動性が一旦落ちますと、アウトライターも避けるというような展開になってくれば、益々債券先物が独自のアホアホマーケットになってしまうという悪寒が。まあ東証ざまあと言ってしまえば済めば良いのですけれども、先物受渡適格最割安銘柄を通じて現物のカーブ形成(既にカーブでもなんでもない形状ですが)に影響を与えるので困るのであります。
まあ先物のシステム変更だけが悪い訳ではなくて複合要因ですけれども、ヘッジャー的に言えば先物の流動性と市場の厚みを薄くしたシステム改悪(先物をブンブン振り回す投機筋の一部には評判が良いらしいですが)は要因として結構大きかったと思う次第でして、東証は物凄い勢いで反省すべきであり、アンディー齋藤様におかれましては可及的速やかに丸坊主にでもなるべきであると存じますがどうでしょうかね。
どっちにしろ、今の状態だと先物12月限は本来の機能をしなさそうですので、そーゆー意味ではカレントから離れた銘柄とかで大口やら逆に超小口の売買とかは要求されるAsk-Bidのスプレッドが拡大する懸念がございますということで、結局業者も投資家も得しない展開でございますな。
○世界のJGB
という訳で昨日の相場の話と途中からは物凄い勢いであたくしの妄想全開の与太話になって恐縮至極。しかしまあ今年に入ってからは3月は閉店ラッシュで先物大爆発、6月は何か急に相場アホ売られ(おまけを言えば6月末にCPレートが大暴騰しましたな)して、9月はこの有様ということで、3の倍数月になると相場が壊れるのがJGBの仕様になっているようでございますわな。
いやまあ何と申しますかもう勘弁して欲しいのですが・・・・・
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2008/09/09
○昨日の市場雑感
・債券市場は売られたわけですが
木曜は訳判らず暴落、金曜は米国の信用不安ネタで暴騰、昨日はGSE救済ネタで暴落と毎日アホのように振り回されて誠に遺憾としか言いようが無いのですが、何か金曜〜月曜の行って来い相場が展開される中で、先物とか次限月先物対比で中期のバランスがなお中期安になっているのは今日が5年国入札だからですかそうですか・・・・・と思いたいのですが、どっちかというと先物様の事情によりそうな気もするのが中々如何なものかと思う展開。困ったもんであります。
10年1.55のあたりで何となく止まったような感じですけれども、ここもと、というか年初位からですかねえ、何か債券市場のリズムがその前の時代とちょっと違う感じが感覚的にですけどするんですよ。と申しますのは、「ここって大体レンジの真ん中で止まりどころじゃネーノ」って所でいきなりそこまでの動きを加速するような投げ踏みが爆裂してレンジがいきなり抜けてしまうという現象を見る機会が多くなりましてですな。この前の春先の5年1.3%なんてあんなのいきなりドカンと抜けるか普通ってのが印象強かったからなのかもしれませんが、レンジが変わる時に派手に動くのが気になる所でございます。いやまあだからどうだと言われても困りますが、1.55で止まったということは1.6は実は抜けるんじゃないですかというただのドタ勘なのですが、ここに書いただけに外れることでしょう(おい)。
・CPレートが微妙に上昇したみたいで
昨日はスポットが10日で一応CP発行がそこそこ。で、結果的には前週よりもほんのちょっと(0.5ベーシスとかの世界)上昇した感じですけれども、これはまあ来週の新しい積み期間(ちなみに今度の積み期間のほぼケツの10月14日にはRTGSのハイブリッドが稼動でしたっけ)にレートがさすがに上昇するでしょうというのをちったあ意識した展開になってきたのかなと思われる節が。
とは言いましても、今回は3月みたいにショートファンディングがアホほど溜まるような地合いでもなさそう(とか言ってますが外れたらゴメンナサイ)ですし、6月みたいに思いのほかCP発行が多くて爆発するというようなことはさすがに中間期末ですからその手の「意表の攻撃」はないでしょという感じ。
まあ結局のところは来週にならんと良く判らんのですが、様子を見つつソロソロと期末モードって感じですかね。それなりに皆さんが警戒している時にはレートが跳ねないの法則があるので、実はあまり懸念(あるいは期待)してなかったりするのですが、外れたらゴメンナサイです。
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2008/09/08
○金曜は先物爆発と
まあ今日はGSE公的管理ネタがありますからさすがに債券市場が上昇はせんとは思いますが、金曜の動きには参りましたとしか申し上げようが無しでありました。
木曜はわけわからん下げをした債券市場でしたが、金曜は米国株式急落攻撃で朝から爆発して前日の下げをあっという間に全部戻してなお上昇。また、すげえええと思ったのは現物と先物の関係でして、5年カレントなんぞ朝一の上げ段階では1%割れ(確か0.985%)とかだったのですけれども、前場引けの138円78銭(128銭高)ではだいたい1%ちょい位にいて、後場になって先物が上がって下がって結局138円68銭(118銭高)でクローズしたのですが、5年カレントの引けは1.03%(5毛強)となったのでした。
先物チーペストは13毛強でございましたので、5年7年で8毛フラットニングといういとても素敵な相場になりやがりまして、6年9か月(269、270回)と7年(272、273回)が単利ベースで7毛くらい逆イールドになるというのも素敵なのですが、5年半から6年9か月までカーブがフラットになってしまい、そこから7年が逆イールド。7年6か月からそのちょっと先までが何か凄くカーブが立つと言うイールドカーブもへったくれもない状況になりやがりましたな。
5年カレントと先物チーペストも逆イールドになりやがりまして、今年の3月に「いやもうこんなアホアホ相場は中々見れないでしょう」と言ってたのに半年でまたお目にかかるとは
木曜は相場が下がる中で現物も結構追随して下げていたのですけれども、金曜は途中から先物の大爆発振りが凄くなってしまいまして、いやまあ先物の踏みなんでしょうけれども、何がどういう懐具合になっているのかさっぱり判らないところが実に不気味な展開ではございました。
まーバランス的に朝一から時間の経過と共に先物対比現物が弱くなったので、まあ上昇したところで戻り売りが出たんでしょうかねと勝手に想像するのですが、その弱くなりっぷりに関しては中期の方が目立つので、相対的に売りが多かったのは中期なんでしょうかねえという感じを受けたのですが、10年カレント以降超長期は朝から先物上昇についていけなかったので、実は中期(現物かスワップか)も朝は強かったのかもしれませんが、まあいずれにせよ先物のカチ上げに対して現物は売りだったんでしょという所で。
で、本日はその流れがどうなるのですかもうって話をする積りだったのですが、GSE絶賛救済大攻撃が打ち込まれましたのでまあ今日は今日でまた別の相場をやらかすんでしょうかね。さてどうなりますことやら・・・・・
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2008/09/05
○えーっと何ですかその下げは
昨日の債券市場は何か良く判らんのですが途中アホほど下げてしまいました。朝から株安に反応しねえなあとか思ってたのですけれども、9時40分ごろにいきなり先物ドカンと下げて垂直落下。その後戻ったりもしたのですが、またその後下がってもみあって、取引終盤にはもう一発下がって前日比124銭安まで下がったのですけれども、引けは85銭安とか。
先物をぶん回す人がおいでなのでその人かも知れないですが、途中金先とかも一緒に弱かったりした場面がありましたし、最初の下げの後戻って振幅する間に中期の気配が弱くなってきたので、最初は中期ゾーンの実弾かスワップ払いが出たんでしょと状況証拠から見ると思われるので、何でそんなタイミングなのかは微妙ですけれども、ロングを降りた投資家さんいるんじゃないのかね(先物限月交代まで下がらないとか皆で思っているうちに降りておこうという心理はよく理解できます^^)という気が。
#そうだとしたらダウ急落で残念でしたという所ですが
まーでも物価連動のBEIがまたゲロゲロになってるとか、先物だけやたらよく暴れて7年とても割高とか、気持ち悪い動きもしばらく前から続いているので、正直何がどうなっているのやらという感じです。何がどうなっているのか教えてエロイ人。
○ほほうと思ったオペ結果(マニアネタ)
昨日は資金供給オペ3発も、全部期内落としという素敵なオペレーションが実施されました(そういや3月も期内落としオペがやたら多くて足元だけ資金があまりましたな)。で、共通担保本店オペが2本実施されたのですが、トムスタートで足が18日と30日になってまして、18日足が0.540%平均(一本値)で30日足が0.555%平均(足きりは0.54%)となりました。
ということは18日〜30日の換算レートが平均ベースで考えますと0.571%とかになる(計算間違ってたらゴメンナサイ)と思うのですけれども、、3月末にやたらショートファンディングが溜まっていた時、積み期間が変わってから足元GCは60台後半になるわ期内落としなのにオペは60近傍になるわという素敵な展開になった時と比較しますと落ち着いたもんですな。どうせ30日当日までファンディング引っ張っておけば当日はレート最終的に下がるでしょうし、まあこれはまずますの調達なんでしょ。
ただまあ平均555で足切り54ってことは56とかにがっつり札を入れた人もいるんでしょ。56でも換算0.581%とかになるのでそれでも十分ですもんね。何かほほーと思いながら電卓を叩いたオペ結果なのでありました。
#マニアネタ恐縮至極
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2008/09/04
○期近債は3400億円と(^^)
月初恒例のネタ。
http://www.boj.or.jp/type/stat/boj_stat/mei/mei0808.htm
日本銀行が保有する国債の銘柄別残高
例によって先月のデータと比較してみたのですが(あたくしの手作業ベースでして、合っている積りで作ってますが内容無保証でお願いします)、8月は9月償還銘柄の打ち込みは5年30〜32回債の3429億円ということで、7月のような壮絶な展開ではございませんでした。
とは言え、まあ2年債が3000億円ちょっと入っているとか、来年の3月と6月に償還になる10年210回債、211〜213回債が770億円とか、まー相変わらず短いゾーンが入るのは仕様と化していますけど、それなりに5年とか8年とかも入っていますので7月よりはかなりマシな状態かと思われます。
ま、構造的に短いのが入りやすいという状態は変わりにくそうではあるのですけれども、輪番の短国オペ化が少しは歯止めが掛かると良いですねという感じではあります。
○期末モードはまだまだ
昨日は3か月FBの入札。昨日の昼くらいまでは足元のレギュラーGCが0.56とかのあたりで下げ渋っていた(その後下がってたみたいですけど)ので、FBが若干重めで既発の3か月に近いところで0.58%オファーとかになっていたのですけれども、新発に関しては平均0.5796%と確りの結果になっていました。まあ足きりは0.5824%でしたしセカンダリーでは足きりが出合ったりしてたみたいですけれども、前場引けの時点で新発WIは58ビット確りとかやってましたんで、これはまあ新発に対してそこそこちゃんとしたニーズが事前に入っていたという事でしょう。
ということで、どうも期末月になったというのにあんまり期末の雰囲気が漂わないどころか、12月償還の新発FBにニーズが確りって所ですので、短い所に対して運用ニーズも強いという感じでしょうか。CPの金利も横ばいモード継続ですし、まあ積み期間が変わる再来週からですかねという感じがします。明日の6か月FBも3月償還だからニーズありそうでございますしねえ。
債券の方は、そもそも世の中がロングなのか買い損なっているのかさっぱり判らん次第でありますので(汗)、期末モードでどっちに行くのやら。とりあえずは勝手に暴れる先物の限月交代まで如何ともしがたさそうな感じっすなあ。
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2008/09/03
メディア的には財政再建堅持なんでしょうけれども、市場は財政再建堅持よりも恒久減税とかを期待してると思うのですけれども・・・あたくしの勘違いでしょうか。
#と思ったらモーサテのコメンテーターも「マーケットはバラマキ批判なんてしないでしょ」と言ってますな(^^)
この状況下でPB黒字化目標堅持とかもうアホと違うかと思うのですけれどもとか言ってるあたくしはレーガノミクス脳ですかそうですか(−−)という話は兎も角。
○またまた相場雑談ですが
昨日の債券市場は10年国債入札があるというのに前場途中からいきなり先物絶賛大上昇。結局前場引けでは先物は前日比48銭も上昇しやがるわ、新発10年(既発対比償還が延びる)は1.5%のオーバーパーになりやがるわという盛り上がらない入札になって、落札結果は1.485/1.489と前場引けの気配のまんまという盛り上がりも盛り下がりもしない結果に。
月曜は債券相場下落でこれは入札1.5%台で買わせてくれるかと思わせてくれました(海外要因も無いし)のですが、先物中心に相場が暴れてくれやがったので結局償還の延びた新発も1.5%割れ水準になっちゃったという事で、この調子で値持ちしちゃいますと中々こう下がらねえなあって感じになっちゃいそうな悪寒。月曜の下げを見たときにはやっぱ1.4%割れはしんどいのかなと思ったんですけどねえ(苦笑)。
まーいずれにせよ、ここの所先物を振り回す人(たぶん海外のファンド勢とそのチョウチン)に見事に振り回されているというか、現物が全然追いつかないのに先物だけ大暴れしやがる(先週金曜は別)という先物劇場が連日絶賛開催中でありますので、この劇場がちょっと大人しくしてくれませんとどうにもこうにもという感じではございますな。
一方、超短い所では足元のGCレートが地味に上昇して昨日もレギュラーのところが56−57くらいみたいで、足元がやや上昇しているのに引っ張られているのか3か月FBのカレントも0.58%に上昇。と言ってももともとが低いから上昇したような気がするんですけれども普通のレートなんすけどね。でも運用ニーズの方は相変わらずと申しますか、10月入ってまた8月のように足元レート絶賛低下とかしやがって運用サイド涙目の展開になるのかおそロシアなのか、新発CPのレートを見てると10月償還物のレートは横ばい圏内から若干の上昇気配なのに12月償還物のレートは横ばい圏内から若干の低下気配という妙な展開になってました。
ということで、足元は為替の関係などで少々ぶれたりするようなのですけれども、結局のところ運用圧力強いという感じですか。あとは中間期末向けにCPの発行がどっちに転ぶかという所なのかとは思いますけれども、短期のリアルな運用資金自体はそこそこ増えてると思われます(ただの勘ですが)し、政策自体が動く事もないのですから、12月の年末越えで上昇するところまで運用を固めておきたいというニーズはそこそこ継続しそうな感じですな。
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2008/09/02
○何か大幅下落しましたな
昨日は株安だし海外市場でそんなに債券が売られた訳でもないのに円債市場絶賛下落の巻。10年入札前だし米国が何ちゃらの休暇(アホ丸出し)だから海外要因でカウンターアタック食らう事も無いしということで売りやすいというのは判りますが、それにしても随分下がりましたです。
どうも10年の1.4%割れを頑張って買うほどの状況にはなってませんという事なのでしょうけれども、月末に掛けて出てきた経済指標も別に良い訳ではなく、ま〜ネタとしてはそろそろ金利下がるんジャマイカという風に皆さん(あたくしだけだったりすると恥ずかしいのですが)思ってた矢先なので、不意討ちにも程がある下げ方ではございました、うーむ。
ありがちなパターンでなのですが、8月は債券インデックスのデュレーションがそこそこ伸びる月でして、インデックス系の買いに対する期待があって相場がやたら値持ちした上に29日は引けに掛けてきっちりと強くなりやがってインデックス運用系の買いにぶつけやがりましたのですが、それらの買いがそこそこあるという認識を皆さんが持っていたので変に相場が持ち上がった分が剥落したというのはあると思いますけどね。
○金先も地味に続落
という長いところの動きもございますが、地味にここもとユーロ円金先が下落したり、OISの金利が上昇したりしているのも何のこっちゃという感じなんですよね。中心限月の09年3月限は先週水曜から昨日まで4打席連続下落となってまして、安値0.800%(実際は99.200ね)まで売られるの巻(引けはちょっと戻してます)となりました。決定会合前の18日には高値0.680%とかいい感じの利下げモードになっていたのですけれども、決定会合以降微妙にヘロヘロの展開です。
金先に引っ張られているだけだと思うのですが、OISに関しても、8月18日の時点では1年で0.47%センター位まで金利低下してましたが、昨日の時点では1年0.515%センター位になっています。ということで、利下げをちょっと織り込みに行ったレート形成から、とりあえずは政策金利延々据え置きという価格形成になりましたな。
ま、こちらは利下げ期待に対して決定会合の全員一致とか白川総裁の講演とかで何となくその期待が冷えたとか、米国のGDPが強くて米国利下げ期待絶賛後退とか、そのあたりの動きがあったんでしょうかねという感じだとは思うのですが、では現物金利はどうなのよと申しますと、1年TBだと18日の引けが0.56%で昨日の引けが0.56%とレートあんまり変わってません(実際は下がって上がってこの位置なんですけれども)ので、まー実際にリアルマネーを動かす人的にはそこまで大盛り上がりしてた訳でもなく、逆に期待が剥落してヘロヘロという訳でもなく確りの巻なのでしょう。
2年カレントですと18日が0.685%で昨日が0.735%(同じ銘柄で比較すると0.720%)となってますので、まあこのあたりを見ますと利下げ期待みたいなもので盛り上がった中短期が期待不発でヘロヘロになったのが全体的なヘロヘロ感になっているのでしょうか、良く判らん。
なお、もっと地味目に言えば期末越えのレートがこれまた全然上昇しなくて、金曜に共通担保オペの期末越えのレートが足きり0.57%に上昇して「応札多いじゃんレート上昇したじゃん」とか思ったのですが、冷静に考えたらそのレートって全然期末モードのレートじゃない次第ですし、3か月カレントFBは昨日やっと0.575%に上昇しましたが、まあこれも期末モードな感じがしませんです。まあこの辺に関しては来週位になったらちったあ盛り上がるとは思うのですけれども・・・・・昨日は新発CPレートが地味に低下してましたし、運用圧力は強いでしょ。
まあどうせ期末に向けてレートが跳ねると外野が五月蝿いでしょうから、そういう点ではやたらめったらオペを打ち込みに来るでしょうねという変な期待はあるでしょうから、またも寝転がり続出でショートファンディングだけ溜まるって足元だけやたら高止まって、ターム調達はオペ頼りってパターンになるんでしょうな。
タームのオペが多いからオペ頼りになって市場調達が活発化しないのか、市場調達が活発化しないからオペをうたざるを得ないのか、まあどっちがどっちなのよという所ではございますが、すっかり「きめ細かい調節」に短期市場が慣れちゃってるのはどうなのよという感は拭えませんけど、一方でTB/FBなどの発行は全然減りゃあしないですし輪番は短いのばかりドカドカ入るので、短期のオペ自体は打たないといけないですから、まーややこしい話ではありますな。
○そういえば輪番
昨日輪番打てば長いところ(多分先物回り)が入って中々結構だと思ったのですが、そーゆー日に限って輪番の打ち込みが無いと言う誠に残念至極な状態。まー正直昔から相場上がってる日に輪番狙って打ってる(そうすると長いのが入らない)のではないかというのがネタとして語られる訳ですが(苦笑)それは兎も角として。
早くて来週、遅くて再来週の輪番からは9月償還銘柄が振替決済停止期間入りする事もございます。10月以降は国債の元利金取扱手数料が大幅に減額されますので、引け値自体は手数料込みの体系じゃなくなりますが、再来週以降の輪番オペで相変わらず短い所の叩き込みが続くようであれば、ちょっと輪番オペの実施方法について技術的な検討を行うべきではないかと思われますが、如何なもんでしょう。
・・・・と書いておかないとあたくしも忘れそうになるので(笑)。
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2008/08/27
○何がどうなってるのか判りません><
月曜相場では先物だけが突如大爆発でストロス巻き込んで大変なことになりましたが、昨日は昨日で超長期入札は順当ちゃあ順当でしたが伸びイマイチの中、またまた先物堅調でよく見りゃ何気に物価連動国債のBEIがまたまたお死にになっていらっしゃる><;
普通市場の動きってあるていど後付けインチキ説明でも「こうこうだからこうなりまして」というような理屈は書けるものなのですが、ここもとの「他市場は何も反応してないのに先物だけ大暴れ」みたいな動きは正直わけわからん。板が薄い中で一部の大口オペレーションに振らされていると言えばそれまでなんですけど、それにしましても何だかねえ・・・・って感じです。
訳の判らないときには海外ファンドのせいにするというのが債券市場の仕様になっておりますので、まあそういう事にするんでしょうけれども、それにしてもこのロジックもへったくれも無い動きには何だか妙なものを感じますです、はい。
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2008/08/26
○市場メモとか
・結局何が何だか判らなかった先物爆上げ
昨日は10時10分過ぎくらいから先物だけが大上昇。現物はいやいやついて来た感じでしたが、後場に入って長期超長期ゾーンは今日の20年ヘッジも入って(戻り売りはあったのかね)ヘロヘロの巻。138円マークしたところでストロスも巻き込んだりして踏みあげ祭りになったみたいですが、何でまたこうなったのかよー判らんですな。判らない時は海外投資家の法則(?)で海外筋のせいにしてお茶を濁すのですけれどもね。
・よく見りゃTB/FBは1年までフラットですかそうですか
昨日というより先週後半の話なんですけど、TB/FBに相変わらず買い確りでございまして、金曜の引けの時点でよく見りゃ3か月のカレントは0.565%の引けになっており、6か月と1年のカレントは0.560%の引けという見事なフラット状態。
・・・・いやまあ確かに足元のGCは0.53−0.54で超安定してますからそれでも足元対比のプレミアムはあるんですけど、中間期末越えの共通担保オペって0.56%足きりとかなんですけどそのレートはナンナンデスカという所です。
運用だけじゃなくてキャッシュ潰しだとか、例によって為替フォワードだとかまあ色々な要因があるんでしょうけれども、このリスクプレミアム皆無な状態はちと如何なものかという感じですな。
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2008/08/19
○金先などが盛り上がって参りました
盛り上がっているのか踏みが炸裂しているのかと言われますとこれがまた訳判らんのですけれども(笑)、昨日はユーロ円金先がやたら盛り上がっておりまして、中心限月の2009年3月限は昼過ぎ(13時過ぎ)頃に0.70%をマークしたと思ったらあれよあれよという間に上昇して高値0.68%まで上昇の巻。その後追随なく0.7%レベルになったので、何か大きめのロスカットが発生でもしたのかねという感じではありますが、「2009年3月のユーロ円TIBORが0.7%」っていうのは金利水準として考えると利下げ期待がないと無茶なレートという事になります罠。
金先は昨日も引き続き足元から中心限月までの逆イールドに拍車が掛かっておりまして、(清算値じゃなくてすいませんが)昨日の18時半ごろの値段で見ますと、2008年9月限から12月、09年3月限までがそれぞれ0.83%(これは概ねユーロ円TIBOR金利に収斂されてますな)、0.745%、0.705%といい感じでインバートが進んでいます。ちなみに06月限は0.735%と12月限対比でとうとうインバートの巻となっております。で、こーゆー動きが起点なのか、他のものが起点なのかは良く判らないのですが、他の所でも何か利下げ織込みチックな動きが。
OISでは6か月とか1年とか先の金利が軒並み0.5%を割り込むの巻になったようで、こちらも先行きの利下げ可能性を織り込みに行くという格好ですし、TB/FBでは先週金曜に入札があって0.59%レベルで決着した1年TB438回債が益々強くなって0.56%出合いとかやらかしておりまして、引けも0.560%の巻。他の銘柄だと発行後1か月とか経過しているので引け値は引け値としてそれがマジレートなのかと言われますと微妙な場合があるのですが、438回債に関しては金曜に入札が行われたばかりの銘柄でありますので、これはまあマジレートという事になろうかと思うのですよ。で、このマジな1年0.56%に対して3か月FBのカレント535回債の引けは0.575%で、まあ普通に0.5725%オファー位のようですので、これもまあ実力と考えますと、3か月と1年でこれまた逆イールド。
金先が無茶苦茶強いので引っ張られている感は致しますが、デリバティブじゃないモロに現物のTB/FBの利回りでまともに3か月〜1年がインバートというのはさすがに何と申しますか、こりゃ中々の動き。ちなみにGCレポレートは昨日のレギュラーの所での翌日物が0.56%あたりに上昇(手前も上昇したみたい)しやがりましたので、あのそのちょっと足元のGC足し算にリスクプレミアムがろくすっぽ乗ってないのですけれども1年TBのレートって・・・という価格形成。1年の0.56%買うのはど〜ゆ〜了見なのやら。
てな次第ですので、これはまあ本当にやらかすのかどうかは別にして、利下げ期待ネタで一発やらかしに行くのかもしれませんなあとしか申し上げようがない展開に。しかしまあデリバティブなら兎も角、リアルマネーの最終投資家レベルで利下げ期待で勝負っていうのはさすがにまだだと思われますけれどもね。炙り出しはまだまだこれからなんでしょ(苦笑)。
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2008/08/18
○長いところは妙に動きましたが
珍しく全然動かないお盆ウィークですなあと思っていたのですけれども、金曜は債券市場大動きの大商い。朝方に10年ゾーンに実弾が出た所、追随の売りが出てみたりして下落。ただまあ売りも単売りじゃなくて時間差入替だったりしますし、下がれば下がったで押し目買いも来ますということで、大下げした後は戻るの巻とか中々あわただしい展開。
まー5年1%割れとか10年1.4%接近とか、そこから買い上げるのはさすがに景気大悪化利下げ織込みにでも行かないとちょっと無理がある水準だったので、誰かが売りに動いたらオレもオレも状態になるのも判りますが、一方で下がったら買いに来る動きもあるということで、結局下も堅いですねという感じになってしまいましたわな。しかしお盆ど真ん中で先物出来高がいきなり前日までの倍を越えるというところが実にアレでございまして、やはり皆さん「お盆休みで取引閑散」とか言いながらちゃっかり仕事しに来てるじゃんという感じです。
一方で金先は相変わらず金曜も強かったりしまして、金曜の引け値で見ますと、12月限は0.760%で09年3月限は0.745%、09年6月限は0.775%となっておりまして、ユーロ円TIBORの3ヶ月もの金利よりも低い状態継続(ちなみに今年の9月限は0.83%)なのですが、金曜は期先限月が軒並み3毛ほど買われておりまして、債券市場の下落も関係ないぜという勢いになっています。
という勢いなもんで、債券市場下落する中で2年ゾーンとか1年ゾーンとかの引けも前日よりレート低下してたりしまして、まあこちらの方は徐々に利下げ織込み祭りの準備が進行中という感じです。短い所に関しては先週後半から報道されているように、日銀が今日明日の決定会合で景気判断また下げますってのが思惑として背景にあるのでしょうけれども。
ま、ちと金先の威勢が良いのでOISとかにも波及してる感じですし、1年TBはちゃっかり0.59%で入札やって引けは0.57%とか堅調そのものの展開になっていますし、短い所をネタにして相場祭りやるには良い感じになって参りましたという点は要注意ですな(^^)。
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2008/08/15
○市場メモ
・閑散ですけど短いところ微妙に日中は振れてましたようで
まあ今週はTB/FB以外の入札が無く債券先物の出来高も昨日やっと2兆円後半になったけど月曜火曜2兆円われとか中々いい感じで商いが薄いのですけれども、その代わりにTB/FBは火曜に2か月、水曜に3か月、今日が1年と3発もあるのは短期担当者はお盆休みを取るなという事ですね、わかります。
という冗談は兎も角として、短めのところってぼけーっと見てると(おいおい)2年カレントとか日中上がったり下がったりしてまして、昨日も引けは0.69%とかでしたけど、68になってみたり70になってみたり、まあちょっとした投資家さんの動きで反応しているという面はあると思いますが、2年の0.6%台後半まで来ると売る人買う人思惑が出てきますねという印象を受けました。
・短い一般債がやたら無い件について
これはまあ昨日今日に始まった話ではないのですが、ここもと特に顕著なのは1年以内の短期ゾーン扱いされる部分の一般債が在庫払拭モードになっている事でしょうか(一部の超嫌われ銘柄群に関しては全く別ですので念の為)。
これはまあ毎度お馴染みの如く1年未満になると短期公社債投信を中心とする短期リアルマネーの買いがあるVS売る人が少なめという状況の他に、短期資金の運用を他のところでやっていた資金が流入して需給をよりタイトにしているような感がございます。そこへ来てここもとは円転の為替スワップがワークして1か月のタームで0.4%台とかになった人たちが金イラネ状態になり益々運用難になっているという流れのようで。
どうも(真面目に検証した訳ではないですが)1年以内の短い所(債券投資というよりは短期資金運用扱いされる部分)に関して以前から比較してプレーンな商品へのニーズが高まっている感じが致します。基本的には高格付け発行体の社債とかCPとかになると思うんですけれども。背景にどういう流れがあるのかは色々想像してますけれども、まあ妄想の域を出ないの割愛しますけどね。
・地味に1年TB入札
本日の1年TB入札は来年8月償還。TBの引値を見ますと来年の4月償還から7月償還まで0.56%で並ぶわ、多分ショート銘柄になっている435回(5月償還)は0.52%だわということで、地味に3か月FBのカレントよりもレートが低くなるという素敵な価格形成。
ではマーケットが本気で利下げを意識しているかというと多分そんな事はないのです(と思います)が、同残存(5日くらい違いますが)の利付2年が259回債で0.61%の引けとかやっていますので、今日の場合は0.6%近辺なのかもうちょっと流れるのかで、現状のニーズというか市場のレベル感が測れるかなあと思います。
#全然別の話ですが2年264と269のショート銘柄っぷりは何とかならんのかと思います
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2008/08/14
○3MFB入札堅調
昨日は3か月FBの入札。前日の2か月は10月2日足という事で、よくよく考えたらこの銘柄償還まで持つと9月末越えの所は振替停止期間入りしているので担保に使えねえという問題もありますわなあという(ただまあ償還までのレポとかやろうと思えば出来ますよね)お話もあるのでイマイチ入札でしたが、昨日の入札は実に順当な結果で前回入札と同レベルの結果になりました。
相変わらず円転は効きまくってますし、その影響なのか知りませんけれども1年以内の高格付け一般債とかもやたらニーズあり、CPレートも足元中心に低下(さすがにもう限界だとは思いますが、上昇する気配なし)と来てますので、FB堅調もまあそうですわなという所なのでしょうね。引き続き超足元の資金状況はじゃぶじゃぶさんということで。
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2008/08/13
○2MFBが0.6%だったりした件とか
昨日は2か月FBの入札。発行日は積み最終(年金定時払いにぶつけているのだから当たり前ですが)で償還が10月2日と末越えの残高稼ぎには丁度良い商品ですが、ロールも無いので投資的にはイマイチ使いにくいし、そもそも末残調整をする時期でもないという事もありましてニーズがイマイチのようでしたな。
前場引けの時点で0.595%出合いとかなので、まあ足きりが0.6%に届いたのも仕方無しという感じですけれども、期内物に対するニーズやキャッシュ潰しの勢いに対して思いの他ぱっとしませんでしたねという所で。
今日の3か月FBは通常の入札なのでこっちの方がニーズ来るのでしょうとは思いますが、レギュラーの受渡ベースで積み最終を抜けた所でどうなるのかねというのは少々。積み最終の週末にFB発行日要因があって15日スタートのGCは0.56−57に上昇してましたが・・・・・
一方でCPのレートが益々低下してたみたいですが、この時期は発行体が夏休みに入ったりする中なので、運用圧力が強いと需給がいきなりタイトになるの巻になっちゃいますけど、3wとか1Mあたりの高格付けネームで0.57レベルとかさすがにそれはちょっとあのそのGCレートとか考えた方が(まあ今日からまた下がるかも知れませんが)宜しいのではないかと思うのですけど、いくら需給がタイトで物無し状態とは言え。
などと昨日の超短い所のクリップでした。中長期の昨日一昨日の動き(10年超がアホのように強くなったと思ったら昨日の後場に中期がいきなり切り返した件)は正直ワケワカラン。
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2008/08/11
○短い所の相場雑談
・金先
金曜の金先ですけれども、9月限は0.83%と変わらずなのですが、12月限と3月限は上昇しやがりましてそれぞれ0.78%に0.775%とTIBORのレートをちゃっかり下回るレートだわ逆イールドだわというこれまた結構な展開になっております。何か勢い余ってショートカバー大会とかいうのもあるのですが、その他資金取引の中での需給問題とかもあるらしいです、よー知らんが。
・TBFBとかCPとか
キャッシュの金利もまた低下の巻でして、期内ものは殆ど0.52%の引けで、9月29日償還の525回でやっと0.53%ということで、先月末くらいまでGCが0.54%近辺で安定推移していたことを考えますとそりゃもうエライコッチャなのですけれども、足元GCも0.51%近辺ですし、この辺のFBを売る人がいない(売ってもその後のキャッシュの処理に困る)という状況ですので、まあそんなレートになるのよねという所で。まーこれぞまさにキャッシュ潰しって感じですけれども、これがどういう感じで反転するのかイマイチ良く判らんですわな。
より長いところですと、3か月カレントの533回が0.57%、6か月カレントの532回が0.58%と見事なイールドフラット状態なのですが、より長いTB436回(10か月もの)が0.56%でTB437回(11か月もの)が0.56%という引け値になりやがっておりまして、ええもう6か月から後ろが(TB/FBだけですが)逆イールドですよ先生という状態。ついに現物でもやりやがりましたねという感じです。
今週は2か月の入札とかもあるんですけど、この状況でちゃっかり消化しちゃったりするんでしょうか。10月頭の償還で、純粋に新発というのが微妙っちゃあ微妙なのですが、さてどうなることやら。
CPに関してはまあレート下がりましたねという所ですが、イメージとしては既に短い所ではそれなりにスプレッドが詰まっていたのでそうでもなく、ここもとの金利低下はやや長いところのレートと短い所の銘柄間較差を潰しに行ってるような感じなのですかね。代表的なその他金融銘柄の3か月もので前週末に0.79%−0.80%近辺だったものが、先週末0.73%-74%という感じでしょうか。この辺りの金利が一番下がった感じが致します。
まあしかし金曜の朝は2年0.67%テイクンとか中々豪気な展開になりまして、大変にこういい感じの踏み展開でございましたよ。まだ戻り売りみたいなのもあるだけ祭り成分が不足していますが。
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2008/08/08
○何か短い所が益々堅調なんですけど
昨日も短い所堅調の巻で、引け値ベースでカーブを見ると1年から3年のゾーン最強という素敵な展開でして、TB/FBの引けを見てますと、9月29日償還のFB524が0.535%で、その手前は9月償還が0.53%で8月償還は0.52%という有様。いやまあお馴染みのキャッシュ潰しって奴だと思いますが、足元のGCレート低下にここまで付き合うとは恐るべしとしか申し上げようが無いです。
などと思ってもうちょっと長いところも見る訳ですが、今週入札があった3か月FBの533回(11月10日償還)が0.575%で、6か月FBの532回(来年2月10日償還)が0.585%なんですが、先月発行された1年TBの437回(来年7月21日償還)が堂々0.58%の引けになってまして、まあ入札実施されてからの日数が違うから一概に比較できませんが、イールド的にはフラット状態になっておりますわな。
#というか来年3月償還のTB433ってショートカバーだとは思うのですが、引けが0.485%とコール誘導目標切ってるんですけど・・・・・
まーここもとのQKK地合いが絶賛拡大中って話でしょうけど、こりゃまた凄いですねとしか言いようがないです。まだ続くのかいな。
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2008/08/07
○金先が久々に逆イールドになっている件
昨日は株高だというのに債券は上昇するは短期の金利は軒並み下がるわという実にハートウォーミングな展開になっておりましたが、そんな中で金先の逆イールドが復活しておりまして。
清算価格いくらだか知りませんが(とやる気ない状態で恐縮ですが)昨日の夕方5時半位の値段を見ますと、9月限が0.830%(実際は99.170なんですがレート表示しますね)の12月限が0.815%。09年3月限が0.815%で6月限が0.835%となってまして、09年6月限の所で順イールドになっているのが惜しいのですが(笑)、9月限に対して年末越えの12月限とか3月末越えの3月限(まあそれを言い出すと9月限も期末越えですが)に対してレートが低いという素晴らしい展開。
まー金先ですので毎度おなじみの如く勢いでやってる面はあると思うのですが(OISはまあ殆どフラットですけど一応順イールドっぽいのでそっちは冷静)、それにしても金先の期近と期先が逆イールドって4月18日以来(念のため申し上げますと、この頃も金先の4限月目だけは順イールドでした。何でじゃろ^^)の巻でございまして、あの当時というと3月までの市場無茶苦茶状態が何となく脱却して、米国の利下げ停止観測が強まったという感じでしたね。
とは言いましても、まだ現物のTB/FB金利はそこまで行ってません(だからOISもそこまで行ってないのですが)ので、まーこの金先は勢い余ってやっちゃいましたになるのか、現物に波及するのかは今後のもっと長いところ(2年)とかを要ウォッチでございますな。ちなみに4月18日は3か月FBカレントが0.575%、6か月FBカレントが0.550%、1年TBカレントが0.545%、2年利国カレントが0.645%という感じでしたんで、まー現状よりも全然金利低かったという所です。
○FBが昨日も堅調だった件と輪番オペの件
そういや昨日GCの話とか書きましたが、一昨日はレギュラーのGCが0.50−51まで下がっておりましたようで、円転地合い恐るべしというところですわな。いやはや何とも。
まーそんな流れもあって、一昨日からいきなりやってきたQKK(急に金が来たので)攻撃によりまして期内物のTB/FBは昨日はとうとう軒並み0.54%ビット状態になりまして、CPも全般的にレート低下。一昨日の6か月FBが入札で0.60%を割り込んで引けは0.585%とかでしたが、昨日の3か月FBも0.575%レベルでの入札になりまして平均0.5755%で足切り0.5784%といやまあそんなもんかも知れませんけどこれ一応9月末越えてるんですけどねえってレートに。
しかしながら、需給には勝てませんですなあという所でして、円転地合いで海外勢のファンディングが無いですなって状況が今回はちと長めになってきてるので、税揚げとか通過して様子見地蔵をしてる訳にも行かずにQKKとかあるのでしょうかねえというイメージで。正直よく判らんが(おいおい)。
で、そんな地合いですので、東京レポレートは昨日公表分のS/Nがストンと2bp下がったんですが、資金需給的に不足ということで昨日もまたトムスタート8000億円のスポットスタート8000億円の共通担保資金供給堂々の打ち込みが実施されやがりまして、当然ながらトムの4Wは0.53%1本値になるわ、スポットの10月末足は0.565/0.56に低下するわと、いい感じで低下地合いに追い討ちを掛けております。いやまあ資金需給見ながらオペ打つとど〜してもこういうことになっちゃうのは判るんですけどねえ・・・・・
オペつながりで余談ですけど、相場が上昇した日に堂々の輪番打ち込み攻撃でございましたので、昨日の輪番はどうみても期近債打ち込みでしたね。国債買入といいつつ、同じ日に打ち込んだ共通担保オペよりも足が短い(えーっと厳密に申し上げると1年TBに償還乗換をするので実質的な足もう1年ほど先ですが)資金供給ってどこがどう長期的な資金供給なのか意味不明にも程があるのですが。だいたい以前から輪番のタイミングが相場上昇の時が多くて本当に長期債買う気あるんかいなと陰口を叩かれる事もありました(基本的に相場が上昇すると短いものが打ち込まれるので)輪番ですが、9月以降の振替決済機関に対する元利金取扱手数料の減額が行われても状況が変わらない場合、運用の方法を変える必要があるんじゃないですかとは思われますけど。
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2008/08/06
○FB6か月入札が強かった件についてなど
昨日はFB6か月の入札。前回の6か月もの(つまり5か月もの)が0.60%オファーとかやっていた筈なのですが入札の方は0.6%を割り込む(0.5981%)妙に確りした入札になりまして、足きりは0.6%台に乗った(0.6021%)のですが、按分2.8%とかで極薄となりました。どうも市場観測では発行量3兆円に対して不明札が1.3兆円あって1社で1.1兆円落札したお方がおいでのようでございまして、どこぞに大口のニーズがあったんでしょう。で、入札が妙に強かった事もあってショートカバーで0.585%まで進むの巻となりやがりました。えーっとあのその新発って期末と年末を跨ぐんですけど・・・・・
まあ一部大口買いの人の懐具合は良く判りませんけど、ここもと超足元では為替フォワードの関係で調達圧力が低くて、GCレートが月末月初以外では0.53〜54に張り付いており、運用に関しても月末直前あたりからCPレートなどの上昇が止まって低下気味に推移という状態。そんな状態なのに何故か月曜はトムスタートの本店オペ2本で1兆4千億円とか運用側涙目の供給が打ち込まれておりましたんで、まあ(0.585%の6MFBはちとやり過ぎ感が漂いますが)どっかで運用圧力が顕在するのかなあという感じではあったのですが、それにしてもちと威勢良すぎ。
この前金融調節に関するペーパーをご紹介する時にちと申し上げたと思うのですけれども、先日ご紹介したペーパーとか見てると最近の日銀は即日オペの実施をわざと避けているのじゃないかという感がするのですが、当日の地合いってのは(特に最近のインターバンクとかは為替要因とか、バンキングのALM要因とか妙なモノが効く事もありますので)当日にならんと判らん部分もありますんで、即日オペで微調整すりゃ良いのにと思うんですけど、何か先日付のタームオペで完結させようとするからイベント(月末とか期末とか)前のタームの需要が逼迫する時に供給オペが実施されず、逆にイベント通過後の足元金イラネというタイミングで何故か供給オペ大打ち込みという変な展開が目に付くんですよね。
いやまあ最初から放置プレイで昔のECBみたいにメインリファイナンスオペレーションだけっていうのならそれはそれで良いのですが、どうもオペの打ち方を見てると”コール翌日物以外の”レートの上げを放置したり下げを加速させたりしてるようにしか見えないですわな。え、無担保コール翌日物以外まで気にしてられませんというのはあるかも知れませんが、もうちょっとその辺の要因もご勘案賜りたく存じます。
もう一つ気になるのは、タームオペを多く打っている事によって、参加者がオペ待ちで口をあんぐり開けてる状態になってやしませんかという論点でありまして、特に長いタームのGCのオファーって本店オペに参加してれば別にマーケットでしゃかりきになって取りに行かなくてもじゃんじゃん打ってくれますので、皆さん揃って日銀のオペだらけという状態になってるように思えるのですが。ターム取引の活性化をしたいというのならタームオペをじゃんじゃん打つのもどうなのよという気はせんでもないです。もうちょっとその点に関しては掘り下げて考えないと結論でませんけど何となくね。
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2008/07/30
○相場雑感メモ
・CPレート落ち着く
昨日はスポ末でして、今月スタートCPの発行はほぼ出尽くしたのですけれども、今週に入ってレートの方は落ち着きの気配。昨日もレートは基本的に横ばいで、上位発行体の期末越えではレートがやや低下するものもございましたなという結果に。運用したい人の月末残高調整ニーズもありますので、月末スタートは(最終的には銀行CPディーラーの懐具合に左右されるのですが)運用したい人の残高調整圧力で低下するケースがままあるのですが、先月に関してはその低下が見られずでした。今月に関してはそのあたりが通常ペースに戻った感じですので、まあ落ち着きましたねという結果。
FB3か月は0.58%オファーとかやってます(今日も入札あり)が、期内物が0.555%あたりという感じでして、期末越えのプレミアムはこんなもんちゃあこんなもんかも知れませんが、CPのレートに関しても昨日の動きを見てますと期末越えの高格付け銘柄に人気があった感じでして、期末越えのプレミアムがやや潰れに行く感じが漂うの巻でもあるのでございました。
ということで、運用したい人も多い(というかレートの上昇で運用したい人が出てきたのかもしれませんが)ようで、今月中盤から妙にじり高モードで推移していたCPレートも落ち着く感じになったですねという所で。
・メリルのなんちゃら
正直よく判らんのですが、本当の本当に抜本的処理になるなら結構なお話ですし、どっかの国のどっかの金融システムの事例のように、小出しの損失処理ならいつか来た道になるんでしょ。という内容の評価に関してはあたくし判断いたしかねますが(こら)、一応書いてみるテストなのれす。
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2008/07/24
○FBは平穏な入札といえば平穏でしたが
昨日はいつのものように3か月物のFB入札が実施されまして、平均0.5816%の足きり0.5844%でございました。先週の3か月は平均0.5803%の足きり0.5828%(その前の週は0.59%台)でしたので気持ち上昇した程度で平穏平穏。
なのですけど、落札結果発表後から平均落札で出合いがあったあとに結局足きり水準も出合ってたみたいで、引けは0.5825%オファーの0.585%ビットで特に盛り上がりもなく(というかやや盛り下がり)の結果。一方でFBゾーンに関しては、期内償還物のニーズがやたら確りしているようで、9月償還物が概ね0.55%台という水準で推移。2wから3w程度の共通担保オペが足きり0.53%(なので札入れたければ0.54%)で推移して、足もとのGCが0.52−53%辺りで推移している(と思ったけど)という状況ではありますので、こんなもんちゃあこんなもんなのですが、期末越えの微妙な感じとは少々温度差がある感じ。
で、この前もお話したと思いますが、CPレートに関しては相変わらず微妙に下がりにくい状況になっていて、ほぼ最上位クラスに相当するネームの発行体さんの出す1mあたりも堂々0.6%台半ば近くでの推移と、FBとの利回り差が割と開いた状況が継続中。
などという状態をつらつら考えますと、足もとの資金には余剰感があるものの、その金というのはあくまでも待機資金みたいな性格で、短いFB(とGC)にしかニーズが来ないのねって状況は継続してるのでしょうな。FBの短い所だったら金作りに売りに行っても別に大きく食らうことも無いですし、オペに突っ込んで金を作る事もできるし、僅かとは言え一応足元からは鞘抜けてるしという所なんでしょうかね。
まー目先日本の金融政策が動くとは誰も思っていませんので、OISのカーブとか見事にフラットしていますし、足もとの需給だけでしか動かんという状況は継続しますし、その足もとの需給って正直ワケワカラン大手バンクさんの資金繰り要因とか為替市場での円転コスト要因とかで動くので、中々気合が入らない相場ですなあ。今の状況からすると足もと余剰ですが、また期末越えとかの話が出てくると盛り上がるでしょうから、そこまでは自然体自然体っと。そういえば余談ですけど、この前どっかのレポートで「年末越えを含む期間のOISレートは高くなるべきなので裁定機会がある」とかいう馬さん鹿さんな文書を読んだのですが、OISの価格は何をリファレンスにしているかを思い出し、そのリファレンスレートが年末越えの所でどういう数値になっているのかを検証してからレポート書けよこの(自粛)と思ったのはここだけの話でございます(^^)。
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2008/07/18
・CPレート上昇一服
ここの所CPの発行が償還よりも多い日々が続いておりまして、需給がやや緩和気味に推移しているCPでございますが、今週は日々徐々に発行レートが需給動向を受けて上昇してたんですよね。
いつもですとこの時期は6月の資金需要期(納税と賞与という決算資金需要)を抜けてCPがめでたく償還されて需給がタイト気味に推移するというイメージがあったのですが、ここもとのCP発行が減らないどころかちょっと増えているのは、やはり原材料価格上昇などに伴う所要運転資金の増加に起因するんじゃないのかなとか思ったりもするのでありますが。
ただまあ今週の為替動向によって円転が効いておりまして、そのお金はGCやらFBなどの国債方面には向かっておりまして、GCレートなどは絶賛低下しておりましたので、GCやFBとCPの動きが逆になっているのが一部方面では微妙に話題になってました。
ただまあさすがに連日ジャンジャン上昇するというのもアレでしたということで、昨日に関しては上昇一服の香りが致しますが、さてどうなることやら。CPの発行推移に関しては暫く注目かもしれませんです。
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2008/07/14
○CPのレートが中々下がらない件について
金曜はスポットが15日でCPの発行がそこそこ。で、その発行レートですが、レギュラー16日スタートのGCレートとかはお約束のように低下してるというのにこっちのレートは横ばいから若干の上昇気配。
中々下がらないのはだいたい需給問題であることは(というかCPの場合基本的に需給が殆どですが)間違いないのですけれども、ここもとちょっと発行が増えてる感じでありまして、資金調達の多様化を図っている動きなのか、それとも資金の効率化によって両建てが圧縮された分だけCPなどでの超短期的な資金に対するニーズが高まったのかという所なのかと思いますが、まあ一頃需給がやたらと良くて何でもかんでもFBにレート接近してたことを思うと正常化してますねって感じではないかと思います。
CPの発行が増えているのが企業の前向き資金需要が旺盛になっているせいとは到底思えない状況でございますので、まあ単に超短期資金の出入りをCPによって補うという動きが出て来たんですかねとか思うのですけれども、手元流動性が何気に圧迫されているんだったら、それは少々やーな感じではございますわな。どうなんでしょ。
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2008/07/11
○予定調和のような展開について(GCレポとか短期レートとか)
積み最終にかかるあたりになってGCレポレートが上昇。昨日のレギュラーネクスト取引は60に接近しやがったようなのですが、もう何か最近の動きって予定調和というか何と言うか、あまりにもお約束どおりにイベントになると跳ねるの巻でして、まあ要は資金の大口出し手先生が積み進捗を金利水準見ながら機動的に操作とかちゃんとやってるんかいなと甚だ疑問を感じざるを得ない動きをしてるんでしょと言いたくなる展開。
期末もそうなんですが、先日実施された共通担保オペの期末越えとか全然期末プレミアム(どころか途中のレート上昇も)を意識しないレートでの決着になってましたように、4半期末毎にイベント発生モードになるのですが、途中延々と「今回はイベント無いんじゃねえのか」と思わせるような展開が続いた後、最後の最後にいきなりお祭り状態になって跳ねるとか、もう何という機械的な動きなのよと思うのであります。
となりますと、レート形成的にどうなるのよと申しますと、まあそこまで極端にレートに反映してはいないと思いますが、実際問題として償還再投資の事を考えますと、4半期初に償還が来るものに投資してもイマイチ割が合わないぞ(4期末イベント通過するとレートがいきなり低下するので再投資の環境が悪い)となり、逆にお祭りになってそうな9月後半(末だと遅すぎ)足のものはニーズありますなあという話になるんじゃねえのとか思うのです。それがレートに反映してくればそれはそれで今度は10月足でも良いんじゃねえのとなるので、それこそ市場の価格形成っぽくなって良いのですが(^^)。
でもまあどうせ9月末も6月末と同じで9月の頭あたりには「今月期末月でしたっけ」というような展開になってたのが急に誰かが大口で資金供給オペをガメ出してレート上昇ってなるんでしょうねという事で。
やっぱ参加者のメガ化で市場が一方方向になりやすいってのは困ったもんだわと思う今日この頃(前からそう思ってますが)なのでありました。
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2008/07/10
○相変わらず先物周りのカーブが妙な件
別に今日に始まった話じゃないんですけど、相変わらず気になるので・・・・・
昨日の引け値ベースで見ますと10年265、6回(2014年12月償還)から10年277〜9回(2016年3月償還)の引け単利がだいたい1.29%あたりで並んでいるのであります。イールドカーブを引くとこのあたり大体横になってしまう訳ですな。で、もっと細かく見ると先物チーペストの273回ゾーン(272、3回)の所が手前の270、1回の所とインバート(逆イールド)した状態になっておりますわな。
3月の大閉店相場の時に5年カレントとチーペストがインバートして、ついでに言えばチーペストとその手前が壮絶にインバートしたという事例がありましたが、今回の場合ポジションの巻き戻しでそうなったという訳ではなさそうな所が侘び寂びを感じさせるものでございまして(何のこっちゃ)、まあ先物限月交代絡みでいきなり変な動きがあった余波とか、どうも260回台後半の需給が良くないのでその影響で6年半位が後ろに対して安いままになってしまっているのかという所らしいのですけれども、一体全体どうなっているのやら。
めんどくさいから単利ベースで(この辺の銘柄のクーポンは大体似た所にいるので単利比較で勘弁)比較しちゃいますけれども、よーするにこのゾーンってロールダウンを全然しないカーブ形成になっている次第でして、例えば同じ1.4クーポンで比較すれば10年275回(2015年12月償還)が1.295%の引けで10年266回(2014年12月償還)が1.285%の引けと、1年持っててロールダウン1bpしか無いの巻。キャリーしか入って来ないという素敵なカーブ(最早カーブではないが)ではございます。
・・・・という状況続いてるのって先物限月交代あたりからでございましたっけ。あたくしもここの形状を常にチェックしてた訳じゃなかったりするので(汗)妙になっているの何時ごろかと言われますとご教示賜りたいのでありますが、普通だったらこーゆーカーブ形状ってのはカーブの歪みを裁定する動きが登場して是正されるもんだったのですけれども、相場が上がっても下がってもあんまり是正される雰囲気が漂ってこない(どころか相場が上昇してまたインバートとかになってるし)というのはどういう事じゃろって感じです。
要は市場の中で裁定取引みたいなのをやる参加者が相変わらず弱っていて、価格形成が需給要因で歪みやすい状態が継続しているという事の証左なのでしょうねえと思うのですが、市場参加者の元気が戻って裁定取引みたいなのが復活してくるかどうかを見るバロメーターには丁度良いのかなあと思いながらちょくちょくこのゾーンをヲチしたいと思います。
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2008/07/09
お題「オペレーションに関連するお話を少々」
米国市場は毎日大変ですなあ(棒読み)。
○BISのレポートですがどう見ても本邦経験済みです
こんなのがありましてですな。
http://www.boj.or.jp/type/release/adhoc/bis0807a.htm
BISグローバル金融システム委員会(CGFS)報告書の公表について
報告書の要旨を日銀が仮訳してたんで取りあえず斜め読みしとった訳ですが、2本目の「Central
bank operations in response to the market turmoil(市場の混乱に対する中央銀行のオペレーション)」って奴でも(PDF3ページ)。
http://www.boj.or.jp/type/release/adhoc/data/bis0807a2.pdf
『米国のサブプライム・モーゲージ市場の危機によって引き起こされた2007 年のクレジット市場の混乱は、金融機関のバランスシートに圧力を与え、資金の調達制約やカウンターパーティリスクを強く認識させる事態を引き起こした。これはかなりの期間にわたり短期金融市場に不確実性をもたらしたほか、主な通貨のタームもののスプレッドを拡大させることとなった。』
最初の部分を日本の金融混乱に置き換えても全く同じ話でございまして(^^)、この期に及んで何を研究しとるんじゃと今更感も致しますが、まあやらないよりは良いことです。で、どういう問題が生じるかという部分はスルーして結論部分を。
『報告書は今次経験から引き出される結論と並び、以下の7 つの提言を纏めた。』
ということで提言があるのですが、色々と雑感が湧き上がって参りましたのでその辺をダラダラと(汗)。
『1. 金融市場におけるストレスが強まる際には、中央銀行準備に対する需要が不規則に変動する、または、中央銀行による異例の資金供給が行われる結果、政策ターゲット金利の制御が難しくなる。金融調節の枠組みはこうした事態に対応できなければならない。』
日本の場合は最後にはゼロ金利政策だの量的緩和政策だのを打ち込んでしまいましたので金利ターゲットの制御そのものは関係なかったんですが、どちらかというと問題は次の2.に相当する部分になるのかとは思います。
『2. インターバンク市場の機能が低下する際には、中央銀行準備がそれを必要とする市場参加者に十分行き渡らず、市場の緊張が一段と高まることがある。こうした状況の下で準備を市場のすみずみまで行き渡らせるためには、オペの対象先を広くし、多様な資産をオペの担保として活用できなければならない。』
日本の場合は「いわゆるCDオペ」の実施などもございましたが、要は担保政策をどうするのかという部分が非常に重要ですよねというお話。オペの期間ってのも重要だと思いますけど。ま、何と言いましても共通担保オペ最強ということでございます。
『3. 金融市場の大きな混乱が生じ、流動性が枯渇した場合には、金融政策の効果的な伝播と金融システムの安定性が阻害される可能性。そうした状況の下で中央銀行は、単なる準備需要の増減、または、準備の偏在への対応を超えた金融仲介に乗り出す用意が必要。』
1.+2.みたいな話ですか。
『4. グローバルな流動性融通機能が低下する可能性を踏まえ、中央銀行は対応を準備しておく必要。国際的に活動する金融機関の外貨調達が困難になる場合には、中央銀行間のスワップ取極を利用して母国中央銀行が外貨を調達することで、当該金融機関に外貨を供給することができる。海外にある資産を担保として中央銀行が自国通貨を貸し出すことも選択肢。』
ということですが、所謂ジャパンプレミアムがどうしたという時には他の主要国の中央銀行様は協力してくれてましたっけとか思うと、ちょっと釈然としないところはあるんですけどね。日本だけ海外からふんだくられっぱなしじゃねえのかと。
ま、それは兎も角、外貨資金繰りがキモになるのは仰せの通りで、まあ海外が儲からない(儲けられない?)とかいうのもありましたが、海外から絶賛大撤退の巻になったのはファンディング大変でそれどころではないというのもあったでしょう。資金繰りは大事だよと。
『5. 金融市場のストレスが高まった状況の下では、中央銀行の行動に対する誤解は重大な結果をもたらす可能性。これを踏まえ、中央銀行にとっては一段と丁寧な市場・プレスとの対話が必要。』
日本の場合は(確かにまあ過去の実績が悪影響を与えている面が多分にありますが)日銀と言えば何でもかんでも金融引き締めをしたがるという前提の元で理解が行われて報道されるとか、日銀への批判論調が組み立てられるというのが困ったもんでございます。市場関係者の筈なのに「日銀のオペレーションがヘタクソだから中国株が暴落した」と無茶な論理を言い出す人とかもいる位ですから(って覚えてますか?)オソロシス。
『6. 金融市場のストレスが高まる際には、中央銀行の貸出ファシリティの利用に伴う悪評により、そうしたファシリティの有効性が低下する可能性。中央銀行は、悪評を緩和するため、関係者による制度の理解を高めるよう努力すると同時に、ファシリティのデザイン上工夫の余地がないか検討すべき。』
これね、日本でも金融機関の中にお危ない所があるだの何だのと言われている時には期末のロンバート利用を避けて高いファンディングをしてたと思われる動きがあった筈(だいぶ記憶が怪しいですが、あたくしの過去のログをたどると見つかると思います^^)です。ロンバート使うと日銀からの借り入れ扱いになっちゃってバランスシートに出てくるのを避けるために市場調達するの巻って話でございますな。
ということで、まあ期末みたいなバランスシートどうのこうのというタイミングでも貸出ファシリティが円滑に機能するかどうかってのも重要な論点になろうかと思います。現在の日本だと期末にロンバート使うこと自体は屁でもなさそうですが、それは金融機関経営に対する問題が市場のネタになっていない(のでインターバンクでの信用収縮は観察されない)という面も寄与してる可能性もありまして。工夫という面では貸出ファシリティと通常のオペレーションを勘定科目上同じになるようにする(とバランスに出てきてもどっちなのか判らないですから^^)というのはどうなんでしょ、と書いてて良く考えたら各国の貸出ファシリティって勘定科目上の処理どうなるのでしょという話を調べていないことに気が付くトンマなあたくし。
えーっと、今は共通担保オペレーションもロンバートも勘定科目上は一緒の扱いになるんでしたっけ(さっきの話の時は手形オペとかの時代だったのでロンバートを受けるとモロに勘定科目上判ってしまうのでありました)。どっちも日本銀行による貸付ですよね。
共通担保オペの基本要綱(http://www.boj.or.jp/type/law/ope/yoryo33.htm)
ロンバートの基本要綱(http://www.boj.or.jp/type/law/ope/yoryo20.htm)
『7. 中央銀行が市場の機能不全に対して行動を取ると期待されれば、市場参加者の慎重に流動性を管理しようとするインセンティブを弱めるといったモラルハザードを生む可能性がある。中央銀行は流動性を供給するに当たってはコスト・ベネフィットを推し量るべきである。』
これはまー仰せの通りでして、米国様の場合でも「グリーンスパンなら、グリーンスパンならきっと何とかしてくれる!(AA略)」状態になってた節がある時代もありましたなあ(遠い目)というのもありましたし。
○先日の訂正をば(これもオペがらみ)
オペがらみの話と言えば、先日国債の流動性供給入札に関してうだうだと書き物を致しました部分にどう見ても事実誤認部分がありましたので謹んで訂正させていただきとう存じます。過去ログも忘れないように訂正しないといけませんね(でも過去ログは平日いじってるヒマが無いので休日にでも)。
http://www.boj.or.jp/type/law/ope/yoryo30.htm
補完供給を目的として行う国債の買戻条件付売却基本要領
『1.趣旨
この基本要領は、金融調節の一層の円滑化を図るとともに、国債および資金決済の円滑確保にも資するとの観点から、本行が保有する国債を市場参加者に対して一時的かつ補完的に供給することを目的として行う国債の買戻条件付売却を実施するために必要な基本的事項を定める。』
『5.売却の決定
売却は、売却対象となる国債の流動性が著しく低下していることが懸念される場合において、その影響が市場全体に波及する惧れがあるなど、本行が金融市場の情勢等を勘案して適当と認めるときに実施する。』
ということで、まあ趣旨的にはスクイーズによって、あるいは自然災害等において国債決済が円滑に進まない場合に補完供給行うという趣旨でありますので、イールドカーブ云々とか書いたのは筆の滑りです。どうもすいませんm(__)m
「売却対象となる国債の流動性が著しく低下していることが懸念される場合において、その影響が市場全体に波及する惧れがある」っていうのは、この制度導入の頃って先物のチーペストの玉締めに関する思惑で先物やらチーペストの需給がおかしくなったりする事案が起きてた頃でもありますので、先物のチーペスト絡みの需給も意識してるんでしょうかなっていう感は致しますが。
ちなみにチーペストのスクイーズ騒動って近い過去だと#161、#163事件と#192事件が著名、って全然近くないですかそうですか(^^)。
それよりもっとアホウな事実誤認はこちらにありました(超大汗)。
http://www.boj.or.jp/type/exp/ope/opetori11.htm
国債売現先(国債補完供給)の取引概要
『(2)実施要件
○ 金融市場の情勢等を勘案して入札の実施を決定します。
○ 当面の間、具体的には、以下の2つの場合に実施する予定です。
(a) 原則として、1銘柄につき3先以上から入札の実施の希望を受けた場合
(b) 災害や大規模なシステム障害の発生時等、金融市場の情勢等を踏まえ、日本銀行が必要と認める場合』
えーっと、先日は2社とか書いてしまいましたが、3社の間違いでした。自分でやったことないもんだから(言い訳)いつの間にか記憶がおかしくなって理解しておりました。平にご容赦をm(__)m
ということで、記憶に頼ってだけではなく、ちゃんと根拠となる元文書にあたるという動きはいつでも大事ですねという事でして、通常のお仕事にも通じるお話(業務に関連する法令諸規則をきちんと確認するとか)であると思うので自戒を込めて。
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2008/07/03
お題「チョー相場雑感です」
原油高オソロシス・・・・・・
○先月の輪番
6月末現在の日銀保有銘柄別残高が公表されました。
http://www.boj.or.jp/type/stat/boj_stat/mei/mei0806.htm
5月末はこちら。
http://www.boj.or.jp/type/stat/boj_stat/mei/mei0805.htm
でまあざっくり計算した訳ですが(あたくしが適当にエクセルと電卓で計算したものなので本人はちゃんと計算している積もりですけど内容無保証でお願いします)、6月に増加した銘柄(減少した銘柄があるけど、これは買入消却に応じた分でしょう)の増分を全部たすと1兆500億円ちょっととかになりますので、残りの1400億円程度は輪番で買入した途端に償還になったのですね。
とは言いましても、買った銘柄殆ど全部期近債というワンダホーな状態からはマシになって良かったですね(棒読み)というところでございましょうか。でもまあ短いものばかり入るのは相変わらずでありまして、残存2年超(2009年6月償還以降)銘柄が入っているのが5年57回以降と10年230回以降でして、まともな(?)長期ゾーンで言えば10年263回(2014年9月償還)以降の1817億円で、さっきの230回と5年債を合わせて2375億円と相成ります。輪番1回分(にもならんが)という感じですな。
・・・・・まあ結局2年ゾーン以下が入っていますねという状況でございますのであんまり状況が改善されてるとも思えないのでありますが、利回り競争入札やってるとどうも仕方ない部分でございますし、もう一つはあたくしのイメージになっちゃいますが、2年以下というのは2年中期国債というものがございますので、後ろのゾーンに比べて国債の残存量が多いので外したい人も多くなるという所でありまして、「長期に安定した資金供給を行う」という輪番オペの趣旨と現状が必ずしも合致してませんなあと思うのは相変わらずなのですな。
せめて1年以内に関しては短国買入に包含して(短国買入で買った分は償還乗換を行わなくても良いと思われ)、その分機動的にオペ実施するようにした方が吉なのではないかと存じますです。
○SCレポが微妙に変ですなあという話とか
以下尚も超相場雑談。
いやまあ知り合いさんと電話とかでうだうだ話しながら「どうもこう色々と相場が変ですねえ」というネタに花が咲くのでありますが、話をすればするほど現在の相場が複雑骨折みたいな状態になっていて、まあアッチャコッチャ変なのですが、さてどこに原因があるのかよと思うとこれまた複雑な話ですねえというネタなのです。
ということを色々とお喋りしながら考えたものをメモにしているのが以下の部分でありますので、正直とりとめがないのは勘弁。
SCレポが各年限カレント中心に突如急低下(=需給が締まる)したり戻ったりという現象が頻発するそうで。いやまあ以前は無かったかと言えば無いわけでは無いのですが、2年269回(前月の新発2年)なんかは先日アホほどSCレポが逼迫してマイナス10%だか何だかお付けになられる事態もあったようですわな。大フェイルになった日もあるそうでレポ担当者の皆様に置かれましてはご愁傷様ですとしか申し上げようがございませんが。
10年カレントでも暫く前にとんでも無いマイナスレートが発生してましたけど、10年だとまあBPVもありますし相場自体も動きますから、対顧でマーケットメークしてて食らったとしても取り返すチャンスあると思うのですが、2年でそんなの食らったらどう見ても再起不能です本当にカムサハムニダという所で誠に痛惜の念に耐えません。
というかスクイーズとかしてマーケットの流動性を落とすと結局てめえの首を絞めるんだからくだらねえ玉締めとかするんじゃねえよバカチンがと思う次第で、唯一神マタヨシによって地獄の火の中に投げ込まれるべきものであると存じますがまあそれは兎も角。
そんな感じで急にSCレポが締まったり緩んだりとかとなり(特にカレントには補完供給も流動性供給入札も無いし)、うっかりレポレートがマイナスに突入するといきなりアホほどレートが低下するわフェイルリスクは高まるわとなりますと、業者としては自衛策の一環としてやばそうな銘柄は当日フェイル食らった時の対策でSC放出を自主規制することになるので益々「急にレポが逼迫したので」になり易いとなるんでしょうね。
で、GCはGCでこれまた「急に資金繰りが変わったので」ってな感じでいきなりレートがドカンと動いたりしやがる(6月末も結局レギュラーとかスポットで72だの73だのやらかしてたみたいですし)訳でして、そうなりますと現物の対顧マーケットメーカーが両建てポジション持っているときのポジション保有で思わぬコスト(GCSCスプレッドですが)がかかるリスクがあり、よーポジション持ちませんなあという話に繋がり易い話に。
ちょっと前までのJGB現物の対顧売買なんぞはいろんな銘柄でロングショートをたくさん持ってて、飛んでくる売買を自分のポジション具合を見ながら、例えばポジションの利食いになるような売買が顧客から飛んできたら良いレートを出して売買を決める(業者間で利食いするよりも顧客売買で利食いした方がこっちも顧客もハッピーでしょ)とかやりながら走っていたと思うのですが、両建て持ってるとコスト掛かるってんじゃあそうも行かんですな。
勿論オファービットが開いているのはそれ以外の要因もたくさんあってどこをどうほぐすと問題が解決するかって話になるとよく判らんのでありますけど、こういうところにも市場がシュリンクしている原因(このあたり鶏が先なのか卵が先なのか微妙なのですけど)があるのかなあとか思うのでありました。
SCレポレートがちょっとした動き一発で乱高下しなくなる為には、投資家がもっとホイホイSCレポを出せばよい話なのですが、事務上の問題だの制度上の問題などあって実質的に出せない人は相変わらず多いですし、そもそもSCレポレートをヲチしてタイミングよく玉を放出するなどというような気の利いた動きをする人はまあ皆無に近いでしょうし(それにバイサイドがレポ取引をするというとだいたいGCの資金運用ですわな)、レポレートがマイナスだからと言われてもオーバーナイトで10億出すの事務マンドクセとか言って出さない(小さい10億でも積み上げれば大きい収益になるというような発想にはならんのよね。入った10億円の処理に困るというのもあるけど)とか、まあ実務上の障害は多いのですよ。
それから、まあそれ以前の問題として事実上フェイル罷りならんという仕切りになっていたり、制度設計がフェイルだのSCレポ(現金担保の貸し債)を想定してない古い時代のまま変わってない所があるとか、まあそんなフェイルだのSCレポだのに関する制度上の問題は相変わらずなんでして、まあ困ったもんですなあという所で。あ、あたくしは無力参加者なので「困ったもんですなあじゃなくてお前が動けよ」というツッコミは無しの方向でよろしくお願い申し上げますm(__)m
と、ここまで書いたら時間が無くなったので、他にもこの手で別のお題があったのですがまた後日。読んでて何の話だか良く判らんがなというお方が多いと存じますが、とりあえず書いた備忘録ということでご勘弁頂きたくm(__)m
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2008/06/27
○CPレートが上昇した件について
昨日はスポ末で新発CPが出たわけですが、やや発行が多めだったこともあり、4半期末でCPディーラー様(=銀行さん)の持ち高もそうバカスカ増やすわけにも行かずという需給要因が炸裂して発行レートが全体的に上昇したものが多かったようです。昨日の駄文では小見出しで「6月末はだいぶ片付いてきた・・・のかなあ」とか書いたあたくしとしてはまたまた見事に空振りで俺様涙目と言ったところです。どうもすいませんm(__)m
ショートタームのCP発行も割と多い印象でしたが、短いものに関しては威勢よく上昇してましたわなという感じ。スポットが7月に入る今日からは落ち着くんでしょうけれども、CPの短い発行が結構多いイメージがあるので、その人たちがロールするかどうかにもよりますが、ショートファンディングの余波で目先は急に絶賛低下ってワケにもいかんのではないかと思います。などと書きますとまた赤恥青恥ですかねえ(涙)。
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2008/06/26
○6月末はだいぶ片付いてきた・・・のかなあ
昨日入札が行われた3か月FBですが、前場引けの板付きどおりの落札結果になりまして、結局足きりが0.6%にちょっと掛かったくらいで平均は0.59%台の穏当な決着となりました。
まあこれで受渡ベースで6月末越えたらもうちょっと買いやすくなるという人もいるでしょうから、特にここから売り込む事もなくという感じでしょうということでめでたしめでたしではあるのですが、世の中の皆様が「6月末のレートだけ跳ねて7月になったら下がるでしょ」と思って行動しておりますもんで、運用側はタームの長いもの(3か月とか)を出したいし、調達側はタームの短いもの(2週間とか1か月とか)を取って7月入りしてレートが下がってから再調達したいとなりますもんで、ここのところ新発CPの発行とかショートターム物多くなってますわな。資金供給オペも短いものになっておりますし。
でね、そうなりますとどうなるかと言うと、ショートファンディングが溜まるので、実は7月になっても調達意欲があまり下がらないことになるので、レートがいきなり下がってくれるのかどうか良く判らん気がしてくるのよという所です。まあ銀行さんがドカンと運用に出てくれば下がるので最終的にはその辺の懐具合に依存するというのが何という市場の厚みの無さという感じですけれども(苦笑)、皆で同じこと考えて動き4月の頭数日間妙にレートが下がらなかった攻撃の再来になったらそれはそれで中々いい味を出しているのでお楽しみにという所ですね。
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2008/06/25
○補完供給貸付が珍しく連発の件について
昨日は国債補完供給貸付が実施されました。銘柄は10年270回なんですけれども、以前はあまり見なかった補完供給貸付なんですが、この10年270回攻撃って直近で昨日以外にも20日と16日に実施されていまして、この銘柄は利払いの関係上16日スタートの翌日物取引は20日エンドになりますので、実質的にここ4営業日で3営業日渡って同じ銘柄の補完供給貸付が実施されてるんですな。
で、まあこの補完供給貸付ってのは国債市場におけるスクイーズのような動きによって債券市場の価格形成がおかしくならないようにという趣旨の下で日銀が保有する利付国債を一時的に(=あくまでも補完的ですな)供給することによって債券市場の価格形成の円滑化を図るちゅう理念があったと思うんですけど、まあそのスクイーズだの価格形成がおかしいだのというのに日銀が判断を入れるのは市場介入になっちゃいますから、オペ対象先の2社以上からの要望があった場合に実施するということになっていた筈です(追記:7月9日に追記しましたので、こちらを見てください)。
でですな、この10年270回なんですが、確かにレポ料は何かお高く(というかレート的にはお安くというか)なっているようなのですが、このゾーンのイールドカーブってやたら寝た状態になってまして、3か月短くて同じクーポンの10年269回が(単利で)1.450%、件の270回が1.455%なんですが、その後ろの銘柄では272回(1.4クーポン)で1.460%で275回(1.4クーポンで270回より半年長い)が1.465%と、イールドが横になった状態。
で、ここもと長いところが確りしてきたからここのカーブが何となく順イールドになっているみたいですが、先週末あたりは後ろに対して270回債って堂々の逆イールドになっていたりもしてたりして、レポがきついけど別にこれってイールドカーブ上で言えば別に高くない(というか後ろ対比で爆安になっていた)ので、ショートスクイーズ状態とも違うのに補完供給ってのも(制度がそうなっているからまあ別に良いのですが)何だかなあって感じがせんでもないのでございます。
270回債はこの前のチーペスト銘柄なので何かあるのかもしれませんが、ショートスクイーズとも何か違う感じの中で補完供給ってのも妙ですねと思いながら昨日のオペ通知を見るのでありました。
・・・・なお、ボケーっと見て感じた雑感につき、思いっきり間違えていたら教えてくださいませ現物のマーケットメークしているお方様におかれましてはなのでありまする。
○足元の6月末越えだけ妙に高い件について
昨日の新発CP発行レートは横ばいから長めの期間を中心にやや低下のイメージ。需要の集まりやすいネームの発行があまり多くなかったと思われるのも影響した需給要因というのはあると思いますが、もう一つ考えられるとすれば6月末の月末月初レートがやたら高めに推移しているので、このレートが反映されているうちに長めの資金運用をしておきたい(でも9月末になるとまた上昇するから9月の後半にエンドが来るとエンド時もオイシイのでそんなに長くは放出しない)という運用サイドの意識が反映されてるんでしょ。
ということで、どうせ末初要因が剥落するとまたまたGCが低下して0.5台前半の世界なんでしょという発想になりますと、足元のレートが少々高くても(少々とはどのくらいかって一応電卓叩いてどっちが得かは考えますよ^^)その足元の高い利回りよりもタームで固めて平気なものは固めてしまえ攻撃となるので、短い月末越えの資金運用アホラシスとなってしまうんでしょうな。
てな訳で、今週に入って足元は妙にレートが下がらないのに(というか昨日って上昇したのかな)タームのCPなんかはレートが落ち着いてきたって所なんでしょ。と考えると「末初レートが高いでしょう」という共通認識の下で発生した現象ではありますが、単なる市場の内部需給の問題なのでしょうねというお話になるんでしょ。
しかし四半期末っちゅうのは判るけど、何で3月末よりも盛り上がる勢いになってるんだかという感じでして、毎度毎度の話になりますが、6月前半にGCレート0.50−0.51という素敵なレートになっていた時におまいら何でタームのファンディングをせんのじゃとか思うんですけど・・・・とかえらそうに言ってるあたくしも人のことをそう言えるほど立派なオペレーションをしている訳ではないでしょうとか突っ込まれると答えに困るというのはここだけの話です(汗)。
○FB3か月入札ですが
と言うわけで今日のFB入札は期内落とし最終の3か月物になりますです。発行日が30日ということでとっても素敵な日なのでして、そもそも論として4兆5000億円の新発3か月FBなんぞが瞬間蒸発するようなアリガタヤな市場環境ではないですので、普通に考えるとある程度は業者の在庫になり、そのファンディングが30日のところでビューテホーな状態なので持ちたくないですねって話になるんでしょ。
足もとのGCレートがサガランチ会長になっていて在庫のファンディング負担もある中ですので、普通に純粋運用系の人的には結構アリガタヤ(再投資レートがウハウハ状態になっている筈と予想されるので)な銘柄ですから、流れりゃ普通に押し目買い来ると思うんですがどうでしょ。
とりあえず向こう3ヶ月で金融政策がどうにかなるとか思う人はこの商品いじってる人たちには皆無(そもそも海外のインチキレポートが出て金先とかダダ売られしてた時だって全然反応してませんでしたしwwww)ですので、まあ落ち着いた結果になるんでしょうなと。
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2008/06/24
日本はとっくにそうですが、欧州様も経済指標悪いのキタコレという感じでございまするが、まあFOMC待ちでございましょうかねえ。
○CP祭り不発の予感
昨日は30日に向けてCP祭りかという話を申し上げましたが、25日発行の新発CP(というのは昨日ですが)の利回りは特に上昇することも無く横ばい圏内。発行が思ったほど多く無かった感じでしたのも影響してるかなという感じです。あと足元GCレートが木曜につけたところで一旦ピークアウトして(と言っても60アラウンドにいるので高いには高いですけど)るイメージなのとかも効いてるのかも知れませんが。
まー最終的には末エンドのロールがどのくらい入るかにもよるのでありますが、先週時点で月末に向けた備えモードを一回やっちゃったという所だったのかも知れませんね。どうもこの手の話書くと外してばかりですいませんm(__)m
短い所で言えば今日は2年入札ですが、0.8台後半(になるんでしょうと思うが)ってのは位置的にまあそんなもんでございましょ(後ろとの関係は無視して足元からの足し算でイメージしてます^^)という所なので可もなく不可もなく。明日の3か月FB入札の方が興味あるんですが、発行日が30日ということで落札して在庫にした瞬間にキャリーが厳しくなりそうな月末越えとなりますが、償還は9月の29日と純粋運用サイド的には再投資に困らない足なので、まあ流れるのか流れないのか良く判らんですけれども、どっちが勝つのかってお話かと思います。前回(平均0.60%乗せ)との比較でどうなるか注目しておきますです。
話もうちょっと変わりますが、昨日は現先だの短国買入だの共通担保だの資金供給を良い感じで打ってきましたが、そろそろ足元とか6月末越えとか気にしてきたのかなあという感じであります。気にするのがワンテンポ遅い気もしますけど、そうやって振れてくれないとあたくしのような弱小参加者におきましては収益チャンスも無いので、まあこれはこれで(苦笑)。
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2008/06/23
○見事に戻りましたね
金曜の駄文では中期ゾーンとかに売りがでましたなあというお話を書きましたが、まあ先物とかにも売りが出てたようなんで、買い安心感がっくしとか申し上げたかと思いますが、金曜の債券相場は見事な買い優勢モードと相成りました。見事に逆に行ってしまいサーセンm(__)m
えーっとですね、まあ株価が下がったというのもあるのですけれども、それを言い出したら何で木曜は株安なのに債券下がったのという議論があるわけでして(^^)、金曜の場合はイールドカーブ全体に買いが入ったような動きでありましたと考えますと、これはまあちゃんとした(?)買いが入ったということでしょう。
・・・・よく考えたら金曜は20日でして、今月は償還がたくさんあるので、そもそも20日は黙っていても買い圧力があるのでした。肝心なことをすっかり忘却しておりましたな。償還金が入ってきた所で買うという(他はともかく、国債だったら別に償還されるものだという前提で買っても良いじゃんとか思うのですが)仕切りになっている人が世の中結構いますんで、償還の多いタイミングで買いやすい水準(?)に相場がいた場合株安とか加わるとこういうことになるんでしたな。アセアセ。
○CP祭りの悪寒
金曜は月末越えの国債買現先と共通担保オペが実施されまして、今回は2000億などと言うしょぼい額ではなくどっちも8000億円の打ち込み。で、結果はと申しますと国債買現先が6月24日〜7月4日で0.616/0.61で共通担保が6月23日〜7月1日で0.633/0.62と相成りました。
木曜の共通担保オペが0.6に届いて無かったので、エラク上昇したように見えますが、まあ6月末の所がレート上昇するのではという事になっておりますので、6月30日〜7月1日のレートを0.75%で計算すると残りの期間が現先オペで0.601%、共通担保オペで0.616%(どっちも平均利回りから計算)換算になるのですが、木曜の共通担保が末初0.75%とした場合に0.590%換算になるので、まあ上昇は上昇ですが、そもそも足元のGCレートが木曜に上昇したことを勘案(東京レポレートのS/N取引が金曜発表分は前日比2bp上昇)するとそんなもんかも知れません。ちと高いようには思えますが。
とまあ足元上昇気味(金曜のGCはちょっと下がったんでしたっけ)ではありますが、その傾向が最も顕著に出ているのは今回はCP発行レートだったりするのがチャーミング(去年の今頃はSCが妙に締まりました)な所であります。まあ6月と言うのは納税だ賞与だとかで発行が嵩む傾向があるのですが、今月は月末落としのCPがやたら多くて暫く前から6月末エンドイラネ攻撃になっていたんですよ(エンドを集中させると再投資の時にリスクがある上に月末だと決算とかの関係もあるので必要以上に月末エンドは買いたくない)ね。それで6月30日エンドのCP発行レートが妙に上昇していたのですけれども、ここへきて足元も重くなってきたようで、金曜あたりは発行レートが軒並み上昇。
高位格付けの銘柄でも月末越えのショートタームなどはレートが0.7台後半とかに上昇しやがっているようですし、3か月のその他金融さんで今月前半に0.6%台後半だったお方でも0.7%台に乗っていたりする次第で、妙に発行が多くなっておりますというか足元が重くなってますな。
6月末のエンドがちと大目になっているので、そのロールがどのくらい来るのか読みにくく、その分枠を空けておく必要もあるでしょうからCPディーラーの在庫を減らさないといけないとか、4半期末にあたるのでリスクアセットをあまり多く抱えられないとか、そうは言っても4半期末だからアセットバック物は出てくるでしょうとか、いろんな要因があるとは思うのですけれども、どうもこの上昇っぷりたるや3月末にも匹敵する状態。
月末の着地が読めてくるまではちょっと下がりにくい(逆に言えばスポ末の所では下がるでしょと思うのですが)という感じでしょうか。3月末、6月末と来ましたが9月末は中間期末ですし、12月末は年末年始ということで(今年の末はゆうちょ銀行の全銀接続要因もありますかな)、まあ4半期ごとに祭りになるというのが最近のCP市場の仕様になるのでしょうか。事前にあんまり警戒してなかっただけに今回は存外な盛り上がり方でありますが。
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2008/06/20
○中期に売りですかそうですか
先週の白川総裁会見に加え、海外で利上げ火消しモードになって中短期ゾーンのレートが低下したのがフォローとなって威勢よく低下していた中短期の金利でございますが、昨日は国内株安という材料にも関わらず中期ゾーン中心に金利上昇となったようで。
水曜はどっちかというとオリャオリャという感じで中短期の買いって感じになって、その後から現物全般強くなってきたところでございまして、昨日の海外からの帰り方を見ると「いやあやっと落ち着いてきましたか」となるのかなあとか思った次第なのでありますが、昨日は昨日でオリャオリャという感じの売りとなってしまいまして(さすがに水曜の買いと木曜の売りは別人28号でございましょうが)、やっと落ち着いて安心して買えますとか思ってた人たちがっくしの巻でございますな(というか水曜に頑張って買ってた人涙目のような^^)。
まあ5年1.5%乗せをやってた相場がいきなり水曜の所で1.3%台前半にまで買われましたってのは水準感(イールドカーブの話は華麗にスルー)および速度的にどうなのよという感じでしたので一服しても良いのですが、何も平均株価が300円も下がっているのに中期にそんなに売りが出んでもよいでしょうがなというところでございますな。
ここもと相場が落ち着かないこともあって、金利水準的には買いたいけどちょっと手を出しにくいですねとかいう感じだったと思われるのですけれども(特に中期以降)、昨日の下げは「ああやっぱり落ち着かないのね」っていう印象を与えたという点でもちょっと残念な下げというところですかね。
しかし中々まったりとさせてくれない相場ですこと。
○GCレートが上昇している話
今週から準備預金の積み期間も変わりまして、レポレートはいったん仕切りなおしになる訳ですが、レギュラーが20日渡しの所で59−60とかに上昇したのはまあ毎度のお話としまして、何故かその翌日の水曜はオペなしというお茶目な攻撃が出てレポレートさらに確りの巻となりました。
んで昨日なんですが、これまた現先オペなどが全然打たれずに(短国買入がありましたが)午後に打ち込んだ20日スタートのオペは共通担保本店オペの月末越えだったんですけど、額が2000億円ぽっちと少なく、20日はまだショート目だという中ですのでもうこれはレート上昇して下さいと言ってるようなもんでありまして、オペ結果は0.596/0.59だわ、GCのトモネは63レベルに上昇するわレギュラーも上昇して63−64とかに上昇するわと中々素敵な展開になっております。
東京レポレートのスポネの水準見ますと、17日分(19−20)で0.543だったのが、18日分(20−23)で600に跳ねて、19日分(23−24)で594と下がったには下がりましたが、まあ確りという展開だったざますのですが、オペではあんまりそっちを気にしてる感じが無いですな。インターバンクのコールだけ(いやまあ誘導目標がコールだからそうなるんですと言えばそれまでだけど)見てますねえって所で。
いやまあオペ依存症脱却させる為に資金供給オペをそう煩雑に打つのはしませんですよとかいう意図でもあるのなら判るんですけれども、GCが50近くまで接近してベタベタになっている時にはオペ打ちまくりで、GCが上昇しているのに放置プレイという状況を見とりますと、別にオペ依存症への警告とかいう感じも受けないというか、ただ単にGCレート振れても別にどうでもいいもんね状態なんですかねえという感じ。
市場の額という面では規模が随分でかくなったGC市場ですけれども、メガバンクの気まぐれ資金需給と、GC市場の振れは気にせずオペを乱打したり放置したりの日銀オペ動向に思いっきり振らされる市場であることには変化がなさそうでございますなあ。
短期って何でこう市場間裁定とか機能せんのじゃと思うのですが、何せ短期国債とレポとCPと金先はやってる部署が違いますっていうお答えが返ってきそうな市場ちゃんなもんでねえ。。。。。
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2008/06/18
○2年など戻りますなあとか雑感
昨日もまたまた中短期ゾーン堅調。FRBの利上げが目先行われないのではとの報道が影響したり、引け後で言えばECBの中の人だと思いましたが、またも連続利上げを否定する発言が出たりと、火消しモードが継続しておりますことからまあ当たり前なんですけど、先週後半は海外で短い所が戻っても短期ゾーン全然ダメダメ感強かったのが嘘のようです。白川総裁会見の強力(というか慎重というか)なメッセージが効いた感じでして、なんちゃらレポートプギャーと言った所でございますな(しつこい)。
しかし2年269回って先週末の引けが1.01%だったのに月曜の引けが0.960%で昨日の引けが0.915%と、物の見事に2日で0.1%近く戻すとは何という素敵な展開。まーその前が叩き過ぎにも程があって、昨日の引けあたりが本来の止まり所なのにそこからなお下をぶっ叩くからこうなっちゃうんですけどね。
戻りと言えば昨日入札があった3か月FBですけど、なんか8月償還のFBとかが妙に重い影響とかがあって久々に0.60%台での決着になったのですが、0.6%になってみたら実は結構ニーズを集めてしまい、結局ショートカバーモードになったようで、0.585とかもやってたようで、何と申しますか「そこまでやらなくても良いのに」という所までやらかした挙句にドテン一挙に戻るというのが最近の特に短い所に関する動きのわけわからぬ所でございます。
まあ要するに逆張りで参加する人が激減してるからなんでしょうけれどもね。
○米国様火消しモードですけど
FRBはすぐに利上げしませんがなとかいう話が報道されて火消しモードに入っておりますけど、まーあたくし勝手に思うのですけど、そうは言いましてもドル安インフレでうっかりするとドルペッグ外す人たち出てきそうとかいう勢いの中ではドル高支持(というかドル防衛というか)の旗をそうそう降ろす訳にも行かん訳で、そのドル防衛で一番手っ取り早く、コストが安そうなのは「利上げのやるやる詐欺」かと思われ。
火消しした結果利上げ期待(というか懸念ですか)が大幅に後退して金利が低下ということになってドル安になると、最近の商品価格はドル安に連動するという素敵な展開になるので、まああまり宜しくはございませんことで。
ということで、利上げのやるやる詐欺状態で引っ張れるだけ引っ張って、市場金利をやや高めに推移するようにして実質的な引き締めしながらドル安と商品価格上昇の沈静化を待つってくらいしかやる事ないでしょ、とは思うんでワッショイワッショイと米国の中短期金利が低下するのも(これまたその前の上昇もやりすぎ感漂いますが)何だかねえと思うのですが、やるやる詐欺に引っかかる悪寒が(^^)。
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2008/06/13
ええもうこれだけ相場振らされますとヘロヘロですよ。
○短めのところが妙に重そうなのですが
昨日は海外市場で2年債とかがやたら強くなって帰って来たのですが(今朝はその逆ですけど)、こっちの債券市場では1年とか2年とかどうもダメダメ感漂う展開でございまして、まあ朝方2年とかはそこそこ(アメリカ様が2年強いのに敬意を表して??)でしたが1年ゾーンとか先物が40銭上がっても50銭上がっても全然強くならないという素敵な展開(さすがに前日比安いのを叩く程のことはないですけど)。
・・・・えーっと、売ってたネタが「インフレ懸念で金融引き締め懸念」で、その巻き戻しやるなら短めのゾーン戻らんのかよとツッコミを入れたくなる展開なのですが、この辺のゾーンというのは実弾の打ち込みあるいは持って行かれに弱いゾーンというか、プロップトレーダーみたいな裁定掛けてくる人のパワーに対してポートフォリオの事情で動いてくるパワーがだいぶ強い(最近は長いところもプロップさんがヘロヘロみたいですが)ので、需給関係が一旦崩れて相場の位置が変わってしまうと、再度需給関係に変化がないと戻らんという感じになるようですなあ。
てなわけで、本来海外に追随するならこのゾーン戻るだろと思ってたんですが、どうも実弾の需給関係がよろしくないようで1年とかやたら重そうにしていたのが気になりました。
・・・・でも1年ゾーンで0.77%とかなんですよね。それって普通に無担保コールの足し算と比較した場合、1年間で2回利上げでチャラとかいう世界になります(とは言え普通の神経をしていると25bp逆鞘を3か月も引っ張るというのは精神衛生上よろしくないので、まあ気分的には1回ちょっととかの利上げイメージですかね)けれども、あのその利上げってそんなに威勢よくするのかよという感じではございます。
2年のほぼ1%(さすがに1%は大台なので心理的抵抗もあってそこまではマークしないようですが)というのも中々素敵な水準ですが、1年の0.75%越えというのをこう簡単にやらかすとは思わなかったでありますよというのが正直な印象でございまする。利上げ懸念してるのかねえ????
○既に皆様ご存知だとは思いますが念の為
日本銀行が保有する国債の銘柄別残高
http://www.boj.or.jp/type/stat/boj_stat/mei/mei0805.htm
http://www.boj.or.jp/type/stat/boj_stat/mei/mei0804.htm
月初に出てた話を今更で甚だ恐縮ですが(^^)、えーっと2年245回と5年27〜29回と10年203回204回の増加額を全部足すと11500億円位になりますと。
どう見ても短国買入状態です本当にありがとうございました。
・・・・と申しますかですな、いやまあそんなに償還銘柄が重かったのねという所でありますが、何もそう親の敵みたいに売らなくても良いのにとか思うけどまあ色々とお家の事情があるんでしょ。5月に買入した銘柄が殆ど全部6月20日(2年債は15日)に償還になってしまうというのは正直テラアホスとしか申し上げようがございませんが、これをまた8月にやらかすのでしょうか・・・・・
値付けに元利金支払い手数料見合いの部分が外れる10月以降(輪番的には9月中旬以降ですか)にどうなるのかねというのは注目してますというか、その後も似たようなシチュエーションが続くのならば輪番の趣旨に鑑みて実施方法に工夫が必要なんでしょうな。
○今日は月報と会見ですが
正直言って金曜の引け後に金融経済月報読んで会見のニュースフラッシュ見るというのはもう疲れるので勘弁していただきたいのでございますが、まあお日柄がそう設定されているので致し方無しの巻でございますな。
で、その月報に関してですが、ここのところあまり宜しくない経済指標が出ていますが、景気の現状認識と先行き見通しに関してヘッジクローズが増えるかどうか注目したいです(見通し下げてきたらそれはそれでほほーなのですが、下げると言うよりはリスク警戒の文が増えるイメージ。
会見ですけれども、どうせ「欧米がインフレリスク懸念で利上げを模索しているようですが日銀はどうですか」という質問が飛んでくるのでしょう。(本石町日記の中の人を除く^^)メディア的にはタカ派ヘッドラインの打ち込みがオイシイでしょうから、発言の一部を切り取ってタカ派ヘッドラインを打ち込むベンダーや記事書く新聞とか出るリスクありでしょう。ということで、丁寧な説明も大事ですけれども、「欧米と日本では現在取るべき金融政策(というか金利操作)は別である」というのをきちんとメッセージとして打ち出した方がよさそうな希ガス。
などと勝手に申し上げてますが、あたくしの予想は外しても無担保無保証でございますので一つその辺はご勘弁を(^^)。
「市場との対話」の前にメディアとの対話もしないといけませんから大変でございますのおと思いますけど(そういや国会も)、白川さんの懇切丁寧&ちゃんと筋を通したロジカルな説明によって、もう思い込み入りまくりのヘッドライン飛ばしまくりのメディアが徐々に駆逐されることを心の底から願うものであります。
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2008/06/12
○2年1%接近ですかそうですか
昨日もまたまた相場弱くて中短期やら金先やらもいい感じでヘロヘロとなっておったようですな。ふと見れば2年国債が0.995%とかになってやがりまして、えーっとあのその水準は早期利上げとか年度内2回利上げとか言ってた時(去年ですよん)の水準なんですけどおまいら本当にそれで良いのかよと。まあ相場がそう言ってるんだから良いんですが(こら)。
んでまあ毎度おなじみのユーロ円金先は09年03月限で1.3%とかの水準まで売られる場面もありまして、いやまあ相場だから別にそういうのもアリなのですけれども、ちょっとまあおまえら落ち着けという感じであります。
昨日の夜から欧米当局から火消し発言が出ているのでちと今日は緩和されると思うのですが、どうもこう「インフレ懸念で日米欧3極協調利上げ」ってのがストーリーとして書きやすいので、それをネタに金先なんか売り勝負してるんじゃないのという感じもしますな。踏まれて大損すればいいのにあわわわわ。
ま、んな状態ですのでOISの1年とか見ると向こう1年で2回近く利上げしそうな勢いですし、何がどうなってるんだかって所ですけど、こういう勢いに変に逆らっても時価評価させられる身としては途中のやられに耐えられなかったりするんで向かえませんのうという所ですわな。
○だから日銀は(今のところ)利上げしないって
昨日のロイターだかなんだかの市況ニュースみてたら外銀さんの中の人のコメントとして「金曜の白川総裁の定例会見で海外と歩調をあわせてタカ派発言が出るかどうか注目」とかいうのがあってぶっ飛んだのですが、いいからお前その席空けて俺に座らせろという感じでございますわな。
まあ昨日もうだうだ申し上げたので繰り返しはしませんけど、そもそも足元の経済指標が悪化方向で、インフレ懸念って何ですかという状況かつ、そもそも物価上昇が前向きの好循環から来てる訳でもないって時に利上げできんでしょ。それに仮に正常化路線とやらを出すにしても、景気に下振れリスクある中で正常化路線って有り得んでしょ。
それにですな、今般のインフレどうのこうのって食糧とエネルギーですけれども、ドル安が効いているというのもあるのですから、ドル安阻止ってのも必要でしょと思うのですから、別に3極協調利上げしなくても良い筈なんですけれども、何で3極協調利上げという話になるのか全く理解致しかねるのですけれども。仮にドル安阻止で米国が利上げするならドル安阻止の政策協調するには他の主要国利下げした方がドル高誘導できるでしょ(さすがにそんな事は起きないでしょうけれども)。
○こうなると欧米金融当局の発言の方が・・・・
昨日の欧州タイムではECBのシュタルク(と読むのか?)さんが「連続利上げ否定」発言をして欧州債券が買われて引け後の先物も上昇しておりましたです。もともと連続利上げをする何て話をトリシェもしとらん筈なのですが、トリシェといえば引き締めという刷り込みが効いている(?)のかどうか知りませんが、利上げ示唆するといきなりもう連続利上げですよ大変ですよとなってしまうのが欧州債券クオリティのようで、火付けしたと思ったら火消しという誠にビューテホーな状態になってますね。
で、米国では今度は早期利上げ懸念に火消しの発言がでておりましたが、そのせいかどうかは知りませんがドル上昇が止まって原油価格がまた上昇してやがって何やってんだかという感じ。米国が今やるのは基本的にドル安阻止なんですから利上げに関しては「やるやる詐欺」で引っ張るのが一番でございますがなと思うですけどねえ。
とまあそんな感じで欧米当局の対応っぷりが中々こう楽しい状況になっておりますので、先物中心に振り回す人たちなんかが海外動向とリンクして動きたがる傾向にある中では日本の金融市場もこのあたりのギクシャクぶりに振り回されるんでしょうかねえという感じです。
ま、当局発言がギクシャクしているというよりは、当局のメッセージがちゃんと市場に伝わってねえだろという所なんで市場も市場なんですけどにゃ。
○オペの打ち方が微妙に意味判らん件について
激しくマニアックなお話ですけど。
昨日の国債買現先オペはまたまた月内落としになっていまして、13日スタートの24日エンド。落札レートはまた低下しやがって何と足きりが52bp(平均は53.3でしたが)まで低下の巻。
これって要するに6月の月中物の金は余ってますよという話なのですけれども、実は東京レポレートの推移を見ますと、T+3スタートの3Wが月末越えになってから2Wと3Wのスプレッドが徐々に(物凄くミクロな話ですが)開いておりまして、このあたり丹念に見てれば現先オペで月中物を打つと超足元の金が益々余ってレートが低下するだけの効果になるんでして、肝心の月末越えに関しては足元余ると逆にニーズが高まるだけなんですな。
・・・と書いてるあたくしもそのロジックを上手く説明できないんですけれども、たぶん今現先オペ打つんだったら6月末越えを打ったほうが資金供給というか市場の平準化としての意味はあると思うのですが。この前の期末みたいに末越えのニーズが高い時に何故かもういらねえ期内落としのオペうちまくりーの寝転がり続出というのと同じ道を歩みそうな悪寒がするので、先回りして書いて見るの巻でした。
ってさすがにこのネタは債券市場の中の人でも10人中9人はポカーンですよね。そこらへんにいるレポディーラーにでも意味を聞いてくださいませ(^^)。
#まだ木曜なのですが、やたら相場で疲れるので今日は雑感で勘弁
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2008/06/11
○何という金先の動き
昨日は米国でのドル高攻撃に加えてバーナンキのインフレ警戒丸出し(と取られる)発言が追い討ちを掛けた格好で債券先物もバカスカ売られましたが、金先の動きが実に豪快。Mar09は99.880(=1.2%)を抜けたと思ったらもう板の無い中で下叩きの巻になってしまい、安値98.705(=1.295%)ですよ先生。
それって「来年の3月SQ時点でのユーロ円TIBOR3か月が1.295%」という事なんでございますが、どう見ても利上げを2回実施しないとそのレートにはなりません本当にカムサハムニダと言った所の数字なんすけど。まーとりあえずその下を叩く間ろくすっぽ出来高無かったんで、もうとりあえずリスク量落としに来るとか、ロング減らすとかの動きの中で売れるものを売りに行ったからそんな事になったって感じだとは思いますけど、毎日まあよく動く事です。
2年国債も13毛5糸甘の0.98%まで叩かれておりましたんで、中短期ゾーンのポジションを成り行きで落としに行った(あるいは成り行きでショートメイクしに行った)というような動きがあったのかいなという感じでございます。でも日本の政策金利動向をちょっと予想すれば今年中に動きようがないという経済指標が出ている(というか悪化方向なんですから今年どころか今年度動けんのではと思うのですが)のですから、そこまであなた叩かんでもと思うんすけどね。
○金融政策のステージが違うでしょと思うのですが
ECBはご案内の通り物凄い勢いで利上げ体制ですが、こちらの物価上昇は堂々賃金上昇も伴うという日本からするとある意味ウラヤマシスな状態。景気はまあちょっとどうなのよと思うのですけれども、まー普通に利上げしてマインド冷さないといかんですなって感じなんでしょ。でもトリシェ先生連続利上げをしてバシバシ引き締めるって話はしてないんですけれども。
FRBは利上げもやりそうなお話になってますけれども、これってどっちかと言うと原油などの価格止めないとって感じをうけるのでありまして、ドル安阻止ってお話になりますから、そうしますと最終兵器通貨防衛利上げにでもなら無い限り利上げのやるやる詐欺(失礼)攻撃になるんじゃネーノという感じですか。インフレ警戒発言してる側から失業率上昇も懸念してたりするんで、まだまだ「インフレ阻止のためには景気の一時的後退も辞さず」って感じにはなってませんわな。ただまあ次に利上げってのはほぼそんな感じになるんでしょ。
・・・・などと考えますと、日本の金融政策ってのは別に欧米にお付き合いする必要は全然無い状況でありまして、そもそも内閣府によりますとデフレ脱却もしてないことになっているというような情勢ですし、別に円が弱い訳でもないですし、景気に関しては出てくる指標がどうにもダメダメ感が漂う状態で利上げなんぞせんというか出来ないというか、する理屈が存在しませんけどねえという所ですよね。
別に日本は賃金インフレにもなってない(個人的にはなって頂きたいのですが)ですし、通貨防衛の為に景気の一時的悪化も辞さずなどという動きもいらんのですから、「ECBに追随して日銀が利上げ」とか言い出すどこぞの海外レポートの筆者の頭の中身を激しく疑うものでありますわな。
○ところでドル買い介入ってどうするの(与太話)
ポールソンさんが通貨介入を辞さずとかいう話をしてるのでありますが、ところで米国が自国通貨買い介入ってどうやって行うのかなあと思ったんですけど・・・・・
まあ普通に考えた委託介入をするとか日本にちょっとお願いするとか(笑)という感じになるんでしょうけれども、仮に委託介入した場合でもその後委託した国に積まれたドルってどう処理するんでしょ。最終的には米国債を買入消却するとかいう話になるんでしょうかねえと思うと、結局引き締めをどっかでやらないといかんって事なんでしょうか。
・・・・などと馬鹿話をしていて思いついたのは、バーナンキ議長が思い切って「どうだ明るくなつたろう」と大正時代の成金スキームしたらどうよいうのがあったのですが、冷静に考えたらそれは単にFRBのバランスシートの資産サイドに灰が増えるだけでございました、残念無念。
やっぱりヤケクソで通貨防衛利上げするというやるやる詐欺しかないんでしょうか。うーむ難しい。
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2008/06/09
○またインチキ海外レポートか!
金曜の債券市場というか金先市場では「ECB7月利上げにあわせて日銀も利上げに」という観測を出したどこぞの海外インチキレポートが話題になっていたらしく、金先が妙に豪快に叩かれておりましたようですが・・・・・あの話題になるレポートって実は実物大昔はもしかして見たことあるかもしれませんが、金融政策に関する観測記事が毎度毎度外れるというただの風雪のルルレポートになってからと言うもの正直全然実物見た事ないのでまあ殆ど都市伝説の世界ですな。
この海外レポートなんですが、どういう取材をするとそういうトンチキな記事になるのかさっぱり判らん観測記事を書くのでございますが、超大昔にはインサイドレポートっぽいお話もあったので過去のトラックレコードというのは大事ですし、一度名声作っておくと虚名になっても相当期間通用するんですねっていうのは別にこの海外レポートだけじゃなくても「麒麟も老いれば駑馬となる」状態になってるあんな人やそんな人などがあわわわわ。
・・・・話は逸れましたが(^^)、日銀としては「経済の下振れリスクが高い」って話をしている中で追随利上げなんぞせんじゃろうと思う訳ですし、白川日銀はちゃんと政策ロジックを踏んでくると見られまして、前任のような最終的に理屈なんぞは後付けで結論の為には何でもありというのとは違うと思いますよ。したがってその辺のロジック構成を変えてくる為には「下振れリスクがかなり晴れてきた」という認識が必要になると思います。よってそのインチキレポートを真に受けるのは只のアホウでありましょうよ。
と思ってたらNY市場があの有様で、インチキレポート真に受けた皆様におかれましてはプギャーとしか申し上げようがございません。
○金先は反応しましたが現物は・・・・・
寄りから債券先物は下がるわ(でも終わってみたら陽線でしたよね→追記:これは間違いで5銭陰線でした)金先は叩かれまくるわという動きで、市場の方も先物は勿論ですが中期が例によって叩かれっぽい動きだったのですけれども、短い所に目を転じてみると1年以内の現物債は見事にウゴカンチ会長の巻。2年新発は4.5毛甘の0.875%の引けとなっていましたが、一方で残存1年ゾーンですと5月償還の256回で0.700%の引けという事で、これが5糸甘だったりするんですな。TBFBなんかですと、12月償還の6か月FBの引けは0.590%で何と5糸強と。
・・・・えーっと、ECBの利上げに日銀が追随するという話はどこへ逝ってるんでしょうかという動きでございますが、要は先物ぶん回している人は兎も角として、短期の資金運用の人からするとそんな雲をつかむ様な話まで一々真に受けてやってられませんですなあというところなんでしょ。高格付けの一般債とかも金曜は在庫捌けていたみたいですし、このあたりのリアルマネーの皆様におかれましては既に海外インチキレポートのインチキ振りは先刻ご承知の巻という所でございますな。
ま、短期のリアルマネーってタームが超短い(3か月FBでラダーのポート組んでたら平均残存期間は1.5ヶ月ですからねえ)ので、具体的なお日取りまでがある程度見えないような漠然とした話に一々乗ってられませんです。長期債投資する人とポートの回転時間が全然違いますから。
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2008/06/06
○オペレート低下ですかそうですか
昨日も申し上げましたが、税揚げ抜けたら金が出てきたみたいな風情の超短い所動向でありますが、その動きが継続しておりまして、昨日実施されたオペレーションは午前中に国債買現先6月26日エンドで0.537/0.53という結果になりまして、まあレートが下がりますなあとか思ったのですが、午後の共通担保オペ6月23日エンドはなんと0.529/0.52の結果で、月中ものレート威勢よく低下の巻と。
昨日のFB入札後の堅調さから一連の流れになっているのでまあそんなもんかなという所ではありますが、それにしても税揚げ抜けた途端にレート低下ってのはあまりにもお約束過ぎの展開でありまして、その予定調和っぷりに向かう動き無いんかいなとか思う次第ですけれども、こればっかりは参加者のメガ化が効いてるのかなあと思いますです、はい。商品間の裁定が妙に効かなかったり、見え見えというか機械的な動きになったりとかってのは、恐らくは参加者さんのお家の事情が商品間裁定よりも優先という話になっちゃって、よほど商品間で極端に開かない限り埋めに行くとかにならんのでしょうなあと勝手に想像してますがどうでしょ。
正直申し上げて古参兵としてはちと寂しい物を感じますな。もうちょっと工夫しました!っていうような動きはないのかねと思うんですが、ポジションを積み上げるほどの熱気がこの超短い所(最近は長いところもそうですけど)から感じられませんのですよね。ぶつぶつ。
#これで積み最終後から約定ベースの20日位まで償還銘柄のファンディングとか言ってレートが50台後半とかに上昇したら呆れてしまうのですけれどもさてどうなる事やら。
オペの打ち方も機械的っぽい雰囲気がありまして、何かイマイチ感漂うのですが、その話はまたいずれ期末前にでも(^^)。
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2008/06/05
○急に金が来たので(?)
長いところが昨日売られたというのも中々驚倒な展開でありましたが、昨日動いたといえば超短いところでも動意がありましてまあその辺のクリップを。
昨日は毎度おなじみの3か月FBの入札があって、これまた毎度おなじみのように0.59%台での決着になったのですが、不明が久々に大目でセカンダリーでも買いが入ったようで、堅調推移となりました。FBゾーンで1毛強テイクンとか見るの超久しぶりですがなとか思ってたらGCは51近辺とかになり勢い的には今日当たり50攻撃やりそうな悪寒。GCとかTBFBはやたら堅調(レポレートは軟調というべきか)に推移する中でCPのレートは妙に上昇気味に推移しています。まあ時期的に決算納税だの賞与資金だのでCP発行額が嵩み、需給が悪くなるというのはあるのですが、5月終盤までは6月に発行増えるでしょという中でもレートが上昇しにくかった事を考えるとナンノコッチャな所であります。
ま、CPに関しては昨日のFBなどの金利低下を受けて今日下がるかもしれませんが、ここまでの流れが「TBFBやGCを買う金はあるがCPなどを買う金はございませんですわよ」という感じなのは何でなのかなあと不思議ちゃんな動きでございました。で、昨日はいきなりGCレギュラーもスポットもトムもドカドカ買いが御到来ということのようで、6月4日というお日取りを勘案しますと「税揚げ抜けたので金が出ました」と言わんばかりの展開でございまして、まあ今に始まった事ではないとは言え、最近はこの手の「イベント抜けたので急に金繰りが変わる」という形での変動が大杉勝男でございます。何という機械的なマーケット・・・・・・
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2008/06/04
○まずは相場メモで
急に信用不安が来たのでということで米債いきなり戻るの巻でございまして、先週木曜に米債4.1%とか言ってたのはどちらに行ってしまったのでしょうという相場。というか今日は3.9%とはまた派手な値動きですな米債ちゃんは。。。。
で、昨日ですが米債が強くて戻ってきたことから窓開けて寄り付きとなった債券ですけれども、10年入札は前場引けの1.785%あたりに対して平均が99円99銭と相変わらずのやる気を感じられない入札(足きりは80銭だわ按分は95%だわということで気合の止め札も無いというのは如何なものかと)でございましたが、リーマンの赤字転落見込みとか増資とかいうネタで為替と株が動いたあたりから債券先物爆発の巻となりました。
・・・・という後講釈になるんでしょうけれども、一昨日と昨日の各年限カレントゾーン(#292は特殊事情につきオミット)のお値段の動きを何となく見てますと、先物の動きもそうなんですけれども、何気に中期ゾーン動いておりますなあという感じがするものでございます。先物の話が派手なんで目立ちますが、そもそもここもとの下げで5年ってやたら威勢よく叩かれたりしてましたし、まあそういう意味では戻るときは中期も戻るのねという感じではありますけれども、これって10年入札の動きよりも中期の実弾が効いてるのかも知れませんな。
で、そんな中で恐怖の#292ですが(昨日は変に煽るのも何だったので書きませんでしたが、マイナス35%(=1日9銭5厘とか)などという取引もあったそうで、何という利息制限法抵触(はたぶんしてないと思われますが・・・・^^)プレイという動きがあったんで、昨日も朝っぱらからいきなり7毛強とかが出合いやがっておりましたが、後場のどこかのタイミングで#290、#291とのバランスが揃ってまいりまして、これはまあさすがに玉が出ましたなと言う感じ。そりゃまあ3か月短い同クーポン銘柄よりも利回り低いとなれば入れ替えますわなという所です。レポの玉も出たようでまあ普通の需給が良い銘柄レートまで戻ったようです。めでたしめでたしと共に、昨日の強いところで入れ替えした人GJでした♪
えーっとそれから、2年だの金先だのがアホほど上がっておりましたが、それまでこちらも足元金利の足し算で考えてそれはねえというところまで叩かれていた訳ですから戻るのも当然ちゃあ当然ですけれども、何もそんなにガンガン戻らんでもええのにとは思う次第。またALMとか海外とかが動いてるんでしょうかね。よー知らんがご苦労なことです。
まあ何にせよこの2日は(というか先週木曜からですが)はエライコッチャな相場でありましたが、リバランスだの何だのと色々と大人の事情もございますので、月末月初にドカドカ動かれるのは勘弁して欲しいものであります、と申しましても月初に10年国債入札があるんで、このようなボラ高くオファービットが広がる相場環境の中では月末月初にぶれてしまうのは仕方ないところでございますか。10年入札日程をもうちょっと後寄せできませんか財務省様(笑)。
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2008/06/03
適当に相場が戻ると金融不安問題が出てくるというのは何かの仕様でしょうか(苦笑)。
○10年入札ですが
今日は10年国債の入札なんですが、昨日は何だか先物が威勢よく下落する場面がある中で10年292回がアホほど強くなっておりまして、何がどうしたのやらと思ったら先週後半から292回に買いがドカドカ来てしまい、そのタイミングが揃いも揃って同じだったことから一気に292回債の需給がピンポイントで逼迫して、先週金曜にSCレポが▲5.0%とかやらかしたそうなのですが、昨日は▲5%の1w物だの、▲10%以上(というのか以下というのか)の中々壮絶レートをやらかしてしまったようでございますな。正直利息制限法に抵触しねえのかとか思っちゃいますが(苦笑)。
おかげで引け値は調整してるみたいですが、出合いベースでは3か月手前の同クーポンよりもレートが低いのではないかというような有様になっておったようで、もう何が何やらという感じでございます。
たまたま同じタイミングでいろんな投資家が買っちゃったりした場合に瞬間的にレポが逼迫するというのはありがちな悪事例なんですけど、これって要するに債券投資の世界で約定ベースと受渡ベースの管理が混在している(そりゃまあ混在するのは当たり前なのですが)中で、約定ベースで残高あっても受渡ベースで残高が無いものはレポできないというのが基本になっている(フェイルが前提になっていないというのもあると思われ)のがある関係が効く次第。例えばこんなにアホほどレポレートが低下して貸出するとお得という事態になっても、例えば月末に買っていれば約定ベース残高がある事になるのですけれども、受渡ベースで4日にならないとモノが確認できないので、4日約定じゃないとレポできませんなあというお話になるのですよね。フェイル前提になるとこの辺ちょっとは変わらないのかなと思うのですけれどもどうなんでしょ。
#というか国債決済のRTGS止めて時点決済に戻してループ取引ありにすれば一発で解決なんですけれどもね
まー今回はたまたま相場の下げとインデックスの長期化タイミングがぶつかって、入札時ヘロヘロだった292回に一気に買いが入ったという各種要因がぶつかったので過激な動きになったというのもありますけれども。ちょっと前にもカレントだけアホほど強くなってしまった事がありましたな。
しかしまあ10年カレントの所のカーブだけ見事に寝ておりますけれども、カーブ上踏み入札みたいになるのかよとか思っていたらいきなり海外で債券高攻撃なので、相場の上下的には踏みになるけどカーブ上はちったあ緩和してくれますかね。どちらにしてもヘッジがやりにくそうな感じが致しますけれども。
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2008/05/30
欧米のメディア論調がどこもかしこもインフレインフレでございますなあ。こういう時は金融市場だけじゃなくて一般ピープルの話も聞きたいもんですね。で、米国10年トレジャリー4%抜けたと思ったら4.08%っすか。
今日はCPIだし決戦は金曜日♪って奴ですかねえ。いい加減勘弁して欲しいんですが。
○何がなにやら
昨日は2年国債の入札があって何と0.9%クーポンで入札前の前場引けで既に100円オファー。平均ほぼ100円(99円99銭9厘)となってましたが、第U非価格競争入札ゼロという有様(0.905%オファーなんだから当たり前だが)でして、まあ0.9%ですかという所です。
で、2年債のクーポンが0.9%以上というのは去年の5月債(なので4月末の入札)から10月債までですが、この頃ってご存知の通り「もうすぐ利上げですなあ」ってやってた時期なのでありまして、経済指標悪化して目先利上げがどこへやらという状態の中で0.9%まで上昇とは恐れ入りますとしか申し上げようが無しであります(後ろはもっと売られてますけどね)。
2年に関しての局地的な需給を検討しますと、従来2年をせっせと買っておられた筈の投資家層がここもとすっかり買いの手を消極的にしておられたりするようでして、まあそのあたりが結構効いているんでしょうかという感は致します。一方で1年ゾーンになりますと別の投資家(短期公社債投信)が絶賛大登場するので0.7%台でやたら抵抗するんですけれども、ふと気が付くとこの辺のアンカーが1年になってますか。
年初2年0.5%割れとかやってたのは何だったんでしょ・・・・いやまああの時はもうダメです世の中オシマイです状態だったんで仕方ないですが。
んでまあ相場についてはもう何が何だか(昨日だって店頭は閑散の中で何が悲しゅうてこんなに動くのよという感じだったようですし)というところで論評のしようが無いのですが、辛うじて足元金利の足し算でも話が出来る2年国債入札のお話でお茶を濁すのでありました、とほほのほ。
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2008/05/26
○またまた先物大下げの巻
金曜の債券市場ですけれども、米国のトリプル安という要因はあったにせよ寄りからいきなり1円安スタートって何がどうなっているのやら。寄り前から実弾でも出たんでしょうかと(あの材料で下がるにせよ50銭安くらいでしょと思ったんですが)いう感じでしたが、まあ何はともあれ大下げとなりました。基本的に下げていくところでは先物一人旅みたいな場面も多かったのですが、後から現物が追いついてくるので、現物に対するロスカットの動きもあったんでしょうな。よー知らんが。
で、先物的に見ますとザラ場中の安値は134円割れということで14日のザラ場安値を切ってしまいまして(辛うじて引けは14日の安値の上でしたが)チャートさんとしてはよろしくないですなあという感じでございますな。
んでまあこの先物下げ下げなんですけど、インフレ懸念とか色々言われているのですけれども、原因のうち半分くらいは先物のシステム変更(画面更新速度を早くした)によるものではないかと思うんですよね。先物をぶん回す人たちの要請がうるさく、ついでに日経新聞あたりでも特集書かせ記事なんぞが出ていた(先物注文が反映されるのが遅いので海外ファンドが売買しにくいだの何だのという話)ということで、先物の更新速度を早くしたんですよね。で、先物の値動きは早くなったのでCTAみたいな先物アウトライトでぶん回す人たちには好評なんでしょうが・・・・・
先物の値動きが早くなり過ぎる
↓
値動きが早すぎるので指値注文をおきにくくなる
↓
板がスカスカになりより一層値動きが早くなる
という悪循環でどんどん値動きが過激になるのですが、この結果として現物債券の売買にどういう悪影響が来るのかと申しますと・・・・
先物の値動きが早くなる上に大口執行がやりにくくなる
↓
現物売買のヘッジに使う人たちのヘッジコストが余計にかかる
↓
現物売買のオファービットが拡大
↓
大口執行のコストが益々拡大する
という結果どこに最大の影響が出てくるのかと申しますと、それは国債入札でございます。即ち、国債の入札というのは要するに財務省が行う新規国債の「大口売り」なのでありまして、以前のように債券先物の板が揃っており大口執行のコストもそれほどでかくなかった時と違いまして、現在は例えば数百枚の売買するだけで何ぼ先物が飛ぶか判らんという状況になっている訳ですから、入札という名の財務省の国債大口売却のコストも余計に必要になるという次第。また、オファービットが拡大するということは投資家としては売買執行コストが上昇するので、まあ買いの手がその分引きますわなという事でして、相場全体としての買いパワーが落ちるので相場が下がる要因にもなっていると思われます。
従いまして、5年だの10年だののように先物との連動性がそこそこ高くて発行量が2兆円近くと大きい債券の入札が特に4月以降じゃんじゃん流れるのが普通になっているという訳でございますわな。いやまあ業者の体力低下とかの要因もありますけど、先物のシステム変更に関しては非常に問題でかいと思うのでありますよ。
で、聞いた話では東証様におかれましては今回のシステム変更はグローバルスタンダードにあわせる一環であるので何が問題あるのかというお告げのようでございまして、ああやってることが10年前の大失敗システム変更と全く変わってないなあという所であります。確かに売買のTick数とかアホのように増えてますし、取引高もまあちょっと動くとそこそこ増えてますので、東証だけを見ればシステム変更で売買活発化して良かったですねとでも言いたいのでしょうけれども、現物の国債を動かしている人たちからすれば、流動性が落ちて売買執行コストが上がるわ、新発国債入札のリスクが上がるから入札が流れて国債発行コストが上昇するわと、どう考えても先物は栄えて(いるのかどうか怪しいですが)現物滅ぶの図となっておりますな。全く困ったもんです。
#本件に関してはまた稿を改めて書こうと思いますが、経済実態と長期金利が全然整合性が取れない動きの中にテクニカルな物が混じっているように見えるのは何ともなのであります
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2008/05/23
お題「ああ輪番」
全部書き終えたところで最初に追記しますと、本当はやる予定だった白川総裁会見要旨のちゃんとした部分の引用は輪番話で時間がいっぱいになっちゃったので今日はパスでございます。誠にあいすいませんm(__)m
○輪番結果は予想通りだったんですが
昨日は想定されたとおり輪番(国債買入)オペが実施されました。で、米国のトリプル安に反応したのか何だか知りませんが、昨日は前場から先物から10年が弱くて前場からドカドカ下がったのですが、償還銘柄の輪番打ち込みパワーの勝ちでして、輪番の結果は平均15毛8糸甘で足きりが15毛3糸甘の全取ということですので、どう見ても6月償還銘柄の打ち込みです本当にありがとうございましたという所で。
後場になって5年29回だったかで21毛甘(単利で0.58%)がブローカースクリーンで出合っていたというのが尚のことチャーミングでしたが。
で、まあ先週金曜の結果とか、前日の業者間気配(償還銘柄で堂々の10毛甘オファービット無し)から大体こういう結果になるのは予想できてるはずなんですが、何故か輪番の結果出た後先物とか長期ゾーンとか尚叩かれて先物は100銭安とかに下げやがったのは何なんでしょという所でございます。
いやまあ後付でこのテーマを売り材料にしますと・・・・
・従来は相場が下がっている時に輪番では長期、超長期ゾーンが入っていた
↓
・ここのところ期近債がやたらだぶつくようになっている
↓
・輪番オペで相場の上下に関わらず常に期近債が打ち込まれる
↓
・相場下がった時の長期、超長期ゾーンのバッファが無いじゃん
↓
・アヒャヒャヒャヒャ
こうですか、わかりません(><;
○期近債が輪番にドカドカ打ち込まれる状況は如何なものかと
えーっとですな、ご案内の通り輪番オペは成長通貨供給オペということになっております(償還乗換ルールの変更によって・・・という話は以前したがここで蒸し返すと話がややこしくなるので割愛)ので、輪番オペが建前として意図している中長期国債の買入ではなく、超短い銘柄の投げ場所になってしまっているのは輪番の趣旨と違う使われ方で遺憾でございましょう。
#それを言い出したらさっき上で書いた「輪番が長期超長期ゾーンのバッファ」というのも輪番の趣旨とは関係ない世界ですが(^^)
で、まあ期近債の問題というのは今に始まった話ではなく、以前から投資家が償還まで持たないで途中で売却するという事象はあったんですよ。ただまあ最近その売却が妙に多くなってきて買い手の余力をオーバーしてきたってことでしょう。
償還銘柄というのは振替決済停止期間入りしちゃいますと担保として使えなくなりますので、停止期間入りした時点でただの金食い虫になる訳ですな。で、従来ゼロ金利だ量的緩和だと言ってた時は保有コストがどうのこうのってのはあまり関係無かったんでしょうが、まあ無担保ファンディングのことを考えたらあまり持ちたくないでしょというのが1点目。
ご案内の通り、5年、10年、20年の利付国債は毎月発行するのですが、償還が4半期毎になっていまして、漫然と全銘柄を償還まで持ち続けると4半期毎に償還の山がやってくるので再投資の事を考えると良くないですから、償還が来る前に売却して長いものに入れ替える再投資を適当に分散して行うことによって再投資リスクを軽減するでしょというのが2点目。
他にも要因あると思いますが、そもそも期近債が市場に出てくる理由はその2点かなあと。ただし2点目の方は何も償還間際になって売らなくても良いわけで、普通に長期ゾーンをポートフォリオにしてたらもっと前からある程度分散しながら短いところを外してきますけどね。
で、従来は元利金取扱手数料が結構な額入るので、それを狙った買いがあったりしたのですが、こちらは10月以降大幅減額になるので、まあ今後はファンディングと関係ない公社債投信みたいなマネーのみがこの辺の受け皿になるんでしょう。計理(タイポではない)処理の問題があるので割引債対比で利付債は実は嫌われるんですけどね。
と、背景はそういう事なんですが、まあそんな訳ですのでこの調子ですと特に償還銘柄の残存が1か月を切るあたりからは輪番オペに入るのが全部償還銘柄というような素敵な事態が続くのは必定。それで良いというのなら良いのですけれども、輪番の建前と違う状況が継続して良いのかよというのはあるでしょう。
#副次的には(政策意図と全然関係ないですが^^)長期、超長期ゾーンのバッファが無くなるというのは債券相場的な輪番減額みたいな心理効果(なぜ心理効果かというと、そもそも期近債問題が無くても輪番で長期ゾーンが入るケースがそんなに多くなかったというのがあるので、実際の効果は別に「月に1.2兆円」じゃないのです)になっちゃいませんかねというのもありますね
○で、どうしましょ
てな訳でお節介なあたくしはこんなんどうでしょというのを知人友人と与太話をしたりしながらあたくしの無い頭を捻って考えるのであります。
・入札方式の変更
現在は日銀の指定する単利利回り(実際には売買参考統計値の平均単利)からの利回り較差競争入札になっている輪番の入札方法を価格較差競争入札にする
→相場が上昇するか、カーブがツイストフラットでもしない限り超長期ゾーンばかりが打ち込まれる。期近債の件を除けば利回り較差競争入札なら当日のイールドカーブ上一番安くなっている所が打ち込まれるので現状の方が債券市場への関与がマイルド。
・期近債を募入対象外にする
成長通貨供給オペの趣旨に鑑み残存のどこかで切って期近債を募入対象外にする
→ただでなくさえゲロゲロの期近債が益々ゲロゲロになるのと、償還銘柄のファンディング問題で4半期末月の20日近辺になると足元金利やGC・現先レートがやたら跳ねる
・短期国債買入の活用
輪番の募入対象から残存1年以内の銘柄を外し、短期国債買入オペを拡大して残存1年以内の中長期国債を募入対象にする
→オペの意味付けでのロジックをどうするのか(短期の資金調節で形の上では中長期国債の買入ということになる)という問題や、買入した中長期国債を償還乗り換えするのかしないのかという問題が生じそうですが、ロジック問題と応札のシステム対応を除けば一番スマートな気がします
オペのサイドから思いつく(というか一部に知人からの入れ知恵が含まれておりますが^^)のはそんなところですが。
・償還銘柄を担保として使えるようにする
例えば銀行で言えばバンキング部門の売りは従来どおりになるにしても、トレジャリー部門での買い余力が発生するんじゃないかと勝手に愚考するのですがどうでしょう。
→昨日も書きましたが、振決担保口で償還処理とかって双方ともに事務が回らなさそうな悪寒なので一朝一夕にはできなさそう
・元利金取扱手数料が下がるまで様子見
そもそも10毛甘だの15毛甘だの(来週は20毛甘ですか)とかいうような打ち込みになるのは、売買参考統計値などが元利金取扱手数料の収入部分を加味したモノになっているのも原因でありますので、その手数料が下がる10月償還銘柄以降になって尚も壮絶な打ち込みが来るのかどうかを見るというのも一法。
→ただし、9月までこの調子で輪番に期近債が打ち込まれるのは本当に容認できることなのかとか、償還銘柄持ち切りコストの回避で叩き込む成り行きパワーが継続した場合は結局状況が変わらなかったりしますわなという話も
などなど、色々とございますわな。輪番増額というのもありますが、またぞろ外野で物議をかもし出しそうなので無理でしょうな。
ということで、輪番と短期の話というもはやマニアにも程があるお話が延々と続いて白川総裁記者会見の続きが全然できなくて甚だ申し訳ありませんでした。
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2008/05/22
○人のふんどしシリーズその1:これはこれは
人のふんどしといえば本石町日記さん。
http://hongokucho.exblog.jp/8636208/
ほうほうなるほど。で、郵政ネタがでるとこれまた変なのがコメント欄に湧くのも仕様でございますな(^^)。
さて、たぶんスケジュール的には今日当たり輪番オペが実施されると思うのですが、四半期末は通常月と比較して国債償還が多いので、その分償還銘柄の打ち込みも多くなるものを思料されます。で、相変わらず売買参考統計値とかは元利金取扱手数料見合いの値付けになっている部分がありますので、今日もし輪番やったら償還銘柄をまたまた大甘で打ち込む人が出るに1万ジンバブエドル。
しかし何ですな、短国買入が落札結果から逆算すると残存9か月から11か月あたり入ってそうなのに、輪番は残存1か月とかしかが入っていますってどんなギャグだよと思ってしまいます。いやまあ輪番で償還したものは1年短国に償還乗り換えしてくれるからトータルで見た足は辛うじて長いのですけれども(乗り換えした後は現金償還)。
償還銘柄を担保に使えるようにすればちったあ状況良くなるような気がしますが、振決担保口が償還処理ってのはたぶん手作業になるんでしょうし、担保管理するほうも大変なことになるから一朝一夕にどうのこうのって訳にも行かないでしょうけれども。。。。。
○人のふんどしシリーズその2:また格付けの問題
人のふんどしといえば厭債害債さん。
http://ensaigaisai.at.webry.info/200805/article_10.html
あたくしは時事メインで「FTがこう報じている」というのを見ただけという手抜きバージョンですが、時事メインの記事によりますと間違いに気が付いてからも放置してたとか書いてあった(と思う。違ってたらスイマセン)次第で、いやもう外部格付けの信頼性という話になったらバーゼルUなんぞもいきなり涙目という状況になる訳で、もう笑ってしまうしかございませんわな。LIBORといい格付けといい、いやはや何なんでしょ。ま、発行体に営業掛ける格付け会社とか何だかね〜って感じでしたからね。
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2008/05/19
お題「また債券だけ自爆とな」
○輪番オペ結果以外に材料らしきものは無く
金曜の債券市場はそれまで散々やらかしたこともあり、今日くらいは大人しくまったりという展開だったのですけれども、昼の輪番オペ結果発表後に先物いきなり大下げの巻。で、その輪番オペなんですが、平均落札が10.9毛甘で足切りが10.1毛甘(全取)ということで、前場の引けの普通の銘柄はまあ入らないような結果になりました。しかし金曜の朝に輪番ネタを書いたのは何かの虫の知らせだったのかいな>あたくし
で、別にそれ自体は6月償還銘柄あたりがドカンと入ればそういう結果になってもおかしくない筈なのでありますが、何がどうなったのか判りませんが後場の寄り付きから先物をアホウのように叩く動きになりました。で、例によって例の如く他の市場では別に動意が無かったので債券市場だけの反応という動きでございました。
で、先物を叩くこと叩くことということで、安値134円37銭とあたしゃ水曜の安値28銭を抜くんじゃないかと呆れながら見ておりましたが、当然ながら先物独歩安モードだったのですが、よく見りゃ10年も安値1.71%とか水曜の安値を5糸だけ割っちゃいましたな。5年の安値が1.30%で2年の安値が0.845%(ちなみに全部日本相互証券の出合いベースかつあたくしの脳内メモリーベースでありますので内容無保証)ですから、まあ木曜の先物だけ戻った分のバランスをまた調整したとも言えそうですな。
ということで、水曜に続いて債券市場が先物中心に自爆の巻と相成ったのでありまして、自爆も1度だけじゃなくて短い間に2度も続きますと、こりゃまあ自爆とは実に香ばしいなどとちゃらけている場合でもありませんで、地合いが悪いのか、単に一部の振り回し組に誰も向かわないという悲しい相場状況なのか、まあ困ったもんでありますな。
まーあてずっぽうですけど、あたくしが勝手に思うのは(1)債券先物の売買システム(というか値付けの細かい部分ですが)の改悪により指値注文のリスクが高くなり市場の流動性がガタ落ちになっていること、(2)参加者の体力が落ちていること、(3)それに加えてリスク管理のリスク算定上マーケットのボラが上昇するとポジションが取りにくくなること、などなどが適当に思い浮かぶのですが、最初の先物に関してはかなりウェイト高いと思います。98年(でしたっけ)の先物値付け方式の変更で先物の流動性が落ちて大変な相場になりましたが、あのときの反省とか全然生きてないのかねと東証を小一時間問い詰めたいのですが。
○輪番の話金曜もしましたが
で、釈迦に説法だが輪番がゲロ甘になることの説明。
えーと、輪番オペの応札方式は基本的には前日の引け(日銀が引けリストを出すことになっているような気がしますが、基本的に売買参考統計値の平均単利の筈)からの利回り競争入札になりますので、当日前場引け時点でイールドーカーブ上一番売られている所が応札しやすくなるということになっております。
ところが、超短い債券を成り行きで叩き込みに行く人がいますと話は別。今年の9月償還までは利付国債の償還金支払いに対する手数料が9銭(ただし1銘柄500万円上限、利金の話もありますが面倒なので割愛)お支払いされるというのがありまして、その部分をある程度反映した数値がこいつらの引け値に反映されており、売買参考統計値がちとお高くなるようで。
例えば6月償還の銘柄の売買参考統計値ですが、16日付のもので2年245回が0.428%、5年27〜29回がそれぞれ0.398〜0.401%、10年203、204回がそれぞれ0.480%と0.483%(本人は単利のつもりで引用してますが、もしかして売買参考統計値のCSVファイルの読み方間違えていたらゴメンナサイ。まあ大差ないと思いますが)となっていまして、銘柄によっては10毛甘で叩いても短期金利に負けない場合もありますわな。
で、元利払い手数料が引き下げられる10月償還以降になると話が変わるのかという事ですが、こちらは良く判らんとしか申し上げようが無いです。その気になって成り行きで叩き込みに行くとなりますと、残存1か月で10毛叩きに行っても値段に直せば1銭にもならないので、お家の事情(例えば一例を挙げれば、償還銘柄は最後の振替決済停止期間に入ると担保などとして使えなくなると記憶しておりますが、それが間違ってなければ償還銘柄を持つことは結構なコストになる訳でして)系の成り行き叩き込みが打ち込まれるとどうにもこうにもとなりますので、こればかりは正直よく判らん。ただまあ3,6,9,12の償還銘柄の残存が短くなった所では償還銘柄叩き込み攻撃は変わらずに起きそうな気は致します。
こればっかりは制度上どうしようもないですので、まあ輪番オペの趣旨は一応成長通貨の供給って話になっていることですから、短期物を募入対象外にする(その代わり新発は入れさせてあげてよと思いますけど)とかでもしないと状況は変わらんでしょうなという所で。
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2008/05/16
相場がこの有様ですと本業がかなり多忙になるもんで、あまりちゃんと突っ込んでいないネタを少々雑談で勘弁。
○短いところのカーブがフラットから立ってきた件について
昨日は5年国債入札がありましたが、まあそっちは入札までに随分ヘッジも入りまして入札後は5年切り返しっぽい展開に。1.3%クーポンまで叩いたんですから、まあ戻ってくれないと困りますが、これまた先月のテール12銭入札で耐性が出来たのかテール9銭でも「テールが長くありませんなあ」という雰囲気になるのがチャーミングでございますが。
でまあ一方で2年とかは昨日も弱体で0.85%に接近の巻となっておりまして、いやあの展望レポートで従来の利上げ路線が封印されたんですけれどもどうなっておられるのでしょうかというところであります。とは申しましても、それを言い出すと5年1.3%の方が展望レポートで(以下同文)なので、そっちから見ると2年は随分値もちしてましたなあということにもなるんでにゃんとも。
で、半年位のところから2年くらいのところまでっていうのはここのところ妙に重そうにしていまして、2年中期国債の残存1年ゾーンを見ますと昨日の引けで0.70%(来年5月償還)などと、半年を越えるあたりから何となくイールドが立つ(というほどの物でもないですが)感じの絵になってきております(個別銘柄の需給が変な割引短期国債は別)。これまた展望レポートやらここもとの経済指標やらを考えると素敵に逆行モードでこれまたおしゃれな相場であります。
で、相場様のネタとしては、昨日の日経新聞朝刊でデカデカと出ておりましたけれども、「長期金利上昇=インフレ懸念」みたいな絵がネタと化すという感じのようで、昨日の引け後なんぞもECBのインフレなんちゃらで債券先物が叩かれていたように見えましたが、「グローバルインフレ」ってので暫く引っ張るんですかねえ。
しかしこれまた素敵な話ですが、国内金利市場参加者の皆様におかれましては、おそらく多くの人は「そうは言っても日本の場合はここもとの物価上昇は景気悪化要因だし、そんなに持続的なインフレなんかねえだろ」と思いながらも相場の勢いに「はあ?」となりながら参戦しているという所ではないかと思うのでありまして、これって丁度3月くらいまでの「(誰も大真面目にあるとは思わなかった)利下げの可能性ありで形成された中短期ゾーンの金利」という動きの反対バージョンなんじゃないかなあとも思いますです、はい。
ほぼ普通に皆さん年内(下手したら年度内)利上げなしとか思っている筈なのですが、2年0.85%とかになりますとその絵と整合性が取れないんですが、これも3月の利下げを一部織り込まないとその3か月から1年の逆イールドはねえだろという状態の時と同じく、「そうは言ってもなんかございましたらアレですし」という感じなんでしょ。展望レポートで中立路線に転換したと言いましても、半年後にまた展望レポートは出るのでありまして、その頃に下振れリスクが晴れてきたら(というのは超ナローパスだと思いますけど)半年後に金利調整路線が復活してもおかしくはありませんし、などとかなり無理やりな理屈をでっち上げるとそんな感じでしょうね。
まあもうちょっと達観しちゃいますと、結局米国の利下げ打ち止め観測とかと円債の短いところの金利形成がシンクロしてしまっていると言っちゃえばそれまでという話もございますが、それを言ってしまうと何とも悲しいのでそれは気が付かなかった事にしておきましょう。まあちゃんと考えないと相場説明のポンチ絵としては使えませんな(自爆)。
○輪番オペはどうかすべきではないかという話について
これまたいつものネタなのですが、たまには数字も出してみようと。
日銀保有の中長期国債の残高は毎月公表されております。
http://www.boj.or.jp/type/stat/boj_stat/mei/mei0804.htm
http://www.boj.or.jp/type/stat/boj_stat/mei/mei0803.htm
URL見りゃ判るように、直近2か月の残高は上記のようになっているのであります。この中身には対政府取引の現先とか国債整理基金への売却に応じた分とかも入るので前月比で減ってる銘柄とかもあるのですけれども、まあその4月末VS3月末で増えてる銘柄は何よと言いますと、残存1年以内のものが増えているの巻。この表からちゃちゃっと計算してみましたら、(間違えてたらゴメンナサイ)2009年3月償還までの銘柄が4月には額面ベースで6780億円増えておりまして、輪番オペが月に1兆2000億円なわけですから、半分以上が1年以内に償還がくる銘柄でございますわな。
こうなりますと成長通貨供給の筈の輪番オペが1年以内に償還→新発割引短期国債に償還乗り換え→1年以内に現金にとなってどう見てもただの短期資金供給オペです本当にありがとうございましたという状態になってしまう訳でして、どこぞの政党が「日本銀行は国債を月に1兆2000億円も買っていて財政ファイナンスをしているのでケシカラン、ムキーッ」とか言ってるのが如何にトンマな話かというのが判るかと存じます。
実質的に短期資金供給とあまり変わらなくなっているという部分もそうですけれども、輪番が実質短国オペになってしまいますと、中長期ゾーンの最終投げ場が無くなって業者的には如何なものかという感じでして、まあ応札のメカニズム的にこうなってしまうのは否めないのではありますが、それにしても期近債ばかり入り過ぎで、ちょっとこのあたりの状況は何とかならんもんなんですかねと存じます。
中期国債と長期超長期国債で分けるとか、短国買入というものがあるのだから残存1年未満は募入対象外にする(と短期のカーブがちょっとおそロシアになる可能性があるのであまりお勧めできないけれども)とか、もうちょっと本来の趣旨(長期国債が入るよう)にかなうような形にするのを考えるのが良いのかなあとは思うのでありますけど。
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2008/05/15
○他市場が全然反応しないのに・・・・・
昨日の国内債券市場はご案内の通り先物大下げの巻と相成りまして、途中ではまたも4月25日の再来をやらかすのかという勢いでございました。そして昨日の場合いやはや何ともだったのは、為替市場も株式市場も特にこう大した動きもなく(最終的には株高円安になってましたが)小動きの中、債券市場だけ自爆状態になっておりました。ナンノコッチャであります。
さすがに4月25日に1回サーキットブレーカーだの先物大暴落だのやらかしたばっかりなので下げに対する精神的耐性(?)もできてましたし、昨日の場合は4月25日の時のように中期(5年)などが朝からいきなり暴落という訳ではなくて、当初から先物が走っていましたので、前回ほどの恐怖感は無かったとあたくしは思うのですがどうでしょ。
色々と要因はあったと思うのですけれども、(昨日増えましたが)債券先物の建玉が今月頭から10兆切りやがっているあたりに象徴されますように、市場の参戦者が減っているというか流動性が低下しているというか、先物が役立たずモードになっているというか、根底には市場の流動性が落ちているというのが先物などのボラが上昇する背景にあるんじゃねえのとは思うのでありますがどないでしょ。で、その流動性低下ですが、サブプラだ何だで市場参加者の体力が低下していることに加え、毎度しつこく申し上げていますが、1月15日から行われた債券先物の売買システム変更によって債券先物の板が薄くなってしまった事が状況の悪化を後押ししてるでしょという所で。
で、昨日の場合は前夜に米債がだだ売られ(リテールセールスだけであんなに売られるもんなの?)して帰ってきた所に加え、LIBORの見直しで5月末から新しい制度をどうのこうのというお話があって、デリバティブ関連の短期ベース金利が上昇するという懸念(正直円LIBORには影響軽微と思うが)とか、翌日に5年国債の入札を控えているのでヘッジなどかましたくなるとか、色々な要因がぶつかったんじゃないかなあと。
ということで、別に何がどうのこうのという訳ではなく、何となく海外が売られているので絵的に売りやすいですし、株式は何かこう下がる感じがしなくなってきていますし、そんなこんなで下を叩きやすいところに来て、5年国債入札が今日に控えていたので下やったらまた自爆しちゃったという所でしょうか。さっぱり訳がわかりま千円でございますが。
でですな、結局終わってみれば先物は135円割れで終了するわ、5年は場中1.3%乗せまで叩くわ(しかも引け後もっと叩いてましたが)10年は場中1.7%まで叩くわと、確か経済ファンダメンタルズは出てくる経済指標的にはあまり宜しくない筈なのにこの有様。20年から40年の引けが4月25日よりもレートが低いというのが中々チャーミングな相場です。
5月14日 4月25日
40年1回 2.620% 2.675%
30年28回 2.450% 2.490%
20年100回 2.225% 2.250%
10年291回 1.690% 1.600%
5年70回 1.280% 1.220%
2年268回 0.810% 0.820%
現在の10年カレントは292回なんですが、まあ一応同じ銘柄を置いてみましたよ。全部単利ベースで日本相互証券の引けのつもりですがあたくしの手控え帳面から拾ってきてるので違っておりましたら勘弁。いやまあ中期から10年叩かれてますなあ。
で、米国のCPIを受た米国債券市場が気になっておりましたが、結局コアCPIは落ち着いていたので米国債買われたものの、それを見て株式市場が反応したので米国債は行って来いみたいな講釈になっておりましてナンノコッチャでございますが、米債の戻りが鈍いというのは何とも。入札前にまだ叩くのかなあ。5年の1.3%台を調子に乗って叩くのもどうかと思いますが、あんまり理屈捏ねても仕方ないですから。
#今朝の日経朝刊で長期金利上昇の記事がドカンと出ているらしい(モーサテによる^^)ので、金利上昇終了フラグは立ちましたな
○ところで積み最終日
今日は毎月やってきます準備預金積み最終日。最近は積み最終に向けて妙に金の回りが悪くなり、GCなどのレートが変に上昇するという仕様になっておりますが、今月も15日スタートのGCはレギュラーの時点で62とかになっておりましたな。
昔は積み最終といえば最後の最後に向けて金利が低下するのが仕様でございまして、そこまでの進捗をきつめにやっていない限りは高くても精々交換尻(死語^^)までだったと思うのですけれども、昔のコールのように資金の取り手が少数で相場観というか市場裁定なども考えながら動き、出し手が大口小口含めて多数という状況から、(特にGCに関しては)資金の取り手が多数で出し手が少数(ただし市場裁定の観点からは何やってるんだかって感じですが)という状況に変化しているので、まあ動きもまた変わるの図なんでしょうか。
しかし毎月判で押したように積み最終だと読みにくいだのと言って動くようですと、この前の大型連休で(確かにまあ券需要読みにくい面はあったでしょうが)いきなりGC66とかやらかしておりましたので、今年の年末年初の事を思うとガクブルなんですけど。
どうもこう古狸的には不可解というか何というかではあるのですが。何か機械的に動いているような感じもするもんでね。
それからFBが段々重くなっているのか毎週ジリジリと落札レートが上昇しておりますな。ドカンと流れたり急に買いが来たりしないでジリジリ動くのが中々嫌らしい相場なのですけれども、長期債がドカドカ動きますと、長期債との見合い分が動く可能性があるので、そうするとちょっと動意付くかもしれません、というかもうちょっと動いてよという願望なのですが(おい)。
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2008/05/12
○そんなに上がるネタあったっけ
先週末の債券市場は、前日の10年国債入札後の強さ(入札は流れましたが)が継続してたのと米債高というフォローがあったんですけど、いきなり先物60銭高で寄り付いてピークでは先物106銭高まで上昇の巻。
いやまあ展望レポートと月末のダメダメ経済指標が出た後に債券市場が上昇したのに連休前から10年国債入札前の間に先物ベースで90銭くらい下げるという展開も何が何やらでありましたので、その分の戻しが来ただけと思えばそんなに驚くもんでも無いのかも知れませんが、相場の流れとしてどうなのよという感じが。単に入札準備と、その動きに乗っかった短期売買だけでこんなに下やって上やれるもんなんでしょうかと疑問疑問。
よー判りませんが、これってやはり全般的にあちこちの人たちが体力を低下させていて、相場に勢いがついた時に向かう人が減っているのが原因なのかなあとか思うのであります。それから例の先物システム変更も問題だと思いますけどね。
金曜の場合ですが、最終的には80銭高で終了しましたけれども、朝一の先物独歩高状態から時間の経過と共に現物が追いついて行ってる感じみたいですので、こりゃまあ10年国債入札後の買いが見えた所でとうとう買わない理由が無くなったから位しか金曜のタイミングで上昇の意味が判らんです><
○FBはやや重そうなのにCPは金利下がり気味っぽく
最近見てて何だかな〜と思いますが、同じオープン市場でFBとCPの動き方がもうお互い自分のところのお家の事情攻撃という感じでありまして、不可解というかまあ市場分断にも程がありますという感じで。
木曜の3か月FBに続いて金曜には6か月FBの入札がありましたが、平均0.596%で足切り0.600%でございまして、これはまたほほうという感じ。60だと実需買いが来るのがまあ見え見えな所ですのでその後は595オファーの60ビットで60を業者間で叩く人も無くという感じだったようですけれども、それこそ目先の利上げ観測皆無な筈なのですが、あんまり買われませんなあという感じですね。
一方でCPは連休前にGCなどが上昇したり、その前の債券市場下げ攻撃で気持ち緩んだのですが、連休明けから金利はショートターム中心に低下してる(長めのところは連休明け直後に低下してその後はまちまち)感じでして、もしかしてGCが下がったり上がったりしている方に引っ張られているのかもしれませんが、FBがじりじりと重くなってる感じの中でちと別の足取りっぽいですな。
いやまあいつものことではあるのですが、需給バランスが動くタイミングが違うとか、FBの場合はCPと違って短期市場だけの事情で動かない(債券というカテゴリーなので長期債市場の人が突っ込んだり外れたりするとか)面もありますので、ある程度ちぐはぐになる面は仕方ないんですけど、それにしても最近はこの2つの動きが整合性取れないのが実に興味があるところです。
なお、クレジットスプレッドの動きとCPのスプレッドってのはよほど派手派手にスプレッドの動きでもない限りあまり影響ありませんのでそのあたりはスルーの方向でよろしくです。
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2008/05/07
○中々落ち着きませんなあ
金曜の債券市場、投資家的にはもう月曜あたりの下げ局面で多くの人が買っちゃいましたし、4連休前ということでフツーに手を出しにくい日だったのですけれども、特に昼くらいからずるずる下がるの巻と相成りました。中期ゾーンもちと弱めでしたが、まあ先物から10年が中心っぽいので、投資家が買いにくいタイミングかつ週明け木曜に10年国債入札がありますので、まあその辺りを狙っていつもの人たちが世界的な金利上昇シナリオでひと稼ぎとかやってるのかねえとか勝手に想像してみたりして。
先週は月曜に中期売られの超長期堅調からスタートして、展望レポート出る前から中短期連日のつよつよ相場となり、展望レポート+白川総裁記者会見でなお中短期強くなった後に金曜は中期から10年がヘロヘロという結構派手な展開になっておりましたが、まあ今週は10年国債入札を通過するところまでこの調子なんでしょうか。何か展望レポートの内容見て超長期なら兎も角として(時間軸みたいなものが出て期待インフレ率が高まるというのなら判るが)より中期が売られてしまうというのは違和感が。
短いところも相変わらずアレでございまして、金曜スタートのコールは延々と低位で推移して即日の売出手形を2発(合計8000億円)実施していましたが、コールの加重平均は0.475%でした。4連休跨ぎになるので調達側が粘ればこういう話にもなると思うのですので、これはこれで不思議じゃないのですけど、ここに対応する28日時点でのGCレギュラー取引では66bp近辺になっておりまして、そりゃまあ先日付(特に連休中の券需要が読みにくいという時期的な要因もあり)と当日では需給違うんですけど、レポが66で無担保コールが47.5ってその違いはどうなのよという感じでございます。
まあ足元の低下を反映しているのか、金曜のGCレートはだいぶ低下してたようなんですけど、何かこのGCレポのレートの動き方ってのも大手銀行様のお家の事情で左右されるみたいで何ともですなあって感じでございます。同じ期間で20bp近く違う(その間に金融政策の変更なんぞないのに)というのはさすがにどうかと思うのですけどね。
それ以前の問題として、先々週あたりから先週にかけてGCレートがやたら高止まりする間に日銀のオペ金利の方は大して変化ないという動きもよーわからんですなという所でもございました。まあ超足元に関しては需給要因が一番強いというのは判るのですが、それにしても超足元のGCが独立して動きすぎじゃネーノって感じが致します。実に不思議ではございます。タームのオペ金利とか、FB3か月とかは安定してるんですけどねえ。
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2008/04/30
○月曜の相場メモ
例によって備忘録モードで恐縮。
・長いところのメモと雑感
月曜ですけど、10年カレントの所が売られる、というか金曜の下げのところで10年カレントに買いがくるもんだからカレントゾーンの値付けが妙に強くなってしまったので修正が入った部分もあると思うのですが、先物安値をマークするところでは10年7毛甘だか7.5毛甘だかの水準まで叩かれておりましておいおいという感じ。さすがに下がったところでは買いも入ったんでしょうと言うことで後場は反発の巻でしたが引けに掛けて失速。
「連休の谷間なので本格的な買いが入りにくい」という都市伝説がございまして、今回の場合は確かに展望レポート待ちなので益々買いにくいというのはありますけれども、誰がどう見ても展望レポートは経済見通し下方修正ですし、金融政策は決め打ち無しの現状維持になるというのが織り込み済み。ということで、展望レポート見て連休明けから買いが入るんだったら、金曜よりも安いところだったらとりあえずその前に買っても罰は当たらないでしょうという同じような事を考える人も多かったという所だったのでしょうか。ニヤニヤ。
まあ相場様に関しては良く判らんですけど、「連休明けたら買いも入るでしょ」とか皆さんが思っている割には連休の合間に下げたところですかさず買いが入るちゅうのも何だかこう相場様のリズム的に押しが足りねえな(絶対水準的には散々押してますが、笑)という気がせんでもないのでありまして、展望レポート後に相場のネタが擬似時間軸みたいなお話にでもなってくれれば別ですが、ネタ探しモードが継続するとあんまり戻ってくれないかもです。
・短いところ
1年ゾーンに関してはついこの前まで3か月より下手するとレートが低いという実にケシカラン(買い手からすると)相場でございましたが、月曜では残存1年あたりで65.5とか66とかの水準(月曜のBB引けは255回で65.5でしたが)に上昇しておりまして、単純に足元の政策金利を足し算していきますと漸くリスクプレミアムが乗っかった水準ですなあという感じです(実際はGCや現先レートの足し算と比較する方が最終投資家の実態に合っている)ので買いもあるけど売りもあるようですな。何もこんなところ売らんでもという気もしますけど。
で、何だかよく判らんのは足元のGCさんでございまして、月曜のレギュラーネクストの2日スタート7日エンドのところは60台半ばのレベルになってます(金曜の1日スタート2日エンドも似たようなもん)ようで、先週火曜あたりには急に金が出てきてGCがいきなり下がったのに、木曜の末渡しの所から今度は急に上昇(木曜は63あたり)するという訳の判らん展開。
いやまあ例によって例の如く、資金を出す大手銀行さんの懐具合とかお家の事情とかあるのでしょうけれども、4連休越えの金利が65だの66だのってご愁傷様としか申し上げようがございませんわな。ちーん。
その割にはタームのオペ金利が別に爆騰している訳でもないので、これはまあ超一時的現象なんでしょう。勝手に愚考するに、連休対応の銀行券需要が読みにくいから予備的需要が発生したとか、債券などの売買が行われて資金を確認する必要があるとか、まあ色々あるんでしょうかねとは思うのですけど。そのせいでショートタームのCPレートはまたも上昇しやがってたようで。
このGCさんなんですけど、去年は同じように4連休だったのですけれども、連休向けの資金需要が盛り上がりということもなくGCレートは57〜58あたりで落ち着いていたのを考えますと、何の要因なんでしょとちと不思議ではあるのですけれども、こればっかりは結局何なのかは判りませんですな。
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2008/04/28
○金利急上昇しましたねえ(相場備忘メモ)
金曜ですが、米債が売られたとかCPIがやや強めだったとかございますが、それにしても寄りからいきなり下げ下げ。で、先物よりも中期が悲惨な下げ方してまして、前場は先物よりも5年カレントが3毛くらい進んでいるという下げ方。どう見ても中期にぶん投げです本当にありがとうございました。
・・・・まあこの売り方ですから3月に買い越しをしてたバンクさんがぶん投げかましたんでしょう(現物売ったのかシンセなのかは知らんが)という感じっすけど、いやまあこんな位置で売るんですかねえ。ご苦労様なことであります。ナムナム。
後場の一段安の時はもう先物の値動きが無茶苦茶になりやがりまして、13時直前に201銭安(値幅制限200銭だけど早い時間の時は値幅制限臨時拡大になる)でサーキットブレーカーが発動したのはご案内の通り。で、その後ですけど、ここまで下げられると自動的にロスカットしたりリバランスしたりしなきゃいけない人もいるので、板の無い中下叩く動きも発生して250銭安の安値までと。
まあ世の中はさすがに頭数だけで言えば買いが多かったようでございまして、引けに掛けては戻して149銭安ですから安値から101銭戻しましたというおそロシアな動きでございましたです。
2年が0.820%(10毛甘)、5年が1.220%(17毛甘)、10年が1.600%(11毛甘)と(数字は全部カレントの引け単利)ということで、利下げ話はどこに行ってしまいましたかという相場の位置になりましたのはとても素敵な展開。
金先の売られっぷりも素敵でありまして、Mar09なんぞ債券先物が安値叩きに行く時に22毛甘とか叩かれておりまして、えーっと今日利上げでもありましたっけというような数字になっておりました。金先のカーブから見ますと年内利上げという動きになっちゃいやがりまして、当然ながらOISでも年内利上げになってしまうという素晴らしい相場になってしまいました。いやあの前の週までは利下げだったんですけれども何という相場。経済指標でそんなに凄いの無いというのにねえ。
○まあ結局理由は判らないですけどね
今回の下げですけれども、まあ自然崩壊っぽい下げ方で、何がどうのこうのというのは無いような気がしますし、ぶん投げしてたと思われるバンク様に置かれましては誠にご愁傷様でございますが、これでやっと買えるわという水準になってホッとした人も多いのではないかと勝手に愚考。
で、今回の下げですが・・・・
利下げ観測って何度も申し上げるように別に本気で利下げまで見てた人は少なくとも国内には居なかったと思うんですけど、どうせ利上げは無いので次に金融政策ネタで動くなら利下げ観測だから別に買っていても何とかなるし、間違って利下げ観測でたら丸儲けスキームっていう割と安心感はあったと思うんですよね。で、その「安心感」でちょっと多めに買った分ってのが実は案外多かったということだったんでしょうかねえというのが理由の一つですかね。安心したたら下がったのでやっぱり降りるかってのが揃ってしまいましたと。
3月にバンクさん買い越しになってましたけど、今年度は貸出も伸びないですし(先日の日銀アンケートにもありますように)、株もこの状況ですので債券部門には収益目標増えているでしょうから、目標達成の為にも少し早めに買いを入れておかねばってお家の事情もあって、ちょっと多めに買ったってのがいつもより多かったんでしょうかね。何もこんなところを叩きに行かんでもとは思いますけど。
まあ実弾売りはそんなところなんでしょうけれども、ここもとの動きは何か先物で毎度おなじみの株買い債券売りをかましている人もいそうな感じですな。まあ米国が利下げ打ち止めしそうな感じという状況も踏まえますと、利下げネタよりもとりあえず「株価底打ちで景気回復の金利上昇」って方がテーマとして食いつきが良さそうですからそっちのネタで一勝負ってのがいてもおかしくは無いですわな。
#経済指標が冴えない物が揃い、経済見通しはどう見ても下方修正必至という中で株価上昇して金利が上がるというのは市場が先行するって言ってもそうかねえという気もせんでもないですが、まあそれはそれ。
まあ環境的にはそういう所なのでしょうけれども、これって東証のシステム変更で(1月15日に行われました)端末表示などが変わったのも大きいと思います。市場の中の人は先刻ご承知だと思いますが、システム変更によって値付けだけは早くなりましたが、使い勝手的にどう見ても改悪というバカタレ変更によりまして板が揃わなくなってしまいまして、そもそも値が飛びやすい環境に債券先物はあったんですね。そこに大口の売りが出るとまあこんな感じになる訳でして、最近債券先物の値動きが荒くなっているのはこのシステム変更も原因の一端を担っておりますわな。
で、先物の値動きが荒くなるとヘッジ機能が低下するので、マーケットメーカーもオファービットのスプレッドを広くせざるを得なくなりまして、結果として困るのは投資家なのでありまして、まあ投資家からも東証にクレーム出した方がよいのかもしれませんな。
○話変わって金先ですが
今日から金先の値付け方式が変更になるそうで(正直言ってネタ以外に興味の無い市場なので直前までこの話を知らなかったのはここだけの話)、時間優先方式からプロラタ方式に変更になるそうですね。
えーっと、25日9時12分配信のブルームバーグニュースの記事によりますとこのプロラタ方式ですけれども、『取引参加者の利便性向上が狙いで、欧米の短期金利先物でも標準となっている同方式を国内取引所では初めて取り入れる。』だそうであります。
10年ちょっと前に、「欧米の取引所での値付け方式を取り入れて」システム変更を行った債券先物では、あまりにも値が飛ぶので機能不全になって大変なことになったという事例がございましたが、相変わらず取引所の中の皆様は「欧米の方式」を取り入れるのがクールとでも思っているのか、そもそもここはどこの国の取引所でございまちゅかねえって言いたくなる変更をするのがお好きなようで誠に遺憾でございますな。
えーっと、ちょっと考えますと、プロラタ方式にされちゃいますと小口の指値注文って後から来た大口注文の指値に先を越されるという話になりますから今までよりも出来なくなりますってえ話になるというのは理解できます。ということで、このプロラタ方式ってのは従来の時間優先と比較すると大口注文者を優遇する制度。裏を返せば小口注文に対しては厳しい制度になります。
ということが徐々に認識されてくると、金先市場から小口の取引者が駆逐されるという気がする次第でして、小口取引者を排除して今以上にALMとヘッジファンドの場外乱闘場化を促進するとはTIFFEは何を考えてるんじゃという感は否めませんが、いやまあそれで良いというなら良いですが、そういう市場になると普通の人は益々寄り付かなくなってしまいますけどねえと。
東証の株式の値付け方式って長い間の経験によってよく出来たものになっていまして、小口の零細参加者でも不利にならないようによく出来ていると思うのですよ。で、それを導入して債券先物の値付け方式を作っていたから細かい参加者も参加しやすくなって板が揃い、結果として世界最大の流動性を誇る債券先物市場が出来ていたと思うのでありますが、どうも取引所ってのはそのような経験的に良く練られたものよりも海外の新しいものに飛びつくとか、小口の投資家よりも大口の投資家の言う事を聞くとか、どうにもこうにもそのような仕様があるようで、金先の今回のプロラタ導入もそうですが、東証の1月のシステム変更に関しても、企画倒れの悪寒がするのでありますけれども、杞憂であると良いですねえ(棒読み)。
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2008/04/25
○何か凄い動きでした
この駄文は俺様備忘録でもあるので備忘メモ状態で恐縮。
昨日の相場はもう何が何だか。朝方はあたくしが金先について駄文を書いたり「利下げネタ終了の巻」などと駄文を書いた呪いが効いてしまったようでいきなり金先威勢よく上昇。というかですな、ここもとの下げ過程で海外ファンド筋の投げという話がよく言われていたようでして、まあ海外の金融政策がどうもこれ以上の大幅利下げが望みにくい(小幅ならある)となってドリームポジションの解消をしたり、もしかしたら新規のショートも入っているのかもしれませんが、まあそんな感じで下がっていた金先がDec08で0.9%なんで値ごろ感も出たし、いい加減投げも一服とかいう所だったんでしょうか。
実際問題としてファンドの手仕舞いだけでここまでやるのかというと良く判らんのですが、まあ利下げ期待が萎めば足元のGCレートから2年くらいまでフラット(というか3か月から先でインバートしてたりしたのですが)というような一頃のレートはちとアレですなあとなり、それが金先なんぞに反映されたんでしょうね。
まあそんなところで金先が戻ったんですけど、いきなり3.5ティック上昇(基本的にDec08をベースにして話をしますが)とかやらかしてほうほうとか思ってたら、株価指数が戻ってくる中で債券と金先が叩かれるの巻。後場になって一段安になって確か引け後には4.5ティック安なんぞまで叩かれておりました。いやはや何とも。
で、債券のほうは先物は似たような感じで大暴れして、日中の高安が106銭(イブニングで引けの28銭安までやってて、そこまで加えると131銭・・・・)と動きまして、5年も高安で9毛くらいやらかしておりました。一方で朝から出遅れた超長期ゾーンが午後になると全然下がらずで、結局終日の値動きが3毛くらいしかなかったりするのがチャーミングなのですが、引けに掛けて中期が先物に追いついてくる感じでしたので、中期にはそれなりに動きがあったのかもしれませんな。しかし超長期が地蔵の如く動かないのにはビックリというか呆れるというか。
でまあ昨日の引けを物は試しに昨年年末の位置と比較してみるの巻なのでありますが。(あたくしの手元メモ帳ベースで勘弁)
(重要な追記:思いっきり逆に書いてました申し訳ありません)
12月28日 4月24日
4月24日 12月28日
30年 2.325% 2.430%
20年 2.090% 2.170%
10年 1.500% 1.490%
5年 1.005% 1.050%
2年 0.705% 0.720%
先物 136.81円 137.08円
全部カレントの単利ベースとか残存期間が微妙に違うことのアジャストをしてないとかいうような手抜きバージョンなのはご勘弁。
・・・・何か5年−7年のあたりが妙な気がしますな。
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2008/04/24
○金先よーやりますなあ
昨日の債券市場は長いところ中心に堅調だったのですが、威勢よく軟調(何のこっちゃ)となりましてまたまた金利上昇するの巻(データは取ってるのですが、イブニング終了後の画面をとったらLastの数字とAsk−Bidの数字に整合性が無いもんで細かい数字に関してはオミット)。08年12月限で0.9%あたりまで金利上昇(価格下落)しやがっております。つい月曜に金先の逆イールド解消とか言ってたのですが、まあ何と申しますかご苦労なことで。
金先がヘロヘロなのが先なのか2年がヘロヘロなのが先なのか知りませんが、2年カレントも0.685%だの0.690%だのと前日比このあたりだけはレート上昇(日本相互証券の引けは前日比0.5毛甘の0.685%)と相成りました。で、良く見りゃスワップも地味に上昇してますけど、まあ円LIBORは例のLIBOR騒動の影響は受けてないようですので、LIBOR騒動は(全く影響ないかは別ですが)あんまり影響なくて、これまたディーラーなのかバンキングのALMなのか知りませんが、払いがあってそのヘッジもあって期先の金先が売られているのかなあと勝手に愚考(というか詳しい親切なお方におかれましては教えてジェネラルなのであります)。
ま、利下げ期待のドリームポジションの解消もあるのかななどとおもったりして。
○とまあそんな訳で利下げテーマはどこかに逝ったようですが
この前ちょっとだけご紹介した貸出動向もそうですけど、経済指標はあまり宜しくないですけど、何か相場のネタとして利下げへの期待を使うのは一旦打ち止めの巻というのが金先の逆イールド解消からここもとの動きでコンセンサスっぽく見えてきましたな。
#とか書くといきなり金先が巻き戻しちゃったりするのがドラめもんクオリティなのですがそこは突っ込まないのが大人の作法(?)
さてまあ利下げネタが盛り下がる理由ですが、先般来同じような話で誠に恐縮でありますが、米国の利下げ打ち止め期待(市場コンセンサスは次回25bp利下げして打ち止めだと思うのですが)と欧州のインフレ懸念で金利下げる可能性がとっても低くなってきたという所で、国際協調の枠組みで利下げ大会という日銀が利下げする一番あり得そうなシナリオがどう見ても無くなりました本当にカムサハムニダというのがでかいんですよね。
でですな、その見方をサポートするものとしてあたくしは先般公表されたBOEの流動性対策を評価してるんですよね。ニュース報道を見てますと例の流動性対策って必ずしも評判はよくないようなのですけど。
と申しますのは、まあ要するにあの施策(火曜日の駄文をご参照ください)ってモーゲージ担保の現先オペみたいなもんで、それ自体は足元のファンディング支援だけの効果しか無く、バランスシートの改善には寄与しませんよって話ではございますが、あたくしが火曜の駄文で申し上げたように、「期間1年で3年間まで延長できまっせ」というのがすげえと思う次第なのですよこれ。3年というのは基本的に中央銀行の短期金融市場へのオペレーションの世界ではないお話になると理解されるものでありますから、プルーデンスとして(言い方は悪いけど)「3年間時間をやるからその間にお前ら何とかせい」という話ですよね。
で、何とかする方法としては、その3年間の期間収益で償却原資を稼ぐとか、たぶんそれでは足りない話なので増資などでの資本増強で償却体力を確保するということになるんでしょうけれども、そこまでの時間を与えるというのは結構頑張ってる施策だと思うのですよね。結局その間に個別金融機関が自助努力しないといけないというのはございますけど。。。。
とまあそういう次第でありますので、BOE様におかれましては、信用問題はプルーデンスで対応し、信用問題対応で金利操作は基本的に使わないですよねって志向なんでしょうし、まあその話は米国もそうですよねって感じですよね。インフレ懸念がどうのこうのってネタを振ってくるのはそういうメッセージで、そのメッセージが効いてきて利下げ打ち止め観測ということになってるんジャマイカと(大陸欧州はそもそもインフレですから)。
で、日銀に置かれましては月末に展望レポートが出てくるのでありますが、景気見通しを下げている以上、「金利水準の調整」(要するに利上げ)路線は引っ込めるか引っ込めないにしても修正が必要となるでしょうし、白川総裁の一連の発言を見てますとまあ利上げ路線は引っ込めて「(上げでも下げでも)柔軟な対応」という決め打ちなしの話になるんでしょう。でもまあ欧英米の利下げモードが弱くなっているので、それが出たからといっていきなり利下げ期待が復活というのもちょっと違和感が。
○その他雑談とひとのふんどし
・相変わらず商品ごとに動きが微妙です
えーっと、昨日の3か月FB入札ですが、平均が0.584%と殆ど0.585%レベルになったと思ったらそのレート見て投資家の買いが入ったようで結局業者間は58ビットみたいですな。CPは何故か現先レートとか上昇してちょっと上昇傾向っぽく、その一方で一昨日から急にGCに金が出てきて60あたりで妙に高止まりしていたGCは低下の巻と。
・・・・うーん、何がどうなっているのかさっぱり判らん><
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2008/04/23
○LIBORのお話続報
ちと古いけど月曜のブルームバーグ記事。
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003009&refer=jp_home&sid=al1VYQsKsQpM
『英国銀行協会(BBA)が、投資家の懸念を恐れる加盟銀行が実際よりも低い金利を申告している可能性について調査を開始したことを受け、LIBORは2日連続で上昇していたと同紙(補足:WSJです)は報じた。』
例の騒動(?)後は先日申し上げたようにドルのLIBORだけちゃっかり上昇して木曜、金曜の2日で3Mで20bp弱上昇してまして、その一方で円とユーロのLIBORは殆ど動かずの巻(というか円LIBOR下がってたような)でありまして、いやあ何とも素敵な状況とか思ってましたが。
『この傾向が続けば、LIBORに連動して年2回金利が見直される米サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローンの借り手の利払い負担は年180
億ドル(約1兆8700億円)増えるほか、LIBORに連動した変動金利による企業の借り入れ約9兆ドルにも影響すると指摘した。』
いやはや何ともナムナムなのでありますが、そもそも論としてLIBORがスワップなんかの世界でリスクフリーレート扱いになっているのが如何なものかというお話でございますが、惜しいことにこの外に短期のターム取引レートでリファレンスに使えるような公示性と透明性(と言っても結局リファレンスバンクが暗黙の了解で揃っていじればそれまでですが^^)があるものがございませんえんですなということで。
日本の無担保コールもそうですけど、LIBORとかも結局無担保取引のレートでして、やれ信用収縮だ金融危機だとなりますと、ターム取引のLIBORなんぞはもちろんのこと、無担保コールだってカオスの世界になることだってあるのでして、リスクフリーレートの概念も難しいですねという所です。
では他にリファレンスとして使える有担保(というかトレジャリー担保)のレートがあるかというとさっき申し上げたようにそんなもんはねえ(日本だと強いて言えば新発3か月FBの落札利回りですかねえ。週に1回しか出ないし基本13週物ですけど休日の関係で期間も動きますからやっぱ使えないでしょうね)のが現実。
てか現物の債券やら現物のお金やらを動かしている人にとっては、正直リファレンスレートは別に無くても取引に支障をきたす訳ではない(現実に幾らで取引されるかが重要ですから)ので、リファレンスレートの存在に関して切迫感が無いのが現実なんじゃないかなあと。リファレンスが必要なのってデリバティブの人たちとかですもんね。
今後BBAがどういう風に算出方法の見直しを行うのかは殆ど野次馬根性モードで注目したいと存じます。
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2008/04/22
○金先の逆イールドが解消されました
昨日の債券市場は寄り後暫くしてから先物が急に前日比変わらずくらいまで戻すというダマシがあって何のこっちゃでございましたが結局下げ。それよりもあたくし的にほほうと思ったのはユーロ円金先でございまして、午後になって下げ足を早めまして、ついに逆イールド解消の巻となりました。債券引けタイムの15時ちょっと過ぎ(15時3分)の数字で申し上げますと、08年6月限から09年3月限まで順に(レート換算で)0.84%、0.85%、0.855%、0.86%となりました。ちなみに前日比の下落(レート換算で上昇)幅は順に+0.010%、+0.025%、+0.035%、+0.060%ということで、金先の逆イールド状態が解消されましたってことで一つよろしく。
金先の逆イールド解消ということで「市場の織り込む金融政策の期待」って奴が利下げ方向への確率から中立になりましたというお話になる次第でして、まあ相変わらず(規模だけはでかいが)参加者が局地的なOIS市場でも当然ですけど次の決定会合までの利下げ確率ってのが0になって、利上げ確率が1%になったり、向こう1年間での予想される政策金利が0.06%上昇になったり(データはブルームバーグ)と中々チャーミングな動きに。
まあこれって「利下げ期待の後退」と言ってしまえばそれまでなんですけど、ぶっちゃけちゃいますと市場の利下げ期待というのが最大に盛り上がったのは1月の株式急落時点(1月23日の2年0.495%とかね)での催促相場状態でして、あの時点では金融機関の資本不足問題(どこぞへの出資が取りやめになるというウワサが出たりしてましやよね)やら、インド株急落やら、もう大丈夫でございますかって先の見えないモード(そんな中で日銀利下げしろ私らは何もできないと連呼した経済閣僚たちはちとエエカゲンにせえという感じでしたが)でございましたわなという所で。
その後まあ色々とネタは出ましたが、ベアスターンズの事実上の救済措置が出た3月には12000円割れとかやらかしてましたけど、2年カレントは0.55%を引けで割ること無し(再度0.52%位まで下がったのはバーナンキが中小金融機関の破綻云々とか抜かした2月末から3月頭でしたわな)の巻ってことで、利下げ期待に関しては別にまあ盛り上がってはいませんでしたわなということで。
ただまあ利上げに関しては目先どう考えてもあり得ないという状況でございますので(サブプライム問題が劇的に解消するなら別ですが)、利上げ100%無しと思えば間違って利下げがあったら利下げ分丸儲けという発想で本気で利下げがあると考えている参加者はいないけど、シャレでポジション作る人はいますわなという感じで、「市場が織り込む利下げ期待」が形成されていたと思うんですよね。特に金融政策ネタといえばガイジンさんが国内にいる人たちの発想の斜め上を行く頓珍漢な動き(金融政策ネタで話題になるなんちゃらレポートなどというガセネタの宝庫がございますな)をして下さいますので、その動きに対する期待もあるわけで(笑)。
まーそのポジションを一旦降りてみましたってのがここもとの動きだと思うのですが、米国の利下げが次にやったら一旦打ち止めになるんじゃないかとか、ユーロエリアはインフレ懸念で利下げに動きにくいから米国も合わせて協調利下げはちと考えにくいとか、サブプラ問題に関しても(何となく怪しげではありますが)先行き訳の判らん爆弾が炸裂するという感じでもなくなってきましたし(いやまあ欧州は微妙ですけどね)、そんなこんなで国際的にガンガン利下げという感じでも無くなったというのがポジション降りる判断になったんでしょうねえって感じです。
つまり、日本の利下げ期待じゃなくて米国の大幅利下げ期待が後退したということですかな。んなアホなという感じでございますが。
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2008/04/21
○途中まで拍子抜けのまったり相場でしたが
LIBOR騒動(?)の翌朝は米債が売られて帰ってきたのですけれども、CITIの決算待ちという言い訳の下に金曜の相場は後場途中まで妙にまったり。引けに掛けて売られたのは早起きロンドンさんでございましょうか(笑)。
CITIの決算出て円安だったり株高だったりと動いておりましたが、その一方でLIBORはドルものだけ金曜もレート上昇してまして、国内でも金先は金曜軟調だったりしまして、短期のところに関しては微妙にレート上昇。そもそもの元ネタがLIBOR云々の関連ですので、ここもとの上昇を見ると、どうも短期とそれ以外の動きが逆に(表面的には株高金利上昇なので平仄合ってるのですが)見えない事もないという状態で、はてさてどうなのよと。
まードルLIBOR”だけ”上昇してるということは、単に実勢から乖離してたドルLIBORの表示が訂正されただけですよんと解釈しておけば心の平安は得られるのですが・・・・本当にそれで良いのか???何か変な気がするのだが。
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2008/04/18
お題「LIBORがどうのこうのというお話」
久々にオモロイ相場でありましたことよ>昨日
○実はこんな話があったのね
http://www.reuters.com/article/telecomm/idUSL1692036820080417
珍しく英語のニュースをネタに(^^)。
『LONDON (Reuters) - Facing growing criticism over the credibility of the
LIBOR reference rate in the wake of the credit crunch, the British Bankers
Association said on Wednesday it had brought forward a review of its setting
process.』
WSJを引いたブルームバーグの記事(のしかも日本語訳版^^)をネタにしましたが、水曜のロンドン時間ではこんな話になってまして(不覚にも昨日の朝の時点で存じませんでした、サーセン)たそうで。そういえば今週になって金先妙に重くて水曜とかも下げてた感じでしたわな。ということで、本件見直しに伴いLIBORが上昇するんじゃネーノということで、LIBOR上昇→短期の金利が全般的に上昇するのではないかというような連想も働いて昨日は金先やら中短期ゾーン叩かれるの巻。
日本語版ロイターの昨日14時16分「外為マーケットアイ」記事では市場の思惑に関してこのように報道されていました。
<14:16>LIBOR算出法見直し、金利急上昇の可能性との観測
英国銀行協会(BBA)は16日、LIBOR(ロンドン銀行間取引金利)の算出方法の見直しを前倒ししたことを明らかにした。信用収縮を背景にLIBORの信頼性に対する批判が高まっているためで、市場では見直しによって「LIBOR金利が10bp(ベーシスポイント)上昇する可能性がある」とのうわさも流れている。(以下割愛)
(ロイター日本語版「外為マーケットアイ」17日14時18分配信記事より)
んでまあ金先も叩かれたんですけど、後場になってからは株価指数の動きとあんまり関係なく債券先物も威勢よく叩かれる場面がありまして、まあ実際のところなんぞわかりゃあしませんが、このあたりの話も影響したたんでしょうかね。
○利下げ期待が低下した理由の考察
いやまあ理由の考察も市場の中の人的には先刻ご承知だと思いますけど、適当な報道を真に受けちゃう人がでると困るので(^^)。
てなことで昨日は金先ドカドカ叩かれて08年12月限はレート換算で0.8%乗せ(で5毛だか6毛甘、イイカゲンでスイマセン)をマークしたりしてたんですが、まー冷静に考えたら「今年12月の3か月TIBORが0.8%」ってんですから(今の状況を前提にすれば)別に普通のレートっちゃあ普通のレートなんすけど、その前が堅調推移だったんで、目立ちましたわなあという感じで。
そもそもここのところ短い所の中でも2年とか期先の金先とか利下げを微妙に織り込んでいる(利上げを意識する参加者がいないですからねえ^^)ところって何となく頭が重くなっていたような感じでしたんで、昨日の下げで「いやあ利下げ期待が後退してますなあ」って印象を強くしましたわなという所です。
で、落涙を禁じえなかったのは某ベンダー(その後ここもLIBORネタを報道してたので名前はスルー)の記事でして、金先の下落を捕まえて「日銀総裁に白川氏が就任したことによって利下げ期待が後退」という趣旨のお話で、どこぞのよく知らん何とかストの方が「タカ派バイアスの白川さんが総裁就任したので利下げ期待が後退しました」と後講釈を垂れておりました。いやーあっはっは。
白川総裁就任で利下げ期待が後退するなら総裁就任するでしょって話になったのは先々週の話題なんですからとっくの昔に金先とか売られて然るべきでございまして、そんな壊れた蛍光灯みたいな相場反応しないですって。実際問題としては、米国の利下げ期待がここもと後退したというのがでかくて、日本が利下げするなら(1)経済指標がかなり悪化しやがる場合、(2)国際協調の枠組みで利下げする場合、って読み筋が市場のメジャーな見方の中で米国の利下げ期待の後退がおきればそりゃあなた利下げ期待下がるがなということで。
あとは、鉱工業生産の2月確報(と2005年基準への基準年改定)で1−3月期の生産が下向きから上向きにドテン変化するというのがありましたが、まあ出てくる経済関連指標ってマインドに関してはアホのように悪いのですけど、ハードデータの方は存外悪化しないというのが続いてまして、景気後退ですよって話になりにくいってのはここ1、2か月くらいの現象でございまして、その辺も利下げ観測の盛り上がりに水を差すお話。日銀総裁が誰になったからどうのこうのって話は全然影響ないとは申しませんが、市場の読み筋の本線とは違うオマケのような話だと思います。
ちなみに、万年債券強気(つまり景気弱気)で著名な某著名ストラテジストだかエコノミストだか肩書き忘れましたがまあその先生は鉱工業生産改定を受けまして、『鉱工業生産改定で景気後退説に打撃』ということで、『すでに景気は後退したという説に、大きな打撃』、『早期利下げ説にも決定的な打撃』というレポートを出しておられました。ほっほー。
○で、LIBORなんですが
http://www.reuters.com/article/bondsNews/idUSL1786735520080417
『LONDON, April 17 (Reuters) - The interbank cost of borrowing dollars
posted its biggest gain in eight months on Thursday, according to the British
Bankers Association, which has accelerated a review of how Libor, a key
reference interest rate, is set.』
何か長いニュースなのですが、日本語版だとこんなニュースが。
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnJT814495220080417
『[ロンドン 17日 ロイター] 17日の欧州インターバンク市場で、3カ月物ドルLIBOR(ロンドン銀行間取引金利)が2007年8月以来の大幅な上昇を示した。英国銀行協会(BBA)は前日、LIBORの信頼性に対する批判の高まりを受け、算出方法の見直しを前倒ししたことを明らかにした。また、貸出金利を提示する際に市場をゆがめる行為を行った銀行をLIBOR算出から除外する方針を示した。銀行の貸出金利についてBBAが調査しているとのうわさを背景に、市場はLIBORの上昇に備えていたとアナリストは指摘した。』
何か記事見るとドルだけ上昇したような気もするが。ほほーって感じ。
○これはウケました(^^)
QUICKのデリバティブズコメントというニュースカテゴリーがありまして、たぶん一般向けじゃなくて専門家向け配信だったと記憶しているのですけれども(違ったらゴメンナサイ)、昨日の15時00分配信記事はウケてしまいましたですよ。
債券:いんちきLIBORに惑わされるな、それとも「国債より外債に妙味」?
本日、現物債は中期ゾーンが軟調、短期ゾーンも甘い。あるファンドマネージャーは「いんちきLIBORの影響では」という。「LIBORは数字上は落ち着きを取戻してきているが、実際にはかなり高い金利で調達している外資がいる。その関係で中短期が重い」と指摘する。
(途中思いっきり割愛)
一方、別の銀行ファンドマネージャーは(途中割愛)「外銀や外資証券へ高金利で資金を運用し、日本の金融危機時の恨みをはらすチャンスである。あの時外資系が日系に対して行ったいやらしい行為(出していた資金を急にロールしなくなるなど)を忘れてはならない」とのコメントも。
(QUICKデリバティブズコメント17日15時00分配信記事より引用)
・・・・・いやあのその何と申しますか・・・・はっちゃけ過ぎです(^^)。
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2008/04/17
○ついにこういう話になったか
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=newsarchive&sid=a03m4dl6KgsQ
銀行家やトレーダー、LIBORの信頼性を疑問視−米紙WSJ
ということで、WSJじゃなくてそこから引いたブルームバーグの記事しかも日本語訳版からということで、英文ニュースからきちんと明快な解説して下さる厭債害債さんの爪の垢を煎じて飲んだ方がよろしいですなという安易にも程があるネタの引き方なのはあたくしの仕様ですすいませんすいません。
『信用危機を背景にLIBORは上昇したが、銀行は現金不足に陥っている状況を明らかにしたくないため、実際に支払っている短期金利を正確に報告していないとの懸念が金融関係者の間にはある。』
LIBORってリファレンスレートですから(と思ったが違ったらごめん)「これが市場のオファー実勢ですよ」という数字を出すということで、別にてめえの懐事情を反映させなければいけないという事ではないのでありますが、さはさりながらこのレートの重要性からしますとあまりにも突拍子も無いレートを出すと他行から打ち込まれるというのが市場の掟みたいなもんでしょう。例えば本邦でもかつて(超大昔)は都銀6行間で楽しい打ち合いとかもあったそうですし。
ところがですな、信用収縮で皆さんライン削減って話になりますと、他行のレートを見て打ち合いなんぞやってる場合ではなくなりますので、そりゃまあ上記記事のような話に段々なってきますわなという所であります。そしてそのLIBORがいろんなところでリファレンスになっているのですが、結局「リファレンスレートの信頼性」という話題になってしまう次第でありまして、どう見ても終了フラグです本当にカムサハムニダという話になってしまうと。
いや何と申しますか、あまり対岸の火事ではないのですけれども、いろんなもんの信頼性がどうなのよというお話が続きますとまあ日本の信用収縮の時にエラソーな御託並べて散々叩いてくれた皆様はさすがでございますなあ(棒読み)と言った所でございますわな。などとつい言ってしまうのがあたくしの人間出来てない所でございますサーセンサーセン。
ま、悪態は兎も角として、こういう話ってちょこちょこ出てきまわなあというところで、まあ問題をうまいこと先送りしつつ時間によって解決させる時にもあちこち綻びが出るので上手く縫いながらって感じなんですね。
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2008/04/16
○えーっと正直相場判りません(><)
それはいつものことですどね(というと身も蓋も無い)。
さてまあ相場様の方は昨日の30年から始まります長い所の入札祭りなのですけど、どうも最近の動きはよく判らんというか、本格的な相場テーマがどうも見当たりませんで瞬間の需給で動いてる感じを受けるのですが、本当のところはどうなってるんでしょうかねえ。もう毎日先物一人旅してみたり、昨日みたいに先物上下に振って最後殆ど寄り引けが同じ(しかも前場後場とも)という中で入札でカーブを動かしてみたりとか、何が何やらであります。
短いところでは15日の積み最終の着地が見えて来るまでGCレートが妙に高くなったり、その一方で短いCPとか短いSBとかはやたらめったら堅調推移するとか、まあ参加者層によって市場が分断されているのは短いところのいつもの仕様なのですけど、これまたその分断っぷりがちと激しくなっているのではないかという感じ。
先週あたくしは「リスク許容度の復活ですかねえ」と少々希望的観測もあったのですがしらっと申し上げましたけど、日替わりで何がどうなってるのよ状態の相場とか、市場間の裁定があまりワークしてなさそうな短いところとか、まあそーゆー裁定がどうもってのを見てますと、まだまだ厳しい部分もあるのかなあという感じが致しますですよ。先週前半の雰囲気に安心してましてサーセンでしたという所で。
ただまあクレジット物とか投資家が期も変わって参戦してそうな所もありますし、短いSBやらCPみたいに最終投資家(といってもこの辺は短いところ限定の投資家でしょうが)が参戦してニーズありますなあってのもございますので、まー別に不安がどうのこうのって程ではないんでしょうけど。
・・・・と、結局結論の出ない雑感でありましてスイマセン。
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2008/04/11
○先物がまた強くなってきたんですけど
あたくし水曜朝の駄文で「まあ何となくリスク許容度復活というのが今のネタ」などと書いておりましたが、相変わらずの髪様モードだったようでございまして、水曜木曜と急に先物が来たので状態。一部変な仕掛け(先物ロールがらみ)してる人がいるような感じもありますけど、昨日なんぞ先物やたら強くて何ともまあ2月3月の先物独歩高の遺憾な相場を連想したくなるような動きも。
・・・・・うーん、誠に遺憾というかそんな撃墜をした覚えはないのですが(汗)
それからbewaadさんが一昨日ご紹介したエントリーのフォローアップをしておりまして、これまたなるほどという内容でございますので必読かと。
閉店モード復活は勘弁願いたいものであります。
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2008/04/08
○まあ何となくリスク許容度復活というのが今のネタ
のようでございまして、木曜日に堂々BEIマイナスの落札結果になった物価連動国債の10年カレントのBEIは昨日の引けでプラス7になっておりまして、そんなにおまいら市場の物価見通し変わるのかよとか言いたくなりますが(笑)、まあネタとして2月終わりくらいから3月における「閉店の為ポジション強制クローズ祭り」がいったん片付いて退場する人は退場して再チャレンジする人は再チャレンジということで、行き過ぎたもんが修正されて来ましたねって所でしょう。先物のウルトラ独歩高も修正されつつありますし。
もっと短いところは運用難にも程があるようで、高格付けCPとFBのレートが短いところで殆どカワランチ会長というのは相変わらずでございまして、入札連発で当初はどうなるかと思われた(後出しじゃんけんで恐縮ですが、4月1日の新発CP落札結果を見た時点で運用難モードでしょうなあとあたしゃ思ってましたが^^)FBですが、今日もまた各方面からのニーズを集めて強いんでしょということで。
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2007/04/07
○何気に運用圧力
先週は水曜から金曜まで3打席連続FB入札(水曜木曜が3か月で金曜が6か月)がございました。で、その入札結果ですが、水曜の入札では事前に入札が流れるだのニーズが無いだのという話もあったのですけど、思ったほど流れず0.58%台での決着。しかも不明札2兆円ということで、どこかでガメている人がおいでって事であっさり0.57%レベルに低下。その流れで木曜の入札は0.57%台で決着して引けは0.57%ビットとまあ期初から元気でございました。
まあそもそも論として期初からCPのレートがやたら低下してFBと殆ど同じようなレート、というか金曜なんか一部の優良銘柄ではどう見てもFBより低いです本当にありがとうございましたという状況になっておりまして、そーゆー意味では運用圧力そのものは結構あったんですよね。あたくし的には水曜の入札のときに直前に流れる流れるって話になったのが微妙に違和感あったんですけど、まあFBの場合は投資家と言っても別に持ちきりだけじゃない銀行さんの動向もでかいので、銀行さんがイラネとか言い出すと妙に弱気になったりするのよね。だから他市場も比較して見るのが宜しいのではないかと。
今週もFB3か月と2か月の入札がありますけど、ロールのない2か月がどうなるのか程度しか注目ネタが無いですわなあという感じ。期末期初のやたら深いショートファンディングも軽減されてきたようですし、まあGW越えのファンディングが意識される月末近くまで波乱はなさそうの巻でありまする。
で、長いところに関しても期初の入札では下げましたけど、その後は徐々に期初の買いっぽい動きで、木曜の物価連動国債入札後は超長期とか今まで放置プレイだったところが何となく確りしてますんで、運用圧力のほかにリスク許容度もちょっと戻ってきたのかなあとか思うのであります。期初の買いというには相場の上げがイマイチなんですけど。
○そういえば物価連動国債入札
木曜に物価連動国債の入札がありまして、前場の引けが1.37%だか1.375%だったので1.4%で止まると良いですねとかいう話だったのですが落札結果はその1.4%100円。BEIマイナス入札かよという感じでしたが、その後はちゃっかり買いが入りまして木曜の引け時点でBEIプラスに復活の巻で、金曜の引けではBEIが5bp位となっております。まあこれもリスク許容度復帰(復帰にしちゃあイマイチですけどこちらも)の巻というところで誠に結構でございます。
と、折角戻っているというのにガソリン税を元に戻すなとかいう話になりますとまたぞろCPIが0.4%くらいさがっちゃう(らしい)のでまたまた人気が離散してしまいますので勘弁していただきたく存じます。
○利下げ談義ねえ
短観とかを受けて何とかストな人たちでは利下げがどうのこうのという話が出て、モーサテでも利下げの話が出てるんですけど、市場でポジション動かしている人たち的にはそこまで盛り上がって無いんですけど。年初の株式急落の時には随分盛り上がりましたけど、何かまあ誤魔化しっぽくも米国サブプラ問題が金融恐慌的な展開にならずに済みそうという見通しになってきた時点で景気大悪化のイメージがあんまり沸かなくなってきたという事じゃないでしょうかねえ。
たぶん株価がもう一段下がると話は別なんでしょうけれども、既に平均株価で12000円から13000円のレベルって目が慣れてしまっていて、その辺をウロウロしている分にはまあそうですかねえって感じになっているような気もします。
まーそれ以前の問題として、金融恐慌的な展開がなさそうと言うことになって自分たちがホッとした為に景気に対する先行きの悲観が後退したともいえるのですが(笑)。
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2008/04/01
お題「ひたすらオペ雑談です」
須田審議委員の講演ネタが後回しですいません。期末の話は今書いておかないとすぐ忘れちゃいますんで。
○結局ロンバート1000億円ぽっち
昨日も朝っぱらからGCのオーバーナイト(末初取引)は延々と74bpのオファー(資金の取り)が続くの巻。いやまあ75だとロンバートだから74希望というのはワカランでもないですが・・・・で、9時20分の即日本店オペが1兆5000億円で応札限度5000億円の結果が0,741/0.74の77.8%按分。応札が3兆8739億円でしたので2兆ほど募入にならなかった札がありますと(下の冷やかし札がどのくらいあったのか知りませんがそれは割り引く必要あり。為念)。
まあそれは良いのですが、オペ終わっても相変わらずGC末初が74のビット並ぶの巻で、12時50分に追加の即日本店オペ1兆5000億円実施。この結果が73.3/73の73按分100%だったのですが、意味が判らん事にそのオペが終わってもGCに74のオファーがあったのは何だったんでしょうか。
いやあのGC74でビットするくらいならオペで74入れりゃ最初のオペでも入れた札の7割入ってたし、次のオペでは必殺だったんですけど、どうも何考えて(多分何も考えてないのではという疑問が)いるのか訳判らん動きをする人がいますなあという感じでありました。それでも日銀がオペで何とかしちゃうってえのは別に今の国内インターバンクって非常時でも何でもないし、そもそも物をちゃんと考える人だったら期末ギリギリまで(その意図はないんでしょうけれども)寝転がらないでしょと思うのですが・・・・
どうにも量的緩和時代が長かったせいか、金利がある時代に生きてた人からすると良く判らんですなあという感じで。
まあそれは兎も角として、至れり尽くせりの日銀オペ様のせいで、昨日のロンバート実行は1000億円(速報ベース)ぽっちと相成りました。積み上は2回のオペで5兆円近くになっていた筈。いやあ大変優しいオペですねえ(棒読み)。
○昨年との比較
昨年の3月末はどうだったかと申しますと、30日当日は2兆7800億円のロンバート実施。即日本店オペは1兆円朝のオペで1本実施でオペ実施後の積み上が2兆7000億円(この時は積み終了先がいて30日に積み終了先の残高が積み上がったので正直ワケワカラン所があるのですが)とか。コールは終日しっかりで末初の加重平均は71.5だったんですが、あたくしの手元メモを読み限りレポレートが波乱になった感じはないですね。
ついでに申し上げますと、今回の資金供給って3月最終週(というか先週)になって急にシャカリキになって期末越えの供給をした感じですが、昨年はその前の週初(19日)に「バーゼルU導入絡みで無担保コールの取り意欲が強くなる」って話で末初レートがいきなり上昇して1.5%が出合ったりしたんですよね(もっとどうでもいい話ですが、この時は10年カレントが1.575%だったので「長短逆転記事」が出なかったのでしょうか、笑)。で、それを受けて19日の週から淡々と期末越えのオペを打ってたんですけれども、今年のオペより全然頻度少ないです。
一方で今年のオペって(期末越え金利が上昇しだした)17日の週に行ったものって本数は多いのですが期末越えない足の短いのが多くて、またロールでバカバカオペを打たないといけないという流れに。昨年の3月19日の週に打ったオペは供給8本で即日1本に短国買入1本。残りの6本中期内に落ちるのが1本。一方今年の3月17日の週に打ったオペは供給14本で即日4本に短国買入1本に輪番1本。残りの8本中期内に落ちるのが3本。即日オペは翌日物ですので、そこまで勘案すると昨年の2本に対して今年は7本ですな、足の短いものが。ということで何か多忙っぷりが目に付きます。
○いやまあロンバート出るのが困るっつーのも判らんでもないですが
で、先ほども申し上げたように、昨年は末にきっちりロンバートが2兆7800億円出たのですが、今年は1000億円ぽっちしか出ないの巻。それだけオぺを至れり尽くせりということでありまして、これじゃ何のためにロンバートがあるのか良くわからんお話ですなあという感じであります。
いやまあ昨日も悪態つきましたように、どうせロンバート実行が増えると「貸出ファシリティにニーズ殺到」とかいう話になって「日銀のオペレーションがヘボだからインターバンクが混乱した」とか言いがかりをつけられるって話なんでしょと思うのですが、たぶんそれって(これまた昨日と同じですが)短期市場にいる皆様誰しもが思うことでありまして、それを見越して寝転がり(意図してるのと意図してないのと両方とも)が横行しちゃいましたってのが期末の動きだったんでしょ。
いやあ何も考えなくても日銀が至れり尽くせりのオペをやってくれるなんて楽でいいですねえ、というかそうしないと回らないほど短期というか資金のところって人材が払底してるんですかねえ。。。。そんな筈はないと思うんですが。
○またも人のふんどしコーナー
という期末の動きに関して既に本石町日記さんがエントリーを上げているのですが、そこにまたもコバンザメのように便乗しますすいませんすいません。
http://hongokucho.exblog.jp/8279844/
コメント欄の見事な過疎っぷりに全あたくしが泣きました。というのはともかくとして(^^)、本石町日記さんの「そんなにオペ打つならロンバート下げちゃえば」というのは別の言い方ですけど、期末に向けたオペの打ちまくりがマーケットをオペ依存症モードにしてませんかっていう指摘に繋がりますよね。あたしゃ本邦で別に信用収縮がどうのこうのという話ではないので、逆にオペ依存症防止の為にロンバート上げちゃえばって(少々暴論でありますので念の為)話をする訳ですが、まあ根っ子にある現状認識は似てますねって所で(^^)。
そうそう、過去の当座預金増減明細日足と、オペレーションの実績は下のURL先でございますのでご参照ありたし。こういう資料が充実しているのが日銀サイトの良い所であります。階層構造が複雑で探すものを見つけるのに相当の慣れが必要なのと、サイトリニューアル前のURLがリンク切れになっているのが誠に残念ですが。
http://www3.boj.or.jp/market/jp/menuold.htm(過去の当座預金増減要因明細)
http://www3.boj.or.jp/market/jp/menuold_o.htm(過去のオペ結果)
(オペ結果に関しては何時に打ったかまでは残念ながら判らないのですが、オペオファー分はオファー順に並んでいるので、イレギュラーな時間に打ったものは順序とスタートの決済時間を見ればある程度は予想つきます。結局は記憶とメモがないとダメですけど)
ということで、本日も一部の人しか何の事やらワカラン話を延々と繰り広げるという読者を減らすような行動をしておりますことを謝罪しますが賠償は致しません。
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