金融庁・銀行経営関連

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2007年度

2008/03/11「新銀行東京経営陣の卑怯者っぷりが酷い」
2008/02/22「金融庁の言い訳?/新銀行東京関連補足」
2008/02/21「新銀行東京の末路」
2007/11/29「金融庁が人材育成施策ですかそうですか」
2007/10/29「金融担当大臣のサブプライム関連施策に不安が少々」
2007/06/15「国土交通省の不動産監視施策」


2008/03/11

○どう見ても卑怯者です本当にありがとうございました

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080310-OYT1T00574.htm

>記者会見した津島隆一代表執行役は「銀行設立の計画や制度は正しかったが、経営者に問題があった」と述べた。

これは酷い。都庁官僚の責任逃れと最初は威勢が良いのに都合が悪くなるとすかさず逃げる珍太郎の卑怯者っぷりが実に良く表れているとしか言いようがございませんわな。

刑事訴追までするとなるとさすがに仁司さんもぶち切れでしょう。というか仁司さんの就任にもしかしてトヨタ様へお願いとかしてたのであればもっと香ばしい展開が見られそうで実に楽しそうなのですけど、はてさてどうなる事やら。いち都民としてはさっさと撤退してくださいお願いしますという所でございますけど、泥仕合を見物したいと存じます。

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2008/02/22

○Q&A集が出ましたが・・・・・

「金融商品取引法の疑問に答えます」の公表について
http://www.fsa.go.jp/policy/br/20080221.html

ということで、質疑応答集はこちら。
http://www.fsa.go.jp/policy/br/20080221.pdf

でまあ読んだんですけどね、例えば最初の質疑応答の所なんですけど・・・・・・(一部機種依存文字あります)

『<質問@>証券会社・金融機関は、高齢者に対してリスクの高い商品を販売・勧誘してはいけないこととなったと聞きますが、本当ですか。』

で、説明の最初にある適合性の原則の部分割愛しまして

『2.したがって、証券会社・金融機関が(顧客の知識や経験等に関係なく)
・一律に高齢者にはリスクの高い商品を販売しない
・一律に高齢者には一度目の訪問では販売しない
・一律に高齢者には親族の同席がなければ販売しない
などの対応をとることは、必ずしも制度の趣旨に合いません。』

『3.いずれにせよ、それぞれの顧客の状況に応じた、きめ細かで柔軟な販売・勧誘が行われることが、利用者、証券会社・金融機関の両方にとって望ましいことと考えられます。』

・・・・・・・(-_-メ)

いやあのその顧客の状況をどうやって判断したから知識や経験があるという結論になるのかって言う部分って金融機関が自分達で判断しても検査で「その判断方法はおかしい」と言われてしまえばその時点で終了な訳ですので、それなら一律にストップしておけば問題ない(販売しないことによる機会損失と金融商品取引法違反で処分を食らう機会損失じゃあ天秤にも載らないっす)という判断をしたくなっちゃいますわな。うーむ・・・・・とは言え、形式要件を明示した場合に却って形骸化する惧れもありますのでこれまた難しい話なのですけど・・・・・・・

まー今後の運用で段々とこなれていくしかないとは思うのですけれども、ちょうどまあ建築基準法改正と同じような時期にぶつかって間が悪かったですなあとしか申し上げようがないです。


○その他少々

・新銀行東京(人のふんどしですが)

昨日ご紹介したvon_yosukeyanさんのスラド日記ですけど、昨年度の決算に関して解説したエントリーのご紹介をうっかりしておりましたので追加いたしますです。
http://slashdot.jp/~von_yosukeyan/journal/405024

>ここまで巨額な損失を生んだ要因は、言うまでもないが間違った融資審査方法による資産(貸し出し)を急ぎすぎた点だ。融資先企業の財務状態をスコアリングモデルで倒産確率を算出して融資を行う新銀行の与信システムが全く機能していなかったにも関わらず、丸2年間全く見直しを行わすに、ただ漫然と不良債権が積み上がるのを看過していたのは、もはや犯罪と言っても差し支えの無い官僚的怠慢である。(上記URLより引用)

いやあそういえばスコアリングモデルで事業向け無担保ローンって一時すんげえ流行しましたよねえ。あれを忠実に実行したらこの有様でございまして、何と申しますか現場的発想の斜め上から理屈だけは綺麗に纏まっているプランを実行するとこうなるっちゅうことの見本みたいなもんですわな。でもその見本に税金が・・・・・


・良く判らんのだがまさか手ぶらじゃないですよね

ニュース(というかモーサテ)で見たのですが記事が見当たらないので脳内記憶ベースですが、金融担当大臣様および経済閣僚ご一行様が金融業界団体に対して3月決算期末向けに中小企業への資金繰り対策ということで円滑な融資をという要望をしたそうで。

いやまあ別にそれはそれでよいのですけれども、それを手ぶら(政府は何もしないという意味)でご要望っていうのは只の金融業界に対する圧力というか民業介入にも程があるのですが、その辺どうなってるのでしょうかねえという気がしたのでメモメモ。

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2008/02/21

○新銀行東京

昨日の東京新聞夕刊ですとこんな感じ。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2008022002089088.html

えーっと、記事によりますとこのような寝言を仰せになっている人がいるようですが、寝言は寝てから仰せになられた方が吉かと存じます。

『記者会見した経営トップの津島隆一代表執行役は「経営悪化の背景に非常識な経営実態があった」と説明。その上で「旧経営陣の責任追及を法的なものも含めて進めていく」と旧経営陣の責任を明確化させる姿勢を強調した。さらに「再建が軌道に乗るまでは現経営体制を続ける」と述べた。』(上記URLより)

なるほどなるほど。全ては旧経営陣のせいですかそうですか。でも設立当初の仁司代表を招聘したのって皆様方ではございませんでしたでしょうかねえという感は致します次第で、こりゃまあ仁司さんも(そりゃまあ経営者としての責任はありますけど)法的な責任追及とかそこまで言われるかというか、都庁官僚と都知事の責任逃れにも程があるとしか申し上げようがございませんわな。

で、新銀行ウォッチャーと言えばvon_yosukeyanさんということで、昨年の1月と11月に新銀行東京に関するエントリーがございますのでご参考になるかと存じます次第。

http://slashdot.jp/~von_yosukeyan/journal/389849
http://slashdot.jp/~von_yosukeyan/journal/422183

厭債害債さんのエントリーもございます。下は新しいリストラ案に
関する話なのでこれまたなるほどと。

http://ensaigaisai.at.webry.info/200802/article_5.html
http://ensaigaisai.at.webry.info/200802/article_8.html

と、最後は人のふんどしなのでした(汗)。

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2007/11/29

○具体論に落とすとなぜこうなる・・・・

ちと古い話ですが。
http://www.fsa.go.jp/frtc/kenkyu/20071116.html

『我が国金融・資本市場の競争力強化を実現するためには、市場の発展を担う人材の確保・育成が急務であり、また、市場参加者においても当局においても共通のコンプライアンス感覚を有する人材が確保されることは、より良い規制環境(ベター・レギュレーション)の実現に資するものと考えられます。』

何を仰りたいのかさっぱり判らないのはあたくしの知能に問題があるからでございますかそうですか><;

『こうした観点から、我が国金融システムを担う専門人材に必要とされる知識及び資質についての幅広い検討を行うため、金融庁金融研究研修センター(センター長:吉野直行慶應義塾大学教授)において、「金融専門人材に関する研究会」を開催いたします。』

何のこっちゃという感じでございますが、そのメンバーを見ると証券アナリストみたいな流れの人とか、評論家な流れの人とかで、市場のプレーヤーらしき匂いがあまり漂ってこないのですが、何がどうなるとこういうメンバーになっておまけに『金融システムを担う専門人材に必要とされる知識及び資質』って益々訳判らんでありまする・・・・・

担当相様肝いり案件じゃない事を祈りたいのですが、どうもこの「ベター・レギュレーション」というあたりに担当相肝いり臭がプンプンするところでございます次第でして、概念的な話をしている分にはまあ良い話しをするんで割と業界では評判が宜しい担当相さまでございますけれども、具体的実務的レベルに降ろすと一気に訳判らん動きにでる(公務員制度改革とか独立行政法人民営化とかでもそうだとあたしゃ思うんですが)のがあたくしにはどうも勘弁願いたいと思うんですよね。

前にも似たようなことを申し上げましたが、よく考えたら「生兵法は怪我の元」という良い言葉があるのを思い出しましたわ、あっはっは。

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2007/10/29

○ちょっとだけ不安

あたくしどうもこの大臣様に対する点数が辛いので、つい見方が厳しくなってしまう点は割り引いて頂きたいですが・・・・・

http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20071026AT2C2600926102007.html

『渡辺喜美金融担当相は26日の閣議後の記者会見で、米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題の影響で発生した損失について「どの程度あるのか分からない状態が続くことが一番不安心理を巻き起こす」と述べた。そのうえで「早め早めに適時開示することが大事だ」と強調した。』(上記URLの26日NIKKEI NET記事より)

それは正論ですけれども、恐らく問題は「まともに時価開示したら大変な話になる」ことであり、「そもそも時価が正しいのか」という所にあるのではないかと思うんですよ。問題大発生で全部叩き売りモードになっている時の「時価」と平常時の「時価」というのは物凄い勢いで違うというのは不良債権叩き売りの勢いで味噌も糞も売られた後に味噌の価格が急回復した我が国の事例を見れば明らかな次第でして、何でもかんでも「時価開示」すりゃ良いって問題じゃないと思うのであります。

だからこそSIVビークルの飛ばしじゃなかった凍結機関を作るとかいう話になっているはずでして、問題があまりにもアレになった場合にそのまま正論で大丈夫なのかねというのは少々気になる所ではございます。

てか、アメリカ様が凍結機関とか作って適当に先送りモードとかやってる中で日本だけ「叩き売り価格」を前提にした「時価評価」を馬鹿正直にやって、またも味噌も糞も叩き売りとなってオイシイ部分を海外にかっさらわれるのではないかという悪寒がするのでありますけど、何かこのセンセイは巧い事吹き込まれたら思いっきり乗ってしまいそうで何だかちょっと不安が・・・・・

いやまあ杞憂であることを望むのですが。

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2007/06/15

○少々気になった記事から

国交省、不動産鑑定の監視強化・価格算出の基準を統一
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20070614AT3S0801613062007.html

国土交通省は不動産の「時価」を決める材料となる不動産鑑定の監視強化に乗り出す。不動産の証券化商品の市場が拡大していることを踏まえ、一般投資家などが不測の損害を被るのを防ぐ狙い。鑑定の根拠となる収益見積もりなどの情報開示を義務付けるほか、不動産鑑定士が不適切な評価をした場合などの登録取り消し制度を積極的に活用する。(以下割愛)

ということで、このニュースだけだと何とも良くわからんのですけれども、記事のお題にあるように「価格算出の基準を統一」というのを本当にやらかすのであればそれはちょっと待てと思うのですよ。

そりゃまあ収益還元法の賃料見通しがバラ色のメルヘン爆発とか実は費用を過小計上してるとかいうのは問題ありと思うのですけれども、「基準を統一」というのにはちと引っ掛かりますわな。これが「一定の算出方法を押し付けてそれ以外は罷りならん」という代物になりますと、画一的なリスク管理手法を導入させてマーケットが集団レミング状態になってしまったどこぞの国のどこぞの市場の悪夢が蘇ってきてしまうのはまあ杞憂なんでしょうけれども、どうも何だかねえという感じが致します。

ま、不動産鑑定根拠の情報開示を、ごく基本的な金融知識しかなくてもわかるような形で行うように義務つけるとかして、その「わかるような形」に関してガッツリ規定して判断は投資家に任せるけど内容に関して虚偽があったら超厳罰適用とかいう風に持っていただけると宜しいのではないかと思うのですけれども、まあ現実問題としてそれもムツカシイのでしょうね。

だいたいからして価格算出の基準が人によって違う(不動産は金融商品じゃないから利用価値に関して人によって違う部分があるでしょうし)から売買が活発化するんじゃろと思うので、あまり鋳型に嵌めるような事は賛成できませんなあと思うのでした。

・・・などと書きましたが、単に記事のお題に釣られただけだったかもしれないなあという気も致します(汗)。

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