相場見通しあるいは後講釈

こちらはあまり当らない相場見通しやら相場後講釈やらを書いております。2005年9月までは現場でディーラーやってまして、現物国債の値動きを中心に見ていたのでそのお話をしております。このコーナー自体のカテゴリーは暫く現場に張り付かないお仕事になったので激減の予定。


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2004年下期
2004年上期
2003年下期(工事中)
2003年上期(工事未着工^^)
2002年下期(工事メド立たず)

2005年上期

2005/09/29「5年カレント0.7%は滞空時間が無いの法則」
2005/09/28「板見て無いけど相場雑感」
2005/09/16「岩田副総裁講演のひとことにまた反応」
2005/09/15「先物出来高6兆円の大商い」
2005/09/13「相場雑感」
2005/09/08「嗚呼10年182回債/先物が最終日ですな」
2005/09/07「2年ゾーンがぶれますが」
2005/09/06「良く動く中短期債」
2005/09/05「株高債券高ですが」
2005/09/02「10年国債入札レビュー」
2005/09/01「結局もとの木阿弥ですかそうですか」
2005/08/30「良く上りましたな/神メディア日経」
2005/08/29「舶来レポート後日談」
2005/08/26「舶来レポートで一仕掛け」
2005/08/25「相変わらず落ち着かない相場」
2005/08/24「またも中短期が妙に動きました」
2005/08/23「20年国債入札前に相場大下げ」
2005/08/22「平和の戻った金曜日」
2005/08/19「底打ち確認のようで」
2005/08/18「よくぞ戻りましたな」
2005/08/17「値幅以上に疲れる相場です」
2005/08/16「まだ落ち着かない相場です」
2005/08/15「下げた分丸戻しした金曜相場のメモ」
2005/08/12「5年国債入札を含めた大荒れ相場レビュー」
2005/08/11「素直じゃない相場ですな」
2005/08/10「先物が大暴れか?」
2005/08/09「郵政民営化法案否決は織り込み済みでしたか?」
2005/08/08「材料の整理」
2005/08/05「材料待ちの相場」
2005/08/04「全店手形オペまた金利上昇」
2005/08/03「入札レビューその他」
2005/08/02「10年国債入札です」
2005/08/01「相場種々雑談」
2005/07/29「2年国債入札でヒヤリ」
2005/07/27「20年国債入札レビューと相場見通し」
2005/07/26「入札見通しその他」
2005/07/22「中国人民元切り上げメモ」
2005/07/21「月末の30兆円維持が怪しくなってきましたが」
2005/07/19「先物を振り回している妙な人がいます」
2005/07/13「5年国債入札レビュー」
2005/07/12「5年国債入札ですが」
2005/07/11「相場点描」
2005/07/08「サラリーマンモード全開相場」
2005/07/07「初押しは買われました/FB入札刻み幅変えても100円入札」
2005/07/06「10年国債入札レビュー」
2005/07/05「10年国債入札ですが」
2005/07/04「日米供に馬鹿相場??」
2005/07/01「達成感の無い市場」
2005/06/30「相場反発にビックリ」
2005/06/29「某経済新聞の法則^^」
2005/06/28「引き続き相場が下がらん/短国買入2度目の札割れ」
2005/06/27「相場が下がらねぇわけだが」
2005/06/23「短期国債またまた100円入札/結局おまいら買いたい弱気か」
2005/06/17「久々の先物大下げ相場と20年国債入札」
2005/06/15「元気な短期国債と悲劇の物価連動国債続き、その他相場雑感」
2005/06/14「物価連動国債の悲劇」
2005/06/10「見事な割高入札になった5年国債入札レビュー」
2005/06/09「5年国債入札の勝手な見通し(メモ)」
2005/06/08「物価連動国債の入札がありましたが」
2005/06/06「やっと正しく反応したか(メモ)」
2005/06/02「当座預金動向と相場動向」
2005/05/30「金融調節やら総裁発言に反応したのかな?」
2005/05/27「相場動向+当座預金動向」
2005/05/25「相場の動きを見つつ色々考えたこと」
2005/05/19「相場雑談」
2005/05/18「5年国債入札レビューその他」
2005/05/17「当預目標引き下げで盛り上がってるのかなぁ」
2005/05/12「皆様我慢がよろしいことで・・・」
2005/05/11「10年国債入札レビュー」
2005/04/27「入札合戦は終わらず(2年国債入札レビュー)」
2005/04/26「JGBCCが5月より稼動」
2005/04/25「4月の入札を振り返り馬鹿入札を嘆く」
2005/04/19「想定レンジ10年1.3%を抜けてきましたが」
2005/04/18「変動15年国債が重くなってきたようですが」
2005/04/15「30年国債入札メモとFB100円落札」
2005/04/13「5年国債入札レビューその他相場雑談」
2005/04/11「相場が下がりませんなぁ」
2005/04/06「10年国債入札レビュー」
2005/04/04「期初は益出しからスタートでした」
2005/04/01「期末レポ金利の話」

2005/09/29

○5年カレント0.7%の滞空時間が無いの法則が発動

いやまぁこういう珍法則の話を終わってからしても意味無いんですけど。

昨日の債券市場ではまたまた中短期債がズタボロになって一時5年カレントものが前日比0.1%上昇の0.8%までマーク(と申しましても板に張り付いていた訳ではないので聞いた話で恐縮ですが)したそうで、実にゲロゲロの相場であったかと存じます。

以前も書いたと思いますが、特に根拠がある訳では無いのですが5年カレントの0.7%というのは実に妙な位置でして、一昨年の下落の時以降毎度毎度の如く「滞空時間がやたら短い」という水準。先月の場合は0.685%で相場がすかさず跳ね返されましたし、今月はあっさりとぶち抜けの巻と「反転するか(上昇でも下落でも)ぶち抜けるか」という不思議な数字でございます。

0.6%台と0.8%台は滞空するんですが、0.7%近辺はホントに滞空しないのが不思議です。ただの経験則なんですが不思議とこれは当たる、などと終わってから書いてもただの後出しじゃんけんですかそうですか。

まぁしかし2年0.225%で5年0.8%なのに10年が1.44%ちゅうのはどうも感覚的にバランス悪い(中期売られすぎか長期が売られなさすぎ)だと思うんですが、まぁ月末期末とかの要因もあるんでしょうな。

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2005/09/28

引き続き相場からちと離れてるのでプライスアクション見ながらのお話をする訳には参りません。よって単なる傍観者の雑談ですが。

○中期債主導の展開ですか?

あたくしがのうのうとお休みを取っている間に日経平均は13000円を平気でぶち抜けているのですが、債券市場の数字としてさっくり入手できる数字と言えば10年国債の利回りでして、何か相変わらず1.405%だとか言っているのは傍観者的に「そりゃまた随分値持ちしてますな」って感じでございます。

何せ8月の安値は8月に行われた5年国債入札の日(=11日)でしたが、この時の10年カレント物の利回りは引けベースで1.485%(先物は137円95銭でまぁ大体安値引け)。この前日は日経平均が終値ベースでも12000円回復してその勢いで上昇した日でしたが、まぁこのレベルから見ると日経平均が1000円上昇してますわな。それで10年金利がこの位置とは。

・・・と思ってふと2年だの5年だのの水準を確認してみると、入札の行われた2年債は入札後もヘロヘロで引値で0.195%で5年が0.70%ということでこいつらは8月安値(2年0.175%瞬間風速で0.185%、5年0.685%)をぶち抜けているようでして、まぁ相場としては「量的緩和早期解除織り込みに行くモード」となって中短期債が主導する相場になっているようですわな。

まぁ政策金利引き上げ織り込みモードなので中短期主導になるのは当たり前なのですが、昨年や一昨年のパターンとちと違うなぁと思うのは「長期ゾーンに投資家の投げが見られない(全く無いわけではない)」ことでしょうか。中期債ゾーンにはここのところへ来てやっと外しらしき動きもあるようなのですが、今のところヘロヘロなのは2年で、それに次ぐのが5年という所でしょうか。

ま、売ったり買ったりする投資家様といえば大手銀行勢が中心になるのですが、この人たちはどうも5年辺りの中期債を主に購入していた事もありまして(あと資金部門が2年を購入)、この人たちの外し(資金部門の2年債投資はかなりディーリングに近い感覚)が入る中期ゾーンが相場を引っ張っているという図なのではないかと勝手に愚考。まぁ量的緩和政策の時間軸が短くなっている筈なのにこれまで5年あたりの中期ゾーンが妙に確りしてますわなぁと思ってたのですが、ようやく外しが来たって事かもしれませんな。

・・・・などとエラソーに書くと中期債が戻るのがドラめもんクオリティ。

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2005/09/16

お題「審議委員の発言に反応するのは・・・」

○岩田副総裁講演の一箇所に反応した?債券市場

昨日の債券市場は寄り付きこそ確りでしたが、朝方ちと弱かった株価指数が威勢良く上昇するとヘロヘロになりました。特に昨日悲惨だったのは例によって中短期ゾーンでして、後場先物が139円近辺で何とか耐えていた時(その後平均株価が13000円をうかがう勢いになってきたので9円割れになりましたが)5年49回債は前日比2毛甘の0.65%あたりの出合いになっておりました。

で、まぁこれがど〜ゆ〜悲惨な状態かと申しますと、火曜日に入札が行われた時の前場引け時点の価格が先物139円02銭で5年49回債の入札前取引(単利)が0.64%オールテイクン。入札の平均落札価格はだいたい0.63%な訳でして、2日間相場が振幅している間に入札レベルから2毛甘くなってしまった訳ですな。

さて、昨日14時過ぎにヘッドラインが流れ出した岩田副総裁の名古屋での講演ですが、このあと軽くご紹介しますが最近の講演と同じく景気には超越ブル(なのは今に始まった事ではないというのはドラめもん読者の皆様ご存知かと)だったのですが、フラッシュで出てきた「量的緩和解除再びデフレに戻らないための歯止めをしっかりと置くことが必要(という意味の内容)」という内容が伝えられますと、139円そこそこでもみ合っていた債券先物は反発。それまでヘロヘロだった2年ゾーンがまぁ確りしてきて相場は上昇しちゃいました。最初債券先物があがりだした時には「この講演内容でどうして債券買われるの?(=景気に超ブルなので)」というお問い合わせまで頂く位、一言に反応したって感じですわな。

まぁ朝から超長期が全然下がらないとか相変わらず長期ゾーンも押し目買いとかあったのも効いてるでしょうし、期末大接近で債券購入圧力はあるんで実需買いが押し上げた面も大いにあるでしょうが、どうも2年あたりとかも派手派手に動いていまして、ま〜思惑で動いている部分もありますわなという感じです。


岩田副総裁は景気に関してはご案内の通り強気の最右翼で、金融政策に関しては「再びデフレに戻らない為の糊代が必要」という話を以前からしている人なので、本来はこの講演内容には新味が無い筈なのですが、債券相場が妙に反応して引けて見ればイールドカーブがブルフラット。まぁ今回の講演で副総裁がいきなり宗旨変えして熱烈金利上昇歓迎派になるとでも心配していた向きが多かったという解釈をすればできない事は無いのですが、それはちょっと幾らなんでも。

今までの岩田副総裁の発言からみるとごく当たり前の講演の前後に相場が反応してしまうというのは、日本銀行政策委員会審議委員さまにおかれましては「市場との対話」という名の下にまたぞろ行いだしかけている「市場への独白」が機能(苦笑)しだしているとも言えそうです。

経済指標に素直に反応すれば無問題なのに、市場を鏡にして行う審議委員の皆様の独白に反応しだす債券相場が始まるというのはあまり良い傾向ではございませんな。

この「市場への独白」ってのは例によって本石町日記さんの最近の替え歌エントリーでのコメント欄と、Hicksianさんのブログ「Irregular Economist」でのエントリー「私を出口に連れてって」でのコメント欄で取り上げられています。また、Hicksianさんはこちらのエントリーで先日の岩田副総裁のカンサスシティ連銀での英語講演のポイントについて解説して下さってます(と、人の褌で相撲を取るあたくし、汗)ので、そちらも必読です。当該エントリーはこちら→http://econ.cocolog-nifty.com/irregular_economist/2005/09/post_0eec.html



○岩田副総裁の講演に関しては甚だ簡単に

いやまぁ寝坊したのと、前半書くのに3歩書いて1歩書き直すという感じで書いたというのもあって(汗)。
http://www.boj.or.jp/press/05/ko0509d_f.htm

とにかく景気と物価には強気なんですよ。

・GDPギャップについて

『以上の大まかな計算(は講演要旨をご参照ください)を将来についても延長して適用すると、2005年度の成長率が潜在成長率を上回るようであれば、年度の途中からプラスに転じてもおかしくないということになります。』

・コアCPIについて

『従って、GDPギャップが引き続き縮小し、特殊要因が剥げ落ちてゆくにつれてコア消費者物価指数の上昇率はゼロからプラスになってゆくと期待出来ます。』

・ということでデフレ脱却に明るい見通し

『9月の金融政策決定会合では、コア消費者物価指数の先行きについて、年末頃にかけてゼロ%ないし若干のプラスになるとの判断を示しました。日本経済が、緩やかではあるけれども持続性のある、自律的な成長を今後も維持できるとすれば、デフレ脱却の展望は明るいものであるといえます』


で、リスク要因としてあげているのが米国経済でして、原油高騰とハリケーン被害問題、それから米国の経常収支赤字の拡大を挙げてます。


金融政策運営に関して

・債券先物買戻しモードになったくだり

『コア消費者物価指数が安定的にゼロを上回るようになり、3条件を満たす状況になった場合には、量的な枠組みから金利を中心とした枠組みに移行することが考えられます。私は、金利を中心とした枠組みへの転換を行なう場合にも、「再びデフレに戻ることがない」という歯止めをしっかりとおき、期待の不安定化から長期金利に過度の変動が生じないようにする上で「条件付きコミットメント」を通じた「物価安定の錨」の役割を活用することが望ましいと考えています。』

ちなみに、あたくしが超越斜め読みしかしなかった岩田副総裁の前回講演のお題はと申しますと「The Role of the Price Stability Anchor in Extricating Japan from Deflation」な訳でして、物価安定の錨としてのコミットメントがどうのこうのって話をしていたような気がする訳でして、この話も言ってみれば「想定の範囲内」であり、ノーサプライズの筈なんですよね。

ま、勝手に勘違いする市場も如何なものかと思いますし、特に最近の2年ゾーンの動きなんぞは経済指標などに反応している訳ではなくて、要人発言の片言隻句を捕らえて勢いで大きなポジションを振り回しているという感じで、池の中で無節操に暴れる鯨に戦々恐々ですよ全くもうって思います。まぁそう考えるとどっちもどっちではありますな、爆。


時間の都合で本日は簡単にご紹介で勘弁でした。

#福間審議委員の会見要旨もツッコミたかったのですが

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2005/09/15

○昨日の債券相場

ご案内のように昨日の債券相場は大動きもいいところで、先物の売買高が6兆円を超えるという大商い。詳しく書いているとこれがまた面白い(というか腹立たしいというか、爆)のですが、本日の本題に到達しない懸念があるので端折りますが。

朝方は前日の5年債入札後の中期ゾーンつよつよ攻撃と、米国市場での株安債券高(おまけに債券は中短期債がしっかり)ということもありまして、朝から威勢良く堅調推移で、昨日入札が行われた5年49回債は前日比1.5毛強の0.60%までマーク。毎度お馴染みの2年236回債も前日比1.5毛強の0.145%まで買われまして、出合いは無かったものの、瞬間2毛強0.14%のビットまでございました。

昨日の今日で0.6%ですかやりますなぁなどと思っていたら岩田副総裁がどこぞの講演で月曜に公表されたカンサスシティ連銀での講演と同じような話を英語で行い、その中でまたも「量的緩和政策の出口が近くなっている」というような話をおっぱじめた(英語でI think now we are very close to the exitって言ったらしい)事が報じられますと、「今日(14日)は福間さんの講演で、岩田さんは明日(15日)」と思っていた為に先日と同じ話とは言え市場へのインパクトは「不意打ち」となった為に中短期債中心に売り売りになりました。

後場になりまして先物や中期債が益々叩かれまして、途中からは売り回転という形になりまして10年1.4%に逝ったのも中々ですが、5年49回債は安値0.655%までマーク。一日の間に中期債上下5毛5糸しかも経済指標じゃなくて単に要人発言で暴れ相場ってのは何ともまぁって感じです。2年236回債も安値1毛甘だか1.5毛甘だか忘れましたが(というか余りにもドタバタだったので記録とる余裕なし)こっちも3毛以上平気で動いておりました。

圧巻だったのはその後の展開でして、まぁ今回はそもそもの下げのきっかけが要人発言(しかも総裁ではない)だった事も影響していたのかはたまた久々の10年1.4%だったせいなのか存じませんが、世の中投資家様の押し目買いが絶賛御到来。プロップ系の売りに対顧ディーラーの買いがぶつかると言う展開になりまして(笑)、途中から売り叩き過ぎ分の踏みも入って先物は安値から50銭上昇して前日の終値を奪回しちゃいました。

いやはや、端折って書いてもこんなもんですよ。


○何かのサインですか?

小ネタですが。

昨日安値マークしてから先物が138円80銭台で何となくフラフラしていた時の事、債券先物に「成行300枚売り」が出たので「また下をやるのかよ」と思っていたら瞬間的にその成行きが無くなり(すかさず買いが入ったのか取り消しなのか判然としませんが)まして、その後は138円80銭をマークすることなく債券先物は引けに掛けて上昇。

そういえば先月の16日には債券先物に成行き1000枚売りってのが出て5銭くらい先物が下がったところ(500枚くらい出合い)でいきなり注文が取り消しになってそのあと相場が上昇。成行き売りの直後についた137円99銭が目先の安値になったという事例がございまして、その時も不安定な地合いの時にこのオーダーが出てましたなあと思うわけですよ。

ということで、あれはもしかしてなんかのサインなのではないかと思うあたくしは陰謀論者ですかそうですか(笑)。

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2005/09/13

○相場雑感

昨日の各市場は自民党歴史的圧勝でこんなもんかよと言いたくなるような動きでして、引けで戻ったから格好は付いたものの日経225はどっちかというと寄り天っぽい感じ(違ってたらごめんなさい、見てた印象です)でしたな。どうも相場神の某著名ストラテジスト様が「日本株には持たざるリスクが意識される」などと強気コメントをしていたのが平均株価の上値を抑えてしまった悪寒が(^^)。

それはともかくとして、債券市場は朝方は先物が叩かれていましたが、途中からの流れは中短期売りの動き。まぁ要因を挙げるとすれば、平均株価の上昇、GDP2次速報の上方修正、木曜に発表された日銀の金融経済月報でやたら強気な現状判断が示されたというののあわせ技とは思いますが、日銀の月報は木曜に出てるんですが、ど〜してそう時間差攻撃で反応するかな〜って思ってしまいます。

毎度お馴染みの2年債が昨日は前日比2毛甘の0.165%となっておりまして、9月2日の終値0.110%(高値は確か0.105%)は一体全体何だったんだという感じですな。ちなみに日経平均はそこから300円弱上っただけなんですけど。

そんな中で5年国債入札を迎える訳(迎えるからこそ昨日は中期債がより叩かれたのですが)ですが、償還のびるから何とかなるでしょうし、長期債の水準を正当化するのであえばの話ですが、5年がそんなに高い訳でも無いので、まぁ何とかなるでしょ。前場は下げるかもしれないけど。

ただし、時間軸がどうのこうのという時代の中期債は、時間軸が確りしている時と比較して、ボラティリティが高くなるのでリスク対比のリターンという意味では現在のイールドカーブ形状で良いのか(中期がもっと膨らむのでは)という考えは当然ございますわな。

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2005/09/08

○嗚呼10年182回債

昔々その昔、国債市場におきましては「指標銘柄」というものがございました。もう今はそんなものは無いのですが、要するにディーリング相場の名残でして、発行量の多い長期国債の特定銘柄に売買が集中し、「流動性プレミアム」という(今にして思えば)妙なものが発生していたという代物。このため各銘柄の複利利回りをプロットしてイールドカーブを引っ張ると指標銘柄だけ下に異常値(流動性プレミアムが乗っかっている=値段が高い=利回り低い)となっておりました。

で、この182回債というのは当時にしてはやたら発行量が多い債券で、残存7年近くになるまで延々と指標銘柄になっていたというもの。そのせいか「指標プレミアムっておかしくねぇか?」って認識が徐々に広がってきたように思えますが、それは兎も角として要するにこの銘柄は長期債時代にはひたすら割高に売買されていたのですな。


さて、そんな182回債も今月20日に目出度く償還。償還直前となった昨日の業者間取引では何か0.009%だの0.10%だのという利回りまで売られておりました。償還近くの銘柄は元利金支払い手数料(話すと長くなるので激しく端折ると、登録債制度時代の名残で、元利金の支払いに関して利付国債の場合1銘柄につき500万円を上限に元本の万分の9、利金の万分の18だと記憶してますが、その料率で取扱金融機関に手数料が払われるというもの。端折って書いているので厳密性については担保致しかねます)見合いの買いニーズなんかが発生するものなのですが、何せ大量発行銘柄なもので皆さん「お腹いっぱい」状態で特にニーズ無し状態のようです。

とは言え、昨日入札のあった3ヶ月FBはまたまた100円落札(しかも100円での按分比率が9%って・・・・)となっている位ですからまるでニーズが無い訳ではない筈なんですが、色々と他の理由もあって見るも涙の売られ方となったのですな。

ちゃんと計算してないので激しくいい加減ですが現先利回りに直すと実はこの利回りでもそんなに魅力が無いとか、だいたいからして償還まで残り8日なので0.009%も0.10%も単価が同じだとか(笑)、この債券が叩かれて世の中で余っているいると言っても1000億も2000億もある訳でもないのでメンドクセとか、昨日時点での売買単価が100円6銭近辺で12日持っていて6銭も償還損が発生(その分金利収入はありますが)して見掛け上激しく損が出る形になるのでイラネとか色々と要因を並べることはできますな。

まぁそんな訳で、長期債時代には長期間に渡って指標銘柄と呼ばれ、もうJGB界の王様状態(ナンジャソリャ)であった10年182回債の最後は業者間でボコボコにされて終了の巻と相成った次第。何とも感慨深いものがございます(本当か?)わなぁという世間話でございました(^^)。

(追記:翌日最終日の状況)

○本題の前に余談:盛者必衰の理

実質的に取引最終日となっていた10年182回債は利回りベースでは最後とんでもない利回り(最後は日本相互証券の業者間スクリーンに表示しない付出約定という形での売買でしたので、いくらで売買されたかというのは日本相互証券様に聞いて下さい)で売買されておりました。

指標銘柄として2年以上に渡って栄耀栄華を誇った銘柄の最後は余った玉の投げ攻撃という平家一門壇ノ浦で入水の図のような寂しいものでございまして、まさに盛者必衰の理をあらわすといった所でございました。ディーリング相場は春の夜の夢の如し。


○先物9月きり最終日ですが

債券先物9月きりは本日で最終日。今回の先物にはあまりドラマらしいものもございませんで、実に平和な先物でございました。まぁ最近は先物チーペストのスクイーズ狙いおよびその思惑による攻防戦などというものも見られなくなって大変に結構なことでございます。日銀の流動性供与貸出スキームが抜かずの宝刀としてワーク(というのも変な表現ですが)しているのかも知れませんし、まぁそもそもスクイーズなどという下劣な力技は如何なものかと思うあたくしとしては血圧も上がらず健康に宜しいですな。

今回の先物チーペスト銘柄は10年241回債でしたが、業者間での値付けは延々とビットサイドで値付けを行いひたすら頑張っておりまして、ネットべーシスも碌につかない状態で引っ張り続け、最後の最後に業者の皆様予定通りに投資家様から玉が出てきて無事終了の巻といった所でしょう。昨日の業者間売買でのべーシス売買は2.2銭〜2.4銭あたりで取引されていましたが、ネットべーシス換算で若干のマイナス。9月20日渡しのべーシス売買はマイナス0.2銭あたりで取引されており、無事終了の香りが漂うのでありました。

と、チーペストで波乱がなくてよかったですねという話はしましたが、先物そのものズバリとに関しては正直知らんので、変に建玉を残したせいで損をこいたと言ってあたくしに怒鳴り込まれても謝罪も賠償もしませんのでその旨お含み置きください。つーか先物建玉のロールオーバーはカレンダースプレッドの板が厚いうちにさっさとやりましょうと思うんですけど、建玉見てると毎度毎度前日まで2兆円とか残ってるんですよね。今回はそれでも割と片付いているようですが。

もっと念を入れておきますと、今日いきなりチ−ペストに波乱が発生してもあたくしの関知する所ではございませんので悪しからず(笑)。

12月きりは値付け上チーペストのネットべーシスが若干ついてスタートしてますが、これがどうなるのかは神の味噌汁ですな。お楽しみに。

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2005/09/07

○昨日もぶれる中短期ゾーン

先日の武藤副総裁のブルームバーグインタビューは意外に効果(?)があったのかど〜か知りませんが、昨日の債券市場でもまた中短期ゾーンが見事にヘロヘロの巻。朝っぱらから前日比1毛甘の0.145%ヒットとなっていまして、さすがに引けに掛けて持ち直しの動きもあったのですが、債券先物は前日比プラスだというのに、ずーっと前日比利回り上昇の香りがしておりまして、誠に遺憾の極みでございます。

毎日2年債の話ばかりで実に恐縮ですが、先週金曜日の高値が0.105%で昨日の安値が0.145%ってのは利回り変化が0.04%ですから元々の金利が0.1%台の債券としては中々素晴らしい変化率(まぁミクロの世界ではありますが)とも言える訳で(^^)。

まぁ将来短期金利が動くようになったらこんなもんじゃないと考えれば良い演習になっているのかも知れませんが、何か米国債券市場が動けば反応し、そんなに過激発言をしているとも思えない(昨日と一昨日のドラめもんをご参照下さい)武藤副総裁のインタビュー記事に反応してみたりと、まぁご苦労なことでございます。

過去に金利が付いていた時と比べて2年以下のゾーンの国債流通量が物凄い勢いで増えているので、ちょっとした動きでも結構相場へのインパクトがあり、昔から一方方向に振れ易い傾向のあるこのゾーンが将来どうなるのよって考えると若干ガクブルの香りも致します。とは言いましても、そんなことは別に今から騒ぐ事でもないのでして、せいぜいゼロ金利のアンカー付きとなっている今のうちに「一々材料を見つけて反応する」ことのアホらしさを勉強して欲しいものです。

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2005/09/06

お題「良く動く中短期債」

例によって相場雑談

○昨日の債券相場

昨日の債券市場では中短期ゾーンのヘロヘロぶりが目立ちました。出だしから140円をあっさり割れたところから先物がスタートしたのですが、その後はやや押し目買いも入ったのか先物140円台を奪回してもみ合い。で、相場がもみ合う中で朝っぱらからいきなり前日比5糸甘オファーでスタートしていた2年ゾーンがいきなり1毛甘ヒットと先週金曜の強さはどこへやらという展開。

で、前場はまぁ先物140円台のもみ合いだったのですが、2年あたりが妙に弱く、時間の経過と共に5年辺りまでヘロヘロとなり、まぁまともなビットがあるのは業者がショートになっている一部銘柄と5年カレント銘柄だけという形になりました。

後場に入りまして、中期ゾーンが益々弱くなってきまして、先物が140円、5年48回債の0.515%が叩かれるとその後は益々中短期ゾーンがヘロヘロになりまして、それに対して超長期ゾーンなどが無茶苦茶確りという見事なベアフラット相場となりまして、終わってみれば日本相互証券の引値ベースで2年236回債が前日比2.5毛甘の0.135%で5年48回債が3毛甘の0.53%ですが、先物は23銭安。20年80回債は5糸甘(というか20年ゾーンは引け変らずのビットが残っていたのですが)の1.96%となっておりまして、先週木曜あたりにやったブルスティープ相場の裏返しみたいな展開になってしまいました。


○妙に動く中短期ゾーンな訳だが

要因としては、金曜日の引け後に報道された武藤日銀副総裁のインタビューということになるでしょうな。昨日ご紹介したインタビューでも記者が質問をしていたのですが、武藤副総裁は6月23日の記者会見で割と慎重なお話をしておった訳でして、その部分を引用するとこんな感じ。

『「2005年度がゼロ%近傍で、2006年度が若干のプラス」ということイコール「デフレ脱却」であると断言するのは、なかなか簡単ではないということを申し上げたかったわけである。展望レポートに書いてあることよりも、意味を変えようとか付け加えようと意図してデフレ脱却の姿がなかなか描けないと申し上げたつもりではない。展望レポートでデフレ脱却がもう描けたという意見はなかなかとれないのではないかということである。』(6月23日会見)

5月のなお書き修正、6月の当座預金残高目標下限割れを巡る一連の流れの中で「なお書き修正をしてからわざと(=供給しようと思えばできるのに)当座預金残高目標を割り込ませた」という批判が出ており、その間に水野審議委員による「金利の正常化」という発言が飛び出していたので、この発言が出た時には「ついに大魔神動く」というような受け止め方をされた訳ですな。武藤副総裁がハト派の立場を鮮明にしたって感じで。

で、金曜のインタビューではそのあたりに関してあっさりと「そんなに強い調子の話をした覚えは無し」ということになったのですが、まぁ確かに武藤副総裁が言うように「展望レポートの見通しが即デフレ脱却と言うのは早計」という解釈もできますわな。ただあの時点では中々そうは読めないと思うのですが。

てな訳で、武藤副総裁パワー(と勘違いしたもの)で量的緩和政策の長期化を見越していた向き並びに、そういう人がいるでしょうなぁと思っていた人の巻き戻し(妙な表現ですが)によって2年がいきなり前日比0.025%も売られたりしたのでしょう。

(相場には自己実現性があるので、参加者が本気でそう思ってなくても、相場がそっちに逝ってしまうと「ああみんなそう思っているのか」という暗示が働き、勝手に相場に織り込まれたことになってしまいますんで・・・・)


と、武藤副総裁のせいにしておりますが(笑)、先週一気に強気相場になった米国債券市場で、金融引き締め打ち止め観測(ハリケーン被害の為)が発生して中短期ゾーンが物凄い勢いで買われた動きが何故か日本に波及してブルスティープしまくった為に、その反動で昨日は派手派手に中短期が弱くなったというのが正しいかとは存じます。

しかしそれにしても先月来2年カレントゾーンの動きは派手派手でして、今回も金曜日に0.105%まで買われたと思ったら昨日は0.125%と、まぁ立派に(?)動くようになったのは、強力時間軸がだいぶ短くなってきたという事の証拠のようではありますな。

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2005/09/05

○株高債券高ですが

国内株式市場では平均株価堅調推移ですが、債券もまた確り。朝からブルームバーグテレビでは「目先の景気減速懸念を受けた金利低下は、株式市場への資金流入を促すので株式にとっても悪くない」と言っている人がいると報道してました。米国みたいに金利の引下げ経路を使った金融緩和余地があるのならその理屈も判らん事もないのですが、日本の場合は何せ日銀様が既に金融緩和余地を自分で狭めている(今度当預目標を引き上げても意味がないって話になるでしょうな)ので、その理屈はどうかと思うぞ。

という訳で、基本的な景気の見方をどっちかが勘違いしていると思うのですが、まぁ短期的にこういうことも起きるでしょう。

ところで、同じくブルームバーグニュースを見ていたら真・相場神の人が株式市場展望を電話インタビューで話していましたが、「9月はレンジで下落するのは10月以降」だそうです。目先のレンジは12700〜12200だそうで。で、「景気の踊り場脱却」という考え方には無理があるらしいです。目先は米国長期金利の低下が相場を下支えするらしい。何のこっちゃという感じではありますが。

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2005/09/02

大統領とFRB議長その他が緊急会合ですか。いやもう大変なことですな。話でしか知らないジェーン台風(江東区のゼロメートル地帯に行くとあちこちで「あの時はこの高さまで水が入った」という表示がありますが、とんでもない高さです)などを激しく上回る凶暴な台風(ハリケーン)のようですが、自然災害のパワーが最近強大化しているように思えるのは気のせいでしょうか?

○10年国債入札と暴れイールドカーブ

昨日は10年国債入札が実施されました。朝一番は米国市場の株高債券高(10年国債4%って2日で0.15%金利低下ですよ)の債券高の方に見事に反応する形になって先物寄り付きは前日比16銭高の139円78銭のスタート。

しかし高値の滞空時間は殆どなく、あっさり60銭台まで売られてその後は株高に反応して少し下落したりもしたのですが、基本的にもみ合い。で、この間に20年ゾーンがやたら弱く(何せ寄り付きの時点で20年80回債の出会いが前日引け変らず)、時間の経過と共に何故か10年カレントゾーンが強くなってくるという凶悪な展開。

前場の引け時点で、先物は前日比変らずの139円62銭だったのですが、10年新発債の入札前取引は1.36%−1.365%の気配から1.36%を買ってから1.355%まで買うという時々見る入札直前の買い煽りという困った状態。

なんちゅう割高な入札をやりやがるんだこの野郎という感じではあるのですが、今回債は償還が3ヶ月延びる初物であり、かつ上半期最後の10年国債入札という事もあり、まぁお家の事情で入れないといけない人も世の中にはおいでだったようで、煽り攻撃に煽られて最低落札価格が100円65銭(1.352%)の平均落札価格が66銭(1.351%)と涙の出るような結果になってしまいました。


で、まぁ入札が超越割高であってもその後イールドカーブや相場の上下で調整して誤魔化してくれると何とかなるのですが、入札がそれなりに強いという前提で上昇していた債券相場の中で、10年の伸びは大したことなく、入札後139円75銭近辺でようやく平均落札価格の1銭上の1.35%がビットサイドになっていまして、その後は前場の引けよりも先物が高いのに1.355%だの1.36%だのという出合いが発生するという状態。ヘッジしてても負けで、裸でロングにしていても負けというのはあまりと言えばあまりの展開で、大変に血圧が急上昇する相場でありました。

市場推定の落札結果によりますと、某大手証券さんがまるっきりボウズで、別の某大手さんは満額落札なんてぇのがありましたので、意地悪く陰謀論をめぐらせてみますと、お家の事情で大量落札しなきゃいけない人がいるのを狙って10年カレントゾーンにアオリイカ攻撃をして、落札後に投げさせようとした・・・・ナンチャッテ。まぁそんな計画的作戦をするわきゃーねーので、結果がそうなっただけでしょうけど。

ま、それにしても高値落札してるんだからちったぁ支えろよと大量に落札した有力業者さまには思う訳で。入札だけ割高にしちゃったら事前に買いの予約を入れてくれている投資家の皆様に失礼だと思うんですがねぇ。


どさくさに紛れて結構動いていたのは中短期ゾーンでして、2年236回債は朝方は引けの0.135%ビット(もしかしたら5糸強出合っていたかも)となっていたのですが、前場の安値近辺では引けオファー。で、後場になると大復活して引けどころか5糸強買われてビットとなりまして、結局引値は前日比1毛強の0.125%となっておりました。

この2年債同様、中期ゾーンも後場途中から復活。ここのところ米国債券市場ではイールドカーブがブルスティープ化していまして、それにつられているのかどうかは知りませんが、まぁ何となく中短期確りの雰囲気を出しておりまして、イールドカーブがあちこち乱高下した一日でございました。

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2005/09/01

○結局もとの木阿弥ですかそうですか

昨日の債券市場は米債反発と鉱工業生産指数の足元数値が事前予想より弱い数字であったことを受けて上昇したのですが、今まで出遅れていた5年債などの中期ゾーンを中心に相場が上昇しました。先物は寄り付きで値が飛んでしまってから下10銭に上4銭という値幅しか取らなかったのですが、時間の経過と共に5年を中心にした中期ゾーンの気配が強くなってくるという形で、いかにも「朝から断続的に5年に買いがありました」と言わんばかりの展開。

前場早い時間帯では先物が139円60銭割れで5年カレントゾーンが2.5毛強の0.565%位だったのですが、先物が振幅する間に次第に中期ゾーンの気配が強くなってきて、終わってみれば先物が139円62戦と前日比27銭上昇に対して5年48回債が0.55%と堂々4毛強と相成りまして、イールドカーブ上5年最強という偶に発生する「中期債買われて相場上昇の図」が発生致しました。

8月相場は中短期ゾーンがヘロヘロになってスタートしてその後も2年ゾーンが金融政策に関する見方によってフラフラと振り回されながら相場が上ったり下がったりしましたが、結局月末近辺になって大体修正して終了ということで、8月1日の引値(先物139円51銭、30年19回債2.445%、20年79回債2.035%、10年271回債1.345%、5年47回債0.55%、2年235回債0.12%)と対比して月末の値段(先物139円62銭、30年19回債2.40%、20年80回債1.985%、10年270回債1.34%、5年48回債0.55%、2年236回債0.135%)を見ていると「何のこっちゃ」感が漂う相場でございましたな。結局元の位置に戻って来ましたな。

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2005/08/30

お題「あいかわらず相場雑談」

幾ら大型台風だからって言っても石油精製施設が台風で全部崩壊するわけでもないのにいきなり大暴騰ってニューヨーク原油市場もなかなか香ばしい動きをしてますなぁ


○いやはやここまで上るとは

昨日の債券市場はご案内の通り大幅上昇。インデックスの長期化などで「買う必要があった人」がいたことに加えまして、ここもと「量的緩和の解除を織り込む」などという話が出ていた為に買いがやや遅れ気味であったという状況が、株価指数の下げ+原油価格上昇による米国債券市場の上昇(あたくしの席の情報端末によりますと、東京市場の18時くらいの時点で前週末比5毛くらい上昇してましたな)によって火が点いてしまいましたの図ではございました。

10年1.35%接近とはよーやりますわなという感じなのですが、今週木曜に実施予定の10年国債入札は償還が3ヶ月延びるので、昨日の引け時点でも新発10年債のクーポンは余裕で1.4%(あと3毛強くなれば話は別)になるので、どさくさに紛れて正当化されてしまう悪寒もございますな。

さすがに昨日の上げは月末要因だと思うので入札時にはちったぁマシな水準になると思いたいのですが、ど〜せそう思っている人が多かったから安易に売り向かって踏み上げの刑を食らったというのが昨日の相場であろうかと思う次第でして(笑)、皆さんが諦めて「10年新発債の1.4%オーバーパーはもはややむなし、1.3にならなかっただけでもラッキー」などと思い出すと相場は下がるのでしょうな。

そんな中で、本日入札が実施される予定の2年ゾーンは笑ってしまうほどヘロヘロ状態でして、2年235回債はやっと前日比5糸強の0.145%となっておりました。久々(1年ぶり)の0.2%クーポンの可能性が高いのですが、まぁ0.2クーポンだからといって思いっきり選好されるとかいう商品でもないのでクーポンどっちでも無問題という感じですな。

月末要因以外でどこまで値持ちできるのやらという感じです。


○相変わらず神メディア

先週あたり妙に量的緩和解除論議だの金利上昇だのという話をしていた毎度お馴染みの新聞社様。昨日の恐怖金融新聞2面では「揺らぐグリーンスパン議長、長期金利は上げられない?」というお題で、グリーンスパンFRB議長の最近のスタンスが揺らいでいて、住宅価格問題への対応が遅れ気味ではないかという記事がございました。

で、週末にグリーンスパン議長がカンサスシティでの講演で住宅価格の高騰に警告を発したというのもまたご案内の通りな訳でして、とうとうグリーンスパン議長にまで影響を及ぼすまでに神々しくなったのかと新聞を読んで腰を抜かしたあたくしなのでありました。

いやもう正直申しあげてここの所百発百中なのではないかと言いたくなるほどのネガティブインディケーター振りを発揮しているのですが、ここの新聞社で一体全体何が起こっているんでしょうかね〜(笑)。

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2005/08/29

グリーンスパン議長は資産価格の高騰に関して警戒感を示したそうですが(実は原文まだ読んでない)、日本の教訓が生きているというのはまぁ結構なお話ではございます。然るに日本は最近ど〜なんでしょうかね〜というのはあたくし的には気になるのですが・・・・・

○海外レポート話の続き

金曜にドラめもんでお話した海外レポート。実物をお読みになった読者の皆様からレポートについての情報を頂きまして誠にありがとうございました。

レポートには「量的緩和解除の始まりは、金融政策の正常化の第一歩であり、日銀は政策金利を少なくとも1%程度にまでは引き上げる意図を持っている」というようにあったとのことで、「勿論、経済が日銀高官等の思うように動かなければ、すべては白紙となる」ともあり、まぁそんなに大騒ぎするようなお話でも無しというところだったようですな。「読んで見たら別にあっそうって感じのレポートだった」というご感想も頂まして、金曜にあたくし「吹かしレポート」などと罵倒したのが誠に恐縮。

まぁこのレポートも「米国政府筋に近い有力レポート」に「量的緩和解除」「短期金利が1%程度まで引き上げ(あたくしが聞いたときは1.25%でしたが、よく考えたら1%の方がレポートとしては普通か)」「日銀が意図している」というようなキーワードが一人歩き(しかもレポートが会員制のレポートなので実物に当たりにくい)したと言うことでしょうな。


ま、それだけ「量的緩和政策の出口」を意識する人が増えてきているというのもあります。ただ、昨年6月や一昨年8月(は出口の意識というよりは、それまでレバレッジ掛けてロングだった人たちのデレバレッジの動きが効いて市場が自壊したという感じですが)に同じように「量的緩和政策の早期解除」を意識した相場が発生した時に比べますと、中期ゾーンから10年ゾーンあたりまでの金利水準はまだまだ落ち着いています。今回はさすがに警戒感が前からあるので投資家様の「ロングの投げ」が発生しにくい状況になっており、そのために逆に金利が上りにくいという事は言えるかもしれません。

でも量的緩和政策の解除を意識する割には5年0.6%台ってのはまだ意識が入ってませんなぁというのが個人的印象なのですが、ここ暫くのイールドカーブ的に言うと5年はそんなに高くないって結果になるらしいので中々難しいお話ではあります。


レポートのせいでは無いんでしょうが、金曜も中短期国債は弱めの推移でして、月末のextension tradeを意識したのかやたら強い超長期ゾーンに引っ張られて先物も絶賛19銭高で138円90銭台をあっさり奪回した金曜の引けでしたが、2年235回債は前日引値の5糸甘の0.155%が堂々のオファーサイドとなっておりまして、イールドカーブは2年のあたりが一番ヘロヘロという面妖な展開になっておりました。何故か0.15%になっていたのですが(笑)。

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2005/08/26

お題「またも吹かしレポート登場ですか」

台風襲来で早く帰宅したものの、夜中の風雨がうるさくて何度も目覚めた挙句に寝坊しちゃいましたorz。

そんな訳で本日は簡単に。

○舶来レポートをネタにひと仕掛け

昨日の債券市場、米国でのダウ下落に債券そこそこ確りを受けて朝方は堅調スタートで先物も139円乗せましたが、そこまで来ると追随買いが業者のショートカバー位しかなく伸び悩み。

「どうもパッとしませんなぁ」と思っているうちにふと気が付くと高値マーク後に3年とか2年の中短期ゾーンに弱めのオファーが並び出しまして、「あら駄目ですなぁ」などと見ておりましたら後場に入って中短期ゾーン売り売りになるわ先物は叩かれるわとなりました。

長期、超長期ゾーンが確りだった事もあり、先物はその後叩かれても戻ると言う動きを示しまして、終わってみればまたも中期ゾーンがヘロヘロになるの図。

で、まぁ後場になって最初売り売りになった時には「何だ何だ」って訳でちょっと緊張が走っていたのですが、実は前日のニューヨーク時間に昔は一世を風靡したこともある会員制の某著名レポートが震源地と判り、その概要が市場に知れ渡ると「ナンジャそりゃ」という事で安心モードになって下げ止まったといった所のようです。ついでに言えば、その「衝撃の利上げレポート」で債券が売られたと聞きつけた株式市場で指数先物が売られた為に株安→債券反発となったりしてたというのもあるようで(苦笑)。


ま、昨日はそのレポートの話が一部では早い時間から(そりゃニューヨーク時間に出てたんだから知ってる人は知ってる罠)知られていたものの、レポート内容が国内の市場関係者から見るとあまりにもお粗末な内容(後述します)だったので、「(゜д゜)ハァ?」と思いながらも様子見してたら、139円台に乗せた債券相場の伸びがイマイチだったので一発下に仕掛けてみた人たちがいたって事でしょうか。


○で、その内容は先日の某金融紙も腰を抜かす・・・・

そもそも会員制の有料レポートなので実物は見ておりませんが、ニュースベンダーやら人の話やらを聞いた所、来年の1−3月期に量的緩和の解除を宣言したあと数ヵ月後から利上げステージに入り、「measured pace(=今FRBがやってる引き締めの速度として声明文に入っている奴)」で0.25%ずつ利上げを行い、短期誘導金利は1%(あるいはそれ以上)になる。ってのがレポートの内容らしいです。

で、まぁそのシナリオは先日「日銀は1年もの金利を高め誘導」などという豪快な吹かし記事を書いたどこぞの新聞も驚愕の内容としか申しあげようが無いですわな。量的緩和政策のコミットメント3条件を読みますと、「コアCPIが再びマイナスにならない見込み」の上に「総合的判断」ってのがある訳でして、コアCPIが仮にゼロ近傍になってもそう簡単に量的緩和解除を宣言できる訳はございません。

そりゃまぁ唐突に消費者物価指数が絶賛急上昇して、その上昇角度がもう屹立状態ですよ先生って状況になれば話は別でしょう。でも来年の1Qにそんな事態が生じるとはちと考えにくいし、そもそも原油価格上昇でCPIが急上昇した場合は、原油価格上昇が景気の抑制要因として働いているケースが考えられますわな。そこで下手に金融引き締めを行ったら最悪のスタグフレーションを招くかもしれずって話にならんのかと小一時間ですわな。

しかしそんなレポートで金取れるというのはコケオドシも役に立つということなんでしょうかね。誠に遺憾でございますわな。


○舶来モノには相変わらず弱いということですか

てな相場できゃあきゃあ言ってる間に思い出したのは昨年の6月の「発言捏造による武藤ショック」でございます。

武藤日銀副総裁がロンドンで講演というかスピーチを行ったのですが、そのスピーチを取り上げて「武藤副総裁がコアCPIが数ヶ月に渡ってプラスになったら金融政策スタンスは変ると発言。これは武藤ショックだ」みたいな趣旨のレポートがどこぞの外資系証券の有名エコノミストだかストラテジストだか知りませんが、まぁ著名な外国人アナリストのレポートとして出たわけですよ。で、まずいことにこの発言原稿が日銀のWebで英語の原文だけしかアップされてなかったので、発言がどこにあるのか気が付かない人が多くて、実は武藤副総裁のスピーチを無理矢理勝手な解釈をして書かれたレポートだったという事が判明するまで時間がかかり、その間に中短期債が売られまくって財務省さまお怒りになるも相場の修復には時間を要したという事件でした(昨年の6月10日にその話書きましたが)。

国内に何の断り(?)もなく、海外でそんな重大な爆弾発言を武藤副総裁がするわきゃあ無いのですが、書いた人がそれなりに著名な人で発言場所が海外。内容が英語で裏を取るのに時間を要した事もあって、物の見事に「武藤ショック」扱いをされてしまって武藤副総裁(と債券市場)におかれましては災難でしたが、まぁ「著名外国人ストラテジストのレポート」というのを相変わらず有り難がるマーケットちゅうのも困ったものですなぁという感じですな。(ちなみにその捏造レポートを作成した某著名ストラテジストだかアナリスト様は現在もフツーにお勤めになっておられます。何だかな〜)

ま、舶来モノに弱いのはやたら「元外資系企業勤務」だの「海外留学あるいはお仕事から帰ってきたばかり」だのという人を目玉候補に掲げる比較第1党様と第2党様がまさにその通りですので、債券市場に悪態をついても意味はないのかも知れませんな。


#本当は郵政民営化関連の話もしようと構想はあったのですが、整理ついてないので本日は終了。

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2005/08/25

お題「ま、よく動くというか不安定というか」

宿題とかあるのですが、ぶれまくる相場で疲れて遅々として進まずです。

○昨日は急反発・・・・・・って何なんでしょうな

昨日の債券市場は急反発して、先物は138円84銭で引けたのですが、よくよく見てみりゃ先週末の引けを上回るという状態。まぁ20年入札前の事前ヘッジを売り込みすぎた分の戻しだと思えば「まぁそうですな」で済むのかもしれませんが、昨日も申しあげましたようにここもとの値動きの中で中短期、というか2年国債の値動きが派手派手なのが目立ちますな。

昨日は朝っぱらから前日引けの5糸強の0.140%が堂々のビットサイドになってたと思ったら、平均株価が前日比プラス水準に上昇した時点では逆にオファーだらけになり、後場になるとまたまた買い優勢になるという大変にご多忙な展開。とりあえず昨日下げた分を丸々お返しして終了の図となりました。

2年ゾーンが妙に戻ったのは、そもそも一昨日の売りが「ああ勘違い」だったということなのかも知れませんが、まぁ今までろくすっぽ動かなかったこのゾーンが毎日値動きをするというのは、市場(というか短期金融市場)参加者の想定時間軸がやっと短縮されて来たという風に解釈すれば良いのかな?と思います。

それにしても相場のモメンタムというか勢いで2年ゾーンも動くようになるとまぁ商売としてはきゃあきゃあ言いながらどたばたやれるので楽しめますが、平均株価が50円や100円動いて時間軸が長くなったり短くなったりするもんでも無いでしょうとつい思ってしまう年寄りのあたくしとしては、毎日頭の中で「???」が飛び交いながらヒーコラ売買するのでありました。


○この状況で大丈夫かトレジャリー部門

まぁしかし何ですな。一昨日の手形オペ金利いきなり上昇(0.002%の上昇って世界の話ですが)にも「まぁお前ら落ち着け」と言いたくなってしまいましたけれども、別に何か景気や物価に関するすんげぇ材料が出た訳でもないのにこれだけフラフラと値動きをしてくれているのを見ますと、将来まともに金利のつく世の中になった時に大手銀行のトレジャリー部門大丈夫かと思いっきりひとごとですが気になってしまう今日この頃なのでありました。

現在の2年国債は月に1.7兆円発行なのですが、実は「短期金利がぶれる」という前提の下でこんなに発行されていた訳ではございません。で、2年という年限は短期金利の影響をより長い年限に比べて受けやすく、おまけにヘッジのツールに乏しい(5年以降ならば債券先物が絶賛大規模売買中)ので、ゼロ金利を脱却した後に円滑消化できるのでしょうかって話は実はこの年限の方が気にかかるというのはあたくしの感覚的な発言なのですが。

勿論多年限も絶賛発行増なのですが、2年というのはヘッジしにくいこともあり、金利上昇局面ではもうゲロゲロのダメダメになりやすいという体験がありますし、現在も2年債の消化状況って物凄くざっくりと割り切って言えば「発行」→「大手銀行のトレジャリー部門」→「日銀の輪番オペ(国債買入)」という流れがあって、短期資金見合いで動いている面が強く、短期金利がぶれだした時にイールドカーブの手前のグリッドポイントが不安定になり易くなるのは長期金利に対してもあまりよい話では無いと思う訳ですな。感覚的な話が続いて恐縮ですが。

で、それを意識してるのかしてないのかは存じませんが、発行年限を長期化しているのは、将来の量的緩和解除→金利政策の復活となった時のイールドカーブという事を考えるとこれまた理に叶ったお話でもあったりする訳で。と勝手に解釈しているあたくし。


話は戻りますが、まぁ今の状態でこれだけどたばたやってて本当にCPIがゼロになった時にはきっとどこかに行ってしまった年寄りが復活してくるから何とかなるのではないかとは一応思ってますんで念の為(^^)。

しかし「まぁ落ち着け」としか言いようのない昨今(というかここ3週間)の短期ゾーンの値動きでございました。ちなみに蛇足ですが、時間軸云々は3ヶ月ものには無影響だったようで、昨日の3ヶ月ものFBの入札は99.9998円の足切りでして、そのあと業者間ではショートカバーなんでしょうが100円まで出合っていたようで。銀行のトレジャリー部門って資金ディーリング部門なんですから業者が泣きながらショートカバーするようなニギリをしなきゃいいのにと思うあたくしは業者失格ですかそうですか。

#ドタバタ乱高下してますが、結局この2週間ちょっとって138円台(上下に瞬間抜けたときもありましたが)で上に行ったり下に行ったりしてるだけなんですよね。今日抜けるのかど〜かは知らんが。

やっと木曜日かと思いつつ既に電池が切れているあたくしなのでありました。

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2005/08/24

お題「変な相場になってきましたな」

○ああ勘違い

さてどこから話をしようかと思う昨日の相場。ちょうど目の前の番組で米国のなんちゃらというガイジンの人が為替見通しの話をしていたのを聞き流していたら、物凄い勢いで腰が砕けるコメントがあったので朝からぶっ飛んでしまいました。曰く、

「日本銀行はいずれ量的緩和政策の解除を検討する事になるだろう(まぁそこまでは判る)。早ければ10月にも」

ええええええええええ!って感じですが、こんな講釈であたくしの20倍位(もっとか?)の年収があるのではないでしょうかなどと思ってしまうと物凄い勢いで血圧急上昇ですわな。んな訳ネーだろというのは量的緩和政策のコミットメント3条件を読めば誰でも判る事ですがなというのはドラめもん読者の皆様におかれましては自明ですが、そういう発言が平気で(生放送とは言え)テレビ番組でのたまう人が米国にいるちゅう事は、結構マジでそういう事思ってる海外の人っているのかもね。


で、昨日もまた恐怖金融新聞は香ばしい記事を並べてくれたのですが、1面トップのお題「銀行株高、上昇余地探る」ってのがいつもの法則発動で昨日の銀行株反落を招いたというのはご愛敬と致しまして(笑)、「アナリストの見方」として某黄金人間証券の著名な外国人アナリストのコメントとして「なお3割近く余地」とありました。

ほっほーと思って読んでみると、前提として「短期金利の水準が2009年3月末ごろまでに1.25%に上ると仮定すれば」って書いてありまして、今の日本国債のイールドカーブを見て書いているのかおまいはと小一時間問い詰めたくなるようなお話でございました。そういうことはせめて5年国債が1%になってから言えという感じですな。逝って良しということで。

ま、何ですな。海外投資家がどうのこうのってやたら有り難がる傾向がございますが、そんなにエラソーなものでも無いちゅうことで宜しいのではないかと大和魂重視のあたくし(ナンノコッチャ)は思うのでありました。



○馬鹿馬鹿しいほどに動く2年ゾーン

まぁそんな「ああ勘違い」が横行する昨今ではございますが、昨日の債券市場では2年国債が朝っぱらから売り物がちになり、前場からいきなり前日比2毛甘の0.16%なんぞが出合う有様。10年20年よりも金利上昇幅がでかいってそりゃ何よという感じ。後場には0.165%まで売られて目を疑いましたよ全くもう。(引けは0.145%)

20年国債入札後に株式市場が頭打ちになったこともあって債券先物などが上昇した為に、終わってみればイールドカーブ上2年近辺が一番お安いというかなーり豪快な相場になってしまいました。

今月の2年国債は0.12%からスタートしたのですが、8月11日の5年国債入札の時に0.185%の安値までマークして反発。先週は(ドラめもんでもご紹介しましたが)週初0.145%まで戻ったと思ったら0.17%まで売られ、水曜日からは猛反発して先週末は0.125%まで上昇したのに、昨日の安値は0.165%と言う事で、まぁ動くわ動くわ。


金融政策変更の思惑がそんなにぶれるような材料がでてますかねって思うような動きですし、以前(12日)に5年国債入札レビューを書きながら「何か妙なタイミングで中短期がボロボロになりました」と書きましたが、昨日に関してもいきなり2年債がボロボロになるのは意味判らんですわな。

株価堅調で量的緩和政策の時間軸が短くなるっていう発想が起きるのであれば、月曜に平均株価が爆騰した時に売られる筈でして、何というかやたら反応するタイミングが変でございまして、まぁ量的緩和ゼロ金利時代のご到来以来「短期資金運用」の名目でご参入の大手銀行の資金部門あたりの人たちが暴れているのではないかと勝手に想像しておりますが、何かモメンタムというか勢いで売ったり買ったりしてませんかねという印象を強くします。

別にあたくしが当事者として詳しい訳ではないので聞いた話を組み合わせて好き勝手に想像しますと、大手銀行の資金部門は長引く量的緩和でベテランディーラーのノウハウの継承が上手く進んでおらず、年寄り絶滅後の若い衆は短期金利が動くという世界への経験が乏しい為に、量的緩和政策の出口がどうしたこうしたって状況になってきた昨今金融政策に関するちょっとした新聞記事やら相場の勢いやらでドタバタしているのではないかなぁという感じです。あくまでもあたくしの好き勝手な想像であって実態はどうなんでしょうとは思いますが、業者の債券ディーラーだけで2年の金利がこんなにアホのように動く事は考えづらい。


○で、またお得意の吹かし記事が見つかる訳ですが

上に書いた「金融政策に関するちょっとした新聞記事」ってのが毎度お馴染みの日経金融新聞2面の「ポジション」欄。お題が何と「1年もの金利高め誘導?短期市場の機能復活狙う」という記事でして、年寄りのあたくしなんぞは見出しを見た瞬間に小一時間問い詰めたくなるような記事なのですが、この記事を真に受けたのかどうか判りませんが、朝っぱらから1年TBを売っていた人もいたらしいので世の中わからんものです。

で、まぁ朝っぱらからそんな動きで、短期商品やっている同僚から日経金融新聞が話題になっているというのを聞きつけて読んでみたら危うく茶を噴き出しそうになりました。謝罪と賠償を要求したいものです。

記事では「5月中旬以降週に1〜2回のペースで実施していた期間の長い全店手形オペが8月8日以降全く入らなくなったのは、オペ期間の短期化で長めの短期金利の上昇を促そうとしている」という趣旨でお話が展開されておりました。好き勝手ペラペラ喋って相場を混乱させるのが得意技なのではないかと思われるどこぞの少数派審議委員が腹話術でも使っているのではないかという記事で思わず笑ってしまいましたが・・・・

今月初の資金不足を通過した後は当座預金残高は34兆円とかを維持していまして、そもそも資金供給オペを実施する必要性が薄い状態が続いているので全店手形オペを打っていないだけの話しで、それを取り上げて大騒ぎするのは明らかに為にする論議ですわな。そして、オペの期間に関しては、そもそも「札割れ回避」(=資金供給をちゃんと行う)が目的であって、長めの短期金利を下げるのが目的ではございませんわな。札割れが続いていたので仕方なく資金供給オペ期間を長くしていたのであるからして、無事に資金供給できるのであれば期間を短くするのが当たり前で、それを「市場機能の復活を狙う」というのは話がおかしい。

ちなみに、昨日久しぶりに実施された全店手形買いオペは4月14日エンドと前回のオペからエンドを2ヶ月ほど短くしてきましたが、何を慌てたのか落札利回りは前回から0.002%上昇して0.007%となってました。いやまぁ節操ねぇなあと思いますが、1年ものTBが0.01%乗ってますんで、この辺りの金利上昇はまだそんなに驚くほどではないでしょうな。(つーか先週もオペ金利上ってたと思うのだが)

で、まぁ今日あたりも日経新聞あたりで「オペ期間の短期化によって量的緩和政策の出口に向けたシグナルが出た」とか言い出すのではないかというあたくしの珍説を某通信社の短期市場担当記者に話したら電話口の向こうで爆笑の発作が起きていたのはここだけの話しです(^^)。本当にそんな話題が出かねないのがアレですが。


念の為申しあげますと、量的緩和政策で短期金利だけでなく、より長めの金利の低下を促すって話を量的緩和導入の時にしておりますが、これは短期金融市場へのオペレーションで金利誘導をするのではなく、あくまでも時間軸効果によって長めの金利を低位安定させるという意味であって、そもそもが時間軸を市場機能に働きかけて長めの金利に影響をさせるというお話。よって「オペ期間の短期化によって市場機能の復活云々」という理屈は筋違いな理屈であるとあたしゃー思うのですが、どうなんでしょうね。

ま、その辺「何でもあり」というか鵺のような政策なんでまた話がややこしいのですが、相変わらず無茶な解釈をして吹かしますな〜と感心した次第であります。

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2005/08/23

○20年国債入札ですが

昨日の債券市場は実に嫌らしい感じで下げました。終わってみれば先物で56銭も下落して先週前半のレベルまで下がっているのですが、その間の下げ方がドカンドカンというような下げじゃなくって、何となく上値が重くて反発力が無いと思っていたら下がっちゃうという展開。じり安シーザーとか下らん駄洒落を飛ばしていたのは内緒です。

終わってみれば日本相互証券の引値ベースで20年79回債が2.15%となってますが、まぁビットサイドでの引値になってまして、これを複利に引きなおすと2.135%あたりになる筈なんで、まぁ新発20年国債はクーポン2.1%で2.135%〜2.14%あたりの入札になるでしょうなぁ(もしかしたらクーポン2.1%なので人気化してもうちょっと強くなる悪寒も)という感じです。

昨日は内閣支持率上昇→総選挙で自民党大勝→平均株価の上昇という図で債券が何となく(今日入札だし)買いにくい感じでしたが、さすがに10年も1.47%まで下落してますし、ここから下はさすがに10年20年に押し目買いが入る事になるでしょうという感じ。まぁ消化にそんなに懸念は無いのではと思います。つーか昨日よくもまぁ下がりましたなぁという印象が強いですが。

昨日の下げ方が何となく「売ってもイマイチ下がらないので買い戻し」って感じで事前ヘッジの売りをかましてもついつい買い戻ししたくなるような相場でしたが、まぁ事前ヘッジもそれなりに入っているものと思われます。と申しますのは、昨日終わってみれば30年と債券先物(実は8年ゾーンあたりも)が一番安いというイールドカーブになってますが、取引開始から途中までは20年ゾーンの甘さ(30年も)が目だってまして、事前ヘッジなのか30年が重いのかは判りませんが、それなりに準備モードでもあったという印象でして、業者の受け入れ体制(?)もそこそこできていると存じます。

ま、前場次第でどのくらい強い入札になりますかって感じですが、今日もシカゴで日経平均が強く帰ってきてるようですので、頑張って先物叩いて相場水準を下げて入札を迎えるのかもしれませんな。

#などと書くと大外しする(昨日の分をご参照ください)のがドラめもんクオリティなのですがorz

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2005/08/22

○一番平和だった金曜日

えー、毎日のように相場雑感と称してグチグチと相場の乱高下に関して申しあげていたのでお判りのように、先週はお盆休みウィークの隙を狙うかのごとく先物中心に振り回し攻撃をする人の姿が目立つ動きでした。

で、金曜の相場なのですが、これがまた意外に平和な動きでした。ここまでの勢いならば先物で139円乗せとかちゃっても良いんじゃネーノと思っていたのですが、結局先物高値は前場に93銭の後場94銭。日中の値動きもほとんど138円85銭近辺での小動きでした。久々の平和な値動き(笑)で、まぁ平和過ぎると商売上やや問題があるのでそれはそれでアレなのですが、物凄い勢いで訳のわからん動きをしていた一週間だったので偶には良いでしょうという事で。

変に振り回す人の動きがあまり目立たなかったのを勝手に想像すると、投資家さまの夏休みモードも大体終了してあまり無茶な振り回しをすると投資家の本格的な売買をぶつけられる可能性があるし、下がって上った相場の間にポジションの整理も進んできたのでオドシに乗る人が減って来ましたでしょうなぁと言った所なのでしょうか。今週は明日に20年国債入札あり、夏休みモード終了ときておりますので、まぁいつもどおりの相場が戻ってくるのではないかと愚考します。


最近米国債券市場(だけじゃないけど)がよく動きますなぁと感心して傍観しているのですが、どこぞの情報端末を見ておりましたら、米債が買われた理由付けに「日本の週間対外証券投資統計で、米国債の買い越し額が前週比倍増した」というのがネタになっていたとかいうのがあったので、「ほほう」と思って普段あまりみない数字を見たら、500億円の買い越しが1000億円になっていただけでして、ナンジャソリャという落ちがあった訳でして。ちなみにピークの時は週間1兆円とかいう数字が出てきます。

まぁ米国市場も金融政策と景気動向に不確定要因が多くて相場が不安定になっているので、意味不明の後付け理屈が出てくるっちゅうことなのでしょうかねぇと思うのでありました。

今週末には毎度ご注目の消費者物価指数が発表される筈でして、まぁこの数字に注目って話に徐々になっていくのでしょうなぁと思いながら、とりあえず20年国債入札に注目ですか。特に懸念されるような事はないとは思いますが。

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2005/08/19

お題「底打ち確認のようですが」

果てしない〜大空と〜♪ってまんまの命名で笑ってしまいました。

○底打ち確認で買いレベル切り上げですかそうですか

昨日のドラめもんで「よくぞ戻しました」などと申しあげておりましたが、米国市場で何となく株高債券安になって帰ってきて昨日の債券市場は、一旦海外市場に反応して債券先物が下落しました。しかし、138円50銭近辺でサガランチ会長状態になってきたかと思えばその後はじりじり上昇と相成りました。

昨日は朝っぱらから超長期ゾーンが前日に引き続き堅調で、2〜3年ゾーンもしっかり。株価指数が相変わらず確りだったのですが、そちらにはお構いなく現物債も堅調推移という前日の続きのような相場になってきてました。日中の値動きは相変わらず先物振り回し組の動きが目立つとしましても、こりゃまぁ相場は目先下げ止まりましたわなぁという動きになりました。

毎度お馴染みのパターンではございますが、運用しなきゃいけないお金というのは相変わらず絶賛流入するようでございまして、相場の下げ止まりを確認すると「運用しなきゃいけない資金」の圧力が気になってきて買いが入ってくるという傾向がございます。特に今回はつい1ヶ月前には1.4%なんぞ全然買えないでしょうと諦めの介だった相場でしたので、まぁそのことを思えば1.5%を待って空しくキャッシュに置いておくよりは1.4%に乗ってるなら買っておきましょという発想になるでしょうね。

そんな訳で、来週火曜日の超長期国債入札は気になる所ではございますが、とりあえずは底打ち確認で買いを待っていた人たちがとりあえず買って見ますかって動きの方が効いてくる相場展開になっておりますわな。


○相変わらず先物を振り回す人がいるのですが

火曜日には成り行き1000枚の売りなどというのもありましたが、昨日もまた引け際10分で400枚だの200枚だの先物をバカスカ売り叩く人がいまして、引けまでに10銭ほど相場をぶち下げて138円72銭の引け。その後イブニングの寄り付きも売り超にして引けから4銭下げてスタートしたのですが、特に何があったわけでもないのにふと気が付くと138円77銭とかまで大して出来高も伴わずに上昇。

引け際の先物売り叩きが本当に現物債にそれなりの売りが出ているならそう簡単に戻るわきゃーなくて、まぁ先物の大玉を振り回してディーラーの心理を煽って売り買いさせようっていう人がやってるんでしょうなぁという感じ。勿論何の見込みも無しに振り回すと最終投資家さまの売買に返り討ちにされますので、ある程度投資家動向の裏づけがないと無茶な振り回しはできませんが、今週は夏休み+入札や経済指標の大きいのが無しという事で、投資家さまの大きなアクションが見込めないので絶好の暴れ場となったようですな。

引けで「何でこんなに売り売りになるんだ」と「???」になっていたらどこからともなく「大手銀行が今売ったんだかこれから売るだとかいう話らしい」などというふざけた噂を流している人がいるという噂(何のこっちゃ)を小耳に挟んだのですが、いやまぁ噂ですかそりゃまあえげつないことやってご苦労なことですわな(売りが出てるならイブニングで出来高伴わないで戻るなんて有り得ん)というのはここだけの話(というのはウワサの常套文句ですなぁ^^)でございます。


○2年債も戻りましたな

相場の下げ止まり感といえばこちらですわな。今週火曜日に安値0.17%まで下がった2年235回債ですが、一昨日の引けは0.135%で、昨日は高値0.125%まで戻るという動き。引けは0.13%なのですが、それにしても2日で上下0.045%も動くとは豪快な相場でございました。実に疲れるお話で。

金融政策の早期変更リスクを織り込みに行った筈の相場にしては戻るのが早く、特にその間に何があったとも思えないので結局「???」のまま一相場終了してしまい誠に遺憾ではありますが、とりあえず2年ゾーンが崩れる気配が起きなければそう簡単に債券相場が売り売りモードになるとも思えず。先ほど申しあげたように依然として存在する運用圧力パワーによって押し目は
買いが入るんでしょうなぁというところで。

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2005/08/18

○よくぞ戻しました

昨日の債券相場、米国債券市場が鉱工業生産と株式の下げのせいか買われて帰ってきたのをネタにしたにしては朝っぱらから豪快に買い気配。朝方から中期ゾーンがやたら強く、先物や長期ゾーンも確りとなりまして、相場全体大きく戻るの図。相変わらず注目の2年国債は2年235回債が前日比2毛強の0.135%まで買われまして、前日の安値近辺で0.17%とかやっていたのを考えると、こりゃまたエライ勢いで戻りましたなぁという感じ。

ま、相変わらず「相場が下げ止まると買いたかった人がご登場」というのが最近の債券市場のお約束でもございまして、2年辺りは大手銀行様の資金ディーラー類似の皆様の買いのような気もしますが、その他年限の現物も引けに掛けて妙に強くなってきましたので、インデックス系な買いとかもあったんではないかと勝手に妄想。

暫くは「絶対水準に着目した買い(あるいは売りだけどまぁこの辺では売りはないでしょう)」よりも「相場のモメンタム重視の売り買い」の動きが遥かに大きくて、目先の値動きが増幅されているという感じになるのかな〜と思いますが、それにしてもこう毎日の値動きが「もう今日でマーケットが終了しちゃう」って言わんばかりの買い(あるいは売り)というのはやってて疲れますな。全くもう・・・・


○恐怖新聞ウォッチ

さて、そんな相変わらず疲れる相場が終わり、あたくしふと恐怖金融新聞を読んでみたのですが、その毎度お馴染みの2面「ポジション」欄には「長期金利1.5%抜けを狙った海外投資家のポジションが積み上がって来ました」というような如何にも長期金利上昇でっせ先生みたいな記事がございました。「この程度の材料でこんなに債券相場が上昇したのはこの記事のせいでしたかガクガクブルブル」ということでして、相変わらずの恐怖新聞ぶりに命が100日縮まる思いでございます。

ちなみに、昨日ネタにした火曜日の日経新聞の1面には不動産投信あるいはファンドの不動産保有が10兆円に拡大して、都市部で取得競争が繰り広げられているという記事がございましたが、まぁこちらがガクガクブルブルになるのだけは勘弁して頂きたいものでございます。

都心部にこれでもかとばかりに住宅やオフィースビルが供給されているのを見るとちょっと懸念しちゃうんですが、杞憂であって欲しいものです。

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2005/08/17

○値幅以上に疲れる相場(相場メモ)

昨日の債券市場も相変わらず動いたのですが、またまた動いたのが2年国債。昨日は前日比1.5毛甘まで叩かれた後に前日比変らずまで戻るという動きでして、何がどうなってるのか知りませんが、とても2年債とは思えない日中の値動き。2年国債の動きに3年ゾーンあたりまで影響されて動くという感じでしたが、昨日は4年あたりから先の中期ゾーンは何故かボロボロになっていました。売りでもあったのかも知れませんけど。

昨日は先物がやたら底堅く、買戻しっぽい買いの雰囲気が目だっていました。現物債がヘロヘロで強いのは先物ばかりなりという感じでした。成り行き1000枚売り(何か半分くらい出来た所で取り消しになったっぽいですが)で下がった瞬間だけは現物債のビットが残って何となく復活した感じもありましたが、その後下がらなくなってからは戻るのは先物って所で。

しかし地震で債券先物が戻るってのも何のこっちゃという感じですな。

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2005/08/16

○相場はまだ落ち着きませんな

昨日の債券市場は大体盆休みモードっぽかったのですが、それでも先物の値幅は39銭とまぁそこそこ動いたという感じでした。で、相変わらず動いていたのが2年債でして、2年235回債は寄り付き後は元気に買われて前日比1毛強の0.145%まで買われた場面もあったのですが、その後は戻り売りだか何だか知りませんが押し戻されるという展開。気が付けば前日比変らずの0.155%が全部売られて売り残りなんて場面もございまして、まぁ先週後半程では無いですけれども2年ゾーンの金利がまだまだ落ち着いてくれないようでございます。

この辺の金利が妙に上ったり下がったりするというのは、短期金利(というか金融政策)に関する参加者の先行き見通しがぶれているというか、一致していないという事でしょうな。まぁここもとの急速な金利上昇で発生したイカレポンチなポジションが整理できていないというのもあるでしょうが、それにしてもこのゾーンの金利が日中に上ったり下がったりというのは微妙に「落ち着きませんなぁ」という雰囲気になるというものでございます。

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2005/08/15

○まさに行って来い

金曜日の債券相場、終わってみれば先物は51銭高で5年は5毛強(新発は5.5毛強でしたが)、10年が5毛強で2年が2毛強だったのですが、前日の下げが、先物56銭安で5年と10年が5毛甘で2年が2毛甘って事で、思いっきり前日の下げ相場の正反対の動きをやってくれました。

朝方発表されたGDPが市場予想(年率換算1.9%くらい)というか、一昨日市場の一部で囁かれていた(もっと良い数字)水準を下回る年率換算1.1%だったのが戻りの原因なのですけれども、それにしても前日下げた分丸々戻るとはお見それ致しましたというか何というか。

前場はそうでもありませんでしたが、後場に入ると前日まで凄い勢いでヘロヘロだった5年30回台前半のゾーンなども復活してきまして、木曜日の下げは何だったんだという感じですが、木曜は入札で需給バランスが悪化していた所に指標前ということで余計に下がったという事にしておきましょう。

・・・・ま、いずれにせよ相場が不安定な地合いにあるという事でありまして、金融政策に関する何らかのアクションが近いうちにあったらどうしましょうかねぇ(まだあるかもしれないモードにはなってないと見ました)と懸念している所だというのが現状ではないかと思います。

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2005/08/12

○何かミョーなタイミングで中短期債がボロボロに

昨日の債券相場はま〜色々とございました。5年国債入札というイベントもございましたが、そんな中で2年だの3年だのというゾーンが随分と派手派手に動いておりました。

昨日の2年235回債は0.185%まで出合いがあって、引けに掛けては戻して0.175%がまぁビットサイドのようでしたが、上ったり下がったり結構忙しい事でてーへんですなって感じでした。勿論先物だの5年債だのも良く動いたのですが、2年だの3年だのというゾーンの債券がこのタイミングで「時間軸の短期化」を織り込むような動きになっているのには驚きました。

恐らくは株価指数がやたらめったら堅調なのを受けて俄かに尻に火が点いたって所なのでしょう。先月末の金融政策決定会合後の総裁記者会見では景気に関しては益々強気の発言が聞かれ、出てくる経済指標もまぁ悪くはないという展開が続いていた割にはあまり時間軸が変らんのですなぁという感じだったのですが、何故かこのタイミングで2年ゾーンがヘロヘロとはこれ如何にという所でしょうか(苦笑)。先月末の2年国債入札の直前に売られていて「おいおい大丈夫か」って感じだった2年ゾーンが入札後反発し、その後もトリオ・ザ・ショート銘柄の5年27回〜29回(残存3年弱)がやたらと強かった(何せ今週月曜の相場では先物が下落しているのに前日比利回り低い所に強力ビットが入ってた位でして)のに正直あたしゃー騙されましたよとほほのほ。

まぁ昨日の2年ゾーンの動きを勝手にあたくしの脳内で解釈いたしますと、実弾売りが出たというよりは、今までやたら堅調だった3年ゾーンや、相変わらず足元の資金余剰で確りのFBに挟まれて何となくロングになっていた債券や資金ディーラーの外しが下げの要因かな〜と。と申しますのは、昨日の2年新発債は所々で反発を交えながらという動き(引けでは小戻ししてますし)でして、昨日の相場でより悲惨だった4年前後のゾーン(5年33回〜38回あたり)のようにビットも入らずヘロヘロという所まで逝っておらず、ビットも入りながらの展開。そりゃまぁ0.2%に接近してきた所ではさすがに買いも入りますわな。本当に早期の量的緩和解除が起きたら知らんが。


とりあえず2年ゾーンには押し目を拾う動きあり、5年新発債に関しても後述しますが、新発債のゾーンに限るという感じですが(苦笑)買いが入っているという感じですので、このあたりの押し目買いによって、2年と5年のカレント物が落ち着いてくれば、中短期債が全般的に落ち着きを取り戻してくるのではないかなぁとは思います。


○5年国債入札

いやまぁ強烈な値動きではございました。

朝っぱらから中短期ゾーンがよわよわだったことから、5年ゾーンも先物対比で安いところでの取引という目を疑うような展開が延々と続きまして、前場の引け時点では先物が138円15銭(すいません、あまりにも動きが凄かったので自分のポジションのケツ拭きに忙しくて前場引けの値段は脳内メモリーベース。数銭違うかもしれません。)でしたが、5年47回債、48回債は前日比5毛甘の0.685%が買われ(47回債は0.68%も出合い)てビット残りという状態。

前場引け際に先物をいきなり10銭近く持ち上げたのはちとケシカランでしたが、水曜日の先物高値(あの上げはしかし一体何だったんだお蔭であたしゃー騙されましたよ)から80銭以上下げているという相場ですんで、事前ヘッジはまぁワークしてるという展開。逆に「入札どこ入れりゃいいんだ」というので皆さん頭を痛めるというお話になりましたが、落札結果はご案内の通りで平均100円13銭(0.672%)の最低100円12銭(0.674%)と前場引けの実勢と思われるベースから3〜4銭高いという豪快な入札になりました。

で、落札結果発表後に相場は戻ったのですが、毎度お馴染みのように戻ったのは先物だけで、先物が138円30銭近くまで戻った時に何とか0.67%がビット(0.665%は47回債の方では出合ってましたかな。さっきと同じ理由で昨日は相場のメモがあまり無いのよ(苦笑))とかで全然アガランチ会長になっていましたが、再度相場が売られる過程では何と中期ゾーンの中で5年新発債のゾーン(47回債と48回債のコンビ)が一番確りという動きになりました。

終わってみれば(ちと最後の先物は勢いついて下げすぎ感漂うのですが)先物が137円95銭に対して、コンビ・ザ・5年カレントは0.685%堂々のビットサイド(周囲の債券がボロボロだったので、バランス上引けは新発債にしては珍しくビットサイドで値付けされました)となっておりました。よって「前場引けから先物20銭下がって5年の気配は前場引けと同じ(入札が1毛近く割高なのですが)ですかそうですか」という事でして、落札結果発表後に当該ゾーンがゲロゲロになるという最近の遺憾な入札と比較勘案すると、まぁ悪くは無い入札だったという感じではないかと。

おまけに、相場下落の過程で4年も6年もボロボロなのに5年カレント兄弟は相対的に強いビットが残っていたという事は、5年新発債に関しては少なくとも下がればニーズがそれなりにあるのではないかと思わせる値動きで、落札した業者としては割とホッとする入札ではなかったかと思います。

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2005/08/11

○何というか素直じゃない相場なことで

昨日の債券市場。前日FOMCを受けた米国市場が株高債券高になったせいなのかいきなり先物上昇。引き続き中期債がやたらと弱く、先物が前日比15銭上昇して5年47回債の前日比変らずがやっと買われるといった次第。長期債も弱く、前日に続いて先物独歩高でした。

ところが、前場途中から中短期債が益々弱くなってきたかと思えば相場は全体的に下落。で、下落の過程で3年半〜6年ゾーンが先物に先行して売られるというバランスが延々と続いてました。また、業者のショートカバーニーズがやたら強くて割高になりながらもビットだらけだった5年27〜29回のトリオ・ザ・ショート銘柄のお蔭で気配が誤魔化されていた1年半〜2年ゾーンも気配誤魔化しきれずにヘロヘロとなり、中短期ゾーンが見事にボロボロになってしまいました。

当初は(昨日のドラめもんで申しあげていたように)入札前の5年むりむり売りかと高を括っていたのですが、さすがにこの売り方は入札を前に5年というよりは4年あたりにでも売りがぶち込まれたとしか思えず、こんなに売る人といえば大手銀行様(ポートじゃなくてALMの方かもしれませんが)という事になる訳ですが、正直この時間差攻撃というかワンテンポ遅れて売られたというタイミングには参りましたな。まったくもう。

と申しますのは、あたくしが何度も申しあげているように(っていうとどこぞの債券ストラテジストのようでアレなのですが^^)手形オペの金利上昇はもうちょっと前に出てましたし、機械受注統計が強いのは昨日の2時に出てましたし、日銀の月報で景気判断をまた前進させて福井総裁の踊り場脱却キターは既に昨日(の3時過ぎですが)出ている話。一昨日の機械受注統計発表後の相場上昇と、昨日前場の相場上昇(先物の上昇という表現の方が正しいかも)は一体全体なんだったんだということで。まぁ日経平均が12000円どころか12100円まで上昇しちゃった株式市場の強さを見て反応したのかも知れませんが、日経平均しか見てないのかと小一時間ですな、あははのは。


で、まぁ本日はいきなりヘロヘロになった所で5年国債入札。昨日中期債を売ったお人が新発を買うのか買わないのかで全然様子が違ってくるでしょうという実にアレな入札になりそうですな。入札だけ割高になる攻撃は勘弁していただきたいものであります(がそうなりそうな悪寒)。まぁ投資家様の売りもあったでしょうが、入札準備の提灯売りもあったとは存じますんで。

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2005/08/10

○相変わらず先物が暴れてましたが

昨日の債券市場の動きもまたまた妙な動きをしておりまして、米債が4.4%に乗せたのは判りますが前日安値引けしたのにいきなり寄りから138円63銭なんぞで寄り付きました。で、その後は先物は妙に買戻しの中現物ヘロヘロで、超長期や長期の弱さもさることながら、4年〜5年あたりの中期債が重いのは入札準備態勢なのでしょうかって感じ。まぁここもとの下げで先物が妙に売られていたので、その戻しも大きく影響していたかと思いますが。

それにしても呆れたのは機械受注統計を受けた相場展開でして、機械受注の数字は市場予想を上回るもので、瞬間138円69銭→61銭まで下落したのですが、その後先物買戻し攻撃が発生して前日比プラス圏まで相場が上昇して終了という誠に素直じゃない相場の反応でございました。

一昨日の参議院本会議結果判明後の債券先物の妙な暴れっぷりもそうでしたが、ここの所(というか暫く前から)先物が威勢良く動くことが多く、まぁ「訳判らんときは海外ファンドの法則」(笑)によって海外の人がよく売ったり買ったりしているようでございます。一方で国内投資家の皆様におかれましては、ここもとの金利上昇は「投資環境の改善」レベルの上昇のようでして、まぁ下値を売り叩きにくる人はございませんですわなぁという所で、引き続き押し目買い継続中。

んな訳ですから、機械受注統計の数字が予想より良くても下がらかったのでFOMCもあることですしポジション落として置きますかモードになったのかもしれませんな。戻り局面で現物債のバランスは変っていないどころか益々ヘロヘロになってますんで、そんなに強力な買いが入った感じではなさそうです。

明日の5年国債入札向けの準備モードがちとやり過ぎ感漂うのですが。



○で、踊り場脱却なわけですが

総裁記者会見に関しては今日日銀Webにアップされますので詳しくはそちらでとなりますが、踊り場脱却の話は内閣府の方面からも出るようでして誠に結構なのですが、日経平均12000円と踊り場脱却宣言の組み合わせというのは過去に2度ほど天井高値掴みのサインとなってしまったという非常に縁起のよろしくない記憶がございますので、ここは一つ12000円が完全に定着したと見られるまでは我慢して欲しい所でございますが(笑)、言ってしまったものは仕方ないので、その通りに踊り場脱却をしていただきたいものだと切に願う次第です。

・おまけの雑談:FOMCの結果で米債反発

ステートメントさっきざっと見たけど肝心な所は前回と同じだと思う(読み間違いだったらゴメンナサイ)のですが、米債反発ってそんなにインフレ警戒全開のステートメントが出るとでも予想されていたのでしょうかねぇ。最近までのFedのやり方見てると「口では細々コントロールするけど、文書では方向性を出したら方向転換するまで同じパターンで行きます」というものですから、今回いきなりペース加速するとも思えないんですけど、まぁ真面目に見てない人なのであまり無責任な話をするのもアレですので思ってみただけです。

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2005/08/09

○やはり織り込んでいましたか・・・・

という訳で昨日の相場。本会議中は正直皆さんテレビをみるのに忙しくて債券市場はザラ場中なのに板が殆ど止まってしまう状況(笑)。ところが、「ほぼこれは否決ですなぁ」という感じになってきたあたりから何となく債券先物が上昇。で、否決となった時には瞬間株安債券高になったのですが、株価指数が前場の安値を切らずに反発してきたらいきなり債券先物も急反落と相成りました。

債券先物が前日終値の139円05銭を抜けて上昇した後下落する所では殆ど板の無いような状態の中での動きでして、例によって先物が持ち上がってみたものの下落過程では長期債、超長期債が相対的に確りということで、まぁ先物だけ暴れましたなぁという感じです。

債券市場はど〜もこの材料消化しにくいようで、暫くは株式市場や米国債市場の動きに振らされるという感じになりそうですね。


○手形オペ金利がまた上昇

そんな中、昨日実施された全店手形オペはまたまた金利上昇。今回は8月10日スタート来年6月15日エンドでしたが、平均落札利回りが0.005%となり、最低落札利回りが0.004%の22.9%按分と「あらら」って感じになりました。

日銀の供給オペレーションで短期国債買入の対象銘柄が絞られて長い期間の短期国債があまり応札できなくなっていることもそろそろボディーブローのように効いてきたようですな。1年ものの短期国債とかも重苦しい雰囲気になっております。

このため、1年以降の今まで時間軸効きまくりだったゾーンの現物債もおもーい感じなのですが、こちらに関しては気配をあまり見せていないので引値ベースでは値持ちしている格好。とは言いましても、昨日の輪番オペでは平均売却利回りが前日比0.009%安とやや安目になっておりまして、板気配から勘案するに中短期ゾーン(と先物近辺の銘柄)が落札されたような感じで、どうも1年半あたりにも影響が及んでいるようですな。

何故か3年ゾーンの5年27〜29回債がやたらめったらタイト(理由は3年ゾーンの中での100円近辺の銘柄がこの辺りにしか無く、買いがこのトリオにばかり入るからなのですが)で、妙にここが確りしているので誤魔化されている感じがあるのですが、昨日の手形オペ金利上昇も含めまして、長めの短期金利から少々金利に上昇圧力がかかっているという雰囲気ですわな。


○金融経済月報と総裁記者会見に注目

長めの短期金利に上昇圧力がかかる中で行われている金融政策決定会合でございますが、何もなしというのは兎も角、景気の先行きに関する福井総裁のコメントは気になりますわな。あまり余計な事を言って金利上昇のネタを撒くのは控えた方がいいと思うのですが、どうもここの所の福井総裁発言をみていると、あまりその辺りは気にしなくても良いかもしれませんね。ヘッドラインリスクはあるのですが(笑)、基本的に景気の先行きとデフレ脱却に自信を深めてきた福井さんは逆に発言が慎重になっている感じですね。

あと気になるのは、いつも会合の内容をリークする「関係者」が今日は何をしゃべりだすのかですか(苦笑)。いい加減にして欲しいものですが・・・・

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2005/08/08

お題「材料の整理/何ちゅうか議論になりませんなぁ」

○まずは材料の整理でも

(1)郵政民営化法案:否決を織り込んだのかなぁ

金曜日の昼に中曽根弘文さんの法案反対表明が出たために市場としては「法案否決→解散総選挙」というのを織り込みに行ったような動きになりました。正直、債券市場がどっちに動くのかは激しく謎だったのですが、当日のそれまでの動きが債券先物売りモードになっていた事が影響したのか、債券市場は「買い」で反応する形になりました。

まぁ株価指数が下がるのはお約束という感じでしたので、株価指数の下げにポジションの閉じへの動きがぶつかったという感じでしょうか。まぁここ1ヶ月で10年カレントものが1.2%割れそうな所から1.4%に掛かろうかという所まで売られているので、週末につきとりあえずポジション閉じって感じもしますし。

一ついえるのは「法案可決」の方が既にサプライズという形になっている事ですな。可決になったら債券は・・・・株価指数先物に逆方向で反応するんでしょうなぁ(笑)。


(2)金融政策決定会合:こちらは平穏無事

金融政策決定会合が本日と明日の日程で実施されます。当座預金残高目標の下限割れ問題に関して議論はあるかと思いますが、おじょーずなことに本日からは再び当座預金残高30兆円を回復するらしい(金曜日の残高が29.5兆円で、本日は1兆円増加予定)ですので、決定会合中の当預目標割れという事態も避けられそうです。よってそんなに大騒ぎにはならないでしょう。まぁ金利先高感というか時間軸の短期化(近い将来量的緩和政策解除の3条件が成立するかもしれないという見方が広がる)が起これば、より長めの資金に対するニーズが高まるので資金供給のオペレーションが円滑に行えるわな。

ということで、「市場が金イラネって言ってるから当預目標を下げる」という市場機能封殺論に関しても、市場がちゃんと先行きの政策をおりこみに行くと動かない訳でもないというのが示されたのは皮肉ではございました。

また、今回の決定会合では金融経済月報も公表されますが、こちらは例によって強気の進軍ラッパ鳴り捲りということで宜しいのではないかと思います。ここの所ずーっと日銀の景況感は強気継続していたのでその延長線上ではあるのですが、債券市場が強気相場だった時はあまり月報を気にせずに動いていて、ここへ来て・・・・そのときに債券市場弱いと月報にもちょっと反応するのかもしれませんな。


(3)米国の債券市場:結局出たとこ勝負ですが

週末の雇用統計が強かったので米国債はまたまた下落して4.4%にあと一息というところまで売られたようですな。ここの所米国債に連動してるんだか連動してないんだか微妙な状態が続いておりますが、とりあえず米国債が妙に堅調だった事がサポートになって上って来た相場でしたので、米債下落にはタイムラグを伴いながらも下げで反応するんでしょうな。

ただし、先ほども書きましたが、ずーっと上から下がってきている相場ですので、途中途中でポジションの閉じの動きが発生して戻る事も多そうではございます。今週はFOMCもありますな。


(4)まぁ需給面で言えば相変わらず押し目買いで戻りは買いなし

金曜の債券市場、というか金曜に限らずここのところ毎度毎度同じなのですけれども、先物VS10年債という関係を見ておりますと、相場が下落する場面では先物が先行して売られ、戻る時にも同様に先物が先行して買われると言った次第。要するに「下がると買いがあるけど、戻りで買う人はいませんですなぁ」というのが如実に現れている状態でして、材料待ちだから仕方ないんですが、方向感があまりない相場になっております。

まぁ20年だの30年だのというのはここの所上っても下がっても強いのですが、これは今までの相場展開で10年までのゾーンが妙に下がらなかったというか20年以降のゾーンがよわよわだったというか、相対的にちょっと弱くなっていたのが影響しているんでしょうな。

まぁ注目すべきは中短期ゾーンの動向かなぁと思います。先週後半は3年あたりのゾーンがあっさり復活してましたので、そのあたりもやや安心感を持たせてましたなって感じです。心理的には2年と5年カレントゾーン動向が目先は気になりそうです。

その他で言えば経済指標が機械受注に週末GDPですけど、ここの所の金融政策決定会合での議論は家計部門に関する雇用情勢と個人消費に注目が行っている(勿論CPIもですけでども)ようですので、まぁ指標として重要は重要ですけれども、どうなんでしょうね。

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2005/08/05

お題「材料待ちの相場です」

まぁ週末から来週にかけてエライ勢いで材料がありますので、今日もまた動きにくいでしょうなぁ。その割には先物を一生懸命振り回している人はいるんですが。

#相場が様子見なのでこっちもネタが。鋭意仕込み中ですが

○本店手形オペは相変わらず札割れ

昨日実施された本店手形オペ、金額が8000億円で期間が来年1月26日エンドですので5ヶ月ロングというか6ヶ月ショートというオペなのは毎度お馴染みのパターン。で、こちらは今回も札割れとなりまして4200億円しか供給されませんでした。

来年6月エンドのオペは絶賛大人気でこちらは札割れという事でございますので、まぁこれを素直に解釈すれば、来年の前半あたりに金融政策で何らかのアクションがあるかもしれないという予想というか懸念が何となく世の中ございますなぁということになりますわな。福井総裁(や日銀のレポートやこの前は早川調査統計局長がどこぞのインタビュー)がコメントしていたように「今年末から来年初頭にかけてCPIのプラスが達成」され、そうなりますと様子を見てから金融政策に何らかのアクションがあるかも知れませんなぁという見方だという事ですから、まぁ話としては美しく整合性が取れていますわな。

昨日の債券市場では、今まで割りと持ちこたえていた1年半あたりの債券が思い出したように売られてきておりまして、量的緩和政策時間軸が微妙に短期化してきているということの表れではないかというイメージでございますわな。


相場そのものは上でちょっと書いたように、まぁ様子見モードで最終投資家様のオーダーフローがそんなにあるとは思えないのですが、前場途中に先物が139円22銭とかやっている時に超長期79回債が前日比1.5毛強テイクンとかやって何やっとるんだと思っていたらその後ちょっと先物下がったらすかさず1毛強ヒットしてオファー残り、後場になってみると先物12銭で1毛甘とかやっていてまぁ呆れる展開でございました。顧客のオーダーフローに提灯つけて爆死したアフォなディーラーがいたものと見ましたが、しかしまぁ先物も何か妙な動きをしてますし、出来高と値動きはあるけど投資家さん大して動いて無いでしょうによーやりますなって感じでございます。

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2005/08/04

お題「手形オペ金利上昇の周囲」

○まぁ理詰めで考えていると??なのはいつもの事ですが

昨日の債券市場は、あたくしが朝「5年が0.6%にでもなって腰の入った買いでも入らないと」と言ったのが聞こえたのか(苦笑)、中期債がやたらしっかりで3年(というか3.5年かな)〜5年が堅調になっておりました。このために先物は前場いきなり上昇しちゃったりしてたのですが、10年ゾーンが妙に重くて20年30年ゾーンは比較的しっかりという動き。終わってみれば先物から10年がぱっとしないという結果になったのはまぁ良いとしまして・・・・・

昨日の短期金融市場では8月5日スタートの全店手形買入が8000億円オファーされました。期日は来年の6月7日ということで相変わらず10ヶ月ロングのオペなんですが、期落ちが1兆円のところへここの所毎度お馴染みの8000億しか打たなかった事も影響したのか、応札が3兆8394億円で最低落札金利は0.003%と前回の0.002%を上回りましたわな。日経平均がザラ場で12000円をマークしたとか、先週末の経済指標で雇用と消費関係の指標が悪くありませんなぁとか、公共料金引き上げとかの影響もあってCPIがプラス転換しそうですなぁとか、まぁ量的緩和政策の出口を意識するような材料が転がっているので、応札が増えて金利が上昇するのは当たり前といえば当たり前。

てな事を短期金融市場がやっているのに中期債にこのタイミングで買いが入るというのは実に面妖ではあるのですが、まぁ正直言って短期市場と債券市場は同じ金利の話してるのに市場が分断されているようなものでして、ここまで売られてきたから5年は割安とかいう声の方を良く聞くわけでありますわな。去年(の4、5月ごろ景気が良いですね量的緩和政策の出口はいつですかって話をしていた頃)の金利は幾らでございましたかねぇと思うと???ですけど(10年も高いですが)ってのは知人のディーラーからの受け売りなんですけど。

市場が分断されている(笑)債券市場は兎も角として、あたくしの顎が外れるほど驚いたのは昨日の3ヶ月FBの入札でして、確かに入札は全店手形オペのオファー前に片付いているのですが、9時20分のオペ時間に供給オペ無しの放置プレイになっていて当預30兆どころか29兆も割れてますが何か?って状態で、前回の手形オペが0.002%。2年辺りの債券も(昨日は反発してましたが)売られていたという状況になっていたから今回は100円落札にはならねぇだろうと思っていたんですが、堂々の100円落札。全く意味判らん。

と思ったら手形オペが0.003%になったタイミングで業者間では99円99.98銭の出合いがあったようですが、まぁようやりますなって感じです。


ということで、整合性を考えると昨日の短期金融市場から中期債あたりまでの動きは見事にワケワカメなのですが、まぁどこかが勘違いしているのでしょうね〜と思いながら意味不明の相場展開(昨日の引け後の先物の売られ方にも呆れましたが)を眺めるあたくしなのでございました。

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2005/08/03

お題「昨日の相場を見ながら」

○10年国債入札レビュー

昨日の入札に絡んでは相場が随分動きましたなぁという感じでございまして、中々コクのある展開で正直疲れました。

寄付きから先物が若干下落したのは兎も角として、朝方一瞬下げ止まりそうに見えた中期ゾーンがいきなりヘロヘロの展開になりまして、3年半あたりから5年のゾーンが物の見事に先物よりも弱いという涙の出るような展開となって相場の雰囲気を見事に悪くしてくれました。

でまぁ相場の雰囲気が宜しくなければ入札前の事前買いが入りにくいという発想でヘッジ攻撃にも力が入るというもので(?)、10時半ごろに一瞬事前ヘッジ踏ませ隊も入ったのですが、結局前場の引けでは前場のほぼ安値まで先物は叩くわ、10年ゾーンは先物よりも安くするわという事前ヘッジがウハウハの展開となり入札を迎える事と為りました。

で、入札時点での先物が前日比31銭安の139円20銭で10年270回債の既発債気配が1.375%(3.5毛甘)−1.38%(4毛甘)で270回新発債の気配が1.38%−1.385%という状況でしたが、ここの所穏当な落札結果が続く10年国債入札にしては珍しく今回の落札結果は平均99円57銭(1.376%相当)の最低99円56銭(1.377%相当)で、まぁ56銭の札は9割以上入りましたが、それにしても前場引けのオファーサイドを堂々上回る強い結果に相成りました。そんなに事前ヘッジがワークしてたんですかそうですかという結果ですが、市場観測によります落札結果としては大手証券2社で5000億だの4000億だのという落札になってまして、「いや随分頑張りましたねぇ」って所でしょうか。別の某有力大手証券様が落札ボウズだったのが意外でしたが。

落札結果発表後の動きをみますと、予想以上の落札結果で先物が踏みあがるも、その後先物叩き隊がご登場。と言いますのは、落札結果発表前には現物が弱くて先物が確りしていたのですが、相場が持ち上がってから下落する場面では先物下がりながら現物債がやたら確りになってきまして、まぁ先物売り叩いてますなぁという印象。具体的には、新発270回債で後場より付き直後に先物139円25銭で1.38%の出合い(さすがにオファーが出た瞬間に買われていましたが)があったのですが、落札結果発表後上って下がった後では先物139円13銭で1.38%のオファーが買われるという有様でして、先物対比で結果発表前から単純計算で12銭強くなっているという事になりますわな。

誰が何で先物叩いたのかはよく判らんですが、まぁ大量落札した人が持ち上がった所で先物叩いて現物債を捌きながら先物を買い戻したのか、あるいは落札空振りした大手業者が怒りの叩きでロングの振り落としをしたのか、いずれにせよ強い落札結果でその後相場がブル展開にならない所が「追っかけて買い」が無いんですねぇと思わせる相場でした。

その後、少々押し目買いが入ったのか先物を買い戻したのかは良く判りませんが相場が反発して、結局前場引けよりも先物が上昇して相場は終了しましたが、相場が戻りますと先物対比相対的に確りしていた現物債のパワーが衰退して、先物独歩安というほどではない結果になりました。下がれば先物対比で現物債が確り、上ると先物対比現物債がついていかないという毎度お馴染みの展開でして、「下がると買いがあるけど、上を追ってまで買わない」という状況は相変わらずだという感じです。


○中短期はどうもまだパッとしません

昨日もそんな感じでよく動いた相場。そんな中でさすがに2.1%に接近した超長期ゾーンとかにも下では買いが見られていたようですが、どうもこう昨日も申しあげたように中短期ゾーンがパッとしません。

2年235回債は朝から0.12%堂々のオファーから始まって安値では何と0.14%まで売られるという有様。先週木曜日の入札後に0.11%まで買われてビットとかになっていたのは一体全体どうなっているのでしょうかという動きです。その後0.13%まで戻ってはいましたが、どうもこうアレな展開で2年ゾーン相変わらずボラタイルになっている訳でございます。

昨日の下落場面では5年47回債で0.585%まで下落。先物対比では結構強いという感じでしたが、その後先物が戻る中では現物債の戻りは大したことなく、そんなに強力な買いがあった感じもしません(というかそもそも中期で確りしているのは5年47回債だけなんですけど)。値動きや業者間の板気配を見ても、3年〜5年ゾーンは荷もたれ感が強く、何せ5年27回債〜47回債まで皆まとめて2毛甘の引けということで、買いが見えない状況とは困ったものです。

金融政策に関する思惑が出る、あるいは他の人たちがそう思うのではないかと思い出しますと、中短期債には売りが出やすくなり、その結果相場が自己実現しちゃって「時間軸の短期化を相場が織り込みに逝き出している」って解釈になっちゃうという毎度お馴染みの展開。

まぁ5年が0.6%にでもなってちょっと腰の入った買いでも来ないと中々雰囲気が改善しませんですなぁというのが正直な印象です。


○(ある意味不運でしたが)総裁答弁で先物動く??

そんな相場の中で昨日は参議院の郵政なんちゃら委員会に谷垣財務大臣が出席し、衆議院の財務金融委員会に福井総裁が出席していたのですが、マーケット時間中に両者の発言がニュースベンダーからフラッシュを打たれました。

谷垣財務大臣は「長期金利の上昇は景気回復に悪影響」という発言をしていつものように金利上昇牽制発言でしたが、福井総裁の発言として打たれたフラッシュは「CPIは年末から来年にかけてプラスも展望」だの「景気は踊り場を脱却して回復傾向を強めている」(ちとブツが手元に無いので脳内メモリーから書き出してます。よって相当端折って書いてます、為念。)というようなものでして、別にその発言に反応したわけでも無いのでしょうけれども、債券先物の値動きだけ見ていると谷垣さんの発言で買い戻しが入ったと思ったら福井さんの発言でまた下がるというタイミングになっていたのは実に香ばしい動きでございました。

まぁCPIにしても景気にしても前から福井さんは言ってることなので、それをネタに相場が動かれたと言われても福井総裁も困るとは思うのですが、まぁ10年国債入札というイベントのある日の発言なんで、片言隻句が情報ベンダーにフラッシュとして打たれると、相場が思わぬブレを示す事もありますわなぁという所ではございます。

その後今度は「CPIがプラスになったからといって即座に量的緩和政策の枠組みを修正するわけではありません」と発言してくれた(というかそういう発言を時事通信がフラッシュ打った訳ですが^^)ので引けにかけて債券先物は反発した、かど〜かは知りませんがタイミングとしてはそんな感じでしたが、まぁ不安定な地合いの時は自明の話をしていても相場は反応するという事でございました。

まぁ何ですな、国会で説明責任果たすのも良いのですが、正直日銀総裁がホイホイ国会で色々と話をするのは、その頻度を少し減らして貰えればと思いますわな。昨日は半期報告だかなんだかなので仕方無いのですが、何も10年入札にぶつける事はねぇだろうと思うのでありました。


○その他少々

・今日も当預30兆円割れ

昨日の速報ベースで当預残30.2兆円で、今日の見込みでは財政要因(税揚げでございますか)で1.9兆円の資金不足が予想されてますので、このまま放置すると当預残28.3兆円の予定。オペを打つとしても即日2兆円とか打てないでしょうから、まぁ堂々の当預目標割れ確定と言っても良いでしょう。マーケット的に話題になるのかならないのかと申しますと、当預目標減額がどうのこうのという話よりも、市場としてはその先の量的緩和解除のタイミングってどうよってのを気にしているように思えるのはあたくしの勝手な勘違いでしょうか?

・白川理事の受難

ヘッドラインを見ただけですが、昨日の衆議院財務金融委員会では白川理事も出席して答弁。どうも6月の当預30兆円割れについて「やらせじゃなかったのかゴルァ!」という質問を受けたようでございまして、「当預残目標割れは自作自演ではない」とご答弁されたみたいですな。いやまぁお気の毒に、などと言うとそもそも自作自演だの何だの悪態ついていたのはドラめもんでしょうがと言われてしまいますですかそうですか(苦笑)。

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2005/08/02

お題「10年国債入札です」

もうちょっとこうカラッとした暑さになってくれないですかねぇ。

○10年入札ですが

昨日の債券市場は思いの他下落という感じ。米国債が売られたので入札準備モードになったのは兎も角として、いきなり寄り付きで下に値を飛ばしてスタートしちゃったのには呆れました。

寄り付きで債券先物が下寄りしたところでは当然の如く先物独歩安になっていたのですが、その後寄り付き近辺でのもみ合いが続き、先物が上ったり下がったりしているうちに現物債が段々追いついてくるという「どうもパッとしませんなぁ」状態。昨日は2年ゾーンが弱くなっており、入札日に買いが入って一安心と思わせたのは只のダマシでしたかそうですかという状況だったのも雰囲気を暗くしましたな。2年新発債はあっさり入札日の最低落札価格0.12%がオファーサイドになってしまいまして、何でそう2年ゾーンの金利がぶれるかねって感じではございます。

気が付けば5年国債も0.55%になってしまいまして、何と申しますかズルズル下落。まぁ米債が売られているのもありますが、平均株価が絶好調で今度こそ12000円に乗って定着するんじゃないかってのが消費者物価の先行き堅調見通し(公共料金も引き上げですし)と相まって「時間軸の短期化懸念」がようやっと出つつあるという感じではないかと思いますが、ちとそれは読みすぎかもしれません。


本日の10年国債入札ですが、まずクーポン設定が微妙な所で、昨日の引け時点での実勢では1.3クーポンになりますが、1.3%クーポンになりますと270回債のリオープン発行になりまして、新味に乏しいという問題点がございます。1.4%で発行してくれると消化はかなり楽だとは思いますが、こ〜ゆ〜地合いの宜しくないときに高いクーポンを設定すると、「(今回の場合なら)1.4クーポンの100円が下値メド」などという意識が発生して却って下げ余地を作る可能性もあるという諸刃の剣(^^)。まぁさすがに1.4%にすれば今回は人気化はすると思いますが・・・・・・

とりあえず本日も米債が売られて10年4.3%とかやってる地合いの悪さですので、本日の入札は注目度高しというところですな。日銀ネタが無い昨今ですが、先週の2年国債入札からいきなり入札が注目モードになるというのがまたオシャレなところではございますな。


○2年ゾーンの値動きが出てまいりました

上でも書きましたように、今年度になってから全然動かず、というか何となく堅調地合いが続いていた2年ゾーンが個々へ来ていきなり動意づいております。先週の2年国債入札を前にしてそれまで0.07%で安定して堅調推移となっていた2年カレントゾーンが先週月曜から連日下落して入札前日の水曜日には0.095%と3日で0.025%利回り上昇。2年新発235回債の入札日も235回債ベースで0.12%がオールヒットしてみたり大引けでは0.11%がビットになってみたりと中々豪快に値動きを行い、昨日は0.12%がオファーサイド。

新発債が出て償還が1ヶ月延びているので単純比較するのも何ですが、それにしても先々週は0.07%(それも割高ではないかと言う声はあったのですけどね)なんぞでやっていた2年カレントものが0.12%ですんでそれはもう随分と利回り動きましたなぁという所です。

このゾーンが動くというのは金融政策に関して何らかのアクションが起こる可能性に対する思惑が交錯しだしているという事でございます。例年8月といいますと、暑さのあまり景気の良い話が出やすく(というのはあたくしの勝手なこじつけですが)金融政策に関する思惑も何故か良く発生する傾向にあります(昨年は7月でしたが)。おまけに8月は板が薄いので仕掛けやすいという事になっていまして(という事が多いのでディーラーは意外と休まないもんなんですが)、とりあえず不安定化しつつある2年などの中短期ゾーンが今後の注目材料になりそうですな。逆に言えば安定化してくれば相場も安定するでしょ。

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2005/08/01

お題「相場雑談など」

週末は休養モードで、グダグダ状態だけに先週末堂々宣言の「リスク管理高度化ペーパー」は3行読んで睡眠学習という素晴らしいペースで読んでおり、ネタにする状況に非ず(汗)。

という訳で本日もまた月曜らしく軽く雑談。

○騒ぎになりませんでしたが当預30兆割れ

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/jx050729.htm

という訳で金曜日の当座預金残高は29.8兆円(速報ベース)と相成りました。今週に入っても資金不足要因があったりするので本日は30兆円に戻るのですが、その後も30兆円割れが何度か発生する可能性大有り。

前回6月2日に外野が「おめぇそりゃわざとじゃねぇの」と絶賛大騒ぎしている中で30兆円割れ第1弾をやらかしたのですが、今回の30兆円割れはご案内の通りに「供給したけど30兆円行かなかった」の巻。先日ご紹介した総裁記者会見における「量的緩和政策の出口議論と関係ない当座預金残高目標引下げ」という「技術的当預引下げ」派にはありがたい展開にはなっております。という訳で来週の金融政策決定会合は一応警戒ですな。実際問題としては、量的緩和政策の出口が意識されるようになれば短期金融市場のイールドカーブが立つのでオペへのニーズは高まる筈で、当預残目標を下げれば益々ニーズは増えそうにも思えるんですが。


○そんな事もありまして中期債イマイチ

金曜の債券市場は米国債が買われたりしてた割には今一歩の展開になりまして、とうとう先物ベースでは先週5営業日連続前日比下落という誠にトホホな展開になりました。で、金曜日にも目立っていたのは中期債のだめっぷり(超長期も弱かったですが)でして、何かこう積極的な買いが感じられない相場展開が続いておりました。木曜相場における2年国債入札後の切り返しで少しは安心モードになったのかなと期待していたのですが、2年新発債も前日比変らずの0.11%オファーでまぁ伸びはイマイチ。木曜の前場のように威勢良く叩かれるような事がないのでそんなにゲロゲロって話でも何でもないのですが、ど〜もあたくし的にはこう「今一歩」的なものを感じる次第でございます。

5年国債入札は来週木曜でして、その間に郵政民営化関連法案だの金融政策決定会合だのありますので今の時点でどうのこうのというのはアレでございますが、このあたりで入札を迎えると新発債が4ヶ月連続で0.5%クーポンになって再度47回債のリオープンになっちゃいますな。それも何かご勘弁願いたいところではございますが。

明日は10年国債入札が行われますが、米国市場で株高(これ勘違い)債券安(は正しい)をやっている事でもありますし、そもそも10年1.3%も既にやっておりますので、まぁ今日相当に債券相場が下落しない限り1.3%クーポンなんでしょうが、今までの押し目買いポイントとして意識されていた1.3%が目先暫くは逆に上値抵抗線として意識されそうな悪寒。


○郵政民営化関連法案で思うのですが

先週ご紹介したように日銀総裁までが郵政民営化関連法案に関してコメントしちゃうという郵政民営化問題。報道も随分盛り上がって誠に香ばしいのですけれども、法案の内容がどうのこうのという話の前に票読み話ばかりで正直ツマラン。と思ったら今目の前でやってるフジテレビのニュース番組でも「本法案による郵政民営化の具体的イメージが認識されているのか」と問題提起してました。そんなに言うならお前が報道しろと思うが(^^)。

先日はとある会みたいなものに逝ってきたら、幹事さまご挨拶で郵政民営化法案の話になりまして、「この法案が通るかどうかは日本の民主政治の試金石」みたいな事を力説している姿を見て、ちょうど福井総裁の定例記者会見での発言(金曜日にご紹介した奴ね)とダブってくる訳ですわな。

この騒ぎっぷり、どこかで見た覚えがあると思ったらかつて大騒ぎした「選挙改革法案」ではないかと思うのですよあたしゃ。あの時も「小選挙区比例代表制度に反対する人間は抵抗勢力で愚昧な連中」って感じのキャンペーンが行われておりましたわな。まぁ中選挙区と現在とどっちがどうなのよっていうのは難しい話ではございますが、政治とカネの問題が解決されたとも思えず、自民党の派閥が弱くなった代わりに党の締め付けが強くなったのは色々と議論はあると思いますが、あたくし的には自民党の「多様性」が失われて活力低下に繋がってませんかねぇと思うクチでございますので、まぁちと懐疑的でございます。

で、今回の郵政民営化云々なんですが、「郵政3事業の見直しは必要だけども、この法案はちょっと・・・・」というような声を出すと法案賛成論者から「お前は抵抗勢力か」と言われかねない勢いになっている状況で法案を何が何でも通すっていうのはちょっとどうなんでしょうかねぇと思う今日この頃のあたくし。だいたいそう言うような時っていうのは通しても廃案にしても碌な事が起きないと思うんですが。まぁおちつけという感じですなぁ。

などと言っても法案の参議院での採決は今週末にでも行われるようですので、債券市場にも影響しそうですが、可決だと株が上るし、否決だとトリプル安という何かあまりポジティブ思考にならないのは先週の5日連続先物下落に影響されていますかそうですか(笑)。

#そこかしこで夏風邪流行中。咽喉に来るので結構厳しいです。ご注意ください。

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2005/07/29

お題「ちょっとヒヤリとした2年債入札」

本題のお話をする前に毎度お馴染みの日銀Webですが、昨日は日銀のWebに「金融機関のリスク管理高度化に向けて」というお題のペーパーが出されています。バーゼルU絡みのお話のようですが、3部構成になっていまして、量が大変多いので全然読んでいる暇はございません。が、さすがにこれは債券業務に関る者としては金融機関経営に影響する話なので読む必要はあるかなと意気込んでいますので週末に読んでみようかと思っています。とここで宣言すればさすがにナマケモノのあたくしも読むでしょうと自分に鞭打つのでありました(笑)。

http://www.boj.or.jp/set/05/fsk0507a_f.htmからリンクがあります。


で、今朝はCPIと鉱工業生産の発表です(寄り前の発表だけど)。

○ちとヒヤリとしましたが

昨日の2年国債入札。朝っぱらからいきなり債券先物は下で寄るわ2年債はのっけから1毛甘ヒットとかやるわユーロ円金先は売られるわと「おいおい」という展開でございました。前場は先物がやたら売られてその間に長期債は先物対比かなり確り(先物VS10年で1毛くらい10年がアウトパフォーム)になりました。

で、前場引け時点での2年新発国債の気配は0.115%(99円97銭)オファーの0.12%(99円96銭)ビットで最終出合いは画面上では0.12%でしたが、まぁ実際は0.1175%(99円96銭5厘)となっていましたんで前場引けの実勢は99円96銭5厘ちゅうことで。

いつもの馬鹿過熱入札だとこの場合99円98銭からの入札となるのですが、さすがに今回は警戒感もあったのかどうか。応札の刻み幅が5厘になった事も功を奏しまして、落札結果は平均99円97銭1厘で最低99円96銭5厘の按分16%と穏当な落札結果になりました。

発表後業者間売買で0.12%を叩くアホウもいたようですが、そこで買いがスパスパ入りだして、その後ゲロゲロ状態だった周囲の債券も確りしだしまして、0.115%がオールテイクンした所から今度は債券先物も上昇しだすという展開になりまして、勢いとは言え債券先物が140円10銭を上回ったのには顎が外れそうになりました。

相場が戻ると下げ局面でやたら先物対比堅調だった長期債の勢いが大失速して、先物は10年対比強くなってしまいましたので、まぁ昨日の戻りは先物の買いで戻ったという事でしょうな。結局のところ、前場は2年国債入札を懸念していた人たちの先物売りに最終投資家さまの押し目買いがぶつかっていて、後場2年国債が入札後に堅調推移してきたのを見て前場売っていた人が買い戻しを入れたっていう理解で宜しいのかと思います。

終わってみれば先物140円に5年0.5%、10年1.3%、20年2%の(若干違いますが)ポイント近辺で終了してますので、まぁここが暫くは相場の起点ちゅうイメージで、今日の経済指標に素直に反応して動く事になるのではないかと勝手に想像しております。

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2005/07/27

○20年国債入札レビュー

昨日は20年国債入札が実施されました。昨日あたくしは入札前に上も下もやりにくいですなぁと書いたら珍しくも入札前に相場が動かずでございました。やはりヘッジクローズで「事前の買いが入って踏み踏み入札は勘弁」と書いたのが効を奏したということで(嘘)。

入札自体はまぁ妥当な水準で収まったのですが、その後の相場がどうなったかと言えば、落札結果発表前からちと下押ししていた債券先物は、まぁ悪くはない落札結果を受けまして戻る場面もあったのですが、何の事はないその後の高値は前場引けから1銭だか2銭しか上に行かずという実に情けない展開でした。

まぁ毎度毎度入札後碌に上らないという相場が続きますと、結果発表後に慌てて買う必要なしという認識が共有されてしまい、益々相場があがりにくくなるという自己実現モードになっちゃうんですが、今月の国債入札はまさにそんな展開になっておりまして実に困ったもんです。まぁ今回の入札に関しては「相場が下押しして2%に接近すれば買いが入るでしょう」というのが殆ど市場の皆さん(というか少なくとも業者サイドは全員)が共有している認識ですんで、「下がれば在庫は捌けるけど、上るとしんどいですなぁ」というお話になってまして、まぁ来週になると10年国債が1.9兆円発行される事もございますので、相場を持ち上げながら捌くってのも厳しかったんでしょうな。

どうも「需給で見ると買い」だけども「外部環境や日銀のスタンスを見ると売り」という相場が継続しているために、ディーラーがちょこちょこ売ったり買ったりする動きこそあれ、投資家が「上を買わない下を叩かない」状態になっていまして、相場が中々動意付かないという所なんでしょうか。

相場が派手派手に動くためには「投資家の大きなポジションの踏み投げ」が起きる必要があるんですが、まぁ20年国債入札というそこそこのイベントでもこの有様では暫くは大きなポジションの踏み投げは発生せずなんでしょう。8月になると参加者が少なくなる所を狙って仕掛ける向きもあるかもしれませんが、もうちょっと上下やらないと中々抜けるのは難しいのではないかと思われます。

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2005/07/26

○20年国債入札ですが

本日は20年国債の入札。ここのところ相場の上げに対して20年がついていかないケースが多く、中々1.9%割れなどという景気の良い展開にならなくて新発債のクーポンはめでたく2%になりそうです。

ここもとの相場では、先週金曜のように値段よりもタイミングを重視しているのではないかと思いたくなるインデックス系の買いらしきものに巻き込まれた踏み踏み相場でもない限り上を買う人はいないものの、同じ先週金曜日の寄り付き直後にみられたように押し目買い軍団は大挙買い準備中。という訳で、相変わらず押し目買いがポイントと言われている「5年1%、10年1.3%、20年2%」をつけないままのレンジ取引が継続しているのですが、さて本日の入札で需給のバランスがどうなるのかは注意しましょって所ですな。

いつも良く外れる予想をたまにはしますと、ど〜せ2%台になれば買いがあるでしょうって認識があまねくございますので、今日の入札は(海外で米債が売られている事もあるんで)相場が下がって入札をするなら20年ゾーンは入札前に相対的に確りとなって入札を行い、その後相場を持ち上げるとなるとまた先物ですか!って感じかなぁと。ヘッジを十分に入れて相場をもう一度下げて20年2%をつけて捌くのも美しい姿ですが、一応月末の買いも意識されますんでそんなに下げるわけにも行かないでしょう。とは言え、来週火曜には10年国債入札があるので、そんなに頑張って強くするわけにも行かずって所でしょう。

前場から事前の買いがあって20年踏み踏み入札になると、毎度お馴染みの「入札だけ強い」っていう涙涙の展開になっちゃいますので、それだけは勘弁願いたいのですが・・・・・


○15年変動利付国債・・・・と物価連動国債

先週木曜に入札が行われた15年変動利付国債が妙に売り物勝ちで昨日は100円をあっさり割り込みとなりました。入札の平均落札価格が100円11銭でしたが、そこからイールドカーブがそんなに変化したのかと小一時間という感じの動きではあります。

何でこうなっちゃったのかは正直「需給ですか」としか言いようが無いのですが、まぁ入札をコンベンショナル方式にしちゃったのも一因ではないかという気は少々しております。もともと15年変動利付国債は先日の入札までは、使うモデルによって違いは少々ありますが、まぁ「理論価格」と言われるものから割高に推移していたのですが、今までのダッチ方式の入札だと「みんなで渡れば怖くない」という毎度お馴染みの群集心理(笑)で何となく高い水準で張り付いていたのかも知れませんな。で、コンベンショナル方式に切り替えてみたら化けの皮が剥がれたという事で。

まぁさすがに昨日も99円90銭を割り込んだ辺りからは下げ止まりの感じになってきましたので、αベースで95を割り込むと「そろそろいいでしょ」ってところではないかと思います。

で、地味目に相変わらずアレなのは物価連動国債でして、かつては入札後3日も過ぎると業者間で板気配が出なくなるという魔法の商品でしたが、何故か最近でも業者間で気配やら出会いがございますが、日本相互証券の債券引値のはるか斜め下をいくお値段で取引されておりますわな。債券市場が強含みでCPIのマイナス幅が拡大している時に何故か10年国債よりも勢い良く買われていたのに、CPIがゼロになって、債券市場もレンジ取引になっているのにボロボロになるという物価連動国債の動きは、まぁ何と申しますかアフォとしか言いようがございませんな。

ま〜どっちにしてもこの2種類の財務省さま渾身の企画商品(とか言うと怒られそうですが)は、商品設計が頭の悪いあたくしにとってはややこしくて敵わんですな。今更ですが、もうちょっとシンプルな商品にして欲しかったと思うんですがね。

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2005/07/22

○人民元の切り上げで考えの整理

お題の雑談を書く積りでいたら中国人民元切り上げのニュースがございまして、はてこれはどうなるのやらと考えているうちに寝入るのが遅くなってしまいましたな。結局米国市場の円高ドル安と米債の大幅下落という反応が一番目立ったわけですが、これが円債にどういう影響を与えるのかは正直判らんです。

米債が急落したのは通貨バスケット導入の方向性が明確になった(つーか将来フロートにするっちゅうのなら当たり前なのですが)のもでかい(中国の外準がドル一辺倒だけではなくなる)と思うんで、米債安かならずしも円債安に繋がらないような気もしますし、やっぱり連動性が高まっているから全般的に金利上昇になるのかもしれないし。

まぁあと考えられるとすれば「人民元切り上げで輸入物価上昇で国内消費者物価上昇(よって量的緩和政策の時間軸が短縮)」って発想ですかね。実際は2%如きの切り上げでそんなに目先影響しなと思いますし、そもそも過去に謳われた「中国発デフレ」ってのが根拠レスもいいところ(岩田先生や田中先生の本をお読みくださいな)というですので同じ理屈で人民元切り上げを日本のCPI上昇に結びつけるのはやや無理がありますわな。そりゃ全く影響が無いとは申しませんけれども。

ただし世の中で宣伝活動が行われて「人民元のせいで物価が上昇するんですね」という認識が出来上がってくると企業物価の上昇分を消費者物価へ転嫁しやすくなるというのもあります(さっそくフジテレビで朝6時に高木勝さんが人民元切り上げで国内物価に影響ってコメントしてましたよ)から決め打ちは禁物。ま、市場心理も同じですから。


人民元の切り上げ幅が2%ぽっちとしょぼくなっているので、却って将来の追加切り上げを連想させて、益々人民元への資金流入が加速されてしまうのではないかという悪寒もしますが、その辺の所はどうなんでしょうね。単純に中国経済の成長失速に直結しないのではないかという気もしますけど。

まぁ正直思いついたことを並べてみただけなので、意見の叩き台にでもなれば幸いでございます。

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2005/07/21

お題「技術派ニヤリの展開か?」

○怪しげな中短期ゾーン

昨日の債券市場は、連休明けの火曜日と同様に先物が現物債の動きをあまり見ないで動くといった風情が漂っておりました。ただ、火曜日は何だかんだと言っても先物の日中値幅26銭などと動いておりましたが、昨日の値幅は15銭と見事にトホホな展開でした。

さてそんな中で昨日の相場で目に付いたのは、20年以降のゾーンについて弱めだったのと、中短期ゾーン、特に3年〜4年あたりがよわよわだったことです。20年ゾーンに関しては来週火曜日に入札を控えているのでヘッジがどうのこうのって話なのかも知れませんが、気になったのは3年ゾーンあたりが妙に弱いことでございます。

で、よくよく見るとユーロ円金先市場でも期先限月が妙に重くなっていたりする訳で(あまり真面目に見てないけど)、ちと怪しげな雰囲気を醸し出しているのですが、これは昨日の短期金融市場で起きていたことを反映している可能性がございます。


○3ヶ月FB落札価格3打席連続100円

昨日実施された3ヶ月もの政府短期証券の入札は毎度お馴染みの最低落札価格100円で按分比率が42%でした。これで3打席連続100円入札なのですが、按分がこの間に98%→68%→42%と低下しておりまして、益々短い期間のTBFB需給逼迫を感じさせる入札とあいなりました。

3ヶ月程度のTBFBの在庫逼迫→短期国債買入オペでの資金供給が難しくなる→当預残高目標維持マズーという話になりますので、そりゃどうよって連想が働く訳ですな。で、午後の定例オペレーションでちょっとサプライズな事が起きてしまったわけです。


○来年GW明けエンドの手形オペが札割れ

13時の定時オペでオファーされたのは全店方式の手形買入オペレーション。期間が7月22日〜来年5月10日という事で、半期末2回(本年9月末越えという話は意味があまり無いけど)と年末とGW越えという資金供給になります(勿論今回がGW越え初回)のでさすがに札が集まるでしょうって話だったのですが・・・・・

蓋を開けてみればオファー額8000億円に対して応札が7962億円と惜しくも札割れとなりました。昨日は国債発行日にあたるので資金不足気味で当座預金残高が前日の予想時点で30.2兆円(当日引け後に日銀から発表された速報は30.3兆円でしたが)と中々キビシイ状態でございましたので、双方相まって「8月初旬の資金不足期(15日に年金定時払いで不足は解消予定)は当預目標30兆円割れが続く懸念あり」という観測が益々強まって参りました。

今回の札割れはちとタチが悪いお話で、資金供給オペレーションを一応工夫して(って単に期間を延ばしているだけですが)実施しているのに札割れが起きているというのがややマズーな所であります。6月2日、3日の30兆円割れの場合は当時ドラめもんで散々っぱら罵倒しておりましたように供給オペレーションを工夫しない(というか逆方向に工夫するというか)で「ヤラセ」的に30兆円割れを起こしていたという感じでしたが、今回はガチで札割れ連発。札割れが連発すると資金供給オペレーションに応札する人もそれを前提に動くようになるので、益々札割れが恒常化するという悪循環になるのがまた香ばしいのですが。


○30兆円割れ中に8月の決定会合?

という訳で、今月は来週の27日と来月8〜9日に金融政策決定会合が実施されるのですが、この調子だと下手をすると当座預金残高が30兆円を割れ割れ状態継続のさなかで8月の決定会合が行われるという事になりそうで、「技術派」の皆さん大喜びの図という形になりそうでございます。

となりますと、「現状追認型の当預目標引下げ」という訳の判らん事態が生じる悪寒もございますな。昨日ご紹介した6月14〜15日の金融政策決定会合議事要旨に見られるように当座預金残高目標引下げの潜在的賛成者は提案者の2名以外にも最低1名恐らく2名いるという状況ですので、「現状札割れが続いており、30兆円割れ状態が継続的になっているので現状追認で当預目標下げ」というまぁ技術論的な話が浮上してきても何ら不思議ではないという悪寒。

ちなみに8月と言えばゼロ金利解除5周年記念日だったりしますが(笑)。


○ということで・・・・・

ユーロ円金先の期先が重くなっていたり、3年〜4年あたり(5年カレント物は0.5%というお買い上げポイントが近いので確りですが)の現物債が重いというのは、このあたりの観測も少し入って来たということなのかもしれませんわな。考えすぎかもしれないけど・・・・・

とりあえず今のところは1年までのオペは打ってくれるので、そのゾーンあたりまではそこそこ安心です。ただ、市場機能の回復がどうのこうのとか言い出して梯子を外すような懸念(普通そういう話にはならないのですが、何せ今の日銀は「何やってもおかしくない」という認識がありますからねぇ)も出てくるかもしれませんし(つーか当預目標下げたらその分オペ減るし)、まぁ短期金融市場のイールドカーブが立つ(それを時間軸の短期化という筈なのですが)と直撃弾を受けるのは2年〜3年あたりのゾーンになりますから、動きとしては自然といえば自然。そんなに大きい動きにはなってませんが、この動きが継続するのかどうかは気になりますわな。

CPIがプラスになってくると益々香ばしい展開になりそうな悪寒。。。。


○さて政府はどうするよ?

以下与太話なので話半分でお願いします(^^)。

とまぁそうなってますので、政府におかれましては当預目標維持に向けて何かぶち込むというのは如何ではないかと存じます(嘘)。で、超閑散な国債市場を見ながらつらつら下らん対策を考えるあたくし(^^)。

一番効果てきめんなのは「円売りドル買い介入」ですが(^^)、ちょうど中国人民元の切り上げがどうのこうのと微妙に揉めている昨今なので為替操作をおっぱじめるのは明らかに間が悪いので却下(笑)。で、次に考え付くのは「やっぱり決済性預金の全額保護はしないで上限設定するね(はぁと)」という恐怖梯子外し攻撃。どうせ信用不安は払拭されているそうですので(笑)、アフォな国庫負担の元になりそうな施策は排除するに如くは無し(かなりギャグで書いてます)ですわな。

ま、日銀も資金供給オペで漫然と同じ額を実施するんじゃ無くて、一回の額を減らして回数を増やすとか工夫の余地はあるでしょって話なんですが、短期国債買入オペの銘柄選定基準をいじってきたように、どうもあまり「何としてでも供給」という熱意は感じられなかったりする感があるのもまた事実ではございますが。

という訳で、ノーケアーで良かったはずの今月末と8月の決定会合も注目しないといけなくなってきたかも知れませんね。どうなる事やら・・・・・

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2005/07/19

○先物を振り回している妙な人がいます

木曜の債券相場は先物がいきなり140円09銭とやたら安いところから始まり先物が弱い中で現物債は妙にしっかり。ところが、後場途中からいきなり先物が上昇して、大引け直前の先物のバイカイでも妙に買いが入って先物は踏み上げ状態で当日の高値で引けたという先物振り回し相場でもございました。おまけに何だか分からないけどイブニングセッションでも先物上昇と相成りまして、30年国債の入札と言うイベントがあったのに高値引けとは恐るべしという展開でしたな。でも最後上昇したのが先物と30年国債だけだったので「???」でもありましたが・・・

金曜日の債券相場は前日の引け際の勢いはどこに行ったのやらという先物よわよわ相場。現物債は比較的確りだったのですが、先物が妙に上値の重い展開が続き、(寄り付きで前日から10銭飛んで下から寄ったので)あまり値幅は取らなかったのですが、終わってみれば安値引け。引け際に妙に先物に売りが出ておりまして、これまた「???」な相場でございました。

どうも現物債の動きに比べて先物に対して妙にアクティブな人がここもと出てきているような先物の値動きでございまして、しかも値動きの仕方が最終投資家さんの現物売買の動きを反映していないようなリズム(別に売買が見えている訳ではないですが。為念)ですんで、まぁこりゃ先物を単独で振り回している人がいるんでしょうなぁというのがあたくしの勝手に出した(一応お友達とも意見交換してますよ)結論でございます。

どこの誰なんだか良く判りませんが、先物だけ振り回しても一時的な値動きはするんですけど、結局は現物債の売買動向がどうなるのよって話だとは思うんですけどねぇ。特に発行額がここまで増えている状況を考えますと・・・・・・まぁご苦労なこったという事で。

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2005/07/13

○5年国債入札レビュー

えー、昨日はあたくしこんな事を申しあげましたな。

まぁ昨日(=11日)の引けレベル(=0.455%)で2兆円捌ける訳もなく、と言って0.47%あたりを利回りで上回ると事前の買いが入りやすそう(前回の下げでの安値は瞬間風速で0.485%、実質は0.48%)なので、まぁ売ったり買ったりしながら水準をちんたら下げていくんでしょう。今回は久々のリオープンですが、リオープンになると発行量が倍増ですので投資家さんの事前の買い攻撃も少々手が鈍って業者のお助け入札になる事を期待したいですな。

まぁ大体ここの所「事前の買い」を入れた人にいい事あったかというと、実はそんなでもなく、単に入札を割高にする効果しか発揮してませんので、いい加減学習効果がはたらいて欲しいなぁとは思います(が学ばないのが債券相場クオリティ)。(ここまで)

・・・・で、入札はと言いますと、事前の買いは入った(と思われる)わ、入札はど割高になるわと実にトホホな入札でした。前日比高いところでの入札じゃなかったのが唯一の救いではありましたが。

昨日の債券相場は朝一から海外市場での株高を受け債券先物は前日の安値をいきなり切って140円48銭でのスタート。そしてそうやって調子に乗って売る人がいるもんで、暫くすると5年47回債(どう考えても47回債のリオープン発行確実だったので実質新発債取引と変らん)を中心に5年ゾーンの現物債がビット確り。「こりゃまた事前の買いですかそうですか」って感じになってしまいまして、せっせと0.46%あたりを売る人もいたのですが、結局は前場引けに掛けて5年カレントしっかりで、47回債の新発債の気配が何故か受渡が10日手前の既発債と同じ0.46%−0.465%となってしまいました。本来5糸弱違うはずなんですが・・・・・

てな訳で、お約束の通り入札は前場引け気配から算定される適正水準の100円18銭を上回り、既発債のオファーサイド0.46%を上回った100円20銭(0.458%)が平均落札価格で、100円19銭(0.46%)の按分が13%と強い結果の入札だったのですが・・・・・

前場の引けが先物7銭安だったのですが、100円20銭だと前日比変らず水準で落札している計算になりますんで、随分頑張って高くなりましたなぁという印象で、まぁ直前のプライストークでは20銭での札入れもやむなしなんですかねぇという諦めモード。まぁ入札が強いかもしれないってのは良いんですが、実にケシカラン事に後場のスタートでいきなり47回債新発が0.465%が叩かれてしまったりする訳で、おまいら(人のことはあまり言えないが)は一体全体何を考えて入札しているんだというか投げる位なら入札するなよと小一時間問い詰めたくなるような動き。

落札結果が発表された時も「おお強い!」という結果だったのですが、ろくすっぽ相場は上がらす、というか前場引けレベルに先物がいるのに、最低落札価格の0.46%に堂々オファー並びまくって誰も買わずという涙の出るような展開。あまりにも上らないのでヘッジ売りが入ったりもしましたが、引けに掛けては謎の上昇で何となく誤魔化した形になっていますが、引けに掛けて相場上昇してましたが、第U非価格競争入札は見事にゼロ(14時半まで0.46%なんぞ買われてませんでしたから当たり前ですが)でしたし、実力的には「入札だけ5糸〜7糸くらい強くなってしまっただけ」という入札でありました。

割高入札になっても相場水準が動いてロングポジション大勝利とか、相対的に強くなってヘッジワークすて大勝利とかいうのなら兎も角、純粋に「入札空振りの方が儲かる」っちゅうのはさすがに情けない入札ですわな。嫌がらせのように事前の先回り買いを入れてた人も別に儲かっているとも思えませんし、素直に入札参加(でも落札結果発表後に買いでも良いけど)すればどうなのよって思うのですが、「人の買う前に買いたい」というしょうもない性根で入札を毎度毎度荒らすのは勘弁頂きたいものでございますわな。

と、延々と自分向けの相場メモ兼やや愚痴でありました。つまんねぇ入札でありましたことよ。

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2005/07/12

○5年国債入札ですが

一時は0.4%クーポンかとびびっておりましたが、昨日の引けでは5年47回債めでたく0.455%となり、海外市場でも株高ですし、0.5%のリオープンはほぼ確定的になりました。

まぁ昨日の債券相場では週末の海外市場で無事に株高債券安になったこともあって「0.4%クーポンはご勘弁」攻撃で相場はヘッジ売りが入る形になりました。何かその売り方を見てますと結構慎重に売りながらって感じでして、先物も沢山落札する業者さんは当然売っているんでしょうが、先物の買戻しの入り方も早く、まぁ調子に乗って売り叩くという感じでは無い所が好感されますな。

あまり調子に乗って下げてしまいますと、毎度お馴染みの「事前の先回り買い」という意味不明の攻撃がでてしまう訳でして、特に5年債はディーラーっぽい動きをしたがる大手銀行勢の主戦場なので業者の方もその爆弾が降って来ないように注意しながらヘッジ売りを掛けているの図って所でございますわな。

まぁ昨日の引けレベルで2兆円捌ける訳もなく、と言って0.47%あたりを利回りで上回ると事前の買いが入りやすそう(前回の下げでの安値は瞬間風速で0.485%、実質は0.48%)なので、まぁ売ったり買ったりしながら水準をちんたら下げていくんでしょう。今回は久々のリオープンですが、リオープンになると発行量が倍増ですので投資家さんの事前の買い攻撃も少々手が鈍って業者のお助け入札になる事を期待したいですな。

まぁ大体ここの所「事前の買い」を入れた人にいい事あったかというと、実はそんなでもなく、単に入札を割高にする効果しか発揮してませんので、いい加減学習効果がはたらいて欲しいなぁとは思います(が学ばないのが債券相場クオリティ)。

特に波乱は無く、下がればそこそこの買いは期待できるでしょう。上ったら売れないので、戻る時はまたまた先物のヘッジ買戻し主体になるんでしょう。下がった場合は5年の0.5%よりも20年の2%が先にやってきそうですが(笑)。

#相変わらず物価連動国債がヘロヘロに見えますが、研究不足なのでパス。

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2005/07/11

○機械受注を受けた謎の反応

金曜日の債券市場。ロンドンでの同時爆破テロを受けて海外市場では米国10年国債金利が一時4%割れどころか3.9%に接近したりしてましたが、結局行って来いになってしまった為に、東京市場の債券相場は反応しようが無く、前日比少々上昇したレベルでのもみ合いになりました。

でまぁ例によって機械受注待ちとか言って動かなくなったのですが、肝心の5月機械受注は市場予想の▲2.5%を大きく下回る▲6.7%となりました。

では債券市場は当然上昇かと思えばあにはからんや、瞬間的には債券先物は140円73銭から84銭まで上昇したのですが、そこであっさりとストップしてしまい、80銭台前半でのもみ合いになってしまい「ふ〜ん」とおもっていたのですが、14時15分頃から債券先物は再度上昇と相成りまして、今度は140円90銭台でのもみ合いになりました。

「何でそんなにタイムラグを伴って反応するんだ?」と思っておりましたが、よくよく見れば日経平均株価が下落しておりまして、本当の所は良く判りませんが、一応「機械受注統計が弱い数字だったので平均株価が下落した」ということになっていたようで、債券市場はその平均株価を見て反応したというのが実際に値動きにヒーヒー言って(ませんでしたが)た人としての感想であります。

つーことで、金曜の債券市場の上げは「機械受注統計を受けて上昇した」というよりは「機械受注統計を受けて下落した平均株価を受けて上昇した」というのが実感としては正しそうで、毎度毎度どこかの市場に振り回される債券相場である事よとトホホ感の漂う展開ではございました。ま、とっかかりのネタにインパクトが無いから仕方ないといえばそれまでですが。


○その他相場メモ

気にはなったが突っ込むほどのものじゃなかったり先々のネタ用メモを少々。

1.東証謎の発表

金曜の取引開始前に東京証券取引所様はわざわざ「本日は通常通りに取引を開始します」って発表したようですが、そんなの当たり前でアナウンスする話でもなかろうにって思うのですが、突発事件への耐性が一番無いのはこの国ですかそうですかって所なんでしょうか?そういえばイラク戦争開始した日にいきなり「臨時政策委員会」を招集した中央銀行もいましたなぁと懐かしく思う
次第でございます。

2.短期国債買入の銘柄選定基準が手直しか?

金曜日も相変わらず短期国債買入を実施していたのですが、今回は買入対象外銘柄が妙に多く、どうも今までだいたい「発行量の70%以上を日銀が保有すると買入対象から外す」という感じでやっていたものの「70%」を「50%」にして買入対象銘柄を減らしているようですわな。

買入のペースを変えるわけにも行かないので対象銘柄を絞って市場機能とやらの復活に資すという事なのかどうなのか。んな事するより短国買入のペースを落とせば良かろうと思いますが、あまり詳しく調べてないのでこの先はパス。

3.物価連動国債

いつの間にやらまたまた弱含みなんでしょうか(ってあまり真面目に見てない事がばれる言い方ですが)、日本相互証券の債券引値から50銭ほど安くなったお値段で昨日も少々出合っていたようです。これも詳しく調べてないのでこれ以上の話は調べ物後となりますが(汗)、まぁ相変わらずだという事のようで。

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2005/07/08

お題「サラリーマンモード全開なのか・・・・」

相場の話の前にロンドンでの同時爆発テロでお亡くなりになった方々に哀悼の意をあらわすと共に、被害に遭われた方々が一日でも早くご回復される事をお祈り致します。

ニュースの第一報はロイターの英語記事で「リバプールストリート駅で爆発音がして、複数の地下鉄駅で避難が行われている」(17時20分過ぎ)だったんですが、その後エッジウェアロード駅でも爆発とかロンドンの地下鉄が全部ストップだとかニュースが出てきまして、18時過ぎに時事AFP電で「バスが爆発した」というのが出た時にはLiffeの債券先物がいきなり141円(昨日の東証引けは139円64銭)に上昇して米国10年債は4%割れになりました。

テロのパターンがマドリッドでの鉄道テロと同じ(通勤時間帯に公共交通機関を狙う)ものですから、同じ背景を持つ組織の犯行なのでしょうが、暫く封印されていた地政学リスクも気になる所ではないかと存じますが、とりあえずNY市場では一旦株安債券高になった後株は戻して債券も小幅上昇になっていましたので、過剰反応はしないというか、テロもありうるリスクと織り込まれたという事なんでしょうね。


○それはともかく昨日の情けない相場

昨日の債券市場は毎度お馴染みの如く米国市場での債券高を受けて寄付きからいきなり前日比11銭上昇でスタート。まぁ先物が上昇するのは判らんでもないのですが、昨日の相場で呆れてしまったのは「とにかく現物債がやたらと堅調」だった事。

先物の上昇でいつもだと上げが遅れてしまう現物債が昨日の日中は確りでして、長期ゾーン中期ゾーン共に強く、特に来週火曜日に入札が行われる5年国債は後場に入り先物が高値140円78銭なんぞをマークするような時には、5年47回債が0.445%ビットになっちゃいまして「おいおいそれじゃあ来週0.4%クーポンになっちゃうよ」ってなものでして、その後先物が下落する過程でもビット確りだった事を勘案すると、中期ゾーンにはそれなりに買いが入っていたようですな。

長期ゾーンに関しては、高値マークあたりまではやたら堅調でしたが、先物が高値から下落する段階でちと失速気味でしたので売りも出ていたとは思います(業者間で妙に安めのところで出合っていた5年35回債も怪しかったです。念の為)が、とにかく後場途中までは明らかに「現物債に買いが入って上昇した」という相場付きになっておりました。


いやまぁ現物債に買いが入るのは結構ですし、前日に目先の底値を確認してから買うってのも判らんでもないですが、何も下落前の水準まで戻ってから買うこたぁねぇだろうと思う訳ですよ、あたしゃ。投資をする価格水準っちゅう概念はないのかと小一時間問い詰めたいとはまさにこの事して、「底値確認前だと買わないけど、底値確認したら同じお値段でも買う」っておまいはディーラーかと言いたくなってしまいますわな。しかもこの相場付きで30銭下がって戻ってから買いが入るというのは誠に「???」なわけですよ。

まぁ同業のお友達も「ここまで戻って今更買うってそりゃどうよ?」と大いに呆れている人が(まぁ類は友を呼ぶというのもあるからメジャーな意見かどうかは知らんが)多かったと申しあげておきましょう。


「下値確認したからさて買いますか」ってのは判るんですが、水準感ちゅうものがどこに逝ってるんだと言う事で、何と申しますかサラリーマンモード全開の昨日の動きであったことよと思いました。もちろん、多くの投資家さまにおかれましては一昨日の10年安値1.275%近辺レベルで買いを入れておられまして、まぁ昨日の「底値を確認したので戻ってしまいましたが買います」という動き自体がメジャーなものでは無いと思いますというか信じたい(ど〜せ一部の大手投資家の動きでしょと勝手に想像してますが)ところでございます。

ま、脱力感漂う昨日の債券相場であったことよという所でしょうにゃ。

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2005/07/07

いやまぁニューヨークダウも威勢良く上ったり下がったりしますな。

○とりあえず初押しは買われました

昨日の債券相場、例によって米国市場で株高債券安だったのと、前日の引け後に20銭くらい下がって(売りでもあったんでしょうな)た勢いの合わせ技でいきなり33銭安だの10年や5年が3毛甘レベルだのとなりました。先物の安値は寄り付き直後の9時3分にマークして、10年271回債の安値が1.275%、5年47回債の安値が0.485%までありましたが、9時半くらいからはまず現物債がビットしっかりになってきまして、その後次第にじり高という動きになりました。後場に入りますと益々堅調という形にななって、まぁとりあえず昨日は1.25%超えで一旦買いが入るの図とあいなりました。

まぁ昨日に関しては前日の10年新発国債に新発政地債とございまして、相場が下落した所では各業者さまの店頭には投資家様の買いが大挙ご登場となっていまして、買いのタイミングを逸したというか1.2%台でさすがに売ってしまってさてどうしましょ状態だったりしていた人に絶好の買い場を提供したの図という感じではございました。

じゃあ1.2%台前半まで戻った本日以降はどうなるのよってのを良く外れるあたくし(爆)がつらつら考える訳ですが、毎度の事ですが、「下げ止まった」と確認されて上昇しだしてからいきなり買うというケツが重いというか○○○というか、まぁ「投資」なのに金利水準よりも地合いを重視しますかそうですかというような御投資家様がどの程度御出動なされるのかが戻りのメドとありきたりな事を申しあげておきましょう。

ま、相変わらず債券投資のニーズはあるんで、下がれば買いが来るけど、上ると買いが細くなる。でも別に下を叩いて売る人はいませんなぁという状況は変らないようですな。その中で「売り」はどこにあるかというと、何だか国内投資家&業者的には訳がわからん所まで叩いてくる事もある海外投機筋と、(こっちの方が断然でかいが)「新発国債の発行」という感じ。上でも買うのが所謂インデックス系の資金の買いと、ディーラーみたいに売り買いしたがる一部のお方(とディーラー)という所でしょうか。暫くはこのバランスを見ながらやっていくという思いっきり需給相場が継続と言った所でしょうか。

結論:次に下がった時は10年1.3%をちょっと超えた位(多分1.32%くらい)か、5年の0.5%ちょっと超えか、20年の2%のうち一番最初についたものがサポート。ちなみにサポートの信用度は20年>10年>5年でしょう。

来週は5年の入札があるので、まぁ昨日の下げ止まりで調子に乗って買い上げる必要はないと思いますが、どうも最近は馬鹿相場ですんで。


○相変わらず3ヶ月FBが100円ですか

今月実施の入札から応札制限が設けられた国債入札(按分狙いで過大な注文を入れる行為が現物株式では不可なのに、国債入札で99兆円とか今まで応札できていた方が変だったと思いますが)と相成りました。で、応札の刻み幅を今までの0.05銭から0.01銭に変更してまぁ要するに99円99.99銭で入札できるようになった昨日の3ヶ月もの短期政府証券の結果はこの通り。

http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/fb/fbnyusatu/resul170706.htm

いやまぁ相変わらず困ったものですなぁ以外の感想は無いのですが、この全く儲かる可能性の無い長期戦(たしかに大して損もしないけど)どこまでやるんでしょうねぇと傍観しております。刻み幅を細かくしてはみたものの、結局「100円で誰かに札を入れられたら99.9999円の按分が少なくなるから」という事で目出度くも100円落札となってしまいました。ご苦労様な事でございます。

こうなっちゃうと発行量の絶対額が増えるか、相変わらず週1ペースの短期国債買入を減額あるいはパスするような事がないと中々復活するのは難しいでしょうな。残念!

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2005/07/06

いやまぁ米国債券市場もぶち切れ相場のようですが、こちらでは小ネタをいくつかという感じで。

○10年国債入札レビュー

昨日の債券相場。前日に引き続きという感じで先物寄り付き前から業者間スクリーンには長期債の引けにオファーがズラズラ並んでおりましたが、何故か先物は前日比1銭安の140円69銭で寄り付きました。しかし「みんなでヘッジ売り」ってなもんで、先物の高値は71銭まででして、前場は長期債は当然でしたが、何故か中期ゾーンも引き続き重く、とは言え下を派手派手に叩くとお馴染みの「先回り買い」を誘発しかねないのでまぁ匍匐前進って感じで相場を下げました。

前場引け近くに新発271回債で調子に乗って1.25%まで叩いちゃった人はいましたが、さすがにやり過ぎ感が漂い、前場の引けでは1.24%オファーの1.245%ビットで債券先物は140円59銭。

で、今回の入札は前日からのヘッジがワークしている形ですんで、業者的には応札余力のある結構な入札になっていたのですが、落札結果はご存知のように平均落札価格99円90銭(1.237%相当)で最低落札価格99円88銭(1.239%相当)と、最近の傾向どおり割と穏当な入札結果になりました(と言っても相変わらずオファーサイドよりは強いのですけれども)が、落札結果が堅調だったくせに発表前の後場寄付きから上昇したのは先物でして、結果発表後も一旦相場が戻った所での上昇は先物でした。

本当に順調な入札であれば、落札結果発表後に当該ゾーンが踏み上げモードになるはずであって、先物が持ち上がるというのは「入札だけ強い」ってパターンですなぁなどと見ていたら14時半くらいからいきなり30年(もともと引値が割高になっていたのですが)が弱くなるわ、20年も弱くなるわ、おまけに5年以下のゾーンもヘロヘロになるわという展開になり、先物だけは妙に底堅かったのですが、最後は前日比4銭安の140円66銭で終了。ど〜考えてもオファーサイドの引けになった10年271回債は1.235%(=99円69銭で入札レベルで言えば92銭)となってましたので、前場引け対比で先物7銭上って10年新発は平均落札価格から2銭しか上昇してませんですかそうですかって奴ですな。

まぁ相変わらず表面上は堅調な入札でしたが、どうもぱっとしませんでしたなぁってなもんです。引け後にいきなり140円45銭まで叩かれたのも驚きましたが。。。。


○しかしまぁ恐怖新聞おそるべしですな

先週の金曜に短観が発表された時点では見事に全然下がらなかったという形ですが、米債がいきなり売られて帰ってきた今週の初めからはいきなり雰囲気が一変。今度は「入札ラッシュ」が気になるのではないかという勢いでどうも皆様様子見攻撃になりつつあるというこの変化も何のこっちゃという感じでして、まぁ節操のない相場でありますことよと感心するところでございます(^^)。

で、昨日も申しあげましたが月曜の日経公社債情報「緊急誌上座談会」記事がまさしく恐怖新聞(ただし逆張り指標)状態でしたなぁということでございまして、天才(天災?)的な高値掴みの技を見せて頂きまして誠に敬服する思いでございます(^^)。

ま、ここのメディアの記事(除く市場データ)とかを真に受けて売ったり買ったりすると以下自粛という典型的な事例でして、偉い人におかれましてもこの特性をよく理解して下々の者にご指示など出されて頂きたいものでございますな、あっはっは。

まぁこういう雰囲気になっちゃいますと、「絶対水準での買い」を入れて来る人が出て相場が明確に下げ止まり(というか反発)しないとズルズルと下落って感じでしょうな。先週金曜は買っているのに何で買わないんでしょうなどという野暮な事を言ってはいけません。

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2005/07/05

お題「10年国債入札です」

まぁ日銀方面は武藤副総裁のご登場+福井総裁が落ち着きを取り戻した(いつまた当預目標引下げの虫が動き出すかは少々不安が残りますが)ということで現在小康状態で目出度い事でございます(水野審議委員は相変わらずですが、福井総裁が揺れない限りはあくまでも「少数派意見」扱いです)。

という状況でネタも不足気味(ではないが調べ物が必要っぽい話が多いので、汗)でして本日も相場雑談をば。

○神メディア日経

FOMCの結果では何故か金利が低下(しかも6bpとか)した米国債券市場が金曜日のISM製造業景況指数でいきなり13bp売られるという米国債券市場もまぁ馬鹿相場っぽい状態ですが、昨日の債券市場では米国の長期金利上昇を受けていきなり140円台からスタートして結局安値引け。輪番オペを受けてちょっと戻る場面もありましたが、長期債が入りそうなオペの割にはオペ結果が結構悪くて長期債売り売りモードが判明してなお後場売られるの巻になりました。

で、まぁ例によって例の如く毎週月曜に発行される日経公社債情報を読みますとこれがまたトップ記事が、

「誌上座談会(=インタビューを対談形式にアレンジしたもの)、長期金利9月までに1%に低下も」

でございました(^^)。なるほどそれは債券相場売られますわなと感心することしきりのあたくしでございましたが、まぁ人から聞きますと先週金曜は日銀短観の結果を受けまして運用機関の皆様におかれましては「さて今後どうしましょう」という会議が行われた方も多いようで、席上「偉い人のご託宣」が出ているような会議様も散見されたのではないかと勝手に思料されますわな。

まぁしかし先週の「長期金利1.2%割れ、一段の低下余地も」という日経金融新聞一面記事もそうなんですが、ど〜してこの新聞社が市況の話をすると見事に逆に逝くんでしょうなぁ。色々と考察されている訳ですが、ま〜相場見通しに類する話題をぶち込む時には、あまり「色」を出すわけには行かないってのもあるんでしょうから、どうしても「大勢が判明してきた所でそっちに乗る」という形になりやすい為に、結果として「ここが相場の何かを語るとその逆に逝く」という怪法則が成立してしまうのでしょうなぁとちょっと日経の立場を慮った積りの書きかた(^^)。

ま、観測記事書いて外れると困るから大勢が判明したと誰もが思うような所に来ないと書かないって言うのはもう絵に描いたような天井買いの底値売りでございますので、そういう意味ではマーケットセンチメントを測るためには便利な指標ですので、今後も曲げ神様の技を精進して頂きたいものでございます。


○さて久々の1.2%クーポンですが

本日の10年国債入札のクーポンは1.2%が有力ですが、ふと見ると1.2%のクーポンって242回債以来なんで3年近く無かった水準ですな。前回の戻り(とある人が金利に蓋をするとか迷言をしていた頃)は1.3%クーポンで跳ね返されておりますので、確かに消化は懸念されそうではございます。

ただ、今回の入札に関しては、ご存知のようにその前に1.2%割れを2回やっておりまして、その間に(そりゃまぁ買いもなきゃ相場は上がりませんが)それなりに投資家さまの戻り売りも出ていました(=よって下がれば買いもあるでしょう)し、昨日は輪番オペで長期債(だけじゃないかも知れませんが)が3000億円吸収されていて、なおかつ昨日の債券相場は安値引けとなっております。

これら状況を勘案すると、業者の事前準備はそこそこ出来ていると見るのが妥当でありまして、かつ昨日の引値ベースを新発債の1.2%クーポンに当てはめるとだいたい1.225〜1.23%位になりますので、まぁ心理的なポイントになる1.25%まであと先物ベースで20銭ちょっととかになる訳ですので、相場が戻って上昇しちゃうとちと売りにくいかもしれませんが、相場が下がった時はそれなりに消化できるでしょうという感じ。

一番困るのは、寄付きからいきなり「先回り買い」が入ってしまう事でして、朝から調子に乗って270回債の2毛甘(1.235%)だのとやってしまうと買いを誘発する懸念大有り。昨日の後場の長期ゾーンや先物の売り方も何かちと調子に乗っている(特に昨日は米国が独立記念日で休場なので「米国市場で債券急反発」という足掬われリスクが無かったですし)節が見られたのですが、まぁ今日も調子に乗って早い時間帯から売り込まない方が吉かと存じますな。

先回り買いが入った場合のシナリオは、「先回り買いが入る」→「業者が踏みあがって入札」→「入札割高」→「当然追随無し」→「仕方が無いので先物あたりを思いっきり叩いてイールドカーブ上10年を相対的に強くしながら買いの来るポイントまで相場下げ」→「戻る時は先物だけ戻る」という参戦者皆不幸(後から参戦した人は不幸にならないが)なものになる悪寒。まぁ前場途中まで値持ちして前場引けに掛けて駄目押しのヘッジ売りで相場を下げるというのが一番嬉しいシナリオなんですが。


また、今回からは応札額制限が課せられると記憶しておりますが、まぁ1銭刻みの応札になってからというもの10年国債入札が一番真っ当な入札になっておりまして、満額単位の兆円単位応札らしき動きも見られませんので、それほど影響は無いかと思います。応札制限で影響があるのは2年以下の国債(と短期国債)の入札ですので・・・・・


#ま、一応郵政法案本会議採決はチェックしておく必要ありそうですわな。

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2005/07/04

○日米ともに馬鹿相場の様相(か?)

米国市場ではFOMCの結果を受けて売られた筈なのですが、いきなり切り返しとなりまして、米国長期金利は「政策金利引き上げ」+「引き続き引き上げを示唆」という状況なのに何故か木曜は金利低下。しかも株式市場は利上げ継続を嫌気して下落ってそりゃどうなってるのよという相場でしたが(金曜はISM製造業指数が予想以上に強かったので株高で債券売り売りでまた4%乗せになりましたが)、まぁ米国債券市場もどうも馬鹿相場の雰囲気。

で、日本の債券市場はと申しますと、金曜の寄り前に発表された日銀短観の業況判断DIは事前予想の上限数字になります主要企業製造業で+18となったのですが、これがまたろくすっぽ下がらないという展開になってしまいました。

金曜日の債券相場では先物が妙に堅調というか下がらない展開でして、ちょっと先物が下がるとすかさず買いが入るような動きが終日継続してましたんで、まぁ相場がこの位置であることを考えますと、投資家様のカバードコール被行使だの利食い売りだのというものもそれなりに嵩んでいて、業者のポジションがそこそこ現物ロングの先物ショートになっているのでしょうなという印象を受けました。

しかし短観は結構良さげな数字だと思ったのですが、所詮アンケートだと思って売られないのか、単に「下がったら買いたい」人がいるからなのか。まぁ金曜日あたりは短観も出た事ですので運用会議も絶賛実施されたと存じますが、明日の10年入札を前に(米国債券市場も下がっている事ですし)少しは債券相場下押しして下さいなって思うのですが。

まぁ本日と明日あたりで大して下がらないとなると7月相場はただのじり高になってしまいそうな悪寒。

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2005/07/01

さあ短観ですよ〜♪と言いましても既に1.2%割れな訳でして、来週火曜に10年国債入札があることは気にしないでゴーゴーレッツゴー状態になっている債券市場恐るべしといった所ですな。これで予想より弱い数字が出たら何が起こるのか想像はあまりしたくありませんな。おーおそろし。

○市場の「達成感」はどうよ?って話になりますが

昨日の債券市場、後場途中くらいまでは例によって例の如くという感じで、何となく下がらない状態で推移していたのですが、後場途中から中期から長期ゾーンにかけて現物債が買われて確り。途中までは買い方が「明日無き買い」という風情を示しており、実に香ばしい状況でしたが、いきなり20年債のカレントゾーンあたりに売りが出てしまいまして、結局相場は上昇するも超長期ゾーンがヘロヘロという引け。

まぁ何ですな、相場の上昇で「いやー、こりゃ逝ってますなぁ」という感覚が出てくるためには、やはりこう「買い方がもう相場に明日無しって感じの動き」になって、おまけに「イールドカーブが気持ちよくブルフラット」という感じになって頂かないと、いつまでたっても「達成感」らしきものが出てこない不完全燃焼モードになる訳ですわな。なんてぇのはあたくしが勝手に思っているだけの話かもしれませんが、どうもこう「いや〜こりゃやっちゃいましたな〜」感が出てこないのがこの相場のタチ悪い所でもございますな。

という訳で、短観でどっちでもいいから一発ぶれてくれる事キボンヌ。

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2005/06/30

○ビックリした相場反発

昨日の債券市場は大幅反発。1.2%割れをやった後の火曜日に「某経済新聞の法則」が出て米国市場での債券上昇にも関らず円債は下落。で、昨日は米国市場で株高債券安(でも米国10年国債は4%割れていたんですが)となったので「いやまぁこれで続落したら一旦相場は達成感出ちゃうんでしょうかねぇ」などと思ってしまいそうなスタートだったのですが・・・・・

前場は前日比やや安いところでもみ合いでしたが、後場になってから特に材料も無いのに先物やら超長期、中期ゾーンなんかの現物債が業者間でポンポン買われだしまして、前日比変らずレベルを抜けたあたりから上昇テンポが速くなってきまして、結局またまた1.2%割れの先物141円台ですよ先生。終わってみれば超長期ゾーンやら先物やらが堅調な相場となっておりましたが、現物債も全般的にしっかりと言う事で、月末お得意のインデックス系な現物債買いや早速やってきた押し目買い第一弾が「やっぱり相場高いし来週10年入札だからショート目なのかな〜」なんて人のショート買戻しなんかも巻き込むの図と逝った所かと。よーわからんが。

寄り付き前に発表された鉱工業生産は全体の数字は予想通りでしたが、日銀様絶賛ご懸念中の「アイテー関連の在庫」あたりがあまり宜しくなかったので何気にどうよって数字だったらしいですが、正直前場相場が反応していた節が見当たらないので、経済指標に反応しにくい(いやまぁ驚天動地の数字でも出れば別なんでしょうけれども)相場ってのは相変わらずのようですなぁ。

ま、日銀短観待ちなんでしょうけれども。

○明日は短観で7月入りですな

明日の日銀短観。小幅改善が大体コンセンサスになっていますが、何せ前回の短観では(4月1日発表)「サプライズの悪い数字」が出てきて債券先物が大爆発したら寄り付き5分後に「期初の利食い売り」が大爆発して債券相場は寄り付き直後の高値から74銭叩き売られる(結局前日比変らず近辺まで戻ったけど)というすげぇ動きがございましたので、今回も「結果がどうあれ」という人が待ち構えているのではないかと期待あるいは懸念していたりする訳ですなこれがまた。動けば商売にもなりますので、何気に期待している業者な人たちはいますが、さてどうなんでしょ?

というか、今回の場合そんなに売る玉あるのかよって気もします(何せ調子に乗って掛けたカバードコールがじゃんじゃん行使されて結局現物買っているような動きもあるようですし)ので、短観きっかけにやってくるのは売りなのか買いなのかは出たとこ勝負、と何の意味も無い話ですな。

来月の中長期国債の入札は、毎月の10、20、5、2年に加えまして、15年変動利付国債と30年国債の入札もあって見事に揃い踏み状態ですんで、さて需給関係はどうなるんでしょうというのは気になるところであります。

・・・・でも、皆でそんな事を考えていると、結局「どうせ下がるだろうから、下がってから買うか」となってしまい逆に相場が下がらなくなるという罠。


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2005/06/29

○某経済新聞の法則(^^)

昨日の債券市場は相変わらず米国債券市場がフォローとなっていたにも拘らず、伸びがイマイチでして、先物が5銭とか上昇しているのに朝っぱらから10年269回債の引けがあっさりオファーサイドになっていたりして「???」の展開。

と、思っているうちにズルズルと10年を中心に相場が下落したのはご案内の通りでして、終わってみれば先物は15銭安の140円85銭で10年270回債は前日比2毛甘であっさり1.2%に戻ってしまいました。

ナンノコッチャという相場ではありましたが、普段某経済新聞を読まないというトレーダーにあるまじきあたくしが日々かかさずに巡回しているブログ(http://blog.goo.ne.jp/kitanotakeshi55)で「こんな記事がありますが」って話を知り、「おひおひ」と思いながら某割高金融新聞をを見ますとその一面の「アングル」というお題の記事に堂々と書いてありましたよご指摘通りに(^^)。

「長期金利1.2%割れ、一段の低下余地も」

えーっとですな、某経済新聞のマーケット面は「ここに書かれると相場がおしまい」という恐怖の法則がある訳ですが、金融新聞の一面に堂々記載というのはやはりアレではなかろうかと思っているうちに上記のような下落と相成った訳でして、毎度毎度の事ですがこの新聞は侮れません(ただし逆指標ですが^^)。一部で「髪(神ではない)」と言われ、彼の「買い推奨」が見事に天井掴みをするとも噂される某人気株式評論家もビックリと逝った所かと存じますわけでして、昨日は某経済新聞の曲げフォースの素晴らしさに感銘をうける一日でございました。

でも相変わらずあたしゃー読まないんですけどね(^^)。

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2005/06/28

○いやもう債券相場下がらんのですが

昨日の債券市場はまたまた上昇。昨日は先物から長期ゾーンしかも何故か10年じゃなくて9年くらいだったりしますが、まぁまるで下がりませんなぁという感じでしたが、中期ゾーンに関して申しますと、昨日はとうとう相場の関心から外れたかの如く放置プレイ状態。本日入札を迎える2年債だけ意地悪のように堅調推移でしたが、どうも雰囲気的には「下がらないけど敢えて上を買っていく人はいませんなぁ」という印象でした。

まぁ今回は「中短期債を買う人がいなくなってきて、時々売る人がいる」ってな所かと存じますが、そろそろ中期債の利回りでは運用利回りを叩き出し難くなってきたという香りも感じる次第でありまして、あたくしの気分的にはまだ「煮詰まり」では無いですが、やや鍋に入ってきたって感じですかね〜。相場の上げ方がちんたらとしていて、阿鼻叫喚のブルフラットって感じが全然しないので正直この辺で「達成感」とか言われてもピンと来ません。


○先週金曜日に短期国債買入2度目の札割れ

先週金曜に短期国債買入が2度目の札割れと相成りました。100円入札連発とかを見りゃ〜短期国債買入やらない方が「市場機能の復活」に繋がると思うと申しあげましたし、まぁ日銀の中の人も市場ヒアリングとかしてるはずですからその辺りを知らん事も無かろうとは思ったのですが、まぁ週1回実施のペースを守ったんでしょう。それは別にそういう考えもありますから判りますが。

ただまぁ市場機能がどうのこうのとか言ってるけど、札割れ必至の短期国債買入はやる訳ですかそうですかって思うのもまた現場的には感じる訳でして、こういう事を言うとまた日銀さまの機嫌を損ねそうですが(^^)、どうも日銀の言う「市場機能」ちゅうのは「コール市場」の機能のことであって、オープン市場は(自主規制)。。。。。てな事は無いと信じてますが、あっはっは。

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2005/06/27

○相場がさがらねぇぇぇ訳だが

木曜、金曜と債券相場は見事に続伸。木曜日に発表された法人企業統計は債券市場的には「予想(あるいは期待)よりは少々良かった」という評価でしたが、まぁ見事に相場上昇。金曜は後付け理屈でいえば米国株式市場下落を勝手に好感して(?)円債市場はとにかく全然さがらねぇという状態。

ま、金曜の債券相場は米債がほんのちょっと売られたことを受けて当初は思ったほど伸びないというスタートだったのですが、とにかく「下がらん」というのが感覚的な印象でして、「売りの出ない中じりじり上昇」という印象を強く感じました。金曜に関しては先物も強かったですが、現物債がやたら堅調でして、「いやはや」という感じです。

金曜にご紹介した武藤副総裁講演(ハト派の立ち位置を初めて鮮明にした)も何となくサポートになっていそうです。

そんな中で変動15年利付国債が先週木曜からいきなり下落を開始しました。特に金利改定時期が近い7月利払いものとかの売られ方が目立つように思えますが、まぁそれだけではなく全体的に売られておりまして、どこかの大手投資家様が派手派手に変動利付国債の売却を行ったという事でしょうな。債券市場はそう簡単に下がらないって見方+この金利状況で来週10年国債の入札が待っていて、7月利払いものの次回クーポンが下がるのを懸念してって事でしょうが、まぁ今のところ逆の動き(=債券相場が高値圏という認識で一旦資金退避させるという買い)もあるようですが、イールドカーブの動きと全然関係なく15年変動利付国債が豪快に売られているので、相当の売りが出ているようですな。変動利付国債を売った資金が固定利付国債に流れるのではないかという発想もあります。

しかし既に「短観は若干改善」も織り込んでいるようで、平均株価が威勢良く上昇でもしてくれないと中々債券市場下がらないでしょうなぁ。

ちと皆様「6月暴落説」を信用しすぎましたかね。確かに夏になると妙に景気回復期待が盛り上がるというのはよくあることですが・・・

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2005/06/23

○短期国債またも100円

昨日実施されたFB入札もまたまた100円落札。しかも段々100円の按分比率が低下しているような気が(手元に控えが無い)するところがもう涙ちょちょ切れですわな。

で、ここの所週1ペースで実施している短期国債買入なんですが、この結果を受けて額を減らしたり実施見送りでもしてくれると面白いのですけれども、まぁそんな事をしだすと益々「昔の営業局時代のシグナル丸出しオペ復活」となるのが困った所ですわな。

ただ、先日の福井総裁の記者会見にありました、「現場が市場と対話を行って調節を判断する」という何か「市場との対話」を思いっきり勘違いしているようなコメントに即しますと、当座預金残高目標維持の為に短期国債売買市場が馬鹿相場となっている現状を調節で何とかするというのもアリではないかとは思いますがねぇ。

「ターム物取引の活性化」に関して気にするのであれば、短期国債市場がどうなっても結構という事は無いと思うんですが。(ちなみにあたくしは当座預金残高目標を維持するほうが賢明であって、まぁこの辺の市場がヘロヘロになるのは致し方ないと思いますけどね)


○結局「買いたい弱気」ですかね・・・・

昨日の債券市場は、一昨日にスエーデンが予想よりも大幅な政策金利の引き下げを実施したことがきっかけで海外経由でまたまた金利低下攻撃。スエーデンの金利引下げ如き(失礼!)がこんなに波及するとは正直脅威でございましたが(笑)、まぁ要するに米国長期債に関しても「買いたい」って人が多かったちゅうことなんでしょうかね。

正直、値段は一応見てるけど実際に売買しないとよー判らん所はあるのですが、4%割れ状態から脱却した時にブルームバーグあたりで出てきた米国の運用機関の中の人コメントなんかが「それ見たことかぁぁぁ!!10年4%割れは逝き過ぎじゃゴルァァァ!!!!」って感じで大喜びモードだったのはやはり「買いたい弱気」だったんですかそうですか洋の東西を問わずやってること同じですなって所ですな、あっはっは。

で、米国債が買われると円債が買われるという理屈もワケワカメですが、市場全体に手がかり材料難の空気が蔓延しているので、何かネタが欲しいっていうのと、先週末にかけての相場下落でそこそこ買えてはいるものの、かと言って売りに出すほどのタマが投資家様にある訳でも無いってあたりが「相場が動かなくなると全然下がらなくなる攻撃」の背景なんでしょうなぁという感じです。

などと書くと法人企業景気予測調査でサプライズが出たりするのがドラめもんクオリティではございますが(笑)、どうもここの所妙に中短期債が堅調ですので、相場が間違って下がっても下げは限定的もいいところでしょうと思います。大体からしてここもとの相場下落時って「中期ゾーンから先物にかけて」が売られて下がるというパターンが一般的で、中短期が相場の上昇につれて確りの時はよー下がらんと見るのが順当かと。

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2005/06/17

○その前に相場メモ

昨日の20年国債入札は例によって例の如く前場に余計な先回り買いのような動きがあって20年ゾーンは前場引け時点でカーブ上やたら強くなってしまい入札を迎えました。ただ落札結果は前場引け時点のオファーサイド1.94%よりも安い水準まで最低価格が流れる(平均は1.94%ちょっと割れでしたが)というものでして、さすがに「毎月7000億円」という入札はそれなりに重いということでしょう。

昔のように大手銀行勢が大挙出動するような商品だと先回り買いで踏み上げ狙いというような動きが出たりもするんでしょうが、まぁこのゾーンでアクティブに「売った買った」をやる人があまりいなく(アクティブ系年金と言われる人と証券ディーラーを合算しても暴れん坊将軍な人の動きのでかさには全然敵わないです)なった為に、入札もだいぶ落ち着いてきているという事でしょうか。もちろん最終投資家様のターゲットといわれる2%になりますと話は違ってくるでしょうが。


で、機械受注統計も少々良かったとはいえ概ね想定の範囲内だったのですが、何でもついこの前最高値更新とか言ってた欧州債に売りが出て下落した影響で債券先物に海外勢の売りが出たという説明になっているのですが、今まで延々と底堅く下がらないという困ったちゃんだった債券先物がせっせと売られまして、チョー久々に見る先物独歩安相場になりまして、何と140円割れと相成りました。

超長期国債に関しては平均落札価格ベースでの入札レベルが1.94%ちょい割れでしたが、大引けでは1.96%でして、その間に債券先物が43銭下落しておりますので、ヘッジが少々遅れていてもウッシッシの巻という中々ハッピーな入札になりました。落札結果発表後に下落した所で1.95%に執拗なビットが入っていたところを見ると、まず1.95%で買い第一弾が入ったという感じでしょう。昨日の下げの犯人はどう見ても債券先物。

ただまぁ今まで散々債券先物が強かったことを考えますと、その逆の相場となった場合は債券先物よわよわ相場に一転してなるかもしれませんなぁとは思いますので、先物に関しては暫く暴れるかも。昨日の相場展開では中期ゾーンは下げに対して確り(2年なんか前日比変わらずですよ)でしたが、この辺が売られだすと下げも本格的になる可能性も有りますんで、まぁ本日は昨日の続きで先物が売られやすいんでしょうが、中期ゾーンがどうなるのかを注意したいなぁと存じます。

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2005/06/15

お題「まぁ本日もあまり目新しいネタは無い訳ですが」

当座預金残高の「技術的対応」で大騒ぎした反動なのか、急に静かになってしまいましたな。今回の金融政策決定会合は・・・・

○相変わらず元気な短期国債

昨日実施された1年ものTBの入札も相変わらず堅調でしたが、さすがに1年ものともなりますと100円馬鹿入札にはなりませんで、最低落札価格は0.002%相当。とは言え若干強めの結果だったようなのですが、業者間売買では相変わらず0.0025%を叩くアホウあり。まぁ小額の出会いの後に0.0025%は買い気配になりましたんで、叩いた方も単なる嫌がらせで叩いたのかもしれませんが、相変わらず入札後に値持ちしてくれないのは困ったものであります。

もしかしたら消耗戦でもやっている積りなのかもしれませんが、100円で落札しても同値で最終投資家さまにも日銀の短期国債買入オペにも嵌らないというのによくもまぁ100円落札しますわなって思うわけでして、正直短期国債マーケットに関しては量的緩和政策の弊害云々よりも馬鹿入札をする業者(オマエモナーと言われそうですが、あっはっは)の姿勢もどうかとは思いますがね。

ま、確かに100円で落札して99.9999円で販売したとして1兆円落札してもイカレルのは100万円ですから店頭売買をつけるためのコストと考えれば理屈としてはその通りなんですけど、長期債で割高入札した場合その後取り返す可能性が無い訳では無いんですが、いかれ確率100%でそれをやるのはちと何と申しますか、ディーラーとしてやってて忸怩たるものを感じつつというかストレスが溜まるマーケットですなぁと存じます。ナムナム。


○物価連動国債・・・・・

昨日ご報告した物価連動国債は益々香ばしさを増しております。一昨日の最終出合いが今月発行の4回債で98円80銭と申しあげましたが、昨日もまた業者間での売り気配が何となく下がって来まして、債券相場が後場復活してるのに売りはそのまま。終わってみれば10年利付国債は前日比変わらずなのに10年物価連動国債は98円50銭に堂々の売り残りとまたまた下落(ちなみに日本相互証券の引値はもうちょっと高いのですが)。一昨日の引け後は物価連動国債を売った後に債券先物が買われてたりしてましたが、ヘッジをしてもしなくても負けという超越的に香ばしい商品になっており、まぁロスカットも入っているんでしょうなぁという感じでございます。合掌。

まーこの動きってのも思い起こせば15年変動利付国債に似たものがございまして、15年変動利付国債は発行開始当初はイールドカーブがどうなろうと知った事なし状態で全銘柄100円の引値という今思えば(というか当時からそりゃどうよと囁かれてましたが)妙な値付けが横行しておりまして、「価格が変動しないのに4年国債並みの金利収入が入る魔法の商品」となっておりましたですわな。

ところが、超越的フラットニング相場が発生して10年金利が下落する中で「ふと気が付くと金利改定で次回クーポン激下がり攻撃(しまいには0%になりましたが)」に気が付き、ふと見ると発行も増加してきましてやっとまともな値付けに近づいて来まして、その後は長期金利が反転上昇したのに羹に懲りて膾を吹くよろしく暫くモドランチ会長になったもののバーゼルUの金利リスク対策商品として脚光を浴びて今に至るって動きになって割と安定してきました。

てなことを考えますと、この物価連動国債のボロボロ振りは過去の値付けに問題がございましたってことでまぁ過渡期における混乱のようなもんだと言う事で宜しいのではないかと。ただ昨日も申しあげたように、現在の我が国ではまともに「インフレヘッジをする金利系金融商品」と銘打ったものが殆ど無いに等しく(まぁインフレヘッジしたけりゃ安定配当してる公益企業株あたりでも買ってホールドしときゃ良い訳ですし)、多くの金融商品(金利系)はインフレリスクを契約者が被るようになってますんで、まぁ鶏が先か卵が先かって話になるのかもしれませんが、その手の金融商品の発展を期待したいと申しますか、正直言って個人が401kとかで買えるようにしたらどうよって思う次第でございます。一番ニーズあるのは個人でしょう。繰り返しになっちゃいましたが。


○明日は20年国債入札ですが

相変わらず金利が下がったままの債券市場ですが、以前の相場と違うのは金利低下で不足する目標収益を稼ぐために取る動きでして、大昔は「期間の長いものへのシフト」って事でデュレーションリスクに逝くという展開でしたが、さすがに一昨年の大暴落で痛い目にあったのと、そもそも格上げ合戦に見られるように信用リスクに関して相当改善されたのもございますので、昨今も「一般債のご購入」って動きの方が目につきますわな。

そんなわけで長期金利低下の恩恵が中々20年ゾーンに向かわない訳でして、「絶対水準が低いと意地でも買わない最終投資家」VS「そろそろ買いが入るだろうと思ってロングにしている業者」のにらみ合いの図(そこにアクティブ系の投資家が売ったり買ったりして持ち上げたり振り落としたりが発生するのですが)という感じになっているのではないかとあくまでも勝手に想像。

で、まぁ何だかんだと20年ゾーンは今月に入ってからもどうもぱっとしない展開が続いておりますが、散々置いていかれている20年が明日の入札でどう動くのかは注目される所かと。入札後それなりに値持ちすれば(昨日の債券相場見てると次に相場下がっても10年1.3%や5年0.5%は強力サポートされそうですけれども)入札通過後次の長期債入札が7月まで無いと言う事になりますんで、月末にかけて徐々に強くなるんでしょうなぁと思いますが、恐らく皆同じ事を考えているので、今日の後場辺りからいきなり20年が復活して入札割高になってしまう悪寒が(汗)。

多分今日実施される輪番オペで超長期ゾーンが入るかどうかってあたりも注意しておくのが吉かと。超長期が入るようなオペだと入札前に業者の事前準備万端モードになるかと思われます。


#ま、今日の決定会合はどうでも良くて、金融経済月報と総裁記者会見注目。

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2005/06/14

○物価連動国債の悲劇

物価連動国債が豪快に下落しております。7日ですから先週の火曜に入札が行われたのですが、入札前日の入札前取引での出合いが0.46%(売り残り)だったのですが、ご存知のように入札結果は0.58%となりまして、当日瞬間は「あまりにもそりゃ安いだろ」って反発もしたのですが、その後も豪快に下落してとうとう昨日は引け後に新発4回債は98円80銭での出合い(おまけに売り残り)ですが、何故か日本相互証券の引値は99円00銭だったりするわけですが。

単純な利回りに引きなおす(手元の電卓でイイカゲンに計算する)と0.625%くらいになる訳でございまして、その間にフツーの10年国債はどうなっていたかと申しますと、6月6日の10年270回引値が1.24%で昨日が1.235%とまぁ上に行って来いって奴ですな。0.15%も動くもんかよおいおいって所でございますわな。投信なんかで物価連動国債を組み込んでいるものがあると聞いておりますが、世の中大きく変わった訳でも何でもない(要りもしない債券が5000億円発行されたというのはあるが)のに基準価格が1週間で1%以上下落したという事になっているものと思われまして、誠にご愁傷様にてございます。


まぁまだまだ商品としてこなれていないので価格形成もへったくれも無いというのが背景にあるのですが、そもそもがここもとの金利低下局面で10年長期利付国債と同じ(どころかそれより勢い良く)ように値上がりする所が話として無茶があったんじゃネーノとは思いますわな。金融政策がCPIにペッグしている現状で長期金利が低下するっちゅうのは足もとのデフレ継続を織り込みに行っていくわけですんで、物価連動国債の価格上昇はマイルドになるとあたくしは思ってたんですが、消費税が上昇するとCPIが技術的に上昇するからどうのこうのってのを過大評価してたんじゃネーノっていう気はしますわな。

この商品は何だか良く判らんのですが想定元本が物価指数フロートするという代物ですんで、足もとでデフレが継続するとドンドン(というのは大げさですが)元本が減価していくという素晴らしい商品。いくら将来消費税が上昇するって言ってもそりゃ何年先の話よっていうか、デフレ継続中に消費税引き上げの環境が整うんですかねぇってシロート的には思うので、まぁここもとの価格形成の方がしっくり来る所ではあります。もうちょっと長期金利が上りだすと相対的な魅力は出てくる(ただし10年国債でもあるので相対的な魅力は出ても絶対的には値下がりするのですが)とは思うんですが。


まぁしかし何ですな。もともとの価格が割高なのが適正水準に戻る動きなのはよく判りますが、国債市場特別参加者会合やら国債投資家懇談会なんかの議事要旨を見ると「超長期国債のニーズがある」だの「物価連動国債のニーズがある」だのという話が良く出てくるのですが、いざ増発してみると20年ゾーンのイールドカーブはスティープするわ(単純に10年金利が同じあたりにいたのは福井総裁の「金利に蓋をする」という迷言があった後の昨年2月あたりですな)物価連動国債は増発した途端に0.1%以上安くなるわという結果を見ますと、「おまいらニーズがあるってんなら買えよ」と悪態をつきたくなりますな。

・・・・・また読者が減るようなことを書いてしまった(大汗)。


ま、市場の予想インフレ率を見たいって発行側の意図は判るんですが、購入できる投資家層が薄すぎなのと、そもそも日本の機関投資家に物価連動国債のニーズがあるのかはあたくし的には激しく不明(って大昔も書きましたが)。以前国債投資家懇談会でどこぞの参加者が「インフレヘッジであれば物価連動国債以外にもトータルアセットアロケーションの中で株もあれば不動産もあるから物価連動国債なんぞ別にイラネ」(不動産って言うくらいだから生保さんの発言なんでしょうかね〜)って発言をしていたと議事要旨にございましたが、まぁ今のところ残念ながらそれが実情でしょ。

この商品ってどっちかというと、個人などのような自己勘定な人にニーズがある気がするんですが。正直、インフレヘッジがどうのこうのって言うけど、他人勘定な皆様って現状インフレリスクは資金の出し手が被る構図になってるのが殆どだと存じますが。銀行預金しかり多くの保険商品しかり。変額年金保険とか401Kとかが今後拡大すると思うんで、そのあたりに期待(あとは投信ですか)という所でしょうか。個人が買えないのは(税制上の問題があるから仕方ないんですけど)どうよって思います(が、個人がこの利回りで買うのかな?)けど。


悪態ばかりついても仕方ないので今後に期待したい所ではあります。

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2005/06/10

○5年国債入札レビュー

昨日の債券相場、朝方から堅調気味だったのはまぁ兎も角として、困った展開だったのはとにかく5年ゾーンが一番堅調だった事です。特に0.5%クーポンがアナウンスされたあたりでは、5年ゾーンの既発5年国債にビットがうじゃうじゃ涌いて出てくるという香ばしい展開。「また事前の買いかよ!」ってなところで。

で、なおも血圧が上昇するのが、そんな展開の中で20年国債がいきなり大甘になってしまい、先物が前日比殆ど下がっておらず、5年債の引けは叩かれるけどすかさずビットがうじゃうじゃという状況の中で20年カレントが1毛甘ヒットなどとやりやがって事でして(怒)、「5年入札日の前場に短期化するはた迷惑な奴はごーとぅーへるじゃあ!」なんて血圧急上昇でした。(さすがにやり過ぎ感からその後20年にはビット入りまくっておりましたが)まぁ単に「20年ゾーンの売り」と「入札前の先回り買い」が別々に起きただけだとは思いますが(^^)。

で、入札直前ももう強い強い。先物(9月限)は前日比3銭高の140円69銭だというのに5年カレントゾーンの既発5年44回〜46回債は5糸強がバカスカ出合い(46回のみ5糸強オファー残り)、5年47回債入札前取引では単利ベースで0.455%がドカドカ買われるという「買う気満々」モード。

で、ご存知の通りの入札結果になってしまいまして、最低落札価格が100円24銭で按分も5割弱という結果。この100円24銭が0.450%に相当しますが、前場引け時点での5年44回〜46回債が0.42%でしたんで、前後のイールドカーブ及び受渡が先になる分を勘案すると概ね1毛割高という割高入札となりました。

で、尚の事憎たらしいのは、後場になってみるといつの間にやら中期ゾーンが失速している事でして(--;)、終わってみれば先物が140円82銭と前場引けから13銭上昇しておりまして、肝心の5年新発債は0.445%の引値(しかもオファーサイド)でして、価格に直すと100円26銭8厘と平均落札価格からわずか1銭8厘しか上昇しませんでした。ナンノコッチャという感じ。

市場推計ベースでは例によって例の如くで大手銀行系証券様が大量落札されておられましたが、入札が思ったよりも少々強かった割にはまるっきり踏みあがりの動きがなかった所から考えますと、まぁ事前の買いと入札時点での買いでニーズが見事に終了してしまい、セカンダリーの買いはあまり無かったですなぁという事だったのでしょうな。

以前だとこういう割高入札をやるともうゲロゲロの踏みあがりになったものですが、最近はめっきりそういう動きが無くなっている5年国債。発行量が2兆円な上に第U非価格競争入札で追加発行が最大2000億円というのが無用な踏みあがりを抑制しているんでしょうなぁと思いますが、結局入札だけ割高水準で買うってのはマーケットメーカーとしてどうなのよって文句つけたくなりますわな。短期国債に関しても大量落札の皆さん100円で落札している訳ですが、そいつを皆さん100円で販売しているのかと思えばうわなにをするlkじhjgんmfj

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2005/06/09

○ところで5年国債入札ですが

相場は高値ゾーンに相変わらずおりますが、退避資金だの、こんな所で買いたく無いけど仕方ないって資金がうじゃうじゃ転がっている状況ですんで、特に問題ないでしょうなぁ。これで0.4%クーポンにでもなって「きゃー」といいながらも買いが集まっちゃったりすると相場にも達成感が出てくれるのですが、誠に惜しい事に(笑)、今回のクーポンも0.5%となりますので、達成感が出ない入札ということになりそうですなぁ。

米国債がやや売られているのが救いと言えば救いですか。下がった方が入札やりやすくなるでしょう。正直、最近の相場は火曜日に中期ゾーンが無茶苦茶堅調だったのに昨日は途中からいきなり中期ゾーン売り売りになるとか日替わりメニューで変りすぎ。大手投資家さまの動きが一々反映されているような相場であまり思い入れをもって臨まないほうが吉という相場でございます。

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2005/06/08

○物価連動国債の入札がありましたが

昨日の物価連動国債入札。前場の業者間入札前取引では0.5%の出合いがありまして、最終は0.5%買い気配。入札の事前ヒアリングでは全然盛り上がらずに「まぁニーズねぇだろ」って話でしたが、入札の蓋を開けてみればあっと驚く0.58%。

結局終わってみれば既発債のお値段も新発債に鞘よせされてしまい、日本相互証券の引値ベースで既発債は軒並み95銭安だの1円安だのとなっておりました。まぁ元々引値がおかしかったのもありますが、物価連動国債を組み込んだ投信のファンドマネージャーの皆様ご愁傷様でございますと言ったところですかな。合掌。

この商品の商品性については財務省のWebにも載っているのですが、正直難しいっす。変動利付国債なのになぜか10年金利にフロートするからイールドカーブリスクとか諸々のリスクファクターがあるという不思議な15年変動利付国債もそうですけれども、何でこう商品の仕組がややこしいものを作るかねって思うわけで。シンプルイズザベストだと思うんですがね。

まぁこの商品に関してはあたくしも正直勉強途上なのでそのうち。

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2005/06/06

○債券相場

金曜の債券市場では5年より短いゾーンの債券はダメダメ状態で、先物から長期ゾーンに関してはやたらと堅調という展開。まぁ長めの短期金利を上昇させようって人がいるんだからイールドカーブが中短期金利の上昇幅>長期金利の上昇幅って形のフラットニングになるのは分かり易い結果ではありますが、それにしても長期債やら超長期債を買い上げ(金利低下)る勢いで相場が上昇するというのも中々恐れ入ったお話ですわな。ま、先日申しあげた某有力生保の偉い人発言に見られるように、皆様長期債買えてなかったんですかそうですかって所でしょう。

金曜も堂々の30兆円割れとなり、なし崩し的当座預金残高の減額という事で、事実先行によるなし崩し的解釈による政策の転換という、我が国の伝統芸能として古来親しまれている事象が発生しておる訳ですが、ようやっと債券市場はそれを解釈した(割には長期金利が低下すると言うのも?????ではあるのですが・・・・)ということにして置きましょう。よーわからんが。

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2005/06/02

○昨日の金融調節と債券市場

昨日もしかしたら翌日スタートの資金供給があるかもしれないという期待がかすかにあったのですが、まぁ案の定昨日のオペもは6月3日スタートでおまけにエンドが10月4日で本店オペとまぁ相変わらずの自然体オペレーション。結局本日の当座預金残高見通しは1日残高速報31.36兆円から現時点では2.21兆円マイナスで29.15兆円となる見込み。本日即日供給オペが実施されないとそのまま無事に(?)30兆円割れがスルーとなる見込みでございます。詳しくはこの辺をご覧下さい。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/jp050602.htm
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/jx050601.htm


ところで、債券市場は相変わらずの状況で、火曜日に米国10年もの国債が4%割れ(今朝はもう一発金利低下してますが)となり、こっちの10年国債入札が翌日に控えているのにまぁ見事な上昇と相成りました。昨日は一応押し戻しましたけど、まぁこの買い方は久々に見る「踏み上げ相場」の様相でしたわな。

どうもここ2年ほど6月になると株高債券安ってのが記憶にあったこともあって「6月暴落説」ってのが結構信じられていたようですが、この手の話は皆が信じると逆に行くというお約束通りにまず最初にショートの踏み上げをやる破目になったようですな。ナムナム。

本日は10年国債入札なのですが、余計な事に米国債が大幅続伸しておりますので、1.2%クーポンでも無問題くらいの勢いになってしまいましたわな。昨日の高値近辺では戻り売り(カバードコールも含め)がそこそこ出たようですが、昨日の高値をあっさり抜いちゃうと益々踏み上げという実に涙無しでは見られない展開の悪寒も。

いやはや驚きましたが、31日のドラめもんで生保決算での偉い人コメントを捕まえて「結局買えてないんでしょうなぁ」などとやや本人半分軽めのタッチで書いた通りの動きですか。もっと前に日経公社債情報での大手銀行運用計画アンケート結果が揃いも揃って本年度10年金利下限1.3%になっていて、その記事が出た時に既に1.3%割れていてその後も全然金利上らないという香ばしい現象の再来となってしまいましたな。

まぁどうでもいい話かも知れませんが、金融機関のメガ化によって大手運用機関の一挙手一投足がそのまま相場のファンダメンタルズを形成しちゃうようになっている昨今ですし、一々この手の運用計画に関して具体的な金利水準とか投資予定額とかを開示する必要があるのか、質問されたからといってホイホイ答える必要があるのかという点については考え直した方が良いのではないかと思いますがね。そりゃまぁ開示してくれた方が局外者にとってはウッシッシではありますが(^^)。

○で、本日の予想

資金供給オペレーションに関しては、一応30兆円維持の茶番もとい努力の姿勢はお見せしないとアレでしょうから、本日は9時20分に即日供給オペ8000億円とか1兆円とかやってくるのかと思います。即日オペの場合は事務作業の都合上だと思うのですが、基本的に本店オペ形式で実施する筈ですんで、そもそも札が集まりにくいのですが、念には念を入れて(笑)期間2週間とかで益々札の集まりにくいオペレーションを実施するものと勝手に大予想。

これでノーオペだったらもうやる気無し無しもいいところなんで、中々根性の入った姿勢だという感じですが、はてどうなるんでしょう。結構楽しみではございます。


○債券市場は当預目標下げを織り込みに逝ってるの鴨・・

まぁ与太話ですが・・・・

ここもとの債券市場上昇。需給関係とか米国の長期金利低下に引っ張られているとか色々要因はあるのですが、以前ちょっとギャグで申しあげたように「景気先行き不透明な中での日銀逆噴射の悪寒」というのがメインシナリオだという事になりますと、米国債券市場でまさに起きている長期金利低下&短期金利はあんまり下がらない、(つーか米国だと政策金利は上るので上る)というセットが発生しても何らおかしくはないとなりますか。日本の場合は日銀逆噴射でオーバーキル懸念ってことになるかと思いますが。おーおそろし。

まぁ短期金融市場と債券市場だけ見てる分には、明日いきなり当座預金残高目標を引き下げても何ら問題ないって相場の様相でございますんで、中央銀行の皆様に置かれましてはウハウハなのかも知れませんが、ちょっと落ち着いて欲しいなぁとあたしゃー思うのでありました。いちトレーダーとしては相場が暴れた方が楽しいというのはありますけどねぇ。。。。。

という訳で10年入札に関してコメントする気力が起きませんでしたが、どうせ踏み上げ入札になるんでしょとしか言いようがありませんな、とほほ。



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2005/05/30

お題「やっと反応したのか?」

只今放映中の某経済お笑い(じゃなくてニュースらしいが)番組で某経済評論家が「グローバル市場の勝ち組負け組」ってお題で話をしてます。で、各国株式市場のインデックスが上昇しているのを「勝ち組」とか言いながら話をしているのですが、勝ち組負け組の判定がわずか直近2ヶ月の株価推移でございますかそうですか。そりゃまた素晴らしい「グローバル」な視点ですなぁ。さて、東京MXでも見るか。

などという悪態はさておき、月曜は毎度の如く調子がでませんのでヘロヘロと。

○金曜日の金融調節

金曜日は10時10分のオペで短期国債買入を実施したものの、13時のオペでの手形オペの実施は無し。ということで、先週と同じく短期国債買入は週に1回という形になりましたんで、暫くはこのペースになるのでしょう。

それにしても金曜日の金融調節も「とことん」とは言い難いオペレーションでして、そんなに30兆円維持が楽勝なのか、それとも総裁の口は「とことん」と言いながらも「とことん」じゃないのか難しいところです。まぁ今週後半になれば嫌でも結果は判明しますがどうなんでしょう??

「資金供給オペはとことん実施」「市場機能を封殺しないようにオペを行う」などの総裁語録によって苦労させられているのは現場の方々ですわなぁと存じます。あたくしの勝手な想像の世界になりますが、恐らく「市場機能を封殺しない」って言葉によって今までの資金不足期に毎度行われていた「先に大量供給しておいて後から余計な分を吸収する」というツイストオペ攻撃がやりにくくなったのではないかと想像しております。そのためにどんどん供給オペを打たずに何となくオペが小出しの印象を与えるのではないかと。

ま、実は「6月は30兆円割れなさい」なんて施策が出ているのであればそれはそれで笑える(笑えないけど)話ではありますが、さすがにそこまでは無いでしょって思いたいです。


○福井総裁の「市場機能」発言またも

金曜日の福井総裁はソウルでの国際金融セミナーのようなものにご出席。そこで「On Stabilization Politics: A Centaral Banker's Reflaction」ってお題で講演をしております。で、本当はこの講演を訳出しておかないとと思っていたのですが、例によってナマケモノモードになってしまい斜め読みしただけだったりします(汗)。ちなみに本文は英語なので、英文ページだけにしか掲載されておりません。(http://www.boj.or.jp/en/press/05/ko0505b.htm)

英語のスピーチと言えば昨年の6月には武藤副総裁がロンドンで行った英文スピーチを誤訳してレポートを作ったどこぞの証券会社のレポートをネタにして債券大いに下落という事件がありましたな。その時の学習効果で今回は日銀Webのトップページの新着情報で「英文スピーチはこちらを読め」というのが出ておりまして誠に結構ですな。で、さっき「誤訳」と言いましたが、どう考えてもそりゃ意図的なインチキ訳出だし捏造じゃねぇのかというレポート書いた張本人は別にお咎めも無かったんですかねぇ。何だかなぁ。

余談はともかく、昼休み時間に情報ベンダーからフラッシュで流れていた福井総裁発言で、「市場機能の新芽が出てきている」という趣旨のものがありました。どうも講演後でのぶら下がりで先般のなお書き追加についてコメントしたことのようです。

先日ご紹介した金融政策決定会合後の記者会見でもそうでしたが、ここの所総裁の口から出てくるのは「市場機能」って言葉でありますな。この「市場機能」って何のこっちゃというのに関しては金曜日の時事メインコラム「金融観測」でも『もっともこの「市場機能」が何を意味するのかは、市場関係者には「分からない」し日銀内にも分かる向きはいない(27日17:09配信記事より)』といわれておりますし、あたくしも実の所よー判らん。

よーわからんのですが、市場機能と言われますとやはり短期金融市場ということになるとおもいますんで、あたくしの解釈は「短期金融市場におけるタームもの取引の活性化」って事になりますんで、必然的に「長めの短期金利が上昇」って発想になりますが、まぁそれも正しいのかどうかは神の味噌汁でして、市場でも解釈に苦慮しているというのが現状ですわな。


○で、相場は反応したのか?

金融政策決定会合後の債券市場は、こちらでも申しあげたように中短期ゾーンの債券がやたらめったら堅調推移となっておりまして、あたくしとしては「何でよ?」という動きが継続しておりました。

しかし、金曜日の午後あたりから債券市場では3年〜5年あたりが妙に重くなってきまして、やっと中短期ヘロヘロの図になってまいりました。まぁここの所強かった分の単なる反動なのかも知れませんが、13時の手形買入見送りと福井総裁の「市場機能」発言に反応したのかも知れませんし、その辺は本日の動きを見ないと何とも言えませんな。

どうも債券市場では相変わらず短期金融市場というか金融政策に絡むお話に関しては反応がワンテンポどころか2〜3テンポ遅いという傾向がございまして、どうもこっちが「市場が反応しないどころか想定の反対に動くって事は市場は織込済みだったのか・・・」と悩む頃に反応するという不可思議な展開が良く発生しております。

今回もそうなるのかな??(って書くとならなかったりするのですが)

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2005/05/27

お題「昨日の当預動向」

月末までインデックス系の長期化期待がある筈なのですが、昨日は思いのほかパッとしませんでしたな。まぁ一昨日ちと引けで突如強くする攻撃をやりすぎたと言う事で。それにしても中短期ゾーンがやたら強く、まぁ相場が高値圏という意識で資金逃避的な買いも入っているのでしょうが、当座預金残高がどうのこうのだとか市場機能回復がどうのこうのとか言っている最中に中短期債堅調推移ってのも驚き桃の木。

まぁそれだけ投資家さんが下げ警戒で買えてなかったというのと、期初の想定レンジをぶち抜けてしまって掛けていたカバードコールが悉く行使されてしまい、ポジションすっからかんの巻というのもあるようですな(しかし行使された後に残高足りないとか言って買うならコール売るなよって毎度毎度思うわけですがありゃ何なんでしょ?)。どうも今百歩くらい相場がよー判らん動きですので、相場展開に悩み血圧上げっぱなしの今週でした(ってまだ終わってないが)。


○昨日の当座預金動向:日銀VS財務省????

昨日のドラめもんであまり「とことん」さが見えてきませんなぁと悪態をついたのが聞こえた訳でもないでしょうが、昨日オファーされた手形買入は本店じゃなくて全店オペでして、しかも期間が3月15日エンドなので中間期末と年末越えというオペで、一昨日に実施した10月14日エンドの本店オペと比べるとまぁ札が入りますなぁというオペでした(事実、応札倍率も2倍台後半となっておりました)ので、少々やる気が見えたかなって感じではあります。

しかしながら、短期国債買入は実施されず。一昨日に行われた13週間ものFBの入札が毎度お馴染みの平均落札価格100円となっているので、短期国債買入を「市場に配慮して」行わなかったのかもしれませんが、昨日時点で当座預金残高が31兆円切っている状態で短期国債買入を実施しないで放置プレイとなると30兆円維持がしんどくなるんで、上述した手形オペを「ちゃんと札が入るように」実施したと言う事でしょうね。

本日はさすがに短期国債買入実施するんでしょうが、それだけ「市場に配慮」してくださるのであれば、馬鹿入札合戦が横行する短期国債市場を冷やす意味で本日も短国買入見送る根性を見せていただけると誠に恐悦至極に存じます。ちなみに、国債系のオペレーションは証券会社の落札も結構ございますが、手形オペは準備預金対象の人たちの参加となっておりますので、昔の常識では「日銀貸出>手形オペ>国債系オペ(当時は短期国債の買現先が基本)」の順で準備預金に対して効きがよろしいので、同じ供給金額でも左ほど「緩め調節」というのがありました。まぁ手形オペ頑張って打って下さいね(はぁと)って感じです。


で、もう一つ笑ってしまったのは昨日財務省から発表された「国債等の入札予定の変更について」でした。6月10日ですんで再来週の金曜日に入札をおこなう予定だった政府短期証券(FB)2ヶ月程度ものの入札を行わないことにしたそうで。
http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/yotei/1706a.htm

まぁここのところ政府短期証券の発行は3ヶ月というか13週ものをメインにするようになっていて、2ヶ月ものの発行を減らして実質的に3ヶ月ものに一本化しましょうって動きの一環のようではあるのですが、公表されたタイミングがちょうど「おいおい日銀当預残維持する気あるのかよ」って懸念を一部のマニアが抱く「短国買入見送り」の直後だったので、なお笑ってしまいました。

と申しますのは、この対比って「資金供給をとことん・・・じゃなくて自然体で実施している(ように見える)日銀」に対して、「すぐに発行額をいじれる政府短期証券の発行を減らす(ことにより当座預金残高維持に協力しようとするように見える)財務省」って対立構図を思わず想像しちゃうわけですな。え、そんなことを考えてしまうあたくしは考えすぎですかそうですか。

まぁそこまで狙ったわけでは無いと思いますがね。

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2005/05/25

お題「相場の動きを見つつ色々考えたこと」

あまり上手く纏まって無いのですがつらつらと。

○20年入札と中期債の戻り

昨日の20年国債入札ですが、前場から全体的に相場が上昇して事前ヘッジが踏み上げさせられる展開になりました。前場の引けは先物140円45銭で新発超長期国債の入札前取引で1.935%−1.94%。これに対する入札結果が平均落札価格100円97銭で足切り価格が99円85銭となっていたのですが、概ね業者の入札スタンスが「とりあえず必要な札は確実に落札可能な101円(1.93%))」に入れるけど、後の札は流しました」ってパターンになっていた事を意味します。

ということは、前場からヘッジ踏み上げ攻撃で結構業者の方々はヒーヒー言っていたということでしょう。一昨日まで何だかんだと言ってやたらと頑張って20年を安くしていた動きはあったのですが、昨日の買いは事前ヘッジを吹き飛ばすパワーがありましたっつーことで。


20年はともかくとして、もう一つ「ほえー」と思ったのが中期ゾーンの値動き。昨日というか金曜の決定会合結果を受けてからの動きがそうなのですが、3年ゾーンがやたら堅調に推移しておりまして、昨日も中期ゾーンは5年というよりは3年とか4年が牽引しているような雰囲気(5年も買い入っているようですが)。昨日に関しては明日2年国債入札が1.7兆円もあるというのに2年232回債が前日比1.5毛強の0.075%まで買われました。

これだけみると「当座預金残高目標のなお書き修正に関して債券市場は金融引き締めへの転換と捉えていない」というお話になるのですが、よくよく考えると前月の2年国債入札落札平均利回りが0.074%で、まぁ割高入札だったので実力0.08%だったと見れば実は1ヶ月ロールダウンしている分を考えるとまだ戻っていないとも言えますわな。それまでが安すぎたっつーことでしょう。

どうもついつい日々の目先の動きに気を取られてしまいますが、まぁ入札前にちと売り過ぎたって事なんで戻りに関してそんなに驚く事は無いのかもしれませんが、んじゃあ何でそんなに入札前に売られていたかというと、「当座預金残高目標引き下げも有り得る」という懸念が世の中にそれなりにあったということの反映なんでしょうな。一部審議委員から出てくる強力な情報発信で市場も撹乱されてしまったという事ですか。

まぁ先行き当座預金残高目標削減に動くのはいつかっていう見方に関してはさすがに今回は意見別れまくりですが、まぁ訳の判らん時は「当預目標引き下げ懸念で売った分は買い戻しておきましょう」という原則が働いたんですね。債券市場としてはまぁ日銀に優しい反応を示しているといえますな。


○昨日の資金供給オペレーション:「とことん」vs「市場機能」?

昨日の駄文で「今後は日銀のオペレーションにも注目」と申しあげた手前、8年ぶりだか9年ぶりくらいに丹念に資金需給とオペの確認をしておりました。昔の営業局時代は日々の調節で日銀の「調節意図」が表明されまして、その意図と参加者の相場観が相まって短期金利が形成されるという大変に職人的な世界があったのですが、営業局廃止後はそういうのは無くなってしまいましたなぁなどと思いつつ調節をチェックしてみました。

・・・・木曜に期落ちが来る買入手形(本店)6000億円分がロールオーバーされませんでしたな。

本日が割と大きな資金不足でして、それに合わせるように一昨日は手形オペ2本で1兆8000億円と国債買い現先3000億円(手元のメモ見て書いているので違っていたら訂正します)を打ったのですが、2本立ての手形オペのうち1本と国債買い現先が札割れでございました。

で、6月入ってからの資金不足に対して、「とことん(by昨日ご紹介した日銀総裁記者会見の総裁発言)」供給オペを行うのであれば、昨日の期落ち分も埋めるべく手形オペを打っても良かったと思う(資金不足を乗り切った時点で手形売りオペでも国債現先オペでも打てばよろし)のですが、どうもそこまでシャカリキになって資金供給をするという感じではなさそうな予感。

それとも、実は6月の資金不足を乗り切るメドがついたので余裕かましてるのかも知れませんし、なんちゅうか真意がよく判らんオペレーションなのですが、営業局時代の「意図ありオペ」の意図読み合戦をすっかり忘却してしまったのか、あまりこのオペレーションを訝る向きが少なそうなのも「???」です。


このまま割と淡々とというかシャカリキな印象の無い供給が続いて6月に当座預金残高が30兆円を大きく割れたら「何じゃそりゃ?」ですし、割れなければ「じゃああんなに大騒ぎしたのは何だったんでしょうか?」って話になりますな。まぁ本日意向のオペも見ていかないといけませんが、どうも先週金曜日の「TB買入見送り」あたりからのオペレーションは供給オペを「とことん」実施するという雰囲気じゃ無いんですよね。

まさかとは思うのですが、総裁記者会見における「6月の当座預金残高目標維持は3月より困難」だの「資金供給はとことん行う」というのは「技術論」と同様の「説明責任という名の下に説明してるんだけど実はペテンな建前」って奴ではないかとの疑念が涌き起こるのでありました。


まぁ本日移行の資金供給オペレーションに「とことん」な姿勢が見えるのかが注目されますが、そんなもんが注目されるという昔懐かしい営業局的手法の復活をするのは福井総裁の本意じゃないように思える(機構改革で営業局を無くしたのは当時の福井副総裁と記憶してますが)のですが、ワケワカメ政策によって現場に訳の判らん負担が掛かってきて、金融市場局の中の人も大変ですなぁと存じます。



○裸単騎待ちのリスク

まぁ今回のなお書き修正に関してあたしゃー色々といちゃもんをつけておりますが、あたくしの日頃のロジック重視というのを一旦そこらへんに置いて物凄く現実的な話をしてしまうと、このまま景気回復してデフレ脱却。おまけに財政赤字も削減方向という素晴らしい展開になって、将来もデフレが発生するような事態や資産バブルの破裂みたいな事が起きないというのであれば、今回の「なお書き追加」というロジック崩壊な無茶苦茶政策も結果オーライになっちゃう可能性はありますわな。「終わりよければ全てよし」というのは日本の伝統ですし。

しかし問題なのは今後循環的に景気が悪化するだの、局地的に発生している不動産関連価格絶賛上昇が崩壊して関連融資が見事にお陀仏さんになるだの、まぁその手のリスクシナリオが発生した場合のお話でございまして、今回の「技術論」によって量の効果を否定しておきながら、今度は「景気が悪化したので量を増やす」ってなりますともう無茶苦茶としか言いようがなくなります。

一応総裁の説明によれば、「量の効果」と「時間軸効果」というのがあって、それの比重が相対的に変るとかいう何かパズルのような謎の理屈がありますので、「景気の先行き懸念やデフレ進行懸念があれば量を増やすと効果が出る」って論理展開にはなっており、結局当座預金残高目標を引き上げるって話なんですが、如何にも無理のあるお話ですなぁ。

まぁあたくし思いまするに、今回の決定によって「景気が悪化した場合の打つ手が無くなった」と申しますか、次に金融緩和方向で何かやれって話になると、より強烈な政策をやらざるを得ない方向に追い込まれると思うわけでして、まぁそういう意味で先日来「裸単騎待ちの勇者」などと申している訳です。

今のところは裸単騎に誰も向かってませんが、3面チャンのオープンリーチでも掛けられてもシラネーヨ(この件の意味が判らない人は周囲のバクチ好きにでも聞いて下さい)という感じとでも申しますか。

まぁそんな感じであまり纏まってませんが、つらつらと思うのでありました。

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2005/05/19

○昨日の相場で思ったこと

相場は特に申しあげる事ございませんな。昨日の動きを見ておりますと、相変わらず下がっている時に買わないで戻ったら買いだす不思議なお方がおいで(購入する基準は「人が買うから」ですか?と申しあげたくなりますわな。ディーラーじゃあるまいし・・・)のようで、昨日になってブルフラット(来週20年国債入札なのに困ったものです)とは恐れ入りました。

とは言いましても、さすがに前回の10年国債入札での学習効果が働きまして、一昨日の5年国債入札では入札前の前場から5年というよりは10年だの20年だのという長期ゾーン中心に押し目買いが相当入ったようでして、最近相場が上るとドッチラケモードになってしまう事が多かった債券市場でしたが、昨日は一昨日に買いを入れた人がヘッジ売りとか(結果的に時間差入替みたいになる)戻り売りとか、まぁそれなりに動くタネもできたようで、誠に結構でございます。

ま、しかし今週の動きをみておりますと、いわゆる年金ニューマネー系と言われるようなインデックス系の資金流入以外の投資家さまの買いは「金利が上らないと来ない」というのが極めてよく判る動きになってしまいました。恒常的に「下がると買い」があるので下がりにくく、需給バランスが崩れる国債入札直前だけ下げるというパターンが続くんでしょうなぁという感じです。上って値持ちしちゃうと皆さんそこそこヘッジ入れちゃえるんで、次に下がっても中々大下げはしにくいかもしれませんね。次の下げまでどのくらいの期間値持ちできるのかが次の押し幅を決めるんでしょうかね。

と、あまり予想にならない予想でした。

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2005/05/18

○5年国債入札レビュー

5年国債入札というのはどうも経済指標の発表とぶつかる事が多いのですが、昨日はGDP速報の発表。寄り前の数字が一瞬みたところ市場予想の上限を軽くぶち抜け(何か詳しく見るとケチのつけどころがあるらしいのですが)やがりまして、寄りからヘッジ売りだの何だのが嵩み先物139円75銭でスタート。

で、まぁ上値が重そうながらもさすがに20年の2%という押し目買い水準になっちゃいましたんで相場もサガランチ会長。それだけならまぁ良いのですが、前場引けに掛けて何に買いが入ったのか判りませんが(結果から類推すると10年か20年)先物が上昇して、前場の引けは139円90銭。

こういうパターンになりますと業者はやりにくい入札になります。と申しますのは、前日までにヘッジを入れている分は裸で売っている物は勿論儲かってますし、先物を被せながら中期を売っているようなポジションでも儲かっている(まともにデュレーション換算で当てていても昨日はセーフ)のですが、さすがに経済指標発表前にオーバーナイトで派手派手にヘッジポジション作る訳にもいかんでしょう(経済指標に絶対の確信があれば別だが)から、当日ヘッジを入れる分もありますわな。

で、昨日は当日に入れたヘッジが物の見事に全部踏まされているという形(これも安いところで5年を売って先物買って前場引けで先物外していれば一応何とかなっているけど、そんな器用な人はそうそうおらんだろ)になっておりましたんで、先週の10年国債入札のように「事前ヘッジも当日ヘッジも全部ワークしていくらで応札してもウッシッシ」という心温まる展開ではなかったんですね。

そして余計な事に「当座預金残高目標の引き下げ問題に関る思惑」というものが発生しやがった為に、一昨日からそうなんですが、昨日もまたまた残存1年半〜残存3年あたりまでの中期債ディーラーがそんなにリスクとして意識しない(訳でもないが)ゾーンが売り物ばっかりとなりまして(何せ途中からは5年よりも3年の方が前日比で利回り上昇という豪快な展開になっておりました)、そっちでも「余計なロング」が発生してしまったの巻。実にやりにくかった訳ですな。



で、事実後場の寄り直後から先物は下がるわ5年もまた下がるわと実にケシカラン展開になったのですが、その後株価指数が下落したせいなのか何だか判りませんが、相場が上昇しまして5年もそこそこついていった(長期ゾーンと比べると全然弱いですが)ので何となく無事な入札にはなりましたが、何となく先週の10年入札のような展開(入札はしっかりだったけどその後の伸びがよろしくない)になっているのが気がかりであります。


○今日の比較的どうでもいい注目材料

いつものパターンで考えますと本日は国債買入(輪番オペ)が実施される日でございます。ちょうど2年あたりのゾーンがゲロゲロとなっている今日この頃でございますので、今日実施してくれますと大変結構なるお助けオペになるのですが、ちと気になるのは「今日実施しないかもしれない」という所ですな。

と申しますのは、ここのところ何故か知りませんが、金融政策決定会合が直後にあるような時に輪番の日程が決定会合後(あるいは会合最終日が金曜だと金曜まで引っ張るとか)になるケースが頻発しておりまして、特に最初にそのケースがあったときには妙な思惑が出て先物が「おいおい」という感じで売られてしまいました。

今回なんですが、詳しく資金需給見てないので正確性に欠けますが、今月は25日以降に資金不足になると記憶しておりましたんで、「25日の資金不足にあわせる」とか言い出して輪番オペを金曜にずらす可能性も否定できず、そうなるとただでなくさえ重い2年ゾーン(普通は無いと思っていても、あれだけ外野が大騒ぎすれば少しリスクを落としたくなりますわな)が益々ゲロゲロになり、その相場の後講釈として「当座預金残高目標引き下げ懸念で2年国債売られる」とかどこぞの経済新聞の市況欄に書かれそうですな(^^)。要注意。

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2005/05/17

○相場は当座預金残高目標引き下げで盛り上げっているのか?

昨日の債券市場、何だか訳判らんうちに売り込まれまして、先物は安値140円01銭と前日比42銭安の水準まで叩かれました。現物国債の気配を見ておりますと、先物とか6−7年ゾーンが安いのはともかくとして、1年半とか2年とかの現物債も妙に売り物勝ちというのは少々怪しげ。毎度お馴染みのGDPがらみの思惑かもしれませんが、感じとしては当座預金残高ってイメージ。先物オプションの140円プットもやたら堅調でしたし。週末に散々盛り上がった「当座預金残高目標引き下げ報道」に反応したんでしょうな。

そりゃもう昨日は(ドラめもん書いた後だったし、そんなに騒ぐ話か?と思ってたので追加しませんでしたゴメンナサイ)朝7時のNHKニュースでの「今週の予定です」ってのに「木曜日から日銀の政策決定会合です。現在の当座預金残高目標の見直しに関しての討議が行われる云々(記憶が怪しいがまぁそんな感じ)」とか言ってましたけど・・・・

まぁ確かにあの講演テキスト読みますと、今までは展望レポートでこっそりと話をしていたり、須田委員あたりがこっそりと言っていた「量的緩和政策はゼロ金利+時間軸」という理屈が堂々展開されているので、日曜の午後に初めて気が付いたあたくしも「こりゃ月曜のネタが出来た」じゃなくて「おお!これはやりますなぁ」と思ってしまう訳ですな。

ちなみに「量的緩和はゼロ金利+時間軸」という理屈には「従って時間軸効果が維持できてゼロ金利が継続していれば当座預金残高の量の多寡は問題にならない」という理屈がおまけに付いて来ます(^^)。


量的緩和の「弊害論」などによりますと、市場機能の復活が大事だというお話があるわけでして、当座預金残高引き下げ→長めの短期金利が上昇って連想も働く(実際にそうなるかどうかはともかくとして)わけで、そんな話を5年国債という中期国債入札直前にぶち上げてしまう日銀の間の悪さには感心してしまいます。入札前だからヘッジ売りが嵩んだというのもある訳でして、形としては「日銀が当座預金残高目標引き下げの検討を示唆しただけで長期金利が上昇ですが何か?」という事になってしまうという実に香ばしい月曜の相場でありました。

今日の入札が注目されます。普通に考えると無問題のはずなんだが・・・・

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2005/05/12

○みなさま我慢がよろしいことで・・・

昨日の債券相場。まぁ当然ながら寄りから元気よく先物が上昇したわけですが、業者間気配を見る限りでは現物債は物の見事に追随なしモード。またまた先物独歩高ですかそうですかという展開ではありましたが、さすがに現物債の諦め買いがないのに債券先物だけ持ち上げるのも無理があるという事なのか、途中から先物もダレると言う展開。

で、先物がダレだすと現物債の買い注文が残るような形になりまして、先物独歩高モードが緩和される格好になりましたんで、「相場が下がったら買いも入るでしょ」って状況であることには変わりなしというのもまた現実であるかと存じます。まぁこの調子で「相場が上っている所では買いたくないけど下がったら買う」という状況で、需給を崩すものは「新発国債の発行」と「新規運用資金の流入(ようするに年金ニューマネーと言われる物)」という毎度お馴染みの展開が継続するものと思料。

ま、この調子だと償還が伸びる6月債は人気化するという毎度お約束のパターンになりそうですな。

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2005/05/11

○10年国債入札が終わりましたが

昨日の10年国債入札ですが、入札前の前場引けはほぼ安値引けという形になっておりました。入札時点でのプライストークの段階では「いやまぁ良くぞここまで売り込みましたなぁ。で、何かあったの?」という感じでして、入札そのものは事前ヘッジのコストを考えたら(前場引けが殆ど安値引けなので)ちょっと位高い所で応札しても無問題だし大丈夫じゃネーノって話でした。

で、後場の寄りからいきなり先物持ち上げ攻撃なんかがあって、「こりゃもしかして予想以上に強い入札なの??」と思わせる場面もありましたが、蓋を開けてみるとまぁ想定の範囲内の結果。その後の動きを見ていると現物債が全般的に重くなり、新発10年国債もヘロヘロの動きになっておりました。

「こりゃちょっと販売不調か」という雰囲気で新発政地債のヘッジも含めてヘッジをしたくなる感じになった14時半過ぎにいきなり相場が上昇しまして、引け後も先物上昇。おまけに今朝は米国債が思いっきり上昇しておりますので、今日も先物中心に相場上昇ですかそうですかという所でしょうか。

前場は先物〜10年ゾーンを売り込む動き(6年〜7年ゾーンの挙動も怪しかったですが)がありまして、先物の弱さというかここの所やたら他年限比割高になっていたので、やっと割高修正かと思わせる動きだったのですが、引け際の相場上昇の際にはまたまた先物強い攻撃が復活しており、その点を考えますと「現物債に力強い買いが入って相場上昇」っていう感じもしない訳で、とりあえず10年の1.3%乗せレベルは一旦買っとけば良かったですねと言う話にはなっても、じゃぁ相場が戻っちゃいましたが買うんですか?ってのはまだ良く判らんという感じです。

もちろん、海外要因を見て「やっぱり買うしかないですなぁ」と諦めモードになられる投資家様が出現すればありゃりゃりゃ状態になるんですが。

#日程的に今日は長期国債買入の日なのですが、今日は債券市場ど〜考えても上昇の巻でしょうから、本日もまた2年債とかの短いゾーンの債券しかぶち込まれないでしょうな。狙っている訳でもないんでしょうが、相変わらず短い年限の債券しか日銀の金庫に入らないとは絶妙(^^)。

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2005/04/27

お題「入札合戦は終わらず(か?)」

○2年国債入札レビュー

昨日の2年国債入札。前場の引け時点では0.085%(100.029円)を一生懸命叩いている動きとなっているものの、0.085%は続々と買いが入り0.08%売りの0.085%買い気配で終了。値段に直すと100円3銭9厘売りの2銭9厘買いな訳ですが・・・・・・

既にプライストークの時点で皆様諦めモードに突入。「100円4銭と言いたい所で、本来5銭はいらねぇのだが、大人の事情で入れないといけない部分は5銭に入れておかないと(4銭の按分が読めないので)仕方ないでしょ」ってなお話しになっておりました。昨日の2年新発債に関する「大人の事情」札は・・・・

1.商品品揃えのための在庫確保
2.プライマリーディラーの落札責任確保
3.落札シェア確保

ってのがある訳なのですが、前回の5年国債の入札が市場予想(正確には市場が諦めつつ覚悟していたレベル)よりも更に割高入札になっていた為に2.だの3.だのという「お家の事情」札が多くなるのではないかという見方が優勢というのが真相でした。

まぁ2年国債に関してはここの所同年限の10年既発債などから比較してみるとやや需給が悪くて安めに推移していましたので、そーゆー意味ではそれほど無理して売り叩く必要もない状況ではありました。ただやはり「2年カレント国債0.08%」となると絶対水準的に「向こう1年半以内の量的緩和解除なんてアリエネーヨ」と確信できないと満期保有しにくいレベルではありますので、毎度お馴染みの「どこかの投資家(ってメガバンクしかいないのだが)がほとんど全量お買い上げ〜」みたいな動きは警戒されてましたが落札結果からみるとそれは無かったようです。

今回の入札は久々に大手業者の皆様揃いも揃って2000億円程度の落札(市場推定ベース)になっておりまして落札状況がばらけたので、特定の投資家様全量買入攻撃もなく、とりあえず必要在庫だのシェアだのを意識した分の結果になりましたわなぁという所かと思います。


まぁしかし相変わらず馬鹿入札リターンズであることは変らん訳でして、100円4銭が最低落札価格ではありましたが、按分比率が0.14%と相変わらず豪快な状況(715億札入れしてやっと1億落札ですが)でして、まぁ応札総額が207兆だのとかですので、4銭に兆円単位の応札をした人が最低でも2社(もっといそうな気もするが)いたという事なんでしょうな。実質的には100円5銭という感じです。短期国債状態リターンズというか期初お得意のパターンというか、まぁ困ったもんです。

今回の入札に関しては先ほど申しあげたように2年国債そのものは他の既発債比やや安いこともありましたので、それほど馬鹿馬鹿しく崩れるような展開にはなってませんし、後場寄付きと同時に前場引けのオファーサイド0.08%が一発オールテイクンする元気もあったので「こりゃ大丈夫か?」と思いましたが、結局終わってみれば0.08%がオファー残りで、落札した業者の皆さん揃って1銭1厘やられという情けない結果となりました(今月発行の231回債が0.07%じゃあ仕方ありませんというか発行まで1ヶ月近くあることを考えると2年231回債から利回り引っ張ると0.085%でもおかしくない)。また馬鹿入札復活でありますな。残念!



ということで、結局今月実施された入札は最初の10年債が一番真っ当でして、その後の入札は馬鹿入札の連発。短期国債方面では100円落札が2発ございましたし、期初独特の伝統的年中行事と言ってしまえばそれまでですが、相変わらず進歩なくしょーもない消耗戦が今期もまた繰り広げられるのでありました。大人のやる事はよく判らんのですが、毎度毎度入札で消耗戦やってどうなんでしょうかってお子ちゃまのあたくしは思うのでありました。

そんな中で先日財務省様が「短期国債で最低落札価格が100円になった入札は国債市場参加者資格における落札実績にカウントしない」という大変に素晴らしい発表をされていた事はなかなかよろしゅうございました。しかし相変わらず短期国債では100円での応札が随分ある(最低落札価格での按分比率と応札額、各社の落札額から逆算すれば大体予想は付きます)ようでして、まぁ困ったもんだというのは中々改善されないようです。100円で落札して100円で販売してるなら判りますが、どうも業者間気配とかを見てるとそうでは無い様ですし、「大人の事情」にも困ったもんですな。

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2005/04/26

○日本国債清算機関(JGBCC)の稼動

来月2日という何故か連休のど真ん中にJGBCCが稼動開始。ここでJGBCCの話を延々と始めると終了しないので、Google先生でJCGCCなり日本国債清算機関で検索して頂ければ関連資料が出てくると思う(URL忘れた)ので適当にご覧頂きたいわけでありますが、日本銀行さま主催の第9回決済システムフォーラムの議事の概要を見ますと、とりあえず大きな混乱もなく稼動開始という事になっているようですな。

・・・それじゃぁ余りにも不親切なのでJGBCCに関して簡単に申しあげますと、JGBの決済(売買+レポ)を取引ごとに売買当事者間で全て1本1本日銀ネットを使って決済しているのが現在の状況ですが、その決済をJGBCCに一旦集約することによって決済を差し引き合算としましょうってお話。これによって決済量の削減を行い、オペレーショナルリスクの軽減をしましょう(将来のSTP化も狙う)って話ですわな。


当初設立する時は「全てのJGB決済業務をJGBCCで行い、JGBCC非参加者は直接参加者にカストディする」という目算もあったやに聞いておりますが、まぁ案の定スタート当初は「JGBCCを通じた決済と従来どおりの日銀ネット直接参加者同士の相対決済の混在」という形になってしまいましたわな。そりゃ売買やレポをたくさんする業者にはJGBCCのメリットはありますが、別に同日決済で同じ銘柄を売ったり買ったりするわけじゃない投資家さまは「別に?」ってところでしょうなぁとは思いますが。

で、折角JGBCCがおっぱじまるというのに相変わらず困るのは「フェイルは罷りならん」という人がうじゃうじゃ存在する事(確かに他人勘定でフェイルを食らってそれが決算時期だったりしたら説明がややこしくなるから困りますなぁというのは判らんでもないのですが)でして、フェイルが罷りならんという事になりますと、当面他人勘定が絡む売買やらレポ取引はJGBCC決済に持って行きにくいという話になりますわな。

と申しますのは、決済がJGBCC相手になりますといざフェイルが起きた場合にJGBCCにケツを拭かせる訳にもいかないですし、(JGBCCが日銀と組んでそこまでやってくれるのなら凄いがスタッフ15人とかではどうしようもないでしょ)疑心暗鬼モードの担当レベルとしては「誰がフェイルの犯人か判らないのを良い事にフェイルする奴が出てくるんじゃネーノ(杞憂であって欲しいが)」というのもありまして(フェイルが多い不届き者はJGBCCでも方策を考えているようですが)、当面は相対決済と平行していく事になるでしょうな。


あとテクニカルなお話しとしては、レポ取引をロールオーバーする際のお話しでして、現在はロールオーバーにおける決済は「中抜き」する事によって「すくみ」状態にならないようにしておりますが、JGBCCへの移行段階では返済新規扱いをする必要があり(移行後のロールオーバーは無問題)ますので、恒常的にマーケットで業者がショートしているような銘柄ではフェイルが発生する懸念がありますので、5月2日以降暫くの間(決済日ベースでは連休明け以降)は決済がらみでややこしい事が起きるかもしれませんな。まぁレポ担当者も暫くは慎重にJGBCCへの移行を行うようですので、そんなに大騒ぎにはならないと思いますが。

ま、その他本件について書き出すと長々となりますし、何かここで書いていいのか良く判らん細かいお話しもあったりなかったりするのですが(と妙な書き方でスイマセン)、まだあたくしも問題点の整理がイマイチできていないのでとりあえずこんな感じでしょうか。

しかし相変わらずなんですが、フェイル慣行を定着させてくれないと困りますな〜とは思うのですが。。。。。

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2005/04/25

お題「4月の入札を振り返って(という程偉そうなものではない)」

目の前で月曜おなじみの某経済評論家のお方がニッポン放送買収騒動のお話をしているのですが、ライブドアの大幅株式分割錬金術に対して「自由化をすると制度の不備を突く行儀の悪い人が出てくるが、市場には自ずと節度が求められるのではないか」などと偉そうな事を仰せでありまして朝から血圧上昇ですな。騒動の真っ最中にはお前はライブドアを散々マンセーしていたんじゃないかと小一時間問い詰めたい訳ですが(-_-メ)。

それはともかく。

○期初になったらまたまた入札頑張り攻撃復活ですな

明日は2年国債の入札が予定されておりますが、とりあえず先週の木曜に行われた20年国債入札で今月のでかい入札は一巡しました。で、一巡した結果なのですが、こんな感じかと。

・プライストークよりも強めの落札結果が復活

昨年度の終盤では事前のプライストーク並みと申しますか、前場引け後の業者間売買気配とだいたい同じくらいの結果で落ち着くというパターンになっていたのですが、今月実施された入札はどれも事前のプライストークよりも若干強めの入札になりました。特に強めだったのは5年国債でしたが、さすがに先日の20年国債は学習効果が働いて前場引け最終のインチキ気配を綺麗に無視してプライストークそのものが強くなってしまいました(^^)。


・期初から頑張る業者様

債券相場では昔からの伝統行事として「国債入札の落札結果を自ら進んで公表する」というのがありまして、金融ファクシミリ新聞という金融市場の中でも局地的な人しか知らない(がその局地では知らない人はモグリとされる)媒体その他のニュース(日経クイックとか)で何故か各社ごとの落札額が自己申告ベースで公開されてしまいます。他市場の人たちから「何でわざわざ手口を公開するんですか?」と不思議がられる訳ですが、まぁ「新発国債を沢山落札してますから皆さん買いに来てくださいね〜♪」ってアピールする便利な方法なので行われていると思ってください。

前置きが長くなりましたが、4月に入ってからの入札で目立つのは上記自己申告ベースによる市場推定では日興シティ証券さまの落札ぶりがやや目立つところとなっておりますな。まぁ期初(なのか?一応外資だしなぁ)になってから方針でも変更したのかどうかは存じませんが、落札シェアを意識したような雰囲気が漂って来る訳でございまして、野村證券様とみずほ証券さまが競うように落札する一角にわざわざ飛び込まなくても良いだろうにと端から見てると思うのですが、まぁ色々と大人の事情があるんでしょうな。

国債市場特別参加者(いわゆるプライマリーディーラー)も参加者が2社(カリヨン証券とABNアムロ証券)増えましたし、円債というかJGBに関して頑張るお方が増えているというのはあたくしのように市場のおこぼれを拾って棲息している人としては雇用機会が広がる可能性がある(なんてことはないですかそうですか)ので大変に結構至極なお話でございます(^^)。

・深い意味は無いが2年国債入札に注目

と言うことで、明日は2年国債入札。別に2年国債は相場にどうのこうのという影響はないのですが、シェア争いモードになる馬鹿入札が連発するのは「やられ限定」の2年国債というのが定番になっております。今までは野村證券VSみずほ証券の一騎打ちあるいは両社参加せず真っ当な入札というパターンが展開されておりましたが、はて今回はどうなるんでしょうか。物凄く馬鹿馬鹿しいお話ではございますが注目したい所ではあります。馬鹿入札と判っていても落札ゼロだと商売が始まらない(し、プライマリーディーラーだったりすると落札責任額というものがあるのでボウズだとちと問題あり)ので泣きながら落札するその他業者にとっては誠に迷惑至極ではございますな。

まぁ馬鹿入札といえば短期国債(と政府短期証券)の入札では相変わらず100円落札が横行しておりますが、まぁ色々と営業政策上の理由とかあるから仕方ないのは判らんでも無いですが、100円で落札したものを次の瞬間に100円未満のお値段で売却するのも如何なものかと存じますわな。マイナス金利で資金調達できている訳でもないでしょうに。まぁ大人の事情があるんでしょうな。お子ちゃまのあたくしには判らん。

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2005/04/19

お題「終わった相場の後講釈とその他雑談」

昨日の株式市場では日経225構成銘柄全部が下落というあんまり記憶に無い展開。日経225寄与度順の値上がり&値下がり上位銘柄ってのを見たら(全銘柄下落なので当たり前ですが)値上がり寄与度1位の欄には前日比3円安(寄与度0.126)の三菱重工が・・・・とほほ。

という訳で、株式市場は下落した訳ですが、債券市場の方はと申しますと、需給関係もありますが景気腰折れを株式市場よりも先に織り込みにいった(債券相場が先行するのは珍しいことです)ともいえる展開(なのか?)だったせいか、今年最大の平均株価下げにしては債券相場の上昇は先物で33銭でしたんで「ふ〜ん」って感じでございました。


○絶賛会議中?

昨日の債券市場、寄り付き直後は先物が下押しして20年あたりの伸びがイマイチだったのですが、9時半あたりから先物が上昇して20年ゾーンがいきなり上昇しました。その後は前場中延々とじり高推移でしたが、後場になるとイールドカーブ上超長期ゾーンが強含みになる局面もあったのですが、先物は140円18銭〜14銭くらいのレンジでひたすら動かないという展開になっちゃいました。

はてどうしたことでしょうと思いつつ、今週号の日経公社債情報を読みますと、ちょうど「2005年度の運用方針を聞く」みたいな特集記事がございまして、その中で銀行業態の皆様は10年国債利回りの想定レンジを言わされているのですが、揃いも揃って10年金利の下限が「1.3%」になっております(農林中央金庫のお方だけ下限1.2%)。アンケート回答期限がいつなのかは存じませんが、まぁいずれにせよ「10年国債利回り1.3%を派手派手に割れ」というのは「想定の範囲外」って奴でしょうから、昨日の後場は運用会議絶賛実施中にて相場が動かなくなったと見ました。

本日どうなるのか、結局日本株次第(米ナスも上昇してるしNY引け後に発表されたTIの決算が事前予想よりは良いようなのでちったぁ戻りませんですかねぇって感じですが)なのですが、さてどうなんでしょ?


ま、あくまでも(良く外れる)あたくし的な印象ですが、昨日は「そろそろ売るものが無くなって来ましたな〜」って感じを受ける所でして、目先は株式市場が戻って少々下落しても現物債には押し目買いが入りそうな予感がするんですが、そんなことを書くと寄りから渾身の売りが出ちゃったりしてね、えへへ。でも上記した日経公社債情報の感じだと債券残高を予定通り積めてない人が多そうですなぁ。

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2005/04/18

○いまさら15年変動国債が重くなってきたようですが

金曜日の債券市場はNYダウの下落あんど日本株指数の下落って事で見事に上昇した訳ですが、そんな中で気になったのは15年変動利付国債が何となく売り物勝ちになってきた事です。

フツーに考えますと変動利付国債なんですから相場が高値圏だと思えば固定利付債からの入替ニーズが発生しそうなもんなのですが、どうもここへ来て変動利付国債の上値が重いということですんで、まぁ投資家の皆様におかれましては「こりゃ相場が下がらないんじゃネーノ」と思い出していると見ました。

で、週末は豪快にニューヨーク株式が売られて帰ってきましたので、本日もまた同じような展開が発生するとは思いますが、それにしても何か「ここまで買わないでいたんですね〜」って感じではあります。まぁニューマネーの流入って奴もあるんでしょうけど。

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2005/04/15

○「30年国債入札メモとFB100円落札」

30年国債入札と言いますと「滅茶苦茶強い入札になって恐怖ブルフラット」か「ボロボロの入札になって恐怖スティープニング」というのが恒例行事になっておりましたが、昨日の入札は珍しくも前場引けの業者間入札前取引気配と同じところで決着するという穏当な結果になりました。まぁこれじゃあ当面は株価しか材料ありませんな。その株価が動きそうなのでそれはそれで使える材料ですが。

昨日の補足から。

○3ヶ月ものFB100円落札問題補足

昨日もあちこち聞いて回った訳ですが、まぁ要するに足元の玉不足を反映したものだという感じ。ちょうど期末にペイオフ解禁という名目があったので運用サイドが足元資金の運用を抑えていた反動で玉不足になっており、そこに期初なので元気な業者が販売用の玉確保をしたがっていた事とぶつかったという感じのようです。

昨日申しあげたように、100円で落札したFBは日銀の資金供給オペがゼロ%にならない(国債買入でも出来上がりがゼロ利回りになる債券は買わないです)ので、普通に日銀相手にファイナンスをつけると見事にコスト割れなんですが、まぁ期初で営業政策上販売玉を確保しておきたいとか、落札実績というかシェアを期初に確保して取引の活発化に寄与したいとかいう、合理的だけど合理的じゃない理由(謎)に伴った動きがこの結果だということで。

昨日は100円落札ケシカランと言うことで短期国債売却オペが実施されました(そういえば昨年12月に短期国債100円落札があったときにも同じように短期国債売却オペがありましたが)。結果は落札利回り0.001%と言うことで、足元の運用圧力も結構ありますなぁって感です。

ま、期末の反動で足元の運用圧力が掛かっている事と、期初の業者の営業政策上の要請のダブルパンチという解釈でよろしいのかと。

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2005/04/13

お題「相場雑談」

#今朝は相場雑談で勘弁。

○5年国債入札レビュー

まぁ大体「積極的な買いは期待しにくいかな」などと書きますと入札が強くなるのですが・・・・・

・前場〜前場引け

昨日は米国株の下落を受けて(なのかどーかは知りませんが)朝から確りのスタートとなりました。しかし前日の5年44回債の引値が0.545%ってことからクーポン設定が微妙なラインにあったことからとりあえず5年債の前日比5糸強レベルには売りが出るという形になりました。肝心のクーポン設定は0.6%となりまして、とりあえず一安心という感じではありましたが、特に好感した動きがあったとも見えない状況で、前場の引けは先物が売られて前日比変らずになりました。

ところが、前場引け直前からそれまで弱体モードだった5年債新発ゾーンがやたらと確りとなりまして、前場の先物高値近辺でも5糸強だった5年44回債が前場引けでも5糸強の0.54%、5年45回債も最終出合いは0.545%となりまして、5年カレントだけ復活という入札する側としては困ったちゃんの入札となりました。

事前のプライストークは前場引け際の雰囲気を受けまして「100円26銭(=0.545%)で足切りになれば御の字ですか?」って話になっていたのですが、結局引けの雰囲気が継続してしまい「28銭(=0.541%)もシャクですが入れますか」という話にはなりました。

・後場

案の定後場は寄りから先物が前場引けから6銭とか上昇してスタートしたのですが、落札結果発表前に先物がじりじりと上昇する中で5年ゾーンの伸びはイマイチとなりまして「???」と思っていた所、落札結果は平均29銭の足きり28銭で按分36%と強い結果。結果発表後なぜかワンタイミング置いてから先物が上昇した訳ですが、ふと気が付くと前場引けから先物が20銭とか上昇しているのに、5年45回債の業者間気配は0.535%オファーの0.540%ビットとなっておりまして、何と平均落札価格から2銭(まぁ5糸)上がオファーサイドという情け無い状態になりました。

引けにかけて先物が売り込まれたこともあり、やや現物債の気配は復活しまして、大引けでは先物139円53銭に対して5年45回債の気配は0.53%−0.535%となりましたが、結局入札そのものは「日中値動き的に見て一番割高な所で買わされた」という格好になってしまいました。ナンノコッチャという感じの入札ではありました。


・ニーズがあるにはあるんでしょうが・・・・

市場推測によりますと大手銀行系の証券会社が3000億円以上と大きく落札しておりまして、「落札者不明」の札も3000億円ほどあるということですんで、まぁどこかの大手銀行さまを始めとする銀行業態の大きな方にはニーズがあったようですが、入札が結構つよつよだった割りにはその後イールドカーブ上で5年ゾーンがドンドン強くなることも無く、っていうか結局元の木阿弥に戻ってた訳ですな。そう考えますと、今回の入札は「プライマリーでのニーズで目先終了」って感じもしますし、とは言っても相場が上昇しているのですから相場が弱い訳でもなく・・・・・

ま〜とりあえず「入札段階は行ってみましたけど今の所追加して買いには行きませんです」くらいのもんなんでしょうが、債券市場がこの調子でじり高モード(昨日はそれなりに上昇しましたが)になっておりますと、またも炙り出し大会になってしまうかな〜などと思う次第でございます。


○というわけで炙り出し攻撃のようですが

米国市場では例によって債券高株高攻撃ですんでどっちに反応するのかよーわからん所ですが、流れとしてはまぁ債券市場の買い方向になる方に反応するでしょうなぁって所ですか。こ〜ゆ〜じり高状態で何となく出てくる戻り売り(あんまり出てないようですが)を何となく消化しながら本格的な上昇をしないでちんたら上昇というのは売り方に取って「蛇の生殺し」的な相場ですわな。まぁ昨日の5年国債はそれなりに買いが入っておりましたが(^^)。

目先気になるのは「当座預金残高目標引き下げ」くらいという感じですし、何だか債券市場は消化しちゃっているのか消化してないのかよく判らんのですが、あたくしがこちらで申しあげておりますように、状況はどう見ても「近いうちに当座預金残高目標をなし崩し的(政策ロジックを気にせずに後付け理屈をつけて)に引き下げは必至」という感じですんで、それなりに債券市場はこの材料を消化しちゃっていると見た方がよさそうに思えます。

となりますと、明日の30年、来週の20年という超長期ゾーン2発の入札を無事に切りぬけられるかしかポイントが無さそうですな。「相対的比較」での買いで消化しづらい債券ですんで、まぁ30年はともかくとして、1.9%台前半(ここから上昇すればの話ですが)の20年債が入札で無事に捌けるのかが注目材料と言う感じで、まぁ来週の20年入札までこの調子の相場になりそうですな。

ではでは。

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2005/04/11

○相場が下がらねぇ〜

金曜は機械受注統計が発表されました。で、機械受注の数字は事前予想の前月比2%台後半を上回る+4.9%と強い数字。債券先物はその瞬間は売られたのですが、下げはほんの1−2分程度という状況。機械受注発表で下落した瞬間を待っていた押し目待ち軍団の買いが相場を戻しまして、何とその後指標発表前の価格よりも先物が上昇する(そもそも押し目が10銭ちょっとしかなかったが)という有様で、その余りにも下がらない状況に脱帽。

何と言うかどこまで「様子見」だったんだかって感じではあるのですが、「材料が出て相場が下落」→「すかさず押し目買い」ってのが段々強力化している悪寒であります。需給要因恐るべしといった所か。

大体木曜日に福井総裁が国会で思いっきり「当座預金残高目標引き下げ」に関して踏み込んだ発言をしているのに相場が反応しないから変だなぁとは思っていたんですが、ここまで押し目買いをしたい人がいるとは驚きでございます。今週は5年と30年国債の入札がありますが、この調子だとなんか全然問題なしって感じになりそうですな。

ただ、相変わらず現物債は循環物色といえば聞こえがいいのですが、どちらかと言うと「買いが来ているゾーン以外は重い」という風な動きをしているというのが実感でして、まだ様子見でございますかって感もございます。こんな感じで相場が推移しつつ、皆が痺れを切らした所で2月みたいな景気の良い相場がやってくるんでしょうなぁ。同じパターンですな。

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2005/04/06

○10年国債入札レビューなど

じり高だの書いたら相場下落というお洒落な展開で誠に困ったものですが、思いのほかドル上昇が効いてしまう形になってしまい、20年やら30年ゾーンがダメダメになっちゃいましたな。必ずしも海外勢の売りではないと思うんですが、円安→海外勢円債売り→海外勢と言えば超長期国債というのがお約束の発想になりますんで、まぁその発想に乗って先回りで動くという人がいたのかも知れませんな。

で、昨日の10年入札なんですが、朝一では相場水準が若干下がりながら10年は堅調に推移していたんですが、20年ゾーンが朝方から重くて、10時過ぎになってから下げが加速しました。10年ゾーンもそれにつられて弱含みとなりまして、前日比1.5毛甘水準を割り込んだあたりからヘッジ売り大作戦が加速して前場はほぼ安値引け。

最近は業者間気配とプライスアクションを参考に入札の札読みをするという訳の判らんことが趣味となっているあたくしでありますが、昨日の入札に関してどう考えますかってお話を少々。

昨日の場合は月末から10年ゾーンがイールドカーブ上弱含みになっている上に、前場の時点で相場水準も下がり、ついでに10年ゾーンも弱くなって引けておりました。こ〜ゆ〜時は業者の事前ヘッジがかな〜りワークしております(昨日であれば前場引けの実勢が3毛甘でしたが、本格的にヘッジ売り攻撃が始まったのが1.5毛甘くらいからだったんでまぁ当日に売った人の平均売りコストは2毛くらいでしょう)ので、前場の引け時点での気配より入札が強くなりやすい。

プライストークが始まる段階では20年ゾーンが弱かったり、実質安値引けの雰囲気から案外弱い話が多くて、「5銭単位だったら60銭ー55銭じゃネーノ」などと開口一番言ったら「えっ?」って言われちゃうわけですなこれがまた。まぁ確かに20年ゾーンに売りが出ている雰囲気なんで、その分応札が減る懸念もあって入札は流れるんじゃないかって意見もあったんですが、まぁ昨日のような場合は業者の方に余力がありますんで、そんなに酷い話にはならないですな。

という訳で、落札結果は前場引けの実勢から見るとちと割高って感じでしたが、まぁこれは想定の範囲内って奴でございましょう。落札結果発表後に相場はいったん戻ったのですが、良く判らんですが引けにかけてまた売られちゃいましたんでそんなに売れているわけではないのでしょう。その結果見てから言うわけじゃないんですけど、入札が堅調だった割には応札倍率は3倍ちょっととごく普通の印象を受けまして、まぁ皆さんそれなりに応札を絞って(というか入札額が増えた影響だけかもしれませんが)満額狙いでドカンとかいう変な札入れをせず、一応警戒はしていたんでしょうなぁって感じでした。

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2005/04/04

○期初の益出しからスタートのようで

金曜日の朝発表された日銀短観は市場予想と言われていたものよりも悪い結果。とは言いましても、どうも直近出ていた経済指標が宜しくなかった事もありまして「事前予想数値よりも良くないのではないか」という見方はあったらしいですが。

で、寄り付きで当たり前のように買い気配になったのですが、ものの3分で大幅下落開始。まぁ上に行った分だけ反動で下までやったんでしょうが、それにしても9時51分の安値139円割れには驚いてしまいました。さすがにそこまで下がると月末月初お得意の買いやら押し目買いやらで戻るの巻となりました。

後場の反発局面では前場の下げの反動(笑)で今度は寄り付き近くまで戻りそうになる場面もありましたが、結局債券先物は前日比2銭高で終了。いやはや疲れる展開でございました。

で、まぁとりあえず金曜日の相場から何となく見えた話としては「何かの材料が出て相場が吹き上がったら売りたい」という人がいるというのと、「でも下がった場合は買いたい」状態で、そういうお方は「下がったら買うけど上ったら買わないよ」ってなもんなんでしょうな。

先物オプションがこれだけの派手派手な値動きの割にはボラティリティー上ってないのは、まぁ投資家の皆様がそんなに大きな相場の上下を見ている訳ではなく、戻り売り+押し目買いモードのまま継続されているという事の反映なんでしょうな。この調子ならたぶん「じり高」になるんじゃねーのかという勝手に思いますが。(後日追記:編集作業を5月1日に行ったのですが、トータルすれば4月は「じり高」が当たっていますわな。で、儲かりましたかと言われるとノーコメントなんですが・・・)

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2005/04/01

お題「期初ですが期末レポの話」

今期もよろしくお願い致します。今日は朝っぱらから日銀短観な訳ですが、事前にここまで相場が踏み踏みモードで上昇しちゃってますんで何かよほどの事がないと「指標を見てどうのこうの」って感じにはならない(内部要因での動きしかなさそう)と思われますが。。。。。って書くとまた指標に素直に動いたりして。

本日はちと古いのですが期末越えレポに絡んで。

○期末越えのレポ金利が上昇していた訳ですが

債券市場では月内最終受渡の売買が28日に行われておりまして、まぁそのあたりで債券取引業者は月末の残高がほぼ見えて来る訳です。で、その在庫ファイナンスのために行われるGCレポ取引市場では28日引け後の最終時点では0.15%〜0.20%まで金利が上昇するということになってしまいました。29日火曜日の日本経済新聞マーケット総合1面に載っていたからご記憶に新しいかと存じますが。

で、まぁ毎度おなじみの如くこちらの記事はちとアレな物がございますので、不肖あたくしがもうちょっとご説明申しあげようというのが本日の趣旨であります。つーか忘れる前にメモしておくってのが正解ですが(汗)。


○そもそも何で突如期末越えのレポ金利が上昇したか

新聞記事などの後講釈によりますと、「ペイオフ全面解禁を控えた動き」って事になっているのですが、ペイオフ全面解禁なんちゅうものはもう大昔から予定が入っているものでして、その直前ギリギリになって慌てるのは相当のアフォ以外にはあり得ませんわな。もう一つの可能性(というか常にそうなんですけど)として「この手のイベント直前にいきなり金利が予想外にぶれる」要因としてあるのが「全員楽観視してたら予想外の事が起きました」って所でしょう。

だいたい大昔短期金利がそれなりに動いていた時でも、期末越え金利が直前に乱高下する時ってのはその前に「いや〜今期末は無難に終わりそうですな〜あっはっは」などというコンセンサスが出来ている時だったりする訳ですな。だから世の中笑えるのですが(^^)。と言うことで、必ずしも間違えとは申しませんが、「ペイオフ全面解禁を控え」期末越えのレポ金利が上昇したというのはミスリードしやすい書き方ですわな。


じゃあ何で期末越えのレポ金利が上昇したかと申しますと、その前に日銀が行った短期金融市場における公開市場操作が市場の需給をいきなり狂わせたんですな。

3月24日に日本銀行は何を思ったのか28日スタートの国債売現先を1週間ものと2週間ものという期越えもの2本立て4000億円×2でオファーしてきやがりました。現在は銀行業態が基本的に預金超過であり、保有国債の在庫ファイナンスを常に行わなければならないっていう状況にありませんので、必然的に国債現先オペってのは債券ディーラー(=証券会社)の在庫ファイナンス(というか資金繁閑の調節)あるいは資金ディーラー(これは銀行も含む)の鞘取りとして利用されるケースが多くなります。で、証券会社としては3月24日などと言う時点で期末の残高は全然確定できない時期ですし、資金放出(売り現先は日銀から見たら資金吸収)なんぞするタイミングではありません。期間がもうちょっと長ければともかく、1週間やら2週間如きの期間の資金運用で期末越えファイナンス勝負する奴はいませんので、当然ながら2本とも札割れと相成りました。(って長くても多分ダメだったと思うが)

でまぁ2本とも札割れしちゃたんですが、これによって「期末越えの資金吸収オペが大きく(オファー合計8000億に対して応札が合計5300億)札割れ」→「期末越え資金の需給懸念」→「アヒャヒャヒャヒャ」というお話になる訳でして、ベタ凪状態だった期末越え金利に警戒感が絶賛大浮上したのが大きな要因だった訳です。あっはっは。


○何を考えているのか判らん調節

で、これだけで終わっていればこのオペの評価として「期末越えをお前ら安心しまくっているけどちったぁ警戒しなさいな」という日銀からのシグナルと市場が勝手に解釈するって話で終わったのですが、何を考えているのか良く判らん公開市場操作が翌日25日に実施されたわけです。

「国債買現先4000億円、3月29日〜4月7日」ってのがそれなんですが、確かに日々の資金需給を均すために資金吸収と資金供給をある程度細かく行う必要があるのかもしれませんが、資金吸収をした翌日に同じような期間で資金供給を行うというのはど〜ゆ〜ことよってお話ですわな。この一連のオペレーションで期末直前にいきなり市場の需給が妙に狂ったのが「思わぬ金利上昇」の一因になってしまったようであります。

そもそも当座預金残高目標にレンジがあるし、一応ペイオフ解禁というイベント(実際は全然問題ないのですが)も控えている期末直前に、資金吸収(しかも相対的にファイナンス能力が低い証券業者向け)を行うというのが意味不明。ある意味日本銀行も「ペイオフ解禁無警戒モード」だったんじゃないのかなぁって思うところであります。


○ロンバード貸出よりも金利が上っちゃいましたが

国債レポ取引ってのは当然ながら国債を担保にした資金調達な訳ですから、本来はその国債をロンバード貸出の担保として使うという選択肢がある筈なんですが、ロンバード貸出の金利を上回ってレポ金利が上昇。ロンバード貸出を短期金利の上限にするっていう政策意図が相変わらず達成されない訳ですが。

日経新聞の記事にもありますように、このロンバード貸出がそもそも普段あまり機能していませんで「お試し借り」位しか利用されていない(短期金利がゼロに張り付いているんだから当たり前ですが)こともあって、こーゆー咄嗟のときに使うのに慣れてないというのがまぁ原因でしょう。まぁ期末越えのレポ金利が新聞報道の上限あたりの0.2%として、期末最終調整で500億円ファンディングした場合に、ロンバード貸出の0.1%と幾ら違うのよって事を考えますと、136986円でございまして、14万円の節約のために普段使い慣れていないロンバード貸出を利用するかって話になりますと、万が一チョンボした時のリスクおよびやり慣れない取引をする手間隙に対して間尺に合わないでしょうってのが結論になる訳ですな。よって金利上昇となったわけで。


○つーわけで誰も警戒してない時に不測の事態が起きる訳ですな

小見出しの通り(^^)。今回の期末越えは「ペイオフ解禁」というイベントはありましたが、金融機関は揃いも揃って預金超過ですし、そもそもペイオフ絡みの話は定期性預金がどうのこうのというときにやっておりまして、今回は流動性預金のペイオフ解禁が主眼。その流動性預金は「決済性預金の全額保護」という新たな保護策があって、ついでにコール取引も保護対象なんで、政府当局の偉い人が大げさに言うような大層なものではないということで、期末に関して無警戒が過ぎたって事でしょうか。

まぁこれを期にロンバード貸出の利用へのインセンティブが高まるとか、ちったぁ危機管理もしておかなきゃって話になれば、瓢箪から駒と申しますか、意外に良い結果になるのかもしれませんね。


#期初なのに終わった期末の話をするとはしかし抜作ですな>自分


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