相場見通しのつもりだが・・・たぶん後講釈(2024年07月〜2024年09月)

こちらはあまり当らない相場見通しやら相場後講釈やらを書いております。そもそも相場ちゃんが動かなくなったうえ、最近はすっかり板に張り付いていませんのでそんなに詳しくは無いのですが、微妙に芸風は広げて色々と見たり見なかったり。まあどっちにしても板に張り付いている訳ではないのでピンボケになる場合もありそうです。その節はご指摘を。

PCを最近型のにしましてログの整理もサクサクできるようになったので徐々に追いついていきます。直近分を追加しながら徐々に遡及していきますね(滝汗)

過去の後講釈ページへのインデックスはこちらです

2024年度上期後半見出し一覧

2024/09/30「3M短国は低金利も応札が9兆円に減る&GCレートなどには波乱なし」
2024/09/27「期末発行の短国は入札前のWIで1.1bpまで金利低下・・・・」
2024/09/26「期末を前に短国が軒並み引値金利急低下」
2024/09/20「3M短国入札とうとう平均落札が5bp割れになっているのだが日銀も財務省も放置プレイしているのは如何なものか」
2024/09/17「3M短国入札またも金利低下・・・」
2024/09/12「変動金利方式にしたのに貸増が全然減らないとは何事ぞ」
2024/09/11「エネルギー特別会計借入6Mを見ると1月利上げまでは割と織り込んでいるのですが・・・・」
2024/09/10「6M短国も無茶苦茶強い入札でした・・・・」
2024/09/09「米国雇用統計を受けて株安債券安とはこれ如何に/3M短国が足切り8bp台に低下・・・」
2024/09/05「TKRRが高止まりしていますが金曜の入札はどうなるやら」
2024/09/02「3MTDBまたも平均10bp割れ/9月末は事実上初の金利復活後の期末ですが・・・/東京都区部CPI」
2024/08/26「3MTDB平均10bp割れ・・・・・」
2024/08/23「交付税特会6M借入は12月利上げはイマイチだが1月利上げはかなり織り込んでいる/TKRR高止まりも短国・・・」
2024/08/20「1年TDB入札は足切りが0.25%に乗る(クソ強いけどまだマシという感じですな)」
2024/08/19「3M入札は0.11%台とWIよりも強い入札に/物国入札がありましたが結局カレントBEIが130カツカツかよ」
2024/08/15「岸田首相退陣表明/GC高止まりで短国引値がやっと明確に10bpより高くなりました」
2024/08/13「3M短国入札足切りも10bp割れとか利上げとは何だったのか状態」
2024/08/09「6M短国入札は利上げをしているのに平均がなんと10b割れとかいう展開」
2024/08/08「内田副総裁の株式市場全面降伏金懇講演を受けて2年カレントの利上げ織り込みが完全に剥落!」
2024/08/07「6M交付税借入は年内利上げを織り込まず?/物国が月曜に大暴落して火曜日に大反発とな」
2024/08/06「8月5日のハチャメチャ相場の記念メモ/株価下がったといってもマイナス金利解除するかしないかという時点に戻っただけです」
2024/08/05「米国雇用統計で米株急落とな/ゆうて3月前戻っただけ/輪番減額がチキン/3M短国入札が利上げした後とは思えない強さ」
2024/08/02「利上げ後最初の国債入札は本日の3M短国です」
2024/07/30「GCレートがさらに地味に上昇するも短国金利は上がらず」
2024/07/29「GCレート上昇、3M短国金利の引値は5bpに上昇する」
2024/07/26「為替・債券・短国など少し7月利上げも意識した動きらしきものも(市場間温度差アリ)」
2024/07/25「ロイター英文版の観測報道で円買われ154円割れる/40年国債入札(弱い)短国市場や交付税特会など」
2024/07/24「東京レポレート若干弱含み」
2024/07/22「GCトモネの突然のマイナス金利は瞬間芸でした/3M短国がやっと2bp台を取り戻す」
2024/07/19「GCトモネがマイナスに/気候変動オペ7兆円増額実施/短国アウトライトは若干金利上昇」
2024/07/18「6M交付税レートは9月の利上げをフルに織り込む/今日は5YGX国債入札」
2024/07/17「米国利下げ観測に為替介入をぶつけて日銀は7月会合で何らかの威勢のよさを示す必要に迫られそう」
2024/07/16「10月15日エンドの新発3Mですが相変わらずの足切り2bp割れ・・・・」
2024/07/12「新発3Mは入札前WIの気配が1.5bp」
2024/07/11「臨時債券市場者会合だが意見に幅があるが買入減額は慎重にってバイサイドが言うのは理解に苦しむ」
2024/07/10「6M交付税特会借入金利とTDB6Mの利回り乖離が酷い/臨時債券市場参加者会合セルサイドと銀行は積極姿勢かな」
2024/07/09「6M新発WI気配は5bpまで上昇しましたがこれ来年1月償還でこのレートというのが・・・」
2024/07/08「3M新発入札は10月償還をものともせずに足切り1bp割れという相変わらずのクソ強さである」
2024/07/05「10月足の3M新発が出るのですが一応WIは段差ついているけど・・・・」
2024/07/03「円安進行を受けて金利も上昇って7月会合まで持つのかこの調子で」
2024/07/01「3M短国はやっと金利が下げ止まった/輪番はさすがに同額でオペ紙来ました」

2024/09/30

〇3Mは調子に乗りすぎの刑・・・だといいんですけどさて

金曜の3M、当然ながら自民党総裁選の第1回投票の前に結果が出ています
https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20240927.htm
国庫短期証券(第1259回)の入札結果

『本日実施した国庫短期証券(第1259回)の価格競争入札及び国債市場特別参加者・第T非価格競争入札について、下記のように募入の決定を行いました。



1.名称及び記号       国庫短期証券(第1259回)
2.発行根拠法律及びその条項
財政法(昭和22年法律第34号)第7条第1項、財政融資資金法(昭和26年法律第100号)第9条第1項並びに特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第83条第1項、第94条第2項、同条第4項、第95条第1項、第136条第1項及び第137条第1項

3.発行日     令和6年9月30日
4.償還期限    令和7年1月8日
5.価格競争入札について
(1)応募額          9兆4,546億円
(2)募入決定額       3兆4,922億円
(3)募入最低価格     99円99銭0厘0毛
(募入最高利回り)     (0.0365%)
(4)募入最低価格における案分比率  72.0000%
(5)募入平均価格     99円99銭8厘7毛
(募入平均利回り)     (0.0047%)』

いやー夢(悪夢)のマイナスならずといったところですが、まあド必殺入れようとしたら100円かマイナスなのでそういうド必殺札もあったんじゃないかと愚考しますが、今回って応札が9.5兆円弱しかありませんで、たとえば前週の3M短国ですと(発行予定額は同じですが)

https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20240919.htm

(1)応募額        12兆2,356億円

ってなもんで、だいたい3Mですと12兆円前後の応札が入ってくるんですけど、今回は水準がクソ割高なところでの入札になりましたし、足切りが流れたのを見ればお分かりのように、クソ割高入札だからあんまり「平均コスト下げるために札を流そう」みたいなムーブが起きにくくて、上の方に必殺入れたらあとは軽く流す、というような感じで応札が引けたというところだったんですかね、知らんけど。

まあ期末の需給はクソ逼迫と言いましても、期末の残高帳尻買いみたいなのが終わってしまいますと、帳尻方面のニーズが無くなってしまいますし、何なら帳尻の人がこんな低金利持ってても無駄じゃろと言って売る場合もこれあり(何せコールの方が利回り良いんですからコールに置いて良いという仕切りの人なら帳尻以外のニーズがどこにありますねんという話、まあ高市ショックに備えた向きもいたかもしれないし)ということではありますが、まあ期初に関しては約定ベースで期初になってみないと何とも言えませんわなと思います。


でまあ売参ですけど
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html

金曜の引けが、

(9/27引値)
国庫短期証券1256 2024/12/16 平均値単利 0.060
国庫短期証券1202 2024/12/20 平均値単利 0.060
国庫短期証券1258 2024/12/23 平均値単利 0.059
国庫短期証券1259 2025/01/08 平均値単利 0.030

ということで、

(9/26引値)
国庫短期証券1256 2024/12/16 平均値単利 0.059
国庫短期証券1202 2024/12/20 平均値単利 0.060
国庫短期証券1258 2024/12/23 平均値単利 0.050
国庫短期証券1259 2025/01/08 平均値単利 0.011

3MカレントのWI1.1bpとかいうこの世のものとは思えない引値からは戻って足切りよりもちと低い水準、という所まで金利上昇しましたが、ゆうて軒並み6bpとかいう世界で、期末プレミアム剥落するかどうか、今日の引値で剥落するのか明日の引値で剥落するのかはたまた入札何回か通過しないと剥落しないのか、という辺りはまあ見世物として鑑賞して頂くと面白いかとは思います(言ってることがヤケクソに聞こえるのは気のせいです)。


まあしかし何ですな。よく考えてみたら「利上げしたのにその直後に株式市場に全面屈服してハトハトチキン復活」となった日銀ちゃんのせいで、もともと需給関係で金利があがりにくい短国ちゃんの利回りが利上げどんなに早くても12月1月だしそもそも上げれるのかも微妙なので決め打ちできないし、というような雰囲気もあって6Mとかそういうところまでクソ低金利になっている、という面もあったわけですが、ゲル総理総裁になったところで日銀には「景気を壊さないようにしながらも今のクソ高い物価は何とかしないといけない」という課題が来たようなもん(結局主要国でトップの首が飛んでる要因の中で「物価高」は大きいと思うし、リフレ脳じゃないゲルは気が付いてるでしょと思いますので日銀に対する「期待」は一段と厳しいものになるでしょ)ですので、さすがに選挙直後の利上げは中々難しいにしても、利上げ自体はより現実的になるでしょと思いますし、そういうもとで幾分かのリプライシングあってもおかしくないんじゃないの、とは思いますが、なんか短国って需給のせいもあって脳死市場ですからどうなるのやら。


あとGCですけど昨日はトムネがご案内のように末初になったんですけどね。

https://www.jsda.or.jp/shiryoshitsu/toukei/trr/index.html

       O/N  T/N  1w  2w  3w  1m  3m
2024/9/19 0.227 0.234 0.202 0.197 0.197 0.198 0.202
2024/9/20 0.244 0.235 0.201 0.197 0.198 0.198 0.204
2024/9/24 0.219 0.235 0.201 0.200 0.199 0.199 0.205
2024/9/25 0.243 0.229 0.200 0.200 0.199 0.199 0.205
2024/9/26 0.241 0.219 0.201 0.199 0.199 0.199 0.206
2024/9/27 0.244 0.208 0.199 0.198 0.198 0.199 0.207

特段末初だからクソ下がるという訳でもなく推移していましたので、GCレポとかそっちの方はあまり変なことは起きていなくて、期末だワッショイのあばばばば―は短国アウトライトのところに集中して災厄が起きていた、ということだったようですな。まあ次回は本決算の期末になるので(その前に海外の決算の12月末もあるが)今回と同じなのかはまた別問題のような気がしますけどね。




2024/09/27

〇さらに短国ェ・・・・・・・・

今日はトム末な訳ですよトム末、ということで昨日の売参ですが。
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html

(9/26引値)
国庫短期証券1256 2024/12/16 平均値単利 0.059
国庫短期証券1202 2024/12/20 平均値単利 0.060
国庫短期証券1258 2024/12/23 平均値単利 0.050
国庫短期証券1259 2025/01/08 平均値単利 0.011

・・・・・は???

前日のこの辺の銘柄の売参はどうなっていたかと申しますと昨日も書いていましたけれども(と言って実は1259は書いてなかったけど)、

(9/25引値)
国庫短期証券1256 2024/12/16 平均値単利 0.050
国庫短期証券1202 2024/12/20 平均値単利 0.059
国庫短期証券1258 2024/12/23 平均値単利 0.050
国庫短期証券1259 2025/01/08 平均値単利 0.050

(9/24引値)
国庫短期証券1256 2024/12/16 平均値単利 0.100
国庫短期証券1202 2024/12/20 平均値単利 0.100
国庫短期証券1258 2024/12/23 平均値単利 0.050
国庫短期証券1259 2025/01/08 平均値単利 0.095

昨日の朝の駄文で25日の引けが軒並みクソ強くなりました、って話を書きましたが、1259回だけ昨日は引けがなんと1.1bpとかいう利上げ前のレートになってしまうの巻。

でもって何がドイヒーと言いましてもこの1259回というのはですね、
https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_auct/auct20240920.htm
国庫短期証券(第1259回)の発行予定額等

『1. 入札予定日  令和6年9月27日
2. 発行予定日  令和6年9月30日
3. 償還予定日  令和7年1月8日
4. 発行予定額  額面金額で4兆6,000億円程度』

ということで、この銘柄まだ発行されていなくて今日新発入札を行って4.6兆円も供給が出てくる新発債の入札前取引(WI)の気配でありますのがアイヤーな訳ですな。

ここもと何回か入札の前日に引値をお値段高い(利回り低い)方にぶっ飛ばすというプレイがでておりまして、まあ最近WIが入札前に強くなってナンジャソラと思ったら斜め上を行くつよつよ入札になる、というのを見ているような気がしますので、これは今日の新発3M下手したらマイナス金利に突っ込んでしまう(まあそれは不幸中の最悪な場合であってほしいっすけど)んじゃないか位の勢いを感じるわけで、何ぼ期末要因(しかもこの新発年末年始越えてくれる)とは言え、いくら何でも調子に乗りすぎにも程があります。

ということでですね、いくら何でもこんな状況になっているのに対して金融市場局は問題意識無いのかと小一時間問い詰めたいい訳で、今こそ国債売現先発動しろやヴォケといったところではございますが、日銀やる気ねえから「誘導目標は無担保コールだから知らんがな」で放置プレイするに1万アルゼンチンペソといった風情なのですが、短国市場放置するんだったらお前ら何で長期国債の買入減額にはあんなに及び腰なんだよ結局財政ファイナンスかよトラスショック起きたらどうするんだとか悪態が壮大になってくる今日このごろでございますwwwwwwwww

・・・・ということで自民党総裁選挙も注目ですが、総裁選まだその時間だと第一回投票が終わっていないと思いますので、12時30分(長期国債より5分早い)の落札結果発表をお楽しみにしておくのもまた一興かと存じますので自民党総裁選待ちのひと時の清涼剤(ワイは凍死するがw)に如何でございましょうか。


〇物国と流動性供給の10-12月予定

https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/meeting_of_jgbsp/proceedings/outline/240925pd.html
国債市場特別参加者会合(第110回)議事の要点

・日時 令和6年9月25日(水)16:00〜16:55
・場所 財務省 第3特別会議室

内容 

『1.令和6年10-12月期における物価連動債の発行額等について

<当局案>
・発行額・買入消却額について、現状通り、1回(四半期に一度実施)の入札当たりの発行額を2,500億円とし、毎月200億円の買入消却入札を行うこととしてはどうか。』

『<参加者からの意見>
・BEIは8月初の相場混乱時に乱高下し、通して見れば水準を切り下げているものの、需給や流動性等を踏まえると現状の取り扱いを維持することが適当である旨、当局案を支持する意見が聞かれた。また、一部の参加者から、投資家の購入意欲の減退に十分留意し、買入消却額の増額等を含めた対応を検討すべきとの意見が聞かれた。』

とまあそういうことで同額なんですが、買入消却増やせってあーた物国市場って新方式(フロア付き)になって最初の17回債から始まって今月は19回債が償還になっていて、次は3月に20回債が償還になる(その後の21回以降は毎年3月に償還になる)訳でして、今の輪番と買入消却がほぼ新発とバランスしているんだから償還分だけ市場規模が縮小している訳でして、物価連動国債市場を中長期的に育成する、という観点からしたらそもそも今の時点でも市場規模が縮小するということになっているのがどうなのか(デフレ期なら仕方ないけど物価目標2%達成が視野に入るとかいう話になっているというのに・・・・)ってところなんですけどね、とは思いますがどうなんでしょうかねえ。


『2. 令和6年10-12月期における流動性供給入札の実施額等について

<当局案>
・現状通り、残存1-5年ゾーンについては、奇数月の11月に5,000億円、残存5-15.5年ゾーンについては、毎月6,500億円、残存15.5-39年ゾーンについては、偶数月の10月と12月に4,000億円の発行としてはどうか。』

『<参加者からの意見>
・ほとんどの参加者から、前回会合から顕著な変化はないことから、現状の取り扱いを維持することが適当である旨、当局案を支持する意見が聞かれた。また、ごく一部の参加者から、足元の需要が旺盛である残存15.5-39年の発行額を増額し、その代わりに残存5-15.5年を減額して当初の発行計画額に戻すことを希望する、との意見が聞かれた。』

短国の流動性供給をしたら月額4000とか5000なんてちゃちな話じゃなくて毎週5000億円くらい大楽勝で発行できますわよ、って国債発行計画の中に入っているのは1年短国でそれより短いのは別の話になるけど1年短国の成れの果てなら期近ものもありますわ、というのは冗談ですがマジでこの短期ゾーンはどうにかならんのでしょうかね。


『3. 令和6年10月以降におけるクライメート・トランジション利付国債の入札発行について

・令和6年10月以降におけるクライメート・トランジション利付国債の入札発行について、令和6年3月に公表のとおり、10月に10年債、令和7年1月に5年債、それぞれ3,500億円程度をリオープン発行とすることに対し、全ての参加者から異論が無いことを確認。』

GXボンドェ・・・・・・・・・

とまあそういうことで、
https://www.mof.go.jp/jgbs/topics/press_release/20240926-01.htm
令和6年10月から12月における物価連動債の発行額等

https://www.mof.go.jp/jgbs/topics/press_release/20240926-02.htm
令和6年10月から12月における流動性供給入札の実施額等

という四半期末近くの恒例行事でした。

2024/09/26

〇短国ェ・・・・・・・・・・・・

売参ちゃん
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html

昨日の短国の引値なんですけどね、

期近のあたり(なお来週月曜償還は期内だしクソ短いのでここだけ別でしたが)

国庫短期証券1241 2024/10/07 平均値単利 0.060
国庫短期証券1224 2024/10/10 平均値単利 0.060
国庫短期証券1243 2024/10/15 平均値単利 0.060

3Mカレントの辺り

国庫短期証券1254 2024/12/09 平均値単利 0.060
国庫短期証券1235 2024/12/10 平均値単利 0.060
国庫短期証券1256 2024/12/16 平均値単利 0.050
国庫短期証券1202 2024/12/20 平均値単利 0.059
国庫短期証券1258 2024/12/23 平均値単利 0.050

ということで軒並み6bpとかいう地獄のような利回りになっているのですが、前々日の引値ちゃんですとこの辺が

国庫短期証券1241 2024/10/07 平均値単利 0.100
国庫短期証券1224 2024/10/10 平均値単利 0.100
国庫短期証券1243 2024/10/15 平均値単利 0.100

とか

国庫短期証券1254 2024/12/09 平均値単利 0.100
国庫短期証券1235 2024/12/10 平均値単利 0.100
国庫短期証券1256 2024/12/16 平均値単利 0.100
国庫短期証券1202 2024/12/20 平均値単利 0.100
国庫短期証券1258 2024/12/23 平均値単利 0.050

とかいう水準でして、まあ火曜までの引けの10bpってのも需給強い中でワイ思うに10bpの引けはちょっと甘いかもという感じ(なお1258は先週木曜の入札で強かったのがそのまま引きずられている)ではあったのですが、それにしても期末直前でいきなり引値4bp飛ばすわ水準が6bpだわってナンジャソラという状態でして、まあ期末期初の需給ひっ迫(なので10/1になったからと言っていきなり解消するわけではなくて何回か短国入札を通過しないと需給が緩和しないのが困りもん)の影響で値付けを動かして来たんだとは思うので、需給はともかく値付け自体は期末通過たら変わるのかもしれませんが、思いっきり強い方にサヤ寄せしやがってきましたな、というメモ。

しかしまあ短国市場真面目に育成する気があるんだったら国庫短期証券の発行をもっと増やせと思うんですが、短国市場何ぞ育成してもどうせターンオーバーが速いので発行するの面倒だしぃ、とかまあ短期って割とそういう仕打ちを食らいやすい市場なので(僻み根性)あまり期待はしていないものの、しかしこの「利上げしたのに全然金利が上がっていない短国市場(の3Mとかその近辺くらいまで)」ってのは市場機能が壊れているにも程があるだろという話なので市場機能市場機能と毎度偉そうにおっしゃる割に何もしないどころか市場機能の破壊には熱心な日銀さんもちょっと問題意識持てやゴルァ、といういつもの悪態になるのでした。

まあ悪態はさておきそんなことが起きてますという備忘ということで。




2024/09/20

〇3MTDBェ・・・・・・(もはや毎週の行事)

もうね、アホかと馬鹿かと
https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20240919.htm
国庫短期証券(第1258回)の入札結果

『本日実施した国庫短期証券(第1258回)の価格競争入札及び国債市場特別参加者・第T非価格競争入札について、下記のように募入の決定を行いました。



1.名称及び記号       国庫短期証券(第1258回)
2.発行根拠法律及びその条項
財政法(昭和22年法律第34号)第7条第1項、財政融資資金法(昭和26年法律第100号)第9条第1項並びに特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第83条第1項、第94条第2項、同条第4項、第95条第1項、第136条第1項及び第137条第1項

3.発行日       令和6年9月24日
4.償還期限     令和6年12月23日
5.価格競争入札について
(1)応募額       12兆2,356億円
(2)募入決定額    3兆4,941億8,000万円
(3)募入最低価格   99円98銭6厘0毛
(募入最高利回り)   (0.0567%)
(4)募入最低価格における案分比率    88.5533%
(5)募入平均価格   99円98銭7厘7毛
(募入平均利回り)   (0.0498%)』

昨日、近所の短国入札に行ったんですよ、短国入札。そしたらなんか人がめちゃくちゃいっぱいで座れないんです。

というのは吉野家コピペ(って初出が2001年だからインターネット老人会にも程がある)な訳ですが(その後が思い浮かばなかった)、何でまた回を追うごとに強くなってるんですかこの短国、ということでこれは明らかに需給バランスがおかしくなっている訳ですなドイヒー。

でですね、そういえばリーマンショック(も2008年だから債券村青年団の皆様は実体験していないのかそら年取るわ)の時を思い出していただきたいんですけど、あの時ってカウンターパーティーリスク意識の高まりでインターバンクで無担保コールが取りにくい方々のファンディングの場だったオープン市場における現先やGCレポレートが跳ね上がってしまって、ロンバード金利水準に張り付く、という事態が発生しまして、弊駄文(なんか知らんがその時も書いてた気がするw)でも何度も悪態をついていたのですが、結局このレート上昇(当時は貸出金利も上昇した)を受けて社債やCPの金利も爆上がりしてしまって、その後CP社債の買入(当時のはいわゆるバジョット・ルールな買入金利だったので禍根は残さなかった、残したのは終わった後に復活した時の買入)に追い込まれる、というようなことがあったんですよね。

まあ金融緩和しようとしているのに金融引き締め状態になっていたんですが、当初日銀のスタンスは「誘導目標のコールは安定しているから無問題」的なもので、CP買現先も申し訳程度に1回実施(なお日銀の大本営歴史改竄によってこれは効果があったことに日銀の歴史上されていることは付言しておく)しただけ、というような形で、結局社債CPという企業金融にもろに跳ねたところでやっと措置が打たれたという次第。

・・・・・と縁側で渋茶すすってるジジイが急に何を言い出しているのかと申しますと、この手のオープンマーケット金利の変調を「インターバンク市場におけるコールレートが我々の誘導目標であり誘導目標はきちんと維持されているので問題はない」で通してしまいますと、どこかに弊害が生じてしまうリスクがある、ということでありまして、まあそういう話をこの際提唱しておこうかと思った訳ですよ。

緩和しようとしている時に引き締めが発生する、という状況ではないので、リーマン後のCP社債市場みたいな悲劇は起きないかもしれませんけれども、まあ放置プレイの結果弊害が発生してからモタモタと対処をする、というのも割と日銀の伝統芸能だったりしまして、いや確かに「問題を解決した」というのは功績に見えるので格好良いし官僚的な点数になるのかもしれませんけど、リーマンの時も別にアタクシだけではなくそこら中からオープン金利の高止まりに対して大問題という指摘があったのにコールレートは誘導できているので問題はない、の理屈で放置してた挙句にああなったわけでして、何らかの変調が起きているんだったら弊害が発生する前に予防措置取るのが本来の行政だろ予見可能な事故が起きてからドヤ顔で復旧に来られても遅いんだよ、ということで、日銀に置かれましては尊敬すべき大先達の前川春雄元総裁の「奴雁」という言葉を思い出していただきたいもんです、と存じます。

・・・・・などと話を無駄に壮大にしましたが(^^)、ただの期末要因だったらまあ杞憂ではあるんですけど、なんせ「利上げしているのに利上げ前の政策金利よりも3Mの短国の金利が低い」ってのさすがに如何なものかと思いますし、ゆうて利上げ後別に3Mの金利が0.1%台後半とかそういう金利にさえ上がってもいない訳でして、一時的要因というのはさすがにちょっとという感じではありますわな、南無三。

ただまあアレなんですよね。これ別に日銀が短国買入やって締めあげているとかいう状況ではないのがどうしようもないところでして、結局は日銀がバランスシートの縮小を行わないと短期金融市場に変な歪みが発生し続けることになりますな。

償還乗換やっぱなし攻撃、と思ったけど今年度の償還乗換は1.7兆円で議決(https://www.boj.or.jp/note_tfjgs/trans/tra231222a.htm)されてて、これ金額指定で国債発行計画の方に組み込まれている(筈)ので動かすわけにはいかず、1年短国引受だからこれ市中売却したらとは思いますけど年度で1.7兆円では焼け石に芋程度の効果しかないですのでやっぱりバランスシートの縮小が急務ということでありますな、しょぼーん。



2024/09/17

〇短国・・・・・・(3M入札のたびに書いてる定例行事状態w)

https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20240913.htm
国庫短期証券(第1256回)の入札結果

『本日実施した国庫短期証券(第1256回)の価格競争入札及び国債市場特別参加者・第T非価格競争入札について、下記のように募入の決定を行いました。



1.名称及び記号       国庫短期証券(第1256回)
2.発行根拠法律及びその条項
財政法(昭和22年法律第34号)第7条第1項、財政融資資金法(昭和26年法律第100号)第9条第1項並びに特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第83条第1項、第94条第2項、同条第4項、第95条第1項、第136条第1項及び第137条第1項

3.発行日       令和6年9月17日
4.償還期限     令和6年12月16日
5.価格競争入札について
(1)応募額          10兆8,547億円
(2)募入決定額     3兆4,689億6,000万円
(3)募入最低価格     99円98銭3厘5毛
(募入最高利回り)       (0.0669%)
(4)募入最低価格における案分比率  77.6548%
(5)募入平均価格      99円98銭6厘0毛
(募入平均利回り)       (0.0567%)』

・・・・・( ゚д゚)
・・・・・(つд⊂)ゴシゴシ
・・・・・(;゚д゚)

いやまあ確かに前場のWIの時点で10割れ待ったなしではあったみたいなのですが、しかしあーた平均5bp台で足切り6bp台って何ですかという話で、まあ今回の場合は(も)貸増の残高が全然減らないという状態であったので、貸増見合いの担保繰り、ということでロット押さえられる短国入札が超人気化してしまったという話なんですけど。

でまあこれ毎度申し上げていますが、入札はアホほど強くて、しばらくするとGCがクソ高いせいもあって少し軟化するし、何なら担保繰りという意味では期近になると既にもっている人は兎も角としまして新しく担保用で買う人はいないのでレートが上がる、ということで、ロット捌けるところでレートがクソ下がるとか流動性の無さがここに極まるという風情になっておりましてドイヒー以外の言葉が思いつきませんな。

ちなみに売参ちゃん見ますと
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html

金曜日の新発3M引けが

国庫短期証券1256 2024/12/16 平均値単利 0.065

とかいうことになっている訳ですが、前週の3Mに関しては

国庫短期証券1254 2024/12/09 平均値単利 0.100

となっていまして、これ木曜どうだったかといいうと、木曜日の引けは(1256はWI)

国庫短期証券1254 2024/12/09 平均値単利 0.078
国庫短期証券1256 2024/12/16 平均値単利 0.075

という格好でして、前週の3Mも入札は平均0.0778%/足切り0.0822%とかいう(;゚д゚)な入札ではございましたが、この平均レベルで木曜まで値付けされていたのですが、新発出た所で(まあそのレートで本当に買いができるのか(売りはできそうw)というのはさておきますが)10bp水準の引値になっている、というのがなんと申しますか新発だけプレミアム、みたいな訳の分からんことになっておりまして、まあどんだけプライマリーでロットを買いたい人がいる(人が多いというよりは買いたい人の買いたいロットがアホみたいに多いんでしょうけれども)ということでしょうか、という所ですが、さて月内の短国入札は明日が1Y、明後日(MPMの関係で明後日に入札)は3Mで来週金曜が最後の(月末発行)の3Mということですが、ここからどうなるんですかねえ。

あとおまけに雑談ですが、貸増が変動金利方式になったのにあれだけアホみたいにニーズがある、ということは、気候変動オペと被災地支援オペに関しても別に固定金利方式である必要は無いんじゃないですか、とふと思った訳でして、もう全部変動金利方式にしてしまえばいいんじゃないでしょうか、何なら貸増は別に付利金利で貸さなきゃいけないものでもなので上乗せ金利乗せるとかしてもエエンチャウノかね、という話ですな。結局こういうオペはアベイラビリティをつけて差し上げればいいだけの話で、いまさら緩和効果云々じゃないんだから(そもそも緩和が必要じゃなくなった時点でも残高が残るので論理的に言えばコールレートをより高くしないといけなくなるので金融政策の制約要因になる)、こういうのはアベイラビリティをつける機能だけ残せばよくて、なんも金利面での優遇は要らんのではないでしょうか、と暴論を考えてみました。





2024/09/12

〇貸増ェ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

なんでそうなるの
https://www.boj.or.jp/mopo/measures/mkt_ope/len_b/mope240911a.pdf
貸出増加を支援するための資金供給の実施結果
(2024年9月実施分)

『今回の貸付の概要

貸付予定額  121,454億円
貸付先数   23先


(参考)貸付日時点の貸付残高および貸付先数の見込み

大手行         316,185億円   6先
地域金融機関等   467,629億円   111先
合計           783,814億円   117先』

・・・・・1年物変動金利にしても全然減らないんですがどうなってるのよ、という感じですが、変動金利にしても全然減らないんだったら、そもそも気候変動とか被災地支支援オペも変動金利にすればいいんじゃないですかという気がだいぶしてきました次第なのですが、貸付日とかそういうのはHPに出ているのですがもしかして今回って固定金利でやってるんですかと言いたくなってしまう実施額になっていてナンジャソラ状態。

今回って前回の4年貸増の期落ちがあって、
https://www.boj.or.jp/mopo/measures/mkt_ope/len_b/rel200914a.pdf
貸出増加を支援するための資金供給の実施結果
(2020 年 9 月実施分)

『今回の貸付の概要

貸付予定額      132,310 億円
貸付先数         35 先』

期落ちが13兆円あるからかなりの部分が落ちてその分だけ日銀当座預金が減るじゃろ、と思っていたのですが、1兆しか減らないということになってしまいましたので、貸増全体の残高も碌すっぽ減らないわけで・・・・・・

前回の貸増実施時点でこうなっていたんですよね。
https://www.boj.or.jp/mopo/measures/mkt_ope/len_b/mope240617a.pdf
貸出増加を支援するための資金供給の実施結果
(2024年6月実施分)

『(参考)貸付日時点の貸付残高および貸付先数の見込み

大手行          320,968億円    6先
地域金融機関等    469,678億円   111先
合計            790,646億円   117先』

79兆の貸増が78.4兆に減っただけ、という誤差の範囲内しか減らないという飛んでもない結果になっておりましたが、もしかしたら先週今週と短国入札のところでアホみたいに強くなっているのって今回の貸増(13日スタート来年9月12日エンド)分の担保繰り要因があったのかのかもしれませんが、しかし貸増全然減らないとなるとこの見合いの担保ニーズが減らない訳で、短国のレートが明後日の方向に飛んでいく現象は続くわ(しかし短国を担保にして付利金利で調達するという取引単体で見たら赤字にも程があるし、途中で政策金利上がったらどうするんじゃという話ではあるのだが、まあそんな単純な話ではないんですよねこればっかりは)と頭のくらくらする結果を見て世を儚んで西行法師の如く山奥に庵を結ぼうかと思う今日この頃です(大嘘ですのでご安心?ください)。

まあ短国市場とかそんな限界市場知らんがな、ということなのかもしれないのですが、リスクフリーレートの市場をちゃんと作るとか言ってた話はどこ行った(GCレポ市場はシステム対応的な意味での参入障壁が高くて短期金利が2%にでもなればともかくこの金利水準で参入障壁を越えて参加しようとはなかなかならんでしょうからね)という所なのですが、まあそんな話はすっかり忘れているでしょうからねえ日銀ちゃん。





2024/09/11

〇5年入札ではなくてマニアなエネ特借入金見ますと利上げ織り込みは・・・・・

5年国債の話じゃなくてマニアな話で恐縮至極。

https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/kariire/energy-result240910.htm
エネルギー対策特別会計の借入金の入札結果

『本日、借入金の入札について、下記のように募入の決定を行いました。
 


1.借入根拠法律及びその条項
 特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第13条第1項

2. 借入日    令和6年9月20日
3. 償還期限   令和7年9月22日
4. 償還方法   令和7年9月22日に一括償還

5. 応募額      4兆422億円
6. 募入決定額   6,402億円
7. 募入最高利率   0.389%
8. 募入最高利率における案分比率  68.0000%
9. 募入平均利率   0.363%』

ということですが、こちらの金利は何ぼですねんという話になりますと、単純に1月会合で利上げ(この場合決定会合が1/24なので新金利適用は1/27)として計算した場合、手前の金利0.25%で計算すると後ろの金利が平均の0.363%の場合0.424%、足切りの0.389%だと0.464%になるので、だいたい1月利上げをほぼほぼ織り込む水準のところがストップの金利になっている、という感じですな。なおその先の利上げは織り込んでいないというのもあるけど。

エネ特借入って期間が1年でちと長くて、どっちかというと6Mで行われる交付税特会借入の方が織り込み度合い見るのにちょうど良い(1年だと「次の次」の話が出てくるから)のですが、いかんせん今月の特会借入は昨日のエネ特1年しかないのでまあこれで見ましょという感じです。

なお、12月利上げ、で計算すると当然ですが後ろの期間が長くなる分だけ後半の換算レートがさがってしまいますので、12月利上げフル織り込みからは遠い結果になっておりますな。


ちなみにドタバタしててスルーした8月のエネ特1年はいくらだったかと言いますとこっちなんですが、

https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/kariire/energy-result240808.htm
エネルギー対策特別会計の借入金の入札結果(令和6年8月8日入札)

こちらは8/20-8/20で平均0.358%で最高落札が0.396%だったのですが、これをさっきと同じく1月決定会合でベースレートが変わる仮定にして手前を0.25%にした場合後ろの金利が幾らになるかというと、平均の場合は後ろが0.442%で足切りの場合は後ろが0.510%になりますな。

8/8と言えば阿鼻叫喚相場を受けて内田副総裁による株式市場への全面降伏ポツダム宣言受諾講演をぶっこんでおられたのが8/6ですので、うっちーのポツダム宣言受諾の後、ということになりますが、この時と比較しても実は足許では次回利上げの織り込みが微妙に剥落しているというのが見て取れる結果になっておりまして、まあ直近短国入札が別の意味での阿鼻叫喚になっているのが影響しているのかもしれませんが、まあそういう事やぞ、という話でして、うっちーのポツダム宣言受諾はその後の植田さんの国会やら経済財政諮問会議や氷見野さんや高田っちの発言で上書きがされていない、ということでヘイヘイ日銀ビビってるよビビってるよ、というスタンドからの掛け声が聞こえるというお洒落な結果になっております。

ちなみにちょっと関連法規真面目に見た方が良いんですけど、特会借入とかしないで短国発行すればいいじゃないとか言いたくなるんですが、正式には国庫短期証券って、昔のTBとFBを統合発行している物体であって、FBって為券と蔵券と糧券とあと3種類あるのですが、あと3種類は発行されてるの見たことなくて、糧券もハイパーレアアイテム(1回見たことがあったようななかったような)だし蔵券ですらレアアイテム(たまに見たような気がせんでもない)でして、特会ごとに決まっているからこんなんになるんでしょ、というのは発行根拠法が募集要項にあるから根拠法見ればいいんですけど、思わす根拠法見る前に脊髄反射で書いてしまいましたさーせん(暇を見つけて調べておきますが多分銀行とか短資の人(の一部マニア部門)なら知ってると思う)。ちなみに日銀引き受けがろ号で定率募集発行がい号(御用金調達金利なので普通は発行されないのだが)でしたっけ、潜水艦みたいなのが頭につくんですよねw





2024/09/10

〇6MTDB何やってますねん

https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20240909.htm
国庫短期証券(第1255回)の入札結果

『本日実施した国庫短期証券(第1255回)の価格競争入札及び国債市場特別参加者・第T非価格競争入札について、下記のように募入の決定を行いました。



1.名称及び記号       国庫短期証券(第1255回)
2.発行根拠法律及びその条項
財政法(昭和22年法律第34号)第7条第1項、財政融資資金法(昭和26年法律第100号)第9条第1項並びに特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第83条第1項、第94条第2項、同条第4項、第95条第1項、第136条第1項及び第137条第1項

3.発行日        令和6年9月10日
4.償還期限      令和7年3月10日
5.価格競争入札について
(1)応募額         9兆2,013億円
(2)募入決定額    2兆6,905億9,000万円
(3)募入最低価格     99円95銭5厘
(募入最高利回り)     (0.0907%)
(4)募入最低価格における案分比率    97.4185%
(5)募入平均価格     99円95銭7厘
(募入平均利回り)     (0.0867%)』

お、おぅ・・・・・・・・


売参を見ますと、
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html

国庫短期証券1255 2025/03/10 平均値単利 0.050

ちなみに償還が前後の銘柄はと言いますと、

国庫短期証券1214 2025/02/20 平均値単利 0.100
国庫短期証券1220 2025/03/21 平均値単利 0.130

この辺の銘柄も引値は前日対比で強くなっている(金曜の売参だと1214が11bp、1220が16bpでした)のですけれども、それにしても何ですかこのレートはというところで、まあ入札空振りショートカバーのなせる業だとは思いますが、毎度毎度どうなってしまっているのこの短国という感じですが、足許のGCと比較しても全然低い水準にある上に、来年3月償還だと12月と1月の決定会合を跨いで少なくとも1か月半近くあるんだぞ(12月ならもっとある)という話ですが、5bpは極端にしても10bpとか何ですのよというところで、短国が短期の指標金利にならなくなってしまう、とかいうことになりますと、これしばらく前に債務管理のなんちゃらかんちゃらで話が出ていた「短期金利フローター国債」の発行をするのかしないのか知らんですけど、商品設計の際に初手で(本来あるべき)3Mまたは6MのTDB利回りが使えなくて、変なリファレンス金利を使って変動金利を充てるという設計にしないといけなくなって、でまあそういうイレギュラーなことをすると、後々だいたい地雷の元になる、という甚だ遺憾なことしか思い浮かばない訳ですなこれがまた。

いやまあ短期フローターったって今日明日にホイホイだせるよなもんじゃないから、その間に日銀の当座預金うんこタワーが削れて短国市場もちゃんと「短期金利の定積分」で利回りが形成される真っ当な市場になっていれば良いのですが、今のままですと短期市場におけるリスクフリー資産としての国債金利が全然政策金利を反映していない状態なので、まあ短期フローターもそうですけど、短期系公社債投信とかでも短期国債という本来最も使われるべき資産への投資利回りがとんでもない低金利ってことですと、そっち方面での商品が(折角金利がプラスになっているのに)広がらないとなって、長い目で見た場合に国債消化主体が多様になって厚みを持った幅広い層が消化していく、というような健全な発展を阻害することになるんですよね、と思う訳ですよ。

とまあ話を無駄に壮大にしてしまいましたが、まあ元はと言えば後先考えずにキチガイ金融緩和をした以下同文なのですが、なんちゅうかこの「政策をやる時にはちゃんと撤収まで考えて政策を実施しろ、特に異例の政策をやる時には」という当たり前の話のツケで全然短国市場がワークしていないという弊害がありますが、まあよく考えてみたら今日5年国入札あるけど5年カレントの利回りはあれ何ですかというお話でもありまして、実はイールドカーブのかなりの部分まで日銀によるキチガイ金融緩和の残滓でエライことになっているし、その長期国債買入の減額とかいう売るでもないしアホみたいな買入をちょっと減らすだけの話なのにあんなにビビってたら世話はない、というお話ではありますな、ナムナム。


・・・・・え?短国入札のたびに同じ話すんなって??こりゃまたすんつれいしましたwwwwww





2024/09/09

〇雇用統計ちゃんメモ(マクラにするつもりだったが長くなったので小見出しつける)

雇用統計ちゃん
https://jp.reuters.com/markets/commodities/CNWN3VZVFJJ3ZIS46VOZFK4AV4-2024-09-06/
NY市場サマリー(6日)ドル高、株安 利回り低下
By ロイター編集
2024年9月7日午前 6:25 GMT+9

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-09-06/SJEQK4DWLU6800
【米国市況】株下落、米雇用統計で景気懸念再燃−ドル一時141円78銭
Rita Nazareth
2024年9月7日 5:33 JST

ということでしたが、夜間の先物ちゃんを見ますと、

https://port.jpx.co.jp/jpx/template/quote.cgi?F=tmp/future_night
先物価格情報(夜間取引)

https://port.jpx.co.jp/jpx/template/quote.cgi?F=tmp/popchart&QCODE=101.555/O
日経225先物(ラージ) 24年9月限

取引日 2024/09/09
立会区分 日通し(引用者追記:日通しですが週末の夜間取引です)
始値 36,140 (09/06)(16:30)
高値 36,670 (09/06)(22:35) 
安値 35,120 (09/07)(00:20)
現在値 35,150 (09/07)(06:00)  
前日比 -1,210(-3.32%)
取引高 30,237

と日経平均先物ちゃんは威勢良く下がるも円債ちゃんは(円債ちゃんは夜間の日中チャートが
なぜか出せないという謎仕様なのでURL貼れませんが)、

長期国債先物 24年9月限

取引日 2024/09/09
立会区分 夜間取引
始値 145.19 (09/06)(15:30)
高値 145.41 (09/06)(21:32) 
安値 144.81 (09/06)(22:36)
現在値 144.98 (09/07)(05:54)  
前日比 -0.20
取引高 18,658

ということで株安債券安でなぜか円高という面白反応になっておりますな、なんのこっちゃ。



〇3M短国ェ・・・・・・・

https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20240906.htm
国庫短期証券(第1254回)の入札結果

『本日実施した国庫短期証券(第1254回)の価格競争入札及び国債市場特別参加者・第T非価格競争入札について、下記のように募入の決定を行いました。



1.名称及び記号    国庫短期証券(第1254回)
2.発行根拠法律及びその条項
財政法(昭和22年法律第34号)第7条第1項、財政融資資金法(昭和26年法律第100号)第9条第1項並びに特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第83条第1項、第94条第2項、同条第4項、第95条第1項、第136条第1項及び第137条第1項

3.発行日     令和6年9月9日
4.償還期限   令和6年12月9日
5.価格競争入札について
(1)応募額          14兆5,609億円
(2)募入決定額     3兆4,686億7,000万円
(3)募入最低価格    99円97銭9厘5毛
(募入最高利回り)     (0.0822%)
(4)募入最低価格における案分比率  83.1090%
(5)募入平均価格    99円98銭0厘6毛
(募入平均利回り)     (0.0778%)』

・・・・・(;゚д゚)

なんですかこの平均7.78bp足切り8.22bpってのは、って感じでして、いや確かに発行3000減ったんだが、それでここまで強くせんでもええじゃろという話ではあるのですけれども、短国の困ったところは、最近明らかに「入札がセカンダリーよりも強い」という傾向になってきていることでして、これってどういうことかというと、セカンダリーでチマチマと売買するのに対してドカンとロットで売買(というか買いだが)をしようとすると入札(短国は日銀買入が行われていないので入札の方だけ)で突っ込んでロットを確保しに行く、というムーブになっている訳でして、これって「実は流動性が無い債券」の典型的な動きなんですよね、入札がクソ強くて輪番がクソ弱い物国というのがあって、あれはまあ過激な例になりますが、こう入札が突出して強いと短国の流動性低下が懸念されるわけです。

まあ何でもいいから(資金繰り債なんだから発行側がその気になれば出せるじゃろホレホレ)増発しろや減額とかもっての外、と言いたい訳ですが、そもそも日銀の当座預金残高が以下同文なので悪態割愛。

今日は6Mがあるのですがなんかもう結果見たくないわwwwwwwww





2024/09/05

〇TKRRちゃん雑談

という毎度の備忘メモですが。
https://www.jsda.or.jp/shiryoshitsu/toukei/trr/index.html
東京レポ・レート

ここ2週間ほどの推移ですけどね。

        O/N  T/N 1w  2w  3w  1m  3m
2024/8/23 0.142 0.227 0.193 0.193 0.191 0.191 0.203
2024/8/26 0.239 0.214 0.193 0.193 0.190 0.190 0.204
2024/8/27 0.242 0.221 0.193 0.193 0.191 0.189 0.203
2024/8/28 0.243 0.196 0.182 0.184 0.186 0.186 0.203
2024/8/29 0.204 0.058 0.163 0.170 0.174 0.173 0.201
2024/8/30 0.173 0.230 0.187 0.187 0.185 0.185 0.201
2024/9/2  0.244 0.233 0.187 0.187 0.186 0.184 0.201
2024/9/3  0.240 0.237 0.191 0.189 0.187 0.184 0.201
2024/9/4  0.243 0.237 0.191 0.190 0.189 0.184 0.201

3Mとかド安定しているのでまあそういうことやぞという話(まあ12月に金融政策の変更があったとしても、12月19日が決定会合2日目ですから誘導金利上がるのは20日ですからぬー)ではございますが、別に1Mが期末越えになるからと言って上がるか下がるかしている訳でもなくて(8月末の動きとか見ていると期末越えは金利にプレミアムが付くのではなく、物無し芳一プレミアムで下手したら金利下がるんちゃいますかってな悪寒がしますが)なんか妙に安定推移しているのは逆に気になりますな。

あと、先週は週末のところに向けてトモネの金利がドドーンと低下するという現象が久々に発生していたのですが、あれは月末要因が重なったか何かだったのか、今週は水曜の時点まででトモネGCのレート下がっていませんでして、いや今週金曜の3Mこそもう少しマシなレートになりませんですかねえ、ってなもんですが、そっちはまた別の動機が働くみたいなので正直分からんです。

ちなみに今週の3Mですけれども、
https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_auct/auct20240830.htm
国庫短期証券(第1254回)の発行予定額等

『1. 入札予定日   令和6年9月6日
2. 発行予定日    令和6年9月9日
3. 償還予定日    令和6年12月9日
4. 発行予定額  額面金額で4兆6,000億円程度』

ということで、12月決定会合跨ぎになるのは次の次の入札(と言っても次の次は償還日が12/23だと思うので実質的に跨ぎっぽくなるのは来年償還になるところからって感じかな)ですので、あとは短国にどの程度期末残高帳尻ニーズが入ってくるかとかそういうお話なのですけれども、誠に怪しからんことに今回から3Mって発行予定額が4.9兆円⇒4.6兆円に減額の刑となっておりまして、甚だ遺憾に存じますの巻ですけど、国庫資金繰りでそんなにアホみたいに無駄な政府預金置いてられませんというのはわかるのですけれども、米国みたいにMMFお助けビル発行、みたいな連携がまるで無いというのもちょっと残念は残念。

なんか話しが全然東京レポレートじゃなくなっていますけど、「貯蓄から投資」っての推進するってんだったら、個人の証券決済の決済口座として地味だけど重要な機能を持つ証券総合口座におけるMRFに対してもうちょっと物事考えてよとは思うのですが、なにせ日銀の野郎はマイナス金利ぶっこんだ当初MRFのことまるで考えてなくて後から気が付いてMRF特則を作ったという手抜かりな上に、その後日銀当座預金残高の拡大に伴いマクロ加算掛け目の引き上げを行いマクロ加算残高を拡大する中で、なぜかMRF特則に関わるマクロ加算残高を動かさない(貯蓄から投資への動きが拡大すれば当然のようにMRFの残高が増えるというのに)という位にリテール証券業務に関する配慮が無いのか知識が無いのか知らんけど、まあもうちょっと何とかした方がエエンチャウノとは思うところではあります。

と、完全に別の雑談になってしまいましたが、今週の3Mは翌週月曜日、すなわち事実上の翌日に6Mの入札もありまして、まあどうせ6Mなのに利上げ丸無視レートになるんでしょうけれども、そうは言っても余程のことが無い限り瞬間蒸発とは逝かない(と言いたいがガチで瞬間蒸発してショートカバーだけのこって地獄のレートになることがあるから油断も隙もない)となると、ちょっと在庫が重くなってくれてもうちょいマシなレートにならんかな、というかコールとのインバートいつまでたっても何ともならんの勘弁という感じではあります。

さてどうなりますのやら。



2024/09/02

〇短国ェ・・・・・・・・・・・

金曜の短国もアレでした。

https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20240830.htm
国庫短期証券(第1253回)の入札結果

『本日実施した国庫短期証券(第1253回)の価格競争入札及び国債市場特別参加者・第T非価格競争入札について、下記のように募入の決定を行いました。



1.名称及び記号    国庫短期証券(第1253回)
2.発行根拠法律及びその条項
財政法(昭和22年法律第34号)第7条第1項、財政融資資金法(昭和26年法律第100号)第9条第1項並びに特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第83条第1項、第94条第2項、同条第4項、第95条第1項、第136条第1項及び第137条第1項

3.発行日      令和6年9月2日
4.償還期限    令和6年12月2日
5.価格競争入札について
(1)応募額         13兆2,790億円
(2)募入決定額      3兆7,182億8,000万円
(3)募入最低価格    99円97銭4厘5毛
(募入最高利回り)     (0.1023%)
(4)募入最低価格における案分比率    58.1989%
(5)募入平均価格     99円97銭6厘4毛
(募入平均利回り)     (0.0946%)』

・・・・・・なんか手前の銘柄が少し甘くなったからと思って期待したらまたも平均10bp割れとかどういうことやというお話で、担保需要だか退避資金(木曜の2年国がアホみたいに強くなった)だか知らんけど、エエカゲンニセエというか、そもそも発行量が少なすぎるんじゃヴォケいい加減にしろ発行せんか発行。

とまあそういういつもの話に帰着するのですが、後先考えないで馬鹿みたいなオペ打ってその残置物のせいでエライことになっている面が強いので、まあ日銀が悪いよ日銀がということで、バランスシート何とかしやがれ国債売却しやがれと暴論をぶっこみたくなる今日この頃なんですが、これさらに利上げしていくとコールレートとの乖離がもっとひどいことになってしまいそうで益々頭が痛い(本来期日ものなんだから将来の短期金利見通しが反映されて然るべきってまあ直近だと向こう3か月政策変更ないじゃろという話だから関係ないけど)。


東京レポレートちゃんは
https://www.jsda.or.jp/shiryoshitsu/toukei/trr/index.html

2024/8/26 0.239 0.214 0.193 0.193 0.190 0.190 0.204
2024/8/27 0.242 0.221 0.193 0.193 0.191 0.189 0.203
2024/8/28 0.243 0.196 0.182 0.184 0.186 0.186 0.203
2024/8/29 0.204 0.058 0.163 0.170 0.174 0.173 0.201
2024/8/30 0.173 0.230 0.187 0.187 0.185 0.185 0.201

金曜日書き損じておりましたが、月末要因なのかなんか知らんですけど木曜のトモネなので末初になりますが、ここのレートが謎に飛んで下がってしまいましたけれども金曜日になったら戻っているので末初要因かなとは思うのですが、通常月の末初でこれっていうのもねえという話で・・・・・・・・・


〇9月末はまともに金利が復活して事実上最初の期末期初になるんですよね〜

いやまあマイナス金利解除されたのは3月なんですけど3月の末初は解除直後だし金利水準クソ低いし、ということですが、今回は政策金利が(なんかの発狂事案でも発生して政策変更が起きない限り)0.25%とかいう一応人間界の金利に少しだけ戻り、しかもその水準がおっぱじまって丸々2か月経過して迎える期末なので、そういう意味で「金利が戻った世界の最初の期末期初」になるんですよね。

でまあどうなるのかという話は当然ながら関係各位の間ではとっくの昔に「さてどうなるんじゃろ」と話題にはなっているお話ではあるのですが、なにせこの世界、マニアにもほどがあるので関係各位が頭捻っても世の中的には長期金利のように大いなる話題にはならない(そもそも他の人から見たら知らんがなの世界だし)というのが大変にチャーミングなところではあるのです。

・・・・・でお前何か答え持ち合わせているのか、と言われますと、なにせ短国3Mと足元金利のこの強烈なインバート、というような、この世のものとは思えない市場変化が生じていますし、期末のバランスシート制約が皆様どんな具合なのかとか、日銀当座預金放り込んでていいのかとか、各種もろもろの前提条件が黒田とかいう破壊王がマイナス金利政策とかいうキチガイ政策を行った上に、治世の末期になって単に自分が金融緩和の見直しをしたくない一心でバランスシートを破滅的な勢いで拡大させるというテロ行為を行ったせいで、何がなんだかわけわからん世界になっておるわけですな。

ということですので、アタクシのような人が能書きを垂れるよりも短資の中の人が解説されて頂ければヨロシアルと思いますので(何という責任放棄マンw)なんか良い解説がありましたら宣伝するのはやぶさかではありません(人の作った解説を解説するとかいうのも考えたがさすがにちょっとそれはwww)。

まあ要するに「なんだかさっぱりわからんゾ」という話ではあるのですが、分からんということを折角9月になったので申し上げておくのもこれまた一興かなと思いまして(ナンジャソラ)。


〇とか言ってたらこんなのがしらっと出ていました(短期市場に関するなんか)

https://www.boj.or.jp/research/brp/ron_2024/ron240830a.htm
超過準備下の短期金融市場の動向と機能度
― マイナス金利政策解除後の動きも含めて ―
2024年8月30日
日本銀行金融市場局

なんちゅうかですね、この要旨見ただけでワイの反応ご想像つくと思うのですけどまあ寝言の鑑賞。

『要旨』

『日本銀行は、各種の非伝統的金融政策を実施する中、過去25年間の大半の期間、所要準備額を大きく上回る潤沢な資金を供給してきた。本稿では、こうした超過準備下での短期金融市場におけるレート形成および取引動向を振り返ることで、非伝統的金融政策が短期金融市場に与えた影響を評価する。』

市場を壊滅的に破壊してその影響はマイナス金利解除後にますます深刻になりました、以上それまでで後何か言う事あるんですか?????

『短期金融市場には、(1)イールドカーブの起点としての機能、(2)金融機関の資金過不足の調整を行う場としての機能が期待される。超過準備下では、後者の重要性は低下していると考えられるが、無担保コールO/N物レート(TONA)が金利指標として担う近年の役割を踏まえると、無担保コール市場が多様な顔ぶれで構成され、一定の取引規模が確保されていることの重要性は高まっている。』

当預保有者が資金借りてきて当預に放り込んでいるだけの市場の何か「市場」なんだよという話だし、「イールドカーブの起点としての機能」って短国レートを見てから物を言えとしか言いようが無い。

『非伝統的金融政策が採用された期間は、超過準備への付利の状況に応じて、(1)2001年〜から2006年の量的緩和期(第1局面)、(2)2008年の補完当座預金制度の導入〜から2016年のマイナス金利政策導入までの期間(第2局面)、(3)2016年〜から2024年のマイナス金利政策期(第3局面)、に大別される。このうち、補完当座預金制度が存在せず、超過準備への付利がゼロ%であった第1局面は、無担保コール市場における取引インセンティブが失われ、市場の機能度が低下した。第2局面では、補完当座預金制度が導入され、日銀当座預金の付利先と非付利先との間で取引インセンティブが発生した。こうした中、無担保コール市場の機能度は徐々に回復し、第3局面においても、市場機能は維持された。この間、GCレポ市場においても、レート形成や取引動向といった点で、市場機能は維持された。』

これはまあ多角的レビューで毎回言ってる話なんですが、そもそも論として日銀当座預金付利先に対してマクロ加算だの何だのと言って優遇措置を与え、非当預先に対してマイナス金利の負担を押し付ける形になって(生保年金その他諸々ね)、それらの負担によって見た目取引だけは行われている、という状況を捕まえて「市場機能は維持された」ってのがちゃんちゃらおかしいわけで、市場参加者間に機会不均衡を与える、すなわち一部の市場参加者(その後ろにはその業態に対して資金を預けている人がいる)の一方的な負担によって市場機能が維持されることが、そんなに大事なことだったのかという社会的公正の面からの評価が一切ない(まあそれをやりだすと自己否定になるからこやつ等が評価しないのは順当だが)訳ですな。

『2024年3月に「金融政策の枠組みの見直し」が決定され、マイナス金利政策が解除されると、短期金融市場は、「マイナス金利」から「プラス金利」の世界にスムーズに移行した。円滑な移行には、第3局面において、無担保コール市場の顔ぶれが多様化し、取引ネットワークが拡大したことなどが寄与している。』

当預保有者が以下同文。

『日本銀行が短期金利の操作を主たる政策手段としたことに加え、TONAが金利指標として担う近年の役割を踏まえると、短期金融市場の機能が維持されることは、これまで以上に重要である。日本銀行では、短期金融市場のレート形成や取引動向を今後とも丁寧にフォローし、市場の機能度に目配りする方針である。』

国債市場見てから物を言え。

ということで本チャンの方ですが、
https://www.boj.or.jp/research/brp/ron_2024/data/ron240830a.pdf
超過準備下の短期金融市場の動向と機能度
― マイナス金利政策解除後の動きも含めて ―


となっているのですが、あのしょうもないロゴ「多角的レビューシリーズ」がある時点で、非伝統的政策の問題点の指摘とかそういうことをしない茶坊主レポートになっているのが読むまでもなく明らかではあるのですが、暇だったら読んでみるわ。




〇ついでに東京都区部CPI

https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/kubu.pdf
2020年基準 消 費 者 物価指数
東京都区部 2024年(令和6年)8月分(中旬速報値)

『◎ 概 況

(1) 総合指数は2020年を100として108.4
前年同月比は2.6%の上昇 前月比(季節調整値)は0.6%の上昇

(2) 生鮮食品を除く総合指数は107.9
前年同月比は2.4%の上昇 前月比(季節調整値)は0.5%の上昇

(3) 生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数は106.9
前年同月比は1.6%の上昇 前月比(季節調整値)は0.4%の上昇』

・・・・・・いやちょっと前月比の上げ方なんなのって感じで、確かこれサーベイベースの予想よりも強かった気がするんですが、さらに個別の方を見ますと、2枚目に

『[総合指数の前年同月比に寄与した主な内訳]』

というオシャンティーなものがございまして、

『上昇

食料  生鮮野菜 12.5%(0.24) ・・・・・ きゅうり 27.7%(0.04) など
     穀類 6.6%(0.13) ・・・・・ うるち米(コシヒカリを除く)28.2%(0.08) など
     肉類 5.6%(0.13) ・・・・・ 牛肉(輸入品)14.7%(0.04) など』

とかいうのがあるんですが、きゅうり高騰とか迎え盆のご先祖様もしょんぼりですなというのはさておきまして、コメがエライことになっておる上に、これ8月前半ですから後半になったら一段上振れしてるじゃろという話でして、いやまあ米価自体は新米が出てくれば徐々に落ち着くでしょうけれども、こう食料品が上がられますとねえという話で、あんまりネタにされませんけれども、この辺りの価格上昇って政権支持率に影響与えているんじゃないかなと思うんですよね・・・・・・・・


2024/08/26

〇3M短国ェ・・・・・・・・・・

https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20240823.htm
国庫短期証券(第1252回)の入札結果

『本日実施した国庫短期証券(第1252回)の価格競争入札及び国債市場特別参加者・第T非価格競争入札について、下記のように募入の決定を行いました。



1.名称及び記号     国庫短期証券(第1252回)
2.発行根拠法律及びその条項
財政法(昭和22年法律第34号)第7条第1項、財政融資資金法(昭和26年法律第100号)第9条第1項並びに特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第83条第1項、第94条第2項、同条第4項、第95条第1項、第136条第1項及び第137条第1項

3.発行日         令和6年8月26日
4.償還期限       令和6年11月25日
5.価格競争入札について
(1)応募額          12兆8,855億円
(2)募入決定額       3兆7,199億5,000万円
(3)募入最低価格      99円97銭4厘0毛
(募入最高利回り)      (0.1043%)
(4)募入最低価格における案分比率    33.1987%
(5)募入平均価格      99円97銭5厘7毛
(募入平均利回り)      (0.0974%)』

ちょwwwwwwwwおまwwwwwwwwwww

ということで、足切りは0.10%台平均は0.10%割れだわとお前なにやってますねんという入札なのですが、ショートカバーになったのか引けの売買参考統計値ちゃんは・・・・・・
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html

国庫短期証券1252 2024/11/25 平均値単利 0.050

ということで5bpとかいうとんでもないことになっておりますが、まあ他の銘柄は

国庫短期証券1249 2024/11/11 平均値単利 0.100
国庫短期証券1250 2024/11/18 平均値単利 0.100

ということで、この0.10%ってのもどうなのよとは思いますが、一応0.10水準になっておりまして、5bpというのはショートカバー要因でかっ飛ばされている利回りではありますが、しかしまあ短国市場って特に利上げになってから金利差が大きくなった(いやまあ0.10%の時にも大概だったけど絶対水準の差が小さかったから目立たなかった)ので、市場としての異様さが目立つんですけど、これが国債マーケットというのが困りものでして以下いつもの悪態なので割愛しますが、日銀はこのクソ過大なバランスシートを縮小しやがれとしか申し上げようがありませんですわ。


2024/08/23

〇交付税特会借入は12月1月の利上げを一部織り込みとな

・交付税特会借入

割とすんなり利上げパスを織り込むのでなかなか味わいのある特会借入ですが、

https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/kariire/kari-result240822.htm
交付税及び譲与税配付金特別会計の一時借入金の入札結果

『本日、一時借入金の入札について、下記のように募入の決定を行いました。



1.借入根拠法律及びその条項
特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第15条第1項

2.借入日     令和6年8月30日
3.償還期限   令和7年2月28日
4.償還方法  令和7年2月28日に一括償還
5.借入利率競争入札について  
(1)応募額      6兆9,266億円
(2)募入決定額    1兆2,490億円
(3)募入最高利率   0.280%
(4)募入最高利率における案分比率  84.9145%0.30
(5)募入平均利率   0.269%』

これを例によって12月会合と1月会合で切って手前を0.25%にした時の後ろのレートどうなりますか計算をすると、(平均と足切りだと結構ズレてくるけれどもここは足切りで計算しますね)足切りの0.28%を分解する(決定会合の翌日から新金利適用という計算をします)と、

12月会合:0.325%ちょい
1月会合:0.42%くらい

とかいう感じになると思うので、(ちなみに0.269%で計算すると1月が0.36%弱、12月が0.30%くらい)、これすなわち一応この界隈では12月か1月だけど1月に利上げするんじゃなかろうか、でも100%じゃないよね、という感じになっているというのが何となくインプリケーションとしては出てくる数字になっておりますな。

これ前回の交付税6Mって利上げからあんまり間もない8/6に入札があって、この時は8/15〜2/14で平均0.259%、足切り0.293%と結構ばらけていたのですが、アベレージで見れば今回の方が織り込み度上がっていて、足きりで見ると前回よりも織り込み度下がっているという味わいのある結果になっておりまして、まあ皆様の読み筋がだんだん近くなってきたってことですかねえ、知らんけど。


・東京レポレートって高止まりしてるんですよね

https://www.jsda.or.jp/shiryoshitsu/toukei/trr/index.html

直近推移見ますと、

2024/8/7  0.213 0.151 0.154 0.164 0.172 0.176 0.201
2024/8/8  0.216 0.174 0.162 0.167 0.172 0.177 0.201
2024/8/9  0.182 0.233 0.175 0.172 0.175 0.178 0.201
2024/8/13 0.229 0.224 0.177 0.176 0.177 0.179 0.200
2024/8/14 0.224 0.230 0.180 0.181 0.179 0.180 0.200
2024/8/15 0.238 0.227 0.185 0.182 0.180 0.181 0.200
2024/8/16 0.233 0.230 0.186 0.184 0.183 0.184 0.201
2024/8/19 0.224 0.223 0.188 0.186 0.184 0.185 0.202
2024/8/20 0.242 0.240 0.190 0.188 0.187 0.188 0.204
2024/8/21 0.238 0.239 0.192 0.189 0.189 0.189 0.203
2024/8/22 0.232 0.229 0.196 0.193 0.191 0.191 0.204

ちょっと前の方まで引用しましたが、以前は見られた翌日物(左の2つ)レートの週の途中で下がって短国発行要因が来ると上がる、というパターンがなくなって、ずーっと高めの推移を続けているんですよね。

でまあ一方で短国ちゃんはというと

https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html

国庫短期証券1229 2024/11/11 平均値単利 0.120
国庫短期証券1249 2024/11/11 平均値単利 0.120
国庫短期証券1250 2024/11/18 平均値単利 0.110
国庫短期証券1195 2024/11/20 平均値単利 0.120
国庫短期証券1252 2024/11/25 平均値単利 0.120

1252は今日の3MのWIですが、さすがに10bp割れとかではないにしましても、相変わらずGCとの逆ザヤが凄いわという感じでして、短国ニーズおそロシアとしか申し上げようがないですが、再三再四どころか再百万くらい申し上げているように、そもそもこれは日銀のバランスシートがデカすぎて短期国債に対して無用なニーズが発生しているのが悪いのであって、輪番減額とか抜かしているのですが、あんな程度じゃバランスシート全然縮小せんわヴォケという話だし、5年共担とか乱発したつけが出口になって思いっきり出ている訳で実に怪しからん次第ではあります。ということで利上げも大事なんですが日銀のアホみたいなバランスシート何とかしろと小一時間問い詰めたい訳ですな。


といういつもの悪態でした。


2024/08/20

〇1年短国入札とか

https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20240819.htm
国庫短期証券(第1251回)の入札結果

『本日実施した国庫短期証券(第1251回)の価格競争入札及び国債市場特別参加者・第T非価格競争入札について、下記のように募入の決定を行いました。



1.名称及び記号          国庫短期証券(第1251回)
2.発行根拠法律及びその条項
特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第46条第1項

3.発行日     令和6年8月20日
4.償還期限   令和7年8月20日
5.価格競争入札について
(1)応募額        7兆4,817億円
(2)募入決定額     2兆4,327億円
(3)募入最低価格    99円74銭7厘
(募入最高利回り)    (0.2536%)
(4)募入最低価格における案分比率    14.0000%
(5)募入平均価格     99円77銭5厘
(募入平均利回り)    (0.2255%)』

ということで、新発WIが売参ベースで先週木曜日には0.21%だったのを金曜に0.23%に修正してきた、と思ったら平均は0.225%でWIから見ればそんなもんかなレートでしたが足切りが0.25%に乗っかるの巻。

とは言いましても、そもそも日銀当預と比較したら0.25%で足元時点で精々チャラな訳で、1年のスパンで見たらまあ普通は利上げあるじゃろ(2回あるかも)な訳で、うーんこの利回りという感じですが、まあそれでも0.20だの何だのという水準よりは一応7月利上げが反映されましたなくらいの金利でして、まあ毎度申し上げておりますがこの辺の短い国債の利回りの低さはどうにかならんのかと小一時間だし、だいたいからしてお前らYCCやってるときに「イールドカーブ全体の状況に意味がある」という建付けで政策やってたくせにマイナス金利解除した途端に政策金利水準と国債イールドカーブの整合性がおかしい(=政策金利と3Mがインバート)話はスルーかよ、ってなもんでありまして、だったら国債買入全部やめろやとかまた過激なことを言いたくなってしまいますわな。

でまあ昨日の引けベースですと、
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html

国庫短期証券1251 2025/08/20 平均値単利 0.245

となっているので平均落札よりも甘い水準で引かせている格好ですが、まあゆうて一個手前の7月償還1年短国の1244は0.210%とか抜かしていまして、結局のところ発行後しばらくすると買いが入ってきて在庫が捌けてしまい、そうなると普通に需給締まってくるので金利は下がるの巻という風情になっておるわけで、いやーどこまで行っても短期ゾーンの国債の金利が短期政策金利との整合性付かない状態だわと呆れ果てる次第でありまして、日銀当座預金とっとと減らせやとしか申し上げようがないところではあります。


2024/08/19

〇3MTDB入札とか物国入札とか

https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20240816.htm
国庫短期証券(第1250回)の入札結果

『本日実施した国庫短期証券(第1250回)の価格競争入札及び国債市場特別参加者・第T非価格競争入札について、下記のように募入の決定を行いました。



1.名称及び記号            国庫短期証券(第1250回)
2.発行根拠法律及びその条項
財政法(昭和22年法律第34号)第7条第1項、財政融資資金法(昭和26年法律第100号)第9条第1項並びに特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第83条第1項、第94条第2項、同条第4項、第95条第1項、第136条第1項及び第137条第1項

3.発行日          令和6年8月19日
4.償還期限        令和6年11月18日
5.価格競争入札について
(1)応募額          12兆9,100億円
(2)募入決定額     3兆7,261億6,000万円
(3)募入最低価格     99円97銭0厘5毛
(募入最高利回り)     (0.1183%)
(4)募入最低価格における案分比率   89.6119%
(5)募入平均価格     99円97銭2厘1毛
(募入平均利回り)     (0.1119%)』

うーんこのという感じで、前日の売参ベースのWIだと0.120%だったのですが、結局0.12%割れの水準で決着の巻となっておりまして、昨日の引けでは
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html

国庫短期証券1250 2024/11/18 平均値単利 0.110

になっているのですが、入札がもっと強かった前回債ちゃんの方が

国庫短期証券1249 2024/11/11 平均値単利 0.120

となっていて、なんでここで逆イールドになるのかとかもうそういうことは考えてはいけないのが短国クオリティなのでそれはさておくとしまして、まあ全部の利回りが下がっている訳でもなくて新発だけ堅調ということになっているので、どうせこれ短国重くなってきたら甘くなるんじゃろということにしておきますがそれで良いのかは知らんw

一方で東京レポレートの方は

https://www.jsda.or.jp/shiryoshitsu/toukei/trr/index.html

        O/N T/N  1w  2w   3w  1m  3m
2024/8/8  0.216 0.174 0.162 0.167 0.172 0.177 0.201
2024/8/9  0.182 0.233 0.175 0.172 0.175 0.178 0.201
2024/8/13 0.229 0.224 0.177 0.176 0.177 0.179 0.200
2024/8/14 0.224 0.230 0.180 0.181 0.179 0.180 0.200
2024/8/15 0.238 0.227 0.185 0.182 0.180 0.181 0.200
2024/8/16 0.233 0.230 0.186 0.184 0.183 0.184 0.201

つーことで先々週の新発1249の発行のところからGCレートって割と高いところでへばりついておりまして、これGC対比で利回りニバイニバーイ状態の逆ザヤになっている、という状況ではあるのですが、いつものパティーンで月曜のところでレポレート下がるなら別に新発11bpって正当化されるのかもしれないけど、今週もGCレート下がらんのであればこの水準ってどうなのよとは思うのですが、まあ要はファンディングがGCじゃない人の買いニーズが強いってことではあるんでしょうけれども、これは短国の店を開けてるマーケットメーカーもなかなか大変だなと思うのであります。

まあいつもの悪態だが日銀のバランスシートが馬鹿みたいに多いのがすべての元凶なんだが。



物国入札もありましてこちらは29回リオープン(5月に新発が出てその後1年間リオープン)でしたけど、お盆の時期に物国入札ぶっこんでくるというのが何ともかんともでしたけど。

https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/nyusatsu/resul20240816.htm
10年物価連動国債(第29回)の入札結果

『 本日、10年物価連動国債(第29回)の入札について、下記のように募入の決定を行いました。



1.名称及び記号      利付国庫債券(物価連動・10年)(第29回)
2.発行根拠法律及びその条項    特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第46条第1項

3.表面利率            年0.005パーセント
4.発行日             令和6年8月19日
5.償還期限           令和16年3月10日
6.応募額               7,385億円
7.募入決定額            2,499億円
8. 発行価格(募入最低価格)   104円30銭
9. 募入最高利回り         -0.426%
10. 募入最低価格における案分比率   53.3333%

(注1)発行価格は連動係数積算前の価格
(注2)募入最高利回りは発行価格を基に算出した単利利回り
(参考)発行日(8月19日)の連動係数  1.01116』

連動係数抜きの木曜の物国29回の売参ベースの引けが104円80銭で、金曜の前場は先物が40銭くらい下がっていたので、引け対比50銭安ですとまあそんなに流れなかったという結果になると思うのですが、BEIで130割れくらいですかそうですかという水準。

まあ金曜の売参見るとしらっと29回だけ前日比甘になっていて他は前日比プラスになっている(19回は期近なので無視)のは若干寂しいのですが、なんせこの高いボラティリティ環境下、ボラが高いと物国は気配が甘くなる(あるいはアロケーションの売りが出たりもする)という割とカジュアルにいじめられっ子な債券なので、高ボラ環境下で流れなかったですねという感じ(と言ってじゃあ10年BEI130割れってどうなのとか色々とあるのかも知らんがその辺はよーわからんのでパス)。

2024/08/15

〇なんと首相退陣ときましたかそうですかそうですか

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240815/k10014549291000.html
【解説】岸田首相 退陣へ 自民総裁選どうなる?動き本格化へ
2024年8月15日 4時59分

結局安部ちゃんの後始末に追いまくられた挙句に安倍派の捲いた政治と金問題で退任とかもうねという感じですが、ちらっとネット見てたら早速岸田さんを後ろから追い打ちコメントしている自民党の某馬鹿議員とかいてアホなのかと思いました。どこの神奈川県選出参院議員とか言いませんけれどもwwwww

・・・・・まあ何ですな、後任誰になるのかとか知らんけど、アベノミクスとかリフレとかいうような妄言を吐く人は勘弁して欲しいのと、何なら安部ちゃんの後始末一切しないで逃げ切りを図っている黒田とかいうゴミクズカスダニを引っ張りだしてコンコルド広場で(以下の記述は自主規制されました)。

まあどうせ次の政権は選挙乗り切るための目くらまし政権の意味合いが強くならざるを得ないので、ワシ的にはこんなところで進次郎とかの貴重なカードを切ってしまうの勿体ないということでゲル選挙管理内閣で十分じゃ無かろうかと思うのですが、当然ながらそこにはポジトーも入っておるわけでwww

こんなんあったんですけどね
https://jp.reuters.com/world/japan/PAPA7GTTANNWNE4662CT36T6FI-2024-08-07/
インタビュー:金利ある世界の実現、物価上昇抑制や構造改革に資する=石破元自民幹事長
By 竹本能文, 山崎牧子
2024年8月7日午前 9:09 GMT+9

『[東京 7日 ロイター] - 自民党の石破茂元幹事長は、ロイターとのインタビューで、徐々に金利のある世界を実現することが物価上昇の抑制や構造改革に資すると述べ、日銀の金融政策運営を評価した。適正な為替水準については「常識的に110円−140円と言われている」としたが、日銀のさらなる利上げの是非に関しては明言を避けた。』(上記URL先より、以下同様)

と来ましたんですが、これ記事見ても分かりますが記事の最後の方に、

『*インタビューは6日に実施しました。』

ってありますように、株価が爆下げする中で以下の内容を堂々とお話になっている辺り、閉会中審査とか息巻いていた馬鹿議員とは一線を画していて大変に素晴らしいのですが、

『7月末の日銀による追加利上げとその後の世界的な株価急落によって、市場関係者の一部では日銀の利上げ判断に批判も出ているが、石破氏は「金融緩和という基本的政策を変えないなかで徐々に金利のある世界を実現していくのは正しい政策だ」と評価。今は株価下落など負の側面だけが強調されるが、輸入物価の引き下げにつながる」との考えを示した。』

どうですかこの発言。まあ気楽な立場で言ってるから、という説は無いわけでもないのですが、8月6日にこれを堂々と言う(しかもメディアに出るの分かっているインタビューで)ってのは大変に結構だと思うのですけどね。

目先の株価で大騒ぎして国会招致だとか抜かしてる馬鹿に関してもコメントがあって、

『株安を受け与野党は国会の閉会中審査を開催し、日銀の植田和男総裁を参考人として呼ぶ方針だが、石破氏は「少しでも金利のある世界というものに戻していくことによって得られるメリットもあり、それが日本の経済の構造そのものを転換することに繋がるものだということを、国会の場を通じて多くの国民に納得してもらえるように努めていただきたい」と述べた。』

(;∀;)イイハナシダナー

『適正な為替水準については「そんなことはわからないし、政治の立場で言えない」としつつ、「常識的に110−140円が適正な水準と言われている」とした。一時161円台まで進んだ円安に関しては「GDPに占める輸出比率は日本は18%に過ぎず、日本経済は内需主導」との認識を示し、「円安で企業が史上最高の利益を上げているのは経営者にとってはうれしいことかもしれないが、多くの労働者にとっては決して幸せではない」と語った。』

とまあそんな感じでして、例によって国会議員の推薦人集めで苦労するんでしょうけれども(進次郎がゲルを弾除けにしてゲルの後とか後の後とかを狙うとかいう判断になると滅茶苦茶おもろいのだが)まあ金融市場に関する話はゲルが一番マシっぽいので希望はしたいが期待はあんまりしていない(立候補に持ち込めるかが最大のネックなので)。


しかしまあ何ですな、ここもとバイデンさんも結局再選出馬しなかったし、フランスは大統領は変わらんけど総選挙で勢力図変わってしまったし、英国は総選挙で保守党大敗北しちゃうし、ということで、普通選挙やってる民主主義国家においてインフレ下における政権の維持ってのは中々大変である、というインプリケーションもあるんじゃなかろうか、と思ってしまう今日この頃でもございました(個人の感想です)。

〇おや短国の引値が・・・・・・・・

いつもの売参を見ながら
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html

火曜日の引け(=14日発表日付)のカレント3M周りの引けってこんな感じだったのですよ。

国庫短期証券1247 2024/11/05 平均値単利 0.095
国庫短期証券1229 2024/11/11 平均値単利 0.095
国庫短期証券1249 2024/11/11 平均値単利 0.090
国庫短期証券1250 2024/11/18 平均値単利 0.095

1249が先週金曜に入札があって足切り10bp割れとかいうアイヤーな結果だったカレント3Mで1250は
今週入札のある新発WIですな。

昨日の引け

国庫短期証券1247 2024/11/05 平均値単利 0.119
国庫短期証券1229 2024/11/11 平均値単利 0.120
国庫短期証券1249 2024/11/11 平均値単利 0.120
国庫短期証券1250 2024/11/18 平均値単利 0.120

・・・・まあ水準は相変わらずクッソ低いのですけれども、10bp割れとかいう水準ではなくなっておられますなこれはまた。

そもそも論として東京レポレート見れば
https://www.jsda.or.jp/shiryoshitsu/toukei/trr/index.html

       O/N T/N  1w  2w   3w  1m  3m
2024/8/1 0.166 0.200 0.186 0.186 0.187 0.189 0.202
2024/8/2 0.220 0.228 0.192 0.192 0.191 0.192 0.203
2024/8/5 0.051 0.147 0.162 0.171 0.179 0.184 0.201
2024/8/6 0.046 0.115 0.154 0.165 0.172 0.175 0.200
2024/8/7 0.213 0.151 0.154 0.164 0.172 0.176 0.201
2024/8/8 0.216 0.174 0.162 0.167 0.172 0.177 0.201
2024/8/9 0.182 0.233 0.175 0.172 0.175 0.178 0.201
2024/8/13 0.229 0.224 0.177 0.176 0.177 0.179 0.200
2024/8/14 0.224 0.230 0.180 0.181 0.179 0.180 0.200

ということで、TKRRベースでみた場合って週前半の翌日物は低めで、新発発行日の前日に当たる金曜日のところで翌日物が上がる、というパティーンになっているのですが、今週は週初になってもサガランチ会長になっているので、新発が捌けていないのか別の理由なのかは知らんけど、GCが高止まりしている中で今週って1日営業日少ないので、もう明日には3M(1250回)のおかわりが飛んでくるという事で、さすがに10割れ水準で新発の入札をするのは勘弁島倉千代子ということで調整をしてきたということですかねえ、さっぱり分からんのだが。

まあとにかく短国は謎(でも何でもなくてモノとしての需要が金利商品としての需要を笑い飛ばす勢いで強いのですが)にクソ強い状態が続いておりまして、足元金利とのスプレッドも政策金利引き上げの前に比べて大きくなった(ベースレートの水準が10→25になって金利の変動する回廊が大きくなったんだから今の市場状況ではある意味当たり前とはいえ)ところでしたので、短国のモノとしてのアホみたいな需要の強さが一服した結果としてこういう水準(ちなみに売参見ればわかりますが、短国は手前の引けを10bpに置いているのに、3Mカレントゾーンは10bp割れというかなり豪快な状況が続いておりました)になりますと、もしかしてアホみたいに強かった需要に少しは変化が起きているのかとか期待してしまいます。

なお短国ちゃんというのは何せターンオーバーが早いので、モノとして押さえても3Mで償還来ちゃうからまた押さえに行かないといけなくて、実はまあそんなに状況が劇的に変わってくれるような期待はしていないという説は大有りなんですけどねorzorz

2024/08/13

〇3M短国入札ェ・・・・・・・・

金曜日は毎度の3M短国でしたが・・・・・・・

https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20240809.htm
国庫短期証券(第1249回)の入札結果

『本日実施した国庫短期証券(第1249回)の価格競争入札及び国債市場特別参加者・第T非価格競争入札について、下記のように募入の決定を行いました。



1.名称及び記号          国庫短期証券(第1249回)
2.発行根拠法律及びその条項
財政法(昭和22年法律第34号)第7条第1項、財政融資資金法(昭和26年法律第100号)第9条第1項並びに特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第83条第1項、第94条第2項、同条第4項、第95条第1項、第136条第1項及び第137条第1項

3.発行日         令和6年8月13日
4.償還期限       令和6年11月11日
5.価格競争入札について
(1)応募額          11兆1,836億円
(2)募入決定額     3兆7,182億6,000万円
(3)募入最低価格     99円97銭6厘0毛
(募入最高利回り)      (0.0973%)
(4)募入最低価格における案分比率     95.2304%
(5)募入平均価格     99円97銭8厘8毛
(募入平均利回り)      (0.0859%)』

・・・・・・・orz

おいこらちょっと待て足切りも10bp割れたあどういう事やという結果になっておりまして、まあ先週は驚異のリスクオフ祭りがあったのでシャーナイのかもしれないですけど、それにしてもお前これ金利商品としての意味があるんかというレートで、完全に短国が「コモディティ」状態になっておりまして、金利じゃなくて国債という「モノ」として扱われているという歪んだ状態になっておりますわな。まあハイパー超過準備があるのとアホみたいに日銀がオペだの貸出だの実施していることが原因なんで、YCC維持のためとか言って2年とか5年の長期共担をバカスカ打った弊害が出口になって思いっきり出ている、という話でして、出口の際に円安か株安のどっちかが起きているのもそうですけれども、黒田のアホウが自分さえよければ後のことはどうでもよいという姿勢でぶっこんだ無責任極まりない施策の副作用というのは、大規模緩和やってるうちは弊害として顕在化しにくいのですが、出口(まだ余計なほどに緩和的な状態であっても)では早速このように弊害が出るわけで、私の履歴書書いたり勲章もらってるの全部取り消して墨染めの衣着てお遍路さんでもやってろやこのクソ野郎というお話ではあります。

いかんいかんつい朝から血圧が。

でもってまあ売買参考統計値ちゃんの方を見ますと
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html

国庫短期証券1247 2024/11/05 平均値単利 0.095
国庫短期証券1249 2024/11/11 平均値単利 0.090

となっていまして、平均よりは甘めの引けになっていますが、まあゆうて10bp割れの引けになっておりまして、まあ確かに足元の状況からすると次に利上げするとしても12月か1月ちゅうかんじ(株式市場のアレとうっちーのアレが無くても、まあ10月にやってしまうのって「展望ごとの利上げ」になるのであっという間に短期金利を1%まで上げるくらいの腹の据わり方をしていない限り無理気味なんじゃネーノとは私言いましたよね)なので10月会合跨ぎも関係ないと言ってしまえばそうかもしれないけど、それにしたって10月会合までに再度円安ぶっ飛んだらまたも避難轟轟から利上げ(しかも前回の株安にビビって事前予告付きとかw)になるのワンチャンどころか10ちゃんくらいはありそうなんですけどなんかもう全然気にしないレートなの何なんでしょ(そもそもベースレート15bp上がったのに短国これだと6bp〜7bpくらいしか金利上がってないんですけど)とは思うのでした。


なおちなみに東京レポレートの方は
https://www.jsda.or.jp/shiryoshitsu/toukei/trr/index.html

       O/N  T/N  1w  2w  3w  1m  3m   
2024/8/7 0.213 0.151 0.154 0.164 0.172 0.176 0.201
2024/8/8 0.216 0.174 0.162 0.167 0.172 0.177 0.201
2024/8/9 0.182 0.233 0.175 0.172 0.175 0.178 0.201

という事で短国発行要因でトモネ0.233とか結構な利回りになっておりまして、どんだけ短国だけ別世界なのかというお話かと思います。全くひどい話でとりあえず日銀はアホみたいな共担と何とか貸出を止めろや(しかし気候変動でまたクソみたいな残高を積み上げようとしているのが腹立たしいしあんなのただの掴み金補助金だろと)という話だし、財務省は短国市場がこの有様でまともなリスクフリーの短期運用手段がない状態になっていることに対して発行を減らしてるんじゃねえよという話ではございますな、マッタクモウ。

2024/08/09

〇短国ェ・・・・・・・・・・・・

昨日は当然30年国債が注目でしたがその裏でひっそりと実施された6M

https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20240808.htm
国庫短期証券(第1248回)の入札結果
 
『本日実施した国庫短期証券(第1248回)の価格競争入札及び国債市場特別参加者・第T非価格競争入札について、下記のように募入の決定を行いました。



1.名称及び記号       国庫短期証券(第1248回)
2.発行根拠法律及びその条項
財政法(昭和22年法律第34号)第7条第1項、財政融資資金法(昭和26年法律第100号)第9条第1項並びに特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第83条第1項、第94条第2項、同条第4項、第95条第1項、第136条第1項及び第137条第1項

3.発行日      令和6年8月13日
4.償還期限    令和7年2月10日

5.価格競争入札について
(1)応募額          9兆5,058億円
(2)募入決定額     2兆8,265億7,000万円
(3)募入最低価格     99円94銭5厘
(募入最高利回り)   (0.1109%)
(4)募入最低価格における案分比率   81.5135%
(5)募入平均価格    99円95銭3厘
(募入平均利回り)   (0.0948%)』

ちょwwwwwおまwwwwwwアベレージ10bp割れwwwwwwwwwww

これがまた3Mじゃなくて6Mってのがドイヒーな訳ですが、6Mって月一発行だし年限的にも中途半端(ちなみにおじいちゃんの昔話をすると大昔の割引短期国債市場では6Mの方が中心的な存在でしたが、たぶんその理由は6Mの方が値動き大きいからとかいうディーリング相場時代残滓だったような気がしますw)なので、3Mと比べて圧倒的に使い勝手が悪く、そのため需給が極端に振れる局面が時々ある(誰も買わないか突如需要が暴発するか)のですが、お前2月償還で10bp割れってナメトンノカという世界ですな。

でまあ恐る恐る売参様を見ますとw
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html

国庫短期証券1248 2025/02/10 平均値単利 0.095

と10割れのアベレージが正当化されているのですが、じゃあ本日の3M新発(足は11月11日)の新発WIはどうなっているかと言いますと(新発は1249回です)

国庫短期証券1247 2024/11/05 平均値単利 0.070
国庫短期証券1229 2024/11/11 平均値単利 0.095
国庫短期証券1249 2024/11/11 平均値単利 0.095

1247は先週入札のあったカレント3Mです(1229は6M短国の成れの果て)けれども、やっぱりこっちも10bp割れのWIになっとりますなナムナム・・・・・・・・

2024/08/08

〇その前に昨日の債券市場ちゃんをロイターさんから貼っておく

ということで昨日の債券市場ちゃんばいロイターを備忘で貼っておきますと、

https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/MP2B2FQMLNMDTAZNDQMXAGRNFA-2024-08-07/
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は反発、日銀副総裁のハト派発言で買い 長期金利0.875%
By ロイター編集
2024年8月7日午後 3:50 GMT+9

『[東京 7日 ロイター] - <15:15> 国債先物は反発、日銀副総裁のハト派発言で買い 長期金利0.875%

国債先物中心限月9月限は、前営業日比6銭高の144円96銭と反発して取引を終えた。新発10年国債利回り(長期金利)は同1.0ベーシスポイント(bp)低下の0.875%。日銀副総裁のハト派的な発言が買い材料だった。』(上記URL先より、以下同様)

『その後、午前10時半過ぎに、函館市金融経済懇談会に出席した日銀の内田真一副総裁による「金融資本市場が不安定な状況で利上げをすることはない」などの発言 もっと見る が伝わると、ハト派的だと受け止められて先物相場は上昇基調に転じた。』

ハト派的どころかこんなのベタ降りのハトハトチキンですがな(後述)。

『現物市場で10年物以外の新発国債利回りはまちまち。2年債は前営業日比2.0bp低下の0.265%、5年債は同1.5bp低下の0.410%と、追加利上げの織り込みの後退を反映した動きとなった。』

>2年債は前営業日比2.0bp低下の0.265%
>2年債は前営業日比2.0bp低下の0.265%
>2年債は前営業日比2.0bp低下の0.265%

ちょwwwwwおまwwwwwwww利上げ織り込みの後退どころか「利上げ無し」じゃねえかその金利wwww

ということでエライコッチャになっておりましたが、為替市場ちゃんの方もエライことになっていて、一時148円台とかやっていたのはご案内の通り。

しかし今日は30年国債ちゃんの入札がある(6か月TDBもあるけど)のですが、

『TRADEWEB
    OFFER  BID   前日比  時間
2年  0.259  0.268   -0.02   15:15
5年  0.405  0.414  -0.017   15:15
10年  0.871  0.879  -0.017  15:15
20年  1.736  1.744  0.034   15:09
30年  2.18  2.189   0.088  15:15
40年  2.435  2.446  0.107  15:15』

超長期の後ろドイヒーですな・・・・・・・

2024/08/07

〇特会6Mは年内利上げを織り込まず(?)&物国とかその他少々

・交付税特会6M

https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/kariire/kari-result240806.htm
交付税及び譲与税配付金特別会計の一時借入金の入札結果(令和6年8月6日入札)

『本日、一時借入金の入札について、下記のように募入の決定を行いました。



1.借入根拠法律及びその条項
特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第15条第1項

2.借入日      令和6年8月15日
3.償還期限     令和7年2月14日
4.償還方法    令和7年2月14日に一括償還

5.借入利率競争入札について  
(1)応募額        5兆3,055億円
(2)募入決定額     1兆2,490億円
(3)募入最高利率      0.293%
(4)募入最高利率における案分比率   35.7143%
(5)募入平均利率      0.259%』

今回はまだ目線が定まっていないのかテールが出る珍しいパターンでしたが、今回の0.259%平均ってのを期間分解した場合、12月会合のところで切って手前を0.25%にしても後ろは0.28%弱でして、これは全然年内利上げを織り込んでいないレートでして、。1月会合のところで切って同じ計算をすると後ろは0.33%弱になりますので、1月利上げは4分の1くらい織り込んでいる、というレートになりますな。

最高利回りの方の0.293%で計算すると、12月会合のところで上記のように分かち計算をすると後ろの利回りが0.39%弱なので、12月の利上げを半分くらい織り込んでいる計算、1月決定会合のところで分かち計算すると後ろの利回りが0.62%ちょいとなりまして、1月利上げはフルに織り込んでいます、というレートになっております。

まあ特会入札自体がマイナーではあるのですが、短国みたいに謎の(謎じゃないけど)需要によってアホほど買われてしまっているのを見ても織り込みが読めないし、参加者限定市場(市場なのか??)なので追い風参考記録みたいなもんでございますが、まあいずれにしましてもこっちの方が結構いい感じの数字を出してていまして、昨日の入札のこの平均落札と最高落札のレートを手前0.25%で後ろはいくら??方式で分解すると味わいのある結果になったなあ、と思いますので、だからどうしたというツッコミがありそうですが(汗)そんな感じでしたという備忘メモ。


・東京レポレートは手前が低いのが気になるんですよねー

毎度のこれ
https://www.jsda.or.jp/shiryoshitsu/toukei/trr/index.html

       O/N  T/N  1w  2w  3w  1m  3m  6m  1y
2024/8/1 0.166 0.200 0.186 0.186 0.187 0.189 0.202 0.244 0.317
2024/8/2 0.220 0.228 0.192 0.192 0.191 0.192 0.203 0.254 0.332
2024/8/5 0.051 0.147 0.162 0.171 0.179 0.184 0.201 0.254 0.329
2024/8/6 0.046 0.115 0.154 0.165 0.172 0.175 0.200 0.254 0.328

とまあそんなわけで、手前のGC(とか短国現先)ってやたら低くて、まあこの辺はやはり玉無し芳一という話ではあるんでしょうけれども、日銀は確かにコール無担保を誘導目標に使っているから知らんがな、と言ってしまえばそれまでなんですが、GCの利回りまで(足元から1wにかけて)下がってしまう、という流れになってくると、これは「政策が意図している金融緩和の調整」が本当にできているのか、という問題につながってくるとしつこく言い続けるわけで、無担保コールをでくれくてぃぶにするのはまあいいけど、他の金利は知らんがなで良いのか問題は今後積極的に問題視していきたいもんですわ、と思いますです、はい。


・物国ワロタなんじゃこの値付けは

月曜の引けが余りといえば余りだった物国ちゃんですが、昨日もなんか変なことになっておられましてですね。

いつもの売参から
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html

月曜日の引けはこのようなすさまじい逆行安になっておられました物国ちゃんですが

物価連動国債 28 2033/03/10 平均値単価 102.35 前日比 -245
物価連動国債 29 2034/03/10 平均値単価 101.95 前日比 -285

長期国債 370 2033/03/20 0.5 平均値単価 98.97 前日比 +175
長期国債 374 2034/03/20 0.8 平均値単価 100.58 前日比 +182

昨日の引けはほらご覧の通り

物価連動国債 28 2033/03/10 平均値単価 104.85 前日比 +250
物価連動国債 29 2034/03/10 平均値単価 104.65 前日比 +270

長期国債 370 2033/03/20 0.5 平均値単価 97.98 前日比 -99
長期国債 374 2034/03/20 0.8 平均値単価 99.42 前日比 -116

・・・・・・・・・・いや何なのこの値付けって感じでして、平均株価連動で値付けでもしてるんですかおまいらという感じですわな。いやまあ物国とJ-REITは何とかショックみたいなときに流動性が低いからとかいう理不尽な理由で理不尽に売られるカテゴリーの商品ではありまして、コロナショックの時とかも物国はフロアあるはずなのにBEIがマイナスになってみたり、J-REITは飛んでもない勢いでたたき売られていたりしましたが、1日にして戻るってのも(普通国債の金利が下がっている分があるからBEI的にはBEI縮小になっているけど)何ですかこいつはという訳ワカメ相場になっておられました。ナンジャコリャ以外の感想が沸かない・・・・・・・・・・・・


2024/08/06

〇いやーしかし無茶苦茶な動きをしましたなあ(記念メモ)

・株式市場ェ・・・・・

https://jp.reuters.com/markets/quote/.N225/
日経平均 .N225
直近の取引 31,458.42
変化 -4,451.28
変化 -12.40%

こりゃまたよーさがりましたな、と思いましたがちょうどロイターちゃんもチャートを1年で出しているのですが、これ結局のところ昨年11月とかに「マイナス金利解除近い」で盛り上がっていた時期まで戻った、というだけのお話だったりするのですな。まあ新NISAでインフレ時代に備えようって突っ込んだ皆様におかれましてはご愁傷様としか申し上げようがないですが、気を失っていればそのうちなんとかなるんじゃないですかねえ(ただし長期間必要だと思うので気を失っているうちに寿命が来そうなジジイは残念無念)知らんけど。

なお、
https://port.jpx.co.jp/jpx/template/quote.cgi?F=tmp/future_day_through
先物価格情報

日経225先物
限月 24年9月限
取引日 08/06 日通し
始値 31,690 (08/05)(16:30)
高値 33,830 (08/06)(01:27)
安値 31,140 (08/05)(21:21)
現在値  33,030 (08/06) (04:47)

前日比 +1,650 取引高 61,106

とか何とかいう大変にチャーミングな反発を示しておられまして、いやまあそりゅあそうじゃろという感じでして、何もこの世の終わりみたいな売り方をせんでもよろしかろとは思いました。まあビックリしたけど。

これでスターリン暴落が下落率で歴代5位まで下がってしまったのが何とも。ちなみにアタクシちょっと資料をどっかにやってしまいましたが、スターリン暴落の日の日経の市況面が物凄い煽りタイトルだらけで中々下品でよろしいので昔の日経縮刷版を図書館などで探すと面白いですよ。


・債券市場なのですがいやお前ら金利水準というものを考えて踏みあがれと

債券先物ちゃん。

https://port.jpx.co.jp/jpx/template/quote.cgi?F=tmp/popchart&QCODE=601.555
長期国債先物(夜間除く) 24年9月限

取引日  2024/08/05
立会区分 日中取引

始値  144.81(08/05)(08:45)
高値  146.14(08/05)(09:32)
安値  144.78(08/05)(08:45)
現在値 146.06(08/05)(15:02)

前日比 +2.26
取引高 49,683

ということで226銭高とかいうとんでもないことになってしまいましたが、これ先物だから7年なのですけど、7年チーペスト(10年364回)の利回りって単利で0.475%、複利で0.470%になっていまして、いやお前ら向こう7年間で政策金利が0.50%にならんとでもいうのかというお話ですが、まあそれを言い出すと5年カレントとかもひどいもんで・・・・・・

いつもの売買参考統計値
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html

まあいろんなもんがアレでして、

先物チーペストすなわち7年金利

長期国債 364 2031/09/20 0.1:平均値複利 0.470 平均値単利 0.475

って先ほど申し上げた通りの利回りなのですが、5年カレントが

中期国債 170(5) 2029/06/20 0.6:平均値複利 0.363 平均値単利 0.360

って0.5%までは普通に利上げしてきそうな説明(まあ日銀のことですから今回のムーブでまたションベンチビッテびびりんちょと化して植田和男先生がまたハトハトチキンおじさんに戻ってしまうのではないかという懸念が大いにあるのですが・・・・・・)してたのに5年金利でこのストロングな利回りとか草も生えません。


しかしまあ何ですな、引値といえば短いところの短国が(あまりにもクソ短いのはさておきまして)

国庫短期証券1233 2024/08/26 平均値単利 0.100
国庫短期証券1234 2024/09/02 平均値単利 0.100
国庫短期証券1236 2024/09/09 平均値単利 0.100

ってなっているんですが、この辺って弊駄文が利上げ直後から指摘しておりましたように、前日の売買参考統計値って8月償還で0.190%、9月償還で0.180%とかいういやそれは無いだろうという引値を出していまして、しかも金曜日に3M新発TDB入札が平均0.121%という利回りで決着してその時点で既に短国のニーズが強いのが分かっているのに、2日の引値が上述のような変な値付けになっていまして、昨日になって急に9毛強だの8毛強だのとか値付けしているんですけど、いいからお前ら真面目に値付けしろという話で、債券市場の市場機能回復ってのにはこういうのも含まれているんだぞと思う次第でありまして、関係各位の猛省を促したいところであります。


・短国とかもなかなかのアレでして

短国の短いところが8毛強だの9毛強だのになっているのはこれはそもそも論としてその前の値付けに疑問が大いにあった、ということでまあ外れ値なんですけど、ゆうて3Mとかもこういうリスクオフ祭りになりますと、とりあえず短国に逃げておく系のニーズが発生してしまいますので、金曜の入札で0.121%つえええよ、と思ったものの引値は何とか0.125%(どうせビットサイドでしょうけど)で踏みとどまった新発3Mちゃんですが、

金曜日
国庫短期証券1247 2024/11/05 平均値単利 0.125

月曜日
国庫短期証券1247 2024/11/05 平均値単利 0.070

・・・・・お、おぅ

またも利上げが何ぼのもんじゃいというレートになりやがってしまいましたが、 こちらはリスクオフ祭りの避難マネーが流入してきているのでシャーナイナイではありますけど、7bpって何だよそれって利回りでして、日銀が買入を減らすと国債消化がどうのこうのとか言ってますけど、その一方で何か起こると短い国債の需給がこんな状態になってしまう訳でして、現実問題として「国債」自体は不足している訳ですので、発行サイドも国債発行を思い切って短期化する(発行する側としてはあんまり短期化したくないでしょうけど)とか考えた方が良いのでは、って思ってしまいました。まあ一昔前と違ってやれ流動性規制だやらIRRBBだとリスクを取らせないように金融監督の方が進んでいますので、それによる短い国債へのニーズってすごい増えている筈なんですよね。まあ今回のリスクオフ局面でもろによくわかったなと。


しかし地味に派手な引値だったのがこちら。

物価連動国債 28 2033/03/10 平均値単価 102.35 前日比 -245
物価連動国債 29 2034/03/10 平均値単価 101.95 前日比 -285

長期国債 370 2033/03/20 0.5 平均値単価 98.97 前日比 +175
長期国債 374 2034/03/20 0.8 平均値単価 100.58 前日比 +182

まあ物国って国債のくせに流動性が低い金融商品でして、「リスクオフで売られるときは流動性の低い金融商品が自動的に売られる」の法則があるというのはわかるんですけど、単価ベース(連動係数の話は置く)で普通国債対比4円逆に行くのはさすがに何だよという話で、いやまあ昨日の株価の下げ方はコロナショックとかリーマンショックとかそういう世界ではございますけど、何がどうなっているのやら。


・・・・・・とまあ訳の分からん値動きだったり、値動きの訳は分かるのだが水準は何なんのよという値動きだったり、まあそうかなーって値動きだったり、リスクオフ相場の怪奇現象をいろいろとみせられておとーさんは月曜から疲れてしまいましたわよwwwwwwww


なお、株価指数先物がもどっておられるようですので債券先物ちゃんも70銭くらい下がっておられるようでして、なんかまあ今日も今日とてバタバタしそうではありますな。

〇しかしこうしてみますと「12月解除、4月利上げ」でしたなあと思う訳で

さっき「株価下がったといっても結局は去年のマイナス解除あるでと言ってた頃じゃん」というのはまあこの雑談に繋がるのですが。

そもそもですね、昨年12月ってその前に「さすがにマイナス金利解除いけるじゃん」という話になっていて、それこそ氷見野副総裁の金懇での話など、いかにもやるんじゃないか、というような流れだったのに、国会で植田総裁が口が滑って威勢の良い事いったらハレーションが起きてしまって、それにビビって急に12月会合でそれまでの話を無かったことにする、というハトハト情報発信を行った訳ですな。

まあその後は1月会合で急にそれをひっくり返して3月おあ4月解除予告みたいな感じになって3月のマイナス金利YCC解除につながったんですけど、まあ後付け軍師にもほどがありますけれども、こうなってしまいますとやはり米国が利下げ局面入りする前の段階で初回利上げに着手すべきだったし、マイナス金利YCCをあの時の流れのまま12月に解除して、賃金を確認して4月に利上げしておけば、今回変な貰い事故にならずに済んだとしか申し上げようがない、後付けで何言ってもしょうもないんですけど。

だいたいからして12月の植田国会発言→火消しで12月にハトハト発信、の辺りから(まあ正確には植田総裁就任以降ずーっとですけど)日銀の説明っておかしくて、片側の示唆をする→ハレーションにビビってその逆の話をする→ハレーションにビビって以下同文、ってのを繰り返しながらマイナス金利YCC解除と今回の利上げをぶっこんでいる訳でして、3月の時は仕方ないにしても、その後4月の情報発信がハトに寄りすぎて過度な円安を生させ、そのために過度な株高を発生させて、今回の利上げもある程度織り込んでいたとは言え、4月以降の説明が「展望レポートに書かれている先行き政策運営の書きっぷりだと次回展望レポートで利上げなのに、会見でもその後でも植田さんの説明が全然利上げをやりそうもない説明だった」というのがアカンタレだった訳ですな。

これはまあ今の日銀が変なところで器用(個人の感想です)なのが良くない方向に作用しているとあたしゃ思うのでして、そもそも「経済物価情勢を見ながら適時適切な政策を実施します」というような感じである種頭の悪い説明をしておけば良いのに、一々説明しようとするからその場その場の状況で説明がフラフラとしてしまうし、おまけに(今回の会見ではその点改善されましたが)植田さんが国会にしても会見にしても、本人は丁寧に説明しているつもりなんでしょうけど一々余計なことを言って話を混乱させるという困った芸風を確立させているのがやばいわけですな。

今回だって先般の総裁記者会見における「政策金利」の部分をネタにしたことで分かりますように、日銀としては円安圧力を止めたかったんでしょうけど、政策金利についてずいぶん威勢の良い話をしておりまして、まああの説明をゴリゴリ詰めると「10月展望の時点で経済物価情勢、なかんずく物価情勢がオントラックなら再利上げ」になってしまう説明を堂々としていた訳ですが、この株安円高(140円とか割と快適な水準に戻ってきたのでめでたしめでたしだと思うけど速度がw)を受けて日銀ちゃんお得意のションベンちびってハトハト情報発信をしてくると、益々「結局日銀の政策反応関数が読めない」となってしまいますので、まあどうなるのやら、明日内田副総裁の金懇だか何だかがあるような報道があった(ただし日銀のHPにはなんも書いてない)ので、楽しみに待ちたいと思います。


〇しかしコミュニケーションといえば今回って「実質金利はまだまだ無茶苦茶低い」って言ってますが・・・・・

今申し上げましたように、先日ネタにした通りで、今回って日銀は思いっきり「実質金利が物凄くマイナス」って話をしていて、だからこそ次回の利上げも全然アリエール、という情報発信に繋がっていて、まあそれはその通りではあるんですよ。

ただね・・・・・・・・・

5月8日読売国際での植田総裁講演
https://www.boj.or.jp/about/press/koen_2024/ko240508a.htm

『先行きの金融政策運営

先行きの金融政策については、毎回の金融政策決定会合で経済・物価の見通しやリスクを点検したうえで、2%の「物価安定の目標」のもとで、その持続的・安定的な実現という観点から、適切に運営していく方針です。

そのうえで申し上げますと、先行き、見通しに沿って基調的な物価上昇率が高まっていけば、「物価安定の目標」実現の観点から適切となる金融緩和の程度も変化しますので、緩和度合いを調整していくことになると考えられます。また、経済・物価見通しやそれを巡るリスクが変化すれば、当然、金利を動かす理由となります。』

とまあこれは直前の4月展望レポートの金融政策運営部分に記載されている話なのですが、

『この点、先ほども申し上げたとおり、物価を巡るリスクが上下双方向に引き続き大きいことは認識しておく必要があります。仮に、物価見通しが上振れたり、あるいは上振れリスクが大きくなった場合には、金利をより早めに調整していくことが適当になると考えられます。』

といった口から、

『一方、見通しが下振れたり、下振れリスクが高まった場合には、現在の緩和的な環境をより長く維持していくことが求められます。また、経済・物価に対する大きな下方ショックが生じるような場合には、必要があれば、これまで用いてきた様々な非伝統的な手段も含め、あらゆる手段を予め排除することなく、対応を考えていくことになります。』

ってまあ思い切り両論併記でして、今回の利上げにあたって言ってた「上振れリスクが大きい」みたいな話はなかったんですね。まあこれは5/8だからちょっと前、と言ってしまえばそれまでなんですけど、1年前の内外情勢調査会で「待つことのコストは大きくない」って言ってた発言を明示的に否定しているわけでもないし、そこまでの流れから言ったらまあ普通にこれハトハトに見えてしまう訳ですよ。

さらに5月27日での金研国際コンファランスでのスピーチでは
https://www.boj.or.jp/about/press/koen_2024/ko240527a.htm

『3.今後の課題

それでは、今後の課題を簡単に述べたいと思います。日本銀行の目標は、2%のインフレを持続的かつ安定的に実現することです。これまでのところ、インフレ予想をゼロ%から押し上げることには成功したように思いますが、それを今回は2%の目標値にアンカーしなければなりません。日本銀行は、インフレ目標の枠組みを有する他の中央銀行と同様に、その実現に向けて注意深く進んでいくつもりです。日本銀行が直面する課題の多くは他の中央銀行が直面したものと似た側面を有していますが、いくつかの課題には日本に特有の難しさもあります。

そうした課題のうち主要な一つが、自然利子率(r*)をできるだけ正確に把握することです。その正確な計測は、どの中央銀行にとっても容易なことではありませんが、過去30年間の長きにわたって短期金利がほぼゼロに張り付いてきた日本では、特に難しいことです。実質金利は多少なりとも変動してきたとはいえ、金利変動が乏しいもとでは、金利変動に対する経済の反応度合いを計測することには相応の難しさがあります。』

前半はともかくとして、後半でRスターの話、すなわち実質金利論の話をしているわけですが、この時点で植田総裁は「Rスターはわからん」とまあそれはそれで事実なのですが、そういう話をしていた訳でして、それが7/31には「今の実質金利はとってもマイナスですし多少利上げしてもマイナスですよ」って言ってしまうってのは、まあ日銀に言わせれば「計測は難しいけど今の実質金利が大変にマイナスであるのは事実でしょ」って話だと思うのですが、植田さんのこういう説明の際に少しでも「自然利子率の測定は特に直近過去の事例に乏しい日本では難しいものがありますが、現在の金利水準で見た場合に実質金利が大幅にマイナスの領域にあるのではないか」位の事を言ってほしいわけでして、そういうのなんも言わないでいきなり7月に変なもの食ったのかという位に真人間に戻られましても、そりゃ植田さんの言ってること真に受けてたら痛い目に遭うわ、としか思えない人の方がドンドン増えるわけで、もうちょっとコミュニケーションというか説明の仕方を何とかしてほしいと思います。


2024/08/05

お題「ゆうて3月前に戻っただけの話ですが/国債買入はチキンベース/3M短国入札・・・・・」

いやー土日になんか更新するとか申しておりましたがショパンの事情によりまして特に大したこともできませんで更新もせず、と大変に失礼いたしました。

〇雇用統計ェ・・・・・・・・・・

おやおやまあまあ
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-08-02/SHLX2EDWLU6800
【米国市況】円が146円台に上昇、弱い雇用統計で株急落−金利低下
Rita Nazareth
2024年8月3日 5:52 JST

→円は対ドルで一時146円42銭まで上昇、週間では約4.6%高
→ナスダック100は「調整局面」入りの定義と整合、VIXも大幅上昇

これは盛大な振り落としキタコレですなあ。

『2日の外国為替市場では、円相場が対ドルで大幅高となり、146円台に突入した。米雇用統計が弱い内容となり、景気悪化への懸念が増大。米金利が急低下し、ドルへの売り圧力が強まった。』(上記URL先より、以下同様)

いやー利上げしておいてよかったですねえ植田さん(というかもっと早くやっておけば良かったんですけどね)。

『円は対ドルで一時、2%高の146円42銭に上昇し、2月以来の高値をつけた。これで4日連続で上げた。米雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比11万4000人増と、伸びは予想中央値の17万5000人増を下回った。失業率は4カ月連続で上昇し、4.3%となった。』

なのはまあ良いんですけど、

『金融政策見通しを反映するオーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)は年内4回の0.25ポイント利下げを織り込んでいる。先物相場では9月会合を待たずに緊急会合を開催して利下げするとの見方も浮上している。』

『米国債はこれで7営業日続伸。市場は今年1ポイントの利下げを完全に織り込んだ。』

『金利の動きに敏感な2年債利回りは一時31ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下。全年限で利回り低下幅は16bpを超え、指標の10年債利回りは約3.8%まで下がった。』

ちょwwwwおまwwwwwwwなんちゅう極端なアメリカンwwwwwwwww

まあしかしその記事にあるナスダック100のチャートとか見ると、直近如何にアホみたいに上がっていたかという話のような気もするので、何が何やらわからんですが、だいたいアメリカン市場の場合近年の傾向ってあくまでもアタクシの個人の感想ですが、債券市場が一番極端なアホムーブをかましてて、株式市場見ている方がまだ反応が普通だと思っておりまして、正直米国債券市場は頭のネジ外れている(というかどうせAIとかいう知能指数の低い馬鹿がやってるんでしょうけど)と思うので、まあいろんな株価を見ながらふーんと思う方が吉のような気がします、知らんけど。


〇これはなかなか良いグラフ

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240802/k10014532861000.html
円安局面は終わるのか?【経済コラム】
2024年8月4日 1時18分

『先月初めは1ドル=161円台だった円相場。これが1か月近くで10円余り円高ドル安が進み、一時1ドル=148円台に(8月1日時点)。ジェットコースターのような急激な変動の主な要因だったのは、日銀の利上げとアメリカの利下げ示唆でした。日米の金融政策の転換がより鮮明になった今、歴史的とも言われた円安局面は終わったのでしょうか。』(上記URL先より、以下同様)

とありまして、次の小見出しが『ジェットコースター』となってるのですが、

『ドルに対する円相場のグラフを見てみると円の急騰ぶりがわかります。7月上旬は1ドル=161円台で1986年12月以来37年半ぶりの円安水準でした。』

って感じで記事はありますが、そこにあるドル円チャートが「年初来」で出しているのが中々優秀でして、これはつまり年初来円安進んだのが戻っただけの話だよ、というのが示されておりまして、これが煽り記事でしたら6月辺りからのチャートをだすのですが、この辺はさすが公共放送さんきちんと書いてるな、と感心しました。

まあドル円だけ見て語ってもしょうがないちゃあしょうがないですけど、為替に関しては3月のマイナス金利YCC解除に向けてハトハト発信を結果としては過剰にしてしまい、まあその後の解除後の動きを見てもう少し利上げトーンを出せばよかったのに、その後一段とハトハトチキン発信をしていたのが悪くて、あれで過剰な円安を招いた分がやっと戻ってきた、というだけの話ってえのがわかるし、まあ何なら植田総裁就任時のドル円っていくらでしたっけというお話でもあるので、こんなの過剰の修正以外の何物でもないんですが、日銀砲とか言って煽る馬鹿が現れてきますので、そういう意味では馬鹿発見器として今後のインチキ野郎のインチキコメントを見つけてワイの「信用ならない何とかスト閻魔帳」に書き加えないといけませんな、と思うのでありました。


・・・・・という雑談はさておき決定会合レビュー(FOMCはもうちょい後で勘弁、推計3連休で何とかしますわ)はまだ続く。


〇決定会合レビュー:長期国債買入減額は「予見可能性」は高いちゃあ高いのだが

今更声明文だが
https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2024/k240731a.pdf
金融市場調節方針の変更および長期国債買入れの減額計画の決定について

別紙の方。

『長期国債買入れの減額計画について

長期金利は金融市場において形成されることが基本であり、日本銀行による長期国債の買入れは、国債市場の安定に配慮するための柔軟性を確保しつつ、予見可能な形で減額していくことが適切である。こうした観点から、2026 年3月までの長期国債の買入れは、以下のとおり運営する。』

この「安定に配慮」ってのが何なんでしょうねというのは先日も申し上げた通りでして、過去の黒田緩和、特に後半のYCCでは「市場安定」と言いながら飛んでもない介入をしてしまったのはご案内の通りでして、同じ言葉を使ってるんじゃねえよ思う訳ですよ。

つまりこれ「減額をするのが基本」なのか「国債市場の安定を図るのが基本」なのか、主目的がどっちなのか微妙に分かりにくいわけで、本当に減額を基本にするんだったら「減額するのが基本だが、減額の規模は市場に過剰なストレスを与えない」みたいな「市場が暴れないなら減額はバンバンやっていく」というのをもうちょっと見せても良かったんじゃないの、と思うのですが。

『1.月間の長期国債の買入れ予定額を、原則として毎四半期 4,000 億円程度ずつ減額し、2026 年1〜3月に3兆円程度とする(詳細は、別添)。』

『2.来年6月の金融政策決定会合では、長期国債買入れの減額計画の中間評価を行う。中間評価では、今回の減額計画を維持することが基本となるが、国債市場の動向や機能度を点検したうえで、必要と判断すれば、適宜、計画に修正を加える。また、同時に、2026 年4月以降の長期国債の買入れ方針について検討し、その結果を示すこととする。』

仮に「減額が基本」であり「一方で減額が原因で市場に無用の混乱を与えるのは良くない」という考えなのであれば、本来は「維持することが基本」なのではなく、減額を行ってみて市場が特に問題なく減額を消化する、あるいは減額が足りなくて国債需給がタイトなままということであれば、「1年後は維持ではなくて減額を加速するのが基本」じゃないの、って思うのですよね。

『3.長期金利が急激に上昇する場合には、毎月の買入れ予定額にかかわらず、機動的に、買入れ額の増額や指値オペ、共通担保資金供給オペなどを実施する。』

やらんでよろしい。

『4.なお、必要な場合には、金融政策決定会合において、減額計画を見直すこともありうる。』

って話なのですが、まあアレです。今回って政策金利に関しては「実質金利は大幅マイナス」とか物凄く威勢の良い話をしていて、この先さらに利上げをしても全然緩和的ですがな、みたいな自信ニキの話をしているのと、こちらの長期国債買入減額に対する話がだいぶ対照的だな、と思う訳ですよ。

まあね、ここまでアホみたいに国債買入を積み上げてしまって、しかも圧倒的なフローでまだ買入をしている、という状況なのに関してってのは、政策金利よりも話が難しいというのもこれまたお話としては分からんでもないところでして、まるで分らんからとりあえず上記のリリースに関しても及び腰っぽい書き方になっているんだろうなあとは思うのですよ。

でもね、さすがに日銀もアホじゃないので今の日銀の保有国債の残高が過剰オブ過剰なのは分かっていると思うので、本来は「減らしても混乱しないんだったら減らしたい」はずなのは上記の文章からも出てきていると思うのですが、とにかく初手は混乱を回避したい、というチキン(気持ちは分からんでもないが)な方が先行しているからこうなっているんでしょうな、ということだと思うのでありまして、輪番が相変わらず長期金利を抑圧していて碌なことになっていない、という認識が広がって固まってきたら1年後には輪番減額ペース加速したっておかしくないよね、とはさすがに思うのであります。まあ1年後世の中どうなってるのかよく分からんけど。


〇3MTDBが利上げとは何かという価格になってしまってますがこれって政策金利との整合性は気にならんのかね

金曜の3MTDBですが、まあ売参WI全然参考になっておりませんで・・・・・・・・・

https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20240802.htm
国庫短期証券(第1247回)の入札結果

『本日実施した国庫短期証券(第1247回)の価格競争入札及び国債市場特別参加者・第T非価格競争入札について、下記のように募入の決定を行いました。



1.名称及び記号     国庫短期証券(第1247回)
2.発行根拠法律及びその条項
財政法(昭和22年法律第34号)第7条第1項、財政融資資金法(昭和26年法律第100号)第9条第1項並びに特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第83条第1項、第94条第2項、同条第4項、第95条第1項、第136条第1項及び第137条第1項

3.発行日     令和6年8月5日
4.償還期限   令和6年11月5日

5.価格競争入札について
(1)応募額           14兆4,252億円
(2)募入決定額     3兆9,473億7,000万円
(3)募入最低価格     99円96銭7厘0毛
(募入最高利回り)      (0.1309%)
(4)募入最低価格における案分比率    44.9889%
(5)募入平均価格     99円96銭9厘5毛
(募入平均利回り)     (0.1210%)』

>募入平均利回り 0.1210%
>募入平均利回り 0.1210%
>募入平均利回り 0.1210%

・・・・・( ゚д゚)
・・・・・(つд⊂)ゴシゴシ
・・・・・(゚д゚)

ちょwwwwwおまwwwwwwコール0.227%だぞ何ぞその乖離はwwwwwwww

と草も生えない結果になってしまいましたが、まあ短国のニーズ自体がもともと強いのと、利上げ後一発目ということもあったのだとは思うのですけれども、それにしましてもGCレートだってちゃんと上昇しているのに、もともと低位の短国の利回りが一番上がらん形になっているのは何ちゅうことやというお話。

まあ0-10の時はその間にいろんな金利が詰まっておりましたのでそこまで派手に乖離していませんでしたけれども、付利金利が25bpになったら思いっきり乖離が目立つようになってきましたな。まあ始まったばかりなのでこれからどうなるかというのがあるので今から決め打ちしてもしょうがないのではありますが、この結構派手な乖離が続くと、「政策金利の調整とは??」というお話になってくる可能性だってあるんじゃネーノという気がせんでもないわけですよ。

すなわち、短期政策金利ってイールドカーブの起点となる翌日物金利を定める、ということで政策金利として存在している訳ですが、国債イールドカーブの起点になっている短いゾーンの国債金利がこの政策金利と乖離してしまっていると、それはそもそも何のために政策金利水準を定めたのか、というお話になってくるわけですわ。だいたいからして現時点でコールレートって日銀当座預金に放り込んで超過準備付利を獲得することとの裁定になっていて、本来的な意味での「金融機関のファンディングコスト」と必ずしも一致していないわけでして、実体経済に影響を与える金利ってのは金融機関のファンディングコストであり、長期金利である、と考えますと、コール翌日物がこの金利だから金融政策運営のディレクティブは達成できている(キリッ)っていう理屈も妙な話じゃなかろうか、とまあそんなことを思うのですけれども、短国のレート自体がここからまあ上がってくればそんな話にも並んで済むかもしれませんのでとりあえず言ってみただけというところです。


ちなみに新発3Mの引けですけれども、売買参考統計値のお告げによりますと、
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html

国庫短期証券1247 2024/11/05:平均値単利 0.125

とアベレージより若干甘めになっておりますが、まあこれがマジなのかどうかはわからんけど、さすがに新発だけに板はあるでしょうから板からはそんなに乖離していないと思います。


しかしまあ何ですな、東京レポレートちゃんを見ますと、

https://www.jsda.or.jp/shiryoshitsu/toukei/trr/index.html

今日はご参考に6Mと1Y(などというテナーのGCに流動性あるのか問題はさておきまして)も引用してみますけど、

         O/N  T/N   1w   2w   3w   1m   3m   6m   1y
2024/7/30  0.024  0.006  0.069  0.077  0.080  0.089  0.119  0.156  0.211
2024/7/31 -0.062  0.100  0.110  0.111  0.112  0.117  0.138  0.176  0.230
2024/8/1   0.166  0.200  0.186  0.186  0.187  0.189  0.202  0.244  0.317
2024/8/2   0.220  0.228  0.192  0.192  0.191  0.192  0.203  0.254  0.332

まあタームに関しては一応利上げをちったあ織り込んでいたはずなので、フルスライドで金利上がらんでもええんじゃが、しかし短国とGCの金利差、政策金利が0.25%になったら結構目立ってきましたね、という話でして、超大昔(政府短期証券が日銀引受で市中に現先方式で放出されていた時代)には割引短期国債って恒常的にモノ不足で(海外がリザーブ需要で買うのだが発行が少ないので)常に現先レートやコールレート対比大幅な逆ザヤだったという時代があったのですが、時代がそこまで遡るのかよという世界でして、これちょっと短国増発ってできないもんですかねえとは結構マジで思うのであります。まあ要りもしない金のために国債発行せんわ、と言われたらぐうの音もでませんけれども。


・・・・・ということですいません決定会合レビューとか言いながら決定会合ネタの続きがあまりございません&甚だ簡単で恐縮至極(ショパンの事情によりご勘弁)ということで今朝はこの辺でご勘弁していただきとう存じます。


2024/08/02

〇ところで今日は3M短国入札です(0.25%利上げ後初の国債(短国だけど)入札)

https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_auct/auct20240726.htm
国庫短期証券(第1247回)の発行予定額等

『1. 入札予定日 令和6年8月2日
2. 発行予定日 令和6年8月5日
3. 償還予定日 令和6年11月5日
4. 発行予定額 額面金額で5兆2,000億円程度

5. その他 上記の発行予定額を変更する場合には、入札日の前日に再度公表する予定です。』

ということで9月会合はバチクソ跨ぎまして、10月会合は跨ぐには跨ぎますが10月会合は月末なのでまあかする位、という入札。

昨日のコールが、
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/mp240801.htm
無担保コールO/N物レート(8月1日<木>速報)

『平均 0.227%
最高 0.228%
最低 0.215%』

ということで22.8bpな訳ですが、売参のWIを見ますと、
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html

国庫短期証券1246 2024/10/28:平均値単利 0.150
国庫短期証券1247 2024/11/05:平均値単利 0.150

付利ー10bpかよという感じですが、まあそもそもこの0.15%ってのもいまいち本当なのかよくわからんところがありまして(まあ一応WIは板が立ってたと思うのでこんなもんなのかとは思いつつも)、というのは昨日の売参の短国のクソ短いところを見ると

国庫短期証券1211 2024/08/13:平均値単利 0.189
国庫短期証券1230 2024/08/13:平均値単利 0.189
国庫短期証券1232 2024/08/19:平均値単利 0.189
国庫短期証券1233 2024/08/26:平均値単利 0.189

とか8月償還のレートなぜか上昇して0.19%近くになっているのですが、気配とかその他新発CPとかもろもろのレート勘案してこれはねえだろ真面目に値付けしてるのかてめえはというレートになっておりまして、まあ利上げ初日だからしょうがない面があるのはわかるんだが、手前と3Mがインバートはせんじゃろ(超短くて担保などに使えないから外しが来る、っていうので残存1週間とかが後ろとインバートするのはまあある話なんですけど)と思う訳で、短期も脳死市場から脱却してくるご時世になるわけですので、脳死値付けをするのは勘弁していただきたいところではありますな。

まあアレです。利上げがあるから長期債買わない組に関してはどっからどう見ても次の利上げは10月末以降になるということ(為替が超絶円安になったら9月もあるけど)なので、もう長期債買わないとか言ってる場合じゃないと思うので、退避資金で来ていた皆さんはお帰りになられるとは思うのですけれども、ゆうて短い国債に対するもろもろのニーズは多いので、という感じですかね、知らんけど。

あと、東京レポレートは
https://www.jsda.or.jp/shiryoshitsu/toukei/trr/index.html

2024/7/30  0.024 0.006 0.069 0.077 0.080 0.089 0.119
2024/7/31 -0.062 0.100 0.110 0.111 0.112 0.117 0.138
2024/8/1   0.166 0.200 0.186 0.186 0.187 0.189 0.202

となっていまして、3Mと言ってもほとんどの期間が10月会合前ですので、またも「コールより低いGC」モードになっておられていまして、まあこの辺見ていると短いゾーンの国債ニーズつええええええええって感じですのでいいからおまいら短国増発しなさい短国増発と思いますし、超過準備が多すぎなんじゃ何が2年後に日銀保有国債が7%減るじゃおせえんじゃ、と憤怒を隠し切れない今日この頃といったところでしょうか。しょんぼりーぬ。

2024/07/30

〇地味に東京レポ―レートが上昇している件について

毎度の東京レポレート
https://www.jsda.or.jp/shiryoshitsu/toukei/trr/index.html

リファレンスレート方式のいいところっていうのは、現物債券なりなんなりの個別出来値を参考にされた場合、特殊事情による特殊レートとそうじゃないマジもんレートというのが特に債券(および相対の短期金融市場の取引)のように個別性が強い取引では判別が付きにくいところがあるわけでして、リファレンス方式ですと、特殊事情に関してもそれが市場全体で起きている特殊事情(期末要因みたいなの)なのか、個別の需給によるものなのか、という辺りリファレンス出している人たちが判別してくれることで、まあそういう意味で必ずしもトレーダブルとか出来値ベースとかが「正しいもの(この正しいはいわゆる公正価格的な意味合い)」だとはアタクシは思わないんですよね。

例のなんちゃら事件以降一時なんでもトレーダブルレートじゃないとダメみたいな変な風潮が規制監督方面に流行しちゃいましたが、リファレンス方式にはリファレンス方式の良さというのもあるわけで、バランスの取れた運用が望ましいですわな。

などと変な前置きをしてしまいましたが、TKRRちゃん7/22〜7/29

2024/7/22 0.092 0.081 0.055 0.056 0.056 0.058 0.088
2024/7/23 0.073 0.062 0.054 0.054 0.057 0.059 0.088
2024/7/24 0.043 0.045 0.052 0.054 0.056 0.059 0.090
2024/7/25 0.065 0.033 0.049 0.056 0.058 0.069 0.096
2024/7/26 0.079 0.078 0.067 0.070 0.071 0.080 0.108
2024/7/29 0.081 0.074 0.074 0.077 0.079 0.090 0.115

ということで、昨日の東京レポレートですが、1Mが0.080%→0.090%、3Mが0.108%→0.115%となりまして、この1週間でじりっとではありますが上昇していて、月曜もその流れが続いていますので、これはまあ7月利上げ全くないわけではないですねえから、気持ち利上げの可能性も考えて、というような雰囲気になっているという事を示しているんじゃなかろうかと存じます、知らんけど。


なお短国ちゃんの方は

https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html

国庫短期証券1245 2024/10/21:平均値単利 0.050
国庫短期証券1246 2024/10/28:平均値単利 0.057
国庫短期証券1247 2024/11/05:平均値単利 0.057

1247は新発WIですけど、この辺のレート特に変わらず、1年カレントも

国庫短期証券1244 2025/07/22:平均値単利 0.170

でまあ基本的に短国はほぼ変わらずといういつものアレになっておりますが、とは言いましても6月の3週目あたりに見られたような(たぶんあれは四半期要因があったんだと思うのですが)玉がすっからかんで短い短国に碌なオファーが無い、というような状態ではなくて、短い短国に関しても流通はしているような感じで、レートは相変わらず利上げ観測とは何なのか、というような水準なのは今から決定会合を2回跨ぐ3Mカレントで5.7bpとかいうふざけた利回りになっている時点でお察しかと思いますがまあそのお察しの通りのレートではありますけど、1か月ちょい前はモノがマジでなかったっぽかったのと比べればだいぶ状況が異なっているように見えます。

まあ本来はこの辺の短期モノってのは利上げ局面になると結構あっさりと先行きの利上げタイミングを考えた値付けになって然るべきもの(と言ってもアタクシも利上げ局面となると福井総裁時代の利上げしか知らないのでn=1ではあるのですが)ではあるのですが、今回はいろんな意味で特殊で、(1)利上げに至るロジックが全くわけわからないので市場が合理的に利上げ時期の判断ができない、よってコンセンサスも何もない状態でポジション持ってる人のお家の事情に左右される、(2)日銀当座預金に付利がされていてそっちの方が高い金利水準になっている、上に(3)諸規制やら日銀のオペ乱発によって担保や規制対応のための短国需要がアホみたいに強い、というような違いがあって、いやもういつになったらこの短国もっとまともな順イールドになるのよ(短国だけで言えば順イールドだけど日銀当座預金金利から見たら3Mと翌日物がインバートしている訳でして)というのはさっぱり読めませんな〜というところで。

と、明日に備えて(と言っても結果出るの明日の昼だから明日の朝もそうですが)雑談ばっかですいません。まあ一応当たらぬも八卦当たらぬも八卦の大予想は、「長期国債買入減額が2年後に月額3兆円+9月利上げについてダチョウが見てもわかるくらいの明確な予告ホームラン」のセットで維持しておきます。


2024/07/29

〇3M短国金利5bp台上昇&東京レポ―レートのターム物上昇

2年国もあった気がしますがそっちはパス
https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20240726.htm
国庫短期証券(第1246回)の入札結果

『本日実施した国庫短期証券(第1246回)の価格競争入札及び国債市場特別参加者・第T非価格競争入札について、下記のように募入の決定を行いました。



1.名称及び記号          国庫短期証券(第1246回)
2.発行根拠法律及びその条項
財政法(昭和22年法律第34号)第7条第1項、財政融資資金法(昭和26年法律第100号)第9条第1項並びに特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第83条第1項、第94条第2項、同条第4項、第95条第1項、第136条第1項及び第137条第1項

3.発行日       令和6年7月29日
4.償還期限     令和6年10月28日
5.価格競争入札について
(1)応募額            13兆372億円
(2)募入決定額      3兆9,334億6,000万円
(3)募入最低価格      99円98銭4厘0毛
(募入最高利回り)      (0.0641%)
(4)募入最低価格における案分比率   12.4339%
(5)募入平均価格     99円98銭5厘9毛
(募入平均利回り)      (0.0565%)』

ということで、WIよりは低い利回りでしたがやっと5bp台に乗っかった入札、なのですがご案内の通りこの3MTDBちゃん、発行日は今日だわ償還日は10/28だわで7/31か9/20に利上げがあると結構食らうんですけど(10/31ならセーフ)という物件ですが、まあこれまで5bpとかそんな洒落たレートになっていなかったのでこれはこれで大進歩は大進歩であるwwwwww

https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html

売買参考統計値ちゃんによりますと、

国庫短期証券1246 2024/10/28:平均値単利 0.057

なので、平均落札レベルでの売参ということになっておりまして、5bpだヒャッハーと札を集めたわけでもなく、とは言って別に誰も買わないようなわけでもなくて、世の中には短国様のニーズというのが相変わらず旺盛である、という残念だが当然の結果になったのでありました、うーんこの。



でもって東京レポレートちゃんですが、

https://www.jsda.or.jp/shiryoshitsu/toukei/trr/index.html

大事なのでちゃんと数字の見出しを付けましたw
         O/N  T/N    1W   2W   3W    1M   3M
2024/7/22  0.092  0.081  0.055  0.056  0.056  0.058  0.088
2024/7/23  0.073  0.062  0.054  0.054  0.057  0.059  0.088
2024/7/24  0.043  0.045  0.052  0.054  0.056  0.059  0.090
2024/7/25  0.065  0.033  0.049  0.056  0.058  0.069  0.096
2024/7/26  0.079  0.078  0.067  0.070  0.071  0.080  0.108

ONとかTNは短国発行要因とかなのでまあいいとしまして、なんと金曜のTKRRちゃんはターム物が軒並み上昇しまして、さっきの日経の記事じゃないけど「7月全くないわけでもなさそうだし、実施したとしてもここまでくると闇討ち利上げじゃないからアリエールじゃん(たぶんないけど)」みたいな感じで、その雰囲気が微妙にリファレンスレート(上記URL先見れば説明がありますが東京レポレートはリファレンス方式です)に影響した、って感じですかね、知らんけど。


という訳で、なんか7月利上げしても闇討ち扱いじゃなくなった(まあそもそも論として6月の会見でハトハトチキンが「輪番減額の長期金利の影響も政策金利引き上げの判断材料」とか余計な不規則発言をしなければよかっただけの話なんだが)ようなので、まだアタクシは明後日は精々予告ホームラン(予告方式は声明文と展望レポート基本的見解の金融政策部分を使いながら会見でとどめを刺すスタイル)だとは思っていますが、それだと期待外れ、になるようならもう面倒だから利上げしちまいなよハニーって気はしないでもないですわ、というところです。

さてどうなりますのやら・・・・・・・・


2024/07/26

〇どこからどこまでが日銀への期待なのか分からんけど・・・・・・・・

昨日の市場ちゃん、といっても債券じゃなくて為替みますとですね、

・為替って日銀のどこをどう期待しているのでしょうかよくわからんけど期待値上がってねえかこれ

https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/6CQXA63TKJJJ5DDNSO6GUWS6RM-2024-07-25/
〔マーケットアイ〕外為:午前のドルは152円台へ下落、2カ月半ぶり安値 円高地合いが続く
By 基太村真司
2024年7月25日午後 12:31 GMT+9

(検索へたっぴで前場引けしか取れてないけど)

『[東京 25日 ロイター] - <12:18> 午前のドルは152円台へ下落、2カ月半ぶり安値 円高地合いが続く

午前のドルは153円後半から152円半ばまで一段安となり、5月6日以来約2カ月半ぶり安値を更新した。市場では、円売りポジションの巻き戻しが続いているとの見方が大勢で、円は対ドル以外の通貨に対しても幅広く上昇した。

この日も東京市場では、目立った手掛かりがない中で円が続伸。豪ドルが99円後半と3カ月ぶり、ユーロが165円前半と2カ月半ぶり、英ポンドが196円半ば、スイスフランが172円といずれも2カ月ぶり安値を更新した。

しかし、大和証券チーフ為替ストラテジストの多田出健太氏は「ドル/円の潮目が変わったと決め打ちするのは時期尚早だ」とみている。これまでの円安は投機的な側面が強かっただけに「いったん調整が始まると連鎖的に巻き戻しが発生しやすい」上、円買いの手掛かりとされる日銀の利上げについても「今後の利上げペース加速などが意識されない限り、早期に日米の短期金利差が大きく縮小するような見通しは描けない」ためだとしている。』(上記URL先より)

ということで、午後はドル円152円ぎりぎり近くまで円高になっていた場面もありましたが、これで来週日銀が輪番の減額を2年で出来上がり3兆円とか織り込み済みのものを出した挙句に利上げについては慎重な言い方をしたら為替ってどうなるのやらというのは為替の人じゃないから分からんのですが、また一気に巻き戻しが入ってしまうのではないかという恐れがぬぐい切れない訳でして、そんなこんなで円高に行けば行くほど日銀は「より威勢の良いことをしないといけない」となって来たように思えます。

まあ今でも「株が下がるから利上げするな」とか「円高になったから日銀は動かなくてよくなった」とか寝言を言ってるポンコツ何とかストのご見解がニュースベンダーみてると散見されるのですが、そもそも株これまでどれだけ上がったと思ってるんだとか、いや足もとの円高の背景は日銀に対する期待がかなりあるだろ、とかまあそういう風に考えますと、円安で追い込まれるのと違った意味でこれは市場が日銀をシバキにきている、という中々面白い展開なのでまあダラダラとメモっておこうというところではあります。


・すこし方向性が分かってきたということで極端なスティープに歯止めがかかっているのなら結構は話なのは円債

でもって円債ちゃん

https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/PK5KNMBN2RO23LT73WEN7XANBU-2024-07-25/
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は小幅続落、日銀の利上げ警戒感が重し 長期金利1.065%
By ロイター編集
2024年7月25日午後 3:47 GMT+9

『[東京 25日 ロイター] - <15:20> 国債先物は小幅続落、日銀の利上げ警戒感が重し 長期金利1.065%

国債先物中心限月9月限は、前営業日比6銭安の142円74銭と小幅ながら7営業日続落して取引を終えた。日銀の追加利上げを巡る警戒感が相場の重しとなった。新発10年国債利回り(長期金利)は同0.5ベーシスポイント(bp)低下の1.065%。朝方には3週ぶり高水準の1.100%に上昇する場面もあった。

きょうの国債先物は、日銀が来週の金融政策決定会合で追加利上げの要否について議論するなどとしたロイターの観測報道をきっかけに利上げを巡る投資家の警戒感が強まり、大幅な売り先行でスタートした。』(上記URL先より、以下同様)

さすがロイターだけに自分のところの記事で動きましたと書いている辺りに浅ましいものを感じますが、まあそれはさておきまして、

『TRADEWEB
    OFFER   BID   前日比 時間
2年  0.388   0.396    0.03  15:13
5年  0.624   0.631   0.013  15:16
10年  1.063   1.07   -0.005  14:59
20年  1.833   1.842   -0.024  15:19
30年  2.157   2.166   -0.034  15:16
40年  2.421   2.43   -0.037  15:19』

えらい勢いでツイストフラットしていますが、まあ1日だけだから単になんかの勢いかもしれないから即断はできませんけれども、輪番減額規模の件もそうですし、利上げに関しても7月か9月かは兎も角として、それなりに早い時期に来るでしょう、という感じで見方が揃ってきて、しかも利上げも当然単発で終わるものではなくて、その後(どうせ半年に25bpとかでしょうけれども)利上げが続く、というスタンスで日銀が来る、ということになれば、今まで中短期に避難してきた人たちが長い方の金利上昇を見て乗り換えていく動きがあってもおかしくない。

つまりですね、中央銀行が何考えてどういう動きをするのか、というロジックがしっかりしていて、そのロジックに則って市場が考えられるような動きを中央銀行が行っていれば、そう極端な事ってのは(財政破綻でもしない限り)起きないわけでして、とにかく黒田日銀の末期からこの方ずっとそうなのですが、「次に日銀が何をやらかしてくるのかが全く読めない、なんせあいつらお気持ちでオペやら政策いじってくる」という「不確実性」の塊みたいな状況になっているのが怪しからんわけで、いみじくもハトハトチキンが3月会合の時にいった「普通の金融政策」というのをやってくれれば、避難民が短いところに殺到して短国の金利がクソ低いとか、そういう事は起きにくくなるんですよ(個人の見解です)。

まあ昨日1日ツイストしたからといって鬼の首を取ったように喜んでいる場合でもないのですが、日銀が何考えてアクションをするのか、というのをきちんと定義づけること、あと弊駄文で50回位申し上げていますが、特に長期国債買入に関しての位置づけ(金融緩和手段なのか、昔買ってしまったうんこタワーをいきなり壊すわけにいかないのでスムージングで買っているだけなのか)を明確にしていただかないと、長期国債買入に関してはいったん今回の会合である程度先に何やるのかは見えるんでしょうけれども、また変な理屈をだして変な事をしてくると話がややこしくなるので、ちゃんと長期国債買入に関しては検討をしていただきたいですな。


・短国が!なんと!WIだけど新発3Mが5bpオーバーに!!!!

感嘆符のつけすぎですかそうですかw

いつもの売参
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html

昨日の引値(7/26付け)を見ますと・・・・・・・

国庫短期証券1240 2024/09/30:平均値単利 0.010
国庫短期証券1241 2024/10/07:平均値単利 0.050
国庫短期証券1224 2024/10/10:平均値単利 0.050
国庫短期証券1189 2024/10/21:平均値単利 0.050
国庫短期証券1245 2024/10/21:平均値単利 0.050
国庫短期証券1246 2024/10/28:平均値単利 0.064

9月末と10月頭で4bpも階段つけるなよとは思いますが、これ一昨日の引値ですと、

国庫短期証券1240 2024/09/30:平均値単利 0.010
国庫短期証券1241 2024/10/07:平均値単利 0.025
国庫短期証券1224 2024/10/10:平均値単利 0.025
国庫短期証券1243 2024/10/15:平均値単利 0.025
国庫短期証券1189 2024/10/21:平均値単利 0.025
国庫短期証券1245 2024/10/21:平均値単利 0.025
国庫短期証券1246 2024/10/28:平均値単利 0.025

となっておりまして、新発WIの気配に引っ張られたのかなんだか知らんですけど、10月償還の短国の引値を軒並み修正してきまして、今日入札新発のWIはご覧の通りで売参ベースで6.4bpとやっと5bpを明確にオーバーした水準になっておるわけです。

まあ今日の新発3Mって足が10月だから10月利上げの場合は別に手前とそんなにレートが変わらなくても罰は当たらない(タームの流動性リスクプレミアムというのを考えて頂きたいというのはあるけど)のですが、7月か9月かって利上げの話をしているのに(まあ7月だったら手前のイールドだって修正しろよと思いますがそれはいったんおきまして)いつまでたっても無反応で困ったもんだと思っていたら昨日になって急に反応しているように見えるわけでして、まあ実力は今日の入札を見ないと何とも言えませんけれども、もしかしたらさっきのツイストフラットと同じくで、「長期金利の行く末がさっぱり分からないのでリスクを取れないから値段を気にせず短国へ」という需要が終わってくれたのかもしれませんし、まあやっと面白くなってまいりましたという展開です。

ちなみにアタクシはクソジジイなので前回量的緩和解除から短期金利0.5%の時って短国とかよく見ていた(何なら過去ログよんでちょ)訳ですが、かつてはちゃんとこの短国だって先行きの政策金利変更を織り込んだり、タームが長くなると期間による流動性プレミアムによって順イールドになったりとか、そういうまともな市場だったのですが、よくよく考えてみますと7/31か9/20に短期政策金利が0.10→0.25になるというのを織り込みに行くにしてはショボすぎる金利形成な訳で、その辺は悲しいなと思っておりますです、はい。


・東京レポレート(メモ)

https://www.jsda.or.jp/shiryoshitsu/toukei/trr/index.html

2024/7/22 0.092 0.081 0.055 0.056 0.056 0.058 0.088
2024/7/23 0.073 0.062 0.054 0.054 0.057 0.059 0.088
2024/7/24 0.043 0.045 0.052 0.054 0.056 0.059 0.090
2024/7/25 0.065 0.033 0.049 0.056 0.058 0.069 0.096

木曜にSNがさがるのはお約束なのですが、先週のように極端にさがるでもなく、ONは上がっていますし、それよりも1Mと3M(右の2つ)がしらっと金利があがっているのがちょっとチャーミングですね、


〇日経がなんか書いておるのだがこれはまあ単なる一般記事状態ですね

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB24AI80U4A720C2000000/
日銀、追加利上げの時期模索 7月論も浮上
金融政策
2024年7月25日 19:00 [会員限定記事]

『日銀が追加利上げの時期を模索している。一部の政策委員は、日銀が7月30、31日に開く金融政策決定会合での追加利上げを支持するとみられる。一方、物価上昇を加味した実質賃金は前年比を下回った状態が続くなか、賃金や消費の動きをもう少し見極めるべきだとの意見も根強い。

日銀は慎重に経済・物価情勢を点検し、追加利上げの是非を議論する見通しだ。』(上記URL先より、以下会員記事)

でまあ毎度申し上げておりますように日経無課金おじいちゃんなので記事内容みておりませんが、まあ冒頭のこのかきっぷりからすると「特に日銀から何か決め打ちの情報発信は出てませんですなあ」という感じの記事なんでしょうね、と想像しまして想像をもとに申し上げますが。

まあアレです、本来次の利上げって(単発で終わりとかいうのなら別ですが常識的に考えてそんなことはないので)政策修正が始まりましたという号砲なんで、あんまりサプライズで打ち込むもんじゃないよね、という風には思う訳ですよ(ちなみに福井の俊ちゃんの時はその前に追加利上げに向けてこう考えておりますので利上げの環境が整いますなあみたいな説明は散々している)。しかしながら、6月決定会合でテレビ東京の大江さんに思いっきり指摘されていたように、ニュースワイヤーが事前に威勢の良い話をする→市場の期待値を上げる→期待通りのことをしない→円安、というのを繰り返してしまったことから、今回の利上げって事前織り込ませがやりにくくなってしまったと言えるんですよね。

7月やるにしろ7月予告ホームランするにしろ、まあどちらも市場は覚悟はしていますけど、でもまだ皆が皆織り込んでいるかというとよくわからん、という状況でこそ利上げ(または事実上の利上げである予告ホームラン)の効果(主に為替)が出るわけですので、昨日の日経さんの記事までで結局どこもかしこも両論併記(ロイターさんは英文と日本文で別のヘッドラインで両論併記をするという無茶苦茶なプレイをしてきましたが)で決定会合を迎えることに(お日柄的にもうここからはガチの情報流出になって別の意味でヤバい)なりそうで、逆にベンダーがだんまりなのは、変な小細工しないという文脈で日銀7月に利上げに関するなんか(予告ホームラン予想していますが、利上げしちゃった方がすっきりするし筋論としてはそっちの方が正しい)はあるかも感がますます高まってまいりました(個人の印象です)。


〇しかし出口で結局何らかの災厄を甘受しないといけないのが大規模YCC政策の弊害である

とまあそんなわけで今日も取り留めもない雑談で恐縮ですが、ちょっと視点を変えて考えてみますと、長期国債買入の減額にしろ、短期政策金利を中立金利に向けて引き上げていくにしろ、今回これだけ大騒ぎしているように、大規模YCC政策というのがどれだけ副作用が大きかったか、ということだし、そういうのを全部植田さんにおっかぶせて「私の履歴書」とかのうのうと書いていた黒田とかいう人外外道には天から落雷でも食らうべきで、植田さんはまあこの後始末しているんだからその点はご苦労なこった(ただし手際が悪すぎるのはまったくもってダメダメ)とは思います。

ということでですね、結局この大規模な長期金利イールドペッグ政策ってのは、出口において円安か株安か債券安か、この3つのうち最低1つ、運が悪いと2つ(3つの時はオワットル)をお選びくださいってなもんでありまして、そもそも論としてどうせ構造変化とコロナショックでしか物価の基調が変わらなかったのに、なんでこんな頭の逝かれた政策を延々とやっていたのか、ということについてはちゃんと反省すべきなんですよね。

今やっていると思われる多角的レビューって、その辺についてなんも考察しないで、効果があったで終わらせそうなのがやばいわけでして、同じようなことが起きたときにもう一回同じ馬鹿政策をやったら日本が持たないんじゃないのってアタクシは思うのですが、このままなあなあで多角的レビューを終わらせますと、じゃあ次も長期金利ペッグのマイナス金利政策をやりますか!とか言い出しそうで怖いです。余談ですけど。


2024/07/25

〇利上げについては謎のまま決定会合突入ですかねえ

・ロイターの報道が英文と日本語で題名のニュアンスがだいぶ違うんだがそういうのは止めていただきたい

その前にブルームバーグの市況解説
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-07-24/SH4NL3T0AFB400
円が対ドルで1%超える上昇、一時153円台−5月以来の高値
宮井伸明
2024年7月24日 21:24 JST 更新日時 2024年7月24日 21:39 JST

→日銀は利上げを来週検討へ、債券購入半減も発表の計画−ロイター
→日本経済再生で強くて安定した円を作ることが必要−茂木氏

『ニューヨーク時間24日朝の外国為替市場で、円相場は対ドルで上げ幅を拡大。1%を超える上昇で一時1ドル=153円91銭を付けた。5月以来の高値。日本銀行が月末の金融政策決定会合で大幅な政策変更をするとの臆測で円が買われている。』(上記URL先より、以下同様)

ということで、

『ロイター通信は事情に詳しい関係者の話として、日銀は来週の金融政策決定会合で、利上げを検討するとともに向こう数年間に債券購入額をほぼ半減させる計画を公表する可能性が高いと報じた。』

バランスシート半減じゃなくて購入額半減なんで別に大幅な削減でも何でもないんですし、福井総裁の時代に短期政策金利0.50%まで上げる中で長期国債買入って月額1.2兆円だったのですから、3兆ってとんでもない緩和な訳で、なんで2%目標達成とか言ってるのにそんな金融緩和をする必要があるのか小一時間問いつめたいんだがまあそれはさておき。

『自民党の茂木敏充幹事長は日本時間24日夜、インターネット番組に出演し、「日本経済の再生によってまずは強い日本を作る。それによって強くて安定した円を作っていくということが必要だ」と語った。』

円安万歳の話が消えてきたのは結構なことである。

・・・・・・とまあそれはそれでさておくとしまして、ロイターさんなんですけど

https://jp.reuters.com/opinion/forex-forum/PJ5RJO45NJPPTHDBRZF3X2VWHI-2024-07-24/
日銀、国債購入3兆円程度に違和感なし 利上げ時期は慎重に判断
By 和田崇彦, 木原麗花
2024年7月24日午後 6:28 GMT+9

というのが出ていた返す刀で英文版が、

https://www.reuters.com/markets/asia/boj-weigh-rate-hike-next-week-detail-plan-halve-bond-buying-sources-say-2024-07-24/
Exclusive: BOJ to weigh rate hike next week, detail plan to halve bond buying, sources say
By Leika Kihara and Takahiko Wada
July 24, 202410:32 PM GMT+9

・・・・・・これ日本語だと利上げが多少先の話のようにしか見えないのだが、英文だと7月にも利上げってニュアンスが強く出てるだろなんだよこの二枚舌はいい加減にしろと思う訳で。

英語の方だと(以下引用部分が日本語なのは上記ロイター記事日本語版、英語なのは上記ロイター記事英語版から引用します)題名の後にサマリーがあって、

『Summary

・BOJ to taper bond buying gradually at pace near market consensus
・July rate hike decision a close call, consumption outlook key
・BOJ has 'long way to go' toward rate levels deemed neutral
・BOJ to hold policy meeting July 30-31』

ということで7月利上げはクロースコールって仰せになっているんだが、日本語版の記事のリード部分では、

『[東京 24日 ロイター] - 日銀は30―31日の金融政策決定会合で、今後1─2年の国債買い入れの減額方針を決定するとともに経済・物価情勢を点検し、追加利上げの要否について議論する。日銀内では国債買い入れについて月額3兆円程度まで減額するとの市場の見方に近い水準が望ましいとの意見がある。追加利上げに関しては、その必要性ではおおむね一致しているものの、弱含んでいる消費動向を確認すべきとの意見もあり、慎重に時期を判断するとみられる。』

7月利上げがクロースコールとは思えない文章になっているんですよねーーーーーー。

英文だと、

『TOKYO, July 24 (Reuters) - The Bank of Japan is likely to debate whether to raise interest rates when it meets next week and unveil a plan to roughly halve bond purchases in coming years, sources said, signalling its resolve to steadily unwind its massive monetary stimulus.』

『The rate decision will depend on how long the board members prefer to wait for clarity on whether consumption will recover and keep inflation stably around the bank's 2% target, said four people familiar with the BOJ's thinking.』

となっていて「慎重に時期を判断する」じゃなくて単純に「意見が割れている」になっていて、たぶんこれ英文の方がニュアンスちゃんと伝わっているんじゃないかなと思うの。

ということで英文記事の続きを見ると

『Over three-quarters of economists polled by Reuters expect the central bank to stand pat this month and possibly next move in September or October, but sources suggested the outcome of the July 30-31 meeting was considerably less certain.』

マーケットエコノミストにロイターが聞いて回ったら3/4のエコノミストが今回は政策金利引き上げ無し、9月か10月に利上げ実施、と回答しているけど、ロイターの取材先様におかれましては「いやいやもっと不確実ですよ(=7月利上げの可能性はあるよ)」と仰せですよ、と来てからの、

『"The decision will be a close call and a hard one to make," given uncertainty over the consumption outlook, one of the sources said. "It's really a judgment call, in terms of whether to act now or later this year," another person said.』

今回利上げするかしないかはエイヤーの世界でやっても全然不思議じゃないというようなニュアンス(と思いましたが)の発言が別の取材先からでたりしているようですね。

『While the nine-member board broadly agrees on the need for a near-term rate hike, there is no consensus on whether it should happen next week or later in the year, they said.』

まあコンセンサス無いんでしょうね

『Core inflation hit 2.6% in June, having exceeded the BOJ's target for well over two years, and workers' base pay rose by the most in three decades in May, enough to for hawks to argue that conditions are right to hike rates now.』

利上げする条件はとっくにそろっている、というか利上げしないお理由はもうとっくにないんですが、

『However, recent weak consumption and household sentiment have helped policy doves make the case for holding off for now and waiting for more data to see whether tax cuts and rising wages will lift consumption as projected.』

これ毎回申し上げていますが、そもそも消費って円安コストプッシュに足引っ張られているんだから、消費を理由に利上げを躊躇って阿呆な話で、今回利上げ見送って予告ホームランもしなくて、背景説明に消費が弱いって話をしたら会見でボコボコにされるじゃろ、と思いますが大丈夫なんでしょうかねえ。

『The outcome of next week's meeting is uncertain in part because the BOJ sees no compelling reason to rush, with price rises still moderate and inflation expectations stable near 2%, the sources said.』

「no compelling reason to rush」とのことですが、逆に動かない理由だってねえだろとは思いますわ。


ということでどうせ日本語版は読めばわかると思いますので、この英文版のニュアンスと日本語版のニュアンス比較して味噌ってなもんでして、長期国債買入減額よりも利上げの方がイッシューとして大きい(その通りなのだが)という認識で海外は考えているんでしょうねえ、というのもよくわかる、というか日本の皆さん日銀の輪番減額という目くらまし砲に引っかかりすぎwwwwwww



・しかしまた決定会合前に期待値が上がってしまいましたなあ

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB239FC0T20C24A7000000/
円全面安一服、153円10銭台 日米金融政策の転機にらむ
生田弦己
ポジション・フラッシュ
2024年7月24日 13:18 (2024年7月24日 23:12更新) [会員限定記事]

『外国為替市場で円売り圧力が一服している。24日の夜には円相場が対ドルで一時、1ドル=153円10銭台まで上昇した。幅広い通貨に対して全面安だった局面から一転、対ユーロや英ポンドでも円高が進む。日米金融政策の転機が近いとの見方が強まり、金利差に着目した円売りを見直す動きが出てきたからだ。ただ円安再燃リスクは残っており、当面は不安定な展開が予想される。』(上記URL先より、以下会員記事)

ということですが、こうやって決定会合前に日銀今回の会合で結構頑張るんじゃないか、という思惑が出てきますと、逆に手ぶらってわけにいかなくなるので、やはり昨日申し上げたように2年後に月額3兆円程度(とかいうしょぼい)輪番減額だけでは許してくれなくなりそうで、利上げまたは利上げ予告ホームランが急務ということになってきているかと思います(個人の感想です)。

この円高見て日銀が余裕ぶっかましてショボい結果でOKOKとか勘違いしそうなのが怖い・・・・・・



〇40年とか東京レポレートとか

https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/GQ6ZY6TXXRLBJEE2OGH3GG3PVI-2024-07-24/
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は続落、長期金利1.07% 低調な40年債入札などで
By ロイター編集
2024年7月24日午後 3:31 GMT+9

『東京 24日 ロイター] - <15:18> 国債先物は続落、長期金利1.07% 低調な40年債入札などで

国債先物中心限月9月限は前営業日比10銭安の142円80銭と続落して取引を終えた。新発10年国債利回り(長期金利)は同1.0bp上昇の1.070%。日銀の追加利上げへの警戒感や40年債入札が低調だったことを背景に、国債先物は軟調に推移した。』(上記URL先より、以下同様)

ということで、

『国債先物は朝方から売りが先行。前日の夜間取引で国債先物が下落した流れを引き継いで始まった。40年債入札が低調な結果となったことを受けて、後場に入り先物は下げ幅を拡大。現物市場では超長期ゾーンを中心に金利が上昇した。』

40年って結構売り込まれて安くなったのですが、それでもまあイベント直前で買いにくい、ということなのかなあとは思いますけど、そもそもここに来て利上げ観測で崩れているのって、6月会合の時に植田総裁がうっかり「輪番減額の影響も政策金利変更の判断材料に入る」みたいなことを口走ったのが悪くて、あのせいで7月利上げ観測を一気に消してしまったから反動が来ている面が多分にあって、つまりは日銀のコミュニケーションが下手くそというか植田さんは一言余計なことを言うのをマジで反省していただきたいと思う訳ですよ。

『    OFFER  BID   前日比 時間
2年   0.358  0.366   0.015  15:15
5年   0.611  0.617   0.014  15:18
10年  1.069  1.075   0.014  15:15
20年  1.856  1.863   0.003  15:17
30年  2.189  2.197   0.023  15:17
40年  2.454  2.462   0.038  15:19』

ということで昨日も基本ベアスティープになっていますが、利上げネタがあるだけに中短期も弱いと。


・東京レポ―レート案の定の低下である

うーんこの
https://www.jsda.or.jp/shiryoshitsu/toukei/trr/index.html

2024/7/22 0.092 0.081 0.055 0.056 0.056 0.058 0.088
2024/7/23 0.073 0.062 0.054 0.054 0.057 0.059 0.088
2024/7/24 0.043 0.045 0.052 0.054 0.056 0.059 0.090

ということで水曜日は下がるの法則で案の定低下しておりますが、まあ利上げ観測だから短いところに緊急避難、ってのは今更そういうのもあんまりないようには見えます(まあこの期に及んで、ですわな)が、明日の3Mどうなるんでしょうかねえ・・・・・・・


・そういえば火曜日交付税特会6Mがあったのでした

すいませんネタにするの忘れてました
https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/kariire/kari-result240723.htm
交付税及び譲与税配付金特別会計の一時借入金の入札結果

なので、

『令和6年7月23日
財務省』

ですすいません。

『本日、一時借入金の入札について、下記のように募入の決定を行いました。



1.借入根拠法律及びその条項  特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第15条第1項

2.借入日        令和6年7月31日
3.償還期限       令和7年1月30日
4.償還方法      令和7年1月30日に一括償還

5.借入利率競争入札について  
(1)応募額         5兆9,919億円
(2)募入決定額      1兆2,990億円
(3)募入最高利率       0.215%
(4)募入最高利率における案分比率   64.7500%
(5)募入平均利率       0.205%』

こちらは先週の特会6Mが0.206%/0.220%だったのでレートが低下しておりまして、しかも後ろに行けば当然利上げリスクが高まるのでレート上がって然るべきなのですが下がっておりまして、前回の特会6Mが9/20利上げをフルフルに織り込んでいるレートだったので、それならいけるやんとでもなりましたかしら。知らんけど。

ちなみに0.205%だとほんのちょっとだけ9/20以降の金利が0.25%に届かないという結果になります(0.246くらい)ので、この辺りをみていると7月はあって予告ホームランってイメージなんですかね。特会借入に応札している人にだいたいどんなイメージなのか聞いてみたいでありますわ〜


ということで今朝はこの辺で勘弁


2024/07/24

〇東京レポレートの今週はどうでしょ

東京レポレート
https://www.jsda.or.jp/shiryoshitsu/toukei/trr/index.html

東京レポレートベースだと(これは午前に各社が出したのを集計したベースなので、市場のリアルタイムとは若干ズレが発生するのでこういう言い方をしますけど)だいたい水曜木曜になるとT/Nのレートが下がって金曜日になると短国発行要因で上がるというパターン。

先々週からの推移

2024/7/9   0.054 0.069 0.054 0.052 0.053 0.053 0.088
2024/7/10  0.083 0.076 0.055 0.054 0.056 0.056 0.089
2024/7/11  0.079 0.053 0.053 0.053 0.054 0.055 0.088
2024/7/12  0.086 0.080 0.057 0.054 0.055 0.055 0.088
2024/7/16  0.081 0.052 0.056 0.055 0.055 0.056 0.089
2024/7/17  0.079 0.041 0.051 0.053 0.055 0.056 0.089
2024/7/18  0.033 -0.033 0.044 0.049 0.053 0.055 0.090
2024/7/19  0.037 0.070 0.052 0.052 0.054 0.058 0.089
2024/7/22  0.092 0.081 0.055 0.056 0.056 0.058 0.088
2024/7/23  0.073 0.062 0.054 0.054 0.057 0.059 0.088

先週よりは水準高いとは言いましても月曜→火曜のONとTNの下げ方が結構ありやがるのが気になるところで、水木どうなるんでしょうという話だし、金曜日は3Mの入札で、決定会合直前スタートだが決定会合で何かがあることをろくすっぽ織り込んでいないというチャーミングなレート(別に短国やってる人の金利観がそうなのではなくてただの需給だと思いますが。というか4月の短国って当初はちょっとずつ金利上がってたんですよね・・・・・・・)になっているので、まあ別世界に生きる巨大市場という恐ろしい短国なのですが、GC下がるとちったあ短国に影響してくるものかもしれませんしどうなんでしょうかね、と今日明日の東京レポレートを眺めて居たいと思います。


2024/07/22

〇東京レポレートのマイナスは1日で解消したもののまあ何ですかねえと

いつもの奴
https://www.jsda.or.jp/shiryoshitsu/toukei/trr/index.html
東京レポ・レート

2024/7/11 0.079 0.053 0.053 0.053 0.054 0.055 0.088
2024/7/12 0.086 0.080 0.057 0.054 0.055 0.055 0.088
2024/7/16 0.081 0.052 0.056 0.055 0.055 0.056 0.089
2024/7/17 0.079 0.041 0.051 0.053 0.055 0.056 0.089
2024/7/18 0.033 -0.033 0.044 0.049 0.053 0.055 0.090
2024/7/19 0.037 0.070 0.052 0.052 0.054 0.058 0.089

左からT+0のON、TN、1w2w3w1m3mでございますが、木曜日にトモネが驚異のドマイナスに突っ込んでしまいました件は3MTDB発行要因で普通のレートに戻るの巻となりましたし、ターム物には著変が無いので単純に需給要因と考えると何となく気候変動オペのスタート要因が怪しかったということなのかもしれませんけれども、まあ貸増にしても気候変動にしても1年固定で付利金利と同じとかいう掴み金レートをフルアロットメントでだすのも市場の価格形成をゆがめるにもほどがある話で、超過準備が多すぎなのは是正されるべきなので国債買入もこの手のオペも縮小していく(オペに関してはアベイラビリティの保証をすればよいだけでレートを優遇する必要はない)方向にならんかなとは思うけど多分ならないのが日銀クオリティ。



〇でもって新発3M

https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20240719.htm
国庫短期証券(第1245回)の入札結果

『本日実施した国庫短期証券(第1245回)の価格競争入札及び国債市場特別参加者・第T非価格競争入札について、下記のように募入の決定を行いました。



1.名称及び記号 国庫短期証券(第1245回)
2.発行根拠法律及びその条項
財政法(昭和22年法律第34号)第7条第1項、財政融資資金法(昭和26年法律第100号)第9条第1項並びに特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第83条第1項、第94条第2項、同条第4項、第95条第1項、第136条第1項及び第137条第1項

3.発行日       令和6年7月22日
4.償還期限     令和6年10月21日

5.価格競争入札について
(1)応募額          13兆279億円
(2)募入決定額    3兆9,423億6,000万円
(3)募入最低価格    99円99銭4厘5毛
(募入最高利回り)     (0.0220%)
(4)募入最低価格における案分比率   89.8667%
(5)募入平均価格    99円99銭5厘2毛
(募入平均利回り)     (0.0192%)』

ということで、WIの売参が2.5bpだったのはなんかうそくせーと思ってましたがそれでも何とか2bpアラウンドで収まってくれましたが、これはついこの前1bp割れとかやっていましたのでこっちが完全にパンチドランカーになっているから「2bpならちょっとましか」とか思うだけの話で、7月利上げか9月利上げかと言われているのに10月21日償還で2bpってお前ちょっとそれは何ぼ何でもひどくないですかというお話だし、これ現状でこの状態だと、次に短期政策金利が0.25%になった時の短国の居場所ってどこになるんだよとか思うとかなり頭が痛くなるわけでございますよ、ちょっとレポ市場との乖離が酷すぎませんかねえというお話ですが、まあこれも日銀の超過準備と各種掴み金オペにも責任の一端がある(FSBとかが流動性規制とか言って短国にニーズが集まるようにしているもの要因)のだが。


2024/07/19

〇東京レポレートェ・・・・・・・・などなど

・木曜の東京レポレートトモネがいきなりどマイナスに突っ込んだでござるの巻

しばらくネタにしないでおったらいきなりの攻撃である
https://www.jsda.or.jp/shiryoshitsu/toukei/trr/index.html

        O/N T/N   1W  2W   3W  1M   3M
2024/7/12 0.086 0.080 0.057 0.054 0.055 0.055 0.088
2024/7/16 0.081 0.052 0.056 0.055 0.055 0.056 0.089
2024/7/17 0.079 0.041 0.051 0.053 0.055 0.056 0.089
2024/7/18 0.033 -0.033 0.044 0.049 0.053 0.055 0.090

ちょwwwwwwおまwwwwwwwwマイナス3.3bpって何よそれ。

ということでですね、期末とか短国の入札が爆発的に強くて物無し芳一とかならともかく(短国の需給は相変わらずアホのように良いのですが、じゃあマイナスにレートが突っ込むのかというとそこまででもない筈)なんでもない木曜の金月のレポが急にドマイナスに突っ込むとはどういう事よ(まあ確かに今週少し下がってはいましたけど)というお話ですが、なんでなんじゃろというのは正直よくわかっていないアタクシなのでしたすいませんすいません。

なんかどこかで担保繰りでも間違えて急にGCで担保玉でも調達したのかねという位しか想像がつかないのですが(タームも下がっているなら金利観の話になるがそうではなさそうですわな)、そもそも論として日銀は短期の何とかオペを打ちすぎ問題というのがありまして、


・なんだよこの気候変動オペは

この悪ノリで導入したとしか思えない気候変動オペですけどね
https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2024/mpr240718a.pdf
気候変動対応を支援するための資金供給オペレーションの実施結果

『1.概要

貸付実施の通知日時 2024年7月18日 (午前9時30分)
貸付日          2024年7月19日
返済期日         2025年7月18日

2.貸付予定総額(注1)

貸付予定総額          72,361億円
(参考)貸付残高(注2)    119,626億円』

ということで、気候変動オペが昨日は7.2兆も出てまして、あっという間に残高が12兆円になってしまうというプレイが発生していまして、このスタートが今日だから、昨日のトモネのところで担保の足の問題かなんか(例えばの話今日の新発3M短国を担保に使う予定だが発行日までの担保だけ別に調達するとか)でもあったんでしょうかねえ知らんけど、という世界の可能性もありそうですな。

・・・・・・でですね、貸増もそうなんですけど、この辺のオペって固定金利でやるから金利上昇時にはアホみたいにニーズを集めてしまう訳で、この残高がバカスカ出てしまうと担保玉のニーズが増えてしまうから短国やら短いゾーンの国債の需給がひっ迫してコール市場と3M(どころか6Mもですが)の短国がインバートするというアホたれさんな事象が恒常化するし、この調子だともっと変なことになってくるんじゃ無かろうかという感じですわな。

モチのロンですが固定金利で出すから利上げしたらオペで資金調達した先はウハウハで、オペ先向け掴み金状態になっているわけでして、いやまあ政策的に推進したいから掴み金を用意した、っていうのは話の理屈としてはわかるのですけれども、政策金利が25bpになっただけで日銀としては7兆円の15bp逆鞘になるんですから、オペ先全体で言えば年換算で105億円も逆ザヤお支払いということになるんですよね。大昔みたい当預付利が無いならともかく、事実上の当預付利(準備預金に付利していないから当預付利ではないけど)をしている状態なので、オペ資金を日銀当座預金に放り込むだけでノーリスクで鞘が発生しますもんで。

でまあ政策的に必要だから、という触れ込みなのはわかるんだが、じゃあもし「気候変動対策融資奨励金を来年度予算でウン億円計上して金融機関にお支払いします」って言って国会に予算案出したら世間様がどないな反応をしますねんという事を考えますと、政策奨励したいのはわかるんですけど、やっぱり日銀が勝手にこういうのをオペレーション名目でホイホイ出すのっていうのはどうなのか、って思ってしまう訳でして、まあそれを言い出すと成長基盤融資オペもそうなんですけど、特定分野を対象にした掴み金オペレーションってのは、これまでは金利水準がクソ低いうえに動かなかったから問題点が顕在化しなかったですけれども、やっぱり非常に筋が悪いと思います。

なお成長基盤をぶっこんだのは白川総裁の時なんで、金融政策がノーマルに戻る時にこういう論点が発生することはわかっていたと思うんですが、正常化に向けて廃止するどころか気候変動オペの上塗りになっている訳で、まあ筋悪の手段は導入するもんじゃないってことですよね。
(ご参考)
https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2010/k100521.pdf


・短期といえば1年短国があって今日は3M短国の入札があるんですが

https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20240718.htm
国庫短期証券(第1244回)の入札結果

『本日実施した国庫短期証券(第1244回)の価格競争入札及び国債市場特別参加者・第T非価格競争入札について、下記のように募入の決定を行いました。



1.名称及び記号   国庫短期証券(第1244回)
2.発行根拠法律及びその条項  特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第46条第1項

3.発行日      令和6年7月22日
4.償還期限     令和7年7月22日

5.価格競争入札について
(1)応募額            9兆6,056億円
(2)募入決定額       2兆4,355億7,000万円
(3)募入最低価格        99円82銭1厘
(募入最高利回り)    (0.1793%)
(4)募入最低価格における案分比率  19.7996%
(5)募入平均価格        99円83銭3厘
(募入平均利回り)    (0.1672%)』

という結果でして、来年の7月ですよ短期政策金利幾らだと思ってるんですかとかいう話は毎度のようにむなしいのでそれはさておきまして売参ちゃんを見ますと

国庫短期証券1244 2025/07/22:平均値単利 0.165

などという金利になっておりましたので、入札後金利低下だヒャッハーとはいきませんでしたが、とは言ってもアベレージちょい上の気配ということでして、前日の交付税特会借入6Mが0.203%/0.220%だったのを思いますとお前どういう金利してますねん、とか思ってしまいますが、何せ短いところの国債は全般的に品不足という状態(だから短いところの輪番何なら明日からゼロにしろやボケと思いますけど)なので、もはやこっちの方が目が慣れてしまうというパンチドランカー状態で困ったもんなんですけど、期中の短期金利の積分では全然計算ができない金利が相変わらず続く短国なのですな。


でもって今日は3Mの入札
https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_auct/auct20240712.htm
国庫短期証券(第1245回)の発行予定額等

『1. 入札予定日 令和6年7月19日
2. 発行予定日 令和6年7月22日
3. 償還予定日 令和6年10月21日
4. 発行予定額 額面金額で5兆2,000億円程度』

はいもう10月後半の償還ですよまあ10月まで利上げ無かったら確かにずっと0-10のままなんですけど。

一応売参ちゃん的には

国庫短期証券1245 2024/10/21:平均値単利 0.025

となっているのですが、まあ昨日のGCマイナスとかいうのが気になるところではありますな。ちなみに3Mの短国って4月は毎回の発行が5.8兆円だったのですが、国庫資金繰りの関係(というか為券の関係だと思いますが)で発行額が段階的に減ってきていまして、もしかして直近での為替のへなちょこムーブの背景に思い出介入があるとしたら、一段と外為特会の円貨資金繰りが改善してしまうので、短国の発行がまた減るじゃないですか勘弁してくださいお代官様、といったところではあります。


・ついでに5年GX国債ェ・・・・・・・

昨日入札のあった5年新発GX国債ですけどね、売参ちゃんを見ますと

GX中期国債2(5) 2029/06/20 0.5 :平均値複利 0.588 平均値単利 0.589

となっておりまして、同残存の普通国債を見ますと

中期国債 170(5) 2029/06/20 0.6 :平均値複利 0.585 平均値単利 0.585

って引けになっていまして、グリーンプレミアムとは何ぞやという世界になっているのが物悲しいわけですけれども、まあこれも普通国債の買入をアホほど行って普通国債にプレミアムを付けてしまっている、という日銀の所業によって、「輪番プレミアム>グリーンプレミアム」という面白事案が発生しているようなもん、ともいえるわけでして、気候変動オペをやってGX推進している傍からオーバーキャパシティの輪番を実施してイールドカーブに輪番プレミアムを発生させてしまし、健全なグリーンプレミアムの価格形成を阻害して回っているんだからお前は何をやっているんだの世界な訳ですな。

つーことで「本来ついて然るべきグリーンプレミアムが輪番のせいで見た目ディスカウントになっている」という事態はある、ということはそもそも論として輪番がクソ過大なのですから、減額を慎重にとか言っているのがそもそも寝言であり、まずは国債流通市場における価格形成を適正化することを考えたらある程度がっつりと輪番を減らせ、という話につながるわけです、という強引な結論を書くためにGX国債をネタにしたという説はあるが、まあとにかく輪番がいかに今の国債市場の価格形成をゆがめているのか、というのを分かりやすく示す入札になったのでした。


2024/07/18

〇6M交付税特会借入レートが貫録の9月政策修正フル織り込み

https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/kariire/kari-result240717.htm
交付税及び譲与税配付金特別会計の一時借入金の入札結果

『本日、一時借入金の入札について、下記のように募入の決定を行いました。

1.借入根拠法律及びその条項
特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第15条第1項

2.借入日          令和6年7月25日
3.償還期限        令和7年1月24日
4.償還方法     令和7年1月24日に一括償還

5.借入利率競争入札について  
(1)応募額        6兆1,834億円
(2)募入決定額     1兆2,990億円
(3)募入最高利率      0.220%
(4)募入最高利率における案分比率  60.4324%
(5)募入平均利率     0.206%』

これ足切りの0.22%を7/25〜9/20〜1/24で期間案分して手前を0.10%にしますと、後ろが0.275%近辺になるので、(平均の0.206%だと後ろが0.255%近辺)9月会合で利上げだと思って計算するとだいたい日銀当座預金とブレークイーブンする(この際複利とかめんどくさいことは考えないでいただきたいw)という水準で、相変わらず安定のレートになっているというこの状況。

然るに短国ちゃんは売参を見ると毎度おなじみのように
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html

国庫短期証券1242 2025/01/10:平均値単利 0.020
国庫短期証券1207 2025/01/20:平均値単利 0.080

相変わらずここで謎の段差が発生しててお前この10日間のフォワードレートいくらになるんだよと言いたくなる(雑に計算すると1.1%とかいうこの世のものとは思えない金利になりますがw)のですが、回号が新しい1242ってのは要は6Mカレントになりますので、まあ普通に考えて短国ちゃんの実力はカレントに近い銘柄の方が事実を示している、と考えますと絶望的な金利差が相変わらずついております。

まあそんな中ですけど今日は1年短国の入札があったりするんですよね。とうとう来年7月償還かよってなもんですけど。


〇そういえば今日はGX5年もあるんですね

あれだけ鳴り物入りで投入されたにも関わらず、投入タイミングがちょうど日銀の政策修正モードになってしまった、ということでグリーンプレミアムがどうのこうのとか言ってる場合ではなくて、日銀の金融政策修正シフトをどうやっていくか、という方に頭が回ってしまいましたが。

https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/yotei/auct20240711.htm
5年クライメート・トランジション利付国債(7月債)の発行予定額等

今回5年GXが出るのですが、この入札予定のアナウンスをふと見ますと、

『連絡・問い合わせ先  理財局国債業務課GX国債係』

という文字列が燦然と輝いておりまして、前回の入札ご案内の時は

https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/yotei/auct20240521.htm

『連絡・問い合わせ先  理財局国債業務課債務調整係』

だったので係ができたのか看板つけ変わったのか存じませんが(ちなみに2年以降の普通国債は物価連動国債も含めて「理財局国債業務課長期国債係」、国庫短期証券は「理財局国債業務課短期国債係」がお問い合わせ先になります)「GX国債係」とか気合の入った係の命名じゃんと思いました。

だから何なのかと言われると困りますがw


2024/07/17

〇米国が引き締め撤収(一部か完全かは不明だが)モードで介入もした訳ですかそうですか

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-07-16/SGOY4NDWRGG000
政府・日銀、12日に2.1兆円の円買い介入実施した可能性−2日連続
伊藤純夫
2024年7月16日 17:59 JST 更新日時 2024年7月16日 18:37 JST

→介入反映の17日の日銀当座預金の増減要因予想、市場推計とずれ
→円の振れ幅の割には金額が大きい印象、複数回の介入指摘する声も

『円相場が急騰した先週の外国為替市場で、政府・日本銀行は12日に2日連続で円買い介入を実施した可能性が高い。為替介入が反映される日銀当座預金の見通しと事前の市場推計とに開きがあるためで、介入額は約2.1兆円と推定される。』(上記URL先より、以下同様)

ほうほう。

『為替取引の決済は2営業日後となる。日銀が16日発表した17日の日銀当座預金増減要因の予想によると、12日に介入が行われた場合に反映される財政等要因の予想はマイナス2兆7400億円。東短リサーチとセントラル短資、上田八木短資の事前予想はいずれもマイナス6000億円だった。』

『円相場は11日夜、市場予想を下回る米消費者物価指数(CPI)の発表後に、1ドル=161円台後半から157円台前半まで急騰。12日にも急速に円高に振れる場面が見られた。当座預金見通しからは、11日には約3.5兆円の円買い介入が行われたと推定される。』

とのことですが、ゆうてこれだけ介入して、しかも米国がやっと利下げ云々という話になって、

https://jp.reuters.com/markets/bonds/
金利・国債

債券利回り
米国債10年 利回り US10YT=XX +4.181

とか言ってるのに、

外国為替

米ドル/日本円 158.3300 +0.20%

とか言ってるわけでして、昨日の東京時間帯だって朝方の158円ドタくらいからホイホイと円安が進んで158円80銭水準まで円安になる、という隙あらば円安の様相を呈している訳でして、こういう状況において「米国が利下げモードになって来たので日銀は政策修正を急がなくて済む」とか言ってる何とかスト様って目が節穴か何かなのかと小一時間問い詰めたい次第でして、7月会合で大したもん出さなかったりしようものなら神田大明神の思い出介入がガチの思い出介入になってしまうという台無しモードになるわけでして、いやここは何かの形で威勢のよさを示す必要があるんじゃないのかね、と思うのでした。まあ思いっきり個人の感想ですけど。

まあ何度か申し上げているように、派手に輪番減額計画を打ち出すか、減額は普通でも9月利上げ予告ホームランをするか、という感じかとは思うのですが、あとは「将来の姿」として日銀のバランスシートは将来的には「必要最低限の超過準備」状態まで圧縮していきます、今の段階でその「必要最低限の超過準備」の水準が幾らなのかはさっぱりわかりませんが、どっからどう見ても今の状態ではないのは間違いないです。という話をきっちりと出す、というのが効くのかどうか知らんけど、バランスシートにしろ政策金利水準にしろ、「将来の定常状態は実はこんな感じです、ちょっと今の時点で数字までは示せないけど」っていうのを出して、方向性をきっちりと示すのダイジダイジネーと思うのでございますわよ(個人の感想です)。


2024/07/16

〇3MTDBは相変わらずである

https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20240712.htm
国庫短期証券(第1243回)の入札結果

『本日実施した国庫短期証券(第1243回)の価格競争入札及び国債市場特別参加者・第T非価格競争入札について、下記のように募入の決定を行いました。



1.名称及び記号           国庫短期証券(第1243回)
2.発行根拠法律及びその条項
財政法(昭和22年法律第34号)第7条第1項、財政融資資金法(昭和26年法律第100号)第9条第1項並びに特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第83条第1項、第94条第2項、同条第4項、第95条第1項、第136条第1項及び第137条第1項

3.発行日       令和6年7月16日
4.償還期限      令和6年10月15日
5.価格競争入札について
(1)応募額           13兆8,775億円
(2)募入決定額      3兆9,522億6,000万円
(3)募入最低価格      99円99銭5厘5毛
(募入最高利回り)        (0.0180%)
(4)募入最低価格における案分比率    25.1779%
(5)募入平均価格       99円99銭6厘7毛
(募入平均利回り)        (0.0132%)』

ということで前週の平均0.32bp足切り0.80bpとかいう地獄のようなレートからはマシになったとはいうもののの、相変わらず1.32bp平均の足切り1.80bpとかになっていまして、どこからどこまでが長期金利からの難民なのかが分からんですけれども、ただまあ構造的に短い国債のニーズが強くなっているのは、FSBとかいう阿呆が金融機関に対する流動性保有を強制するもんだから、というのはあるわけでして、そういう変化が起きているんだからTDBの発行も増やせやと思うのだが、先週巷間言われるように介入してたらまたこの後黙ってると為券の発行が減るのでTDB減るじゃんと頭が痛いわけです。

てかさ、流動性規制かけるのはそらまあ金融システムの安定のために必要って話は分かるんだけど、規制かけるにしたって法域によって市場構造が違う訳で、米国みたいに困ったときにはお助けで流動性規制に使えるものが出てくるような法域だと良いんですけど、日本の場合縦割りになって皆さん自分の庭先は綺麗にするんだけど市場全体を見てデザインしてくれる機能がイマイチなので(たまに当局の中に理解のある方々が揃っているとそういう機能も発揮されるのだが組織的にそうなっているかというとねえ)すが、まあこれ今後の金融政策運営がもう少し見えて来てからもこの調子(日銀当座預金よりもはるかに低い短国となって3MとONがインバート状態)だと、ちょっと短期金融市場のデザインを作り直さないといけない、ということになるのじゃないかな、とまあそんなことを思う今日この頃であります。

などと偉そうなことを言いながら売参ちゃんを見ますと

国庫短期証券1243 2024/10/15:平均値単利 0.015

となっていまして、足切りよりレート上がってるじゃん、とは思いましたが、そもそも論として10/15足で何ですかこのレートは、というのは一切状況変わっていないという悲しい事実。


2024/07/12

〇さて今日は3M短国なのだが

https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_auct/auct20240705.htm
国庫短期証券(第1243回)の発行予定額等

『1. 入札予定日 令和6年7月12日
2. 発行予定日 令和6年7月16日
3. 償還予定日 令和6年10月15日
4. 発行予定額 額面金額で5兆2,000億円程度
5. その他 上記の発行予定額を変更する場合には、入札日の前日に再度公表する予定です。』

9月会合が9/20なので結構跨ぐ(10月会合にはかすらない)という入札ちゃんではあるのですが、毎度おなじみの売買参考統計値様のお告げによりますと

https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html

国庫短期証券1241 2024/10/07:平均値単利 0.010
国庫短期証券1243 2024/10/15:平均値単利 0.015

ということで、新発WI一応階段はついていますけど、そもそも先週の1241が四半期明け一発目の短国で足切り1bp行かなかったというスカポンタン入札だった上に、火曜日の6Mも入札は3bp4bp水準でしたけど結局昨日の引けを見ますと

国庫短期証券1242 2025/01/10:平均値単利 0.020

とか入札時より金利下がった状態のまま安定しててしかも水準が利上げが何ぼのもんじゃい水準というどう見ても需給逼迫要因です本当にありがとうございましたという水準になっておられるのですが、はてさて今日の3Mはどうなるのやらというところです。まあ四半期末お家の事情的な特需はいったん沈静化しているようには思えるのですが・・・・・・・・


2024/07/11

〇国債市場参加者会合バイサイドの巻&市場局資料の文字化け問題が解決していました報告

・・・・の前に
https://www.boj.or.jp/paym/bond/mbond_list/mbond240709.pdf
「債券市場参加者会合」(第20回)金融市場局説明資料[PDF 706KB]

こちらなんですけど、昨日の朝「変なエディタでも使っているのかMS標準のテキストはおろかワードエクセルでもコピペすると文字化けする」と悪態をついたわけですが、今朝見てみたら文字化け問題が解消してちゃんとMS標準でコピペができるような状態になっていました。

差し替え頂きまして多謝であります。


さて本件、またもBBGさんの記事ですが
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-07-10/SGE2HZT0G1KW00
日銀の国債買い入れ減額、生保など投資家の意見割れる−実務者会合
日向貴彦、田村康剛、伊藤純夫
2024年7月10日 14:18 JST 更新日時 2024年7月10日 19:54 JST

→生損保や資産運用会社など国内外25社が市場参加者会合に出席
→前日の銀行や証券との会合ではメガ中心に積極的な減額を求める意見

ええええええええ、なんでバイサイドの方がそうなるのよ、と思いましたが以下記事を拝読。

『日本銀行は10日、生命保険会社など機関投資家との債券市場参加者会合を開いた。会合では日銀の国債買い入れについて、過度な減額に反対するなどさまざまな意見が出たことが、関係者への取材で分かった。』(上記URL先より、以下同様)

『会合には生保のほか、損害保険会社や資産運用会社など国内外の25社が参加した。流動性への懸念から日銀に緩やかな減額を求める意見が出た一方で、買い入れ自体をやめるべきだとの声もあった。会合の参加者が匿名を条件に明らかにした。』

「流動性への懸念から日銀に緩やかな減額を求める意見」とはこれまた面妖なというか、そもそも論として特に5-10(これから長期国債先物受渡最割安銘柄になるものとか)って日銀の買入のやりすぎで流動性が無いんですから、買入の減額が遅かったら今後も流動性が回復しないんですけどナンジャソラという感じですが、まあゆうてこの記事自体も又聞きな訳ですのでどういう趣旨でそういう話になっているのかさっぱり分からんけどどうなんでしょうね。

てか、「大規模緩和の慎重な解除」ってやってて結局その解除が遅すぎたがゆえに欧米ってインフレが飛んでしまって引き締めをゴリゴリやらないといけなくなって、特に欧州はスタグフちっくになってきている、というのが眼前に進行していたのに、なんでもっと極端な金融緩和やってるのの解除をクソのように慎重にやろうって発想になるのかがわけわからん次第でして、日本の場合は物価こそ精々3%とは言えもともとがゼロコンマいくらのインフレだったので実質所得や個人消費に思いっきり効いてきているわけだし、さらに言えばインフレはスパークしてなくてもその代わりに為替市場の方で無慈悲な調整が発生している訳ですわな。

挙句に「流動性への懸念(ナンジャソラというのはさておいて)もあるということで日銀は今のハイパー緩和の修正がなかなかできない」という認識が内外に広まれば、株価は上がるかも知らんけど円安がますます止まらなくなって輸入インフレの業火で一般国民の生活は焼き尽くされて資産今持ってる人だけウハウハとかいう美しい日本の対極みたいな世界になりかねないんですが良いんですかねえそれで。


しかしまあ何ですな、

『前日の銀行との会合では、三菱UFJ銀行と三井住友銀行、みずほ銀行の3行のうち、1行が早い段階で大きく減額すべきだと発言。別の1行は最終的に月間1兆円への減額を主張し、もう1行は3兆円に減額すべきだと述べた。地銀からはより慎重な姿勢が示された。

また、証券会社などとの会合では、複数の社が8月に即時に3兆円に減額した上で1年間継続するよう要望したほか、1年をかけて徐々に3兆円に減らすことを求めた社も複数あった。日銀は具体的な減額計画を提示しなかった。』

って言う事で、具体策出さなかったそうですけど、じゃあ何のために会合やりましたのやら(アンケート出させて個別に各社にヒアリング掛けてその結果を(個社が分からない形で)公表すれば良くて、何も人を集めてやる必要ないですよね)という感じで、まあなんかこれは対外アピールのために市場の意見を参考にしました、すなわち「市場の要望を参考にしてこのような計画をしたんで金利急騰したら市場のせいです私らのせいじゃないですウソツキ市場が悪いんです」と市場に責任転嫁するための姑息な保身のためのセレモニーでございますかそうですかそうですか、ってなもんで、6月の総裁会見の時にニュースソクラの方と日経の方に相次いで指摘されたまんまじゃん、って感じになりましたな。まあ過大には期待してなかったけどなんだったんですかねえ・・・・・・・・



そう言えば昨日ネタにした参加者会合資料ですけどちょっと思ったのは、

https://www.boj.or.jp/paym/bond/mbond_list/mbond240709.pdf

『意見照会へのご回答(残存期間別の減額の進め方)』

『● 残存期間別の減額の進め方については、「短中期ゾーン中心に減額すべき」、「中長期ゾーンを優先すべき」、「10 年以下のゾーンを優先的に減額すべき」、「超長期ゾーンの減額を優先すべき」といったゾーン別の需給環境などを踏まえたご意見のほか、「市場中立的な買い方に見直していくべき」といったご意見を頂きました。』

って(文字化け問題が解消しているのでサクサクと入れられますな)話なんですが、意見色々とあって、個別個別で見るとどれもリーズナブルではあるのですけど、そもそも論として長期国債買入を何のために今後やっていくのか、というのを明確にすることから始まるのかな、と思います。

つまりですね、QQEの時には「MBを大きく拡大する、インフレ期待を引き上げる」ってので買っていたのですが、YCCの時には10年金利をピン止めする、という目的になっていた訳で、じゃあ今は何なんですかって言ったら、まあ「理念的には日銀の実質長期負債(発行銀行券+所要準備預金相当)見合いの長期資産まで落とすのが筋なんですが、そうはいってもこれまでアホみたいに買入をしていたので急にゼロにするわけにはいかない(ゼロにしろよと個人的には思うけどそれは別の話^^)のでスムージング」というのが正しい筈なんですが、その間にストック効果だの減額による長期金利の影響を見たいだのとかハトハトチキンが言い出すから話がややこしくなるわけです。

ということで、そもそも「何のために長期国債の買入を今後も継続するか」ってのが決まればそこからデザインする話ではないのかね、と思います。

でまあFED方式だといわゆる「マーケットニュートラル」になる方式、たしか国債の市中残存銘柄構成比率にできるだけ沿った形で買う、というのがあって、まあこの方法が市場中立的だから綺麗ちゃあ綺麗なのですが、この方式って日本の場合は取り扱いが微妙だと思うのですよね。

なぜかと申しますと、日本の場合は財政規律がガバガバになっている訳で、そのガバガバ財政の方がある日急に「将来のことを考えたら30年40年をバカスカ出すわ、どうせ日銀が買うんだし」みたいになった時にどうするの問題があって、市場中立に買おうとして財政マネタイズに加担することになりかねないわけですよガバガバ財政の下では。まあ普通の国ではそういうガバガバ事案は発生しないので特殊にもほどがあるのですが、その点ってのは気になりますなあと思います。

ってか昨日もこの市場局資料の意見に一言申し上げましたように「市場が買えないから日銀に買わせる」みたいな発想とか「金利が上がると困るから日銀に買わせる(これは長期金利ペッグ政策やってたら政策として押さえているのだからその行為の是非はさておいてまあ理にはかなっていたんだがおじいちゃん長期金利ペッグ政策はもう終わったのよ)」みたいな発想が涌いて出てくるあたり、どうみてもそんなの財政マネタイズだし、そういう状況だって認識がさらに広まれば円売りの格好の材料(というかまあすでに起きてるという説もなくはないが)になるわけでして、何でしょうかねえ結局のところ脳汁垂れ流しで財政垂れ流している緩和政策の弊害が歩いているような状況にこそ問題があるので、せめて市場からの規律付けをしていかないと、って思うんですけどね。


2024/07/10

〇6M短国結局入札のあとお強いようで交付税特会借入とのスプレッドがエライことになってるんですが

5年国のことはネタにしないのがアタクシクオリティなので勘弁してつかあさい

https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20240709.htm
国庫短期証券(第1242回)の入札結果

『本日実施した国庫短期証券(第1242回)の価格競争入札及び国債市場特別参加者・第T非価格競争入札について、下記のように募入の決定を行いました。



1.名称及び記号           国庫短期証券(第1242回)
2.発行根拠法律及びその条項
財政法(昭和22年法律第34号)第7条第1項、財政融資資金法(昭和26年法律第100号)第9条第1項並びに特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第83条第1項、第94条第2項、同条第4項、第95条第1項、第136条第1項及び第137条第1項

3.発行日          令和6年7月10日
4.償還期限        令和7年1月10日
5.価格競争入札について
(1)応募額          10兆3,641億2,000万円
(2)募入決定額        2兆8,121億8,000万円
(3)募入最低価格        99円97銭6厘
(募入最高利回り)        (0.0476%)
(4)募入最低価格における案分比率  31.3193%
(5)募入平均価格        99円98銭0厘
(募入平均利回り)        (0.0396%)』

昨日申し上げましたように売参でWIが急に5bpになってナンジャソラと思ったら足切りは4.76bpじゃんへーへーへーと思ったのですが、終わって売参ちゃんを見ますと

https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html

国庫短期証券1242 2025/01/10:平均値単利 0.020

ということで入札水準よりも断然強い水準に金利低下してやがってどんだけニーズあるんだよと思う次第であります。

・・・・・・でですな、昨日はお誂え向きに6Mの交付税特会借入の入札があったんですわ

https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/kariire/kari-result240709.htm
交付税及び譲与税配付金特別会計の一時借入金の入札結果

『本日、一時借入金の入札について、下記のように募入の決定を行いました。



1.借入根拠法律及びその条項
特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第15条第1項

2.借入日         令和6年7月18日
3.償還期限        令和7年1月16日
4.償還方法    令和7年1月16日に一括償還』

はい、さっきの短国6Mとスタートエンドがだいたい1週間ズレているって感じですね。ではその落札利回りはどうだったでしょうか。

『5.借入利率競争入札について  

(1)応募額         6兆4,055億円
(2)募入決定額       1兆2,990億円
(3)募入最高利率     0.230%
(4)募入最高利率における案分比率  8.9544%
(5)募入平均利率     0.205%』

>募入平均利率 0.205%
>募入平均利率 0.205%
>募入平均利率 0.205%

・・・・・・・・(;∀;)イイハナシダナー

ということでですね、いやまあモチのロンで国債と借入金だから違いますがなとかそういうもろもろの事情はあるにしても、同じテナーの政府相手の債権(誤字ではない)で、片や実質0.02%状態なのと片や0.205%ってさすがに酷くありませんかと小一時間問い詰めたい(こっちだって適格担保とかとしての使い勝手はそんなに悪くないはずなんだが)訳でして、まあ日銀当座預金のアホみたいな積み上がりと、金融諸規制(特に流動性規制などだと思いますが)の変化によって、そもそも世の中にはリスクフリーの短期資産のニーズがアホほど高まっていて、じゃあGCレポはどうよとなるとこれがまた参加者限定市場で参入障壁(システム対応)がめんどいというのがあって、短国に集中してしまわざるを得ないという市場の構造変化というのもあって、ってことなんでしょうけれどもさすがに同日にこれをやられると中々目立ちますな(って交付税特会借入とかマニアしか見ないから目立たないですかそうですかwww)



〇国債市場参加者会合

・アンケート?まとめが公表される親切設計だったのでちょっと鑑賞しようと思ったら変なエディタ使ってやがるorz

「債券市場参加者会合」(第20回)金融市場局説明資料[PDF 761KB]
https://www.boj.or.jp/paym/bond/mbond_list/mbond240709.pdf

ということですが、最初の方はどうでもよいのでPDF5枚目、本文4ページ以降のご意見が中々面白いというかカオスなのですが、今回のこの資料、何の風の吹き回しかいつも市場局が使っているエディターと違う物件になっているようで、資料の文字部分をコピペしようとするとマイクロソフトの標準装備(ちなみにワイは使っているソフトが古いこともあってプレーンテキストで書き物しているという変態でございます)のプレーンテキストはおろか、エクセルワードでも文字化けしやがるということをやらかしやがっておられます。

ちなみに前回以前の物はちゃんとプレーンテキストにも落とせるんで、明らかに今回だけ作った人間が別の編集ソフトしかもMS系じゃないもの使いやがったな、というお話なんですが、MSの変なフォント使う位ならまだしもMS標準装備でフォローされていない(一応ワイのこの書き物だって今日は最新とは言わないけど最近型のPCを使っているんですが)エディタを使うなと小一時間説教をしたい。

・・・・・・・ということでコメント手打ちしても良いんですがやってると時間を無駄に食うだけなので気が向いたら後日やっておきますわってなもんですorz


・でまあ意見紹介を見ると漸進的なのかと思いきや(BBG記事より)

ほうほうそうですかそうですか
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-07-09/SG5ABFT0AFB400
メガバンクと証券、国債購入の積極的な減額を主張−日銀の実務者会合
日向貴彦、船曳三郎、伊藤純夫
2024年7月9日 9:15 JST 更新日時 2024年7月9日 20:26 JST

→メガ1行が1兆円、複数の証券は即時に3兆円へ減額を要望−関係者
→今月末の決定会合で減額計画を公表、市場の意見は重要な判断材料に

あらそうなんですか、って感じでして、さっきの資料見ると「最終的にはゼロにすべき」から「4兆円程度」まで幅があるのですが、各数字に対して意見の数は出さないで1個づつ出したという形になっているので、見た感じ「あれーあんまり積極的じゃないのかなー」とうっかり思ってしまったのですが、なんだちゃんとおまいら正常化志向あるじゃん、と安心しました。

ということで以下BBG記事から。

『日本銀行が9日午後に開催した債券市場参加者会合では、メガバンク3行と複数の証券会社が、日銀に国債買い入れの積極的な減額を求めた。複数の関係者への取材で分かった。』(上記URL先より、以下同様)

ということで以下鑑賞。

『関係者によると、銀行との会合で、三菱UFJ銀行と三井住友銀行、みずほ銀行の3行のうち、1行が早い段階で大きく一気に減額すべきだと発言。別の1行は最終的に月間1兆円への減額を主張し、もう1行は3兆円に減額すべきだと述べた。地銀からはより慎重な姿勢が示されたという。メガ3行の広報担当者はいずれも、コメントを差し控えると回答した。』

前回金利のあった時代ってのが前にも申し上げましたが福井総裁の後期になりますが、この時の輪番が月に1.2兆円なのですからまあこの辺りは一つの目安になりますわな。

『証券会社などとの会合では、複数の社が8月に即時に3兆円に減額した上で1年間継続するよう要望したほか、1年をかけて徐々に3兆円に減らすことを求めた社も複数あったという。日銀は現在6兆円程度を毎月買い入れている。』

まあやっぱり1年間で半減は最低線ですよねーーーーーーーーーー

『日銀は6月に国債購入の減額方針を決定。市場の意見は30、31日の金融政策決定会合で決める「今後1−2年程度の具体的な減額計画」を議論する上で重要な材料となる。きょうの会合では減額の幅やペースに関する日銀の情報発信や参加者の意見が注目を集めていた。日銀は具体的な減額計画を提示しなかったが、参加者からは積極的な姿勢が示された形だ。』

ということでしばらく前に出てたベンダーのアンケート結果は何だったのかという話になるんだが、

『植田和男総裁は6月会合後の記者会見で、「減額する以上、 相応な規模になる」との見解を表明。ブルームバーグがその後実施したエコノミスト調査では、まず5兆円程度に減額し、半年ごとに段階的に縮小して、2年後に3兆円程度まで圧縮する姿が中心的な見方となった。それ以上の減額となれば、市場にインパクトを与える可能性がある。』

ってことなんだが2年間でやっと半減じゃ全然スピード感が無いでしょ、とアタクシ思いっきり思っていましたので、このBBG記事で報道されている内容がおおむね会合の状況を伝えているのであれば、結構なことだというか当たり前じゃろという話で、何とかストお前らこういうときに「日銀はどうせやる気がないだろうからたいして減らさん」みたいな頭で回答するんじゃねえよと思ったのですが、まあワイの考え方の方がオカシイという可能性も大いにあるので(自分で変態なのは認識しているから)、いったんだんまりモードだったのですが、この記事を見てワイの感覚そんなに市場の実務者の皆さんとズレてなかったんだと安心(??)しましたwwwwww


でまあ今日はバイサイド相手の会合で、バイサイドの場合はそもそも輪番もそうですけど、日銀当座預金先ではない場合には日銀当座預金付利のメリットもなかったりする人たちですので、輪番なんざあ普通に民業圧迫以外の何者でもないという方々である、とお見受けしますので、もう減らせ減らせの大合唱になるかなと思います(^^)。


・参加者会合の意見で気になったのがあったので(たぶんこれは意見の要約が舌足らずだと思うんですが・・・・)

さっきの
https://www.boj.or.jp/paym/bond/mbond_list/mbond240709.pdf

5ページのところ見てて気になったので老骨に鞭打って手打ち引用しますと、

『投資家の保有余力等を勘案すると、「量的・質的金融緩和」導入前の3兆円程度が一旦のめどとなるのではないか。』

『IRRBB上の制約等を踏まえると、国内銀行の債券購入ニーズは限定的と考えられ、4兆円程度までの減額が適当と考える。』(上記URL先PDF5枚目の図表4)

ってのがあって、別に晒し上げる意図で書くわけではない点はご理解いただきたいのですが、「投資家の買い余力がないから日銀の買入を続けるべき」ってのは節子それは財政ファイナンスや、って話であって、投資家が買えないほど国債を発行しているのであれば、国債発行の方が是正されるべきであって、そこを日銀がファイナンスし続けるのが適正、って話になっちゃうのは如何なものかと思うのですが、まあこのロジックって普通に債券市場の何とかスト方面からもカジュアルに出てくる理屈だったりするので、別にこの2つの意見を晒し上げしているわけではないのですが(大事なことなので2回繰り返しました)、まあこういうロジックになってしまうことが、黒田大規模金融緩和の残した大いなる弊害なんじゃないかなーって思いました(あくまでも個人の感想です)。

まあ財政インフレかド円安インフレが起きない限りにおいて、積みあがった国債の山はいずれ償還される話なので、もちろん弊害は弊害なのですが、それによって即死事案になるかというとそこは即死にはならんような気もするんですが、「民間が消化できないなら日銀に買わせればいいじゃないか」という発想がカジュアルに出てしまうようなマインドセットが醸成されてしまうようになった、というのはこれは使い方を間違えると財政ファイナンスからの即死事案になりかねない話に通じるわけでして、まさに黒田緩和が大規模長期化した置き土産(ゴミ)なのであります。

などといきなり申し上げましたけど、まあ実際には上記の回答された方々は別に「民間が買えないなら日銀が買えばいいじゃないか」という発想で言っているわけではなく、現実問題として足元の保有余力ってこんなもんだからそのくらいまでは減らせるけどその先はいろいろと大変なんじゃないか、って感じの意見をだしていたんだと思うんで、あくまでも晒し上げではない点、三度目ですが申し上げます。

・・・・まあつまりこれは意見を掲載するにあたって誤解を招きやすい端折り方をしているんだと思うので、もうちょっと意見をまとめるときにモノを考えて纏めろと苦言を呈しておきますけど事務方に。

今は誰もそういう点をネタにしないから良いようなもんですが、「日本の国債は日銀の買入が無いとサステイナブルじゃないと当の市場参加者が言っている」って誤読されかねないまとめをしてそれが信認問題に繋がったら危ないだろ、と結構これは深刻な問題なのでちゃんと意識して要約をしていただきたいわけですな、うんうん。


2024/07/09

〇6M入札ですな本日は

と思って財務省のHP行ったんだが個人向け国債の宣伝が桜井日奈子さんじゃなくなってるじゃんというしょうもない事に気が付きました。いつから変わったんだ毎日のように財務省HP行ってるのにこれは不覚。

https://www.mof.go.jp/jgbs/individual/kojinmuke/index.html
個人向け国債窓口トップページ


・・・・ってのは余談で6M

https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_auct/auct20240702.htm
国庫短期証券(第1242回)の発行予定額等

『1. 入札予定日   令和6年7月9日
2. 発行予定日   令和6年7月10日
3. 償還予定日   令和7年1月10日
4. 発行予定額  額面金額で3兆7,000億円程度
5. その他  上記の発行予定額を変更する場合には、入札日の前日に再度公表する予定です。』

とまあそういうことで遂に1月償還ですよ1月償還。

いつもの売参
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html

昨日の新発WIの引けが
国庫短期証券1242 2025/01/10:平均値単利 0.050

になっていまして、金曜の時点では2.5bpだったんですが、昨日になったらその辺の銘柄(10/21償還から6MのWIまで)まとめて引けを5bpに金利上昇させていまして、いやまあ1月償還で2.5bpってのもさすがに何ぼなんでもちょっとそれはという感じなので(って5bpでも大概なんだが)すが。入札がどうなるのかははまるで分らんので結果出てから考えます(思考停止ジジイ)。


2024/07/08

〇3M短国は10月償還もものともせずに1bp割れで入札とか相変わらずである

金曜の3M
https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20240705.htm
国庫短期証券(第1241回)の入札結果

『本日実施した国庫短期証券(第1241回)の価格競争入札及び国債市場特別参加者・第T非価格競争入札について、下記のように募入の決定を行いました。



1.名称及び記号    国庫短期証券(第1241回)
2.発行根拠法律及びその条項
財政法(昭和22年法律第34号)第7条第1項、財政融資資金法(昭和26年法律第100号)第9条第1項並びに特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第83条第1項、第94条第2項、同条第4項、第95条第1項、第136条第1項及び第137条第1項

3.発行日    令和6年7月8日
4.償還期限   令和6年10月7日
5.価格競争入札について
(1)応募額       13兆7,058億3,000万円
(2)募入決定額      3兆9,515億7,000万円
(3)募入最低価格     99円99銭8厘0毛
(募入最高利回り)     (0.0080%)
(4)募入最低価格における案分比率     77.9074%
(5)募入平均価格     99円99銭9厘2毛
(募入平均利回り)    (0.0032%)』

平均0.32bpで足切りが0.80bpってあーたそれマイナス金利解除後の4月(解除直後の入札は期末要因もあってマイナス平均100円足切りでしたが4/3の3Mは平均0.46bpで足切り1.34bp)頭よりも低いじゃんという利回りになっておりまして、相変わらず短国アウトライトのみ全然短期金利見通しを反映していないという代物になっておりまして、まあこれ一応短期政策金利が「0-10bp」なので政策金利の範囲内なので良いちゃあ良いのかもしれませんが、市場機能が戻ってねえわという悲しい状態は続くのでした。

一応売参ちゃんを見ますと
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html

国庫短期証券1241 2024/10/07:平均値単利 0.010

となっているので入札レベルよりも甘くはなっていますが、まあ結局それでも1bpということでなんのこっちゃという利回りになっておりますな、7月会合どころか9月会合も思いっきり跨いでいるんですがそれはという足にだんだんなってきているんですけどもうなんだかね。


2024/07/05

〇本日は3M入札でとうとう10月頭の足の銘柄が出てくるんですけど

https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_auct/auct20240628.htm
国庫短期証券(第1241回)の発行予定額等

『1. 入札予定日 令和6年7月5日
2. 発行予定日 令和6年7月8日
3. 償還予定日 令和6年10月7日
4. 発行予定額 額面金額で5兆2,000億円程度
5. その他 上記の発行予定額を変更する場合には、入札日の前日に再度公表する予定です。』

ということで3Mなのですが、無慈悲にもこの短い短国激強の世の中ではあるのですが、発行予定額が今回から5.5兆円→5.2兆円に減額の刑と相成りまして、まあそこで劇的に変わるかというとなんかそういうレベルではない気もするのでそれはさておきまして、

https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html
売買参考統計値の昨日の引値

国庫短期証券1240 2024/09/30 :平均値単利 0.010
国庫短期証券1241 2024/10/07 :平均値単利 0.020

とまあ相も変わらず利上げが何ぼのもんじゃい(というか日銀当座預金金利とこんなに差がついてるの恒常化ってどういう事やとも思いますがそれはさておき)というレートなのですが、もっとアイヤーなのは実は一昨日の引値は、

国庫短期証券1240 2024/09/30:平均値単利 0.019
国庫短期証券1241 2024/10/07:平均値単利 0.025

となっておりまして、入札を前に新発WIは5糸、既発のカレントは約1毛(ちなみに全部引用してると長くなるから割愛しますが、昨日の売参は9月償還までの全銘柄がおおむね1毛強にされています)強くされておられるとかいう中々な状態でして、さてこれで10月償還の短国ちゃんの入札って何ぼの水準になるんでしょう、というお話ですが、期中のコールレートから考えてもクッソ低い水準で、まあ日銀の政策がわけわからんから短国がオーバーツーリズム状態とかいう要因もあるんでしょうけれども、ここ数日の中短期債の値の戻り方からして、やっぱり日銀の国債買入過多によって中期以下の国債って隙あらば需給がクッソタイトになりやすい、すなわち買入をがっつり減らせやヴォケという話に強引に帰着させるのでありました。


2024/07/03

〇7月会合まで持つのかよこれという円安だし円安見て金利上昇だし

一応メモ
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/VTSMIDKHQZISZCNDFCHI76DHHA-2024-07-02/
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は続落、長期金利1.085% 10年債入札後も地合い改善せず
By ロイター編集
2024年7月2日午後 3:35 GMT+9

『[東京 2日 ロイター] - <15:21> 国債先物は続落、長期金利1.085% 10年債入札後も地合い改善せず

国債先物中心限月9月限は、前営業日比23銭安の142円42銭と続落して取引を終えた。新発10年国債利回り(長期金利)は同2.5bp上昇の1.085%。米金利上昇や日銀の政策修正観測を背景に終日軟調に推移した。10年債入札はややしっかりの結果と受け止められたものの、地合いは改善しなかった。』(上記URL先より、以下同様)

10年国債入札って足切りがベンダー集計の予想よりも2銭くらい上で切れてて、まあそもそも先物ちゃんも後場寄りのところで前場引けからギャップアップして始まっていたんですけど、

『10年債の入札結果はややしっかりと受け止められた。結果を受けて国債先物は下げ幅を縮小するの場面があったものの、その後再び軟調に推移。新発10年債利回りも一時1.07%まで低下した後、引けにかけてはじりじりと売られた。』

でまあ結局

『TRADEWEB
     OFFER  BID   前日比 時間
2年    0.353 0.362    0.007 15:15
5年    0.598 0.606    0.01 15:15
10年   1.078 1.086    0.025 15:16
20年   1.914 1.924    0.029 15:17
30年   2.249 2.26     0.014 15:18
40年   2.382 2.393    0.01  15:15』

となっている訳ですが、まあ円安が効いてるというか、この調子で日銀が「想定通り」程度の国債買入減額だけやって短期政策金利に関しては知らんがなだったりした日には一段の円安になってしまうんじゃないのということで、結構派手めに政策修正に向けた強いものを出すしかないって感じなのか、単純に日銀の出方が読めないから様子見地蔵のひとだらけなのかがよく分からんでございます。

まあアレですよ。日銀もここまであっという間に追い込まれていくっていう展開を想定していなかったと思うのですが、3月のマイナス解除前の「マイナス金利解除しても緩和状態」の宣伝はマイナス金利解除後の動きに自信がなかったからある程度しょうがなかった面もあるかもしれませんが、結局3月解除の後の市場(為替も含めて)の反応を見たら、4月に「6兆円の強調」をしたのが完全に悪手でして、まあ3月のもあそこまでビビる必要なかったと思いますが、とにかくあのセットと、植田総裁の「隙あらばハトハト発言」によってこんなになっている訳ですな。

まあここらで昨年5月の内外情勢調査会で言ってた植田さんの「逆方向の、政策転換が遅れて2%を超える物価上昇率が持続してしまうリスクもありますが、こうした2%の定着を十分に見極めるまで基調的なインフレ率の上昇を「待つことのコスト」は、前者に比べれば大きくないと思われます。」と言ってた寝言に関する評価、特に円安進行という飛んでもないコストに関してちょっと植田説明してみろや円安はプラスとでも言いたいのかこのヴォケとは思う訳ですな、ナムナム。

てかさ、そもそも論として中曽さんでも雨宮さんでもない黒田緩和と関係なかった人が総裁になったことの意味は何だったのかという話になるのですが、なにせこの前の金研国際コンファランスでこの総裁、

https://www.boj.or.jp/about/press/koen_2024/ko240527a.htm
日本銀行金融研究所主催2024年国際コンファランスにおける開会挨拶の邦訳

『日本銀行は、最終的には2013年1月に、2%の物価安定の目標を導入しました。後知恵になってしまいますが、仮に明確なインフレ目標値が導入されていれば、例えば、2000年8月のゼロ金利政策解除に至るまでの議論の様相は、実際とは異なったものになったかもしれません。』

『日本銀行は、2001年3月の量的緩和政策の開始に伴い、以前よりも多くの額の長期国債を購入し始めたものの、図表3が示すように、その保有残高は、2013年に入るまでは、顕著に増えてはいませんでした。』

『すなわち、2013年に導入された新たな金融緩和の枠組みや、顕在化し始めた人手不足の影響を受けて、まず、賃金が小幅ながらも上昇し始め、その後、昨年から今年にかけては、恐らくは、近年の世界的なインフレと金融緩和の枠組みが維持されたことの影響から、急速に上昇していきました3。』

(以上の部分は直上URL先2024年5月27日金研国際コンファランスでの植田総裁挨拶の邦訳より)

ってことで、思いっきり「黒田緩和は効果があった」という立脚点からスタートしていて、むしろその前の速水福井白川時代はなんもやってなかったに等しい、と黒田前の歴代日銀をコケにしている訳で、まあその立場でいる以上、この人が座敷牢に放り込まれるか脳味噌取り換えるかしない限りにおいて、金融政策の正常化に舵を切らんわなという話になりそうではありまして、円安物価高批判でシバき倒されて行かないと無理なんじゃねとは思うのでした。


2024/07/01

〇3M短国はやっと金利低下止まっているので四半期明けの動向はどうっすか(メモだけ)

https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20240628.htm
国庫短期証券(第1240回)の入札結果

『本日実施した国庫短期証券(第1240回)の価格競争入札及び国債市場特別参加者・第T非価格競争入札について、下記のように募入の決定を行いました。



1.名称及び記号  国庫短期証券(第1240回)
2.発行根拠法律及びその条項
財政法(昭和22年法律第34号)第7条第1項、財政融資資金法(昭和26年法律第100号)第9条第1項並びに特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第83条第1項、第94条第2項、同条第4項、第95条第1項、第136条第1項及び第137条第1項

3.発行日    令和6年7月1日
4.償還期限   令和6年9月30日
5.価格競争入札について
(1)応募額          14兆6,845億円
(2)募入決定額     4兆1,795億5,000万円
(3)募入最低価格    99円99銭5厘0毛
(募入最高利回り)     (0.0200%)
(4)募入最低価格における案分比率     96.7946%
(5)募入平均価格    99円99銭6厘0毛
(募入平均利回り)     (0.0160%)』

いやーここもと続いた3M短国の入札のたびに金利低下とかいうとんでもないのが一段落。

・・・・・とは言いましてもまあ水準は相変わらずの水準ですし、そもそも論として「日銀の出方がさっぱりわからんから金利リスク取りたくないでござる」というトレンドが変わっているわけでもないと思うので、結局金利リスク回避の避難小屋に駆け込んでくる状況がそう簡単に変わるわけではないと思うのですが、長期金利とかいう大都会から短国集落にドカドカと皆様やってくると集落の人がオーバーツーリズムでエライことになるんでとっととお帰り頂きたいのですが、お帰り頂くには日銀ェ・・・・・・・


〇輪番とかオペ紙とか

そういや金曜は四半期末なのに輪番やりやがりましたが(時々やるのですが勘弁してほしい)

https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of240628.htm
国債買入(残存期間3年超5年以下)     4,250  2024年7月1日
国債買入(残存期間10年超25年以下)   1,500  2024年7月1日
国債買入(残存期間25年超)          750   2024年7月1日
国債買入(物価連動債)              600  2024年7月1日

ということで予想通りに同額、と思ったらオペ紙の方も、

https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2024/mpr240628c.pdf
長期国債買入れ(利回り・価格入札方式)の予定(2024年7月)

めんどいから詳細割愛しますが同額でしたな。まあ5.13事件で懲りたと思われるのと、そもそもこれから市場参加者と会合やって相談する、という建付けになっている以上、その前にいきなり裁量の範囲内ですからとか言って減額したら、今度の会合が完全に茶番になってしまって、会合で日銀が詰められるだけですからまあしゃーない。