朝のドラめもん

2026/03/13

お題「総裁の国会答弁にハトハトチキンが無いですねえ/短国入札ですな/シュナーベル講演鑑賞会(ファイナル)」

ヤケクソだなおい
https://jp.reuters.com/world/us/LIVPDNLSKJO33DKWIUKA2YHOJA-2026-03-12/
トランプ氏、原油高は米の利益 イラン核保有阻止が最優先事項
ロイター編集
2026年3月12日午後 11:03 GMT+9

このウソツキクソジジイの言う事を一々真に受けてはいけないのだが一々血圧が上がって大変に健康に宜しくないですな。

〇植田総裁国会答弁は今回も「利上げの姿勢」をちゃんと示すようにしていますね

特に相場の材料にはなっていなかったけどメモメモということで
https://jp.reuters.com/economy/bank-of-japan/PFD3XIHSSBJNZKZ3XC5P2BCTDQ-2026-03-12/
為替変動、過去に比べ物価に影響及ぼしやすくなっている=植田日銀総裁
竹本能文
2026年3月12日午前 11:35 GMT+9

『[東京 12日 ロイター] - 日銀の植田和男総裁は12日の衆院予算委員会で、過去に比べると為替変動が物価に影響を及ぼしやすくなっている面があると指摘し、そうした動きが人々の予想インフレ?率の変化を通じて基調的な物価に影響する可能性があることに留意が必要だと述べた。階猛委員(中道)への答弁。』(上記URL先より、以下同様)

って本当はこういうのは国会会議録で確認した方が良いのですが会議録は直ぐに出てくるものではありませんので・・・・・・

『為替相場の動向は経済・物価動向に「実質的な影響を及ぼす重要な要因の一つ」との認識を示した。企業の賃金・価格設定行動が積極化する中で為替変動が物価に影響を及ぼしやすくなっていると分析し、基調的な物価に影響する可能性があることも念頭に置いた上で、「為替相場動向がわが国の経済・物価の見通しや、見通しが実現する確度に及ぼす影響を見極めながら、適切に金融政策を運営してまいりたい」と語った。』

もとより「円安が物価高を加速させる可能性がある」っていうのは展望レポートその他でも説明している話なので、この答弁自体は順当と言ってしまえばそれまでなのですが、為替の影響について聞かれたときに単純に「物価が上がる」だけではなくて、「物価が上がったことの二次的波及効果」についてちゃんと説明をしているのが結構な話ですな。もっと欲を言えば「基調的物価」で説明しちゃうと何か分かったような分からんような煙巻きバズワードになってしまいますので、ちゃんと「物価上昇の二次的波及」というのをきっちりと言明した方が良いんじゃないのかねとは思いますが。

でまあこれ為替に対する質疑なのでこういう回答になるのですが、来週の決定会合での会見では絶対に「エネルギー価格上昇」について聞かれるのですけれども、この時にどういう回答をするのか、というのも中々面白くて、利上げ期待を大きく後退させないための工夫をするのかどうか(=経済に下押しで基調物価を下げる、というのを強く言ってしまうと利上げ期待は相当後退してしまうリスクがある)も注目したいな、というだけのお話ではあります。

ただまあ茲許の植田さんからの情報発信は小見出しに書いたように「利上げの姿勢」は崩していませんし、おそらくは「市場の利上げ期待の大幅な後退を回避したい」というのがベースにあるんじゃろうなあというのは感じますので、このままその線で行けるのか行けないのかというのは決定会合のお楽しみって感じでよろしいかと。


〇今日はまたまた3M短国ちゃんがございますが・・・・・

これもまあメモですけど売買参考統計値ちゃん
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html

しちめんどくさいので、じゃなくて木曜の引値って殆どの銘柄が水曜の引け変わらずだったので、手抜きで昨日の3Mカレント近辺の引値だけ確認しておきますが、

(3/12引値)
国庫短期証券1364 2026/05/25 平均値単利 0.750
国庫短期証券1365 2026/06/01 平均値単利 0.750
国庫短期証券1366 2026/06/08 平均値単利 0.740←カレント3M
国庫短期証券1349 2026/06/10 平均値単利 0.750←(6Mで発行された銘柄の成れの果て)
国庫短期証券1368 2026/06/15 平均値単利 0.750←今日入札の新発WI

ということで引値75bp辺りになっているのですが、ゆうてここ数回の入札ってWIよりも弱い所で入札が決着して、でもその後の引値は持ち直す、というお茶目な展開が続いておりますけれども、毎度申し上げておりますように、3Mの保有期間のうち4月会合までの期間(実質的には4/29まで)の期間がドンドン短くなってきますので、まあ本当はこんな感じのフラットなイールドカーブになるのも変な話ではあるのですが、入札はちゃっかり甘くはなるのでその辺全くの丸無視というわけではなさそうではあります。

とは言いましても、本当に4月利上げを完織り込みならもうちょっとレートがチャウヤロ(引値見ると〇月償還というようなカテゴリーでレートが値付けされるのがアレだがまあそれが短国なんでシャーナイナイ)とは思いますけど、無理やりインプリケーションを引っ張ってくるとしますと、先週金曜入札の3mが0.7667%/0.7756%でして、その前の週の金曜日、すなわちイラン戦争前の3mが0.7715%/0.7836%で、その前の3mが0.7573%/0.7781%となっていまして、月末のところでは「こりゃ4月利上げかね」みたいな感じでレートが順調に上昇したところ、土日でイラン戦争おっぱじまって先週金曜の入札では折角前週に織り込みに行ってた4月利上げの織り込みをやや剥がす感じになっていまして、引値が一応0.75%なので今日の入札では一段剥がしに来るのか来ないのか、というようなお話位が注目されますかねえ。

短国ちゃんって年末越えのところは入札日程が変則になって年末越え近くになると(年内の入札が早めに終わる(償還も当然同じように早めに予定されていますが)時と場合によっては年末越えの需給がおかしくなって、直近の年末越えがそうでしたけれども、年末越えの短国の需給ひっ迫で面白レートが形成される場合もあるのですが、3月の場合は期末とは言いましても、カレンダー自体が通常運転ですから今年の場合で言えば3/30発行まで普通に入札があるので、特に期末だから面白レートって感じでもないようには思えますな。

今回はそうなるような感じでは無いと思いますが(フラグではありません)早期利上げ観測が妙に盛り上がってしまって「価格変動が小さい国債」へのニーズがアホみたいに強くなってしまうと利上げが確実視される中で何故か会合跨ぎの筈の短国レートが低下、というような面白現象が発生することもあるので短国ムツカシネーというところではありますが、今回は落札レートが横ばいなのか低下なのか上昇なのか(本来は何もなくても上昇なんですけどまあ横ばい圏内なら利上げ期待の大きな変化なし、の解釈になるかと)楽しみに結果を見たいと思いますが、一般的には今日のお楽しみは10年CT落札結果の方ですかそうですか(^^)。


〇だんだんヒマネタシリーズ化していますがイラン戦争を受けた中銀対応の論点整理に絶好なのでシュナーベル講演の続き

https://www.ecb.europa.eu/press/key/date/2026/html/ecb.sp260306_1~a4943607d7.en.html
Navigating inflation and employment in an era of supply shocks and AI
Speech by Isabel Schnabel, Member of the Executive Board of the ECB, at the 2026 US Monetary Policy Forum
New York, 6 March 2026


・イラン戦争を受けた金融政策運営へのインプリケーションと言う石直球は・・・・

昨日の続きで『Implications for monetary policy today』から参ります。

『What do these lessons imply for monetary policy today?』

思いっきり「today」って言ってるのが火の玉ストレート。

『Euro area inflation is projected to be at our 2% target over the medium term.』

へいへいそうだっか。

『In the near term, the recent spike in energy prices following the tensions in Iran makes the inflation path more uncertain.』

イラン戦争の物価への影響は不確実性が高いということで直球投げ込んできましたが、

『However, as long as deviations from our target - in either direction - remain temporary and small with well-anchored inflation expectations, they are of limited relevance for policy decisions, as they naturally occur when an economy is exposed to volatile energy prices (Slide 8).』

「temporary and small with well-anchored inflation expectations」であれば、金融政策としてはネグリジアブルである、というお話をしておりまして、まあこれは普通に普通の説明ではあるのですが、これを日本の場合に当てはめてみますと、昨日散々ポエムを書いたように「well-anchored inflation expectations」なのかというとそうではない訳ですが、それに加えましてあくまでもここでのポイントは「temporary and small 」とあるように一時的かどうかというのが重要だという話になっていまして、日銀が以前説明していた「第一の力」「第二の力」ではないんだよなあというお話なんですよね。

『What matters for monetary policy is the medium-term outlook - that is, whether underlying price dynamics and wage developments are consistent with the target over the policy-relevant horizon. Judged on this basis, the lessons from the pandemic suggest that policymakers must tread carefully.』

でもって中期的な見通しを踏まえて政策は「policymakers must tread carefully」と慎重な運営が求められるというのがパンデミックのご教訓、ってころでそれだけでは何の話ですねんということになるのでその次のコーナーになるんですけど、


・高インフレ再燃の可能性があると火の玉ストレート

小見出しの時点で出オチにも程があるのですが、

『Inflation could re-emerge with tight labour markets and strong domestic demand』

「労働市場がタイトで国内需要が強い中ではインフレーションが再度(好ましくない)上昇するかもしれません」頂きました。

『Although vacancy rates have declined from historical peaks, labour markets across the euro area remain tight by most conventional metrics. Unemployment is low by historical standards and is below estimates of the natural rate of unemployment (Slide 9, left-hand side). Firms in many sectors continue to report difficulties in filling positions (Slide 9, right-hand side).』

ユーロ圏の労働市場はタイトです、というのをデータで示してからの、

『This tightness directly feeds into wages.』

労働市場がタイトなのでお賃金に反映しますと、

『While negotiated wage growth is expected to moderate, overall compensation per employee remains elevated relative to levels consistent with stable inflation (Slide 10). Wage drift continues to add to total labour costs in an environment where labour is becoming structurally scarcer owing to rapid demographic ageing, moderating immigration and rising skill mismatches.』

組合交渉ベースの賃金の伸びはモデレートとなることが想定されているようですが、構造的に労働市場がタイト化してきているので、物価上昇対比で高い水準の賃金推移が続いているそうな、ウラヤマシカ。

『This constellation of factors poses upside risks to the future trajectory of domestic inflation, particularly in labour-intensive services where wages account for a large share of total costs and the pass-through tends to be gradual but persistent.』

でもってそのような状況なのでユーロ圏内の物価にはアップサイドリスクがありますよ、特に労働集約タイプのサービス業では賃金上昇のパススルーが跳ねるでしょと言ってて、しかもここで味わいがあるのは「gradual but persistent」とパススルーの持続性について言及しているところですね。

『At the same time, expansionary fiscal policy is increasingly underpinning aggregate demand, pushing the economy towards its potential or even beyond it (Slide 11, left-hand side).』

でもって更に拡張的な財政が需要を押し上げてしまうので・・・・・

『In the manufacturing sector, new orders and expectations for future output have risen markedly and are now at their highest levels since the Russian invasion of Ukraine four years ago (Slide 11, right-hand side).』

製造業セクターでは新規受注と今後の受注見込みの水準がウクライナ侵攻以来の高水準でっせ。

『In parallel, governments are actively responding to shifts in the global trade and security order. New trade agreements are opening alternative markets that should help offset part of the slowdown in trade with the United States.』

でもってタリフマンの影響についても色々な対応を行っていて影響が限定的というような認識らしいですな。

『Efforts are also intensifying to better leverage the EU’s Single Market. Governments are reducing internal barriers to further strengthen both domestic demand and resilience.[14]』

ここはユーロ圏独自の市場統合の話なのでして、その先は(タリフマンの影響回避のために進めている)貿易ポートフォリオの見直しの影響の話なのでスルーします。引用だけしておきまして、

『Moreover, empirical evidence suggests that the ongoing adjustment in global trade patterns is unlikely to have a material impact on the euro area inflation outlook.』

『ECB staff analysis finds that the estimated impact of trade diversion from China on the euro area is modest and statistically insignificant (Slide 12, left-hand side).[15] Even under extreme counterfactual scenarios in which imports from China rise markedly and import prices fall noticeably, the estimated impact on core inflation would remain small.[16]』

『The exchange rate does not materially alter this picture. Since last summer, the euro has remained broadly stable in both nominal and real effective terms, including against the Chinese renminbi (Slide 12, right-hand side).』

『Most of the appreciation observed in the first half of last year can be interpreted as a sign of confidence in the euro and in Europe’s economic potential at a time of elevated geopolitical uncertainty.』

為替の影響も今のところは大きな影響はないとのことですな、でもって結論項に参りますが、

『The upshot is that, with tight labour markets and strengthening domestic demand, price pressures could re-emerge if demand outpaces supply. The lessons from the pandemic suggest that, in this environment, central banks should focus on anchoring expectations rather than trying to fine-tune economic activity.』

最後はこのネタの紹介シリーズでネタにしました「Conclusion」にありましたことと同じ話をしておりまして(というかConclusionの方が順序後ですな)、

The lessons from the pandemic suggest that, in this environment, central banks should focus on anchoring expectations rather than trying to fine-tune economic activity.

ということで、経済活動のファインチューンよりもインフレ期待の不安定化を回避することを優先すべき、ということですので、これはすなわち「スタグフレーションっぽくなったとしても経済優先で緩和するのではなくて物価優先で引き締めをする」というインプリケーションになりますわな、ということですが、長年のグレートモデレーションムーブ(日本だとその上にゼロインフレモードがあった訳ですが)ですっかり緩和脳が身についてしまっている市場参加者も多い中ですが、本来の中央銀行の対応ってこうなりますよね、って話だし、何なら日本もデフレ経済からマイルドインフレ経済に転換したんだったら、シュナーベルの言うような政策運営ってのが視野に入ってくるじゃろ、とは思いました。

というポエムを連日垂れ流してお目汚し恐縮でございました。












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