朝のドラめもん
2025/11/12
お題「日銀への圧力ニュース連日ですなナムナム/主な意見だと早期利上げだが圧力が・・・・・・」
これは・・・・・・
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-11-11/-18
銀行の合成証券化が高成長継続、昨年度18%増−リスク潜むと当局警戒
Tasos Vossos、Neil Callanan、Esteban Duarte
2025年11月12日 4:06 JST
『SRT取引では通常、銀行が融資の価値の5−15%についてデフォルト(債務不履行)の補償を受ける。これにより、銀行は支払い余力に関する指標の改善や成長に向けた資本の解放が可能になる。今年10月に国際通貨基金(IMF)が発表した報告書によると、2016年以降に合成証券化された資産の総額は1兆ドルを超えている。
ただ、IMFはSRT取得に短期のレポ取引が利用されることが多い点を指摘。これに対し、銀行が発行するクレジットリンク債は一般的に長期で流動性が低いため、市場にずれが生じかねないとみている。
IMFは「これらのレポ取引でマージンコールが急増すれば、ヘッジファンドは流動性を得ようと他の資産を売るため、より流動性の高い他の市場に波及する恐れがある」と論じた。』(上記URL先より)
〇次から次へと日銀に利上げするな圧力が掛かりますが結局それで円安になって・・・・・・・
まあ既に色々と出ているからこれ自体は既報の確認みたいなところはありますが・・・・・
https://jp.reuters.com/world/japan/A7RIF6PI6NJEVIQWDEPFAYC7JM-2025-11-10/
マクロスコープ:高市氏、経済対策で日銀に「注文」へ 積極財政の推進鮮明
鬼原民幸, 竹本能文
2025年11月11日午前 6:59 GMT+9
『[東京 10日 ロイター] - 高市早苗首相は近く策定する初めての経済対策に日銀への「注文」を盛り込む方針だ。デフレ脱却に主眼を置いたこれまでの政権に比べ、より経済成長を重視する政権の意向を強調する。専門家からは「高市政権は利上げに慎重な立場を示しており、日銀に一定の影響力を及ぼそうとしている」との指摘も出ている。』(上記URL先より、以下同様)
はいはい恫喝恫喝。でまあ植田さんが斯界の第一人者の学者としての矜持でそれを撥ねつけるだけの根性あるかどうかが試されますが端から期待していないのでまあいいです。
『経済対策とそれを支える補正予算には、時の政権の独自色が反映されやすいとも言われる。高市氏の経済対策案に「注文」が盛り込まれたことについて、経済官庁幹部は「意図的に書き込まれたものだ」と解説。「高市氏はデフレ脱却にとどまらない経済成長を重視している。これから積極財政を推進していくという宣言でもある」と述べた。』
ってな訳でまあ財政出す話を次から次へとしている上に、
https://jp.reuters.com/markets/japan/GXPAJH7GRNILVGK2ZEIN4LHATI-2025-11-11/
政府系ファンド創設で超党派議連、幹部に加藤前財務相ら 年内にも初会合
鬼原民幸
2025年11月11日午後 5:01 GMT+9
『岡本氏は予算委での質問の中で、政府系ファンド(ジャパン・ファンド)の制度設計案を説明した。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の積立金、外国為替資金特別会計(外為特会)、日銀保有の上場投資信託(ETF)をファンドが一括管理し、国内外の債券・株式などで運用する。安定、効率を基本にリターンの一部を他の政策に活用する構想だ。』(上記URL先より)
>リターンの一部を他の政策に活用する構想だ
>リターンの一部を他の政策に活用する構想だ
>リターンの一部を他の政策に活用する構想だ
・・・・・・年金資産を運用して出る収益は年金の支払いのために使われるべきものだし、日銀のETFをファンドが活用って積極売買でもするつもりなのかという話だし、だいたいからしてそっちで収益上がったのを「他の政策」に活用って言ってますがETFの配当は国庫納付金に回っていますがなとか、なんかもうツッコミどころが大杉栄なのですけれども、要するに「リターンの一部を他の政策に活用する」ってことで財源を捻りだそうという話ですが、まあ筋の悪そうな話が出てきましたなあって風情な訳ですよ南無阿弥陀仏。
ってかそもそも資金の性質が全然違う(年金資産と外為特会は全然別の性質のものじゃろ)ものを全部一緒くたにして運用をするってのが入り口時点で意味くじ分からんとしか申し上げようが無いのですけれども・・・・・・・・
まあここぞとばかりにドンドンと凄い話ばっかり出てくるようになっておりまして、ここまで筋悪だと変に止めようとしないで勝手にやらせてとっととトラスショックを起こしてもらって有象無象が全員パージされて二度と出てこなくなるようになった方が中長期的にはマシなことになるんじゃないか位の悲しさが漂う次第ですが。
でまあたぶんポジションってあるから今朝の日経さんの記事とかになるとおもうのですが、
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD106UK0Q5A111C2000000/
円安防止策、「日銀利上げ→為替介入」の順番か 米側の意向背景に
ポジション
2025年11月11日 17:15 [会員限定記事]
『円安がジリジリと進む中、政府による円買い・ドル売り為替介入に対する市場の関心が強まってきた。ただ、ドルを売る介入には米国の理解や了承を得るのが普通。問題はその米国が円安防止には日銀の金利引き上げが先決との意向を示唆している点だ。従って、介入の前にまず利上げが必要になる可能性があり、円安がさらに進むなら高市早苗政権も利上げを容認せざるを得なくなるかもしれない。』(上記URL先より)
まあこれ自体はかなり一般的な見立てなのですが、政権から打ち出されようとしている施策が悉く財政拡張となっている昨今でありまして、昨日だって結局超長期金利上がってしまいましたし(入札自体は弱めとは言え大流れみたいなことにはならなかったけど)、これで市場金利が上昇しだすと日銀に利上げするな圧力掛かりやすくなる→円安圧力→追い込まれて利上げ、というコンボになるんですが、この場合って結局「その次」の話はしにくい状態になるので、利上げしたとて円安圧力の軽減にはならんという流れになって、結果として利上げにまた追い込まれるというダメダメスパイラルになるんでネーノとは悲しんでおります。
まああれですな、ここ数日矢継ぎ早に出てくるネタがどれもこれも碌なもんじゃねえという感じで、やはりやりよったかこいつらという雑談なのでした。
〇10月会合主な意見の続き:物価のコミュニケーションとどう見ても恫喝ですキタコレの巻と
https://www.boj.or.jp/mopo/mpmsche_minu/opinion_2025/opi251030.pdf
金融政策決定会合における主な意見
(2025 年 10 月 29、30 日開催分)
ちなみに今回話の都合で前回の主な意見も引用します
https://www.boj.or.jp/mopo/mpmsche_minu/opinion_2025/opi250919.pdf(9月主な意見)
・先行き金融政策の話では12月おそくとも1月の利上げを強く示唆しているとしか思えませんが・・・・・
まずは金融政策に関する意見でちょっと別口っぽいのがあって昨日はその前まで引用したのでちょっと引用しますけれども、
『・ 将来の急激な利上げショックを避けるため、金融緩和度合いを調整して、中立金利にもう少し近付けるべきである。』
『・ 現段階での利上げは、将来のためにも経済のゆがみを抑制し、政策金利を緩やかに均衡状態に戻していくという、金利正常化のプロセスと考えられる。』
ということですが、結構田村さんと高田さんが言いそうな意見の数が多めで、人数的にいってこの2名で全部書いてるわけは無いので、そう考えますと利上げに関しては今回一段とその必要性についての認識が浸透してきている、と読むのが妥当だと思うのですよね。
つまりですな、昨日引用しました通りで、今回の主な意見における金融政策運営に関する話は、
たぶん大本営(または大本営の九官鳥)3本→留保条件付きだけど結論は利上げできますよね、が1本→やる気満々1本→見極め云々言いながらも近い将来の利上げが適切というのが2本→やや慎重なのが1本→上記のように緩和度合いの是正のためというド直球で利上げすべきみたいなのが2本。
という図式になっていまして、何のことは無いハト(もどき)って1名しか居ないじゃんという話でして、こんなんどうみても利上げ待ったなしじゃん、と思うのですが、まあご案内の通り足元では前段でネタにしました高市政権大暴れの巻というのがあるので日銀としても地蔵にならざるを得ない(本来なら植田さんが「財政大盤振る舞いするならば今はデフレ経済じゃないんだから金融は少なくとも中立だし何なら軽く引き締め気味にしておかないと物価高や円安が抑制できませんよ」って高市さんを説得すべきなのですが植田さんにそんな蛮勇があるとは思えないので)ということだし、まさにその地蔵宣言があの中川さんのなんも言ってない岡山講演なわけですから、足元ではそっちの方で市場ちゃんが動いている(3MカレントTDBの引けって一々引用しませんけど昨日ってなんか強くなって0.425%とかになっているんですけど勘弁してください)という図なので何んともかんともなのですが、まあ普通に今の日銀って利上げ体制は組めているという状況なのは判明した「主な意見」でしたな。
・物価目標に関する説明とか考え方について
今回の展望では堂々と『基調的な物価上昇率と消費者物価(除く生鮮食品)の上昇率はともに徐々に高まっていくと予想され』などと鏡に書かれて、あたかも「基調的な物価上昇率」というのがピンポイントで示されるのかよというような書き方になっているのですが、主な意見の最後にこの件に関連する意見が入っていました。
あとですね、7月展望(7月会合)の時には結構この「基調的物価」が記者会見でも質問されていましたけれども、「物価の基調とは何ですねん」という点では「総合判断」という雰囲気を結構だしていまして、そうなると2%というのはその2%という数値に厳密になっているかどうか、というのが重要なのではなくて、「何となく2%位でっしゃろ」みたいなフワッとした感じ、まあそれを綺麗な言葉で言えば「総合判断」になるんですが、そっち方面への説明にシフトしたように見えていたので、実を言えば10月展望で基調的な物価上昇「率」って言い出したのは何か7月言ってたのと話が違うじゃんと思っていたのですが。。。。
『・ 金融政策は、消費者物価指数が2.0%より上か下かではなく、その背後にある特殊要因やメカニズム(需給状況、賃金、予想インフレ率等)も踏まえて判断することを丁寧に説明すべきである。』
ってのがありまして、これ別に全員の見解として一致している訳ではないと思うのでアレなんですけれども、ただまあ本来はこういうもんでしょという話なんですが、相変わらず展望の数字が出るとまずは2%との乖離を見たがるという流れになっているのですが、ただまあこれは日銀の説明もよろしくないのでどうにかならんのかねとはアタクシも思っているのですが、同憂の士がいるわと思ってアタクシニッコリの巻でした。
でもってこのコーナー最後の意見。
『・ 縮小均衡マインドが残存する下では、ヘッドライン物価と基調的物価を区別した議論が必要であったが、人々のノルムが転換する中、ヘッドラインを重視したシンプルなコミュニケーションが望ましい。』
物価目標って皆さん直ぐうっかりするんですけど、あくまでも「ヘッドラインの物価」が目標で、ただヘッドラインだと季節要因とか天候要因とかの一時的な変化を全部反映してしまうので、それをトリミングしたもので物価のトレンドを見ましょう、ということでコアだのコアコアだの言っている訳ですからね。
まあノルムが2%になったらヘッドラインもアンダーライングも2%って話だとは思うのですが、それはそうとしてその間に過度な緩和の是正しておかないと不味いよねと思いました、まる。
・どう見ても恫喝です本当にありがとうございました
最後の『V.政府の意見』ですが。
『(財務省)
・ 物価高対策を早急に講じるとともに日本経済の強さを取り戻すための経済政策を作り上げていく方針であり、10
月 21 日の総理からの指示に基づき、総合的な経済対策を策定し、補正予算の編成を進めていく。
・ 日本銀行には、政府との緊密な連携のもと、内外の経済情勢等を十分に注視し、市場とのコミュニケーションを図りつつ、2%の物価安定目標の持続的・安定的な実現に向けた適切な金融政策運営を期待する。』(今回10月)
うむ。でもって前回。
『(財務省)
・ 予算編成では、「骨太方針2025」に沿って、経済再生と財政健全化の両立に取り組む。
・ ETF・J−REITの処分指針については、適切にご判断いただきたいが、市場の状況を注視し、必要があれば柔軟な対応を期待する。
・ 日本銀行には、政府との緊密な連携のもと、内外の経済情勢等を十分に注視し、市場とのコミュニケーションを図りつつ、2%の物価安定目標の持続的・安定的な実現に向けた適切な金融政策運営を期待する。』(前回9月)
9月はETF等の処分の話があったからその分が入っていますが、「日本銀行には〜」の部分は全文一致ですね。
然るに・・・・・・
『(内閣府)
・ 日本経済は、米国の通商政策等による影響が自動車産業を中心にみられるものの、緩やかに回復している。
・ 政府は、「経済あっての財政」、「責任ある積極財政」の考え方の下、物価高対策、危機管理投資・成長投資、防衛力・外交力強化を柱とする「総合経済対策」を策定する。
・ 日本銀行には、日本銀行法、政府・日本銀行の共同声明の趣旨に沿って政府と緊密に連携し、2%の物価安定目標の持続的・安定的な実現に向けて、適切な金融政策運営を期待する。』(今回10月)
経済あっての財政って言ったって財政が破綻したら経済もへったくれもないんですけどねえ、という話はさておきまして、日本銀行には云々はと言いますと皆様既にご案内かとは存じますが、
『(内閣府)
・ 政府は、日米間の関税協議の合意の実施を進める一方、残る関税措置に対し必要な対応を行いつつ、経済財政運営に万全を期す。また、実質賃金上昇と最低賃金の引上げの実現に向けた取組を進める。
・ ETF及びJ−REITの売却は、市場との適切なコミュニケーションの下、状況に応じて、必要があれば柔軟な対応をお願いする。日本銀行には、政府と緊密に連携し、2%の物価安定目標の持続的・安定的な実現に向けて、適切な金融政策運営を期待する。』(前回9月)
ということで、「日本銀行法、政府・日本銀行の共同声明の趣旨に沿って政府と緊密に連携し」ってのがどう見ても恫喝です本当にありがとうございましたというお話ではありまして、まあキテマスなというお話なんですけど、連中の言う日銀法4条って念のため申し上げますと・・・・・・・
https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000089/
日本銀行法(平成九年法律第八十九号)
『(政府との関係)
第四条 日本銀行は、その行う通貨及び金融の調節が経済政策の一環をなすものであることを踏まえ、それが政府の経済政策の基本方針と整合的なものとなるよう、常に政府と連絡を密にし、十分な意思疎通を図らなければならない。』、
ってありますが、あくまでも「意思疎通を図らなければならない」のであって、日銀が政府に従えとは一言半句も書いていない訳でして、日銀法4条を振りかざすのは法令の条文を逸脱した解釈としか申し上げようがありません、ってのを念のため確認しておきますね。
ということでオモイケがまさかの2日シリーズになってしまいましたが、まあしばらくはこの政治介入関連の方が話題というか話の中心になりそうですな、ナムナム。でもって時間の都合上今朝はこの辺で勘弁。
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