金融政策概観(2011年度下期前半分(2011年10月〜12月))
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2011/12/30「結局何とか消費税増税の旗は出しましたが/欧州はまたも炎上のようで/ニュース雑感」
2011/12/29「民主党の相変わらずのクオリティが消費税や東電やらで炸裂中とな」
2011/12/28「また東電で枝野クオリティ」
2011/12/27「超閑散市場/東電国有化??/訪中に謎の土産で中国国債購入とな」
2011/12/22「ECBの3年オペに4890億ユーロの応札」
2011/12/21「何か色々と頭に来て書いていますが、どうも交付国債の話はやばそうですな」
2011/12/19「日銀がツイッターとな/民主党の財政スタンスが怪しさ爆発/決定会合プレビュー」
2011/12/15「取引先選定基準の件補足」
2011/12/14「「ドルオペ応札キタコレ/日銀の取引先選定基準がマイナーチェンジ」
2011/12/12「社債買入オペ連続の札割れ」
2011/12/09「東電国有化報道がまた出る訳で」
2011/12/08「3MTB入札の金利低下/ECBのドルオペも応札増加」
2011/12/07「S&Pが欧州格付け見直し/ドルオぺ応札増加/貫録の亀井クオリティ」
2011/12/05「民主党部会の不見識な動き/TB基金買入が下限金利に」
2011/12/01「スワップ協定拡充&スワップ金利下げキタコレ/3MTB入札/R&Iが日本ソブリンネガティブウォッチ」
2011/11/29「欧州状況訳わかんね/日銀赤字決算とな」
2011/11/28「大阪選挙雑感/ノルウェー輸出金融公社S&Pも格下げ/不思議な処分事案」
2011/11/25「財政維持可能性に対する警告がS&PとIMFから来ましたよ」
2011/11/24「3MTBいきなり6000億円の増発/ノルウェー輸出金融公社格下げ/自民党も劣化してますなあ」
2011/11/22「市場雑談と悪態色々/PD懇より」
2011/11/21「東証の意味不明な先物等のシステム変更」
2011/11/17「政治家連中のアホ提言に悪態/都銀の超過準備が増えてますな」
2011/11/16「欧州更に炎上中/オペとか入札関連の雑談」
2011/11/11「オペ雑談とイタリア関連雑談」
2011/11/10「オペ雑談/イタリア債券市場にorz/オリンパス関連雑談」
2011/11/08「欧州債務危機はイタリアに延焼/そんな中で資本増強ねえ」
2011/11/04「非不胎化議論に乗るような供給オペの打ち方というのも如何なものか/ドルオペに応札とな」
2011/11/02「ワタクシの夏休み中に落ち着きかけたギリシャまた混迷/MFグローバル破綻/不毛な非不胎化論説は相変わらず続くのであるorz」
2011/11/01「為替介入またまた実施」
2011/10/31「ワタクシの夏休み中に追加緩和実施してたので声明文レビュー」
2011/10/21「JA鳥取県が東電に賠償請求とな/内国為替大口決済のRTGS化」
2011/10/20「日韓スワップ取極の一時的拡大とな」
2011/10/18「東電以外でも電力会社叩き会モードですなあ/復興増発分は本当に中短期で良いの??」
2011/10/11「決定会合声明文は結構降参モード/相変わらずの共同通信/R&Iが東電格下げ」
2011/10/06「日本と欧州と英国の決定会合がありますが/報告書ネタ続き」
2011/10/05「資産査定委員会報告書が出てるのでほんのちょっとだけ斜め読み」
2011/10/04「資産査定委員会下河辺委員長は普通のお話をしているのだ」
2011/10/03「東電報告書が出るわけですが相変わらず枝野さんは・・・・」
2011/12/30
○消費税増税方針とな(ただのクリップ)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111230/t10014986761000.html
消費増税“14年4月に8%”
12月30日 4時4分
『民主党は、社会保障と税の一体改革を巡り、調査会の会議で、衆議院の議員定数を削減するための法案の早期成立を図るとしたうえで、消費税率を2014年4月に8%に引き上げ、2015年10月には10%とする案を了承しました。』(上記URLより、以下同様)
ふーん。
『これに対して引き上げに慎重な議員から、「行政改革や国会議員の定数削減が実現されなければ、消費税率を引き上げるべきではない」とか、「経済状況が好転しないなかで増税すべきではない」などの異論が出されました。このため執行部側は、29日夜遅く、素案をさらに修正することを提案しました。具体的には、「政治家が議員定数削減や公務員総人件費削減などの改革を実施したうえで、消費税引き上げを実施すべきである」と明記し、衆議院の議員定数を80削減するための法案や、国家公務員の給与を削減するための法案の早期成立を図るとともに、経済状況によっては、税率の引き上げを停止する規定をより明確にすることを提案し、最終的に修正案は了承されました。』
で、その経済状況ってどうなるんでしょうかねとか思う訳で、何か結局「公務員給与削減法案が成立しないから増税も無し」とかいうオチが来るに100ハンガリーフォリント。
そもそも今の財政問題って議員定数削減とかそういう「身を切る」という話で消費税増税のバーターみたいな話をしていて相変わらずのしょうもない精神論の世界ですなあという感じですが、現状の財政ってそのような「節約」レベルでどうこうなる話じゃない筈で、社会保障のフレームをどう組みなおすのかとかいうようなレベルの話になっている筈なのですが、何でこう話が「見えやすい」方向に行くんでしょうかねえと思いますが、まあ今後の一体改革の動向に注目したいと思います(棒読み)。
とりあえず物価連動国債が反応するかどうかが楽しみです(棒読み)。
#公共放送ニュースを見ますと「デフレの状況の中で消費税上げは有り得ない」という話をしている反対派議員がおいでですが、消費税上げたらデフレは脱却しまっせ先生(その脱却は全く意味は無いですが^^)。デフレ云々じゃなくて「不況の中で」と言う方が良いんじゃないですか??
○欧州は燃えているか
これは酷い。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-LWZDTB0UQVI901.html
NY外為:ユーロが対ドルで1年3カ月ぶり安値−イタリア入札に反応
いや何が酷いってあたくしが見ている時間ですとこのリンク先の記事にあるキャプチャー写真が酷いのですがこれは何ぞ。
『12月29日(ブルームバーグ):ニューヨーク外国為替市場ではユーロが対ドルで1年3カ月ぶり安値に下落した。イタリア入札で発行額が目標上限に届かず、同国債利回りは上昇。ユーロ圏内の債務危機に伴う資金調達難が示唆された。』(上記URLより)
という事で欧州は相変わらずのクオリティのようで、昨日も入札前に見たらイタリア10年国債とかあっさり7%台とかになっていて中々残念な感じでしたが、そもそもイタリア国そのもののファンディングがどうのこうのとかいう話になってしまうと域内の金融機関の資本増強どうするとかいう話が進むわけも無く、金融機関の資金繰りはECBが面倒を見るにしても、ECBだってソルベントじゃない金融機関の面倒まで見きれない(見たらECBが共倒れ)のですし、どうすんのという所になるんでしょうな。
つーことで、まあとりあえず金融機関の資金繰りでのお父さんは回避していくにしろ、今度は域内の国のファンディングがまたまたネタになるとか勘弁です罠。まあオペでバンバン資金が出るので国債買ってちょという事になるのでしょうが、そもそも資本制約的にそういうアレな国債を買えないという状況になっている訳ですから、ファンディングもさることながら金融機関の資本増強をしないといかんのですが、それを誰が出すかって言ったらまあ今の状況なら政府になるでしょと思いますがその政府は財政支出を減らすとかやっている訳でございましてorzorz
ところで、欧州と言えば地味にハンガリーとかアレですの。
http://jp.reuters.com/article/foreignExchNews/idJPJT806918920111228
ハンガリー支援めぐる協議、再開は未定=IMF調査団長
2011年 12月 29日 00:45 JST
『[ブダペスト 28日 ロイター] 国際通貨基金(IMF)のハンガリー調査団を率いるクリストフ・ローゼンバーグ氏は28日、同国への金融支援に関する正式協議が再開されるかどうかは決定されていないと述べた。』(上記URLより)
ふむふむ。そういえば22日にはしらっとこんなのが出てたようで。
http://www.ecb.int/press/pr/date/2011/html/pr111222.en.html
22 December 2011 - The ECB expresses concern about the independence of the central bank of Hungary
・・・・・・・・何ぞこれ。
『Provisions in the new draft constitutional law that affect the personal
independence of the central bank’s governor. In particular, by appointing
a new President with authority over the Governor of the MNB, who would
become the Vice-President of the new institution, the personal independence
of the MNB’s Governor would be impaired and Article 14.2 of the Statute
of the European System of Central Banks concerning the possible reasons
for dismissing the Governor of a national central bank would be breached.』
『The Governing Council of the ECB has requested the Hungarian authorities
to bring their consultation practice into line with the requirements of
European Union law and to respect the obligation to consult the ECB. Three
major revisions of the central bank law in 18 months are incompatible with
the principle of legal certainty.』
ほほう。
なお、ギリシャは貫録のギリシャクオリティを発揮しておられるようで何より(違)。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-LWYL0T6JTSE901.html
ギリシャ:収税官が48時間のスト入り−政策や公務員削減に抗議
・・・・・・・ヘッドライン見た瞬間に入れたての紅茶吹いたわ。
まあ年末年始も欧州欧州という感じですなあ。
○短期国債モノ無し金はありありとな
昨日の当座預金残高
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/jx111229.htm
ご覧の通り37兆円とかになっているのは年末進行なのでシャーナイナイではあるのですが、いつもの話のように短国の入札が年末1週間ちょっとの間実施されない事もありまして、短国の在庫がスッカラカンになっておりまして、今週に入ってからレートの低下というか物無しモードが更に拡大してしまい、とうとう短国の現先玉も無いですがな状態になっておられるようで、資金を抱えて越年する人涙目の展開。
まあ何ですな、月曜の金利入札オペが順調に札割れして、火曜のレギュラーが末渡しで末越えGCが金余りモードになっていて、水曜になったら今度はスポ末スタートの新発CPのレートが前日からいきなり1bp近く急低下(0.11だの0.10だのという世界でやっているので1bp近くも動くのはそらもうエライコッチャでございますがな)するという流れでしたから、金があまってやがるなあというのは判りましたが、現先に回す玉すら短国市場に無いとかどんな金余りだよと。
年末に短国市場で玉が無くなるのはいつものクオリティーなのですが、昨年ってどうだったかねとか思ってみてみたら、そもそもベースで出ている当座預金残高が全然違っていて、昨年の場合は12月29日で21.4兆円で、30日で22.6兆円(今年は29日が37兆円で30日は36.5兆円の見込み)となっていますからそらまあ潰すキャッシュが多いからシャーナイナイですわなという感じです。
しかも去年の場合は12月上旬までの供給が絞り気味で推移して2年とかの金利が豪快に上昇(その前の包括緩和導入で0.13とかまで低下したのに11月下旬からゲロゲロマーライオン相場になって12月13日には2年カレントが0.235%まで付いた(引けは0.230%)という大変に素敵な展開)してあたくしが悪態を散々ついていた訳で、まああの時からしますと日銀の資金供給の出しっぷりが大変に豪勢と申しますかヤケクソで開き直っておられると申しますか、まあいい感じで金余り祭りになっておりますので年末年始がこんな感じに。
で、次の短国入札はと申しますと・・・・・
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_auct/auct231228.htm
1. 入札予定日 平成24年1月6日
2. 発行予定日 平成24年1月12日
物が出てくるのは受け渡しベースで再来週の木曜までお待ちください。
4. 発行予定額 額面金額で6.0兆円程度
しかし足元では増発しても盤石の需給というか逼迫してるという貫録の金余り。まあ日銀がこれだけホイホイ供給してりゃ短国入札が1週間スキップされると一挙に物無しになる罠という所でございますので、包括緩和実施中で日銀がヤケクソで資金供給をしている限りにおいては29日発行とかの短国を発行しても大丈夫かもしれませんな。まあ年末近辺に敢えて発行せんでも良いとは思いますし、事務方涙目の展開になるのでそんな事はしませんですかそうですか。
○ニュース雑談
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111230/t10014986441000.html
みんなの党 第3党目指す
12月30日 6時34分
・・・・・・・何ですかね、政治関連とかで「皆さんに大人気」的なのってあたくし基本的にロクなもんじゃないとまず疑ってかかるという大変に素敵な性格をしておりますが、これはあたくしの先天的な性格ではなく、市場で生息する中で「皆がこう思う」という時に相場様が逆に行くというのを100万回くらい見たり怪我したり(汗)しておる訳でございますのでそうなったんです(キリッ)と思っておりますけど、まあそんな訳でこのアタクシ的に受け付けない「皆さんに大人気」がくっつくのかよというのは何ともアレ。
まあ橋下市長におかれましては大阪市役所の伏魔殿的なアレと言われるアレに力を発揮して頂く事には期待していますが、その調子で国政まで手を出すのはどうかと思うぞ。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-LWX0YN07SXKX01.html
三井住友FG:欧州銀の資産買収を強化へ、打診7兆円−海外で存在感
『12月30日(ブルームバーグ):三井住友フィナンシャルグループは欧州債務危機の影響で金融機関が手放す貸出債権などの買収を強化する方針だ。すでに約7兆円分の打診がきており、そうした中から北米やアジアの優良資産の取得を積極的に検討する。危機で経営体力の落ちた欧州勢などに代わり、国際市場での存在感の向上を狙う。』(上記URLより)
まあ緑の銀行さんですから変な物は掴まされないかもしれませんが変なもん掴まないように頑張って頂きたい物です(棒読み)。
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2011/12/29
○雑談である
・お約束の展開キタコレ
http://news24.jp/articles/2011/12/29/04197230.html
消費税増税めぐる議論、29日に結論先送り< 2011年12月29日 2:29 >
『消費税増税を含む社会保障と税の一体改革について民主党は28日、増税の具体的な時期や上げ幅をめぐって大詰めの議論を行ったが、結論は出なかった。会議では、消費税について13年10月に税率を8%に、15年4月には10%まで引き上げるとの案が提示された。これに対し、出席者からは「増税の時期まで書かなくてよいのではないか」などの慎重な意見も出た。会議は休憩を挟みながら約9時間行われたが、結論は29日に先送りされた。29日の会議には、インドから帰国する野田首相も出席する予定で、29日中に党の意見を取りまとめたい考え。』(上記URLより)
予想通りの展開なんですが、この前発行するという事になった交付国債の償還財源確保しないと蟻の一穴が更に拡大でござるの巻で大変にまずいと思うのですけどその辺大丈夫なんでしょうか。オラシラネ。
http://news24.jp/articles/2011/12/28/04197181.html
改革議論大詰めの中…離党表明の議員相次ぐ< 2011年12月28日 1:57 >
まあ内紛はざまあwwwなので思いっきりドンドンやって頂きたいのですが、そもそも自分たちが詐欺で当選(以下いつもと同じなので割愛)。ま〜この調子では財政再建とか出来そうもないですなあという所ですが、いきなりそれが今日明日に債券売りになるのかはよー知らん。昨日一昨日と後ろが売られ気味なのは一応「財政懸念」になっているみたいだが多分ただの後付理屈かと。
・東電ェ・・・・・・
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE7BR00T20111228
東電株は一時176円に下落、経産相が国有化を示唆
2011年12月28日 10:08 JST
『[東京 28日 ロイター] 午前の東京株式市場で、東京電力(9501.T: 株価,
ニュース, レポート)は序盤から大きく売られ、一時176円に下落した。今年6月以来6カ月ぶりの安値圏。足元は前日終値から10%超安い180円台で取引されている。東電株のストップ安は131円。』(上記URLより)
まあ株価は反応します罠という感じですが、そもそも枝野経産相としては「東電国有化」先にありきみたいな話を昔からしている訳ですが、どうもその国有化云々が東電ケシカランので成敗するみたいな勧善懲悪の田舎芝居的な発想しかなさそうに見えるのが極めて遺憾な話。
で、電力料金の引き上げは拒否とかになっているのですが、そうしますと東電の今後の代替エネルギー開発とか原子炉廃炉とか事故の賠償とかって誰が負担するのよという話を考えた場合(どう見ても現在の東電をケツの毛まで抜いても足りないのですから)、誰かの所で負担が掛かってくる訳でありまして、それに対して公的資金注入するか電力料金引き上げするかって考えたら電力料金上げて電気の利用者に負担させた方が合理的だと思うのですけどにゃあ。公的資金突っ込むって結局それは納税者負担となる話で、納税者が負担ってえ事になったら東電利用者以外の人たちも負担させるってえ話になるんじゃネーノと。
つーかさ、早い所政府保証で東電債の発行再開するとか、政府保証で賠償機構が財投機関債を発行するとかして、東電の資金コストを下げる(それによって賠償だの廃炉だの事故処理だのの費用を賄う訳で)のが本来の政府の使い方だと思うのですが、どうも現政権におかれましてはわざわざコストが上がる方向に施策を打とうとしているとしか思えんということでもうアホかと馬鹿かと。
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2011/12/28
ちょww昨日の東証1部売買代金4605.66億円とかマジ勘弁だろそれ。
本題の前に雑談。
○ただの雑談だが
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011122701001768.html
東電社長に実質国有化の検討指示 経産相、値上げの動きけん制
2011年12月27日 22時34分
『枝野幸男経済産業相は27日、東京電力の西沢俊夫社長を呼び、同社の実質国有化の検討を指示した。東電が来年3月に策定する総合特別事業計画について「一時的な公的管理も含め、あらゆる可能性を排除しない中で検討してほしい」と求めた。東電が表明した家庭向け電気料金値上げについては、簡単には認めない姿勢を打ち出した。』(上記URLより)
ここだけ読んでると、料金引き上げを監督官庁が認めないで資本不足に追い込むとかどこの時代劇の悪代官だよと思うのですけど何なんでしょうね、まあ枝野大臣がアンチビジネススタンスなのは今に始まった事ではないのですが。いやまあ東電サイドのリストラ不足とかいう話は判るのだが、それならそっちの話を先にした上でバランス考えてどうなのよという話であって、その辺すっ飛ばして国有化どうのこうのが出てくるとかって要するに「見せしめで国有化先にありき」なんでしょ内閣支持率低下してるから東電叩いて支持上げたいんでしょと邪推するのはあたくしの目が曇っているからですかそうですか。
まあ東電も東電で、そういう状況にあるってのを認識してもう少しガードを固めて行動したらどうなんでしょと思いますけれども何か震災前と変わらない平常運転で話をしてるんじゃないかというようなトーンでの動き(報道見ていますと大幅な電力料金引き上げ先にありきという態度にしか見えん)が報道される訳ですが、かつての銀行叩きの時の流れを参考に致しますと、銀行叩かれ時代は「何をやっても悪意で解釈されて報道される」という状態が続いていた訳で、まあ東電さん的にも別に平常運転のつもりじゃないとは思うのですが、大体悪意で解釈されて報道されて益々マイナスイメージが拡大、という状況であることを勘案すると東電のアドバイザーにメガバンクの人でも入れたらよろしいんじゃないですか(違うか^^)。
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2011/12/27
○その他雑談
・先生!市場ちゃんが息を(ry
昨日の売買高:
債券先物の日中売買高=6977億円
東証1部の売買代金=5008.44億円
いやまあ何ですな、最近の債券市場も海外でそれなりにああでもないこうでもないと動くというのにまあ貫録のウゴカンチ会長なんですが、東証1部の売買代金って今月入って1兆円こえたのが1日の12625億円、7日の10503億円に9日の17909億円しかございませんで、そのうち9日はメジャーSQ要因ですから実質的に2日だけかよという所でございまして、これは証券会社涙目の展開。
もうね、経費勿体ないから官庁御用納めで大納会で良いんじゃないですか??
・東電関連
昨日はこんなの出てましたな。メモだけ。
http://www.47news.jp/CN/201112/CN2011122501001377.html
東電、2兆円返済先送りを要請 主力銀行に破綻回避で
『東京電力と原子力損害賠償支援機構が、福島第1原発事故直後に緊急融資を受けた約2兆円について、来春に期限が迫る返済を事実上先送りするよう三井住友銀行など主力取引銀行に要請したことが25日、分かった。融資残高を維持することで、福島第1原発1〜4号機の廃炉費用負担などによる経営破綻を防ぐ。』(上記URLより)
まあ「事実上先送り」というのは「単なる短期融資の借り換え要請」ということでしょうが、何でこうわざわざクレジットイベントみたいなヘッドラインで報道されるような動きになるのですかねという感じはせんでもない。
・お土産ですかそうですか
http://www.mof.go.jp/international_policy/convention/dialogue/japan_china_financial_cooperation.htm
日中両国の金融市場の発展に向けた相互協力の強化
『平成23年12月25日に中国・北京で行われた日中首脳会談において、日中両国の金融市場の発展に向けた相互協力の強化が合意されました。具体的な協力内容は以下の通りです。』
http://www.mof.go.jp/international_policy/convention/dialogue/fact_sheet.pdf
日中両国の金融市場の発展に向けた相互協力の強化 ファクト・シート
・・・・・・何か良く判らんのだが、日本は何か見返り頂けるのでしょうかというのが相変わらずワカランチ会長ではございます。
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2011/12/22
○ECBの3年オペ
昨日はブルームバーグに悪態つきましたが、FTとかも同じような報道していて、まあ初回の3年オペしかも大注目ということですから、コケないようにECBおよび各国中銀が「ご指導」したのかもしれませんな(^^)。
オペのページ
http://www.ecb.int/mopo/implement/omo/html/index.en.html
3年オペの結果はこちら
http://www.ecb.int/mopo/implement/omo/html/20110149_all.en.html
Longer Term Refinancing Op.-Allotment Reference Number: 20110149
Transaction Type: REVERSE_TRANSACTION Operation Type: LIQUIDITY_PROVIDING
Procedure: STANDARD_TENDER
Tender Date: 21/12/2011 11:15:00
Start Date: 22/12/2011
Maturity Date: 29/01/2015
Duration (days): 1134
Auction Type: FIXED_RATE
Tot Amount Allotted: 489190.75 mn
Tot Bid Amount: 489190.75 mn
Tot Number of Bidders: 523
523の金融機関が応札して落札は4891億ユーロということで、まあ沢山札が入って良かったですね(棒読み)という感じですが、何か今日は「これで金が入っても問題国の国債購入に回るかどうかは不透明」とか昨日の市場と違う話になっているのがはいはいワロスワロスという感じでございます。
いやね、まあ確かに資金供給を3年物でフルアロットメントで打ち込むというのは資金繰り支援という意味では非常に強力でして、何せリファンディングの心配しなくてよい(つーても別にMROだってフルアロットメントでやっているのですからMROをロールしても同じちゃあ同じですけど、ロールをしないで済むほうが資金繰り安定化という意味ではオイチイですわな。1年ごとに中途返済可能ですし)のでこれは素敵。
・・・・・ではございますが、じゃあこれを持って得た金がすかさず問題国の国債購入に回りますかってえ話になりますとそれは別問題。まあこの辺はジャパンの皆様(ただし一定以上の経験値のある方)は記憶に新しいと存じますが、そもそもこういう状況になっている時というのはバランスシート制約があってリスクを取れないという時なのですからして、ファンディングの面倒を見てくれるから問題国の国債を買いますよって話になるかというとそれはねえってなる訳ですよね。そらまあECBにリスクが移転するなら買うでしょうけれども、ECBは問題国国債のクレジットリスクまで取ってくれる訳では無く、リスクは金融機関のバランスシートに残る訳で、今申し上げたようにそもそも域内の金融機関がこれ以上のリスク取れない状態になっているからこの有様ですよね、と考えると、そらまあキャリートレードみたいな動きが全く起きないとは申しませんが、そう簡単に劇的な変化にはならんでしょと。
つまりは、域内の金融機関のバランスシート制約を緩和するような政策を実施しないと一足飛びに問題国国債の購入という話にはならないで、足元では超過準備が積みあがる形になる部分が多くなるでしょ、という所ですわな。
○R&Iが日本格下げキタコレ・・・・・・なのですが
R&I社のリリースはこちら
http://www.r-i.co.jp/jpn/body/cfp/news_release_A/2011/12/news_release_2011-A-1283_01.pdf
・・・・・・まあ仰ることはまあさいですなという所ですが、債券先物様におかれましてはリリース出てから大引けまでに別に動揺もなく、BBの板も貫録の無反応。更にイブニングセッションでも貫録の無反応で、6時前に先物の値段見た時は大引け対比変わらずで推移とかどんだけ貫録の無反応なのかと感心するやら呆れるやら。
#どうでも良いですがリリース出た直後に見た時にGDPの所「国民総生産」って書いてあった筈なのですがいつのまにかしらっと「国内総生産」に直っていますな(^^)
まあ記念に冒頭の所だけ謹んで引用。
『R&Iは日本ソブリンの格付について11月30日に格下げ方向のレーティング・モニターに指定し、消費増税や社会保障改革をめぐる論議を見守ってきた。野田政権の消費増税への強い決意は評価できるが、社会保障改革は負担増が先送りされるなど踏み込み不足だ。経済活性化への展望も開けていない。こうした情勢を踏まえると、消費増税が実現しても、今後も相当の間、政府債務残高の増大は避けられず、既に先進国中最悪の水準にある同残高の対国内総生産(GDP)比率を安定化させていくメドが立たない。』
『財政状態を自ら調整していく能力は、もはや最上位の格付に求められる水準にあるとは認めにくく、外貨建・自国通貨建ともにAA+に格下げした。もっとも、多様で競争力のある産業群に支えられた経済ファンダメンタルズの強さは揺らいでいない。家計や企業の資金余剰が大きく、恒常的に経常収支が黒字という資金循環構造の下、大量の国債を低利で発行できる市場環境も維持されている。租税などの国民負担率も低く、R&Iは政策次第で財政再建は十分可能と判断しており、格付の方向性は安定的とした。』(上記URL先のR&I社のリリースより)
・・・・・・さて、亀井静香先生の動向が注目されますが(違)、亀井先生以外でも「消費税増税させるための財務省の陰謀ガー」と言い出す人が出てくるに100ポルトガルエスクード(^^)。
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2011/12/21
毎朝モーサテに突っ込むのも何ですが、今日の説明はさすがにアレだろおいという感じでした罠。ということでどうでもいい雑談から始まるのである。
○あまりにもアレなので話のマクラどころか雑談ネタに
いやね、今朝のゲスト解説の人の話なんですけど、最初に「インドルピーの対円相場とインド株価指数」の図が出てきて「通貨安と株安が起きておりこれは資産売却の動き」という説明で、まあそこまでは判らんでも無いのですが、その資産売却してるのが「欧州問題による欧州金融機関を中心にした資産圧縮の動き」という講釈。
そこで止めれば聞く方も何となく流して聞いてあたくしの駄文のネタにならなかったと思うのですが、そこのグラフにドヤ顔で日経平均の推移を重ねて「日経平均も海外投資家の売りに脆弱な相場で(そこまでは判るが)、このように海外投資家の売りによって日経平均も含めてアジアの資産圧縮が株価に影響しています(ドヤ)」とのご説明で気が付いたのだが、それなら「ルピーの対円相場」じゃなくて「対ユーロ相場」と比較しないと話が変だし、大体からして同じ話なら円の対ユーロ相場はどうなってるんだと小一時間。
いやほんと昨日の「ウォンの対円相場と日経平均」もそうなのですけれども、ネタが無いからって無理矢理にも程がある馬鹿講釈を朝からドヤ顔でされますとお笑いネタにはなるのですけれども、こういう馬鹿解説を中途半端な知識のある方が真に受けてしまうというのも困る訳で、そらまあ個人資産を投資でヘボって溶かす程度ならどうでも良いのですが、その調子で中途半端な知識のある「金融通」「政策新人類」政治家が馬鹿政策を打ち出そうとすると迷惑にも程があるので勘弁して頂きたいものであります。
・・・・・・などとエラソーに申し上げていますが、不肖あたくしも当然ながら初心者時代には北禿先生の株式投資指南本を1冊買ってしまったりしたという黒歴史もあります(まあそれ読んで株を買った訳では無い上に書物の方はとうの昔に行方不明ですが^^)のでして、まあ一番大事なのはメディアがちゃんと情報のゲートウェイとしての取捨選択能力を発揮して頂きたい(情報操作しろという意味ではなく、ゴミ情報は排除してくれという話ですので念の為)という所ではないかと思うのですが、地上波で最も高いクオリティの筈の経済ニュース系放送がツッコミどころ満載の渾身のギャグを朝6時前から投入するとか何とかならんもんですかねえと思うのでありまするorz
ま、つまりテレビ東京さんには期待をしているので朝からしょうもない悪態になるという事ですのでつまりテレ東愛があるという事です(^^)。
○なんでこういう題名になるのよ
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-LWIC8U1A74E901.html
ECB:3年物オペに応札募る、長め資金無制限供給−信用逼迫阻止へ
『12月20日(ブルームバーグ):欧州中央銀行(ECB)は20日、初の3年物資金供給オペへの応札を市中銀行に呼び掛けた。ソブリン債危機に揺れるユーロ圏の信用逼迫阻止を目指し長めの資金を無制限に供給する。』(上記URLより)
・・・・・・何か変なリリースでも出ているのかと思っていつものECBのページを見た訳ですが・・・・・・・
http://www.ecb.int/mopo/implement/omo/html/index.en.html
20110149 LTRO EUR 22/12/2011 29/01/2015 1134 Ann.
で、上記URL先で表示されているこのAnn.の所をポチっとすると
http://www.ecb.int/mopo/implement/omo/html/20110149_ann.en.html
Longer Term Refinancing Op.-Announcement(めんどいので詳細割愛)
For further information please refer to the press release of 08/12/2011 on
http://www.ecb.europa.eu/press/pr/date/2011/html/index.en.html
and ECB page Announcements on Operational aspects.
ということで、別にいつものオペの実施アナウンスと同じなんですけど、最近のブルームバーグの記事って妙な煽り系のヘッドラインになっておりまして、まあヘッドラインでインパクトを出して何ぼ的な馬鹿メディア化の進行(というか劣化)が著しいなあとか思うのでありました。この前の「FRBの秘密貸出」報道の一件とかついに頭いかれたんじゃないかと。
ちなみに元記事と思われるものはこちら。
ECB Invites Euro-Area Banks to Place Orders for Three-Year Cash(URLがクソ長いので題名にリンク貼りました)
By Gabi Thesing - Dec 20, 2011 11:40 PM GMT+0900
いやあの普通のオペのアナウンスだと思うのですが・・・・・・・
しかしまあ何ですな、既に実施するのが決まっているオペの話で相場が動いたかのような後講釈とかもあったりして、中々香ばしいのではございますが、どうせフルアロットメントなのですからして、応札が多くても少なくてもその時の相場に都合の良い講釈しか出てこない(たとえばリスクオンにしたければ「応札が多くあってこれで資金の確保ができて安心」「応札が少ないのは金融機関の資金繰りに余裕のある証拠」となるし、リスクオフにしたければその逆の説明になるでしょ)と思うのですけどねえ。
○更に雑談ではあるがこのニュースは何ですかねえ
こらまたツッコミどころ満載なニュースで
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111220/k10014781541000.html
政府 中国国債を初購入へ 12月20日 17時33分
『政府は、中国が発行する人民元建ての国債を初めて購入する方針で、日本としては、外貨準備に人民元建ての資産を加えることで、人民元の国際化に協力するねらいもあるものとみられます。』(上記URLより、以下同様)
いやあの中国の国債って米債やドイツ国債みたいな流動性無いでしょ、買うのは良いけどその後どうすんの???
『政府は、中国との間で進めている戦略的互恵関係の一環として、経済面での連携強化を検討しており、外貨準備の資金を使って、中国政府が発行する人民元建ての債券=国債を購入する方針だということです。』
あのーすいません、米ドルは世界通貨のハードカレンシーですから外貨準備で購入するのは判るのですけれども、中国人民元はそもそも為替規制が掛かっている通貨でして外貨準備の意味をなさないんじゃないでしょうか??外貨準備の目的外流用ってツッコミ受けたらどうするんでしょうか??
『すでに中国は日本の国債を保有していますが、日本が中国の国債を購入するのは初めてです。』
向こうは外貨準備のアロケーションの一環としてハードカレンシーの日本円を買っているだけだと思うのですが何でそれにお付き合いしないといけないんですかねえ???
『日本としては、外貨準備の中に人民元建ての資産を加えることで、人民元を国際的な通貨にする取り組みに協力するねらいもあるものとみられます。』
それによる日本のメリットって何なんですか??見返りは当然貰うんですよね???何もないで国民の資金というか国債を原資にして中国国債を購入するって意味って何なんでしょうか???そんな事に使う金があるんだったら増税とかしないで下さいな。
#つーかドルからの振替をしたらドル安人民元高要因になりますがな
『政府はこうした方針を、今月25日に行われる予定の日中首脳会談で野田総理大臣が表明する方針です。』
手土産にしては随分と大盤振る舞いですなあ(棒)
『これに関連して安住財務大臣は、20日の会見で「国債の購入を日中両国が双方向でできるようにしたほうが、お互いにメリットが大きい。お互いの国債の保有による関係強化ということは、外交上も必要だろうと思っている」と述べ、その意義を強調しました。』
全く意味が分かりません。外国為替資金特別会計を何だと思っているのですかねえ。
http://www.mof.go.jp/about_mof/mof_budget/special_account/gaitame/gaitame.htm
『外国為替資金特別会計は、本邦通貨の外国為替相場の安定を実現するため、政府が実施する外国為替等の売買(為替介入等)等の円滑化に資するため設けられています。』(上記URLより)
EFSF債購入する時は「欧州債務問題の拡大によってユーロという通貨がおかしくなったら大変な事になるから」という大義名分が一応ありましたが、今回の人民元に関して外国為替市場の平衡操作に関わる何らかの意義ってあるんですかねえ????
だいたいですな、一方でこの民主党政権の人たちってきっちりとこういう事を実施して「国有財産の圧縮」とやらを推進しておられる訳でして・・・・・・
http://www.asahi.com/politics/update/1201/TKY201112010156.html
国家公務員宿舎、5年で25%削減 朝霞住宅は建設中止
国有財産の圧縮は推進する一方で中国様の国債は外貨準備としての適切さという点で微妙にしか見えなくても購入なさるとかトータルすると何をやっているのかさっぱり判りませんという結果になるというのが意味判らんとしか申し上げようが無し。
○まあ雑談ばっかりですいませんがこれもねえ
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111220/k10014765051000.html
年金負担財源 交付国債で調整 12月20日 4時19分
『国の来年度予算案の焦点となっている、基礎年金の国の負担分を2分の1に維持する財源について、政府は、赤字国債の発行が難しいことから、「交付国債」と呼ばれる国債を発行して対応する案を軸に調整を進めることにしています。』(上記URLより、以下同様)
交付国債って普通は恩給みたいなもんに使うか、災害復旧の一時的なものに使うという類のもので、普通に通常の政策経費で出てくる物に対して交付国債を発行するというのは「やり繰りの一環」にしても筋の悪い話ですわな。
『この問題について、安住財務大臣は、19日、総理大臣官邸で小宮山厚生労働大臣、藤村官房長官と協議し、消費税率の引き上げ時期などが明確にならないなかで、新たに赤字国債を発行するのは認められないとして、「交付国債」と呼ばれる国債を発行する案を示しました。』
どう見ても目眩ましです本当にありがとうございました。
『交付国債は、赤字国債の新規発行額を抑制できますが、当面の財源として、年金特別会計の積立金の一部を取り崩す必要があり、厚生労働省は、年金の信頼性が損なわれるとしてこの案に難色を示しています。しかし、ほかの財源の捻出は難しい情勢で、政府は、交付国債を発行して対応する案を軸に調整を進めることにしています。』
ということで、まあ今回の額自体は大した話ではないのですが、これが蟻の一穴になって「なんだ赤字国債増やさなくても財源が出来るじゃないか」とか訳の分からん理解になって財政発散一直線の道を驀進されると極めて遺憾となる話でございまして、そのうちどこぞの学者先生あたりが電波浴新聞あるいはその関連新聞あたりで「交付国債100兆円を財源にナントカカントカ」とか言い出すに100腕時計。
○PD懇と投資家懇からメモだけ
PD懇
http://www.mof.go.jp/about_mof/councils/meeting_of_jgbsp/proceedings/outline/111219.html
投資家懇
http://www.mof.go.jp/about_mof/councils/meeting_of_jgbi/proceedings/outline/201219.html
双方共通ですけど、最後の所にこの話が。
『(4) その他について
はじめに、理財局から、その他について、以下のように説明を行った。
・国債を確実かつ円滑に消化していくためには、透明性・流動性が確保され、安全かつ効率的に決済が行われる流通市場の存在が重要と考えている。11月30日に、「国債の決済期間の短縮化に関する検討ワーキング・グループ」の最終報告書が取りまとめられ、流通市場における国債のアウトライト取引の決済期間について、これまでのT+3から、来年4月23日約定分よりT+2に短縮することとなった。国債の発行についても、入札から発行までの期間の短縮化は重要と考えており、現在基本的にT+3となっている入札から発行までの期間についても、流通市場におけるこのような取り組み状況を踏まえ、同様に来年4月からT+2に短縮することができないか、市場参加者の方々からも意見を伺いつつ検討を進めてまいりたい。』
『今後、皆様をはじめとする市場参加者の方にアンケートを行い、必要があれば直接意見を伺いたい。』
ということで、昨日ネタにするの忘れたのでメモメモ。まあセカンダリーがT+2になったら普通に国債入札も(4半期の20日発行分以外は)T+2になるという方向なんでしょうな。アウトライトT+1にするのはハードルがかなり高いですが、T+2ならまあ何とかという所でしょうか。ただまあ短期金利がこの状態で決済とか短期市場関係での収益が全然出ませんという状況下で、資金部門や債券決済部門に負荷を掛ける施策をわざわざ打ち込まないと行けない理由もあまり感じられず、そもそもそっちの方がもうちょっと何とかならんのかなあとは思いますけどそれは別の論点。
あと、今回に関してもそうなのですが、『(3) 最近の国債市場の状況と今後の見通しについて』の所は業者さんと投資家さんの意見が微妙に違って味わいがあるのですが、そこに関しては時間の関係でスルーの方向で勘弁。
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2011/12/19
○各種世間話
・ほほう
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2011/rel111216a.htm/
Twitterによる情報発信の開始について
『本日、日本銀行は、Twitterによる情報発信を開始しましたので、お知らせします。』
ということで、日本語版が
https://twitter.com/Bank_of_Japan_j
のようですが、どこぞの財務省みたいにカスタム君とかコクサイ先生とか出てこないのでしょうかとは思いますが、一般ピープルに身近なのは発券局と言いたい所ですが発券関連というのも一般ピープル的には金融機関経由でのお話ですもんね。まあ災害の時などに一般ピープルにも馴染みが出来るという事で、日銀自体は世の中が順調に回っている時にはあまり目立たないもんでしょうからねえ。
ただまあ何ですな、せっかくこういうのがある訳ですから、教えて!にちぎんとか貨幣博物館とか、そっちのシリーズ物もやっていただければと存じます次第で。
http://www.boj.or.jp/research/brp/ron_2005/ron0509c.htm/
http://www.boj.or.jp/research/brp/ron_2005/data/ron0509c.pdf
日本銀行の広報活動と金融教育分野での取り組み(6年前のドキュメントですが)
ちなみに財務省ではサイトのトップの右の方で年中カスタム君がつぶやいています。
http://www.mof.go.jp/
・いやあのこんなんで「アコード」とか出来るかよと思う訳で
先日は前原さんの「政府と日銀が政策協定を結んでデフレ脱却」とかいう脳内お花畑提案に関する悪態をついた覚えがございますが、自動車重量税は下げるのに消費税の話はもうこの有様で、公共放送様におかれましても「民主党内が全然まとまりません」というようなお話を報道されているようですな。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111219/k10014731991000.html
消費税増税の議論 本格化へ
12月19日 4時16分
『その一方で、民主党内では、消費税率の引き上げに反対する署名活動が始まっているほか、山田前農林水産大臣や原口元総務大臣が引き上げに反対する新たな勉強会を20日にも立ち上げることにしていて、「素案」の取りまとめに向け、調整は難航することが予想されます。』(上記URLより)
まあ日銀にあれやれこれやれというのはそらまあ色々と見解はあるでしょうけれども、政権与党の方はひたすら部分均衡の話ばっかりして全体的な政策の整合性とか何も考えて無いにも程がある状態でございまして、これじゃ政府とアコードとか言いましてもご勘弁という感じじゃないかと思うのですけどにゃあ。
・まさに部分均衡
その関連のニュースから。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111217/k10014711001000.html
消費増税 負担軽減へ現金給付も
12月17日 11時42分
『社会保障と税の一体改革の「素案」の取りまとめに向け、政府と民主党の税制調査会は、消費税率の引き上げの具体的な時期などと合わせて、所得の低い人ほど負担が重くなる逆進性の問題への対応を議論しています。これまでの議論では、主な対応策として、食料品など一部の品目の税率を低くする「軽減税率」や、所得税を減税したり、現金を支給したりする「給付付き税額控除」が取り上げられています。(途中割愛)政府・民主党は、一定の所得の世帯に一律に現金を給付する方法や、「給付付き税額控除」を今後の主な検討対象とする方針です。』(上記URLより)
・・・・・・いやあの社会保障の全体設計の中で低所得者に対して何らかの所得再分配措置を実施するというのなら話は分かるのですが、どうみてもお前ら消費税増税の話との単なるセットじゃねえかと思うのとしか見えない所が残念な所。そうやってつぎはぎでやった結果がワケワカランチ会長になるんじゃネーノという存じますがね。
○決定会合プレビュー雑談
まあ今回はFEDも動かなかったことですし日銀に何かやれという話はそんなに来ないでしょうし、足元のドル円市場ちゃんも相変わらず息をしてなさそうな素敵な状態になっておられますし、焦点は来年になってからの欧米金融政策動向という風になっている中ですからして、そーゆータイミングで日銀が何か金融市場に働きかけるような事をするかというとまあしないでしょというのがいつものパターンではないかと勝手に妄想。
短観は別に良い内容ではなかったですけれども、そんなに極端に悪化という内容でもないと思われますし、これ一発で見通しを極端に下げてくるというのも(機械受注とか法人企業統計とか怪しげな内容だったように記憶してますが)どうかという所で、まあ展望レポートの中間レビューで足元の数字を下げてくるとか、先行きのリスク認識を更に下方に強めるとかの程度にして、一応次に何かやる時の為に理屈の整合性を今のうちに取っておく(どうせ出口政策方向の話は当分出す必要ないんですし)という所でしょうな。
では(今回は特段何もないでしょうが将来的に)何やりますかという話ですが、まー普通に考えますと基金国債買入の拡大(=1年〜2年国債の買入拡大)という事になるでしょうが、国債買入の対象期間の延長という可能性は別にまあ無い訳でも無いでしょうとは思います。ちょうどECBも36か月オペとかいうヤケクソオペを実施する事ですし、時限措置という枠組みさえ崩さなければ3年くらいでしたら日銀の展望レポートの見通し期間も一番長いと2年半(2011年10月に出す展望レポートの見通し期間のケツは2013年度末ですから2014年3月末であり、つまり2年半程度)ですし、米国の長期債買入と比較して基金国債買入の説明をする中で「企業の借入期間が3年以下」という説明をしていたりする(この先の虫干しネタはそのために出す^^)事から、理屈としては整合性を出せない訳では無いですわな。
ただまあ買入の国債規模拡大にしろ期間延長にしろ、まあ理屈はそれで通せるにしろ、要は財政マネタイズをしていまっせという形にしないのが重要な話ではございまして、特に欧州があの有様ですと、日銀がわざわざ財政マネタイズの宣伝して無用なリスクを取る必要は無いでしょ(そういう時の変化は非線形的かつ不可逆的な形で起きるでしょうし、まあ多分起きないにしても起きた時の弊害が大きすぎるし修復が極めて困難と思われるので)とゆー所ではありますな。
つーかね、出口政策を実施する際に国債の売却でも買入期限の極端な短期化でもホイホイ実施できれば何の問題も無いのですが、市場の中の人的に考えた場合にはどう見てもそれって実務上無理でしょというかプロシクリカルに相場が反応してエライコッチャになるだけなので、コントロール不能になるリスク(は小さいかもしれないけれども不能になった場合のダメージが莫大過ぎるし)を考えたら、あんまりホイホイと拡大するのもどうなのよという所でしょうかね。
と、全然まとまっていない雑感でした。
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2011/12/15
○昨日の日銀取引先の改定の件について補足
まあ補足って程の話でもないですが。
昨日URLをうじゃうじゃつけたネタですけれども、まあ要点としては、
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2011/rel111213b.htm/
「日本銀行の当座預金取引または貸出取引の相手方に関する選定基準」等の一部改正について
の別紙1
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2011/data/rel111213b1.pdf
に基本的な考え方があって、他の資料に関してはそれを実務に落としこんだらこうなりますという話を並べているので、ここの新旧対照表を見ればよろしある。
で、銀行等の既存取引先に対して追加された条項部分を読みますと、
『(2)申出者の親会社が銀行持株会社である場合には、(1)に加え、銀行持株会社の連結自己資本比率が、直前の決算期末において、第一基準が適用される先については8%以上、第二基準が適用される先については4%以上であること。』
というのがあるのと、確認する直近決算が「中間期末を含む」となった点、それから、
『(3)(1)または(2)の要件を充足している場合であっても、その水準が一時的なものであると認められるとき、当該直前の決算期末以降の状況変化により信用力に問題が生じているとき、または流動性リスク管理が適切でないとみられる等その他信用力に問題があると認められる特段の事情があるときは、要件を満たすものとして取扱わない。』
のところに「または流動性リスク管理が適切でないとみられる等」というのが新たに書かれています。これは証券会社など他の業態に関しても同じ変更が行われていまして、ポイントに関しては昨日の繰り返しになりますが、「グループ連結(あるいは子会社連結)の自己資本比率を要件として追加」したことと、「流動性リスク管理状況を審査の対象にすることを明示」したという所になりますわな。
まあこの話自体は突然降ってわいたというよりは、昨今の流れとして金融機関の経営に関するモニタリングをグループ企業全体を対象にして行うとか、バーゼルの方でテーマになっている金融機関の流動性リスク管理(とかシャドウバンキングのモニタリングとかありますが、今回は日銀の取引先選定の話なのでシャドウバンキングは関係ない)のモニタリング強化とかいうのがあって、その辺りを今回反映させましたね、という所ではないかと思いまする。
でですな、まあそれはそれではあそうですかってなもんなのですが、前半の方は兎も角として、流動性リスク管理の強化という話に関しては、まあマーケット的にもボディーブローのように影響は出てくる話かもねとは思う訳で、流動性リスク管理強化の流れを受けると金融機関が従来以上に流動性の確保を行うようになる、となりますと、超過準備が今以上に積みあがりやすくなって、流動性リスク管理上持ってて損のなさそうな短期金融資産というか短国あたりのニーズが更に高まったりするのかねとか漠然と思うのであります。まあ金融機関が流動性積み上げるニーズが高まると勝手に資金供給額が増えてくれて今の日銀的にはウハウハかもしれませんなという所ですが、流動性の積み上げが増えすぎるとそれはそれで市場の金の回りが逆に悪くなるかもしれませんし、影響がどう出るのかというのは決め打ちしにくいところではございます。
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2011/12/14
○その他雑談(日銀関連)
・ドルオペキタコレ
昨日のオペオファー(ただし共通担保オペの方はめんどいので割愛)
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of111213.htm
米ドル資金供給(固定金利方式) 2011年12月15日 2011年12月22日 0.600
米ドル資金供給(固定金利方式) 2011年12月15日 2012年3月8日 0.610
オペ結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba111213.htm
米ドル資金供給(固定金利方式)(12月22日エンド分) 13 13
米ドル資金供給(固定金利方式)(3月8日エンド分) 4,756 4,756
3か月オペ47億56百万ドル応札キタコレ。まあちゃんと資金取りたいのでしたらこのレート差だったら普通に3M取る罠ということで、今回は応札がきっちりと入ったですなあというところで。
・何かたくさん書いてあるので全部読めていないのだが
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2011/rel111213b.htm/
「日本銀行の当座預金取引または貸出取引の相手方に関する選定基準」等の一部改正について
『日本銀行は、本日開催した政策委員会において、「日本銀行の当座預金取引または貸出取引の相手方に関する選定基準」等の一部改正に関して、次のとおり決定しましたので、お知らせします。当座預金取引または貸出取引の相手方に関する選定等を適切に行う観点から、「日本銀行の当座預金取引または貸出取引の相手方に関する選定基準」(平成10年6月23日決定)を別紙1
[PDF 166KB] のとおり、「国債振替決済制度の参加者口座および顧客口座の開設基準ならびに間接参加者および外国間接参加者の承認基準」(平成15年1月7日決定)を別紙2
[PDF 189KB] のとおり、また、「代理店の設置等に関する基本要領」(平成12年6月30日決定)を別紙3
[PDF 174KB] のとおり一部改正し、本日より実施すること。』
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2011/rel111213d.htm/
オペレーションの対象先等の選定等にかかる信用力の基準等の一部見直しについて
『日本銀行は、「日本銀行の当座預金取引または貸出取引の相手方に関する選定基準」(平成10年6月23日決定)の一部改正(注1)に伴い、オペレーションの対象先等(補完貸付先を含む。以下同じです。)の選定等にかかる信用力の基準および補完貸付先の承認取消しにかかる予告措置を一部見直し(注2)、(注3)、本日より実施することとしましたので、お知らせします。見直し後の基準は、本日以降、日本銀行が新たにオペレーションの対象先等を選定する場合に適用するほか、現在、既にオペレーションの対象先等に選定されている先が継続して満たすべき要件となります。』
・・・・・・最初の方の別紙1を斜め読みしただけなのですが、信用力の基準に関して従来「直近決算」は本決算のみを対象にしていたのを中間決算も対象にするようになったのと、銀行の親会社が持株会社の時には銀行本体だけではなくて持株会社の決算も信用力判定に使う事になったのと、決算に関する形式要件を満たしていても却下する場合があるという中に「流動性リスク管理が適切でないとみられる等」という文言を新たに加え、バーゼルだか何だかの「金融機関の流動性リスク規制」に対応するようになった(「日銀が適切と認めない」場合は却下なのですが、わざわざ明言しているのは、流動性リスク規制導入を意識した形なんでしょ)という所でございましょうか。
よー判らんからちょっと教えてジェネラルである。>これ読んだ人m(__)m
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2011/12/12
○貫録の社債買入連続札割れ
木曜日のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of111208.htm
社債等買入(資産買入等基金) 2,000 2011年12月14日
結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba111208.htm
社債等買入(資産買入等基金) 1,634 1,634 0.000 0.003
ということで前回の11月9日オファーに引き続き盛大に札割れとなったのですが、今回はオファーが2000億円に増えていまして(前回は1500億円)、オファー額自体は前回の1441億円から200億円ほど増えてはいましたが、札割れは札割れ。
まあ何ですな、一応基金オペって「資産買入の額」が数字として挙げられているというのが微妙にアレな所でござんして、市場機能正常化の為のバックストップとして実施した前回の社債、CP買入でしたらば「市場が正常化したので利用が無くなりました良かったですねえ」と片付けるのですが、今回は買入そのものが数値目途みたいな感じですのでさてどうする。
と言いましても、まあそもそもリスク性資産の買入の場合は「リスクプレミアムを縮小させる」というのが目的である、というのが今回の包括緩和における建付けと割り切ってしまえば、と申しますかそもそも包括緩和というのは「量的緩和」+「信用緩和」でありまして、国債や短国の買入に関しては量的緩和ですのでこの買入量とか買入残高を目標数値として買入しないと話がおかしくなりますけれども、信用緩和の部分になるリスク性資産の買入に関しては「リスクプレミアムの縮小が達成された」という事でまあ良しとするという理屈は無くはないとは思います。
ただまあ何ですな、本来は社債買入でリスクプレミアム縮小→社債発行の活発化→企業金融環境の緩和というパスがこの社債買入の目的である筈ですが、肝心の社債発行が電力債ストップ特需によるスプレッド低下なのか買入効果なのかが良く判らん所ではあります。つーかもうちょっと3年とか2年とかの社債が新規に出てくると「ほら効果があったでしょ」とドヤ顔が出来る所なのですが、今の状況でそんなに資金需要が強い訳でも無いし、大体からして2年とか3年出す位なら長期出すかCPで繋ぐかでしょうからその辺の「目に見える」効果を見せにくい所が微妙な所ではございます。
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2011/12/09
○東電関連ニュースが出てましたが
昨日のニュースを時系列に。
毎日の朝刊。
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20111208ddm001020045000c.html
東京電力:実質国有化へ 資本注入1兆円 政府、改革を主導−−来夏にも
毎日新聞 2011年12月8日 東京朝刊
『政府は、東京電力に少なくとも総額1兆円規模の公的資本を注入する方向で調整に入った。福島第1原発の事故対応費用の増加などで、13年3月期に東電が債務超過に陥る可能性が高まっているため。来年6月の定時株主総会で新株を発行する枠である株式授権枠の大幅拡大について承認を得た上で、原子力損害賠償支援機構が東電の新株(優先株)を引き受ける形で来夏の実施を目指す。勝俣恒久会長ら東電の現経営陣の大半を退陣させ、東電の一時、実質国有化に踏み切る構えだ。』(上記URLより)
ということで、ご案内の通り昨日は東電株は下落スタートとなった後、そもそも毎日ですのでねえというのと、藤村官房長官が「具体的な議論をしている訳では無い」的な発言をしたと報じられたので後場戻りましたが、14時ごろに共同通信が再びこのようなニュースを。
http://www.47news.jp/CN/201112/CN2011120801001198.html
東電、廃炉へ3兆円調達検討 資本注入で実質国有化へ
2011/12/08 14:05 【共同通信】
『東京電力と原子力損害賠償支援機構が、福島第1原発事故に伴う巨額の廃炉費用などに対応するため、公的資金による資本注入と取引金融機関の追加融資により、13年3月期から4年間で総額3兆円を調達する財務基盤強化策を実施する検討に入ったことが8日、分かった。実現すれば、東電は実質国有化される。』(上記URLより)
・・・・・何かこの記事の「東京電力本店」なんですが隣のみずほ銀行本店が思いっきり写り込んでいまして、何か「東電はこんなにデカイ本店なのか」とまたまた勘違いを誘発しそうな写真の撮り方は如何なものかと思いますが、まあそれはそれとして。
この間の東電株価推移はこんな感じ(ただしこの画面だと当日のイントラデイチャートが出るので、寄り後は多分見ている日のチャートになっちゃいますすいませんすいません)。
http://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/detail/?code=9501.T&d=1d
ご覧のように(時間によってはご覧になれないかもしれませんが)14時過ぎに株価がストンと下がっていまして、まあ確かにこの時間に他のベンダーにもこのニュースヘッドラインが出ていたので反応したんですねという所です。
で、実はこの間にあたくしが見てたブルームバーグによると13時35分にこんなヘッドラインがあったのですよね。
『13:35 JBN:政府:東電に1.5兆円の資金注入検討、実質国有化へ−産経』
で、その記事どこですねんと思ってちょっとMSN産経のWebみたんですが、見つからなかったのでURL割愛するのですが、何か日中足をみていて貫録の産経クオリティと感心する昨日のひとときでございました。
で、今朝は公共放送がこのようなニュースを。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111209/k10014512151000.html
東電 支援機構に融資を要請
12月9日 4時3分
以下上記URLから一部引用。
『金融機関からの新規の借り入れが難しい状況となっており、関係者によりますと、東京電力は、原子力損害賠償支援機構に対し、金額は明示しないものの融資を行ってほしいと要請しているということです。機構は、政府保証をつけて金融機関から資金を借り入れて東京電力に融資できるため、東京電力としては、これを原発の廃炉作業や電力の供給事業に使いたい考えです。』
『しかし、政府部内では、電気料金の値上げや、財務基盤の強化に直接は結びつかない機構による融資には反対論が強く、東京電力の要請には応じられないという見方が大勢を占めています。このため、公的資金の投入による資本増強など東京電力の抜本的な経営基盤の強化が、今後、本格的に検討されることになりそうです。』
融資はダメだが公的資金で増資するのはOKという理屈がさっぱり判らんのですけれども、またぞろ年末に向けて喧しくなってきましたなあという感じではございます。まあ「金融機関に債権放棄などの協力要請」というようなアホウにも程があるような話が出なくなっただけマシかと思うくらいしかありませんな。
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2011/12/08
○ちょっとだけ市場メモ
・3MTB入札ェ・・・・・
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul231207.htm
(3)募入最低価格 99円97銭3厘0毛
(募入最高利回り) (0.1005%)
(4)募入最低価格に 29.6731%
おける案分比率
(5)募入平均価格 99円97銭3厘1毛
(募入平均利回り ) (0.1002%)
・・・・・・・・前回入札までは99.9726/99.9725(0.1020%/0.1024%)だったのですが、今回入札は0.10%カツカツレートに低下とな。
・ECBのドルオペキタコレ
http://www.ecb.int/mopo/implement/omo/html/index.en.html
Non-EURO operations
20110139 USD 08/12/2011 01/03/2012 84 0.59 % 50.685 bn
http://www.ecb.int/mopo/implement/omo/html/20110139_all.en.html
Fixed Rate: 0.59 %
% of All. at Fixed Rate: 100
Tot Amount Allotted: 50685 mn
Tot Bid Amount: 50685 mn
Tot Number of Bidders: 34
今回は84日物のオペの金利が0.59%に低下したのですが、落札がこらまた随分増えましたな。
多分前回の84日もののオペってこれだと思うのですが。
USD11047 USD 10/11/2011 02/02/2012 84 1.09 % 0.395 bn
http://www.ecb.int/mopo/implement/omo/html/USD11047_all.en.html
Currency: USD
Fixed Rate: 1.09 %
% of All. at Fixed Rate: 100
Tot Amount Allotted: 395 mn
Tot Bid Amount: 395 mn
Tot Number of Bidders: 4
まあ何だ、金利下げて効果でましたなあというか、要するに今回の6中銀対応はどう見ても欧州お助け作戦です本当にありがとうございましたという事ですな、というメモでした。
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2011/12/07
○何となく雑談ネタ
・S&Pが欧州格下げ(格付け見直し)した訳ですが反応の方がオモロス
昨日朝のご案内のニュース。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111206-00000020-jij-int
S&P、独仏などの格下げ検討=ユーロ圏15カ国―金融不安拡大で混乱も
時事通信 12月6日(火)5時57分配信
『【ニューヨーク時事】米格付け大手スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は5日、ユーロ圏17カ国のうち、ドイツやフランスなど15カ国の長期債格付けについて、引き下げ方向で見直すと発表した。ユーロ圏内の政治および経済情勢が一段と混迷しているためで、独仏など格付けが最上級「AAA(トリプルA)」の6カ国も対象。実際に相次ぎ格下げされれば、欧州信用不安の拡大に拍車が掛かる可能性があり、国際金融市場は再び大きく混乱する恐れもある。』(上記URLより)
ということで、ついに面倒になったのか(違)みんなまとめて格付け見直しの攻撃になりましたが、ソブリン格下げで金利が上昇しちゃうと元々財政出せませんわなという中で更にしんどくなりますよねというのは誠に遺憾なのと、ソブリン下がると金融機関の格付けに影響するのもアレですね。
というのは兎も角、反応がオモロス。
ブルームバーグニュースから。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-LVRHE30UQVI901.html
S&Pが再び政治に横やり、ユーロ圏15カ国を格下げ方向で見直し(1)
記事の題名からしてアレな香りがしますが、本文が大変に香ばしい。
『LPLフィナシャル(サンディエゴ)の市場ストラテジスト、アンソニー・バレリ氏は5日の電話インタビューで、「S&Pは引っ込んでいるべきだ」と述べ、「債務問題の解決を目指すEU首脳の仕事を複雑にさせる」と指摘した。』
『欧州中央銀行(ECB)の政策委員会メンバー、オーストリア中銀のノボトニー総裁は、首脳会議の成果に格付けを結び付ける今回のS&Pの動きを批判し、「格付け会社が政治的役割をますます強めるという問題を浮き彫りにしている」と指摘した。』(両方とも上記URLより)
まあ何だ、おまいらも日本の金融危機での日本人の悲しみを今頃理解したかという所でございますが、まあ格付けというのを公的な色々な規制とかにリンクしちゃった結果がこのありさまですよという話で誠に遺憾な話でもありますなあとゆーごく普通の雑談でありました。
でまあその辺の格付けの引き下げ検討という話になれば必然的にこうなりますわな。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111207-00000004-jij-int
EFSF格下げ検討=欧州危機対策の柱に打撃―S&P
時事通信 12月7日(水)1時0分配信
まーでもこれって欧州格下げが実際に行われたら自動的に下がるような類の物だからそんなに騒ぐ話ではないような希ガス。
・貫録の亀井クオリティ
こういう時に貫録のクオリティーを誇る亀井先生登場。
ブルームバーグニュースより
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-LVR8Z31A1I4N01.html
亀井氏:格付け会社は経済かく乱、日本格下げなら抗議−インタビュー
このニュースヘッドラインを見た瞬間に貫録の亀井クオリティーに茶を吹きそうになりましたが、亀井さんはこういう話題については安定したクオリティーを誇りますな、って褒めてるのかけなしているのか判らん言い方ですが、なんちゅうか「一面では正論だが暴論」みたいな話で、ある意味国民新党という少数政党だから言える話かも知れませんが、金融担当大臣を国民新党がやっているのですよね。
『12月6日(ブルームバーグ):国民新党の亀井静香代表(前金融担当相)は、民間の格付け会社による欧州各国などの国債格下げが経済のかく乱要因になっているとして、同党が反対している消費税増税方針が決まらなかったことを理由に格付け会社が日本国債を引き下げた場合は国家として厳重に抗議すべきだとの認識を明らかにした。5日のブルームバーグ・ニュースとのインタビューで語った。』(上記URLより)
R&I涙目ですかそうですか(ニヤニヤ)
『亀井氏は、債務危機にある欧州各国の国債格付けが格付け会社によって相次いで引き下げられていることについて「格付け会社の無責任な格付け行為が経済をかく乱している。一営利企業が国家に対して自分たちの資料と判断で市場に大変な影響を与えるようなことをやるべきではない」と指摘。その上で、「世界的に問題にすべきだ。そのことを金融庁に言っている」と述べ、国際的に問題視すべきだとの認識も示した。』(上記URLより)
>世界的に問題にすべきだ。そのことを金融庁に言っている
>世界的に問題にすべきだ。そのことを金融庁に言っている
>世界的に問題にすべきだ。そのことを金融庁に言っている
・・・・・・・まあ何だ、貫録の亀井クオリティではありますが、この手の問題にするというのであれば、本来はバーゼルVをどうするかとかゆーよーな方向で物を考えないといかんのでありまして、格付け会社に文句垂れるよりも制度いじった方が速いと思うのですけどね。
・個人向け記念硬貨付き国債発行とな
http://www.mof.go.jp/jgbs/individual/kojinmuke/houdouhappyou/231206fukkououen.pdf
報道発表
個人向け復興応援国債及び東日本大震災復興事業記念貨幣(仮称)を発行します
『この「復興応援国債」は、現行の変動10年の個人向け国債をベースに、東日本大震災からの復興を応援する観点から、当初の3年間は、低い金利(個人向け国債の下限金利である0.05%)で復興事業に資金を提供して頂ける方を募るものです。また、「復興応援国債」の発行の日から3年目に当たる利払日を基準日として、基準日の保有残高に応じて、新たに発行する「東日本大震災復興事業記念貨幣」を、残高1,000万円毎に一万円金貨1枚、100万円毎に千円銀貨1枚贈呈します。その際、取扱金融機関における事務処理上の都合から、保有残高の計算は、取扱金融機関(口座別)毎に回号(募集月)別に行うこととなります。』(上記URLより)
・・・・・・・・・まあこちらの資料を読むと記念貨幣贈呈のコストよりも利払い負担軽減の方が大きいみたいですので(つーかそうじゃなかったら意味が無いわな)はあそうですかという所でございますが、日本勧業銀行絶賛発行の「割増金付戦時貯蓄債券」みたいなテイストをつい感じてしまうのは気のせいですかそうですか(^^)。
#まあ何だ、あの大臣の感謝状とか貰っても罰ゲームとしか思えないのですが
・ドルオペのレート引き下げで応札も増えましたか
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of111206.htm
米ドル資金供給(固定金利方式) 2011年12月8日 2011年12月15日 0.600
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba111206.htm
米ドル資金供給(固定金利方式)(12月8日スタート分) 25 25
前回の1週間物はレートが1.08%で応札1百万米ドルでしたので、今回はどどーんと25倍の応札、と言っても25百万米ドルですから額としてはそんなに大した話ではないですが、レートが下がったので試し取りをしたとかゆー人も増えたのかなと。
それよりもタームの長い方でどの位の札が入るのかが楽しみっちゃあ楽しみですな。
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2011/12/05
まあ色々と見解は分かれるかもしれませんが、あたくしはこちらの非国民通信さんのエントリーの最後の『この橋下的な手法が「あなたに」襲いかかる可能性は着々と増大しています。』という点には激しく同意したいものであります。
http://blog.goo.ne.jp/rebellion_2006/e/9edd1c158e0b329a7948f792ecbfc567
○何だかなあという話(というか月曜から悪態)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE7B102720111202
オリンパス上場廃止なら、株式売却できない問題も=民主・作業チーム
『[東京 2日 ロイター] 民主党の「資本市場・企業統治改革ワーキングチーム」の大久保勉座長は2日、同作業チームの会合で、損失隠しが明らかになったオリンパス(7733.T:
株価, ニュース, レポート)について「上場廃止にすべきとの議論があるが、株主は、上場廃止となった場合に(株式を)売却できない。こうした観点から議論することも必要だ」と述べ、上場廃止に慎重な見解を示した。』
東京電力とはずいぶん対応が違いますなあ。
『大久保氏は記者団に対し「東京証券取引所が判断することで、(ワーキングチームでは)個別のことは議論しない」とした。一方、東証の斉藤惇社長とは意見交換をしたことも明らかにした。』
どう見ても(伏字)です本当にありがとうございました。
・・・・・・・えーっとですね、何で民主党の部会という法的に何の権限も無い所が(しかもこんなに思いっきり青天白日の下で!!!)個別企業の上場維持がどうのこうのというような思いっきりゼニカネに関わる件について規制機関の代表者を呼びつけて「意見交換」をするのでしょうかねえ。
と申しますか、上場企業の上場廃止云々ってのは金融商品取引法における「企業の重要事実」の所に列挙されている案件ですのでして、そういう案件に対する個別の意見を政権与党の部会が規制機関の長に対して「意見交換」するってのは金商法という意味でも如何なものかという感じはする次第でございまして、おまいら「こんぷらくんのインサイダー取引規制Q&A」の巻末の「重要事実一覧表」でも読めと思うのはあたくしが気にし過ぎでございますかそうですか。
#「Q&A」のご案内はこちら^^→http://www.tse.or.jp/about/books/insider_qa.html
しかもですよ、こちらの座長の大久保先生って思いっきり金融業界出身なんですよねえ→http://www.t-okubo.jp/profile.html(直リン自主規制^^)
あのですね、こういう行為って「金融業界出身の政治家が出身関係関連で何らかの便宜供与を図るために行動しているんですか????」って批判された時にどうするんですかと非常に不思議というか何というか。その行動基準が良く判らんというのと共に、金融業界の人間として残念な気がするんですけれどもねえ。
いやね、これがまあ例えば金融全体にかかわる問題とか、全体的な政策に絡むのであれば金融業界出身の政治家がその専門的な観点から政策提言するという話なんでしょうが、これってどう見ても単なる個別企業の案件であって、その個別企業の上場維持するしないという思いっきり個別の利害が絡む案件に対してこういう動きをするというのは「瓜田に履を入れず、李下に冠を正さず」って言葉を思い出して頂きたいもんですなあと思いますし、金融業界出身の議員ってのは所詮自分の出身母体のお仲間に対して便宜図ることしか考えていませんねえとか思われる可能性があるような話ってえのは金融業界の人間として心外にも程がある訳なので、もうちょっと何とかならんのかと思うのはあたくしの感覚がおかしいですかそうですか。
つーかさ、党の部会とかが政策に対して圧力掛けてどうのこうのとかいうのが自民党の手法だとか言って批判してたのあんたらじゃないのとか思うのですけれども、本件なんて思いっきり規制当局がルールに則って行う判断の部分であって、そのことについて政権与党の法的に何の権限も無い党の部会が規制当局を呼びつけて自分たちの「意見」を伝えるとか自民党政権でもそんな事やって無かったような気がするんですが・・・・・・・・・・
○そういや木曜の話ですが(メモ)
木曜のオペ結果。
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba111201.htm
国庫短期証券買入(資産買入等基金) 2,771 2,008 0.000 0.000 72.5
・・・・・・・・ちょwwwww3MTB入札翌日にして基金短国買入レートが0.100%
という大変に素敵な結果になっていましたなあというメモでありました。
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2011/12/01
流動性供給は問題解決への時間を稼いでくれますが、肝心の問題解決は欧州各国政府の皆様にかかっているのは変わらん訳で、いきなりリスクオンまでワープするのはちょっと早とちりの香りもしますけどまあいっか。
何かまたモーサテの為替コメントにいちゃもんなのだが、この前まで「リスクオフで円買いで円高」となっていた筈なのに今日の講釈では「リスクオンでユーロ買いドル売りになって円高」とは如何なる事なのでせうか?おまえら単に「円高」言いたいだけなんじゃねえかと小一時間。
あとさ、今日のモーサテのメインコメンテーター「ECBは国債無限買入実施を」とか言ってるんですけど、一国だけの中央銀行だったらまあ国がコケたら中央銀行もへったくれも無いから無制限買入も最終兵器に近いけど有りかもしれないけど、現実にユーロ通貨域内の国が独立して複数存在する中でその中銀が国債無制限買入するのってロジックとしておかしいじゃねえか(市場安定化の為に介入する結果として買入額が膨大になる事はあっても、端から無制限購入とか言うのは無理で、それはECBがEU内の民主的手続きをすっ飛ばして勝手に財政政策ひいては財政統合を進めることになるでしょ)という点についての考察が欠如しているようにしか思えませんが。
#しかし日々いちゃもんばっかのあたくしも大概に粘着で性格が悪いですかそうですか
○ドル供給金利引き下げのお助け+マルチカレンシースワップとな
つーことで昨晩臨時政策決定会合が実施された訳ですが、金利の方はまあどうでも良いとして本命はこちら。
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2011/rel111130e.pdf
国際短期金融市場の緊張への中央銀行の協調対応策
『カナダ銀行、イングランド銀行、日本銀行、欧州中央銀行、米国連邦準備制度およびスイス国民銀行は、本日、国際金融システムに対する流動性支援提供能力を拡充するための協調対応策を公表した。本日公表する協調対応策は、金融市場における緊張を和らげることによって、こうした緊張が家計や企業に対する信用供給に及ぼす影響を軽減し、ひいては経済活動を支えることを目的としている。』
『上記中央銀行は、既存の時限的な米ドル・スワップ取極に適用される金利を50ベーシス・ポイント引き下げ、新しい金利を米ドル・オーバーナイト・インデックス・スワップ・レートに50ベーシス・ポイント上乗せしたものとすることに合意した。新しい金利は、2011年12月5日以降実施されるすべてのオペレーションに適用される。米ドル・スワップ取極の期限は、2013年2月1日まで延長される。なお、イングランド銀行、日本銀行、欧州中央銀行およびスイス国民銀行は、3か月物資金供給の入札オファーを、継続して実施する。』
『上記中央銀行は、不測の事態への対応措置として、市場の状況によって必要とされる場合に各国・地域において上記中央銀行いずれの通貨でも流動性供給を行えるよう、各中央銀行間でそれぞれ時限的なスワップ取極を締結することにも合意した。現時点では米ドル以外の外国通貨での流動性供給が必要な状況ではないが、仮にそうした必要が生じた場合に速やかに対応し得るよう、取極を整えておくことが適当と判断される。これらのスワップ取極は、2013年2月1日まで継続することとする。』
ということで、欧州のドルファンディング市場がアレになってきているので、お助けオペのレートを引き下げるという事ですが、従来ドルOIS+1%での資金供給をしていたのをOIS+0.5%に引き下げたというのは中央銀行的には結構頑張ってお助けをしたという事です罠。だってリーマンショックの時にこのオペレーション打ち込まれた(http://www.boj.or.jp/announcements/release_2008/un0809c.pdf)のですが、その時のレートから下げるってえんですからそらまあお助けモードでございますわな。
あと、今回は発動はしないようですが、第3パラグラフにあるようにマルチカレンシースワップも可能という事になっていますので、米ドル以外での他通貨での資金供給オペも可能性が出て参りましたという事で。
『日本銀行は、本日、臨時金融政策決定会合を開催し、上記中央銀行と協調して、最近の国際短期金融市場の緊張に対応するための措置を講じることとした。具体的には、現在日本銀行が実施している固定金利方式の米ドル資金供給オペレーションの貸付金利を0.5%ポイント引き下げ、12月5日以降のオペレーションから適用する。この引き下げにより、新たな貸付金利は、貸付期間に応じたドル・オーバーナイト・インデックス・スワップ市場の実勢金利に0.5%ポイント上乗せしたものとなる。』
ということでドルオペ金利の利下げになりますので、これでどのくらいオペの応札が増えるのでしょうかね。よーわからんけど。
『また、現在米国連邦準備制度との間で締結している米ドル・スワップ取極、およびこれを原資とする米ドル資金供給オペレーションの期限を、2013
年2月1日まで6か月延長することとした。さらに、上記中央銀行との間で、2013年2月1日を期限とする為替スワップ取極を締結することとした。これにより、日本銀行は、5中央銀行が必要とする場合に円資金を供給することが可能となるとともに、日本銀行が必要とする場合に現行の米ドルを含む5通貨の調達が可能となる。』
ドルスワップの期限延長と、他通貨でのスワップ協定の締結ということで、ちょうどこの前ネタにした10月18日のバーナンキ議長の講演(「The
Effects of the Great Recession on Central Bank Doctrine and Practice」)でも金融安定化の為に自国通貨だけではない資金供給が重要という指摘をしてましたように、まあ今後は主要中銀の中でのマルチカレンシー供給というのが、バックストップとしてのファシリティーになるという事なんでしょう。
『わが国の金融環境は、緩和の動きが続いており、わが国金融機関の外貨資金繰り動向をみても問題は生じていない。しかし、今後、国際金融資本市場が一段と不安定化した場合、その影響がわが国にも及ぶ可能性がある。日本銀行としては、今後とも各国中央銀行と緊密に協力しつつ、金融市場の安定確保に努めていく方針である。』
まあ今回は欧州お助けオペですからね。
○市場雑談
・3MTB入札は増発にも関わらず貫録の順調消化
昨日の3か月TB入札結果
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul231130.htm
(1)応募額 37兆7,247億円
(2)募入決定額 5兆3,371億3,000万円
(3)募入最低価格 99円97銭2厘5毛
(募入最高利回り) (0.1024%)
(4)募入最低価格に 16.2239%
おける案分比率
(5)募入平均価格 99円97銭2厘6毛
(募入平均利回り ) (0.1020%)
んでもって先週の3か月TB入札結果はこの通りでした
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul231122.htm
(1)応募額 32兆7,653億円
(2)募入決定額 4兆6,989億1,000万円
(3)募入最低価格 99円97銭2厘5毛
(募入最高利回り) (0.1024%)
(4)募入最低価格に 21.1772%
おける案分比率
(5)募入平均価格 99円97銭2厘6毛
(募入平均利回り ) (0.1020%)
・・・・・・・・うむむ、6000億円増発したけど応札が5兆増えてる上に、落札レートは全然変わらず、しかも足切りでの按分比率が低下とな。
つーことで、増発全く無問題で順調消化しやがった訳でございますが、まあ昨日も申し上げましたように短い所に金が寄っている感じですのでTBへのニーズが高まっていて前回よりも若干強めの落札結果(さすがに平均と足切りは同じ水準で留まってくれましたが)となりました。まあ増発が円滑に消化されるのはそれはそれで良い話なのですが、ただまあ政治方面からの財政に関するユルフン言説がやたら目立つ昨今という状況を考えると少し波乱になって見るのも有りだったんじゃないかなあとか思うのでありますが、まあ世の中そう都合良くは行かないものでございまする。
・税揚げスタートの資金供給オペは応札意欲弱いとな&交付税特別会計入札
昨日のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of111130.htm
オペ落札結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba111130.htm
国債買入(資産買入等基金) 6,352 2,503 0.026 0.028 77.3
共通担保資金供給(全店)<金利入札方式>(12月15日エンド分) 2,610 2,610 0.100 0.100
共通担保資金供給(全店)<金利入札方式>(1月11日エンド分) 5,580 5,580 0.100 0.100
共通担保資金供給(資産買入等基金)(12月2日スタート分) 14,970 8,004 53.5
共通担保オペ3本が2日スタートでしたが、金利入札の2本はどちらも12000億円のオファーに対して応札が少ないですし、3M基金オペに関しては今回も応札が減っていて按分比率が上昇しているようで、2日の税揚げの所での資金繰りも見えてきて結局金余るからイラネという話になってきたようで、まあ足元に金が寄っている事の反映でもあるのかな、と思ったのでメモだけしておく。
交付税特会入札
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/kariire/kari-result111130.htm
(3)募入最高利率 0.130%
(4)募入最高利率における案分比率 94.7924%
(5)募入平均利率 0.129%
先週の交付税特会入札が0.131/0.136で先々週が0.135/0.140でしたので、一時金利が妙に上がって????という事でネタにしましたが、また何か適正っぽい水準にと低下している感じでございますわな、というこれまたメモだけでありました。
○R&Iが日本ソブリンをネガティブウォッチに
時事通信より
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2011113000741
日本国債、格下げ方向で検討=消費増税でも財政に不安−格付け会社R&I
『国内格付け大手の格付投資情報センター(R&I)は30日、日本国債を発行する政府の信用力を示す格付けを最上位の「AAA(トリプルA)」から引き下げる方向で見直しを行うと発表した。財政健全化のめどが立たないことを理由に挙げた。見直し結果は年内に出す予定。実際に格下げとなると、国内の大手格付け会社による初の日本国債格下げとなる。』(上記URLより)
R&Iのリリースはこちら
http://www.r-i.co.jp/jpn/body/cfp/news_release_A/2011/11/news_release_2011-A-1167_01.pdf
【レーティング・モニター(格下げ方向)】
日本
外貨建発行体格付: (AAA)
自国通貨建発行体格付: (AAA)
ということで、従来R&Iは日本ソブリンの方向性はネガティブとしていましたが、今回本格的に格下げ方向で見直し中というステータスに変更。
まあ仰っている事はご尤もでございますが、先日財政削減に関するスーパーコミッティーの協議があばばばばーになったメリケン国では格付け会社の皆さんが堂々の「AAA確認」とかしていたりする中で、R&Iはわざわざここでレーティングアクションするんですかそうですかという気はせんでもない。
まあね、仰っているように日本の財政に関するあまりにもユルユルな昨今の政治情勢に対して警鐘を鳴らした、という事であって愛国心からの愛の鞭というアクションであろうかとは存じますけれども、ただの保身アクションだったらもう(以下悪態)となるのでありますが、はてさてどうなんでしょうかねえという所です。
しかしこれを受けて(出たのは東京の大引け直後くらいだったと思う)債券先物がイブニングセッションで何か反応するかと思ったら全然反応してなかったのが中々チャーミングではございましたですな、はい。
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2011/11/29
○まあ雑談雑感
・欧州の天地は複雑怪奇につき
昨日の債券市場ちゃんでは後場になるとIMFによる欧州債務問題対応がどうのこうのという件がやっぱりダメじゃん的なニュースに反応したのかどうか知らんですけれども、引け際にかけて上昇して先物は142円まで戻ったのですが、最後に下げた上にイブニングセッションになると米債が売られていた事もあるのかまた下げるとか中々不思議な展開。
このあたりは午後に出てたニュース(最初見たときは英文ヘッドラインだったような気がするが)。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=aH6ssx3az4L8
IMF:イタリア救済プログラムの協議していない−日本も否定
『11月28日(ブルームバーグ):国際通貨基金(IMF)は、イタリア救済パッケージについて同国と協議していないと表明した。また、日本の当局者は主要7カ国(G7)の間でそのような協議はないと述べた。』(上記URLより)
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=avD.PxGodxOY
日本政府高官:G7として議論してない−6000億ユーロのイタリア支援
『11月28日(ブルームバーグ):日本政府高官は28日、国際通貨基金(IMF)が6000億ユーロ(約62兆円)のイタリア支援を準備していると一部で報じられたことについて、主要7カ国(G7)としては議論していないと述べた。同高官は、日本としてもそういったことは聞いていないとし、イタリアがそれを望んでいるのかも不明だと語った。IMFのイタリア支援については同国紙スタンパが伝えた。』(上記URLより)
と思ったら人が寝てる間にこんなのが出てますが、そらまあ「可能性を完全に排除」はせんわなとは思いますが・・・・・
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=aPNrEmL9Uzfw
ドイツ財務相:ユーロ共同債の議論は「安定同盟」の達成後に可能に
『11月28日(ブルームバーグ):ドイツのショイブレ財務相は28日、ユーロ共同債に関する議論は財政規律の強化が確実になってからだと発言し、可能性を完全に排除はしない考えを示唆した。』(上記URLより)
まあ何ですな、とにかく欧州関連のニュースは飛ばしなんだか本当なんだか良く判らないネタが飛び交って困る上に、まあ欧州発の報道については、その報道している機関がそもそも信用ある所なのかエエカゲンな所なのかというのもなかなか土地勘が無いもんで(英仏独ならまだしも、個人的にはイタリアとかさっぱりわからん)そもそも出ている報道が信頼に足る物なのかどうかがワカランので反応するのも困るという所でございまして大変に遺憾の極みでございますな、うんうん。
#つーか昨日のIMF融資ネタの元である「スタンパ」ってイタリアの新聞は信用に足るものなのかとか、イタリアに土地勘無いからさっぱりワカラン(汗)
でですな、何か知らんのですがここもとイブニングセッションになると妙に先物売り叩く人がいるように見えますし、まあそれ以前の問題として東証のアホウが無駄にシステム変更とかしやがったのも影響してるのか上げ下げが妙に先物主導みたいな形になっているような気がする次第で、全くもって東証のシステム変更ちゅうのは間が悪いわとか思うのでございますが、暫くこんな感じなんですかねえ。
・日銀赤字決算キタコレ
第127回事業年度(平成23年度)上半期財務諸表等について
http://www.boj.or.jp/about/account/zai1111a.htm/
財務諸表そのものは上記URLにリンクあるから見たい方はどうぞという感じでございますが、概況はリンク見なくても説明がございます。
『損益の状況
平成23年度上半期の損益の状況をみると、経常利益は、▲910億円の赤字(経常損失)となった。これは、為替円高に伴い外国為替関係損益が大幅損超となったことや、保有株式の減損に伴い金銭の信託(信託財産株式)運用損益が損超となったことを主因とするものである。』
保有株式減損処理キター。
『特別損益は、指数連動型上場投資信託取引損失引当金及び不動産投資信託取引損失引当金の積立てを行ったこと等から、▲433億円となった。』
基金買入のETFとJ−REITの引当キター。
『以上の結果、税引前当期剰余金は、▲1,344億円(税引前当期損失金)となり、法人税、住民税及び事業税を差し引いた後の当期剰余金は、▲1,362億円の赤字(当期損失金)となった。』
ということで当期損失になったのですが、昔の株式買入とか直近のETF買入の影響で赤字っておられますが、これはまあリスク性資産の買入やってるからシャーナイナイな所でありまして、まあ景気が良くなったら値段も上がるでしょうという事ですので、日銀様におかれましては国債買入じゃなくてETFの買入を拡大して頂きまして、「株価が回復しないと日銀の赤字が減らないお」という意識をぜひ共有していただきたく存じますな(ニヤニヤ)。
#つーか一部で言われてる外貨資産大規模購入するくらいならETF買うだろ常考とか思うんすけどねえ、大体からして外貨資産ってユーロ圏ではソブリンも怪しいのに何買いますねんと思うのですけど、関税抵当でも取るなら話は別だがどこの19世紀だよというところで(^^)
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2011/11/28
縁故大阪の引受金融機関におかれましてはご愁傷様としか申し上げようがございません選挙結果でございますが、政策が超越部分均衡の人たちへの人気の高さを見ますとまだまだ民主党政権如きでは懲りない、という事なのでしょうなあ。いやまあどうせ勝つわなあとか思ってましたが。
大阪府って橋本知事の下で借金減ってない所か増えているんですけどこれで大阪都構想とかやって財政が良くなるとは到底思えない中で大阪都構想って何の意味があるんでしょ、つーか大阪都を作ることに何の意味があるのかまるで判らんのだが大阪市民でも府民でもないからオラシラネ(こら)。
#そして公共放送によると早速みんなの党が大阪維新が国政進出の際には連携したいとか仰せのようでもう何だかねという感じでありますorzorz
つーことでね、この前も何か悪態書いたと思うのですけど、最近はもう部分均衡の究極みたいな政策ばっか出てきて全体のバランスを考えないネタばっかりやたらクローズアップされるのが問題だと思っているのですが、その遠因は小泉さんの郵政選挙にあると思っていまして、まあ当時から(過去の駄文読んで頂けりゃ判りますが)郵政選挙に対して否定的だった時にそこはかとなく感じていた弊害がドンドン拡大しているのが昨今の政治状況じゃないかねえとか思うのであります(小泉さんの部分均衡は多分に演技だったんですけど今の人たちはリアル部分均衡なんですよね・・・・・)。
などと柄にもない事を書いてしまいましたがまあそれはそれとして。
○ノルウェー輸出金融公社をS&Pは5ノッチ引き下げとな
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=aTmRAva3G9Kg
S&P:ノルウェー輸出金融公社を格下げ、EMTNデフォルトか検討
『11月25日(ブルームバーグ):米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は25日、ノルウェー輸出金融公社(エクスポート・ファイナンス)を投資適格級の下から3番目となる「BBB+」に格下げし、一段の引き下げ方向で見直しを続けると表明した。事業縮小の決定と政府の支援引き揚げがユーロ市場ミッドタームノート(EMTN)プログラムの条件に対してデフォルト(債務不履行)に相当しないかを検討するという。』(上記URLより)
・・・・・・・あららららという感じですが、ノルウェー政府がマジでとぼけたら日本政府はマジで外交問題にすべきで北海油田とノルウェーの漁業権を差し押さえる位の勢いで頑張って貰わんとと思うのでありますが、まあそれ以前の問題としてノルウェー政府が輸出金融公社の問題について何か煮え切らないと判断されていることが格下げの背景にある訳でして、これって従来の「政府関係機関」に対しての信用判断に対しても影響が起こる話になってくると思うのでして、只でなくさえ欧州債務問題でソブリンに対する信用ってどうなのよというのが(ギリシャみたいなアレな国は兎も角として)それなりに中核国と言われるような国に延焼の雰囲気を醸し出している中で、じゃあお前「(クレジット的な意味での)安全資産」って何よという話にも発展する問題ではないかとか懸念する次第でありまして、いやまあ杞憂だと良いのですけどねえという所でございます。
○何か良く判らん事案ですな
http://www.fsa.go.jp/sesc/news/c_2011/2011/20111125-1.htm
セントラル短資証券株式会社に対する検査結果に基づく勧告について
『セントラル短資証券株式会社(以下「当社」という。)の使用人は、当社が当社の顧客であるA社から平成22年6月15日に買い付けたB社発行の社債(以下「B社債」という。額面600百万円)に関する、職務上知ったA社の注文の動向を含む取引情報に基づき、自己の職務上の地位を利用して、C証券会社に開設していた当該使用人の配偶者名義の口座を利用して、同日、当該使用人は自己の計算によりB社債(額面600百万円)を買い付けた。』(上記URLより)
・・・・・・・・・何かここの説明を見ただけで「????」なんですけど、業者間売買でのブローキングにおいて買い側が「顧客口座を利用して購入」とか、そもそもA社って何で売ったのよとか(金曜の夜にブルームバーグニュースで本件の流れをもうちょっと細かく伝えてましたけど)何か意味判らん点の多い事案ですなあ、と思ったのでクリップしたまででありますが何とも不可思議。
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2011/11/25
○S&PとかIMFとかが財政維持可能性に警告を
昨日は午後に連発して日本の財政維持可能性に関する話が出て、引けにかけて債券先物売られたと思ったらイブニングセッションで更に売られて142円50銭割れ水準まで下落してさあ盛り上がって参りました!!!!という感じで、今朝の日経朝刊あたりで鉦や太鼓で騒ぐのかと思ったら別にそういう話ではなかったっぽい(日経購読してないから実物見てないがモーサテの様子だと別にそ〜ゆ〜話じゃないんでしょ)っすな。
先に出たのはこっち。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=arIoRDZiAZ6s
S&Pの小川氏:格下げに近づいている可能性も−日本国債(2)
『11月24日(ブルームバーグ):米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)の信用アナリスト、小川隆平氏(シンガポール在勤)は24日午後、ブルームバーグ・ニュースのインタビューで、日本の財政健全化の取り組みについて、「何も進まなければ、どんどん状態は悪くなる」とした上で、日本国債の格付けに関して「だから確かにダウングレードに近くなるというのはそうなのかもしれない」と述べた。一方で、小川氏は「今のところは悪化のペースは緩やか」とし、「今日1日すぐにどう動くという状態では今のところはない」との見方を示した。』(上記URLより)
・・・・・・・こうやって引用するとはあはあそうですかという感じですが、当然ながらヘッドラインに出ていたのは「日本の財政状況は日々悪化している」とか「ダウングレードに近づいている」というようなセンセーショナルな部分でありまして、まあ直接それに反応したのか、それとも別の要因(このニュース出る前から現物が全般的に売られ気味だったので)なのかというのは兎も角として、まあ先物ちゃん下落という感じでした。
いやまあこの話自体はそうですかねとか思うのですけれども、格付け会社のレーティングアクションって言ってみれば企業の決算発表みたいなもんじゃないのとか思うのでありまして、いちベンダーに対してホイホイとこういうフワフワとした話をするのって如何なものかという感じがする(出すなら正式に会社として公表して欲しい、という意味)のですけどね。しかもかつてと違って格付会社って監督官庁からの指定格付会社制度とかが出来ているんですから、あまり平場でこういう話(しかも何とでもとれるような言い方)をするのって開示という面からして如何なものかと思いますがね。
まあS&P的に言えば「いや指定されてるのは日本法人でシンガポールは別に日本の監督規制と関係ないですが何か?」と言うのでしょうけれども、何とも釈然としませんなあという所で。
後から出た(というか報道された)のはこちら。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=ak124q.AM_Ro
IMF:日本国債利回り、突然の急上昇あり得る−悪循環に直面も(1)
『11月24日(ブルームバーグ):国際通貨基金(IMF)は23日にウェブサイトで公表した報告書で、日本の国債利回りが「突然急上昇」するリスクがあり、債務水準が維持不可能になる可能性があると指摘した。IMFは「より速いペースの成長による相殺効果がなければ、債務の動向は危険なほど悪化することがあり得る」とし、「維持可能性への信頼がいったん損なわれれば、当局は利回り上昇と市場の信頼低下という悪循環に直面する恐れがある」と説明。「金融システムの一段の脆弱(ぜいじゃく)化」についても警告した。』(上記URLより)
・・・・・・実物を見つけられなかったので何ともよくワカランチ会長ですけれども、何を言いたいのか良く判らんレポートっぽい気も。つーかIMFのこの手のレポートって結構トンチキな内容だったりする事もあったりなかったりという気がするんですが。
まあそれは兎も角として、第3次補正〜来年度予算という流れの中で、あまりにも政治方面から財政規律に関するユルユルというかもはやふんどし外れているんじゃないか位の声が高まるという状況に「おまいらちょっといい加減にしろやゴルァ」というのが出たちゅう所ではないかと思われる次第であります。また「財務省の陰謀」とか言い出す人が出るに1万ドラクマではございますが、しかしまあ最近の欧州債務問題のアレっぷりを目の当たりにされる中で何ぼなんでも日本の政治家連中が脳天気過ぎじゃないのかというのは別に財務省の陰謀でもなくても市場の中でおこぼれを食っている人であるあたくし的にもちょっとねえという感じがするのでありまして(じゃあ直ぐに増税するのが良いかというとそうではありませんので念のため)、何となくこういう流れになるの判るなあとは思うのでありました。
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2011/11/24
○3か月短国いきなり6000憶円増発とな
火曜日しらっと出た発表。
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_auct/auct231122.htm
国庫短期証券(第241回)の発行予定額等
4. 発行予定額 額面金額で5.7兆円程度
ちなみに今週の3か月短国ですが・・・・・
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/offer231122.htm
5.発行予定額 額面金額で5兆600億円程度
ということで、発行額は大体5.1兆円だったのですが、12月発行から5.1兆円から5.7兆円にジャンプアップでございます。ちなみに10月発行から従来の4.7兆円(4.8兆円です)から5.1兆円に増えたばっかりでございまして、目先はロールの度に1兆円(9000億円です)増発という中々素敵な事に。
短期国債ですので、基本的には国庫資金繰りとか外為特会の資金繰りの関係とかでこういう事になると思いますが、そらまああれだけ無駄玉の介入を連発していたら国庫資金繰り余裕なくなる罠というのと、ここもとの補正予算編成とかの間に余裕金を使った結果でしょうなと思われる次第でございまして、まあ買うもの無くてウゴカンチ会長になっている短期市場的には良い供給のような気もしますが、ど〜せ増発した分は日銀が資金供給しちゃいますので最終的には資金供給オペが増えることによってチャラになるのですが、まあ入札時に発行額が償還よりも多い内はちったあ需給が意識されるかもしれません。
#ちなみに火曜の3か月TB入札もまた毎度おなじみの結果でございましたとさ
○ノルウェー輸出金融公社ネタ
火曜の昼に出たニュース。
http://www.reuters.com/article/2011/11/22/markets-ratings-eksportfinans-idUSWNA411520111122
BRIEF-Moody's downgrades Eksportfinans to Ba1 from Aa3; on review for further downgrade
・・・・・( ゚д゚)
・・・・・(つд⊂)ゴシゴシ
・・・・・(;゚д゚)・・・・7ノッチ・・・カクサゲダト??
ということで、何でノルウェーの何とか公社が問題かと言いますと、この公社この前5年のサムライ債出していたのもあるのですが(ちなみにその時のMDYの格付けはAa1)、まあそれよりもいわゆる日経リンクとかEBとかの売出債の箱として債券をせっせと発行してましたので(詳しい仕組みの話は面倒なので詳しい人に聞いてください)、日本国内でこちらさまの発行する債券という形になっているものがそれなりにありますよねって話で、そーゆー発行体の格付けがAA格からいきなり投資不適格ってナンジャソラという所で。
MDYの格下げに関するリリース
http://www.moodys.com/research/Moodys-downgrades-Eksportfinans-to-Ba1-from-Aa3-on-review-for--PR_231419
を読んでも、あたしゃそもそもの背景をイマイチ理解していないから発行体のページなどを見て回るのでありまして・・・・・・
ノルウェー輸出金融公社のサイト
http://www.eksportfinans.no/
よくよく見ますとノルウェー国旗と英国国旗があるのに加えて何故か日本国旗があるというのが中々シュールなのですが、それはまあ先ほどの背景があるから日本向けのページもちゃんと作っておきましょってな所でしょう。で、MDYが格下げを実施した背景説明で書いてある事情について同公社からのリリースが18日にこんな感じで出ていたようである。
http://www.eksportfinans.no/News/Nyhetsartikler/Staten%20overtar.aspx
The Norwegian government is assuming responsibility for the export finance
scheme previously managed by Eksportfinans
『According to the press release from the Office of the Prime Minister
published this morning, a public entity will assume responsibility for
the scheme offering subsidized fixed rate loans (CIRR loans), the so called
108 scheme. This scheme is today managed by Eksportfinans. The option to
choose market rates for CIRR qualifying loans instead of fixed rates will
also be continued under the new scheme.』
で、そこに「この発表に関するノルウェー首相府のお知らせはこちら」というのがあるのでそれもURLつけとくわ。
http://www.regjeringen.no/en/dep/smk/pressesenter/pressemeldinger/2011/staten-sikrer-finansiering-til-norsk-eks.html?id=663610
Government ensures credit financing for Norwegian exporters
あたしゃそもそもの成り立ちとか何となくしか理解してませんのであんまり信用されても困るのですが、どうも今まで政府機関扱いでバランスシート使ったビジネス(売出債の箱になるとかもその一環でしょ。これって単に発行体的には調達した資金をスワップとか掛けて鞘抜きしているだけだと思われますので・・・・)やってたのが、EUの資本規制とかの絡みでこれ以上ビジネス拡大するのがテラ問題という話になって「おまいら30年やってた輸出金融業務を政府直轄で実施するから後は今の業務を整理しなさい」という話になったという風に読んだのですが、リリースを読んで頭の中で日本語訳しただけなので正確性は無担保無保証投資不適格でありますので念のため申し添えます。
で、まあそういう経緯ですから18日の同公社のリリース(さっきのURL)では今後の流れおよびCEOのコメントとしてこんなのが。
『Eksportfinans has been asked to manage the scheme temporarily until a
permanent public sector solution is in place, by 1st July 2012 at the latest.
This means that new loans under the publicly subsidized export finance
scheme will be handled by the government after the transition period. Eksportfinans’
portfolio of existing loans will be managed by the company in the years
to come. The company will immediately commence preparations for a controlled
run-off, which will most likely take several years. 』
『”The company is well positioned for a controlled run-off that will protect
the value of the company’s assets. Eksportfinans is solvent and liquid,
and will be run down over a period of several years. We now ask for your
understanding that the company will need some time to process the news
before firm plans can be put in place”, states Chairman of the Board of
Directors, Geir Bergvoll.』
輸出金融業務としての公社は継続しませんので将来的には閉鎖の方向ですが、従来行っていた業務に関しては今後数年を掛けて閉店(新規業務を行わないで既存の貸出などが返済になる流れで閉店ということかと思われます)しますが、詳しい今後の計画に関しては現在策定中ですからちょっと待ってちょ。当公社は支払い能力も流動性も十分ですよ。と言っているように読めます。
つーかさ、良く判んないからあんまり無責任に言うのも何ですけど、従来政府関係機関扱い(政府と大手銀行出資の株式会社ですけど)でバランスシート使った業務やってた所に対して独占的に行わせていた業務をいきなり政府が取り上げたっていう話でいきなりそこの債権がコケるとかになったらそらノルウェー政府が国家ぐるみで詐欺やるようなもんじゃないかと思う訳で、普通に考えたら既存の業務閉鎖に伴っていきなり政府が知らんぷりとか起きないと思いますし、大体からして今後の計画今作っているって中でいきなり格下げとか何ぼ何でも先走り過ぎじゃないかと。
何か22日と23日にもリリース出ているのでURLだけ貼っておく。
http://www.eksportfinans.no/News/Nyhetsartikler/Owner_statement_Ba1.aspx
Statement from Eksportfinans' largest owners
http://www.eksportfinans.no/News/Nyhetsartikler/Investor%20informasjon.aspx
Information to investors in relation to the Norwegian Government taking
over the export financing scheme from Eksportfinans
こっちの下の方に『Assets and liabilities』というのがあって、同公社の現在の財務状況とかの公表がございますな。まあ詳しく読んでないのでノーコメント。
ちなみにS&Pは今のところAAクラスを維持している筈だったと思います(火曜の段階ではレーティングアクションしてなかった)し、まあ普通に考えてこれノルウェー政府の信用問題にならないように何らかの措置が行われるでしょと常識的に考えると想像できると思うのですが、先日もMDYはフランスの国債利回り上昇を受けて、急に格付けに警告を出す(債務負担の増大を懸念って時間軸おかしいだろとかあたくしが悪態をついた件ですな)とか、何か妙に先走り過ぎなアクションが多くて、まあおまいらイベントドリブンのヘッジファンド辺りからか(以下激しく自粛)という悪態でも付きたくなるようなアクションが続くのが気になります罠。
○自民党も野党生活が長くなって民主党化しているようですな
ゆかしメディアなんぞから引用するの甚だ遺憾なのですが他に見当たらなかったので。
http://money.jp.msn.com/news/yucasee/article.aspx?cp-documentid=5613574
日銀総裁の年収3440万円を減らせとの指摘
『22日の衆院財務金融委員会で、日銀総裁、日銀職員の年収が議題に上がり、総裁の年収3440万円(昨年実績)が、財務事務次官の2277万円と比較して高すぎないかとの指摘について、野田首相は「(決めるのは)ご自身で判断すること」と答弁した。西村康稔氏(自民党)の質問に答えた』(上記URLより)
・・・・・・えーっとですね、財務事務次官ってのは国家公務員としての身分保障があって、理屈の上では(ポストは兎も角として)国家公務員として定年まで勤務が可能(慣例上退職してますけど)な人ですが、日銀総裁って任期が切れたら自動的に首になるんですけれども、それを比較して高い安いとかアホか馬鹿かという感じですし、大体からしてそんな事を一々質問しているお前は歳費や通信費やそもそもお前の所属している政党の助成金とか全部返上でもしてるのかと小一時間問い詰めたい訳で、もう何ちゅうどうしようもない質問をしているのかと思うのですが、もっと絶望的なのはこの手の糞下らなく、かつ一般ピープルのルサンチマンに訴えかけるような話題を出してくるというのが野党時代の民主党クオリティそのものであるという事で、自民党も一緒になってこういう低レベルの話をするとかもうねえって感じです。
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2011/11/22
○各種雑談や悪態である
・短国市場雑談
昨日の基金買入オペ結果はこの通り。
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba111121.htm
国庫短期証券買入(資産買入等基金) 7,450 2,001 0.002 0.003 35.0
・・・・・つまりですな、1年までのTBに関して昨日は日銀様が一番お高い価格(低い利回り)で0.102%をお買い上げ毎度あり〜♪となっていた訳でございまして、短期市場のイールドカーブの潰れっぷりもここまで来やがったかという感じでございまする。まあ只でなくさえ短い所ってキャッシュ潰しの金が余っている上に日銀がジャンジャン買うのだからシャーナイナイですが。
国庫短期証券(第239回)の入札結果
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul231121.htm
(3)募入最低価格 99円98銭3厘0毛
(募入最高利回り) (0.1017%)
(4)募入最低価格に 8.4964%
おける案分比率
(5)募入平均価格 99円98銭3厘2毛
(募入平均利回り ) (0.1005%)
ということで、2か月TBの入札は0.10%乗せという事で、こちらはこちらでまあ0.10%割れの短国を買い進むような海外資金様がそこまで金がジャブジャブある訳では無い(スワップなどから計算すると十分ワークする状況は続いているのですが、そもそも無限にその取引をすることができる訳では無いですから)という事で、そうなってみますと0.10%割れを買い進む人ってそんなにいない(超過準備付利の外側にいる人の金だけでは現在の発行量をカバーできませんからね)ので、まー金利はこうなります罠という感じ。
あと先日申し上げましたが、業態別当座預金残高を見てると都市銀行もブタ積み(付利されているからブタではないが)上等という感じになってきているように見えます。つまり短期市場最大級の最大の金持ち(もっとも金持ちなのは日銀ですけど^^)の都市銀行さんが0.10%割れのTBを(担保繰りや商品在庫繰りなどの都合以外の理由で)積み上げるインセンティブも最早薄いという事でしょうな(あとは決算絡みでのお家の事情位でしょ)。
それから、昨日はあまり動いてなかった(というか日中は戻ってて引け近くにまた押し込んでましたが)金先がTIBORの水準よりも微妙に安い(金利が高い)状況になっていた(売られたのは先週の木曜金曜とかだが)のですが、まあこれはLIBOR上昇→スワップの短いゾーン売られる→金先が売られるという流れでしたが、まあほほうという感じでしたな。
#一方でCPレートとか感極まった低金利なのはまあ良いとして、何がアレと言いまして発行体ごとのスプレッド差がろくすっぽ無い(ごく一部を除く)のが如何なものかという感じですけどね
・先物システム変更初日雑談
まあ何ですな、出来高は日中で合計13150枚になりましたので一応格好はついたと思いますが、前場とか明らかに警戒モードで売買手控え状態。まあ月曜だからシャーナイナイというのはございますが、大体からして最近の債券先物ってザラ場だと1分くらい値段がつかない(板が動かない)という素敵な事が多々ある取引の中で高速回転売買向けの取引対応とか意味あるのかという所でございますなあという感じです。
皆さん警戒モードで対処したせいか、前場の引けと後場の引けの板寄せタイムではどちらも直前の出来値と同じ価格で引け(前場引けは142円97銭、大引けは143円01銭でしたが、引け板寄せでの売買高は前場引け288枚で大引け364枚(ただしあたくしが板見てメモ取りながら手計算したベースですので正確性は担保致し兼ねます)とかで、そもそも引けでの取引枚数的に残念な売買高なのですけれどもね。
まあ初日は何となく普通で良かったですね(棒読み)という事ですか。
・・・・・・しかしまあ何ですな、そらまあ債券先物で高速回転売買とかやたらめったら注文を分割して(1枚×200件とかみたいな)発注している人もいるんですけれども、そもそも債券先物というのは「現物国債売買のヘッジ」の為に存在している訳でありまして、その現物国債の売買というのは基本的に店頭売買市場であって、投資家と業者(あるいは業者同士)の間で人間様が介在して人力売買をしているというのが通常の姿であり、そういう人たち的には別に高速回転売買取引などをする必要性は乏しいのであります。然るに、東証様におかれましては世界標準の美名の下に高速回転売買に便利な取引システムに変更するとか、おまいら債券先物取引の本来の存在意義を見失ってねえかと思うのですけどねえ。
・東証と言えばこれは吹いた
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920013&sid=a0ypCh21Y680
東証の企業価値は大証の1.7倍に、統合条件整う−きょうにも発表へ
『基本的な統合スキームは、12年秋に東証が大証の発行済株式数66.6%に対して株式公開買い付け(TOB)を実施し、子会社化。株主総会を経た上で、大証を存続会社として13年1月の合併を目指す。』(上記URLより)
いやまあ最初に聞いたのは公共放送ニュースでしたけど、非公開会社が自分より規模の小さい公開会社を子会社化してから子会社を存続会社にして合併ですかそうですか。
・・・・・・えーっと、東証のページにこういうのがあるんですけどね。
http://www.tse.or.jp/rules/listing/gappei.html
上場廃止基準:合併等による実質的存続性喪失に係る上場廃止基準
『合併等による実質的存続性喪失に係る上場廃止基準は、非上場会社が上場会社と合併等を行うことによって、新規上場審査を免れて実質的に上場を果たす、いわゆる、裏口上場を防止するための上場廃止基準です。』(上記URLより)
いやね、まさかこれを制定している東証自らがこの方法で上場企業になるとは思いませんでしたわwwwwwwwwwwww
あ、念のため申し上げますが、別に悪質とかいう話ではないですし、この手のパターンって最近でも普通にあるのですけれども、形式的にであっても裏口上場審査の対象になるような形を東証自らが実行するというのが何のギャグだという所でございまして、東証は取引所そのもので規制当局としての顔もあるのですから、規制当局としては通常の上場審査プロセスをきっちりと踏んで上場するという本来あるべきプロセスを踏んで欲しいなあと思うのはあたくしのしょうもない屁理屈小理屈ですかそうですか。
『上場会社が、非上場会社との合併、株式交換、事業の譲受等を行う旨の適時開示を行った場合、東証が実質的な存続会社は当該上場会社でないと判断したときは、当該合併等が実行された場合には「新規上場審査基準に準じた基準に適合しているかどうかの審査を受けるための猶予期間」に入る可能性がある旨、投資者に周知を図ります。』(上記URLより)
・・・・・・ふーん(棒読み)
・これは酷い
昨日はヤフーのトップとかにも出ていて、見た人から通報(^^)頂いたのですが。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-24258520111120
日銀買い入れETFの含み損、株価急落で400億円以上に増大か
2011年 11月 21日 07:57
『[東京 21日 ロイター] 日銀は、昨年から行っている株価指数連動型の上場投資信託(ETF)買い入れで、400億円以上の含み損を抱えている公算が大きい。今月末にも予定されている2011年度上期決算で実額が明らかになるが、評価損が出れば結果的に納税者負担となる。』(上記URLより)
・・・・・・・えーっと、そんなの買入実施する時に判り切ってた話で、金融緩和政策が効いて景気が回復すれば株価も上昇する筈だからモウマンタイの話なのですが、何をこの時期に鬼の首を取ったようにニュースネタにするのか全く意味が分かり兼ねますが何なんでしょうか。
つーかさ、ロイターが日銀の資産買入はケシカランという主張を従来からしているというなら話は別ですが、年がら年中追加緩和観測を煽ってあれ買えこれ買え緩和が足りないだのというようなネタで散々ニュース記事書いておいて、実際に政策が進む中の途中経過を切り取ってこういうニュース書くとか、もはや報道機関だの金融政策に対するスタンスだのとか言う以前に人間として恥ずかしくないのかと小一時間問い詰めたい訳ですがねえ。
んなもん景気が回復する前に別にETF売る訳じゃないですし、日銀だって資産買入するときに散々説明している話で、政策遂行中の途中経過でしかない株価が下落した一場面を切り取ってこういうニュース書くとかマッチポンプにも程があるわ。
・これもよく考えたらイミフな見解
時事通信にイチャモンではなくムーディーズの方ね。
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2011112100939
仏格付けに悪影響も=国債利回り高止まり−ムーディーズ
『【ロンドン時事】米格付け大手ムーディーズ・インベスターズ・サービスは21日付のリポートで、フランスの国債利回り上昇に言及し、「景気見通しが悪化する中、資金調達コストが長期間にわたって高止まればフランス政府が直面する財政面の課題が悪化し、信用格付けに悪影響を及ぼすだろう」との見解を示した。』(上記URLより)
・・・・・・・・まあ仰る事はその通りですけれども、その「長期間にわたって高止まり」って財政収支に顕著な影響をもたらすまでの期間を考えたら数週間とか数カ月とかじゃなくて1年とか2年とかそういうスパンの話ではないかと思うのですが、それをわざわざ市場が短期的に大きく動いているときにコメントするとか、どう見ても格付け会社のアリバイ工作にしか見えないのはあたくしの目が濁っているからですかそうですか。
・・・・・・うーむ、雑談のつもりが段々秋の悪態祭りになってしまったorz
○こらまた意見が割れる30年債の増発話
先週金曜に実施されたPD懇と投資家懇の議事要旨
PD懇議事要旨
http://www.mof.go.jp/about_mof/councils/meeting_of_jgbsp/proceedings/outline/c231118.html
投資家懇議事要旨
http://www.mof.go.jp/about_mof/councils/meeting_of_jgbi/proceedings/outline/231118.html
PD懇の所にあります財務省の説明にありますように・・・・・
『いずれにせよ、現在のところ、来年度の発行計画について確たることを言える状況になく、本日の会合では、今後の様々な状況に的確に対応できるよう、増減可能な年限、その他要望事項等について、幅広く皆様のご意見を承りたい。』(PD懇、投資家懇共通である^^)
ということですが、先般の3次補正に伴う増発について中期ゾーン中心の増発という話になりましたので、来年度に関してはどう見ても超長期増発です本当にありがとうございましたという感じなのですが、PD懇の議事要旨見てると30年債の扱いが見事に意見真っ二つに割れているように見えますな。つーことでちょっとだけピックアップ。
超長期の後ろを増発しましょうという意見。
『来年度は、カレンダーベース市中発行額全体で2兆円〜2兆円強の増額を想定している。20年債までの各年限については毎月発行の下で安定している一方、30年債及び40年債については毎月発行でないにも拘らず不安定さが残ることから、次は30年債の育成が課題と考えている。具体的には、月の発行額を1,000億円程度減額した上で毎月発行とすることを提案する。併せて、40年債の発行月はポートフォリオ上の長期化ニーズがある5、8、11、2月とするとともに、当該月に実施される残存15-29年を対象とする流動性供給入札を1,000億円減額することが望ましい。これまで上記以外の月に1.3兆円消化してきたことを踏まえれば、2,000億円程度の増額は安定的に消化できるのではないか。なお、30年債を毎月発行とする場合、20年債については現状維持が望ましい。』
これもそんな感じですかな。さっきの人よりも(20年も増発なので)後ろに寄ってるかな。
『第3次補正予算に伴い増額した2年債及び5年債を除き、10年債から40年債までの全年限で月1,000億円程度の増額余地があり、仮に増額しても数bp程度の調整で済むと考えている。敢えて優先順位をつけるならば、今月の入札結果が強かった40年債を増額してはどうか。なお、40年債については、現行の利回りダッチ方式から価格コンベンショナル方式への移行も併せて提案する。30年債については、月の発行額を6,000億円に抑えた上で毎月発行とすることを提案する。』
一方で超長期の後ろは需給が不安定なので慎重にという意見。
『2年債から30年債までの各年限は月1,000億円の増額は可能と考えており、発行年限のバランスを考慮すると、20年債、10年債、2年債の順に増額を優先すべきと考える。その次に30年債及び5年債が検討対象と考えられる。この点、30年債については、仮に増額する場合であっても発行頻度は現状維持としてほしい。30年債及び40年債は需給が不安定である中、投資家層も重なることから、40年債入札が実施される月に30年債入札は実施すべきでないと考える。』
さっきの人もそうですが、30年と40年の入札を同月にするのは時期尚早という意見。
『30年債については、増額の有無に関わらず発行頻度は現状維持としてほしい。毎月発行とした場合には、40年債入札と重なることが懸念材料である。足元の環境に鑑みれば消化可能とは思うものの、今後のマーケット環境如何では厳しくなる可能性も考えられる。また、40年債については投資家の開拓途上にあると考えていることから、40年債入札に皺寄せが来ることは避けてほしい。』
・・・・・・てな感じで(これは議事要旨の最初の4人の意見を単に順に拾ってきただけですが)超長期ゾーンの増発において20年債の増発可能というのは(まあ足元でも20年カレントは需給良好ですし)コンセンサスなのですが、一方で30年以降のゾーンについては意見が割れている感じで、ざーっと読んでもどっちが優勢という感じでもなさそう(強いて言えば超長期の後ろを増やすの勘弁という方が多めに見えるけど)だなという感じですか、よー判らんけど。
投資家懇の場合はそもそも超長期の後ろに関してはうちのポートと関係ないですからという人もおいでですので、後ろの増発については超長期ゾーンを主に購入する投資家さんとみられる人以外ではあまり積極的ではない印象ですな。
どちらかと言うと投資家的にはイールドカーブが適当に立ってくれた方が投資するのにはフェーバーだと思うのですが、あまりそういう感じの話も見受けられないのがあたくし的には若干の意外感がございましたです、はい。
投資家懇より。
『超長期ゾーンについて、20年債は銀行等のニーズも高まっており、月1,000億円程度の増額であれば十分市場で吸収できると思われる。30年債については、基本的にポートフォリオ採用が進んでいるので、毎月発行にするのは問題ない。その場合は、発行総額を現状維持するように月の発行額を5,000億円に減額するのがよいのではないか。』
『発行年限については、運用上、負債の金利リスクを軽減していく観点から、超長期ゾーンの増額を希望する。優先順位から言うと、30年債について月の発行額を維持した上で、毎月発行を希望する。ただ、毎月発行が難しいということであれば、現状の年8回発行の中で最低月1,000億円程度の増額を希望する。次に、40年債の月の発行額の増額と残存15-29年ゾーンを対象とする流動性供給入札の増額を希望する。20年債はそれほど強い希望はない。』
『20年債若しくは30年債は月1,000億円程度の増額が可能であり、優先順位が高い。超長期ゾーンには生損保のニーズが引き続きある。10年債も幅広い投資家のニーズがあることから月1,000億円程度の増額は可能と考える。30年債については、安定消化の点から発行頻度は維持すべきと考える。』
『超長期ゾーンについては、30年債及び40年債は、投資家層が依然広がっていないことやボラティリティがやや高まる局面があることから、増額については慎重に検討した方がよい。この点、20年債の方が増額しやすいのではないか。流動性供給入札については現状維持としてほしい。30年債について、増額するのであれば一回当たりの発行額を増額し、入札頻度は維持する形で、慎重に発行額を増やしていく方がよいと思われる。』
まあ適当に拾ってみましたが、PD懇と比較すると超長期の後ろについての増発に関してはやや温度が低い感じがしましたが気のせいでしょうか???あたくし的には逆かと思ったのですが。
あと、まあ一々意見を引用しませんけど、まあ物価連動国債に関しては相変わらず評判が悪いようで実に残念。個人的には消費税増税がどうのこうのという話もある事ですし、物価連動国債の市場を育成するのに再チャレンジしてもいいかなとか思わない事も無いのですが、やはりセカンダリーマーケットが事実上機能していないという状況で、業者もマーケットメイクが事実上不能状態になっているという残念過ぎる流動性となっているようでございますので、発行再開に向けたハードルは高そうな感じですな。
#そうやっているうちに既発の物価連動国債がどんどん短くなってくるんですけどにゃ。
でまあPD懇にはこんな話もありまして、まあ財務省が直接言うと無駄な波風立ちますからこういう感じでよろしいのではないかと思いますお。長いから段落分けしますお。
『昨今の欧州の債務問題は深刻化かつ広がりを見せている。ファンダメンタルから考えるとイタリアとフランスはやりすぎではないかと個人的には考えているが、一方でマーケットに追い込まれていく形で金利が上昇して、特に債務残高の大きいイタリア等は財政赤字が発散するリスクが高まっている状況となっている。振り返って日本がどうかといえば、公的債務残高の対GDP比率が非常に高い水準にあって、ギリシャやイタリアほどではないにしても政治の基盤も弱いという状況ではあるが、足元のJGBの利回りが低いこともあって国債の増発に対する政治家の意識もどちらかといえば緩んでいるのではないかと危惧している。』
まあ緩みっぱなしでしょ。
『来年度の国債発行に絡んで、中期財政フレームの枠を遵守することが前提で進んでいるとは思うが、最近の国会の審議や与野党の話を聞いていると、これすら守ってもらえるかどうかやや懐疑的に思っている。日本がイタリアやフランスのように市場の標的にならないように、中期の財政再建に向けた強い意思表示が必要だと思っている。』
何せ財政マネタイズを堂々提唱する元首相がいるという国ですからorz
『復興増税はやや後退という形になったが、中期財政フレームの遵守が重要である。また、消費増税準備法案についてもこれから議論が進むことになるが、これはもともと自公政権のときに方向性が決まっているし、自民党は参院選のマニフェストにも挙げていたということを考えると、上げるのが当然だと見ている。衆院解散総選挙が視野に入る中で、どうしても増税に対するアレルギーが政治家にはあるので、こうした議論が難航するようであれば、やはり日本に対する不信感が強まるリスクがある。』
『特に国内で低い金利で調達できるという所が強みのひとつであり、それが評価されて日本の格付が比較的に安定しているので、投機的な形で海外からのJGB売りで金利が上昇するようなリスクが無いように、中期財政フレームの遵守や中期的な財政再建に向けた消費増税の確実な実施をぜひ政治にはお願いしたい。我々プライマリーディーラーも引き続き国債市場の安定化に向けて様々な提言をしたいと考えている。』
まあそういう意味では日本国債は国内消化ばっかで海外がろくすっぽ持っていない(ので別に海外投資家が売ってしまえとか言い出す事もない、何せ持っていないので・・・)というのが強みではあるのですが、その構造が続かなくなる時というのがキングオソロシスという話になるんですかね、よー判らんが。
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2011/11/21
○東証って何で問題なく稼働しているものを変えるんですかねえ
http://www.tse.or.jp/news/38/111119_a.html
次期Tdex+システム及び第3次ToSTNeTシステムの稼動について
ということで今日から先物とかのシステムが変わって立会時間も変わるのですけれども、債券先物的には何か値付けとかが変わるという誰得(というか東証の自己満足にも程がある)変更が炸裂するのでありました。
債券以外も色々と変わるのですが、デリバティブ関連はこちらのページにああだこうだと説明があります。
http://www.tse.or.jp/rules/tdex_plus/index.html
Tdex+ −新しい先物・オプション取引市場
『1.Tdex+システム (先物・オプション取引システム)
Tdex+システムは、NYSE liffeが開発したLIFFE.CONNECTをベースとした世界最高水準の処理性能を誇る取引システムです。世界最高水準の処理性能を存分に生かしたTdex+システムの導入により、より円滑に先物・オプション取引を行うことが可能となります』
『4.世界標準の取引制度への統一
金融デリバティブ取引のグローバル化の流れは確実に進んでおり、国内の投資家の方々も海外取引所の上場商品を取引する一方、海外の投資家の方々による当取引所上場商品の取引も増えてきております。当取引所は、グローバルに活躍する国内外の投資者の方々の幅広いニーズを満たすことができるよう、次のとおり、取引制度の世界標準化を図っています。』
とか何とか思いっきり東証のドヤ顔が目に浮かびますが、確か東証って1998年に債券先物のシステム変更して値付けルールとかを「世界標準」とやらに変更したらそれまで使い勝手が良かった債券先物がいきなり役立たずになってしまって、大変にケシカラン事になったのですげ、よくよく見ると今回も色々と余計な事をしているようで誠に遺憾の極みでございますな。
http://www.tse.or.jp/rules/tdex_plus/Future_rule_changes_J.pdf
先物取引のTdex+移行に伴う制度上の変更点
こちらにああでもないこうでもないと書いてありまして、まあ詳しくは詳しい人に聞いていただきたく存じます次第ではございますが、ちょっとだけこら面倒ですなというのはこの辺ですかねえ。
『引けの板寄せを行うためのセッション(クロージング・オークション)を導入します。※先物取引のみ』
11時から11時2分まで(11時1分59秒になるんですか?良く判りませんが)が板寄せ時間になるという事ですが、これ引け直前と引けの間にタイムラグが発生する関係上引け直前と引けの間での値段が不連続になりやすくなるリスクがある(まあ実際はやってみないと判らないけど、その間に何か材料が出るかもしれんし)ので、引けの先物の値段が影響するような取引に先物売買が絡む場合(変な表現をしていて申し訳ございませんが判る人にはわかって頂けるものと思います)、取引がやりにくくなるなあとか思いますけどどうなんでしょ。
つまりですね、引けの板寄せって時に寄らない事があって、まあ大体の場合それに嵌るとロクな事にならないので、基本的に投資家の場合引けの成行ってやらないようにしている所も多いと思うのですけれども、こうなると引けないリスク覚悟で引けの板寄せタイムに成行入れに行く事になるんでしょうかね。
『成行注文に関する留意点
・ 反対側に注文がない場合、もしくは呼値可能値幅の上限(下限)まで買い上がり(売り下がり)した場合には、未執行注文は自動的に取り消されます。・
寄付き前及び引け前に成行注文を発注することはできません。』
これまた何だかなという感じでして、債券先物の場合成行で売り買いして直近出来値から20銭上か下までやったら残数の注文が勝手に自動取り消しになるので、つまりは板がスカスカになっているときに数百枚とかの売買を成行で入れて途中で自動取り消しになった場合ってどこまで何枚出来たかとか確認しないとポジションも把握できないという事ですので、先物委託出す人は注意しないとおそロシアな事になる訳ですな。まあ注文を分割すれば良いのですけれども、それをするのにはシステム発注が必要という事ですので、またまた大手参加者優遇な話ですが、何せ世界標準というのは小口零細市場参加者の保護という意識は一ミリも持ち合わせていないのですから致し方ありません。これで参加者の拡大とかアホか馬鹿かと思いますけどね。ええまあディーラー時代に先物の端末を手で叩いて発注していた零細参加者の僻みですけどね。
んでもって成行ですけれども、寄り前は入れられないという事ですから、クロス振る時どうすんねんと思います(たぶん寄り前に呼び値可能値幅の上限の買いと下限の売りを入れることになるような気がしますが良く判りません)し、更によくよく考えたら寄りの成行が入れられないとなると、債券先物の当限最終日にヘマ打って期せずして現受現渡をするトンマが発生するに1000イタリアリラ。
で、大引成行は板寄せタイムにしか注文入れられませんから、制限時間1分少々の間で発注ミスしないように注意しないといけない訳で、これまたアチャーな参加者が発生するに1万ドラクマという感じですか。
・・・・・・まあ他にもツッコミどころがありそうな変更(というか大有りなのですが詳しい話は詳しい人に聞いてくださいな、あたしゃそんなに詳しくなかですたい)ですが、そもそも変更の内容がリリースされて(どころか今日から開始ですが)から悪態つくのも証文の出し遅れと申しますか後出しじゃんけんにも程があるので、まああんまり偉そうに文句を垂れる筋合いでも無いのですけれども、従来普通に何の問題も無く取引されている物を何を好き好んで変更するのかという事で、しかもその点では1998年に思いっきり味噌をつけているのに何の反省も無くまたやるかという点に関しては東京証券取引所に対して呆れて物も言えません(散々言ってるが)という所でございますな。
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2011/11/17
○ということで今日は雑談から入る
・一点だけ見て政策を立案するんじゃねえよアホ政治家どもは
昨日の金融ファクシミリ新聞(なので記事URLとかは無い)朝刊のトップ記事は「金融取引税の検討浮上、円高対策で政府与党」ということで、円高対策で金融取引税というだいぶ意味不明な話がございました。
中の文言を読んでいますと、どうも「投機的取引を減らすために取引に税金を課す」というような趣旨のようですが、『同様な税として日本ではかつて、株価の下落要因として撤廃された有価証券取引税の例があるが、株価の下落要因として撤廃されいぇもその後の株価には好影響を及ぼさなかった例がある。』(11月16日金融ファクシミリ新聞朝刊より)となっていまして、まあここの記事を拝読していますと、この与党筋と思われる方は有取税復活で投機的取引が抑制されるってな事を考えているんでしょうな。
・・・・・・えーっとですな、昔の有取税復活とか言われますと、当時は債券売買の場合に売り方が3銭(業者の場合1銭)お支払(ただし割引短期国債は適用除外)だったのですが、こんなもん復活された日にはただでなくさえ金利が低くて運用利回りが上がらない中でコストが無駄に上昇、つーか中短期ゾーンあたりだと税金で運用利回りを吹っ飛ばしかねない話になりますがな。そらまあ今のご時世で3銭とかアホウな事は無いと思うのですけれども、それにしても当然ながら売買で余計なコストが掛かるという事になれば、売買が低調になるのは確実で、そうなった場合は必然的に債券市場の流動性が低下する訳で、国債の安定的な円滑な消化に支障を来す惧れがありますわな、という事くらい普通に気が付けアホと思うのですけれどもねえ。
ということで、「投機的取引の抑制」という一点にだけ注目して有取税みたいな話に突っ込んで行くという発想は危険極まりなく、何かの政策を実施という話になった場合に何でおまいら全体的なバランスとか考えないのと小一時間問い詰めたいのでございますが、まーその典型が枝野某みたいなものとか思うと非常に遺憾でありますな。
・・・・もしかしてこの「金融取引税で円高対策」というのは、もしかして「国債の円滑消化を困難にして国債大暴落させて信用不安を起こして円も暴落させよう」という高度な狙いがあるんでしょうかね、たぶんその時は悲惨な事になっていると思いますけどねえwwwwww
・まだ言ってるのか・・・・・
15日のニュースでWireが共同でブルームバーグニュース(ネットではない方)が配信していたのですが、肝心の共同のサイト(47NEWS)とかを見ても該当記事がヒットしないので記事手打ちベースで恐縮ですが。
『日銀対応を要求、復興債で超党派議連』(11月15日ブルームバーグニュースより、18時14分配信で元のワイヤーは共同通信)という記事なのですが、15日に例の「増税によらない復興財源を求める会」様がまたまた復興債の日銀買取を要求したそうな。
でまあ相変わらずの中川秀直さんとか小沢鋭仁さんとかに加えて安倍元首相も議連の決定の場におられたようで(しかし初回200人以上署名だかを集めていた筈ですが、15日の会合は約30人が出席だそうですな、記事によりますと)、相変わらずやってますなあとか思うのですけれども。
でですね、いやまあご主張はご主張で勝手にどうぞとは思うのですけれども、時あたかも欧州債務問題が爆発している中でして、そういうご時世の中で「中央銀行による財政マネタイズ」という「将来の財政大爆発のリスク」を想定させるような提言を「元首相」という肩書の人間が言っちゃうとかいう自体がもうセンス無さすぎだと思うのですけど。まあ日本国債に関して言えば海外投資家がしこたま持っている訳でも無いですから別に興味ない、というのが正直な所なので助かっている面があるのではないかと存じます。
これが海外投資家が日本国債バカスカ持っているという状況だと「中央銀行による財政マネタイズ」というネタ一発でも状況次第では市場があばばばばーになるリスクもある訳で、あばばばばー市場になった場合のコストというのはそれはそれで大きい訳で、おそらくはいや円安になるからいいじゃんとかゆーよーなのんびりした話をしてる場合ではないと思うのですよね。
まあ何だ、別に日銀買わなくても復興債の消化に困る訳でも無いですし、そういう話は今せんでも良かろうと思いますけどねえ。市場が消化できないという時になって初めて日銀に国債市場の介入をさせるとかいう話になるんじゃないですかねえ。
ということで、まあこれもまたバランスの欠く話だなと思うのでした。
・業態別当座預金残高(メモ)
計数が出たのでフォロー。
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/cabs/jcabs.pdf
今月の超過準備はどこで増えたかと思ってみてましたが、平残ベースを見ると外銀が前月比1兆円増えているのですが、都銀も1.5兆円増えているのねという点がふーんという感じでございました。
・JCR貫録の1ノッチのみ格下げ@東京電力
事業法人格付け関連のリリース一覧はこちら。
http://www.jcr.co.jp/rat_corp/index.php
11年11月16日 東京電力のモニター(ネガティブ)を継続し、#A+→#A/ネガティブに格下げ、CPをJ-1に据置
http://www.jcr.co.jp/release/pdf/11d0662TEP.pdf
先日の緊急特別事業計画の認可と、それに伴う賠償金支払いに向けた支援機構への支援要請とその実行を受けて格付けを1ノッチ下げてきました。ネガティブはついていますが、とりあえずA格維持ということで、JCR素晴らしいと存じます。まあそもそもこの会社既に普通の事業会社じゃねえだろというステージですしねえ。
・欧州わけわからん(メモ)
昨日は日本時間の夕方にはイタ国債が2円位いきなり上昇して、よくよく見たらブルームバーグニュースが「匿名の市場関係者2名」のコメントとして「今日はECBがいつもより多くイタリア国債を買っています」という海老一染之助染太郎ニュースが出てましたが、日本時間の夜8時過ぎたら大失速して結局7%とかワケワカラン。
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2011/11/16
○市場雑感
・欧州ェ・・・・・
ほほう。
http://www.bloomberg.co.jp/markets/index_europe.html
フランス10年国債 3.661 0.259 96.535
イタリア10年国債 7.052 0.376 84.620
ドイツ10年国債 1.777 -0.000 104.190
ここにはスペイン国債の数字が出てませんが、スペイン国債も売られていましたが、何かこの辺の記事見ると欧州は燃えているか状態になっているような気がするんだが(ただし記事はスペイン語なので字面で何となく把握しただけだが)。
#なお、URLがクソ長くてブラウザのレイアウト壊す可能性がありますのでニュースのリンクはこちらということで
なお、スペインは日曜に総選挙です。野党PP大勝利の見通しですが。
まあスペインは兎も角として、ECBがどうしますかというのは中々微妙でして、従来のロジックを相変わらず繰り返しているのですが、これって最早「金融市場の混乱対応」という形での国債買入を拡大しても問題ないんじゃないかなと思うのですけれども、どうも政策当局者から出てくるのは「ECBにクレクレ言うのは甘え」という厳しい話が多いのはちょっと大丈夫かよと思うのであります。
こういう時は打つ手が遅れるとあっという間に金融市場の機能不全が起きて急速にエライコッチャになるものでありまして、リーマンショック後の金融市場状態になる訳でして、日本だって利下げしてるのにレポレートがロンバート金利に張り付きCPレートが上昇というような素敵な事が起きたような市場の流動性の蒸発みたいなのが起きるのでもうちょっと政策当局も配慮した方が良いと思うのですけどねえ。
・3か月TBとか交付税特別会計借入金入札とか
国庫短期証券(第238回)の入札結果
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul231115.htm
(3)募入最低価格 99円97銭2厘5毛
(募入最高利回り) (0.1024%)
(4)募入最低価格に 30.7047%
おける案分比率
(5)募入平均価格 99円97銭2厘6毛
(募入平均利回り ) (0.1020%)
ということで、しばらく前に3週連続で同じレートだった入札と同じ結果に戻るでござるの巻。先週は為替介入資金がどどーんと出た関係なのか海外のドル調達圧力の関係なのかよーしらんですけれども、オフショアのGCとかが思いっきり低下した煽りを受けて3か月TBの入札が0.10%割れの水準になりました。で、日銀当座預金残高の方は相変わらずの高水準で推移しているのですが、その後短期市場に金が死ぬほどあるのかというとこれがまた当座預金としての残高はあるのに、資金が回っている感が無く、GCレートも0.10%挟みに上昇するわ、先週の3M短国も0.10%割れを買い進むほどの買いも無く、となりまして落ち着きどころ(?)に落ち着いてくるのでありました。
まあ何ですな、当座預金残高に示されるように金はどこかにある筈ですが、その金がマワランチ会長という状態になっているのは、まあ金を出し過ぎると却って金の周りが悪くなるでござるの巻、というパターンになってきたかなあという感じでございますな。まあ余った金がそのまま固定されてしまっている状態ではあるのですが、じゃあどういう風になっているのかは確か今日出るはずの業態別当座預金残高の状況を見たいと思います。
交付税及び譲与税配付金特別会計の借入金の入札結果
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/kariire/kari-result111115.htm
(3)募入最高利率 0.140%
(4)募入最高利率における案分比率 43.0340%
(5)募入平均利率 0.135%
こちらはまた0.140%かよとか思ったのですが、事前の予想ではもうちょっと流れるかもという話だったようですので、ちょっと突っ込んだ人がいたのかなという感じのようざます。まあレート的にはこの辺りからちょっと色が付いたような水準の方が買いたい(正確には貸したい)人が増えてくるようなのでまあこれはこんなものなのかもしれませんが、先週ネタにしましたので一応フォローということで。
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2011/11/11
○昨日の訂正とか雑談とか
・社債買入関連
えーっとですな、昨日は社債オペが札割れしやがりましたねという話を致しましたが、金融ファクシミリ新聞の報道などによりますと(ということですのでURLなどはお示しできませんので悪しからず)社債買入についてはオペ買入適格の銘柄の中で限度額いっぱいになるものが段々増えてきていて、そろそろ札割れするんじゃネーノという観測もあったそうですな。
でまあ札割れするのは良いのですが、前回実施した社債買入の場合は、そもそも買入レートが「市場が落ち着いたら応札が非常に少なくなるくらいの水準」というのに設定してまして、それはつまり「市場でのスプレッド拡大を鎮静化させる」という目的なので、いずれ応札が減ってきても問題ありません、ということで、後半は札割れ大会状態になっていても無問題(というか政策目的が達成されたという事なのでめでたしめでたしである)だったのですが、今回の場合は「社債市場のリスクプレミアムを潰す」という目的で買入の数量目標があるという中なので、そもそも買うものが無くて札入らないってのも何だかなあという感じがしますな。どうするんでしょ??
・欧州蜃気楼
と書いて元ネタ(PC98時代のシミュレーションゲームですが^^)が分かる人は年寄りです、という話は兎も角として(^^)。
昨日もまあ夕方は欧州債券市場ちゃんの数字を見るともなく見ておったのでございますが、イタリア10年国債の日中の動きとか見てると20銭(銭という単位じゃないですが・・・・・^^)とか50銭とか平気でホイホイと動くような感じでの値段の飛び方になっておりまして、こりゃまあ流動性無いです罠という大変に素敵な市場。
でですな、イタ公はそういう感じで推移していたのですが、その間に更にワンダホーな動きをしていたのはフランス国債ちゃん。いやまあここの所そういう動きで、水曜もそんな感じでしたけれども、昨日はまた欧州時間の寄り付きからフランス国債いい感じで売られて、10年国債で一時2円(だから円というのは単位が変なのですがつい書いてしまう)安とかやってたと記憶しておりまして、「次はフランスじゃああああ」というような風情になっているのがオソロシス。
で、欧州債券市場直近概況。
http://www.bloomberg.co.jp/markets/index_europe.html
左から、利回り、前日比利回り変化、価格
フランス10年国債 3.446 0.267 98.290
イタリア10年国債 6.860 -0.346 85.768
ドイツ10年国債 1.774 0.057 104.227
イタリア1年国債入札が何かとりあえず通過した事もあってイタリア国債の利回りは結局低下した(まあその前にも一回ダダ売られした後に謎の急速切り返しをしていましたが)のですが、今日も今日とておフランス様とドイツの利回り変化幅が妙な数字でございますわなorz
てかね、何かこの動きってあたくしの勝手な妄想成分が多分に入っていますけれども・・・・・・
「ヘッジでどうするとか言ってる場合じゃないから現物売ってエクスポージャー落とすお!」
↓
「でもイタリア国債は流動性がスカスカで業者がレートロクに出さないお!!」
↓
「だからイタリアの代わりにフランスを売るお!!!!」
というような動きになってるんじゃないか(いやまあ当然ですがそれが全部のわけはございませんとは思ってますので念のため)とか妄想をたくましくする今日この頃でありますが、こういう時には厭債害債さんの所できっとエントリーが上がっているだろうと思ったら期待に違わず示唆の深いエントリーがございましたので読みましょう、と最後は人のふんどしでありました。
http://ensaigaisai.at.webry.info/201111/article_4.html
イタリア国債
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2011/11/10
○オペとか短国入札とか交付税特別会計入札とか
・社債買入オペ札割れとな
昨日のオペ結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba111109.htm
社債等買入(資産買入等基金) 1,441 1,441 0.000 0.018
足切りが0.000(出来上がり0.100%)で???と思ったら何のことはありません札割れしてやがりますが、日銀の基金系のオペで札割れって今回が初だったような気がする(ちゃんと確認していないのですが)次第でございますが、基金系のオペでの札割れってのもなかなか味わいがあるものでございまして、まあ社債買入の場合は残存2年切ってくる銘柄がまた対象に入ってきますし、12月償還の社債銘柄って多いと思うので、今後も延々と札割れ続くってえ程ではないと存じます。
でもまあ日銀としては基金オペに関しては「数値目標」があるので、オペ札割れというのはこれは目標未達への道という大変に素敵な事態への布石になり得ますので、はてさてどうすんでしょという所ですな、うんうん。
まあこのレート見て「じゃあ俺も社債買入に参加じゃああ」というのが増えてくるでしょうから次回も札割れって事にはならないとは思うのですけれども、まあ社債にしろCPにしろ日銀買入やり過ぎでありまして、だからリスク性資産の購入するならETFじゃろといういつものあたくしの話に我田引水となるのでした。
・交付税特別会計入札が連発で金利上昇とな
昨日も交付税特会の借入金入札があったのですが、ここ3回の推移がこうなっているのでありますが。
10月26日入札分
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/kariire/kari-result111026.htm
平均0.113%/足切り0.120%
11月2日入札分
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/kariire/kari-result111102.htm
平均0.118%/足切り0.123%
11月9日入札分
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/kariire/kari-result111109.htm
平均0.126%/足切り0.140%
ご案内の通り、為替介入後に日銀が謎の資金供給オペ乱れ打ちの実施をして当座預金残高をやたら高水準にした事もあって(次に書きますが)短国入札はまたまた0.10%割れとかになっちゃいました(まあ入札はやっちまった感もあるようですが)とかやっている中でここのレートだけじり高というのは如何にも妙。つーか6か月物の国向けの貸出なのに2年国債レートのような足切りとか流れすぎだろという感じです。
・・・・・でまあ何でそうなったのかは札をたくさん入れている人たちに聞かないとワカランチ会長ではございますが、実は当座預金残高の水準は高いけどそんなに金が無いのか、単に事務手間めんどいから(短国買う方が事務手間は圧倒的に楽でしょうからね)とか、転売できないからアセット圧縮しようとしても直ぐに圧縮できないのを嫌っているのかとか、まー色々と妄想は膨らむのですけれども、これまた「足切り0.140%」というのを見て普段あまり応札しない人がここぞとばかりに応札してきて無難な結果になるに1000イタリアリラ。
ただまあ次回も甘かったら何か???ではございまする。
・3M短国入札
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul231109.htm
(3)募入最低価格 99円97銭3厘5毛
(募入最高利回り)(0.0987%)
(4)募入最低価格に 95.5025%
おける案分比率
(5)募入平均価格 99円97銭3厘6毛
(募入平均利回り)(0.0983%)
へえへえそうだっかという結果ではございますが、ただまあ0.10%を割る短国を買うニーズって国内だと投信(短期公社債投信)くらいしかないと思うご時世の中、海外の買いだけで0.10%割れ恒常的にってのもどうなのかという気はしますし、当座預金残高は確かにつみあがっていますけれども、資金供給オペの残高が積みあがってきた結果のもんではなくて為替介入によるものですから、直接債券ディーラーの所に金がどどーんと入ってきたわけではない(まあ最終的には介入で出た分の円資金が短国とかGCとかの買いに回ってくるから業者にも回りますけど)ので今後10割れを延々と維持できるのかはどうなんでしょうね。上記のように(ただの特殊要因かも知れませんけど)交付税特会借入のレートが変に上昇したりしてるように、何か微妙にアレなのもありますし、そんなにガシガシ突っ込む雰囲気でも無いような気が。
ただまあまた為替絡みとかドル調達絡みでの要因も欧州要因でおかわりが出るなら話は別なんでしょうけどね。
○イタリアキタコレですが保身的な動きが問題を加速させるという話
まあ昨日の(日本時間の)夕方以降はイタ公の国債があれよあれよという間に素敵な暴落状態だったわけですが。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=aV2Kf4yqiO0I
欧州債:イタリア5年債利回り7.5%超−首相辞意表明やLCH変更
・・・・・・ちょwwwwおまwwwww昨日はこういう相場後講釈してたやんけ。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=ajlHpftGayW8
NY外為:ユーロ上昇、伊首相の辞意表明で債務問題解決を期待 (1)
『11月8日(ブルームバーグ):ニューヨーク外国為替市場ではユーロが対ドルで上昇した。イタリアのナポリターノ大統領は、ベルルスコーニ首相が財政緊縮法案の可決後に辞任することで同意したと発表。これに反応した。』(上記URLより)
ということでワロスワロスという感じですが、まあそもそも前日の海外市場でベル様が辞任したのを好感するのもどうかという感じでしたがそれはそれで、最初に引用した記事でも実際にイタリア国債の急落のトリガー引いたのはこっちだという説明がありましたな(つまり日本語記事のヘッドライン書いている人がトンチキなのでは疑惑が)。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=aiiYdUeZPBRU
LCH:イタリア債の取引コスト引き上げ、価格に重し(1)
『11月9日(ブルームバーグ):決済機関LCHクリアネットは、顧客がイタリア国債や証券を取引する際のコストを引き上げた。LCHのフランス部門がウェブサイトに掲載した8日付の文書によると、年限7−10年のイタリア債の取引で顧客に求める預金の比率(デポジットファクター)は11.65%と、10月7日に発表された6.65%から引き上げられた。新比率は9日の取引終了時のポジションに適用される。』(上記URLより)
・・・・・・ということで、決済機関としては自分の所の庭先掃除の観点からすると当然の行動ではあるのですが、どう見てもその行動が危機を拡大しているというありがちなパターンで、もうアホかと馬鹿かとと言った風情の行動。まあ民間のサンピン市場参加者がそういうのやるのはシャーナイナイと思いますが、仮にも決済機関という公的な所が危機を煽るようなプロシクリカルな動きをしてどうすんだ阿呆と思う次第でございます。
つーことで、こういうのが始まるとプロシクリカルというかバンドワゴンというか、まあそんな感じで一気に祭りになってしまいがちなので、関係当局におかれましてはもうちょっと後先を考えた対応を願いたいものであります、と偉そうに申しておりますが、後先考えない対応が得意なのは民主党政権も同じなので、日本に金融問題とかソブリン問題とかが延焼しないように心から願うものでございます。延焼したら馬鹿閣僚が馬鹿発言してプロシクリカルに危機を急拡大させるに1万イタリアリラ。
そういや昨日はMoody'sが物凄い勢いで金融機関とか新興国とかの格付けを下げていましたな。いやまあ過去格下げが遅れてという反省もあるのでしょうが、こうやって金融市場で火がボーボーの時に物凄い勢いで格下げとか「保身格下げ」にしか見えない訳で、こういうのもまたプロシクリカリティーの拡大に繋がるんじゃないかと思いますですよ。関連ヘッドラインでも引用しようと思ったけどあまりに多いのでパスしますが、ブルームバーグかロイターで「ムーディーズ」関連のニュース検索したら昨日は威勢よく格下げしてまっせ。
○どうでも良い雑談
・オリンパス関連のニュースに悪態
火曜日のニュースですが。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920014&sid=a7pFOd0pA2OI
民主: 10日にオリンパス問題など集中議論−企業統治WTも設置
『11月8日(ブルームバーグ):民主党は8日、財務金融部門会議の役員会を開き、オリンパスや大王製紙の経営問題を10日の同会議で集中議論することを決めた。金融庁や東京証券取引所の担当者にも出席を求める。また、企業統治の課題全般を話し合う「資本市場・企業統治改革ワーキングチーム(WT)」を設置する方針も決定した。同会議座長の大久保勉政調副会長が8日、明らかにした。』(上記URLより)
・・・・・・・民主党の皆さんって「悪者」がはっきりしている案件に関しては随分と動きが素早いですなあとしか申し上げようがない訳で、いやまあ確かにオリンパスの飛ばし問題ってアチャーな話ではありますが、それは捜査当局なり利害関係者なりが色々と処理していく話であって、民主党が党の部会でああだこうだ言う話ですかって思うのであります。
つーかね、そんなリソースあるんだったらお前ら震災の復興復旧をどうするのかとか、東電の賠償範囲をどうするのかとか、除染をどうするのかとか、原発と代替エネルギーの問題をどうするのかとか、色々と重要な案件がある筈で、そっちに力を注げやゴルァと思うのでございますけれども、何かこうニュース的に旬な素材で叩く対象が明らかで誰からも文句が出無さそう、つまり注目集めて人気を得るには絶好の素材とあらば優先順位は兎も角として飛びつくというのが民主党の壊滅的なクオリティーではございますなあと思うのでありました。いやあの自民党も最近はその傾向があるように見えますけど、ここまで露骨なのはちょっと浅ましいと思うのはあたくしの目が曇っているからですかそうですか。
これまた火曜日の朝のテレビニュースであちこちが報道してましたが
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111109/t10013829131000.html
オリンパスに海外の厳しい論調 11月9日 6時29分
・・・・・・海外が批判していますって話になると鬼の首を取ったように報道するのも何だかなと思うのですが、さてどういう報道になっていたかと申しますと。
『このうち、イギリスの新聞「フィナンシャル・タイムズ」は、8日の電子版で、「世界中の投資家は公表された企業の財務にこれまでとは違った目を向けなければならない。何が真実で誰が公正な立場にあるのだろうか?」として、オリンパスだけでなく監査法人も含めて厳しく批判しています。』
えーっとすいません、欧州ソブリン問題の発端ってギリシャの財政状況の粉飾発覚だったような気がするんですけど、イタリアも何か一時その手の話なかったでしたっけ??
『アメリカの新聞「ウォール・ストリート・ジャーナル」は、オリンパスが行った損失隠しの手法について、「飛ばし」という日本語をそのまま使って詳しく解説し、「1990年代初頭にバブル崩壊による損失を隠すために利用された悪名高い手法が思い出される」と伝えています。』
まるで日本人だけで飛ばしをしていたかのような話ですなあ(棒読み)という所ですが、まあそんな事よりお前らサブプライムローンってのもう忘れたのかという感じですな。
そらまあ今回の事案はアチャー案件ではありますが、お前が言うな的な風情を感じるのはあたくしの目が曇っているからですかそうですか。
・東証大証統合ねえ
http://mainichi.jp/select/biz/news/20111109k0000m020133000c.html
東証大証統合:新社名は「日本取引所」 月内にも発表
・・・・・・・なんちゅうセンスの無いネーミングという感じですが、そんな事よりも東証と大証が統合した結果売買システムが相変わらずのアホーシステムになったらどうなのよという感じがせんでもない。
いやね、あたくし現在の本業は債券金利屋さんですからあまり詳しく見ている訳では無いのですけれども、東証1部の売買代金とか見てると、株価水準がへっぽこな要因があるにせよ、延々と1兆円割れが続いているとかどうなのよという気がするんですが。
あの東証新システムという高速回転売買様御用達の売買システムを突っ込んで機関投資家を徹底的に優遇した結果、ディーラー(とかデイトレとか)の売買を駆逐しちゃって、機関投資家がヘロヘロになった途端に売買代金が落ち込んでいるのではないか、という気がせんでも無い(実際のところは株式のディーラーさんに聞かないといかんのだが)のでございまして、東証の「参加者の多様化」というのが、単に「国内だけではなく海外の機関投資家の売買を取ってくる」という発想にしか見えない(昔の呼び値ルールとかは基本的に小口投資家保護の観点でしたからね)という弊害が出ているのではないかと勝手に妄想してます。実際はどうなんでしょ教えてジェネラル!
・・・・・・などと雑談してたら肝心の虫干しネタがorzorzorz
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2011/11/08
お題「虫干しネタをやらないうちに欧州雑談とかになるあたくしorz」
えーっと、この前折角空気読んでPD懇と投資家懇で3次補正分の増発を中期債中心で実施するという話をしたのは何だったんでしょ。いやまあ来年度の本予算関連の国債発行計画で調整すれば良い話ではありますが。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20111107-OYT1T01217.htm
復興債「25年」で償還、民自公が合意へ
○欧州雑談関連
いやあギリシャでお笑い劇場をやっているうちにイラチの市場ちゃんがイタリアに本格的に放火してきたでござるの巻という風情ですかそうですか。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=aGbusp1cOYEY
欧州債:イタリア債下落、利回り過去最高−債務問題と景気減速を懸念
昨日の日本時間の夕方に6.6%とかになっておられたイタ公の国債様でございますが、まあ政治がらみで解決に時間が掛かるので市場様がイライラして延焼祭りを開始しましたという事でございますが、まあECBも国債の買入に関しては昨日ネタにしたドラギ総裁の会見のように「まあそれは正論だが火がボーボーとなりかけの時にどうなのよ」というようなスタンスを堅持しているように見えますから、炎上しやすい罠という事で。
昨日(あまりにながくなるので)つい引用をスルーしましたがイタリア国債に関する質疑もあったんですよね、先週のドラギ総裁の会見には、ということでそれを引用。
http://www.ecb.int/press/pressconf/2011/html/is111103.en.html
『Question: Mr Draghi, a question about Italy, which is at the forefront
of the current situation. Despite the ECB’s intervention, yields on ten-year
Italian bonds are substantially higher than 6%, with an inversion of the
yield curve. Is this of concern to the ECB? Did you analyse this particular
situation in your meetings today and yesterday?』
ということでイタリア国債市場についてどう思いますか理事会で検討しましたかと。
『Draghi: No, we have not really been focusing on this and similar situations
in our discussions today and yesterday. However, it is clear that - as
I have said many times - the responsibility for maintaining financial stability
and orderly financial conditions lies first and foremost with national
economic policies. It is really pointless to think that sovereign bond
rates could be stably brought down for a protracted period of time by external
interventions. The main pillar of this is the national economic policy
response, which is made up of two components: first, put your public finance
in order and, second, undertake structural reforms. In doing so, competitiveness
is enhanced, thereby fostering growth and job creation.』
特に理事会でイタリア国債にフォーカスしてお話したわけではございませんがなという話ですが、その次にありますように「何度も申し上げていますが、各国の金融の安定や、秩序ある金融環境を維持する責務は各国の経済政策にある事は明白です」という話を思いっきりしておりまして、いやまあそれは正論なのですが、そもそも各国が財政制約に置かれる中で今のような状況になっている時に中央銀行が放置プレイとも取られそうなスタンスを見せるっちゅうのも火に油を注ぎやすいわなとは思います。その後もまあ同じような話をしてて「ソブリン債の金利を買い支えで低下させる事ができる考えてはいけません」とか続き、結局の所は各国の財政当局と政治の努力が必要ですとまあそれはそれで正論なのですがねえという話が続くのがECBクオリティ。
つまりですな、昨日引用したQ&Aの最初の所にありますように、まあ要するにECBは「流動性の供給に関してはジャンジャンやるし必要ならば利下げもしますが、ソルベンシーの問題に関しては中央銀行がどうにかする話じゃありませんので各国頑張りなさい」という話をしている訳で、まあ正論は正論という所ではございますが以下同文という事ですな。
昨日引用した債券買入プログラムの3原則に沿って考えた場合、まあイタ国債の金利が勝手に上昇という中では「金融政策のトランスミッションメカニズムが効きにくくなる」という状況でもありますので、そういう文脈から考えるとまあイタリア国債の買入はしませんがなという話でもないとは思うのですが、一方で「買入は無限ではない」という大原則もあるので、どっちに軸足を置くのかによってまあ見え方も違ってくるんでしょうけど。
○そんな中で資本増強ですかそうですか
既報ではございますが。
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2011/rel111107d.htm/
バーゼル銀行監督委員会による「グローバルにシステム上重要な銀行に対する評価手法と追加的な損失吸収力の要件に関する規則文書」の公表について
日本銀行仮訳はこちら
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2011/data/rel111107d.pdf
『バーゼル銀行監督委員会(以下「バーゼル委」)は、本日、グローバルにシステム上重要な銀行(G-SIBs)に関する規則を公表した。本日の公表文書である、グローバルにシステム上重要な銀行:評価方法及び追加的な損失吸収力の要件は、バーゼル委のG-SIBs特定のための枠組み、G-SIBsが保有すべき追加的損失吸収力の規模及び本要件の段階的実施の枠組みについて規定している。』
ということでそちらに関するリリースはこっちです。
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2011/rel111107e.htm/
金融安定理事会による「システム上重要な金融機関(SIFIs)に対処するための政策手段」の公表について
日本銀行仮訳はこちら
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2011/data/rel111107e.pdf
『4. 「大きすぎて潰せない」問題に対処するためには、多面的かつ統合的な政策が求められる。このため、我々は以下で構成される政策措置に合意した。
@)破綻金融機関を当局が秩序ある形で、納税者を損失のリスクに晒すことなく処理することを可能にするために全ての国内破綻処理制度が有するべき責任・手段及び権限を定める、我々の国内破綻処理制度の改革における参照となる新しい国際基準(「FSB
実効的な破綻処理の枠組みの主要な特性」)。
A)グローバルにシステム上重要な金融機関(G-SIFIs)について、破綻処理の実行可能性の評価、再建・破綻処理計画の策定、及びG-SIFIs母国当局とホスト当局の危機への備えを高め、危機における協力方法を明確にするための金融機関ごとのクロスボーダー協力取極めの策定を行う、との要件
B)グローバルにシステム上重要と決定された銀行について、その倒産の影響度合いに応じてリスク資産対比で1%から2.5%(及びシステム上の重要性の程度を更に増す意欲を抑制するための3.5%の空バケット)の普通株で満たすべき追加的な損失吸収力を保有する、との要件
C)監督当局の責務、資源及び権限の強化と、リスクマネジメント機能、データ集積能力、リスクガバナンス及び内部統制についての監督上のより高い期待などを通じた、全てのシステム上重要な金融機関のより密度が高く実効的な監督
2012年初頭には、破綻が生じた場合の伝播リスクを抑制するため、核となる金融市場インフラについての強化された国際基準が最終化される。』
いやまあそれはそうなんですけれども、この状況下で金融機関の資本増強がどうのこうのという話をしだすというのは日本の金融危機の時の状況を思い出さざるを得ません罠と存じます次第なのでございます。しかも日本の金融危機の時と違って世界的にアレな状態になっている中でどこからその資本増強の金が出てくるんですかという気がするのですけど。まあ日本がこの期に海外の金融機関を買うというようなお洒落な話にでもなるなら結構な話ですが。
既報ですが俺様備忘録のため対象金融機関のリストの部分も引用して置くだよ。
『(別添) グローバルにシステム上重要な金融機関(破綻処理関係の要件を2012年末までに満たす必要があるもの1)
Bank of America
Bank of China
Bank of New York Mellon
Banque Populaire CdE
Barclays
BNP Paribas
Citigroup
Commerzbank
Credit Suisse
Deutsche Bank
Dexia
Goldman Sachs Group
Credit Agricole
HSBC
ING Bank
JP Morgan Chase
Lloyds Banking Group
Mitsubishi UFJ FG
Mizuho FG
Morgan Stanley
Nordea
Royal Bank of Scotland
Santander
Societe Generale
State Street
Sumitomo Mitsui FG
UBS
Unicredit Group
Wells Fargo
1 この当初のリストは、2009年末のデータを使用し、BCBSの文書「グローバルにシステム上重要な銀行に対する評価手法と追加的な損失吸収力の要件」において定められた手法に基づいている。G-SIFIsのリストは毎年更新され、各年の11月に公表される。したがって、リストは固定的ではない
− 毎年参入や退出の可能性があり、G-SIFIsの数も変動し得る。BCBSの手法は、銀行システムの変化やシステム上の重要性の測定における進歩を捕捉するため、3年ごとに見直される。現在のリストは、グローバルなシステム上重要な銀行グループを含むものである。将来のリストは、銀行グループ以外のG-SIFIsも含み得る。2012年11月より、グローバルなシステム上重要な銀行グループの公表リスト上には、追加的な損失吸収力の要件が仮に発効していたとすれば各グループが達成を求められるであろう追加的な損失吸収力の水準に応じたバケットの割り当てが示されることとなる。追加的な損失吸収力の要件は、まず、2014年11月にグローバルにシステム上重要であると特定される銀行に対して、その時点で割り当てられるバケットを用いて、2016年から適用が開始される。』
ということで、リスト見ると何か無駄に数が多い気もするのですが、脚注にあるようにこのリストは流動的のようで(つーか雲丹クレジットとか資本増強とかの話よりもイタリア国債がどうなるのかという方が喫緊の課題のような気がしますが)ございますが、まあソブリン問題が金融問題に拡大する中で金融機関の資本増強が重要というのは正論なのですけれども以下同文という感じでしょうか。
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2011/11/04
○ネタ消化の前にオペレーション雑談
水曜のオペですが「吸収を行わず」とか「非不胎化」とかもうアホかというヘッドラインが相変わらず並ぶのもアレなのですが、最近毎度毎度見ていて腹が立つのは共同通信のヘッドラインでして、まあ水曜も「吸収行わず非不胎化」とか書いていて、共同通信の報道をあちこちが転電するという事を考えると全くもって遺憾の極み(今回じゃないけど決定会合では「現状維持」としないで「追加緩和見送り」とか報道するし)でして、勝手に変なバイアス入れて報道するんじゃねえという悪態はまあ割愛すると致しまして。
水曜のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of111102.htm
国債買入(資産買入等基金) 2,500 2011年11月8日
米ドル資金供給(固定金利方式) 2011年11月4日 2011年11月10日 1.100
米ドル資金供給(固定金利方式) 2011年11月4日 2012年1月26日 1.100
共通担保資金供給(全店)<金利入札方式> 8,000 2011年11月7日 2011年11月24日
共通担保資金供給(全店)<金利入札方式> 8,000 2011年11月7日 2011年12月6日
共通担保資金供給(資産買入等基金) 8,000 2011年11月7日 2012年5月10日
ドルオペは兎も角として共通担保3連発(うち1本は基金オペ固定金利6か月)とかこらまた何でまたそんなに威勢よくオペオファーしますねんという所でございまして、元々介入要因で財政が大幅払い超になって当座預金残高が持ち上がるというのにオペの資金供給を威勢よくやる必要って本当は無い筈なのですが、外野が非不胎化だの何だのやかましいもんだからその辺を慮って景気よくオペオファーですかそうですか。
・・・・・・まあ別にそれはそれでも良いんですけれども、調節実務と金融緩和を混同した非不胎化論に乗っかるようなオペをあまりこれ見よがしに実施すると、将来金利誘導政策に復帰した時に為替介入が行われた場合に、絶対にロクな事にならないですから(金利誘導政策を実施する中では「テクニカルに資金需給の調整を行うための吸収」が必要になるので)あまり市場(というか短期金融市場や債券市場の中で普通の知能を持っている人は理解しているのですがそれ以外の市場の人ですな)の誤解に乗っかるようなオペレーションをこれ見よがしに実施するのはちょっとどうなのかという気がするんですけどね。もうちょっとナチュラルで良いんじゃないですかねえ。
そして水曜のオペ結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba111102.htm
米ドル資金供給(固定金利方式)(11月10日エンド分) 2 2
米ドル資金供給(固定金利方式)(1月26日エンド分) 100 100
国債買入(資産買入等基金) 9,391 2,501 0.034 0.035 79.8
共通担保資金供給(全店)<金利入札方式>(11月24日エンド分) 4,250 4,250 0.100 0.100
共通担保資金供給(全店)<金利入札方式>(12月6日エンド分) 9,450 8,006 0.100 0.100 84.7
共通担保資金供給(資産買入等基金)(11月7日スタート分) 10,190 8,005 78.6
・・・・・・・米ドル供給オペに応札だ・・・・と???
ただまあロットがロットですので、物は試しに取ってみたという事なのでしょうけれども延々とこのオペ応札ゼロが続いていましたので、ちょっと不穏っちゃあ不穏ではございますなあという所で。
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2011/11/02
○ギリシャがどうしたこうしたという単なるメモ
まあ単なるメモですが。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=a_d1ci_rZV7Q
ギリシャ国民投票の「ギャンブル」、ユーロ圏は仰天−収束さらに遠のく
『11月1日(ブルームバーグ):5日前にやっと取りまとめられた救済策について国民投票を実施しようというギリシャの「ギャンブル」に、ユーロ圏諸国は不意を突かれた。債務危機の収束にまた障害が増えた。』(上記URLより)
・・・・・・いやあの何ですかこれという感じでございますが、まあギリシャクオリティですので致し方ない所ですが、もはやこれは訳ワカランチ会長でございますな。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=aNcb5GH8W2XA
欧州債:イタリア債が下落、独債とのスプレッド拡大−ギリシャ懸念で
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=a4sQRIR660bM
サルコジ仏大統領:前週合意の計画が「唯一」の解決策−ギリシャ問題
まあそらそうなるわという感じですが、これが共通通貨じゃなかったらとっくの昔にドラクマが超越大暴落して国内で自国通貨が実質通用しなくなってハードカレンシーを持っていない一般ピープルが塗炭の苦しみモードになるので、こんな状況にはならんでしょという所だと思うのですが、そもそも市場の考える解決への速度と政治問題化した場合のこの手の話の解決の速度のギャップがある上に、そもそも独自通貨じゃないのでその点での緊迫感が微妙に無いというのが話をややこしくしています罠と思うのでございました。
正直これはどうなるのかさっぱりわからんがなという事で。
○顧客資産の分別問題キタコレ
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920000&sid=apLO4Hr9A_d0
米MFグローバル、顧客資産を自己勘定と区別せず−CME(1)
『11月1日(ブルームバーグ):先物市場運営で最大手の米CMEグループは、破産法の適用を申請したブローカー・ディーラーの持ち株会社MFグローバル・ホールディングスについて、顧客資産を自己勘定から区別する規定を順守していなかったと指摘した。監督当局はMFグローバルの破産法適用申請を受けて、同社を調査している。』(上記URLより)
・・・・・・・うーむ、この問題って色々と影響しそうですなあ。何となく雑感が無い訳でも無いですけれども、そもそもこの手のブローカーの顧客資産の勘定分離の問題に関して、米国の法令とかその運用とかがどうなっているのかとか不勉強にしてイマイチ判っていない(つーか米国の信託法に関してもうろ覚えですしorz)ので何なのですけれども、これ「規制当局は何やっていたんだ」とか「オーディターは何やっていたんだ」というような話にどう見ても発展しそうで、そうなるとまた色々とこの手の顧客資産の管理に関わる分野でああだこうだという話になるんでしょうな。
そうなるとまた規制がどうだの何だのとか来るのもどうなのという話になりますが、更にその煽りが海を越えてやってきて、いやあのその辺って日本は普通にちゃんとやっているんですけど系の事に関して当局様からアレ出せコレ出せ(しかもショートノーティスで)とかやってきて雑用が爆発的に増えるに1万ドラクマ。
○介入が8兆円ですかそうですかというのとそれに関する雑感
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/jp111102.htm
日銀当座預金増減要因と金融調節 (11月2日<水>分)
財政等要因(受超=マイナス) 76,800
・・・・・・・ということでまあ介入額が8兆とかあったんですねというのが分かった訳ですが、8兆介入するなら何故80円超にもっていかないとゆー気がする訳ですし、8兆も玉打ち込む位ならETFを1兆買った方がよっぽど効くんじゃネーノと思うのですけれども、まあそれは兎も角として。
東京新聞(中日新聞)の社説なのですが書いている人がどこぞのウォッチマンじゃね???と思うような文章でございますがそれは兎も角。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2011110102000034.html
【社説】円売り介入 もっとマネーを増やせ 2011年11月1日
『日銀は通常、政府が円売り介入で日銀に指示して市場に放出させた円資金を後日、国債の売りオペなどで吸収している。「吸収しなければ政府が金融緩和する形になるからだ」というのが日銀の言い分だが、それではせっかくの介入効果が消えてしまう。』(上記URLより)
いやあのそういう説明はたぶん日銀はしてないと思いますが。つーかそもそも放出した資金を吸収するのは政府であって(その分最終的には国庫短期証券の発行が増えるから)日銀が実施しているのは一時的な資金需給のブレを均す為のオペですから非不胎化とか不胎化とかいう話は上記のような日銀が吸収云々という文脈では意味が無いですからって何回書いているんだか(金融緩和しろという意味で話をするならばそれはそれで別の話で、今申し上げたように最終的に資金を吸収するのは外国為替特別会計の方ですという事ね)。
つまりね、日銀が調整するのは、介入によって出る円資金のタイミングと最終的な外為特別会計資金繰りの帳尻を合わせるための国債発行による資金吸収タイミングの足ずれの調整であって、(現状では関係ないですけれども)金利ターゲットで金融政策を実施している状態の下では超過準備をある程度以上に大量放置した状態を恒常的に実施した場合に、金利ターゲット政策で目標にしている短期市場金利が預金ファシリティーの水準まで自動的に低下し、預金ファシリティーを利用できない主体まで資金が余るとゼロに向けて金利が自動的に低下してしまい、金利ターゲット政策の意味が無くなるからテクニカルに吸収している(したがって現状のようにターゲットが0−0.1%とかになっている分には放置上等なので今回のように放置する)だけの話なんですけどね(大体からして日銀の吸収オペなんて実施しなくなって幾星霜という感じなんですけど)。というのを何度書いてるんだか、という感じです。
しかもそれを言うなら今回は資金の吸収実施しませんし、つい先日国債の買入拡大を決定したばっかりでして、そういう意味では日銀は資金供給を拡大したのであって、日銀はお前に言われるまでもなく既に実施しているがなとゆー所で、中日新聞社は何見て物言っているんだとしか申し上げようがございませんよって、今日からのクライマックスシリーズでは東京ヤクルトスワローズ様の大勝利を祈念せざるを得ない所でございます(違)。
まあこの手のネタは散々見慣れているので今さら驚かないのですけれども、(具体例の提示は避けますが)今回は足元で書き物のネタが無いのか、それとも直近でインスティトゥーショナル何とかとかいう所のアナリストランキング投票が行われている最中だからキャッチ―な見出しを付けてウケ狙いのレポートを書くインセンティブでも生じているのかどうか存じませんが、ちゃんとしたプロの何とかスト様のお書きになる機関投資家向けレポートで非不胎化がどうのこうのだとか、何かその手の素っ頓狂な物件が散見されるのが何だかなあという所でございまして、ちょっとお前らその席どけやという所でございます。
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2011/11/01
○為替介入でしたが
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=asoU.0VFEUCw
円急落、政府が今年3回目の介入−早朝には75円35銭の最高値更新
『10月31日(ブルームバーグ):東京外国為替市場では円が急落。早朝に円が対ドルで戦後最高値を更新したことを受け、政府・日本銀行は今年3回目となる円売り介入を実施し、円は一時1ドル=79円台半ばまで約4円も値下がりした。市場は一段の円の押し下げを狙って、当局が円売り介入を続けるかどうかに注目している。』(上記URLより)
ということで昨日は為替介入があったのですが、どうせやるなら何で日銀の追加緩和と一緒にやらなかったのかがイミフな所ではあるのですが、ただまあこれはある意味作戦みたいなもんで、追加緩和と介入を常にセットにしてしまうとタイミングが市場に丸わかりになってしまいますから今回はわざと先に「日銀だけ緩和させて梯子外しをした振りをする」という作戦でドル売りを溜めておいてから介入を打ち込んだという事だろうなあと思います、というか思いたい所でありまして、まさか単に日銀に追加緩和打たせてもドル安円高が止まらなかったので後から玉を逐次投入したとかだったら残念過ぎ。
つーかですな、どうせ打ち込むなら79円台とか中途半端な所じゃなくて何で81円とか位まで打ち込まないのかと思うのですが、79円20銭あたりまでで止めちゃうもんだから結局その後押し込まれている訳で、何か上手いんだか下手なんだか良くワカランチ会長な介入ではございます。
それにしても為替介入で4円飛んだのに債券先物が10銭ちょいしか動かないとか先生!債券市場ちゃんが息をしていないの!!状態は如何なものかと思うのですけれどもこれはきっとあたくしの休み明けに配慮して債券市場ちゃんが動かないであたくしのリハビリに協力したからに違いありません(いや違う)。
しかしまあ何ですな、為替介入したことだしまた追加緩和みたいな与太が昨日も飛んでいたような気がしましたが、そもそも(昨日も申し上げましたが)76円とか77円とかで1か月以上延々と推移している中でその為替が75円台になったからと言って何でそこまでこの世の終わりみたいに大騒ぎするのかが良く判らんですし(そんなに困るならもっと前から話が出るもんじゃないですかねえ)、元々高値圏で推移しているのですからちょっと動けば最高値更新になるのを捕まえて毎日毎日「戦後最高値更新です大変です大変です」とかセルゲイ・ブブカの棒高跳び(歳がばれますかそうですか)かお前らとゆー所で、その度に追加緩和してたら基金買入何兆になるんだよとゆー感じでございますなマッタクモウ。
なお、このニュースの意味が良く判らんので誰か教えてちょ。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=a1LtFgRW82MY
米国債:上昇、日本の為替介入で買い−イタリア債下落も支援材料
『10月31日(ブルームバーグ):米国債相場は上昇。30年債利回りはほぼ1カ月ぶりの大幅な低下となった。日本政府・日銀が円高に歯止めをかけるため円売り・ドル買い介入を実施したことが買いを誘った。』(上記URLより)
・・・・・・・・何で為替介入で米債が高くなるの?????
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2011/10/31
○何かまあ良く判りませんがねえ
またまた例によって例のごとく謎の事前報道とかあってまた政治方面から押し込みがあったんですねとか思うのですけれども、確かもう1か月以上ドル円で76円台か77円台で推移しているし、あたくしのお休み中はユーロはどちらかというと確り目だと思うのに急に何でこういう話になっているのか浦島太郎ちゃんのあたくしにはどうも良くワカランチ会長なのですが、まあ要するに政治方面の無策のツケ回しが来たんでしょ、としか思えないのですが実際はどうなんでしょうかね。
まあこれから読みますように、声明文だの展望レポートだので政府に文句垂れモードになっているという事はまあ日銀的には「クレクレは甘え」と言いたいんでしょうなあとか思いますが、その一方で今回の基金拡大が全部国債というのがこれまた何ですかなというのもありまして・・・・・
などとつらつらと考えるものの、まあ市場ちゃんに向かってみないと何が何やら良く判らんのでとりあえず思ってみただけの事をふたこと程申し上げただけでござる。
○ということで声明文比較
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2011/k111027a.pdf(今回)
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2011/k111007a.pdf(前回)
今回は展望レポートがセットになっているので、声明文の流れが微妙に違うのでざっくりとした比較になりまふ。
・現状認識
『日本経済は、供給面の制約が解消されてきている中で、持ち直しの動きが続いている。金融環境をみると、CPや社債の発行環境が良好な状態を続け、企業の資金調達コストも緩やかに低下するなど、緩和の動きが続いている。』(今回)
『わが国の経済は、持ち直しの動きが続いている。すなわち、生産や輸出は、震災による落ち込みからの回復過程に比べてペースは緩やかになっているが、増加を続けている。こうしたもとで、設備投資は緩やかに増加しているほか、個人消費についても、全体としては持ち直している。この間、金融環境をみると、中小企業を中心に一部企業の資金繰りに厳しさがなお窺われるものの、緩和の動きが続いている。物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、概ねゼロ%となっている。』(前回)
需要項目別の話が今回抜けていますが、詳しくは展望レポートでという形ですな。ただまあ基本的な見解は「持ち直しの動きが続く」と変化がないとゆー格好に。
・先行き見通し:経済に関して
『日本経済の先行きについては、当面、海外経済の減速や円高の影響を受けるものの、その後は海外経済の成長率が再び高まることや、震災復興関連の需要が徐々に顕在化していくことなどから、緩やかな回復経路に復していくと考えられる。』(今回)
『先行きについて、海外経済は、当面減速するものの、基調的には、新興国を中心に底堅く推移すると考えられる。そうしたもとで輸出が緩やかな増加基調をたどることや、資本ストックの復元に向けた国内需要が顕現化してくることなどから、わが国経済は、緩やかな回復経路に復していくと考えられる。』(前回)
これまた「緩やかな回復経路に服していく」というのも同じですな。
・先行き見通し:物価に関して
『しかし、物価の安定が展望できる情勢になったと判断されるにはなお時間を要すると予想されるうえ、国際金融資本市場や海外経済の動向次第で、経済・物価見通しがさらに下振れするリスクにも、注意が必要である。』(今回)
『消費者物価の前年比は、当面、ゼロ%近傍で推移するとみられる。』(前回)
ということで、今回は上記の文章の次に追加緩和を行いますという文言が続くのですが、声明文ベースで「なお時間を要すると予想される」というのは今回初ではあるのですが、実際には4月の展望レポートでもこの文言はございまして、今回わざわざ声明文に入れたという点には意味があるとは思いますが、そうは言っても別にこの物価判断自体は以前から継続しているものですから、実際問題としては「下振れリスク対応」という所なのでしょうが、追加緩和実施する為に単に下振れリスク対応だけだとちょっと寂しい(今日はネタ書きが間に合わないから明日にしますが、総裁会見では「下振れリスクの一部(要するに欧州債務問題)が具現化した」というのを強調していましたので、まあ実際問題として物価なのかというとこれが微妙に微妙ですな、うんうん。
リスク要因に関しては展望レポートになるので割愛しまして。
・今回の追加緩和の理由
『日本銀行は、8月に強化した金融緩和措置のもとで、金融資産の買入れ等を着実に進めているが、物価安定のもとでの持続的成長経路への移行をより確かなものとするためには、金融緩和を一段と強化することが必要と判断した。』(今回)
『その際、上記の金融環境のもとで企業の資金調達が基本的には円滑に行われている現状を踏まえ、資産買入等の基金を5兆円程度増額する対象は長期国債とし、それを通じて金融市場全体に緩和効果のさらなる浸透を図ることが適当と判断した。』(今回)
今回は(実際問題としては政治に押し込まれたのかなあとか思いますがそれはそれとして)下振れリスク対応で実施しているようにしか見えないのですけれども、下振れリスク対応で実施し、長期金利などの金利水準は低位で推移しているという認識の中で何で2年国債の買入だけ拡大なのかは良く判らんっす正直言って。やるならETFじゃないんですかねえ(ETF単独ならいきなり5兆もやる必要はないと思うが)と思いますけど。
それに今回は補正予算で国債増発とかの話(まあ市中消化分の増額は屁のような額に収まりましたが)がある中で国債の買入だけを増やすというのは財政ファイナンス的観点からどうなのよという気もしますが、リスク資産は増やしたくないというのが先に来ている感があって、ま〜見るからに政治的状況からクレクレうるさいからとりあえず出すだけ出したって所なんでしょうな。よー知らんけど。
・10兆円増額の宮尾さんの提案とな
脚注にこんなのが。
『本日の金融政策決定会合では、宮尾委員より、資産買入等の基金を10兆円程度増額し、60兆円程度とする議案が提出され、反対多数で否決された(賛成:宮尾委員、反対:白川委員、山口委員、西村委員、中村委員、亀崎委員、森本委員、白井委員、石田委員)。』(今回)
はあはあそうですかという感じですけれども、宮尾さんは10兆円増額の内訳をどういう風に提案したのでしょうかにゃあ。2年国債10兆円増額なのかなあとは思います(固定金利オペはどう見ても拡大するのは無理だし短国に関してはオペ残が増えると直ぐに3M以内の短国が0.10%割るような中で買入拡大するのはこれまた無理)けれども、出来上がりが14兆円になると当該期間の10年と5年と2年と20年の発行額が月に均すとざっくり6兆円とかのような気がする(大体の記憶ベースの感覚で申し上げている(10年前の10年の発行額とかとっさに出てこないので勘弁)ので、総額14兆買うとなるとそこそこの吸い上げになるような気もするがどうなんでしょうかね。まあ席に戻ってみればその辺のイメージも思い出すでしょ(汗)。
・悲痛な叫びのコーナー
今回は読んでいて実にこうアレな部分が2か所。
『なお、日本銀行は、資産買入等の基金とは別に、銀行券需要の趨勢的な残高に概ね見合うよう、安定的な資金供給を行うという観点から、現在、年間21.6
兆円の長期国債を買入れている。』(今回)
『こうした日本銀行の取り組みが、日本経済の中長期的な成長力の強化に結びつくためには、民間、政府を含め各方面が、緩和的な金融環境を活用しつつ、それぞれの役割に即した取り組みを続けていくことが重要と考えている。』(今回)
・・・・・・・ええもうね、日銀としては頑張っているんですけど何でおまいらいつもクレクレばかり言うんだよ勘弁してくださいお願いします。という風に言いたいのは把握したという感じですが、今回は思いっきり政府に対して「ちゃんとやれ」というのが出ていまして、しかも展望レポートの方でも(どうも今日は休み明けでアレですので展望レポート詳細比較まで間に合わないのですけれども)リスク要因に「復興需要に対する不確実性」というのを思いっきり挙げているのが更にもう何か日銀的に政府に対してトサカに来ているっぽいのが伝わる所でございまして実に味わい深いものを感じましたがどうでしょうかね。
・そういや今回は期限はそのまま
別紙の方で拡大内容の詳細が挙がっていますが、そこではご案内のように基金国債買入の5兆円増額がありますが、期限に関しては『2012
年末を目途に増額を完了する。』(今回)ということで変化なし。
まあ何ですな、今回に関してはリスク性資産の買入じゃない(国債だってリスクあるでしょとかいう話をしだすと話が本質から逸れるので華麗に無視してください)ので期限を延ばすと却ってリスク性資産の買入ペースが落ちるという残念な展開になってしまいますし、国債の買入であれば別にまあそんなに無理はないでしょうから、期限はそのままにしておくのが妥当でしょうと思います。
#ということで展望レポート比較に予想通り間に合わなかったですすいませんすいません
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2011/10/21
○という前にニュース雑談なのだが
http://www.asahi.com/politics/jiji/JJT201110190050.html
ナシ下落で東電に賠償請求へ=「中間指針」の対象外で初―鳥取のJA
2011年10月19日13時6分
『鳥取県の平井伸治知事は19日の記者会見で、東京電力福島第1原発事故に伴う風評被害の影響で鳥取県産のナシ価格が下落していることを受け、県内のJAと協議会を設立し、東京電力に損害賠償請求を行う方向で検討を始めたことを明らかにした。文部科学省の原子力損害賠償紛争審査会の「中間指針」に示されていない都道府県のJAが、東電に賠償を求めるのは全国初。』
『同県生産振興課によると、原発事故の風評被害で価格が下落した福島県産のナシが関西市場に大量に流入し、鳥取県産のナシも対抗して値下げせざるを得なくなった。今年のナシ1キロ当たりの価格は、昨年に比べて3割下落しているという。』(上記URLより)
・・・・・・・なんかどこから突っ込んで良いのか良く判らない記事ですが、つまり平井知事におかれましては福島県の農家の皆様がナシを出荷したので鳥取県のナシの価格が下落してケシカランという風に仰せにも読めるのでございますし、そもそも文句言うのなら東電じゃなくて出荷したナシの安全性の宣伝が足りなかった政府なりに文句いう方じゃないのかねえとか思うのでありまして、もはや言いがかりというかごね得の世界ではないかと存じますが、そのいいががりごね得プレイを知事が率先して推進するとか何だかなあという感じでして、鳥取県におかれましてはこの際大都会岡山(以下悪態)。
んな事言ったら事故に伴い他の電力会社のスプレッドが拡大したとか色々と文句を申し上げたい物があるんですけどにゃあと思うのですが、この調子で何でもかんでも東電に賠償請求とかをホイホイ認める(かどうか知らんが知事が率先してやってるんですからねえ)何でも方向ってえのはまた民主党政権お得意のポピュリズム攻撃かよというのもありますが、こうやって何かあったらばら撒けば良いわ的な体質の中で財政赤字の発散って大丈夫なのかとか、まあそっちの方向に懸念は拡大するのではないかなあとか思うのでありました。
たまたま昨日は何が何だかさっぱり判らないまま東電株が77円も上昇しやがったのですが、ちょうど午後この話が出てたのでこれが原因かと一瞬思いましたが、提訴自体はすでに行われている話ですから結局の所昨日の上げは何だったのという気がしますがまあそれはそれとして。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20111020-OYT1T00430.htm
東電に免責不適用は誤り…株主が提訴、国は反論
『東京電力福島第一原発の事故を巡り、東電株を1500株保有する東京都内の男性弁護士が、原子力損害賠償法の免責規定を東電に適用しなかったことで株価を下落させたとして、国に150万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こし、同地裁で20日、口頭弁論が開かれた。国側は「東日本大震災は免責規定が適用される『異常に巨大な天災地変』には当たらず、東電が損害賠償責任を負うべきだとした対応は適法だ」と、これまで政府が示してきた見解と同様の主張をし、請求の棄却を求めた。』(上記URLより)
まあ何ですな、どうせなら国じゃなくて枝野(以下罵詈雑言になるので自主規制^^)。だいたいこの大臣(当時は官房長官)が法的手続きをすっ飛ばして不規則発言をする事によってどんだけ金融市場の価格下落を巻き起こしているかと考えますと(以下割愛^^)。
○東電雑談以外の雑談^^
・内国為替決済大口のRTGS化ですよ〜
火曜に出てたのですがネタにするのが遅れた。
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2011/rel111018a.pdf
『次世代RTGS対応(第2期対応)の実施日の決定について
日本銀行は、本日、次世代RTGS対応(第2期対応)(注1) の実施日を2011年11月14日(月)とすることを正式に決定しました。以下、これについてご説明します。
(注1)次世代RTGS対応(第2期対応)とは、全国銀行内国為替制度に基づく内国為替取引のうち、1件1億円以上の大口の取引を、日本銀行金融ネットワークシステムと第6次全国銀行データ通信システムの間に接続インターフェイスを構築することにより、日本銀行当座預金の即時グロス決済により処理できるようにすることをいいます。なお、1件1億円未満の小口の内国為替取引は、引き続き、時点ネット決済により処理されます。』
ということで、内為大口がRTGS化ですかそうですかという所ですが、確か内為の大口で多いのって証券(債券)決済でしたっけ。まあとにかく無事稼働してくんなましという所ですが、内為大口がRTGSになると保振絡んだ決済とか債券決済の関係で日銀ネット非直接参加者の日中資金繰りに影響するのかしら。何か調べてみないと。
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2011/10/20
○首相の訪韓にぶつけた訳ですが
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2011/rel111019a.htm/
日韓スワップ取極の引出限度額の一時的増額について
『日本銀行は、韓国銀行との間での円−ウォン貨のスワップ取極の引出限度額を、30億米ドル相当の円またはウォンから300億米ドル相当の円またはウォンに増額することについて、韓国銀行と合意した。この増額は、2012年10月末までの時限措置とする。本スワップ取極は、国際収支危機といった状況にはない中での短期流動性供給を想定したもので、両国の中央銀行が、東アジアの金融為替市場の安定を図ることを目的として、2005年5月に締結したものである。』
ほほう。まあ現在も確かに国際収支的には無問題ですがウォンがアレな感じになっていた(先月のリスクオフの時にスコーンと落ちていましたな)ですからにゃあとか思いつつ。妙にネットで話題になっていましたけど、韓銀がそらまあデフォルトでもしやがったらエライコッチャになりますけど、普通だったら期限に利息付けた円を耳揃えて返して頂く(韓銀が飛んだらそら国家破綻ですがな)話ですから単体では別にふーん程度の話。
とは申しましても、韓国って輸出で食ってる(というか輸出しないと食えなくなる)からそういう風にするというのは判らんでもないけどウォン安政策を取って日本と輸出品でバッティングしまくるという状態な訳でして、何かこう上杉謙信の香りが漂ってくるのは気のせいですかそうですか。しかし韓国ってウォン安政策を取る(というか国民を食わせるために取らざるを得ないというか)中で、ちょっと何かがあると直ぐに通貨危機チックなウォン暴落とかをするということで、通貨のバランスとるのがアクロバット的ですなあとか思うのですがどうっすかね。
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2011/10/18
○ということで電力関連雑感である
公共放送ニュースちゃんから。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111017/k10013322371000.html
北電 “やらせ”で役員ら処分
10月17日 19時36分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111016/k10013292751000.html
“九電の報告 理解得られない”
10月16日 11時23分
枝野大臣になってからすっかりまた電力会社叩かれモードになっていますが、いやまあ電力会社の偉い人たちの殿様感覚(現場の皆様ががんばっているから安定供給できていると思ってまして、現場の皆様には別にどうこうというのは無いですけれども)振りとかどうなのかとは思いますが、発送電分離にしろ原発依存率低下にしろ、急に電力会社を一方的な悪者にして何でもかんでも強行した時に日本経済どうなるのよとか言う話はどうなっているのだとあのアホウ大臣の言動を見てて思う訳で。
原発は動かすな、発送電分離とかするぞゴルァと言いながら電力は安定供給しろ値上げはするなとか、結論として現場にまた鬼のように皺寄せが来るような気がするんですがねえ。大体からして電力政策なんて従来から政府が政策の一環としてやってたはずなのに問題が生じたら急に現業部門(=電力会社)のせいにして管理部門(=政府)は現業部門を責め立てるって何と申しますか「部下の手柄は俺の手柄、部下のチョンボは部下のチョンボ」みたいな・・・・・と書くとつまり今の民主党政権というのはある意味非常にこう人間的と申しますか何と申しますか、って書いてて悲しくなってきたorz
で、北海道電力ではさっきのアレを受けましてこうだそうで。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111018/k10013330831000.html
泊原発 再稼働手続き予断許さず
10月18日 6時21分
『北海道電力は、一連のやらせ問題の発覚を受けて、一定期間、泊原子力発電所のプルサーマル計画を見合わせる方針などを示しましたが、道議会は、さらに北電の姿勢を追及するとしていて、北電が目指す泊原発の再稼働などに向けた手続きが、今後スムーズに進展するかは予断を許さない状況です。』
プルサーマルは兎も角として定期点検で止めた原発の再稼働は問題が別のような気がするんですが、これから冬を迎える北海道で原発再稼働を止めるんですかそうですかと思うのですがねえ。オラシラネ。
あとですな、九州電力は結局こうなるようですが・・・・・・
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111018/t10013330461000.html
九電 第三者委の指摘受け入れへ
10月18日 4時23分
人のふんどしで恐縮ですが非国民通信さんの所の最新エントリーで
http://blog.goo.ne.jp/rebellion_2006/e/f7ac27b9baf1c0ce51946d9e968b3e23
ご機嫌取りはいらない
『どちらかと言えば第三者委員会は九州電力と関係が深いですし、それが県の関与を指摘したときには、むしろ責任の転嫁先を用意したように思えて「ちょっと(電力会社に)甘いかな」とも感じたものです。九州電力に対しても「自分の判断でやりました」と報告するより「佐賀県に指示されたのでやりました」と言い訳した方が自社の立場は守りやすいわけで、報告書の内容がそうであったならば「九州電力は県のせいにして言い逃れしようとしている!」などと大いに責められたであろうことは想像に難くありません。どうなんでしょうね、ことによると九州電力側も枝野のダメ出しは織り込み済みで、再提出分の方が本命だったりして……』(上記エントリーより)
というご指摘通りの展開なのかもしれませんね、うんうん。
んでもって東電ちゃんはこんなニュースが。ヨミウリオンラインから。
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20111017-OYT1T01456.htm
東電、国に1兆円支援申請へ…今年度賠償分
『東京電力は、福島第一原子力発電所の事故の賠償金支払いのために最大1兆円規模の財政支援を国に申請する方針を固めた。11月上旬に国と東電が策定する緊急特別事業計画に盛り込む。2年間で4・5兆円と試算されている賠償総額のうち、2011年度分の賠償額に絞って支援を求める。支援の前提として、電気料金の本格値上げを見送る一方、来年度中に柏崎刈羽原発(新潟県柏崎市、刈羽村)の再稼働を実現させる方向で調整している。』
『緊急計画は、東電の経営を調査する「経営・財務調査委員会」が10月3日に発表した報告書をもとに国の原子力損害賠償支援機構と東電が策定し、枝野経済産業相が11月上旬に認可する。賠償支払額は年内に限れば7000億〜8000億円、年度内まで見通せば1兆円規模になる見通しで、支援機構と東電が申請額の詰めの調整に入っている。(2011年10月18日03時04分
読売新聞)』
はあはあそうですかと思いながら記事中の計画のフローチャートを見ますと・・・・
http://www.yomiuri.co.jp/photo/20111017-850039-1-N.jpg
計画が2段階になるのは以前も報道されていた通りですが、改めてこの「2012年春」の所を見ると「経営責任と金融機関協力を明記」とかいやあのその何で経営責任と一緒くたなのよとか思ってしまいますなあ(金融機関に何の責任があるんだよヴォケ)というのは兎も角として、何か計画の段取り的にどうなのよという気が。まあちゃんと枝野さんが普通に普通の事をしてくれれば問題は起きないと思いますけど、何せ民主党政権な上に枝野大臣ですからにゃんとも。
しかしまあ相変わらず上場を維持している企業の経営に対する重大な問題にかかわると思われるこの特別事業計画の内容がこうやってお漏らし状態になるのは企業の重要情報管理的にどうなのよと思いますけどねえ。
○復興財源だからという理屈は判らんでもないが本当に中短期で良いのか??
先週はPD懇と投資家懇が実施されてまして議事要旨はPD懇は金曜、投資家懇は昨日アップされました。
PD懇
http://www.mof.go.jp/about_mof/councils/meeting_of_jgbsp/proceedings/outline/c231014.htm
投資家懇
http://www.mof.go.jp/about_mof/councils/meeting_of_jgbi/proceedings/outline/b231014.html
まあ今回は『(1) 平成23年度第3次補正予算に伴う国債発行計画について』とありますように、3次補正に伴う国債発行をどうしますかというお題に関するヒアリング大会が趣旨でございます。
とりあえず俺様メモのため長いけど説明部分を引用しておきます、皆様先刻ご案内の通りではございまして恐縮ですが。
『(平成23年度第3次補正予算に伴う要発行額の増減について)
・平成23年度第3次補正予算について、10月7日(金)に閣議決定された基本方針によると、総額概ね12兆円程度の歳出であり、その財源については、歳出削減等のほか、同決定の参考資料において復興債を11.4兆円程度発行することで調達することとなっている。また、財政投融資計画について、1.3兆円程度を追加することとなっているが、その財源のうち、財投債による調達は数千億円になる見込みである。更に、補正予算の機会に借換債の発行額を見直すことに伴い、借換債が2兆円程度減額されることとなる。これは、平成23年度の国債発行計画を公表した後の平成22年度末に、日銀再乗換による1年債の発行を2兆円減額し、市中発行による満期2年以上の国債で借り換えたため、今年度の満期到来額がその分減少することによるものである。
以上のことから、復興債、財投債及び借換債の増減を合計すると、国債発行総額としては10兆円程度の増発が見込まれる。なお、これらの予算及びその関連法については、10月中に国会へ提出できるよう現在作業を進めているところであるが、与野党協議の状況等によっては、金額について変動がありうることは含み置き願いたい。』
『(現在までの国債発行の進捗状況について)
・10兆円程度の増発分について、具体的にどのように発行していくかであるが、当該金額をそのまま月々の入札額に上乗せすることは考えていない。
・昨年度以来、財投債の不用(7.1兆円)や特例公債の出納整理期間発行分の発行取り止め(2兆円)、第U非価格競争入札の上振れなどにより、本年度の国債発行は昨年末の計画策定時の想定を上回るペースで進捗している。平成23年度第3次補正予算に伴う国債の増発に当たっては、このような状況を勘案し、カレンダーベース市中発行額の増額は相当程度抑制することとしたい。』
ほほう。
『(消化方式別発行額の変更)
・具体的に消化方式別発行額としては、第U非価格競争入札について、今年度上半期実績における上振れ分を増額する予定である。また、前倒債発行減額による調整分については、相当規模の増額を考えている。さらに、個人向け販売分のうち個人向け国債について、発行計画額の増額を現在検討中である。その他窓販及び日銀乗換については、増減は予定していない。これらの結果、カレンダーベース市中発行額についての増額幅は相当程度抑制されたものとなる。
・カレンダーベース市中発行額における具体的な増発年限については、増発額が限定的であることから、最近のマーケットの状況や復興債の償還期間が10年間であることも踏まえ、対応したいと考えている。』
ということで、まあ復興債の償還期間が10年ということなので長いのを出したくないとゆーのも理解できますし、うっかり長いのを出して民主党からも出ている「償還期間をもっと長くしやがれ増税反対」攻撃に勢いを与えてもマズーである、というのは判るのですけれども・・・・・・・・
PD懇からの意見。
『・カレンダーベースで2.4兆円の増額を想定しているが、その場合、復興債の趣旨や償還財源等に鑑みれば10年債までの年限で対応するべきであり、具体的には、12月から4ヶ月間、T-Bill6ヶ月物を月2,000億円、T-Bill1年物、2年債、5年債及び10年債をそれぞれ月1,000億円、一月当たり合計6,000億円の増額とすることが望ましいと考えている。
・12月からの増額開始が可能かどうか不透明であるが、月5,000〜6,000億円程度の増額を前提とすれば、2年債を月3,000億円、5年債を月2,000億円、10年債を月1,000億円増額することを提案する。基本的に中短期債を中心に増額すべきと考えており、増額幅がもう少し抑制されるのであれば10年債の増額を見送ればよい。
・全年限とも月1,000億円程度であれば増額は可能。中期債まではさらに月1,000〜2,000億円の増額余地がある。今次補正予算の趣旨を踏まえれば、中期債の増額をメインに据えることが望ましいと考えている。』
という感じで最初の方は妙に物わかりの良い発言が目立つのですけど、現状のマーケット的には中期よりも10年と20年の方がニーズある(別に中期のニーズが無い訳ではないが)でしょうし、昨今の欧州ソブリン問題を対岸の火事と見るのではないと考えた場合には、こういう状況でこそ超長期を出しても良いんじゃないのとか思うのでございますが。
つーか5年って金利上昇局面になった時(というか時間軸が短期化した時)に一番最初に大崩れしやすいですから、只でなくさえ今の時点でも発行多いように思える中更に増発して欧州は兎も角として米国がまた出口モードとかになった時に大丈夫かよとか思うのですけどにゃあ。
『・12月から一月当たり合計3,000億円で総額1.2兆円、11月下旬に入札のある2年債から増額できれば総額1.4兆円と想定している。発行年限については、2年債、5年債及び20年債の増額が可能と考える。』
『・基本的に2年債、5年債を中心とした増額は可能であり、更に超長期債についても余力が見えることからこのゾーンも増額は可能と考えている。』
ふむふむ。
『・来年1月〜3月の3ヶ月間増額するとした場合、5年債のみ月2,000億円、1年から40年までの各年限でそれぞれ1,000億円、総額2.1兆円の増額を想定している。復興債の償還年限を考慮する一方、発行される国債の平均年限の長期化を進めるためには、来年度以降も金額を上下させず全年限を1,000億円程度の増額に止めてイールドカーブへの影響を低減させる必要があると
考えている。』
まああたくしも増発を中期に寄せるよりは将来の借り換え負担の事を考えてもうちょっと長期化した方が良いのではにかと思いますけどどうなんでしょ。まあ30年とかここもと需給が妙に悪いみたいですけど。
約一名異彩を放つ意見があったのが何だか微妙なのですがこれは何ざますかねえ???
『・年末年始にかけてマーケット参加者が少なくなっていく中、超長期債の需給には不安があるところ、原則10年以下の年限で対応すべきであり、具体的には、T-Bill1年物を月2,000億円、2年債及び5年債をそれぞれ月1,000億円増額し、5ヶ月間で合計2兆円の増額とすることを提案する。もっとも、この場合には発行年限がかなり短くなってしまうため、来年度、発行計画を策定する際に時間をかけて議論していく必要があるのではないか。』
・・・・・・・・・?????超長期の需給が年末年始にかけて不安とは??????????
で、投資家懇から。まあ似たような感じで「復興債の趣旨を鑑み中期中心」というのが多いのですけれども、それ以外の意見をば。
『・一月当たり6,000億円程度の増額を前提とした場合、2年債及び5年債をそれぞれ月2,000億円増額するとともに、復興債の趣旨と外れるかもしれないが、マーケットの需給を勘案して20年債及び10年債を月1,000億円増額することが望ましいと考える。』
まあ今だと20年と10年はカレントの所ニーズあると思いますし20年はここの所ずーっとカレントの需給がタイトで推移していて、まあニーズあるんでしょという所だとは思います。
『・現在の経済情勢や、市場の流動性を踏まえると、2年債及び5年債でそれぞれ月2,000億円程度の増額は可能と考えられる。償還期間が10年以内の復興債の調達という点からすれば、基本的には中期ゾーンで対応することが良いと思われるものの、来年度以降の発行スケジュールを考えた場合、増額のタイミング、年限の分散という観点から、超長期ゾーンについても年内に増額を検討した方が良いのではないか。その中でもニーズが非常に強く需給が良好かつ投資家層も広い20年債については、増額を検討する価値が十分あると思われる。』
とまあそんな感じでメモメモではありましたが、いつもの(特に)PD懇だとポジショントークの連発になって中々オモロスな議事要旨になるのがPD懇クオリティなのに、今回の議事要旨に関しては、どう見ても足元でニーズのあると思われる20年債の増発に関する意見があまり多く出ていないんですねえというのがちとまあ微妙に不思議ちゃんな展開ではございましたとさ。
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2011/10/11
○声明文はヘッジクローズ入れまくりで降参寸前の風情
いつものようにヘロヘロと声明文比較
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2011/k111007a.pdf(今回)
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2011/k110907a.pdf(前回)
・景気の現状判断
『わが国の経済は、持ち直しの動きが続いている。』(今回)
『わが国の経済は、震災による供給面の制約がほぼ解消する中で、着実に持ち直してきている。』(前回)
供給制約の話が完全に抜けたのは(まあそうだろうなとは思いますが)良い流れなのですが、表現の方は前回対比横ばいなのか上なのか下なのかよくワカランチ会長ではございまする、がこの先は延々と降参モードが続くのでまあそちらをご覧あれという所でありまする。
『すなわち、生産や輸出は、震災による落ち込みからの回復過程に比べてペースは緩やかになっているが、増加を続けている。』(今回)
『すなわち、生産や輸出は、増加を続けており、概ね震災前の水準に復している。』(前回)
えーっとですな、つまり震災で落ち込んだ分のV字回復はしましたが、V字回復はそこまでとなって、後は横ばいモードになりつつあるという事でございますかそうですか。
『こうしたもとで、設備投資は緩やかに増加しているほか、個人消費についても、全体としては持ち直している。』(今回)
『こうしたもとで、国内民間需要についても、持ち直している。』(前回)
「全体としては」攻撃キタコレという感じですが、前回表現がすっきりしていたのに対して今回は「緩やかに」だの「全体としては」だの色々とヘッジクローズが入っているというのが実にアレでございます。
『この間、金融環境をみると、中小企業を中心に一部企業の資金繰りに厳しさがなお窺われるものの、緩和の動きが続いている。物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、概ねゼロ%となっている。』(今回)
『この間、金融環境をみると、中小企業を中心に一部企業の資金繰りに厳しさが窺われるものの、総じて緩和の動きが続いている。物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、基準改定に伴い下方修正され、概ねゼロ%となっている。』(前回)
金融環境は「総じて」が抜けて上方修正(というか緩和というか)しているのがほほうという感じで、物価については基準改定の下方修正云々が抜けただけなのでまあそんなに現状判断はカワランチ会長っすかね。
・先行き見通し
見通しのパラグラフを全部まとめて比較してみる訳だが。
『先行きについて、海外経済は、当面減速するものの、基調的には、新興国を中心に底堅く推移すると考えられる。そうしたもとで輸出が緩やかな増加基調をたどることや、資本ストックの復元に向けた国内需要が顕現化してくることなどから、わが国経済は、緩やかな回復経路に復していくと考えられる。消費者物価の前年比は、当面、ゼロ%近傍で推移するとみられる。』(今回)
『先行きのわが国経済は、堅調な海外需要を背景とする輸出の増加や、資本ストックの復元に向けた国内需要の顕現化などから、2011
年度後半以降、緩やかな回復経路に復していくと考えられる。消費者物価の前年比は、当面、ゼロ%近傍で推移するとみられる。』(前回)
ということで(物価の方は変化無いのでどうでも良いが)経済先行き見通しの部分ですけれども、文章がやたら長くなってああでもないこうでもないというのが延々と並ぶでござるの巻となっております。更に中身を見ると従来見通していた回復のドライブとしての海外経済に関して「堅調な海外需要」としていたものが「当面減速するものの」、「基調的には」、「新興国を中心に」、「底堅く推移」とこれまた前回部分の直球ストレートな表現から比較した場合に見事すぎる程の留保文言入れまくりという実に素敵な変化になっておりまして、もう残念無念としか申し上げようがございません。
だいたいこういう留保条件やヘッジクローズが沢山入るというのは先行きの確信度が下がりましたよねとゆーのはご案内の通りでございまして、まあだいぶ降参気味になっているなあというのは更に続くのだ。
・リスク要因もこれまた
『景気のリスク要因をみると、欧州のソブリン問題の帰趨や、バランスシート調整が米国経済に与える影響について、引き続き注意が必要である。新興国・資源国では、物価安定と成長を両立することができるかどうか、なお不透明感が高い。こうした海外情勢を巡る不確実性や、それらに端を発する為替・金融資本市場の変動が、わが国経済に与える影響については、引き続き、丹念に点検していく必要がある。』(今回)
『景気のリスク要因をみると、バランスシート調整が米国経済に与える影響や、欧州のソブリン問題の帰趨について、引き続き注意が必要である。新興国・資源国では、物価安定と成長を両立することができるかどうか、なお不透明感が高い。こうした海外情勢を巡る不確実性や、それらに端を発する為替・金融資本市場の変動が、わが国経済に与える影響については、丹念に点検していく必要がある。』(前回)
ここで芸が細かいとしか申し上げようが無いのは、欧州と米国のリスクについての語順変化でございまして、今回は欧州ソブリン問題が目先は米国問題よりもリスク高いですよねと言いたいのは把握した。
『物価面では、国際商品市況の先行きについては、上下双方向に不確実性が大きい。また、中長期的な予想物価上昇率の低下などにより、物価上昇率が下振れるリスクもある。』(今回)
『物価面では、国際商品市況の上昇により、わが国の物価が上振れる可能性がある一方、中長期的な予想物価上昇率の低下などにより、物価上昇率が下振れるリスクもある。』(前回)
今回はついに国際商品市況による物価のリスクを従来の「上振れ」から「上下双方向」に変更になったのがチャーミング。つーかまあ従来の国際商品市況の上振れ云々というのが、欧米英が「一時的な要因の剥落後は物価は低下気味」って予想する中で日本だけ何でデカップリングするねんという所でしたので、まあようやくこの辺りを下げてきましたねちょっと遅かったんじゃネーノという所でしょうか。
・被災地オペの延長
これは今回実施された件ですが、良く考えたらこれも追加緩和と無理矢理言えば言えない事もない訳ではないという感じですが(^^)。
『被災地金融機関を支援するための資金供給オペレーションについては、その受付期限を6か月延長し、2012
年4月末とすることとした。被災地企業等にかかる担保適格要件の緩和措置についても、その適用期限を6か月延長し、2013
年4月末とすることとした。』(今回)
ほうほうそうですか。
・最後に「適切に対応する」というのを入れていますな
で、何か知らんが決意表明みたいに見えたり見えなかったりする最終パラグラフですが。
『日本銀行は、現在、8月に一段と強化した金融緩和措置のもとで、金融資産の買入れ等を着実に進めている。また、日本銀行は、「中長期的な物価安定の理解」に基づき、物価の安定が展望できる情勢になったと判断するまで、実質ゼロ金利政策を継続していく方針である。日本銀行としては、こうした包括的な金融緩和政策を通じた強力な金融緩和の推進、さらには、金融市場の安定確保や成長基盤強化の支援を通じて、日本経済がデフレから脱却し、物価安定のもとでの持続的成長経路に復帰するよう、中央銀行としての貢献を粘り強く続けていく。』(今回)
という部分は大体前回と同じような表現(微妙に違いますけれども基本的には同じ話なのでめんどいから前回分の引用は割愛します)なのですけれども、今回はこの表現が入ったのがアレ。
『今後とも、先行きの経済・物価動向を注意深く点検したうえで、適切に対応していく方針である。』(今回)
・・・・・・まあリップサービスなのかも知れませんけれども、こういうのを一々入れているのは欧米が追加緩和おかわりモードになっている中で日銀が素っ気なくゼロ回答をしている場合でも無かろう、という所だと思われますが、まーいずれにせよ追加で何かやらないと行けないかなという話になった場合(たぶんそれは11月のFOMC次第だと勝手に愚考しますが)への下準備でござるの巻というところかと。
てな感じでして、総合すると「だいぶ降参モードになってきましたね」という所ではないでしょうかね、うんうん。
○だからその「追加緩和見送り」ってヘッドラインは何とかしろと
またも共同通信から。
http://www.47news.jp/news/2011/10/post_20111007135002.html
年利0・1%の復興貸出制度延長 日銀、追加緩和は見送り
まあある意味復興貸出延長も追加緩和と強弁できるような気もしますがそれは兎も角と致しまして、そもそも今回の決定は「現状維持」なのですから「追加緩和見送り」と書かないで「金融引き締め見送り」と表現しても別に間違ってはいない訳ですが、わざわざ「追加緩和見送り」とか書くセンスというかそのバイアスは報道機関として(しかもあんさんの所は通信社なんですから)如何なものかという風に思うのでございますけどねえ。
いやですね、例えばの話市場が物凄い勢いで追加の金融緩和を織り込んでいて、盛大なクレクレ相場をやっていて、普通追加緩和するだろというような情勢であることが誰の目にも明らか、というのであれば「追加緩和は見送り」というヘッドラインを打つのもまあ有りかも知れませんけど、今回の金融政策決定会合で追加緩和を期待している人なんて別に殆ど居なかったと思われる(少なくとも金利をやっている人たちは)訳でして、そういう中で報道機関だけ勝手に盛り上がるとか何考えてるんだとしか思えません。つーかおまいら普段どういう連中にコメント取りに行っているんだと思いますが、てめえらが記事として「使える」コメントが欲しいからそれに合う話をしてくださいってな姿勢は大体聞いていればわかるので、そーゆー記者を相手にするのポジショントークを吹き込みたいかメディアを自分のパブに使いたいかのどっちかなので聞くだけマイナス効果という所なんでしょうな、と思わず悪態が(^^)。
で、今回あたくしが見た範囲内でちゃんと「現状維持」というヘッドラインを打っていたのは朝日新聞でありました。アサヒコムより。
http://www.asahi.com/business/update/1007/TKY201110070160.html
日銀、金融政策は現状維持 緩和策の効果見極め
ちなみに、前回「現状維持」ときちんとヘッドラインを打っていた毎日新聞は何故か今回は「追加緩和見送り」とな。
http://mainichi.jp/select/biz/news/20111008ddm008020107000c.html
欧州危機:揺れる世界経済 日銀、追加緩和見送り 景気下振れ警戒
まあただ(めんどいから細々引用しませんが)こちらでは『世界経済の悪化懸念が拡大する中、各国の中央銀行は金融緩和にかじを切りつつある。』(上記URL記事より)というような感じで「欧州危機に伴いECBやBOEが追加金融緩和を実施しました」というような解説がありますので、まあそれとの絡みで追加緩和見送り云々という話でござんすねという所かと思われますので言いたいことは判らんでもないっす。
#前回に引き続き粘着悪態ですかそうですか
○R&Iが東京電力を格下げ
・・・・・・というような決定会合があって、引け後は総裁会見が実施された訳ですが、その辺の流れをすべて吹き飛ばすニュースリリースが15時02分(はあたくしが見たブルームバーグニュースのヘッドラインベース)に打ち込まれました。
R&Iのリリースより
http://www.r-i.co.jp/jpn/body/cfp/news_release_A/2011/10/news_release_2011-A-867_01.pdf
【格付変更/レーティング・モニター継続(格下げ方向)】
東京電力
発行体格付: (A−) → (BBB)
コマーシャルペーパー: (a−1) → (a−2)
・・・・・・・【格付変更/レーティング・モニター継続(格下げ方向)】ですので格下げをした上で格下げ方向のレーティングモニター継続とまあ折角の3連休前に何ちゅうリリースを出しやがるんじゃゴルァという感じでございますが、2ノッチ下げた挙句にレーティングモニター継続という下げ方で、下げ幅の2つも何だかなあという感じですが、このタイミングで下げてきたのには少々意外感が。
と申しますのはですね、
http://www.r-i.co.jp/jpn/cfp/corporate/4050/9501/
東京電力(9501)
ということでR&Iさんの東電に関する最近のリリースが読めますけれども、直近の格下げリリースの前には『東京電力、信用力維持へ正念場―特別事業計画の行方注視
[2011.09.21]』ってのがあったんですよね。
http://www.r-i.co.jp/jpn/body/cfp/news_release_A/2011/09/news_release_2011-A-788_01.pdf
東京電力、信用力維持へ正念場―特別事業計画の行方注視 [2011.09.21]
・・・・・・ということで、原賠機構と東電が共同で作成する予定の特別事業計画の内容を見てからレーティングアクションを起こしてくるかなあとかあたくし的には思っておったのでございますが、最初の所にある格下げに関する背景説明に関しては(めんどいので引用はしません)まあそう言ってしまえばそうですよねとゆー風情でまあ何と申しますか。
金曜の引け後に出たという事もあって、まあ金曜日には具体的にどうこうという訳にも行かなかったとは思いますので、お問い合わせとかその他諸々の動きは今日になってからご登場という所なのではないかと存じますが、とりあえずこれで引き続きA格を維持しておられるJCR大明神様の動向が大大大大注目されると同時に、R&Iこのタイミングで格下げというのは何ですねん(いやまあさっきも申しあげましたが格下げリリースの内容自体はそらまあそうですけどねえムニャムニャという所でございます)とも言えるのですけれども、まあ経済産業大臣があの人なのも雰囲気悪くしていますよね。という所でございましょうか。
まあいずれにせよ、昨日の15時以降に関しては決定会合結果の話はどこぞへワープしてしまったですなあ的な気分であったという所でございましたですが、まあ本日の動きがどうなるやら(動くのか動かないのかという点も含めてね)という所でございましょうにゃ。
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2011/10/06
○日本と米国と欧州が決定会合でござるが
日本に関しては特段別に何をしないといけないという訳でもないでしょうからスルーだと思うのですけれども、相変わらず外野方面では「追加緩和は今回か次回か」とか金融政策ってのはそう毎回ホイホイ変更するものじゃないんですけどと思う言説も微妙に飛んでいるようでございますが、さすがに債券市場は今回別に何があるとか思ってはいないので無風のイメージかと。
特に日本市場単体で信用不安がある訳でもなく、クレジットスプレッドがおかしくなっている訳でもなく、レポ市場は相変わらず低位安定してるし、CPレートも低いしということで信用緩和方面でどうこうというのも無いですし、それこそオペレーションツイスト的な事をされましても既に10年1%を割ったりしている中で「長期金利を下げて緩和効果」とか言われましても何その民業圧迫としか思えませんので。
いやまあごく個人的にはETF買入の拡大をしたらどないよとは思ってますけどね。
欧州は昨日雑談書きましたように、利下げするには直近のHICPがアレですし、そもそも足元の問題は利下げしたからどうなるというよりも、信用緩和政策と資金繰り支援のための流動性供給拡大を実施する方が課題ですから、逆に言えば変に利下げだけしてやった気になっても困るという感じでしょうか。
英国はこの前のMPC議事要旨を見ると今にも追加緩和実施のような勢いになっていますが、資産買入拡大をしてじゃあ何に効くのやらというのが結構微妙な気がするというか、単にスタグフレーション拡大になってしまうのではないかというアレな展開になりそうな悪寒もするんですけどね。よー知らんけど。
ということで、全般的には「追加緩和をするかもしれません」モードで引っ張る、ただしECBに関しては流動性供給に関して何らかの追加措置を実施するかもしれませんね、という所ではないかと思います。
#と書いて変なフラグになりませんようにナムナム
○昨日の東電報告書ネタの続きの雑ネタ
例によってこのPDFはアホほど重いので注意。
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/keieizaimutyousa/dai10/siryou1.pdf
・ちゃんとしたレポートもだいぶ揃ったようで
昨日は本職の皆様のレポートがここぞとばかりに出てきましたが、まあそうだろうなあと思いますのは、結局の所この委員会は何かを決める委員会ではないので、今後は賠償機構と東電の間で色々と協議していくという話になる、ということなので現時点で決め打ちできませんわなという所でしょう。
ただ、昨日あたくしも読んでて思ったのですが、『関係者への協力要請と経営責任』のところで社債の話を全く触れないとか、まあ法的に無理筋な話だし、こんな所で金融市場の混乱を引き起こしてこのご時世の中いきなり日本市場がぶっちぎりで地雷を盛大に踏むようなアホウな事は最初からテーブルに乗せる気も無いというのは、極めて当たり前は当たり前なのですが、まあ穏当な線ではないかという印象を受けるのであります。
つーかね、元々の事故前における法的な建付けとか、社債の一般担保とかの前提を考えたら、こんなに債券市場的に大騒ぎになる必要は無かった筈なのですが、何せ枝野官房長官(当時)の無法発言(5月の債権放棄要請発言もそうだが、3月の原賠法の巨大災害免責条項に関しての検証を行う事とか全然しないでいきなり免責条項を無効化しちゃったのも無法な話でしょ)を機に「政治によって今までの金融取引の前提条件がひっくり返されるリスク」を織り込みに行き、まあその後は発送電分離だの値上げケシカランだの賠償はどんどん出そうとか言い出すとか、まあ更に同社の収益能力に関する見通しを悪化させる方向になってきましたね、という話になった訳ですよね、ここまでの動きって。
で、まあ先日の下河辺委員長の会見での発言を見たり、まあこの報告書の同社の資金繰りに関する部分とかのトーンを見ますと、まあ政治はポピュリズムスタンドプレーを実施していても、現場レベルではそのような無法プレイが出る訳でもないんだな、とは思わせてくれる内容ではございましたね、というような分析が多かったように思えますし、まあゼニに関する部分だけ浅ましく斜め読みしただけですけれども、その辺に関しては同意であったり致します。
・しかしこれは・・・・・・
報告書本文106ページ(ファイルの115ページ目)にこんな記述が。
『4.2.2.2 株式の引受け、資金の貸付け、社債等の取得及び債務保証』
『また、資金の貸付けに関しては、東電が締結している多くの金銭消費貸借契約において、担保差入(法律上当然に生じる一般担保を除く)が禁止されていることにも留意が必要である。』
この部分は今後の資金調達手段についての検討部分でして、今後の資金調達を行う際に、東電への追加融資に対して担保付でやったらどうよという作戦が難しいですよね、という点を指摘している部分であります。
さて、先週末に本件の主務大臣であらせられる所の枝野経済産業大臣様はこのように仰せになられたと報道がございました。
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20111002-OYT1T00520.htm
『枝野氏は「担保権は損害賠償請求の権利よりも優先されるというのが民法の基本ルール」と説明。その上で、「銀行が担保権を行使すれば東電の財産は持って行かれる。ほとんど損害賠償の資金は残らない」とした。』(上記読売オンライン記事より)
>銀行が担保権を行使すれば東電の財産は持って行かれる。ほとんど損害賠償の資金は残らない
と枝野様が仰せの一方で報告書では
>東電が締結している多くの金銭消費貸借契約において、担保差入(法律上当然に生じる一般担保を除く)が禁止されていることにも留意が必要である。
との事なのですが、東電問題って事業の問題もさることながら目先は資金繰りをどうするかってのが大きな問題だと思うのですけれども、主務大臣として重要な課題だと思われる問題に対するご認識としてどうなんですかとツッコミを入れざるを得ない状態ではございます。が、この無法人間が「東電の担保でデカイのは一般担保で社債と政策投資銀行の借入が対象」とか認識すると今度は社債に「協力」を依頼とか無法な上に金融市場破壊のテロ発言をしかねないからこれはこれで良いのかもしれませんね(違)。
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2011/10/05
○東電関連
報告書どこにあるのかと思ったらこちらのページにリンクが。
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/keieizaimutyousa/dai10/gijisidai.html
東京電力に関する経営・財務調査委員会(第十回)
議事次第
内閣官房のサイトから「トップページ>政策課題>東京電力に関する経営・財務調査委員会」で辿れますにゃ。
で、そこのケツにリンクがありますが。
(資料1) 委員会報告
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/keieizaimutyousa/dai10/siryou1.pdf(PDFで230ページあるので注意)
(資料2) 委員会報告(概要版)
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/keieizaimutyousa/dai10/siryou2.pdf
でですな、報道ベースだと概要版の所を主に説明していると思うのですけれども、この報告におけるシミュレーションとかの前提となる話や、事業の先行きに関する部分とかを読むという話になったら、やはり委員会報告の本編を読まないと内容が把握できないと思われます。
で、報告書の本文が167ページあるという代物ですので、そらまあ本職の方のレポートも即日は出てこんわなと思った次第でございますが(^^)、まあ安直にも程があるあたくしは東電の資金繰りと今後の資本政策の所を斜め読みするだけ斜め読みしてみた。
・・・・・んでもって適当に引用してみますけれども、まあ本件は色々とアレでございますので、本職ではないあたくしがあまりああだこうだ言うのも何ですからちゃんと委員会報告しかも本文の方を穴が開くほど読めやと存じますので念のため。
本文99ページ(PDFの108ページ)に『3.5 資金繰り分析』というのがあるだよ。
『(2) 平成24 年3 月期における資金収支の概況
東電が提出した資料に基づいて算定した平成24 年3 月期の資金収支によれば、当該期末における現預金残高は、主に以下の要因により前期(平成23
年3 月期)末に対して1 兆3,019 億円減少し、8,325 億円となる見込みである。
@ 燃料費負担の増加(前年比増加見込額:9,778 億円)(説明部分引用割愛)
A 財務収支(資金調達から債務償還を差引いた純収支:△5,041 億円)(説明部分引用割愛)
B 1F 及び2F の安定化費用・冷温停止維持費用の発生(当期支払見込額(税込):2,439 億円)(説明部分引用割愛)』
ほほう。
『(3) 1F 事故後の資金調達環境
従前、東電は運転資金及び設備投資資金を社債発行、メガバンク3 行ならびに日本政策投資銀行を中心とした銀行借入により調達するとともに、月末定時払いに係る短期資金をコマーシャルペーパーにより調達する等、資金使途に応じて弾力的かつ低コストでの資金調達が可能であったが、平成23
年3 月期決算が1 兆円を超える赤字決算に至ったことに伴い、足元の資金調達環境は厳しい状況となっている。
東電の信用格下げに伴い、資金市場からの社債又はコマーシャルペーパーによる直接調達が困難であるなか、東電は平成23
年6 月に全取引金融機関に対し、平成23 年3 月末融資残高の維持(若しくはそれ以上の支援)を要請するなどした結果、短期借入金については平成23
年4 月から8 月までに返済期日を迎えた3,030 億円の全額について借換えが実現している。』
ほほう。
『一方、長期借入金については、設備投資資金の調達となるが、平成24 年3月期においては日本政策投資銀行からの緊急融資1,000
億円を除き長期借入の新規借入れ・借換えは実行されていない。』
ほうほう。
『なお、平成25 年から平成26 年3 月期においては、引き続き電力需要、燃料費負担、財務収支、1F
及び2F の安定化・冷温停止維持費用等の動向等に注視が必要な状況にある。』
そらまあそうですな。
でですな、その後の本文103ページ(PDFファイルでに112ページ)『4
今後10 年の数値ベースの事業計画及び資本政策の検討』というのがありまして、報道されているように原発再稼働するかどうかとか電力料金を引き上げるかどうかという条件の下での東電のB/S、P/Lおよび資金繰りについての3種類のシミュレーションがあるのですが、そもそもそのシミュレーションの大前提があるのに注意が必要かなと思いました。本文103ページにありますけどね。
『上記の前提条件のほかは、いずれのシミュレーションにおいても、他の要素による影響を排除するため、下記の前提で試算した。』
・特別負担金の支払は考慮しない
・社債発行や借入による新規資金調達は考慮しない
・借入金は、緊急融資を除く平成23 年3 月31 日以前に実施された借入金債務については10
年間残高維持がなされると仮定し、3 月11 日以降に実施された緊急融資合計額1
兆9,650 億円については約定通りの返済が実施される
・料金値上げ後の値下げについては考慮しない
・退職給付に係る制度変更については、2.4.4.4 に示す3 案のうち、暫定的に乙案により試算している。
という辺り微妙に留保条件があるのには注意したいですな、うんうん。結論は報道されていた通りでして、本文105ページ(PDFファイル114ページ)の最後にこのように。
『この結果、原子力発電所稼働ケースでは、@料金改定(値上げ)なし、A5%値上げ、B10%値上げ、のいずれのパターンにおいても、実態純資産調整項目考慮前の段階で資産超過が維持できると試算されたが、原子力発電所の稼動時期が遅れるとともに、徐々に純資産が減少するリスクが拡大する試算結果となった。』
『他方、資金面では原子力発電所稼働ケース、1 年後原子力発電所稼働ケースともに、料金値上げの状況に応じて約7,900
億円から約4 兆3,000 億円の不足資金が発生することから、資金調達策の検討が必要な状況となっている。さらに、原子力発電所非稼働ケースにおいては、上記の料金値上げのパターンに応じて、約4
兆2,000 億円から約8 兆6,000 億円の資金調達が必要との結果が出ており、著しい料金値上げを実施しない限り、当該前提で事業計画の策定を行うことは極めて困難な状況にあるものと思料される。』
だそうな。
でですね、本文109ページ(PDFで118ページ)に『5 関係者への協力要請と経営責任』というのがありますが、そこの章立てを見ると『5.1.1
金融機関に対する協力要請』『5.1.2 株主に対する協力要請』というのがありますが、社債の社の字も出てきませんな。まあ一般担保付いてるし公募して流通しているものなんですから当たり前っちゃあ当たり前ですが、そんな章があったらそれだけで縛り首ものだろと思いますので無いのは金融屋的に当然ではあるが大変に結構なお話。
『5.1.1 金融機関に対する協力要請』
『金融機関に対する協力要請としては、一般論として、債権放棄、債務の株式化(デット・エクイティ・スワップ)、金利減免、残高維持又はリスケジュール、追加貸付等の方法が考えられる。
3.3 に記載のとおり、平成23 年3 月末の実態連結純資産が1 兆2,922 億円と試算され、東電が資産超過の状態にあることからすると、金融機関に債権放棄又は債務の株式化を要請することは困難な状況にある。なお、東電が平成23
年6 月に全金融機関に対して送付した支援要請文書には、「貴社との取引において金利減免や債権放棄といった類の支援を、当社から要請することはないと申し添えます」との文言が記載されている。』
・・・・・・・東電がそういう話をしているのに大臣が・・・・いやもういいです。
『この点、東電では、4.2.3 に記載のとおり、金融機関に対して、緊急融資を除く3
月31 日以前に発生した借入金債務を対象に、10 年間という長期に亘る残高維持等を要請する予定とのことである。』
まあ要請するのは良いのですが、金融機関も株主や預金者がいる訳でして、その方々に対して違背するような行為は出来ませんので、その辺をちゃんと落とし前をつけてくれ無いと困ります罠。
『当該要請が金融機関に対する協力要請として十分な要請であるか否かについては、特別事業計画の策定の過程において、今後、支援機構において検討されるべきである。』
まあこの委員会は何を決めるという場所じゃないですから当然ですが、結局のところ特別事業計画の策定でどうなるという話になるんでしょうな。
『また、その際、上記実態連結純資産の試算は、支援機構が資金交付により損害賠償債務の支払原資を供給することが前提になっているため、このような前提を置いて実態連結純資産の試算を行うべきかどうかについては議論がありうるところであり、その結論を踏まえた検討も必要である』
ふーん(棒読み)。
次のページに『5.1.3 まとめ』って章があります。
『関係者に対する協力の要請が十分であるか否かについては、東電に対し必要となる資金援助の総額や、過小資本の解消の必要性等に基づいて、支援についての支援機構と関係者(金融機関、株主等)との負担のバランス等を踏まえた総合的な検討の上で、支援機構が判断すべき事項であると考えられる。』
ということで、結論は事業計画策定にある程度の形が出来るんでしょうな、とは一応思うのですけれども、グダグダと時間が掛かるのだけは勘弁して欲しいものです。
○相場と全然関係ないがこれは幾らなんでも酷い
http://www.yomiuri.co.jp/election/local/news/20111003-OYT1T00722.htm
橋下氏の維新の会、大阪市職員の選別作業始める
『ある市幹部は「公務員は首長の政策を実現するための存在。平松市長が都構想に反対する以上、敵対的と映ろうが、市長選前からとやかく言われる筋合いはない」と反論。別の幹部も「知事は公務員のことを分かってない。頭ごなしに命令しても面従腹背の職員が増えるだけだ」と話した。』(上記URLより)
・・・・・・俺様は選挙で当選する筈だから今の首長の指示通りに仕事をする公務員は俺様が当選したら左遷だって国民社会主義ドイツ労働者党だってそんな事してなかったぞと思うのですが、どうしてこんな事になるんだか。これってどんな「指導者原理」だと思うのですけど相変わらずメディア受けが良い(らしい)のが訳判らん。
今の政権がやばそうだから首長の指示に従わない公務員がいたらそっちの方がよっぽど問題だろ常識的に考えてと思うのですが、この人たちはどういう脳味噌の構造をしているのかサパーリ理解致しかねますな。
つーかさ、選挙結果の度に政権与党が公務員人事を壟断して色々と問題が起きた結果、政党政治への不満が高まって・・・・・って展開って昔の日本でもあったような気がするんですがねえ。大阪ってどうなっちゃうんでしょうと思うのですが、
まあしかし何ですな、どこかの元官房長官現経済産業大臣といい、法曹出身でポピュリストプレイをするのが好きな政治家って何で法の枠を平気で乗り越えようとするんでしょうかねえ。「法の支配」をベースに仕事をしてた筈なのにねえ。
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2011/10/04
○委員長は一応普通の話をしているみたいですが
昨日のQUICKで報道されてたみたいですが。
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C9381949EE2E1E2969A8DE2E1E3E2E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2
東電の債権放棄「第三者委は政治論を展開しない」 下河辺委員長
2011/10/3 18:13
以下上記URLの記事から。あまりにも素敵なので全部引用してどうもすいません。
『東京電力(9501)に関する経営・財務調査委員会の下河辺和彦委員長は3日夕、野田佳彦首相に報告書を提出後記者会見し、金融機関に対する債権放棄を求めなかった点を「東電が形のうえで債務超過になっていないと認識せざるを得なかった現状において、委員会は政治論を展開する役割ではないので、債権放棄を強く求めるべきだ、というようなことは到底書ける話ではない」と説明した。』
ほほう。
『そのうえで「政府などが『道義的責任を果たせ』などと言ってみても、言われた金融機関にも株主がいる。法律的に最低限の理屈が通らない話は、銀行の経営としてはにわかに応じることはできない」とも語った。』
道義的責任云々の部分に関しては全くもってその通りでございます。道義的責任とかアホか馬鹿かという話を思いっきりしておられる所は大変に素晴らしいと思うのですけれども、何気にここで下河辺さんは「今の政治主導は『法律的に最低限の理屈が通らない話』を押し付けている」という事を仰せになっておられる訳でして実にこう楽しい事でもございます。
『報告書は東電が資産超過の状態にあるため、債権放棄を求めるのは困難との見解を示している。金融機関に甘い姿勢との批判に下河辺委員長は「委員長の立場で(金融機関などに対する姿勢が)甘いとかきついとか厳しいとかいうことをお答えする限りではない」とかわした。〔日経QUICKニュース〕』
どうせ会見で「金融機関に甘い」とか「何で債権放棄を要求しないんだ」とかいうような無理筋質問(いや別にまあ破綻処理したけりゃしてもそれ単体では筋は通りますが、それで国全体としての損失最小化(事故は事故なのだからどう頑張っても損失は出るがな)に繋がるかを考えれば破綻処理は無理筋でしょと思うのだが)がバンバン出たので途中でいい感じでぶち切れたか何かじゃネーノと思うのですけれども(^^)、委員長はまあ普通の発言してるじゃないのとは思うのでございました。
まあ今回の報告書ですが、ああでもないこうでもないと報道は出ますが、どうせ報道ベースだけ見ているとセンセーショナルな部分だけクローズアップされてしまうので、あまりヘッドラインに一々反応しないのが吉かと思います。まあ暇なら報告書熟読すべきなのですが期初月初進行で中々アレでございますので本職の方の分析が出たら読むという事で(手抜き)。
ただまあ電気料金の問題に関しては他の電力会社の価格設定にも影響が及ぶ話になりそうだなあと思うのと、報道ベースだけ見ているとこの「値上げ」の話が燃料費の調整の値上げの話と、災害復旧や事故賠償に伴う値上げの話との区別が判りにくい所がまたアレでございまして、燃料費の調整による値上げの部分まで手を入れられそう(野田首相とかが「料金体系の見直し」って言ってるし)なのと、そもそも燃料費調整の値上げすら今後しんどくなるのじゃないかと懸念する所ではございます。
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2011/10/03
○ということで今日は東電報告書(と短観)
短観は正直どうでも良い、という訳ではないですが、日本の金融政策がどうのこうのと言われましても足元ではFRB次第で、そのFRBって結局欧州の債務危機問題次第で、その欧州債務危機問題は政治というどう転ぶかわからん状態ということで、まあ短観自体は事前予想から大きくぶれない限りはそんなにネタにならなさそうな悪寒。
東電に関してはもう事前ダダ漏れに関しては呆れ果てて何も申し上げられませんので、そちらは兎も角として。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111003/k10015991451000.html
東電調査委“徹底した合理化を”10月3日 4時41分
『東京電力の経営や財務状況を調査する国の委員会は、3日、厳しい資金繰りに対応するため東京電力に一層の合理化を求めるとともに、電気料金の値上げを検討するには、高コスト体質の原因となっている現在の料金制度を見直すべきだとする報告書を政府に提出します。』
『この委員会は、福島第一原子力発電所の事故に伴う損害賠償を進めるため、東京電力の経営状況を詳しく調べてきたもので、3日、その結果をまとめた報告書を野田総理大臣に提出します。この中では、厳しい資金繰りが続くことが見込まれる東京電力に対して、総額7000億円の資産の売却をはじめとする、徹底した合理化を求めます。一方で、厳しい資金繰りが続き、経営を維持するために来年度以降、電気料金の値上げが検討される場合には、東京電力の高コスト体質を抜本的に改め、その温床となってきた料金制度の仕組みや運用を見直す必要性を打ち出します。』(上記URLより)
・・・・・・・・まあ合理化努力という話は中々ツッコミのしにくい所なのですが、しらっと電力料金制度の仕組みや運用の見直しという話が出てくるのって東電だけではなく他の電力会社にも影響がありそうな話で、実際にどういう書きっぷりになるのかは存じませんが、電力料金がどうのこうのという話になってきますと何だかねという感じです。それこそ具体的に増税の話が出ると反対が急に増えるという世論とやらを相手にする事を考えた場合に、大向こう受けを狙うとなった場合には「電力料金」の部分が禁句になるんだろうなあとゆーことで、実際問題として脱原発に伴うコスト増の所まで突っ込まれる事にはならないと思うのですけれども、何せ現政権与党様の場合は「目先の受けを取るためには中長期的な問題など知った事か」スイッチが直ぐに入るのが仕様なのがテラオソロシスではございます。
んでもって枝野様は今さらこのように仰せで。
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20111002-OYT1T00520.htm
東電、生かしながらやるしかない…枝野経産相
『枝野経済産業相は2日、国の「原子力損害賠償支援機構」が東京電力の賠償金支払いを支援することについて、「(担保権を持っている)銀行より優先して被害者に賠償金を払わせるには、東電を破綻処理するのではなく、生かしながらやるしかない」と述べ、国民負担の最小化には機構による支援が必要との考えを強調した。』(上記URLより、以下同様)
・・・・・・・・えーっと、その話って最初からそういう事でスキーム作りをしていた筈なのにそのスキームを発表する時にあんさんが「債権放棄しろや」的な発言をして前提ひっくり返す話をしたから大変な事になったんですけど。
『枝野氏は「担保権は損害賠償請求の権利よりも優先されるというのが民法の基本ルール」と説明。その上で、「銀行が担保権を行使すれば東電の財産は持って行かれる。ほとんど損害賠償の資金は残らない」とした。』
・・・・・・・・相変わらず「銀行は悪」というアンチビジネスな発想をされているようで誠に恐縮でございますが、担保権の多くを行使するのは悪の巣窟の銀行ちゃんじゃなくて、東電社債を購入している年金などの機関投資家とか、同じく一般担保の付く政策投資銀行さんだったりするのですけれども(銀行がどういう条件で融資しているのか詳しくは存じませんが、東京電力様相手に「物上担保寄越せやゴルァ」などという不遜な事は中々言えないと思うのですが)、これではまるで「銀行が悪い」と言わんばかりの発言に見えますが、報道に際して読売フィルターが入ってまして実際にどう言ったのか判らないですからまあ悪態はスルー(銀行が正当な担保権を行使しないと、預金者の皆様の資金が毀損する事になるんですけどそれでも良いのですかねえ)である。
結局ちゃんと法に則って粛々と処理するのであれば(というかそうじゃないと困るのですが)、変な無法発言をしてその度に金融市場や株式市場に動揺を与えるような事をしないで頂きたいですわな。ガス抜きのつもりなのかもしれないですけれども金融屋からすると危険な火遊びにしか思えません。
#ユーロ圏諸国の金融市場も欧州諸国の火遊びで火がボーボーですけど
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