朝のドラめもん

2026/02/05

お題「今更ですが展望本文のBOXがバチクソ強気化している件について」

ほほう
https://www.zakzak.co.jp/article/20260204-PRMVYLPGPRF2VIUQG6HDDLCHBM/
高市首相「左手で打っています」須田慎一郎氏に届いた深夜の反論メール  文春砲を全否定
2026.2/4 13:43

高橋洋一に須田慎一郎ですかそうですか・・・・・・・(しかもこれを報道してるのが産経)

あ、それから短国6Mですけれども入札日程勘違いしてて今日じゃなくて来週月曜でございましたすいませんすいません。ちなみに入札日程の方が先に決まっていたのですが、総選挙が終わって初手の入札が短国6Mでその次が10年物価連動ってのがなんかチャーミングな日程になっておりますな〜


〇展望レポート背景説明のBOXが全部「やる気満々」な件について

既にご案内のこととは存じますが改めまして。
https://www.boj.or.jp/mopo/outlook/gor2601b.pdf

いつものことですがBOXをとりあえずは見る(もう大分たってるんだから中身を見んかい!というツッコミはさておきますとしてw)というのが仕様なのですが、今回のBOXって基本的に全部威勢が良い、というのが特徴でして、展望レポート基本的見解のトーンもそうですし、主な意見のトーンもそうでしたが、エライ威勢が良い(威勢が良くないのは総裁記者会見だけ)という物件に仕上がっていた訳でして、では展望背景説明は、と言われますとそりゃ強気じゃろという話になる訳ですがまあ強気ですよねと。

(BOX1)関税政策の米国経済への影響とグローバルなAI関連需要の堅調さ
(BOX2)労働需給の引き締まりと業種間のばらつき
(BOX3)輸入物価上昇の国内物価へのパススルー

でもって分量的には1と3が多いのですが、特にBOX1に関しては米国経済ということで、昨年のトランプ関税攻撃以降、日銀が盛大に「不確実性ガー」攻撃をぶっぱなすことによりまして利上げを引っ張りに引っ張った(挙句に12月に為替に追い込まれて利上げになっているのが世話ないのだが)でござるの巻となっていた要因が米国経済コケるでしょうでありましたので、このBOX1には注目したくなる訳です。

・米国の悪影響を過大評価していたのを認めたのは良いが往生際の悪さが日銀の我は無謬主義を示しています

『先行きの海外経済は、各国の通商政策等の影響が残るものの、その下押し圧力は比較的小さなものにとどまる蓋然性が高まっているとみられる。』

「蓋然性が高まっている」とは強い言い方ですね。

『この一因として、通商政策の影響を受けて大きな減速が見込まれていた米国経済が、堅調な成長を維持していることが挙げられる。』

他人事のように言っていますが「見込まれていた」のはお前らだろお前らwwwwwwwww

『本BOXでは、高関税下でも米国経済が堅調さを維持している要因を説明し、そのわが国経済への含意を整理する。』

ということで本編開始。

『米国の実効関税率は、昨年春、「相互関税」の導入や対中国関税の引き上げ等を受けて、大きく上昇した(図表 B1-1)。もっとも、その後は、米国と各国の通商交渉の進展等を受けて上昇幅が縮小し、そのもとで、通商政策の展開を巡る不確実性は低下している。』

なお、

『この間、民間エコノミストによる米国の成長率見通しは、「相互関税」発表後の4月に大きく下方修正され、マイナス成長を予測する先もみられたが、その後は上方修正を続け、直近は潜在成長率と目される2%前後まで回復している(図表 B1-2)。』

wwwwwwwwwwwwwwww

さきほどアタクシが申し上げた「見込んでたのはお前ら」というツッコミに対して早速「ボクだけじゃないも〜ん」という言い訳を出してくるのが毎度おなじみの日銀クオリティでして、こんなのわざわざ言及するのが日銀の「謝ったら死ぬ病」の業の深さを示している訳で、こんなの別に言及しなくていい話だし、なんか突っ込まれたら「いやーちょっと過大評価してましたねーテヘペロ」って言って置けばいいのに、「我は無謬の存在」みたいな言い訳をしようとするから説明がどんどんと昭和温泉旅館になってしまって複雑骨折するわけで、こういうのが一々出てくる日銀の自分たちは無謬って言い張る精神は改善されるべきではなかろうかと思います(自分たちを無謬にしたいから多角的レビューもクソみたいな物件になってしまいましたですしおすし)。

無謬性よりも見通しなり施策なりを外した時にどうリカバーするか、というフェイルセーフの発想でやって頂きたいのですが、無謬性に拘泥するのがそれこそ植田総裁の利上げに対するハトハトチキンぶりにも出ている(やって外すのは分かりやすいが不作為による問題というのは分かりにくいので盛大に政策がビハインドしてしまうわけですわな)なあとか思ってしまうのでした。あくまでも個人の感想ですが。

『実際、米国経済は、関税賦課に備えた駆け込み輸入の増加による一時的なマイナス成長はみられたものの、その後は堅調な成長を維持しており、ひと頃懸念されたような大きな減速は回避されている(図表 B1-3)。』

さっきの「この間、民間エコノミストによる〜」がどう見ても要らないですねえwwwww

などと、本筋ではないところにネチネチとツッコミを入れておいて話を戻しますが、じゃあ強かった要因は何ですかという話でして、


・実際米国が堅調だった背景その1は消費なのだが見通しでまたも見苦しい論法がwwwww

『こうした成長率の上振れ要因として、第1に、堅調な消費が挙げられる。』

ということで消費の話。

『当初は、企業が関税を速やかに販売価格へ転嫁することで、個人消費が減速すると見込まれていた。もっとも、米国内の企業は、関税による輸入コスト上昇に直面しながらも、これまでのところ関税賦課前に調達した在庫の取り崩しや既往の高い収益マージンを圧縮することで、販売価格への関税転嫁を緩やかなものにとどめており、消費への下押しの影響が緩和されている(図表 B1-4)。』

ってこの件は「影響が遅れているだけでそのうち影響が出てきます」って今まで言ってませんでしたっけ、という話なのだが、

『加えて、米国株価の上昇による資産効果も、高所得者層を中心に、消費の増加に寄与していると考えられる。』

なんか不健全な気もするが、まあ米国の場合この消費の所得階層ごとの差がどちゃくそ激しいというのがあるんでしたよね。

『先行きの消費を展望するうえでは、関税の価格転嫁の帰趨が重要となる。この点、民間エコノミストによる米国の消費者物価上昇率見通しをみると、当初は関税転嫁を受けた急速かつ大きな上昇が見込まれていたが、徐々に上昇幅を縮小させつつ後ずれしており、先行きも転嫁は続くものの、緩やかなペースにとどまるとの見方へ変化している(図表B1-5)。』

まーた民間エコノミストガーというのが中々見苦しいwwwwwwww


・その2がAI投資云々でして・・・・・

『第2に、AI関連需要の拡大が挙げられる。』

しかしそれ昨日今日に急に出てきたもんでもないようにも思えますが、まあ先を読みましょう。

『クラウド設備を大規模に保有する企業(ハイパースケーラー)は、AI関連需要の拡大を受けて、米国内でAI向けデータセンターやソフトウェア投資等のIT関連設備投資を大きく増加させている(図表 B1-6@)。』

ということで、

『こうした米国のAI関連投資の拡大は、半導体等の需要増加を通じて、とくに台湾や韓国等の成長にも波及している(図表B1-7)。』

ほほう。

『米国のAI関連投資の先行きについて、ハイパースケーラーの設備投資予測をみると、昨年秋以降、上方修正を続けており、積極的な投資姿勢は当面続くとみられる(図表 B1-6A)。』

なのですが、

『一方で、IT関連以外の設備投資は、2025 年中は低調に推移している。また、雇用者数の伸びが低下し、失業率が緩やかに上昇するなど、雇用環境は幾分軟化している。』

とのことで、

『これらの背景には、関税負担や政策不確実性などを受けた企業行動の慎重化もあるとみられ、注意が必要である。』

だそうですが、こっちには「民間エコノミストガー」が無いのがこれまた味わい深いですね(理由は別にこちらの見通しを日銀が外している訳ではないから)w

という悪態はさておきまして、このAI云々は展望レポ―トの基本的見解でも言及されている話なので、こうやって少なくともAIに関しては威勢の良い事を書いているのは流れ的には順当ですが、「強いもの」をわざわざ展望の基本的見解で言及しているという所に、日銀1月展望で一気に強気化(正確に言えば4月に一気に弱気化したものをそれ以前の状態に一気に戻してきた、というのが正しいと思いますが)というのが分かるかと思います。


・先行き展望が強くなっている件その1が米国経済でして

でもって米国の先行き展望の話になる。

『米国経済の先行きを展望すると、関税転嫁が緩やかに続くことによる下押し圧力は残るものの、AI関連需要や財政・金融政策の下支えもあるもとで、潜在成長率並みの成長ペースに復していくと考えられる。』

これは展望レポート基本的見解の通り(そうじゃないことを書いたらややこしい話になるw)ですな。

『この点、米国経済の大幅な減速リスクは低下していると考えられるが、通商政策等が米国経済・物価に与える影響、AI関連需要や資産価格の動向には引き続き注意を要する。』

という展望レポートで示されている内容を詳述した、というコラムになっていまして、わざわざこれを割とちゃんとした分量で図表もふんだんにつけて掲載している辺りに日銀全体のトーンと言うのが感じられるわけですが(なのに何で植田総裁は会見でああなのかと小一時間問い詰めたい)、


・さらに威勢が良いのが本邦輸出への先行き見通し部分で10月展望対比でエライ勢いで上方修正

『最後に、以上の動向が、わが国経済に及ぼす影響を整理する18。』

こちら脚注18は『18 米国の関税引き上げがわが国経済に及ぼす影響については、2025 年 10 月展望レポートのBOX1を参照。』となっています。ここに何が書いてあったかと言いますと、

https://www.boj.or.jp/mopo/outlook/gor2510b.pdf
『以上の関税引き上げの影響を踏まえたうえで、わが国の輸出の先行きを展望すると、米国の関税引き上げに伴う駆け込みの反動減がマイナスに作用するほか、海外経済減速による下押し圧力も徐々に強まっていくと予想される(図表 B1-4)。』(この部分だけ直上URL先2025年10月展望レポートBOX1、展望レポート39ページ(PDF41枚目)から引用しています)

となっておりますがさて今回はどうでしょうかw

『まず、関税引き上げが、米国向けの輸出採算・輸出数量に及ぼす影響(直接効果)をみると、わが国自動車メーカーは、米国向けの輸出価格を引き下げることで、関税転嫁による現地の販売価格引き上げを極力回避してきた(図表B1-8)。昨年秋以降は、自動車関税率の引き下げもあって、北米向け乗用車の輸出価格は下落率を縮小させているものの、こうした輸出採算の悪化は、わが国自動車メーカーの収益を相応に下押ししている。』

自動車ェ・・・・・

『一方、自動車以外の輸出品目については、輸出価格引き下げの動きはさほど観察されておらず、関税コストの大部分は米国内の企業(わが国企業の海外現地法人を含む)が負担しているとみられる。』

『ただし、これらの品目についても、上記のとおり米国の最終需要が堅調に推移するもとで、輸出の大きな落ち込みは発生していない。』

あらお強い。

『次に、世界の貿易活動を通じた影響(間接効果)についてみると、世界貿易量が関税引き上げ後もAI関連需要に牽引されて底堅い伸びを続けるもとで、わが国実質輸出の落ち込みも、回避されている(図表 B1-9)。』

AIキタコレ

『AI関連需要の増加は、電力設備関連の資本財や半導体製造装置等のわが国輸出に一定のプラスとなっているものの、全体としてみれば、台湾・韓国と比べ好影響の程度は限定的にとどまっているとみられる。』

そらそうよ。

『こうした間接効果を通じた影響は、米国における関税の価格転嫁を受けた最終需要の頑健性やAI関連需要の持続性次第で大きく変化し得るだけに、これらの動向には引き続き注意する必要がある。』

ということになっていますが、さきほど引用しました10月展望レポートでの見通し対比でドチャクソ強くなっているのが良くわかると思いますし、わざわざ脚注18を置いて「前回の展望レポートのBOXをご参照」ってやっているのは、どっからどう見ても「前回対比めっちゃ上方修正しましたので目ん玉おっ開いて良く読め」とのお告げな訳でして、まあ強いですよねってお話でした。



・輸入物価のパススルーの話はどう見ても結論が「ノルムの変化」です本当にありがとうございました

BOX2は飛ばしてBOX3に参りますが、

『(BOX3)輸入物価上昇の国内物価へのパススルー 』

ということで、

『近年のわが国の物価変動をみると、為替変動等を受けた輸入物価の変動が、過去と比べて、消費者物価に影響を及ぼしやすくなっている面がある。本BOXでは、為替レート変動の消費者物価へのパススルーが上昇しているかどうか、幾つかの分析を通じて多面的に検証する。』

ということですが、途中を飛ばしまして、この辺からが日銀の今回の特徴的な分析手法ですよ、ってな部分から参りますね。

『そこで、以下では、@ドル円レート、A中間投入コスト21、B需給ギャップ、C中長期インフレ予想、D消費者物価の5変数からなるシンプルなベクトル自己回帰(VAR)を推計し、円安ショックによって輸入物価が上昇した場合、どのタイミングでどの程度消費者物価上昇率が高まるかを定量的に確認する。』

はい。

『結果をみると、円安ショックが発生した後、3〜4四半期後に消費者物価の前年比はピークを迎える(図表 B3-4@)。』

なるほど・・・・・・(今年の夏辺りからまた来るのですかねえ・・・・)

『財別にみると、近年の輸入ペネトレーション比率の上昇を背景として(図表 B3-5)、耐久消費財や食料工業製品において、とくに短期的な価格の反応が大きくなっている(図表 B3-4A、B)。』

『その後は、消費者物価の伸び率は減衰するものの、賃金上昇などを通じた2次的波及効果が顕在化することから、比較的長期間にわたって消費者物価が上昇を続けるとの実証結果が得られる。』

ほうほう。

『また、こうしたVAR分析を、サンプル期間の終期をグローバルなインフレ局面に入る直前の 2021 年までとした場合と、直近までとした場合で比較すると、近年は為替レート変動に対する消費者物価の反応度が上昇していることが確認できる。』

なるほどなるほど。

『最後に、日本銀行調査統計局のマクロ計量モデル(Q−JEM)を用いて、上記の分析の頑健性を点検する。』

ロバストネスチェックキタコレ。

『Q−JEMのフィリップス曲線には、説明変数として為替レートが含まれているため、為替レートの変化は消費者物価の直接的な変動要因となる。これに加えて、為替レートの変動は、需給ギャップや予想インフレ率も変化させるため、そうした間接的なチャネルを通じても消費者物価に影響を及ぼす(一般均衡効果)。』

『こうした構造を持つQ−JEMを用いて、円安ショックが発生した場合の消費者物価(除く生鮮)の反応についてシミュレーションを行うと、近年の構造変化を織り込んだモデルでは、過去の長期平均的な関係に基づくシミュレーション結果に比べて、円安ショック発生後の消費者物価の上昇率が大きくなっていることが確認できる(図表 B3-6)22。』

『さらに、円安ショック発生から1年間は「直接的な変動要因」、つまり直接的な価格転嫁が物価上昇の主たる要因だが、3年目に入ると「その他要因」、すなわち2次的波及効果の寄与も、「直接的な変動要因」と同程度まで拡大してくることがわかる。』

これわwwww

『以上のような産業連関表やVAR、マクロモデルによる分析からは、@為替レートから消費者物価へのパススルーが近年上昇していること、Aこの背景としては、輸入ペネトレーション比率の上昇による直接的な価格転嫁だけでなく、企業の賃金・価格設定行動の積極化等もあって、その2次的波及効果も大きくなっていること、が窺われる。』

どう見ても「ノルム」の抜本的な変化です本当にありがとうございました。

『先行きについては、これらの点も十分に念頭に置いて、為替レートや国際商品市況の今後の展開、それらの消費者物価への影響を注意深くみていく必要がある。』

>これらの点も十分に念頭に置いて

つまり従来のデフレ脳の延長で物価を考えてる場合とチャイマスガナという話をしている訳で、こっちもまあ強い話を思いっきりしている、という事でして、そんなら0.75%とかいう政策金利は冗談みたいな水準ということになるんだからさっさと調整しろよという結論にしかならんと思うのだがさてどうなるのやら。

でもって関連で更に追い打ちをかけるようなスタッフペーパーも週末に出てましたけれどもそこまで今日はたどり着かずの巻でそっちは明日にでも・・・・・・



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