朝のドラめもん

2026/02/17

お題「植田高市会談って時間短すぎないか問題/「次の次」の利上げに関する話が一気に引っ込められているんですよね/その他関連雑談」

日経頑張ってますねえ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK165UD0W6A210C2000000/
[社説]内需の底上げは財政よりも民間主導で
2026年2月16日 19:05
(2026年2月16日 19:13更新)

『現在の日本経済で内需の本格的な拡大を阻むのは構造的な人手不足をはじめとする供給制約であり、短期的な需要不足ではない。物価上昇の影響を除く実質GDPを力強く増やすには、財政による需要刺激よりも、民間の賃上げや投資をいかに伸ばすかという視点を忘れてはならない。』(上記URL先より)

イイヨイイヨー

〇植田さんと高市さんの会談なのですがどう見ても時間が少なすぎてそっちが気になるなど

昨日は植田さんと高市さんの会談がある、ってわざわざ事前告知まであったので、アタクシは思い及べませんでしたけど、「デフレ脱却宣言に向けた打ち合わせ」ではないかというような観測を述べる向きもあってほほーと思ったのですが・・・・・・・・

https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2026-02-16/TAIZ07T96OSG00
植田日銀総裁、政策について要望は特になかった−高市首相と会談
Sumio Ito、Akemi Terukina
2026年2月16日 at 17:21 JST
更新日時:2026年2月16日 at 17:29 JST

タイムスタンプは17時21分となっていますが、ヘッドライン見た感じですと17時19分に最初のヘッドラインが出ていまして、その時間というのは当然ながら会談終った所で植田総裁が記者団に対してお答えをした、というタイミングになるのですが、出た瞬間に「なんか早くねえか」と思った訳ですわ。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA162OZ0W6A210C2000000/
16日の高市首相の動静
首相動静
2026年2月16日 23:30

『▽17時1分 植田和男日銀総裁と会談。』

・・・・・ちょっと待て10分くらいしか話をしてないじゃないか、ということでして、まあ変な圧力を掛けられるのもどうかとは思いますけれども、これは時間が短すぎて逆に心配になるレベルでございます。

つまりですね、ゲル首相の時の最後の会談ですと、

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB034500T00C25A9000000/
石破首相が日銀植田総裁と会談 「経済・物価・為替で意見交換」
金融政策
2025年9月3日 14:43

『石破茂首相は3日、首相官邸で日銀の植田和男総裁と1時間ほど会談した。植田総裁は会談後、記者団に「時々お会いしている。過去と同じように一般的に経済・物価情勢、市場の動向などについて意見交換をした」と述べた。』(直上URL先より)

ということでですね、ゲルの時は1時間ほど会談した、ってのが出ていますし、詳しく過去の数字をみたわけではないですが、経験的に20分も行かないうちに日銀総裁との会談終わってしまうってのはあんまり見たことが無いですし、その程度の時間で何の説明ができますのやら、って事かと思ってしまう訳ですよ。

もちろん色々なレベルで官邸に対して状況の説明とか認識の共有が行われている、とは思うのですけれども、トップ同士の会談の時間があまりにも短い上に、さっきの2/16の首相動静を見るとその次に公式スケジュールは無かったように見えますし、まあ実際には書けない類のスケジュールがあったのかもしれないのですけれども、それにしたって植田総裁との会談の時間がケツカッチン状態で実施されているんだったら初手からそんなに突っ込んだ話やら、植田先生による高市さんへのレクが行われる、みたいなことは物理的に出来ないスケジュール組んでいたという話になりますよね、ってなところで、時間がクソ短かった(ように思える)総理との会談だった、って話になるのかと思うのよ。

ということで、日銀と官邸の間の情報連携大丈夫かとかなーーーーり心配になってしまいましたが、そういや1月決定会合の後の総裁記者会見って

『政府と緊密に連絡しつつ、それぞれの役割を踏まえてしっかりみていきたいと思っております。』

ってのが5回も出てきた(ということは要するに想定問答に思いっきり書いてあったということですな)のですけれども、この「政府と緊密に連絡しつつ」が本当にできているのか、そしてこの先に関しても大丈夫なのか、ということに一抹の不安あるいは杞憂を思わざるを得ませんでしたが、杞憂民の毎度おなじみの杞憂だったらゴメンチャイということで。


〇田村審議委員講演ネタの補足で「消えた「次々回以降の利上げペースの話」の謎」について

昨日ネタにしました田村委員の講演関連ですが、改めて補足みたいな感じになりますが再掲しますと、

https://www.boj.or.jp/about/press/koen_2026/data/ko260213a1.pdf
わが国の経済・物価情勢と金融政策
── 神奈川経済同友会における講演 ──
日本銀行政策委員会審議委員
田村 直樹

中立金利との対比云々の話の中で昨日ネタにしましたように、田村さん抜刀を仕舞ってませんかってな説明ぶりだったじゃないですか

『したがって、実際のところ中立金利が1%以上のどの辺りにあるのかは、政策金利を引き上げつつ、経済・物価の反応を見て探っていくしかないと考えています。その際には、ビジネス現場や家計の声、企業からのヒアリング情報に、しっかりと耳を傾けていくことが重要です。例えば、「金利がここまで上がったら設備投資は様子見をする」、「住宅ローンの金利負担を考えると当面、住宅の購入は慎重に考える」といった声がどれだけ増えてきているのか、広がりがみられるのかなどを丁寧に確認することによって、中立金利と比べた政策金利の現在地を判断していきたいと考えています。』


この部分、「主な意見」で似たような意見があったんですけど、

https://www.boj.or.jp/mopo/mpmsche_minu/opinion_2026/opi260123.pdf
金融政策決定会合における主な意見
(2026 年 1 月 22、23 日開催分)1

『・利上げの企業・家計行動への影響をヒアリング情報で確認し、中立金利と比べた政策金利の現在地を探りつつ、数か月に一度のペースで利上げを進めることが適切である。』

この「利上げの企業・家計行動への影響をヒアリング情報で確認し、中立金利と比べた政策金利の現在地を探りつつ」ってのがまんま田村さんの今回の講演において今引用した部分と同じだよね、と考えますと、この意見を田村さんの意見だと考えるのは妥当だと思うんですよね。

・・・・・でもってこの「主な意見」と今回の講演の違いって見ればわかるように「数か月に一度のペースで利上げを進めることが適切である」があった訳ですが、この部分があるのと無いのとでは大違いになりますし、しかも田村さんの今回の講演ではご丁寧にも「丁寧に確認」という文言が入っていますので、主な意見での田村さんの意見をと思われる意見に対してエライ温度差がある訳ですな。


1月23日から先週金曜の間に経済物価状況に劇的な変化があった訳ではないのですから、田村さんのこの変化は何なのよ、と言いたくなるのですが、まあご案内の通りにその間に衆院選ってのがあった訳でして、つまり抜刀斎が刀を仕舞ったのは衆院選の結果を受けて、ってことかいなとか邪推したくなる(なお「仕舞った」のか「仕舞わざるを得なかった」のか、というもっと素敵な背景があるんじゃないかとか更にアタクシの邪推は妄想となって膨らむ訳ですわwwwwww

でもって昨日の「クソ短い時間しかなかった植田総裁との会談とか、ことさらに「政府との連絡」を強調した1月会合の総裁の説明とか、ついでに言えば増さんの金懇も、あれ自体はタイミングが悪かった(衆院選投票日直前)面はあるにしても、先般ネタにしたように金融政策運営の部分が経済物価情勢の認識対比で妙に腰が引けている、など諸々を含めると「次の次」以降の利上げ本当に大丈夫なのかという杞憂が沸き起こってくるのですよね〜

とは言いましても、「利上げ1%で打ち止め」感が出てしまえばどうせ円安がぶっ飛んでいくと思いますので、円安に耐えられなくなって利上げをする、という忍法後追い利上げの巻が発生するので、結局は「次の次」の利上げもやってくるにはやってくると思うのですが(笑)その場合の利上げは国民厚生的には不幸な状況ってことなので頭が痛いですわな・・・・・・


〇中尾元財務官が「日銀の利上げはビハインド」と喝破するの巻

まあ素敵
https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2026-02-16/TAJ63GKK3NYB00
中尾元財務官、日銀の着実な利上げ必要−円安抑制や長期金利安定で

・日銀はインフレ率に対して「明らかにビハインド・ザ・カーブ」
・急激な円安時には介入容認も、日米協調介入は「ハードルが高い」

Keiko Ujikane、Erica Yokoyama
2026年2月16日 at 14:19 JST

『元財務官の中尾武彦氏は16日、日本銀行は政策対応が後手に回っているとし、着実な利上げがインフレ対策となり、過度な円安の抑制や長期金利の安定をもたらすとの見解を示した。』(上記URL先より、以下同様)

ということで、

『中尾氏はブルームバーグとのインタビューで、国際通貨基金(IMF)が試算する購買力平価の1ドル=90円台に比べて、「円は極端に安い」と指摘。「日銀が政策金利を着実に引き上げていくことで、インフレへの対応、行き過ぎた円安の抑制に加え、長期金利の安定につながる」と語った。』

「日銀が政策金利を着実に引き上げていくことで、インフレへの対応、行き過ぎた円安の抑制に加え、長期金利の安定につながる」って一々ご尤もすぎて首がもげそうになります。

『日本の財政が拡張的なのに日銀の金利引き上げが遅いのは、「インフレ率に対して明らかにビハインド・ザ・カーブだと言える」とも述べた。円安は国内の物価上昇につながる一方で、不動産や企業などを外国人に安く買われてしまうので、「日本にとって国益ではない」とした。』

>インフレ率に対して明らかにビハインド・ザ・カーブだと言える
>インフレ率に対して明らかにビハインド・ザ・カーブだと言える
>インフレ率に対して明らかにビハインド・ザ・カーブだと言える

ということなのですが、それこそ先ほどピックアップした1月会合主な意見ではいくつか「ビハインド懸念」に関する意見があったというのに、一番それを以前から主張していた筈の田村委員の先日の講演でビハインドの可能性とか、ビハインドになるとその後の調整で大幅な利上げをしないといけないよね、みたいな話も前線から引っ込んでいる、という辺りに関しましてもそうなんですが、なんか日銀が様子見地蔵なのかビビリンチョなのか施政方針演説待ちなのかはさておきまして、衆院選以降一段と目立つようになった「次の次以降の利上げの話を意図的に前面から下げているだろ状態」になっているので、このような援護射撃をいただくのは日銀にとってありがたいのか有難迷惑なのか、さてどっちなんでしょうねえ、と思いながら中尾さんの記事を拝読していた次第です。


〇市場への配慮とか言ってるけどどうせおまいらその意味わかってねえだろうと

https://jp.reuters.com/economy/bank-of-japan/MVBMR3ZRF5PIRI3OVSF6AG7JXI-2026-02-16/
インタビュー:消費減税財源、外為特会「一つの候補」=吉村維新代表
山口貴也, 木原麗花
2026年2月16日午前 10:43 GMT+9

『[東京 16日 ロイター] - 日本維新の会の吉村洋文代表はロイターとのインタビューで、消費減税に伴う財源について「外為特会(外国為替特別会計)の剰余金も税外収入になってくる。それも一つの候補」と述べた。飲食料品の消費税ゼロの早期実現にも意欲を示した。』(上記URL先より、以下同様)

霞が関埋蔵金伝説ってのはしかし爆釣にも程がありますなorzorz

『2年で10兆円弱必要とされる減税財源を巡り、吉村代表は「歳出改革と税外収入で確保できる」と述べた。「財源については責任を持ってやっていく」と強調し、赤字国債には依存しない考えを示した。』

「歳出改革と税外収入で確保できる」とか言ってるのがアレだし、2年間で終わらせようと思ったらその時になると終わらせられなくなる、というのは満州事変以降に見られた日本の伝統芸能な訳ですしおすし。

しかしまあ何ですな、

『一方、円安基調の背景にある財政運営を念頭に「マーケットの信頼を得るというスタンスは常に持っていく必要がある」との認識も示した。』

と認識しているとのことですが、財源が外為特会から会計操作で引っ張ってくる、とか言ってる時点で「マーケットの信頼を得る」も蜂の頭も無い訳で、まあこの「市場の配慮」連呼をナイーブに信じてしまうのもどうかと思いますけどねえ、というのが個人の感想なのでありました。

てなわけでなんかだいたい雑談大会で恐縮至極でした。




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