分類不能の雑文
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とりあえずここにぶち込んでおきますが、いずれ整理する所存・・・と言い続けて早や・・・もうサイト作ってから6年以上になるのか・・・・整理していません。
過去の雑談(○年、とあるのは暦年では無く会計年度です、為念)
2012年上期
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2012年度下期の見出し
2013/03/29「民主党金子洋一氏が日銀の従来の説明を勝手に捻じ曲げて質問しています」
2013/03/28「総裁になれなくて急に2%困難とか岩田一政さんワロタ/what_a_dudeさんとマシナリさんのブログより」
2013/03/22「麻生さんの正論/NHKが勘違い報道/原田泰早大教授が事実誤認をベースに日銀批判とかこれで大学教授かよ」
2013/03/15「浜田先生にしろ山本幸三先生にしろ黙った方が良いと思います」
2013/03/14「今度は浜田先生「円安で景気回復」とか思いっきり通貨外交上問題発言を」
2013/03/11「浜田先生がいきなり「目標行かなくても景気が良くなれば良い」という梯子外し発言をして人間性を疑いたくなるという話」
2013/03/07「岩菊さんや安倍ちゃんが外債購入の話をするもんだから米国財務次官がお怒りの図」
2013/03/05「最近は何かアベノミクスを批判するのもいかんという翼賛報道なのか????」
2013/03/01「リフレを煽っていた東京新聞が物価上昇特集とか頭おかしいんじゃないでしょうか/安倍ちゃん脇が甘いよ」
2013/02/28「副総裁候補で電波浴/さっそく岩菊先生にすり寄る何とかスト2名はくしくも元日銀(笑)/竹中平蔵さんは何かを感じたのか急にリフレ的発言を引っ込める(笑)」
2013/02/22「まさかの武者先生で電波浴」
2013/02/21「日銀総裁人事の事前憶測報道が盛り上がる/円安行ったから外債購入の必要性下がるは不味かろう」
2013/02/20「外債購入発言について甘利さんと麻生さんが火消しする中で安倍ちゃん今度は日銀法改正発言」
2013/02/19「G20で通貨切り下げ合戦はダメと言う事になったのに外債購入発言をする安倍首相はやはりアレ」
2013/02/18「武藤さん総裁に有力報道とな/G20関連で山本幸三先生通貨切り下げ合戦は良いこと発言は駄目だろ」
2013/02/15「G7やG20で為替誘導が云々とかやる中で岩田一政さんの外債購入ファンド云々は不用意にも程がある」
2013/02/14「急に無責任発言をしだした黒田ADB総裁は日銀総裁にノミネートされないフラグですなこりゃ」
2013/02/12「金曜の国会麻生答弁が変な言い方でヒヤリ/安倍さんその条件だと白川さんが最適になりますよ」
2013/02/06「次期日銀総裁人事でみんなの党と組むのは悪手にも程がある」
2013/01/30「東京都猪瀬知事の無法発言に都債発行要綱をまじまじと確認してしまいましたぞな」
2013/01/25「次の便乗組は西村財務副大臣だが為替の発言は海外から揚げ足を取られるので注意すべきである」
2013/01/22「茂木経産大臣が金融政策発言で世界的に大恥な話/浜田先生の電波がどうしようもない件について」
2013/01/21「総裁ノミネート固辞する浜田先生の無責任/みんなの党の総裁候補リストが馬鹿すぎる件」
2013/01/18「浜田先生の日経インタビューがいい感じで電波」
2013/01/17「政権諸氏におかれましてはあまり調子に乗って為替に言及しない方が」
2013/01/16「謎の有識者会議で次期日銀総裁の意見交換とか無責任ブレーンたちが会議のようです」
2013/01/15「高橋洋一先生が相変わらずの駄法螺を」
2013/01/11「日経新聞にまたまた安倍さんの台無しインタビュー記事が」
2013/01/10「みんなの党の馬鹿理屈補足/安倍さんの小物感は何とかならんのか」
2013/01/09「毎日新聞の馬鹿記事/みんなの党の理屈によると白川総裁の再任にしか思えないのだが」
2012/12/27「恐らく高橋洋一氏と思われる安倍首相の経済ブレーンが金融ファクシミリ新聞で怪電波を発信」
2012/12/26「物価が上がれば景気が良くなる訳では無いのですが/安倍さんが魔弾の射手にならないように」
2012/12/21「決定会合で安倍さん何やってるんだか・・・・・」
2012/12/18「選挙結果雑談続き」
2012/12/17「選挙結果雑談」
2012/12/12「安倍さん浜田先生のアドバイスはちょっと・・・・/公明党に期待ですか/カブドットコム証券の山田とかいう人の奇妙奇天烈理論がロイターに出ていて出すロイターの見識も疑うのだが・・・・・」
2012/12/06「基金オペの金利や短国の落札金利が低下を続ける/浜田先生の無茶苦茶理論キタコレ」
2012/12/04「ニュース雑談」
2012/12/03「安倍さんおよび安倍ブレーンの皆様のアレ発言を観察」
2012/11/30「今日も安倍さんは支離滅裂発言を展開するのでした」
2012/11/29「安倍さんの発言がどんどん支離滅裂になっている件について/その他少々」
2012/11/28「安倍さんの馬鹿発言は止まらずに経団連米倉会長や俊ちゃんまで参戦」
2012/11/26「相変わらずはしゃいでいる安倍さん/公明党は日銀法改正反対と言いながらこちらの方が厳しいかも」
2012/11/22「自民党政権公約はトーンダウン??/佐藤ゆかり議員の海外金融政策への理解の浅さに呆然」
2012/11/21「安倍発言の反応ネタクリップ」
2012/11/20「安倍さんの財政ファイナンス発言はさすがにあちこちから批判も出るが本人は至って有頂天」
2012/11/19「衆議院解散で安倍総裁の発言が財政マネタイズまでツッコむとか大丈夫か/前原の法則」
2012/11/08「自民党安倍総裁の金融政策発言が実に怪しげな件について」
2012/11/05「大久保財務副大臣の電力債買え発言にorz」
2012/10/29「自民党安倍総裁のインタビュー記事内容があまりにも認識相違だらけで脱力な件」
2012/10/24「前原大臣からのネタと思われる産経新聞の糞報道とデフレ脱却議連石田前内閣府副大臣のどうしようもない不見識インタビュー記事に悪態」
2012/10/12「自民党安倍総裁も日銀に圧力/いやあ前原さんって本当に面白いネタ人間ですね」
2012/10/09「MPMに乗り込んで結局ちょっと顔を出しただけだった前原さん」
2012/10/05「決定会合に前原さんが乗り込むとな」
2012/10/03「前原さんネタが面白いので更に続く」
2012/10/02「前原国家戦略担当・経済財政大臣が早速張り切って碌でも無い発言をしているようです」
2013/03/29
・黒田さんと関係ないがこの質問は酷い
さっきのブルームバーグニュース見ててこの質問はナンデスカと思ったのを引用。
『質疑では、民主党の金子洋一氏が、白川方明前総裁は2014年以降は金融政策を裁量的に運営すると述べたことについて、金融緩和の効果がなくなってしまうのではないか、と質問。これに対し、黒田総裁は「2%の物価安定目標を政策委員会で決めたわけなので、当然、それが実現されるまで金融緩和を続けるということに尽きる」と語った』(最初のURLのブルームバーグニュースより)
まあここにありますように、黒田総裁の発言は別にフォワードガイダンスとかコミットメントの意味で発言したのではなく、単にやる気を見せるための発言だったんじゃないのかなあと思うのですが、まあ当然ながらベンダー的にはオイシイ発言なのでさっきのニュース題名みたいな形にして、あたかも黒田総裁がフォワードガイダンスとしてそういう発言をしたという風に取れそうな報道にされているのですがそれはそれとして金子氏の質問は何ですねん。
いやあの従来も日銀は2014年以降はオープンエンド買入を実施して2%物価目標に向けて努力するという風に表明している訳で、「金融政策を裁量的に運営すると述べたことについて、金融緩和の効果がなくなってしまうのではないか」とは何なんでしょというお話。まるで2%物価目標はキニシナイで裁量的に運営すると白川さんが言ったかのような話になっているのはワケワカランぞなもしという所ですし、大体からしてどこの世界にインフレ目標を機械的というか硬直的に運営している国があるんじゃとゆーことで「フレキシブルインフレーションターゲット」ってのがありましてですねえという所。
まあ念の為この前の日銀の公表文と白川総裁の質疑応答を引用しておく。
1月決定会合の声明文より
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2013/k130122a.pdf
『日本銀行は、上記の物価安定の目標の実現を目指し、実質的なゼロ金利政策と金融資産の買入れ等の措置を、それぞれ必要と判断される時点まで継続することを通じて、強力に金融緩和を推進する(注3)(注4)。その際、資産買入等の基金の運営について、現行方式での買入れが完了した後、2014
年初から、期限を定めず毎月一定額の金融資産を買入れる方式を導入し、当分の間、毎月、長期国債2兆円程度を含む13
兆円程度の金融資産の買入れを行う(資産買入れ額の内訳は別紙2のとおり)。これにより、基金の残高は2014
年中に10 兆円程度増加し、それ以降残高は維持されると見込まれる。』
『日本銀行は、上記の物価安定の目標のもと、金融緩和を推進し、これをできるだけ早期に実現することを目指す。その際、日本銀行は、金融政策の効果波及には相応の時間を要することを踏まえ、金融面での不均衡の蓄積を含めたリスク要因を点検し、経済の持続的な成長を確保する観点から、問題が生じていないかどうかを確認していく。』(以上上記URLより)
1月決定会合後の定例記者会見より
http://www.boj.or.jp/announcements/press/kaiken_2013/kk1301a.pdf
『(問) 2 つお聞きします。先程、できるだけ早く2%を実現することを意識した場合に、期限を定めない買入れ方式に変えたことについて、より効果的だと判断されたとおっしゃいました。今までの時間軸といいますかコミットメントは、物価上昇率1%を見通せるようになるまでゼロ金利と資産買入れを続けるというものでした。今回は、1%が消えて2%という目標になった一方、時間軸の約束については、いつまでか全く分からない、より裁量的になったとも言えるのではないかと思います。そうした状況にもかかわらず、買入れ方法の見た目を変えただけで、どのような効果があるのでしょうか。コミットメントは、中央銀行の行動を制約することによって金利に影響を及ぼすものと思いますが、そういう制約が曖昧になったとすると、どのような効果が見込まれるのか。これが、1
つ目の質問です。(以下割愛)』
『(答) 1 つ目のご質問の趣旨を必ずしも明確に理解したわけではありませんが、日本銀行は、物価安定の目標を消費者物価の前年比上昇率で2%とし、これをできるだけ早期に実現することを目指すという方針です。この方針のもとで、消費者物価の前年比上昇率が1%を超えることを見通せない現状においては、2014
年初以降、当分の間、毎月13 兆円程度の買入れをしていくという考え方です。先程も申し上げた通り、物価の上昇率は長らく低い状態が続いてきたわけです。この物価上昇率が、現実に上がって、例えば、1%を超えてくる見通しになってきたその時に、どの様な予想物価上昇率の変化が起きてくるのか。あるいは、成長力強化の取組みが実を結んでくる時に、今これだけの金融緩和を行っているわけですから、その時にどういう影響が出てくるのか。これを、今の段階で正確に見通すことができれば、もちろんそういうコミットメントあるいはガイダンスもできるでしょうが、そういう見通しをすることが現時点では難しいということだと思います。そうした状況の中で、私どもが将来の金融政策運営について、一定のガイダンスを与えることを考えると、先程申し上げた方式が最適と判断しました。(以下割愛)』(以上上記URLより)
えーっと、こちらを見ましても「裁量的に運営する」というような趣旨の発言はどこにもなく、単に「2%は今からだと遠すぎなのでその頃どうなっているか判らないからガイダンス文言を細かく書けないんです」という発言をしているようにしか思えませんがねえ。金子先生の質問がそもそも実際にどういう発言なのかが会議録見ないと正確な事が言えないのでニュースワイヤーの報道ベースで申し上げるのも恐縮ですが、これじじゃあ捏造とは言わないですけれども悪質な印象操作じゃないですかねえと思ってしまいたくなる訳ですよ。
つーかね、日銀批判の際にこの手の手法が出てくるのって多くて、発言の一部をフレームアップしたり、言っていない事をあたかも言っているかのような言い方して印象操作するってのは何なんでしょうねえとゆー所ではあるのですが、まあ気になったのでネタにしてみましたぞな。
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2013/03/28
・岩田一政さんェ・・・・・・・・
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MK9HZJ6K50XW01.html
「2年は無理、5年も困難」、物価目標2%の実現−岩田元日銀副総裁
更新日時: 2013/03/27 11:21 JST
だいたいからして「岩田元副総裁」と書いてヘッドラインを打たれると木久扇師匠なのか一政なのか混同しやすいにも程がある(最初にヘッドラインを見た時に誤報だと思ったぞな)ので表記を考えてくれという風に思いますがそれはともかくとして。
『3月27日(ブルームバーグ):日銀元副総裁の岩田一政日本経済研究センター理事長は、黒田東彦総裁が率いる日銀新体制について「強力な布陣で、2%の物価目標の実現にはベストに近い組み合わせだ」と評価した。一方、同総裁や岩田規久男副総裁が主張する2年での目標達成は無理があり、「5年で達成するのも決して容易ではない」と述べた。』(上記URLより)
立場変われば人変わるですねわかります。
『岩田氏は26日のインタビューで、次回4月3、4日の金融政策決定会合で予想される政策として、@資産買い入れ等基金の長期国債購入と成長通貨供給のための輪番オペの統合A日銀保有の国債残高を日銀券発行残高以下に制限する「日銀券ルール」の撤廃B購入国債の年限の制限撤廃C期限を定めない買い入れ方式の5月からの実施−を指摘。月々の国債購入額は現在の約4兆円から6兆円に拡大するとの見方を示した。』
えーっと、銀行券ルール撤廃は良いのですが財政ファイナンス懸念への担保はどうするのでございましょうかと存じますし「購入国債の年限の制限撤廃」って何じゃそらという話でありまして、何かそういや昨日の日経新聞1面でも追加緩和観測記事(あれ内容がどう見ても単なる憶測記事だろというか正直アタクシの駄文レベルで天下の日経新聞の朝刊1面トップ記事になるのかよと呆れたのですが)「基金と輪番の統合」という話をしているのに「基金での買入国債の長期化」という話をしているのが枠組みお前判ってるのかという話でして、そもそも基金と輪番を統合したら後の問題は買入年限をどう割るのかという話になるので、その時点で基金買入年限がどうこうという話はどこかへ飛ぶ筈なんですけど。
まさか一政先生は輪番についてゾーン別買入を無くそうという話を『購入国債の年限の制限撤廃』という事に含めているのでしょうか、わかりません。
しかし更に判らんのは『期限を定めない買い入れ方式の5月からの実施−を指摘。月々の国債購入額は現在の約4兆円から6兆円に拡大する』の方でして、一昨日あたくしがテキトーに予想というか妄想した時も月5兆円にするのは良いけど年限別割り振り考えるとフィージビリティー的にどうよとか考えて細かい計数を考えるのが途中でハタと止まってしまったというのに、月6兆円とか無理ゲーにも程があると思うのだが。つーか月6兆も買ったら単純計算で年間72兆でそんなの2年も3年も継続できないと思うのですけれども(つーかまあ月5兆でも途中で相当大変になるのだが)どうなんでしょうねと。
米国みたいに一旦残高どどーんと増やしてその後のオープンエンドは規模を抑えめにするというのであれば判るのですが、昨日も申し上げたように元々日銀の国債買入は「償還がバカスカ来ることを前提にして買入の額を嵩上げしている」という技を使っているので、その嵩上げモードのままで買入の満期構成を思いっきり長期化しちゃうと明らかに無理ゲーになってしまいますので、そもそも買入残高を増やさないでも大変なのに月に2兆以上も増やせるかよお前もうちょっと具体的にどういう風な出来上がりになるか考えて物を喋れよヴォケと小一時間問い詰めたい所で、具体的政策のフィージビリティーというものをもう少し考えて発言をして頂きたい物である、と思いましたです、はい。
・人のふんどしシリーズ
高橋洋一先生ファン(違)の「what_a_dudeの日記」さんの直近エントリー
http://d.hatena.ne.jp/what_a_dude/20130321/p1
2013-03-21 ツッコミどころが多すぎてどこから突っ込んでいいのかわからない記事に細かく突っ込んでいくテスト
いや不肖このアタクシも洋一先生の当該記事を拝読した時に何をどうツッコんで良いのか判らないので電波浴シリーズのネタにしようと思っても出来ないという残念な状態でしたが、大変に勉強になりましたです。
machineryの日々さんの直近エントリー
http://sonicbrew.blog55.fc2.com/blog-entry-551.html
誰が賃上げをするのか?
2013年03月25日 (月)
コメント欄も含めまして勉強になりました。と申しますかワタクシの駄文を引用して頂きまして誠に恐縮至極でございますm(__)m
確か官邸ホームページだか何だか(とっさに出てこない)で賃上げをしている企業の顕彰でもしたいのか取り組みご案内とか出していてどこのシャカイシュギだよとか思ってしまう今日この頃ではございますが、賃上げしてもそれがサステイナブルじゃなければ消費の拡大にも繋がらないように思えますし、そもそも企業業績が改善しないと賃上げそのものがサステイナブルにならないですし、正社員の一時金が上がったのは良いけれども非正規雇用の従業員などにその分の皺寄せが来るのでは何のための賃上げなのか意味判らんですし、まあ結局の所成長戦略が大事ですよねという話になるんでしょうかねえ。
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2013/03/22
・麻生さんェ・・・・・・・・
ほほう。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130321/k10013356431000.html
麻生氏 物価目標2%には一定の時間
3月21日 16時7分
『麻生副総理兼財務大臣は21日の参議院財政金融委員会で、政府と日銀の共同声明に盛り込んだ2%の物価目標について「いきなりそこまでいくのは簡単な話ではない」と述べて、目標の達成には一定の時間がかかるという見方を示しました。』(上記URLより、以下同様)
『この中で、麻生副総理兼財務大臣は、元大学教授で20日に就任した日銀の岩田副総裁が就任前の衆議院議院運営委員会で2%の物価目標を「2年で達成できる」と答弁したことに関連して「学者とはこんなものか。実体経済が分かっていない人はこういう発言をするんだと正直思った」と述べ、否定的な考えを示しました。』
>学者とはこんなものか。実体経済が分かっていない人はこういう発言をするんだと正直思った
>学者とはこんなものか。実体経済が分かっていない人はこういう発言をするんだと正直思った
>学者とはこんなものか。実体経済が分かっていない人はこういう発言をするんだと正直思った
・・・・・・・・・・・・・(;∀;)イイハナシダナー
『そのうえで、麻生副総理は「デフレからインフレに戻して、いきなりそこまでいくのは簡単な話ではない。20年続いた一般人の気持ちがインフレに変わるのは、そんなに簡単にはいかないという前提で考えている」と述べ、2%の物価目標の達成には一定の時間がかかるという見方を示しました。』
まあどうなるのやらという所で。
・ちょっと気になったのでメモ
公共放送ニュースなんですけどね
http://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/2013_0321_02.html
WEB特集 日銀は黒田新総裁でどう変わる
3月21日 22時45分
こちらの記事の下の方で「では実際にどういう施策があるのか」という部分ではまあ正確な解説をしているのですけれどもね。
『黒田総裁や岩田副総裁は、国会の所信聴取のなかで具体的に言及しています。それを踏まえれば、▽より長期の金利を引き下げるために、日銀が買い入れる国債について、償還までの期間を今の3年以下からより期間の長い国債まで対象とすること、▽来年から導入予定だった、期限を設けずに一定額の国債を買い入れる新しい金融緩和の方法を前倒しして実施すること、▽銀行券ルールと言われる、日銀が国債買い入れに当たってのルールについても見直すこと、などが議論される見通しです。』(上記URLより)
ということでこちらでは「日銀が買い入れる国債について、償還までの期間を今の3年以下からより期間の長い国債まで対象とすること」と説明しているのですが、今朝の7時台の公共放送ニュースではこの日銀の国債の買入について、
『現在日銀が買い入れる国債は3年以下までに限られていますが』(7時台ニュースでこの件を報道した記事URLはまだ出ていない(5時台のはある)のでソースは私のヒアリングベースです。7時台の最初のニュースが日銀新総裁就任ネタでした)
と思いっきり間違えてアナウンスしておりまして、いやあの成長通貨供給オペ(輪番ね)があるんですけど天下の公共放送が何を間違えているのやらと甚だ腰の砕ける思いを朝から致しまして、まー確かに従来のオペと基金オペの区別がヤヤコシヤとかそーゆーのはあるのですが、公共放送が事実誤認しちゃうとか残念な話だなあと思いましたですよ、はい。
#だからこそこの機会に戦線整理してシンプルにするのが手なのかもしれませんが
○これは電波浴というか何というか
とまあそんな事実誤認ネタも裸足で逃げ出す強力な電波はを感知しましたので晒し上げ。
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/2581?page=1
経済の常識 VS 政策の非常識
日銀総裁はなぜもっと早く辞任しなかった?
2013年03月18日(Mon) 原田 泰 (早稲田大学政治経済学部教授・東京財団上席研究員)
本当は3ページ構成なのですが、最初のページだけでお腹一杯になってしまう強力電波を感知してしまいましたので久々に電波浴でも。
『白川総裁は頑なに金融緩和を拒み続けてきた。しかし、日銀の支店長を集めた1月15日の会議で「強力な金融緩和を間断なく推進していく」と述べ、アベノミクスの立場に立つことを表明した。』(上記URLより)
・・・・・・・・・えーっとですね、日銀はこれまでも「追加金融緩和」という触れ込みの施策を実施しておりまして、その追加金融緩和が不足だという話なら仰りたい事は判るのですが、「金融緩和を拒み続けてきた」ってそらまあいくらなんでも事実を捻じ曲げ過ぎではないでしょうかねえ。
まあそれよりものけぞってしまうのは「日銀の支店長を集めた1月15日の会議で「強力な金融緩和を間断なく推進していく」と述べ、アベノミクスの立場に立つことを表明した」というくだりでございまして、、、、、
まあそうですねえ、どこを切り取っても良いのですけど、こんなの日銀出していますけどねえ。
物価安定のもとでの持続的成長へ向けた最近の政策運営
http://www.boj.or.jp/mopo/outline/sgp.htm/#p02
強力な金融緩和の推進
でまあその総裁の発言ですが、白川総裁が急に金融緩和推進と言い出したかのような書き方ですけれども、、、、、
2011年12月21日の白川総裁定例記者会見
http://www.boj.or.jp/announcements/press/kaiken_2011/kk1112d.pdf
『日本銀行としては、包括的な金融緩和政策を通じた強力な金融緩和の推進、さらには、金融市場の安定確保や成長基盤強化の支援を通じて、日本経済がデフレから脱却し、物価安定のもとでの持続的成長経路に復帰するよう、中央銀行としての貢献を粘り強く続けていく方針です。』(2ページ目の下から4行分)
2012年2月14日の白川総裁定例会見
http://www.boj.or.jp/announcements/press/kaiken_2012/kk1202b.pdf
『第2に、いわゆる時間軸政策を使った日本銀行の金融緩和政策姿勢の明確化です。当面、消費者物価の前年比上昇率1%を目指して、それが見通せるようになるまで、実質的なゼロ金利政策と金融資産の買入れ等の措置により、強力に金融緩和を推進していくことにしました。』(1ページ目の下から9行目〜下から6行目)
「アベノミクスの立場に立つ」も糞も安倍さんが自民党総裁になるだいぶ以前から「強力に金融緩和を推進」って白川さん言ってるんですけど何なんでしょこの方の主張は、、、、、、
・・・・・・・・・もうね、この人日銀のリリースとか全然見ないで適当に書き散らしてるでしょと思うのですが、原田泰さんってもっとちゃんとしたお方だと思っていたのですが、この方はワタクシがご尊名を把握している原田さんとは別の人なのかと思う位のこの書きっぷりにもうちょっと何なんですかねという所で。
まあ日銀理論のくだりも何だかなという所だし、日銀の支店長がどうのこうのとか言ってる部分とかそもそも日銀の組織がどうなってるのかとか全然勉強する気もないだろこのオッサンという所でございまして、これが早稲田大学政治経済学部教授という肩書で雑誌に寄稿した文章だという事ですが、そんじょそこらのヘッポコ大学なら兎も角天下の大早稲田大学様がそんな事で良いのかという話ですぞな。もっとちゃんと研究をしている若い衆が沢山いると思うのに、ろくすっぽ事実関係の確認もしないでエエカゲンにも程がある前提でああだこうだというような文章を雑誌に寄稿する輩が教授ポスト確保してるとかアカポスが勿体ないわと思う次第で、早稲田大学(と東京財団)の猛省を促したい所ではあります。
いやね、別に主義主張とか意見とか色々なのがあって然るべきだし、日銀だって何やってんだというような事は色々とあるのですが、そもそもちょっと調べれば直ぐわかるような事で事実を全力で捻じ曲げるわ日銀の主張に関しても上記の原田さんの書き方じゃあ日銀理論なるものが支離滅裂にも程がある訳ですが、日銀の言ってる事の部分部分を集めて一貫性の無い書き方にするとか何なんでしょその藁人形論法はとゆー所ですが、とにかくそもそも批判の前提としているファクトがちょっとそれは幾らなんでもおかしいのじゃないかという話をするのって、胡散臭い政治団体がアジビラでも書いているならともかく、大学教授の肩書がある方がその専門分野(と思われる)に関連する事項で雑誌に投稿というのは如何なものかとおもいますわな。でまあ一々全部突っ込んでいると時間と血圧の無駄なので以下割愛。
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2013/03/15
○ちょっとだけ政策面白観察雑談
政策面白観察というのはいつもの人関連のアレですが、先日の衝撃(あるいは笑劇)の「インフレ目標が達成できなくても雇用と景気が回復するのであれば、100点ではなく120点だ」「物価上昇なき景気回復ができれば、それは最善」という浜田大先生の発言にツッコミを入れたら何だか知らんけどあちこちで紹介されたらしくてPVが突如3倍に跳ね上がってこっちの方がビックラこきました訳ですが(^^)。
さてさて、あまり余計な話をしない方が良いのではないでしょうかというかはいはい満州と申しますかな浜田大大先生様でございますが、昨日も自民党の勉強会みたいなので発言をしたのがニュースヘッドラインにならんでいたりしたのですが、出てくるヘッドラインを読んでて前後矛盾してねえかとか思ったのだが残念ながらネット版のベンダーニュースだとその辺があまり無いなあと思ったらこんなのがあったのでURL貼っておきますね。
TRADER'S WEB FX
http://www.traderswebfx.jp/news/default.aspx?newscode=376281&dispmode=list&page=2#newshead
03/15 04:30【発言】14日のこれまでの要人発言
(上記URLですが、どうもニュースフィードのページがずれると読めなくなるので、読めなかった場合はニュース一覧のページを先の方に送って行って3/15の4:30のニュースの部分を見てください)
まあ何だ、こちらだと『「為替水準発言、ルール違反だと怒られた」』(上記URLより、以下同様)と言われているのにもめげずに堂々と『「通貨安戦争などという概念に問題」、「通貨安競争は変動制下ではむしろ望ましい」』と相変わらず飛ばす上に、「1ドル=98円とか100円というのがいいのではないか」』と具体的水準の言及キタコレという所で、なんかもう凄まじくお洒落なのですが、ここまでくるとマジデスカという感じですな。
んでまあブルームバーグから。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MJMPME6TTDSN01.html
浜田内閣官房参与:円安のスピード速すぎるという感じはない (1)
更新日時: 2013/03/14 15:03 JST
先ほどのヘッドラインの内容の一部が記事でも確認できますので、どうも浜田先生におかれましては為替水準発言は別にしてもよかろう通貨安誘導は当然という所のようですが、安倍ちゃんの政策ブレーンという触れ込みになっている(英文ニュースヘッドラインだと大体Advisorとか書かれている)上に内閣府参与なんですから、折角内閣の皆さんも日銀もその辺は暗黙状態にして大人の対応モードになっているというのに何というぶち壊しという所ですが、この記事を読んでいて思いっ切り目を引いてしまったのは山本幸三先生関連の部分。
『山本氏は公式ウェブサイドに掲載した「海外投資新聞」のインタビューで、マネタリーベースがきちんと増えれば、「ドルは98円になるだろうと試算している」と発言。2月のブルームバーグ・ニュースのインタビューで1ドル=95円から100円が適正水準との見方を示している。』(上記URLより)
>山本氏は公式ウェブサイドに掲載した「海外投資新聞」のインタビューで、
>山本氏は公式ウェブサイドに掲載した「海外投資新聞」のインタビューで、
>山本氏は公式ウェブサイドに掲載した「海外投資新聞」のインタビューで、
ほうほう、公式ウェブサイトに海外投資新聞のインタビューですかそうですかほっほー。
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2013/03/14
○仰ることは一々ご尤もではあるのですが・・・・・・
残念ながらネットで拾えないのですが、昨日の東京新聞経済面では『「黒田日銀」2識者に聞く』ということで浜田先生と榊原英資さんのコメントが載っていたのですけれども、どうも浜田先生またインタビューアーに釣られてしまっているようで誠に残念。以下3月13日東京新聞朝刊経済面記事より引用します。『』内が東京新聞からの引用になります。実物を見たい方は頑張って探すか、たぶん中日新聞でも掲載されていると思うので(違ってたらすいません)中京地区の人にお願いしてくらはい(^^)。
何せ浜田先生のインタビューの方に書いてある見出しが『円安で景気は回復』と堂々記載されちゃっていまして、背景にはこんな質疑が。(−以下が質問で「」書きになっているのが浜田先生の答えです。「」書き内の()浜田先生の発言の補足を東京新聞の編集サイドが行っている箇所となります)
『−日本経済の回復に一番効くのは、円安につながる金融政策か。』
『「そうだと思う。円安は株価にも一番影響する。為替レートは市場で決まるが、最大のプレーヤーは中央銀行だ。日銀がどれだけのお金の量を出すかが、まず為替レートに影響する。金融緩和はあくまで国内(のデフレ解消が)目的で、円安は副産物と考えれば通貨安戦争の議論も起きない」』
・・・・・・・・その日銀の出す資金量が為替レートに影響というのは少々アレなのですが、まあそれはそれと致しまして「日銀が為替市場最大のプレーヤー」「日銀の行動が為替レートに影響」と言って「円安は日本経済の回復に一番効く」とまで言っておいて「円安は副産物」とか言ってもその理屈は為替誘導ケシカランという海外からの批判者に対してどう見ても通らないでしょと思うのですけれども、これがまたロイターとかブルームバーグの目に留まって英文翻訳されて米国財務省様あたりがムキーとならない事を願いたい物です。
『−円安で輸入品が値上がりしているが、給与は将来上がるのか。』
『「物価が1、2%上がっても正社員はしばらく我慢してほしい。賃上げは本当に業績がいい企業が自社で判断すればいい。企業業績を回復させる方が先。そうすれば(今は)雇われていない人も働くようになり、日本経済のパイが拡大して需要が増え二年ぐらいで賃金は上がるだろう」』
・・・・・・・・・何か既に大政翼賛的に賃上げしろ圧力になっておりますなあというのはさて置きまして、これも全くおっしゃる通りでマイルドインフレにしていた方が名目ベースが下がらないから色々な点で調整をするコストが低い訳ですから浜田先生の仰る事は全くもってその通りではあるのですが、「2年くらいで賃金が上がるまで物価が1、2%上がっても我慢してほしい」という話がデフレ均衡にすっかり慣れきっている日本社会で本当に通じるんですかという話を前から懸念しているのですよ。足元でも何か価格引き上げがあったら毎度毎度のように報道されてしまう(今朝は公共放送ニュースでツナ缶価格引き上げとかやってたぞな→http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130313/k10013182371000.html)ような状況ですし、大体からしてCPIベースで2%の物価上昇となると生活品目の価格ってもっと上昇していて、まあさすがに誤差で済まない額になると思うのですけれども、その状況で「我慢していれば賃金が2年くらいで上昇する」とか言われて我慢が出来るのかという考察が全力で欠如しておられるように見えるのが誠に残念な所です。
いや一昨日の岩菊先生の国会所信聴取でも思ったのですが、デフレ均衡からマイルドインフレ均衡に持って行こうという話はそらまあ普通に考えて反対する人は居ないのでその点では誠に仰る通りではあるのですけれども、「その為にどういう手段を用いてどういう経路によって実行するのか」「実際にその政策を行う際に現実に起きるであろうフリクション(今回だったら海外の為替誘導批判とか物価が実際に上昇した時の政治的問題とかもそうですし、よからぬ均衡とは言え均衡っぽい状況を抜けるとなればそれなりにエネルギーを使うのでその副作用がどうでるのかとか言う問題も含めて)をどう回避あるいは軽減していくか」という話をちゃんと考えていないでしょうなあというのが思いっきり伝わってくるにゃあと一昨日の岩菊先生やこちらでネタにした浜田先生のお話を見て思うのですけどどうでしょうかねえ。
つーことで「おれさまのかんがえたさいきょうのきんゆうせいさく」は結構なのですが、現実問題として実際に政策に落とし込む所での考察どうなってますねんという話なのでございますが、どうもその辺に関する考察を決定的に欠いたまま突っ込んで行こうという流れ(ご参考→http://diamond.jp/articles/-/30804?page=5の一番下の質疑orz)で、いやもう何だかねという所ではございます。
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2013/03/11
○おっしゃることはその通りなのだが今まで浜田先生何ておっしゃってましたっけ?????
金曜のニュースヘッドラインを見ていてさすがに何ぼなんでもという事でツッコんでみる。
日経クイックニュースより
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFL080NO_Y3A300C1000000/
浜田氏「インフレ目標未達でも雇用・景気が回復すればいい」
2013/3/8 14:23
『浜田宏一内閣官房参与は8日に大和証券が都内で開いた講演会で「インフレ目標はあくまで次善の策だ」と述べた。「インフレ的な雰囲気を作らなければ(景気が)良くならないので、目標は必要」との認識を示しつつも、「インフレ目標が達成できなくても雇用と景気が回復するのであれば、100点ではなく120点だ」と述べ、インフレよりも雇用と景気回復の実現が重要との見方を示した。〔日経QUICKニュース(NQN)〕』(上記URLより)
>インフレ目標が達成できなくても雇用と景気が回復するのであれば、100点ではなく120点だ
>インフレ目標が達成できなくても雇用と景気が回復するのであれば、100点ではなく120点だ
>インフレ目標が達成できなくても雇用と景気が回復するのであれば、100点ではなく120点だ
確かにその通りではありますが、それだったらこの前まで日銀が設定していた物価安定の目途1%だって「まずは経済の成長力を高めながら1%を当面の目途にして、経済の成長力が高まったらより高い数値を目指していく」という話だったと思いますが、今までさんざんっぱら日銀というか白川総裁をほとんど人格否定するかの勢いで批判というよりはもはや罵倒しておられたご発言との整合性はどこに逝ったのでございましょうか。
もうちょっと詳しいのがロイターに
http://jp.reuters.com/article/economicIndicatorsAndComments/idJPTK063058320130308
UPDATE1: 物価1.5%で景気回復すれば120点満点=浜田内閣官房参与
2013年 03月 8日 15:29 JST
『[東京 8日 ロイター] 浜田宏一内閣官房参与(米エール大名誉教授)は8日午後、都内で講演し、金融政策で「消費者物価指数が1.5%に上昇し景気が回復すれば120点満点」と述べ、政府・日銀の物価目標である2%の達成よりも景気回復が重要との見方を示した。』(上記URLより、以下同様)
えー何ですかそれという所ですが、実際にこのようなお話をしたんですかね。ブルームバーグ(何故か詳報がネット版だと取れない)でもそんな記載があったのでそういう話をしたんでしょう。
『安倍政権の進める経済政策「アベノミクス」は急激な物価上昇を招きかねないとの懸念もあるが、浜田氏は「誰もインフレが好きではないが、インフレ的な雰囲気を作らないと景気はよくならない」と指摘。「物価目標は次善の策。物価上昇なき景気回復ができれば、それは最善」と述べ、機械的に2%の物価目標を目指す必要はないとの見方をにじませた。』
>物価上昇なき景気回復ができれば、それは最善
>物価上昇なき景気回復ができれば、それは最善
>物価上昇なき景気回復ができれば、それは最善
>物価上昇なき景気回復ができれば、それは最善
>物価上昇なき景気回復ができれば、それは最善
・・・・・・・浜田先生およびその周囲の皆様におかれましては、そういうロジックを今まで全力で罵倒していたとしか記憶がございませんが、もしかしてワタクシは木曜の夜のうちにパラレルワールドに急に飛ばされて来たんでしょうか????インフレ目標をグローバルスタンダードの2年で必達させて達成しない場合は日銀が明確な責任を取るべしとかいう話を今までしていたのって皆様じゃなかったでしたっけ???????
つーか雇用回復というのが実際問題として何を意味しているのか存じませんが、ジャパンの場合は失業率という数値水準そのものは他の先進国対比既に低く、問題になるのは最近佐藤審議委員や木内審議委員も指摘している「日本版フィリップスカーブ」で示される名目賃金の下方トレンドというかアガランチ会長状態の方であると思いますが、まさか「アベノミクスによって低水準の失業率が達成されている(キリッ)」とか言い出すんじゃないでしょうねえというのは兎も角として、物価目標を2年で達成だのデフレ脱却には数か月だの散々仰せだったのはあれは単に今の日銀執行部を政治的に叩きたいから方便として出した理屈だったんでしょうかと小一時間問い詰めたくなりますが如何でございましょうか。
『雇用については「景気回復の初期の段階では実質賃金が下落するが、新規雇用などが増え、じきにアベノミクスの御利益がある」と述べた。』
>アベノミクスの御利益がある
しゅ、しゅうきょうですかと苦笑してしまいましたが、他のベンダーでもこの「御利益」っての出ていたようですので本当にご発言されたんでしょうなあ(苦笑)。
さて、以前もネタにしたので今さらではございますが、ツッコミのお作法として過去のご発言というのを出して置く必要がございますので再掲致しましょう、ということで再掲できるという事はこのあたくし、パラレルワールドに飛ばされてジアザワールドに逝っている訳では無いというのが確認出来て誠に結構な事ではございますと(^^)。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MEJ7MB6JTSFI01.html
安倍総裁ブレーン・浜田氏:日銀新総裁は数カ月以内のデフレ脱却可能
更新日時: 2012/12/05 09:08 JST
『12月5日(ブルームバーグ):自民党の安倍晋三総裁のブレーンの1人である米エール大学名誉教授の浜田宏一氏(76)は4日、ブルームバーグ・ニュースの電話インタビューで、来年4月に任期満了を迎える日本銀行の白川方明総裁の後任が今以上の金融緩和を行えば、数カ月以内でデフレ脱却を実現できるとの見方を示した。』(上記URLより、以下同様)
ほほう。
『浜田氏は日銀が2、3%のインフレ目標を設定すべきだとし、目標達成まで金融緩和の手綱を緩める
べきではないと主張。』
>2、3%のインフレ目標を設定すべきだとし、目標達成まで金融緩和の手綱を緩めるべきではないと主張
>2、3%のインフレ目標を設定すべきだとし、目標達成まで金融緩和の手綱を緩めるべきではないと主張
>2、3%のインフレ目標を設定すべきだとし、目標達成まで金融緩和の手綱を緩めるべきではないと主張
『さらに、16日の衆院選で自民党が勝利し、より金融緩和に積極的な人物が日銀総裁に選ばれた場合、同目標の達成は困難ではないと述べた。』
>より金融緩和に積極的な人物が日銀総裁に選ばれた場合、同目標の達成は困難ではない
>より金融緩和に積極的な人物が日銀総裁に選ばれた場合、同目標の達成は困難ではない
>より金融緩和に積極的な人物が日銀総裁に選ばれた場合、同目標の達成は困難ではない
>より金融緩和に積極的な人物が日銀総裁に選ばれた場合、同目標の達成は困難ではない
>より金融緩和に積極的な人物が日銀総裁に選ばれた場合、同目標の達成は困難ではない
『浜田氏は白川総裁の実績について、デフレ脱却を実現できなかったとして「A〜C」の評価で最低の「C」とした。』
とのことですが、「物価上昇無き景気回復」でしたらこれまでも何度も示現していると思うのですけれども、これまでは散々っぱら日銀をケチョンケチョンに言っておきながら皆様ご主張の政策をいざ実施しようという話になったら実施する前から早速話が違うじゃないですかとは、まあ人には鬼のように厳しく身内には大甘にも程があるダブルスタンダードでありまして、経済政策のまともな論議とは思えないです罠というお話ではございます。
まあ何ですな、これ経済政策論議だと思うからこういうツッコミをする訳でして、権力闘争であってとにかく相手を引き摺り下ろすためには何でもやりますみたいな動きとして行われていたものであって、経済政策論議というのは体裁を整える為の見せかけでしたという事なんでしょうと思えばまあそういう事ですかとは思いますけれども、東大の教授やらイェール大学の教授やらを歴任して権威という事になっておられる浜田先生がそのような行為に手を染めているようにしか見えないというのは誠に遺憾の極みに存じますとしか申し上げようがございません。
と、罵倒成分を下げてツッコんでみましたけれども(^^)、に不肖このあたくし実際問題としてはこのヘッドラインを見た瞬間にトサカに来てコケコッコー状態であったのは言うまでもありませんが、土日を挟むと便利な事にコケコッコー成分が蒸発するという大変に能天気な仕様になっておりますので、とりあえずまあこんな所ではございますかねえ、まずは白川さんに謝罪しろよと思いますけど。
しかし何ぼ偉い先生かも知らんが、幾らなんでもこれは(以下全力罵倒文言になりそうなので割愛)と思いますし、大体からして従来から「強制力のあるインフレ目標を設定せよ」「2%必達」とかいうのに乗ってた皆様におかれましては盛大に梯子外されてどうなんでしょうねえと思います、つーかたぶん安倍ちゃんはまだ2%の物価目標は必達でそれが達成できれば世の中バラ色だと思って居そうですし、2年で達成させるというのも恐らく引き続き思っているんじゃ無いかとゆー気がするんですが、肝心の安倍ちゃんがこの辺の発言トーンの全面的な後退というか従来の日銀とどこがどう違うのかという内容に気がついたらどういう事になるんでしょうかねえとは思いますが、舌先三寸で言いくるめるんすかねえ(^^)。
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2013/03/07
・ブレイナード財務次官キタコレ(ニュースクリップ)
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPJT834409120130305
新興国の管理為替相場、近隣窮乏化につながる恐れ=ブレイナード米財務次官
2013年 03月 6日 01:02 JST
ほうほう新興国ですかそうですか、と思って良く良く記事の本文を読んでみますと残念な記述がございました。
『20カ国・地域(G20)に、経済の競争力を高めるために為替相場を目標としないとするコミットメントの順守を求めた。財務次官は、日米欧7カ国(G7)声明で、各国の金融政策が国内目標を目指し、為替相場を目標としないことを再確認した点にも触れた。』(上記URLより)
おーのーと言った所ですが、この辺の通貨外交はどういう仕切りでやっていたんでちゅかねえというのが極めて気になる所ではございまする。
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2013/03/05
○しかし翼賛トーンが凄いわ
昨日の日経とか今日のモーサテとか見てて思ったのだが。
昨日の日経1面では「物価上昇予測 広がる」というお題で「市場 期待インフレ率1%超」という題を示しておりましたのでBEIの説明をしているのですが、このBEIっていうのはCPIの現数値でして間接税の上昇込みなのですが、その点の説明が1ミリも無いとか普通に証券会社が勧誘資料でそんなことやったら誤認勧誘でしょっ引かれても文句は言えないレベルの話でありまして、日経も落ちぶれたもんですなあとか思うのですが、きっとアベノミクス大政翼賛会状態になっているからなんですよ。
でまあ昨日は昼のテレビ見てたら「黒田さんの所信聴取で円安が進行して株価はリーマンショック後の高値を更新しました」とか報道してましたし、なんか今朝のモーサテでもそういう話になっていましたが、どう見ても昨日の値動きは最初はそうなったかも知れんが質疑応答の内容が伝わるにつれて期待していた(ってまあおまいら何を期待していたんだと思うのだが)ほどの内容じゃなくて従来の主張通りだったという事で為替はやや円高に振れて株も下がった(その後は中国株の下落の方が効いていたかもしれないけど)というのにすっかりそんなトーンで黒田さん翼賛報道となっているのがオソロシス。
いやあのですね、昨日の動きとかどー見ても所信聴取が為替や株的には期待ほどでは無かったという反応だった(まあそこまで本気で期待していたのかも謎だが)のですけれども、これがもし麿の国会答弁でこういう値動きだったら鬼の首を取ったかように「質疑応答が進むと内容に新味がない事から円高になり株価も下落」という報道をされているだろうなあと思いますと、誠に残念というかどう見ても麿カワイソスという感じですな。
まあこういうトーンで報道されて下駄を履けるのはハッタリ金融政策を実施するのには好都合ではあるのですのですが、1つには「自分の尾を追う犬」となって煽った市場との相互作用で将来の金融経済の不安定化というかボラ上昇のネタを撒くリスクがありますし、もう一つにはその下駄が外れた時の逆作用もオソロシスという感じですな。
しかしモーサテのゲスト解説コーナーで「MPMの6人の見解は一致しているように見えます」とか言っててお前ら何を言っているんだという感じですな全く。
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2013/03/01
○マクラの積りで書いたら長くなりすぎたのでニュース雑談ということで
・物価が上がる前からインフレフォビア報道しかもお前らリフレ政策煽ってただろうに・・・・・・
えーっと、社説で散々金融緩和やれだのインフレ目標やれだの言ってた新聞が何で円安物価上昇で家計直撃という見出しで煽り記事入れるんでちゅかねえ。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2013022802000120.html
【経済】円安 家計を直撃 輸入価格上昇、4月から 2013年2月28日 朝刊
『電力会社と都市ガス会社が四月の料金を引き上げる。農林水産省は小麦の売り渡し価格を引き上げる。円安で輸入物価が上がっているのが大きな要因。安倍政権の金融大幅緩和方針を受けた円安で輸出企業の収益は改善しているが、家計にはマイナスの効果が顕著になってきた。』(上記URLより)
・・・・・・・・・・・・えーっと貴紙が社説で散々やれやれ言ってた政策の本質はそういうことなのですから当然の帰結であって「家計は暫く我慢していると景気回復の恩恵が回ってくるのでちょっとだけ我慢していればいいんですよ!!」って記事を書くべきじゃないでしょうかもしかして貴紙は会社ぐるみで思考能力の欠如した馬鹿でいらっしゃいますかとお問い合わせをしたくなるレベル。
つーかですね、まだ物価が上がっても居なくて、これで物価上昇してもCPI2%上昇は遥か彼方の世界であるというのに、この程度で一々メディアが騒いでいるのに2%の物価上昇目標って政治的な意味で達成できるんでしょうかねえと思う訳でありまして、日銀ガーとか言う前にこのメディアが煽るインフレフォビアの方を何とかする方が先決じゃないでしょうかねえ。
まあ昔から金融緩和にブーブー言ってた全国紙とかが物価上昇で庶民の生活ガーとかいうのはまあシャーナイナイなのですが、論説副主幹とやらがリフレ一派の皆様とつるんで日銀ガー物価目標ガーとか仰せになっていた新聞がこの有様というのがもうアホかと馬鹿かという所ではございますなあという事で。
・安倍ちゃんこの辺の発言が相変わらず脇が甘いんですけど・・・・・・
最近の安倍ちゃんって自分の発言で市場が動いたのにご機嫌なのと、最近円安が止まったのがあまり気分宜しくないのかどうか知らんけど、昨日もまたこんな燃料を投下しようとしてますな。
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPTK062382120130228
UPDATE2: 日銀外債購入、麻生財務相「現状では断固回避を」・安倍首相「緩和手段の1つ」
2013年 02月 28日 12:59 JST
・・・・・・・・えーっとですから「海外市場において危機が発生した場合に逃避資金が過剰に日本に流入しても困りますので、海外市場の危機対策としての外債購入というのを作っておくのも検討に値しますなあ」というような趣旨で話をすれば海外も文句のつけようがないのですけれども、「緩和手段の1つ」と言って外債購入の話をしたら為替操作と批判される隙を与える訳でありまして、その辺を海外通貨当局と握っていないうちに話を出したら潰されるだけの話で海外から批判を食らうだけなんですけどねえ。
しかしまあ何ですな、安倍ちゃんの煽り攻撃でついに「異次元緩和」とか市場の期待に振り回されてどんどんハードル上げて大丈夫なんでしょうかと思いますが。
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20130228-00000034-bloom_st-nb
「黒田日銀総裁」案を国会提示、日本政府−安倍首相の異次元緩和を推進
Bloomberg 2013/2/28 11:09
まあ記事の内容はどうでも良いのですが、「異次元緩和」ということですから、つまり従来の「金利」とか「資金供給量」とか「リスク資産購入」とかそのようなディメンジョンの上を逝く緩和という事なんでしょうか最早良く判らんですな。
#最初ふと思い出したのが「亜空間殺法」ですが、まああれも「流れを変える為に動く」ということだからそれよりも大事なのはどう動くかという話ですねとか妙に納得(違)してしまいましたが亜空間殺法が何の事だか判らない人はぐぐる先生にでも聞いてくらはい^^;
何か大胆だの従来にないだのとか言っているうちにヘッドラインに堂々の異次元緩和(まあその前にも「次元の違う」という話はあったけどさ)ということで、始まる前からドンドンハードルが上がって大丈夫かという風に思いますが、しまいに会見で正副総裁が六尺褌で現れて(書いた本人が眩暈がしてきたので自主規制^^)を開催する位の異次元金融政策(違)でも実施しないと収まりが付かなくなるんじゃネーノと甚だ不安になる今日この頃でございます。
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2013/02/28
○日銀正副総裁人事関連で色々とニュースやコメントを拾って保存しておきましょう(^^)
・昨日の続きで岩田規久男先生ェ・・・・・・・・
もと切込隊長のやまもといちろうさんがこんなエントリーを投入されておりましたが、良く見ると記事へのリンクが掲載先の「海外投資新聞」じゃなくてウェブ魚拓になっている所に素敵な芸風を感じます(^^)。
http://kirik.tea-nifty.com/diary/2013/02/post-15ba.html
【祝】日銀副総裁候補・岩田規久男・学習院大教授がアブラハム「海外投資新聞」に登場
でまあこちらはこちらで鑑賞して頂くとして、アブラハム・グループさんご提供の海外投資新聞さんの記事は昨日もご紹介しましたがこちら。
http://media.yucasee.jp/offshore-news/posts/index/241?la=0005(直リン自主規制)
学習院大学岩田規久男教授直撃インタビュー
インフレ率2%は来年半ばに達成可能=学習院大学岩田規久男教授
2013.1.30
読めば読むほどクラクラしてくるので不肖このあたくし脳ドックにでも逝った方が良いのではないかと思ってしまう位のツッコミどころ多彩のインタビュー記事でございまして、いやこの認識で日銀副総裁ねえとか思うのですが、総裁と副総裁を入れ替えるべきだとおっしゃる方もおいでのようで世の中どうなってるんでしょうねえと呆れる今日この頃でございます。
ということで以下先ほどの海外投資新聞さんの岩田教授インタビューから引用しつつ少々ツッコミをしようかと存じますが、必ずしも全部のツッコミどころをツッコんでいる訳では無いので念の為申し添えます。
最初のインフレになるメカニズムの話もお前は何を言ってるんだという感じですが、一番素晴らしいのはこの辺りの話。
『――日銀は具体的にどんな政策をとるべきですか? 』
『前回の日銀の政策決定をみると、実際にはほとんどベースマネーは増えない。』
ほうほうそうですか。
『インフレ率を2%にするためには、日銀当座預金を昨年末の約40兆円の倍、70〜80兆円にすべきだ。
今の日銀の当座預金の増やし方のペースをみると、インフレ率が2%になるには早くても3年程度かかる。予想インフレ率と当座預金との関係には時期によって違いがあるので推測には幅があるが、今のペースでは遅ければ5年程度かかるだろう。』
・・・・・・・・・・・どうも良く判らないのですが、今の基金オペの残高が目標通りに積みあがると何処からどう考えましても年末の101兆円目標達成時点で日銀当座預金残高は80兆円は楽勝で到達する筈なのですけれども(佐藤審議委員が先日群馬で講演した時は90兆円〜100兆円に達するかもという話ですし、銀行券と財政要因中立と言う超イイカゲンな前提を置いて計算すると90兆円程度になるような希ガス)、そのペースで3年程度掛かるというのはそもそも前提においている日銀当座預金残高の拡大ペースを盛大に誤解されているとしか思えませんが大丈夫でしょうかきくちゃん先生。
『安倍総理が目指す「できるだけ早期」のインフレ率2%達成は、今のペースでは無理。逆に言えば今の日銀にはやる気がないということだ。日銀の姿勢が変わらなければ、今の株高も円安もしぼんでしまうだろう。』
えーっと、そもそも前提となる当座預金残高拡大ペースを間違えたままでやる気があるだの無いだの言われましてもただの言いがかりにしか見えませんが・・・・・・・・・
次の質疑も読んでいて愚昧かつ経済学士ですらない低能のこの不肖ワタクシにとりましては意味がワカランチ会長ですので就任記者会見の際には是非とも詳しい説明をお願いしたいと斯様に思うのでございますが。
『――国債買い入れオペでは札割れが起きています。当座預金を2倍にできますか?』
『それは今、日銀が1年物など短期の国債しか買っていないからだ。日銀はもっと長期の国債を買うべきだ。』
そもそも国債「買入オペ」では札割れ起きていないので質問者のレベルもアレなのですが、その質問を訂正することなく回答されるというのが大変素敵な訳でして、いやまあこれが黒田さんのようにそもそも財務省時代に金融政策に関連する政策の方面(理財局とか官房とか)を触って居なかったのでそんな細かい話は知らんぞなというのであれば致し方ないのですけれども、この木久扇規久男大先生におかれましては従来より日銀の金融政策に対して色々と批判をしている方でございますので、当然ながらこの辺りの事実関係を誤認したままで批判されますとそもそも議論が成立し得ないのでございまして、大丈夫なんでしょうか本当に。
それに「1年ものなど短期の国債しか買っていない」というのもかなりミスリーディングな言い方でして、基金国債買入は1年〜3年を買っていますし、輪番オペというのもありますので、まあ基金オペが時限的措置という名目で3年までの国債しか買っていないのでもっと長いのを買えと言いたいのは判りますが、この部分も事実関係をミスリードするような言い方をしているのがもう何だかねという所です。
『金融政策というのは、流動性が違う資産を交換するほど効果を発揮する。』
それって財政政策の領域になるような気がしますし、大体からして伝統的金融政策は金利操作でございますがなと思いますが一応突っ込まずに流しておきましょう(って突っ込んでいますが)。
『民間ではリスクのある長期国債は持ちにくい。したがって当座預金の流動性と同じ短期の資産を買ってもあまり意味がない。長期国債を買えば札割れは起こらない。』
????????????????????えーっとすいません意味がワカランチ会長ですし、これでは日銀が短期国債ばかり買っているかのような説明になるのですが・・・・・・・・・
『インフレ期待が生じたときには、民間は長期国債をもっていると価格リスクが大きくなるので持ちたくなくなる。そういう時にこそ、民間が持てなくなる長期国債を買ってあげるのが流動性を供給する中央銀行の役割だ。』
いやもうここのところが凄まじいとしか申し上げようがないのですが、インフレ期待が高進してフィッシャー効果だか何だかで長期金利が上昇している時に、長期国債を中央銀行が更に購入して流動性を突っ込んだら高進したインフレ期待が更に高進して火に油を注いでしまい大変な事になってしまうのですけれども大丈夫でしょうか??????????????
『大手メガバンクはすでに長期国債を減らしているが、地銀はまだかなり長期国債をもっている。インフレになると経営的な問題やシステム不安が起きてくる可能性があるので、その意味でも日銀はもっと長期国債を買うことが必要だ。』
えーっと、短期金利がゼロ制約になった後でより長い期間の金利下がると金融機関はよりリスクを取らないと必要な収益が出せなくなるので更に大変な事になるのですが。つーかインフレになるたって景気回復を伴うインフレだったら銀行経営ってウハウハになって少々の債券ポートのやられは本業とか保有株式とかでお返しできるんですけどねえ。
『さらに、インフレヘッジになる物価連動債をもっと発行すべきだ。』
えーっとそれは財務省に言ってください。ああそれからこの前の国債市場特別参加者会合で「国内投資家の需要が無いので発行再開しても消化が厳しいかも」という見解が大多数をしめていたんですけどねえ。
『長期国債を日銀が買う代わりに、物価連動債を機関投資家や個人などに買ってもらえばいい。こういう時にリスクをとれるのは中央銀行しかいない。』
もはや訳が分からんのでツッコミが出来ない・・・・・・・
しかしまあ一番酷いと思ったのはこのくだりでしょうなあ。
『――日銀は国債の直接引き受けをすべきですか?』
『それはありえない。それは日銀があまりにもかたくなに何もしないから出た議論。むしろ、日銀が財政ファイナンスをするのを避けるためにあるのがインフレターゲットだ。』
1つ上の質疑を見ているとインフレ期待が高まって金利が上昇したらどんどん長期国債買えとかどう見ても財政ファイナンス推奨です本当にありがとうございましたという所ですが、「何もしないから出た議論」とかエライ他人事のように仰せですが先頭切って仰せだったの貴殿だと思うのですが・・・・・・・
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK062843420110708
復興国債の財源、日銀引き受けが需要創出に最も効果的=岩田規久男・学習院大学教授
2011年 07月 8日 16:59 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-22301220110721
復興債の日銀引き受け、景気浮揚と超インフレで意見対立
2011年 07月 21日 14:26 JST
・・・・・・・・・・えーするってぇと何ですな、岩田大先生様におかれましてはかつて仰っていた「復興国債の日銀引受」は政策提言としては単に為にする議論であって、本当に実行したら「ありえない」政策であったということである、とまあ斯様な話になるのですが、それって政策に携わる者としての姿勢として如何な物なのでしょうか?
つーか「日銀が言う事を聞かないので有り得ない極端な政策を突破口にする」とかそれただの「目的が正しければ何をやっても良い」理論であり、(自主規制)のロジックじゃないですかとゆーか、まあ恐喝みたいなアプローチでありまして、政策論争というのはそのような恐喝的手法を用いて為されるものではない、とまあ斯様に思う訳でございまして、恐喝で事情聴取を受けるのは中田カウス師匠くらいにして頂きたいと存じます次第でございます。
何か他にもツッコミポイントがある気がしますが、あんまりやっていると精神衛生によろしくないのでこの辺まで。
#しかしこちらの海外投資新聞さんの「識者の見方」のメンバーが何ともアレでございますな
http://media.yucasee.jp/offshore-news/columns
・早速ヨイショコメントキタコレという香ばしい世界
いやまあ何ですな、世の中が変わりそうになると早速ジャガーチェンジする方というのはどこの世界にもおいででありまして、そういう手合いがここもと観測されるようになっているのが大変に香ばしいとしか申し上げようがございません。
いやね、従来から岩田規久男先生みたいな主張を展開しておられました方がキタコレと言う事で色々と仰せなのは良かったですねえという感想なので別にツッコミを入れる類のものではありませんが、どこの誰とは申しませんがヨイショキターというのが人間の業をも感じさせて実に心温まる話となりますなあという所。
#あ、そういやかつてbewaadさんから(当時)切込隊長と共に「親リフレ政策な人々」と認定されておりましたので念の為申し上げますと、リフレ政策的なアプローチをあたくし別に全面否定している訳では無いのですが(過去ログみてくらはい)、「それはりくつとしては判るが実際に行ったら問題出るだろ」というのが引っ掛かっていた所でして、まあ要は理屈は判るが政策論としてナイーブにも程がある、という評価だったのですが、その後(概ね前回の日銀総裁人事騒動のちょっと前辺りから)事実を踏まえない批判とか極端すぎる政策提言とか出てきてまあ段々「ドン引き」モードになってきたという所なんですよねあたしゃ
とまあそれはそれとしてヨイショの鑑賞会でも。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MIQUTO6KLVR701.html
日銀総裁に黒田氏起用へ、副総裁には岩田規氏と中曽氏−安倍首相 (1)
更新日時: 2013/02/25 19:37 JST
まあどこの誰とは申しませんが記事中のコメントを拝読しますとこんなのが。
『さらに「組織運営経験がないこと、さらに日銀内からの抵抗が強いことなどを背景に総裁候補にならなかった可能性はあるが、副総裁として、今後日銀が大胆な金融緩和を実行する上での理論的支柱として機能していくものと思われる」としている。』(上記URLより、当然ながらこの副総裁は中曽さんへの評では無く岩田さんへの評です)
・・・・・・・・・・り、りろんてきしちゅうですと???????
いやあのつい今しがた拝読いたしました「理論」によりますとその柱がもう何ちゅうか誠にアレとしか申し上げようがございませんで、今後この調子で「理論的支柱」として機能されますと耐震偽装も裸足で逃げ出す(以下自主規制)。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MISRSP6S972M01.html
【クレジット市場】反日銀黒田+和製フリードマン岩田、2%目標遥か
更新日時: 2013/02/26 10:56 JST
>和製フリードマン岩田
>和製フリードマン岩田
>和製フリードマン岩田
・・・・・・・・・・・・このヘッドライン見た時に吹いた俺の紅茶を返せと申し上げたい!!!!!!11
・ムーシャ先生がお壊れになられております
毎度のお告げ更新キタコレ。
http://www.musha.co.jp/4551
2013年2月27日ストラテジーブレティン (93号)
懐疑論を粉砕するQEの威力
・・・・・・・・・まあ正直申し上げてあたくしの腹筋を粉砕させるお告げの威力としか申し上げようがございませんですが、ちょっとここ2回連続で変な葉っぱでもキメて書いたんじゃないか位の勢いで何ぼなんでもちょっとアレにも程がありますがな。
でまあディスクレーマーが五月蝿いので一々引用して突っ込みませんが、というか突っ込んだらまたノリノリになって大変な事になるので割愛しますが、結論部分を見て腹筋粉砕どころか骨盤も粉砕するかと思いましたぞな。
というのはですね、最後の所で黒田さんがこれからやる強力リフレ政策について「三重野時代に行われたバブル潰しの逆を実施する」と総括しておられるのですが、三重野さんのバブル潰し(正直言って三重野さんだけがやった訳では無くそもそもこの時代日銀は財務省に従属していまして、矢面に立ったのが三重野さんでヒーロー扱いされただけだと思いますがそれは兎も角として)って結局やり過ぎてしまいましたねえという事なのですから、「三重野時代の逆をやる」となりますとそれは単に「バブル発生をさせてそれをやり過ぎてしまう」という国民厚生的に誰得の展開になるだけの話で、そらまあバブルでも起きてくれれば金融業従事者としては飯の種が飛躍的に拡大してウハウハなんですけれども、それで本当に良いんですかねえというような考察は無いのですねこの先生と大変に心の温まる文章でございました。
・竹中平蔵先生が変わり身モードに入っておられます
とまあそんな中で竹中平蔵先生のブルームバーグインタビュー記事が異彩を放つのは凄く気になるこのあたくしなのでございます(^^)。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MIUYH06TTDT301.html
竹中氏:「黒田日銀」は脱デフレ好機、財政再建失敗なら100円超円安
更新日時: 2013/02/27 14:04 JST
『2月27日(ブルームバーグ):慶應義塾大学の竹中平蔵教授は、政府が日本銀行の新総裁候補に黒田東彦アジア開発銀行(ADB)総裁を提示する見通しとなったことについて、デフレ脱却の絶好の好機として期待を示す一方、その実現には「政府にも責任がある」とした上で、財政再建が進まなければ円が暴落する可能性があるとの見方を示した。』(上記URLより、以下同様)
デフレ脱却には政府にも責任があるとか急に何か変な物でもお召し上がりになられたのかとおもいましたぞな。
『一方、安倍政権の3本の矢に関しては「1本目の大胆な金融緩和の矢は放たれた。2本目の機動的な財政政策は中長期の財政再建シナリオが示されていない。3本目の成長戦略はまだ始まったばかりで、どうなるか全く分からない」と指摘。2%の物価目標を達成する上で「困難があるとすれば、むしろ政府の構造改革が進まないことだ」と語った。』
>2%の物価目標を達成する上で「困難があるとすれば、むしろ政府の構造改革が進まないことだ」
>2%の物価目標を達成する上で「困難があるとすれば、むしろ政府の構造改革が進まないことだ」
>2%の物価目標を達成する上で「困難があるとすれば、むしろ政府の構造改革が進まないことだ」
・・・・・・・・・・まあ今竹中先生そっちの会議をやっているからというのもあるかもしれませんが、「デフレは貨幣的現象」と以前から全力で言っていた平蔵先生急に何という話を。
『為替相場では「当面は1ドル=95円くらいまで戻っても全く不思議はない」としながらも、「3本の矢に失敗しデフレを克服できなければ、また円高に振れるだろう。しかし、逆のリスクもある」と言明。「金融を思い切って緩和し、財政も拡大したが、財政再建ができなかったということになると、今度は行き過ぎた円安に振れる可能性もある。100円を超えて相当の円安になることは十分あり得る」と述べた。』
『竹中氏は「一気にそこまで行ったら、円がフリーフォール(暴落)というイメージになってくる。これは良い円安とは言えないだろう」と指摘。「賃金は遅行指標なので、輸入物価の上昇を通じて物価の上昇が速くなると、賃金との差が開き、国民の実質生活水準を下げる。そうなると安倍内閣に対する政治的な支持を弱めることになる」と語った。』(以上引用は上記URLより)
・・・・・・・・・良く言えば先見性が高く、悪態をつけばヤバイと思った時の逃げ足が凄まじく速く政治的立ち回りがお上手としか申し上げようがない竹中大先生様がこのようなヘッジを打ち出した、という事に対しては、いわゆる「炭鉱のカナリア」動向という事で注意すべきなのではないか、などと思ってしまった昨日のひとときでありました(^^)。
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2013/02/22
こ、これは独立した小見出しを付けざるを得ない・・・・・・・
○なんちゅうかえーっともしもし
http://www.musha.co.jp/4529
ストラテジーブレティン (92号) 株高・低金利の併存は、なぜ好材料なのか
〜 日銀新総裁指名から始まる日本株高の第二ステージへ 〜
もうね、あちこち凄まじいのでこれは思いっきりネタにせざるを得ないのですが、日銀総裁人事がどうのこうのというのはまあ兎も角として、量的緩和とかQEとかの話についての説明が間違いだらけでムーシャ先生がお壊れになられてしまったのかとゆー所ではございますが、これはこれで若い衆に間違いさがしのテスト材料として有益ではないかと思われますぞなもしということで。
まあ幾つかあるのですが・・・・・・
・リフレ政策でリスクの高い長期国債の金利がより低下するとな
何かリフレ政策に関してインフレ期待を高めて恐怖からリスク資産からの回避を促すものではない云々という部分があるのですが、そもそもインフレ期待が高まらないとデフレ脱却しないと思うのですけど、その部分で短期国債よりもリスクの高い長期国債の金利が低下しないといけないという話をしておられて頭が強烈にクラクラして参ります。何か斬新過ぎて頭が痛いのですが、所謂「リスク資産」というのと「期間のリスク」という概念がごっちゃまぜになっているものと思料される所でありまして誠に残念でありまする。
つまりですな、国債は(ギリシャみたいな例もあるので完全なリスクフリーではないのはご案内の通りですがそこは措きまして)購入時点で満期保有を前提にした場合に将来の収益力が確定しているリスクフリー資産という扱いで、これに対して株式とか不動産とかは信用リスクがあったり将来の収益力が現時点で必ずしも確定していない資産な訳で、将来の経済成長が予想されると言う事は後者の資産の将来における収益力などが現在よりも高くなることが予想されるということと同値でありますので、より長期のものになるほど満期までの収益力が現時点で確定している国債が相対的に劣後するという話になりますので、長期の国債の方が利回りが高くなるでしょと言うお話だというのがツッコミどころという感じで考えてみましたけどそんな感じでよろしゅおしますかね????
・そもそも事実関係の説明が怪しい個所
さらに大先生QEの事を信用緩和と仰せになっている箇所があるのですが、そもそもQEというのはQuantitative
Easingの略でして普通「量的緩和」と申しまして信用緩和とは別ですし、大先生が例に出した米国のQE2というのは長期国債の大量購入であってそれは信用緩和ではないのですけどという所とか、QE2によっておきた市場の変化について、政策発動によって長期金利が低下したという説明になっておりますが、QE2の時は米国10年国債金利はその前に期待で散々低下(ジャクソンホールのコンファランスでQE2が示唆されてそこからヒャッハー相場が始まった)したあと政策発動以降はその前に下がった分以上に金利上昇したというのはチャートを見れば一目瞭然なのですが、もしかして大大先生はチャートの上下をあべこべに見てらっしゃるのではないでしょうかと疑問に感じたのですが、先生のお告げの効力の事を考えると(以下自主規制)。
ホームページで文章を大公開しているのに何故か「本書および本書中の情報は秘密」という謎のディスクレーマーがある不思議極まりないページ(じゃあ公開するなよ・・・・・・)なので該当箇所を引用するのを自主規制しておきましたので、さてどの部分がどの話でちゅかねえというのを探して頂きたく存じますが、本当はもう数か所ツッコミどころがあるのですが書いていて不憫になったので書き上げたものを3割少々くらい削ってしまったことを念の為申し添えます(^^)。
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2013/02/21
○ニュース雑談
・何じゃこのニュースは?
昨日話題になって為替市場がぶれたのはご案内の通り読売ニュース。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130220-OYT1T00226.htm
日銀総裁人事大詰め…4氏に絞り込みか
(2013年2月20日06時58分 読売新聞)
でまあこれで武藤さんの名前が無いので円安ヒャッハーとか言っているのですが、そもそも日銀総裁人事で円安ヒャッハーというのをやると為替誘導ガーとか言われる訳であまりこの手のネタで市場に暴れてほしくは無いのですが、まあそれ以前の問題として武藤さんが候補に入っていないというのがもう何かアレの香り。
と思ったら時事通信がそのちょっと前にこのニュース。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130220-00000011-jij-pol
武藤、岩田両氏軸に最終調整=日銀総裁人事で―政府
時事通信 2月20日(水)2時31分配信
まあこっちの記事の方が普通っぽい。つーか読売ってこの前も公取の人事を事前報道してひと悶着起こす切っ掛けになっていたと記憶しているのですが(間違いだったらゴメンナサイ)、どこの放火魔だよという所で。
・この正直者!
このニュースはワロタ。
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20130220-00000051-biz_reut-nb
外債ファンドを検討する必要性は薄まった=安倍首相
2013/2/20 14:41 ロイター
『外債購入のため官民ファンドを設立するという話だったが、今でもそうかとの質問に安倍首相は「外債ファンドを検討すると決めたのは昨年11月くらいで、大胆な金融緩和を打ち出し始めたところだ」とし、「検討の必要性は薄まっている」と語った。さらに、大胆な金融緩和が軌道に乗っていること、3月に日銀人事が行われることなどもあり、必要性はなくなってきているとも指摘した。』(上記URLより)
・・・・・・・・・・・これじゃあ「外債購入ファンドは円安誘導の為に行うんです」って言ってるようなもんでして、いやあのもし実施するんだったら何かもっともらしい言い訳(例えば岩田一政さんがこの前山本幸三さん所の勉強会で説明していた時には「海外で金融危機が起きた場合に危機対応として外債購入をするような機能を設ける」というような話をしていたとの報道でしたよねー)をしないとそもそも外債購入云々自体が出来ませんぞなもしという所でありまして、何でこういう事言っちゃうのかなあと思うのですが、そもそもそういう質問をするからこういうボロが出る訳でして、国益という物を勘案した場合には一々国会で為替の話とかするんじゃねえよ質問する方考えろこのヴォケという所ではございます。
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2013/02/20
昨日は安倍ちゃんの外債購入発言をマクラにしたのですが今日はまた安倍ちゃんアチャー状態なのでニュース雑談として昇格(^^)。
○安倍ちゃん・・・・・・・・・
外債購入発言はまずいだろと思ったら早速麻生さんと甘利さんが火消しに。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MIFWTX6K512Y01.html
外債購入「ない」と麻生財務相、「首相発言は一般論」と甘利再生相も (1)
更新日時: 2013/02/19 12:25 JST
『2月19日(ブルームバーグ):金融緩和の手段として外債購入という考え方もあるという安倍晋三首相の国会答弁について麻生太郎財務相は19日、そうしたことはないと発言、甘利明経済再生担当相も一般論だったとの認識を示した。いずれも閣議後会見で語った。』(上記URLより)
そらまあG7G20であれだけ言われた後なんですからやっぱりマズイですわなと思ったのですがその一方で安倍ちゃんェ・・・・・・・・・・
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPTK061727320130219
外債購入への発言控える、日銀法改正の議論は有意義=安倍首相
2013年 02月 19日 18:26 JST
『[東京 19日 ロイター] 安倍晋三首相は19日午後の参議院予算委員会で、外債購入については発言を控えさせていただきたいと語った。日銀法改正については常に視野に入れているとし、日銀法を時代を経て適したものにするためにどうするかは、専門的な知見を持つ人が議論していくことが有意義だと思うとの考えを示した。』(上記URLより)
いやまあ仰っていることは「法律は常に時代に合ったものにすべき」って文脈ではあるのですが、そもそもここに至るまで「俺様の言う事を聞かないと日銀法改正」という話をしていた流れというものがありまして、国内はともかく海外的に言えば中央銀行の独立性を侵害してるんじゃネーノとか言われたりしていたし、大体からしてその手のかなり乱暴な発言で市場が反応して居た訳ですから、やはり「日銀法改正」という話も為替誘導という文脈で受け止められやすいので、ちょっと発言は慎重にして頂かないと。
つーか、もうG7G20であれだけ釘を刺されたのですから「日本の要人発言を受けて円安」という展開になる事自体が日本の通貨外交的な意味で日本の立場を悪化させる訳で、兎に角為替に関しては「G7やG20でも認識を共有しているように為替レートは市場が決めるものです」という話と「日本はデフレ脱却の為に政府日銀が政策協調をしております」という話だけしておけば良いのであって、為替を目的にして金融政策を緩和的にしましょう言う事聞かないのはイラネとかそういう話は本音の所はどうであれ、それは「お作法」としてゆうてはならん事であるのですが、どうも安倍ちゃんブレーンとやらの皆様のお話をそのままご発言になっておられているようで、まあブレーン様におかれましては安倍ちゃんにちゃんと通貨外交とは何ぞやという話をご教授して頂きたい物だと存じます。とは言いましてもG7を受けた後に「通貨安競争は悪い事では無い」とか堂々と言ってしまう山本幸三先生とか見ていますと通貨外交がどうのこうのというレクチャーを行うのは期待薄ですので、毎度申し上げておりますようにブレーンとやらの換装をお願いしたいと存じます次第。
いやね、んなもん欧米当局だって通貨安でウハウハとかやっているのですし、こちとらその間円高でリスクオフを受けた結果相変わらずのデフレなんですから、お前ら落ち着いたんだったらちょっと返せやというのは当然だと思うのですけれども、まあそういうのって外交のお作法として平場で思いっきり当局者が表立って言う話では無いでしょという事で、そういうお作法まる無視で「通貨安競争は悪い事では無い」みたいな話を思いっ切りしちゃうとかいうセンスって、「それは言ってることは経済的観点から正しいが政治的に問題なのでフィージビリティーの面を考えて下さい」という話だと思うのですけどねえ。
つーか昨日も申し上げましたが、国会で為替の話とか未だに質問する議員様におかれましては国益と言うのが奈辺にあるのか、と言う事をもう少し考えて発言をして頂かないと困る訳でして、そもそも2%の物価上昇を目標にしようというのですからこの程度の円高修正では全然足りない訳でして(どこぞの安倍ちゃんの経済ブレーン先生によると2%でこの辺らしいですが、苦笑)、しらっと円安に持って行かないといけないのですから、通貨外交的に日本ケシカランと言われるような文脈に持って行くようなバカアホ質問をする議員様におかれましては可及的速やかに三途の川寒中水泳大会へのご参加をされてそのまま岸の向こう側に立たれますことを全力でお勧め致したくなってしまいますぞなマッタクモウ。
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2013/02/19
えーっと、これ安倍ちゃん何を言ってるのか会議録テキスト見ないと良く判らないのですけれども・・・・・・・・・
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MIE7TI6JIJUO01.html
安倍首相:外債購入の考え方も、日銀金融緩和−人事は近々提示へ (1)
『2月18日(ブルームバーグ):安倍晋三首相は18日、日本銀行が進める金融緩和政策の手段について「国際的に議論になっている外債を買うという考え方もある」との認識を示した。個々の政策への詳細な言及は控えるとしながら、インフレ期待を高めるのが大切だとしている。』(上記URLより)
「国際的に議論になっている外債を買うという考え方もある」という最初の「国際的に議論になっている」が外債に掛かっているのか考え方に掛かっているのかは前後の文脈を読まないとさっぱりワカランチ会長なのですが、「金融緩和政策の手段として外債購入を考えている」という言い方をすると、それはいわゆる危機対応という見方をされないで為替誘導という受け止め方をされる(されるから株が反応したんですけれども)次第で、G20で盛大に「為替誘導ケシカラン」という話をしてきた翌日にプライムミニスター様がそういう話をするとか脇が甘いにも程があるのですけれども。つーか国会も為替の質問するんじゃねえよ変な発言が出たら国益に反するだろうがなどと思うこのあたくし。
まあいずれにせよこの辺の質疑応答を最初から最後まで通して読むと中々面白いものを見ることが出来そうで後日楽しみにしたいと存じます。
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2013/02/18
○為替関連ネタメモ
・武藤さんを軸に検討のニュースで円高株安とな
昨日の昼にロイターが次期日銀総裁人事で武藤さんを軸に検討というおまえら事前報道ルールとかの問題があるんだから憶測なんだかリークなんだか紛らわしい記事書いてるんじゃねえよゴルァというのが出ましたが、その後為替は円高に振れるわ株はドカドカ下がるわマッタクモウという展開でしたが、引けに掛けては若干持ち直しておりましたのでホッと一息。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MI8H3G6K512T01.html
円一段高、G20警戒や日銀人事めぐる観測で買い圧力
更新日時: 2013/02/15 15:50 JST
『2月15日(ブルームバーグ):東京外国為替市場では、円が一段高の展開。対ドルでは一時1週間ぶりの高値を付けた。20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議を間近に控えて、各国の当局者から通貨安競争に対する懸念が示されるとの警戒感を背景に円買い圧力がかかった。ドル・円相場は朝方に1ドル=93円12銭を付けた後、円がじり高となり、午前は92円台後半を中心に推移。午後には、日本銀行の次期総裁人事をめぐって、元財務事務次官の武藤敏郎氏起用の可能性が一部で報じられると、今月8日以来の円高水準となる92円25銭まで円が急伸した。午後3時37分現在は92円65銭付近で取引されている。』(上記URLより)
ということでしたが、金曜の感じですと武藤さんなら円高、岩田一政さんなら円安とかいう話がまことしやかに流布されていたようですけれども、正直言って岩田一政さんの外債購入ファンドとかって、既にG7(とその後のG20)で為替誘導を問題視されている中、為替円安誘導の為に設置するのは実現性に乏しいですし、何とか議連に提出した資料説明にあるような金融危機対策としてのファシリティーとして作るのであれば、金融危機発生時の円高阻止対策にはなるけど追加の円安誘導としては使えないので、岩田一政さんなら円安とかいうのも何も考えていないにも程があるのですが、まあ相場が動いてヒャッハーという人が一定量居るとこういう事になるんでしょうなあと。
寧ろ為替市場的な見方として積極派と見られる人たちがノミネートされて円安ヒャッハーとなった後、政策の実現可能性の壁にぶち当たって化けの皮がはがれた後の方が恐ろしいのでありまして、そーゆー意味では順当に穏当かつ常識的な方がノミネートされた方が日本の為には結構な事でしょうなあと思ってはいるのですが、その一方で直ぐにでも2%インフレ可能みたいな無責任な話を吹いている連中に総裁になって頂いてその無責任な駄法螺が駄法螺に過ぎなかったことを実証して頂いた方が、駄法螺連中が黙ってもう少し金融政策を巡る議論がまともになるのではないかという風に思ってしまうあたくしも居るのでありますが、その前に無茶苦茶な事になりそうなのでやはりお勧めできませんですかそうですか。
・話はそれるがちょっと悪態
武藤さん云々のロイターの記事はちなみにこちら。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE91E01120130215
日銀総裁人事は最終局面、武藤氏を中心に絞り込み進む=関係筋
2013年 02月 15日 13:34 JST
『[東京 15日 ロイター] 複数の関係筋によると、政府は、最終調整している次期日銀総裁人事について、武藤敏郎・大和総研理事長を中心に一段と絞りこみを進めているとみられる。』(上記URLより)
というようなリードで展開されている記事なんですが、事前報道ルールが存在するのに何でこういう記事を書くのかという所で、武藤さんに何か遺恨でもあって嫌がらせでもしたいのかというような勘繰りをしたくなる訳ですが、何と言うかこの手の報道もそうなのですが、市場の後講釈記事とかでも最近はページビュー重視だか何だかのせいで兎に角受ければ勝ちみたいな感じの記事が(別にロイターさんだけではなく)多くのベンダーで目に付く訳でして困るのよね。
ニュースベンダーさんの記事って何の為に読むのかと言えば、ワシらだって全ての市場の出来事について1から100まで把握するのは無理な訳ですから、その辺についての情報を得ようとしているのですが、その中でまあ見る方としては読みながらポジショントークとかも勘案しながら読んで行くという事にはなりますけれども、ベンダーサイドでわざと曲解したような書き方するのは困るというか如何なものかという所です。特に最近の為替市場の動きとか見ていると、日本語のヘッドライン的にそんな話をして居る訳でも無いのに英文ヘッドラインがセンセーショナルでそれを見て急に反応するとかゆーのが目立つ訳でありまして、まあ何だかなあという風に思うので一言付け加えておきますです、はい。
・山本幸三先生ェ・・・・・・・・・・
話戻って為替ネタですが山本幸三先生これは駄目だろ・・・・・・・・
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MI7TSG6TTDTF01.html
自民・山本氏:通貨安競争は問題ない、1ドル=95−100円が適正 (1)
更新日時: 2013/02/15 14:18 JST
『2月15日(ブルームバーグ):自民党の山本幸三元経済産業副大臣は、各国が金融緩和による通貨安競争を展開することは世界経済全体の成長に資するもので、まったく問題ないとの認識を明らかにした。ドル円相場については1ドル=95円から100円程度が適正水準との見方も示した。14日のブルームバーグ・ニュースのインタビューで語った。』(上記URLより)
ブルームバーグニュースのインタビューが行われたのが14日と言う事は、G7終わった後にこの発言をしていると言う事ですが、えーっと山本幸三先生ってこの前まで安倍さんが会長だか座長だかをしていた日銀法改正とかその手の勉強会の後任の親分やっている訳ですし、与党の要人発言という事になると思われるのにこれは何というセンス。
だいたいからしてこういう発言がポンポン飛び出すからG7やG20で名指しはされていないけれども思いっきり通貨安競争に釘を刺すようなコミュニケが出ちゃう訳でして・・・・・・・
・G20声明
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MIBCEA6JIJUQ01.html
G20声明:競争力で為替レート目的とせず−日本名指し回避
更新日時: 2013/02/17 10:19 JST
『2月17日(ブルームバーグ):20カ国・地域(G20)の財務相は16日、各国が為替レートに影響を与えようとしないよう一段と強い姿勢を示し、日本を名指しすることは避けながらも、世界的な通貨戦争の観測の抑制に努めた。G20財務相・中央銀行総裁会議は2日間のモスクワでの協議の後、「競争力のために為替レートを目的としない」ことなどを明記した共同声明を採択して閉幕した。声明は3カ月前の会合で合意した声明よりも強い表現となり、日本の当局者は公の場での円相場に関する発言で圧力を受けた。』(上記URLより)
ということでG20声明。
http://www.mof.go.jp/international_policy/convention/g20/20130216.htm
http://www.mof.go.jp/international_policy/convention/g20/20130216.pdf
20か国財務大臣・中央銀行総裁会議声明(仮訳)(2013年2月15-16日 於:ロシア・モスクワ)
『5.我々は、世界的な不均衡の持続的な削減を達成するために協力し、国内貯蓄に影響を与え生産性を改善する構造改革を追求するという、我々のコミットメントを再確認する。我々は、根底にあるファンダメンタルズを反映するため、より市場で決定される為替レートシステムと為替の柔軟性に一層迅速に移行し、為替レートの継続したファンダメンタルズからの乖離を避け、そしてこの観点から、共に成長できるよう互いにより緊密に協働する、という我々のコミットメントを再確認する。我々は、資金フローの過度の変動及び為替レートの無秩序な動きは、経済及び金融の安定に対して悪影響を与えることを再確認する。我々は、通貨の競争的な切り下げを回避する。我々は、競争力のために為替レートを目的とはせず、あらゆる形態の保護主義に対抗し、我々の開かれた市場を維持する。』
うむむ、日本を名指しされなかったから良いとかいうのってそもそも話が違うように思える訳で、こうやって思いっきり話題になる時点でだいぶ負けのように思えますし、大体からして名指しなんぞされたらそれは余りと言えば余りの状態で論外でしょうにとは思いますが、この辺の距離感というか土地勘はそれほど詳しい訳では無いのでまあメモだけ。
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2013/02/15
・岩田一政さん・・・・・・・
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MI6RK56K510701.html
岩田氏:1ドル=90−100円は均衡回帰、リスク資産購入拡大も (1)
更新日時: 2013/02/14 12:48 JST
『2月14日(ブルームバーグ):次期日本銀行総裁候補者の岩田一政前日銀副総裁は14日、1ドル=90円から100円程度までは過大な円高修正の範囲との認識を明らかにした。自民党有志で作る「デフレ・円高解消を確実にする会」(山本幸三会長)の会合で講演した後、記者団に語った。』(上記URLより、以下同様)
いやあの具体的水準とか言うなよとか思ったら・・・・・・
『岩田氏の見解発表を受けて、ドル・円相場は1ドル=93円前半から一時93円64銭まで円売りが進行した。』
と言う風に市場が動いちゃったのがマズーと言う感じなのですが、ちょっと手元に英語ヘッドラインの控えが無いので何なのですが、具体的水準よりも英文ヘッドラインで大々的に出ていたのって以下の部分の最後の「外債購入」の所だったみたいで、そっちに反応した可能性もあるなあと思いますがあたしゃ為替が本職じゃないからワカランチ会長。
『配布資料では日銀の金融政策に2%の物価目標は「マクロ経済政策運営上、整合性のある目標」と指摘。それを実現するための将来の金融拡大策としては「いくつかの方法がある」と強調している。
具体的には超過準備に対する利息(現行0.1%)の引き下げ、買い入れ国債対象の年限延長、各種リスク資産の購入拡大のほか、金融危機対応としての財務省・日銀共同での基金を通じた外債購入を挙げた。』
何かね、今さら「金融危機対応としての」って何ゆうてますねんという感じではあります(いやまあ勿論再発の可能性はあるのですが、政策当局的に言えばテールリスク的な大規模な金融危機発生の可能性は大きく低下した、という認識にワールドワイドになっているのですから、そもそもそういう事を言い出すというのが中銀サークルの中で「お前は何を言ってるんだ」扱いされる話で、結局の所為替介入してマニュピレーションしたいんでしょと叩かれるだけだろと思う訳で・・・・・・・
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MI7Y756JIJYS01.html
G20、「通貨の競争的な切り下げ回避」再確認へ−声明草稿
更新日時: 2013/02/15 02:48 JST
『2月14日(ブルームバーグ):20カ国・地域(G20)は「通貨の競争的な切り下げ回避」を再確認すると同時に、「金融政策がもたらし得る波及効果」を監視する姿勢を示す。15、16日にモスクワで開催のG20財務相・中央銀行総裁会議後に発表される声明の草稿をブルームバーグ・ニュースが入手した。』(上記URLより)
まあ海外金融当局もが散々すっとぼけて実施しているのでそれはそれで華麗にスルーしていれば良いのですけれども、そうは言いましても何もG20直前のタイミングでわざわざ為替の具体的水準に言及するとか外債購入の話を持ち出すとか燃料を投下せんでも良い訳で、もうちょっと物言い何とかならんのかと思うと共に、こういうタイミングで会合を実施しちゃう「デフレ・円高解消を確実にする会」って単なるナントカな働き者じゃねえのかと思ってしまうのですけれどもねえ。
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2013/02/14
○えーっと、これは黒田さん外れフラグですか???
そういや休み中にこんなんでてましたぞな。
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTYE91A01B20130211
ADB総裁の職に満足、日銀人事については答えられない=黒田氏
2013年 02月 11日 17:22 JST
『[東京 11日 ロイター] アジア開発銀行(ADB)の黒田東彦総裁は11日、都内でロイターなどの記者団に対して、次期日銀総裁候補に名前が挙がっていることについて「ADB総裁の任期が4年近く残っており、今の職に十分満足している。仮定の話には答えられない」と述べた。』(上記URLより、以下同様)
と言う最初の部分はまあ社交辞令の類だと思うのですけれども・・・・・
『日銀をめぐっては「グローバルスタンダードである2%の物価目標を掲げたのは非常に画期的で正しい」と評価した。2%達成までに要する期間については「2年ぐらいが適切」との見方を示した。「日本国内に日銀が買うことができる金融資産は何百兆円もある」として金融緩和の手段は豊富にあるとの持論を改めて強調した。なお外債購入は「為替政策であり中央銀行の所管でない」として否定的な見解を述べた。』
2%達成が2年とか、買う事が出来る金融資産は何百兆円もあるとか、どうみてもそれ日銀総裁になったら自分で自分の首を絞める発言であって(だいたい何百兆円も買うということは当座預金残高が何百兆円も積みあがるという事なんですがどうみてもフィージビリティー丸無視にも程がある)、普通に日銀総裁就任を意識していたらその辺の話は適当に誤魔化すだろと思いますし、大体からしてそういうフィージビリティー丸無視の話を平気でするような中央銀行総裁が「国際金融マフィアのインナーサークル」とやらに入れるとは思えませんけど(少なくとも中銀サークルでは馬鹿にされるでしょ)どうしちゃったんでしょうかねえ。
とか考えて思ったのですが、これは黒田さん総裁就任の目が無くなったのを自覚したので無責任発言モードになったのではないかという推測をしてみましたが、実際にその予想が正しいかは存じませんので念の為申し添えます(^^)。つーかこれだけ大口叩いて(しかも買入できる資産が何百兆円というのは無理ゲーにも程がある)日銀総裁就任して2年で2%行かなかったので辞任しますとか恥ずかしいにも程があるので、逆にちゃんと考えているのかと不安になるのでございまするが・・・・・・・・
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2013/02/12
○ニュース雑談
・麻生さん日本語の使い方は慎重に
http://jp.reuters.com/article/forexNews/idJPTK060969720130208
〔外為マーケットアイ〕ドル92円前半に急落、麻生財務相の発言で下げ加速
2013年 02月 8日 17:37 JST
『 <17:16> ドル92.53円に下げ幅拡大、麻生財務相「為替がわれわれの意図せざるぐらいに円安に振れた」ドルが92.53円まで下落。時事通信が、麻生太郎財務相が「為替がわれわれの意図せざるぐらいに円安に振れた」と発言したと報じたことで、円の買い戻しが強まっている。』(上記URLより)
ということで金曜の夕方に急に為替が動いてあれれと思ったらこの件と聞きどひゃーとなったのですが、これは国会での発言のようでして・・・・・・・・
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MHW8XA6K510X01.html
財務相:円安ペース速すぎるとの認識示す−ブルームバーグに対し (1)
更新日時: 2013/02/08 19:05 JST
『 2月8日(ブルームバーグ):麻生太郎財務相は8日夕、円安のペースが速すぎると述べた。同日の衆院予算委員会での円相場に関する自身の発言趣旨について、財務省内でブルームバーグ・ニュースの取材に対し語った。財務相は衆院予算委で、足下の株高・円安について、安倍政権下で大胆な金融政策と財政出動、成長戦略の3つを一緒にやれるという状態になったとした上で、「それが気分に跳ね返ってきて株が2000円上がってみたり、為替が妙にわれわれの意図しないぐらいに78円とか79円だったのが、いきなり90円になってきた」との見方を示した。』(上記URLより)
意図しないのは今の水準では無くて前の水準だったようですが、これ紛らわしいにも程がありまして、麻生さん発言もうちょっと注意してよというか、そもそも細かい話をしだすとベンダーに片言隻句拾われてニュースヘッドラインにされるんだから余計な事は言わないのが吉ですがなという所で。
まあこのブルームバーグの趣旨を見ると、意図しないのは元の水準に加えて円高修正のペースも意図しなかったのかもしれませんけれども、いずれにせよそもそも意図して為替がどうのこうのみたいな話はまたぞろ為替操作ガーとか難癖つけられるのでサービス発言も程ほどにという事で。
・えーっと、それですと麿再任が適切になりますが・・・・・・・
同じく国会ネタですが、国会ネタというのはこういうニュースヘッドラインで見るのではなく、後日公表される会議録を見ながらネタにする方が色々な意味で面白いのですけれども、残念なことに会議録が出るのって結構遅くでして(早くても2週間後くらいだったと思います、遅いと1か月位平気で出てこない)、その時にどういう反応があったのかとかが忘却の彼方に逝っているのが残念な所。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFL080LV_Y3A200C1000000/
首相、次期日銀総裁「国際金融での説明能力重要」
2013/2/8 15:15
『安倍晋三首相は8日午後、衆院予算委員会で、次期日銀総裁について「金融は国際金融マフィアというかそのサークルの中のインナーとなり得る能力も重要だろうと思う」と指摘した。理由を「例えば大胆な金融緩和を進めればいわれのない批判も受ける場合があるが、その時にちゃんと説明していただく能力は大変大切だろうと思う」と説明した。みんなの党の江田憲司氏への答弁。』(上記URLより)
ちなみに某ベンダーで「いわれのない批判にちゃんと説明する能力が大切」という部分だけ出た時には思わず爆笑してしまいましたが、どうも文脈は上記のような事だったようですな(^^)。
えーっと、中央銀行業界のインナーと言えばどう見ても麿総裁が最適任にしか見えないのですけれども、安倍ちゃんも何かもうえーっという感じですぞなもしと申しますか、そもそも「金融政策は万能であっという間に効きますよヒャッハー」みたいな話をしている人たちって最近の中央銀行における金融政策の論点から見たら「お前は何を言ってるんだ」状態だと思うのですけれども、安倍ちゃんが誰を想定してるか知りませんが、その辺判ってないまま話をしていそうで誠にアレ。
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2013/02/06
○ということで次期総裁人事関連のどうでも良い雑談
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130206/t10015323741000.html
首相 日銀の新総裁案を訪米後提示も
2月6日 5時37分
『日銀の白川総裁の後任人事を巡って、政府・与党内では、国会の同意を得るために、民主党との調整を進めるべきだという意見の一方、みんなの党や日本維新の会との連携を優先すべきだという指摘も出ています。』(上記URLより)
>みんなの党や日本維新の会との連携を優先すべきだという指摘も出ています
・・・・・・・・・・・???????????????????
まあ誰だこんなの言ってるのはという所ですが、それはそれとして。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130205-00000124-reut-bus_all
民主党、日銀総裁人事の判断基準を正式決定
ロイター 2月5日(火)18時54分配信
『[東京 5日 ロイター] 民主党は、日銀総裁人事にふさわしい人選に関する判断基準をまとめ、党財務金融部門会議で了承し、「次の内閣」会合で正式決定した。判断基準として、1)金融市場への卓越した指揮権、2)市場との十分なコミュニケーション能力や語学力、3)組織管理能力、4)国会や政府への説明能力、5)政府と緊密な連携を行いつつ、金融行政の独立性を堅持する能力、6)大きな観点からバランスよく対応できる能力──をあげている。』(上記URLより)
>金融行政の独立性を堅持する
>金融行政の独立性を堅持する
>金融行政の独立性を堅持する
・・・・・・・・・まあそれはとりあえずお前の党に居る前原とかいうしゃしゃり出てくる物全てに混乱を巻き起こした上にその収拾を何もしないという人間に言えと存じますが。
まあ今となってはどうでも良い人ですが。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130204/k10015290521000.html
小沢代表 日銀総裁は人物本位
2月4日 21時25分
『この中で小沢代表は、日銀の白川総裁の後任人事について、「党内では、かつての民主党のように、官僚だった人は絶対だめだというハードルを設けるような議論はない。人物本位で、政府から提示された人を見て判断することになる」と述べ、経歴にとらわれず、人物本位で賛否を判断したいという考えを示しました。』(上記URLより)
どの口がそれを言うかという所でありまして、お縄先生におかれましては可及的速やかに三途の川で沐浴でもして頂きたいものである、と斯様思うのでありますが、このニュースを見て「お前が言うな」というツッコミをした市場関係者が4ケタ人は居たのではないかと存じます。
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2013/01/30
○いつか見た無法発言に似たような香りがするのですが・・・・・・・
ちょっと前のニュースですがこれは何ですねん。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130124-00000016-asahi-soci
都、東電と全面対決へ 売電解約、50億円支払い拒否へ
朝日新聞デジタル 1月24日(木)10時1分配信
長期随意契約がどうなっているのかの内容がこの記事だけだと判らんから何とも言えませんが、契約に沿って請求する違約金の支払いを拒否して『「東電の主張する金額は払う必要はない。払わないと言い切れば(都の)勝ち。都を敵に訴訟を起こせるのか」』(上記URLより)とか言ってるんだったらもう何言ってるんだかという所でおっちゃんの前任が銀行だけに外形標準課税して訴訟起こされて敗訴したの覚えてないんでしょうかと思いましたがな。
・・・・・・・・つーかこの発言を見てマジでビビッて東京都公募公債の発行要綱を調べてしまいましたが、繰上償還条項は無かったのでほっと一息しましたけれども「買入消却」を何か勘違いして妄言を吐かない事を切に願うものでございます。
まあそもそもどういう契約になっていてどういう理屈で「払わない」と言っているのかがこの辺の記事だけだとさっぱり判らないので軽々に判断はできないのですけれども、一昨年の5月に飛び出したどこぞの官房長官(当時)の無法発言を思い出す次第ですが、これソースが朝日新聞で朝日と言えば反原発のアンチビジネスモードなのでアンチビジネス方向にバイアスが掛かっている可能性があるという点は割り引いた方が良いと思いますけどね。
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2013/01/25
○引き続き口先介入してますなあ
また言うとりますなあ。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MH33HM6TTDTH01.html
西村内閣府副大臣:対ドル100円問題ないとの認識、浜田氏と共通 (1)
更新日時: 2013/01/24 16:17 JST
『政府・日銀が2%の物価安定目標を明記した共同声明を発表した後、欧州の一部や韓国などから日本の金融政策が「通貨安競争」につながると批判する声が出ている。西村氏は批判について「苦しい中で金融緩和をやってデフレから脱却しようとしているので、その部分を欧州から『おかしい』と言われる筋合いはない」と反論。欧州金融安定ファシリティー(EFSF)債を購入したことなどを挙げ、「東日本大震災の後の苦しい中、デフレ状況が続いている中、財政は非常に厳しい中でも欧州を支えてきているので全体として日本の政策を評価してほしい」とも語った。』(上記URLより)
とゆー主張をするなら具体的水準について聞かれても黙っていれば良いのにまあ言いたくなるのは目立ってナンボの政治家クオリティだわなと思いますが。
『1ドル=88円台をつけていた24日午前の為替相場の状況について「あまり数字は言わない方がいいと思う」としながらも、「110円とか120円とかくると、さまざまな輸入物価が上がってくるので目配りは必要だと思うが、まだまだ円高修正の途上にある」と指摘。その上で、「今、円安の悪い面を意識する状況ではない。もう一段の円高修正、円安は十分あり得るし、期待したい」と述べた。一段の円高修正は100円を視野に入れているのかとの質問に対しては、「浜田先生も100円でなんの問題もないと言われているが、私自身の認識も共通している。今の90円前後のレベルで円高修正は進んだかと言われると、まだ終わっていないという認識だ」と語った。』(上記URLより)
んな具体的水準言わなくても「行き過ぎた円高の修正は当然である」とでも言っておけば良い訳で、これだけ具体的水準の話をするのが習慣状態になってしまうと今はまあ上手く行ってるから良いけど、いつまでも上手く行くわけではないですし、逆に行きだしたらオタオタして醜態を晒しだすのが今から見え見えですので、為替については発言する窓口を絞るのと、あまり余計な事を言わないというのを早いうちに確立しておいた方が良いと思いますけどねえ。
大体からして具体的な水準についてああだこうだと言うとこういう因縁をつけられる元になる訳ですから。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MH4WY76KLVSH01.html
ドイツ首相:日本の円安政策を懸念、ECBの流動性もリスク
更新日時: 2013/01/25 01:42 JST
『同首相はスイスのダボスで開催中の世界経済フォーラム(WEF)年次総会での講演後の質疑応答で、市場シェアを伸ばすために為替相場を操作する国について懸念しているかとの問いに、「今の日本を見ていて全く懸念を感じないとは言えない」と述べた。一方、中国は為替政策の転換を求める20カ国・地域(G20)からの圧力に対し「よく反応した」との認識を示した。』(上記URLより)
・・・・・・・・・何を言うとるんじゃこのオバハンはとは思いますが、因縁つけられるような発言を鉦や太鼓を鳴らしながら行っている人がいると絶好の因縁ネタになりますのでもうちょっと物事を考えた方が良いと思います。つーか「あまり数字は言わない方がいいと思う」と言った口で数字についてペラペラ喋るとか口が軽過ぎじゃわ。
なお、そもそも110円やら120円やらで目配りが必要とか仰せなのが意味不明でありまして、既に「望ましくない低インフレ均衡」(というのはセントルイス連銀ブラード総裁の表現ですが)に陥っている状況から早期にどどーんと物価上昇率の位置を変えようって事をしたら結構無理してコストプッシュで行かないと無理無理無理なのに、政権の皆様におかれましてはコストプッシュじゃ無くて早期に2%物価上昇とか思っているのかも知れませんけど、そんな虫の良すぎる話はございませんぞなもし。
昨日の諮問会議後の安倍ちゃん発言を見ておりましても安倍ちゃん引き続き「早期の2%物価上昇」をお望みのようですが、本気でそれをやるとコストプッシュしないと難しいですから、その時は多分「国民の生活ガー」が「世論ガー」になって安倍ちゃん的にも「こんな筈じゃなかった」という話になるような気もしますが、たぶんその時は時既にお寿司になっているような希ガス。んでもってまあ何とかより現実的なモデレートな路線で行きましょうよとゆーのがこの前の共同声明にも含まれていると思うのですが、まだ安倍ちゃんの思い入れ(というか思い込みだがorz)が現実的モデレート路線を受け付けない状態というのがまあ何ともアレですなあという所でありまする。
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2013/01/22
○この流れに乗るしかない!と乗ったらアレな見出しが出てしまった茂木経産相ワロスワロス
昨日は日本記者クラブで茂木経産相が会見をしたそうな。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MGYPEX6K510001.html
茂木経産相:日本企業に明るい兆し、デフレ・円高脱却を強調
更新日時: 2013/01/21 16:55 JST
でまあこちらの纏め記事のほうでは最後の方でさらっと書いてありますが・・・・・・・・
『きょう、明日と開かれている日銀の金融政策決定会合に関しても言及した。昨年2月14日の会合で日銀が公表した消費者物価指数の前年比で2%以下のプラス、当面1%とする「中長期的な物価安定のめど」については「国際的に見てもおかしい」と指摘。他国ではより強い「目標」としており、しかも2%が国際的な基準だと述べた。』(上記URLより)
でまあニュース自体はベンダーで15時過ぎにヘッドラインとして出ていたのですが、この「目標」云々の部分ですが、本人がどのような文脈で言ったのかは存じ上げませんが、ブルームバーグニュースの英文ヘッドラインでこのように報じられていてワロスワロス。
BN 15:12 *MOTEGI:WORDING OF BOJ'S INFLATION ''GOAL'' IS STRANGE
BN 15:12 *MOTEGI:OTHER COUNTRIES USE INFLATION ''TARGET''
(以上1月21日ブルームバーグニュースのベンダーヘッドラインより)
まあ何ですな、日銀も英文ではご案内の通り「The Price Stability Goal in the
Medium to Long Term」と言っておりまして、英語ヘッドラインを打たれたらどうしてもこうなるわというのがまあある意味日銀における諸葛孔明の罠みたいなもんですが、つまり茂木大先生におかれましては「めどという言い方は日銀が英語で表現している「ゴール」と比較して表現が弱いので良くない」とでも言えば問題は無かったのですが、「国際的に見ておかしい(キリッ)」とか言ったらFRBもご使用になっている「GOAL」が「STRANGE」であると言ってしまったと報道される訳でしてまあワロタわ。
http://www.boj.or.jp/en/mopo/outline/sgp.htm/
Recent Conduct of Monetary Policy toward a Sustainable Growth Path with Price Stability
http://www.boj.or.jp/en/announcements/release_2012/k120214b.pdf
The Price Stability Goal in the Medium to Long Term
これがもし「ゴールという表現がおかしい」とか言ってたらやば過ぎなのですが、まあ茂木さんがそこまで判って発言しているとも思えませんので、日銀の「物価安定の目途」だって中長期的なゴールと言う意味で表現しているのだ、という日銀の宣伝を聞かないで藁人形に向かって「国際的に
おかしい(キリッ)」とか言ってるんでしょうなあと。
まあ繰り返しになりますが、「日銀の目途という表現では、中長期的なゴールとして英文で表現している言い方と比較して判りにくいので表現を改善した方が良いのではないか」とか言えば建設的な話になる訳でして、日銀(だけじゃなくて他のケースでもそうだと思いますが)批判するのに相手のロジックを踏まえた上で相手の土俵に乗って批判しないとそもそも批判にならんぞなと言う所です。
というか再掲になりますが、
BN 15:12 *MOTEGI:WORDING OF BOJ'S INFLATION ''GOAL'' IS STRANGE
BN 15:12 *MOTEGI:OTHER COUNTRIES USE INFLATION ''TARGET''
(以上1月21日ブルームバーグニュースのベンダーヘッドラインより)
ってなヘッドラインを世界に向けて盛大に流されてしまいまして、日本のTrade
MinisterはFRBの「Longer-Run Goals」も知らないで金融政策の話をしているという風に見られてしまいはいはいワロスワロスというか恥ずかしいぞなもしという所です。つーか経済産業大臣が金融政策の話してどうすんだと思いますが、MPMの前に「乗るしかない!このビックウェーブに!!」てな感じで乗ったら盛大にやっちまいましたなワロスワロスという所です。
Longer-Run Goals and Policy Strategy
http://www.federalreserve.gov/newsevents/press/monetary/20120125c.htm
大体これ出した時にも「デュアルマンデートを踏まえたバランスアプローチ」というのを前面に出していて、ロンガーランのゴールではあるが短期的に達成すべきターゲットでは無いし、雇用のマンデートとのバランスを取って運営するという話をしているのでありまして、いわゆる茂木さんがいう「目標」というのとは違う話なんですけどねえ。
ちなみにECBも別にTARGETとは言ってませんで、どちらかというと「中長期的に2%あるいはそれを下回る水準」というのは書いているけれどもあとは煙に巻き系の表現になっているのがECBクオリティであります。
http://www.ecb.europa.eu/mopo/intro/objective/html/index.en.html
Objective of monetary policy
「国際的に見てもおかしい」とか、「他国ではより強い「目標」としており」という茂木さんの認識の方がどうも国際的に見て如何なものかという感じでして、そもそもインフレ目標をリジットに運営するのではなくフレキシブルにロンガーランの目標として運営するというのが今の金融政策の国際的なメインストリームで、おっさん何週遅れているんだよという所なんですけどねえ。
というかそういう話を時の閣僚が世間に向かって吹聴すると真面目な話日本人として恥ずかしいのでもうちょっと下調べ(ただしいつもの駄法螺吹きの安倍ちゃん取り巻き連中から聞くんじゃダメですので念のため)してから発言して欲しいものだ、と斯様に思うのであります。
で、今日も盛大に駄法螺先生に釣られてみるのが次のコーナーになりますぞなもし。
○浜田先生の釣り針があまりにも盛大で俺様が釣られクマーな件について
一頃某ウォッチマン先生を電波浴としてネタ切れの際にネタにしておりましたが、最近は浜田先生があまりにも豪快な釣り針を垂らして来るので生産性は無いのですが今日もつい釣られクマーであります。
ダイヤモンドオンラインでの浜田大先生のインタビュー記事なんですけどね。
http://diamond.jp/articles/-/30804
論争!日本のアジェンダ【第15回】 2013年1月20日
浜田宏一・内閣官房参与 核心インタビュー
「アベノミクスがもたらす金融政策の大転換インフレ目標と日銀法改正で日本経済を取り戻す」
とのことでございまして、これがまあ盛大な釣り針で俺様が釣られクマーでありまして誠に結構な電波浴であります。2ページ目にまた毎度の「円高で家電業界ガー」の話をしているのですが世の中他にも輸出産業あるんでちゅけどねえとかまあその辺のツッコミはスルー致しまして4ページ目のあたりから話がもうアレになってくるのが実にアレなので4ページ目に参りましょう。
http://diamond.jp/articles/-/30804?page=4(上記の4ページ目のURL)
『――では、日銀はインフレターゲットに向けて、どんなことができるでしょうか。』(上記URLより、以下同様)
という質問に対してああだこうだという話をしている中で最後にのけぞる話が。
『また、後でちゃんと売却(市中から資金を吸収)できるなら、国債を直接引き受けてもいいのではないか。』
・・・・・・・・・・・・・・いやーあのですなあ、中央銀行に財政ファイナンスをさせる事によって、政治サイドが財政規律を安易に考えてしまうというリスクが極めて高まるから中央銀行の財政ファイナンスっていうのは一般的に行わないようにする、というのが世界の常識でありまして、「あとでちゃんと売却できるなら」ってお前その担保が取れないから中央銀行の財政ファイナンスは禁止されてるんだろう何を言ってるんでしょうかこの人は・・・・・・
更に5ページが素晴らしい。
http://diamond.jp/articles/-/30804?page=5(以下の『』内はこのURLからです)
『――とはいえ、日銀が国債を大量に買い入れても、市中銀行が企業への貸し付けや運用などにお金を回さず、準備預金残高が積み上がって行くだけで、インフレ期待は醸成されないのではないかという意見もあります。』
まあこれは質問する方も明らかに分かっていないのですが答える方が更にそれに拍車を掛けるとかもうね。
『そうですね。現在日銀は預け金に0.1%程度のわずかな金利を付けています。それは主に、銀行間の短期資金の仲介を行なう短資市場の保護を目的にしていますが、預け金の金利がゼロに近い市中金利と比べていくらか有利なため、市中銀行の資金が日銀に戻ってきてしまうという、金融緩和に日銀自身がブレーキをかける現象を生んだ。その結果企業への貸し出しにお金が回らず、これは悪いやり方だと思います。』
「短資市場」って何でしょうその市場聞いた事ないんですけどという所ですが、これは「日銀は短資会社の保護の為に云々」という毎度おなじみの陰謀論が頭にあるから「銀行間の短期資金の仲介を行なう短資市場」などというわたくしども市場の人間が聞いた事の無い言語を発せられたのではないかと愚考致しますが、まあそれはともかくとして、「市中銀行の資金が日銀に戻って来てしまい企業の貸出に金が回らない」とか根本的に短期金融市場、というかそもそも資金需給とかの仕組みそのものを全く理解していないですぞな。
この前ああだこうだ説明しましたから詳しくは去年の12月10日と12日にあたくしが描いた駄文を読んでちょという所ですが、そもそも日銀当座預金残高自体は市中銀行の貸出金が増えても減っても瞬間的には同じでありまして、それは市中銀行の中での勘定間振替に過ぎない話であり、それ自体は超過準備(「預け金」というのがこれまた何じゃそりゃですが)の付利がある無しとは別問題です。大体からして「市中銀行の資金が日銀に戻って来てしまう」も糞も市中銀行の資金は日銀の当座預金勘定に置いてある物であり、仮に市中銀行が他の市中銀行に資金を預け替えてもその市中銀行は同様に日銀の当座預金勘定に資金を置いている訳ですからして、「市中銀行の資金が日銀に戻ってきてしまう」とか言ってる時点でこの先生本当に「金融の専門家」なのかよと疑問がふつふつと沸いてくるのでありました。
そもそも浜田先生は前の方で「もっと国債や色々な資産を買え」(あほらしいので引用はしてませんが)という話をしているのですが、日銀当座預金残高が積みあがるのがケシカランとか言ったらそもそも日銀に「資産を買え」という話との整合性が取れない訳で、こんなレベルの話しかできない人間が「金融政策の提言をする」というのが何かの悪い冗談にしか思えません次第で、浜田大先生におかれましては白川さんについて「道を間違えた」とか無茶苦茶に評していますが、貴殿のご覧になっている道とやらは貴殿の脳内のみに存在する空想上の物であって、早急に然るべき医師などのご診断をお受けになられた方が宜しいのではないかと斯様思うのでございます。
しかしこの先がもっとホンモノの風格を漂わせるアレです。次の質問に対する答えがまさにホンモノの風格でありましてこれはもう何と表現したら良いのでしょうか、先ほど引用した部分の続きになります。
『――日銀は外国債などを購入して円安誘導すべきという声も以前からありましたが、それは金融政策の枠を越えて、為替介入と捉えられる可能性があります。他国から批判されることはないでしょうか。』
『政治的なコンセンサスは必要だと思いますが、経済学者は法律家と違い、法や政治的意味での行為の正当化に興味はありません。外債などを買えば円は安くなるため、金融政策にとって非常に有効です。実体を伴わない法律論でとるべき政策をとらないのは、筋違いではないでしょうか。』
>法や政治的意味での行為の正当化に興味はありません
>法や政治的意味での行為の正当化に興味はありません
>法や政治的意味での行為の正当化に興味はありません
政治的意味での行為の正当化に興味はありません、という意味が良く判らないのですが、政治的意味で行為が正当かどうかというのは民主主義社会における広義の政府部門のありかたとして基本だと思いますし、それ以前の問題として法的な意味での行為の正当化に興味が無いとか法治国家としての基本的な問題を逸脱した越権行為をしてヨロシとかお前は北の将軍様の所にでも逝って経済政策とやらの実行をしてくれやヴォケと思うのですが。
つーか「政治的なコンセンサスは必要だと思いますが」とは言ってるけどその後半部分って「法的や政治的にどうかというのは興味なく、経済学的観点で純粋に必要だと思うので」って論理展開になっているようにしか見えませんが、そもそも「Politically
Incorrect」な政策をアベノミクスとか言いながら実行するというのは無理じゃろと思う訳で、フィージビリティーまる無視で経済政策運営のアドバイスするとかスターリンの所にでも逝ってきてくれという所ですが。
大体からして、ちょうど昨日もネタにしたブラード総裁の「金融政策が財政政策の領域に踏み込んだ場合の問題」というような話にもあるように、そもそも法的や政治的意味での正当性が金融政策のどこまであるのか、というような話が非伝統的政策の遂行に当たって色々と論点になっているというのにその一方でCPや社債を買えと言う話は平気でする(先ほどのページにあって引用はしなかったのですが)とか、どうもこの先生の釣り針が大きすぎて不肖このあたくし人間の出来が悪いせいか盛大に釣られクマーになってしまいまする。
しかしそれだけで終わらないのが浜田先生クオリティ。
http://diamond.jp/articles/-/30804?page=6(6ページ目になります。以下の『』での引用はこのURLから)
『――では、こうした金融政策をやれば、経済はどのような経路で上向くことが考えられますか。デフレから脱却して「名目成長率」が上がり、それがどう実質成長率の上昇に結び付いて行くのでしょうか。』
まあこの質問者もちょっとレベル的にどうなのかという気もしますが、この答えが何とも素敵です。
『物価が上がっても国民の賃金はすぐには上がりません。インフレ率と失業の相関関係を示すフィリップス曲線(インフレ率が上昇すると失業率が下がることを示す)を見てもわかる通り、名目賃金には硬直性があるため、期待インフレ率が上がると、実質賃金は一時的に下がり、そのため雇用が増えるのです。こうした経路を経て、緩やかな物価上昇の中で実質所得の増加へとつながっていくのです。』
フィリップス曲線の部分の()内はさすがにダイヤモンドの編集者が書いた話でしょとか思いますが、まあその()内の説明無茶苦茶ですがなとか思いますけどそれはともかくとして、「物価が上がっても国民の賃金はすぐには上がりません(キリッ)」ってじゃあアベノミクスは国民生活水準を切り下げる事によって景気を回復しようって話ですかそれって政治的に通る話には到底思えませんが大丈夫ですかとか思うのですが、何せ浜田大先生におかれましては「法や政治的意味での行為の正当化に興味はありません(キリッ)」って言ってのける人ですから。つーかこの賃金の説明名目の話と実質の話がごちゃごちゃになっていて良くわからんぞなもし。
『その意味では、雇用されている人々が、実質賃金の面では少しずつ我慢し、失業者を減らして、それが生産のパイを増やす。それが安定的な景気回復につながり、国民生活が全体的に豊かになるというのが、リフレ政策と言えます。』
リフレ政策ってシバキアゲ政策だったんですか(棒)というのもありますが、そもそも「生産のパイを増やす」って今問題なのは需要不足であって需要不足の中で生産のパイを増やしたら余剰生産力が更に上がってデフレ要因になるんじゃネーノという話なんですが。
『よく「名目賃金が上がらないとダメ」と言われますが、名目賃金はむしろ上がらないほうがいい。名目賃金が上がると企業収益が増えず、雇用が増えなくなるからです。それだとインフレ政策の意味がなくなってしまい、むしろこれ以上物価が上昇しないよう、止める必要が出て来る。こうしたことは、あまり理解されていないように思います。』
>名目賃金はむしろ上がらないほうがいい
>名目賃金はむしろ上がらないほうがいい
>名目賃金はむしろ上がらないほうがいい
もはやここまで来ると何が何だかさっぱり判らないですが、と申しますか「こうしたことは、あまり理解されていないように思います(キリッ)」とかワシも理解できんわヴォケという所ですが、浜田大先生におかれましてはそもそも実質所得が減って家計の購買力が落ちる中でどうやって持続的な物価上昇が起きる事が出来るのかというメカニズムについて判るようにご説明を願いたいものでありまして、雇用者所得が伸びないで物価だけホイホイ上昇するとかになったらそれこそ日本に根強いインフレフォビアが更に火を噴きアベノミクスどころの騒ぎじゃなくなるだろうよと思うのですが。
まあ(このインタビューではあまり詳しく話をしていませんが)浜田先生はとにかく金融政策だけで何とかなるという話をこの前などもしておられました(日経のインタビューなど)ように、そもそも金融政策、財政政策、成長戦略の3点セットで行こうというアベノミクスと違う話をしているので何が何やらという所で、金融政策で緩和的な環境を作り、短期的に財政政策で需要を支えて時間を稼いでいる間に成長戦略で潜在成長率の引き上げを図るという話をしていると思うのですけど何なんでしょ。
・・・・・・・・・とまあそういう事で超弩級釣り師であり駑馬もビックリの浜田大先生様の面白言説を本日も鑑賞させて頂きましたが、まあこの先生、喋れば喋るほどボロがボロボロ出てくるのが仕様のようでございまして、まあこう言っちゃあ何ですがアベノミクスで槍玉に挙げられ全ての悪の元凶扱いされておられる日本銀行様におかれましては、変にその動きに対して反発するよりも調子に乗って快調に怪電波言説を流す浜田先生などの動きをニヤニヤしながら眺めて行けば、何ぼなんでもこらちと変だぞという事になって、「調整インフレしても誰得でしたねえ、さて皆さん!」ってな感じでそこから日銀はまた話を始めれば良いのではないか、とまあそんな風にも思うのですけどどうでしょうかねえ。
つーかさ、そもそも問題なのはネタとして面白くてセンセーショナルで部数が稼げれば良いという発想の元で売らんかな先にあり気で、その道にそれなりに詳しいプロやセミプロから見てどこからどう見ても有り得ない怪電波を垂れ流すような人材の言説をセンセーショナルに取り上げるというメディアの在り方も大いにケシカラン訳でして、そういうのが横行するからいつまで経ってもそもそも事実認識がおかしいとか、話がトンチンカンで全く実務上のフィージビリティーが無い提言とかが出てきたりする訳で、挙句の果てには内閣府参与に納まってしまったりするという次第。メディアは猛省すべきだと思いますがね。
さらにこの先生、こんな駄法螺までお吹きになっていますが。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MGWSUB6JIJUS01.html
浜田氏:物価や円相場への影響行き過ぎたら緩める必要−金融緩和
更新日時: 2013/01/21 00:00 JST
『1月21日(ブルームバーグ):内閣官房参与の浜田宏一エール大学名誉教授は20日、日本銀行の金融緩和で円相場や物価に行き過ぎた影響が出てきた場合は、緩和措置を緩めればよいとの認識を示した。NHK番組に出演後、都内で記者団の質問に答えた。』(上記URLより)
・・・・・・・・・えーっとすいません、物価に行き過ぎた影響が出てから「緩和措置を緩める」とかやっていたら金融政策の物価に対する波及効果が出てくる時間から考えてどこからどう見ても間に合わないと思うのですけれども、というかお宅のお仲間のウォッチマン先生も「物価が上昇するのに時間が掛かる」とか仰せでした筈なのですが、物価が上昇するのに時間がかかるのに緩和措置を緩めるだけで何で物価の行き過ぎた影響が直ぐに緩和出来て望ましい状態になるのかさっぱりわからないのですけどねえ。
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2013/01/21
ところでこの記事の最後にしらっと凄い話があり題名の方がどうでも良い件について。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDF2000K_Q3A120C1EE8000/
浜田参与、日銀総裁就任「全くない」 健康を理由に固辞
2013/1/20 19:32
『みんなの党の渡辺喜美代表は19日の安倍晋三首相との会談で、首相の助言役である浜田氏を、岩田規久男学習院大教授、竹中平蔵慶応大教授、高橋洋一嘉悦大教授とともに次期総裁の候補として提案していた』(上記URLより)
最初の3名は兎も角として最後の1名をノミネートするという渡辺さんの神経を疑うとしか申し上げようが無いのだが・・・・・・・
#まあしかし本人やる気ないのにあれだけ好き勝手に「数か月以内にデフレ脱却可能」で「2-3%の目標も早期に達成可能」とかまさしく外野の無責任な態度としか思えませんけれどもねえ。つーかそういう人間が「政策提言」とかして良いのかよ?????
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2013/01/18
○浜田先生ェ・・・・・・・
浜田大先生様の日経インタビュー記事がありまして、中々香ばしさが溢れているとの通報を頂きましたので慌てて拝読したので折角ですからツッコミを。
『−−日銀は具体的にどう緩和をすべきか。
▼包括緩和を 「多様な資産を買う包括緩和が必要だ。今はまだ買入の量が少なく効果が出ていない。いつまでに緩和をやめるという必要も無く、インフレになりそうになるまで続けると言えばよい。物価上昇率が2〜3%まではいいが、3%が続きそうなら引き締めを考えないといけない」』(1月17日日本経済新聞朝刊3面左上のインタビュー記事より、なお参考にしているのは
13版です)
・・・・・・・・・まあインタビュー内容全体的に非常にツッコミどころが多いのですが、もうこの部分見てのけぞってしまいましたぞな。
あんさん先月ブルームバーグの取材に「数か月でデフレ脱却可能」とか仰っていましたけど、その具体策について(まあ質問者の質問どころが素敵なのですが^^)「多様な資産を買う包括緩和が必要だ」とか何だその無責任極まりない答えはという所でございまして、多様な資産とは具体的にどのような資産をどのような形で買うのが金融政策として適切かとか、そういう青写真は一枚も持ち合わせてないのでしょうかこの大先生様は。
んでもってそんな青写真も無いのに「数か月でデフレ脱却可能」とか良くもまあ無責任に吹けるわと思うのでありまして、そらまあ昔は偉い人だったのかも知れませんがこういうのを「麒麟も(以下自主規制)」というのだろうなあとか思い、人間晩節を(以下自主規制)などと感慨を持ったこのあたくしなのでございました。
で、足りないとか仰せですがその具体的数値はどうなってるんだというようなツッコミ所も有る訳ですが、しかもその次には「いつまでに緩和をやめるという必要も無く」などと仰せになっているのがこれまた意味不明でして、今の日銀の資産買入基金は別に2013年末を以て終了するのではなく、「当面、消費者物価の前年比上昇率1%を目指して、それが見通せるようになるまで、実質的なゼロ金利政策と金融資産の買入れ等の措置により、強力な金融緩和を推進していく」という表現で示している訳でして、「いつまでに緩和をやめる」とか別に具体的な時期を指して言っている訳では無いのですけどねえ。
目途の1%の数値が低いから良くないとか言うのであればまだ話は分かるのですが、「いつまでに緩和をやめるという必要も無く」って言われましても日銀としても「あのーすいません私たちはいつまでに緩和をやめるという具体的な時期を示しては居ないんですけど公表文書のどこをどうお読みになられるとそうなるのでしょうか???」と言った所ではないかと存じます。
いやね、「今の日銀の表現だとあたかも2013年の目標を達成したらそれで終了するような誤解を与えるから表現の仕方に工夫が必要」というのなら話としては判るのですが、この浜田大先生の言いぐさですと単に日銀が現在行っている金融政策の枠組みを理解できていなくて勝手に俺様解釈した挙句に日銀に文句言っているという究極の藁人形論法を展開しているだけにしか見えないのですけれどもまさしく麒麟も(以下自主規制)。
んでもってですな、今のゼロ状態からそれこそ浜田先生のお告げ(=先日来ご紹介している先月の浜田先生のブルームバーグ電話インタビュー記事)によりますと適切な金融政策を実施する(その適切な金融政策というのは浜田先生の空想上の存在なのではないかという疑念が大いにあるというのは只今申し上げた通りですがそれは兎も角として)と数か月でデフレ脱却可能で2−3%のインフレ目標達成も可能との事だったと思いますが、そんな強力な金融緩和をしますと、「3%が続きそうなら引き締めを考えないといけない」とかのんびりとした事を行っていたら金融政策の物価に対するタイムラグを考えますとインフレが物凄い勢いで高進するように思えるのですが、その辺は大丈夫なのでしょうかとか思ったりもする所でございまして、その辺に対する具体的なプランはどうなっているのかについてもご説明を賜りたい物だと思う所でございますが、まあその辺は良いとして更にあれだったのは次の質疑応答でしょう。
『−−アベノミクスをどう評価するか。
「今は賃金や物価が硬直的でインフレ懸念が少ないから金融政策が役に立つ。利用できなくなったら成長戦略で実体経済を良くするしかない」』(先程と同じく1月17日日本経済新聞朝刊3面左上のインタビュー記事より)
・・・・・・・・・・えーっと、「金融政策が利用できなくなったら」ってどういう状況のことなのかがそもそもさっぱり判らないですし、大体からして賃金や物価が硬直的だから金融政策の効きが悪いんじゃネーノとも思うのですが、それに加えて金融政策が無効になるまで成長戦略は実施せず金融政策だけで対処させて置いて「これやってダメだったらこっちにしますか」とか焼畑農業経済政策ですかそうですかと言う所でございまして、何ちゅう無責任極まりない態度なのでしょう実体経済は大先生の実験道具じゃないんですけど何考えてるんでしょうかとかとっても不思議ですなあという所でございます。いやもう何がどうなるとこういう姿勢になるのかが浅学菲才のこのあたくしにはさっぱり理解致しかねる次第でございまして、浜田大先生のインタビュー内容を拝読いたしましても何ら納得ができないのでございますが、恐らく安倍様におかれましては極めて頭の出来がおよろしいのでこの浜田大先生の理論の深遠さについてご理解されてブレーンとして登用されたという事なのでしょうと存じまするに、誠にアレなものを感じざるを得ませんなあと言った所でしょうか。
まあ何ですな、金融緩和をすれば需要がそのまま弾力的に拡大するとか、需要が足りない分は財政を打てば良くてその財政制約はありませんぞなとか、何か前提にその手のアレなものが漂っておられるのではないかこの先生とか思ってしまいたくなる話です(今行っている非伝統的政策って色々な物に制約がある中でさてどうしましょとして行っている政策ですよねえ・・・し、大体からして為替だって相手のある話でしょうしとか、何か色々とツッコミどころが満載のような気がして浜田先生大丈夫かという風に思ってしまったのはあたくしが大先生の高尚な理論を理解できない頭の弱い無知蒙昧人間だからですかそうですか。
とまあそういう悪態でした。この記事なんですが「主なやり取りは以下の通り」とあったので、詳細は週末のヴェリタスにでも出るんでしょうかワクワクテカテカ。
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2013/01/17
○為替に関する発言に悪態を書こうと思ったら時間ががががが
なので諦めて発言のURLだけ貼っておく。
http://jp.reuters.com/article/forexNews/idJPTK059158720130116
円安は産業によっては逆風、水準見極め重要─石破自民幹事長=経団連
2013年 01月 16日 11:07 JST
・・・・・・・・・・・・・・・・orz
もうアイヤーとしか申し上げようがございませんが、90円にも逝って無いのに日和るとか全くもって意味がワカランチ会長でして、為替ルート使わないとデフレ脱却ってそう簡単に出来ないでしょとか思うのに折角のいい流れを止めてどうするのやら。大体からして(引用しないけど)昨日は地方公務員の給与削減の話とか、そもそも名目所得が上がらない中でデフレ脱却とか出来るかよヴォケというのも出ていましたし、どこがどう「2%の物価目標を共有して」なのかと問い詰めたい、思いっきり問い詰めたい、小一時間問い詰めたい。
http://jp.reuters.com/article/forexNews/idJPTK059202520130116
UPDATE1: 「過度な円高が是正されている段階」というのが政府の見解=為替で菅官房長官
2013年 01月 16日 17:01 JST
『[東京 16日 ロイター] 菅義偉官房長官は16日午後の記者会見で、甘利明経済再生担当相や石破茂自民党幹事長から円安を容認しないような発言が出ているが、安倍政権として意図的にしているのかとの質問に、「意図的では全くない」と否定。「過度な円高が是正されている段階」というのが政府の見解だと述べた。』(上記URLより、以下同様)
ということで火消しをしようとしていますが・・・・・・・・・
『円安のデメリットに触れたこれらの発言について、菅官房長官は「石破幹事長の発言を見たが、普通のことを言っているのを(市場が)過度に反応し過ぎではないか。業種によっていろんな反応が出るのは当然だろう」とした上で、「政府の見解としては、過度な円高が是正されている段階、ということだ」と述べた。』
>普通のことを言っているのを(市場が)過度に反応し過ぎではないか
>普通のことを言っているのを(市場が)過度に反応し過ぎではないか
>普通のことを言っているのを(市場が)過度に反応し過ぎではないか
>普通のことを言っているのを(市場が)過度に反応し過ぎではないか
>普通のことを言っているのを(市場が)過度に反応し過ぎではないか
いやはや今まで市場を散々煽ってその結果を政策の成果だの何だのドヤ顔で仰せだったのに今度は市場の反応に文句垂れるとかもう何だかねえという所でありまして、大変に香ばしい展開になっておりましてさあ盛り上がって参りましたという所ですか。
・・・・・・・などと申しておりますが、本気でデフレ脱却する気があるならもっと円安に振らないといかんでしょうし、まあさっき引用しませんでしたけど、白井さんの講演の中でリーマンショック以降の円高について「他国からの安全資産の受け皿」という表現で婉曲(でもない感じだが)に円高はおまいらのせいじゃヴォケという話をしているように、んなもん100円割れの円高水準なんぞ他国の苦労の引受状態だったんだから堂々と是正させろと言うべきでしょと思うのですけど何で90円如きで円安がどうのこうのの発言になるんでしょうねえ。
ということで、先日安倍ちゃん向けに平野耕太さんの漫画「ヘルシング」の一節を引用させて頂いた訳ですが、折角ですので再掲させていただきます(なお、漫画につき句読点がございませんので引用者が趣旨を損なわないような積りで句読点を補記しております)。「最後の大隊」少佐がリップバーン中尉に向けたセリフから。
少佐:「魔弾の射手」の終幕(ラスト)を知っているかね中尉、歌劇の最後、狩りの魔王ザミエルをもて遊んだカスパールは、ザミエルによって地獄へと連れ去られ、その骸(むくろ)は谷底へと投げ捨てられる。亡霊を装いてたわむれなば、汝(なんじ)・亡霊となるべし。中尉、心せよ、君の前にも魔王(ザミエル)が現れよう
(少年画報社YOUNG KING COMICS刊:平野耕太「ヘルシング」第5巻第5話「DF」83ページより)
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2013/01/16
○謎の有識者会議で結局どっちの話をしていたのか良くワカランチ会長ですが
まあこの関連ネタばかり書いても生産性が無いでしょとか言われるとそれまでなのですけれども、一応つくべき悪態はついておかないといかんでしょうからという事で。
昨日は謎の有識者会議が挙行されたようでして・・・・・
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFL150LX_V10C13A1000000/
官房副長官「首相と有識者の会合、日銀総裁人事の話はせず」
2013/1/15 14:27 。〔日経QUICKニュース(NQN)〕
『安倍晋三首相は15日昼、首相官邸で内閣官房参与の浜田宏一米エール大名誉教授や竹森俊平慶大教授らと日銀の金融政策を協議した。会合には菅義偉官房長官のほか、麻生太郎副総理・財務・金融相、甘利明経済財政・再生相といった経済閣僚も加わった。終了後記者会見した加藤勝信官房副長官は「具体的な人事の話はもともと議論の対象になっていないし、発言は一切なかった」と明らかにした。人事について「資質うんぬんの話はまったくない」と述べた。』(上記URLより)
という報道になっていて、ブルームバーグとかもこんな感じのヘッドラインを出していたのですが、昨日は共同通信だけ何か一人我が道を行く状態で「日銀総裁人事を検討する有識者会議が実施された」とか「動き出した次期総裁人事」みたいなヘッドラインをバンバン流すので、政府のスポークスマンが否定しているのをこれまた何で総裁人事の話にこだわるかねとか思ったのですが、まあ元々安倍さんが公共放送の番組でそういう趣旨の会合だという話をしていたそうですな。
http://www.47news.jp/CN/201301/CN2013011301001636.html
日銀総裁後任選びで有識者会議 首相主導15日に開催
2013/01/13 19:26 【共同通信】
『安倍晋三首相は13日、出演したNHK番組で、日銀の次期総裁人事について有識者らの意見を聞く会議を15日に開くことを明らかにした。現在の白川方明総裁は4月8日に任期が切れる。安倍首相自らが主導して後任選びを本格化させる。』(上記URLより)
・・・・・・・・・ということでなんのこっちゃというか、そもそも安倍さんはこの前の決定会合での話とかもそうなのですが、何でそう重要案件に関して軽くホイホイと喋ってしまうのやらと思うのですがそれは兎も角として。
最初に引用した日経クイックニュースによりますと「内閣官房参与の浜田宏一米エール大名誉教授」様がご臨席遊ばされたとの事でございまして、まあ連日しつこく引用しておりますが、浜田大先生におかれましてはほんの1か月ほど前に・・・・・・・・・
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MEJ7MB6JTSFI01.html
安倍総裁ブレーン・浜田氏:日銀新総裁は数カ月以内のデフレ脱却可能
更新日時: 2012/12/05 09:08 JST
『12月5日(ブルームバーグ):自民党の安倍晋三総裁のブレーンの1人である米エール大学名誉教授の浜田宏一氏(76)は4日、ブルームバーグ・ニュースの電話インタビューで、来年4月に任期満了を迎える日本銀行の白川方明総裁の後任が今以上の金融緩和を行えば、数カ月以内でデフレ脱却を実現できるとの見方を示した。浜田氏は日銀が2、3%のインフレ目標を設定すべきだとし、目標達成まで金融緩和の手綱を緩めるべきではないと主張。さらに、16日の衆院選で自民党が勝利し、より金融緩和に積極的な人物が日銀総裁に選ばれた場合、同目標の達成は困難ではないと述べた。』(上記URLより)
とまあこのように「今以上の金融緩和」とやらを実施することによって、数か月以内のデフレ脱却が可能であり、しかも「2、3%のインフレ目標を設定」して「より金融緩和に積極的」になれば「同目標の達成は困難ではない」とまで大口をお叩きになっておられる訳でございまして、そのような素晴らしい金融政策の具体案をお持ちの方が今まさにそこにおいでであるという事は、次期日銀総裁候補としてふさわしい人物は浜田宏一大先生しかいらっしゃらないと存じますがどうなんでしょうかねえ(棒読み)。
まさか「より金融緩和に積極的」になれば達成できるがその具体案は日銀の中の人間が考えろなどという意味不明の事はないですよね浜田大先生様と思うのでございまして、これだけ散々大口叩いて時の宰相に吹いている訳でございますからして、その具体的な方法も持っておられるのは常識的に考えて当然である、としかそのような即効で成果をあげるような具体案が思い浮かばない浅学菲才の不肖このあたくしなんぞは思うのでございます。
いやね、お勉強の出来の程度が極めてアレな学校に行って「この生徒たちがちゃんと勉強すれば半年で東大京大どこでも合格できるのにその指導が出来ない教員は無能である」とか大口叩いて「じゃあ具体的にどのような勉強方法をすればよいのでしょうかああそれ以前に生徒たちをどうやって勉強するように仕向けるんですか具体的に教えてください」と突っ込まれたらいきなり逃げ出すといったような例えを物は試しにしてみましたが、当然ながら世界的権威であらされるところの浜田大先生様におかれましてはそのような事も無いと存じますので、是非とも日銀総裁になっていただきまして大先生様のお考えになられる適切な金融政策を実行して頂きまして早急にデフレ脱却を図って頂きたいものだと存じます。
まあ勿論あれだけ大口叩いて白川総裁に不合格の採点までされた事でもありますので、大口の通りの成果、まあ4月に就任するのですから今年の末にはCPIが1%程度までの上昇というのは当然達成頂けるものであると確信する次第でございます。
更に付け加えますと・・・・・・
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201212/2012121100003&g=pol
安倍氏、金融専門家と会談=「お墨付き」狙う?【12衆院選】
(2012/12/11-00:02)
『自民党の安倍晋三総裁は10日夜、日銀の金融政策に批判的な米エール大学の浜田宏一名誉教授と党本部で意見交換した。安倍氏が「(浜田氏に)ご指導いただき、大きく政策のかじを切っていく」と決意を強調。』(上記URLより)
とまあこのように安倍首相も浜田大先生のご指導を頂いてこれまで色々と金融政策に関してご発言されたということでありますので、今までのご発言がまさか駄法螺だったなどという事は有り得ないと存じますし、まあ日銀の組織運営がどうのこうのという細かい話は副総裁に実務者を配して固めれば良いとも言えますし、あっという間にデフレ脱却できたら日銀の立場も良くなる訳ですからそらもう日銀だって全力で支えるでしょう是非浜田大先生の日銀総裁就任を願いたいものでございますなあ(棒読み)。
・・・・・・・・・まあ一応嫌味の通じない方に念の為申し添えますと、ここまで全部ただの皮肉というか嫌味でございまして、これだけ散々駄法螺吹いた上に日銀総裁人事のプロセスにも関わろうってんですから、そこまでやるならお前やれやこの(自主規制)としか申し上げようがない訳で、まあ当然ですが「数か月以内にデフレ脱却」という位ですから年末位にはCPIが1%位には楽勝で上昇している筈で、それが達成できるかどうかの青写真も何もないのに好き勝手言うとか無責任にも程が有る上に、ここまで散々中央銀行の政治的中立性をズタボロにするような結果を招いているのですから、日銀総裁やって数か月で成果出さなかったらリアル切腹と言いたい所ですがそれは何ですので、まあ肥溜めに頭から飛び込んで頂いて余生はそのまま肥溜めの中で安らかに送って頂ければと斯様に存じます次第でございます。
#この悪態さすがに食傷ですかそうですかとは思うのですが、ブレーン様が駄法螺を吹き続けるのでこちらも悪態を延々と続けるという流れになっているのでありまする
しかしこの手の人事の話が人選段階からこうボロボロと話が出るというのは候補者とされた人に取ってみたらただの晒し物プレイであり、選定する方にとってみたらこらまあ楽しいおもちゃでございます罠とか思うあたくしの人間性は歪んでいますかそうですか。いやもう斯界の権威であらされる所の浜田大先生が数か月でデフレ脱却可能と仰せで何故か選定側に回っているというのを見るとどうしてもそういう風にしか思えないもんでね。何で昨日の会議で「浜田先生が総裁をやって頂いて数か月でのデフレ脱却を実行して頂くのが一番早いのでは?」という話にはならないのかが不思議ちゃんなのですけどねえあたしゃ。
あともっとどうでも良いのですが、今回の会合で「大胆な緩和が必要で参加者の意見が一致」との話ではあるのですが、安倍ちゃんがいつも口癖のように「同じ意見の方を起用」というような趣旨の発言をするのと合わせて考えますと、どうも安倍ちゃんにおかれましては「意見の多様性」というものを本質的にお認めにならないのではないかと思われる節がございまして、それってやろうとしていることの方向性が正しい内には問題が発生しないのですが、もし何らかの過誤があった場合に意見の多様性が無いとレビューと申しますかPDCAと申しますか、まあそういうチェックが働かないという事になりますので、修正が効かずにエライコッチャになるという重大なリスクを本質的に孕んでいると思うのですよね。いやまあ閣僚とか日銀総裁とかだったら「同じ意見の人」を呼んだ方が良いのでしょうけれども、その調子で「有識者会議」とかまで反対意見の人を全然呼ばないとかいうようなノリでやるのはさすがに如何なものかという風に思いますちゅーか、だからこそ安倍ちゃんって物事が逆に逝きだすと急にヘロヘロになるんじゃネーノとか思うのですけどどうなんでしょうかねえ。まあ余計な事ですけど気になったので。
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2013/01/15
・産経電波浴シリーズというか困ったブレーンの人たちというか
はいはい電波浴電波浴。
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20130108/dms1301080708000-n1.htm
金融緩和で給料はいつ上がる? 効果波及まで1〜2年の遅れ
2013.01.08
例によって例の如く安倍さんの経済ブレーン様とかいう触れ込みのウォッチマン先生ですけれども、相変わらずツッコミどころは多いのですがめんどいのでこの部分をば。
『というわけで、金融緩和は半年以内の円安、株高をもたらし、その結果、1〜2年以内に輸出や消費、設備投資が増えて景気回復、雇用増加につながる。さらに、2〜3年以内に貸出増加が起こるという波及メカニズムになる。本格的に賃金が上がり出すのが遅れるが、物価上昇も景気回復とともに遅れるので、その間は賃金交渉次第である。』(上記URLより)
>物価上昇も景気回復とともに遅れるので
>物価上昇も景気回復とともに遅れるので
>物価上昇も景気回復とともに遅れるので
えーっと・・・・・・・・・・
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MEJ7MB6JTSFI01.html
安倍総裁ブレーン・浜田氏:日銀新総裁は数カ月以内のデフレ脱却可能
更新日時: 2012/12/05 09:08 JST
あのー、物価は「数か月以内」に上昇するという話じゃなかったでしたっけという事でありまして、まあ兎に角その場その場で適当に都合の良い話をしているのが安倍さんの経済ブレーン様という話でございまして、こういうのを法螺吹きというか曲学阿世の徒と言うかという所ですが、そもそも学の体を成していないので曲「学」阿世というのも学問に失礼ですかそうですか。
つーかこんな法螺吹きをブレーンにしている時点で「深く考えている」もあったもんじゃないわと言うか、深く考えていたら普通気が付くだろと思うのですけどねえorzorzorz
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2013/01/11
日経新聞の紙が手元に無いのでイマイチ良く判らないのですがさて・・・・・・
○これはまた何と申しますか
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS1003G_Q3A110C1MM8000/
「日銀、雇用拡大も責任」 安倍首相インタビュー
「円高是正、ともに努力」 (1/2ページ) 2013/1/11 2:02
情報元 日本経済新聞 電子版
『安倍晋三首相は10日、日本経済新聞のインタビューで、日銀の役割について「実体経済にも責任を持ってほしい。雇用を最大化することも頭に入れてもらいたい」と述べ、金融政策を通じて雇用拡大に努めるべきだとの認識を示した。為替水準に関して「日本は為替によって競争力を失っていた。(円高を)是正するのは政府と中央銀行の責任だ。努力し続けなければならない」と強調した。』(上記URLより)
全文が手元にございませんのでアレですが、またこの「雇用の最大化」の話をしてるのかよという所で、じゃあとりあえずその雇用の最大化とはどういう概念で、それをどのような手段を用いてどのような手段で達成するのかを筋道立てて(金融政策は万能だから日銀は全知全能の能力がありというのは筋道ではありませんので念の為)ちょっと説明していただけませんでちゅかねえと思うのですけど。
http://www.nikkei.com/article/DGXNZO50490160R10C13A1EA2000/
首相、にじむ日銀不信 7年前の量的緩和解除
2013/1/11 1:53 情報元 日本経済新聞 電子版
『安倍晋三首相がインタビューでにじませたのは、日銀への拭いがたい不信感だ。首相と日銀はどこですれ違ったのか。首相の発言から浮かぶのは、日銀が7年前に政府の反対を振り切って断行した量的緩和の解除だ。』(上記URLより)
>日銀が7年前に政府の反対を振り切って断行した量的緩和の解除
>日銀が7年前に政府の反対を振り切って断行した量的緩和の解除
>日銀が7年前に政府の反対を振り切って断行した量的緩和の解除
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(゚Д゚)ハァ????
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2006/k060309.htm/
金融市場調節方針の変更について
2006年 3月 9日 日本銀行
というのがございましたが特段の反対提案はございませんでしたぞな。
http://www.boj.or.jp/mopo/mpmsche_minu/minu_2006/g060309.htm/
金融政策決定会合議事要旨(2006年3月8、9日開催分)
『V.政府からの出席者の発言』
財務省からの発言(の最後の部分)は以下の通り。
『本日の議論および先程の議案に照らせば、これらの点について、日本銀行にも認識を共有して頂けるものと理解したので、量的緩和政策の解除については、政策決定会合のご判断を尊重したいと思う。日本銀行におかれては、景気回復を持続的なものとし、デフレからの脱却を果たすことが重要な政策課題であることを踏まえ、逆戻りすることがないよう、責任を持って金融面から経済を支えて頂きたいと思う。引き続き、政府の経済政策と整合的な、適切な金融政策の運営に努められることを期待している。』
内閣府からの発言(の最後の部分)は以下の通り。
『日本銀行におかれては、量的緩和政策の解除の検討に当たっては、この政府の経済政策の基本方針との整合性を十分考慮頂き、引き続き政府・日銀一体となったデフレ脱却に向けた取り組みを行って頂くことを改めて強く要望する。また、量的緩和政策解除の場合には、これまでの金融政策の目安が消滅することから、市場や国民の経済に対する予測可能性を高め、期待を安定化させるという国民への説明責任を果たすため、今後の日銀としての金融政策の透明性のある枠組みを示して頂くことを期待する。』
まあ他にも発言がありますが、上記URL先にございますので読むと判りますし、まあそもそも当時の記憶を辿っても『政府の反対を振り切って断行した』という流れでは無くて、小泉首相と福井総裁はその辺の連携きっちりやっていたようにしか理解しておりません(小泉さんが腹の中でどう思っていたかは兎も角、表に出てくる動きは連携をきっちり取っているかたちだったですよね)が、もしかして速水総裁の時のゼロ金利解除と話がごっちゃになっているのではないかという悪寒が。
でまあそのごっちゃになっているのが安倍首相の話ベースなのか、日経新聞がそう言っているのかが(記事全文読めないから)ワカランチ会長なのですが、日経がそういう話をしているのであればちょっとお前大丈夫かという話になるのですけれども。つーか安倍ちゃんが勘違いしているんだったら日経新聞その場で訂正してやれよと思いますけど。
てか、「首相と日銀はどこですれ違ったのか」ってそもそもの安倍ちゃんの事実認識が間違っているのであれば、すれ違ったのは安倍ちゃんに嘘八百を吹き込んだ「経済ブレーン」とやらである可能性が高い訳で、権力者に嘘八百を吹き込む茶坊主とかまさに奸臣の名に値するとしか思えんのだがそもそものインタビューを読んでいないので判断保留。
http://www.nikkei.com/article/DGXNZO50490100R10C13A1EA2000/
首相、日銀へ関与継続 政策ゆがめる恐れも
2013/1/11 1:36 情報元 日本経済新聞 電子版
『安倍晋三首相は10日の日本経済新聞のインタビューで、デフレ脱却が実現するまで日銀の金融政策への関与を続ける姿勢を鮮明にした。日銀が従わなければ、日銀法改正に踏み切る可能性もちらつかせる。首相の強い意向を受け、政府・日銀の連携を確認する共同文書には2%の物価目標を明記することが固まった。政治が金融政策への影響力を強めるのは国際的に異例で、政策をゆがめるリスクもはらむ。』(上記URLより)
>政治が金融政策への影響力を強めるのは国際的に異例で、政策をゆがめるリスクもはらむ
>政治が金融政策への影響力を強めるのは国際的に異例で、政策をゆがめるリスクもはらむ
>政治が金融政策への影響力を強めるのは国際的に異例で、政策をゆがめるリスクもはらむ
・・・・・・・・・・・・・・・えーっと、そう思うのでしたら安倍ちゃんにわざわざ喋らせければ良い話でして、あんさん自分の所でインタビューしてそれを大々的に1面トップ記事に据えて「政治が金融政策への影響力を強める」動きを煽っておいて3面(モーサテの日経朝特急コーナーでちらっと出ていたのを見ると3面にこの記事があったっぽいので3面と書いたのですが違ったらスイマセン)で「政策をゆがめるリスクもはらむ」とか如何にも良識派っぽい書き方するとかマッチポンプなんてレベルを越える自作自演じゃねえかどの口が言うと思いますがねえ。
ということで、安倍ちゃんが金融政策でああだこうだ言い出すと財政マネタイズ懸念で財政サステイナビリティ懸念で財政インフレ懸念とかそっちの話が浮上して誰得円安とかになってしまう恐れというか危うさの方を感じるのでいい加減黙って欲しいもんだと思いますが、外交とか安保とか教育とかその辺りで今は動けないからと言って行った日銀叩きですっかり調子に乗ってしまっているのはどうも危ういですなあと思う所で。
まあそんな事を申しましても記事全文読んでいる訳では無いので実際にどういう話をしているのか良く判らんのですが、少なくともヘッドラインとリードだけ見ているとこりゃまたせっかく筋の悪くない流れになってきたのにまたまた筋悪方向になってやがるぞなという印象を与える訳で、やはり安倍ちゃん経済政策について喋るとおっかないですなあという風に思うのでありました。
つーかさ、日銀が緩和するとか物価目標共有するとかの方向になっているんだから黙ってニッコリしていれば良いのに何ちゅうケツの穴の小さい人間だこの人はとゆー悪態は昨日も申し上げたので以下割愛。
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2013/01/10
・結局みんなの党は誰を選びたいのでしょうかねえ
昨日はみんなの党の江田先生が「財務省出身はダメ」などと仰せになっておられた日銀総裁人事ではありますが、読者様から色々とご指摘というかご感想を頂きましたのでその雑談でも(^^)。
いやですね、白川総裁なんですがwikipediaをソースにするのもアレですが、wikipediaを拝見いたしますと「シカゴ大学経済学修士」であらされまして、博士号持ちでは無いようで誠に残念。岩田一政さんでも意中にあるのですかねえとか思うのですが、岩田さんって経済学博士持ちじゃなかったような気もしまして、はてさて誰の事を意味しているのやらと禿しく謎が謎を呼ぶのでありました(−−)。
つーかさ、「財務省出身はダメ」とか形式だけで跳ねると思えば「博士号持ちじゃ無いとダメ」とか形式だけでオッケーとかワケワカンネとしか申し上げようが無く、博士号持ちはそらまあ偉いかも知れんけど、ノーベル賞の田中耕一さんだって博士号持ちじゃないぞな(受賞の際に名誉博士号が授与されたそうですが)というか、別に経済学博士持っていなければどうのこうのって話じゃないでしょうと思う訳で、何なんでしょこの政党はと思うのですけれども。
まあそれ以前の問題として江田先生も官僚上がりだろと思いますけど、自分の官僚出身は良くて財務省出身はダメとか面白いですねえ。
なお、超どうでも良いのですが、昨日ネタにした江田先生の発言ってもうちょっと色々な話があったようでして、神奈川新聞ニュースによりますと・・・・・・・
http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1301080018/
みんな・江田氏「小沢氏らは政党交付金返上を」/神奈川
2013年1月9日
趣旨は判らんこともないのですが、政党交付金返上をとか他にドヤ顔で言う権利があるのは共産党だけじゃネーノとしか思えないのですが・・・・・・・・・・・・
○ニュース雑談
昨日はこれが実施されましたぞな。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJE90800C20130109
日銀、「物価目標2%」の主張踏まえた金融政策を=安倍首相
2013年 01月 9日 21:56 JST
『[東京 9日 ロイター] 安倍晋三首相は9日夜、経済財政諮問会議の初会合で、日銀との連携を強化する方針にあらためて言及したうえで、日銀に対し、自らが先の総選挙で主張してきた2%の物価目標を踏まえて金融政策を運営するよう求めた。』(上記URLより)
・・・・・・・・・何つーかね、どうせ言わなくても日銀がその辺の導入するという流れになっていて、財務省とかと調整しているんでしょとゆー中で何でまたわざわざ言うかねこの人はと思う訳ですよ。
だいたい圧力というのは正面切って掛けて相手の顔を潰しながら行うよりも、他にやりようがあると思いますし、物事をスムーズに進めたければいい加減その物価目標2%とか細々した話は動き出した後は下々に任せて黙っておいて、日銀が目標設定した時に「歓迎したい、評価する」とか何とか相手に花を持たせてやりゃ良いと思うのですけれども、これじゃあ「日銀が色々と検討してやる気を出して設定した」という図にならないで「安倍首相の圧力で実施した」としか世間の評価が起きない訳で何だそりゃという所であります。何つーかそのケツの穴の小ささが非常に気になる訳ですけど。アベノミクスとか言われてすっかり舞い上がっているのか何だか存じませんけれども、まだこの期に及んで「俺が俺が」になってしまうのかねという所で。
いやまあ下々の者でしたら「俺が俺が」で自分をアピールしないといけないかも知らんけど、人の上に立つ立場の人間がひたすら自分のアピールだけに熱心だと下の立場の人間としてはやってられるかヴォケという事になる訳で、トップのあり方として如何なものかという風に思うのでございますけど治らないでしょうなあこの小物感は。一国の宰相になったのですからそろそろどっしり構えて欲しいと思うのですがねえ。
どうもあたくしこの手の「小物感」のある政治家諸氏が嫌いなようでして、一々気になってしまうのはあたくしが神経質だからですかそうですか。ちなみにご案内のようにあたくしが嫌いな「小物感」のある方としては維新のツートップなんてまさにそれが当てはまりますけれども、安倍ちゃん系の小物感とゆー意味ではみんなの党の党首様に関して昔からそんな感じですなあとか思うのでありますがどうですかね。
とまあそんな悪態はともかくとして。
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20130109-OYT1T00685.htm
財政規律堅持を明記へ…政府・日銀「政策協定」(2013年1月9日17時38分 読売新聞)
『物価上昇率2%のインフレ目標を目指し、政府と日本銀行が結ぶ事実上の「政策協定」に、中長期的な財政規律を堅持すると明記する方向であることがわかった。デフレ脱却に向けて政策を総動員する一方、政府が財政再建にも配慮する姿勢を示すことで、長期金利の上昇を食い止める狙いがある。』(上記URLより)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE90802W20130109
経済財政諮問会議、財政健全化も大きな課題の一つ=菅官房長官
2013年 01月 9日 16:55 JST
『[東京 9日 ロイター] 菅義偉官房長官は9日午後の会見で、きょう第1回目の会合を行う経済財政諮問会議の役割に関して、財政健全化も大きな課題の一つになるとの認識を示した。』(上記URLより)
とまあそんな感じで、実は甘利さんと麻生さんの発言もニュースヘッドラインで出ていて中々安定感のある事仰りますなあと安心感を与える訳ですが、菅さんも中長期的な財政健全化の重要性について言及という事で、それが政府と日銀の共同文書に織り込まれる方向というのはまあ結構な話。
と申しますのは、つまり共同文書だか政策協定だかアコードだか知りませんが、まあその手の文書を締結するのに「日銀は物価をとにかく上げる事、あとは知らん」とかいうようなふざけたものになりますとアホか馬鹿かという話になる訳で、誰得財政インフレでもやりたいなら兎も角としまして、経済的に意味のある物価上昇を目指すという事であれば政府もそれなりの政策を実施しないといけませんぞなもしという話になる訳ですから、まあその辺がちゃんと織り込まれる中で財政健全化に関する取組というのが共同文書の中で担保されるのは良い傾向でしょという話であります。
2%の物価目標明確化とかいう話になると、当然ながら金融緩和の長期化および強化という事になる訳で、その一方で政府の方が財政赤字ダダ漏れ垂れ流し状態になってしまいますと、それは財政ファイナンス拡大で財政の維持可能性懸念とかそっちの方に話が逝く訳でございますからして、その辺を担保する(まあ実際にできるのかという論点もあるのですがそれはそれとして)文言が共同文書に盛り込まれるのであれば日銀としても緩和強化をしやすくなりますぞなもしという話でもあろうかと思います。
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2013/01/09
○その他ニュース悪態
・馬鹿キター
政策協定繋がりでこんなニュースがあったんですけどね。
http://mainichi.jp/select/news/20130108ddm001010043000c.html
政府・日銀:政策協定に「雇用安定」 2%物価目標、時期示さず
毎日新聞 2013年01月08日 東京朝刊
『先進国の中央銀行では、米連邦準備制度理事会(FRB)が、雇用の最大化を目標に設定。12月には失業率の数値目標を導入した。』(上記URLより)
>12月には失業率の数値目標を導入した
>12月には失業率の数値目標を導入した
>12月には失業率の数値目標を導入した
>12月には失業率の数値目標を導入した
>12月には失業率の数値目標を導入した
・・・・・・・・・・・度し難い馬鹿発見。
12月FOMCの結果を報道する記事を見たらその時点でこんな書き方になっているのね毎日新聞。
http://mainichi.jp/select/news/20121214k0000m020089000c.html
米FRB:景気下支え強調 金融政策に失業率目標
毎日新聞 2012年12月13日 21時42分(最終更新 12月13日 23時53分)
『米連邦準備制度理事会(FRB)は12日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、事実上のゼロ金利政策を「少なくとも失業率が6.5%を下回らない限りは継続する」とする方針を決定した。』(上記URLより、以下同様)
と、最初の時点ではちゃんと書いてあるのですが・・・・・・・・
『「経済情勢と金利に明確な関係性を示すことで、政策の透明性が高まる」。バーナンキ議長はFOMC後の記者会見で、失業率などを政策目標として示す狙いを解説した。これまではゼロ金利解除について「少なくとも15年半ば」と時期を示していたが、雇用など経済情勢との関連が不透明だった。このため、今回は「1-2年先の物価上昇率が2.5%を上回らず、失業率が6.5%を下回らない限りは異例の低金利を継続する」と、目標となる経済指標の数値を明示した。』
えーっと、記者会見で「6.5%の数値は金融政策の目標数値では無い」と何度も議長は強調しておられたのですが・・・・・・・・
まあFOMC直後は確かに記者会見での説明とか質疑応答の内容とかが文書に落とされていない状況ですからこの時点で誤解する人が居るのも有り得る話だから百歩譲ってこの時の勘違いは勘弁するにしても、1か月経過して未だに「FRBが失業率の目標数値を導入」とか無知蒙昧にも程がある話で、これが日本の3大紙と言われる毎日新聞社のレベルだと思うともう何だかねという所であります。
#3大紙ではない電波浴御用達新聞もございますがそれはそれとして
毎度申し上げておりますように、あたくしが思うメディアに求められる機能というのはゴミ情報やゴミ言説をフィルタリングすることであって、いまどきインターネットを徘徊すれば玉石混交と言うか石だらけですけど色々なオモシロ情報やオモシロ言説が転がっている訳ですから、少なくとも事実誤認のまま報道するとかいう事をされると何のためにメディアとして存在しているのかという話になります(ので電波浴御用達新聞とかどこぞの新聞の事を評しておるわけですが)がなという所で、毎日新聞社におかれましては猛省を促したい物でありますな。
・ナントカな働き者キタコレ
毎度の無能なナントカさんのクオリティは相変わらずで。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130107-00001185-yom-pol
みんな渡辺氏「安倍内閣に誕生プレゼントだ」
読売新聞 1月8日(火)16時48分配信
・・・・・・・・・・いやあの経済対策で忙しい中変な法案だされましても邪魔なんですけど。
まあしかし昨日の白眉はこれでしょうな。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS0801P_Y3A100C1PP8000/
みんな江田氏、日銀次期総裁に財務省OB拒む考え
2013/1/8 18:41
『江田氏は日銀総裁に求められる資質として「博士号を持ち国際的な人脈がある。市場との対話もできる」との条件を示し「財務省OBはこうした条件に合致しない」と指摘した。渡辺喜美代表も8日の役員会で「旧来型の天下り人事は認めない」と強調した。』(上記URLより)
おまえらどこのお縄一郎だと思うのですけれども、それはそれと致しまして江田先生の仰せとなる日銀総裁の資質を見ますと、どこからどう見ても白川方明総裁様の再任が適切としか思えませんけれどもどういう理屈なのでしょうか。
つーかさ、「市場との対話もできる」とかまで入れてそんな資質求めるとか誰がいるんだよという話で、そうなるとそもそも中央銀行の経験が相当長くないとまずダメですがなという話になるとしか思えませんがねえ。
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2012/12/27
○年の瀬に電波浴をしばし堪能というお話
金融政策決定会合議事要旨という大ネタによってこちらの話が霞んでしまいましたが、実は昨日の朝はもう一丁面白怪電波浴ネタがございまして、これがこれで盛大な怪電波を発していたのであります。
で、このネタ元は金融ファクシミリ新聞という金融業界でもかなーりマニアというか濃いというか一部の方御用達メディアでして、名前の通り基本はファックスでして、一応Web版というのもあるのですが一般向けには出しておりませんです。
金融ファクシミリ新聞社さんのWebはこちら
http://www.fng-net.co.jp/
んでまあ昨日(12月26日)の朝刊1面(というか1ページというか)トップ記事の題名が『2年内に2%以上 インフレ目標で自民党筋』(以下『』で書いておりますのは12月26日水曜日の金融ファクシミリ新聞朝刊の当該記事部分の記載となりますのでよろしくです)となっていまして、『安倍自民党総裁の経済ブレーン』へのインタビューを基にした内容となっていまして、まあ要するに安倍自民党総裁の「経済ブレーン」様のお話をまとめたものとなっておりますが、これがもう中々のテイストで頭がクラクラとしてきた次第というお話なのですな。
#ちなみに頭がクラクラするのは金ファクさんに対してでは無く、当然ながらこのインタビュー元の「経済ブレーン」様に対してですので念のため
かいつまんで(詳しくは昨日の金ファク見てくんなまし)ご紹介すると、この「経済ブレーン」様におかれましては・・・・・
『インフレ率を遅くとも2年以内に2%以上にすべき』
とのお考えのようでございまして、そらまた随分と豪快な話だと思うのですが、その根拠として最初に挙げているのが『2年は多くの国が金融政策のメドとしている期間である』との事なのですが、既にその時点で事実関係として如何なものかと思う次第。
つまりですよ、こちらのブレーン様(主張の内容からして該当しそうなのが2名、というか恐らくその中の1名しか思い浮かばないのですけど)におかれましては「2年で目標は達成するもんだろグローバルに考えて」との事のようですが、FRB様におかれましてはそもそもこれらの目標に関して今年の1月に「longer-run
goals」として金融政策のゴールとしての数値を「長期的な期間のゴール」として示しておりますよねえ。
http://www.federalreserve.gov/newsevents/press/monetary/20120125c.htm
January 25, 2012
Federal Reserve issues FOMC statement of longer-run goals and policy strategy
さらに付け加えますと、FRBは直近の「Summary of Economic Projections」(要するに経済見通し)に置きまして、そのデュアルマンデートの一方であります所の失業率につきまして、先行き見通しを・・・・・・・
http://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/files/fomcprojtabl20121212.pdf
Unemployment rate
2012:7.8 to 7.9
2013:7.4 to 7.7
2014:6.8 to 7.3
2015:6.0 to 6.6
Longer Run:5.2 to 6.0
という形で出しておりまして、いわゆる長期的に達成すべき目標である失業率5.2%〜6.0%というレンジに対しまして、向こう2年どころか向こう3年経っても達成できませんぞなもしという見通しを堂々とお出しになっている訳でございまして、『2年は多くの国が金融政策のメドとしている期間である』との事ですと、FRBは逆さ絵議長を筆頭に全員クビというお話になりそうなものですが、寡聞にして安倍総裁(今は自民党総裁でもありますが総理と言った方が良いのでしょうけれども)の経済ブレーン様と言われる方々の口から「FRBの金融政策運営はダメである」という評価を聞いた覚えがない訳でございまして、これはどのような理屈を繰り出すとこういう話になるのかという点をとっくりとご説明頂きたいと思うのであります。
#つーか昨日ご紹介した公明党の石井さんの「物価目標は2年で達成」の出所もこのブレーン様なんですかね
でまあその程度で済めば怪電波呼ばわりをしないのでありまして、更に素晴らしいのはこの2%目標の根拠として、『インフレ率が2%以上の場合、失業率が低下することが過去の経済データに基づくフィリップス曲線によって示されていることを挙げている。』との事なのですが、物価が上昇したから失業率が低下するんというような相関じゃなくて、経済成長をする中で物価上昇が適正な資源配分を促すような水準で推移していれば失業率が低下するとかそういうような含意を示す文脈としての相関を指しているんでしょフィリップス曲線云々ってという風に突っ込みたくなるわけですよ。
大体からして何でもいいから物価を上昇させれば失業率が改善するかといえば、世の中にはコストプッシュのインフレだってスタグフレーションだってジンバブエ(は極端ですが)だってある訳ですし、最近で言えば英国のCPIがこの3年程度の間に3%近辺から5%台まで上昇して今度は2%台前半まで低下(して最近はまた2%後半になってますが)と盛大に上がったり下がったりしておりますが、一方で失業率って8%近辺で高止まったまま(リーマンショック以降5%台から8%レベルに上昇してそのままという推移だった筈)ですが、そのような事案があるのにフィリップス曲線ガーで物価さえ上がれば失業が減るんだとかこらまたお洒落なお話。
しかしその程度で済まないのか電波浴の極意でありまして、『同筋によると、インフレ率2%が達成できれば、日経平均株価が1万1300円程度、円相場は1ドル=98円程度となると予測される。』との事ですが、1980年代後半の資産バブル最末期の時でCPIが前年比2%にやっと乗ったとかいうことから勘案致しますと、2%インフレで日経平均株価が11300円とか何処をどう計算するとそういう数値になるのかと言うか、その物価水準になる位の経済状況だったら常識的に日経平均2万円以上無かったらそれはデフレは脱却しているかも知れないですけどどう見てもスタグフレーションでしょうがそれという所でございますわ。
ちなみに日経平均11300円だったら2010年の4月頃にその位の水準でドル円90円台前半ですし、ついでにその時期のCPIって前年比マイナス推移しておりますが、CPIの2%と0.2%を間違えているのではないかと思う位の凄まじい水準感の予測なのですが、金ファクさんによれば誤植でも何でも無いとの事でございますので、その盛大な怪電波に何か壮大なものを感じざるを得ませんという大変に頭のクラクラ来る怪電波をついうっかり受信致しました。ちなみにあともう一文素晴らしい電波浴部分があるのですが、それは皆様におかれまして昨日の金ファクをご確認頂く事をオヌヌメ致したいと思います。
つーことで、昨日の朝の金融ファクシミリ新聞の同インタビュー記事を読み流した方は再度金ファクをご覧になり怪電波の接受をして年の瀬の電波浴をお楽しみいただければと斯様思うのでございますが、そらまあ安倍さんの金融政策関連の話が細かい部分でツッコミどころ多くて時に総叩きにはなる罠という所でありますので、安倍ちゃんにおかれましてはブレーン様とやらの換装を全力で推奨させて頂きたく存じますです、はい。
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2012/12/26
○物価に関する認識が色々と根本的な部分でアレなのではないかという雑談
ということで今日も最初はニュース悪態と申しますか何と申しますか。
正直申し上げましてここで申し上げますように、そもそも冷静に論理的な会話が出来るような状態になってねえだろこの人たちという風に思いますので、そういう意味では悪態申し上げても何か残念モードではあるのですけれども、かといっても脊髄反射で悪態ネタが出てくるのがドラめもんクオリティ。
まあ小見出しの通りなのですが、最近のニュースフローを見ておりますとそういう感を益々強くする次第なのでありまして・・・・・・・
・人に厳しく自分に甘くですねわかります
http://mainichi.jp/select/news/20121226k0000m010024000c.html
自公党首会談:連立政権合意の要旨
毎日新聞 2012年12月25日 18時20分
『・経済財政諮問会議と日本経済再生本部を設置。物価目標2%を設定し、大胆な金融緩和を断行してデフレからの脱却を図る
・エネルギー・環境、健康・医療などの成長分野で大胆な規制緩和や新たな需要喚起をし、名目3%以上の経済成長を実現する』(上記URLより)
・・・・・・・・・・えーっと、現在の潜在成長率が(推計の方法にもよるが)大体1%弱の水準とか言われていると思いますが、日銀に対して物価目標2%に罰則付きでコミットさせようとしている訳ですから、当然ながら名目3%を分解すると物価部分が2%になって実質成長率が1%という計算になると存じますが、そらまた随分と甘い目標で、日銀に対しては80年代バブルの最後の最後の時代での水準というようなハードルを設定しているのと比較してちょっと差がありますなあ。
人に厳しく自分に甘くっていうのが上司にぶち当たりますと宮仕えとしては不幸中の最悪の世界でございますが、その上仲間以外からの批判を受け付けないと来たらまあ碌でもありませんなあとしか言う所で、他の安倍カラーを封印しているだけに「日銀叩き」に拍車が掛かって殆どイジメの世界になっているのがオソロシスという所ではございます。
というかですよ、それ以前の問題として実態の伴った意義のある物価上昇(単なる交易条件とか購買力の悪化となるような誰得物価上昇では無いという意味の物価上昇)をしながら物価上昇率が2%になっている頃には当然ながら潜在成長率が少なくとも今の米国並みの水準(2.5%程度と言われている)とかになっていそうなもんで、そうなると名目GDPってもっと高くなってないとおかしい筈でして、そもそもやる気があるのかと申しますか、政策目標としての整合性が全くないわ何考えてるんだと小一時間問い詰めたい所ではありますという話で。
でまあ偶々自公連立合意とかで検索してたら昔の自公連立合意のニュースが出てきたのですが。
http://www.47news.jp/CN/200311/CN2003111801000443.html
自公連立政権合意の要旨
2003/11/18 13:04 【共同通信】
『一、デフレを早期に克服し、2006年度に名目国内総生産(GDP)の2%成長を実現。』(上記URLより)
・・・・・・ということでして、この時は当然ながら物価目標云々という話は無かった訳ですが、まあとりあえずデフレ脱却という話でしたからベースの物価がちょっとプラスとかそういう話だと思われます(当時2%とかいう話をしてもそもそも非現実的にも程があるという感じで、まずはプラスにどう持って行けるでしょうかという話をしていた時代)ので、この時の方が実質的に自分たちに課している目標高くなかったかねとか思う次第で、9年経過したら自民党の経済政策に関する根本的な認識が劣化しているのではないかという疑惑が持ち上がってくる所がオソロシスとゆー話。
・そもそも物価という物に関する認識がアレなのではないかというさっきの小見出しの件
つーかですね、
http://sankei.jp.msn.com/west/west_life/news/121224/wlf12122419090010-n1.htm
生活保護費、数%ずつ段階削減へ 自民政権復帰
2012.12.24 19:08
このニュース話題になっていたからご案内の方も多いと思うのですが、日銀に物価目標2%を課してしかもそれをとっとと達成しないと総裁クビだ位の勢いでの話をする中で生活保護費を数%ずつ段階削減とか、そもそも政策としての整合性はどうなっているのだよと申し上げたい次第でして、格差ガーみたいな話をするのってあたくしあまり好きでは無いのですが、セーフティーネットはどんどん外して経済成長させようとか、どうしてそうなったというお話ではございますなあという所で。
それとかですよ、
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201212/2012122400130&g=pol
2%達成「2年間で」=公明・石井氏(2012/12/24-15:36)
『公明党の石井啓一政調会長は24日のBS朝日の番組で、自民党の安倍晋三総裁が日銀に対し2%の物価目標の導入を要請していることに関し、新政権と日銀のアコード(政策協定)に達成期限が盛り込まれるとの見方を示した。実現の見通しについては「これからの議論だと思うが、2年間ぐらいではないか」と語った。』(上記URLより)
2年間で2%達成とかどんだけ日銀が万能なんだよという所でございまして、一方でさっきの連立合意では『公務員の総人件費を縮減する』などという表示もあって、それはどう見てもデフレ政策です本当にありがとうございましたというのをやって物価上昇の足を引っ張りながら日銀には2年で物価上昇2%達成とか、とりあえずどうやって達成するのかその方法と政策の波及パスを具体的に説明して頂きたい物だと小一時間なのですが、やはりどうもこの辺りの人たちにおかれましては物価ってホイホイと中央銀行が操作できて、しかも物価が上がると景気が良くなるという普通に考えて因果関係が逆ではないでしょうかというような認識でおられるのではないか疑惑がますます高まるのです。
さらにこれもえーと思ったのですが、
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2012122500766
自民執行部の会見要旨(2012/12/25-19:39)
『安倍晋三総裁 衆院選でわが党は大きな勝利を得たが、来年の参院選に勝って初めて衆参のねじれを解消し、中長期的な大きな目的に進むことができる。』(上記URLより)
・・・・・・・・デフレ脱却は中長期的な大きな目標では無く目先の目標ですかそうですかという事で、喫緊の課題だから先にやるというのは判りますが、そもそも日銀が一言言ったらホイホイと物価が短期的に上昇するのであればそんなの(日銀だってバカアホ言われたくはないんだから)とっくの昔にやってますがなという風に思うのですが、どうもこの辺りの物価目標導入論を唱える政治方面の各位におかれましては、物価は中央銀行の操作で簡単にホイホイ上昇するものであり、日銀のケツを叩けば物価は上がるだけの話で政府の長期的な取り組みとかとそんなに関係ないだろと認識されているのではないかと疑いたくなる次第ではございます。
つまりですな、この人たちったら「物価上昇」と「経済成長」の因果関係を逆に取ってて、物価上昇が景気対策になると思いっきり認識しているんじゃないのと思いっきり疑いたくなる訳でして、仮に「何でもいいから物価が上昇すれば景気は良くなるんです」とかいうような仰天理論を信奉しておられるのであったりすると、そもそもそういう人たちが出してくる金融政策への「要望」とかについて考察しようにも根本的に論理的じゃない話が出てくる訳でして、そうなりますと議論どころか会話が成立しない訳で、これはまた碌でも無いカウンターパートが出てきましたなという極めてオソロシスな事態になったとしか思えませんぞなもし。
ということで、そもそもの前提認識がアレという方々がカウンターパートとは日銀もご愁傷様としか申し上げようがございませんが、とにかく論理的かつ冷静な議論ができそうもないという状況でありますと、自称ヲチャーであります所のあたくしと致しましても次の金融政策決定会合で何が起きますねんとか言われても兎に角ロジカルな答えを出してもカウンターパートがロジカルじゃない時点で予想不能ですかなという所でございますぞな。
・結局は財政ファイナンス懸念が起きるかどうかという話なのでして・・・・・・
共同通信のニュースを探すつもりが検索に引っかかったのがこちらだったのでまあどうせニュース元は共同通信だと思いますので西日本新聞から。
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/340616
経団連会長、新政権に協力表明 金融緩和に不安ない
2012年12月25日 20:06
『経団連の米倉弘昌会長は25日の定例記者会見で、自民党の安倍晋三総裁の経済政策について「金融緩和とともに財政規律は堅持すると言っているので何も心配することはない」と述べ、新政権の政策運営に協力する意向を表明した。』(上記URLより)
最初に安倍ちゃんが言ってたのは「財政を出しますけど財源の国債は日銀買ってくださいね、あそうそう前例のない金融緩和もして輪転機回して市場に金を流してください」だった訳で、そういう財政ファイナンス全開&中央銀行への脅しみたいな近代国家とは思えない文脈が報道されたから総叩きだった訳で、後から「そう言った訳では無い」という風になって、財政規律を堅持という話になったらまあ話が違うがなという事になりますわな。
でもまあニュース報道する方としてはフレームアップした方が面白いでしょうから、これも経団連VS安倍ちゃんみたいなネタになって、米倉さん全面屈服みたいな書き方(そういうフレームアップ報道が最近目立つので共同通信様におかれましては汐留のビル諸共アレして頂きたいと存じます次第なのですがそれは兎も角)になるんでしょうけれども、そうじゃないですわな。
大体からしてですな、そもそも大胆な金融緩和で国債買う云々だって極端に言えば財政の方が均衡財政やっているのなら別にホイホイ買っても財政ファイナンスどうのこうのという話にはならないのですから通貨の信認がどうのこうのとかなる訳は無いですが、どこからどう見てもそういう文脈と全然違う話をしていたから最初総叩きだった訳ですし、PBベースで真っ赤っ赤な上に累積債務も真っ赤っ赤な所にGDPギャップ埋めるのに財政支出するとか言ってるから、いやあのそれは財政ファイナンスがどうのこうのという話になって財政インフレが間違って起きたら止めるの困難を極めるし誰得インフレ何ですけどという話をしているのでございますけど、またその辺のロジックをスルーして「だから無限に緩和しても大丈夫」とか「はい論破」とか言い出すブレーン(笑)の皆様のドヤ顔が目に浮かびたくないので画像処理はしませんが浮かんでまいりますなあという所で実に頭が痛くなりますの。
・どうでも良いですが某マンガのシーンを思い出したので
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO49945650U2A221C1MM8000/
安倍総裁、物価目標来月見送りなら「日銀法改正」
2012/12/24付
どう見ても恫喝です本当にありがとうございましたと申しますか、そうなら日銀も敢えてスルーして物価目標設定を政治のせいにしたらどないですかとまで思ってしまいますが、どうも過激な発言をして為替とか株が反応するのに安倍ちゃん酔ってるんじゃネーノとか心配でして、まあ杞憂であれば結構なのですが、そんなあたくしは平野耕太さんの著名かつ名作マンガ(とあたくしは思ってます)で有ります所の「ヘルシング」の中にあった会話を思い出すのよ。
主人公の敵方の「最後の大隊」総帥と部下の会話部分です(漫画につき句読点がございませんので引用者が趣旨を損なわないような積りで句読点を補記しております)。
少佐:すばらしい能力だね、リップヴァーン中尉、さすがは「魔弾」、まさしく伝説の魔の猟師だ
中尉:はッ、はい、少佐殿ッ!!
少佐:「魔弾の射手」か、まるでまさしく魔の所業そのものだ、しかし心に留めておいた方がよいぞ中尉
中尉:は、はい?
少佐:「魔弾の射手」の終幕(ラスト)を知っているかね中尉、歌劇の最後、狩りの魔王ザミエルをもて遊んだカスパールは、ザミエルによって地獄へと連れ去られ、その骸(むくろ)は谷底へと投げ捨てられる。亡霊を装いてたわむれなば、汝(なんじ)・亡霊となるべし。中尉、心せよ、君の前にも魔王(ザミエル)が現れよう
(以上の会話は平野耕太「ヘルシング」第5巻第5話「DF」(83p9より:少年画報社YOUNG
KING COMICS )
何かね、自分の発言が市場に評価されて(評価されたというのも何だかなあという感じですがまあそこは措きまして)おられてすっかりご機嫌で日銀叩けば円安株高でハッピーとか思ってるのではないかとか考えておられたりすると、これまた相場という魔王はいつまでも思うとおりに動いてくれる物では無いのですけれどもねえとか思ってしまうのですが、まあ何度も申し上げておりますように、あたくしの杞憂であることを強く祈念する所ではございまする。
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2012/12/21
○やっぱり不安だわ・・・・・・・・・・・・・・・
決定会合後に話題になっていたネタはやはりこれ。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFL200KV_Q2A221C1000000/
日銀総裁の電話「会合終了後」 安倍氏が訂正
2012/12/20 16:43
『自民党の安倍晋三総裁は20日午後、日銀の金融政策決定会合の結果に関する白川方明総裁の電話について「連絡を受けたのは午後だ。(会合が)終わってからだ」と訂正した。党本部で記者団の質問に答えた。安倍氏は同日の党の政調正副会長・部会長合同会議で「けさ白川総裁から電話で報告を受けた」と話していた。〔日経QUICKニュース(NQN)〕』(上記URLより)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121220-00000134-jij-pol
「朝」か「午後」かで一騒動=日銀総裁との電話時刻訂正―安倍自民総裁
時事通信 12月20日(木)19時12分配信
『白川方明日銀総裁が20日、金融政策決定会合の決定内容を説明するために安倍晋三自民党総裁にかけた電話の時刻が「朝」か「午後」かをめぐり、両者の説明が食い違う騒動があった。安倍氏は同日午後、自民党本部での会合あいさつで「きょう朝、白川日銀総裁から電話をいただいた。金融政策決定会合の結果を含めて報告いただいた」と発言した。』
『決定会合終了は午後0時56分。「朝」が本当なら、安倍氏にだけ白川総裁が決定内容を事前通告していたことになり大問題に発展する。記者会見で事実関係を問われた白川総裁は、安倍氏に電話した時刻を「午後1時30分ごろ」とし、午前中ではないと説明。夕方になって安倍氏も記者団に対し「午後だ」と訂正し、ようやく騒動は落ち着いた。』(以上上記URLより)
もうね、この人困ったもんだという事でございまして、仮に総裁からの電話が朝にあった(決定会合は合議制ですから、決定内容の話とか事前にするのはそもそも無理ですからまあご挨拶の電話でしょと思いますけど・・・・・・)にしてもそんな話は絶対にしないのがお作法というものでありまして、口が軽いにも程がある上に、こんなプロトコル丸無視な言動をするとカウンターパートの顔を思いっきり潰す話でありまして、ダメダメにも程があるわと思うのでした。
これね、日本国内だと内閣総理大臣様ですから顔を潰された方は不満があっても飲みこむでしょうけれども、対外交渉もこの調子でやってプロトコル無視で相手の顔を潰して回ると決まるものも決まらなくなりますし、そこらじゅうで敵を作って回るだけの話でありまして、この人の前回政権が短命に終わったのも何となく判るわという風に思うのでありました。
と思ったら要を得た解説記事がこちらにございましたのでご紹介。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFL200KA_Q2A221C1000000/
安倍氏「日銀総裁から電話」 口の軽さにため息も
2012/12/20 16:15
〔日経QUICKニュース(NQN) 大谷篤〕
『安倍氏はこの日午後の党本部の会合で、日銀が金融政策決定会合で追加金融緩和や物価上昇率目標の検討を決めたことを巡り「けさ日銀の白川方明総裁から電話で報告を受けた。我々が選挙で訴えてきたことが一つ一つ実現してきている」と述べた。言葉通りなら日銀が午後に追加緩和と物価目標の検討を決める予定だということについて事前に報告があったと受け止めることができる。』
しかしまあ何ですな、この記事にありましたように「我々が選挙で訴えてきたことが一つ一つ実現してきている」とか言っちゃう所もケツの穴が小さいと申しますか狭量と申しますかという所でございまして、こんなのは相手に花を持たせて「日銀もデフレ脱却の重要性に鑑みて重要な決定をした事に感謝したい」とか言っておけば相手も気分が良くなる訳で、「俺様の手柄だ」みたいな言い方をしたら経緯や背景事情はどうであっても相手は顔を潰されたとか思うかもしれませんし、少なくとも良い印象は受けない訳でございまして、先ほども申し上げましたが、こうやって一々そこらじゅうで味方を無くすような言動をしちゃうのが安倍さんのダメな所じゃネーノと思いますとやはり組閣前から不安が募る今日この頃。
『市場には戸惑いの声が広がった。安倍氏は18日に白川総裁と会談し、2%の物価上昇率目標の設定を要請したばかり。「結局、安倍氏の圧力で金融政策が決まった」との印象が拭えない。「これまでも日銀から政府に対して事前に報告はあっただろうが、それを手柄のように公言するのは問題」(国内証券)。「日銀と水面下で交渉するのが政治家の腕の見せどころのはずだ」(国内銀行)と、市場関係者は次期首相と目される安倍氏の口の軽さにため息を漏らしていた。』(以上上記URLより)
ということで、「こりゃダメだ」の2件目はこの安倍さんの事案でございましたとさ。
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2012/12/18
○選挙も終わり色々とニュースがアレなので雑談
・しかし比例の票が維新>民主なのかよ・・・・・・・・・
選挙結果見て何が絶望したって比例の票が上記の通りってゆー相変わらずの「リセット志向」とでも申しますか、シバキアゲを主張する素人集団に「一回やらせてみよう」思考が変わっていないとか民主党への政権交代の時から全然勉強していないとかあたくし何ぞはおもってしまうのですが、まあ投票する人たちの発想としては恐らく「民主党に政権交代させて期待したのに従来通りの政治しか出来なかったので今度は維新」というような発想なんでしょうねえと類推する次第でございまして。
・・・・・・・・・・・・となりますと、何がオソロシスと申しましても、安倍ちゃんが相変わらず危なっかしいぞなと思うあたくしと致しましては、次の参議院選挙までに安倍ちゃんがコケて支持率下げた日には維新が伸びるとかいうリセット攻撃になって本当に日本がリセットされるんじゃネーノというのを恐れる訳でございまして、まあ悪態は多分これからもつくのですけれども、そうは申しましても安倍さん兎に角変に突っ走ってコケないで下さいお願いしますお願いしますとゆー所で、これが安倍さんじゃなければここまでビクビクする事も無いのにねえとか思うと実にアレ。
でまあその維新様でございますが、馬鹿ネタには事欠きませんなあ。
http://www.yomiuri.co.jp/election/shugiin/2012/news/20121216-OYT1T00704.htm
橋下氏「安倍総裁に投票」、石原氏は「論外」
(2012年12月17日10時31分 読売新聞)
『橋下代表代行はテレビ朝日の番組で、特別国会での首相指名選挙の対応について「自公でこれだけの議席を得ているのに独自候補を出すのは、ばかげている」とし、自民党の安倍総裁への投票が「多数決の原理原則だ」と述べた。』(上記URLより)
・・・・・・・・・・・・「自民公明でこれだけの議席があったのでそれに従う」ってお前さんどこの民主集中制だよという所でございまして、そのような決定を是とするのであればたぶん別のお国に逝かれた方が宜しいかと存じます。民主集中制なのか国家社会主義なのか存じませんが、まあ無茶苦茶なのが集まっておりますので来年の参議院選挙までに空中分解される事を心から願って止まない所でございます。
・是非数か月でデフレ脱却をして頂きたく存じますが
http://mainichi.jp/select/news/20121218k0000m010099000c.html
内閣官房参与:緩和支持の浜田氏、安倍氏が起用へ
毎日新聞 2012年12月18日 00時37分(最終更新 12月18日 00時40分)
『自民党の安倍件晋三総裁は17日、新内閣の内閣官房参与に米エール大の浜田宏一名誉教授(元内閣府経済社会総合研究所長)を起用する意向を固めた。党幹部が取材に明らかにした。』(上記URLより)
まあそう来るかと思いましたが。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MEJ7MB6JTSFI01.html
安倍総裁ブレーン・浜田氏:日銀新総裁は数カ月以内のデフレ脱却可能
更新日時: 2012/12/05 09:08 JST
先日ネタにしたのでご案内の通り、浜田大先生におかれましては「数か月以内のデフレ脱却が可能」との画期的な金融政策理論をお持ちの事という話でございますので、そこまで大口を叩くなら4月から日銀総裁に就任して頂いて、「数か月以内のデフレ脱却」とやらを是非お見せ頂きたい物であると存じます。
あ、コストプッシュで物価が上がるとか、財政インフレで物価が上がるとか、そういう国民厚生的に誰得にも程がある物価上昇になってそれはただのスタグフレーションだろというような「デフレ脱却」をされても困るのですが、当然イェール大学の大先生でございますのでそういう事は先刻ご承知と存じますので、まあ是非ともデフレ脱却を実践して頂きたく、当然ですがこれだけ大口叩いてるんでしたら来年4月から計算して数か月以上もある来年末にデフレ脱却して無かったらドラム缶で逝く日本海溝海底片道クルーズの旅にお出掛け頂くという事で何卒よろしくお願い申し上げます。
まあ無責任に時の権力者に勝手放題吹き込んで猟官活動ウッシッシというだけで実際に責任取る気も無いとかいうような事はまさかございませんと信じておりますので内閣参与なんてケチな事は言わずに是非「数か月でのデフレ脱却」とやらを実践して頂きたい物でありますなあ(棒読み)。
・どうしてこの人は一言多いのか&「民意ガー」スキームはいい加減にして欲しいという悪態
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2012121701353
安倍自民総裁、緩和圧力強める=日銀判断に影響も
(2012/12/17-20:26)
『衆院選で圧勝した自民党の安倍晋三総裁は17日の記者会見で、日銀が19、20日に開く金融政策決定会合について「(選挙の)結果を十分に受け止め、適切に判断してもらえると期待している」と述べた。安倍氏は選挙戦を通じて日銀に大胆な金融緩和を求めており、圧勝を背景に早くも緩和圧力を強めた形だ。日銀の判断に影響を与える可能性がある。』(上記URLより)
・・・・・・・・・・・・・orz
だから真正面から相手の顔を潰しながら圧力掛けたら却って相手がやりにくくなるのであって、本当に何かをやりたいというのがあるのならそういう表立った形じゃなくて色々とやりようがあるじゃろと思うのでありますが、まあそれは兎も角として脱力したのは「選挙の結果」云々する部分ですな。
いやあのですね、そもそも中央銀行の政治家らの独立性って「政治は短期的な利益追求に走りやすい傾向にあり、その結果として通貨価値の長期的な安定を損なう事から経済の長期的な安定を損なうリスクがあるので、中央銀行に独立性を付与する」というのが前提にある訳ですからして、「選挙結果で民意ガー」という理屈を持ち出すのはお前何も判ってないだろというツッコミを食らうぞなもしという話。
その手の「民意ガー」の話で金融緩和圧力とか言うのが色々な意味で筋悪の話でして、その「民意ガー」のロジックで行くと、実際に物価がちょっと上昇した際にインフレフォビア炸裂して「何とか値下げ隊」みたいなのが練り歩くようになってしまった時(当然ながらこの状況で物価が上昇するなら賃金とかが上昇する前に物価が上昇するでしょうし、コストプッシュで上昇するなら更にその方向でしょ)に今度はその「民意ガー」が逆に作用したらそれこそ悲劇になる訳でございます。
つまりですな、安倍さんにおかれましては「民意ガー」の話をするのではなくて、経済政策運営として堂々と自分の考えがどう見ても正しいという話をすれば良いだけの事で、そこで「民意ガー」を持ち出すと「中央銀行の独立性の意味を全然理解して無いだろ」とツッコまれる隙を作っているだけじゃんという事でございます。
つーかね、「民意ガー」のネタって東電関連で枝野とかいう人が無茶苦茶な無法スキームの話をした時に連発していたロジックでございまして、「民意が通れば道理引っ込む」じゃあ政治の責任放棄にも程があるわと思うのですけどどうでしょうかね。
#民意を丸無視しろという意味ではありませんので念の為。民意を盾に責任放棄するなという意味ですよ
いやまあここで安倍さんの発言を最大限好意的に解釈すると、「経済問題やデフレ脱却を前面に打ち出した選挙で自公が圧勝したという選挙結果は、経済の状態がそれだけ悪いという事を意味している訳で、経済の浮揚のために日銀の金融緩和を更に積極化したほうが良いのではないか」とまあそんな感じになるのでしょうが、報道されているこの発言(他の通信社でも同じように報道してますからそういう物言いだったんでしょ)だけ見たら「選挙結果を受けて緩和圧力」という解釈を普通にされますし、とにかく首相になるのですから金融政策関連の発言であまりナイーブ(って英語の方のニュアンスね^^)な物言いをされますと、市場は馬鹿反応を示すか、呆れて相手にしなくなるかのどっちかになると思いますので、発言はもうちょっと慎重にして頂きたいと斯様思うのでございまする。
・一方で石破さんの安定感が^^;
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2012121701427
日銀法改正に慎重=安倍総裁と温度差も−自民幹事長
(2012/12/18-00:44)
『自民党の石破茂幹事長は17日夜、テレビ東京の報道番組に出演し、日銀法改正について「必ずしも賛成しない」と語った。政府・日銀の連携を強化するために日銀法改正も辞さない構えの安倍晋三同党総裁との温度差が出た形だ。石破氏は日銀法改正に関連して「言うことを聞かないと(日銀)総裁を代えるというのは相当に行き過ぎ。そこまで考えている人はいない」と述べ、総裁解任権には否定的な見解を示した。』(上記URLより)
公明党の山口代表も「別に日銀法改正しなくても色々とやれることはある」と先般発言していまして、まあこういうスマートな出方の方が余程オソロシスであるとゆーのは皆様も身に覚えがあるかとは存じますが(^^)、結局本件ってあまりギャースカやって本当に長期金利が上昇しちゃうとか、物価がちゃんと上がる前からインフレフォビアに火がついてしまうとか、そういう風になった場合のバックラッシュが怖い訳でございます。
つーかさ、昨日からネタにしだしている(のですが今日は時間がなさそうなのでパス)直近FOMCでの会見を見ていますと、米国の金融緩和政策についても低金利については引っ張りそうですけれども、資産買入に関しては段々及び腰な雰囲気も見える中で日銀はせっせとAPP拡大して市場金利は沈むわCP社債スプレッドはぶっ潰れるわという誠にアレな事をしておられる訳で、まあどっからどう見ても麿の見せ方が麿なのでアレという面もある訳で、追加緩和と言っても変に無理筋の話をしないでまずは「見せ方」の工夫から入ればとは思うのですけどね。
まー安倍ちゃんが変に眦決して突っ走る時には石破さんやらそれこそ公明党なんかがブレーキを掛けてくれる事を期待するしかないですなあとか思うのでありまする。
・閣僚人事とか雑談
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol&k=2012121701443
官房長官に菅氏=経済再生相を創設−安倍内閣
(2012/12/18-00:44)
こちらにはないですが報道ベースだと麻生さんが副総理財務相ということらしいので、まあ麻生さんも積極財政&金融緩和論者ではありますが、日銀法改正ガーとか強引な振りをしてくるとも思えませんのでこちらも安定感に期待したい所でございます。で、経済再生相って何しますねんというか経済財政諮問会議復活させるなら別に経済企画庁長官でいいじゃねえのと思うのですが、まあ甘利さんが財務大臣や官房長官やらないなら順当(経済産業大臣の方が良いような気もしますが)という所ですかそうですか。
#菅さんの官房長官というのが少々アレな気もするのですが・・・・・・・・・・・
しかし安定感と言えばやはりこの安定のクオリティにはワロタとしか言いようがありません。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121217-00000011-san-l30
自民・二階氏、貫禄&笑顔の10選 和歌山3区
産経新聞 12月17日(月)7時55分配信
『二階氏は「郷土の期待に応え、悲願である高速道路の半島一周を実現する」と力強く抱負を語った。』(上記URLより)
>郷土の期待に応え、悲願である高速道路の半島一周を実現する
>郷土の期待に応え、悲願である高速道路の半島一周を実現する
>郷土の期待に応え、悲願である高速道路の半島一周を実現する
・・・・・・・・・・・これはまた二階先生まさに貫録のクオリティ^^;
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2012/12/17
○選挙結果雑感というか何というか
備忘録なので結果だけ書いておく。
自民:294
民主:57
維新:54
公明:31
みんな:18
未来:9
共産:8
社民:2
その他諸々:7
・・・・・・・・・まあ事前に言われていたような数字なのではあそうですかという所なのですけれども、あたくし的には前回の選挙で「特段問題も起こさず、というか海外の信用バブル崩壊に対して割と的確に対応していた」麻生政権が不信任を食らい、今回は今回で、「やっと政権党としてマシになってきた」野田政権が不信任を食らうという構図に絶望以外の感慨が起きないのですが、まあ絶望した!とか言っててもシャーナイので、今度は自民党が前の民主党よりはもっとマシにやって頂ければと思うのですが、何せ党首の言動がアレな上に、維新とかいう超有象無象連中が絶賛当選とかもう大丈夫かという感じです(が、維新はどうせ全力で空中分解するでしょうけれども)。
しかし野田さんに関してはここ数代の首相の中では一番マシだったとあたしゃ思うのですけれども、さすがにこの負けっぷりはちとカワイソスですが、これで民主もまた何のためらいもなく嫌がらせ路線に戻るのでしょうなあと思うとこれまた頭が痛くなって参りますな。
金融政策への圧力云々に関しては、今まで吹き込まれている無茶苦茶な話を安倍さんが排除して正確な現状認識の下で改めて判断して頂ければマシになるでしょうとは思うのですけれどもね。
ということで今日の本ネタは逆さ絵会見でありまして、まあそちらのフルテキストが出たのが金曜でしたという事で週末の読書の成果(?)をドヤ顔でご披露するというのもあるのですけれども、今回の会見を見ますと従来路線とは一線を画した話があちこちで出ているという意味では結構あれれれれな会見であります。
つまりね、安倍さんが選挙前に言ってた「無期限、無制限の緩和」という(吹き込み元はこの前ネタにしたロイターインタビュー辺りを見ておりますと佐藤ゆかり議員辺りと思われますが、元本職ならちゃんと教えればと思うのですが、そもそも本職時代も金融政策のプロと豪語しながら以下自主規制)ような言葉から想像されるような話とは全然違う話を逆さ絵のおじさんは展開しているのでございます。
更にどうでも良いですが、安倍さん途中から「目標達成するまでは無期限、無制限の緩和をする」という風に言いかえた見たいですが、それは普通無期限無制限とは言わないでしょうし、それなら既に日銀はドンドン基金の目標を拡大しております訳で、同じじゃねえの(確かに白川総裁の麿発言および麿スタンスによってそう見えていない、という問題点はあるのですが、実際に行っている事という意味では十分に同じなんですよねえ)などとも思うのですが、安倍さんも実際に首相という立場になって、変な取り巻きではない所から正確な事実認識を学んで頂ければ従来の無茶振りは緩和されるのではないかという期待だけは表明しておきますです。というかその位期待しないと金融政策だけじゃなくても発言が暴走気味でオソロシスにも程があるのですが、カオスになるリスクとしては大勝によって調子に乗った安倍さんが早速アホウな方の政策をバンバンおっぱじめる事ですかねえ。安倍さん自身の言動はど〜見ても「一部には受けるけど一般には受けない」政策ですからねえ。
#まあ公明党が自民党(というか安倍さん)の暴走のブレーキ役として期待されますが
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2012/12/12
○ニュース雑談等
・いやだから聞く人がですなあ・・・・・・
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol&k=2012121100003
安倍氏、金融専門家と会談=「お墨付き」狙う?【12衆院選】(2012/12/11-00:02)
ということで「金融専門家」ってどこの市場関係者だよと思って記事を見たら全力で脱力。
『自民党の安倍晋三総裁は10日夜、日銀の金融政策に批判的な米エール大学の浜田宏一名誉教授と党本部で意見交換した。』(上記URLより)
いやだから日銀法の条文とFederal Reserve Actの条文の違いの読みこなしも出来ない人が金融専門家ってそれ違うだろと思うのですけどねえ。まあやったら色々とアレな事になるんでしょうなあ。
・公明党キタコレ
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2012121000790
連立離脱の可能性も=集団的自衛権行使なら−山口公明代表【12衆院選】(2012/12/10-21:28)
『公明党の山口那津男代表は10日のTBSラジオ番組で、自民党が衆院選公約に基づき集団的自衛権を行使できるよう憲法解釈を変更したり、憲法9条改正に動いたりした場合、衆院選後に自公両党で連立政権を組んだとしても、連立離脱があり得るとの見解を示し、けん制した。』(上記URLより)
うーむ、自民党のいわゆるハト派系列の役割を公明党が担う日が来ることになるとは・・・・・・・
○ロイターで電波浴とな
一部の電波浴マニア(?)の間では既に知られていた記事なんですけど(^^)。
http://jp.reuters.com/article/stocksNews/idJPTK057007920121209
再送:〔総選挙こうみる〕財政危機説は嘘、アベノミクスで株価急騰
2012年 12月 10日 07:57 JST
まあURL先見れば誰でも気が付きますが、敢えて今回はコメントをしている人の名前を引用割愛して起きましょう。何かああだこうだ仰せで全般的にアレ感が漂うのですが、拝読しておりましてこれは本物のアレだと思ったのはこちらの部分です。
『──国債を大量発行すれば財政が悪化するとの懸念も多い。
「世間一般で言われている財政危機説は嘘だ。国債を発行しても財政は悪化しない。例えば政府債務残1000兆円、GDP500兆円の場合、政府債務残高のGDP比率は200%だが、国債を10兆円発行(債務残高1010兆円)し、全て公共投資などに用いればGDPは510兆円に増加、債務残GDP比率は198%に低下する。GDPが増加することで税収も増えるため、債務残高GDP比率の低下はさらに加速する」』(上記URLより)
・・・・・・・・・・・・・・(゚д゚)(゚д゚)(゚д゚)(゚д゚)(゚д゚)
こっち見んなと言われそうですが、こんな斬新な解決策があるんだったらギリシャ政府の債務GDP比率問題もポルトガル政府の債務GDPも財政削減策不要で解決するんですから今すぐこの理論をEU首脳会議でプレゼンしてきたら如何でございましょうか。
つーかロイター社さんってえのは一般的には金融経済関連の専門性が高いメディアとして世間に認知されている訳でございまして、そういうメディアがネットで一般人も見れるような所にこのような珍理論を堂々掲載するというのは晒し上げの積りなのかもしれませんが、編集機能どうなってるんだというのは気になりましたですよ。
メディアの機能ってゴミ情報をフィルタリングする機能だとあたしゃ思っていまして、ネットで検索するといくらでも「ぼくのかんがえたさいきょうの○○」が飛び交うこの世の中で、電波浴情報は別に幾らでも拾えるのでございますし、大体からしてこうやって電波浴とか言ってネタにする分には無害ですけれども、予備知識の無い善男善女が電波浴に当たって電波感染してしまうとマイナス以外の何物でも無いのでありまして、メディア様におかれましてはちゃんとフィルタリング機能を果たして頂きたいと思うのですが、肝心のメディアが良く判っていなくて堂々電波発信しているというのは良くネタにする産経などに見られるような状況でございますので困ったもんだという所でございますな。
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2012/12/06
○各種市場雑談
・先物145円ェ・・・・・・・
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MEHY7J6JTSF501.html
債券上昇、先物は9年半ぶり145円台乗せ−10年入札で需要の強さ確認
『12月5日(ブルームバーグ):債券相場は上昇。先物は9年半ぶりに一時145円台に乗せた。前日実施の10年債入札が順調な結果となり、投資家需要の強さがあらためて確認されたことが支えとなった。』(上記URLより)
ということで火曜日は10年国債入札あって何か知らんが不明玉も多くて入札堅調の巻で10年までは前日比変わらずで超長期は前日比甘という展開でしたが、昨日は昨日で前場は145円寸止めの微妙な所でうだうだしていると思ったら後場になってもう一発上昇して目出度く145円台。先週金曜に引け後先物が144円94銭に上昇して10年325回が0.695%になった訳ですが、イブニングセッション(昔ならLIFFE)で付いた高値は更新するの法則(?)が今回も適用されまして目出度く先週末の高値を更新いたしました(ちなみに325回の引けは0.680%である)と言う事で。
いやもう株式市場とか為替市場の動きとはまるで関係なく日々10年辺りが引っ張って金利低下するけど超長期が微妙において行かれるという判で押したような展開が毎日続いて中々お洒落な感じになっておりますが、何か過熱感があるのか無いのかワカランチ会長なのですけど、超長期が置いて行かれているから過熱感無いという事になるんでしょうかねえ・・・・・・・・・(・・?)
・基金国債買入ェ・・・・・・・・・
昨日の基金国債買入の結果。
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba121205.htm
国債買入(資産買入等基金)(残存期間1年以上3年以下) 13,874 7,011 0.096 0.097 68.1
基金国債買入は前回が11/29のオファーで0.098/0.097の結果、前々回が11/14のオファーで0.099/0.098の結果とゆーことで着実に落札金利が低下しておりまして、基金短国買入もそうですけれども短い所は物無し芳一モードが更に進んでいるという所でありまして金利で飯を食うあたくし共と致しましては甚だ遺憾な展開なのでもっと国債増発して下さいという風情ですが、まあシャーナイナイという所ですの。
ちなみに昨日の6か月TB入札の落札結果ですが。
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20121205.htm
(3)募入最低価格 99円95銭2厘
(募入最高利回り)(0.0963%)
(4)募入最低価格における案分比率 18.8633%
(5)募入平均価格 99円95銭3厘
(募入平均利回り)(0.0943%)
ということで0.10%を大きく(これを大きいと言うのかとゆー議論はありますが)割っての落札結果と相成りましてすっかり0.10%割れが定着の図という感じですが、はてさて今日の3か月TB入札はどうなるのやらという所ですな、ナムナム。
○これはまた何と申しますか・・・・・・・・
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MEJ7MB6JTSFI01.html
安倍総裁ブレーン・浜田氏:日銀新総裁は数カ月以内のデフレ脱却可能
『12月5日(ブルームバーグ):自民党の安倍晋三総裁のブレーンの1人である米エール大学名誉教授の浜田宏一氏(76)は4日、ブルームバーグ・ニュースの電話インタビューで、来年4月に任期満了を迎える日本銀行の白川方明総裁の後任が今以上の金融緩和を行えば、数カ月以内でデフレ脱却を実現できるとの見方を示した。
』(上記URLより)
>今以上の金融緩和を行えば、数カ月以内でデフレ脱却を実現できるとの見方を示した
>今以上の金融緩和を行えば、数カ月以内でデフレ脱却を実現できるとの見方を示した
>今以上の金融緩和を行えば、数カ月以内でデフレ脱却を実現できるとの見方を示した
・・・・・・・・・・( ゚д゚) ポカーン
えーっと、物価ってそんなにビビットに反応するもんじゃないと思うのですが、そんな簡単な方法でもあるなら先生日銀総裁やって「数か月以内でデフレ脱却を実現」出来なかったら切腹でもして詫びて頂きたいと申し上げたくなるの所でございますわな。
まあ数か月のデフレ脱却とか何しますねんと考えますと、まあ単に物価だけ上げたいというのなら何か経済にショックを与えて誰得物価上昇をするとかそういう話なんでしょうかと小一時間問い詰めたいのでございますが、何つーか先日の日銀法の目的がどうのこうのの話もそうなんですけれども、ちょっと先生以下自主規制という風情が漂うのですが大丈夫っすかねえ。
でまあ国内債券市場的にはこの手の話を見れば見るほど、いわゆる過激な金融緩和政策をぶちあげている人の話があまりにも荒唐無稽にも程があるという所から「どう見ても最初に言われていたような過激な金融政策は実施されず、単に追加金融緩和圧力が高まるだけになって、財政がそこに出てくるという毎度おなじみのその場しのぎ政策になるんでしょ」という認識となって、為替市場や株式市場の期待している「チェンジゲーム」との認識との乖離が絶賛拡大するというお話になるんでしょうなあとゆーことでしょうな。
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2012/12/04
○ニュース雑談
・安倍先生恐るべし
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080116-907457/news/20121202-OYT1T00671.htm
自民19%、民主・維新13%…衆院比例投票先(2012年12月2日21時21分 読売新聞)
比例投票先調査で1週間の間に6ポイント下げるとかさすが安倍先生力あるわと感心する訳ですが、そらまあ金融関連ではあの調子ですし、イデオロギー丸出し部分が政権公約で目立ってしまうとどうなのよと。階級政党とかイデオロギー政党というのは一定の支持を得ても政権を担うにはやはり(とりあえず中身はともあれ見せ方としての)国民政党というスタンスを維持しないとねえと。まああと2週間でどうなるのでしょうかね。
・特に賃金とかそうなのですが日銀にいうことと政策の整合性ががががが
まあどこぞの諸派の話ではありますが、つーか政策どころか人事面でも人によって言ってることがバラバラなこの政党の支持率が二桁あるのが信じられないのですけどそれは兎も角。
http://www.asahi.com/politics/update/1130/OSK201211300068.html
「賃金足りない部分は公が面倒みる」橋下・維新代表代行
朝日新聞デジタル2012年11月30日12時30分
『今は企業に最低賃金というハードルを課して、それを出せない企業とかは、本当ならあと2人も3人も雇えるのに1人しか雇えない、となってしまう。企業活動の中で、出せる賃金、雇える人数をきちんと決めてもらって、できるかぎり多くの雇用を生み出してもらいたい。』(上記URLより)
言いたいことは判るのですが、残念ながら雇用の調整を名目賃金で行うという状況が続き、名目賃金がアガランチ会長になっている状況が続く中で物価上昇期待とかそもそも持てない(というか名目賃金が上昇する期待が起きないのに物価上昇期待が起きるとか単なる地獄の一丁目だわ)訳で、デフレ脱却だの(この党も仰せでしたが)言う側からデフレ推進政策を政治サイドで取っていき、そのケツは全部日銀ガーとか何という無責任極まりないマルナゲータ精神。
昨日引用した日銀法にもありますが、大体からして日銀は政府の経済政策に整合的な金融政策を取りましょうってのは既にある訳で、政治サイドが普通にデフレ推進政策を賃金政策とかで実施しながらデフレ脱却は日銀やれとか、日銀に財政ファイナンスやれと言わんばかりの勢いの話をして財政インフレ懸念を起こしそうな事(ただまあその内容があまりにも支離滅裂かつ言ってることがコロコロ変わるので実際に財政インフレ懸念が起きないのが救いですけど)を言いながら「インフレターゲットを設定すればインフレは制御できるから問題ない(キリッ)」とか言われましても政治の無責任ぶりに呆れてしまうだけでございます。
#ということで今日は安倍さんに釣られなかったですぞ(キリッ)
○欧州は進展時期のようで
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJE8B200U20121203
スペインがEUに銀行支援を正式要請、融資は12月12日近辺
2012年 12月 4日 01:03 JST
ということで、先般のギリシャ融資もそうですが、年末になってきて帳尻のようにスペインについても駆け込み寺へのご訪問第一弾という所でございます。ま〜欧州に関しては問題が進展する時期があって一段落するとその後が進まず、そろそろ何とかしやがれコノヤローという流れになるとまた進展するというやる気があるんだか無いんだか判らない、というかまあ普通に当事者の皆様やる気起きる訳ないわなとゆー話。
スペインに関してはカタランの州議会選挙が終わって一応選挙シーズンが一服しましたし、カタランに関してはCiUが何故かボロ負けしたもののより尖鋭な独立主張をしているERCが大勝利して、そうは言っても連立をどう組むかでまた話が変わる(ちなみに前回の州議会選挙では国民党系政党が伸びるというそれはそれでビックリの展開だったのですが)みたいですし、経済がアレになってくると色々と不満が出てきて意見が割れるという現象なんですかねえとか、日本の小政党乱立も重ね合わせて思ったのですが、これを貧すりゃ鈍すと言うべきなのか、「勝っている時は一丸となれるが負けが混むと内紛が起こる」というどこぞの縦縞ユニフォームの職業野球球団じゃないですけど、まあそういう事なのかなどつらつらと思うあたくしでございました。
いずれにせよ、スペインは大物の選挙モード一服ですからとりあえず暫くは進展モードになるんでしょうな。ギリシャはカオス過ぎて何が何だかわからないですが。
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2012/12/03
○だんだんどうでも良くなっておりますがあまりにもアレなのでクリップ
・安倍さん言えば言うほどボロが出るので金融政策については・・・・・・
金曜日に腰を抜かしそうになったあの人の発言。
http://jp.reuters.com/article/jpmarket/idJPTK056492320121130?sp=true
WRAPUP1: 金融政策で論戦、安倍氏「首相になれば手段言わない」・首相「ばらまきより種まき」=党首討論
2012年 11月 30日 16:57 JST
『[東京 30日 ロイター] 来月4日の衆議院選公示を前に30日午後、日本記者クラブで党首討論が行われ、自民党の安倍晋三総裁は、日銀の金融政策をめぐる自身の発言について、首相になったら手段は申し上げないとし、金融政策の手段は日銀が決めていくとの考えを示した。』(上記URLより、以下同様)
>首相になったら手段は申し上げない
>首相になったら手段は申し上げない
>首相になったら手段は申し上げない
・・・・・・・・・・・・・・・( ゚д゚)
えーっと、確か「出来る事しか言わない」というのを売り文句にして政権公約を出して選挙に臨もうとしているとゆーことで、安倍様におかれましては首相になった時のお話を今まさにしておられると理解しているのですが、何を仰っているのかさっぱり理解致しかねるのですが・・・・・・・・・・・・
『また、建設国債を買い入れるとの発言の意図について、建設国債の範囲で買いオペを進めることが必要だと説明した。』
・・・・・・・・・・・・・・・( ゚д゚)ナニガナンダカワカラナイ
『安倍総裁はデフレ脱却と円高是正に向けた金融政策について「伝統的な緩和でなく、2%のインフレターゲットを設けて、ありとあらゆる手段をとっていく。財政政策も行う」との考えを示した。』
物価安定の目途って「当面の目途」が1%なのであって、さっきの麿会見での質疑にありましたように、実際に1%が見えてくる時点での状況によってはそれよりも上を目指すという話になる可能性もあるんですけど、まあ確かにそれを日銀の過去の実績から見て信用しろと言われても中々信用できないのは判りますが、党首討論で(この先にあるけど引用しない)1%か2%かでああだこうだとか何だかなあという感じではありますが。
『その上で、建設国債を日銀が買い入れるべきとの発言について、直接引き受けとは言ってない、とあらためて否定。「建設国債といったのは、赤字国債ではないという意味だ。建設国債というと、いきなりコンクリートというイメージがあることを、その時は気づかなかった」と説明した。』
何を仰っておられるのかがよく判りませんが、そもそも「直接引受」という「(安倍さんによれば)「誤報」も大きく影響して金融市場が反応した訳ですが、その反応を捕まえて「勝負あった」とか勝手に勝利宣言していたのは何だったんでしょうかねえ。
『さらに「金融緩和ということでは、外債を買っていくこともそうだし、FRB(米連邦準備理事会)のように株式市場に直接影響を及ぼしていくこともやっていくべきだろう」と緩和の具体的手法に言及した。』
>FRB(米連邦準備理事会)のように株式市場に直接影響を及ぼしていく
>FRB(米連邦準備理事会)のように株式市場に直接影響を及ぼしていく
>FRB(米連邦準備理事会)のように株式市場に直接影響を及ぼしていく
・・・・・・・・・・・・・・・( ゚д゚)
どうも安倍さんのブレーン(笑)様におかれましては現実把握能力が絶望的に欠如しておられるようで、FRBは株式市場に直接影響を及ぼすような政策なんぞリーマンショック以来一度も実施しておりませんのですが、何の政策を捕まえてこのような認識になるのか、その政策とやらはブレーン様の妄想の産物ではないでしょうかと小一時間。
大体からして株式市場ターゲットで金融政策とかそんな政策どこにありますねんという所ですが、FRBの場合は金融緩和政策の効果として「結果としての株価上昇」という話は確かにしておりますけど、それを言うなら総合指数型ETFを買っている日銀がまさに「株式市場に直接」となるオペを既に実施している(厳密に言えば「株を上げる」のではなくて「資産市場のリスクプレミアムの縮小」をしますと言っているので「株式市場に直接影響を及ぼす」というのではないので念のため)訳で、最早何が何だか。
外債購入に関しては要するに為替介入であって、介入するにはその相手国様とのネゴが必要になるのでありまして、まさか安倍様におかれましては「そのネゴは下々の人間が行う事」とでも思っておられるのではないかと甚だ心配でございますがそれは兎も角。
『ただ、「私が首相になったら、手段は申し上げない。日銀が手段を決めていく。今、野党の立場だから、たとえばということで手段にも言及している」と明言した。』
もうさっき呆れた通りでございます。
・これもまたポカーンな
まあ大体ここは電波浴御用達メディアなのでネタにするのも何ですけどつい釣られクマー。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/34188
浜田宏一(イェール大学教授)×安倍晋三(自民党総裁)「官邸で感じた日銀、財務省への疑問。経済成長なしに財政再建などありえない」
まあ経済成長しないで財政再建するのが大変というお題は判るのですが・・・・・・・・・
そこの4ページ目より。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/34188?page=4
『浜田:それが日銀法の問題点だと思うのです。日銀法ができたのは、大蔵省不祥事とかいろんな政治的きっかけがある。中央銀行の独立性がある国のほうが上手くマクロ政策をやっていたような例もありました。独立性自体はいいんでしょうが、困ったことに、日銀法では手段の独立性だけではなくて、目的の独立性まで日本銀行に与えてしまった。ですから、国民に対して政治責任を負っている政府が考えるべき、国民生活の雇用とか国民所得などに対して、どの辺まで政策が努力したらいいのかを日本銀行が決めるかのようになってしまったのです。』(上記URLより)
・・・・・・・・・・・・・・・( ゚д゚)
日本銀行法
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H09/H09HO089.html
『(目的)
第一条 日本銀行は、我が国の中央銀行として、銀行券を発行するとともに、通貨及び金融の調節を行うことを目的とする。
2 日本銀行は、前項に規定するもののほか、銀行その他の金融機関の間で行われる資金決済の円滑の確保を図り、もって信用秩序の維持に資することを目的とする。
(通貨及び金融の調節の理念)
第二条 日本銀行は、通貨及び金融の調節を行うに当たっては、物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資することをもって、その理念とする。
(第3条引用割愛)
(政府との関係)
第四条 日本銀行は、その行う通貨及び金融の調節が経済政策の一環をなすものであることを踏まえ、それが政府の経済政策の基本方針と整合的なものとなるよう、常に政府と連絡を密にし、十分な意思疎通を図らなければならない。』
Federal Reserve Act
http://www.federalreserve.gov/aboutthefed/fract.htm
2A Monetary Policy Objectives
http://www.federalreserve.gov/aboutthefed/section2a.htm
Section 2A. Monetary Policy Objectives
『The Board of Governors of the Federal Reserve System and the Federal
Open Market Committee shall maintain long run growth of the monetary and
credit aggregates commensurate with the economy's long run potential to
increase production, so as to promote effectively the goals of maximum
employment, stable prices, and moderate long-term interest rates.』
・・・・・・・・・・・・・・・うーむ、日銀法と連邦準備制度法で示している「目的」はどちらも設定されております(日本の場合は銀行券の発行、決済システムの円滑、信用秩序の維持、物価の安定とならんでいて、米国の場合はご案内のように「the
goals of maximum employment, stable prices, and moderate long-term interest
rates」ですな)が、このどこをどう読むと「日銀法では目的の独立性がある」という話になるのかさっぱりわからないのですが、もしかしたらイェール大学の教授ってえのはご本人の母国語で書かれた文章が読めなくても務まるものなんでしょうか?????
ということで、何かさっきの安倍さんの話でそもそも前提となる理解に事実誤認がございますが大丈夫ですかというツッコミが(今日だけじゃなくて)成立することの原因って結局ブレーンとやらの方々のアレっぷりがそのまま出ているという風情でありまして・・・・・・
これまた電波浴御用達メディアですがちょっと前の記事。
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20121121/plt1211211825010-n1.htm
自民・安倍総裁「突破する政治」特別インタビュー デフレ脱却、尖閣防衛を大いに語る
2012.11.21
安倍さん曰く『野田首相が、財務省・日銀に操られたパペット(人形)であることを証明している』(上記URLより)との事ですが以下自粛。
#しかしいい加減このネタに釣られるのも生産性が無いのでスルーしたいのですが、次から次へとツッコミの釣り餌を提供してくれるもんだから困ったもんです
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2012/11/30
○「経済の安倍」で売り出そうとしているのは判るのですが・・・・・・
昨日も金利市場の皆様は朝っぱらから安倍さん発言のヘッドラインに釣られクマーなのであります。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-ME819F6KLVRQ01.html
自民党の安倍総裁:物価上昇2%まで無制限緩和、手段は日銀が (1)
更新日時: 2012/11/29 10:36 JST
『11月29日(ブルームバーグ):自民党の安倍晋三総裁は29日午前、都内のホテルで開かれた日本アカデメイアとの交流会で講演し、政府・日銀が2%のインフレ目標を設定した場合はそれに到達するまで無制限に緩和し、超えた場合は引き締めに入るとの認識を示した。』(上記URLより、以下同様)
上記記事はまとめ物なので10時過ぎの配信になっていますが、実際はこの交流会は所謂朝食会みたいなもので、ブルームバーグの関連ヘッドラインはこんな感じでした。
8:14*安倍自民総裁:日銀の国債引き受けするべきと言ったこと1回も無い
8:15*安倍氏:日銀の国債引き受け報道はマスコミが間違えた
8:16*安倍氏:次元の違う新しい強力なデフレ脱却策をする
8:17*安倍氏:このままでは平成の大不況に突入する可能性
8:17*安倍氏:インフレターゲットはそれ以上でもそれ以下でもだめ
8:17*安倍自民総裁は:日本アカデメイアとの交流会で語った
8:18*安倍氏:2%を超えたら引き締めに入る
8:19*安倍氏:2%までは無制限に緩和
8:23*安倍氏:日銀の独立性脅かしているというのは全くわかっていない批判
8:24*安倍氏:中央銀行が完全に独立性担保されているのは金融政策の手段
8:26*安倍氏:インフレ期待を高めるのは公共投資
8:27*安倍氏:インフレ期待の後に円安と株高が来る
ということで朝から威勢よくヘッドラインが流れた(他のベンダーまで一々チェックしていませんがまあこんな感じだったんでしょうな)のですが、いやもうねという所で安倍さんって本当に面白いですわ(棒読み)という所でにゃんとも。
『安倍氏は「インフレターゲットはそれ以下でもだめだが、それ以上でもだめだ。例えば2%というものを決めれば2%を超えていくという段階で引き締めに入っていく。この技術が中央銀行の人たちには問われる」と指摘。その上で、「制限は2%。額にではなくて目標に対して無制限で緩和をしていくということだ。政策手段については日銀が行っていく」と説明した。』
2%までは「無制限緩和」を実施して2%を超えていくという段階で「引き締めに入っていく」ってそんな事したらフルスロットルでアクセル踏んでいたものをいきなり急ブレーキ掛けるようなもんで、それはどこをどう考えても金融市場全般に対して物凄い勢いでストレスを掛ける話で、ボルカーショックも裸足で逃げ出す超越金融調節方針にも程があるんですけど・・・・・・
>この技術が中央銀行の人たちには問われる
>この技術が中央銀行の人たちには問われる
>この技術が中央銀行の人たちには問われる
・・・・・・・・・・いやあのそんな技術問われましても出来ないものは出来ないのでありまして、安倍先生の仰るのは言うてみれば生身の人間にイカロスの翼渡してこれで太平洋無着陸飛行してこいとかいうようなもんで、実務上のフィージビリティーを何も考えずに無茶振りして「あとはお前がうまくやれ」とかパワハラ上司も土下座しそうなお話に腰が抜けるというものであります。昨日も申し上げましたが、そもそもそんな超厳格なターゲット政策は世界のどこの中央銀行でもやってませんぞなもし。
つーかですな、
http://jp.reuters.com/article/topnews/idjptye8aq03g20121127
日銀は2%の物価目標を、法改正なら雇用にも責任負うべき=安倍総裁
2012年 11月 27日 16:25 JST
2日前には「雇用にも責任負うべき」という話をしていまして、もしデュアルマンデートを求めるというのであれば物価目標の2%を達成したとしても雇用目標との関係で引き締めをしない方が適切という場面が生じるのでありまして、日銀引受と財政規律喪失のセットで財政インフレ懸念というのに対する反論をしたいというのはよく判るのですが、その説明をするのに今度はいきなり厳格なインフレターゲットの話を始めて、つい2日前に言っていたデュアルマンデートの話といきなり矛盾するとか、そもそも安倍さんがあるべき政策フレームワークを理解しないでああだこうだ吠えているのがバレバレになるので、毎度申し上げておりますようにあまりこの件を突っ込んで話をなさらない方が良いと思うのですけど・・・・
大体そんな細かい技術論を首相(まだ首相じゃないけど)が知っていなければいかんというものでもなくて、もっと大括りの理解で本質的な所(政府が中央銀行に財政ファイナンスを強要するのは良くないですよねとか)を押さえておけば良いだけの話だと思うのですよね。
てかさ、上記のニュースヘッドラインにしても、「金融政策の手段は独立している」と言いながら「無制限緩和しろ」とか金融政策の手段について言及してみたり、「インフレ期待を高めるのは公共投資」ってだったらインフレ目標2%は何のために実施するんだよとか、どうも金融政策に関する安倍さんのここ2週間のご発言を拝読するに、「一つ一つの話(というかパーツパーツの部分というか)は内容の是非はともかくとしてそれなりに筋が通っている」話をするのですが、「一連の話を通して読むと各個の話(パーツ)の内容が前後で相互矛盾を起こしている」というのが誠にアレでございまして、色々と勉強をして微調整しているというのは有るのかも知れませんが、何か政策ブレーン()の某ウォッチマン先生がそういうのを得意にしているのにまるでそっくりというのが何ともアレでございまする。
まあそんなこんなで債券市場は「この調子じゃあ政権取っても金融緩和バイアスは掛かるけど債券売りになるような過激な政策は実施できないでしょ」と思いっきり高を括るの巻となって昨日も昨日で10年カレントは直近高値(低金利)更新でござるの巻だったりしておりましたな。
まあここまで散々話題にしてしまっているので引っ込みが付きにくいのは判るのですが、いい加減安倍さんの生兵法で村正の妖刀を振り回しまくるの図を止めさせないと、今は安倍トレードとか言って囃し立てている市場も呆れだします(まあ金融政策への認識がある金利市場が真っ先に呆れているのですが)し、一国の宰相(まだ宰相じゃないけど)が海外投機筋の絶好のカモの図とか正直見たくはございませんのですけどねえ。
いやまあ相手が一般ピープル向けだったらこの程度の話でも「安倍さんって経済にも強いんだ!すごーい!!」って事になるのかもしれませんが、その挙句部分部分はあっているけど全体を見ると矛盾している謎の金融政策理論を一般ピープルに啓蒙されますと世の中の為になるとは到底思えないので心底ご勘弁願いたいのですが、あと2週間この調子でニュースを見させられるということですかそうですか。
#ということですが、まあ安倍さんの話も多分ここから先は同じ話が循環して出てくるだけのような気がします。ウォッチマン先生の俺様理論の展開状況からするとそんな感じがするのですが
追記:どうでも良いけど朝の公共放送ニュースでニコ動の党首討論ニュースやっていたのですけれども、原子力政策に関して安倍さん「原子力発電で廉価な電力を得て日本は高度成長を達成してきた」と仰せなのだが原子力発電の本格推進ってオイルショック(即ち高度成長後)で「いつまでもあると思うな廉価な原油」状態になってからじゃなかったでしたっけ?????
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2012/11/29
○やはりまた安倍さんのアレとかの続き
・財政ファイナンスしろの話が問題なんですけどね
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol&k=2012112800727
2%超えたら金融引き締め=インフレ目標は厳格運用−安倍総裁【12衆院選】
(2012/11/28-19:10)
『安倍晋三自民党総裁は28日午後、都内で街頭演説を行い、同党が政権公約として掲げる2%のインフレ目標について、「2%を超えていけば(金融政策を)引き締めるということだ。インフレ目標を定めた国で、ハイパーインフレになった国は世界中どこにもない」と述べた。』(上記URLより)
うーむ、相変わらずよく判っていないようですが、そもそもインフレ目標政策というのは足元の数字に直接対応して金融政策を上げ下げするのではないというのは英国の状況を見れば一目瞭然でございますし、大体からして金融政策の波及効果にタイムラグがある上に物価って景気に遅行して動く傾向があるので、そんなリジットな物価ターゲット政策を打ったら金融の緩め過ぎと引締め過ぎの連発になるだけなんですけど。今頃「インフレ目標を厳格運用する」ような政策枠組み組んでる国は「世界中どこにもない」と思いますけどにゃあ。
つーかですな、「インフレ目標を定めたらハイパーインフレにならない」というのはあまりにもナイーブな話で、過去に起きなかったから将来も起きないというのは理由にならない訳で、財政規律無視しながら金融緩和を強要して財政ファイナンスしやがれとかやっているとやはりマズーな気はしますがね。
まあ先の大戦後の日本の大インフレは供給能力に下方ショック(戦争による生産力破壊と植民地喪失)に敗戦に伴う軍事関連支出の急激な拡大に財政ファイナンスが加わっての通貨膨張の合わせ技が原因で、普通に考えたら供給ショックが起きなければまあそう簡単にとんでもないインフレにはならないでしょうけれども、ただまあ足元の日本ではエネルギー関連の輸入超で貿易収支が赤くなっている所に来て財政ファイナンスとか無茶振り言い出すと輸入物価ルートでショックが掛かるという日本国内的に誰得な物価上昇パスはあるんじゃネーノとは思いますけどね。
何はともあれ重要なのは財政規律の方で、延々とネット減税しかしないような政治が続いているというスカポンタンな状況の下で社会保障関連で支出は確実に増えていくのでございますからして、そっちの方をどうにかして頂かないと困る訳で。
・・・・・・それは兎も角として、安倍さん何でこの件をしつこく発言するのかというのがワケワカランチ会長なのですけれども。話せば話すほど「付け焼刃の生兵法」というのがバレバレになるのでありまして、いやまあ聞いている方も素人だからよく判ってないでしょうしそれはそれで「安倍さんって経済通で凄い」的な印象を与えるのには良いのかもしれませんけれども、浅学菲才ながら一応物事を素人さんより判っているつもりでいるこのあたくしのような市場関係者とか政策担当者からすると最早見るに堪えない状態になってしまわれているというのはご本人の為にも宜しくないと思うのですけれどもねえ。
・ウォッチマン先生は何トーンダウンしてるのやら
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-ME6GNM6TTDT501.html
安倍総裁ブレーン・高橋氏:日銀総裁に英国式説明責任を−物価目標で
『11月28日(ブルームバーグ):嘉悦大学の高橋洋一教授はブルームバーグ・ニュースのインタビューで、日本政府はインフレ目標を設定するとともに、目標が達成できない場合は日本銀行総裁に理由を説明するよう求めるべきだと述べた。同教授は、自民党の安倍晋三総裁のブレーンの1人。インタビューは27日に行った。』(上記URLより、以下同様)
この先生以前はみんなの党のヨッシー先生のブレーンやってた筈で、つい最近は橋下さんのところでアドバイザーみたいなのをやっていたという具合の方で、なんちゅうか政治家さんってそういう渡り鳥にも程がある人(まあ本人の理屈からしたら政治信条云々では無くて正しい経済政策を理解してもらいたいのでそういう人にアドバイスするという事なのでしょうけれども)を良くもまあ重用しますなあ安倍さんとか思いますがそれは兎も角。
『高橋教授はインフレ目標が達成できない場合、中央銀行総裁を「英国と同じように議会に呼んで質問するか、言い訳をレター(公開書簡)にして議会で説明させる」べきだと主張。一方で、ニュージーランドのように総裁を退任させるのは「ちょっとやりすぎ」と述べた。』
・・・・・・・・・??????
えーっと、議会に呼んで質問って言いましても既に日銀総裁の国会出席回数って他の主要国の中銀対比異常なまでに多いですし、BOEの書いているレターなんぞ「これこれの理由で中長期的に見たら物価は2%に下がります(キリッ)」というのを1年じゃ効かなく書き続けているだけの紙状態でございますけど。つーか総裁の解任権が無いのはおかしいとかこの先生主張してた筈なんですけど、何かこの先生言う事がコロコロ変わり過ぎで(大体からしてかつては「マンデルフレミングモデルによって財政支出効かない」とか主張してたのに今の生徒の安倍さんはゴリゴリの財政支出派じゃないですか)もう何が何やらという所で。
#まあそんな感じで安倍さんのトーンが落ちているのが見えてきたのも効を奏したのか債券市場におかれましては売る理由が無くなってしまいまして0.715%テイクンとかやりやがっている訳ですが
○銀行券ルールの実務的妥当性に関する雑談
公明党の西田さんと言えば以前も結構強烈な緩和主張をしていましたが。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-ME5YH16K50Z301.html
公明・西田氏:大胆な金融緩和、日銀券ルールの撤廃を−インタビュー
『11月28日(ブルームバーグ):公明党の西田実仁参院国会対策委員長は、デフレ脱却に向けて日本銀行が大胆な金融緩和に踏み切るよう求めた上で、購入する長期国債の保有残高を日銀券の発行残高内に抑える「日銀券ルール」を撤廃すべきだとの考えを明らかにした。26日のブルームバーグ・ニュースとのインタビューで語った。』(上記URLより、以下同様)
えーっと既に基金買入の分で銀行券残高超えているんですけど。
『西田氏は、「日銀券ルール」について「こんなルールを内規で定めているのは日本しかない。この際、デフレを脱却するまでは廃棄すべきだ」と述べた。デフレ脱却後は一定のルールを設定することは必要とも付け加えた。』
うむ、基金国債買入は「物価安定の目途達成が見通せるようになるまで」継続するのですから、「デフレを脱却するまで銀行券ルールを廃棄してデフレ脱却後に一定のルールと設定することは必要」なら今の枠組みと同じのような気がするんですが・・・・・・
『日銀の資産買い入れ等基金による国債購入が同ルールの例外扱いされていることについては「分かりにくい。すでに従来のルールはもう壊れている」と指摘した。』
まあ判りにくいという指摘は判らんでもないですが、ただまあ西田さんの主張されている話だと(話がこの記事通りという前提で考えた場合)今の枠組みと同じでして、何がどう違うのかという話ではあります。
#確かに「見せ方を判りやすくすることによって気合を見せる」という効果があるのは否定しません
そもそも銀行券ルール自体が日銀総裁などの説明によりますと「野放図な国債購入拡大によって日銀が大量に保有する長期国債が財政ファイナンスと見なされないようにする」という事になっているらしいので、要は財政規律の方がきちんと確保されていて、それが将来的にも担保されているというのであれば、そもそもの問題意識である「中央銀行による財政ファイナンス化懸念」というのが発生しないのですから、銀行券ルールがどうしたこうしたというのは別にどうでも良い話という事になりますぞな。
然るに、どう考えても財政規律どころかPB達成すらいつまでたってもできそうもないという状況な中で財政バンバン出しましょう的な話ばかりが(選挙だから仕方ないけど)次期政権与党になりそうな所からバンバン出てくるという状況でございますので、まあ中々この手の歯止めを外すというのもアレではないかという気もしますけどどうなんでしょうかね。
・・・・・・・でまあ銀行券ルールって財政ファイナンス懸念を起こさせない的な話にはなっているようなのですが、短期市場とか資金需給とか判っている人だったら何を今更の話ですけど、銀行券ルールはまあ実務的に考えた場合にも妥当ですよねというお話を一席(まあどこかの席で話をした気もしますし、以前(数年前)簡単に書いた事はあるのでご存知の方はスルーしてくらはい)。
日銀が資金供給するだの吸収するだのというのっていうのは結局の所インターバンク市場での資金需給を調整することなのですが、これを日銀のバランスシートで見た場合、市中の資金需要分っていうのは思いっきりざっくりと言ってしまえば「発行銀行券総額」に「所要準備預金額+日々の資金需給分」が相当する(たぶん政府預金分がそれに加わると思うが)という話でありまして、このうち短期的に動くのは日々の資金需給に相当する部分で、銀行券の増発(がインターバンク市場の資金不足要因になるという理屈を理解する所から短期市場の理解がスタートしますので判らないかたは東京マネーマーケットでも麿の本でも読んでくらはい)や還流、財政の揚げと支払という事になります。
一方で長期的に資金需要として固定化されている部分っていうのは発行銀行券残高の底溜まり部分と、インターバンクの所要準備のほぼベース部分と見られる部分でして、日々の日銀のオペレーションで資金需給を均そうとすることを考えた場合、長期的に固定化されていると見られる部分については「足の長い期間の資金供給」を行うのが理に叶っていて、短期的な部分については「足の短い期間の資金供給」を行うのが適切という話になりますわな。
ただまあテクニック的に言えば、上澄み部分相当だけを短期のオペで出し入れすると、そもそも市場全体の資金過不足と個別参加者の資金過不足は必ずしも一致しない(例えば市場全体で1兆不足の時もしかしたら2兆不足の金融機関と1兆余剰の金融機関があるかもしれませんという話)ですし、何らかの事情で資金需給がおおきくぶれた時の対応がややこしくなるので、基本的に言えば長期的な固定部分の資金にある程度食い込んだ形で短期の資金供給オペレーションを行って、そこの上げ下げをしながら調節する方が技術的にもやりやすいし市場関係者的にも楽(ある時はオペ残高が1兆である時は11兆というよりは、21兆から31兆というような形でオペの底溜まり部分がある方が市場の方も対応しやすいという意味)という事になりますぞなもしという事であります。
でまあその資金供給のうち「足が長い」のが中長期国債の買入であり、「足の短い」のが通常の短期オペですよねという事でありますので、短期金融市場における資金過不足調整を円滑に行うという観点からすると銀行券ルールっていうのは調節技術上も比較的意味のある話ですよねというのがまあ結論になるのですが、この説明自体は少々ざっくりベースで行っていますのでもうちょっと正確な説明するにはどうしたら良いのかという件については読者の皆様におかれましては誰か親切にご教授頂きますと誠に有り難く存じますのですが。
#ということで、何か今日はしょうも無い雑談(しかも知っている人には何を今更ネタをドヤ顔で説明するの巻でしたし)になってしまいましたすいませんすいません
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2012/11/28
○例によって安倍さん関連
・もう何と申しますか
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2012112700749
「米倉経団連会長は勉強を」=緩和強化批判に安倍自民総裁
(2012/11/27-17:51)
『自民党の安倍晋三総裁は27日、都内で講演し、金融緩和強化の一環として日銀に建設国債の購入を求める持論に対し経団連の米倉弘昌会長が「禁じ手」と批判したことについて「今も日銀は市場から国債を買っている。米倉さんは勉強してもらいたい」と反論した。』(上記URLより以下同様)
・・・・・・・・えーっと、米倉さんは(以下の記事にもありますが)「中央銀行による財政ファイナンス」を念頭に「禁じ手」と言ったんですけど。「米倉さんは私の発言を誤解しているようなので正しい理解をして頂きたい」程度に話を止めておけば良いのに「日銀は市場から国債を買っている事も知らないのか」的な言い方をしてどうするねんというか、要は批判されたのでムキーとなっているというのが見え見えなので一国の宰相として如何なものかと見られ兼ねない話になるだけなのでこの件どうせ安倍さん得意じゃないんですから余計な物言いをしない方が良いと思うのですけど。
『米倉会長は26日の記者会見で、日銀による国債の直接引き受けを念頭に「安倍総裁は『建設国債を日銀が引き受けなさい』ということで、世界各国で禁じ手となっている政策は無謀に過ぎるのではないか」と述べていた。安倍総裁は「建設国債の直接引き受けと言ったことは一回もない」と強調。「これから選挙戦を戦う上で米倉さんとけんかする気は全くないが、間違った認識は正しておく必要がある」と語った。』
・・・・・・・・「輪転機を回してお金を増やす」「建設国債を全部買ってマネーを強制的に市場に流す」とか「無制限に緩和」「従来の自民党とは違った次元の大胆な金融緩和」などという言葉を散々並べたら、受け止める側でまあ市場の事を理解している記者さんも市場関係者も普通に「中央銀行に財政ファイナンスをやらせる」という趣旨として理解する方が自然でして、従来やっている日銀の国債買入と同様の話ですとか後から言われましてもと思いますが。
大体からして本当に「中銀の国債引受要請じゃない」って思っているのなら当初「引受」と解釈された報道が流れた時点の先週土曜の夜以降即座に否定すれば良いものを、世間が大騒ぎして批判がドカドカ出てから「そのような意味で申し上げたわけではない」(どこかで聞いたような物言いを思い出しますが^^)とかえーっともしもしどういう事ですか(しかもその間に安倍さんブレーンの一人と言われている某ウォッチマン先生は「中央銀行の引受が禁じ手というのは世界的に見て間違い」とかネットで発信(ちなみにそれも変なのですが)してましたぞなもし)と存じますが、元々経済政策は安倍さんの得意分野とも思えませんし、いつのまにか3%のインフレ目標の話が2%になったりとかにもありますように、あまりこの件で詳細な部分に踏み込んで話をしない方が変なボロが出ないと思いますけどね。
つーか、「米倉さんは勉強してもらいたい」と仰せの安倍さんにおかれましては、確かに勉強はしておられているようなのですが、残念な事にその勉強を教えている教師が少々アレな方々であって、アレな先生にアレな事を教わった結果として発言が市場をちったあ判っている者から見ると大丈夫かおいという風になるという一連の動きは誠にご勘弁願いたいものでございます。
ちなみに先週末のWSJでは安倍総裁のインタビュー記事がありまして、紙ベースの物を読んだだけなので一々引用できないのが残念ですが、そちらの記事は題名が「日本の安倍氏は財政支出にフォーカスを置く」とかいう話になっていまして、「我々の政策はデフレ脱却に集中する」として「しかしデフレ脱却は金融政策単体では達成できない、財政政策も必要である」とゆー話をしてまして、何か国内ベースの報道での安倍発言とトーンが違うんですがという違和感はあるので、興味のある方はWSJの先週末の週末版を読んでちょ(1面と14面にあるぞな)。
・俊ちゃんキタコレ
まあ話題になっていたのでご覧になられた方も多いと存じますが。
http://www.canon-igs.org/management/toshihiko_fukui/20121121_1663.html
2012.11.21 [役員室から] 打ち出の小槌はない
理事長 福井 俊彦
・・・・・・・・・・・・・俊ちゃんキタコレでございますが、全くご尤もという所でございまして、安倍さんも勉強熱心であるというのは把握致しましたので、できましたら今周囲におられます変な取り巻きからのレクチャーというのを止めて頂いて(そういや月曜の某六本木テレビの某番組で取り巻きさんが雁首揃えて出ておられたとの話を小耳に挟みましたが)俊ちゃんなどからの授業を受講されますと誠に有り難く存じますが、どうも取り巻きさんたちが「日銀の陰謀ガー」「財務省の陰謀ガー」とか言う人たちのようでございまして、聞く耳持たないとか言い出さないかと不安はございますな。
という事でしかしまあこのネタで書く事が毎度あるとかネタに困らないのは結構でございますが、どう見てもいち国民としては不幸だなあとしか思えないのがorzorzでありまする。
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2012/11/26
○安倍さんネタが尽きませんなあorzorzorz
金曜の朝の時点ではちょっとトーンダウンしたのかと思いきやこれはまた・・・・・・
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MDVMGI0UQVI901.html
安倍総裁:日銀は円安を謙虚に受け止めよ−自民政策発表で80円台 (1)
『11月22日(ブルームバーグ):自民党の安倍晋三総裁は22日午後、東京都内で開かれた商工会全国大会であいさつし、自らの政策発表を受け、外為市場で円安が進んでいることを日本銀行は謙虚に受け止めるべきだとの認識を示した。』(上記URLより、以下同様)
・・・・・・・・・・・・・・・中央銀行に財政ファイナンスを要請した発言をして円安が進行したのを捕まえて「謙虚に受け止めるべき」とは大きく出ましたなと申しますか、そもそも政府の責任で実行する政策について市場が好感したなら百歩譲ってドヤ顔するのも判らんでも無いが、そうじゃない筋違いの話を受けて市場が反応したからドヤ顔とかやはり事の重大性を全然認識しておりませんぞなという所で。
つーかさ、「自分の発言でこのように市場が反応したぞどうだエライだろ」とかそういうのは自分の心の中で思っていたとしても口に出したら「自分の発言で市場をマニュピレートしようとしている」と受け止められ兼ねない話であって、いいからそういうのは本人は口にするなというか、ドヤ顔(これがまたアレな事に安倍さんのドヤ顔が想像できてしまう所があたくし的にはアレなのですが^^)で言わない方が良いと思うのですけどねえ。
まあそれ以前の問題として、安倍さんの言うとおりになって期待インフレが上昇するのであれば債券市場は長期債超長期債中心に絶賛大暴落になっている筈でして、当初はまあ反応したものの結局の所反応は限定的(全く金利上昇していないとは言わない)でして、ソイヤソイヤとやっているのは政治ネタ大好きの海外投資家(投機筋?)メインの為替市場のようにも思えますがね。
『その上で、「われわれが政策を発表しただけで、なかなか80円台に戻らなかった円は下がった。下がったことによって一体、何人の雇用が守られたか。このことも日銀にも、ちゃんと謙虚に考え直してもらいたい」と語った。』
ふーん、為替が2円位動くと雇用がビビットに動くんですねえ(棒読み)、ていうか為替介入するなら財務省に介入させればよいだけの話じゃないの??
でまあ公明党の反応が冷静なのですよね。
http://www.47news.jp/CN/201211/CN2012112201001698.html
公明の山口氏、「国防軍」否定的 日銀法改正も不要
2012/11/22 20:15 【共同通信】
『公明党の山口代表は22日、自民党が衆院選政権公約で掲げた憲法改正による「国防軍」保持に否定的な見解を表明、金融緩和実現に向けた日銀法改正についても不要だとの考えを示した。自民党が公約で保守色の強い「安倍カラー」を前面に出したことに対し、政権復帰後をにらみブレーキをかけた格好だ。』(上記URLより)
そういや超どうでも良いのですが、わざわざ国防軍とか名前を変えるのも周辺諸国の批判ネタを提供するような気もしますが、自民党政権公約の項番96で「中国・韓国・ロシアとの関係を改善」すると仰せの割には他の項番でアレな項目があったりしるような気もして大体からして政権公約に328項目とか盛り込み過ぎにも程があるわと思いますがそれは兎も角。
山口代表は既にこのような発言をしておられましてですね。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-LAAC6J1A74E901.html
公明党・山口代表:日銀法改正論に賛同できず、独立性に影響
『10月15日(ブルームバーグ):公明党の山口那津男代表は、政府と日銀によるインフレ目標政策の共有を目指す日本銀行法の改正論は、日銀の独立性に影響を与えかねないとして同党としては賛同できないとの考えを明らかにした。ブルームバーグ・ニュースとの14日のインタビューで語った。』(上記URLより、以下同様)
10月に既にこのような話をしていた次第。
『山口氏は日銀法改正について「にわかに賛同しない」と言明。その理由としては「政治の多数決原理に委ねてしまうということは日銀の独立性に影響を与える。独立性が必ずしもなくなるという意味ではないが、やはり、政治の介入が強くなってまずい」と指摘した。』
仰る通り。
『山口氏は物価目標政策について「仮に法律をつくらなくても、政府と日銀の大きな意味での連携は図れる」と指摘し、法改正なしでも政府・日銀がデフレ脱却に向けた共通の政策目標を設定することは可能との認識を強調。日銀が5日の金融政策決定会合で決めた包括的な金融緩和策について「実質的にはわれわれの言っている政策に近いものがある。一応、評価している」と明言した。』
直近の山口代表の発言でもあたくしがどこかのベンダーで見た時には「日銀法改正なしでも運用次第で出来る」という趣旨の発言を山口代表がしていたというのを拝読しておりますが、肝心のニュースがネットで拾えなかったので10月のインタビューを拾ってみました。
『また、民主党議員有志で作る「デフレから脱却し景気回復を目指す議員連盟」(デフレ脱却議連)が検討している、日銀の政策目標の一つに「雇用の最大化」を日銀法上に明記する案に関しても、「にわかにこれも賛成できない。物価の安定というのが日銀の本来の使命だから、雇用をどうつくり出すかというのは産業政策や、財政政策、税制、規制緩和等の手段によるべきであって、これはまさに行政のサイドの話だ」と否定的な見解を示した。』
誠に仰る通りで、一方で為替が数円動くと雇用が何人守られるとかドヤ顔で仰せのどこかの誰かさんには山口代表の爪の垢を煎じて飲んで頂きたい物であります。
『一方、政府・日銀による再度の為替介入については「急激な円高が進むということは、現実に厳しい影響を受ける国民や企業がいるということ。為替介入が一定の効果があると見込めれば、それは果断にやるべしというのが政治家の務めではないか」と語った。』
ただまあ物価目標の話もそうですが、公明党の方が極端な話をしてこないだけに緩和に関するプレッシャーはこれはこれであるようにも思えますにゃ(^^)。
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2012/11/22
○ということで先に自民党公約関連その他
・自民党政権公約来ました
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121121/stt12112122520013-n1.htm
自民党公約要旨
2012.11.21 22:51 (1/3ページ)
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn?a=20121122-00000000-nnn-pol
自民党、衆院選の政権公約を発表
日本テレビ系(NNN) 11月22日(木)1時17分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20121122-00000825-fnn-pol
自民党政権公約発表 安倍総裁「『次元の違う』政策を」
フジテレビ系(FNN) 11月22日(木)1時7分配信
ということですが、本チャンは自民党のサイトにアップされていますので、それを見るのが吉なんですけど・・・・・・・・・
http://www.jimin.jp/policy/manifest/
公約関連
自民党がみなさんにお約束する公約を掲載しています。自民党では、実現できる約束こそが、本当の公約と考えます。
第46回衆議院議員選挙(平成24年度)
とのことで、詳細はこちら
http://www.jimin.jp/policy/pamphlet/pdf/j_file2012.pdf(1M以上あるのでご注意)
何せ1MB以上あるという代物でして、貫録の54ページ組(ファイルは表紙と目次入れて56ページ)で公約の項目が328項目もあって、ざっと斜め読みするだけでも死ねるので週末にのんびり読みたいとは思いますが、何か実行するのに色々と重そうな件があると思えば「建国記念の日の式典を政府主催で実施します」とかまあその手のイデオロギーの方的には重要なのかも知らんが何かわざわざ政権公約でいう話かというのもあって、色々な物をここぞとばかりに突っ込んでいる感はするのですけど。
ちなみに金融屋御用達のニュースベンダーとかではこちらの政権公約の項番40については報道されていましてですな。
『40 アジアNo.1の金融・資本市場の構築』(上記自民党政権公約ファイル本文7ページ、ファイルの9ページ目)
『日本をアジアの金融・運用の中心地にするべく、企業の活力ある経済行動と国民資産を適切に運用できる公正な競争条件の確保かつ十分競争できる活発な金融資本市場を構築します。まずは金融セクターの対GDP比を英国並みの10%台に押し上げ、「業」としての金融を育成します。』
『そのために、「貯蓄から投資へ」の流れを促進する簡素で分かりやすい証券税制への見直しや東証「グローバル30社」インデックスの創設、「日本総合取引所」の創設、外資誘致のための新たな金融特区の創設など、民間金融機関・証券市場の活性化や資産運用マーケットの強化を行います。その際、国民にとって健全な経済と成長に結びつく企業法制と資本市場法制を統合したガバナンス構築を目指します。』
まあその制度改革の方は良いとしまして、金融特区の話とか金融育成の話とかってリーマンショック前の話の蒸し返しにも程がありまして、今や世界的に金融がシュリンクしますぞなという状況下において外資誘致だの金融特区だの、そらまあ金融屋的には金融振興して頂いて金融業に財政支出の恩恵でも頂ければアリガタヤではありますけれども、海外金融機関がグローバルに縮小という中で外資融資の為の新たな金融特区ですかそうですかという風に思いましたが。
懐かしの東京金融街構想につきましては本石町日記さんの過去ログでも(^^)。
http://hongokucho.exblog.jp/7020034/
金融街構想はマジなんですかね by bank.of.japan | 2007-06-25 22:08
・・・・・・・うむ、2007年6月と言えば安倍政権ですかそうですか。
・安倍さんトーンダウンとな
そらまあ昨日の朝刊では日経まで社説でケチョンケチョンに批判に回ると来たらさすがにトーンダウンしますわなと思いながら。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121121-00000152-jij-pol
安倍総裁の「日銀」発言を修正=物価目標、2%で決着―自民党公約【12衆院選】
時事通信 11月21日(水)19時44分配信
『自民党は、21日発表した衆院選の政権公約に、デフレ・円高脱却を最優先として日銀に「大胆な金融緩和」を迫ることを盛り込んだ。しかし、日銀による国債引き受けなど異例の金融政策を求めた安倍晋三自民党総裁の発言について、事実上修正。目指す物価上昇率の目標も2%に落ち着き、「選挙向けのアドバルーンから現実路線への軌道修正」(大手証券ストラテジスト)を図った形だ。』(上記URLより、以下同様)
『安倍総裁は「次元の違う政策」を合言葉に、政権交代を織り込む株式・為替市場の期待をあおってきた。(1)物価目標3%(2)無制限の金融緩和(3)日銀法改正や日銀による建設国債引き受け―を矢継ぎ早に提唱。円安・株高が進行する「安倍相場」を演出した。』
『ただ、日銀が目指す物価目標は当面1%であり、日銀の国債引き受けは財政法で原則禁止されている。このため与野党幹部だけでなく、白川方明日銀総裁も「現実的ではない」と反論。国際金融界に影響力のある英経済紙フィナンシャル・タイムズは「賢明でない」と批判し、反響の大きさに慌てた石破茂幹事長ら自民党幹部が「火消し」に回る事態に発展した。』
この辺の書き方に微妙に悪意を感じますが・・・・・・
『安倍総裁は21日の記者会見で、物価目標について「私は3%がいいと思っているが、2%か3%かは専門家に任せる」と発言。批判が集中した国債引き受けでは「市場から日銀が(国債を)買う。直接買うと言ってはいない」と述べ、事実上トーンダウンした。』
ということでほとんど引用になってしまって甚だ申し訳ございませんが、一応話が現実的なものになるという動きになるのは結構ですが、そもそも安倍さん経済政策で勝負するタイプの人じゃないですし、その上更に細かい話までああだこうだ言いだしてドンドン突っ込み所を増やして盛大に墓穴を掘っているという風に見える訳でございまして、正直この手の経済ネタは甘利さんにスポークスマンやってもらって堅実な話をしておけば良いのにと思う次第。
大体からして民主党政権になって一番アレだったのは「安定感が無い」という所だったのですからして、もっとどっしり構えれば良いのに何でまた得意分野でも無い経済の所で大騒ぎを起こして何か安定感無いなあ的な雰囲気を出すんだか安倍さんわざわざ自分を不利な状況に持って行ってどうしますねんとは思いますがの。
ちょっとワロタのはこの辺りのニュース。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121121/k10013671831000.html
安倍総裁“直接買い受けと言わず”
11月21日 23時20分
『これについて、安倍総裁は、21日の記者会見で、「私の発言が正確に伝えられていない。私は、日銀がいわゆる『買いオペレーション』により市場から建設国債を買うと言ったのであって、『日銀が、政府から直接買い受ける』とは言っていない」と述べ、財政規律の観点からの懸念は当たらないという考えを示しました。』(上記URLより)
という事ですが、「全部買ってもらいたい」とか「輪転機を回してお金を刷って」とか言いながらそういう話をしたら世間は「引受による財政ファイナンス」という文脈でしか受け取りませんし、大体からして昨日の日経新聞によれば安倍さんの知恵袋らしいどこぞのウォッチマン先生とかも普通に日銀引受の正当性を主張していたりしてましたぞなもし。
だいたいからして「そのような意味で申し上げた訳では無い」とか後から言っても、特に金融政策のように市場が相手で、その市場は過敏に反応しやすく、事と次第によっては取り返しのつかないような動きをその場の勢いで平気でやってしまうようなものでありますので、発言は慎重にして頂きたい訳で、変な生兵法で聞きかじりの事を適当に言うのが一番危ないので本当に勘弁して頂きたい物だと存じます。
#つーか、「建設国債の買いオペ」って物理的フィージビリティーが無いのですが詳しくはめんどいので割愛
つーか、いつも日銀批判する人たちが単に国会の質問で質問されたから答えただけの「低金利の影響で家計の収入は幾ら減ったと計算されます」というのを捕まえて「日銀はトンデモ主張で金利を上げようとしている」とか批判したりとか、「日銀はデフレターゲットをしている」というような悪意のすりかえ主張(あくまでも日銀の目標はデフレ脱却であって、それに向かって金融緩和をしている訳ですから、それが出来ない事を批判するならともかく、日銀が意図的にデフレ誘導している訳では無いでしょ)をしたりしてますが、こういう時に急にこういう話になる辺りが実にまあアレですなあとかある意味微苦笑という所でもありましたとさ。
・佐藤ゆかり議員のアレな認識
関連してこんな所にもツッコミどころが。
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPTK055917920121121
〔アングル〕公明党が「日銀の国債引き受け」発言に待った、自民党も現実路線に軌道修正
2012年 11月 21日 21:48 JST
『[東京 21日 ロイター] 政府・民主、日銀に次いで、公明党も安倍晋三自民党総裁が主張する「日銀の国債引き受け」に待ったをかけた。中央銀行の独立性と財政の信認をゆるがし、経済への悪影響が懸念される強硬論に慎重な対応を求めた。こうした動きを察知してか、安倍総裁は政権公約発表の記者会見で自身の発言を軌道修正した。』(上記URL先から、以下同様)
というのは良いのですが、最後の方に何か思いっきりアレな発言が。
『佐藤氏は「米連邦準備理事会(FRB)も欧州中銀(ECB)も金融政策の主要な考え方は、無制限緩和、無期限緩和が主流になりつつあり、日銀は逸脱している。日銀は基金は増加させるというが、輪番オペによって保有した国債の償還分を乗り換えですべて買い入れていない」と指摘した。』
・・・・・・・この佐藤氏というのは佐藤ゆかり議員のことなのですが、別にFEDもECBも無制限無期限緩和とかいう言葉でイメージされるような政策フレームは採用しておらず、「政策目的を達成するまでの政策継続」であって、単にその期間やそれまでの額が「事前に決定できないから額や期間の期限を切らない」というだけの話ですし、ECBに至ってはそもそもOMTは条件付き発動だし未だに1ユーロも購入してませんし、OMTで買った国債は不胎化するって宣言しているのですけれども、「無制限緩和、無期限緩和が主流」とか都合のいい曲解にも程がある訳で、これで良く「金融政策の専門家」を名乗って何とかストやってたわと呆れる次第、つーか無期限無制限とかの安倍さんの話ってこの辺からも吹き込まれているのかと思うとorz感が更に高まるのでありました。
・・・・・・・いかん、悪態書いてたら肝心のネタががががが
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2012/11/21
○引き続き安倍総裁発言関連の続き
色々とクリップだけしておく。
・自民党の公約案はトーンダウン???
昨日の日経新聞朝刊にもアウトラインが出ていて、今日も公共放送でさらっと案について触れていましたが。
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2012112000674
日銀法改正視野に金融緩和=物価上昇2%目標−自民経済公約案
『自民党がまとめた衆院選の政権公約のうち、経済政策の最終案が20日、分かった。デフレ・円高からの脱却を最優先と位置付け、2%の物価上昇率の目標を設定。目標達成に向けて「日銀法改正も視野に政府・日銀の連携強化の仕組みをつくり、大胆な金融緩和を行う」と明記した。政権を奪還すれば速やかに「第1弾緊急経済対策」を断行し、「本格的大型補正予算」を編成することも盛り込んだ。』(上記URLより)
3%じゃなくて2%なの??しかも日銀法改正を「視野に」ってそれ随分とトーンダウンしてますね。
・・・・・・・というのもあった上に、安倍さんの発言がエスカレートしていくうちに元々現実的と言えば現実的ですが冷ややかというかシラケ鳥的なメンタリティーのある債券市場様におかれましては、安倍さんの話って結局実現性低いですかそうですか的な認識が強まったのか昨日は貫録のブルフラット(先物は結局1銭安でしたが)となっておりましてオソロシス。
・公明党も日銀の国債直接引受には反対とな
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201211/2012112001027&rel=j&g=pol
日銀国債引き受けは問題=公明・斉藤氏(2012/11/20-23:00)
『公明党の斉藤鉄夫幹事長代行は20日夜のBSフジの番組で、自民党の安倍晋三総裁が日銀による建設国債の引き受けを提案したことについて「財政規律の面で非常に問題がある」と指摘した』(上記URLより)
ほっほー、これはこれは(^^)。
・中塚さんとか岡田さんとかの発言
中塚金融相
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20121120-00000043-jnn-bus_all
金融相「軍事独裁政権じゃあるまいし」
TBS系(JNN) 11月20日(火)18時29分配信
『自民党の安倍総裁が日銀に対し、大胆な金融緩和を求めると発言していることについて、中塚金融担当大臣は「軍事独裁政権じゃあるまいし」と述べて、強く批判しました。「日本銀行に無制限の緩和をさせるとか、建設国債は全部引き受けさせるとか、発展途上国の軍事独裁政権じゃあるまいし。一国のリーダーとしてはふさわしくない」(中塚一宏
金融相)』(上記URLより)
・・・・・・・・・(^^)。
岡田副総理
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2012112000844
「安倍氏は慎重に発言を」=日銀の金融政策−岡田氏(2012/11/20-18:44)
『岡田克也副総理は20日午後の記者会見で、日銀の金融政策をめぐる安倍晋三自民党総裁の一連の発言に関し、「マーケットで円安、株高といい反応が出ていると思っているかもしれないが、野党の総裁だから許されるもので、首相が同じ発言をすれば、国債の金利高騰を招きかねない」と批判した。その上で「永遠の野党ならいいが、政権交代を目指すなら、慎重に発言を」と述べた。』(上記URLより)
>政権交代を目指すなら、慎重に発言を
>政権交代を目指すなら、慎重に発言を
>政権交代を目指すなら、慎重に発言を
・・・・・・・・・・いやお前がその口で言うかという気はしますが、それよりも昨日市場に乾いた笑いを巻き起こしたのはいつものあの方でした。
・前原先生貫録のクオリティ
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/121120/fnc12112011560010-n1.htm
前原経財相が自民・安倍氏発言を批判 日銀の独立性担保を強調
2012.11.20 11:54
『前原誠司経済財政担当相は20日の閣議後の記者会見で、自民党の安倍晋三総裁が日銀にさらなる金融緩和を求め、日銀法の改正にも言及していることについて、「政治が金融政策に介入しようとしている」と批判。「日銀の独立性は担保されないといけない」と述べ、日銀法改正には慎重な姿勢を示した。』(上記URLより)
>「政治が金融政策に介入しようとしている」と批判
>「政治が金融政策に介入しようとしている」と批判
>「政治が金融政策に介入しようとしている」と批判
>「政治が金融政策に介入しようとしている」と批判
>「政治が金融政策に介入しようとしている」と批判
・・・・・・・・・・・・・・さすが前原さん!俺たちに言えない事を平然と言ってのける!そこにシビれる憧れるぅ!(AA略)
・安倍さんの反応
一方の安倍さん。
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2012112001011
安倍氏、野田首相の批判に反論=金融政策、学者の「お墨付き」(2012/11/20-22:31)
『自民党の安倍晋三総裁は20日、都内の会合で、自身が提唱した日銀による建設国債引き受けを「禁じ手だ」などと野田佳彦首相が批判したことに対し、「エール大学の浜田宏一教授から『非常識なのは野田さんの方だ』とのファクスが来た」と述べた。さらに、自らの金融政策について「金融の泰斗(権威)にお墨付きを頂いた」と強調したが、これ以上の反論はなかった。浜田氏は日銀の金融政策を批判している経済学者として知られる。』(上記URLより)
何かこの記事の書き方には微妙に悪意があるような気がするのだが・・・・・・・
以上、ただのネタクリップでした。
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2012/11/20
○安倍さん発言関連昨日のニュースフローとか市場雑談とか
・債券市場の反応について1週間プライスアクション見てなかったあたくしが感想
ふむふむ。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MDPFZM6JIJXL01.html
債券は下落、円安・株高や安倍自民党総裁発言を警戒−日銀会合見極め
『11月19日(ブルームバーグ):債券相場は下落。為替市場で円安基調が続く中、国内株価が続伸したことが重しとなった。自民党の安倍晋三総裁が建設国債の日銀引き受けに言及したことへの警戒感も強まり、売りが優勢となった。』(上記URLより)
ということですが、次期首相最有力候補が「中央銀行による財政マネタイズ」を堂々と発言した割にはそんなに反応しませんでしたねという風にあたしゃ思った(話が逸れるけど目の前のモーサテとかで「踏み込んだ金融政策が期待される」とか為替の人がゆうとるのだが「中銀の財政マネタイズ」って最早金融政策じゃねえだろそれと思うのですけどねえ・・・・・)次第で、ついでにイールドカーブ的には昨日は先物から10年が弱めで20年とかまあ確り目(というほど極端に変化があった訳でも無いが)とかでしたので、まあ債券市場的には「ど〜せ選挙対策で威勢の良い事言ってるだけで実際にやる訳ねえだろ」という風に高を括っているという所でしょうかね。それから15日以降に特にスティープが進行しました(何せあたくしが更新さぼっている間に5年が1.5毛強くなっている間に30年が4毛甘くなっていましたからにゃあ)のでその反動分もあるでしょうなとは思いました。
先物も一時そこそこ下がったのですが終わってみれば7年10年5糸甘で超長期は5糸強ということではあそうですかという結果ですが、まあ債券市場的にはまだ高括っているモードだという所(もともと安倍さんの場合は前回の首相時代にそれまで言っていた威勢の良い事(外交関連とかで)をそんなに実行しなかったですよねというのがあるのが大きいと思う)でしょうなあとは思いました。
・安倍さんが益々絶好調なのは兎も角自民党自体も有頂天モードになってねえかこれ
http://www.nikkei.com/article/DGXDASFS1900F_Z11C12A1EB2000/
金融政策で舌戦 自民に無制限緩和論、民主は警戒
前原氏、20日に日銀会合出席 2012/11/19付
『安倍氏は19日昼、党本部で開いた会合で「かつての自民党政権とは次元の違うデフレ脱却政策を説明している。大胆な金融緩和をするために日銀と協調し、インフレ目標を設定する」と述べた。2〜3%の消費者物価上昇や無制限の金融緩和に加え、積極的な財政出動が必要だとの認識を示した。』(上記URLより、以下同様)
>かつての自民党政権とは次元の違うデフレ脱却政策を説明している
>かつての自民党政権とは次元の違うデフレ脱却政策を説明している
>かつての自民党政権とは次元の違うデフレ脱却政策を説明している
・・・・・・・・・そら中央銀行に財政マネタイズさせるとか「次元が違う」わなとしか申し上げようがございませんが、どうも市場の反応を見てすっかり有頂天モードになっているんじゃネーノと言うのがオソロシス。
『これに先立ち、自民党の菅義偉幹事長代行は同日午前、地元の横浜市内で街頭演説し「安倍総裁が日銀法改正と無制限の金融緩和に言及したことで、円が7カ月ぶりに1ドル=81円台になった」と訴えた。』
・・・・・・・・・・うーむ、「中央銀行に財政マネタイズさせて積極財政政策」という普通に有り得ないレベルの発言を止めるどころか党幹部までが円安株高を見て盛り上がってしまっているとかどうなってるんだ自民党はorzorzという所。
#しかし前原さん日銀会合出席とかもうお前は以下悪態につき自主規制
公共放送ニュースでもこんな感じ
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121119/k10013599601000.html
安倍総裁“デフレ脱却が最優先”
11月19日 20時10分
『自民党の安倍総裁は党の地方議員の会合であいさつし、デフレからの脱却が最優先の課題だとして、政権に復帰した場合には2%か3%の物価上昇の目標を設定し、日銀にさらなる金融緩和を行うよう求めていく考えを改めて示しました』(上記URLより)
朝の公共放送ニュースでは「デフレ脱却」の方じゃなくて「日銀への金融緩和を求める」というのがヘッドラインになっていたのですが、それに該当するニュース記事がNHKのサイトにございませんでしたのでその前のニュースURLを付けておきましたが、まあいずれにせよ今日も今日とて安倍さんの金融政策関連発言が公共放送のニュースヘッドラインを飾る形になりましたとな。
・まあさすがに反動も
http://mainichi.jp/select/news/20121120k0000m020056000c.html
経済同友会:財政規律言及を…代表幹事、安倍氏発言に苦言
毎日新聞 2012年11月19日 19時54分
『経済同友会の長谷川閑史(やすちか)代表幹事は19日の記者会見で、自民党の安倍晋三総裁が建設国債の日銀引き受けなどを提唱していることについて「財政規律の問題もバランスを取って言わないと(市場に)間違った捉え方をされる」と苦言を呈した。「財政規律が緩んだまま金融緩和をじゃぶじゃぶやりますと言うだけでは規律が効かない」と指摘。財政不信が国債金利急騰など弊害を招く事態に懸念を示した。』(上記URLより)
・・・・・・・・・・・まあ仰る通りですが積極財政をすると思いっきり言っている中ですからそれは無い物ねだりだと思います。
つーかね、別に日銀に国債引受させなくたって市中消化可能だし、日銀の金融緩和は物価安定の目途があるのだから当面延々と継続しますし、今でも新発2年債を市場から全力で吸収する勢いでの基金買入ペースになっているのですから、そこまで露骨に言わなくても別に黙って復興名目で公共事業出して国債増発すれば良いじゃんと思う訳で、そこに日銀への政治圧力を絡めるとか財政マネタイズを絡めるとか筋悪も筋悪の話を絡める必要はねえだろとゆー所で、どんだけ筋の悪いブレーンがついてるんだかと残念無念に思う所であります。
・お告げキタコレ
どうもね、あたくしの場合途中を割愛していきなり安倍さん発言連発の結果から入っているからその分だけインパクトがデカイのかもしれませんけど、ちょっとお前さん方それは幾らなんでも有り得ないだろうという話を見て頭が痛いこのあたくしにお告げキタコレ。
http://www.musha.co.jp/4248
・・・・・・・・・・・・ほほー
『創造的金融緩和を試す意義はあるのに、なぜトライしないのだろうか。』(上記URLより)との事ですが、積極財政するから「無制限の」金融緩和しろとか財政マネタイズしろとかいうのってどこがどう「創造的」な金融緩和なのかおじちゃんさっぱり意味が分からないのですけど、単にそれは破壊的な金融緩和(というか破壊的な財政政策という方が正しいのでは??)ではないかと思うのですが、次の小見出しを拝読すると『臨界点に来たデフレの災禍』とのことですが、もしや臨界点なのは(以下禿しく自主規制)。
#うむ、創造性の無い悪態を書いてしまったぞな
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2012/11/19
○まずは安倍さん関連のニュース時系列整理をしておくぞな
衆議院解散します発言が党首討論で出た辺りから安倍さんがアレということで、とりあえず休載中の時系列メモね。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE8AE02H20121115
安倍自民党総裁、無制限な金融緩和や景気刺激型予算を提唱
2012年 11月 15日 17:08 JST
『[東京 15日 ロイター] 自民党の安倍晋三総裁は15日、政権を奪還した際の経済運営に関して、これまでの自民党政権の対応とは次元の違う政策で対応するとの決意を語った。総裁は、デフレと円高が最大の問題だと指摘。』(上記URLより、以下同様)
『政策の実効性をあげるには「一番良いのはインフレ目標をもつことだ。2%がいいのか3%がいいのかは専門家に議論して判断してもらいたい。この達成のためには、無制限に緩和をしてもらう。』
インフレ目標って今の物価安定の目途と何がどう違うのかまず説明して頂きたいですな。
『日銀の政策手法の「まずさ」にも言及し、「たとえば、最も安全な日本銀行に0.1%で預けられるのでは日銀に預けることになる。逆にゼロにするかマイナス(金利)にするくらいにして、貸出圧力を高めてもらわなければならない」としたほか、国債の買いオペに関して短期債のローリングでは不十分だとも指摘。「無制限にやって、それを続けてやることでインフレ期待が起こる」と注文を付けた。』
・・・・・・・・・・orz
えーっと、日銀当座預金付利をマイナスにしたら量的緩和が出来なくなる(資金供給オペの金利もよりマイナスにするなら出来ますけどそれやっても意味は無いでしょ)りますし、大体からして市中の金は何ぼ回っても最終的には日銀当座預金の形で戻ってくるのですからそこの金利をマイナスにしたから貸出伸びるとか考えている時点でアレですぞなもし。
ついでにですな、「インフレ目標達成まで無制限に緩和」ということですが、物価というのは遅行指標ですからして無制限緩和で長期債バカバカ買うと今度は目標達成後の正常化オペが物凄く大変な事になって市中金利を乱高下(というか急騰)させることになるのですけれども大丈夫ですかいなとか、まあ何とも穴だらけの話をしておりまして、どういう人から金融政策のレクを受けているのか大丈夫かよ自民党という所ですが・・・・・
でまあ次期首相候補最右翼の方がそんな事言うから市場は反応します罠。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121115-00000212-jij-int
円、半年ぶり81円台=安倍氏の「無制限緩和」発言で―ロンドン市場
時事通信 11月15日(木)23時1分配信
『【ロンドン時事】15日午前のロンドン外国為替市場は、自民党の安倍晋三総裁がこの日の講演で「無制限の金融緩和」を求める発言をしたことで円売りが加速、円相場は4月27日以来約6カ月半ぶりに1ドル=81円台まで下落した。』(上記URL先より)
となりました所で、市場が反応したので更に安倍先生調子に乗って週末にはこんな発言が出たようでございますな。
http://www.asahi.com/politics/update/1117/TKY201211170629.html
2012年11月17日21時54分
「建設国債は日銀に買ってもらう」 自民・安倍総裁
『自民党の安倍晋三総裁は17日、熊本市内で講演し、「建設国債はできれば日本銀行に全部買ってもらう。これによって新しいマネーが強制的に市場に出て行く」と語り、政権に返り咲けば日銀に建設国債の引き受けを促す考えを示した。』(上記URL先より)
・・・・・・・・・・えーっと、中央銀行に新規財源債の引受をさせますとかOECD加盟国でG7国の内閣総理大臣最有力候補者が発言とか何を仰る兎さんという話がそもそも論としてある訳で、どこのロバートムガベ先生ですかという所で、週明けの本日の債券市場様はどのくらい反応するのやらと思うのですが、本当の本当にそんな話を堂々するのが政権公約ですよという事になりますとマジで景気も吹かないのに長期金利上昇とかいう素敵な事になって株価にも良いとも思えないのですけどねえ。
まあその他どうでも良いのですが、そもそも「これによって新しいマネーガー」とか言う話と15日講演での日銀当座マイナス金利の話が思いっきり整合性が取れないのでありまして、日銀当座預金金利マイナスとかにしたら当座預金残高急減要因なんですよね、と思ったらこんな話もしていたのか安倍先生。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20121115-OYT1T01105.htm
安倍総裁、「タンス預金」の活用に前向き
(2012年11月16日11時11分 読売新聞)
との事でございますが、タンス預金を使うとこれまたマネーが減る話になるのですけど、どうも金融政策に関する話について、一つ一つに関しては一応纏まった見解になっているのですが、話を通してみるとあちこちで矛盾が生じるという誠に素敵な状態になっておられるようで、いやあの選挙までにもうちょっと何とかして頂きたいと存じますが自民党本部様におかれましてはそれなりに優秀なスタッフの方々も居た筈なのですがどうなってしまってるのよという所でございますわな。
しかし他の記事を拝読いたしますと・・・・・・
http://mainichi.jp/select/news/20121118k0000m020037000c.html
安倍総裁:建設国債の全額日銀引き受け検討 独立性懸念
毎日新聞 2012年11月17日 20時01分(最終更新 11月17日 22時16分)
『自民党の政権復帰が有力視される中、安倍氏が衆院選後の一段の金融緩和に言及した14日以降、円相場は対ドルで2円近くも円安が進行した。この日の講演では「私が講演しただけで円安になり株価は上がり続けた。市場は私たちの実行を望んでいる」とも述べたが、政府・民主党内からは「日銀の独立性を度外視したような発言だ」(前原誠司経済財政担当相)との批判が出ている。』(上記URL先より)
・・・・・・・・・えーっと、債券市場は日本に対して特にコミットしている訳でも無い売り豚以外は国債市場そのものがあじゃぱーになり兼ねない国債引受の実行は望んでいないでしょうし、大体からして国債引受で財政サステイナビリティの信認低下で円安になったらそらまあ市場の一部は大喜びしますけど、どうみても誰得な円安になるだけの話なんですけど、すっかり市場が動いたのでご機嫌上得意のドヤ顔になっておられるようで勘違いに拍車が掛かっていそうでオソロシスとしか申し上げようがございません。
・・・・・・・というのをとりあえず時系列(一部順序違いますが)でまとめておきましたが、まあ週末のコメントは日経新聞夕刊(土曜日)にも出ていましたようですので皆様におかれましては当然ながら先刻ご承知の介だと存じますが。
でまあ「中央銀行に国債引受」というさすがにアレな発言に野田さんがしっかり反応したようで、公共放送の朝6時台と7時台のトップニュースがこれでございましたぞなもし。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121119/t10013588551000.html
選挙戦で金融緩和と日銀の役割も論点に
11月19日 5時9分
『野田総理大臣は、自民党の安倍総裁が、公共事業の財源に充てるために発行される建設国債を日銀が引き受けることを検討する考えを示していることについて、「財政規律が緩むことになる」などと批判しました。衆議院が解散され、各党が事実上の選挙戦に入るなかで、デフレからの脱却に向けて、金融緩和と日銀の役割も、今後、論点の1つになりそうです。』(上記URLより、以下同様)
『自民党の安倍総裁は、17日の講演で、「やるべき公共投資を行い、そのための建設国債を、できれば日銀に全部買ってもらうことで、新しいマネーが強制的に市場に出ていく。景気にもよい影響がある」と述べ、政権に復帰した場合、公共事業の財源に充てるために発行される建設国債を日銀に引き受けさせることを検討する考えを示しました。』
『これに対し野田総理大臣は、イギリスのフィナンシャル・タイムズのインタビューに答え、「日銀による建設国債の直接買い入れを実施すれば財政規律が緩む。財政の観点からおかしい」と批判しました。』
と思いっきり公共放送は安倍さんの発言に関して「中央銀行の国債引受」という文脈で報道しています罠キタコレという所でございます。
しかしまあ何ですな、最後から2番目の記事にございました前原大先生様の発言ですが・・・・・・・
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121115-00000129-reut-bus_all
前原経財相が安倍自民総裁の日銀発言を批判、「独立性を度外視」
ロイター 11月15日(木)22時56分配信
『[東京 15日 ロイター] 前原誠司経済財政担当相は15日夜の会見で、自民党の安倍晋三総裁が最近の講演などで、日銀の金融政策に繰り返し言及していることに対し「日銀の独立性をまったく度外視したような発言をしている」と批判した。』(上記URL先より)
>日銀の金融政策に繰り返し言及していることに対し
>日銀の金融政策に繰り返し言及していることに対し
>日銀の金融政策に繰り返し言及していることに対し
>日銀の金融政策に繰り返し言及していることに対し
>日銀の金融政策に繰り返し言及していることに対し
・・・・・・・・・・・・・いやとりあえずお前が言うなというかブーメランというか。某偽メール問題と言い、どこぞのダム問題と言い、この人がドヤ顔でしゃしゃり出てくると碌な事にならないの法則がこんなに早くに炸裂するとかさすがとしか申し上げようがございませんな。
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2012/11/08
・CPI3%の世界にインフレフォビアのこの国が耐えられるのかと小一時間
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye5176098.html
自民・安倍総裁 日銀に“プレッシャー” (07日18:36)
『自民党の安倍総裁は講演で、次の総選挙で政権を取った場合、日銀に対し物価上昇率の目標である「インフレターゲット」を年率3%に設定させ、達成するまでは無制限に金融緩和を行うよう求める考えを示しました。「(物価上昇率)3%達成するまでは、基本的に無制限で金融緩和していくという発表をしていただく必要がある」(自民党・安倍晋三総裁)』(上記URLより)
ふむ、この前は「無期限、無制限で」とかゆうとったが、さすがにそれは誤認と気が付いたようで何よりですが、ヘドニック掛けた後の状態で物価上昇率が3%とかいう状況に日本の世論様が耐えられるとは到底思えないのですが。
大体からしてそれならまず雇用者所得が毎年上昇するような世の中になってくれないとインフレ期待もへったくれも無い訳でして、公務員給与下げるだの電力料金値上げするならリストラして賃下げしろだの賃金上げない話ばっかり熱心にするこの国でCPI3%どころか1%でも世論様が大騒ぎして大変な事になると思いますけどというのは毎度申し上げている通り。
『また、安倍総裁は、日銀の政策目標に「物価安定」だけでなく、アメリカの中央銀行にならって「雇用の最大化」も加える日銀法の改正を明言しました。』
これまた誰が吹き込んでいるのか知らんけど、デュアルマンデートにすると政策の裁量余地が上がってしまうので本当は望ましくないと思うのですけどね。
まあいずれにせよ今の状況でインフレターゲットだけ高く設定しても、市場的には「はあ?」となりそうですけれども、このインフレターゲット3%が本当に効くという認識になったら物価が上昇する前に市場金利が盛大に上昇するでしょうし、給与が上がらないという認識の下で物価が上がるという話になったら更に消費に悪影響でただのスタグフレーションになって誰得な展開になると思うのですが、何かどうも別の意味で某文部科学大臣的なアレなものを感じざるを得ないのが誠に遺憾ですが、他の選択肢はもっとどうしようも無いというのが日本の
残念な状況orz
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2012/11/05
○これは何と申しますか・・・・・・
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/article/topNews/idJPTYE8A006J20121101
日銀の決定は「歴史的」、政府は成長力向上にコミット=財務副大臣
2012年 11月 1日 18:00 JST
ということで民主党の中では金融通の先端を行く事になっている大久保副大臣のロイターインタビューでして、ほうあの紙が歴史的ですかそうですか、というのはさて置きまして、顎が外れそうになったのはこの部分。
『追加緩和策についても、資産購入基金の11兆円増額を「いわゆる量的緩和は10兆円で、1兆円は質的な緩和」として、指数連動型上場投資信託(ETF)や社債などの増額に踏み込んだ点を評価。「日本経済のボトルネックとなるものがあれば、日銀が支えて風通しをよくする決意が見られる」と述べた。』(上記URLより、以下同様)
とまあここまでは良いのですが・・・・・・・・
『同時に、個人的な要望としながら「一番弱い金融、社債セクターで影響力が大きいのは電力債。電力債等も含んだものをしっかりと買ってくれれば」と期待を示した。』
>電力債等も含んだものをしっかりと買ってくれれば
>電力債等も含んだものをしっかりと買ってくれれば
>電力債等も含んだものをしっかりと買ってくれれば
>電力債等も含んだものをしっかりと買ってくれれば
>電力債等も含んだものをしっかりと買ってくれれば
・・・・・・・・・・・・・えーっと、電力債を買いにくい状態にしたのはどこのどなたでございましょうかという所でございまして、てめえらの政策で電力債ズタボロにしておいて日銀に買えとかもう無責任にも程があるわと呆れる次第ですが、この他人事感溢れる発言を見ますとお前ら何年政権与党やっているんだと小一時間問い詰めたい所でございます。
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2012/10/29
○まあ詳細が判らんので何だがこれは残念な認識
時事通信の記事から。
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2012102600918
日銀は「無制限緩和」を=自民・安倍総裁
『自民党の安倍晋三総裁は26日の時事通信とのインタビューで、日銀の金融政策運営について「何兆円という枠を決めて金融緩和をしても効かない。無制限にいかなければいけない」と述べ、無制限あるいは無期限での資金供給を約束している米欧型の緩和策が必要だとの認識を明らかにした。(2012/10/26-21:06)』
・・・・・・・・・・・orz
えーっとですな、そもそも「無制限に金融緩和をします」とかおっぱじめたら財政を物凄い勢いで引締めをするなら話は別かもしれませんけれども、普通の状況だったら「無制限」に実施したら財政マネタイズの無限実施になって通貨価値がゼロに向けて驀進するのでありまして、そもそも「無制限緩和をしろ」とか次期首相最有力候補のお方がそういう事言いだす時点で本来的に言えば無茶苦茶にも程があるお話なのですけれども、まあこのインタビューの全文を読んでいないのでどういう言い方をしているのか判断致しかねるのでまあその程度で。
つーかですね、それ以前の問題として海外の金融政策に関しても何か誤解をしているのではないかという不安が起きるのがこの短い記事の中からうかがえるのですが、『無制限あるいは無期限での資金供給を約束している米欧型の緩和策』というのが安倍さんの発言なのか時事通信の記者が勝手に端折って書いているのかが判らないですから、まあ時事の記者が勝手に書いているものだと信じたい所ではある(とは言え、それはそれでインタビューして記事書いた記者は日銀記者クラブに何で確認しないのと思います)のですけれども、米国にしても欧州にしても別にやっている資産買入は「無制限」でも「無期限」でもございませんがなという所です。
つまりですね、米国に関してはMBSの買入実施をしていますが、「物価安定の文脈の元で労働市場が相応に改善されるまで」という期限があり、「今の環境だと2015年半ば位までの異例の低金利政策実施が適切になると予想される」と言うとりまして、別に無期限でも無制限でもありませんぞなとゆーのって普通に金融政策を理解している人が居ればちゃんとご進講される筈なのですが(安倍さんは別に金融政策とかの専門家じゃないですし、そちらはご本人的にも売りにしている訳では無いでしょうから要するに周囲のスタッフなりがご進講しているんでしょ)、今の自民党にはその程度のご進講をする人も居ないのかよと禿しく不安になると同時に、誰がこんなしょーも無いロジックを吹き込んでいるのやらと小一時間問い詰めたい所ではございます。
それにですよ、そもそも欧州の場合はOMTの実施をするとは決定していますが、そのOMT実施においては「コンディショナリティー(つまり条件)」をドラギ総裁は連呼しているのでありまして、その条件を達成するのは政治の仕事であり、今は政治に球があるという話を強調している訳でございます。という事はどういう事かと申しますと、そもそもECB様におかれましてはOMTプログラムにおいて国債の購入を現在の所1ユーロも実施していない訳でございまして、どこがどう無期限無制限の資金供給なのか小一時間問い詰めたい所でございます。ECBの場合は「条件が達成されるまでは買入を実施する」ので「その条件が達成されるための額が事前には判らないので予め買入額の上限とかは設定しません」と言っているだけの話でありまして、別に無期限とか無制限とかで買入をするとは言っておりませんし、そもそもOMTで買入を行った分の資金については見合いの吸収措置を実施すると言ってるのですから「資金供給」ですらありませんがな(信用緩和措置です)というお話。
更にツッコミを入れますと(ってこの短い記事で何ぼツッコミいれられますねんという感じでございますが^^)安倍さん『何兆円という枠を決めて金融緩和をしても効かない』と仰せとこちらの記事ではございますが、ついこの前まで米国の資産買入は「ある期間までの間にこれだけの資産買入を行う」という形で実施している訳でございまして、それは効かなかったのでしょうかと小一時間問い詰めたい、というよりは安倍先生にご進講させて頂きたいと思う次第でございまして誠にアレ。それを言うなら従来から実施している輪番オペが「月に幾ら購入」という形で、かつ期限を特段切っている訳でも無いという方式(ですが所謂銀行券ルールが存在しているという了解があるのでまあ別ではございますけれども、ただしこの購入は経済物価情勢関係なく成長通貨供給という形で続くという面もある)なのですけど・・・・・という感じでして、何とも残念としか申し上げようが無い所でございます。
一方で先般来ネタにしておりますが、米国でもダドリー総裁やスタイン理事など、普通にFRBの執行部サイドと思われる方が直近の講演で「資産買入政策の効果が逓減している」という論点を提示しておりますように、非伝統的政策の実施において資産買入政策の効きが悪くなっているとか、資産買入政策の限界論のような物が議論されている、という状況になっているなどとゆーのはあたくしのような者であっても最近の講演などをチェックしておりますと判る次第なのでございまして、その一方で日本では1周回以上遅れた話を未だに行っているとか残念というか情けないというかという所ですし、大体からして安倍さんのような次期首相最有力候補の方のご理解がこのレベルというのはどういう事だと誠に遺憾に存じますという次第。
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2012/10/24
○手続きというものをどうしてすっ飛ばすんでしょうねえ
まあ産経のニュースに反応したら負けなのかも知れませんが。
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/121023/fnc12102306070001-n1.htm
政府、日銀に20兆円の追加緩和を要求 資産買い入れ基金100兆円規模へ
2012.10.23 06:07 (1/2ページ)
『景気浮揚を狙い、金融緩和圧力を強めている政府が日銀に対し、国債などの資産買い入れ基金を20兆円増額する追加金融緩和策を求めていることが22日、分かった。2年前から行っている日銀の資産買い入れ総額は、100兆円規模に拡大する』(上記URLより)
・・・・・・・・・えーっとですね、具体的な数字まで出して「要求」とかこらまた随分と筋の悪い話をしていますなあ(報道がその通りなら)という所ですが、更にアホウとしか思えないのはそういうのが平場で出てきて報道されちゃうって所でありまして、中央銀行の手段の独立性とかどこに逝ったんでしょうかという話ですわな。
大体ですね、本当に経済のために20兆円の追加緩和が必要で、日銀に強力に要請したいというのであれば、まああまり良い話では無いとは思いますけど、圧力掛けるなり何なりするとしたって裏でこっそりと行う話(まあそれ以前の問題として通常からちゃんとコミュニケーションしていれば圧力とかの以前で会話が成立しているでしょと思いますけどねえ)であって、その結果として日銀がサプライズ緩和を行って「おお!日銀どうしたんだYO!」となって目出度し目出度しとなるのが美しい姿。
まあ何処の誰が産経にネタ提供したのか存じ上げる由もございませんが、まあ日銀の追加緩和(20兆は兎も角まあ追加緩和自体はあるでしょ)についてもてめえらの手柄にしたいという浅ましい政治家様の動きが反映されているものと拝察いたしますが、その結果として仮に報道通りに日銀の買入等基金拡大が20兆円になっても「政治圧力」とかの話になり、「中央銀行の政策手段の独立性を政治が冒している」という評価になる訳でありまして、産経新聞およびこのネタを提供している「政府関係者」とやらにおかれましては経済よりも自社ニュースの売り上げや自分の手柄が大事である、とまあ斯様にご認識であるとしか思えない次第でございます。
つーかさ、こんな具体的な数字出して要請とかいう記事が出るのって手続き的にもちょっとおかしいんじゃネーノという感触は無いのかねとか思うのですけれども、まあ所詮は金融政策絡みでは電波浴に最適な産経新聞様のヨタ記事にそんなに釣られる必要も無いという気もするのだが色々な意味で酷いのでつい悪態を。
まあ同時にこんな記事出ているから産経およびこの記事のネタ元のポジショントークではあるのでしょうけれども、題名見て呆れるというか何というか。
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/121023/fnc12102306070002-n1.htm
20兆円の追加緩和要求 背景に政府の苛立ち 日銀法改正議論加速も
2012.10.23 06:07
特例公債法案放置プレイに見られるような無策モードになっておいて何が苛立ちなのかと・・・・・・
閣僚などのコメントはこんな感じ。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MCBQG86K50YL01.html
城島財務相:日銀は果断な金融緩和推進を−20兆円緩和要求の報道否定
・・・・・・・そらまあ報道否定しないと色々な意味でオワットル罠。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MCBR296KLVR901.html
経財相:追加緩和要求「コメントしない」−次回の日銀会合出席に意欲
・・・・・・・あんさんがしゃしゃり出ると話が混乱するだけなんだが。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MCCAYZ6K50YZ01.html
細野民主政調会長:日銀の政策決定に関心、前原氏と足並みそろえたい
・・・・・・・しかしこの党って自民党が日銀に色々と言った時に散々批判した上に「財金分離」とか言って武藤さん(と田波さん)の総裁就任を拒否した癖に何を今更ゆうとるんじゃと言うか記憶力が鶏並みかと小一時間。
なお、何となくのイメージ論だけで申し上げますと、20兆円拡大というのは多分物理的に無理が生じると思われます(長期国債についても償還が来るから5兆円超の拡大をするのは市場からの吸い上げが多くなりすぎるように感覚的には思えますし、短国もさすがに20兆とか買うと需給バランスが崩れそうです。まあ大丈夫かもしれないけど)ので、まあここから先は枠拡大をするというよりはFED方式(FEDは先日来ご紹介しているように「量で勝負」から政策の枠組みが変わって来てますぞな)で「通常の輪番と別の時限的措置として」という枠組みの中で「月に幾ら購入し、物価安定の目途である中長期的に1%を達成するまでそれを続ける」という風にした方が無理が無いと思いますがどうでしょうかね。
○もっとアレな記事がございましたので晒し上げ
昨日の午後にこんなのが出てましたけどね。
http://jp.wsj.com/Japan/Economy/node_534550
日銀、インフレ目標の提案を素通り=石田前副大臣
2012年 10月 23日 14:41 JST
政府から何か提案あったという記録はどこにも見当たらないのですが何ですねんこれは?と思って記事を見たら色々な意味で酷いクオリティでもうね。
『石田氏はインタビューで、「目処(めど)や目途(もくと)という言葉はわかりにくいので、もっと皆がターゲティングと分かる言葉にしたらどうか、と話したことはある」と語った。』(上記URLより、以下同様)
そんな発言があったとかいうのは過去の議事要旨に無かったと思うのですが、と思って記事を見るとこれは酷いとしか申し上げようがないのが続く。
『石田氏は政府を代表するオブザーバーとして今回の会合に出席し、自らの見解を示すことができたが、投票権はなかった。提案は会合の休憩中に日銀当局者に対して行ったという。』
>提案は会合の休憩中に日銀当局者に対して行ったという
>提案は会合の休憩中に日銀当局者に対して行ったという
>提案は会合の休憩中に日銀当局者に対して行ったという
・・・・・・・・いやあの色々な意味で手続きもへったくれも無い無茶苦茶な話でございまして、「会合の休憩中」ってそれ公式発言扱いにならないのに「提案」とか認識してるというのは手続きという言葉をご存知ないのでしょうかというお話ですし、そもそも話した相手の「日銀当局者」って誰なのよという話。政策委員に話をするならばまあ個人的見解を雑談で行ったという事ですから手続き的にはどうかとは思いますがまだ話は分からんでも無いですが、その当局者が理事だの局長だのというような面々だとしますと(というか政策委員と言ってないのですから理事とか局長なんでしょ)、そんな人たちに意見を言ったって言われた方だって困りますがなとしか申し上げようが無い話。
でまあそれを記事見出しのように『日銀、インフレ目標の提案を素通り』とするとか無茶にも程がある話で、まあ例えが難しいですがハンバーガーチェーンのアルバイト店員に「こんな新商品を作ったらどうだ」と言ったらスルーされてファビョーンとかなっている訳のわかんない人みたいな光景が例えとして出るような話ですわな。
つーかさ、決定会合で意見表明は出来るのですから、何で討議の最中に「目処とか目途とかいう言葉は判りにくいのでわかりやすい言葉にして欲しい」と正式に発言しないのかという所でございまして、正式に発言するとその発言には当然ながら責任が伴う訳だから、その責任を取りたくないという事で「休憩中」に「日銀当局者」に行ったとか邪推したくなるわけでして、そういう文脈で考えますと、「個人的にはこう思うんだけどなあ」とか部下に言って、うまく行ったら俺の手柄、失敗したら部下のミスで済ませるようなロクデナシの姿も想起される所ではございますが何なんでしょこの人。
『デフレ脱却に向けた超党派グループに参加する石田氏によれば、日銀がインフレ目標を設定すると決めたのは、2月の会合前にデフレ対策を強化するよう求める圧力を政府から受けた結果だ。』
>デフレ脱却に向けた超党派グループに参加する
>デフレ脱却に向けた超党派グループに参加する
>デフレ脱却に向けた超党派グループに参加する
・・・・・・・・・・デフレ脱却議連ですかあ。つーか議員は兎も角として、あの議連やら国民会議とやらが出来た時にそこに名を連ねていた何とかストとかの皆様におかれましてはこのような記事を見てどういう感想をお持ちなのか小一時間問い詰めいたいのですがその関連悪態も後ほど。
でね、「圧力を政府から受けた結果だ」とか自分たちの手柄顔で話をする訳ですが、本来は圧力はスマートに掛けるものであって、その結果良かったら日銀に花を持たせておけば良い話であって、経済の事を本当に重要だと思っているのであれば「金融政策に政治が一々介入する」というような認識を広めるという中長期的な観点から国民経済に寄与するとは思えない行為をして自分たちの手柄をアピールというのは、先ほどの産経記事でついた悪態と同じ理屈でまあ何考えてるんだと。
『石田氏は、もう日銀とはコンタクトしていないとした上で、日銀には30日の次回金融政策決定会合で追加緩和を決める以外に選択肢がないとの考えを示した。』
>もう日銀とはコンタクトしていない
>もう日銀とはコンタクトしていない
>もう日銀とはコンタクトしていない
まあ追加緩和の方はともかく、「もう日銀とはコンタクトしていない」ってデフレ脱却議連だか何だかやっていて副大臣やってMPMに出席という形で日銀とコンタクトが出来たのに、その後「コンタクトしていない」とかお前は何のために副大臣やっていたのかと小一時間でありますわな。本当にデフレ脱却に対して真剣に取り組むというのであれば、この時に出来た日銀とのルートを生かして色々と政策について議論を深めて、自分たちの主張する政策とやらの実現に向けて取り組めよと思うのでありますよ。まあこれだけ「圧力を掛けました」アピールをする人間が「引き続きコンタクトして圧力を掛けているんですけど」とか言ってもまあアレではございますけどねえ。
しかしまあ何ですな、更に申し上げますとこういうのを平気で記事にするWSJ日本版の見識って何なんですかと思う訳で、言う方も言う方ですが書く方も書く方であって、ここまでダメダメ感漂うものをそのまま垂れ流すとか「WSJ」の看板が泣くわとしか思えませんが、所詮は日本版で出先だからこんなもんなのでしょうかねえとか思う次第なのですけど、色々な意味で酷いので悪態モードになってしまいましたがな。
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2012/10/12
○その他少々ネタ
・自民党安倍総裁発言
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2012101100727
日銀の量的緩和不十分=総裁人事にも言及−自民・安倍氏(2012/10/11-17:35)
『また白川総裁が来年4月に任期満了となることに関し「わが党が政権を取っていれば、(新総裁には)政府と協調してデフレ脱却のために大胆な金融緩和を行う方、2〜3%のインフレターゲットを持ってもらえる方が良いのではないか」と語った。』(上記URLより)
時事メインで最初「白川総裁を解任して」みたいなヘッドラインが出て「はあ?」という話になったそうなのですが、まあそれはさすがに間違いだったようで(そもそも政策委員については本人が申し出るか欠格事由に該当しない限り任期途中で首が飛ぶことは無い)ヘッドラインそのものが取り消されていましたが、高めのインフレターゲットの方に反応したのか総裁クビの方に反応したのか知らんけどまあ金先とか反応してましたな(債券先物は反応して無かったような気もするが)。
まあ別に2%でも3%でも結構でございますが、そもそも雇用所得環境が改善するというような期待が世の中で持てないどころか直ぐにやれ賃下げだ首切りだという話は横行する中でCPIが2%になる世界って政治的に耐えられるのかというような話に安倍さんどういう見識を持っておられるのかが聞きたい所ですな。物価が上がってそのままスライドで所得が上がってくれればそれはそれで良いのですが、どー見てもそんな雰囲気が毛ほども見られないという中ですし、大体からして(毎度申し上げていますが)ちょっと物価上昇の話があると直ぐに「物価上昇ガー」という報道が始まるという状況なんですからねえという所で。
てな事に関してお友達と雑談してたら「そもそも物価云々というから良くないのであって、本来行うべきは所得引き上げ政策だろ常識的に考えて」という指摘を賜りまして、まあ確かにそうでございますわなあとか思った昨日のひとときでございました。
・前原先生は相変わらず目立ちたがり屋さんですなあ
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTYE89A01A20121011
前原経財相がバーナンキFRB議長と12日に会談=内閣府
2012年 10月 11日 11:27 JST
・・・・・・・・・えーっと、何の話をするのか存じませんが、有益な会談になる事を祈念して止まないところでございます(棒読み)。
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2012/10/09
○で、結局前原さんは何だったんでしょうか・・・・・・・・・
金曜の決定会合ですが、ベンダー情報などを見ていたら「前原大臣が日銀に入った」というようなフラッシュが11時位(共同のフラッシュは11時02分だったと思う)に打ち込まれまして、ほうそんな時間にやってきましたかそうですかとか思いつつメシに逝ったら・・・・・・・・
http://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/state_2012/index.htm/
2012年10月 5日 当面の金融政策運営について(現状維持、12時14分公表) [PDF 158KB]
ご案内の通り、決定会合の結果は12時14分に公表されておりまして、いやあ前原先生が来てから1時間で決定会合結果発表かよとかズッコケにも程があるのですが、先ほど引用した声明文を見ますと政府からの出席者の詳細が判ります。
『上記のほか、
10 月4 日
佐藤 慎一 財務省大臣官房総括審議官(14:00〜17:04)
松山 健士 内閣府審議官(14:00〜17:04)
10 月5 日
武正 公一 財務副大臣(8:59〜12:00、12:04〜12:09)
松山 健士 内閣府審議官(8:59〜10:56)
前原 誠司 経済財政政策担当大臣(10:57〜12:00、12:04〜12:09)
が出席。』(声明分から)
で、この12時00分〜12時04分というのは採決を行っている時間で、この時間帯は政府から出席者は席を外していまして、出来上がった声明文などをリリースするまでのロジに必要な時間(声明文の紙をスキャンしてPDFに出してとかやってるんでしょうなあ)が5分という事になりますので、前原先生がおいでになった時間はほぼ1時間。
直近で閣僚の方がご出席していたのは報道されてご案内の通りですが、2003年4月8日(銀行が潰れるだの何だの言ってメガの合併最終時期でしたなあ)の決定会合となりますけれども、この時は・・・・・・
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2003/k030408a.htm/
『上記のほか、
4月7日
津田廣喜 財務省大臣官房総括審議官(14:00〜15:52)
小林勇造 内閣府審議官(14:00〜15:52)
4月8日
谷口隆義 財務副大臣(9:00〜12:46、12:55〜13:17)
小林勇造 内閣府審議官(9:00〜10:28)、
竹中平蔵 経済財政政策担当大臣(10:41〜12:46)
が出席。』(2003年4月8日決定会合声明文より)
となっておりまして、竹中平蔵大臣(当時)は採決前の2時間5分に渡って参加しておりまして、開始から採決前までの時間が3時間46分あるのですが、その半分以上に参加していますがなという所でございます。決定会合の議事要旨を見ると判りますように、「経済物価情勢に関する委員会の検討」というのと「当面の金融政策に関する委員会の検討」というパートがあって、各審議委員が一人一人意見表明を行います。あと、過去の議事録見ていると声明文の表現とかで議決前にああだこうだという場面もあり(今回は割とすんなりだと思うけど)まして、そんなこんなを考えますと前原先生のように最後の1時間の出席だとどこからどう見ましても討議の最後の方にしか出てないだろという風に思える次第でございます。
いやね、まあ当然日銀サイドとしてはヨイショしますから、総裁会見では『大臣には、私どもの真剣な議論を聞いて頂き、また大臣も自らの考え方を披瀝され、私も大臣のお考えとして受け止めさせて頂きました。私どもの真剣な議論を直接聞いて頂くことは、意義があることと考えています。』(今日ネタにする時間が無いがこれは総裁会見からです)というようにヨイショヨイショとなりますけれども、結局の所肝心の議論の内容とか別に全部見ているとも思えない次第でございまして、お前は一体全体何をしに来たのかと小一時間問い詰めたい所ではございますが、まあ前原先生が勢い込んでドヤ顔で乗り込んで予想通り過ぎる展開に落涙を禁じ得ないものでございます。
まあ何ですな、ボロクソ言うばかりでは申し訳ないのでちょっとだけ前原さんの為に前回の竹中さんの時と比較すると、出席した時間の頭については10時41分VS10時57分ですから16分違いで大差ないというのが支援材料なのですが、まあ結局そこから1時間で会議が終了しているという事は即ち前原先生議論に特段貢献しないで、最後だか最初だか知りませんが「ぼくのかんがえたきんゆうせいさく」の話をして「いやあご高説ありがとうございました(棒読み)」となったのでしょうなあとか思うと更に落涙がトマランチ会長となるのでございました。
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2012/10/05
○さて日本の決定会合ネタですが・・・・・・・・・・・・
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121004-00000128-jij-pol
日銀決定会合に出席へ=「強力な緩和」求める―前原経財相
時事通信 10月4日(木)17時29分配信
『前原誠司経済財政担当相は4日、時事通信などとのインタビューで、日銀が5日に開く金融政策決定会合に自ら出席する方針を明らかにした。日銀が掲げる当面1%の上昇を目指す物価目標について「早急に達成するため、強力な金融緩和を行ってほしいということに尽きる」と強調。早期のデフレ脱却に向けた取り組みを求める考えを重ねて示した。』(上記URLより)
・・・・・・・・・まあ何ですな、このお方が張り切って何かに突き進む時って大体碌な事が無いというのが仕様じゃねえのと存じます次第でありまして、皆様記憶に新しい偽メール事件とか八ツ場ダム問題とかでのこちらのお方の動きというのを見ておりますと、どうも前原大先生様におかれましては脳内に不思議な幸せ回路またはお花畑が設定されていて、何か「これが正しい」と思いこんでしまうとその幸せ回路が絶賛大発動して、周りから見てお前ちょっとという状態になっても全然引かないで、思い込みのまま突き進んでトンデモナイ事になるんでしょうなあとか思うのですよ。世の中見ると割とこの手の幸せ脳のお方って散見されるようにも見えますが、思い込みフィルターが入ると最早全然トマランチ会長とかいうのが閣僚というのがオソロシスという所でございます。
つーかね、アコードとか外債購入とか、そらまあ色々と「個人的見解」がおありになるのはわかりますが、そういう「個人的見解」レベルの話を金融政策決定会合に出席して延々と大演説ぶたれても「だからどうしろとおっしゃる??」というだけの世界でございまして、そういう話は政府部内でのまとめとかを行って「組織として」こういう見解ですがどうでしょうかという風にして頂きませんと何の建設性も無い訳でございまして、まさに「言うだけ番長」の面目躍如としか申し上げようがございません。
とまあそんなこんなを考えますと、前原大先生様が決定会合で張り切った挙句にどんなトンチキモードになるのかというのが非常に楽しみあるいは頭が痛い所ではございますが、幸か不幸か決定会合の議事録(議事要旨では無い)が出るのは10年後でございますので、10年後にオモシロ議事録が出てきてあたくしの駄文の(って10年後にやってますかねえ^^)ネタになって笑いを提供して下さることを願って止まないものでございます。
なお、その手のオモシロ事案と致しましては、1998年4月9日の金融政策決定会合で尾身経済企画庁長官(当時)が張り切って大暴れしまして、10年後に乾いた笑いを提供してくれたというのがございますが、まあ2008年時点では尾身さんも一丁上がりモードでございましたから笑いのネタになっただけで終了でしたけれども、前原大先生様におかれましては10年後もきっとバリバリに活躍しておられると思いますので、その時になってから爆笑ネタを提供するとどうなるのだろうとか考えると更に胸が熱くなります。
ということで、あたくしの過去の駄文になりますが、尾身さん大暴れの図に関しては、2008年の8月1日の駄文で書いておりますので、この辺をご参照下され。
http://www.h5.dion.ne.jp/~bond7743/seisakugijiroku.html#gijiroku080801(の後半になります)
また、この尾身さん大暴れの図には後日談がございまして1998年5月19日の金融政策決定会合で尾身さん大暴れ会合議事要旨のまとめをする際に塩谷経済企画庁調整局長(当時)が収拾するの図というのがございまして、こちらも味わいが深いのでその辺引用した駄文のリンクを付けておきますね。
http://www.h5.dion.ne.jp/~bond7743/seisakugijiroku.html#gijiroku080818
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2012/10/03
○前原さんはやっぱりネタとして面白いですなあwww
まあ昨日の前原さんの続きですが。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MB7W6X6TTDSU01.html
前原経財相就任で強まる日銀への緩和圧力、外債購入にも前向き (1)
『10月2日(ブルームバーグ):前原誠司国家戦略兼経済財政担当相は、日本銀行が消費者物価指数(CPI)の前年比上昇率1%を目指していることに関し、厳しく注視して必要ならさらなる対応を促していく方針だ。』(上記URLより、以下同様)
というのは1日の話の続きですけど、財務大臣は1日にも慎重に検討という話をしていましたけど昨日もこんなお話を。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MB931L1A74E901.html
財務相:景気対策の実施判断は時期尚早−日銀外債購入は慎重に検討を
『10月2日(ブルームバーグ):城島光力財務相は2日午後の閣議後会見で、景気対策を盛り込んだ今年度補正予算の編成の必要性について「今、景気対策をやる、やらないを判断するのは時期が早い」との認識を示した。』
『前原誠司国家戦略兼経済財政相が日銀の外債購入について、金融緩和を進めるための「有力な材料の1つ」との認識を示したことに対しては、「今の日銀法上から言って、慎重な検討が必要だというのが見解だ」と述べるにとどめた。』(上記URLより)
ということで1日に示した見解を繰り返しているのですが、先ほどの前原さんの記事の方から見ますと・・・・・・
『一方、藤村修官房長官も2日午前の記者会見で、前原氏の発言について「政調会長時代から一つの持論として言っていたと承知している。それぞれいろんな意見を持っているが、それぞれの議論をしていくということだ」と指摘。自らの外債購入に関する認識について聞かれると、「日銀法上も慎重な検討が必要だ」と語った。』(最初のURLから)
・・・・・・・・まあ何ですな、日銀が外債購入するという件って一番の問題は「G3とかG5とかG7言われるような主要国の場合、為替に関しては中央銀行じゃなくて財務省が所管するのが現在の一般的な姿である」という点であって、その辺どうするのよというのがそう簡単にクリアに出来る訳無いので、ある程度物事が判っていると「慎重に」としか言いようがないという話になるんでしょというお話で、日銀ガーとか言っても話が始まらん。
でまあ最初のURL先の方の記事に戻りますと、まあ麿様におかれましてもこういう報道をされる辺りが冒頭のマクラ部分にあります他市場の皆様からの見え方問題とかそういう所に繋がると思うのですけどね。
『外債購入は日銀元副総裁の岩田一政氏らが円高対策として国家戦略会議でも提唱したが、政府が7月に閣議決定した日本再生戦略には盛り込まれなかった。日銀内では佐藤健裕審議委員が7月24日の就任会見で一案との考えを表明しているが、白川方明総裁は否定的だ。』(最初のURLから)
日銀は金融政策のツールとして外債購入というのを行って宜しい、という話になった場合には当然ながらそれはそれで「じゃあこのツールをどう使ったら効果的か」という話になるだけの話でありまして、その辺を決めるのは立法府であり、その案件のベースとなる所で従来の財務省の機能としての部分をどうするこうするというような話を検討するのは財務省でございますからして、はっきり言って日銀が否定するもへったくれも無い訳でございまして「やれと言われればやりますぞな」という話なので、何も「否定的」とか報道されるような物の言い方をしなけりゃ良いと思うのですけどね。
つまり「現在の建付けでは外国為替平衡操作は財務省の所管ですから外債購入しろと言われてもちょっと難しいんですけど、その辺の制度的な前提が変わった場合はそれに沿って考えます」とでも言っておけば良いだけの話で、何も日銀が意図的に為替に関して働きかける意図が無いかのような報道のされ方する素材を与えるとか「政治的に損」としか申し上げようがございませんぞな。
大体からして日銀様におかれましては従来より「引締めバイアスがある」という前提で報道をされるというのが仕様でありますので、つまりは本人達的にニュートラルで丁寧な説明をしている積りであっても、聞いている方がそもそもの時点で色眼鏡を掛けているので、ニュートラルな説明がそのまま引締めバイアスとか緩和消極的バイアスという形で捉えられる、という点についてもうちょっと麿様におかれましてはご配慮賜りたいものであるとか、まあこういうのは時既にお寿司にも程があるのですけれども、何か海外中銀対比で色々と変な物(リスク性資産)を買ったり、実質的にな時間軸は随分長かったりするということで、結構まあ色々と実施はしているものの、見せ方があまりにもアレで損をしているのが傍で見てて何とも残念という所でございます。
まあ俊ちゃんの場合は海外経済という追い風もあって今と比較して大した事やっていなくても良かったという面は多分にありますが、ただまあ見せ方のハッタリは効いていましたなあとは先ほど申し上げた通りです。
・・・・・・・うむ、前原先生のネタの積りが何故か麿ネタ悪態になってしまったorz
さて、前原先生の話に戻りますとこのようなお話もしておられるようで。
http://jp.reuters.com/article/vcJPboj/idJPTYE89103L20121002
日銀にインフレ目標の実現努力を要請、決定会合に出席も=前原経財相
2012年 10月 2日 15:02 JST
『前原経財相は、民主党の政調会長時代に主張していた日銀とのアコード(政策協定)に関連し、2月14日に日銀が打ち出した緩和策に対する日銀の意志と継続性を「しっかり分析する」と強調。その上で「(緩和が)足らざる時には、日銀の金融政策決定会合に出られる立場」とし、「まずは日銀の本気度と実現するための努力をしっかり政府からお願いしていく、あるいは話し合いを強めていくことが大事だ」と語った。』(上記URLより)
「2月14日に日銀が打ち出した緩和策に対する日銀の意志と継続性」ってゆー話をする辺りは何か学習の形跡が見られますが、「(緩和が)足らざる時には、日銀の金融政策決定会合に出られる立場」ってあーたオブザーバー出席で何をどうすると。つーかそれ以前の問題として、本当に有効な事をしたいのであれば、表立って圧力掛けるんじゃなくて他に色々とやりようがあるんじゃないんですかと思う次第で、単なる貴方様の政治的パフォーマンスで物事ひっかき回した挙句にどこぞのダムでややこしい事になりましたなあ前原先生という所ではございます。
何かね、この大張り切りの前原大先生様におかれましては、以前の量的緩和解除局面での自民党中川秀直幹事長(当時)の動きと思いっきり被る所でございまして、結局中川先生も金融関連で言う事はそれなりの話をしてましたけど結局何かそのお話が通りましたっけというようなお話なのですけれども、言うだけパフォーマンスで引っ掻き回すだけで終了の香りがプンプンするぜという所ではございます。
まあ日銀に平場で圧力掛ける政治的パフォーマンスやってる暇があるなら、需要が拡大するような政策(規制緩和も含め)の立案をやっていただきたいものであり、デフレ的政策の実施をしないように進めて頂きたいものである、とまあ斯様思うのでございました。
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2012/10/02
○前原先生クオリティキタコレ
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121002/k10015443101000.html
物価上昇策 日銀に対応を促す
10月2日 5時19分
『前原経済財政担当大臣は1日夜の記者会見で、日銀がデフレ脱却のため1%の物価上昇を目指すとしている金融政策について、「しっかりと対応を促すような発言をしていきたい」などと述べ、日銀に対し一段の金融緩和も含め、必要な対応を促していく考えを示しました。』
『この中で前原経済財政担当大臣は、日銀がデフレ脱却のため1%の物価上昇を目指すとしている金融政策について、「私がこの立場に就いた以上は、今まで以上に厳しく、日銀が本当に政策目標を実行する気構えがあるのか厳しく見ていく。まだ足りないというならば、しっかりと対応を促すような発言をしていきたい」と述べました。』(上記URLより)
そこまで言うなら公務員給与のカットとか今すぐ止めろやゴルァとか思うのですけれども。大体政府がもっと物価上昇を煽るような(というと語弊があるが・・・・・・)政策やれよなとか思う訳で、電力料金引き上げ一つとってもああだこうだとゴタゴタするのに何なんでしょうねと思うのですけれども、どうせ前原先生の事ですから言う事は威勢良いのですが肝心の実行に関しては何も考えていないと思いますのでまあ話半分に聞いておけば良いかなとは思います。
『また、新たな円安への誘導策として検討すべきだという意見が出ている、日銀による外国の債券の買い取りについて、前原大臣は、「有効な材料の一つだと思っている」と述べたのに対し、城島財務大臣は、「基本的には慎重に検討していくべき課題ではないかと思う」と述べました。』
ってもうね、最初からこれですから・・・・・・・・・
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