朝のドラめもん
2026/02/16
お題「田村委員金懇挨拶は「利上げパス」が慎重なんだよな〜/短国雑談とか財政ニュース雑談とか」
ほうほうそうですかそうですか
https://www.jiji.com/jc/article?k=2026021400394&g=eco
政府、備蓄米「手じまい」苦慮 買い戻し焦点、価格再上昇も
時事通信 経済部2026年02月15日15時58分配信
『政府備蓄米の放出で、在庫量は適正とされる水準を大きく割り込んだ。もともと凶作時のコメ確保が目的の備蓄米。今後は放出分の買い戻しが焦点となる。ただ、コメの価格は高止まりしたままで、買い戻しはさらなる価格上昇を招く恐れもある。農林水産省は「手じまい」に苦慮している』(上記URL先より)
〇田村審議委員の講演は「次回以降の利上げパス」があんまり強くない印象を受けましたがどうでしょうか
https://www.boj.or.jp/about/press/koen_2026/data/ko260213a1.pdf
わが国の経済・物価情勢と金融政策
── 神奈川経済同友会における講演 ──
日本銀行政策委員会審議委員
田村 直樹
一応ヘッドライン的には利上げ近い、みたいな感じの話になっていたのですが、ワタクシが思いまするに今回の田村さんの講演って結構慎重な内容だと思うんですよね。
でまあ自分AIにこの手の分析をさせるのは日銀ストーカーたる自分の死を意味すると思うので、生涯の間絶対にチャッピーとかに分析させる気はないのですが、まあゆうて世の中の方々が分析させると普通にタカ派に見えるらしいですな、詳しくは知らんけど。
・経済の評価は大変強いのだがそもそもこれは大本営の時点でも強いのでノーサプライズ
『2.経済・物価情勢』の経済のパートの『(1)わが国経済の現状と見通し』ですが、こちらは田村さんの見立ての話をしているのですが、現実問題として大本営と同じかなって所です。すなわち冒頭が、
『はじめに、わが国の経済情勢についてお話します。わが国の景気は、一部に弱めの動きもみられますが、緩やかに回復していると判断しています。』
というのが大本営ですし、そのあと米国関税政策の影響がどうのこうのの話があるのですが、そこでもそんなに尖った話をしている訳ではなく、結論部分では、
『もっとも、その後、わが国を含む多くの国や地域で米国との通商交渉が合意に至る下で、米国の関税政策に関する不確実性がはっきりと低下しました。この間、企業マインドをみると、例えば、図表2に示した短観の業況判断DIが良好な水準を維持するなど、私にとっては驚くほど、企業の前向きな姿勢が維持されてきました。』
私にとっては驚くほど、ということなのですが、ゆうてこの部分は大本営も今回の展望で同じ話をぶっこんでいる(特に顕著なのは展望レポート背景説明のBOX1の10月との差分をネタにした通りですし、1月会合主な意見でも経済はつよつよでしたよね)ので別にサプライズに新しい判断を示しているという感じでは無いですわな。
『IMFによる世界経済の見通しの推移を見ると、図表3の通り、実質GDP成長率見通しは、2025年・2026年ともに、米国の関税政策発表直後の4月見通し以降、上方修正が続き、2026年1月見通しでは、関税政策発表前の水準まで戻る結果となりました。また、日本銀行の経済見通しも、2026年1月見通しでは、2025年度および2026年度のいずれも、米国の関税政策公表前の2025年1月見通しと概ね同程度の水準に見直す結果となりました。』
というのが結論ですが、つまり新しい情報は特にないですね、って感じです。でもって見通しですが、
『こうした下で、先行きのわが国経済を展望すると、各国の通商政策等の影響を受けつつも、海外経済が成長経路に復していくもとで、政府の経済対策や緩和的な金融環境などにも支えられて、所得から支出への前向きな循環メカニズムが徐々に強まることから、緩やかな成長を続けると考えられます。』
ということで、こちらも展望レポート基本的見解などで示されている説明から特に踏み込んだものは無いので、あら田村さん今回はそんなにつっこまないのね、というのが一発目のパートを読んだ感想になる訳です。
・物価見通しはご案内の通りで平均見通しよりも強いのですが・・・・・・
でもって次が『(2)わが国物価の現状と見通し』ですが、こちらは大本営の見通しと自分の見立てに乖離があります、ということで2本立てで出しているのは説明として分かりやすくて非常に宜しいですな。
最初の『(展望レポートにおける見通し)』は当然ながら大本営の中心的なシナリオを説明しているので割愛しましてその次の『(私の見方:より粘着的な物価上昇へのシフト)』に参ります。
『一方で、私としては、日本銀行が目指す賃金と物価が相互に参照しながら緩やかに上昇していくメカニズムが維持される下で、最近のインフレは、内生的、粘着的なものへと変化してきているとみています。』
とっくの昔にそうなっている、くらいの抜刀をするかと思ったのですが表現は抑制的。
『そのような中、足もと、基調的な物価上昇率は概ね2%に達しており、2026年も3年連続で2%の「物価安定の目標」と整合的な賃上げが行われることを高い確度で確認できた場合には、この春にも、「物価安定の目標」が実現されたと判断できる可能性が十分にあると考えています。』
ということでまあこれ自体は既に決定会合における意見表明にもあったのでサプライズはありませんでしたので、従来の田村さんの見解の確認、という感じですが、この後に引用します政策金利の調整に関する説明が今回抜刀不足というか寧ろ刀を鞘に納めてしまったでござるの巻になっているように見えるところでして、その部分も総合的に勘案すると今回は抜刀斎の抜刀が無いわ〜というのが率直に見る感想なのですが、なんか知らんけど市場の反応は必ずしもそうではなかった気もしますので、実際のところ皆さんどういう読み方になったんじゃろ、とは思うのですけど、別にアタクシとて自分の解釈が正しいのかどうかと言われるとそりゃまあ本人がそう思っているだけという事案は多々あるのですが、たぶん円債方面の一般的な解釈からは斜め30度くらいは外れていると思うのでまあそんな読み方もあると思っていただければ。
『そして、基調的な物価上昇率が更に上振れせず、2%の「物価安定の目標」の持続的・安定的な実現というゴールにうまく着地できるか、各種データや情報を注意深く点検していくべき局面に入っていくと考えています。』
ということで、上振れをするかもしれません、って言っているのですからまあ物価の話に関しては上振れ警戒的であるのは確かではあるのですよ。
でもってその注意すべき云々の理由があだこうだとありますが以下引用しますと、
『消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、図表5の通り、過去45か月、2%を上回って推移しています。これをコンポーネント別に見ると、まず、食料以外の財については物価上昇率が低下してきており、ひと頃よりも落ち着いた動きとなっています。もっとも、為替円安が輸入物価を通じて国内消費者物価に与える影響度合いが高まっている中で、足もとでは再び円安傾向にあることから、今後の物価動向には注意が必要です。』
円安の影響に注意と。
『加えて、賃上げが進む下で、製造、流通、小売の各段階での人件費の上昇が、今後も財価格に転嫁されていく可能性が大きいと見ています。』
『この点、図表6の通り、企業向けサービス価格指数のうち、『高人件費率サービス』と『低人件費率サービス』1の価格動向をみると、このところ高人件費率サービスの伸び率が高くなっており、人件費上昇が物価を押し上げている様子が見て取れます。今後、賃金と物価が相互に参照しながら緩やかに上昇していくメカニズムが維持される下で、川上段階のコストを含め人件費の増加が継続的に財価格に転嫁されていくことが見込まれます。』
人件費の転嫁は進むと。
『食料については、図表7に示した通り、2022年以降、持続的に価格上昇が続いています。生鮮食品や米・卵などの食品の価格の上昇が続き、それが食料加工品や外食の価格上昇に繋がっています。生鮮食品や米・卵などの食品の価格の上昇は、一時的な供給要因に起因するところが少なくありませんが、@肥料や光熱費、運送費などの各種コストの上昇、A先述した生産から流通の各段階の人件費上昇、B人手不足等による供給力の低下、C気候変動に伴う天候不順などが影響していることを考えると、値上がり品目が交替しつつも、全体として高めの価格上昇が続く可能性があります。』
食料品に関しては普通に広範なコスト上昇が起きてますわな(物流とかのコストとかは賃金の転嫁もあるし)、という話で、
『また、生鮮食品や米・卵などの食品の価格の上昇が一時的であったとしても、食料加工品や外食の価格への波及は一度に起こるわけではなく、段階的に行われることから、一定の持続性を持つことが多いと考えられます。』
少なくともさっきの米の記事じゃないけど、上がったもん今更そんなに下がらんじゃろというのは大いにあるでしょと第二種兼業主夫としては思います。
『加えて、食料品の価格上昇は家計の予想インフレ率に大きな影響を与え、更なる物価押し上げ要因となり得ます。食料価格の伸び率自体は今後落ち着いていくと見ていますが、以上のように考えれば、2020年以前のようなほとんど価格が上がらない状態に戻るのではなく、ある程度の上昇が続く公算が大きいのではないかと考えています。』
そらそうよという感じですが、さらに容赦なく次の要因はサービス全般の価格上昇の話でして、
『また、サービスについては図表8に示した通り、表面的な価格動向は、前年比で2%をやや下回る推移となっていますが、これは、構造的に一般物価の動きから大幅なラグを有するとみられる家賃2、3や公共サービス4が含まれるためです。これらを除いたサービス価格、私はこれを「市場ベースのサービス価格」と呼んでいますが、その動向をみると、2%を超える伸びを続けており、賃金と物価が相互に参照しながら上昇していくメカニズムが働いていることを示すものと捉えることができます。』
『更に、最近では、家賃も、徐々にその伸び率を高めてきているほか、公共サービスについても、政府が診療報酬・介護報酬・障害福祉サービス等の報酬改定を掲げるなど、今後、その伸び率を高めていく可能性があります。』
ですわな〜。
『以上が消費者物価をコンポーネント別に見た私の考え方ですが、こういった動きの背景には、企業の経営姿勢の変化と企業・家計の予想物価上昇率の変化があり、今後、大きな外的ショックが生じない限り、これらは、わが国経済に構造的に組み込まれていく公算が大きいと考えています。以下ではこれらの点について詳しくお話しします。』
ということで、まあ思いっきり物価はもう強いですよ2%の物価安定目標は達成したも同然よ、という話になってて、以下『(3)企業の経営姿勢の変化』、『(4)企業・家計の予想物価上昇率の変化』に詳細があるのですがその辺はすっ飛ばしましてその次に参ります。
・物価目標達成して上振れ警戒もしないといけないのに1%より上の利上げに留保が付くとは抜刀どころか納刀モードですが・・・・・
つまりは『3.金融政策運営』の話になるんですけどね。
『ここからは、日本銀行の金融政策運営について、過去の歴史などにも触れながら、私自身の考えをお話ししたいと思います。』
ということですが、最初のコーナーは単なる実施した政策と大本営の今後の基本的なスタンスの説明なので割愛しまして『(2)物価の安定』の途中から『(3)賃金と物価が相互に参照しながら緩やかに上昇するメカニズム』を飛ばしながら鑑賞するとしますが・・・・・
『今後は、「現実の物価」が2%前後まで低下していく、あるいは、場合によっては2%を下回っていく可能性もありますが、一方で、先ほど申し上げた通り、「物価の基調」はじわじわと上昇してきており、2%に定着したと判断できる状況がもうすぐそこに来ている可能性があります。』
先ほど言ってた通りです。
『2%の「物価安定の目標」の持続的・安定的な実現のためには、一時的な要因によって大きく振れる「現実の物価」とは別に、「物価の基調」の動きを総合的に捉えて、それが2%で定着するように金融政策を運営していくことが必要となります。』
というかそもそも現実の物価の上振れを無視し続けてきたのがここ数年の日銀だったような気がしますが、まあそれはさておき、これは「政府の物価抑制策でアクチュアルの物価が2%割っていても政策調整は実施」という話だし、そのちょっと先には、
『私としては、2%の「物価安定の目標」が実現したと判断するための最後のピースは、その定着度合いであると考えており、先ほど申し上げた通り、3年連続して2%の「物価安定の目標」と整合的な賃上げが行われることを確認できるこの春、暖かくなってくる頃には、そう判断できる可能性が十分にあると考えています。』
よし!昨日は暖かかったからもう判断できるな!!!!!(白目)
という冗談はよし子さんとしましても、このように威勢の良い話をしているのですが、その割には政策調整に関しての説明がむしろこれまでよりも後退してないかというのが気になったところでして・・・・・・・・
『(4)金利と経済への影響』って小見出しに行きますと、途中はかっ飛ばしまして利上げのイメージ図みたいなのが出てくるのですが・・・・・・・
『図表21は、私が今申し上げたような政策金利と経済の関係を、イメージ図に表したものです。あくまで、日本銀行の審議委員に就任するまでに感じていた金融実務家としての実感やここ数年の経験を踏まえた私のイメージですが、政策金利が1%を下回るような水準では、利上げをしても、金融緩和による景気刺激効果の減衰は極めて限界的な変化に止まり、1%を超えたあたりから景気刺激効果が徐々に弱まり始め、中立金利を超えてから徐々に景気抑制効果が強まっていくものと考えています。』
ありゃま、って感じでして、これですと次回1%への利上げ自体はちゃっちゃと行われるにしましても、その先の利上げに関しては景気刺激効果の減衰を見極めないとできない、という理屈になってしまうと思うんですよね。
『ここで重要なのは、中立金利――経済・物価に対して中立的な実質金利の水準である自然利子率に、予想物価上昇率を加えたもの――の概念ですが、この中立金利について、私は、最低でも1%程度だろうとみていると従来から申し上げてきました。』
ってことなので、その点も踏まえてさきほどのように「1%を上回ったら影響が出てきだしてもおかしくないよね」ってな説明になっているようなのですが、そもそも論として「2%の物価安定が達成できている状態」における実質中立金利が▲1%である(=中立金利のレンジの下限が1%)ってのはそれ普通に考えてサステナブルじゃない話(実質的なトレンド成長率が▲1%だというのなら話は分かるがそんな経済だったら物価2%がサステナブルの訳が無い)なのですよね。
いやまあこれが物価安定目標達成に向かってディスインフレ均衡からマイルドインフレ均衡に向かう間の過渡期における現象です、ってんだったら話はわからんでもないのですが、田村さんの説明だと近日中に物価安定目標達成しているかもしれない、って話なのですから、中立金利の想定レンジ低すぎませんかって話の筈なんですよね。
この先の説明では、
『ただ、自然利子率は直接観察できるものではなく、その推計値は手法によって大きなばらつきがあります。更に、推計の際に参照するデータのほとんどが、デフレ期・ディスインフレ期のものとなり、一定のバイアスが生じている可能性が大きく、精緻な推計は困難な状況です。』
といっているので、ここの行間からは「実は名目中立金利の下限は1%くらいと言ったがあれは今となっては低いだろ」という言葉が滲み出ている、とは言えるのですが、しかしながら政策に関しては、
『したがって、実際のところ中立金利が1%以上のどの辺りにあるのかは、政策金利を引き上げつつ、経済・物価の反応を見て探っていくしかないと考えています。』
ということで、この説明ですと1%に政策金利を引き上げた後の腰が重そうな物言いになっていまして、ここら辺の説明が寧ろ「物価目標達成」って威勢の良い説明に対してのコントラストが大きいんですよ。、これが物価目標達成まであと半年くらいのタイムスパンで話をしているならまだしもなんですけどね・・・・・・・
『その際には、ビジネス現場や家計の声、企業からのヒアリング情報に、しっかりと耳を傾けていくことが重要です。例えば、「金利がここまで上がったら設備投資は様子見をする」、「住宅ローンの金利負担を考えると当面、住宅の購入は慎重に考える」といった声がどれだけ増えてきているのか、広がりがみられるのかなどを丁寧に確認することによって、中立金利と比べた政策金利の現在地を判断していきたいと考えています。』
でまあこのヒアリング情報に耳を傾けるのはもちろん必要なことなのですが、ここで一つ落とし穴があって、それはこの先の部分で田村さんが指摘している「過剰な緩和の副作用が解消される過程で起きる正常化の現象」という本来好ましい変化を「利上げによる経済の影響」と読み間違えるんじゃない可能性というか、それを理由にして過剰な緩和を引っ張ってしまうバイアスに繋がらないかなというのはアタクシ思いましたし、今後ちょっと気になるところで杞憂民またも杞憂なのですな。
・過剰な緩和による金利のハードル機能の指摘は仰る通りですが・・・・・・・
『お、私としては、金利が1%を下回るような「ほとんど金利がない世界」は、図表22で示したような副作用をもたらしたことも忘れてはならないと感じています。』、
ってありまして、図表22には、
『図表22 ほとんど金利がない世界で生じた金利機能面の副作用』ってことで、2項目あるうちの最初の項目が、
『@金利の持つハードルレート機能の低下
借入金利を上回る付加価値の高いビジネスへの経営資源集中を促し、資源配分の効率化に繋げる機能。
⇒ 「ほとんど金利がない世界」では、生産性が相対的に低いビジネスにも資金がわたる結果、資源配分の効率化があまり進まなかった可能性。』
ってのがありますが、先ほど申し上げましたように、「利上げの影響をヒアリングなども踏まえて見て行く」といった中に、「「金利がここまで上がったら設備投資は様子見をする」、「住宅ローンの金利負担を考えると当面、住宅の購入は慎重に考える」といった声がどれだけ増えてきているのか、広がりがみられるのかなどを丁寧に確認することによって、中立金利と比べた政策金利の現在地を判断していきたいと考えています。」ってのがあった訳ですが、本来は借入をすべきではない人たちが借入をしなくなったから利上げの経済への悪影響がどうのこうの、みたいな話が今後おっぱじまりそうな悪寒が思いっきりしますわな、とアタシャ思った次第ではございます。いやまあ既に散々借りてしまって云々という向きもあろうかとは思いますけれども・・・・・・
・副作用の説明もしているので益々「1%より先の利上げはより慎重に見たい」的な説明に違和感があるわけですな
でまあこの副作用のところの本編ですが、
『図表23で示した他国と比較して低い開廃業率、また、図表24で示した通り、他国と比較して頭一つ抜けて多い中央銀行による国債保有残高について、これらが全て「ほとんど金利がない世界」によってもたらされた、とまでは言えませんが、少なくともその一因となった可能性があることには留意が必要であると考えています。』
『更に、今後、副作用が遅れて顕在化し、マイナスの影響が大きくなる可能性にも留意が必要であり、金融市場の機能度や金融仲介機能、開廃業率といった経済の供給サイドに対する副作用など、引き続き丁寧に点検していく必要があると考えています。』
『また、関連するテーマとして、金融緩和の長期化が問題をもたらすことはないか、例えば、過度な円安の進展や物価高の継続、不動産価格の上昇などが、経済や国民生活にどのような影響を与えていくかといった点も、丁寧にフォローしていく必要があると考えています。』
という話をしているので、それなのになんでまた1%超えたら様子を見ましょうみたいな表現に後退したのかが割と謎でして・・・・・・・
・前回対比で利上げに関する表現が明らかにオブラートくるんでいるんですよね
またも話は飛んで『4.おわりに』を見ますと、結論部分では
『早すぎる金融引締めによって「物価と賃金がともにほとんど変動しない」デフレ期・ディスインフレ期に戻ってしまうことは避けなければなりませんが、一方で、「緩やか」とは言えない物価上昇を続けることも避ける必要があります。』
となっているのは前回の田村委員の講演(10月16日沖縄金懇挨拶)と同じなのですが、
『これまで長年取り組んできた金融緩和の総仕上げとして、2%の「物価安定の目標」の持続的・安定的な実現というゴールにうまく着地させることができるよう、日本経済・物価のデータや各種ヒアリング情報を丁寧に検証し、適時・適切に金融政策を講じていきたいと考えています。』
適時・適切に、というのは「イン・ア・タイムリーマナー」ということですけど、この表現は最近は植田さんの定例会見で何回か使っていました(増さんも先日の金懇会見で使っていましたがそんなに目立たなかった)ので、この辺りもちょっとパターンを変えてきたな、と思いましたし、そもそも論としてその10月沖縄金懇では
https://www.boj.or.jp/about/press/koen_2025/ko251016a.htm
金融政策運営の中で、
『私としては、先ほどの経済・物価情勢を巡る話題で申し上げた通り、関税政策に関する日米交渉合意や企業の前向きな賃金・価格設定行動の維持、物価の上振れリスクを踏まえると、「物価安定の目標」の実現時期が前倒しとなる可能性は高まっていると考えています。政策金利の引き上げが遅れて物価が大きく上振れする、いわゆるビハインド・ザ・カーブに陥ってしまうと、物価を落ち着かせるために急速な利上げを余儀なくされ、結果的に日本経済に大きなダメージを与えることになってしまいます。』(この部分直上URL先2025年10月16日田村委員沖縄金懇挨拶より、以下同様)
という説明をしていまして、この時は「政策がビハインドになるとその後の政策調整を急がないと行けなくなる」っていう話をしていたのに、今回はその「政策ビハインド」の話が無い(実際問題として今回の講演テキストに「ビハインド」の文字列は存在しません)のですな。
しかしながらよくよく考えてみれば田村委員はこの金懇の前の9月会合の時点で0.75%への利上げを提案していた上に、この時の金懇での物価見通しが、
『一方で、私としては、「物価安定の目標」の実現時期が前倒しとなる可能性も十分にあると考えています。物価がベースシナリオ(=2027年度までの展望レポートの見通し期間後半に達成)から上振れる可能性もあると考える理由は、以下の通りです。』
って説明をしていたので、まさにこの上振れが起きているという状況なのですから、寧ろフォワードルッキングに利上げを進めていくくらいの話をする方が、「この春にも物価目標達成」という見通しとの整合性という点で考えたらそういう方向になってもおかしくないのですが、なんか今回政策金利の引き上げのパスに関して「だけ」は抜刀どころか納刀している、というのが違和感ありました、という所です。
・というのがアタクシが感じた「なんか今回抜刀成分が少なくないか」というお話です
てな訳でございますが、まあ抜刀成分少ないですね、の部分に過度にアタクシが着目しているとか、そもそもこの政策金利パスに関しては永田町だの平河町だのと言った界隈の方で高圧経済音頭をこれを先途と踊り倒している輩がいらっしゃる、というような大人の事情も鑑みてシャーナシでここのところだけ抜刀を仕舞って猫を3匹位被っている、という可能性もモチのロンで大有りだと思いますが、ただまあそういう「ご配慮」が入らざるを得ない状況にあるということであれば、やはりそれはそれでありゃーという感じでもありますので、やはりアタクシとしてはなんか考えすぎなのかもしれないけど、ちょっと変調みたいなのを感じてしまいました。
まあ荒木又右衛門張りの大立回り来るかと全面的に期待していたかというと、今回は多少の手心があるのかなというのもあったりしますけど、アタクシ的には思った以上に手心が入っていましたな、という感想でしょうか、まあ実際のところは知らんけどな!!!
〇3M入札は前回債よりも金利上昇しましたが引けは結局元通りなのか
https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20260213.htm
国庫短期証券(第1362回)の入札結果
『本日実施した国庫短期証券(第1362回)の価格競争入札及び国債市場特別参加者・第T非価格競争入札について、下記のように募入の決定を行いました。
記
1.名称及び記号 国庫短期証券(第1362回)
2.発行根拠法律及びその条項
財政法(昭和22年法律第34号)第7条第1項、財政融資資金法(昭和26年法律第100号)第9条第1項並びに特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第83条第1項、第94条第2項、同条第4項、第95条第1項、第123条の18第1項、第136条第1項及び第137条第1項
3.発行日 令和8年2月16日
4.償還期限 令和8年5月18日
5.価格競争入札について
(1)応募額 9兆7,877億円
(2)募入決定額 3兆6,370億7,000万円
(3)募入最低価格 99円81銭0厘0毛
(募入最高利回り) (0.7635%)
(4)募入最低価格における案分比率 8.2413%
(5)募入平均価格 99円81銭2厘4毛
(募入平均利回り) (0.7538%)』
ということで、前回債が0.7486%/0.7574%だったのですが、今回債は足切りが0.76%に乗ったじゃんという結果になりまして、償還が延びたらレートが上がる、ということで4月利上げを一応意識してそうな風情を受けますが、売買参考統計値みますとこの新発の引けがしれっと0.730%まで強くされているので、それはそれでナンジャラホイではあるのですが、興味深いのはその引値の並び方で、、
売買参考統計値
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html
(2/13引値)
国庫短期証券1352 2026/03/30 平均値単利 0.700
国庫短期証券1353 2026/04/06 平均値単利 0.700
国庫短期証券1355 2026/04/13 平均値単利 0.700
国庫短期証券1356 2026/04/20 平均値単利 0.695
国庫短期証券1358 2026/04/27 平均値単利 0.695
国庫短期証券1359 2026/05/07 平均値単利 0.725
国庫短期証券1360 2026/05/11 平均値単利 0.725
国庫短期証券1362 2026/05/18 平均値単利 0.730←新発3M
(2/12引値)
国庫短期証券1352 2026/03/30 平均値単利 0.710
国庫短期証券1353 2026/04/06 平均値単利 0.715
国庫短期証券1355 2026/04/13 平均値単利 0.715
国庫短期証券1356 2026/04/20 平均値単利 0.715
国庫短期証券1358 2026/04/27 平均値単利 0.715
国庫短期証券1359 2026/05/07 平均値単利 0.740
国庫短期証券1360 2026/05/11 平均値単利 0.735
国庫短期証券1362 2026/05/18 平均値単利 0.745←入札前のWI
ということで、なんだか知らんけど入札で0.75-0.76レベルだったのでWIよりも甘かったのに引けてみたら強いのですが、茲許に来ての傾向ですが、短国の値付け自体が4月と5月の間で会談が出来ている感じになっていまして、短い短国全般が強いのは利上げ前の避難需要で、段差が付いているのは4月利上げ意識かしら、とか思ってしまいました。ちなみに1年どころは、
(2/13引値)
国庫短期証券1351 2026/12/21 平均値単利 0.995
国庫短期証券1357 2027/01/20 平均値単利 1.000←1年カレント債
国庫短期証券1363 2027/02/22 平均値単利 1.050←今週木曜入札の1年新発WI
(2/12引値)
国庫短期証券1351 2026/12/21 平均値単利 0.980
国庫短期証券1357 2027/01/20 平均値単利 0.985
国庫短期証券1363 2027/02/22 平均値単利 1.035
ってことでレート上昇しておりますので、避難需要キタコレなのかなとか思いました、実際にどうなのかは知らんけど。
〇政府関連ニュースの雑メモ雑談
・本田元参与のインタビューがあったんですけど
ほうほうそうですかそうですか
https://jp.reuters.com/opinion/E7VSS2VAHBKF3DAX4PKAZK2DVM-2026-02-13/
インタビュー:新しい日銀委員、リフレ派である必要はない=本田元内閣官房参与
竹本能文
2026年2月13日午前 10:06 GMT+9
『[東京 13日 ロイター] - 安倍晋三政権で内閣官房参与を務め、高市早苗首相の経済ブレーンの1人である本田悦朗・京大客員教授はロイターとのインタビューで、安倍政権時代と異なりすでに日本はデフレを脱却しているとし、日銀の新たな審議委員に強力な金融緩和を提唱するリフレ派を起用する必要はないとの見解を示した。』(上記URL先より、以下同様)
ほうほう日本はデフレを脱却していると、ということで・・・・・
『本田氏は、高市氏は昨年10月の自民党総裁選時点では、アベノミクスの継承をうたっていたが、「デフレだった安倍時代と、すでにデフレから脱却し、成長戦略が課題となっている今とでは日本経済のフェーズ(局面)が異なっていることは、高市氏も理解されている」と指摘。日銀の新たな審議委員候補について「強力な金融緩和を提唱するリフレ派である必要はないのではないか」と述べた。』
だそうですが、まあ確かに日銀の審議委員になってしまいますと高圧経済音頭を踊るにしても馬鹿踊りを踊るわけにはいかなくなってきますし、何なら財政規律に対して厳しい事を言う方を日銀の審議委員にしちゃえば財政規律に対して手厳しいことを言えなくなる、という話もある訳で、そういう深慮遠謀があるのかなとか思ってしまう位にはアタクシも人の言う事を一々斜めや裏から読もうとするの巻。
『今後の望ましい金融政策運営については「物価や長期金利が上昇し、日本経済が正常化しつつあるため、年内に利上げは可能なのではないか」と述べた。同時に「次の利上げの前には昨年12月の利上げの効果検証が必要で、3月など早期の実施はないだろう」との見方を示した。』
など、にどこまでが入っているのかよくわからんですが、
『「物価の安定のために利上げが必要との考え方はある」とし、「対内投資促進などで日本経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)が改善すれば自然に為替は円高方向に進む」とも指摘した。』
だそうで、高圧経済音頭から若干の足抜けでもしているのかしらとも思ってしまうのですが、政権は何考えているのかがイマイチよくわからんのがコマッタモンダと思います、
しかし本田元参与、ついこの前は
https://jp.reuters.com/opinion/forex-forum/LX73OJGZKBPMJJLEIVQYQQVTJQ-2025-10-09/
訂正 インタビュー:日銀の追加利上げ慎重に、高市氏は「緩和派」=本田元内閣官房参与
竹本能文, 山崎牧子
2025年10月10日午後 12:04 GMT+9
『[東京 9日 ロイター] - 安倍晋三政権で内閣官房参与を務めた本田悦朗・京大客員教授は9日、ロイターのインタビューに応じ、日本経済は回復途上の不安定な局面にあるとし、日銀の追加利上げに慎重な対応を求めた。金融市場には日銀が12月会合で政策金利を引き上げると予想する向きもあるが、「今から2カ月後に経済が劇的に変わっているとも思えない」と述べた。』(この部分は直上URL先昨年10月10日(初出は9日)ロイター記事より)
って言ってて、なんですかこの変化は、って感じですが、上記記事みりゃわかりますように、本田大先生、『当面「1ドル=155円を超えて円安が進むとは考えにくい」という。』『「米国が為替で日本に強く要求することはない」と予想した。』とか、思いっきり凄まじくフラグを建築している、ということがありまして、自分でおったてたフラグに関して反省してスタンスを変えたのであれば結構結構という所ですが、はてさてどうなんだか(とにかくあの一派は謝ったら死ぬ病に罹患しているので前の見立てがアレだったとかいうことは言わないのよね)。
・今日は植田総裁と高市総理の会談ですが
https://jp.reuters.com/economy/bank-of-japan/FW7XPDN23FOGHGT2ONGSQQCXV4-2026-02-13/
高市首相、植田日銀総裁と16日午後5時に会談
ロイター編集
2026年2月13日午後 7:22 GMT+9
『[東京 13日 ロイター] - 高市早苗首相は16日午後5時から植田和男日銀総裁と会談する。政府が13日、予定を公表した。』(上記URL先より)
ということで会談があるのですが、だいたいこれって当日に急に公表(実際の段取りは兎も角として)されていたように思えますが、今回は前営業日に公表となっていまして、ふーんという感じですのでメモメモということです。
・なんかどこかで聞いたような話ですなあ(消費税減税2年打ち切り云々)
まあこれ自体は文春の観測記事ではありますが
https://news.yahoo.co.jp/articles/a516bc7f3367e18277080e5cbfc429cf3d32c1f7
高市首相に振り回される〈財務官僚〉の悲鳴「消費税減税を確実に2年で打ち切る策を練ろうとしている」
2/13(金) 6:12配信
『首相は「2年間の時限措置」と表明したが、28年夏には参院選が控えている。財政規律派の閣僚経験者も「消費税率の引き上げなんて、できるわけがない」と半ばあきらめ顔だ。与野党が参加する社会保障改革の国民会議も近く始まる予定だが、財務省とともに実務を仕切る厚労省でも「消費税減税が常態化すれば、いずれ医療、介護、年金の給付をカットしなければ制度を維持できない」(局長級)と深刻な雰囲気が漂う。』(上記URL先より、以下同様)
ということでまあそうですわなという話ですが、笑えないけど笑ってしまったのはこの部分でして、
『税率8%の食品の消費税収は年間5兆円。財務省内は「2年間で10兆円なら国債発行以外の財源を生み出すこともできる。だが3年、4年と続けるのは無理だ」(中堅)と危機感が大きい。』
あたしゃあねえ、この部分を見ますと思いっきりこれを思い出してしまうんですよ
???「それは是非やれと云われば、初め半年か1年の間は随分暴れてご覧に入れる。然しながら、2年3年となれば、全く確信は持てぬ。」
減税大合唱になっている辺りとかも似ていまして頭がクラクラしますが、まあトラスショック起きるなら状況が悪化する前に小爆発で留められんもんか、という程度には悲観しているというのは拙駄文で10万回位申し上げているのでまあそういうことでorzorz
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