相場見通しのつもりだが・・・たぶん後講釈(2016年01月〜2016年03月)

こちらはあまり当らない相場見通しやら相場後講釈やらを書いております。一応債券だけどもマネーマーケットに限りなく近い範囲をカバーしつつも、昔取ったなんとやらで債券市場のお話も。まあどっちにしても板に張り付いている訳ではないのでピンボケになる場合もありそうです。その節はご指摘を。

2016/01/29「1月末のレポ金利が低下したり昨日の短国が強くなった件(編集時追記:後半にSLFの使い勝手を改善してショートセールしやすくしないと市場の流動性がひどいことになる、という話をしていますが、その後想像を絶することが次々と黒田日銀の元起きたのはご案内の通りです」
2016/01/25「短国買入金利低下/ドラギの次回追加緩和示唆で株高で威勢よく上がりましたな」
2016/01/22「3M短国の金利が上昇しましたよ!!!!!!!(ただしマイナスのまま)」
2016/01/21「株安債券高の中短い所に売り/業態別当座預金残高/ヤケクソ追加緩和に追い込まれそうな市場の追い込み」
2016/01/18「短国買入1.5兆円で1y6mカレントが落札の模様/週末に為替が117円割れの円高とな」
2016/01/15「10年金利0.20%割れ(引けは金利上昇)/3M入札が確りで6Mは更に金利低下」
2016/01/14「金利は着々と低下して5年カレント1bp&社債買入がマイナス金利とな!」
2016/01/13「短国買入は2.5兆円でオファーされて6M辺りと1Yとかがガッツリぶっこまれた模様」
2016/01/12「新発3Mは▲4〜▲6bp水準で入札やっといて引値が10bpもそこから低いとかナンジャソラ」
2016/01/08「連日の株安円高で中国当局は荒業を繰り出すわ国内債券市場もウヒョー状態だわ」
2016/01/07「1月2月は日銀保有短国の償還が多く今月の短国買入は5〜6兆円程度を見込むが」
2016/01/06「年初の上海株式暴落を受けて中国当局市場介入/短国GC対比で短い国債の金利が上がらん/MBは80兆2596億円の増加」
2016/01/04「末初のコールは取り残りっぽい雰囲気」




2016/01/29

○1月末のレポ金利が低下したり昨日の短国が強くなった件(編集時追記:後半にSLFの使い勝手を改善してショートセールしやすくしないと市場の流動性がひどいことになる、という話をしていますが、その後想像を絶することが次々と黒田日銀の元起きたのはご案内の通りです)

・レポ金利

http://www.jsda.or.jp/shiryo/toukei/trr/index.html
東京レポ・レート

東京レポレートのT/Nを見ますと今週に入ってレポレートが低下していまして、これは先週金曜の短国買入が強いところまで入っていて、短国の需給が改善していることも一因だったと思うのですが、月末月初に掛かる昨日公表のT/Nレートは5bpレベルに低下。

末初に関しては最初何だか良く分からないのですがやたら低めの金利でスタートしていて、下がった金利を見て調達サイドが調達してきて最終的にはまあ穏当な所に落ち着いたんでしょうなあという所だと思います。


・3M短国ェ・・・・・・・・・・・・・・

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20160128.htm

(3)募入最低価格 100円00銭7厘5毛 (募入最高利回り)(-0.0300%)
(4)募入最低価格における案分比率 80.0082%
(5)募入平均価格 100円00銭8厘9毛(募入平均利回り )(-0.0356%)

前回の入札は平均が▲2.12bpで足切が▲1.80bpとマイナス金利が縮小したのですが、先週金曜の短国買入2.5兆円(額自体は順当でしたが)が思いっきり効いてしまって今回はマイナス金利がドテン拡大しましてその前が▲2.76bp/▲2.20bpでしたので、せっかく先週の入札でマイナスが縮小したというのにそれ以上にマイナスが拡大するという甚だ遺憾にも程がある入札結果。

海外の買いと担保需要とか残高積み上げ需要とかの買いがある中で日銀の買いがちょっと多めに推移するとさっくりと金利が下がってしまうという状態でして、マイナス金利がすっかり定着していて国内投資家を排除して日銀買入が回っているのは誠に結構ですなあ(棒読み)とは存じますが、そうやって短国をマイナスにキープしていることによってどういうメカニズムで物価安定目標が達成できるパスが得られるのか小一時間問い詰めたいですわな。

なお、今回に関しては海外方面でIOER下げネタが(海外は基本IOER下げネタが大好き)根強くありまして、IOER下げ狙いの宝くじトレードが入っていて強くなっている可能性もあるので、そこは今日の決定会合を通過してみないと分かりませんが、仮にそうだとしますと付利下げ思惑がちょっと出ると短期方面の金利は今後もビビットにマイナス反応するんでしょうなあとは思います。

ただ、IOER下がった時に日銀の短国買入が今の規模である保証はどこにもないので、金利が浮いてくる可能性(MB目標から金利目標になるのなら長期国債のTaperingはインパクトがでかいけれども短国買入ならあっさり味で減らせるし、短国を浮かすとイールドカーブの手前が浮きやすくなるので国債買入が長持ちするという効果もありそうな気がする)もあるのではとは思うので、既にマイナスに突っ込んでしまっているゾーンというのは「追加緩和」が本当の本当に金利低下に作用するのかという事を考えると実は怪しいんじゃないですかと思います。プラス圏の金利は下がるというのは分かるのですけれども。


・うむ

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2016/rel160127a.pdf
「市場調節に関する懇談会」の開催について
日本銀行金融市場局は、「市場調節に関する懇談会」(2016 年第 1 回目)を以下の要領で開催します。

ということで毎度のオペ先懇談会が実施されるようですが、オペレーションの持続をどうしたらいけますかねえという話は技術的な修正で何とかなる部分はあるのですが、そもそもの買入が圧倒的なのであまり小手先でどうのこうの出来るレベルではないと思うの。5年近くまでマイナスとかいう金利をやっている中では。

でですね、まあそういう話もやっているのではと思うのですけれども、オペレーション円滑化のための技術的な施策をどうしましょうというような話をするのであれば、どちらかと言うと「出口政策において市場に発生しそうな問題にどう対処するのか」という視点で技術的な修正をする(勿論それを出すときには出口に備えたとか口に出す必要はないですけど)というのが吉かと。

・・・・・・・・・という意味では、債券市場の流動性確保させるためには業者のショートセールをやりやすくするのが一番でして、FLSの使い勝手をだいぶ改善しているというものの、そもそも論として日銀御自らが市場にスクイーズを掛けている状態になっている訳で、出口において日銀がアホほど国債を持っていることによってマーケットメーカーのショートセールがやりにくくなって、その結果マーケットがコケだすとショートの買い戻しをする人が居ないので売りがどこかの銘柄に出たらもうダダ売られですよ先生ということになってしまう訳ですよ。

ちなみに暴論ちっくになりますけれども、国債市場流動性供給オペとか何とか言って日銀がスイッチングオークションとかできると流動性格段の向上ですわよ奥様とは思うのですが、まー中々難しそうではありますな(^^)。

#今朝は雑談少々という感じで誠に恐縮至極


2016/01/25

○短国買入流れましたななど(編集時追記:短国買入金利低下)

・短国買入

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of160122.htm
国庫短期証券買入 25,000 2016年1月26日
国債買入(残存期間1年超3年以下) 4,000 2016年1月26日
国債買入(残存期間3年超5年以下) 4,200 2016年1月26日
国債買入(残存期間10年超25年以下) 2,600 2016年1月26日
国債買入(残存期間25年超) 1,800 2016年1月26日
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注3) 8,000 2016年1月22日 2016年1月25日

ということで短国買入はまあ順当な2.5兆円でしたが結果。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba160122.htm
国庫短期証券買入 34,758 25,002 -0.004 0.028 83.9
国債買入(残存期間1年超3年以下) 9,666 4,001 -0.006 0.000 78.2
国債買入(残存期間3年超5年以下) 11,593 4,205 0.002 0.003 68.6
国債買入(残存期間10年超25年以下) 6,729 2,607 0.000 0.002 10.1
国債買入(残存期間25年超) 4,315 1,801 -0.015 -0.009 100.0
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注4) 25 25 -0.400 -0.400

平均の2.8甘は兎も角として、足切が4糸強まではいってしまいましたので、582回とか584回とかの3Mカレント銘柄の売参が▲2bp少々という数値になっていましたので、これらの銘柄を入れた人も入ってニッコリという結果になりました。

15日の買入は1.5兆に対して3.9兆の応札があって、この後1年短国が2.5兆円実施されているので、単純に考えたら短国買入専用機だけでもっと応札があっても良さそうなもんですが、短国買入専用機を持って短国買入オリャーという人があまり居ないとなると、応札限度の問題もあって短国買入専用機を入れる人も限定的だったので今回は専用機だけで札が集まらなかったということになるんでしょうな。今回の買入結果については月末の銘柄別残高を見るとモロに何が入ったかが分かるので、それを確認したいとは思うのですが、何せこの結果が出てくる間に今週の3M入札がありますので、今回の買入で3Mがどのくらい入ったのかは入れた人しか分からんので想像しつつ需給を考えないといけませんとは言え、まあこの足切ですと3Mも入っている筈なので今週の3M短国入札は(先週の3M短国がマイナス金利縮小しましたけれども)惜しくもマイナス金利拡大の方向っぽいですな、ナムナム。

まー次回の短国買入時点でも短国買入専用機は残っているような気がしますが、いずれにしても暫くは需給は確りのまま(爆発はしないと思うが)という所ですか、よー知らんけど。


・いやまあ威勢よく上がりましたな

http://jp.reuters.com/article/idJPL3N1562L4
News | 2016年 01月 22日 15:45 JST
〔マーケットアイ〕株式:日経平均・日足は「大陽線」、5日線を上回る

別に付け加えることもないのですが、ドラギ総裁の予告ホームラン相変わらず効きますなあとは思うのですが、3月になって出すにしても何を出すんだという気がするんですが、それよりも日銀追加緩和で株式市場支え期待という事でしょうかねえ、よー知らんけど。

でもってこうやって戻ってしまうと益々話が複雑になってくる所で、市場が落ち着いているのなら別にここで追加緩和をやる必要はない(そもそも今の枠組みで追加緩和をしようにもタマが1回しか無いですし(10兆で行くならもう1回あるかも)、今現在の段階で枠組み変更とか余程見せ方を考えないと敗戦にしか見えないので枠組み変更は無理がある)という話になってしまいますから、本来なら現状政策の継続が普通の発想。

とは言いましても足元の落ち着きは何らかの追加緩和を織り込んでしまっている可能性が大有りなので現行政策の継続だと株安円高になってそれ見た事かという話になり兼ねないですからさてどうするんでしょうかねえ。まー金曜の始まる前までの感じだと「追加やっても持たないけどやらないと株が下がるの見え見えだからエクスキューズで緩和をしないといけないというヤケクソ状態に追い込まれつつありますなあ」というところでしたが、金曜に盛大に戻ってくれましたからねえ。


2016/01/22

○市場雑談メモ

・3M短国の金利が上昇しましたよ!!!!!!!(ただしマイナスのまま)

超長期入札の話をしないで短国入札の話をする毎度の仕様ですいませんすいません。
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20160121.htm

(3)募入最低価格 100円00銭4厘5毛(募入最高利回り)(-0.0180%)
(4)募入最低価格における案分比率 30.8888%
(5)募入平均価格 100円00銭5厘3毛(募入平均利回り)(-0.0212%)

ということで前回の3Mが▲0.0276%/▲0.0220%だったので足切が▲1bp台後半まで戻って参りました!

ここもと短い所の利付国債の方が玉が出たのか何だかでマイナス幅を縮小してきているのはマーケットメーカーの在庫がやや重くなっていることの反映でもあって、その結果として日銀短国買入に中々入らない(6Mと1Yが先に入ってそこで入る玉が無くなると3Mに順番が回ってくるというのが最近の仕様)3Mは海外でホイホイと売れるとか、期末決算調整関連のお家の事情買いでバンバン捌けるとか、期末跨ぎ現先やGCでマイナス金利ウマーというのでもない限りはファンディング負担の割に売買益稼ぎにくいでしょうから、徐々にマイナス幅を縮小するのではないか(キリッ)とか言いたくなるのがこの落札結果ではあるのですが、まあそうは言っても日銀の無慈悲短国買入がありますし、国内勢の外貨ファンディングの裏側での短国ニーズは相変わらずですので、その辺の需給関係次第なんですよね〜。

でまあ今日は短国買入デーですが、1Yの後ですから2.5兆とかやってくるんでしょ(後は財政要因の見通し次第ですかねえ)とゆーところで。本当はもっと短国買入を減らして短国を恒常的にプラス圏に持って行けば中短期の国債金利も浮いてくるから輪番の持続性が高まるのですけれども、何せMB目標を置いてしまっている以上短国買入の水準をそうホイホイ落とせないですし、財務省は財務省で短国発行減額傾向ですので、短国受難はまだまだ続くということで。



2016/01/21

○市場メモメモ

・株安債券高の中短い所に売りとな

うむ。
http://jp.reuters.com/article/idJPL3N154280
News | 2016年 01月 20日 15:11 JST
〔マーケットアイ〕金利:国債先物が小反発で引け、長期金利0.215%に小幅上昇

『[東京 20日 ロイター] -

<15:08> 国債先物が小反発で引け、長期金利0.215%に小幅上昇

国債先物中心限月3月限は前日比3銭高の149円59銭と小反発して引けた。前日の米債安を受けて、朝方は売りが先行。21日の20年債入札を前にした調整圧力も上値を重くした。一方で日銀買い入れなどを背景にした好需給が相場を下支え。日経平均が下げ幅を拡大した午後は、海外勢の買いを巻き込んで強含んだ。現物市場は株安を受けて超長期ゾーンを中心に底堅く推移し、イールドカーブフラット化。市場では、リスクオフの強まりで安全資産とされる国債を選好する流れが続いており、20年債入札は、業者のショートカバー需要も加わって、無難に通過するとの見方も出ている。10年最長期国債利回り(長期金利)は同0.5bp高い0.215%。』(上記URL先より)

ということで最後は若干強いという結果でしたので記になるとサラサラ流されているのですが、昨日は2年とかの短い国債のゾーンや超長期に一旦売りが出たような風情がありまして、超長期ちゃんの方は持ち直したのですが、短い所の方はコケたままの巻となって終了。

まー元々マーケットメーカーの所に玉が全然ない中でちょろっと買いが来るとマイナス金利が拡大、という感じで2年債の新発以外ってマイナス5bpだのマイナス6bpだのという引値を付けていたのですが、玉が出たと思しき途端に3毛とか甘くなってしまうという日銀による国債吸い上げが行き着いて市場がカラカラになった後にどういう事になるのでしょうかという質問に対する一つのヒントのような展開になっておりましたな。

とは申しましてもマイナス金利はマイナス金利なので別に市場の価格形成がまともに戻ったというような話でも何でもないのですけれども、リスク資産がドカドカ下がる中で短期ゾーンに玉が出るというのは益出しとかキャッシュ化みたいな連想になるのでほほーという感じですが、実際に何で売ったのよというのは売った本人じゃないと分からないから何とも言えませんな。

というような状況の中で本日は3M入札を迎える訳ですが、日銀短国買入は今月のフローは多めで推移という見込みだと思われまして、金曜の買入がどうせ2.5兆円とかになると思われますが、最近は3M短国が日銀買入では入らないような価格形成になっていて(書けませんでしたが月曜の1年短国もマイナス水準で入札して更にドマイナスで引けるという展開)、これらの6Mと1Yの短国買入専用機の在庫水準が日銀買入予定額対比で減っていないと3Mの番にならんという形ですので、まあその辺の在庫水準次第かなと。来週はMPMが金曜にあるので短国買入は2月1日に実施と思われるので今週の短国買入に打ち込める自信があれば別ですがそうじゃないとこの3Mを入札後オリャオリャとやる訳にも行かんでしょうなと存じます。

でもってリスクオフで短い所にニーズだぜヒャッハーの逆の展開になったのが昨日という事ですので、そんな中の3M短国だと今日はちょっと重いのかも知れませんし、やっぱりリスクオフで避難先の短期国債にニーズだぜと来るのかもしれませんし、その辺どっちに転ぶのかは昨日玉を出したと思しき方々が益出しなのかキャッシュ化なのかによってイメージ違ってきますよねという当たり前のメモだけ置いておきます。


・業態別当座預金残高

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/cabs/cabs.htm/

12月積み期間(12/16-1/15)ですが、平残ベースで大きく増えているのは都市銀行とその他準備預金制度適用先というのはまあそうでしょうなあと思いましたが、信託銀行が若干減っているのがちょっと興味があったのと、末残と平残の乖離を見るとへーと思ったのは、都市銀行については11月は平残対比で末残が上に振れているのですが12月は末残が11月末残よりも抑えられている一方で平残の方は11月、12月と順調に拡大しているという形になっていまして、ちと面白かったです。


○ヤケクソ追加緩和に追い込まれそうな市場の追い込みですが・・・・・・・・・・

あちゃー
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O18UDO6TTDVG01.html
ダウ平均400ドル安、原油急落で金融市場が混乱−ドルは一時115円台
2016/01/21 02:38 JS

まあ結局250ドルほど下がっておられる訳ですが(何故か敬語)、来週金曜がMPM2日目でございまして、展望レポートもありますよというタイミングでございますので、そこから逆算しますと今日明日と月曜辺りの市場動向というのがアチャーとなっていると日銀としても中々苦しい展開となってまいりましたという所です。まあ勝手に妄想しますと為替は概ね115円というのが企業が想定するラインの下限という所でしょうし、日経ベースで16000円割ってくるとQQE2を実施する直前の水準ということになり、QQE2やったけど株は結局上がりませんでしたよねという話になって見苦しい、という辺りになった場合に、日銀は追加緩和をしないのなら何でしないのかという説明をしろとゴリゴリ詰められる展開でございますわな。

しかしまあ12月補完措置実施→緩和政策の限界論が俄かに人口に膾炙する→否定する為に総裁が年末年始にトーンアップして2%達成のために必要な措置を何でもするとか強調する→円高株安の中で何もしないと「さっきの何でもするというのはウソだったのか」となってしまうので説明が苦しくなる、という見事な負の流れになっている訳ですので、これはもう黒田さん意地になってヤケクソの追加緩和というリスク(さすがにメインにする気は起きんが^^)で、しかもこの市場動向のタイミングというのが何とも味わいがありますな。

・・・・・・・・・・とは申しましてもヤケクソ追加緩和するにしても実は何をするのかというのが難しくて、今のMB直線一気理論&実質金利低下で投資や消費が出ますよ理論を使いますと、結局の所MB拡大ペースを最低10兆円規模で拡大しないといけない&長期国債の買入ペースを拡大しないといけない、となるのですが、先般の補完措置で今の政策枠組みにおけるタマの残弾が尽きつつある、というのが世間に知れ渡ってしまった以上、10兆なり20兆なり長期国債買入を拡大してもこれでタマがほぼなくなったという認識になって、株とか為替とかの反応も一旦好感してもそんなに持続しないのではないかという悪寒が。でもって債券だけは実弾が増えるのだから更に焼け野原になるんですけどね!!!!!!

でまあどうせ株が下がっているのだからETF購入拡大というのは話としてはありそうなのですが、株が下がって国民負担というような批判にどこまで耐えられるのかという話って株が下がる中だと実は結構ナーバスになる問題の筈で、まあこうなったらヤケクソで拡大するのかも知れませんが、あまりにも露骨で品が無いのをどの程度出来るのかというのはうーむという感じがします。


まー緩和政策の出尽くし感を無くすためには本当は政策パッケージを入れ替えて、何ぼでも追加が打てるような枠組みにしないといけなくて、今のように短期決戦前提で作ったのにずるずる長期化しつつあるとかいうどこかの戦争のような状態になっている中で追加やっても残弾ナシ状態を見透かされるだけですし、現実問題として国債買入ペース20兆拡大とかしたら政策爆発のタイミングを大幅に手前に寄せるだけなので、作戦的には今回ヤケクソ追加緩和を実施するというのは(政策パッケージの入れ替えを伴わない限り)ただの無駄タマなのですが、どうせダメなら最後の無駄タマまで全部打ち尽くして全部燃えてしまえというヤケクソ状態になれば後先考えずに今の枠組みのままで追加緩和して天佑神助を待つという可能性ががががが。

なお、枠組み変えて何かする、というのは何ぼ何でも理論武装するのに時間が無いでしょうし(以前から実は考えていた、というのなら別ですけど)、大体からしてただの敗北宣言と取られる可能性を考えるとこの時期で枠組み変える訳にも行かんでしょうな。やるなら7月以降でしょ。

まー今の枠組みだと国債10兆か20兆拡大でしょうな(ETFは謎)。でまあ拡大する間に年限も長期化されるとかそんな感じで。ちなみに政策持たせたければ短期の金利を上げておいた方が良いので、本当は国債20兆円増やしてMBは10兆しか増やさないでツイストやった方がオペレーショナル的にはベター(国債のカーブが寝てあばばばばーですが)な気がしますけどたぶんアピール的に訳分からんから買入拡大した分はMB増える形にするでしょうけれどもね。







2016/01/18

○市場メモ雑談

・短国買入1.5兆円でまたまた1Yと6Mカレントの落札ですな

金曜のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of160115.htm
国庫短期証券買入 15,000 2016年1月19日
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注3) 3,242 2016年1月15日 2016年1月18日
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式> 15,000 2016年1月19日 2016年4月28日

ということでオファーが1.5兆円でしたので、これは今週金曜が2.5兆円で今月の買入が合計で6.5兆円ということですな(来週の買入は翌週月曜送りになるから)、うんうん。

オペ結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba160115.htm
国庫短期証券買入 38,994 15,000 0.031 0.039 10.6
国債補完供給(国債売現先)・即日 (午前オファー分)0 0
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式>(1月19日スタート分)6,193 6,193

ということで3.9甘/3.1甘ですので例によって3Mを入れるレベルではなく(このレベルで日銀に売るくらいなら世の中に出せば問題なく捌ける)応札そのものは3.9兆円とかありましたので一応物は試しに3Mも札は入っているとは思いますが。

あとそれから固定金利オペは3393億円の落ちに対して何故か6193億円と増額で入っているのですけれども、22日にも昔のシグナルオペの成れの果てがあってこちらが9101億円の落ちがあるのでこちらがどの程度ロールされるのかにもよりますな。


・為替ェ・・・・・・・・・・・・

金曜の夜に何かあばばばばーとなっていたようで
http://jp.reuters.com/article/ny-forex-close-idJPKCN0UT2OR
Business | 2016年 01月 16日 08:59 JST
円急騰し一時116円半ば、原油安・弱い米指標受け=NY市場

『[ニューヨーク 15日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場は、ドルが対円で約5カ月ぶり、対ユーロで2週間半ぶりの安値をつけた。原油安のほか、弱い米指標を受けてリスク回避姿勢が強まり、ドルの重しとなった。原油、株式相場の急落や、弱い経済指標に伴い、米連邦準備理事会(FRB)の利上げペースが一段と鈍化する恐れがある。これは、ドルを圧迫する材料とされる。』(上記URL先より)

つーことで金曜引け後に原油が下がるわドルは下がるわとかやっておりましたが、結局117円割れもやらかすという次第でNY株は残念な状態ですし、この調子ですと1月決定会合(は月末)までに日銀盛大に追い込まれるの巻になってきているのがマズーではありますな。

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2016/01/15

○例によって市場メモ雑談

・10年金利が更新したのでメモを置いておく

http://jp.reuters.com/article/idJPL3N14Y2RL20160114
News | 2016年 01月 14日 15:25 JST
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は反落、長期金利0.230%に上昇

『<15:20> 国債先物は反落、長期金利0.230%に上昇

長期国債先物は反落。前日の海外市場でリスクオフの流れが強まったことで買いが先行した。東京市場でも日経平均株価が大幅安となったことも、買いを誘った。海外勢とみられる需要から後場中盤には、3月限は一時149円66銭まで水準を切り上げ、過去最高値を更新した。終盤には日経平均株価が下落幅を縮小すると、高値警戒感もあり売りが優勢になった。

現物債は乱高下した。超長期・長期ゾーンともに国債先物への連動性を強めて、変動率が高まった。20年債・30年債利回りは、昨年1月22日以来の水準に低下する場面があったが、終盤には益出しを含めた売り出て、金利は反転上昇した。中期ゾーンもさえない。』(上記URL先より)

という説明になっていますが、まあ後場に平均株価とかがホイホイ下がる中で10年0.195%マークしたと思ったらちょっと後に0.190%を付けましたなあとかやったらその後ホイホイと下がりだした次第で、引値ベースで言えば20年4.5甘で30年5.5甘で10年2甘ですからそらもう先物への連動性とかじゃなくて超長期に玉が出たんでしょという事で良いんでしょうね、でまあ最高値更新した所でドカンと売りたい人というのが世の中には必ずいまして、先物は既に高値更新していましたけど10年の高値は1年ぶりの更新ですからまあそういう事でしょうな、よー知らんけど。

で本日は米国が金利上がって株上がって戻って来ているのでいきなり今日にもう一回オリャオリャと10年最高値更新というのをやるちゅう訳にも行かないのでしょうけれども、金利反転するネタとして最高値付けて売りが出たからというのも何となくパッとしないようには思えるのですがどうでしょうかね(なお投資は自己責任で^^)。


・3M短国は毎度の如くマイナスで6Mがしらっと金利一段低下とな

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20160114.htm

(3)募入最低価格 100円00銭5厘5毛(募入最高利回り)(-0.0220%)
(4)募入最低価格における案分比率 16.5171%
(5)募入平均価格 100円00銭6厘9毛(募入平均利回り)(-0.0276%)

ということで先週の3Mが▲0.0214%/▲0.0162%でしたので、火曜日の短国買入2.5兆円がしっかり効いて金利水準は低下の巻という結果なのはまあそんなもんでしょという感じですが、新発は延々とマイナス金利で何とかなりそうなのって四半期末を通過した後に四半期末の残高調整で持っていた人が外しに来たとみられるような物が出てきたと思しき時というのが中々残念な展開ではあります。

3M新発引値の方は▲0.024%になっていたので平均と足切の間でして、3Mについては短国買入だぜヒャッハーというよりは淡々とマイナス金利のこのくらいの水準での買いに対応する利回りで推移という感じとなっているようで、ある意味落ち着いているちゃあ落ち着いているのですが、延々とマイナスというのも何だかねえという所で。

でもってさっきのロイター記事の続きですけどね。
http://jp.reuters.com/article/idJPL3N14Y2RL20160114
News | 2016年 01月 14日 15:25 JST
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は反落、長期金利0.230%に上昇

『短期市場では、無担保コール翌日物は0.075%を中心に取引された。主な取り手は地銀、信託、証券、大手行などで、取引レンジは0.07─0.076付近。レポ(現金担保付債券貸借取引)GCT+1レートは0.094%に上昇。共通担保資金供給オペは札割れ。新発3カ月物国庫短期証券(TB)の入札結果で、最高落札利回りはマイナス0.0220%と前回(マイナス0.0162%)からマイナス幅を拡大した。償還が4月と、年度末越えになるため、一定のニーズがみられた。業者間で6カ月物TB利回りはマイナス0.170%と過去最低を付けた。オペ見合いの需要などが観測されていた。ユーロ円3カ月金利先物は閑散小動き。』(上記URL先より)

ということでしらっと6M短国がマイナスを拡大しておりまして、売買参考統計値(もBB引けも)を拝読いたしますと▲0.159%とか中々お洒落な水準になっていまして、前日の売買参考統計値が▲0.152%でしたのちゃっかりレートを下げておりますが本日は金曜日という事でお察しってお話ではあります。

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2016/01/14

○市場関連雑談メモ

・例によって着々と金利が低下していますなあ

何と申しますか・・・・・・・・・・・
http://jp.reuters.com/article/idJPL3N14X2GG20160113
News | 2016年 01月 13日 15:20 JST
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は続伸、5年債利回り昨年1月26日以来の0.01%に低下

『<15:15> 国債先物は続伸、5年債利回り昨年1月26日以来の0.01%に低下』

お、おぅ・・・・・・・・・

『長期国債先物は続伸。円高一服、日経平均株価の大幅な反発にも調整を入れず、短期筋が買い進んだ。波乱要素のあった物価連動国債の入札を無難に通過したことが買い安心感を誘った。好需給をあらためて確認できたとの声が聞かれた。中心限月3月限は149円54銭まで上昇し、過去最高値を更新した。現物債はしっかり。国債先物に連動する格好で強含みで推移した。物価連動国債入札後に海外勢を巻き込んだニーズがみられたため、長期ゾーンを中心に利回りに低下圧力がかかった。超長期ゾーンは、20年債利回りは昨年1月22日以来の0.910%、30年債利回りも昨年1月22日以来の1.180%にそれぞれ低下した。中期ゾーンも強く、5年債利回りは昨年1月26日以来の0.010%を付けた。』(上記URLより)

先物も確かに強いのだが現物は現物で長めの所強くて先物に引っ張られてという表現はちと違うような気がしますが、5年1bpキタコレという事ですし、残存4年(20年3月償還)まで引値マイナスになるということで(涙)昨年1月パターンになってまいりました。

・・・・・・・・・と言いたいところなのですが、昨年1月の場合は思いっきり追加緩和期待があって、しかも付利下げするんじゃないかという懸念が思いっきりあったというのが今回と全然違う所でして、まあ追加緩和催促チックにはなっていますけれども、現実問題として「今の枠組みで追加緩和するにしても国債買入は次にやったら打ち止めだし買入の限界を手前に引き寄せるだけ」という認識ですので、うっかりすると追加緩和した方が金利反転するんじゃないか(勿論最初の反応は金利低下ですし現実に日銀のバキューム買いが更にパワーアップするのだから物理的には金利下がるんですがその後の話ね)と(アタクシが勝手に)思うような環境の中で淡々と金利が低下していてあまりヒャッハー感が感じられない所。

しかしまあこれ5年金利マイナスとかチーペスト金利マイナスとかになったらどうするんじゃとは思うのですが、日銀が買い入れるからドンドン強くしていって日銀に打ち込むぜヒャッハーとかやっているのが長期化したらそもそも国債市場の投資家が離散して正常化しようとしても受止めるバッファーが無くなるんじゃネーノとしか思えないですな。そらまあ1か月や2か月マイナスだから即座にそうなる話ではないですが。

あと気になるのですが、現状でも超過準備に対しては10bpお支払いしている訳で、日銀の国債買入が現時点でも逆鞘になっているのって引値ベースでみた場合に24年3月償還まで延びていまして、この調子で買入をホイホイ継続して行くと正常化どころか政策継続するだけで日銀の財務がドンドン悪化していかねえか大丈夫か状態になる次第で、長期国債買入でMB拡大という政策のプロコンもうちょっと真面目に考えた方が良いんじゃないですかねえと思うのですけど、昨日の黒田総裁の講演テキストを見ますと、焼け野原になっても物価目標達成という話をしているようにしか見えません次第で、圧倒的な敵軍を前に神州不滅とか言ってヤケクソになっていそうで真面目にプロコン考えるとかそういう現実を直視する気がなさそうに見えるのが恐ろしい所ではありますな。


・社債買入がマイナス金利だと・・・・・・・・・・・・・・・・・・

昨日のオペ結果である
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba160113.htm
社債等買入 1,168 987 -0.030 0.063

・・・・・( ゚д゚)
・・・・・(つд⊂)ゴシゴシ
・・・・・(;゚д゚)

平均金利の6.3bpはさておき、足切レートがマイナス3bpになっておりまして、国債買入での出来上がりマイナスは毎度の話ではあるのですが、社債買入のマイナスというのはさすがに初めて見た気がする(昨年1月に平均2.8bp足切ゼロ金利というのがあった)。

ええまあベースの国債金利がこの有様ですからスプレッドという意味ではそらまあ別にマイナスというのもアリエールなのかもしれませんけれども、国債じゃなくて「社債」を「マイナス金利で日銀が購入」というのには何とも言えない違和感を感じる次第で、ゼロ利回りの所で札を切るという発想は無かったんですねえ。いや金利という意味ではそらまあ下がっていけばマイナスになるんですけどやっぱりちょっと違う気がするんだよなあ・・・・・・・・・・・・・・


・そういえば本日は3M入札

最近の短国引値推移を拝見しますと「期内ものはゼロ%に向けてジリジリと匍匐前進ちっくに金利上昇」で「期末跨ぎは安定のマイナス金利」というパターンになっておりまして、まあこの前の年末年始騒動で皆さん懲りたという価格形成になっております。まあこの前の年末に関しては(その前の9月時点での想定だと)短国買入が12月に激減するからそこで金利がプラス水準に戻るだろうという感じで構えていたから11月からの凶悪な金利低下であばばばばーとなった面も強いですし。

ということでどうせ期末跨ぎは貫禄のマイナスで期内物に関しては期末跨ぎの残高を確保した人の中で期内物イラネという人は見合い外してくる可能性があってそっちは日銀オペに入らない銘柄なら重いけど、短国の絶対量が足りないので金利がちょっと調整すれば普通に捌けるでしょというありがちな想定しかできませんな、うんうん。

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2016/01/13

○市場雑談である

・短国買入2.5兆円など

昨日のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of160112.htm
国庫短期証券買入 25,000 2016年1月14日
国債買入(残存期間1年以下) 700 2016年1月14日
国債買入(残存期間1年超3年以下) 4,000 2016年1月14日
国債買入(残存期間3年超5年以下) 4,200 2016年1月14日
米ドル資金供給 2016年1月14日 2016年1月22日 0.850
国債補完供給(国債売現先)・即日(午後オファー分)(注3) 4,000 2016年1月12日 2016年1月13日

ということで先週は月間の短国買入5〜6兆円とか申し上げましたが、これはどう見ても6兆〜7兆円コースになりそうですなすいませんすいません。まあこの前の予想の際には月内MBをトンで計算すると5兆円少々の買入で行けるという計算をしていました(今月は28日と29日に輪番が打てない筈なので受渡ベースの輪番買入額が多くなるはず)のですが、別にトンで回す必要もなくて、期末が接近するとまたまた短国のニーズが高まるとか、そもそも12月の後半に短国買入が少なかったので玉が残っているというのもあって2.5兆円のオファーを入れてくるの巻。

結果はこちら
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba160112.htm
国庫短期証券買入 55,495 25,000 0.024 0.028 74.8
米ドル資金供給(1月14日スタート分) 0 0
国債買入(残存期間1年以下) 3,271 701 0.038 0.100 33.8
国債買入(残存期間1年超3年以下)11,438 4,001 0.015 0.015 60.3
国債買入(残存期間3年超5年以下)13,755 4,208 0.001 0.002 39.6
国債補完供給(国債売現先)・即日(午後オファー分)(注4)14 14 -0.400 -0.400

6Mと3Mの新発が出た直後だし、GCレートや現先レートが高止まっていたから札があるだろうなあとは思ったら札が5.5兆円と久々の盛況(?)で落札結果を見ると3Mのカレントは入れると赤字にも程があるので6Mと1Yしか入らないという毎度おなじみの結果になりました。まあこのオペ2.5兆円攻撃を受けてまたGCとか現先とかレート低下する訳で、3Mは在庫に残れども「在庫があれば日銀は買う」というのが例によって例のごとく明確になった以上海外にマイナス金利で売れるから別に問題なく現水準が維持されるでしょうなあという国内投資家置いてけぼりの展開はこれからも続きそうですなナムナム。

今週は木曜に3Mの入札があって1Yの入札は来週月曜になりますので、今週は短国買入2兆か1.5兆円に減らしてくる(で来週は2.5兆円)とは思いますが、まあ短国買入自体は「買える時にある程度買っておかないとマズーなことになる」というのがこの前の年末越え金利低下ヒャッハー事態の時に明らかになった(さすがに金利がド低下して玉無し芳一になってしまうと日銀も買入をたくさん入れるわけにはいかないから)ので、年度末越えの残高調整をしなければいけないお家の事情的な国内の皆様と同様に日銀もある程度の残高を作れる時には作りに行こうとするでしょうなあとか思うと、それはただの民業圧迫ですぞなと思ったりするのでした(日銀の理屈としてはそういう金がポートフォリオリバランスして欲しいという事でしょうけど)。

それから別件ですが、輪番1年以内の平均落札が10毛甘とかになっていて一瞬何のことかと思ったのですけれども、冷静に考えたら償還銘柄の打ち込みですなという事でこの落札結果そのものに何か深い意味がある訳ではございません。というか翌日に償還が来るような銘柄をわざわざ買入をして何の意味があるのかと小一時間問い詰めたい訳で、1年以内の輪番とか政策的にやる意味ないだろ(MBも超短期間しか稼げないし)と思う結果でございました。

#良しまだ中期輪番は大丈夫だな

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2016/01/12

○6M入札は相変わらず引値が強い

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20160108.htm

(3)募入最低価格 100円02銭1厘(募入最高利回り)(-0.0425%)
(4)募入最低価格における案分比率 26.7418%
(5)募入平均価格 100円03銭0厘(募入平均利回り)(-0.0608%)

相変わらずの強い入札ではあるのですが、セカンダリーの方が毎度遥か彼方に行っているだけに入札を見ても特に驚かなくなっているのが慣れというのはオソロシイという所ではあります。

でもって引値ですが。
http://market.jsda.or.jp/html/saiken/kehai/downloadInput.php
売買参考統計値/格付マトリクス ダウンロード

こちらから本日付(つまり金曜の引け)の売買参考統計値をダウンロードしてみますと、この新発6M581回債の単利が▲0.152%と入札レベルから10bpほど強くするという何が何だか分からない引値になっております。でもまあ最近出ている6Mと1Y銘柄は大体似たような引けになっていて、先月の6Mカレント銘柄って580回で575回債の単利が▲0.147%、先月の1Yカレント577回債は▲0.150%と日銀買入対象銘柄で日銀がまだ買入をそんなにしていない6Mと1Yのカレントと前回発行債の引けが盛大に堅調という状態になっておりますな。

ちなみに3Mの引けは580回債、579回債がそれぞれ▲0.027%、▲0.029%となっておりまして、今日は短国買入が打ち込まれるのと思われるのですが、3Mの方は入札レベルからそんなに大きな変化はない引値になっておりますので、まあどの銘柄が入るかはお察しという所でして、先月は買入が少なかったので6Mや1Yの前月債の残りがまだある筈なので3Mを入れる余地は無いという事でしょうが、3Mはオペに入らない割には全然金利が上がる気配もないというのが何ともであります。

まあいずれにせよ何なんだこの引け値はという感じではありますけどね。

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2016/01/08

○中国当局ェ・・・・・・・・・・・

備忘として置いておきますが、ご案内のように中国市場では昨日寄りからスココーンと下がって5%のサーキットブレーカー発動してさあ再開と思ったら瞬殺で7%のサーキットブレーカーが登場して結局立会時間1時間以内という有様。

んでもってその後「中国証券監督管理委員会が市場に関する緊急会議を7日召集」というようなニュースが出ている間にこんなニュースが出てきてまた中国クオリティかよと。

http://jp.reuters.com/article/pbo-sg-dbs-idJPKBN0UL1JU20160107
Business | 2016年 01月 7日 22:29 JST
中国人民銀の一部外為業務停止命令、DBSにも=関係筋

『[上海/シンガポール 7日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)が先週、シンガポールのDBSグループ(DBSM.SI)に対しても、一部外為業務の停止を命じていたことが、関係筋3人の話で分かった。関係筋によると、英銀行大手スタンダード・チャータード(スタンチャート)(STAN.L)も昨年末、人民銀に一部外為業務を今年3月末まで停止するよう命じられている。また、ロイターは昨年12月30日、ドイツ銀行(DBKGn.DE)を含む外銀3行に業務の一部停止を命じたと伝えている。』(上記URL先より)

毎度の取引させない攻撃キタコレと思ったら、その後行われた緊急会議直後では特に行動無しということになっておりました。でもって恐らくその後に出たと思われるのはこいつ。

http://jp.reuters.com/article/china-suspend-circuit-breaker-idJPKBN0UL1SW20160107
Business | 2016年 01月 8日 04:33 JST
中国、サーキットブレーカー停止 株式相場安定狙う

『[シンガポール/上海 7日 ロイター] - 上海・深センの両証券取引所は7日、相場の急変時に取引を停止する「サーキットブレーカー」制度を8日から停止すると発表した。中国証券監督管理委員会(CSRC)の報道官は「サーキットブレーカーが株価急落の主因ではないが、想定通りに機能しなかった」とし、「コストが利点を上回った」と述べた。』(上記URL先より)

ということでドタバタ感あふれて益々大丈夫かとなり感じですが、しかし良く見たら「想定通りに機能しなかった」「コストが利点を上回った」との反省の弁がある訳で、反省の弁があるだけどこぞの中央銀行よりもマシなのではないかという気がしますなあ。

しかしどうも力技が効かないのに力技で何とかしようというスタンスで来ているのが対応のドタバタ感を強めているように見えまして、今後もこの調子でやっていくのでしょうなあと。


○株安円高の催促相場状態で債券市場もウヒョー

・30年入札とか5年カレントが1.5bpとか

昨日の債券市場は30年国債入札。絶対金利が足りないだの売られたときに明確に買いで入ってくる人が(この水準では)いないだのと散々な言われようで、フラットニングする時にも20年位までは強くても後ろはうっかりすると置いて行かれるというのがお得意となっていた30年な訳ですが、先般の日銀による買入年限割発表で後ろの買いが増えるぜヒャッハーと強くなったと思ったらその日だけ強くて後は失速とか、ヒジョーに残念な扱いの年限でしてさてどうなんでしょ。

などと言ってましたが入札のあとは輪番トレードも入って支えられるんじゃネーノ的な安易な考えもありましていずれにせよ入札の前後注目ですなあとか言われていたのですけれども、年初からのご案内のあばばばばー相場と昨日前場からのヒャッハー相場によりまして前場からすっかりブルフラット。

でもって落札結果も市場予想よりもつよくてブルフラットニングモード。市場推計の落札分布的にはこれ本当に投資家の札入っているのかよ的な気もせんでもない(いわゆる不明玉が少なくて落札が割と広く散っている)のでして、投資家不在の持ち上げ相場が極まってしまって相場反転、と言えば2003年6月17日の超長期69回債を思い出す訳ですが、あの時は皆で入札ヒャッハーとかやっていたら、最終投資家が誰も買いに来ないという怒りの攻撃が炸裂致しまして、もともと最終投資家の買いが碌に無い中でデフレがずっと続くぜワッショイワッショイと相場が上がっていた所だったのだったのでドテン反動という形に(まあ実際にはこれ色々とありますが話がややこしくなるから割愛)なったのですな。

と考えると今回のにゅうさうはフラグとか言いたくなる所ではあるのですが、何せ債券市場に置きましては最終投資家よりも豪快な最終投資家である日銀輪番オペというのがありまして、この人たち水準感とかカーブ上の割高割安とか調達コストとの見合いとか全く考えなくて良いという経済合理性が存在しない人ですから、最終投資家不在でワッショイワッショイとやっても日銀に打ち込む自信があるんだったらワッショイやるというのも分からんでもないというのがオソロシスな所です。


という中ですが、中短期の金利も相変わらずでして、引けを見てみれば何と5年カレントが華麗に前日比5糸強の0.015%となっていて1.5bpですよ1.5bp。一応昨年の10月くらいでは利付のマイナス金利って残存1年程度の所までで、そこから先は一応ゼロとか0.5bpとかの金利で動いていたのですが、短国金利がヒャッハーとなっている間に利付の金利も沈み、1回転したら今度は短国買入と輪番のバランスの影響か利付の金利の方が沈み方が豪快になるという展開。でもってそれが伝染して今や残存4年まで引値がマイナスになっておりまして、5年カレントマイナス金利も時間の問題という状態になるという煮詰まりまくった状態になってまいりました!!!!!


・3M短国は案の定前回債よりも強い結果orzorz

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20160107.htm

(3)募入最低価格 100円00銭4厘0毛(募入最高利回り)(-0.0162%)
(4)募入最低価格における案分比率 32.8205%
(5)募入平均価格 100円00銭5厘3毛(募入平均利回り)(-0.0214%)

ということでこちらは前回の入札が▲0.0209%/▲0.0144%で、価格でみると100.0058/100.0040、案分が今回は32.8205%で前回が61.1745%ですからやや強めの結果。市場推計のいわゆる不明玉は2兆弱なのでまあそこそこという感じですが、セカンダリーでは▲2bp近辺での推移でBBの引けは▲2.2bpになっているので、まあ平均落札近辺での推移となっていて、荒れることは無く穏当にマイナス金利が維持されるという事で、短国金利のマイナスはいつまで続くのでございましょうかというお話ではございます。

まーこの調子で推移しますと今から3月期末越えの所の残高をある程度計画的に抑えないととんでもない所を掴まされるリスクが高いですよねと思われるのですが、昨日計算しましたように、1月2月は短国買入がそこそこ高水準で推移すると想定されますので状況は厳しく、3月は買入ペースは落ちるにしても、その落ち方次第によっては結局昨年末と同じようなパターンになってしまって短国以外(要はCP)に訳の分からん波及をしてくるという図になるかも知れずなので、まー皆さん分散してくる筈ですな。

という中で6M入札があるのですが、どうせなら6Mと1Yを全額日銀が市場を通さないで直接引受して頂ければ6兆円ちかく購入できますので、市場が荒れるだけな市中買い入れは止めて直接引受したらどうでしょうかねえ(暴言)という風情ではあります。まあどうせ今月のオペ水準がそこそこある事が想定されるので、オペ狙いだぜヒャッハーという札が入ってマイナス4だか5だか知らんけど激強入札になるんでしょうなあ。


・あとは中短期の輪番動向ですかね

本日は多分中短期輪番があるんじゃなかったっけという所なのですが(違ったらゴメン)先般の1-3輪番は前日比甘で業者間気配のビットサイドよりも甘かったようですが、この1-3輪番が普通に強い所で入りだすようになるとか、3-5輪番がバカバカ強くなって引値がその後にまた強くなる輪番トレードスパイラル状態になるとか、そういう流れになるとこれまたオペが煮詰まって参りましたという感じになってきますな、うんうん。

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2016/01/07

○市場雑談である

・今月の短国買入は5兆円〜6兆円ですかねえ

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/fm/juqp/juqp1601.htm/
日銀当座預金増減要因(2016年1月見込み)

今月は一般財政要因の揚げが多い月で、財政要因の資金不足が16兆2500億円。MBを前月末比落とさないとなりますと、その分は資金供給をしないといけない訳でして、輪番オペは奇数月なのでオファーベースで10兆円、前月末に行った輪番の持ち越し分が1兆1000億円。今月は日程的には輪番を翌月回しにしなくてもよさそうなので輪番での資金供給が11兆1000億円程度として、残りが5兆1000億円程度。

となりますと短国買入で5.1兆の買入ということになるのですが、今月はカレンダーの関係上短国買入を受け渡しベースで3回しかできない(月末が金曜なので、というのに加え月末金曜がMPM2日目なのでオファーも3回の悪寒)上に、先月の短国買入は受渡ベースで月末を跨がなかったので、繰り越し分無しとなっています。

となりますと、5兆買入として2兆1回1.5兆2回とかになってしまう訳ですが、パターン的には6M1Y入札のあとに打つ短国買入が2兆円で残り1回が1.5兆円で来て5.5兆円とかそんな感じでしょうか。

#まあそんなことしないで面倒だから6Mと1Yを全額日銀が引き受けてくれれば6兆円日銀保有残高増えてくれるし、買入の度に相場が暴れてくれなくて結構なのですけれどもねえ(無理です)


・1月2月の短国需給は厳しいですのう

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/tmei/tmei.htm/

まあ今に始まった話ではないのですが、上記の所で銘柄別償還をヘコヘコ計算しますと、1月の償還額は40744億円(さっきの見込みにはこの償還が当座預金増減要因に入っています)ですが2月の償還額が53693億円もありやがりまして、先ほど申し上げたように1月の短国買入が3回しかないので1回当たり買入の額が大きいというのがありますが、2月は2月で買入の絶対額が多そうというこの状態あばばばばばーという感じです。

ちなみに2月は549回債の31822億円の償還という物凄くお洒落なのがありまして、元が6M新発なのですが、発行額のほとんどを購入している銘柄があるのですよね。まあ今後は6Mと1Yの償還がボコッと入ってくるという流れになりますな。

一方3月の償還が27059億円しか入っていませんで、しかも3月は国債償還要因があるので基本的にはまたまた買入が減るというパターンなのですが、前回の四半期のように末絡みの動きが入ってくると2月の短国買入がペース落ち気味になって3月になだれ込む形になるかも知れませんな。


・ということで本日は3M入札

まあ世の中的には30年入札が注目されていますが、一部の変なマニアの中では本日の3Mが注目材料でありまする。

足元ではGCレートはサガランチ会長だわオペに入らない短い償還の短国のモノがポコポコ出てきてポジション重そうだわという状況になっておりまして、そこだけ見ると入札がちょっとはマイルドになるのかと期待したくなるのですが、良く良く考えてみますと短い償還の短国売却というのの中には「年末残高ニーズが終わったので用無し」というのが多分に含まれている訳でして、この人たちが売却しているということは、見合いで期末越え(海外要因の方は別ですが、国内要因で言えば本決算なのでお家の事情な買いがガチで来る)の買いを入れる気満々という事を意味しますので(ちなみに最近も大体四半期明け1発目は謎の大口不明が入る傾向がある)、まあ普通に強いんじゃないですかねえ(てきとう)。

期末越えの残高確保に関しては、前回の教訓を受けて急に前倒しとかではなくて、計画的に平準を目指してくると思われますので、ベーシス次第ですけれども、国内のお家の事情成行買いで突っ込むというのは極端にはやらないかもしれないけど、ダラダラと強いニーズが継続するという感じになるのではないでしょうか、よー知らんけどな。


・輪番中短期

うむ
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of160106.htm

国債買入(残存期間1年超3年以下)4,000 2016年1月8日
国債買入(残存期間3年超5年以下)4,200 2016年1月8日
国債買入(残存期間5年超10年以下)4,500 2016年1月8日
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注3)4,000 2016年1月6日 2016年1月7日


中短期の結果はどないで
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba160106.htm

国債買入(残存期間1年超3年以下)11,122 4,000 0.016 0.016
国債買入(残存期間3年超5年以下)17,369 4,212 -0.003 -0.002 3.0
国債買入(残存期間5年超10年以下)13,004 4,513 -0.005 -0.004 76.7
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注4)2 2 -0.400 -0.400

まあ順当という感じですが、1-3の輪番に関しては前場の気配よりも甘くなっていますな。ただまあ1-3ゾーンについてはそもそも論として引値の絶対水準が来てます!状態になっておりますので、こちらが少々の甘で入るのは、ポートに沈んでいる玉が出てきているという事を意味すると思われますので輪番オペの持続性という意味では結構なお話。ここのオペが普通に前場の業者間気配辺りで決まりだすと遂にまとまったポート玉が出なくなったぜということになるのでオソロシスという所でしょうか。

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2016/01/06

○市場世間話雑談メモ

脈絡なくメモをしておく。

・中国市場介入ですかそうですか

http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM05H8H_V00C16A1EA2000/?dg=1
中国が株価対策 大株主の売買制限など、元買い介入も
2016/1/6 0:30日本経済新聞 電子版

『【上海=土居倫之】中国政府は5日、前日に急落した上海株式相場の下支え策を相次いで打ち出した。上場企業の大株主による株式売却を制限するほか、株安を招いている人民元安を食い止めるために外国為替市場で元買い介入を実施したもようだ。株価の急落にはひとまず歯止めがかかったが、中国経済や元安による資本流出への不安はぬぐえていない。』(上記URL先より)

ということで昨日の上海指数は3%位下がって始まってプラス圏に戻ったりまた3%超の下げまで行ったりとかハチャメチャに動いていましたが、株価がインパクト持って下がるとすかさずこれをやるというパターンでは今年も進歩がありませんなあとしか申し上げようが無いですなナムナム。


・GCレートが高止まって短国の気配が甘くなる一方で利付国債の短い所がアレ

http://www.jsda.or.jp/shiryo/toukei/trr/index.html

毎度おなじみの東京レポレートなんですけどね。

2015/12/24:0.091
2015/12/25:0.098
2015/12/28:0.098
2015/12/29:0.004
2015/12/30:0.093
2016/1/4:0.095
2016/1/5:0.093

以上直近のT+1スタート翌日物GCレートですけれども、12/29が低いのは末初要因(でも今回は何とプラスになっている訳ですが)なので兎も角として、他の日は9bpレベルをキープするという状況になっていまして、先日も申しあげましたように今回の四半期末は事前に短国等のマイナス金利が大爆発した事から期末越えの残高確保やら運用ニーズが先行して進んで、最後に1月からの月次買入額増額分公表によって発生した思惑在庫部分がGC市場のファンディングニーズに出て、GCレートと現先レートが年末なのにプラスになって、その分コール市場の運用圧力も後退というオモシロ事案になった次第。

でもって年明けて輪番始まったので少しはGCレート下がるのかと思ったのですが、今の所まだ下がっている訳でもない(TKRR分だと1/6スタート分までしか出ていないのであまり参考になりませんけど)ってな感じで、その影響&年末越え残高確保ニーズの反対側が出たと思われる期内物短国外しの動きもあるようで、GCや短国のレートがあまり下がらん上に短国の引値も全般的に若干甘めになるという展開。

その一方で利付の短い所の引値があばばばばーになっている次第で、昨日に始まった話ではないのですが、2年は新発以外が▲6bpだの▲5.5bpだのとなっていて、足元の所でも2年の残存数か月のゾーンが軒並み▲4bpとか遂に短国の方が甘くなってくるという動きになっていて、要するに輪番とか短国買入とかの市場に対するインパクト度合いだけで価格形成してるだろこれとしか申し上げようがありません。これを弊害と言わずして何を弊害というのかは謎ですが、まあそういう状況でも「金利低下は買入効果です(キリッ)」とか言うんでしょうかねえと年初早々頭が痛いです。

この後ネタにしますが、ここへきて黒田総裁何か変なモノでも食ったのかというように追加緩和がどうのこうのとか言い出していますが、1−3年とかに関しては特にもう輪番以外での事由で価格形成してねえだろ状態に近づく中ですが、追加緩和してしまいますと更にこの悲惨な年限が拡大するという想像しかできないのですが本当に今の枠組みで追加緩和出来るんですかねえ(まあ市場がどうなろうと知らんがなというスタンスですからやるときはやるでしょうけど)。


・マネタリーベース確報来ました

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/mb/mb.htm/

こちらの時系列データを見ますと、

2014年12月末残
MB:2,758,740
銀行券:930,818
貨幣流通高:46,562
日銀当座預金:1,781,360
超過準備:1,616,899

2015年12月末残
MB:3,561,336
銀行券:984,300
貨幣流通高:46,900
日銀当座預金:2,530,136
超過準備:2,306,864

ということで、MBの末残は80兆2596億円の増加というこの帳尻力オソロシスとしか申し上げようがありません。なお平残でみると78兆9877億円の増加になっているので、MBについては平残ではなくて末残で合わせに行っているという理解で問題は無いと思います。

#なお銀行券発行残高が昨年末対比でしらっと4.5兆円ほど増えているのがお洒落

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2016/01/04

○年末市場雑談

・年末MBの帳尻

29日確報
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/jd151229.htm

マネタリーベース 3,558,600

30日速報
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/jx151230.htm

財政要因とオペ要因を加えると+2,800億円なので、出来上がりのMBは356兆1400億円でして、15年末のMBが275兆8800億円でしたので、80兆3400億円がMB拡大目標に対して見事に着地してきました。まあ水曜にも試算した通りですな。


・年末コール雑談

12/30実績
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/mp151230.htm
平均 0.038%
最高 0.079%
最低 0.004%

ちなみに最近の四半期末はどうなっているかと申しますと、

9/30
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/md150930.htm
平均 0.010%
最高 0.075%
最低 0.001%

6/30
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/md150630.htm
平均 0.011%
最高 0.125%
最低 0.001%

3/30
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/md150331.htm
平均 0.015%
最高 0.075%
最低 0.001%

とまあそんな感じになっていまして、四半期末というのは皆さんポジションを圧縮する(コールやレポでの両建てポジションが解消される)一方でリアルマネーの運用サイドは変わらずに残り、運用したい意欲の方が高まるので、コールの平均って最近は下がるのが仕様となっていて、ついでに言えば国債等担保の有担保コールについて担保足りないということになった時に運用資金が無担保コールに押し出されたりというのもあって、ここもとは平均が1bp台で推移するのが仕様でしたな。

でまあ今回の年末に関してはその前にご案内相場があって年末越えの資金運用の方が先に意欲が超高まってしまってCPの金利とかに影響が出た訳ですが、最後の最後に来てGCレポの金利とかがプラス(今日からの輪番向け在庫でかさ上げされている)に達したりというように、最後の最後で調達サイドの方が残ってしまう格好になり、コールの加重平均は最近の四半期とは違ってやや強め(いつもよりは低いですけど)となっています。朝方はいつもの低金利でスタートしていたのですが最後に調達残りになってコール上昇して加重平均が上がるの巻ということになったようで、中々味わいが深いとしか申し上げようがない。


ちなみに14年の年末も加重平均高かったんですが、
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/md141230.htm
平均 0.066%
最高 0.080%
最低 0.055%

14年の四半期末は、3月0.044%、6月0.058%、9月0.029%、となっていまして、2014年9月と言えば短国がアッと驚くマイナス金利に突っ込んだ時でしたけれども、その前は普通の金利で推移していましたし、12月に関しては途中で短期の金利が結構猛烈に低下してCPの金利も随分下がった(ただし直近昨年12月のようなスットコドッコイな金利にはなっていない)のですけれども、そもそも昨年のような海外爆買い到来という状況ではなかったために、月末に掛けて最後は短国買入を絞ったので100円足切水準とかで推移していたという点ではそこまで酷い状態ではなかったので最後はやはり資金調達の方が残った感じですな。

まーそう考えると年末越えの所って毎度結構な騒動にはなるのですが、最終的には皆さんがかなり防衛的に動くので最後は何とかなるの巻ということなのかも知れませんけどね。

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