相場見通しのつもりだが・・・たぶん後講釈(2006年4月〜9月)
(本当は債券市場の話をすべきなのですが、多分短期が中心になります)
こちらはあまり当らない相場見通しやら相場後講釈やらを書いております。一応債券だけどもマネーマーケットに限りなく近い範囲をカバーしつつも、昔取ったなんとやらで債券市場のお話も。まあどっちにしても板に張り付いている訳ではないので昔のように臨場感ある話(というのは本人が自画自賛してるだけですかそうですか)はちとご勘弁ありたし。
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過去の相場後講釈はこちらです。
2005年下期
2005年上期
2004年下期
2004年上期
2003年下期(工事中)
2003年上期(工事未着工^^)
2002年下期(工事メド立たず)
2006年上期の目次
2006/09/29「さて期末日です」
2006/09/28「末初レートのお話」
2006/09/27「10月スタート1月エンドの最初のFB入札を展望」
2006/09/26「2年0.6%割れ!」
2006/09/25「短期市場雑感」
2006/09/22「期末を前にFBとCPのスプレッドが拡大中」
2006/09/06「FB入札が強かったですね」
2006/09/05「中期債良く動きますな」
2006/09/04「またまた相場雑談」
2006/09/01「今度は鉱工業生産で踏み上げ」
2006/08/31「相場が微妙に暴れるので今日も相場雑談」
2006/08/30「ネタも無いので相場雑談」
2006/08/29「週明けも強くて量的緩和解除直後水準まで買われる」
2006/08/28「改定CPIで一気の踏み踏み」
2006/08/25「何故かGCレートが急に0.3%割れまで突っ込む/これは酷い入札ですね」
2006/08/24「平穏無事な3か月FB入札/20年国債入札ですが」
2006/08/23「短期市場雑感」
2006/08/22「先物を振り回している人がいるようですが」
2006/08/16「ネタ無い割には動く相場」
2006/08/11「動かないと書くと動く相場(苦笑)」
2006/08/10「夏枯れ相場で雑談」
2006/08/09「踏み上げと書くと相場がゲロゲロに」
2006/08/08「相場後講釈」
2006/08/07「入札前に突如売られた6か月」
2006/08/02「FB入札ですが・・・・」
2006/08/01「日銀の短期市場レポート」
2006/07/31「長期債、短期ゾーンメモ」
2006/07/25「落ち着いた市場状況でFB入札を迎えそうです」
2006/07/19「のっけからコール0.3%」
2006/07/14「GC金利のコントロールできそうですね」
2006/07/13「オペ金利相変わらず高い・・・・」
2006/07/12「オペ金利幾らなんでも上りすぎでは」
2006/07/11「完全利上げ織り込み状態/ロンバート利用がモラルハザードとか言ってる人」
2006/07/07「今更上るか1年以内の金利」
2006/07/06「GCレートへの愚考続き」
2006/07/05「利上げ後のGCレートなどへの思惑」
2006/07/04「短観で相場大反応」
2006/07/03「前週(6月最終週)の短期市場レビュー」
2006/06/28「7月利上げ完全織り込み?の短期市場」
2006/06/20「2か月ものだけFBとCPにスプレッドが付く珍妙な現象」
2006/06/15「FB入札は空振りショートカバー大会、足元金利は下がらない」
2006/06/14「GCレート高止まり」
2006/06/13「何かちぐはぐな短期市場」
2006/06/12「FB一転してヘロヘロの金曜相場」
2006/06/09「株式大幅下落で悲鳴の踏み揚げ短期市場」
2006/06/08「FB入札0.35%/GCレート何故か上昇」
2006/06/07「足元金利下がりタームは案外下がらず」
2006/06/06「短期は4月の再来か」
2006/06/05「足元金利更に低下」
2006/05/31「追撃オペでコール金利急低下」
2006/05/30「即日オペ1兆5千億円」
2006/05/29「勢いとは言えここまで上るかターム物金利」
2006/05/26「遂に岩盤到達(足元金利急上昇)」
2006/05/24「GCレート0.09%、1か月物などにも波及」
2006/05/23「またまたGCレポレート上昇(0.08−0.09%に到達)」
2006/05/19「GCレポレートじわり上昇」
2006/05/18「さすがに6月利上げは後退か」
2006/05/15「短期市場雑談」
2006/05/12「結局ロスカット狙い攻撃だったんですかねえ/TIBOR金利ヲチ」
2006/05/11「3MFBが0.2%だわ金先はあり得ない値段が付くわ」
2006/05/10「6MTB金利上昇で3MFB入札はどうなる」
2006/05/09「連休明けの短期市場、CPと短期国債の利回り逆転?」
2006/05/02「短期レートはターム物も上昇気味」
2006/04/28「GCレポレート急上昇」
2006/04/27「短期国債がヘロヘロに」
2006/04/25「為替が円高ですな/情報発信と期待の安定化」
2006/04/21「プライマリーディーラーの筈の銀行が短国を水準無視で買うのは如何なものか」
2006/04/20「4月の原油上昇で売られた米債が3月のFOMC議事要旨で買われる不思議/他」
2006/04/19「30年入札無事通過のようで/7月会合越えのFB入札ですよ」
2006/04/14「長期ゾーンのスティープとキャッシュ潰しは続く」
2006/04/13「イールドカーブ大暴れの中長期ゾーンと資金流入の短期ゾーン」
2006/04/12「大過熱のFB2か月もの入札」
2006/04/11「退避資金がFBに殺到」
2006/04/10「3か月ものFBの利回り低下!」
2006/04/07「中期ヘロヘロでFB超しっかり」
2006/04/05「一転してイールドカーブ大巻き戻し」
2006/04/03「期末の中短期マーケット雑感」
2006/09/29
本石町日記さんのところで末初取引ネタがございましたんでまずはそっちから。
○お助けオペに応札4兆6千億
昨日は共通担保本店オペで9月29日スタート10月2日エンドというそのまんま末初の資金供給が1兆円オファー。「おうおうお助けオペお助けオペ」と思っておりましたが、落札結果を拝見しますと平均落札利回りが0.391%で最低落札利回りが0.39%(相変わらず日銀のサイト上の表示は0.390ですが刻みは0.01%ですので念の為)ですとな。
で、まあそのレートにも「ほほー」と思いましたが、応札が4兆6千億もあったというほうに思わず目が行ってしまいまして、いやはや何ともこりゃ随分と応札がありましたなあって感じです。昨日申し上げたようにまだショートがそれなりに深そうとか見られてたという状況から勘案するに、こんなもんと言えばこんなもんではありますけど。
さてこの結果なのですが、平均落札利回り&按分比率(85.0%)から逆算すると、0.40%での落札が1000億くらいで、0.39%での落札9000億円くらいに対して応札が1兆600億円くらいという計算になり、残りの札が0.38%以下になっているということのようでして、まあ0.39%までの札はマジ札でしょう。問題は0.38%の札でして、これが按分掛かる積りで入れてた札ならまだまだショートは深いという話になりますし、ただの入ればラッキー冷やかし札(0.37%以下は入ると思ってる札とは思えない)なのかが実に微妙なところですが、そんな話は調節担当の人は先刻ご承知(札の入り方とかヒアリング状況から色々と判断されていることかと)でしょうが。
という訳で、今日は即日オペのお時間を生温かく見守りたいと存じます。
○期末受渡過ぎてもニーズ強いFBですか
受渡ベースではまあ普通に期末終了しておりますんで、期初モードで新たに短い所の金利はどうよって話になる(のは短い所をいじってる人のみですが^^)のですが、GCレートがまだ期末の余波で0.34%近傍にいるんですけど新発FBは0.34%とか威勢良くやっているようでございまして、引き続きニーズの方は旺盛なようですな。
まあ2日スタートの国債買現先オペが最低落札0.31%(期間11日)とか、共通担保本店オペが最低落札0.32%(期間大体1か月)とかになってますから、その金利と比較するっていう話になればまあ一応鞘は残る話にはなりますけど、まあ調達コストのある人とか持ち切り前提の純投資の人とかにとっては少々キビシーって話になるとは思うんですけどね。
このあたりを見てるとどう見ても年内利上げ無し自信満々モードになってきているように評価されるのでありました。あっはっは。
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2006/09/28
お題「末初レートは0.4%ちょいでしたか」
いや〜♪ゲストコメンテーターに散々弱気見通しを言ってもらったらその日にいきなり株価急上昇ってモーニングサテライト様も髪の域に近づきつつありますな。素晴らしい。
しかし今朝は早速ダウ高値更新間近ネタで提灯行列でも始めそうな勢いでバラ色モードになっている所がまだまだ修行が足りないのではないかと存じます(笑)。
○末初レートのお話
昨日はレポとか現先市場での末初モノ取引の日だったのですが、今回は結構ドタバタやってたようでして、何と申しますか皆さんギリギリまで引っ張るもんですなあとそれなりに期末前に備えをするのが普通だった時代(ええもうそれは遠い遠い昔の話です)の記憶が残る年寄りには誠に香ばしいものだと傍観させて貰いました。
末初(9月29日スタートの翌日物ね)のGCレートは0.42%あたりが中心だったしく、それならロンバートに行くと開き直っている向きもあるやに聞いておりますが、まあ一応これはロンバート貸出が特定日の金利跳ね上がりを抑えるのに効いているとも言えますし、ロンバート貸出によって本来の市場機能が阻害されているという言い方もできる話ですわな。そもそもロンバートが無いとなれば(というか昔はそんな便利なものはなかった)「最終的にはロンバートあるもんね」で寝転ぶという大技は通用しないですから、もうちょっと末初レートが動いたかなあと思います。
ま、ロンバートの縛りが無い場合はこの不慣れな人が多い(値付きの具合を見てるとどう見ても不慣れな人たちがドタバタやってるとしか思えん)状況下ではシッチャカメッチャカになっていたであろう事は想像に難く無いので有って良かったロンバートとは申し上げておきますが。
さてさてまあそんな訳で、末初寝転び組の皆様にとってはお助けオペ(別に寝転びをお助けするのがオペの本旨では無い筈ですので念の為)が実施されておりましたが、オペ結果見ておりますと何かまだまだショートは深そうにも思える(特にレポ)のですが、その辺に関しては傍観者のあたくしよりも個別の参加者に丹念にヒアリングして状況を把握している日銀の金融市場局の担当部署様の方が詳しいと思いますんで、まあそんなに心配はしてませんけど・・・・・なんか金曜はロンバートに申し込みがわんさかやってきそうな予感も。
○FB入札確り/なぜかCP発行レート低下
昨日はFB入札についてうだうだと申し上げましたが、基本的には10月渡しになってるし1月償還になったからちったあニーズが減退するかなあと思っていたというのはご理解いただけたかと思うのですが、例によってあたくしの思惑を思いっきり外すのがドラめもんクオリティ(汗)。
昨日の3か月FB入札ですけど(昨日は年末越えの関係上少々期間が長く101日間もの)平均落札、最低落札共に0.34%台の入札結果となりまして、見事に0.35%にも届かずというまあ確りの結果と相成りました。10月渡しになったらちったあ残高調整買い組のニーズが剥落するかと思ったんですけど、全然そんな感じでもなさそうなところがオソロシス(約定ベースだとまだ期内ですが)。
期末抜けたところで現先レートがどれくらい落ち着くのか知らんですけど、足元の現先利回りとかを見ながら買う人にとってみると、この0.35%割れ水準と言うのはまあ買って買えない事は無いですけれども、カツカツの水準に近いというのは否めない所ではございますな。うーむ。
#でもまああの結果からするとまだまだニーズあるんでしょ
んでもって昨日「ありゃりゃ」だったのはCP発行市場でした。末初のGCやら現先レートが強含みという状況なのですが、月末スタートのCP発行レートは前日比低下。銘柄によってまちまちというか支離滅裂なレートのつき方っぽい部分もあるのですが、まあ概ね前日までのレートと比較すると1〜1.5bpのレート低下という感じになっておりまして、他の市場と思いっきり違う動きをしているのが実にワケワカラン。
ブルームバーグニュース(昨日の15時32分配信の短期市場概況)の報道する所によりますと「CPや短期国債を積極的に買っている銀行もあり」というようでして、はあそんなもんなんですかねえと思うのでございますが。まあ月末ですんで発行も多いけど償還も多く、償還分の再投資ニーズが強かったというのはあると思いますけれども、レポとか現先の金利が上昇してるのに何も威勢良く金利低下する事は無いんジャマイカと思うのですが。
FBの方は判らんでもないですが、CPに関してはどうも「???」が飛び交う昨日の市場なのでありました。
#という訳で、何か期末に来てやっと頭の中が追いついてきた感じなのですが、よく考えたら今月は審議委員の講演が全然無いからネタが枯渇することに今更気が付くあたくしは鈍感ですなあ
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2006/09/27
お題「纏まったネタはちと無いので雑談を」
米国の「ダウ最高値更新+長期金利は低下傾向」ってコンボはどうもワケワカランですな。まあ金融政策と資産価格をあんまりリンクするなよって事なのかもしれんが、どうも「先行き利下げ織り込み」と「ダウ最高値」はしっくりこないのであります。
そういや今朝のモーサテではゲスト解説の人がやたらめったら悲観論を唱えてました。景気は今がピークだというお話のようですが、月初の日経16300円の時に強気の武者先生登場で、ここで弱気の先生登場とは何というか実に香ばしさを禁じ得ないのでございます。
でもモーサテが弱気転換したと考えるとそろそろなのかな?
○さて年末越えのFB入札ですが
昨日は2年債の入札が今日実施とか思いっきり間違いを書いておりましたが(すいませんすいません)、今日やるのは3か月FBの入札で、2年は明日でした(超大汗)。
でまあその3か月FBの入札なんですが、今回は10月発行の1月償還となります。1月償還と言いましても金融政策決定会合を跨ぐ訳ではないので、金融政策変更に関する思惑云々に関しては関係ない話です。ただし、今回の期末越え金利が妙に高止まりし続けたという事からすると、年末越えに関してはその分のファンディングコストがどないなのよという話にはなるのかなあと思いますが。
現状ですと、既発のFBが0.34%水準にいますが、これに対してWIは一応0.36%になっているようですけど、その辺まで甘くなるのかどうかはよーわからんです。受渡ベースでは新年度に入っているので、ファンディングの問題としては期末越え分を考慮しなくても良く、単純に言えば年末越えが5日間あって期末越えが3日間なのでまあそんなにプレミアム要求される話じゃない(それに、年末越えの資金繰りなんて今から判るわけ無いので平準買いはきっちり入る筈)ですわな。
とは言いましても、期末特有の買いで持ち上げられていた面もまた強いFBでございまして、期末の買い対応という意味では1ミリも必要ないという話もありますわな。どっちが効いてくるのかは、申し訳ないが片隅参加者のあたくしにはイメージ判らん。
お家の事情的な買いが剥落して、持ち切りベースの買い手が行ける水準まで調整はすると思いますが、期末越えを抜けたところで、GCレートなんかも低下(今までのパターンだと直ぐには低下しないが)してくるので、まあそんなに調整しないんじゃないかなあと。精々0.35%ちょっと乗せ程度なんですかねえ、入札はもうちょっと安い所まで行くようには思うのですが。
#などと書くとまた方向性を外したりするのがあたくしクオリティ
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2006/09/26
○2年0.6%割れ!
昨日の債券市場、米国の金利低下を受けて朝から先物上昇してみたものの、長期やら超長期(たぶん超長期)のゾーンが重くて結局失速の巻。輪番オペがあったのですが、輪番の時点では超長期引けビットくらいだったらしいので、8糸甘までしか入らなかった輪番は普通に考えると1年から1年半のゾーンが入ったかと存じます。ただまあ確信犯で超長期引けビットにしておいて輪番ではさっくりと超長期を入れている可能性はありそうですけど・・・・・
まあそれはともかくとして、昨日もまたまたイールドカーブスティープとなりまして2年は1毛強の0.605%でしたが、引け後に何だかよく判らんのですが2年ゾーンだのユーロ円金利先物だの債券先物などが上昇。2年は引け後に何と0.59%までマークしております。
いやあここまで来ると「向こう1年近く利上げなし」で「その次の利上げにも時間掛かります」っていうレベルになってきてるという話ですか。足元金利を無担保コールで考えれば0.25%ですけどGCレートだとすれば平均で0.3%くらいはある状況ですし、オペ金利とかから考えても概ね0.25%よりは高いという所ですから、0.6%割れというのも中々やりますなあって感じでございます。
引け後の買いはどうも海外勢の買いっぽい(だいたいそんな時間からエッチラオッチラ買いに来るのは海外)のですけど、ここからなお2年だのの中短期を買うというのがちと違和感が拭えない所ではありますけど。うーむ。
などと思ってましたが、追い風のように米国債券市場は利下げ織り込みに行く勢いの金利低下になってきておりまして、何か明日2年国債の入札があるというのに、0.6%割れとな(まあ新発は既発と償還が1か月違って、受渡日が2週間違うからその分金利が乗るので0.6%アンダーになってくれるとは思いますけど)というこの勢いが承認されちゃうんでしょうかねえ。何かさすがに2年0.6%割れは日銀の景気見通しにマッコウクジラでダメ出ししてる水準だと思うんですけど、そこまで景気失速するもんなのかなあと。
○でまあ相変わらず足元は強いようで
昨日もGCレートは高くて前週末に1Wで0.39%だのというレートだったらしいのですが、昨日は0.4%台もあったようです。いやまあターム物のプレミアムが付くのは良いんですけど、末初レートって一応ロンバートの縛りがあるから0.4%オーバーというのはちとやり過ぎの感は否めないのですが(とは言っても、ゼロ金利解除前にもGCがロンバートをモノ日でも無いのに超えたこともあるので、まあそんな事もあろうかという感じですけど)。GCの翌日物(スポネ)も0.35%あるいはちょっと上という感じですので、まあ確りですわな。オペ金利も27日スタートの10月2日エンドの共通担保が0.37%足切りの0.38%平均ですから、まあ確り。
で、これがまあオモロイ(と言ってもオモロイと思ってくれる人はあまりいないマニアな話です)のですが、TB/FBの現先金利に関しては期末接近でレートが逆に低下気味。これはまあ要因としては現先玉不足という需給要因になりますけど、じゃあなんで玉が不足するのかは人の懐具合に関する話ですんで想像の世界に入ってきますが、(1)期末に向けて買いが旺盛なので持ち玉が枯渇気味、(2)そもそも期末越えの資金繰りをある程度固めておく必要があるので、現先玉を余計に抱えるよりは期末越えを飛ばしてしまう、というような事が背景にあるのかなあと思います。
ただ単純に(1)だとするとGCレートがもうちょっと低下しても良い筈なんで、どっちかと言うと期末越えを各業者とも飛ばしていたという感じなのかなあと思うのですけど、まあ短期国債の現先だけレートが低下気味というのもちとオモロイですなあと思うところです。
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2006/09/25
○何かこうワケワカンネという短期の動き
先週末は無担保コールは兎も角として他の金利が妙に高くなっておりました。CP発行レートが若干上昇している(長期A+格の1か月もので水曜に0.37〜38%程度だったものが0.39〜0.40%あたりに上昇という感じですかな)のもさる所ながら、GCのレートが妙に高くて0.37%とかになってたりしてたようで。
金曜のGC翌日物って別に期末越えものでもないし、特定の資金需給タイト日(国債発行とか税揚げとか)でも何でもないので、そんなレートになるのはどう考えても妙。肝心の金利が上りだした時に夏休みだったあたくしなので、背景の流れが理解できてないのが面目ないですが、何と申しますかここもと(今に始まったわけではなく)の動きって単に雰囲気が金利上昇っぽくなっているから資金需給上の確たる要因もないのに金利が上昇気味になっているという事なのではないかと思う訳ですよ。
同じような理由で、金利がいざ下がりだすとワケワカランという水準にさがったりもしますし、何というか雰囲気に流されておまいら何も考えてねえだろうという動きが目につく(つい1か月前にはGCレートが0.3%割れになってましたなあ)訳でして、一部に棲息する年寄り参加者は「またワケワカンネ」と言いながら対応している次第ですな(苦笑)。いやまあ正直言って大きな玉を動かしている人たちが雰囲気に流されて動いてるからこうなってるんでしょうなあと思うのですけれどもね。
○しかしまあ押し目待ちが沢山なんでしょうか
金曜の中長期ゾーンは米債上げをネタにして寄りから先物が爆発して、その後現物が追いつくと言うまあ典型的な買い買い相場になっておりました。いやはや何とも。
勝手に脳内妄想で後講釈すれば、木曜日の超長期国債入札後の販売状況がまあ良かったところに米債上昇というネタが登場したのでまずはデルタ調整(ヘッジの買い戻し先行とか、スペックの踏みとか)の買いが先物に入って(あるいは寄り前から買いが入っていたか、現物の状況から類推すると入っているとすれば中期)先物の水準が上昇。で、その水準上昇に対して売りが出るのではなく買いが入るの巻になったという事ですな。
FBの需要に関しては先週金曜日に申し上げた通りですが、債券残高調整での買い意欲が(まあ感覚的な理解ですが)本年3月末の時よりも強そうな状況でありますし、何か買わないといけない理由が出るたびにこの有様というのを見ていますと、例えば日銀短観が少々良くても下がった時のファーストアクションは「押し目買い」になりそうな悪寒。マジで相場が下がるには、そのあたりの押し目買い需要(まあ投資家のショートポジションとも言えますが)を全部火あぶりにするような相場上昇をやってくれるのか、皆が買える押し目を作って一旦全員の需要を充足してくれないと、そう簡単には金利の本格上昇って奴はやってくれないかと思うのでございます。
#などと書くと期初からいきなり利食い売りがでたりするのがドラめもんクオリティなのですが、利食い売りって出せるのかなあ?
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2006/09/22
○FBとCPのスプレッド
足元のコール金利だの現先金利が妙に高止まりしておりしておりまして、これは正直あたくしが休んでいる間に光景が変ってた話で背景がイマイチよー判らんのですが、まあ兎に角世の中そんな状態。
そして、そんな状況下でFBとCPの利回り格差が開いてきてますわな。水曜の3か月FB入札は相変わらず堅調で0.34%水準での落札になってましたが、昨日のCP発行市場では、長期A格水準発行体の2か月もので0.4%近傍までレートが上昇している模様。最上位格ネームの発行はこれから月末にかけてもうちょっと行われると思われますんで、その辺を見ながら比較をしたい所でございますが、まあFBとCPのレートにまたまた差がついたという感じですわな。
ターム物金利に関しては、利上げ直前をピークにして(^^)レートがじりじり低下するというのが概ねの動きでして、FBレートが最初に低下した後にCPのレートが追いつくように低下して、一時は殆どスプレッドが無い状態近くまでレートが接近したのですけれども、再びスプレッドが拡大の巻ですな。
まー今回に関しては、足元金利や現先金利が(よー判らんのですが)上昇気味の中でFBの金利が全然上昇しないという形でのスプレッド拡大でして、こりゃまあFBに「お家の事情」買いが入っているということでしょうな。中間期末を前に債券残高調整で買いが入っている(電子CPは発行関連の法律上は「短期社債」ですけど債券じゃないですから^^)のでFB(TB)が現先コストなどの水準から考えるとちと買いにくいレベルまで金利が低下しているという毎度お馴染みのパターン。
この毎度お馴染みのパターンも期末時点での相場の風景次第で違うんですけれども、今回に関しては「期末残高調整の買いニーズ」らしきものが多いんじゃないかなあという印象でして、まあ皆さん随分と買いを我慢してらっしゃることですことという所ですわな。これから債券市場が押し目を作った場合にはこの辺のマネーが買いに来るんだろうなあって思わせてくれるのであります(^^)。
実際問題としてのターム物金利の実力は、あくまでも足元金利や現先利回り水準などとの比較を行いながら基本的に持ち切りの投資スタンスの資金の影響がより強いCP金利(昔だったらCD金利でしたが、現在は大手銀行の資金ポジションの変化で発行ニーズ低いんで指標にならん)を見ておくのが吉だということになるんでしょうな。中間期末越えの資金ニーズがまだ読みきれないので購入側としては運用に慎重になっている(のでレートが上昇する)というのが真の実力なんでしょうね。来週になると少し違ってくるかもしませんが。
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2006/09/06
○FB入札強いですな
昨日は3か月(13週間)ものFBの入札が実施されました。先週発行された既発債が0.345%だったのでまあ強いわなあと思っておりましたが、結果は平均落札価格が0.351%くらい(財務省発表方式じゃなくて、市場の呼び値方式です)相当で最低落札価格が0.353%くらい(同じく)相当となりました。
償還が1週間先になった(発行も1週間違いますが)のですけれども平均落札価格が前回から2厘上昇。最低落札価格が前回から5厘(=応札刻みで言うと一つ上)上昇となりまして、テールも縮まりましたということで、まあ強いですなあという感じ。前回は改定CPIを受けた最初の入札でしたが、その後鉱工業生産と法人企業統計を抜けた後の入札で相変わらず強いという事ですんで、こりゃ強いですなあという所かと存じます。
落札後も0.35%で業者間ではやたら出合っていたそうで、セカンダリーでの買いも旺盛ということのようですし、テールが短くなったということは投資家ニーズも強かったということでございましょう。まあ良い入札だったんじゃないですかね。
前日の6か月TB入札は入札直前の気配よりも安い所で落札されて、その後も最低落札レベルがオファーという結果でして、これと比較すると3か月FBへのニーズの強さが目立つというものです。
まあこの時期は債券残高調整の為に買いが入る事もままございまして、そんな買いもありーの、キャッシュ潰しの買いもありーのという状況で、利回りに着目した持ちきり型投資だけではない資金がこのゾーンに突撃している事が短い期間のレート低下を促進しているようですな。
足元運用の圧力が高まっていることの影響でCP発行金利がまた低下しているようです。先月は月末スタートの9月償還ものが最上位相当銘柄で0.32%割り込むというそりゃあんた現先レートと変らんがなというレベルに低下してましたが、その後はさすがにやり過ぎ感でレートが若干戻りました。しかしながら、ここもと足元のTB/FBのニーズが高くなっている事もあるせいか、昨日はまたまた発行レートが低下して、最上位相当銘柄でまたまた0.32%割れの図のようでございます。いやはや何とも。
期末特有のキャッシュ潰し資金流入現象に加え、6月7月頃に利上げ前に調達(実は利上げ後の方がターム物金利低かったりするのはここだけの話)ということで発行されたCPの償還がやってきたというのもありまして、まあ期末越えがどうのこうのという前に足元の運用ニーズの方が高まった感じでございますな。
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2006/09/05
お題「入札2本」
○中短期よく動きますわ
昨日の債券市場は法人企業統計が強い内容だったことから下落。朝っぱらからユーロ円金先が売られてまして、前場から2007年03月限は4毛だの4.5毛(普通はあたくしのようにイールド的な言い方はせんと思いますので念の為)売られてたりしてまして、瞬間的にはユーロ円金利先物が前日対比のイールドで一番売られてた所とかあったんじゃないのかなあって感じです。
まあ中短期が超長期とのバランス上入替ベースで売られるという動きもあったようなのですが、2年とかを見てますと中短期のドタバタぶりもまた目立つという感じですね。昨日の引け水準の利回りを見ると5年が4.5毛甘で7年が3毛甘に対して20年2甘に30年1.5甘とはまた凄い中期主導ですねってところでございましょうか。しかも2年が3.5毛甘になっておりまして、先物より動く2年債とはまあご苦労なお話としか申し上げようがございませんですな。
それにしてもこの2年がよー動くなあと感心するのですけれども、先週の月曜に0.635%(場中の高値はもうちょっとあって0.62%とか)だった2年247回債は入札の時には0.665%の引けになって、鉱工業生産で0.61%まで買われたと思ったら昨日の引けは0.645%(新発248回債は0.67%)と言うことで、下がって上ってまた下がって結局元のところに戻ると言う豪快な展開。
まあ経済指標で一喜一憂と言えばそういう事なのかも知れませんが、それにしてもビビットによー反応するわという印象でございまして、誰の売買手口が入ってるのか知りませんがドタバタしすぎじゃネーノって思いますがねえ。
○さて入札ですが
10年入札は「割高割安で言えばそんなに悪くないが、絶対水準で言えばちと買えません」って状況になっておりました。昨日水準調整(引け後も下げましたし)したので絶対水準は少々マシになりました(償還が既発債から3か月伸びるので見た目も良くなる)けど。
こーゆー時は水準を変えないと中々売れてくれないので、それなりにきっちりヘッジをしていくとか、入札前にもうちょっと水準を訂正するかというような動きで何とか凌ぐ方向になるのではないかと存じます。幸い今月の10年、5年の入札は火曜日にございまして、感覚的には(あくまでも感覚的な話)やりやすいのが救い。と申しますのは、月曜日ってのは余程の材料とか月末とかでもあれば別ですがまあ投資家な人があんまり動かない訳でして、その分まあ水準訂正とかカーブの修正とかが業者主導で動きやすい(変なところで先回り買いをして全員(除く発行体)の首が絞まるという向きが減る)ということでございます。特に今回は月曜日に米国が休日でございますので、「せっせと水準訂正したら米国アタックが飛んでくる」というのが無いですし。
まあそれにしてもちょっと今回の10年はやりにくそうですな。
で、それよりも困ったちゃんだと思う(あたくしだけがそう思っているのかも知れませんが、笑)のは6か月TBの入札でして、昨日の既発6か月(なので実際は残存5か月)TBが0.355%でして、WIは0.375%でつけて下さってますが、現在の地合いでさてそこまで甘くしてくれるのかいなって感じではあります。
・・・・えーっと来年の3月償還(日程は未定ですが、まあ普通に考えて3月の決定会合ギリギリでしょう)でこの利回りという事は、来年の2月まで利上げなんぞございませんが何か?という価格形成だと存じますが、それで本当に良いんでしょうか??
ちなみに、先月の6か月TB入札の時も既発の6か月TBは直前まで0.36%、しかもこの時の3か月FBが0.36%だったりしまして、利回りフラットという香ばしい状況だったのですが、入札前日(月曜に入札があったので金曜)に既発債の5毛甘を敢然と叩く世のため人のため(除く発行体^^)の偉人が現れて(というかモノが出たようですが)入札はいきなり0.43%まで水準訂正をしてくれました。まあその後0.42%あたりでウダウダしておりましたけど。
で、今回はモノが出てくる気配も今のところ無いのですが、この水準はあたくしなんぞ持ちきり前提ではさすがに買う気力が1ミリも起きないのですが、それでもこのゾーン人気あるようでして、WI水準くらいで入札やっちゃうんじゃないかなあという感じです。
○年内利上げ観測はどうなのよ
まあ3か月あたりが法人企業統計でもビクともせず、6か月もそんなに動かない(今日の入札次第ですが)中で金融政策に対する観測がどうのこうのということで2年だの金先だのは相変わらず派手に動くのですが、この妙なチグハグ感が何とも言えませんな。
3か月だのという期間の現物債という話になりますと、この前も申し上げましたが、「金利が上るだろう」と思って「待つ」というのは相当の決意が必要でして、1か月待つなら1か月もの買っておけ(鞘があるなら)という話ですから、現実問題になってこないと中々反応してくれないのは判るんですが、6か月TBがこの有様で本当はどうなんでしょうって気は致します。
でもまあべき論は兎も角予想屋としては「法人企業統計強い」→「GDPウマー」→「短観ウマー」→「よく見りゃ株価も堅調」・・・という流れを想像しちゃうんで、別に年内利上げがあっても何ら不思議はないと思うんですけど。経済見通しが日銀の当初予想(展望レポートベース)なら「金利の調整」は行うというのがスタンスなんですし。
#ま、そういう発想だから金先売られたんでしょうけど。
市場では年内利上げ観測が後退しているというか殆どなくなっているというように報道される事が多く、確かに価格の付き方とか見てるとそう言われるのもむべなるかなとは思うんですが、法人企業統計一発であっさり5年が4.5毛甘というのを見てると、報道されている程に年内利上げ観測が後退している訳でもないと思うんですよね。まだ半信半疑モードなのでは無いでしょうか。
2006/09/05
お題「入札2本」
○中短期よく動きますわ
昨日の債券市場は法人企業統計が強い内容だったことから下落。朝っぱらからユーロ円金先が売られてまして、前場から2007年03月限は4毛だの4.5毛(普通はあたくしのようにイールド的な言い方はせんと思いますので念の為)売られてたりしてまして、瞬間的にはユーロ円金利先物が前日対比のイールドで一番売られてた所とかあったんじゃないのかなあって感じです。
まあ中短期が超長期とのバランス上入替ベースで売られるという動きもあったようなのですが、2年とかを見てますと中短期のドタバタぶりもまた目立つという感じですね。昨日の引け水準の利回りを見ると5年が4.5毛甘で7年が3毛甘に対して20年2甘に30年1.5甘とはまた凄い中期主導ですねってところでございましょうか。しかも2年が3.5毛甘になっておりまして、先物より動く2年債とはまあご苦労なお話としか申し上げようがございませんですな。
それにしてもこの2年がよー動くなあと感心するのですけれども、先週の月曜に0.635%(場中の高値はもうちょっとあって0.62%とか)だった2年247回債は入札の時には0.665%の引けになって、鉱工業生産で0.61%まで買われたと思ったら昨日の引けは0.645%(新発248回債は0.67%)と言うことで、下がって上ってまた下がって結局元のところに戻ると言う豪快な展開。
まあ経済指標で一喜一憂と言えばそういう事なのかも知れませんが、それにしてもビビットによー反応するわという印象でございまして、誰の売買手口が入ってるのか知りませんがドタバタしすぎじゃネーノって思いますがねえ。
○さて入札ですが
10年入札は「割高割安で言えばそんなに悪くないが、絶対水準で言えばちと買えません」って状況になっておりました。昨日水準調整(引け後も下げましたし)したので絶対水準は少々マシになりました(償還が既発債から3か月伸びるので見た目も良くなる)けど。
こーゆー時は水準を変えないと中々売れてくれないので、それなりにきっちりヘッジをしていくとか、入札前にもうちょっと水準を訂正するかというような動きで何とか凌ぐ方向になるのではないかと存じます。幸い今月の10年、5年の入札は火曜日にございまして、感覚的には(あくまでも感覚的な話)やりやすいのが救い。と申しますのは、月曜日ってのは余程の材料とか月末とかでもあれば別ですがまあ投資家な人があんまり動かない訳でして、その分まあ水準訂正とかカーブの修正とかが業者主導で動きやすい(変なところで先回り買いをして全員(除く発行体)の首が絞まるという向きが減る)ということでございます。特に今回は月曜日に米国が休日でございますので、「せっせと水準訂正したら米国アタックが飛んでくる」というのが無いですし。
まあそれにしてもちょっと今回の10年はやりにくそうですな。
で、それよりも困ったちゃんだと思う(あたくしだけがそう思っているのかも知れませんが、笑)のは6か月TBの入札でして、昨日の既発6か月(なので実際は残存5か月)TBが0.355%でして、WIは0.375%でつけて下さってますが、現在の地合いでさてそこまで甘くしてくれるのかいなって感じではあります。
・・・・えーっと来年の3月償還(日程は未定ですが、まあ普通に考えて3月の決定会合ギリギリでしょう)でこの利回りという事は、来年の2月まで利上げなんぞございませんが何か?という価格形成だと存じますが、それで本当に良いんでしょうか??
ちなみに、先月の6か月TB入札の時も既発の6か月TBは直前まで0.36%、しかもこの時の3か月FBが0.36%だったりしまして、利回りフラットという香ばしい状況だったのですが、入札前日(月曜に入札があったので金曜)に既発債の5毛甘を敢然と叩く世のため人のため(除く発行体^^)の偉人が現れて(というかモノが出たようですが)入札はいきなり0.43%まで水準訂正をしてくれました。まあその後0.42%あたりでウダウダしておりましたけど。
で、今回はモノが出てくる気配も今のところ無いのですが、この水準はあたくしなんぞ持ちきり前提ではさすがに買う気力が1ミリも起きないのですが、それでもこのゾーン人気あるようでして、WI水準くらいで入札やっちゃうんじゃないかなあという感じです。
○年内利上げ観測はどうなのよ
まあ3か月あたりが法人企業統計でもビクともせず、6か月もそんなに動かない(今日の入札次第ですが)中で金融政策に対する観測がどうのこうのということで2年だの金先だのは相変わらず派手に動くのですが、この妙なチグハグ感が何とも言えませんな。
3か月だのという期間の現物債という話になりますと、この前も申し上げましたが、「金利が上るだろう」と思って「待つ」というのは相当の決意が必要でして、1か月待つなら1か月もの買っておけ(鞘があるなら)という話ですから、現実問題になってこないと中々反応してくれないのは判るんですが、6か月TBがこの有様で本当はどうなんでしょうって気は致します。
でもまあべき論は兎も角予想屋としては「法人企業統計強い」→「GDPウマー」→「短観ウマー」→「よく見りゃ株価も堅調」・・・という流れを想像しちゃうんで、別に年内利上げがあっても何ら不思議はないと思うんですけど。経済見通しが日銀の当初予想(展望レポートベース)なら「金利の調整」は行うというのがスタンスなんですし。
#ま、そういう発想だから金先売られたんでしょうけど。
市場では年内利上げ観測が後退しているというか殆どなくなっているというように報道される事が多く、確かに価格の付き方とか見てるとそう言われるのもむべなるかなとは思うんですが、法人企業統計一発であっさり5年が4.5毛甘というのを見てると、報道されている程に年内利上げ観測が後退している訳でもないと思うんですよね。まだ半信半疑モードなのでは無いでしょうか。
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2006/09/04
お題「雑談ばかりでスイマセン」
週末に先週書いた駄文を整理してて気が付いたのですが、先週は延々と相場後講釈だけしかしてませんですな(汗)。まあそれだけ相場が暴れたということもございますが。
○と言いながらまたも相場雑談
金曜の債券市場は寄り天みたいな相場になりました。木曜に鉱工業生産で上昇したついでに、引け後にはフラットニングの兆候が見られた所で米国債市場で金利低下だったので、これはキターって思ってドラめもんでもそんな事書いたらこの有様というのが我ながら実に香ばしい。
まあどうしてこうトンチンカンな読み間違えをしたかというと、中期ゾーンが相変わらず主導する相場だということに関して少々読み方が甘かったようでして、(その辺のポジションを持ってないということもあるんですが、苦笑)木曜の引け後の動きに関しては「20年1毛5糸テイクーン」を見るよりは(つい見てしまうのですがね)「5年5糸甘ヤリ」を見ないといかんかったという事なんでしょうな。金曜の相場もどう見ても中期の戻り売り(なんだか短期売買の人の利食いなのか知りませんが)主体での相場の動きだったようで。引き続き相場と申しますか先物は中期債に引っ張られそうな感じですな。
ところで明日は10年国債入札がございまして、あたくしあんまり割高割安分析得意じゃないのですが、今回の入札は多分イールドカーブ的にはそんなに割高じゃないけど水準が少々ご勘弁頂きたいという場所で迎えるので、まあヘッジが何処かで入れざるを得ないかとは感覚的に思うのですけどね。そうじゃなくて入札前に相場の絶対水準を調整してくるパターンかもしれません。あと1日半あることですし。
短期の方ですが、GCレートがちと下がらんとかコールが妙にしっかりとかあったのですが、昨日はまたまた債券買現先を打ったりしてGCに配慮した(と思われる)調節を継続したこともあってようやくGCレート0.30%辺りに低下。
しかし相変わらずすげえなあと思うのは6か月TBの利回り。まあ6か月と申しましても実質的にはだいたい5か月ものでして、前回入札されてから4週間くらいたっているので世の中に流通玉が少ないので、買いが入ると金利がやたら低下するという特性はあるにせよ、金曜日は0.355%(前日比1毛強)となりまして、ついこの前の3か月FB状態になっております。この調子だと次回の入札もいいとこ0.37%まで行ってくれれば御の字という感じなのでしょうか。オソロシオソロシ。
その3か月FBが0.345%とかですので、6か月TBが既発債水準まで確りしているようですと、単純計算で「3か月後の3か月FB利回りが0.365%」となどという話になります(6か月0.37%なら0.395%)のですが、そんなんで良いのか本当にという感じではございます。幾ら年内利上げ無し予想とは言え6か月ゾーンまでその足を伸ばして決め打ちコースと言うのはちと槍杉田くんではないかと存じますが(というあたくしのような人がいる限り金利はそう簡単に上らないというのが実は正しい気もするが)。なるわけでございます。
○長期金利低下牽制はしないと思いますが
ネタ拾い番組だと思って見るとそれなりに楽しめる(正確に言うとPC打ちながら聞き流しているのですが)テレビ東京謹製のモーニングサテライトですが、為替市場のコメンテーター氏(名前も所属も忘却)が今週の注目材料として福井総裁の記者会見を挙げておりました。何でも「長期金利低下に対する牽制発言が出るかどうか」に注目したいそうですな。
8月の決定会合後の総裁記者会見前にも為替市場の人は(というかモーサテに出てきて話をする人の特殊要因なのかもしれませんけれども)「会見に注目」って話をしてて「何も無いと思いますが」ってあたくし申し上げたと思います。
いやね、今回に関してもCPIの基準年改定に関してコメントを求められるとは思うのですが、別にややこしい話はしないと思うのですけれども。特に長期金利に関しては具体的な水準に言及するというようなことはさすがに(以前はそれらしいこと言ったことはございますが)よーやらんとは思うのですけど。
景気の腰は強いとか、物価の表面数字だけではなく背景の経済情勢を総合判断すると言うような話はするかもしれませんけど。
○意外に8月は動きましたなあ
「8月は夏休みシーズンで夏枯れになる」とはよく言われる話でして、まあ確かにエライ人たちが夏休みに入るので要人発言のようなものもでなくなるし、エライ人の会議室からの一声もでにくくなりますので、動かんと思いたいのですが・・・・・
2003年:VaRショックで大暴れ、相場もカーブも荒れ荒れ
2004年:月初から踏み踏みの上中旬のGDPが弱くて踏み、フラットニング
2005年:月前半に5年と2年が入札や実弾売りでぶれたけど行って来い
2006年:中盤以降弱い経済指標連発で一大踏み踏み相場
まあ何ですな、板が薄いので振り回されやすいというのもありますし、金融政策に絡むようなネタが出やすいのが8月だというのもあったりしまして、実を言うと何気にぶれるのでありました。
・・・・そんなことは1か月前に言えでございますかそうですか。あははのは。
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2006/09/01
よく誤解されるのですが、債券市場が上昇(金利低下)すると市場関係者大喜びと言われそうなのですが、債券ちゅうものは常に「再投資」をしないといけない(ポートフォリオを放置していると持っている債券の償還がやってくる)ものですので、実は金利が下がる→再投資利回りの低下→投資環境の悪化でもあるわけでして、特にここもとのような物凄い勢いの金利低下はマズーなのです。緩やかな金利上昇が一番ウマーだという話は中々判ってくれませんなあ。
○鉱工業生産で踏み踏み(相場雑感)
ご案内の通り7月鉱工業生産が前月比▲0.9%と事前予想の+0.8%から多きく下振れして債券や金先は朝からエライコッチャになったのですが、そんな中で一時は20年ゾーンが前日比利回り上昇(要は値下がり)してたりとまあ豪快な展開。月末ということもございまして、あちこちでロスカットが起きていたのかと思われる次第で、誠に遺憾な展開でございます。
しかしまあ火曜に最低落札価格0.705%まで流れた2年新発債の昨日(=木曜)の引けが0.635%となったようで、過激に値動きしますなあとちと呆れる次第でございます。何か後から出てきたレポート見ると「鉱工業生産統計の内容を見ると実はそんなに悪くない」という分析があちこちから出ておりましたし、意味判らんけど株価も上昇してましたが、中短期債はもうゴーゴー状態になっておられましたですな。5年1.075%とはこりゃまた威勢の良い話。
まあアレですな、昨日ちょっとドラめもんで書きましたが、水曜の日経金融新聞2面の「ポジション」欄という、市場観測的な話のコーナーに『銀行の債券「買い遅れ」幻想?』というお題の記事がございまして、記事のまとめが『各行ごとの戦略の違いはあるが、銀行勢の「買い遅れ」による相場の変化を織り込むのは既に時代遅れなのかもしれない。』となっていて、市場の一部で大いに笑いを取っておりました。これだけ中短期債主導で相場上昇して何が幻想なんだかということで、見る人からは「銀行買い遅れで苦しいなwwww」と言われておりました(笑)。
で、一昨日昨日で2年債5.5毛強とか買われてますし、それ以前の問題としてCPIの発表前から見ると(2年247回債で対比して)15毛強となっておりますわな。5年59回債は21.5毛強で、まあ中短期主導の相場上昇でございます。どう見ても銀行様の踏み上げ相場です。本当にありがとうございました。
10年までと比較しておいてきぼりの20年や30年(30年は何せ前日比利回り上昇でしたし)ですが、月末要因抜けた本日はちったあ戻るのではないかと思わせる動きが昨日の引け後には少々見られたようで、超長期ゾーン確りしてましたな。本日はその辺のカーブに注目じゃないかなあ。
TB/FBはまあ3か月とか6か月とかのあたりまでは既に金利が低下しちゃっている状態でして、今更中々下がりようがないのですけれども、一応IPに敬意を表して(?)水曜に入札が行われて0.35%だった3か月FBの利回りは0.345%とまたまた0.35%を割れました。足元のGCレートが0.33%近辺になってましたので、まあ利鞘ろくに無しという所ですけど。
そのGCレートなんですが4日の税揚げ要因を抜けた昨日も5日スタートの翌日物レートは0.32−33%あたりだったらしく、コール翌日物に関しても月末要因とか言われてますが、何か外銀のビットしっかりという印象の方が強い状態。まあ勝手な妄想をすると、またまた以前のように3か月だの6か月だののTB/FB買ってショートファンディングしてきてるのかも知れませんが、6か月は兎も角、3か月だと利上げリスク無いだろうから鞘は薄くても確実に稼げてオイチイオイチイって発想なんだろうなあと思います。
正直申し上げて、ここ2−3年の動きを漠然と見てますと、大体株式市場の動きを(数ヶ月間のタームで見た場合)後追いして債券市場が動いている(2003年のりそな銀行救済以来の動きが特に印象的でしたが)という印象が強いという債券市場関係者としては自虐的(根が自虐的ですかそうですか)な感想がございまして、ここもと何だかんだと言って株価が下がらんのに、そんなに威勢良く踏み上げて良いものだろうかと疑問が少々あるのでした。
・・・・でも、まあ「金利はいずれ上るんでしょ」ってスタンスの人たちのポジションのお掃除、と言えば聞こえが良いですが要するにショートの火あぶりが終わらないと今回の踏み踏みステージは一段落しないでしょうな。また米債上昇して帰ってきたし。。。
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2006/08/31
お題「本日も相場雑感で勘弁」
モーサテでの論調(らしきもの)とそこで紹介されてる日経本紙の記事を拝見すると、何かまたまた利上げしましょうよ話がおっぱじまるのかよという感じです。
今朝出演の「経済アナリスト」という意味不明なお方が「将来を考えて利上げするなら出来るだけ早くしないと景気が悪化した時に金融政策の打つ手が無くなる」と主張してたのには朝から脱力しましたよ。いいからそういうアホウをテレビに出すなよと思うんですが、まあアホウほどテレビ的には扱いやすいんでしょうな。
などとグチグチ話は兎も角としてまたまた昨日の相場から。
○FB入札は順調、2年債も確り
昨日実施された3か月(13週間)もののFBは9月4日に発行されて償還が12月4日ということで、とうとう12月償還ものの発行と相成りました。前日の米国債券市場(何でそう機械的に連動したがるのか意味判らんが)での金利低下で大丈夫かと思いましたが、まあ何とか0.35%乗せのレベルで入札をやってくれました。
平均落札価格が利回り換算で0.352%くらいで、最低落札価格が利回り換算で0.355%くらいという結果でしたが、まあ一応0.35%乗ってくれている事もありましてニーズはちゃんと集まり販売も順調のようで最後は0.35%テイクン。
GCレートが通常日で概ね0.30−31%、月末だの税揚げだの国債発行日だのという資金の出入りがでかい日(例えば昨日のGCだと税揚げ日の4日スタートだったので0.33%くらいになってました)だと0.33%近辺で推移している事を勘案すると、まあGCベースではろくすっぽ鞘が取れないという話ですが、コールだのオペだのまあ他にも色々ありますし、そもそもそういうファンディングコストとちと違う論理の人もいますので、レート的にはまあこんなもんなら一応勘弁ということでしょう。ちと利上げに関して無警戒過ぎる気がするが。
ちなみに、某ベンダーでは昨日の3か月FBの利回りを「年内利上げ無しを織り込む水準」と書いてましたが、12月の金融政策決定会合は12月18〜19日に行われ、このFBはその時点で償還されておりますので12月の利上げに関しては織り込みようがございませんのでお間違えのない様に(^^)。
#ま、もうちょっと長いTBとか見てると確かにそうなんですが。
あたくしの感覚として少々不思議なのはこの期に及んで期内もの(9月末までの償還もの)のニーズがやたらめったらあるらしいことでして、火曜日のCP発行市場では最上位格の9月償還ものCPで0.32%を割るような発行もあったようで、そりゃGCと殆ど変らんやんというレベルまで金利低下してたようですな。昨日はちょっと冷静になった感じですけど、FBなんぞはモノが無いようですし。何故今更期内ものなのかという気もしますが。
ところで、昨日は2年ゾーンも確りでして、「これは酷い」という入札をやらかしてくれた2年247回債ですが、さっくりと2毛強で0.67%まで金利低下。何でも一昨日の引け近くからかなり持ち直してくれたそうで、第U非価格競争入札の落札がゼロにしちゃあ随分威勢良く戻ると思ってたのですが、ご丁寧にタイミング見てたんでしょうかねえ。本当に買いたいなら第U非価格の応札時限前に買えばもっと沢山買えると思うんですが、まあこの年限をいじるお投資家様も(以下自主規制)。
まあ2年ゾーンがさっくり盛り返したのは安心感をそれなりに与えてくれるというもんでしょうな。またぞろ金利低下とかして0.6%前半とかに突っ込みに逝くのはあたくしには理解致しかねるものがございますが。
○相変わらずワケワカラン中長期ゾーン
昨日の中長期ゾーン、と言いましてもそんなに動きを細かく見てないですからまあ傍観者の独り言なんですけど、何とも不思議な引値になってましたな。5年が4毛強で7年が3.5毛強でして、10年は4.5毛強ということでして、7年〜10年はフラットニングしてますが、20年は1毛強で30年が5糸強とこっちはヘロヘロ。
超長期ゾーン起債の影響もあったかと存じますが、それはそれとして10年は強くて20年とかはヘロヘロというのは何と申しますか、本当に相場強いのかよ!って感じですな。まあ月末近くなると訳の判らん動きが出てくるのはいつものことですが、来週に10年入札あるのに10年強くしてどうするんだよという感じは致しますです、はい。
中短期が強いのはまあバンクと海外ファンドでしょうし(そういや昨日は日経金融の2面にポジショントーク全開記事が出てて笑わせてくれましたが^^)、長いところは年金系なんでしょうけど、イールドカーブがギクシャクというかバラバラに動いて何とも香ばしい展開でございましたな。各投資主体の皆様が月末を控えて色々と整頓モードに入っているのでしょうかねえ。
#という相場雑談ばかりで恐縮です。うーん他のネタ(ただし相場と関係ない何故かシステムネタ^^)があったのですが、時間切れで書けなかっただよ。
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2006/08/30
お題「昨日の相場からグダグダとお送りします」
モーサテをNYスタジオからお送りしている佐々木さん、(確かテレ東のアナウンサー)今朝は「金利の引き締め」と連呼しておられましたが、引き締めたり緩和するのは金融政策であって、金利は上げ下げするもんだと思うんですが・・・・何か用語の使い方おかしくね?
○これはまた碌でもない入札ですね
昨日の2年国債入札、あたくしは何とかなるんじゃないのとは書きましたが、一応いやーな予感はしたので(本当)、念の為『つーか何とかならなかったらおまいら何考えてそこまで買い上げたんだと小一時間』と書いたら両建てコメントのそっちが来てしまいました(自爆)。
昨日は朝からCPI発表以来物凄い勢いで堅調に推移していた中期ゾーンが先行してヘロヘロになりまして、2年新発のクーポンもさっくり0.7%になりました。で、入札前の前場引け時点で0.69%−0.695%となったのですが、落札結果は平均落札は100円1銭6厘なのでまあ前場引けの気配範囲内でしたが、最低落札価格が99円99銭とはこれまたヘロヘロな結果になりました。
まあ救いがあるとすれば、入札前に調整した上に入札も流れたということから心理的に買いやすくなりましたっちゅうところでして、落札結果発表後は買いも入って引値ベースでは0.69%(どうせオファーサイドでしょうが)となってくれました。これが入札過熱して0.6%クーポンの0.6%台前半で入札やらかした後にやっぱり売れないから死亡という展開で0.7%近くに向う展開だったりすると、心理的に買い向う雰囲気になりにくい所でしたんで、どうせダメなら入札で流れた方が良かったとも言えるかにゃあと(苦笑)。
それにしても2年ゾーン3毛甘とかやらかしておりまして、月曜日の2年247回(前月発行債)の0.6%台前半(引値は0.635%ですが、場中はもっと強かったですし)は一体全体何なんですかと小一時間でございます。5年も3.5毛甘の1.160%に押し戻されてますが、どうも中短期ゾーンが毎度毎度過激に上げ下げするのは最近(ここ1年くらいかなあ)の仕様のようでございます。
まあ結局のところ、大玉を振り回すのが海外ファンド系の人と大手銀行のALMヘッジ系の人という一度決めたら兎に角突っ込んで行く傾向が強いお方なんで(勿論そうでない人もいますが、振り回さない人は短期的なオーバーシュートに影響を与えないですから^^)、ポジションが構築(あるいはカット)されてふと金利の絶対水準を見るんでしょうなあという感じを勝手に思ってます。的外れな指摘かも知れんが。
現物債を基本的に取り扱うお仕事の長いあたくしと致しましては、やはり現物債券の利回り水準が絶対値としてどうよってのが気になってしまうので、2年の0.6%前半ってそりゃどうよというような発想が出てくる次第なんすけどね・・・・などと申してますが、もっと昔の小僧時代に先物プロップの真似事をしてた時代の自分を思い出しますと、正直チャートしか見てなかったので、現物金利のヘッジとあんまり関連性の無いユーロ円金先の価格形成が変だとか悪態ついてはいますが、そりゃま価格形成があんなになるのも判らんでも無いですわな(^^)。
○どうも後続の買いが無い水準まで持ち上げたようで
昨日の現物引値表をつらつら眺めておりますと、先物チーペスト(7年)が2毛甘でございますが、中短期はご案内のように2年から延々とダメダメ状態。そしてこの相場の上げで見事に置いて行かれておりまして、確か先週の木曜に20年の入札があった筈ですが皆様大丈夫でしょうかと申し上げたくなる(というか多分怪我人続出だと思うが)超長期ゾーンを見ますと昨日は下げに抵抗する事もなく20年、30年とも2毛甘。
先物主導で上昇したような場合には、下がってくる時に現物が抵抗するという形でバランス取るもんなんですけど、中期主導で上げて行く時に先物などとの対比でヘロヘロにさせられていた超長期ゾーンが先物と一緒に下げるっちゅうことは要するに「下がった時に押し目買いが大して入ってこない」ってことでござんすな。そりゃまあ絶対水準がこれですから致し方無しとは存じますが、逆に言えばよくもまあここまで持ち上げやがったなあというところですな。
・・・・などと後講釈をしてますが、米債があの調子なのでまた様子がコロッと変るかも知れないのが世の中恐ろしいところでございます。さすがにちょっと踏み踏みやり過ぎだったとは思うのでございますけど。。。。
ちと気になるのは、昨日途中から先物を妙に買う人がいるらしいというところでしょうか。。。
○さて3か月FB入札
昨日はスポットスタートが月末だったのでCPの発行がバカスカあったのですが、期内(9月まで)償還もののニーズが強いようで、そっちのレートは気持ち低下っぽく、期越えのものはそんなに下がらずという個人的にはちと意外。まあ物凄くミクロな話ですし、微妙な感覚なんで別人に聞くとまた違う印象が返ってくるのかもしれませんけど、あたくしの感覚としては期末越えで10月とか11月のエンド物がもうちょっと低下するのかなあとイメージして見てたんで。
ということで、そろそろ9月末越えも1ヶ月を切って(受渡ベースのお話)参りましたので少々そこのレートが意識されるかと存じますが、3か月FBの方はそういうことはあまりお構い無しにやるのでしょうかねえという所ですな。一応昨日の日本相互証券様謹製の引値ベースでは405回FB(先週入札をやった11月29日償還)を0.35%で値付けして下さいましたので、一応0.35%近辺でやってくれるものと勝手に想像しております。0.3台前半はさすがに勘弁していただきたい所でしたんで(苦笑)。今回は12月償還になるんですし(金融政策決定会合が月の半ばに実施されるので償還が月末越えになること自体にそんなに深い意味はないけど)。
それから、昨日ちと書いておりましたGCレートですが、月末要因が効いていた(あまり意味のある話では無いと思うのですが)のが上昇の原因だったようで、昨日行われた1日スタートの翌日物はまた0.30−0.31%近辺(前日は0.32%近辺)になっていたようでございます。まあ月末だの税揚げだの国債発行だのという時にはレート上昇するけど基本的にこの辺なんでしょうかね。
ということで、本日はグダグダと相場雑感でした。
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2006/08/29
○TB/FBが買われてコールが妙にしっかり
金曜のCPI発表後からの光景なんですが、1年とかのゾーンがまあ買われたというのは措いといて、3か月のFBなんかも利回りが見事に低下しまして、金曜日に0.345%まで金利低下(さすがに昨日は変らずでしたが)と相成りました。
で、この間にコール市場での海外勢ビットが妙にしっかりになってきまして、外銀レートが0.26〜0.28%という感じで上昇気味となっております。これと月末要因(今日のスポットスタートの取引は月末)がぶつかったせいか、昨日のGCレートは前週末の0.30%近辺から0.32%近辺まで上昇したような感じです。前週中盤には0.28%近辺まで下がった場面もあったようなのですが、また上昇と相成りました。まあ月末要因なのかもしれないので、本日の動向を見ないといかんですが。
でね、この光景に既視感があるわけでして、暫く前にFB買って手前でショートファンディングして小遣い稼ぎをしていた人たちがいたと言われてましたが、その時と似たような展開になって参りました。ターム物の金利が潰れながら足元の金利が下がらなくなるというか上昇するという展開。
またやりやがってますかという気はしますが、それよりも呆然とするのはCPI出た今更になってからこの動きをするかって所でございまして、確かにリスクが下がったかも知れないけど、鞘がここまで薄くなってから登場というのはリスクリターンをどう考えて突撃してるのやらという感が致しますが、まあ言ってるあたくしも別にそのリスクリターンとやらは勘で判断している世界ですので人の事は言えませんが(自爆)。やるなら0.4%の時にやるもんじゃないのか(0.4%になったのはゼロ金利解除の2日前に実施されたFB入札で、このときが直近の最高利回りでございました)と思うのは説明責任を果たしてませんですかそうですか(笑)。
○3月10日の水準ですかそうですか
債券市場の方は米債が上昇したからというのはあるにせよ、昨日も上昇するとは恐れ入りました。しかもまたまた中期債が主導する形で5年とその前後を中心に相場の上昇が引っ張られた格好。途中では先物が40銭くらい上っているのに超長期引けオファーだの安いところヒットだのというような無茶苦茶な状況だったようですな。さすがに途中でやり過ぎを感じて入替が入ったようで、ひけでは緩和されてますが、それにしても5年4毛強で20年引け変らずですからまあよくも中期強くなりましたなあという感じです。
で、5年が1.125%とは何ぞやと申しますと、量的緩和解除直後の3月10日金曜日を思い出す訳で、その後月曜日に水野審議委員の言いたい放題講演が行われまして、中期ゾーンがヘロヘロになったのはご案内の通り。その後にどこぞの銀行のエライ人が日経金融のインタビューで5年債のレンジと将来の利上げ織り込み度合いについて大変に心温まる発言をなさっておられたのが懐かしい訳ですが(笑)、それは兎も角として。
手元の手帳から3月10日の現物債引け利回り(ただし単利)を引っ張ってくるとこんな感じになるのでした(表示は昨日VS3月10日)
2年:0.635% VS 0.470%
5年:1.125% VS 1.110%
10年:1.675% VS 1.655%
20年:2.120% VS 2.035%
30年:2.355% VS 2.220%
5年〜10年はあまり変らず、2年が甘いのはベースの金利が0.2%くらい上昇してるのだから当たり前として、20年と30年は出遅れておりますわな。まあそんなところかなあという感じですが。
で、まあこの時の状況を思い出しますと、「物価安定に関する理解」が公表されて「これはゼロ金利の緩やかなコミットメントではないか」という認識がまだそこそこ確りしていた時だと思うのですけれども(あたくしはご案内のようにこれが出たときから「目くらましでしょ」と申しておった訳ですけど、と自画自賛は見苦しいですな^^)、前提としてまあそんな環境にあった訳でございますわな。
で、まあCPIを受けて利上げ予想時期が後寄せになったのは判るのですけれども、いやあのそこまで買うのかなあ絶対水準考えてるかなあとか思ってしまうのですけど、特に中短期。
そしてそんな中で2年債の入札が本日実施されるのですが、この利回りでは2回利上げになった時点で逆鞘確定(昨日も申し上げましたが)で3回あったら悲惨なことにって感じございます。まあざっくり感覚で言って、手前の1年(即ち来年夏まで)で2回利上げがあったら負けそうな債券となると思うんですが、はてさてどうなるのでしょうか。まあこの相場の勢いだから何とかなるんでしょうけど、つーか何とかならなかったらおまいら何考えてそこまで買い上げたんだと小一時間ですな。
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2006/08/28
お題「2年が11毛5糸強ですかそうですか」
王子製紙様残念の香り濃厚。まあ「金のパワーで目指せ寡占」(実際は兎も角あたくしにはそう見えてたのですけど)ってのは渋沢青淵先生の理念とは相容れなかったという事でしょうかな。これって例えてみればモノポリーゲームやっててトップ走ってる奴の独走を許さんって2位以下がムリムリ連合したようなもん(例えが悪いとツッコミをいただきそうですがそこは勘弁^^)であって、そんなに日本的解決ケシカランとか言うものなんでしょうかねえというあたくしは日本的なアナクロ人間ですかそうですか。
それはともかく。
○CPI改定で予想以上に下振れ
先週末の債券市場はご案内のように大爆発踏み上げ御所。で、原因はCPI基準年改定での下振れが市場予想(=当初は0.2〜0.3ポイントくらい下に寄与と言ってたのが「案外下に振れないのではないか」という話になってきてました)よりも大きくなって0.4%のマイナス寄与と相成りました。
あたしゃ本職じゃないから内訳に関してはちゃんとしたレポートを見ながら精読しないといけませんが、週末に働かない(ログ整理はしますが)ドラめもんクオリティとしてはイット関連の価格押し下げ効果がでかいらしいというのは把握致しました。
旧基準ベースでの全国CPIは+0.6%でしたんで、そっちは横ばいは横ばいで、「新基準が下振れしたのは主管大臣が竹中さんだから」という話も出てましたが(=直前になって「案外下振れしないのでは」という話が出たときには「小泉首相がデフレ脱却宣言で有終の美を飾るのを邪魔する事はないんじゃないか」ってのもありましたな、笑)、それよりも総務省が毎回せっせと公表している「エネルギー、食品除くCPI」が新基準になったらしっかりマイナスに沈んでおりました(旧基準ベースだとプラスかつ上昇してたと思いますが)ですな。いやはや。
まあ日銀(というか政策委員会)としては、CPIが改定された時に下振れってのが出て来ることを懸念して(?)、「見てるのは物価だけじゃないですよ」って話にもって行っている(そもそも量的緩和解除した時にそういう話にしているのですが、物価安定の理解というのを出してその辺煙幕張ってますわな)上に、7月には利上げもしてるので、トレンドが下向きに転換しない限りはそれほど慌てないんじゃないかと思うのですけど(旧基準ベースで下落に転じてたのなら慌ててたかと思うのですが)。
現場仲間のおともだちと話をしてると「これだけで日銀の利上げ時期予想が後寄せされないけどなあ〜」って人が多い(ただしそもそも予想自体が年内ありと無しで真っ二つって感じです)のですけどね。
○典型的な踏み上げ相場でした
でまあ金曜の債券市場、というよりも中短期債とか金先とかが凄かった訳ですが、当然の如く朝から上昇して踏み踏み相場になったのですが、例えば債券先物で見ると寄りから値をぶっ飛ばして上昇したあと、9時20分頃に高値をつけた後はもみ合いというよりは頭打ちの感じ。
ところが、前場引けあたりからまたまた値を上げだして後場に入ったところで債券先物グイグイと上昇。まあ金曜の場合はどちらかというとユーロ円金利先物とか中短期債が先導してたのですが、チャートが判りやすいので引き続き債券先物の話をしますと、後場寄ってからあっという間に134円に乗せまして、その後は134円を割る場面もあまりなく(少々あった)もみ合いの後に引けに掛けて一段高。
まあ思いっきり「寄りで上げ」→「昼に上げ」っていう2段上げの踏み上げ相場でして、昼前から会議の結果でも出て上げたのか、海外の皆様目を覚ましてもう一発上を試しに行ったのだか何だか知りませんが(苦笑)、久々に絵に描いたような「投資家の踏み」って感じでございました。
しかしまあ2年カレントなんぞ寄り前から5.5毛強(247回だと0.705%になりますが)買われてたそうですが、終わってみれば何と11.5毛強の0.645%ですがなハーコリャコリャって感じでございます。2年が11.5毛強で5年が12.5毛強で7年が12毛(チーペストは11.5毛)強でございますので、もう見るからに中期が引っ張る相場。こりゃもう踏んでるのが誰か思いっきり想像ができてしまいますわな。ナムナム。
そもそも3か月FBの利回りなんぞを見てると「いやあ11月までに利上げは無さそうな感じですなあ」という値段のつき方でして、(ただまあ地均ししないと織り込まないという疑念もあるのでそれだけをリファレンスにしにくいが)この指標でてどんだけ利上げ予想時期を後ズレさせたんですか貴方様達はっていうような豪快な金利の低下っぷりに呆れると申しますか、ここでそんなに踏むくらいならお前らヘッジするなよって感じですけどね。いつもながら過激にぶれる中短期なのでした。
ちなみに長いところでも掛けたカバードコールが行使レベルに達したので、抜けた(のか抜ける予定なのか)分の現物を改めて買う動きもあったという話が流布されていましたが、おまいら何のためのカバードコールなのかと小一時間でございますな。これまたいつものことなので驚きはしませんが(苦笑)。
○だから金先の「価格」をリファレンスにするなと
ええもう前からあたくし何度も申し上げているように、ユーロ円金利先物というのは商いもそれなりにありますので、ヘッジツールとしてはそれなりに機能しておりますが、価格があまりにも現物金利(マネーマーケットの金利)から斜め上の方向になっておりますので、この市場を参考にするのは「市場の勢い」を見るのにはいいのですけれども(金曜なんかまさにそう)、このカーブがどうのこうのとか言い出すのは如何なものかと。
何せ、短期国債やらマネーの取引している人がヘッジに使わないという時点で、こいつは金利商品でありながらちと別の商品という風に見るものでございますが、先週末にやってきたレポートなんぞを見ておりますと、「金先市場は年内利上げ無しを完全に織り込んだ」とか「金先金利から算出される将来の利上げ経路からみると2年金利は低下余地あり」などというような記述が散見されて実に香ばしい。
あーた2年金利って0.645%で2回利上げになったら逆鞘確定になるんですが、まだここから買えるんですかそうですか(いやまあレポート精読して無いからトンチンカンなツッコミだったらゴメンナサイ)。いやはや何とも。
○短いところは金利フラットと
まあ元々2か月だの3か月だのという金利に関してはご案内のように期間内の利上げを気にしない水準で安定しておりましたので、そんなに影響は無かったのですが、まああたくしのように11月の利上げリスクを一応考えていた人は世の中にいたようでして、10月足はほぼ関係なく2か月(というかもう1ヵ月半ですが)物のFB403回の日本相互証券引値は0.34%でそれでも0.01%の利回り低下。11月の27日に償還になるFB405回が0.345%で0.025%の利回り低下となりまして、10月足と11月足がフラットになったという感じです。
一方で足元とか現先の金利は今さら下がりようがございませんし、中間期末越えというのもありますので、ターム物金利に関してはこの辺で安定推移って事になるのかなあと漠然と思うのでありました。しかしまあ先日水野審議委員が「金利先高感で短期のイールドカーブが立った方が市場機能が回復」ってお話をして以来、短期のイールドカーブがじりじりとフラットになってきているのは、まさしく相場の髪様としか申し上げようがございませんですな(笑)。
#まあ、買いを我慢してた人とか、ヘッジ掛けちゃった人とかが多かった中で我慢する理由がなくなったから一気に来ちゃったというのが大きいという風には思うのですが、しかしまあよーやりましたな。
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2006/08/25
○GCレートが妙に下がったようなのですが
昨日は特に材料は無いのに何故かGCレートが低下して、最後は0.3%割れまでやらかした模様。共通担保オペ(と書いた場合は現在は資金供給しか有り得ないので供給とか吸収とか書きませんのでヨロシク)の最低落札レートが2か月もので0.35%に低下(前日は0.36%)してましたのですが、まあその低下が影響と言うよりは足元の運用圧力が高まってきているのではないかという感じです。
来週に毎度の如く実施されるFBはとうとう9月発行で12月償還になりますので、今頃になって「何ぼ何でもちと警戒した方が良いんじゃネーノ」という声も聞かれるようになりまして(遅いって思いますけど、まあそれが今のマネーマーケットクオリティ)、そうなってきますと運用の足を短くするという話になりますわな。何せ今のFBの水準だと、利上げの刑を食らった場合に無担保コール対比で0.13%位いかれる(というか保有していることによる機会損失ですけど)計算になりますので、そりゃ沢山持って利上げ食らったらどうなのよって思うと、足元への運用圧力増えそう。
水野審議委員が先日の講演で言ってましたが、短期市場に関して金利先高感が出てくるとそれはもう目に見えてイールドカーブ(と言うのか?)が立ってきますが、現状では9月中間期末越えに一応敬意を表して10月エンド物になるとレートがちょっと上昇する程度でして、例えば2か月FBで先々週に出た(のでもう2ヶ月ではないが)403回FBの日本相互証券引値が0.365%で、今週発行された3か月FBの405回のそれが0.370%と見事なまでにフラットになっております。今日はCPIが出るわけですが、この数字が出て何か変化が起きるのか、どうもあまり3か月くらいまでの金利には影響無さそうな感じで(運用圧力が高くて、少々の材料は吸収しそうな勢い)ございますけどね。今後のカーブに注目したいです。
#ま、GCレート低下には足元の運用圧力以外の需給要因も絡んでいるらしいという話もあるようですが・・・・・・
○これは酷い20年国債入札ですね
昨日の20年国債入札ですが、昨日申し上げましたように前日から嫌がらせのような買いで確りした流れを引き継ぎまして入札前は強く、前場引けで2.19%−2.195%で、前回債の88回債は2.175%(2毛強)ビットとかまあアオリイカアオリイカ。ちなみに先物は6銭高の133円18銭。
ところが、応札が終わってからの後場に入って早速入札不調観測が出てきてヘロヘロ状態。蓋を開けてみたら平均落札価格が100円08銭(2.194%)で最低落札価格が99円85銭(2.210%)とまあゲロゲロの巻。応札が1兆5828億円とこれまた寂しいお話。
何でも安値2.225%(99円65銭くらい)まであったようなのですが、これは投げなのか投げさせようとする嫌がらせなのかはよく判らんのですが、まあそこまでやりやがるかって感じのようでした。さすがに最後になってセカンダリーの買いが入ってきまして値を戻したようでございますが、結局のところ強いところで入札させられて、弱くなった所を投げさせられたような感じで誠にクマーな入札でございました。前日から当日に掛けての先回り買いが余計でしたな。マッタクモウ。
まあ一応押せば実需系の買いは入らないことは無いってのが判ったのは良かったんでしょうが、まあちょっと何ですなあという入札でございました。
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2006/08/24
○1週間経ちましたが足切りは同じ
昨日は毎度お馴染み3か月(13週間ですが)FBの入札が実施されました。今回は償還が11月27日ということで、もう3ヵ月後は11月終盤かよ!と時の経つのに驚いている場合ではございませんで(笑)、落札結果はどうなったかと言うと、平均落札価格99.9061円(だいたい0.378%)で最低落札価格99.9055円(だいたい0.379%)と相成りました。
前回と今回は発行〜償還までの経過日数が同じなので比較しやすいのですが、前回の平均落札が99.9064円で最低落札価格が99.9055円でしたんで、まあ平均が若干下がったけど今回も変化なしと。
11月に利上げの思惑でもあればもうちょっと敬意を表して利回り上昇してもおかしくない所ではございますが、まあ今の所無警戒な訳ではないでしょうけれども、地均しも始まってませんのでそこまで警戒しても仕方ないという所なのでしょうか。
まあこれが長期債の投資だと「金利上昇のタイミング待って1か月」とかいう引っ張り方も出来ますけれども、何せ短期の場合は3か月ものの投資を1か月引っ張っている間に3分の1の期間が終わってしまうという誠に遺憾な事態になりますので、多少の投資比率の上げ下げはあれども、そう頑張って買いを待ち続けるわけにも行かないですわな。勿論引っ張っている間に代替的に行う足元での運用利回りが3か月金利と比較して遜色ないのであれば足元での運用で粘るという選択肢もある(という発想がどこかへ飛んで2か月ものFBを買い捲くった少々頭の足りない人が出現したのが今年の4月でしたが^^)ので、足元対比の金利はどうよってのも重要ですけどね。
そんなことでして、あたくし的には11月の利上げに関して市場としては「一応無警戒じゃない」とは思うのですが、まあ結果として価格に出てくる所ではまるでノーケアー状態になっているというのが今回の3か月FB入札から導き出される結論になってしまいますな。
ただまあここの所あたくしが申し上げているように、単に途中は無警戒モード全開で進んでいて、日銀様から地均しが始まるといきなり警戒モード全開になって金利馬鹿上がりになるという思考停止モードになっているのがマーケットクオリティなのかも知れませんので、その辺は正直その時になってみないとワケワカラン。何か地均し慣れしちゃって逆に「政策変更の前には地均しが行われる筈だから、それが出てから考えればいいや」っていう風になっているような気がする(要するに思考停止)のですけどね。旧法時代を一応知っている積りの年寄りとしてはそれはどうなのよって思いますけど。
○20年国債入札ですが
昨日は嫌がらせのように20年ゾーン堅調。まあプライマリーディーラーが入札しないといけないという事を狙って嫌がらせをするアホウもいるようですが、まあ大体そういう事をやっているといずれは地獄の火の中に投げ込まれるのは相場の常でございます。古くは非上場中期国債(昔は上場国債と非上場国債があった)でスクイーズしまくるという悪行の報いで己が弱った時に火あぶりの刑(以下激しく自主規制)。
いやまあこの水準で大丈夫なんですかねえ。別に相場自体は下を敢えて叩くような材料が出てくるわけではない(その代わり上を必死こいて買う材料も無いですが)ので需給バランスが崩れない限り値持ちはするとは思いますが、その需給バランスの最大イベントが入札なんでねえ。。。。
少々不安なのですが、あたくしが不安だとか言ってるので大丈夫でしょう(こら
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2006/08/23
○共通担保応札5兆4220億ですか
昨日のオペでほほうと思ったのは共通担保供給オペ(本店)の9月5日エンドというショートタームもの。ここの所2ヶ月のオペを打ってまして、短いオペが行われたのが直近で先週水曜日の8月末エンドもの。この時も6000億円の予定額に対して4兆4930億円の応札でその前日の短めのオペから応札が増えてましたが。
今回は入札予定額が8000億円ですのでまあ倍率的には下がってるとも言えますが、応札額自体が5兆円台に乗っているのがちょっとねーって感じです。その間に中間期末越えのオペ打ってるんですがねえ。
まあ長いのだけじゃなくて短い期間のオペというのもそれはそれでニーズがある訳でして、資金繰り調整という意味では短いのも便利なんでしょうな。しかしまー相変わらずちょっとオペを打たないと応札が膨れ上がるって状況で、短期の市場機能復活がどうのこうのってのも何なんでしょうねって感じです。ま、参加者寡占状態で市場がレッセフェール状態で復活しちゃったら、寡占者の力技が罷り通るだけ(まるで人を信用しない言い方ですが、過去から現在に至る債券市場や短期市場の動きを見てればどう見てもそうなると思料)ですんで、それはそれで弱小な一般参加者は困るんですが。昔のインターバンクとは違うんでね。
○しかし微妙に動き方が違いますね
まあそんな訳で足元のGC金利も0.30%に接近したと思ったら、ショートタームのオペ金利は相変わらず0.33%按分とかでして中々ここから下がらずで、0.32%あたりで推移してるのですが、昨日のCP発行レートはまたまた低下しているようですな。1か月もので0.35%は割り込んでるようで、0.34%あたりまで低下してるようで、積み期間が変ってから足元のレポなどの金利が落ち着いて来た動きに遅行して反応している感じが致します。
どうもここもとのCP金利は短期国債や足元の金利推移に対して遅行反応する傾向が見受けられまして、短期国債の金利が上昇しだしても妙に反応が遅いなあと思うと、今度は上ると中々下がらなくて、他の金利が下がってる間に中々下がらんという動き。
まあCPの場合は基本的に買い切り前提の最終投資家が買い(それ以外は現先玉あるいは持ち切りの銀行ディーラー、転売することも勿論ございますが)、一度投資家の懐に入ると出てこないのがまあ普通ですんで、その点でみれば反応が遅行するのは当然といえば当然(ロングショートでどうこうってならないから裁定が素早く入るようなものでもない)ですけど、まあ中々オモロイものでございます。
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2006/08/22
○先物を振り回している人がいるようで
昨日の債券市場は朝っぱらから中期債から先物が強い形(概ね6年ゾーンのようで)で上昇したのですが、先週末には株高(平均株価16000円キープ)だか何だか存じませんが妙に売られた印象もありまして、その反動というのもある感じ。
ま、あたくし先物の板を目を皿のようにしてみている訳では無いのですが、先物の板(だけじゃないけど)をよーくウォッチしている知人たちに聞いて回ると、どうもここもと投資家系の現物売買がやや乏し目(中長期国債の入札無いですし)な状況な事もあるようですが、先物を妙に振り回している人が複数いるんジャマイカという考察をしておりますな。まあ昨日の債券市場でもそりゃまあ平均株価とか下がりましたが、中期ゾーンが5毛強とか先物45銭高とかやるようなインパクトのある材料がありましたっけ?ってなもんでして、まああるとすれば先ほど申し上げたように「前日に余計に下を叩いた分反動が来ました」って所になりますわな。うーむワケワカメ。
で、まあここから先は聞いた話を総合したベースになる訳ですけれども、どうも上記したように先物でせっせと相場を作ろうとしている人が多分複数いるようでして、まあその人たちが何かちょっとネタがあるとそれに飛びつくみたいな所があるようですな。先日の水野審議委員の講演や記者会見でもヘッドラインが出た途端に反応してみたり、金曜の日銀総裁インタビュー(共同通信のインタビューなのですが、モノを見て無いのでネタにしておりません、悪しからず)をネタに(アナリストレポートなどを見ていると売り材料には見えないのですが)して売ったのだか何だか判りませんけどせっせと下を叩いてみたりという感じのようですな。
もしかしたらチャートで売買してるのかも知れませんが、相場を作ろうとしているような印象もあるようですね。まあご苦労なことですにゃあって感じですけど。
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2006/08/16
お題「なかなか休ませてくれませんなあ」
まあ取っ掛かりのネタはあんまりないんですけどね。
○訳が判らんブルフラット
昨日の債券市場ですが、大した材料があったとは到底思えないのですが、朝っぱらから超長期ゾーンが引っ張る形でブルフラットしていました。いつもなら後付けであっても適当な理屈が出るもんなんですが、昨日の場合はそれよりも「お家の事情で買いでも入りましたか」っちゅうようなもうとにかく買いますよっていう雰囲気の買いだったようで。
まあこんなタイミングで必死こいて買わなければいけないお家の事情が有る人がいるともあまり思えない(何か新規資金配分でもあったのかもしれませんが)んですが、まあそんな感じでの買いとは面妖な。
勝手に想像しますと、まあお盆休みだ何だと言ってますが、板が薄いという認識がある中でもスペックやる人は元気にやってる訳でして、板が薄いのを逆に考えればで相場を振り回しやすいということでもございますので、超長期などへの買いが来る(あるいは来た)ということに対して提灯をつけてここぞとばかりに上を突っかけてみたというのもあるのかなあ何て思っております。
で、米国PPIを受けて米債大いに買われたようですので、債券は流れから言ってそっちに反応するんでしょうかねえ。何か平均株価16000円くらい平気で突っかけそうな気もしますし(米国株式爆発だから)、来週の20年国債入札前に超長期強くなっても困ると思うんだが。
○1年TBもまあ確り
中長期国債の入札は今週無しでございますが、TBFBの入札はしっかりございまして、昨日は1年TB、今日は3か月FBの入札でございます。
で、昨日の1年TB入札ですが、前日のWIの引けが0.6%などというのは元々がインチキくさい数字でして、前回債が0.54%あたりでございますので、落札レベルの0.585%というのはまあ妥当な線だったかと思います。引けは0.58%ですかそうですか。
昨日話題になってたのは、誰が落札したのか判らんというのが結構あったことでして、まあ大手銀行さんの買いでもございましたんでしょうかなどと言われていたようで。預金超過な人たちとしては適宜キャッシュを運用しなきゃいけませんからこの辺りに買いが来るのも判らんではないのですが、持ち切り前提での短期マーケット的発想で行くと、政策金利引上げ1回で足元金利対比ほぼチャラになってしまう利回りで1年物を持ちきるというのはどうもリスクリターンの間尺に合わないと直感的には思うのですが。
まあアレですな、6か月TBが相変わらず0.42%だの0.415%だのという年内の政策金利変更を無前提とした価格形成になっているのですから1年TBが0.58%でも問題ないぜってところなんでしょうけれども、長めの短期国債に関してはどうも楽観入ってますなあという感じです。恐らくキャリートレード(というか単なる足元調達長期運用のショートファンディングですが)が入ったりもしてるんでしょうかね。持ち切り前提な人が基本的に入っている(ディーラーも持ってますが、現先でファンディングするのが基本的な前提だと思われます)CPでは3か月もので0.4%台半ば近辺での価格形成になってますんで、こっちの方が実際の政策金利に関する見方を反映しているのではないかと思います(気のせいかもしれないですが)けど。
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2006/08/11
お題「何も無いと書いたら動くし・・・」
テロ未遂→航空機の燃料需要低下→原油価格下落という展開になるとはこりゃまた予想外(モーサテの後講釈が正解ならばの話ですが)でございます。そう来るか(驚)。
○何かFBが重いんですが
昨日の2か月ものFBの入札ですが、落札平均価格を利回りに直すと0.347%(財務省計算で0.3408%)で最低落札価格を利回りに直すと0.354%(財務省計算で0.3472%)となりました。最低はこんなもんとして、平均落札がちょっと高い印象で、まあ事前の握りが多くて空振りを懸念した分の札が上に入ったという感じでしょうか。
で、落札結果発表直後にあっさりと0.35%がオファーになりまして、まあ普段だと何だかんだと言って平均レベルオファーで値付けという平和な事が多い昨今にしてはちとダメダメな雰囲気。そして、どっちが先なのかは微妙なお話ですが、15日スタートのGCや現先レートが0.35%から上昇して(結局0.38%とかになったようですが)、新発FBも2か月もので0.36%が叩かれて、3か月もの(水曜に入札があって0.365%だった奴)が0.37%叩かれの巻となりました。
何と申しますか、「いやもう無風ですよ無風」などとここ2日ほど申し上げておりましたが、何の事は無い入札後の売れ行きがイマイチな所に準備預金の新しい積み期間突入のダブルパンチでGCレートが久々の0.3%台後半入りと、またぞろ動きが出てしまいました。我ながらクマーとしか言いようがございません、不明を恥じさせていただきたく存じます。
○福井総裁会見が注目されてるんですかそうですか
さてまあ朝のBGMはモーサテ(ただし6時半以降は東京MXのブルームバーグニュースですが)なのですが、為替の見通しの話を聞き流していたら今日の福井総裁会見が注目材料になっていると言われて(゜ロ゜)ポカーン。
折角注目するのであれば金融経済月報を注目した方がイイ!と思うんですけど、本日の記者会見は基本的に突拍子も無い話は出てこないと見るのが順当な読みなのではないかと存じます。
「年内利上げやるかも知れんよ」のメッセージは須田審議委員、福井総裁、水野審議委員のトリオ・ザ・ホークス(勝手に命名)が既に市場に発信しました(実際問題として、別にトリオ・ザ・ホークスじゃなくても、「年内利上げ無し」の決め打ちは景気下振れに相当確信持って無い限り無茶だと思いますよん)ので、これ以上の強硬なメッセージを出す必要も無し。まあ9月に利上げする気ならまたまた例によって地均ししてくるんでしょうけれども、さすがに利上げの影響の見極めも終わらん内に追加利上げはせんでしょうから今回は別に何もないでしょ。
基本的には今後の政策金利の調整(要するに利上げ)は設備投資と雇用(というか結局は個人消費)の基調が強いのかどうかによる(まあそれと最終的には株価動向があると思うけど、15000円くらいでも平気で追加利上げしそうですね)ということになってますんで、もうちょっと経済指標やら短観やらが出揃わないといけませんし、大体からしてCPIの基準改定前に決め打ちで地均しする訳無いと思いますが。
ただまあ為替の人が「総裁会見注目」って言ってる訳ですから、何らかの期待があるという事でしょう。どう見ても何も無いと思うんだが期待があるということは、期待外れで何か動くんかなあ。
ただまあやたら強い機械受注を受けた金融経済月報のトーンは若干気になるところです。今回に関してはあまり余計な変更はしてこないと思いますけど。
#と、これだけ書いてサプライズがあったらまさに相場の天災ですが
○その時になって急に反応する変な市場
先ほど申し上げましたように、15日スタートのGCレポレートが結構上昇した訳ですが、積み期間が変った途端に何も0.33%近傍から0.38%近傍までレートが跳ねなくても良いんジャマイカと思うあたくしなのでございます。
いやまあ積みの期間が変るからレートが変わっても良いんですけど、その動きはちと極端でしょう。どうせ積みが進捗してくれば足元下がる筈なんですから、前半金利が高くて後半金利が安いのなら自行の積み進捗を意図的に操作して準備預金のコスト低減を図るもんじゃねえのか(というか、大昔の金利がついてた頃には金利を見ながら意図的な進捗操作を行うのが当然の行為で、その巧拙が資金担当者の腕の見せ所の一つではなかったかと存じます)と思うのですが(そのため結果として、積み期間中に政策変更の思惑が発生しない限りにおいて金利は比較的安定推移する)、最近はどうなっているんだか。
今回の積み期間でも、まあ初日のコール0.3%はご愛嬌としても、前半はコール金利が高止まりしたと思ったら今度は急速に金利が低下(積みの進捗が速かったから当たり前ですが)して、0.216%とかお前そりゃやり過ぎだろうという動きでして、どうにもこう極端な動きになってるんですよね。
まあ準備預金を沢山積まないといけない人の資金ポジションが以前のように市場調達しないといけないという状態じゃないのが話をよく判らんものにしているという面はある(=コールレート即ち準備預金の積みコストなわけではない)のでまたまた話がややこしいのですが、それにしてもレート形成がどういうロジックで動いてるのかワケワカランという所でございます。
もうひとつ不思議なのは期末越えに掛かる金利なのですけど、まああまりこれに関して詳しい解説をして市場の価格形成が効率的になってしまうとあたくしども年寄りの小商いの機会が一つ減ってしまいますので、余計な話をするのは止めときましょ(と思わせぶりなあたくし)。
ちなみに、長いところも何だか特段の材料もないのに物凄い勢いで動いてましたが、この原因等についてはさっぱり判りませんので割愛です。急にベアスティープしやがりまして、いやはや中々休ませてくれませんなあという所でございます。
・・・・平和だとか休ませろとかドラめもんが書くから相場が動きやがるというご指摘を受けそうですが、それに関してはクマーなあたくしとしては一言もございません。ええもう困ったもんですな。
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2006/08/10
お題「ネタが夏枯れですが」
もうね、お題の通りになってまして、まあ何と申しますかネタの無い中無理矢理材料見つけてきて先物を振り回す人がいたり、収益要請だか何だか知らんですが、頑張る人もいるようですし、まあご苦労なことです。
○機械受注が良くて景気ウォッチャーは悪いと
昨日は良くぶれることで著名な機械受注が予想よりもやたら良い数字だったことで株価が先物主導で棒上げ。決してどこぞの禿先生が前場の下げを見て「今日は下げて当然の日」とボログを更新したからでは無いと存じますが(笑)、まあその株価を見て債券も先物主導に(というか引けてみると弱いのは先物近辺ばかりなりなんですが)押し戻されるの巻。
一昨日は景気ウォッチャー調査が公表されてまして、こちらはまあ内閣府のサイトを見ると細かいアンケート調査内容まで読めまして、これをネタなし相場の中読んでいると中々興味深いのですけど、残念ながら量が多いのでまだ全部読んでおりません。当初は小太郎先生の趣味で変なものおっぱじめやがってなどという評価の方が高かったように記憶してますが、いやまあこれは中々侮れんでしょう。景気の定点観測は皆様もやってると思いますが、その集計ですもんね。
で、そちらの数字はというとこれが今回も悪化。こっちはあんまり反応してませんでしたが、本石町日記さんが昨日指摘していました(http://hongokucho.exblog.jp/5444377/)ようにあたくしもまあこりゃ気になるところです。しかも本石町日記さんの受け売りになって恐縮ですが、現状判断DIが3月ピークに4ヶ月連続の下げというのが実にいやーな感じでございますわな。
一方で昨日の機械受注という図ですが、今朝のニュースでもスズキが国内に25年ぶりだか何だかで新工場建設という景気の良いお話がありましたが、記者会見の映像を見ると「海外市場の旺盛な需要に対応するため」ということでして、まあ別に本件が全てじゃないですけど、何か「ま た 外 需 か!」とゆー感じを受けさせてくれるニュース映像ではございました。
んでまあ、これまた本石町日記さんの受け売りっぽくなって誠に恐縮なのですが、まあ設備投資などの生産関連の経済指標は相変わらず好調を維持している中で、消費に関わる指標がやや弱めで、今回の景気ウォッチャー調査のように弱いものがでてきているちゅうのはどうも日銀の「持続的な経済成長」のキモであります「内需の主役が今後設備投資から個人消費にバトンタッチ」というのが実に怪しげな香りが漂って来るのでありました。
とは言いましても、先日(7日)にご紹介した水野審議委員の福岡での講演にありますように、設備投資の強さが継続しているうちは日銀的には「景気は拡大基調を続けているから政策金利の調整が必要ですなあ」というロジックになると存じます。で、その設備投資とは何ぞやという話になると機械受注統計が強いというのはまあネタとして一番手ですからね。ちなみに8月2日の水野審議委員の講演ではこんな話をしてます。
『機械受注(船舶・電力を除く民需)、建築着工床面積といった設備投資の先行指標は堅調に推移しています。』
『個人的には、10月2日に公表される日銀短観(9月調査)で2006年度の設備投資計画がさらに上方修正される可能性が高いと判断していますが、設備投資が過熱気味かどうかを判断するにはもう少しデータをみる必要があると思います。もっとも、仮に設備投資は現状程度の好調な状況を維持するという見方が適切ならば、以下の見方のうち、少なくともそのひとつを受け入れる必要が出てきます。すなわち、(1)わが国の潜在成長率は日本銀行が想定する+1.5〜+2.0%を上回っている可能性が高い、(2)成熟局面に入る時期は、4月時点の本行の想定よりも後になる可能性が高い、という2つの見方です。個人的には、どちらの可能性も高まってきたように思います。』
設備投資だけ良くても何だかなあとは思うのですが・・・・
#極私的景気定点観測ベースでもどうもW杯前後のあたりから景気に変調の感じがしてるんですけど・・・・・
○さて2か月FBの入札です
昨日は3か月FBの入札でしたが、0.365%−0.37%の範囲内で入札をやって終わってみたら引けも0.365%ということで何たる平和な相場なんでしょうって感じです。
そして本日は2か月FBの入札です。だいぶ前に2か月FBの入札をやった時は退避資金が流入して無闇やたらと過熱して大変なことになりましたが、今回の2か月は9月中間期末越えの発行になりますので、まあそんなに過熱することもないでしょうし、そもそも退避資金が短いところにジャンジャン流入するような地合いでもございませんので、これまた安定した結果になりそうな感じ。0.35%くらいになるんじゃないですかねえ。GCレポレートが一時0.3%を堂々割り込みました(コールが0.21%とかまで下がった前後)が、まあここの所また0.3%台前半に戻っているようですので、それと期末越えという事を勘案すると、そんなにアフォのように買い捲る訳には行かないと思いますけどどうなんでしょ。
まあ今日から金融政策決定会合ですが、しばし材料無く淡々としたマーケット推移が予想されます。というか偶にはゆっくりしましょうや。
#うーむ、見事にねたが無いので世間話になってしまいました。そういや風邪はやっとのことでほぼ治りました、と思います。
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2006/08/09
○踏み上げと書いたら入札ゲロゲロ
いやはや参りました。1.3クーポンにしたら実はニーズがありませんでしたって事なんでしょうが、5年入札でテールが4銭(1毛近く)流れるというのは久々に見た気が致します。
こうなりますといつものパターンですが、1.3クーポンの新発が業者の持ちになって、何故か1.4クーポンの既発にしか買いが入らずレポコストでゲロゲロになってしまうの巻になりそうな悪寒。しかもカレントが1.3なんで、相場が下がると1.4の方がカレントに近くなって1.4クーポンが益々買われるという誠に遺憾な展開になりそうですな。
結局「売り手がいない中でプロップと一部投資家の先回り買いが押し上げた」という相場だったんでしょうか、何かイマイチ釈然としませんがまあ結局は1.3クーポンの5年債にニーズは乏しかったということなのかなあ。何とも良く判らん。
○3か月FB入札ですが
短いところはまあ見事に平穏な状態が継続しております(月曜は入札でちょっと動きましたが)。2月中旬から散々ぱら振り回されたんだからちょっと休ませろという感じですが(笑)、そんな中で本日は3か月FBの入札。
まあ見事にこのあたりのゾーンはレートアンチェンジ攻撃ですし、イールドカーブもベッタリと平らに近くなっているので、特に波乱もなく入札を終わることでしょう。まあ0.365%−0.37%で入札やって引けてみたら0.36%くらいになるんじゃないかと思います。などと具体的な数字を言って見事に外すと兜町のユリ・ゲラー先生になってしまうので注意したいところです。
今回のFBは11月の金融決定会合前に償還が来ますが、実は次回の3か月FBが11月の金融政策決定会合越えになります。先日の水野審議委員の講演あたりを見てると「10月の展望レポートでやる気見せてから年内利上げでっせウッシッシ(超越的勝手なあたくしの解釈)」という空気も漂って来る今日この頃でございますので、11月会合越えにプレミアムが付くのかどうか注目したいところです。
・・・と書きましたが、まあプレミアムが付くのは「本当にヤバイ」って認識がかなり広がらないとそうは成らんのでして、そーゆー意味ではまあ来週からいきなり甘くなるのは考えにくいところではあります。9月にならないと意識してこないんじゃないかしらん。それまでに経済指標や株価が強ければの話ですが。
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2006/08/08
お題「小ネタを少々」
今日はFOMCですが、インフレ指標の方がどうも気になるんで利上げするんじゃないのと市場予想の逆を予想してみましょう。さて今日は雑談少々。
○踏み上げですなあ(相場メモ)
昨日の債券市場は5年国債入札前だというのに見事な踏み上げ相場。まあアレですな、「利上げになって売られたところで買いたい」「10年入札で売られたところで買いたい」と言ってる間に相場にそれらしい押し目無く、段々買わない言い訳が無くなってきましたなあって感じではございます。
6〜7年ゾーンが強いようですが、まあ2年も0.8%割れたり、5年や10年も強いようで、全般的には戻り待ちの売りをこなしながらも買いがって感じなんじゃねえかって感じです。
短いところでは6か月TBの入札がありましたが、まあこちらは前週末に頑張って気配を甘くしたので、入札レベルは0.435%近辺になってくれましたが、前場の引けよりはちょっと強い結果に。前週末の売りが結構頑張った叩きだったということでしょうな。落札後堅調で0.42%まで買われたようです。
今週は水曜に3か月FB、木曜に2か月FBの入札が予定されてますが、この調子では3か月が0.36−0.37%で2ヶ月が0.35−0.36%などというような感じになっちゃうんですかね。さすがに11月の決定会合越えとかになったらもうちょっと警戒しても良いような気がするんですが、6ヶ月が0.45%に遠く届かない状況だととりあえずは気にならないぜって雰囲気になりそうな悪寒。
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2006/08/07
お題「月曜は雑談」
拳闘を筋書きのあるドラマに仕立てた某テレビ局は長野県知事選挙結果報道で「残念ながら」ってそりゃ放送法違反になりゃあせんかねえ。免許剥(ry
○6か月TB入札ですが
ここの所手がかり材料が乏しいので平和な相場が続いておりましたが、金曜日の市場で話題になったのは6か月TBが突如売られたことですかな。
午後になって突然TB404回(1月15日償還)が前日比5毛くらい甘い0.4%台(前日まで0.37%)での出合いがございまして、結局引けも前日比5毛甘の0.42%と相成りました。
前日比やたら甘いところが叩かれるということでちと話題にされましたが、まあこれはそもそも今までのTB404回債の居場所が変だったとも言えます。3か月FBの利回りが0.35%〜0.36%という居場所で、1年TBの利回りが0.54%あたりの居場所で、6か月TBはさてどこでしょうとなりますと、次の利上げタイミングの読みが重要になる筈。これに関しては色々と意見は有るでしょうが、まあ年内か来年早々かってお話になっている状況だとすると、6か月TBの然るべき居場所が3か月と殆ど同じというのはさすがにやり過ぎだったんじゃないっすかねえ。
ということで、本日の6か月TB入札は0.43−0.45%位でやってくれるのかなあとホッと一息という感じ。大体からして2月償還になる訳でして、この辺の1か月の違いは結構でかいと思うんで、こんくらいでやってくれないと中々しんどいんじゃないかなあって感じです。まあ波乱にはならないと思いますが。
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2006/08/02
○FB3か月入札ですが
本日のFB入札ですが、既発債のFB400回債およびその手前が0.35%だと言ってるのに何故か401回WIの引けは0.38%ということでして、どう見てもそのWIは安いです。本当に(ry
今回は11月償還になってしまいますが、今のところその辺りに関してはあまり気にしてないぜって感じ(そもそも6か月TBの既発債が0.37%ですし)ですので、まあ0.36%ちょっとくらいで落札して、0.355%くらいの引けになるんジャマイカというところではございますな。気になるのは水野さんの講演ですが・・・・
○今日は水野さんの講演&福井総裁の時事インタビュー
本日は水野審議委員の講演。利上げ後に妙に審議委員の講演が続くような気がするのはあたくしの気のせいだということにしまして、国内市場的には「また水野か!」と殆ど呆れられていると思われる(あたくしが思っているだけではありますまい)ので余程の事を言わないとサプライズにならない(逆に利上げしません何て言い出したらサプライズですな、笑)と思うのですが、水野講演→内容が海外ベンダーで物凄くタカ派報道される→海外で訳の判らんレポートが出る→海外売り仕掛け→バンクALMが機械的にぶん投げ→あぼーんというアホアホスパイラルが発生する方が怖いので、今日は兎も角それ以降の方が気になるかもしれませんな。ちょうど来週は5年の入札があって中短期売りやすいですし。
1日には時事通信が福井総裁インタビューを報道(インタビューしてたのは31日)してましたが、内容よく見て無いから何ともですが、聞いた話では「特に突飛な話はしてない」ということのようで。
ほんのちょっとだけ相場が反応したのは「年内利上げが無いとは一言も言ってませんが何か?(もちろん意訳)」という内容が報道された時ですが、瞬間的な反応に留まったという事で、市場は年内利上げ無しを決め打ちしている訳ではない(かと言って年内必ずあるとも思ってないでしょうが)というのが判る動きではございました。
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2006/08/01
お題「日銀の金融市場レポート(の追録)」
金融市場局が出している金融市場レポートですが、これは毎度中々面白く読みやすいのでお勧めというわけで本日はこちらから少々。中は皆さん読んでください(おい
本日お勧めは金融市場レポートの追録版でして、お題は「量的緩和政策解除後の短期金融市場の動向」→http://www.boj.or.jp/type/ronbun/mkr/mkr0607b.pdf
日銀のサイトをご覧になると判りますが、新着情報としてアップされたのが追録の方が先というのは思わず微笑と言った所ですが、まあこっちをまず読めって事なんでしょう。
○まずは最初にまとめがあります
1ページ目にまとめがございます。現状分析に関してですが、前回金融市場レポートが出たときの追録で「量的緩和政策解除後の短期金融市場の課題」ってのが出てたときにはレポ市場の問題点(=資金出し手がやたら優位の世界という問題というか欠陥)に関してちと切り込み甘いようなって突っ込みをした記憶がございますが、今回はオペ先など約150社にアンケート調査をしたりとポイントを抑えた内容になっておりますな。9月くらいになったらこの続きの調査をするということでフォローアップすると面白そうですね。
んでまあそのまとめ部分なんですが、皆さんご存知のようにレポ市場がどうなっていくかが重要だっちゅうお話になりますわな。ポイントとして箇条書きに上げられている中で、この辺りに関してはご案内の通り。
『量的緩和政策解除後の翌日物金利の動きをみても、日銀当座預金残高が相当程度減少した5
月以降、レポレートがいち早く上昇し、これが裁定を通じて円転レートや無担保コールレートなどに波及する形となった。ただ、レポレートが無担保コールレートなどに比べて高止まりする傾向が続くなど、レポ市場と無担保コール市場等との間の資金の流れ・裁定が、必ずしも円滑ではない面も窺われた。』
ここで債券市場の話を入れるとややこしくなるので入れなかったんだと思うのですが・・・・TB/FB市場で4月にアフォのようなキャッシュ潰し行為が行われ(何せ3か月FB0.02%だの2か月FB100円テイクーンだの)てその反動が5月大型連休直前から爆発したというお話とか、突如浮上した6月利上げ説によるFBレートの上昇から「FB購入/レポやオペでの調達」というトレードによるオペ金利、レポレートの上昇とかございましたな。それから円転レートに関しては「円転が回らなくなったからレポに調達が流れてレポが上昇した」と言ってた人もいましたな。まあそれはともかく。
『レポ市場と無担保コール市場等との間の資金の流れ・裁定が、必ずしも円滑ではない』・・・つーかだいぶ円滑じゃないのですが、何となく暗黙の了解でコール+5bpでGCレポが回っているかと存じます。そういう意味では裁定してるっちゃあ裁定してますな。インチキの香りがする「裁定」ですが(苦笑)。
で、今後の課題としては・・・・
『その際、市場間の資金の流れを一層円滑にし、より安定的な金利形成を実現していく観点からは、@クレジット・ラインの適切な設定・拡充などを通じて無担保取引を円滑化していくこと、Aより多くの市場参加者が有担保での取引体制を整えていくとともに、即日での取引を含め、レポや有担保コールといった有担保市場の流動性、効率性を高めていくことが、重要な課題となっているように思われる。』
ということで、歴史的に無担保市場の規模がでかい状態が長かったので有担市場をやっていくのに制度上のネックがございまして、今後は有担保市場の深みというか厚みを拡充する事が必要ですわなという話ですな。
でね、取引体制を整えていくという点ですが、「金利が上昇して裁定機会が出来れば市場参加者がクレジットラインとか設定して体制作るでしょう」っていうのも正論ではあるのですが、制度上のネックに関しては個別参加者が手当てすれば良いってもんでもありません。で、本来的にはそんなことまで日銀が口出す話じゃないんですが、まあ日銀も一枚噛んでいただくことになるんでしょうなあ、というかお願いします(苦笑)。
○レポ市場に関して
本レポートではレポ市場に関してページを割いて(10ページ中4ページ)説明しておりますが、内容は非常に良くできていると思います。市場の問題点として、まあ皆様もご存知のようにGCレポ市場での資金の出し手の広がりの乏しさについて指摘がございます。6ページ目のあたり。
『後述するように、地銀や機関投資家などは、レポでの取引体制を構築していない先も少なくないとされており、出し手が少ない一因となっている。また、出し手の約6
割を占める信託は、有価証券信託で受託した国債をSCで証券などに貸し出し、その際に受け入れた現金担保を今度はGCで当該証券等に対して再運用する事例が多い。(中間割愛)信託のGCにおける資金放出はSCとセットで約定されることが多く、相手先との間では、実態として資金的にニュートラルな債券交換に近い取引となっている。』
ということはどういう事かと申しますと、残りの資金の出し手でありますところの都市銀行(シェア約3割)が実質的な資金の出し手になってるということでございますな。信託は在庫調整(証券から見ればショートセールしたものの穴埋めと、ロングで余っているものの在庫ファイナンスがセットになっている)として機能というお話。そうなりますと・・・・
『(信託GCレポの)レート形成も、SCレポレートとGCレポレートのスプレッドに重点が置かれ、GCレポレートは市場実勢レートを受けて決められることが少なくないようである。こうしたこともあって、市場参加者の間では、資金の出し手の少なさが意識されやすくなっている可能性がある。』
ということでちょっと資金需給が締まると都銀がレート決め放題となっているという事を穏やかな表現で示しておりますという事ですわな(^^)。
で、まあこの辺りの話は紹介してると全文引用になってしまうので、途中は全部端折りまして(こら)、9ページ目に良い事が書いてあります。
『レポ市場におけるより円滑なレート形成を図っていく観点からは、レポ市場と無担保コールなど他の翌日物市場との間の裁定を働きやすくしていくことが必要と考えられる。そのためには、まず、より多くの市場参加者、とくに資金の出し手がレポなど有担保での取引体制を整え、有担保市場の厚みを増していくことが重要である。』
投信と生保の短期資金がレポ運用するようになると相当厚みが広がると思いますが、制度上のネックや、事務負担に信託銀行が対応できないといった問題があるようでして、まあこの辺りをどうにかしないといかんっちゅう所は相変わらずのようですな。
『また、即日での運用を指向する出し手の存在や取り手サイドのクレジット・ラインの制約などを前提にすると、「先日付・有担保」が中心のレポ市場と「即日・無担保」が中心の無担保コール市場の間を橋渡しする「即日・有担保」市場の拡大、例えばT+0レポ取引の拡大や有担保コール市場の活性化などが一つの鍵となってくる可能性がある。』
(紹介しませんでしたが)有担保コール市場の所であった担保掛目の問題をどうにかしないと中々ムツカシイところもあるかもしれません。今後の課題ですわな。
#本日は寝坊したのでこんなところで恐縮ですが、是非日銀のサイトへ行ってお読み下さいませ。
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2006/07/31
・債券相場下がりましたなあ
週末の米国債市場が金利低下攻撃なので元に戻りそうでもありますが、金曜のドラめもんで「相場が盛り下がって参りました」などと書いたら132円50銭あたりで延々とウゴカンチ会長だった債券先物久しぶりに132円割れ。
まあ何と申しますか、我ながらそのタイミングの情けなさに笑ってしまうしかないですわな。でもまあ世の中そんなもんということで、金曜の下げに関してはワケ判らんという感じのようですな。10年入札前に相場の全体水準を調整しておこうってこともあったのかなあとは思いますけど、木曜日には株上げに対してろくすっぽ反応しないよこりゃ底堅いと思わせておいてからこの攻撃ですので、奥が深い訳ですな。
・短いところは平穏
金曜の無担保コール翌日物加重平均金利は0.249%と0.25%を微かに切る結果になりました。利上げ後の実質初日に加重平均が0.302%だった事からすると日銀の調節姿勢が浸透してきたという事で誠に結構。
コールの低下が徐々に波及してきた感じでCPレートもそれほど上昇せず。木曜日は月末スタートの発行が多くて需給関係および月末月初のレポ現先レートの上昇が効いて若干レートは上昇しましたが、利上げ直前の「GCレポ0.35〜0.40%前提モード」からはレートが低下した状態になっています。
まあ何ぼなんでも8月、9月は金融政策は無風でしょうから(今週講演する審議委員が「連続利上げというのはFRBのように会合ごとに利上げする事を意味しているだけだから9月以降は利上げするぜベイベー」とか言いそうな悪寒はするが^^)、とりあえず9月末までの金利については平穏な推移が続くものと思われます。
株が上りだすと10月ものに関しては必ずしも・・・と存じますが、その割りには6か月物(正確には5ヶ月物に近いですが)のTBが品薄のせいもあって0.37%とかやってるのは槍杉感が漂いますな。この辺がびみょー。
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2006/07/25
○短期市場は落ち着いてるようで
利上げ翌日(先週の火曜日)には無担保コールが0.3%とかになって目が丸くなってしまいましたが、その後気合の資金供給でコール市場も落ち着き、GCレートも0.3%ちょっとあたりで落ち着いている感じ。
まあそんな事からFBの利回りもやや低下して1か月ものあたりでは0.3%近辺(0.3%割れかも)と確りしておりますわな。大変結構なお話です。CPに関してはやや需給環境が悪いようで、イマイチ金利が下がりませんが、まあこちらも徐々に低下しつつあるイメージですわな。
とは申しましても、まあ月末月初あたりまではちょっとオペが途切れると金利は上りやすいんじゃないかなあとは思います。明日のFB入札はまあ無難に収まって0.37〜0.38%位で入札をやってセカンダリーであっさり0.35%〜0.36%まで進むって感じなのではないかと勝手に想像してますが、その通りになるかどうかは保証の限りではありません(笑)。
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2006/07/19
さて本日ですが、金融政策決定会合関連のネタが積み残しなのですが、市場金利があたくしが思ったより上昇気味でそっちから。
○コールレートなど全般強いですな
昨日の無担保コール翌日物金利は0.302%になりました。朝からコールのビットが0.3%→0.35%→・・・などと上昇しまして、準備預金の積みというよりは資金繰りのニーズの方が高い(=準備預金対象資産が邦銀対比少ないから)外銀のビットアップが目立ったようで。日銀も朝9時20分の共通担保即日本店オペ4000億円の後に昼0時50分にもう一発共通担保オペ6000億円を打ち込んだのですが、何かコールで0.45%を取る限界的なお方もいたようで、いやはやコールレート高いですなあという感じ。
本石町日記さんの所では「外銀プレミアムの顕在化」という指摘がありましたが、あたくしと致しましてはそれよりも「資金が引き続き上手く回っていない」「自行準備預金の意図的な積み操作がまだ慣れてない」という方面に目が行ってしまうのですが、まあその線で少々。
世間的(ただし局地的な世間)に言われているのが「今回の積み前半は足元金利が高くて、積み後半は足元金利が下がるでしょう」ってお話でして、昨日のコールレート上昇を受けてGCレポ金利や現先利回りも22日〜24日の翌日物で0.35%以上(0.35%〜0.38%あたり)になっていたようです。このままだと少なくとも月末を抜けるまではこんな感じとも。
でも別に準備預金の積み進捗はちゃんと進んでいる(大体からして1兆円即日供給してますし)状況でして、どうも準備預金の積み上げをコンサバ目に行っている銀行がいるのではないかと思われる訳ですな。勿論ここぞとばかりに資金放出している人もいると思うんですが、どうも相変わらずの「資金抱え込み現象」は全体としては中々解消してないようで。
正直、こんな金利の日に積みの進捗をせっせと進める(コールじゃなくて即日オペで資金を取ったとしても0.29%以上の金利になってます。そりゃまあコール0.27〜0.25%でも取れるのでしょうけれども)のはワケワカランというか損な気がするんですけれども、それでも積みをせっせと進める人もいるようで、まあ意図的に積みを前倒ししてみたり後ずれさせてみたりして準備預金のコストを下げるという所まで体制が出来てないのかもしれませんな。困ったもんですが、まあ初日だから仕方ないのか。
でまあご案内のように昨日もまた邦銀レートと外銀レートが違うようでした(つーかそんなに邦銀取ってるのか?)が、これは資金の出しての方が無担保コール放出体制の中で外銀への放出枠が少ないという要因がでかい(ジャパンプレミアムの時に散々食らったので金なんぞ出してやるもんかという気持ちは理解出来ないでもないですが^^)ということで、まあ相変わらず資金が上手く回らない状況が思いの外継続しているようですにゃ。
そんな訳で、GCレポやら現先の金利が足元の誘導目標からかなり上ブレ(って言ったってコールが高いんだから仕方ないけど)しちゃったので、日本相互証券様謹製のTB/FB引値は9月償還ものまで軒並み0.35%、10月償還ものが軒並み0.36%となったようでして、お約束のイールドカーブベアフラット状態になりました(ちなみに6か月が0.39%)。まあこれもGC上ればこんな感じですわな。
カーブがベタベタに寝てしまうと正直言って工夫の余地が無くなるので、商売としては「差がつけにくい」世の中になってしまいまして誠に遺憾なのですが、そんな中で本日は3か月FBの入札。10月23日償還ですが、どう考えても「10月決定会合超えプレミアム」が発生する訳は無いので、WIは0.4%とかになってますけど既発債並みのレートで落ち着くんジャマイカと思われます。そうすると現先レート対比でかなりカツカツのレベルになるので現先レート見合いで買う人は中々厳しいのかなあという感じですな。
ま、コールがいつまで経っても0.3%では何やってんだって話になりますんで、そのうちもうちょっと落ち着くと思いますし、もしかして前半0.3%で後半0.2%などというようなアフォな事になれば何ぼなんでも意図的な積み操作をする人も出てきて裁定されるとは思うんですが・・・・・
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2006/07/14
お題「GCレポ、現先金利のコントロール」
今日も今日とて思いっきりテクニカルなお話ですが。
○大変に素晴らしい国債買現先オペ
昨日午前の金融調節では国債買現先オペを実質8000億円実施したのですが、この期間が実にきめ細かい打ち方でして、オファー時点から「これは凄い」との声が(^^)。
8000億円の現先を14日→18日、18日→27日という2本立てで打ったのですが、14→18というのは今日から翌営業日でして、ロンバート大量利用の懸念ありの本日の翌日物にぶつけてきた格好、そして18→27は前日の共通担保オペの期間と同一で、勿論資金需給予想を反映して足を27日に設定してるんでしょうが、前日のオペとまるっきり同期間という事で、何となく金利下がらんかねえと応札するほうが思う(前日のオペで資金需要に対応してるから)期間。
ま、そんな事もありまして、14→18のオペは平均0.102%で最低0.095%となりまして(ということは0.1%以上の札もあったということですが、一昨日のGCレートから勘案すると低下してるからエエンジャネエノ)まあそこそこ落ち着きモード。18→27のオペ金利は平均0.334%で最低0.303%となりまして、前日の共通担保オペ金利の平均0.389%最低0.360%から大きく低下となりました。
で、まあこの低下を受けまして昨日のGCレポ取引(19日スタートの翌日物取引)は0.30%近辺まで低下して、前日比5BP位は低下した感じで、混乱モードから平静モードへ移行しつつあるといった感がございます。実は共通担保オペ金利は相変わらず高い(と言っても昨日のは期間が長いのでまあ単純比較しにくいですが)状態なんですが、GCレポや現先取引をする時に参考にするオペ金利が共通担保オペ金利から現先オペ金利に移ってきたようで、昨日のオペはGCレポや現先市場を落ち着かせる(って本当に落ち着いたかどうかはまだ判らんですが)効果が高かったと思われますです。はい。
何はともあれ昨日の現先オペの期間設定方法に拍手。午前中にT+1スタートとT+2スタートを2本立て(というか連続方式ですが)で打ったのは中々よく考えられた方法かと思います。
○レポ金利の跳ね上がりも抑えられるのでは・・・・
ということで、昨日の朝に駄文を書いているときは共通担保オペの金利上昇(というか高止まり、火曜のオペ金利も高かったし)→GCレポいきなり0.35%かよ!ってことで「利上げ(まだ決定してないですが)後のレポ市場大丈夫かよ」と思ったのですが、昨日のオペ結果とその後のレポ金利の低下を見ますと「金融調節で落ち着かせることできるじゃん」ってことで、これならまあロンバート0.5%でも心配ないぜって感じでしょうかね。
まあそもそもの話として、誘導目標金利0.25%に対してGCや現先が0.4%近辺で張り付いてしまったら、その時点で金融調節が上手く行ってないという話になりますんで、そういう意味ではロンバート0.4%でも0.5%でも実を言えば同じだったりするという指摘も現場的にはございまして(まあ期末期初だけですか)、あとはまあ心理的な問題に過ぎないという気もします。と、昨日の市場を見てかなり安心したあたくしなのでありました(^^)。
ま、ど〜せ同じなので最初0.4%にしておいて、市場が落ち着いているのでコリドーを広げてみるよってのも別に日和見だとは思わないですけどね。その点では本石町日記さんおよび本石町日記のコメント欄の大勢意見と違ってマル公0.5%にそこまで拘る気分にはならないです。現在の誘導ゼロ近傍+ロンバート0.1%は、上限0.1%(抜けることもありますが)で下限が名目ゼロ金利(だから実は純粋なゼロ金利政策とは言い難い)ですけど、誘導目標が0.25%になった時には下限制約が外れるのでスプレッドが0.1%のままだとしても実質レンジは拡大(まあロンバート0.35%は無いでしょうが)なんですよね。
#たぶんマル公は0.5%になるんでしょうけど。
○しかし共通担保オペの金利高いですな
昨日の共通担保オペですが、本店方式での実行で7月18日〜9月5日の期間。相変わらずレートが意味不明の高さで平均が0.406%の最低が0.381%となっています。いやまあ期間が長いからその分プレミアムが乗っても良いんですけど、それにしても期間中の現先利回りとかを予想するにその金利はちと高くないでしょうかって感じなのですが。
昨日の短期国債市場は全般的に確り(ロンバートの金利が0.4%になるんじゃないかという憶測が流れて買いが入ったというのもあったようですけれども)でして、前日に入札が行われた3か月FBが0.38%近辺まで金利低下してたんですが、共通担保オペだけ何か別世界になっているのは何か違和感ありまくり。他市場の動きや現先オペの金利(共通担保オペは午後に実施されたので、午前のオペ結果は判明している)とかの動きと整合性が取れてないのは何なんでしょ。
ま、共通担保オペを入れる人が何か全然別の論理で動いているとしか思えませんけど、何考えてるんだかって感じです。
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2006/07/13
○オペ金利高けえぇぇぇよ→GCレートも強い
昨日の資金供給オペですが、ついに18日スタートのオペが実施となりました。18日〜27日というショートタームのオペだったのですが、多分ゼロ金利解除されて新金利が始まるであろう初日からの金利の見立てが露骨に判る期間で8000億円のオファー。
結果は平均0.389%ってちょっと待てそれは何ですか状態のレートになっております。ここもとのオペ金利がやたらめったら上昇してるんで、まあそんな勢いなのかとも思いますが、この期間のGCや現先レートが平均で0.39%に達するとか真面目に考えないとそのレートは取れないと思うのですが、何の金利を見てもそんなレートで回っている物はございませんがな。どう見ても逆鞘です。本当にありがとうございました。
そんなこともございましたので、午後遅めの時間に行われた18日スタートの翌日物GCレポ金利も堂々0.35%近傍での取引となりました。14−18日のGCレポ金利が前日の最終で0.10%まで下がったのはありゃ一体全体何だったんでしょうなあ。
多分次回の積み前半は超過準備がある状態からスタートだから本来だとそんなに金利が上らない筈なんですけどって思うのですが、皆さんがこぞって足元で資金を抱え込むと金利は高止まりするわ準備預金の進捗は進むわという非常に香ばしい事態が発生する(積み後半の調節が苦労するという意味です)かも知れませんな。金融調節担当の人も大変ですなあ。
しかし0.35%でもちと高いが、まあ最初だから仕方ない面もあるのかなあとは思いますが、0.4%はあなたそれはマジっすか状態でございますな。
毎度申し上げますが、GCだの現先だのの利回りはターム物金利でありますところのFBだのCPだのの金利にまともに反映されるものでして、この辺の金利が上ると企業の調達コストにも跳ねるお話。つーことは、0.25%の利上げをしているように見えて実はもっと利上げ効果があるんですよウェーハッハッハという話になるかもしれませんなあという論点は正直マニアな話なので(あちこちでその話してる人いるんですが)、あまり話題になって暮れませんな。
#まあそもそも論で言えばFBの発行が市場の処理能力を超えているからこんなにGCのレートが上るのでして、日銀頑張って供給しなさいとツッコミ入れるだけでは話が発展しませんけど。
昨日のFBは0.40%にはさすがに絶対水準バイヤーが登場してたように見受けれられます(最後の最後には0.395%テイクン)ので、昨日の市場を見るとコールが0.25%でGCや現先金利が0.35%あるいはそれよりも高くて3か月FBが0.40%という訳の判らん価格形成になっておりますわな。まあどこかが変なんでしょうけど。
○ふと思ったのだが・・・・下限制約を勘違いしてないか?
とまあそんな感じでやたらめったら盛り上がるレポというよりはオペの金利なのですが、色々と妄想しているうちにふと思ったのは、今度実施されるであろう0.25%への誘導金利引上げの「0.25%」をゼロ金利の「0%」と一緒くたにして考えてないかってお話。
「ゼロ近傍」が誘導目標の時は、名目ゼロ金利には物理的に下限制約がある(日銀当座預金金利はゼロ、各種オペレーションの金利はゼロおよびマイナスにならない)ので、「誘導目標ゼロ近傍」と言いましても、実際問題としては「下限がゼロで上限を抑える」という形になるわけで(為替スワップの関係でマイナス金利がどうのこうのという話はとりあえず措く)して、この場合のゼロは目標といいつつ下限金利でもあったわけですわな。
ところが、誘導目標が0.25%になった時には物理的な下限制約は無い(日銀当座預金への付利が行われればその金利がスタンディングファシリティになりえますが、現状では日銀当座預金金利はゼロ)ので、「平均して0.25%近辺になるように」(どういう表現になるのか知りませんが、まあそんな感じになるんでしょ)誘導した場合には加重平均金利が0.25%を下回る日だってある筈ですわな。何かそのあたりに妙な勘違いがあるんじゃないかって気がしてくるこのオペ金利の上昇でございます。
ええ勿論上記の話はあたくしの脳内妄想の世界でして、まさか皆様そんな勘違いしてないと思うんですが・・・・・どうもこのレートは。
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2006/07/12
お題「短期市場雑感」
あまりにも派手派手に動くので他市場をフォローする暇なし。
○どう見ても過剰反応です
昨日実施された資金供給オペはまたまた金利上昇。8月30日エンドの本店オペ(共通担保資金供給です。以下面倒なので本店オペとか全店オペとしか書かないっす)の平均落札利回りが0.374%となり、前日の全店オペの0.357%からなお上昇。昨日のオペは前日のと比較してスタートが1日遅いですが、一般的に全店オペの方が本店オペよりも金利が高めになる(応札できる人が多いから)という傾向を勘案するとやっぱ「金利上ったなあ」という感じ。
えー、このレートですが、こりゃ計算するまでもなく今後の足元のGCや現先利回りが平均して0.35%とかいう数字になってしまう(追記:正確には0.4%です。計算するの面倒だったので手抜きな書き方しちゃいましたが、GC現先が0.35%ベタでも高いのに、0.4%はどう見ても高杉新作です。本当にありがとうございました。)訳ですな。まあ毎日足元でファンディングしてロールオーバーする場合のリスクプレミアムが乗っていると言う事でもあるんで、必ずしも期間中の予想GC/現先レートが平均0.35%を上回るって訳ではないとは思う(というか思いたい)のですけれども・・・・・
んじゃ一方で他の金利はどうなのよと言いますと、業者間取引で8月14日エンドのFB388回が0.29%(手元のメモが自分の字だというのに解読不能なんですが、確かそんな感じかと。違ってたらゴメン)とかで出合っていたようでして、まあ足は違うけどFB利回りVSオペ金利で比較すると、オペの金利は大幅に高いという感じ(ちなみに、昨日の本店オペ7月24日エンドの平均落札利回りが0.294%)ですわな。そして昨日はこんな時期でもまあCPの発行もあったようでして、最上位格付けの1か月ものCPが0.34%近辺だったらしいのですが、これまたオペの金利の方がど〜考えても高いです。
勿論オペと短国セカンダリーやらCPでは捌けるロットが全然違うので、こういう訳の判らん時期には単純比較だけでは測れないものがある(流動性確保という観点がある)のですけれども、それにしてもまあこりゃ随分金利が上りましたなあという感じです。
正直、リスクプレミアム織り込みすぎなんじゃねえかと思うのですけど、あちこちヒアリングしてみると意外に「日銀はGCや現先の金利が瞬間的に跳ね上がっても別に気にしない。平均的に高いと気にするけど」って意見の人が多いようで。瞬間的というのが期末期初だけなら兎も角、やれ国債発行だやれ財政揚げ超だと一々理由をつけて現先やGCレートが跳ねるようなマーケットになるとそれこそ「リスクプレミアム」が付いて恒常的に金利が高止まりするんじゃネーノって気がするのは気のせいですかねえ。
ま、ロンバートが幾らになるかも判らんので何事も蓋を開けて見ないと判らないですが、「ベースレート0.25%の引上げと言ってたのに、実質的に0.35%の引上げになっているのは如何なものか」とか言われない程度には運営すると思ってるあたくしは市場機能の回復を理解してませんですかそうですか。
○14−18のGCレポ取引メモ
いやはやよく動きましたようで。
当初は何となく0.15%−0.25%の気配って感じだったようですけれども、誰かが0.25%で少額の出合いをつけた所からスタートとなったようです。
しかしまあ0.25%って18日スタートならともかく、ロンバート0.1%で借りれるんだからそりゃ高杉晋作でしょうという感じで、その後は0.20→0.18→・・・と物凄い勢いで金利が下がって、最終は0.10%というロンバート水準での出合いもあったやに聞いております。いやあの0.25%は高すぎだと思うが、別に0.1%のGCを買う(=資金放出する)のなら準備預金積んでおけば良いのにとか思っちゃう(準備預金非対象なら仕方ないけど)レベルで、それまた面妖なというお話ではございますが、とにかく訳の判らん動きではございました。
いやまあその前に年寄りじゃなかったベテランな知人たちと「で、どうなんよ」って話はしてたのですが上と下の金利が何か想定をぶち抜けていまして、「何なんですかこれは」と呆れてしまいました次第。まあ余りにも笑えてしまったのでメモメモということで。
しかしまあ「14日は資金を抱え込む向きが多い事が想定されるので資金が出にくい」って観測がメジャーだったというのにこの有様は何と申しますか実に香ばしいですな。
○ところでFB入札ですが
昨日のオペ金利上昇に伴い、本日入札が行われるFB398回(償還日10月16日)のWI取引はとうとう0.40%オファー。既発の10月償還ものはそこまで行ってないようですが、どうも既発10月償還物も業者の持ちっぽいですし、3か月で0.4%とはそりゃまた凄い金利ですねえとは思うのですが、需給が宜しくないので仕方なし。
今回の新発に関してはさすがに水準が0.4%ともなれば決定会合直前とは言っても水準から買いはあるでしょうとは思いますけど、これが毎度お馴染みの既発債からの入替ベースとかで買いにこられると既発が重くなりそうで中々しんどいでしょうな。まあ皆が懸念しているほどGCレートが跳ねなければ落ち着くとは思うんですが。
まあ一応7月ゼロ金利解除後に次回利上げを行う場合最速で10月13日の決定会合という可能性は無いわけで無い(無理でしょうけど)というのはあるけど、さすがにそこをリスクシナリオで見に行くのは時期尚早でございましょう。
・・・と書いて気が付いたが、10月16日償還だから「次の次」の政策変更は全く関係ないですな。わははのは。ま、ゼロ金利解除後の短期市場のリスクプレミアムと申しますか、市場の安定度合いをどの位で見ていくかという部分がFB利回りに反映してくるんじゃないのかなあと思ってます。
ではでは〜♪
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2006/07/11
お題「市場は利上げ態勢」
本日午後からは14日スタートの翌日物(=14→18日)のGCレポ取引がスタートするのでまあそちらには注目したいところでございますな。という訳で本日もその手の話。
あ、それから昨日の訂正なんですが、10月の決定会合は13−14日じゃなくて12−13日でした。積み最終日の週末というのは正しくて、月曜から新積み期間に入るという形になっていますです。謹んでお詫びいたします。
○足元はちぐはぐな状態でタームは上昇
昨日の短期方面ではコールレートが午後からいきなり上昇(国債売現即日のレートが妙に高かったせいもあるでしょうが)する側からGCレポレートは先週後半からの流れを引き継いで低下して0.05%台(無担コールの加重平均金利は0.037%)。
何だかモノによって動きが逆だったりする訳でして、実際に何がどうなっているのかは相変わらず市場の片隅でクダを巻いているあたくしにはイマイチ判りかねるものがございますが、勝手に想像致しますと、これもまあ利上げ準備態勢の一環かなあと。と申しますのは、運用サイドは利上げ確定前になると運用を足元に持っていく傾向がある(長いのを出して利上げになった時に言い訳しにくいと言うことでしょ。本当はターム物金利が利上げを過剰に織り込んでるならタームに出すべきなんですけどねえ・・・)ので、リアルマネー系の足元運用として現先市場に金が入ってGCが影響されて金利低下。コールの上昇はよく判らんけど、最後のストレステストでもやってるのかなあ。ま、勝手な妄想なんですけれども、市場間で資金が回ってるんだか回ってないんだかよく判らん動きになってます。
一方でターム物金利は相変わらず上昇。
CPのレートは相変わらず上昇傾向(あまり発行が無かったようですが)で6か月TBとか1年ゾーンとかはゲロゲロの巻と、ターム物金利は相変わらず上昇してますし、全店の供給オペ8月29日エンド(これ何て略称で言えばいいんでしょ?)の金利は平均で0.357%となってまして、利上げ後のGCレポや現先の金利水準が思いっきり0.35%(もうちょっと高い)というのを織り込みに逝ってる(勿論7月利上げで)水準まで上昇しております。
いやあの足元の誘導水準0.25%に対してその金利は高くねえかと思うのですが、どうも資金出しサイドのポジショントークと不慣れな取り手の不安心理が上手にマッチしているようで、誠に遺憾なことでございますわな。だいたいからしてGCや現先レートは毎度申し上げているように、FB金利やらCP金利、中長期国債のファンディングコストなど「世の中」の金利体系に思いっきり影響を与えるものですので、日銀の誘導目標は確かに無担保コール翌日物金利ですけど、GCレポやら現先レートが跳ね上がるのを放置する訳ねえじゃんという想像は働かないのかおまいらと小一時間ですわな。
というか、そのあたりのオープン市場金利のうち足元の部分がコール誘導目標水準から大幅に上方乖離(何を持って大幅と言うのかは議論の余地がありますが、0.25%に対して0.35%〜0.4%が恒常的なのはあたしゃ大幅に上方に乖離と思うが)しっ放しだったら、金利政策の誘導目標は一体全体何なんですかという批判が起きるでしょ(まあそもそも大昔と違って今の無担保コール翌日物市場は限界的な市場になっているので、その金利が誘導目標というのもどうなのよって議論もありますが、ややこしくなるのでスルーしとく)って思うんですけどね。
ついこの前までは利上げ後のファンディングコストを0.25%前提にしてFBなんかのレートが値付けされてまして、「それもまた妙だろう」と思ってたのですが、今度は利上げ後のファンディングコストが0.35%になるんじゃないかって勢いになっているのは実に香ばしいと申しますか、極端から極端に振れる世の中ですなあという感じです。
ま、そういう市場じゃないと商売のネタが無いのでそれはそれで別に構わんのですけど(苦笑)。
○相変わらずの誤解なのか、それとも・・・・
例によってブルームバーグニュースのネタにちと絡んでみます。
と申しますのも、どうもここの短期市場解説記事は資金出し手に都合の良い話ばかりやたらと流布されてて、取材する相手に偏りがあるんじゃネーノって思う(ブルームバーグ社のポリシーとして、市場関係者のコメントは「所属を明らかにする」っていう仕切りになっているので証券会社の現場の人間からコメント取っても報道できない(社内仕切りとして正式にコメントするのはアナリストの場合が多い)というのもあるとは思うのですが)ので、ここはバランスとらナイトと思う訳でして(笑)。
昨日の10時43分配信の14日の翌日物金利に関する記事の中で、『必要以上のロンバートはモラルハザード?』って小見出しをみてぶっ飛んでしまいました。記事の該当部分を勝手に要約すると・・・
14日はロンバート貸出の金利が0.1%(金融政策決定会合で公定歩合の引上げが行われ、即時実施になればその後は変更後の金利になる)なので、14日にロンバート貸出を利用して当座預金残高を積み上げておけば、16日、17日に0.1%で準備預金の積みができてウマーなので、その時の市場金利次第ではロンバート借り入れが殺到するかもしれませんってお話。で、その記事中で唖然としたのはこんな一節があったことでして、曰く、
『しかし、準備預金の積み上げを稼ぐためだけに、利上げが実施される直前の隙を狙って、ゼロ金利時の特別制度を利用して、必要以上の資金を確保することについては「モラルハザードだ」の意見が多い。』(ブルームバーグニュース10日10時43分配信記事より)
えーっと、準備預金の積み上げニーズは立派な「資金需要」(ブタ積みの方がよっぽど立派じゃないと思いますけど、笑)なんですが、「準備預金の積み上げを稼ぐためだけに」ってそりゃ一体全体どういう意味なんでしょうかねえ。それからロンバート制度は「ゼロ金利時の特別制度」じゃなくて金融調節におけるスタンディングファシリティとして機能するもんなんですけど(昨日ご紹介した6月30日公表の日銀ペーパーを参照のこと)。記事ではロンバートを『本来は異常時対応である補完貸付』とか書いてまして、おまいら日高記者からちゃんと教えてもらえと小一時間でございますわな
そんなわけで、市場金利が上ったらロンバートに行くのは制度の本旨に叶った行為だし、積み期間中に(今回利上げして18日から新金利適用であれば積み3日目ですな)政策金利が変更になる時に意図的な積み進捗操作が行われるのも昨日ご紹介した日銀ペーパーで指摘されている通り。それを「モラルハザード」とか言い出すのはロンバート制度の趣旨を理解しないで言ってるんじゃなければ、金利が上って欲しい人のポジショントークとしか思えませんですわな。いやはや困ったもんだ。
ちなみに、別記事で「公定歩合が0.5%になった時に、大手銀行が運用に慎重になればレポ金利が0.5%付近まで上振れると警戒している可能性」ってのを指摘してましたが、これは出し手の脅しポジショントークというよりは資金取り手が「公定歩合を0.5%にすると大変なことになりますよ」って逆のポジショントークをしているような気もしますな(苦笑)。うーむ、ポジショントーク満載ですなあ。
多分なんですけど、瞬間的に変なことはあるかもしれないけど、そんなに極端な事にはならないと思いますよ。でも何か変な誤解話が堂々流布される状況みてるとちと怖いものは感じますけどね・・・・
#と、うだうだとクダ巻きトークで恐縮至極
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2006/07/07
お題「短期ゾーンがいまさら金利上昇・・・」
今日は短いゾーンの相場後講釈を簡単にという感じで誠に恐縮ですが。
○3か月金利がちょっと上昇
昨日は前日の流れを引き継ぎましてTBFBとか1年ゾーンの利付債なんかがヘロヘロになっていたようでございます。利上げの蓋然性が高〜くなってきた今更になって売り売りになるというのが実にワケワカランのでございますけれども、まあこれが今の短期クオリティなので一々驚かないのが吉かと。
3か月物のFBで見ますと、昨日は前日に入札が行われたFB397回が10月10日償還ですが、これが前日比1毛くらい甘い0.385%とかのレベル(何か値付け師が0.39%を叩いたらしいのですが)で、まあそれは良いとしまして、既発ゾーンがまたもヘロヘロ。
1週間前に0.32%とかで入札が行われたFB396回も397回並みにヘロヘロですし、前週まで妙に買いが入って強かった9月後半償還のFBがどうもダメダメの状態のようですな。前週の入札の時には軒並み0.27%だった9月後半償還物のFBは(水準感はちょっと微妙なのですが)概ね0.31%あたりはオファーのようでして、「利上げ後のGCレポレートへの思惑」とやらが物の見事に直撃しているようですな。
ま、それで思うのは「買い方の皆さんだって7月か8月に利上げって予想してた筈なのに、その時のGCや現先レートについて考えてなかったのかYO!」って所なのですけど。正直今更売りが出てくる意味判らん。ついこの前までは「3か月の0.35%には買い意欲が物凄い勢いでありますなあ」とか言われてまして、ああそれって7月利上げをかなり織り込んでもそうなんでしょうなあなどと思ってたんんですけど、いざ0.35%を抜けて見ると0.4%に接近とはドウナットンジャですな。
さてまあそんな状況であった短期国債方面ですが、CP方面では昨日はスポットスタートが10日になりますので、そこそこの発行が見られました。正直、既に価格形成が7月利上げを完全に織り込み(正直織り込みすぎの気もするんだが、2月末と同様に・・・)に逝ってるので「利上げ前に資金を確保」もへったくれも無いとは思うのですが、それはそれで発行体様におかれましても大人の事情もおありでしょうから余り野暮なことは申すまい(・・・って言ってるじゃんかよというツッコミは却下^^)。
で、金利が大きく動く時にはTBFBに対して割と遅行性があるCPちゃんなのですが、どうも昨日はさっくり追随して上昇したらしく、3か月の最上位格CPで0.4%台に乗ってしまったようでございますな。一応期末越えというのはありますけど、それにしてもここへ来て0.4%台というのはちと上りましたなあ感が致します。
この動きがFB方面に波及しちゃうのかは正直よーわからんのですが、CP金利が上昇してる背景には最終投資家が利上げとその後の現先からターム物の利回り形成を見極めてから動きたいということを考えていることがあるのかもしれませんなあ(ディーラーは既に在庫重いでしょ)と感じる昨日の動きでした。
○1年方面も弱いようで
3か月方面を見るのに多忙のため1年ゾーンは今一歩見てませんがメモメモ。
ここの所1年ゾーンの既発利付債もダメダメのようでして、5年20回債だの194〜196回債だの、つい2週間前にはエライ勢いで強くなってたものが弱いという何だかな〜状態のようですわな。買うときは踏みのような買い方で、売るときは投げのような売り方というのはいやはや何とも。
6か月に関しても弱めですが、まあここのゾーンは品薄をいい事に妙にスクイーズっぽい動きが起き易くて、割高になりやすいゾーンでしたので、まあ入札で需給が変ったところで売られてご愁傷様ですが、昨日は嫌がらせのように値付け師による0.475%ヒットとかあったようで、つい先週の既発が0.37%(新発TB404回と1か月償還が違うので単純比較できませんが)ですよウェーハッハッハとやっていたのが幻のようですな。
しかし最初にも書きましたが、もう利上げですよって煮詰まりまくっているこの期に及んで「利上げ後のGCレポレートが高いかもしれない」とか言われだして相場が動き出すってえのも「おまいら今までこんな大事なことをちゃんと考えて無かったのかよおいおい」って言いたくなりますな。「泥棒を見て縄をなう」というお馴染みの言葉を墨痕鮮やかに大書して贈呈したくなりますな。マッタクモウ。
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2006/07/06
お題「GCレポ金利に関する愚考続き」
さて本日も短期のテクニカルなお話で恐縮です。
○足元金利とロンバート金利の関係
オペ金利上昇のあたりからマル公が幾らになるのかという話題が出ていまして、毎度お馴染み本石町日記さんもエントリーを→http://hongokucho.exblog.jp/5186204/
足元の誘導目標金利が0.25%になった時のロンバート金利(=公定歩合)との幅が現状の0.1%からどこまで広がる(まあ広がっても0.25%ですけど)のかという話題になっているのですが、コールだけの問題だったらマル公が0.4%でも0.5%でも正直どうでもいい話。問題はレポ市場の金利がどうなるのよって話かと。
で、まあ昨日の駄文で利上げ後のGCレートがどうなるのよという愚考をオペ金利から逆算する形でお話しましたが、このGCレートが何らかの状況(期末要因とか)で上昇した時にロンバートが概ねの上限メドになる(暫く前にもGCレポが0.12%とかまで上ってたこともありましたけど)事を勘案しますと、誘導金利とロンバート金利のスプレッドが小さい方がGCレポ金利が安定しやすくなるでしょうという考察もございます。
で、そのGCレポ金利の動向はまともにFB利回りに反映して来るのは昨日も申し上げた通りですし、GCレポ金利が証券業者の在庫ファンディングのコストにまともに跳ねて来る(基本的に証券会社は商品として保有している債券はレポ市場でファンディングをつけますんで)ことからしますと、GCレポ金利が妙に高いところになっちゃいますと、現物債のファンディングコストに反映→現物価格下落=金利上昇というお話にもなりますかな。まあ中長期国債に関してはレポ金利が0.1%違うこと自体、日々の価格変動から見れば微々たる世界ではございますけど。
まあ現状のGCレポ市場環境を見てますと、資金の出し手はご案内の通り大幅に偏在というか寡占状態。資金の取り手は証券業者という図になってますが、どうも双方ともゼロ金利時代しか知らん人が大勢いるので何かこう不安心理というか不慣れというか、年寄りから見ると何だかなあって動きをよーやらかしてますので、ロンバートの支えが外れると暫くは不安定化するのは避けられないかと思います。
で、そうなった時に日銀のオペレーションでレポ金利を(直接働きかけは厳しいですけど)それなりにコントロールできるのかどうかというのがポイントになるかと思います。ちなみにあたくし思いまするに、まあGCレポ市場金利が無用に跳ねた場合にオペレーションで打つ手は幾つか考えられますので、そんなにナーバスになる事はないかもしれません。
「市場機能復活」と言っても、金利政策をやってるんですから無担保コール翌日物金利だけ誘導するけど他の金利は市場にお任せ知らん振りというのはあり得ません(と思う)ので・・・・・
何か肝心のマル公が幾らになるかと言う話をスルーしておりますけれども(苦笑)、まあレポ金利の跳ね上がりをそれなりに抑えるオペレーションが出来るのでしたら(出来ると思いますが)0.5%でも別に無問題だし座りが良いという話になるかと思いますが、まあ量的緩和解除→ゼロ金利と来ているリハビリ期間中という認識で行くのであれば0.4%という(本石町日記さんによりますと^^)中途半端な水準に今回は置いて無用な不安心理の台頭を抑えるのも有りではないかと思うのですが。
例えば脳内妄想ですけど、まずは0.4%にしておいてからレポ市場などの金利が落ち着くのを見極めて(どこぞの某著名ストラテジスト様のように「金利上昇してるので現状容認で」行うのは論外)から公定歩合だけ後から0.5%に上げる(市場が落ち着いていれば上げても無影響)というのはどうでしょう。まあその次に利上げ(いつの事やら・・・)する時に幅を拡大すればいいだけの話ですが。
そういや「国際的に見て100bpくらいあるのが普通」という論もどこかで拝読した覚えがあるのですが、高金利時代からやってるものが金利引下げになってそのまま100bpってのと、これから制度が本格稼動する状況でしかも超低金利って状況ではそもそものスタートラインが違いますので、一緒くたにするのは無理があると思いますな。
○未体験ゾーンと言うのは恐ろしいものらしく・・・・
先ほども申し上げましたが、昨日の駄文ではオペ金利から逆算したGCレポ金利の雑考。結論は「0.3%〜0.35%というあたりは短期金利が0.5%近傍の低め誘導時代のインターバンク金利と現先金利の関係から見ると高い(足元から0.1%は高いでしょ)けど市場環境の変化を勘案するとまあそんなもんかもね」というのでありましたが、よくよく話を聞いて回ると色々と香ばしい見方も流布されているらしいですな。
ロンバート金利が0.5%になったらGCのレポ金利も0.5%近くに跳ね上がるのでは無いかと心配(意訳)というような話があると聞きつけた知人が「んなアホな〜」と教えてくれましたが、どうもマジでそういう話が出てるんだなあと思ったのは昨日のブルームバーグニュースでの本日の短期市場解説記事(昨日のお題は「FBが0.38%台に上昇、来週の利上げに一段と現実味」って奴で15:37の配信のものです)でして、そこに大手銀行のトレーダーのコメントとして『金利回復によって取引が落ち着くことを考えれば、予想されるロンバート貸出金利0.50%にレポ金利が張り付くことはあり得ないと指摘』てのを見た時。
こう指摘するということは世の中のどこかで「あり得るかも」という見方が流布されているということの裏返しに他ならない訳でして、まあこんな事を改めて取材で指摘させられるトレーダーさんも呆れてたと思いますが(^^)、しかしまあどこのアホウがそんな話をしてるのか意味が判らんというか脳味噌に虫でも涌いてるのではないかという感じでざいます。ゼロ金利時代しか知らん人たちは何言い出すか判ったもんじゃないでしゅな。オソロシオソロシ。
ところでこの記事によるとレポ金利が0.35%だという話になってますが、それちょっと高くねえか??0.35%〜0.4%とかいうのにはポジショントークの香りを感じますけど・・・・
○金融政策に関する情報管理を徹底して欲しいのですが
一昨日も書きましたが、相変わらず湯気ポッポーなので。
昨日の日経金融1面左上のコラムは滝田さん執筆。で、そこを見たら『事務方はゼロ金利解除を政府に打診し始めた』という記述(実際はここの間にもうちょっと状況説明があったのですが、資料が手元にないので引用途中部分を割愛していることをお断り致します)があってちょっと嘆息。
「打診する模様」ではなく「打診し始めた」って書かれるのは、要するにそういう行為があるという事が流布されているという訳ですわな。一昨日は東京新聞の記事について湯気をポッポーと立てて駄文を書きましたけれども、読売新聞でも「ゼロ金利解除の方針が4日固まった」というような記事が出てたらしいですし、どう見てもリークです。本当にありがとうございました。
でね、どこの誰が何の意図でリークしてるのか知らんですけれども、金融政策に変更が出るとか、皆が注目してる展望レポートがどうなるかとかいうような時になると毎度毎度お馴染みの如くどこからかリーク情報のようなものがホイホイと新聞紙上を賑わすことに関してはあたくし非常に腹立たしく感じてるんですよ、いやマジで。
#「打診し始めた」って書く滝田さんにも何か失望というか脱力です。
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2006/07/05
お題「短期のマニアなお話で」
ミサイル発射でどうのこうのという話に関してはこれ書いてる時点で情報が判らんので保留。米国の独立記念日あんどスペースシャトル打ち上げにぶつけた嫌がらせというかボクチャン構ってくれなきゃヤダヤダ状態なのかなと直感的には思うのですが、軍事知識はドシロートなのであまり良く判らん。
で、昨日の短期マーケットは7月利上げを完全に前提にした動きになってますんで、あたくしと致しましても利上げの是非がどうのこうのではなくて、利上げ後の世界の話を申し上げたいと思います。
○利上げ後のGCレポや現先レートへの思惑
昨日のオペ金利はまたまた上昇。7月6日→8月7日のCP買現先が平均0.263%で、7月6日→8月15日の共通担保資金供給全店(ちなみに同じエンドで前日に本店方式で実施)が平均0.266%となりました。
えーっと、手前が7月15日までで、16日からレートが上る(実際は15日が土曜なのでそこで分けて計算するのは妙なのですが、14日の決定会合で誘導目標が0.25%に上った場合にコールなどが14日に上昇するのか18日に上昇するのかが微妙なので折半したイメージね)現在のCP現先金利で0.1%(ちと高めですが)と置きます。するとCP買現先の0.263%は手前10日間0.1%で後ろ22日間は0.337%となる計算ですかな。本人計算合ってる積りでやってますけど違ってたらゴメン。14日以降の金利が上昇で計算すると0.32%とかになると思いますが。
さてこの金利ですが、昔々その昔、低め誘導などという物をやっていた時には大体コールが0.47%−49%(それを抜けると下がったとか上ったとか言われる)の時にTBFBの現先レートが0.51%−0.54%くらいだったと10年前の帳面を引っ張り出すと出てくるのですが、まあ当時はコール金利をかなりファインチューニング出来ていた事や、参加者層の変化、TBFBの発行残高の増加なんぞを勘案すると、誘導目標0.25%に対して現先やらGCが0.3%台前半にいる事自体にそんなに違和感は無いのかなあと。ちとスプレッドがついとるような気もしますが。
しかしよー判らんのだが、こんな高いオペでファンディングを敢えてする理由が正直謎。このレートで固めるのであれば、足元で転がしているのとあまり変らんような気がするし、大体からして無担保コール金利は相変わらず低いのに有担保のオペ金利がこれだけ高いのもナンノコッチャという感じです。まあ相変わらず資金がうまく回ってない(参加主体が量的緩和状態前提の体制から中々脱皮できない面がある)のでこういう商品間の需給関係が分断されている状態が続いてるんでしょうなあと思うのですけど。
ま、オペ金利が上る要因として、どうも「オペ金利を高止まりさせることによって以下自主規制」という輩がいるのではとの憶測も勝手に逞しくしているあたくしでございますことを念の為申し添えます。今週になって国債買現先の応札限度額をオファー額の半分から4分の1に減らしたと聞いたもんでして・・・^^;
まあそんな訳でして、本日は3か月FBの入札がありまして、前回の入札では既発の期内償還物が0.28%などという利回りになっていた事もありまして、期末越えなのに落札レートが前回比低下するという実に香ばしい入札になったのですけれども、「利上げ後のファンディングコストが0.3%乗せ」という事に気が付けば0.3%割れのFBをせっせと買う人も減ってくださるのではないかと勝手に想像してます。ただし、「長期債からの退避資金」が入ってくる場合は話しが全然別でして、その人たちは「債券」であって「価格変動リスクが殆ど無いもの」であれば別にレートの細かいことは気にならないぜという豪快な方で、3か月の金利が0.01%(価格に直せば0.2銭ですが何か?)上った下がったときゃあきゃあ言ってる短期の人たちとは別世界の人。
○ところで7月14日は積み最終日
相変わらず来週利上げを前提にしたテクニカルなマニア話。
7月14日の決定会合で誘導目標が引上げになった場合ですけれども、この日は3連休の前日にあたりますのでここの4日分の金利が上るのか上らないのかはマニアには重大な問題。
つらつら考えまするに、準備預金の進捗状況から考えて14日の時点では今回の準備預金積みは終了している筈。よって14日単体で考えれば資金繰り以上の資金ニーズは無い事になります。ただし、16日から新しい積み期間に入るので、そっちの準備積み上げニーズはあるでしょう。その為に全くニーズが無いわけではないですわな。で、当日利上げがアナウンスされるのはど〜考えても午後になりますので、その前の取引から先走りで金利が上るにしても空振りだったら間抜けですからまあそんなに上らんと思います。
でもまあ資金の出し手が超偏在しているGCレポ取引市場だと出し手様が資金抱え込んで金利上げなきゃ出さねーよ攻撃をして積み最終日の利上げ(するかどうか知らんがそれ前提の話ですんで)の意味が良く判らん人たちが何しでかすか判らんので、まあこのあたりも蓋を開けてみないと判りませんな。
しかし積み最終日に政策金利を動かすとなると、途中での準備預金の積み急ぎ(利上げの場合)とか積み渋り(利下げの場合)とかの動きが発生する余地が無く、今般足元金利が動かない(というか進捗が良いので上らんどころか下がる勢い)のもそのためという感じですな。何か昔の記憶が蘇る今日この頃でございますわな。
だいぶ余談ですけど、日銀のサイトを見ると相変わらず当座預金残高がトップページに出てるんですが、金利操作になってることですし、準備預金の進捗状況の方が大事だと思うんで、利上げしたあたりでしらっとあの欄外した方がよいのではないかと。
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2006/07/04
○しかし何でこんなに反応するの?
さて、あたくしは昨日のドラめもんでこんな事を書きました。
「CPIの内容は「既定路線に変更を加えるものではない」って感じだと思うのですが、その結果が出て債券市場がろくすっぽ反応しなかった所を見ると、とりあえず目先7月か8月の政策金利変更を織り込んでしまったという所で、次のネタ探しの段階になっているんでしょうな。そこで短観なんですが、まあ予想の範囲内であった場合、この調子だと何も起きなさそうな感じですわな(苦笑)。」(以上昨日のドラめもんより)
こうやって自信満々(でもないが)で書くと大外しするのがドラめもんクオリティでございますよええもう情け無いったらありゃしない。
昨日の債券市場ですが、短観発表を受けて朝っぱらから残存1年ゾーンの5年20回債が3毛5糸甘だか4毛甘だか忘れましたがとんでもない所まで叩かれ。金先も債先オープン前の時間から威勢良く売られておりました。つい暫く前にはこのゾーンやたら買われていたのですが、投げなのかスワップ見合いなのか知りませんが、これまた極端な動き。
7−9月のどこかで利上げっていうのは市場のコンセンサスだと皆が思っていた(ってのも変な言い方ですね^^)ので、この豪快な下げにディーラーの皆さん「はぁ?」ですよ。まあ売る言い訳が出来たので翌日(つまり今日)の10年入札に向けて相場水準を調整しますかって動きが出るのは判らんでも無いのですが、それにしても5、6年〜8、9年あたりが威勢良く下がりまして、まあ先物の売りとかそこらへんのゾーンの売りとかあったんでしょうが、よくもまあここまで叩くわと。
「7−9月のいつかの利上げ」が「7月利上げ」に前倒しになったからと言ってそこまで売り込む必要があるのかワケワカランと言いますか、ここまで売るなら何で先週末のCPIで値持ちするのか意味不明なのですけれども、まあ最近の市場はそういう妙な反応をするのが仕様になっているので、一々驚いていると身が持ちません、と言いながらネタにはするのですが(苦笑)。
実は1年ゾーンに関しては先週末も弱くなってまして、週末週初で4毛とかもうちょっと甘くなっている感じなのですが、月末恒例のインデックスから外れた1年ゾーン売りだけじゃなさそうな予感はします。5年20、21回とか194〜196回という残存1年ゾーンの現物が妙に動くのがスワップ連動っぽい香りが致しますな。
ちなみに、もっと短いゾーンはどうなっているかと言いますと、今日の6か月物TBに関しては0.4%台で大丈夫なのでしょうかという気はするのですが、まあ誰か買うのかなあという所。これが0.5%台あれば最悪持ちきりで何とかなりそうという読みから買いが入ってもよいのですが。で、3か月に関しては案の定大して動いてなくて、先週に入札が行われた396回FBは0.33%−0.35%と前日比0.01%くらいしか動いてません。1か月ものや2か月もののFBはファンディング勘案すると持ちにくそうですので、この辺がやや売られそうな感じですな。
まあ3か月ものあたりは見事に「既に織り込み済みですが何か?」という状態になっている感じですな。ただまあ問題として、誘導目標0.25%に対してGCレポレートが本当にその近傍で収まるのかという昨日申し上げたお話がありまして、その絡みで別の雑談もあるのですが、本日はこの辺で。
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2006/07/03
○先週後半の動きから〜FB入札以降
先週はまあ取っ掛かり不足でやや煮詰まり感が出て来ましたが、まあそんな中で何があったかという俺様備忘録を忘れないうちに。
水曜のFB入札ですが、期末越えの10月2日(発行日は7月3日)の償還でまあ「使いにくい」債券だったにも関わらず入札は強くなりました。お約束のように前日までのWIは0.35%とかだったんですが、当日になって見ると入札前から気配しっかりで前場引けで0.33%となりました。で、落札結果は平均99.9187円で利回り0.326%(財務省方式だと0.3228%)の最低99.9155円で0.339%(同0.3355%)と期越えなのに利回り低下という状況。
まあここ3回の入札が「入札で空振りする人が出てショートカバー大会」となって「業者の持ちが無いのでセカンダリーでオファーが出て来ない」というのが連続してたんで、買いたい人も事前に平均での予約とかしてたのかと思うのですが、落札結果発表後に後続の買い無しとなりまして、当日は0.335%まで逝きまして0.33−335%。足元金利が益々低下した木曜日以降は0.325%レベルになりましたが、さすがに同じ事が4回連続では起きませんでしたなあという感じです。
勝手な想像ですが、大体まあ最近の流れから勝手に憶測すると、今後も暫くは「入札の平均落札が強めになって、セカンダリーは低調」ってかたちになりそうな予感。
FBと言えば新発だけじゃなくて既発に関して動きがあったのが木曜日。9月償還もののFBが業者間スクリーンで大量出合い(1000億以上)がありまして、期内物のFBは0.27%と新発と1週間違いでその利回り差は何よって状況。木曜はCP発行が若干あったのですが、この落札利回りも前日対比で妙に低下しましたし、9月後半償還ものの一般債とかでも買いイントが強かったようです。
ところが、金曜になるとあっさり0.27%オファーは並ぶわ、CP発行レートは元の水準に戻るわという動きになりまして、木曜の動きは一体全体何だったんだという感じ(ただし今日になってみないと判らんが)でした。
これまた好き勝手な脳内妄想ですが、木曜の買いは「とりあえず期内物の資金を潰しておけ」という会議室からのご指令でも来て、まずは買って見ましたってことだったのかなあと。まあ同じようなこと考える人が後から出てくれば後続の買いも出てくるでしょうし、そうじゃないかも知れませんし、まあこればかりは人の財布の状況ですんで知らんとしか言いようが無いですな。FBレートで言えば期末越え対比で期内物の金利は低すぎに見えるし、実際問題として政策金利引上げ後にレポや現先金利が無担保コール翌日物の誘導水準(0.25%でしょうが)近傍でファインチューニングできるかと考えると、0.27%という利回りはちと糊代が無さ過ぎだと思うんですけどね。
まあそんなことはリアルマネー系の買いサイドは先刻ご承知ということで、基本的に最終投資家(銀行ディーラーも持っているけど、FBと違ってアウトライトで頻繁に流通されるものではない)が買うCPに関しては9月末近辺で償還があるもので最上位格付けでも0.3%台でして、だいたい0.32%から0.35%とかの範囲が居場所だと思うのですな(先週木曜には目を疑うような低レートがあったらしいのですが)。以前から「2か月ものでFBとCPのスプレッドが開いてる」って話をしてましたが、ここもとは「期内ものでFBとCPのスプレッドが開いている」という感じになってきました。まあこれが当然なんでしょうけれども。
○さて短観ですか
というか金曜にCPIが発表された訳ですが、何かもう7月の利上げに関して市場は「はいはい利上げ利上げ」という感じでどうぞご随意にモードのような気がします。短期だって足元は別だけどもCP発行レートとか思いっきり足元の利上げ織り込みに逝ってるし。問題は次回以降の利上げに関してまたまた前のめりになるかどうかという所でしょうにゃ。
CPIの内容は「既定路線に変更を加えるものではない」って感じだと思うのですが、その結果が出て債券市場がろくすっぽ反応しなかった所を見ると、とりあえず目先7月か8月の政策金利変更を織り込んでしまったという所で、次のネタ探しの段階になっているんでしょうな。そこで短観なんですが、まあ予想の範囲内であった場合、この調子だと何も起きなさそうな感じですわな(苦笑)。
じゃあ次に何がネタになるかと言うと、今後の利上げペースが早くなる(多分市場コンセンサスは7月か8月に1回、その次は年内に出来れば御の字で来年1−3月の間かなあって所かと)というのが一つですが、もう一つあるとすれば足元金利問題。
と申しますのは、さっきさらっと書きましたが、利上げを行って無担保コール翌日物の誘導水準が0.25%になった時に本当に誘導水準近傍で足元金利がファインチューニングできるのかってお話でして、以前のように精緻な積み上積み下調節でコールの金利が狭い範囲で安定するのかって事に関しては甚だ疑問がございますし(実際にやってみたら収まるかもしれないけど)、GCレポ取引は益々ややこしい事になりそうな気もする訳で。
多分、「利上げ後ベースレートが0.25%になります」っていう予定になっているかと思います。で、一方で現在のGCレポレートが0.1%(ここの所0.08%くらいまで下がってますが)だというのが今の前提だとなってますわな。実際に政策金利が変更になった場合にレポレートが市場の想定よりも高止まりした場合に「前提となる短期金利が違う」って話になるのかなあと。
まあどっちも政策金利が動いてからの話になりますので、それまではネタ不足の感は否めませんわな。ちなみに日銀総裁が変ったとしても別に流れは変らんと思いますのであまり気にしていませんです、はい。
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2006/06/28
○短い所は7月利上げを織り込んでるようで
本日は3か月ものFBの入札が行われます。今回の新発FBは初の9月末越えで、まさに期初の10月2日償還なので、イマイチ使い勝手が悪い代物でございます。とは言いましても、ここもと2回実施されたFB入札は堅調で、業者の持ちがあまり無い状況になっておりまして、先週発行されたFB395回は0.28%あたりが居場所らしく、まあ既発債から勘案するとそんなに碌でもない結果にはならないものと思料。WIは0.35%とか0.36%とかになっていたので、まあその辺か(ここの所のパターンで言えば)それよりちょっと強い入札になるのか。
どっちにしてもこの水準は7−9月に利上げがあるんでしょっていう価格形成ではあろうかと思います。入札が強いかどうかは最近一部ではやりの小商い「FB買ってGC打ち返し」が相変わらず継続するのかどうか(期末期初が3日あってそこを越える金利はさてどうなるんでしょって意味で)といった所でしょうか。
と、書きましたが、実は既発のFBの価格形成も妙でして、FB395回は0.28%なんですが394回と392回(393回は2か月もの)も0.28%だったりする訳でして、単に入札時点での買いが多かった394と395はショートカバーで引っ張られている気もするので念の為付け加えておきます。
一方でCP金利の方は相変わらず強含みとなってまして、最上位格発行体レートでも1か月物が0.25%あるいはそれ以上になってきましたし、2か月物は0.3%を上回るという状況が継続。どうも発行が多いのかディーラー(CPの場合は基本的にバンクディーラーの持ちになり、証券はあまり持ちにしない)の持ちを圧縮してきてるのかよー知らんですが、ちと重そうな感じ。発行サイドの資金需要も多い月ですし、利上げがどうのこうのとなると発行も増えるってお話なんでしょうかねえ。
いずれにせよ、CPのこのあたりの利回り形成を見てると「7月に利上げがあっても心配ないぜ」という感じになっているという所でございましょう。まー現先利回りも高止まりしてるし。
このあたりの価格形成も「GCが落ち着いてるのに何故かオペ金利やコール金利がドンドン上がる」「特定日になるといきなりコールが跳ねる」「やたらめったらロンバートが出入りする」「CPがどこからか涌いて出たように重くなる」などとあたくしめのような年寄り連中には理解に苦しむ怪奇現象が局地的に発生しているのですが、まあこれはどうも不慣れな参加者が多いのが原因のようでございます。この辺の考察に関してはまたいずれやれればやると言うことでメモ書きだけで勘弁。
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2006/06/20
早速民主党にブーメラン飛んできましたな。追及の仕方が思いっきりピンボケで及び腰なのは何ででちゅかね〜って市場では笑いのネタになってましたよ民主党さん。だから民主党は・・・・・
ま、今朝のニュース見てるとまた燃料投下の予感。
○2か月物金利の不思議
昨日の市場はまあ閑散でしたが、そんな中で先週から継続の6か月以内TBFBじりじり買われる攻撃で先週入札が行われた3か月FBは0.3%割り込みまして0.29%の気配です。
で、ちょっと不思議なのは2か月ものでして、先週の入札もやたら強かったのですが、昨日も確りしてまして恐らく0.18%とか0.19%とかのレベル。足元のGCレポ金利やらコール金利やらが下がりにくい(さすがにGCの0.11%から上は中々上がらないようですが)状況にあるのにも関わらずこの金利というのはもう思いっきり「7月利上げ無し」モードですな。
一方でCPの金利なんですが、先週金曜が20日スタートの新発が出た日でして、まあ発行はそこそこあったらしいのですが(昨日は閑散)a-1格の中でもまあ格上銘柄とされる銘柄の2か月もので0.27%〜0.29%程度のようでして、こっちは「7月利上げリスクを結構意識」モードになっております。
この差が信用リスクスプレッドなのかというとそういう訳でもなく、3か月とかになるといきなりFBとCPの金利差が縮小するのがまたオモロイ。では何でそうなるかっちゅうのはイマイチよく判りませんが、あたくし思いまするに毎度お馴染みの「購入層の違い」って奴ではないかと思います。CPの場合は基本的にそうパカパカ業者間で転売できるような代物ではなく、現先玉にするか、持ち切り前提の最終投資家に売却するかってのが使い道。これに対してFBの場合は業者間でも流通しますし、いざとなれば日銀の短期国債買入もあり、ついでに国債だから海外の投資家さんも買うし、長期債投資をしてる投資家も買いますよと購入層の幅は格段に広い。
長期債投資の退避資金が流れるとかのケースだとあまり金利水準の細かい所まで気にしませんが、短期市場の国内最終投資家は持ちきった場合の保有期間中の足元金利や現先利回りに対して勝つか負けるかって点を細かく気にしますので、7月に利上げがあった場合のリスクをより一層意識するんでしょうなあという所が「2か月だけ短期国債とCP利回りが開いている」原因なのかなあと思います。
ま、FBの場合2か月の発行が薄くて需給が一方方向に振れやすい(というか普段品薄でたまにゲロゲロになる)のですが、CPの場合は1〜3か月の発行が色々ある(その時々で微妙に発行期間に偏りはありますが)という需給要因もあるかとは思いますけど。
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2006/06/15
○FB入札で空振り組ショートカバー
昨日の3か月ものFB入札、前場から0.345%での出合いとかあって前場引けも0.345%ビット残りで入札を迎えました。前日来の業者間出合い推定2000億程度だったようでございますが。
で、まあ落札の結果は最低落札価格が利回り換算で0.347%(財務省方式だと0.3437%)で平均落札価格が利回り換算で0.343%(同0.339%)と前場引けが堂々落札最低レベルでございました。最近の入札は前場引けから幾ら流れるかって状況でしたんで、かなり良い結果だったようです。
落札結果発表直後にショートカバーであっという間に0.28%まで金利低下しちゃいまして、「どっひゃー」と呆れ果てておりましたら、ショートカバー一巡後は「さすがに0.3%割れは如何なものか」と言う事なのかどーかは知りませんがその後0.31%まで押し戻されて、最終的には0.305%の引け。終わってみれば前回債(=償還が1週間と1日短い)の今週月曜の引値が0.305%だったので、見た目で言えば週初と同じ。実際には1週間(今回は祝日の関係で+1日)償還が伸びているのでその分利回り低下したとも言えますが。
落札結果の市場推定から類推すると海外系のご購入のようでございますが、まあ7月の利上げ見通しがここもとの株式市場ヘロヘロ状態によってだいぶ後退してきたのもありますし、そう考えると少なくとも保有期間の前半2か月は今の金利体系だって読めばそこそこ足元金利との鞘抜きが出来ますよって発想なんでしょうな。
○足元金利はサガランチ会長
ターム物金利は何となく落ち着いたようですが、足元金利は20日の国債大量償還日を意識(国債償還が沢山あって資金の動きが極端に大きくなる日なので資金繰りにナーバスになります)して下がらんようで。
無担保コールが平均で0.066%でGCレートは相変わらず0.11%近辺らしいですし、7月エンド物の手形オペ落札利回りは最低レートでも0.1%超えとなってまして、こちらの方は確りもいいところです。
何かまた積み後半になると金利が下がりそうな気もしないでもないですが、まーこの程度のスプレッドを取りにショートファンディングで一勝負する位なら新発FBでも買った方がマシという所でしょうか。
まあ先行きの金融政策に関する読みは読みで動くとしても、足元の金利に関しては需給要因ですので、このように微妙な違いが出てくるのもアリなんでしょうな。やや違和感なきにしも非ずだというのは単にあたくしの予想本線であるところの7月利上げ観測が世間的に後退しているからですかそうですか。
最近はユーロ円金先が株価指数の動きに逆連動しているような節もあり、株価動向が金融政策の読み筋に影響与えまくっているという感が強い今日この頃であります。
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2006/06/14
○話が変わってGCレート高止まり(メモ)
昨日は朝からGCレートが0.12%だの0.125%だのとやっておりましてコールも0.1%とかやってまして、如何にも「即日供給クレクレ市場」と化しておりましたら、即日手形買入5000億円実行。
まあ以前のように1兆だの何だのというような強引な供給はしないけれども、跳ね上がりは抑制するというスムージング系のオペになっているような感じで、中々いい感じ。
後場になってご案内のように株価下落債券金先上昇だったので、気持ちレートは低下しましたが、0.11%〜0.12%でGCレポが回ってたようでして、そうなると月曜の0.2%割れの2か月FBは一体全体何だったんだというお話になりますが(笑)、朝方は0.23%の気配だったらしいですな。その後は知らんがまあ合掌。
本日はFB3か月ものの入札がございますが、またぞろ株価下落で7月利上げ後退観測VS昨今のGCレート上昇という感じになりますので、結局の所前回並みの0.35%あたりでやるんじゃネーノという感じでしょうな。
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2006/06/13
お題「短期市場雑談」
よしよし、モーサテのゲスト解説が「この先まだまだ警戒」とか言う話になってきたですぜ。と思ったら結論が「いい拾い場」だから悲観モードに成ってないでしよorz。で、本日はネタが乏しく甚だ簡単に。
○こりゃまた割高入札でしょう
昨日は2か月もの、というか7週間ものFBの入札。
この期間のFBは時々しか発行が無くて、まあスポット的に発行されるものなんですが、どうも毎度毎度割高入札になるようで、昨日もどう見ても割高入札。
6月15日〜8月2日の期間で平均落札価格が利回り換算で0.198%(財務省方式で0.1944%)と何と0.2%割れ。最低落札価格も利回り換算で0.205%(同方式0.2011%)と0.2%そこそこという有様。
同日の午後実施された7月3日エンドの本店手形買入が平均0.099%の最低0.096%とかやっている中でどこをどう考えると8月2日エンドのFBを0.2%割れの水準で買えるのかが甚だ理解に苦しむのですが、まあ毎度毎度割高なことですなあという所です。持ち切りベースでの投資という観点で言えばこの利回りは7月利上げの可能性をかなり低く読まないと、つーか利上げ食らったら死亡が確定しそうな水準。とても買う気が起きませんなあ。
まあ例によって例の如くこちらの債券はセカンダリーマーケットにろくすっぽモノが出てこないという代物でございまして、何か純粋持ち切り投資で利回りがどうのこうのっていう観点からの理屈を超越した買いがあったんでしょうなあって所です。1兆5千億しか発行無いですからねえ。
ちなみに4月の2か月FB入札も無茶苦茶で、キャッシュ潰しだか何だか知りませんが、入札で0.012%の平均だったものが0%まで出合って業者間の一部ではマイナス利回りまで出合うという参加者の思考回路を疑いたくなるような状況でしたが、今回もまた変な買いニーズがあったんでしょうね。後で申し上げますが、GCレポ利回りがさっくり上昇してるのに何でその水準を買うのかというお家の事情は全くワケワカメであります。なお、同期間で最上位格のCPが発行された場合の利回りはざっくり0.27%〜0.28%くらい(FBが強くなっちゃったので少し変るかもしれないけど)と見てますけどね。
まあここもとの短期市場の極端な動きを見聞しておりますと、どうも参加者の中にはゼロ金利しか知らない為なのか何だか知りませんが、「これだけのロットを捌く」って行動を優先してレート水準は二の次という人がいるのではないか(しかもそういう人の振り回すロットがでかい)と甚だ頭が痛くなるところです。
・・・・で、ちょっと与太話ですが、この結果を受けて財務省様が「コリャ美味しい」と思ってFBの入札ロットを落として発行回数を増やすという小口化大作戦を始めるとこちらは事務が回らなくなり参加者の休む間もなくなりまして、おまけに流動性が無くなるので勘弁して下さい、ってんなこたあするとは思えませんが、笑。
○GCレートまたまた上昇
14日〜20日のクーポンものGCはさっくり片付いたようですけれども、残り半分(3/9月利払いもの)はフツーにGC取引が行われる訳でして、昨日の午後は15日スタートの翌日物GCやら現先取引のお時間になりました。
で、しらっと本店手形買入のレートが上昇(平均は前回の0.101%から低下したけど、足切りが0.088%→0.096%)した事が影響したのかど〜か知りませんが、GCレポレート上昇。15日スタートだから積み最終なんですが、何せ積みは大体終了してるんで最終だから足元金利あがることも無かろうとは思うのですが、GCレートは0.1%水準あるいはそれ以上の所まで逝ってしまったようでして。
まあ日銀当座預金残高が本日にも10兆円切りますが、一応その辺りを意識してるのでしょう(コールレートも0.032%まで上昇してますし・・・・)か、と書くと美しいのですが、単にGCの乏しい資金出し手がレートを持ち上げて当座預金残高削減を牽制してるのかもしれませんな。
それにしてもこのGCレートやオペ金利に対して2か月FBの入札の0.2%割れはねえだろうと思うのですがどうなんでしょうかねえ。
○その他おまけ雑感
昨日の市場ですが、総じて月曜相場でしたが、引け後に金先が売られてみたり2年が甘くなっていたりしたのが妙でございました。スワップとかはよー見て無いのですけど、7年を軸にカーブがツイストしながらフラットするような感じだったようで、またまた米債が2年ー10年で逆イールドになってるのをネタにした動きなのかなあと思ってしまった次第です。
短期に関しては水曜に3か月FB、木曜に1年TBがありますが、3か月はまあ良いとして1年TBを修正しないまま入札を迎えると中々大変ではないかと。0.4%台前半だと厳しかろう。後半でもちとアレですが。
まあ何かチグハグな昨日の短期マーケットでございました。
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2006/06/12
○その前にFBの動向に呆然
金曜の市場では前日に一挙に強くなった3か月ものFBがいきなりヘロヘロ。前日高値0.27%レベルまで逝ってたものがいきなり朝っぱらから0.31%だの0.32%だのとなってしまいました。何たる節操の無さ。
債券市場の方は強かったので、1年とか6か月とかは前日比利回り低下してたのですが(というか1年辺りは玉締めの香りがしますが)3か月は392回債で0.31%あたり、新発WIで0.35%近くという結果のようでして、水曜日から見ると金利水準若干低下となったのですが、木曜の買いは一体全体何だったんだという感じ。
まあ毎週4兆4千億円は重いですし、今月は2か月ものFBの発行までありますので、需給が悪いってのも判りますが、それにしても呆れてしまう金曜の相場でした。
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2006/06/09
陰線2本つけて大きな陰線ですよ。いやはやスゴス。そして今朝のモーサテは「弱気一色の株式市場」ってお題になりましたよ。そして今日のゲストコメンテーターさまも本日の相場についてゆっこが「下値を探る展開ですか」って聞いたら「そうですね」と(ちなみにコメンテーターは毎日違いますので念の為)返しております。債券市場も続きで書きますが、やっとこう「感極まって悲鳴」って感じになってきましたよ。
しかも解説コーナーでもとうとう「景気に変調」って話を材料持ち出して説明おっぱじめましたよ。これは何とも希望というかトンネルの先が見えて来たような気が(^^)しますが、冷静に考えるとあたくしがこんなこと言ってる位じゃまだダメですなあっはっはっはっは。
#と、株の話しばかりてどうする自分。
○一応市場雑感
昨日の債券はまさに短期ゾーン主導という豪快な相場。短い所のスワップや短期ゾーンの債券を派手派手に振り回すことでお馴染みの海外勢+銀行ALMがまさに感極まって踏み上げって感じ(海外の場合踏み上げなのか買い仕掛けなのか判らんが)でして、2年7.5毛強で5年6毛強と。30年が1甘というのも香ばしいですが。。。
キングオソロシスだったのはもっと短い所でして、1年TBが前日比10毛強の0.445%(TB401回)くらいで6か月が前日比6毛くらい強の0.375%(TB402回)くらい。何と水曜の入札で0.35%なんぞやってたFB392回まで前日比5毛強の強さでして0.27%ですよ短期爆発ですよ。(追記:引け後には既に利食いもあったようで、最後は0.285%辺りだったとの指摘も)
足元に関してはコールは低いですけど、次の積み期間に入るオペに関しては相変わらずニーズありありのようでして、7月5日エンドの本店手形買入の平均落札が0.1%ですし、6月20日エンドってオペ期落ち後に苦労しそうなオペで、ニーズあるのかよなどと悪態をついて見てた方も0.064%と金利上昇で、次の積み期間になるとまた金利が上がりますよと言わんばかりの動きです。
となりますと、9月11日償還のFB392回を0.25%割れまで威勢良く買い上げるには7月利上げ99%無しの自信がないと中々厳しいと思うんですが、まあ昨日の場合はどっちかというと何度も書いてますが(この表現お気に入りなのよ)感極まって踏みあがっているという感じもするので、まあここからまだ買いがあるのかというのは注目ですな。
TBFBの昨日引けレベルだと7月利上げ警戒はまだまだあるけどちょっと警戒後退、年内の利上げ2回は警戒するけどちょっと厳しいんじゃネーノって感じになってるという所ですかな。
まあここもとの金融政策の読みに関する海外勢の動きは正直「ハァ?」って感じですし、銀行ALMの投げ踏みもアレでございますから、そーゆー点では昨日の短期ゾーンはまさに悲鳴モードという感じでした。
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2006/06/08
お題「FB入札/GCレート何故か上昇など」
某巨大掲示板で「悲観待ちに悲観無し」ってカキコ(つーかスレッドのサブタイトルでした)がありましたが、あたしゃー最近まさにそんな心境。さすがにモーサテのゲストコメンテーターもやや弱気になってきましたが、まだ悲観には程遠いですなあ。コリャダメダ。
○FB3か月で0.35%はさすがに止まりましたか
昨日実施された3か月ものFB入札ですが、朝から何故か手前のGCレポレートが上昇しまして(後述)債券や金先は強いのにイマイチな展開。月曜の0.29%(1週間短い方ですが)テイクンはどこへやらという感じでして、新発FBのWI取引は前場引けでは0.35%という切りのいい所まで叩かれる始末。
で、落札結果はと言いますと平均落札価格が利回り換算で0.351%(財務省の出している数字だと0.3478%)で最低落札価格が0.359%(同じく0.3553%)でしかも殆ど按分かからずということで、前場引けの勢いとこれまでの入札の流れっぷりからすると堅調な結果という感じでしょう。テールがこれだけあって平均が前場引けの0.35%ということは、確信犯で0.35%まで叩いて目線を下げさせてから上に札を入れるというパターンでしょうから、まあやる気満々の人がいたんでしょう(市場推計の落札結果によると某外資系が珍しくしこたま入れたようですし)。
そんな結果だったのでその後も当然ながら確りの展開となりまして、終わってみれば0.325%まで金利低下しておりました。先週(先月末)にGCレポレートがそろそろ下がらないですかねえって言ってた時新発FB3か月は当日の引けが0.32%でしたんで、まあ大体同水準。ということは気持ち確りですな。
まあ幾らなんでもいつまでも金利上るのもアレでございますので、一応はこの辺りが当面の金利上昇のメドになるんじゃないのかって気はするんですがどうなんでしょう。
○なんじゃこのGCレートは
さっきもちょっと書きましたが、昨日は朝方からGCレートが妙に上昇。前日は0.02%レベルでやってた筈なんですけれども、前場からやってるT+2スタート(概ねそれは前の日に終了してましてこれは調整玉)の取引レートが妙に上昇。場中のT+3スタートに関しても資金調達意向が妙に強かったようで、終わってみれば最終のT+3スタートGCレポレートは0.07%〜0.08%近辺となったようです。前週末あたりからの金利急低下からいきなり急上昇となっておりまして、今回に関してはその外部要因は一体全体何なんでしょってところでワケワカラン。
前場に行われた(9時30分オファー)国債買現先オペの落札利回りは(6月9日〜20日)平均0.052%で月曜の0.056%から低下してたのですが、後場に行われた(13時オファーなのですが若干の時間差攻撃)本店手形買オペ(なぜかT+3スタートで6月12日〜29日)の落札利回りは平均0.075%と期間が長いというのはあるけど、あららという感じの上昇。うーむ。
まあ今の短期というかマネー市場ではどうもこう需給の振れが極端から極端にというのが目に付く訳で、過渡期だからしょうがない面はあるのですが、あたくしあんどあたくしの前からのお知り合いなロートルもといベテラン選手から見ると「何じゃこりゃ」っていうのが散見されますな。などというと如何にもジジイのエラソーな自慢話っぽくて嫌なんですが(汗)。
あまりにもアフォのように足元が下がってきたのに、ターム物金利が妙に高止まりしているのでショートファンディングで小商いやってる人がいるんですかねえ。今のゼロ金利政策状態って資金需給で足元金利振らされ易いからリスクリターンを天秤にかけるとその小商いあまり間尺に合うとは思えんが。
○初回の利上げは7月の予想継続のようですね
昨日は週末のお支払い(賞与って奴ですかね)対応のCP発行がそこそこありまして、今月に入って最初のそれなりなロットかつ期間のバリエーションのある発行があったようです。
で、まあ具体的なレートは端折りますが(手抜き)、推測される発行レートを見てると、さすがに6月の利上げを予想した利回り形成が行われている気配は毛ほども無し。7月エンド物になると金利が上昇するのは、月末近辺でのレート上昇可能性を加味しているんでしょうなあという感じでして、金利が目立って上昇するのは7月下旬以降にエンドが来るものですな。
でまあその辺から金利が目立って上昇するもんで、発行(資金調達)する方も「長い期間の資金調達はしたいがレートが高いのも困る」ってなもんで1か月以降2か月以内ものあたりの発行が多い感じですかな。別に真面目に統計取ってる訳じゃないので雑駁なる印象ですけど。
TBFBの既発ゾーンに関しては正直気配が無いので良く判らん(よってCP発行が無い時期になると1〜2か月のレートは読みにくいこともある)のですが、まあ似たようなものかと推察されまして、この価格形成を見てますと、とりあえずのところは相変わらず「初回の利上げは7月の決定会合で幅は0.25%」というのが短期というかマネーというか、短い所をいじっている人たちの予想本命であることは変らんようですね。
#ということは株式市場への総悲観も遠いですかそうですか
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2006/06/07
お題「何か慌しい相場ですな」
今日のモーサテのゲストコメンテーターも「そろそろ底」でございます。誰か「もうダメです」ってコメントしてくださいお願いします。出来ればムーシャ先生あたりに一発頼みたいですが、この際「より一層の円高ドル安」コメントをモーサテで嬉々として行い、一層の円高進行を止めたミスター円先生でも良いのですけど。
○ターム物金利は存外下がらず
昨日実施された6か月TB入札は最低落札価格で0.45%乗せ(財務省公表方式だと0.4477%)となりまして、既発債(よって1か月短い)がつい先週まで0.4%に乗せるか乗せないかというレベルでやってたのですが、入札を機にカーブの修正を行ったという感じです。まあ前場の時点で0.435%−0.44%とかやってましたので、テールが0.45%で良かったですねって感じでして、終わってみれば0.445%と入札から特に上らず下がらずという所です。
本日入札予定の3か月FBですが、前回債の391回債(9月4日償還)は月曜日には0.29%あたりまで買いがあったものの、昨日はまたまたヘロヘロになりまして0.31%とまた0.3%台に戻しております。よって新発WI取引は0.34%近辺。前週は入札の最低落札が0.34%レベルでして、その前日の新発WIの居場所が0.32%あたりであることを考えると1〜2BPの利回り上昇という感じです。
と、まあ3か月は月曜に下がってみたもののまた上昇、6か月は入札を機にここぞとばかりカーブ修正と言うことでして、まあ金利下がりませんなあ(というか上ってますけど)というところでございます。では1か月とか2か月のあたりですが、これまた売り買いの気配が離れてて、これまた月曜の勢いはどこへやらという感じになっていたようです。月初なのでCPの発行は少なくあまり参考にならないのですが、先週の前半に見られた月末発行CPの金利跳ねあがり状況はさすがに解消されたものの、同ゾーンのFB金利の低下に比較してそんなに下がっている訳でもなさそうな感じですな。
そんな中で足元金利は益々順調に低下。まあ準備預金の積みも終わってますから金繰り回しておけば良いという状況なんで低下するのもやむなしですが、その割にはそっちの金がターム物に流れてこないというのは、次の積み期間(16日以降)が開始になった後への警戒があって、超短期での運用(というか資金滞留というか)になっていると言うことなのでしょうか。人の懐具合は判らんので推測ですけど。
まあ今回の積み最終までは波乱なしとして、その先の16日以降になる19日(FB発行)20日(国債償還)あたりが気になる所ですし、まあその前に波乱あるとすれば14〜20日の6月利払い債のクーポンGCが16日以降のエンドに当たるので要注意という所でしょうか。
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2006/06/06
○短期市場は4月の再来モード(か?)
昨日も足元に関しては資金余りまくりの図になってまして無担保コール翌日物加重平均金利はとうとう0.01%に下落。ということは0.01%割れの取引がうじゃうじゃあった(まあ金曜も似たようなもんですが)という訳で、先週前半の大騒ぎは何だったんでしょうという感じ。
3月末にも何かそんな感じで意識したものの結局何も波乱なく、それまで金を抱え込んでいた人たちが安心感からお金だしてきて4月になって金余りになってしまい、量的緩和解除前よりも余剰感が強まると言う馬鹿馬鹿しい事態が発生してましたが、今回はそのプチ版と言った所。
まあ株価の下落で7月利上げ観測が若干後退気味(あたくしは予想屋(じゃないけど)としては相変わらず7月だと思ってますけど)だというのはあるようですので、2か月辺りの金利が下がるのは判らんでも無いのですが、どっちかというとビビットに下がってるのは足元とショートターム(1か月以内)の金利。流動性確保の為に抱え込んでいた金だから足元にしか出さないという理屈もよく判るんで、4月とはちょっと違うのかもしれませんけどね。
まあしかし先々週の木曜あたりには0.12%だの0.13%だのまで上昇してたGCレポレートが0.02%あたりまで下落したのには苦笑を禁じ得ません。今般の足元金利大動きで一番派手に動いたのがGCレポ取引というのは何とも困ったもんです。
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2006/06/05
K浜先生とM者先生お願いだから早く悲観して下さい。
・・・・と思ったら朝のブルームバーグTVでM先生が今週の株式相場について「底値固めの展開」「徐々に買い安心感が高まってくる」「今週のレンジは15700−16300」という事ですので、ここからまた底抜けかよorz
#曽宮キャスター風邪早く治してね
○一転して金利急低下
金曜日の無担保コール翌日物取引の加重平均金利は0.013%とまたまた低下。オペを沢山うったので税揚げではありましたが当日は資金余剰で当座預金残高は速報ベースで14兆3200億円と前日より多くなりました。
無担保コールが下がりましたが、GCレポ金利なんぞも朝っぱらから下がりまして、7日スタートの翌日物取引のレートは前日最終の0.05%レベルから大きく下がって最後は0.03%から0.02%近辺まで低下したようです。週初は無担保コール0.071%のGCレポ0.08%だったのですからまあよー下がりますなあという所です。
GCレートが激下がりした事から水曜のFB入札あたりに無茶苦茶需給の悪かった1〜2か月もののFB需給も改善したようで、やたら売りが出てて重かったこのゾーンがだいぶ復活しているようでございます。いやはや。
で、まあ潤沢な供給で下がったということで片付けてしまっても良いのですが、よくよく当座預金残高推移を見ると30日以降14兆円台で(1日は13.3兆)やってましたので、供給で安心感は与えましたが、そんなにバカスカ出した訳でもありません。じゃあ何で金利下がったのかよと考えますと、どうも週前半に資金抱え込んでいた人たち(例によって大手銀行様かと)が税揚げイベントも無事通過の着地が見えてきたのでここぞとばかりに資金を放出したようでございます。あっはっは。
いやまあ何事も未体験ゾーンですからある程度仕方無いのですが、おまいら揃いも揃って資金抱え込んでGCレートがやたら高止まりしたと思ったら今度は皆で資金放出でございますかと苦笑を禁じ得ませんな。週初はコールが下がるのにオペ金利は妙に高止まりしてまして、この時なんぞはCPやTBFBの需給が悪いうえに資金が抱え込まれてたからコール以外の需給が悪くて仕方なくオペで資金を取りに行ったクチもあるようですな。
いやはや何ともでございまして、金曜日は「マーケットに突如資金が溢れてきました」っていう感じでございました。
多分「短期市場は落ち着いた」という表現で理解されるんでしょうけれども、ジジイの現場感覚的にはこれは「金利は確かに下がったがこりゃ落ち着いてないしょう」という評価ですわな。だって振れ方が極端なんだもん。
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2006/05/31
○こりゃ当分無担保コールは乱高下でしょうか
昨日の無担保コール取引ですが、前日の供給オペレーションで安心感が出た事からあさいちから0.05%とか0.06%程度での落ち着いた展開でした。
そこに9時20分の即日オペ時間に即日本店手形買入が5000億円オファーされたので無担保コール取引レートはサクサクと低下。午前中には0.015%近辺まで低下した模様で、資金繰り着地が見えてきている午後は0.01%での取引が主流ということで無担保コール翌日物の加重平均金利は0.023%と前日の0.071%から急低下。
とは言え、オペの落札利回りは即日物もそうですが、資金不足時期にあたる6月1日、2日スタートの先日付物も足元金利と比較して妙に高い(平均落札利回りが軒並み0.07〜0.08%)ですし、GCレポ取引はT+3スタートで相変わらず0.08%程度と余り下がらん状態です。
まあ勝手に落札してる人たちの心理を推測するに、税揚げなどのイベントもあるので、「とりあえずオペで先に金を取っておこう」って発想が働くんジャマイカと。で、資金繰りが見えた時点で余った分を放出に回るのでコール翌日物だけ時間の経過と共に急落すると。で、こういうときって昔だったら誰かが逆張りしてショートファンディングにして一商売始めるのですけれども、如何せんこの金利水準ですから期待収益対比資金繰りが詰まった時のリスクの方がでかいという判断になりそうですな。
まあそんなことで無担保コールは豪快に下落しましたが、正直昨日即日オペ打たなくてもそんなに金利上らなかったと思うのですけど、念には念を入れたのでしょうか。何か急騰したり急落したり(そりゃまあレートの数字で見ればミクロの攻防ですけど、率で言ったら0.071%の次の日が0.023%って3分の1ですよ先生)と慌しくて疲れますなあ。
この調子だと「足元金利が低いので当座預金削減」→「足元金利上昇」→「とりあえず静観」→「足元金利急騰」→「大量供給」→「足元金利下落」→「更に追撃で供給」→「足元金利急落」→最初に戻るという楽しい展開が発生しそうな悪寒もしないでもないですが、まあこればっかりは参加者が慣れてこないとどうしようも無いでしょうな。
そんなわけで、一々動く無担保コール金利を見て皆様あまり驚かないようにしましょう。
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2006/05/30
お題「即日オペ1兆5千億円の周辺」
昨日は朝から株式市場に朗報と思ってたのですが、昼過ぎにどこぞの情報ベンダーを見たら某著名ストラテジスト様が「弱含みの株は絶好の押し目買い機会」と怪推奨を・・・・・・orz
短期市場が注目されているのは誠に結構なのですが、昨日槍玉に挙げたどこぞのアホウの「市場追随でロンバード引き上げ説」のような珍妙な解釈も飛び交うというのが困った状態ではございます。ちなみにそのアホウを飼っている会社は当たり前の如くセールスに同じ話をさせているようなのですが、勘弁してくれ。
さてまあ昨日も色々とありましたので備忘録代わりにメモメモしておきます。
○オペ催促チックな朝の動き
昨日はあさいちから無担保コール翌日物で0.10%のビットがしっかり入ってました。まあコストの面から言うと短資会社の手数料が0.02%ある(ちなみに双方から0.02%です。まあ短期金利上って市場も動いたんで、5年間のコストだだ流し状態からの脱却が見えて来ましたですねよかったですね>短資会社のみなさま)ので取り手のコストは0.12%でして、そりゃあなたロンバード借り入れした方が良いでしょうってレートなのですけれども、ここもとの足元資金需給の不透明感というか不安感があるんですよ大変ですよってメッセージ(というか悲鳴)をインターバンク市場が送りましたってお話でしょう。
インターバンクもヒーヒー言ってましたが、オープン(と今は言うのか??)市場も香ばしい状態になっておりまして、GCレポレートの上昇やTBFB(というかFB)の重さで現先金利が高止まり。当然ながらCPにも影響が来る訳でして、つい先日までは需給の悪いTBFBの現先利回りの方がCP現先利回りよりも高いという状況になっていましたが、企業資金需要の高まる5月末〜6月を控えましてさすがにCPの発行が増え需給が悪くなってきて、既発CP売切や現先レートが上昇。しかも昨日は月末スタートのCP発行が大量に実施される予定なので、インターバンクの状況とあわせるとエライコッチャになるかもしれませんなあという感じ。
まあそんなこんなで即日資金供給となったんでしょう。
○中々芸の細かい資金供給
即日オペが本店手形買入1兆5千億でしたが、まあ額として1兆円くらいやらないとインパクトを感じさせないなあというのもありますけど、まあ豪快に出しましたなあという印象を与えるのには十分でございます。これで「誘導目標金利がゼロ近傍なのに0.1%近くに足元金利が張り付くというのはケシカラン」というよくよく考えたら当たり前なのですが、まあそういう運営方針は示されましたということでしょう。
勿論ですが、期末期初のように瞬間的に資金需給が逼迫して金利が跳ねることは昔からあったので、その辺までムリムリに押さえるオペレーションまでやるのかどうかは判りません、というか今までは「過度な跳ね上がり防止」くらいしかやってませんので、今後もそうなんでしょう。あまり何でもかんでも押さえつけると今度はそれを当てにした薩摩守ただ乗り資金繰りを始める輩が出てきますんで。
午前中の即日オペは6月1日エンドで平均落札利回りが0.076%の最低落札利回りが0.060%と、まあこんなもんでしょうという結果になりまして、さすがにオペ前の0.1%ビットのようなものは無くなりましたが、とは言えまあ0.06%〜0.07%のビットは残っていたようですな。
午後も先日付スタートの資金供給オペを実施しまして、これが2本立てで各1兆円と債券市場の人も安心するようなオペの打ち方。さすがに1兆5千供給してから午後に2兆供給と聞くと「日銀は足元金利の上昇を別に容認してるわけじゃないですよ」ってのがインパクトとして伝わるでしょう。3兆5千億円ですからね。
足元金利上昇容認がどうのこうのという話ですけれども、まあ短期市場の中の人は「日銀が短期金利の上昇容認?はぁ?んな訳ねぇだろゴルァ!」と正しく解釈をするのですが、債券市場では昨日ご紹介したどうみても(自主規制)なレポートに見られますように、もっともらしくムチャクチャな解釈を流布する輩もおりますので、そういう所まで意識したんジャマイカと勝手に想像しますが、どうなんでしょうかね(もちろん公式見解では「そこまで考えてませんがな何をご冗談を」でしょうけど)。
で、まあこのオペのどこが芸が細かいかと申しますと、まず全部のオペを本店手形買入ということで全店オペ(即日は全店で打ったら時間的に間に合うのかどうか知らんが)を避けている点。特に地合いが悪い時は本店オペに比較して全店オペは落札金利が上がり易いという傾向があるので、折角オペを打っても肝心の落札金利が上昇してしまうと却って地合いの悪化という印象を与えて逆効果という事でそれを避けてます。
で、1本のロットを今回は1兆円だの1.5兆円だのとでかくしているのも上記した落札金利の跳ね上がり防止に寄与しますので、これもまたよく考えています。それに「1兆円の供給」って桁が変ると心理的にインパクトありますからね。
最後に芸の細かさを感じたのはこのオペ期間でして、即日オペが29日〜6月1日で3日間の供給。午後に打った先日付オペに関しても30日〜6月7日と6月1日〜6月9日の双方とも8日間。税揚げで財政大量揚げ超になる今週末を跨ぐ供給なのは3兆5千億円のうち実は2兆円。しかもお読みになっているうちに気が付いたと思いますが、先日付オペの1兆円2本のうちの1本は実は即日オペの減額ロール(なのでこの落札レートだけ高くなってます)なので3兆5千億円の供給に見えて実は2兆5千億円という事ですな。うーむ奥が深い。
で、この期間も1週間程度ということで、「供給して跳ね上がりは押さえるけれども、別に長い期間の資金供給して金利をムリムリさげませんので」という所でしょうな。まあそれが現在の金融政策のディレクティブに最も適切な運営ですので何の問題もないのですけど。
○CPレート上昇
まあ需給から言って当たり前と言えば当たり前なのですが。
昨日はご案内の通り月末スタートのCPがバカスカ発行されておりました。で、まあどうも1か月ものの最上位格で0.2%近辺で堂々発行されたようでして、前週末から見ると0.02%前後上昇したようなイメージですな。2か月ものや3か月ものも上昇してたようです。まあ明日入札が行われる6月5日発行9月4日償還の3か月FBのWI取引が0.31%あたりの気配になっていますのでレート上昇もやむなしですけど。
これから6月に掛けて企業の資金需要が割と出る時期だと思うのですが、足元の金利がこんな感じなのでまあしばらくは需給が悪くて金利は下がりにくいのではないかと勝手に思料しております。あんまり高止まりすると企業も発行抑えて銀行借り入れに回るかもしれませんが。
という訳で、本日は何の芸も無く短期市場のメモでございました。
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2006/05/29
お題「勢いとは言えオソロシス」
株式市場に朗報です。今朝も心の中でツッコミを入れながら聞き流しているモーサテですが、月曜に毎週出てくる後追い理屈をやたら偉そうに垂れる某経済評論家のコーナーでとうとう出ましたよ。もう思いっきり「市場環境の流れは変った」だそうです。そしてその能書きに対する本村ゆっこさんの応対に何か「そんな景気の悪い話を今更するんじゃないよ」っていう冷ややかなもの物凄い勢いで感じたのはあたくしの考えすぎですかそうですか(笑)。
そんなことはともかく金曜日も短期などのゾーンが大荒れでしたが。
○一番売られたのは1か月?
金曜の債券、と言いますか短期市場は引き続き大騒ぎ。
債券の方ではあさいちから金先とかスワップとか2年がズタボロ。CPIの東京都区部が予想よりも良い数値だったというのはありますが、そこまで勢い良く売り込まなければいけないような衝撃の数字ってほどでもなかったと思うのですが。まあ朝からでございますし、売られっぷりが如何にもいつものスワップ市場主導の売りっぽい。
しかしまあ2年なんぞは連続火消し効果(?)で火曜日に0.7%割れまでやっておいて金曜は朝から0.8%台から下に叩きまくりという図でありまして、投資家の皆様幾らなんでも右往左往し過ぎなのではないかと存じますが、変に火消しをやり過ぎたからショートが駆逐されて反動の投げになったのかも知れませんぜ旦那さん。
1年の辺りとかもムチャクチャに動きまして、今までいろんなオトナの事情があったのか存じませんが、短期国債に比べてやたらと割高(いやまあ一応利付債の元利金取扱手数料見合いの部分がプレミアムとして存在するんですが)に値付けされていた1年ゾーンの既発利付債の利回りが一挙に修正されるの図。5毛甘とかやってますが、1年のTBは前日の0.485%から上昇して朝っぱらから0.51%オファーだったようですな。まああさいちが一番甘かったのでその後は少々持ち直したようですけど。
で、短期市場も何か大騒ぎ。
朝から無担保コール翌日物で0.10%の取り意向があったとかいう感じで、9時20分の即日供給も期待されたのですが(当日オペ実施前の予想ベースで4400億円不足になっていたので期待してる人もいたようで)オペ無しということでがっくしとなった取り手も0.10%でしっかり資金を取るわ、GCレポレートは0.1%台での堂々の推移とロンバード超えになってしまうわという状況になりました。
まあそんな状態ですし、6月頭の法人税大量揚げやこれからの夏季賞与資金需要なども睨んで資金需給がタイトになっていることもありまして、ターム物金利が物凄い勢いで上昇してしまいまして、金曜日に発行されたCPの1か月物などの金利は軒並み上昇しまして、最上位格でも0.15%以上に上昇。週初に最上位格のCP1か月もの金利が0.1%乗せになってこりゃまた上りましたなとか言ってたのが夢のような有様。体感的に一番金利が上昇したのは1か月なのではないかという感じですわな。こりゃ。
足元のGCレポ金利上昇で当然ながら現先レートも上昇しておりまして、保有してても逆鞘確定の人から順に短い債券やCPは全力投げ合戦になりますわな。3か月のFBとかも当然ながらゲロゲロになっておりまして、先週発行の390回債の居場所が0.28%(金曜に0.28%とか書いたのはWIの値段でした。陳謝致します)でWI取引(とうとう9月償還)は0.31%という有様です。
ちなみに午後になっても短期市場金利は下がらない状態でして、無担保コール翌日物で0.08%あたりのビットも散見される状況だったようですな。いやはやこりゃビックリです。
本日はスポット渡しが31日になりますので、CPの発行がどうせ多いものと思料されますが、ここもとの金利急上昇局面で「そんなに高いなら金イラネ」と頑張っていた発行サイドがどの辺りまでの金利上昇を耐えるのかとか、運用サイドが本当にカラッケツなんでしょうかそんな事も無いんじゃネーノとかどっちも???でありますので、その動向が見られることになるでしょう。
3か月のFBが0.31%とは(WI取引ですが)ちとやり過ぎなのではないかと思うのですが、今の「目標誘導金利がゼロ近傍なのに現先レートが0.1%」っていうのを見せ付けられると足元金利が0.25%に引き上げになった後の現先レートがもう少し高くなるという仮定を置きたくなるのも判らんでも無い。あたくしとしてはこの上昇は(1)資金繰りに慣れない人たちが右往左往している(2)誘導目標が「ゼロ近傍」という曖昧な数字になっている(3)そもそも当座預金残高を一方的に削減する過程なので足元資金の需給が逼迫しやすい(金利政策に移行した後のほうが調節をやり易くなる)というような複合要因だと思うので、政策変更後にはこのスプレッド縮小すると思うんですけどね。
しかしワケワカランのは2年とかの売りですな。1年近辺とかにも売りが出てたよう(そうじゃないと値付け修正しない)ですけど。
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2006/05/26
お題「ちと早い気がしますが岩盤到達」
岩盤云々は本石町日記さんの表現を拝借しております。こちらのエントリーに解説がありまして、本石町日記さんの見立てに同意するものであります。よってこちらをご参照ありたし→http://hongokucho.exblog.jp/4796203/
・・・・だと話が終わってしまいますのであたくしなりに能書きを垂れる事と致したく存じます。
○まあ概況をつらつらと
一昨日はCPの発行レートがまたまた上昇。24日の駄文で書きました足元のGCレポレート上昇がモロに響いてきまして、どう考えても政策金利がゼロの筈の6月中盤エンドの最上格CPでも発行利回りがさっくり0.1%以上の図になりました。6月半ばのエンドで0.13%だの0.15%だのというレートでロンバートより高いとはこりゃまたって感じではございました。で、一昨日の引けの時点でGCレポレートが0.1%まで到達した雰囲気。
そんな状況になった上に、24日の駄文でも触れたように、GCがロンバードより高くなっても理屈はおかしくないという説が(確かにそう言ってしまえばそうですが、幾らなんでもそれはちょっとやり過ぎのような気がする)浸透するわ、24日締めて見るとロンバード貸出が1000億円新規実行になっている(ということは誰かが借りたということ)わという事で、雰囲気は朝から良くありませんでした。
で、25日は朝っぱらからコールには取り上がりがあるわ、現先レートも上昇するわなところに来て、背景がさっぱり判りませんがスワップ発だと思われる2年債の叩き(朝からいきなり3毛甘)やら金先ヘロヘロ(しかし6月限が引けてみたら4.5ティック下落ってそりゃ何よ)で極悪の雰囲気だったところで、やっと打って下さいました即日オペ。
即日オペオファーでいきなり債券先物は戻っておりましたが、肝心のオペ結果を見ると落札利回りは平均0.081%だわ(最低は0.073%)5000億円のオペレーションに対する応札が即日スタートのオペレーションだ゙というのに2兆5246億円もあるわでその応札の多さと落札レートの高さに地合いの極悪さが露呈されてまたビックリという毎度お馴染みのパターンで更にレート上昇。
午後には資金不足日の30日にスタートする本店手形買入オペがオファーされたのですが、この結果がまた頭痛モノの数字でして、5月30日スタート6月6日エンドというショートタームでしたが、これまた5000億円のオペに対して応札総額は3兆5442億円と益々増殖。落札利回りの方がもっと酷くて平均0.114%で最低が0.109%とロンバート貸出レベルを超える利回りともうダメダメ状態。その札の状況だと0.12%とかで応札した輩もいたわけでしょう。おまいらロンバート使えよ。
という訳で、もうだめぽ状態になって前日0.25%での入札になっておいおい状態だった3か月FBが0.28%ヒット(←追記訂正です。0.28%ヒットしたのはWI取引でして、390回債の出合いは0.26%の後0.255%でした。大変に失礼しました。まあ金曜にはなおのこと売られまくってましたけど)されたり、2年カレントがまた0.8%になってみたりと悲惨な状態(さすがに安値からは盛り返しましたが)となった後であります引け後のGCレポ取引では30日スタートの翌日物取引が堂々0.1%からさて幾らでしょうかねえ状態になっておったようで、甚だ遺憾の限りでございます。いやはや。
・・・・とまあ現象なら書けるのですが、さてその背景は一体全体何なんでしょうかねえ。
○さっぱり事情は判らんが色々と考えてみる
まあ妙に早い気はしますが岩盤に到達しちゃいましたなあというのが上記の短期金利上昇の根底にあるのは確定と致しまして。
朝からスワップだの金先だの2年だのが売られていたのはまた面妖な話で、こっちはこっちで金融政策に絡む思惑でもあったのかもしれませんが、まあ朝っぱらから売り売りだったので、海外なのか銀行ALMなのか知りませんが、まあ何をやってるんだか。
何と申しますか、海外勢やら銀行ALMやらが振り回す主戦場では金融政策に関する思惑も極端から極端に振れる傾向があるのではないかといいたくなる状況で、5月に入ってからは「6月利上げで今後も継続して利上げか」→「火消しと株安を受けて今度は7月の利上げも難しい」→「何だか要因判らんですがまた早期利上げ?」というような感じでぶれる事ぶれる事。
で、デンと構えたいのですけど何せ参加してる人も時価会計に洗われておりますので、「これはアホだろう」と思っても皆が集団脱走状態になっているときに一人で向っても押し流されて時価会計でやられ発生の図。よほどタイミング(と参戦時のポジション量コントロール)を考えないとこういう極端に振れるマーケットでは逆張りは順張り集団レミングに押し潰されるのが関の山。なかなか難しいですな。
こっちの動きが良く判らんかったのですが気になるところです。
さてまあその岩盤到達ですが、12兆ちょっとで到達とは随分早い気もしますが、資金繰りにバッファーを確保しながら動く人たちが多いとか、どうせ大して金利付かないからブタ積みしておきましょうっていう余裕資金も結構多かったということでございましょう。いやしかしこうなると福井総裁の先日の6−7兆円発言は結果としてお笑いになっちゃいましたな。だから判りやすく答弁しようというのは判るんですが、具体的な数字への言及ってのは止めとけって感じです。
まあこのちと高めの水準にある岩盤ですけど、これだけ金利が上昇すると偉い人から「あー、金利水準がこれだけあるようだが資金繰りは効率的にやっているのかねチミチミ」などという声が飛んでくることも想定されますので(^^)、そうなりますとこの岩盤の水準も徐々に下がってくるのでは無いかと思料されます。
と、冒頭でご紹介した本石町日記さんのエントリーの見たてと同じ話になってしまいました。
○まあ厳しいのは来週一杯までですかねえ
来週の金曜日は税揚げ日に当たりまして大幅な財政揚げ超。決算納税とか夏季賞与資金とかの法人資金需要も高まる時期になりますので、まあ来週一杯は資金繰りに関しては結構保守的に動かざるを得ないという話になりますので、とりあえずこれ以上ガンガン金利上昇するってのも無茶ですけど、じゃあ金利が下がるかというとそれは中々厳しいかなあという感じ。
まあ税揚げ超えたら少しは落ち着くかと思うのですが、そうは言っても金融政策決定会合日を控えると先日付スタートの取引が縮小するでしょうし、そんな事を言ってるうちに6月20日の国債大量償還日(なので資金の出入りが巨大になって資金繰りが大変になる)がやってくるという誠に遺憾な日々は続きそうです。
まあさすがに連日0.1%以上のGC取引とかはやり過ぎだと思うが。
○風雪注意報
まあこういう短期金利の状況を見るとまたぞろ「利上げの準備だ」とか「短期金利の上昇容認」とか言って「政策金利早期上げ」とかいう輩が出てくる可能性が高いのですが、あくまでもこれはテクニカルな問題であって、短期金融市場の資金の取り手な皆さんが試運転中で不慣れな為に起きた現象であるとあたくしは認識しております。
でもまあそういうのがまた出てくるんだろうなあ。CPI次第かも知らんが。
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2006/05/24
○足元金利はまた堅調
昨日の債券市場も2年とか5年とかやたら堅調で金利絶賛低下していましたが、その一方で足元に関してはGCレポレートがやたら高止まり。当座預金残高が減ったとか、国債発行日要因だとかいう理由で金利が上ると中々下がらんという図には、短期市場参加者の寡占化に伴うパワーゲームが本格化してきているという香りがして誠に遺憾極まり無いのですがまあそれは兎も角。
GCレポレートは0.09%中心という状態になっていたようでして、もうすぐロンバートじゃねえかと言いたくなりますが、ロンバートの場合は担保掛目の問題があるので必ずしも0.1%がレポレートの上限ではないのではないかという理屈まで流布される始末で金利が下がる気配なし。
足元金利の誘導目標が「ゼロ近傍」というやや曖昧な数字になっているのも高止まりの原因なのかもしれませんなあとも思うのですが、無担保コール誘導目標金利から0.1%近く高い金利になるってのは幾らなんでもスプレッド付き過ぎじゃねえのかと思う次第です。まあ資金の出し手が出し手だから仕方ない面もありますけど。
SCレポレートもやっと普通の銘柄でプラス0.02%くらいまでは上昇してきたようですので、ややマシになったとは言え、GCとSCのスプレッドが7bpもあると証券会社の対顧ディーラーはコスト増要因で困りますなあという感じですね。
GCレポレートが0.09%とかまで上昇してるので、1か月ものとかの金利が引っ張られて上昇しておりまして、それに対して1年以上の金利は低下って図になっておりますので、他の外部環境を完全に無視しますと(笑)利上げをしたい人にとってはウハウハの展開になってますな(足元金利の上昇影響が軽減されて、中長期金利ののりしろが出来ているから)。まあどうでもいいですが。
本日の3か月FB入札はそんなわけで足元の現先やGC金利の影響を受ける(先週の入札の時は0.04−0.05%だったのが0.09%に上っている)ので、前回の0.2%割れから今回は0.22%近くまで金利上昇すると思いますが、そんな事情がありますので金利が上昇しても余り驚かないようにお願いします。
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2006/05/23
○GCレポレートまたまた上昇
先週は22日の国債発行日要因とかいう言い訳が発生したためにそれまでの0.04%近辺から0.06%近くまで上昇したGCレポレートですが、昨日は25日スタートの翌日物取引が25日の国債発行日要因という名目でまたまた上昇。0.08%−0.09%ともうちょっとでロンバートですけど良いんですかそれってレベルまで上昇。
言い訳が発生するたびに金利が上昇するという如何にもアヤシイ価格推移なのは資金の出し手が限られていてふがふがもごもごなのが要因なのではないかと思料されますが、それにしてもまあロンバード近くまでとは随分上ったもんでございます。
一方でTBFBやCPのレートを見てると足元はGCレートの上昇に引っ張られてやや上昇気味、というか6月償還や7月償還のFBなんかが重そうな感じでして(だからGCが上がり易いのだが)、人の懐具合は知りませんが、当座預金残高削減に伴って「ゼロ調達の資金潰しにFB購入だぜベイベー資金繰りのバッファーにもなるぜベイベー」っていうFB需要もだいぶ減退してるんでしょうなあという感じ。FBがちと重めの為にCPレートとFBレートのスプレッドは相変わらず縮小したままという感じ(先々週はFBレートが先行して上昇したので一時的に官民逆転状況が局地的に散見されましたが落ち着いたらさすがにそれは解消)ですな。
GCレートが上昇するとTBFBレートなどにも影響を与えるので、ターム物金利が高止まりする要因にもなりますし、GCレートの上昇にSCレポレートの上昇が中々追いつかない(SCレポで玉を放出する人は基本的に投資家で、現状はまだ金イラネ状態の人が多く、レートを上げてでも放出するインセンティブに乏しいかと)ので現物債のマーケットメイクをしている業者から見るとコストの上昇につながります(マーケットメイクするとどうしてもロングショートのグロスポジションが増えるので)のでちとしんどいでしょうな。まあ色々と影響が及んでくるわけです。
だからどうしたと言われると困りますが、コールレートの上昇がまだ大したことの無いうちに先行して随分上昇したレポレート、さすがに0.1%を超えるのはアホですので(ロンバートがあるから)これ以上はようやらんとは思いますけど、まあ火消しで長い金利が低下してますが、地味に足元はジワリ上昇という所でしょうな。
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2006/05/19
○短期市場メモ
ネタが無いので市場雑感。そういえば全然断りもなく短期市場雑感とか言ってますが、インターバンク市場の話は正直よー知らんので基本的にお話してるのはオープン市場という奴の話でございます。コール市場がインターバンクで、銀行以外(証券とか投資家)も参戦してくるその他の市場を一般にオープンと言うと思いますが、金融機関の資金偏在状況が変化した現在はそういう区分けをすることもどうなんでしょ。
短期国債市場は入札前と入札直後は大いに盛り上がるのですが、昨日はまあ当然のように平穏な相場。つーか業者間取引も閑散でしたが、総じて買いあがるような雰囲気はないけど下がったら買いが来そうな感じ。今のところは3か月で0.20%とか1年で0.5%とかになると在庫は捌けますなあウッシッシと逝った所でしょうか。当たり前ですがそういう状況ですから下叩き攻撃も観察されず。
とは言え、GCレポレートがまたまた上昇してまして、一昨日取引されていた22日スタート23日エンドのGCレポレートが国債発行日要因で0.04%からやや強含みという感じ。昨日は国債発行日要因が剥落するから下がるかなあと思っていたら何の事はない23日スタートの翌日物GCレポレートは上昇してしまいまして0.05%−0.06%と上昇。まあ背中にロンバートがあるのでそうガンガン金利が上昇することも無いと思うのですが。
まあちと気がかりなのは全店買入手形の7月19日エンドが平均落札0.124%の最低落札0.112%で、レートがしらっと上昇している所でしょうか。まあ6月の政策金利引き上げに関しては必ずしもノーケアーとは言えないということで。
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2006/05/18
○6月利上げ懸念はさすがに後退ですか
昨日は3か月FBの入札が行われましたが、その結果はと申しますと先週金曜の3か月FBから利回りは低下。前回の平均落札利回りが実質0.205%(財務省発表の数字は経過日数を1日多く計算してるので市場での呼び値利回りと微妙にずれます。って言うか特殊利金無くなったんだから財務省発表の利回りは経過日数を片端入れにした方が良いんじゃネーノと思いますが)でしたが、昨日の平均落札利回りは0.193%と大体1BPの利回り低下。
この間、償還日が1週間長くなっている訳でして、その点を考えると利回りが上昇しても全くおかしくないのですが、0.20%のビットが確りでその買いを背に利回り低下ということで、これを見ると6月利上げのリスクシナリオはさすがに懸念後退といったところでしょう。
とは言いましても、昨日ご紹介した福井総裁国会答弁によりますと「あと数週間」で「当座預金残高6−7兆円」ということですから(実際問題としてはテクニカルな問題があって6−7兆円には下げられないと思いますが)、政策金利引き上げの前に足元金利というかレポや現先金利は上昇しやすくなるものと思料されますので、6月利上げが後退したから3か月ものをガンガン買うってわけにも逝かんのでしょうが。
まあ本当に考える時はもっと細かく考えますが、超イイカゲンにシナリオ作ると、保有期間3か月の間の現先利回りを手前の1ヶ月からそれぞれ0.05%、0.1%、0.3%と置いてそれを3か月で均すと0.15%。実際は政策金利が引き上げになった後に0.1%の逆鞘状態が(7月利上げだとして)1か月も続くというのはその前に鞘取れてるとしても運用サイドとしてはしんどいものがあるので、7月の利上げ観測があると中々そこまで金利低下はしにくいかとは思うんですが。
・・・つーか、6月利上げってのはリスクシナリオとしてあるかもしれないねってのは兎も角、ユーロ円金利先物の06年6月限の動きにみられた6月利上げ本気で1点張りみたいな人はさすがに短期市場にはいなかったものと思われます。よって6月利上げ懸念後退とか言われても「はあ?」って感じではあるのですが、まあそう言うしかございませんので、そういうことにしておきましょう。
#問題は連続的な利上げペースが速いんじゃないかという懸念なんですけどねえ。年内3回とかいう極端な話はさすがにやり過ぎでしょ(短期国債見てると年内3回なんて一度も織り込みに逝ってませんけどね、わはは)。
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2006/05/15
お題「短期市場(TBFBとCP)雑談」
先週は大型連休明けで相場大荒れということで、体も頭も慣れない中で1週間の荒れ相場は正直疲れましたな。お蔭でこの週末はヘロヘロになっておりました。
#休み明けの頭を覚ますためにモーサテを見たら為替のコメントがドル安円高は始まったばかりですよ1ドル100円ですよ大変ですよというコメント。金曜の榊原某もそうですが、おまいらついこの前まで何言ってましたっけ。
○週2回目のFB入札は落ち着いた訳で
金曜日に実施された3か月(くらい)のFB入札。落札平均利回りが0.2%を超えましたって事で数字上はまた売られましたなあという感じになりますが、まあ実感としては必ずしも悪い入札ではなかったなあというお話をひとくさり。
金曜日は債券に関しては株安円高にしては重いですなあ(そもそも株安円高のネタが金利上昇懸念なんで当たり前と言えば当たり前ですが)という感じでしたが、短期はというとユーロ円金先の06年6月限がまたも反発してたり(つーかそこまでが売りすぎだったのですが)という感じでした。金曜に入札が行われた方の新発FBに関しては前回債とは異なり事前のショートメークもそんなに無かったようですし、償還は1週間延びて益々使いにくいということで水曜辺りには物凄い勢いで懸念されておりましたが、蓋を開けてみれば前場の引けレベルからそんなに悪化しないレベルでの入札になりました。
とは言っても前場に何故か0.195%とかで出合っていたりしてたのに入札はしっかり0.2%ってあたりに若干香ばしいものを感じますが。どうも事前先回り買いがあったらしいのですが、まあ4.4兆円も発行されるものを一人や二人(メガバンク除く^^)が先回り買いしてもショーが無いでしょという所ですか。まあ入札の時点では前場の出合いに関わらず(笑)、「0.2%〜0.22%の間なんじゃネーノ」って感じで入札をやっておりましたので、その点で言えば物凄く妥当な結果でした。
入札価格が流れなかった事もあるのですが、今回は応札の方も復活しておりまして、前回水曜日にはテールが3厘6毛流れるわ応札は11.2兆円ちょっとと低調だわと散々でしたが、金曜日はテールが2厘5毛と縮小し、応札も15.5兆円弱まで復活。しかも落札結果発表後のセカンダリーマーケットでは平均落札価格レベルまでは買いが結構あったようで、リアルマネー系の買いも3か月で0.2%乗せてくるとさすがに出現するというのが見えて来たというのは「これ以上の底抜け懸念の払拭」にはなったのかと思います。と言って別に上値を追うネタにはなりませんが。
まあアレだ。火曜の6か月TBが流れて(既発が0.12%とかやってたのにいきなり0.25%)水曜の3か月FBが流れて(前日の既発が0.09%に新発が0.10%なのにいきなり0.185%)と連日物凄い勢いで金利が上昇しちゃった訳でして、リアルマネーの人たちはあまりにも素早い勢いでの大荒れで対処しにくかったというのがあったのかと。おまけについこの前の4月最終週に入る辺りでは「7月解除の可能性も後退してるのかなあ」などという状況だったものがいきなり「6月解除ですよ大変ですよ連続利上げですよ」になってるのですから、まあちょっと待てということにもなったかと存じます。
でまあ金先も落ち着いて(あの水準を売る方が変なのですが)来たし、まあ良く考えたらこのレベルだったら6月解除してもまあチャラかちょっとやられか(どうなるかは今後の現先利回りに依存する)という事だからまあ買ってもバチは当たらないでしょうという判断もいい加減働いたという事でございましょうか。ケツの重い人たちですなあという気もしますが(笑)、金曜はセカンダリーの買いが久々にまともな感じでやってきたというところだそうなんで、まあ皆さんやっと登場しましたなあという所でございます。
とは言いましても、FBは毎週のように入札がある上に、当たり前ですが毎週のように償還日が先になるので、まあ6月解除どころか7月解除も無いですよって話になるとか、足元に金が入りまくって現先利回りが急低下するとか、何かインパクトのある話でも出ない限りは別に金利が反転低下するという変化は難しいのではないかと書くと金利が低下するのがドラめもんクオリティですがさて・・・・・・(笑)。
○官民金利接近というか下手したら逆転というか
物凄い勢いでTBFBの金利が上昇して需給もよくありませんなあという所なのですが、これに対してCPは別に需給も悪くなく、というかこんなに急に金利が上昇されると発行する方も二の足を踏んでしまうのでしょうか(苦笑)、CPの発行金利の上昇が短期国債に追いつかない状況がまだ続いておりますわな。3か月もののその他金融(は発行が多いので基本的にスプレッドが付きやすいです、ご参考までに)a-1格クラスで0.25%近辺というかまだ0.25%割れだったりするようなのですが(それでも週初から見ると5〜10BP近く上昇してますが)、短期国債の3か月ゾーンがご案内のように0.2%乗せですから金利格差が見た目では接近しているようになってますな。
現先利回りに関してもGCレポレートの上昇に引っ張られやすいTBFBの方が高いという状況になっておりまして、まさに需給恐るべしといった図になっております。まあGCレポレートに関しては金曜日には若干の低下を見せていたのでこちらも落ち着きを取り戻すとは思いますが。
大体からして金利水準があまり上がりすぎると「そんなら銀行から借りた方が安いぜベイベー」って事になりますんで、そういう意味では銀行貸出金利が上らない状態で市場金利上昇が起きると官民格差が何故か縮小するという怪奇現象が発生するのがCPクオリティでもございますが。
ま、今回の金利上昇は週前半という比較的CP発行の少ない時期に来ましたので、月末に掛けての動きに注目したいですな。
#てな訳で雑談で恐縮でございました
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2006/05/12
お題「いやまあ雑談でご勘弁」
ミスター円先生のインタビューがあったのでモーサテ見てましたが、円高円高もう円高で介入ですよ大荒れですよってあたりまではほほうドテン円高論転換ですかお気楽ですなあくらいだったのですが、日銀が日経金融使って利上げキャンペーンという辺りに至って時間の無駄であることを確信していつものようにブルームバーグテレビ(東京MXで放送中)に切り替えるのでありました。
○結局またもロスカット狙い撃ち攻撃だったのか
昨日のユーロ円金利先物は反発してました。まあ反発は結構なんですが、6月限が3bpとか戻って0.3%までマーク(その後また下がりましたが)しておりました。相変わらず6月利上げを全力で織り込みに行ってる価格ではございますが、まあ一昨日売ってた向きは何だったんでしょうかって感じではございます。
きっかけなのかどうか知りませんが、また毎度の海外レポートでBOJ幹部が日銀は利上げを急いでいないとコメントしたとか書かれてたので一旦売り方の利食いのタイミングになったという感じなのかなあと。しかしまあただのきっかけだとは思いますが人づてに聞く内容は日経のヨタ記事もビックリのヨタ記事のようでして、まあ何と申しますか、偽メールを大喜びで国会に持ち出すどこぞのアホウを笑えませんなあという所でしょうか。
・・・・まあアレです。結局海外で売り仕掛け(タイミング的に別に経済指標が出たわけでも無いのだからこんなのは仕掛けか展望レポートに相当遅れて反応したアホなのかでしょう)をかまして悪材料(今回だと6月利上げ前倒し話)を囃したてて銀行ALMのロスカット狙いに逝ったんでしょうなあという感じが致しますわな。2年0.8%(は一昨日ですが)はねえだろうとどこまでの利上げパス織り込んでるんだYO!って所ですな。
ま、毎度申し上げてますが、銀行様が沢山お抱えになっている中短期ゾーンばかりやたら動くのは銀行のポートが時価評価に晒されっぱなしであって、おまけにリスク管理がどうのこうのとうるさく小言を垂れる御当局様がいるので、立場上やたら直ぐに投げ踏みしたがるという行動様式に起因してるのではないかと勝手に想像してますけど、まあ仕掛ける方も当然ながらそのような構造的な問題点を重視して仕掛けてくるんでしょうなあなどとも思うのでありました。
なお、仕掛け云々の話は状況から勝手にあたくしが脳内妄想を全開にして行っている与太話でございますので、その点はお含み置きを願いたいです。
○悪態はちょっと聞こえたようですが
TIBORがバーチャルマーケットですなあという悪態が聞こえたのかどうか存じませんが(笑)、全銀協様ご公表のユーロ円TIBOR金利あたりを拝見致しますと、昨日はやっと上昇したようでございます。
・・・とは申しましても、12ヶ月ものがようやっと0.408%でございまして、昨日のロンドン11時のLIBOR円12ヶ月もの金利0.5425%(ちなみに10日は0.53%)から見るとエラク違います。で、来年4月20日償還のTB399回債(なので11ヶ月もの)はと言いますと昨日の引けでは0.425%近辺にいまして、まあどっちが実勢に近いのかは推して知るべし。
まあ日銀レビューによりますとそのあたりの問題点も十分に把握なさった上でユーロ円金利先物を参考になさるようでございますので、それほどなーばすになることもないんですよ。いやもうまったくもんだいはないんでしょうなあ(突如棒読み)。
#とは言え、いままでろくすっぽ動かしてなかったものをいきなり昨日の今日でレートを死ぬほど動かすわけにも行かないというのはあたくしも理解は致しますし同情は致しますが、まあネタにはしますよ。
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2006/05/11
○いやあ0.2%まで逝っちゃいましたなあ(TBFBとかオペとか)
昨日あたくしは3か月FBに付きまして「幾らなんでも0.15%では止まると思うんですが」と書きましたが、物の見事にぶち抜けてしまう所がドラめもんクオリティ。肝心な所でこれだから我ながら情け無い所でございます(恥)。ということで昨日のお話を少々。
朝っぱらからこっそりと0.14%あたりの出合いがあったとか無かったとかだったようなのですが、金先やら2年やらが朝一からズタボロになっているのもあって買いの手引っ込みんぐ。
で、前場の終わりには、0.16%堂々オファーで入札迎えてしまいました。そして結果はご案内の通り。最低落札価格を市場呼び値の利回り(経過日数の計算を受渡日から償還までの片入れで行う)に換算すると0.202%に相当。しかもその価格での按分比率が8割以上とこれまた予想以上に入ったという印象。
だいたい0.2%だと幾らなんでも止まるでしょうと思うのでちょっとシャレで札を入れる人も存在する訳で、按分かかるにしてもそんなに厚い按分になるとは思わないでしょうからちょっとビックリの図では無かったかと思います。お蔭で上が重いの何の。結局昨日の引けは0.19%あたりというのが妥当なようです。
しかし6月に利上げって事が現実になったとして、実際に利上げが効力を発揮するのは6月16日以降になる訳ですから、今回のFB387回債が5月15日〜8月7日であることを勘案すると84日のうち前半32日は最悪でも0.1%(=ロンバード)上限だから少なくとも0.1%は取れる訳で(実際はもうちょっと取れますな)、その分を後半52日に按分すれば0.25%になってまあチャラ近辺というお話になりますわな。6月利上げを思いっきり織り込み価格になっているように見えますがそんなので良いんでしょうかねえ。
などという入札の後に全店手形買入が行われまして、こちらの期間は5月12日〜7月11日でございまして、この平均落札利回りが0.12%になってまた騒動になってましたが(ロンバードよりも高いので)、まあよく考えればFB落札した分のファンディングをこれでつけると(実際は発行日が15日なので直接使えないですが)、同じ理屈で考えると後半1か月を0.35%くらいでファンディングしてチャラという話になりますので、まあそう簡単に負けはせんわなという事で。
一方、一昨日に入札の行われた6か月TBはと申しますと、もはやマーケットがそれどころでは無いモードでしたが、どうも0.25%のあたりかちょっと甘い位の居場所に相変わらずいるようですので、そうなりますといつもの計算で3か月後スタートの3か月金利をエエカゲンに弾くと0.3%とかに(3M0.2%、6M0.25%で置く)なるようですので、まあここを見てると7月までの利上げは取りあえず織り込んだとして、さすがにその後またまた速攻利上げというのは幾らなんでもそりゃアレでしょうと言ってるように見えますな。
これで昨日6か月までズタボロになっていたら驚きでしたけど、まあそんな動きですんで、大懸案の金曜のFB入札あたりでひとまずピークになるんジャマイカとは思いますけど。
○しかし金先やら2年やらは何なんだと
昨日も売られて盛り上がっていたユーロ円金利先物2006年6月限ですが、昨日の清算価格は99.665(だか67だか忘れましたが)で利回り換算すると0.335%(だか0.33%)でございました。
この意味はSQ価格決定日でありますところの本年6月20日のユーロ円TIBOR3か月もの金利が0.335%となるでありましょうという事なのですが・・・・・売ってる人の頭の中身を疑いたくなるようなお値段でございますが、まあロスカッターが登場したり、ロスカッターを炙り出しに逝ったりしてるんでしょう。どういうマーケットなんだと小一時間問い詰めたいとはこの事でございます。だから金先は(以下暴言)。
で、2年とか3年とかも酷いものでして、朝っぱらから6甘だの7甘だのとかやってまして引けてみたらこのゾーン一番甘くて軒並み8甘。2年244回債が0.795%の引けとかやっとる訳ですが、5月1日の引けが0.64%だった訳で、実質1週間で16毛甘ですよ先生。
いやね、マーケットコンセンサスとして7−9月期には0.25%の利上げがあるでしょうよって話はあった筈でして、それが1か月や2か月前倒しになってどこがどう違うんですかって話でして、仮に9月利上げが3か月前倒しになったとしても0.25%の3か月分が2年の金利にどれだけ影響しますかって考えると0.25*3/24ですから0.03%ちょっとでしょ。何でそれが0.16%叩かれになるんだか・・・・・
ま、日銀の前のめり姿勢が嫌気されて利上げ経路のシナリオが大幅に書き換えられましたっていうのが後付け理屈になるのでしょうけれども、本当にお前らそうなのかと小一時間ですな。
そりゃまあ3か月は政策変更時期が1か月や2か月ずれたら直撃だから派手に動くのはまあ仕方無いですが、それ以上の勢いで2年や3年が動くのはもうアホかと馬鹿かという感じですなあ。大体反応するなら展望レポート出た時点で反応(以下いつも言ってることなので割愛^^)。
どうみてもまたお得意のロスカットです。本当にありがとうございました。
#そういえば3月15日の日経金融で「現在の金利水準は9月、来年2月、来夏のそれぞれ0.25%ずつの3回の利上げを織り込んでいる」「06年度新発5年国債の利回りは0.8−1.2%」って言ってたどこぞの偉い人は無事でしょうか。他人事ながら心配。
いやはや、金曜のFB入札まではこんな感じでしょうか・・・・
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2006/05/10
えー昨日は朝っぱらから2年辺りのスワップとかやら中期から10年辺りへの入替などで中短期がボロボロ。どうも海外勢からのスワップなんかが出ていたとも聞かれますが、何故か日経金融新聞2面の毎度お馴染み「ポジション」欄での記事、というより「日銀は金利上昇を追認してて6月解除もありですよ大変ですよ(意訳)」というお題に海外のお方が反応したとも言われておりますが、記事内容を良く見ると何も書いて無いに等しい話でございますわな。
で、本日はその記事を斬りますかとでも思ったのですが、それよりも情け無いレポートが日銀方面から出ておりましたので、まあそっちに話が逝くのでありました。
○今日はFB3か月の入札ですなあ
という話をまた延々としたいのですが、時間が無いので簡潔になりますすいませんすいません。
昨日の6か月TBの落札利回りは平均で0.245%とかになっておいおいって感じでしたが、まあさすがにその近辺では買いも少しはあったようで、そこからなお下がるという事にはならなかったようです。しかしそれにしても前日までの前回債(要するに5ヶ月ものですな)が0.12%やそこらでやっていたのは一体全体何だったんですかという有様。これだから万年ショート銘柄は嫌いなんですけど(苦笑)。
今日はFBの入札ですが、今回債から償還が堂々8月に突入します。まあ益々買いにくくなる今日この頃というお話になりますが、昨日の駄文では6か月がどう見ても割高ですって話をしてたらいきなり居場所変更によって今度は3か月対比で6か月が割安に見える訳ですな(笑)。でもまあこの流れですので3か月の方が売られて(金利上昇して)鞘寄せの刑になる次第でして、昨日引け後のWI取引では今日の新発FBは堂々0.1%のオファーになっている模様。
4月の半ばに3か月のFBが7月の決定会合後のエンドになっても金利が下がり続けた為に後付け理屈のように「7月利上げの見方が後退してますわなあ」って話になった(米国の利上げ打ち止め観測が浮いたり沈んだりしたのも影響してますけど)のですが、まあこのあたりのレートを見てますと「7月利上げは確定的で、リスクシナリオは6月利上げ」って話になっているという感じですな。
7月は兎も角、3月から4月の金利形成状況を見てると6月利上げはノーケアーという感じでしたので、まあサプライズになってるという所でしょうか。とりあえずFBの3か月ものは6月利上げのリスクシナリオまで考えるって話になるとまあしょうがないのかなあという感じではあります。幾らなんでも0.15%より甘くはならんと思うが。。。。
しかしアレですな。反応するなら展望レポート見た時点で反応するもんだろうと思うのですが、展望レポートに記者会見出た時に金先は買い戻しで反応していたのは一体全体何だったんだと思うわけで、最近の相場は金融政策ネタに関してどうも古い蛍光灯のような反応をしますなあと感心するやら呆れるやらと言ったところです。
#と、テキトーに書き散らしただけで恐縮です。CPのレート上昇が追いつかずに官民逆転の香りが漂っているのが中々笑えるところでもあるのですがまた後日。
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2006/05/09
お題「ネタも無いので雑談」
昨日の不正登記タイーホ云々を見てますと、どうもこう大きな流れというか底の方の流れに変化が起きているんじゃないかという気がするんですけど。最近の金融がらみの摘発事例なんかでもそうだけど・・
○TBFBとかCPとか
マニアな市場の話をマニアに。
昨日も相変わらず足元のTBやらFBやらは重苦しいようです。一頃アフォのように買われていた短めのTBFBにいつの間にやら玉が出てきているようでして、5月償還物とか6月償還もの、特に嫌われ者は6月5日償還という税揚げ週末越えにあたるFB377回あたりのようですが、まあ何だかそのあたりの在庫が増えているようですな。
4月の半ばには何でもかんでも0.01%から0.015%くらいだったんですが、どうも最近は5月償還物でも0.04%がオファーサイドという感じ(業者間売買とかでは皆さん辛抱良く不用意なオファービットを出さないので表に出てこないのですけれども)。どっちが先かというとアレですが、この重さのせいでGCレポレートやら現先レートなども0.04%近辺からイマイチ下げないというところです。
で、今週は6か月TB1回に3か月FB2回入札がありまして、このあたりの消化具合、といいましても6ヶ月は恐らく消化しちゃうと思うんですが、このあたりの捌き具合次第では足元の現先レートは下がりにくくなるかと勝手に思っております。
ちなみにこの前入札をやった7月31日エンドのFB386回債は入札の平均落札で0.034%だったのですが、昨日は辛抱良く気配が消えてますが、まあ0.07%が居所っぽいので引き続き利回り2倍攻撃のようです。足元のGCレートが0.04%なんだから仕方ないといえばそれまでだけど。
本日は6か月ものTBの入札がありますが、甚だ馬鹿馬鹿しい事に前回債が0.115%だの0.12%だのだというのに新発のWI取引は償還が1か月しか違わないのに0.2%近くでの気配。それだと「5か月後の1か月もの金利」が0.6%とかになってしまうという大変に素晴らしい価格形成何ですが(苦笑)、これは既発の6か月(というかもう5か月ものだが)の利回りがショートカバーでおかしい値付けになっているからですな。FB3か月が0.07%という所から引っ張ると3か月後の2か月もの金利が(本当は全部残存日数を計算しないといけないんですが、まあざっくり計算ですんで)0.2%割れということですから7月利上げがあり得ないという前提になりますわな。よってWIの方が適正。
まあそんな感じでTBFBはヘロヘロなんですが、何故かCPのレートが上昇していなかったのが昨日の不思議。まあ連休明けで寝ぼけているうちに新規発行があったのでついうっかり昔の水準で入札に参加したのかもしれませんが(笑)、5月償還もののa-1格(追記:a-1格と書いておりますが、所謂「その他金融」系とかではありません。短期a-1でも長期でA格以上AA格に近い方の銘柄群を指しますので、同格内でも実質格上ゾーンです)の新発CPで堂々0.04%とかそれ以下の金利とかで発行されたやに聞いておりますが、お前らそれはFBと同等かFBより低いだろうと小一時間。
とは申しましても、先ほどから延々と書いているFBの気配に関しても業者間スクリーンには全然出てこない(スクリーンではオファーとビットが離れまくりで、辛うじて日本相互証券の引値や公社債売買参考統計値が参考になる程度です)ので、まあ冷静に連休ボケから目をゴシゴシやる今日以降はこのねじれ現象もどっちかに鞘寄せされていくとは思いますが。
それにしても妙な所で官民レート逆転する訳で、相変わらずでございますが市場間の裁定機能が全然働いていないなあと感心するやら呆れるやらでございました。
○為替要因に反応しなかったようですが
昨日の債券市場は5年あたりから先物、10年ゾーンが下落したようでございますが、まあ見事に為替に反応しなかったの図。
ま、火曜日に入札がある時のお馴染みの得意技でもあるのですけれども、月曜日で派手派手に動く投資家の出撃体制が整っていない隙に相場水準を訂正しておいて捌き易い水準に相場を下げるというのもあったとは思いますので、そのあたりは実は微妙なんですが、まあ円高だからといって一々反応しないのはあたくし的にはそれはそうですなって感じです。
まあ米国の金融政策の先行き観測には相変わらず反応するのがいつもの通りという感じですけれども、その手の「国際協調」的な発想で金融政策の先読みをするのは(したくなるのですが)どうなのよって思う次第。為替市場がどうこうだから金融政策をいじれないとか、国際協調がどうのこうのだからってのは既にプラザ合意でその後の失敗の種あるいは地雷を思いっきり撒いたという悪事例があると思うんで、まあ同じことはよーやらんと思いますけど。
つーか国際協調という観点から言えば米国は中立金利への回帰というお題のサイクルの最終局面に入っている(欧州はインフレ懸念で騒いでますが)訳ですから、日本もとっとと中立金利って話になると考える方が話の筋が通りそうなもんですが、「米国の利上げ休止によって日本が利上げしにくくなる」とかいう理屈(というかレポート^^)が出てきたりするのには正直げんなりします(日本の中立金利はまだゼロ近傍だって論を立ててゼロ金利長期化の話をするならまだ判るが)。
ま、10年入札は2%近辺一旦は止まり所でしょうからそっちは正直何とでもなると思いますが、今週は2発予定されている3か月ものFBという思いっきり8月償還ものの需給動向が目先の利上げ時期の市場観測を見るのに良いのかなあと存じます。だいたい7月利上げで予想を置いてる人がまた多めになってきたとは思いますけど。
#ということでひたすら相場雑感でございました。昨日は正直寝ぼけ状態でしたが、今日から本格始動でございますな(^^)。
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2006/05/02
バーナンキ議長曰く、「先日の議会証言を市場は間違って解釈している」ってなニュースが朝から入っておりますが、毎度申し上げておりますように「インフレターゲット」的な発想に基づいて金融政策を読む場合は経済動向が重要になる訳で、「次の利上げ後様子見」というコメントは必ずしも利上げ終了を意味しないって当たり前だという事ですな。
まあアレだ、これまた毎度毎度言ってるから皆さん耳タコだと思いますが、海外投資家がどうのこうのって有り難がるけど自分の国の金融政策であっても所詮この程度の解釈しかしてない訳でして、まあ海外海外と有り難がるなという事ですな。ただののフカシとしか思えんメ○レーレポートとかで相変わらず円債が動くのを見ていると実に腹立たしいあたくしは国粋主義者ですかそうですか。
ま、しかし方向は決めうち発言は意味不明のグリーンスパンの後は大変ですな。それこそ市場のFedWatch機能が低下してますから正常化に向けては大変だということで、あれ?
などという話は兎も角、短い所の金利が上ってますなあという話と総裁定例記者会見。
○GCレートは下がらないしFBレートは上昇するし・・・・
先週木曜にご紹介した短期金利の上昇は相変わらずの有様。昨日は主にGCレポ取引市場では9日スタートの翌日物が取引されていた訳ですが、0.04〜0.045%あたりでの取引が継続で、大型連休要因とか何とか言って上ってしまった金利は結局サガランチ会長。
特に昨日に関しては、6月9日エンドの国債買現先や、7月6日エンドの全店買入手形がオファーされていましたが、これよりも期間の短い既発FB(オペに入らないので諦めたのか?)が少々(500億とからしい)ブローカースクリーンで出合っていたらしく、そのレートも堂々0.04%という事でして、こりゃ現先やGCレートは下がりませんなあという雰囲気を強くしちゃいました。
おまけに当たり前ですがオペの落札金利も絶賛上昇しまして、世間様にも地合いの悪さが知れ渡るという結果。いやまあこれは単に市場の特殊性によるもの何ですが、お助けオペを打っている筈がお助けにならずに却って市場に燃料投下になってしまうのが皮肉なお話でございます。
3月末から4月に資金吸収オペを何度か実施してましたが、この時は毎度毎度アホのように低金利で決着してまして、その結果を見て「ああやっぱりそうか」となって諦めモードで踏み踏みになるというのもありましたが(苦笑)、まあ短期市場は思いっきり相対だし、債券市場と違ってカバーの為の業者間市場がそんなにある訳でもないので、正直不透明な世界だったりします。だからオモロイのですが。
特にマーケットが「ありゃりゃ」状態になってる時は参加者が苦しくなっているので、変にブローカースクリーンとかで出合わせないように我慢するんですが、オペは情け容赦なく結果が出る(当たり前ですけど)ので地合い確認できちゃいますわな(^^)。そう考えると売り買い両方向のオペが適当に打たれている状態だとターム物金利の動向が何となくわかって結構ともいえますにゃ。
と、話がちと逸れましたが、そんな訳で3か月のFBなんぞも当然のように売り売りになっちゃいまして先週の水曜日に平均0.032%で落札されてた新発3か月FBは0.065%−0.07%の気配となってしまいまして、「また利回り2倍か!」って感じですな。まあやること極端で困っちゃいますなあ。
その割には6か月ものTBの利回りが妙に下がらない状態。買い手が少々違うのと、そもそもこのゾーンに対応する代替投資物件が少ないので恒常的にショート気味で割高になりやすいのですが、昨日の居場所が0.1%−0.11%くらいらしく、単純に計算すると「3か月後の2か月ちょっと物(何せ償還が微妙に違うので話がややこしい。7月31日スタートの10月10日エンドだ要するに)金利が0.16%少々って話になるんだが、それは7月利上げの可能性0%で8月か9月利上げだと思わないとあり得ないレートなんですが。とは言えレポが非常にやりにくいしコスト高なので誰も向わないのが問題なのですけど。
さっきご紹介した5月償還物のFBの出合いもやや驚きモノでして、3か月の金利上昇もそのあたりが結構効いていると思われます(あとはひところ「7月解除の可能性後退」とか言ってたのが展望レポートで大復活したのもあるとおもうけど)。何せついこの前まで短いTBFBを買っている人のコメントとして「当座預金残高が減った時のシミュレーションの為に敢えて余資をFBで潰す(意訳、しかも新聞報道ベースですが)」とかあったので、この人たちが何かを勘違いして市場に玉を放出すると今までの逆回転になる訳ですからねえ。
だからこそそんなふざけた買いなんかするんじゃねえこのバチアタリは全く迷惑お前それでもプライマリーディーラーか天罰が下ればいいのになどとあたくしが悪態を延々つく訳ですが、笑。
などとダラダラと書いてしまいましたが、債券市場は昨日さっくり大上昇してたんで、その中で金利逆行高となっております短期の人たちは全然金利が下がっておらずということでございましたというお話でした。足元金利が動き出すと中期ゾーンくらいまでには影響が無いわけでもないとおもいますけどねえ。
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2006/04/28
お題「レポレート急上昇」
さてCPIと展望レポートですな。しかし展望レポートで何か出ますよって報道が昨日は出てましたが、先行きの金融政策についてはオープンって書き方で、変に燃料を投下するような不用意な事はしないと思うんですがねえ。
バーナンキFRB議長も基本は「将来の政策は経済情勢次第」って話だと思うんですが、米国の場合は長い期間のメジャードペースの利上げ&グリーンスパン流のやや曖昧なメッセージによる先行き決め打ち示唆攻撃に慣れているので、米国は今後金融政策の先読みでフラフラ動くって感じなんでしょうかね。
利上げ打ち止めをしても(つーか必ずしも打ち止めするのかもよく判らんのですが)次のアクションが利上げだか利下げだかは判らんという事だから、益々難しくなったという気はするんですが(って議会証言の本文読んで無いのでかなり外した話してたらゴメンナサイ)。
で、ちょっと気になったんですが、今朝のモーサテで議会証言を解説する人を紹介するのに「FRBウォッチャー」って言い方してましたが、昔から一般的に「Fed
Watcher」って言うと思うんですけど(まあ英語だとFedって言った方が読みやすいってだけの話ですが)。
#豊和銀行のニュースはよーわからん。
まあそれはともかく今日も短い所の話。
○年末年始かよ!というGCレート
昨日は連休越えとなる2日〜8日のレポ取引が行われたのですが、昨日に引き続きまして金利上昇。結局0.04〜0.045%あたりの水準まで上昇(何せ相対取引市場なのでヒアリングして回った話な所をご了承下さい)しちゃいまして、つい2日くらい前(火曜の前場)の雰囲気は一体全体どこへ逝ってしまったのかという有様。
GCレポレートが0.045%とかになりますと、前日の新発FBは落札コストから勘案すると見事に逆鞘になる訳でして、当然ながら3か月以内のTBFBは全部逆鞘(レポでファンディングをするという前提で書いてますので念の為)になりますし、ついこの前まで0.01%だの0.02%だのというレベルでやっていた1ヶ月あたりのFBなんぞはGC対比で買おうという人がいなくなりますわな。
そんな訳で、短い所のFBも売り物勝ちのようで、レートはやや上昇。3か月も昨日の0.045−0.05%レベルから戻る感じも無くて業者間売買という「表」に出る商いは薄いという感じだったようですな。いやはやいきなりひっくり返しで、しかも連休前にこうなるとはちょっと意外でしたが、まあ世の中皆が思っているタイミングに動くわけでは無いって話ですわな。
○で、要因は?
いやまあ直接的な要因は当然ながらGCレポ取引市場での資金の主要出し手でありますところの大手銀行さまがいきなり資金を出し渋った為なのですが、GCレポレートが上昇するとFBやら2年以内あたりやらの利回りも影響を受けて結局自分に降りかかってくる話なので、単純に資金部門が小遣い稼ぎの為に出し渋るということはないとおもうんですが(やや棒読み^^)。
一応連休で足元資金を確保するとか言い訳はありますが、それはどう考えても取ってつけた屁理屈で、まるで年末年始のような金利上昇をする必要なしでございます。単純に「ちょうど良い言い訳があるから出し渋って見ますか」って思惑が一致しただけだったら実に馬鹿馬鹿しいのですが(しかしその可能性も否定できない)、一応真面目に他の要因も考えて見ましょう。
まああるとすれば当座預金残高が20兆円そこそこまで削減されてきたこと(日銀当座預金残高の日足に関しては日銀のウェブサイトのhttp://www3.boj.or.jp/market/jp/menu.htmあたりをご参考に)かいなってお話にはなりますわな。大体市場関係者のコンセンサス(?)として「当預が15兆円くらいになったら金利が動き出すでしょうってのがあったんですが、まあその数字もドタ勘の数字。よくよく考えてみるとどこぞの大手銀行が「資金繰りの練習」と称してFBを買って自行の当座預金を落としてみるとかいうワケワカメな事をおっぱじめたりしたんで、その分ちょっとタイミングが早くなったとも言えるのかも知れませんな(単なる嫌がらせで金利が上昇してるのなら今日の8日スタートの金利はさっくり低下するかと思料)。
まあそのワケワカメオペレーションの結果FBの金利は下がるわCPの金利は下がるわ(しかも何故か量的緩和解除直後の水準よりも下がった訳だが)とはた迷惑な事態が発生しておりまして、反動もまたでかくなったというお話でしょう。そもそも4月最初の3か月FB(当然償還は7月前半だった訳だが)は平均落札の実質利回りが0.057%とかだったんですから、ようやく元に戻ったという事でもあるんですが、余計に金利低下をした分の反動が来そうな気もややする訳ですが(今日レポの金利が下がらなかったらあり得る話、米国の影響がやってくると無事だと思うけど)。
まあいずれにしても以前からあちこちで指摘されている「GCレポ取引市場の資金出し手が極端に偏っている」という状況の問題点が物の見事に出ているという状況で、この煽りを食らって、現先レートに関してもTBFBの現先レートの方がCP現先レートよりも高いという担保証券の信用力+流動性から行くとそれは逆ではないだろうかっていう状況が発生。まあ有意にこの状況が継続すればCP現先で運用してる資金がTBFB現先に回るんで、あくまでも一時的な話でしょうが困ったもんですなあという感じ。
まあGCレポ対応するためにはそれなりの用意が必要で、そんな用意(=投資)をするほどの利回り水準かと言われると「誠に申し訳ございません」としか言いようがないので(笑)、今しばらくはこんな事が時々起こるんでしょうな。
○今月は19兆円で着地のようですが
http://www3.boj.or.jp/market/jp/menu.htm
昨日の速報ベースの日銀当預残高は20兆200億円。昨日は本店手形買入を6000億円実施しましたが、本日は資金不足日で本日の日銀当預残高は19兆300億円の見込み。
まあ昨日のGCレポや現先市場でのレート上昇はちと先走りというか仕掛けの香りがしますが、今後当座預金残高が削減されていく間に足元の金利などもさすがに動き出すかとは思います。そうなると4月に0.01%あたりで買われていた5月エンドのFBとかを外してくるアホウが出てきて尚の事ややこしい話になるやもしれませんが、まあそういう時には当預残高削減のペースが鈍る場合もあるかと思います。
でもそれはテクニカルな問題であり、先行きの金融政策を示唆するものではないので、あまり当座預金残高の削減ペースで大騒ぎする必要はございません。どこぞのメディアとかが本件に関して話題にして、それを見たエライ人や海外のよく判っていない人やらが妙な指令あるいは振り回しをするのは勘弁していただきたいものです。
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2006/04/27
お題「いきなりヘロヘロの短期国債」
まあアレだ、飲み放題の酒は体に悪いという事で本日は物凄く簡単に勘弁させて頂きたいと存じます(汗)。
えーっと、手元に日経新聞があるわけではないので某テレビでの日経朝刊紹介記事特集ベースなのですが、「展望レポートで日銀はゼロ金利解除の時期を示唆せず」ってお題の記事が出るらしいですが、んなの当たり前なんですけど・・・・・・アホですか?
○FB入札が・・・・・
昨日は例によって例の如く大体3か月物のFB(政府短期証券)の入札が実施されました。
今回のFBは5月1日〜7月31日の期間になるのですが、前場の引け時点ではWI取引で0.35%で取引されてまして、まあ大体その辺でしょうかという感じで入札を迎えました。
で、結果は平均落札価格が99.9915円で0.03409%(財務省方式だと0.0337%)の平均落札価格が99.9905円で0.03810%(財務省方式だと0,0376%)ということでここもとの入札でラリー攻撃から見ると案外な結果。しかも応札が11.79兆円でこれまたイマイチの感じでした。
とは言え、ここの所ずっと入札つよつよでその後益々つよつよという攻撃もありましたので、当初は平均落札のあたりで販売は進んだようなのですが、リアルマネー系の買いが後で申し上げる理由から続かずで、最低落札価格ゾーンを抜けた後は一気にヘロヘロになりまして、0.04%レベルでの銀行勢の買いはあったものの、さっくりと下落して0.045%まで下落。
引け後だか引け近辺だか知りませんが、最終は0.05%まで出合いだったそうで(さすがにそのレベルはビットが残っていたようですが)、まああたくし的には「何となくロング溜まってるなあ」と思ってましたが(いやあの後講釈で言ってますけど、一応一昨日にはそんな話を仲間内でしてたんですよマジで)、いきなりこのタイミングで来るとは少々意外。
○ようやく需給超タイト状態が緩和されたようで
昨日はスポット渡しが月末になりますので、短期市場ではCPの発行が結構ございました。額もさるところながら発行される銘柄も多くもうエライコッチャだったのですが、実は前日も発行が結構ありまして、量的緩和政策の解除以来のきもち発行が少なめですなあ状態がここへ来て雰囲気ちと変った感じ。
しかも昨日は今まで利上げ警戒ゾーンの為に発行が手控えられていた7月中旬以降にエンドが来る発行も行われまして(FBなどのレート低下が影響したのかと思いますが)、まあそうなるとリアルマネー系がCP市場の方に流れて、7月の利上げに関して完全無警戒となっている利回りになっているFBはイラネーヨ状態になるのも当然かと。
以前にも申し上げたかなりインチキな計算ですが、7月に利上げになったとすると、今の金利だと利上げ後2週間(正確には13日)間の逆鞘が確定になる訳でして、それに対して3か月が0.03%とか言うのはそりゃまあ一応7月利上げの可能性がある状況(だとあたくしは思うのですが)下でリスク無警戒状態の価格形成は如何なものかっちゅう話にようやくなってきたということでしょう。
まあ今まで大手銀行を中心にしてキャッシュ潰し系の買いが旺盛だったのでリアルマネーの人たちが泣きながら買わざるを得なかったという側面が強かったのですが、そのキャッシュ潰し隊が一服すればこんなもんだということでしょうかねえ。
○GCレポレートが急上昇
で、まあキャッシュ潰し攻撃の一服というのもありますが、まあ必ずしもそうではなくて単にGW越えの一時要因かもしれないのですが・・・・・
昨日実施された本店手形買入オペ(6月27日エンド)の平均落札金利はいきなり0.037%(最低金利が0.033%)となりました。6月27日エンドで0.03%台ならば7月31日エンドのFBが0.03%台って事は無いでしょうって言う発想も起きましてFBが売られた一因にもなっているとは思うのですが、このオペ金利で早速GCレートが上昇。
うまいことに(?)連休越えという金利上昇の絶好の言い訳がありますので、資金の主要な出し手の頭数が少ないGCレポ取引では14時半過ぎくらいから絶賛急上昇して前日までの0.01%近辺からいきなり0.035〜0.04%近くまで上昇。つい数日前の足元資金余りまくり状態は何だったんだという感じで、まあ相変わらず極端に動く困った市場ですなあという感じです。しかし受渡が先になるからとか、コールでの調達能力が弱い証券会社が資金取り入れの主体だからとか理由はあるにせよ、本来国債担保で一番リスクフリーな資金取引の筈のGCレートが真っ先に上昇するのもアレですなあという感じです。資金の出し手の頭数が少ないのがやはり問題のような希ガス。
ま、本日は先週実施が見送られた短期国債買入オペがお助けオペの如く実施されると思われますが、2日ー8日のGCレポレートがこの調子で上昇傾向ですと、昨日落札したFBを抱えている人の中で店頭販売力が劣後する人はヤケクソでオペに投げに行く(店頭でリアルマネー系を押さえていれば0.05%はさすがにかなり捌けると思われますが)可能性がありますので注意が必要ですわな。地合いの悪さを見せ付けちゃったら却ってお助けにならなかったりして^^(現実問題として3000億の吸い上げになるので最終的にはお助けですけど)。
○で、2年入札ですが
この短期金利の妙な上昇は、キャッシュ潰し隊が手を引いた一時的なものなのか、その外れた梯子がこのまま外れっぱなしなのかというのがイマイチよー判らんのですが、まあ4月半ば以降のアフォのような足元金余りの雰囲気が解消されているのは事実。
で、そんな雰囲気があると中々2年国債も(買い手のうちでかいのが大手銀行のため)やや盛り下がるという話になるのですが、今書きましたように雰囲気が単にGW越え限定のインチキ気配なのかもしれないのでちと難しいですな。まあ逆に言えば2年入札がどっちに転ぶかが短期にそこそこ影響しそうな気もしますね。
#悪性アルコール攻撃に我が軍は撃破されておりますので今日は相場の概況メモ(しかも短期)で勘弁していただきたく存じます。
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2006/04/25
○円高ですかそうですか
しかしいつも思うんですが、為替のニュースの時にドル円の話ばっかりでして、せめてドル、円、ユーロのどれが引っ張って相場が動いているのか位言って欲しい訳ですが。いやまあ自分のお仕事場にいれば各通貨のスポットもクロスレートも直ぐに判るから別に良いのですが、自宅にいる時やらお休みの時は一瞬ニュース聞いて「はて?」と思うので(その点NHKはドル円とユーロ円レートを話すのでまあよろしいかと。クロスレートを対ドルに頭の中で換算しないといかんですが、苦笑)。
で、まあ珍しくG7を受けて円高になってるんですが、中国人民元の切り上げ圧力やらアジア通貨の切り上げ圧力やらが出てアジア通貨上昇なのは判りましたが、それが円高になるというのも何か妙な話のような気はしますが、まあアジア通貨を買いたかったんでしょうかねえ。前回の人民元切り上げ騒動の時はドルが売られたという記憶があるのですが、今回は円が買われたという感じかと思うんですが、この違いはどこにあるのかなあ。
○情報発信と期待の安定化という話(の前振り)
雑談というか思考のネタにでもなると幸いですが(要するに自分の中で生煮えなのにご提供するわけですがorz)、ここのところつらつらと考えているネタを一つ。
先日FOMC議事要旨で米国債券市場がいきなり急反発して米国株式も高値更新とかやっていた訳ですが、ここもとの米国での金融政策に関する先行き見通しがまあやたらめったらぶれるのが気になる所で。
最近でも経済指標でぶれるのは兎も角として、FOMCの声明文でぶれ、地区連銀総裁などの発言でぶれ、FOMC議事要旨でぶれるということでして、まあグリーンスパンの言語不明瞭運営からのレジーム転換の最中だから仕方ないのかもしれませんけど、「次回で利上げ打ち止め」から「向こう3回は利上げ間違いなし」の間を行ったり来たりとややこしいことこの上なし。
まあそんなややこしい相場になっていることもあって、(手元に資料が無いのでうろ覚えですが)Moody'sだったと記憶してるですが、日米の中央銀行の情報発信は如何なものかというようなレポートが出てたような気がしましたが、まあそんな感じで早速情報発信に対する批判もでているやに仄聞しております。
まあ就任直後は色々と大変ではあるのですが、情報発信に関しては日本の方が物凄い勢いで市場との対話という名前の政策委員の講演が行われておりますので、まあこの状況をバーナンキ議長もご参考にして頂ければと存じます。参考にすると言いましても反面教師にするのも参考の一種ですのでそこの所は一つよろしくお願いします。
ま、グリーンスパン議長の任期中(特に最後の2年くらい)にはボードメンバーが何か言ったとかで大いに注目ってケースがあまり無かった感じだと思うんですが、ここへ来て皆さんの発言が一々注目されるようになった感じがする(まあ日本でボケーっと見てる人の気のせいかもしれませんけど)ところであります。
あたくし的には退任直後にグリーンスパン議長が金融政策についてベシャリをしたんで火がついたような気がする次第でして、まあバーナンキさん的には後ろから撃たれたようなもんだったのではないかと思うんですがどうでしょう。あたくしとしては、あの発言(しかもどこぞの投資銀行のVIP客向けプライベートセミナーの席上だし)でグリーンスパン氏の評価はストップ安なんですが。
と、結局書いてはみたものの何か生煮え料理をご提供してしまったので、もう一度煮直していただけると宜しいかと。
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2006/04/21
○国債市場特別参加者がそれは・・・・・
短期国債市場の話というか要するに悪態ですが(^^)。
ここもとの短期国債(TB、FB)市場で短い期間のものが見事に需給大逼迫でございまして、とうとう昨日は水曜に入札が行われたばかりの3か月ものFB(償還日は7月24日)は0.03%を割り込むという有様で、10月償還の6ヶ月物TBで0.12%とかになってまして、ここだけ見るとゼロ金利7月解除どころか7−9月の解除もひょっとすると無いかもしれませんなあ状態になっているという香ばしい状況。それより長くなるとやや金利が付き出すのですが、2年の0.6%(昨日の引けで0.62%)と何かこう整合性がイマイチ取れませんなあ。
ま、短期市場に資金が退避して大混雑というお話は以前にも申し上げましたけれども、先日は日経新聞の市況面でも報道されてまして、昨日はブルームバーグニュースの市況解説でも同じ話が出てましたが、報道が正しいのであればこんな現象もあるようで。20日15時53分配信のブルームバーグニュースより。
『短期国債市場では、残存期間が1、2ヶ月の短いゾーンを中心に需給が逼迫してきている。大手銀行を中心に余剰資金を短国に振り向ける動きが強いためで、背景には当座預金の超過準備を早めに削減した資金繰り運営に慣れる要因もある。その結果、金利低下圧力が徐々に広がってきている。』
確か一昨日の日経新聞市況面には「関西に本拠を置く銀行」の動きとして上記の「資金繰りの練習」話が載っていまして、まあ同じような話でございますな。ええまあ資金繰りの練習で買うなら利回りが幾らという事が問題になる訳では無いですな。
しかしちょっと待って欲しい(突如天声○語調になってますが^^)。「資金繰りの練習」で短期国債を大量に購入するというというのは一見すると金融機関の危機管理ができているように思えるが、大手銀行には別の役割があった事を忘れてはいないだろうか。(ああこれだけ書くだけで疲れる^^)
・・・・というのが何かと申しますと、大手銀行と言われる方々は国債市場特別参加者という資格をお持ちでして、(先日議事要旨ご紹介した)財務省の国債市場特別参加者会合にも出席している訳でございます。
→http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/jgbsp/060403a.pdf
で、この国債市場特別参加者制度というのは何で設けられているかと言えば、制度作った時にこんなの出てまして、そこの冒頭にこんな事が書いてあります。
→http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/siryou/kihonyouryou.pdf
『今般、財務大臣が、国債市場(発行市場及び流通市場)において重要な役割を果たし、国債管理政策の策定及び遂行に協力する者であって、国債市場に関する特別な責任及び資格を有する者を「国債市場特別参加者(以下「特別参加者」という。)」として定め、特別参加者及び財務省等により、国債の安定的な消化の促進並びに国債市場の流動性、効率性、競争性、透明性及び安定性の維持並びに向上等を図ることを目的とする国債市場特別参加者制度を導入することとした。』
まあ難しい事かいてますけど、要するに国債流通市場の円滑化に寄与するような人たちとして期待されいるんですよね。効率的かつ流動性の高い国債流通市場があれば国債消化の円滑化にも寄与するんですから。
でね、まあその次にある「指定基準」にはこんな事書いてあるんですけど。
『(3)国債流通市場に十分な流動性を提供することができると見込まれる者であること。』
ま、仮にですよ、仮に国債市場特別参加者の人で報道されているようなことを本当に実施して短期国債の需給を利回り無視水準まで逼迫させているというような行為があるのでしたら、上記URL先にある国債市場特別参加者制度基本要綱を百万回読めと申し上げたいですな。
ま、「投資家」として市場に参加して「お家の事情」で国債を買い上げたり投げ投げをしたりするのは別にお止め致しませんが、「国債市場特別参加者」として市場に参加する人がそれをするのは(程度問題というのはあるけど)如何なものかと思うんですけどねえ。
#久々に悪態でした。
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2006/04/20
お題「ネタが無いわけではないが多忙につき雑感」
○米国債券市場雑感
今朝はコアCPIが強い数字だったことから再度インフレ懸念で米国債券は売られて帰ってきたのですが、昨日はFOMC議事要旨で利上げがあと1回で打ち止めの見方が出て債券上昇株式大爆騰したのはご案内の通り。
「バーナンキ議長はやっぱりハト派」って見方も出たりしてたようなのですがちょっと待てと。今回公表されたFOMC議事要旨は3月27、28日のFOMCミーティングのものですけど、この後米債が売られたのは原油価格上昇に代表されるインフレ懸念だった訳だが、じゃあ3月末から現在に到るまで原油価格どうなってるかというと、WTIの原油先物価格が3月末の65ドル近辺から、昨日は71ドルで今朝も高値更新だと。
つまりですな、3月末の議事要旨で論議されていた経済の前提条件が変ってきてるってのが4月入り以降の米国債券売り売り(と言っても大した売りっぷりじゃないけど)状態のテーマだった筈なのに、前の状況を前提にした議論を捕まえて「利上げ打ち止め観測」が出てくるのはとっても間の抜けた話ではなかろうかちゅうことですな。
という話を書くつもりでいたら、先ほど申し上げたようにCPIが強い数字+原油上昇で米債あっさり反落したので、あまり逆張り系の話にならなくなったんでイマイチですな(笑)。
いやね、普段あまり読み込んでないFOMC議事要旨なんでアレなのですけど、FEDの利上げサイクル終了がいつかっちゅうのは基本的には経済物価情勢次第って話(議事要旨にそんな部分もある)ですから、まあ先行き連続利上げで大騒ぎしてたのがやり過ぎだったという話もありますが、次回利上げで打ち止めと決め打ちしてもしょうがない話でしょって所ですな。グリーンスパンの何だかよく判らん曖昧な発信から、連銀のエライ人が色々とおしゃべりをする情報発信に切り替わって米国市場でも間合いを計りかねているような感じがしますな。
・・・などと素人が書くとろくな事が無いのですが(汗)。
○そこまで上がりますか?(国内債券市場雑感)
昨日の国内債券市場は米国利上げ(次回で)打ち止め観測と、30年国債が堅調に転じたことを言い訳にして大幅上昇ブルフラット。
まあ上昇したんですが、そんなに最終投資家の気合の入った買いがあったの?ってイメージらしいっす。で、まあつい一昨日までは「こんなに売られるならいつでも買えるぜベイベー」って余裕ぶっこいていたと思われる投資家の皆様に置かれましては、そろそろ尻がムズムズしてくる頃かと存じます。
まあこれで数日値持ちをすると「連休中のキャリー取り」だの「月末のインデックス買い」だのというのがネタになって買いがわさわさやって来るの図になって、急に俺も俺もともう投資家オレオレ踏み上げ状態になるって事にならなきゃ良いんですけど。
まあここから買いあがる位なら何でその前にコツコツと買い下がらんと言いたくなりますが、それはそれという奴で、時価評価というモノがありますので中々逆張りで入りにくくて、どうしても底値確認したと多くの人が思ってからヨッコラショと買いに入る形になるんでしょうなあってのは非常によく判りますな(汗)。まあ先月末から今月に掛けて2年債がドタバタと動いたみたいなのがしばらく続くんでしょうなあ。合掌。
それから昨日の3か月ものFB.、案の定0.04%なんて楽勝で割り込んでその後も堅調。引け後にまた買いが入ったちゅうんですから海外勢の手もあったのかも知れませんが、0.03%が堂々のビットになったというお話で、それは保有期間中の現先利回り対比で勝てませんが何か?という状態になっておりまして、持ち切りベースで投資する人にはお手上げモード。
まあ昨日の日経新聞市場面で「関西に本拠がある銀行」のコメントとしてFBを買ってます量的緩和解除前のレベルよりも強い所までってな感じのコメントがあったのですが、何か読んでて「はあそうですか」としか言いようのない妙なコメントではありました。資金繰りの練習で当預残高圧縮するからFBを買うってそりゃ理屈になってない(どうせ取材に対して適当な話をぶっこいたんでしょうけど)んですが。「試し借り」ならまだ判るが、んなもんの練習とやらの為にFB買ってもその結果手持ちの担保繰りが楽になるので結局練習になってないと思うんですけどねえ。
マジでそんなこと考えているとしたらガクガクブルブル。
海外の買いというのは、財務省の牽制攻撃を評価したり、米国の利上げ打ち止め観測を評価したりしてるのかなあ(想像通り買っているとすれば)という所ですが、金融政策がらみでの海外投資家の動きはまあ基本的に外していることの方が多いので、これもまた評価が難しい。
とは申しましても、足元の資金余剰状態というのは相当なもののようで、何か6か月TBとかまで利回りが徐々に低下してますな。上記のように持ち切りベースの人が買えない状態になった3か月以内の短期国債市場のお金がより長い期間のゾーンに弾き出されるの図になってきているのかなあって感じです。その辺見てると、連休明けくらいまでは全然短めの金利が上るって感じにはならないという事でしょうな。いやはや。
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2006/04/19
インフレ大警戒から利上げ打ち止めとまた振り子が動いたようで、米国市場もよく動きますわなあ。
○とりあえず30年入札は通過
昨日は30年国債の入札があったのですが、落札結果発表前の30分間で何か長期、超長期が売り売りになって入札ダメなんじゃないかという不安心理も台頭して10年叩かれの巻となりました。で、10年2%(と言っても単利の2%なので複利の2%はもうちょっと先)をマークしましたが、入札結果が良好だったのでいきなり超長期ゾーン大反発の巻となりました。
まあ例によってイールドカーブの動きも過激だったようで、朝方は5年独歩高のスティープニングで、引けてみれば5年がカーブ上一番弱い形でフラットニング。2年のあたりは確りしてまして、2年〜5年はスティープしてまして、5年以降がフラットニングという形ですな。
とりあえず1回は2%つけてみましたが、昨日は引け後も30年強かったんで、来週は20年入札ありますけど、とりあえず長いゾーンの不安材料が1個解消という事でいいのかなあなどと書くと失速しちゃったりして(汗)。
○さて7月会合越えのFBが出ますが
本日実施される3か月ものFB入札。償還日が7月24日ということで、7月にベースレートの引き上げがあった場合は実質適用が18日(これも微妙で、午前中くらいに決定されたら15日の金利にも影響あるし、大体からして7月利上げが確実視されたらその直前になったら足元金利はロンバート近辺まで上昇する筈なんですが、どうも今までの常識らしきものが通用しないのが最近の短期市場クオリティ)ですので、6日間はそのリスクありって話になりますわな(6月解除リスクはとりあえず今はノーケアー)。
で、6日間の現先レートが0.25%でFBの残存期間91日にちりばめるとそれだけで0.016%になります(いやもうごく単純に0.25*6/91=0.016って無茶苦茶エエカゲンな計算ですけれども)ので、既発債(というか前回債)とその位はスプレッド付いてくれないと話としてどうなのよっていう感じになるのですけれども・・・・
足元の資金余剰感が相変わらずやたら強く、キャッシュ潰しの動きは相変わらずですので、まあ強い入札になるんでしょうな。
いつもだとここで同期間の高格付けCPの発行状況などからある程度類推できるのですが、7月解除を意識してか7月後半にエンドの来るCP発行は避けられているようでして、より低い金利で調達可能な2か月ものに発行がシフトしてまして、参考になるものが惜しくも無いという状態。まあ別に債券市場に影響のある入札ではないですけど、短期の実需+キャッシュ潰しの金利観が少し見える入札になるかと思います。
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2006/04/14
米国10年国債5%ですかそうですか。
○中期売られフラットニングの反動とは言え
昨日は5年国債の入札がありましたが、売られていたのはまたまた長期超長期ゾーンという感じ(まあ一般債の発行が長期ゾーンにあったというのもありますが)。前月末から2週間経ってませんが、単利(ここまで来ると単利比較じゃなくて複利比較すべきなんですが、手元のノートは単利でつけているので単利で勘弁)ベースで30年カレントが2.235%→2.605%と0.37%(複利だともうちょっと幅が少ない)上昇して、5年カレントが1.305%→1.380%と0.075%上昇という展開。うーむ。
決算要因の中短期はずしとかの要因もありましたが、量的緩和解除では長期は中期対比で確りしてたのが嘘のよう。まあフラットニングポジションの閉じとか、国内最終投資家の買いが決算終了と共に一巡したとか、原油やら商品価格の上昇で素材インフレの香りとかネタは色々あるようですが。
ま、昨日の相場に関しては何か「何か売りが出たから下がったんですかねえ」という感じであまり悲愴感は無かったようですけれども、米国長期金利上昇でさて本日もまた買いの手は引っ込んだ下げ方ってところ(投げで下がるんじゃなくて)でズルズル下がって気が付きゃあらあらって感じになるんでしょうかねえ。
谷垣財務大臣がここの所長期金利の上昇に対してまあコメントをしてますが、そもそも2年前とかは「早期の量的緩和解除があるかもしれない」って話(あの時は株価上昇に加えましてロンドンでの武藤副総裁スピーチを誤訳したレポートがネタにされてましたが)で10年カレント物が1.94%まで上昇してた訳でして、正直このあたりで牽制するくらいなら量的緩和解除の議決延期請求でもすればって気はするんですけどね。まあ立場上そろそろ言わないとってのはよく判るんであまり悪態つきまくるって話でもないけど、ちょっとねえ感は漂うのでありました。
ちなみに昨日の3か月ものFBは朝方は0.04%が居場所だったようなのですが、昨今の「うっかり売るとショートカバーでもうエライコッチャ」状態を反映してあまり業者間スクリーンも活発では無いようでございますな。正直よー判らんのですけれども、債券市場大引けあたりになると0.035%の買いたしモードになっていたっぽいので、まだまだキャッシュ潰し隊は跳梁跋扈しているようで。
来週の1年ものTBと償還が7月25日になる3か月ものFBの入札(まあさすがに1年ものはキャッシュ潰しには不適当だが)がありますので、まあここまで流れが続くのかを見たいです。
#しかし何も水曜に短国買入をやるこたあねえと思ったんだが
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2006/04/13
○5年と20年以降(30年)が暴れているようで
昨日も一昨日も債券先物は引けて見ると前日比変らず。先物だけ見てると平穏そうなのですが、日中のイールドカーブの動きというかうねり方が無茶苦茶らしく、昨日は先物(=7年)は「上で寄って下がった後反発して前日比変らず」なんですが、30年は「下で寄って前日比変らずまで戻した後引けに掛けて失速」という全然逆の動き。で、5年はというと「上ると先物よりも強くて下がると先物よりも弱い」というこれまた激しい動き。
その中間にある10年あたりのゾーンが平穏で、期初からよくあるパターンなのですが、10年辺りのゾーンを軸にしてイールドカーブがうねるというか逆の挙動をするような攻撃が出ていたちゅう事のようですにゃ。
まあ正直「何ですかそりゃ?」という感じなのですが、一つ勝手に想像すると、超長期ゾーンは海外投資家さん、中期ゾーンは大手銀行さんが振り回していて、その動きがまあお互い独立事象状態になっているということなのかなあという所で。決め打ちする材料の無い中で何か頑張って振り回しの巻なのはご苦労な事ですが、それに振り回される業者の方はもうヘロヘロという感じかと思います。合掌。
○FB3か月もの入札でしたが
朝方から前日の2か月ものFBが▲0.02%出合いとか無茶な事をやっていたようですが、そんなショートカバー攻撃もあって入札前から業者間に板を晒す勇者も乏しく(当たり前だが)、まあ入札も強いんでしょって事前から諦めモード。
落札結果はというとまあ案の定強くて平均99.9905円で0.0376%(財務省方式で0.0372%)の最低99.9900円の0.0396%(財務省方式で0.0392%)ということで、昨日の駄文で申し上げていた「0.04%割れるかもしれないけどそりゃ幾らなんでもねえ」という幾らなんでも入札になってしまいました。
ちなみにこの債券は償還日が7月18日ということで、もしかしたらその前の金曜日(7月15日)には政策金利の引き上げがあるかもしれませんなあ(ちなみに債券市場&短期市場では7月〜9月で引き上げでしょって認識かと思いますが)という所でして、まあそれ以前に足元のコールレートは今の0.002%って事は無いでしょう(ただしロンバートがあるので0.1%越えるのも考え難い)し、そう考えると「3か月物で利回り0.04%」っていうのは現先利回りとの対比で考えてもちと厳しいんジャマイカという感じではございます。
まあそんなこともあって、キャッシュ潰し隊ではなくてまともに利回りベースでの買いをする人たちの後続買いが続かなかったようで、結局平均レベルの0.038%あたりはオファーが残る感じになっていました。まあ今日以降どうなるのか見ないと何とも言えないですけれども、さすがに強烈なキャッシュ潰しも7月償還まではやってこないという感じですかねえ。
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2006/04/12
○2か月ものFB入札・・・・(-_-メ)
昨日のだいたい2か月ものFBの入札は申し上げていたような0.02%どころではなく平均落札価格が99.9983円で利回り換算すると0.0126%(財務省方式の計算だと0.0124%)で最低落札価格は99.9980円の0.0148%(財務省方式で0.0146%)でした。最初見たときに最低落札の利回りが平均かと思って「ああこりゃ強い入札だったですねえ」とか思ったら最低落札が0.015割れかよ!って感じでした。
で、事前に販売予約してた人の空振り分のショートカバーなんでしょうけれども、何と脅威の0%まで買われてしまいビット残りと(マイナス利回りの出合いがあったとかなかったとか)なってしまいまして、まあキャッシュ潰しの買い恐るべしという所です。今回のFBは償還日が法人税の大量税揚げにあたり6月2日償還になっておりまして、その点では「当座預金残高が大きく落ちる直前に償還」ということでより買い易かったという事もあるんですが、それにしてもまともに利回りを見て買う持ち切りの発想ではとても買えない利回り(何せGCレポ取引は相変わらず0.01%ですし)です。
いやまあ別にそりゃ0.01%で買いたい人が居たらその値段になるのが市場ではあるんですが、利回りじゃなくて「国債と名がついて価格変動リスクの少ないモノ」という点に着目した巨大ポジションに買いを入れられた日にはまあ短期市場エライコッチャという所ですわな。
で、本日は3か月FBの入札があるんですが、こちらは償還がだいぶながくなりますけど、さてキャッシュ潰しはここにも押しかけてくるのでしょうかという所ですな。FBのセカンダリーとかCPの発行利回りとか見てると6月償還と7月償還ではだいぶ見方が違っているようでして、7月償還でも前半と後半だとまたまた違うという所ですが、さてどうなることやら。まあ2回連続で入札が予想より思いっきり強い所で決まっていると心理的には強いところに入れないとって感じになるんですが、幾らなんでも0.04割れとかはさすがにやり過ぎでしょうな(調子に乗ってやってもおかしくは無いが、保有期間の現先利回り対比で考えると多分0.06%くらいはないと間尺に合わないと思うんだが)。
ま、いずれにせよこの退避資金が暴れているうちは足元の資金だけは異様に余剰状態になりそうですな。どうせなら残存1か月位の短国売却オペやったらどうでしょうかねえ。まあ変に3000億とかのしょぼいロットで売却打たれるとビット殺到で却って地合いの強さが鮮明になりそうで諸刃の剣ですかな(0%出合いが既に報道されてるから同じことか、苦笑)。
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2006/04/11
金曜は5年VS20年で4毛フラットして昨日は2.5毛スティープとはまあ不安定な相場が続く次第で。
○避難所大混雑中
昨日もまたまた3か月、というよりは2か月かもしれませんが、短いゾーンは退避資金のキャッシュ潰し圧力の強さを感じさせる動きでございました。金曜日に入札が行われた3か月FBは0.045%の出合いがちょっとあったようなのですが、業者間でのオファービットは離れた状態になってました。まあ0.045%は恐らく値付けみたいなもんで、実態ベースは0.04%の方に近い0.04%台という所でしょうな。当座預金残高の削減が開始されてからFBの利回り低下とはこれいかにという感じですが。
債券市場ではまあ7−9月期の政策金利引き上げを睨んでいますので、債券運用サイドでは運用(の一部)を短期化(というか実質キャッシュ化ですが)して対応っちゅう動きがあるのではないかと思料されるのですが、まあ銀行だけじゃなくて運用業態勢揃いで退避資金が短期国債(ただし3か月以内、というか多分2ヶ月以内)に大挙押し寄せてきているの図という所のようですな。
そんな中で本日は2か月ものFB(というのは普段あまり発行されないのですが、4月は恒例で発行されます)の入札が行われます。その入札前に昨日は久々の全店手形買いオペが実施されたのですが、こちらは期間が6月8日までで平均落札利回りが0.032%で最低落札利回りが0.027%と案外利回り高いなって感じでした。まあ久々の手形オペでの資金供給だったのでレートが確りだったのかもしれませんが、同期間で最上位格のCP(そういや書きませんでしたが、CPの利回りは期末の発行ラッシュ一巡で品薄状態となり、レートは低下中)が出たら0.04%は楽勝で割り込んで下手したら0.03%位になるんじゃネーノって感じですんで、まあ手形オペの方と微妙に市場分断状態だなあと思います。
まあ2か月ものFBに関しては、それなりに纏まったロットでキャッシュ潰しをするチャンスですんで、恐らくは渾身のキャッシュ潰しが入ってきて、利回りで投資する人たち(短期資金の運用をする人)が買いにくいレベルまで強くなりそうな悪寒。一応手形オペに敬意を表して0.02−0.03%なんて話になってますが、正直0.02%カツカツの入札になるんじゃないかと思います。キャッシュ潰しの人は「価格変動リスクの小さい債券だったらあまり利回り水準は気にしないぜへっへー」と買いに来ますので、まあ入札結果で残高確保のキャッシュ潰しの勢いが推測できると思います。
#そんなに潰したかったら日銀当預にブタ積みでもしてくれと(苦笑)
ちなみに、資金の出し手が大手銀行と信託銀行(有価証券運用信託)しか実質的にいないGCレポ取引では、手形オペなどが減っている影響もあってレートが上昇(既に上昇してるんですが)という感じでして、こちらは0.01%が見事に定着して証券会社は退避資金流入の恩恵があまり回ってません(まあCP発行すりゃいいんでしょうが)ですわな。そのせいか現先市場ではTBFBの現先利回りのほうがCP現先の利回りよりも高くなりそうな勢いで(TBFB在庫持ちしてるのは銀行と証券、CP在庫持ちしてるのは銀行なので)ございまして、まさに市場分断で裁定の働かない世界となってますな。まあこの金利水準だとこういう状況もいつもの事とは言え、仕方ないのかなあとは思います。
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2006/04/10
○FB入札強かったですねえ
金曜日に実施された13週間ものFB入札は今週2度目になるものでしたが、何と前回入札よりも利回り低下となりました。償還が前回入札よりも1週間延びていたのにも関わらず前回入札よりも0.005%ほど強い入札でして、その間に債券市場では5年ゾーンが主導する形で相場がまたまた下落していたことと合わせますと、何か木曜日に申し上げていた「中期ヘロヘロでFB確り」が継続している格好となりました。
入札の落札結果(市場推定)に関しても、どうも大手銀行の買いが窺われる状況でございまして、退避資金流入おそるべしという所なのですかな。まあ3か月FBを0.01%や0.02%叩き売っても屁のようなものですし、そもそも3か月経てば100円で償還されますから、少々強い入札をしても心配ないぜってのは判るのですが、それにしても強い所まで買いましたなあという感じです。資金ディーリングとしての買いじゃなくてキャッシュ潰しの買いでしょうな、こりゃ。
入札前の前場引け時点では「まあ今回の入札は強くなっちゃうんだろうけれども、まあ0.057%位まで最低落札が届くんでしょうかねえ」というお話だったのですが、平均が0.05%(財務省方式で計算すると0.05%割れ)となったのにはさすがに開いた口が塞がらないとはこの事でございました。いやはや。
今週は火曜日に2ヶ月もの、水曜日に3か月ものFBの入札が予定されていますが、とりあえず利上げリスクとは関係ないと思われているゾーンで収まっている(とは言え、7月の決定会合で利上げがあるのであれば、現先利回りとかが7月に入っても0.05%あたりで落ち着いているとはあまり想像できないんですけど、どうも何か勘違いしてるんじゃないかという気も)ので、まあ引き続きキャッシュ潰しの人がどこまで買いに来るかって感じでしょうな。
ちなみに、その気になれば6月に利上げだって出来ないことはないんですが、さすがに今のところそこまでリスクを感じている向きは居ないようで。あたくしは今月発表の物価統計と株価次第ではそのリスクが顕在化する可能性ありと思いますが。べき論は兎も角として、予想屋としては「3月解除に前倒しした意味は7月利上げでしょ」と解除のちょっと前から申し上げていた認識が最近広がっているようなのは「今頃前倒し織り込みになりましたか」ってな所ですが。
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2006/04/07
○中期がヘロヘロでFB確り
昨日はまたまた大幅下落なんですが、10年や20年が3毛位売られている間に7年(先物)は6毛甘で5年が5毛甘。まあ先物が一番安いんで、先物売り叩きに中期の外しが入ったという感じなんでしょうが、それにしても「何だかよくわからないよ」(株が強いってのはあるけどそれにしても)って感じのようですな。中期の復活は31日の後場から3日半でもう終了なのか、単に昨日は先物に中期が引っ張られただけなのかは今日の動きもみていかないと何とも言えませんが・・・・・
ここもと米国では利上げ継続観測で一頃の逆イールド攻撃からイールドカーブがまあちょっと立ってきたり、欧州圏でも利上げ観測だったり(今朝はトリシェECB総裁発言で火消しモードですな。しかしこの露骨な物言いがECBクオリティ)とまあ何となく雰囲気が利上げ継続チックになっておりますんで、日本のイールドカーブがここからまたまたフラットしだすってのもちょっとどうなのよって気はするんですけど・・・・
で、そんな中で地味に短期ゾーンは足元の運用圧力がまたまた強くなっております。火曜日に入札が行われた新発3か月FBは昨日は0.057%とかの出合いで0.055−0.06%という感じでしたが、昨日は0.052%の出合いで0.05−0.055%と利回りがさっくり低下の図。CPの発行利回りも相変わらず低下気味でして、3か月ものの最上位で0.06%近辺と当座預金削減しても心配ないぜっていう雰囲気になってますな。
まあこのゾーンになると本当に目先の政策変更が見込まれている時(今年の2月とか)は別ですが、そうでも無いときは金利観がどうのこうのというよりは足元の需給に左右される度合いが強いというのが昨今の傾向のようです。で、その需給がここ1〜2週間ほどは中期債ゾーンの軟調、堅調に逆相関している感じがするのですが(ただの偶然かもしれないけど)・・・・・
昨日は無担保コール翌日物加重平均金利まで0.001%に下がってしまう(当座預金残高は下げてるのに)し、何が何だかワケワカメでございますな。本日の3か月ものFBの入札も堅調なんでしょう。足元の運用圧力恐るべしという感じです。
6か月あたりから先のゾーンになると長いところに引っ張られるので弱めになるという感じでして、まあ3か月のあたりを境にして、その手前は中期債に逆相関ってイメージになってますにゃ。
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2006/04/05
お題「これはまた極端な巻き戻しですね」
東京MXのブルームバーグテレビが6時半スタートだとどうも調子が狂いますな。つーか無駄なニュースを見る時間が長くなっていかん。
という訳の判らん言い訳をしてますが、まあ雑談で。
○これはまた凄い巻き戻しで
昨日、というか一昨日からですけど、今までやたらめったら堅調だった長期、超長期ゾーンがやっと失速してきたような感じですな。時々出てくる「50年国債発行」話が一つのネタにはなったようですが、まあそんなのは仮に出るとなっても2年は先の話ですから実際問題としてはポジション巻き戻しの言い訳に過ぎないとは思いますけど。
まあそんな訳で2年とか戻る戻る。引けは前日比4毛5糸強の0.655%ですが、高値は0.65%だったようです。その間に7年が2毛5糸強で10年が5糸強。で、20年が3毛甘で30年が4.5甘って事で、前日比のカーブ上一番強いのが2年というつい先週の木曜日(30日)にやった「カーブ上2年が一番売り込まれ」の逆をやった形ですな。
材料と言えば10年入札位しかないのですが、まあ決算絡みの処分売りが一巡して「幾らなんでも2年0.7%はねえだろう」ということで巻き戻しのタイミング待ちだったというのはあると思いますが。何せ先週末のイールドカーブのショルダーが2年ですってそりゃ幾らなんでもねえ。
2年ゾーン的には「戻ってほっと一息」の図ではありますが、それにしても値動きの激しさというのはヒジョーに良く判りましたなあって所でして、今後もALMやら決算やらというのに振り回されるゾーンになりそうですな。ヘッジが効きにくいゾーンなので2年のあたりは大口の売買がまともにカーブをぶらすことになる(そのものズバリで対処する事になるから)2年の発行減らせないもんでしょうかねえ。
ま、2年の0.7%だと向こう2年間で3回は楽勝で利上げがあって短期金利が0.75%になっても心配ないぜ(時期によるが)という状況でして、その一方で6ヶ月の短期国債あたりは今後半年でまあ1回の利上げを織り込むかっちゅう水準な訳でして、整合性は取れてるちゃあ取れてますが、短期の織り込み方からするとちとやり過ぎではあったかという所でしょうかね。まあ短期金利が動くという思惑が出ると直撃弾を食らう(本当に直撃は短期ですが)2年ゾーンがボラタイルになるのは仕方ないかもしれませんが、もとの金利水準が低いので利回り的には「物凄く動きますね」って感じですな。
○短期は足元運用圧力が相変わらずのようですが
昨日の13週間物FB(政府短期証券)の入札は7月償還物になったのですが物の見事に金利低下。まあ先週入札が無かった上にここの所申し上げております足元の運用圧力の結果というのはあるんでしょうけれども、償還が確実に長くなっているのに利回りが前回比1bpちょっと低下とはこれまた強いですなあ(まあ既発債の水準から見たらこんなもんですが)という品不足状態でした。(ちなみに平均が0.0574%で最低が0.0608%ですが、これは売買呼び値ベースの計算方式で出した数字です。財務省方式だともうちょっと低くなります)その後0.05%まで買われたりもしたようですが、引けの気配は0.05%オファーの0.055%ビットで買いの方が強そうな感じ。
まあ足元の運用圧力が強いというのに加えて、今回の入札では償還が7月の金融政策決定会合前になり、来週以降のFBだと(今週は金曜にもう1回3か月の入札あり)7月の決定会合越えだから一応警戒しない訳には行きませんなあというのもあって、落札実績確保しておくなら今のうちだとかいう発想もあったんでしょう。当座預金残高が削減されていく間に現先利回りが上昇しませんかねえという事はどうもあまりケアされていないようですが・・・・・短期国債はいつもの人たちやら海外の買いやらと買い優勢ですな。
まあそんな訳で、来週になって行われる7月決定会合後に足が来るFBの利回りを見ないと何ともいえない(既発の6か月や1年TBの残骸は流通玉が乏しいので指標として見るのはあまり適さない)のですが、今のところ(足元の運用圧力で金利が必要以上に低下してるのではないかという話は別にして)利上げがあるとしても最速で7月という見方で、6月の会合でというのは今のところ無警戒という所でしょう。
本日は6ヶ月もの短期国債の入札が行われますが、前月債が0.125%とかでやってまして、まあ0.13%〜0.15%の間で確り目の入札になるようでございますな。7月の半ばに足元金利が0.25%になるとしますと、その間の現先利回り勘案するとまあカツカツ(ゼロ金利下でも次第に現先利回りがあがることを想定)というよりはちょっとやられ位の水準のような感じ(一々検証しないのがドラめもんクオリティ)ですので、さすがに「7月利上げ」は全部織り込んだっちゅう感じでもないかなあとは思います。
つーか無担保コールの誘導目標が0.25%になったら現先利回りやターム物金利も0.25%だと思ってるんじゃねえのか短期市場はって気が少々するのですけどね。んなこたあねえ。
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2006/04/03
お題「期末の中短期マーケット雑感」
4月というのはてめぇは何の関係もなくても何となく気分がリフレッシュされたような感じになりますな。で、こちとら気分はお花見モードが抜けて無いのですが(汗)。
○短期市場での足元運用圧力が強いですが
ということで、3月31日の無担保コール翌日物金利が0.004%となりました。まあ確かに当座預金残高31兆円とかあったから量的緩和政策時代と同じでも良いんですが、しかし0.004%だったらこの前の年末年始と同じですな。事前準備が進みすぎてたとか、もしかしたら2年とかの債券の売りで出たキャッシュの退避があったとかあるのかもしれませんが。
金先などは売られていますが、3か月以内なら政策金利の引き上げはねえだろうってことで、3か月以内のターム物金利も妙に堅調。これは先日来申し上げているキャッシュつぶしの動きが影響しているのですけれども、それにしてもちょっと・・・・という感じは致します。先週29日がスポット受渡で31日スタートでしたが、31日スタートのCP発行金利やら短期国債(は本来3日受渡ですが)の利回りが2bpほど低下した感じでしたが、受渡が4月のスタートになった週末も引き続き金利が妙に低下しておりまして、31日はA-1+格のCPが2ヶ月物で0.05%近辺とか最上位格(A-1+(追記:a-1+と書くのが正しい。R&Iの短期格付けね)の中でもより格上と目される銘柄ね)の3か月CPが0.05%とかになっていた模様。
ちなみに量的緩和解除前の2月末から3月頭には同じような条件のCP発行利回りがそれぞれ0.10%〜0.12%ちょっと、0.08%〜0.09%とか。解除後3月中は当座預金残高30兆円維持ということで下がりだした3月中盤は0.09%〜0.10%に0.07%〜0.08%と言った所(あくまでもイメージですので念の為)でしたので、本来足が延びた分金利が上ってもおかしく無い所での金利の顕著な低下には少々ビックリでもあります。まあ年度末越えの資金繰りが確定しないと中々資金運用できないとかいう需給要因もあるんですが。
いやまあそれもまた相場なのですが、4月から当座預金残高の縮減が実施されまして、まあ順調に行けば4月末で当座預金残高20兆円とかまで減りそうな感じですが、どうもその間に無担保コール翌日物の金利は大して上りませんよ勿論6月の利上げなんか有り得ませんよっていうようなレベルまで利回りが下がっているのはちとお得意の「極端から極端へ走る」って奴では無いかと言う気が致しますが。
何かこう金利の値頃に対する感覚というよりはその場で運用する資金を単に機械的に潰したりしてるんじゃ無いかという悪寒がして、何か短期市場はまだまだ価格形成って感じまで行って無いってところでしょうかねえ。
○2年0.715%にはビックリしました
先週末の債券市場は当初またまた中短期債が売られまして2年が0.7%にまたまた乗せてしまい、前日の0.705%をあっさり越えて0.71%レベルまで到達。ピークで0.715%だったらしいのですが、まあそれはまた凄い金利ですねという所。
現在取引されている2年新発債は2008年4月15日に償還になる債券なのですが、これが0.7%って事はGCレポ取引でファンディングして運用という毎度お馴染みの発想で行ったとして、2年間で3回利上げになって0.75%まで金利が上昇しても何ともないぜっていう状態なのですが・・・・先週末にも申し上げましたが本当にそこまで売って良いのかよって所ですな。
まあさすがに後場になってから中期債に結構な買いが入ったようで2年も引けは0.68%と前日引けから利回りは低下しておりましたが、この買いが期初も続くのかどうか、まあ短観が予想の範囲内だったらさすがに中短期はちとやり過ぎ感が漂うので買戻しからスタートするとは思うんですが、実際に当座預金残高が削減されてコール取引の金利が上昇しだすと頭は重くなるでしょうなあというイメージで。
○ということで当座預金残高の削減が始まります
あまり真面目に計算してませんけど、当座預金残高の所要は6兆円(うち郵政分2兆円)。まあ郵政が所要きっちりの資金繰りをする訳もないですし、銀行でもブタ積みとか暫くは続くでしょうから、落とせていいとこ8兆円〜9兆円でしょう。本当に何も供給しないで供給オペの期落ちをロールしないと5月中には大楽勝でそのレベルまで当座預金残高を落とせる計算になる筈です。
まあそんな運営はしてこないで供給も適当に交えながら様子を見ていくとは思うのですが、まあ最初は当座預金残高を自然体で引いていくでしょう。まあ市場としても初体験でして、本来当座預金残高の量は関係ないとは言えまあ気になる人も出てくるでしょうな。ドタ勘では当座預金残高が15兆円くらいまでは資金取引市場的には資金が十分に潤沢な状態が継続しているという感じだとは思いますが。
コールの金利に反映するのは最後の最後なので、その前に逆年度末要因で下がった1か月とか2か月の金利、GCレポやら現先利回りなどがどのようになっていくのかに関してチェックするのが吉かと存じます。
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