相場見通しのつもりだが・・・たぶん後講釈(2024年04月〜2024年06月)

こちらはあまり当らない相場見通しやら相場後講釈やらを書いております。そもそも相場ちゃんが動かなくなったうえ、最近はすっかり板に張り付いていませんのでそんなに詳しくは無いのですが、微妙に芸風は広げて色々と見たり見なかったり。まあどっちにしても板に張り付いている訳ではないのでピンボケになる場合もありそうです。その節はご指摘を。

PCを最近型のにしましてログの整理もサクサクできるようになったので徐々に追いついていきます。直近分を追加しながら徐々に遡及していきますね(滝汗)

過去の後講釈ページへのインデックスはこちらです

2024年度上期前半見出し一覧

2024/06/28「円160円台後半で金利上昇して決定会合までどうやって間を持たせるのやら/3M入札ありますね」
2024/06/27「円安進行して160円台80銭レベル」
2024/06/25「3Mの引け利回りが謎に上昇/7月輪番は流石に同額でしたね」
2024/06/24「新発3Mがマイナスに/ドル円160円接近で主な意見と輪番で牽制してくるか?/市場参加者会合開催へ」


2024/06/28

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB261VO0W4A420C2000000/
円37年半ぶり安値、沈む日本の購買力 牛肉も「買い負け」
グローバルマーケット
2024年6月28日 5:00 [会員限定記事]

なんちゅうか日経も円安大絶賛してたんだから自己批判してその辺の過去をちゃんと総括してからこういうの書けよなとは思いますけどねえ。


〇この調子で7月会合までどうやって間を持たせるんでしょ・・・・・・・(円安で金利上昇)

あーあーあーあー
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/HAMRIVXPRJNU7LPRVWYL2TEJNM-2024-06-27/
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は大幅続落、円安が相場圧迫 長期金利は1カ月ぶり1.08%
By ロイター編集
2024年6月27日午後 3:28 GMT+9

ということでご案内の通りの相場ちゃんになってしまった訳ですが、

『[東京 27日 ロイター] - <15:11> 国債先物は大幅続落、円安が相場圧迫 長期金利は1カ月ぶり1.08%

国債先物中心限月9月限は、前営業日比56銭安の142円68銭と6営業日続落して取引を終えた。外為市場で38年ぶりのドル高円安となったことが相場を圧迫した。新発10年国債利回り(長期金利)は同5.0ベーシスポイント(bp)上昇の1.070%。一時、5月30日以来1カ月ぶり高水準の1.080%をつける場面もあった。きょうの国債先物は、海外取引時間の外為市場でドル円が106円後半(原文ママ:「後日160円台後半」に訂正)と38年ぶりの円安に進行したことが逆風となり、朝から売り優勢の軟調な展開が続いた。』(上記URL先より、以下同様)

となってしまいまして、だいたい円安のせいだとは思うのですが、輪番減額に関して6月にバシッと決めておいて、何なら7月は利上げですよってやっておけば債券の方はいったん様子見をする意味もだいぶなくなってくるので、金利があがりゃあ買いも入ったんでしょうけれども、輪番減額規模が幾らになるか分からん上に、利上げもどうせやるにしたっていつやるのか分からん、となると、金利上昇していたから買いましたとか言っても、その後に「なんで輪番減額規模公表前に買ったんだこのヘタクソ」と偉い人から言われると目も当てられないという毎度おなじみのアレがあるわけでして、そら買いが中々入りませんわということになりますな、ナンマイダナンマイダ。

でまあ円安になってくると「円安阻止のためには頑張った輪番減額が入らないと」という期待だけはアホみたいに高まってしまうので、7月会合で相当のことをしないといけなくなってしまいまして、結果また失望となって、債券の方はそれで戻るんですけど円安にかっ飛んで、いったん戻った債券も円安見て売られなおし(ただ7月会合は次まで1か月半あるから急に来るのかどうかは知らん)とかになるわけですな、ダメじゃん。


ということですが、どうもマイナス金利解除(前の「緩和的な政策が続く」アピールからコミュニケーションがボロボロになってきた)からここもとまでのコミュニケーションを見ていますと日銀なんかやると碌なことにならないので、まあ情報発信しないままで済むならその方がまだマシな気がしますが、為替からシバかれてしまうので厳しいですよね。

記念に。

『TRADEWEB
     OFFER  BID    前日比 時間
2年    0.339  0.351   0.042  15:15
5年    0.592  0.601   0.047  15:15
10年   1.068  1.074   0.051  15:10
20年    1.9  1.909   0.034  15:12
30年   2.267  2.277   0.042  15:15
40年   2.414  2.425   0.05  15:15』

見事に全体的に売り込まれてしまっていて、しかも昨日って2年入札は普通に堅調な結果になっていたのにこれですよというお話でこれはなかなか厳しいことになっていますな日銀ちゃん。


〇今日は3M新発とオペ紙が出てくるのですな

今日の新発3M
https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_auct/auct20240621.htm
国庫短期証券(第1240回)の発行予定額等

『1. 入札予定日 令和6年6月28日
2. 発行予定日 令和6年7月1日
3. 償還予定日 令和6年9月30日
4. 発行予定額 額面金額で5兆5,000億円程度』

一昔前の普通ですとこの銘柄って期末エンドになるので使いにくいからと言って弱めになることが多かったのですが、マイナス金利政策の間に世の中は変わってしまっていて短国市場の新秩序がどうなっているのかよく分からんところではありますが。

売買参考統計値を見ると1240回WIって

国庫短期証券1240 2024/09/30 :平均値単利 0.030

とはなっているのですが、昨日の売参では1239回が

国庫短期証券1239 2024/09/24:平均値単利 0.025

になっていて、これ一昨日の引けのところで0.030%から0.025%にしらっと金利が低下になっていまして、なんかWIの3bpホンマカイナという感じがだいぶするわけですが、何せずーっと茲許ニーズを集めて7月利上げどころか9月利上げも何ぼのもんじゃいという価格になりそうな勢いのこの新発、実際にどのくらいの水準で決まるのかが注目の材料(ただし一部のマニアのみ)になりそうですな。

まあ何となくなんですけど、昨日の円債の下げっぷりとか見ていると、この下げって別に投機筋の売りチャレンジとかじゃなくて、様子見地蔵の中で誰かが金利リスクを落としにいくと無抵抗主義相場で下がってしまう、という感じになっているように見えるので、そうやって投資家のリスク回避ベースで金利上昇相場になっているのであれば、退避資金の避難小屋としての機能は新発3Mなんて打ってつけになってしまいますので、この入札が馬鹿強だったら長期債方面におけるリスク回避の動きが依然として強い事のバロメーターになるかなと思います、知らんけど。



・さて今日はオペ紙しかも四半期予定ですね

ってことですが、どうせ7月の会合で輪番減額計画を出すんですから、今日出すのは「7月の買入予定」で良いんじゃないですかね。そもそも四半期ベースで出すか単月ベースで出すかは金融市場局の一存で決めれるんだし。

これうっかり四半期ベースで出すとまた「7月末に減額計画をだしてもすぐに減額しないかもしれない、つまり日銀に正常化やる気無し」という認定をされてしまう(と円債の方はもしかしたら戻るかもしれないけど)円安ニキもニッコリの展開にならんかな、というのは変な考えすぎですかそうですか。

しかしまあ何ですな、ついこの前までは「7月輪番減額の先駆けとして6月末のオペ紙では輪番減額あるのかも」とは言われていましたが、足元金利が上昇してしまっているので、ここでオペ紙減額はやらないでしょう。いやまあ減額して為替が円高に振れるなら減額するかもしれませんが、今日の場合はオペ紙で減額しても金利上昇だけして出しただけ損ってことになるかと思いますがどうでしょうかね。


#ま、あとは「講演予定とか増えないのかねえ」ですよね、あとは国債市場参加者会合でなんかが出てくるのかどうか・・・・・・・・


2024/06/27

あらま夕方から夜のうちに・・・・・・・・・・・・

〇円安キタコレ160円台後半ですかそうですか

160円行っちゃいましたとか言ってたら途中から加速するする。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-06-26/SCQVX5T0G1KW00
円は対ドルで一時160円80銭台、神田財務官の発言後−対ユーロ最安値
酒井大輔、鈴木克依、Naomi Tajitsu、Masaki Kondo、宮井伸明
2024年6月26日 18:36 JST 更新日時 2024年6月27日 1:37 JST

→対ドル1990年安値も下回る、介入後の上げを約2カ月で解消
→当局は165円まで介入待つ可能性−ウェルズ・ファーゴ

『ニューヨーク時間26日の外国為替市場で円相場は対ドルで一時1ドル=160円80銭台まで下落。1986年以来の安値に沈んだ。円安・ドル高の進行を受けて、神田真人財務官が市場をけん制したが、発言後も円売りに歯止めがかからなかった。通貨当局による円買い介入再開への警戒感が高まっている。円は対ユーロでも下げ幅を広げ、過去最安値を更新した。』(上記URL先より、以下同様)

ということでなんか人様がぐうすか寝ている(老いぼれジジイなので夜が早いですサーセン)間にエライことになっているじゃないですかやだー(棒読み)

『神田氏の発言を受けて円相場は一時160円台前半まで下げ幅を縮める場面もあったが、すぐに再び円売りが優勢になった。』

ってのが中々ヤベー奴でして、今週の頭だったかに大明神が介入24時間スタンバイとかいうブラック職場にも程がある発言をした時には敬意を表してその後160円寸止めのところで押し戻すの連続だったのですが、大明神パワー2日くらいしかもたんかったんかいと。

『ウェルズ・ファーゴのマクロストラテジスト、エリック・ネルソン氏(ロンドン在勤)は「ここ数日の日本の財務省当局者から発せられる言葉遣いは、懸念が増していることを示唆している」と指摘。ただし、介入には165円かそれを下回る水準まで円が下落するのを当局は待つ可能性があると述べた。』

『ブラウン・ブラザーズ・ハリマン(BBH)の市場戦略担当グローバル責任者、ウィン・シン氏は「160円を超える円安・ドル高水準で無秩序な動きが出てくれば、変動をならすために日本の通貨当局が介入するかもしれない」とした上で、日銀が一段とタカ派に傾くまで円は売られやすい地合いが続くとの見方を示した。』

ほうほうなるほど、というところですが、まあ何のかんの言いまして日銀が金融政策の修正に関して、3月の時点ではよーやったというところだったのですが、その後現場の裁量と需給動向で減らせるはずだった輪番は減らさんわ、挙句に「緩和的な環境が継続」の方が強調されるわとなって、さらに4月会合での植田総裁不規則発言と来ている訳ですし、6月会合主な意見だって全然緩和修正に対する前のめり姿勢が見られない、という有様だし、輪番減額だってそんなもん日銀がバシッと決めればいいものを「市場参加者の意見を聞く」とか言い出して市場に責任転嫁しようとしている時点で「日銀の意思で勇気を奮って緩和修正を進める」気がサラサラ無いのが見え見え。

とまあそんな日銀ちゃんを控えておりますとそら円売り仕掛けしたくなりますわという話ですが、これ1日2円とか動くと介入入れやすいけど、じりじり進行→ブレイクした時だけちょっと勢いつくけどすぐに落ち着くの繰り返しだと介入する大義名分も難しいですし、そもそもイエレンから介入するなら利上げしろと言わんばかりの扱いをうけておりますので、結局日銀が緩和修正にもっと積極的なところを見せないとどこまでも行こう〜♪の円安ってなるんですかねえ知らんけど。


しかしまあこれですもんね。今朝お早い時間ですと、

https://jp.reuters.com/markets/bonds/

米国債10年 利回り
US10YT=XX +4.310 +0.072

米ドル/日本円 160.7800 +0.71%

アメリカン金利まだ4.3%だというのにこの惨状でして、これで米国の経済統計が強いと物凄く面白いことになるんですが・・・・・・・・・・・・・・


2024/06/25

〇3M短国の引けが突然上昇している謎事案について

まあ謎事案だから謎なんですけど何なんですかこれ。
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html

こちらの本日付け(=昨日の引け)の短国を見ますと、

国庫短期証券1237 2024/09/17:平均値単利 0.030
国庫短期証券1239 2024/09/24:平均値単利 0.030

っていうことで、金曜日に平均落札価格が100円オーバー(つまりマイナス利回り)になったカレントの1239とその1個手前のこれまたお強くて100円が金曜日の引けになっていた1237回3Mがなぜか3bpとかいう威勢の良い金利上昇を示しています。

でまあ一々引用すると大変なことになるからアレですが、前日軒並み0.1bp水準だった9月までの償還の短国の引け(平均値単利)が軒並み全銘柄3bpまで上昇しておりまして、いやなんなのこれという話であります。

これが四半期末の特殊需給要因の剥落が起きたからとか言って7月に発生しているんなら話はまだ分からんでもないのですが、なんで今週頭に発生するのか、というのがマジで分からん誰かしってたら教えてと言いたいが、そもそも短期市場ってこういうところは良くも悪くも謎市場なのでなんなんでしょうねえと首を傾げながら引値を眺める昨日の夕方なのでした、いやマジでなんなんこれ。

まあ東京レポレートとか見てるとGCは高止まりで、短国アウトライトだけ変なことになっているから修正される、というのはそらまあそうなんですけど、タイミングがこの時期なのが謎(しつこい)ですわ、はい。


〇そういや輪番減額しませんでしたね

オファー (6月24日<月>)
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of240624.htm
国債買入(残存期間1年超3年以下)    3,750  2024年6月25日
国債買入(残存期間3年超5年以下)    4,250  2024年6月25日
国債買入(残存期間5年超10年以下)   4,250  2024年6月25日

昨日アタクシ「実はアタクシは輪番減額無しの方に100インドネシアルピア(一切自信がない)ということにしておきます。」などとチキンにもほどがある両建てをしましたが、ちゃんと同額で実施したじゃんそらそうよ(急に勢いづく人w)、と思いました。

まあメモだけです。神田大明神発言効果だったのか、そもそも輪番を無視していた(どうせ今後減らされる話の方が大きな話だから足元の話はどうでもよいというロジックでしょうね)のか、その辺はわかりませんけれども、ドル円が反応してなくて良かったですねという風情でした。


2024/06/24

ほうほうそうですかそうですか
https://jp.reuters.com/markets/bonds/

米国債10年 利回り
US10YT=XX +4.257 +0.003

米ドル/日本円
159.8000 +0.01%


〇短国3Mが平均マイナス金利ェ・・・・・・・・・

金曜の短国入札ですがまあやっちまいましたな

https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20240621.htm
国庫短期証券(第1239回)の入札結果

『1.名称及び記号     国庫短期証券(第1239回)
2.発行根拠法律及びその条項
財政法(昭和22年法律第34号)第7条第1項、財政融資資金法(昭和26年法律第100号)第9条第1項並びに特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第83条第1項、第94条第2項、同条第4項、第95条第1項、第136条第1項及び第137条第1項

3.発行日         令和6年6月24日
4.償還期限       令和6年9月24日
5.価格競争入札について
(1)応募額          13兆1,376億円
(2)募入決定額      4兆1,796億5,000万円
(3)募入最低価格     99円99銭8厘5毛
(募入最高利回り)     (0.0059%)
(4)募入最低価格における案分比率    16.9607%
(5)募入平均価格     100円00銭0厘9毛
(募入平均利回り)    (-0.0035%)』

>(募入平均利回り)(-0.0035%)
>(募入平均利回り)(-0.0035%)
>(募入平均利回り)(-0.0035%)

・・・・アイヤー!!!!!

ということで平均が明確に100円よりも(入札の応札刻みベースで)2ノッチ近く高いので、これはもう全力で100円とかそれ以上の札が入りました、ってことでありまして、いやーそれ短期のコールだの日銀当座預金付利金利だの考えたらとんでもないレートなんですけど、まあ「国債」というものへのニーズなんだからしょうがない。

まあこれ約定ベースの期内だと今週金曜入札で7/1発行の1240回(オシャンティーなことに1240は償還が9月30日という半年期末タイミングになります)があるので、実はこの入札がピークじゃない可能性もあるというのがオソロシス。

売参を見ますと
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html

国庫短期証券1237 2024/09/17:平均値単利 0.000
国庫短期証券1239 2024/09/24:平均値単利 0.001

となっていて、先々週金曜に入札のあった1237の方がゼロ利回りになっていて新発の方は0.1bpとなっておりますが、1240WIも0.1bpだし、何なら3か月以内全部0.1bpになっています。まあこれ引値がこうなっていますが、入札が売参よりも強く決まっているということは、まあ要するに需要が強いんですから、入札結果に見えるように世の中で実際に買うときは100円で買わせてくれるかどうか怪しいんじゃないですかね、知らんけど。


まあゆうてGCの方はこの2週間でこんな推移なので(珍しくやる気出して上に凡例入れてみた)

https://www.jsda.or.jp/shiryoshitsu/toukei/trr/index.html
東京レポ・レート

         翌日物
        T+0  T+1  1W   2W  3W  1M   3M
2024/6/10 0.080 0.043 0.051 0.052 0.052 0.051 0.087
2024/6/11 0.088 0.044 0.051 0.051 0.051 0.052 0.087
2024/6/12 0.077 0.047 0.052 0.052 0.051 0.052 0.087
2024/6/13 0.011 0.030 0.048 0.049 0.050 0.048 0.086
2024/6/14 0.037 0.032 0.043 0.043 0.044 0.041 0.086
2024/6/17 0.073 0.056 0.049 0.044 0.046 0.044 0.085
2024/6/18 0.072 0.045 0.045 0.044 0.045 0.042 0.083
2024/6/19 0.041 0.058 0.046 0.042 0.044 0.044 0.084
2024/6/20 0.068 0.076 0.049 0.044 0.046 0.050 0.083
2024/6/21 0.084 0.086 0.051 0.050 0.051 0.051 0.084

短国持ってる人がGC出して日銀当座預金置くと短国の低利回り回収できますってことなんですかね、4月の時みたいにGCまでクソ下がるという訳ではないのですし、だいたいからしてタームの金利ってなんだかんだそんなに低いわけでもない(まあ1M以下の水準これでいいのかとは思うけど一応7月決定会合を跨がないし)という感じですが、ゆうて短国利回り低下の方は今回の方が凶悪ということで、まあ4月決定会合の前の時点では利上げとかは早くて6月7月の話って感じでしたのでターム金利が上昇する感じがなかったですけど、今回は見事に短国というモノへのニーズで短国アウトライトがおかしなことになっておられる次第。

まあこれは日銀のコミュニケーションがクソおぶクソで、利上げに関しても輪番減額に関しても説明が全然論理的じゃないので、こっちとしては論理的にデータを見て日銀の次のアクション及びその時期を想定して価格形成をする、という市場が当たり前にもっている機能が果たせないわけですよ。なんせ政策反応関数が「お気持ち」と「官邸に呼び出し食らって怒られるか否か」じゃあそんなん分からんがなということで、そらまあ何が飛んでくるかわからんから落とせるリスクは落とすし、所詮3Mなんで極端な話25bp食らったって年間25銭の4分の1ですから、10年債1毛投げる寄りもやられが小さいわけで、そら様子見地蔵には絶好(キャリー負けの問題があるけどいったんさておく)ですからぬー。

とまあそんなわけで、短国市場がオーバーツーリズム状態になっておりまして、地元住民(短国を純粋に短期資金運用で考える住民)は外出もままならぬ(むしろ外出したら命にかかわるwww)という風情ですが、ツーリスト帰るのって日銀の政策がロジカルに読めて、先の政策を織り込んだ価格形成を債券市場がするまで、と思うと頭痛い(ワンチャン6月末抜けたら少し違うかもだが)。


〇本日は輪番と主な意見で円安牽制ができるかもしれませんけどさてどうする(ニヤニヤ)

・さあ今日は輪番ですけどドル円が160円に乗りそうですねえ(ワクワク)

ワクチン2回目でワクワク(自主規制)とかいう駄洒落で心がほっこりした時代がありましたな・・・・・

という懐古厨はさておきまして、今日は輪番が予定されているんですよねーお誂え向きに。

(再掲)
https://jp.reuters.com/markets/bonds/

米国債10年 利回り
US10YT=XX +4.257 +0.003

米ドル/日本円
159.8000 +0.01%

ってことで、アメリカン長期金利が4.3%も行ってないのにこの水準ってことで、つまりは決定会合当日に関しては突然のフランスネタでのリスクオフとかあったのでごまかされてしまいましたが、やっぱり6月会合で「次回決定会合という1か月半後に輪番減額やりますけれども短期金利の引き上げはどうでしょうかねえ」という、よくよく考えてみたら手ぶら会合だった、というのが人口に膾炙してきて、日銀はやる気無しだし、イエレン姐さんが前々から言ってるように。「介入するなら利上げしろ」ってことですから裏を返せば日銀がこれでは為替介入できないし、できたにしたって効きやしない、ということになります。

もちろん日銀が25bpに利上げしたってその先の利上げやる気無しとかだったら全然お話にならないのですが、いずれにしても何かやる気を見せても円安でしたテヘペロならまだしも、やった振りだけして円安進行止まらないのは無為無策の植田日銀は肥溜めに飛び込んで反省汁という話になりますな。

・・・・・・なので5.13事件があったくらいなので、今日って輪番減額(やるなら中期の方)って一応期待するのもあるみたいですけれども、しかしまあここで問題になるのは「7月に減額の中期的な計画を出します」って言ってしまっていることでして、7月にちゃんとした計画を出しますその前に市場の皆様に相談します、って言ってるのに、いくら金融市場局の裁量の範囲を言い張っても、まあ政策的意図があるんでしょうなあというような減額をここで打つのって6月会合で言ってたことと話が違くね???ってことになりますよねこれ。

なので、実はアタクシは輪番減額無しの方に100インドネシアルピア(一切自信がない)ということにしておきます。


・今日は主な意見が公表されるんですよねー

ということで

https://www.boj.or.jp/about/calendar/index.htm
公表予定

6月24日(月) 8:50 ○ ● 金融政策決定会合における主な意見(6月13・14日分)

まあこれなんですけどね、先般珍しく2回シリーズでネタにした4月金融政策決定会合議事要旨ですけれども、「円安が物価の基調に及ぼす影響」という植田失言(と言っていいでしょあれは)の背景となるはずの決定会合での議論は少なくとも4人の政策委員ですから半数になろうとする政策委員が基調的な物価に与える影響についてああでもないこうでもないと指摘していたし、先行きの金融政策運営に関してだって、総裁の記者会見での発言のトーンと議事要旨で記載されている議論のトーンが全然違ったじゃないですか。

・・・・・ということでですな、まあ今回の主な意見に関してもなんかどうせタカタカなものが出てくるんジャマイカ、というのは容易に妄想できるんですけど、そうなりますと今度は今回の決定会合後の記者会見での植田総裁のやっぱり政策修正への前のめり感皆無の発言との整合性を問われる事態になりますので、まあちょっと待てよと思うのです。

さすがにこれ2回続きますと、何ぼ何でもおかしくないかという人が増えてくる(ワイ的には1回の時点でおかしいだろこれって感じですけどw)訳でして、まあマイナス解除の前もそんな傾向があったんですけれども、総裁会見と主な意見や議事要旨のトーンがこれだけ振幅あると、日銀の情報発信そのものが「こいつらウソツキなんじゃねえか」となって誰も信用しなくなってしまいましたら政策もへったくれもなくなってしまう訳して、いいからお前ら落ち着けという感は拭えません。

ま、植田さんが勝手に会見で暴走してるなら植田さんの口を縫い付けてしまって会見では椅子の下に声帯模写師でも隠して声帯模写師に会見原稿読んで貰えば済むんですが、これ事務方の方で市場の反応見ながら議事要旨や主な意見のトーンを針小棒大スキーム(さすがに嘘は書けないけど掲載する意見のウェイトを恣意的にいじれば特に議事要旨なら操作するのは不可能じゃないですからね)を使って操作している、と思われてしまうと、そもそもこれらの情報発信が信用できないとなってしまうので、もっとヤバいわけで、なんかどんどんドツボにはまってさあ大変、になっておりますのを懸念するところではあります。


〇市場参加者会合実施へ

ほうほうそうですかそうですか
https://www.boj.or.jp/paym/bond/mbond_list/mbond240621.pdf
「債券市場参加者会合」(第 20 回)の開催について
2024 年 6 月 21 日
日本銀行金融市場局

『日本銀行金融市場局は、「債券市場参加者会合」(第 20 回)を以下の要領で開催します。

1.日 時
銀行等グループ 7 月 9 日 (火) 15 時 45 分から
証券等グループ 7 月 9 日 (火) 17 時 30 分から
バイサイドグループ 7 月 10 日 (水) 16 時 30 分から

2.場 所 日本銀行本店

3.参加予定者
・「債券市場サーベイ」等に参加する金融機関の実務担当者
・日本銀行金融市場局長、総務課長、市場調節課長、市場企画課長

4.内 容
先行きの日本銀行による国債買入れの運営について、意見を伺う予定。』

まあ運営もへったくれも本来なら明日から輪番辞めろやと思いますが(さすがに売れまでは言わないw)何せ日銀の保有国債残高って、

https://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/mei/index.htm
日本銀行が保有する国債の銘柄別残高

5月末の数字で計算してみたんですけど、


https://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/acmai/release/2024/ac240531.htm
営業毎旬報告(令和6年5月31日現在)

発行銀行券   119,469,474,992千円→120兆円くらい

https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/jx240621.htm
日銀当座預金増減要因と金融調節 (6月21日<金>分)

積み期間(6/16〜7/15日)の所要準備額(1日平均) 131,400億円→おまけして15兆円くらい

としますと、発行銀行券と所要準備預金の合計ってざっくり135兆円で、これが本来日銀の事実上の長期負債というか永久負債部分(所要準備に付利しない限り負債コストなし)になりますので、本来は長期資産たる長期国債の保有はこの見合い程度にしておいて、通常の資金需給調節は短期オペで実施するのが筋なんですよね(ETF??そんなん知らんわwww)

と考えつつ保有銘柄の償還構成を見ますと、

2033年以降に償還が来る銘柄の保有額面合計=1,350,853億円=135兆円

てな感じなので、国債の買入をゼロにしても日銀保有国債がまともな姿になるのは8年後って話になるわけですよアイヤー。

ですから、植田総裁が最近質疑で「最終的な姿になるにはかなり先の話」っていうのは実際そうなのですが、そもそもその時点の話をするというのが、日銀はバランスシートの正常化をやる気がない、という印象を与えてこれまたハトハトっぽくなるんで、お前は余計なことを言うなという感じですが、まあ現実問題こんな感じなので、輪番でこれから買う銘柄の償還構成を一気に短期化するなら別ですけど、そうじゃないならまあクソ時間がかかるの当たり前で、当たり前のことを一々強調するのは(ハトハトチキンな)意図があるとしか思えないっすな。

まあそれはともかくとして、バランスシートがまともな形になるのにそれだけお時間かかるわけですから、バンバン減額しやがれとしか申し上げようがないので、1年後にはフローの買入量が半減以下、2年後には黒田前の水準(月間1兆、でも多すぎなんだが)ってのはまあそのくらいやれやとはおもうのでありました。

でもって一応計算間違えてたらごめんやでなのですが(人力で売参から各銘柄の償還を拾って来て償還日ソートして足し算しているだけです)、一応今年と来年と再来年(暦年)の償還を見ると、

今年残り:487,831億円(49兆円)
2025暦年:743,244億円(74兆円)
2026暦年:640,490億円(64兆円)

って感じですが、2026暦年に関しては1-3の輪番で2年カレントが打ち込まれると増えますな、ってなもんです。


・・・・・・あとそういえばどうでもよいかもしれませんけど、6/7の輪番

https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba240607.htm
国債買入(残存期間1年以下) 3,139 1,501 0.006 0.011 91.0

6/10渡しなので6/10と5/31の残高の差分取ってみると期近債のうち「5年140回」が1億円だけ入っていましたね。

こちらの6/7付け売参が、
中期国債 140(5) 2024/06/20:平均値単利 -0.036

となっていたので、どう見ても出来上がりマイナス金利を買ってやがるわなんで買うんじゃ札切れよ、と思いましたですわ、はい。


というところで今朝は勘弁。