分類不能の雑文
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とりあえずここにぶち込んでおきますが、いずれ整理する所存・・・と言い続けて早や4年以上整理していません。
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2010/03/26「国会ネタ続き、ベテランの筈なのに質問で何を興奮しているのだ舛添さんは??」
2010/03/25「国会より、その1:貸出金利は信用リスクではなく手間賃ですよという件、その2:舛添さんの質問が酷過ぎる件」
2010/03/04「久々の国会ネタで山本幸三VS菅直人および山本幸三VS白川方明」
2010/03/02「菅さんと亀井さんでは全然貫禄が違うという件について」
2010/03/01「菅さんのクレクレ攻撃とみんなの党の意味不明な金融緩和策」
2010/02/18「ギリシャ問題に関する北禿先生の恐るべきお告げ」
2010/02/16「菅さんが妙に普通の話を」
2010/02/09「ガイトナーと菅さんの妄言を2つ」
2010/01/27「相変わらず日銀に抱きつき心中の財務大臣」
2010/01/26「次は財政破綻宣言でも出すんじゃないかという悪寒」
2010/01/19「産経新聞で電波浴」
2010/01/15「微妙な人達の微妙な会見」
2010/01/04「大口大優遇のアローヘッド始動/新春読書室(ルワンダ中央銀行総裁日記)」
2009/12/22「一方はマニフェスト詐欺、一方はすっかり自分の立場も忘れた提言とな」
2009/12/01「政府は何やってんだか・・・」
2009/11/18「悪態の続きですが、武藤総裁への反対は反対の為の反対だったそうで」
2009/11/17「ひたすら迷走しまくっているようにしか見えない民主党政権に悪態を少々」
2009/11/09「亀井さんが日銀にモノ申すのは政治干渉ではないということですか」
2009/10/29「郵貯の資金を活用は良いのですが預金者保護の観点は大丈夫かと」
2009/10/22「民主党は武藤敏郎さんに土下座して謝罪すべきであると思います」
2009/10/13「取引所競争の結果零細投資家が置いていかれるのではないかという雑感」
2010/03/26
・舛添センセイの観察(続き)
昨日の
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kaigirok/daily/select0114/174/17403120014011a.html
の続きを少々(^^)。
国債買入について
『○舛添要一君 いや、だから、二十一・六を十二で割ったら一兆八千億になるんで、同じじゃないですか、月を十二で掛けりゃいい数字だから。だから、一兆八千億円なんですよ。だけど、まだ余力ありませんか。五千億円ぐらい余分に買えませんか。』
前半の方は良いとして、最後のはナンジャコリャ???魚屋の店頭じゃないんだからさあ・・・
で、この質問に対して、白川総裁がこのような発言をしていた件について、市場の中で「ということは今後の輪番拡大の時にしらっと超長期の買い入れを減らすのではないか」という変な説が出ていたという話は後から聞いた(^^)。
『○参考人(白川方明君) まず最初に数字を申し上げます。その上で考え方を申し上げたいというふうに思います。 現在、銀行券の発行残高は、二月末で七十七・一兆円でございます。長期国債の保有残高は五十一・六兆円でございます。したがって、両者の差は二十五・五兆円ございます。(途中割愛)
静的な現時点でのバランスシートを考えますと余力があるというふうな印象をあるいは与えるかもしれません。しかし、国債の買入れをどんどん行ってまいりますと、これは最終的にはだれかが日本銀行の負債を持ってくれている、つまり銀行券を持ってくれているからこそ実は買入れができるわけでございます。もしそれを超えてどんどん買っていきますと、最終的には日本銀行自身が国債を売る等の形で調整をしないといけないというふうになってまいります。(以下割愛)』
で、まあそれに対して舛添センセイは何をカリカリしているのか知りませんが、このような発言を。
『○舛添要一君 目先にデフレのこんな大変なことがあるときに、大胆に政策をやらないと意味がないんです。ですから、コマーシャルペーパーもまだ余力があるし、三月にこれ担保の時期が切れますから、是非そこを考えて、何度も申しますけれども、マネタリーベースを広げるということが円高の阻止策にもなるわけですから、これは是非、政策決定会合は白川総裁だけが決めるわけではないですけれども、是非、金融政策決定会合の前に、政府はそこまでデフレ一生懸命やるというんなら、その政策手段というのをよくお考えいただきたいというふうに思います。(以下話が変わるので割愛)』
最後の一文とか主語述語が訳判らんし、「デフレ一生懸命やる」とか(何を言いたいのかは判るが)ナンジャソリャ状態になっているのがオソロシス。そんなに興奮したら毛が抜けると思いますので程々に。
と申しますか、「コマーシャルペーパーもまだ余力があるし、三月にこれ担保の時期が切れますから」ってえのが訳判らん。CP買入をしてマネタリーベース拡大というのがそもそも変だというのもありますけれども、担保の時期が切れるというのが益々意味不明。別に3月末で適格担保基準を急に厳しくするという話は無いのですが何を話しているのか訳判らんですな。
何つーかこの人大丈夫かいなという感じですな。
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2010/03/25
3月12日の参議院予算委員会
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kaigirok/daily/select0114/174/17403120014011a.html
相変わらず微妙な議論やらこの人大丈夫かというような物が散見されるのですが、「融資のスプレッドに関するネタ」と「次期首相候補の人気ナンバーワンの人が質問で物凄くファビョっている件について」という辺りから参りますです。
まずは大久保勉(民主党)委員の質疑から。
○そのスプレッドは信用スプレッドでは無いと思う
中小企業金融に関する質疑なのですが、その金利が高いがなという話をしていまして予定調和の如く話が「銀行ケシカラン」になっているのですけどね。
『○大久保勉君 十八兆円使われているということで、私の前に亀井大臣もいらっしゃいまして大きくうなずいていらっしゃいまして、しっかりと中小企業対策がなされていると認識しております。
私も地元で銀行関係者に話を聞きましたら、この制度は非常に使い勝手がいいという話がありました。中小企業の社長さんに関しましても、大宗はいいということなんですが、一部金利が高いという話もありました。〇・八%の保証料を取っていて、さらに銀行の金利が高いと、こういった批判もありました。
この点に関して、主要銀行の貸出金利の平均、そして貸出金利と市場金利の差、いわゆる信用スプレッド、この点に関して質問します。』
えーっとですな、あたくしはこれを読んだ時点で既に話が変だなと思うのでありまして、そもそも数百万や千万円台程度の貸出の金利に信用スプレッドの概念を持ち出すと話がワケワカメになりますが、その流れを鑑賞しましょう。
『○副大臣(大塚耕平君) 大久保委員にお答え申し上げます。
昨年の四月から九月までの間に貸し出されました貸出期間三年から五年の信用保証協会一〇〇%の保証付きの融資の主要銀行の平均金利は一・七二%、また同じ期間の五年の金利スワップレートの平均値とのスプレッドは平均で〇・八三%となっております。』
『○大久保勉君 こちら注目しておりますのは、いわゆる信用スプレッドが〇・八三%ということなんです。信用保証協会が一〇〇%保証しておりますから、銀行は一切中小企業の信用リスクを取っていません。それなのに〇・八三%は高いんじゃないかと思っているんです。
是非、この辺を認識してしっかりと対策を行ってもらいたいと思いますが、直嶋大臣、いかがでしょうか。』
『○国務大臣(直嶋正行君) 結論からいいますと、大久保議員の御指摘のとおりだというふうに思っています。(まだ続くがいったんここで切る)』
・・・・orz
えーっとですな、例えばかつて流動性選好が極端に進んだ時(97年前半だったかなあ)には政府保証債の対国債スプレッドが30bpだの40bpだのになった事はございますように、別に信用保証協会が100%保証しているからと言ってスプレッドがゼロにならなければならないという理屈はどこにも存在しないのであります。
しかも小口の貸出と電話一発でドカンと数百億ロットで取引される金融市場の取引では、同じ金額を扱う場合に取引に掛かる手間が格段に違うのでありまして、その手間賃がスプレッドの形で乗るのは当然の話。
つーか大久保先生って証券会社にいたと思うのですが、株式を市場取引する時の手数料って大口と小口で料率違うこと位ご存じではないか(しかも証券会社って小口客相手だと基本的に売買代金前受(またはMRFの残高がある事を確認)するからそれこそ小口相手にはカウンターパーティーの信用リスク取ってませんよねえ)という感じですが、単に金利が高いのを金融市場での取引と同じような切り口で話をするとか何と言うナイーブな議論。
まあそれに対して大臣がそうだそうだと返すのもどうかと思うのでして、保証協会融資の中で制度融資形式で金利が決まっているものとかもあるでしょうし(最近はどうなのか知らんが)、何と言う雑な話という所でございますが、直嶋大臣の続きの話も中々凄い。
『お話のように、信用保証協会が融資額の一〇〇%を保証するために金融機関のリスクはなくなるということで、このため、私としては金融機関はそれに応じた金利の引下げを行うべきであると考えておりまして、金利の引下げがもし十分になされていないとすると、国費で手当てをしている信用保証によって実態は金融機関の財務基盤強化を支えているのではないかという批判も招きかねないというふうに思っています。』
『この点は、実は昨年の十二月の十日に亀井大臣の御指示で民間金融機関の皆さんを集めていただきました。それから、先日、三月二日にも同様の機会がございまして、その場で私の方から直接、金融機関の代表に対してもお願いをいたしました。それから、中小企業庁の方から金融庁に対して、貸出金利の引下げなどの中小企業への配慮の状況について検査・監督を通じて確認してほしいと、こういう要請を今させていただいておるところであります。』
『○大久保勉君 やはり政権交代をしたという実感ですね。政治家主導できっちりやってください。』
つまり政権交代をしたら金融業が国家統制状態になるということですね!!!
この次の話も訳判らんのですが・・・・
『もう少し細かい点を言いますが、次は、銀行と信用保証協会に何らかの癒着があって、信用保証協会の職員が金利を下げろとなかなか銀行に言えない、こういう実態もあるんです。例えば、全国五十二信用保証協会の役員が九百八十九人います。そのうち、銀行関係者が三百十二人です。約三割が銀行関係者です。ですから、役員が銀行関係なのでどうしても職員の方は余り銀行に強く言えないんじゃないかと、こういったこともあります。』
えーっと、最近の制度がどうなっているか貸出の現場にいないから知らないので軽々とは申しませんが、あたくしが金貸しの手先をやっていた時の信用保証協会の保証の形式って、貸出金利に関しては、制度融資で金利がそもそも決まっているものを除けば金利に関する定めは無かった(銀行と債務者間で決定した金利)筈なのでして、信用保証協会の職員が銀行に対して金利設定がどうのこうのという話はそもそも強く言うもへったくれも無いと思うのですけれども。
#しかも小口の貸出に関しては(あたくしの時代だと)課長補佐とか課長とかのクラスが決裁してて役員なんぞ見た事は無かったんですけどねえ(笑)
ということで話がそれましたが、小口貸出の金利という点では、ブログを卒業されちゃったようですが、こちらの方のエントリーに参考資料がございますので(まあマイクロファイナンスなのでこの件とは話の質が違うけど)ご参考までに(^^)。
http://www.ny47th.com/fallin_attorney/archives/2006/10/27-115140.php
○もう何年も議員をやっている筈なのにこの人何か凄いですね
続いて自民党の舛添要一委員の質問ですが、これがまたある意味面白いのだが、次期首相候補の人気ナンバーワンでこれかよと考えると暗黒臭が漂って来るのは気のせいですかそうですか。
その前に白川さんがここでも為替の話をしているのでそのくだりから。
『○舛添要一君 今の総理の御答弁にありましたように、じゃ、マーケットに任せているんだから何もできないかというんだったら、何のために政府があるか分からない、日銀があるか分からないんで、政策があるはずなんですよ。ですから、その政策はどういうふうにやるんですかということをちょっと日銀総裁に聞いてみたいと思いますけれども、白川総裁、円高対策、日銀としてはどういうふうにやりますか。』
日銀総裁に円高対策と言われても困るのですが・・・・・
『○参考人(白川方明君) お答えいたします。
最初に、今、政策というお話ございましたので、金融政策の目的、これは日銀法に規定されていますとおり、物価の安定を通じて国民経済の健全な発展に資するということでございます。この目的を達成するために、日本銀行は、為替レートも含めまして、経済、物価、金融情勢を幅広く点検して政策を運営をしております。
(中間割愛)
いずれにせよ、日本銀行としては、現在、極めて緩和的な金融政策を続けるということを明確にしておりますので、これは為替レートにも相応の影響を与えているというふうに思っております。』
ということで、「為替に影響を与える」という話をすんなりとしているのは、まあ従来の総裁の話よりは踏み込んでますねという所でして、これは決定会合の前の週の金曜日でございましたのでそんなに市場に影響しなかった(追加緩和政策のようなものが実施されるのは織り込んでいたから)ですけど、まあ今後も為替に関しては配慮する姿勢を出す(アメリカに怒られない程度に)のは吉ではないかと存じます。
で、まあそれはそれとしてその次辺りから何を興奮しているのか(さっきの質問も微妙でしたけれども)というような感じになって参ります。
『○舛添要一君 今、日本銀行法の第二条をおっしゃっていただいて、これは、「物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資する」。しかし、今見ると、デフレということの退治ができなくて、日本経済の健全な発展どころか日本経済の破壊を行っているというふうに極論すれば言わざるを得ないんです。
そこで、菅大臣、全部日本銀行に任せていい話じゃなくて、金融政策の道具はもちろんどの道具を使ってもいいんです、結果が出れば。しかし、結果が出ないということは、今かじ取りをやっているのは鳩山総理であり菅大臣でありますから、日銀法第四条を、菅大臣、読んでみてください。──時間がないんで、通告してありますから、きちんと。総理、こういうところが、私はあの遅刻したのを注意したので、こういうところが緊張感足りないというんです。ちゃんと通告してありますよ。ですから、そのときぱっと出るようにしないと。政治主導じゃないじゃないですか。』
何か「日本経済の破壊」みたいな過激なフレーズを使ったのに自分で興奮しているのか何だか知りませんが、後半の話は何を言ってるのか訳判らないですなあと思ったら菅さんがこのように答弁。
『○国務大臣(菅直人君) 四条の趣旨は分かっていますけれども、少し、余りかりかりしないでお願いしたいと思います。
第四条、「日本銀行は、その行う通貨及び金融の調節が経済政策の一環をなすものであることを踏まえ、それが政府の経済政策の基本方針と整合的なものとなるよう、常に政府と連絡を密にし、十分な意思疎通を図らなければならない。」。
以上です。』
イラ菅に「かりかりしないでお願いしたいと思います」とか言われるなよ(^^)。
○で、この人事実誤認が多過ぎじゃないのかと
で、上記の部分に則してこんな事を言っているのですが・・・・・
『○舛添要一君 日銀の独立性ということの話でこの日銀法を変えましたけど、私は、日銀と政府がばらばらの方向を向いているようではもう一遍日銀法を変えざるを得ないと、それぐらいに思っていますが、菅大臣、どうですか。』
・・・・えーっと、一応どっちも「デフレはケシカラン」という話はしているのでありまして、それに対して手をこまねいているのではという批判ならアリだと思いますが、そういう方向に議論を持って行くとその時点で説得力が無くなってしまうのでありまして・・・・・
『○国務大臣(菅直人君) 日銀との関係はいろいろ議論があるところで、法律を変えてまだそう時期がたっていない中でそこまで言い切るのはちょっと早過ぎるかなと思っております。
ただ、はっきり申し上げて、昨年の十二月の一日に政府が方針を決めた中で、日銀の方も三か月物のレートを〇・一にするとか、あるいはその後、プラス〇からプラス二のインフレ率を言われるとかということで、そういう意味ではこの間の方向性、目標は、私は政府と日銀は基本的に一致していると。今まさに舛添さんが言われたように、それを実現するために政府は政府としていろいろな対策、政策を打っておりますが、日銀はそれを実現するために、まさにその手段は日銀の独自の判断でいろいろやられるだろうと、それを期待をしているということであります。』
これはまあ「期待している」っていうことで圧力っぽい報道になっていましたけれども、会議録を見るとそんな無茶な文脈で話をしている訳でもなさそうですね、菅さん悪態つきまくって失礼致しましたどうもすいません。
で、もっと凄いのはこの辺り。
『○舛添要一君 (前半割愛) そこで、私は実は金融政策について、その当時は速水日銀総裁でしたけれども、自分の国会のこの質疑をもう一遍取り出して読んでみましたけど、全く同じ失敗を日銀は私は繰り返している。二〇〇〇年の八月のゼロ金利解除、これをやって、これで大失敗をやる。それでニューヨークのテロがある。そして、また量的緩和をやる。二〇〇六年の三月にこの量的緩和政策の解除をなさいました。』
あのー、順序が間違ってますが。量的緩和復活が01年3月で9.11は01年9月なのですけど大丈夫ですか?????
『私は、これちょっと見ていただくと分かりますが、皆さん方の紙ありますけれども、二〇〇〇年のときに、当座預金残高、国民の皆さんに分かりやすく言うと、お金というのは体を流れている血液だと思ってください。貧血状態になったら倒れるんです。三兆とか四兆とかその辺ぐらいの供給をしなきゃ、もう完全に貧血で倒れる。だから一気に量的緩和しろということで、青天井ですよ、三十五兆ぐらいやった。それで良くなった。ところが三月に、何が理由なのか、量的緩和政策を解除しちゃった。がたっと落ちてきて、そしてリーマン・ショックがある。』
すいませんあの量的緩和の拡大って別にいきなり35兆にした訳じゃないです。
『だから、当然、常識で考えれば、六年三月に量的緩和政策を解除すれば一年か一年半後にはこういう状況に陥るよというのは分かったはずなんですけど、何で性懲りもなく金融政策の失敗を繰り返すんでしょうか、日銀総裁。』
量的緩和解除したらリーマンショックが起きるとはさすがに誰も予想できないと思うのですが、常識とまで言われるようでしたら政治家なんぞやってないでヘッジファンドでも立ち上げて頂いて国民の皆様のお金を増やすべくその天才的な先見性で国際金融市場で海外投資家と闘って頂きとう存じます。
で、その答えをする白川さんがどさくさに紛れて「量的緩和政策の失敗」についての答弁にして話をはぐらかしているのには笑いましたがその引用は割愛します(^^)。
しかしここの質問部分を見て感じるのですが、何かあまり理路整然と淡々と話すというよりは興奮して話しているようにしか読めない(全体的に読むとなお判るのですけれども、途中で語尾やらてにをはやらがグチャグチャになって来てます)んすが、これで総理大臣とかどうなのよという悪寒がするのでありますが・・・・
○これは更にワロタ
『○舛添要一君 (殆ど割愛ですが最後だけ)だから、デフレと戦いなさいということで、続けて質問しますけれども、月曜日、火曜日に金融政策決定会合があります。私の今言ったことを前提にして、日銀は、答えはまだ月、火にならないと言えないということであろうかと思いますけれども、更なるやっぱり金融追加策をやらないといけないと思いますが、いかがでしょうか。』
・・・・・・orz
まあ答えは言うまでも無いので引用しません。で、その後。
『○舛添要一君 それもちょっと私は疑問符を呈したいと思いますが、円高にどう対応するかということで我々視察先での議論をしてきたわけですが、それについて言うと、ベースマネーを拡大すれば効果あるんですよ。よその国と比べてください。そこで、ベースマネーを拡大するときに、伝統的な、つまりコンベンションなやり方じゃなくて、非伝統的な、アンコンベンションなやり方でもいい。
そこで、CPの買取りやっていると思いますが、買い取っているCPの格付はどうなっていますか。コマーシャルペーパー。』
えーっとですな、ベースマネーを拡大したら効果がある話はまあ永久ループの議論になりますが、それが本当に常に相関するんだったら量的緩和政策の時にもっと強烈な円安になってないと話がおかしい(90年代後半の方がよっぽど円安になっていましたよね)ですし、単に超過準備が積み上がっている時のベースマネー比較に定量的な意味があるのかどうか(定性的な意味はあるかもしれないけど)というのは議論が分かれる所で、そう簡単にきめつけられてもという所ですが、まあそれは良いとして。
えーっと、ベースマネー対比でCPの発行額っていくらだと思ってこの発言をしているのかさっぱり判らんのですが舛添先生。と思ったらお洒落な答弁が。
『○参考人(白川方明君) 委員の御指摘でございますけれども、CPにつきましては、現在買入れは、これはもう完了いたしました。昨年二月からCP買いまして、そのときには、CPの買入れにつきましては、これはシングルAという格付で買入れを行っておりました。』
ちなみに、日銀の営業毎旬報告を見ますと、当然ながらこの国会の前の3月10日は買入残高はゼロになってまして、じゃあいつ無くなったかと言いますと、昨年12月10日が50億円で20日にゼロになっているので、その間に最後のCPが償還を迎えたものと思料されます(^^)。
『○舛添要一君 それをもう少しアンコンベンショナルということで、それだとコンベンショナルですよ、極端に言うと。格付がもうちょっと下がったものまで買わなければ、コマーシャルペーパー、ベースマネーの拡大にならない。』
いやあのそれ財政政策の世界なんですけど、というかそもそも格付けが低い企業はCP発行とか殆どしてないですし、そもそも企業は金もいらないのにCP発行する訳でもないですし、買えばベースマネー拡大とかあまりにもそれは乱暴な話ではないかと思うのですが、この程度の認識で総理大臣になられたらちょっとどうなのかと。
いやまあ別に素人でも本質的な部分での理解力があれば(小泉さんとかみたいに)良いのですが、変に中途半端に妙な知識があって判ったつもりになっているのが一番タチが悪い(と書きながら自分を省みると冷汗が大量に出てくるのだがorz)という所でございまして、ひじょーにこう寒いモノを感じるのは今日の陽気のせいではありますまい。
#もうちょっとオモシロ質問(真面目に考えると寒いが)がありますが時間と量の関係でこんな所で勘弁。まあ期末のくそ忙しい中ですが、お暇な時に会議録当たってちょという感じです
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2010/03/04
んでまあ市場ネタがイマイチさんなので国会ネタでも(^^)という手抜きシリーズで誠に申し訳ありません。
http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/001817420100216012.htm
2月16日の衆議院予算委員会
オモロイのは山本幸三先生のコーナーでして、上記URLの画面で概ね下半分が山本委員による質疑で、話は色々とあるのですが、デフレがどうのこうのという部分(下から3分の1少々)を読むとこれが中々面白いです。そうは言っても上記URL先に当たって読むのもめんどいでしょうし(^^)、本当は全部ご紹介したい所でござんすが引用してると量が莫大になるのでテキトーにピックアップするのだ。
○この手のレッテル貼りは微妙に説得力を落とすから止めた方が良いと思う
山本先生の政策論は筋の通った話をするので、賛成するかしないかは兎も角として大変に読み応えがあるのですが、主張をキャッチーにしたいのか何だか知らないですけれども、余計な一言が入っていきなり脱力しちゃう部分があって残念なんですよね。という苦言(こんな場末で書いてないで山本先生の事務所にでも直接投書しろと言われると困りますが、汗)からで恐縮至極。
今回デフレ云々の話を読んでいる中で目にとまったのは以下の2点。
『まず、新経済成長戦略、これを菅大臣は一生懸命自画自賛しているんですが、私はこれを読んで、単なる役人の作文で、いつもながらの話だな、できもしないような数字も並べて、作文をいろいろ書いて、自画自賛しているなと思いますが、唯一評価すべきだと私が思っているのは、最後のところでデフレ克服というのをはっきりうたっている、それから名目成長率を最優先課題だと言っている、これだけは私は評価したい。あとは評価できないね。』
えーっとですな、言ってる話はあたくしもまあ同感する所が多々ございますが、ここで「???」と思ったのは「単なる役人の作文」って所。
つまりですな、本当に役人が時間を掛けてじっくりと作成したらあんな福笑いみたいな戦略が出てくる訳はない次第でして、これは役人の能力どうのこうのではなく、民主党の問題であって「役人の作文」と役人が悪い様な言い方をするのは筋違いじゃないのと思うのですよね。単にこれは確固たる方針の無い中でやっつけ仕事をしたからでしょと思うのですが。
役人が悪いと言う話をするのがキャッチーだからと言って批判する場所は別の論点であるだろうと思うのですけどねえ・・・・
もう一つはこのあたり。
『各年収は、総裁は三千四百九十二万、アメリカのバーナンキの倍ですよ。副総裁二千七百五十九万、審議委員二千六百四十六万、理事二千百三十二万。理事でも国会議員より高いんだね。大変な高額ですよ。それだけ、アメリカのバーナンキの倍もらっていて、デフレがいまだに解消できないというのは何なんだということですよ。(発言する者あり)ちゃんと仕事をしてもらいたいということですよ。』
これは日銀総裁とかの収入の話なのですけれども、米国の場合は政府機関での収入はそれほど高くなくても、民間との所謂「回転ドア」によって回転ドアの外側に出た時には日本とは比較とかいう世界の斜め上に行きそうな位の高給取りになっているのであります(金融の場合は、他は知らんけど)からして、年収がバーナンキより少ないからどうのこうのとかを単純比較するのはフェアでは無いでしょと思いますけれどもどうなんでしょ。
まあ確かに給料がどうのこうのなんてえのは一般ウケしやすい話ですけれども、そもそもフェアな比較をしているかどうか怪しいネタを使って「お前は給料泥棒」みたいな話をするのは、折角の政策論議の品を下げると申しますか、まあそんな話をしなくても別に良いんじゃないのかなあと思うのですよ。
というどうでも良いツッコミをした所で、その他少々ピックアップをば。まあ元の会議録を全文読書されること推奨です。
○このやり取りはもはや何が何だかわからんが妙にワロタ
成長戦略がどうのこうのという部分から。思いっきり引用ばっかですいませんが、まあご鑑賞ありたし(なお、改行は適宜変更しています、念の為)。
『○山本(幸)委員 そのデフレのところ以外は評価できないというのは、例えばグリーンイノベーション、環境分野で、これによって二〇二〇年までに五十兆円超の新規市場をつくる、百四十万人の環境分野の新規雇用をつくると言っていますね。これはちゃんとできるんですか。
○菅国務大臣 読んでいただければわかると思いますが、それなりの方向性を示して、これから具体的な工程表、どういう制度をつくり、どういう形でやっていくかということのより具体的なものは六月に向けてやるわけですが、目標としては、そこに挙げた数字を目標に何とか実現にこぎつけたい、そういうことで提示をしたわけであります。
○山本(幸)委員 これがどういうことを意味しているかというのはわかっていますか。五十兆円の付加価値をつくるというわけだ。では、五十兆円のうち労働者の手取りは幾らだ。通常の労働分配率で見ると七割、三十五兆円ですね、労働者の取り分が。三十五兆円を百四十万人で割る。つまり、一人当たりの手取り、一人当たりの所得は幾らになるか。どれぐらいになると思いますか。ぱっと、これは計算すればわかるんだけれども。
計算すればわかるので意地悪はしませんが、三十五兆円を百四十万で割ると二千五百万円なんですよ。二千五百万円の所得というのは、今の通常の労働者の五倍から六倍だよ。二千五百万円の高額所得者を百四十万人もつくれると思いますか。』
・・・・何かもうこの時点で話が良く判らんけれども(^^)。なお引用は続く。
『○菅国務大臣 所得という表現をしていましたか、していないんじゃないですか。つまり、市場全体としてそれだけの生産を上げるということであって、それが所得というふうになっていないはずですが、いかがですか。
○山本(幸)委員 もちろん、それは所得になっていないけれども、付加価値が……(発言する者あり)違う、違う。計算すればそうなるんだよ。付加価値が出て、そして新規雇用が出れば、それは手取りが幾らになるかという計算じゃないですか。そういう計算になるんでしょう。どうですか。
○菅国務大臣 ちょっと今十分聞き取れなかったんですが、つまりは、所得が先ほどの三十五兆円上がるということではなくて、そこに新しいマーケットとして生産あるいは需要がそれだけふえる、そういう認識だと思いますが。
○山本(幸)委員 いやいや、市場がふえるというのは付加価値がふえるということなんでしょう。違うんですか。新規の市場というのは付加価値がふえるということじゃないんですか。
○菅国務大臣 ここに具体的に書いてあるものがありますが、新規市場五十兆円超、新規雇用百四十万人、さらにはCO2排出減を、これは世界全体にわたる影響によって十三億トンの削減。これがこの新成長戦略の環境・エネルギー、いわゆるグリーンイノベーションの二〇二〇年までの目標です。
○山本(幸)委員 だから、付加価値をこういう雇用者で割るとそういう取り分になるんじゃないですか。そんなことができるんじゃないですか。では、そうじゃない、私の解釈がおかしいというのなら、それを証明してくださいよ。どう解釈したらいいんですか。』
で、菅さん微妙にイラ菅モード(^^)。
『○菅国務大臣 つまり、新規市場が五十兆円というのは、もちろん付加価値も含まれていますけれども、それ以外のいろいろな要素も含まれるというのは当然じゃないでしょうか。
○山本(幸)委員 では、付加価値以外で何ですか。
○菅国務大臣 私は大学では経済をやっておりませんけれども、普通に言う場合には、付加価値以外に、例えば材料費とか、中間的ないろいろなものが入っているんじゃないでしょうか。当然じゃないですか。
○山本(幸)委員 コストになるようなものが入ってそうなるというわけですね。では、それはまあいいや。これは、要するに、そういうきちっとした分析までできていないということがはっきりわかったので、今度詳しくやるということですから、ちゃんと示してください。詰めたことをやっていないということですよ。大したことないという話だ。役人の作文だ。』
そらまあ詰めた事なにもやってないでしょうとは思いますが(^^)、付加価値の一言でここまで突っ込める(というか食いつける)山本先生さすがです。
○これは確かにそうですな
上記の続きの部分から。
『○山本(幸)委員 (前半は上記引用なので割愛)そこで、もう一個聞きます。一番大事なところ。名目成長率三%なんですね、目標が。これは、そう簡単に達成できるものじゃないんです。例えば、名目成長率の来年度の見通しは〇・四%ですね。その後どうなるかというと、これはこれから出るんだろうが、菅大臣が提出した、二十二年度予算の後年度歳出・歳入への影響試算、財務省が出した。大体、去年のマクロモデルからきているんだけれども、そこに一応のものが書いてあります。それを見ると、二〇一〇年度は〇・四、二〇一一年度は一・七、二〇一二年度は二・〇、二〇一三年度は二・二と見てある。これは、財務大臣、あなたが出したんだからね。
これを見ると、名目成長率の当初四年間の平均は何%になるかというと、一・五八%です。そうすると、十年間の平均で三%を達成するためには、残り六年の平均で四・四三%の名目成長率がないとできないんだ、毎年平均で。四・四三%の名目成長率がどうしたら達成できるか。実質、潜在成長率が今非常に低い。これについては言いません、詳しく今度、別途やりますが、実質成長率、まあ二%ぐらいがせいぜいでしょう。そうすると、物価で二・四%、つまりGDPデフレーターで二・四%ないとできないんだ、これは。GDPデフレーターと消費者物価の関係はいろいろ動くんだけれども、大体、GDPデフレーターの方がちょっと下。そして、消費者物価指数の方が上に行くことが多い。今回みたいに、があっとショックが大きいと反対のこともありますが。
そうすると、私のラフな計算でいえば、これを達成するためには消費者物価指数は三%以上にならないとだめだ。こんなこと日銀が受けると思いますか。こんなことできますか。菅大臣、どうですか。』
で、念の為「新成長戦略」を見たら確かにそこの28ページ(PDFだと38ページ)に『具体的には、2020
年度までの平均で、名目3%、実質2%を上回る成長、2020 年度における我が国の経済規模(名目GDP)650
兆円程度を目指す。』ってどう見ても無理な数字が書いてありました。「名目3%実質2%」は知ってたけど、2020年までの平均での目標だったんですか。そら無茶な・・・・
http://www.kantei.go.jp/jp/kakugikettei/2009/1230sinseichousenryaku.pdf
で、菅さんこれはヒドス。
『○菅国務大臣 いろいろある種の仮定を置かれるのは結構なんですが、後年度の影響というのは極めて機械的にその数字を延長して出されているということは、もちろん、山本議員もそういう職責におられたからおわかりだと思います。例えばの話、過去の例でいえば、税収見通しなども後年度がかなり高い水準に書かれていたわけですけれども、現実は、御承知のように、二十一年度も見通しよりも大変下がりました。逆に言えば、私たちは、その機械的な計算の値は、予算の審議の中で出すようにと言われましたから従来の方式で出しましたけれども、まさにそのままいったのでは三%の成長にならないということはそのとおりですよ。
ですから、そのままいかないようにするには何をすればいいかということで、成長戦略を出し、またこの予算も含めて、こういうことを実行する中でそういう機械的な延長上にならないようにしていきたいという中で、目標値として三%を掲げているわけです。』
当然ながらこうなってますが。
『○山本(幸)委員 全く答えになっていないんだけれども、それは機械的な試算ですよ。だけれども、あなたは、もうすぐ六月までに出すんでしょう。これとそう違ったものを出せますか。そんなもの出せませんよ。(発言する者あり)私は、言葉の遊びなんかどうでもいいんだよ。私が信頼するのは緻密なロジックと数字なんだ。(発言する者あり)だから、数字で言っているんだよ。簡単なことじゃありませんよ、四・四三%、残り六年でやらなきゃいかぬのだから。
このためには、大事なことはデフレの克服ですよ。マイナスがずっと続いていたら、こんなことできないんだから。日経センターの試算では、十年間デフレだと言っていますよ、十年間デフレだと。(発言する者あり)何もわからないのが何か言っているけれども、そう出ているんだよ、数字が。数字しか僕は信用しない。(発言する者あり)間違えていない。
そこで、デフレ脱却が大事なんだけれども、あなたは去年の十一月にデフレ宣言をやりましたね。菅大臣、デフレとは何ですか。定義してください。』
だから最近菅さんは急に「今年中にデフレ脱却」とか無茶な話をするようになったのかというのは判りましたが(^^)、以下デフレとは何ですかがこれまた楽しいのです。
○デフレの定義はどうなのよ
これまたワロタ。
『○菅国務大臣 先ほども申し上げたように、私はそういう言葉の定義をすべて知っているわけではありませんけれども、通常を言えば、物価が下落をしていく状況をデフレだ、こういうふうに認識しております。』
ほとんどヤケクソですな菅さん(^^)。
『○山本(幸)委員 物価が下落していく状況。一度だけ下落したものをデフレと言いますか。
○菅国務大臣 これを当時事務方にいろいろ聞きました。基本的には、たしか二〇〇一年当時にもデフレ状況に入ったということを言い、その後、デフレ脱却の宣言がないまま一時的にはデフレの状況がやや緩和したわけですけれども、この二年ほどの中で、たしかQEで二度三度続けてデフレ状況、さらには先の見通しとしてもその状況が続くという中で、デフレ状況にあるということを申し上げました。
つまりは、一回こっきりの物価下落でデフレ状況というふうに言う必要はないでしょうが、ある程度継続的な中でそういう宣言をした、宣言というかそういう状況認識を申し上げたということです。』
『○山本(幸)委員 デフレ宣言をするんだったら、デフレの定義ぐらいきちっと理解してからやってくださいよ。デフレというのは物価の継続的な下落をいうんですね。そこで、継続的というのはどれぐらいの期間をいうんですか。(発言する者あり)』
「デフレ宣言をするんだったら〜」の部分で不覚にもペパーミント茶噴いた。
『○海江田委員長代理 御静粛にお願いします。
○菅国務大臣 いろいろな見方があるということも聞いております。二年程度ということを言う人もありますし、国際的に。しかし、必ずしも、それこそニュートン力学のように、あるいはアインシュタインの定義のようにE=mc2なんというほどしっかりした定義があるとは認識しておりませんが、意見としてはそういう意見がある、二年程度の継続を一つの定義としているところもある、こう認識しています。』
菅さんついに経済学じゃなくて物理学の例えを持ち出してきました!!!!!
『○山本(幸)委員 それは結構だと思います。まさにデフレを、定義がぐらぐらしたら議論できなくなるんですよ。だけれども、ある人はデフレと言い、ある人はデフレじゃないと言ったら、議論にならないじゃないですか。そこで、一応の定義をきちっとしておかなきゃいけない。それからいうと、おっしゃったように、IMFは最低二年以上続かないとデフレとは言わないんだという定義を与えて、私はこれで結構だと思うし、そういうことでいく。
次に、では、物価の下落なんですが、物価は何を指すんですか。』
・・・・・以下物価の話が延々と続くので割愛(^^)。
○メインイベントの前で時間が無くなりましたがorz
で、流れとしてはこの後にメインイベント(山本委員が『そこで、いよいよ本題、日銀総裁とやりたいと思います』と言ってるのに更にペパーミント茶を噴いた訳だが^^)になるのですが、話の筋はマネタリーベースを出せという話で、まあそれに対しては白川総裁は当然ながら想定問答が無限にあるので話は平行線をたどるのが残念な所でございまする。
しかしこれは確かにヤジも飛ばずにポカーンとするわなという所(本石町日記さんの先般のエントリーご参照→http://hongokucho.exblog.jp/12853094/)をとりあえず引用しておきます、ご参考(何の?)までに。
『○山本(幸)委員 (前半部分、というか殆ど割愛)今、GDPギャップが三十五兆円ぐらいあると言われていますね。物の世界で三十五兆円の超過供給の状況だ。そうすると、お金の世界ではどうなるんだと。ワルラスの法則というのがありますね、ワルラスの一般均衡。これは、あなたは御存じでしょうけれども、どういうことになるかわかりますね。』
『○白川参考人 先ほども申し上げましたとおり、私は、決して自分の理論にこだわっているというわけではございません。自分自身は理論を編み出すほど頭もよくありませんので、内外のいろいろな学者あるいはエコノミストの声を、研究を総合して、自分なりに判断していきたいということでありますから、これからも常に経済の動きを虚心坦懐に見て判断していきたいというふうに思っています。
こういう席でワルラスの法則という言葉をちょっと申し上げるのはあれですが、ワルラスの法則は基本的には経済が完全雇用の世界での話ですから、今先生が議論されているこの不完全雇用、つまり大きな需給ギャップが問題になっているもとでワルラスの法則を当てはめてというのはどうかなという感じはいたします。』
『○山本(幸)委員 私はそう思わないんだけれどもね。だって、ワルラスが言っているのは、ある分野で超過供給があったら、他の分野では超過需要が起こっているということを言っているわけでしょう。それで、全体を見れば均衡しますよ、そういうふうに価格が調整しますよと言っていると私は理解しているんですよ。それからいうと、財の世界で三十五兆円の需給ギャップがあるんだ、つまり供給超過ですね。そうすると、お金の世界ではその分だけの超過需要があるんですよ。そうしないと、均衡しない。
つまり、世の中の人は、今、一番安心で安全なキャッシュが欲しいんですよ、現金が。そういうふうにみんな動いているから、何か物を持っていたらそれを売って、あるいは、買いたいものがあろうとそれを買わないで、とにかくキャッシュあるいはキャッシュに近いものを持とうとする意欲が強過ぎるんですよ。だから、お金の超過需要が起こって、その逆が、物の世界で超過供給になっているわけだ。これが原理じゃないですか。
だから、安心、安全なキャッシュというものをそんなに欲しがっているんだから、これを十二分に供給してやらない限り、動かないんですよ。これが量的緩和のやるべきことですよ。
マッカラムという人がいまして、マッカラム・ルールというのがある。これは、必要なマネタリーベースでの、名目成長率でどれだけのマネタリーベースが要りますかというのを計算するのがあって、欧米で参考にしていると言われているわけですね。これでいうと、例えば、これは流通速度の平均を何年でとるかによるんだけれども、一年でとると二〇%、二年で一五%、三年だと一〇%。少なくとも一〇%以上はマネタリーベースをふやさない限り、名目三%成長というのは達成できない。
それから、本多先生の研究は一つだと言いましたが、別の、これは文科省の数理統計研究所でやったものがあるんだけれども、どうしたらデフレをなくせるか、どれぐらいマネタリーベースを出したらなくせるかという研究があって、ちょっと古いんだけれども、それだと、まず三〇%一気にふやせ、そして半年続けろ、それからその後一年半、一五%ふやしていけば、そうすると二年後に物価はプラスになりますよという成果も出ているわけです。
こういうマッカラム・ルールとかあるいはそういう研究成果を無視して、そして、リーマン・ショックの後、三カ月も四カ月もたってからようやく金利を下げたり、一回やめると言ったものをもう一回形を変えてやり直したり、ちょぼちょぼとやって、何をやっているんですか。デフレを本当に解消しようとする気があるんですか。どうですか。』
・・・・・こりゃポカーンだわな。ちなみに白川総裁の答弁まで引用するとキリがないので割愛しますが、白川さんもしっかり反撃してますのでそこだけ。
『その上で、今度、マッカラム・ルールということについてお話がございました。先生、これは欧米で参考にされているというふうにおっしゃいましたけれども、私が知る限り、欧米で参考にされていることはないように思います。』
本石町日記さんの感想と同じなのですが、マネタリーベースで攻めるのはどうも攻撃が単調になるので、ネタ的には正直あんまり面白くないです。やはり日銀理論に乗っかりながら綻びを狙う作戦にしてみたら如何かと存じます。
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2010/03/02
○結論はどうかと思うが途中までは亀井さんの方が・・・・・
昨日もまた山本幸三先生の質疑があったようで、菅さんと亀井さんも答弁をしていたようでありまする。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=aP6eVxyF059U
菅氏「年内に物価プラスに」、亀井氏「国債引き受けを」−日銀に要請
『3月1日(ブルームバーグ):菅直人副総理兼財務相は1日午前の衆院財務金融委員会で、消費者物価指数について「今年いっぱいくらいには何とかプラスに移行してもらいたい」と述べた。さらに、亀井静香金融・郵政担当相は同じ委員会で、日銀は「直接国債を引き受けて財源を作るということをやったら良い」と主張。16、17日の金融政策決定会合を前に日銀に対する要請が相次いだ。』(上記URL記事より)
普通は半月以上後の決定会合に対して「決定会合を前に」とは言わないと思う次第で、まあ相変わらずスケジュール感もへったくれもない人達ですわなあというのはまあ良いと致しまして。
菅さんは『消費者物価指数について「今年いっぱいくらいには何とかプラスに移行してもらいたい」と述べた。』と仰せのようですが、あのその日銀だけで簡単にプラスに移行出来るのでしたら何も苦労はしない訳でありまして、この人は日銀を打ち出の(以下毎度同じ悪態なので割愛)。
つーかね、高校授業料無償化とか高速道路料金引き下げとかCPI指数を下げるような予算案を出しているのに今年いっぱいくらいにプラスに移行とかアホじゃねえのとしか言いようがないのでありまして、そんなにCPI上げたいのでしたら、4月から公共料金全部20%引き上げるとか、輸入関税を死ぬほど引き上げるとか、揮発油税を思いっきり引き上げるとか、要するに生活に密着する所で料金が引き上げになるような政策を実施すれば宜しいのではないでしょうかと存じますが如何でしょうか。勿論誰も得しない話なので全然推奨しませんけど(−−;
しかし上記URLの記事にありますように、『欲を言えば(昨年11月に)デフレ宣言をして、今年いっぱいくらいには何とかプラスに移行してもらいたいと感じている』って菅先生は発言しているようですが、デフレ宣言して何の対策もしなくて世間様でデフレを流行語状態にするというマインド大悪化攻撃をしておいて何がどうなったらプラス移行とか言えるのか脳味噌をかっぽじって頭の中を調べてみたいのですが。
どうも菅さんは「物価が上がると景気が良くなる」と因果関係を取り違えているのではないかと思われる節がある訳のですが(マイルドインフレの方が構造調整とかをはじめとして各種政策的にやり易いというのはその通りだと思いますが)、一方で亀井さんの方が話の筋だけは通っている所がオソロシスというかエッシャーの騙し絵というかという所でして。
『一方、亀井金融相は「金融政策だけでデフレを解消できるかと言うと、私は無理だと思う」と言明。「政府が財政出動を含めて需給ギャップを解消していく努力をしなければ、日銀の責任だけで解決できる問題ではない」と語った。また、インフレ目標の導入についても「数値目標を設けたところで、数字通りに経済、物価は動いてくれない」と述べ、否定的な見方を示した。』(上記URL記事より)
いやもうね、こう言う風に日銀の理屈に乗っかって突っ込んでくる方が実は追求としては厳しい訳でして(^^)、『数値目標を設けたところで、数字通りに経済、物価は動いてくれない』とかさすが亀井センセイそこにしびれるあこがれるぅ!という所でございまする。
まあ結局の所亀井センセイの場合は「財政出せ」攻撃になるのでして、結果として出てくる結論はちとあのそのそれは如何な物かと思うのですが・・・・
『亀井金融相はただ、「日銀も政府が大胆な財政出動をしていくときに協力できる点がある」と指摘。「財源は税収が37兆円を超えてどんどん増えるという見通しはない」とした上で、国債について「日銀が市中から買い入れていくだけでなく、直接国債を引き受けて財源を作るということをやったら良いと思う」と述べた。
』(上記URL記事より)
たぶん国債引き受けを行うと、世界はまさに財政リスク問題をネタにしている最中でありますので、長期金利上昇と円安になって大変にオソロシスな展開になる恐れがあるのでござんすが。
いやね、別に1回こっきりで終わるのならば何とかなるのかも知れませんですけれども、そんな「打ち出の小槌スキーム」を政治家に与えて一発で終わる保証は1ミリも無い訳で、普通に乱発されて行きつく先は財政インフレになるでしょと普通に想像できると思うのですけれどもどうなんでしょうかねえ。大体からして一発物の筈の「埋蔵金」とやらに関しても何故か経常的に使われる政府支出に充当されるという現政権(来年度予算どうするんだよ)を見れば、国債引受を財源にどうのこうのとかいうような打ち出の小槌を政治家に与えたら危険極まりないとしか思えんのですけど。
という事で、まあ結論は全く賛同する気になりませんけど(仮に日銀が財政ファイナンスするというのであれば、日銀から政府に対して国債発行に関して命令権を持たせる位の歯止めを付けないと話にならんでしょ)、そこまでの話の筋が通っているだけに亀井さんオソロシスという所でございますな。
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2010/03/01
○なんつーかもうこの人グダグダ過ぎで困りますわ
最近の菅先生と言えば毎日のようにこの発言。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=aantacmzTjCg
菅財務相:日銀にもいろいろな形での努力を期待−デフレ脱却で
これなんかまだCPI受けてからの発言だからマシなのですが、この前なんぞ金融政策決定会合の翌日の国会答弁で同じような発言をしている訳でありまして、何と申しますか相手のスケジュール感とか何も考えて無いでしょうという所がそもそも論としてナットランでしょうと思う今日この頃。
えーっとですな、ローゼン麻生内閣の時はちゃんとした経済対策の発表と日銀の利下げの日程を合わせていた(2008年10月30日の夕刻に政府が真水5兆円の緊急経済対策を発表して10月31日に日銀が利下げを実施した)というように、「政府と日銀の連携」というのをスケジュール感からもきちんと見せていた訳ですな。
然るに、現内閣の場合はと言えば2009年11月20日に何の対策も無いデフレ宣言を行ったのですが、その日が正に金融政策決定会合という全くスケジュール感の無い展開。で、対策も何も無い状態で首相と日銀総裁の会合を12月頭にセットするという無茶振りスケジュールで、お互い手ぶらで会合するのも間抜けということで結局12月1日に臨時会合を実施されてマーケット大迷惑だったという流れですわな。
で、まあ菅さん的には日銀を叩けば何か出てきて株が上がったり為替が振れたりしてくれるとでも思っているのか、てめえらが「財金分離」とか言って財務省出身の武藤さんを外す人事をやっておきながら、その財務省の大臣様が連日のように日銀何とかせい攻撃をするというのが何とも無定見にも程がある話でありまする。
まあ折しも内閣支持率も下がってますし、益々菅さんの叩き攻撃が激しくなるのでしょうけれども、本当に金融緩和が経済の為に必要で圧力を掛けないといけないのであれば、表立って日銀の顔をぶっ潰すような掛け方するんじゃなくて、裏から圧力掛けてちゃんと政府と日銀ともに顔の立つようなやり方をした方が良いんじゃないの(なお、「圧力を掛ける」という行為が存在しているかどうか、それが効くのかどうかという点に関してはあたくし一切存じませんので念の為)と思うのですけど、まあ結局のところ菅さんとしては「日本経済の為に何が大事か」じゃなくて「民主党政権の維持と自分の政治的存在意義の確保の為に何が大事か」という軸で考えているから、やたらめったら日銀への圧力をアピールしてるんでしょという感じっすなあ。
あたくしの杞憂だったら良いんですけど、この流れで輪番拡大したら真面目に「財政ファイナンス」扱いで下手したら長期金利が上昇してもおかしくはないと思われるのでありまして、菅さんの口に誰かチャックしとけと思うのですけど・・・
○具体策が何と言うかこれ・・・・
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=aN2LJ7EgTQw8
みんなの党代表:潮目変わった、政界再編狙う−インタビュー(Update1
暫く前に出てたインタビュー。
いやまあ日銀の庭先論についてはそう批判されても仕方のない面がありますので良いとして、デフレへの具体策が訳判らん。
『具体的な対策としては政府と日銀がアコード(政策協定)を結んだ上で、日銀が金融機関の持っている中小企業向けの債権を20兆円分を買い取り、その毀損(きそん)分は政府が補てんする制度の導入などを求めた。』
ってそれやってどういう経路でどういう効き方をしてデフレ対策になるのかがさっぱり判らんですし、そもそも中小企業向け債権を買い取るって言ったって買い取った債権の管理をどうやって行うのとか、買い取りするのは良いけど具体的にどのような価格で買い取るのよとか、具体的施策に落とせないとしか思えない問題大過ぎ。
大体からして20兆円買い取った分がそのまま中小企業融資に回る訳も無いですし(今新規で20兆円も中小企業に金貸せないでしょ、いや全額焦げ付いても良いのなら幾らでも貸せますけど・・・)、そんなややこしい事しなくても政策金融公庫(のうち昔の国民金融公庫)とか商工中金に政府が予算付けて制度融資を実施して対応すればいいじゃんと思うのですけれども。
もし予算出したくないというのであれば、政策金融公庫に債権の買い取りをやらせて、日銀は政策金融公庫保有の債権を担保に資金供給を実施すればよろしいんじゃないかと思う(適格担保の問題があるが、それなら政府が保証すれば良いのでは)のでありますが、政策金融公庫だったらそれこそ旧国民金融公庫の支店もありますし、従来より民間向けの貸出を実施しているのですから与信管理のノウハウも事務能力もあるのですから、そちらにやらせりゃ良いだけの話でして、わざわざ日銀が買い取る理由がさっぱり判らんのでありまする。
何かね、みんなの党って割と金融市場的には評判良いのですけれども、どうもこのような感じで出てくる政策がいかにも「机上で頭の良い人が考えました」っぽい所があって、結局民主党と同じになりゃせんかという不安があるんですよねえあたしゃ。
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2010/02/18
・ギリシャ問題(一発ネタ)
昨日の害債さんの所のエントリーにございましたが
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20100215ATGM1502R15022010.html
ゴールドマン、ギリシャの債務隠しに加担か 米紙報道
『報道によると、ギリシャは2000年に将来の宝くじ収入を、01年には将来の空港税収入をそれぞれGSに引き渡すことを約束し、見返りに多額の現金を受け取った。』(上記URLより)
・・・・税収担保で借入とかどこの後進国だよという感じでバロスという所でありますが、まあ正直言って報道見ていると状況がコロコロ変わり、何がどうなるのか判らん訳ですな。
で、そーゆー時には全く科学的根拠はございませんが、頼りになるのは髪様のお告げとゆー事でございまして、久々に北ハマー先生のボログを拝読するのであります。
http://blog.livedoor.jp/orion3/archives/51657643.html
2010年02月17日
ドイツ頼りのギリシャ財政危機問題
で、そこを読みますと・・・・・・
>少し安堵できる情報です。
>少し安堵できる情報です。
>少し安堵できる情報です。
>少し安堵できる情報です。
>少し安堵できる情報です。
((((((;゜Д゜))))))ガクガクブルブル
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2010/02/16
・菅直人様最近どうしたのでせうか
http://www.excite.co.jp/News/politics/20100214/20100215M10.047.html
2010年2月14日 20時07分 ( 2010年2月14日 21時15分更新 )
<菅財務相>消費税議論「3月から」 大幅前倒し意向
まあ今更のニュースですけれども、先般のサミットで何か変な物でも食べたのか、首脳会談で現(?)実に目覚めたのか、はたまた小沢幹事長問題で支持率も下がってきたのでここで一発独自色を出そうという政治的配慮なのかは全く存じませんが(^^)、急に言ってる話が変わってきた気がします。
前もネタにしましたが先日の発言→
http://jp.reuters.com/article/domesticEquities4/idJPnTK037453620100208
もびっくらこきましたが、菅先生はどうなってしまったのでしょ。
#理念先行の無茶ではない現実的な対応をするようになったというのであれば慶賀の限りですし、選挙するなら大歓迎ですけどね
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2010/02/09
○またまたご冗談を
昨日ニュースヘッドラインを拝読しておりまして腹筋の訓練になったのが2本ほどございましたのでクリップしておくのだ。
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20100208ATGM0800Z08022010.html
米国債の格下げ「起こりえない」 ガイトナー財務長官
『【ワシントン=大隅隆】ガイトナー米財務長官は7日のABCテレビで、米国債の格下げ懸念について「我が国に関しては決して起こりえないだろう」と語った。(以下割愛)』
・・・・正直、米国債を格下げしないと格付け機関も信用されないと思うのですが(^^)、格付けの標準物が米国債でそれをAAAと置いて比較するというのであればそれはそれで判りますが、そうなるとAAA+とかいうのも出てくるという事ですな(大嘘)。つーかガイトナー先生存在感無いっすねえ最近(棒読み)。
というのは前座でして、昨日紅茶を吹いたのはこのニュース。
http://jp.reuters.com/article/domesticEquities4/idJPnTK037453620100208
世界経済、過剰流動性の広がりへの警戒も必要=菅財務相
『[東京 8日 ロイター]菅直人副総理兼財務・経済財政担当相は8日午前の衆院予算委員会で、リーマン・ショック後の世界的な金融危機について「過剰流動性を止められない各国の金融経済政策が背景にあり、それに対する対応が必要」とし、新興国も含めた「過剰流動性の広がりへの警戒が必要だ」と語った。加藤紘一委員(自民)の質問に答えた。』
・・・・えーっと、菅先生今までおっしゃってた話とまるで方向性が違う話になっておりますけれども、如何なされたのでしょうか????
と思ったのですが、良く考えたら白川総裁と飛行機でご一緒して洗脳じゃなくてご説明を受けてすっかり丸めこまれじゃなくてご理解されたということでございましょうか。
いやまあ白川さんの説明やら主要国の論調を聞いて勉強した結果そうなったというのならそれはそれでまあほうほうそうですかという感じなのですが、まさかどこかの鳩ぽっぽ先生のように「最後に説明を受けた人の話を信用する」というのだとすると中々薄ら寒い物を感じるのでありますけれども、まさか一国の総理と副総理が二人揃って・・・・・orz
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2010/01/27
○財金分離じゃなかったんでしたっけ
まあ今に始まったことではないですが。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=aULOZtkDOzGo
菅財務相:もっとという気が率直のところある−日銀の金融緩和策で
『1月26日(ブルームバーグ):菅直人副総理兼財務相は26日午後の参院予算委員会で、日銀の金融政策について、極めて緩和的な環境を維持しているとする一方、「もっとという気が率直のところある」と述べ、さらなる緩和策が必要との認識を示唆した。その上で、日銀とはデフレ克服に向け「方向性は一致している」と述べ、物価をプラスに転じていくため日銀と協力していく姿勢を示した。民主党の辻泰弘氏への答弁。』
昨日は日経新聞だかの朝刊で「財政演説で日銀に追加緩和を求める」云々みたいな記事もあって、金利市場の人は別に何もないでしょとは思ってましたけど、金融政策ネタになると斜め上にも程があるレポートが乱発される為替市場様におかれましてはそれなりに期待もあったり無かったりという感じだったみたいですね。
お前ら財金分離とか言って武藤総裁を潰したんじゃ無かったのかよと小一時間なのでありますが、まあこういう話をして市場が勝手に変な期待をするというのは当面続くという感じじゃないでしょうか。12月の2回の決定会合で市場的な評価って「ああ日銀は政治圧力に弱いのね」という扱いになっていると客観的に思われる次第でありますが、その政治が何せシロウト集団でありまして、何を言い出すかさっぱり読めないという人達でございますので、まあナントカに刃物とは良く言った物だと呆れる次第であります。
まあ政治屋さんとしてはアピールが大事なのは判りますけどね。
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2010/01/26
○デフレ宣言の次はこれが出る悪寒
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=afYWmzRkAXH4
仙谷戦略相:日本の財政、「説明のつかないほどひどい状況」(Update1
『1月25日(ブルームバーグ):仙谷由人国家戦略相兼行政刷新相は25日夕に開かれた「中期的な財政運営に関する検討会」の初会合の冒頭であいさつし、「わが国の財政は極めて厳しいと言うよりも、説明がつかないほどのひどい状況になっている」との認識を示すとともに、「ミクロ、マクロの視点で予算改革の道筋を示していくことが私たちのミッションだ」と語った。』
・・・・・・(;∀;)イイハナシダナー
何度もあたくしが悪態をついておりますように、先般政府によって実施されました堂々の「デフレ宣言」によりまして物価関連のマインドが急速に悪化しまして、それこそ「デフレ懸念から物価下落を招く」という形のまさにデフレスパイラル入りしてもおかしくはないというマインド面の悪化を招いているという大変に(;∀;)イイハナシダナーとしか申し上げようがない展開になっているのでありまして、無策のままマインド悪化だけ呼び込むアホウ宣言をした連中は全員揃って牢屋か西方浄土にでも逝っていただきたいと存じます次第ですが、今度の何かよく判らん検討会の初回挨拶にこの発言ですよいやですわねえ奥様♪
何つーかね、戦略的に大ボケ発言をかましているのであれば別に良いのですけれども、どっからどう見ても現内閣の閣僚たちが(約1名を除いて)作戦を練って発言しているのではなく、思いついたことをホイホイと口走るだけなのではないかと思われる次第でございまして、まーどうでも良いネタならともかく、財政破綻宣言とか何も考えずに出したらどういう話になるんだかとかあまり想像したくない光景ではございます。
大体からしてさ、「わが国はデフレです景気悪化でどうしようもないですけど金がないので財政も打てません」とか言ってる国に投資する奴がいるのかよ(除くホームバイアス)とゆー風に思われるのでありまして、もうちょっと物を考えて動いて頂きたいものだと思うのであります。
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2010/01/19
○おまけの雑談で不思議な言説クリップ
・出口戦略ってどこの国の話でしょうか
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2010011800871
出口戦略、時期尚早で一致=雇用情勢など考慮−首相とIMF専務理事
・・・・追加緩和だとか言っている国にやってきて「出口戦略時期尚早」って何と言うピントの外れた話をしているのでしょうか???しかしまあ「出口戦略は時期尚早だけども財政健全化の道筋を示せ」とかまたナローパスな話をしますなあ。まあいいけど、どうもIMFの話ってすっ頓狂な話が出てくる事が多いっすなという気が昔からするのであります。
・産経電波浴シリーズ
http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/100118/fnc1001180302000-n1.htm
【経済が告げる】編集委員・田村秀男 国際通貨戦争、勝者は人民元
毎度お馴染みの産経新聞の電波浴でございますが、
『中国共産党は通貨戦の遺伝子を先人たちから引き継いだのだろう。国際的に信用度の低い共産主義国家の紙切れに価値を付与するよう腐心してきた。朝鮮戦争により米国との関係が断絶しても、裏帳簿をつくって人民元とドルの交換レートを固定した。米中国交正常化後は一貫して人民元をドルに連動させ、外国企業の投資を呼び込み、輸出を増やして、ドルをため、世界最大の米国債保有国になった。』
『党中央は2008年9月の「リーマン・ショック」を奇貨ととらえた。米国がドル札を平時の2倍も一挙に刷り出すと、党は大号令を発した。人民元供給の担い手である国有商業銀行は前年比で一挙に3倍、人民元融資を増やせ、と。財政支出と相まって内需は喚起され、8%台の成長を確保した。』
確かこの先生は「日銀はもっと金を刷れ」(という表現が既に変なのですがそこは措いて)つー話をしている筈なのですが、これを見ますと「通貨の信認が大事だ」と仰せのようでありまして、それならあーたサブプライム以降の勝ち組は日本と言う事になりますが、それでよろしいのでしょうか???
で、最後に産経読者が喜びそうなテイストの中国脅威論で締めているのが産経電波浴の醍醐味でもございます。
『決済通貨は軍事戦略を支える。米軍はドル札を海外で自由に使えるから海外の基地や軍事行動を展開できる。米国に倣うなら、中国軍は人民元を手に、シーレーン防衛を名目に東南アジア、さらにインド、中東周辺などに基地を建設し、原潜、空母をわが物顔に遊弋(ゆうよく)させるだろう。』
通貨ってそんなに偉い物ではなくて、軍事的および経済的なプレゼンスがあるから通貨が国際的な決済通貨として通用しているのだと思いますけど、この理屈だと日本なんかもう大変な事になっていると思いますが(笑)。まあ産経新聞の読者が好きな中国脅威論をしたいのか、通貨の信認が大事だ(というとこの先生の従来の話から全然違うのですが)と言いたいのか、まあさっぱり訳の判らない話ですが、きっとあたくしのような凡下には判らぬ高尚な話をしているのでしょうなあ(棒読み)という所で。
・・・つーか米国ドルにペッグしている状態で決済通貨も糞もねえだろと思うのですが。
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2010/01/15
○エライ人の会見ら少々
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=newsarchive&sid=aXtVz5.Zid.g
財務相:人民元の議論出れば日本としても主張−2月のG7(Update1)
最初に見てた時のヘッドラインは人民元云々じゃ無かった気がするんですがまあいいか。
『財務相就任直後に「もう少し円安に進めばよい」と発言し、物議を醸した為替政策については「基本的には市場が決めることで、国際的にも合意されている。よほどの急激な変化がない限りは、そういう原則にのっとっていく」と慎重な言い回しに終始した。』
何だつまらん。どうも最初に深く考えずにホイホイ発言して、後でいきなりチキンになるというのは鳩山内閣の仕様(亀井金融担当相を除く^^)なのでしょうか。結局のところ、そのあたりを戦略的に発言してるなら例の円安発言も大したもんなのであります(そもそもデフレ退治に一番即効性があるのは為替操作でしょ)けれども、結局毎度お馴染みのように、単なる深い考えのない発言でしたかと残念無念。
『一方で、金融政策については「日銀法で政府・日銀が連携すると同時に、日銀の独立性を認めていくという2つの原則があることは十分頭に入れておかなければならない」と述べた上で、「政府と日銀の連携はかなりうまくいっている」との認識を示した。』
『政府による緊急経済対策の策定に合わせて日銀が昨年12月1日に発表した新たな資金供給手段の導入を具体例として挙げ、「いろいろな見方はあるが、かなり大きな決定だった。その後の市場の受け止めも効果があったとされている」と高く評価した。』
ふーん。
『さらに、同18日の決定会合では、物価について「ゼロ%以下のマイナス値は許容しない」と表明したことにも触れ、「デフレに関しても日銀としてデフレ脱却を明確に位置付けた。政府と日銀の金融政策の方向性はしっかりと協調が取れている」と重ねて強調。具体的な政策手段は、日銀の権能の中で決めるべきだとの認識を示した。』
というのは良いのですが、結局の所デフレがどうのこうのって話を言うだけ言っても、じゃあ具体的にデフレ脱却の為にどういう政策をするのかという話になると、政府サイドから出てくる経済対策ってそれデフレ脱却って点から見てどうよという感じはしますし、日銀もとりあえずオペ実施はしたけど、後はやる気元気井脇宣言程度の話ですが、はてさてまさかお遍路先生は言っただけでデフレが脱却できるとお思いで??
ということで、為替のやらかし発言が結局単なるやらかしであった事が判明した事でもありますし、為替ルートで強力にどうこうという事がやりにくくなったように見える次第ですので、米国再失速で金利低下とかになり出すとまたぞろ円高とかいう話になって来て、政府サイドから日銀に何かやれ攻撃が飛び出すに100カイワレ。
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=newsarchive&sid=aFFQA6Ojm3Oo
野田財務副大臣:外為特会の積み立ての在り方議論ある(Update1)
ヘッドライン見た時に何の話かよく判らなかったのですが(つーか一見して何を言いたいのか判らんヘッドラインと打つなよ情報ベンダーはと小一時間)、どうも外為特会の準備金を積み立てを減らすとかいう話のようで。
『1月14日(ブルームバーグ):野田佳彦財務副大臣は14日夕の定例会見で、外国為替資金特別会計(外為特会)の積立金の見直しについて「積立金は必要だが、どういう積み立ての在り方が妥当かとの議論はあり得る」と述べ、現在、保有外貨資産の100分の30が目安となっている積立金の水準を見直す考えを示唆した。』
準備金に関する見なおしたから為替市場に急に何かが起きる訳では無い(と思う)のですけれども、繰り入れが増える分だけFBの発行が増えるとかいう程度の話になるんですか(トレジャリーのクーポンで繰り入れする訳には行きませんからね)ねえというのがテクニカルな話ですけれども、それよりも円高に振れて含み益が飛んでいる最中に準備金の水準を見直すとは中々ファンタスティックな論点で大変に素敵なお話ではございますなという方が気になりますな。
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=newsarchive&sid=aWl.MYG0LIR4
亀井金融相:金融庁職員を東証など証券業界へ大量出向 (Update2)
『1月14日(ブルームバーグ):亀井静香金融・郵政担当相は14日午後、視察に訪れた東京証券取引所内で記者団に対し、金融庁職員を東証など証券業界へ大量に出向させる考えを明らかにした。多様化、複雑化する市場取引の実態を金融庁職員が実際に現場で仕事をしながら把握することで、今後の金融行政に生かす狙いだ。』
いやあのそういう事に対応するために金融庁って民間からの採用を積極的に実施していると思うのでありまして、そういう屋上屋を架すというか二重投資みたいなことをする必要あんのかいなと。
#それ以前の問題として「複雑化する市場取引の実態」って取引所にいてもよー判らん(証券会社に出向するなら話は別だが)ような気がするんですが・・・・
まあそれよりも銀行に出向させて分類債権の債務者の実態がどういうものかとか、貸出増やせと言ってもそうそうお客様からお預かりした貴重な預金を貸し出す適切な先が無いんですよという実態をですなあ・・・・いやまあいいです。
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2010/01/04
○東証アローヘッドですかそうですか
この辺に資料というかパンフレット集がございますが。
http://www.tse.or.jp/rules/stock/arrowhead/pamphlet.html
いやまあ時代の流れっちゃあ時代の流れなのかもしれませんけれども、日本の証券取引所の約定付け合わせ方式というのは小口投資家の保護という観点からも非常に良く練られた方式だったと思うのでありまして、まあ最近どんどんその古き良き方式が廃止の方向となる流れの止めみたいなもんであります。
まあぶっちゃけ大口投資家と大手業者優遇のシステムでありまして、そりゃまあアンディー社長さんあたりはあるべき姿だとお考えだったかと存じます。まあ別に取引所がそうだっつーならそれでも結構ですけれども、こういうシステム入れる同じ口で「個人投資家の育成」とか寝言を言うのは勘弁して欲しいもんだと思います。取引システムで小口投資家を冷遇しておいてそういう事言うかねってゆーことで。まあ新システムが無事に稼働するといいですね(力強く棒読み)。
○新春読書室(ただし1冊のみ)
・「ルワンダ中央銀行総裁日記(増補版)」(服部正也著、中公新書)
本石町日記さんの所で紹介されていましたが、めでたく復刻されて今回は増補版として登場。で、年末年始に一気に読了しましたけど、内容に関しては下の方にリンクつけときますのでまあそちらをご参照(手抜き)という感じで。
あたくしはとりあえず引っ掛かる部分を気合で流して読んでしまいましたが、本当は通貨改革実施(二重為替が中心問題)に関する部分とか、経済改革に関する部分とかは、紙と鉛筆を用意して服部さんの説明部分を図に直して考えていきますと、通貨制度がどうしたこうしたとか、経済学がどうしたこうしたという事になると拒絶反応が起きてしまう一般ピープルでも分かるのでは無いかと思いますよ。ということで、入門書にもなるのではないかとふと思うのでありました。
問題の真の所在を突き止めていく為に表面的な理解では足りないという口で言うのは簡単だけど実際に実行するのは難しい事を実践して、ルワンダ経済の立ち上げに寄与したという服部さんの行動には素直に感心しました。
で、ご案内の通りルワンダはその後戦争で大変な事になってしまったのですけれども、増補版ではルワンダ情勢に関する米国中心の報道に対して服部さんがもの申した文章が収めされています。露骨には書いてませんけど、内戦の一方の当事者に肩入れして武器などの供与を行い、悲惨な状況を拡大する事になった大国(って米国でしょうな)への批判がありまして、大国が後ろから支援する事によって民族間抗争の悲劇が拡大する現実の一端を垣間見させてくれます。
ISBN-978-4-12-190290-0 C1233 \960
関連書評はこの辺
http://hongokucho.exblog.jp/11458398/
http://d.hatena.ne.jp/himaginary/20091012/hattori_masaya
服部さんの国会答弁ネタ
http://hongokucho.exblog.jp/11660175/
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2009/12/22
○雑談ですが・・・・
・マニフェスト詐欺関連
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091221-00000602-san-bus_all
暫定税率“衣替え”で維持、子ども手当は所得制限なし 首相が表明
どう見ても政権公約詐欺です本当にカムサハムニダ。
で、まあ政権公約詐欺は予想通りの展開ですけれども、この辺りの話に関しては最近またまた切れ味抜群の権丈先生の仰る通りと存じます。
http://news.fbc.keio.ac.jp/~kenjoh/work/korunakare272.pdf
制約条件と接点さえ持たない政策が羅列された冊子はマニフェストとは言わないんだよ
とか、
http://kenjoh.com/
の12月21日の所にある
『まぁ、僕の言う専門情報に司る職業人が、確信犯的にウソをつく場合には、素人は簡単に騙されるんだけどね。だから、専門情報に司る人には強い倫理規制が要求されるんだけど、最近の政界はなんでもありだな。専門情報が支配的な世界では、倫理規制を無視した者が勝つから、必然、悪貨が良貨を駆逐する状態になる。』
>専門情報に司る人には強い倫理規制が要求される
というのはまったくもって仰る通りだと存じます、と勝手に人のふんどしでどうもすいません。
・でもまあ自民党もこのテイタラク
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=newsarchive&sid=ao6aFRMhDnWo
自民・後藤田氏:消費者金融への資金供給を提案−「業界擁護でない」
・・・・・何を言ってるんだこいつは。提案する前に業界関係者と債務者と株主などの所へ全国行脚して土下座して詫びた上に足蹴にされた後に西方浄土にでも旅立つか鳴門海峡で鱶の餌にでもなるべきだと思いますけど。
まあ記事の中でもこのようなコメントがあるのは当たり前ですわな。
『専門家からは、「債務者が困る状況を作り上げたのは上限金利の引き下げに伴って審査に通らない人が出たからだ。今ごろ何を言っているのか」(シティグループ証券の津田武寛アナリスト)との驚きの声も出ている』(上記URLより)
でも、自民党はその後藤田氏を金融の専門家として扱っているようです。
http://www.jimin.jp/jimin/yakuin/yakuin-3.html
『財務金融部会長 後藤田 正純』
・・・・もうね、何のギャグかと。まあマニフェスト詐欺もそうですけれども、平気でこういう事出来るのが政治家クオリティだとしたら、「政治主導」なんて百害あって一利無しなんじゃないですかねえ・・・・
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2009/12/01
○いつものように悪態コーナー
何だかねという感じなんですけど。
http://jp.reuters.com/article/domesticEquities4/idJPnTK035287220091130
UPDATE1: 首相と日銀総裁の会談、経済認識・量的緩和を含めた意見交換=官房長官
2009年 11月 30日 12:13 JST
『[東京 30日 ロイター] 平野博文官房長官は30日午前の会見で、鳩山由紀夫首相と白川方明日銀総裁が近く会談することを正式に認めた上で、会談内容について、経済認識の違いや日銀の量的緩和政策に対する見解を含めての意見交換になると指摘した。』
・・・・量的緩和政策を求めるとの事ですが、既に資金供給そのものは実施している訳でして、金利付きなんちゃって量的緩和政策でも実行しろとでも言うのでございましょうか。それは実行しても目くらましにしか成らないのですけれども、(量を増やしても短期金融市場と日銀当座預金の中で金がグルグル回っているだけでは量単体での効果は大してというか殆ど無いでしょ)政府様におかれましてはその程度のご認識でいらっしゃるのでございましょうかと。
分かってて言ってるんだか単に不勉強なのか存じませんが、こーゆーの見せられますと金融市場的には脱力モードになるんですけど、まあ金融政策の細かい話に詳しく無い人は別なんですかね、よー知らんが。まあ政府が日銀にマルナゲータ状態という風に見えている内はどうにもこうにもという感じでございます。
#どうしても日銀に国債買入増やして欲しけりゃ政府がジャンジャン国債発行すれば資金需給上国債買入(目先は長期国債じゃなくて短期国債になるかもしれないけど)は増やさざるを得なくなると思いますがどうっすか(^^)
これもまたツッコミどころ満載の記事。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20091129-OYT1T00669.htm
「埋蔵金」で税外収入10兆円目標…行政刷新相
以下上記記事より引用
仙谷行政刷新相は29日のテレビ朝日の番組で、2010年度予算編成について、「埋蔵金をどこまで掘り出してくるかだ。目標値は10兆円だ」と述べ、埋蔵金と呼ばれる特別会計の剰余金を取り崩すなどにより、10兆円規模の税外収入を確保する必要があるとする考えを明らかにした。
10年度の税収が38兆円前後と想定される中、政府の方針通りに新規国債発行を44兆円以下に抑制しながら92兆円前後の予算を確保するには、10兆円程度の税外収入が必要となる計算だ。(以下引用割愛)
(2009年11月29日20時30分 読売新聞)
・・・・・えーっとですね、色々と突っ込みたくなるのですが、まず第1に埋蔵金の収入は1回使ったらそれでオシマイですので、単年度の補正予算で一発物の対策を打つというのに使うのは結構ですけれども、本予算という複数年に渡って継続する種類のモノに使って翌々年度以降どうするつもりなのかという話がありますわな。
それに、10兆円という数字が出てますが、その分って別に現金で金庫に寝ている訳でも甕の中に入っている訳でもなく、もし基金のような形で持っているのであれば国債などを購入してたり日銀の対政府現先になっていたりすると思うのでありまして、まあ対政府現先は良いですけど、国債購入している分を召し上げて財源にしたら国債需給という意味では結局同じ話。
ということで、どう見ても来年度は一般会計分を特別会計にツケ回しをして表面上ヤリクリするだけの話ですなあというのが見え見えなのですけれども、何で相変わらずこの話になるんだかという所でありまする。
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2009/11/18
お題「ニュースやら相場の雑感ばかりで恐縮至極」
ここもとの経済指標をみるとローゼンの対策が当を得ていたというのが良く判りますが、その話を全くと言って良いほどテレビは報道しませんね
○さあ日銀にケツ持ち攻撃がやって参りました!
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-12500120091117
月例に「デフレ懸念」盛り込みへ、金融政策への期待感も
デフレ宣言って何じゃそりゃと思ってたら実はデフレ懸念織り込みという話だったようですが、昨日最初にニュースのヘッドラインとして出ていたのは記事中にある菅さんのこの辺のコメント部分。
『その上でデフレへの対応で、菅副総理は「デフレ的傾向がこれ以上強まらないよう日銀とも意思疎通をきちんととっていきたい」と述べると同時に、日銀の金融政策に関して「金融緩和の現状を変えることはまだしないとのニュアンスを受け止めている」と緩和政策継続を表明している日銀の姿勢に理解を示した。』(上記URLより)
という辺り(「日銀とも意思疎通をきちんととっていきたい」ってな所ですな)が最初にヘッドラインに出てまして、まあそれ自体で相場がどうのこうのという事では無いですけど、上記記事全体を読めばお判りのように、ニュースから受けるトーンは「そら来た日銀のせい攻撃」という感じで、早速政治圧力が来ましたねえというのがニュースを見た市場的な反応じゃねーのという感じですがどうでしょう。
#実際は峰崎さんなどが提唱している定期会合の話と変化は無いと思いますが
つまり、こういうことですわな。記事にありますけど。
『政府内では「半歩か一歩かは別にして、デフレ懸念の判断を進めなければならないとの認識に至った」(関係者)とされ、「デフレ懸念」の文言盛り込みによって日銀に政策対応を促す狙いも見え隠れする。』(上記URLより)
・・・・だから言わんこっちゃ無いという感じでして、何も利用実績僅少だから別に残しておいても実害の無いCP社債買入(社債はまだ買入あります)の解除とか、特オペの「期限延長をして解除も明言」というような(単に延長だけすりゃいいのに)事をぶち上げて政府サイドに「付け入るスキを与える」必要も無かったのにとは思います。>にちぎん
ただし、亀井さんみたいな攻撃じゃないので、菅さんのケースだと臨時措置の解除云々と関係なく「日銀にケツ持ち攻撃」が来た可能性はオオアリクイでございますので(^^)、別に関係ないじゃんという異論は認める(^^)。
まーそれはそれとして、毎度おなじみの「はいはい日銀のせい日銀のせい」という困った時のケツ持ち攻撃がもうおっぱじまりやがりましたかという感じでありまして、あたくし的な感想としては「おーおー政府の梯子外し攻撃が来たよ」という感じで受け止めるのであります。で、自民党政権と違って民主党政権の場合は人民裁判上等という大変に素敵な人達の集まりでございますので、どんな圧力を掛けてくるのか楽しく見守って行きたいと存じます。
しかし緩和って何するんじゃという感じですけど、利下げはなかろうと思うので、そういう中でシロートに判り易い(けどあまり問題が起きそうにない^^)緩和政策って何でしょうかねという所でして、まあ輪番増やしつつ長短の比率をいじってあまり長期の買入が増えすぎないようにするのがインチキ的な緩和した振り攻撃になるかなと思いますが(おいおい)、あんまりイメージが湧きませんなあ。昨年の今頃とは違いまして、今回緩和でどうのこうのという事をするんでしたら「見かけが派手だけど張り子の虎」系のまあ端的に言えば30兆円攻撃みたいな施策の方が無難(昨年は逆で、見かけはいいから市場の資金の回りを何とかしてくれ状態でしたからねえ)なんでしょうな。緩和が足りないという方には怒られそうですが(^^)。
#つまり、輪番の短期部分を短国買入に振りかえるみたいな見た目が地味なモノは切るカードじゃないでしょという事ね
なお、亀井発言に続いての菅さんの発言のため、「政府の日銀への圧力キタコレ」ということになったでござるの巻というのを認識したのかどうか知りませんが、後から菅さんちょっと火消しっぽい発言をしてますね。
http://jp.reuters.com/article/domesticJPNews/idJPJAPAN-12504320091117
デフレ懸念発言、日銀との認識の差を否定=菅国家戦略相
・・・・ところで、その記事の2ページ目にエコポイントの継続がどうのこうのという話がありますが、無駄だのバラマキだの言って批判していたのはどこのどなたでしたでちゅかねえ。
○決意表明はいいから(ry
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=newsarchive&sid=aj4lDbjfWVu0
藤井財務相:何とか国債の増発を抑える−来年度予算編成
はいはい決意表明決意表明。
前も書いた気がしますけど、国債発行が増えるという話をネタにしても、相場なんちゅうのはまあエエカゲンなものでありまして、買い材料にする時は「国債発行を増やすのは経済状況が悪いからである」とか言って買い材料にしますし、売り材料にする時は「財政の維持可能性がどうのこうの」「需給悪化がどうのこうの」というような事を言い出すのが市場の仕様であります。ついでに言えば先週債券市場が買われている所でどこぞの経済クオリティーペーパー(笑)が「事業仕訳(に示された財政規律堅持姿勢)を好感して国債が買われる」という後講釈を連日垂れ流しておりまして、市場参加者の腰を大いに砕いてくれたかと存じます(−−)。
結局のところ、国債の増発を抑えるったって物理的に金が無いものは無いのでありまして、見た目の国債増発を抑えても特別会計とかに皺寄せをして、どうせ見た目操作をするだけの話でしょとゆーのは基本的には市場ちゃんは織り込みのでありまして、変にインチキをしようとする方が市場的には「何じゃそりゃ」状態になるんじゃネーノと思うのですけどねえ。
大体からして財務大臣がそういう表明している傍から別の話がボロボロと出て来るという時点でどうかと思うのだが。
○これは酷い
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20091117-OYT1T00930.htm
日銀総裁人事に民主・西岡氏、反省の弁
『西岡氏は、「純粋に武藤さんがいい、悪いという前に、政治状況があった」と述べ、当時の自公政権と対決するのが主眼であったと説明した。そのうえで「(財政運営と金融行政を分ける)『財金分離』を理由に武藤さんがはねられたのは、今でもおかしいと思っている」と語った。』(上記URLより)
・・・・・何かね、おまいら全員揃って桜島か阿蘇山の噴火口に飛び込んで頂けると誠に有難く存じますと思うのですけど。
なんつーか、政治権力を獲得する為にはペテンでもインチキでも良いから兎に角受けを取れば良いっていうのは困ったもんだというか情けないというか、正直言って小選挙区制度って日本には向かないんじゃネーノとまで思う(中選挙区でいいじゃん)のですが、冷静に考えてみれば、そもそもこの手のペテン的手法でアピールするというのは小泉劇場から始まっている訳であります(郵政民営化で何でもかんでも良くなりますの説明は酷かったですわなあ)ので、民主党は単にそれを正しく継承しているだけなんですけどね。
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2009/11/17
○何つーか言葉遊びとかは良いから早い所結果を寄こせ結果を
「言い訳はいいから結果はどうした!」とか書いていると過去の記憶が蘇って参りまして冷汗三斗なのでございますが(−−;)
相変わらず政権の皆さまにおかれましては色々とご活躍のようで・・・・
・後から言うなら議決延期請求しろよ
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-12445620091113
日銀は数字の奥にあるものを見る力が少し弱い=亀井担当相
えーっと、あたくしの駄文をお読みになっておられます皆様におかれましては、あたくしがCP社債買入解除は「別に使われてないのだから弊害も特に無い訳で、解除する事も無いじゃん」と申し上げておりました(ついでに言えば特オペの「解除前提の延長」も黙って延長だけで良いじゃんと思いますが)から亀井さんがCP社債買入解除に反対するのはまあ判るんですけどね。
でも、市場の片隅でくだ巻いているようなチンピラゴロツキのあたくしとは亀井大先生は立場が違う訳でございまして、後出しじゃんけんのように後から文句言わないで、内閣府担当大臣なのですから議決延期請求すりゃ良いじゃんと思う訳ですよ。閣議で否決されたら連立離脱したら参議院で何でもかんでもひっくり返せるでしょ(ニヤニヤ)。
そーゆー時にはスルーしながら後から言うのってただのアリバイ工作にしか見えないのでありまして、実に残念なお話ではございます。で、それが英語ニュースになるとトーンが異様に強くなるのが日本初の英語ニュースの仕様でございます(ロイターは特にその傾向が強いが、ブルームバーグも似たようなもんです)。
http://www.reuters.com/article/rbssFinancialServices%20-%20Diversified/idUST14742720091113
UPDATE 1-Japan's Kamei snubs BOJ over economic analysis
TOKYO, Nov 13 (Reuters) - Japanese banking minister Shizuka Kamei, a frequent
critic of the Bank of Japan, said on Friday that the central bank seemed
a little weak at analysing the economic conditions behind statistics.(以下略)
いやはや何とも・・・・
・宣言するのは良いから何をするのよ何を
昨日の昼ごろ出ていたニュースですが、金利市場は全然反応してませんでした(^^)。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=aAtXxNrJElTU
政府:「デフレ」を宣言へ、11月の月例経済報告に記述も−日経
まあデフレ宣言も糞も物価が下がっていますと言う意味ではとっくの昔に下がっているのでありますから、債券市場ちゃん的には「何を今更」感が拭えませんが、そもそも内閣府って「デフレ脱却宣言」してましたっけという華麗なツッコミも出来るくらいに少なくとも国内金利市場的にはどうでもよい話だったりします。
#既に展望レポートで泣ける物価見通しが出てますしねえ
だから宣言するのは良いのだが、じゃあそれに対して経済対策はどうするのかと小一時間問い詰めたいのでありますが、訳の判らん人民裁判パフォーマンスは良いから予算を出せ予算をと思う次第。
・・・・と思っていたら引け後にはこんなニュースが。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=aqn2_eCvpXHw
今年度税収37兆−38兆円程度に大幅減−新規国債50兆円超確実に
なるほど、税収が減った事をネタにして長期金利が上昇すると政権が叩かれる要因になるので、デフレ宣言をして長期金利上昇をしないようにしたいという事ですね、わかります。
#おまえは悪意でモノを見過ぎという異論は認める(^^)
・もうね、アホかと馬鹿かと
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=a3QvfNNYpHLU
直嶋経産相がGDP数値を漏洩−「市場理解乏しい」の声も(Update2)
何つーかさ、何でこれでデージンの首が飛ばないのと思うのですが、そう言えば昔もこんな感じでポロリをしてた人がいましたなあ。全く持ってケシカランのでありますけど。
・ちょっと前のネタですけど文革ですかそうですかという話
話題になっていたから皆様ご存じかとは思いますけどこの際クリップ。
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20091113k0000m040079000c.html
『仙谷由人行政刷新担当相は、来年度予算の圧縮を目指す「事業仕分け」について「これまで一切見えなかった予算編成プロセスのかなりの部分が見えることで、政治の文化大革命が始まった」と意義を強調。』
・・・・文化大革命だから人民裁判なんですね、それからこんな感じで批判してるあたくしは「実権派」という事でリンチ対象にあわわわわ。
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2009/11/09
○ロイターの記事を見ながらちょっと余談
ネタは毎度おなじみ亀井静香大先生。
http://jp.reuters.com/article/domesticEquities2/idJPnTK034724620091106
UPDATE1: 日銀の楽観的な見方があるが、なかなかそうはいかない=亀井金融担当相
「下振れリスクを警戒する」とか「日銀は直接中小企業金融対策を行えないので円滑化法案を作成した」とか位に寸止めしておけば良いのにまた亀井センセイはそういう事を言い出す訳で、それって政府経済見通しとの整合性という観点からすると閣内不一致ってことにならないっすかねえ。まあいいけど。
それからですな、民主党の皆さまにおかれましては、確か日銀が0.25%から0.5%への利上げを行うという話をする時に当時の自民党幹事長あたりが強い調子で文句を垂れた時に「日銀に対する政治干渉」とか言って物凄い勢いで批判しておられたと理解しておりますが、党どころか内閣の一員が日銀の見方を「楽観的」と発言する事に関しては干渉ではないと仰せですかそうですか。選挙で勝つまでは自分たちも実際に出来ないような好き勝手な事を言って批判をして良いとは素敵なお話ですね。
まあ要するに、財金分離だの政治干渉がどうのこうのだのといって自公政権を批判していたのは「俺にやらせろ」という事だったという事で、何度かネタに引っ張って恐縮至極ですが、2年前に本石町日記さんが指摘していた事が卓見であったという話ですな。
http://hongokucho.exblog.jp/6974947/
民主党はワンボイス主義を=金融政策論議で考える党戦略
最後の方にございますが・・・・
『特に、日銀を与党に抑圧された存在とみなす戦略は、仮に与党になれば日銀を抑圧するのが見え見えで、薄っぺらな感じである。』(本石町さんの上記エントリーより)
ところで、このニュースが英文に掛かるともっと素敵なヘッドラインになります。
http://www.reuters.com/article/companyNewsAndPR/idUSTKF10672520091106
Japan's Kamei: doesn't share BOJ's economic view
これはまた刺激的な。「政府と日銀で経済認識が共有できていない」というヘッドラインになっておりますけど・・・・・そこまでは亀井センセイと言えども発言してないとは思います(が、実際の委員会質疑を見ていないので何とも言えないですな)けどロイターそれで良いのか??
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2009/10/29
・日本郵政のマネーは「預金者のお金」だと思うのですが
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/economic/196114.html
地銀や信金と協調融資実施 ゆうちょ銀、亀井氏意向
『亀井氏は「郵便局には資金を集める力があるが、運用は国債ばかり。融資のノウハウがある地銀や信金、信組と組むと地域は助かる」と述べ、協調融資で地域経済を活性化させたい意向を強調した。』
ネットで記事が見つからないので引用できませんけど、公共放送ニュースでは斎藤新社長のコメントでも「国民から集めた資金を民間で活用できるように云々」って話をしていたように見えるのですな。
何かね、そりゃまあ民間で活用できりゃそれはその方が良いのでしょうけれども、そもそも金融機関は民間に資金需要が弱いから国債買っている訳でありまして、無理やり貸せという事になると不良債権の山を築くだけの話になるのではないかと愚考するのでありますが。
それからもっと気になるのですが、「国民から集めた資金」ったって郵貯のお金は税金でも何でもなくて、「預金者のお金」なのでありまして、そうホイホイと穴を開けられてしまっても困りますがなというか預金者保護はどうなったのよという論点もこれありという所でありまして、本格的な融資のノウハウが無くて、しかも景気がこの有様という厳しい環境下でいきなり融資業務を本格化っていうのは何とも。
#そういや「当行は1000万円までしか預金を受け付けませんので全額預金保険でカバーされるのがミソです」という宣伝をしてた素晴らしい銀行があったような気がするが・・・・
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2009/10/22
「斎藤次郎キター」ネタ雑談を少々。
#しかしニュースベンダーのヘッドラインの「斎藤氏」というのを頭の中で「斎藤次郎さん」に一発変換出来た人と出来なかった人がいる訳でして(^^)、世代の差ってえ奴を感じますな(^^)。
○武藤前副総裁に謝れ!
産経の首相ぶら下がりの記事から。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/091021/plc0910212101012-n4.htm
鳩山様のお告げによりますと・・・・
『武藤さんの場合は、財務省を辞められてから5年間、必ずしも民間で働かれておられなかったと。』
えーっと、武藤さんは日銀副総裁になられて、日銀の為に尽力されまして、あたくしが微かながら存じ上げている範囲内では日銀内でも厚い信頼を幅広く受けていると聞いておりましたが、そういう実績を全く無視して反対をしたのは一体全体何だったんだと。
あと、もっと下らねえツッコミをすると、日銀副総裁は民間じゃないという鳩山様のお告げでございますが、まあやはり鳩山様におかれましては日銀は政府に従属して言う事聞くべき機関であって、金融政策の独立がどうのこうのというのは単に自民党批判の為に言ってた方便だったという本音も垣間見れるご発言ではございます。
『で、今回、斎藤次郎さん、(途中割愛)その間に東京金融取引所など民間でも働かれておられる方ですから、そういう意味では、ある意味で民間で働いた方を、今度は、ある意味での民間の社長になっていただくということですから、必ずしも武藤さんの場合とは違うなと。そう理解をしております。』
・・・・・TIFFEが民間で日銀が民間じゃないという説明の意味が1ミリも理解できませんが。
まあ何はともあれ、武藤さんの総裁就任を潰した理屈と斎藤さんの日本郵政社長就任(まだ内定ですが)の理屈が見事なまでに整合性取れてなくて、最初聞いた時に何のギャグ(以下保安装置作動の為激しく自主規制)。
ところで、もっとどうでもいいですが、同じく産経(だけどgooから)記事より。
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/politics/elex/e20091021054.html
『当時、下野していた自民党の斎藤氏への反目は強烈で、天下りなどで徹底した冷遇が続いた。』
>徹底した冷遇
>徹底した冷遇
>徹底した冷遇
・・・・東京金先に謝れ!!
ということで雑談はここまで。
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2009/10/13
○取引所競争に関して雑談雑談
まあCP社債買入解除に関する話でも見ようかと土曜日に日経新聞を珍しく読んでみたのですが、そこで「ふ〜ん」と思う記事が。
と申しましても、ネットの方には出てない記事でして、10日土曜の日経新聞15面の左上に『株式市場進化と課題 手数料自由化から10年』という記事がありまして、当日はその(下)となっています。
まあ記事は新聞あたってちょという感じなのですが、記事の話は東京株式市場が世界的の証券取引所との競争や、PTSとの競争によって、機関投資家の取引発注の高速化加速に対応する為にはその対応が必須で、東京証券取引所も対応が進んでいますという話です。
・・・・ま、それが世界の潮流っちゃあ潮流ですからそういう発想になるのはシャーナイナイなのかもしれませんけど、従来、というか昔からの流れでの(たぶんほんの10年くらい前まで)日本の証券取引所ってえのは、その値付けルールとかはどちらかと言えば「小口投資家にも参加の面で不利にならないような」値付けのルールだったと思うのですが、値付けルールがどうのこうのという話になると、(一応は理解しているつもりですが)本当に詳しいのは証券会社で市場部員やってた人とか実栄証券あるいは仲立証券にいた方って話ですので、あたくしなんぞ僭越至極ではありますが(汗)。
まー細かく見てた債券先物の話をしますと、98年くらいだったか忘れましたけれども、国際標準とやら的には極めて訳わからん債券先物の注意気配制度を廃止したら、結果として債券先物の値動きが訳わからん高速でアホウのように動くようになって、その結果指値を置く人間が極端に減って、売買が激薄になってしまい、債券現物市場のオファービットまで拡大(ヘッジ市場の流動性が無くなってしまったのだから当然)というのがありましたが、ガイジンの皆さまやら国際標準的には評判の悪い注意気配制度というのは実は小口注文を集めやすくする「零細投資家保護」の役割があって、その結果として市場の厚みが拡大するので、実は大口投資家にもメリットがある制度でしたと思うのですよね。日本の(かつての)値付け制度って零細投資家保護という観点では高度に発達したというか非常に良く考えられた制度なんですよね。
ただまあ記事にもございますように、機関投資家の売買が益々高速化しているという現実これ有りということで、東証もそれに対応していくという流れになっているのですが、IT技術を駆使した機関投資家だの証券会社などの高速売買に対応する売買システムの構築ってえ話になりますと、当然ながら一方で低速売買(?)をする一般個人などの零細投資家は置いていかれるんでしょうなあという話になるのは残念無念としか申し上げようが無いです。
つーことで何ですな、東証も大口機関投資家および証券会社などの売買取り込みを行うようなインフラ整備をするという方向なのであれば、正直に「小口の零細投資家は取引所に来ないでプロに任せた方が良いですよ」という話をすべきでありまして(イヤミですので念のため^^)、一方で「個人投資家を増やそう」みたいな話をするのはどうなのよという気がします(投資信託経由で増える分には話は別ですが・・・・)。
まー取引所が高度装置を駆使するプロ同士の撃ち合いになるってえのも参加者の種類の厚みという意味でどうなんだろと思いながら記事を見ていたらずっこけてしまうコメントがあったので引用。
『こうした資金はときに、市場を不安定にするという批判も一部ある。しかし「多様な参加者を呼び込み流動性を高めることで価格形成が効率化し、市場の魅力は増す」(コメントした人の名前は割愛^^)という考え方が世界の市場関係者の間では主流だ。』(日本経済新聞10月10日15面記事より)
・・・・・いやあの瞬間高速売買のプロだらけの市場になるのがどうして「多様な参加者を呼び込み」になるのかさっぱり判らんのですけど。確かに「多くの参加者」は来るでしょうけれども、その来る人たちって全員揃って瞬間高速売買のプロばっかなんであって、それは「多様」とは言わないと思うのですけど。
いやまあ市場関係者っていうのは要するにプロさんですから自分らに都合の良い話は歓迎でしょうけれども、流れとして小口投資家が置いていかれるような方向性が続くというのは必ずしも市場の安定化や効率化につながらないのではないかってえ気もするのであります。
#ひたすら変な雑談で恐縮至極
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