新装開店:金融規制・プルーデンス関連

口上:この駄文を書き出して暫くの間って「日本振興銀行」とか「新銀行東京」というようなのがあったりしまして、金融規制において「いやお前それは頭でっかちじゃろ」というのが多くて5年ちょっとくらいはそのネタを結構書いていたんですよ。

でまあ時代もそれから大きく変わってきましたけれども、金融安定化関連とかそっちのネタはまた熱くなってきましたので、過去のとは別に金融規制、プルーデンス関連のネタページを作ろうと思って作成しました。(2025/07/21記)

大昔に書いた駄文はこちらの辺りにございます。結構当時は悪態成分が強いのですがまあ当時の感想ということで悪しからずご理解いただきますようお願いします。

※2003年〜2008年くらいまでせっせと書いていた時代の見出しページ



とりあえす過去にさかのぼってボチボチ纏めます。まとまったらこちらのページは見出しのページにして徐々に分けていきます。


2025/07/17「FSBがNBFIに関するレポートを公表/FRBバー副議長が金融規制緩和の流れに一石を投じる講演(メモ)」


2025/07/17

〇FSBがNBFIに関する何かを出しているようです(備忘用メモ)

https://www.boj.or.jp/intl_finance/meeting/group/gro250716b.htm
金融安定理事会による「ノンバンク金融仲介(NBFI)の強靭性向上:進捗報告書」の公表について
2025年7月16日
日本銀行

『金融安定理事会(FSB)は、7月9日、「ノンバンク金融仲介(NBFI)の強靭性向上:進捗報告書」(原題 : Enhancing the Resilience of Nonbank Financial Intermediation: Progress Report)を公表しました。』

ほう。

『本文書は、2020年11月にFSBが公表した「2020年3月の市場の混乱についての包括的レビュー(原題 : Holistic Review of the March Market Turmoil)」において、ノンバンク金融仲介(NBFI)の脆弱性が指摘されたことを踏まえたものです。FSBや基準設定主体等における、作業についての進捗報告のほか、NBFIの強靭性向上に向けた今後の作業計画を示しています。

詳細につきましては、以下をご覧ください。』

ということですが、本件って直近の金融システムレポートでもNBFIの内包するシステミックリスクについての考察があったわけですが、以下をご覧になろうかとも思ったのですが、

https://www.fsb.org/2025/07/enhancing-the-resilience-of-nonbank-financial-intermediation-progress-report/
Enhancing the Resilience of Nonbank Financial Intermediation: Progress report
9 July 2025 | PDF full text (628 KB)

(URLがクソ長いのでハイパーリンクは途中の文字列までに貼りました)
https://www.fsb.org/2025/07/fsb-publishes-recommendations-to-address-financial-stability-risks-created-by-leverage-in-nonbank-financial-intermediation/
FSB publishes recommendations to address financial stability risks created by leverage in nonbank financial intermediation
9 July 2025

でもって原文は直上URL先にありますが
https://www.fsb.org/uploads/P090725-2.pdf
Enhancing the Resilience of Nonbank Financial
Intermediation
Progress report

だいたい本文5ページ(PDFで9枚目)の『2. Assessing and addressing systemic risk in NBFI』って所から読むと良さそう(目を泳がせただけでまだちゃんと読んでいない)ですが、基本的に今回ってNBFIのマチュリティートランスフォーメーション(はMMFについてです)とレバレッジについての話をしていまして、まあ仰る趣旨は分からんでもないのですが、そもそも近代の金融って満期変換機能と信用リスクとマネー発行の二重構造を使ったレバレッジがその基本的機能な訳でして、そこをゴリゴリ言われましても、とは毎度思うのでした。

あと、そんなに問題視してるんだったらアメリカ方面で流動性の碌にないものをETF仕立てにして流動性のあるようにしているってのを今でもバカスカやっている件はどうなのよとは思うのですけれどもまあいいです。


もう一丁あって
https://www.boj.or.jp/intl_finance/meeting/group/gro250716a.htm
金融安定理事会による最終報告書「ノンバンク金融仲介(NBFI)におけるレバレッジ」の公表について
2025年7月16日
日本銀行

『金融安定理事会(FSB)は、7月9日、「ノンバンク金融仲介(NBFI)におけるレバレッジ」(原題 : Leverage in Nonbank Financial Intermediation - Final report)と題する報告書を公表しました。』

こちらの報告書は、

『FSBでは、ノンバンク金融仲介(NBFI)のレバレッジの動向や脆弱性等について分析を実施し、2023年9月に「ノンバンク金融仲介(NBFI)におけるレバレッジの金融安定上のインプリケーション」を公表しました。』

はい。

『こうした分析の成果を踏まえ、FSBは、2024年12月、NBFIにおけるレバレッジから発生する金融安定上のリスクをモニタリングし、対処するための政策勧告を提案する市中協議を実施しました。本報告書は、市中協議の結果等を踏まえて最終化された報告書です。

詳細につきましては、以下をご覧ください。』

ってありますので、NBFIに対する規制監督の話になりまして、要は全文レポートの方をみることになりますが、

https://www.fsb.org/uploads/P090725-1.pdf
Leverage in Nonbank Financial Intermediation
Final report

PDFの4枚目『Table of Contents』ってのがあって(ちなみに章のところはリンクになっている)

『3. Policy measures: scope and terminology』ってのと『4. FSB recommendations』の辺りが今後のNBFIに対するモニタリングとか規制とかのテーマになると思いますので、ご興味のある方やら関係各位は一読しておいた方がよろしいんじゃなかろうか、とは思いました(まあ関係各位は既にご案内かとは思いますが、汗)。


〇バー理事が金融規制緩和の流れに一石を投じた模様

でまあ今のFSBの話とは別ですが今朝はこんな話もありましたな。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-07-16/SZHX7SGPWCJC00
バーFRB理事、銀行規制緩和に警鐘−バブル助長と崩壊の土台築く
Katanga Johnson
2025年7月17日 2:33 JST

→規制緩めると好況期にリスクテーク助長し、銀行の脆弱性を高める
→その後のバブル崩壊がより痛みを伴うものになると主張

『米連邦準備制度理事会(FRB)のバー理事は、金融システムの動向に応じて規制も進化する必要があると強調した。トランプ政権に合わせて、大手銀行に対する規制緩和やより緩やかなアプローチへの転換を模索する動きに警鐘を鳴らした。』(上記URL先より、以下同様)

イイシテキダナーという話ですが、

『バー理事は16日、ブルッキングス研究所でのイベントで講演。「金融セクターの発展に規制環境がついていけないなど、好景気の際に規制が緩み、それが後のバブル崩壊の土台を築くといったパターンが際立って見受けられる」と述べた。』

全く仰せの通りって話なのですが、本チャンは当然まだ読んでいないのでこれまた備忘でURL貼っておきます。

https://www.federalreserve.gov/newsevents/speech/barr20250716a.htm
July 16, 2025
Booms and Busts and the Regulatory Cycle
Governor Michael S. Barr
At The Brookings Institution, Washington, D.C.