相場見通しあるいは後講釈

こちらはあまり当らない相場見通しやら相場後講釈やらを書いております。2005年9月まではJGBの中期、長期国債が主戦場でしたが、2006年からは短期金融市場を主戦場に移しましたので、今後はより一層物凄くマニアックになって何だか訳の判らん相場講釈を致します。あまりポピュラーじゃない市場のお話を適宜する所存でございます。


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2005年上期
2004年下期
2004年上期
2003年下期(工事中)
2003年上期(工事未着工^^)
2002年下期(工事メド立たず)

2005年下期の見出し

2006/03/31「カーブ上2年が一番甘くなってますが」
2006/03/30「益々末初レート低下」
2006/03/29「豪快な逆期末要因で期末越え金利急低下」
2006/03/24「2年国債入札はイマイチでしたな」
2006/03/23「無事だった今年度最後のFB入札」
2006/03/16「3か月物は落ち着きましたが2年はズタボロ」
2006/03/15「益々中短期ヘロヘロ」
2006/03/14「中短期売られて株式堅調とな」
2006/03/13「解除翌日の短期市場と短期オペレーション」
2006/03/09「解除の前提で色々予想してみる」
2006/03/08「6か月TB入札であらら」
2006/03/07「整合性の無い各市場の反応」
2006/03/06「短期ゾーンは乱高下」
2006/03/03「やや巻き戻し気味」
2006/03/02「3週間で利回り10倍・・・」
2006/02/28「相場はお怒りモードですな」
2006/02/27「地均しをし過ぎて地割れ」
2006/02/24「2週間で利回り5倍!」
2006/02/23「輪番オペ札割れ!」
2006/02/17「短期市場一旦は休息」
2006/02/16「1週間で利回り4倍!」
2006/02/14「2年0.4%!」
2006/02/13「一挙に中短期ゾーンボロボロへ」
2006/02/09「何で今更材料になるのか?」
2006/02/07「市場動向を見ながら雑談でも」
2006/02/02「3ヶ月FB入札レビュー」
2006/02/01「2年国債入札レビュー」
2006/01/31「2年国債入札です」
2006/01/25「15年変動利付国債と物価連動国債」
2006/01/20「引き続きあちこち混乱中」
2006/01/19
「結局はまた東証か!でございました」
2006/01/18「ブタエモンショック!」
2006/01/17「何となく落ち着いてきた金利市場」
2006/01/13「またまた変動15年国債の悲惨/フラットニングしてますが」
2006/01/12「FB入札と短期の妙なオペの打ち方について」
2006/01/11「相変わらず悲惨な変動利付国債/入札2本」
2006/01/10「案外流れた6ヶ月もの短期国債入札」
2006/01/06「またまた踏み上げ合戦」
2006/01/04「今年の展開を予想してみる」
2005/12/29「年末越え金利は落ち着きました(メモ)」
2005/12/27「短期市場に関する日経の無茶な記事」
2005/12/26「年末越えの金利が益々強含みです(メモ)」
2005/12/21「FB入札メモ」
2005/12/16「為替ぶっ飛び〜/短国売却」
2005/12/13「超長期ゾーンが相変わらず確りですが」
2005/11/21「18日エントリーの補足」
2005/11/18「変動15年利付国債の悲劇何度もリターンズ」
2005/11/15「政府のけん制発言大爆裂」
2005/11/11「WI取引とシステムトラブル」
2005/11/08「15年変動国債と5年国債入札」
2005/11/07「変動15年利付国債の悲劇」
2005/10/28「米債連動相場とは・・・」
2005/10/27「大暴れ30年国債+2年国債入札」
2005/10/25「フラットニングのインプリケーション」
2005/10/20「何かいきなり戻りましたな」
2005/10/17「ユーロ円金利先物は相変わらず」
2005/10/14「微妙に不思議な相場展開」
2005/10/07「相場雑感と手形オペの期間短縮」
2005/10/06「フラットニングしてるんですが・・・」
2005/10/05「債券相場概況+昨年の早期利上げ懸念相場との比較」


2006/03/31

お題「2年が一番安いとは・・・」

今朝はCPIなどの発表日。今後は「総合判断」になったので本当はコアじゃなくてそのまんまの数字がどうなのよって事も見るんでしょうが、まあ当面はコアの方を気にしながら動くんでしょうな。そういう事は本職の人にお任せ。まあ予想通りの+0.6%(前年比のコア)だと、債券市場が予想してる利上げの時期は10月かそれともちょっと早いのかって連想になるのではないかと思われますが。+0.4だと中短期買い戻し?

しかしまあ米国も利上げ継続警戒モードで何か威勢良く債券売られてますが、そんな中で昨日は台湾とアイスランドが政策金利引き上げをしてましたな。妙にそーゆーニュースが気になってしまう今日この頃。

○2日で0.1%売られですか・・・・

昨日の債券市場。朝方は米債下落にもめげずに鉱工業生産が少々弱い数字だったのに反応した、というよりは前日の7年0.1%金利上昇は何ぼ何でも叩き過ぎでしょうって事で買い戻しをしたくなるお日柄だったのかなあとも思われますが、一旦は上昇。ユーロ円金利先物は中心限月で前日比2.5ティック上昇とかやっていたようですが、その後中短期債やらスワップにぶちかましが爆発したらしく大幅下落。下落した後後場途中からは猛然と先物などが切り返す中で、現実にモノが出たと思しき2年とかはモドランチ会長になってしまい、終わってみれば先物が13銭上昇しているのに2年243回債は0.685%と4毛甘。

一時は2年が0.705%まで売り込まれてまして、あなたそれは利上げ3回織り込みじゃないでしょうかって感じの売り方。前日の2年債が5毛甘でしたから2日でピーク11毛売られた格好でして、いやまあちょっと2年の所何とかならんのかという感じですわな。


で、まあ昨日はこんなニュースも話題になってまして、まあ皆様ご案内の通りといった所でしょうが、含み損処理→保有債券売る→保有してるものは大体中短期債→アヒャヒャヒャヒャってのもあったんでしょうか。

http://www.mizuho-fg.co.jp/release/data/news/news_060330.html

通期の予想が変らんということは、株あたりで益だしをしているものと思料されますが、わざわざ期末前に堂々公表するのも珍しいですな。


○しかしこのカーブは・・・・・

昨日の引けのカーブを物凄くざっくりと見てますと、主要年限のスプレッドが「2年〜5年:60bpくらい」「5年〜7年:35bpくらい」「7年〜10年:15bpくらい」「10年〜20年:30bpくらい」ちゅうことですか。で、足元金利から2年までが70bpくらいですかそうですか。

まあ年限が長くなるほど売る人がいない(長期保有の人が多い)という需給的な要因があるにせよ、何かこう随分フラットニングしちゃいましたなあという印象なのですが、海外のカーブ形状から見たらこれでいいのだという意見もあるようで。

ただまあ米国とかの場合は利上げがそろそろ終了するんじゃネーノって状況になっているのに対して、日本の場合はこれから利上げを開始するって状況なんですが、どうも7年あたりから先のカーブを見ていると既に利上げ最終局面が近くなってきているかのような状況に思えてしまって違和感感じまくりなのはあたくしだけでしょうか。

それにしても、これだけ2年の利回りが上昇しても財務省大丈夫なのかという気はするんですが。まあ見込みはかなり堅めに設定しているでしょうから特に今すぐどうこうって事はないでしょうけれども、10年や20年と違って2年は2年後にリファイナンスしないといけない訳でして、先々も考えるとどうなのよっていう気もするんですが。

ま、ゼロ金利の時間軸あってこその2年債大量消化だったということではないかと思いますな、って特に根拠はないけど昔からの感覚としてあたくし申し上げていた話が2年のイールドがカーブ上膨らむという形で出てしまいましたな。予想は当たりましたが、正直言って量的緩和解除した途端にこうなるとは思わなかったです。利上げ局面入りしてからの事かと思ってましたですよ。それにこの予想当たっても別に嬉しくはないです。

TBFBに関しては上記のみずほFGじゃないですが、もしかしたら中短期債の損失処理に伴いキャッシュが余ってそれを潰しに来ている人がいて突如大いに買い殺到モードになっているのかもしれませんな。しかしながら4月になってから当座預金残高の縮減が始まった時にさてどうなるんでしょうとか、余ったキャッシュが(TBFBなどに来ていると仮定して)また債券に回帰したら今度はどうなるのよとか考えますと、その前の「新発だけ入札で妙に甘くなる」というFBの攻撃を見てますと、こちらの「毎週4.4兆円」も何だか市場の消化能力大丈夫か(最終的には価格で調整すればそりゃまあ捌けますけど)という気もする訳で。

ま、短い所から長い所への発行年限シフトをもうちょっとやった方が良かったっていうのは単に市場のカーブをだけを見て結果から言ってるだけなので好き勝手な感想ではありますが・・・・・・

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2006/03/30

お題「まあ雑談です」

平均株価が上昇して嬉しいのは判る(あたくしだって嬉しい)のですが、某モーサテ東京スタジオ「受渡ベースで実質新年度入りして機関投資家の買いが幅広い銘柄に入り東京株式市場は上昇」ってのはあーたそれは。どうみても先物主導の上げにしか見えない相場だったんですが・・・・ちなみにブルームバーグテレビではきっちりと「先物主導で上昇」って言ってますな。大本営発表も程々に。

米債下げの米株上げで今日も債券相場は下やるんですかねえ。期末期初でエアポケットみたいになるときに上ったり下がったりするのは毎度の芸風ですが大変っす。

ということで債券の話をするところですが何故か短期の話辺りから。


○末初レートが落ち着いたというか・・・

昨日の続きですが、まあ期末期初のレートは落ち着くというか見事に低下。結局期末の運用資金(短期の)出し残り状態になってしまいまして、朝から6月償還のFB(確か前回債だったかな)がレギュラー渡しの一日前になります31日受渡で0.03%が買われ、3日受渡では0.04%−0.05%の気配となるという「期末の資金が潰せませんなあ」状態になっておりました。で、T+2スタートのCP発行はそれなりにあったのですが、銘柄によってはどうみても前日比0.03%くらいは下がっているというような金利になっていたりしてまして、何か運用サイドで「もうどうしても期末越え運用するから渾身のレート提示」って感じの調達側ウハウハの展開になっておりました。

いやまあ昨日も申し上げたのでアレなんですが、ここまで来て最後の最後に超越急低下する金利ちゅうのも何だかな〜って感じです。まあ事前準備のやり過ぎで金利低下するにしてもこりゃどうなのよって所でございますわな。量的緩和解除して最初の期末、しかも口頭ベースですが当預30兆円維持って話もあったのにこの状態ですとまあ先が思いやられますわな。

つーかここまで参加者の動きがへぼくなっているとは・・・・量的緩和やゼロ金利前を知らない若者だらけなのかなあ・・・(-_-メ)

来週からは当預が徐々に削減される訳ですが、どうも極端から極端に振れる傾向が参加者(というか主要参加者というか)から抜けないと削減する日銀の中の人も大変ですなあとは思います。


ちなみに、TBFBの利回りを見てますと、4月償還物がアホのように強く、買うものに事欠いて5月償還物が昨日の途中から強くなりまして、6月上旬に償還が来る銘柄がその次っていうまあ当たり前と言えば当たり前ですがそんな感じ。強さの順で言えば4月償還>>5月償還>6月上旬>>6月下旬ってところで、まあ当預残高削減によって足元の金利が徐々に上昇するでしょうって事を反映してるんでしょう。

しかしそれにしても6月上旬の償還物銘柄で0.035%まで最後買われていたのはちと頑張り過ぎのような気がするんですが、期待リターンとリスクがイマイチ間尺に合わないのではないかと思料。

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2006/03/29

という話の前に一応FOMC声明文ですが、冒頭の部分で「2005年第4四半期における実質GDPの減速は概ね一時的な特殊要因の反映と見られる(訳はあたくしが勝手に行いました)」ってありまして、これは書き方に独自色だしたのかなあって新鮮感を受けたのですけれども、その後はまあいつもの感じでしたな。『The Committee judges that some further policy firming may be needed to keep the risks to the attainment of both sustainable economic growth and price stability roughly in balance.』なんてのも前と同じですわな。

寝起きで斜め読みしただけなのでそんな感じですが。


○これは豪快な期末要因、というか逆期末要因??

昨日の債券市場では朝はブルスティープで終わってみれば結局カーブだいたいパラレルでベアというはあそうですかという動きだったようですけれども、一部地帯で大盛り上がりあるいは大盛り下がりだったのが期末期初の短期市場金利推移でございました。

31日ー3日の期末期初(末初)のGCレポレートは0.04%(前日は0.05%)から始まってさらさらと下落して0.015%近辺になっていたのですが、ここへ来て期末越えの資金を待機させていた銀行勢まで運用に一挙大参戦してきているので、期末接近で急に金利が下がるという時々見られる展開ながらちと下げ方が豪快過ぎ。TBFBの4月償還物は運用残高潰しの買いもあるようで0.01%だとさっくり買われるという誠に豪快な展開が続いてましたが、新発CPのレートも低下とまあ盛り上がらない状況になりました。

で、その動きに拍車を掛けたのが昨日実施された国債売現先オペでして、3月30日〜4月6日で6000億円のオペ(資金吸収)に対して何と落札利回りが0.001%の全取でして、どこか一社(というか一行)が大量落札したようですな。

まあ資金を潰したかったのかもしれませんが、それにしても0.001%はその時間帯のGCレポレートが0.01%くらいだった事を勘案すると幾ら何でもやり過ぎでしょうという事で、間違い入力説とか日経の記事(後で書きます)に対して時期尚早ですという主張を込めた渾身の落札とか色々な読み筋を披露して一部で勝手に盛り上がっていましたよ。実際のお家の事情はよく判らんですが。オペで国債買い現先(銀行から見て)をした場合のバランスシートへの載り方ってどうなるんでしたっけ?現先会計だったらあんまり期末のB/S対策にはならない気がするが。

ちなみに、現先を売買取引で認識する会計を行っていた(金融機関以外だと金融取引扱いでやるのが普通だったと思うが)時代は、期末の国債買現先オペ(当時は売り現先は無かったと思う)は期末の国債残高調整(売買取引なのでバランスから落ちる)に使われてたことがありますな。


まあそんなこともありまして、後場に入りますと益々資金余剰感が高まりまして、4時過ぎにはGCレポの末初レートは0.005%を切る勢いとなり、資金出し残り状態。まあ皆さん事前に準備し過ぎって事なんですが、事前には随分盛り上がっておいてここまで過激にレートの低下する期末というのも実に珍しいです。

結果的には期末が無難に通過って感じですが、事前に準備しすぎて最後金が余りまくるっていうのもちょっとどうかという流れでして、結局オーバーシュートの連続で推移したとも言えますので、これから当座預金残高を縮減していくとまたどこかでアフォのような取り上がり現象が起きるのではないかと一抹の不安も。

まああれだ、大手銀行がメガ化して、影響がでかくなってるんだからあんまり過激に動くなよって思う次第ですな。困ったもんだ。

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2006/03/24

○2年国債入札メモ

板をちゃんと見てたわけで無いので聞き書きメモですが。

引値は2年242回から何故か3毛5糸もスプレッドがある0.61%とあまあま。入札前の前場引け時点ではWI取引0.6%とかやってたのに平均99円99銭6厘はいいとして最低が98銭5厘とはそりゃまあしょんぼりする結果ですなあという感じでして、落札結果みるとどこかが気合を入れた気配も無く業者に分散された格好。引けは最低落札よりも安い(98銭ですから)とは。まあ最悪ではございませんでしたが、こりゃあまり良い入札では無かったなあという感じでございます。

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2006/03/23

○FB入札と2年国債入札

昨日は3か月(13週間)ものFB(政府短期証券)の入札がございました。前場のWI取引は0.07%は堂々のオファーサイドで、0.075%くらいまで行くのかと思わせたのですが、落札結果は前週とほとんど同じ。最低落札価格は前週と同じ99.9814円で平均落札価格が前週よりも0.001円安くなって99.9825円となりました。財務省方式だと0.0694%になるんですが、通常の呼び値だと0.07%に辛うじて乗るという結果。

しかも落札後はまたまた買われまして終わってみれば0.06%オファーの0.065%ビットとかいう感じになってまして、まあ前週と同じ展開になりました。さすがに前週ほどの豪快な戻りは見せませんでしたが確りでした。来週は期末跨ぎなのでFB入札は実施されずですんで、これで年度内は終了。4月になってからの足元金利や現先利回りを見ながら新たな居所を模索することになるんでしょう。

そんなわけで3か月のところは今のところFBで0.06−0.07%という感じで落ち着いてます。まあ4月になったらまたそれはその時の話ではありますが、足元の短期金利水準が修正されるのかという所と、7月の金融政策決定会合以降のエンドになるものに関してが注目かと思われます。


そんな感じでとりあえず平和な3か月に対しまして2年国債はどうなのでしょうかって感じですが、本日ある意味注目の2年国債入札が実施されます。昨日もまたまた中短期ヘロヘロの展開で前月債が0.575%とかになってますんで、何と2年で足元ゼロ金利なのに0.6%クーポンでの入札という大変に豪快な入札になりました。

まあこれだけ売り込んでなおダメダメってのはさすがに考えづらい所ではあるのですが、それは3か月辺りの金利の上昇がさすがに止まっているのを見て安心しているだけかも知れません(笑)。

まあ向こう2年間で利上げ2回半くらい平気で織り込んでいるのですけど、いやまあ2年どころになると償還まで持ちきってペイするのとかいう発想が起きても良いとは思うんですが、何せ銀行業態の皆様は時価会計ですんで持ちきって短期金利対比勝ちましたっていう訳にも行かんのよね。そんな事を考えると足元の金利収入がもうちょっとあった方がいいって話にもなるもんね。

まあ注目しておきましょう。最悪なのは入札だけ妙に堅調で買いが続かずにヘロヘロになるパターン。

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2006/03/16

○3か月物は落ち着き2年はヘロヘロ

昨日の3か月ものFB(政府短期証券)は落ち着いた展開。前日はWI取引で0.075%あたりまでやってましたが、まあ冷静に考えて3か月くらいの間に政策金利が上るようなことも無いですし、まあ先行きの金利上昇リスクを考えると短い所に資金を逃避させておきたいという考えも出てくるでしょうって事で先週までの入札利回り上昇攻撃がストップした形。

最低落札価格こそ利回りベースで0.07%乗せになりましたが、平均落札価格(市場の呼び値ベースで0.0695%とかになります)よりも価格上昇利回り低下水準になりまして、まあ堅調と言って問題ない動きになりました。ここ2週間ほどは落札が大いに弱くてその後大いに戻るという極端な展開が続いていましたが、今回はあまり無茶な動きにならずで、ようやく落ち着きましたねえって感じでございます。


で、長いところはヘロヘロ。2年カレント物の利回りが0.56%で引けているんですが、ハーコリャコリャという感じですなあええ金曜から3日で0.47%→0.56%ですよトホホ。

ちなみに1年TBの利回りがだいたい(というのは手元のメモのデータソースが売買参考統計値なのでちょっとアレなのですが)0.27%とかになっておりまして、これが大体「向こう1年間で1回半の利上げを織り込む」って感じです(1回半とか訳判らん言い方でスイマセン)が、2年の0.56%となると「向こう2年間で2回半の利上げ織り込み」って感じですかねえ。

物凄くざっくりとした計算になりますが、向こう2年間の運用をするって話になったときに2年債を買えば0.56%確定で、1年債を買うと手前0.27%確定だとしますと残り1年幾らで運用すれば良いのでしょうって話をすると(0.56*2−0.27)ですから1年後の1年もの金利が0.85%以上になると間尺に合うってお話ですわな(ちなみにこれは再投資だの複利だのという観点を一切無視してます。そんなに厳密な計算じゃないんでその点お含み置きを)。そんなわけで「まあ向こう2年間で2回半」って話になる次第。

いやあもう福井総裁様が『これから市場と日本銀行のコミュニケーションは非常にダイナミックになる。ある意味では本来の姿になる。』と9日の記者会見で仰せでございましたが、早くもひじょうにだいなみっくでほんらいのすがたになってすばらしいですなあ(棒読み)という所でございまして、しかも水野審議委員様が13日の講演で『ターム物金利に上昇圧力がかかり、早期利上げを催促する展開も想定されます。』と仰せになられましたように、マーケットでは連続利上げを織り込みに逝ってますので適正金利水準とやらへのきんりへんこうをさっさとおやりになるのもしじょうとのたいわなんでしょうねえ(またも棒読み)。

もう疲れたよパトラッシュ。何だか眠くなってきちゃったよ。パトラッシュも眠いのかい?

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2006/03/15

○益々ヘロヘロの中短期

昨日の1年物TB入札ですが、まあ前場引けに掛けて安くしたので大流れしなくて良かったですねって感じですが、平均落札が0.293%で最低落札が0.314%(財務省方式と市場の一般的な方式の差異は期間が長くなると小さくなるので併記はしません)という事は、半年後に0.25%の利上げを行って1年後の償還を迎えると想定しても楽勝で持ちきれるレベルですが、まあそんなシナリオにならない場合(=利上げペースが速い)のやられとの対比を天秤に掛けますと全然ペイしませんが何か?といった所でしょう。一応引けでは0.27%程度と大体同償還の2年国債くらいのレベルにはなっているようですが。

それより悲惨なのは2年国債。金曜の引けから2日で6毛5糸も甘くなってしまいまして、0.535%となってしまいました。もう思いっきり連続利上げを織り込んでいるわけですが、そんなに物価って一方的に上昇するものなんでしょうかねえ。

FB3ヶ月物の入札が本日行われますが、金曜日に瞬間最大風速0.045%までやってたFB378回が機能の最終は0.06〜0.065%近辺の居所。まあその0.01%の世界でどうでも良いと言われそうですが、利回りの変化率として考えるとかなり豪快な動きです。何か昨日は売りが出たという話らしいのですが、何でそうバタバタやるのかなあって感じですな。WI取引では0.075%〜0.08%あたりが居場所らしいのですが、1週間償還が違ってそんなに利回り違うのかよというのもありますが、それはまたいずれ。

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2006/03/14

○これは日銀ウハウハの展開ですか?

昨日の債券市場ですが、後でご紹介する水野審議委員の講演やら記者会見が出る前から中期債主導での相場下落。一方で株式市場ではゼロ金利政策がまだ続く(って技術的に2ヶ月くらい続くの当たり前なのですけれども・・・)ということで威勢良く上昇。どうも昨日朝ブルームバーグテレビでやっていた福井総裁BISでのぶら下がりインタビューと言うか突撃インタビューでの英語での受け答えが「ゼロ金利長期化」と取れるような(少なくともあたくしにはそう聞こえたんですが)ニュアンスになっていたので海外のお投資家さまも好感したのかなあ何て勝手に妄想。ちと利上げを舐めているような気もしますがねえ。

まあそんなわけで、金利は「適正水準」とやらに向って上昇し、株式市場も上昇とはこりゃまた日銀ウハウハのてんかいでじつにすばらしいですなあ(棒読み)と逝った所でしょうか。ふ〜ん。

まあユーロ円金利先物やら中短期債券(というかどうもスワップの払いのようですが)がドカドカ売られて長期債はそれなりに確りっちゅうのはまたまた「景気実態よりも利上げのペースが速い懸念あり」っていうのがインプリケーションという事になる訳でして、日銀それでいいのか(いいんでしょうが)と思うのでありました。

ちなみに、本日入札予定の1年もの短期国債(TB)のWI取引の最終気配は0.23%−0.25%で、同償還(2007年3月20日)の2年230回債の居場所が0.26%あたりのようですので、本日の入札は普通に考えると0.25%から下に流れるということになるんでしょう。冷静に考えると半年後0.25%利上げなら手前半年勝てるのですが、まあそれこそ当預引いた後にサクサク利上げでもされたらアレでございますので、プレミアムついちゃってるって事なのでしょうか。

ちなみに3ヶ月物FBは0.05%が居場所のような感じでして、こちらは先週末対比であまり変っていませんので、「とりあえず3ヵ月後までは大丈夫でしょう」って感じなんでしょう。ついこの前は当預引く間の「ゼロ金利」に関しても「ロンバート金利(0.10%)までの金利上昇を容認するとなると0.03%から0.05%あたりに足元金利があるのではないか」などという人までいたのが嘘のようですな(苦笑)。

ただ、3月までは足元押さえつけてくるという雰囲気は昨日の手形オペでも垣間見られました(全店買入手形3月15日〜3月28日を6000億円実施)のですが、このオペの足をあたくしは「4月以降はシラネーヨ」とも読んでしまうという大変に性格がねじくれた人間でして、まあ期末前に金利が跳ねる事は避けてくる(期末日ピンポイントは別)としても、4月以降当座預金を引いていくと無担保コール翌日物0.01%割れが恒常的という光景が継続してくれるかに関してちと疑問を感じるのでありました。

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2006/03/13

○いやあの短期国債そこまで買うの?

金曜日の短期国債市場は呆れてしまいました。前日の最終では新発FB3ヶ月ものは0.06%近辺だったのですが、朝っぱらから買い買い状態になってしまい、より直後から0.05%が買われて0.045%まで買われるの巻。どうも大手銀行組が参戦してきたようなのですが、いやあの様子見する言い訳が無くなった途端に我も我もと買いが来ちゃうというのはちょっと如何なものかと呆れてしまいました。引けに掛けては国会での総裁以下皆様の答弁によって「ゼロ金利長期化は期待するほどのものでも無いんじゃねえの」って事にでもなったようで、ユーロ円金利先物やら債券やらが売られたことで少々戻りましたが。

まあ期末ですから「量的緩和解除したってゼロ金利ですからこのレベルはオーバーシュート」と言ってリスクを取りに行くというのも難しいというのは非常によーーーく判るのですが、ここで買うなら何故0.08%だの売り込んだのよ貴方達はってまあちと情け無いものを感じてしまった訳で。



○オペがやたら芸細かいです

金曜日には国債買現先オペが行われました。このオペなんですが、期間が3月14日から20日となっていまして、3・9月の利払銘柄の振替停止期間をちょうどまたぐ形での資金供給となっております。

ところがですな、3・9月利払い債の在庫ファンディングの為に行われるGCレポ取引は既に前日の時点で終了しているので、証券業者の在庫ファンディングのニーズはこの時点で無し状態。要するにこのオペは打っても札が集まりにくい期間設定になっていまして、レポ取引関係者的には「これはわざと札割れになるオペを打ってきたな」というお話になります。

結果は案の定予定額4000億に対して応札が3640億円と未達と相成りまして、「未達オペを打って金利が上ってないってのを見せようとしたんでしょうかねえ」という思惑大当たりでおめでとうございます。そんなオペでしたが、何となく笑ってしまったのは平均落札利回りでして、どう考えても未達必至のオペなのに何故か平均落札利回りが0.002%というのは、上の札を入れた人間が札読みのできないスカでない限り、未達必至オペに対する嫌がらせの応札だったんじゃネーノなんて穿った読みをしてしまいました(笑)。


また、金曜日には短国買入も実施されまして、額が3000億円に減額になりました。まあいきなりゼロにすると騒動になるので(予想している人はあたくしを含めて結構いたのですが)これも芸が細かいですなあと感心することしきり。

ついでに、今回から短期のオペレーションに関して落札限度額が設定されまして(というか限度が復活したのかな?)、1社で落札できる限度はオファー額の半分になりました。時々「1社が実勢よりも高いところに札を入れて全部落札」っていう事件があって「あらら」ってケースがあったのですが、そのような「金利上昇大作戦」は許さんという事でしょう。

そんな訳でして、日銀の短期市場オペレーションに関して言いますと、変に金利が跳ねないように色々と気を使っているなあってのはよく判る金曜日の動きでございました。

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2006/03/09

お題「安定化策で不安定化はご勘弁を」

まあさすがに今日解除でしょ。という前提で色々とお話を。

○FB入札乱高下

昨日のFB入札(そういえばまたまた訂正ですが、FBの発行額は毎週4.1兆円じゃなくて4.4兆円でした)も大暴れ。前日のWI取引0.08%レベルからスタートして前場引けは0.085%ヒットのビット残り。で、入札はと申しますと平均99.9782円で0.0874%(財務省方式だと0.0865%)となり最低落札価格は99.9762円で0.0954%(財務省方式だと0.0944%)とまたまた流れました。しかしそこで相当の買いがあったようで、0.085%あたりのオファーは瞬間で捌けてしまい、落札が少なかった人がちとショートにでもなったのかショートカバー的な買いで何と0.055%まで上昇。最終的な居所は0.06%くらいなんで結局先週の入札とあんまり変らないのですが、よくもまあ派手派手に動いたものです。

入札最低落札0.095%から30分くらいで0.055%まで動くとはこりゃまたキングオソロシスですが、まあこんな動きをすることも多くなるのではないかと。いやはやめまぐるしい。

でですな、何か勘違いしてないかと思うのはこの買い上げ方。まあカバーで仕方なく買った面もあると思う(それなら0.09%くらい札入れられるだろうと思うんですが、ちなみにあたくしは勝手予想でせいぜい0.09ひげ位じゃないのかと思ってましたが)んですが、量的緩和解除したら当座預金残高を引く事になるというのを忘れていないかという感じですわな。

長期国債買入は減らせないですし、いきなり売出手形を打ってくるのはちと3月末という事を考えると刺激的なので避けるとなれば、どう考えても短国買入は削減対象。3月後半に向けて資金は余剰になりますので、ただで無くさえ吸収をしないといけない状況下で売出手形を派手に打てない(オペレーションに急に注目が集まるから。ノーケアー状態ならそんなに話題にならないのでまあオペ打てるでしょ)となると今週分から短国買入が無しになっても何らおかしくは無いので5000億円×4回分で2兆円となるとFB発行2分の1回分になるんですけど、大丈夫でしょうかねえ。


○これは凄い期待ですね

昨日はスワップ市場のほうで相当のレシーブがあったらしく中期債やらユーロ円金先やらが派手派手に上昇。まあここまで散々売り込んでいましたので戻りも派手になるんでしょうが、しかしまあ「安定化策」に関しての期待が政府の一連の牽制発言によって盛り上がっているちゅうことでもあるのでしょうな。

で、その期待がどう盛り上がっているかと言いますと、昨日のブルームバーグニュースの債券市場概況解説記事(8日16時55分配信)をみますと、どこぞの誰かさん(名前はここでは出さん)の指摘として「日銀は少し厳しい環境のなかで解除に踏み切るのであれば、時間軸が短くならないように配慮するであろうし、市場もそのへんを先読みしてこの日の相場急騰につながったと分析」なんて出てました。いやはや「時間軸が短くならないように配慮」ですよ何ですかそりゃ。

いやまあ確かに緩和解除してもまたビハインド・ザ・カーブに戻してゼロ金利引っ張るという選択肢はあるんですが、それなら何で量的緩和解除を行ったのか意味が判らんですわな。まあ日銀がそんな逆戻りみたいな事をするとは到底思えませんが、そこまで期待が盛り上がると何だかなあって感じです。まあこのお方の見立てであってマーケットのコンセンサスかどうかは別ですが、スワップの強烈な受けは何かそんな感じもしますわな。あ、この記事は「」書きの記事じゃないんで記者さんがコメントを端折って書いた可能性が高いので、このコメントした人は別の意味で言ってるかもしれません。念の為。


○変なリップサービスなら出さない方が良いと思うんですが

まあそんな感じで盛り上がっているようですが、昨日も申し上げましたようにあたくしの予想はそんなに時間軸を縛るようなものが出る訳無いと思います。ただし、解除と同時に長短金利が上られても困るので、何となくゼロ金利を引っ張るような雰囲気を漂わせるようなモノが出てくる可能性は大だと思います。

で、そうなりますと市場の方はまたまた「ゼロ金利が引っ張られる」と勝手に期待して金利形成を行いだしますんで、我儘放題の市場ちゃんは「延々とゼロ金利じゃねーのかよ利上げなんてしらねーよー」状態になってしまい、さて金利の引き上げでもしましょうかって時にまたぞろ地均しをしないといけないっていう悪循環になりそうな悪寒が致します。で、そこの時点で強引な論理展開で今までの妙な期待をぶちこわしにかかるといつまでたっても市場との対話とやらも達成できないと。

市場の期待安定化とか対話がどうのこうのとか言いますが、要は一貫した論理で政策運営をしていけば経済物価情勢を市場のほうが適宜判断して右往左往じゃなかった動く訳でして、ビハインド・ザ・カーブの筈がいつのまにかジャストタイミングになり前傾姿勢になるというようにスタンスが変化するからそっちの読みの方が金融政策予想のキモになってしまうというのはご勘弁願いたいものですな。

どうも市場との対話と言いつつその場その場で火付けと火消しを繰り返しているようにしか見えませんし、一々何か言ってくれみたいな状態で日銀の一挙手一投足を見る市場も市場ってところかと思いますが、正直言って。


米国でもついこの前までは利上げあと1回だの利上げ打ち止めだの言ってたのにここの所はいきなり利上げ3回でFF金利の予想が5.5%まで上昇しちゃうという位で、市場にメッセージ出さなくても散々右往左往するのが市場クオリティ。まあこういう感じで市場の期待が極端から極端に振れる時ってのは色々な意味で転換点を迎えているのかなあとは思うんですが、中央銀行が一々それに併せて何かメッセージをだしていたら、それこそアラン・ブラインダー元FRB副議長が言う「自分の尾を追う犬」状態になってしまうと思うのでありました。



○まあだいたい大まかな読み筋

いやまあ読み筋どおりに行くわけは無いのですが一応。

とりあえずは何か市場が買い材料と勘違いするようなものと一緒に量的緩和解除を行うのでとりあえず一旦買われて金曜の5年国債入札となるざますか。まあ「市場は皆が困る方向に行く」の法則どおりの展開になりそうですわな。解除直後かつ雇用統計前で週末の入札とはご愁傷様でございます。

まあ足元の金利は運用側も足元にシフトしている関係で上り難く、期末越えもそう波乱は起きないでしょう。問題は今月末(ですよね)のCPIとか来月の短観とかの数字という感じになって、またまた注目はファンダメンタルズに回帰してくると思います。というか思いたい。

政治日程とあわせた読み筋という点では、政府のデフレ脱却宣言に合わせて金利の引き上げって目はある(デフレ脱却しているのにゼロ金利を引っ張っているのは変という理屈が出てくるでしょう)と思いますんで、そうなると勿論物価情勢次第ですが、夏の利上げ懸念は続くと思います。今回出るであろう安定化策もどきで変な期待が発生すると話がややこしくなるんですが、既に量的緩和解除でお約束を見事に骨抜きにしたのに、リップサービスでまたまた期待が発生したら市場も随分お人好しですなあって感じですけど、笑。

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2006/03/08

お題「6か月ものTBであらら」

○恥ずかしながら訂正とお詫び

お題のお話をする前に以前申し上げたことに間違いが思いっきりあったので訂正を致します。あー情けない。と申しますのは、短期国債&政府短期証券の利回りの話。

国債の入札を価格競争でやった場合に落札結果を発表する財務省では「平均落札価格」「最低落札価格」を発表しるんですが、その時におまけで「利回りいくら」ってのを発表します。で、その利回り計算なんですが、短期国債&政府短期証券の場合には(100円落札の時以外)常に財務省発表の利回りは市場の呼び値の利回りより低い数字が出てくるようになっています。

で、先日はこれを端数処理の関係などと大嘘を書いてしまいましたが、よくよく検証してみたら(というか昔からそういう計算方法だったんですが)財務省発表の利回り計算は残存日数を発行日から償還日までの両端入れで計算していまして、債券流通市場での呼び値は経過日数を受渡日から償還日までの片端入れで計算している(よって財務省の方が経過期間の日数が常に1日長くなる)から違うのでございました。どう考えても端数処理でそこまで数字が違わないだろうと思って検証すること5分で気が付きました。

謹んでお詫びいたしまして訂正致します。

昔は国債の利金が両端入れ方式で計算されていまして、その当時からの計算方式を財務省発表利回りでは踏襲しているということかと思います。いや過去においては割引短期国債の流通市場でも経過日数を両端入れで計算して利回り⇔単価の換算を行っていたのでついうっかりしておりました。

たぶん国債の特殊利金が無くなって、利息計算が片端入れになったことの影響だと思いますが、記憶が定かでないので誰か教えてと申し上げたいところですが、大体間違えるとメールがやってくるのに、さすがマニアかつ参加者僅少市場だけのことはあって自分が気が付かないと放置プレイになるという商品のようで誠にアレでございますな(笑)。


○そんなマニア市場であらら

昨日は物価連動国債の入札もあったのですが、あたくしはこの手の商品を苦手としているので華麗にスルーしまして6か月ものTB(割引短期国債)の入札話でも。

前日のWI取引の気配がだいたい0.08%−0.10%というお話でしたが、当日になってみるとちと弱めでして前場の引け時点では0.11%にはビットがございますなあという状況。昨日も申し上げましたようにこの債券は品薄のせいもあって妙に確りだったので、まあそんなに元気に入札する人もいなかったんでしょうが、入札の蓋を開けてみれば平均落札価格が利回り換算0.1218%(財務省発表利回りは0.1211%)で最低落札価格が利回り換算で0.1401%(財務省発表ベースで0.1394%)とまあ気持ちよく流れること流れること。

先週のFB入札でも平均0.07の最低0.08(正確にはちと違いますがだいたいね)という入札で流れやがりましたなこれはって感じでしたが、前場の引けのビットサイドから3bpも安いところが最低落札とはまあ今回もまた威勢良く流れましたって感じでして、そのせいなのかは知りませんが落札結果発表(12時40分)後債券先物も下落。それまで前日比上昇していたユーロ円金先も下落(こっちは当たり前だが)致しまして、こりゃまたビックリでございました。

まあ償還が9月11日ですから保有期間中にワンチャンス利上げの可能性なきにしも非ずという事もあり、あまり頑張って入札する必要もないんでしょうが、先月の入札の時は入札空振りでのショートカバー(かどうか知らんがたぶんそんな感じ)で買いあがる人がいたことを思うとまさに隔世の感というと大げさですな(苦笑)。


本日のFB入札ですが、WI取引の最終は0.08%だったらしいので、まあそこからスタートしてどこまで下をやるのかねえって感じですな。何せ4兆1千億円ありますんで、金融政策決定会合祭りで流れると笑えるのですが、何ぼなんでもねえって気もします。発行日が14日の月曜ですんで、うっかりすると保有期間の全てが量的緩和解除後にかかりますな。その間に期末ありGWあり6月2日の税揚げありと短期金利が瞬間風速を出しそうな日が続々ありますが、まあそんなに無茶苦茶なことにはならんでしょう。昨日の6か月TBも流れた分は戻って引け時点では0.12%レベルはビットだったようですので。

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2006/03/07

○なんちゅうか整合性の無い反応ですなあ

海外の為替市場では(モーサテが言ってるのが正しければ)量的緩和が解除されても超低金利は続くので円安らしいのですが、じゃあ昨日の国内債券市場はどうなっていたかと言うと先物とか中短期国債が売られていたわけで、引けで2年カレントは前日比2毛甘の0.5%ですが20年や30年は変らず。短期ゾーンは影響なしという反応してまして、「量的緩和政策が解除されても超低金利が続く」というのと全然整合性がございませんわな。

で、その短期ゾーンなのですが、本日のスポットスタートの1日物(スポネ取引)現先やレポ取引は政策決定会合2日目であります9日スタートの10日エンドですが、昨日の感じでは全然金利が上昇する気配無し。というか短期資金の運用サイドも警戒モード全開となってまして(多分無いと思っていても間違って9日午後の決定会合後に足元金利がいきなり跳ねたらシャレにならんので)運用待機資金の方も転がっているという感じのようですな(^^)。

本日は6ヶ月TBの入札が行われますが、この債券はどこの誰がせっせと買っているのか知りませんが、妙に割高になっておりまして、とは言えショートで向うには流動玉が全然無いので向うためのコストが掛かりすぎ。よってここもとの金利上昇局面下において万年割高状態になっています。あまり参考にならない入札でしょう。だいたいこの辺のゾーンから1年ちょっと位までのゾーンに関しては一般債の売りが結構出ているのでわざわざTB買わなくても買うもの色々とあると思うんですが。

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2006/03/06

○そんな訳で短期ゾーンは相変わらず動いてますが

水曜日に入札が実施された3ヶ月ものFBは、ご案内のように入札前日からは0.06%から売り込まれて0.08%の入札最低落札価格となり、さすがにそれは安いだろうという買いがゴッソリ入ってショートカバーを巻き込んで0.065%に戻った後、木曜日には「金利安定化策」や「物価参照値」の話もネタにして0.06%近辺となり金曜は何と0.06%割れの水準まで買い進まれました。

ところがその後、何か大口の売りがあったらしく、金曜の夕方になってみるとまた0.07%近辺まで売られてしまったようですな。いやまあ水曜に買ったものもう利食いですかそりゃまた節操ございませんなあって感じですが、それだけ短い所も動くようになってしまったという事でもありましょうな。ちと無節操っぽいが。

そんな訳で、3ヶ月ものだけじゃなくて残存1年近辺とか如何にも利上げの直撃弾を食らいそうな地帯にも売り物があるのか業者の在庫が重いのかしりませんが、終わってみれば債券相場はブルフラット(というのも株が下がっているからとかあるんでしょうがそれはそれでどうなのよと思うが)してますが、1年だの2年だのというゾーンはヘロヘロになっておりますわな。

今週は火曜に6ヶ月TB、水曜に3ヶ月FBの入札がございますが、何故か6ヶ月ものは品薄気味で妙に利回りが低いのであまり参考にならないんで、参考にするのはまあ3ヶ月FBっちゅうことですわな。次回債は発行日が来週の月曜ですので保有期間全期間が量的緩和解除(したらの話ですけど)後にあたりますんで、解除後の現先金利水準とかをどの位で読んでいるのかとかが見えるかなと楽しみにしております。ただまあ期末にGWに6月2日の税揚げという資金需要が高くなりそうな3発のイベントを越える債券ですんで、プレミアムはちとつくんじゃないかと思いますが。

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2006/03/03

○アンワインドの動きなのかそれとも

昨日の10年入札は・・・・・実はあんまり真面目に見てなかったというあるまじき状況だったんで、正直「ああ1.6%をやっとぶち抜けたのね」以外の感想はあまり無いのですが(おい)、前日に米国30年債がゲロゲロになって、本邦でもイールドカーブがスティープ(5年は1毛強で20年は4甘とか毎度毎度極端です)しましたな。まあ今までのフラットニングが「おいおいどこまでやるんだよ」ってところで、まあイベント(ECBの利上げは昨晩やりましたが)前にアンワインドなのかもしれませんし、フラットニング一辺倒から少し見方が変ってくるのかもしれません。

と、全然分析になってない両建ての話をしてますが(笑)、もともと「何でこの短期金利水準でフラットニングの流れになるのよ」って思ってるあたくしの場合、昨日の動きをみて「それ見たことか」と言いたい所ではございますが、最近はダマシが無闇やたらと多いのでここで喜ぶとまた赤恥青恥かも(笑)。よって判断保留。

まあとりあえずは連続利上げ(来年3月まで2回から下手したら年内2回の利上げ)を織り込む勢いの中短期債と全然金利が下がらなかった長期超長期ゾーンの行き過ぎたバランスのズレを修正しているだけなんでしょうが。


○昨日のFB3ヶ月もの

一昨日の入札で何か疲れたよパトラッシュということで昨日は落ち着いたと言うか閑散のようで。まあ大体入札のある水曜日に祭りになって木曜は翌日の短国買入に向けて皆さんシーンとなるというのが短期国債クオリティなのでいつものパターンですが、0.062−0.065%くらいの気配のようですので、まああたくしの個人的イメージとしては妥当な所(ちとこれでも売りすぎっぽいが期末前だしイベント前だし需給も悪いし)なんじゃネーノとは思います。とりあえず落ち着いたように見えますが、本日のCPIと短国買入の結果でまた新発WI取引(当然ですが来週の新発FBの償還は今週のFBから1週間先になりますのでまあ利回りは上るでしょ)でちょっと動きがあるかも。

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2006/03/02

○3週間で利回り何と10倍!

はい、毎度お馴染み3ヶ月ものFB(政府短期証券)の話です。昨日実施された3ヶ月ものFB入札ですが、平均落札価格が99円98銭2厘で0.0714%、最低落札価格が99円98銭で0.0793%とテールが0.8ベーシスも流れるヘロヘロ入札。
http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/fb/fbnyusatu/resul180301.htm

セカンダリーでも当初は0.08%(発行体の発表ベースの利回りは単価→利回りでして、流通市場での呼び値は利回りなんで、利回り→単価の方向で計算します。で、その間の端数処理の関係上財務省発表ベースの利回りはちょっと低めになってしまいます。実際は流通市場の呼び値0.08%は単価の99円98銭0厘になるので最低落札価格と一緒です。追記:最初に書いたのは思いっきり間違えです。財務省が発表する利回りは発行日から償還日までの経過日数を両端方式で計算しているので、市場の呼び値計算方法の方端方式よりも1日長くなるのが原因です。)で売り物があったようなのですが、さすがに幾らなんでもそりゃねえだろうって事で買いが入って一挙に0.065%まで戻る展開となりました。

と、申しましても、そもそも一昨日のWI取引では0.06%をつけちゃったよあーあーなどと言って状況でして、朝一番には0.06%乗せからスタートしていたので、戻ったというよりはまあ適正水準近辺に落ち着いたという方が残念ながら正しい(苦笑)。

3週間前の2月8日に実施されたFB入札の平均落札価格の利回り換算が0.0069%で、最低落札価格が0.0073%でしたので、何と利回り10倍ですよ先生・・・・って先週2週間で利回り5倍とか言って騒いでいましたのですがorz

なんぼ3月に量的緩和政策が解除になっても6月5日までの現先利回りがずーっと0.05%よりも高いって事は無いんじゃネーノと思うとさすがにこれはやり過ぎ感が漂いますが、何せ需給がねえ。

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2006/02/28

お題「今日は少々脊髄反応気味でお送りします」

悪態はつけども一応日銀を応援しようかなあというあたくしもさすがにこの一連の流れは如何なものかと。

○利上げまで地均ししてどうする

週明けの一部新聞報道では「3月(=来週)」の量的緩和解除になっても政府は止めません」ということで、3月解除は期末前だしやらねえだろうという意識で動いている人が多かっただけに、「サプライズ」となって中短期ゾーンの債券がなおも売られる有様。その後の動きよく見てなかったのですが、前場は10年あたりを支点にしてイールドカーブがツイストしながら平坦化するという銀行業態のポートが傷みまくるような展開で、後場はその巻き戻しで今度は若干のスティープ。

まあ巻き戻したのにはホッとしましたが、前場の時点では2年国債が0.52%になったり、ユーロ円金利先物06年12月限が99.39(=今年12月のTIBOR3ヶ月もの金利が0.61%!)となったりと「年内0.25%利上げ、その後来年の早いうちに更に0.25%の利上げ」を完全に織り込みに逝く豪快な相場展開になったことには目を丸くしちゃいました。


まあ市場的には4月の量的緩和解除に関しては、今までの地均し効果によって「どうぞどうぞ」という状態になっていた(あたくしはその地均し如何なものかと噛み付いてきましたが、日銀の目論見通りにここまで進行していて地均しも効果を発揮した事は認めます)。

しかしそれでは何がご不満なのか知りません(というのは嘘で、緩和解除しても低金利が継続するっていうマーケットコンセンサスが不満なんでしょう、何だかな〜)が、ここもとの前のめりな姿勢やらフォワードルッキング(失敗を恐れず云々のような発言)な姿勢やら、金利への言及(解除後に金利が上がる方向云々とか中立金利水準がどうのこうのとか、結局全て先週の木曜金曜の福井総裁国会答弁なんですが)やらが相まって「量的緩和解除後、当座預金残高を所要水準まで下げたあと早い時期に利上げをするんじゃないか」という話になってしまったのがここもとの相場かと。

まああたくし以前は「解除と利上げはセットでしょ」などと申し上げていましたが、それは量的緩和政策をビハインド・ザ・カーブ的に継続する事によって、世の中にインフレ期待が醸成されて中長期の金利が先行して上昇するという「出口は市場が連れて行ってくれる」路線としてでして、量的緩和解除の地均しをやっている時は「現在の経済物価情勢であれば量的緩和解除(枠組み修正)後の金融政策についても余裕を持って対応できる」とか言っておきながら、政府から量的緩和解除の邪魔立てが入らないと見たらいきなり「金利引き上げ」のような話を始めるような騙し討ち大作戦でセットにするというのは如何なものかと。


○などと急に手厳しい物言いになりましたが

・・・昨日までと比較して随分キツイ言い方になりましたなあと思われる方も多いのではないかと存じますが、これはまあアレですわ、市場の雰囲気をお伝えしようかと思って口調がキツクなっている訳でして(-_-メ)、さすがにこの「3月量的緩和解除への積極姿勢?」に関しては今まで日銀の地均し路線を応援していたマーケットの人たちからも「何で1ヶ月待てない(4月の解除ならマーケットは「ああ解除できてよかったですね」で目出度くシャンシャンだったのに)のか」とか「幾らなんでもしゃべり過ぎ」というような疑問や批判の声がかなり上っているようですよ。

ただでなくさえ従来の地均し路線でイールドカーブがベアフラットして「金利上昇への備え」をした筈のポートフォリオがヘロヘロになっている(原因は15年変動利付国債と中期ゾーンへの厚めの投資配分)銀行業態はさすがにここまで来ると頭が相当痛いでしょうし、ここ連日の相場の荒れっぷりはまさに「壊れちゃいました」って感じになってますわな。

まあちょっとこうまた市場に燃料投下しちゃいましたなあという感じですが、これが確信犯でやっているのなら(確信犯の審議委員もいそうな気がしますが)まだ救いがある(ないけど)かも知れませんが、恐らくそんなことまで考えてないのではないかってのが悲しいです。

ま、あたくしの場合は地均し路線突入の頃に悪態の限りを尽くしてましたので、この「利上げ地均し??」も「まあそんなことをやるかもね」ってなもんで何だか諦観モードなのですが(苦笑)、地均し路線応援組を失望させるこの動きはどうだったんでしょうかねえ。


○「3月解除」の意味すること

いやまあ3月解除って資金需要の高まる期末を前に当座預金残高を引いて行くってのも中々チャレンジャーな話ですが(だからさすがにやらないとは思うんですが)、もうひとつの意味は「3月に解除すると7−9月期に利上げが可能」ってところでしょう。

当座預金残高を所要近辺に落とすのはだいたい3ヶ月程度かかると予想されていますが、3月に解除すると6月から7月にかけては所要近辺での運営となりますわな。ところがご存知のように「平成17年基準への切替えは,平成18年8月の公表日とし,その際に平成17年1月以降の遡及結果を同時に公表します。(http://www.stat.go.jp/data/cpi/keikaku.htm)」というのがあるので、8月末に公表されるであろうCPIには下方圧力がかかりますわな。

となりますと、例えば4月の末に解除となると所要に落とした後にCPIの改定にぶつかりますんで、当預引くのに思ったより時間がかかるとなるとちょっと7〜9月の利上げはどうよって話になることが想定されますが、3月の頭に解除しておけば当預引くのに時間がかかっても問題ないぜってことで、7〜9月期の利上げもその気になれば可能(大義名分どうするんだと思うが)と言うことで、マーケットも俄かに大騒ぎってお話でございますわな。

従来は市場の予想で一番早めの人でも10月利上げだった訳ですから・・・・



○どうみても燃料投下です。本当に(略

昨日の日銀ワーキングペーパーシリーズがまた素晴らしい燃料投下。
http://www.boj.or.jp/ronbun/05/wp06j04_f.htm

お題は「バブル崩壊後の日本の金融政策 ――不確実性下の望ましい政策運営を巡って――」ということで、上記URLから論文のPDFファイルにリンクが貼ってあるのですが、図表を含めて56ページもある大作(本文は34ページ)でございますので、最初の方をパラパラ斜め読みしただけです。ちゃんと読まないといけませんな。

で、URL先には「要約」があるのですが、そこにはこんな一節が。

『日本経済の大型マクロモデルであるJEM(Japanese Economic Model)を用いた確率シミュレーションによると、政策効果(政策乗数)の不確実性を考慮した場合には、当時の日銀の政策運営はほぼ最適なものであったとの結果が得られた。』

はあそうですか。

『一方、インフレ過程の不確実性を重視した場合には、実際の政策よりも積極的な対応が望ましかったとの結果が得られた。このように、どのような不確実性を重視するかによって結論は大きく異なるが、結果的に、1990年代後半以降デフレ克服が重要な課題になった点を踏まえれば、90年代前半においてインフレ過程の不確実性をより重視し、積極的な金融緩和を行うべきであったとの議論は可能であろう。』

ふーん。

で、あたくしの場合はこちらの要約を見る前に本文スーパー斜め読み(式の部分は全部飛ばしてキーワードしか拾わないで読む、というより眺める)したのですが、そこの13ページから14ページには中々結構な一節がございましてあたくしの心を大変に触れて下さいました。

『1990年代前半の日銀の政策運営について、テイラールールをベンチマークに評価した先行研究をみると、使用するGDP ギャップによって、実際の金利がテイラールールに比べて引締め的であったのか、あるいは中立的であったのか異なる結果が得られている。政策評価を行う分析者が、当時の日銀にとって利用可能でない――とりわけ「後知恵」による――情報を用いて、「日銀は本来こうすべきであった」と言っても、意味のあることではない。日銀が、当時利用可能な情報に基づいて、何ができて、何ができなかったのかを明確に区別しておくことは重要である。』

あえてこの部分に関して感想は申すまい。

ま、しかし何でまたこんなタイミングで出すんでしょうねえ。調査統計局様におかれましてはもちろん市場に喧嘩を売るつもりは全く無いのでしょうが、どうみても燃料投下です。本当にありがとうございました。


#という訳で、本日はやや脊髄反射モードでお送りしたことをお詫び致します。

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2006/02/27

お題「織り込みすぎですがな」

「地均しをやりすぎて地割れ」って感じっすか。

○継続的な利上げを織り込んでいるような・・・・

先週末の債券相場ですが、海外の方が福井総裁の国会答弁に反応しちゃったようで円高+中期ゾーンのスワップ払い攻撃。で、金曜日もまた国会(金曜は衆議院財務金融委員会)でやる気満々発言(のように取られる)答弁をしちゃったようで、後場からはスワップ発だと思うんですが中期ゾーンがとんでもない売り売り状態になってしまい先物と中期債大幅下落。

何せイールドカーブ上一番売り込まれていたのが5年の40回債近辺という状況でして、残存4年ちょっと切るくらいという妙に半端な所がダメダメってことは実弾も出たんでしょうかねえってところでございます。折角水曜日あたりにスワップの受けが入って相場が落ち着いたと思った所だったので、まあやってる人としてはちょっとがっくりという感じではございます。どう見ても相場が壊れています。本当にありがとうございました。

昨日の3ヶ月ものFBは板気配がヤケクソで無くなってしまったようですけれども概ね0.04%〜0.045%で量的緩和解除が3月にあるリスクを十分に意識した水準。というか解除しても当座預金がいきなり減りまくる訳ではないので現先レート勘案でそんなに上る事も無いと思うんですが、3月解除して期末越えの金利が気になるとか色々とナーバスになっているのでしょう。大体発行量が多いのもアレですし。

2年国債は0.48%くらいまで売られたらしく、引けは0.47%(大和SMBCの引けですが)となりました。まあ足元金利から積み上げていく方式で考えてしまうあたくしから見ますと、これって向こう2年間で政策金利が1回どころか2回上昇して0.5%に上昇しているって状況を織り込みに行っている感じでございますわな。5年カレント物も1.1%まで叩かれたらしいのですが(引けは1.095%)、中短期ゾーンは継続的な金利引き上げを織り込みに行く勢いになってしまいました。ついこの前まで「量的緩和を解除してもゼロ金利が長く続く」とか言ってたのがどこへ行ったのやら。極端から極端に振れるのが債券市場の伝統芸能ではありますが、それにしてもちょっとこれは・・・・


○短期国債買入でちょっとビックリ

金曜日の短期国債買入。どうせヘロヘロの結果になるんだろうと思ったら、平均落札が前日比+0.014%となりまして、つい3週間前まで3ヶ月FB利回りが0.007%だとか言ってたのが嘘のような数字。あまりにも弱い結果なので腰を抜かしそうになったのですが、よくよく聞いて見ますとここもとの短期国債金利急上昇に対して、公社債売買参考統計値の方がおいついていなくて実勢よりも遥かに強い数字になっていた為の数字のマジックだったようです。ちなみに落札されたと思しき銘柄はFB373回〜375回のあたりかと。

まあ人騒がせな落札結果でしたが、買入予定額5000億円に対して応札2兆4432億円というのもここ数回では最大でして、ディーラーの在庫が結構大変なのねっていうのは判るオペ結果ではございました。

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2006/02/24

○2週間で利回り5倍!

毎週水曜日に行われる新発FB(政府短期証券)の入札。大体13週間ものなんで世の中では3ヶ月FBと申しますが、この落札利回りが絶賛急上昇中。2月8日からの平均落札利回り推移はと申しますと、0.0069%→0.0242%→0.0353%(追記:財務省方式の算定です)と利回り4倍に急上昇。

と大騒ぎしますが、まあ一応この説明にも少々トリックがありまして(笑)、発行日が1週間遅くなれば償還日も1週間遅くなりますので、量的緩和政策解除後に掛かる期間が長くなるであろうということで利回りが上昇するのはある意味致し方なしという所・・・・ですが、この新発FBが昨日は0.04%まで売り込まれたと聞くと「???」という感じがしないでもない。

ここまで短い債券になりますと、「買う」→「毎日売現先でファンディングをつける」→「で、勝ち負けはどうよ」っていうコスト計算をしたり、同期間の他のオープン市場商品(CPとかCDとか)と比較してどうよってことを考えるんですが、さすがに量的緩和解除直後の現先利回りが0.05%とかになるというのはちとあがりすぎの香りがするんで、その辺りを勘案するといい加減買いが到来してもって気はします。

気はするんですが、何せ短期市場の巨大プレーヤー様であらされる所のバンクディーラー様が今のところ期末越えとかの資金放出というか買いに消極的のようですので、こういう「お家の事情」モードの時は向う人も中々でてきませんので暫くこんな感じかもしれませんね。CPの金利なんぞも相変わらず上昇してるし。

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2006/02/23

お題「輪番札割れだったんでそれで一席」

えー、先日ご紹介した日銀レビューに関して「なるほど!」と勉強になるメールを頂戴しておりまして、そのお話もとは思っているのですけれども(メールのご返信をこっちでやってスイマセン)、本日はまたネタが投下されてしまったのでそちらを先に。それから中短期の国債やスワップ金利が巻き戻す中で3ヶ月FBの落札利回りがまた上昇して「2週間で利回り5倍!」とどこかの商品の宣伝文句のようなお話もあるんですが、それも含めて明日にでも。

○輪番札割れの現象と原因

昨日債券市場で「ありゃま」という話になったのは日銀による輪番オペ(国債買入)の「札割れ」事件。オペレーションは10時10分に実施の連絡があって、応札時限が11時20分(なので前場引け後)落札結果発表は大体11時30分(稀に10〜20ぷん遅れることもあるが、そういう時は碌でもない事が起きている事が多い^^)。で、それよりも3ヶ月FBの入札(後述)の方が気になっていたあたくしは堂々メシを食いに逝ってましたので帰ってきて「ハァ?」状態でしたが。

購入予定額3000億円(額面ベースです。為念)に対して応札額が2302億円で前日比▲0.044%(4毛4糸強)までの札全部が落札となりまして、後場の寄り付きは「ありゃま入っちゃったよ」組のショート調整+「それなら相場は大暴騰だぜイヤッホウ」組の買い攻め攻撃で先物はいきなり18銭値段が飛んでスタートと相成りました。その後は追随の買いが無く結局ヘロヘロになったのがトホホでしたが。


で、今申し上げましたように、この輪番オペってのは応札が「前日比の利回り較差」で行われまして、その中で安い札(=利回り較差がプラス方向で大きいもの)から順に落札予定額に達するまで落札させるという方式で行われます。するとどのような事になるかと申しますと、前日の引けから比較して当日の現物金利のイールドカーブ上一番売られている(あるいは買われていない)ゾーンの債券が集中的に入ることになります。(対象銘柄は20年国債までですので、その先のカーブと変動利付国債などは無関係です)

従って、大体今までの場合は、相場が上昇しても利回りが下がる訳も無くおまけに既発債が山のようにある2年以下の債券が叩き込まれ(日銀の保有残高を見ると2年債だらけなのに気が付くと思います)、相場が下落している時はその日売りが出たゾーン(が基本的に一番安くなるので)の債券が叩き込まれるの図となりますわな。

で、昨日の前場引けの場合はその前の日の後場から突如中期ゾーンのスワップ金利が低下(大手銀行のレシーブと言われてますが)した流れを引き継いで2年が一番強いという珍妙な気配。先物8銭高(なので大体1毛強)で20年が引けオファーとかやっている中で10年が5糸強の5年が1毛5糸強で2年が2毛強(後で人から聞いて回った数字なんで大まかな数字です。為念)となっていましたんで、常識的に考えますと20年ゾーンの引けが最初に入る札になりますわな。

で、普通ならここで20年だけで3000億の札はないだろうってことで1年半とかのゾーンにもうちょっと上の札が入るところなのですが、何せ2年が一番強いと言う状況で(しかも今まで散々下げられてやる気無し無しでしょうし)このゾーンの札がろくすっぽ入らないという事になったのが今回の札割れの主因なんでしょう。

昨日の前場のようなイールドカーブ変化はここ数年中々お目にかかることは無かった(中期主導で相場が上昇している時は普通5年あたりが一番強いという展開であって、2年が爆発というのは中々見なかった)ので、札割れってのをうっかりしたという所でしょうか。まあ国債入札が札割れしたら洒落になりませんが、輪番オペにそこまで気合を入れるマニアな業者もあまりいませんので偶発的に札割れになっちゃったんでしょう。


○ところで最近輪番の応札が減ってますなあ

で、ちと過去の推移を見てたんですが、今回の札割れの前も輪番の応札ってあまり盛り上がらない(というのは暫く前との比較ですけど)状態が続いてまして、今月に入ってからの過去3回の応札が6793、7077、5009(億円)。まあこれは傍目の勝手な想像なんですが、最近は日中にイールドカーブがアホのように良く動く状態が連日のように発生しておりますので、前場の時点で売りでも食らってポジションがヒーヒーというのなら別ですが、そうでも無いのに応札したら後場になってイールドカーブが変わって外したゾーンが復活(先ほど書いたようにその日ダメなゾーンしか基本的に入らない)したら馬鹿馬鹿しいって発想になって輪番オペの応札が減っているのかなあと思料。

加えて昨日の場合は超長期ゾーンが入りますって板気配ですが、直近発行2銘柄は買入対象外だし、火曜に入札のあった新発債は払込前なのでそもそも発行が成立していないということで、必然的に入れようと思ったら既発の20年ゾーンを応札する事になりますが、ここもとの20年買い買い攻撃で皆様在庫スッカラカン(というかショートでしょ)で入れる人もいなかったので、益々札が集まらなかったということでしょう。

今までですと「2年債新発を購入」→「数ヶ月ホールド」→「利回り下がった所で輪番オペで売却」→「保有期間の利息収入とキャピタルゲインでウマー」という大手銀行様黄金の戦略があったんですが、量的緩和解除がどうのこうのって話になってこの構造が崩壊して、入れる2年債もあんまり無い(塩漬けモードか投げたのか知らんが)って図なんでしょうな。


○で、伝言ゲームな訳だが

本件を昨日13時52分に伝えたNIKKEI NETの記事(1週間でリンク切れです)。
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20060222AT1F2200F22022006.html

『2年や5年物など、これまで日銀の量的緩和の解除観測から売られていた中期国債の需要が一時的に高まっていることが背景にあるようだ。』

まあ何となく妙だが、事細かに説明してもしょうがないといえばそれまでなんで。その後にある「国債買入は資金供給の有力な手段」ってのは益々違和感というか印象操作っぽいんだがそのツッコミはやめておこう。

で、これが福井総裁のコメントになるとこうなります。(22日18:40のブルームバーグニュース記事より)

『日本銀行の福井俊彦総裁は22日夕、月例経済報告に伴う関係閣僚会議に出席後、記者団に対し、同日の日銀の中長期国債買い入れオペが9年5ヶ月振りに札割れとなったことについて、「中期ゾーンの国債の需給が引く手あまたで、民間でさばけているのだろう」と指摘。』

いやあのここもとの債券市場は中短期国債が売られて超長期国債が買われるという状況が続いてイールドカーブが平坦化してヒーヒー言ってるんけど・・・>総裁

実は総裁コメントのニュースを先に見て(日中にNIKKEI NETをわざわざ見る債券市場関係者はあまりいない。情報ベンダーで用が足りるから)「このオッサン何を言ってるんだ???」と思っていたのですが、このネタ書こうと思ってNIKKEI NETを見て初めて最初の記事に気が付いた有様。

も、もしかしてこれはあの「伝言ゲーム」でしょうか・・・・・・・(-_-メ)


#なお、もうちょっと平易な説明を求むという方はぐっちーさんがこのネタで一本エントリーを書く予定ですので(といきなり玉を投げるあたくし。おっほっほ^^)そちらをご参照ありたし。ぐっちーさんのブログ→http://blog.goo.ne.jp/kitanotakeshi55

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2006/02/17

まずは昨日お話していた短期市場話。

○昨日はとりあえず小動きでしたか

随所にオーバーシュートが見られた債券市場でしたが、さすがに昨日は反発。でまあ短期はそれを横目に見ながらこちらは小動きで水曜のような無茶苦茶相場にはならずに済みました。ユーロ円金先06年12月限は前日比2ティック程度上昇して(でも相変わらず99.50を割ってますが)昨日ボロボロ入札だった新発FB3ヶ月ものの気配は0.025%−0.03%という感じで気配があまり詰まらず皆さん様子見(というか、「こんな利回り投げる位なら抱えてやるわい」という所でしょうな。その気持ちよく判る)モード。20日発行のCP金利は先週から概ね0.01%程度の上昇ですが、3ヶ月のFB金利がこの1週間で0.02%近く上昇した事を勘案するとまあそんなもんでしょ。思ったほど上らなかったという印象。

で、本日は順当なら10時10分の定例オペ時間に短期国債買入がオファーされて、業者の在庫が8000億円(追記:5000億円の間違いです)ほど軽くなる予定になっております。入れ損なって投げ投げモードになるのか、普通に需給が改善するのかは神の味噌汁。

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2006/02/16

お題「利回り間もなく4倍!」

という訳で短期市場のお話。

○1週間でここまでやるとは・・・・

昨日実施された(だいたい)3ヶ月ものFBの入札。この入札は毎週のように行われているのですが、先週の水曜日に実施された入札が5月17日償還もので平均落札価格を利回り換算すると0.0069%で最低落札価格は0.0073%でした。(追記:財務省方式の計算、以下同じ)先週の木曜のドラめもんでは「何で落札の金利が前回より下がるんじゃ」という話をしておりましたが、その後はご案内の通りで今更になって短期のターム物金利が上昇。

で、昨日の入札はと申しますと、償還は5月22日と前回入札から5日(普段は1週間なのですが、連休の関係でこうなっている)先になっておりまして、その結果は平均落札価格と最低落札価格のテールが利回りにして0.27bp流れてしまいました。平均落札価格が0.0242%で最低落札価格は0.0269%となりました。1週間で利回り3倍以上ですよ先生。


まあ量的緩和解除が具体化してきたから金利が上昇したと言えばそれまでの話しなのですが、それにしても緩和解除しても当座預金残高を一気に回収する訳でもないのに3ヶ月ものの金利まで急上昇するというのは呆れますな。上るのはまあ判らんでも無いが、それなら先週までの無茶苦茶強い短期国債の入札(ちなみに先週火曜の6ヶ月ものTBの落札結果は1月の結果よりも利回り低下して平均0.0288%で最低0.0290%でした)は何を考えてやっていたのかとさすがに呆れるのでありました。


○まあこれもまたバンク効果なのかもしれないけど

まーしかし何と申しますか、相場の外部環境じゃなくて日銀の偉い人の発言とその場の勢いで金利が上っちゃうってのも(それまでの強さがおかしかったと言えばそうなのかも知れませんが^^)毎日申し上げているように無茶苦茶なお話でございますわな。買いの手が引っ込むと急に金利が上り、誰かが買いを入れると急に「俺も俺も」と買いが入るという実に香ばしい横並びの展開が中長期債券市場以上に顕著な短期市場。どうも暫く前から期末越えだの年末越えだのというターム物金利に関して似たような傾向はあったようなのですが、いざ量的緩和政策解除でこれですかそうですかという感じで。

かつて(低め誘導時代まででゼロ金利政策は知らん)マネーマーケット物をお取扱いしていた時代があたくしにもあったのですが、その当時はここまで横並び丸出しじゃなかったと記憶しておりますが、まあその当時と比較して金融機関の数が物凄く減っていてメガ化していますし、メガ化した金融機関の中の人たちは色々と内部的な言い訳と申しますかまあそんな事があって、「上手くいくかも判らないけど逆に逝ったら内部的に言い訳がつかない」という事を避けたくなるというのも良く理解できますですよあたくしだって昔そんな所にいなかった訳でも無いし。そんでもって利回りが3倍だの4倍だのというと無茶苦茶動いた感じ(事実そうですが)だけど、損益の数字的に言うと長期債のポートと比べれば誤差にも掛からないくらいですから、そりゃまあ横並びをやっていて「マーケット平均で回してます」って方が無難ですから周りを見ながらの動きになりますわな。

ということで、ゼロ金利状態になっている以上はこういう集団レミング相場になるのは参加者の特性と、そのインパクトの大きさを考えるとやむを得ないのかなあと半ば諦観しつつ、精々レミングに巻き込まれてつまらん怪我をしないように心がけながらオーバーシュートを拾いに行くようにするしか無いんでしょうかねえ。

ま、昨日も申し上げましたが、量的緩和時代に散々発行を増やしてしまった2年以下の債券(とFB)に関しては、上まで買って下まで叩く上に横並びで、しかも売買の回転が速い人たちが主にやっているという現状を鑑みると、発行を全体的に減らさないと金利の根っこの部分がちょっとしたことでやたらめったらオーバーシュートする(発行量が減れば少しは歯止めになるでしょう)ことになるでしょうなあ。ど〜せ長期ゾーンは「買ったら長期保有」の人たちが多いんですからそっちに振ればっていう気はしますが。


○金先は相変わらず

基本的にあたくしはユーロ円金利先物という商品が昔から嫌いでして、マネーマーケットの商品をやっている頃も全然ヘッジなどで使わなかったという偏屈者(ちなみにその間に金利が馬鹿上がりした事ありましたが、ヘッジで短期国債を無理矢理ショートセールしてました^^)でした。で、その金先ですが、今週になって中心限月の2006年12月限は99.50を割り込んで昨日は99.46とかになっておりました。

これって「2006年12月の清算日(第2週だか3週だかだったと思うのだが)のTIBOR3ヶ月もの金利が0.54%」っていう意味なんですが、それじゃあ年内1回0.25%利上げした上に来年早いうち(年の前半とか)に利上げがあるかもしれません(あるいは来年の早いうちにゼロ金利から0.5%へ金利上昇)って状態になってるって事を意味する筈なんですが、そりゃ幾らなんでもやり過ぎではないか。

・・・と思うのですが、このユーロ円金利先物っていうのはまあ何と申しますか、まあそういう理屈で動いている(場合もありますが)というよりは、その時の勢いで動くという方が今まで見てきた印象。値段がどうのこうのというよりは「売り」か「買い」かが重要って感じですわな。

これが債券先物(長期国債先物)だと、(現在のイールドカーブ形状だと)残存7年の国債現物とかなりきっちりと裁定するので、確かに勢いで先物独歩安とか独歩高とかあってもイールドカーブから考えて何ぼなんでも行き過ぎになると修正されるんですが、ユーロ円金利先物はどうもこの現物金利とちゃんと裁定していない場面が目に付く訳ですな。あまりにも裁定しないので誰も向わなくなってしまい、ますます非現実的な値段がつくようになるという悪循環(^^)。

まあ中短期のスワップやら何やらの勢いがどうなっているのかを見る指標には大変に結構なのですが、(金先使いの人から石が飛んできそうですが)この価格を見て「短期市場は何回の利上げを織り込む」とか解説するのは、話半分にしておいた方が吉では無いかと存じます。とかまた読者の数を減らすような事を言ってしまったあたくし。いやまあその中短期ゾーンのマーケットの息遣いが手に取るように判るからユーロ円金先って面白いと思いますよと今更フォローしても遅いか(笑)。

まあ2006年12月のTIBOR6ヶ月金利が0.54%だと言ってるのに2年国債の金利が0.405%(昨日の引け)というのも誠に香ばしい状況ですな。


#しかしまあこの金利上昇は驚き桃の木山椒の木でございます。明日の短期国債買入で少しは落ち着くのか、それとも投げ投げ合戦になって尚のことヘロヘロになるのかは正直、蓋を開けてみないと判りません。まあ岩田副総裁の講演とかもありますし。それにしてもこのマーケット豹変ぶりは・・・・・

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2006/02/14

○しかしまあ2年0.4%って何よって感じですが

2年国債の最終は0.385%でして、1年TBの最終出合いはWI取引で0.15%となりました。ということで、このイールドを見ておりますと年内の遅い時期か来年に利上げがありそうな予想になりますが、どう見てもその後もう1回の利上げを織り込みに逝っております。おいおいどうなっているんでしょうか??

ということで、まあオーバーシュートの域に入っているのではないでしょうかという気は思いっきりしますが、勢いがついているというのと、そもそも2年国債のゾーンは需給的に最もダメダメな部分になっているというのがありますので、中々この割安(と自分では思ってますが)は解消されないかもしれません(と書くと解消されすのがドラめもんクオリティですが、爆)。

以前から何度も申し上げているので読者の皆様には耳タコかもしれませんが、減ったとは言え現在の2年国債の毎月1兆7千億という発行額は基本的に量的緩和状態を前提にしないと安定消化が厳しいんじゃネーノってお話。しかもこの2年国債ってのは大手銀行がかなりの部分保有している(その他の預金吸収機関も基本預貯金見合いで保有します)商品でして、大手銀行といえば昔も今もやたら売ったり買ったりするのがお好きな人。基本的に順張りで入ってくるので、下を叩き出すととんでもないところまで叩くのは2003年のVaRショックを持ち出すまでも無く毎度の行動です。

(最近は銀行の保有する国債が5年とか2年とかが主になった(あとは変動15年)為に、相場が動く時には「ポジションの踏み投げ」が発生する中短期の方がアホのようにぶれるという現象もあるわけですがその考察はまた別の機会に)

まあそんな訳でして、正直2年国債の発行はもっと減らして超長期とかに回した方が良いんじゃネーノと心の底から思うのですが、短期金利がぶれるようになるとヘッジが難しい(5年ならまだ債券先物が使えるが、ユーロ円金先はちょっと2年とは遠いです)この商品は短期金利の見通し次第でやたらめったらオーバーシュートするようになりかねませんわな。今のままの発行量だと。

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2006/02/13

○中短期債ヘロヘロです

金曜の債券、短期市場はご案内のように中短期市場の金利が物の見事に上昇。5年カレントの利回りが1%をぶち抜けて引けは1.02%(1.025%もマークしたようですが)。ちなみに1%ぶち抜けというのは2003年9月3日にザラ場で1.035%安値という香ばしいお値段(ちなみにこの日に日銀総裁発言が出てやっと戻りました。この日のメモを見たら「5年−20年がピークで前日比20BPフラットニング」だって。その前日も18BP位フラットニングしてますので中々壮絶でしたな)。

ちなみに前日に10年入札があって、入札はまともでせっかく相場が戻ってくれたのに、先物が戻った所に5年ゾーンの売りを大量にぶつけた馬鹿者がいるわ、自分の主管業務でもないのに「新型事業国債の発行を検討」とか言い出す馬鹿大臣(さて誰でしょう)がいるわで一気大暴落して、翌日の前場からはもう現物も売れない大手銀行勢のスワップ払いがあった日でございました>2003年


で、先週の金曜日ですが、まあ5年はそんな感じで叩かれるわ、2年はとうとう0.365%まで下落するわという有様。先日の2年国債入札の時には「0.3%に乗っているあたりちゅうのはまあ向こう2年間で利上げが1回だと思ったら勝てるんじゃネーノ」などと申し上げましたが、こうなってみると市場は「今年10月にも利上げがあるかもしれない」って警戒フラグが立ったという風に解釈するしかありませんなあ(単に勢い余っているだけのような気もするが)と言った所で。

ちなみに、VaRショックとも言われる早期利上げ警戒相場が発生した2003年9月3日は惜しくも一番売り込まれているときのカーブ形状は判らん(引けでは猛反発している)のですが、このときの2年債は0.265だか0.27だか忘れましたが、せいぜいその辺なので、2年とかのゾーンが緩和解除を本格的に織り込んでいるというのが良くお判りかと思います。このときの10年はやっぱり1.7%にも行かず(場中付いたのかもしれないけどメモがないもんでよく判らん先物から勘案すると行ってない気がする)位の図でして、まあ当時と比較して量的緩和解除が見え見えなんでこんなカーブも仕方ないのかもしれません。



○しかしお前ら織り込んでなかったのかよ!

金曜の短期市場も中々強烈でございまして、水曜日に入札が行われた3ヶ月ものFB(政府短期証券)の利回りが何と0.014%まで上昇。先週ドラめもんで申し上げましたように水曜日の入札はその前の週よりも利回りが下がる(平均0.0069%でした)という「???」な結果だったのですが、わずか2営業日で利回り2倍ですかそうですか。

この間に何か重要な経済指標でも出たというのならばまあこういう動きをすることも判るんですが、その間に出てたのは金融経済月報と総裁記者会見。で、総裁記者会見はご案内の通りで別に今まで言われていたことから特に大きく進展するものではなし。大体からして早くて3月、遅くて4月末ってのが量的緩和政策解除のコンセンサスだった筈なんですが。

まあ相場に勢いがついたちゅうのもあるかもしれませんが、お前ら何を考えて市場に参加しているんだと小一時間問い詰めたくなるこの動きでございます。まあ何だかんだと申し上げましても大手銀行の人たちのポジションが圧倒的にでかいマーケットでもありますので、要するにこの人たちを問い詰めたくなるわけですが(苦笑)。

で、まあポジショントーク満開の某情報ベンダーの短期市場ニュースにおける市場関係者コメントを読みますと、どこぞの証券会社のトレーダーコメントとして「無担保コール翌日物取引の上昇を0.1%(=ロンバード)まで容認すると考えれば取引のセンターは0.01%から0.05%位になると予想」とかございました。いやあのロンバードってのは「上昇のキャップ」であって、その容認レンジ上限がポコポコ付くような市場レート形成になったら日銀の誘導姿勢を問われるんで、そんな事は無いと思うんですけどねえ。

まあそれにしてもつい先日までは「量的緩和政策解除してもゼロ金利は少なくとも年内一杯は続く」とかいう価格形成をしていたのは何だったんでしょうかという感じ。何度も繰り返しますが、その間に経済指標の劇的な好転があったとかいう訳じゃないんですよ。何だかなあって感じです。



○まあ結局地均しもどうなのかといういつもの結論になる訳ですが

という訳で、まあ総裁記者会見などに反応した格好になった金利市場なのですが、本来的にいえば量的緩和解除後の金利引き上げ経路に関しては経済物価情勢を見ながらというお話でありますので、経済指標を見ながら金利観が形成されていくというのが「市場機能の復活」である筈ではございますわな。然るに相場の方は相変わらず要人の一挙手一投足に反応するって形になっている訳でして、まあこれは時々申し上げているように日銀が地均し路線で市場にせっせと織り込ませに行ってる事の弊害でもあるのかなあなどと思う次第。

まあ毎度申し上げているようにマーケットもマーケットではありまして、経済情勢よりも日銀の意思とか政府の意思とかを注目して金利観を形成するという妙な傾向があるわけでして、このあたりはどっちもどっちではございます。

で、まあ折角マーケットにショックを与えないようにとか色々と配慮するのですけれども、結局はその配慮によって妙にゼロ金利継続の期待が起こったり、逆に量的緩和解除が具体化してくると今度は10月にも引き締め観測とかが一気に台頭したりという風になってまして、マーケット(というよりは大きなポジションを抱えている横並び意識の強い一部の市場参加者かも知れんが)が一々日銀や政府の顔色を見ながら動くようになっちゃう訳で、あまり「市場との対話」ちゅうのを後生大事に考えすぎると、今度は市場の方が中央銀行の意向ばかりを気にするようになってしまうんで、今後の「市場との対話」路線に関しても(市場を全く無視しろとは申しませんが)どのようにやっていくべきかというのを考える時期になっているのかなあ何て思います。

じゃあお前具体的な案があるのかと言われるとムツカシイのですが、「経済物価情勢に則った金利形成が行われる市場機能」っていうのを復活させたいのであれば、あまり地均しだの何だのということは(まあこれからはそんなにやらんとは思いますが)避けた方が吉かと存じます。後のことは良く判らんが。

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2006/02/09

お題「何で今になって材料になるん?」

何をネタにして動いているのやら。。。。。

○量的緩和解除が3月になるかもしれない?

一昨日夕方からいきなり円が爆騰したのは必ずしもそのネタでは無いのではという見解もあるようですが、まあ一応マーケット関連のメディア的にはとりあえずそういう扱いになっているようですわな。

で、昨日のどこぞのレポートやら金融ファクシミリ新聞あたりでは3月に量的緩和解除があるかもしれない話のネタとして「3月の決定会合の週にある5年国債入札が決定会合の翌日にセットされており、普通避ける金曜日に入札が実施される」ってのを挙げていたようですが、「またそういうエエカゲンな話を・・・・」とその話を聞いて呆れるあたくしがここにいるのであります。

と申しますのは、以前から基本的に中長期国債入札を金融政策決定会合にはぶつけないというのがありまして(ちなみに決定会合の日程の方が先に決まる)、実は来月の5年債入札が金曜になってしまうのは元々致し方ないところでございます。大体からして日銀の輪番オペ(中長期国債買切)ですら決定会合の日に打たないという(こっちは日銀の話ですが)気の使いようでありますので、入札の日程はあまり関係ございませんわな。残念でした。

とは申しましても、今月末に公表されるCPIが今のところの市場予想数値+0.4%だと「3ヶ月連続でコアCPIがプラス」であって、「方向が上向き」ということで話の上では日銀の言うコミットメント3条件成就という話には持っていけますわな(個人的には早えよとは思うが)、ってことは以前あたくしも申し上げましたし、別にあたくしだけじゃなくても一番早けりゃ3月かもってのは本職の皆さんでも指摘している人は何人もいたと記憶してますが、はてさて何を急にネタにしだしたのやら。


大体からして5年ゾーンとかに売りが出てたらしいのですが、4月の解除が3月になったからと言ってそこまで売り叩くもんかと小一時間。

#まあ中期債のエクスポージャー落とす言い訳に使ったんでしょうが


○利上げが10月位になるかもしれない?

こちらに関しては毎度お馴染みの某海外レポートでそんな趣旨の話があっただの何だのという事が言い訳に使われていたようですわな。あの某レポートもそりゃまあインサイドレポートなのかもしれませんが、どう見てもトンチンカンな話をしているという印象が拭えませんでして、まああれで何万円だか何十万円取れるとは虚名恐るべし。

という悪態は兎も角、別に現物見たわけでも無いのでアレですが、聞いた噂ベースですと、次回の展望レポート(4月上旬の決定会合で公表予定)でのコアCPI見通しに関して、2007年度の数値はプラス0.7%だとかいうような(うろ覚えなんで間違いかもしれませんが、だいたいその近辺)見通しだそうな。

あたくしなんぞはその予想を聞いた瞬間に何を思ったかと申しますと、「ええっ!2007年度で+0.7%だったら少なくとも来年度一杯金利上げられないじゃんそりゃ買いですなあ」という思いっきり逆の反応を、って別に何も買いませんが(笑)。どうもその数字を聞くと最近よく言われている「実質金利マイナスがどうのこうの」ってお話に絡めて、「コアCPIが+0.7%予想だとすると利上げが早まるのではないか」という発想になるらしいです。全くもって意味が判らんのだが。つーかそもそも実質金利が「名目金利−コアCPI上昇率」で単純に出てくるものじゃないでしょうにと思うのでありますが。

まあ先日来うだうだと申し上げておりますように、量的緩和政策解除後の政策誘導金利に関しては特に決め打ちをするものではないと存じます。決め打ちしたければ消費者物価指数の先行きに関してそれなりの精度で予想をするちゅうプロセスが必要ではないかと思いますし、物価が上昇しにくいから長期ゾーンとかの金利がまるっきり下がらないって話じゃなかったんかいなと思うんですが。

今の時点ではその辺りに関しては決め打ち無用でしょう。


○政策決定会合の票決が5対4になるのではないか?

昨日と本日実施されます今月の金融政策決定会合で現状維持の反対票が増えるのではないかとか、量的緩和解除の提案が出るのではないかって憶測もあったらしいですわな。

・・・・だからどうしたの?ってツッコミしかできないのですが。ちなみに今までは7対2(2票は当預目標引下げの水野審議委員と福間審議委員)の賛成多数だったのですけれども。そもそも現時点で(その是非は兎も角として)日銀さまによる熱心な地均し(何せ最近は金融市場局長様が金融機関に向けて解除後の準備をしましょうねえって大変に判りやすいメッセージを発信してくださる位ですし)によって、量的緩和政策解除を今更引っ込めると逆に日銀の立場が無くなるのではないかという勢いですんで、今月に解除があればちょっと驚きますが、そうでないなら別に3月になろうと4月になろうと(短期市場ではだいぶ違いますが)中長期国債にそこまで大騒ぎするほどの違いはあるんでしょうかと思いますけど。ベースレートが上る(0.001%→0.01%位にはなるかもしれないけど)ような話でもないですし。


まあどちらにしても、何かポジションアンワインドの口実に使われただけのような気もしますし、単に米国債券市場に連動しただけなのかもしれませんけど、何だかなあって感じでございました。


○しかし短期国債もワケワカメ

昨日行われた3ヶ月物政府短期証券(FB)入札は、一昨日の6ヶ月TBが何故か堅調も堅調大堅調だったので、皆さんショートカバーで死ぬのを警戒して、先週発行されたFBと償還が2日しか違わない(エンドが連休明けに当たるため償還日程がタイトになった)上に中期債市場はヘロヘロだというのに前週の入札よりも強くなっちゃいまして、平均落札価格を利回りベースに直すと0.0069%(先週は0.0073%)になってしましました。一体全体何を拠り所にして入札をやっているんだこの人たちはと思うのですが。(追記:どちらも財務省ベースの計算方法)

しかも入札は強かった癖に、何故かその後の売れ行きが芳しくなかったのかそれとも売りでも食らったのか知らんのですが、後から投げ投げになってしまいまして、引け後の出合いは0.01%だったらしい(さすがにそこはビットが残りまくりらしいが)です。どう見てもハーメルンの笛吹き男(に連れて行かれる人または鼠)です。本当にありがとうございました。

まあこの短期国債とCP市場の金利がもうどうみても単に内部要因の需給だけで動いているとしか思えない事例が良く見られまして、一応金利があった(低め誘導はしてましたが)時代にマネーマーケットできゃあきゃあ言いながらやっていたあたくしから見ますと頭痛がすることの多い今日この頃なのですが、その辺りに関してはいずれまた。

という訳で雑感でございました。NY株式反発してよかったですね。

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2006/02/07

お題「余りネタも無いので蒸し返しの雑談」

#蒸し返しでスイマセン。

○いやあフラットニングですか

昨日の債券市場では30年債爆発。引けでは30年が6毛強の20年が4.5毛強の10年が2.5毛強ということで30年が引っ張るフラットニング。

米国で久々に発行される30年国債の入札を前に30年債が事前に絶賛大人気だそうなのですが、それにしても市場規模だけで言えば世界一(だと思うのですが)の日本国債市場は相変わらず他所様の値動きによー反応しますわなあという感じで、日本もフラットニングのようでございます。

ご案内のように、米国では2年債と10年債で利回り逆転という状態になっているのですが、こちらでは「金融引き締め最終局面だから」ということでこの逆イールドも理解できますが、米国の4.5%の短期金利に対しまして日本の短期金利はゼロでして、ここから短期金利の引下げ余地が無い(マイナス金利をやれば話は別だが)のに、今からイールドカーブをフラットさせてどうするんでしょうなあと実に不可思議でございます。

まあ不可思議不可思議と言いつつこういうのって結構延々と続く傾向がある(その代わり反動が来た時に投資家サイドに怪我人が続出するのだが)ので馬鹿にしてはいけないのです(だからこういう相場は業者も困るが、投資家の方がもっと困る)けど。まあ本職のストラテジストの方々が色々とレポートを出しておられるようですけどあたくしもこの相場に半ば呆れながら雑感。


最近(でもないが)言われるのが「グローバルフラットニング」云々ってお話でして(水野審議委員は「ストラクチュアルル(=構造的)フラットニング」と仰せでございました)、年金資金なんかの超長期資金が増えた何てのも言われますが、どっちかというと単に低成長で金が余って運用難なので、より金利の高い物に手を出すって事のような気も致します。まあいつまで金余りが続くのかはよく判らんですけど。

外債投資をする時に「ヘッジ付き外債投資」ちゅうのがございますが、為替ヘッジをしながらその国の債券を買うっていうのはど〜ゆ〜話かと申しますと(って債券市場の人は先刻ご承知でしょうが)短期の直先フォワードで為替ヘッジ入れながら中長期の債券を買うということですから、短期金利と中長期の金利差を取りに行ってる訳ですが、主要国のイールドカーブがこんな有様になってしまうと、ヘッジ付き外債投資が全然ワークしなくなりなすわな。で、突っ込む所もございませんので日本にでも突っ込みますかおお短期金利と20年金利の金利差が2%もあるよこれは凄いって話になるらしいです。

そんなん短期金利が上昇しだしたら一発で死亡なのではないかとシロウトのあたくしは思うのですが、まあ確かに短期金利が上昇すると申しましても1%やら2%になるのはいつの話よって返されますといやお説ご尤もとか言いそうですな。何か違和感は拭えないが。


もう一丁あるのが変動利付国債のヘッジでって話なんですが、それは在庫抱えている業者がヘッジというよりはディーリング感覚でやっている(中期的にはヘッジの相関はするけど、短期的には全然ヘッジになっていない事も多々ある)とか、どちらかと言うと足の速い資金でディーリングみたいにでやっている投資家さんとか、変動国債を投げさせようとして仕掛けているどこぞの人たち(最後のはあくまで憶測ね)とか、本当の意味で変動国債のヘッジが入っているのかなあというのは少々疑問を感じつつ(いやまあ勿論15年変動利付国債は商品性としてイールドカーブにフラット化圧力を掛けるものではありますが)。大体からしてエキゾチック(って程でもないが)な商品に投資しておいてヘッジにプレーンな商品を購入するって話が逆だろとは思いますが。


などとダラダラと書いてしまいましたが、これから金融を引き締める(いつから始まるか知らんが)国のイールドカーブと金融引き締めそろそろ打ち止めの国のイールドカーブを一緒くたにするなと言ういつもの結論ですな。



○しかしまあ正常化ですかそうですか

先週末に日銀の金融市場局長が量的緩和解除に向けて金融機関の皆様準備をちゃんとしましょうねって話を時事通信にしたというのを昨日申し上げましたが、一々手取り足取りは如何なものかとかいう野暮な話は本日は置いて別の雑談を。

最近債券市場よりも短期市場に近い方を良く見るようになっているのですが、この市場って最近は一応金利がそれなりに動くようにはなっているように思えます(長期金利から見ると超ミクロの決死圏ですけど)って以前をあまり真面目に見てませんでしたが、感覚的には11月くらいに6ヶ月とかの金利が動きだして、1月くらいからは3ヶ月くらいの金利も動くようになってきましたですかなあと言った所。まあ量的緩和解除の時期が具体化してきたから当たり前と言えば当たり前ですが。

でまあその金利が動くのは結構なお話なんですが、どう贔屓目に見てもこの金利の動きは「お前ら単に需給だけで他市場見てねえだろう」という物にしか見えませんな。まあ昔から短期市場には商品ごとの金利裁定が全然働かないとか、需給だけで動いてるとかいう傾向はあったのですが、それにしてもちょっとどうよ感が漂うのでございます。あまり具体的な事例を出すのはちとアレでございますが、短期国債(のうち3ヶ月くらいの奴)とかCPとかの金利とかの上げ下げっぷりは何かまだ「需給だけで動いてるなあ」って感を強くするものでございます。

まあ無茶苦茶に動いてくれた方があたくしとしては収益機会があって結構なんですけど、まあ市場の先行きって事を考えると収益機会がありゃ良いってもんでもございませんわな。将来の金利感を反映した市場金利の形成ってのは中々大変なのではないかと思う今日この頃でございます。

と、イマイチ考え中モードなのでとりとめの無いはなしになってしまいましたな。

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2006/02/02

お題「また○○か!」

不思議な入札でした。

○またも事前予想より強い入札

昨日のFB(政府短期証券)の入札ですが、連休の関係で償還が前週に入札の行われたFBから14日も伸びてしまいまして、5月15日償還となりました。前回は5月1日償還でして、昨日申し上げたように量的緩和政策の解除(しかし解除ねえ・・・)として本命視されているのが4月28日らしいので、まあ解除になっても直ぐ償還だからという事で、割と平気で平均落札価格の利回りが0.0039%とやっておりました。まあその時点でCPIが発表されていませんでしたけど。

で、昨日の入札ですが、さすがに警戒感も出たようでWI取引では0.007%から0.008%での出合いが前日あたりにあったようでして、入札直前も0.008%かもしかしたら・・・という感じだったらしいのですが、入札の蓋を開けてみると平均落札が利回りで0.0073%、最低落札は0.0081%だったのですが、按分比率が2.5%じゃあ入ってないに等しい入札となりました。

落札結果発表後、ショートカバーっぽく0.006%まで買われる場面があったようなのですが、どうも追随の買いは特に見られずで、値付けの香りもする出合いだったようです。実力は0.007%らしい。


○で、その前後の動きを妄想する訳だが

・・・・という入札だったのですが、市場推定の落札結果を見ますと、一昨日2年国債を沢山高いところでジャンピング大量落札していたどこぞの業者様が1兆2千億円ほど落札をされていたようです。

この一連のインプリケーションを例によって真面目に考察すると、量的緩和解除の時期は4月28日じゃネーノというのが市場の平均的な見方(13週間とか14週間とかの債券利回りですから、真面目に計算するとどこで解除になったらブレークイーブンとかは判るのですが、今日の所は面倒くさいので省略)という事になるんですけど、例によって不真面目に考えますと・・・・・

前週の27日金曜日には全店手形買入オペで突如落札金利が上昇して最低落札利回りが0.011%1本値になって(1月24日の全店手形買入の最低落札利回りは0.006%で平均落札利回り0.009%)おり、その時は「いやあCPI効果ですかなあ」などと思っていたのですが、まあこのオペも結構ジャンピング応札でして、こりゃどこかの大手が一発で入れたんでしょうなあという話になっておりました。

まあ手形オペの金利が上昇すれば短期市場的にはちと不安感が台頭する訳でして、昨日の入札もこりゃちょっとしんどいかもしれませんなあなどという感じも出た訳ですが、何か2年債に引き続きどこかが大量購入したようでして、手形オペ突っ込んで雰囲気悪くして入札前に売り込んで大量落札ですかそうですか大変ご苦労様ですという所ですな。


・・・という不真面目な考察部分は事実から勝手にあたくしが類推した憶測ですので、内容の真偽に関しては全く責任を取りませんのでよろしく。

しかしまあ一昨日の2年入札と言い、「また○○か!」と(大外しの妄想かもしれないけどね^^)いうところで。

ちと疑問に思うのは、昨日の入札のオファーの時に来週入札のFBの概要が発表されているのですが、来週のFBの償還日が5月17日でございまして、今回のFBの2日後に償還が来るということになります。いつもだと1週間の感覚で償還が来るところに対して、次回債償還まで2日しかないFBをそんなにせっせと買う必要があるんでしょうかねえ。


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2006/02/01

○2年国債入札を見ると「2年間で利上げ1回」」か

昨日の2年国債入札。前場から2年国債だけじゃなくてスワップの払いだとか中期ゾーンの売りだとか何か今更「おいおい」って感じの状態だったようでして、前場の終了時点では2年新発債の入札前取引の気配は0.32%−0.325%。ところが入札結果はと申しますと、最低落札価格が99.965円と、0.317%相当でして、何のこっちゃという感じでございました。市場推定では大和証券SMBCが5000億近くの大量落札のようで。

で、まあこの入札を真面目に評価すると、やっぱり「年内の政策金利引き上げ」はまだまだ市場コンセンサスになってないんですねえというのと、「2年間で利上げ1回、2回あっても2回目は2年後にかなり近い段階」という読みになっているんでしょうなあという所ですな。理由は昨日書きましたので(ってあのざっくりした分析でよいのかという議論は華麗にスルーしておいてください^^)割愛。

もうちょっと不真面目に分析しますとですな、先週末に掛けて2年が急に売られているわけで、昨日も申し上げましたが、0.23%とかやっておいて0.3%まで売りこむとはよーやりますなって感じですが、実弾売りも出ていたそうですし、まあどこかの投資家様が頑張って売って今回の入札で拾いなおしということでございましょうか。まるでディーラーですなご苦労な事ですなあという所で。

ま、もしあたくしの想像が正しくてでかいポジションを利用して「ポートディール」みたいな事をやってるんだったら、個人的感想としては「それやってるといつの日か相場からしっぺ返し食らうから程々にしといたら」と思いますけどねえ。

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2006/01/31

○2年国債入札ですが

まあブタエモンショックがあったせいもありますが、先々週の中盤には2年カレントものの金利は0.23%あたりまで低下して「???」感を醸し出しておりましたが、その後に2年ゾーンに改めて売り物(売る人は物凄く限られているのですが、笑)が出るわ、平均株価は戻る(しかも年末来頭打ちの香りだった主力大型株が強くて新興はヘロヘロというパターンですので、債券相場的には売りたくなりますわな)わということで、先週に入ってさっくりと下落。で、先週末のCPIを受けて昨日の2年240回債の引けは0.3%となりました。

この2年債なんですが、以前より発行日が前倒しになったとは言え、発行日が翌月15日となっておりますので、2年債といいつつ実質は2年と半月債。この半月というのは別にギャグで言ってる訳ではございませんで、金融政策がどうのこうのとか将来の短期金利がどうなのよっていう観測が具体化するような状況における「半月」ってのは馬鹿にできませんです。しかも買っても発行日まで肝心の利息収入が入って来ないし。



んじゃこの「2年(と半月)0.3%」ってどうよって議論なんですけれども、色々と「これと裁定」って話はあると思いますが、あたくし的には物凄くざっくりと考えてしまいますんで、「短期調達でこれを買って持ちきれるのか」って話を考えてしまいます。しかも複利の概念が無いのがドラめもんクオリティでして、頭の悪さがモロバレですかそうですか。

えーっと、今のGCレートが0.005%よりはちょっと低そうですが、量的緩和政策解除後にはさすがにコールが0.001%って事は無いと思う(思っているだけですが)のでGCが安くても0.01%とかでは無いかと。という部分でのコスト計算をするのに、入札日から発行日まで15日とか掛かっているのがでかい訳でして、「次回決定会合で利上げも」なんて状況になっていると、そこまで織り込んで価格形成をしだすので話がややこしく(って程でも無いですが^^)なる訳ですな。はっはっは。

さて、解除後にも超越低金利が継続するちゅうことですので、さすがにその次に金利引き上げになりますと何ぼなんでもコールレートは0.25%にはなると思います(勿論0.5%になったらその瞬間0.3%の国債はどう見ても逆鞘です。本当にありがとうございました。)で、そうなった時のGCレートってコールレート辺りかもうちょっと上か・・・・と考えると2年間で利上げ1回と思わないと中々間尺にあう投資ではなさそう。まあ今のところのコンセンサスはその辺にあるという感じでもありますんでそれで良いんでしょうが。

利上げの時期に関しては予想してる人の中でも一番早い部類で今年の秋以降という所でしょうから、2年間で利上げ1回というのでも良いのかもしれませんが、景気回復&デフレ脱却状態で超低金利を長期間行えばその後引き締めが必要になった時の必要な引き締めはより強力になるという事もございますので、「量的緩和解除後にゼロ金利」というのを余り信じすぎるのも如何なものかと思うあたくし。

いやまあ景気はこの辺でピークで、物価も全然上らんというのが債券市場の平均的な見方(じゃなかったら10年が相変わらず1.5%〜1.6%なんてやってねえだろう)なのでまあ皆さん信じるものは救われるでしょうという事で宜しいのではないかとは思いますが(何のこっちゃ?)。


まあ「持ち切るとしたらどうよ」って話とはやや別になりますが、日銀の保有国債銘柄別残高表(日銀のWebページを探してちょ)をご覧になるとお判りのように、2年国債ってのは日銀の輪番オペでじゃんじゃん吸い上げられているものです。まあ要するに2年債のカレント物を買っておいて暫くホールドしてから輪番オペで売却って形をとって何とか現在の発行量が維持できているのではないかというのがあたくしの正直な実感でございまして、量的緩和政策を解除して、その後金利政策に移行したときに現在の輪番オペを維持し続けられるかどうか(維持することによって短期のオペレーションが無理無理になったら意味が無い)も考慮に入れる必要があるでしょうな。確か当座預金残高8兆とかでも大丈夫は大丈夫だというのを見た気がしますが。

ま、いずれにしても注目ですな。これ買うのって短期の預金吸収機関が殆どなんで、需給が一方方向にぶれやすいですわな。

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2006/01/25

○変動15年国債・・・・・

特に銀行業態の皆様が金利上昇ヘッジ商品の振れ込みでひところ全力買いしたものの、金利上昇前にこっちが先にいかれてしまった悲惨な商品変動15年国債の入札が昨日実施されました。

入札前の前場引け時点で99円60銭のビットだったのですが、平均落札価格は99円59銭。最低落札価格は99円40銭ということで、まあ今回もテールは流れるわ、前場引けのビットサイドの向こう側が平均落札になるわと大変に香ばしい結果になってしまいました。

さすがに押し目買いらしき動きもあったらしいのですが、引けに掛けてまたまた既発債に売り物もあったようで(発行αの小さい銘柄を入れてでかい銘柄を外して損切りしつつ利回りの改善へって事のようで)して、どうにもヘロヘロな状況は継続のようです。

いやまあ入札に関しても(市場推定ベースで)野村證券が3000億ほど落札してくれたから(あと多かったのは「不明分」でしたが)この辺で止まったという感じでして、誠に涙を禁じ得ない結果かと。最悪期は月初に脱したような雰囲気が漂っていたのですけどやっぱり冴えませんな。

まあ「市場の要望」に押されて発行をバンバン増やしたら突然ヘロヘロになってしまった訳ですが、発行当局様におかれましては、市場との対話も諸刃の剣と申しますか、所詮は自分たちに都合のよい話をしたがる人たちの集まりでもあるし、何か皆で共同幻想の如く誤解(今回なんかまさにそう)している事もございますんで、(寂しい話ですが)何でもかんでも要望を聞く(そりゃ誤解だって言われそうですな、とヘッジクローズ^^)のも如何なものかって教訓になったのではないかと存じます。


○そういえば物価連動国債

会計指針が変って投資しやすくなりましたって話で盛り上がってましたが、物事が盛り上がると早速冷水を掛けたくなるのがあたくしの性格の悪いところでございます(笑)。

最近はどうなのか余り聞かない(というか個人的興味があんまり無い)のですけれども、ひところは将来の消費税増税論議と絡めまして、「消費税が増税になるとCPIが上昇するので買っておきましょう」みたいなセールストークがあったと聞いております。そのせいか量的緩和政策の出口はどこにあるんでしょうって頃に突如買われて見たりしたこともあって、これじゃ先行きの物価見通しじゃなくて消費税問題の意識を測るベンチマークかよ!って状況になったりもしてましたな。

でですな、身も蓋も無い話をして恐縮なんですが、消費税が上昇しますよって話が始まる頃にCPIの算定ルールが今のままであるという保証はどこにも無い訳でして、それこそ金融政策にCPIのターゲットとかが設置された時に消費税増税分をCPIに反映させちゃうと絶好の金融引き締めのネタをご提供する事になるから何か手を打ちゃしませんかねえなどという妄想が沸き起こるあたくしなのでありました。

いやまあ真っ正直に物価見通しでどうのこうのっていうのならそれはそれで結構なお話なんですが、まあ消費税がどうのこうのって言ってる人がいるうちはその分下駄を履いている(いやまあ上記がただの杞憂なら別に下駄でも何でもないですけど)可能性もあって、その下駄部分がどのくらいなのかを考える必要がございませんですかねえなどと思うのでありました。

15年変動国債に関してはバーゼルUでのアウトライヤー規制に関連してリスク値が過小計上されるという(プレーンな短期金利フロートだったらそんな事は無いのですが、為念)制度上の抜け穴といえば抜け穴みたいなものから下駄を履いていた訳ですが、まあそんな感じで制度に関連するニーズが発生して下駄を履いている商品に手をだすのは(割り切り系でやるのなら兎も角)ポートの長期投資(銀行ポートが本当に長期投資スタンスなのかという話はここでは自主規制^^)としてはどうなのよってのがあたくしの正直な感想。

いきなり個人投資のレベルに話が飛びますが、バブルの頃に「給与所得と損益通算できるから節税できます」って振れ込みで期間損益が赤字のマンション投資をした人たちが制度改正で枕を並べて討ち死にしてしまったとか、その手の話はもう限りなくあちこちで発生しますわな。節税するのはまあ頑張ってねという所ですが、「節税目的の金融商品(に限らんが)投資」ってのは税効果控除後のリターンが間尺に合う(というか自分で耐えられる)のかをよく考えて手を出さないと大変に香ばしい事態を生じる恐れがありますので注意しましょう。

いやまあ似たような話だとおもうんですけどね。

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2006/01/20

お題「まぁ本日も雑談でご勘弁」

雑談あんど人のふんどしですが(笑)

○黒ひげ危機一髪ゲームじゃないんだからさあ・・・・

http://www.tse.or.jp/の新着情報って所を見ますと、東証の本日約定件数がどうのこうのってのがリリースされているのが判ると思います。昨日の場合はこんな感じで、14時に315万件、14時半に350万件。
http://www.tse.or.jp/news/200601/060119_f.html(14時)
http://www.tse.or.jp/news/200601/060119_g.html(14時32分)

で、この350万件のリリースがあった後に、平均株価はダレて参りまして、15700円近辺から15500円近くまで押し込まれたんですが、14時48分頃(TSEのウェブベースでは14時47分となってますが、ブルムバーグ(プロフェッショナル)でフラッシュが打たれたのは14時49分だったかな)に「今日の立会いは最後までやります」というのが発表されて引けに掛けて戻すという相場でございました。
http://www.tse.or.jp/news/200601/060119_h.html(14時47分)

てな訳で、まあ思惑が入っているのもございますが、取引が通常通りに行えなかったとなるとそれはそれで「市場の流動性リスク」って問題になりますので、嫌気されるというお話になりますわな。その辺りの機微を昨日の引け前20分が表していたのではないかという事で。

しかし400万件になったら取引停止って言っておいて、如何にもギリギリっつーか引けの処理したら400万件楽勝で超えるだろうって心配する人だっている訳で、こんな「引けるか引けないか判らない」ってのを連日やられても激しく困るんですがねえ。その度に思惑が出るって本来の株価形成と全然関係無い世界で動くって馬鹿馬鹿しい事態ですがな。


しかし昨日も申し上げましたが、ライブドアみたいに寄りから延々と特別売り気配になっている銘柄が、売買停止になると比例配分も何もなく執行不能で、引ければ比例配分で売れるかもしれないって状況は如何なものかと考えます。

売りが過大すぎて比例配分すら出来ないというのなら諦めもつく(ちなみにライブドアの場合は売買最低単位が1株なので余程の事が無い限り比例配分になります)のですが、全然関係ない(まあ元はと言えばここの問題から始まってますけど^^)取引所全体の約定件数の問題で売買が出来たり出来なかったりというのは、もし自分がLDのホルダーだったら東証に対して「ふざけんな」と上記論理で大騒ぎですが、あたくしの駄文を過去からご愛読の皆様におかれましては、「CXは糞だがLDはもっと糞なのでCXを応援したい」などと資本市場関係者にあるまじき発言をしていたことをご存知のように、そもそもこの会社の株を買うと言う発想が起きる訳なし(笑)。

とにかく、途中で止めたりとめなかったりというのは勘弁していただきたい。


○ここにも影響が

何故か投信協会のウェブサイトには何の掲載もないのですが、昨日のブルムバーグニュースでも報道されていましたが、東証で取引が停止になった場合に売買停止の瞬間から東証の売買銘柄を主投資対象としている投資信託の当日分の設定・解約の申し込みの受付を停止するというとのこと。例えば野村アセットマネジメントのウェブサイトではこんな感じです。

http://www.nomura-am.co.jp/whatsnew/info/200601191.html

まあそりゃ止めるのは当日分の設定・解約なんで、翌日分に持ち越せば良いって話だと言ってしまえばそれまでなのかもしれませんが、翌日に持ち越せばオーバーナイトのリスクも発生しますし、大体からして資金繰りで売りたい人だっている訳でして、急に「本日は早仕舞い」などと看板を下ろされても投信購入者は「聞いてねーよー」ってなもんでしょうな(だから発表してるんですが^^)。

で、事はこの通知だけで済む訳はなし。そんな事言われても、投資信託ちゅうのは全国津々浦々の販売会社の店頭で設定・解約の申し込みを受け付けておりまして、特に証券会社の全ての営業店舗でいきなり対応しろっていうのは正直物理的に厳しいお話です。翌日に持ち越した結果、設定・解約を申し込んだ委託者にとって不利な状況が発生すれば事前通知してるって言ってもトラブルの種になるでしょうし、ギリギリの受付をどう処理するのかとか、まあ大変なお話でございます。


○ところで短期マーケットですが

株式市場を横目に睨んで動いていますなあと苦笑したのは一昨日入札があった新発FBの動き。一昨日に入札が行われた新発FBですが、落札結果発表時刻は12時40分。この時は最低落札価格に対応する0.0051%は一瞬にしてオファーが消化されて投資家の買いが入ったようなのですが、株が戻って見ると昨日はまた0.0051%レベルにはオファーが出てくるという有様。

まあ短国買入が無かったとかも影響してるんでしょうが、株価の下落で量的緩和政策解除に影響が出るという見方はやはり多いんでしょうなあと思った昨日の値動きでございました。

本日は決定会合ですが、月報と記者会見は引け後なので、とりあえず場中に影響は無いでしょう。勿論大注目でございますが。

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2006/01/19

お題「また東証か!」

もはやブタエモンショックではなく東証ショックであります。

○ご案内の通りですが一応状況を

昨日の前場ですが、米国の株が下がったり、(米国)引け後のインテル&ヤフー決算が期待外れだったことから平均株価は下落っちゅうか、日経平均よりもトピックスの下げ方がきつかったのでこりゃ参りましたなという感じでした。

で、後場最初は何となく一旦下げ渋りだしたかと思わせたのですが、そこにご案内の東証の発表。「約定件数が400万件になったら全銘柄の売買を停止しますんでよろしく」って発表したのでさあ大変。停止前に売っておかなければというのでパニック状態になって日経平均は危うく16000円割れ(後記:15000円の間違いですがな、ああ恥ずかしい)寸前まで下落。さすがに途中から大型株などに買いが入ったりしてたので持ち直す展開にはなりました。

で、結局目出度く400万件到達して14時40分に取引停止。取引終了なのはまあそうだから仕方無いのですが、引けの板寄せをしていないでザラ場のままで終了させてしまいました。これもまた如何なものかと思いますが。。。。


○東証の対処がアホアホ過ぎ

1.パニックを誘発する対処

http://www.tse.or.jp/news/200601/060118_a.html
「約定件数が400万件になったら全銘柄停止するので、皆様注文を集約して下さい(意訳)」

もうね、アホかと馬鹿かと。そんな事言って注文を自粛する奴がいると思うのがもう頭の中に蛆が涌いているとしか言いようがないですわ。あのね、例えば満員の映画館でボヤが起こった時に誰かが「ここしか出口が無いぞ!」って叫んだらパニックになって圧死者続出でしょうに、そんな連想も起きないのかおまいらはと。

そんなに件数増えるのが困るのならザラ場方式を一旦止めて全銘柄板寄せにしちゃって「約定件数多過ぎなのでこのまま注文は受けますが引けまで板寄せにします」とでもやればいいのにと思うのですが(つーか人間様が立会いやってたら当然約定件数多過ぎで笛吹きですがな)、14時40分に取引終わらせているのにザラ場のままでやっちゃったという事は、システムがそういう対応できて無いんでしょうな。

で、本日もこの有様
http://www.tse.or.jp/news/200601/060118_g.html

約定件数で取引制限するくらいなら立会い前場だけにしてその代わり幾らでも持って来なさいと開き直る方が余程良い訳で、こんなことしたら取り付け騒ぎよろしく「400万件に逝く前に取引執行を終了させておかナイト」というインセンティブが働いて却って注文が殺到するでしょうがな。もうお前らは脳味噌が溶けているのかと小一時間。中途半端な開け方をするなと。

この「取引がもしかしたら途中で停止になるかも知れない」っていう無茶な状態は株券等の売買を直接行っている投資家だけでなく、他の方面にも影響が出る話でして、その対処はどうなるんだよって言うのもあるのですけれども、その話はちと置いておきます。


2.何で板寄せをやらないんだ

でまあご案内のように14時40分で取引は停止したのですが、とんでもないことに14時40分時点で引けの板寄せ処理を行わずにザラ場のままでまさに「停止」させてしまいました。その前に「14時40分で売買停止」ってリリースが出たのですが・・・・
http://www.tse.or.jp/news/200601/060118_c.html

「売買停止」だから「引け」ではなく、ザラ場で終了しちゃうって事なんですが、引け条件の注文執行が全部無効になっていますので、引け条件の注文をしている人はポカーンです。そして引けさせなかったので、S安売気配のままだった4753ライブドアの場合は引けの板寄せしてないので比例配分の処理は行われずに気配のままでおしまい。売り方は売れないままに翌日に持ち越しになってしまいました。何というか「取引所は取引執行の場を提供している」という意識はどこにあるのかと小一時間でございます。何故板寄せをせん。

板寄せ板寄せと業界用語を断り無しに使っちゃいましたが、板寄せってこれです。
http://www.tse.or.jp/glossary/gloss_a/itayose.html

#まああれだ、西室某以下幹部職員は全員切腹して詫びろと。


○だいたいグローバルスタンダードとやらにしたのがですなあ・・・・

と書くとグローバルスタンダードな皆様からボロカス言われそうですが、そんな話は忘れられていると思うので敢えて時代に逆行したアナクロな意見をば。

http://www.tse.or.jp/glossary/gloss_t/tyuuikehai.html
注意気配って制度が昔はございまして、直近価格から次の価格(正確には次の価格ではなくてややこしい説明が必要なのですが)に逝くのに1秒かけるというお約束がございまして、その間に注文が殺到すると板寄せになるという形になっていました。各会員会社の市場部員と才取業者が人力で取引執行していた時の方式をシステム化していたのですが、上記の注意気配の説明文にありますように、「株券等に関する注意気配は平成10年8月24日に廃止」となっております。

この時に何が起きていたのかと申しますと、この日本独自の知恵の結晶とでも申すべき(ああアナクロ)注意気配制度が海外の皆様には判り難いし、ザラ場に大量執行しようとしても板がちんたら動くのでその間に提灯がついてしまう(だけじゃなくて逆の場合もあるんですけどねえ)のでムカツクとか、まあ要するに海外投資家様やそのご意見を受けた当業者の皆様などから「ザラ場方式をもっと透明かつ迅速に執行しやがれコノヤロー」と散々言われてザラ場の最良執行が出来る現在の取引執行方式に変更(正確にはその後いじってるかもしれないので正確性は保証しかねます)となった訳。

(この時に東証には物凄い処理能力のスーパーコンピュータが導入されまして、債券先物の取引執行なんかは嘘のような速さになったのですが、速くなり過ぎて板がバカバカ飛ぶようになったので、誰も注文を置かなくなった(出来たと思ったらあっという間に遠い彼方まで値段が飛ぶマーケットにヘッジ注文さらさんわな)というアホな事態になってマーケットの流動性が落ちるシャレにならない珍現象になりました。その後値がバカバカ飛ぶのは改善されて現在に到るのですが。)

注文が殺到したら板を寄せてしまえば良いというのが日本の知恵だったのですが、どうも注意気配制度の廃止と共にそんな仕様は無くなったようですな。遅延が困るから能力増強→能力上ったから注文沢山来る→最初に戻るってやっていたら単なるいたちごっこなだけでして、全然抜本的対策にならん訳ですわな。

ザラ場の注文処理方式を何とかした方が良いと思いますけどねえ。


○で、今日はどうなるのか判らんがな

普通そろそろ自律反発があってもおかしくはないと思ったのですが、何か市場関係者じゃない識者の方が妙に「ライブドアとその関連企業群だけの問題と考えると大した事ないでしょ」って落ち着いている(別に槍玉に挙げる積りではないけど例えばこの方http://tameike.net/comments.htm#new(編集時注記:現在ここには当然無いので過去ログ見てください。でもとりあえず久々渾身の平和維持活動で猛烈大反発しましてよね。よってあたくしの負け)とか)のを見ると何か却って「あっちゃー」感が漂うのでございます。

一番怖いのは(実際に見たわけでは無いですが良く聞く話として)「鉄鋼株の時価総額世界ベスト30の中で一度に沢山買える銘柄を幾ら買いたい」などというような意味不明の連中の資金が一旦降りちゃうことでして、まあそんな事がなければ当面調整は続くものの、内容が良好な銘柄から落ち着いてくるんでしょうけど。

ブタエモンショックであればブタエモン関連群の問題なのですが、事が東証問題になりかねない状況だと問題は別なんですよね。出来れば本日はちゃんと大引けまでやってもらいたいものです。そうすりゃ落ち着くでしょう。

#債券市場のコメントは・・・・

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2006/01/18

お題「今日が正念場ですな」

昨日呑んだら今朝もまた寝坊しちゃいましたすいませんすいません。

○ブタエモンショーック

昨日の株式市場ですが、ライブドアの寄り付き前の板を見て「ほほう2000万株の売り気配」などと思い目をゴシゴシしたら2億株の売り長ですかそうですかという感じでして(д)ポカーンって所でした。

しかしそれより驚いたのは前場途中から平均株価が猛然と戻して前日比プラスまで逝ったこと。いやまあ相場の地合いが強いのはわかったのだがプラスはすげえななどと仲間内で話をしておりましたら、後場いきなりつるべ落としの下落。久々に勢いのある暴落祭りを拝見致しました。

昨日は「影響が少ない・・・といいんですが」などと微妙に毒にも薬にもならない言い方をしておりました(でも小見出しはさすがにこれは・・・でしたけど^^)が、まー戻って下がるという動きは実にタチの悪い展開で、寄りから単純に400円超下がるよりも怪我人が出やすかったのでは無いかと思料。「でも基本的な地合いは強い」とかやってたデイトレの人とかが随分参加して後場一気に逆を食らったというのをデイトレ自慢のブログを巡回していて幾つも見てしまいました。幾らリバ狙いのデイトレって言っても材料を吟味して参加するもんじゃネーノかねえとジジイのあたくしは思うのですが・・・・・


でですな、ここ半年くらいの相場パターンですと、何かでありゃりゃと下げた翌日に猛然と戻るというのがお得意のパターン(前回ではジェイコム株式誤発注事件の翌日のリバが記憶に新しいと思いますが)。ですけど今回はどうもライブドア本体の粉飾関与の疑いなど大変な状況な上に、そもそもライブドア自体の時価総額のでかさとか勘案するとどうなるんでしょうかねえ。間の悪い事に耐震偽装建築問題で与党の偉い人の名前が出てきたり、NY株式は下げて帰ってきてるし・・・・

連続下落にどの程度耐えられるのでしょうかって所かと。まあどっかで止まるんでしょうが・・・・・

ところでライブドアですが、本業でも買収した企業でも儲かっている企業って何でしたっけ??って企業群でございますので、昔懐かしい(って今も健在ですが^^)光通信のように本業は物凄くパワフル(いやマジであの会社の営業って凄かったのよ。今はどうだか知らんが)だというのと本質的に違うので、まあ・・・・



○量的緩和解除が展望されていますが・・・・

この調子でバリュエーションもあったもんじゃない豪快な買われ方をしていた新興市場が調整を余儀なくされ(ると思うけどね)た場合に日銀はどうするか。まあとりあえず既定路線どおりに粛々と進行するんでしょうけれども、何と申しますかイットバブル崩壊をやっているのに何で今ゼロ金利解除??とアイテー業界の片隅(当時は何の気の迷いかアイテーベンチャーの真似事をしていたのでイットバブル崩壊を良く見てました。いや確かに株も下がったのですが、あの時はIPO狙いで未公開アイテー企業に資本が突っ込まれ、その金でピカツーだの禿だのを買っていた企業とかあったのよ。それで経営おかしくした会社とかあったし・・・)で思ったのですが、さて今回はどうなるのやら。

株式市場と金融政策を直接リンクさせる必要は毛頭無いのですが、株価が調整している中で金融緩和の解除という光景はどうもこういつか見た物でございますので、どうもこういやーーーーな感じが致しますわな。

例によって人のふんどしですが、毎度おなじみ本石町日記さんが「ライブドアショックと金融政策=直結はしないが…」「「バブル潰しは日銀のお家芸」という誤解」というお題でエントリーを上げていますのでご覧いただければと存じます。

ま、当時のゼロ金利解除に関して金融市場の評価としてどうなっているのかは存じませんが、秋葉原(ビットバレーではない)での体感的に申し上げると、あの時点で既にアイテーバブルの崩壊はエライコッチャになってました(資金というか資金(資本の間違え)の流入も細くなったし、米国の崩壊が痛かったですな)ので、日銀がアイテーバブルを結果的に崩壊させたという事には成らないかと思います(まああの時点で何故解除?やるなら2000年になって直ぐじゃなかったの?とはその当時思いましたが)。

さて福井総裁の運勢や如何に??



○髪業恐るべし

用意するもの
1.昨日の日経平均株価の日中値動きを示すグラフ
2.インターネット接続環境(は今ございますわな^^)

推奨ウェブサイト
http://blog.livedoor.jp/orion3/

画面を下スクロールしていって真ん中近辺まで下げますと、(編集時追記:さすがにトップでは見えませんので1月17日の部分を探してください)昨日の午前10時4分のエントリーが読めます。(その直ぐ下のエントリーのお題は「東京地検特捜部が動いた以上・・・・」でございますのでそのお題が出たらスクロールを止めるアルヨロシ)

で、その10時4分のエントリーから上のエントリーの11:46、12:03の髪のお告げを読んでから改めて日経平均株価の日中値動きを確認しましょう。

・・・・・・・・(゜д゜)ガクガクブルブル・・・・・・・



○まあしかし魔坂の坂って奴ですわなあ

いやまあここへ来て色々と香ばしい事態が噴出してきてまして、実にこうディープインパクトが2着敗退という香りが漂う今日この頃でございますが、完全無垢は魔を呼ぶという思想は昔からございまして、何と申しますか「頂点に達すると魔坂の坂が待っている」を地で行くような光景をこれから見ることになるんでしょうかねえ。

などと訳の判らん事を申しておりますが、「無闇に喜ぶなかれ」と同じように「無闇に絶望するなかれ」ってのもありますんで、悲観一色になるのもどうかとは思いますが、さっきご推奨した髪様の最初の方(=最近の)エントリーを見ているとどうもまだ悲観になっていないので実にガクガクブルブルって気は致します。


・・・・・あ、債券相場の話を全然してないや。まあ株が下がれば昨日と同じように先物の買いだか買い戻しだか知らんが、先物主導で相場が上って、10年の1.4%割れとかになったら戻り待ちの売りとカバードコールで値動きの悪い現物はケツが重くなり先物だけ値動き軽くなるんでしょうな。以上ってところで(おい)。

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2006/01/17

○金利関連は落ち着いて来ましたようで

短期に関して言えば今週の1年TBはさてどうよってのはあるものの、足元の資金に関しては落ち着いた感じ。MUFGの銀行統合とか、電子CPのフェーズU移行とかが一段落した上に、ゼロ金利ってひょっとして思った以上に続くんじゃネーノというのもあるのかも知れませんが。ただし、3月末越えに関してはまだ手探りっぽい面もあるようですな。

先週のFB入札で最低落札価格が利回り換算で0.005%をぶち抜けとなった為にこりゃどうよって感じになったのですが、金曜の短国買入では前日比変らずまで落札(平均は+0.002%でしたが)されたのでおおそんなに需給悪くないじゃんって感じで昨日もその動きが継続。FB入札にぶつけた感じで2月償還物のTBFBに少々出物があったようなのですが、その辺もまあ業者が抱えて無問題なレベルまで消化されたんでしょうな。昨日の短国売現先のレートも低下してますし。

いやまあ足元の需給で金利が何となく動くということになっているようにも見えますので、そーゆー意味では「短期金融市場の市場機能の復活」(笑)に向けて絶賛進行中という言い方も出来ますが、単に短期のオペが今までの判で押したような同じパターンからちょっと変わったら動いただけとも思えますが、わざとオペを妙に打ったのかそれとも素でパターンを変えただけなのかは良く判りませんな。


債券に関しては世の中の投資家様を悩ませている15年変動利付国債の気配がだいぶ戻っておりますし、まあカーブとかはそれなりに動いてますが結局レンジ内取引で上を買う材料も無く下を叩く材料も無くという所で、金融政策決定会合(自体では何も無いでしょうが、月報と福井総裁のスタンスに注目)やら月末に掛けての経済指標を見ながらって話になるんでしょうかねえ。

今日の5年入札は52回債のリオープンなので別に入札が過熱もせずにヘロヘロにもならずという平穏なものになるんでしょうが、0.8%クーポンで0.8%台半ば位まで下がってくれると販売しやすそうな感じですんで前場に下げて頂きたいのですが、さすがに今日は株式がアレでしょうから中々前場下げる訳にも行かんでしょう。

で、あまり上昇して入札を迎えちゃいますと、リオープン発行なだけに「その値段は既に買ったがな」という投資家が増えて来ますなあってのが懸念っちゃあ懸念ではありますが。

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2006/01/13

○変動15年国債の悲惨

昨日の債券市場は途中から20年を中心に反発してまたまたフラットニングしまして、前回入札のあった変動15年37回債は98円割れとなってしまいまして、理論価格から2円くらい安くなってしまいました。

まあ昨年8月9月あたりまでは理論価格から1円くらい高くなっていたのにここ3ヶ月ちょっとで2円安いところまで逝ってしまうとは幾らキャリー収入が入ってくると言ってもさすがにエライコッチャになるでしょう。しかもこの商品を持っている主体って銀行セクターなので、ある程度やられだすと投げるという素晴らしい傾向がございまして(困ったもんだ)、投げスパイラルが始まると逝き過ぎになるのはVaRショック以来の年中行事。今回は変動国債ですかそうですかと言った所。

どうもやられの投げの為に「合わせ切り」をやっているようでございますが、何というか金利上昇ヘッジの積り(実は勘違いもいい所ですけど)で買った商品をここまで下がってから投げるなよと小一時間問い詰めたくなるのですが。ま、何と申しますか自己責任は自己責任ですが、「金利上昇への備えはできているでしょうか金融機関の皆様」などというメッセージを出して変動利付国債を買えば貴方も幸せって雰囲気を醸し出していた(これ以上の直接的表現は自粛^^)人たちに対する金融機関の怨嗟の声も聞こえて徽宗皇帝といった所ですわな。ええ、聞こえているとは申してませんので念の為。


まあアレですな。プレーンじゃない国債でヘッジが難しい(理論どおりにヘッジしようとしたら流動性の低い超長期既発ゾーンでややこしいロングショートをリバランスしないといけない筈)ので、需給が一方方向になる商品なのがこの商品の特性ですが、一方通行恐るべしといった所でございますわな。で、相変わらず銀行業態の皆様に於かれましては横並びがお好きと申しますか何と申しますか、どうしてそう揃いも揃って同じ方向でやりたがるのやら。参加者の殆どが横並び行動様式の人になっていると市場に止め役がいないので毎度毎度ソロスの言う「市場の帝国主義的循環」が起きてしまうという感じですわな。

こういう状況になると業者も下げに立ち向かわないのでして、こうなったら変動15年国債を買ってくれそうで止め男になってくれるのは某系統金融機関親分しかいないのではないかと思料される今日この頃でございます。


○で、フラットニングしてるのですが・・・・・(まだ考え纏まってないメモっす)

フラットニングの理由としては上記の変動利付国債の叩き売り激安相場の他には、イールドカーブがフラットしてない主要国ということで海外から見たヘッジつき外債投資の対象になるとかございます。

そんな中で「量的緩和解除をするけどゼロ金利の長期化」という文脈も買いのネタになっているような気がするのですが(本当はどうなのか良く判らん)、この発想の落とし穴に関してつらつら考えている今日この頃のあたくしなので、メモ程度の考え叩き台で恐縮ですがちとメモメモ。

まあ物価が上らないという見込みでゼロ金利長期化ってのなら正統派の発想で、それは経済見通しの話ですからまあ良いと致しまして、それ以外の発想を持ってくる場合の落とし穴ですが・・・・

毎度申し上げているように景気が好調な時にゼロ金利みたいな低金利を続けていれば、景気刺激効果が強くなるので将来の金融引き締めの際にはよりきつめに運営しないといけませんですってのはございます。で、ちと別角度から考えます。金利政策に戻ってゼロ金利になってからまた新たなコミットメントが出てくるという思惑があるようでして、武藤副総裁の「新たな道しるべ」発言がインパクトあったようでございます。

でもちょっと考えると量的緩和解除をしましょうと言ってる段階の昨今、福井総裁が何度も言っているのは「時間軸効果が無くなって来て、単なるゼロ金利状態になっているから、金利政策に移行しても低金利維持していればマーケットにショックを与えない」というものでして、その伝で行きますと、量的緩和解除後に「ゼロ金利のコミットメント」を設置するというのはありえ無い話ではないかと。だって「ゼロ金利の」時間軸を再設置したらそれは金融緩和になっちゃうでしょ。

「道知るべ」ってのが何になるのかとかそもそもそういうのを導入するのかは何とも言いがたい話ですが、債券市場の方で勝手に楽観というか都合よく解釈しているという節がございますが、まあそういう訳であたしゃー普通なら「ゼロ金利のコミットメント」を新たに設置するのはちょっとねえだろうと。

「慎重なスタンス」とか「緩和的な状況」とかいう言い方をするので政策金利が上らないというのもまあ都合のよい誤解のような気がする訳で、そんなことを言いながらFRBはFFレートを延々と引き上げ続けて今は4.5%ですからね。

#ま、まだまだ雑感のレベルですけど

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2006/01/12

お題「準備しろと言うお告げですか?」

後継指名ですかそうですか。何だあなた様も院政をやりたいということですか。権力の座ってのは結局そういうもんですか。>誰かさん

○昨日のFB入札

昨日は10年国債入札でしたが、そっちの話はさておいて(おい)、政府短期証券の入札がございまして、先週木曜日の入札とは一転(まあ火曜から雰囲気は変ってましたが)した結果になってしまいました。

先週の入札(4月12日償還)では平均落札価格(の利回り換算)が0.0027%で最低落札価格が0.0035%となりましたが、セカンダリーの消化は順調で値を戻したのですけれども、昨日の入札(4月17日償還)は平均落札0.0047%で最低落札0.0059%と(単に心理的なものですが)何となく目処にしてた0.005%をあっさり抜けました。セカンダリーも低調で(というか既発債に売りものが出たらしく)、終わってみれば0.0065%あたりまで気配が切り下がる形。価格に直せば屁のようなミクロの世界ではございますが、利回りで言うと2倍とか3倍とか(^^)。

んでまあ何でこんな話になっているかと言いますと、MUFGの銀行統合に伴い足元の資金放出が渋られているとかいう話もありますけれども、年初から何だか資金吸収と供給を両建で行うツイストオペ(と言われる事が多い。どっちかというとマッチポンプと言った方が気分的にはしっくりくるのはあたくしの性格の悪さを反映^^)が絶賛実施中でございまして、売出手形だの国債売現先などが実施されてどうも需給の悪化傾向を後押ししている悪寒。

昨日に関しては、入札日だというのに国債売現先オペを打つという何と申しますか「入札するのに日銀まで玉出すなよ(ちなみに現先の期間は1月13日〜1月25日、落札結果は平均最低とも0.004%)」状態で、ここもとの足元金利だのGCレートだののサガランチ会長モードがまだ続きますかということで入札のやる気がだいぶ削がれたものと思料。


○というわけでツイストオペが多いのですが

今月になってからのオペレーションを見ますと、5日は国債買現先(実質的にはレポオペですな)と売り出し手形を実施し、10日には13日スタートの短国買入を実施しているのに昨日は13日スタートの国債売現先を実施と(ちなみに10日はCP買現先+全店買手と売手のセットも)何か資金需給を単純に均しているのかコリャという雰囲気が何となく漂う今日この頃。

まあ各オペのオペ残をいじらないようにしながらやっていくと資金余剰月にはこういう変なオペレーションをしてくる必要が出てくるというのも何となく判らんではないのですが、当然乍ら(?)早速ネタとして出て来たのは「これは何か意図があるのではないか」というお話。てな訳でまあ以下どんどん脳内妄想の世界に入りますので、その積りで読んで頂くとありがたいですが・・・・・

(以下妄想ワールド。市場の一般的な見方かどうかは保証対象外^^)

少々長い資金供給と足元の資金吸収のセットを行っているという事ですが、これは1つには「市場の先行き金利見通し(=市場の予想する量的緩和解除時期)を見ておきたい」っていうのがあるのかも知れませんですな。ちなみに3月(あたしゃ3月解除もありうると思ってますけど)の決定会合が3月8、9日でして、4月は10、11日と28日。5月が18、19日ですんで、まあその辺に足が掛かるものとかに関しては微妙になるんでしょうな。

他に考えられるのは「日銀も練習中ですか?」というネタでして、資金の供給と吸収をする事によって需給をぶらして短期金融市場に緊張感を与えておきましょうというお話ですかな。いざ量的緩和政策を解除という段になっていきなり慌てられても困るということでしょうなあ。まああたくしのような年寄りに言わせますとそんなの準備しないで慌てる参加者が自業自得と思うのですが、まあ市場全体を見ている日銀様におかれましてはどこかのアホウが混乱して市場全体が混乱したらそりゃ困るって思いたくなるのも判らんではない。その為にロンバートとか日中流動性とか債券市場なら補完貸付とか色々と手は打ってあるから心配ないぜって思うんですが、まあ「やってみたら全然臨戦態勢になってない奴のせいで一時的に混乱」ってケチが付くのは避けたいのでしょう。そんな訳で短期市場に向って「おまいらそろそろ準備せえよ」と言っているのかもしれない。

もっと妄想を逞しくすると、この調子で短期の吸収と長期の供給をツイストしていくことによって足元の短期金利を何となく持ち上げ気味にして、量的緩和解除による足元金利上昇(するかどうか判らんが、0.001%−0.002%って事はないでしょう)のインパクトを緩和するという事だったりするとかなり笑えてしまうのですが、これをやると解除後に吸収オペレーションをせっせと打たないと当預を所要+α(あたくしのドタ勘では目先10兆円弱8兆から10兆くらい??)の金利コントロールレベルまでに落とすのに時間が掛かる副作用もある諸刃の剣っぽいですが(^^)。



えー、日銀の短期金融市場調節にはそのような「意図」は無い事になっておりまして、本来こういう想像をするのは時間の無駄なのですが(^^)、まあこんな妄想をせっせとしてしまうのも、供給しようと思えば供給できた筈なのに当預残30兆円割れをわざわざやらかしたとしか思えない昨年6月2日というのがございましたんで。ええ、あたしゃーしつこく覚えてますから(笑)。

#来週は1年TBとFB入札ですな、おっほっほ。

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2006/01/11

○変動利付国債

先週末にはスティープニングと価格下落が同時進行するという「ぶっちゃけありえな〜い♪」の図が展開された15年変動利付国債。さすがに昨日はあちこちの業者から「これはあなた幾らなんでもやり過ぎではないでしょうか」という趣旨のレポートが出ておりました。何せ固定利付債のイールドカーブから算出されるらしい理論価格を1円を大幅に超える激安の殿堂状態になっておりますので。

まあ要するに需給でこんな事になっているのですけれども、大体からして償還が向こう10年以上無いのに発行しろしろと言ったのは債券市場でございましたので、まあ自業自得と申しますか、しこたま買った銀行業態の皆さんご愁傷様です。BISの2次規制におけるストレステスト(=標準的な金利ショック)の設定が非現実的なもの(=イールドカーブのパラレルシフト)であった為にストレステスト上のリスク値が過小に見積もられて、その分超過需要が発生してしまったというのはございますが、そもそもイールドカーブに対してリスクのある商品だと判ってて買ったのではないかと小一時間。ってまあよく判ってなくて「金利上昇への備えはどうなっている」とかご指導だか何だかをするお方もいるのがアレですが。

別にこの時点でご教訓という訳でも無いですが、まあこの半年ほどの間に無茶苦茶に動いてくれた変動利付国債から勝手にあたくしが思うに、(1)制度あるいは規制に現実との歪みがあると、その歪みから特定商品の価格形成が歪むことがある(2)財務省さまにおかれましては「市場の声」を聞きすぎるのも如何なものか、と言ったところなのでしょうか。今月も入札があるのですが果たしてどうなるのやら、幾ら何でもそろそろ止まるとは思うのですが。


○入札2本

10年国債入札と政府短期証券(13週間)の入札が行われます。10年に関してはこの水準で消化できるのかいなって思うのですが、まあ他の年限とか先物とかでヘッジ入れながら業者主体で入札するんでしょうか。昨日いきなり相場は上るわ先物対比で10年は強くなるわで、(まあ雇用統計の週末前にヘッジ売りっぱなしの人もいないでしょうけれども)事前の準備は年末辺りから長期ご準備している人以外は踏まされの巻になっていると思いますので、今日の前場次第。水準が水準なだけにそんなに過熱はしないんじゃないかな?

FB(政府短期証券)の入札も(最近短期市場の方があたくしの主戦場の為に)注目しております。年明けからコールの平均が0.002%と微妙に上昇しておりまして、先週末に実施された6ヶ月ものTBの入札では平均が0.03%まで流れるという結果になりました。昨日短国買入オペが行われて足元の需給は改善していそうですが、本日の入札がどのあたりになるのかは個人的には勝手に注目しています。前回はちょっと安かったかなと思ったらあっさり買いを集めましたが。

特に短期に関しては量的緩和政策の解除自体は織り込んでいるけども、さていつ解除してそのときの足元金利は幾らでしょうという話は今一歩盛り上がっていない感じですが、何せ毎週のように入札があるので、その落札レートを見ながら皆さん何考えているのだか見たいと思います。

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2006/01/10

○一時的なものかそれとも・・・・

先週末に行われた6ヶ月もの短期国債の入札ですが、入札前取引では0.02%近辺で売買していたものの、同日に短期国債買入が行われなかった事もあって平均落札価格が利回りで0.03%、最低落札価格の利回りが0.0344%と案外流れる結果となりました。

前回12月の入札が平均0.0125%だったんで、年末越えが終わったのに随分と下がりませんなあ(というか金利上昇してますが)という感じではございます。前回入札以降に何が世の中変っているかとつらつら考えますと、12月のCPIが発表になってコアで+0.1%というプラス転換の数字が出てきたことしか思い浮かびませんわな。

という事で、金曜に見たブルームバーグニュースの記事なんぞでも「政策変更を視野」などというお題になっておりましたが、量的緩和解除後にさすがにゼロ金利政策やると言っても0.001%でベッタリ足元金利が張り付く事はないでしょうって事なのでしょうか(あたしゃそう思ってますが)。まあ量的緩和政策の解除自体は4月±1ヶ月位に行われるという見方が多いと思うんですが、そうなりますと7月償還の今回の6MTBにはプレミアムが要求されて然るべしという話にはなりますわな。

と、尤もらしい後付け理屈を申してますが、実はただ単に足元の資金と短期国債の需給が反映しているだけという説も大有りです。1月15日の年金定時払いに向けて資金余剰傾向が続くので資金供給が少ないとか、10日(本日)に始まるCP電子化のフェーズU稼動に伴い手元流動性を一応確保しておこうという(そんなに大層な話ではないが)向きとか、偶々このタイミングでメガバンクの合併が行われているとか、その手の短期的な要因によるものっぽい気も致します。

どうもここの所かなーりまじーめにヲチして気が付いたのですが、何故か短期金融市場の方が債券市場よりも金融政策変更絡みに関してナーバスに反応している節があります。過去通算ウン年ほど金利物の市場をヲチというかポジション抱えてきゃあきゃあ申し上げているのですが、短期のほうが債券よりもこのネタに反応しているというのはチョー久しぶりに見た気が致しますわな。

まあそこら辺の事についてはより熱心にヲチしているうちに段々理解してくるものと言うことで、本日はそういう気がするというお話だけですが。


変調と言えば年明けからのイールドカーブは超長期ゾーンが弱くてスティープする形になってます。先週は相場が上っても下がってもスティープという久々の姿になったのですが、昨年末にフラットしてた事の反動なのか、単に入札を控えたポジション調整なのかそれとも別の要因なのか、これもまた気にはしておきたい部分でございます。

ついでに申し上げるとドル円が何か113円台までドル下落ってのもまあ随分戻りましたわなあ(今朝は114円台)という所でございます。いやまあ色々と年末までの動きに変調が起きているのか単なる綾戻しなのかよく判らんのですけれども、ちょっと気になる所でございます。

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2006/01/06

○また踏み上がりか!

と申しましても場中は相場以外のことで多忙を極めていて、引けて見て「はぁ?」状態になって早速ディーラーに質問したのでまあ聞いた話って奴だと予めお断りしておきます。

いやまあ昨日の債券相場もまたまた株式インデックスが上昇しているのにも関わらず先物とか中期債あたりから上昇。輪番オペが実施されて、思ったよりも高いところまで持っていかれ(前場引けで1毛甘のオファーとか並んでいたのに8糸甘までオールテイクン)て買戻しに弾みがついちゃったというのもあったようですが、基本的には中期と先物がやたらと強い相場でして、まあ5年(あたり)の実弾買いと先物の踏み上げ(ヘッジの買戻しなのかポジションの閉じなのか知りませんが)という所のようで。

5年の買いといえばまたも銀行勢のようにも思えますが、まあそれは兎も角として、1月は休みの関係で入札日程が押すので需給悪化という発想が皆様にあった所に米債がFOMC議事要旨で反発というか利上げ打ち止め感がでた為に、年末年始のヘッジ売り買い戻しなんかも巻き込んで久々の阿鼻叫喚モードになったようですね。

先物に200枚だの300枚だのの買いが入りまくってお仲間ディーラー曰く、「久々に『もう明日になったら買い戻せない』っていうような勢いの買いを見た」という所のようですな。ポジションの踏みや投資家の踏み(投資家が買っていない状態はショートポジションと同じ)が入ったという図でしょうか。雇用統計があるってのにまあ。。。。

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2006/01/04

○何かこの前も書いた気がしますが今年の予想

金融政策に関しては先日発表された11月全国コアCPIがプラスに転じましたので、量的緩和解除の条件は整ってきたという話になるかと思われます。順当に行くと3ヶ月連続でプラスで、その間の推移が上向きになっていれば「安定的にコアCPIがプラス」と言っても文句の出にくい状態になるでしょうから、3月の金融政策決定会合か4月の金融政策決定会合で量的緩和解除。ただしコールレートの誘導目標水準は「きわめて低い金利」という形になるんでしょうな。

この時に裏技として日銀のオペ金利の刻み幅を0.01%単位に戻すと言うのを勝手に妄想してるのですが。いつの将来になるのか知りませんが、まあ短期金利が1%だとか言ってる時にレートの刻みが0.001%じゃあ面倒以外の何物でも無い(現物株式だって値段が変ると呼び値の単位が変りますし^^)ので、金利政策に戻ると共に短期金利の刻みをまた0.01%に戻せばちったあ「短期市場の活性化」とやらになるんじゃないでしょうかねえ。

で、まあ短期金利が引き上げ(引締めの時は0.5%くらい上げるのが大昔は当たり前でしたが、最近は0.25%のメジャードペースという方がフツーになったような気がするので0.25%でしょう)になるには、まあコアCPIが0.5%位になっていませんと中々厳しいでしょうな。


この時のイールドカーブがどうなっているかというのを想像するのは前提によって全然違う話になりそうで、何とも申し上げにくいですが、現状の債券需給という面から考えますと、長期、超長期(特に超長期)のゾーンに関しては、ひたすら買うという人の買いが入るので、金利上昇局面で相対的に確りしやすい状況は当面変化は無いかと思います。中期や先物に関しては、売ったり買ったりする人が参加しているので、相対的に売られやすいという状態。先日知人のディーラー達と忘年会と称して飲んだ時にも飲みながらそんな話になりまして、某ディーラー氏曰く、「超長期は『売らない人』が買うから下がらねぇ」でございました。

ご存知のように相場が派手派手に動くのは「ポジションの踏み投げ」による場合が多く、国内債券市場においてはディーラーの踏み投げなどというのはインパクトという点では投資家のそれに比べれば屁のようなものでございますので、「投げが発生しない」程度の金利上昇の場合は下げながら超長期ゾーンがアウトパフォームするという形になるんでしょうな。ディーラー氏言いえて妙でございます。


先日の武藤副総裁のインタビュー記事にありました「量的緩和解除後に何らかの道しるべ」って奴はある意味波乱要因かと思います。道しるべに関して、「CPI3条件に変る新たなコミットメントでゼロ金利継続のコミットメント」と債券市場が誤解(無意識なのかわざとなのか知りませんが)している節がございまして、量的緩和政策を解除して時間軸を外すのが解除の眼目じゃなかったのかと思うのですが、そのあたりを債券市場がどう取るのかによってイールドカーブに無駄なエネルギーが溜まってしまう懸念がございますわな。

どうも債券市場は景気回復に半信半疑なのか、それとも短期金利が4%だとか言ってる国のイールドカーブ形状と日本を比較するというあまり意味があるとは思えない攻撃に出ているのか判りませんが、「道しるべ」=「新たな時間軸」=「イールドカーブフラット化」という発想になっているように見受けられます(さっき書いた需給問題なのかもしれませんけど)が、景気刺激効果が本当に出てくれば将来の金融政策がどうなるのよって考えたらイールドカーブは立ってくる筈なんで、そのあたりの読み筋がどうなるかってのと、そもそも市場のメジャーな読み筋はどうなるのよって所が難しいでしょうな。

あたくし的には「そんなんイールドカーブ立つでしょ」と思いたいのですが、どうもフラットニングを予想するほうがメジャーな気がする。


量的緩和解除後に気になるのは2年あたりのイールドでして、中長期国債買切オペ自体は暫く減額しなくても回せると思うのですが、長めの短期金利が微妙に上昇するようになると、只今でも0.3%とかになっている2年ゾーンの国債の消化が無事に行くのかどうか、蓋を開けてみないと判らない面が強いのですが、あたくし的には懸念しております。イールドカーブ全体に大きな影響があるのかというとそれもまた微妙な話ですが。


直接イールドカーブがどうのこうのって話とは別ですが、爆弾は15年変動利付国債。イールドカーブがベアフラットするとまともにいかれる商品設計になっているというのと、ヘッジの仕様が無い(一応超長期とか買えばヘッジにならない事も無いらしいが)上に、主に保有している主体が銀行業態という「いかれだすと投げる人」であるという問題がございます。昨年後半の災厄的な下げでやや整理はされたと思いますが、こちらに関しては償還は無いのに発行はバンバン継続。発行額が減額になるのが救いですが、量的緩和解除後にイールドカーブが尚のことフラットニングしちゃったりするとまた一荒れあるかも知れませんわな。ナムナム。


株価とか為替は全然判らん(床屋政談みたいなレベルでしか考えてません)。企業業績も良いのに賃金出し渋りは相変わらず(まあ賃金上げだしてインフレスパイラルになる時代じゃねーわなとは思いますが)だったりそれを言い出すと以下自主規制だったりするのですが(苦笑)、そうそう企業業績がゲロゲロになる事はあるめえと思います。ただ、個別銘柄の推奨という話になると、なんちゃら関連銘柄とか言って強引なこじつけが出てきたりしてまして、ちょっと頭冷やしたほうが良いかもしれませんわな。IPOはやり過ぎでは無いかと。

平均株価で見ると落ち着いて上昇トレンドなんでしょうが、個別ではやり過ぎの修正入るんでしょうなあ。だいたい季節的に言うとGW明けあたりが底になり易いんじゃなかったでしたっけ?

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2005/12/29

○年末越え金利は落ち着きました

まあだいたい先週末(木曜)あたりがピークだったようで、年末の資金繰りも見えてきたのでとりあえず無事終了という感じです。まあそれだけの話ではありますが、一応ご報告。

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2005/12/27

○頼むから結論先にありきでストーリーを作るの止めて欲しいのだが

まあそんな秀逸なインタビューがあるかと思えば眩暈のするような記事があるのが日経クオリティなのですが、毎度お馴染みの日経金融新聞昨日の「ポジション」欄なのですが、短期市場のお話をしてるんだがどこでどういう取材をして話を書いてるのかワケワカメな記事が。今朝のモーサテで本村ゆっこ様が「我々も報道を正確に行う責務を改めて思います(ってのは為替市場のニュースに絡めてのコメントでしたが)」ってコメントしてたのをちゃんと聞けという感じですな。

一々イチャモンをつけるのは面倒ですんで、ポイントだけ申し上げます。

(1)前回のFB入札で落札金利が上昇したのはその前に資金吸収オペレーションが連発で行われていた事と、年末に向けたCPの発行ラッシュを控えて「年末越えの資金」の先行きが不透明だった事が最大の要因。記事では「先行きの量的緩和政策解除を睨んで長めの資金運用に消極的になりだしている」って書き方でしたが、もっと短期的な視点での変動でございますよ。その後くだんのFBは当然の如く売れ売れ状態でした。

(2)ここもとのコール残高の拡大は、為替円転スワップによる調達が間尺に合わなくなった外銀のコール調達が入ってきた要因が圧倒的にでかいです。記事では銀行が将来に備えてコールの「試し借り」を行うようになって市場が活性化とかありましたが、それでいきなりコール市場残高が伸びませんが。

記事のストーリーとして「銀行が量的緩和解除を睨んで運用を短期化したりコールの資金取り入れをしてる」ってのに持って行きたかったんでしょうけれども、その結果のために都合の良いネタをピックアップして針小棒大に話を構成していくのはいい加減にしていただきたい物です。

一番困るのは、この手の記事を「偉い人」が読んで「そうなのか」と誤解することでして、偉い人方面から訳の判らん指示が飛んでくるとサラリーマンは困るのよこれが。特に短期金融市場の話はマニアなネタが多くなるので、その記事は変だろうって突っ込む人が少ないので尚更。

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2005/12/26

先週木曜のターム物金利はなおも堅調。2月23日エンドのCP買現先オペの平均落札利回りが0.03%という数字を見てあたしゃー桁を一つ間違えたかと(それでは安すぎですが)思わず目をゴシゴシやっちゃいました。

何か毎年同じようなパターンになっているような気がするのですが、学習効果(?)の欠如に短期金融市場の年寄り不足を激しく感じる今日この頃。そろそろ銀行の皆さん年寄りを呼び戻したほうが良いんジャマイカ?

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2005/12/21

昨日のFB入札なんですが、3月末越えの1発目とは言え、いきなり前回の100円入札しかも按分2割から平均99.9991円で最低99.9986円(按分2%)ってのはまた随分と極端な結果。

ここの所短国売却(資金需給上当然打ってくるのだが)が15日、20日と実施され、売出手形や現先オペなどの金利も徐々に上昇してきております。何か(先日も書きましたが)去年も同じ事やってませんでしたっけ学習効果は無いんでしょうかと思う今日この頃。為替がぶれて円転コストがぶれているのも影響しているとは思いますが。

ま、上るって言ったって精々年末年始のGCレートが0.01%とかになるかならないか程度の話(そこまで上らないような気もしますが)だとは思いますが、ちょっとだけ動きがあるかもしれませんね。

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2005/12/16

○まあポジションの閉じなんでしょうけれども

ここ2日でドル円はいきなり4円円高(昨晩は115円台に突っ込んだんんですな)になり、日経平均はザラ場高値から600円値下がりという有様なのはご案内の通りでございます。

で、今朝起きてみればモーサテもブルームバーグニュースもドル円市場に関しては「米国の利上げ打ち止め観測と短観による早期量的緩和解除期待で円高ドル安」と言ってるのですが、その割には昨日は債券ちょっと弱め(CPIが弱くてNY連銀景況感指数が強かったのですが)で株も頭打ちになっております。

で、そもそも日銀短観に対する日本債券市場の反応は「何だそんなに良く無いじゃん、別に悪くも無いけど」というもの(株価が下がり出す前には債券少々強い程度)でしたんで、「短観の結果を受けて量的緩和政策の解除が近くなった」というのは物凄い後付け理屈としか言いようがございませんな(まあ最近の外人勢には俄かに金を持って参戦してきてる若葉マークちゃんもおいでになられるとゆーはなしでもあるようですが)。

円高にビックリして(?)日本株も下げている訳ですが、まあ何か先週末から今週頭に掛けての上げ方が何と言うか「ええーそんなケツの重いものも上っちゃうのー」って感じだったんで、ちと冷静になりましたって所なのか、時期的にボーナス資金が株式市場に入ってたのかって事なのかもしれませんんでしたな。しかし為替市場でのドル安円高になっている理由と、日本株式(と債券)の値動きの理由がバラバラですんで、まあどっちかが間違えているという理解で宜しいんじゃないですか?

基本的にはこの辺りの動きは積み上がったポジションの閉じに起因するものかと思います。デイトレーダーによって相場が動くだの何だのという的外れな指摘をよく一般のメディアがしますけど、日計りとか数日しかポジションをキャリーしない人というのは基本的に相場に対してニュートラルみたいなもんでして、相場が一番派手派手に動くのは「ポジションの踏み投げ(即ちロスカット)」であって、まあ今回の場合は踏み投げじゃなくて利食いだから阿鼻叫喚の香りがあまり相場から漂って来ませんが、この動きもポジションの閉じって奴でしょうな。


○売買参考統計値が100円になったら短国売却ですかそうですか

昨日は積み最終日で年金定時払いなので大幅余剰。今日も余剰で当預残35兆行っちゃうよ(ちなみに昨日の当預残は速報ベースで34兆円)〜と思っていたら翌日スタートの売出手形を打ってましたが、昨日はその前に短国売却も実施。

短国売却は良いのですが、銘柄がTB380にFB356で償還が1月11日と12日ってのは日銀の嫌がらせかと突っ込みを入れたくなる(2本立てでオペやるなら償還分散して〜)のですが、まぁど〜せそんなことは考えずにやってたんでしょうけどね。

どうも売買参考統計値ベースで一部の銘柄に100円というものが出てきたタイミングで短国売却を打ってきた節が見受けられるのですが(以前も似たような事はあった)、年末に掛けて余剰分の吸収オペとかやってると、昨年の年末と同じようにギリギリになって慌てだす段取りの悪い資金ディーラーが出てくる悪寒。

ま、だからと言って長期ゾーンなどに何かがあるという事はございません局地的な話ですが。

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2005/12/13

○超長期ゾーンが相変わらず確りな訳だが

昨日の債券相場は株価指数がまたまた威勢良く上昇したこともありまして下落したのですが、相場全体の下落に対して相変わらず超長期ゾーンは相対的に確り。ここもとの話の流れから行くと株価上昇→景況感の改善→でもゼロ金利はそれなりに続く→イールドカーブはベアスティープという風になってもおかしくはないのですが、延々と「相場が下がる時は先物とか中期主導」「相場が反発する時も先物とか中期主導」って展開が継続しております。

で、まぁ板を細々と見ている訳ではないのでこーゆー時には元ディーラーの比較優位を利用して(笑)、実際に板に張り付いているお仲間に「何なのこの相場は??」とざっくばらんに聞く事が出来る訳ですな。結論としては「決定的な方向感が出ていない」ってのと「相変わらず需給的に超長期ゾーンは相対的に買いが入る」って所が今のところの結論のようですわな。

相場に関する方向感が出ていればもうちょっと長いところが威勢良く売られていてもおかしくはないのですが、株式市場がこれだけ調子良いのに債券の方はまだ半身に構えているっていうのと、「株が上っても物価は上らんでしょ」ってのとがあるのかとは存じますが、まあ方向感が出てませんわな。短観が明日出るからちったあ変らんかねえと思うのですが。

で、需給的な問題と言えば、投資家層の違いってのがあるのかなあとは思う訳で。中期ゾーンに関しては銀行業態が相変わらず売り買いしてるんですが、この人たちはポートといえども時価評価な上に、大体銀行の債券運用部門ちゅうのは銀行の文化から言って「収益の絶対水準はいくらじゃ」という風に言われるという中々大変な部門でもありまして、調達金利(=短期金利)との資金収支あんど評価損益に関して詰められるという素敵な部門でもありまして、必然的にどたばたやる傾向が(個別にはきっちりバイ&ホールドに徹している人も多いのですが)ございますわな。

超長期ゾーンに関しても以前は銀行勢がせっせと投資してたのですけれども、一昨年の20年0.8%からの大暴落で懲り(た上にご当局様のご指導要因もございますようですが)て銀行勢の動きはそれほどなく、より長期性資金であります所の生保やら年金やらとかの資金が入っていまして、年金なんかですとベンチマークは債券インデックスですんで、相場が下がっていてもそれほど慌てなくてもよい(まあ気分は悪いでしょうが)ということで、あまりバタバタしないと。

で、短観とFOMCの前に20年国債入札という実にファンタスティックなタイミングなのですが、細かく見ると20年カレントゾーンのあたりはそれなりにスティープさせてますし、金利水準も2.1%で、需給も悪くは無いという今日この頃ですので、こりゃまあ死角は無さそうで(株価が最大の死角ですが)すわなあとゆー話になるのですがさてどうなんでしょうかね。

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2005/11/21

○15年変動利付国債続き

金曜に実施された国債市場特別参加者会合(昨日懇談会とか書いちゃいましたが間違いです)。議事要旨に関してはおそらく今朝の9時前にはアップされるのではないかと思います。

で、ヘッドラインだけ見たんですが、案の定15年変動利付国債に関しては「ニーズが減衰しつつあるとの見方で一致」ということになったようです(正確には議事要旨参照されたし)。まぁ現象としては全くその通りなのですが、金曜も申し上げたように前回また増額したばかりで今回減額ちゅうのも何というかトホホ感を催しますわな。

しかも前回の会合では『15年変動利付債については、引き続き全体の発行の中の一角を占めるのは間違いないはずであり、今後どういったマーケットに育てていくのかという点を明確に示していくことが必要。』なんて勇ましい意見も(イールドカーブ考えるとここから先ちょっとやばいんじゃネーノという意見もありました。為念)出ていたのに、1ヵ月後には全員一致でニーズ絶賛大減衰という有様。まぁ市場はいきものと言えばそれまでですが、市場参加者ちゅうのはまぁ勝手なポジショントークの集団でもありますわなあと、お前が言うなといわれそうですが(爆)、思うのでありました。市場の声を全然聞かないのも困りますが、全部を全部聞いてあげる必要も無いと思うんですけどね、あたしゃ。

金曜日は余りにも悲惨な15年変動国債入札に呆れてつい勢い余って導入当時の人たちをやり逃げ呼ばわりみたいな発言しちゃいましたが、当時のメモとか資料とかを引っ張り出すと、別に導入当時には「金利上昇ヘッジ商品」とは銘打って無かったようで(あたりまえですが)関係者の方には大変失礼致しました。

どこぞの業者が勝手に宣伝したとか、その後(ここ1年くらい)のご指うわなにおするくぁwせdrfとか、バーゼルU対応とかで「経済的に必ずしも正しくないニーズ」がアフォのように発生して、今般のような発行量になってしまった訳ですが、まぁ買った人の自己責任ではあるのですが、ご指導云々に関してはちょっとどうにかならなかったのかと思う次第。

イールドカーブにスペキュレーションをするという商品性格上、バカスカ発行増額して良かったのかとか、金利上昇ヘッジ商品という変な誤解をしたまま走っていて良かったのかとか。まぁ商品というか制度の運用面には問題なしとは言えない訳でして、設計した時にその辺までちゃんと後に伝える必要はあったんでしょうな。おなじみの「前後不接連」って奴ですわな。

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2005/11/18

お題「変動15年国債の悲劇(何度も)リターンズ」

昨日「トピが1500抜けませんなあ」と言った途端に1500抜けということで、誠に結構なお話なんですが、もしかしてあたくしが相場神への道を歩んでいるのではないかと思うとそれはそれで困るというものでございます(笑)。

華麗にスルーした15年変動利付国債の入札なんですが、入札は「おーのー」状態でございましたので、あまり細かい値動きまではフォローしてませんが状況メモに雑感なんぞを。

○安値99円40銭ですかそうですか

前日引け時点でα値ベースで73くらいだった新発変動国債ですが、また例によって例の如く事前の先回り買いだか何だか知りませんが、少々仕掛けっぽい動きがあったらしく前場の引けでは発行α=75に対して100円の出合い。

で、まぁさすがに何ぼなんでも買いが来ますわなぁって事で入札の事前予想は100円からちょっと下くらいっすかねーって感じでやっていたのですが、平均落札価格99円96銭はまぁ良いと致しまして、最低落札価格が99円80銭で按分が95%ちょっとと80銭の札が殆ど入っちゃいました状態というヘロヘロの結果。

落札結果発表直後から99.90−99.80と平均落札価格なんぞはさっくりと陥落しているのはまぁ仕方無いとして、最低落札価格の80銭も割り込んでしまうと「ああしょーがねーなー」ってなもんで一旦外しの動きがでてしまって、何と安値99円40銭。そんなにイールドカーブがバタバタ動いた訳でもございませんが、まー需給って事で勘弁なんでしょうが、それにしても一日で上って下がってかよって感じです。さすがに50銭割れからはもう一段の実需買いもあったようなんですけれども。(引けは70銭近辺だったような気がする)


○お腹一杯だったのですね

何度か申し上げているように、この商品は「長期金利上昇への備え」というお話になっておりまして、一昨年、昨年とあった「景気回復期待で早期量的緩和解除観測相場(あるいはVaRショックに捏造された武藤ショック相場とも言うのですが)を受けて「銀行ポートは金利上昇への備えをしましょう」モードとなった上に、バーゼルUにおけるポートフォリオの金利ショックに対するoutlier銀行認定のメソッドも影響して銀行業態中心にニーズ大爆発。量的緩和政策のコミットメントがビハインド・ザ・カーブの性格を持つ事から「景気回復での金利上昇は長期金利から」という意識もあったかと思いますが。

ところが、2ヶ月前の前回入札以降ご案内のように地均しモードになってしまい、債券相場が中短期金利主導での金利上昇でイールドカーブはベアフラット化というこの商品にとって最悪の展開。もともとが「ヘッジ商品」という触れ込みでもあるのでそうそうぶん投げる訳にも逝かなかったんでしょうな。どーせポートでもリスク管理上は時価評価してるんでしょうから持ってる中短期国債中心のポートはいかれた上にアンダーパフォームだわ変動国債はいかれるわと涙涙の展開であったんでしょう。

で、まぁそれなりに警戒モードではあったんでしょうが、結局入札は思ったより低調で入札後ボロボロという状態(最後は少し持ち直しましたが)になっちゃいまして、この入札がそーゆー形にならなければ(例えば低調であってもそこから買いが来て下がる事も無しとかね)良かったのですが、この入札あんどその後の状況で「おーのー」感が漂う形になってしまいましたわな。

ということで、どうも投資家の皆様におかれましてはお腹一杯でございますかそうですかって感じ。まぁそもそもこの商品って始まって日が浅く、発行はあれども償還は当分(10年以上)ございませんので(^^)、今の時点でお腹一杯とは困ったもんでございますなぁ。


○で、発行減額の話になるんでしょうが

本日は国債市場特別参加者懇談会(昔の国債市場懇)が実施されますので、15年変動国債の発行を云々って話が出てくるかと存じます。いやまぁ投資家さんはもうお腹一杯だから発行減額してくれって話が出まくるのは間違い無い所です(というかそういう話をする会合だし)し、まぁ市場の強い要望があれば来年度の発行計画に反映されるって話になるんでしょう。

それはそれで致し方ない事ではございますが、この前発行を増額(まあずっと増額が続いてたんですが)しておいて今回はおもむろに減額とは何というか大変に脱力感爆発の流れでございます。おまけにこの商品の触れ込みは長期金利上昇への備えでもありますわなってお話でもあったのに、いざ量的緩和政策の出口がどうのこうのって話になり、今までの話だったらこれからまさにニーズが高まるって時に発行減額の話になる訳で、もうこれは悪い冗談としか言いようの無い展開ではございます。

まー以前から折に触れて申し上げてますけど、そもそもこの商品の変動利付部分って10年金利を基準にして決定されるので長短金利スプレッドに対するスペキュレーション商品という性格あって、もともと金利上昇に対するヘッジになっているのかというと甚だ怪しい性格を持っておりましたが、それが爆裂した格好でご愁傷様としか言いようがございません。今後もイールドカーブと相場の位置によって発行が増えたり減ったりする事になっちゃうのかと思うと涙無しでは見ていられませんですな。正直、ワケワカメ商品のお守をする破目になっている理財局国債課の中の人たちには同情を禁じ得ません。

いやまぁ組織って面で言えばまぁこんな変な商品設計にしたから自業自得じゃんと言う所ですけど、(出た頃から市場の一部では囁かれていた)問題が噴出するまでに時間が随分経っているので中の人は入れ替わっている(と思う)のがどこぞの中央銀行の自業自トークショー(ってフレーズがツボに嵌ってしまった^^)とは大いに違う所でして、中の人カワイソスって所でしょうか。ど〜せこの商品導入した人は「画期的な新型の国債の設計を行った」っていう「素晴らしい業績」を上げたことになっているんでしょうから、まるでバブル時代の逃げ切り経営者VSケツ拭き世代の対比のような風情を醸し出して甚だアレな物を感じるのはバブル崩壊と共に金融業界に入って(その時点で相場観が悪いから自己責任ですかそうですか)ケツ拭き仕事をした(あたくしは大してしてませんが)世代の僻みですかそうですか。


○シンプル・イズ・ザ・ベスト

しかしまぁ何度となく申し上げておりますが、フローターの国債発行するのに何でしょっぱなから「イールドカーブのスペキュレーション」というような商品を発行したんだか。確かにまあゼロ金利状態の中で短期金利フロート商品を作ると要求されるスプレッドがでかくなるでしょうなって事はありましたし、短期国債の入札って奴も色々と妙な挙動をするのでリファレンス金利が難しかったという事情も判るんですが、だからと言って何もヘッジのやりようが難しく、しかも固定利付債で組んだポートのヘッジ商品にもあんまりなっていないという商品を作るこたあねーだろーにと言う事で。

何と申しますか、日銀の「金融高度化」じゃないですけれども、頭のよろしいお歴々によくある傾向なのかもしれませんが、単純化すりゃあ良い事をわざわざややこしくして「レベルの高い事をやっている」という風にしたくなるのは出来ればご勘弁頂きたいものだと思う今日この頃でございます。

いやね、やっぱりシンプルイズザベストだと思うんですよ。泥臭いかもしれないけれどもあたくしはそう思いますよ。

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2005/11/15

お題「盛り上がってまいりました(ただし妙な方向で)」

○要人発言で債券反発

量的緩和解除時期尚早というコメントが自民党政調会長から出たと思ったら今度は安倍官房長官が昨日午前中の記者会見で量的緩和解除時期尚早発言。

まぁ先週後半あたりからちょっと中期債の売りすぎ感がございまして、中短期ゾーンが反発モードになっていた所でもありましたので、日本株価指数の弱含みも相まって先物と中期が引っ張る形で大戻し。2年カレントものも気が付けば0.265%とほぼ3週間前の水準を回復しておりますわな。

まぁ政府キターって所で売り込んでいた人が買い戻したのもあるでしょうし、そもそも月末に出てくるCPIの数字が相当良くなるとでもいう見方でもあるのなら兎も角、ちょっと目先これ以上売り込む理由も無いんで「売らないのなら買い」って話なんでしょうな。

まぁ問題は戻った後の今日でございまして、特に週初のようにややエアポケット的な時に大動きすると、その翌日になってから会議室から売りや買いが出てくる(笑)という動きが近年目立つようでございます。戻った所で「やっぱり量的緩和解除は直ぐにはできないから中期買い」と言って大手銀行あたりが買いに来るのか「とりあえず利食い」とか言ってエクスポージャーを軽くしに来るのか次第のような気が致しますな。って当たり前ですが。


○これで債券市場が反発してしまうのは・・・

中川政調会長の発言の本来の趣旨は量的緩和政策解除に前のめりになる日銀に対して牽制するって事ではあるのでしょう(が、ここまで日銀をやる気満々モードにする前に何らかの牽制をした方が良かったんでネーノと思うのですが、まぁ日銀やる気満々モードでもう大変ですよなんて言ってるのは今までは債券市場と日銀ヲチャーだけだったって事かもしれませんな)。でも「政策目標の独立性がない」として「場合によっては日銀法改正も視野」ってのはさすがに勢いで言ったのかも知れませんが、乱暴な発言かと思われます(理由は後で)。

そういう話もあるのですが、昨日の債券市場で「おいおい」となったのはその反応(まぁ勢いというのがあるのですけどね)。政権与党から「日銀の独立性?ハァ?」「場合によっては日銀法改正!」などという発言が出てくるのは本来債券に対しては売り要因になる筈でして、まぁイールドカーブはスティープ致しましたが、何と債券相場大反発となった訳ですわな。

まぁ今までの中期売り売りベアフラット相場の反動が日柄的にも需給的にもそろそろ来るという所で発言が後押ししたというのはあるのですが、それにしても本来的に債券市場の売り材料になっても全然おかしくない発言で債券が買われるというのは、政策委員会の中の人たちはちょっと考えて頂きたいものでございます。

日銀様の熱心な地均しによって中短期債を中心に債券相場(と短期金融市場)は量的緩和解除待機モード(利上げ待機モードに関してはまだ半信半疑っぽい)になっていた訳ですが、本来の量的緩和政策のコミットメントを実施していれば、コミットメントが達成そうな時になって政府からこんな発言が出たらもう債券市場はインフレ高進懸念で売り売りですよ先生って事になる筈でございますわな。

然るに、昨日の反発にありますように、日銀が地均しをして雰囲気を自ら作っていくという、こっちから見ればジサクジエーンなのですが、政策委員会の中の人から見ると「経済・物価情勢に応じた価格形成が円滑に行われるよう配慮(総裁の講演要旨その他)」するという動きによって形成されたイールドカーブなので、昨日のような本来そりゃねーだろっていう反応を債券市場が示したという事ではないかと存じます。

ま、ここまで拳を振り上げておいていきなり梯子を外された日銀ですが、先日は政府税調石会長が抵抗勢力呼ばわりされておりまして、まぁその辺の流れからみるとちと同情を禁じ得ない(早期量的緩和解除もこの時点での課税強化策にも賛成は致しかねますが)所ではございますわな。


○中川政調会長の発言なんですが

「政策手段について日銀の独立性は認めるが、国民主権の下での中央銀行は、常に国民が選んだ政権と政策目標を合致させていく責任がある。その意味で政策目標の独立性なんてない」(実は孫引きなんですが)との事ですが、一般的に政権党が短期的視野で財政拡大→通貨膨張を指向して歯止めが効かなくなる事に対してチェックアンドバランスということで独立性を持った中央銀行が長期的視野で政策目標(物価の安定だったり、雇用の安定だったり、通貨価値の維持だったりお国によって微妙に違いますが)の達成を図るってのが、「中央銀行の政治からの独立」ってことだとあたくしは理解しております。

その理解(誤解だったら指摘してください)によりますと、政調会長の「常に政権の言う事聞きやがれコノヤロー(と言ったとは中川さんもさすがに言わないとは思うのですが、そう取られそうな報道ではありました)」というのは如何にも暴論ではないかと思うのですが如何なもんでしょうかねぇ。だいたい今の政権ですらいざ財政再建路線を始めようかと思ったら、急に政府税調を「抵抗勢力」扱いしてみたりする次第ですから・・・・・

まぁ何ですな。何度か引用してますが、この「日本経済の将来ビジョンを語る懇談会」議事要旨でも読んで財政問題の本質(民間の問題点を財政に寄せているのが景気回復の重要なファクターの一つ)でも考えましょう。

http://www.mof.go.jp/singikai/vision/gijiyosi/a160601.htm

と、いつの間にか話が変ってしまった(苦笑)。


○で、小泉首相も時期尚早発言ですが・・・・

ドル円が反応したらしいのですが、ニュースはこんな感じ

http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20051114AT1E1401H14112005.html(現在はリンク切れです)

『小泉純一郎首相は14日、日銀の量的金融緩和政策の解除時期について「まだ早いんじゃないですか」と述べ、現在の経済情勢では解除すべきではないとの見解を示した。そのうえで解除の条件について「物価が(前年比で)ゼロ以上ないとね。まだデフレ状況だ」と指摘した。首相官邸で記者団の質問に答えた。』(NIKKEI NET)

よく読めば「物価が前年比プラスになってデフレ状況が解消されたら解除してよし」とも取れるので、文脈だけでは判断しずらいのですが、ど〜せ小泉首相のことですから、そんなに強力に緩和解除遅くしやがれコノヤローって言ったわけでは無いものと思われます。ニュースの出た時間が海外市場タイムで、海外市場ってのはどうも日本語での発言ニュアンスを汲み取れずに反応する傾向がより強い(国内市場でも変に反応する事があるのだから当たり前ですが)ので、まぁそれはどうなんでしょうねって感じです。

いずれにしても今日の中期債動向、注目ですな。

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2005/11/11

日経平均とトピが爬行色というのはまぁ兎も角、ここの所決算発表があるにせよ個別銘柄しかも大型株とかで上ったり下がったりが激しいんじゃないだろうかという気がします。そんなに脅威の上方修正とか下方修正とかしてるかなぁ?

いかにも高値波乱の光景ですが、じゃあ転換調整するかって言うとそれは日柄不足のように思えますし、良く判らんですなぁ。

政策委員の一大地均し大会によって、来春には量的緩和解除というのがコンセンサスになってしまいまして、まぁその解除で利上げが出来るのか出来ないのかというのがテーマ(利上げしないで解除するなら解除しない方が日銀的なリスクリターンとしてお得感漂うので、解除するなら利上げも伴うと思いますが、あたくしは)になってますので、これ以上の燃料投下は日銀からそんなに出てこないかなぁと思いつつ雑談。


○あんまり稼動してないけどWI取引雑考

WI取引開始前に散々いちゃもんをつけていた国債入札前取引なのですが、結局のところ発行条件確定前の国債を買う投資家がいる訳でもなく(既発債で十分)、事前ヘッジ売りのニーズはあれども、買い手がいない中で売りに行っても仕方なし。という次第で、入札前取引に関しては、クーポンなどが確定した後に行われる売買(呼び値も単利なので判り易い)が主流となっておりますわな。

この状況、実は別の意味でも理に叶っておりまして、っていうのを先日の東証システムトラブルの時に思い出したのでちょっと今更感が強いですけどメモメモ。

えー、この取引なんですが、日本証券業協会のガイドラインによりますと、「停止条件付きの売買予約取引」とかいう扱いだったような気が致します。まぁ実務上どういうリスクがあるかと言いますと、財務省が発表した入札予定が中止あるいは延期になった時には「停止条件が不成就」になるので「取引が無かったことになる」というリスクなわけですわな。

勿論、債券売買は相対取引だから無かったことにしないで何らかの措置をすることも可能なんですけど、まぁ証券業協会のガイドラインがそうなっている以上、業者間売買が一番多く行われている日本相互証券では「入札が延期や中止になったら過去のWI取引は不成立」という扱いにならざるを得ませんですわな。

入札が延期だの中止だのって事件が起きるかよとか思っていたのですが、よくよく考えれば債券先物でシステム停止するとヘッジとかやりにくくなるからどうするんでしょう(業者間市場まで止まらない限りは何とかなるんでしょうけど)と昔のネタを思い出したあたくしでございました。

ま、先ほども申し上げましたように、実際問題としてはWI取引の殆どは発行条件決定後(当日10時30分以降)に行われています(その時間以降になると投資家の購入があったりもする)ので、まぁ破壊的大災厄でも起きない限り入札が延期になるって事は無いでしょうから無問題ではあるのですが、一応メモということで。

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2005/11/08

○書けば反転のジンクスは健在か・・・と思いきや

随分とゲロゲロになってから変動15年国債話を書いたのですが、案の定(笑)昨日はイールドカーブ反転。しかし7年(チーペスト)VS30年で金曜日は8.5毛フラットニング(しかも7年は前日比利回り上昇で30年は利回り低下)したのに昨日は6毛スティープニング(おまけに昨日は7年利回り低下の30年利回り上昇)。

イールドカーブ様も反転してくださったので15年変動利付国債は戻ったかいなと思ってみたら何の事はない大体前日比5銭高の引けということで、金曜に60銭下げておいて昨日は5銭しか戻らんのですかそうですかという所で。

いやまあこの商品自体ポートで持っていたらヘッジがやりにくい(一応店頭オプションでヘッジできないことはないようですが、あんまり活発ではないと思う)訳でして、というかそもそもの触れ込みが金利上昇リスクヘッジ商品なんですが(笑)、こういう風な状況になると投げるか塩漬けにするかという悲しい二者択一になってしまうんでしょうな。で、そもそもがヘッジ商品なので金利上昇で大やられするという発想は(そりゃまぁ現場じゃカーブのリスクがある位は判ってたと思いますが)無いですわな。想定の範囲外って奴ですか。

こうなりますと、まぁ塩漬けモードにするのが致し方なしという事になろうかと思うのですが、さすがにこりゃ戻ってくると「やれやれ助かった」って売りも出てくるんでしょうな。他のカテゴリーの商品と全然違う動きをするだけに「変動国債アンダーウェイトだから上ったら買わないと大変だ〜」みたいな踏みっぽい買いもあまり期待できないでしょうし、まぁ困ったもんです。

ただまぁ今度相場が戻る時はさすがに中短期債が買われる(=量的緩和解除が遠のくというケース)んでしょうから、相場が戻りながら15年変動利付国債も戻ってくれるのではないかと期待はしてますけどね。これがどう「金利上昇ヘッジ商品」なのか理解致しかねますが。


○5年国債入札ですが

昨日カーブ上は反転したとは言え、絶対水準で0.9%台後半。まぁ米国債券市場が反発してるんで少々戻るかもしれませんが、それにしても0.9%台で入札をやってくれるので、さすがに何とかなるのではないかと愚考。つーか戻ったとは言えさすがにこの5年は叩き過ぎのような気がするんですが、正直ちゃんと板を見てないので勝手な傍観者の感想でゴメンナサイ。

ここである程度需給不安が払拭されてくれれば底打ち感も出てくれるものと激しく期待。ただ5年の主要投資家が銀行勢主体で、変動国債でいかれているのが少々気になりますわな。

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2005/11/07

お題「15年変動利付国債の悲劇」

朝のブルームバーグニュースに相場神降臨。曰く「日本株は年末までにあと5%位の上昇」「ここもとの上昇は意外だった」・・・・・そうか意外だったのかそれはそれは。

○2ヶ月で3円ですかそうですか

先週末の債券相場はドル高円安+株高+米債よわよわということでアフォのように売られて5年カレント0.97%とかまで売られる(引けは0.965%)わ2年カレントは0.325%などと本当に短期金利ゼロなのかよ!って状態になっておりますわな。

で、長期超長期ゾーンは相変わらず下がりにくいようでして、30年20回の引けが2.335%ってそりゃ何よって感じですわな。何せ18日の入札日の引けベースでは先物が136円84銭で2.510%だったのに金曜は136円05銭で2.335%ですからねぇ。

とまぁそんな状態で中短期の金利は威勢良く上昇しているのに、長期以降の金利はアガランチ会長(というか20年30年は下がってるんですけど)ということで、直撃弾を食らっているのが15年変動利付国債。ご存知のように年2回の利払いが「10年国債利回り−α」という形式で発行されているので、中短期金利が上昇するわイールドカーブがフラットするわということでダブルパンチ。金曜日の引け値(日本相互証券ではなく某大手証券様のものです。為念)を見れば、直近発行のα=95の35回、36回債がそれぞれ96円90銭になってまして、逆算して出てくるカレントαは73〜74という大変な状況。2ヶ月で3円下げですよ。


○アウトライヤー規制

先日(確か先週の火曜かな?)の日経金融新聞の「ポジション」欄に関連記事があったのですが、「長期金利上昇への備えで購入した15年変動利付国債がイールドカーブのフラット化で価格下落という意外な落とし穴」みたいな書き方になっていてまぁ相変わらずですなあと言った所ではあります。昔からあたくしの駄文をご覧の方はご存知のように、この商品は短期金利が上昇しながらイールドカーブがフラットするという本格的金融引き締めモードになった場合には「短期金利(=調達コスト)の上昇に受取利息の上昇が追いつかない」という素晴らしい商品だというのはちょっと考えれば判る話でしょうにって感じです罠。過去においては日本でもイールドカーブがフラットしたり逆イールドになった(バブル潰しで金利をアフォのように上げた最終局面)事もあるんで、まぁそう考えるとこの商品って金利上昇ヘッジになってるのかというのがアレなのですが。

でまぁこの15年変動利付国債なんですが、おまけに何が問題かと言いますと、これまただいぶ前に「アウトライヤー規制対策で需要が高まる」などということが言われましたんですが、BIS2次規制(バーゼルU)において債券ポートの金利リスクを計測する際に、変動利付債券は「利息変更サイクルの年限の債券を保有している」という扱いになってる訳ですな。即ち、本来イールドカーブのリスクを背負っている債券なのですが、6ヶ月債券のリスク量扱いになってしまうという魔法のような扱い。何せバーゼルUに於ける「標準的な金利ショックの計算」というのは、「全ての年限において100bp(=1%)の金利上昇が起きた場合に発生するポートの損失」となってまして、イールドカーブのパラレルシフトしか想定してないので、確かに「標準的な金利ショック」には対応している(=パラレルシフトなら大して影響は無い)んですなこれが。

でまぁ困った事に、15年変動利付国債だけじゃなくて、「長短金利差」を対象にした仕組債形式の変動利付債券なんかも世の中に結構あるようなのですが、まぁその話は置いておきましょう。


○いや〜困りましたな

とまぁそんな訳で、「金利上昇への備えはしとるんだろうな」などという有りがたい「ご指導」もあったらしい(微妙に伝聞体な書き方なのは勘弁ね)んで、ひところは15年変動利付国債ブームになりました。ご指導もさることながら、量的緩和政策のコミットメントが存在し(今も一応存在しますが・・・)、次の金融引き締めは「ビハインド・ザ・カーブ」で行われるという認識が市場にまぁあった事から、「金利上昇の時にはインフレ期待による長期金利上昇が先に来て、一方で短期金利はビハインド・ザ・カーブで長期間押さえつけられる。よって金利上昇時にはイールドカーブがベアスティープ」ってシナリオも十分に書けたんで、「こりゃ確かに金利上昇ヘッジにもなってます」という話になっておりました。

2つ上で書いたように、イールドカーブが(ベア)フラットニングするっちゅうのはどっちかというと「金融引き締めの最終局面(というかそろそろ打ち止め観測というか)」という場合だと思うので、短期金利ゼロの世界から脱出するとか言ってるのにイールドカーブがベアフラットするというのがそもそも強引な話なのですけれども・・・・。何せ日本銀行の政策委員さまが量的緩和政策払いの呪文を熱心にお唱えになっておられますので、市場的にはインフレ期待発生の前に政策金利上昇期待(懸念)が発生するという状態で、まぁそんな事逝っても引かれ者の小唄ですけど、日銀に足を掬われましたわなぁという話でもあったりする訳ですな、あっはっは。

ご指導(があったらしいというだけですので念の為^^)にバーゼルU対策と要因が重なりまして銀行業態の皆様保有債券の年限は短期化するわ、15年変動利付国債を買うわとなっておりまして、この「中短期債売られ+変動15年利付国債売られ」でダブルパンチでもう大変ですわな。ご愁傷さまです。


この変動利付国債、来週入札をやるんですが、まぁそれまでには何とかなってくれるんじゃないかとさすがに思うのですが(過去カレントαが一番安くなったのはイールドカーブがスーパーブルフラットした時で60割れとかやってましたが、幾らなんでもそこまでは行かんでしょ。ただの勘ですが。)、まぁ例によって例の如く、規制に変な歪み(今回の場合は「標準的な金利ショック」)があると変なところで落とし穴に嵌ってエライコッチャになるという事例ですわなぁという感じではございます。

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2005/10/28

○米債連動相場とは・・・・・

昨日の債券相場。まぁ色々あったようですが、ざっくりと見ると米国債券市場連動という所のようで。朝方は米債がレンジ下抜けしたために円債もヘロヘロ。昼休み時間に何だか急に米債が大爆騰したと思ったら債券先物もいきなりギャップを空けて爆騰。午後2時半頃米債がヘロヘロになると先物は一気に値を消して引け際は米債が戻って債券先物も戻ると。

いやまぁバックにどういうフローがあるのか知りません(というかフローがそれなりにあればこんな上ったり下がったりという動きはせんと思うのだが)が、これだけ海外市場の動きに振らされるってそりゃ何よって感じでございますわな。

結局はレンジ内で大暴れしているという状況のようなのですが、それにしてもちとこの落ち着きの無さは唖然としてしまいますわな。

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2005/10/27

○大暴れ30年国債

昨日の債券相場では30年国債がいきなり(火曜日の20年国債入札後からその傾向はありましたのでいきなりでも無いですけど)ヘロヘロ。引値(日本相互証券じゃなくてブルームバーグから引っ張って来た絶賛無料提供の大和証券SMBCの引値)では先物24銭安に対して30年20回債は9.5毛甘の2.48%ですとな。先週末は先物3銭安で5毛強の2.38%までやっていたと思えばこの有様で、入札からここまで思いっきりアナザーワールドで大暴れという状況には呆れるしかございませんです。

まー元々あたくしのように市場の片隅で棲息する者にとっては訳の判らん動きをする30年なんですが、イールドカーブのケツの部分が時々驚くほどチョッピーに動くというのはどうもねぇって思いますわな。20年と30年を両方発行する意味がそんなにあるの?って思うのですけど。1銘柄あたりの発行量が多いほうが流動性高まって業者も投資家もやりやすい(仕掛けるのが好きな人は困るでしょうけど)と存じますが。

一応備忘録代わりに書いておきますと、何だかドイツのどこぞのファンドブリーフとかを発行している銀行だかに身売り観測が出て発行見合いの担保みたいな感じで持っている(恥ずかしながらあまり詳しくないので物凄くイイカゲンな書き方ですいません)30年国債(だけじゃなくて各国の超長期債券)の処分売りが出るのではないかという観測があったのでワールドワイドに超長期ゾーンの債券が崩れたそうな。うーんワケワカメ。

以前から30年国債というと欧州(というかドイツ)系の訳の判らん買いやら売りやらが炸裂して激しくはた迷惑な動きをするのが得意技でございましたが、まぁ相変わらずで困ったものです。

しかし20年国債入札の翌日でまだまだ皆さん在庫抱えている筈のタイミングでご丁寧にも超長期ゾーンに訳の判らん(あんまり相場と関係ない理由で)売りが出てくるというもまた迷惑なお話ではございますな。まぁ20年は30年ほど悲惨な状況ではなかったようですので大怪我って程ではないでしょうが。


○2年国債入札ですが

いやまぁ0.3%クーポンって何よって言いたくなるのですが、タイミングが物凄く素晴らしいことに米国市場で中短期債も長期債もヘロヘロというかレンジを抜けてきているのではないかというような状態。昨日の引けでは0.265%と相変わらず0.2%台後半でヘロヘロのようですが、はて大丈夫なんでしょうかねぇ。まぁ0.3%はさすがにやり過ぎというか、2年が0.3%で10年が1.5%台ってのはどうも感覚的に(要するに科学的な根拠は無いんですけど)しっくり来ませんので、どっちかが修正されると思い続けてはや1ヶ月(おいおい)。

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2005/10/25

○フラットニングのインプリケーション(なんちゃって)

今日どうなるかは知りませんが、ここの所円債のイールドカーブは絶賛フラットニング。下がっている時は「金融政策の早期引き締め観測」とまでは言いませんが、ほとんどそんな勢いで中短期が売られるのは兎も角として、戻る時にも20年だの30年(特に30年のようですけど)が戻ってブルフラットってそりゃどうよと思う次第。金曜の先物3銭安で30年5毛強には呆れました。

まぁ中短期に関してもだいぶ落ち着いてきたようですけれども、どうもこう何度も申し上げてますが、この絶対水準かつ金融緩和余地が無い状態でイールドカーブがフラットニングするってのは幾ら米国などの主要国のイールドカーブがフラットニングしてるからって言っても、そりゃちと変じゃネーノって思う訳ですが。

でも思ってばかりいても相場がそう動くのでは後付けでも何でもいいから理屈だけは作っておかないと精神的安定が得られないのが市場参加者というものでして(笑)、後付け理屈を考えるとこうなりますわな。

「CPIプラス転換」→「2、3ヶ月したら量的緩和解除」→「2000年の再来で逆噴射」→「景気腰折れ懸念」→「長期金利は上らない」と言う事でして(本当かどうかは兎も角、そういう理屈付けもできるという話で聞いて下さいな、はぁと)現実に日銀の金融政策の影響を受ける中短期ゾーンは日銀のアクションを見ながら、長期ゾーンは景気先行き見通しを見ながら動くのでこ〜ゆ〜ワケワケメな動きになっているんでしょうなぁと言う事ですな。

そういえば「市場との対話」とか言っている人たちがいましたが、この緩和しようの無い金利水準にしてイールドカーブのフラットニングが起きるというのはど〜ゆ〜意味なのかということは日銀の審議委員様はいかようにお考えなのでしょうかねぇ。

単なる需給にしてはちょっとここの所トレンドになっているような感じですし、ど〜にもこ〜にもこんな理屈でもつけないとって感じではございます。

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2005/10/20

○戻るにしても妙なタイミングではございます

昨日は中短期だけではなく長期どころも確りと上昇。あたくしが趣味(?)とする2年カレントゾーンまで2.5毛強だの3強だのとなって公社債売買参考統計値を見たら0.25%ですかそうですか。月曜に0.295%の安値をマークして水曜には0.25%っちゅうのも何考えてるんだこの相場って感じですな。ユーロ円金先06年9月限も引け後には99.64まで復活してまして、月曜の99.58は一体全体何だったんでしょうかね。

どうもここの所材料に素直に反応するというよりはワンテンポ遅れて反応する事が多い気がするんですが、まぁその辺はあたくしもお友達に取材して回らんとイカンのですが(苦笑)。9月の連休ウィークに平均株価が13000円に乗った所ではあまり債券反応せず、その翌週から債券売られだす(まぁ確かにハリケーンで米債がどうのこうのってのはありましたが)のも然り、今回に関しても平均株価が下げだしてから1週間くらいかかってやっと債券復活というワケワカメな展開。

「ここの所」と書きましたが、体感的にはここ数年その傾向が益々強くなってきているようなのは思いっきり主観的なお話なんですが、(単にあたくしがヘタクソだからではないかという質問は却下です)その傾向があると勝手に決め付けて(笑)、理由について仮説を立てると「運用機関のメガ化」というのがあるのではないかという時々持ち出すお話になるのでありました。

特に中短期ゾーンというかマネーマーケットの世界で大きなポジションを持っているのはメガバンクな訳ですが、このメガバンクも気が付けば3つ(UFJと東三、みずほBKとみずほCBは別々にオペレーションしてるから5つであるとも言えますが、いずれ4つにはなりますな)という事で、まぁ減る減るといった所。数は減って一行あたりのポジションは増えてますので、この人たちの懐具合というかアクションが市場に与える影響がかつてより大きくなっておりますですな。

銀行だけじゃなくて生損保とかも同じくですが、あちこちでメガ化が進み、運用機関のオペレーションがまともにマーケットインパクトを与えるようになっており、相変わらずVaSR(バリュー・アット・サラリーマンリスク、本石町日記さんが言い出した言葉ですな^^)相場という債券市場の本質的な問題点(というか病理なんですが)があるんでしょうな。そのために「材料が出る」→「会議」→「さてオペレーション」ってな動きになるのかなぁと勝手に思うのはあたくしだけでしょうか?

しかしまぁ量的緩和の出口に関する地均し(笑)で発生した「量的緩和早期解除観測」(だけではないけど)でこれだけ動き回るのでは先が思いやられますわな。というかこのくらい動くのが普通といえば普通なんですが。

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2005/10/17

○ユーロ円金利先物は相変わらずですな

ユーロ円金利先物というものがございますが、この商品相変わらず動きが元気というか豪快というか。まぁずっと売られているのですが、金曜日の中心限月の2006年9月限は安値99.595となっておりますわな。

ちゅう事は、来年9月時点での3ヶ月ものTIBORが0.405%だと申しているのですが、そうなりますとこの時点で足元のオーバーナイト金利が0.25%じゃきかないか、追加引き締め観測が強くなっているかという事を意味しますので、まぁさすがにそりゃ幾ら何でもやり過ぎではないかと思うんですが。現物債の金利と無関係とまでは言いませんが、「おまいら国債のイールドカーブ見て売買しとるんか」と突っ込みたくなるような値段がつくのが金先クオリティではありますが、2年国債まだ0.2%台なんですからそれはちと幾らなんでもアレではないかと。


で、引き合いに出した2年国債なんですが、昨日も弱くてとうとう気分的(あくまでも)な節目の0.25%を抜けて0.26%なんて所をやってしまいました。0.2台後半ですかそうですかという感じですけど、金曜日にも指摘したように、短期金融市場(ユーロ円金先はちとやり過ぎっぽいですが)の金融引き締め織り込み度と長期債というか債券市場の金融引き締め織り込み度がだいぶ違っているようでして、さてどっちが正しいんでしょって所ですわな。

現状では債券市場では「量的緩和は解除しても金利が上るような事はない(いきなり0.25%まで誘導目標が上る事は無いでしょう)」というのが標準的な見方のようですが、短期市場は金融政策の直撃弾を食らうだけにより警戒的になる傾向はありますが、それにしましてもどっちかというと早期引き締めを織り込みに行っている雰囲気でして(よー知らんが)、この先注目ですね。

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2005/10/14

○微妙に不思議な相場展開

まぁ業者間スクリーンが目の前に無いのであまり細々とした話はできませんけど、ここの所やっと20年だの30年だのが弱くなってきた感じですが、それにしても相変わらず10年は1.5%台で妙にしっかりですわな。まぁ最近のコンセンサスらしきものは「量的緩和解除をしてもゼロ金利(あるいは0.1%程度の低金利)が暫く続く」ってことらしいので(人によっては長期金利の上昇防止措置が取られるとの見解もありますが、んな事は日銀がする訳無いと思うんですけどね)、中短期債に比較して10年あたりの金利上昇がマイルドになるという展開。

で、ふと2年債の位置なんぞを見ておりますと、昨日はとうとう0.24%あたりまで金利上昇。この金利上昇のしかたもドカンドカンと上昇するのではなく、じりじりと売られながらじりじりと金利上昇という形でして、あまり戻ってくれそうな感じがしない動きではあります。

それにしても2年0.25%近辺まで来るということは、リスクプレミアム込みとしても感覚的には量的緩和解除後にさっさと短期金利が上昇するというのを織り込みに行っているような感じですしわな。2年債は短期金融市場(とかユーロ円金先とかスワップとか)に影響されやすい面が多々あるので長期ゾーンとはちと別の理屈で動く事もあるのですけれども、短期金融市場と債券市場の温度差がちとあるのかなぁとも思ってしまいます。

まぁここへ来てその修正が起きているのがイールドカーブのスティープ化なんでしょうけれどもね。

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2005/10/07

昨日の相場は寄りで上に値を飛ばしてスタートしてなお上伸したものの、株価下落が止まると妙に売られてて、引けに掛けて株価一段安で寄り近辺まで値を戻したというように見えましたが、これが果たして強い相場なのか上値の重い相場なのかというのは現物債の板状況を眺めていないので如何とも言いがたいですな。

まぁ10年国債入札で下落しまくった相場の反発分なのですが、どうも買い方も足が速い資金のようでして、今までのパターンで言えばちょっと上ると直ぐに降りてしまうので、一旦(買った分の一部かもしれないけど)降りたりする動きもあったんでしょうな。まぁちゃんと見て無いのであまり見たようなことを書くのはアレですので前置き程度という感じ。

で、前置きの雑談が長いのですが、いつの間にか日銀様のWebにこんなものが(http://www.boj.or.jp/recruit/recruit84.htm)あるではないですか。35歳位までの方が対象ですかそうですか(謎)。


○手形オペの期間短縮

昨日実施された全店手形オペは期間150日となりました。札割れだ何だと騒いでいた時には300日以上の期間で打っていた訳でして、半分くらいまで短縮しましたかそうですかという所です。もともと9月は資金余剰気味なのであまりオペを打つ必要が無い上に、長いオペを打っていた関係上期落ちも少なしという所なのかと(真面目に検証してないけど)思うのですが、ここのところあんまり手形オペ自体がそんなに多くなかったりしますな。

で、そのオペの期間なんですが、直近4回の全店手形オペを見ますと(日付はオファー日)8月8日=309日、8月23日=232日、9月27日=195日、昨日=150日という感じで順調に(笑)短期化中。ちなみに本店手形オペは8月4日=171日、8月18日=170日、9月21日=116日、9月30日=114日という感じですので、やはり9月になってから期間短縮中ということですな。

まーそもそも手形オペの期間を長くしたのは、そうしないと札割れするからなのですから札が入るのに期間を長いまま放置するのは変という結論になる訳ですが、地均しモード全開(除く中原審議委員)状態になっているので、「これもまた地均し」とか解説する人が出てきそうな希ガス。ま、その下心はあるんでしょうけどね(爆)。

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2005/10/06

○上ってフラットニングしてるのですが

昨日の債券相場は前日の入札後に大下げした反動がいきなりやってきて大反発。米国株式が何となく下がって平均株価も何となく下がったというのもありますが、まぁ昨日の入札の結果に対しての売り込み方がやり過ぎでしたなぁという事なんでしょうが、ちょっと節操無さ過ぎではなかろうかと思うのですが、まぁそれは兎も角。

んじゃあ昨日のイールドカーブはどうよってことになりますと、中期から先物に掛けては確りだったのは今までの下げの裏返しなので戻るならそういう形になるのですけど、超長期ゾーンが相変わらず強く、下げでも相対的に確りしていた超長期が上っても強く、中期や先物よりも超長期の方が強いと。

えー、まぁグローバルフラットニングでどうのこうのとか言われる訳なのですが、昨日申し上げた事の続きになりますけど、主要国のイールドカーブがフラットニングしているから日本もフラットニングと言われましてもそれ別問題じゃネーノと愚考する次第。米国では相変わらず金融引き締め局面な訳で、もしかしたら引き締めが打ち止めになるのかならないのかって状況ですわな。方向が相変わらず引き締めだけどインフレはコントロールされてますってな話だからフラットニングしやすいんでしょ。

然るに日本の場合は、今のところでは仮に量的緩和政策解除という話になっても金融引き締めが別に打ち止めになる訳ではないと思うのですが、もしかしてちょっとだけ金利が上ったら打ち止めになるという解釈なんでしょうか。そうとでも考えないと金利がこの絶対水準にいるのに上っても下がってもフラットニング(まぁ昨日のフラットニングは一時的現象かもしれませんが)するというのはどうもよー判らんですわな。
(編集時後記:2006年2月末現在イールドカーブは絶賛フラットニングしております。いやはや)


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2005/10/05

○10年入札の日に中期と先物が売られますか

昨日の10年国債入札。まぁ例によってそんなに仔細に見ていた訳ではないですが、入札結果自体は事前予想よりも1銭ちょっと弱かったという感じだとおもうのですが、テールが3銭というのはまぁ10年にしては流れた(ちなみにここ2回のテールは1銭)という印象ですし、また間の悪い事に平均株価が後場から続伸したのでヘッジが入る下がるのも判るのですが・・・

終わってみれば先物前日比75銭安の5年49回債が6.5毛甘の0.84%で10年272回債は6毛甘の1.56%と相変わらず先物や5年が弱いですなぁという動きになっておりまして、どうもこれはまたも中期ゾーンに売り物が出て、先物にはヘッジなのかショート攻撃なのか判りませんが、まぁこっちも売り。業者のヘッジだけでここまで下がる事は無いので、まぁ投資家な人の売りが出たというところでしょう。

例によって例の如く、いつも足の早い大手銀行の皆様はポートの主要部分が中期債らしいので、どうしても実弾が出てくる時には中期ゾーンから崩れる事になりますし、全体のヘッジをしようとすれば先物売るしかないでしょうし・・・・ということで、ちとあーた中短期叩き過ぎでは無いかと思うのですが、勢いがついて困ったもんですなぁという感じです。


○去年の「早期利上げ懸念」相場と比較してみる

去年の6月といえば5月に12000円から10500円近辺まで反落した平均株価が11000円台を奪回して、米国10年国債が4.7%台などというレベルで動いていたのですが、株価の反転(=本格的景気回復)をネタにして俄かに量的緩和の早期解除観測が台頭して中期債中心に売られたのですが・・・・・

5年カレント物の居場所を基準にして利回り見ると下げ過程にあった時期では昨年の6月8日が該当しますわな。先物に関してはちょっと残存日数と限月交代の関係で昨日の数字と単純比較するのはちと無理があるので省略しますが、まぁ激しくざっくりということで各年限を比較するとこんな感じ。

          昨年6月8日   昨日
20年カレント  2.265%   2.125%
10年カレント  1.700%   1.560%
5年カレント   0.835%   0.840%
2年カレント   0.145%   0.235%

(数字は日本相互証券の債券引値の筈ですが、あたくしの手控え帳面ベース。30年は昨年のデータが手控えにありませんでした、汗)

まぁ何ですな。短期金利の引き上げ観測がより具体化しているから2年あたりの金利水準が膨らんでいるのは判らんでも無いのですが、それと比べると10年とかの金利ってちと低くねぇかって思う訳でございますな。確かに海外市場でイールドカーブがベアフラット化してたりするので日本もベアフラットとか、教科書通りに言えば金融引き締めによって短期金利のほうが影響受けやすいからベアフラットというのは話としてはあるのですが、ちとフラット化するには絶対水準が低すぎの感は拭えませんなぁという感じです。20年や30年は発行量が増えているので需給を反映してそんなに金利がフラットしてないというのもまぁそんな感じでしょうか。




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