分類不能の雑文
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とりあえずここにぶち込んでおきますが、いずれ整理する所存・・・と言い続けて早や2年以上整理していません。
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2008/03/31「長短金利逆転?」
2008/03/11「どう見ても卑怯者です(新銀行東京関連)」
2008/03/06「反対のための反対をする人/出入り商人の口車にうまうまと乗せられる人」
2008/03/03「民主党の総裁人事に関する理屈が全く理解できません/日本版SWFに関して」
2008/02/22「金融庁の言い訳?/新銀行東京関連補足その他」
2008/02/21「新銀行東京の悲惨な末路」
2008/02/20「民主党のキチガイ理論/排出権取引は現代の免罪符か」
2008/02/15「相変わらずアレな大臣さん」
2008/02/14「山本幸三さんの晴れ舞台」
2008/02/08「ヘッドラインにご注意を」
2008/01/29「ぐっちーさんの毎日新聞インタビュー^^」
2008/01/18「日銀総裁人事に対する民主党岡田氏の奇妙な理屈」
2008/01/16「オプション売ってリスク限定とはこれいかに」
2008/01/10「これは見事なご都合主義/伊藤元重先生が妙に日銀シンパな理論を」
2008/01/09「2月からFBまたも増発/改革は良いけど実務上の問題を考えて欲しい」
2007/12/11「金融関係の提言は何故斜め上にずれるのか」
2007/12/07「埋蔵金雑感」
2007/12/06「外準の積極運用とはアホですか?」
2007/12/03「金曜の補足」
2007/11/30「ネタも無いのでまたまた国会ウォッチ」
2007/11/16「民主党小沢鋭人議員の鋭い質疑は中々結構」
2007/11/14「民主党岩国議員の目を覆いたくなるような質問・・・・」
2007/11/12「またまた国会ウォッチ」
2007/11/08「見るに耐えない国会質問をするのは民主党の副代表様でした」
2007/11/06「ニュース雑感」
2007/10/31「国会ウォッチング」
2007/10/30「民主党のネクスト金融大臣は如何なものかと」
2007/10/25「民主党の金融政策はどうも・・・・」
2007/10/22「両院協議会って協議してないじゃん(笑)」
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2007/10/18「もうちょっと勉強して欲しいベンダー/サブプライム結局飛ばしですか」
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2007/10/09「米国雇用統計に悪態」
2007/10/03「げげげと思ったネーミング」
2008/03/31
○人のふんどしコーナー
・本石町日記さんの「長短金利」解説。
http://hongokucho.exblog.jp/8260356/
長短金利って債券の人がいう時にはその短い所って微妙ですかね。と申しますか、だいたいその手の話をするときは「5年‐10年スプレッドが」というように特定年限の話が出てきて、中期VS長期とか、中期VS超長期とか、ポジション繰りに関係する比較の話が多いような気がします。よー知らんが。
まー足元と10年金利比較することもあるでしょうけれども、さすがに末初レートと10年金利を比較するという勇者は短期市場に詳しくない債券市場関係者の中でも居ないと思います。いやまあギャグで「何と長短金利逆転ですかゲラゲラ」とやる事はあると思いますが、それは別に大真面目な話じゃなくてネタですからネタ。
日経新聞と共同通信はネタにマジレスしちゃったのかな。
・厭債害債さんのところから
http://ensaigaisai.at.webry.info/200803/article_10.html
いやあこのギリギリのタイミングで出てくるこの事実上の通達で金融機関涙目と言ったところですが、これ酷い話でしょ。まあ素直に考えれば会計士協会の保身で、ギリギリに出すのは早めにこの通達(事実上の)を出すと実務上の問題でいちゃもんつけられるのがおそロシアなので、どうしようもない時期を狙って出しましたってなもんでしょ。
もっと陰謀論を逞しくすれば、この時期に日本の投資家が持っている証券化関連商品を「業者のビットサイド」で評価させることによって投げ売りを促してウハウハを狙ううわなにをするやめくぁwせdrftgyふじこlp;
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2008/03/11
○どう見ても卑怯者です本当にありがとうございました
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080310-OYT1T00574.htm
>記者会見した津島隆一代表執行役は「銀行設立の計画や制度は正しかったが、経営者に問題があった」と述べた。
これは酷い。都庁官僚の責任逃れと最初は威勢が良いのに都合が悪くなるとすかさず逃げる珍太郎の卑怯者っぷりが実に良く表れているとしか言いようがございませんわな。
刑事訴追までするとなるとさすがに仁司さんもぶち切れでしょう。というか仁司さんの就任にもしかしてトヨタ様へお願いとかしてたのであればもっと香ばしい展開が見られそうで実に楽しそうなのですけど、はてさてどうなる事やら。いち都民としてはさっさと撤退してくださいお願いしますという所でございますけど、泥仕合を見物したいと存じます。
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2008/03/06
お題「人のふんどしで恐縮ですが国会議員に呆れたと言う話」
人のふんどしシリーズで恐縮至極ですが、もう何かねえというお話が2つほど。
○ゴロツキクレーマーですかこの人は
昨日の午後にブルームバーグで民主党の野田佳彦氏がインタビューを受けていた記事がアップされて唖然呆然。
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003009&sid=ayAKZWc3MQ7g&refer=jp_home
と思ってたら厭債害債さんが早速エントリーを上げておられましたので便乗の巻(おい)。
http://ensaigaisai.at.webry.info/200803/article_3.html
>こんなふうに理由も対案もなくただ反対するようなヤツが会社の中にいたら、ぶん殴ります。はい。
激しく同意致します(^^)。で、ブルームバーグの記事の方を見ておりますと、最早何を言ってるのか全く判らん状態でございまして、恐らくこちらの議員先生様におかれましては脳味噌に虫でも涌いておられるのではないかと存じます次第であります。(問、答などをあたくしの方で補完しています)
『(問)民主党が政府に副総裁候補を提示していないのか』
(注:総裁が居なくても副総裁が居ればよいという話を野田氏がしたのでそれを受けて副総裁候補という話が出ています)
『(答)それは分からない。(自民、民主両党の)執行部間で情報交換をやっているのかもしれない。基本的には出したものをわれわれが吟味して判断するのが筋だ。本来こちらから出すものではない。民主党はそもそも政府内や日銀内の人事なんて分かっていない。変な情報で『この人がよい』と言えない』
という話を最後にしているのですが、その野田先生武藤副総裁と山口前副総裁に反対しているのですけど、その反対理由が・・・
『山口氏もオールド日銀だ。たぶん民主党にとって武藤、山口両氏はネガティブリストの1位と2位だ。』
『『外形基準で駄目だ』と言っている人たちを政府があえて出してくるんだったら、それは相手の感覚が分からない。そうじゃない人は、たぶんいると思う』
・・・・・・もうね、馬かと鹿かと。
いやあの外形基準って「変な情報」じゃないと仰せのようですが、「一度財務官僚のトップになった人間は未来永劫金融政策に関わるな」という理屈って、例えが悪くて武藤さんには申し訳ございませんが(^^)、「犯罪者はどんな人間であろうとも絶対に更正しない」と言ってるのと変らんようにしか思えない次第でして、どこのレイシストですかこの人はと言った所でございます。
まあね、この調子でやってますから金融市場においては民主党を支持しようって人はもう皆無というか、これ以上この党に調子に乗らせたらダメだろって意識になってると存じます次第でございます。
○これはまた見事な乗せられ方ですね
著名ブログであります所の山崎元氏の所で政府系ファンドのお話があったというお話を聞きまして拝読したのでありますが。
http://blog.goo.ne.jp/yamazaki_hajime/e/1cba5bef89e17979bc8ee919346f236e
推進者の一人であります田村耕太郎議員と山崎さん他1名がテレビ番組で討論したそうで、不覚にもその番組見てない(というか基本的にその手の番組見てると精神衛生に良くないので見ないのですが^^)ので「ほほう」と思って拝読させていただきました。
で、最後の方を見て爆笑の発作が。田村耕太郎さんが番組収録後に山崎さんと握手しながらこんな話をしたと山崎さんが書いております
のですが・・・・・
>「山崎さん、あなた、変わっていますね。私が会った金融の人は、みんな『うちに商売を下さい』と言う人ばかりなのに、あなたは、そう言わない」
・・・・・・えーっと、商家の2代目バじゃなかった若旦那に変な取り巻きがついて身上潰すみたいな光景が想像されてしまうのですが、それはあたくしの錯覚でございましょうか。でまあてめえの身上潰すんなら精々勝手に潰していただきたいのでございますけど、それを国家の金を使ってやろうというのはもはや馬とか鹿とかのレベルでありますわな。
それから、この議連の皆さんに商売下さいと吹き込んでくる連中はやはり国賊売国奴以外の何者でも無いので、切腹した上に唯一神又吉イエスによって地獄の火の中に投げ込まれるべき者であると存じます。
でね、山崎さんのブログのコメント欄を読みますと、番組を見た人のコメントがございまして(前半3分の1あたりの3月1日20時26分投稿)、そちらによりますと、今回のSWFとやらの構想では『当面の投資先は国内限定』らしいのですな。
えー、外国為替特別会計の利益(と言ってもそれは単なる日米金利差なのですが)をSWFの原資に充当する筈なんですが、その利益ってあくまでもドル建てになってる(FBのロールオーバー部分で益の認識をしてると思うのですが)ものですから国内に投資するとなると円転しないといけ無いと思うんですが、為替市場に与えるインパクトはどう計算されているのでありませうか。。。。。。
それとも再投資部分を形式上円転して再円投したつもりになってFBのロールオーバー額を思いっきり増やす事によってキャッシュにするって話なのでございましょうか。何かそれも変な気がするというか特別会計が益々わけわからなくなるんですけど。
まあでもアレですよ、ここまであからさまに天然というかイノセントというか、そんな発言をして頂きますと、カラクリが判りやすいので大変に結構でございます。悪人が確信犯(誤用?)で色々と施策打ってくるといちゃもんのつけようがなくて困るのですが、ここまで馬さん鹿さんですと突っ込みやすいですわな(^^)。
ま、やる気満々で自信満々の馬鹿ほど救いようが無いわ一緒に仕事したら迷惑だわというのはいないのですけれども、何でまあそんなのが続々と議員になるんだかという所であります。とほほのほ。
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2008/03/03
○何がどうなるとそういう理屈になるの
昨日の東京新聞朝刊ですが、各紙このお話が1面にありましたな。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2008030202091987.html
えーっと、予算案が強行採決されたから政府与党から出てくる日銀総裁人事案には賛成できかねるっていうのはどういう理屈からそのようになるのでありませうか。「政治が金融政策に介入するのはケシカラン」とかいう理屈を振りかざしていた民主党が日銀総裁人事を政局に絡めているというのは何だかねえという感じでございますが。民主党の知能水準を激しく疑う次第でありますが、まあ選挙で大量に馬鹿を立法府に送り込んだのは我々なのでありますから致し方ありますまい(と達観したくは無いが)。
んでまあ東京新聞では山口泰元副総裁の名前があがっておりましたが、武藤さんに関しては日銀の中でも基本的には待望論が強いようなのにさて山口さんがお受けするのかどうか。うーむ・・・・
まあしかしあたくしが更新サボってる間に当然の如く話がまとまるもんだと思ってましたが、ギリギリまで引っ張った挙句に最後に野党が筋論も何も超越した反対に回ってしまうという段取りの悪い与党もトンマとしか言いようが無いですなあ。
これってもう最後ギリギリまで引っ張るのか、それとも時間切れで「後任が決まるまで現在の総裁副総裁は留任」という扱いにして時間を稼ぐのかという感じですな。よー判らんが。
○ところで財金分離って・・・・
民主党が対案無いのに反対だけはするというのも頭おかしいとしか申し上げようが無いですが、そもそも財金分離論って何のこっちゃなのでありまして、金融政策と財政政策の打ってる方向が真逆だったら政策効果もへったくれもない訳ですわな(いやまあ効果出したくないというのならそのセットもあるのかもしれませんが)。例えば今日銀が緩和措置打ち込んだとしても財政が締め攻撃になってしまったら景気下支え効果が減殺されてしまいますわなあとか考えますと、財金分離もへったくれも無いと思うんですけどねえ。
何か民主党がマジで政権運営するようになったら、金融政策と財政政策が益々「相手の様子見」モードになってしまっちゃうのではないのかとおそロシアでございまする。
そういや本石町日記さんの所で頭の痛くなる財金分離論に関する考察及び議論が行われておりましたですな。
○人のふんどしですが政府系ファンドのお話
いやまあ一部の金融屋に上手い事焚き付けられて自民党議連さんなどを始めとして政治関連の皆様がノリノリのようでございますけれども、例によって厭債害債さんの所で鋭いツッコミが。
http://ensaigaisai.at.webry.info/200802/article_10.html
>しかし「単年度で利益を上げないと退場してもらう」というのはいただけない。
ということで、害債さんも指摘していまして、コメント欄の中でもございますが、このやりかたですと期末に損してるファンドは期末一発勝負で大張りするとか、決算操作狙いでインチキ取引をするとか、どうみても碌でもない結果になるのが見え見えなのでありまして全くいただけません。
・・・・待てよ、もしかしてノリノリ議連さんたちを焚き付けてる連中はそのインチキ取引のカウンターパートになってなおもウマーとか考えてるんじゃねえのか・・・・・などと思うほど、具体的な部分に落とした所での筋の悪さが目に付く政府系ファンドのお話でございまする。あたくし的にはこの筋の悪さはあまりと言えばあまりでありまして、焚き付けてる筋に対しては国賊とか売国奴という言葉を謹呈致したく存じます次第でございますが(-_-メ)。
いやまあ特別会計の効率化とか透明化という議論や、コメントにもありますようなもっと戦略的な財政の使い方とかいう議論なら大いに良い話だと思うんですがねえ・・・・・・・
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2008/02/22
○Q&A集が出ましたが・・・・・
「金融商品取引法の疑問に答えます」の公表について
http://www.fsa.go.jp/policy/br/20080221.html
ということで、質疑応答集はこちら。
http://www.fsa.go.jp/policy/br/20080221.pdf
でまあ読んだんですけどね、例えば最初の質疑応答の所なんですけど・・・・・・(一部機種依存文字あります)
『<質問@>証券会社・金融機関は、高齢者に対してリスクの高い商品を販売・勧誘してはいけないこととなったと聞きますが、本当ですか。』
で、説明の最初にある適合性の原則の部分割愛しまして
『2.したがって、証券会社・金融機関が(顧客の知識や経験等に関係なく)
・一律に高齢者にはリスクの高い商品を販売しない
・一律に高齢者には一度目の訪問では販売しない
・一律に高齢者には親族の同席がなければ販売しない
などの対応をとることは、必ずしも制度の趣旨に合いません。』
『3.いずれにせよ、それぞれの顧客の状況に応じた、きめ細かで柔軟な販売・勧誘が行われることが、利用者、証券会社・金融機関の両方にとって望ましいことと考えられます。』
・・・・・・・(-_-メ)
いやあのその顧客の状況をどうやって判断したから知識や経験があるという結論になるのかって言う部分って金融機関が自分達で判断しても検査で「その判断方法はおかしい」と言われてしまえばその時点で終了な訳ですので、それなら一律にストップしておけば問題ない(販売しないことによる機会損失と金融商品取引法違反で処分を食らう機会損失じゃあ天秤にも載らないっす)という判断をしたくなっちゃいますわな。うーむ・・・・・とは言え、形式要件を明示した場合に却って形骸化する惧れもありますのでこれまた難しい話なのですけど・・・・・・・
まー今後の運用で段々とこなれていくしかないとは思うのですけれども、ちょうどまあ建築基準法改正と同じような時期にぶつかって間が悪かったですなあとしか申し上げようがないです。
○その他少々
・新銀行東京(人のふんどしですが)
昨日ご紹介したvon_yosukeyanさんのスラド日記ですけど、昨年度の決算に関して解説したエントリーのご紹介をうっかりしておりましたので追加いたしますです。
http://slashdot.jp/~von_yosukeyan/journal/405024
>ここまで巨額な損失を生んだ要因は、言うまでもないが間違った融資審査方法による資産(貸し出し)を急ぎすぎた点だ。融資先企業の財務状態をスコアリングモデルで倒産確率を算出して融資を行う新銀行の与信システムが全く機能していなかったにも関わらず、丸2年間全く見直しを行わすに、ただ漫然と不良債権が積み上がるのを看過していたのは、もはや犯罪と言っても差し支えの無い官僚的怠慢である。(上記URLより引用)
いやあそういえばスコアリングモデルで事業向け無担保ローンって一時すんげえ流行しましたよねえ。あれを忠実に実行したらこの有様でございまして、何と申しますか現場的発想の斜め上から理屈だけは綺麗に纏まっているプランを実行するとこうなるっちゅうことの見本みたいなもんですわな。でもその見本に税金が・・・・・
・良く判らんのだがまさか手ぶらじゃないですよね
ニュース(というかモーサテ)で見たのですが記事が見当たらないので脳内記憶ベースですが、金融担当大臣様および経済閣僚ご一行様が金融業界団体に対して3月決算期末向けに中小企業への資金繰り対策ということで円滑な融資をという要望をしたそうで。
いやまあ別にそれはそれでよいのですけれども、それを手ぶら(政府は何もしないという意味)でご要望っていうのは只の金融業界に対する圧力というか民業介入にも程があるのですが、その辺どうなってるのでしょうかねえという気がしたのでメモメモ。
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2008/02/21
○新銀行東京
昨日の東京新聞夕刊ですとこんな感じ。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2008022002089088.html
えーっと、記事によりますとこのような寝言を仰せになっている人がいるようですが、寝言は寝てから仰せになられた方が吉かと存じます。
『記者会見した経営トップの津島隆一代表執行役は「経営悪化の背景に非常識な経営実態があった」と説明。その上で「旧経営陣の責任追及を法的なものも含めて進めていく」と旧経営陣の責任を明確化させる姿勢を強調した。さらに「再建が軌道に乗るまでは現経営体制を続ける」と述べた。』(上記URLより)
なるほどなるほど。全ては旧経営陣のせいですかそうですか。でも設立当初の仁司代表を招聘したのって皆様方ではございませんでしたでしょうかねえという感は致します次第で、こりゃまあ仁司さんも(そりゃまあ経営者としての責任はありますけど)法的な責任追及とかそこまで言われるかというか、都庁官僚と都知事の責任逃れにも程があるとしか申し上げようがございませんわな。
で、新銀行ウォッチャーと言えばvon_yosukeyanさんということで、昨年の1月と11月に新銀行東京に関するエントリーがございますのでご参考になるかと存じます次第。
http://slashdot.jp/~von_yosukeyan/journal/389849
http://slashdot.jp/~von_yosukeyan/journal/422183
厭債害債さんのエントリーもございます。下は新しいリストラ案に
関する話なのでこれまたなるほどと。
http://ensaigaisai.at.webry.info/200802/article_5.html
http://ensaigaisai.at.webry.info/200802/article_8.html
と、最後は人のふんどしなのでした(汗)。
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2008/02/20
・妙な反対理由を持ち出してきました!
「日銀は財務省の天下り総裁に反発しているに違いない!私たちが日銀を救うヒーローだ!」と勘違いしたのかどうか知りませんが、大々的に武藤副総裁の日銀総裁就任への反対論をぶち上げて引っ込みが付かなくなっているミンス党様におかれましては、とうとう「低金利政策jの弊害がどうのこうの」とか「日銀の国債買入が多すぎ」とか言い出したようですわな。あちこちで報道されていますので引用しませんが(と手抜き)。
いやはやとしか申し上げようが無いのですけれども、なるほど昨日引用した長期国債買入に関して妙に変な質問が出て、それに対してやたら実務的に丁寧な話をしていたのはそのせいだったんですねと思った次第でありまして、昨日の質問者に悪態ついたのは大変失礼致しましたすいませんすいませんm(__)m
もう見苦しいにも程があるので何とかして下さいお願いします。
・排出権取引ねえ
CO2の排出権が取引されるって話はどうもこうあたくし頭と根性が悪いせいか理解致しかねる次第でありまして、折角排出減らしてもそれを売って他の場所でその分CO2排出されたら結局のところCO2の総排出量が減らねえええええとか単純に思っちゃったり(多分それはあたくしの理解不足だと思うけど)、CO2の排出権取引が環境に寄与するという理屈ってそれ期末に予算消化の為に道路ほじくりかえすのとどこがどう違うのか良く判らんとか、ええあたくしの頭が固いせいなんですけどね。
とか何とか思っていたら、害債さんのエントリーにいつもの事ながら敬服するあたくしなのであります。
http://ensaigaisai.at.webry.info/200802/article_6.html
>こういった環境を金に変えるという最近の流れに接してワタクシの脳裏に浮かんだのは「免罪符」という言葉。
まさに「免罪符」・・・・・・
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2008/02/15
○先生!おっしゃる意味がよく判りません(><)
昨日ご紹介した衆議院予算委員会での山本幸三さんの見どころ満載の質疑応答ですが、微妙にアレな部分があったのは残念でございます。
いやまあ例によって例の大臣なんですが。
『○渡辺国務大臣 (前半思いっきり割愛)御案内のように、日本の株式市場は、売買のシェアが外人さんが非常に多くなっているんですね。大体、今でいきますと六割以上が外人さん。この投資家の方々は、円ベースで物を見ているわけではございません。ドルベースで物を見ていることが非常に多うございます。そういう観点から、ドルベースの日経平均というものをとってみますと、日本銀行が量的緩和解除を行いましたのが〇六年の三月でございます。そこからしばらくは株価は上昇していったのでございますけれども、〇六年の五月十日ぐらいに大幅な下落が始まりました。そのころ何が起こっていたかというと、金融引き締め観測が出てきたんですね。そこからずっと下落が続きまして、七月十四日にいわゆるゼロ金利解除というのが起こりました。このあたりになりますと、ダウ平均株価とドルベースの日経平均は明らかに乖離を始めるわけでございます。』
『こうしたことから見ますと、日本銀行においては適切に金融政策は行っていただいているものと思いますが、どういう影響があったのかなという懸念を持っているところでございます。』
はあそうですか。ところで外国人って米国人だけなんでしょうか?というのは兎も角と致しまして(苦笑)。
06年5月10日の株価が17000円ちょっと切るくらいで、ドル円が110円とかでして、06年7月14日の株価が15000円割れでドル円が115円。円ベースの株価が8.9%下がってドル円が4.5%円安ドル高ですからまあその程度を大幅な下落というのかどうか知らんですけど。。。。。まあいっか。
で、ゼロ金利解除後って日経平均株価って途中でちょっともたつきましたが、年末に向けて威勢良く上昇。ただしこの間ドル円はあまり動かずでしたが、年末から2007年にかけて円安ドル高が進行して07年1月には120円台に突入しておりましたが、別に株式市場的には別に悪い状況じゃなかったと存じますが・・・・・・
ってことで、この間の乖離って米国株価の上昇の方がでかいとは思うんですが、まあこの「他国通貨ベースでの株価」とか言い出すと、円安はケシカランという話になりゃーしませんでしょうか先生。
しかも先生におかれましては、2006年11月にブルームバーグテレビのインタビューで「日銀が利上げすると超円高になるから良くない」というお話をされていた(詳しくはあたくしの過去の駄文http://www.h5.dion.ne.jp/~bond7743/zatsudan06-02.htmlの06年11月20日のところです)のでありますが、えーっとその話とこの話の理屈が繋がらないのでありますが・・・・・(><;
いやあの日銀なんてもうこの手の理屈引っ張り出してくるの得意なんですから、政策批判する方としてはその場その場で批判するのに都合の良さそうな話をした挙句に頭と尻で言ってる事違いますって状況になるのは正に日銀の思う壺。批判するなら首尾一貫して批判のロジックを通すとか、日銀サイドの政策ロジックがその時々で都合よく変化しやがる(物価評価の非対称性なんてのもそうですよね)所とかを突っ込むべきでは無いかと思うのですよ。
いやはや何とも。
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2008/02/14
お題「ネタの無い時には国会会議録」
今日は国会会議録大引用祭りですので、やたら分量が多くなっております事を最初にお断り致します。
今日は1月25日に行われた衆議院予算委員会での山本幸三さんの質問ですが、これは実に良い質問。
http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/001816920080125001.htm
福井総裁を呼んでお題は「経済・金融問題についての集中審議」でございます。
質問順は最初ですので、最初の所から読んでいただければ吉かと存じます。
○1月の株価急落に対して
山本委員はまず財務大臣と経済財政担当大臣に質問してます。
『まず、最初に財務大臣と経済財政担当大臣にお伺いいたしますけれども、今回の世界同時株安、一月二十二日、アメリカでは二十一日でありますが、株が暴落いたしました。これが世界的にも、中国、インドにも波及をいたしているわけでありますが、日本の株価も七百五十二円暴落したわけであります。(略)この世界同時株安というものについて、どのように認識しておられるのか、その点についてお伺いしたいと思います。』
で、額賀大臣は
『株価はさまざまな経済要因から動いているものと思っておりますけれども、基本的には、米国のサブプライム問題から端を発した金融不安、あるいはまた、そういう金融不安が米国を初めとする先進各国あるいは新興国の実体経済にどういう影響を及ぼしていくのか、そういう中で、特に世界経済の中で比重の大きい米国において実体経済の下振れリスクの懸念もありまして、世界的な株安が進行してきたということはよく承知をしておるところであります。』
で、当然ながらその後も続いて長くなるので割愛しちゃいまして、大田大臣は・・・・
『最近の株安につきましては、今財務大臣から答弁ありましたように、アメリカのサブプライム住宅ローン問題に端を発する金融機関の損失拡大、それからアメリカ経済の減速懸念を反映したものと受けとめております。これも財務大臣から答弁ありましたように、日本に関しては、サブプライム住宅ローン問題の直接的な影響は限定的ですけれども、やはり株価がこれだけ下落するということは、企業のマインド、消費者マインドに悪影響を与えることが懸念されます。それから、今はまだ明示的にあらわれておりませんが、株という資産の価格が下がることによって、消費にマイナスの影響を与えることも懸念されます。それから、アメリカの株安がドル安につながり、それは円高ということですので、これが企業収益に与える影響も十分注意して見ていきたいと思います。』
と、こちらは要点が纏まってたんで全部引用した訳ですが、この答弁だと良く見りゃ日銀(の政策委員会)が最近言ってるのと同じですな。
で、山本委員はこのように指摘します。
『私は、ちょっと危機感が足りないんじゃないかなという感じがしてならないんですね。』
『それは、今両大臣とも、これはサブプライムローンに端を発した話だけれども、アメリカ経済の下振れリスクが高まったことによるんじゃないかということですが、私の解釈は、アメリカ経済は後退局面に入ったということがはっきりした、リスクじゃないんだ、下振れリスクがあるということじゃない、もうリスクそのものが顕在化したということがはっきりしたということを示したんじゃないかと思うんですね。』
『そのことは、これは日本経済に甚大な影響を与えるはずなんです。なぜならば、日本経済というのは、今も景気回復は続くという認識を示されたんですが、私は個人的には、もう景気は後退局面に入っていると思っているんですね。それは後でゆっくり議論したいと思いますが。』
ということで、「景気は後退局面入りしている」という論点でこの後も追及が続くので、まあ今回の論戦は読んでいて中々面白かったです。この先もあるんですが、引用してると長くなるので勝手にまとめますと、輸出以外は良くない状態であり、景気回復が続くという前提となっている輸出がダメになってきたらダメではないかというお話です。
○財政税制問題へのツッコミは難しいのは判りますが・・・・・
で、山本委員は財政面へのツッコミをしてるのですが。
『そこで、ではどうしたらいいかということについて少しお伺いいたしますけれども、そういう世界同時株安を受けて日本経済に暗雲が立ち込めてきたということを受けて、では、財政、税制面で何かできるのかということがまずあるわけでありますが、この点については、財務大臣、いかがですか。』
んでまあ額賀大臣ですが(一部割愛しておりますので念の為)。
『最近の原油高とかそれから緊急対策において、今補正予算について国会に提案をさせていただいておりますし、また、二十年度の予算についても国会に提出をさせていただきまして、我々は、できるだけこの両案が成立できるように、従来とは違って法案提出も一週間以上早目に出させていただいたりしておるわけでありますから、最大の対策は、この十九年度の補正予算、そして二十年度の予算を年度内に成立させていただくことではないかというふうに思っております。』
『それから同時に、株式市場においても最近は外国人の投資家が多くを占めるようになってきております。皆さん方が注目しておるのは、日本のそういう政治の動き、あるいはまた経済面において財政再建というものがどういうふうに展開をしていくのか。それは予算の中できっちりと我々も財政再建というものは重要な課題であるというふうに位置づけておるわけでありますから、そういう意味で、歳出改革を行い、財政再建がしっかりとなされていくのかどうか、そういうことがやはり国会の中できちっと審議をされて、成立をさせていただくことが、私は大きなメッセージになるだろうというふうに思っております。』
・・・・・うーむ、結局財政や税制面では手を打たないというか財政はやっぱり緊縮攻撃なんですねえというのはあたしゃ残念なんですが、ちょうどまあ揮発油税がどうのこうのという話をしている中で減税だの財政だのという話がしにくいというのも仕方ないというのも判りますんで、まあ何でもかんでも政争のネタにするどこぞの政党の存在が益々遺憾ではあるんですけどね。
『おっしゃるとおり、財政、税制の面からいえば、とにかく今出ている補正予算、本予算、関連法案を早急に成立させることが最大の対策になるわけですね。これを本気で我々もやらなきゃいかぬし、特にこの世界同時株安の状況を考えれば、もう一日も早く成立させなければいけないな、そして実施させなければいけないなというふうに思っております。』
ということで山本委員の話が税制関連法案と予算案の早期成立の話になってしまう点は残念なんですが、まあ何でも政争(以下同文^^)。
○で、利下げすべしの質疑ですが
と、まあここまでが前振りみたいなもんで(^^)、以下金融政策のお話になりますが、先ほど申し上げたように現在景気後退局面入りしているという論点から突っ込んでいます。
『それでは次に、これから金融政策の面にちょっと重点を移していきたいと思いますが、日本銀行が、二十二日の政策審議会で、金利水準の、現行水準を維持するということを決めました。決めてすぐ後、アメリカのFRBは緊急理事会を開いて、〇・七五%政策金利を大幅に引き下げるという決定をいたしました。日本銀行の皆さん方も驚いたんじゃないかと思いますけれども。カナダの中銀も〇・二五%引き下げました。ECBは、インフレの懸念があるということでちょっと慎重姿勢をとっておりますが、しかし、EUの首脳は集まって、これは大変だというような意思疎通をしているわけですね。イギリスは下げるかもしれないというふうに言われております。』
『こういうことを踏まえると、私は、この緊急事態、これだけの株の暴落が起こったというような状況、しかもアメリカ経済がもう減速がはっきりしてきた、そのことの日本経済に与える影響、そういうことを考えると、日銀も協調して利下げをすべきだったんじゃないかなという意見を持っているわけであります。この点について、どうして日銀は、例えばFRBが下げたらすぐにやるとかいうようなことに踏み切らなかったのか、その点、日銀総裁、よろしくお願いします。』
んでまあ福井総裁の答弁は引用するまでもないのですが、というかちょうど昨日ご紹介した岩田副総裁の先般の記者会見にもありましたが、「各国の状況に応じて金融政策を行うべきであり、日本の景気回復の基本的なメカニズムは変わっていない」というお話であります。でも弁の最後の部分、そんなに自信満々な発言して良いの?って感じがするんですが・・・・・
『日本の場合には、当面、経済は減速し、消費者物価指数は上昇率を高める、こういうことでございますけれども、私どもの先行き見通しは、来年度に向けましては物価安定のもとで緩やかな拡大を続ける蓋然性が高いと判断しておりまして、そうした分析及び判断に基づいて、当面は、現在の緩和的な金融環境を提供することによって、先行き安定した経済の姿を引き続き実現していけると強い確信のもとに金融政策を行っているということでございます。』
強い確信ですかそうですか・・・・・・
#ちなみにあたくしは株が戻ればマインド戻るって♪な人ですので景気の先行きには多分コンセンサス比結構強気だと存じます、為念
○バブル懸念をするなら資産価格下落に対して何もしないのは変
ということで、景気認識に関してですと見方が違いますという話になるのは当然ながら山本委員はご存じでしょうから、次のツッコミ論点は資産価格方面から。
『私がなぜ協調して思い切った金融緩和、金利引き下げに踏み切らなければならないかと言うのは、それは、金融政策と資産価格の暴落との関係についての一つの理論に基づいているわけですね。これは、かつてアメリカの連邦準備理事会、FRBが、日本のデフレ政策の失敗を研究いたしまして、そして論文を出したんですよね。その結論は、金融政策というものは、資産価格の暴騰に対しては何もやってはいかぬ、これをつぶそうとしてやり過ぎると、必ず失敗して日本のようなデフレに突入してしまうよ、逆に資産価格が暴落したときには、間髪置かず、思い切った流動性の供給、金融緩和を徹底してやるべきだ、それが日本のようなデフレに陥らない最善の策ですよという報告を出しまして、これはもう経済学会で確立した理論になっていると私は思うんですね。』
バブルを潰そうとして金融政策をやるのは良くないという話はそうですが、バブルが起きるのを漫然と放置して良いって話でしたっけという気もせんでもないですがまあそれは兎も角として。
『それに対して、従来から日本銀行は、どうも反対のことをやっているんじゃないかというのが私の議論なんですね。今までの日銀の政策委員会の議論を見ますと、まだありもしないバブルがあるかもしれないというような話をして、しきりに金利は引き上げるべきだ、引き上げるべきだという議論を続けてきた。これはまさに失敗を繰り返すような話ですし、そして、これだけの資産価格が暴落したときに何の手も打たないというのは、これはやはり金融政策の運営方針としておかしいんじゃないかというのが私の議論であります。』
これはごもっともなツッコミでございまする(^^)。で、途中を飛ばしまして。
『そういう意味で、私はまさに資産価格暴落と金融政策というのはそういうふうにあるべきだと思うものですから、これはまだ遅くない、G8ですか、財務大臣・中央銀行総裁会議が二月の九日に東京で開かれるということでありますが、それまでの間にやらないと意味がない。もう大体、市場は日銀の金利下げを織り込み出していますからね、夏ぐらいにはもうある、追い込まれると。嫌だ嫌だと言っても、追い込まれる。そのときにやったって意味がないんですよ。もう市場は何も評価もしない。そうじゃない、先見性の明を持って決断して断固やるところに市場は評価するわけでありまして、そのタイミングはもうわずかしかない。私は、福井総裁、おやめになる前にそれだけの決断をしていただけるものと期待しておりますけれども。』
ただまあこの点に関しましては、そもそも市場ってえのは様々な期待が自己実現方向にオーバーシュートするもんでして、あまり市場に対して先見の明を持って動いちゃうと、アラン・ブラインダー氏の言う「自分の尾を追う犬」になっちゃう懸念もあるんで、あまりそのツッコミはどうかなとも思うところで少々残念でもございます。でも先ほどの部分は仰る通りかと。
○んでまあ経済見通しに対して突っ込む突っ込む
資産価格の関連に関してはあまり追及はしない(しても話がループするだけと判っているはずですから^^)で、この後経済見通しに関して突っ込む所が読み応えあります。
『では、どうして日本銀行は金利引き下げというようなことに踏み切らないのかというところのもともとの原因というかベースですけれども、それは、経済、景気見通しというのは、いや、まだ日本経済は回復しているんだ、したがって、そんなことをやる必要はないんだというところがベースにあるように思うんですね、これは政府、内閣府についてもそうですが。ここが、私と内閣府と日銀と、根本的に違う。私は、日本経済はもう既に後退局面に入っていると見ている。しかし、何回そう言っても、内閣府も、リスクはあるけれども、いや、まだ回復していますと。日本銀行も、いや、まだ回復して、生産、所得、支出の好循環が続いているんですよと言っているんですね。』
『では、どっちが正しいんだということについて少し議論をしたいと思います。まず、政府も日銀も、これまで経済見通しをことごとく誤ってきた。特にこのところ、常に楽観的過ぎた。でも、実際は、ぐっと下振れした水準に事実として過ぎてきたわけですね。』
『そこで、まず大田大臣にお伺いします。昨年、経済見通しを改定いたしました。二〇〇七年度、今年度について、実質成長を二・〇%、名目で二・二%、もう今年度中にデフレは明らかに脱却していたはずなんですね。しかし、そうじゃない。その結果、十二月の見通しで、実質二・〇を一・三%に引き下げました。名目を二・二%から〇・八%に引き下げました。これは情けない話ですよ。どういう理由でそういうふうになったんですか。』
ということで、まずは大田大臣にツッコミを入れまして、その後福井総裁にも日銀は下振れ改定ばっかりですがというツッコミが(^^)。まあ中身はこれまた面白いと言っちゃあ何ですが、最後のあたりなんぞ中々宜しいので、このあたりだけ丸引用しちゃいます。
(引用開始)
○山本(幸)委員(前半部分割愛します、すいません)それからもう一つ、次。では、支出、消費。消費がいいというんですが、どこの消費がいいんだと。消費、いろいろありますよ。家計消費状況調査、支出総額、十一月、マイナス〇・六%、四カ月ぶりに減少。家電販売、消費者態度指数の推移、暴落していますよ。乗用車販売、落ちています。スーパー、百貨店売り上げ、落ちています。景気ウオッチャー調査、激減していますよ。個人の資金需要、住宅ローン、これもマイナス。消費者心理、四年半ぶり低水準。消費、支出の好循環、どこがいいんですか。
○福井参考人 国内需要の項目であります設備投資と比べますと、個人消費に力強さが欠けている。だけれども、これが落ち込んでいるといいますか底がたいという状況で推移しておりまして、これは雇用の増加、雇用者所得の増加がこれを裏打ちしているということでございます。名目賃金の弱さということが個人消費をいま一段押し上げる力を欠いている、その点は注意深く見ている。それが各種の販売統計あるいは消費者マインドにも幾らか影響している。特に最近は、原油価格の高騰、身の回り品の価格の高騰というのが消費者マインドにかなりのダメージを与えている、このことも私どもは認識をいたしております。
○山本(幸)委員 私の質問に答えてくださいよ。私は、これとこれとこれとが悪いよと。消費の数字でいいところなんかないんだ。どこがいいんですか。どこが底がたいんですか。証明してください。
○福井参考人 私どもは、消費がどんどん落ち込んでいるというふうには思っておりません。緩やかな増加ないし底がたいというふうなことで、GDP全体を大きく消費が足を引っ張っているというふうには判断いたしておりません。
○山本(幸)委員 全然答えてないじゃないですか。私は全部、この消費のどれとどれが悪いと言っているんですよ、どこが底がたいんですかと。それを示さなきゃ答えにならないですよ。どうぞ。
○福井参考人 最近時点の百貨店売り上げとかあるいはスーパーの売り上げ等々、比較的、いい数字とは申しませんけれども、そんなに極端に悪い数字が出ているわけではありません。それから、GDPに対する個人消費の寄与も決してマイナスというふうにはなっておりません。
○山本(幸)委員 百貨店売り上げ、下がっているのに、それほど大したことはない。要するに、何か希望的観測じゃないですか、それは。私は納得できないですね。つまり、GDPベースのものは少し問題があるんですよ。そうではなくて、生活者、消費者の実態のところは悪くなっているんです、消費も。だから、私は、日銀が言っている生産、所得、支出の好循環というのはないんだと。ない。間違っています。したがって、金融政策は、こういう状況になったら引き下げるなり変えなきゃおかしいというのが私の主張であります。(以下割愛します)
(引用終了)
やはり国会ではこういう論戦をしていただかなければと存じます次第です。
ということで、今日は日銀ウォッチじゃなくて山本幸三さんの鋭鋒鑑賞会になってしまいました(^^)。
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2008/02/08
お題「ヘッドラインにご注意を(^^)」
昨日は高知県金融経済懇談会で岩田副総裁が挨拶。
http://www.boj.or.jp/type/press/koen07/ko0802a.htm
もともと市場的にはハト派認定なので、ハト派的な発言が出てもあまりサプライズにならない筈ですが・・・・・・
○消えたヘッドライン(笑)
講演の最後の部分で岩田副総裁はこのような話をしております。
『資金流動性と市場流動性が大きく変動するなかで、世界の中央銀行にとって、市場機能の円滑な発揮や信用供与チャネルの安定性を維持していくことは重要な課題です。日本銀行は、ゼロ金利や量的緩和の時期に金融不安を和らげ、デフレからの脱却を目指し、多様な手段を駆使して潤沢な流動性供給を行った経験があります。また、日本は、巨額の不良債権を処理した経験をもっています。過去の経験から日本が学んだことを国際的な場で生かしていくことは極めて重要な点であると思います。』
まあ普通のお話なんですが、日本語版ロイターのヘッドラインが・・・・
11:12 07Feb08 RTRS-日銀は量的緩和など多様な手段持っており、過去の経験から適切に対応可能=日銀副総裁
・・・・・その前にハト派ヘッドラインが並ぶ(これは講演内容の関係上当然ですが)最後にこれが打ち込まれたら、まあ普通「量的緩和政策への復帰を示唆かよ!」と反応したくなりますわな。
で、その時間開場しておりましたユーロ円金利先物市場では、9月限で99.400あたりから99.415レベルに上昇してしまいました。ちなみに他のベンダーどころか、ロイター英語版にも同じ意味のヘッドラインは無かった(そりゃまあ当たり前だわ)のですが、特にマネーマーケットにはロイター使いの人も多いようですので、日本語のヘッドラインに見事に釣られて買い上がった(踏み上がったのかもしれませんが)皆様におかれましては、まあ自己責任でございますが、誠にご愁傷様でございました。
でね、記事本文(確保していた魚拓です)を読みますとその部分はこうなっております。
『日銀としても、量的緩和など多様な手段を取った過去の経験を、国際的な場で活かしていくことが重要だと述べた。』
えーっと、ヘッドラインと記事本文内容が微妙に合っていないように思えるのですけれども・・・・・・・(-_-メ)
まあヘッドラインのフラッシュが先に出て、その時点では記事内容読めない(確かこの本文も最後のヘッドラインが出た後の11時28分以降に出たと記憶してるんだが)のでヘッドラインで反応してしまうのは致し方なしなのですけどね。
いやあのですな、モノが審議委員の金融経済懇談会での挨拶だったら要旨が殆ど間をおかずに日銀のサイトにアップされるのでそれ読めと思いますし、他のベンダーが全く流さないヘッドラインの場合は注意した方が良いというのとかってジョーシキだと思うんですけど(単独インタビューのような場合は裏の取りようが無いが)、慌て者さん大杉。
んでまあ友人と「いやあこのヘッドラインは酷いけど、金先って何で簡単に騙されるんですかねえ。金先見て反応しない方が良いよねー」などと話しておりましたら、ロイターが入ってる友人から「何か岩田副総裁関連のヘッドラインが全部無くなってるんですけど・・・・」というお告げが。
・・・・・・・・いつの間にやら11時6分以降に並んでいたロイター日本語版のヘッドラインが見事に全部消え、当該記事も消えておりまして、後からしらっとアップデート版の記事が出ておりますの巻。おまけに英語版の記事はそのまま残っているのがチャーミング(^^)。
当然ですが、ユーロ円金先様におかれましても昼休み(11時半から12時半)開けたらさっくりと下落致しまして、9月限は午後2時過ぎには99.390まで下落ということで、高値から2.5ティックの下落と相成りました(12月限はもうちょっと値動きしてました)。合掌。
えーっとですな、記事削除した位から適切じゃないヘッドラインってえのはロイターさんも認識してると思うんですけど、上記の挨拶要旨の文章のどこをどう読むと「量的緩和政策突入示唆」みたいなヘッドラインになるのか全く理解致しかねる次第でございます。マーケットに情報を流すニュースベンダーという性格上、どうしてもインパクトのあるヘッドラインを打つインセンティブが働くのは仕方ない面はあるんですが、それも程度問題でございまして、拡大解釈にも程がある報道をするのは報道機関としての姿勢を疑われても仕方ないんじゃないですかねえ。
・・・というか記者さんもっと勉強しましょうねって所なんでしょうけど。
ま、昨日はそんなことでありゃりゃな昼下がりなのでありました。しかし記事とヘッドライン全部削除して無かったことにする攻撃とは中々の大技。。。。
○しかしまあ過敏に反応しますねえ
で、午後には岩田副総裁の記者会見が行われました。会見内容は例によって今日アップされるのでしょうが、その中で(これは各社とも打っていましたが^^)執行部交代後の金融政策について、「執行部の顔ぶれが変れば金融政策の進め方に変化があってもおかしくないでしょ」的な(すいません手元にモノがなくて・・・)ヘッドラインがうたれていたのですけれども、それを見てまたまたユーロ円金先は買いで反応して、1ティックくらい上昇したあとに、良く考えたらそれって当たり前でしょということに気が付いたのかまたまた元に戻るの巻というのをやっておりました。
いやあの何だか良く判りませんけど、ユーロ円金先ってSEP08で0.5%を割り込んだだけの剛の者だけあって、何だかドタバタと動きますなあと思う次第であります。
どーせこりゃALMのスワップなども含めまして、上のロングと下のショートがどっちも捕まっていて、材料らしきものを見ると一生懸命上やったり下やったりしたくなるんでしょうねえと思うのでありました。金先恐るべしということで。
○すいません肝心の講演内容は後日
ということで、本日は金先の素敵な動きに魅了されてしまい、すっかりそっちの話ばかりになってしまい時間が無くなってしまいましたので、講演内容に関しましては週明けにでも。。。。基本的には景気に慎重だけれども、腰折れや後退をメインシナリオにするまでは至らず、でも警戒は警戒モードというほぼ市場が岩田副総裁に期待する(ってナンノコッチャですかな)内容でした。
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2008/01/29
○余談ですが・・・・
毎日jpのトップページにドカンとぐっちーさんが出ておりますな。記事はこちら。
http://mainichi.jp/life/electronics/news/20080128mog00m300023000c.html
んでまあ中身はご覧頂くとして、一番印象が強いのはこの部分。
『今、自己責任とか言うじゃないですか。それは情報を100%みんなが共有できて初めて自由競争なのであって、それがないのに自由競争だと言われたら、情報から遠い人は負けちゃうに決まっています。むしろ強い馬に重いおもりを載せて走らせるべきなのに、今は弱い馬に「情報が足りない」という非常にヘビーなおもりを載せて走らせているような状態なわけです。「それはおかしいだろう」ということは言いたいですね。』
激しく同意ですが、それを言い出すと金融って中々アレなお仕事でございましてですな(^^)。ま、あたくしがプレーンな商品が大好きでストラクチャー物とかを毛嫌いするのもより「自由競争」に近いものへの憧れがあるのかもしれないなあとか思うのでした。
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2008/01/18
○その理屈はちょっと違和感が
日銀執行部人事に関する意見が政治方面からちょろちょろ出てくるのですが、昨日は民主党の岡田副代表が日本記者クラブで講演し、武藤副総裁の総裁就任に対して難色を。
ソースは17日15時27分配信の日本語版ロイターです。
『岡田副代表は「今の副総裁(武藤氏)では財金分離に反する」とし、「財務当局の実務の最高責任者を務めた人が、金融の最高責任者になることに対する違和感を持っている」と武藤副総裁の総裁就任に難色を示した。』
・・・・・うーん、武藤副総裁の場合は執行部として5年間日銀の中の人になってた訳でして、その5年間は無視ですかそうですかという感じがするんで、それを財金分離に反するとか言われるとちょっとねえという感じはするんですけど。だいたい財金分離って大蔵省の組織改編に関して出てきた話じゃなかったでしたっけ。
でね、さすがにオカラ先生におかれましても役人出身ですよねというツッコミを受けるのを予想したのかどうか知りませんが。
『もっとも、「役人出身者が全部ダメということではない。党としてもそこまでは言っていない」と述べ、官僚出身かどうかが日銀総裁人事の基準にはならないとの見解を語り、「国会で議論をしていく中で、何らかの合意が得られるかも知れない」との見方を示した。』(これもソースは上記ロイター記事)
ということで、まあさすがに頭ごなしに「ダメ」という訳ではないんでしょう。
以下はあたくしの勝手な想像になるんですけどね、今までのミンス様が政府与党を非難するときに使っていた「日銀の独立を政府与党が邪魔している」というロジックがあったと思うんですけれども、次期総裁候補に武藤副総裁って話になった時に、ミンス様としては、「財務省事務次官が日銀総裁就任=財務省の日銀支配=日銀は困っているに違いない=日銀の為にも武藤副総裁の昇格阻止!」とか考えたんじゃねえのかなあって思うんですよ。
ところがあにはからんや、武藤副総裁は日銀の中の人になった時点で財務省の人じゃなくて日銀の人になってお仕事をやってらっしゃるというまさしく優秀な官僚としての本領を発揮していましたという訳でして、これまた今までの講演とかの文書を拝読した限りの想像になりますけれども、サービス発言で余計な波風を立てたりする今の総裁様と比較して、武藤さんの方が安定感があるし、何か下々の話も聞いてくれそう(総裁様の場合は何か俺様のいう事を聞けって雰囲気が)な感じだし、ど〜見てもやりやすいと思うんですよね。
で、ミンス様はその辺毎度お馴染みの読み間違えをしてたんじゃないのかなあって気がして、振り上げた拳をどう穏便に下ろすかという状況なんじゃネーノと存じますが。
大体からして下馬評に上がっている中に民主党のネクストキャビネットの財務大臣になった事がある榊原英資氏が出るという時点で財金分離とか今更何いってんだと思うんすけどね。そりゃまあミンス様が推してるという話は聞いてませんが、もし政治からの独立性とかミンス様が本気で考えているのだったら既に自分の所の政党色がついている榊原氏なんていの一番に却下するから候補の下馬評にすら上がらない筈なんですけどねえ。
以前にも引用しましたが、本石町日記さんが中々鋭い指摘をしていましたよね。ということで再掲。
http://hongokucho.exblog.jp/6974947/
『(引用者注:民主党が主張する)日銀を与党に抑圧された存在とみなす戦略は、仮に与党になれば日銀を抑圧するのが見え見えで、薄っぺらな感じである。』
とか悪態をついた訳ですが、良く考えたら半年前から同じ悪態をついていることを思い出しましたスイマセンスイマセン(苦笑)。
http://www.h5.dion.ne.jp/~bond7743/zatsudan07-01.html#za070806
(うまく飛ばない場合は8月6日の所をクリックありたし)
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2008/01/16
○オプションを売ってリスクが限定するとはこれいかに
人のふんどしで恐縮ですが厭債害債さんのエントリーから。
http://ensaigaisai.at.webry.info/200801/article_4.html
「リスク限定型」って商品は公募投信とかでもございまして、一部の商品におかれましては今般の平均株価下落によりまして見事にノックインされたとか一部業界紙では話題になっておりましたですな。
いやまあ害債さんの指摘で話は尽きているのですけど、そもそもオプション売ってるのに商品名が「リスク限定」というのが(コメント欄での指摘のようにマーケティングの勝利ではあるのですが)どうなんでしょうねと思うんすけど。オプション売ってアップフロントでプレミアム確保するんですから「リスク限定」じゃなくて「リターン限定」なんじゃないかと思うのですが、そりゃまあ「リターン限定ハイクーポン型ファンド」とか名前つけたら売りにくいわな。あっはっは。
そもそもオプションを売る行為でリスクが減るわけではないのですけれどもねえ。。。。
#銀行とかの販売でトラブル事例にならないことを心から祈る
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2008/01/10
○いやまあどうでもいい話かもしれませんが
別にこれはモーサテが悪いのではないのですが、モーサテ見てたら出てきたお話なのでマクラになるのはご勘弁ね。
と申しますのは、今朝のモーサテ例によって聞き流していたのでありますが、米国のイールドカーブがどうのこうのというお題で話が進んでいるので「ほほー」と思いながら聞きながら画面を見たわけですよ。そうしたらそこにあったのは「イールドカーブが立つ事によって金融機関が復活」というネタだったんですな。
基本的に銀行ってのは短期調達長期運用になりますので、イールドカーブが立つと長短スプレッド拡大でウッシッシなのでありますのでそのお話はその通りでありますわな。よって現在のイールドカーブのスティープ化は米国金融機関にとっては干天の慈雨と言いますか、そもそも金融政策的にそうなるようにしている訳でございます。
という話はそんな話なんですけどね、あのー貴方様方におかれましては確か日本でゼロ金利解除とかやってた時に「金利が上昇すると金融機関の収益力が向上するから銀行株は買い」とか何とか言って今の価格の8割増し位の水準の日本の大手銀行株を全力推奨してませんでしたっけと思う次第なんですよ。特に外資系というか海外投資家様。
いやまあ海外投資家様が日本市場にお金持ってきてジャンジャン焼いていただくのは大歓迎でありますので今後とも宜しくお願い申し上げたいのでありますが、銀行株アナリストという名がつく人たちも「利上げは銀行株にフォロー」とか言ってた筈でして、いやはや何というご都合主義という感じですわな。
○伊藤元重先生のインタビュー記事
ネットでは残念ながら査収できませんが、昨日(1月9日)の東京新聞朝刊経済面(9面)のインタビュー連載シリーズ『どうなる子年経済』の第2弾『金融政策』に伊藤元重東京大学大学院経済学研究科教授のインタビュー記事が。
で、その内容は本紙を頑張ってあたって頂ければと存じます次第(こら)ですが、記事中でデカイ字であったのは『利上げ
福井氏退任後か』と『他国水準との比較 重要』でして、前者はともかく後者はどんな通貨ペッグですかと思いましてその部分を拝読。
『ただ、金融政策は、金利の上げ下げでは無く、他国と比較してどの水準にあるかが重要だ。日本は短期金利(無担保コールレート翌日物)の誘導目標が0.5%と圧倒的に低く、超緩和状態だ。だから中長期的には金利を上げざるを得ないだろう。』
ほっほーと思いつつ質問部分を見ますと、質問の頭の部分では「世界基準と比べて低金利が続く日本経済」とマクラがありましたので、誘導尋問にでも引っ掛かったのかもしれませんが、他国と比較してどの水準かが重要っておっしゃいましてもそもそも物価上昇率の水準が違う訳ですから極端な話ジンバブエと日本の名目ベースの金利水準を比較しても仕方ない(ジンバブエドルは名目上は固定為替だったと思うのでジンバブエを持ち出すのは微妙に不適切です、為念)次第で、ってのはあたくしが指摘するほどのことも無いですな。
ちなみに、インタビューの流れとしては、そもそも東京新聞が金融政策に関する社説を出す時に最近(ここ1年ちょいくらいでしたかな)は「利上げを急ぐな」という論調であることを反映しているようで、日本景気には下振れ懸念あり、日銀の言う前向きの循環メカニズムはちゃんと機能してないのではないでしょうかというような感じでの質疑が続く感じになっています。
伊藤先生の景気認識に関しましては、基本的な部分での底割れまでは見ていないけれども下振れを意識しているという感じですかな。記事から引用します。
『日本経済のエンジンである企業業績は傷ついていない。問題は、企業業績が国民の所得増につながり、支出に向かっているかと、そうなっていないのが日本経済の大きな問題だと思う』
『天気予報でいうと、薄曇りで台風が近づいている状態だろう、国内外に下振れリスクがある。景気の拡大期間がこれだけ長く続くと、サイクルの波が低落傾向に向う可能性はある。08年はそうした不安を抱えながらの一年になるだろう』
ということで東京新聞ネット版に記事出てないかと改めて探してみたんですが、惜しくも記事はネット版にはアップされておりませんでした。まあその代わりと言っては何ですが本石町日記さんがエントリーをアップしてましたので(また今年もふんどしをお借りして恐縮でありまする)エントリーおよび皆様のコメントをご参照ありたしです。
http://hongokucho.exblog.jp/7920627/
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2008/01/09
○その他小ネタ雑談ですが
・2月からFBがしらっと増発
3か月(13週)もののFBって週4兆2000億円の発行だったのが先月から週4兆5000億円になったのですが、2月からは4兆5000億円から4兆8000億円の間とかになるというのがベンダーに出てましたな。
何でここへ来て増えてるのかよー判らんのですがちょっと気になった次第でありまして。(単に季節性でこの時期になると増える傾向にあるのかもしれないんですけど、汗)
・この前から出てた空港会社の外資規制問題から雑感
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/080109/plc0801090120001-n1.htm
去年からこの話出てましたが、結局外資の株式保有比率を規制する方向で動くようですな。ほうほうなるほど。
・・・・というかですな、民営化して株式上場したら想定できる話(というか空港会社の民営化のお手本とされた筈の英国ではヒースローなどの空港を保有する会社ってスペイン資本になっちゃったでしょ)だと思うんですが、後付けで保有規制とかまたこれは素敵な泥縄ですねと。
改正建築基準法でもそうなんですけど、何かをやった挙句に出てくる不具合が「それって想定内の不具合じゃねえのかよ」ってのが最近多いんじゃないでしょうかねえ。
ま、こういうお方が政策意思決定の中に紛れ込んでしまうような状況が続いていることに問題があるような気がするんですけどね。「民間の意見を聞けば上手く行く」ってのも聞き方によりけりだと思うんですけどね。ポジショントークする人だって沢山いるんですし。
http://kimuratakeshi.cocolog-nifty.com/blog/2008/01/2008_830a.html
>本当だったら、「無責任に制度を変更しないこと。ずっと初歩的になるけど、建前を叫んで改革するのではなく未来がどうなるかを予測して改革をすること」(by「亀吉のブログ」さん)なのに、そこが認識されていません。
・・・・・とりあえずお前が(以下略
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2007/12/11
○金融関連の「提言」ってどうして斜め上にずれるのでしょ
木曜に書きました外準積極運用のお話ですが、ネットの議論をちょっとだけですがみてたら、(サンプル少ないですが)市場に参戦してる人の意見があたくしと似たような論調でちょっと安心しました。と申しますか、こんな話を政治家に吹き込んで巨大カモ発生させてよだれじゅるじゅるとか考えるのって私利私欲にも程があるとか思うのですけれども。
何かね、東京(というか日本橋)金融街構想ってのも以前出てたんですけれども、あの議連会長さんって何かこう変なこと吹き込まれるのが得意ですなあと思っちゃう次第でして、民主党(除く小沢鋭仁さん)の国会での金融関連のお馬鹿質問に散々悪態をついてるあたくしではございますが、自民党かつ金融担当大臣を務めたお方がアレ(木曜に書いた悪態の中にあります発言をご覧あれ)とは正直がっかりですよ。
どうもここもと金融立国がどうのこうのという話もございますけれども、その辺りに関してvon_yosukeyanさんがなるほどという考察(いつも参考になります)を最近のエントリーでしてましたので、これもまたお読みになるのが吉かと存じますです。
http://slashdot.jp/~von_yosukeyan/journal/423896
結局のところ、所与の条件とかを華麗にスルーして「海外がこうやって成功してる(実は短期的な成功と長期的な成功は別もんなのですが)ので日本でもどうですかお代官様ウッシッシ」というのが一番吹き込みじゃなかったプレゼンしやすいので(以下悪態なので禿しく自主規制)。。。。。
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2007/12/07
○埋蔵金のいろんな雑感
財政投融資の準備金を10兆円取り崩して国債償還というお話で、外為特会じゃなくて良かったですねという所ですが、完全に「埋蔵金がある」みたいな報道になってるのはちと「???」でもあるあたくし。ということでこのネタって色々インプリケーションがあるような気がするのですが、誠に遺憾なことにあたくしもよー判ってない所が多々ありますのであくまでも雑感ということで。
・特別会計の透明化というのは異論ありません、が・・・・
昨日ご紹介した「外為特会のクーポン収入で政府系ファンド」というのはちょっと(どころではなく)筋が悪そうな話ですけど、まーその辺はアピールしやすい話題で特別会計の透明化推進の起爆剤にしようってのが真意じゃないのかと好意的に解釈するあたくしでございます。
でも昨日ご紹介した山本有二さんの「ファンドマネージャー4人で40億円の利益をだすことができる規模で、完全にリスクがない仕組みを開示してスタートできるモデルを考えてみたい」にはぶっ飛んだ次第でして、まあ鉄砲玉の発言としても如何なものかという感じですけどね。
ま、特別会計が訳判らんので透明化を進めましょうという趣旨に関してはあたくしも異論無いのですけれども、そもそも何で今まで透明化されなかったのかと考(激しく自主規制)。
・財政投融資の準備金積み立てって別に埋蔵金じゃないと思うが
でまあ今回の財政投融資積み立ての取り崩し話ですが、そもそもこの積み立てっていうのは財政投融資での「運用収入マイナス調達コスト」によって発生した順鞘を引き当て金として積んでいますよという話でして、ただの引当金取り崩しであって「埋蔵金」という言葉にイメージされるような「どこかに隠してあった金が出てくる」って話じゃないと思うんですが。
財政投融資の準備金取り崩して国債償還するという話ですが、一般会計の国債を現金償還するという話ですから会計上はその分の益が必要になり、キャッシュフロー上はその分の資金が必要になるという話になると思うんですよね。で、会計上の益は財政投融資の準備金を戻し入れして益を発生させて、その分を一般会計に繰り入れますということなので一般会計での収益捻出は不要となると思います。ではキャッシュフローはどうなるかという話ですが、財政投融資資金では国債も保有しております筈なので、これを使えばよろしいという話でして(現金償還を厳密にやるなら国債売却なんでしょうが、政府内で回す話なので別に売る必要なかろう)、結局これって単に一般会計と財政投融資の両建てが落ちるだけの話じゃねえのとか思うんですけれども・・・・・・
ということで債券市場的には(市中消化額に影響がなさそうな話ですから)中立という話じゃないのかなあと思うんですが。
・準備金取り崩すとどうなるでしょう
ではこの準備金なんのためにあるのかという話ですが、要するに財政投融資は期間ミスマッチで収益が上がっていますという話でございまして、今までフロー(金利差)で上がってる収益ってのは調達コストがバンバン上昇するとか逆イールドになるとかしやがりますと無くなるどころか損失計上になる場合もございますので、それに対応する準備金って話だと思います。
まあその適正規模はどのくらい(積みまくっても仕方ないですし)なのでしょかという議論はありますが、「この手の話が出た後に市場環境が逆に行くの法則」が発動された場合は金利上昇ですかねえ(笑)。
というヨタはともかくとして、準備金に関する考察はbewaadさんが先日行っていましたのでそちらをご覧になると吉かと存じます。
http://bewaad.com/2007/11/03/321/
・もうひとつのインプリケーションというかツッコミどころ
があるような気がする(というかある)のですが、微妙に自主規制なので割愛いたしますですよ。はいはい。(追記のヒント:財政投融資資金の融資ってフローでは収益上がってますけど肝心の融資先のストック・・・・自主規制自主規制)
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2007/12/06
○外貨準備の積極運用ねえ・・・・
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071205-00000103-jij-pol
一般向け記事だとこんな感じなんですけど、ブルームバーグニュース(たぶんネット版でも見れるはずなのですが、あのページの記事検索の仕方が判らんのでいつも往生します)がもうちょっと詳しく報道してまして、読んでて頭が痛くなって来たんですけど・・・・・
ブルームバーグニュース5日17時10分配信記事から引用しつつ疑問な点を少々申し上げてみましょう。(追記)部分は記事にはないですがあたくしが補足してる部分です。
『山本氏(追記:前金融担当大臣の山本有二氏)は同日午後、自民党本部で開かれた設立総会後の記者会見で「ファンドマネージャー4人で40億円の利益をだすことができる規模で、完全にリスクがない仕組みを開示してスタートできるモデルを考えてみたい」と意気込みを示した。』
・・・・・・もうね、こんな発想が出てくる時点でちょっと頭が痛いと申しますか何と申しますか。何をどうすると「完全にリスクが無い仕組み」で40億円儲かるんでしょうか?????
『山本氏は「(追記:外為特会で保有する米国債の)利子収入で利益が上がれば、特別会計で負債を立てなければならないというドグマ(教条)の中に入っている。利子収入で何兆もあるものが、さらに増えていく世界を見いだしたときに、日本の金融市場の刺激になるのではないか。日本の金融機関のトップレベルの方々にも賛成していただいている。あとは、(所感の財務省)国際局がどう考えるかだ」と述べた。』
えーっとですね、そりゃこんなファンドが出来てバカスカ売買したり運用委託なんかをしてくれたら巨大取引先(またの名をカモという)が発生して業界のあたくしたちはよだれじゅるじゅる毎日ウハウハですから自分の庭だけ考えりゃ賛成するのは当然なんですけどね。
#というかそういう人たちが吹き込んで(以下自粛)。
で、ど〜も勘違いしてるんじゃないかと思うんですけど、外為特会で持ってる資産(だいたい米国債だと存じますが)って財政の余剰金で買ってるものじゃなくてFB(政府短期証券)発行して買っているものでして、入った利息に対して払う利息が多ければ逆鞘になりますわな。現在は米国の金利が日本の金利より高いからたまたま益になっているだけのことで、日本の金利のほうが高くなって外為特会で赤が出た時に外為特会の益を全然リザーブしてなかったら即座に一般会計から補填しないといけなくなりますけど、それで良いんでしょうかねえ。
名目成長を加速して上げ潮政策というのが実現したら日米金利差が逆転する場面が起きても何らおかしくないと思うんですが、そういう政策を提案する同じ口で外為特会の準備金取り崩せ(=日米金利差が逆転したら逆鞘発生で一般会計に惨事発生の危険あり)とかいうのを拝見致しますと、もう何だか疲れたよパトラッシュという感じですな。
それから利子収入部分ですけど、利子収入部分をまともに円転したら為替市場が大変な事になりますので、結局のところドルベースで再投資しないといけなくなりますわな。で、その利子収入部分と調達コストの差(計算上の換算為替レートが幾らだか知らんですが省令レートなんですかね)が益として認識されるという次第。
で、たぶんその中から将来の元本の毀損による損失(というのは円高による為替差損分ですけれども、まあ逆介入(通貨防衛でドル売り円買い)しない限り円転しないから実現はしないですかな)とか、将来の保有資産の利子収入と調達コストの逆鞘(具体的には日米金利差の逆転)に備えるとかいう目的の準備金を立てて、残りの部分が外国為替特別会計の益金として一般会計に繰り入れになってると思う訳でして、利息収入による益金は一般会計にも繰り入れになってる筈なんですけどね。で、それらに関してFBが発行されるという話だと思うんですが、外為特会に関しては何か難しいので誰かご指摘してくださいという感じです。
それからですね、外為特会の利息のうちの一般会計部門繰り入れを積極運用するというのならまだ話は判るんですけど、外為特会の利息収入が円転できないのと同じ理屈で、積極運用の果実を日本に持ってこようとすると円高ドル安要因になってしまいますわな。まあそんなの関係ねえというのならそれはそれで結構ですが。
何か最近は埋蔵金ブームらしいですが、少なくとも外為特会にそんな埋蔵金があるとは思えんのですけどね。とゆーか増税を「安易な発想」とか言ってる人たちが「埋蔵金」に飛びつくのが何ともアレでございまするとしか。。。。(あ、ちなみに増税容認してるわけじゃないので念の為)
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2007/12/03
○金曜の補足というか訂正というか
参議院財政金融委員会での議論で、大久保勉委員が「日銀の保有株式(金融機関の持ち株を購入した奴ね)を政府に移管して財源にしてしまえ」という結構ビックリな提案をしていた点についてあたくしが突っ込んだのですけれども、それに対して解説を頂きました。ど〜もです。
あたしゃ大久保さんの『この中(日銀保有株式ね)には株式の含み益としまして二兆円弱の含み益がありますから、非常に国庫に対して寄与すると思います。』というのに対して『あのー大久保先生「贈与税」ってものご存知でしょうか????』と(実はちょっと乱暴な言い方なのは承知してたんですが、他に良い言い方が思い浮かばなかったもんで・・・と言い訳)申し上げましたが・・・・
そもそも贈与税ってのは相続税を補完する目的で設けられていますので、個人から個人への利益提供に課税されますんで、実は本件のようなケースは対象外なのですな。
んじゃあこの場合どうなるかと言いますと、形としては法人間の低額譲渡に近く、低額譲渡を受けた法人に益金が発生するのですが、受けた法人が国庫ですのでこれまた税金の支払いは不要(国庫が国庫に税金払ってどうする)となりますわな。
つー訳で、税務上の問題は発生しないというのが正解になるんですけど、まあこのケースは時価で国庫に移管して日銀に益を発生させてもほぼ全額が日銀納付金として国庫に吸い上げられる話ですから、大久保委員ってナンセンスな土台の上でしょうもない議論をしてますねというご指摘も頂きましたことも念の為申し添えます(^^)。
そもそも論としてプルーデンス政策で実施した施策で益が出たその益を日銀が無駄遣いするとか取り上げろという大久保議員の論点が訳判らんのですけど。しかし渡辺金融担当大臣の『大変面白い御提案だと思いますね。預金保険機構でいただけるものだったらいただきたいと思いますが、なかなかそう簡単でもなさそうであります。』という答弁、「いただけるものだったらいただきたい」って物言いのあたりに皮肉っぽい感じを受けますんで、アホウに対する皮肉答弁じゃないのかなとは思う(期待する)のですけれども、素で「面白い御提案」だと思っていたら・・・・(-_-メ)
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2007/11/30
○国会会議録はオモシロス
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kaigirok/daily/select0105/168/16811060060004a.html
11月6日の参議院財政金融委員会では金融政策に関する質疑ということで、参考人として植田和男さん、高橋進さん、高田創さん、加藤出さんが出席して金融政策に関する質疑が行われておりまして、これも中々面白いのですが(ちなみに質疑の後半です)、本日はオモシロネタということで質疑の最初にありました日銀の株式買入その後に関する珍妙な質疑応答をば。質問者は民主党・新緑風会の大久保勉委員でございます。
日銀が金融機関の株式を買入したものが含み益1兆6221億円(9月末時点)ありますよという質疑の後に、買入株式の処分について質問がありまました。
で、発行会社から時価による自社株買入れの要請を受けた場合などのケースで処分したのが全体の19%になるという武藤副総裁の答弁があったのですが・・・・・
『○大久保勉君 分かりました。幾つかの論点がありまして、まず一九%も買入れ処分をしたと。原則しないというのに一九%。私は、二〇%に近い数字というのは原則に当たらないと思うんですよね。つまり、二〇%も処分しているということは、しないと言っているのに勝手にしてしまって、日銀はどういう運営をしているか、非常に疑問です。』
えーっと、日銀が能動的に処分してるんじゃないんですけど・・・・
『二点目は、その間に実現益としましては二千億以上の利益が上がっています。そういう意味では、日銀の年間の収入になっていまして、その分、いろんな経費と相殺できますから、その分、羽ぶりがいいということですね。一部は国庫に納付されていると思いますが、この辺り、もう少し詳しい説明が後日してもらいたいなと思っております。』
日銀の決算は公開されてますのでそれを見てから質問してください。
『もう一つ、これが一番重要なんですが、自社株買いを受け入れたということです。じゃ、どういう株式を処分したのか。これは、インサイダー取引とか、若しくは株式市場に大きい影響がありますから、日銀としてこういったことをやることは非常に難しい。場合によっては不適切なケースがありますから、この辺りに関して質問をしたいと思います。どういう基準で自社株買いをしたんですか。インサイダー取引のおそれはなかったんですか。』
時価ベースでの自社株買いで相対取引ですからあんまり影響ないと思うんですけれども。まあ確かに決算に影響する重要事実の公表前に自社株買いをする発行体がいたらそれはそれで問題ですが、それは買う方をふんじばれば良い話でして、そもそも日銀は知ったこっちゃあねえと思うんですが。
ということで、当然ながら華麗に受け流されたのですけど、その次に保有銘柄の状況に対する情報管理について質問してまして、その続き。
『○大久保勉君 分かりました。非常に厳しい制度を設けて、情報漏えいを起こさないということが分かりました。そういう意味ではきっちりなされていると思いますが、万々が一のことがありますから、そもそも日本銀行が特定の株式を持つことが適切であるか、こういったことを是非議論してもらいたいと思うんです。この株式保有に関しましては、平時の段階では適切じゃないと私は考えておりまして、早急にバランスシートから外しまして日銀の個別の金融政策に影響させないということが是非とも必要だと思っています。』
おまえはさっき売ったのが問題みたいな質問をしてなかったかと小一時間。まあ中央銀行が個別株式を保有するのはどうなのよという論点は判らんでもないですが、それを突っ込みだすと担保政策とかの話にも繋がるのでそれはそれでオモロイかも。
で、その次に中々いい感じで腰の砕けるお話が。
『ちょっと質問を飛ばしまして、財務大臣にここは質問したいんですが、もし日本銀行のバランスシートから外すということでしたら、是非国の方、財務省の方で管理したらどうかなと思います。例えば、預金保険機構とか、若しくは何らかの特別会計にもうそのまま日本銀行の株式を移してしまうと。具体的には、買入れした簿価に若干の保有コスト、若干のマージンを入れたものをそのまま預金保険機構とか特別会計に移管してしまうと、こういったことが一番適切だと思います。』
・・・・・????
『この中には株式の含み益としまして二兆円弱の含み益がありますから、非常に国庫に対して寄与すると思います。』
あのー大久保先生「贈与税」ってものご存知でしょうか????
『これまで銀行の破綻等によって大量の税金が投入されましたから、当然ながらその関連取引で利益が上がるんでしたらその利益は当然国庫に返してもらう、これが原則だと思いますが、大臣の大きい立場での議論を聞きたいと思います。』
利益が出たら全部国庫納付というのは一つの筋ですが、その場合は損失が出た場合は全部国が穴埋めするという形じゃないとバランスが取れないと思う(まあ今の状況で損は出ませんが)んですが(最初の仕切りはそうなってません)。というか金融危機対応で日銀特融で回収が大変なものとかあったような気がするんですけど・・・・・・
『○国務大臣(額賀福志郎君)(主論の部分は思いっきり割愛)日本銀行が買い入れた株式の処分により利益が生じた場合は、剰余金が増加をして、国庫納付が増加することを通じて国家財政にも寄与しているというのが現状の実態であるというふうに思います。』
どう見てもこれが筋。
で、大久保先生におかれましては、その利益を元に日銀が過剰な設備投資をするかもしれない(以前戸田分館の件で質問したんですよね)から召し上げてしまえという話をしたかったようです。
『○大久保勉君 大臣、認識が若干甘いですね。つまり、日銀が株式を売却して利益が上がりましたら、それは一般的な収入になりますから、一般的な支出、例えば人件費とかいろんなシステム投資でコストが引かれて、余った分が国庫に納付されます。一部は剰余金として引き続き日銀が持つことになります。ここで重要なのは、毎年二千億近く利益が日銀に上がりますから、そのことによりまして日銀の運営が甘くなってしまうと。無駄なシステム投資をすると。過去には戸田分館の問題をいろいろ指摘しました。相当無駄な投資をしている。あるときには、日銀というのはシステム会社でありますからいろんなシステムコンサルを雇っていますが、そこに天下っているという事実も明らかになっています。ですから、こういった状況があるんだったら、もう含み益をそのまま国庫に移してしまうということできっちり管理した方がいいんじゃないかという御提案なんです。(以下割愛)』
趣旨は判らんでもないが、あまりにも乱暴な話だし、そもそも日銀の経営執行状況に関してのチェック機能だってある訳でして。
『○国務大臣(額賀福志郎君)(前半割愛)ただ、これは日銀法五条第一項に、日本銀行は、その業務及び財産の公共性にかんがみ、適正かつ効率的に業務を運営するように努めなければならないというふうに書いてありますから、しっかりと執行していただきたいと思うし、財務省もやっぱり人件費とかその経費、予算については、認可に当たってチェックをしていく機能がありますから、大久保委員の御指摘するようなことがないようにしっかりと対応していきたいというふうに思います。』
という答弁の次に行われた渡辺大臣のこの答弁は・・・・
『○国務大臣(渡辺喜美君) 大変面白い御提案だと思いますね。預金保険機構でいただけるものだったらいただきたいと思いますが、なかなかそう簡単でもなさそうであります。だれがお金を工面するか、一体幾らぐらい対価を払ったらいいか、ちょっと厄介な法制面の問題もございますので慎重に検討してまいりたいと思います。』
・・・・・・・・・(゜д゜)
ギャグなのかマジなのかよく判りませんけどね。
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2007/11/16
○これは良い論戦(11月2日衆議院財務金融委員会より)
ここもと民主党のトンマな国会論戦を肴にしておりましたが、それではあまりにも不公平ということで(そうか?)ちゃんとした論戦をご紹介。
http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/009516820071102003.htm
11月2日の衆議院財務金融委員会での民主党の小沢鋭仁さんが福井総裁に突っ込む姿は中々結構でござりまする(ちなみにこの日は自民党の佐藤ゆかり委員の質問もあったのですが、「美しい国の美しい金利」というような迷言が全然ない上にありきたりな質問でがっくりです)。会議録の真ん中辺りになります。
景気の見方に関して質問をして福井総裁の「先行きは息の長い拡大」という展望レポートの見解を引き出した所から小沢さんのツッコミは開始されます(^^)。
『○小沢(鋭)委員 決定的に違うんですね、私の見方は。景気は減速し始めていて、物価は下落を続けている、こういうふうに思っているんですね。これだけガソリン価格を含めて原材料が値上がりしているにもかかわらず、コアのCPIが下がり続けている。下がってないと先ほど総裁はおっしゃいました。そしてまた、さっきやじでも私申し上げましたが、ゼロ近傍、こういう話を岩田さんはおっしゃっていましたが、正確な数字を言ってくれませんか、コアCPI、マイナスでしょう。』
『○稲葉参考人 数字のお尋ねでございますので、お答えいたします。消費者物価、除く生鮮、前年比を見ますと、数字をそのまま申し上げますと、マイナス〇・一%でございます。この動きが、八カ月マイナスの動きが続いておりますが、ごく小幅のマイナスの動きが続いておりまして、達観して見れば、ゼロ%近傍で動いているというふうに評価してよろしいと思っております。』
「達観してみれば」ってよく考えたらオモロイですね。で、小沢さん突っ込む。
『○小沢(鋭)委員 マイナスはマイナスなんですよ。何でゼロ%近傍と言わざるを得ないのかというと、それは日銀が今まで発表してきていた政策基準と違うからですよ。違うから、ゼロ近傍と言わざるを得ないんでしょう。私、昨年の三月のときですか、やはりこの委員会で質問したときに、これは岩田副総裁の話で、量的緩和解除のときの議論でありますけれども、いわゆるコアの消費者物価指数が安定的にゼロを上回る、そう思っているから量的緩和を解除するんだ、こういう議論がありましたよね。安定的にゼロを上回るという話と八カ月連続マイナスという話は、これは矛盾するんじゃないんですか。そこのところを正確にちょっと答えていただきたいんです。』
まあここをストレートに突っ込まれると答弁は微妙になるのです(^^)。
『○福井参考人 昨年三月に量的緩和政策を解除いたしました。私どもは、その当時の利用可能な消費者物価指数で、安定的に消費者物価指数はプラスの領域に入り、基調的にもそれが続くというふうに判断いたしました。市場の判断とも完全に一致していたというふうに思います。そして、何よりも、経済の前向きの循環メカニズムがしっかり働き始めていて、その後これが定着する。したがって、実質二%前後の安定的な成長軌道に経済は乗った、ここが一番確信を持って判断したところでございます。その後の経過を見ておりますと、やはり経済は緩やかな拡大を続けている。先行きを見ましても、生産、所得、支出の好循環のメカニズムが維持されるもとで息の長い成長を続けていくと判断できる。』
『今、海外あるいは市場環境にリスク要因が高まっておりますけれども、それでも、私どもの標準的な見方をすれば、日本経済の前向きの循環メカニズムはそう簡単に崩れそうもない、崩れない蓋然性の方が強い、こういうふうに見られる状況でございます。物価の面では、その後指数の改定などもありまして、今、厳密に数字を見ると、ここ数カ月間、前年比マイナス〇・一ないしはそれに近い数字で続いておりますが、これもやはり、経済が着実にやや潜在成長能力を上回る成長を続けていく限り、需給がさらにタイト化して、基調的な消費者物価指数そのものもプラスの世界に入っていくことは間違いない、そういうふうに考えております。』
『ゼロ近傍で推移しております消費者物価指数は、そう遠からずプラスの世界に入り、そんなに急激に上がる、インフレの心配があるということを申し上げているわけではありませんが、ゆっくりとプラス幅を拡大していく可能性が強い、こういうふうに見ておりまして、これまでの量的緩和政策解除後の経済の推移を見ましても、これまでの政策判断にそんなに大きな狂いがあったというふうには考えておりません。』
『○小沢(鋭)委員 何でそんなに言い張るんですかね。僕は、だから、一方的に物価が下落し続けるなどと言っているつもりはありませんし、先ほど来の話のように、まさに原油価格の高騰だとか、そういう原材料費の値上がりがある意味ではかなりCPIを押し上げていくだろうな、こうも思いますよ。ですから、大事な話は、その時々の判断をしっかりと行って、弾力的な運営を行うということなんじゃないんですか。(以下割愛)』
んでまあこの先も突っ込む小沢さんに言い張る福井さんの図というのが続くのですが、まあ中身をあたっていただければと存じます。中々宜しい質疑応答。また後のほうで小沢さんはこんな話もしておりまして、まあそうでございますなあという感じです。
『要は、先ほど来私が申し上げているのは、機動的にやってくれ、こう言っているわけですよ、かたくなではなくて。そういう話なんですけれども、まさに福井さんの、総裁のおっしゃられる、また記者会見でも、新聞で見たから本当かどうかわかりませんが、記者会見では、長い目で見たアップサイドリスクは軽視できない、こういう言い方をしているんですが、長い目というのはいつのことですか。このFRBの機動的な運営と決定的に違うんじゃないですか。』
途中からは内閣府へのツッコミも入ってますが、中々筋の通った質問をしておりまして、民主党の金融政策論議に関してはこの人に集中させれば国会での論戦もちゃんとしたものが期待できるのではないでしょうかと思うのでありまする。
で、この前も申しあげましたが、総裁がこういう時に発言する定番として、『具体的な将来の状況を一定のイメージを描いて政策措置をあらかじめ予定するということは、金融政策上は絶対にあり得ないことでございます。』とかがあるんですが、そこでは突っ込まれなくて良かったねという所ですが、展望レポートにおける先行きの見通しの前提を「市場が織り込む先行きの政策金利」っていうのはどうなんでしょと思う(「政策金利不変」のケースを併記するもんじゃないでしょうか)のでありました。
まあ面白い論戦ですので読んでつか〜せ。
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2007/11/14
衆議院様が財務金融委員会の会議録を2回分アップしておりまして、これが中々面白いのであります。
○これはもっと凄い珍獣を発見しました!
http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/009516820071102003.htm(11月2日)
http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/009516820071107004.htm(11月7日)
ちなみに11月2日分の最大の見所は民主党の小沢鋭人委員が「現在のCPIをゼロ近傍というのはペテンではないか」というような感じで日銀を攻める部分でありまして、大変に良いツッコミ振りを示しておりますが、既にご案内の通り国会会議録のご紹介をすると、引用でやたらと増量になってしまいます(大体個人的目安としてプレーンテキスト10kb以内というのがありまして)ので、こちらは後日また。
で、7日も色々なお話をしているのですが、驚愕の質疑応答を行っていたのは民主党の岩国哲人委員であります。ちなみにこの人の質疑応答部分を紙に打ち出す(範囲選択して「指定した範囲」を印刷)と9ページ分になりますが、笑える(内容が無茶苦茶なので)が笑えない(こんな話を国会でしてるのかと思うと)という代物です。
最初に証券税制の話をしてて、その中での内容も言いがかり(仮定の話をどうシミュレーションするんだよという感じ)ですけれども、発言の言い回しにまず笑いました。
『○岩國委員 岩國哲人でございます。(割愛)質問の順番を変えまして、今、石井委員がお取り上げになったキャピタルゲインタックス一〇%をめぐって、最初に質問させていただきたいと思います。(以下割愛)』
別の部分から一部だけ切り取ります。
『証券業を代表する協会の代表者たちは、株価水準に対するインパクトはどういうふうな数字を挙げて言っておられるのか。何らかのカンバセーションというのはあるわけでしょう。』
おまえはルー大芝かと小一時間。
#えーっと、このセンセイ「キャピタルゲインタックス」とか言ってますが、軽減税率は配当課税にも含まれるのでまあ勉強不足にも程がありますな。
ま、こちらのセンセイさまにおかれましてはこの先の質疑の所で、
『私は、ニューヨーク、ロンドン、パリ、いろいろなマーケットで仕事もしてきました、住んでもきました。』
とご自慢なされる方(ちなみにこのセンセイのホームページの自己紹介文章がまた凄いのですが、それは是非皆様ご覧いただいて爆笑していただければと存じます)でございますから、これは先生の仕様なのでしょう。
まあそんな話は良いのですが、兎に角この先生の質疑応答は電波ゆんゆんとしか申し上げようがございません。
その1:「日本」の読み方を財政金融委員会でするのでしょうか
『○岩國委員 (前半部分思いっきり割愛)さて、この世界最大の銀行の名前がどういう名前になっているのか、これを、監督局の七人の方に、我々の勉強会に来ていただいたときにお伺いしました。上場されるゆうちょ銀行の親会社はニホン郵政株式会社と私はそのとき聞きました。なぜニホンと言うんですか。このゆうちょ銀行が扱うお金は、ニッポン銀行と我々の一万円札には書いてあるわけです。日本でニッポン銀行という中央銀行があって、民間で一番大きな銀行はニホンと読ませている。ちょっとおかしいじゃないか、どっちかが間違っているんじゃないですか、どっちかに統一した方がいい、こういうことを伺いました。中央銀行、セントラルバンクがニッポンと発音させているときに、民間で一番大きな銀行はなぜニホンと読ませるのか。七人の方からは、これという御返事はありませんでした。要するに、ニホンと読ませるということがその勉強会では確認されただけなんです。ニホンなんですか、ニッポンなんですか、どっちなんですか。』
・・・・・・アホですか??
『○渡辺国務大臣 ニッポン郵政だと承知しております。』
『○岩國委員 私もそのように聞いたことがあります。しかし、監督局のそうそうたる七人の方たちが全部ニホンと言い、ニホンと決めたはずと。いや、ニッポンが正しいという人は、この七人の中に一人もおられなかったんです。つまり、ニホンと言うのがごく普通だ、そういう常識、感覚を持っておられたんでしょう。私はそれはあえて批判しません。私はニホンが正しいと思うからです。なぜか。天皇陛下が昨年六月シンガポールへいらっしゃったときに記者会見を開かれました。天皇陛下は、二十二回、ニホン、ニホン、ニホン。ニッポンと一回もおっしゃらなかったんです。ニホン、ニホン国、ニホン人、ニホンの伝統、ニホンの歴史、ニホンの文化、二十二回、ニホンですよ。ニッポンは一遍もありませんでした。皇后陛下は、三回、ニホンとお使いになりました。ニッポンは一度もありませんでした。なぜ、国民統合の象徴の天皇陛下がニホンとおっしゃっているときに、日本で一番大きな銀行にニッポンという名前をつけなければならないのか。どうお考えになりますか。』
以下延々目を疑うような質問が続きまして、読んでいると抱腹絶倒と同時に、これが国権の最高機関で行われている議論なのか情けなくて涙が出てくるのですが、この質問が財務金融委員会として意味があるのかと申しあげたくなります。
・国会は個人的な苦情お取扱機関の場ではありません
『○岩國委員 (前半割愛)トラベラーズチェックというのは、日本円を外国のお金にかえて、そして外国で買い物もできる、そういう点で非常に信用されている。日本の銀行でトラベラーズチェックも販売しておる、付随業務として。その中で、販売したトラベラーズチェックが、外国の、外国といってもアフリカのどこかの小さな国というんじゃなくて、パリのど真ん中で、ニューヨークのど真ん中で、そのトラベラーズチェックが換金できないという事態が起きている。そういう報告はきちっと来ていますか。同じ番号が二度販売されている。これもあってはならないことです。ちょうど、日本銀行の同じ番号のお札が二つも三つも出回っている、こういうことはまずあり得ないはずだと思うんです。トラベラーズチェックにおいて、なぜ同じ番号が二度売り、三度売りされているのか。政治家のレシートのように、二重三重のトラベラーズチェックが出回っている。そういう不祥事故はどういう報告が来ているのか、お答えください。』
事実ならとんでもない事件ですが、そんな事件どこでありましたっけ(当然政府参考人からは「そのような話は聞いていない」と答弁してます)と思ったらその次でずっこけ。
『○岩國委員 これは、はっきり言って、私自身が七枚のトラベラーズチェックを買いました、東京三菱銀行の京橋支店で。しかし、その七枚のうち一枚は、もう既にだれかに販売した数字だったんです。パリのオペラ座のところで現金にかえようとしたときに、当然、それはダブりトラベラーズチェックだということで拒否されました。恥ずかしい思いをしました。しかし、幸い、ほかのお金も持っていましたから、金銭的に不便をするということではありませんでしたけれども。私がそのとき思ったのは、トラベラーズチェックの専門のところがきちっとした金融機関としてやっていればこういうシステムの間違いというものはまずなかっただろう。それが、いろいろな大きな銀行が付随業務を次々にそういう形でもって広げていく。そういう管理体制もだんだん薄くなっていくでしょう。それがお客さんに迷惑をかけている。(以下割愛)』
事実であればご愁傷様としか申しあげようがございませんが、普通に考えて疑問が幾つかございます。
疑問その1:7枚なんて半端なT/Cの販売してますかいな
疑問その2:そもそも街の両替所がT/Cの換金済み番号を把握するようなシステム無いでしょ
疑問その3:大体難癖つけてますが、外貨両替業務なんてもう長いこと銀行やってますが何か?
疑問その4:岩国先生のようなお金持ちが何でT/C7枚ぽっちを必要としたんですか?
T/C両替する時ってパスポートの呈示を求められたりするような気がする(最近全然使わないから知らないんですけど)んですが、単に身分証明するものを持参してなくて拒否られたのを脳内で勝手に記憶変換されたのではないかと邪推したくなるんですが・・・・・・・
(翌々日読者様からのメールを頂き追記)
ところで、一昨日ネタにした某岩国先生のT/C両替拒否られ事件ですけれども、読者様から頂きました可能性として、「両替所に行く前にカウンターサインをした状態で持参したために拒否られたのではないでしょうか」という目から鱗なご指摘が。T/C関係でトラブルが起きるのってこのサイン関係が多いようですね。
ところで、よくよくに考えたらT/Cの番号って販売時に起番するんじゃなくて普通はそのものに最初から印刷されてる筈です(で、オリジナルサインと共に何番から何番まで売ったというのを控えで保存される)からそれこそ落丁乱丁でもない限り2重起番ってありえませんわな。。。。。
まあそれが岩国先生クオリティなのですが。
(以上追記終わり)
・そしてこれは素晴らしい電波質問
結局長くなりましたが最後は本石町日記さんのところで紹介されていた質問。
『○岩國委員 (前半割愛)家計所得そのものは、小泉内閣以来、二〇〇一年からほとんどふえてはおりませんけれども、激減しているのは利子所得なんですね。この利子所得の激減というのは十年ぐらい前から始まっております。二十兆円ぐらいあったものが、今はもう四兆円、三兆円程度の話。明らかに、メガ銀行が次々とできて、銀行は大きくなったけれども、銀行が払っている利子は激減しているんです。なぜ、銀行が大きくなるとお客さんは利子を減らされるのか。これについて、大臣、いろいろと金融界の責任者の方を御指導していらっしゃると思いますけれども、大きくなればなるほど利子は小さくなる。銀行の規模と利子はなぜ反比例するのか、お答えください。』
・・・・・(゜д゜)
『○渡辺国務大臣 これは、銀行の規模の問題というよりは、日本経済の置かれたデフレ状況が大変大きな影響を持っていると考えます。先生がお配りになられた資料を見ましても、一番利子所得が高いのが一九九一年の三十八兆九千億円、ここをピークとしてだんだん下がってきております。二〇〇五年においては三兆五千億円程度ということでございまして、まさに、この間の金利低下というのが最大の影響があるのではなかろうかと思います。』
そして以下無茶苦茶な質問が続くのですが割愛致しましょう。どうも岩国大先生によりますと低金利政策は銀行救済のためだったらしいです。
#うーむ、11kbになってしまった
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2007/11/12
1日に行われた参議院財政金融委員会での日銀半期報告での委員会質疑から(質疑応答引用なので長くてすいません)。
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kaigirok/daily/select0105/168/16811010060003a.html
○今度はまあちゃんとした質問ですかな
またまた民主党ネタですが(しつこい)、今回は大久保勉さんが「量的緩和解除したのにコアCPIがマイナスが続いているのは如何なものか」という質問をしています。
『○大久保勉君 (前半割愛)私はよく分からないんです。実は、今年の三月二十七日に日本銀行総裁に同じような質問をしました。そのときは、二月のコアCPIが昨年四月に続きマイナスになるおそれがありましたので、わざわざ二〇〇六年三月の量的金融緩和解除が失敗ではなかったかということをお聞きしました。当時の回答は、マイナスは一時的で、将来CPIは安定的にプラスと予想しているということでありました。いわゆるフォワードルッキングという情緒的で、そういった言葉に煙に巻かれてしまいまして、何となく納得したんです。』
『しかし、あれから半年が過ぎたんですが、CPIは八回連続マイナスなんですね。ですから、そういう意味では、二〇〇三年の市場との約束におきまして、量的金融緩和の解除条件の一つに全国のコアCPIがマイナスに戻らないという項目設定がありました。約束違反じゃないですか。』
これは当然のツッコミ。まあ当然過ぎるので想定問答が帰って来るでしょうけれども、聞くべき質問ではございます。しかし民主党って質問する人によって金融政策に関する主張が真逆くらい違うのはなんぼなんでも如何なものかと思うのでありますが。総裁の答弁。
『○参考人(福井俊彦君) (前半割愛)そして、量的緩和政策の解除に当たりましては、物価指数はもちろん重要な判断材料としてこれを分析いたしましたが、その背後にある経済全般の動きを点検した上で、日本経済は息の長い成長を続け、消費者物価指数の前年比は先行きプラス基調が定着していくと見られるというふうに判断をいたしました。』
『また、消費者物価指数は、解除当時、つまり量的緩和政策解除当時、利用可能であった二〇〇〇年基準でプラスでありまして、コミットメントが満たされたことについて、当時市場と日本銀行との間で認識の相違は全くなかったというふうに考えております。その後、昨年八月の消費者物価指数の基準改定に伴う指数の下方改定の影響もございまして、御指摘のとおり、このところ消費者物価指数の前年比はごく小幅ではございますけれどもマイナスの月が続いていると、これは確かでございます。』
『しかし、消費者物価の基調を形成する経済環境という観点からは、その後も息の長い成長が続く中で労働や設備といった資源の稼働状況は高まっております。経済の前向きの循環が働き続けているという状況でございまして、先行きもこうした動きが続いていくと見られる状況でございます。消費者物価の前年比はプラス幅がこの先次第に拡大していくというふうに判断しております。展望レポートでも、その点は明記いたしております。日本銀行といたしましては、このような経済、物価の動きに照らしまして、量的緩和政策解除の判断は適当であったというふうに考えております。そしてその後も、経済・物価情勢の改善の度合いに応じて、極めて徐々ではございますけれども、正に徐々に金利水準の引上げを行ってきているというところでございます。』
というわけでこれが想定問答でございまする(^^)。で、この想定問答ではケシカランということで、大久保さんは「じゃあCPIが悪いんですか」と質問しておりまして、そのやり取りの流れでこんな発言が出てました。ベンダーでヘッドラインになってましたが。
『○参考人(福井俊彦君) 私ども、政府の作られました諸統計、なかんずく消費者物価指数についていささかも不信感は持っておりません。現に、この消費者物価指数に信をおいて経済情勢全般を判断し、今後とも金融政策を運営していく、こういう立場にございます。』
で、この次に「願望レポート」質問がございます(^^)。
『○大久保勉君 非常に一つ一つ点検してみましたら、何か、じゃ総務省のCPIもおかしくないと。じゃ何がおかしいか。それは説明の仕方がおかしいんでしょうね。ということは、総裁のコミュニケーション能力が非常にクエスチョンマークかなというようなことも理解しました。実は、この展望レポート、業界では、非常にフォワードルッキングで、ずっと景気は順調に拡大すると。つまり利上げ先にありき、若しくは利上げできる余地があるから、そういうふうにシナリオを作っていこうと。いわゆる日本銀行の展望レポートじゃなくて、日本銀行のこうなってほしいという願望である願望レポートと言われているんですよ。このことに関して、何かコメントございますか。』
あっはっは。で、これに対する総裁の答弁は確かその時の報道によりますと結構トサカに来てたようでしたが。
『○参考人(福井俊彦君) お言葉ではございますが、政策を急ぐことによって日本銀行が益するところは全くございません。金融政策が経済や物価に影響を及ぼすにはある程度期間を要するということは委員もよく御承知いただいていると思います。そのため、政策運営は先行きの経済、物価を見通しながら行っていく必要があると、足下の状況だけでは正確な判断ができないということでございます。このように、先行きを見通しながら金利の調整を行っていくという、これがいわゆるフォワードルッキングな政策運営の在り方ということでございますが、世界のいずれの中央銀行にも共通した考え方、認識でございます。』
字面だけだとアレですが、ややムッとしながら答弁したらしいというのと合わせて読むと中々味わい深い。展望レポートの説明もしましたがそこは割愛してその続き。
『(途中割愛)私ども、コミュニケーションが下手だというおしかりを受けましたが、上手だとは決して思っておりません。しかし、懸命に努力をしておりまして、この経済・物価情勢の判断と政策運営の基本的な考え方について展望レポートを出しておりますが、それを始めとして、議事要旨や記者会見、さらには本日のような国会の場での議論を通じてできるだけ丁寧にお話をさせていただいているというふうに思っております。引き続き、適切な情報発信を通じ、かつ努力をし、透明性の確保に努めてまいりたい、こういうふうに思っております。』
なんつうかな、確かに市場との対話って相手があることだし、かつ色々と無茶苦茶な解釈をする人たち(オマエモナーというツッコミは却下^^)のいる訳の判らんものですから難しいというのはご同情致しますけれども、プロフェッショナルの世界なんですから、「一生懸命努力してますから」というのはどうなのかねとは思ってしまいます。漫画「ギャンブルレーサー」(作、田中誠)の中で主人公の競輪選手が弟子希望の若い人に言った言葉をつい思い出しますよ。曰く、「仮に2年、3年と死にもの狂いの努力をしたとしても、もし結果をださなきゃ世間様は絶対努力したおは認めねえからよ。結果の出ない努力は遊びと同じでな・・・・」(漫画なので句読点補足、第118話より)。
せっせと努力してもその方向が間違って、結果の出ない自己満足だけしてるっちゅうのが許されるのは社会人2年目とか未経験者の最初くらいまででしょ。別にそちら様の自己満足的な努力を見せられても仕方ないんですけどねえ。
・・・などと偉そうな事をいうあたくしが結果が出てないときに努力はしたんですよと定性評価を持ち出してその場を何とか切り抜けようとする仕様になっているのはここだけの話ではございますが(爆)。
えーっと、話がいつの間にか逸れてしまいましたが、これが巷で話題になった「願望レポート」質問の流れでありました(^^)。なお、めんどいから引用しませんが、大久保先生質疑の途中からかなりグタグタになっていまして、なんちゅうか大久保さんの仕様なのですけど、最後まで良い質疑が続かないという不思議なお方でございます。
○質問は皆さんで整合性を取るようにしたほうが良いのではないでしょうか
まあそんな感じ中々結構な質疑があったのですが、2番手に出てきた民主党の川崎稔委員の質問でいきなりこんな話が。
『○川崎稔君(前半割愛)資料にもお出ししました日本銀行で実施しておられるこの生活意識に関するアンケート調査、これ、私の記憶が間違っていなければ、総裁がかつて副総裁でいらっしゃったころに生活短観ということで肝いりでスタートされた調査ではないかというふうに思っておるんですが、非常に実は私もいろんな結果を見ていて、そして実際の国民の皆さんとお話をしていて、非常に実感に合っているんですね。そういう意味では、この調査というのをもう少し重視なさってもいいんじゃないかなという気がいたしますが、いかがでしょうか。』
いやあのそれですと折角大久保さんが質問した話が台無しなんですが・・・・
で、もっとややこしいのはこのセンセイ、その後格差問題に話を持っていった挙句に最後の方では金融政策についてこういう質問(というか主張)をしているところです。
『○川崎稔君 今お話にございましたことを逆に言うと、生活実感として考えた場合といったことで見ますと、資料の3に景況感、先ほどの生活意識に関するアンケート調査の景況感、グラフをそのまま記載させていただいておりますが、やはり実際に生活者の実感では、ここに来て急速に景況感の悪化という形で数字が出ているわけですね。やはりいろんな意味で、決して格差の問題というだけではなくて、地方、本当に日本の中で多くの方が地方に住んでおられるわけですが、その実感というのはむしろこちらに近いんではないかというふうに思っておりますので、この点については引き続き十分なウオッチをお願いしたいというふうに思っております。』
じゃあ物価の話を持ち出すなと・・・・・
○これは釣り質問なのか本音なのか良く判らん
後半(午後)のトップバッターは自民党の田村耕太郎さんなのですが、この田村さんはついこの前まで内閣府経済財政担当政務官をやっていたのですが、何故か今回の質疑では「CPI統計に囚われることなく利上げすべきである」という質問を連発しています。
国会でギャグ質問をしたのを自分のサイトで自慢するお方なだけに、何か釣り質問をして相手(日銀)に「その通りです」と言わせる引っ掛け釣り質問と見ましたが、日銀もさるものでそういうのには引っ掛かりませんですなあというのが中々微笑ましかったです。
全編がそんな感じの釣り大会になっていますが、適当なところから引用するとこんな感じであります。
『○田村耕太郎君 (前半割愛)例えば、リスク資産の再評価が起こっていると仮定した場合、ということはリスク資産が過大評価されているということですよね、今のリスク資産が過大評価されている。その一つの要因として、日銀が低金利政策を取り続けたことによって、円キャリートレードですね、低利な円資産で資金を調達して、それをリスク資産にどんどん投資していく。この行動が世界的に起こって、それがリスク資産の過大評価を引き起こしてしまったんじゃないかと、私はそういう面があると思うんですけれども。(途中割愛)私としては、もっと早く金利を上げて、バブル、もう本当に、リスク資産の過大評価が起こるまでに先手を打っておくべきではなかったか。また、これからそういうことが起こるとしたら、リスク資産のこれ以上の過大評価が起こる前に先手を打つべきじゃないかと思うんですけれども、その辺りいかがですか。』
実際は武藤副総裁が答弁(今は国内にバブルはないという話)をしたのですが、そこの部分は飛ばして総裁の答弁を。
『○参考人(福井俊彦君)(前半割愛)しかし、問題は、市場の本質は決してとんでもないところに行くことをねらっているわけではなくて、最終的な均衡値というものを求めながらダイナミックに動いているということでありますので、中央銀行の政策というものが的を外れていないと、投機にも限界があるんだという意識を市場参加者にいつもきちんとアピールできるような政策を各国の中央銀行がやっていけるかどうか。特に、日本の場合でいえば日本銀行の責任はそこにあるわけでして、仮に円キャリートレードにひととき力を入れる方があっても、我々の金融政策がその人たちの心理に対して、深層心理においてきちんとブレーキが掛けられているかどうかと、こういった点が非常に大事でございます。委員のおっしゃるとおりの感じでやっていきたいと思います。』
微妙に釣られている感じでもありますわな(^^)。CPIの統計手法に問題があるのではないかとか、結構面白い釣り質問が連発するのでこちらも結構楽しめます。あくまでもネタとして楽しめるだけで勉強にはなりませんが・・・・・・
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2007/11/08
お題「ネタも無いので国会会議録見学とか」
米国3か月短期国債40毛強ですかぁ・・・・
さてまあ国内の金融政策絡みでは「こりゃちょっと動けないでしょう」ということで徐々に年末越えのプレミアムが潰れる感じとか、短い所の強さとかが目立ちますが、何かこう大ネタになるようなものも(あたくしの目が節穴のせいか)見当たらない昨今。ここもと国会で何故か金融論議が多くて会議録がようやく出てきたので査収したのですが・・・・
○これは喜美大臣の見事な瞬殺攻撃で素晴らしい
http://hongokucho.exblog.jp/7677831/
評判悪いと言われてしまいましたが(苦笑)、渡辺大臣って全体的な話をしてる分にはそう無茶でもないとは思うのですが、公務員制度改革でもやらかしてたと思うのですが、具体的な施策に落とす段階で急にトンデモになるのがオソロシスなのですよね。またその辺の話はいずれ(笑)。
ちなみに、民主党のこの某質問者は確か以前質問主意書で裁判係争中の案件について意見を求めるという司法介入ですかと申しあげたくなる行為に及んだ方ですわな(以前ネタにしたことがございます)。この質問はアホウとしか申しあげようがございませんです。民主党はこういうアホウに質問をさせる時間を共産党に渡して質問させた方が遥かに有益ではないかと思うのですが、昨日査収した国会会議録はもっと酷いのであります(驚)。
○この質疑応答は酷い
先週火曜日(10月30日)の参議院財政金融委員会での質疑。
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kaigirok/daily/select0105/168/16810300060002a.html
トップバッターで延々と質疑応答を行っているのは民主党の円より子委員なのですが、この質疑応答を見ていると小沢代表じゃなくても政権担当能力への疑問符がつくというものであります。トップバッターでありますので上記URLの最初の部分(うっかり紙に出すと大変な量になるので要注意)です。
延々と無茶苦茶な話が続くので全部紹介するのはちと難しく、まあ適当なところを。しかしこんな問答に付き合わされる日銀の稲葉理事と堀井理事およびお付の皆様におかれましてはご愁傷様としか申しあげようがございませんが。
まあ全編言いがかりと思い込みの連続なのですけれども、為替問答のあたりがまず笑うしかございません。以下引用。
『○円より子君 円相場に関しまして今大臣が何度かおっしゃった経済のファンダメンタルズを確実に反映すべきという、その真意はどこにあるんですか。』
『○国務大臣(額賀福志郎君) それは正に経済の基本的なファンダメンタルズを反映したものとして市場が決めていくことであると、そういう原則に基づくものであるということでございます。』
『○円より子君 現状認識を変更するものではないという御発言もあったと思いますが、これは現在の為替水準、動向を容認するものなんでしょうか。』
『○国務大臣(額賀福志郎君) 為替の問題について私が一々、こうあるべきだ、こうすべきだということのコメントは差し控えさせていただきます。したがって、市場が日本の経済状況、経済ファンダメンタルズを反映したもので決められていくべきものであるという基本的な考え方を持っているということでございます。』
『○円より子君 差し控えさせていただきますとおっしゃっていますが、何も言わないことは現状認識を容認するということになりますよね。アメリカのポールソン財務長官がG7において強いドルを確認したと報じられておりますけれども、これは何もおっしゃらなければ日本としては弱い円を容認するということになりますが、そういうことでよろしいんですか。』
・・・・この質問者はアホですか??
で、まあこの後延々と「円安はケシカラン」という話が続くのでありますが、「強いドルを望む」という米国の政治家を褒めるかと思えば日本の経常黒字が多いのは良くないというような話をしていて、もはや意味が判らんというか支離滅裂というか。
『円安のまず国民生活への影響についてお伺いしたいと思います。(途中割愛)輸出者である企業は大変この円安基調を背景に潤っておりますけれども、そのしわ寄せが輸入者である国民の負担となっているのではないかと私は懸念しているんです。』
ほほう。
『特に、最近は生活必需品の輸入が目立つようになっておりまして、こうした生活必需品価格の上昇が実感として顕著なものになっております。例えば、年収千五百万円以上の世帯では日常生活品の購入は三七%なんですけれども、今格差が広がっていると言われていますけれども、年収二百万未満の低所得者世帯では生活必需品の購入割合というのは六七%なんです。そうしますと、当然実感するコアのCPIは、今年四月以降、前年比プラスに転じております。そういうふうなCPIの上昇要因の分析も踏まえまして、これらの生活必需品の価格上昇が低所得者層への負担増加につながっている。』
ほうほうなるほど。
『こうしたことがよく都市部と地域の所得格差ですとかいろいろ言われますけれども、実質的にこうした円が弱いということが所得格差の拡大につながり、これが為替政策の私は負の部分だと考えるんですけれども、こうした格差の拡大や低所得者層の負担の増加について、大臣、政府はどのように認識しておられますか。』
論理の飛躍がすげええええええ!!!です。えーっと生活必需品とやらに対する輸入品の割合は幾らになるとか、輸入原価に対する販売価格の寄与がどの位とか、生活必需品じゃないものに輸入品はどの位あるのかとかいう話が全部華麗にスルーされているのですが・・・・・
まあアジ演説のガイドラインとして読めば勉強になる(ならないか)のですが。
で、まあどう見てもお馬鹿としか言えない問答が続くのでありますが、外準を巡る話の部分がまた驚倒すべきものであります。質疑応答の最後の方。
『○円より子君 それでは、もうあと時間が少なくなりましたので、外貨準備の運用の在り方について質問させていただきたいと思います。(長いので割愛)こう見ますと、対米経常収支黒字と外貨準備はもちろん今中国が日本を上回るんですけれども、官民合計の米国債保有残高は日本が中国を上回っております。 こういった点について、政府は本当にどのような基準で積み上げていらっしゃるのか、この巨額の外貨準備ですね、お伺いいたします。』
『○国務大臣(額賀福志郎君) 先ほども若干話があったわけでございますけれども、通貨の安定のために将来為替介入する場合も予想されるわけでございますから、そのために準備を持っているということは当然であります。(以下これも長いので割愛)』
『○円より子君 今また何かがあったときに介入をするためにとおっしゃいましたが、今全部ドル建てで、ほとんどドル建てで持ってるんですね。例えば、ユーロの場合は金で四〇・七%です。日本って金は一・五%程度しかたしか持ってないと思いますし、インドでも四・二%、ロシアでも四・九、イギリスでも七・一、金を持っています。 日本ってほとんどドル建てで持ってるわけで、それで介入をするということは、ドルをお売りになるんですか。』
・・・・・・・(呆)
『○国務大臣(額賀福志郎君) いや、だから、それはどういう状況に、為替の状況によって、為替があんまり混乱をしないように考えるわけでございます。』
『○円より子君 ドル建てで持ってる外貨準備のあれを売れば、ドルはますます暴落します。そうしますと、先ほど申しましたように、どんどんどんどん毀損していくわけですよね。更なる毀損を呼んで、まるきり日本の財産をなくすということになりませんか。』
外準使って通貨介入するのは自国通貨防衛の時だろう常識的に考えて・・・
というか、このセンセイ先ほど円安はケシカランって話してたんだからドル暴落歓迎じゃねえのかと思うのですが(苦笑)。
『○国務大臣(額賀福志郎君) ですから、我々も、円が急激な変動があっては経済の安定に支障を来す場合もあるわけでございますので、そのためにそういう外貨準備をしているということでありますから、その状況状況によってどういうふうに対応するかは考えていくわけでございます。』
『○円より子君 この三、四年はたしか介入一切なさってないんですが、もう物すごい額の介入をその前はやっていらしたんですよね。そういう介入のときも、どうも財務大臣等が余り相談に乗っていらっしゃらないような気がするんです。国会での質疑もほとんどありませんし、チェックなしに介入というのはやられてますし、こういう外貨準備の、今の大臣のお話を聞いていれば、なぜ介入をしたり、なぜ外貨準備がこれだけ増え続けて必要なのかということに対しての御認識が、どうも大臣としての資格の点で、資格なんてそういうことを言っちゃいけません、申し訳ありません。大臣としてあんまりよく分かっていらっしゃらないんじゃないかなという気がして、大変不安でございます。』
どう見ても質問者の方が全然よく分かっていらっしゃらなくて大変不安です。で、この発言続きがあるのですがこれが酷い。
『(続き)この私の時間もうなくなってまいりましたけれども、本当に、今外貨準備高からその金額、百兆を超える中から介入をしようということはドル売りだと思うんですが、それでよろしいですか。』
『○国務大臣(額賀福志郎君) だから、そういうことを、我々が何を幾ら持っていて、こういうことを今やろうとしているとか、やりますとかいうことについては大臣にはちゃんと報告があり、また協議をした中で考えていくことになります。したがって、為替の安定のために我々が今の時点でこうする、ああするということを言うべきではありませんが、きっちりと為替の安定のためにはしかるべき措置はとりますということであります。』
この質疑応答の途中から額賀大臣どうみても質問者の馬鹿さ加減にイライラしている感じで実に楽しいですが、確かこの質問者は民主党の副代表だったとあたくし認識している訳でして、会議録見てるこっちのほうがアホさ加減に絶望してしまいますな。
かつて自由党があった時は、金融関係の国会論戦って自由党の質問者が中々いいツッコミをしてて(共産党は時々拍子外れな質疑をすることもあるけど、結構良い質疑をします。持ち時間が少ないのが残念ですが)、結構政府サイドがたじたじになったりするのを見るのが楽しかったのですけれども、最近は珍獣観察のネタ拾いに国会会議録を見るようになっている自分にも絶望した!なのでありまする。
#ベタベタ引用で増量になりまして恐縮至極です。
ということで珍獣観察の巻でありました(^^)。
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2007/11/06
○ニュース雑感
・民主党の騒動
最近もネタにしましたけど、金融政策に関する民主党の国会質問を見ますと、どう見ても支離滅裂です本当にありがとうございましたというのは明白でして、一事が万事と申しますように、小沢代表が「政権担当能力が無い」というのは実に同意するものであります。で、小沢さんとしてはサラミ戦術を狙ったんでしょうかねえ(ハンガリー共産党、サラミ戦術で検索して下さいな)とか思うのですが、恐らくそのサラミ戦術は自民党だけではなく民主党にも向けられるものだったのかなあとか考えるのであります。
・パキスたん
昨日の昼に何となく情報ベンダー見てたら「カラチ株式市場が2%(くらい)安で始まる」というヘッドラインが出てきてちょっとビックリ。非常事態宣言中なのに株式市場が堂々オープンとはその妙な落ち着きぶりにある意味感動しました。夕方見たら6%ほど下がってましたな。
いやまあそれだけの話なんですけどね。
・サブプライム問題
東京市場に上場した当日夜にサブプライムで巨額追加損失の可能性示唆とはこれまた見事な食い逃げ上場で、東証は何か文句言わないんですかねえ(言う根性ある訳無い)というメリケン様の企業を始めとして、どうもサブプライム関連は大変によろしい感じで疑心暗鬼の連鎖になってきているようで誠に香ばしい。
どっかが大損→うちがそうならてめえもそうだろ→お前のところ投資判断格下げというような感じで、実に素晴らしいうんこの投げ合いと化してきているようでございまして、いやあ日本の教訓から結局学べないのねえとか思う次第。こっちに延焼して来るという問題もあるのであまり大笑いして眺める訳にも逝かないのが残念でありますが、まあそもそも金融工学を駆使したご立派な仕組債でAAAなのにL+50とかいう商品なんぞ大っ嫌いなあたくしとしては香ばしい展開が広がるのは天罰でしょ天罰としか申し上げようがございませんので、あとは火の粉がかからないように注意しないといけませんな。
しかしどう見ましても時価評価暴き合い(というか刺し合い)大会をやるのは不毛と思われますので、ここは一発我が国のように巨大洗濯機を幾つか作ってそこに暫くぶち込んでおく方向で。
しかしFEDが利下げ打ち止め示唆した途端にサブプライム地雷爆発ってもう「利下げクレクレ」モードに突入ですわなあという感じでバーナンキ先生大変ですねえと思うのですが、一部は自分で撒いた種でもありますからまあ頑張りや〜♪
・金融といえば
そういや国内金融機関の中間決算では全体的に昨年同時期と比較して預貸利鞘が縮小してたと思うのですが、量的緩和解除のあたりで「金利が上昇したら金融機関の収益が改善するので買い」とか絶賛してた金融セクターアナリストの皆さん(特に海外系)におかれましては以下暴言(^^)。
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2007/10/31
お題「今日もひねもす国会見物」
国会会議録の引用のため、本日もまた増量となっておりまして恐縮至極でございまする。
○残念な事にツッコミ不足の質疑
昨日ご紹介したミンスのネクスト金融担当大臣のトンマな質疑の翌日に行われた(ので10月24日)の衆議院財務金融委員会の会議録が昨日アップされたので、展望レポート待ちの(^^)あたくしは早速査収(例によって直リンのアドレスが上手く取得できなかったので、衆議院HPから辿っていただきたく存じます)して拝読。
稲葉理事に質問をしたのは民主党の鈴木克昌氏でして、会議録の真ん中あたりからになります。質問の方向がどうも格差社会の話になっているのでツッコミ方がちょっと外してるなあとか思うのですが、昨日ご紹介したネクスト金融担当大臣(笑)よりは遥かにマシな香りが。というか民主党ってどういう人選してるんだよとか思うのですが。
『○鈴木(克)委員(前半割愛)そこで、現況の物価とか景気を含めて、二点ほど日銀にお伺いをしていきたいというふうに思うんですが、今申し上げたように、日銀の業務の目的は、言うまでもなく物価の安定だということになるわけでありますが、これは、当然のことながらインフレのみならずデフレに対しても言えることだというふうに思います。現実を見てみると、いまだ政府がデフレ脱却の宣言を出していないということに示されておるように、我が国経済は目下デフレ状態にある、私はこのように思っています。』
『平成十一年に消費者物価がマイナスを示すようになってから、八年になるわけであります。この間、日銀がゼロ金利政策を継続してきたことはもちろん承知をしておるわけですけれども、しかし、この物価安定の観点から、デフレについて日銀はどのような見解を持ってみえるのか、まずお示しをいただきたいと思います。』
前日の質疑ではバブル発生の原因がどうしたのとか、方向性として利上げしろっぽい感じでしたが、前日とは打って変わって今度はデフレについてどう思うかという質問。いやまあ個人個人で質問が違っても良いのですけれども、この政党が与党になったら金融行政が支離滅裂になりそうな悪寒がするのですが。
稲葉理事の答弁がこれまたやたら長い。
『○稲葉参考人 デフレについてでございますけれども、このデフレという言葉でございますけれども、これは人によってさまざまな意味に使われることがございます。例えば、物価の下落というのをデフレというふうに指す場合もありますし、土地とか株といった資産価格の下落をデフレといったようなことで表現することもあります。さらに、景気が悪いとか経済活動の落ち込みといったものをデフレと表現することがありまして、物価指数の下落に関しましても、例えばそれがどの程度の幅で、どのぐらいの期間で続くかによっても、それをデフレと言うか言わないか、人によって論じ方が違うというのが実情だと思っております。』
・・・・・はてさて。
『したがって、こういったデフレという言葉は注意して使っていく必要があるなというふうに思っておりますが、日銀として大切なことは、日本経済が物価安定のもとで持続的な成長を続けていくことができるかどうかということがポイントではないかというふうに考えております。委員が先ほど御指摘にありましたように、日銀法におきましても、金融政策の目的は、物価安定を通じて国民経済の健全な発展に資することというふうに記されておりますが、これもそうした考えに基づいているのではないかというふうに思っております。そういった観点から現在の日本経済を見てみますと、景気は緩やかに拡大をしております。そして、先行きについても、息の長い成長を続けていくと考えております。』
『一方で、物価面の方でございますけれども、消費者物価の前年比、足元ゼロ%近傍でございます。目先も、物価は前年比がゼロ%近傍ですから、言ってみれば、横ばい圏内で推移するという可能性が強いと考えておりますし、より長い目で見ますと、プラス基調を続けていくというふうに予想されます。したがいまして、日本経済は物価安定のもとで持続的な成長軌道にあるんだ、今後とも息の長い拡大を続けていく可能性が高い、こういうふうに考えておりまして、こういった状況をできるだけ長く続けていくことというのが大事なことではないかと考えております。』
ということで、結局デフレであるというのを認めませんでしたな(苦笑)。そりゃまあ認めると諸般の不具合が発生するのは判りますが、これはどう切り返すかの例として鑑賞されると吉かと(何のこっちゃ)。
で、鈴木さんの返しはこうなっています。
『○鈴木(克)委員 今いろいろおっしゃったわけでありますけれども、やはり、いわゆる物価を通して民生の安定を図っていくということであるならば、もう少し、日銀のリードというのか、そういった姿勢が示されてもいいのではないのかな、こんなふうに私は思って、今のお話を伺っております。』
で、この話を敷衍(日銀と政府でデフレの定義が違うのは変じゃねえかとか、インフレターゲットを導入するとかね)してくれると興味深い話が聞けると思うのですが、話はここで転換してしまうのが実に惜しい。
『続いて、いわゆる物価がそういう状況にあるにもかかわらず、賃金も横ばいないし下落をしておる。先ほど私は数値を申し上げたとおりであります。百貨店の売り上げも横ばい、そして、あえて言えばマイナスかもしれません。結局、先ほどから申し上げているように、大企業の収益は拡大をし、そして、それに伴って設備投資は伸びても、人々の所得が伸びないがゆえに、消費が一向に伸びていない、こういういわゆる循環だと思うんですね。』
『最近は特に心配な傾向がありまして、所得が伸びない中で、いわゆる原油価格が想像を超えて上昇しておるということ。それから、例えば海外のトウモロコシの話でわかるように、いわゆる原材料が値上がりをしておる。ということで、要するに、ガソリン価格だとか食料品が値上がりするという傾向があるわけですね。結局これは、庶民に、家計にもろ響いてくるわけですよね。こうした状況を、まず日銀は、ではどのように今考えてみえるのか、御答弁ください。』
質問の論点が拡散しすぎで面白い答弁にならないのですが・・・・と思えば案の定でありまして、応答は引用するほどのこともない毎度お馴染みの公式見解でございました。ということで稲葉理事の答弁は割愛しまして(おい)、家計は今後もよく見る必要がありますねというお話に留まりました。で、鈴木さんのまとめ。
『○鈴木(克)委員 日銀に対する質問は以上にさせていただきたいと思いますが、私が申し上げたいのは、要は、どこに目線を当てるかということなんですね。さっき申し上げました、景気のいい大企業、そして富裕層、明らかにそういうところはありますよね。だから、全部をならしてしまえば、何にも悪くないじゃないかということなんですが、先ほどから言っているように、要するに、格差なんですね。明らかに困ってみえる人たちがふえておる。その人たちは、まさに今家計を直撃されて大変な状況にある。どこに光を当てていくかというか、目線を当てていくのかということだと私は思うんです。』
折角最初の部分で面白くなりそうな話をしてたのですが、結局格差問題でございまして、まあ日銀としてはホンネの部分では「金融政策というマクロの政策で格差問題を是正しろとか言うのは筋違いでしょ」とでも言いたいんでしょうけれどもね(^^)。
と申しますか、もうちょっと真面目かつ建設的(かどうか知らんが)に考えますると、野党様のこの手の筋違いな質問は「それは筋違いです」って指摘しないと国会の論戦がただの時間の無駄になり、おおげさに言えば国家としての損失に繋がるんジャマイカと思うのですが、何せ国会議員のセンセイ達はそういうの受け付けてくれないでしょうからねえ(嘆息)。
『そういう意味で、私はぜひ、物価の中心に景況感を見ていくということであれば、そういうようなスタンスというのを、なかなか、支店長さんを集めて、どうですかと言えば、それはやはりいいところの話が多くなるわけですよ。そうじゃなくて、家庭の主婦を集めて、どうですかと聞くぐらいのスタンスをやはりとっていくことが、物価の番人、経済の番人である日銀に課せられた一つの大きな使命ではないのかな、このことだけ私は申し上げておきたいと思います。』
最後は家庭の主婦を集めろですか。出だしが比較的まともだっただけに残念無念としか申しあげようが。。。
○ちなみにこの日の質疑応答で面白かったのは別の所
ということで、実はこの日の質疑応答で面白かったのは、鈴木委員の前に登場した民主党の福田昭夫委員と渡辺大臣の質疑応答なのでありました。
『○福田(昭)委員 民主党の福田昭夫でございます。(中略)初めに、足利銀行が破綻処理された理由についてお伺いをいたします。一つ目は、破綻の理由についてでございます。当時、大臣は四つの説を、巷間うわさされているということで、よく話をされておりました。(中略)足利銀行はなぜ破綻処理させられたのか、大臣の御所見をお伺いいたします。』
ということで質疑応答が始まるのですが、まあ質問する方も結果後出しじゃんけんの香りがしますが、当時渡辺大臣が勇ましく発言していた点を突っ込んでおりまして、会議録を見ると『○福田(昭)委員 それは違うんじゃないですか。』が連発してて中々オモロイです。最後の方では渡辺大臣もこんな答弁に。
『○渡辺国務大臣 当時、私は野党みたいなものでございまして、政府の中にいたわけではございませんので、政府の中のいろいろな情報というものは知る立場にはございませんでした。また、野党的な立場であったということでございます。したがって、その当時の私の発言をとらえて今と違うではないかと言われても、これは、今私は、金融大臣として、地元の立場ではなくまさに国民全体の立場に立たなければいけないことでございます。したがって、地元密着型金融の足利銀行の再生を図るという点では、地元の金融仲介機能が永続的な形で行われるということはよく考えておりますけれども、四年前の私の立場も御理解をいただきたいと思います。』
いやはや何とも。
ちなみに、4つの説どうのこうのというのは平成15年12月4日の衆議院財務金融委員会で渡辺委員が竹中大臣(当時)にツッコミを入れている話でして、158回国会ですので検索機能とか使わなくても「衆議院HP」→「会議録」→「財務金融委員会」の画面で「第158回」というのをクリックすると見つけられますのでご覧いただければと。
いやあ、勇ましい発言もやりすぎると自分に降りかかって来ますなあ(自戒)。
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2007/10/30
○ネタが無い時は国会ウォッチング
会議録の直接のURLがうまく表示できなかったのでURLをご紹介できませんけど、23日火曜日に行われた衆議院財務金融委員会での問答をご紹介したいと存じます。なお、検索する際は「衆議院HP」→「会議録」→「財務金融委員会」で会議選択画面が出てきますのでそちらから選択ありたし。
稲葉理事が国会で「バブルの原因は何でしたか」とか答弁させられていた回でありまして、その質問をしたのが民主党の大畠章宏委員でして、質問順が2番目ですので会議録の中盤以降になります。まずはその稲葉委員との問答。
『○稲葉参考人 バブル発生の原因についてのお尋ねでございますが、いわゆるバブル発生につきましては、現在もなお、いろいろ、さまざまな議論がございます。実際、さまざまな要因が作用したというふうに考えられますけれども、その中でも、長期にわたる金融緩和が、その一端があったということは否定できないんではないかというふうに考えております。当時のバブル発生に至る金融政策を振り返ってみますと、国内経済、一九八五年のプラザ合意以降の急速な円高進行、そのもとで、デフレ効果が強く懸念された状況にございました。このため、日本銀行は、当時の政策金利であります公定歩合を二・五%まで引き下げて、その水準を一九八九年まで据え置いたというわけでございます。』
『このように、金融緩和が長期にわたって維持されたわけですが、その背景につきましては、第一に、当時は景気の回復傾向が次第に強まっていましたけれども、足元の物価の安定基調は維持されていたということがございます。そして第二に、何よりも、国際的に大幅な経常黒字の是正、あるいは円高の回避というのが優先的な課題として考えられていた、こういった事情が指摘できると思います。』
ほほう左様でございますか。
『それで、金融政策面での教訓を、こういった経緯からどう酌み取るかということでございますが、やはり第一に、経済が抱えるリスクがあれば、極力早期にこれを把握して、予防的に対応していくということが大事なことではないか。そして第二に、為替相場の安定とか黒字の是正といったことのために過度に金融政策に頼るというのはやはり好ましいことではなくて、やはり金融政策はあくまで物価の安定というものを目標にしていくことが重要ではないか。こうしたことが重要な教訓として挙げられるのではないかと考えております。』
何となく無難にまとめつつ予防的な金融政策についてアピールでございますかそうですか。
で、まあ稲葉理事の答弁が特にこう驚倒するものではなかったという(当たり前ですが)のを確認したところで、この後の渡辺大臣のごく穏当な答弁に対して訳判らんいいがかりをつける大畠委員の香ばしさを鑑賞致しましょう(^^)。
質問自体が稲葉参考人と渡辺大臣に向けられたものでしたので、この稲葉さんの答弁の次に渡辺さんがごくまともな答弁をしております。
『○渡辺国務大臣 バブルというのは崩壊してみないとわからないものだとグリーンスパン議長がおっしゃったそうでございますが、八〇年代後半のバブルの原因が一体どのあたりにあったんだろうか。いろいろな研究を今内閣府の研究所の方でしているそうでございます。(中間割愛)したがって、我々はこの歴史の教訓に学ぶことが極めて大事でございまして、バブルというものが破裂してみないとわからないと言うには余りにも手痛い教訓を我々は負ったわけでございますから、常に危機管理の先の先を読む、そういう行動が必要であろうかと思います。(以下略)』
まあ仰るとおりでございますが、これに噛み付く大畠委員が何とも。
『○大畠委員 バブルというか、金融の危機も起こってみなければわからないような話を大臣はされましたが、確かにそういう側面もあるかもしれぬけれども、それでは、金融庁とは何なんだ、あるいは日銀とは何なんだ、政治とは何なんだという不信になりますよ。』
・・・・・?????
『私は、金融庁のこのパンフレットをいただきました。私も、先ほど言いましたように、金融の方は、お金を借りることはあってもなかなか貸す立場はやったことがありませんから、いろいろ調べさせていただきましたが、今の大臣の御認識では困るんですね。それだったら、私と同じような、借りる立場であればいいけれども。』
前後の質疑応答を読んだのですがパンフレットが何書いてる物なのかよく判らなかったのですが、この部分は一体全体何を言ってるのか益々判らんですな。借りるだけで貸さなかったら金融は成り立たないんですけど・・・・・???
で、なお続く。
『私はあのとき、大臣も学生時代だったかもしれませんけれども、一九九〇年の前のころ、一九七〇年、八〇年、九〇年、あの当時、何かおかしいと思いましたよ。だって、朝八時から夕方五時まで一年間働いた人の年収よりも、土地を買って転がした方が何億も入るなんということがあの当時あちこちで散見されましたよね。そんなものが続くわけがないと思った。だから、そういうものは突然起こってみて初めてわかるんだという大臣の認識では困りますね。これは大臣、それはあちらさんはそうかもしれないけれども、日本の金融大臣がそんな見識では困りますよ。』
どう見ても後出しじゃんけんです。本当にありがとうございました。というかそんなに判るなら是非投資家をやって下さいwwww
でね、この大畠センセイって一連の質疑応答の中で信用組合の所謂卒業生金融問題に質問したり、保証協会の保証責任が100%じゃなくなった件とか、貸出への個人連帯保証制度に一生懸命文句を付けているのですが、質問が全体的にピントずれているの感が拭えません(が面倒なので割愛)。
それよりもこちらのセンセイが質疑の最初の方で「金融とは何か」と渡辺大臣に質問した後にセンセイの所信らしきものを述べた部分が実に香ばしい。
『○大畠委員 私も、この金融についてはそう深い見識を持っているわけではないんですが、結局は、すべては世のため人のため、これが私は金融の原点なんだと思うんです。ある方は、人様から預かったお金だから安全第一で運用しよう、そして、奉仕が第二、第三にはやはり収益なんだと。やはり、そういう基本をもってすれば、かつてのように、土地を買いあさって転がして巨額な益を得るという、いわゆる大手銀行がかなり走りましたよね。それが結局は金融不安を生んで国民の皆さんにも大きな負担を与えたことは事実です。』
銀行が土地転がし・・・・??いやまあいいですけど、安全第一で運用して奉仕しろってそれで収益が上がるなんて世の中甘けりゃ誰も苦労しませんが何か??
『ここら辺をどうやってコントロールして、国民のための金融あるいは中小企業のための金融という形にするかというのが原点なんだと私は思います。』
はいはいワロスワロス。で、なお笑えますのはこのセンセイ、同じ発言の続きの部分でこんな事言ってるんですな。
『郵便局を民営化する、反対するのだったら刺客を出して殺すぞ、こういう強権政治といいますか、強引な政治をずっとやってきたんです。国民は、どうもその政治はおかしいんじゃないか、このままいったら日本はどうなるんだという不安感を持って、さきの参議院選挙では自民党が、大変残念ながら大敗をされたんでしょう。』
えーっと、民間企業であります所の銀行が安全第一で運用して奉仕した挙句に収益は後回しという話は良い強権政治で小泉改革は悪い強権政治という理解で宜しいでしょうかねえ。
と、いう訳で、この大畠委員の質疑応答部分は珍獣観察という意味で中々面白く(渡辺大臣の「愛の構造改革」も飛び出すので大変にオモロイ)読めるのですが、一つだけ大きな問題がございます。それは大畠委員の答弁の冒頭部分でございまして・・・・・・
『○大畠委員 民主党の大畠章宏でございます。私は、民主党の次の内閣の金融担当大臣というものを命ぜられまして、そういうことから渡辺金融担当大臣の所感について質問をいたします。』
>民主党の次の内閣の金融担当大臣
>民主党の次の内閣の金融担当大臣
>民主党の次の内閣の金融担当大臣
・・・・・・・・(-_-メ)
という訳で別にただの三下でしたらどうでも良いのですが、最大野党が選挙に勝ったら金融担当大臣になる予定の人がこれでは甚だ困るとしか言いようが。民主党さん勘弁してください。。。。。
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2007/10/25
○民主党の金融政策・・・・・・
昨日と一昨日の衆議院財務金融委員会に稲葉理事が呼び出されておりまして答弁させられています。で、実際の内容は後日(1〜3週間後)アップされる会議録を見ないと何ともなのでありますが、とりあえずブルームバーグニュースを参考にしますと・・・・・
一昨日の質疑応答ではこんな事を言ってた(言わされた)ようです。ソースはブルームバーグニュース23日11時59分配信の記事です。
『日本銀行の稲葉延雄理事は23日午前、衆院財務金融委員会で、1980年代後半のバブルを引き起こした原因について「長期の金融緩和にその一端があった」と指摘。そのうえで、バブルの教訓として「予防的な金融政策が大事」であり、「為替相場や貿易黒字の是正ために(原文ママ)過度に金融政策に頼るのは好ましくない」と語った。民主党の大畠章宏氏の質問に答えた。』(ブルームバーグニュース)
たぶん大畠さんとしては「低金利継続がバブルを発生させる」という答弁をさせようとして質問をしたのではないかと思うのですが、そもそも80年代後半の期待収益率と今の期待収益率は思いっきり違いますし、ストック調整とか散々やらかした後とその前ではマインド違いますしとか、そもそも論として経済の条件が違うわけでして、そりゃまあ昔のことから教訓を得るというのは大事ですが、昔のことをそのまま今に当てはめて良いのかというとそれは疑問なんですけど。
ということで、どうも民主党的には自民党との対立軸をこんな所でも出すべく、「低金利継続を押しつける自民」VS「低金利継続の弊害を訴える民主」みたいな図を作りたいんでしょうかねえとか思うのですが、この問題に関しては変な対立軸で政治的なお話になるのは如何なものかと思うのであります。
ただし、以前も「民主党の金融政策論議は訳判らん」という悪態をついたと思うのですが、民主党が金融政策の話を国会でするのを見てると言う人によって方向性が違うというのもあるのがややこしいのですが、基本的な論調としてはどうも大畠さんが質問しているような構図になっているように見える次第でして、来年の正副総裁任期切れに向けて実に不安があるのでございます。
ちなみに昨日の衆院財務金融委員会では景気見通しなどについて質問されたようですな。ソースは24日11時02分のブルームバーグニュース記事。
『日本銀行の稲葉延雄理事は24日午前、衆院財務金融委員会で、「景気は緩やかに拡大している。先行きも息の長い成長を続けていくと考えている」と言明。生鮮食品を除く消費者物価指数(コアCPI)前年比についても「目先、横ばい圏内で推移する可能性が強いが、より長い目でみると、プラス基調で推移すると考えている」と述べた。民主党の鈴木克昌氏の質問に答えた。』(ブルームバーグニュース)
まあこっちは普通の質疑応答のようですが、どんな質問してるのやら(正直、どう答えているかはあまり気にしてないっす^^)というのは気になるところでありますので、会議録がアップされたら改めて確認したいと思います。
まあ何ですな、そもそも民主党が何か勘違いしてるんじゃないかと思うのは、日銀が利上げするのを政府と自民党が文句垂れまくって止めさせてると見ている(ように見える)構図でありまして、自民党は兎も角として、国債費が増えると困りますなあという財務省様の懐具合を勝手に忖度すると、「日銀が正常化路線をやってくれれば長期金利が跳ねない形で推移するのでむしろ願ったり叶ったり」なのではないかと思うんですよね(ここでは景気が悪いので金利を上げられないのではという議論はあえてスルー)。すなわち、低金利引っ張り過ぎという認識が世の中に広がり、なおかつ低金利を政策当局が引っ張ろうとした場合って、長期金利が気持ちよく上昇してイールドカーブは立ってくるわけでして、その時の長期金利上昇の破壊力は結構あると思うので、実はマイルドに利上げ路線を(やるやる詐欺状態でも可なのではと思うけどその話はまだ考えてないので割愛)継続した方が国債管理政策上はオイシイかと思うのであります。
全て勝手な妄想ではございますが、そんなこんなを考えますと、経済状況が良好な状態であればという大前提条件は勿論つくのですけれども、正常化路線をとられても政府困らんのではないかと思うんで、その点は民主党はなんか勘違いしてるように思えますな。
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2007/10/22
○どうでもいい雑談ですが
ネタがないときは国会会議録を見るのが面白いのですが、今国会ではあまり金融ネタが無いのでどうにもこうにも。
この前首班指名で衆議院と参議院の票が割れた訳ですが、両院協議会というものでどういう協議をしてるのかというのが興味ございまして議事録を見ました。
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kaigirok/daily/select0305/168/16809250034001a.html
どう見ても協議してません。本当にカムサハムニダ。(まあ協議のしようもないので予想通りですが^^)
#本当はqh-nuさんのところ(http://d.hatena.ne.jp/qh-nu/)でネタになってた15日の参議院予算委員会見たかったのですが、何故か16日以降の方が先にアップされてるみたいなので(^^)。
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2007/10/19
○久々に本の紹介
今回は気に入った所をちょっと引用しちゃってみるのです。
・「会社は頭から腐る(冨山和彦著、ダイヤモンド社)」
この方のキャリアを最初に拝見した時には「机上の空論なコンサルさんですか」とか思ってたのですが、著書を拝読致しましてあたくしが物凄い勢いで完全に誤解していた事が判りました。誠に申し訳ない(って誰に謝ってるんだ?)というか、自分のアホさに汗顔至極。
どこを読んでも面白いのですが、ニヤニヤと思ったのは第1章の本書15ページから始まる小見出し『大企業の中間管理職は半分に減らしても業務をこなせる』という部分。17ページの中盤を引用致します。
『だからスタッフ部門の「忙しくて手が足りない」「忙しいからちゃんとした分析や計画書を出せない」という話はだいたい、話半分に聞いておいて大丈夫である。そのような状況下ではスタッフ部門の人員、とりわけ管理職やそれに準ずる中高年オジサンの頭数は思い切って減らした方が業務遂行能力も意思決定のスピードと的確性も向上する。スタッフ部門のパラドックスはインテリが多い組織ほどその深刻さを増す。』
耳が痛い・・・・
『その極致が政府の官僚機構である。大雑把にいうと、この手の中高年インテリスタッフ比率の高い組織では、上のほうからスタッフを半分くらいに減らしてもほとんど障害は起きない。以前ミスミの創業者である田口弘社長(当時)から「人が足りないという部門からはむしろ人を取り上げたほうが本質的な効率改善が進むものだ」といわれて「うーむ」と頭を抱えたことがある。田口さんはこのようなパラドックスを見抜いていたのであろう。』
物凄く耳が痛い・・・・・
ISBN978-4-478-00070-0 C0034 \1500
・「満鉄全史 「国策会社」の全貌(加藤聖文著、講談社選書メチエ)」
満州国が成立して満業(満州重工業開発)が設立された後の鉄道会社としての満鉄ではなくて、日露戦争後に獲得した南満州の権益からスタートした国策会社としての満鉄の歴史を書いてますので鉄道マニア向けではありません。昭和史の本はよく見ますが、日露戦争から満州事変までの日本史に関連する本(かつあまり重くないもの)は意識して探さないと見つからないので、これは中々(ただし読者はかなり限定されるものと思われ)。
筆者あとがき部分の「エピローグ」から。本書207ページより引用。
『残念ながら近代の日本が国家として希求した国策は、場当たり的なものでしかなく何の統一性もなかった。松岡(引用者注:松岡洋右満鉄第14代総裁、のちの外相)は「満蒙は日本の生命線」と唱えたものの、では具体的には何をしなければならないのかについては、誰も明確かつ合理的な答えを持っていなかった。松岡や石原(引用者注:石原莞爾関東軍参謀、のちの陸軍大将)のように個人にせよ関東軍や外務省のような組織にせよ、それぞれが勝手な国策を唱え、総論賛成・各論反対の足の引っ張り合いを繰り広げるなかで日本の満州支配は進められていった。そして、その場当たり的な国策があらゆる民族に限りない悲劇をもたらす結果を招いたのだ。』
『しかも強力な指導者や指導層によって進められたわけではなく、国策に関わったものたちがいずれも部分的な役割しか果たしていないこと、さらには足の引っ張り合いによって誰もが多かれ少なかれ不満を抱えていたことがかえって責任の所在を曖昧にし、今日まで日本人の意識のなかに底流しているのだ。こうした日本がかかえる根本的な問題をわれわれのまえに指し示してくれる具体的な象徴が、国策を遂行する機関として生み出された国策会社であり、その最たるものが満鉄だったといえるだろう。』
ISBN4-06-258374-7 C0321 \1600
#引用長くてスイマセンでした。。。
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2007/10/18
○そのマーケットコメントは如何なものかと
ちょっと前に害債さんの所で某ベンダー様の出来の宜しくないインタビュー記事への苦言があった訳ですが(→http://ensaigaisai.at.webry.info/200710/article_6.html)、同じベンダー様の金利市況解説記事(「金利マーケットアイ」ってお名前なんですが)を見て思わず飲んでいる茶を噴きそうになりましたよ。
『<12:50>FB落札金利が小幅上昇、入札ラッシュや年末越えで』
という部分で、まあ色々と書いてあるのは良いのですが、その水準についてのコメントで・・・・・
『短国に対する余剰資金の運用需要は根強い中、「利上げ時期を気にしなければ、0.6%台は買える水準」(邦銀)という。』
というのがございましてぶっ飛んでしまった次第(^^)。ちなみに入札の札入れ後の11:55の記事でも『「利上げを加味しなければ、0.6%を超える居心地のいい水準になっており、投資家の買いが戻っている可能性もある」との指摘があった。』って書いてあるからまあ同じ人のコメントなんでしょうけれども、ちょっとそのコメントしたのどこの誰だと小一時間問い詰めたいのですけれども。もっと長い金利見てる人だったら政策金利が11月に上昇しようと12月に上昇しようと本質的な問題ではなくて、全体的な方向性とかが大事ですからねえとかコメントしても何らおかしくない(というか足元何月かを気にし過ぎじゃろと)のですけれども、あのFBは国債だけど短期金融商品ですが、その購入に「利上げ時期を考慮に入れない」ってどんな勇者だよと(笑)。
というかこんなコメントを記事にしちゃう編集も編集。あたくしが極めて勝手に妄想するに、この超越コメントを出した人も恐らくこんな趣旨の話をしてたんじゃなくて、「年内の利上げが無いという見方であればこの水準でも何とかなるでしょう」という趣旨のコメントをしたのに、聞いた方が脳内伝言ゲームによって上記のような話に改変してしまったという事なんじゃないかと思うのですよ。
ちなみに、先週の2か月FB入札の結果を紹介してた同じ市況解説コーナーでは「2か月FB落札金利が急低下」とあり「何を書いとるんじゃこいつは」と思ったら比較してたのが8月に行われた2か月FB入札(利上げ確実とか言って足切りが0.77%まで流れた奴)と比較して急低下とか。大丈夫ですか某社さん。
○サブプライムの問題先送り話
そもそも論としてプレーンな物が大好き(オプションくらいまでは手を出しますが)なあたくしは仕組商品と聞いただけで自動的にシャッターが降りる設定になっておりますので、ど〜も本件に関してはよー判らんという不見識発言をする訳ですが、同じく害債さんのこのエントリーをスタートにして勉強したいところでございまするという要するに人のエントリー紹介でありました。
http://ensaigaisai.at.webry.info/200710/article_11.html
スーパーコンデュイット、M-LEC=SIV資産買取機構
ちなみに本石町日記さんの最新エントリーでもこのネタ
http://hongokucho.exblog.jp/7589624/
共同債権買取機構を思い出した=サブプライム支援基金
このスキーム、直感的に飛ばしっぽいと思ったのですが、どうもやはり飛ばしのようでございますな。人の国の時は散々批判して手を突っ込んでおいて自分の所では時価評価も誤魔化して問題先送りで清算しないとはさすがはダブルスタンダードのジャイアン国家でございますなあと思うのでありますが、逆に言えばそのジャイアン振りが露骨なので正直者と言えば正直者なのでありまして、腹黒紳士の人たちとは違うもんですなあという所でもございます(^^)。
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2007/10/10
○意識調査関連雑感
景気ウォッチャー調査は相変わらず悪化してましたが、一方で日銀の生活意識アンケートを見ると生活感覚的な「暮らし向き」あたりは悪化してますが、雇用環境を見ると雇用不安の数字が微妙に好転してたり、物価意識に関しては改善というのかどうか微妙ですけれども「上がった」という数字がこの半年で大いに拡大しておりますという感じですな。
景気ウォッチャー調査までちとフォローできてないのでまあ見てて気になったら続編書きますが、物価上るわ景気は足踏みだわでは全く困ったもんですなあという感じではあります。ナムナム。
まーいずれにせよ今週の金融政策決定会合は動き無いでしょという感じであります。
○この正直者!
ちと古いニュースですが先週木曜の話。
13:42 04Oct07 RTRS:日銀の金融政策の間違いを実証する方向で勉強=自民金融政策小委
ということで、木曜に毎度お馴染み山本幸三先生が勉強会やっておられたという記事が出てたんですが(記事は日本語版ロイターから)、その中で山本委員長は委員会の位置づけに関してこのように仰せのようです。
『同委員長(山本さんね)は委員会の位置づけについて「いまの金融政策が間違っていることを実証する方向で勉強する」と明言。』
いやあ相変わらず先生正直者で宜しいですな。普通こういう勉強をして実証するのであれば、まずは本人の主張は兎も角フラットな態度で検討をした結果として「今の金融政策は間違っている」という結論が出てくるというのでしたら説得力が出ると思うんですけど、最初から結論ありきで実証するとか言い出されましてもそれはあの実証する態度として如何なものかと思うんですけど(^^)。
てか、日銀だけで経済状況をどうこうっていうのは何だかなという感じでありまして、所得税住民税の定率減税廃止などに現れたような「企業が儲かれば下々にも伝わる」理論で進んだ(ように見える)与党様絶賛ご実施でありますところの一連の税制改正とかの経済政策に関しての実証もしていただかないとフェアじゃないと思いますが、物価見るのにそんなの関係ねえなのかな?
記事によりますと次回はサブプライムローン問題に関するお勉強をするそうですが、それこそ金融政策と関係ねえ話でして、もし日本に影響あるというのであればバーゼルUとかの絡みになってくるので金融庁マター(日銀も絡んでますけど)になるんですけど・・・・・
まあ別に勉強するのが悪いとは思いませんが(全然フォローになってないですかそうですか^^)、山本先生初手から「日銀が間違っているのが前提」みたいな物言いしなけりゃ良いのにと思う次第でして、そういう時は建前でも「金融政策と物価動向の関係について実証する」とか一応「結論先にありき」みたいな印象を与えない言い方をした方が宜しいのではないでしょうか。まさに「この正直者!」といったところで、それが山本センセイの良い所でもあるんでしょうが・・・・・
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2007/10/09
○どう見てもイカサマです本当にありがとうございました
先週末の雇用統計。
http://www.nikkei.co.jp/kaigai/us/20071005D2M0502M05.html
どうせそのうちリンク切れになりますが、要するに雇用統計が良かったと言う記事。でまあそれはいいのですが、ご案内の通り雇用統計の過去分が上方修正されましたという話でありまして記事にはこのような記述が。
>8月の雇用者数は4000人減から一転して8万9000人増に改定された。
>7月の増加幅も6万8000人から9万3000人に変更された。
しかも改定されてるのが政府部門中心だそうですが、これは要するに「利下げを実行させる為に統計数値が悪くなるように操作しましたよ」ってことのようにしか見えない次第でありまして、これはもうどう見ても馴れ合いイカサマ統計です本当にありがとうございました。
という訳で、米国の雇用統計ってのは(ちゃんと記録とってる訳じゃないから体感的なもんですが)最近特に毎度毎度市場予想を外すような強烈な数字が出てきまして、しかもその数字が妙に政策当局にとって「都合の良い」数字が出てくるように思えるのでありまして、統計作成に恣意が思いっきり入ってるんじゃねえのかとか言いたくなるところであります。
ま、サブプライム問題でグリーンスパンがこの前「証券化したからやられを海外に押し付けられましたなあ(意訳)」という話をしてたのもそうなんですが、「制度を自分の有利なように使ってウハウハ」ってのも程々にされた方が宜しいのではないかと>メリケン様
#そういやどこぞの国のCPIでは基準年改定の際に誰も予想できない位にCPIが下が(ry
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2007/10/03
○本当の雑談:ネーミングでげげげと思ったもの2つ(^^)
ちょっと前に害債さんがネタにしてましたが、某社のビールで「ニッポンプレミアム」という名前を聞いた時に「いやあこのネーミング世が世なら嫌味以外の何物でもなかったですなあ」と思いましたが、つーかどうもその名前で良からぬ事を思い出すあたくしとしては、折角のプレミアムビールなのに全然美味い気がしなくて買えないんですが(笑)。
さて、そんなことよりもアレでしたのは今月発足した大阪方面の百貨店持ち株会社(でしたっけ?)様。いやあのですな、「H2O(エイチ・ツー・オー)」というネーミングを関西方面でおつけするとは金融業界の古傷に塩でも塗りたいのかと(苦笑)。その名前聞いて真っ先に思い出すのは「FH2O」(何の事だか判らない若人は金融業界10年選手に聞くこと^^)なんですけど(-_-メ)。(あ、関係者の皆さんスイマセンね。あの頃は関西ネームと言うだけでコール取れなかったりしてましたな)
ま、それを抜きにしましても「H2O」と言えば一曲だけ大ヒット飛ばしてその後どうなったか良く判らん(失礼)某歌謡グループを思い出すのでどうも一発屋さんのイメージがするとか言うと歳がバレますかそうですか(^^)。
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