相場見通しあるいは後講釈
こちらはあまり当らない相場見通しやら相場後講釈やらを書いております。目先の話をかなり大真面目に書くと呪いが掛かったかのように大外れするのがある意味売りなんですが。。。そんな見通しばかり書いていても何故かディーラーを続けている訳でして、ってこれでも真面目に論評している積りではあります。
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2004年度下期分
2005/03/29「もしかして来期の期初は買いからですか?」
2005/03/25「入札レビューなど」
2005/03/24「相場雑感と2年国債入札の注目点」
2005/03/18「大盛り上がり20年国債入札メモ」
2005/03/16「動かない相場と書くと相場が動く訳だが」
2005/03/15「ネタなし相場と15年変動利付国債入札」
2005/03/14「またまた相場雑談」
2005/03/11「5年国債入札レビューなど」
2005/03/10「相場雑談」
2005/03/04「色々有った3日相場のメモ」
2005/03/03「10年入札メモ」
2005/03/01「福井ショック!」
2005/02/16「30年国債入札レビュー」
2005/02/09「相場に一言メモ」
2005/02/08「コメントの仕様が無い債券相場に一言メモ」
2005/02/07「イールドカーブ大暴れの相場後講釈」
2005/02/04「10年国債入札レビュー」
2005/02/03「10年国債入札」
2005/02/02「相変わらず謎の相場ですな」
2005/02/01「総強気相場未だ至らず」
2005/01/17「機械受注ショック相場後講釈」
2005/01/14「5年国債入札レビュー」
2005/01/13「5年国債入札展望」
2005/01/11「相場メモ」
2005/01/07「10年国債入札レビュー」
2005/01/06「10年国債入札大予想」
2004/12/30「来年のテーマは?」
2004/12/28「年末モードで謎の下げ」
2004/12/13「先物一人旅相場」
2004/12/10「5年国債入札などの後講釈及び見通し」
2004/12/03「10年国債入札レビュー」
2004/12/01「当面の相場材料棚卸し」
2004/11/30「国債入札制度に関するドラめもん的雑感」
2004/11/26「一大割高入札になった2年国債入札レビュー」
2004/11/18「当座預金残高維持が大変になってきているようですが、というメモ」
2004/11/17「20年国債入札レビューというか備忘録」
2004/11/16「取っ掛かり材料難相場の後講釈その他」
2004/11/12「相場レビューメモ(二日酔いで死んでいたのでメモになりました)」
2004/11/10「入札レビュー:炙り出し相場の香り」
2004/11/09「5年国債入札見通し」
2004/11/08「水野温氏さん次期日銀審議委員内定報道を受けて」
2004/11/05「相場雑感」
2004/10/28「気迷い相場:2年国債入札」
2004/10/25「書いた見通しが見事に外れたので後講釈と懺悔」
2004/10/22「連日のブルフラットを受けた相場後講釈と相場見通し」
2004/10/20「30年国債入札レビュー」
2004/10/15「第U非価格競争入札」
2004/10/13「久々に相場見通し」
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2004年上期
2003年下期(工事中)
2003年上期(工事未着工^^)
2002年下期(工事メド立たず)
2005/03/29
○期初はもしかして買いからなのでしょうか?
昨日の債券相場は先物の出来高1兆2000億ちょっとって数字に表されるように期末受渡にしてはというか期末渡しらしくというか思いっきり動きませんでした。
で、まぁそのまるっきり動かない相場なんですけど、昨日だけではなくここ数日の場中の雰囲気を見ておりますと、これがまた「下がりにくい相場」って感じなんですよね〜。昨日なんかでも平均株価が上昇しようが、ドル円市場で円安に振れようが無問題って感じで「前日比安くなると買いがご到来」って動きになっております。
先週後半の相場上昇が主に中期債というか5年債のカレントゾーンが引っ張るといういかにも「大手銀行さまご購入」という雰囲気(真相は知りませんが、だいたい相場が下がらなくなってきてから中期債に買いが入る時は大手銀行さまというケースが多い)。中期債にそれなりの買いが入り、相場全体が上昇するという事は、その買い方は入替売買ではなくて概ね単買いと見るのが妥当な線でして、その動きが期末ギリギリになっていきなり出てきたという事は、「結局世の中の皆様債券残高足りないんですね♪」ってお話になる訳でして・・・・・
以前は「あ〜た1.3%台なんかを期初でやっていたらいきなり益出し売却からスタートですよ」などと思っておりドラめもんでもそう申しあげていたと思いますが、どうもこの期末の雰囲気を見ていますと、先ほど申しあげたように「皆さんもしかして債券残高不足っすかぁ?」って感じが漂って来るわけでして、この調子では期初の益出し売却なんぞで相場が下がった場合には早速押し目買いが到来しそうな感じですな。
もちろん日銀短観が期初一発目にあるので、短観の数字次第ではあるんですが、平均株価が12000円を上抜けて威勢良く上昇しない限りという前提つきなんですが、どうも「相場の位置が高いから期初は益出し売り」というのは怪しいかも知れませんな。
・・・・何て事をあたくしが申しあげると碌な事はないのですが(笑)。
(4月14日編集時追記:4月1日はサプライズ日銀短観で寄りから急上昇した所へ「渾身の期初の売り」が炸裂いたしました。まぁそこからあっさり値を戻して編集時に到ってはいますが^^)
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2005/03/25
お題「2年国債入札その他レビューでも」
白馬に乗った北尾のおじちゃんは相変わらず血色が宜しく声もでかいですなぁ(笑)。最初にニュース聞いた時に「白馬に乗った孫正義」の図を想像して茶を吹きそうになりましたが、その図から「そういえばベンチャー三銃士とかいうのもあったなぁ」なんて思い出し感慨深いものがありました。あれから5年も経ったのか・・・・・
○落ち着いた入札ではあったのですが・・・・・
昨日実施された2年国債入札。ここのところ債券相場全体が堅調推移する中で何となく放置され状態にあったゾーンでして(まぁ下がっている時もあんまり下がってませんでしたが)、おまけに昨日の前場も結構頑張って売っている雰囲気で、入札直前の前場引け時点での業者間取引気配は0.125%(=99円95銭)が最終出合いになっていました。って言っても0.125%のビットを叩いてから売り気配にした形で0.13%が叩かれる気配は毛ほども無かったんですが。
ただ、上記のように「頑張って気配を安くしている」って雰囲気がアリアリでしたんで、事前のプライストークでは「まぁ95銭はあんまり期待できませんなぁ」ってなもんでして、「4月債なんでいきなりシェア確保攻撃が出たらやだな〜」ってお話(昨日あたくしが申しあげたような動き)もありまして、「96銭(=0.120%)按分はさて幾らでしょ?」っていう話になってました。
これで昨年3月の再来ですと、「仕方が無いから97銭に札を入れますか」ってお話になるんですが、さすがに割高入札は馬鹿馬鹿しいですなぁって事でプライストーク段階から「97銭は勘弁でしょ」ってなっておりました。結果もその通りになりまして、平均落札価格が99円96銭で、懸念されていた按分比率も87.6%となり「結構まともに入ったじゃん」というのが第一感でありました。
ちょっと市場で「???」となっていたのは、どうも某最大手証券さまの落札結果が「ゼロ」らしいという話になった時。応札倍率を見ると例によって75倍だのという素晴らしい数字になっていたんで、99円95銭に按分狙いの巨大な応札があったものと推測されるのですが、まさか某大手さまが札を読み間違える訳はないと思うので、「96銭イラネ」って事だったんでしょうか。その割には(債券相場そのものが上昇した事もありますが)落札結果発表後から0.125%にはがっちりビットが入っておりまして、最終的には0.12%のオファーが業者間売買で全部買われてビット残りとなっておりましたんで、まるっきりニーズが無かったというわけでもないようなんですが・・・・・ちょっと不思議でした。
てな訳で、某大手様が行かなかった(市場観測)のも「落ち着いた入札」となる要因になったようで、入札結果が穏当だから安心して良いのかというとちょっとまだよー判らんってのですが、まぁ期末ですんで大人の事情もあるのかも知れませんし、本当の「入札スタンス」は4月頭の10年国債入札まで待たないといけないようです。いやまぁ某大手証券さまが普通に落札してこの結果だと安心だったんですがねぇ・・・・・・
○そんなに買いを待っていたですか!
一昨日の債券市場ではFOMCを受けて下がったら買いがご到来の図で米国長期金利が0.1%上昇しているのに円債は全然下がらずで、後場からいきなりイールドカーブ全体に買いが入ったかのような動きで金利絶賛ご低下。で、昨日の債券市場でも前場は何となく弱そうな動きだったんですが、後場になるとこれまたいきなり相場上昇の巻と相成り絶賛連騰とあいなりました。
決算期末ですからそんなにもう動きはないでしょ何て思っていたら相場が動くというのはまー良くある話ですけど、それにしてもここまで買い圧力があったとは正直驚きました。そんならもっと安い所幾らでもあったんですが・・・・・・まぁ運用しておられる方面の懐具合は不肖あたくし存じませんので勝手なごたくで恐縮至極ではありますが。
5年0.6%、10年1.4%、20年2.0%というポイントを悉く突破して迎えた本日の相場で値持ちするかどうかが注目ですな。
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2005/03/24
お題「相場雑感その他」
○内部要因で動きますモード
米国10年国債が前日比0.1%上昇したからちったぁ円債も下がるかと思っていたら何と先生前日比17銭高。まぁ平均株価が下がったのもありますが、まーこの期に及んでもまだ買いたいお方が沢山(かどーか知らんが)おいでだったということのようですな。だいたいそういう状況の時ってのは理屈後付けなんで、一昨日公表された2月の金融政策決定会合議事要旨で財務省出席者が出した意見(昨日のドラめもんでご紹介しましたが)が「当座預金目標残高引き下げを強く牽制する」という点を買い材料扱いモードになっちゃったりもしていたようですな。既にその話は財務大臣や事務次官から何度も出ているんですが、都合のよい時だけ材料扱いするのは相場の得意技(^^)。
てな訳で、公示地価が下げ止まりを見せようが、ドル円水準が105円台後半になろうが内部需給要因最強といったところですなぁという感じ。結局毎度毎度お馴染みの10年1.4%5年0.6%に吸い寄せられる展開になりました。いやはや何と申しますか先日来の下げは何だったんでしょうなぁって所であります。まぁそもそもは余計な発言(講演)が市場に燃料を投下したからなんですけど。
○下らない意味で来年度を占う入札
本日は2年国債の入札。入札自体はまぁあまり面白くも無いものになりそうなんですが、ちょっとだけ注目するネタがあるとすれば「新年度発行債券の1発目」の入札だという点ですな。
昨年の3月に行われた4月発行2年国債の入札はと申しますと、超越的に取り上がり入札になってしまいまして、某大手証券様が殆ど1社で落札遊ばれましたという凄まじい展開。以前てめぇが書いた駄文を読んでみたらやっぱり事前に「10月から導入されるプライマリーディーラー制度に向けてシェア確保の割高入札になるでしょうな」などと書いておりましたので、まぁ世の中それなりに割高入札を覚悟していましたが、入札結果はそれをも斜め上に逝ってしまう豪快な結果になっておりました。
確か前場引け時点でのオファーサイドの1銭上の按分が1%とかいう無茶苦茶な結果で、2銭上に入れないとまともに落札できないっていう結果で、おまけに市場観測では大手一社が1兆3000億円強を落札、次に多く落とした業者がが500億、200億ってんですから恐怖寡占モード。
で、その後は別の大手さまが報復攻撃の積りなのかどうかは知りませんが、対抗するかのように大量割高落札をしたりしちゃって、本年度上期の国債入札は超大国の全面戦争状態になってしまいました。もう戦場でばっかんばっかんと巨砲大砲を撃ち合うの巻って状態でして、「入札取り上がり割高入札合戦」が半年近く続くという実に馬鹿馬鹿しい戦争モードでしたわな。
まぁ最近はさすがに入札でアフォのように取り上がりすぎた弊害が出てきて、入札が前場引けの実勢から割高になりすぎるから投資家様が入札段階じゃなくて落札後の割安化を狙うようになっちゃったり、体力消耗しちゃったりと心温まる展開になったんでかなーり入札が真っ当になってきたんですが・・・・・・
年度替りでまた同じ下らねぇ取り上がり合戦モードに点火する事の無いように願いたいですが、正直だいぶ懸念しております。「賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ」ってのは鉄血宰相ビスマルクの名言だったと存じますが、経験にもあまり学んでいないと思しき動きが多い「まーけっと」ってのはまぁ何なんでしょうなぁと我が身を振り返りつつ思うのでありました。
来年度の入札が割高合戦復活になるのか、それとも引き続きまぁ妥当な水準での入札が継続してくれるのかは今回の2年と年度替り一発目の10年でほぼ読めると思います。
#すんげぇ下らねぇ話を延々引っ張ってしまった。
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2005/03/18
○20年国債入札に付いて少々。
20年国債入札は久々に盛り上がり入札になりましたな。寄付きからいきなり相場がバッカンバッカン上昇したのでおひおひ大丈夫かって感じだったのですが、久々に強い入札でした。と申しましても、昨日の入札の場合は前場の引けギリギリに業者間スクリーンのビットサイドを叩いてオファーを残すという動きによって最終気配が2.07%オファーになった訳でして、実質的には2.065%−2.07%の気配だったと考えますと、まぁ50銭(=2.064%)の最低落札価格ってのはそんなに驚きの価格でもありませんでした。ただ、入札前のプライストークでは「こんなに相場水準が上昇して入札して大丈夫なのかよ」ってな感じで結構弱気の人も多くて、もうちょっと下に流れるという雰囲気だったのでより「強い入札」という印象が有ったのかと思います。
入札前は10年ゾーンと20年ゾーンの力関係は10年>20年だったんですが、当然ながら入札後は20年>10年と相成りました。しかし2.1%あたりで延々ともみ合っていたはずなのにいくら日経平均が12000円を手前に足踏みしているからと言ってもいきなり入札前から上昇して入札後なお上昇しますかぁと少々驚きの相場でありました。ど〜せ新規資金の流入でもあったんでしょうけど。。。。
#しかし「相場が動かん」と愚痴ってみるもんですなぁ(苦笑)。
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2005/03/16
お題「相場レビュー/いつかみた理屈」
○いや〜相場が動いちゃいましたなあっはっは
昨日のドラめもんで「動かねぇ相場」などと書いた途端に債券市場は先物ベースで先週2回つけた高値を更新するという実に素晴らしい上昇をしちゃいました。我ながらあまりの展開にもう涙が出てしまいます。こういうのを「ネガティブインディケーター」と申しますが、株式市場の一部で「髪(変換ミスではない)」と言われて多くのファンがいるどこかの誰かさんにはまだまだ遠く及びません。精進が必要ですな。あれ???
昨日の債券相場なんですが、もともと9年ゾーンの現物国債がやたらと朝から堅調。このゾーンの現物債はどっちかというと10年国債を買った人がロールダウンを取って期間収益確定って事で売りが出がちなものなんで、このゾーンが堅調だと妙に目立ちますし、まぁ何となく現物債取扱い人間をして「相場堅調じゃん」と思わせてくれます。
で、後場の寄り付き後あたりからいきなり先物がスルスルと忍者のように上昇しだしまして長期ゾーンの現物債の売り物が消えるというパターン。先物が引っ張っているように見える上げ方ですが、業者間スクリーンを見ておりますと先物の上昇が止まると今度は現物債が追いついてくるとか、妙にカレントものが確りしているとかの状況を見ると現物国債に買いが入って相場が上昇しちゃったんでしょうなぁという感じであります。まぁ想像の世界になりますが、「現物債に投資家様の買い」→「とりあえず先物を買ってショートカバー」→「相場が上昇したところで現物をカバーして先物を外す」ってパターンでやっているんでしょうなぁという所。特定のゾーンに買いが入るとイールドカーブ上でそこだけやたらと強くなるんですが、そうでも無く相場が威勢良くあがっている所を見ますと、「全体的に買いが入った」というパターンだったんでしょうな。またニューマネーですかねぇ。
超長期国債入札を前にして相場全体が上昇しちゃうというのは入札する側にとっては迷惑至極なんですが。。。。
○15年変動利付国債入札レビュー
入札前のWI取引は最初α=101オファー99.5ビットから始まりましたが、時間の経過と共にオファーが徐々に下がって来まして最後の時点では99.5をヒットするという中々結構な状況。結果はα=100で按分37.8%とまぁ物凄く順当な結果。順当な結果であったがために業者間のセカンダリー売買も全然ぶれずに99円99銭と100円の出合いしかないという大変に落ち着いた状況になりました。
市場観測での大口落札業者の顔ぶれを見ますとだいたい大手銀行系といわれるところが上位を示しておりまして、まぁ順当に銀行業態のニーズが相変わらずあったという事でしょう。期末が近いっていう要因はあると思いますが、それほど盛り上がりが見られなかったのは「アウトライヤー規制対応の買い」が徐々に平準買いペース程度に落ちつつあるという事を表しているのかもしれませんなぁなどと勝手に想像しちゃったりしております。まぁ決算を控えたこの時期にまだ決算対策で大きく売買しなきゃいけない状況にあるってポートは如何なものかと思いますが(^^)。
当面はα=100を心理的なラインとして、上って102、下がって97とかそんな感じ(思いっきり根拠レスですが)の小動きになるという感じなんでしょうかねぇ。などと書いたら暴騰暴落しちゃったり・・・・しませんわな、さすがに。最近イールドカーブ妙に安定してますしね〜。
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2005/03/15
お題「手ががり材料が一気に無くなるのは何故??」
いきなりお題から泣きが入ってます(笑)。だいたい相場のお話でも。
○動かねぇ相場
金曜日の先物日中値幅は29銭とまぁまぁでしたが、昨日の先物日中値幅は16銭と前日比半減。しかもその動きたるや、寄り付きが特別売り気配(米国長期金利の上昇とGDP2次速報値の上方修正というダブルパンチが効いたんでしょうなぁ)でいきなり前日終値から26銭下げた137円44銭でスタート。しかし寄り付いたと思ったらあっという間に先物は50銭近辺まで上昇しちゃいまして、その後は延々と10年債の1.5毛甘(1.495%)と2毛甘(1.50%)しか値段がつかないという素晴らしい値動きの無さ。動いているのは先物だけで、現物債は何と言うかろくすっぽ動かないという展開でして、まぁこりゃ寄り付きで先物を売ったか買ったかした先物日計り組がせっせと先物をやっているんですなぁという相場でして、これぞ見事な「現物債に動意無し」を絵に描いた展開でございました。
当座預金残高目標引き下げ問題で一相場やって、これで日経平均が12000円にすんなり上昇していれば相場も大騒ぎだったかもしれないのですが、惜しい事に日経平均は上りきらず、機械受注にGDP2次速報値と経済指標も景気に関してイマイチでしたんで、一気に期末モードになってしまったのは誠に遺憾でございます。
○15年変動利付国債
半年くらい前まではこの国債の入札前後はそりゃーもうマーケット大盛り上がりもいい所でして、業者間売買市場のWI(=入札前)取引で売り買いが交錯して売買大盛り上がりで気配もぶれて思惑ぶつかり合いの図した。で、今回はどうよって話をしますと、暫く前からα=100挟みの気配が延々と続いて(最初は100.5オファーの99.5ビットでしたが、昨日は100オファーの99ビット→追記:最終気配は100.5オファーの99.5ビットでした。暫く100オファー出てたんですけどね。)いるだけでろくすっぽ出合い無し(つーか多分ブローカースクリーンでは出合いが無いと思う)という盛り上がりに欠ける展開になっております。
この国債も因果な商品でして、当初はイカサマ値付けにより日本相互証券の終値だの公社債売買参考統計値で全銘柄いつも100円という実に馬鹿馬鹿しい状態。「常に100円で価格変動がないのに期間収益は4年国債並み」という魔法の商品だったのですが魔法は長く続かず。次第に長期金利がフラットニングして気が付くと期間収益が悪化している事が判明したり、発行量がどんどん増えてきたりして今度は需給悪化で売り一色商品。本来イールドカーブのベアスティープ(景気回復に伴う金利上昇ですな)には威力を発揮するはずなんですが、2年前に債券市場が大幅下落した時に一足飛びに「量的緩和早期解除相場」をやってしまい中短期金利が大幅上昇したのでこの商品そのものが「何か金利上昇してもイマイチですなぁ」という状態になりました。
その後、バーゼルUの「アウトライヤー規制」(ならず者規制)に対応する魔法の商品として再度息を吹き返した後は、アウトライヤー規制に向けてポートのリスク(ただし真の価格変動リスクではなく単にバーゼルUにおけるストレステスト対応のリスク値だが)を軽減するために買いがうじゃうじゃやってきて今に至るの巻き。
で、つい半年前くらいは盛り上がっていたんですが、何せこの商品、発行はあっても償還は当分無いという代物。基本的に「償還分の見合いの買い」ってのは無い訳でして、ニューマネーと既存ポートからの振り替えしか需要がないんで、アウトライヤー規制分の「制度プレミアム」はいずれ剥落する方向になるんじゃネーノって話になるかと存じます。
また、将来の金利上昇リスク対応商品としての位置づけはあるんですけれども、現在の日銀がやっている事を見ていると「次の金利上昇局面」は時間軸の短期化リスクが強く意識される時(つーか過去2回の長期金利上昇も時間軸の短期化リスクが意識された時なんですけれども)になります。この時は長期金利も上昇するんですが、中短期金利が強烈に上昇(毎度毎度5年カレント金利が1%になりますわな。10年は2%になりませんが)するのが「金融引き締め織り込み相場」の常ですんで、変動利付国債としてはイマイチ宜しくない展開(固定利付持ったままよりはマシという見方もあるのでそう悲観する事はないですが、理屈の上では時価は下がるでしょう)になりますわな。
まぁそんなことをつらつら考えますと、何だかんだと言いましても需給でややプレミアムが発生している商品ですんで、来年度からの増発もありましてあと10年くらいは償還が無いと思いますと、そんなに喜んで在庫にしておくような商品でもなさそうな感じですな。まぁ入札は堅調なんでしょうが。
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2005/03/14
○ちょっと意外感のあった金曜の相場展開
金曜日の債券相場ですが、米国債が反発したことを受けて、前日行われた5年国債入札で在庫もあることですし、目出度く相場堅調になってくれるのかと思いきや、相場が強かったのは寄り付き後の数十分でして、その後は延々と上値の重い展開になってしまいました。
で、金曜日の相場で一番ダメダメだったのが5年新発債ってのはそりゃどうよって展開でして、まぁ前日(木曜日)のサプライズ機械受注統計で相場を上昇させすぎたというのが新発債消化の意味ではケシカラン(しかも第U非価格競争入札で1800億くらい追加で発行量増えてるし)でしたなぁという所だとは思うのですが、それにしても金曜日は「債券先物が上がっても下がっても5年新発債がイールドカーブ上一番ダメダメ状態」というような感じになっておりまして、「何だかんだと言っても新発5年国債売れてないのね」というのが結論になりそうです。
まぁ5年新発国債に関しては金曜日のドラめもんで落札結果発表後の動きについて申しあげたとおりで、「0.7%近辺まで下押ししてくれば買いはあるんでしょうが、物の見事に上を買う人が居ない」という素晴らしい現象が起きているようですね。まぁ新発債に限らないのですが、そんな感じですと相場が上昇するのは需給関係上新発債の供給が途切れるタイミングしか期待できませんなぁという話になるのかなぁと勝手に思っております。
○不規則発言注意報発令(^^)!
FRB議長が講演で「根拠無き振る舞い(irrational behavior:スペルに関して自信なし)」というような言葉を使って過剰流動性による資産バブル形成に関して警告をしたそうですな。まぁ過剰流動性といえば資産への投機というのがお約束なんですが、基本的にシロートでも一番判りやすいのが不動産なんで米国におかれましてもそれなりに不動産が人気のようです。
で、それはまぁ別の国のお話でほうほうそうですかで終了なんですが、これが定例記者会見(今週の何も変化が無い筈の金融政策決定会合後に予定されています)を間近に控えた福井総裁にかかりますと、またまた気を利かせて(意地の悪い記者様がネタを振るというのもありますが^^)バブルがどうのこうのという素晴らしい不規則発言が出てきそうな悪寒。
住宅価格問題に関しては、英国で消費者物価指数が安定している中で住宅価格高騰を問題にして金融引き締めが行われたという例もある訳でして、まぁ最近の諸外国のテーマって感じになっている感がありますんで、流行物がお好きな日本銀行総裁さまにおかれましてはこの件に関してネタ振りをされると要らん事言い出してまた「時間軸を消滅させる」と市場が解釈しそうな話をしかねないなぁと思うのでありました。
ま、この前も話しましたが、金融政策で手が打てないというか手を打たない(=時間軸)のが現在の金融政策の肝になっている中央銀行総裁が英国や米国の中央銀行総裁の真似をして発言しますと、市場の解釈としては「金融政策で手を打てないのに何で発言するんだ?」→「金融政策で手を打つようにする為には時間軸を外すのか」→「そりゃ大変!」ってお話になる訳でして、本人にその覚悟があって発言しているとは思えないんで(本当にその気があるなら凄い話ですが)まぁファッションの積りで発言するのは控えた方が吉かと思います。
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2005/03/11
お題「入札レビューその他」
○入札はまずまずでしたが・・・・・・
昨日の5年国債入札。米国長期金利の上昇を受けていきなり寄付きから債券相場が下落してしまい、新発5年国債の0.7%に接近してスタートとなりました。で、「えーこんな下で寄るのかよ」って感じの寄り付きだったのですが、その直後に先物に200枚の売りなんぞがぶち込まれてしまい、何だかんだと言ってその後は延々と上値の重い展開でした。
入札前の動きとしては、やたらめったら5年国債の既発ゾーンを売っているのが目立ちました。何でかと申しますと、債券先物はちょうど限月交代って要因がありまして、今回の場合先物がテクニカルに売られすぎでヘッジで売るのがちと二の足を踏むって状況だったので、5年新発債の販売に自信が無いって話になる場合にはヘッジとして5年既発債ゾーンを売るっちゅう話になる訳ですな。
前場引けでは5年新発債が0.695%までマークして、引け後の日本相互証券の業者間取引でも最初は新発0.695%相当にあたる前日比2.5毛甘がパカパカ叩かれておりましたが、最後の最後に先回り買いが入ったようで0.69%−0.695%で入札を迎えました。
で、こーゆー時は基本的に入札しっかりというのがお約束でして、プライストークの段階でも最後の方では100円05銭(=0.689%)が按分になるんじゃねぇのかって話になっていたようですが、入札結果は平均100円05銭で最低落札価格は100円04銭(=0.691%)で19%程度の按分と「直前のプライストークで思ったより弱い」という入札になりました。
(市場推定ベースの)落札額がラウンドの数字になっている業者が結構いまして、さてはこの人たち入札がどっちに転ぶか良く判らんから04銭の応札をパスしたなってのが判る結果でもありまして、業者の慎重姿勢が目に付いた格好。一番興味深かったのは期初から延々とトップ争いらしきもの繰り広げて高値入札をしまくってその他大勢の業者を散々巻き込んで不幸のどん底に陥れていた某大手2社様の落札がまたまた少なかった事。まぁこのまま来期になってもアフォなトップ争いはいい加減自粛して欲しいものです。無理だろうけど。
○で、売れたのかと言いますと・・・・・
入札直前には「大手銀行が積極参加するらしい」などという説も流れていたようでして、そういう時は何故か入札が取りあがりモードになるってのが半年ちょっと前の常識だったのですが、(自慢モードになっちゃいますが)あたしゃープライストークの時に「んなもん全部がプライマリーで行く訳ないから1行いったって精々5000億でしょ。それに機械受注の発表が2時に控えてるのにプライマリーでドカンと行って相場が下がったら投資部門担当者の進退問題に発展しちゃうからそんなに行けないって」などと言ってましたが、まーその通りの結果。
友人のディーラー(他社)と話をしてたら「結局機械受注の結果が出たら良くても悪くてもとりあえず買いが入るでしょうなぁ」という結論に落ち着きましたが(^^)、まぁ後から見るとそんな雰囲気になっております。
ただし、落札結果発表後の動きを見ているとあまり楽観できないっていう感じの雰囲気でした。平均落札利回りが0.689%で、まぁ0.69%がオファーサイドになるのは仕方ないとしまして、その後先物が何となくあがったり下がったりする間に出合っていたのは0.695%ばっかり。(どこぞのアホウが0.70%をごく小額叩いてましたが)どうも「0.70%の買いなら山のようにあるけど、上を買おうという人はいませんなぁ」という雰囲気が彷彿とする展開でした。
また、新発5年国債と既発債の関係を見ておりますと、0.7%の壁をバックにビットが確りしていた落札結果発表直後の局面では一時は5年42回債VS44回債の単利スプレッドが4毛ー4.5毛という感じで結構新発債が堅調だったのですが、相場の上昇後に出てきた気配は4.5毛ー5毛という感じになって参りまして、第U非価格競争入札の影響はあるにせよ、戻り局面で既発債対比で新発債が弱くなっているという現象を見ますと、「確かに相場として買いは入っているものの新発5年債にはそんなに買いが入ってませんなぁ」という分析になるのでありました。
○しかしジンクス恐るべしですな
何度か申しあげました「5年カレントの0.7%は居心地が悪いのジンクス」ですが、今回もまた爆裂するとは(自分で勝手に言い出したジンクスではあるのですが)恐るべしという感じですな。今回の場合は「跳ね返される」という結果に終わりましたが、まぁ次に相場が何らかの拍子に下落した場合に「5年44回債の100円」というのはジンクスの法則が発動すると「思いっきり跳ね返される」のか「あっという間にぶち抜ける」のかの2者択一モードと言うことですんで(何と言う無茶苦茶な屁理屈・・・・・)、ご注意ありたしと言ったところでしょうな。信じる信じないは皆様にお任せ致しますが、根拠レスなジンクスとかが大好き(その割には占いとかははぁそうですか程度。占よりはトロの方があたくしは好きですが^^)なあたくしはこーゆーの気にするのよ。
○ところでそろそろ気になるのは昨年3月末との対比ですが
正確な数字を記録しているつもりですが、あたくしの手元にある手書きの俺様帳面ベースなので本当に間違いないかどうかは無保証と言うことでご勘弁願いたいのですが、日本相互証券の終値(ただし単利)はこんな感じです。
昨年3月末 昨日
20年 1.965%(67回) 2.055%(74回)
10年 1.440%(258回) 1.490%(268回)
5年 0.620%(35回) 0.655%(44回)
2年 0.120%(219回) 0.125%(230回)
なるほどイールドカーブがスティープニングしてますかそうですか。まぁあまり違和感がございませんが、こうやって見ていると20年カレント債が「2.0%乗せは押し目買い」などと言っていた時代が懐かしい訳ですが、さすがに毎月20年債が発行されて、おまけに徐々に発行量が増えてきているというのはじわじわとボディーブローのように効いてきているってなもんでしょうな。
もちろん債券ポート的には持っている間にロールダウンしますし金利も入って来るって話ですから「今年度一年あがったり下がったりで疲れましたが、やはりBuy&Holdで無事に終わりましたなぁ(惜しい事に20年債は無事ではないようですが)」ってなことで平準買い最強・・・・などという結論を出しますと、まぁ投資家様が売ったり買ったりしてくれないと商売が上がったりになってしまうのでナイショにしておきましょう。
んじゃどの年限が最強だったかという分析は本職のお方にお任せ。あたくしの弟子によりますと7年近辺らしいですが。念の為。。。。
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2005/03/10
お題「相場雑談を少々」
○5年国債入札
今日は5年国債の入札ですが、何故かこの5年入札は機械受注統計の発表とぶつかることが多く、今回もまた機械受注統計の発表が14時に予定されております。おまけに今回は週後半の入札な上に(3ヶ月ごとの恒例行事ですが)債券先物の中心限月が交代するタイミングでして、ヘッジツールとして業者が利用する債券先物がテクニカルに変な動きをしやすく、これまた少々コントロールのやりにくい状況ではあります。
ただし、本日入札の5年国債は3月債なので償還が既発債から3ヶ月先になります。3ヶ月長い分利回りが見栄えする水準になりますんで、0.7%クーポンの100円水準ってのが(今日相場が米国長期債下落を受けて大きく売られればの話ですが)見えてくる水準ってことでまぁ何とかなりそうな雰囲気でしょうなぁって所でしょう。少々気になるのは以前もちょっと指摘したように、「5年カレントの0.7%は居心地が悪く、すぐに0.65%か0.75%に行ってしまう」ってことですな。
直近の相場展開を見ておりますと、「下がれば買いが来るけど、上ってしまうと買いがない」という傾向が顕著な事でしょうか。「海外要因とか平均株価上昇とかで先物中心に下落」→「投資家さま押し目買い千客万来」→「ショートカバーで上昇」→「目先筋も投資家の買いを見て買いで参戦」→「相場戻る」→「投資家の買いが無い」→「上値重い」→最初に戻る(ああ長かった)というのがここの所の展開でして、まぁお見事なほど戻ってからの買いが無いと言う状況。
米国のトリプル安が債券にとってどっちで効いて来るのかよく判らん(たぶん最近のパターンだと米国長期金利上昇に反応しそうだが)のですが、まぁ相場が下がっちゃうと入札を待たずに先回り買い攻撃がありそうですし、相場が上っちゃうと先物一人旅って感じになりそうですな。この入札で死ぬほどニーズがあるというのであれば別なんですが、下がらないと買わないよって人が多いと目先は「在庫販売大作戦」で先物を売って相場を下げてみたり、逆に先物を持ち上げて(というかヘッジをふまさせて)5年新発債を相対的に割安にして買いやすくしてみたりと、先物中心に相場が暴れる展開を大予想しておきましょう(^^)。どーせ当たらんのだが。
○相場のテーマと言うもの
今朝もまた米国長期金利が上昇して戻ってまいりました。今年初め辺りからの債券相場というか特に長期金利動向ってのは米国の長期金利に引っ張られて動く傾向が見られます。勿論日本の経済指標が景気減速を示していて、もしかしたら腰折れ?って話になっていたのも大きいのですが。
で、この米国長期金利なんですが、最初は「FRBの金融引き締めが先行きオーバーキルになって景気が減速するんじゃないの?」って感じで金利低下をしてイールドカーブがフラット化したのですが、その後景気失速懸念が後退したり、グリーンスパンさんの「長期金利の低下は謎」発言なんかでフラットニングの巻き戻し→長期金利上昇となりましたわな。で、ここもとの長期金利上昇は主に原油やら商品価格上昇に伴うインフレ懸念ですな。
例によって例のごとく何かをテーマにしだすと暫くの間何も考えずにその材料に連動して動くという素晴らしい傾向のある日本債券市場なんですが、フラットニングの巻き戻しや、米国景気失速懸念の後退というネタで売られている米国長期金利に連れて日本の長期金利が上昇するというのは話の筋が通っているのでまぁそうでしょうなってなもんですが、インフレ懸念で米国の長期金利が上昇している中で日本がそれにお付き合いするのは何か変じゃネーノって思うのですけれどねぇ。
どっちかと言いますと「米国インフレ懸念で長期金利上昇」→「米国株下落」→「日本株に悪影響」って話じゃねぇのかと思うのですが、まぁそーゆーことは別のテーマが見つかってから後付けで言われ出すのが毎度のパターンですんで、次のネタができるまでは米国長期債連動になりそうだなぁと。もしかして次のネタは機械受注かもしれないけど。
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2005/03/04
お題「相場点描」
本日は大雪なので(と言う訳ではないが)簡単に雑談でも。
○10年国債入札レビュー
昨日の10年国債入札、「福井ショック」(あえてこういう)から初めての中長期国債の入札と言うことでいきなり注目の入札になってしまいましたが、その結果に関して簡単に論評。
・売れ行きが良いのだか悪いのだか良く判らん
入札後の動きを見ておりますと、落札結果発表直後から先物なんぞに時々売りがでておりましたが、その間に10年新発債の気配は確り。前場引けの気配(毎度毎度安めの気配だが)が1.535%−1.54%で先物前場引けが137円84銭でしたが、先物が安値72銭をマークする段階においても1.535%ってところでして、まぁ先物下がっても10年下がらんという事ですんで、押し目買い意欲は強いんですね〜って話。
しかし「10年が下がらんから先物を買いましょう」という毎度おなじみの動きが始まって前場引けのレベルを先物が上回ってくると次第に10年新発債の上値が重くなってきました。昨日の入札では応札ベースで100円(実質99円67銭)の札がそれなりに入っていたと思われるのですが、その札のコストが1.326%とかになっておりまして、先物が上昇して1.325%あたりになってきたらいきなり10年新発債が全然強くならないという有様。まぁ当然ながら世の中においでになる「入札裸隊」の外しが待ち構えているっちゅうことで何かしょんぼりの展開になってしまいました。
引け直前になって先物がいきなり叩かれ攻撃になったために7年〜10年の最終的なイールドカーブ形成は威勢良くフラット化しましたが、本当に売れているのかと言う問いに関しては「下がったら買いがあるんじゃないですかあっはっは」としか答えようのない動き。10年債に強力な買いが入って相場大復活というのは中々厳しそうですなぁ。米国雇用統計次第でしょうが。
・業者の慎重姿勢
昨日の10年国債の応札倍率は2.62倍。満額狙いの札だの何だのというのがあるのでそもそも応札倍率が過大な時は何の参考にもならんのですが、応札倍率がまともな時は一応参考にする必要がございますわな。
事前に10年カレントゾーンにそれなりの買いが入っていた雰囲気ですし、ここまで10年をせっせと叩いて甘くしてきた状態で(昨日の前場はそうでもなかったが)迎えた入札なんで、それなりに業者の準備も出来ているのかな〜なんて漠然と思ってましたし、昨日申しあげた「3ヶ月償還が伸びるから既発債より利回りが高くなるのでお買い得感がある」という要因(?)やら「期末が近いので入替などのニーズがあって新発債は買われやすい」ということですからもうちょっと入札がしっかりしても良かったんじゃねーのって感じではあります。
入札直前の情勢から申しますと、直前の業者間気配のオファーサイドである1.535%に相当するのが応札ベースの99円95銭と90銭の間くらい(91銭くらいかな?)でして、プライストークの段階では「100円なら間違いなく入るけど割高もいいとこ、95銭もまぁ入ると思うが厚めの按分かも。もしかしたら90銭まで届くかもしれない」って状態。で結果は平均99円96銭で最低落札は90銭の按分8%ちょいなのでまぁちょっとかすりました位の状態。
平均落札と最低落札、応札倍率を眺めてみると、落札された額のうち半分以上は100円の札になっているのですが、95銭の札が素通しで入ってしまい90銭まで届いたって事ですんで、応札した業者としてはショートカバー分は100円に札入れしたけど、95銭の札をあまり多く入れずに、90銭にも「按分狙いの過大なスケベ札」が入っていませんですな〜って感じでして、応札額をそれなりに絞っている人が多いのではないかと推測される訳ですな。勝手に落札結果と相場状況で想像しているだけですが。
・まとめ
まぁ入札の結果単体で見れば「順調な入札」なんでしょうが、戻りでの反応の鈍さをみるとどうもあまりぱっとしない結果でございましたなぁって感じです。結局は米国雇用統計次第なんですが、どうも既発というか8−9年ゾーンの現物債の重さを見るとどうもねぇって感じです。
○来週は5年国債なんですが・・・・
来週木曜の話をするのはちと早いのですが5年国債入札。現在のマーケット状況から行きますと0.7%クーポンで100円前後の入札になるという事になるんですが、この「5年0.7%」というのは(前にも同じ話をしたことあるかもしれませんが)妙なジンクスがあります。
そのジンクスとは「5年0.7%は通過点になりやすい」って事でして、まぁ過去の5年債のクーポンをご覧になっても0.8以上と0.6以下のクーポンは結構発行があるのですが、0.7クーポンというのが案外少ないことにお気づきになられると思います。何だか良く判らんのですが、どうも5年のカレント0.7%というのは落ち着きの良くない位置のようでして、0.6%か0.8%に吸い寄せられてしまうというマジックがございますわな。
てな訳でして、この5年新発債が0.7%の入札をやった場合はちと鬼門かもしれませんのでご注意ありたいものです。いきなり大戻りするかぶち抜けて0.75%くらいまで行ってしまうか。金利水準があがってくると「10年カレント÷2=5年カレント」というあたくしの提唱するインチキ臭い水準感が復活してくるんで、10年の1.5%が中々戻らないって事になってくると現在の0.6%台後半(新発債に引きなおすと0.7%ですけどね)という水準がちとどうかなぁって感じになりそうです。
で、これもまた米国雇用統計次第なので、「結局これだけ散々書いて米国雇用統計次第かよ」ってオチで債券相場雑談終了。
○当座預金残高30兆円割れ危機一髪
昨日は9時20分の即日オペタイムで手形買入5000億円(しかし期間が来年の1月18日ってえれぇ長いですなぁ)実施。こえがないと当座預金残高が予想から何らかのぶれが生じた時に結果として30兆円割れになる可能性がありましたのでまさに危機一髪。
つい先日(2月17日)の記者会見で売り言葉に買い言葉モード(笑)で福井総裁さまが『当面30−35兆円の当預目標が維持不可能になるとは全く予見できない』と大変に素晴らしい発言をされていた訳ですが、早速30兆円割れになったらもう総裁のメンツ丸潰れなんで、まぁ無事でよかったですねぇって感じなのですが、どうも昨日の時点で「ノーオペ」を予想していた人も結構いたらしいと聞いてビックリでありました。やるに決まってるじゃん。
ま、「福井ショック」(笑)を意識したのか財務省筋から金利上昇牽制発言が出てみたりと、不期遭遇戦のお好きな日本銀行政策委員会の皆様に振り回されて大変ですねぇという朝の調節でした。
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2005/03/03
最初に相場の話ですが、本日の10年国債入札。既発債から償還が3ヶ月伸びるので「何となく利回り的にお買い得感」が出ますし、まぁ1.5%という一種の「止まり所」にいるのでとりあえず何とかなるのではないかと思料。ただし以下申しあげるような「当座預金残高目標絶賛引き下げキャンペーン」期間中でもありますし、ここもとの下げで今まで買いたいと思っていた人が既にそれなりに買っているのではないかという懸念もありますので、下げても知らんよって感じ。まぁ下がらなかったら幾らなんでも買いが入るとは思いますが。
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2005/03/01
お題「やってくれましたよ福井ショック(-_-メ)」
昨日の債券相場、鉱工業生産は足元の数字が良くて先行きは慎重っていうことで良いには良い数字ながらって感じだったので何となく重い展開ながら長期化期待で20年あたりがまるで下がらんという展開だったのですが・・・・・・
内外情勢調査会における福井総裁の講演要旨がフラッシュで伝わると「あれれ?」という感じになってしまいまして、先物に大き目の売りが断続的に入るの図。何と138円割れまで売られてしまうの巻となってしまいました。で、どんなフラッシュに反応したかというと、景気にやたら強気な部分もあるかもしれませんが、(1)物価に関するコメント(2)量的緩和の弊害とイールドカーブへの言及(3)当座預金残高目標の引き下げへの言及という3点に反応したって感じでしょうか。
まぁコメントするのはするで結構ではありますが、そりゃあんたつい先日の金融政策決定会合後の記者会見で言っていた事と思いっきりニュアンスが違ってませんですかって所でして、まぁ総裁お得意の「サービス発言をして後から梯子を外す」という大変に遺憾な展開が炸裂してしまいました。ではこの3点に関して引け後にアップされた講演要旨を読みながら悪態でも(^^)。
http://www.boj.or.jp/press/05/ko0502c.htm
(1)物価に関するコメント:福間理論リターンズ
前半の景気に対するやたらと強気な見解は省略(というかいつもの事なので驚かない)しまして物価に関して何ですが、先日の福間審議委員の講演で披露された「総合除く生鮮食品から更に特殊要因を除く消費者物価」という我田引水まるだしの話が蒸し返されております。
『一時、1%にまで達していた消費者物価の前年比マイナス幅は、需給環境の改善に伴い、生鮮食品を除くベースで、現在、0.2〜0.3%程度まで縮小しています。』
はいはいそうですね。
『内訳を仔細にみると、景気動向に感応的な「財」の価格については、前年比マイナス幅が徐々に縮小し、足許ではほぼゼロ近傍となっています。』
はぁ?そうでしたっけ??
『幾分恣意的な要素は否めませんが、石油製品価格や公共料金、米価格といった特殊要因を除いたベースでみても、下落幅は緩やかな縮小傾向を辿っています。』
ほほう、石油製品価格が特殊要因ですかそうですか。何ですかそりゃ??
ちなみに、フラッシュでは引用した2番目の部分「ゼロ近傍」というのにはそりゃ先生反応しますわなって感じでございますが、昨日のドラめもんで何じゃそりゃと突っ込みを入れていた「コアCPIから特殊要因を除く消費者物価指数」という何と言うか強引な理屈を総裁までもが言い出すというのは一体全体何なんでしょうねぇ。量的緩和政策のコミットメントの根本に関して「この人本当に守る気あるんかいな」という疑問がまたまた(前回は一昨年の初夏ね)発生するの図ですわな。ちなみに前回「時間軸への信頼の揺らぎ」が発生した時は物の見事に5年国債が1%まで叩かれる中短期国債大暴落相場をやってくれてしまい、日銀は「量的緩和政策のコミットメントの3条件の明記」という甚だ情けない行動に追い込まれた訳ですが。
(2)量的緩和の弊害とイールドカーブへの言及
『こうした異例の緩和政策のもとでは、行き過ぎが生じていないかといった点に注意が怠れません。ここで言う「行き過ぎ」とは、経済の持続的な成長と整合的ではない経済行動・現象のことです。米国では、長期に亘る低金利が流動性を著しく高め、これが、極端に小さい信用スプレッド、住宅市場での投機的需要の顕在化といった過度なリスクテイキング行動につながっているのではないかという議論がなされています。』
はぁはぁそうですか。
『信用スプレッドの縮小は世界的に共通して起こっている現象ですが、わが国の場合、それがやや目立っており、リスクに対する認識は希薄化していないかどうかという観点が欠かせなくなってきています。』
それ以前に信用スプレッドが気が遠くなるほど拡大していたのが縮小したという面もあるかとは思いますが、まぁそれに関してはとりあえずはぁさようでございますかと申しておきましょう。次の部分が呆然。
『また、長期まで含めたイールド・カーブのフラット化についても、市場が緩和の長期継続を過度に織り込むような価格形成を行っていないかという目を常に持っておくことが必要と言えましょう。こうした観点から十分に注意を払いつつ、政策運営を行っていく必要があることは言うまでもありません。』
1ヶ月前の10年1.3%割れ20年1.9%割れとかいう時に言うのならまぁタイミングは宜しゅうございますなぁって話になるんですが、既に米国のフラットニングも一服して「グローバルフラットニング」的な流れもひとまず片付き、どちらかと言えば反動で金利に上昇ドライブが掛かりやすいこのタイミングでの発言というのは相場に燃料を投下するという機能しか果たさないという事はまぁ当然ながらお判りじゃ無いんでしょうなぁと心底思うあたくしでございます。
当たり前ですが、こういうときは現物債を売ろうとしても相場の変動が激しいのでオファービットのスプレッドが瞬間的に大拡大しちゃいますんで、とりあえず売りやすい債券先物が集中的に叩かれる格好となってしまい、あれよあれよと言う間に先物138円割れまで売られてしまいましたな。
何か暫く前のグリーンスパン議長様の議会証言「長期金利の低下は謎」というのを意識したかのようなコメントではあるのですが、同じような話をしてもタイミングというのは物凄く重要な訳でして、折角の「金融市場牽制発言」もただ単に何となく置き火が燻る市場へ可燃性燃料を投下するだけの結果を招くので、繰り返しになりますがタイミング考えていただきたい。今に始まった事ではないのですが、この方の場合はとにかく何かに魅入られたかのごとくタイミングが悪すぎて涙を禁じえません。
まぁアレですな、真似をするには過去のパフォーマンスと信用を(以下暴言)。
(3)当座預金残高目標引き下げへの言及?
講演本文には無かったのですが、フラッシュでは出ていた部分。ソースは時事通信ニュース「時事メイン」ですが、本間正明大阪大学大学院教授の質問に対する回答の中に問題の部分がございました。
『我々は今30−35兆円程度という非常に膨大な量の当座預金残高を供給し続けているが、このこととマーケットにおける資金需要の後退が実質的に平仄の合わないものになるかどうかは、まだ私どもは見極めついておりません。』
『(金融システムの安定に言及した続きで)イールドカーブの形成が変れば日本銀行に対する資金需要の出方もまた変わってまいります。そこまで含めて今後現実的に現在の数字の上での供給ターゲットというものが現実性を失うかどうかが現実性を失うかどうかは慎重に判断していきたい。』
「基本スタンスは変えない」という話もしておりますが、こーゆー事を言えば当然マーケットとしては「総裁はペイオフ解禁後に当座預金残高目標の引き下げに着手する意思がある」という風に解釈するわけでございますが、つい先日の定例記者会見で「30〜35兆円程度という当座預金残高目標を維持していく」と仰せでございましたがあの発言は一体全体何だったんでしょうか。と言うか、それ以前の問題として何で前回の決定会合は全会一致なんですかって小一時間・・・・
まぁここのフラッシュでも思いっきり驚きって感じでしたな。確かにこのお方の場合政策スタンスの話と一般論をごっちゃにして話すという禿しく困った傾向が昔からある(ので10年金利が0.5%だとかの時に「国債は株と違って満期には償還されるのでバブルという言い方はちと変でしょ」みたいな事をいっちゃったりするのですが)わけですが、一般論を言っているのか政策スタンスを言っているのかを明確に切り分けていただかないと、総裁の仰る「市場との対話」にノイズを撒き散らすだけの結果になる訳でして、まぁ言えば言うほど墓穴を掘る結果になるというものですわな〜って所であります。
ちなみに、フラッシュには出てませんでしたが、本間先生との質疑応答の中で総裁はこんな事も仰せでございました。ソースは同じく時事メイン。
『金融市場の中で、金融機関同士がお互いに市場を通じてお金を融通しあってもそんなに心配ないという状況にだんだんなってきている、ということは、日本銀行に対する流動性需要が相対的に減り始め、あるいは市場全体に流動性の過剰感が強まる、ということで、全体にこれまた整合的な動きであります。』
またお得意の相対性緩和論ですな。
しかし何ですな、確か量的緩和政策ってのは「コアCPI縛りの政策」であって、「ビハインド・ザ・カーブを辞さず」という政策であった筈。だからこそ「時間軸効果」がその役割を発揮するというお話なんですが、一昨年の失敗にも懲りずにまたまた調子に乗って自ら時間軸効果をぶち壊しに掛かる日銀政策委員会(全員がそうではありませんが)ってぇのは一体全体何なんでしょうと思ってしまう次第でございます。
困ったもんです。
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2005/02/16
お題「相場後講釈」
あたくしがこう書くと世の中逆に行くという誠に遺憾なことが多いのですが、やはり書く事は書くというわけで(謎)。
昨日の30年国債入札。前場には20年や30年ゾーンではなくて先物近辺の債券(たぶん6年〜8年あたり)に買いを入れる人がいたようで相場水準は先物主導で上昇するも20年だの30年だのの上げはイマイチって感じ(しかもふざけた事に30年vs20年では30年の方が堅調という状況)でした。で、前場の引け時点での30年新発債の適正水準は2.42%近辺という感じになった訳ですが、入札のふたをあけてみたら何とビックリの2.46%とまるでダメダメの結果になりました。
まぁ入札自体がイールドダッチ方式(複利利回りで入札を行い、最高落札利回り(というのは最低価格に相当する訳だが)で全額発行となる方式。今は全然やってない株式の入札方式みたいなもんですな。)で行われるので、落札した皆さん全員2.46%の利回りで購入できているのですが、「何ぼ何でも2.45%より安くはならんでしょ(つーか事前の予想は2.42か43)」って雰囲気だったので思わぬ在庫が発生の巻と相成りまして、ヘッジ売り攻撃となってしまいました。
とはもうしましても、先物は7年金利連動で30年もののヘッジにはあまりならん訳でして、結局それなりに流動性のある20年だの10年だののカレント物を叩くしかない(そのものズバリは入札後2.48%が高値でした)ので、先物は大して下がらない(先物が安値をマークしたのは落札結果発表直後の13時4分)のにイールドカーブだけまたもスティープするという頭の痛い相場になってしまいました。
で、まぁ今月になってから実施された入札なんですが、今までのアフォのような高値入札から一転して精々前場の引け水準程度での落札という誠に美しいというか本来そうでなきゃ変でしょっていう入札となっております。つらつら理由を考えてますと・・・・・
1.2月発行の中長期国債(5年と10年と20年)は12月償還債の3発目の発行になるので、利回り水準に新鮮味があんまり無くてポートフォリオ上でも既にそれなりに購入しているので、燃え上がるようなニーズ(笑)に乏しい。(ってのはだいぶ前にドラめもんで言ってるのですが、後になってまた言い出すところが実にアフォ)
2.毎度毎度のように割高入札を連発していたので、さすがに今まで無茶していた人たちの予算(まぁ世の中シェア確保するとそれなりに良い事が起こるという発想は相変わらずございますので、入札でこれくらいはマーケットシェアを確保するのためのコストとしてまぁ仕方ないでしょっていう予算があるっつーのが暗黙の了解だったりする訳で、つーかその辺のコスト計算も無くてただただひたすら高値入札をするのは身を切ったギャグとしか・・・・)がそろそろ底をついてきた。よって無理して入札する体力が不足気味。
3.目標となる入札シェアも確保したのでそんなに無理する事は無いでしょって意識。
4.1.で書いた理由の裏返しで、3月発行の中長期国債が3月償還債になるのでこちらは毎度毎度ニーズがあるのが(余程相場がアホタレさん状態でない限り)ほぼ自明という商品。よって入札で頑張らなければいけない3月に向けて今回は体力を温存しておく必要があるでしょっていう発想(なんかあるのかなぁ?)。
5.そもそも景気回復局面(単に日経平均が1万5千円の節目を上回っただけですが)なのに国債発行しすぎなんじゃネーノかという疑問。まぁこの程度でそんなにナーバスになる必要もないでしょうが、実を言えば最近の入札は1回の発行額がその年限の主要投資家がごっそり持っていくようなレベルになっていない債券(具体的には5年と10年ですが)に関しては既に割高っぷりも沈静化の傾向にありますわな。
まぁマーケットの片隅でくだを巻いているあたくしではなくて、何でそんな割高レベルであなたたちは落札しますか(今月は別^^)という人たちに聞いた方が早いのかもしれませんが(・・・・また読者が減りそうな事を言ってしまった)、まぁこれらの要因が複合されているのでしょうな。
何にせよ入札が正常化するのは大変結構なことでありまして、昨日も入札日の前場に買いを入れる(別の年限ですが)という嫌がらせのような事をしていた人は物の見事に成敗されてしまった訳でして、そーゆー不届きな動きも今後減ってくださりますと業者としても無理せずに入札に参加する事ができて、ひいては長期的に見た国債の安定消化に資するものではないかなどと綺麗事を申しあげておきましょう。
・・・・と書くと来週の20年国債入札がまた割高入札になったりして。
あ、そうそう、昨日はどこぞの情報ベンダーが落札結果発表時間に「最高落札利回り2.400%」などというフラッシュを打ってくれたために一瞬騙された人もいたかと存じます。つーかあたくしも恥ずかしながら「入札強いのに何で売るですか?」と思ったクチなんですが。勿論財務省のWebを見ればちゃんと発表されるのですが(昔はそんな便利なものが無かったから情報ベンダーしか頼るものありませんでしたな。隔世の感とはこの事)、13時ちょうどは財務省Webへのアクセスが集中して中々閲覧できないという問題もありまして、つい情報ベンダーを頼ったのは不覚でしたな。
ま、今回のせいで益々財務省のWebへのアクセスが13時になると集中するでしょうな。来週の火曜日13時は霞ヶ関関連のWeb閲覧は鬼門になるかと存じます(^^)。
#そー言えば、公営賭博(賭博は現在民営化されておりませんので念の為^^)の結果報道では「正式な結果は主催者発表のものでご確認ください」ってヘッジクローズが常に入っておりますな、あっはっは。
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2005/02/09
相場メモ:
昨日の債券相場ですが、先物の動きは大した事無かったけどイールドカーブの動きはもう豪快。7年(というか先物)と20年カレント物の関係で言えば、朝方から7年vs20年がほぼパラレルから始まって20年2毛強ビットまで行った後に後場途中からいきなり弱くなりだして終わってみれば1毛甘オファーまで行くという形で、まぁ大体3毛ちょっと日中にぶれるというまさに高値波乱相場となりました。最も凄かったのは後場途中の動きでして、先物が139円55銭〜48銭あたりを実にゆっくりと上ったり下がったりして先物の値段があまり動かない間に20年ゾーンが前日比2毛強から引けあたりまで安くなるという頭の痛くなるような相場展開でありました。
本日は5年入札が行われますが、前回入札の時は0.5%クーポンで入札をやるとなったのはいいのですがいきなり前場引けにかけて見事に下落。で、その後1ヶ月経ちましたが、その間結局0.5%を割り込むことなく推移しておりますんで、まぁ0.5%前半では上昇余地無し無しという事ですわな。そんなレベルで入札をやってくれるとちと困るんで、是非ロンドン市場の下げを引き継いで欲しいものです。ただ、前場あまりに調子に乗って相場を叩くと「先回りの買い」が入ると言う諸刃の剣。どうなる事やら。
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2005/02/08
○相場のメモ(本文のマクラ)
えー、債券相場は相変わらず10年以降のイールドカーブを中心にフラットニングが相変わらず継続しておりますが、日本の場合は「景気回復下においてインフレを抑制しながら金融が徐々に引き締めになる」という基本シナリオを書き難い筈なんで(量的緩和のコミットメントがあって政策金利は引き上げられないわ、財政赤字問題で言えば「ドーマーの公債命題」でいう財政赤字発散過程にあるわという状況で、米国とはまるで正反対状態じゃねぇのかと)、まぁ対ドルでの円高も何となく一服してて日経平均は堅調(個別は色々と祭りになっているものがあるようですが)って状態でどこまで行けるのかは謎としか言いようがありませんな。でも結局のところ、市場がまだ総強気になってないからやるんでしょうな。20年の入札くらいまで・・・
(で、2月9日の夜に追記なのですが、この日も債券相場はイールドカーブがフラットニングしました。ただし「債券先物は下がりながら20年は強含み」っていう状況でした。ところが後場の途中からいきなり超長期債が先物の位置と関係なく大売られしました。9日もまた債券相場大下げで、8日の高値から9日の安値まで20年73回で9毛下落ですよ先生って感じでございました。恐るべし・・・・)
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2005/02/07
○とりあえず相場後講釈
先週末の債券相場は朝から20年だの30年だのがもう激烈に強含み状態になりまして、債券先物は前日比21銭高とかやっている所で20年73回債は6毛強の1.87%が堂々買われるという素晴らしい相場展開。債券先物は高値更新しないのに20年だの30年だのは戻り高値を絶賛更新中となっておりました。
で、理由不明ながら週末お得意の売りが出たようでしてその後相場は結構暴れてくれたのですが、終わってみれば先物17銭安に対して10年が前日比変らずで20年は前日比2.5毛強(日本相互証券の引値、実際はもうちょっと強い)という有様でして、20年、30年が豪快に金利低下しながらイールドカーブは思いっ切りフラットニングしました。
前日の木曜日には10年国債入札が行われましたが、10年入札の落札結果発表後(もしかしたら前かもしれませんが)に10年や20年(たぶん20年主体)に売りが出てフラットニング一服と申しますか、入札前の前場中にフラットニングしておいてそりゃねぇだろうと落札業者を不幸に陥れた碌でもない動きの後だっただけに、誠に美しい相場展開で大変に結構でございました。
ま、何と申しますか前回の20年国債入札の時もそうなのですが「入札日の後場になってからいきなり売りをぶつけて相場を崩す」という性格の悪い動きがここの所良くありまして、まぁ相場を崩してからまた買い直そうって下心が有ってやっているのではないかという節がありますが、入札後に相場を崩しに行くという意地悪というよりは「この国賊が!」と言いたくなる動きが見事に別の買いでカウンターアタックを食らっている光景を目のあたりにする事ができた昨日の債券相場でした。あっはっは。
ここもとの20年、30年ゾーンのフラットニングはどうも海外勢の買い(というかスワップの受けというか)の寄与がでかいようでして、まぁ海外でイールドカーブがフラットニングしていてどうのこうのとか色々と要因はあるようなのですが、まぁ昔日本から「グローバルフラットニング」などと言って皆で債券市場のイールドカーブがブルフラットした事もございましたが、今回は海外からフラットニングがやって来たってなもんなのでしょうか。
ただ今回の米国のフラットニングはインフレが拡大する前に予防的に政策金利を引き上げているので長期金利が上らないという形でして、量的緩和政策の時間軸があって短期金利がゼロに張り付いているので、日本でフラットニングするには「長期金利が低下する」という形でのフラットニングしかやり様が無い次第であり、現在のように「何となく景気失速してませんかねぇ」という状態であればフラットニングも継続しそうですが、どうなんでしょうかねぇという気もしないでもないですわな。
まぁ期末を2か月後に控えまして、そろそろ債券残高が気になってくる今日この頃でもありますので、来週から30年、20年の入札があるのですが、こいつらを無事にこなしてしまうと期末前に向けてフラットニングを益々しやすくなるので、要注意といったところでしょう。正直今週の5年国債入札は比較的どうでもいいって感じになって参りましたわな。
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2005/02/04
○10年国債入札レビュー
昨日のドラめもんで「この入札後にブルフラットしたら債券相場総強気モードって奴ですな」などと申しあげましたが、毎度おなじみのように入札後に相場弱含みとなってしまいました。
今回の入札に関しては10年に事前の買いが入ったのは入ったのですが、基本的に20年とか30年とかの買いに対するショートカバーの買いでした。で、昨日の前場も20年は相変わらずの買いモードとなっておりましたので、仕方が無くって感じで10年ゾーンが強くなっておりました。
しかし、入札そのものも前場の引け水準からそれほど割高な水準の高値入札にもならず、しかも落札結果発表後暫くしてから急に20年ゾーンに売りでも出たのかいきなり20年ゾーンが一気に値を崩してしまいました。元々10年ゾーンの買いがショートカバー主体だった所で10年の入札が行われたという状況で肝心の20年に売りをぶち込まれたら先生そりゃダメダメでございますわなって所でございました。
先日も20年国債入札の日の後場に10年20年に売りをぶち込んで業者大出血という事件がありましたが、今回もまた再現ですかって感じで誠に遺憾というか債券相場らしい性格の悪い展開(・・・)という動きでございます。まぁ先日の20年国債入札後の売りに関しましても、その後の下げで買いなおしていればおジョーズ(というかそんな短期売買をするのが「債券運用」なのかと小一時間問い詰めたいが)ですが、買いなおし損なっていれば結局踏み上げの刑に遭っている訳ですので、まぁ細かいテクニックで上手い事やっても相場全体の流れを間違えたらしょうがねぇんじゃネーノとは思うのですが、まぁそれは兎も角として、ここの所「落札結果発表後に売りを出して相場を下げさせる」という全くもって意味不明というか根性がいい感じで腐った動きがあって大変に遺憾な入札が今回も繰り広げられたという感じでしょう。
ま、相場の上昇モードに入ってからの日柄がまだ若い割りにここもとの相場の上げ方の加速がちと早かったという事でして、まぁ一旦の振り落としを演じるの巻といった所ではないかと思います。
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2005/02/03
お題「10年国債入札」
さあ、盛り上がってまいりました!!
○ここでフラットニングすれば本物ですが
昨日の債券相場は久々に相場から「ぶち切れの音」が聞こえて来るような展開になりました。朝から20年ゾーンを中心に堅調に推移していると思っていたら10時半過ぎ位から先物が碌に動かないのに20年ゾーンがあれよあれよという間に気配切り上げまくりという状態になりまして、先物が8銭高とかやっているのに超長期が3毛強テイクンなどという豪快な動きと相成りました。先物としては昨日の相場はそれほど驚く事の無い動きではありましたが、そんな訳でしてもう20年、30年が引っ張ってイールドカーブが豪快にフラットニングしましたので、相場としては「すんげぇ上昇しましたな」って感じであります。何せ20年新発債が(単利ベースですが)1.90%割れまで上昇しちゃいました(一日にして5毛以上の上昇)からこりゃビックリという感じです。
凄い上昇だと思ったのは日中の超長期ゾーンの気配の切り上げ方でして、まず前場に一段強くなったあとに後場途中からもう一段上げ。おまけに引け近くにまたまた気配を切り上げまして、ちょっとそりゃやり過ぎじゃね〜のって思っていたら引け後になって引け際の気配切り上げが正当化される上昇でございますよ先生って動きでして、相当20年30年ゾーンへの買いが入ったと言う事なんでしょうが、久々のぶち切れ相場となりました。
さて、そんな訳で大変派手派手にイールドカーブのフラット化をやった後に10年国債入札という誠に遺憾な入札と相成りました。今までのパターンでは「入札前に何故か先回り買いが入る」→「入札準備をしていた業者が踏み上げの刑にあう」→「それを見て煽る輩が現れて入札で踏みあがり」→「いざ落札結果が出てみると後続の買いが無い」→「入札後ボロボロ」という動きに該当するのが今回の入札であります。
ただ、今回の入札の場合は「事前の買い」に該当するのが20年とか30年ゾーンの買いなのが今までのパターンと違う所でして、超長期ゾーンに引っ張られて嫌々付いて来た(笑)という感じの買い上がり方ですので、入札前に踏みあがる(20年とか30年が強そうなので)かも知れませんが、実際に入札が高値入札になるのかは少々疑問。で、もともと20年とか30年に引っ張られてショートカバー的に上昇してきているだけに、入札によって需給が緩和されると、入札後は10年ゾーンだけ弱くなってしまいそうな雰囲気ではございます。
・・・・というのがまぁ常識的な予想だと思うのですが、今日からいきなり10年ゾーンが先物対比フラットニングしながら相場が堅調に推移した場合は「おお!そりゃ債券相場総強気!!」って事になりますわな。まだそこまで行くにはお日柄が早いというか相場が若い気はするのでそうは成らないと見ておりますが。
○短期金融市場での資金供給オペ
昨日もまた資金供給オペで札割れが連発。日本全国の皆様が応札可能で一番の「全国お助けオペ」として使える筈の全店手形買入オペが札割れとなったようでして、誠に心温まるものがございます。
まぁ確かに資金ニーズが無ぇぞってのもあるのですが、こうなってきますと「札割れ攻撃で日銀の姿勢を試しに行く」という短期金融市場からの日銀へのアクション催促モードとなっているようにも見える訳でして、日銀としても中々大変な状況になっているようですな。あっはっは。
先月前半から皆さんで「日銀当座預金残高目標引き下げはどうよ」って話をせっせと盛り上げたのですが、盛り上げのペースが速すぎて時期尚早となってしまい水野審議委員のブルームバーグインタビューで見事に鉄槌を下されてしまったというのは先日来ご紹介した通りなのですが、まぁこうなったら市場と日銀の意地の張り合いでもやっていただけると見物人としては大変に楽しいものを感じる次第でございます。
ただ、債券市場としては既に当座預金残高目標引き下げ問題に関しては「ま〜駄目でしょうな」という認識になっておりますし、テクニカル的な問題はともかくとして、外部を納得させるのは現状の情勢から見て不可能でしょって話ですんで、短期金融市場方面から「当座預金残高目標引き下げ催促モード」をやっても、債券市場としては「当座預金残高目標の維持が困難」→「とうとう長期国債買入の増額か!(輪番だけは当分札割れの懸念無し)」→「債券相場に燃料投下」という展開になってしまうでしょうな。
これで本当にテクニカルに当座預金残高目標を実質引き下げみたいな事をやると激しく笑えるのですが・・・・・・
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2005/02/02
お題「しかしまぁ相変わらず謎の相場ですな」
これというネタが無いときは相場話になる訳でして・・・・・
○意表をつく動きが多いわけですが
昨日の債券相場は後場になって突如10年とか20年とかの現物債の気配がやたらと強くなったと思ったらいきなり相場上昇の巻。月曜日の場合は株価指数先物の謎の上昇というのがあったのである意味「はあはあそうですか」って感じではあったのですが、昨日の場合は外部環境を見てもまるっきり訳わからずの巻という上昇でして、外部要因訳判らんという位ですから当然ながら内部要因ってぇ事でしょうな。
だいたい訳のわからんタイミングで突如買いが入るのはインデックス系の資金というかパッシブ系の資金というかまぁそういうケースが往々にしてあるのですが、月曜日にロングの振り落としをやってしまったせいか、昨日はあれよあれよと上昇する相場の中で「ロングの外し」的な向きも無く、相場は見事に上昇してしまいました。月曜日の「10分で30銭下落」は一体全体何だったんでしょうって感じではあります。
とは言いましても、結局のところは「時々ロングの振り落としをしながらも相場は堅調」というシナリオからは逸脱しておりませんで、一日中相場に張り付いてヒーヒー言っておりますと目先の上げ下げできゃあきゃあと言うわけですな。例えば先週なんかでも、あたくしがインフルエンザ(は治ったのだが鼻水が止まらなくてくしゃみが出るのですが、もしかしてこれは・・・)で寝込んでいる時でも「先物2銭高で20年1毛甘」というようなロング筋が投げたくなるような相場展開(休んでいたので動きに翻弄されずに済んだ訳ですが^^)があったりしておりまして、そもそもが高値警戒感があるので「ロングの振り落とし」が時々発生しやすく、マーケットに思ったほどロングが溜まらないという構造になっているのかな〜って感じでございます。
○ま、相場観が揃って来たんでしょうな
特に今年に入ってからの相場は、大きな流れはともかく、目先の動きでは「意表をつく動き」が多いという印象があります。で、昨日もつらつらと「何でそう意表をつく事が多いのでしょうか」などと悩んで(ませんが)おりましたが、どうも色々と皆様のお話を聞いたりレポートを読んだりしておりますと「相場の見方がどうも揃って来た」という感を深くするものでございまして、恐らく「突如謎の動き」というのは「皆で同じことを考えているので意表を突かれた時の対応が後手に回る」って事なのかな〜何て思っている次第であります。
とは言いましても、この相場展開と皆様のレポートその他を拝見しておりますと、「相場観が揃っている」とは申しましても、まだまだ相場上昇への確信って訳ではなく、「相場は下がりにくいんだけど高値圏にあるので高値警戒意識は継続ですなぁ」というのがコンセンサスって感じのようでして、まだまだ「ブルフラット来たーーーー」って感じの動きにはなっておりませんし、惜しくも明日には10年国債の入札があるので中々一気にって事にはならんのでしょうな。
ただ、先週前半(はインフルエンザでひっくり返ってましたが)までの展開と、先週金曜日以降の相場の違いは「相場が上昇するときに10年、20年が主導で上昇する」ってぇのがございます。それまではどちらかと言うと先物だったり中期債だったりというゾーンが上昇しながら10年とか20年は渋々上昇するものの戻り売りが出てくるの図って感じでしたが、とうとう長期債の売り(過去に捕まった買い玉の整理)も終了したのか、それとも買いを手控えていた人が諦めたのか良く判りませんが、長期、超長期主導での相場上昇が目立つようになって来たのは相場としては誠に明るい材料ではないかと思う次第でございます。
と、喜んで(?)おりますが、10年国債入札でまたまた10年ゾーンが重くなってしまったらまた元の木阿弥なんで、この高値圏と皆が警戒している状況下ですんなり10年新発国債が捌けるのかどうかに大きな注目が集まっているという感じではないでしょうか。
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2005/02/01
お題「いまだ総強気には至らず・・・・っすかねぇ」
○昨日の債券相場
昨日のドラめもんで「相場に死角がありませんなぁ」などと申し上げましたところ、昨日の債券相場は朝っぱらから20年、30年ゾーンを中心に見事なブルフラット商状となりまして10年もあっさり1.3%割れ。やーこりゃ益々死角なしモードで総強気突入ですかと思わせてくれたのですが、後場開始後10分くらい経ってからいきなり日経平均先物が大上昇致しますと、債券先物も「ありゃりゃ」という感じで下落。
相場が下がりだしてさてどうなったかと申しますと、まぁそんなに大きな動きではありませんでしたが「何だ下がるなら今まで引っ張っていたロングを外しますか」ってな話になって参りまして、押し目買いというよりはロングの外しの方が目に付く動きとなりました。まぁ先週後半以降の地合いの強さによって思ったより皆さんロングになっておられたようでございますな。
引けに掛けては株価指数先物が今度は謎の反落を示して大幅に上昇した分をだいぶお返ししてしまったのですが、そうすると先物中心に債券市場は戻ってしまいました。何のこっちゃという感じですが、昨日の印象としては「皆さん何気にロングなのね」というのと「と言いつつも高値圏にいるという意識はあるのね」という感じでございまして、朝方の豪快なフラットニングで一瞬「もう総強気相場かよ」と思わせた債券市場に良いお休みとなったという感じでございました。
○変動利付国債
変動利付国債も中々豪快な動きをしておりまして、まぁ今まで延々とプレミアムがつきまくっていたせいもあるのですが、こちらは先週後半から売りがだいぶ出ておりまして、先週末あたりでは「やっぱりプレミアムがつきすぎでしたかそうですか」ってな感じで今まで買いばっかりだった投資家層まで売りだしてくるという有様となりまして、変動利付国債の売りのピークは昨日の前場という感じになりました。
何せあっという間に前日比10銭安〜15銭安くらいまで売り込まれた後に今度は押し目買いが入ったらしく終わってみれば20銭高くらいまで戻るというこちらもまた豪快な展開でして、利付国債と同様にこちらもまた高値波乱と言った状態になっております。
ま、ここのところ変動利付国債を売ったお金が中期債あたりに流入していたような節がございましたので、昨日の債券相場で変動利付国債が値を戻した後はその反対の動きと言う感じで後場の相場下落で妙に3〜4年ゾーンの中期債が重くなっておりました。この辺がどうも変動利付国債とリンクしているようでして、まぁこのあたりのゾーンを好んでいじるという事はだいたい大手系の銀行業態の動きなんでしょうな〜(そもそも変動利付国債と言えば銀行業態の買いでプレミアム状態になってしまっているので当たり前ですが)という感じであります。
○というわけで当たらない2月相場展望
ま〜いずれにせよ、まだまだ「総強気債券ユーフォリア(などというものが来るのかど〜かという突っ込みは無しね)相場」が来るのにはお時間がかかりそうでして、「高値警戒感」「材料(入札とか経済指標とか)警戒感」のある中での相場が続くという感じでございますな。警戒感があるうちは下げがあっても大したお話にはならんでしょうというのがお約束ですので、2月相場は基本的に少なくとも前半は堅調推移で宜しいんじゃないでしょうかね。
まーしかし昨日はドラめもんで「こ〜ゆ〜時には皆で総強気になったあたりで意表をつく材料が飛び出してきてアヒャヒャヒャヒャ状態になるというのが債券市場の伝統芸能でございますが、今のところはまだ「ああ死角がございませんなぁ」くらいの感じではないかと思うところでございます。」などとのんびりとした話をしたらいきなり「10分で30銭下げ」という相場をやってくれる所なんぞは中々お茶目な債券相場ではございますので、まぁあたくしの相場展望は相場検討の叩き台として叩く(価値が無いなどと言わないでね)材料にしていただければ誠に幸いでございます。
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2005/01/17
お題「金曜の相場後講釈」
○相変わらず方向性が出てくれない相場
先週末の債券市場は米国市場の株高債券安ってことで当然ながら買い先行でスタートになったのですが、金曜の朝のドラめもんで申しあげたように、10年新発も5年新発も業者の持ちになっている(要するに売れ行きがスロー)となっているところでの相場上昇って事でお馴染みの債券先物独歩高モードになりました。
まぁ木曜日の引け味があまりにも宜しくなかったので、基本的に業者のヘッジが先物に結構入っていたと思われる状況で先物独歩高攻撃をされると業者はヘッジの買戻しを先行させるしかございませんなぁってなもんでして、益々先物独歩高になってしまう訳ですな。
少々買いもあったのでしょうが、相場上昇で10年新発債が1.35%をマークしちゃうあたりでは戻り待ちのヤレヤレ売りまで出てしまったようで、尚の事現物ポジションが重くなり業者青息吐息の図。
・・・・そこで出てくださったのが目を疑うような強い数字になった機械受注でございまして、マーケットが何となく「仕方ないからロング気味」になっていた所に出たサプライズはさすがにインパクトがありまして、指標発表後からの先物の下げは約50銭と久々に動いてくれました。
10年1.40%まで相場が下落したところで買いも入って反発して相場は終了しましたが、終わってみれば場中延々と先物一人旅だった相場は一転してごく普通のイールドカーブになりまして、現物ポジションが重くてヒーヒー言っていた業者(対顧やっている人)にとっては「天の助け」としか申しあげようがない相場展開でありました。
と、相変わらず相場の後講釈をしているのですが、先週末の相場で受けた印象がいくつかございまして、箇条書きすると・・・・
・まだまだ「昔の捕まった玉」整理は残っている
→10年新発債が節目(1.4とか1.35とか)を抜きに行く度に現物債に売りが出てくるようですな。出てくるのはロークーポン銘柄と直近発行銘柄の合わせ切りみたいな感じだったりするのですが、まぁ昔のロークーポン物に関しては期間収益の足を引っ張るので懐具合見ながらまだ売ってくるようで。
・とは言え相場は中々下がらない
→じゃあ上らないなら相場が下がるかと言いますとこれがまた下がらない訳でして、金曜日も結局あっさり10年1.4%とその前の週の安値1.42%なんぞ全然見る事も無く反発を相成りました。「捕まった玉の整理」をしても結局その資金は債券買わないと行けないので下がると買いが入ってくる訳ですな。
・業者は現物債の持ちが高水準になっているようで
→上に書いたとおり。何だかんだと言って相場上昇で先物ばかり強くなるのは業者の現物持ちが多いからでしょう。
まぁ運用資金の余りまくりVS新発債絶賛発行の綱引きという図は引き続き変らんようで、折角金融緩和して国債も発行しているのにその資金は結局債券市場に大幅に戻ってくるというのは相変わらずのようでございますなぁ。1〜2月って妙に債券相場強い事が多いのですが。
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2005/01/14
○5年国債入札レビュー
あんまり書くネタが無いとついつい相場講釈&後講釈になるわけですが、昨日の相場は先物ベースでの値動きは大したことありませんでしたが、やたらとよく動く相場でした。
業者間気配の推移を見ますと、「朝一番(または前日の余波)に20年ゾーン中心に買いでブルフラット商状」→「フラットニングして20年2%割れ(高値1.99%)までマークしたところで10年か20年かよく判らんが長期ゾーンに売りご登場でフラットニングあっさり終了」→「急に4年前後の中期ゾーンの債券が売り物がちになる」→「前場引けに掛けて4年〜5年ゾーン中心にヘッジ売り合戦で、何と下落してるのにイールドカーブ上先物よりも5年の方が安く、10年も安い」と、ここまでが前場。
入札の札入れが終了した後場寄り付きから前場引けでボロボロだった中期ゾーンがそっくりそのまま5糸(=0.5BP)堅調になり、「ああ入札は悪くないのね」って安心感が広がるものの、何故か戻るのは先物ばかりなりとなりました。で、落札結果はまぁ前場引け時点での最終出合い値(一応オファー残りにしていた)の2銭上が平均で最低落札は前場引け時点での1銭上の99円72銭しかも按分97%でして、入札参加者にとっては正に想定通りドンピシャリの落札結果が得られるという誠に穏当かつ妥当なものとなりました。
で、毎度お馴染みの絶賛トップ争い大手業者2社様が5000億だの4000億だのと大量にご落札されていた事もありまして、益々安心感が出てきたのか相場はじり高になったのですが、長期債は相変わらず売り物勝ちで、中期債も第U非価格競争入札が構えている関係上こちらも売り物が待ち構え状態で、先物だけ何故か独歩高状態。何せ前日比先物がプラス圏で推移しているのに現物の業者間気配は先物周りのゾーンを除いて悉く前日比安いという素晴らしい相場になってしまいました。
で、引けタイムが近づくにつれまして「やっぱり新発売れて無いじゃん」というお話になって来ましてヘッジが入って先物を下げて取引終了でした。
まー現物の気配というかイールドカーブがこれだけ乱高下したのも久し振りでして、前場途中まで5年の入札どころの騒ぎではなく、長期債や超長期債のポジションを物凄い勢いでメンテナンスしておりました(^^)。
で、何も無ければ「やっぱ5年新発は売れてないようだし、大体10年新発も重そう(昨日もまた長期ゾーン最弱銘柄の名をほしいままにしておりました)だからちょっと週末ポジション調整で先物売り先行ですかな」って事になる筈だったのですが、海外市場で原油高だのイニシャルクレームの予想外の悪化(というか申請者数の増加というべきか)だので米国長期債が買われて米国株式は結構売られるという状態で戻ってきたので、またまた先物独歩高の悪寒がしますなぁって所であります。10年も5年も新発国債は業者の持ちに残っているようですので、相場上昇時にはどうしても先物独歩高になりそうですなぁ。
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2005/01/13
○5年国債の入札な訳ですが
毎度毎度のお話で困ったもんだって感じですが、入札前に債券相場がじりじり上昇致しまして本日はそもそもクーポンが0.5%になるのか0.6%になるのか判らんという状況にまでなってしまいました。まー今回の上げの原因ははお馴染みの「嫌がらせ的先回り買い」ではなさそうなので話はやや違うようであります。
とは言いましても、今回の5年国債は0.5%台前半になるでしょって状況ではてどうしたもんかと思います。フツーだと売れそうも無いのですが、無理矢理セールスポイントをこじつけるとこんな感じになるのでしょうか。
・短期ゾーンの需給が良好
→年末にやや崩れた感のあった短期ゾーンですが、年明けからまたまた運用圧力が復活してきて、国債買現先オペで派手に札割れをしてみたり、FBの入札は良好と行った事で、2年国債のカレントゾーンあたりも堅調になっており、短期資金潰しのニーズは高そう。
・15年変動利付国債との比較
→来週の入札を前にやっと気が付いたかのように変動15年国債が今月利払い物(=次回利払いの基準金利が1.39%でめでたく確定しちゃったので向こう半年のパフォーマンス低下が確定した銘柄群)を中心に売り物勝ちではありますが、まー今のところは発行αが100位になりそうですなぁという状態です。15年変動利付国債の初回クーポンが0.4%を割りそうな勢いで、じゃあ5年債は幾らよ?って言った時にまぁ0.5%台半ばだったら何となくお買い得感が出てくるかな〜という淡い期待。実は15年変動利付国債が割高なだけだという説も少々ありますが。
まー後は今週になってから見事に上昇してくれた債券相場の背後にある運用圧力というか新規資金流入というか、ですかねぇ。
相場が動かないと商売あがったりなのは業者でありまして(まぁ何とかテキトーに商売ネタはございますが)、「相場動けや」って思いも込めているのか最近は妙に「ペイオフ通過後に当座預金残高目標の減額」ってお話があちこちで盛り上がるという日銀大喜びの図が展開されております。当座預金残高目標を減額するとまぁTBFBあたりの運用圧力が少々落ちてくる可能性はありまして、回りまわって中期ゾーンに影響してくるという「良い金利上昇(というのか??)」の図というのも想像される所ではありますが、まぁど〜せ「当座預金残高目標減額」の話が出てくるのは3ヵ月後以降の話ですんで、今買っていても何とかなるでしょ(実は何とかならないのが相場の恐ろしいところですが^^)って事で中期債は買えないことも無いでしょう。あっはっは。
ちなみに、入札に関しては事前ヘッジはそこそこやっているかも知れませんが、本日相場持ち上げの刑が起こると前回の10年新発国債のような破目になりかねない(というかなる)と言った所でしょうか。前場に相場が下落すれば無問題です。なお、0.6%クーポンで発行(この場合既発の5年42回債リオープン)になった場合は(業者としては)良いのですが、0.5%で新発債発行となった場合は、42回債のショートがそこそこ業者に溜まっているようなので、5年カレント2銘柄の間で下らん需給の歪みが発生して対顧売買を担当する中期債担当ディーラーの頭が痛い日々が始まりそうですな。当然ながら需給関係が42>>43となる訳ですが。
という訳で、こんな水準で堅調な入札になるのは甚だ遺憾ですが、ど〜せ堅調入札になるんでしょ。相場持ち上げ攻撃になるとまたも遺憾の極みですし・・・・・(-_-メ)。
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2005/01/11
○相場メモ
先週末の債券市場は朝から「何でそんなに売るの?」って感じで相場が下落してくれましたが、まぁ「ロング振り落としモード」だったようで、寄り付きかは下がりましたがその後は寄りから5銭しか下落しないで次第にじり高という「振り落とされロングVS実需押し目買い」の対抗戦と相成りました。
・・・・しかし相変わらず理解に苦しむのは押し目買いの入り方でして、確かに10年新発債も買われていたようですが、先週末の相場の戻りは何故か今週木曜日に入札が予定されている5年債に買いが入ったとしか思えない戻り方でした。3営業日後には5年新発債が2兆円出て来るのにそんなに「先回り買い」したいのかねぇと不思議ではあります。(まぁ先週の10年入札前の先回り買いと比較すれば相場が下落している分だけ理解は出来ますわな。それにしても10年入札前日に先回り買いした人って結局いかれてるじゃんよ)
という訳で、入札後ヘロヘロになって「これは一相場発生するかも」とちょっとだけ期待(してませんでしたが^^)させた材料の10年新発国債も目出度く持ち直しまして(入札順調でその後も堅調だったらそれはそれで一相場になったのですが)、結局またもお馴染みの「10年1.4%」に吸い寄せられちゃったので、益々相場の膠着感が強まりそうですな。
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2005/01/07
○10年国債入札レビュー(というか相場メモか)
昨日の入札。寄り付き前からお約束のように相場は堅調でして、しかも昨日のドラめもんで申しあげた悪い予感通りに10年カレントゾーンがイールドカーブ上一番強いという涙を禁じえない上昇を示してくださいました。
で、債券先物の高値は前日比14銭高の138円87銭。10年265回債の1.38%(▲0.015%)が買われて買い気配というのがピークでしたが、前場引けが近づいて来るとその265回債の1.38%とか264回債の前日比1毛強なんぞが業者間で頑張って叩く動きが見られだしまして、前場引けでは先物も落とされて前日比6銭高の138円79銭。新発266回債の発行前取引は1.395%−1.40%の気配(出合いは395%)でございました。
入札のプライストークは100円30銭(出来上がりで1.391%)のほぼ一本値でしょうって話(その一つ下だと1.397%で最終出合いよりも安くなる)でしたが、按分がどのくらいになるのかはさっぱり読めないという状態。蓋を開けてみれば100円25銭まで入ってしまっていたのですが、25銭の按分が2.9%ですし、平均落札価格が100円30銭でしたから、まぁ事実上100円30銭一本値みたいなもんでした。
あたくしは昨日のドラめもんで「10年1.4%割れるかって位置からなおブルフラットさせるのは如何なものかと思いますので、今回は頑張ってデルタでドン!って所でしょうか。」などと勝手な大予想をしておりましたが、結局30銭一本値ながら札が全部入ってしまったことも手伝いまして相場を持ち上げるパワーも乏しく、まぁ運の良いことに「100円」というのが目の前にあったことから一気に相場を叩く必要もなしという環境になっちゃいました。また外しましたな(汗)。
で、どうなったかと申しますと、「先物でヘッジを掛ける」→「下がった所で100円で売却」→「ヘッジ(ちょっと)買戻し」→「戻ったところで改めてヘッジ」という高級な(?)作戦によって相場がちょこちょこ振幅する間にせっせと皆様先物ヘッジをお掛けになられたようで、14時30分を過ぎて皆様のヘッジが十分に進んできたあたりから新発266回が弱含みまして(というか20年カレントが妙に安くなったのですが)、「助さん格さんもういいでしょう」ってな事で最後は残ったロングの振り落とし攻撃になった次第。
有力業者と違いまして、まぁアレな立場で市場に参加しておりますとやたらと業者間売買や先物のプライスアクション(板付きとも言う)を読む芸風が身についてしまう訳でして(^^)、まぁ終わってからそういう話をしても仕方が無いのですが、入札のプライストークであたくしが傍目八目(主担当商品じゃないから)よろしくお話していたのは・・・
(1)1.4%割れだし雇用統計の3連休前で裸ロングは厳しい
(2)前場引け前に頑張って売っている人がいると言う事は大量に落札してくる業者は大手投資家の札は期待しにくいと思っているのではないでしょうか
(3)事前ヘッジはイールドカーブでもデルタでもやられ状態になっていてバッファーなく、余裕があるのは前場の85銭どころを売った人くらいであまり鼻歌交じりで入札する余裕はないでしょう
ってな話でして「こりゃ落札後の相場上昇、ましてやブルフラットは中々厳しいでしょうな。落札した分どこかで目を瞑って先物を叩くんですかね〜」とひとごとのように予想しておりました。その割には落札結果発表後1時間半も値持ちしたのは案外しっかりしているという感じでしたので、四半期スタートで「期初の買いもどき」がそれなりにあったんでしょうね。
何だかんだと言いましても、やはり10年ものとなりますと価格変動リスクがでかいって事があるようで、ここ数ヶ月の入札では10年国債入札が恒常的に「まともな入札」になっておりまして、その傾向は今回も継続しておりました。まぁ宜しかったんじゃないでしょうか。
#一昨日の10年買いがなければもっと楽な入札だったと思いますが
(1月10日追記:今回の10年国債入札の応札倍率が4倍とまぁ普通の倍率になったのですが、もしかして先日ネタにしたした「応札順位の発表」が影響して「明らかに無駄な札)が入らなくなったのかもしれませんね^^)
2005/01/06
○国債市場特別参加者に関る発表
国債市場特別参加者に1月から東海東京証券が加わる事になりまして、誠に慶祝の極みでございます。で、財務省さまにおかれましては今回「落札・引受額ランキング」「応札額ランキング」なんぞを公表されましたが、これが中々笑えますわな。
国債の落札・応札順位について(平成16年7月〜12月)http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/jgbsp/050104a.pdf(財務省のWebはPDFのアドレスを直接入力するとなぜか見えない傾向にあるので、元アドレスを念の為申しあげますとこちらであります→http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/jgbsp/jgbsp.htm)
大変に楽しめるのはその資料の2ページ目と4ページ目あたりでございまして、「超長期国債(30年、20年、変動15年)」の落札額順位と応札額順位を見るとランキングの順位が全然違う訳でございます。何せ落札額ランキング上位5社は日系大手(と大手銀行)が占めているのに、応札額ランキングの上位5社中3社が外資系(どこなのかはリンク先の資料を見ましょう^^)。
超長期国債で「按分狙いの過大入札」ってのはちょっとリスキーでしょうから(15年だと少々有りえるけどやっぱリスキー)、まぁ応札順位が落札順位よりだいぶ上のお方はいずれ「入りもしない札」をせっせと入れておられるものかと存じます。まぁそりゃ入ったらラッキーな札を下のほうまで流すのは結構ですが、もしかして(最近はあまり気にされなくなってきたとは言え)応札倍率を大きく見せかける為(応札倍率が高い→ニーズが高い→販売順調という連想が働きやすい、最近は余り騙されなくなっているが)に応札だけしているのではないかという疑惑も(^^)。
まぁ何ですな。要するに「応札倍率は低い場合以外は材料視しても全く無意味」という事ですわ。一つ宜しく。
○で、10年入札ですが
昨日の時点で既に10年カレントゾーンが強含みというお約束の展開で10年入札を迎える破目になってしまいました。入札前に買うという意味不明の投資行動はご勘弁願いたいというか何が楽しくて嫌がらせのような事をするのか1ミリも理解できませんが、まぁとにもかくにも今回の入札も思いっきり割高入札になってしまう懸念が大有り。
まぁだいたい業者(というか入札しないといけない対顧やってる人)の昨日引け時点での平均的心理を勝手に想像しますと、恐らく本日の前場引け時点で先物対比10年カレントが5糸強い位の所までは覚悟しているという所でしょう。それより強い状態で入札を迎えると甚だご機嫌が悪くなると言った感じ。ただし前場に相場水準が下がる(海外要因から言ってそれは無さそうだが)のであれば無問題。
割高入札になった場合に業者が助かる道は「相場じり高(あるいは暴騰)でより割高にする」か「相場水準を全体的に押し上げてデルタで勝負」のいずれか(「一旦持ち上げてフルヘッジしてから相場を叩いてカーブ上強くする」という高等戦術もありますが)という事になりますので、どっちにしても血圧の上がる展開が想定されますな。10年1.4%割れるかって位置からなおブルフラットさせるのは如何なものかと思いますので、今回は頑張ってデルタでドン!って所でしょうか。週末に米国雇用統計控えてなかなか厳しい気がしますが。
・・・・今回はさすがに当たるでしょうと思うあたくし(^^)。
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2004/12/30
お題「来年のテーマは?」
今年もありがとうございました。
○来年の課題:量的緩和政策の軟着陸をどうするの?
昨日の日経金融新聞の1面は産業再生機構のミサワとダイエーへの支援に関連して「国の関与はこれで終了にして普通の状態に戻るようにしましょう」ってなお話が書いてありました。今の今まで国の関与を散々奨励して一転してそれかよって気もしますが、まぁそういう野暮な突っ込みは置いといてですなぁ・・・・・
どうも来年は景気の実態がどうのこうのとか物価指数がどうのこうのという話は別にして、量的緩和政策をどうするべぇという雰囲気に持っていくとゆ〜流れがそこかしこから表面化してますんで、とりあえず来年は「ペイオフ全面解禁(実は抜け穴だらけですが)」→「金融不安の払拭」→「過剰な流動性供与の見直し」というお話が最初に出てくるという見方が強くなってきていると思います。
で、まぁその為には「量的緩和の量の意味をレビューしましょう」って話になるのですが、実質的に意味は無くても「意味があった」という事にしないと間違って景気が失速した場合に打つ手が無くなる(というか国債の買入拡大とかの福井日銀として望ましくない政策を打たざるを得なくなる)ので、無理矢理意味が有る事にするというのが予想される結論かと思います。
じゃあ「政策効果として意味がある」当座預金残高目標という「量」をどういう理屈をこねて減らすかというのは先日も申し上げたように、「デフレスパイラルに陥る懸念が払拭され、金融システム不安も払拭されており、下支え部分は不要になりつつあるので量を減らしましょう」って事になると思います。
問題はそうすると「量的緩和政策のコミットメントを変更して早期に量的緩和政策が解除してくるのではないか」という思惑(何せ水野審議委員まで言っている訳ですし)が働き、実際には意味の無い程度の当座預金残高目標減額(30〜35兆円を20〜25兆円に下げると言った程度の話)であっても、市場が勝手に反応して早期量的緩和解除を織り込みに行って大暴れモードになるという事でしょう。(そう考えますと水野さんが「量的緩和の条件変更」を示唆したのは却って当座預金残高目標減額の実施を難しくしている訳でして、水野さんの元気なご発言もまた諸刃の剣かと存じますって感じですな。)
もちろん、量的緩和早期解除を勝手に市場が織り込んでくれて日銀が市場追認の形で量的緩和の解除条件達成前に緩和政策を終了させてしまうというシナリオをそれで良しと日銀が思っているのであれば話は全然別なのですが、あれだけ大騒ぎして設定した「時間軸のコミットメント」という梯子を有耶無耶のうちに外すというのは「お前は繰延税金資産という梯子をいきなり外す金融庁か」ってなもんで、それはどうなのよって思う次第ですわな。と、書いておりますと(その当時は金融市場におりませんでしたが)日銀が「ゼロ金利解除ありき」という前提で雰囲気作りをせっせと行って市場にゼロ金利解除を織り込ませた2000年の再来という悪夢も思い出される訳でして、まぁどうなんでしょうねって気は致します。
どちらにしても、来年は「量的緩和解除の条件達成」の話をさておいた形での「量的緩和政策の軟着陸」って話が出てくる事でしょう。
○しかし本当に量的緩和政策を解除できるのかというと・・・・
正直、やってみないと良く判らんという所が沢山あるのですが、現状の金融市場は「量的緩和政策を前提とした」状態で回っていると思しき箇所が沢山ございまして、大丈夫かね〜って部分は多々ある訳です。思いつくものを適当に並べますと例えば・・・・
・国債のRTGS決済がちゃんと回るのか
→一応RTGSのスタート時点では通常の金利(って言ったって低金利でしたが)体系の下にありましたが、その時点から見て国債(特に短期国債)の発行量が莫大なものになっており、日中流動性の問題がちゃんと回るんでしょうかって疑問が少々。
・同じ理屈で資金のRTGS決済がちゃんと回るのか
→決済がちゃんと回るのかと言う点で懸念している理由はもう一つあります。大手銀行を始めとして、金融機関が物凄い勢いで集約化されておりますので、以前に比べまして「どこかで決済が止まった場合のシステミックリスク」の与える影響がでかくなっているのではないかと思う訳でありますが、これもまた「通常の金利体系」である「所要準備カツカツの当座預金残高」の世界でのテストが無い訳でして、さて今の太平楽な状態で大丈夫なんでしょうかって気が。
まぁこの辺は当初混乱する程度で済んで欲しい話ですが。
・短期国債の消化はどうなるのよ
→莫大なる外為特会のバックファイナンスを担う短期国債は正直言って量的緩和のお蔭で無事消化されているようなものでして、まぁ今の所は少々当座預金残高目標を減額しても無問題とは言え、通常レベルまで外した場合にどうなのよってのはこれまた「やってみないとわからない」面がありますわな。
・中期国債の消化はどうでしょ
→量的緩和の時間軸と金余りを前提にして大手銀行を中心に2年債やら5年債やらは絶賛無事消化されているのですが、この前提条件が崩れた場合にちゃんと消化できるのか。特にあたくしが懸念するのは2年債でして、量的緩和政策実施前の発行額から比較して2倍とかの発行をしている訳でして、これが無事に消化できるかというと甚だ疑問。大手銀行の資金ポジションが大きく変った場合に5年債もちゃんと消化できるのかも謎ではありますが。
最終的には「金利で調整する」って話になるので全く消化できない話ではないのですが、今のままの発行ペースで量的緩和政策を外してしまうと、長めの短期金利から2年あたりの金利が物凄い勢いでスティープニングが発生して、イールドカーブ上中期ゾーンが思いっ切り膨らむ形になるのではないかと思うわけです。中期債ディーラー受難の時代が始まるわけです。
・ペイオフ解禁の抜け穴が一部塞がる訳だが
→ペイオフ解禁って言っても「決済性預金の保護」という大いなる抜け穴がありまして、まぁ要するに付利ゼロの預金にぶち込んでおけば預かり賃も(今のところ)取られずに全額保護なので、他の預金に置いていても大してちがわねぇのなら別に預金シフトする必要もなかろうってお話。これが金利が上りだした場合にそのまま決済性預金に無事にお金がいてくださるのかどうかは「やってみないと判らない」訳でして、実は4月のペイオフ全面解禁よりも、ペイオフ全面解禁が金利上昇局面に耐えられるかという方が重要だと思う次第。
・運用難マネーが突っ込んでいるお金が減ると・・・・
→これも良く判らんのですが、まぁ水野審議委員が就任記者会見で指摘したように、量的緩和政策の長期化で行き場を失った運用マネーが訳のわからん仕組債やら不動産証券化商品やらに大挙して絶賛大流入を継続しておりますので、この流れが止まった場合にどうなっちゃうのよってのは誠に遺憾に存じ奉る次第であります。特に懸念されるのは不動産証券化商品(のうち、借り入れでレバレッジ効かせまくった心温まる商品群でしょうかねぇ)でございます。もうちょっと証券化バブルは続いていただかないと困る向き多いんじゃネーノ?
・「外為特会ルート」が途絶して大丈夫か米国の財政赤字?
→双子の赤字などと言われながらも援蒋ビルマルートよろしくせっせと米国の財政バックファイナンスを支えた外為特会ですが、量的緩和政策で無事に消化されていた短期国債(というか正確には政府短期証券ですがまぁ同じ話)が無事消化されなくなって(というか調達コストが絶賛上昇して)平気なのかね〜何てのもある訳です。まぁよーわからんが。
とまぁあたくしの無い知恵で適当に思いつくものを並べただけでもうじゃうじゃと出てくるくらいに量的緩和政策というものが、あちこちの「前提条件」になってビルトインされている状態になっている訳でして、この「サステイナブルでは無いけれども妙に安定している」という状態が量的緩和政策の解除によってどういう遷移状態を形成するのかという点は興味があると同時に大丈夫かね〜って思うわけです。と言っても結局「やってみないと判らない」ので、まぁ色々と起き得る事を想定してくださいねって事なんですが。
○年末なので口上
というわけで今年もあたくしの与太話にお付き合い頂きまして誠にありがとうございました。皆様にとって来年が飛躍発展の素晴らしい年になりますように祈念致します。来年も宜しくお願い致します。
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2004/12/28
○昨年も謎の下落だったわけだが
下げてからこ〜ゆ〜事を書いても見事なまでの証文の出し遅れで誠にアホーとしかいいようがありませんが、昨年の年末をあたくしの手控え帳というエエカゲンなもので振り返りますと、年末渡しが終了した12月26日に謎の下落を演じておりまして、大納会に向けての3営業日で先物ベースで80銭ほど下落しております。
昨年の下げは(あたくしの帳面によりますと)外部要因がどうのこうのとなった訳ではなく、市場の内部需給要因というかよーするに大手投資家さまのポジション調整売りで下落の図って形になっておりまして、昨日の債券市場もまた然りという感じかと。
総じてこの時期は取引の薄い中一方方向に振れる傾向があるのですが、大きく振れた後に多くの投資家さまが相場に復帰する新年明けになりますとあっさりと相場が元に戻ってしまうというかトレンドに戻る(2001年の年末は天井をつけて年始から格下げ騒動で先物大暴落しましたが2002年は平穏なじり高相場と記憶してますが)の図という感じかと勝手に後付けへ理屈をこねておきましょう(^^)。
ちなみに昨年は年末に謎の下げをやったあと年始大発会でも下げをやりまして、あららって感じだったのですが、その後見事に相場は反発しております。
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2004/12/13
○下がりにくい相場でしたが・・・・・・
先週末の債券市場は10年1.4%の壁をものともせず上昇なのですが、日中の値動きを見ますとこれまた物の見事に先物独歩高の展開になっておりまして、まぁ要するに「先物の踏み上げ相場」って形になっている訳です。どうもユーロ円金利先物相場でも踏み上げの動きが目立つようでして、今更ながらに売り方の撤退があるってことのようです。しかも昨日の債券市場に見られますように、現物債の上昇が全然追いついていないという事ですので、現物債に強力な買いが入って相場を牽引しているというよりは正しく先物の売り方撤退モードとなっております。
まぁ限月交代した瞬間に先物のヘッジを買い戻すってのもどうも違和感がある話でして、どっちかというと現物ではなくて先物でポジションを組んでいる人(要するに海外のファンドみたいな人)が買い戻しモードに入っているという見方が多いようです。まぁそ〜ゆ〜市場観測が正しいとしますと、海外ファンドの皆さん今の今まで日本経済にカンカンの強気だったんですね〜って事になる訳でして、甚だ理解に苦しむお話ではありますが、海外から見た日本経済ってのはそんなもんなのかも知れませんな。
まぁ確かに外から見れば国際的に評価が高くて日銀ウォッチャーからは政策論理が破綻しているなどと酷評されるという「世界で使えて自宅で圏外」みたいな日銀福井総裁様におかれましては記者会見などで相変わらずカンカンの景気強気スタンスですし、債券市場関係者から政策委員に就任した水野さんは早期の量的緩和解除を示唆する始末ですから、外から見れば「日本債券市場の下落も近いぜよ」って事になるんでしょう。おまけに政府からは色々と美名はつけてますが要するに「景気が回復してきたことだしこの際増税キャンペーン」ってのが絶賛実施中でして、まぁ普通政府が増税しようって言ってるのですから景気は上向きだと思いますわな。大本営発表に乗せられた皆様におかれましては誠に哀悼の念を禁じえないところでございます。
まぁ福井さんと言えば、本日名古屋で記者会見が予定されているらしいので、福井さんが最近の経済指標についてどうコメントするか一応注目したいと思います。まぁそう簡単に白旗はあがらないと思うので、降参系の発言があったら驚愕という事になるでしょうな。
てな訳で、先物が一人旅で上昇の債券市場ですが、何せ現物の上昇が追いついておりませんでして、昨日も超長期国債あたりは引値ベースでも先物21銭高に対して5糸(=0.005%、同じイールド変化を先物に直したら4.5銭くらい)しか上昇しておりません(しかも売り残り状態)でして、現物債の買いが特に超長期ゾーンになるとどうもぱっとしない状態が続いております。明日20年国債の入札が予定されておりますので、入札前に頑張って割安にする攻撃なのかもしれませんが、どうも相場水準がこのあたりに居る時の20年国債入札ってどうも追随が無い傾向にあります(瞬間は強くなるのですが)ので、今回償還が延びてどうなるのよってのが注目されるところではあります。というか今から頭が痛いんですが。
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2004/12/10
○またも壁にチャレンジ
昨日は先物の当限最終日と5年入札と機械受注の発表がぶつかると言う実に楽しい一日でしたが、入札前から威勢良く買いが入りまして入札時点で何と5年新発債のレベルが0.56%−0.565%という状況。落札平均価格は0.56%でして、さすがにちょっとやり過ぎ感のある入札だったので「先物を下げて販売促進しましょう攻撃」で先物を叩きながら5年ゾーンはあまり値が下がらずという中々美しい展開になりました。
で、ちょっと下がってちょっと新発債が捌けた所で機械受注が前月比▲3.1%という香しい結果になってしまいまして、今度は先物買戻し攻撃で先物独歩高になってしまい、気がついたらいつもの入札のパターンに戻ってしまい、先物が138円74銭の高値(前場の引けは63銭)だったのに平均落札価格の0.56%にはオファーが置かれっぱなしで誰も買わずというおなじみの展開になりました。(その割には第U非価格競争入札が80億ちょっとだか何だか落札している人がいるのですが、相変わらずひねくれ者がいるようですな。)引けに掛けてはやや無理矢理先物を叩いたのですが、結局先物が一番強いというお馴染みの展開で、後場スタート時点の状態から比較すると現物債が弱くなっておりまして、とても5年債の販売が順調という感じは受けませんでしたな。って言うか、高値更新した所で売りが出たんじゃね〜のって感じです。
で、まぁ米債が売られても米株が底堅くても堅調に上昇しているLiffeの円債先物(時差の関係で米債が安い時に引けているような気もしますが)でして、ロンドンの引値が138円85銭ってなもんでして、限月交代で3か月分利回り上昇(=価格低下)する筈のギャップを勝手に埋めに逝っております。先物ってぇのは心理的に「お値段」で見るために「ほうほうそうですか」ってなものなのですが、現物債の利回りってぇのは正直(?)なものでして昨日の引け時点で「新発10年国債利回りが1.4%」「新発5年国債利回りはあと0.015%で0.55%」って状況になっておりまして「さてどうでしょ」って状態でございます。
まぁロンドンの引けを信じますと、今日は10年と5年の壁に到達致しますんで、ここでまたまた売りが出てくるのか、ヤケクソで買いが入ってくるのかというのが本日の見ものかつあたくしがどっちに張るかの材料ですなってなもんであります。
なお、来週を前にボロボロになっている20年国債ですけれども、この20年国債も来週の入札で3か月分の利回り上昇がありますので、目先2%割れはちょっとどうよってのもあります。まぁあと0.015%ありますので10年よりもバッファがありますが(前回は2%割れのところで相場が止まってしまいました)。
しかし何ですな、日銀短観の悪化をこれから織り込みに逝くとして、肝心の短観が発表された時にサプライズになるのはどっちよって議論になりますと、火曜日に20年国債の入札があって日銀短観が水曜日の寄り付き前に発表ってのも中々アレでございますな。入札日程をイベントにぶつけるのは勘弁と言いたいのですが、如何せん入札が沢山あるのでどうしてもイベントにぶつかってしまいますわな。とほほのほ。
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2004/12/03
相も変らず12月独特の相場ですが、米国雇用統計前の本日は果たしてどうなる事やら・・・・・
○10年国債入札レビュー
昨日の10年国債入札。元々先週末あたりからせっせと10年ゾーンを叩く動きがありまして「頑張って売ってますなぁ」って感じではあったのですが、その間に米債が売られてみたりしてたのでそれなりに債券市場意気消沈って雰囲気にしておりました。
で、一昨日はさすがに「事前の売り」にやり過ぎ感が出てきていたのですが、神風のように(?)NY市場で株価は上るは米債は売られるわという事になったので、あたくしも昨日朝のドラめもんで「10年入札を前に米国株式大上昇という心温まる展開でございますが、まぁ下がった方が入札自体はやりやすいでしょうな。」などと言いつつもやっぱり雰囲気に飲まれて自信が無かったので(自爆)それ以上のことは書かなかった訳でございます。
だいたいこ〜ゆ〜パターンですと前場から皆でせっせと先物にヘッジ売りをかましまして相場を押し下げるものの、相場が下がるにしたがって段々「そんなに下がるなら入札まで待たないで買いまひょ」とゆ〜お話になってきて先物の下げに対して(今回のケースだと)10年ゾーンの下げにブレーキが掛かりながら入札(前場の引け)を迎えて、入札でドテン大ロングって感じになる訳でございます(まぁ落札したのにまだショートってのは入札読み間違えて空振りになるケースを除きかなりのへそ曲がりだと思いますが)。
ところが、昨日の場合は事前に散々売り込んでおり、一昨日にも既に「そんなにさがるなら・・・」って買いを誘発していた事もありまして、海外要因が「債券売りモード」であった事をネタにして10年ゾーンをもう一発売り込もうとした動きが一瞬ありましたが見事に「事前の買い」で返り討ち。前場引けの時点で何とか先物は前日比1銭安でしたが、肝心の10年国債は前日比利回り低下気味という事になってしまった訳ですな。
で、入札の結果は毎度のように事前のプライストーク通りでしたが、運良くドル安が進行しちゃった事もありまして相場は威勢良く上昇してくれたのですが、先物との関係を見ると実は上昇しながら先物の方が前場の引け段階から強くなってきております。という事は入札後の上昇は必ずしも10年新発国債が牽引車だった訳ではなく(勿論10年国債に買いが入ったとは思いますが)、途中からは「先物持ち上げ攻撃」の方が相場のエネルギーになっていた可能性が高いのではないかと思われるところです。とゆ〜か、多分後場の高値近辺で先月発行の10年264回債が1.4%まで上昇したわけですから「まぁラッキー」ってな感じで売りが出たというのが実情だとは思いますが。
てな訳で、今回の10年国債入札は事前に投資家様の買いターゲット(新発国債の1.5%近辺)まで散々売り込んだ効験あらたかと言ったところかと思います。後場の上昇のせいで政地債の条件が売り難いものになってしまって一般債のディーラーの血圧が大変上昇しているような気がしますが、まぁ国債の方は無事でしたな〜って事で(^^)。
何か短観前に米国雇用統計でひと暴れあるかもしれませんが、基本的にはこれで15日の短観まで特にな〜んもないって事で宜しいのではないでしょうか。などと書きますとドラめもん良く外れるの法則で相場大荒れになったりして(汗)。
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2004/12/01
○相場の材料棚卸し
昨日の債券相場はまぁ上昇いたしまして、相場としては「ほっと一息」という感じ。先週末に10年以降、特に20年とか30年とかが激烈に売られ、月曜には中期や先物が売られるという展開でして、昨日なおも下げる展開になりますと結構雰囲気的には悪化の一途をたどってもおかしくないという流れでした。予想より悪い結果に終わった鉱工業生産指数やら株価の下落がによって債券相場は踏みとどまった格好ですが、まぁ昨日の場合は目先筋は上記の理由で売りポジションだったという感もありまして、買戻しというか踏みも入った気もしますにゃ。まぁどちらにしても一息つけましたわな。
どうもゼロ金利で年末越え金利がどうのこうのというような短期金融市場初の相場かく乱要因が無くなってからというもの特にその傾向があるのですが、12月ってのはイマイチ相場の材料がなかったりする訳なのですが、相場の材料を並べてたたき台にでも。
・国内景気動向
ま〜ここの所出てくる足もとの経済指標はあまり宜しくございませんし、(ちゃんと検証してませんが)鉱工業生産指数に見られる「先行き予測」っつーのもまるで当てにならないという思う(だいたい主要製造業は絶賛勝ち組ですから先行き見通しが威勢の良い内容になるでしょ)のですが、まぁ一応現時点で「足もとの景気減速を織り込んでいる」というのが世の中のコンセンサスらしいので、この先少々弱めの経済指標が出てきてもそうそう爆発的に相場が反応するってぇ感じでもなさそうですな。大体「国民負担増キャンペーン」を絶賛実施中な訳ですから大本営としては景気失速懸念なんて雰囲気を作らせるわけにも(自主規制)。
12月短観で方向性が屈曲しだすと大騒ぎになるかもしれませんが、そこまではちとトレンドにはならない雰囲気。
・需給要因というか国債発行計画
織り込み済みというか最近はめっきり材料になりませんな、無問題。
・ドル安問題
ドル安円高→債券買いという意見はお馴染みなのですが、今回のドル安は所謂「双子の赤字」をネタにしている(しかし何ですな、基軸通貨国としては世界経済を引っ張るために双子の赤字っつーのはある程度必要な気がするんですが・・・)事もありまして、ドル安と同時に米国長期金利の上昇もアピールされる為に、米国長期金利上昇→日本の長期というか超長期ゾーンの金利上昇という流れもある(円高で景気失速がアピールされれば話は別だが)とおもうのですよ。特に円投外債に積極的な姿勢を見せている国内生保業態様なんぞにおかれましては、そんなに金が余りまくっているという感じもしません(あくまでも印象)ので、円投するとなるとまぁ国内債残高を見合いで落としてくる可能性もある(そもそも円投外債は日米金利差を享受するためにやる事だから)と考えるのはちと考えすぎかな?
という訳で、ドル安円高が米国長期金利の顕著な上昇を伴う場合は、国内債券市場に対して必ずしも買いだけで反応するものではないでしょってのがあたくし的結論。特に長期以降の長い年限の債券に関して。
・という訳で結局は国内株式市場
いつもの結論に落ち着くわけですが、国内株式市場が株価インデックスベースではこう着状態(まぁ新規公開とか新興市場関係は毎度毎度乱高下してて1999年〜2000年のあの頃を彷彿させるのですが、あの時と違って物色対象がやや分散気味なので思ったより持ちこたえているというのが個人的印象。まぁ信用収縮が起きてないというのがでかいと思いますが。)にある訳でして、債券市場に関しても反応の仕様が無いという感じではあります。
で、どうも他の外部要因が12月15日だかに発表される日銀短観まではパンチのあるものが無い以上、あまり動きそうも無い国内株式市場、しかも日経平均を見て動くって事になりそうですねっていう毎度お馴染みの結論に達してしまい、「一味変った(またはひねくれた)視点」というドラめもんのウリと全然違うごく平凡な結論になってしまい、誠に遺憾に存じます。
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2004/11/30
お題「国債入札制度に係わるドラめもん的雑感」
物凄く真面目に取り上げだすととても重いネタなんですが、ちゃんと考えが纏まっているわけではないので雑談的に。
議事要旨を見てないのですが、報道によりますと昨日の国債投資家懇談会では国債引受シンジケート団の廃止がどうのこうのという話題が出ていたようですな。まぁ国債市場特別参加者制度が本格稼動している訳ですからシ団の廃止も検討しても宜しいかと思います。で、そんなこんなで国債の入札制度に改善の余地は無いでしょうかって話はここ最近のネタでもあったりするようです。
○応札価格の刻みの問題
応札価格の刻みがちと荒いな〜と思うのは10年国債。何せ昔のように豪快なディーリング相場では無い昨今において、応札価格の刻みが5銭というのは如何にも荒すぎ。5銭というのが0.5bp以上と言うことでして、業者間の呼び値公称刻み幅以上であります。ついでに申しあげれば、最近はあまりにもAsk-Bidがガチガチになっていたり、相場自体が全然動いて無い時なんぞには0.25bpなんぞで堂々売買しておりますので、まさに呼び値幅よりもデカイ応札価格の刻み幅であります。
現在のように常に入札が過熱してくれる(ただし10年国債に限って言えば最近あまり過熱しない傾向にあるのですが)のであれば「按分になりそうな価格の上にも応札しなきゃ」などという動きも出てきますので発行体ウハウハではありますが、相場が何となく弱くなるとこの刻みが逆効果として作用しそうな悪寒がする訳でして、まぁ改善の余地があろうかと思う訳でございます。
ちなみに、2年国債も本当は刻み1銭ですと値段としては荒いのですが、ゼロ金利がいつまでも続く訳でもなし(と言いつつまだまだ続くと思っているあたくし)、まぁ短期金利がそれなりに動くようになれば無問題かとは思います。0.5銭刻みにでもなるとまぁ便利は便利ですが。
○落札限度額の問題
先ほど「ここ最近の10年国債入札はあまり過熱していない」と申しあげましたが、この「あまり過熱しない入札」に貢献しているのが落札限度額の存在ではないかと思っております。
特に2年国債入札で思いっきり顕著に見られるのですが、どこぞの大手業者が代わる代わる発行量の7割くらいを落札するというアホウな状態が毎月のように発生した挙句、先月の入札のように過熱しすぎで7割落札組が手を引いたら「そんなに入れたくはね〜けど7割落としてくる人がいるから多めに応札するしかありませんな〜」ってなもんで多めに応札した人が叩き投げモードになってしまうわけでして、落札限度額が無い入札で特定業者の買占めが行われるというのも如何なものかと思うわけです。
まぁ目先的には入札が過熱したから発行体としてはオイチイですが、より長い目でみれば馬鹿入札の連発は国債の安定消化を阻害するものでございまして、入札はあまり馬鹿馬鹿しく過熱しすぎず、かといって毎回入札が割安になるというのも変な訳でして、その辺のバランスはムツカシイですが、特定業者が毎回のように買占める入札(2年の他には短期国債もその傾向あり)というのは制度改善の余地があろうかと思います。
10年国債の場合は落札限度額がありますので、1社で発行額の殆どを抑えるという荒業ができません。その為に「そんなに馬鹿馬鹿しい高値で応札しなくても買占め攻撃にはならないでしょう」という心理が働いて比較的まともな入札になるという結果になるという事でして、まぁ応札限度みたいな発想も必要ではないかという気はする訳です。あるいは米国債みたいに自己勘定と顧客勘定での応札を分けて自己勘定だけ落札限度だか応札限度だか忘れましたが、リミットを設けるとか、まぁやり様はありそうですな。
○応札限度額の問題
同じような理屈なのですが応札限度額問題。現在の国債入札では応札限度額がございませんでして、応札を行う日銀ネットでの入力可能額が事実上の応札限度額になっております。で、どういう事が生じているかと言うと、短期国債なんかでは99兆9999億9000万円などという応札をする人が続出しちゃうわけですわな。まぁ短期国債の場合は極端ですが、「多分この価格が最低落札価格になって按分がかかるんでしょう」って価格に10兆だの20兆だのという応札が入るケースも相変わらずありまして、お蔭で応札倍率が幾らかという事が何の意味もなくなる(応札倍率が低いときだけ参考になりますが)という弊害も生じております。
ちなみに、現物株式のディーラーもやったことがあるという債券市場では珍しいあたくしは株式のディーラーやっている時に取引に関する諸規則が債券と全然違う(極めて厳しい)のにビックリ致しましたわな。例えば現物株式でストップ高買い気配になりますと、あまりにもバイカイが極端に偏っている場合は値段がつかないのですが、まぁ普通にバイカイが偏っている場合は多い方の注文が比例配分されて取引が成立する訳なんですが、この時に「比例配分狙い」ということで大目の注文(買い気配なら買い注文ですな)を入れると「作為的相場形成」に該当いたしますのでタイーホでございます。
ついでに申しあげますと、ブックビルディング方式での売り出しあるいは新株発行の際に多くの配分を得る為に行う「カラ注文」も違反(公正慣習規則違反)でございます。いつぞやのドラめもんで指摘しましたが、日経新聞あたりでも勘違いしているようで、サンデーニッケイのマネー指南みたいなコーナーで「人気の新規公開株の配分を受けるためには複数の証券会社で注文しましょう」というようなFPのアドバイスをそのまま掲載しちゃったりする訳ですなこれがまた(^^)。ちなみに、同一人物が複数の証券会社で同じブックビルディングに申し込むのも規則違反。他人名義でやるのは名義借りなので証券取引法違反ですわな、うひょひょのひょ。
で、国債入札におきましては発行予定額がなんぼかある訳でして、全部落札しないのが判っていて過大(発行予定額を大きく超過するような)な応札をするというのは現物株式市場に直しますと「過大注文」にどう考えても該当する訳でして、まぁ如何なものかと思うわけですな。もうちょっと何とかならんかと思う訳です(まぁ落札限度額があれば無問題かもしれないですが)わな。
ちなみに、この手の「株式市場の規制と比べて何でこう債券市場は無法地帯なんだ」という話を債券市場関係者の前で堂々とすると(ドラめもん推定で)10人中7人位はいやーな顔をしまして、そのうち2人くらいから「債券市場はプロの市場で株式市場と参加者層が違う(以下省略)」という猛反論を食らいますので注意が必要なわけでございます。
で、ドラめもんも債券市場関係者向けに書いているんでしたな。また読者が減るような事を書いてしまったではないかと思いつつも、既にお時間が無いので今更全部書き直す訳にも行かず(というのは大嘘で元々直す気ありませんが^^)という事で本日は債券市場関係者のご機嫌を損ねる部分があったことをお詫びしておきますねm(__)m。
ちなみに、本日は国債決済制度(というか来年始まる事になっている国債決済機関)に関しての愚意見も書くつもりだったのですが、こちらに関してはまた改めて。
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2004/11/26
○久々にロクデナシ入札
昨日の2年国債入札。最近短期金融市場で当座預金残高目標の維持がしんどい状況になっており、無理矢理資金供給をする為に短期国債買い切りオペをどんどん実施しないといけませんってぇ状況になっている事は先日ドラめもんでご紹介したとおりであります。
当然ながらその影響で短期金融市場では運用する商品が日銀のオペで吸い上げられるという状況になっておりまして、ついに運用商品がなくなってしまったせいか2年債も威勢良く買われ出しまして、入札前日には先月入札の行われた2年226回債の100円超え、0.1%割れが買われるという有様でして、「あらあら」という感じになってしまいました。
で、入札当日である昨日の前場もまた煽りが入る形で買われてしまいまして、前場の引け時点では2年226回債は0.085%が買われて買い気配。新発債の227回債は0.09%(100.019円)が買われてしまいまして、入札まえのプライストークでは「困ったもんですがまた100円3銭じゃないと落札額が読めませんな〜」などという感じになっていました。
そんな話をしているところで、相場の煽りに止めを刺すべく飛び出たニュースが「短期国債買入オペが2年ぶりの札割れ!」でありまして、「そんなに短期市場の玉が無いのか」って事になって業者間売買でも0.09%がまたも買われたのですが・・・
後場が始まって何故か業者間スクリーンに残っていた0.09%が買われたのにその後も0.09%が出合うという状態。あれれ?と思いつつ入札結果の蓋を開けてみれば0.8%ぽっちの按分とは言え落札最低価格は100円2銭。平均落札価格は100円3銭でして、おまけにいつも競う様に大量落札して他の業者の営業を敢然と邪魔してくださる大手2社(どことは言いませんが^^)がろくすっぽ落札していないという観測が広まると、「ありゃま、落札しすぎちゃった」って業者がポジション整理(つーか投げ)に踏み切りまして、あっという間に100円まで下落。2年債でいきなり3銭(平均落札価格から)下落ってのも久々に見せてくれる相場でありました。
まぁ因果関係がどっちなのか判りませんが、現物国債の中期ゾーンもやたらめったら売り物勝ちになりまして(中期ゾーンの売りが先にあったから入札で大手2社が頑張らなかったのかもしれませんが)、ドル全面安歓迎光臨で139円18銭まで上昇したはずの債券先物も何と前日比マイナス圏まで下落と相成りました。久々に破壊力抜群の入札ではございました(-_-メ)。
まぁ現在の資金需給が継続するのであれば2年国債あたりまでその恩恵が回ってくることが容易に予想できますので、まぁ0.1%あたりが均衡点なのかもしれませんが、ドル買い介入でもやらかしてくれてFBを威勢良く発行してくれるとその辺の事情も変ってくるというリスクもありますので要注意。どうも市場関係者(つーか要するにあたくしのお友達)の話を聞いて回ると案外「介入やってもしょうがないから介入しねぇんじゃね〜の」って意見や「対ドルで円高だけど他通貨まで考えたらそんなに介入する必要感じてないんじゃね〜の」って意見が多く、介入は口先だけでしょって見方が多いみたいですな。局地的な話でございますが(^^)。
そもそも当座預金残高目標額を昨年景気見通しを上方修正している中で引き上げたのは「介入のやりすぎで短期金融市場にミニ・クラウディングアウト状態が発生した」というのも背景にある(とは日銀では岩田副総裁以外誰も認めませんが)わけですので、またぞろ介入をバンバンやりだすと(グリーンスパン大先生が介入するなと暗に言っておられる気がするのですが)同じ理屈で短期金融市場での運用資産逼迫感も解消しちゃう訳でして、まぁその辺には注意されたしって感じでしょう。
しかし久しぶりに無茶苦茶な入札でした。
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2004/11/18
おまけメモ:短期金融市場の話(ただしメモ)
昨日実施された短期国債買入オペは何と短期国債入札との同日実施。記憶によればこのケースは初めてだと思いますし、このオペの対象銘柄に前日に入札の行われた短期国債だか政府短期証券だか忘れましたが、まぁ兎も角「昨日入札やったものを今日買いましょう」状態になってしまっております。
資金供給オペを打てども打てども札が集まらないという状況なので、最後の手段という事で発行した短期国債を次の瞬間に買入するというマッチポンプのような事をしないと当座預金残高の目標が維持できないという訳でして、まぁ過去の介入やり過ぎの後遺症がこんな所にも出ているということなのでしょうか。よーわかりませんが。
そんなこともあって、「それは金融引き締めを意味する事になってしまっているからやる訳は無い」と日銀ウォッチャーが指摘する「当座預金残高引き下げ観測」が浮上しちゃったりする訳で実に香しい訳ですが、そんな中天の助けのように米国様が相変わらず減税大盤振る舞いだのドル安放置だのという雰囲気を醸し出しております。
ここで大規模円売り介入をすれば当座預金を大きく引くことが出来る訳でして(^^)、是非この際ヤケクソで円売り介入をお勧めしたいと思います。何のためにやるのか最早支離滅裂ではありますが・・・・・
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2004/11/17
相場は煮詰まってきたと言うよりはどちらかと言うと立ち枯れに近づいてきているのではないかという気もして参りますな(-_-メ)。まぁ本日から(多分本日は午後ほんのちょっとやるだけだと思いますが^^)行われる金融政策決定会合で出てくる金融経済月報が益々気になってくる(多分昨日申しあげたとおりで景気判断は後退しないと思いますが)所ではありますな。内閣府の月例経済報告は景気判断を若干後退させたようですし。
相場がこんな有様なので今日もまた小ネタを少々。
○20年国債入札後講釈というか備忘録
昨日の20年国債入札。既発の20年72回債のりオープン発行となるのは確実視されていたので、寄付きからまぁ新発債の売買が行われていたようなものでした。で、最初はせっせとヘッジ売りだの水準を下げておきましょう売りなどがあって前日比1毛甘(+0.01%)まで売られたのですが、下げたところで嫌がらせのように超長期に(多分72回債ではなくて60回台後半の18年以降の既発債に)買いが入ったらしく、前場の引け時点では超長期ゾーン>先物>10年という順に強いという展開になりました。
細かく書きますと、20年72回債が前日比5糸甘(+0.005%)でバカスカ買われて買い残り。10年264回債が1毛甘で多分買い残り。先物は前日比4銭安という関係でして、「また入札前に強くする攻撃かいな」という状態になりました。
落札結果も順調だったのですが、何故か10年ゾーンあたりに買いが入ったようで(というのは結果から類推した話で、長期債の気配が暫く消えていたので良く判らなかったのですが)して、先物と長期債は上昇したものの、新発超長期となりました72回債はまるで上がらずという業者泣かせの展開になりました。前場から買いが入っていたと思われる超長期60回台中盤以降の銘柄は堅調でしたが、需給要因で新発だけ駄目駄目というのは困ったものです(-_-メ)。
引けて見ますと、先物20銭高の10年2毛強で20年72回は1.5毛強な訳ですが、入札自体はいつものように前場引け最終出合いよりも高い99円72銭(平均価格)となっておりまして、実質前日比変らずでの入札だった事を考えますと、前場の引けから10年VS20年で1.5毛イールドカーブ上の強弱関係をひっくり返すという形になりまして、まぁ前場の買いは何だったんでしょうって感じではありました。
最近の入札のパターンとして幾つかありますが、今回は「入札前の前場に入札のあるゾーンに投資家様の買いが入って、いざ入札が終わってみると買いが入らない」というパターンになってしまった訳で、一番たちの悪いパターンであったなぁって感じです。毎度毎度思うのですが、入札が終われば新規に玉が供給されるのだから、そんなに慌てて買ってるじゃねぇまぁお前らもちつけと言いたくなる訳ですな。困ったものです。
昨日の金融ファクシミリ新聞では「発行量が多いので指標期待も」などと言われていましたが、最近の債券市場は何でそう嫌がらせのような動きが多いのかと思うのですが、どうも72回債ではなく60回台後半の銘柄が暫く買われるのではないかという感じですんで、「流動性プレミアム」ではなく「発行量絶大ディスカウント」がつくという状態が当面(輪番オペで捌けるようになるまで)継続するようです。
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2004/11/16
どうも取っ掛かり材料難な相場で困ったものです。
○なおも材料待ち?
先週水曜、木曜あたりの債券相場は新規資金流入系らしき動きがあったようで、「買い方(つーか投資家)の炙り出しモード」の香りが漂いまして、木曜後場には機械受注キターーーでありまして、やっと相場が炙り出し祭りになるかと思った訳ですな。で、金曜の寄り前のGDP速報が実質+0.1%でもうこれはワッショイワッショイかと思わせたのですが、平均株価が何故か上昇したら途端に債券相場失速。まぁ水曜からの流れであたくしですら「炙り出しモード到来!」などと言う位ですから、何のことは無い皆さん「炙り出しだからロングで攻めようではないか」ってな事になる訳でして、思わぬ株高攻撃で皆さん週末だから降参モードになってしまいましたな。あっはっは(-_-メ)。
材料が一通り出ているのに材料待ちとはこれいかにって感じなのですが、先週木曜日の変動15年利付国債の入札結果が良好であって、その後の販売状況も発行αが101だというのに特に崩れる気配も無く(さすがに強くはなりませんが)という状況を見ますと、結構皆さん変動利付国債をとりあえず買って凌いでいるって感じなんでしょう。
ただ、「やっぱりそろそろ買っておかないとね〜」って雰囲気は思いっきりある訳でして、相場が下落するとそれなりに買いも入ってくるという動きが継続しておりまして、そんなこんなで気がつけば10年の1.5%割れ状態も早1週間継続となっております。相場全体の水準はうだうだと動きつつも値もちはしっかりしておりますので、まぁどこかで「債券炙り出し」攻撃になるかとは思うのですが・・・・・
で、これだけ皆様「下がったら買いたい」「売るものはありまへんな〜」って状態になっているのに相場が上昇しないっつーのは、過去の債券大上昇相場のような「キャピタルゲイン期待の買い」が大いに縮小しているのがでかいのでしょうかね〜。相場上昇を狙った買いって事ですからまぁ言ってしまえば「仮需」って奴が激しく少ない相場となると、「実需」が債券供給と均衡するところで市場が定常状態になっていく・・・って本当かよと書いている内に思ってしまいますが、まるでそんな感じになっておりますわな。
最近は入札前後で相場が若干下押しする程度でして、まぁ相場的には妙に安定しているという感じですが、結局のところ景気の先行指標という事になっている株価インデックスが延々とボックス圏に入っているのだから仕方が無いのかもしれませんな。何だか主体性の無い相場で寂しいものを感じますが。
○俄かに注目される金融経済月報
先日来ご紹介しているように、福井総裁はウォッチャーも驚く物凄い勢いで景気強気を提唱しております。何せ先週木曜日のきさらぎ会での講演後の会見だか質疑応答だかではご丁寧にも「来年度CPIの見通しが+0.1%だが、年平均で+0.1%だと言う事は年度前半は低いが年度後半になればCPIが高くなるはず」というような趣旨の発言までするという有様。
そんな福井総裁も当然出席して行われる政策決定会合が17〜18日の日程で行われます。金融政策に関しては何も無いので相変わらず無関係なのですが、今回の決定会合では11月分の金融経済月報が公表される予定になっておりまして、会合終了日の18日、月報の基本的見解の公表時間は15時という段取りになっております。
昨年秋以降「景気判断前進」か「景気判断据え置き」しかやっていない日銀の景気に関する考えはどうなのかという事は激しく注目材料ではあるかと思います。まぁつい3週間前にカンカンの強気見通しの「展望リポート」を出したばっかりなのにいきなり先行き見通しを後退させるというのも中々恥ずかしい訳でして(-_-メ)、まぁ「苦渋のまるで同じ文章攻撃」になるのではないかと思いますが。原油価格下がってるし。
まぁこの月報で日銀が景気の現状判断あるいは先行き見通しに関して判断を後退させてきた場合は最近俄かに増えてきた「景気ベア組」の後押しならびに債券市場の炙り出し相場にいい感じで燃料投下になるかな〜とは思っております。今までの流れから考えますと可能性は低そうですが、一応リスクシナリオという事で。
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2004/11/12
○買い意欲旺盛のようで
昨日の債券相場、FOMCでの利上げは確かに予想通りでしたが、いきなりのドル円でのドル反発があったりしたので、Liffeでは結構下落していたのですが、東京市場の寄り付きは思ったほど下がらず。
で、下がらずとか思っていたらいきなり長期債やら超長期債なんぞに買いが入ったようで相場反発。相場が反発すると局地的に「買いが買いを呼びますな〜」って感じになりまして「おいおい」という間に相場が上昇するという有様。まぁその後は戻り待ちの売りも出たようで、機械受注結果を受けた買いがやってくるまではもみ合いだったのですが、何だかんだと言いましてもやたらめったら買い意欲の強さを見せてくれました。
しかも15年変動国債入札も発行αが101とこれまた良好な結果になってしまいまして、その上いつもの割高発行になった場合のパターンと異なりまして、結果発表後の業者間売買では全然値下がりせず(というか全然値段がつきませんでした。そういう場合ってぇのは要するに投資家様の引き合いが強いって事を意味しますので、今回の入札の評価としては「入札結果は良好」でありまして、「固定利付債を買うのはシャクなのでとりあえず変動利付債を買っておきたい」という投資行動もまた確認できたって事ではないかと思います。
まぁ機械受注とかその前からの株価伸び悩みというフォロー材料もありますが、やたら景気に強気な日銀総裁の言動やら米国の雇用統計だとかFOMCだとか債券を売る材料は色々と揃っている筈なのですが国内債券相場はこの様な有様でして、先日ドラめもんで申し上げた「炙り出しモード」に徐々に着火しているようにも思える相場でありました。
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2004/11/10
お題「ネタが無いときの相場後講釈」
実は国会(参議院)の会議録待ちでもあるのですが(^^)。
○5年国債入札レビュー
昨日の5年国債入札ですが、久々に「入札前から先回り買い」が登場したようでして、米債下落にもかかわらず(というか日本株が全然上がらないからというのもあるのですが)相場の下押しはあまりなく、時間の経過と共に2兆円の新発債が出るというのに入替ベースと思われる動きも含めまして5年債益々堅調。前場引けの時点では債券先物は前日比変らずの水準まで戻されたのですが、この時点で既に5年ゾーンは前日比利回り低下という有様で、実質高値引け状態。
で、入札はと言いますと事前のプライストークの中で一番強気の部類にあたる水準で決着しまして、その後は前月と同じパターンでヘッジの買戻し先行攻撃で先物独歩高という攻撃になりました。もしかして同じパターンかと思ったのですが、ついつい手が勝手に動いて(^^)前場の引けで先物をほんの少しだけヘッジしたらまた例によってヘッジしたものだけ担がれ状態になっていたあたしゃ〜「ありゃまたやっちまったよ」ってなもんです。さすがに学習効果によってヘッジって言ったって殆どオマジナイ程度だったので、第U非競争価格入札のストライクプライス(っていうか要するに平均落札価格)を抜けて上昇というこれまた前回の入札と同じパターンをやっている間にヘッジロスは目出度く誤魔化されましたが(^^)。
つー訳でして、「入札前から事前の買いが入る」→「割高入札」→「入札の割高を修正しながらも相場水準上昇」という結果になったのですが、事前に無理矢理相場水準を下げて入札を良好にした先週の10年国債入札と比較しますと、今回の入札の方が事前に無理に安くしていない分だけ結果良好という評価になるでしょう。
んでまぁ新発5年41回債の日本相互証券引値が0.64%で40回債の引値が0.635%って事になりましたんで、昨日あたくしが根拠レスの感覚で申し上げました「クーポン0.7%ってのはどうも居心地が宜しくありませんで(略)、どっちかに抜ける可能性が高いという面もあります」ってのが珍しくも当たりましたな。と言っても方向性どっちって言って無いし、5年の0.7%から確かに外れましたが、相場全体で言えば先物オプションのインプライドボラティリティーは絶賛低下致しましたので、全然意味の無い当たりっぷりですわな(自爆)。
○炙り出しの香りが少々して参りました
「展望リポート(どうもレポートではなくリポートらしいので今日からリポートと書く所存)まで様子見」「雇用統計まで様子見」「FOMCまで様子見」などと様子見のオンパレードで半期替わりしてからはや1ヶ月が経った訳ですが、昨日の債券相場では2兆円と中長期国債の中で額面ベース最大の発行を誇る5年国債の入札がある(=黙っていても額面2兆円分新規供給がある)にもかかわらずに先ほど申しあげたように入札を待たずして買いがご登場。
まぁ大体入札前に先回り買いなどというのはあまり褒められた動きでは無いのですが、「先回りで買っておかないと他の人が買ってしまうのではないか」という焦燥感が出てくると目の前の2兆円供給が待てなくなる訳ですわな。業者にとってはいい迷惑ですが、まぁ入札前から持っていかれると仕方がありませんので高値入札になってしまいます。
で、かつての債券馬鹿相場やら戻り高値絶賛トライ相場(今年の正月後に相場上昇した挙句に日銀総裁が国会で「金利に蓋をする」と燃料投下発言をした相場ね)なんかで良くあったパターンとしては「入札前に事前の買いが入る」→「割高高値入札」→「益々堅調」というのがございまして、まぁ大体こういうときは「先に買わないと他の誰かに買われてしまう」という香しい焦燥感が大手投資家様のケツに火を点けて相場に燃料投下となり、結構なるお加減で祭りが発生する訳であります。などと言ってるあたくしもその場にいる時は目先の動きに反応するのがお仕事なんで(本当か??)祭りに巻き込まれて小さな怪我やら大きな怪我をする訳ですが(激汗)。
そんな観点から昨日の5年国債入札を振り返って見ますと、久々に事前の買いがそれなりの規模で入った(ただし入替ベースの買いもあったようで、そっちの評価はムツカシイ所ではある)と見られる所は「そろそろ様子見とか言って何もしなかった人たちが我慢できなくなってきたかな〜」と思わせる雰囲気を醸し出しております。
とは言え、昨日の入札の場合は、入札時点ではやたらめったら強かった5年ゾーンが落札結果発表後の相場上昇でイールドカーブ上の入札時点での強さをしっかり修正してしまい、そこそこ堅調ではありますが、極端な盛り上がりを示していなかったという事が言える訳でして、まぁ要するに「強い落札結果を見てなおも(当該ゾーンに)買い攻撃」は大して入って無かったということでしょうから、まだまだ燃料投下の買い遅れ焦燥祭りにはなっていないと見るのが宜しいかと存じます。
また、チョー久しぶりに平均落札価格=最低落札価格となりまして、その落札価格である100円20銭という価格自体は「まぁ応札するのに(高いから)抵抗あるんだけど仕方ね〜のか」という感じの価格で、その価格が平均落札価格だったという事は、21銭以上での応札があまり無かったという事を意味するわけでして、特にチャレンジャーというか暴れん坊将軍の登場も無かったという事であります。また最低落札価格での按分比率が72%とかでしたんで、まぁ落札した業者としては「まぁ仕方ね〜な〜」ってなもんで、落札結果判明後に「想定外のショートポジション」って状況になっている人もそんなに居なかったという感じだったのではないかと思います。この辺もまだまだ相場は冷静だな〜と思わせるものがありました。
○で、結論
という訳で、うだうだ書いたのですが、そろそろ相場が下がらないと思い出してケツに着火しつつある雰囲気は漂って来ているのかな〜ってなもんでして、昨日ドラめもんで申しあげたときにはまだ煽られ合戦は遠い先のような話をしたのですが、この5年国債入札後に相場が暫く持ちこたえていると、そろそろ点火モードになるのかもしれませんのでご注意ありたし。
ま、月曜に「水野さんが田谷審議委員の後任らしいし、福井総裁がやたら強気発言をしているので、その辺をネタに仕掛けが出てもおかしくない」と言ったばかりなのにお前は何を言ってるんだと小一時間問い詰められそうですが、まぁ金融政策に関する思惑は思惑、目先の需給は需給という事ですので(と、我ながら苦しい言い訳ですが)、金融政策への思惑はこれからも潜在的にある地雷であって、需給的には上記のようにちょっと金利低下(しかしここから買いが入るのかは激しく疑問)の可能性も、ってことにして置いてください。あー無理矢理な言い訳だこと(自爆)。
何だか良く判らないのですが、今朝のモーサテでは定率減税の話を捕まえて「景気腰折れの懸念にまた一つ悪材料」みたいな言い方をしておりまして、景気回復で財政再建路線再開だの量的緩和解除の出口がどうのこうのとか言い出してなかったっけおたくの系列の新聞社はって突っ込みを入れたくなってしまいましたが、ここの所「偉い人」がよくご参考にされる某経済新聞の景気に関する論調がコロコロ変る(ように見えますが、単に両論併記なのかもしれません)のがまた妙に気になるところでもあったりする訳です。まぁ某経済新聞も相場と同様気迷いモードなのかもしれませんな。
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2004/11/09
○5年国債入札
何だか良く判らないのですが、常に「様子見」モードになっている債券市場という実に不可思議な状態になっておりますのが最近のマーケット。よって「様子見が許されない人」が時々買いをドカンと入れてきた時だけ相場がいきなり上昇して、煽られ組が提灯つける事はあるのですが、冷静に気が付くと上で買う人がいないので結局(新発国債が出るので需給は何もしないと勝手に悪化するので)元の木阿弥になるという相場が続いてます。
「様子見が許されない人」ってのは要するに「○○日までに債券をポートにナンボか積み上げる必要がある」って人でして、大体の場合年金新規資金となっております。これが2月くらいになると「期末までに債券をある程度積んで置かないといけない」という話があちこちから出てくるので、「相場が下がらないから買う」などという人が出てきて、煽られ合戦が発生して実に香しい展開が起こるのですが、現在は11月前半なのでそれを期待するのは難しそうですな。
さて、小見出しの5年国債入札ですが、正直よ〜わからんですし、過去の5年国債のクーポン推移をご覧になると何となくお分かりになるかとおもうのですが、実はこの(想定されている)クーポン0.7%ってのはどうも居心地が宜しくありませんで、大体0.8%より利回りが高いか、0.5%〜0.6%あたりにいるかという事が多く、どっちかに抜ける可能性が高いという面もありますので、入札後の動きにはそれなりに注目が必要かと思います。
業者間気配の状況証拠だけ並べると、昨日は3年あたりのゾーンの5年国債の成れの果て債券に妙に売りが出ていたようで、業者がみな揃ってショートになっていてヒーヒー言っていたはずの銘柄がボカスカ出合ったり、それまで業者が揃ってロングでもう売れないモードだったはずの直近発行の5年40回債は妙にしっかりしてきたりしてました。このあたりの状況を勝手に総合すると、「業者は5年カレント債はショートになってる(ような気がする)」「3年辺りを売って新発国債を買おうとしている人がいる(ような気がする)」といった所でしょう。
要するに入札は懸念なしということで。その後は知らんが。
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2004/11/08
お題「田谷さんの後任」
金曜日のニュースといえば田谷審議委員の後任人事。CSFBの水野温さんが後任に内定という事でして水野さんの最近のレポートどうなってましたっけなどという話題で盛り上がっておりました(^^)。
田谷審議委員はこのへんhttp://www.boj.or.jp/about/basic/pb/taya.htmにあるように、経済学者というよりはエコノミストっぽい所ではありますが、今度の水野さんはもろに市場関係者ですので、まぁエコノミストっつーよりは市場関係者って感じですな。で、まぁ本日は水野さんがどうのこうのって話しは本職の方もするでしょうから、ちょっとだけ別の視点を交えながら。
○比較的まともな主張をする人のようですが
水野さんのレポートを精読したわけでは無いのですが、野村證券時代にはよく拝見していたレポートは至極まっとうなお話が多うございましたし、最近はレポートを時々しか拝見しておりませんが、まぁ偶に拝見したときの印象は引き続き「バランスの取れた真っ当な事を言うお方」という所です。最近ではどちらかと言うと量的緩和政策からの脱却について言及しておられるようですが、(本人に聞いたわけではないから勝手な憶測ですが)まぁ審議委員入りがどうのこうのという話もあったのでしょうが、それよりも「量的緩和政策の長期化」ばかりが話題になっている風潮に一石を投じている(そもそも日銀総裁の最近の国会答弁にあるように、日銀総裁は別に量的緩和政策を延々と引っ張る気はない点に注意)という面があったのではないかな〜なんて。
まぁ極端な事は言い出しませんし、主張もあまりぶれないお方だと記憶しております。で、金融政策についてコメントする際には金融政策の論理的整合性っつーかアカウンタビリティを重要視していたような気がしますんで、まぁ色々と考えますと、年がら年中日銀やら金融政策のウォッチをしているお方なのですから、あんなお方やこんなお方よりは遥かに適任なのではないかと思ったりするわけですな。
元々市場関係者から審議委員を選ぶって事が所与だったとしたら、まぁ水野さんが最も順当な人事だったと思います。というか順当過ぎという話もあるようですが。
○田谷さんの後任という意味では
田谷さんはご存知のように「金融政策の論理的整合性」を重要視していて、景気が方向として回復に向かっているという認識をしているのに当座預金残高の目標額を引き上げる(=量的緩和政策の枠組みの中では金融緩和扱い)という支離滅裂な金融政策(だから当時は「円売り介入のサポートの為の追加緩和」と散々な言われようでしたが)に堂々の反対票を投じておりました。この時は須田さんと(途中までは)植田さんも反対していまして、一時は「執行部以外の票決が半々」という素晴らしい状態になっておりましたが、岩田副総裁を除く経済学者系の審議委員が全員反対票という香しい状態になっておりましたな。
で、そういう意味ではまぁ審議委員の中では「非主流派」であり「原則論重視」でもあるので本来的に言えば「正統派」でもあると思うのですが、そういう田谷さんの後釜に座る水野さんは、まぁ割と「バランスの取れた人」となりますので、政策委員会におけるバランスはやや執行部よりになるんでしょうが、それほど極端な変化は起きないように思えます。
まぁあたくし的には田谷さんみたいにある意味「執行部に対して耳が痛い」発言をしていただきますと実に面白いのですが、そこまで期待するのは無理があると致しまして、今後のご活躍に期待したいと思います。
○変化がなさそうではありますが・・・・・
さて、そんな感じで(同業者のレポートを引用するのも何ですので具体性に乏しい記述になってしまいましたが)まぁ水野さんになったからと言ってそんなに極端な変化がおきるとも思えないのですが、相場に与えるインパクトっつーのはまた別の問題であります。
と申しますのは、あたくしがこのように「まぁ順当な人事で、そんなに極端な話にはならないでしょう」などとしたり顔で能書きを垂れていましても、世間様がどういう解釈をするかと言うのは別問題(何てったってあたくしが「それは量的緩和政策の自己否定に繋がるから有り得ない」と言い切っていた「量的緩和のあとにゼロ金利政策が延々と続く」といういわゆる2段階解除論が債券市場で主流の見解だった(今でもそうなのか?)りした事ありましたし・・・・)でして、じゃぁ世間様はどうよ?ってのを考えませんと日々のちょこまかとした相場変動できゃあきゃあ言うのを正業としているあたくしとしては困る訳でございます。
てな訳で、まずまともに英文ニュースで出てきたのがあたくしの知る限りではDowJonesNewswiresの金曜午前11時2分のニュースでして、水野さんの金融政策に関する最近のレポートに関してこのような記述がありました。
In one fo his most recent reseach reports, Mizuno said that the central
bank could opt for an early shift to a more normal interest-rate targeting
monetary policy from its ultra-loose quantitative easing.
でもって、ブルームバーグ同日午前10時19分のニュースでは日本語ニュースですが、水野氏の審議委員就任(の方向)に関して「日銀に力強い援軍、CSFB水野氏が次期委員の報道」という題で記事がありまして、まぁその中から拾ってみますとこんな感じです。
「民間エコノミストより強気と言われる日銀だが、水野氏はその日銀と同じ強気派に属している。」
「水野氏の起用には、福井総裁自身の意向が強く働いた可能性がある。その福井総裁は最近、出口政策について踏み込んだ発言を繰り返している。」
「福井総裁が展望リポートに前後して強気な発言を増やしていることが、来年度の量的緩和解除に向けた「地ならし第1弾」だとすれば水野氏の起用はその第2弾に当たるのかもしれない。」
ついでにこの記事の小見出しを並べると「福井総裁の強気と軌を一にする起用」「来年度の解除に向けた「地ならし」」となっております。
あたくしが読まない日経新聞なんかでもど〜せ似たようなお話はでているでしょうが、まぁ水野氏起用という事で出てくる解説記事としてはこんな感じのものが多いでしょうから、そ〜ゆ〜意味で言えばまたも「量的緩和政策の早期解除がどうのこうの」って思惑が浮上しやすい展開になってきていると見るのが妥当だという事になるでしょう。
特に、ダウジョーンズの英語ニュースとかブルームバーグのニュースなんかは海外投資家というか投機家がいの一番に読むでしょうから、こ〜ゆ〜のを読んで何をおっぱじめるかとかを想定しておくのもまた宜しいかと。今年の6月ごろに武藤副総裁の海外でのスピーチを無茶苦茶に曲解したレポートがどこぞのストラテジストから出されて相場のとんでもない下落を招いたという事件は記憶に新しい所でありますので、まぁ注意するにしくはなしと言ったところでしょうな。
それでは〜
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2004/11/05
お題「相場雑感」
金融政策に関するお話が続きましたので本日は相場に関する雑感。
○買い安心感というもの
昨日の債券相場は米国市場の株高債券安にも拘らず朝っぱらから先物いきなり特別買い気配。確かに米国市場では株高債券安と言いましても最初大幅株高債券安だったのが戻る形で引けたってのもあるのですが、まぁ物の見事に債券上昇となりました。
まぁ寄り前から債券市場には買いが入っていたようなのですが、相場が戻ったのを見てまた買いが入るの図という事になったようでして、現物債が堅調に推移してまぁ正直びっくり致しました。
何が驚きかといいますと、昨日の高値近辺では火曜日に入札が行われた10年264回債がほぼ1.5%という状況になってしまった訳でして、まぁ20年国債のヘッジの買戻しとかの事情もあるんでしょうが、背景にそれなりに投資家様の買いがあったことを考えますと「利回り1.5%を大きく上回る展開があんなにあったのにどうなってるのよ」と正直思わざるを得ませんな、まったく。
まー目先のイベントが終了したから手控えていた買いを出動させるという理屈は判らないでも無いのですが、それにしても相場水準ってのもあるだろうと思うのでありまして、入札時点で1.555%だの1.56%だのという状態までやっていた(しかも入札だからその水準で玉は楽勝で確保できる)のに、相場が戻ってから買いが入ってくると言う姿をみますと、毎度毎度お馴染みの展開ではあるのですが「何だかな〜」と思う次第であります。
「相場が戻ってから買う」っつーのは、相場のモメンタムを重視って事なんでしょうし、まー確かにイベント前に下がっている時に買ったは良いけど、イベント発生でなお相場下落って事になったらまぁ癪の種でしょうからそのお気持ちも判るのですが、どっちかというとその発想は「ディーラー(トレーダー)」の発想なのではないかと思ってしまう次第。債券投資って「上がりそうだから買う」って言うのではなくて、投資としてこの利回り水準なら買うとか買わないとかという発想で買うものなのではないのかな〜などと、債券投資部門の苦悩が良く判らないで勝手な事をいうあたくしは思うのでありました。
○損益あるいはポジションの「時間」の差
判ったような判らないような小見出しですな。
さて、上記の言い方ですと世の中の債券投資をしている人が揃いも揃ってまるでディーラーのように「上がれば一斉に買い出動して下がれば一斉に売り出動」しているかのように読めちゃうのですが、実際問題としては投資水準を決めていて相場が下がると徐々に買い出動して、逆にある水準を越えると徐々に売っていくという投資家の皆様も多数おいででございます。
あたくしはディーラー(トレーダー)と投資家を分けるものというのは「ポジションの時間」であると思っております。最終的には半期でどうのこうのと言われますが、まぁ毎日ポジションがばたばた動いて(特にマーケットメーカーの場合ですが)損益計算して勝った負けたと言われる業者(ディーラー)に対しまして、投資家っつーのはよーするに期間収益を幾らか以上獲得する事が目標な訳ですから、ポジションを評価する時間がもうちょっと長い(最近は必ずしもそうではないという話もある訳ですが)ので、その分本来は毎日きゃあきゃあ言う必要もないのではないかと思うわけです。
そんな事をつらつら考えて相場を呆然と眺めておりますと、何だか投資家サイドまでディーラー的な動きに煽られているのではないのかな〜なんて思う次第。昔のディーリング全盛時代の残滓を引きずっているのかな〜とも思っておる訳です。ま〜投資家の皆様が「下がらないと買わない、上がらないと売らない」って事になってしまうとこちとら商売あがったりなので今後とも暴れて頂くことは誠に慶賀の念に耐えないのでありますが、本当にそれで良いのか?とちょっと思ってしまった昨日の債券相場でありました。
○さっきのところで終わりにするとただの悪態になるのでフォロー(^^)
と、散々悪態をついておりますが、確かにやれ「年金資金の評価を4半期で評価する」だの「月次損益がどうのこうの」だの言われてみたり、「何でもかんでも時価会計」みたいな流れがあったりという風に、投資家サイドとしてもいつの間にやらポジションの評価時間が短くなっている傾向が特に大手といわれる人たちに顕著になっているというのもあります。
ポジションの評価時間が短くなってくれば、それだけ細かくオペレーションをしていかなければならなくなるのは理の当然。結果としてマーケットの動きがあたかも「債券市場総ディーラー化」のようになってしまい、そのような相場の動きになってしまうと行動最適化の為にやむなくディーラー化していく人がなお増えるという楽しい循環が発生するわけでありますわな。つまり運用機関がケシカランというよりは市場の構造的問題になりつつあるという事もいえるのかな〜などと思う次第です(とフォローしておかないと出入り禁止になってしまう)。
運用期間の評価をきめ細かくするのは、別に嫌がらせでやっている訳ではなくて、本来的には普段からせっせとモニタリングする事によって「いつのまにやら大やられ」っていうリスクを回避しようってのが根底思想にある筈だと理解しているのですが、皆が皆できめ細かい管理をしてリスクを軽減しようとして、結果として市場が「総ディーラー化」のようになってしまうというのは実に香しい世界でありまして、まさに「合成の誤謬」を絵に描いたような展開となっております。
何でも福井総裁は先日の参議院財政金融委員会(何で衆議院と参議院で名前が違うのよ)で「国債発行の累増で金融市場は地雷がいっぱい」などというようなお話をされたらしい(時事通信より)のですが、そんなに地雷が気になるのなら金融機関のリスク管理がどうのこうのと五月蝿くいうのはどうなのかな〜なんて事もまた「合成の誤謬大爆発状態」の昨年夏の債券市場集団自殺相場を思い出しながら思ってしまう次第でありました。
#自分なりにフォローしておりますが、どうも機関投資家の皆様に対して好き勝手申しあげておりまして、ご不快な表現に関しましてはお詫び申しあげます。謝罪はするが反省はしないというどこぞのあほたれ外交のようなスタンスになっておりますな。あたくしもあほたれ。
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2004/10/28
お題「徒然に相場雑談」
何だかんだと申しましても結局債券相場は見事に焦点ボケ状態。イールドカーブはちょこちょこ動くのですが、相場の全体水準を示す(ことになっている)債券先物はと申しますと、これもまたちょこちょこ動くのですがよくよく見ると狭いレンジ内取引という素敵な展開になっております。当然ながら最終投資家様は様子見モードで閑古鳥が日々大合唱しておられます。商売にならん。
てな訳で徒然に思ったことなんぞを雑然と。
○見事な気迷い相場
昨日午前10時40分の地震には驚きましたが、なお驚いた(というかまぁ驚かなかったのですが)のは地震直後から債券先物の買いと株価指数先物の売りが入った事でしょうか。株式市場は兎も角として、債券市場に関して言えば、債券先物の買いが入った後の現物債の気配を見ると明らかに「債券先物だけに買いが入りました」という誠にバチアタリな展開となっておりまして(^^)、まー要するに「ディーラー筋の買戻しなのね〜」ってなもんです。
いやまぁ何と申しますか、よほど相場のネタが無いとゆーことなんでしょうが、週末(つーか明日)発表の展望レポートに関しても内容についてのコンセンサスは出来ている(審議委員の講演その他を並べて見れば大体のところまでは読める筈なのですが)ので、金融政策の方向性みたいな所についてはコンセンサスが出来つつある状況。勿論「方向性」は「現状の政策が暫く続くのではげしく退屈でしょう」ってなもんですが(^^)。
先が大体見えている中で相場として何に反応するかって事になりますと、どうしても目先の話になってしまうわけで、本質的には足元の経済指標(明日の物価指数なんかも変なサプライズが出るとこれまた動くでしょうな、サプライズ無いと思うけど)に一喜一憂と言うことになり、足元の経済指標代わりになるのは例によって例の如く株価(というか株価指数)って事になるようです。
ここの所の債券市場が米国債券だの株式市場の結果で寄り付きから値段を飛ばして始まって、そこから碌に動かずに推移して数日のタームでみると只のレンジ相場という日々が多いのも同じ理由かと存じます。
○何気に2年債入札
本日は誰も注目してくれない2年国債の入札が実施されます。最近の2年債動向はと申しますと、量的緩和政策の時間軸が思ったほど短くならないでしょうという観測から暫く続いていた0.2%近辺での取引から再び0.1%に接近中となっております。ひところはユーロ円金利先物市場という一部のバンクディーラーと円金利スワップのヘッジ取引で局地的に盛り上がる事もある市場であたかも「来年のペイオフ解禁後あまり時間を置くことなく量的緩和解除をしてくるのではないか」というような価格形成がされていた事もあって、0.2%台での取引が定着しかけていましたが、よくよく考えりゃそんなこたぁねぇってなもんですな。
で、話が思いっきり脇に逸れますが、あたくしに言わせればそもそも来年のペイオフ全面解禁なんざぁ看板に大いに偽りありでして、実質ゼロ金利の状態で付利しない決済性預金を全額保護って施策を導入してるなら、実態はペイオフ解禁して無いのと同じであって、それを堂々と「ペイオフ全面解禁」というのは大本営発表というか何というか。
まぁ景気付けってのもありますから「大本営発表」を全て否定する訳ではありませんが、昔から「大本営発表」が何時の間にか「事実」として認識されるという素晴らしい人たちの集うこのお国に置かれましては、恐らく今回の「似非ペイオフ全面解禁というペテン」も「ペイオフ全面解禁がスムーズに実施された」→「金融不安は払拭されている」→「不良債権問題は急速に解消している」という素晴らしい論法に繋がるのでしょうな〜と半年前から既に血圧が上がっているあたくしでした。
で、気がついたら話がアナザーワールドに逝ってましたので戻しますと、2年国債なんですが、特に根拠がある訳ではないですが、大体0.05%刻みで心理的抵抗線がございまして、どのようになっているかと申しますと、
0.00%〜0.05%:馬鹿相場
0.05%〜0.10%:量的緩和が最低でも2年近く続くと思っている相場
0.10%〜0.15%:量的緩和がとりあえず1年ちょっとは続かないと・・・
0.15%〜0.20%:もしかして1年後くらいに量的緩和解除かもしれない
0.20%〜0.25%:いやもう先生1年後には緩和解除ですよ0.25%〜それ以上:量的緩和早期解除織り込み相場
と勝手に命名してますが、まぁそんなところでしょう。大体預金受け入れで入ってくる資金のコストって預金保険だの事務経費だの総合的に考えれば最低でも0.1%はある筈なんで、流動性リスクというか売買執行コストを考えれば0.1%台の前半では余資運用としては少々苦しい水準(の筈だとあたくしが勝手に人の台所事情を想像しているだけですが)だと思う訳でして、日銀の資金供給オペレーションによる当座預金残高30兆円を前提にして(というか日銀が無駄に絶賛大放出しているので、日銀に資金を押し売り^^されているだけなのですが)いないと少々苦しい相場水準と言う印象です。
まぁ現在は「量的緩和政策は向こう1年ちょっとは継続するでしょう」→「じゃあ当座預金30兆円も当面安泰」→「2年債の0.1%前半もまぁしんどいけどコストに合わない訳でもないでしょう」ってな感じで価格が形成されているようでして、入札前にもかかわらず昨日なんかも堅調推移(これはTBFBやCP市場なんかで運用圧力が妙に高まっているのも影響していると思いますが)しておりますが、入札を無事にこなしてその後も堅調に相場が推移してくれるのかどうかは一つ注目しても良いかと思います。
○2年債と言えば・・・・
日銀は国債買入(昔の通称は輪番オペ)で買い入れをした債券の公表ってこともありまして毎月保有国債の銘柄別残高を公表しております。で、その推移を見ていただいても良いのですが、まぁ2年債ばっかり国債買入で吸い上げているというのが実情でして、2年債市場は実を言いますと「数ヶ月保有したら日銀様に絶賛お買い上げ頂く」というのが(ふざけた話ですが)価格形成の前提になっているという面もあります。
日銀さまも作為的にやっているのかどうかは知りませんが、何故か国債買入がオファーされる日に限って債券相場がやたら堅調な時が多く、「前日引値からの利回り較差」で入札を行う関係上、債券相場が堅調であれば必然的に値上がりの小さい短期ゾーンの国債、即ち2年債が落札されることが多くなる訳で、日銀様の在庫は2年債が揃いも揃って大集合の図となっております。
2年債を買い入れている分には国債買入をバンバンやっていてもバンバン償還がやってきまして、現状では償還部分のいわゆる「日銀乗換」はどうも短期国債を使っているようですので、いつの間にやら短期金融市場の資金繰りの中に紛れ込んでしまうという大変に結構至極な状況になるので、日銀さまにおかれましては万々歳の図でもございまして、最近はあまりにも計ったように「ど〜みても2年国債しか買入に応じられないような相場状況」の時に国債買入がオファーされるので、「日銀は狙っているのではないか」との疑惑まで出る次第、というのは大幅にオーバーですが(^^)、まぁそんな感じになっておりますな。以上余談みたいな話ですが。
そう考えると、量的緩和政策終了後にこの2年債の量がちゃんと捌けるのか懸念されますってな話は前もしたような気がするぞ(^^)。
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2004/10/25
お題「要するに板の薄い相場なんでしょうか」
おいおい、また地震だよ・・・・・(@6時5分)
(補足:10月23日土曜に新潟県中越大地震が発生、その後も延々と余震が続くのでありました)
○また外したか・・・・
自分で「良く外れる」とヘッジを入れながら(苦笑)珍しくも満を持して堂々と強気を書いたら先週末は10年ゾーン中心に相場が見事に下落してしまいまして、金曜日朝の時点で「20年国債入札が2.0%台前半で大丈夫でしょうかね〜」などと言ってた20年国債が物の見事に2.1%台まで下落するというとても素敵な相場展開になりました。
まぁ金曜日のドラめもんでもちょっと申しあげたように、その前(水曜と木曜)の相場上昇も後場の2時くらいから勢い良くなるという如何にもお馴染みの買い方でしたが、金曜日はもうどう考えてもピンポイントで10年ゾーンの売りがぶちかまされたという展開でして、水曜と木曜で相場が上昇した分を帳消しにするまでの下落・・・・・なのですが、そもそもそんなに下落するような材料ってあったっけ?と申しますと、今まで誰も材料にした事の無い中国のGDP統計(を受けた株価指数)くらいしかないわけで、「その材料でそんなに動くかぁ?」という感じです。
○結局は「材料出尽くしで様子見」なのかなぁ?
という事で、何だか良く判らない間に相場が威勢良くに上昇した後に威勢良く下落となった訳ですが、状況証拠から推測するに上げも下げも特定の投資主体(あるいは特定投資家)の売買が入ったのが相場を引っ張っていると言う状態でして、業者(というかディーラー)以外に追随の売り買いは目立っていないという状況のようです。
先週金曜日に申しあげたように、今月最大の材料であり、向こう3ヶ月から半年位の金融政策に影響を与えそうな展望レポートに関して(リークなんだか観測記事なんだか判りませんが)記事が出てしまいましたので、発表日を待たずして材料出尽くし(実際の展望レポートが事前記事と全然違ったら話は別ですが、過去の日経新聞の実績からするとそれは考えにくい)となってしまったのが大きく、「まぁ実際に展望レポート出てからですな〜」状態に益々なってしまったようです。困ったもので。
そんな訳で様子見のお方が多いせいで、一部の投資家さんがポジションを動かすとその影響が派手派手に出てくるということになっているというのがここもとの債券相場の状況になっているようであります。債券先物市場での出来高自体はそこそこあるのですが、現場で見ている印象としては「板が薄い中で相場がスルスルと上昇あるいは下落している」でして、相変わらず「10年1.4%〜1.6%、20年2.0%〜2.2%」というレンジから脱却できていないという事のようですな。
・・・・・と書くと相場がぶれそうな悪寒もするのですが。
○という訳で明日の20年国債入札ですが
明日の入札に関してはとりあえず先週末の下げによって2.1%のアンダーパー水準まで相場が切り下がりましたので、絶対水準を重視する人の買いもまぁ2.0%台前半なんかにいるよりは遥かに期待できる状態になりました。で、期待できるのは良いのですが、2.1%水準になるとこれがまたリオープン発行となりまして、仮にリオープン確定となりますと、発行日が既発債のレギュラー受渡と同じですので、もう入札前から新発と既発の区別が完全に無いという状況でして、まぁ相場水準は見え見えとなる訳ですな。
そんなこともありますので、絶対水準的にもうちょっと魅力的な水準に持っていきますと「入札後の販売順調」→「フラットニング」となるのかと思いますが、最近の相場では「入札が順調になりそうだから事前に買う」という訳のわからん事をする人が必ずと言っていいほど出てきますので今日の20年国債が他年限対比どのような感じで動いていくかには注意が必要でしょう。
事前に買いが入って相対的に20年が買われながら絶対水準が切りあがる形になるのが、入札後の展開を考えますと最も(業者として)望ましくない展開になる(入札がショートカバー合戦になって割高になり、落札後は全然売れないという地獄の展開になるので)と思います。
その次に頭が痛いのは20年は割安になっても相場の絶対水準が上昇する場合でして、この場合は割高割安を見て買いに来る人はいるのですが、絶対水準からの買い即ち最終投資家さまの買いが細りますのでやはり販売苦戦必至。
結局のところ、入札前に相場水準もうちょっと下がれと言いたい訳ですが、あまり願望を言い出すと曲がりの常連だけに碌な事が起きない物と思われますので以下自粛と言うことで宜しくお願い致します(謎)。
本日は米国10年国債4%割れという好材料と、緊急補正予算という悪材料がぶつかりそうですが、例によって例の如く株式指数を材料にするんでしょうな〜と思ってはおります。
#ネタ不足で甚だ簡単な相場与太話で大変恐縮でございました。
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2004/10/22
お題「ネタもないので久々に相場後講釈とよく外れる見通し」
○材料出尽くし(か?)
一昨日の日経新聞さまの観測(と言う解釈にしておこう)記事によりまして、月末に皆様お楽しみにしていたイベントが前倒しになってしまいましたの巻と相成りまして、とりあえず当面の注目材料が出尽くした格好になりました。困ったものです。
でその材料出尽くしモードになった後の債券相場なんですが、一昨日は脅威のブルフラット、昨日は引けで叩き落されるという不気味な動きはありましたが、とりあえずまたブルフラットの図と相成りました(引け際の妙な売り方は気になりましたが)。
日本株下落とか円高(つーかドル全面安ですが)という材料は勿論あるのですが、先物中心の上昇ではなくて現物長期債が主導する形の相場上昇となっているので、一応は「展望レポート待ちの投資家さまの買いがやってきたのか?」の図になっています。実態としてここもとの上げ(というかブルフラット相場)の買い手が誰だかがやや謎な所があって「本当に皆さん買いに行っているのか?」という問いには「???」という感じではありますが。
○経済指標より内部要因という事で20年国債
こうなりますと、月末(でしたっけ?)に出てくる物価統計くらいしか経済指標のネタが無い(しかもど〜せマイナスでしょう)ので、注目材料はどちらかというと市場の内部要因という事になるかと思うわけですな。で、市場の内部要因と言えば来週の2発ある入札でして、そのうち注目すべきは来週火曜の20年国債入札でございます。
20年国債といえば今年の4月に景気の良い短観及び景況感の上方修正やら日経平均12000円乗せ(うーん、懐かしい)というのを背景に2%に乗って以来、大きく言えば2%−2.5%のレンジ、ここもとの10年国債のレンジにいる間で言えば2%−2.2%のレンジでまぁ安定しちゃっている訳です。イールドカーブ的には割高になったり割安になったりと忙しいのですが。
特に最終投資家比率(勝手な造語ですがニュアンスで判りますよね♪)の高い20年国債に関しては、イールドカーブ上の割高割安もさる事ながら、「相場の絶対水準」というか要するに「で、利回り幾らよ?」というのが重要なファクターでもありますので、現在堅調に推移している20年国債が入札後も無事に推移できるかというのが気になるところであります。
実は来週の入札は「クーポンが2%だと販売低調」という仮定に立ちますと、2%クーポンだと販売低調で、2.1%クーポンだとリオープンになるのでこれまたやりにくいという大変に素敵な展開が待っておりまして、落札どうしようかな〜などと悩み中のあたくしにとっては激しく血圧の上がる展開になっているわけです。
○困ったときには過去の記録を見る訳だが
まぁ何と申しますか、先行きの相場展開の勝手読みを行うのに困ったときには昔の帳面でも見ながら「ああそう言えばこんな事あったのね」などと思い出して最終的に何を考えていたのかしばしば忘却するのですが(汗)、「じゃあ今年の3月以前ってどうよ」と思う訳であります。
大体ですな、10年国債のクーポンをご覧になるとよー判ると思うのですが、やたらめったら1.4%クーポンの発行というのがここ数年多くて、10年の1.4%というのが一つの大きな壁になっていたりするのであります。何とも中途半端な数字なんですけど。
で、今年の3月以前の相場を見ますと、10年が1.4%をおおむねずーっと割っていまして、この頃は10年1.4%と20年2%が下値の目処になっていた訳でして、そう考えますとまぁ現在の相場の位置というのは「ここをぶち抜けるかどうか」というポイントに到達していると言うことになるわけですな。
うーん、我ながらいい加減な分析だ。
○大変当たらない勝手な見通し(あるいは妄言)
で、「ここを抜けないとちと相場は上がらんでしょう」で話を終了させると無責任なので(何のこっちゃ)、まー勝手な予想を申しあげます。
平均株価の位置だとか、為替がまたまたドル安に振れて来たとか外部要因が段々本年3月以前の状態に戻りつつある上に、馬鹿税調がまたも勤労者世帯からショバ代を巻き上げようと画策したり、海外投資で1兆2000億円ドブに捨てる金はあるのに国内にお返しする金は無いという素晴らしいどこぞの公社上がりの大企業の画策などと個人の先行き不安を煽って下さるような素晴らしい施策が絶賛目白押しという状態でありまして、あたしゃーとても景気に対して先行き強気には見れないのですよ。
確かに算術平均を取ると相変わらず数字は良いのですが、良い所と悪い所の格差が画然としてきて、「一部の良い所と多数の悪い所」という形になってますんで、算術平均というか算数の言葉で言うと「中央値」(「モード」でしたっけ)は良くても「最頻値」(えーっと「メジアン」っすか)はダメダメじゃんって事になっておる訳ですな。
で、「期間30年の住宅ローン」に見られるように、基本的に日本の個人消費(というかそれは住宅投資だが)ってのは「安定して見えている未来からの前借り」を前提にして動いている部分がございますので、先から前借りプレミアムが剥落した場合にどうよって気は思いっきりするのですな。高村が自派の寄り合いで言っていた「社会保障費増大だの定率減税廃止だのをやるなら消費税上げるのが筋ではないか」というのには賛成したいところであります。下手に小出しにすると却って将来不安を煽ると思うのですがね。
と、いつの間にか話が大きく逸れましたが、要するに「債券相場は暫く(数ヶ月のスパンで)は結局は下がらんでしょう(5年とかのスパンになると財政破綻シナリオになるのだが)」という結論に落ち着くのでありました。
・・・・また後日へ向けて恥のタネを蒔いてしまったような気がするぞ。
(追記:この日の債券相場は中国のGDP位しかネタも無かったのに10年ゾーンに莫大な売りでも出たらしくていきなり10年ゾーン中心に大幅下落の巻。相場神への道は近いか?)
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2004/10/20
「30年国債入札レビュー」
漠然と「2.5%になったら何とかなるんじゃないの」という感じでの入札。前場から何となく20年とか30年ゾーンの下げにブレーキが掛かり気味という展開でしたので、まぁこりゃ2.5%になってくれそうですなって雰囲気になり、落札結果は思いっきり予想通りの2.5%の100円発行となりました。しかも2.5%で按分が掛かるという事でしたので、まぁ落札した業者としては必要な玉は確保したけどプラスアルファー部分が足りね〜んじゃね〜のかという結果でした。
ところが、入札が余りにも予想通り過ぎた上に思ったほど買いが来なかったのか結局2.50%は第U非価格競争入札の応札時限直後の2時半ちょい過ぎに業者間で買われたものの後が続かずという結果でして、もうちょっとだけ下げが必要なのかもしれませんな。下手に相場が戻ると売れ残りの悪寒。
ちなみに、第U非価格競争入札で少々落札した人がいるようですが、応札時限までの間は業者間の気配が延々と「2.50%売り2.505%買い」だったので落札があったというのはちと??でありました。こういうときは理由を愚考してみる訳ですが、(1)本当に完売したので応札(2)前回の二匹目のどじょう狙い(3)完売した振りをするために犠打を放つ、とまぁあまり根拠のありそうな想像はできませんな。完売したからカバーする必要はあるのだが、業者間でオファーサイドを買うのはシャクだから応札したっていうのが一番美しいのですが、引け後売られているところを見ると、んな訳はなさそうですな。
ちなみに、プライストークの段階で「30年ってどうよ」って言いながら色々と意見交換したのですが、一番説得力のあったざっくりとした意見はこんな感じ。
「20年が売られた場合の止まり所はまぁ2.2%、このポイントを押し目買いの最初のターゲットにおいている最終投資家様は多い。と考えると、20年ー30年スプレッド30bp(じゃなくて40です。思いっきり間違えてるよ〜)が一つの目安なので30年は2.6%が止まり所。2.5%は売れないことは無いけどもうちょっと利回り欲しいって感じではないか。」
こういうざっくりとした分析って好きなので昨日は受け売りしまくってました(^^)。
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2004/10/15
お題「第U非競争入札のご教訓?」
本当は日銀総裁記者会見もネタなのですが、働きすぎ(ではなく連休に旅行に逝ったのが原因なのだが)で今朝は寝坊モードによってネタの半分だけはなはだ簡単に。
昨日の5年国債入札から新しい制度が開始と相成りました。詳しくは財務省のWebなんぞをご覧頂きたいのですが、よーするに「入札当日の午後2時半までに平均落札価格でてめぇの落札額のだいたい10%を追加購入することができる。ただしプライマリーディーラー(国債市場特別参加者)に限る」って制度であります。この制度はプライマリーディーラーに与えられたメリットの一つって事になっておりまして、今回の5年入札がその第1回となった訳であります。(ちなみに、第T非競争入札というのもあるのですが、こちらはあまり相場に影響ない話です)
まぁど〜ゆ〜事が起きるかといいますと、落札者(プライマリーディーラーが25社もいますのでまぁ落札シェアの殆ど)におきましては「世の中の平均落札価格で落札額の10%を購入するオプション(=コールオプションですな)を2時半(=応札時限)まで持っている」という訳でして、市場全体で言えばまぁ発行額の10%分のコールオプションしかもアット・ザ・マネーがばら撒かれている状態な訳であります。つーことで事前にも「まぁ落札後相場が上がった場合に新発債のコールオプション部分が効いて上値が抑えられますな」という話になっていたのですが、現実に起こった事はと申しますと・・・・
前場引けが安値引け状態だったので、まぁ入札としては応札しやすいという入札。その割にはふたを開ければまぁまとも(=ど割高ではないという意味)な入札だったのですが、まぁ「入札は好調でしょ」って見方で後場は落札結果発表を前にして既に先物上昇の巻と相成りました。落札結果は先ほど申しあげたようにまぁ普通の結果でして、瞬間的にはヘッジ売りなのか何だか判りませんが先物が売られたのですが、その後は平均落札価格(0.631%)のかすかに上である0.63%がやたらと重くなるというお約束のような展開。前場の先物引け値が137円95銭だったのに先物15銭上昇して0.63%オファーサイドってそりゃヘッジ売りをした分丸やられですよ先生って感じ(ただし先物ヘッジの場合ですが)でして、大変に機嫌の悪くなる展開になりました。
ただ、今回の入札に関しては5年新発債のゾーンがここもとの相場下落あんど上昇の間にやや割安化していたのが幸いでして、「いくらなんでもそりゃ割安でしょう」という買いも入ってきたために相場の全体水準の上昇と共にオプション行使価格帯(笑)を何とか抜ける事となりました。まぁオプション行使価格帯を抜けて下されば後はオプションを行使した皆様も「さぁ買いましょう」ってなもんで(^^)、行使時限の2時半を過ぎたら元々割安だった5年ゾーンの修正が入って引け際30分で先物対比1毛近くカーブを修正すると言う大技を実施して下さいました。
という訳で今回初めて行われた第U非競争入札の試みなのですが、相場上昇のおかげで追加発行額1766億円と目出度く発行額の1割近くの追加発行ができましたが、初めての試みで何となく見えてきたあたくしなりのご教訓を今後の参考にメモっつー事で。
・ヘッジの調整がムツカシイ
→同じカテゴリー(中期債を中期債でヘッジ)でヘッジしていれば特に問題が無いのですが、コールオプションの存在によって一時的にはイールドカーブの歪み、というか要するに今回のような「ヘッジだけ丸やられ状態」が発生する。うっかり流動性が高くてスペキュレーターが堂々ご参入してくる先物でヘッジすると瞬間的な股裂きモードになりやすい。
でですな、今回のように当該ゾーンが割安化していれば「割安なものが益々割安になる」というのを見て実需とか裁定取引の買いが入ってくる訳ですが、入札時点で多年限比割高な状態で入札を迎えた場合に相場水準が何らかの事情で上昇した時に割高修正が今までよりも急速に起こる可能性が高いということになろうかと思います。
・しかしこのオプションって罠ですな(^^)
→落札した業者がコールオプションを貰えるわけですからメリットはメリットな筈なのですが、オプションの存在を全員が知っている訳ですし、そもそもオプションの売り手が財務省さまなのでオプションの売り手が踏みに行くという(債券先物オプションで見られるような)香しい相場展開が現出する訳ではありませんわな。
つーことで、逆に「ヘッジ踏ませ仕掛け」のような技も可能(ただし入札のあったゾーンが割高化している場合に限るって事になりそうですが)な気もするわけでして、オプションの行使価格がアット・ザ・マネー(落札平均価格何だからあたり前ですが)なだけに、相場水準がある程度ぶれてくれないと真の意味でのメリットが発生しないのではないかと思ってしまいました。
まぁ落札額の1割なんぞ誤差範囲内と言ってしまえばそれまでなのでしょうが。特に大手の業者様におかれましては・・・・・
たぶん、今回の入札は「事前のヘッジが皆さんそれなりに上で売れている(前場の引けが安値引けだから)」とか「そもそも5年が他年限比高くない」というような要因があったので結果としては皆さんハッピーという形になった(追加発行できた財務省もホクホクでしょう)ようですが、次回以降の入札でどうなるかはちと??ではあります。
まぁそんなところで本日はメモ書き散らし状態で恐縮です。
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2004/10/13
お題「ネタがないのでたまには相場見通し」
米国雇用統計を受けた昨日の債券市場。10年債の1.5%手前で一旦足踏みする場面もあったのですが、結局1.5%を威勢良く割り込みまして、10年264回債の日本相互証券引け利回りは1.465%(実際はその値段付いていませんので実力は1.47%なんですが)とまぁ上がる上がる。20年72回は2.065%とまたまた2.1%割れですよ先生って感じであります。
○相変わらず総員ディーラー相場
前期末、って言っても先々週の木曜ですから営業日で7日前のお話なんですが、期末時点では10年263回債が1.44%でして、その後1.6%近くまで売り込まれた後で昨日の263回債は1.455%って動きですから、まぁ1週間でよくも派手に動いたものだという感じです。
昨日の上げの主体が誰の動きなのかはよー知りませんが、業者だけでここまで相場を動かすのは無理がありますので、大手投資家様の買いが入ったということでしょう。まぁ「雇用統計で米国景気の減速傾向が明確になったから債券買い」という事なのでしょうが、よくよく考えますとその発想はディーラーの発想ではないかと思うわけですな。僭越ながらそもそも論を申しあげますと、債券投資って基本的には調達コストに対して超過収入を取りに行く商売ですが、その収入ってのは利息収入が基本になる筈。
期初から10年債が1.4%半ばから1.6%近くまで利回り上昇しているのに大した買いも入らず(さすがに1.6%の所で長期ゾーンには買いが入っていたようなのですが)に、経済指標一つで一挙に1.5%割れまで買い上げられて期末のレベルまで相場が戻るってそりゃどうよって感じであります。何を基準に投資しているのかさっぱり意味不明でございます。というか「相場が上がりそうだから買う」とか「下がりそうだから売る」っつー事なんでしょうが、まぁ相変わらずの総員ディーラー状態ではないかと思う期初以来の大暴れ相場であります。
総員ディーラーとか悪態をついてますが、実際問題としてこの相場でも10年なんかの絶対水準を見ながら下がった所で買いを入れて、戻り局面では売っているお方もおいでなのは言うまでもありません。ただ債券相場を振り回すパワフルな投資家様の中に「あなたの投資行動ってそりゃディーリングでしょう」という動きがあるのであえて「総員ディーラー相場」と言うわけですが。
○ディーリング相場だけに先行き難しい
後付け理屈で言えば日銀短観と10年国債入札で債券が売り込まれて機械受注と米国雇用統計で大戻しした相場っつー事でありますので、どうも結局は景況感が相場のメインテーマで、たまに入札がらみの需給がネタになるという事らしく、財政問題は無視という事らしい相場のようです。
で、この景況感というのが曲者でして、本来景気の方向性が1週間やそこらでコロコロ変るわきゃー無いのですが、一々指標に反応(というか指標を売り買いのネタにしているだけだと思うが)しているというのは正しくディーリング相場の様相を呈しているわけです。
まぁ業者の立場で言えばある程度相場が動いてくれないと商売にならないので結構なお話ではあるのですが、正直10年金利ベースで0.15%、債券先物で1円40銭とか売られてまた戻るような材料かよって印象でして、現に株式市場方面では日経平均にしろトピックスにしろそんなに動いていない訳ですから、債券市場一人相撲の図って所でしょう。
まー結論にはなっていないのですが、この調子では暫く目先の経済指標だのちょっとした株価の動きなどに派手に反応するという不思議な相場が続くのではないでしょうか。
○もうちょっと金融政策にも注目していただきたいのですが
今日まで行われる金融政策決定会合に関しては特筆することも無く、全員一致で金融政策変更なしという結果になるでしょうが、とりあえず月末の金融政策決定会合で発表される所謂「展望レポート」が注目材料になるのでしょう。
その展望レポートに絡みまして、10月頭の土曜だか日曜のどこぞの全国紙に「展望レポートで来年度のCPI見通しがプラス転換の見込み(だから景気は絶賛回復中でデフレも脱却ですがな恭喜恭喜って事ですか)」って憶測飛ばし記事(なのか意図的書かせ記事なのかは知りませんが)が出ておりましたが、実際問題としてはここもとドラめもんでご紹介しているように各審議委員の講演だの記者会見だのというのが最近出てきているので、その辺を丁寧にチェックするのが正しいあり方でしょう。根拠レスな飛ばし記事(あるいは書かせ記事)に反応するという風習はいかがなものかという気はしますが。
で、それは兎も角として昨今の日銀審議委員の講演をウォッチしておりますと、傾向として見えてくるのは(近日中に真面目にまとめますが)「消費者物価動向に強気な人は量的緩和政策終了のビハインド・ザ・カーブを辞さずという姿勢が見られる」というのと、「量的緩和政策の出口を模索する姿勢がある人は案外消費者物価動向に弱気」という感じでありまして、いずれにせよ量的緩和政策がズルズルと続きそうな雰囲気であります。
穿った見方をすれば、量的緩和政策自体が経済の色々なところにビルトインされた状態になっているので、何だかんだと理屈をつけて量的緩和政策を継続していきましょうって事なのかも知れませんな。何だかんだと言っても福井総裁が一番景気にも物価にも強気だったりするような気がしますが、本日の記者会見には注目したいですし、また臨時国会が始まると財務金融委員会とかいう所に福井総裁がお呼び出されモードになってお得意の不規則サービス発言が出てきそうですので、こちらの大先生ウォッチも欠かせませんな。
○という事でお前の相場観はどうなっているのだと聞かれそうですが
正直期初からの相場はさっぱり理解不能でして、まぁ突如始まった景気回復キャンペーンに躍らされただけという事なのかもしれませんが、根本的に景気にも物価にもあまり強気ではないあたくしとしては(主な理由は雇用部門が全然よくなる雰囲気が無いから、あとは個人的定点観測などによる体感的なものなので根拠レス)、基本的に債券を売る時期ではないと思いますがね〜。超目先で言えば日経平均株価に過剰反応しながら落ち着きどころを探すって感じでしょうね。
と、何を言いたいのか判りませんが、よーするに「まぁ売られたらちょこちょこ買えば如何でしょう」という事でして、ここまで相場が戻ってから買いがどうのこうのというあたくしの神経もいかがなものかという気も激しくしますが、景気に関しても金融政策に関しても「ど〜考えても量的緩和解除の先は見えませんな」という基本認識ですのでそこんとこヨロシクであります。
本日もまたはなはだ訳の判らん雑談で恐縮至極でありました。
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