相場見通しのつもりだが・・・たぶん後講釈(2024年10月〜2024年12月)
こちらはあまり当らない相場見通しやら相場後講釈やらを書いております。短期がクソ動かなくなって出稼ぎに出ていたりしていたのでしばらくは色々な相場ネタ書いてましたが、最近は短期が色々とネタが多いので短期ネタが多くなっているかな〜。ただまあ板に張り付いている訳ではないのでピンボケになる場合があるのと、そもそも短期って相対の世界で取引実態が闇鍋だったりするので書き物にするのも色々と配慮をしないといけないのでその辺はご理解いただきたく存じます。
PCを最近型のにしましてログの整理もサクサクできるようになったので徐々に追いついていきます。直近分を追加しながら徐々に遡及していきますね(滝汗)
過去の後講釈ページへのインデックスはこちらです
2024年度下期前半見出し一覧
2024/12/12「貸増残高減少もまだ77兆円・・・・/交付税特会1年のレートは1月のあとは9月までに利上げがあることを織り込みとな」
2024/12/10「新発6Mは足切りが30bp水準に上昇」
2024/12/09「新発3Mは前週と同様で入札はWIより弱いが引けで持ち直す」
2024/12/06「中村審議委員会見発言でまたも往復ビンタ/3MWIは0.155%」
2024/12/04「債券市場サーベイは5月と比較すると改善はしているけどイマイチかなあ/10年366で減額措置2000億円」
2024/12/03「両論併記の情報発信で12月利上げ観測高まって墓穴コミュニケーション(1年短国のレートも上昇)」
2024/12/02「短国入札はWIより弱いが引けは0.125%/GC低下は月末要因/補正で短国増発/植田総裁日経インタビューは先物下げ」
2024/11/29「短国3mWIは0.125%/月末のレポレートは低いですね/補完供給で次のCTDが減額措置か?/物国輪番とか」
2024/11/27「交付税特会6Mの足切りが0.50%まで金利上昇/月末GCレート今月も低下/3Mは増発ですかね」
2024/11/26「1年短国金利が上昇して0.46%」
2024/11/25「3M新発は前週より金利低下したが過熱感はないと思う」
2024/11/22「交付税6Mのレートが2日前実施分対比急上昇して12月(足切りベース)1月(平均ベース)の利上げ完全織り込み」
2024/11/21「3Mのあと1年入札もこなして買いも入って短国市場結局3M以下は金利低下と」
2024/11/18「新発3Mは平均13、足切り15も買いが入って11bpの引けに」
2024/11/15「年末越え10bp、3Mカレント13bp、新発WI14bpの引けはちょっと微妙な気がするがまあとにかくレート上昇」
2024/11/14「10年久々に1.04%/3M短国は8bpの引けに金利上昇」
2024/11/13「短国レート全般的に調整中/交付税6Mは1月の利上げをほぼ織り込みレートまで上昇」
2024/11/12「3Mカレント短国が7bpに」
2024/11/11「3M入札久々の足切り5bp(なお発行日はレーバーデー休日)」
2024/11/08「11/1のセカンダリーから若干緩み気味の短国で6M新発が足切り20bpと久々の盛大な上昇(まだ低いけど)」
2024/10/31「案の定ですが末初GCレート(T/N)が急低下」
2024/10/30「短国3Mとか短いところの金利が上昇する一方でGC金利が急低下しています」
2024/10/29「3Mカレントゾーンの金利若干上昇とな」
2024/10/28「3M入札エエカゲンニセエという結果ですが引けでは若干の金利上昇の模様」
2024/10/23「10年GX入札はまたまた普通債対比ディスカウント発行に」
2024/10/21「3M入札さらに金利低下しているんですが発行とか何とかならんのかね」
2024/10/18「1Y短国は0.30%近くになったがよく考えたら金利はクソ低いですよね/3MWIの引けは金利上昇してますが」
2024/10/17「SLFの要件緩和」
2024/10/16「長期金利上がってきましたな」
2024/10/15「3M入札は前週よりも強い結果・・・・短期市場サーベイが出ていますがCPと短国市場は知らんって感じですね」
2024/10/11「3M短国入札だが例によって前日に引値が強くなっております・・・・(実は償還日が米国祝日なのですが)」
2024/10/10「6M短国は5月並みの金利水準に低下・・・・/コール市場残高を確認(半期末波乱なし)」
2024/10/09「短国3M引値はプラテンしたものの特会レートも知らっと低下しており」
2024/10/08「3Mカレント引き続きマイナス引値だし今週から減額なんですよね」
2024/10/07「石破政権利上げ牽制で早速の円安とな/3M短国引値何とマイナスに」
2024/10/04「期初一発目の3M入札は前日のWIで気配レートをちゃっかり下げてくる」
2024/10/01「高市リスクの巻き戻し/TDBアウトライト以外は期末特殊要因無しと/中長期で減額されると少ない感/CP社債買入減額」
2024/12/12
〇貸増(減りました)とか1年特会借入(レートに味わいあり)とか
・貸増ちょっと減りましたが
https://www.boj.or.jp/mopo/measures/mkt_ope/len_b/mope241211a.pdf
貸出増加を支援するための資金供給の実施結果
(2024年12月実施分)
『今回の貸付の概要
貸付予定額 33,838億円
貸付先数 24先』
・・・・・ほうほう。
何せこの貸増ちゃん、前回の9月は
https://www.boj.or.jp/mopo/measures/mkt_ope/len_b/mope240911a.pdf
貸出増加を支援するための資金供給の実施結果
(2024年9月実施分)
『今回の貸付の概要
貸付予定額 121,454億円
貸付先数 23先』
ということで、お前らこれもう固定金利じゃねえんだぞ期中の当預付利と同レートで借入をするいみあるんかい、という結果ではありましたが、何はともあれ12兆円も出やがったのでナンジャソラ状態でしたが、今回は3兆円強になりましたな。
今回のは折り返しの元が
https://www.boj.or.jp/mopo/measures/mkt_ope/len_b/rel201012b.pdf
貸出増加支援資金供給(2020 年 12 月実施分)の実施スケジュール
『貸付日 2020 年 12 月 15 日
返済期日 2024 年 12 月 13 日』
だったのですが、こちらの残高は
https://www.boj.or.jp/mopo/measures/mkt_ope/len_b/rel201211b.pdf
貸出増加を支援するための資金供給の実施結果
(2020 年 12 月実施分)
『今回の貸付の概要
貸付予定額 54,701 億円
貸付先数 49 先』
となっていましたので、一応今回は減ったには減ったのですが、さっきのURL先にありますように、そもそも論としてまだこの貸増77兆円も残高がありやがりまして、前回が78兆円なので結局1兆程度しか減っていないというこの積み上がりよ、という感じです。
もともと金融緩和を強化する措置として実施しているのですから金融緩和を縮小する段階においては貸増も廃止の方向にもっていくのが理屈として妥当な訳で、とっとと止めやがれと言いたいのですが、もはや既得権益の如く生き残っている訳ですな。
まあ一事が万事なのですが、金融緩和を拡大するときに何でもかんでもぶっこむのは脳を空にすれば難しい話ではないのですが、責任ある政策担当者というのはちゃんと将来のことまで考えて設計しろという話でして、金融政策も然りですけれども、極端に現状に最適化しすぎて環境変化が起きたときに何もできなくなる、というのは世の中で色々と転がっているかと思うのですが、日銀とかいう最高の頭脳を集めた叡智の塊みたいな集団で今こうなっているというのがもうジャパンクオリティなんだろうなあと悲しくなります。
まあしかしこれマジで何でこんなもん今更やってるんだと思うのですが、ついこの前多角的レビューシリーズでこんなもんが出てやがってまして、
https://www.boj.or.jp/research/wps_rev/wps_2024/wp24j19.htm
貸出増加支援資金供給が貸出残高に及ぼした影響
お手盛り分析でお手盛り結果出している毎度の物件ですが、貸増もこうやって効果があったことにされていまして、効果があったのはさておき、このオペによって担保需要を高めた結果、金融市場における価格形成に弊害が起きていないのか、というような話はどうせ書いていない(読むのもおぞましいので読んでない)訳でして、まあこんなのが出てくるくらいですから貸増止める気ないな、というのは伝わりました。
・特会借入は1月利上げで考えると次の利上げは7月をやや織り込んでおられるようです
https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/kariire/energy-result241210.htm
エネルギー対策特別会計の借入金の入札結果
『本日、借入金の入札について、下記のように募入の決定を行いました。
記
1.借入根拠法律及びその条項 特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第13条第1項
2.借入日 令和6年12月20日
3.償還期限 令和7年12月22日
4.償還方法 令和7年12月22日に一括償還
5.応募額 3兆1,367億円
6.募入決定額 7,430億円
7.募入最高利率 0.550%
8.募入最高利率における案分比率 30.0000%
9.募入平均利率 0.541%』
滅茶苦茶雑な計算になりますけど、1月利上げとして考えますと、7月会合までの適用金利が0.50%、手前が0.25%だとするとだいたい0.46%が換算レートになるんですな。ということでそれを前提にしますと、7月会合で利上げ(8/1適用)だと思って計算すると、インプライドの8/1〜12/22の金利って0.69%になるんですな、うんうん。(全部足切り基準で計算してます)
ちなみに9月会合で利上げ(9/22適用)だと思って計算するとインプライドの9/22〜12/22の金利が0.82%になるので、この特会利回りは1月に利上げだと思って計算した場合には来年9月の利上げは織り込んだレートになっている、という計算になると思います、アタクシの計算間違ってたらゴメンやでなんですけど。
まあそれ以前の問題として先週の交付税特会6Mが
https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/kariire/kari-result241204.htm
交付税及び譲与税配付金特別会計の借入金の入札結果
12/13〜6/13で0.484%/0.500%になっていて、12月利上げをバチクソ織り込んだレートになっているので、12月利上げを起点にするとさっきのもだいぶ話が変わって来て、12月に利上げだとさっきのはスタートから0.50%になりますのでその分違うんですな。
でまあ12月利上げ前提で計算すると、さっきの特会1年の0.550%ってのは9月会合で分解すると後半の金利が0.72%、7月会合で分解すると後半の金利が0.63%になるので、特会6Mが手前の利上げを織り込ませるようなレートに対しては穏当なレートになっている感じがします。
こっちの1年特会の方が募集額が少ないという影響はあるのかもしれませんけれども、同じ特会でも1年はちょっとレート低めかいなというイメージを受けました。
2024/12/10
〇6M入札がありましたな(汗)
https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20241209.htm
国庫短期証券(第1274回)の入札結果
『本日実施した国庫短期証券(第1274回)の価格競争入札及び国債市場特別参加者・第T非価格競争入札について、下記のように募入の決定を行いました。
記
1.名称及び記号 国庫短期証券(第1274回)
2.発行根拠法律及びその条項
財政法(昭和22年法律第34号)第7条第1項、財政融資資金法(昭和26年法律第100号)第9条第1項並びに特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第83条第1項、第94条第2項、同条第4項、第95条第1項、第136条第1項及び第137条第1項
3.発行日 令和6年12月10日
4.償還期限 令和7年6月10日
5.価格競争入札について
(1)応募額 8兆3,438億円
(2)募入決定額 2兆7,754億9,000万円
(3)募入最低価格 99円84銭7厘
(募入最高利回り) (0.3073%)
(4)募入最低価格における案分比率 69.1025%
(5)募入平均価格 99円85銭3厘
(募入平均利回り) (0.2952%)』
おーやっと30bpのりましたか(なんせ11月の6Mは0.1886%/0.2007%ですし、なんなら10月の6Mって0.0726%/0.0862%とかいう地獄のようなレートでした)ということで感慨は深いのですが、ゆうてここまで12月か1月に利上げじゃろ、となってやっと足元のGCよりも高いレートになるというのが何んともかんともドイヒーな話ではありまして、いやターム物金利は先行して織り込みをしろよと思うのですがまあこれが短国市場の今のテイタラクということではあります。
ただまあ6Mは3Mと違って引けで戻すという訳でもなかったようで、
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html
売買参考統計値ちゃんを見ますと
(12/9引値)
国庫短期証券1231 2025/05/20 平均値単利 0.200
国庫短期証券1274 2025/06/10 平均値単利 0.295←6M新発
国庫短期証券1238 2025/06/20 平均値単利 0.289
国庫短期証券1244 2025/07/22 平均値単利 0.315
(12/6引値)
国庫短期証券1231 2025/05/20 平均値単利 0.190
国庫短期証券1274 2025/06/10 平均値単利 0.290←6M新発WI
国庫短期証券1238 2025/06/20 平均値単利 0.280
国庫短期証券1244 2025/07/22 平均値単利 0.315
ということで、こちらの入札も金曜の3M同様に売参ベースのWIから見たら安いところで決着しておりまして、ただ引値を見ますと3Mと違って平均レベルで止まっているので、前日WI比で甘い水準の引けにされていますな。
まあ6Mは現状年限的に中途半端なのと、月1しか新発が出ないのでどうしても3Mの方が選好されやすいですし、3Mってたぶん流動性的な意味合いでも選好されますので、人気が無いときは無いという物件(3Mがどうしようも無かった10月は飛んでもないレートになっていましたけれども)ではありますのでまあそういう事やぞというお話ですな。
なお、後ろの銘柄(1年短国の成れの果てなので売りが出てこないとまともに買えない銘柄でしょうな)との引値が逆転しているとか、手前の銘柄というこれまた1年短国の成れの果てなので引値とか言ってもそもそも普通にバカスカ売買できるようなものではない(売りはできるけど買いはマーケットメーカーの在庫が無いと無理)ので、5/20-6/10という間に金融政策決定会合もなんもないタイミングで引値に段差ができているとかいうのはいつもの短国クオリティですが、このまあ短国クオリティの引値がもっと綺麗なカーブになってくるまでは短国市場の整備は道遠しという感じですな、ナムナム。
2024/12/09
〇3M短国は先週と同じくWIよりも弱めの足切りまで流れるも引値ベースは持ち直す
https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20241206.htm
国庫短期証券(第1273回)の入札結果
『本日実施した国庫短期証券(第1273回)の価格競争入札及び国債市場特別参加者・第T非価格競争入札について、下記のように募入の決定を行いました。
記
1.名称及び記号 国庫短期証券(第1273回)
2.発行根拠法律及びその条項
財政法(昭和22年法律第34号)第7条第1項、財政融資資金法(昭和26年法律第100号)第9条第1項並びに特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第83条第1項、第94条第2項、同条第4項、第95条第1項、第136条第1項及び第137条第1項
3.発行日 令和6年12月9日
4.償還期限 令和7年3月17日
5.価格競争入札について
(1)応募額 8兆9,618億円
(2)募入決定額 3兆2,741億5,000万円
(3)募入最低価格 99円95銭7厘5毛
(募入最高利回り) (0.1583%)
(4)募入最低価格における案分比率 15.8928%
(5)募入平均価格 99円96銭0厘4毛
(募入平均利回り) (0.1475%)』
ということで、木曜日の売参ベースの
(12/6引値)
国庫短期証券1272 2025/03/10 平均値単利 0.155
国庫短期証券1273 2025/03/17 平均値単利 0.145←新発3M
国庫短期証券1220 2025/03/21 平均値単利 0.155
国庫短期証券1275 2025/03/24 平均値単利 0.155←今週金曜入札の3MWI
(12/5引値)
国庫短期証券1272 2025/03/10 平均値単利 0.145
国庫短期証券1273 2025/03/17 平均値単利 0.155
国庫短期証券1220 2025/03/21 平均値単利 0.180
ということで、なんかどさくさに紛れて1220の引値が修正されているのはチャーミングですが、新発だけ引値を0.145と強くしていますな、まあ周辺銘柄の0.155%ってのも本当にそうなのか問題はありますけれども、まあ15bpアラウンドっちゅうことですかそうですかという感じですな。
そらまあ3月17日償還だし何なら今週金曜入札あるのは3/24償還(つまり3/20入札の年内最後の短国入札ですがこの銘柄は3/31償還とかいうお洒落銘柄になりますねきっと)ですから、そらおまえ12月か1月に利上げとか言っている中、という所ではありますけれども、一時の鬼レートではないものの、よく考えたら利上げの織り込みとは何ぞや、という深遠な問題(深淵でも何でもない)があるなあと思うのでりました。
一方でGCレポちゃんですが、東京レポレートは先週長いところの気配が上昇していまして。
https://www.jsda.or.jp/shiryoshitsu/toukei/trr/index.html
O/N T/N 1w 2w 3w 1m 3m 6m 1y
2024/11/29 0.228 0.240 0.209 0.211 0.218 0.228 0.308 0.368 0.450
2024/12/2 0.234 0.240 0.211 0.212 0.224 0.252 0.324 0.380 0.456
2024/12/3 0.230 0.240 0.212 0.213 0.227 0.254 0.331 0.387 0.458
2024/12/4 0.237 0.240 0.212 0.213 0.227 0.254 0.333 0.386 0.459
2024/12/5 0.238 0.240 0.212 0.215 0.228 0.256 0.341 0.388 0.465
2024/12/6 0.245 0.244 0.214 0.220 0.237 0.262 0.346 0.390 0.472
先週金曜日以降、つまり植田さんのアレ以降の推移ですけれども、ちゃっかり1Mとかいう12月会合は跨ぐけど1月会合は跨がないテナーまで上昇でござるの巻となっておりまして、中々のオシャンティーな展開になっておられます。まあこのGCの気配通りに短国が推移しているかというと上記のように行ったり来たりではあるのですが・・・・・・
2024/12/06
〇中村審議委員会見でひと騒ぎワロタ(中村さん的には貰い事故みたいな面もあるかなと)
順序が逆ですが中村さんの会見がクソ面白事案になったので。
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/Z4QTPJWM2NN3NO6ZDGYZXPCDEA-2024-12-05/
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は反落、長期金利1.065% 日銀審議委員の発言で売り圧力
By ロイター編集
2024年12月5日午後 3:30 GMT+9
『[東京 5日 ロイター] - <15:19> 国債先物は反落、長期金利1.065% 日銀審議委員の発言で売り圧力
国債先物中心限月12月限は、前営業日18銭安の142円98銭と反落して取引を終えた。新発10年国債利回り(長期金利)は同1.5bp上昇の1.065%。中村豊明日銀審議委員の発言をきっかけに日銀の早期追加利上げが意識され、円債は軟調に推移した。』(上記URL先より)
昨日の債券先物ちゃん、後場の途中からはまったりモードだったというのに、引け前20分で突如の急落(143.10辺り→143円割れ水準に一気に下がるでござるの巻)となった訳ですが。
https://jp.reuters.com/economy/inflation/B3WSPQA5TBPBBPSQZIAOL7CCSA-2024-12-05/
利上げに反対ではない、データに基づき判断すべき=中村日銀委員
By 和田崇彦
2024年12月5日午後 4:28 GMT+9
『[広島市 5日 ロイター] - 日銀の中村豊明審議委員は5日、広島市内で行った金融経済懇談会後の記者会見で、「利上げに反対しているわけではない」と述べ、データに基づいて政策判断をすべきだと強調した。12月の金融政策決定会合で利上げするかどうかは13日に発表される日銀短観などのデータをよく見た上で判断したいと話した。
中村委員は追加利上げがいつか、予断を持って言うには「まだデータが少なすぎる」とも述べた。』(上記URL先より、以下同様)
ということで、この「利上げに反対しているわけではない」というのとか、「データに基づいて政策判断をすべき」っていうのがここまでの利上げの際に反対票を投じたりした中村審議委員が言ったもんだからあらまあという感じで下がったわけですが、まあよくよく考えてみたら前日の時事通信&MNI砲(MNIが効いたのかは知らんが時事通信のは効いている)で一旦12月利上げ観測ヒャッハー筋が降参したところにこれが出るもんだから華麗なる往復ビンタを食らわせた格好になってしまってこれは円債市場の皆さん益々の血圧上昇案件ということになってしまいました。いやもう日銀何やってるんだか。
まあ中村さん自体は従来通りで、
『中村委員は、自身の発言などから金融市場では「ハト派」と目されているようだとしつつ、従来から経済構造の転換に向けた芽は出ていると言ってきていると指摘。「日本経済の将来に明るい希望を持っている」と述べ、成長志向の中小企業が増えていくことに期待感を示した。』
ってお話してたようですし、そもそも金懇の方ではいつものように利上げ慎重なお話(とは言え構造改革待ってたら百年利上げできないし、その間に今の水準の緩和を継続することが本当に構造改革を推進するのかというとだいぶ疑問をぬぐえないのですけれども)をしていたので平常運転ちゃあ平常運転ですし、もともと単に「決め打ちしない」と言ってるだけだし、中村さんが反対しても利上げぶっこむ時はぶっこんでいますし、利上げ後に中村さんは別に利下げしろとか言ってるわけではないので、中村さんが利上げに反対ではない、というのが即12月利上げに影響するのかというとそれはまた別問題。
ではあるのですが、これは前々から申し上げているのですが、金懇会見がメディアのヘッドラインに出てくるお時間(エンバーゴのお時間なのかどうかは存じませんけれども)がだいたい14時40分くらい、という今の金懇の段取りがそもそも論としてよろしくなくて、それは国内債券市場の引け際になってしまうし、だいたいからして金懇会見ってライブ放送とかない(質疑応答の紙が出るのは翌日)からどうしてもヘッドラインに頼らざるを得なくなるので、引け際にヘッドラインリスクを誘発しやすく、市場に対して無駄にボラを与えるリスクがある段取りになっているんですよね。
とまあそういう事なんで、金懇会見やるなら4時過ぎとかの引け後思いっきり時間経過してからにするか、2時ちょうどくらいからにするとか、とにかく今の「引け際20分くらいでヘッドラインが飛んでくる」という運営に関しては勘弁して欲しい訳ですが、日銀はなんせかつて10年新発国債入札の日の前場引け直後(=すなわちマーケットメーカーが入札に備えて事前ヘッジが完了した後)のタイミングで、臨時政策委員会・金融政策決定会合の実施をアナウンス(=その時の臨時会合はどう見ても金融緩和で案の定緩和になった)してマーケットメーカー全員が踏み入札をしなければいけなくなった、という輝かしい前科がある位に、債券市場に関しての理解が足りない人たち、というのが伝統芸能(なのに長期国債市場に介入しまくったんだからそりゃ弊害もでる)として継承されているので(個人の感想です)、まあお前ら大概にせえよ、というお話ではございます。
しかしまあ何ですな、これ中村さん別に悪意があったわけでも何でもないと思うのですけれども、今週は土曜日の総裁日経インタビュー、水曜の時事通信砲、木曜の中村審議委員会見、という三連コンボで市場に超無駄なボラを与えてしまいまして、また債券市場に喧嘩を売ってしまうというプレイ(しかも本人たちは喧嘩を売る気はなくやっているのが無能な働き者にも程がある話)をしてしまった訳でして、おまいらマジで何なのこの下手糞はとしか申し上げようがありませんですけど、植田日銀の間中この調子だと思うと頭がくらくらします、まあ見世物としては面白いんですが見世物の端役にさせられて殴る蹴るの暴行を食らう役をさせられる市場の皆さん含むワイにとってはいい迷惑ではありますな。
というただの悪態でした。
〇中村審議委員の前に3M短国プレビューでも
今日は例によって例の如く3MTDB入札があるんですけどね。
https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_auct/auct20241129.htm
国庫短期証券(第1273回)の発行予定額等
『1. 入札予定日 令和6年12月6日
2. 発行予定日 令和6年12月9日
3. 償還予定日 令和7年3月17日
4. 発行予定額 額面金額で4兆3,000億円程度』
ということで3月17日ですよ3月17日、という足になっているのですが、直近の売参ちゃんを
見ますと、
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html
(12/5引値)
国庫短期証券1271 2025/03/03 平均値単利 0.155
国庫短期証券1271 2025/03/03 平均値単利 0.155
国庫短期証券1255 2025/03/10 平均値単利 0.155
国庫短期証券1272 2025/03/10 平均値単利 0.145←先週入札の3Mカレント
国庫短期証券1273 2025/03/17 平均値単利 0.155←今日の新発WI
国庫短期証券1220 2025/03/20 平均値単利 0.180
カレントだけ他と引けが違うとか、3か月オーバーになっている1220(1年短国の成れの果て)とWI3日違いでなんでこうなるのとか、毎度のアレな引値ではありますが、WIベースでは0.155%と0.1台後半の利回りになっとりますな。
ってまあ冷静に考えてみたら12月利上げ(12/20から付利金利引き上げ)とか1月利上げ(1/27から付利金利引き上げ)とかいう話の中で3月17日償還なんですからちったあそのプレミアム乗っかれよという話でもあるので、そういう点から言えば相変わらずの需給の強さよ、というお話でもあろうかとは存じますが、10月から11月頭までの地獄のような年末越えのクソレートから見たらマシちゃあマシなのですが、タイボーとかそういうの普通に金利上がっているのですからまあ別に3月後半償還ならレート上がれよという話でもあろうかとは存じます。
最近3Mって応札が以前のような10兆円台ではなくなっているのですが、まあそのあたりも含めまして、短国の需給逼迫も少しは緩んでいただきますと市場らしくなってきますのでぜひその方向でオナシャスという所ではあります。
2024/12/04
〇債券市場サーベイとか減額措置とか
・債券市場サーベイはまあ2個前と比較するもんでしょうということで
https://www.boj.or.jp/paym/bond/bond_list/bond2411.pdf
債券市場サーベイ
<2024年11月調査>
回答期間:2024年11月1日〜11月8日
こちら前回の8月が「回答期間:2024年8月1日〜8月7日」という面白期間になっていたので、その前の「回答期間:2024年5月1日〜5月9日」と比較する方が妥当かなとは思いまして。
https://www.boj.or.jp/paym/bond/bond_list/bond2405.pdf
債券市場サーベイ
<2024年5月調査>
回答期間:2024年5月1日〜5月9日
(1)貴行(庫・社)からみた債券市場の機能度(注)
(現状)
5月:▲24
11月:▲20
ではあるのですが、
(2)債券市場の機能度・流動性に関する各論
@貴行(庫・社)からみたビッド・アスク・スプレッドについてご回答下さい
(現状)
5月:▲29
11月:▲30
A貴行(庫・社)からみた市場参加者の注文量について、板の厚み(注)等を念頭においてご回答下さい。
(現状)
5月:▲33
11月:▲38
B貴行(庫・社)の取引頻度についてご回答下さい(注)。
(現状)
5月:▲17
11月:▲10
ということで、機能度は改善したという結果になっているので、イメージ的には良くなっている感じではあるのですが、ゆうてスプレッドとか板の厚みとかは改善しているわけではなくて、ただまあ売買の方がマイナス金利解除直後よりも動くようになっている、というのが影響しているんジャマイカという勝手な臆断をしておきます。
・次期チーペストに減額措置と(既にご案内の話ですが備忘のためメモっておきます)ちょっとおまけ
https://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/mei/index.htm
日本銀行が保有する国債の銘柄別残高
こちらの数字ですが、先日来補完供給の金額だので話題になっておりましたように、10年366回が直近数字を見ますと80262になっていまして、前回から2000億円の減額、という結果になっておりまして、めでたく(かどうか知らんが)減額措置が実施されまして、市中にチーペストが2000億円供給されることになりました。
しかしまあ改めて見ますと減ったとは言っても80262ですし、その先の銘柄も7兆5000から8兆3000とかいうような頭くらくらする数字が並んでおりまして、指値オペだの何だのやった後遺症はまだまだ続くわけでございますわな。
そういう文脈で申し上げますと、12月に多角的レビューの結果大公表、ということで相変わらずクソしょうもない過去の政策の正当化スタッフペーパーがホイホイと出ているのですが、山本謙三元日銀理事(この前本を出しておられましたが帯にフジマキ入れるのは一般にはウケると思うのですがやっぱり(ノ∀`)アチャーってなりますわな・・・・)がこんな指摘を。
https://www.kyinitiative.jp/column_opinion/2024/12/02/post2716/
日銀の「多角的レビュー」に期待されること
〜「財政ファイナンス酷似」「市場機能低下」の検証がカギ
2024.12.02
『多くの中央銀行は、「独立性の確保」や「財政ファイナンスの禁止」のほか、「資産の健全性確保(短期資産中心のオペレーション)」、「市場機能の重視」といった規範を有してきた。異次元緩和は、「物価2%目標の実現」の1点のために、これらの規範の多くを曲げてきた。
多角的レビューが「多角的」であるためには、物価や景気に対する効果の測定だけでなく、規範のゆがみがもたらす長期的な帰結の検証が欠かせない。
具体的には、(1)財政ファイナンス酷似の実態とその長期的な影響、および(2)市場機能低下の実態とその長期的な影響である。』(上記URL先より、以下同様)
ということで誠に仰せの通り、というか既に長期的な影響どころか短国市場には思いっきり影響が出ている訳ですけれども、政策の残したゴミが片付いてから検証というのをすべきであって、今の感じですと「QQEもマイナス金利もYCCも妥当だったのに早期達成できなかったのはノルムとかいうなんだかよくわからんものが悪いので日銀の施策は悪くない」という話になってしまい、すなわち次回に同じような状況になった時にマイナス金利だのYCCだのとかいう糞政策がドヤ顔で実行されてしまうというリスクが高まるからそんなクソみたいな歴史改竄するんじゃねえよ今すぐ多角的レビュー中断しろや茶坊主ども、と思う訳ですけれどもそれはさておきまして、ヤマケンさんのこちらの部分はウケました。
『レビューの対象を「過去25年」としていることには、少なからぬ違和感がある。先行する14年とその後11年の異次元緩和は、拠って立つ理念や理論が全く異なるものだった。これらを一括りに議論してよいかは疑問が残る。』
これはwwwwwww
これすなわち「その前の緩和政策と黒田のヤローのやったとんでもない政策を一緒くたにするんじゃねえ」という謙三心の俳句ということでして、まあ仰る通りではあるのですが、黒田と一緒にするんじゃねえというのを丁寧な日本語で書くとこうなるのか、と感心してしまいました。
まあ途中は読んでくださいというお話ですが、最後の締めが
『多角的レビューが「一面的」でなく、「多角的」であるためには、財政ファイナンス酷似と市場機能低下の検証が不可欠だ。日銀の公表が注目される。』
となっていますが、どっからどうみても一面的なレビューしか出てこなさそうなのは火を見るより明らかでございますので(個人の偏見です)、逆に「日銀が公表した後のヤマケンさんによる評価」を楽しみに待ちたいと思います。
2024/12/03
〇植田総裁日経インタビューは結局両論併記の悪いところが出た結果のようですが
昨日の債券市場ちゃん、というかまあイブニングでも先物下がっていたのですが、まああれは金曜の夜だしサンクスギビング週の週末だし、と思っていましたが・・・・・
・12月利上げ派にとっては両論併記の都合の良いところが目に入りますよねそりゃもう
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/YRBGNYLCUVIPBPJDWAMYGAXA5E-2024-12-02/
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は反落、日銀利上げ観測強まり中期ゾーン主導で金利上昇
By ロイター編集
2024年12月2日午後 3:22 GMT+9
『[東京 2日 ロイター] - <15:12> 国債先物は反落、日銀利上げ観測強まり中期ゾーン主導で金利上昇
国債先物中心限月12月限は、前営業日比24銭安の142円82銭と大幅反落して取引を終えた。新発10年国債利回り(長期金利)は同2.5ベーシスポイント(bp)上昇の1.075%。また2年金利は日銀の追加利上げ観測を背景に、16年ぶりの高水準に上昇した。』(上記URL先より、以下同様)
まあゆうて2年って16年ぶりとか言ってますが、所詮は0.62%とかな訳でして、0.5%への利上げはすぐに来るにしましても、その次の利上げが1年後くらいに来るとかいう無茶苦茶悠長な展開でやっとブレークイーブンとかいうのがもうねという感じですが、まあそれでも0.6%とかいう水準になっているだけ立派(??)と言えば立派。
『きょうの国債先物は、日本経済新聞が行った日銀の植田和男総裁のインタビューが売り材料となり週末の夜間取引で大幅安した流れが波及し、終日、軟調な展開が続いた。』
ということですが、まあ横綱の動きを見ると寄りと朝9時くらいがいっちゃん弱くて、その後は盛り返して推移、ただし前日よりは低い水準での推移、ってえ感じではございましたので、寄りとその後9時くらいに下がった後(日中安値は9時5分)は下に抜けきりませんなあという感じだと思ったんだがアタクシの気のせいですかしら。知らんけど。
『インタビューでは植田総裁が追加利上げの時期について「データがオントラックに推移しているという意味では近づいている」との認識を示し、円債市場では12月会合での利上げ可能性が強く意識されている。』
とまあそういう訳でして、あの記事出て土曜の朝っぱらから大枚200円はたいて日経朝刊を買って一問一答読みそこないましたが(しつこい)、まあ記事のトーンってあれちゃんと見るとどさくさに紛れて「25年の春季労働交渉(春闘)がどういうモメンタム(勢い)になるか、それはみたい」とか「米国の経済政策の先行きがどうなるか、大きなクエスチョンマークがある」(いずれも11月30日日経本紙朝刊1面の植田総裁発言として報道された部分より)とか抜かしていて、これまともに読むと12月の政策修正って普通やらんと言ってるようなもん、とも読めるんじゃないのと思うのですが、そっちはきっちりと丸無視して12月利上げ期待の皆さんが、「データはオントラック」(同様に11月30日日経朝刊本紙1面より)の方にバッチリと反応してしまって、みたいものだけ見る現象によってヒャッハーヒャッハーとなってしまいました。ということでしょうな。
現に昨日ってベンダーに出てくる何とかストコメントを見るともなく見ていると、12月利上げ地均しキタコレヒャッハー組が目の子で7割くらい、いや待て慌てるなこれは孔明の罠だ組が3割くらい(まあ別に何とかストコメントったって人数が大事なのではないけれども相場の世界数は力の面がありますからにゃー)という感じになっていまして、12月利上げ期待ニキネキの皆様におかれましては、まあそっち見て反応するわな、となるのですな。
でまあ市場ちゃんの続きですが、
『現物市場では10年物以外の新発国債利回りも上昇。金融政策の見通しを反映しやすい2年債は前営業日比2.5bp上昇の0.620%。一時、2008年10月末以来16年ぶり高水準の0.625%を付ける場面もあった。5年債は同3.0bp上昇の0.750%、20年債は同2.0bp上昇の1.870%、30年債は同0.5bp上昇の2.285%。40年債は同横ばいの2.635%。』
『TRADEWEB
OFFER BID 前日比 時間
2年 0.614 0.62 0.028 15:02
5年 0.743 0.75 0.025 15:09
10年 1.069 1.075 0.02 15:04
20年 1.864 1.87 0.015 14:57
30年 2.285 2.292 0.012 15:12
40年 2.634 2.644 -0.002 15:12』
ベアスティープ(というか40年w)ですかそうですかという所ですが、そもそも中短期が利上げ織り込み足りなさすぎだったのですから本当の本当に12月利上げを織り込みに行っているのかというと、単純に12月か1月には何ぼ何でもやるでしょという事になっただけという気もせんでもないですけれども。
・じゃお前はどう思うのかということなのでここで敢えて死亡フラグを立ててみましょうwwwww
https://jp.reuters.com/opinion/forex-forum/4UIUBO4FGJJK5EBW7DDKVIXIK4-2024-12-02/
アングル:日銀、追加利上げへ地ならしか 身構える市場
By ロイター編集
2024年12月2日午後 5:01 GMT+9
でまあこんな感じになるわけですが。
『[東京 2日 ロイター] - 日本経済新聞が週末に配信した植田和男総裁インタビューを受け、市場で12月利上げを織り込む動きが加速している。7月の利上げ後に市場の混乱を招いたことから、日銀内では、コミュニケーション戦略の必要性を意識する声があった。12月会合まで1カ月を切る時点での発信に市場では、追加利上げへの地ならしとの見方も出ている。』(上記URL先より)
そんな訳で、そもそも論として日銀は日経インタビューで何をしたかったのか、というのが判然としないというか、先ほど申し上げましたように、朝刊本紙1面を見ますと全然12月利上げに前のめり感なくて、寧ろさっき引用した賃金のモメンタムを見たいだの米国の経済政策の影響が大きなクエスチョンとかいう両論併記部分のハトハトチキン部分を見ますと、下手したらこいつら12月も1月も利上げしないで25年の賃金ガーに米国新政権の経済政策の影響ガーとか言いながらクソ粘りするんじゃないか、という疑問すら思ってしまう、というのはもともと植田日銀はハトハトチキンで、7月末に一瞬覚醒したものの8月の円高株安で完全にビビってしまって市場に全面屈服する内田講演をぶっこんでしまい、足許若干威勢が良くなっているのは単純にドル円がこのままだとズンズングイグイ行ってしまうから火消ししたいだけ、くらいに考えて読んでみますと、これは何なら1月もやらへんで、とも読めるわけです。
でもってじゃあお前はどう思うのか、と言われると変なこと書くとどうせまた変な死亡フラグちゃんになって恥の上塗りになりそうなのですけれども、今回のクッソ両論併記インタビュー(ただし日経朝刊本紙ベース)って、結局のところは(土曜も書いたけど)方向性は利上げだけど慎重に、というお話で、慎重にというのがあの賃金ガー米国ガーを見ますとエライ先になるという懸念もあるものの、アタクシ思いまするに、あれっていうのは「方向性は次回利上げでそれはそんなに遠くないよ」と行っているだけだと「次の次」の話が浮上してくるのがコワイヨーといういつものチキンクオリティが炸裂した結果、「次の次は急がない」というコミュニケーションをしているつもりなんじゃないのか、とアタクシとしては整理しました(あくまでも個人の感想です)。
なので12月か1月に0.50%に持っていくにしても、またまたその次の利上げに関して腰の引けたメッセージを出してくる、という7月というよりも3月パティーンになる方があり得そうな気はするのですけれども、それやって円安になってしまうと次の次が早まる、という面白政策反応関数が存在しますので、まあ何ちゅうかお前らは先の話をそう一所懸命にするなと思いますし、どうせお前らコミュ障なんだから余計なこと言わない方が身のためですわとコミュ障ワイ将は思うのであります。
・下手糞コミュニケーションをするもんだからいずれにせよ12月スキップの説明が面倒になったんチャイマスカ
しかしまあ何ですな、あのまま12月利上げあるかもしれないし無いかもしれないし、まあでも1月にはやるでしょ、みたいなサイコロバクチ状態で決定会合を迎えておけば12月どっちでも行けたと思うのですけれども、このタイミングで下手糞な両論併記をするもんだから、とりあえず12月利上げ派の皆様が勢いついてしまいまして、さっきのロイターさんの「アングル」記事だけじゃなくてもっといろんな何とかストの方々が「12月利上げや!」とぶっこんでしまったし市場も何となくそっちの雰囲気を醸し出している(ただしプライスアクションはそうだけれども実際プレイヤーの皆さんが本当にあれで見方を決め打ちできるようになっているのか、と言われたら実はそんなに変わっていないんじゃないかと思うんですけどね、両論併記にも程があるんだし)という展開になりまして、まあ昨日だけじゃまだ分からん(現にイブニングでは8銭高だし)のではありますが、いずれにしましても、下手糞な両論併記をしたもんだから、12月スキップした場合の説明がクソ面倒になったんじゃないか、というのは言えると思います。
12月スキップした場合「オントラックと言ってたのに何で3会合連続で利上げ見送りなんですか」ってどこからどう見ても突っ込まれるし、「円安だってまた復活してますが」と突っ込まれるし、それに対してどうせまた下手な言い逃れをするんでしょうけれども、言い逃れが下手くそだと(円債よりもさらに利上げ云々に反応していると思われる)為替市場ちゃんが「日経インタビューは嘘だったのか騙された」となってヒャッハーと円安になって日銀順調に死亡、とかに成り兼ねない訳ですし、12月に1月の予告ホームラン打つのってそれするくらいなら12月にやれよアホウという話になるし、まあ自分でコミュニケーションをややこしくしたのは否めないですわな。
何でこう下手糞なのかと言えば、そんなのは植田さんの「丁寧な説明」が両論併記のため市場が見たい方だけ見て日銀の伝えたいことの片方だけクローズアップされてしまう、というのと、さらに8月の内田さんの講演で勝負がついた訳ですが、市場従属金融政策状態(そらまあ物価がこの状態なのに屏風の中から出てこない基調的物価とかいうのを持ち出して2%行ってないを連呼しているんですから物価情勢で金融政策の説明ができていないんだから市場に従属するしかない訳ですけれども)になっているせいでしょ、としか申し上げようがないのですが、その市場に何とか働きかけようとしてフォワードガイダンスみたいなことを言う上にそれをコロコロとひっくり返すことになってしまうのがまた良くない、という感じでしょうかね、まあイマイチ整理できていませんが・・・・
まあいずれにせよここから日米ともに重要な指標があるんだし、別に今の時点で決め打ちするメリットって日銀にだってないので、そういう点から言ってインタビューのタイミングが絶妙に悪かったという感じではないかと思いました。
という雑談ポエムで恐縮至極。
・なおレポレートは長めのリファレンスが反応
いつもの東京レポレート
https://www.jsda.or.jp/shiryoshitsu/toukei/trr/index.html
O/N T/N 1w 2w 3w 1m 3m 6m 1y
2024/11/28 0.197 0.145 0.171 0.200 0.208 0.216 0.304 0.365 0.442
2024/11/29 0.228 0.240 0.209 0.211 0.218 0.228 0.308 0.368 0.450
2024/12/2 0.234 0.240 0.211 0.212 0.224 0.252 0.324 0.380 0.456
ということで、既報の通り足元GCに関しては2か月連続で謎の月末レート低下(いやまあ需給問題なので謎でも何でもなくて資金調達が急に減ったか運用が急に増えたかの二択ですが今の市場構造から言って調達サイドが急に減っただけですけどその背景は謎)が発生していましたが、じゃあ植田総裁の日経インタビューを受けてどうでっしゃろ、と思ったら一応敬意を表しているかどうか知らんけど、決定会合跨ぎの1m(3wも跨ぐけど最後の最後だから)のレートの上がり方がわかりやすいという結果になっていますな。
まあ一応こちらも12月会合での利上げの可能性って話かとは思いますがどうなんでしょうかね。
2024/12/02
〇3M短国入札とか補正予算分の国債増発とか
・3M短国入札はWIよりもやや弱めも売参引値はちゃっかり0.125%とな
https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20241129.htm
国庫短期証券(第1272回)の入札結果
『本日実施した国庫短期証券(第1272回)の価格競争入札及び国債市場特別参加者・第T非価格競争入札について、下記のように募入の決定を行いました。
記
1.名称及び記号 国庫短期証券(第1272回)
2.発行根拠法律及びその条項
財政法(昭和22年法律第34号)第7条第1項、財政融資資金法(昭和26年法律第100号)第9条第1項並びに特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第83条第1項、第94条第2項、同条第4項、第95条第1項、第136条第1項及び第137条第1項
3.発行日 令和6年12月2日
4.償還期限 令和7年3月10日
5.価格競争入札について
(1)応募額 8兆9,600億円
(2)募入決定額 3兆2,742億円
(3)募入最低価格 99円96銭1厘5毛
(募入最高利回り) (0.1434%)
(4)募入最低価格における案分比率 20.8000%
(5)募入平均価格 99円96銭5厘9毛
(募入平均利回り) (0.1270%)』
でまあ金曜に申し上げましたように、木曜のWI売参値は単利で0.125%だったので、WIよりは弱い結果になっておりまして、応札額の8兆9600億円というのは前週の3Mの応札が8兆6741億円、前々週は9兆2693億円って状況なので、前回よりは応札増えているのですが、10兆円には届かないという応札でしたな。
とは言いましても売参ちゃんですけど、
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html
(11/29引値)
国庫短期証券1269 2025/02/25 平均値単利 0.115
国庫短期証券1271 2025/03/03 平均値単利 0.129
国庫短期証券1255 2025/03/10 平均値単利 0.129
国庫短期証券1272 2025/03/10 平均値単利 0.125←先週金曜に入札があった新発
国庫短期証券1273 2025/03/17 平均値単利 0.129←今週金曜に入札のある3MWI
(11/28引値)
国庫短期証券1269 2025/02/25 平均値単利 0.105
国庫短期証券1271 2025/03/03 平均値単利 0.120
国庫短期証券1255 2025/03/10 平均値単利 0.120
国庫短期証券1272 2025/03/10 平均値単利 0.125←木曜時点のWI
ということで入札は金利上がっているのですが引値は変わらずとしておりまして、えーっと償還がドンドン後ろに倒れているんですが利上げ織り込み度合いとかいうのは何処へ、と言いたくなりますが、そもそも0.125%とかそういう水準の金利が足元のコールとかとの整合性が全然ない水準なのでまあ利上げ織り込みも減ったくれもない、と言ってしまえばそれまでなんですけど、10月から11月前半までの地獄絵図からは改善しただけにとどまっておいでですなナムナム。
でまあご案内の植田総裁インタビュー、まああれ見ると12月か1月かって感じになる(正直どっちに転んでも言い訳はできる内容、ただし3月まで引っ張ると賃金と物価の云々かんぬんの説明との整合性が取れなさそう)んですけど、それによって短国金利がどうこうという事もなさそうですし、交付税特会6Mとかガチのガチな12月全織り込みレートになっているし、どういう影響が出るのか見てみないと分からんけど、あれだと金曜と大きく変われない(決め打ちできないから)とは思うのですけどまあその答えは今日の市場で分かるということで。
・でもって補正閣議決定で割引短国で当面の財源が確保されますよと
https://www.mof.go.jp/jgbs/issuance_plan/fy2024/241129.html
令和6年度国債発行計画等を変更しました
『本日閣議決定された令和6年度補正予算に基づき、次のとおり令和6年度国債発行計画及び令和6年度政府保証債発行予定額を変更しましたので、お知らせします。』
ということで
https://www.mof.go.jp/jgbs/issuance_plan/fy2024/issuanceplan241129.pdf
令和6年度国債発行予定額
市中発行額:+45,343
個人向け国債:+9,396
でもって、
カレンダーベース 市中発行額:+24,000
第U非価格 競争入札等:+18,688
年度間調整分:+2,655
となっていますので、第U非価格で上振れた分があるのねということで、結局増発になるのは、
https://www.mof.go.jp/jgbs/issuance_plan/fy2024/calendar241129.pdf
<カレンダーベース市中発行額>
割引短期国債:+2.4兆円(総額ベース)
となっておりますのですな。でまあ短国内は現時点でどう見ても需要対比発行が足りない3Mに振るということになるんでしょうけど、補正予算が衆参通過しないと話が始まらんのはさておき、間に合えば1月から増発とかになるんでしょうかね。どうなんでしょうか。
・GCレポレート低下は月末現象のようでしたな
ということで東京レポレート
https://www.jsda.or.jp/shiryoshitsu/toukei/trr/index.html
O/N T/N 1w 2w 3w 1m 3m 6m 1y
2024/11/27 0.158 0.150 0.181 0.202 0.208 0.215 0.299 0.363 0.430
2024/11/28 0.197 0.145 0.171 0.200 0.208 0.216 0.304 0.363 0.430
2024/11/29 0.228 0.240 0.209 0.211 0.218 0.228 0.308 0.368 0.450
ということでレポレートの方ですがトモネが0.24%ということでいつもの普通の金利に戻っていまして、いやお前オーバーナイト何ですねんとか言われそうですが、基本的にメインで見ておけばよいのはトモネの筈(オーバーナイトは最終調整)ですので、つまりは月末月初のところでレート低下、という現象が2か月連続で発生した、ということかと存じます。
何気に1yのGC気配が上昇しているのですが、これって短国1年の上昇に対してGCの気配の方が遅行していたのでその取り返しムーブみたいなもんですかね、知らんけど。
まあ今月末はなにせ年末年始ですし、末初オーバーナイトが1週間(12/30〜1/6)ってのは年末年始の中で一番長いテナーになるので、色々と面倒くさそうですな。まあそれ以前に年末前に利上げになるかもしれないんんですけど(あたしゃ12月は微妙だと思うのだが12月か1月のどっちかでしょと思うしそこは実際問題として大差ないという派ですけど決め打ちは全然できないと思うのでまあね)。
〇でもって今日の円債市場はどういう反応するのかよくわからんのですが・・・・・・
金曜はこの次にメモっておきますが東京都区部CPIだったわけですけれども。
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/MKJ6WUS5XNPLBBQFKCRABL5BDI-2024-11-29/
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は小幅続伸、終盤に切り返す 長期金利1.05%で横ばい
By ロイター編集
2024年11月29日午後 3:41 GMT+9
『[東京 29日 ロイター] - <15:10> 国債先物は小幅続伸、終盤に切り返す 長期金利1.05%で横ばい
国債先物中心限月12月限は、前営業日比4銭高の143円06銭と小幅続伸して取引を終えた。物価統計の上振れを受けて売りが先行したが、取引終盤に切り返した。新発10年国債利回り(長期金利)は同変わらずの1.050%。
国債先物は、総務省が朝方発表した11月の東京都区部の消費者物価指数(CPI)が予想を上回り、日銀による早期の追加利上げ観測が高まったことが売り材料となり、寄り付きから弱含みの展開が続いた。しかし午後2時以降は下げを取り戻し、プラス圏に浮上して取引を終えた。』(上記URL先より、あとで引け気配を引用します)
ということですが、まあゆうて債券先物ちゃんって
(いつものことですがこれは寄りの注文受付始まって20分くらいすると今日の日中足に切り替わります)
https://port.jpx.co.jp/jpx/template/quote.cgi?F=tmp/popchart&QCODE=601.555
長期国債先物(夜間除く) 24年12月限
取引日 2024/11/29
立会区分 日中取引
始値 142.94 (11/29)(08:45)
高値 143.10 (11/29)(14:34)
安値 142.88 (11/29)(09:09)
現在値 143.06 (11/29)(15:02)
前日比 +0.04
取引高 26,783
という動きなのですが、朝方都区部CPI出てから暫くは弱めだったのですが、都区部CPI見て円高に振れた相場ちゃんを受けて前場の時点で既に142.95-98水準まで切り返していましたので、まあ確かに前日比でみたら弱含みちゃあ弱含みでしたけれども、東京都区部CPIがクッソ強かった割には底堅いというかサガランチ会長だな、というのがアタクシの印象(個人の感想です)になるんですけど、まあ金曜は月末特有の長期化フローとかもあったのでアレなんですけれども、朝方10時くらいにホイホイ切り返したのをみて、アタクシ的には「円高になったのを見て円債戻ってやがるうへえwwwww」という感想を得ました。まあその感想が正しいのかどうかは知らんけどw
すくなくとも7月の決定会合で「円安による不必要な物価上振れリスク」を入れて利上げした上に、先行きのリスク要因の中に例の『とくに、このところ、企業の賃金・価格設定行動が積極化するもとで、過去と比べると、為替の変動が物価に影響を及ぼしやすくなっている面がある。』というのを展望レポートのリスク要因の中に入れた、というのはこれすなわち従来は知らんがなだった為替要因が政策反応関数の中に組み込まれたことをゲロっているものですから、円債ちゃんとしては為替が円高に振れると「これは日銀の政策反応関数の一つが利上げを促さない方向になりましたわ」となるという実にチャーミングなムーブになるのですな。
てかまあ為替市場の方がナイーブにもほどがあって、植田日銀が東京CPI上振れで政策修正を早めるようなタマだったら今頃政策金利は普通に1%以上になっとるじゃろとしか言いようが無いので、その脳筋思考は何とかした方が良いと思いました(大きなお世話ですかそうですかすいません)。
〇CP社債買入やっと来年の1月で終了ですか
https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2024/mpr241129b.pdf
CP・社債等買入のオファー日程等(2024年12月〜2025年1月)
『3.CP等および社債等の買入れの終了について 』
『日本銀行では、本年3月の政策委員会・金融政策決定会合において、CP等および社債等について、買入れ額を段階的に減額し、1年後をめどに買入れを終了することを決定しました。この決定に沿う形で、金融市場局では、CP等および社債等の買入れ金額を段階的に減額しており、来年1月のオファー分をもって買入れを終了します。これに伴い、来月以降は、オファー日程の公表は行いません。』
だそうです。いやーまったくやっと終了かよおせーよって感じではありますが、まあ正常化正常化ということで。
2024/11/29
お題「短国とかオペ関連とかの雑メモ/出遅れましたが基調的物価はまあ落ち着いてますよね」
またこいつらか
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-11-27/SNLC90T1UM0W00
急激な利上げは考えられない、財政への影響も勘案−国民民主・古川氏
照喜納明美、野原良明
2024年11月28日 8:50 JST 更新日時 2024年11月28日 12:30 JST
→国内経済は供給不足、利上げで「需要抑制求められる局面ではない」
→あらゆる手段で手取りを増やす、基礎控除拡大を−「103万円の壁」
『国民民主党の古川元久税制調査会長は、日本銀行の金融政策の正常化に関し、国債利払い費の大幅増につながるような急激な利上げは避けるだろうとの認識を明らかにした。27日、ブルームバーグとのインタビューで語った。』(上記URL先より)
えーっとすいません。「国債利払い費が増えるから利上げダメ」って理屈は疑いようもなく「中銀の財政ファイナンス」でマネープリンティングによるインフレ推進でどっからどうみても「手取りを増やす」にならないんですけど何言ってるんだか。
てか家計はマクロ的には預金超過なんだから適切な水準への利上げは家計の収入を全体として増やすんですけどねえ。
〇補正予算本日閣議決定の段取りですかそうですか
ほうほうほう
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-11-28/SNL454T0AFB400
今年度補正予算案で国債6.7兆円追加発行、税収上振れ分も活用−関係者
梅川崇
2024年11月28日 14:04 JST 更新日時 2024年11月28日 15:50 JST
→財源とする税収上振れは3.8兆円、税外収入や前年度剰余金も活用
→総額13.9兆円のうち約半分を国債に依存、財政健全化に課題残す
『政府が策定した総合経済対策の裏付けとなる2024年度補正予算案は、一般会計総額が13兆9433億円となる見通しであることが分かった。過去最高水準が見込まれる税収の上振れ分などを充てるが、不足分は新規国債を6兆6900億円追加発行して賄う。複数の関係者が明らかにした。』(上記URL先より)
ということですが、ホイホイと発行できるのは3M短国(とは言え3M国庫短期証券って直接新規財源債にあてられないと思うので多少のやりくりが必要なんでしたっけあんまり詳しくないのでそういう話は詳しい人に聞いてください)ということでして、1回5000億円増発したら13週間で6.5兆円の資金が出てくるし、もともと発行がバチクソ減っていたところなので増えたとて消化に困らんでしょうし、という理解でよろしいんでしたっけと思うのですが、まあゆうて財政ポジションは悪化するわけでどうなんでしょうねえってのはありますし、いずれは長期の方に振り替えることにはなるんでしょうけれども、短国需給の点では今アホみたいに逼迫している(ピークよりはマシっぽいとは言え)需給が少しは緩和されるのはありがたやとは思います(ただの目先の発想ダメゼッタイwwww)
〇でまあ今日も3Mの入札があるわけですが
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html
公社債店頭売買参考統計値/格付マトリクス表
3Mどころの昨日の売参引値を見ますと
国庫短期証券1269 2025/02/25 平均値単利 0.105
国庫短期証券1271 2025/03/03 平均値単利 0.120←先週入札のあった3Mカレント
国庫短期証券1255 2025/03/10 平均値単利 0.120
国庫短期証券1272 2025/03/10 平均値単利 0.125←今日入札予定の3MWI
相変わらず2月と3月のカレンダーの切れ目の1週間の差で引値が1.5bp違うとか、同じ償還のゼロクーポンなのに引値が何で5糸違うのよ(ちなみに一昨日は1272も12bpで引かせていまして、入札に敬意を表して5糸甘くしたんですかね、知らんけど)とかツッコミどころは色々とあるのですが、先週の3Mは前日のWIが0.130%で引かせておいて入札は0.1210/0.1341で決着して当日の引値は0.120%で引かせていましたので、気持ち強いのかもしれませんが、まあ先週の場合はその前の週に短国レート上昇があったので居場所微妙だったと思いますが、今週は目線は分かりやすくなっているかなという所ですか、まあよーわからん闇鍋みたいな市場ではあるんですけどwww
でもって昨日ですけれども、何気にお茶目だったのは1年の短国のところで、
(11/28引値)
国庫短期証券1263 2025/10/20 平均値単利 0.400
国庫短期証券1270 2025/11/20 平均値単利 0.445
(11/27引値)
国庫短期証券1263 2025/10/20 平均値単利 0.420
国庫短期証券1270 2025/11/20 平均値単利 0.475
昨日は2年とかも金利低下していたのですが、ちゃんと1年の金利も反応して金利低下しているとか市場みたいじゃんとか思ってしまう訳ですが、まあ水準的に1回利上げで逆ザヤってのが0.4台前半と0.4台後半だとビジュアル的にどうなのよそんなに金利下がってエエノンカイとは思いますが(個人の感想です)なんか知らんけど1年カレント3毛も強くさせているのはそれもそれで市場っぽいけどナンジャソラってところですが、まあ動きがあるのは良いことですwww
・・・・しかしまあ何ですな、知らんけど昨日って為替円高とかアメリカン金利とかに反応したとかいう話だと思うのですが、円高になると日銀の利上げへの切迫感が乏しくなるから短いところの金利が下がる、ってえのもこれまた微妙な感じがする訳でして、今の日銀の行動パティーンからしますと、「円安一服」→「安心して利上げを見送る」まではそうなんですけど、その結果として、「安心して利上げを見送る」→「総裁会見でノホホンとした話をする」→「円安にぶっ飛ぶ」→「日銀真っ青」という流れになるんじゃ無かろうかとしか思えない訳ですなw
まあ円安気になるんだったらドル高一服みたいな今こそ利上げしちまえば良いじゃんとは思うのですが、円安で怒られが発生した結果、7月に急に変なもん食ったかのように利上げまでぶち込んでみたのは良いけど、8月の株安にビビって降参宣言して、10月になってみると円安に戻って来ているので降参宣言を事実上撤回して「毎回の会合はライブです」状態に戻る、とかまあわかりやすいまでの市場に振り回される(為替と時々株式)日銀ちゃん、どっからどう見ても市場に対して受動的に反応しておりますので、金利の方はともかくとして為替市場ちゃんにおかれましては利上げを織り込んで円高に振られると利上げが遅くなるので勘弁していただきたい、とかいうメタ的な状態になって
いると思料されます。困ったもんですな。
〇レポレートは月末越えたあとにどうなるのやら
東京レポレート
https://www.jsda.or.jp/shiryoshitsu/toukei/trr/index.html
O/N T/N 1w 2w 3w 1m 3m
2024/11/26 0.176 0.152 0.203 0.206 0.209 0.216 0.286
2024/11/27 0.158 0.150 0.181 0.202 0.208 0.215 0.299
2024/11/28 0.197 0.145 0.171 0.200 0.208 0.216 0.304
ということでレポちゃんは月末前にして引き続き低い状態で、結局昨日の月末跨ぎトモネのリファレンスレートは14.5bpとか中々の低金利になってしまいましたが、まあどうせ月末現象だとは思うのですが、月初になっても戻らないと話が違ってくるので、この辺は注目だなというのと、トムスタート1mが今日から年末越え、でよかったと思うのですが、年末越えのGCっていくらになりますのやら、というのも政策金利が0.25%になって初の年末越え(半期末越えは9月にやってますが)になりますのでどうなるのやら。
9月は別に特段の波乱も無かったという認識なのですが、何せ10月末、11月末と謎の月末GCレート低下現象が発生しているので、ちょっと9月末とは様子が異なるんじゃなかろうか説はだいぶあると思うのですがどうでしょうかね。
ということで「どうでしょうかね」だけで落ちは無いんですけどメモという事で(汗)。
〇基調的なインフレちゃん
すいません出遅れました。
https://www.boj.or.jp/research/research_data/cpi/index.htm
1年分くらいだしてみると
Oct-23 3.0 2.2 2.6
Nov-23 2.7 1.7 2.4
Dec-23 2.6 1.6 2.4
Jan-24 2.6 1.9 2.3
Feb-24 2.3 1.4 2.0
Mar-24 2.2 1.3 1.9
Apr-24 1.8 1.1 1.6
May-24 2.1 1.3 1.5
Jun-24 2.1 1.4 1.6
Jul-24 1.8 1.1 1.5
Aug-24 1.8 0.7 1.3
Sep-24 1.7 0.8 1.4
Oct-24 1.5 0.8 1.3
(いつものように左から刈込平均値、加重中央値、最頻値)
ということで、昨年の鬼のような物価上昇は一服、という図になっているのですが、まあゆうて過去から見てみますと、消費増税の時に増税要因に便乗値上げ要因もあった2014年と比較してみたって、
Jan-14 0.7 0.0 0.2
Feb-14 0.8 0.1 0.2
Mar-14 0.8 0.1 0.1
Apr-14 0.8 0.1 0.2
May-14 0.9 0.1 0.1
Jun-14 0.9 0.1 0.1
Jul-14 0.9 0.1 0.2
Aug-14 0.8 0.1 0.1
Sep-14 0.6 0.2 0.2
Oct-14 0.5 0.1 0.2
Nov-14 0.4 0.0 0.2
Dec-14 0.4 0.0 0.3
2014年ってどさくさに紛れて結構物価があがりましたが、この時と比較したら一目瞭然な訳で、これで物価の基調がまだダメとかいうの頭おかしいだろという世界線だと思うのですけれども、(てか上記の数字以上に生活実感としては物価クソ上がりしているし足元でまた上昇してるだろ、と第二種兼業主夫のワイは思うんだが)この辺りの話もうっかり数字の話をするとややこしいことになるので言わなくなっているのが日銀のいつもの奴、という感じではあるのですが、物価が上がったあと落ち着いてきた(のかよという気はするけど)段階においても、加重中央値とか最頻値とか上がったところからは下がったとは言え落ち着いて推移しているわけで、物価目標という意味ではこんなん達成したという話にしても何らおかしくないと思いますし、それこそ先日ネタにしましたように、日銀調査統計局様謹製の展望レポート背景説明のBOXだって全編これ「物価目標達成間近」って感じなのでして、まあ結局あとは市場に振り回されるチキン執行部の皆さん(あるいはチキン大本営なのかもしれませんけど調査統計局は寧ろケツ叩いているように見えますわな)の胆力次第ではあるなとは思うのでした。
でまあ上昇下落品目の方ですけど
Jan-24 83.9 10.7 73.2
Feb-24 81.8 12.8 69.0
Mar-24 79.5 15.1 64.4
Apr-24 80.8 14.0 66.9
May-24 79.3 15.5 63.8
Jun-24 78.7 16.1 62.6
Jul-24 75.7 18.8 56.9
Aug-24 74.7 19.9 54.8
Sep-24 76.1 18.2 57.9
Oct-24 75.1 19.5 55.6
2割も下落品目あったっけという気はしますが、まあ何はともあれもはや7割以上の品目が値上がりするというのが定着していましてそら物価高の体感強くなるわというお話ではあります。
〇オペ関連雑談メモ
なにせマイナス金利の地蔵短期市場ではなくなったので、短期方面で追いかけるものを追いかけておりますと長い方ももちろん見ているんですけど細かく追うにはワイの知能のリソースが足りないので甚だ恐縮ですがちょっと昨日はネタが2本ほどあったと思うjのでメモです。
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba241128.htm
国債買入(残存期間3年超5年以下) 9,729 3,253 -0.017 -0.016 70.3
国債買入(残存期間5年超10年以下) 9,575 3,756 -0.019 -0.017 82.9
国債買入(残存期間10年超25年以下) 3,229 1,505 -0.008 -0.005 5.6
国債買入(物価連動債) 1,555 600 0.180 0.013 55.0
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注4) 4,273 4,273 -0.050 -0.050
国債補完供給(国債売現先)・即日(午後オファー分) 0 0
・物国輪番
物国輪番というのが地味に結構な地獄輪番で、ずーっと普通国債対比でみると何じゃその値段はという安値で打ち込まれる、というのが延々と続いていたオペでして、まあ物国市場自体が流動性が乏しいので、ロットで売りをさばけるタイミングが輪番(と財務省買入消却)になってしまう(買う方は3か月に1回の入札)ので、ロット捌きプレミアムというかディスカウントが発生するという感じになっていたようですな、よー知らんけど。
でまあ昨日は普通国債対比遜色のない利回り差(物国は価格差で応札するので前日引けからの価格差表示ですが)っぽい感じの結果になっておりまして、なんかこういうのを見ますと昨日ネタにしていたPD懇での物国は現状維持が適切、って話なんですが、償還分で減ることも勘案したらちったあ増発して市場の流動性高まらんかしら、とは思ったのですが、まあ実際には相変わらず流動性は低い(低くなかったら8月の株式暴落の日に飛んでもない逆行安とかしていないのですよね・・・・・)という状態なのですけれども、今回はほほーと思いました。
・国債補完供給
(注4) 国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)の売却銘柄は、
利付国(2年)第453回(314億円)、
利付国(5年)153回(171)、155回(45)、156回(9)、
利付国(10年)341回(145)、359回(31)、361回(1,393)、366回(656)、367回(44)、368回(938)、370回(184)、
利付国(20年)109回(42)、120回(17)、135回(10)、
利付国(30年)63回(177)、72回(1)、73回(10)、82回(6)、
利付国(40年)8回(80)です。
とのことでしたが、27日の国債補完供給は
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba241127.htm
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注4) 7,680 7,680 -0.050 -0.050
国債補完供給(国債売現先)・即日(午後オファー分)(注5) 11 11 -0.050 -0.050
(注4) 国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)の売却銘柄は、
利付国(2年)第453回(196億円)、457回(70)、
利付国(5年)153回(153)、155回(371)、156回(90)、
利付国(10年)341回(262)、361回(1,389)、362回(39)、364回(77)、366回(3,094)、368回(871)、370回(207)、
利付国(20年)108回(51)、117回(293)、120回(119)、135回(17)、
利付国(30年)37回(224)、63回(82)、
利付国(40年)8回(75)です。
(注5) 国債補完供給(国債売現先)・即日(午後オファー分)の売却銘柄は、利付国(30年)第73回です。
となっていまして、10年366という債券先物2025年3月限の受渡最割安銘柄ちゃんの補完供給がしれっと2300億円ちょい減っていたのが話題になっておりましたのでメモっておくわけですが、これが減額措置によって日銀の在庫から放出されるということになりますと、需給改善というはなしになりますし、特に今後もそうなんですけど、当面7-10年のところって日銀が過去のYCCの影響でアホみたいに保有している銘柄が多くて、先物の流動性に影響するんでネーノという話でもありますので、玉が市中に出てくるのは結構なお話、ということですけど日銀保有銘柄の一覧表見れば最終的には分かる話ではありますな(というか今日の補完供給で減りっぱなしかどうかを見るのもありか)とは思います。
まあしかしだいぶ国債補完供給減りましたけど、まだまだ4桁億円の国債補完供給が毎日行われているわけでして、この補完供給が理想を言えばゼロ、ただまあ何かの事故みたいなのは発生するでようから、全くのゼロにもならないのかもしれませんが、国債補完供給が本当の意味でマージナルな物になって来るまでは長期債の市場機能ガーとか言ってもむなしいだけですよね、とは思うのでありました。
まあ要するに日銀は6月と言わずにとっとと輪番減額ペースを上げろやゴルァという話で、中期と長期の買いすぎで金利抑圧している分が超長期に出ている面も否定できないと思う次第で、中長期の輪番をもっと減らせと思うのですが次の四半期はどうするのでしょうかね・・・・・・
ということで雑メモばっかりで恐縮至極でありました。
2024/11/27
〇交付税特会6Mが引き続きの金利上昇とかGCレポ足元低下とか
先週木曜日に落札利回りが平均で1月利上げ全織り込み、足切りで12月利上げ全織り込み、という中々素敵なレートになっていた、という話をご報告いたしましたが、昨日は今月5発目の交付税特会6M借入の入札がありましてですね、
https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/kariire/kari-result241126.htm
交付税及び譲与税配付金特別会計の借入金の入札結果(令和6年11月26日入札)
『本日、借入金の入札について、下記のように募入の決定を行いました。
記
1.借入根拠法律及びその条項 特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)附則第4条第1項
2.借入日 令和6年12月4日
3.償還期限 令和7年6月4日
4.償還方法 令和7年6月4日に一括償還
5.借入利率競争入札について
(1)応募額 4兆7,938億円
(2)募入決定額 1兆3,000億円
(3)募入最高利率 0.500%
(4)募入最高利率における案分比率 28.3070%
(5)募入平均利率 0.467%』
うひょーという結果でして、0.50で3割近い案分ってまあ0.50は止めビットを入れるならここでっしゃろレートなので流れた結果ここで案分というのは分かるのですが、止めビットに3割も案分掛かるのかよとも思ったりしました。
でまあこの0.500%とかいうのはもはや利上げ後の次回の付利金利の水準と目される金利そのものずばりなので織り込み度合い何%とかいうまでもありませんですし、平均の0.467%に関しても、12/20から手前が25bpという分解をすると(期間が長いので大きく変わらんのですが)後ろの12/20からの金利が0.488%くらい、ということになりますので、12月利上げをほぼほぼおりこみ、みたいな水準になっているのがチャーミング、という結果になりましたですな。ちなみに1月会合のところで切って計算すると後ろは0.559%位になりますので織り込みワッショイという感じになっております。
とまあそんな訳で、今月の交付税特会6M(毎回1.3兆円ほどが落札されてました)ですけれども、時間の経過と共にこのような結果に、()内は入札を実施した日ですな。
(11/06)0.331/0.347 応札6.5兆円
(11/12)0.358/0.375 応札6.5兆円
(11/19)0.384/0.400 応札6.3兆円
(11/21)0.411/0.475 応札5.8兆円
(11/26)0.467/0.500 応札4.8兆円
入札の度に足ズレが起きるので、特に12月織り込み度合いを計算する場合はちゃんと計算してちょんまげ、というのはございますが、まあそれはそうと12月1月の利上げ織り込み度がずんずん上昇している、というか昨日のとかもはや12月前提の値付けじゃろという結果になっていまして、こちら参加者層が薄い(交付税特会向けの「貸出金」なので参加者限定ではある)のはあるのですが、なんというチャーミングなムーブを示しておられるのでしょうかという味わいの深い結果になっておりました。まあ短国に関しても昨日申し上げたように3か月とかいう「モノとしての短期国債」ニーズに蹂躙されているゾーンはさておきましても、1年どころまでくると何となく市場っぽいムーブを示しておられまして、おじいちゃん懐かしくて涙がちょちょぎれてしまいますわという動きがちょいちょいと散見されるようになってまいりまして大変に結構なお話ではないかと存じます次第。
でまあその一方でGCレポレートちゃんなのですが
https://www.jsda.or.jp/shiryoshitsu/toukei/trr/index.html
東京レポ・レート
先週月曜公表文から並べますと、
O/N T/N 1w 2w 3w 1m 3m 6m 1y
2024/11/15 0.203 0.235 0.208 0.208 0.208 0.210 0.256 0.349 0.401
2024/11/18 0.240 0.234 0.208 0.208 0.208 0.212 0.269 0.352 0.406
2024/11/19 0.231 0.238 0.209 0.209 0.212 0.213 0.272 0.352 0.407
2024/11/20 0.231 0.238 0.211 0.211 0.212 0.214 0.274 0.352 0.411
2024/11/21 0.234 0.224 0.211 0.212 0.212 0.216 0.275 0.354 0.415
2024/11/22 0.223 0.238 0.212 0.212 0.212 0.216 0.273 0.357 0.418
2024/11/25 0.234 0.230 0.212 0.212 0.213 0.217 0.273 0.360 0.421
2024/11/26 0.176 0.152 0.203 0.206 0.209 0.216 0.286 0.362 0.425
ってなレート推移になっていまして、もともとGCの方は短国よりも水準が高い(まあそれ以前にクソ長いタームのGCってサブスティテューションやらマージンコールやらで事務のハードルが翌日物と比べて高いじゃろというのがあって、運用サイドからみたら短国アウトライトの使い勝手に対抗するようになるのはまだ時間がかかりそうではある)のでアレですけど、ゆうて長いタームのレート(というか気配というかリファレンスというか)も気持ち上がっていますよね、って感じですなあ、という話を書くっぺかなとかそんなイメージでおったのですけれども、昨日公表分のGCで足元のレートが8bpほど低下の巻という事案が発生しておられますな。
この前も月末ムーブだか何だかしらんですけど、10/29に急に足元GCの東京レポレートが低下して、10/31のオーバーナイト(トモネは10/30のトモネ)まで金利水準が5〜10bp低下するという事案が発生していましたが、このムーブって実は本来もっとそういうのが起きそうな9月末では発生しておりませんで、突如10月、11月末と2か月連続で発生している謎ムーブになっております。
まあ単純に需給が急に変わって、それが(もし今回のも月末跨いだ後終わるなら)月末要因による何かがありますね、って事にはなると思うのですが、今まで無かった月末ムーブのプレイが急に最近になって2回連続で起きる、というのはデューク東郷じゃないですけど「二度の偶然は無い!」という話になるかとは思いますが、はてさて何がどうなっているのやら、とは思います。
〇PD懇の議事要旨は多分午前中(というか朝)には出ると思いますが(メモだけ)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-11-26/SNJXIZT0G1KW00
財務省、40年債は生保需要減退で相応の減額が適当との意見−PD会合
山中英典、日高正裕
2024年11月26日 18:45 JST
『財務省によると、26日に開かれた国債市場特別参加者(プライマリーディーラー、PD)会合では来年度の国債発行計画について、40年債は生命保険の需要減退で来年4月から相応の減額をするべきだとの意見が出た。同省幹部が会合後、具体的な意見の内容を明らかにした。』(上記URL先より、以下同様)
『・超長期債については異口同音に生保の規制対応の進捗(しんちょく)による需要減退を踏まえ、減額が適当との意見が多く聞かれた』
『・減額の時期については、一部で今年度内から先行して減額を求める声もあったが、相応規模の減額をするなら来年度からで良いという意見が多かった』
相応規模の減額が必要な需給関係なら先行してやった方がよさそうな気がするのだがw
『・30年債は40年債に比べれば需要は見込めるが、減額は適当との意見』
しかし一時50年債作れとかいう話があったのは何だったのだという事で、まあ市場を丸無視するのもどうなのかというのはあるのですが、中長期的視点でのニーズってのも踏まえて市場の方も意見を出さないと後から何だったのかみたいな話になるのではと。
『・長期、中期ゾーンは総じて銀行などの追加的な投資需要が見込めるとし、増額余地があるとの意見』
まあ銀行などの追加的な投資需要、というよりは日銀の政策によって止むを得ず中長期ゾーンの国債への投資ではなくて他の投資をしていた資金が回帰する、という正常化の過程にあるのと、この間に期間ミスマッチとかそのあたりに関する規制が厳しくなっているので追加需要が発生しているでしょ、ってことになるのかと思います。
でまあ最後ですよ最後。
『・短期ゾーンは3カ月物を中心に旺盛な需要を踏まえ増額を求める意見が聞かれた』
(;∀;)イイハナシダナー
(;∀;)イイハナシダナー
(;∀;)イイハナシダナー
いやもう是非ともその方向でお願いいたしたいアタクシなのでありました。
あと、昨日は企業物価指数と基調的な物価もあったのですがFOMC議事要旨ネタを優先してパスということでさーせんm(__)m
2024/11/26
〇短国ちゃんも1年の辺りがちょっとだけ市場らしくなってきた件について
いつもの売参
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html
3Mのところばっかり見ておりましたが、実は1年短国ちゃんがここもと金利上昇気味でして、
(11/21引値)
国庫短期証券1270 2025/11/20 平均値単利 0.430
(11/22引値)
国庫短期証券1270 2025/11/20 平均値単利 0.455
(11/25引値)
国庫短期証券1270 2025/11/20 平均値単利 0.460
ということで昨日ネタにするのをうっかりしておりましたが、この1年短国って入札時の利回りが0.4379%/0.4449%なので、ここに来て入札時の価格を切ってきている(ただしこの銘柄は短いゾーンと違ってGCレポ対比ポジティブキャリー)という図になっておりますな。
まあ1年ともなりますとドル円スワップ対比でどうのこうのみたいな人が参戦しませんし、担保ニーズという点では(まあゆうて2年とかも担保に使うでしょうから別にニーズが無い訳ではないと思いますが)3Mとかその辺対比で価格変動もそれなりにしますし、だいたいからして金利リスク量を食ってしまいますから、「モノ」としてのニーズが3Mよりもだいぶ少ない、ということもあってまあこのレート形成になっているように見えますすな。詳しくは知らんけど。
でまあ50bpに近くなってくると、とりあえずGCだのコールだのとかと比較してとりあえず1回分の利上げには耐えられるには耐えられるのですが、まあその次の利上げという話になると厳しいとかいう当たり前の話はあるにしましても、利付2年のカレントが、
(11/25引値)
中期国債 466(2) 2026/11/01平均値複利0.588 平均値単利0.585
とかやっていて結局2回以上の利上げになると逆ザヤ確定水準なのを勘案しますと、1年短国カレントのあたりやっと市場っぽくなってきたじゃんという風情(単に2年とかの中期がクソ割高なだけという説は大有りだがそこは知らんことにしまして、笑)になって来ましたなという雑感なのでありまする。
12月利上げ1月利上げは正直これ短期の人以外で見たら誤差の話なのに、何でこのネタで毎度引っ張られるのか、というお話に関しては、「次の次」への意識の違いってのがあるんかいな、ということなんでしょうかねえ。そこ12月でも1月でも同じな気がしますが、まあ12月利上げするとその先を強く意識するとかそういう話になっているのならそういうことなんでしょうかね、謎にもほどがあるけど。
なおワイは今のチキン体制で次の次っていうのはいつものように、円安でシバかれるか、物価高批判の矛先が日銀に向かいだす、あるいは物価高退治に日銀様おねげえしますだ、という日銀垂涎の展開でもいいんですけど、まあそんな感じで、「お膳立てされないと政策修正をしない」という日銀ちゃんチキンあるいは目先の責任回避(通貨価値の安定を通じて国民厚生に資するという本来の責任の話はさて置かれるのだが)に走るとしか見ていないので、結局は「お膳立てが整うか」だけの問題だと思うので、12月だろうが1月だろうが結局次の次に大差発生しないと思いますけどね(フラグではない)。
まあ何にしましても、こうやって少しは市場っぽくなってくるのは良い話ではあるのですが、1年短国の金利が上がってみると前述のように2年の金利とか中期の金利水準ってこれ何なのよという話になるのですが、こちらはどっからどう見ても中短期の輪番が買いすぎにもほどがあるという話に帰着するわけでして、これすなわち7月に決定した輪番減額プランの腰が引けすぎだった、という話なんですが、これはマーケットメーカーにヒアリングぶち込みに行くとどうしても現状からの大きな変更については躊躇するバイアスが掛かる(ワシがマーケットメークしてたらやっぱりそこは思うだろうし)ので、聞く相手の選択がどうだったのか、って話はあったように思えますし、まあ初手だからビビったというのもあるでしょうし、事実上の初利上げ(マイナス金利解除は利上げであっても利上げではない)もセットだからさらにビビった、というのはまあわかるんですが、見直しが来年の6月まで無い、っていう建付けは(ビビったので仕方ないけど)ちょっと時間の置きすぎだったように後知恵では思えますな。
2024/11/25
〇3Mは先週よりもレート低下しましたがまあめちゃめちゃ強くなるほどでもなく
金曜の3M短国ですが、こちら3月償還ですがその前の前の週に出てたカレント3Mを始めとして基本的に2月足の短国が引き続き11bpの引値で来ていましたのでそこでそんなに段差つくのかいなとは思っておったわけですし、カレント以外の既発も別に重いわけでもなさそうなので、という入札でしたが、
https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20241122.htm
国庫短期証券(第1271回)の入札結果
『本日実施した国庫短期証券(第1271回)の価格競争入札及び国債市場特別参加者・第T非価格競争入札について、下記のように募入の決定を行いました。
記
1.名称及び記号 国庫短期証券(第1271回)
2.発行根拠法律及びその条項
財政法(昭和22年法律第34号)第7条第1項、財政融資資金法(昭和26年法律第100号)第9条第1項並びに特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第83条第1項、第94条第2項、同条第4項、第95条第1項、第136条第1項及び第137条第1項
3.発行日 令和6年11月25日
4.償還期限 令和7年3月3日
5.価格競争入札について
(1)応募額 8兆6,741億円
(2)募入決定額 3兆2,741億5,000万円
(3)募入最低価格 99円96銭4厘0毛
(募入最高利回り) (0.1341%)
(4)募入最低価格における案分比率 60.9986%
(5)募入平均価格 99円96銭7厘5毛
(募入平均利回り) (0.1210%)』
ということで0.1210/0.1341でしたが、まあ手前の気配もしっかりしているのでと思ったら結局売参ちゃんは平均レベルの0.120%で引かせていましたが、金曜はしらっとその手前の銘柄が強くなっていましたなという所です。
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html
(11/22引値)
国庫短期証券1268 2025/02/17 平均値単利 0.105
国庫短期証券1214 2025/02/20 平均値単利 0.105
国庫短期証券1269 2025/02/25 平均値単利 0.105
国庫短期証券1271 2025/03/03 平均値単利 0.120←金曜入札の新発
国庫短期証券1272 2025/03/10 平均値単利 0.120←今週金曜の3MのWI
(11/21引値)
国庫短期証券1268 2025/02/17 平均値単利 0.110
国庫短期証券1214 2025/02/20 平均値単利 0.120
国庫短期証券1269 2025/02/25 平均値単利 0.110
国庫短期証券1271 2025/03/03 平均値単利 0.130←金曜入札の新発WI
しれっと手前の銘柄を5糸強くしていますし、まあ平均水準でちゃっかり引かせていますので、先週(とその前の週後半)謎の盛り上がりで金利上昇しましたが一段落という感じですか。1月償還のところが居場所が分からん(売参は7bpですがホンマカイナという感じではある)のですが、一応3Mで1bpだの何だのとかいう地獄のような水準については一旦打ち止めになったという感じでしょうか、知らんけど。
あと、3M新発ちゃん最近は応札が10兆円割れが定着していまして、今回も9兆割れでその前の週は金利があがったのもあって9.3兆円の応札あったのですが、金利が若干上がりだした11月2週目の入札から応札10兆円割れになってきまして、そのあたりも1bpとかいうような熱量はちょっと落ちたかな(と言ってもよくよく考えたら10bp台前半ってナンヤソラレートだし利上げとは何のことかという話ではあるのだが)とは思うのですが、まあ引き続き短国市場もうちょっと真面目に育成してくれませんかねえというのは変わらず、といったところですなナムナム。
2024/11/22
〇交付税特会6Mの金利が大きく上がって12月1月利上げの織り込みが・・・・・・
交付税6Mって今週は火曜と木曜にあるというイソガシヤ日程だったのですな、ということで先に火曜日の方の結果ですけど、
https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/kariire/kari-result241119.htm
交付税及び譲与税配付金特別会計の借入金の入札結果
『本日、借入金の入札について、下記のように募入の決定を行いました。
記
1.借入根拠法律及びその条項 特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)附則第4条第1項
2.借入日 令和6年11月27日
3.償還期限 令和7年5月27日
4.償還方法 令和7年5月27日に一括償還
5.借入利率競争入札について
(1)応募額 6兆3,179億円
(2)募入決定額 1兆3,000億600万円
(3)募入最高利率 0.400%
(4)募入最高利率における案分比率 66.0500%
(5)募入平均利率 0.384%』
ということで0.384/0.400だったのですが、昨日の交付税特会6Mは
https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/kariire/kari-result241121.htm
交付税及び譲与税配付金特別会計の借入金の入札結果
『本日、借入金の入札について、下記のように募入の決定を行いました。
記
1.借入根拠法律及びその条項 特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)附則第4条第1項
2.借入日 令和6年11月29日
3.償還期限 令和7年5月30日
4.償還方法 令和7年5月30日に一括償還
5.借入利率競争入札について
(1)応募額 5兆7,569億円
(2)募入決定額 1兆3,000億円
(3)募入最高利率 0.475%
(4)募入最高利率における案分比率 2.5462%
(5)募入平均利率 0.411%』
ちょwww0.411/0.475ってテラ金利上昇wwwwwwwwww
ちなみに先日ネタにしましたけど、先週火曜の特会6Mは0.358/0.375なので1週間ちょいで足切り10bp上昇ですがなという金利上昇を呈しております。
・・・・とまあそういう訳で例によって例の如く「手前の金利が0.25%の時に決定会合跨いだ先のインプライド金利何ぼですか」というのを計算しますと、昨日のレートに関しては、足切りの0.475%ってのが、12/20(つまり12月決定会合の翌営業日(翌営業日から付利引き上げと考えますわな))で切った場合に、最初0.25%だとすると後ろの金利が0.504%とかいう事になりまして、なんということでしょう12月利上げフル織り込み(ただしその先の利上げはゼロ織り込みw)という結果になってしまいました。
ちなみに平均の0.411で計算すると12月会合以降の金利が0.432%で1月会合以降の金利が0.489%なので、平均ベースで言えば1月利上げが殆ど織り込み、なのでまあこっちで評価するのが妥当のような気もしますが(^^)、少なくとも12月1月の利上げをかなり織り込むような形になっている(ただし「その先」は織り込んでません)という大変に味わいの深い結果になっておりました。
足もとに来て短国は毎度おなじみの如く「短期国債というブツ」へのニーズがあるのと発行がクソ足りないのとの合わせ技で金利上がってもあんなもんですけれども、交付税特会(特会向け貸出金は日銀適格担保に使えるので担保需要には役立ちます為念)とかの辺りの「国債というモノ」以外の短期金融商品に関しては利上げを織り込みに行くようなムーブがちらほらという感じですし、足切りが12月利上げして後半の金利が0.50%、ってところできっちり止まる辺り、ようやっと昔の「短期市場における先行きの政策金利変更思惑を織り込んだ価格形成」の復活、と言いたいけどまあそこまでの話ではないにせよ、片鱗でも出てきたというのは誠にめでたい話でして、なんかもうおじいちゃんとしては生きてて良かったくらいの感慨が沸き起こって参ります、というのは無茶苦茶話を盛っていますがw、まあ感慨というものはある結果ではありました。
でもって今日は3M短国でとうとう3月償還物が登場するわけですが、売参ちゃんを見ますと、
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html
(11/21引値)
国庫短期証券1268 2025/02/17 平均値単利 0.110
国庫短期証券1214 2025/02/20 平均値単利 0.120
国庫短期証券1269 2025/02/25 平均値単利 0.110←先週入札のカレント3M
国庫短期証券1271 2025/03/03 平均値単利 0.130←今日の新発WI
ということで一応13bpとかになっていますが、こちらの辺りの引値って基本的に前日と変わっていない(1214という1年短国の成れの果てだけは時々動いていますが)ので、交付税特会方面での利上げ織り込み祭り開始(とか言ってみましたがこのムーブが継続するかどうかは知らんけど)が何ぼのもんじゃいという動かざること山の如しモードになっておられますし、だいたいからして先週の入札でちょっと金利が上がれば買いも来る(ただし短国がもつ本来の諸葛孔明の罠は毎週テナーが1週間ズレるので真面目に織り込み計算とか始めると上記のような能天気なテナー無問題の並び引値には本来なりえないことですが、織り込み祭りによる覚醒がこっちまで来ていないので致し方なし)というのが確認できただけに、まあ変な下値不安無いよねという所ではございますな。
しかし3月償還ですかぁ・・・・っては思いますけどまあどうなることやら。
2024/11/21
〇短国ちゃんとかあったので今更ですがメモメモ
・まあゆうて短国の絶対量は足りないんでしょうねえと思った昨日の引値
ということで売参ちゃんをメモっておきますと(引用長くなるから短い方は3Mで出た銘柄だけ並べる)
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html
(11/20引値)
年末越えのあたり
国庫短期証券1259 2025/01/08 平均値単利 0.070
国庫短期証券1260 2025/01/14 平均値単利 0.070
国庫短期証券1262 2025/01/20 平均値単利 0.070
3Mのあたり
国庫短期証券1268 2025/02/17 平均値単利 0.110
国庫短期証券1269 2025/02/25 平均値単利 0.105
国庫短期証券1271 2025/03/03 平均値単利 0.115
1年
国庫短期証券1263 2025/10/20 平均値単利 0.379
国庫短期証券1270 2025/11/20 平均値単利 0.420
・・・・1年どころの利回りがちゃっかり低下していまして、まあ結局のところ入札の瞬間は買いの勢いが止まっていても一旦落ち着くと気配低下しますよね、という展開な訳ですが、水準的に0.4台だと手を出しやすい、とか言っても冷静に考えれば次の利上げで付利金利負けするんですが、そもそも論として短い短国が全部今の付利に負けている利回りなので、まあそこから見たら魅力的(って書いてるワイもないないないとか突っ込みたくなるけど)ではあるものの、1年だと価格変動リスクも3mの4倍はあるわけで価格変動も考えてそれが適正なのというと謎。
とはいいましても、一旦1年どころも落ち着きましたよねって感じですな。
(11/19引値)
年末越えのあたり
国庫短期証券1259 2025/01/08 平均値単利 0.070
国庫短期証券1260 2025/01/14 平均値単利 0.070
国庫短期証券1262 2025/01/20 平均値単利 0.070
3Mのあたり
国庫短期証券1268 2025/02/17 平均値単利 0.115
国庫短期証券1269 2025/02/25 平均値単利 0.110
国庫短期証券1271 2025/03/03 平均値単利 0.115
1年
国庫短期証券1263 2025/10/20 平均値単利 0.385
国庫短期証券1270 2025/11/20 平均値単利 0.435
・・・・・・1年の入札があったのですが、0.4台半ば近くまで足切りが突っ込みまして、1個手前との金利差が結構エゲツナイことになっているのですが、これはもう需給なのでシャーナシとしましても、まあこっちはそういう意味では利上げ見通しの高まり(10月の1年短国の入札の時はトランプ来るかもと思っても圧勝の赤一色とかいう話では全然なかったしそもそも3Mの金利がクソ低かったし)を示したといえば示したと。
ただまあそのどさくさにまぎれまして、前週末の3M入札辺り前のところから引値だけは甘くされていた年末越えの短国利回りちゃんがちゃっかりと一桁bpに強くされていまして、まあ結局のところ短国のニーズは相変わらず需要旺盛ですわなというお話なんでしょうね、知らんけど。
(11/18引値)
年末越えのあたり
国庫短期証券1259 2025/01/08 平均値単利 0.100
国庫短期証券1260 2025/01/14 平均値単利 0.100
国庫短期証券1262 2025/01/20 平均値単利 0.100
3Mのあたり
国庫短期証券1268 2025/02/17 平均値単利 0.115
国庫短期証券1268 2025/02/17 平均値単利 0.115
国庫短期証券1271 2025/03/03 平均値単利 0.115
1年
国庫短期証券1263 2025/10/20 平均値単利 0.379
国庫短期証券1270 2025/11/20 平均値単利 0.435
・・・・・・金曜の3Mは前日の引けでなんか威勢よくWIを安くしていましたが、結局入札は堅調でその後0.11%水準に戻ってしまって、まあ結局そういうことやぞ、という感じでしたが今度は翌日に入札のある1年WIの気配を5bpくらい飛ばして堂々の0.4台乗せにしてきました、という流れでございましたが、上記の通りで結局まあ水準をある程度修正すれば買いはホイホイやってくるということで、短国自体の需要の旺盛さというのは別に変らん(ただし3Mで1bpとかいうような地獄の利回りではコストマイナスとかなんでもいいから物寄こせという人のニーズしかないので、その辺が充足するとさすがに、というお話だったのかなあ、という先週今週のムーブではありました。
でもって明日はまたいつものように3Mがありまして、ついに明日のは3月償還になってしまうのですが(1271が新発WI)今の辺りの利回りで普通に捌けるのか在庫残るのか、はてさてどうなるんでyそうねえというのと、1月償還と2月償還で引値に段差ついてるのって、まあ1月償還の辺りの3Mって強い入札の連発=強く変える投資家のところに入って出てこない、なので玉無し芳一なのはわかるんですが、月曜日に段差少なくなったように見せていましたが、やっぱり段差あるわという感じでまあ需給要因ばっかりと言ってしまえばそれまでですが、不思議な市場のままでして、「短期のリスクフリー資産のターム物金利指標」に短国がなるのは道遠し、という感じですなあとは毎度思うのでありました。しょぼーん。
2024/11/18
〇3M短国はさすがにねえ(強めの入札からカバーらしきものも入って引けは11bp)
ということで5年国債は別の人たちがああだこうだ説明していると思うので短国。
https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20241115.htm
国庫短期証券(第1269回)の入札結果
『本日実施した国庫短期証券(第1269回)の価格競争入札及び国債市場特別参加者・第T非価格競争入札について、下記のように募入の決定を行いました。
記
1.名称及び記号 国庫短期証券(第1269回)
2.発行根拠法律及びその条項
財政法(昭和22年法律第34号)第7条第1項、財政融資資金法(昭和26年法律第100号)第9条第1項並びに特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第83条第1項、第94条第2項、同条第4項、第95条第1項、第136条第1項及び第137条第1項
3.発行日 令和6年11月18日
4.償還期限 令和7年2月25日
5.価格競争入札について
(1)応募額 9兆2,693億円
(2)募入決定額 3兆2,499億8,000万円
(3)募入最低価格 99円96銭1厘5毛
(募入最高利回り) (0.1419%)
(4)募入最低価格における案分比率 35.0434%
(5)募入平均価格 99円96銭5厘4毛
(募入平均利回り) (0.1276%)』
ということで、前週の5bp足切りから見たらエライ金利上昇していますが、WIで0.14%とかにしていたので、アベレージ0.13割れということで入札としては強い結果ですし、売買参考統計値見ますと引値が周囲の銘柄よりも強い水準にひかせていて、セカンダリーで買いがあったのか入札で大きな札入れがあったのかはさておきましても、いずれにせよショートカバー入っていますよね、って感じの流れ。
いやまあつい2週間前まで年末越え3Mが1bpとかいうようなこの世のものとは思えない品薄コモディティ状態になっていたんですから、そらまあ利回り10bp超えたらどっかで買いが入るでしょうという風情ではありましたが、ロットの取れる入札というタイミングで買いが来て戻るでござるの巻と相成ったようです。
あとはこの状況で買いを確認したのでまた一桁bpに戻ってしまって実は品薄地獄は終っていなかったという落ちになるのか、それともこの辺りの水準を新しい落ち着きどころ(冷静に考えれば付利より10bp以上金利低いし利上げしたら付利より35bp以上金利が低いことになるんですから中々の鬼レートでこんなことろで落ち着かれても如何なものかと思いますが)にして価格形成が行われるのか、どうなるやらという感じですが、明日の1年入札に関しては多分別のロジックで値段が付くと思うので注目はするけど3Mの参考にはならないかもです。
でもって売参
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html
(11/15引値)
国庫短期証券1262 2025/01/20 平均値単利 0.100
国庫短期証券1264 2025/01/27 平均値単利 0.100
国庫短期証券1265 2025/02/03 平均値単利 0.115
国庫短期証券1248 2025/02/10 平均値単利 0.115
国庫短期証券1266 2025/02/10 平均値単利 0.100
国庫短期証券1268 2025/02/17 平均値単利 0.115
国庫短期証券1214 2025/02/20 平均値単利 0.125
国庫短期証券1269 2025/02/25 平均値単利 0.110←金曜入札のあったカレント3M
国庫短期証券1271 2025/03/03 平均値単利 0.115←今週末に入札のある新発3MのWI
国庫短期証券1255 2025/03/10 平均値単利 0.180
国庫短期証券1220 2025/03/21 平均値単利 0.200
国庫短期証券1261 2025/04/10 平均値単利 0.224
(11/14引値)
国庫短期証券1262 2025/01/20 平均値単利 0.100
国庫短期証券1264 2025/01/27 平均値単利 0.100
国庫短期証券1265 2025/02/03 平均値単利 0.129
国庫短期証券1248 2025/02/10 平均値単利 0.129
国庫短期証券1266 2025/02/10 平均値単利 0.129←先週入札のあったカレント3M
国庫短期証券1268 2025/02/17 平均値単利 0.130
国庫短期証券1214 2025/02/20 平均値単利 0.140
国庫短期証券1269 2025/02/25 平均値単利 0.140←今日入札のある新発3MのWI
国庫短期証券1255 2025/03/10 平均値単利 0.180
国庫短期証券1220 2025/03/21 平均値単利 0.199
国庫短期証券1261 2025/04/10 平均値単利 0.215
・・・・・ということで、1月償還の10bってのは同じで、ついでにWIの後ろにある3月10日償還以降の引値も同じで、新発と今週末の新発WIのところまでの2月償還だけ引値修正しているという相変わらずの引値ではありますが、3/3と3/10の7日間のフォワードレートどうなってますねんという引値の付き方は相変わらずの短国クオリティですな(なお当たり前ですが引値通りに売買できるとは言っていないですよ売買参考統計値ですからwww)
とまあそういう訳で、いったん短国金利上昇騒動??の方は一服といった風情になったようですが、あまりにも勢いよく金利が上がると止まっていた手が、金利上昇一服した後に戻ってくるなどの展開もアリエールなので、さて今週の3Mに向けてどういう感じになっていくのやら、と皆様全然興味がなさそうな事案のメモをせっせと取ってワシの備忘録としておく(過去ログ最近は整理しだしているので直近数か月(おい)はちゃんとありまっせ、というか一応この駄文の建付けはアタクシの備忘録ですわw)のでありましたとさ。
2024/11/15
〇さあ今日の3M短国は面白くなってまいりました(フラグではありませんw)
売参ちゃん
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html
昨日もネタにしましたのでついでだからこの3日の引値推移ということにして昨日引用したのを貼るという手抜きに打って出るわけですがw
国庫短期証券1262 2025/01/20 平均値単利 0.100
国庫短期証券1264 2025/01/27 平均値単利 0.100
国庫短期証券1265 2025/02/03 平均値単利 0.129
国庫短期証券1248 2025/02/10 平均値単利 0.129
国庫短期証券1266 2025/02/10 平均値単利 0.129←先週入札のあったカレント3M
国庫短期証券1268 2025/02/17 平均値単利 0.130
国庫短期証券1214 2025/02/20 平均値単利 0.140
国庫短期証券1269 2025/02/25 平均値単利 0.140←今日入札のある新発3MのWI
国庫短期証券1255 2025/03/10 平均値単利 0.180
国庫短期証券1220 2025/03/21 平均値単利 0.199
国庫短期証券1261 2025/04/10 平均値単利 0.215
(11/13引値)
国庫短期証券1262 2025/01/20 平均値単利 0.050
国庫短期証券1264 2025/01/27 平均値単利 0.030
国庫短期証券1265 2025/02/03 平均値単利 0.079
国庫短期証券1248 2025/02/10 平均値単利 0.079
国庫短期証券1266 2025/02/10 平均値単利 0.079
国庫短期証券1268 2025/02/17 平均値単利 0.080←先週入札のあったカレント3M
国庫短期証券1214 2025/02/20 平均値単利 0.080
国庫短期証券1269 2025/02/25 平均値単利 0.080←今日入札のある新発3MのWI
国庫短期証券1255 2025/03/10 平均値単利 0.150
国庫短期証券1220 2025/03/21 平均値単利 0.170
国庫短期証券1261 2025/04/10 平均値単利 0.190
(11/12引値)
国庫短期証券1262 2025/01/20 平均値単利 0.050
国庫短期証券1264 2025/01/27 平均値単利 0.050
国庫短期証券1265 2025/02/03 平均値単利 0.070
国庫短期証券1248 2025/02/10 平均値単利 0.070
国庫短期証券1266 2025/02/10 平均値単利 0.070
国庫短期証券1268 2025/02/17 平均値単利 0.070←先週入札のあったカレント3M
国庫短期証券1214 2025/02/20 平均値単利 0.070
国庫短期証券1269 2025/02/25 平均値単利 0.070←今日入札のある新発3MのWI
国庫短期証券1255 2025/03/10 平均値単利 0.065
国庫短期証券1220 2025/03/21 平均値単利 0.085
国庫短期証券1261 2025/04/10 平均値単利 0.160
・・・・・・!!!!
ということで何ですかこの推移は(ちなみに引用しているとだんだらがクソ長くなるので飛ばしていますが年内償還の短国は期近は別にしまして軒並み0.100%→0.130%に金利が上昇しておられる)という感じですが、もともと金利水準がクソ低いというのはあるのですが、3Mのところの修正早すぎクソワロタという感じですけど、14bpってホンマカイナ感はだいぶただようところまで来ている(とはいってもまあ確かに2/25足って1月利上げでも1か月食らう訳ですからねえというのはある)気もするんですけど、実際のところは今日の入札をみないと何とも言えませんなという感じなので、入札を見てからあらめて何とか言おうかとwww
しかしまあ何ですな、この短国の引値、年末越えとかの四半期要因部分で段差が付くのはまあ話はわかるんですけれども、月末で段差付くのって如何なものか感がぬぐえない訳でございまして、決定会合跨ぎで段差つかないという辺りにまだまだ金利市場というよりもただの需給マーケットのままなんだな、と思ってしまう(個人の感想です)ところでして、まだまだ短国市場が「参加者の金利見通しを反映したリスクフリー金利」になるには遠い道がありそうだな、と思うのは思う訳ですが、なんかもう謎のタイミングとしか言いようが無いタイミング(強いて言えばトランプトレードの円安進行をはじめとする要因くらいしか思い浮かばないのですが、だったら先週金曜の入札まではカジュアルに強かった訳でして・・・・)で急に金利がまともになりだしているのは正直当惑を隠せないところではありまするwwwww
なおこの間のGCちゃんですけれども、
https://www.jsda.or.jp/shiryoshitsu/toukei/trr/index.html
O/N T/N 1w 2w 3w 1m 3m 6m 1y
2024/11/7 0.226 0.231 0.204 0.204 0.204 0.207 0.243 0.308 0.359
2024/11/8 0.164 0.235 0.204 0.204 0.204 0.208 0.246 0.309 0.360
2024/11/11 0.243 0.237 0.207 0.207 0.207 0.209 0.247 0.310 0.366
2024/11/12 0.215 0.228 0.207 0.207 0.207 0.208 0.251 0.314 0.375
2024/11/13 0.240 0.222 0.207 0.207 0.208 0.209 0.253 0.323 0.384
2024/11/14 0.192 0.204 0.206 0.206 0.207 0.208 0.254 0.335 0.390
ということで、まあ6mとか1Yとかじりじり金利上昇しているのと、相変わらずなんですが足元のGCが謎のタイミング(先週は国債発行要因チックなところがあったけど木曜にO/Nだけ下がるという今週の挙動は何ですかの)に下がったり上がったりしてますな。
とは言いましても3mのGCが急にどうのこうのという事は無いので、短国ちゃんの修正に関しては短国独自の需給要因(そらまあ金利水準見れば明らかですけど)というのがあるんでしょうなとは思いますけど、まあいずれにしても今日の入札は注目していただいて宜しいのではないかと存じますです、はい。
2024/11/14
〇だいぶ金利が調整されてきたので長期債市場メモ
まあ素敵
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/55CIARQVORONXDYJTV7GQFP36I-2024-11-13/
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は大幅続落、米債安が逆風 長期金利は3カ月半ぶり1.04%
By ロイター編集
2024年11月13日午後 3:20 GMT+9
『[東京 13日 ロイター] - <15:07> 国債先物は大幅続落、米債安が逆風 長期金利は3カ月半ぶり1.04%
国債先物中心限月12月限は、前営業日比42銭安の143円11銭と大幅続落して取引を終えた。米債安の流れが波及した。新発10年国債利回り(長期金利)は同3.5ベーシスポイント(bp)上昇の1.040%と、8月1日以来の高水準を付けた。』(上記URL先より、以下同様)
まあしかしよくよく考えてみますとマイナス金利政策の時も10年1%じゃーとかやっていた訳でして、ベースレートが0.25%になっているのに10年1.04%でやっと「何か月ぶり」とか言ってるのは水準おかしいじゃろという説はなくはない(個人の妄想です)。
『現物市場では10年物以外の新発国債利回りも総じて大幅上昇。2年債は前営業日比2.0bp上昇の0.520%と2008年12月以来の高水準、5年債は同3.0bp上昇の0.680%と09年10月以来の高水準を付けた。20年債は同2.5bp上昇の1.870%、30年債は同1.5bp上昇の2.275%、40年債は同3.0bp上昇の2.605%。』
2年もやっと50bpを明確に上回ってきましたが、この2年の金利とて本来は足元が25bpで向こう3か月以内にベースレートが50bpになるとみている向きが多い、という債券市場ちゃんの状況からしましたら、この水準ですらアホみたいなレートになっていて、利上げが0.50%で打ち止めとかいうのを皆で信じるにしたってタームプレミアムってのがあるだろということまで含めると何ですかこれはという金利になっておられる訳です。
『TRADEWEB
OFFER BID 前日比 時間
2年 0.52 0.529 0.024 15:02
5年 0.679 0.685 0.03 15:02
10年 1.038 1.045 0.04 15:02
20年 1.868 1.876 0.026 15:02
30年 2.273 2.281 0.02 14:57
40年 2.598 2.611 0.032 15:03』
よくよく見てみれば中期ゾーンって2年から5年の間が15bpちょいしかスプレッド無いわけでして、しかも今申し上げたように2年の金利が政策金利見通しとして考えたらそれまだまだ低くねえか、という水準なので、結局のところ中期ゾーンの金利が全般的にどうなのよという感じはするんですよね、あくまでも個人の感想ではあるのですけれども。
まあこんなの日銀の買入のやりすぎ以外の何物でもないのであって、日銀の輪番減額のペースがクソ遅すぎな訳で、利上げをちんたらやりたいなら輪番をもっと勢い良く減らせよこのクソボケとしか申し上げようがないです。まあしいて言えばこの前の決定会合以降のコミュニケーションでも見られるように、日銀が「隙あらば利上げをしない言い訳を捻じ込んでくる」という所に、日銀は官邸か財務官あたりからの差し込みが飛んでこない限り、自分の意思と責任で正常化しようという気が無いんだろうなあ、と思われるコミュニケーションをしているのも影響しているんジャマイカとおもったり思わなかったり(個人の感想です)。
〇短国の金利がここもと調整しておりますが・・・・・・・・・・
いつもの売参
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html
手前の方はあんまり変わっていないのですが、3M近くのところが面白い事に
(11/13引値)
国庫短期証券1262 2025/01/20 平均値単利 0.050
国庫短期証券1264 2025/01/27 平均値単利 0.030
国庫短期証券1265 2025/02/03 平均値単利 0.079
国庫短期証券1248 2025/02/10 平均値単利 0.079
国庫短期証券1266 2025/02/10 平均値単利 0.079
国庫短期証券1268 2025/02/17 平均値単利 0.080←先週入札のあったカレント3M
国庫短期証券1214 2025/02/20 平均値単利 0.080
国庫短期証券1269 2025/02/25 平均値単利 0.080←明日入札のある新発3MのWI
国庫短期証券1255 2025/03/10 平均値単利 0.150
国庫短期証券1220 2025/03/21 平均値単利 0.170
国庫短期証券1261 2025/04/10 平均値単利 0.190
(11/12引値)
国庫短期証券1262 2025/01/20 平均値単利 0.050
国庫短期証券1264 2025/01/27 平均値単利 0.050
国庫短期証券1265 2025/02/03 平均値単利 0.070
国庫短期証券1248 2025/02/10 平均値単利 0.070
国庫短期証券1266 2025/02/10 平均値単利 0.070
国庫短期証券1268 2025/02/17 平均値単利 0.070←先週入札のあったカレント3M
国庫短期証券1214 2025/02/20 平均値単利 0.070
国庫短期証券1269 2025/02/25 平均値単利 0.070←明日入札のある新発3MのWI
国庫短期証券1255 2025/03/10 平均値単利 0.065
国庫短期証券1220 2025/03/21 平均値単利 0.085
国庫短期証券1261 2025/04/10 平均値単利 0.160
1月償還の一部の銘柄(引用してないけど実は1月頭の償還の銘柄も同じく)がなぜかレート下がっているのですが、それはそれとして火曜の引けでは年末越えから3月償還までが引値10bp割れ(年内償還の引けは10bpです為念)になっていたのですが、水曜の引けでは引値の段差の位置が3月末から2月末にワープするという面白展開になっております。なんのこっちゃ。
ということで背景は存じませんけれども(成り行きマシーンの需要が一服したから、というのだけは間違い無いので、その成り行きマシーンが担保足りないマンなのか、ベーシススワップマンなのか、長期金利上昇待ちの退避資金が避難所から退出したのか、それらの合わせ技なのか、という話だとは思いますが)俄かに短国市場が息を吹き返してきました、というのかどうかは謎ですし、だいたいからして金利の絶対水準は地獄のど真ん中からちょっとマシになった程度に過ぎないんですけど、まあいずれにしましても、明日の3M短国(と来週火曜の1年短国)の入札とその後のセカンダリー動向に関してはやっと面白くなってくるのかもしれません。
とは言え需要は恒常的に超過だからなあ(償還が減ってくるので償還再投資分の超過需要はちょっと軽減されるちゃあ軽減されるんですが)・・・・・・・・
2024/11/13
〇益々今週の3M入札どっちに転ぶのかを注目したい短国ちゃん周りのメモです
いつもの
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html
3M以内の全ゾーンって出しているとエライことになるのでてきとうな切り方をしますが、
(11/12引値)
国庫短期証券1202 2024/12/20 平均値単利 0.100
国庫短期証券1258 2024/12/23 平均値単利 0.100
国庫短期証券1259 2025/01/08 平均値単利 0.050
国庫短期証券1242 2025/01/10 平均値単利 0.050
国庫短期証券1264 2025/01/27 平均値単利 0.050
国庫短期証券1265 2025/02/03 平均値単利 0.070
国庫短期証券1248 2025/02/10 平均値単利 0.070
(11/11引値)
国庫短期証券1202 2024/12/20 平均値単利 0.085
国庫短期証券1258 2024/12/23 平均値単利 0.085
国庫短期証券1259 2025/01/08 平均値単利 0.049
国庫短期証券1242 2025/01/10 平均値単利 0.070
国庫短期証券1264 2025/01/27 平均値単利 0.070
国庫短期証券1265 2025/02/03 平均値単利 0.070
国庫短期証券1266 2025/02/10 平均値単利 0.070
昨日ネタにしましたように、月曜の短国引けって3M近辺のあたりが7bpと金曜の3M入札が5bp足切りになった後さらに金利上昇、というよりは超割高修正が少しだけ起きた、という方が適切かもしれませんが、まあそんな感じで引値の利回り上がったんですが、そのついでに1月償還のところも7bp水準(除く1259)とかいう面白展開になっておった訳ですな。
でもまあ冷静に考えますと、1月償還の3MTDBって基本的に馬鹿強入札だったものがそのまま「モノとしての年末越え短国のニーズ」に吸い上げられてしまっている格好で、持ち切りの人が持っている以上基本的に流通玉がまともに出てくる訳がないので、やっぱり1月償還の所は需給、というか物出てこないのを勘案したらカレントにそこまで引っ張られる義理は無いとばかりに昨日の引けで7bp→5bpに修正していましたが、そこで何気にチャーミングなのは昨日は12月償還のところの引け利回りが上昇(ちな11月もです)しまして久々に10bpという二けたベーシスの利回りを拝見することになりました。ほうほうそうですかそうですか。
昨日は交付税特会6Mもあったのですが、
https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/kariire/kari-result241112.htm
交付税及び譲与税配付金特別会計の借入金の入札結果
『本日、借入金の入札について、下記のように募入の決定を行いました。
記
1.借入根拠法律及びその条項
特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)附則第4条第1項
2.借入日 令和6年11月22日
3.償還期限 令和7年5月22日
4.償還方法 令和7年5月22日に一括償還
5.借入利率競争入札について
(1)応募額 6兆5,029億円
(2)募入決定額 1兆3,000億300万円
(3)募入最高利率 0.375%
(4)募入最高利率における案分比率 75.1800%
(5)募入平均利率 0.358%』
先週も特会借入6Mがあったのですが、平均0.331%、足切り0.347%になっていまして、結構きっちりと金利が上昇しました。と言ってもテナーが後ろになっているのでその分も加味しないといけませんな。
でまあこれ物は試しに足切りの方で計算すると、手前の金利を0.25%にした時の後ろの金利って、3月会合(3/21〜)で切ると後ろの金利0.615%くらいになってバチクソ織り込み状態になっていまして、(先週の6M特会借入の足切りで計算した時は0.569%くらい)1月会合(1/27〜)で切ると後ろの金利が0.447%となりまして(先週だと0.413%)、先週と比較して1月での利上げを結構織り込んだ状態になっておりまして、次に東京レポレートの今日は3M以降のレートも並べてみますが、この辺りもしらっと金利上昇していますので、やっぱりトランプちゃんを受けて世の中的には12月とは言わなくても1月の利上げはやっぱり行かざるを得なくなるんでネーノって感覚になってきたんでございましょうか、知らんけど。
でもって東京レポレートですが、
https://www.jsda.or.jp/shiryoshitsu/toukei/trr/index.html
トランプちゃんからこの方・・・・・
O/N T/N 1w 2w 3w 1m 3m 6m 1y
2024/11/5 0.238 0.238 0.204 0.204 0.204 0.207 0.239 0.301 0.350
2024/11/6 0.240 0.233 0.204 0.204 0.204 0.207 0.241 0.302 0.356
2024/11/7 0.226 0.231 0.204 0.204 0.204 0.207 0.243 0.308 0.359
2024/11/8 0.164 0.235 0.204 0.204 0.204 0.208 0.246 0.309 0.360
2024/11/11 0.243 0.237 0.207 0.207 0.207 0.209 0.247 0.310 0.366
2024/11/12 0.215 0.228 0.207 0.207 0.207 0.208 0.251 0.314 0.375
3Mも地味に上昇していますけど1Yはもうちょとt分かりやすく金利上昇していまして、トランプちゃんのインフレ的政策からのFEDの利下げ頓挫からのドル高円安アイヤーからの日銀追い込まれ、というのが現実味を帯びてきたって話ですかね、知らんけど。
でまあそれはそうとしまして、短国引値だけ見ると重そうにしている(実際問題として重いのかどうかというのは正直謎な市場なんですけど)のですけれども、一方でGCレートって別に短国重くて金利上昇、とかそういう感じではなさそうでして、オーバーナイトとかトモネとか見てても、11日は3M6Mの発行日要因で当日物の金利が高いものの、昨日になったらまあ下がっていますし、トモネの方は安定して推移していますわな。
まあもともと短国の利回り自体がコールやGCと完全に別世界になっていて、端から裁定が効かないというか、短国を在庫ファイナンスしながらキャリーするというのが完全に引き合わないレートなので短国需給とGCとのリンクが切れているのかもしれませんけれども、なんかこういうのも含めて今の短期市場ってムツカシネーと思うのであります。
というマイナーネタでどうもすいませんw
2024/11/12
〇3MTDBの利回りがなんと7bpに上昇とな
売買参考統計値ちゃん
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html
(11/11引値)
国庫短期証券1264 2025/01/27 平均値単利 0.070
国庫短期証券1265 2025/02/03 平均値単利 0.070
国庫短期証券1248 2025/02/10 平均値単利 0.070
国庫短期証券1266 2025/02/10 平均値単利 0.070
国庫短期証券1268 2025/02/17 平均値単利 0.065←新発3M
国庫短期証券1214 2025/02/20 平均値単利 0.070
国庫短期証券1269 2025/02/25 平均値単利 0.070←今週入札予定の3MWI
(11/8引値)
国庫短期証券1264 2025/01/27 平均値単利 0.050
国庫短期証券1265 2025/02/03 平均値単利 0.050
国庫短期証券1248 2025/02/10 平均値単利 0.050
国庫短期証券1266 2025/02/10 平均値単利 0.050
国庫短期証券1268 2025/02/17 平均値単利 0.050←新発3M
国庫短期証券1214 2025/02/20 平均値単利 0.050
国庫短期証券1269 2025/02/25 平均値単利 0.050←今週入札予定の3MWI
ということで新発だけ6.5bpにされていますがまあ基本的にこの辺の銘柄全部7bpですし、1月償還のところも引値だけは7bpとかいうことになっておられます。まあ1月償還の3Mってバチクソ強い入札が連発していて、どこかの年末越えの国債というモノを確保したい人の懐に入ったまま出てこないのでその気配値段で買いに行ってもどうせ買いにいけないとかそういう物件になるのでしょうけれども(個人の妄想です)年末越え特殊ニーズが終わったのか、単に6Mと3Mの発行日に米国の退役軍人の日がぶつかって瞬間的に需給が悪化しているだけの話で海外が戻れば戻るのかは今日以降の動き次第ではあるんですけれども、とにかく年末越え3Mの入札が1bp張り付きとかいう無茶苦茶な状態が1か月レベルの長期にわたって続いたのは酷い話ではありました。とか言ってるとまた金利下がるかもしれませんが。
でまあ金利上がったぜヒャッホーと思いましたが、昨日も申し上げた通りよくよく考えてみたら足元のGCから15bpは低い利回りだわ、12月1月に利上げしたらその逆ザヤさらに拡大するんですけどという利回り(カレント3Mは2/17ですがこのイールドカーブの引き方は1月会合を織り込んでいませんわな、なお短国のイールドカーブ(??)はなんだか知らんが3Mカレントのところで分断されているので、3Mの供給量が需要に対して絶対的に足りないことが明白であり財務省は何か考えて頂きたいものです、
まあそもそもの時点でここまでの短国の買いがなんか他の商品と比較しての資金運用という訳ではなくて、担保需要とか、国債限定の投資を行うために選択肢が他にないとか、流動性規制などの規制があるので利回り低くても一定の国債買う必要があるとか、まあそのような諸々のお家の事情を抱えたお方と推察されますので、利上げ観測があるからじゃあ外しますか、って話にはなかなかならん(長期ゾーンからの退避資金なら長期の買戻しと見合いで出てきますかもね)と思うので、まあゆうて超異常金利が異常金利になるくらいまでが関の山かな、とあまり期待はしていません。
いつの日か3MTDBの入札時の平均利回りが「3か月物金利の指標金利」としての地位を確保できるような、真っ当な短期国債市場になっていただく、というかそうなりそうな時期はあったし、アタクシは昔から3MTDB(当時はTB)の発行利回りこそが指標金利である、と主張していた訳ですので、まあこの3MTDB利回りがちゃんと短期市場における先行きの金利見通しなども含めた真っ当な利回りになるまでは死んでも死なないように頑張ろうと思いますwwww
2024/11/11
〇短国3Mの金利が久々に上昇した件(なお絶対水準orz)
金曜の3M入札
https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20241108.htm
国庫短期証券(第1268回)の入札結果
『本日実施した国庫短期証券(第1268回)の価格競争入札及び国債市場特別参加者・第T非価格競争入札について、下記のように募入の決定を行いました。
記
1.名称及び記号 国庫短期証券(第1268回)
2.発行根拠法律及びその条項
財政法(昭和22年法律第34号)第7条第1項、財政融資資金法(昭和26年法律第100号)第9条第1項並びに特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第83条第1項、第94条第2項、同条第4項、第95条第1項、第136条第1項及び第137条第1項
3.発行日 令和6年11月11日
4.償還期限 令和7年2月17日
5.価格競争入札について
(1)応募額 8兆940億円
(2)募入決定額 3兆3,663億8,000万円
(3)募入最低価格 99円98銭6厘5毛
(募入最高利回り) (0.0502%)
(4)募入最低価格における案分比率 61.1525%
(5)募入平均価格 99円99銭3厘1毛
(募入平均利回り) (0.0257%)』
とまあそういう訳で、前週の3Mが0.86bp平均足切り1.5bpとかいう地獄絵図のような入札でしたが、その後のセカンダリーで1bp割れとかにならなかったり、木曜入札の6Mが足切り20bp乗せまで流れたり、ということでその流れが継続して3Mの金利が上昇。
まあ何ですな、先週の6Mとこの3Mって発行日が11/11という要するに今日なのですが、今日ってベテランズデーでアメリカン休日にあたっているので海外のニーズが乏しいってことによる特殊要因となっているのか、それとも2/17足ということで、一応12月1月に利上げと考えた場合に大逆サヤ時間帯の長さが影響しているのか、まあ単純にただの前者要因のような気がしますが、それにしましても金利水準がこの世のものとは思えない異常なレートになっている状態が延々と続く短国市場の金利なので上がってもろてよろしくってよというお話ではあります。
しばらく前に10/15発行1/20償還という3Mがあったわけですが(入札があったのは10/11)、この時は償還日がキング牧師誕生日だったんですけど知らんがなという勢いで強くて、今回は発行日の方になるから買えないだけ(償還の方は償還前に入れ替えてしまえばいいだけの話説はあるので)とかいうことで今週のどこかで強くなったら泣く予定ですけどwwwまあアホみたいな需要が少しは改善していただければと(お祈り)。
あと3Mですけれども、応札額今回80940億円になっているのですが、前回が95872億円、前々回が107273億円(その前は105411億円)という推移でして、この間発行予定額には変化がありませんので、要はこの2回にわたって応札倍率が低下してきているというムーブになっております。半期末抜けてちょうど年末越えが出ました、からの10月の一連の流れで3Mがこの世のものとは思えないレートでずーっと来ていましたが、その間3Mの落札利回りが低下するという恐ろしい流れの中で、さすがに応札するマーケットメーカーの皆様も応札絞っておこう(直接ぶっこんでくる投資家の事情は知らんけど)というムーブになってくるわなと思いましたが、応札8兆円というのは海外札が見えなかったので減ったのですかねえ、知らんけど。
まあ札が少なかったのも足切りが久々に流れる要因だったんでしょうね。
でもって金曜の短国引けちゃんですが、
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html
(11/8引値)
国庫短期証券1264 2025/01/27 平均値単利 0.050
国庫短期証券1265 2025/02/03 平均値単利 0.050
国庫短期証券1248 2025/02/10 平均値単利 0.050
国庫短期証券1266 2025/02/10 平均値単利 0.050
国庫短期証券1268 2025/02/17 平均値単利 0.050←新発3M
国庫短期証券1214 2025/02/20 平均値単利 0.050
国庫短期証券1269 2025/02/25 平均値単利 0.050←今週入札予定の3MWI
(11/7引値)
国庫短期証券1264 2025/01/27 平均値単利 0.015
国庫短期証券1265 2025/02/03 平均値単利 0.015
国庫短期証券1248 2025/02/10 平均値単利 0.015
国庫短期証券1266 2025/02/10 平均値単利 0.012
国庫短期証券1268 2025/02/17 平均値単利 0.015←新発3M
国庫短期証券1214 2025/02/20 平均値単利 0.065
という事で、軒並み引値を新発3Mの足切り水準に寄せて金利が上昇してきました(1年短国の成れの果ての2/20償還は後ろに引っ張られて値付けで面白段差が付いていたのが金利低下の方で是正されたのはご愛嬌)ので、セカンダリーでモリモリ買いが来て盛り返したという訳でもなく、あっさり味で足切り水準まで修正してくる格好になっておりますが、これがホンマモンなのかただの瞬間芸に終わるのかは今日以降の状況と金曜の入札どうなるのかというのが焦点になりますわな、という所ですかね。
まあアレです、どうせもうすぐ感謝祭ですしアメリカンの皆様におかれましては年内いっぱいクリスマス休みで短国市場に出て貰わんで頂いて(無茶苦茶)よかバイとw
それから東京レポレートですけれども、
https://www.jsda.or.jp/shiryoshitsu/toukei/trr/index.html
茲許の推移がですね(ちょっとだんだらになります)
O/N T/N 1w 2w 3w 1m 3m
2024/10/21 0.236 0.236 0.201 0.201 0.201 0.201 0.211
2024/10/22 0.229 0.232 0.204 0.202 0.202 0.203 0.212
2024/10/23 0.241 0.235 0.203 0.202 0.202 0.204 0.212
2024/10/24 0.239 0.230 0.202 0.203 0.202 0.204 0.212
2024/10/25 0.240 0.239 0.204 0.203 0.203 0.205 0.213
2024/10/28 0.240 0.236 0.204 0.203 0.203 0.206 0.213
2024/10/29 0.137 0.183 0.203 0.203 0.203 0.205 0.213
2024/10/30 0.174 0.143 0.189 0.201 0.202 0.202 0.214
2024/10/31 0.178 0.234 0.201 0.201 0.201 0.202 0.213
2024/11/1 0.241 0.240 0.203 0.203 0.202 0.204 0.230
2024/11/5 0.238 0.238 0.204 0.204 0.204 0.207 0.239
2024/11/6 0.240 0.233 0.204 0.204 0.204 0.207 0.241
2024/11/7 0.226 0.231 0.204 0.204 0.204 0.207 0.243
2024/11/8 0.164 0.235 0.204 0.204 0.204 0.208 0.246
3Mがトランプ2爆誕以降じり高になっているのも味わいがありますが、手前のGCのオーバーナイトとかトモネとかのところですけれども、10月末のところでちょっと下がったなと思ってネタにもしたような気がしますが、金曜は金曜でT+0オーバーナイトのGCレートが急に下がったりしていまして、ここもと何らかの需給要因が発生して突然足元のGCが下がるというのが発生するようになってきましたな。マイナス金利解除直後は短国マーケットメーカーの在庫要因(新発の発行日になると在庫を持つので重くなり金曜の次回債入札に向けて在庫が軽くなる)があって週前半スタートの翌日物の金利が高くて週後半の金利が低いってのがありましたが、それとはまた微妙に違うのかどうか。気になったのでメモっておくの巻です。
2024/11/08
〇6M短国久々にレート上がったわと思ったが冷静に考えたら絶対水準はアレであるw
昨日は6M短国があったんですけどね。
https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20241107.htm
国庫短期証券(第1267回)の入札結果
『本日実施した国庫短期証券(第1267回)の価格競争入札及び国債市場特別参加者・第T非価格競争入札について、下記のように募入の決定を行いました。
記
1.名称及び記号 国庫短期証券(第1267回)
2.発行根拠法律及びその条項
財政法(昭和22年法律第34号)第7条第1項、財政融資資金法(昭和26年法律第100号)第9条第1項並びに特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第83条第1項、第94条第2項、同条第4項、第95条第1項、第136条第1項及び第137条第1項
3.発行日 令和6年11月11日
4.償還期限 令和7年5月12日
5.価格競争入札について
(1)応募額 8兆6,015億円
(2)募入決定額 2兆7,677億8,000万円
(3)募入最低価格 99円90銭0厘
(募入最高利回り) (0.2007%)
(4)募入最低価格における案分比率 21.1140%
(5)募入平均価格 99円90銭6厘
(募入平均利回り) (0.1886%)』
ということで何と!足切りが0.20%に乗ってしまいましたよ流石はトランプ効果(なのか?)という風情でして、何せここもとの6M入札って7月末の利上げ以降、
10月発行分(1261):平均0.0702%、足切り0.0862%
9月発行分(1255):平均0.0867%、足切り0.0907%
8月発行分(1248):平均0.0948%、足切り0.1109%
ということで、後ろに行けば行くほど足が長くなっているというのにドンドン金利が低下する、というこの世のものとは思えない価格が形成されていまして、付利金利対比もそうだし利上げ織り込みもそうですし、もはや金利商品とは思えない価格が堂々とまかりとおっていたわけで、20bp足切りとかやっとまともなレートになってきたわ。と喜んでいたのですが、冷静に考えたらこれでも付利より5bp金利低いし、利上げになったら付利対比30bp逆ザヤになりますが何なんですか、という世界の金利になっておりまして、モノとしての短国ニーズばっかりという頭おかしい相場になっていた訳でございますな。
いつもの売参ちゃんを見ますと
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html
国庫短期証券1261 2025/04/10:平均値単利 0.150
国庫短期証券1226 2025/04/21:平均値単利 0.150
国庫短期証券1267 2025/05/12:平均値単利 0.190←昨日の新発6M
国庫短期証券1226 2025/04/21:平均値単利 0.150
国庫短期証券1267 2025/05/12:平均値単利 0.190
とかいう謎の面白イールドカーブになっていますが、まあ常識的に考えまして新発6Mの引けの方が実勢でしょう(他の銘柄は6Mと1Yの成れの果てで発行から時間が経過しているので、基本的に投資家の持ち切り玉がなんかの拍子に出てこない限り需給状況がまともじゃない)ということで、そりゃまあ5/12償還だったら3月利上げでも残り1か月半くらいはあるのですからねえ、というレートになってくれて(付利対比低いの何とかならんかとは思うが)ほうほうこれはこれはという所でございまして、やはりトランプでインフレ圧力からの日本にも利上げ圧力、という連想かと思うと熱いのですが、実際問題としてはよー分からん(6Mは年限的に中途半端なので入札時の状況によって新発ニーズがぶれやすい、というのは昔そういう感じだった)ですけど、まあその前が10bp割れですのでちょっと目立ちましたな。
あと、決定会合のどさくさでネタにしなかった先週金曜の3Mですけど、
https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20241101.htm
国庫短期証券(第1266回)の入札結果
『 本日実施した国庫短期証券(第1266回)の価格競争入札及び国債市場特別参加者・第T非価格競争入札について、下記のように募入の決定を行いました。
記
1.名称及び記号 国庫短期証券(第1266回)
2.発行根拠法律及びその条項
財政法(昭和22年法律第34号)第7条第1項、財政融資資金法(昭和26年法律第100号)第9条第1項並びに特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第83条第1項、第94条第2項、同条第4項、第95条第1項、第136条第1項及び第137条第1項
3.発行日 令和6年11月5日
4.償還期限 令和7年2月10日
5.価格競争入札について
(1)応募額 9兆5,872億円
(2)募入決定額 3兆3,802億6,000万円
(3)募入最低価格 99円99銭6厘0毛
(募入最高利回り) (0.0150%)
(4)募入最低価格における案分比率 95.9189%
(5)募入平均価格 99円99銭7厘7毛
(募入平均利回り) (0.0086%)』
ということで平均0.86bp、足切り1.50bpとなっていまして、前週のが平均0.11bp、足切り0.74bpとかいう地獄入札よりはマシになっていてまして、その後も1bp辺りが引値になっていまして、木曜の売参だと、
国庫短期証券1264 2025/01/27:平均値単利 0.015
国庫短期証券1248 2025/02/10:平均値単利 0.015
国庫短期証券1266 2025/02/10:平均値単利 0.012←先週入札のあったカレント3M
国庫短期証券1268 2025/02/17:平均値単利 0.015←今日入札のある新発3MWIの引値
国庫短期証券1214 2025/02/20:平均値単利 0.065
とかいう1268と1214の引値の段差は何なんですのという謎のイールドカーブを形成していますが、カレントの引けが1.2bpで今日の新発WIが1.5bpということで、相変わらずレートは地獄の低金利になっているのですが、それでも1bp割れとかいうのが無くなる位にはニーズ後退しろよなという所でありまする。
ちなみに6Mと言えばみんな大好き(マニアしか大好きじゃない)特会借入入札というのが水曜日にありましてですね、
https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/kariire/kari-result241106.htm
交付税及び譲与税配付金特別会計の借入金の入札結果
『本日、借入金の入札について、下記のように募入の決定を行いました。
記
1.借入根拠法律及びその条項 特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)附則第4条第1項
2.借入日 令和6年11月15日
3.償還期限 令和7年5月15日
4.償還方法 令和7年5月15日に一括償還
5.借入利率競争入札について
(1)応募額 6兆4,879億円
(2)募入決定額 1兆2,990億円
(3)募入最高利率 0.347%
(4)募入最高利率における案分比率 80.0000%
(5)募入平均利率 0.331%』
ということで、思いっきり似たようなテナーでこちらのレートは平均0.331%の足切り0.347%になっておりまして、金利上がってだいぶマシになったとは言え、相変わらず特会借入と短国入札のレートがほぼ同じ期間でどんだけ違いますねんというお話だったりする訳で、まあ元をただせばゴミみたいな効果しかないというかそもそも効果があったのかも謎なロングの資金供給オペを乱発して、その際にも弊駄文のように「将来にわたって担保繰りを圧迫することになるので国債買入よりもタチが悪い」という指摘は各方面からあったと思うのですが、馬鹿のように馬鹿オペを打って結果として出口でこのような短期リスクフリーレート市場の無茶苦茶な価格形成につながっている訳でして、罪万死に値するわと思ったらこの前何を思ったのかで甚だ見苦しい提灯ペーパーが出てきて卒倒しそうになったのですが、タイミング間違えてうっかり読むと脳溢血でも起こしそうなので印刷だけしてまだ読めていない多角的レビューシリーズのペーパーがあったんですよね。
などと話がそれまくって居ますが、この特会借入の金利を例によって例の如く期間案分してみますと、1月会合までで切って手前の金利を0.25%とした場合、1月会合で利上げ(翌営業日の1/27から付利金利変更)と思って案分すると1/27〜の金利が0.413%くらい、なお3月会合(翌営業日は3/21)で案分すると手前が0.25%とした場合後ろの金利は0.569%くらいとなりまして、3月での利上げはフル織り込み以上となっている、というのが足切り金利からの計算になりまして、平均から同じのを計算しますと1月会合以降が0.386%くらい、3月会合以降が0.5166%なので、3月での利上げをフル織り込みって感じになりますので、割と違和感のないレートに仕上がっている次第でして、短国市場がどれだけスカポンタンなレート形成になっているのか、というのが見て取れるのではないでしょうか。
とまあそんな訳で本日は3M新発の入札があるのですがさてどうなるやら。
2024/10/31
〇レポレートェ・・・・・・・・・・・(昨日もレート低いです)
https://www.jsda.or.jp/shiryoshitsu/toukei/trr/index.html
だんだらは昨日お出ししたので、
O/N T/N 1w 2w 3w 1m 3m
2024/10/25 0.240 0.239 0.204 0.203 0.203 0.205 0.213
2024/10/28 0.240 0.236 0.204 0.203 0.203 0.206 0.213
2024/10/29 0.137 0.183 0.203 0.203 0.203 0.205 0.213
2024/10/30 0.174 0.143 0.189 0.201 0.202 0.202 0.214
ということで、昨日のTKRRレファレンスはオーバーナイトが前日の大下げを多少戻したものの、末初取引にあたるトモネが4bp低下して通常レート(というかなんというか)からこの2日で10bp低下というテイタラクになってしまいました。
これまた昨日ああだこうだ申し上げましたのですが、10月末とかいう割と珍妙なタイミングでレポレートが急に下がっているのは如何にも気持ちが悪くて、これが一時的なもので済んでくれれば結構なのですが、一時的なもので済まない、ということになってくると政策金利とは何ぞやという話になってくるわけです。
まあ既に短国がそういう状態になっていて、政策金利が0.25%なのに3か月の短国の金利が0.025%とかいう桁間違いを起こしている訳ですけれども、ここに来てGCレポ金利も足もとがさがるの恒常化しだすともはや政策金利とは何ぞやという話になるし、しかも単純に政策金利コントロールができていない、というだけではなく、今の日銀って超過準備預金に0.25%の付利を行っている訳でして、市場金利はコントロールできないのに補完当座預金制度対象先には莫大な利息をお支払いしている、という金融機関に謎の補助金まで差し上げているという意味不明なことになってしまう訳でして、これで政策金利0.50%に上げて短国だけではなくてレポレートまで政策金利との乖離が広がってくると、根本的に短期金利誘導の方法について考え直す必要が出てくるんじゃないでしょうか、というお話ですわな。
まあだいたいそれって莫大た超過準備を回収(付利で不胎化が効かないのなら回収するしかない、すなわち日銀の資産サイドの縮小を急ぐ)するしかないって話にはなるのですが、そのほかに謎補助金状態になっている各種の長期資金供給オペを何とかしろというか、そもそもお前らオペの名を借りて勝手に金融機関向け補助金を国会の議決も通さないでホイホイ実施してるんじゃねえとか言いたくなる訳でして、その手の「非伝統的」手段に関しても撤収していくのが「普通の金融政策」に戻すためには筋としてやっていかないといけないんじゃないでしょうかねえ(それに加えてETFとJ-REITっていうとんでもないものもあるんだけど)。
と、ただの瞬間芸のレポレート低下かもしれない(というか多分そうだと思う)を捕まえて無駄に壮大な話をしてしまいましたが、GCレートはともかくとして短国に関してはマジのマジで政策金利0.50%になっても3Mが0.10%だの0.15%だのになるような極端なことが起きかねない(し上がっても精々0.2%台じゃないのかねという気しか今はしないですし)ので。
なお、この手の「いざプラス金利になってみると益々顕在化した黒田緩和の負の遺産」シリーズではクソみたいに割高な7年ゾーンとかいうのもあるのですが、そこはアタクシ真面目に分析できているわけではないですし、何なら皆様の方がお詳しいかとも存じますのであまり知ったかをせずにおこうかと思います(滝汗)。
2024/10/30
〇短国気配3Mカレントが若干上昇&足元のGCレート(東京レポレートベースで)急低下とな
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html
昨日の短国ちゃんですが、
(10/29引値)
国庫短期証券1265 2025/02/03 平均値単利 0.023
(10/28引値)
国庫短期証券1265 2025/02/03 平均値単利 0.020
周辺というか手前のテナーの銘柄は1月足ですと月曜の引けと同じく0.025%水準で変わらないのですが、なんかとんでもない地獄レート(ってここのところずーっと地獄レートですが)で入札をした今のカレント3Mは落札以降日の目を見ることなく徐々に金利水準が切りあがっていまして、結局周辺銘柄の引けにサヤ寄せされに行ってますな、南無阿弥陀仏。
とは言えこんなの油断も隙も無いわけで、昨日の売参見ると12月足の短国の引けが軒並み5糸甘とかになっていますが、それがマジレートなのかただの気配なのかとかいうのも謎の世界というのが短国クオリティで、絶対的な物不足というのが別に解消されている訳でも何でもないのですけど、昨日は短国よりもTKRRですよということで。
東京レポレート
https://www.jsda.or.jp/shiryoshitsu/toukei/trr/index.html
ちょっとだんだらがクソ長くなるかもしれませんけれども先々週の頭(火曜日)から並べますと、
O/N T/N 1w 2w 3w 1m 3m
2024/10/15 0.236 0.240 0.202 0.201 0.201 0.202 0.209
2024/10/16 0.240 0.239 0.201 0.201 0.201 0.202 0.209
2024/10/17 0.237 0.235 0.203 0.201 0.201 0.201 0.210
2024/10/18 0.232 0.239 0.201 0.201 0.201 0.202 0.209
2024/10/21 0.236 0.236 0.201 0.201 0.201 0.201 0.211
2024/10/22 0.229 0.232 0.204 0.202 0.202 0.203 0.212
2024/10/23 0.241 0.235 0.203 0.202 0.202 0.204 0.212
2024/10/24 0.239 0.230 0.202 0.203 0.202 0.204 0.212
2024/10/25 0.240 0.239 0.204 0.203 0.203 0.205 0.213
2024/10/28 0.240 0.236 0.204 0.203 0.203 0.206 0.213
2024/10/29 0.137 0.183 0.203 0.203 0.203 0.205 0.213
ということで、しばらくの間(引用しなかったけど半期の末初も)割と安定して推移していたというのがTKRRだったのですが、昨日突如足元のGCが下がってO/Nが10bp、T/Nが5bpの金利低下とかになっていまして何ぞこれというお話。
まあ足元だけの話なので需給バランスが変化した、という話なのは分かるのですが、問題はその需給バランスが何で崩れたんですかということでして、以前ですと3Mが発行される→短国マーケットメーカーの在庫ファイナンスのニーズが高まるので3M発行日になると足もとGCが上がる→週後半にかけて在庫が捌けてくるのでGCが下がる、というパティーン(基本的にはマイナス金利解除後利上げ前の話)だったりしましたが、今回は火曜日にしかも急低下という展開で、曜日的な要因じゃないのであれば、これは明日が月末という要因の方が考えられるというものです。
しかし9月末には特に大きな変化もなかったのに10月末とかいう四半期末関係ないときにこの需給バランスの動きってのはナンナンジャロ的なものもありまして、短国の絶対量が減っている事によって担保繰りなどのバランスが一段と変化した、とかいうようなことだとあまり良い事とも思えない訳で、まあ結論はいつものように「いいから黙って3Mシロ」というお話になるのですが、「10月末」に足元GCが急低下するというのは何か気持ち悪い展開なので後日備忘(最近過去ログ整理を少しずつしていますんでw)のために書いておきたいと存じます。
まあ短期のこの辺の世界って相対取引だし、資金繰りととか担保繰りのような「お家の事情ムーブ」というのが色々とある世界になるので、長期国債市場のような感じとはちょいとどころか大分違っていて、公開情報だけだとムツカシアルネという面が多々あって、これがまた他市場から見た日本国債市場以上に不思議ちゃん市場として見られるものなのですが、マイナス金利とハイパー当座預金の発生という黒田の残りた負の遺産によって市場構造に変化が起きているとみられることがさらにムツカシネーに拍車をかけておりますな、うんうん。
2024/10/29
〇ところで短国3Mあたりの引値が若干金利上昇しておられますが
毎度の売買参考統計値ちゃん
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html
(10/28引値)
国庫短期証券1260 2025/01/14 平均値単利 0.025
国庫短期証券1207 2025/01/20 平均値単利 0.025
国庫短期証券1262 2025/01/20 平均値単利 0.025
国庫短期証券1264 2025/01/27 平均値単利 0.025
国庫短期証券1265 2025/02/03 平均値単利 0.020
国庫短期証券1248 2025/02/10 平均値単利 0.025
国庫短期証券1266 2025/02/10 平均値単利 0.025
1265(2/3)ってのが昨日ネタにした地獄レートの入札になった3Mカレントでして、1266は今週金曜に入札をやる新発WIになりますな。
ということで、例の1bp割れ入札、しかも平均が99.9997円で利回り0.11bpとかいう地獄債券であったわけですが、こちらなんと昨日の引けが2bpとなっておりまして、マジなのか雰囲気でついているのかはよくわからんですけれども、金利が上がっているとかクソ珍しい事案が発生しておりましておじちゃんはビックリですわ、と言っても3Mで2bpでして政策金利は25bpなのですからハチャメチャな低金利であること自体は同じなんですけどね。
(10/25引値)
国庫短期証券1260 2025/01/14 平均値単利 0.012
国庫短期証券1207 2025/01/20 平均値単利 0.012
国庫短期証券1262 2025/01/20 平均値単利 0.012
国庫短期証券1264 2025/01/27 平均値単利 0.012
国庫短期証券1265 2025/02/03 平均値単利 0.012
国庫短期証券1248 2025/02/10 平均値単利 0.012
国庫短期証券1266 2025/02/10 平均値単利 0.012
金曜の引けはこの辺1.2bpで、これも新発が1bp割れ入札だったのに1.2bpキタコレとか言ってた訳ですから、2bpとか見ると懐かしに涙が込み上げてとまらない(大げさ)という所ではあるのですけれども、どうしたのやらというところではありまする。
まあこの金利水準ですから「先行きの金利見通し」とかがまともに反映されているわけではないし、東京レポレート(最近ネタにしていませんがトモネはだいたい0.23%〜0.24%の間で推移していますし昨日のリファレンスレートは選挙結果受けてもターム物に特段の影響はありませんでした)から見たら無茶苦茶なネガティブキャリーなので、どう見ても単なる「モノ」としての需要でのレートだとは思いますが、それでもこじつけて見ますと・・・・・
まあこじつけてみれば、今回の選挙結果を受けて円安に振れやすくなるということで、円安すなわち日銀の再利上げが視野に入るつまりは12月1月の利上げあるでとなる、ということを少しは反映でもしたのか、あるいは財政拡張圧力によって補正の規模が大きくなってコロナの時のアレの如く短国の増発を行わざるを得なくなるとか(なお円安に飛んでドル売り為替介入したら外為特会が減ってまた短国発行が減るという話は華麗にスルーしておく)まあその手の思惑があるのか無いのかさっぱりわかりませんが、超越超過需要がちったあ改善されますと市場らしくなってくれますので(この金利水準で市場もへったくれもないけど)どうなるのか見ていきたいと思います。
2024/10/28
〇3M短国エエカゲンニセエと思ったが引けでは金利微かに上昇しておられたようで
金曜の3Mだがもうエエカゲンニセエという状態。
https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20241025.htm
国庫短期証券(第1265回)の入札結果
『本日実施した国庫短期証券(第1265回)の価格競争入札及び国債市場特別参加者・第T非価格競争入札について、下記のように募入の決定を行いました。
記
1.名称及び記号 国庫短期証券(第1265回)
2.発行根拠法律及びその条項
財政法(昭和22年法律第34号)第7条第1項、財政融資資金法(昭和26年法律第100号)第9条第1項並びに特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第83条第1項、第94条第2項、同条第4項、第95条第1項、第136条第1項及び第137条第1項
3.発行日 令和6年10月28日
4.償還期限 令和7年2月3日
5.価格競争入札について
(1)応募額 10兆7,273億円
(2)募入決定額 3兆3,600億3,000万円
(3)募入最低価格 99円99銭8厘0毛
(募入最高利回り) (0.0074%)
(4)募入最低価格における案分比率 87.8957%
(5)募入平均価格 99円99銭9厘7毛
(募入平均利回り) (0.0011%)』
・・・・・orz
ということでですな、10月に入ってから0.0073/0.0202→0.0067/0.0131→0.0020/0.0074→0.0011/0.0074、てな結果になっていて回を追うごとに金利低下とかいう地獄のような展開になっておりまして、いやマジで何がどうなってこうなるのやらという所ですが、短期市場におけるビル市場がこうなってしまうのは金融安定化の面からもよろしくないと思うので何とかならんのかね、といつものように憤慨しておりましたが売参ちゃんを見ますと・・・・・・
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html
国庫短期証券1262 2025/01/20 平均値単利 0.012
国庫短期証券1264 2025/01/27 平均値単利 0.012
国庫短期証券1265 2025/02/03 平均値単利 0.012
1265ってのが新発になりますけど、こちらの引値は一応0.012%になっていまして、0だのマイナスだのというような利回りにはされませんですけれども、じゃあこれで金利が上がるのかと言いますと、この後の
銘柄が、
国庫短期証券1248 2025/02/10 平均値単利 0.012
国庫短期証券1266 2025/02/10 平均値単利 0.012
国庫短期証券1214 2025/02/20 平均値単利 0.055
1266が今週金曜の新発WIですけれども、まあ結局こっちの銘柄も手前と並びな訳でして、つまりは11月になっても金利上がらんわ、という金利観丸無視の需給イールドという恐ろしい状態はまだまだ続くんじゃなかろうかというお話ですなこりゃ。
あとちなみに1214って1年TDBの成れの果てなんですけど、この辺りの銘柄ついこの前まで9.5bpだの9bpだのという値付けになっていたのがホイホイと金利が低下してきている訳で、3Mカレントゾーンに入るとクソ強くなるばっかりで後ろに引っ張られるということは無いのかと憤怒の念に堪えませんナムナム。
2024/10/23
おうおうおう
https://jp.reuters.com/markets/quote/USDJPY=X/
US Dollar / Japanese Yen FX Spot Rate
USDJPY= 151.11JPY
変化 0.27
変化% +0.18%
2024年10月23日の時点。値は少なくとも15分遅れで表示しています
円安ウホホイ♪
〇10年GX国債の入札がありましたが・・・・・(後付け備忘メモ)
https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/nyusatsu/resul20241022.htm
10年クライメート・トランジション利付国債(第2回)の入札結果
『本日、10年クライメート・トランジション利付国債(第2回)の入札について、下記のように募入の決定を行いました。
記
1.名称及び記号 クライメート・トランジション利付国庫債券(10年)(第2回)
2.発行根拠法律及びその条項 特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第46条第1項』
おや・・・・発行根拠法が
前回の5年GXの時(7/18)
https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/nyusatsu/resul20240718.htm
『2. 発行根拠法律及びその条項
脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律(令和5年法律第32号)第7条第1項及び特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第46条第1項』
前回の10年GXの時(5/28)
https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/nyusatsu/resul20240528.htm
『2. 発行根拠法律及びその条項
脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律(令和5年法律第32号)第7条第1項』
ということで特会の方の法律で発行されているんですね。資金繰りって奴ですかしら。
さて、その落札結果ですが、
『3.表面利率 年1.0パーセント
4.発行日 令和6年10月23日
5.償還期限 令和16年3月20日
6.応募額 1兆1,600億円
7.募入決定額 3,500億円
8.応募者利回り 0.943% (募入最高利回り)
9.発行価格 額面金額100円につき100円51銭
10. 募入最高利回りにおける案分比率 20.0000%』
まあ入札自体は事前に調整が入っていましたのでわるい結果ではなかったのですが、ここで売参ちゃんを確認してみましょう。
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html
(10/22引値)
GX長期国債2 2034/03/20 平均値複利 0.937 平均値単利 0.935
長期国債 374 2034/03/20 平均値複利 0.911 平均値単利 0.915
複利で2毛6糸ディスカウントになっていまして、低流動性銘柄であることが嫌気されてグリーンプレミアムを上回っての流動性ディスカウントということで、ディスカウントが恒常化してしまいますと、GX国債をわざわざ手間暇かけて発行している意味is何??という話になるのであまりよろしくないのですが、だからと言って日銀が輪番で全部吸い上げてしまえば希少性プレミアムが発生してプレミアムになるかもしれませんけど、折角GXで発行しているのに日銀が全部吸い上げてしまったらこれまた何のために発行しているのか意味くじピーマン分からんというお話になるわけですな。
まあこれはアレですよ。つまりは「日銀が長期国債買入で普通国債を馬鹿みたいに買いすぎていて、普通国債市場全体に日銀買入による付かなくても良いプレミアムが付いている」っていう逆の発想で考えればよいので、やはり月6兆(少し減ったけど)の輪番とか邪悪以外の何物でもなくて、新規買入をゼロにすべきであるという強引な結論になるわけですな、あっはっは。
2024/10/21
〇3M新発またもレート低下しているんだがこれは発行を戻していかないとアカンでしょ
何か最近短国ウォッチページになっていますがorz
https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20241018.htm
国庫短期証券(第1264回)の入札結果
『本日実施した国庫短期証券(第1264回)の価格競争入札及び国債市場特別参加者・第T非価格競争入札について、下記のように募入の決定を行いました。
記
1名称及び記号 国庫短期証券(第1264回)
2.発行根拠法律及びその条項
財政法(昭和22年法律第34号)第7条第1項、財政融資資金法(昭和26年法律第100号)第9条第1項並びに特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第83条第1項、第94条第2項、同条第4項、第95条第1項、第136条第1項及び第137条第1項
3.発行日 令和6年10月21日
4.償還期限 令和7年1月27日
5.価格競争入札について
(1)応募額 10兆5,411億円
(2)募入決定額 3兆3,600億5,000万円
(3)募入最低価格 99円99銭8厘0毛
(募入最高利回り) (0.0074%)
(4)募入最低価格における案分比率 55.7506%
(5)募入平均価格 99円99銭9厘3毛
(募入平均利回り) (0.0026%)』
・・・・・これはいかんでしょうというお話で、足切り利回りまで1bp割れとなってしまっていて、需給だから云々で済ませて良い問題じゃないレベルになっていませんか、ってなお話なのですけれども、短い国債市場の未整備ってのはゼロ金利政策じゃなくなった今となっては結構な重大な問題だわといういつものお話はいつものお話過ぎるので以下同文って事にしておきますが、まあとにかく早急に手を打つ(と言って増発するしか当面の手はないけど)のが宜しいんじゃないかと思いますけどね。
金利がプラスになり、かつ昔と違って短期の運用に関して高い流動性資産を入れることが必須みたいになっている世の中では短期の信用リスクフリーの資金運用市場の整備をしないといかんですし、何なら金融安定化という意味でもよろしくないんじゃないですかねと。
2024/10/18
〇1年短国とか3M短国とか
昨日は1年短国ちゃん
https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20241017.htm
国庫短期証券(第1263回)の入札結果
『本日実施した国庫短期証券(第1263回)の価格競争入札及び国債市場特別参加者・第T非価格競争入札について、下記のように募入の決定を行いました。
記
1.名称及び記号 国庫短期証券(第1263回)
2.発行根拠法律及びその条項 特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第46条第1項
3.発行日 令和6年10月21日
4.償還期限 令和7年10月20日
5.価格競争入札について
(1)応募額 7兆6,200億円
(2)募入決定額 2兆5,104億9,000万円
(3)募入最低価格 99円70銭3厘
(募入最高利回り) (0.2987%)
(4)募入最低価格における案分比率 57.2072%
(5)募入平均価格 99円71銭3厘
(募入平均利回り) (0.2886%)』
おー足切りが0.30%に近いのか―とか思いながら見たのですが、本来は3Mがこの辺の位置にいないと話がおかしいだろという所でして、当預付利から考えたら1回の利上げで即死確定になるのですが、なんせ短国3Mがあの惨状なので、そこから見ると金利があるように見えてしまうという訳わからん状態。
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html
(10/17引値)
国庫短期証券1263 2025/10/20 平均値単利 0.285
(10/16引値)
国庫短期証券1263 2025/10/20 平均値単利 0.295
結局のところ平均落札水準で引けていましてまあそうですかそうですかってなもんですが、これ1個手前ともう一個手前の前月および前々月発行1年短国を見ますと、
(10/17引値)
国庫短期証券1251 2025/08/20 平均値単利 0.170
国庫短期証券1257 2025/09/22 平均値単利 0.235
国庫短期証券1263 2025/10/20 平均値単利 0.285
というどんなイールドカーブになっているんだよという数値になっていますが、まあ要するに発行して時間が経過すると需給がドンドンタイトになっていくということなので、なんかすさまじいロールダウンが発生しているように見えるのがオソロシス(引値通りに売買できるのかというと特にロット物になったらそれはたぶん空論なので引値で勝っても実際には勝てない説濃厚)ではありますのと、もともとこの銘柄って入札時点において約定ベースで償還まで1年を超過しているので(今日も超過していますが)1年で切って手前だけ短国扱い、って人だとちとめんどい銘柄でもありますからその点も加味しないといけませんけどぬー。
・・・・・でもって本日もまた3Mの入札がありますけど。
(10/17引値)
国庫短期証券1262 2025/01/20 平均値単利 0.000
国庫短期証券1264 2025/01/27 平均値単利 0.009
(10/16引値)
国庫短期証券1262 2025/01/20 平均値単利 0.000
国庫短期証券1264 2025/01/27 平均値単利 0.005
1262は先週入札のあった「期末を抜けて2回目の入札なのに発行減額が効いたのか前回よりも発行金利が低下した」という地獄銘柄なのですが、地獄銘柄は地獄なだけに0利回りのままになっていますが、ここもとしばらくの間「入札前日にWIの引けを前日比強くして入札前に絶望感が満載になる」というプレイではなく何か引値あまくなっているゾ、とか一瞬オラワクワクしそうになるのですけれども、冷静に考えたらこの世の物とは思えない金利水準であることには全然変わりがない、という甚だ遺憾なことに気が付くわけですが、なんか9月の終わり辺りからの3M短国金利の惨状にだんだんパンチドランカーになってきている気がしますな、いかんいかん。
まあアレですよ。短期の国債市場におけるビルの発行流通量が法域によって違うのに、流動性規制だのその手の規制強化によってビルのニーズを世界一律に高めてしまった(その規制自体には賛否ある話けど意味ないとは思わない)とか、そういうのも金利が浮上してきて顕在化してきたのかなあとか別に深い考察をしている訳ではないのですが何となくそんなことを思ったり思わなかったりしますが、とにもかくにも市場のニーズに対してビルが圧倒的に不足しているので政府預金が増えるのは受忍して短国発行を何とかならんのかとは思いますです、はい。
2024/10/17
〇チーペスト問題(メモ)
まあ順当である
https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2024/mpr241016a.pdf
チーペスト銘柄等にかかる国債補完供給の要件緩和措置の継続について
『日本銀行では、国債補完供給について、レポ市場における国債需給が過度に引き締まることを抑制し、市場の安定を確保する観点から、2022
年 6 月より、チーペスト銘柄等1にかかる国債補完供給の要件緩和措置を実施しており、債券先物の限月交代の都度、対象銘柄を入れ替えつつ、当該措置を継続しています。』
『本年 12 月半ば以降、日本銀行の保有比率が極めて高い銘柄がチーペスト銘柄になることも踏まえ、日本銀行では当面、これまでと同様、以下のチーペスト銘柄等にかかる国債補完供給の要件緩和措置を継続する方針です。』
『―― 直近のリリースについては、「チーペスト銘柄等にかかる国債補完供給の要件緩和措置について」(2024
年 8 月 30 日)をご覧ください。』
そらそうよとしか言いようが無いし、もう銘柄決め打ちで売りオペでもやってくれという所ですけれども、減額措置があるとはいえ、流通玉が少ない→割高化しやすい→流動性供給入札でも対象になりにくい(今週の流動性供給で珍しくも次限月CTDが2000億円追加発行されましたが)→流通玉が少ない、ってなもんでして、YCCとかQQEとか言ってアホのようにこの世のものとは思えないキチガイ買入を実施した結果、まともな金融政策を運営しようとしたらこういう所でも異例措置の継続をしないと行けなくなっている、というお話でして、異次元緩和というのは「出口政策でちゃんと出れること」もセットで考えないと行けないというのを痛感しますな。
ということですので、そもそも今やっている「多角的レビュー」とやらですが、主に異次元緩和政策の正当化という結論から逆算したようなペーパーばっかり出てきて茶番にも程があるのですが、「政策の効果と副作用に関して」という文脈で考えた場合、これから顕在化が進む「出口政策でエライことが起こる」という副作用の検証をなんもしないで、やれ雇用改善に効果があっただのインフレ期待に効果があっただのとか言ってるのは単なる茶番のみならず、副作用の評価をきちんとしていないという意味でもはや悪の所業なんじゃないでしょうかって言いたくなりますわな。多角的レビューで政策評価した挙句、将来また「出口になってからあちこちに弊害が起きる政策」をぶっこまれたら将来に向けての愚挙としか申し上げようがないので、多角的レビューは今すぐ凍結して、少なくとも物価目標を達成して金融政策スタンスが中立と言える時期になってから、出口で起きた出来事も踏まえて行われるべきなんじゃないか、と思うのですが植田総裁どう思いますかねえ、と聞こえもしないのに敢えて聞いてみたくなりますよね(記者会見で誰か聞いてくださいマジでお願いしたいわ)。
とまあそんな話はさておきまして、昨日は安達審議委員の金懇が高松であったのですが・・・・・・・
2024/10/16
〇長い金利は上がってくると急にメモを取りたくなる次第で笑
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/AUVFM3NGY5MW7C4WR522PGTA6Q-2024-10-15/
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は反落、長期金利0.965%と2カ月半ぶり高水準
By ロイター編集
2024年10月15日午後 3:17 GMT+9
『[東京 15日 ロイター] - <15:12> 国債先物は反落、長期金利0.965%と2カ月半ぶり高水準
国債先物中心限月12月限は前営業日比22銭安の143円77銭と反落して取引を終えた。時間外取引の米金利の上昇を背景に国債先物は売りが優勢となった。新発10年国債利回り(長期金利)は同2.0bp上昇の0.965%と、8月2日以来2カ月半ぶりの高水準を付けた。』
『国債先物は朝方から弱含みで推移。前週末の夜間取引で国債先物が下落した流れを引き継ぎ、売りが先行した。後場に入っても軟調に推移。一旦低下していた時間外取引の米長期金利が再び4.09%台に上昇したことを眺めて、先物は下げ幅を拡大した。』(上記URL先より、以下同様)
ということでして、そんなに米金利に連動せんでもええやんという気もするのですが、何せ今の日銀ちゃんは自分で金融政策の運命を切り開こうという気概があるとは到底思えず、円安になると突っつかれて緩和調整、というのをやるか、これは選挙後の話にあるかもという話ですが、物価高批判の矛先が日銀に向かってきた場合に泣きながら緩和の調整をするか、のどちらかでありますので、米国長期金利上昇→円安進行→日銀政策修正に追い込まれる、という文脈で考えれば「米国金利連動相場」というのも無意味な話ではないし、日銀が自らの意思で政策修正しようとしないんだからこうなるわってなもんでして、短観とか生活意識調査とかさくらレポートとか「オントラックの証拠」が続々と出てくることよりも米国金利で動いている、という時点で債券市場の中の人たちが日銀の政策反応関数を為替とか政治情勢(加えれば株価)だと思っているってことではありまして味わいが深いです。
まあ何ですな。日銀様が基調的物価ガーとか海外経済ガーとか言ってるのは単に政策調整の先送りをするための言い訳を探しているに過ぎないわけですし、まあそんな事を言ってしまうと身も蓋もないのですが、日銀がぶっこんでいる各種屁理屈に関しては真面目に分析して「基調的物価は今後こう推移するから政策修正はいつ頃」とか「米国経済のソフトランディングがこの辺りでは見えてくるので政策修正はいつ頃」とか分析しても、日銀ちゃん政策修正する時には勝手に変な理屈(7月で言えばそれまで散々放置どころか何なら円安促進してたのに急に「円安が物価上振れリスク」とか言い出すように)を持ち出すし、政策修正の先送りをしたいなら新しい屁理屈(9月で言えば急に米国経済の下振れリスクガーと言い出す)を繰り出す次第で、植田総裁になってエビデンスに基づく普通の金融政策をするのかと思えば、軸がないだけに黒田の時よりもさらに訳が分からんことになっているのは皮肉としか言いようがないですわな。まあ黒田の後始末をしている面が多々あるのでそこは同情の余地は若干あるけど。
でまあそうやって金利ちゃんちょっと上がるのですけれども、
『 OFFER BID 前日比 時間
2年 0.417 0.427 0.016 15:03
5年 0.583 0.592 0.015 14:55
10年 0.963 0.971 0.021 15:03
20年 1.748 1.756 0.016 14:58
30年 2.162 2.172 0.006 15:03
40年 2.473 2.485 -0.004 15:07』
中期とか長期とか金利上昇しているのですが、ゆうて2年はまだ1回利上げしたら逆ザヤ(まあ0.3台から思えばマシになりましたけど)とかいう面白水準だし、5年は日銀の政策修正のゴールが1%とかいうものすごい低い水準で考えたとしてもどう見ても間尺に合わないレートだし、ということでして、やっぱり中短期の輪番のやりすぎと短国の需給のクソ強さと過去のロングの資金供給の副作用というのが効いていますわなという水準、10年の1%割れもまあ結局日銀の輪番多すぎ問題なんですけど。
でまあ結局短期国債の話になりますけど、明日木曜日は1年短国の入札(金曜日が3M)があるのですが、こっちの引けが昨日の売参だと、
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html
1257が1年カレントで1263が明日入札のWIですな。
(10/15引値)
国庫短期証券1257 2025/09/22 平均値単利 0.235
国庫短期証券1263 2025/10/20 平均値単利 0.260
(10/11引値)
国庫短期証券1257 2025/09/22 平均値単利 0.220
国庫短期証券1263 2025/10/20 平均値単利 0.220
ということで、さすがに2年とかの金利も上がっているので引っ張られてはいるのですが、短国ちゃんの引値って上がっているの1年カレントと新発WIだけであとはまあ基本横ばいとかいう水準なので1月償還1bpとか(カレントは0bp)いう面白レートのままになっておりまして、金融政策の修正ネタでしか動かん市場ではあるのに短いところが(上がったとはいえ)全然市場の中の人の考える中心的な政策金利パスと整合していないのは、これまでは日銀の長期国債買入がクソ過大であっても、マイナス金利政策(だのゼロ金利だの)によって永久凍土状態になっていたので顕在化しなかった中短期の安全(クレジットリスクフリーという意味)資産へのニーズが(0.25%まで政策金利が上がって)解凍されて見ると安全資産不足が顕在化して短国から中短期の金利のありさまになっているということなのかね、とか何とか思ったり思わなかったり(個人の感想です)。
ということなので、1年と言わずに10月と言いたいがせめて12月会合でちょっと輪番のデザイン再考した方がエエンチャウノというのが「利上げしてるはずだし今後の利上げだってあるということになっているのに中短期(何なら10年も)の金利が上がってこんなもん」というアカンタレな状況を改善できんもんかねと思うのでした。
2024/10/15
ほうほうそうですかそうですか
https://jp.reuters.com/markets/quote/USDJPY=X/
US Dollar / Japanese Yen FX Spot Rate
USDJPY=X
直近の取引 149.77 JPY
変化 0.64
変化% +0.43%
2024年10月15日の時点。値は少なくとも15分遅れで表示しています
いやー150円ですなあ150円。
〇新発3M入札は償還日米国祝日もなんのそので前週よりも入札利回り低下でござるの巻
まあ金曜日なので3M新発があったわけですが。
https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20241011.htm
国庫短期証券(第1262回)の入札結果
『本日実施した国庫短期証券(第1262回)の価格競争入札及び国債市場特別参加者・第T非価格競争入札について、下記のように募入の決定を行いました。
記
1.名称及び記号 国庫短期証券(第1262回)
2.発行根拠法律及びその条項
財政法(昭和22年法律第34号)第7条第1項、財政融資資金法(昭和26年法律第100号)第9条第1項並びに特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第83条第1項、第94条第2項、同条第4項、第95条第1項、第136条第1項及び第137条第1項
3.発行日 令和6年10月15日
4.償還期限 令和7年1月20日
5.価格競争入札について
(1)応募額 10兆9,767億円
(2)募入決定額 3兆2,424億8,000万円
(3)募入最低価格 99円99銭6厘5毛
(募入最高利回り) (0.0131%)
(4)募入最低価格における案分比率 31.8132%
(5)募入平均価格 99円99銭8厘2毛
(募入平均利回り) (0.0067%)』
・・・・・・・orzorz
いやーあのですね、この銘柄って償還日がキング牧師誕生日にあたるのでアメリカ様が祝日だから、とかいうことでワンチャン海外のニーズが少なくて少しはマシになるか、とはまあ木曜のWIの引けが強くされた時点でやべえかと思ってた訳ですが、米国祝日が何ぼのもんじゃいということで、前週の3Mが平均0.073%で足切り0.0202%でしたので、ものの見事に強くなっておりまして、いやあのですね、9月末要因で強かったのの余波とかそういうのを超越しているでしょうという話でして、いやだから「金利のある世界」における短期市場のデザインお前らどうなっているんだよと全員正座させて説教食らわせたい(誰に?)世界になっておりまして、いやだからT-Billの市場をちゃんと作らないと色々なところにミスプライスが発生してくるんですよ以下同文、って感じです。
お前ら何やってるんだよというお話は毎週しておりますので耳タコだと思いますが、期末期初抜けてこのテイタラクですとこれはちょっとマズイという感じはしますな。むしろ利上げ良いから日銀はバランスシートの削減をもっと急ぐ(つまり新規の国債購入をもっと減らせという話だしやってみたら中短期もっと減らした方が良いとなったんだったら別に1年を待たずして是正すればいいだけの話)べきだろという話だし、財務省は特会の残高が減ってるからという機械的な対応しているのでエエノンカ、というのを考えて頂きたいところです。
まあ何ですな、この短国市場ってのはこの次にちょうど金曜に出た日銀の「短期市場サーベイ」をネタにしますけど、日銀は短期と言えばコールとか精々気にするのレポ市場でして、CPとか短国ってのはそこまで気にしないですし、特に短国に関しては短国買入を運営上やらなくなっておりますので日銀からしてみたら介入してないんだから知らんがなという話なんでしょうし、財務省的には1年割引短国は国債発行計画に入っていますけれども、建付け上それより短い政府短期証券に関しては国債発行計画の外側になっているので、国債市場整備の観点からどうのこうのという話になりにくい(PD集めて短国の話したっていつもの人とは別の人を呼ばないと多分会話にならないでしょうし)、ということで、基本的に短期のビルの市場がいわゆる三遊間案件になっておりまして、でまあ三遊間案件なんそ拾いに行くのは余程の伊達物なんで、そのまま三遊間を抜けてしまうのでありました、ってなもんですな、南無阿弥陀仏。
ああそれから売買参考統計値ちゃんですけれども、
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html
(10/11引値)
国庫短期証券1262 2025/01/20 平均値単利 0.000
とりあえず前週の1260みたいに引値マイナスにはされませんでした(ちなみに11日の1260の売参は平均値単利で0.010%になっております)けれども政策金利が0.25%になっていて、「経済物価情勢が見通し通りに推移すれば今後も金融緩和度合いの調整を行う」と言っているのに決定会合2回(まあ今月は政策変更なしだろうから実質1回だけど)跨いでいるというのに利回り0.000%かよといういつもの状態ですな、とほほ。
〇このタイミングで短期市場サーベイというのが巧まざるネタ投下になっておりますが
とまあそのような短国の中で短期市場サーベイが投下された次第で。
https://www.boj.or.jp/paym/market/market2410.htm
わが国短期金融市場の動向
--東京短期金融市場サーベイ(24/8月)の結果--
ちょwwww前書きwwwwwww
『はじめに』ってのがありましてね。
『日本銀行金融市場局は2008年以降、わが国短期金融市場の取引動向などを把握するため、「東京短期金融市場サーベイ」を実施している。このサーベイは当初は隔年で実施していたが、市場動向をより的確にフォローする観点から、2013年より毎年実施することとしており、本年8月、第15回目となる調査を実施した(調査基準時点は本年7月末)。』
へいへいそうだっか。
『今回のサーベイは、従来同様、日本銀行のオペレーション対象先および短期金融市場の主要な参加者を対象として実施している。今回のサーベイの調査対象先は386先となっている(回答率100%)。』
ほうほうそれでそれで?
『日本銀行金融市場局は、今回のサーベイ結果を短期金融市場の動向把握のために有効に活用していくとともに、「債券市場サーベイ」なども併せ用いながら、金融市場の状況や構造変化の包括的かつ多面的な把握に努めていく考えである。』
で、短国市場の惨状については如何お考えでしょうか??
『また、「市場調節に関する意見交換会」や、「債券市場参加者会合」などの機会も活用しつつ、市場参加者の方々と対話を重ねながら、短期金融市場も含めたわが国金融市場の活性化に向けた関係者の取り組みを積極的に支援するとともに、自らも中央銀行の立場から、可能な限りの貢献を果たしてまいりたいと考えている。』
ロングの共通担保オペを後先何も考えずにアホみたいに打った結果「金利のある世界」に戻ったら案の定担保繰り問題が短国需給をおかしくする一因になっている(当然ですが弊駄文もそうですけどこの「2年5年オペで担保ニーズを増やしてしまうと後で面倒なことになるのに安易にオペ打ちすぎ」って指摘はその当時結構あったはずなので知らないとは言わせない)し、貸増とか気候変動とかの事実上の補助金政策もオペ形式で実施してこれまた担保需要を無駄に高めている元凶が「中央銀行の立場から、可能な限りの貢献を果たしてまいりたい」ってDVモラハラ男みたいなこと言ってるんじゃねえよこのボケナスがという所ですな。
でまあそのようなDVご挨拶はさておきまして『概要』ですが、
『短期金融市場の取引残高は、資金調達残高・資金運用残高とも、前年から増加した。』
そらマイナス金利で死んだふりしてた分が出てきましたからね。
『内訳をみると、資金調達残高・資金運用残高とも、マイナス金利政策解除に伴ってコール取引が減少したものの、非居住者の債券取引需要の高まりなどを背景にレポ取引が増加したため、全体としては増加した。また、資金調達サイドについては、一部外銀が、外貨余資活用の観点から円転を積極化させたことも残高増加に寄与した。』
『短期金融市場の機能度(7月末時点)について、「現状」の評価は、「低い」との回答の割合を、「高い」との回答の割合が上回った。また、「変化」については、小幅の「低下」超となった。』
うーんこの、ということで本文ちょっと拝見しますが、
https://www.boj.or.jp/paym/market/data/market2410.pdf
わが国短期金融市場の動向
―― 東京短期金融市場サーベイ(24/8 月)の結果 ――
・GC市場
3ページ目(本文もPDFの枚数も同じ)にGCの話がありますが、
『1.GC レポ取引』の資金運用側に関してこのような記述が。
『資金運用(債券調達)サイドでは、短資や信託、外証の債券調達が増加した。短資や信託からは、SC
レポでの債券運用と GC レポでの資金運用を組み合わせた取引が活発化した等の声が聞かれたほか、一部の外証からは、国庫短期証券の需給が引き締まるなか、担保に用いる債券の調達をターム物の
GC レポにシフトしたとの声も聞かれた。』
とまあそういう訳で、まあゆうてGC市場自体がオープン市場ではあるけれども取引そのものがそれなりにシステム対応が必要になるという参入障壁が割と高めで、業務上必要とか、可能なレポ取引の残高がかなり大きい人とかじゃない場合、マイナス金利だのゼロ金利だのという状況でGCレポ市場に本格参入するのは中々厳しいところがあって、この市場はとのかく金利がもっと高くなって参入者の幅に広がりが出てこないと、取引残自体はマーケットマーカーの在庫ファイナンスとかのニーズがあるからデカいんだけど、市場の厚みが足りないなと思う次第。
・無担保コール市場
でまあコールのところなんですが(SCはパス)、『3.無担保コール取引』を見ますと、
『無担保コール市場の取引残高は、前年から減少したが、やや長い目で見ると高めの水準で推移している。』
中々苦しい書き方をしていますなって感じですが、「やや長い目で見ると」ってあーたその前ずっとマイナス金利なんだから比較対象とするのどうなのよという感じもしますが。
『資金運用サイドでは、マイナス金利政策解除に伴い、政策金利残高の圧縮を企図した都銀等による資金運用ニーズがなくなったため、残高が減少した。これを受けて、資金調達サイドでは、こうした資金運用ニーズの受け皿としてマイナス金利下では主要な資金調達主体となっていた地銀・地銀Uの資金調達が減少した(無担保コール市場の動向については、BOX1
および BOX2 参照)。』
まあ要するにコール取って当座預金付利を貰ってその差で(゚д゚)ウマーって話なんですが、これを市場と言えるのか問題というのは常にあるわけでして、それこぞトン調節の時代で政策金利が変更しうる時代には「準備預金の積みの進捗調整」という形で翌日物市場ですら「金利観に基づく市場の動き」があったんですよね(その時代に辛うじておりましたよ小僧でしたけど)。
ということで10ページの『【BOX1】マイナス金利政策解除に伴う無担保コール市場の変化6』にワープしますけど、短期市場サーベイの場合は普段おなじみじゃない人が多いので説明部分がそこそこ長いので、初心者でもあとはちょっとそこらの短期担当を捕まえればわかるような書き方になっておりますな。
とはいえ、何ちゅうかこの説明って面白くて(11ページの部分です)途中からになりますが引用しますと、
『付利先が、信託等から資金調達を行う取引動機は、調達レートと付利金利との差にある。』
というところから始まりますが、
『付利金利が、調達レートを上回っていれば、付利先には、裁定取引の動機が生じ得る。実際、O/N
物の取引レートである TONA(Tokyo OverNight Averagerate)は、付利金利を幾分下回る水準となっている(図表2)。』
味わいのある表現です。
『なお、マイナス金利政策解除後は、短資会社経由取引がダイレクト取引(DD
取引)へのシフトもあって減少するもとで、短資会社を介さないダイレクト取引の比率が高まっている(図表3)。』
これまた味わいのある表現。
『今回調査では、この点も踏まえ、ダイレクト取引も含むオーバーナイト取引全体の約定レート(加重平均値)を調査したが、短資会社経由取引をもとに作成・公表されている
TONA と大きな差異はみられなかった。』
そらそうだ。
『この点、調査先からは、ダイレクト取引のレート形成においても、TONA が参考にされているとの声が聞かれている。』
無担保コール翌日物加重平均金利が参考???いや確かにそれはそうですけれども無担保コール翌日物金利自体が実質固定みたいになっているのに「TONAが参考になっている」とか如何にも市場機能があるような書き方になっているのがクソ笑う訳で、提灯コメントにも程があるわと思いましたwwwwwwww
でまあ翌日物はさておきましてこのコーナーは期日物の方が興味深い内容になっていまして、『(2)ターム物』ってところですが、
『ターム物については、1か月以内と1か月超で、参加者の顔ぶれや取引動機に違いがみられ、マイナス金利政策解除の影響も異なっている。』
ほー。
『まず、1か月以内のタームについては、マイナス金利政策下で取引残高が増加し、マイナス金利政策解除後は取引が減少するという、O/N
物と同様の動きがみられた。』
ふむ。
『マイナス金利政策下では、O/N 物のロールオーバー負担を避ける事務面のニーズから、ターム取引による付利先同士での三層構造間の裁定取引がみられていたが、マイナス金利政策解除後は、当該取引は無くなり、証券やその他のファンディングニーズに起因する取引が中心となっている(図表4)。』
でもって、
『1か月超のタームについては、証券等が、流動性カバレッジ比率(LCR:Liquidity
Coverage Ratio)を意識した資金調達を行っており、マイナス金利政策解除後においても大きな変化はみられない(図表5)。』
だそうです。
・有担保コール市場
6ページの『4.有担保コール取引』になります。
『有担保コール市場の取引残高は、前年から幾分増加した。』
『過去マイナス金利政策解除に伴い、信託の資金運用が幾分増加したものの、担保に用いる債券の需給引き締まりのほか、この間、都銀等では有担保の資金調達取引がGCレポにシフトしたことなどを背景に、低水準の取引が継続しているとの見方が聞かれた。』
って書いてあるのだが、そもそも都銀が有担保の資金調達を行う意味ってあるのけ??というのが謎なんだが(あるにしたってそれマージナルな話じゃなかろうか、3pのGCレポ市場の取引残高見てもそんな気がしますけど)。
というあっさり味の記述ですけどもっとあっさりなのが短期国債とCPでして、
・短国とCP市場
7ページの『5.国庫短期証券、CP による資金運用』ですが、
『国庫短期証券による資金運用残高は前年から増加、CP による資金運用残高は前年から減少した。』
資金運用残高は増えているというのに発行額が減っている訳でして、いやまあ別のロジックで政府短期証券が増えたり減ったりしているのはそういう建付けだからということなんでしょうけれども、やはり金利のある世界に戻るのであればT-Billの市場整備は急務だと思うの(しつこい)。
『国庫短期証券による資金運用は、マイナス金利解除後、利回りがプラス圏に上昇したもとで、信託等の運用額が増加した。』
『CP による資金運用は、原材料価格高騰を背景とした企業の運転資金調達ニーズが一服し、発行残高が前年比低位で推移するもと、減少した。』
ちょwwwwこれだけかいwwwwww
・機能度って取引がありゃいいってもんでもないんですけどね&オープン市場は基本知らんがなですかそうですか
9ページが『6.短期金融市場の機能度に関する市場参加者の見方』ですけど。
『機能度の水準は、いずれの市場も「高い」超となった。そのなかで、T+0 でのGC
レポ取引については相対的に低めとなった。』
参加者の様々な金利観が価格形成に反映する、という意味での市場機能ってあったっけ??と思いながら見ますと、
『機能度の変化については、無担保コール取引では、資金運用機会の増加を背景に「改善した」と回答した先がみられたものの、取引残高が前年比減少するなか「低下」超となった。国債レポ取引では、「低下」超となり、一部先からはその背景として、証券会社の在庫ファンディング量次第でレートが振れやすい点が指摘された。』
おいwwwwwww
でまあその下にある『▽短期金融市場取引の機能度に係る市場参加者の評価5」』ってのを見ますと、そもそも論として項目が、「短期金融市場全体」、「無担保コール」、「有担保コール」、「国債レポ
GCレポ(T+0)」の4つしか無くて、短国市場とかそういうのは機能度調査対象外になっている、という時点で市場機能とは何ぞやという話ではありまして、短国市場の価格発見機能が完全に崩壊しているとかいうような苦情をこっちに持ってくるなという気概が充実している次第で落涙を禁じ得ないと言ったところです。
という訳で短国とかCPとか知らんがな、ということのようでして、いやまあファンディングの部分ちゃんと動いているのはそれはそれで大変に大事なことなので上記項目での資金調達がちゃんとできているのかというのは確認すべきお話なのはご尤もではあるのですが、でもオープン市場はやっぱり三遊間案件になってしまうんですよねえというお話ではございました。
イールドカーブの起点になるところだから短期のオープン市場(というか国債市場)のことも思い出して頂きたいものであります。
2024/10/11
〇相変わらずの短国ではあるが今日は減額になります3Mの入札
ということで売買参考統計値ちゃんを確認しますと、
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html
(10/10引値)
国庫短期証券1259 2025/01/08 平均値単利 0.050
国庫短期証券1242 2025/01/10 平均値単利 0.050
国庫短期証券1260 2025/01/14 平均値単利 0.005
国庫短期証券1207 2025/01/20 平均値単利 0.050
国庫短期証券1262 2025/01/20 平均値単利 0.040
ということですが、
(10/9引値)
国庫短期証券1259 2025/01/08 平均値単利 0.050
国庫短期証券1242 2025/01/10 平均値単利 0.050
国庫短期証券1260 2025/01/14 平均値単利 0.005
国庫短期証券1207 2025/01/20 平均値単利 0.050
国庫短期証券1262 2025/01/20 平均値単利 0.050
ということでして、1262ってのが新発WIな訳でして、昨日の引値のところで新発WIを1毛強くしている時点でやる気(あるいはころす気)満々という恐ろしいことになっておりまして、まあどういうことになるんだか、という感じなのですけど、短国がこの有様ですので、昨日の5年国って調整していると言ったって2回利上げしただけで逆ザヤになる金利水準でしかないとか、とにかく短国潰れる→2年の金利が上がらん(というか0.5%に全然届かないとかいう恐ろしい水準)→中期の金利が上がらん、ということで波及している訳で、何が「長期金利の形成を市場に委ねる」だ寝言は寝て言えという感想しかわかないのですが、まあ今日の12時30分は短国の落札結果を見て呆れて頂くことを推奨いたしますorzorz
2024/10/10
あらあらまあまあ
https://jp.reuters.com/markets/quote/USDJPY=X/
US Dollar / Japanese Yen FX Spot Rate
USDJPY=X
直近の取引 149.31
変化 1.12
変化% +0.75%
2024年10月10日の時点。値は少なくとも15分遅れで表示しています
〇6MTDBェ・・・・・・・・・
まあそうでしょうねって結果ですけど
https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20241009.htm
国庫短期証券(第1261回)の入札結果
『本日実施した国庫短期証券(第1261回)の価格競争入札及び国債市場特別参加者・第T非価格競争入札について、下記のように募入の決定を行いました。
記
1.名称及び記号 国庫短期証券(第1261回)
2.発行根拠法律及びその条項
財政法(昭和22年法律第34号)第7条第1項、財政融資資金法(昭和26年法律第100号)第9条第1項並びに特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第83条第1項、第94条第2項、同条第4項、第95条第1項、第136条第1項及び第137条第1項
3.発行日 令和6年10月10日
4.償還期限 令和7年4月10日
5.価格競争入札について
(1)応募額 8兆9,785億円
(2)募入決定額 2兆7,939億8,000万円
(3)募入最低価格 99円95銭7厘
(募入最高利回り) (0.0862%)
(4)募入最低価格における案分比率 52.0891%
(5)募入平均価格 99円96銭5厘
(募入平均利回り) (0.0702%)』
Oh・・・・・・・・・・・
ということで平均が0.0702%とかいうナンジャソラレートでして、どのくらいナンジャソラレートかと言いますと、0.25%への利上げが実施されて以降6Mって3回入札があったわけですが、
今回:0.0702%/0.0862%
9月:0.0867%/0.0907%
8月:0.0948%/0.1109%
とかなっていまして、利上げ前の7月は
7月:0.0396%/0.0476%
なんで利上げ前の方が金利低いと思いきや、その前の6Mは
6月:0.0858%/0.0877%
5月:0.0789%/0.0947%
4月:0.0418%/0.0438%
なのでありまして、マイナス金利解除後に3Mの入札がプラスになったのが4月の3日とかの入札なので4月の6Mはまだ低かったんですけど、何なら直近ってマイナス金利解除して0.25%への利上げがまだ、という時期の6Mよりもレートが低かったりする入札になっている訳で、これはどこからどう見ても市場が変調だし、しかも短期の国債市場ですからちょっと問題と思っていただかないと困るんですけどねえというお話。
そういやしばらく前に債務管理の何とかみたいなのがあった時に、短期のフローター債の発行の検討ってネタがあったのですが、実はそのような話よりも、発行が外為特会の残高によって伸縮してしまう政府短期証券をベースにした状態という短期国債市場をもうちょっと市場として整備する方が急務なんじゃなかろうかとは思う(いやまあ短期フローター出すなという話じゃないんですけど力の入れどころを考えて頂きたく)のですがといういつもの悪態を6Mの4月以降の落札結果つらつら並べてて思いました。
なお売参では
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html
(10/9引値)
国庫短期証券1261 2025/04/10 平均値単利 0.080
ということで、平均よりは甘く、テールよりは強いという引値になっていますな。何ぼなんでも7bpはという所でしょうか。
〇コール市場残高を見ても期末のコールに波乱なしという感じですか
https://www.boj.or.jp/statistics/market/short/call/index.htm
コール市場残高
直近の9月の計数が出てきていまして、こちらエクセルでDLできますのでそれで末残を見ますと
有担保コール(出し手)末残
7月:35,202
8月:37,018
9月:38,592
無担保コール(出し手)末残
7月:76,621
8月:81,634
9月:68,331
期末と言われるタイミングではバランスシート調整のために末残調整があるので、無担保コール取って日銀当座預金に突っ込むプレイが減るから無担コールが減るのは仕様なのですが(そもそも媒介コールじゃなくてDD取引分が集計上出てこないのでこの数字自体もご参考数値ですけど)、気になっていたのは有担保コールの方でして、9月末だからと言って特に残高は落ちなかったのはほほうと思いました。まあこの件に関しては「ほほうと思いました」だけ申し上げてじゃあ何なんですかというお話は割愛させていただきますがw
2024/10/09
〇3Mカレント短国の引値はとりあえずプラテン+今日は6M入札+特会レートにみる利上げ観測後退
売参ちゃん
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html
(10/8引値)
国庫短期証券1260 2025/01/14 平均値単利 0.004
ということで、昨日までカレント3Mマイナスだったのですがやっと0.4bpの引けになりました、とか言って喜んでいる場合でもなくて、そもそも論として言えば3Mカレントの短国ってマイナス金利解除後も(期末要因もあったと思いますが)マイナス推移していて、4/3に期初一発目の3Mの平均落札がプラス圏になってやっとプラスに戻ったんですよね。でもって半年かけてその間政策金利が0.25%になっているというのに元の木阿弥レートに戻っているんですから世話はない、というかこれ問題と思わない方が問題なんですけどその悪態は55回くらいは言っているので以下割愛。
でもって今日は6Mがあるんですけど売参ちゃんの方では
(10/8引値)
国庫短期証券1261 2025/04/10 平均値単利 0.085
来年4月償還で8.5bpって利上げ観測もへったくれもない(そもそも翌日物金利は0金利ではなくて0.25%なんですが)のですが、さらにアレなのは前日の売参が9bpだったのが昨日8.5bpに金利低下という最近流行りの「入札前日の引値を強くするムーブ」になっていることでして(恐)、6Mって基本的にニーズが偏りやすい事を考えると何かもうねという感じですが、さて何ぼになるのやらというお話ではあります。
なお激しく失念していましたが、月初に交付税借入6Mが2発ありまして、
https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/kariire/kari-result241001.htm
交付税及び譲与税配付金特別会計の借入金の入札結果(令和6年10月1日入札)
10/11-4/11で平均0.274%、足切り0.294%
https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/kariire/kari-result241003.htm
交付税及び譲与税配付金特別会計の借入金の入札結果(令和6年10月3日入札)
10/17-4/15で平均0.274%、足切り0.285%
ということで、中1日置いたら足切りレートがさがっている、というのが中々のおそロシアですし、
https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/kariire/energy-result240910.htm
エネルギー対策特別会計の借入金の入札結果(令和6年9月10日入札)
こちらは1年物なので比較するのに多少計算が必要ですが、この時の落札結果を仮に1/27の利上げ確率、という意味で計算すると、手前を0.25%で置くと後ろの換算フォワードが0.424%になって、いや1回も利上げおりこんでないやんとはなるのですが、(フォワードは平均落札の0.363%から計算)先週2回目の交付税特会の平均落札利回りで計算しますと、手前の金利が0.25%で1月会合以降のフォワードを単純計算すると後ろの金利が0.305%にしかなっていなくて、1月利上げでもあんまり織り込んでいない(3月で区切りにすると0.4%台になるけど)という中々悲しいことになっております。
ということで、特会借入の金利も下がっているのですが、短国の金利の方の下げっぷりの方がアレということで、誠に頭がくらくらするわけでして、9月決定会合は日銀がどう思おうと、市場(しかも為替とか株だけではなく足元のインターバンクでも)からはハトハトチキン節炸裂という扱いになっていたというのが見て取れるかと思います、いやはやなんとも。
2024/10/08
〇3Mカレントマイナス引値のままですなあ&よく考えたら今週から減額orzorz
いつもの売参
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html
(10/7引値)
国庫短期証券1258 2024/12/23 平均値単利 0.060
国庫短期証券1259 2025/01/08 平均値単利 0.030
国庫短期証券1242 2025/01/10 平均値単利 0.050
国庫短期証券1260 2025/01/14 平均値単利 -0.005
国庫短期証券1207 2025/01/20 平均値単利 0.051
国庫短期証券1262 2025/01/20 平均値単利 0.050
なんか銘柄ごとに変なデコボコがあるのが見た目気持ち悪いですけれども、まあそれはさておくとしてカレント1260は相変わらず華麗にマイナス利回りの引値になっておりまして、ソレデエエノンカイという感じではあります。1262は今週の新発WIでとりあえず5bpでついていますが、初手から5bpってのがもうアレという感じでして、期末要因でうんぬんよりも年末跨ぎ要因での金利低下がはなはだしいし、需給はますます締まっているという状態で、市場の育成とかする気がないのかもしれないけど、こういう規模がそこそこある市場での変調を「限界的な市場の話は知らん、コールレートは0.227%なので無問題」とか言ってると後でエライ面倒なことが起こることもあるのはリーマンショック後の短期市場変調を気にしないでいて最後エライことになったからの反省がない。
のですが、まあどうせ日銀の歴史的にはリーマンショック後のオープン市場の金利上昇とそれによって実施を強いられたCP社債買入に関しても「発生した事象に適切に対処した(
ー`дー´)キリッ」ってことになっている筈で(そういう精神じゃなかったら今のお手盛りモリモリの多角的レビューの内容にならない)すのでまあ「私言いましたよね」を言い続けるしかありませんなorzorz
しかし世の中12月1月利上げの思惑が戻ったり後退するというのに短国市場は見事にそれを1ミリも反映しないですし、まあそれ言い出すと2年とか5年だって金利は動けどもお前短期金利の予想パスから足し算して言ってその金利で良いのか状態ってのは結構長いですから、中短期の金利もまともな市場機能をはたしていない疑惑は大有りなんですよね。
でまあ今週から3Mまた減るんですよね〜
https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_auct/auct20241004.htm
国庫短期証券(第1262回)の発行予定額等
4. 発行予定額 額面金額で4兆3,000億円程度
https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_auct/auct20240927.htm
国庫短期証券(第1260回)の発行予定額等
4. 発行予定額 額面金額で4兆6,000億円程度
でもって最近の短国ちゃんですけど、為替介入のお蔭で外為特会の残高減ってしまったからシャーナイのはシャーナイのですが、今月償還の来る3Mって5.2兆円発行されていた短国の折り返しになるので、今週からは償還発行のバランスが▲9000億円になる次第(11/11償還ものからは4.9兆円になる)でして、これもう一発円安になって為替介入したら短国の市場がますます変なことになってしまう訳で、そんな状況下で1年以下とか1年〜3年の利付の輪番とかやってる意味あるのかと小一時間って感じですな。
ま、この辺に関しては短国発行に関しても(政府短期証券の名残だから現制度上限界があるのですけれども)、単純に国庫(と特別会計)資金繰りの観点から伸縮するのではなく、短期国債市場をどうするのか、という観点で発行総額をある程度確保して、国庫資金繰り効率化云々の問題は日銀との売り現先(で利息付ける)で調整するとかして、短国市場の発行額がもろに上げ下げされるというのをもうちょっと何とかならんのかなとは思います。
まあアレです、マイナス金利とか言ってるときは問題なかったんですけれども、「金利のある世界」になりますと、予備資金というのは何らかのビークルを経由して短期国債市場に出てくるもんですから、そこの金利が余りと言えば余りなのっていうのは改善の余地がないですかねえ、とまあいつもの話になるのでした。
・・・・・まあ今の感じだと多少供給戻してもなんか需要の方がクソ旺盛っぽいのですが、日銀当座預金には25bpの掴み金を掴ませておいて、非当預先へのクレジットリスクフリー資産はうっかりすると0だのマイナスだのという短国ですよってのもなんだかなあって感じだし、政策金利というガワは上げて日銀当座預金の付利によってコールのレートはできていますが、短期市場が先行きの政策を織り込んでプライシングしているのかという話になると何ともはや、という話になりますな(デリバはその点「モノとしての需給」が原資産で起きない限り価格形成がマシになりますよね)。
と、暇さえあれば(いや別に暇ではないのだが)短国市場とかいう(以下個人の被害妄想です)日銀様に言わせると限界的な市場なのでそんなもんのレートがどうなろうと知らんという市場悪態でした。
2024/10/07
ほうほうそうですかそうですか
https://jp.reuters.com/markets/quote/USDJPY=X/
US Dollar / Japanese Yen FX Spot Rate
直近の取引 148.7
2024年10月7日の時点。値は少なくとも15分遅れで表示しています
(数値は今朝ワタクシが見た時点の物です)
〇雇用統計でドル高になっちゃいましたが石破政権どう対応するのやらなどなど
・早速の円安進行でどういう話をしてくる(話をしないのを推奨だが)のかが楽しみですwww
https://jp.reuters.com/markets/us/IKAXLJRH6BPSNAGTXDWXSQTB2Q-2024-10-04/
NY外為市場=ドル一時149円台、雇用統計受け大幅利下げ観測後退
By ロイター編集
2024年10月5日午前 6:20 GMT+9
『[ニューヨーク 4日 ロイター] - ニューヨーク外為市場ではドルが上昇し、対円で一時149円台に乗せた。9月の米雇用統計が予想を大きく上回ったことで、連邦準備理事会(FRB)の大幅利下げ観測が後退した。ドル/円は一時149.02円に上昇し、8月16日以来の高値を更新。日米金利差が縮まりにくいとの観測からドルは対円で上昇しており、週間ベースの上昇率は2009年以来の大きさとなる見通し。』
『米労働省発表の9月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は前月比25万4000人増で予想(14万人増)を大幅に上回り、過去6カ月で最大の伸びとなった。失業率は4.1%で、前月の4.2%から低下した。
』(以上上記URL先より)
ということで大変に素敵な展開になっておられるのですが、何ぼアメリカのせいと言いましても、その前に赤澤、石破、植田と揃いも揃って利上げしませんよ発言をしてお墨付き与えてしまった訳でしてすが、150円超えの円安とかになって来た日にはこの前の介入だの利上げの効果を使い果たす感じになってきますがな、ということで為替円安を見てまたアワアワしだしたら石破さんやばいわ、と思うのですがアワアワする方に1万アルゼンチンペソといったところだったりもします。
でまあそうやってアワアワしだすと、市場というのはとにかく嗜虐的でありますからして、政権が困るように困るようにと動くようになって、益々地獄を見る、ということになるのですけれども林官房長官に期待するしかないですし、赤澤大臣におかれましてはハッスルしているところ甚だ恐縮ではございますが、しばらく黙っていることをお勧めしたいですな。
・スタートでロケットスタートただし方向が真逆、というのを立て直しにかかってきましたかね(公認問題)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2024100600225&g=pol
旧安倍派幹部ら非公認へ 衆院選、少なくとも6人―自民
時事通信 政治部2024年10月06日19時17分配信
『石破茂首相(自民党総裁)は6日、派閥裏金事件に関し、4月に党処分を受けた一部議員を衆院選(15日公示、27日投開票)で非公認とする方針を表明した。旧安倍派の萩生田光一元政調会長ら少なくとも6人が対象となる見通し。政治資金収支報告書に不記載があった全議員に小選挙区と比例代表の重複立候補を認めない考えも明らかにした。』(上記URL先より、以下同様)
公認するし重複認めるとかいう報道が出ててさすがにやべえだろと思ってたら、案の定世の中的にもフルボッコにされて方針変えたのか元の話が観測気球だったのか知らんけど、まあ立て直し立て直し。
『党執行部は当初、各都道府県連からの申請を踏まえ「裏金議員」を原則公認する方向だったが、世論の反発を考慮して方針を転換した。非公認は4月の党処分を基準とし、「選挙における非公認」より重い「党員資格停止」を受けた旧安倍派幹部の下村博文元政調会長、西村康稔元経済産業相、高木毅元国対委員長が対象となる。』
ということですが、まあここで刺客を立てれば小泉純一郎なのですが、そこまでしないんでしたらそれなりに実力者は当選してきて結局元鞘になるのかもしれませんけど、まあこれで選挙後もワチャワチャしそうではありますな。
しかしまあ何ですな、
https://news.yahoo.co.jp/articles/a25230dbe7d2d20b788c2e82c7a83dd6684ba582
自民、「裏金議員」原則公認へ 衆院選で比例重複も容認、首相方針
10/3(木) 20:59配信
『石破茂首相(自民党総裁)は、派閥の裏金事件で処分を受けた議員らについて、次期衆院選で原則公認する方針を固めた。都道府県連の申請を受けて公認していく考えで、小選挙区の公認候補は比例代表との重複立候補も認める。』(上記URL先より)
ってのは結局飛ばしだったのか石破さんがビビってこの方針を切り替えたのか、はたまた石破さんがわざと朝日新聞にこの話を流して記事にさせることによって「ほら世論の反発が凄まじいじゃないですか」と説明するための罠だったのか、まあ何が何やらさっぱりわかりませんけれども、マーケットとの対話が右往左往しているのを見ると観測気球とかいう策士じゃなくて単にふらふらしているだけのようにも見えてなんか判断付きかねますな。
でもこれで少しは頽勢に歯止め掛けられるかと思う訳で、首班指名→即解散総選挙→クソぼろ負けして退陣、という流れで憲政史上初の面白事案の可能性は低下していただきまして誠に結構なことではあろうかと存じますが、とにかく緊張感をもっていただきたいもんですな、という雑談でした。
〇新発短国3Mの引値がマイナスになりやがっている件について
まずは入札結果
https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20241004.htm
国庫短期証券(第1260回)の入札結果
『本日実施した国庫短期証券(第1260回)の価格競争入札及び国債市場特別参加者・第T非価格競争入札について、下記のように募入の決定を行いました。
記
1.名称及び記号 国庫短期証券(第1260回)
2.発行根拠法律及びその条項
財政法(昭和22年法律第34号)第7条第1項、財政融資資金法(昭和26年法律第100号)第9条第1項並びに特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第83条第1項、第94条第2項、同条第4項、第95条第1項、第136条第1項及び第137条第1項
3.発行日 令和6年10月7日
4.償還期限 令和7年1月14日
5.価格競争入札について
(1)応募額 12兆210億円
(2)募入決定額 3兆5,141億6,000万円
(3)募入最低価格 99円99銭4厘5毛
(募入最高利回り) (0.0202%)
(4)募入最低価格における案分比率 59.2906%
(5)募入平均価格 99円99銭8厘0毛
(募入平均利回り) (0.0073%)』
前回の3Mは0.0047%/0.0365%でしたが、平均は金利上がったのですが足切りの金利が下がりやがりまして、しかも前回って応札が通常ベースよりも少なくて9兆円ほどだったのですが、今回は応札も通常に戻りやがりまして、これは期末の余波だと救いがあるのですが、期末の余波とかでも何でもなくて、年末越えのニーズでクソ強いってパティーンだと泣ける次第でして・・・・・
売買参考統計値を見ますと
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html
(10/4引値)
国庫短期証券1260 2025/01/14 平均値単利 -0.005
とかいう驚異のレートになっていまして、これは9月期末じゃなくて年末越え、ということになるんでしょうけれども、年末越えで海外投資家がドル円ベーシス的に買えると言いましてもなんも一発目からこれなのかよという所ですが、まあそういう引値がついているんだからしょうがない。
短期のリスクフリーかつ最も流動性(換金性の意味で)が高いTDB市場にQQE政策の歪みがもろに出てしまっている訳ですが、短国って何のかんの言って一番流動性高いので、これがこのようなレートになるということは、担保だのマイナス調達できるだのというニーズではなく普通に短期の資金運用をするニーズが短国にアクセスしにくい(リターンがおかしいから)ということになりますので、えーっとそういうのって短期市場の脆弱性を高めることになるんですけどねえ、とも思うのですが、どうせ超過準備が山ほどあるから大丈夫ですが何か、とか思ってるんだろうなあ、と頭が痛くなるのでありますが、これ今はその兆候もなんもないですけど、一朝事があって短期市場の脆弱性が顕在化したらエライことになるんで、私言いましたからねということで申し添えます。
2024/10/04
ほうほうそうですかそうですか
https://jp.reuters.com/economy/bank-of-japan/WPFCWPETZBMMPKQKOV7WLOPDAA-2024-10-03/
日銀、金利を段階的に引き上げるべき インフレデータ正当化なら=IMF
By ロイター編集
2024年10月4日午前 2:19 GMT+9
まったくおっしゃるとおりですが長期国債買入のことも忘れないでいただきたい。
〇期も改まったわけですが3M入札が本日あるわけでして
いつもの売参
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html
(10/3引値)
国庫短期証券1256 2024/12/16 平均値単利 0.060
国庫短期証券1202 2024/12/20 平均値単利 0.060
国庫短期証券1258 2024/12/23 平均値単利 0.060
国庫短期証券1259 2025/01/08 平均値単利 0.035
国庫短期証券1242 2025/01/10 平均値単利 0.090
国庫短期証券1260 2025/01/14 平均値単利 0.029
国庫短期証券1207 2025/01/20 平均値単利 0.090
1260が今日入札のある新発3MWIでして、何ですかこの2.9bpってのは。
ちなみにこの辺の銘柄期初に期末プレミアム剥がしたのか軒並み6bpの値付けになっていましたが、直前に入札があった1259は入札水準に敬意を表して(??)強い値付けになっているのですが、WIの1260がなんか前後と整合性の無い数字になっていますな、という風情ですがそもそもですね、
(10/2引値)
国庫短期証券1256 2024/12/16 平均値単利 0.060
国庫短期証券1202 2024/12/20 平均値単利 0.060
国庫短期証券1258 2024/12/23 平均値単利 0.060
国庫短期証券1259 2025/01/08 平均値単利 0.035
国庫短期証券1242 2025/01/10 平均値単利 0.090
国庫短期証券1260 2025/01/14 平均値単利 0.080
国庫短期証券1207 2025/01/20 平均値単利 0.090
ってな訳で、まあその「年内償還は6bp、1月から9bp」ってのも雑な値付けですなという話ではあるのですが、一応何となくそっちに寄せて8bpって気配を立てていたような次第で、まあその水準もホンマなのかとかいう話や、だいたいからしてコールが0.227とかなのに何ですかこのレートはとか、まあいろいろとツッコミどころはあるのが短国クオリティなのでそこはさておくとしましても、入札前日にまーた値付けをクソ強くしやがりまして、お前らどんだけ玉不足煽りますのという所でございますが、まあ今日の入札結果はいつものように注目はされないと思いますが弊駄文では追いかけていく所存であります。
というメモでした。
2024/10/01
〇短国以外は高市リスクの捲き戻しですかそうですか(俺様備忘雑メモ)
・普通の国債ちゃんの方のカーブは見事に高市リスクの動きからの捲き戻し
昨日の債券市場ちゃん、先週高市リスクで中短期がアホみたいに強くなったのの反動が出てきまして、皆様ご案内のように・・・・・・・・
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/HK3MQ2XLKRKT3E62W43DJ5DYCM-2024-09-30/
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は大幅反落、長期金利0.85% ポジションの巻き戻し続く
By ロイター編集
2024年9月30日午後 3:26 GMT+9
『[東京 30日 ロイター] - <15:13> 国債先物は大幅反落、長期金利0.85% ポジションの巻き戻し続く
国債先物中心限月12月限は前営業日比57銭安の144円65銭と大幅反落して取引を終えた。新発10年国債利回り(長期金利)は同4.5bp上昇の0.850%。27日の自民党総裁選で石破茂氏が選出されたことを受けたポジションの巻き戻しが継続し、国債先物は軟調に推移した。』(上記UIRL先より、以下同様)
と言いましても引けにかけては先物ちゃんエッホエッホと強含んでいましたので、月末なのでなんかあったんですかね、知らんけど。
まあ何せイールドカーブちゃんが、
『現物市場で新発国債利回りはまちまち。2年債は同7.0bp上昇の0.385%、5年債は同7.0bp上昇の0.505%。20年債は同0.5bp上昇の1.670%。一方、30年債は同3.0bp低下の2.070%、40年債は同4.0bp低下の2.365%。』
とかいう面白ツイストになっているのも高市リスクの捲き戻しでして、
『 OFFER BID 前日比 時間
2年 0.373 0.383 0.06 15:03
5年 0.493 0.5 0.063 15:12
10年 0.848 0.856 0.05 15:07
20年 1.665 1.677 0.013 15:10
30年 2.067 2.078 -0.018 15:11
40年 2.361 2.373 -0.037 15:03』
とかいう面白気配になってしまいました、という所ですが、一方で短期国債に関しましてはですな、
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html
(9/30引値)
国庫短期証券1256 2024/12/16 平均値単利 0.060
国庫短期証券1202 2024/12/20 平均値単利 0.060
国庫短期証券1258 2024/12/23 平均値単利 0.060
国庫短期証券1259 2025/01/08 平均値単利 0.030
とやっておられまして、金曜日が
(9/27引値)
国庫短期証券1256 2024/12/16 平均値単利 0.060
国庫短期証券1202 2024/12/20 平均値単利 0.060
国庫短期証券1258 2024/12/23 平均値単利 0.059
国庫短期証券1259 2025/01/08 平均値単利 0.030
だったので微かに修正されている場所がありますがまあ無風無風ということで、短期国債だけは何も変わらん、というかまあ短国ちゃんの期末プレミアムは木曜のWIの時がアレだったという風情ですが、とは言いましても約定ベースで期初になるのが今日なので今日はどのくらい修正するのか、というかカレントの3bpとかお前ふざけるなというレートを修正するのかしないのか、ってなところではございまして、短国を見ても利上げ織り込みが全く読めないという市場機能の無し無しモードではありますな。
ということで長い方だけこんな動きになっていましたが、まあ確かに目先で言えば高市大先生が勝利した場合には日銀に鬼プレッシャーをかけて利上げさせないし、財政はバンバン出すしで、それはそれで中短期金利低下の超長期金利上昇で良いのでしょうけれども、もっと冷静に考えてみると、その上円安は常に善とかいっている高市大先生ですから、そんなに遠くない先にソブリン危機とか通貨防衛とかそっちの方で面白事案(全然面白くないけど)が発生するので、そもそも論として債券買っている場合なのかという説があって、短いのをホイホイ買うのも何やってるんだかとは思ってみてはおりました。
・結局短期で期末要因が大きく効いたのは短国アウトライトだけだったか・・・・・
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/mp240930.htm
無担保コールO/N物レート(9月30日<月>速報)
平均 0.225%
最高 0.228%
最低 0.217%
ということで、確か9月は0.226と0.227と0.228しか無かったので、おおお0.225%平均じゃん、などということも可能ですが、まあこれはどこからどう見ても誤差です本当にありがとうございましたという感じ。
なにせ25bpも付利される超過準備じゃぶじゃぶなので資金繰り的な調達サイドというのは限界的でして、あとは期末だから日銀当座預金の残高を無駄に増やさないでバランスシートのグロス総量を調整しようという向きがどのくらいいるのか、という話の世界なので、昔のトン調節の時代と違って期末は金利が下がる可能性が、とは思っていましたが、この感じですとまあ普通に調達サイドもたいして引くこともなく(レートがさがっているので若干引いているんでしょうけれども)推移って感じですかね。
ただまあこの無担保コールに関しても、集計上短資の媒介コールしか出てこないので、そっちじゃない方に関して取り切れているのかって話もこれあり(直近のコール市場残高集計とか見ますと、媒介コールの翌日物の残高が如何にも少ないように見えます)で、まあその辺は謎オブ謎ですけれども、いずれにしても市場が動揺するような動きにはなっていなかったんじゃネーノという印象。
東京レポレート
https://www.jsda.or.jp/shiryoshitsu/toukei/trr/index.html
3日ほどの値動きを見ますと、
O/N T/N 1w 2w 3w 1m 3m
2024/9/26 0.241 0.219 0.201 0.199 0.199 0.199 0.206
2024/9/27 0.244 0.208 0.199 0.198 0.198 0.199 0.207
2024/9/30 0.232 0.238 0.199 0.199 0.198 0.199 0.207
ちょっとだけ27日のトモネが末初に掛かって低下しましたが、目を見張るような低下をした訳でもなく、まあ特段波乱が起きたわけでもなさそうなレートでして、これですとアベイラビリティが急に下がってさあ大変、みたいなことも起きていないように見受けられるわけで(知らんけど)、結局のところ短国アウトライトだけ期末要因で9月の新発短国がクソ低下した、ということになるのですが、この短国アウトライトのタチが悪いのは別に期末要因じゃないんじゃネーノ説が大いに有力なことでして、ごくごく単純に担保需要とか(気候変動オペ増えているのに貸増が減らないとか地獄としか言いようが無いわけです)で強いだけ疑惑が非常に高いので、期初になって1週間くらいしても一向に戻る気配がない場合には、単に短国だけマーケットがマーケットとして機能していない、という悲惨なことなのかもしれない、というか多分そうなのですが、期初から血圧の上がる展開になるのかどうか、アタクシの健康のためにも(大嘘)ちったあ需給が緩んでいただきたいものであります。
〇オペ紙は予定通りの減額だが中期中心の減額だと何か少ねえなあと思っちゃいますなwwwww
・長国オペ紙
https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2024/mpr240930c.pdf
長期国債買入れ(利回り・価格入札方式)の四半期予定(2024年10〜12月)
〜1年: 1500×1(前回1500×1)
1〜3年: 3250×4(前回3500×4)
3〜5年: 3250×4(前回3750×4)
5〜10年:3750×4(前回4000×4)
10〜25年:1500×3(前回1500×3)
25年〜: 750×2(前回750×2)
物価連動: 600×1(前回600×1)
ということで月額換算で1−3が1000億円、3−5が2000億円、5−10が1000億円の減額ということで、ボリュームゾーンの減額を実施しましたよってなもんですが、しかし1回の減額が250億とかいうのを見るとショボすぎて涙が出てしまう訳で、いやまあこれが毎月このペースで減らすならまあやる気を認めるが、四半期でこれかよと、短いゾーンのクソ逼迫需給を毎日見ながら憤怒の念を禁じ得ないワイ将としてはこのちんたらぶりに涙しかでませんな。
そもそも超長期の1000億の減額と1−3年の1000億円の減額ではマーケットインパクトが全然違う訳で、いやまあ額で決めてしまっているからしょうがないのはしょうがないのですが、中短期減らすならもっと減らしたっていいじゃんと言いたくなるけど、これまあ変更するのにはMPMでの議決が必要なのでしゃあないですが、よくよく考えてみれば減額するゾーンが自由自在ってのもなんか変で、プロラタで減らす方が筋なんじゃないかねとは思いました。まあそれをされると益々中短期の減額が減ってしまうから頭痛いけどwwwwwwwww
・CP社債買入は6月公表時に減額したのと同じペースで今回も減額なので・・・・
https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2024/mpr240930a.pdf
CP・社債等買入のオファー日程(2024年10月〜11月)
10月は既にアナウンスされていますので、今回は実質11月の予告編になります。
CP買入:4000→2000
社債買入:500→250
ってことですが、前回が8月に減額になっていて、この時はCPが「3000×2→4000」で社債が「750→500」なので、このまま直線的に減らすと1月までは買入を継続して2月のところでゼロにするのか、お情けで2月3月まで続けるのか、って感じですかね。
しかしまあ何ですな、リスク性資産と国債って差があるからこんなもんと言えばこんなもんかも知れませんが、CP社債買入の減額の威勢のよさに対しまして、長期国債買入減額のへっぴり腰っぷりには涙を禁じえません。