分類不能の雑文

トップページに戻る


とりあえずここにぶち込んでおきますが、いずれ整理する所存・・・と言い続けて早や2年以上整理していません。

過去の雑談

2006年下期
2006年上期
2005年下期
2005年上期
2004年下期
2004年上期
2003年下期(以前の整理はまだできていない)


今期の雑談

2007/09/27「それはひょっとしてギャグで言ってるのか」
2007/09/25「床屋政談」
2007/09/18「書評:官邸崩壊」
2007/09/14「床屋政談」
2007/09/13「安倍首相退陣雑感」
2007/09/11「為替の人の金融政策ネタはワケワカラン/武藤副総裁のスピーチと言えば」
2007/08/28「内閣改造雑感」
2007/08/09「中川幹事長って何か人のせいにするの好きですよね」
2007/08/06「民主党早速総裁人事に干渉の巻」
2007/08/02「巻き戻し相場ですな」
2007/07/30「選挙雑感と金融政策の影響なんか」
2007/07/26「どこがどう成長力向上策なのかと」
2007/07/11「同じ政党とは思えない矛盾した質問(国会会議録ヲチ)」
2007/07/04「金融担当大臣の妙な施策が気になりますな」
2007/07/02「どう見ても馬鹿質問です。本当に(ry」
2007/06/20「ブルームバーグの次期総裁大予想アンケート」
2007/06/15「国交省の不動産監視施策/相場の後講釈もムツカシイですな」
2007/06/14「サーバーのヘドニック法について追記」
2007/06/13「こういう馬鹿質問はいい加減にしてください民主党さん」
2007/06/12「サーバーのヘドニック法について」
2007/06/11「書評:とてつもない日本(麻生太郎著)」
2007/06/08「地公体の仕組ローン」
2007/06/05「新銀行東京が大赤字ですかそうですか」
2007/05/31「麻生さんの『異論』に萌えるあたくし^^」
2007/05/30「民営化すると随分と扱いが良くなりますなあ(棒読み)」
2007/05/29「どこぞの銀行が販売する如何なものかと思う投信」
2007/05/28「無能な応援団は最悪の敵でございますな(国会での馬鹿質問)」
2007/05/22「書評3つ」
2007/05/07「オプション売りまくり投信の後始末/証券アナリスト協会の総会形骸化」
2007/04/27「風邪を引いた話など(番外編雑談)」
2007/04/26「こんな質問のためだけに日銀の理事を国会に呼び出すなと」
2007/04/25「日銀の出資証券が52週高値を更新している件について」
2007/04/24「共産党の質疑応答はテーマを絞り込んでいますね/いつか来た道」
2007/04/23「衆議院財務金融委員会での半期報告質疑」
2007/04/19「日経金融より何ともいやはやな記事2つ」
2007/04/18「これはまた酷い馬鹿言説」
2007/04/10「仕組調達雑考」


2007/09/27

○それはひょっとしてギャグで言っているのか

・その1:議会のねじれ現象ですかそうですか

昨日時事メインを見ておりましたらこんな記事が。

『16:39 国会のねじれ現象による政策リスク、日本の信用力に最大の障害=S&P』

ということで昨日の16時39分配信の記事なんですけど、まあ趣旨としては構造改革(あたくしにはその構造改革って何よと言いたくなるがそこはまあスルーしまして^^)が国会のねじれ現象で政策リスクがあるという話をしてるんですな。

えーっと、大統領と議会の多数派がねじれているのはどこの国でしたっけ?


・その2:日本版サブプライムローンですかそうですか

久しぶりにこの先生のブログを見たら素晴らしいエントリーが。
http://kimuratakeshi.cocolog-nifty.com/blog/2007/09/post_5d89.html

#この先生のブログはかつてプチ炎上した実績からリンクとかも妙にうるせえので直リンはとりあえずしません(あたくしの駄文を過去ログ送りにしたら直リンしちゃうけど)。

さてまあこちらのエントリー、ツッコミどころ満載なのですが、米国のサブプライムローン問題とか日本の住宅ローンとかこの先生理解してるのかという疑問が。。。。

固定金利と変動金利の借り入れ比率のデータも出さないで、「日本は変動金利が極めて高い」とか発言するのはいつもの事ですが、「金利が上昇したらデフォルト続出」とかあの日本ではバルーン返済の住宅ローンって存在しないはずなんですけどとか思うんですが、どこの高金利国家の話ですかという感じですわな。

#まあこの先生の「金利上昇」「キャピタルフライト」話は「いつの日かそうなる」という事で毎度毎度時間の概念が無いのですけど(^^)

で、先生のご高説によりますと、日本では年収の5〜6倍のローンを組ませるけど諸外国では2〜3倍に抑えているのがバンカーとして良識的らしいのですが、それなら何で米国でサブプライム住宅ローン問題なんて起きちゃったんでちゅかねえと思うんですな。何というか故事成語にありますところの、麒麟も(激しく自主規制)というものを思わせてくれまして、反面教師として自戒の見本にしないといけないと思うあたくしであります。


いや、まあそれよりも何よりも・・・・最初に題名を見た時に感じたのは「日本版サブプライムローンってもしかしてそれは貴方様の銀k(略)」ということでありますが・・・・・・(^^)

トップに戻る








2007/09/25

○自民党総裁選ですから床屋政談(雑談)

・ローゼン閣下善戦

330対197で、地方票では76対65ということですので、まあこりゃ結構善戦したという結果。麻生派以外全部福田さん支持という時点ではこりゃ参ったと思いましたが、この結果なら閣下の目も潰れずで誠に結構でございました。まあこれだけ得票してれば無役でも良いんじゃ無いですかにゃ。

・谷垣政調会長

入閣かとも思いましたが、谷垣さんが党三役になったということで、
政拡張懸念が若干緩和されるかなあと思ったんですが、読み過ぎでしょうかねえ。まあ閣僚の名簿見ないと何とも言えませんが。

・舛添厚生労働大臣留任らしいですが

WE法案を「家族団らん法案」と言い出して通常国会あたりに提出した挙句に内閣支持率が10%下がるに100万ジンバブエドル。

・官房長官はまっちーでしょうけれども

幹事長が総裁派閥じゃないですから普通に考えて官房長官はまっちーになるんでしょうが、まっちーの抜けた外務大臣がどうなる(公共放送様の辞令によりますと高村外相に石破防衛相のようですが)とか、与謝野さんどこに行くのかとか、安倍ちゃん辞任のどさくさで華麗にスルーされている若林農相のアレはどうするのとか、まあ興味津々であります。

・安倍ちゃん会見

いやまあ病人に鞭打つのも何ですが、「総理大臣は在職中に健康状態について言うのはイクナイ」と言ってる側から「総理大臣の職を辞する前に国民にお詫びしたい」ってお前は在職中なのか在職中じゃないのか一体全体どっちなんじゃいと言った所でございます。さすがは「今年を漢字一字で表せば」事件をやらかしただけの事はございます次第。それは兎も角、まーしかし人間中年過ぎて自らの器を遥かに超える事をしようとするのはいかんってえ教訓を身を持って実行してくださったですな。合掌。

トップに戻る






2007/09/18

○たまには本の紹介

実は積読状態なのが3冊も4冊もあるっちゅうのに、日曜にまたフラフラと本を買ってしまい、先入先出法の適用(違う)ということで成敗した本がございますが、あまりにも趣味の本はアレですので1冊だけご紹介。

・「官邸崩壊 安倍政権迷走の一年(上杉隆著、新潮社)」

先日見事に大崩壊しましたが、鳴り物入りでスタートした安倍政権の1年の迷走っぷりの内幕レポートっぽい内容ですが、まあ軽いので1時間もあれば楽勝で読めます。これが1800円だと金返せと言いたくなるのですが、1400円ですのでまあ適正水準といった所でしょうか。

テンポがよいのと、記憶に新しい事象の話ですので、講談でも聞いているような感じでスラスラ読めますが、正直これなら立ち読みで読破できたなあという気がしないでもない。

ISBN978-4-10-305471-9 \1400

トップに戻る





2007/09/14

○床屋政談というか雑談

小ネタ雑談で恐縮至極。

・安倍退陣による不幸と悪運と

同じく昨日知人と電話で与太話相場観の意見交換をしていた時に指摘されてハッとなったことがあります。それはと申しますと「こんな辞め方されちゃあ松岡さんが浮かばれないよぉ」という指摘でありまして(涙)、まあ勿論松岡さんが何故死を選んだのかというのは他人には判らないですけど、どうも辞めるに辞められずに進退窮して死を選んだんじゃないかとか思って安倍ちゃんの突然の退陣を見ますと何とも申しあげようがございません・・・・

そしてですな、どう見てもお助けだったのは舛添厚生労働大臣。WE法案を「家族だんらん法案」はねえだろと思う次第ですし、他の動きも見てると数ヶ月もすれば馬脚でまくりの悪寒でしたので、見事なお助けになりましたな、悪運の強いお人よ。


・ローゼン閣下残念無念

福田元官房長官総裁選出馬というニュースが夕方に飛び込みまして、相場はほぼ終わっているのであたしゃてめえの脳内だけでまた祭りになってしまいました。祭り疲れで今日はもうダメポなのでありますが(苦笑)それは兎も角。

古賀、谷垣、山崎派などが清和会の総裁候補を支持するってのが実にこうオモロイ話でありますが、昨日の朝のニュースの時点で日本テレビがやたら反麻生なニュース(安倍ちゃんが「麻生に騙された」と言っていたという話をしてた云々とか)を出してたので何かあると思ったらこれですかそうですか。

津島派が乗ってくれないとローゼン閣下はそもそもの勝算が厳しいというのに額賀さんが出馬意向と来てます(何か出馬できなさそうですので額賀さんの涙目ぶりのほうが凄いのか・・・)し、ローゼンオワタという感じですが、福田さんだったら安定感抜群だからこの際良いんじゃないでしょうかという(実はあたくしこの前の自民党総裁選前にどこぞの情報ベンダーのアンケートに「小泉後継は福田がよかろう」と答えてましたわ。すっかり忘れてたけど^^)感じでございますわな。

福田さんも確か各省の大臣はやってない筈でしたが、官房長官としては小泉内閣の初期を上手に捌いて安定政権の基礎を築くのに貢献してたようにも思えます(安定しきっていた安倍官房長官時代とは違うかと)し、大臣やってないけど何故かサラリーマンを17年(でしたっけ?)やっているのもポイント高かろうと存じますので、安倍ちゃんのような事にはならないと思いますがどうでしょう。

・・・そして、麻生銘柄とか言って買ってた人残念無念というかテラアホスと申しますか。まさか樹海逝きはいないでしょうけどまあナムナムナムということで。

#しかし福田に小沢じゃ角福戦争再びですか・・・・


・ところで福田後継で債券相場や金融政策への影響は

・・・・正直申しあげまして、経済閣僚や官邸の人事がどうなるのかさっぱり判らん状況では何とも申しあげようがございませんです。谷垣さんとかの財政健全化路線で来るのか、それとも地方への配慮路線で来るのか、はたまた町村派が中心になって中川前幹事長の上げ潮路線復活なのか、イールドカーブがどっちに逝くのかそれによって全然違いそうですわな。

まあいずれにせよ、金融政策に関しては暫く「低金利継続で景気をささえてね」攻撃になりそうではございますけど・・・・・

ということでですな、正直申しあげて自民党総裁選来週水曜にして頂きたいのですが。内閣が判らないとこっちとしても予想のしようがない(予想しても当たらないというツッコミは却下)です。

トップに戻る





2007/09/13

1年前にこのような事態を誰が想像しえたでしょうか・・・・

○安倍首相辞意表明雑感

所信表明演説までやって辞任とか無責任にも程があるとしか言いようが無いですわな。最初に思いついた原因は昨日外務省とか官邸とかを訪問したらしい何処かの国の駐日大使(以下激しく自主規制)。

午後の寄り付き後、案の定強いFBの落札結果などをマターリと見ながらのんびり気分だったのをニュースフラッシュで急に脳内が祭り状態に(^^)。しかしファーストアクションが株先買い債先売り(債先の売りは株先を見て売った感じですが)だったのには爆笑を禁じ得ませんでした。さすがにその後下落したのはご案内の通りですが。

まあ色々と感想はあるのですが、各省の大臣も未経験で総理大臣になっちまったということで、確かに立場が人を作るというのもあるのですが、それも程度問題ということで、人間その能力と器をあまりにも越えた立場にいきなり就くのは無理があるということなのでしょう。何と申しますかねえ、最初に思いついた例えって、勢いで「若手支店長公募」に受かったものの、自分よりもベテランの部下を使いこなす事ができずにズタボロになってしまうの図みたいな感じでございますが・・・・

最初の組閣時点で党人事でシンキローのお伺い立てながら意に沿わないのを押し込まれた時点から安倍さんの不幸は始まったのかとは思いますが、姑小姑の多い中で思うように出来ず、安倍さんとしては「こんなはずじゃ無かった」という思いなのでしょうけれども。まあ同情はしますが、テラアホスとしか言い様がございませんですわなあ。


で、改革がどうのこうのと相変わらず言われる訳ですが、保守反動の抵抗勢力であります所のあたくしとしては、そもそもあの改革は如何なものかと思っておりますというのは郵政解散前後のあたくしの駄文でもお読みいただければ判ると存じますけど、まーこれでちったあ大人しくなってくれよと思うのでした。

小泉改革路線の無茶(というか強引というか拙速というか)な部分が出てきて安倍ちゃんの足を引っ張った面があるのに小泉再登板ってのもねえ。小泉さん賢い(というか勘が良いというか)から受けないとは思いますが。チルドレンの皆さんも小泉さんに言われた「政治家は使い捨てにされる覚悟」という話を身に沁みているんでしょうかねえ。

#マザーズの麻生フォームクリートがS高買い気配になっていたのにはご祝儀買いにも程があるというものです(^^)。

トップに戻る





2007/09/11

○為替の人の金融政策講釈はワケワカラン

いやまあモーサテのゲスト解説にいちゃもんつけても仕方無いのですが、ドル安の説明してる人の話が実に香ばしかったのでちょっとだけ悪態。

基本的にFFを今後引き下げる観測があるからドル安トレンドって理屈はまあ判るのですけれども、その後の話の流れが中々凄くて、「雇用統計で米国経済減速が鮮明になり利下げ観測は確信に」(ここまでは判る)→「しかし利下げはサブプライム問題の本質的な問題解決にはならない」(ほうほうなるほど)→「したがって利下げは今後トレンド化する」となるのですが、利下げが本質的な問題解決にならないのであれば、そんなに何発も利下げをしないで別の方策(要は担保政策の変更)を取ると思うのですが、その解釈は無茶なのではないでしょうか。

ちなみにこちらのセンセイは「FOMC前に緊急利下げも」というお話してましたが、金融市場がパニックにでもなっているのであれば兎も角、そもそもが後になってやたら修正される(今回も無闇矢鱈と過去分が下方修正されてましたが)雇用統計の結果一発で緊急対応を取るというのは政策ロジックとして変でございますがと思うのですが、まあ為替の人全体に悪態ついてると思われると少々困りますが、どうも為替市場方面から金融政策に関する話が出てる時って「いやあのそれは金融政策のロジックとしておかしいぞ」というのが散見される次第でありますが、何せメディアはセンセーショナルな話大好きですので、その話がドンドン歩きだすというのも困ったもんですなあと思う今日この頃なのでありました。

#と、悪態ばっかですいませんね。まあ為替市場だけじゃなくて債券市場でも「日銀のヘボ調節で株が下がった」(直近じゃなくって今年の2月の話ね)というような馬鹿講釈する本職がいる位ですから人の事は言えませんが(汗)。



○武藤副総裁のジャパンソサエティでのスピーチですか

http://www.boj.or.jp/type/press/koen07/koen0709a.htm

まあ今回は一般的な話に終始しておりますが、前回お話した時にひと騒動あったなあと懐かしく思った次第です。と申しますのは、前回2004年6月7日のスピーチも英語で行われたのですが(上記URLは邦訳です)、前回はこのスピーチの英文(本文)の方だけが翌日に日銀のサイトにアップされまして、英語ページなだけに当時の参加者そこまで細かくチェックする人もあまりいないのを良い事に、その英文の解釈を明らかに恣意的に解釈して「武藤ショック」とかいう流れでお話をしたレポートがどこぞのエコノミストだかストラテジストだか知りませんが、まあそういうひとから出されましたんですよ。

で、その恣意的解釈な内容が何せ武藤さんの発言であって、しかもこのときは金利が上るような地合いだったのでさあ大変となって債券市場(というか中期債)は大いに驚愕してやたら売られたのであります(スピーチの本文見た人から順に買戻しモードになりましたが^^)が、今回早速邦訳がアップされたということは政策広報の中の皆様は2004年の悪事例をご記憶になっておられると見ました(^^)。お疲れ様であります。

ちなみに、そのとき怒りまくって書いた駄文はこちらです。暴言モードになっているのは若かりし頃なので勘弁してください。
http://www.h5.dion.ne.jp/~bond7743/hatsugenmutoh.html#mutoh040610

(当時書いたリンクはリンク切れなのですが、その時のスピーチはこちらです→http://www.boj.or.jp/en/type/press/koen/ko0406a.htm

トップに戻る






2007/08/28

自民党三役に対する感想を聞かれた鳩ポッポが「新鮮味が無い」と発言してたのにはワロタですよ。まさにオマエモナー。

#新鮮味がなくってもいいじゃないかと思うのですけど

しかし退任に際して「女子の本懐」「アイシャルリターン」って何か勘違いしている変な人がいるらしいのですが、変なもんでも食ったのでしょうかこのお方は????


○内閣改造雑感(素人の戯言です)

・麻生幹事長に与謝野官房長官

とりあえず言えそうなのは竹中氏的ないわゆる新自由主義(って便利な言葉だから使ってますけどイマイチ何のこっちゃいという気もするんですが・・・)な政策は出てきませんなあと逝った所なんでしょうか。まあそういう点では安心っぽいのですけど、金融大臣とかどうも空論で突っ走りそうな人も(後述)いるので、全体としての内閣の政策が分裂気味になりそうな悪寒も。ちなみに暫く前にネタにしましたので再掲になりますけれども、ローゼン閣下が竹中時代の金融行政に関して手厳しい批判をしてるのをご紹介したのがこのあたりに。
http://www.h5.dion.ne.jp/~bond7743/zatsudan07-01.html#za070531
(5月31日のエントリーですのでよろしく)

与謝野さん、麻生さんともに日銀の正常化路線に関しては理解があるといわれてますが、ではまあ景気の先行きに不安があるときでも正常化して良いというのかと言えば、そこまでの事はないでしょうし、あたくし勝手に想像する世界なのですが、そーゆー状況下では日銀も正常化路線を推進するこたあないと思いますよ。そもそも日銀ロジックでは「経済情勢に見合った金利の調整」ですので、経済情勢の先行きが不透明ならば金利の調整にはブレーキ踏みますよとなる筈なんですけどね。


与謝野さん官房長官でちったあ金利の市場が反応するのかと思ったのですが、表面的に市場は全然反応してなかった節がありますので、その点からしましても、「結局信用収縮問題とかに一定のカタがつかないと動きも進まんでしょ」という市場の評価ということなのでしょうかね。



・渡邊金融庁長官

公務員制度改革で片鱗は思いっきり見せていますけど、この手の立場にある人の属性として「パフォーマンスが好き」で「中途半端に知識がある」(あと付け加えるなら功名心強い、ですかね)というのが一番タチが悪いというのは皆様の身の回りでも事例を散見されるのではないかと思うのですな。副大臣人事がどうなるのか存じませんけれども、これで田村さんが留任でもしやがったら、ものの見事に上記属性のコンボとなる次第でして、そもそも金融危機モード脱却で存在感が低下している(と世間的に言われる)金融庁の状況と併せますと、何かこう存在感を誇示しようとして変な空理空論で無茶な施策を打ってきそうな悪寒がするので非常に心配。

ちなみに、あたくしの駄文を普段後ご覧の方であればお判りとは思いますが、あたくし基本的に政治的パフォーマンスのお上手な方は好きではありませんので、その分個人的バイアスが掛かっていることはご容赦下さい。


・石原政調会長(内閣じゃないですが)

正直意味判らん。参議院選挙の東京地方区で官邸肝いりの新人(しかも住民票戻し忘れで在外扱いだったというギャグ付き)にテコ入れして当選させた代わりに肝心の現職落選ってトンマにも程がある動きを都連会長として仕切ってた人がご栄転とは何のこっちゃにも程があると思うのですが。今回の一連の人事の中で一番意味不明でしたな。


・舛添厚生労働大臣

どう見ても嫌がらせ人事&火中の栗です。本当にありがとうございました。

・・・・と申しますか、まあ是非頑張って頂きたいと期待してますよ。


・まあ全体的な印象

確かに新鮮さという点ではウケが宜しくないのかもしれませんが、初代安倍内閣では安定感の無いお歴々が暴走しやがった(最後を飾った騒動には笑うしかありませんでしたが)ということもございますので、逆に重厚に見える布陣の方が宜しいのではないでしょうかと思うのでありますけど、まー中々そうもいかんのでしょうかね。

麻生幹事長ってのもそうなんですけど、最初からこの人事で臨んでいれば参議院選挙どうだったんでしょうかねと思うと、安倍さんのために惜しかったですよねというのと共に、これからまあ悪くなる事もない(あったら退陣^^)でしょうから、後は良くなるだけとポジティブ思考(とは言わんか)でお願いしたいと思います。第1次内閣の時より期待できそうな感じはするんですけどねえあたくしとしては。

トップに戻る






2007/08/09

○やたらと人のせいにするのは責任ある地位の人間として如何なものか

小見出しが長いですかそうですか。

さっきの大田担当相の会見ですが、短い方で火曜の会見を見ますと、月例関係閣僚会議で自民党の中川秀直幹事長が日銀に八つ当たりしていたというお話がございます。

『閣僚会議でのいろいろな質問、御意見については、私の方から簡単に主なものを御紹介します。まず、中川自民党幹事長から、やはりこの選挙の結果、地方の声、有権者の声というのはなかなか景気回復が実感できていないというのがあると。その理由としては、名目成長率がなかなか上昇していかないと、見通しが達成できていないという面があると。これは、日銀の政策変更に責任があるのではないかという御質問がありました。』

日銀は地域間格差の解消もしろと仰せですかそうですか。というかこの文面だとまだ大したこと無いですけど、これがメディアの記事になると「選挙に負けたのは日銀のせいと発言」という方向になってしまう次第でありまして、大体からして日銀の政策に文句あるなら内閣には金融政策決定会合における議事延期請求提案できるんですし、政府が財政使って何かするとか出来るでしょうにと思う訳でして、定率減税廃止だって別に延期すりゃ良かったじゃんとか申しあげたいんですけど。

と申しますか、先日も中川幹事長のサイトを見てたら『安倍総理への期待値は最大41%である』というかなり強引な世論調査解釈をしているコラムがあったんですけど、幹事長のコメントにどうもねえ感が。
http://www.nakagawahidenao.jp/pc/modules/wordpress0/index.php?p=616

『結果としてこのような事態になってしまったことについて、幹事長たる私の責任は重い。』

とこの一文は誠におっしゃる通りなのですが、その先はナンノコッチャという感じでして・・・・

『その責任において、敗因検証の一環として、例えばこの農相問題について、「このまま静かにしていれば局面は変わる」などとの「根拠のない楽観主義」をもとにした忠言があったかどうかの確認が必要である。そうした忠言は、先の大戦でサイパン島陥落後も本土決戦を唱えるに等しいもので、国家運営上の危機管理の大失敗である。(以下割愛)』

忠言があったかどうかの確認が必要であるってあーたが自民党幹事長なんですからちゃんと身を挺して苦言を総裁に言上するのが勤めなんじゃないですかねえという感が。何というか、幹事長の例えから言えば、本土決戦を唱える動きに対してその時は声を上げないで、戦争に負けてから急に「軍部が全部悪い」とか言い出すようなもんでしょ。無力ないち市井人なら兎も角、幹事長たるお方の発言としては何ともまあという感じでして・・・・・

まあ、中川幹事長の忠言に安倍総裁が聞く耳持たずモードだったのであればこういう発言が出てくるのも不思議ではないので、内情はそんな所なのかも知れませんけどね(そうだったら中川さんごめんなさい)。

ま、メディアの伝え方というのもありますし、官邸と幹事長の距離が本当はどのくらいあるのかとか下々の者は存じませんので、そのあたりで苦労しておられたのが出てしまったというのが実情なのかもしれませんけれども、何かどうも中川幹事長から伝わるのが「〜が悪い」というのが多かったですなあという印象が強かったですな。まあお疲れ様でございました。

トップに戻る





2007/08/06

○もうね、アホかと馬鹿かと

土曜の新聞にも大々的に掲載(何せ東京新聞でも1面記事になってましたし)されてたので皆様ご案内の通りとは存じますが、民主党の鳩山幹事長が日銀正副総裁人事で存在感を出すと言う動きに出るそうですわな。

で、民主党鳩山氏の発言によりますと(ソースは東京新聞やブルームバーグニュース)『武藤さんに関して新しい状況が存在しているとは思わない。考え方を買える環境にはない』だそうですが、そのような節穴の目しかない鳩ポッポはもう少し勉強すべきではないかと存じます。おまいの首から上は鳩なのかと小一時間(鳩の方が視界は広いか^^)。

まあね、前回の副総裁就任時点ではほんのちょっと前まで財務省事務次官でしたから、百億歩譲れば財務省支配云々を言うのは(どうみてもただの言いがかりだが)まだ理屈として通らんこともないですけど、日銀副総裁に就任して5年近く経過し、その間の武藤副総裁は誰がどう見ても日銀の執行部としての行動。就任当初は財務省の代理人と見られることも無かったとは言わないけど、その色眼鏡はご本人の実績で皆さんとっくの昔に外していますわな。その5年近くの実績をまるで見ないで「新しい状況が存在しているとは思わない」とはもうアホかと馬鹿かと

日銀副総裁としての5年近くの実績をまるで無視とは恐れ入る論理でありますが、それだったらてめえの政党で最初に「ネクスト財務大臣」に据えたお方は元財務官僚で、しかも選挙の洗礼を受けた代議士さんでもなかったですけど、あれが適正でこちらが不適正な理由が1ミリも理解できませんですわな。それから「元なんちゃら」が何年経っても問題になるなら、おまいら揃いも揃って元自民党だったり元官僚だったりするじゃねえかと問い詰めたくなりますわな(-_-メ)


前回の正副総裁の就任では民主党は武藤さんと岩田さんは「元官僚」というので反対。福井さんの反対理由は何だか覚えてません(たぶん不祥事で辞めた人間が復活するのはケシカランだと思うが)けど反対となってまして、福井さんの理由は兎も角として、官僚全部ダメってあーたそりゃちょっと幾ら何でもおかしいじゃないのよ。おめえの政党には元官僚(大蔵官僚もいますなあ)何人いるのかとってさっきと同じか(笑)。

ちなみに、東京新聞の4日土曜日の経済面(7面)解説記事では「あるエコノミスト」のコメントとして『次期総裁を天下りの有無でしゅん別するのではなく、市場と対話できるかどうか、で考えてほしい』とありましたが、まあ左様でございますわな。政府与党側が何か怪しい事をおっぱじめているというのなら兎も角、野党が率先して日銀総裁人事を政治ネタにするとは思わなかったですよ。まあこの発言で民主党の金融市場からの支持率は(元々そんなに高いとは思わないけど^^)大暴落したことだけは間違いないと存じます。


しかし何ですな、本石町日記さんが民主党の金融政策に関する国会での発言が支離滅裂である事を指摘した暫く前のエントリーでこんな指摘をしていたのには脱帽であります。

http://hongokucho.exblog.jp/6974947/
民主党はワンボイス主義を=金融政策論議で考える党戦略

『民主党の経済(特に金融系)戦略は、個人的には政府系金融機関(含む郵政)などの主張(国営のまま縮小)は支持できるが、金融政策については@独自のポリシーがない(与党に抑圧された日銀という対抗戦略のみ)Aトンデモ系の利上げ論が横行−しているという印象だ。特に、日銀を与党に抑圧された存在とみなす戦略は、仮に与党になれば日銀を抑圧するのが見え見えで、薄っぺらな感じである。』(上記エントリーより、強調部分は引用者による)

与党にはなりませんでしたが、早速正副総裁人事にあまり意味のない理由で口を出している訳でして、「与党になれば日銀を抑圧するのは見え見え」というのが見えて参りましたですね。

でね、民主党は上記本石町日記さんの指摘のように、国会では「与党に抑圧された存在」という流れで色々と政府への追及をしていたのですが、東京新聞(正直言って、経済記事や経済関連の社説のレベルは結構まともな部類に入ると思う)の経済面解説記事の見出しには微苦笑を禁じ得ませんでした。曰く、『日銀総裁人事 政治に揺れる「独立」 混乱、国際評価に影響も』という事でして、どう見ても民主党が中央銀行の独立性を損なっているとの評価です。本当にありがとうございました。


などとあんまり外野が武藤さん武藤さんというと贔屓の引き倒しになりかねませんので(って別に場末で叫んでるあたくしの駄文は関係ないですけど)まあ悪態は今日だけにしますけど、ちょっと民主党の政権担当能力に暗雲どころか土砂降りの大雨がという感じでございます。ど〜せ自爆クオリティーの民主党だから何か自爆するとは思いましたが、早速金融市場が呆れる攻撃に出るとは思いませんでした。


しかしそう考えるとトホホなのは、外準の積極運用だとか東京金融街構想だとか与党から出てくる話にもどう見ても空想ファンタジーの世界から出てきた物が散見される(特に金融庁の大臣と副大臣方面)ことでして、とにかく中途半端に「お勉強」したファンタジーの世界で訳の判らん施策を出すのは止めて頂きたいと思うのでありますよ。

トップに戻る








2007/07/30

お題「選挙ですから床屋政談でも」

正直申しあげて、「過半数取れなかったら政界引退」という小沢さんの発言を聞いたときには「ついにこの人もヤキが回ったか」とあたしゃ思いましたんですよ。失礼なことを思ってすいませんすいません。お見それ致しました。

選挙結果を受けて相場見通しをどうしましょうかというお話の前に、手元にあります東京新聞12版を見ながら雑談でも(ということで野田審議委員の会見までは辿り着かないものと思料されます)。

○選挙雑談

・東京地方区

保阪候補が落ちて、メディアを引き連れて期日前投票しに逝ったら住民票を在外から戻し忘れて東京地方区での投票が出来なかった丸川候補が当選とは何という事と呆れておりますが、共産党が次点にも届かないというのにも驚きが。まあそれはそれと致しまして唯一ネ申(おい)が最下位を脱出しているのにもかなりの驚きがございました(^^)。最下位脱出したんで、とりあえず地獄の火の中に投げ込むのは勘弁してください。


・比例代表

共生新党が維新政党新風に負けているのにはかなり笑ってしまいました、うひゃひゃひゃひゃ。前回の比例獲得議席と比較して公明がドロップしているんですね。しかしそう前回比強烈に差が出ている訳ではないので、地方区における民主の選挙戦術が上手かったということなんでしょうか(でも1議席違うと言うのは物凄い事なのですから、やっぱり基礎票も伸びてるってことなのかね)。

・出口調査

各社の出口調査を8時に急いでメモを取ったのですが、レンジを取ってるNHKは別にしてTBS以外大外ししてないですなあということで、今回も実は開票速報見てたの精々1時間だったというあたくしなのでありました。なお、東京MXTVは悠然と大井競馬中継をやっておりました(^^)。

・その他

公明党が地方区で取りこぼすとは(しかも首都圏とか愛知とかで)これまた驚きでありました。13議席鉄板と最初から決め付けておりましたよあたしゃ。こちらも何てこったいという感じですわな。

でね、まああたくしが個人的に極めて好感度を低く設定している自民党の中川幹事長が幹事長辞任とのことなんですけれども、何であたくし的好感度が低いのかという点について選挙戦を見てて気が付いた点があるんですよ。それはですな、「この人他人のこき下ろしばっかりですなあ」という印象が強いという所でして、野党なら兎も角、与党の幹事長として如何なものなのかってのがあったのかなあという所で。年金番号の未整理問題で一時自民党のサイトに「基礎年金番号制度に移行した時の厚生大臣は菅直人でした」とか宣伝(?)してたのが代表例(中川さんの差し金ではないのかも知れないけど)ですが、定率減税廃止しておいて「日銀の利上げのせいで景気が浮上しない」とか批判するとか、どうもこの幹事長(安倍さんもその観がありますが)は口を開けば他者批判って印象が強いんですよね。中川さんブログのご本人のコラム見てても何か人の批判が多いですしねえ。

#と、ここまで書いて自分にブーメランである事に気が付くあたくしなのでありますが・・・・・(滝汗)

これは自民党員の方のブログで見掛けたんですけれども、選挙戦では「気をつけよう、甘い言葉と民主党」などと中川さん仰せ(追記:といか自民党のサイトにございましたよ)だったようで、まあ民主の政策に関してはそれはどうなのかというのがありますが、それをお前が言ってどうすると思うのでありまして、何と申しますか、口を開けば批判というようなネガティブな事ではいかんのですなあと最後はアヤシイ人間力教室みたいなまとめになるのでありました(^^)。

#そして自分にブーメラン(^^)


○それはそれとして金融政策への影響

前から市場で言われてたのは「与党の勝利か大敗ならまあスッキリするのでよろしくが、中途半端に負けて安倍首相が続投して内閣が死に体になると困りますなあ」というものであったのですけれども、安倍首相が続投表明とは想定外の展開です。まあ民主党にとってはウハウハとしか言いようが無いですけど、これは見事な死に体で困るパターン。

ただまあ選挙結果そのものが市場に無茶苦茶影響を与えるかというと、目先の短期的な変動はあるにせよ、その先という意味で言えば来年の3月までは政府の予算だって決まっているんだし、政府部門からの動きに極端な変化がある訳でもないんですから、まあ中期的には別のファクターが働くのではないかと存じますが。

んでまあ先週金曜日はサブプライム問題益々表面化→米国金利低下に端を発して、おまけにコアCPIは相変わらずマイナスということで、相乗効果で国内の債券市場は上昇しまして、短期に関しても(CPは辛うじてまだそんなに低下してませんが)金利低下の巻で、10月29日償還のFB463回の利回りが0.640%(3.5毛強!)の引けだわ、9月26日償還のFB457回の利回りが0.560%(2毛強)の引けだわと、これは見事な8月利上げ織り込み剥落モードでありまして(ま、9月3日償還とかとっくの昔に0.520%の引けだったりしますけど^^)、誠に何てこったいと逝った所でありまする。

先週あたくしは「8月利上げスキップするなら「逆地均し」ですかねえ」などと申しあげておりましたが、こうなってくると別に逆地均しをしなくても超短い所では8月スキップしても大丈夫モードになっているのがオソロシスであります(ただし長い所はまだ8月利上げが大本線です)わな。まあ7月利上げしてなくて良かったねとしか言いようが無いので、そういう意味では福井総裁の悪運は尽きずと逝った所で(^^)。

まあ日銀は否定するでしょうけれども、8月利上げできるかどうかの最終的なファクターは株式市場がこの選挙結果や米国発の混乱でコケるかどうかってのと、来月出てくるGDPが悪い結果にならないかって所になるとあたしゃ見立てておりますので(違っていたらごみんなさい)、まあ暫くは短い所のポジション運営は難しいのですが、現在資金不足期間によって、資金供給オペが打たれやすくなっているのが金利押し下げ要因として働くので、当面は利上げスキップモードになり易い展開となるでしょうな。

で、短期市場が今申しあげたモードになっている事もありまして、8月利上げに関してはスキップするという手もありそうですけど、まあ「確信度合い」の筋論で言えば8月やらないと9月やるのは難しいかもしれないので、(べき論で言えば別に待っても良いんジャマイカと思うが)出来るもんなら8月にするんでしょうね。

#と、雑談与太話に終始して面目ない

#あ、たぶん米国利下げ(しないとおもうが)観測は関係ないと思うので一応

トップに戻る







2007/07/26

○超余談です。

久しぶりに経済財政諮問会議のサイトを訪問。
http://www.keizai-shimon.go.jp/

下のほうを見ると更新情報に『成長力加速プログラム・タスクフォース第1回議事要旨掲載(2007年7月25日)』というのがありました (PDFファイルです)。
http://www.keizai-shimon.go.jp/special/taskforce/01/work-s.pdf

・・・・えーっと、この議事内容なのですが、あたくし一応目の玉かっぽじって読んだのですが、ただの「IT推進会議」にしか見えなかったのでありますが、この会議ってそういうもんなんでしょうか教えてエロイ人。

と思ったら概要の資料にはこんなのがありまして、
http://www.keizai-shimon.go.jp/special/taskforce/01/item1.pdf

一応そこを見ると『サービス革新戦略』の中に『IT革新』ってのがありますけど、議事見てるとどこがどう革新なのかよー判らんというのは引き続き頭の中で飛び回るのでありました(苦笑)。

トップに戻る







2007/07/11

お題「金融政策に関して支離滅裂な主張をする政党がいる訳だが(国会会議録ヲチ)」

すでにこの話、本石町日記さんが『民主党はワンボイス主義を=金融政策論議で考える党戦略』というエントリーを上げていますので、まあ受け売りもいいところなのですけど(大汗)。
http://hongokucho.exblog.jp/6974947/

本石町日記さんが話題にしていた6月13日の財務金融委員会の会議録を見たらその部分が中々面白かったのでご紹介するのでありますが、その前日に参議院厚生労働委員会ではこれまたテラアホスな議論が行われている訳でして、本石町日記さんが民主党の金融政策論議に関して『金融政策で論戦を挑むなら唯一まともな古本議員のワンボイスにする(またはその主張にそろえる)のが対与党戦略上はいいような気がする。』というのに禿げ上がるほど同意したい訳ですが。


○利上げの家計に与える影響に関する比較的まともな質問

んでまあその6月13日の財務金融委員会ですが。
http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/009516620070613020.htm

民主党の古本委員の質問の冒頭から。

『○古本委員 おはようございます。民主党の古本伸一郎でございます。(途中割愛)少なくとも、低利であったがために国民の財布を結果として痛めた、低金利だったから、預貯金をしている人に対して、そういう御議論も利上げの理由の一つになさっておられるようでありますが、一体、我が国の国民の平均的な世帯ごとの貯蓄の残高、どのくらい預貯金があるのか。金利がつくということでいえば、銀行に預けている、たんす預金ではなくて、そういう規模で申し上げれば大体どのぐらいあるのか、これをまずお尋ねしたいのと、一方で、金利が上がれば、住宅ローンももう既に上がり始めています。住宅ローンを借りておられる世帯数がどのくらいあって、当然にその金利負担は、今後は逆に金利が上がれば大きくなるわけでありますので、日銀はその辺をどう分析なさっておられるのか、まず事実関係を教えていただきたいと思います。』

答弁するのは雨宮さんです。

『○雨宮参考人 お答え申し上げます。まず、御質問のありました、金利の上昇が家計に与える影響ということでございますが、これはなかなか試算が難しゅうございまして、(割愛)なかなか試算が難しゅうございますけれども、御質問の観点からの、ざっくり、預貯金とローンとどっちが多いかという観点から推しはかるということでデータを申し上げさせていただきます。』

『これは、総務省の家計調査の十八年の平均の家計一世帯当たりの預貯金残高、住宅ローンの残高でございますが、まず全世帯平均で申し上げますと、預貯金が一千一万円、住宅ローンが四百四十万円でございます。これを勤労者世帯に絞りますと、これは全世帯に対する勤労者世帯の割合、五五%程度でございますけれども、勤労者世帯の預貯金が平均で七百三万円、住宅ローンが五百七十七万円ということでございますので、預貯金が若干上回っております。』

『これをさらに、御質問のございました住宅ローンを抱えている世帯ということに絞り込みますと、住宅ローンを抱えている世帯は、全世帯に対する割合が二割弱、統計上は一九%ということでございますけれども、預貯金の保有高が四百九十三万円、住宅ローンが千四百三十一万円というデータでございますので、冒頭申し上げたとおり、単純にはなかなか試算はできませんけれども、住宅ローンを抱えている世帯について申せば、はるかに住宅ローンの方が多うございますので、金利上昇は負担増につながるというふうに考えております。』

というのが結論でして、まあその通りですなあという話であります。

でですな、まあ質問者の質問に答えるために数字をださないといけないというのは重々承知していますが、「預金金利を上げて家計に寄与」とかいう流れの質問の時にもしらっと「いやそうはおっしゃいますが住宅ローンというのもありまして」とかいう資料を出すと甚だ楽しい展開になると思うんですが、参考人如きが選良様に向って喧嘩をふっかけるような訳には行きませんですかそうですか(^^)。

『○古本委員 つまり、金利で食っていける世帯なんというのは、恐らく、日本の世帯数が合計でどのくらいあるのか承知しませんが、ほんの一握りというか、一粒だけだと思いますよ、金利で食っていけますというような、そういう幸せな人は。(途中を割愛しますが、実はこの間の論理展開がちとちと怪しいです。まあ本文を読んでつかーせ)ですから、やはり庶民の暮らしという実態を考えれば、預貯金がたくさんあってローンが少ないなんという例は余り言っちゃいけませんよ。最後に言った例が正しいんです。預貯金が四百九十万円でローンを約一千四百万円抱えている、ここの世帯でいえば、今後、福井総裁がもくろむように金利を上げていけばどのくらいの負担増になるんですか。年間あるいは十年先、どのくらいの負担増になるんですか。スズメの涙の金利しか今ついていませんけれども、それがけた一つ上げたからといったって、そのスズメの涙がモズの涙ぐらいにちょっと上がる程度で、よほど住宅ローンの負担増の方が大きいですよ。そのことも織り込んで今金利の引き上げの議論をなさっていますか、日銀は。』

ということで、まあ雨宮さんは当然とも言える答弁をその後しております。そこまで引用してると引用だけで膨大な量になるので割愛しますけれども、まあ少なくとも「預金金利引上げで家計が」っていう議論よりは遥かにマシなお話ではございます。何か古本さんの結論らしき最後の意見部分はちと話を住宅ローン抱える家計に対してフォーカスし過ぎじゃねえのかという気はしますので、まあ本当にちゃんとした議論で民主党のワンボイスに足るかというと少々怪しい感じです。


○年金のために利上げしろという香ばしい論議

で、それはまあ良いのですが、前日の6月12日の参議院厚生労働委員会で民主党・新緑風会の大久保委員は金利を上げるべしという質問をしている訳です。広げた大風呂敷の右と左で別の事をやっているとはまさにこのこと。答弁してるのは稲葉さん。

http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kaigirok/daily/select0108/166/16606120062028a.html

『○大久保勉君 (前半割愛)年金運用で一番大きい分は、約八割は国内の債権(原文ママ)若しくは融資等で運用しております。ですから、国内の金利に連動すると思いますので、ここで日銀に質問したいと思います。日本におきまして、七〇年代、八〇年代、九〇年代、そして二〇〇〇年代の金利の推移に関してお尋ねしたいと思います。 特に年金財政がおかしくなっておりますのはこの十年、バブル崩壊後の十数年でありますから、その辺り、金利がどういうふうに推移したかということに関して質問します。』

もうこの時点で話がおかしい訳ですわな。残高が大きくてもリスクリターンがでかいものが他にあったら利回りはそっちに引っ張られることだってありますわなあ。美しい金利の人もそうなんですが、どうして証券出身の人がこーゆー話するかなあとがっかりですよ。

『○参考人(稲葉延雄君) お答え申し上げます。長期国債の十年物利回りで申し上げますと、七〇年代の平均は七・七%、八〇年代は六・七%、九〇年代は三・九%、そして二〇〇〇年以降、二〇〇七年五月までの平均は一・四%でございます。』

『○大久保勉君 例えば、八〇年代は六・七%ですから、二〇〇〇年代の一・四%に比べまして五・三%高かったわけなんです。ということは、先ほどの表を見てもらいましたら、今よりも五%上がっているとしましたら、二〇ポイント所得代替率は増えます。もちろん、これはインフレとかいろんな要因がありますから、直接並行的には動きませんが、金利の動向というのは極めて重要ということを指摘したいと思うんです。じゃ、八〇年代六・七%と二〇〇〇年代の一・四%、差が五・三%ありますが、数字を丸めて五%とします。年金の現在の運用金額は百五十兆円です。そのうち八〇%は債券市場で運用しておりますから、金利に完全に連動しています。じゃ、こういった条件で八〇年代と二〇〇〇年代、どのくらい年金の運用利回りが減っているか、このことを日銀に聞きたいと思います。』

『つまり、日銀の政策、低金利政策が年金財政に多大な影響を及ぼしているんです。ですから、日銀にこのことを是非認識してもらいたいということで、あえて日銀に質問します。これは数字の計算ですから、できるはずですから、計算してください。』

他のファクターがあるから計算できません。というか計算できるから計算しろというならお前が計算ロジックだせ・・・と言いたいでしょうなあ。日銀の中の人たちにマリアナ海溝よりも深くご同情申しあげます(というか国会に呼び出されるような所に就職したら首が幾つあっても足りないよと思うあたくしなのでありました^^)。

『○参考人(稲葉延雄君) お尋ねの前提でございますれば、百二十兆円の五%相当額は六兆円でございますし、その十年分の合計は六十兆円ということになると思います。ただ、そういった計算が年金資産運用の逸失利益の試算として、計算として適当であるかどうかということにつきましては、日銀は所管外のことでございますし、年金資産のポートフォリオの内容を詳しく存じませんので、判断できる立場ではないということを申し上げたいと思います。』

『それから、一般論として申し上げますと、日銀が採用してまいりました低金利政策、副作用といたしまして、年金等に関する資産運用難をもたらしているということは承知しておりますけれども、ただ、金融政策は全体としての経済、物価の状況に照らして実施するものでございまして、低金利政策はこれまでの経済、物価情勢の下で必要な政策であったというふうに考えております。』

ここの字面からは「計算できないものを計算しろというなこのアホウ」という気持ちが伝わってくるのは単にあたくしがそう思っているからですかそうですか(^^)。

『○大久保勉君 ここの議論は日銀と相当昨日もやりました。つまり、日銀として正式な数字を出しなさいと言ったんです。つまり、日銀が決定する金利によりまして年金の財政が変わるんです。日銀は、自分たちの管轄外だと。それは間違いなんです。』

どう見ても貴方が間違いです。本当にありがとうございました。だいたい利上げやり過ぎでオーバーキルして景気が悪化したら株価など下がって年金資産内容が悪化しますがねえ・・・・

『じゃ、金利は二つあるんですか。(以下質問者の頭の中身を疑う話が延々と続くので割愛)だから、ここで柳澤大臣、金利は年金のために上げるべきという答弁が欲しいと思いますが、柳澤大臣、どうですか、通告しておりませんが。』

お願いですから党で意見を纏めてから金融政策の質問をして下さい。国会答弁のために何人の人がどれだけエネルギーを掛けてるかとかちょっと考えりゃ判るでしょ。

#とまあ引用で増量になってしまいましたが本日は古いネタで恐縮でした。

トップに戻る





2007/07/04

○その他少々

・金融担当大臣様におかれましては・・・・

例によって本石町日記さんの所からのネタですが、夜10時過ぎのエントリーに夜中の1時半までにコメント7つという盛り上がりぶりに驚倒(^^)。

http://hongokucho.exblog.jp/7051549/

この大臣と副大臣の組み合わせはどう見てもトンデモへの道まっしぐらになりそうですわな。変に中途半端な知識があるトップに取り巻きが妙なアイデアつけて焚きつけると碌な事が起きないの展開にならないように切に願いたいものであります。

トップに戻る




2007/07/02

○ヒマネタですが国会ウォッチ

ちょっと前の話ですが6月19日の参議院財政金融委員会より。
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kaigirok/daily/select0105/166/16606190060019a.html

電子債権法案に関する質疑がメインなのですが、たまたま福井総裁の参考人質疑もあったのでその辺を見てたわけですが。

民主党・新緑風会の大久保委員の質問からなのですが。

『日銀の福井総裁が十五日の金融政策決定会合後に行った会見で、思わぬハト派的な発言に市場からは驚きだったと戸惑いの声も上がっております。例えば(割愛)など、これまでのトーンと相当変わってきたと思うんです。これまでといいますのは、一月前とかその前です。そこで、前回の政策決定会合から今回の政策決定会合まで何か経済のファンダメンタルズが劇的に変わったのでこういったタカ派発言からハト派に変わったのか、それとも、七月に予定されている参議院選挙を意識した高度な政治的な発言、若しくは高度な政治的判断によるものか、この点に関して質問します。』

例によって「政府に独立性を脅かされている日銀」フレームアップ質問キターという感じでありますが、あたくしが先日の駄文でご紹介したように、会見内容自体はいつもと同じでありまして、7月利上げへの思惑を出させるような質問に対応したらヘッドラインリスクキターという所だった筈ですわな。福井総裁の回答はまあ引用するまでもないのですが、部分だけ切り取りますわ。

『(略)先週十五日の御指摘の記者会見でありますが、このときもこうした基本的な考え方に立った上で経済・物価情勢について丁寧に御説明をしたところでございます。(略)参議院選挙を意識した発言かという御質問も今ございましたけれども、そうしたことは全くございません。あくまで経済・物価情勢を丹念に説明したものでございます。』

で、この質問に対する大久保委員の返しにワロタ。

『ということは、六月の発表とその前四月、五月というのは、福井さんにとりましては全く同じような意識で、全く同じようなタカ派的な考えの下にコメントを出したということでよろしいでしょうか。』

お前は人の答弁を聞いてちゃんと理解する能力があるのかと小一時間。そしてこの先生、その後こんな質問をして延々と質疑応答をしているのですけれども、もう何というか頭が痛いですわな。

『では続きまして、いわゆる日本銀行の金利政策が経済若しくは年金等に与える影響に関して幾つか質問したいと思います。最初の質問としては、これはもう既に答弁されたことですが、確認のために質問します。これまでの日本銀行の低金利政策によって日本の預金者の金利が減少しているということで、この点を日本銀行は分析されたと思います。じゃ、どのくらい家計に影響したのか、この点に関して質問します。』

で、この応答のあとに出てきたのはこんな質問。

『日本銀行の金利政策がいわゆる預金金利に与えた影響はよく分かったんですが、国民のもう一つの関心事といいますのは、いわゆる将来の生活、そのための年金制度、ここに多大な関心があると思います。では、日本銀行の低金利政策が公的年金に与えた影響に関する試算はあるんでしょうか、まずその点に関して質問します。』

『低金利政策が年金財政等の、年金財政は様々なルートから収入があるわけですけれども、金利収入という面での減少をもたらしたという御指摘があることは私どももよく承知しております。ただし、低金利政策の年金財政への影響は、経済活動全般の動きを通じた効果も考慮して評価する必要があるんではないかというふうに思います。(以下面倒なので引用割愛しますが、金利面以外があるでしょという当たり前の答弁です)このように、資産運用のパフォーマンスはそのポートフォリオや運用方針によって異なるものでありまして、金利収入だけを取り出して評価することは非常に難しいというふうに考えております。』

まあ当然ですわな。で、その後も延々と質問してるのですが、何か日銀の政策金利が大きな影響を与えているという話をしてるんですけど、それは因果関係としてどっちが先なのかと考えると???ではある話ですわな。大体からして株式などの運用をしててそっちのパフォーマンスが効いている面が高いものですから、「景気が悪い」→「株価が低迷」→「パフォーマンスが悪い」という流れはあっても、「政策金利が低い」→「株価が低迷」とはならんだろうと思うのでして。「景気が悪い」→「政策金利が下がる」というので見た目相関してるに過ぎないんじゃないですかねえ・・・・

しかしこの質問には驚倒しました(ずっと後のほうになります)。

『リスクとリターンの関係というのは重要ですが、ところがリスク量を一定にしてリターンを上げる方法もあるんです。具体的には、今四資産で運用されておりますが、いわゆるREITとかヘッジファンドというのは株式とか債券市場とは別の動きをしますから、リスク量はそれほど増やさずに利益を上げることができますから、こういったことを是非検討すべきじゃないかと私は言いたいと思います。この点、川瀬理事長(注:年金積立金管理運用独立行政法人理事長です)はどうですか、御意見は。』

テラアホス・・・・・

トップに戻る








2007/06/20

○次期日銀総裁に関するアンケートというか人気投票というか

昨日(19日)の朝7時配信のブルームバーグニュースによりますと、日銀ウォッチャーといわれる人にブルームバーグがアンケートして、次期日銀総裁の予想と、それはそれとして誰がふさわしいかって質問した結果は、予想部門で武藤さん圧勝。ふさわしい人部門では植田和男東京大学教授のお名前もそこそこ出たそうでございます。まあ順当ですなと思うのですけれども、ブルームバーグだけに商売敵部門に所属される某日記の中の人には取材してないようで(^^)、まあ見解をお伺いしたい所ではありますが、答えにくいですかそうですか(^^)。

あたしゃ武藤総裁+植田副総裁って組み合わせ(加えて岩田副総裁が再任するとなお強力な気がするんですが、そうすると日銀の中からの人がいなくなってしまうのもどうなのという感じで、理事または前理事の中からもう一人ってのが順当に思えます)がどうかなと思うのですけど、まあこればっかりは外野の与太話で床屋政談の域を出ませんわな(苦笑)。

#しかし「日銀ウォッチャー17人にアンケート」ってそんなに専業(あるいは第1種兼業^^)ウォッチャーいましたっけ?何かどう見てもそれは(以下物凄い勢いで自主規制)。(追記:これはナンノコッチャという質問が多数あったんですけど、まあ要は「日銀ウォッチャー」と呼ぶには相応しくない人がいますなあということですよ。何人居て誰誰とは申しませんが)

トップに戻る






2007/06/15

○少々気になった記事から

国交省、不動産鑑定の監視強化・価格算出の基準を統一
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20070614AT3S0801613062007.html

国土交通省は不動産の「時価」を決める材料となる不動産鑑定の監視強化に乗り出す。不動産の証券化商品の市場が拡大していることを踏まえ、一般投資家などが不測の損害を被るのを防ぐ狙い。鑑定の根拠となる収益見積もりなどの情報開示を義務付けるほか、不動産鑑定士が不適切な評価をした場合などの登録取り消し制度を積極的に活用する。(以下割愛)

ということで、このニュースだけだと何とも良くわからんのですけれども、記事のお題にあるように「価格算出の基準を統一」というのを本当にやらかすのであればそれはちょっと待てと思うのですよ。

そりゃまあ収益還元法の賃料見通しがバラ色のメルヘン爆発とか実は費用を過小計上してるとかいうのは問題ありと思うのですけれども、「基準を統一」というのにはちと引っ掛かりますわな。これが「一定の算出方法を押し付けてそれ以外は罷りならん」という代物になりますと、画一的なリスク管理手法を導入させてマーケットが集団レミング状態になってしまったどこぞの国のどこぞの市場の悪夢が蘇ってきてしまうのはまあ杞憂なんでしょうけれども、どうも何だかねえという感じが致します。

ま、不動産鑑定根拠の情報開示を、ごく基本的な金融知識しかなくてもわかるような形で行うように義務つけるとかして、その「わかるような形」に関してガッツリ規定して判断は投資家に任せるけど内容に関して虚偽があったら超厳罰適用とかいう風に持っていただけると宜しいのではないかと思うのですけれども、まあ現実問題としてそれもムツカシイのでしょうね。

だいたいからして価格算出の基準が人によって違う(不動産は金融商品じゃないから利用価値に関して人によって違う部分があるでしょうし)から売買が活発化するんじゃろと思うので、あまり鋳型に嵌めるような事は賛成できませんなあと思うのでした。

・・・などと書きましたが、単に記事のお題に釣られただけだったかもしれないなあという気も致します(汗)。


○後講釈もムツカシイという雑談(^^)

ここもとの動きは経済指標とか要人発言とか関係なくやっておりますので、相場らしいちゃあ相場らしいです。こんな時に変な後講釈しようとすると却って相場を見誤るモトですんで、全部「何だかよくわからんがこうなった」なんですよね。ということで「ふ〜ん」と思いながら見ていたモーサテ雑感^^;

米国PPIのヘッドラインが強くてコアは予想通りという結果に対して為替の後講釈は「インフレリスクの高まりで米国金利上昇期待」で、株の後講釈は「インフレが抑制されているので買い安心感」で債券の後講釈は「インフレリスクで利上げ懸念から債券売られました」(の割には2年金利よりは10年金利の方が上昇、と言っても2毛5糸甘程度で、ここもとの動きからすると売られたという程でも無さそう)となっていました。ちょっとお前らその説明整合性無いじゃろという所なのですが(笑)、要するにその市場のモメンタムというか雰囲気で好き勝手解釈して勢いで動いてるちゅうことなのかなあとか思うのです。

#番組後半での説明では「数字が出た時には債券が反応したけれども、そこから買い戻されました」なのでやっぱ相場の内部要因なんでしょうね。というかそれを先に話してくれないとワケワカランがな(苦笑)


まーモーサテだって各市場に取材したらそういう答が返って来たからそう解説してるだけなんで、こういう「市場ごとに後講釈を並べると右と左で話が矛盾している」っていう面に関しては、番組サイドにも同情申し上げるものでありますけど、どうせだったら「米国PPIを受けて株式と為替ではやや異なった反応をしました」くらい付け加えてくれるとカッコイイのですけどね(^^)。

#まあ番組を珍しく真面目に聞きながら書いてましたが、市場関係者の後講釈聞いてるとどう見ても為替の人の講釈が頭と後ろで言ってることが違うので、連中が「勢い」でやらかしてるんジャマイカと思うのですけど・・・

特に勢いがついて動いてる時って、何でもかんでも動きたがる方向に材料を勝手に解釈したり、反対方向の材料を無視したりというのは市場の仕様でございますなあと思った朝のひとときでございました。

#しかしゆっこ先生、「世界的な金利上昇でインフレが懸念されています」というのは言う順序が逆だぞ・・・・

トップに戻る






2007/06/14

○この前お話してたサーバーコンピュータのヘドニックに関して

一昨日引用した挙句に「結局ワカラン」で終了した企業物価統計でのサーバーコンピュータのヘドニックなんちゃらの日銀ペーパーですけど、von_yosukeyanさんがスラド日記にエントリーを上げておられました。恐縮至極にございますm(__)m。

http://slashdot.jp/~von_yosukeyan/journal/406158

いつもながら勉強になりますです。しかしさらっと例えに入れた「律速段階」に反応するとは(^^)。ええあたくしそんな関連のことをメシの種にしようとしていた時期もございました。あたしゃどこをどう間違えてこの世界に入ってきたんでしたっけ(笑)。

しかしこのヘドニックってのも家電製品のスーパー値下がり(物価統計上の)を見るに、効き過ぎるような気も致しますですわな。住宅でも効くようですが、帰属家賃のヘドニックとかも興味はあります(がどうせ理解できませんけどね^^)にゃ。

トップに戻る





2007/06/13

・5月25日の衆議院決算行政監視委員会

ゼロ金利政策で失われた家計利子収入がどうのこうのという議論があった会でして、ブルームバーグニュースの記事を引用して「アホス」と悪態をついたと思うのですが、この質疑って岩国委員(民主党)がしておりまして、この質疑応答を見ているともうアホか馬鹿かと小一時間問い詰めたくなるような質問ですわな。

どうも話の流れを追いますと、為替介入を行わなくなった→代わりにゼロ金利政策を強化した→企業の収益は上ったが家計の利子収入が減った→ケシカランという話をしてたようでして、先日悪態をついた時は岩国さんは低金利政策の弊害について主張して利上げすべしという話をしてるのかと思ったんですが、あたくしの早とちりでした(^^)。

一々引用してると長くなるのでちょっとだけ拾って見ますが、何かもう電波ゆんゆんもいい所ですが、多分この人とか民主党の経済政策なんかには影響力大なんだろうなあと思うと、実に頭が痛いものを感じるのであります。まあアレですよ、大昔からあたくしの駄文にお付き合い頂いている方はご存知だと思いますが、いつぞやの選挙で影の内閣みたいなのの閣僚名簿が出た瞬間に感じた嫌な予感の通りですなあという所でございますがね。

『そういう御答弁をいただきましたけれども、昨年、アメリカの選挙において民主党が勝利をおさめた。その後、アメリカの産業界を中心として、日本の今の為替レートに対する批判が起きております。また、現に、そうしたゼロ金利政策に固執し、今、円売り介入がとまった、その辺からゼロ金利政策がフルに適用されている。円売り介入することなしに、かわってゼロ金利政策という異常な金利政策をとることによって、結果的に百二十円という円安を維持することができた。ゼロ金利政策は、円売り介入の代理人として、為替政策の上では結果的に百二十円という円安の水準を維持するのに効果をもたらしているのではありませんか。だからこそ、今アメリカの自動車産業を中心とする批判が起きているのではないんですか。』

『また、この円売り介入、それに続くゼロ金利政策の結果としてもたらされた今の円安水準というものが日本の輸出企業を中心として大きな利益をもたらしているということは、いろいろな統計を見ても明らかではありませんか。』

その前に「金利を下げると為替はどっちに動く」とか質問もしているのですけれども、あの別に介入止めてからゼロ金利政策したんじゃないんですけど・・・・・


『我々国会議員に、いつもこのように、日銀の政策委員会のいろいろ議論された議事要旨というのを届けていただいております。(途中割愛)もう一つ関連して意見として申し上げたいのは、我々のところに届けられるこの議事要旨が少し時間がかかり過ぎるんじゃないかと思うんです。きのう届いたものは四月九日、十日のものです。もう一カ月以上もたっている。なぜそんなに時間がかかるのか。(途中割愛)そして二番目、先ほど申し上げましたけれども、こうした政策委員会の議事要旨というのは、我々国会議員にもっともっと早く届けていただきたい。これは、なぜそれができないのか。』

>我々国会議員にもっともっと早く届けていただきたい
>我々国会議員にもっともっと早く届けていただきたい
>我々国会議員にもっともっと早く届けていただきたい


そりゃまあ国会議員様は選良様でいらっしゃいますから特別扱いするのは当然でございますわねえ。(棒読み)それで公表前に早く届いた議事要旨をどう料理されるのでしょうか??

『次に、我が国のトップクラスの銀行が、預金に対する利子をほとんど払わない、最高水準の利益を上げながら法人税も払わない。そして、ゼロ金利政策の結果として株高の現象も起きている。企業に対しては、金利安、それから税金が免除されている、そして株高、これは非常に異常な状態ではありませんか。これが百年前の鎖国経済のときならともかく、今の開かれた経済の中で、世界の先進国の中でトップクラスの銀行が、利子も払わず、税金も払わず。そのような国が世界のどこかにありますか。私は探してみたけれども、見つかりません。尾身大臣、御存じだったらお答えいただけませんか。』

>税金が免除されている
>税金が免除されている
>税金が免除されている


・・・・・その前に有税償却させられている事はスルーですかそうですか。それはまあ庶民の敵であります大銀行様はいつでも公益のために上納をしないといけないのですから当然でございますねえ(棒読み)。

まあ読んでると頭痛くなるのでお勧めです(え?)。

トップに戻る






2007/06/12

○何だかよく判らないけど奥が深そうな資料

http://www.boj.or.jp/type/exp/stat/pi/ecgpi09a.pdf
ヘドニック法の適用実績:汎用コンピュータ・サーバ(うち、サーバ)(2007年6月時点)

こういう話に全く不案内なあたくしには正直何が何だかよく判らんのでありますが、結局この結果は物価統計にどのような影響を与えるのでしょうか><;

いやまあ良く判らないんですけど、色々と指数化するのって大変なんですなあというのだけは把握致しましたが、特にコンピュータの性能向上となると、だんだん向上する場所が変っていると思うんで、指数化するの難しくねえかとか思うのですけど。

例えばシロートのあたくしが辛うじて認識してるのは鯖ではなくてあくまでもパソコンですけど、例えばかつてはCPUのクロック周波数が使う側にとっては重要でした(ので、PC雑誌にオーバークロックがどうのこうのとか記事が良く出てたと記憶してるんですが)が、性能が向上しやがって、化学反応でいう律速段階が別の場所に移った今はCPUのクロックがいくらってあんまり気にされなくなったと思うんですよね。実際には今でも重要なファクターなのかもしれませんが。

などと何となく聞きかじりと記憶だけでテキトーなたわごとを申しておりますが、このヘドニックちゅうのも何かムツカシアルね。勉強しないととは思うのですが、偏微分の記号を見るとマーライオンになってしまうあたくしにはちと荷が重すぎでしょうな(涙)。

追記:と書いたらvon_yosukeyanさんがスラド日記にエントリーを上げておられました。恐縮至極にございますm(__)m。

http://slashdot.jp/~von_yosukeyan/journal/406158

トップに戻る





2007/06/11

○本を読んでみた訳だが

・「とてつもない日本(麻生太郎著、新潮新書)」

土曜日に書店で本を見掛けて速攻で購入したのですが、諸々の用事を片付けにあっちこっちと電車や地下鉄でホイホイ移動する間に全部読み終えてしまう本でもありますが、それは恐らくあたくしが麻生さんの公式サイトに掲載されている麻生さんの文章なんぞを熟読しているからなのかも知れません(^^)。

個人的には第6章の「外交の見取り図」、第7章の「新たなアジア主義−麻生ドクトリン」が一番面白いと思います(靖国問題に関する麻生氏の具体的提言は現実的かつ筋が通っていると思ったんですけどどうでしょう)が、麻生ファンじゃない方にこそ読んで頂きたいですな。

ISBN978-4-10-610217-2 C0231 \680

トップに戻る







2007/06/08

○ところで人のふんどしですが地公体の仕組ローン

http://hongokucho.exblog.jp/6951778/
昨日の日経金融新聞話でございますが、そういえば日経金融新聞って終了なんですよね、ネタ新聞というか釣り新聞としてはかなり秀逸な存在で、あたくし何度も「そんな餌に俺様がクマー(AA略)」状態になった訳でして感謝感謝であったのですが。

と話がそれましたが、要するに地公体が「デリバティブを活用して調達コストの軽減をやっております」というお話なのですが、まあ普通に考えてそれは仕組商品部隊的にはまさに絶好の(伏字)現ると逝った所でございまして、実にこう表現すると問題含みなアレがソレなのであります(なんのこっちゃ)。

大体ですな、「長期金利が上昇すると利払いが増えて大変です」という論議が片手落ちな訳でして、長期金利が上昇するような経済情勢だったらインフレか好景気かまたはその合わせ技な訳でして、そういう状態なら名目税収は上るし、実質ベースの債務負担は減ってる訳ですから別にケンチャナヨだと思うんですよ。まあそんな話を抜きにして考えても、自分たちの資金調達をどうするのかってのは、自分たちの事業リスク(地公体だから事業とは言わんが)や税収などがどのようになったら増減するかと言った資産、負債サイドが抱えるリスクとの見合いで考えるものではないかと思うんですよね。

2年20年のスプレッドがてめえらの調達運用にどういう影響を与えているのかとか(投資銀行のセールスマンに吹き込まれた理屈ではなくてめえらの自分の頭で考えたロジックで)ちゃんと理解しているのかと小一時間問い詰めたいものであります。何はともあれ、本石町日記さんの当該エントリーだけではなく、コメント欄も熟知されたし。

#おまけに私募発行だったりローンだったりすると実態が良く判らんのがオソロシスなのよね

トップに戻る





2007/06/05

○新銀行東京が大赤字ですかそうですか

先週末に決算発表をしていた新銀行東京。547億円の赤字とはこれまた豪快な決算でございますが、決算発表が東京都知事選挙の後だったのが不幸中の幸いでございますなあ(棒読み)という所でございますか、ってまあそういうシャレにならない悪態は兎も角として。

こちらの銀行の設立経緯などは人口に膾炙しておりますが、その後の営業に関してはまあ一応東京在住東京勤務のあたくしは時折見る広告やら、誰も使っている姿を見たことの無い地下鉄駅構内のATMやらで何となく存じておりますが、どう見ても手の広げすぎとしか言いようのない状態で、一体全体どうなっているのやらという所でございましたが、結局は成算の無い拡大路線は作戦計画の変更をするまでの旅順攻撃の如く死屍累々の巻になったということでございますかそうですか。テラアホスで済めば良いのですが、あたくしが雀の涙ほどお支払い申し上げております都民税が・・・・

ということで、詳しい解説をvon_yosukeyanさんが(っていつも勝手に人のふんどしで相撲をとりまして誠に恐縮至極っす。しかしいつ読んでも豊富かつ深い知見に感心することしきりでございますです)エントリーしてますので(過去にも新銀行東京ウォッチエントリーがあります)必見であります。

http://slashdot.jp/~von_yosukeyan/journal/405024

そういえばもう一つの日本振興銀行ってえのもありましたが、あちらは最近いかがお過ごしなのでしょうか。設立するとか言ってる頃には「顧客の預金は役員が個人保証する」とか息巻いていたのに、いざ設立してみると「やっぱ個人保証止めます」となり、その後は「預金保険があるから元金と利息が全額保証されるのがミソです」と変遷するその香ばしさに感動した覚えがございますが、まあ現実に直面して対応を改めるだけマシなのかもしれませんね(^^)。

トップに戻る





2007/05/31

○またまた余談ですが麻生さんの「異論」

あたくし的にファンだと言ってる割には最近すっかりチェックを怠っておりますローゼン麻生閣下の公式サイトを久しぶりに読んでみました(^^)→http://www.aso-taro.jp/

で、あたしゃhttp://www.aso-taro.jp/lecture/index.htmlにある文章なんぞを読む次第なのですが、3月号と4月号の資産デフレ不況の話は中々面白かったというか、あたくしが漠然とイメージするツボを突いてますな。まあ一般向けに書いてる文章だから説明がちとざっくりになっている所もありまして、全面同意は致しませんけど。
http://www.aso-taro.jp/lecture/kama/2007_3.html
http://www.aso-taro.jp/lecture/kama/2007_4.html

3月号の資産デフレの説明の中盤くらいを読んで思わず飲んでいた茶を噴きそうになりましたが^^;

『よくいわれた不良資産、貸しシブリ、貸しはがし、etc。全ての元凶はこの土地価格の暴落に端を発したと私は思っています。そこに竹中平蔵という経済現場の解っていない人の、銀行の不良資産一掃策が追い打ちをかけました。』(強調は引用者が勝手にやりました^^)

(^^)(^^)(^^)。

いやー、やはりあたくし麻生待望論者ですなあと思うのでした。

トップに戻る





2007/05/30

○まあ金融政策と関係ない話なんですけどね

衆議院財務金融委員会の会議録情報を見ておりますと、ここのところ「株式会社」日本政策投資銀行法案の審議に関する物が続いておりまして、昨日アップされていたのは5月22日の衆議院財務金融委員会の会議録。

http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/009516620070522014.htm

まあ普段は参考人に日銀の人が出てこないと会議録本文は読まない(一々読んでたら時間が足りない^^)のですが、たまたま冒頭部分を読んでいたら何ともアレな質疑応答にぶつかったもんで。(以下の強調は引用者が勝手にやっております)

○古本委員 『民主党の古本伸一郎でございます。(長いので冒頭部分思いっきり割愛)その上で少しお尋ねしたいと思いますが、総裁におかれましては、たしか先回の委員会質疑の際に、政投銀にとっての財産は若い人材であるという趣旨の御説明をいただいたかと承知をいたしております。(またまた割愛、ちょっと気になる部分後掲します)これまでの労働条件で採用された方々におかれましては、新生、新しく生まれるこの政投銀の民営化後に、労働条件としては今のままで継続をするのか。あるいは、民間の金融機関、どこと比較するかにもよりますが、その民間に伍していくだけの源泉である処遇なり対価なりという意味で今の労働条件を見直していく、つまり上の方に、上方に修正をしていくというおつもりがあるかどうか、まずお尋ねをしたいと思います。』

○小村政府参考人『これからの金融界は大きな変化があると思います。その対応力を持っているかどうかがその金融機関の力になってくると思います。幸い、私どもの銀行には、先般申し上げました、二十代、三十代の優秀な人材を抱えております。この者たちがこの銀行を去ってしまうと、私どもの将来もございません。ただ、幸いなことに、この職員たちは私どもの銀行で働くことを誇りと考えております彼らの実力を最大限に発揮させること、これが私どもの任務であると思います。ただ、給与の点においては民間金融機関よりも劣ります。その分、プライドでどれだけ彼らが辛抱してくれるかということでありますが、行く行く、先生御指摘のとおり、将来は私どもの銀行が成功いたしますれば、ほかに例もございますが、社長よりも高い、そういう技能を持った職員というのも出てまいると思います。そういう給与体系も考えていかなければならない、こう考えております。』

これはこれで良い話(中の人にとっては)ので本件にケチをつける気は毛頭ございませんが、与野党マスコミ様が絶賛推進しているらしい公務員制度改革やらって上記の小村総裁答弁のような発想の逆を逝ってると思う次第でして、冷静に考えてそれで効果が上るのか公務員制度改革と思うのですけどねえ。

民営化するとバッシングどころか野党から「待遇を上げましょう」扱いとは・・・・公務員じゃなくなると随分扱いが良くなるんですなあ・・・・・

#まあ今すぐ待遇が上るわけではないようですけどね

ちなみに、この次の質疑で給与比較してるんですが、自分のところの職員平均給与とメガバンクの「持ち株会社」の職員平均給与を比較するのはそりゃちょっと我田引水じゃないんでしょうか小村総裁。まあ上の質問を読んでも判るように、質問者が「待遇を上げましょう」という方向で聞いているのでこの我田引水に関して質問者は華麗にスルーしているのでありました。「わが意に沿う答弁」とでも思ってるんでしょうね。わが意に沿ってても突っ込むべきは突っ込まないとダメだと思うんですけどねえ。

ところで古本委員の質問なんですが、引用の割愛部分には政策投資銀行に見学に行ったときの感想などが含まれていたんですが、その質問の中に妙な表現が。

『きょう、そのオフィスのフロアの中に本当に若い方々が大勢いらっしゃって、恐らく、今後のさまざまな業務に向けた、民営化を控えた上での改革におつき合いをしなきゃいけないという気持ちを押し隠すかのような雰囲気の中で、何とかおつき合いしますという雰囲気が満ち満ちてございました。』

褒めてるんだか貶してるんだか判りません><;

トップに戻る





2007/05/29

○利回り積極追及ですかそうですか

これまた人のふんどしなのですが、スラッシュドットジャパンにありますvon_yosukeyanさんの日記でどこぞの銀行様が絶賛販売中の商品について話題にしてましたのでほうほうと思いながら商品概要など拝読するのでありました。で、von_yosukeyanさんのエントリーはこちら→http://slashdot.jp/~von_yosukeyan/journal/404336

件の商品はこれです→http://www.bk.mufg.jp/tameru/toushin/fund/00314800.html

えーっとざっと読むと日経225インデックスを買って、ATMのコールを売ってオプション料を稼いで、20%下にノックアウトのあるATMのプット買って何となくヘッジしてるという商品ですな、たぶん(プットにノックアウトをつけないとオプション分のポジションが単なるシンセショートになるので意味が無くなる^^)。

・・・・・いやあのそういうのダブルバリアとは言わないと思うんですけど(というのはvon_yosukeyanさんの日記のコメントでもツッコミありましたけど)、それより「ええー?」と思うのはこのファンドの命名にある「利回り積極追及型」って所でして、確かにオプション売って利回りを嵩上げしておりますのでその意味では「利回り積極追及」なのかもしれませんがこれって入ってくるオプション料はイニシャルで確定なんジャマイカと思うわけで、別に運用期間中に積極運用をする訳じゃないと思うのですけど、何か途中で積極運用するような微妙なネーミングですなあと思うのでした。

まあ金融業界におりますと、その手の微妙なネーミングに苦笑することが多々あるのですが、時には実は自分も片棒を担いでいたりしても何らおかしくないケースも有り得ますのであまりゴリゴリ悪態をつくのも何なのですけど(苦笑)、このネーミングにはさすがに微苦笑を禁じ得ませんでございました。

なお、商品性に関する感想はあえて言わぬが花(^^)。

トップに戻る





2007/05/28

○一番の敵は無能な味方であるという話なのでしょうか

金曜日は衆議院決算行政監視委員会に福井総裁が呼び出されるの巻。全ての委員会で呼び出される可能性があるようで、誠にご愁傷さまとしか言いようが無いのですが、かつて民事係争中の案件に関する質問主意書をご提出するという誠に香ばしい行為をされた岩国委員が香ばしい質問をしております。ソースは5月25日12時06分配信のブルームバーグニュース記事(記事表題は『福井日銀総裁:為替など資産価格への影響を念頭に置き金融政策』です)です。

『民主党の岩国哲人氏が、「現在の円安には国際的な批判はないのか」と質問。福井総裁はこれに対し「各国の金融政策は、それぞれの経済実態、物価の動向、その先行きいかんを基軸に判断することになっている」と述べた上で、冒頭のように語った。』

ちなみに、その冒頭のようにというのを引用すると、『相互にグローバルな時代なので、自国の経済政策運営、金融政策運営が他国、あるいはグローバルな経済に同時に影響を及ぼす。この面も十分、視野に入れながら金融政策を行うことになっている。したがって為替への影響等、あるいはその他、資産価格への影響等を十分に念頭に置きながら金融政策を行うことになっている』という発言でして、この前もそんなこと言ってた(「難しい多元方程式を解くようなもの」とか何とか)けど、他国の心配する前に自国の心配してくださいおねがいしますおねがいしますって感じですがねえ。

まあそれは兎も角として、別にどこをどう叩いても円安批判がどうのこうのという話は大きいわけではない(無い、と言いたいけどまあ皆無って事はないでしょうからこう書く)ですし、そもそも為替水準操作の為に金融政策をいじるというのは過去に何度も悪事例が発生していると思うんですが、何なんでしょうこの質問は、意味が判りません><;

『岩国氏は低金利による家計の逸失利益額についても質問した。福井総裁は「私どもの1つの計算では、たとえば1991年の家計の受取利子額が最近まで続いた場合、家計の累計の逸失利益額は330兆円くらいだ。1993年くらいをスタート時点にすると197兆円になる」と述べた。』

えーっと、そんな金利水準を延々と続けてたらとっくの昔に日本終了してるので家計の逸失利益額もへったくれもないと思うのですけどねえ。何せ10年前も無担保コール翌日物誘導金利は0.50%を少し下回る(懐かしの低め誘導ね)水準でしたので、思いっきり昔の水準を持ってこないといけないんでしょうな。

いずれにせよ、他のファクターを全部無視してそんな話をするのは無茶もいいところでして、まあ質問しやがる輩がいるから答えないといけない面はありますが、この問答は如何なものかと。


どうも民主党が金融政策に関して国会で話題にする時は、「政府与党は利上げに反対して日銀に圧力をかけている」という認識が先にあって、「それなら利上げ擁護したら与党批判になるに違い無い」という発想からどうもこう利上げ擁護っぽい質問をする傾向にあるようなのですが、今回の岩国氏のように無理筋というかどう見てもトンデモ系の話をしましても、アホアホぶりが目立って却って説得力が無くなるというか突っ込みどころを与えるだけではないかと思うのですよ。特に後者の逸失利益に関しては「昭和の高度成長時代(バブル経済時代でもいいけど)のペースが延々と続いたら今頃日本のGDPは幾ら」とかいうくらいのファンタジーな試算だと思うんですけど。

まあこういうピントのずれた質問に答えなけりゃいけない日銀にも同情の念を禁じ得ませんが、応答してると日銀が自ら進んでトンデモ話をおっぱじめているように外から見えてしまう(現にこの件は一般紙とかでもネタになってたと思う)のが実に遺憾なところでして、まさに無能な味方は最大の敵とはよく言ったものだと思うのでした。

#実は岩国氏は利上げ大反対で、わざとピンボケ質問をしたのだったら甜菜としか申し上げようがありませんが(^^)

トップに戻る





2007/05/22

○読書感想文

お休み中にちょっと読んだのですが、今回はうち2冊がbewaadさんお勧めの本だったりしますのでbewaadさんの書評の方が役に立つかと存じます(汗)。

(追記:ちなみにこの3冊ともお休み前に丸の内OAZOの丸善で買ったのですが、全部「在庫僅少」でしたので念の為)


・「武装解除 紛争屋が見た世界(伊勢崎賢治著、講談社現代文庫)

もともと建築家を目指していた著者が都市計画分野へ関心が移り、留学先のインドで40万人のスラム住民組織に加わり行政から開発を勝ち取りインド公安にマークされて国外退去処分になったのを振り出しに、シエラレオネやアフリカでの開発援助、東チモール、アフガニスタンなどでの紛争処理に携わった話を中心に進行します。いやあの何と申しますかこういう生活と全く縁が無い金融業界の片隅での現場職人であります所のあたくしとしては興味津々で読めました。

特に国際情勢に関しては日本のソースだけ見ててもアレですので、できるだけ海外の報道とかも見ようとするのですが(でも悲しいかな英語メディアを何となく読むというか眺めるだけで精一杯)、我ながらよくわかっとらんかったなあという認識を受けました。

ISBN4-06-149767-7 C0231 \740E


・「勘定奉行 荻原重秀の生涯−新井白石が嫉妬した天才経済官僚(村井淳志著、集英社新書)

日本史の教科書を見ると「元禄時代に貨幣改鋳をして幕府は差益を得たが、物価騰貴を招いて混乱した」という趣旨のお話が出てくる勘定奉行の生涯。著者があとがきで書いているのですが、当初は氏の生涯を小説にしようとしてリサーチを始めたのですが、小説にするのではなくて資料から氏の生涯の事跡を説明する形になったそうなのですが、この形式は中々良いのではないでしょうか。まあこちらもお勧めですが、この時代にして管理通貨制度の原型みたいな発想を持っていた荻原重秀に感心することしきり。

ISBN978-4-98-720385-1 C0221 \700E


・「厄除け詩集(井伏鱒二著、講談社文芸文庫)」

あたくし不覚にもつい最近まで「さよならだけが人生だ」っていう名文句が実は井伏鱒二さんの漢詩訳によるものだと知らなかったのですな(大汗)。巻末見てたらこの初出が昭和10年だというのに再度ビックリしたのでありました。何たる素晴らしい詩人。

ということで、訳詩も良いのですが、それだけではなくて、井伏さんが実は詩人でもあったというのを不覚にもこれを読んで認識致しましたです。いやあの何かこう読んでいるうちに井伏ワールドに引き込まれるような詩が続きますよ。

追記:ちなみに「さよならだけが人生だ」が出てくるのは同書53ページの「勧酒」です。

コノサカヅキヲ受ケテクレ
ドウゾナミナミツガシテオクレ
ハナニアラシノタトエモアルゾ
「サヨナラ」ダケガ人生ダ

・・・たぶんね、原詩の風景とは全く違う(恐らく唐詩なんでしょうから当たり前ですが)んだけど、何かこうあたくしたちが想像できるような光景が広がってきませんか?

個人的には最初の方にある「厄除け詩集」の詩が良かったです。「つくだ煮の小魚」なんて何かドキッとしちゃいましたよ。

ISBN4-06-196267-1 C0192 \940E

トップに戻る






2007/05/07

○雑談その1:色々な意味で実に味わいの深い話

ちょっと前(確か4月10日近辺)の日経金融新聞で話題になっておりましたが、先日の世界同時株安騒動で某投信が実に香ばしい事態になっておったというのが一部の人たちで世間話ネタになっておりました。
http://www.morningstar.co.jp/fund/sr_detail_snap.asp?sts=dt01&nlk=1&fnc=4431104C

で、この投信なんですが、要するに株価指数先物のオプションを上と下の両方売って日銭を稼ぐというスキームで、まあその売り方を調整しつつリスクコントロールするちゅうものですから先般の同時株安のようにドカンと下がってドカンと戻られるのが一番悲惨な結果を招く(その間運用会社が気を失って何もしなければ無事ですけど、笑)27日のクイックのニュースでまた市場の一部に健やかな笑いを引き起こしておりました。

QUICKが4月27日の14時03分に配信したニュースからかいつまんでご紹介しますと、この投信、3月23日に「基準価格が7000円以下になった場合、繰上償還する」という約款があるので、5月15日に償還すると発表してたそうなのですが、この措置に異議申立を行った受益者の受益権口数が総口数の63.5%となって繰上償還の取りやめになったそうですな。

どう見ても受益者の怒り爆発です。本当にありがとうございました。

まあね、オプション売りって基本的に勝率は高いんですけど、相場の急変とか乱高下(相場が一方方向に動くだけだったら売ったオプションインマネ攻撃でも対処のやりようがあるんですが・・・)で派手に食らうリスクがあるんですから、オープン投信のようですが信託期間が長いというのもちとその商品設計的にどうだったのよとは思いますけど(当初から短期売買してもらう積りで売っているのなら理解できますが)。

そういや2005年5月9日の日経金融で「個人も参戦『プロ市場』」なんて記事があって、そこでは当時の相場環境を反映してかオプション売りを「それなりのリスク」とミドルリスク扱いしておりましたな。ちなみに一番低リスクが実質NT倍率のスペキュレーション(裁定取引と称してましたが)で高リスクは株先と債先の両方スペックでしたが、今にして思えば株先買いの債先売りが一番ワークしてたとはあたくしも予想できませんでした(苦笑)。その時書いた駄文がこの辺に残っておりますな(^^)。
http://www.h5.dion.ne.jp/~bond7743/zatsudan05-01.html#za050512


○雑談その2:これまたいつも悪態をついておりますが

あたくしの脳味噌がまともに機能している頃に検定試験に合格して検定会員とやらになった日本証券アナリスト協会というものがありますが、今年もまた定時総会の開催通知がやってまいりました。

で、総会の式次第を拝見致しますと、今年は6月14日木曜日の午前10時から実施。会場はアナリスト協会の会議室と今年もまた平日の午前中に実施ですかそうですか。

どう見ても会員に出席してほしくないようです。本当にありがとうございました。

『ここ数年、総会成立に必要な過半数の定足数を確保するため、ご提出依頼を何度か実施しており、郵送費用も嵩む結果になっております』とか通知の紙に記載されているわけですが、そもそも企業IR表彰とかする団体なのに、会員の8割以上(だと思った)を占める検定会員(アナリスト試験に合格して会費年1万8千円払っている人たち、会社が持ってくれる所もありますけど^^)がどう考えても出席できないような日程を設定して、会場の場所も明らかに大人数がくる事を想定してない場所を会議場にする時点で総会のシャンシャン化を目論んでいるようにしか思えないのはあたくしの下衆の勘ぐりですかそうですか。

せめて平日の夕方からの実施にするくらいのやる気(?)を出せば委任状もうちょっと集まるんじゃないんでしょうかねえ。

・・・ってこれ2年に1回位のペースで同じ話してますので、いつも読んで頂いている方におかれましては「またこのネタ使い回しか!」と言われそうですが(滝汗)。

トップに戻る






2007/04/27

○番外編:あたくしが罹患した風邪レポート

まあお疲れ気味なのはいつもの事なあたくしですが、昨日昼飯を食いに逝ったら突然足が急激にだるくなって参りまして、「あれれ」と思っているうちにそのだるさが一気に体中に回ってきて急に寒気まで起きたのでした。

まあ何とかメシは食った(ケチなもんで^^)のですが、その間にも風邪の症状が爆発的な勢いで全部押し寄せてきまして、どう考えてもダメダメなので早退させて頂いたんですな。症状は寒気と発熱と全身のだるさに咽喉が少々痛くて腹が下り気味で頭が少々痛いと。なんちゅうかこれだけいきなり来やがったのは初めてでございましたよ。

で、帰宅してから近所の内科に行こうと思ったら午後4時からとか言いやがるもんで、とりあえず寝たのですが、起きたら汗びっしょりなのに熱はしっかりあるの図。内科に行ったら「この季節でインフルエンザは無いと思うんですが、明日になっても熱が下がらなかったら要検査(症状が出た直後だと検査しても判らんそうで)」とのお告げを貰いまして、薬の処方ついでに「熱がちとある(その時37.7℃)ので注射しましょう」ということで何か注射をしてもらいました。

どうも注射が効いたようで、暫くしたら熱から来るしんどさは軽減された(体温計がボロイので熱が本当に下がっているのかは怪しい^^)のですが、まあとりあえず帰宅後もまた寝た次第でございまして、今のところ熱がぶり返してきた感じはございませんですな。


・・・・とまあそんな次第でして、昨日の2年国債入札がどうなったかも知らん(結果だけなら財務省のHP見りゃいいんですけど)次第でして、本日はネタがマジでないので、自分の風邪(だと思いますが)ご報告でございました。しかしあんなに物凄い勢いで風邪の症状が一気呵成に押し寄せてきたのは初めてですよ。しかも寝てる間なら兎も角、起きてる状態で体のあちこちに物凄い勢い(5分くらいで)不具合が発生するのが判っちゃうのはビックリでございました。


○それはそれとしてNY株式強いですな

NY株が相変わらず強いのですが、どうも傍観者的には「とにかく好材料を見つけて反応してねえか」という疑問がするのであります。何せ経済指標が強ければ「景気がいい」と反応し、経済指標が弱ければ「FEDは次に利下げする」と反応してるんように見える訳でして。

最近は国内市場が必ずしもNY株式に連動して動く訳でもないので、別にNY株がどうなろうと知ったこっちゃあ無いのですけども、このほとんど「調子に乗りやがって・・・」というのはどうも何だかって感は否めません(が、そういう事を言ってる人が世の中にいるうちはNY株強いんでしょう)。

昨日も申し上げましたが、ここもとの国内債券市場では海外が金融政策絡みで動いてきた時は向かって負けなしという評価になってきておりますけれども、もしかしてガイジンさん全般的にノリノリで無茶やってるんじゃないのかなあって感もする昨今なのであります。そのノリノリで国内債券市場に突っ込んで来て資金を焼いていただくのは大歓迎でございますので、今後とも一つよろしくお願いいたしたいものですが。

トップに戻る






2007/04/26

○国会会議録雑感

国会会議録をひねもす眺めておったのですが、先日引用した4月17日の前に行われた衆議院財務金融委員会は4月11日でして、ここで稲葉理事が参考人として出席してるのでどんな話をしてるのかなあと読んでみたんですよ。

『○吉田(泉)委員(前半略)時間も大分過ぎましたが、二つ目の大きなテーマとして、金利と財政再建ということを考えてみました。(途中略)きのう日銀の金融政策会議があって、今回は据え置きということですが、既に二回金利が上がってきました。いわばこれは短期金利の正常化という過程だとは思いますけれども、これが国債の金利にどういう影響を与えるのか、場合によっては、大変な財政負担になって、これが日本の経済の大きなリスク要因になるんじゃないかという心配をする向きもあるわけでございます。それで、最初に、国債の金利も含めた長期金利というのはどういうふうに決まるものなのか、ちょっとメカニズムを簡単に教えていただきます。』

・・・・・・・(-_-メ)

ということで稲葉理事が答弁しているのですが、別に何か追及するような雰囲気も無く(1月の利上げ騒動に関する圧力云々というくだりはありましたが)、先生に講義をしてもらうの図という状態ですな。いやまあ日銀としては金融政策と長期金利という話を周知する機会があって結構なことですということなのかもしれないんですけど、日銀公表文書(しかも専門的じゃない方)を読めば判る話をわざわざ国会で行うっちゅうのもどうなのよという感じですな。国会の運営でかかる費用は納税者持ちなんですからねえ。

しかも稲葉理事はこの質問(およびそれに繋がる質問)に対する答弁のためだけに出席して(させられて)るんですよね。何だかな〜って感じです。

で、この回の会議録斜め読み(稲葉理事の出席場面が見つからなくて斜め読みが多くなった^^)したのですが、この前も同じこと思いましたけど、ちゃんと議論になっているように見えるのは共産党の佐々木委員のところだけ。他の人たちは話が飛びまくって単に一方通行の自己主張をしてるだけにしか見えないですな。テーマもっと絞って話すべきではと思うのですけどねえ。。(テーマが一点集中だから山本幸三さんVS福井総裁とかは読んでて面白いんですよね)

トップに戻る






2007/04/25

○日銀の出資証券が52週高値を更新している件について

ブルームバーグニュースのヘッドラインを見てたらそんな話があったので「またかよ!」と思ってニュースとチャートを見たら確かにそのように。

『日銀の出資証券が52週高値、含み資産を評価−日本橋再開発の思惑も』(ブルームバーグニュース24日15時18分)

ということで、『資産査定を行えば土地を中心に多額の含み益が発生するとの見方が市場参加者の間で広がっている』とかどこぞの証券会社の株式トレーディング部門の人のコメントとして『日本橋再開発によって、日銀本店が移転するとの思惑もある』というのがあったりして実に香ばしい。

まあ皆様ご案内のように、仮にそんなことになっても国庫納付金に吸い上げられるだけの話ですし、そもそも含み益出した後に損が出たらどうやって埋めるんでしょうかねえと考えるとまあ例によって何か勘違いした人が買ってるんでしょうね。ナムナム。

#というか、日銀の現有施設を移転しようと思ったら物凄い勢いで費用がかかるんジャマイカと思うんだが、金庫とか金庫とか金庫とか

ブルームバーグニュースは当然判っているので、その後の解説が何ともこう苦しげというか婉曲でしてこれがまた何ともであります。『実際に(注:日銀が購入したの銀行保有株式の)売却が始まった場合の実現益は、日銀の納付金として国庫に入ることになっている。』とか『日銀証券の価格は05年9月にも急騰、当時の6万円レベルから約1か月で16万2000円まで上昇した経緯を持つ。』『(日銀証券は)他の銘柄より流動性が低い。このため多少の株式需給で値段が大きく変動しやすい。』と解説してますな。

まあコメントまで貰っちゃったから仕方ないですな、ナムナム。

ちなみに、2005年9月の上昇時には、国会で馬鹿質問をした議員がいまして、しかも自分の質問を「ギャグを交えた」などと自分のホームページで話していた(残念ながらサイトの「News」の過去ログは閲覧できないようですが)のに悪態をついたのですな。ああなつかしや。(2005年10月28日です)
http://www.h5.dion.ne.jp/~bond7743/zatsudan05-02.html#za051028

トップに戻る






2007/04/24

○昨日の続きで4月17日の財務金融委員会(佐々木氏)

http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/009516620070417009.htm

この質疑応答の中で一番質疑応答らしいなと思ったのは最後に登場した共産党の佐々木憲昭委員の部分でございました(あたくしの個人的印象ですけど)。質疑応答らしく読める理由なんですけど、佐々木委員は(質問時間の制限も影響してるんでしょうが)本件質疑応答のテーマを「雇用者所得」という一点に集中してるからなんジャマイカと。他の委員はどうも話があっちに逝ったりこっちに逝ったりするだけで突っ込みらしきものが殆ど無いんですよね。

で、まあ要するに話の流れは共産党らしく、一人当たりの雇用者所得が上昇しないと個人消費、ひいては景気は好転しないが、昨今の統計は一人当たりの雇用者所得が減少していることを示しているのではないか、日銀の見通しは甘いのではないか(と言いつつまあ要するに所謂格差社会批判なのですけどね)って感じですが、総裁の過去の会見での発言なども踏まえながらのツッコミなので読んでてオモロイ。で、引用しようかと思ったのですが、質疑応答の流れが他の委員と違ってぶつ切りになっていないので端折りにくいのでありました(汗)。

ということで、佐々木さんの最後のまとめだけ引用しておきましょう。

『もう時間ですので終わりますが、日本の将来にとって、技術革新、イノベーションというのは当然必要なことだろうと思いますけれども、問題は、それが、国内の国民、働く人々、労働者、勤労者、こういう方々の生活水準が向上する形で消費も拡大し、よい循環を確保していくことだろうと思うんです。その場合、今のままではなかなかそうはいかないので、私は、企業の行動についても一定のルールが必要である、つまり、利益が上がったものを経営者と株主だけに配分して労働者は二の次、そういう経営の仕方では、本当に将来にとってプラスになるとは思えないわけであります。』

『したがって、それを規制するというか、ルールをどう確立していくか、これは法制度の問題でもあるんです。規制緩和をどんどんやれば企業の野放し状態が生まれますので、そうではなくて、がんじがらめにするというのじゃありませんが、生活を重視した一定のルールづくりというものが大変重要である。しかも、国の政策の方も、例えば国民負担、この問題について一層軽減措置をとるとか、こういう政策対応が求められているというふうに思っております。』

じゃあそれを具体的にどうすれば良いのかという施策が欲しいところでございますが。。。。。


○またやってるのかよ・・・・

先週金曜(20日)の日経金融新聞1面トップ記事ですけれども、こちらのお題は『新興企業、株評価損相次ぐ 「仲間持ち合い」あだ』ということで、絶賛低迷中の新興市場企業で、企業間の株式持ち合いやってて評価損→株価低迷→またまた評価損の香ばしいスパイラルが一部で発生しているようですな。

あのですな、それって99年〜2000年に掛けてのイットバブルとその崩壊の過程で、新規公開狙いでVC経由で俄かに金が入ってきた連中がイット関連株の投資(というか投機というか)に金を突っ込んでバブル崩壊と共に崩壊した事例続出というのと非常に良く似たお話ですなあって所でして、あれから6年以上経過して中の人たちが入れ替わって学習効果が働かなくなったというところでしょうかねえ。

記事によれば未公開株式の評価損(というか評価替え)が収益を圧迫するケースも多いようですが、おまえらそもそもどういうバリュエーションしてたんよ(評価はどうせ購入価額なんでしょ)という気もするんですけどね。。。。。まあ玉石混交の市場(というか石が甚だ多いのですが)ですのでご利用は計画的に。

トップに戻る





2007/04/23

お題「4月17日の衆議院財務金融委員会半期報告」

夕張市長選挙で羽柴誠三秀吉氏次点のニュースに驚倒。

しかし民主党は今回も鉄板で圧勝して競り合いに弱いと言う結果ですな。参議院選挙も事は無しって感じですね。

先日ちょっとネタにしました4月17日の衆議院財務金融委員会の議事要旨が早くもアップされていましたのでそこからまあヒマネタになりますが。

http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/009516620070417009.htm

ちなみに、「金融政策のプロ」でPh.Dをお持ちの著名議員様によります「美しい国の美しい金利」云々という珍質問に関してはbewaadさんのエントリーに同感するものであります。それからコメント欄の一国民さんのコメントにも深く同意。エライ人の「お言葉」を使って擦り寄る茶(自粛)の図ですな。

まあそれは兎も角として、ふ〜んと思った質疑を。

○第2の柱で利上げをしたのではないかという質疑(佐藤氏)

自民党の佐藤ゆかり委員から。委員会質疑なので質問はこの前と後に沢山並んでおりますが、途中部分を切り取っております。

『ところで、これら二回の利上げについてですが、当時のコア消費者物価を見てみますと、前年比で、旧系列ベースでも〇・五%前後の時点で二回の利上げが実施されております。その一方で、昨年三月の量的緩和の解除の際に、日銀の政策委員の方々の中長期的な物価安定の理解というものが公表されておりますが、当時の政策委員の方々の中心値は一%でございました。すなわち、その二回の利上げの時点では、この政策委員の方々の中心値であります一%よりも低い消費者物価の前年比の次元で利上げが行われたわけであります。』

『要するに、受ける印象といたしましては、これらの二回の利上げについては、物価に照らした政策判断であったというよりは、むしろ、福井総裁御指摘のように、緩和効果が経済の一部にいびつな形で出現をしてくる、そういうこと自体に対する収拾の意味合いの方が強かったのではないかというふうに思われるわけであります。実際、現状を見てみましても、今回の景気回復局面では都市部の不動産向けの貸し出しが拡大しまして、そういったことから不動産価格が一部で大幅に上昇するなど、日銀の御指摘どおりの、いわば一部の経済部門に緩和効果がかなりきき始めたというような状態も散見されたわけでございます。』

『その結果、バブル的な影響が一部の部門において発生するのを回避するために、中小企業や地域経済など回復がおくれる部門にとりましてはむしろ早過ぎるかもしれないようなタイミングで二回の利上げが行われ、万が一、その結果、緩和効果の波及というのがその時点でとまってしまうようなことになれば、これはまことに残念ではないかと思われるわけでありますが、そこで、もう一度福井総裁に確認をさせていただきたいと思います。』

これは良い指摘ですが、総裁の答弁はこうなっておりました。これまた例によって前半割愛しますが、前半は一般論でございました。

『そういう視点から、私ども、既に、量的緩和からの脱却、ゼロ金利からの脱却、そして、極めて慎重ながら、緩やかな金利の引き上げというプロセスに入っているわけでありますけれども、物価安定とい視点を一度も視野から外したことはございません。現実の足元の消費者物価指数は、原油価格の変動等を受けまして多少のアップダウンをしており、現況、足元では、消費者物価指数が前年比若干マイナスという状況になっておりますけれども、今後の経済は、政府の見通しあるいは私どももシナリオとして置いておりますややロングランな持続的かつ安定的な成長というものを土台に考えますと、やや長い視点で見ますと、日本の消費者物価指数は緩やかな上昇基調をたどっていくであろう。私どもが中長期的な物価安定の理解として政策委員会のメンバーとして共有しております〇%から二%という範囲内にこの物価指数が入っていく。そういう視野を踏まえながら金融政策の運営を行っているということでございます。』

ということで長い上に、佐藤委員の後続の突っ込みが無いのが非常に残念なのですが、中長期的に0%〜2%に入るという視野で運営するとなっている中で0.5%のCPIで利上げしてる割には物価上昇圧力が強いという訳でもないというのはどうもこう何だかな感は拭えません。ちなみに物価安定の理解に対する説明文はこちらにございますので。
http://www.boj.or.jp/type/release/zuiji_new/mpo0603a.htm

ところで、ここ読んでて「おお!」と思ったのは総裁答弁の中に『足元では、消費者物価指数が前年比若干マイナスという状況になっております』ってある部分です。皆様ご案内の通り、あたくし日銀公表文書(金融経済月報とか福井さんや武藤さんのスピーチ要旨)でCPIは「ゼロ近傍で推移」となってて、マイナスという数字を随分と避けますなあと散々悪態ついてましたが、福井総裁はさすがにそのあたりの政治的な空気を読むのはお得意なようで、この場で「ゼロ近傍」というとまたツッコミを食らうと見たんでしょう(かどーかは知らんが^^)。

まーいずれにせよ、「足元のCPIがマイナス」という表現が福井総裁の口から出たことにはある意味ホッとしましたよん。



○そのミクロ介入的金融政策はどうなのかと(佐藤氏)

金融政策の波及効果に関して佐藤委員が質問してるのですが。

『こういった観点で、従来、日銀の金融調節の手法を少し見てまいりますと、いわゆる銀行が中心的な参加者でありますコール市場というものが主軸となりまして、それでコールレートというものが政策金利として置かれて、そこで日々の金融調節というものが行われてきているわけでありますけれども、その一方で、企業金融というのは今非常に多様化をしてきている時代にあります。そうしますと、この日銀の日々の金融調節が、銀行がメーンな参加者でありますコール市場を主体としたもので果たして波及効果として万全なものが期待できるのかどうかという観点も上がってくるのではないかと思います。』

『そういう意味で、これからは、やはり、以前から議論が上がっているとおりでありますが、場合によっては株式あるいは社債等もより積極的に公開市場操作の対象に入れるような形で、そして、より公開市場操作そのものに近いような形式で日銀の金融調節を行うような、そういったお考えあるいは検討、取り組みのようなものがお考えの中におありになるものかどうか、そのあたり、波及経路の改善という意味でお伺いしたいと思います。』

公開市場操作という用語を誤用してますがなという突っ込みはさておき、こりゃまた思いっきりどミクロ介入な話をしてますな。一時期のように金融機関がヘロヘロになって金融仲介機能にガタが来るので日銀が介入しなきゃいかんというのなら兎も角、今更ミクロ介入もねえだろうと思うのであります。まー稲葉理事が答弁してますが、答弁の方は普通の話をしてますので引用省略。



○まともに竹中氏の名前をだして次期総裁論議(近藤氏)

民主党の近藤洋介委員から。最初に中央銀行総裁としての資質という質問をして、『職務の公正性』という話を引き出してからこんな質問を。

『日本銀行の総裁の条件として、いわゆる選挙に出た経験のある方、そして、ある政党に所属をして活動した方というのは、私は個人的には余り好ましくないと考えるんです。過去、日本銀行の歴史をひもといて、日銀の事務当局に昨晩伺いましたが、福井総裁までで二十九代、日銀総裁がいらっしゃるようでありますが、日銀総裁になる前に国会議員であった方、貴族院議員は除きますが、いわゆる選挙で選ばれた国会議員の経験を経て日銀総裁になった方は戦前もいらっしゃらなかった、こういうことであります。』

『私は、そういう意味でも、これは明文化されておりませんが、中央銀行としての一つの良識なのかな、こう思っておりますが、総裁の御見解はいかがですか。』

これはまた露骨な質問ですなあ。勿論福井総裁は「それは政府と国会が判断すること」と答えるしか無いのですけれども。で、まあその後になると思いっきり竹中氏の名前が出てくるのでした。

『そこで、私は、具体名で恐縮ですが、こういうふうに全国紙でも「竹中氏の名」というのも出ているので、あえて触れさせていただきますけれども、竹中平蔵前総務大臣の名前が取りざたされたりするというのはちょっと異常だなと思います。』

『なぜなら、国会議員になられた方というのは、やはりそれなりのさまざまな、幾ら公正性、中立性を担保しようとしても、やはりああいう形で、しかも、党公認で出られてしまった、今はやめられたとしても、ああいう形で活動された方というのが、今、随分早い序盤戦で、さまざまな雑誌だけでなくてこういうところにも出ているというのは、名前が取りざたされているというのは、私は、日本銀行の中立性、公正性を担保する意味でも非常によくないことだな、こう思うんです。非常に残念だなと思いますし、こういった方のお名前、私は、竹中さん個人も大変不幸だなと思います、御本人の意思とは全く別なところで勝手に書かれるわけですから。これは新聞社の勝手でありますけれども。』

『しかしながら、日本銀行の公正性、中立性を担保するという意味では、やはり、あれだけ激しい選挙戦を戦われた方が、今はおやめになったとしてもどうかな、一政党のためにかかわった方が日本銀行の総裁として名前が浮上するというのは、これは大変公正性という観点からも残念だ、こういうことを御指摘申し上げたいと思うわけであります。』

で、この後は先般の日銀の政策に関するアンケート結果を持ち出して政策の中立性がどうのという質問になっておりますが、正直言ってテーマを拡散させすぎ(竹中氏を叩いてると思ったらその次は1月の利上げ騒動での自民党の対応を批判し、その次に利上げ批判になるという流れで、結局全部突っ込みが出来てない)だと思いますがね。


そして先日の本石町日記で書かれてましたが、「ルールを守れ」ということで理事を退席させた近藤委員が伊藤達也委員長に質問時間オーバーを指摘された部分は笑いました。

『済みません、後ろに座られる方は御退席いただきたいということを申し上げているんですが、ルールを守っていただきたいと思います。余りこのことで時間をとりたくないので、よろしくお願いいたします。』

そして質問時間がオーバーした所で伊藤委員長曰く、

『近藤君に申し上げます。申し合わせの時間が過ぎていますので、おまとめをください。ルールをお守りください。』

(^^)。

えーっと、その他にも質疑が色々とあるのですが、まあこの手のものを紹介してるとキリが無いので皆様テキトーにご覧下され。

トップに戻る





2007/04/19

○超余談ネタですが昨日の日経金融1面より

ちなみに記事がケシカランという話ではござませんので先に申し上げて起きますね(^^)。

・日銀から人材が流出しているという話

1面トップがそんな記事でして、審議委員のなり手も少ないとか、閉塞感がどうのこうのとかあるのですが、「マル卓廃止」ってそりゃあのマル卓廃止して10年近く経ってて何を今更という感じですし、12年間ベアゼロって民間銀行なんか給与カットですよ先生って話なんで「????」感は否めませんが、これはきっと日銀内に漂う閉塞感というのはマル卓廃止じゃなくて、執行部の決定が超越的トップダウンになってうわなにをするくぁwせdrftgyふじこlp


・運用戦略インタビュー

どこぞの機関投資家様の偉い人のインタビュー記事がありました。で、その偉い人曰く、『国内債券投資は市場の利上げの織り込み度合いで柔軟に運営している。利上げを織り込みすぎなら購入、金利が下がりすぎなら売却といった具合だ。』だそうですが、その織り込み過ぎだの下がり過ぎだのが判れば誰も苦労しませんが何か?と読んでて微苦笑。相場水準を見ながらアウトライト中心にアクティブに運用してますって言えば良いだけの話を尤もらしい言い方するのは何ともいやはやであります。

むかしむかし、あたくしがとある所の市場部門と言われるところで小商い(当時のあたくしには大変なお仕事でしたが、汗)を打たされていた時の思い出話ですが、一日(とか前場)が終わると某偉い人(上の人とは無関係です、為念)が小僧を捕まえて日中チャートを指差しながらしたり顔で「ここは買ってここは売らないとダメだな」などと大変に有り難いご講釈を垂れておられた(ベテラン選手に向ってその講釈を垂れない位の分別はあったようですが^^)なんてえのがございました(ちなみにその時分にあたくしの作った馬鹿川柳は「何故売らぬ、そんなに言うならお前売れ」・・・んな事ばかりしてるから人生苦労が絶えないのですが^^)が、何かそんなのを思い出してしまいました。

中の人乙!であります。

#ま、インタビューワーとのすれ違いで言いたいことのニュアンスが
伝わらなかったのかも知れないんですけどね^^;

トップに戻る







2007/04/18

○ネタの無い時はSAFTY JAPAN

日経BP社のサイトにSAFTY JAPANってコーナーがあって、色々なジャンルに関して記事というかコラムがあるのですが、少なくとも金融政策ネタになると見事な怪電波を発信しておられる記事が多く、どこがどうSAFTYなのかと楽しめるのですが。

http://www.nikkeibp.co.jp/sj/column/o/78/02.html
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/column/o/78/03.html

のあたりなんですけどね、例えば上のURLの方では「利上げによって貸出金利が上るのに預金金利が上らないのはケシカラン」という話をしてるんですよ。これがもう無理矢理論理。

引用するのも馬鹿馬鹿しいのでURL先の記事を読んでいただくと(この記事のアクセスランキングが上るのも癪ですけど^^)しまして、「1年定期預金金利が今回の利上げでの上げ幅が前回の利上げでの上げ幅よりも小さく、変動金利住宅ローンの金利が今回も0.25%利上げにフルスライドするのはケシカラン」というお話をしてるんですよ、もうね、アホかと馬鹿かと。そもそも固定金利と変動金利を比較する時点で比較するものがおかしいですし(固定金利住宅ローンの金利はあまり上っていないという事はコラムではさらっと流してるだけ)、大体からして1年の市場金利自体が昨年のゼロ金利解除時点から0.1%くらいしか上昇してないんですからあたり前ですわな。

んでまあ下のURLはその続きなのですが、もう論理展開の無茶苦茶ぶりは強烈としか言いようが無いのですが、一々指摘しているとこっちの方が頭おかしくなりそうです(-_-メ)。

話の筋を追っていくと、「銀行が預金金利の引上げを抑えて貸出金利をきっちり引き上げるのは借金のある個人や中小企業にデメリットだ」→「そもそも今回の利上げで定期預金金利の利上げを抑えたのは前回のゼロ金利解除時に貸出金利が思うように上げられなかったから」→「今回も中小企業向けの貸出金利は引き上げられないだろう」ってなるんですが・・・・それで結局中小企業向けの貸出金利は上がるんでしょうかあまり上らないんでしょうか、読んでるあたくしには全然分かりません><;

というようなツッコミは皆様におかれましても先刻ご承知のネタではございますが、このコーナーってわざわざ毒電波を選んで並べてるのではないかと思いたくなるネタが満載なので、ヒマな時にこのコーナーは実に使えるということですな(^^)。ただし機嫌が悪い時や多忙中に読むのはお勧め致しかねます。

・・・・のはまあいいんですけどね、天下の日経様ネームを冠したサイトでこれはねえだろうよと思うんですけど、一般ピープルがこれを鵜呑みにされてもねえって感じです。あまりにも悲惨なときにはたまにネタにしてみるのでありました。しかしこんなのはチラシの裏にでも書いとけって感じですなあ。

トップに戻る






2007/04/10

○人のふんどしシリーズ:「仕組調達」雑考

人のふんどしですが本石町日記さんのエントリー『地公体の“仕組み”を使った調達は必要ないのでは』→http://hongokucho.exblog.jp/6712592/

『運用もそうだが、リスクのとり方はプレーンが一番ではないか、と私は思う。以前もエントリーで書いたように特約付きとか、EBなど転換系などは、複雑な仕組みなった分、サヤが抜かれて取ったリスクに対して見合ったリターンはないように思う。』

激しく同意でございます。まあこの手の「仕組」ものというのにメリットがあるとすれば、制度上の問題を回避する為にやるような時じゃねえのか(その行為が良いのかという議論はあるが)とあたしゃ思うのでして、仕組をややこしくすればするほどその間で鞘を抜かれるというのが常識でございまして、しかもその仕組がややこしければややこしいほど抜かれまくるという有様でございます。

『それとも十分に低い金利で調達できるのに、もっと調達コストを切り詰めないといけないほど切羽詰っている、ということだろうか。』

多分そんな事ではなくて、毎度お馴染みのどこぞの有力メディア様が「仕組みローンの活用で調達コストの削減」とかいうような煽り記事を書いて、エロイ人が「うちでもやってみよう」と言い出すとか、担当部署の中の人が在任中に大手柄(本当に手柄なのかは甚だ疑問ですが)を上げ(しかもこんなに高度なことをやってます!)たいっていう位のことだとは思うんですけどね。

ええ、もちろん上記の想像はあたくしの極めて意地の悪い妄想であって、実際に仕組ローンで調達しておられる皆様におかれましては、全ての皆様が自分のところの将来の収入支出構造を勘案の上、抜かれた鞘を払っても考えて必要だっていうのを存分に理解されておられるものと信じておりますよ、オッホッホ。

#てかね、イールドカーブがスティープする形で金利が上昇するのなら基本的に名目ベースの税収が上るような経済物価情勢になる筈なんで、ヘッジする必要が本当にあるんかいなと思うのですけどねえ

トップに戻る