朝のドラめもん
2025/07/04
お題「高田審議委員三重金懇:タカ成分もちょいちょい混じっていますけどね」
決着はついている話ではありますがあらためてイイハナシダナー
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-07-03/SYSPG2T1UM0W00
25年春闘賃上げ34年ぶり高水準、勢い持続で連合の目標達成−最終集計
照喜納明美、横山恵利香
2025年7月3日 16:03 JST 更新日時 2025年7月3日 17:40 JST
→平均賃上げ率は5.25%と2年連続5%台、ベースアップは3.70%
→中小の賃上げ率は4.65%と高水準も目標には届かず、ベア3.49%
#あ、今日は9末越えの3M入札だった・・・・(高田さんの金懇ネタだけで本日は終っております為念)
〇高田審議委員三重金懇はタカとハトが混在している感がありますが・・・・・・
https://www.boj.or.jp/about/press/koen_2025/data/ko250703a1.pdf
わが国の経済・物価情勢と金融政策
三重県金融経済懇談会における挨拶要旨
日本銀行政策委員会審議委員 高田 創
2025年7月3日
・経済の説明が展望レポートベースなのは別に良いんだが結局高田さんはこれに対してどういう見解なのかが分からん
ということで『2. 経済・物価情勢』を見ますが、
『経済・物価情勢です。海外経済は、各国の通商政策等の影響を受けて一部に弱めの動きもみられますが、総じてみれば緩やかに成長しています。今年4月に改訂されたIMFの世界経済見通しは、米国の関税政策の影響を大きく受ける見通しとなっており、一段の下振れリスクも指摘されています(図表1)。』
でまあそのIMFの見通しに丸乗りしたのが日銀の4月展望レポートでしたが、
『ただし、関税政策の影響が懸念される米国経済について、最近の経済指標――ハードデータ――からはなお緩やかに成長している姿も窺われます。』
となっていまして、
『1月FOMC以降、政策金利は据え置かれていますが、FRBは再び利下げに転じるとの市場参加者の見方もみられます(図表2)。先行きについても、家計・企業・金融機関はバランスシートが健全であることなどから、従来、景気悪化局面でみられた信用収縮に伴う急激な落ち込みは想定され難いと捉えており、私としては、深刻な景気後退というよりは、消費者マインド低迷の影響などから、潜在成長率を下回る成長率への減速を見込んでいました。』
あらそうなんですか。
『ただし、この減速は、米政権の政策に起因するだけに、上下双方向に不確実性は極めて高い点を念頭に置く必要があります。現時点では堅調であっても、関税への不安が長引けば長引くほど、不確実性の高まりから経済への下押し圧力は高まると考えられ、時間軸のなかで慎重に見極める必要があります。』
『他方で、後段で改めてお話ししたいと思いますが、新政権発足後、経済成長にマイナスに働く関税等の政策が先行しており、今後、減税等の成長にプラスの政策が進められた場合、成長率の上振れもあり得ると考えています。また、海外では、欧米、中国、新興国で押しなべて、財政金融政策が同時に緩和方向に傾き、世界中のベクトルが揃うことで、合成されて予想以上の経済押し上げ・インフレ圧力が生じる可能性にも留意したいと思います。』
という上振れの話はしているんですけど、まあ後に出てくる金融政策の話をみていると、威勢の良い事言ってるけど結局経済先行き不透明ガーで地蔵って感じなのは否めません。
『こうした米国の関税政策の影響は、海外経済の減速や、わが国企業の収益の減少とそれに伴う賃上げの減速、不確実性の高まりによる企業・家計の支出の先送りなどの経路を通じてわが国経済を下押しすると考えられ、4月展望レポートでは、1月対比で成長率・物価見通しとも下方修正しています(図表3)。』
でもって聞きたいのは高田さんがこのベースラインシナリオに対してどう思っているか、なのでございますけれども、
『ただし、足もと、日本の企業部門では、企業収益の改善傾向が続いており、2025年の春季労使交渉でも、連合の第6回集計時点で、高水準の賃上げ率が実現しています(図表4)。家計部門では、個人消費は、物価上昇の影響などから消費者マインドに弱さがみられるものの、雇用者所得の改善を背景に緩やかな増加基調を維持しています(図表5)。コメなどの食料品価格上昇で足もとの物価上昇率は高まっていますが(図表6)、先行き、輸入物価の下落等に伴う物価上昇の落ちつきに加え、賃金上昇率の高まりを背景に、先行して上昇した物価を賃金が追いかけるかたちで、個人消費も緩やかな増加を続けると期待されます。』
という説明はしているのですが、結局のところ「じゃあ高田さんのご意見は」ってのが見えて来ない訳ですわな。(ちなみにこの金懇挨拶の原稿も半角英数がテキスト認識されない謎事象が発生しておりますが、会見の方は半角英数認識されているからちょっとPDFのプロパティみたらPDF変換ソフト金懇テキストと就任会見で別の使っていますね〜)
・基調的物価とかいうお気持ち物価ェ・・・・・・・・・・・・
でもって物価の話なんですけど、
『また、物価の基調をみるうえで、様々な主体の中長期的な予想物価上昇率をみると、着実な底上げが継続しています(図表7)。』
ってのが一発目にあります。さらに、
『加えて、国内のインフレ圧力を示すGDPデフレーターをみると、これまでユニット・プロフィット(UP)等が伸びの中心でしたが、
年以降は賃金上昇を背景にユニット・レーバー・コスト(ULC)の寄与が高まり、UPとULCがバランスよく伸びる姿に近付き、物価上昇が輸入物価要因だけでなく国内要因による上昇、いよいよホームメード化する兆しが生じています。』
いよいよじゃなくてとっくの昔にホームメードインフレじゃろとアタクシは思う訳ですが、まあそれは兎も角として、高田さんの言う基調的物価、というのが図表7ということで本文の巻末になりますけれども、
『図表7 日本の物価関連指標
合成予想物価上昇率
GDPデフレータ―』
ってなっている訳ですな。ではここで直近の政策委員の皆様における基調的物価に関する講演等での言及を確認しますと、
田村審議委員金懇の図表だと
https://www.boj.or.jp/about/press/koen_2025/data/ko250625a2.pdf
図表5 消費者物価(前月比・年率)
(季節調整済前月比、年率換算、%)
図表6 消費者物価(家賃・公共サービス)
図表7 消費者物価(生鮮食品・その他食料)
図表8 予想物価上昇率
この辺りが「最近私が注目している指標」として挙げられていまして、一方で植田総裁が6月の内外情勢調査会で講演を行っていた時に言及していたのは、
植田総裁の内外情勢調査会講演での図表
https://www.boj.or.jp/about/press/koen_2025/data/ko250603a2.pdf
図表7 基調的な物価上昇率に関連する指標
@価格変動の大きい品目を控除した物価指標
CPI(除く生鮮食品)
CPI(除く生鮮食品・エネルギー)
CPI(刈込平均値)
CPI(加重中央値)
CPI(最頻値)
A賃金変動を反映しやすい指標
CPI(低変動品目)
CPI(サービス)のトレンド
B中長期の予想物価上昇率
合成予想物価上昇率(10年後)
C経済モデルから推計された指標
モデル@:フィリップス曲線の切片
モデルA:時変VARモデル
モデルB:準構造モデル
と散々出していましたが、その前の金研国際コンファランスでの挨拶では「(ここでは、予想物価上昇率を基調的な物価上昇率の近似として用いています)」とか言って説明をぶっ放しておりましたわな。
・・・・・・・ということでですな、これは別に高田っちがどうのこうのの話じゃなくなってしまいましたけど、そもそもこの「基調的物価」ってのを説明する際に説明する人によって別々のものがホイホイと出てくるという状況なのってそもそも論として「インフレーションターゲット」をしているのにその数字の定義自体がフラフラなのって政策運営としてロジカルに成り立つもんなんですか、というツッコミをしたくなる訳でございまして、7月展望レポートでもっとこの「基調的物価」を深堀していただきたいもんだ、とまあそのように思う訳ですな、という悪態でした。
・でもって高田っちは「構造的変化」に言及していまして
話を戻しますと、さっきの続きですが基調的物価に関して高田さんはこのように締めています。
『この点、 年春季労使交渉の賃上げ率が高水準となったことは、こうした傾向が継続する可能性を示唆します。』
さらに次のパラグラフでは、
『人手不足を背景とした供給制約――言わば「人手不足経済」への転換――のもとで、企業の賃金・価格設定行動には積極的な動きがみられており、少なくともこうした国内の動向をみる限り、私としては、「物価安定の目標」実現が目前に迫りつつある局面と捉えています。』
実現が目前なのに短期政策金利0.5%は不味くないですか高田さん、というお話なのですが、
・構造変化が生じているという認識なのですがベースにハトハトおじさんが表れてしまうのですな
『このシナリオは、4月に公表された相互関税後も大筋では変わらないと想定していますが、漸く「物価安定の目標」への動きが生じてきたなかで、このモメンタムに米国による関税政策が水を差さないか注視したいと思います。』
さっきは構造変化を踏まえつつ「目前に迫りつつある」と言ってたのに関税政策一発でその構造変化が台無しになる恐れがある、という説明ですね。
まあこの部分が植田日銀ハトハトチキンの真骨頂と結局同じなところが高田さんの説明の惜しい所でございまして、「人手不足を背景とした供給制約」ってのが構造的な変化として生じているのであれば、多少の循環的な経済の下押しでその構造が壊れる訳ねえだろ、とこちとら思うのですけれども、この点について植田日銀大本営は「いやもう景気が減速したら折角進んできた構造変化がボキッと折れてしまう」懸念を過去のディスインフレ経済のイメージを引っ張りすぎている結果として、過剰な懸念を持っていて、(というのはワシの個人的見解なのでまあ異論は認める)そのために構造変化を過小評価しているんじゃないか、とワシは思う訳でして、何でそう思うかと言えば、何とかストの皆様やら日銀やらがニアータームの物価見通しを最近ずーっと同じ方向に外し続けていることが、まさに「前提の変化」を示しているんじゃないの、ってことな訳です。
でもって、高田さんも構造変化は認めつつも、上記のように「米国の関税政策一発で元に戻る懸念」を示しておりますので、まあ現状抜刀斎コースとハトハトチキンの間で揺れているって感じじゃないでしょうか、とは思いました。
なお、日銀大本営のハトハトチキン方式の場合、マジのマジで構造変化が起きている場合、変化への対応がどっからどう見ても大いなるビハインドになる(短期政策金利がこんなにクソ低いのを放置した場合は特に)ので、途中をすっ飛ばして2%よりも高めのインフレが定着(イメージとしては経済低迷しながらインフレは高かった過去の英国のもうちょっとマイルドバージョンかな)するということになるんだよなーというのが大予想です。
とまあそういう訳ですので、今の部分の続きが、
『その際、関税政策のわが国経済への波及経路を考えると、次の4点でマイナスの影響が現れないかに注目する必要があると思います。』
ってなっていて、
『具体的には、第1に、不確実性の高まりからの設備投資の下振れがあるか。』
『第2に、米国の関税政策に起因した世界経済の減速を背景とする輸出下振れがないか。』
『第3に、企業収益の低下から 年に向けた賃上げの動きが抑制されるとともに、販売価格も抑制する動きが生じないか。』
『さらに、第4として、米国の各種政策に伴う思惑から為替円高が進行し、企業収益や輸入物価等を押し下げないか。』
1は直近の短観ではセーフっぽかったですな。3は田村委員も懸念点として挙げているし、
まあそれはそうじゃろと思うのですが、
『私としては、特に、第4の米新政権の政策への期待次第で市場が大きく変動する可能性に留意したいと思っています。』
って話なんですけど円高に振れて輸入物価下がったら実質所得に思いっきりプラスに働いてイイハナシダナーの方になるんじゃないの、と思ったのでこの点をポイントにするのは若干違和感を覚えました。
・金融緩和度合いの調整に言及するも「円高恐怖症」があるから結局ハトハトチキン音頭になりそうですねえ
『3. 最近の金融政策運営』になります。最初のパラは今の政策金利が0.5%ですって話なので飛ばしてその次から参ります。
『先ほど述べたように、国内要因をみる限り「物価安定の目標」実現が目前に迫りつつあるなかで、特に短期の実質金利は大幅なマイナスとなっており緩和的な金融環境は継続しています(図表8)。こうしたもと、私としては、堅調な設備投資や賃上げ、価格転嫁の継続など「前向きな企業行動」の持続性が確認されていけば、その都度、もう一段のギアシフト――金融緩和度合いの更なる調整――を進めることが引き続き必要だと考えています。』
ギアシフトっていうと加速するみたいなイメージになるから何かもうちょっと言い方変えた方が誤解を招きにくいと思うのですが・・・・・
というのはさておきますけど、構造変化の持続性が確認できた時には「緩和度合いの調整」じゃなくてそれはもう中立金利に持って行っておかないと過剰な金融緩和による好ましくないインフレ上振れにつながるんじゃないですか、と申し上げたいですな。まあこの言い方自体はいつもの高田っちではありますが。
『もっとも、関税政策による影響で米国経済の減速が見込まれるもと、内外の異なる景気サイクルを背景とする金融政策のスタンスの違いで、為替を中心とする金融市場に大きな変動が及ぶリスクへの注視も引き続き重要です。』
さっきの部分で「為替円高に注意」と言っててナンジャソラと思いましたが、こちらでもうちょっと露骨に為替円高警戒をしておりまして、この「為替円高警戒スタンス」ってのがハトハトチキン音頭に繋がる、というか盛大なる推測なんですけど、たぶん植田さんのハトハト音頭成分の半分以上は高田っちと同様に「為替円高恐怖症」からきているんじゃないかとアタクシは妄想していますので、そういう妄想をベースにしますと、この高田さんの「円高懸念」表明ってのは、やっぱり根っこの部分でハトハトチキン音頭になるんだなあ、と思ってしまう訳ですよ。
以下円高怖いよ音頭が展開されます。
『実際、1970年代の変動相場制への移行後、今次局面を除いた日本銀行の過去5回の利上げ局面を振り返ると、米国の利下げ後に、日本も利下げに転じていました。今後、FRBが利下げを再開する場合には、こうした観点で日本銀行の金融政策の自由度が低下する可能性も考えられます。』
米国が利下げすると為替円高が怖いので利上げするのがコワイヨー、というのが何ともかんともですが、
『ただし、先に述べたように米国の深刻な景気後退が想定され難いもとでは、
2000年頃のITバブル崩壊後や2000年代後半の世界金融危機後とは異なり、足もとは利上げの一旦休止局面であって一定期間の様子見の後、再びギアシフトを続けていく状況だと評価しています。』
『米国では相互関税賦課に伴いインフレ率が反転上昇する観測も根強く、利下げの可能性は低下する傾向にあるだけに、夏場にかけてのFRBの動向に注目です。』
いやーーーーーうーーーーーんって感じですが、だったら何でもっと早く利上げ進めなかったのよってお話ではあります。
・過度に悲観に振れないように云々は高田さんでしたか
でもってこの次ですが、
『なお、米国の各種政策にかかる不確実性が引き続き高いだけに、経済の下押し圧力が強まった場合の対応だけではなく、米国の政策転換次第では機動的に利上げへ回帰する可能性も考えられるため、私としては、過度な悲観に陥ることを排し、自由度を高めた柔軟な金融政策運営が求められていると認識しています。』
主な意見にあった「過度な悲観」云々ってのは高田さんだったんですか、ただし、
『同様に、漸く迫ってきた「物価安定の目標」実現への動きを維持すべく、企業や家計の行動が過度に悲観に振れないよう、日本銀行として緩和的な金融環境の継続でサポートしていく姿勢も必要と考えています。』
って言ってて、結局緩和が必要って認識でして、国内でホームメードインフレが上振れたら面倒なことになりゃしませんかねえ、という辺りに関しては特に問題意識は無い模様ですし、結局為替かよって話なので、根っこの部分hではハトハトチキンちゃんですな、というお話になろうかと思います。
・国債買入の話ですが市場配慮とか言ってるのは実に情けない(過激派の感想です)
その次が国債買入の話ですが、まあこのくだりに関しては盛大にダメ出しですな、というアタクシは過激派。
『また、6月会合では、市場参加者の方々のご意見も参考にさせていただいたうえで、長期国債買入れの減額計画の中間評価を行い、今後、これまでと同じ毎四半期
4000億円程度の減額を 2026年1〜3月まで続けることとしました(図表9)。また、その後も毎四半期
億2000円程度ずつ減額し、 2027年1〜3月に2兆円程度とすることとしています。』
これは決定事項。
『こうした措置は、国債買入れの減額を行うことによる市場の正常化、市場機能の改善を意図したものです。』
バランスシート規模の是正って話をしないのはなんでなんでしょうかねえ・・・・・・・・
『4月の内外の債券市場変動時以降、超長期金利が大幅に上昇し、超長期ゾーンに市場分断が生じたほか、スワップスプレッドの急拡大など市場間の相関も崩れる事態が生じました(図表
)。イールドカーブ上、局所的にリスクプレミアムが高まり、直近5月の債券市場サーベイでは市場機能度が大きく低下するに至っています。』
って言うんですけど、それこそ戦後始まった長短分離政策と金融規制の時代から、金利の世界って参加者による分断があるので、なんか今になって急に市場分断が起きたみたいな言い方しているのは違和感があります。
というか、黒田緩和によるQQEだのマイナス金利だのYCCだのによって超長期以外の金利の世界が全部焼き払われてしまったからしょうがなく超長期方面に難民として追いやられていただけの話で、焼き払われていた故郷が復興してきたら難民の皆さん本来の巣に帰るわけですし、そもそも金融業態自体が調達運用構造が業態によっても参加者によっても違うんだからメインで参加する市場だって皆さん違うので市場分断ガーとかいうのも話がおかしいんですよね。
まあそんな悪態はさておきまして。
『以上の背景には、生保の超長期債ニーズが限界的になっているほか、市場変動を受けて業者がマーケットメイクしにくくなっているとの声も聞かれています。従って、今後、市場全体としての機能度の改善を念頭に、年限別の需給動向や流動性も踏まえたうえで、国債買入れの減額を進めていく必要があると思っています。』
と言ってるのが市場に対する過保護な訳でして(なおワイの意見は多分市場の中心から見たら過激派寄りだと思いますのでお間違えの無いように念のため申し添えます)、そんなことやってたら何時まで経っても市場が当局依存になりますし、それこそ財政リスクへの市場からの警告というトランプですらそれにビビるという市場による経済財政政策への規律付け、がいつまでたっても機能しなくなる訳でして、特に財政ポジションがクソのように悪いジャパンにとって、市場による規律付けの復活は急務としか言いようが無い(繰り返し申し上げますが市場の中心から見たら原理主義的過激派って扱いだと思います)のですが、まあ「市場にお詳しい」高田さんまでこう言ってしまう時点で色々とオワ終わりなものを感じてしょんぼりしちゃいますなという所ではあります。
・節子、その理屈は思いっきり「中銀は財政ファイナンスをやっています」って説明や
さらに話は続きますが小見出しの時点でお察しのように、
『日本銀行の買入れ減額は、「長期金利は金融市場において形成されることが基本」としたうえで、国債買入れは「国債市場の安定に配慮するための柔軟性を確保しつつ、予見可能な形で減額していく」としています。』
この次がもうどこからどう見ても財政ファイナンスでこれは故ロバート・ムガベ大統領も天国から微笑みます。
『私としては、これまでの日本銀行の国債買入れは、国債保有を増やすことで市場における国債の量を抑制する効果を持っていたと考えています。』
『一方、買入れ減額はこれまで日本銀行が買入れていた額の一部が市場に供給され、事実上、市場における国債の量が増加することになります。』
『この点を踏まえれば、今次局面は過去と比べて有数の市中への大量国債供給局面とも考えられます。』
どう見ても財政ファイナンスです本当にありがとうございました。
『図表11 は、「ネット発行額」として、これまで発行された国債の残高前年差の推移を示します。これから、日本銀行が行ってきた国債買入れを勘案して、「市中残高」として、事実上、市場に供給される国債の前年差が示され、国債買入れ減額の影響もここに表れます。昨年から始まった買入れの減額に伴い、市中への国債供給は増加し、
2025年度末で2000年代以降における国債市中残高の前年差のピークに匹敵する状況となることがわかります。そのため、国債が市場に供給されることに伴う不安定性を回避するためにも、減額幅の調整や市場の受容状況の見極めが必要と考えています。』
この理屈ってもはや高橋財政が破綻に向かっている時と変わらんじゃろと思う訳でして、その意味で今回2026年4月からの国債買入減額速度を落としているってのはかなり由々しき事態だとワイは思うんですよね(もともと減額速度が遅いわと思っているのに更に遅くするとか言語道断、という過激派思想ですがまああくまでも個人の感想なので)。
・正常化の過程での金利上昇を「意図せざる引き締め」呼ばわりするのでハトハトチキン
さらにこのコーナー最後のパラグラフですが。
『なお、超長期ゾーンのリスクプレミアム上昇は、ボラティリティの変動がイールドカーブ全体に波及し市場機能の低下に繋がりやすいため、その結果、意図せざる金融引き締め効果が幅広く市場に伝播するリスクも生じえます。』
いやそれそもそもQQEだのマイナス金利だのYCCだので過剰にリスクプレミアムを日銀が無くしたことの反動なんだから正常化の過程で甘受すべき話だろ何言ってるんだよという話で、
『また、安定した国債市場におけるリスクフリーのイールドカーブの形成は、日本の金融インフラを支えるものでもあります。』
と思うなら何で巨額の買入続けるんですか???・
『日本銀行による国債買入れの減額が財政に対する配慮ではないことは言うまでもありませんが、先ほど述べたように、事実上、市場に国債を供給する効果が生じるだけに、市場全体としての機能度の改善の観点から、当局間で十分に意見交換し、市場の安定に努めていく必要もあると考えております。』
結果として財政ファイナンスをしていますってのを認めているのはまあ潔いです。
『この 1年を振り返り、超長期ゾーンの投資ニーズの減退等、当初の想定外の市場構造変化もあっただけに、今後も、1年後に改めて中間評価を行って状況に応じた見直しも必要と考えます。』
っていうことで、まあ裏を返せばあの高田さんですらこういう説明になってしまう。ってくらい日銀のバランスシート問題っていうのは深刻で、深刻過ぎるから誰も正面切ってバランスシートの問題を言わない、どころか金融学会で内田副総裁は堂々と「金利政策と関係なくバランスシート政策ができる」とかリアルバーナンキの背理法が可能な屁理屈をぶち込んできている、というのが滅茶滅茶恐ろしいお話だなあ、と原理主義者で過激派で杞憂民のワイは思いました。
なお、以下の部分ですがいつも高田さんそっちの話が多分思い入れあるんでしょうけど残念ながら以下割愛します、まあいつも割愛していますのでワイ的理由はお察しください。
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