朝のドラめもん
2026/03/18
お題「短国レートが微妙に上昇しております/外貨調達リスクの問題はやっぱりブラックボックスがあって当局も把握しきれてませんねえ」
おやおやまあまあ
https://jp.reuters.com/world/security/RYSZGDJWENL6TIIIKNNMOHPUQQ-2026-03-17/
米テロ対策トップ辞任、イラン戦争支持できず 「切迫した脅威なし」
ロイター編集
2026年3月17日午後 11:45 GMT+9
しかしまあむちゃくちゃでござりますな
https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2026-03-17/TC1YNIKK3NY900
トランプ氏要求に欧州ついに「ノー」、戦争参加しないと各首脳が明言
・独仏ギリシャの首脳ら、要請を明確に拒否−過去の曖昧さから脱却
・拒否ならNATOに「非常に悪い」結果とトランプ氏、欧州は大きな賭け
Andrea Palasciano、Arne Delfs、Francine Lacqua
2026年3月18日 at 4:19 JST
https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2026-03-17/TC247OT9NJLT00
日本など同盟国の「支援は不要」、ホルムズ対応でトランプ氏不満あらわ
Hadriana Lowenkron
2026年3月18日 at 4:22 JST
〇3M以降の短国レートが地味に上昇している件について
昨日の1年短国
https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20260317.htm
国庫短期証券(第1369回)の入札結果
『本日実施した国庫短期証券(第1369回)の価格競争入札及び国債市場特別参加者・第T非価格競争入札について、下記のように募入の決定を行いました。
記
1.名称及び記号 国庫短期証券(第1369回)
2.発行根拠法律及びその条項
財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律(平成24年法律第101号)第3条第1項及び特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第46条第1項』
ということで今回も一部が特例公債で発行されていますわ。ちなみに先月債はこの他にCT債も発行根拠法になっていましたが、毎度思うのですがなんで「1年短国2月債」だけCT要素が入るのでしょうか・・・・
『3.発行日 令和8年3月23日
4.償還期限 令和9年3月23日
5.価格競争入札について
(1)応募額 8兆1,020億円
(2)募入決定額 2兆4,195億8,000万円
(3)募入最低価格 98円94銭7厘
(募入最高利回り) (1.0642%)
(4)募入最低価格における案分比率 43.8490%
(5)募入平均価格 98円95銭6厘
(募入平均利回り) (1.0550%)』
ということで1年短国ちゃんですが1.055%/1.064%ということで、前日のWI引けがその前からは甘くされたとは言え1.035%でナンノコッチャという水準でしたが、WIからは抜けてお安くなった入札となりました、とは言っても4月利上げを前提にすると後半の換算利回りが足切り水準からスタートしても1.100%になるので、7月会合でもう一発利上げだとすると後半1.14%で「次の次」には耐えられないのですが、10月会合だとすれば辛うじて後半1.23%水準になるので、4月10月利上げならばなんとか耐えるのですが、という微妙な水準にはなったという結果に。
ただまあ後述しますけど売参ちゃんを見ますと引けは1.065%の方にはサヤ寄せされていないので、そのくらいの織り込みまで入っているなら買いも入るんですかねえ、知らんけど。
でもって今日は変則日程なので水曜ですが3Mの入札がございましてですけど、ここで売買参考統計値を確認しますと・・・・・・
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html
(3/17引値)
国庫短期証券1364 2026/05/25 平均値単利 0.779
国庫短期証券1365 2026/06/01 平均値単利 0.780
国庫短期証券1366 2026/06/08 平均値単利 0.790
国庫短期証券1349 2026/06/10 平均値単利 0.790
国庫短期証券1368 2026/06/15 平均値単利 0.800←カレント3M
国庫短期証券1313 2026/06/22 平均値単利 0.780
国庫短期証券1370 2026/06/22 平均値単利 0.800←今日入札の新発3MWI
(3/16引値)
国庫短期証券1364 2026/05/25 平均値単利 0.770
国庫短期証券1365 2026/06/01 平均値単利 0.770
国庫短期証券1366 2026/06/08 平均値単利 0.790←前回債
国庫短期証券1349 2026/06/10 平均値単利 0.790
国庫短期証券1368 2026/06/15 平均値単利 0.790←カレント3M
国庫短期証券1313 2026/06/22 平均値単利 0.780
国庫短期証券1370 2026/06/22 平均値単利 0.800←今日入札の新発3MWI
(昨日磔刑に失敗して1364を2個貼ってましたね、すいませんすいません)
・・・・ということで、入札のあと足切り水準で売参を引かせていたカレント3Mちゃんですが、昨日も引けの気配が甘くされまして遂に夢の0.80%乗せとなりまして、何せこの銘柄6/15償還ですから、4月利上げが無かったら丸儲けレート(もともと丸儲けレートではありますが)という夢の金利に!・・・・などというと煽りにも程がある訳で、これ4月利上げだとします今日のレギュラー私の3/19スタート6/15エンドだとして期間利回り80bpですと、前半が0.75%だと思いますと後半は0.845%ですし、まあ期近の短国なので付利よりも5bp程度は強いということでオマケして手前を0.70%にしたとて後半は0.891%なので付利から10個強いレートになってしまいまして、4月利上げの織り込みは足りない、という水準になっておられる次第でして、手前の金利水準と後半の金利水準のクオリファイレートをいくらでみるのか(付利で見るのが本来の姿ですけど短国アウトライト自体がそもそも付利より金利低いのでそれで考える説もある一方で、短国の現先レポレートは付利近辺だし、みたいな感じで難しいのだ)によりますけど、単純に付利水準だと思った場合に昨日の引けの0.80%水準ってカレント銘柄で言えば4割の利上げ織り込みになっておられるという感じですかね、知らんけど。
とまあそんな状況なので、おそらくはカレントの方がまだそれなりに残っている状況の中で今日入札を迎える3Mって事になりますが、こちらはWI引値が0.800%(同じ償還の1年短国の成れの果てとレートが違うのはご愛嬌)となっていますけれども、はてさてこちらの入札はどう転ぶのかという所ではありまする。まあ上記のように現状のカレントの0.80%ってのも4月利上げの織り込みがこれでエエンカという面は多々ある上に、テナーが7日間延びるのでカレントと並びだとちょっとねえとは思いますが、はてさてどうなるのやらと言ったところではあります。
あとちなみに短国1年新発債の方ですが、
国庫短期証券1369 2027/03/23 平均値単利 1.055
ということで、入札レベルがさきほどの通りで1.055%/1.064%でしたので、平均落札の方に収斂された利回りになっておられますが、単純な短期金利の足し算ベースだと微妙な水準な中でこの新発そんなにニーズあるのかしらというのも観察できればとは思う所であります。なおついえdに申し上げますと、1年短国になってくると実際問題としては短期金利の足し算での買いが来る来ないというよりはスワップ市場などとの裁定がワークするかどうか次第だとは思いますが、ただまあベースとして短期金利の1年になると微妙だけど6Mから手前の金利って本来は期中の短期金利の足し算(短期金利の定積分と言った方が頭が良さそうですねwww)をベースにしてベースレートを考えて、そこに流動性リスクプレミアム乗っけてみたり、期末越えプレミアム乗っけてみたり、国債というモノのプレミアム乗っけてみたり(クレジット物ならクレジットスプレッドも)しながらレートを考える、というのを金利がちゃんとあって何となく短期金利が動くような時代には皆さんやっていましたので(ウン十年前の話だがw)、そういう地味な計算をひたすら垂れ流すおじさんと化している訳ですな。はい。
まあしかし常に「織り込み過小」から始まってしまっているのが今次局面の残念なところで、短期のキャッシュってマネーポジションの人じゃない限りショートからは入りにくい(デリバは別ですけど)ので、まあ今みたいな金余りだとなかなか「織り込み過大」とはなりにくいんでしょうけど、そこが昔とはだいぶ違うなという風に思ったりしますです、はい。
〇BISが外貨調達の流動性管理に関してペーパーを出しておりますな
https://www.boj.or.jp/paym/intlact_pm/cgfs/cgfs260313a.htm
BISグローバル金融システム委員会報告書「外貨調達リスクとクロスボーダー流動性」の公表について
2026年3月13日
日本銀行
『BISグローバル金融システム委員会(Committee on the Global Financial System
<CGFS>)は、3月12日、以下の文書を公表しました。
Foreign currency funding risk and cross-border liquidity
(外貨調達リスクとクロスボーダー流動性)』
ということで要旨部分の日銀仮訳を拝読しますが、
https://www.boj.or.jp/paym/intlact_pm/cgfs/data/cgfs260313a.pdf
報告書要旨(Executive Summary)の和訳
グローバル金融システム委員会報告書
「外貨調達リスクとクロスボーダー流動性」
要旨(日本銀行仮訳)
『外貨資金不足は、金融ストレスを引き起こす主な要因であり、資金調達市場が毀損する場合に顕在化し、金融機関の流動性の高い資産(liquid
claims)と流出しやすい資金調達(flighty funding)の間にミスマッチが存在する場合に悪化する。』
さいですな。
『外貨資金不足に直面した金融機関の機能維持は、グループ内の流動性移転の余地と、最後の手段としての中銀流動性ファシリティへのアクセスにかかっている。』
ということで、
『外貨調達リスクに対するエクスポージャーの継続的なモニタリングと当該リスクを低減するメカニズムは、システミックな悪影響を回避するために不可欠である。』
って話になりますが、まあこの辺の議論は(金融機関の規模とクロスボーダー取引の規模がクッソデカくなったからというのはありますけど)ここ20年30年のスパンで考えてみますと隔世の感どころの騒ぎじゃない位に緻密になったなあとは思います。昔は基本的に個別エンティティのチョンボの話で留まっていた面が強いですからねえ。
『本報告書は、外貨調達リスクとクロスボーダー流動性に関するグローバル金融システム委員会(CGFS)作業部会の分析結果を示す。本分析は、米ドル、ユーロ、日本円、英国ポンド、スイスフランの主要
5 通貨に焦点を当てている。前半は、入手可能なデータから金融機関の外貨資金不足に対するエクスポージャーについて検証する。後半は、外部の民間外貨資金調達市場へのアクセスが毀損された場合の、同一金融機関グループ内のクロスボーダー送金(内部市場)の頑健性を検討する。』
『さらに、外貨資金不足に直面する金融機関エンティティに対する最後の手段としての中銀流動性支援について議論する。』
なるほど。でまあちょこちょこ飛ばしながら読みますけど・・・・・
『通貨間の比較を可能とする全てのデータセットと指標は、外貨エクスポージャーにおける米ドルの中心性を裏付けている。ユーロが主要な外貨である欧州の小規模開放経済を除き、米ドルは今回調査した法域・金融システムにおける主要な外貨エクスポージャーであり、銀行は積極的に米ドルエクスポージャーを管理していることが窺われる。』
ということで、外貨エクスポージャー管理=ドル管理(主に銀行業態の話のようです)なんですな、ふむふむ。
『連結ベースでみた場合に得られた主な知見は、銀行グループは、外貨の多くを当該通貨の発行法域ではなく本店で集中管理しているという点である。金融機関の本店が所在する国以外で事業を行う当該金融機関の関連エンティティは、当該金融機関グループの内部資本市場を通じて外貨を調達する傾向がある。』
まあそりゃそうでしょうなあというお話。
『金融機関における外貨資金不足の可能性は、資金調達やヘッジ取引の相手先が減少する場合への備えとして、流動性の高い資産を保有することの重要性を示す。本作業部会が関連するデータを入手した法域の銀行システムでは、一般的に安定性が高いとされる非金融企業の預金が外貨調達の中心であるが、一部の法域ではNBFIs
等からのノンコア調達も重要な資金源となっている。ノンコア調達は一般的に流出しやすい傾向があるため、ノンコア調達で調達した資金の一部またはそれを上回る同一通貨の資産を保有することが考えられるが、これらの外貨資産の流動性は銀行によって異なる。』
というのが続いていまして、NBFIキタコレという話ですが、NBFIって(特に短期金融市場において)調達運用のミスマッチの面でも色々と言われますけれども、ついでに流動性供給部分の方でも目をつけられておりますなあと思ってしまいました笑。
でまあその点についてもちょっと先の方で、
『NBFI セクターは、銀行の外貨調達源としての役割を果たすことに加え、業種別にばらつきはあるものの、自らも外貨調達リスクにさらされうる。入手可能なデータによると、資産運用会社や年金基金によるオフショア投資は多額であり、外貨エクスポージャーが通常生じる。一方、国際的に活動する大規模な保険会社は、バランスシート上の外貨ポジションが小さい傾向がある。』
法域によって色々と異なっては来るのですが、レバレッジ型のファンドとかですとファンディングで突如詰むというのは毎度のように発生する事象ではあるので槍玉に上がるわなあとは思います。
『後半部分では、外部の民間資金調達市場へのアクセスが毀損された場合の外貨資金不足を緩和する手段に焦点を当てている。ここでは、作業部会メンバーに対して実施したサーベイの回答をもとに、銀行の内部資本市場と中銀の外貨流動性ファシリティに対するありうべき障害について整理している。また、銀行の外貨調達リスクを低減するための当局によるプルーデンス面での対応についても整理している。』
ということですがその辺はかっ飛ばしまして(「銀行の内部資本市場と中銀の外貨流動性ファシリティに対するありうべき障害」に相当します)最終部分までワープしますと、
『本報告書の調査結果は、主に 2 つの重要な示唆を強調している。』
ということでですね、
『第一に、外貨調達リスクやその影響を軽減するための当局の継続的な取り組みには大きな意義がある。こうした取り組みには、モニタリングツールの改善や、ストレス時におけるグループ内部の送金の頑健性強化等が含まれ、また適切な場合には、ストレステストへの外貨調達リスクの組み込みや通貨別の流動性要件の賦課等も含まれうる。当局は、こうした取り組みを通じ、銀行による外貨調達リスクの厳格な管理を促している。』
ということで別に今急に始まった話ではないでしょうけれども、外貨調達の問題は相変わらず重要テーマ扱いされていますね、って事ですな。
『国際協調とクロスボーダーでの危機への備えは、重要な点でこれらを補完する。究極的には、中銀による効果的な支援は、モラルハザードの防止に留意したうえでの、銀行による利用可能な中銀流動性ファシリティへのアクセスにかかる備えにかかっている。』
まあそうなんですがこの「モラルハザードの防止に留意」が難しいのよねという話で、GFC(リーマン)前だとこの点はバジョット・ルールに則った仕組みの設計で防止していた面があるのですが、バジョット的な駆け込み寺に駆け込むことはスティグマ問題を発生させてどうのこうの、というのがリーマンショックの時に顕在化しまして、その結果今度はモラルハザード問題発生するじゃろそれはみたいな設計に傾くような感じもありましたが、こうやってモラルハザード抑制を出されますとちょっと安心します。
『第二に、データギャップやデータの不完全さにより、外貨調達リスクに対するエクスポージャーの地理的な把握は不完全なものとならざるを得なかった。最も重要なデータギャップは、外貨資産と負債のマチュリティ、外貨資産の流動性、為替デリバティブの利用状況に関連するものであるが、これらのデータの中には、当該データが国レベルで収集されていないものもあれば、情報の秘匿性のため本作業部会でのデータ共有に制約が生じたものもある。』
『また、本来、資金調達リスクはエンティティレベルの概念であるが、同様の制約により、本作業部会の分析の大部分は国レベルの集計データを用いて実施した。既存の国際協力枠組みの活用等により、データの秘匿性の制約を問題のない形で緩和することは、外貨調達リスクに対するグローバルエクスポージャーのさらなる把握を支援する。』
ということになると実務的にはなんかまた報告増えそうな悪寒がしますが、まあそういう状況な訳で自国通貨の場合は自国中銀が把握できるけど、クロスボーダーの部分になるとブラックボックスが結構あって、この中のパンドラの箱がうっかり開く、というリスクは常に内包しているのですな、というのを改めて認識しましたってことで。
本編はこちらだが当然読んでません笑
ご紹介
https://www.bis.org/publ/cgfs71.htm
Foreign currency funding risk and cross-border liquidity
Report prepared by a CGFS Working Group co-chaired by Stephanie Curcuru (Federal Reserve Board) and Antoine Martin (Swiss National Bank)
全文
https://www.bis.org/publ/cgfs71.pdf
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