朝のドラめもん

2024/05/13

お題「3M短国とか/諮問会議って何やってたの??/3月議事要旨見ながら市場機能論と輪番に関して雑感」

ほうほう
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB247WF0U4A420C2000000/
日銀、利上げより先に国債減額? 円安対応で市場に観測
日銀ウオッチ
2024年5月12日 5:00 [会員限定記事]

『日銀が国債買い入れの減額を議論している。4月の金融政策決定会合の「主な意見」には、減額を支持する政策委員の見解が複数紹介された。日銀は月間の国債買い入れ額を3月までの6兆円程度で維持している。市場は日銀が足元の円安に歯止めをかけるため、利上げよりも先に国債買い入れの減額方針を示す可能性を意識し始めている。』(上記URL先より)

ということで主な意見とか出てから何とかストの皆さんの利上げ予想時期がやや早まった(やや、というのはメインは変えてないけど前倒しを意識、って感じね)という感じのようでございますが、いやまあ国債買入減額何なら今すぐやれという感じなのですが、実は最初の利上げまでは国債買入減額の方向性を示しに行かないのではというくらーい気持ちなのはあんまり変わっていませんアタクシ(6月に国債買入減額方向を決定会合で決めると7月利上げの予告ホームランになるから初回利上げと同時じゃねえの説ね)。

さてどうなるのやら・・・・・・・

〇3M短国入札がなんか結構金利上がったんだがセカンダリーでは金利低下とかGCレートとか

・3M短国入札は流れるも金利上がったらすかさずセカンダリーで買われて金利低下の巻

金曜は30年国債入札もあった気がするんだが30年国債よりも3Mという変態な人がこちらにおりますので30年国債の話は詳しい人に聞いてください(って別に3Mに詳しいわけでもないがorz)。

https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20240510.htm
国庫短期証券(第1230回)の入札結果

『本日実施した国庫短期証券(第1230回)の価格競争入札及び国債市場特別参加者・第T非価格競争入札について、下記のように募入の決定を行いました。


1.名称及び記号     国庫短期証券(第1230回)
2.発行根拠法律及びその条項
財政法(昭和22年法律第34号)第7条第1項、財政融資資金法(昭和26年法律第100号)第9条第1項並びに特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第83条第1項、第94条第2項、同条第4項、第95条第1項、第136条第1項及び第137条第1項

3.発行日    令和6年5月13日
4.償還期限   令和6年8月13日

5.価格競争入札について
(1)応募額        14兆9,061億円
(2)募入決定額    4兆4,081億3,000万円
(3)募入最低価格   99円98銭6厘5毛
(募入最高利回り)   (0.0535%)
(4)募入最低価格における案分比率  19.0427%
(5)募入平均価格   99円98銭8厘0毛
(募入平均利回り)  (0.0476%)』

ってなわけで前日の6Mもレートがやっと見れるレートになったと思ったら3M流れて足切り5bp台に堂々乗る、ということでマイナス金利解除から1か月半にしてやっと3M短国が少しは見れるレートになってきましたが、単にGCがクソ高くなってきているのだけなのか、ちったあ7月末会合跨ぎのことを意識しているのかは判然としないわけですけれども、まあ入札はこんな感じでなかなか美しい結果に。

と言いましても、まあこれどういう計算するかがめちゃくちゃ難しいんですけど、7/31までの金利を2bp(単純に7月償還の短国の引けが2bpだからというなんも考えない前提)で置いてみると、新発5bpなら7月会合から償還までのブレークイーブンが10.8bp弱になる(なおアタクシはアホの子なので単純に日数加重平均が5bpになるように逆算しているだけで再投資とかそんなお洒落な概念はない)のでこれが安いのか高いのかというとまあ謎(そもそも手前を2bpで計算していること自体が本当にそれでよいのかという話はある)なのですが、まあ何となくそれならちったあマシな気もしますし。

というかまあ金利が上がったら上がっただけニーズが出てきただけ説もあるのですが、落札結果出てからは5割れのアベレージよりも金利は低下してまして、結局売参見ますと、
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html

国庫短期証券1230 2024/08/13:平均値単利 0.030

ということで、前日のWIの売参が4bpだったので入札はWIより甘かったけど甘いことで買いが入って戻りましたってなもんですけど、

国庫短期証券1228 2024/08/05:平均値単利 0.040
国庫短期証券1232 2024/08/19:平均値単利 0.039

まあどうせ出合いがないからとかいう理由なんでしょうけど前回債の売参は4bpのままで今週金曜の新発WIは3.9bpとか微妙な値付けになっていますけど(まあ実際問題としてまだ短国市場自体の個別需給要因が強すぎというのがあって何んともかんともなのですが)、まあ何にせよ4月中はずーっと1bp台というか平均1bp割れとかになっていて金利というよりもモノとしてのニーズのお値段(まあ今だってGCよりは全然低いんですけどね)になっておったのに比べれば少しだけマシになりましたな。


・GCレートがやっとコールの上まで来ましたが

東京レポレート
https://www.jsda.or.jp/shiryoshitsu/toukei/trr/index.html

折角だから4/22からのTKRR一覧を貼っておく。ちなみに連休前最後の新発短国の発行日が4/22(3Mと1Y)でその後5/7(3M)まで新発の発行日が無かったという大型連休要因の日程である。

ちょっとは体裁を考えて今日は凡例つけてみるw

        O/N  T/N  1W  2W  3W  1M  3M 
2024/4/22 0.054 0.068 0.042 0.038 0.036 0.034 0.051
2024/4/23 0.060 0.068 0.041 0.041 0.038 0.037 0.052
2024/4/24 0.057 0.031 0.035 0.036 0.035 0.033 0.051
2024/4/25 0.004 0.013 0.029 0.031 0.033 0.034 0.051
2024/4/26 0.021 0.012 0.027 0.031 0.033 0.033 0.052
2024/4/30 0.001 0.008 0.025 0.031 0.031 0.033 0.051
2024/5/1  0.073 0.045 0.034 0.034 0.034 0.037 0.051
2024/5/2  0.068 0.075 0.049 0.043 0.043 0.044 0.051
2024/5/7  0.072 0.069 0.052 0.048 0.048 0.049 0.053
2024/5/8  0.072 0.073 0.058 0.051 0.049 0.050 0.055
2024/5/9  0.071 0.076 0.059 0.051 0.049 0.050 0.056
2024/5/10 0.090 0.094 0.074 0.067 0.061 0.057 0.061

月末にかけて足元のGCレートマイナス突っ込むんじゃないか位の勢いで下がりましてその後反転という図になっておられるわけですが、金曜はトム(つまり今日)が6Mと3Mのダブル発行要因ということで一旦コールよりも高くなりましたが、まあゆうて金曜の新発が捌けているようならここからさらに上がってくれるというのは無理がある気はしますが、まあ利付も含まてマーケットメーカーの在庫が重くなればGCも上がり安くなるわけでして、マイナス金利解除後って金利が跳ねるどころの話じゃなくて、マイナス金利解除になったから買い出動組が登場する中で短国の需給が強いのが影響したのかねここまでは、という感じですけどまあよく分からんですな。

ただまあアレですわ、金曜日にネタにしましたように先週水曜の6M交付税特会のレートが別に上がっているわけでもない、というのを見ますに、一応短国入札だけで見れば後付け講釈的には7月の利上げへの意識がちょっと出てきたとかそういう言い方はできるのですが、交付税特会とか他のレートとか(ってCPとかですけど)を見てもそこまで派手に利上げ織り込みって話でもないとは思われますが、とにかく超過準備がめちゃくちゃあるレジーム下での動きはアタクシも初めてなのでまださっぱり分からんであります。

もちろん金曜の入札が流れたのは主な意見とかの一連のアレで腰が引けた、ってのはあるとは思いますけど・・・・・・・


〇経済財政諮問会議でなんか討議をしたようなのだが資料を見てもなんだかさっぱり分からん

金曜の夕方とかいうクソ迷惑な時間帯なのでもはや知らんがな精神で後から見たんですけどねw

https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2024/0510/agenda.html
第5回会議資料:会議結果 令和6年

議事次第
令和6年第5回経済財政諮問会議
開催日時:令和6年5月10日(金曜日)17時35分〜18時30分
開催場所:総理大臣官邸4階大会議室
議事
(1)マクロ経済運営(金融政策、物価等に関する集中審議)
(2)中長期の重点課題B(先端技術実装と競争力強化)

となっているのですが、資料の方を見ると(2)の先端技術の話ばっかじゃねえかって感じですし、

資料1 植田議員提出資料(PDF形式:144KB)
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2024/0510/shiryo_01.pdf

・・・・・・何だこのやる気のない資料は(見ればわかるがクソどうでもよいポンチ絵)

資料2 賃金と物価の好循環に向けた懇談(新藤議員提出資料)(PDF形式:600KB)
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2024/0510/shiryo_02.pdf

こちらは、

『賃金と物価の好循環に向けた懇談(概要)

日 時 2024年4月24日(水)・25日(木) 非公開で開催

参加者
中小企業合計13社(製造業、情報サービス業、警備業、建設業及び物流業)新藤経済財政政策担当大臣、井林内閣府副大臣、神田内閣府大臣政務官、上月経済産業副大臣、こやり国土交通大臣政務官 ほか

概 要
中小企業から、価格交渉・転嫁、賃上げ、人手不足対策・設備投資の現状と課題、政府に対する要望等について聴取。今後の政策対応の在り方について、意見交換。』

ということで、『主な意見及び政策対応への示唆@』、『主な意見及び政策対応への示唆A』というのを見ましても別にマクロ経済政策の話じゃない話ばっかり並んでいまして、いやまあこれはこれで大事な話にではあるのですが、式次第の方が「(1)マクロ経済運営(金融政策、物価等に関する集中審議)」ってなっているのに全然マクロ経済運営じゃねえじゃんということで、おまいらマクロ経済運営の金融政策の話とか言いながら全然その話してねえんでネーノ疑惑しかわかないという糞面白くもない資料が並んでおったとさ、という落ちでした、

まあ何ですな、経済団体などからも円安批判がずいぶん出ていると思うのですが、何ですかこの経済財政諮問会議のノホホン振りはとはアタクシなんぞは思いますが、まあゆうて官邸方面的に円安怪しからんモードになっていないとなるとハトハトチキン総裁が蛮勇振るう訳がないし、何なら「利上げをしてそのあと経済が下向きになったら責任取らされるけど何もしなければ責任取らなくてよいから屁理屈こねてでも動かないもんねー」というハトハトチキンンにまた火が点いてしまったのではないかと心配ですな。

なお、唯一望みがあるとすれば「本当にやべえ時にはその時点で公表資料にすぐに出てこないの法則」によって実は円安放置怪しからん大会だったけど資料ベースではそういう話が読めないようにしておく(市場が利上げで突っ走られるのも怖いから)という可能性はデギンドス副総裁の頭髪程度は可能性があるかも知れませんがはてさてどうなんだか。


〇今更ネタが積んどくですが3月議事要旨を見ながら雑感も

3月議事要旨
https://www.boj.or.jp/mopo/mpmsche_minu/minu_2024/g240319.pdf

・なんか多角化レビューの報告があるんだが「取引があればいい」ってもんじゃないんですけどねえ

前半の方に『U.金融政策の多角的レビューに関する執行部からの報告および委員会の検討の概要』という割とナンジャソラなコーナーがありましてですな。

『1.非伝統的金融政策が金融市場に与えた影響』ってのがあって『(1)執行部からの報告』ってのがあるんですけど。

『過去 25 年間の短期金融市場の機能度を確認するため、量的緩和が実施された第一局面(2001〜2006 年)、補完当座預金制度が導入された第二局面(2008〜2016 年)、マイナス金利導入以降の第三局面(2016 年〜)の3つの局面に分け、各局面の動向を振り返った。』

ということで短期金融市場の「機能度」の話をしているんですけど、

『第一局面では、金融機関間の取引インセンティブが低下したが、第二局面では、補完当座預金制度の導入に伴い付利先と非付利先との間での取引インセンティブが生じた。第三局面では、補完当座預金制度の三層構造のもとで裁定取引が活発化しており、短期金融市場は、足もと十分な機能度を維持していると評価できる。』

って評価を相変わらずしているんですけど、市場の機能度ってのは各参加者が自分たちの資金繰りに加えて先行きの政策動向を考えて参加者ごとにいろいろな見方をもとにポジションを形成するから市場になるのであって、結局のところ短期金融市場における「市場機能」って日銀当座預金へのアクセスがある先とない先、あるいは制度上それまで超過準備を積み上げていなかった先(は基礎残高やマクロ加算残高が相対的に少なかったので)に対して制度によって負荷をかけることによってその負荷のかかった先が損失回避のために行う取引を捕まえて「機能度」と言ってるだけの話で、こんなの市場でも何でもないわけです。

むしろこの人たちが「機能していなかった」と評する第一局面の方が最後の方はちゃんと利上げ前から新発3Mの金利が上がったりしていたわけですし、参加者の自由な金利観に基づく価格形成が起きないような構造になっている超過準備余りまくりレジームが市場機能とかいうのちゃんちゃらおかしいとしか言いようが無い、といつもの悪態を言っておく。


・相対価格って銘柄ごとの需給よりも問題なのは「国債市場の価格形成そのもの」なんですけどねえ

『量的・質的金融緩和やイールドカーブ・コントロールによる国債市場の機能面での副作用は、@市場流動性の低下、A相対価格面の歪み、B円債の取引基盤の脆弱化の3つに整理できる。これらのうち、相対価格面の歪みは改善方向に向かっている。』

「相対価格面の歪みは改善方向に向かっている」って言ってるんだがそれ国債の個別銘柄の話であって、そもそも「国債の金利」というのが本来の意味でのリスクフリーレート金利になっているのか、という問題に関してもっと真剣に考えて頂きたいわけです。まあ例として短国挙げるのはちょっとアレですけど、さっき入札をネタにしたから書きやすいけど、無担コールレートがほとんど7.7bpでびっちり張り付いていて、超過準備付利が10bpあるのに3M短国がやっと金利が上がって3bpだ4bpだなわけでして、それって「国債というコモディティの価格」ではあるけれども「金利のベースになるリスクフリーレート」なのかよ、という話で、銘柄間のゆがみがどうのこうのという話だけで改善したとか言ってるのはこれまたちゃんちゃらおかしいわけですよ。

いやまそりゃ中のスタッフとして「非伝統的政策は市場を破壊しちゃいましたひどいもんです」とかいうのを役員会にぶっこみに行くとかいうのはとんでもない勢いで蛮勇が必要であって、まあ普通は提灯報告したいってインセンティブがあるでしょってのはアタクシもサラリーマンの端くれですから分かるんですけど、それでいいのかこの提灯報告って感じだし、しかもこれが後世になると正しい歴史にされてしまいかねないのが恐ろしいところです。


・なんでここどさくさに紛れて為替市場の話があるんだよワロタ

でもってその続き。

『一方、市場流動性の低下は引き続き残っていくとみられる。また、脆弱化した円債の取引基盤については、市場参加者からは、再構築は可能との声も聞かれているが、完全な回復まで時間は相応にかかり得る、との指摘も聞かれる。』

お前らがめちゃくちゃに買入を行って相対価格歪ませてる(個別銘柄じゃない方の相対価格な)から取引基盤が回復しねえんだよわかってるのか。

『これらが、中長期的にわが国の金融市場に与える影響について、引き続き丁寧な把握に努めていく必要がある。』

把握した結果が4月の買入減額無しですからぬーw

でもってその次にこんなのがあるのがチャーミング。

『過去 25 年間の為替レートの推移を振り返ると、その時々の市場で注目されていた各種要因の影響を受けて、大きく変動してきた。この間に実施されてきた非伝統的金融政策は、将来の為替レートに関する予想経由で為替レートに一定程度影響を与えてきた可能性があるが、そうした予想形成は、その時々の世界経済や国際金融市場の動向次第で大きく変化してきたように窺われる。このように、非伝統的金融政策が為替レートに及ぼす影響には、きわめて大きな不確実性が存在する。』

どさくさに紛れてなんで為替市場の話があるんでしょうか????いやおまいら金融政策を直接為替に割り当てないって昔から言ってる(なお実際には為替でケツをたたかれて金融政策が動くのは日常茶飯事)じゃねえかよとwww


でまあそういうことで

『本調査プロジェクトの個別の分析については、ワーキングペーパー等で公表することを展望している。』

ということでして、これ25年レビューのワークショップが来週かなんかにあるので、そのときかその直後には公表されるんでしょうなあと思います。


ああちなみに『(2)委員会の検討』は愚にもつかない話が垂れ流されているだけなので割愛しますが、最初のところで思いっきり

『短期金融市場に関して、ある委員は、量的緩和のもとでは市場機能が大きく低下した一方、その後の局面では、補完当座預金制度が金融緩和 と 短期金融市場の機能の維持を両立するうえで大きな効果があったと評価した。』

ってことにされているんですけど、まあ木を見て森を見ないってか、そもそも補完当座預金制度って先に量的緩和をしまくった挙句にマイナス金利入れるというだまし討ちを行ったために量的緩和政策によって超過準備山ほど積み上げた金融機関からマイナスチャージをいきなり取ったらエライことになるってんで積み上げていなかった(あるいは制度上積み上げられなかった)金融機関および非当預先に一方的に負担させてマイナス金利を作りながら、金融機関全体からのとんでもない実質課税を回避しようという話であって市場機能とか言ってるの副次的な話にも程があるんですけど、なんかそういう話は無かったことにされて「市場機能を維持する施策」で言いくるめられてしまっているのが残念無念ですな。


・しかしまあ輪番の扱いについての意見が全然まとまっていませんなあ

話は飛びまして『W.金融政策運営に関する委員会の検討の概要』のうち今話題の(かどうか知らんが)輪番どうする問題(なんか急に皆さん「6月に買入に関する文言を変更して減額の方向性を出す」ってビュー増えましたよね)から。本文16ページPDFの18枚目になります。

『長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)について、多くの委員は、その枠組みを見直すことが適当であるとの見解を示した。これらの委員は、長期金利は金融市場において形成されることが基本となるとの見方を共有した。そのうえで、多くの委員は、長期国債の買入れについて、不連続な変化が生じないよう、当面、これまでと同程度の金額で買入れを継続するとともに、長期金利が急激に上昇する場合には、機動的に対応することが適当との認識を共有した。』

とまあこれは決定事項ですけど、

『何人かの委員は、こうしたもとで、本行国債保有残高が高水準で推移するため、その緩和効果は引き続き作用するが、今後は、国債買入れは、能動的な金融政策手段としては用いないことが考えられると述べた。』

これ別に全員が言ってるのじゃなくて何人かが言ってるのですよねよく考えてみたら。

『このうちの一人の委員は、国債の買入れは、長期金利の急変動を避けるという観点から行うこととし、その中で、市場の流動性を回復しつつ、できるだけ市場に金利形成を委ねていくことが大切であるとの見方を示した。』

金利急上昇しないのならば減らせって言ってますよね。

『別の委員は、これまでの市場機能に副作用を及ぼしてきた政策対応を見直し、市場が自律的に機能する局面への転換が必要であると述べた。』

金利急上昇云々の話すらしていないのでこっちの方が過激派w

『ある委員は、長期国債の買入れの調整は、急激な市場変動を避ける観点から時間をかけて対応することが適当であり、その間に債券市場の参加者が拡大することを期待するとの見解を示した。』

一方でこんなのんびりとしたことを言う人もいるわけでして、結局これ長期国債買入の方向性について全然まとまっていなくて、とりあえずガワだけは外したという状態になってるわけですなこれがまた。

『実際の国債の買入れ額については、何人かの委員は、上下に多少の変動幅をもつ形で、調節部署が市場の状況に応じて柔軟に決めていくべきであると指摘した。』

という事になっていたのですが、ただまあ一方で総裁記者会見で植田さんは3月の時も今回の展望の時も6兆円を連呼していたわけでして・・・・・・

『このうちの一人の委員は、例えば上下に1〜2兆円程度の幅をもって対応していくことが適当であるとの見解を示した。』

とか言われたってああ6兆円を連呼されちゃったら余程のぶっ飛ばし体質の人じゃないと輪番減らせないというのもこれまたわかる話でして、そう考えると金曜ネタにした5月会合の主な意見での「国債需給などに応じた日々の調整は、金融市場局において、丁寧に行うべきである」とかいう公開処刑意見にしたって、そうして欲しいならお前がちゃんとボードの意見をそっちで纏めろというか、植田さんに膝詰め談判して国債買入動かすのOKOKというのを言わせろという世界でもありまして、まあ市場局も丸投げされていい迷惑という話でもありますな、うんうん。

『この間、何人かの委員は、将来的には、いずれかのタイミングで国債の買入れ額を減額し、国債保有残高も償還に伴い縮小させていくことが望ましいとの見解を示した。』

結局このように「いずれかのタイミングで」であるし、しかも4月会合でマイナス解除後の動きを確認したんだから政策と関係なくテクニカル減額OKOKみたいなのを出すのもできたとは思う(というか時事とか報道してましたですよね思いっきり誤報になりましたが)のに、結局4月もまとまらずに「6兆円」が継続なんですから、まあそう考えますとこれ意見の隔たりが相当あるんじゃないのか、って思いました。


ということで今朝はこの辺で勘弁




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