相場見通しのつもりだが・・・たぶん後講釈(2015年04月〜2015年06月)

こちらはあまり当らない相場見通しやら相場後講釈やらを書いております。一応債券だけどもマネーマーケットに限りなく近い範囲をカバーしつつも、昔取ったなんとやらで債券市場のお話も。まあどっちにしても板に張り付いている訳ではないのでピンボケになる場合もありそうです。その節はご指摘を。

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2015/06/30「四半期末初の東京レポレートがマイナス8.5bp」
2015/06/29「4半期期末渡で短国買入だと・・・」
2015/06/26「短国は100円足切&2年は応札少なく債券下落とな/国債決済T+1は2018年度上期」
2015/06/25「セカンダリーでカレントがマイナスで迎える3M短国入札はどうなる」
2015/06/23「短国買入は新発1年のみが入った模様」
2015/06/19「3M短国入札は平均100円にに強含み」
2015/06/18「貸出支援は1兆円ほどの純増/1年短国は見事に一人旅」
2015/06/17「5月業態別当座預金は地銀とその他が落とすが都銀信託外銀は拡大」
2015/06/15「短国買入1兆円に増額も落札は穏当(応札は少ない)」
2015/06/12「3M入札の金利は上がりませんな/債券市場は海外につれてまあ叩き料理状態」
2015/06/10「米独金利が上昇!」
2015/06/09「金曜の短国買入は5000億円&月曜の6Mはまたまたマイナス金利」
2015/06/05「3M短国入札の金利は低下」
2015/06/03「5月にMB積み上げ進捗して6月は短国買入要らないのではという状況だが短国レートはマイナス」
2015/06/01「短国買入謎の4000億円オファー/中期輪番この状況で増額とな/レポ市場フォーラムはT+1決済強要と」
2015/05/29「3M入札はプラスで2年は引き続きマイナス」
2015/05/26「短国買入は2.25兆円に増額したら足切が盛大に流れるというダメダメ結果」
2015/05/25「2年と短国がインバート状態/固定金利オペ拡大&本日は短国買入」
2015/05/22「3M入札が6か月ぶりにプラス金利/固定金利オペが謎の増額ロール」
2015/05/21「今日の3Mはプラスになるでしょうか」
2015/05/19「4月積み期間の当座預金動向には特段の特徴無し」
2015/05/18「短国買入は2兆円で継続/市場局アリバイ会合の追加キタコレ」
2015/05/15「ついに3M入札が5週連続でマイナス金利!!」
2015/05/14「佐藤審議委員講演はレポとかT+1決済の話などがあるのでこちらにもおいておきますね」
2015/05/13「6M入札も金利低い&10年入札はコケる/ドイツ10年0.80%まで上昇した後反発」
2015/05/12「短国買入2兆円に減額も足切は流れる」
2015/05/11「3M短国入札は4回連続のマイナス金利」
2015/05/08「欧州金利動向/1日の短国買入は2.25兆円で足切は流れてましたが今月の短国買入は9兆円ですかね」
2015/05/01「欧州金利上昇中とな/輪番は今回変更なし&今日の短国買入に注目」
2015/04/30「3M入札は3週連続でマイナスの結果に」
2015/04/28「2年と3か月の入札ですがどちらもひどい強さになりそうですな」
2015/04/27「短国買入と輪番共に強い結果でアチャー」
2015/04/24「3M入札の足切が過去最低利回りにツラ合わせ&中短期市場の金利が一段と凶暴に低下中」
2015/04/23「2年金利マイナス圏に突入/4月10日の短国買入は6M新発大量落札の特定業者ウハウハの結果か」
2015/04/20「短国買入は予想外の根こそぎ掻っ攫いオペ/輪番オペも強い結果で金曜は需給相場の色を濃くする」
2015/04/17「超長期入札も3M入札も強い結果となりひっ迫感更に強まる」
2015/04/15「5年入札で中期の金利低下加速/日銀保有銘柄票から:輪番は来年継続厳しいでしょう」
2015/04/14「2M短国は日銀にも海外にも入れられないことからレートがプラスの普通の金利とは」
2015/04/13「海外の買いらしき動きで短国モノ無しとなり短国買入は1.75兆円に減額もマイナス金利突入」
2015/04/10「30年国債入札が激強となるが上で売りをぶちかまされて日中動きが10bp以上の道のりとなる/3M短国堅調」
2015/04/08「流動性供給入札で謎の先物急落と急戻し/6M入札ではマイナス落札&三菱証券が満額落札を公言とな」
2015/04/06「金曜の短国買入は2兆円/債券市場は3日同じトレンドが続かずとな」
2015/04/03「短国入札堅調/10年入札で相場大上昇/買入残高を見ると来年の輪番は相当厳しい」
2015/04/02「期初も債券市場は流動性無く大暴れ」
2015/04/01「MBきっちり着地とか相変わらず無駄な高能力/輪番超長期増額無しとな/JPX400ETFも購入へ」

2015/06/30

○そんなギリシャはスルーして東京レポレートェ・・・・・・・・・・

久々のこいつ
http://www.jsda.or.jp/shiryo/toukei/trr/index.html
東京レポ・レート

そちらの『公表データ』って所に

東京レポ・レート(2015年6月29日) エクセルファイル (Excel:27KB)
東京レポ・レート(一覧) エクセルファイル (Excel:138KB)

とありますが、まあどちらでもよい(上のが直近1日分で下のが過去データ)ので開けて見ますと、昨日の翌日物取引T+1スタートものの金利が何とびっくり-0.085%となっておりまして、短国市場が玉無し芳一時代になって、末初の短国現先の玉が思いっきり物無し状態になってしまった影響からGCレポレートにも四半期末にマイナスに突っかけるという現象が発生していますが、マイナス8.5bpというのは色々なものを超越して天上界に旅立ってしまったようなレートになっております。

#いやまあ前日の時点でS/Nの気配がアレだったのでそこそこのマイナスの数字になるとは思っていましたがアイヤーという感じですな

四半期期末(なので月末でもある)ということで、決算開示的なお家の事情というのがあって、国債とか有価証券とかの保有残高を稼ぎたいというニーズは世の中にあり、一方でこの金利の状況でそんなに買ってられませんがなという状況の下では、どうしても短国中心に期末残高の調整でニーズが出てくる訳でして、そういうお家の事情に則った買いまたは買現先のニーズでございますからそらもう特に現先なんて食らっても1日分だけですからマイナス金利だろうと突撃してくるお家の事情隊の皆様がいると普通の運用やっている投資家はマイナス金利確定のものをむざむざ買いに行くわけにも参りませんので押し出されてしまうの図となる訳ですな。

とは言いましても、GCレポでしたらそこまで盛大にマイナスに突っ込むかというとこれまた微妙で、上記の東京レポレート一覧で過去のを見ていただければ分かりますが、マイナスに突っ込むと言っても今回のような冥界レートにまではならないというのが仕様(なお短国現先は平気で冥界に突っ込む)だったのですが、今回は日銀の短国買入が四半期末日に受渡をするという無慈悲クラウディングアウトプレイ(輪番もそうですが)が登場したのでこんな有様になってしまいましたという事で、日銀から積極的にクラウドアウト(以下いつもの悪態なので割愛)。


まあそんな事より次回の金融政策決定会合では6月のマネタリーベース残高の進捗が誤差で説明できない上振れを示している件について「ステルス追加緩和ではないか」という質問を会見で誰か飛ばして下さいお願いしますお願いします(なお想定問答は「あくまでもこれは調整上の誤差範囲内で年間80兆円ペースは変わりません」だと思います・・・・・・・)。

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2015/06/29

○短国買入を四半期末で実施だと??とかオペ関連雑談

金曜のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of150626.htm
国庫短期証券買入 10,000 2015年6月30日
国債買入(残存期間1年超3年以下) 3,750 2015年6月30日
国債買入(残存期間3年超5年以下) 4,000 2015年6月30日
国債買入(残存期間10年超25年以下) 2,400 2015年6月30日
国債買入(残存期間25年超) 1,400 2015年6月30日
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注3) 7,382 2015年6月26日 2015年6月29日
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式> 15,000 2015年6月30日 2015年10月9日

>国庫短期証券買入 10,000 2015年6月30日

お、おぅ・・・・・・・・・

いやあのですね、6月30日というのは四半期末でして、四半期末というのは開示絡みで末算調整の為に短国の買い切りや買現先のニーズが大変に多くなる時なのでございまして、MB目標が足りなくて死んでいるというのなら仕方ないのですが・・・・・・・・

3月末のMB
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/jd150331.htm
マネタリーベース 2,958,600

6月25日のMB
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/jd150625.htm
マネタリーベース 3,220,900

となっておりまして、仮にここから短国買入を実施しないで共通担保オペが全部(7592億円)落ちたとしても26日〜30日の所で銀行券増発と当座預金残高増額を合わせて2.4兆円程度はプラスが拡大する筈で、そうなりますと6月末のMBって324兆円以上になる筈で、295.8兆円から年間80兆円の四半期分で考えた場合に結構な上振れになるのですよね。

んでもってそこに更に1兆円のMBを上乗せする必要がどこにあるのかが良くわからないのですが、7月8月の財政上げ超分に対してバッファー作るにしても何も昨日短国買入やらないでも今日か明日にでも打ち込んでおけば末算調整で必要な世の中のニーズにも対応できると思うのですが、何かどうも調節の中の方々におかれましては買入で札が確保できれば市場に買われる前に買ってしまえという発想でもおありになるのか、普通四半期末渡しで短国買わないだろ(長期国債は超短い所でもない限り末算調整でどうのこうのは発生しないので輪番の足が四半期に来るのはあまりキニシナイ)というようなプレイが登場するとは恐れ入りました。


なおオペ結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba150626.htm
国庫短期証券買入 25,335 10,005 0.000 0.002 5.1
国債買入(残存期間1年超3年以下) 10,436 3,752 -0.013 -0.010 18.0
国債買入(残存期間3年超5年以下) 14,728 4,000 0.007 0.008
国債買入(残存期間10年超25年以下) 6,025 2,402 -0.003 0.006 18.3
国債買入(残存期間25年超) 4,308 1,402 -0.002 0.003 2.6
国債補完供給(国債売現先)・即日 (午前オファー分) 0 0
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式>(6月30日スタート分) 733 733

木曜の3M短国入札が100円足切になっていましたので、プライマリーの段階で投資家にあまり嵌っていない(これがプラスだと今の時点では投資家の買いでガッツリ投資家に嵌ってしまい玉無し芳一になってしまうが投資家も当然その時点ではお腹いっぱいなのでそれ以上に買い進まれない)という展開が想定されますので、まあ札はさすがにあるだろと思ったら一応2.5兆円の札は入っていましたが、結果は引けとかまずまず確りですなあ。

でまあこれによりまして末の所での残高調整的な現先可能玉が世の中から1兆円消えてしまったわけでして、末初の現先とかレポとかのレートはあまり拝見したくないという所になるんですが、いやまあそういう政策ですと言われてしまえばそうなのかも知れませんが、運用上工夫できそうなところで何もわざわざ市場のニーズの強い所で日銀がガッツリ買入実施してクラウディングアウトせんでも良いものをと思いますし、日銀が末算調整上已むを得ないというのであればまだわかるのですがどう見てもMB目標上振れじゃネーノと思う所で買うというのもねえ・・・・・・・・・・・

まあ終わったもんは終わったもんとして、焦点になるのは7月に入ってどういう事になるのかという話ではありまして、何せ4月〜5月に掛けて5打席連続3M短国マイナス金利というのがありましたが、その分のロールオーバーが7月になるとやってくる訳で、日銀買入銘柄にしても(マイナス金利を買えない)投資家にしても妙な歪みが発生している所になりますので、どういう動きになるのかというのはちょっと楽しみというかオソロシスというかではございますな。


あと、固定金利オペですが、一時妙に増額ロールされていて???だったのですが、金曜のオペでは7592億円の落ちに対してロールが733億円と盛大に残高が縮小しておりまして、暫く前の買入残高拡大とは何だったのかという所ではあります。4年固定の貸出増加支援貸出制度の方も先般1兆円少々しか残高増えていません(純増ベース)でしたし、どうも中短期というか2年辺りの金利がゼロ近辺で張り付いているのが徐々に効いてきているのかもしれませんね、よー知らんけど。

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2015/06/26

○市場雑談メモと言ってもだいたい短国とちょっと2年新発

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20150625.htm

(3)募入最低価格 100円00銭0厘0毛(募入最高利回り)(0.0000%)
(4)募入最低価格における案分比率 62.7037%
(5)募入平均価格 100円00銭0厘3毛(募入平均利回り)(-0.0012%)

・・・・・・・・・・・・・orz

ということで昨日はマイナス金利のニーズはどうせ限定的とか申し上げていましたが、物の見事に100円足切になってしまいましてアイヤーという所ですな。まあその後ワッショイ的に金利が下がると地獄篇なのですがそういう事にはなっていなかくてゼロ金利近辺の推移だったみたいなので、まあ昨年の9月から11月とかのようなあばばばばーなほどではないにせよ、まあ金利が上がらない上がらない。

その一方で・・・・・・・

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_auct/auct20150625.htm
国庫短期証券(第542回)の発行予定額等

1. 入札予定日 平成27年7月2日
2. 発行予定日 平成27年7月6日
3. 償還予定日 平成27年10月5日
4. 発行予定額 額面金額で5.1兆円程度

こちもアイヤー(いやま来るかもという観測はありましたが)という所で、短国玉無芳一でヒーコラ言っている中で7月は短国買入増額とか来そうな中で発行減るのかよおいおいという所で、これもまた来月短国需給が締まるし3Mも短国買入に入るのでは的な発想になって更に3Mがサガランチ会長になるという奴なのですが、まあお互い言い分はあるのは理解していますが、現在のような超異例の政策を実施する中で中短期と短国の発行減額される傍から日銀は馬鹿買いをしている訳で、そら市場の干上がりが加速するわと思う次第で、もうちょっとこう連携できないものかとは思うのですが、まーそうはならないのは理解しております。

なお発行が減った分資金需給的に財政の揚げ超が減るので実際問題としてはツーペーっちゃあツーペーなのですが、やはり入札の額が減るとその分だけ落札が強くなりやすくなりますから実際の需給云々はともかくとして入札時の瞬間的な需給が締まる方向になる要因ではあるなあとゆーところで。


・2年入札

うむ。
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/nyusatsu/resul20150625.htm

6. 価格競争入札について
(1)応募額 8兆5,876億円
(2)募入決定額 2兆3,127億円
(3)募入最低価格 100円19銭5厘 (募入最高利回り) (0.002%)
(4)募入最低価格における案分比率 70.2250%
(5)募入平均価格 100円19銭7厘 (募入平均利回り) (0.001%)

2年のカレント既発は相変わらずちょっとプラスになってもすかさず買われたりするのか中々ゼロ近辺から抜けないのですが、新発に関しては何せ発行日が7月15日になりますので、ここで買ってもキャッシュ潰しや担保ニーズに対応できないという残念な商品でもあったりするので、新発の入札の所では存外プラスになったりする。

というか応札8.6兆円って少なくねえかとか思っていたら・・・・・・・・・

http://jp.reuters.com/article/jptokyomarket/idJPL3N0ZB2FK20150625
〔マーケットアイ〕金利:国債先物が反落で引け、長期金利は一時1週ぶり0.480%
2015年 06月 25日 15:12 JST

『[東京 25日 ロイター] -<15:10> 国債先物が反落で引け、長期金利は一時1週ぶり0.480%

国債先物中心限月9月限は前日比10銭安の146円75銭と反落して引けた。ギリシャ債務協議の行方に一進一退の展開。朝方は米債高の流れを引き継いで買いが先行したが、午後に入ると、「最悪のシナリオであるギリシャのデフォルトが回避されるのではないかという期待感」(国内金融機関)が浮上すると、一時146円60銭と6月17日の水準まで売られた。現物市場は軟調。中長期ゾーンに銀行勢などの売りが出た。10年最長期国債利回り(長期金利)は一時同2.5bp高い0.480%と6月17日以来約1週ぶりの水準に上昇後、午後3時現在0.470%で推移。』(上記URL先より)

ということなのですが、ギリシャ云々とか実弾の売りとかもそうかもしれんのだが、昨日の日中値動き的には2年国債入札の結果が出て上が重くなって先物コケ気味になった感もあったりするのですが(あくまでも主観です)どうなんでしょうかね。

ちなみに、
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/nyusatsu/resul20150625a.htm

 本日の2年利付国債(第354回)の第U非価格競争入札に対する応募はありませんでした

ということで第U非価格のおかわり無しという結果でした。

○そういえばうっかりしていましたが国債決済T+1ですかそうですか

昨日の日経朝刊に思いっきり出ていましたな(汗)。

http://market.jsda.or.jp/shiraberu/saiken/kessai/jgb_kentou/index.html
国債の決済期間の短縮化に関する検討状況について

こちらの報告書等の最初の所に

・国債の決済期間T+1化の実施目標時期等について(2015年6月)
http://market.jsda.or.jp/shiraberu/saiken/kessai/jgb_kentou/T1_mokuhyoujiki.pdf

・参考資料 国債取引の決済期間の短縮化に伴う国債店頭取引精算業務に係る制度要綱(日本証券クリアリング機構) 
http://market.jsda.or.jp/shiraberu/saiken/kessai/jgb_kentou/jscc_seidoyoukou.pdf

というのがありまして、最初の方のURL先から。

『本協会「証券受渡・決済制度改革懇談会」の下部機関である「国債の決済期間の短縮化に関する検討ワーキング・グループ」(以下「本WG」という。)では、「国債取引の決済期間の短縮(T+1)化に向けたグランドデザイン」(以下「グランドデザイン」という。)における方針1を踏まえ、市場参加者へのヒアリングや調査(別添1)を通じてT+1化に係る市場関係者の開発スケジュールの把握に努めて参りました。』

開発スケジュールの把握とかもう最初から(銃声)。

『この度、本WG では、上記調査等を踏まえ、T+1化の実施目標時期を定めると共に、実施に向けた主要マイルストーン(別添2)を取りまとめました。具体的には、市場関係者は所要のシステム開発を2017 年夏頃までに終え、同年秋口からの総合運転試験等を十分に行った上で、2018 年度上期2のT+1化を目標とすることを合意いたしました。』

いやー2018年度上期ですかそうですかー。まあこの時に日銀のバランスシートが縮小に向かっていて国債の流動性も復活して、金利も復活していることを願うしかありませんが、うっかりこの時期に出口みたいなのとぶつかると今の建付けのままだったら大変なことになると思いますよ。SLFの常設ファシリティ化と日銀保有銘柄のスイッチングオークションの制度導入を早くしてください。

『また、別添2に記載のとおり、このスケジュールに沿って準備が行われるための課題・留意点についても、調査結果等を踏まえ整理しています3。市場参加者におかれては当実施目標時期及び主要マイルストーンを念頭に、引き続き国債決済期間短縮(T+1)化、及び新現先取引への円滑な移行をはかるべく、業務・システム面の対応を進めていただくようお願いいたします。』

『今後、本協会及び本WGにおいては、引き続き関係当局・関係機関、市場関係者と協力し、円滑なT+1への移行及び新現先への一元化に向けて、必要な周知・啓発活動、市場慣行の整備等を推進していく予定です。』

で、日経の記事だと決済期間短縮で未決済残高の積み上がりが減るからリーマンショックのようなときに市場の混乱が小さくなるという話が出ていましたが、そらまあ未決済残高の積みあがり(しかもあの時は新発5年入札の翌日だかに飛びやがったからもうねという所)で市場混乱というのはその通りなのですが、それってCCPを導入しても抑制できるはずの話であって、別にT+1化をしなければ出来ないというたぐいのものではないし、大体からしてTBTFの金融機関に対する資本チャージとか流動性確保のレギュレーション改定とかでそっちのリスクって減ってねえかとか、まあT+1をやりたいのは分かるのですけれども、何かこう色々なものを詰め込みすぎ(新現先とかトライパーティーレポとかCCPとかT+1とか)で話の難易度を無駄に上げている感はあるんですよねえこの件って。

まあ何はともあれ、T+1やって決済リスクが削減されても事務リスクが高まったり債券市場の流動性が低下したら何のためにやったのかという話になりますので、事務リスクの方は新現先とか銘柄後決めGCとかトライパーティーレポとかそういう話でしょうが、債券市場の流動性に関しては日銀がT+1化推進する中で金融政策の方でせっせと流動性を殺しに来ているのですから、そっちは制度手当はやくやれやという事を再度申し上げておきますです、はい。

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2015/06/25

○今日は3M入札

ということで気が付けばスポットが29日なのでスポ末前日となりまして、6月末と言えば今年も半分過ぎてしまいましたが(涙)、今日は3M短国入札。

・・・・・・でまあこの3Mなのですが、相変わらず利付の方も含めて短い所の需給が強めで推移はしているけれども日銀以外でマイナス金利を特攻してくる人がバカスカというほどの状態でもない、という微妙な状況でございますので、そうなりますとマイナスで切れるようなところまで強くはならないけれども、かと言って3月末みたいにプラス方向で流れるような事もなくという結果になるんでしょうな、よー知らんけどな。

でもって3月末の場合はそんなことで期末になって日銀買入を減らした効果とその半期前の9月で散々な目にあっていた学習効果で前倒しで積む→最後の最後で需要が飽和するというコンボになりましたが、まあ今回は事前に6月は日銀短国買入減るから大丈夫だろうというイメージが強かったのが影響して前倒しの動きがあまり強くないので最後の最後まで需要が堅調という感じですかそうですか。まあ買入が思いのほか多かったのも影響してるかもですが。

まあこうなりますと6末自体はそう極端な波乱にはならないと思う(ちなみに短国買入については明日打つと四半期末受渡になるので札が全然入らない事が想定されますし、大体からして期末の所で短国をアウトライトでお吸い上げとか嫌がらせにも程があるプレイなので、過去の例からすると29日月曜か30日火曜に買入を入れてくるんじゃないですかねえ)のですが、7月になりますと日銀保有短国の償還も多いわ財政の揚げも多いわとなるので、3月と違い発射台がゼロ金利状態で始まる短国市場とか中々痺れそうな悪寒。

ちなみに、4月の3発目の3Mから3M短国5打席連続マイナス金利という悪魔の事態が発生しておりましたので、この時期に償還が来る銘柄って流通玉がろくすっぽ無いので、入札でマイナスでその後も流通玉碌にない状態だと償還再投資ニーズも無いという珍事態になっているので、それらの需給関係がどう出てくるのかという点について、今回は特に5週連続マイナスかつ流通玉も出てこないというのは初めてですので、なんかどうなるのか想像しにくかったりしますです。

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2015/06/23

○市場雑談メモ

といってもいつもの短国買入。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of150622.htm
国庫短期証券買入 10,000 2015年6月24日
国債買入(残存期間5年超10年以下) 4,000 2015年6月24日
国債買入(残存期間10年超25年以下) 2,400 2015年6月24日
国債買入(残存期間25年超) 1,400 2015年6月24日
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注3) 8,000 2015年6月22日 2015年6月23日
国債補完供給(国債売現先)・即日(午後オファー分)(注4) 24,253 2015年6月22日 2015年6月23日

補完供給の乱れうちワロタという所ですが、それはそれとして短国買入はまあ1兆で来るなあと思ったら1兆。


落札結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba150622.htm
国庫短期証券買入 17,811 10,000 0.011 0.012
国債買入(残存期間5年超10年以下) 12,141 4,010 0.002 0.003 41.3
国債買入(残存期間10年超25年以下) 8,761 2,404 -0.002 0.000 83.8
国債買入(残存期間25年超) 3,172 1,403 -0.033 -0.022 94.3
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注4) 115 115 -0.400 -0.400
国債補完供給(国債売現先)・即日(午後オファー分)(注5) 631 631 -0.400 -0.400

ということで、短国買入の結果は1.2甘/1.1甘なので水準そのものは3Mとか入らないようなレートでして、1年カレントの539回の売参がマイナス4.4bp、6Mカレントの537回の売参がマイナス2.1bpですので、どうみてもこれは539回を一発で入れてきた(なお537入れても入札水準からすれば利食いは利食い)という所ですが、応札の方が相変わらずの少な目でして、3Mは端から応札していないのか、それとも他に買うものが無いから3Mカレントに実需投資家の買いがあって投資家に嵌って出てこないのかが謎ですが、まあ昨年9月のように本当にモノがない的な感じではなさそうではありますので、この結果を受けて3Mカレントが極端にマイナスヒャッハーとかになった訳ではないと思います(どこかのベンダーでマイナス0.1bpとか言ってたような気がする)。

でまあ来週は四半期末(良く考えたら今年も半分終わりじゃないですかorz)な訳ですが、木曜に3Mの新発があって、過去の例からすると四半期末当日に受け渡しが来る短国買入とかどう見ても札が入らないからパスして来週の月曜か火曜辺りに短国買入という段取りになる(どうせならやらないで需給を少しゆるめたほうが良いのにとは思うが)のでしょうなとゆー所ですが、相変わらずの流れで6Mと1YのTBは別世界で3Mはゼロ近辺で延々と推移というしょうもない相場になるのでしょうかねえという所で。

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2015/06/19

○市場雑談メモ

・3M入札ェ・・・・・・・・・・・・・・・

アイヤー!
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20150618.htm

(3)募入最低価格 99円99銭9厘5毛 (募入最高利回り)(0.0019%)
(4)募入最低価格における案分比率 1.3559%
(5)募入平均価格 100円00銭0厘0毛(募入平均利回り)(0.0000%)

・・・・・(゚д゚)

こっち見んなと言われそうですが^^;前回に引き続きまして3M短国のレートが低下しやがりまして、足切りはプラスでしたが案分は極薄で、実質的には100円一本値という結果になっておりまして、6月末に向けて需給が強い状態が続くの巻となっておりまして誠に遺憾の極みという所です。まあこれオーバーパーの札が中心になりだしたらまたもマイナス街道という事になりましてそらどういう事じゃというか4月〜5月の再来になるんですがそれはという話でまたかよ勘弁というお話ではありますな、うんうん。

まー何だかんだ言って短国買入が思いのほか減らなかったのと、利付の短い所がとにかく全くと言っていいほどマイナス街道、と思ったら昨日のBB引けで2年カレントの辺りが謎の1毛甘になっていて引値でプラス金利とかしばらくぶりに見た気がしますが、まあこの前も2年カレントプラスになったと思ったらあっさり実需最終投資家的な買いが入って砂漠に水を撒いたかのような吸収のされ方だったと思いますのでもうねという所で。


でまあ次回の短国買入は月曜になる(今日はMPM2日目なのでやらない)のですが、どうせまた1年新発買いたいから1兆円とかオファーして6月のMB積み上げを無駄に上方シフトさせて積み上げることになると思うのですが、まあ恐らくは7月の財政上げが例年以上に大きくいとかそんな背景があるんじゃネーノ的な話だとは思うのですが、それにしてもちょっと勢いが宜しいですから、今日の会見で誰か「MBの積み上げペースが加速していますがこれはステルス追加緩和と理解して宜しいでしょうか」って聞いてくださいお願いしますお願いします。

毎度申し上げておりますように、足元の短国需給が強いのは短国がどうのこうのというよりは利付の方が中短期の輪番やり過ぎで短いところの利付が日銀に盛大に吸い上げられていて、運用もさることながら担保とかその辺の需要にも影響という所でしょうし、大体からしてMB積み上げが進むのは良いけどその反対側にある超過準備だってバランスシート制約というものがあるのですから、そうそう無限に積むわけにも逝かない訳ですから、中短期の需給カラカラ状態が短国買入のフローをこれだけ下げているのに短国3Mの金利がアガランチ会長どころか低下してきている、というのに反映されていると考えますと、今の調子で中短期の輪番やっていたら早晩中短期の輪番が爆発(凄まじいマイナス金利での買入とかスーパー札割れとか)するんじゃないのという悪寒がだいぶするので、この際買入年限の変な縛り止めて発行が後ろにシフトしているんだから買入も後ろにシフトする方が「買入をマーケットニュートラルに行う」とか最初の7年程度について言い訳していた筈なので、その元々の理屈にも整合的なのではないかと。

#とは言っても年限は余計なことにMPMで決まっているのでMPMで決定来ないと無理なのだが


・関連雑談である

でまあ置物師匠も仰せのように「短期国債の買入では実質的にキャッシュ同士の交換であって、買入する資産がキャッシュ的な所から遠くなればそれだけ効果が出やすくなる」という話は昔も言っていた話なのですから、そう考えると「マネタリーベース」ではなくて政策の枠組みを「資産買入」にした方が色々とオペレーションが回りやすくなると思うのですが、QQEの最初の時点でMB直線一気理論の話になっているのがもう話をややこしくしている訳で、APPによるバランスシートの資産サイドによって市場に影響を与える、という形にして資産買入をメインにした建付けに変えられないもんですかねと思いますが。

つまり、バランスシートの負債サイドからみたら超過準備をこれ以上誰が積むの的な問題が非常にヤヤコシイのですけれども、「資産買入」に焦点を当てるのであれば、そもそもキャッシュ代替部分の短国やら短期ゾーンの国債とか買う意味は乏しくて、長期の買入を継続しながらしらっと短期の資産を落とす(自然減で)形にすればオペはもうちょっと持つような気がしますが、これはMBが増えないのでMB直線一気理論との整合性が取れないという残念な事態が。

というか、そもそもマッカラムルールだか何だか知らんけど、当初この程度でみたいな話をしていた額を莫大に上回るMB拡大をしているのに物価はろくすっぽ上昇しないのですから、この時点でマネタリーベース直線一気置物理論に間違いがあったとしか申し上げようがないのですが、丸腰の兵隊を100人送って戦況が改善しないなら丸腰の兵隊を1000人送ればよいじゃないか的なトンチキ理論で兵力が全部無くなって滅亡するまで置物理論の間違いを訂正しないというのが見え見えなだけに全く期待ができませんな。

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2015/06/18

○貸出増加支援資金供給は1兆円ほどの増加

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2015/rel150617a.pdf

新規貸付の概要
貸付期間 4 年
貸付予定額 21,369 億円
貸付先数 35 先

借り換えの概要
貸付期間 1 年 2 年
貸付予定額 198 億円 0 億円

(参考)貸付日時点の貸付残高および貸付先数の見込み
貸付残高 貸付先数
大手行 162,003 億円 7 先
地域金融機関等 69,083 億円 117 先
合計 231,086 億円 124 先

ということですが、前回が

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2015/rel150316b.pdf

(参考)貸付日時点の貸付残高および貸付先数の見込み
貸付残高 貸付先数
大手行 160,497 億円 7 先
地域金融機関等 62,957 億円 112 先
合計 223,454 億円 119 先

となっていまして、前回からの増加は1兆円程度なので、期日前返済も入っているという形になっていますが、まあ前の制度でもロールしないというのもあったので、これはまあこんなもんなのかもしれませんが、残高22兆円〜23兆円の所で頭打ちとかになってしまうのでしょうかねえという所で。


まあ何ですな、4年10bp固定金利ヒャッハーと言いましても、そもそも論として中短期の輪番を市場のキャパ以上に実施している結果として残存3年ゾーンのJGBで1bpとか1.5bpとかの水準になっていて、4年でも5bp程度(5年だと辛うじて10bp乗りますが)という水準になっているのですからそら4年固定でも10bpが高利貸し金利になってしまいますがな(貸出支援は当然適格担保が必要)という話で、自分たちのやっている貸出増加支援の残高が伸びないのが輪番オペのせいという大変に皮肉なお話になっていますな。

つーかですね、MB直線一気理論を引っ込めて話をする、ということでしたらば、それこそECBでもそういう話をしますが、「金利低下が貸出に回って金融環境が良くなるのが政策効果」などという話に持って行くと考えますと、中短期の国債金利を無駄に下げて政策効果(キリッ)とやるよりも、この貸出増加支援オペの残高が増えるようにしていった方が「本行の金融政策運営によって銀行の貸し出し増加に寄与している(ドヤァ)」と言えるんじゃネーノとか思う
わけでございまして・・・・・・・・・・


なお、今回から開始になった「当座預金取引先以外への貸出」という超斬新企画の結果は・・・・・・・

『(注2) 系統中央機関の会員である金融機関(日本銀行の当座預金取引の相手方でない先)の利用による系統中央機関への貸付残高は、1,056 億円(会員金融機関38 先)。』

となっておりまして、これが多いのか少ないのかってイマイチ分からんのですいませんが、アタクシ的には結構出たんじゃないのかなと思ったのですがどうでしょう。

#この勢いで当座預金先以外にも補完当座いや何でもありません


○1年短国は引き続きの別世界とか短国雑談

最早勝手にしてればという所ですが
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20150617.htm

(3)募入最低価格 100円01銭0厘(募入最高利回り) (-0.0100%)
(4)募入最低価格における案分比率 26.8461%
(5)募入平均価格 100円01銭5厘 (募入平均利回り)(-0.0150%)

で、セカンダリーではワッショイということでBBの引けはマイナス2.4bpになっているようですな。なお今週は金曜がMPM2日目なので短国買入は月曜に入るのですが、6月のMBって盛大に積みあがっている筈なのですがやはり1年もの買いたいから1兆円とかになるんですかねえ。まあ7月8月にバカスカ短国買入入るという悪魔のような展開にならないのであればそれもまた仕方なしという所かもしれませんがね。


ということで本日は3M入札なのですが、とにかく6Mと1Yが上記のような有様で普通の投資家排除して入札ヒャッハーとやった後ワッショイワッショイと持ち上げられてしまうので、3Mに需要が集まってしまうのと、さっきちょっと申し上げたように中短期の輪番が市中流通玉に対するバランス的にというか感覚的にキャパオーバー状態になっていて、利付の2年近辺までマイナス利回りとか良くてゼロ利回りとかになっているために、まともなロットでマイナスじゃない金利が出る短期エリアって3M新発の出た瞬間しかないという状況で、そらまあここの金利がプラスになって日銀トレードワークしなくても金利そのものがアガランチ会長だわな、と思いながら今日の入札を迎えるのでありました。

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2015/06/17

○業態別当座預金残高(メモ)

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/cabs/cabs.htm/

例によってこちらから表計算ソフトに落としてみますと、5月積み期間に関しては超過準備が2.6兆円程度拡大しているのですが、増えているのが都市銀行、外国銀行、信託銀行となっていて、減っているのが地方銀行、第二地銀、その他準備預金先、その他当座預金先になっていて割と画然と分かれていますな。

だからどうしたというのがイマイチ良くわからんのでとりあえずメモだけ。

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2015/06/15

○市場メモである

・例によって短国買入

金曜のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of150612.htm
国庫短期証券買入 10,000 2015年6月16日
国債買入(残存期間1年超3年以下) 3,750 2015年6月16日
国債買入(残存期間3年超5年以下) 4,000 2015年6月16日
国債買入(残存期間10年超25年以下) 2,400 2015年6月16日
国債買入(残存期間25年超) 1,400 2015年6月16日
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注3) 2,603 2015年6月12日 2015年6月15日

・・・・・・・・1兆円????と思ったら結果は以下の通り。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba150612.htm
国庫短期証券買入 24,455 10,000 0.006 0.006
国債買入(残存期間1年超3年以下) 11,463 3,752 0.005 0.006 27.6
国債買入(残存期間3年超5年以下) 8,738 4,008 -0.015 -0.014 54.6
国債買入(残存期間10年超25年以下) 6,005 2,402 -0.029 -0.020 39.7
国債買入(残存期間25年超) 5,263 1,401 -0.019 -0.013 100.0
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注4) 155 155 -0.400 -0.400

まあ結果見て正直ホッとしました。また流れたら3M入札の瞬間だけプラスであとマイナス街道という四半期末でそれやらんでくれという展開が想像されたのですが、先週は6Mの入札がマイナス利回りで行われてその後もマイナス水準で推移していたのでおそらく3.5兆円の発行分がほぼまるまる残っている筈で、その一方で3Mに関しては平均落札価格が前2週よりも高くなったのに示されるように最終投資家のニーズが強いという事でしょうからこちらは投資家に結構嵌っているものとみられる、というバランスの中で増額してきたから、たぶん札はあるんだろうな(そもそも6Mの直後の短国買入だから6M新発を買いたいでしょうし)とは思ったものの、これでまた応札1.3兆円で引け強まで落札になったら湯気ポッポーという所でしたので一安心という所で。

ちなみに申すまでもありませんが6糸甘の落札結果ですので3Mは入らず主に新発6Mが入っていると思われますが、6Mとか1Yは日銀オペに入れるための玉状態になっていまして、3Mとは完全に別世界の商品状態になっていますな、ナムナム。


なお輪番は10-25がちよくてキタコレとか思ったのですが結局相場が持ち上がる中でキタコレになっていたのは超長期でも途中までで、先物35銭高で10年引けが3強で20年引けが2強の所で30年引け変わらずとかもうねという所ではありますな、うんうん。

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2015/06/12

○市場雑談メモとか

・3M短国金利がアガランチ会長

昨日の新発3M
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20150611.htm

(3)募入最低価格 99円99銭9厘5毛 (募入最高利回り)(0.0020%)
(4)募入最低価格における案分比率 36.8423%
(5)募入平均価格 99円99銭9厘9毛 (募入平均利回り)(0.0004%)

ということで前回入札が99.9997/99.9995の95.5%案分だったので何と前回よりも強い結果になっていまして、その間に6Mの入札があった筈なのですがこの強さはという所でして、やはり5回連続での3Mマイナス金利という流れが効いていて、四半期末に向けたニーズが強そうに見える事とか、利付国債の短いゾーンが相変わらずマイナスのままで推移していて他に買えるものがない人の中で短国と利付国債が同じ国債扱いの方だったらまあこの際ヤケクソで仕方ないとか、その他諸々のニーズがあるんでしょうなあと思いますが、そもそもMB目標を大幅に上振れするような短国買入をしている日銀という大投資家がいるのがアレなのですけれどもね。

まー一方でGCや現先レートの方は高止まりしているので、実際問題として玉が全部無くなってという状態になっている訳でもない筈なのですが、まあとにかく需給バランスが中々変わらない状況でして、長い所があばばばばーというのに何ですねんこれはという所ですな。


・債券市場ェ・・・・・・・・・・・

海外戻ったから今日は戻るんでしょうが。

http://jp.reuters.com/article/jptokyomarket/idJPL3N0YX2J220150611
〔マーケットアイ〕金利:国債先物が大幅続落、長期金利一時9カ月ぶり0.545%
2015年 06月 11日 15:12 JST

『[東京 11日 ロイター] -

<15:10> 国債先物が大幅続落、長期金利一時9カ月ぶり0.545%

国債先物中心限月9月限は前日比41銭安の145円95銭と大幅続落して引けた。前日の海外市場で、米独国債利回りが上昇したことを受けて売りが先行。外部環境が悪化する中で、朝方は20年債入札を警戒した売りが出て、下げ幅を広げた。入札結果発表直後はいったん買い戻しが入ったが、応札倍率の低さが意識されると再び売り込まれ、一時145円72銭と14年11月13日以来、約7カ月ぶりの水準に下落。引けにかけて安値圏での推移が続いた。現物市場では、入札に絡んだ持ち高調整やヘッジ(損失回避)を目的にした売りが出て軟調。10年最長期国債利回り(長期金利)は一時同5bp高い0.545%と、日銀追加緩和前にあたる14年9月22日以来、約9カ月ぶりの水準に上昇した。』(上記URL先より)

ということで、昨日もまたまた先物とか10年とかの叩き料理が展開されまして10年が追加緩和前の水準というのが実に心温まる数値でありまして、「実質金利の低下で金融緩和の効果(キリッ)」という説明をしている執行部見てる〜イェーイ!!というとても素敵な状態になっておりまして、期待インフレは上がらないわ物価は上がらないわ金利はヨコだわで何のために国債買入をしているのかと小一時間問い詰めたいのですが、恐らく債券安が株安に波及でもしない限りニヨニヨしたままで推移するでしょ黒田総裁はと勝手に妄想しております。

ま、昨晩欧州が更にクルーと思ったら毎度のクーレ先生の発言が報じられた辺り(なおその前にバイトマンとかいうジャガイモおじさんがボラは別に高くないとかギリシャはもうすぐあばばばばーとか碌でもない話をしていたが、またバイトマンか!という事で華麗にスルーされていたように見える)から戻っていましたのでまあとりあえず週末ですし戻るの巻となるんでしょうけどね。

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2015/06/10

○市場メモメモ

・ドイツ金利ェ・・・・・・・・・・・

アイヤー!!
http://jp.reuters.com/article/idJPKBN0OP28Q20150609
ドイツ10年債利回り1%に向け上昇、売り再燃=ユーロ圏市場
2015年 06月 10日 04:03 JST

『[ロンドン 9日 ロイター] - 9日のユーロ圏金融・債券市場では、成長、インフレ見通しの改善を背景に、独連邦債に対する売りが再び強まった。独10年債利回りDE10YT=TWEBは0.87%まで低下する場面もあったが、その後は8ベーシスポイント(bp)上昇の0.97%。先週つけた年初来の高水準となる0.998%に迫った。「利回りは今後1%を試す展開になる」(DZ銀行のストラテジスト、ダニエル・レンツ氏)とみられている。』(上記URL先より、以下同様)

ふむふむ。

『ニューバーガー・バーマンのグローバル債券マネジングディレクター、ジョン・ジョンソン氏は「成長、インフレ見通しの改善があらためて意識されており、利回りは上昇方向で調整される必要がある」と指摘。独10年債利回りは「1%─1.5%のレンジが経済の実勢や適正水準に近い」と語った。』

ということですが、2003年の円債絶賛暴落との比較という話が良く出てくるわけですが、まああの時はその前に永久デフレみたいな感じの話があって、そもそも金融機関の不良債権問題があばばばばーで株価がどひゃーだった訳ですが、そこからりそな銀行の救済があって株が戻りだして暫くした所からの金利上昇の図という形でしたな。

でもってあの時は第一弾が超長期62回の入札からの相場崩壊が主に超長期中心にカーブの後ろが盛大に売られる形で推移して、長期超長期が売られた相場だったのですがいやーどこまでやるんだとか思う辺りでさすがに買いが入っていったん反発。でまあ問題はその次の金利上昇で、当初は本当にこのまま戻るのかいなとか思っていた株価が思いの他確りで、物価は全然アガランチ会長でしたが株価が上がって何かこう雰囲気が良くなってきて政策当局からの発言もウッキウキ状態になって来た訳ですよ。でまあそんな流れから今度は「良く良く考えたら近い将来量的緩和終わるかもしれないから備えないといけないんちゃうのかね」という感じになって中期がコケだしたというか、中期がコケ出してから相場の自己実現状態になったというのが正しいのかもしれませんが、5年どころかCPIマイナスのままなのに2年までコケ出すというブレークイーブンもへったくれもあったもんじゃない状態になった訳です。

とまあジジイの昔話で長広舌をふるいましたが、よーするに今のドイツ国債様ってそうは言ってもQEは2016年9月まで実施するという話がありますからよもや金融政策の変更はないだろというのが前提にあるのではないかと推測します(こちとらドイツ国債のマーケットメイクしてる訳ではないから推測するしかごじゃりません)が、問題はマンデート直結のCPIが改善して当局者がウッキウキになってしまう辺りでございますな。

これもう政策当局者の仕様なので仕方ないと思うのですが、追加緩和みたいな施策を打ち込んで資産市場が上がったりする位ならともかく、経済指標まで良くなってくるともうウッキウキになってしまい、金利上昇を「良い金利上昇」と思ってしまうという事例は福井の俊ちゃんですらそうでしたし(なお俊ちゃんの場合でもその前の金利低下の時に「国債市場は別にバブルじゃないもんね〜(ニッコリ)」という趣旨の話をして更に国債市場が強気化するという事例もありました)、QQEローンチ直後の黒田さんも株高進行でニヨニヨして円金利上昇は経済の見通しが強くなったためですし下げるのは実質金利だよウヘヘヘヘとか言い出してきゃりーぱみゅぱみゅマーライオン相場になった次第でしたな。

ということですのでまあ金利上昇が株式市場を直撃するとか為替市場を直撃するとかいうような事態(というかそういう言い方をされる事態、というのが正しいように思える)が起きると金融政策当局の皆様の尻に火か点いてウッキウキから目が覚めるのですが、どこまでECBの皆様がニヨニヨしているかというのと、その間にうっかりCPIが改善しちゃったりすると更にニヨニヨしてくるというのが中々こうアレという話なんでしょうな。

つまりですよ、ECBのQE(なおバランスシートのサイズを目標にしている訳ではないので、APPとマイナス金利の組み合わせ、という方が適切)って2016年9月末まで継続という事になってはいるのですけれども、実はマンデートが早期に達成できるというのであれば別に2016年9月まで継続することは無いという建付けになっている(冒頭ステートメント読んでちょ)のであって、まあさすがにそこがぶれると不味いので「QEは完遂する」というコメントが毎度入っているのですが、かつての量的緩和時代における日銀のように解除条件に対して「足元の物価指標に対して紐つけをしたコミットメント」を取っている訳ではない(2003年の暴落の時には結局はそのコミットメント文言をより明確化することになった)ので、「いや待てこの調子なら2%達成が早期に逝くのではないか」とかになりだすともう大変ですよ先生とゆー話になる訳ですな、うんうん。

てな訳でまあ中短期が盛大にコケるような金融政策への思惑を伴うか伴わないかでマーライオンの度合いも変わってくるでしょうなあ、という当たり前の結論になるのですが何となく2003年の対比するのに記憶(とメモ等)を辿ってダラダラと書いてみましたが、そんな事より2003年の債券あばばばばー相場から干支が一回転している事の方に打ち震えるアタクシなのでありました。


・米国金利ですが

http://jp.reuters.com/article/idJPL3N0YV51620150609
米金融・債券市場=中長期債利回り7カ月ぶり高水準、週内の入札で売り圧力
2015年 06月 10日 05:30 JST

『9日の米金融・債券市場は、期間が長めの国債利回りが7カ月ぶりの水準に上昇。今週は大規模な国債入札が実施されることから、売り圧力が高まっている。RBSセキュリティーズの米債ストラテジスト、エド・アトキンス氏は「週内に加速する国債入札がこの日の焦点となった」と述べた。トレーダーの間からは、欧州市場で独連邦債の売りが再燃したことも、米債利回り上昇につながったとの声が聞かれた。』(上記URL先より)

まあ何ですな、来週のFOMCは現状維持でしょうからその後の会見に注目という事になるんでしょうけれども、米国の場合はそうは言いましても年内利上げはコンセンサスで、その後の利上げパスもまあゆっくりでしょさすがに、という話なのですから、そーゆー意味で言えば話の前提がコケるのって「ゆっくり利上げパス」という市場の想定する前提が崩れるときですから、まあそこまでの指標改善というのはハードル高いんじゃないのとは思うのですが良くわからん。

どうせ年内利上げするなら9月にサクッと上げて「もちろん今後もデータ次第だけど、少なくとも1四半期は今回の利上げの影響を見極めていく余裕がありますし、状況によってはもう少しその先の利上げを待つ余裕があるんじゃないですかねえウヘヘヘヘヘ」というメッセージをどどーんと出した方が相場が落ち着くように思えるんですけどねえ。


・なお日本は流動性供給入札でヒャッハー

とりあえず置いておく。
http://jp.reuters.com/article/idJPL3N0YV2HD20150609
〔マーケットアイ〕金利:国債先物が大幅反発、長期金利は一時1週ぶり0.445%
2015年 06月 9日 15:24 JST

『<15:20> 国債先物が大幅反発、長期金利は一時1週ぶり0.445%

国債先物中心限月6月限は前日比36銭高の147円31銭と大幅反発して引けた。前日の米債高を受けて買い先行後は、限月交代に絡む持ち高調整で小動きのまま午前の取引を終えた。午後に入ると、堅調な流動性供給入札結果を織り込む形で上げ幅を拡大。現物長期・超長期ゾーンに国内勢とみられる買いが観測されたほか、日経平均が大幅安となったことを受けて、上値を試す展開となった。現物市場では、10年最長期国債利回り(長期金利)が一時同4.5bp低い0.445%、20年超長期国債利回りは一時同6bp低い1.215%、30年超長期国債利回りは一時同5.5bp低い1.480%とそれぞれ6月2日以来1週ぶりの水準に低下した。』(上記URL先より)

・・・・・・・・・・・・・まあ10年0.5%でいったん止まったように見えたからという事なのでしょうがもうね。

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2015/06/09

・短国買入&6M短国入札

6M入札
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20150608.htm

(3)募入最低価格 100円00銭2厘(募入最高利回り)(-0.0039%)
(4)募入最低価格における案分比率 26.6229%
(5)募入平均価格 100円00銭4厘(募入平均利回り)(-0.0079%)

・・・・・・・・・・・お、おう。

えーっとすいません何ですかこのマイナス金利足切はという所ですが、期末ニーズやら海外ニーズやらを狙っているのか今週の日銀短国買入がうっかり増額することを狙っているのかというところだとは思うのですが、まさか足切までオーバーパーしかも100円の2つ上で切れるとは思いませんでした(−−;

平均もマイナスということで、落札結果出た後は「入れすぎて投げる人がいね〜か〜」とプラス金利で購入したい人たちがナマハゲの如く歩き回るもどこの家に言っても投げる人もなく、そのままスポネの現先市場に玉が出てきて金曜の買入待ち(またはその前の海外待ち)となるのでありましたとさ。

まーこの銘柄が業者の在庫になっている方が現先市場の金利も上がりやすくなりますし、木曜の3Mがプラスになりやすくなりますのでこれはこれでという所なのかもしれませんが、100円より上で切れるとはという感じで。



まあ先週の短国買入が多かったですからねえ。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba150605.htm
国庫短期証券買入 11,723 5,002 0.000 0.001 26.0

ということで、短国買入5000億でオファーされたのですが、だったらその前の週の謎の刻み4000億円のオファーとは何だったのかと小一時間問い詰めたいところなのですが、資金需給予想から考えるとこの調子で6月の短国買入を進めてしまうと兆円単位の後半とかで6月末のMBが上振れするようにしか計算できないのですが・・・・・・・・・・・・・・

まあ金曜の短国買入がそれこそスキップだったりすると昨日の6Mもプラス金利だったかもしれませんけれども、予想の上限でのオペだったので安心してマイナス金利にツッコミに行けるというのはあったと思いますし、期末需要とかこの為替で海外需要も見えている(ただ今の所そこまでの盛り上がりはないはず)のでという所でしょうかね。

しかし毎度申し上げておりますが、MB年間80兆円なので四半期で20兆円になると思うのですが、1−3はきっちり合わせに来ていましたが、4−6ではこのままですと相当な上振れになってしまう筈で、それはMB目標の建付け上ディレクティブとの整合性はどうなっているのかと小一時間問い詰めたい所ではあったりするのですが、「日米のマネタリーベースガー」とか言ってドヤ顔でソロスチャートとかを出している人たちからこのMB拡大ペースの速度違反的な前倒し積み上げが起きている件について「日銀はダマテン緩和拡大をして円安誘導を進めているからこのように足元で円安(ドヤァ)」というレポートなり指摘なりを全然見る事が出来ないのは残念な所です。

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2015/06/05

○3M入札結果は何と最低落札金利低下と来ました

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20150604.htm

(3)募入最低価格 99円99銭9厘5毛 (募入最高利回り)(0.0020%)
(4)募入最低価格における案分比率 94.5434%
(5)募入平均価格 99円99銭9厘7毛 (募入平均利回り)(0.0012%)

ということで平均は0.12bpの所でこの数値はプラス金利に戻ってからの2回が同じく平均0.12bpだったので同じ結果となとか思ったのですが、足切がしらっと0.2bpの水準となっておりまして、前回前々回は足切はこの1つ下の値段になる0.40bpレベルで半分少々とかの案分だったのですが、今回は華麗に1つ上で切れているのがプラス金利突入のニーズの強さですな。

結局の所5週間マイナス金利を継続してその間全然プラスにしなかった(ゼロ近辺は瞬間風速で有ったと思うが)という市場推移が破壊力抜群で、おまけに中短期の利付もマイナス状態となっている訳ですので、干天の慈雨というよりは買えていない投資家によります餓鬼道の修羅場状態になっているといった方が適切なんでしょうなこりゃ。

でもって多分海外のニーズとかも確り入っていますからそらもう食用可能レベルの金利で玉が降ってきたら俺も買う俺も買うそのスイトンこっちに寄越せ状態になる訳で、誠に浅ましい展開となっているようで、昨日は確か朝方は海外の金利絶賛上昇を受けて長期とかと一緒に2年とかにも売りが出てプラス金利になっていた筈なのですが、引けになってみたら前日比利回り低下(もちろんマイナス)でBBさんの引け値が出ているという辺りに修羅の深さを感じる短期ゾーンなのでありました。今日の短国買入は5000億円以内のどこかだと思いますが、見送りとか思い切って7月8月償還の保有銘柄絶賛売切りオペとかやったらワンダホーなので一つここはヤケクソでどうでしょうか(ってやらないと思っておりますので念のため)。

なお30年国債入札についてはとりあえず調整したから強めに入札したのはいいけどセカンダリーで結局伸びなくてあっさり投げとなるなら入札弱く入れておけよとか思うのですが、調整入ったところで「投資家実需を背景にした札で切られてショートカバーであばばばばー」とされる恐怖の方が強い、というのはまあそれは入札参加の皆様のコンセンサスが「勢いとかそういうのはともかくとして、絶対水準的にここから下を売りたたくのは段々慎重にならざるを得ない」という風になっているのでしょうなあとは勝手に思ったが、そげな認識でよかとね????

ただ裏を返すとそうやって皆が半身になっていると気合入れたショートとか居ないので買戻し圧力が高くない、というのもあって、とにかく今の市場は輪番というオモシロファクターがあるので非常に読みにくいのは事実ですな、うんうん。

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2015/06/03

○短国関連の計数ネタ

・6月の短国買入は買入どころか売切した方が良いのではないかと

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/fm/juqp/juqp1506.htm/
日銀当座預金増減要因(2015年6月見込み)

こちらを見ますと今月の財政要因の資金需給見通しは6.58兆円の余剰見込になっています。買入短国の償還が少ないのと2M短国が発行されないのが効いていて短国要因がツーペー近くになっているのがでかいですな。

さてここでマネタリーベースの進捗状況を確認しますとですな。

5/29
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/jd150529.htm
マネタリーベース 3,073,900

3/31
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/jd150331.htm
マネタリーベース 2,958,600

12/30
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/jd141230.htm
マネタリーベース 2,758,800

ということでして、12/30-3/31のMBが19.98兆円の拡大と無駄に見事な帳尻芸を披露して頂きましたので、3/31-6/30のMBも20兆円拡大するものだと妄想される訳ですよ。

でもってですね、3/31のMB+20兆円だと315.86兆円となる訳ですが、5/29の時点でMBが307.39兆円ですので、ここから20兆円拡大の帳尻という事になりますと要積み上げ額は8.47兆円になっております。

そして先ほどの増減要因を見ると財政要因(銀行券要因での当座預金増減は当座預金増える分銀行券が還流するのでMB的にはチャラになるのでこの計算上は考えなくて良い)が6.58兆円でしたので、これに輪番オペでの買入が9.0兆円(オファーと受渡の期ズレが生じる分での増減があり得ます、なお1年以内の輪番は今月の場合6/20償還が全部打ちこまれる前提で月末MBに跳ねないという見通しにしました)程度になりますので、この時点でMBが323兆円という数字が出てきます。

となりますと、前回の四半期20兆円積んで華麗に着地させていたのに対して今回は何でこんなに積んでいるのかという話になりますし、そもそも論として固定金利オペの分はさておいても今月は貸出増加支援貸出の実施によってそこでもMB積みあがってしまう(一桁の前半兆円)のでございますがとか勘案しますと、そもそも論として何で4月5月にあんな勢いで短国買入を実施して短期国債の金利を5週連続でマイナスキープとか市場を叩き壊す行為をしておられたのかがさっぱりワカランチ会長な訳ですよ。

まあ毎度申し上げておりますように7-9が資金需給的に不足が深い(はず)なのでクーレ方式で7-9に短国買入をとんでもないマイナスまで買い上げることを考えたら先にMBを積んでおいて7-9のオペに掛かる負担を軽くしようというテクニカルな調整をしているのかなとは思うのですが、それにしても貸出支援の入り方によっては「四半期20兆円」の数字が10兆円近く上に振れるという事になると、それはMPM声明文に掛かれているディレクティブの『マネタリーベースが、年間約80兆円に相当するペースで増加するよう金融市場調節を行う。』から見てさすがに整合性大丈夫なんかという話になってくる(しかもこれまでが無駄に綺麗に着地させているだけに)と思うのですがどうなんでしょ。

ということでもしかしたら帳尻の為に短国売切(ちなみに事務的にはそういうオペは存在する)でもしないと帳尻にならないのではないか(7月足とかの保有分売れば6月分のMB積み上げ分を7月に先送りができますよ〜ウヘヘヘヘ)という夢の展開とかはさすがに無い(緩和やってるのに売切オペとは何ぞという話に絶対なるから)でしょうが(^^)、今月の短国買入どうするつもりなのやらという極めて不思議ちゃんな事が想定されるのでした。

しかし置物副総裁様までがMBの量の話ではなくて「長期国債を買い入れて実質金利を下げることが重要」と明言するという中で短国買入(とか短い利付国債の輪番とか)ってやってる意味ねえだろそれはとしか思えないのですけど何とかならんもんですかねえ・・・・・・・・・


・なお3M短国がマイナスになっている模様

毎度のロイターニュースから
http://jp.reuters.com/article/treasuryNews/idJPL3N0YO2H420150602
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は続落、長期金利0.410%に上昇
2015年 06月 2日 15:14 JST

『[東京 2日 ロイター] <15:09> 国債先物は続落、長期金利0.410%に上昇』

『短期市場では、無担保コール翌日物は0.070─0.073%を中心に取引された。主な取り手は地銀、信託、証券など。大手行は0.068─0.069%付近で調達意欲を示し、0.069%で一部調達したもよう。レポ(現金担保付債券貸借取引)GCT+1レート(平均)は0.069%と高止まり。7日物の米ドル資金供給オペに応札はみられなかった。新発3カ月国庫短期証券は前日比0.006%低いマイナス0.005%で取引が成立した。ユーロ円3カ月金利先物は小動き。』(以上上記URL先より)

ということでまあ前日もマイナス0.1bpとかがあったような気もしますが、昨日はもうちょっと明確なマイナスでマイナス0.5bpとかになっておりまして、資金需給からみてどう考えても短国買入減るだろと言いましてもこうなるというのが短期市場の仕様だったりします。

つまりですな、どうせ木曜になると3M短国の入札があって、そこでどどーんと玉が出てくるのではありますが、だからと言って今そこにある3Mカレント銘柄が需給悪化待ったなしなのでプラス金利が拡大するのかというとこれはこれで別問題でして、ご案内のように4-5月は短国の金利が殆どの期間でマイナス推移していた(最初の1週と最後の2週のうち一部だけプラス)のですから投資家が短国の持ちが無く、プラス金利になればバキューム買入状態になっているという状態はまだ継続しており、その結果プラス金利になったところで業者の持ちが軽くなり、別に木曜から金利がプラスになるからと言ってその前に投げないといけない状態ではないというこの風潮。

そしてその中で海外からちょろっと買いが来るとかでマイナスを買う人が出るともう気配がマイナスになってしまうというお洒落な展開なのですが、まー普通に考えて明日の入札で足切マイナスとかにはならないというか、そうしてしまうと業者の持ちになってしまい、日銀への嵌め込みショーが下手したら実施されないリスクがある中で全部を海外と四半期末債券残高帳尻投資家にマイナス金利で嵌めるのはどう見ても無理なので、まー普通にプラスのどこか(ただしゼロには近い)となるんでしょうが、2日後にそうなるのが見えていても今の需給で金利がついてしまうというこのその日暮らし感が短期市場というのはタマランチ会長ですなあと思うのでありました(^^)。

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2015/06/01

○市場関連メモメモ

・短国買入の刻みェ・・・・・・・・・・・

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of150529.htm
国庫短期証券買入 4,000 2015年6月2日
国債買入(残存期間1年超3年以下) 3,750 2015年6月2日
国債買入(残存期間3年超5年以下) 3,750 2015年6月2日
国債買入(残存期間5年超10年以下) 4,000 2015年6月2日
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式> 15,000 2015年6月2日 2015年9月11日

>国庫短期証券買入 4,000 2015年6月2日

・・・・・・・・????

ということで最近2500億円の整数倍で刻んでいたので謎刻みににも程があるのですが、短国買入4000億円ということはこらまあ普通に考えて6月の資金需給からして買入をあまりしなくても良いからという事なのでしょうが、それにしても4000億円って普通のオペみたいな数字で謎な刻みすぎる。

いやね、調節部署の頭の中では細かく丁寧にやろうとしているというのは分かるのですけれども、その「細かく丁寧」が単にMBの数字の帳尻合わせであって、そのために需給調査をしても別にその需給調査が市場の安定化とかそういうことを考えていない、という素敵なスタンスですなあという辺りが露骨に見えてしまうのでして、その一方でそういう事をしながら「市場との対話」だの「市場との対話説明会」だのをアリバイのように実施するというのがが実にトサカに来る話でありまして、元々おまいらMPMから言われたMB積み上げをマシンのように実施するだけなんだったら最初からそうだと宣言して機械だと言い切ってしまえばよいのだし、もっと言ってしまえばそのような機械的調節の経験をもって「市場への理解が深まった」とか生兵法を振りかざして市場への施策とかを実施されると益々宜しくないのですけどねえ。

などという悪態はともかくとしてオペ結果。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba150529.htm
国庫短期証券買入 12,638 4,003 0.001 0.002 87.4
国債買入(残存期間1年超3年以下) 10,800 3,752 0.001 0.002 46.5
国債買入(残存期間3年超5年以下) 13,242 3,754 0.004 0.005 12.8
国債買入(残存期間5年超10年以下) 14,255 4,007 0.003 0.005 89.5
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式>(6月2日スタート分) 5,550 5,550

つーことで応札が12638億円しかなかったのですが、そもそも前日の3Mがセカンダリーで全然伸びていなかったことを勘案すると投資家に投げていない限り丸残り状態になっている筈ですので、どうせ投げないと日銀オペに入れられないのでしたら別に投げる必要もないということでそもそも応札をしていないのではないかという悪寒も少々するのでございますが。

先週月曜の短国買入も札が全然ない上に足切が流れてビビリましたが、その後現先やレポの市場がモノ無し芳一になったわけでもなく(瞬間現先だけレート下がりましたが)という展開でしたし、今月はスタートが4000億円ということですから短国買入のペースは相当少ないという事になります(次に申し上げるように輪番が増えているし)し、まー短国に関しては6月はよほどの特殊需要(海外から馬鹿外が入るか銀行の残高帳尻攻撃が入るか、中短期のマイナス金利から短国に流れるという緊急モードでも起きるか)でもないとまあプラス金利になるんでしょうな、うんうん。

ただし1か月半近く(入札5回分)普通の短国投資家が買えていないという状況になっていた後遺症がありますし、資金需給的に7-9は不足がキツイ筈なのでそのことも考えますと、6月には短国残高抑えておくニーズが発生するでしょうから相変わらずの低金利モードは続くのでしょうな。

あと固定金利オペですが、今回は5550億円の落札となりまして、11800億円から半減という結果になりましたが、ここで半減するならその前の連続増額ロールは何だったのでしょうかという所でありますな。


・輪番謎の中期増額

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2015/rel150529e.pdf
当面の長期国債買入れの運営について

日本銀行は、長期国債買入れについて、当面、以下のとおり運営することとしました(2015年6月1日より適用)。
── 次回公表は6月30日17時を予定。

これ何回イヤミ言ってますが月末引け後になるんだが債券インデックス対応で投資する人にしてみたら月末引け後じゃなくてもう少し別のタイミングにならんのかと思うがそれはともかく。

前回がこちら
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2015/rel150430e.pdf

ということで今回ですが・・・・・・・

『(注4)2015年6月1日以降の最初のオファー金額は、残存期間1年以下700億円、残存期間1年超3年以下3,750億円、残存期間3年超5年以下4,000億円、残存期間5年超10年以下4,000億円、残存期間10年超25年以下2,400億円、残存期間25年超1,400億円、変動利付債1,400億円、物価連動債200億円とする予定です。』(今回)

『(注4)2015年5月1日以降の最初のオファー金額は、残存期間1年以下700億円、残存期間1年超3年以下3,750億円、残存期間3年超5年以下3,750億円、残存期間5年超10年以下4,000億円、残存期間10年超25年以下2,400億円、残存期間25年超1,400億円、変動利付債1,400億円、物価連動債200億円とする予定です。』(前回)

レンジの方は前回と同じですが、中期の3-5年に関して1回の買入額を250億円増額しますので、6回分で月額で1500億円の買入増になります。

・・・・・・・・・うーんこのという感じで、確かに先週金曜に申し上げたように買入のペースが従来のままで年間80兆円カツカツという感じではあった(明日銘柄別残高出ますので計算を更新してみましょう)のですけれども、その1回250億円だけ増額というのは何なのという感じで。

いやまあこれも例によって例の如くの細かい調整なのでしょうし、月間1500億円だったら極端に影響は無いとは思うのですが、中期の需給が非常に良くて、というか逼迫していて2年と3Mがインバートという状態になっておそらくこの状態1か月は平気で続いていると思うので、中期輪番を増やされると心理的にはアチャーという感じではありますが、他に増やすところが無いので中期輪番を増額せざるを得ないのは事実としてあるので、こういう形にしたのかねという所で。しかし細かいわ。


・レポ市場何とかとかがあったようで

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2015/rel150529b.htm/
「レポ市場フォーラム」を開催
2015年5月29日 日本銀行金融市場局

『日本銀行金融市場局では、2015年5月14日、日本銀行本店において、レポ市場のさらなる発展に向けた具体的な取り組みの一つとして、「レポ市場フォーラム」を開催しました。本フォーラムにおける議論の概要や関連資料については、以下をご参照ください。』

ということで議論の概要とやらが
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2015/data/rel150529b.pdf
にありますが・・・・・・・・・・・・・

小見出し見ますと『3.レポ市場を巡る国際的な議論』というのと『4.国債決済期間の短縮化とレポ市場』というのがあるのが分かりますが、そもそも話の流れとしては最初に国債決済をT+1にしようという話があって(なおT+1にしないといけない理由が分からんという話は散々申し上げているのでパス)、それに対応してレポ取引をトライパーティー方式にしてGC即日に対応する為に銘柄後決め方式ガーという話になっているのですけれども、今申し上げた小見出しのように、この市場改革ネタは色々な話がごっちゃに進行しているので話がややこしくてかなわんのよね。

つまりですね、CCPでのクリアリングという話と、レポ取引の海外方式契約対応(=新現先対応)と、国債決済期間短縮の話があって、話を別途切り分けて進めることも可能じゃないのかと思うのですが、全部をセットにして居るために話がヤヤコシイ上に「いやそこはコスト掛けるだけのメリットが見えないのになんで実施するんだ」というツッコミが飛びやすくなるというものではないかと思いますがねえ・・・・・・

しかしこの最後の所に『5.閉会挨拶(日本銀行金融市場局市場企画課長 新見明久)』というのがあって・・・・・

『現在進められている「レポ市場改革」の取り組みは、2008年のリーマン・ショックを契機に始まったが、今後2〜3年で最終ゴールを迎える予定である。その意味で、これからが改革の「正念場」になる。』

などとおそロシアなタイムスケジュールが出ている訳でして、えーっとすいません日銀が国債大規模買入しているQQEによって国債流通市場に多大なるストレス掛けていますし、大体からして日銀の経済物価見通しが正しければ「最終ゴール」とされる2〜3年後というのはQQE政策の出口政策を実施する時期になりまして、その出口政策を事故なく実施する為には「市場改革」とやらを実施して国債決済の短縮化という国債流通市場に盛大なストレスを掛けるのはどう見ても悪手だと思いますがねえ(単にトライパーティーだけ入れてT+1残すならだいぶ話が違うと思うが)。

どうも内容を見ると証券決済期間短縮に加えてT+0レポ市場を作りたいという意識が強い(この前の佐藤審議委員の講演もそうでしたな)ようですが、そういうのはとりあえず金利が上昇してから実施するのか、それとも向こう数年以上に渡るタームで今の市場環境が続いているという前提の時に実施して欲しい訳でして、この「2〜3年」というスケジュール感については悪い予感しかしませんので先に申し上げておきましょうという事で。

#まあそれ以前の問題としてこの金利環境で皆さん身を切ってインフラ維持しているのに「市場改革」につきあう設備投資の金は無いのですけどねえ早くQQEから正常化して金利をつけて下さいな

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2015/05/29

○2Yと短国が盛大にインバートとな

まずは3M入札
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20150528.htm

(3)募入最低価格 99円99銭9厘0毛(募入最高利回り)(0.0040%)
(4)募入最低価格における案分比率 68.9119%
(5)募入平均価格 99円99銭9厘7毛(募入平均利回り)(0.0012%)

ということで、応札倍率とかの方は割愛しましたが、平均足切ともに前週の3Mと同じで、応札も13.3兆円程度と前週の3Mと同じという結果になりまして、月曜の短国買入が流れたからどうなるのかと一瞬思わせましたがまあ順当な結果。

でまあ6月の資金需給って日銀から見込み数値が出てくるのは月初になるのですが、大体想定されている資金需給からすると6月って輪番普通に実施すると短国買入を週に1兆とか実施したとしてもMBの積み上げが4-6の四半期で20兆円(80÷4)を盛大に超過することになってしまうので、こらまあ6月の短国買入はフローで大幅減額待ったなしという話になるから、3Mはもとより日銀トレードヒャッハーに入れにくい所なので頑張ってマイナスとか在庫にする必要ないです罠という話になったのでしょうな。セカンダリーでも特段買い進む動きにはなってなかったみたいだし。

ということで本日は短国買入が幾らで入ってくるのか注目なのですが、1兆でももしかしたら多いんじゃネーノ(5000億円で6Mと1Yの後だけ1兆とかでも十分すぎる筈)と思うのですけれども、そもそも何で4−5月に短国買入をあの勢いでやっていたのかが微妙なんですけれどもそれはというお話。

まあ7−9は資金需給的に不足が強いので、7−9にMBの積み上げを半期20兆円で行う場合、輪番での買入分で足りないところの帳尻を短国買入で入れると買入フローがしんどいので4−6に前倒しで積み上げておいて7−9に掛かる負担を軽くしようというのがあるのではないかとは思われますが。


2Y入札
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/nyusatsu/resul20150528.htm

(1)応募額 8兆8,073億円
(2)募入決定額 2兆3,003億円
(3)募入最低価格 100円19銭5厘 (募入最高利回り) (0.002%)
(4)募入最低価格における案分比率 56.9884%
(5)募入平均価格 100円19銭6厘 (募入平均利回り) (0.001%)

申し訳程度のプラス金利キタコレとか思っておりましたら市場推計のいわゆる不明玉は1.2兆あって入札の半分だわ、その後中期から手前のゾーンが全般的に強くなるわで、新発の1つ手前の352回債の引けは-1.5bp(確か-2bpとかの出合もあったような気がするんだが)で1毛強とか、新発の引けも貫禄の-0.5bpとかになるわという有様。

でまあこれ何が凄いと申しまして、これまでのこのゾーンのマイナス金利化って基本的には短国の需給逼迫によって引っ張られるか、付利下げなどの思惑で引っ張られるかのどちらかだったのですけれども、直近では(それまでの短国ゾーンのマイナス金利1か月半攻撃というのがラグを置いて効いている可能性もありますけど)短国の金利はプラス化してきましたし、6月はまあ普通にプラスで推移(ただし6Mと1Yは知らん)の可能性が高いという状況だし、付利下げに関する思惑は当分無しという状況の中で、利付国債の需給で引っ張っている所でして、輪番オペがこれまたオペレーション的にだんだん厳しくなってくるという話なのかも知れませんぞ。

でまあ本日は来月の輪番予定表がでるわけですが、先月変えていないところを見ると足元の状況を見ても今月変えない、というか買入ペース維持と平均年限の関係上ここから下手にいじれないように見えますけど輪番が燃えたらそれはそれでややこしい話になるのでどうするんでしょうねというお話です。たぶん変更なしで市場は見ていると思いますけど。

ということで、6月は3Mと2年のインバートというお洒落な相場が延々と展開されるのでございましょうなあ要因はただの日銀買入の差による需給という事で・・・・・・・・・・・

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2015/05/26

○短国買入ェ・・・・・・・・・・・・・

昨日のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of150525.htm
国庫短期証券買入 22,500 2015年5月27日
国債買入(残存期間1年超3年以下) 3,750 2015年5月27日
国債買入(残存期間3年超5年以下) 3,750 2015年5月27日
国債買入(残存期間5年超10年以下) 4,000 2015年5月27日

輪番の方はどうでもよいのですが、短国買入に関しては直近で固定金利オペの残高が増えているので別に増額することも無いじゃんと思いつつも、まあ先週木曜の3Mがだぶついているようですし、1Y入札も先週月曜にあったので2500億円刻んで増やしてきたのかなあと思ったのですが・・・・・・・・・

オペ結果のうち短国買入だけ引用
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba150525.htm
国庫短期証券買入 26,581 22,502 -0.007 0.001 26.9

・・・・・・・・・orz

あちゃーとしか申し上げようがないこのクソ結果という所でして、2500億円増額するのですから少なくとも3.5兆円ほどは札があると思ったのですが2.6兆円しか札が無いのにわざわざ2500億円増額して買入を実施するとかヒアリングちゃんとやってるのかこのヘタクソとしか申し上げようがない訳でして、その2500億円ぽっちを増額した結果、またまた買入が流れるとか、昨年9月以降ずっとなのですが何でこうオペ先の足元見られて日銀トレードヒャッハーとなるようなオペの打ち方をするのかと小一時間な訳ですし、しかも何回同じようなことをすれば気が済むのかという学習能力のなさに涙が出る訳でございます。まー昨年10月の追加緩和の前までは短国買入に掛かる圧力も高かったのでやや同情の余地もないではないのですけどね。

とは言いましてもそもそもの話からすると昨年9月に期末要因も兼ねてマイナスになった短国市場が10月頭に期末要因が抜けて緩和するかと思ったところに日銀の買入加速によって短国市場を壊してしまし、その結果10月の追加緩和の時に短国買入にこれ以上負荷をかけられない(=オペの限界を露呈した)となった訳でして、まあ結局の所短国買入に関しての学習効果が全然働いていないというか学習してねえというかそもそも学習する気無いんでしょうなあという所で。別に昨日なんて札を2500億円増やす意味あったのかよと思いますし、増やさなければ足元見るような応札も減っていたと思われますけどね。

つーことでまあこの結果短国カレントマイナス金利ヒャッハーでレポGCも短国現先市場も玉なし芳一で金利絶賛大低下・・・・・・・・というとBBの引けはカレントで金利下がったけど引けは0.0bp(0.2bp強)だったりしますし、レポとか現先の状況を見ておりますと少々もにょる所もあって、そもそもこの2.6兆円という応札額がホンマカイナ(端から3M入らないだろうから札入れなくて応札減るという可能性は無いでもないがそれはちょっと???です)という気もするのだが、まあいずれにせよ2500億円余計に買おうとしてまたまた短国市場の板を無くしてしまうというプレイに出てしまう日銀のオペレーションって、強欲婆さんが大きなつづらを持ち帰って来るの図というか、腹が減っているので来年の種もみまで食ってしまうの図というか、何かこう人間としてその心理は良くわかるのですがいいからそこはグッと我慢できないのかねと思うのでありました。

まーそうは言っても次回の短国3Mの入札がマイナスじゃないと買えないというほどの事にはならないんじゃネーノとは思っています(ここで進捗させると6月の買入がバランス上更に減るから)けれども、まーた短国買入が流れやがったかということでメモメモなのです。


まあしかし何ですな、更にそもそもの話をすると、輪番のように事前にアナウンスする形式でやらないでの買入オペというのは、その買入規模が市場対比大きいという事になると明らかに無理があるというのがご教訓という感じで、しかも短国買入の場合は財政要因を主とする資金需給の帳尻に使っているという所に重大な問題があって、財政要因の季節的なブレが巨大なものを通常の共通担保オペのような形式ではなくて買入系のオペで調節するという行為そのものに無理がある訳ですよ。

ということで、マネタリーベース云々という文言があるのが宜しくない訳でして、すっかりマネタリーベース直線一気理論を放棄しておられる(のにその反省の弁が無いという厚顔無恥な)置物副総裁大先生もおっしゃるように、「長期国債の買入を積み上げていく」事に意味があるのであって、短期国債の買入でMB積み上げても効果は超限定的というのであれば、月次でMBの積み上げ帳尻プレイをするのを放棄すれば市場に無駄なフリクションを与えないと思うのですが、まあ元々のマネタリーベース直線一気理論だけは操作目標をMBにしているという時点で残っているのが問題なんですよねえ、ナムナム。

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2015/05/25

○本日は短国買入とかですが

・固定金利オペ謎の残高増加が続く&今日は短国買入

金曜のオペ結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba150522.htm
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式>(5月26日スタート分) 7,210 7,210

ということですが、5/26の落ち分の固定金利オペの期落ちは3860億円でして、今回もまた増額ロールになっておりまして、ここもと微妙に謎ながら固定金利オペが連発で増額ロールされていまして、今月固定金利オペが落ちたら落ちた分だけ短国買入に皺寄せが来るわと思っていたのですがあにはからんやで推移しておりまして誠に結構なのだが謎は謎。

まあこの辺は個別のオペ先さんの懐具合(担保繰りとか商品在庫繰りとか)によるものだと思うので何とも言えないのですが、これで6月は6月で貸出増加支援貸出が実行されますからこちらも(全体の担保繰りはその分厳しくなるのですが)短国買入的には買入の減る要因キタコレという所です。

しかしまあ何ですな、短国3Mもカレント部分のBB引けは0.2bp(新発WIの引けは0.5bpとかになっているがWIは全然あてにならないので無視)となっておりまして、これは普通に今日は短国買入の玉がある訳ですが、本来入るべき本命の1年カレントちゃんの引けは普通にマイナス1.5bpとかになっておりまして、こちらは平均落札がマイナス0.79bpだったのでこちらが堂々の落札という事になって3Mカレントは入らないという事になる筈なのですが、そこで急に「あるだけ買うオペ」を実施されるとまた日銀トレード万歳状態になってヒャッハーとなってしまいますので油断も隙もありませんな。


・ところで2年がマイナス継続なのですが

ここもと2年の金利がマイナス推移している時間が長くて、なぜか超長期と連動しているような局面もあって一時プラス圏に浮上したと思ったのですが、先週もちゃっかりマイナス推移で金曜の引けもカレントでマイナス1bpとかの水準ですのでここに来て明らかに3Mとインバート。

以前は「短国マイナス」→「1年以内の利付国債」→「そんなことも言ってられないのでより長い中短期利付国債」という形でのヒャッハー相場になっていて、短国の需給が緩むと中短期の需給も緩むという図もあったのですが、ここに来ての2年とかのマイナス金利状態ってえのは明らかにこのゾーン独自の需給要因によるものでして、そうなりますと短国の金利がプラスに浮く(普通に考えると四半期末の買い要因が巨大でない限りにおいて6月は末近辺以外は短国の需給はそんなにタイトにならない筈)中で2年マイナスでインバート状態継続という事になりそうな悪寒。

となりますと毎度おなじみの思惑としては来月の輪番で3年以下を削ってどこかを増やすのではないか疑惑はあるのですが、そもそも論として買入そのものの総額の問題があって、3年以下の輪番を減らしても総額のバッファーが無いので他の年限の買入を増やすしかなくて、仮に減らすなら1回500億円は減らすことになるとその分振る先が無いという残念な事になりますので、まあ今月も普通に枠の変更なしで進むしかないのではないかと存じますがこればっかりは末の引け後にならないと分からないのでよー知らんけどなという事で。

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2015/05/22

○3M入札プラス金利キタコレ

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20150521.htm

(3)募入最低価格 99円99銭9厘0毛(募入最高利回り)(0.0040%)
(4)募入最低価格における案分比率 57.9216%
(5)募入平均価格 99円99銭9厘7毛(募入平均利回り)(0.0012%)

ということで6週間ぶりに入札の平均がプラスになったわけですが、何せ3M短国というのは13週間物で発行される訳ですから、6週間ぶりというのはターンオーバー的に言えば半分近くの間マイナス金利で推移していたという事になりますので、モノとしての国債だからマイナス金利でも構わんという人とか、マイナスファンディングだからマイナス金利でも構わんという人ではない限りにおいてポジションの満期構成が盛大に歪む事になる訳で、しかもそれが個別参加者における資金繰り要因とかによるのではなくて市場要因であるからして、そうなりますと市場の全員のポジションが同じように歪なところが出来ている、とまあそんな事になってしまいますので金利がプラスになったのは結構ですが、まー色々と困るわなと。

つーかですな、こういう市場要因で参加者のポジションが強制的に一律になってしまうような事案って、これはモノが短国であるからまだしもなのですが、規制要因なども含めまして何らかの強制力を持って(短国の場合は日銀が買入をしてマイナス金利をキープしたのだからこれまた強制の一種だわな)参加者のポジションが揃うというのは将来の市場不安定化を内包するリスク要因になるのですから、今の日銀の短国買入の「MB進捗調整先にありきで短国市場の需給要因知らんがな」状態というのは短国市場の市場機能(とっくに無いが)とか市場の安定性(流動性がなくなっているので安定してるのかどうかも分からんが)とか、そういう点において宜しくないんですけどねえとは思うのですが、「次回会合まで年間80兆円ペースのMB拡大」というディレクティブをもう少し柔軟に解釈して短国買入をもうちょっとフローベースで平準化できないもんですかねえと。

なお、6月は資金需給的に余剰月の予定で、MBの進捗も順調な筈なので短国買入のフローが思いっきり減って四半期末要因の買いを全部吸収してくれるからテクニカル的には四半期末の所で買入が減ると四半期末の担保繰りとかも含めて助かる話ではあるのですが、それにしてもさすがにその前に5週間マイナス金利とかやられますと、残りの8週間でポジションを構築しないといけなくなってしまいますからもうちょっと極端じゃない動きになってほしいのですけど。


なお固定金利オペ
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba150521.htm
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式>(5月25日スタート分) 2,840 2,840

昨日は25日エンド分のロールで、一昨日は22日エンド分のロールがありましたが、何とこの2本とも増額ロール(ネタにしなかったけど一昨日のは3600億円→7256億円と倍額ロールとなるという珍事発生していますた)となっていまして、まー固定金利オペも共通担保使うから担保繰りという点では短国需給に影響しますけれども、ただまあMB目標的にはこちらのオペが増えると短国買入を減らすことに繋がるので、足元の固定金利オペ残高拡大はほほーという所ではありまする。


つーことでまあ月曜に急に短国買入で大増額とか入れてくるとまた雰囲気が一変すると思うので油断も隙もないのですけれども、順当に6月に向けて短国買入のフローが落ちる、というのであれば、6月の末初取引の所以外では短国3Mはプラスがキープされそうではあるのですが、ではそれで国債の金利の方がどうなるかと言うと、2年の辺りが輪番拡大と発行減額とこれまでの輪番累積効果と海外とかの買いだか何だか知らんですけど無暗矢鱈と堅調でマイナス金利状態になっているのでそっちに影響してくれるのかどうかは知らんがなという所です。

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2015/05/21

○今日は3M入札である

本日は3M短国入札ですが、先週の3M入札が5打席連続マイナス金利となってウギャーとなっていたところに対して金曜日の短国買入が珍しく気を利かせたのかどうか知らんけど前週と同じ2兆円の買入で打ち込んできて2糸甘とかになったせいか、カレント3Mに関してはまだ流通在庫があるようで、BB引けも一昨日くらいからカレントはプラス金利(つーても1bpに届いていませんで昨日の引けは0.2bpだけどな!)となっています。

・・・・・・・・・ということでさすがに今日は6週目にしてやっとプラス利回りになってくれるのではないかとの期待が起こる訳ですが(しかも次回の短国買入はMPMの関係で月曜なので日銀に即座に放り込むにしてもキャリーコストが余計にかかるのもある)、いざプラス金利となってみますとこれがまた居場所がどこなのかよくワカランチ会長というのが面白い所。

つまりですな、マイナス金利状態になっているときってもうどうせ良くて100円足切とかそういう感じで後は在庫が重いか重くないかというのと、1Yとか6Mのような日銀打ち込み専用銘柄(違うけど)か否かとか、そんなファクターで考えておけば宜しくて、どうせマイナス金利で通常の買いは来ないのだから逆に言えばプラス金利になったら今止まっている通常の買いが復活するぞなバックストップヒャッハーという話になる訳で、投資家を無視して価格形成をしているので逆に水準感が見えやすいという皮肉な展開。

で、こうやって金利がプラスになってみますと、まあ通常の投資家が買えなくて虫の息になっているときは重湯だろうが水増しすいとんだろうがガツガツと食するのでしょうが、そこを凌ぎますとそもそも論としてレベル感ってどうなんだったけというのが発生する次第でありまして、大体からして投資家を排除するようなレベルまで日銀買入で金利を下げてしまった後なので、市場の価格発見機能がおかしくなってしまうという事になる訳ですな。

まードイツ国債とかもそういう事なのかもしれませんが、中銀買入ヒャッハーとやって投資家を排除した価格形成をやっているうちはそのままヒャッハーヒャッハー相場になるのですが、ふと我に返った時に中銀の買入で市場機能がおかしくなっているので今度は価格水準感が訳分からずにボラ上昇という話になる、とまあそんな図なのかも知れませんななどとエラソーな愚考をするのでありました。

・・・・・・・とは言いましても、短国の場合は単にフローベースの短国買入がMBの調整弁に使われているので季節性が発生した結果で需給がここから暫く緩むだけの話であって、どうせ7月以降になるとまた無慈悲買入をするのでしょうし、大体からして需給が緩んだと思うとすかさず「たくさん買いたい病」が発生するのが最近の日銀調節クオリティだったりしますぬおで、精々今回の入札位でしょうなあ居場所どこですねんという話になるのは、とは思うのでした(汗)。


ちなみに話は関連しますが昨日の固定金利結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba150520.htm
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式>(5月22日スタート分) 7,256 7,256
(他のは割愛)

22日エンドの固定金利オペは期落ちが3600億円でしたので、何と増額ロールとなっていまして、足元の短国需給の若干の緩みとかの影響があるのかねと思ったが、まあトレンドとしてこの額が増えるという話でもないでしょうとは存じますが一応メモ置いときます。

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2015/05/19

○業態別当座預金(メモ)

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/cabs/cabs.htm/

4月積み期間に関しては日銀の無慈悲買入もありまして当座預金残高はトータルで10兆円増えているのですが、その中で減っていたのが信託銀行と外国銀行で、残りはほぼ万遍なく拡大しており、証券はまあ概ね横ばいという結果で、とりあえず誰かが超過準備の積み上げを意図的に止めているという感じではないようには見えましたがどうでしょうかね、という程度の感想が出てきたのですがどうでしょうかね。

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2015/05/18

○短国買入は増額せずとな

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of150515.htm
国庫短期証券買入 20,000 2015年5月19日
国債買入(残存期間1年超3年以下) 3,750 2015年5月19日
国債買入(残存期間3年超5年以下) 3,750 2015年5月19日
国債買入(残存期間10年超25年以下) 2,400 2015年5月19日
国債買入(残存期間25年超) 1,400 2015年5月19日
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注3) 8,000 2015年5月15日 2015年5月18日
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式> 15,000 2015年5月19日 2015年8月28日

ということで短国買入は2兆円で実施となりまして、6Mの後だから2.5兆円に増額しやがるのかと思っていたのですが、さすがに5週連続で3M短国がマイナス金利になる(前回は足切は100円に届きましたが案分は27%)という結果になった訳で、何ぼ何でも異常事態という所ですし、大体からしてこの間って期末でもないし海外がそこまで買っているかというと(ニーズ自体は強めではあるけど)そこまでマイナス金利を維持するような需給状況かと考えますと、どう見ても日銀買入期待の仮需要でかさ上げされてるだろこの金利という所でしたので、今回のように「増額間違いなし」的な所で軽く外してくるというのはまあ緊張を与えるのには結構なお話。

つーかここで2兆円ペースで行くなら何で5月1日の短国買入で2.25兆円のオファーをするのかと小一時間問い詰めたい訳で、ここで2兆円だったら買入沢山クルーという話にもならなかったと思うのですが、こうやってマイナス金利が5回連続とかいうような事態になって減額というのを見ると結局はたくさん買いたいんですよねという風にみられるのがどうにもこうにも。

ということで落札結果。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba150515.htm
国庫短期証券買入 35,589 20,001 0.002 0.002 95.1
国債買入(残存期間1年超3年以下) 12,216 3,756 0.004 0.005 61.5
国債買入(残存期間3年超5年以下) 14,916 3,753 -0.011 -0.009 23.1
国債買入(残存期間10年超25年以下) 5,519 2,401 -0.043 -0.035 68.9
国債買入(残存期間25年超) 3,066 1,400 -0.038 -0.028 70.0
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注4) 28 28 -0.400 -0.400
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式>(5月19日スタート分) 11,251 11,251

ということで短国買入は+0.2bp/+0.2bpという落札結果ですので、これだと木曜に入札した3M新発を入れると+0.2bpなので投げですし、その前の週の3Mカレントを入れても+0.0bpになるのでこれまた投げになる(しかもその間のファンディングコストもある)という形で、その前の3Mだと利食いになるのでしょうが、最近は2週間熟成させてから3Mを日銀オペに突っ込むのが流行なのですかね。

今月の短国買入ですが、今週末はMPM2日目がありますので買入オファーは普通に考えると月曜になりますけど、どうせ今日入札の1Y入札が打ち込まれるんじゃネーノと思いますし、6月は短国の償還も少ないですし国債償還要因で財政は払い超になります(はず)ですので短国買入のペースが落ちる筈ですから需給もう少し何とかならんのかねとは思いますが。

なお、固定金利オペに関しては今回シグナルオペの成れの果てのロールだったのですが、13630億円の満期分に対してロール分が11251億円となりましたの2400億円ほどの減額となりましたが、まあさすがに極端な減少ということにはなっていないようで何より。


ちなみにどうでも良いですが悪態。

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2015/rel150515b.pdf
「債券市場参加者会合」の開催について

『日本銀行金融市場局では、本年1月28日公表の「市場参加者との対話の場の拡充について」の中で、「債券市場参加者会合」を創設することを公表しましたが、第1回の会合を以下の要領で開催します。』

ほうほう。

『本会合は、本年2月に開始した「債券市場サーベイ」を有益に活用し、債券市場参加者とよりきめ細かな対話を行う観点から、比較的少人数のグループに分けて開催することとしています。』

日程はどうでもよいのですが、そもそも債券市場サーベイというのがオペ先に対して実施しているということですので『「債券市場サーベイ」を有益に活用し』という時点でスタンスはお察しという所が何ともであります。

つーかね、そもそもこれ麿の時代にやるのならまあ話は分かるのですが、黒田総裁って本質的に市場介入をするのは当然というスタンスであるのは従来からの言動で見え見えでありまして、それなら最初から「市場機能への配慮がどうのこうの」とかおためごかしなことは言わないで「市場に対して中央銀行が積極的に介入して資源配分を変えることによって政策効果をだすのですから市場から見たら歪みが出るというような意見が出るのは致し方ない」と明言してくれた方がまだマシというものですが、どこぞの副総裁とかは「市場機能はありまぁす!」とか言い出すし、FSRでも思いっきり「市場機能に問題はない(キリッ)」とか出すというスタンスの時点で市場舐めてるだろとは思うのでして、まあ何やっても無駄じゃないですかねえ今の総裁の金融市場に対するスタンスを前提にすると、とは思うのでありました。

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2015/05/15

○5打席連続マイナス入札キタコレとか雑談

うむ。
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20150514.htm

(3)募入最低価格 100円00銭0厘0毛(募入最高利回り)(0.0000%)
(4)募入最低価格における案分比率 27.1817%
(5)募入平均価格 100円00銭0厘6毛(募入平均利回り)(-0.0024%)

ということで5週連続のマイナス入札ではありますが、足切100円じゃんとか思ってみていたものの、結局その後は平均落札価格水準での推移になって、引けではまた100円の水準になっていましたようで、引値とか売買参考統計値は0.000%になっておりますな。

しかしまあこれでプラスの利回りになった短国入札って4月の第1週の3M入札と2Mだけという展開で、延々と1か月以上にわたってカレントの短国金利がマイナスで推移するという展開(昨日もゼロ%までは行ったがプラスにはなっていない)でして、こうなってくるとさすがに短国を運用とか担保繰りとかで使っている人からすると色々と大変な状態になっているのではないかと。


でまあそういう中で本日は日銀の毎度の短国買入が実施されるのですが、今回の短国買入は6M入札後の買入になりますので買入オファー額が増えるのではないかという予想になっておりまして、そうすると2.5兆円ほど買入が実施ではないかというような下馬評になっているかと思われますが、まあその通りに推移となりますと相変わらずの日銀トレードヒャッハーも続きまして、起きている現象って投資家を排除して日銀トレードやっている業者と日銀との間で玉が動いているだけという状態な訳ですが、そうやって投資家を排除した短国市場にすることによって一体全体何の意味があるのかと小一時間。

いやまあお話の上からは「短国を買えないのならポートフォリオリバランスすれば良いじゃないか」という事なのでしょうが、世の中そう簡単に話が行くわけではなくて、各種の規制問題もありますし、そもそもの資金の性格をそうホイホイと逸脱した投資だってできませんですから、そう簡単なものでもない訳で、市場から投資家を完全に排除するような動きをするというのは色々と弊害があると思うのですけどねえという所で。

まあ短国買入に関してはオファー額もそうですが、落札結果のレートがどうなるのか、応札総額が幾らになるのかという辺りも注意して確認したいものです。

ちなみに直近発行銘柄の売買参考統計値ですが、3Mものでは532回:0.0bp、530回:-0.2bp、529回:-1.8bp、528回:-1.9bpで、6M531回は-1.6bp、先月の1Y526回は-2.2bpとなっていますので、落札結果が引け甘だと昨日の新発は入れにくいでしょうなあという所ですな。

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2015/05/14

○佐藤審議委員の講演は金融政策的には特段の話ではないがトピックとしてはマニア向け

http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2015/data/ko150513a1.pdf
東京金融市場のさらなる発展に向けて── レポ市場改革の取り組みを中心に ──
(FIAジャパン金融市場会議2015における講演の邦訳)

めんどいので日本語版をネタにします(汗)。

・お話自体は金融政策とは関係ないです

『わが国のレポ市場は、国債の先物市場がそうであるように、国債の発行・流通市場に対して流動性を供給し、円滑なマーケットメイクと価格形成に貢献するという非常に重要な機能を果たしている。その意味で、国債の先物市場とレポ市場はいわば車の「両輪」の関係にあり、レポ市場の発展は、国債市場の流動性向上を通じて、先物市場のさらなる発展にも繋がると考えられる。そうした金融市場間における相乗効果を期待しつつ、レポ市場を巡る国際的な議論の動向や市場の発展に向けた市場関係者の取り組みについて、日本銀行の考え方や役割なども交えながらお話したいと思う。』

という話ですので、金融政策とは関係ない短期金融市場とか債券市場とかの市場整備の話になっております。本件に関しては何で今この時期に推進をするのか意味が分かりかねる国債決済T+1化に向けた取り組みに対して、国債決済T+1を実施するにはレポ市場において現状の取引手法ですと事務が回らないのが明白(そもそも今の時点でも債券ディーラーの事務が繁忙)であって、この点を回すためにはトライパーティーレポのような形で業務の効率化を業界全体ではからないと無理ですから、そもそも論としてT+1実施の前提にレポ市場改革があるという話。

なお、確かに取引未決済リスクの削減とかの為にはT+2よりもT+1取引の方が良いに決まっているのですが、そのリスクというのは参加者が個別にコントロール可能なものであって、そこの削減に伴って発生する膨大なシステム投資や事務的な人的含めたインフラ整備のコスト、(取引に慣熟するまでの)事務リスクの高まりといったコストとの勘案でみた場合に、今のように短期市場金利がゼロ近傍になっていて、かつ日銀による大規模資産購入で債券現物市場の流動性が大きく低下しているときに、そのようなストレスのかかることをするというのはどう見てもダメだろと言うのは昔から申し上げている通りです。この件って大昔からある「取引のDVP化」から始まる一連の流れではあるのですが、国債決済期間の短縮化の為にレポ市場改革という流れになっているのもどうなのかというか、そもそも市場環境が変わっているのに当初の計画を碌に見直さないで突き進もうというのがどうなのかと思うのですがその辺のそもそも論はこの辺にしておいて先に逝きます。


・残高自体はまあそうなのですが短期市場の実質的な主力”運用”商品は別だと思うの

『さて、皆さんご承知のとおり、レポ取引は、資金と証券を一定期間交換する取引であり、多くの主要な金融市場において、資金や証券の運用・調達を行うための重要な取引手段となっている。わが国のレポ市場の残高をみると、2008年のリーマン・ショックの後一旦減少したが、足もとにかけては一段と増加しており、短期金融市場の約半分を占める中核的な存在にまで成長している(図表1、2)。』

何せQQEの前から預金金融機関は基本的に全てがローンポジション状態になっている上に、足元ではQQEの拡大により各行とも超過準備をこれ以上積めるのか、という状態になっていて、無担保コール取引自体は勿論あるのですけれども、そらまあ恒常的にマネーポジションの銀行というのが(一時的にマネーになっているとか、超過準備積み上げのご協力的なマネーという話は別)原則として居ませんがな、という状況において、無担保コール取引自体がそもそも指標性に欠けるし、その市場自体も重要性が落ちているのはその通り。

でまあ現状マネーポジション的になっているのはどこかと言えばそらもう国債大量発行を背景にして取扱高が大きくなっている国債のマーケットメーカーという事になりまして、在庫ファイナンス分は(資本勘定とかCP発行などの無担保調達もありますが)在庫の国債使って有担保調達になりますし、日々在庫は動くのでトランザクションも多いですしということで、まあ残高が大きいのはその通り。

おっちゃんが小僧の頃は都市銀行などが恒常的にマネーポジションでコール市場などで恒常的に資金を取っていて、しかもそのブレを毎日調節しないといけないので必然的にコールへの依存度が高くなり、そういう調達サイドの事情がある一方で農林系とか地域金融機関が恒常的にローンポジションとなっていましたが、調達サイドのニーズがそこにあるから運用サイドも必然的にそちらに向かうという構造で、ターム物に関しては短期国債市場では発行残高が不足していたので常に公定歩合よりも大幅に低い金利で取引されていて運用商品としての妙味がなくて、銀行発行のCDが大きかったとかそういう時代ではありましたな。

然るに、現状では短期金融市場の恒常的なマネーポジションってそういう意味では国債ディーラーが一番大きくて、そちらのニーズとしては当然レポ調達という話になるから図表の2にあるように資金調達サイドのニーズがそこにあるという話。

でまあそらそうなのですが、良く良く考えてみると短期市場で昔から比較して爆発的に調達を拡大しているのは政府もそうなのでありまして、短国市場の残高がこれだけあって、3か月物国庫短期証券が毎週5.4兆円ペース(今の所)で発行されている、という事になるとそらまあ運用サイドはそっちに逝ってしまいます罠という話で、レポ取引自体の残高が大きいのはその通りなのですが、では取引の参加者の広がりとか深みという点で特に資金取引サイドがどうなんでしょうというのは毎度ながら微妙ですなと思うのよね。

『このレポ市場について、わが国では、「市場改革」ともいえる取り組みが、国際的な議論も踏まえつつ、市場関係者の間で進められている。今、「市場改革」と申し上げたが、私なりにこの「改革」でポイントとなる視点を整理すると、「透明性」、「安定性」、「効率性」、「グローバル化」の4 つになると思っている。』

ということで先に進む。


・FSBのレポ改革

『レポ取引については、リーマン・ショックを契機とするグローバル金融危機の経験も踏まえ、G20 のイニシアティブのもと、FSB(金融安定理事会)などの国際的なフォーラムにおいて、その「透明性」や「安定性」を一段と高めるために、さまざまな改革に向けた議論が行われており、日本銀行のスタッフもこうした議論に参画してきている(図表3、4)。』

『こうした議論の背景には、主として米国において流動性の低い証券化商品を対象とするレポ取引が大きく増加し、いわゆる「シャドーバンキング」としてレバレッジの拡大や過大なリスクテイクが生じていたことが、金融危機をより深刻なものにしたのではないか、との問題意識がある。』

後の方で説明がありますが、そもそも日本のレポ取引というのは国債発行額の拡大と共にショートセールのカバー取引と在庫ファイナンスの為に拡大した市場であって、流動性の低い金融商品のファイナンスによってレバレッジを高める取引として使われている訳ではないので、FSBの問題意識を日本にそのまま持ち帰りされても迷惑以外の何物でもないので、FSBにおける議論においては関係各位の奮闘に期待します。

『FSB の議論では、こうした「行き過ぎ」を防ぐためには、まず、金融当局がグローバルなレポ取引の動向を適切にモニターする必要があるとされた。また、適切なヘアカットを導入することでレポ取引のリスク管理をより強化していくことも求めている。つまり、グローバルな金融安定上のリスクに対応するため、プルーデンス政策の観点から、レポ取引の「透明性」と「安定性」を更に高めて行くことが国際的に合意された。』

なお後にありますが国債はヘアカット義務がありませんので中曽副総裁でも安心です(違)。


『(「透明性」の向上に向けた改革<データ収集体制の構築>)』

『FSB は、レポ取引の担保となる証券などの詳細なデータを収集し、レポ取引によるレバレッジの積み上がりのほか、満期ミスマッチの状況、特定の市場参加者へのリスクの集中度合いといった金融安定上のリスクを把握することを狙いとして、レポ取引に関するデータの収集体制を各国およびグローバルの2 段階で整備していく方針を示している。現在、FSB 内の専門家グループにおいて具体的な検討が進められており、日本銀行もメンバーとして議論に参加している。』

しかし在庫ファイナンスとショートセールの在庫確保という観点からするとファンディングがオーバーナイトになってSC借入がタームになるのですが、それを捕まえて「期間ミスマッチが拡大しているのでご指導」とか飛んできたら困るので「国債市場が巨大だから自然に起きている現象」というのと「レバレッジの積み上がりによって起きている現象」というのは良く良く考えて規制をかけていただきたいものです。

『昨年11 月には、データ収集の項目等の詳細を示した市中協議文書が公表され、この市中協議の結果を踏まえて、本年末までに最終的なデータ収集の枠組みが取り纏められる予定である。』

それは良いのですが、いちいち取引データ出せという話になったら只で無くさえ事務面が煩雑な今のレポ取引に対して「単なる余裕資金運用の一環」としてしか考えていない恒常的な資金の出し手が面倒を避けてGCレポ運用から手を引くようなことが起きないようにお願いしたいものです。そらまあ調達サイドは調達できないと困るから当然こういうのは頑張るでしょうけどね。


『今後を展望すると、本年末にかけて、グローバルレベルでのデータ収集に関する議論が深まるもとで、わが国においても、各国レベルでのデータ収集をどのように行っていくか、といった議論が徐々に本格化していくと思う。その際、円滑なデータ収集を行うためには、当然のことながら、システム対応など市場参加者の負担や取引実務にも十分な配慮が必要である。』

と思ったらちゃんと言及している所を見ると相当言われてますな(^^)。

『そのうえで申し上げると、政策当局の間では、今回のデータ収集プロジェクトは、レポ市場、さらに言えば、銀行システムの外側にあるシャドーバンキングの「透明性」を高める効果的な手段であり、金融安定上のリスクを抑制していく上で、とても重要な政策対応であると広く認識されている。』

言いたいことは分かるが米国だけでやってくれとしか申し上げようがない。

『従って、今回のデータ収集プロジェクトにしっかりと対応することは、わが国金融市場に対する国際的な信認を確保し、グローバルな金融市場間の競争力を高めるだけでなく、グローバルな金融安定への貢献といった観点からも大切なことだと思っている。日本銀行としても、レポ取引のデータ収集体制の円滑な構築に向けて、内外の関係者と協力しながら、引き続き積極的に貢献していく考えである。』

そもそも米国様が無茶な取引をしてチョンボをしたのに対して、そういう事を全然していない他国がそのチョンボの後始末に巻き込まれて、無茶をしてないのにわざわざ手間暇かけて(もとより実施していない)無茶取引をしていませんというのを疎明しないと国際的な信認を確保できないというのが話の筋として何だかなあという感じでして、それよりも「まずこれらの取引を行っている米国に対して厳しい開示を求める」という話を他国と組んでやった方がよろしいんじゃないでしょうかとか言うと米国ではドットフランクでという話になるんですかね。


『(「安定性」の向上に向けた改革<適切なリスク管理の実施>)』

『レポ取引における「ヘアカット」とは、担保となる証券の価格変動リスクを反映した「掛け目」をかけたうえで資金のやり取りを行うことで、取引の安全性を高めるリスク管理の仕組みである。金融危機の際には、レポ取引の担保となっていた証券化商品の価格が急落し、そのヘアカットが急激に引き上げられた結果、証券化商品の価格下落や流動性の低下がスパイラル的に加速し、レポ取引の「安定性」が著しく低下したとの指摘がある。』

それはそうだが日本はそもそも国債レポばっかりなのですけど。

『こうした経験を踏まえて、FSB では、各国当局に対し、中央清算機関(CCP)で清算されない全てのレポ取引について、「ヘアカット」に関連した2 つの政策対応を求めている。』

つーことだがそもそもCCPで取引飛んだ時にちゃんとCCPが補填してくれないのであればCCP清算とそれ以外を分ける意味がないのだがその辺はどうなっているのでしたっけ。

『まず、一つ目が、レポ取引のヘアカットに下限値を設定する「最低ヘアカット規制」である(図表5)。景気が良い時には、市場参加者がレポ取引の担保となる証券の価格変動リスクを過小評価し、過度に低いヘアカットを設定する傾向が指摘されている。この規制の狙いは、レポ取引を行う際に、過度に低いヘアカットを適用するインセンティブを抑制することで、好況時の行き過ぎたレバレッジの拡大や、不況時の急激なデレバレッジ、いわゆる「プロシクリカリティ」(景気循環性)を防ぐことにある。』

まあ趣旨は分かる。

『なお、現在の政策提言では、国債を対象とするレポ取引は「最低ヘアカット規制」の対象外とされている。これは、国債の価格動向は景気循環的でない傾向がみられることや、国債のヘアカットは多くの取引でゼロ、あるいはゼロに近いためとされている。この点、わが国のレポ取引は、証券化商品を担保とするレポ取引のウエイトが相応にある米国などとは異なり、その殆どが国債を対象としており、ヘアカットを行わないものが大部分を占めている(図表6、7)。このため、「最低ヘアカット規制」が、わが国のレポ市場に与える影響は、現時点で、全体としてそれほど大きくならないのではないかとみている。』

ということで、順当な話がやっと出てきたわけですが、そこまでの話が米国市場において発生した問題を軸に展開されていて、日本の事情に関する話をここに持ってきているのって、講演の相手が外国の方を念頭に置いている(もともと英語だし)からそれでも良いのかもしれませんが、こうやって邦訳テキストに落とされると文章構成的に先に「なんか日本市場と関係ない話をしていますが」という印象を与えてしまいますので構成上宜しくないのではと思うのですが何とかならないのですかねえ・・・・・・・・・・・・

『さきほど申し上げた通り、わが国のレポ取引は、その殆どが国債を対象としており、ヘアカットを行わないものが大部分である。もっとも、十分な信用力と流動性を備えた国債であっても、金融商品である以上、価格変動のリスクがあることは否定できない。』

『このため、ヘアカットのメソドロジー基準のあり方も含め、レポ取引の安定性を確保していくうえで、どのようなリスク管理が望ましいのか、市場参加者間で議論を深めながら、共通の認識を作り上げていくことが大切だと思う。』

そらまあそうなのですが、図表5の最低ヘアカット基準って担保の残存期間と種別の概念があるのですが、レポ取引そのものの期間の概念がないのが変でして、今の日本のレポ市場みたいにT+1スタートの翌日物取引が主体とかになっているときに、3か月ものとかの取引と同様のヘアカットを適用するのが適切なのかどうかとか(マージンコールの問題もありますが)、その辺の概念って無いのかねとは突っ込みたくなるのでありました。

『この点、FSB では、法域間の規制裁定を抑制する観点から、最低ヘアカット規制の実施状況を定期的にモニタリングする枠組みを導入する予定である。このモニタリングの結果によっては、将来的に、現在国債を対象とする取引をグローバルな規制対象から除外している最低ヘアカット規制の「適用対象」や「最低ヘアカット水準」の見直しを検討する可能性があるとしている。』

日本国債格下げでどうのこうのという話がありましたな。ドメ取引における自国国債担保取引にヘアカット掛けるというのは何だかなあという感じはしますが(価格変動リスクという観点でかけるのなら取引期間やマージンコール適用の有無も勘案して欲しい)。

『日本銀行としては、2017 年末までの導入が予定されている最低ヘアカット規制が、グローバルなレポ市場の流動性などに「意図せざる影響」を与えることがないかどうかにも留意しつつ、今後とも、最低ヘアカット規制の枠組みの検討に関する国際的な議論に積極的に参加していく必要があると思っている。』

自国ソブリンに関しては除外の方向でお願いします。ECBに関しては「財政統合していないからお前らはソブリンじゃない」という事で(^^)。


・国債決済期間短縮化の話は毎度のお話ですがレポ市場と絡めて

次が『3.「効率性」の向上に向けた改革(国債取引の決済期間短縮化)』のコーナーキタコレ。

『以上申し上げたレポ取引に関する国際的な議論と並行して、国内では、国債取引(アウトライト取引)の約定から決済までの期間を2 日(T+2)から1 日(T+1)に短くする取り組みが進められている。』

進めさせられ(銃声)。

『国債決済期間の短縮化は、リーマン・ショック後の国債市場におけるフェイル急増の経験を踏まえた取り組みであり、未決済残高の圧縮を通じて決済リスクの削減を実現するものである。』

それは分かるがカウンターパーティーリスクを厳格に管理すればそんなのは削減できるのであって、しかも各種金融規制により金融市場参加者の資本バッファーが強靭化された中でこの未決済リスク削減を急ぐ必要があるのかというのが甚だ疑問で、市場環境の変化に対応しないで当初決めたからそのまま続けるというのはどこぞのマネタリーベース目標政策のようで実にジャパン的であります。

『しかし、金融市場インフラの整備の観点からみると、国債決済期間の短縮化は、わが国のレポ市場に大きな変革をもたらし得る重要な取り組みであることに気付く。』

つーかT+1するのに今のままだと事務が回らんという話。

『国債のT+1 決済を実現するためには、国債のアウトライト取引等の結果として生じる資金や債券の過不足の調整に用いられるGC レポ取引について、T+0 決済(即日決済)を実現することが大前提となる。そのためには、レポ取引にかかる事務処理の一段の効率化を進める必要がある。これが3 つ目のキーワードである「効率性」の向上である。これを実現するため、わが国では、GC レポ取引に係る「銘柄後決め方式」の導入、そして、そのための担保管理サービスを行うインフラの整備が予定されている。』

『レポ取引における「銘柄後決め方式」と「担保管理インフラ」の導入、つまり、レポ市場における効率化の一層の進展は、わが国の短期金融市場に大きな変革をもたらす可能性がある。なぜならば、それが大規模な即日資金市場の創設を意味するからである。』

・・・・・・・だと良いのですが、そもそもこれらのインフラ整備に金がかかる上に、担保管理サービスに対してもフィーを払わないといけない訳でして、そのフィーが少なくともコール媒介手数料などの現状のコール取引に関するコストと同等かそれ以下じゃないと資金運用サイドの積極参加が見込めないと思うのですがそれは。

つーかですね、このレポT+0の話って国債決済T+1の方から話が先に来ているので、そらまあそうなったら国債のマーケットメーカーは対応するために色々と動くのが必然なので、資金調達市場としてはT+0レポ市場ってのが出来るのですけれども、運用サイドのニーズは特段斟酌して話が進んでいる訳でもないので、運用サイドとしては参加するだけの運用面での有利性が必要で、このウルトラハイパー超低金利の中でシステム対応の投資が必要でフィーが安いのかどうかとかレートが有利なのかどうかとかが分からない上に事務面でどうなるか分からない取引に参加するのかよと言いますと、先ほども申しあげましたように偉大なる3か月もの国庫短期証券市場があり、保振で超便利になったCP市場があり、事務周りがあっという間のSTPで回る短資約確システムに乗るコールローン取引がありとなっているのがどうも。

まあそうは言いましても決済がたくさんある銀行業態もシステム対応はしないといけない口でしょうから、銀行業態と国債ディーラーの所で取引は回るでしょうし、残高も当然ながら積みあがるとは思うのですが、ロット的にそれほどではないにせよ安定的な余資放出主体が参加しやすいような取引になる事によって取引の厚みが出ると思いますのでその辺は宜しくお願いしますというか、日銀のこの手の講演とかを聞いて(見て)おりますと、資金調達サイドの事情については良く把握しているようですが、運用サイドの話になると途端に疎くなる傾向が見られるのでして、まあそちらへの考慮もして頂きたいものです。


・レポ市場の将来の展望に関して

『かなりざっくりとした見積もりだが、現在T+1 決済で行われている翌日物GCレポがT+0 決済に単純に全て移行すると想定すると、その市場規模は20〜30 兆円に達することが予想される(図表8)。一方で、例えば、翌日物の無担保コール市場(短資経由)の残高は、現在2〜3 兆円程度である。つまり、わが国のT+0決済のGC レポ市場は、将来的に、コール市場の規模を大きく上回り、東京短期金融市場において最も大きな翌日物の即日資金市場となる可能性がある。』

そもそも銀行業態が全部ローンポジションの中では翌日物コールというのはマージナルな取引にならざるを得ないのですが、レポ市場に関しても資金調達プレーヤーが「証券会社」に偏ってしまうので、それはそれで残高は大きいにしても本当に指標性のある取引なのかというのは微妙な気がします。まあ将来にわたって無担保コールを政策金利にするというのもどうかと思いますが。

#一番指標性が高いのは今や3か月もの国庫短期証券利回りだと思いますけど

『冒頭に申し上げたとおり、わが国のレポ市場の残高は大きく伸びているが、金融危機以降の資金市場の動きを振り返ってみると、無担保の資金取引が世界的に縮小している一方で、有担保の資金取引は相対的に活発である。これには、金融危機後のインターバンク取引における信用リスクに対する意識の高まりや、無担保の短期資金取引の増加をディスカレッジする金融規制の導入といった、構造的な要因が影響しているように思う。』

まあそれはそうですが、金融緩和によって恒常的なマネーポジションが縮小しているというのもあるような気がします。

『こうした大きな流れを踏まえると、T+0 決済のレポ市場という即日資金市場が創設されることは、既存のコール市場における資金取引への影響のみならず、中央銀行が行う金融調節オペレーションにとって重要な市場である短期金融市場全体に構造変化をもたらす可能性があると思う。』

つまりレポ金利を誘導目標にしたりレポ市場向けオペをすることを正常化後の展望として考えていると。

『この点、現在のコール市場とGC レポ市場の参加者を比べると、資金調達面でのプレゼンスは、前者は「銀行」や「短資会社」が高い一方、後者は「証券会社」が高くなっている(図表9)。』

さっきも申しあげたが何故この話を先に持ってこない・・・・・・・・・・

『また、将来を展望すると、即日決済のレポ市場が発展することによって、即日資金市場の厚みや参加者の多様性が増し、短期金融市場全体の活性化に繋がる可能性もある。』

まあどうなんでしょうね。将来にわたって銀行全部がローンポジションであるという訳でもないでしょうからそうなった時にはまた変わるのでしょうね。


・新現先の話はマニアすぎるので割愛します

『4.「グローバル化」に向けた改革(レポ取引の新現先取引への移行)』という所で新現先方式への移行という話があるのですがこちらは時間の関係もあってスルーしておきます。

ただ、このグローバル化に関する話では日本国内の破綻法制との整合性というのをどう担保するのかも重要で、一括精算条項とか入れても保全命令との関係って実際に誰か勇者が裁判起こしたら本当に大丈夫なのかという法律的整合性がどうなっているのかとか、その辺がどうもよくわからん(アタクシの不勉強で本当はちゃんと破綻法制の改正が行われているのだったらすいませんとしか申し上げようがないのですが)次第なので誰か詳しい人教えてジェネラルという所です。

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2015/05/13

○市場メモ関連

・6M入札ェ・・・・・・・・・

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20150512.htm

(3)募入最低価格 100円00銭3厘(募入最高利回り)(-0.0060%)
(4)募入最低価格における案分比率 66.2644%
(5)募入平均価格 100円00銭3厘(募入平均利回り)(-0.0060%)

100円の一つ上どころか3つ上の所で切られてほぼ一本値(ほぼ、というのは市場推計の落札分布からすると3厘満額応札以上に落札したことになっている人がいるようなので)という結果になりまして、100円の一つ上で切れてその後ワッショイとか言ったのよりも強い結果でしたすいませんすいません。

つーてもマイナス利回りなのは同じでして、6Mって昨年の11月に行われた入札の時が丁度10月のQQE拡大を受けて短国オペへの負担を軽くしようという話だったので短国オペが抑制されるという期待から一旦金利がプラス化した時(その後日銀が無慈悲買入を実施して短国市場への負担を軽減とは何だったのかという事になり、いわゆる日銀トレードも活発化しだしたのはさんざん悪態を申し上げた通りです)でしたので、まあそれ以来延々と6M短国はマイナス推移という事でして、3Mの金利がプラスになった3月でもマイナスだったので結果そのものはシャーナイナイ。

ちなみにBB引けも売買参考統計値もマイナス1.6bpになっていますので、入札水準から1bp強い所になっていまして、まー100円の一つ上で切れて引けがマイナス1bpとかテキトーに書いたのもそれほど外していないな等と謎の言い訳をしながら売参を見ますと、直近入札の3Mカレントの引けは530回がマイナス0.5bpですけどその前2銘柄の3Mカレントの引けがマイナス1.9bpになっているので、金曜に向けてもうちょっと6M強くならんとカレントが残っているんだったら買入でどっちが入るか分からんですなという気もするのだがもう玉が無いですかね。

まあ6Mは日銀オペ専銘柄になっていると申してもおかしくない状態なので勝手にやってればという感じですが、3M入札のマイナス金利状態が続くっつーのがもう何だかねという所で、この6Mはオペに打ち込まれ銘柄として今週の3Mがどうなるかですけど、まー3つ上で切ってくる位には業者のポジションにも余裕があるんでしょうから今週も厳しくて、6月になって短国買入のフローが落ちるのが見えているだけにその手前辺りでどうにかなるかならないかという話っすかねえ(呆然)。

#どうせ今週は3Mの翌日の短国買入が6M買いたいニーズで増額だろうと予想されるので入札も強くなりやすいし


・なお米国では短国をニーズに合わせて増発しています

余談ですがね。

http://www.treasury.gov/press-center/press-releases/Pages/jl10045.aspx
Quarterly Refunding Statement of Acting Assistant Secretary for Financial Markets Seth B. Carpenter
5/6/2015 Page Content

でまあこちらなのですが、短国の所を見るとこのような記述が。

『Bills Supply』

『The supply of bills outstanding as a percentage of the total Treasury portfolio is at a multi-decade low of approximately 11 percent. Demand for Treasury bills is high and is expected to grow even more significant. Therefore, Treasury believes that it is prudent to increase the level of Treasury bills outstanding, at least somewhat, within the total amount of securities issued for authorized purposes.』

(;∀;)イイハナシダナー

『This increase in issuance will help achieve our objective of lowest cost of funding over time and will enhance market functioning and liquidity. Furthermore, this increase in Treasury bill supply should not be interpreted as changing Treasury’s debt issuance strategy of extending the weighted average maturity of the debt.』

ということで米国財務省様におかれましては市場におけるT-Bill(日本でいう短国)のニーズが高まっており、今後もそのニーズが高まっていること、その一方で発行のうち短国の残高シェアが下がっていることを鑑み短国の発行を増額することが適切と判断したというお話で、これにより市場機能と流動性を高めるという実にイイハナシダナーという動きが行われている訳ですな、うんうん。

背景としてはLCR規制の問題とかMMF規制の変化とかの問題があって短国へのニーズが従来以上に高まっているのに発行年限長期化しちゃっているし財政締めているから短国の発行が追い付いていなくて、その結果米国でも短国の金利が下の方に突っかけに逝っているという状態があるっつーことですが、そこでどこぞの国のようにやれマイナス金利だの金利低下は政策効果(キリッ)だのという話をするのではなく、発行当局が短国の発行を拡大するというのは実にイイハナシダナーとしか。

いやまあECBとか日本と違って金融政策が出口モードだからだろうというツッコミはあろうかと思いますけれども、QE2とか開始したころにはFRBってなんちゅうぶっきらぼうなオペレーションをしやがるなあとか思っていましたが、今となっては3極の中で米国の金融政策および国債発行当局が一番市場機能への配慮がある(ECBの買入は市場への流動性云々という触れ込みはあるがそもそも預金ファシリティをマイナスにしている時点で短期金融市場への配慮がマイナス無限大で、債券市場と短期金融市場は根っこでリンクしているのだから結局ダメなのは同じ)という事になっているのがオソロシスという所ですな。

まあこの増発やってもまだ足りない感は強いみたいですけど「長期化するという方針は変わらないですけれども、市場のニーズが高まっているのでそれはそれとして短国の増発をしますよ」というその姿勢が大変にイイハナシダナーでありまして、規制などの動向も踏まえて自分の庭先だけではなく総合的に判断しているというのが良いですな。


・10年国債入札&欧米金利

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/nyusatsu/resul20150512.htm

6. 価格競争入札について
(1)応募額 4兆9,186億円
(2)募入決定額 2兆1,945億円
(3)募入最低価格 99円57銭 (募入最高利回り)(0.445%)
(4)募入最低価格における案分比率 32.3968%  
(5)募入平均価格 99円67銭 (募入平均利回り)(0.434%)

欧米金利謎の上昇を受けて前日まで楽勝という感じだった雰囲気が一転して急にうーむという感じにはなっていましたが、前場から10年甘くしてしかも前場引けにかけて0.430%→0.435%→0.440%と勢いよく叩いて来ましたので、これは入札直前に甘くして安く見せておいて前場引けよりも強く入札して戻すパターンですなとか思ってみていたら足切は前場引けよりも5糸甘くして来るわ応札倍率は低いわという中々残念な状態になっておりまして、何度か戻るかと思う動きもあったものの結局14時過ぎ位から失速してヘロヘロの巻となってしまいましたな。引けではちょっと戻ったけど落札結果水準は回復せずにナムナム。前場引けのバランスから見ると先物の方が叩かれた格好で引けている(前場引けに10年を勢いよく叩いたというのはあるのですが)ので10年の買いなのか先物の叩き料理があったんでしょうけどね。


なお前場引けに掛けてちょうどこのヘッドラインが出ていたのですが。
http://jp.reuters.com/article/vcJPboj/idJPKBN0NX07J20150512
当座預金付利の引き下げや撤廃、検討してない=黒田日銀総裁
2015年 05月 12日 12:30 JST

これは参議院財政金融委員会での民主党大塚耕平委員に対する答弁で、文脈としては大塚さんが「超過準備に付利して膨大な金利を銀行に支払っているがそれだけ払って然るべき効果が出ているのか、効果が小さいなら止めるべきでは」という質問をしたのに対しての答弁という事のようですが、債券市場的にはこの件は別に織り込み済み(大体からしてその後に実施された6M短国入札が上記の結果ですし)だとは思うのですけれども、ここもと追加緩和否定チックな自民党からの発言もありましたし、この辺って心理的に効くんですかねえ良くわかりません。


ところで欧州とかの金利。

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NO87SJ6KLVRO01.html
世界の債券売り続く、独10年債利回り今年最高付近-ユーロ上昇
2015/05/12 17:06 JST

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NO93R66VDKHT01.html
米国債:上昇、投資妙味に買いが戻る−世界的な売りに一服感
2015/05/13 06:43 JST

ということで欧州時間では途中まで盛大にドイツ債売られてあばばばばーとなっていたものの、いったんPSPP実施前の金利水準まで上昇したので止まって、それを見て米国長期債の金利上昇も一服というお話のようですが、まあジャパンの例を考えてみますと2013年は黒田バズーカ期待でドンドン下がった日本の長期金利がバズーカ打って盛大に下がって0.315%まで瞬間やったあと上昇して0.6%近辺で一旦うろうろした後に、黒田総裁が長期金利の上昇について「実質金利の低下が重要」と名目金利の上昇をスルーする発言をしたのが一段安のきっかけになりまして(なおGUがその時期に期間限定で打ち込んだきゃりーぱみゅぱみゅさんがマーライオンになるファッションモンスターのCMが影響していたというギャグは今でも唱えますがががが)一段の金利上昇という2段下げ(価格的に)をやらかしておりますので、そう考えますと本当に止まったのかはワカランチ会長。

まーこれがPSPP盛大に進んで今のジャパンのように「そもそも投資家に売るものが無い」という素敵な状態になってしまえば話は別なのですが、「預金ファシリティがマイナスなのでキャッシュ保有にコストがかかる」という状態の中では将来のキャリーを飛ばして売るにしても金利が下がり過ぎると却って売るに売れないという状態になっていたと思いますので、そーゆー意味ではどちらに転ぶのか良くわからん。PSPP始まってからの上げ局面で「投資家の踏み」的なのもあったと思いますし、元々の時点で投資家には売るものが無くて今でもあまりないのかもしれないし、その辺の需給次第じゃないですかと適当なことをほざいてまとめにならない纏めをしておく。

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2015/05/12

○短国買入とかのメモを置いておきますね

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of150511.htm
国庫短期証券買入 20,000 2015年5月13日
国債買入(残存期間1年超3年以下) 3,750 2015年5月13日
国債買入(残存期間3年超5年以下) 3,750 2015年5月13日
国債買入(残存期間10年超25年以下) 2,400 2015年5月13日
国債買入(残存期間25年超) 1,400 2015年5月13日
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注3) 12,039 2015年5月11日 2015年5月12日
国債補完供給(国債売現先)・即日(午後オファー分)(注4) 16,000 2015年5月11日 2015年5月12日

ということで昨日は短国買入が2兆円のオファーとなりまして、さすがに4打席連続3M短国マイナスを受けてちったあ気を使ったのかどうか知りませんけれども、何はともあれ落札結果を見ないと何とも。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba150511.htm
国庫短期証券買入 36,045 20,002 0.001 0.002 99.7
国債買入(残存期間1年超3年以下) 9,501 3,765 -0.004 -0.002 73.5
国債買入(残存期間3年超5年以下) 10,360 3,755 -0.008 -0.005 41.7
国債買入(残存期間10年超25年以下) 5,040 2,403 -0.030 -0.024 10.8
国債買入(残存期間25年超) 5,222 1,404 -0.017 -0.014 33.3
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注4) 117 117 -0.400 -0.400
国債補完供給(国債売現先)・即日(午後オファー分)(注5) 27 27 -0.400 -0.400

ということで応札が3.6兆円でして、前回の短国買入が2.25兆円の買入予定に対して4兆円の応札だったので、そういう意味ではオファー玉から見たらバランスはそんなもんだから単に札読みから自動的に計算しているのかも知れませんが、前回の短国買入では盛大に流れてしまいましたのでエライコッチャ感が強かったですけれども、今回は平均2糸甘の足切1糸甘と普通の落札結果になりましてまずは一安心。

つーかですね、そもそも論として今月ってそこまで短国買入を積み上げる必要あるのかよという感じでして、今年の1−3パターンを踏襲して1月は積み上げるにしても2月は残高維持程度に止めておけよとか思うのですが、今の流れだと償還以上に買入をすることになり、ただでなくさえ3Mが月に1.2兆円発行減額になっているのに、そこに残高の積み上げするとか市場にストレスをわざと掛けに逝っているとしか見えないですし、大体からして今月も残高盛大に積み上げてしまいますと今度は6月の短国買入が殆ど実施されないというような流れになってしまいますので、需給のブレが大きくなりすぎるんですがそれは。

何だかんだと言いましても短期金融市場の中で一番の残高があって一番安定的に運用ができるのが短国でして、その中で毎週発行と償還がある3Mは一番便利な商品なのですけど、日銀短国買入がフローで思いっきりぶれるので市場の需給関係も思いっきりぶれるという結果になっていますな。

でまあその結果短国の需給がぶれる→短期金利がぶれるという事になる訳ですが、この前企画局が出したレポートみたら実質金利ガーの話はあるけどMB目標の数字の細かいところに特段の意味が無くて、要は「気合を示すためのもの」という事のようでして、そうなのであれば月々の国債発行償還要因を含む財政要因のブレに対して事細かにMBの進捗をチューニングした結果短国市場の需給を日銀要因で無駄に振らせる方が政策効果的には宜しくないのではないかと存じますので、政策委員会の皆様におかれましてもちったあそういう点に留意した議論をしていただきたいものだと思うのでありました。

てな訳で本日は6MTBの入札がある訳でして、まあこの状況下で入札やってもどうせ金曜のオペ狙いヒャッハーという事で入札は100円の1つ上で切ってセカンダリーでワッショイワッショイとマイナス1bpとかになって売参がマイナス1bpとかになるんでしょまあご随意にどうぞという感じですし、まーた6M1Y買いたい攻撃で金曜の短国買入が増額されるんでしょとか衆目の一致するところなので、投資家を排除して勝手にやっているという図になるんでしょうなあと呆れて眺めるの巻となりそうで。

つーかまあ6Mと1Yの後には買入が増額されるというのが市場の皆さんの確信状態になっている時点で市場の価格形成が日銀の足元を見た状態になっている訳でして、そういう市場にしてしまっている時点で金融不均衡の種をせっせと撒いている状態でもあるんですけどねえ・・・・・・・・・・・


あと、話は違いますが昨日は超長期前半の輪番が強かったのですが、今回は輪番強い結果が出たのに後場寄りは下がってその後も下がる(そのあと後場途中から謎の先物急上昇をしていましたが)という展開になっておりまして、引けてみたら結局先物から10年が一番強くて超長期とか置いて行かれているんですがという結果で、輪番とリンクしてないじゃんとか思う1日でありました。

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2015/05/11

○市場雑談というか短国があばばばばー

世の中的には物国入札の話と行くところですが短国入札ネタで参ります。
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20150508.htm

(3)募入最低価格 100円00銭0厘5毛(募入最高利回り)(-0.0020%)
(4)募入最低価格における案分比率 98.7622%
(5)募入平均価格 100円00銭0厘9毛(募入平均利回り)(-0.0036%)

・・・・・・ということでまたまたマイナス金利の入札になってしまいまして、これで遂に3M入札で4打席連続のマイナス入札になるということでアイヤーとしか申し上げようがない展開。

でまあ何ですな、昨年の場合だと9月に金利がマイナスになった時は日銀の買入効果に加えて期末の買いとかでモノ無し芳一状態だったので現先とかレポとかの金利も下がっていたりしましたり、10月の場合は期末終わったのに無慈悲買入の実施でやはり金利が下がったのですけれども、その辺りから日銀トレードとか言われる動きが徐々に目だって来たというような展開になっておりましたな。

でまあ足元はどうなっていますのやらという所ですが、連休前に実施された短国買入では2.25兆円の買入予定に対して4兆円の応札があったのですが、落札結果が盛大に流れるという中々セクシーな結果になっていたというのも効いていると思うのですけれども、まーあの結果見せられると新発の入札であまり馬鹿みたいに突っ込まない限りにおいて買入でそこそこ強いところ入れられるじゃんという安心感が出ますのでそらもう在庫持ちやすくなりますなっつー所でして、本来だったら1日の短国買入を見ると玉がある筈なのでそんなに入札強くしなくても良いだろという話になる筈なのですが、そうならない辺りが日銀買入効果恐るべしという所ですかそうですか。

現先とかレポとかがモノ無しという訳でもないので玉自体はあると思うのですが、日銀の短国買入が4月からハイペースで飛ばしていまして、前回のオペも2.25兆円オファーと「5月は9兆円は買いますよウヘヘヘヘ」と言わんばかりのオファーをしてくるというプレイでして、市場的にマイナス入札が連続している中で今月は日銀保有分の償還以上に購入してきますよ宣言とか全くもって市場機能とか丸無視という最近の調節クオリティですし、これがまた1日の短国買入の結果から逆算すると今日も札は普通にあるでしょうから買入オファーは2兆円超で打ち込んでくるのでしょうなあとか思うと頭痛を禁じ得ませんが、何せ企画局様がQQEの効果を金利引き下げで話をしているだけに(安定的に金利を下げるのであれば市場を不安定化させない方が良いので今のやり方が必ずしも的を射ているとは思えないのだがそういうのは債券市場の中の人にしか理解され難いところなのよね)まあ市場への配慮とかしないんでしょと思いますけどね。

しかしまあ先ほども申しあげましたが、現先とかレポとかまで玉が無いというのとも違いますし、昨年11月から12月のようにCPの金利が一部高格付けの所でバカスカ下がってしまうというような現象も発生していないのに4週間連続で3M短国入札がマイナスでその間カレント3Mが全然プラス金利になる気配無しというのは実にこう整合性の取れない謎市場ではありますな。

ちなみに金曜に「今月の短国買入は11日の後は各週金曜」と申し上げましたが、良く良く考えたら22日はMPM2日目ですので22日ではなくて25日に実施でしたね(大汗)。

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2015/05/08

○市場雑談

・欧州債ェ・・・・・・・は一旦おちついたのかね

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NNZIAW6KLVRQ01.html
ドイツ国債の一斉売り、03年の日本国債安に類似−バークレイ
2015/05/08 01:37 JST

『同氏によれば、利回りの変化とボラティリティ、連邦公開市場委員会(FOMC)が発している政策シグナルが当時と類似している。』

『同氏は「資産配分という点で03年から得られる最も重要な教訓は、債券利回りが極めて低くなれば最終的に債券から株式への資金移動が起こるということだ」とした上で、「これが既に起こっている兆候がある。債券に比べ株式のパフォーマンスが高いことは、今年の資産配分においてこれまでのところ圧倒的に最大のテーマだ」と指摘した。』(以上上記URLより)

何か色々とツッコミどころがあって、なんでドイツ金利の話をするのにFOMCの政策シグナルなんだよとか(米金利の話なら分かるが)別に2003年の日本債券下落はポートフォリオリバランスとか関係なく発生したんですけどねえとか、たぶんこの解説してる人日本債券市場分かってねえだろうなあと思わせてくれますがそれはともかく。

ドイツ様の金利が素敵に上昇してほんの2週間ほど前に10年10bp割ってこりゃダメだ状態だった所からジャンジャン金利が上昇して昨日の日中は一時0.7%水準まで上がってその後戻ったようで、まーECB買入パワーとそれに対して投資家も売るに売れない状態(売るとその後の期間収益を放棄するのですから金利が下がりっぱなしだと思ったら誰も売れない)になっていたのの反転という事なんで、2003年のように投資家全員参加で債券を買い上げて逝った金利低下局面とは全然違うので2003年の日本と類似とか言ってる時点でシロウトだと思う(いや直近の金利低下が投資家全員参加だったらアタクシの間違いなので謝罪しますが)のでありまする。

なお、金利の先高観が出てくればそらまあ一旦売ってその後の期間収益を放棄することになっても、より金利の高いところで買い戻せば良しみたいな話になりますので目先の大収益ウマーとなって売る人もいるでしょうしというのはあるのですが、なんかこう真空地帯を駆け上がって勝手に駆け下りている感があって何が何やらという所ですな。


・ついでにECB買入関連メモ

http://www.ecb.europa.eu/mopo/implement/omt/html/index.en.html
Asset purchase programmes

このページの作りがだいぶ丁寧になってきて見やすいですな。

Eurosystem holdings under the expanded asset purchase programme
(なお普通にコピペするとうまくいかないので表示はアレンジしてます)

March 2015

ABSPP:4,624
CBPP3:63,606
PSPP:47,356

April 2015

ABSPP:5,785
CBPP3:75,070
PSPP:95,056

ということで、Change from previous monthはと言いますと・・・・・・・

ABSPP:1,162
CBPP3:11,464
PSPP:47,700

となってトータルではAPP:60,326となって、結局4月単月ではAPP全体で600億ユーロとなって、PSPPはそのうち477億ユーロになりましたので、PSPP買入開始当初の勢いはやや弱まったという所でして、これは単に4月になってペースを合わせに来たのか、それともマイナス金利の影響で買えないものが増えた影響になるのかは欧州債券市場の需給がどうのこうのとかまでフォローしているヒマも能力も無いこのアタクシには手に余るので誰か教えてジェネラルという所です。まーこのペースダウン自体はあまり金利に影響しているとも思えないのですが、買入に関してファジーにも程がある形になっているECBの買入プログラムな上に、「金利が低下して効果を発揮した(キリッ)」とドラギのおっちゃんがのたまう中で一時は買入開始前水準に近いところまでドイツ10年金利が上昇などというお洒落な事になったので、そらまあオペレーションが注目されるのかもしれませんな。

なおFRBの買入の場合、QE2に関しては買入の効果のルートとしては金利低下の話ももちろんしているのですが、基本的には「QEによる買入の量に意味がある」っぽい言い方をしていて、QE2実施後に金利が上昇してもしらんぷりで淡々と最初に決めた買入をしていましたし、QE3の時はより金利の話をしていたはずですがTaperingトークで金利上昇しても買入を特にいじることなく推移させていましたが、そもそもFRBの場合はあまり金利ルートを強調しすぎていなかったのでそこはまあ上手くやってましたなあと思うのでした。さてECBはどうしているのやら。


・今月の資金需給見込み&今日は3M入札

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/fm/juqp/juqp1505.htm/
日銀当座預金増減要因(2015年5月見込み)

こちらを見ますと今月は財政要因の資金不足が15.74兆円ありますが、輪番オペの買入が今月は奇数月なので8.96兆円の買入。先月の輪番は受渡ベースで月末を跨いでいるのが無いのに対して今月は日程上月末の所で輪番が入ると思われるので、そのオペがどう入るのかが結構効くのですけれども、前月同様に月末に中期と長期が入ると7.85兆円の買入になりますな。

つーことで15.74兆円のうち7.85兆円が埋まるので残り不足が7.89兆円。固定金利オペの落ち分とかETF等の買入とかの出入りが少々ありますのですがその辺はスルーしておいて8兆円買入を行えば前月対比のMBは減らなくて済むので、まあ8兆円は買入が入るのかよという感じですかそうですか。

でもって今月の短国買入は1日、来週月曜ときてその後は毎週金曜に入る筈なので、月内受渡に掛かるのは4回分となりまして、ネタにしませんでしたが1日の買入オファーが割と無慈悲に2.25兆円とか入りやがりましたので、これを単純に4倍すると9兆円ですかそうですかという所で。

しかしまあ何ですな。

1日の短国買入結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba150501.htm
国庫短期証券買入 40,512 22,502 -0.017 -0.004 9.4
(他のオペは割愛)

1日って買入の札自体は4兆円あったのですが、そもそも3打席連続3M入札マイナスという状況を受けてのオペだったせいか、応札する皆さんも2.25兆円というオファーを見て「おおこれは流れる」と思ったのでしょうか足切って結局1.7毛強とか結構なところまで流れてしまいまして、この日は債券市場がコケる中(なお昨日の方が更にコケていましたが)短国だけはあちゃーという感じ(ただし応札4兆あってああ玉はあるのねという話にはなったけど)になった訳ですな。

でもって本日は3M入札で、これがマイナス入札になると1か月丸々マイナス入札になってしまいまして、さすがに短期金融市場的には色々な弊害が生じてくると思われるのですが、1日のオペ時点で1.8兆円の空振り分があるのでどうなんでしょうかね、というのと、この入札がマイナスで決着してセカンダリーでもマイナス利回りで推移するとなった場合に短国買入をどうしてくるのかというのも注目されますが、どうせ「玉が無ければ減らすけど別に市場に配慮して減らすことは無い」という毎度の無慈悲パターンだとは思うので期待はしませんがね。

なお、企画局様からは「MBニバーイニバーイ」には特段の定量的な意味はないという有り難いお告げが出た訳ですので、別に短国買入でせっせとMBを稼がなくてもいいじゃないかとか思ってしまいますが、どうせ「金利低下で効果」という部分を見て「よし!短国金利をマイナスにしないと!!」と間違った使命感を持ちかねないのがオソロシスな所であります。


まあしかし何ですな、金利を低位安定させようとするのでしたら、本来的に言えば「中短期金利を安定させる」というのと「イールドカーブを適当に立たせておく」というのが一番安定する方法でして、つまりそれは「低金利政策の時間軸コミットメント」が一番効くという話だったりすると思うのですよ。

つまりですな、そもそも債券投資というか金利物の投資っていうのは調達金利と運用金利の利ザヤで食うのが基本的な部分であることからして、イールドカーブを極端に潰すと長短スプレッドが取りにくくなりますので、市場参加者は減るし、そうなれば流動性も落ちるし、投資している人だって収益減ると相場が逆に逝ったときのバッファーが少ないのだから投げも早くなるし、となって、イールドカーブを極端に潰して「金利低下で効果が(キリッ)」ってやっても実は不安定の上での代物というのをECB様が実演中な訳ですな。

それから、調達金利っていうのは本質的に名目ゼロ金利制約があってマイナスにはなりえない以上(市場調達オンリーならマイナスの可能性はありますが、投資という意味では原資は市場ではなくて預金者なり保険契約者だったりするのですからそこでは名目ゼロ金利制約が発生する)、マイナス金利政策というのもこれまた金利物への投資という意味では投資家を排除する代物であり、その結果として市場が壊れてしまい、やはり不安定化へと繋がるという事になりますのでこれまた「目先の金利は低下するかもしれないが金利を安定的に推移させるという意味」においては下策というかマイナス効果だと思うのですよね。

しかしながら何となくこうマイナス金利みたいなのとかカーブを無理やり潰すみたいなのが効果みたいな話になっている風潮があるのですが、それって「安定的な推移」という意味においてはあまり良い策ではなく、短期的な一時的ショック政策のような短期勝負政策に使うものであると思うのですよね。でまあECBにしろ日銀にしろ、その政策が何気に長期化しそうな形になっているのが運営上マズーだと思う所(日銀の場合は最初は短期決戦だったのに泥沼の長期戦になっているのですが)ではありまする。

つーことでですね、非伝統的なことを手段としては実施するけど伝統的な政策ルートで行くのであれば、「金利の低位」だけではなく「金利市場の安定推移」というために何が必要か(投資家を排除して金利を無理やり下げるのではなく)というのをもうちょっと考え直して政策の立て直しをしていただきたいものだと思うのでありましたとさ、という雑談にいつの間にかなってしまいましたな(大汗)。

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2015/05/01

○色々と市場関連雑談メモ

・欧米金利メモ

欧州金利ワロタ。
http://jp.reuters.com/article/treasuryNews/idJPL4N0XR79D20150430
ユーロ圏金融・債券市場=独連邦債利回り急上昇、デフレ脱却でQE効果ほぼ打ち消し
2015年 05月 1日 02:01 JST

『[ロンドン 30日 ロイター] 30日のユーロ圏金融・債券市場では、独連邦債利回りがこの日も上昇。2日間の上昇幅としては、ユーロ圏の債務危機が深刻化していた2011年以来の大きさを記録した。同日発表された4月のユーロ圏消費者物価指数(CPI)統計で、5カ月ぶりのデフレ脱却が確認されたことが利回りの押し上げ要因となった。』(上記URLより、以下同様)

「5か月ぶりのデフレ脱却」ってお前その説明おかしいだろうよ。マイナスに突っ込んだらデフレでプラスに戻ったら脱却かよおいこらという所だがベンダーがこの調子だからいつまで経っても金融政策のコミュニケーションって混乱するんだろうなあと。

『独10年債利回り は9ベーシスポイント(bp)上昇の0.37%。欧州中央銀行(ECB)が量的緩和(QE)策を開始する前日に記録した0.397%の水準に迫った。29日の取引開始以降、利回り上昇幅は20bp超に達し、債務危機でユーロ分裂の懸念が高まっていた2011年11月以来の大きさとなった。』

のでQE効果打消しって実質金利って言葉知ってます???と言いたくなるが、まあ日銀にしてもドラギにしてもアクチュアルな物価が弱めで推移しているときに名目金利の下げを金融政策効果のルートとして強調するので逆になった場合に必ずこういう講釈が出てくる訳でして、このあたりの後講釈を見ますと「このように効果があります(キリッ)」というアピールをとにかく続けなければいけない「期待に働きかける政策」のコミュニケーションの難しさというのが分かりますな。

だいたいからして「QE効果」なるものよりも「デフレ脱却」の方がどう見ても重要(ここのデフレ脱却という書き方がそもそもおかしい点はありますが)なのですからこの動きは歓迎するべき話でしょと思うのですが、そこまでのドラギの説明が金利低下ルートをアピールしていたから名目金利が上昇すると「政策の失敗」みたいな話になってしまうのは明らかにミスコミュニケーションだと思います。

『ECBが量的緩和で国債を大量購入しているため、市場の流動性が低下しており、値動きが増幅された面もある。 また祝日を控えていることに加え、市場ではECBの量的緩和で独連邦債利回りはマイナスに低下することもあり得るとの見方が広がっていたため、ここ数日の利回り急上昇で多くの市場関係者が不意を付かれた格好となった。』

ドイツの30年とか先週からヘロヘロ化していて、水曜の5年国債入札札割れとか金利上昇ヒャッハーとなっているのですが、これがジャパンのQQE突入後の一連の動き(日本の方が展開が早かったけど)のエピソードと同じなのかというのは良くわからんですな。


でもって米国。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NNMTZU6JTSEL01.html
米国債:4日連続安、良好な米統計や欧州債券安など重なる
2015/05/01 04:00 JST

『(ブルームバーグ):30日の米国債相場は2月以降で最長の4日続落。米連邦公開市場委員会(FOMC)が年内利上げを準備している姿勢を示唆してから一夜明け、この日は予想より良好な経済統計が複数発表された。また欧州の国債がこの日も売りを浴び、米国債利回りの相対的な魅力が薄れた。外国為替市場ではドルが週間ベースで3週連続安となっている。』(上記URLより)

ほほうという所ですが、確かにまあ昨日の朝聞いたテレビの市場後講釈的にはFOMC声明文ガーということでしたが、昨日読みましたように確かに6月利上げの可能性は残っているけど現状認識を盛大に下げた次のFOMCでいきなり正常化着手(キリッ)とやるにはその間の経済指標の大幅な良化が必要だろ(あるいは相当の金融不均衡懸念の発生)と思われますので、そういう意味では別に急に売る話じゃねえだろと思ったのですけど、まーFOMC単体でというよりは欧州のアレとか、日本は日本で海外方面がやたらめったら期待していたらしい追加緩和実施ネタがあえなく爆死した件など、積み上げたポジションのクローズが起きやすい地合いでその一連の流れでこんな感じですか、という話なんでしょうかねえ、あたしゃよくわからないけど。



・輪番予定に変更なし&今日は短国買入

しかしこの翌月のカーブ形成に影響がある予定を月末の引け後に出してくるというプレイはもう少し改善の余地というのが無いのかと小一時間。どうせ受渡ベースだと月の最後は月を跨ぐんだし。

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2015/rel150430e.pdf
当面の長期国債買入れの運営について

前回はこちら
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2015/rel150331c.pdf

注目なのは2枚目の別表ですが。

『(注4)2015年5月1日以降の最初のオファー金額は、残存期間1年以下700億円、残存期間1年超3年以下3,750億円、残存期間3年超5年以下3,750億円、残存期間5年超10年以下4,000億円、残存期間10年超25年以下2,400億円、残存期間25年超1,400億円、変動利付債1,400億円、物価連動債200億円とする予定です。』(今回)

ということでオファー金額に変更はなく、ついでに別表の表の内訳も変化なしということで、今月は短国の需給逼迫と中短期ゾーンの中長期国債の需給逼迫がダブルコンボで相互作用をかましてくれていまして、中短期特に1−3の輪番が札割れするとか10毛強みたいなスットコドッコイなレートまで流れるのかというような懸念がされておりましたが、それにもめげず(?)に買入は同額継続となっています。

・・・・・・・・となりますと本日の短国買入の結果が注目される訳でして、既に3M入札が3打席連続マイナス金利となっていまして、プラス金利の流通玉は出てきませんなあという大飢饉状態になっているのですが、実際問題として流通玉はないけど本当の本当に玉が全くないのかというとそういう訳でもなさそうで現先玉とかは存在するという状態。つまりこれは物流インフラが破壊されてしまったので人口集積部分で食糧不足が起きているようなもんですなとか思ったのですが、市場の流動性という意味で物流インフラが毀損というたとえ話を考え付きましたけど、それよりは日銀が無慈悲買入をしているからまともな金利の流通玉が無い訳で、そう考えますと農業生産はせっせと行われているけれどもそれがすべからく輸出に回っている飢餓輸出状態になっていて投資家が瀕死で日銀や日銀トレードがウハウハという状態な訳ですね分かります。

・・・・・・・つい話が脱線してしまいましたが(汗)、まあそんなことで短国市場があばばばばーとなっている昨今でございまして、ここの需給が緩和されると中短期の玉なし芳一モードも(モノとしてのニーズだったら代替可能なので)緩和され、結果として中短期の輪番が札割れするんじゃないか懸念を毎度の輪番でいちいち煽られなくて済む、という三方一両得な展開が待っていると思うのですけれども、いずれにせよ今日は短国買入のオファー額もそうですが、応札額に対してどの程度のオファーを突っ込んできたのか、落札結果ではテールがどの程度流れたのか、というのが注目されるところです。

相変わらずの玉根こそぎ購入攻撃の場合は来週金曜日(と言っても実質明後日)に3Mの入札があるのですが、こいつまでマイナスになったまま帰らぬ玉となってしまいますとさすがに1か月連続のマイナス金利状態となってしまいますのでちょっと何ぼ何でも長期化し過ぎじゃないですかねえとなるのですけどさてどうなるやら。

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2015/04/30

○ちょっとだけ市場メモなど:3週連続で短国3Mマイナスとな!!!!

・2Y入札

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/nyusatsu/resul20150428.htm
(1)応募額 8兆9,227億円
(2)募入決定額 2兆2,860億円
(3)募入最低価格 100円19銭5厘(募入最高利回り)(0.002%)
(4)募入最低価格における案分比率 4.8281%
(5)募入平均価格 100円20銭1厘(募入平均利回り)(0.000%)

ということで足切ゼロ利回りとかだったらどうしましょうという話でしたが、まあ一応雀の涙ほどの利回りが付いた結果(ただし案分極薄)となっていましたが、応札倍率低いわ〜という感じで、プラス利回りの所は案分掛かっても薄いだろうから仕方がないので上にモノ(店頭在庫)として必要な分だけ札を置きましたという感じですかそうですか。

とまあ考えますと巷間懸念されていたマイナス金利でホイホイとニーズが積みあがるというほどの事はさすがに無しという事だったのかもしれませんが、結局日本相互証券さんの引けは2年新発がゼロ%で既発カレントはマイナス0.5bpで前日比カワランチ会長という事でまあそんなもんですかねと。


・3M入札がまたまたマイナス

2Yの10分前に結果が出ていた3Mである。

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20150428.htm

(3)募入最低価格 100円00銭0厘5毛 (募入最高利回り)(-0.0020%)
(4)募入最低価格における案分比率 52.6643%
(5)募入平均価格 100円00銭1厘4毛 (募入平均利回り)(-0.0058%)

ということで今回もまた足切平均ともにマイナスでして、まあ前回の足切1厘0毛よりはマシな結果ではあったのですが、これで3M入札は3週連続でのマイナス決着となってしまいまして、この間に6Mと1Yは当然の如くマイナスでしたので、4月13日の2M入札は日銀オペ対象外な上にロールの無い足に設定されていたこともあってプラス金利でしたが、実質的には9日の入札の翌朝からマイナス攻撃という感じになっていますな。

まー入札という意味では先ほども申しあげましたように3Mが3打席連続のマイナスな上に6Mと1Yも含めれば5打席連続マイナスという悶絶しそうな状況になっておりまして、まあ6Mと1Yは既にアナザーワールドの債券になっているから諦めるにしろ、入札からマイナスでそのまま延々と値持ちしてマイナス水準で推移しているうちに日銀の無慈悲買入が入ってそのままマイナス、というのが継続というのは何と申しますか誠に遺憾の極みではございますし、中短期の需給と相まってオペの限界的なお話になってみたり、追加緩和の思惑になってみたり(なお念のため申し上げますが付利下げはMB拡大に意味があるという置物理論を棄却しないと実施は困難)という事になりますので、もうちょっと買入をするにしろ市場がアップアップなのですから工夫というものが必要なのではないでしょうかと思う今日この頃ではございます。

なお、火曜の3Mは発行日が連休明けでT+3になっているので、連休跨ぎの現先やGCレポの所には跳ねてこないので需給状況は今日のT+2のレポ現先状況を見ないと良くわからん。

というメモだけ置いておきました。さて今日は大本営発表の作文発表もとい展望レポートですね!!!!

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2015/04/28

ほほう。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NNGNH16K50Y501.html
日本を「A」に格下げ、増税延期カバーする措置欠如−フィッチ
2015/04/27 19:44 JST

『(ブルームバーグ):格付け会社フィッチ・レーティングスは27日、日本の格付けを引き下げた。先送りした消費増税に代わる十分な構造的財政措置を日本政府が2015年度予算に盛り込まなかったことを理由に挙げた。』(上記URLより)

まあ元々ここの格付け妙に低いですから直ちに影響はない(キリッ)って奴でしょうけど。

○今日は注目(かどうか知らんが)の短いところの入札だったりするので雑談

・中短期輪番に玉が出た出た玉が出た〜♪かどうかは知らんが応札は増えたの巻

昨日の輪番は中短期入りでしたので金曜の相場がアレということで注目という感じでしたが。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of150427.htm
国債買入(残存期間1年超3年以下) 3,750 2015年4月30日
国債買入(残存期間3年超5年以下) 3,750 2015年4月30日
国債買入(残存期間5年超10年以下) 4,000 2015年4月30日
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注3) 4,000 2015年4月27日 2015年4月28日

なお中短期のマイナスが深くなってきたから減額観測も冗談的にはあったみたいですがオファーは前回通りでしたな。

落札結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba150427.htm
国債買入(残存期間1年超3年以下) 13,105 3,760 0.007 0.007 92.9
国債買入(残存期間3年超5年以下) 16,280 3,759 0.004 0.006 1.0
国債買入(残存期間5年超10年以下) 13,375 4,007 -0.002 -0.002 69.8
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注4) 9 9 -0.400 -0.400

ということで前回よりも応札が5割増し位に増えていまして、マイナス金利突入モードを受けて玉が出たのか今日の2年入札を前にいったん外しでも出たのか知らんですけど、まあとりあえず玉が出て夢の輪番札割れとか輪番大流れで10毛強案分とかにならなくて良かったですね(棒読み)という結果。

ちなみに前回の中短期輪番は22日オファー分でして、
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba150422.htm
国債買入(残存期間1年超3年以下) 9,751 3,759 -0.003 -0.002 52.8
国債買入(残存期間3年超5年以下) 10,131 3,752 -0.001 0.001 9.3
国債買入(残存期間5年超10年以下) 12,758 4,008 0.001 0.002 88.5

ということで、前回は応札2倍台後半ということでうーむという感じだった訳でして、前回よりも概ね5割増し位の応札でホッと一息という所ですかそうですか。

でまあ輪番が弱かったので昨日の後場はズルズル弱含みという感じでしたけど、本日の2年入札を前に一応2年カレントは調整してカレント351回債の引けが1毛5糸も甘くなりましたけど依然マイナスでマイナス0.5bpとはどういう事やという感じですがまあそういう需給の締まり方だから致し方なしとゆー所ではあります。


・ということで入札な訳だが

そんな訳で本日は2年と3Mの入札がありまして、先日も申しあげましたが今回の中短期と短国金利の低下は今月になって買入額を戻した中短期輪番とか無慈悲予算消化買入の短国買入9兆円責めとかの日銀フロー要因も相変わらずですが、イメージ的には昨年から今年頭にかけての無慈悲短国マイナス継続相場の波及というよりは、そこをすっ飛ばして中短期国債の需給ひっ迫の方が先行気味に来ている(いやまあ短国も無慈悲マイナス金利なのですけど)のがうーむという所で。

つまりですな、短国買入に関しては基本的に日銀の買入ストックはそんなに増えない筈ですし、現実にそこまで増えていない(そもそも論的に言えば国債発行減った分は民間からのMB吸い上げが減るのだから理屈の上からは買入のストックが減っても良いはずだがその他オペやその他財政要因があるので訳分からん)のであって、問題となるのは買入のフローであって、フローがでかければ瞬間需給に影響して相場の位置に影響するのでどうしても短国相場が値持ちしてしまってマイナスウギャーとなるのですが、累積のストック自体はあまり変わっていない(ここから3Mの発行減額分が資金需給的理屈の上では短国買入減額要因になってツーペーの筈だが良くわからん)ので、まあ短期の方は海外ニーズとかの話はさておき基本的にはフロー効果の世界。

でもって気になるのは輪番の方でして、輪番の方はバカスカストックが積みあがっていく仕様になっているので、中長期国債の日銀買入分拡大が行き過ぎるとどこかの時点で民間の日本国債投資家が「もうこれ以上は売るの絶対無理(期間収益を稼ぐものがなくなるとかLCR的な流動性需要とか担保需要とかバランスシート要請とか)」という水準に達する、または民間の金融機関が「もうこれ以上超過準備を積み上げられない(バランスシートの両建てをこれ以上増やすと会計的に問題)」となる水準に達するという問題がありまして、昨日はたまたままだ売るものがどこかにあったみたいなので助かっているのですが、その売り物なくなるまでバランスシート拡大を続けますとあばばばばーというお話な訳で。

てな訳ですので、まあ2年に関してもどの程度の水準で決着するのか、投資家がどの程度のニーズがあるのか、とかまあ注目されたりするでしょうなあと思います。


んでもって3M短国の入札もあるのですが、こいつは何せ先週金曜に無慈悲2兆5000億円の市場需給は気にせず予算達成のために買入可能なら買入をするという攻撃が炸裂しておりますし、5月の日銀保有短国も7兆とかありますので、まあ無慈悲買入は今日も行く(次回行くのは1日ですけど)という話になるとか思いますと日銀トレードヒャッハーとかそういう話になるんですかそうですかと存じますが、しかしさすがに今回マイナス入札になってそのまま流通玉にならないうちに日銀様お買い上げというプレイになりますと、3週連続で玉が出てこないという事になりますので、今度は空振り投資家の需要が累積債務の如く積みあがって参りますので連休明け8日の入札が聳え立つニーズ(いやまあ現時点で聳え立っているような気がしますが)というおそロシアな話になるのですが、日銀が買入少し意識的に見えるような形で抑えてこないと仮需も含めて暫く強くなるんでしょうな、ナムナム(なお「意識的に買入を抑える」などというタマではないことはすでに実証済みなので別に期待もしてませんが)。


・一応30日には来月の輪番予定が出ますが

話は戻りますが、中短期云々に関しては実質明日の引け後に来月の輪番予定が出ますので、そこで中短期を減らすかという話なのでしょうが、中短期を減らすにしても今度は「総額」の問題がありまして、中短期の買入を減らすと今度は量のノルマ達成の問題が発生し、だからと言って中短期並みの規模で後ろを増やすと今度は年限の問題もありますし、大体からしてそんなことしたら益々輪番ヒャッハー相場になってしまいますから却ってオペの限界が近くなって自分の首を絞めるとか中々お洒落な事情と思われますのでどうするのかは頭が痛いところでもあるでしょう。

だいたいですな、元々の話だと今頃は2%の物価安定目標を達成している筈で、出口政策をどうしましょという話をするという筈であり、この政策手段自体が短期決戦を目指していたはずなのですが、短期決戦どころかズルズル長期化しようというのにこの予備兵力まで全部突っ込んで総動員大決戦状態になっている戦い方ってどう見ても日露戦争で講和タイミング逸してクロパトキン将軍のハルビン決戦作戦に嵌っている仮想戦史状態になってるだろとゆー話で、もうやめて!!債券市場のライフはゼロよ!!!という所なのですが、いい加減に緩和政策続けたいならそれなりの期間で続けられるような枠組みに変更しろやこのバカチンがと思うのでありました。と全然違う話になってすいませんすいません。

まあこういうのって現場力で何とか暫く凌いでしまうジャパンクオリティというのもある意味問題でして、現場力で凌ぐもんだから戦場を全然見てない高級参謀の皆さんが「なんだ行けるじゃないか」となってしまい、補給線も戦力も全てが崩壊してどうしようもなくなった時にやっと敗戦のお知らせが届き、届いた時には本当に矢折れ力尽きた状態なので何をやっても時既にお寿司という事になってしまう、という未来がチラチラと見えているのはアタクシの幻想か妄想であることを祈りたいところであります。

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2015/04/27

○短国買入と輪番が更にアチャー

・短国買入は帳尻攻撃でまたもアレ

金曜は前日の3M短国入札がやたら強くなった結果を受けてさて短国買入はどうなるのよという所でしたが、買入オファーは2.5兆円できやがりました。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of150424.htm
国庫短期証券買入 25,000 2015年4月28日
(輪番以降は後程)

ちなみに2.5兆円のオファーというのは今月当初の時点で買入9兆円で打ってくるかなという予想をしていまして(というか概ねそういうのが予想の本線だと思うので別にアタクシだけの予想という話ではない)、前回までの所で買入合計が6.5兆円になっていたので、そういう意味では帳尻オペが来ちゃいましたという所ではあります。

でもって金曜の場合は木曜の夜にそこまで海外が買ってきた感じではなかったと思われますので、まー応札可能玉自体はあるんだろうなあとか思いながら、それは分かるけど2.5兆円の買入とかもうちょっと減らして市場の需給を改善するというのと、ある程度市場の動向を見ながら機動的に対応というのを示した方が却って市場の金利が一方的に下がらなくて良いんだけどなあ、などと思いながら落札結果を拝見。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba150424.htm
国庫短期証券買入 32,481 25,001 -0.016 0.002 55.2
(輪番以降は後程)

アイヤー!!

つーことで、2.5兆円の帳尻オペを実施するなら4兆円前後の札でもあるのかと思ったら、前回の2.75兆円オファーの時とそんなに変わらない「根こそぎオペ」の実施となりまして、平均落札はまあ木曜の新発とかを引け甘で入れても楽勝ですから2糸甘という水準になりましたけれども、根こそぎ買入攻撃が効果を発揮して足切はきっちり1.6毛強まで流れるという結果になってしまいまして、益々短国のモノ無しモードを拡大するの巻となってしまいましたが、今週は連休要因と決定会合要因があるので、3Mの入札が火曜日に実施されて発行日が連休明けになるというケースなので、前回から次回までの入札が(受け渡しベースでは長いですけど)約定ベースでは短い日程となりますから、そこそこあるものは応札してくるとか考えますと、応札がこの程度というのでも結構オペ玉総ざらえ状態だと思いますし、結果これだけ流れたという事はまあ普通に玉がひっ迫という話ですから明日の入札でも強い状態になるのですかねという所です。

なおタチが悪いのは5月も7兆円から日銀保有の短国償還が待っていて、そんなにペースが落ちそうもないという所でして、こりゃまあ暫くこの調子かもしれんとか勘弁してほしいというか、昨年の短国マイナス継続→中短期金利低下→投資家不在のオペ相場ヒャッハーで流動性が極端に低下という流れに対する反省とかそのようなものはなかったのかと小一時間問い詰めたいのですが、「2.5兆円打てるならノルマ消化の為に根こそぎオペだろうが何だろうが知らんがな」という素敵なオペ運営になっているので致し方なしという所で。

まあこのやり方だと6月の短国買入が大幅に減るという形で季節的な需給変動が大きくなるという形になるのが今から見え見えですので、四半期末になると金利が一旦上昇するものの期初から四半期の半分以上はこの調子でアヒャヒャヒャヒャとなるのでしょうかねえ。しかしゼロとかならともかくマイナス金利を深堀りする格好になるとその間色々と問題起きると思うのですけどねえ。



・輪番もアイヤー

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of150424.htm
国債買入(残存期間10年超25年以下) 2,400 2015年4月28日
国債買入(残存期間25年超) 1,400 2015年4月28日
国債買入(変動利付債) 1,400 2015年4月28日
CP等買入 4,000 2015年4月30日

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba150424.htm
国債買入(残存期間10年超25年以下) 3,889 2,405 -0.025 -0.018 42.4
国債買入(残存期間25年超) 4,141 1,401 -0.015 -0.010 23.1
国債買入(変動利付債) 5,128 1,403 -0.110 -0.186 9.2
CP等買入 8,449 3,990 0.074 0.079

ということで金曜の輪番オペですが超長期変国で実施されて超長期輪番の前半が特に強いという結果になっておりまして、またも相場がアイヤーとなり(その後いったん止まってその後上昇したのは別のネタという事になっていますが)という形です。

今回の動きに関しては前回の短期国債金利のマイナス化の長期化がドライブしたというよりは、その前に中短期国債の需給がひっ迫しだす中で輪番が毎度強くなって、短国の方も玉が無くなってきたところに日銀が無慈悲買入を実施して更に需給を締めるというプレイを実施して短期も強くなってという流れになっているように見えますが、いずれにせよこの調子で輪番が推移しますと、またぞろ「輪番オペの札割れ懸念」というのが出てきそう(やらかすなら1-3年の輪番)というか、まあ話題にはなっている件でございます。

つーことでまあ矢折れ力尽きてから札割れする位ならとっとと札割れしてもらった方が良いとかヤケクソ気味にいう訳ですが、輪番札割れとなるとオペの限界ガーという話になるのでこらまた凶悪な展開が起きそうですが、何となく適当に持ってしまって本当に全くモノが無い状態になってやっと輪番札割れとかになりそうです。

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2015/04/24

○短国とか中短期がウギャー

昨日の3M短国入札
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20150423.htm

(3)募入最低価格 100円00銭1厘0毛 (募入最高利回り)(-0.0040%)
(4)募入最低価格における案分比率 63.6910%
(5)募入平均価格 100円00銭1厘6毛(募入平均利回り )(-0.0064%)

アイヤー!!!

ということで足切100円かもしれんねどころか100円の2つ上で切れておりまして、足切100円の2つ上で切れる3m入札と言えば昨年11月後半にそんなのがありまして(昨年11/20入札の495回が平均100.0038/足切100.0010となりました)、その時は平均落札が利回りベースでマイナス1bpを下回るという鬼金利になってもう大変という状況だったので、金利が低くてアイヤーではあるものの良しマイナス1bpまで下がっていないななどと錯乱しつつ数字を見るのでありました。

でまあセカンダリーでコケることもなくそのままマイナス圏で推移してBB引けは貫禄のマイナス1.4bpとかになりやがりまして、まーたマイナス圏の世界かよという所で誠にアレ。

短国がそういう状態ですので長いところは40年国債入札で微妙に甘くなる中でも2年は堂々のマイナス金利になっておりますし、中短期は全然金利がアガランチ会長っつーか短国とコラボして低下圧力っぽい感じなのが全米が泣いたという状況でございまする。


今回の新発に関しては市場推計の落札分布を見ますといわゆる不明玉が1兆円台後半水準になっていますので別にそんなに多い訳ではないのですが、入札強くてセカンダリーも特段崩れずということですので、業者の在庫が足りないのかなあとか思いつつも、一方で現先とかGCが逼迫している感じもなく、マイナス金利での買いニーズ的な話だと海外は一晩してみないと分からんところがあるのでアレですが先々週の木曜はウヒョーでしたけど先週はそこまでの事でもなかったみたいですし、後は国内での「モノ」としてのニーズ(残高調整とか担保要請とか)でどこまで積みあがるのかという所ではあるのですが、なんかこう落札の状況とレポ現先の状況と、ついでに言えばオペに入らないゾーンの玉状況とかが全体としてイマイチこう整合性を持って繋がってこないのが実にこう???な展開ではあります。

ただしかしまあ言えそうなのは、中短期がここもとずーっと堅調になっておりますので、やはり日銀の輪番攻撃と財務省の発行減額攻撃、短国においても無慈悲買入攻撃と3M発行減額攻撃ということで、短いところで国債が足りない、つーかまあ足りなくしているのは日銀なのですけれども、という需給状況が続いているちゅー事でしょうな。


しかしまあ何ですな、同じく新発短国3Mの足切が100円の二つ上(応札刻みベース)で切れた昨年11月後半というのを思い出しますと(忌々しいのであまり思い出したくないのだが駄文の都合上過去の駄文やメモを読み返して朝から血圧急上昇ですわよ奥様)、その前の追加緩和で短期国債市場の需給に配慮したMB積み上げにした(という触れ込みだった)筈なのに、オペの方は予算消化とばかりに「市場にある玉を全部買入」状態の無慈悲な買入を実施し、その結果いわゆる日銀トレードと言われたりするような動きが横行した、ともされておりましたが、まあとにかく日銀の短国買入が「市場の玉は投資家に買われる前に俺が買う」という意気込みを発揮しやがるという意味不明な展開になっていた時期という事でした。

でまあ今回も元々玉がショート気味の所に来て海外の買いで玉が無いところで(4/10の短国買入で)保有が偏在している銘柄をあるだけ買います的ないわゆる日銀トレード推奨プレイを実施。しかもその翌週(4/17)には短国買入を2.75兆円に拡大して、2.75兆円の買入オファーだったら4兆以上は軽くオファーがあるのだろうと思ったら蓋を空けたら3.3兆円しか札が無いとか日銀の短国買入が「オペ対象の市場流動玉をあるだけ買う」というスタンスを思いっきり示すという無茶振りプレイを実施してくれましたので、まあ3Mでマイナス入札2連発とか(6Mや1Yはもはや別世界なのでどうでもよいが3Mは基本商品です)になるとマイナス金利を買わない普通の投資家のニーズが累積的に高まるので・・・・・・ってこれまた昨年と同じ話をしている訳で、何回同じことやれば気が済むのかと小一時間ですよ。

毎度申し上げておりますように、短国の部分で市場がおかしくなると中短期に波及しますし、中短期については発行減額攻撃もあるので需給は今までよりも更にタイトになりやすく、短国の金利をマイナス状態で維持するような日銀短国買入の打ち方をしていると、またぞろ短期市場に弊害が出るのもそうですが、中短期の輪番辺りで不測の事態が発生しても知らんぞなと思うのですけれども、輪番で札が大流れとかまさかの札割れとかやりますと「日銀の国債買入の持続可能性ガー」というのが世間的に大騒ぎになる訳でして、つまりは「買入が出来ないならマイナス金利をドンドン買って行けばよい」というのは座学の世界の話であって、実際問題としては「買入を円滑に実施したいのであれば金利はある程度の水準を維持した方が買入が進みやすい」というのが現実の事象だと思うのですよね。

・・・・・・・と書きますとECBはどうなんだというツッコミが来そうなのですが、そもそもECBの買入まだ1か月しか始まっていないからこの先どうなるのか分からんですし、更に言えばECBの場合は「量的緩和」と標榜していましたが現実問題としては先般ネタにした4月定例理事会後の会見での説明でも分かるように、ECBが政策効果として見ているのが波及ルートしてMBの量やECBのバランスシート構成ではなく、徹頭徹尾金利水準からのルートの話をしている訳で、つまりECBが行っているのは量的緩和を名目にした事実上の長期金利ペッグ政策で、金利ルートでの政策効果を求めているので、金利ターゲットを放棄してMBターゲットに変更した日銀とは話が違うという事で。

さらにそこを敷衍すると、実際問題として単に金利を下げたいという政策を実施するなら別に今の日銀のような量の出し方をしなくても、短期から超長期まで0.10%でペッグさせるような買い方をすればよろしい訳で、「0.10%未満の出来上がり金利は買わないけれどそこまでだったらボンボン買いますよ全部持ってきてください」とやれば年間80兆円も残高拡大しなくても行けるでしょと思います((もはや市場じゃなくなるけど)が、さすがにECBも量的緩和と標榜するように、何ぼ何でも計画経済チックな長期金利ペッグで市場に全力介入というような規制金利に先祖返りした時代祭り状態は市場が発達した先進国の中央銀行として恥ずかしいからやらないという事だと思いますし、そもそもMBに意味がある日銀(以下同文)。


てなことでうっかりまた脱線してしまいましたが、まあこの短国入札の状況を見て短国買入を手加減して来るのかどうかが注目される訳ですが、今までの全く市場と対話する気が無い(結果金利の低下を加速させて却って円滑な買入を困難にしているという自業自得プレイをやっているのだが)動きを考えますと、買入の予算消化ヒャッハーとばかりに無慈悲買入を打ってくるのでしょうなあとか思いつつ今日のオペオファーとその落札結果における応札状況を眺めたいと思うのでありましたorzorz

そういや蛇足ではありますが、この短国市場ウギャー状態と中曽副総裁の市場への無配慮発言(前回は講演で今回はロイターインタビュー)が出るのがこれまたちょうど良いタイミングでシンクロしているというのが中曽さんの間の悪さというもので、あの中曽さんがこういう発言かよ!という失望感を強く印象付ける結果になってしまって市場の皆さんが従来一番期待していたはずの中曽さんに大失望となってしまう、というのが何ともこう侘び寂びというか幽玄の世界を感じるものでございます。いやまあ狙ってやっているならはあそうですかすいませんとしか言いようがありませんが。

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2015/04/23

○市場雑談メモ

・2年金利ェ・・・・・・・・・・・

昨日の債券市場は短いところが(ここしばらくそうなのですが)熱いということで。

http://jp.reuters.com/article/jptokyomarket/idJPL4N0XJ2TM20150422
〔金利マーケットアイ〕国債先物が上昇で引け、新発2年債は3カ月ぶりマイナス金利
2015年 04月 22日 15:33 JST

『<15:25> 国債先物が上昇で引け、新発2年債は3カ月ぶりマイナス金利』(上記URL先より、以下同様)

お、おう・・・・・・・

『国債先物中心限月6月限は前日比10銭高の148円03銭と上昇して引けた。前日の米債安に加えて、日経平均が2万円を回復して堅調に推移したことから、朝方を中心に上値の重い展開となった。一方で良好な需給な環境が相場を下支え。日銀が中長期を対象にした国債買い入れ結果で、一段の需給引き締まりが意識された午後の取引では、一時上値を試した。』

『現物市場は中長期ゾーンを中心にしっかり。国内勢とみられる買いが5年から長期ゾーンに波及。大型連休中のキャリー収益確保を目的にした買いとみられている。5年利付国債利回りは一時同1bp低い0.065%と2月3日以来約2カ月半ぶり、10年最長期国債利回り(長期金利)同0.5bp低い0.300%と17日以来3営業日ぶりの水準に低下した。また、2年利付国債利回りは同0.5bp低いマイナス0.005%と1月27日以来、約3カ月ぶりにマイナス水準を付けた。残存1年超3年以下を対象にした国債買い入れに、新発2年債が売却された場合、マイナス金利で落札されたとみられることから、「一部短期筋がマイナス金利の水準でショートカバー目的で買いを入れたのではないか」(国内金融機関)との声もある。』

アイヤーというところで、昨日は後場に2年新発とかがマイナス出合いとかやってくれまして、BBさんの引値ベースで残存2年半くらいまでマイナス金利が並び、5年カレントも1毛強の6.5bpとかまーたやっておりますがなというこの展開。

でまあこの時に毎度同じように発生しているのが短国のマイナスだったりするのですが、この短国マイナスについては短国買入残高のネタでもうちょっと続けますが、まあ先々週の3M入札後に3Mがスッカラカンになったというのはこいつは海外らしい動きだったとの後講釈になっているようですけれども、その後の先週の3M入札(の前に2Mと1Yがありました)の後に行われた短国買入2.75兆円というのが如何にも余計で、あの買入の結果としてまたまた「投資家を排除して日銀トレードすればウマー」というのを鼓舞する格好になってしまい、玉があっても金利水準がマイナスに突っ込んだまま戻らない状態になって(そら最終的に国内は買わないにしても日銀(たまに海外)が買うんだもん)となり、中短期も引っ張られて強くなるの巻とか全く持ってこの前やった相場じゃねえかと小一時間。

なお、そういう短国マイナス状態の中で中曽副総裁の思いっきり市場動向に対する冷淡なコメントが講演なりインタビューで飛び出して「金利低下上等」という話が伝わるのが実に芸術的ともいえる間の悪さというのも先日ネタにしましたが、またこの展開かよという所でして、とにかくまあいいから短国の金利がマイナスに恒常的に突っ込まないような短国買入を実施しろ(輪番はある程度ガチガチなので裁量が効きにくいが短国買入はもうちょっと何とかなるだろ)と申し上げたいですな。

つーかですね、この調子で中短期が推移すると、輪番オペでまたまた凄まじい札の流れとかが発生するリスクが高まって、そうなりますと「国債買入の技術的な限界」という話がまたまた浮上するという金融緩和継続に対するリスクが発生する可能性が高まる訳でして、日銀の資産買入政策はあくまでもマネタリーベースをターゲットにしている訳で、「量をきちんと出す」というのが建付けとして重要なのですから、その量を持続的に出させようというのであれば、金利は適当にプラスの水準で上昇させておかないとオペが円滑に回りにくくなるんですけどねえ。

でまあここで困るのは先般の黒田さんのオモシロ講演にしろ、中曽さんのスットコドッコイロイターインタビューにしろなのですが、本来は「MBを出すことによって予想インフレ率を引き上げる」というルートで実施している筈の予想実質金利の低下ルートでの金融政策波及なのですから、重要なのはMBをきちんと出すという話になるのに、肝心の予想インフレ率に関してきちんとレビューが出来ない上に現実の物価が上がらないもんだから、分かりやすい方の「名目金利低下」の話をおっぱじめてしまう訳で、そうなると「量を出したい」のか「金利を下げたい」のかが訳分からなくなるので、買入の技術的な困難さを自分から上げてしまうような形で金利低下させるようなトンチキオペレーションが実施されてしまう、とまあこういう事になっているんでしょうなと思います。


なお、話が脱線しますがECBの場合はPSPP開始前はドラギが2012年初頭のバランスシートだの何だのと言って量の政策を志向するような話を思いっきりしていたのでPSPP導入以降の初回になったこの前の定例理事会後会見での説明は先日ご紹介したように明らかに「名目金利ルート」での説明になっているというこの相変わらずのインチキ説明自由自在のドラギクオリティになっていまして、実はあの政策は量を志向した政策なのではなくて金利ペッグをする政策で、ただまあ市場経済原則の中で金利ペッグって規制金利志向にも程がある政策を正面切って打ち出すのは先進国の中央銀行として如何なものかというのがあるので量的緩和で偽装している、という政策なんじゃネーカと思う次第で、その点と比較すると日本の場合はそもそもの置物リフレ理論が「マネタリーベースで直線一気」となっているので、ここを無かったことにして置物のクビを飛ばすか置物が土下座して謝るかしないと引っ込みようがないのが政策の収拾を難しくしている原因の一つだろうなあと思いますがどうでしょうかね。

ちなみにもっと話が脱線しますけど、(実際には全然そうなっていないとしか申し上げようがないが)予想インフレを引き上げて投資需要を喚起するというのは現金保有に対する機会損失を拡大するという話なのでまだお話として意味がある(実際問題としては金融資産のような流動性の高い資産への投資ならそういう話になるかもしれませんが、設備だの生産だのという投資に関しては金利水準よりも期待収益や成長期待の方が効く訳で、金利が極めて高いなら別だが低金利で水準もへったくれもないと思うけど)のですが、ドラギ方式で金利を強引にペッグで下げて「貸出の需要が高まってきました(キリッ)」として効果を説明するのも何だかなあとは思います。

つまりですね、金利が5%とか10%とかあるなら金利低下で貸出の需要がどうのこうのの話も分かるのですが、そもそものスタート地点で1%だのなんだのという低水準にある金利を下げることによって新規に喚起される資金需要ってえのは、その理屈を援用すると「1%の金利だと収益的に厳しいから借入して投資する訳にも逝かないが0.5%だったら行ける」的な資金需要ではないかと考えますと、低金利の所で更に金利を下げて金利要因によって貸出が伸びても、その貸出の行く先は期待収益の極めて低い非効率的な資源配分になるのではないかとゆーことで、まあそこを突き詰めるとシバキアゲみたいになって話が微妙にはなるのですが、低金利長期化を前提とした資金需要が発生してウマーというのは短期的な景気に対しては良いのかもしれない(曲がりなりにも投資が出るなら)のですが、それが長期間に渡ってダラダラと出ていくと非効率な分野に投資が固定化されて長期的な成長力を下げるんじゃネーノ的な気が。


#などとしょうもない雑談にいつの間にか変わってしまいました(大汗)


・短国銘柄別残高ェ・・・・・・・・・・・・

毎度おなじみの
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/tmei/tmei.htm/

今回は先々週金曜に実施された短国買入1.75兆円の結果分が反映されているのですが・・・・・・・・・・

523回債:17117億円、522、524回債:各111億円、517回債:100億円、518回債:3億円

ということで、17502億円の買入のほとんどがその週の火曜日に急に強いところで足切になった6M新発が思いっきり入っていまして、先々週火曜日の6M短国入札の市場推計落札分布とか、その日の平均落札価格と10日付の売買参考統計値から算出される日銀への推定売却価格(なお10日の短国買入は平均引けの足切2糸甘な)などから人の懐具合を計算するなよ!絶対するなよ!!!

などというのはともかくとしてですな、この時は前日に入札が行われた新発3Mの玉が無かったから入札時点でマイナスになってそのままセカンダリーに出てこない状態の6Mが打ち込まれるのはまあ分かるのですが、この落札が市場の多くの参加者が幅広く実施しているのならまあそうですかねとは思うものの、もしそうではないという事になると釈然としないものが残るのですが、何がどう釈然としないのかはまあ以下自主規制ということで。

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2015/04/20

○短国買入でウギャーだったり輪番も強いとな

金曜のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of150417.htm
国庫短期証券買入 27,500 2015年4月21日
国債買入(残存期間5年超10年以下) 4,000 2015年4月21日
国債買入(残存期間10年超25年以下) 2,400 2015年4月21日
国債買入(残存期間25年超) 1,400 2015年4月21日

ということで輪番もありましたが注目の短国買入が何と増額の2.75兆円となりまして、今月9兆買入で計算した場合に前回の買入が少なくてショートした分を埋めに来た形になったわけですが、また2500億円刻みかよとか思いつつも、2.75兆円もオファーを打ってくるとは水曜の1年と木曜の3Mが結構余っているのね、ああ前夜の海外は大したのが来なかったんですかねえ、というイメージだったのですが・・・・・・・・・

結果(まずは短国のみ)
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba150417.htm
国庫短期証券買入 33,801 27,500 -0.035 -0.003 4.2

・・・・・( ゚д゚)
・・・・・(つд⊂)ゴシゴシ
・・・・・(;゚д゚)

いや2.75兆円もオファーするんだから当然ながら4兆円後半とは言わないけど4兆近辺は応札があるのかと思ったら3兆円台前半しかオファーが無いのに2.75兆円の買入オファーをするとか相変わらず何を考えているんですかというか学習効果が無いというかでして、お前ら市場との対話とか言いながらやっているあの会合やらサーベイは全部ただの小役人的アリバイ工作だろとこの小役人感丸出しのオペオファーを見て小一時間ですよ。

その結果足切は3.2毛も流れる訳で、短国金利が1bpだ0.5bpだと言ってる中での3.2bpですからそらもう飛んでもない流れ方な訳でして、これはもうプラス金利を日銀が意図的に叩き潰しに来て、投資家を排除して買入を進めていきますのでヨロシクという宣言をしたような結果となり、まあその後の短期市場はビットは強くなれども動きはねえという話になりますぞな。


まあ短国がこういう状況ですから輪番結果もこうなるわな。
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba150417.htm
国債買入(残存期間5年超10年以下) 8,134 4,004 -0.018 -0.012 70.3
国債買入(残存期間10年超25年以下) 5,120 2,405 -0.010 -0.006 49.0
国債買入(残存期間25年超) 3,512 1,401 -0.029 -0.023 80.0

輪番に関してもまたぞろ流れ落札モードが始まりまして、6糸とか流れるわ超長期の輪番は強いわで債券市場は後場ブルフラットとなり途中でランボー怒りの戻り売りもあったのかも知れずで債券先物は高値つけてからは頭打ちになったけど超長期30年とか堅調に推移して綺麗にブルフラットとなったわけですが、ここに来て短期ゾーンが全般的に強く推移している(なお金曜は2年新発もゼロ利回りの引けになってこれで2年以内は全部引けがゼロ金利)中というのもあって、輪番が流れやすくなっている中で短国買入を「あるだけ根こそぎ買入」をしてしまうこの絶望的なセンスはマジで勘弁して頂きたいものです。2月以降のオペで(短国にしろ長期にしろ)ちったあ工夫の跡が見られたようでもあったというような話をした途端にこれとかもうおじちゃん涙がちょちょ切れてトマランチ会長ですよマッタクモウ。

結局ですね、今回の短国買入2.75兆円というのは「市場動向なんぞ全く知らんからオペであるだけ吸い上げる」という宣言をしているのと同義である、と市場は基本的に解釈する筈でして、そうなりますとまたまた「日銀が短国市場で普通の国内投資家を排除して短国買入残高の積み上げを行っている」ということをしているという話になりまして、そうなりますとまたまた日銀トレードヒャッハーという話になり、そういうの排除しないと行けないという観点もあって導入した財務省の今年度からの応札制限をふっ飛ばす大変に素敵な買入運営という事でありますなこりゃ。

でもって更に昨年来の動きを見ればわかるように、短国市場の金利をマイナスに突っ込ませたままで長期間推移させる(瞬間的な海外需要や期末需要でマイナスに突っ込むのは致し方ないにしても)というのを日銀が率先して実施するというのは、まあマイナス金利の日本市場的な特性での弊害の問題とかもありますが、短国のマイナスが継続すると利付の方にも波及しまして(今回は利付の方が先にガシガシ下がっていますが)中短期の金利がゼロだのという所に下がりますと、昨年12月以降の謎の馬鹿相場再来の恐れがあるのと、輪番札割れリスクの高まり、というか金利が下がるとそういう意識が高まると皆が思っているので、そういう形で輪番札割れリスクを宣伝する向きが増えてきて金融政策の技術的限界という話題がまた出てくると思うんですよね。

とまあそんなこんなを考えますと、今月無理に9兆円買わなくてもMB自体は落ちる訳ではないのですから進捗調整して今回の買入は前回並みの1.75兆円とか1.5兆円とかに落としておいて、マイナス金利に突っ込んだ短国金利をいったんプラスに持っていけば、マイナス金利をヒャッハーヒャッハー言って買う動きも落ち着く(そもそも投資家を排除して買占めをしてもその買占め分を日銀が喜んで買入するという自信があるから投資家排除の日銀トレードが成立する訳で、その自信度を下げてやらないと日銀トレードというお前らそれでもプライマリーディーラーかという動きが排除されない)筈なのですが、まあ相変わらずのプレイに呆れてしまうしかございません。


しかしまあ何ですな、間が悪いとはこのことだと思うのですが、11月には講演があって、今回はロイターインタビューがあって中曽副総裁がこのあたりの問題について「金利低下は政策効果」とか「市場機能に問題ない」とか思いっきり言い出す訳で、一つには間が悪いというのもあるのですが、この中曽さんのコメントを受けて「お墨付きが付いた」という認識にスイッチが入るのではないかという疑惑がある訳で、中曽さんのアレが出ますと買入オペの打ち方が「マイナス金利でもヘーキヘーキ」という感じになってしまい、ごく一部の日銀トレードヒャッハー以外の方がさよなら絶望先生となってしまうこの現象は何なんでしょと。

いやね、別に置物副総裁が市場動向に関して何を言ってもはいはいおじいちゃんで終了ですし、黒田総裁の場合は現物債の流動性とかのようなものを気にしなくて良い為替の世界しかご存じない(理財局にはほとんどいなかった筈)ですから、まあ何を言ってもはあそうですか知らないから仕方ないですよねという話になるのですが、そういう金利市場に関する興味や知識が皆無と思われる正副総裁を長年市場に対峙していた経験と知識でサポートあるいはフィージビリティ的な面での止め役みたいな人として市場から大いに期待されていた中曽副総裁なだけに、特に追加緩和以降における市場に関連する各種講演やインタビュー等の内容はもしかして額から脳味噌が全部蒸発してしまったのではないでしょうかと心配申し上げたくなるような説明で、立場上まあ中々物の言い方難しいのは分かるのですが、中曽さんまでがこういう話をしだすのと、調節がマイナス金利上等で予算消化(?)だけしか考えていないという市場との対話なんぞ知らんがな状態になるのが同じタイミングで入ってくるところに債券市場の皆様の心に暗黒をという話になる次第なのでありました。


つーかね、立場上そういわないと色々と微妙だというのであれば、何も中曽さんが出張ってそういう講演とかベンダーのインタビューとか受けなければ良い訳で、金懇での質問はまあ仕方ないにしても、他の話って別に話そうとしなければ良いだけじゃんと思いますので、余計なベンダーインタビューとか受けるなよなと(海外講演は置物が出ると全くの役立たずというか置物理論の話を始めて恥ずかしくて出せないというのはあると思うが、市場の話だったら審議委員だって大丈夫じゃん(なお大丈夫じゃない人もいますが))などと思うのでありました。

なお本筋とは外れるのですが、中曽さんの講演だけではなくて他の人も債券市場の流動性について、債券先物を捕まえて先物市場のオファービットがどうのこうので流動性があるという話をするのですけれども、おまいら債券先物は買入対象にしていないし、チーペスト近辺も買入対象にしていないだろいい加減にしろという話ですし、大体からして投資家にとって重要なのは債券先物じゃなくて現物債ですがなという所で。

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2015/04/17

○市場メモ関連

・20年入札ェ・・・・・・・・・・

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/nyusatsu/resul20150416.htm

(1)応募額 2兆8,938億円
(2)募入決定額 1兆987億円
(3)募入最低価格 102円00銭  (募入最高利回り) (1.078%)
(4)募入最低価格における案分比率 39.7464%
(5)募入平均価格 102円11銭  (募入平均利回り) (1.071%)

というのだけ見ても面白くなくて、昨日の債券市場では前場は入札に向けてフラット気味に推移して前場引けを迎える→後場寄ったらいきなり謎の下で始まったと思ったら突如先物で30銭下げてみたり現物が全般的に甘くなる→と思ったら戻ってきて落札結果が出る→落札結果は足切とかの水準は前場引けの予想よりも強い→さらに戻って先物前日比変わらず近辺まで戻る→と思ったら応札倍率が少なかったり落札分布的に不明玉が少なかったりをネタにしたのか、単にセカンダリーが低調だったのか知らんがまたまた下げだして20銭ほど下がる→と思ったらまた相場が切り返して30年とかやたら強くて超長期ブルフラットとなる。

つーことでまあ引けだけ見てますと超長期入札がまずまず好調の結果だったので先物は5銭安と小動きでしたが20年や30年の金利はそれぞれ1.5毛と2.5毛の金利低下とツイストフラットしてますね、という事になるのですが、この場中の動きは何なのという感じで、特に後場寄ってからの先物のスカスカぶりを中曽副総裁は目の玉良く開けてご覧になるべきではないかと思う訳でございます、つーかこんなに速い勢いで動かされたら板に張り付いていても対処するの大変でしょうに。

てな訳で相変わらずの日中ボラなのではありますが、ここもと長いところの入札で落札結果出てから上や下に振らされているものの、これで今月は30年(入札で上を切って大踏み上げになったらランボー怒りの戻り売りが出た回)に続き20年でも入札でボラ出たところが結果的に押し目買いの急所っぽくなってしまいましたので、こらまあ市場心理的に強気トークをする人が増える(トークをすると言っているだけで本当に強気なのかどうかは知らん)でしょうなあという所でございます。しかし昨日の後場寄りの下げは何だったんでしょうかねえ・・・・・・・・・・


・3M入札は100円ですかそうですか&その前の1年入札

そういやネタにしていなかったので1Y入札

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20150415.htm

(3)募入最低価格 100円00銭2厘 (募入最高利回り)(-0.0019%)
(4)募入最低価格における案分比率 4.6148%
(5)募入平均価格 100円00銭6厘 (募入平均利回り )(-0.0059%)

ということで1年入札は順当にマイナス金利になったのですが、足切が100円どころかその1つ上でもなく2つ上の札の所でしかも極薄案分ってもうお前ら日銀トレードヒャッハーしか考えてないだろいい加減にしろなどと憶測で物事を語ってはいけません次第で、これはきっとマイナス金利でも買うという力強い投資家さんがたくさんおいでになるという事を意味しているのですよ(棒読み)。

まあ1年短国を全部日銀が購入すると2.5兆円×12なので30兆円ほど日銀保有短国残高が積みあがってくれまして短国買入の頻度が減ってくれますので三方一両得ということでもう勝手にやってください。


という悪態はともかくとして昨日の3か月。
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20150416.htm

(3)募入最低価格 100円00銭0厘0毛(募入最高利回り)(0.0000%)
(4)募入最低価格における案分比率 82.0111%
(5)募入平均価格 100円00銭0厘0毛(募入平均利回り)(0.0000%)

ということで100円一本値という入札でございまして、ナンジャソラという所ではあるのですが、セカンダリーではベンダーの報じるところによりますといったんカバーが入ってマイナス3bpになったものの、その後はマイナス0.1bpとかその辺で推移したものの、金利はマイナスのままで絶賛推移という流れになっておりますな。

この新発ですけれども、ちょうど3か月前って1月の金利が低くて暗黒モードだった時で、日銀トレードヒャッハーとかなって入札はマイナスだわセカンダリーではマイナス金利しかないわ気が付いたら日銀の短国買入に吸い上げられているわという銘柄だったので、そんなに国内に突っ込んで買うニーズあるのかいなという代物ではあったのですが、前回の3Mがご案内のように急に外人が来たので攻撃により在庫スカスカとなっております関係上、今回についても海外の動きも期待できるのかどうか知らんがまあ同じパターンだと海外はせっせとマイナスを買ってくれますし、日銀の短国買入もどうせきょう実施されますからそれにも期待という話にはなると思うのですが、短国買入に関しては1年TBもありますし、先週の6Mに関しても一部でシコタマ落札した方が全部日銀に売り切っているのかどうかは良くわからんですし、この3Mが日銀買入にバカスカ入ってウマーとなるのかは少々謎の気が。

まあGCとか現先の金利とかから類推するに昨日の時点で物スッカラカンという事はなさそうですので、海外の買いがどのくらい来ているか次第ではありますが、全くモノ無し芳一という訳でもないようですし(なお月曜の2Mに関しては償還が6/3で折り返しの2M発行が無いのは確定なので、日銀買入には入らないわ、償還再投資の時に再投資できないリスクはあるわ、四半期末は越えないわという銘柄となっているので相変わらず2bp台の気配だったりするのがチャーミング)という所ですが、本日の短国買入をどうオファーしてくるのかが注目ということで。

MB積み上げを前倒しで行うなら今月の短国買入は9兆円とは以前申し上げましたが、先週は海外攻撃による玉なし芳一状態によって1.75兆円の買入にオファーを減額され、その後の1年と3Mの入札がご覧のようにマイナス状態(3Mは100円ちゃあ100円ですがセカンダリーで崩れる気配が無かったわけで)となった次第でして、まあ札はありそう(ただし海外状況次第)ではあるのですがさて短国買入幾らで打つのやら。

いやね、特に今月MB目標を前倒しではなくて平準で積み上げるつもりならそこまで買わなくても良いはずなので、別に9兆円買わなくても良いんですから、足元短国市場の入札がマイナス化して来ているのを受けて今回の買入は1.75兆円とか1.5兆円とかで打ってくるというのがある程度市場を気にしているという感じでしょうし、2兆とか平気で増やしてきたときには「ああ予算消化優先ですねいつものクオリティですね」となるのですが、まあ実際にはそのオファーを見てああだこうだと論評したあと応札額を見て更にその論評を修正するという事になる(例えばの話2兆でオファーが来てムキーって思ってたら応札が4兆とかあってなんだそんなに札があったのかという話になる可能性も存在する)っつーことですが、まあ以前のように「応札可能額ギリギリに近いところまで買入オファーして札がある分だけ掻っ攫って行く」ようなスタンスではなさそうなので極端な事にはならないとは思いますけどね。

と申しますか、輪番ほどではないですけれども短国買入に関しても「応札札割れ」を起こしたり「極端な低金利での買入成立」をするとQQEの技術的限界という話が出てきて、その結果として(執行部的に)望まない形でのQQE出口でウギャーという事になるのはかなりマズーな話でございますので、その所についてはオペ打つ方も結構気にしているように見えますし、昨年の途中頃のように2013年末の数値的目標を思いっきり張られていた時期だと目標達成命で結構流れるのも気にしていない感じでしたが、さすがにこれだけ買入が進んで市場の流動性がどうのこうのという話になったり、スイス中銀みたいに突如オペの限界でバンザイする事案が発生したりとなって、以前に比べて「オペレーションの技術的限界」が具体的に気にされるようになりますと、あまり漫然と買入オペを打ちこんでしまって結果がひどい事になった時の問題が大きくなっていると思いますので、結構慎重に運営しようとしているような雰囲気は漂っているように思えますがどうでしょうかね。


・業態別当座預金残高

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20150415.htm

3月平残で言えば12月〜2月までが超過準備の月平が155兆円前後で推移していたのが3月の所で16兆円ほど増えているので、銀行業態は概ねすべての業態に渡って超過準備が拡大していて特段こう特筆するような感じでもないように思いましたがどうでしょうか。

そんな中で3月に当座預金残高増やしてないのが「外国銀行」「その他当座預金適用先」で、そのその他の中にある「証券」については当座預金残高を削減しているというのがほほーという所でして、まあ何となくわからんでもないが、この辺はバランスシートもう増やさないのでしょうかね、良くわからんけど。

いずれにせよ資産買入を積み上げるとその反対側に当座預金残高の積み上がりが発生しますので、超過準備を持つ人が出てこないと資産買入は積みあがらない訳で、超過準備積んでバランスをこちらの皆さんが拡大しないとそっちの方からもQQEの継続が困難になる訳で。

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2015/04/15

○市場メモというか5年入札関連雑談

うむ。
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/nyusatsu/resul20150414.htm

(1)応募額 7兆7,183億円
(2)募入決定額 2兆2,850億円
(3)募入最低価格 100円08銭 (募入最高利回り) (0.083%)
(4)募入最低価格における案分比率 26.3547%
(5)募入平均価格 100円09銭 (募入平均利回り) (0.081%)

ということで入札は普通に堅調で落札後も更に堅調(というか中期だけではなくて超長期の方が強いが)と相成りまして引けは5年新発1.5毛強の0.075%とか0.10%からちょっと遠くなってしまいましたなという流れになっております。

いやー何だか知らんですけど、超長期が大暴れして上がったり下がったりというときはそれこそ30年入札が強くて伸びたと思ったらさっそく頭を叩かれてどよーんとなってしまうとかなのですが、中短期が妙に堅調に推移しだすとこっちの場合は大きな売買で乱高下というよりは堅調なままじりじり行く(まあその後どこかでコケたりもしますが)という感じで、先週末の債券コメントが妙に強気ですねとかいうような流れからの中短期やたら堅調というのが昨日も続くのでありましたという展開。

なお、最近のトークとしては「追加緩和期待があるから中期ゾーンはどう見ても堅調」というのが多いのですけれども、これがまたアレなことに「それは分かったが4月30日に追加緩和あると思ってるの?」と聞くと「いや追加緩和あるとは思っていないけど海外中心にほかの人たちが追加緩和期待していますからねえ」という中々いい感じで他人事的なコメントになるというのが仕様でございまして、ってまあアタクシもトークをしろと言われればそういうトークするわなと思いますので別にそれに対して悪態言ってる訳ではありませんが。


つーことですので展望レポートが出たところでどうせ何もない(最悪でも7月の中間までは粘り続けるでしょ)と思うのですが、ではそうなったら債券コケるかというとそこも良くわからずという所ではございますが、まあ次回金融政策決定会合に関して言えば、直近のさくらレポートでは全体的な判断でもそうですが、個別需要項目における部分でも下方修正的な部分はまるでないという大本営じゃなかった強い基調判断を示していましたので、常識的に考えてここで追加緩和は打たないとみるのが妥当。

ちなみに10月緩和をした前のさくらレポートですけれども、こちらに関してはこの辺で申し上げましたが、基調は特に下げていないのですが、良く良く見ると個別項目の所ではヘッジクローズがちょこちょこ入る形になっていまして、そういう意味では今回のような強気強気という感じではないというのが違いますので、まあ常識的には追加なしという話ですけど常識では推し量れないという認識が昨年10月の追加緩和で示されてしまっただけにねえという所です。


なお余談になりますが、最近よく「追加緩和の一環で付利を5bp下げる」的なトークをする何とかストの方々がおいでなのですが、そもそも論としてMBターゲットを実施している中で超過準備の付利を下げると超過準備の積み上げが進まない→MBターゲットの達成の難易度が高まる、という問題点があるのは当然と致しまして、それに加えまして「いったん0.05%に下げたらすぐに「次は付利撤廃」という話になるのが必定」という事に対する認識がちょっと甘いんじゃないですかねえと思う訳で、これが政策金利下げ過程の中での想定ならまあ分かるのですが、MB目標に切り替えを行って(その前から)延々と維持している付利金利を下げるとなると、市場の方が撤廃を織り込んでしまうし、それをやったら結局付利撤廃に追い込まれるでしょと普通思わないかねとヒジョーに疑問というかおまいらそれでも何とかストかよと思ってしまうのですけどねえ・・・・・・・・・・・(だから政策の全面的な差し替えになってMB目標放棄しない限り付利の下げはないし、量的拡大はその時点で困難になると思います)

○日銀保有国債と保有短国のメモ

・中長期国債に関して

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/mei/mei.htm/

買入銘柄の平均残存とかその手の話は皆さんも計算していると思いますので、来年の国債償還額が幾らになるかでも計算してみようと思って計算してみたのですが、結果は31.9兆円と出まして、3/31時点では31.3兆円ですので6000億円ほど残高が拡大しているという状態。

これで来年80兆円の国債買入残高拡大と考えますと80+31.3を12で割らないといけないということで、まあ6000億円ですので今回は誤差の範囲内ではあるのですが、1-3年の輪番でも今回は来年償還物(なので1年から2年ゾーン)の打ち込みがあったという感じでして、ほうほうという所です。

#なお長期輪番では残高増えた部分のほとんどが10年338回だったりしましてどう見ても新発引受です本当にありがとうございましたというかオフザランの流動性皆無ですかそうですかというか


・短期国債に関して

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/tmei/tmei.htm/

今回は月初の3日に行われた短国買入2兆円分の一発なのですが、前回残高との差分を取りますと、3月新発の1年債519回が12417億円で、3月新発の6か月債517回債が4728億円と、ほぼこの2銘柄で埋まっていまして、(残りは3Mの521回が1304億円で3ケタ億円がちょぼちょぼ)3月末の数字を見た時には買入銘柄が517回債(6Mカレント)に偏在してますなあとか思ったのですが、そういう感じでなんか6Mと1年のカレントが時間をかけて分割して打ち込まれているという風情ですな。

なおこれらの銘柄はマーケットに出てきても基本マイナス利回りなので国内の普通の投資家が短期運用商品として購入する訳にも参りません(モノとしての需要ならあるでしょうが)のですが、3Mカレントが普通に世の中に出てくれればまあ国内投資家の方も何とか回るでしょうし、6Mや1年の買入が進むとそれだけ償還→買入の回転数が減りますので、そういう意味ではまあ短国買入は6Mと1Yで別世界でやってくれと申しますか、それならそもそも1Y新発を直接引き受けしたらどうでしょうとでも言いたくなる状態ではありますな。

でまあ本日はその1年短国の入札があったような気がしますが(−−;今申し上げましたように完全に別世界の人となっておりますのでどうせろくでもないレートで入札して時間をかけて日銀の短国買入に吸収されてめでたしめでたしとなるんでしょうなあとしか申し上げようがないのですけど、今回からは半分しか落札できない攻撃があるのでさてどうなりますやら。

なお明日は3M入札ですが、先週は何せ「急に海外が来たので」攻撃によりあばばばばーとなったためにあの有様でしたが、2M入札を見ればお分かりのように急に海外が来ないと国内需要だけで賄わないといけない(2Mは日銀買入対象外)となった場合には所詮あんなものという事でもありまして、日銀トレードなどと称されるものが3Mでどの程度ワークする(と期待される)かという辺りと、海外ニーズ次第という事で難易度高めかもしれませんねよー知らんけど。

でまあ海外のニーズに関してはドルファンディングとかの辺りが微妙に絡んでいて、そこに関してはレポ規制の絡みとかも出てくるとなりまして、勉強しないといけないことが多いですな、などと他人事のように言っている場合ではありませんな(汗)。

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2015/04/14

・2M短国入札ワロタ

昨日は2M短国入札でしたが。
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20150413.htm

(3)募入最低価格 99円99銭6厘5毛(募入最高利回り)(0.0260%)
(4)募入最低価格における案分比率 41.9569%
(5)募入平均価格 99円99銭7厘8毛 (募入平均利回り)(0.0163%)

・・・・・(;゚д゚)

金曜の短国買入減額まで行う羽目になった海外爆買いドコーという感じで、金曜が無かったかのような落札結果にクソワロタとしか申し上げようが無いですが、そもそもこの2Mは期間が短いので日銀の短国買入には端から対象外であるという事がありまして、ついでに今回の2Mは6月税揚げに落ちをぶつけている(6/3償還)ので償還時にロールが行われない銘柄でもありますし、その上6月期末は越えないので四半期の末算調整には使えないという事で決算用特別ニーズにも合致しない、とまあそんな感じですので、日銀トレードヒャッハーには使えないし、決算用特別購入対象にもならんし、海外の方に関しては良くわからん(今晩また売れてるかもしれんけど)ので、国内投資家が普通に買うというようなレベルにならないと明確なニーズが見えにくかったので足が流れたということですかそうですか(けどまあ買いが来るかも分からんから上にも札は置くしかない)。

なおBBさんの引けは2.1bpとなっていて周囲の銘柄の引け対比大甘なのですが、まー使いにくいとは言え別に水準そのものはこの辺ならやっとこう目線的にまともに近くなってきましたな的な感じになる(と考えるとマイナス金利長期化とかですっかり目線は下がってしまったなあと思います)のでどっちかが修正されて収斂するんじゃないですかねえ(てきとう)。

なお、短国はそんな感じなのですが短いところは茲許の流れを引き継ぎ昨日も強くされていて、引けベースで2年以内の利付とかほとんどがゼロ金利(2年カレント2銘柄だけ0.5bpの引け)になっているというまたこれかよな展開になっておりまして、結局の所この短期ゾーンの需給がどうなって居るのよ的な話は木曜の3M入札を見ないと何とも言えませんなというか強いのでしょうかねえというところではありまする、ナムナム。

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2015/04/13

○短国がまたモノ無し芳一とな

金曜の短国買入オファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of150410.htm
国庫短期証券買入 17,500 2015年4月14日
(他のオペ引用割愛)

ということで1.75兆円のオファーということで想定(2兆か2.5兆か)よりも少ないオファーになりましたが、まあ玉があるのに減額するようなことは今の調節がするとは思えませんので玉が無いのですなあと思ったらその結果。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba150410.htm
国庫短期証券買入 26,597 17,502 -0.002 0.000 22.2
(他のオペ引用割愛)

応札2.66兆円ェ・・・・・・・・ということで、まあちょっと前だと2.66兆円札があったら2.25兆円とか下手したら打ってきてとんでもないマイナス金利まで購入していたことを考えるとちったあマシになったという感じではありますが、引け平均で2糸強足切ですのでまたぞろオペトレードヒャッハーですかそうですかという感じではありますが、まあ金曜の場合は何のことはない木曜引けの時点では世の中にあった3Mの新発が夜のうちに海外勢に売れてしまってスッカラカンになってしまったという背景があったようで、その後も新発3Mがマイナス2bpで出合ったりとかやってたようで、何の風の吹き回しか知らんけど急に海外が来たのでという奴ですな。

でまあその辺が影響しているのかどうかは知らんですが、中短期の国債の所も元々堅調推移はしていましたが一段と強くなってきまして、金曜の債券市場はこれまた妙に堅調になって、その結果週末に向けたベンダーコメントの「来週の債券市場」コメントが軒並み楽観になるという現象となっておりまして恐るべし。

ということでちょっと買いが来るとこの有様かよという所ではあるのですが、短国買入に関しては6Mでどこぞの業者が盛大にご購入みたいなのはあるにせよ、そもそも発行額の半分までしか入札で入れられませんので、まあ買占めてヒャッハー的なパワープレイは物理的に難しくなった(特に発行量の多い3Mでは)という所で、逆に言えばパワープレイが効かずに常に自然体モードになると、爆買いが入る(海外以外でも決算爆買いというのもあります)と日銀買入部分でそもそも需給が締まっているので需給バランスの崩れ方が大きくなりますな(パワープレイで在庫抱えるというアレな動きが少なくなった分だけそこのバッファが無い)という所で。

まあ6Mと1Yは日銀買入で勝手にやってくれという所ですが、3Mに関しては4月入札分から1回3000億円減額発行となっているので、13回入札が一巡すると3.9兆円の発行減となるので、短国買入を維持されるだけでも実は苦しかったりするんですけど、まあそんな中で海外の爆買いとか勘弁なところで、爆買いするのは家電製品だけにしていただきたいものでございまする。

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2015/04/10

○市場メモである

・30年国債入札で大暴れ

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/nyusatsu/resul20150409.htm

6. 価格競争入札について
(1)応募額 2兆848億円
(2)募入決定額 7,298億円
(3)募入最低価格 102円45銭(募入最高利回り)(1.384%)
(4)募入最低価格における案分比率 3.2315%
(5)募入平均価格 102円64銭(募入平均利回り)(1.375%)

前場から超長期は比較的堅調で前場引けの時点で先物対比で30年は1毛ほど強く推移していたのですが、まあそうは増発したし輪番増えないしそんなに強くないだろうとかなんとかゆー感じだった筈が、後場寄りから先物値を飛ばして始まりやがるもんだからこれは強いのかと思ったら落札結果は前場の引け水準が足切だけど極薄案分で平均が1毛飛ばしたところになっているので実質「上で切られた」格好。

ということでショートカバーキタコレという事で先物も上がるわ超長期はもっと上がるわで30年1.315%(6毛強)だの先物147.80(+22銭)だのということで、30年ショートカバー祭りになったと思っていたら引け直前に突如超長期が崩れて引けてみたら超長期が先物より弱くなっているというおそロシアな展開となりました。

つーことで最早何が何だか分かりませんが(><)、入札は強いところで切ったので空振りしたマーケットメーカーも続出した感じ(市場推計の落札分布を見る限り)で、上を踏まされることになった人も悲しい事になっていますが、入札で先物よりも2毛強いところでつかんでいたら先物最高値近辺で蓋をできていても引け時点で先物対比1毛近く食らっている(引値ベースだと5糸甘なので1毛近くとしたけどもう少し甘い気がするのだが)というので、結局この入札って落札して当日強いところで外せていない限り全員食らっているようにしか見えない訳で、期初早々(って日系じゃない場合は期初じゃないでしょうが)から華麗に酷い入札をかまされまして何という残念な展開という所ですな。

まー(日系的に)期初早々からこれですので今年度も入札だの輪番だので暴れる相場は更に凶悪化という事ですが、日中ボラがでかすぎるので業者は当然ですが投資家サイドも気を使う相場ではございますな、ナムナム。


・3M入札も堅調で引けはマイナスとな

うむ。
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20150409.htm

(3)募入最低価格 99円99銭9厘0毛 (募入最高利回り)(0.0040%)
(4)募入最低価格における案分比率 95.7656%
(5)募入平均価格 99円99銭9厘2毛(募入平均利回り)(0.0032%)

つーことでまた堂々の1bp割れで、金ファクさんの朝刊なんかですと1bp水準かというような話もありましたし、まー見込みよりはやや強い結果ですなとか思っていたらセカンダリーではゼロビットだのマイナス出合いだの突っ込んでおりまして、BB引けでは524回債がマイナス0.4bpになっておりましたが別の意味でアタクシが絶賛注目している523回債(火曜の6M)はマイナス1.2bpになっておりますな、うんうん。

なおもっと注目の売参を見ると本日付の売参で524回債がマイナス0.4bpなので入札のアベレージから見ると0.72bp金利低下、523回債はマイナス1.1bpなので入札のアベレージから見ると0.91bp金利低下なので今日の短国買入は6Mの方が先に入るのかオモロナイなあという所ではございまする。

http://jp.reuters.com/article/jptokyomarket/idJPL4N0X62PD20150409
〔金利マーケットアイ〕翌日物0.055%近辺が中心、レポGCT+1レート強含み
2015年 04月 9日 15:32 JST

しかしまあ何ですな、これだけマイナス突っ込んでいるのだからさぞかし投資家のニーズがあって市場の玉がスッカラカンなのでしょうかと思いますと、上記のようにGCレートって上昇傾向になっているようでございまして(6M発行日要因のT+1で強含みとな)、まあ何でこうなっているのかお察し状態という所だとは存じますが、どうせまあ予算達成しか考えていないオペで今日は今日とて短国買入2.5兆円が入って日銀打ち込みウマーということになるんでしょとゆーところではございます。市場に緊張感持たせたかったら(どうせMB目標=国債目標なんだから少なくともETF買入拡大部分と貸出増加支援基金増加部分で短国オペ減らせるんですから)ここでまさかの短国買入1.5兆円とかやると却って買入を長期的に続けることができるんですが、そんなことは期待していないので今日の注目は2.5兆円の買入に対して6Mと3Mがどのような入り方をしてくるのかという感じ(つーてもその結果は20日分の旬報を見て初めて分かるので分かった時には昔の話になっているのですが・・・・・・・・)ではあります。

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2015/04/08

○市場メモ雑談等

・謎の先物急下げ急戻しとな

昨日の債券市場ですが、超長期対象の流動性供給入札があるということなのかどうか知らんけど前場から長期超長期(特に超長期)が弱めに推移していて、後場寄りから一段と弱含みとなったと思ったら流動性供給入札が足切3甘と前場引けの実勢からやや弱めの所で決着。

というのが出たと思ったらその後ちょっとしたところで先物があれよあれよと謎の急落で147円60銭台前半から147円40銭割れ水準まで30銭近くの急下げをやったと思ったらいきなり切り返すという豪快な展開で、急下げ急戻しとか何という相変わらずの日中ボラ高杉晋作な展開かよという所ですが、途中では超長期対比で10年が弱くなるという形でカーブ形状が変わっていた感じですので、現象的には10年にランボー怒りの戻り売りがあって超長期には押し目買いがあった(同一人物のカーブプレイかもしれませんが)ということですかねえ。

しかしまあ下げるのが急というのは実弾がドカンと打ち込まれたという事なのでしょうけれども、そこからの戻りの速度があまりにも早いのが何ともお洒落でして、押し目買い意欲が観光釣堀園の魚の如く待ち構えているのか、単にひとり時間差入れ替えなのかは知らんですけれども、まーこれだけサクサクと動かされますと、売買タイミング取ろうと思って構えるとなりますと、板に張り付いて正座で待機しないといけませんなあというようなところではあります(引けで淡々とやるなら別に良いのでしょうが)。


・6M入札がマイナス利回りとなっているのですが中々味わいのある現象ががががが

昨日の6M入札結果。
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20150407.htm

(1)応募額 14兆9,980億円
(2)募入決定額 3兆2,330億5,000万円
(3)募入最低価格 100円00銭0厘(募入最高利回り)(0.0000%)
(4)募入最低価格における案分比率 1.2727%
(5)募入平均価格 100円00銭1厘(募入平均利回り)(-0.0019%)

まあ6Mに関しては基本的に日銀に吸い上げられまくっていて、周囲の既発債(1か月前の6Mとか過去の1年物)はモノ無し芳一(カレント6Mはあるかも)なので引値はマイナス近辺になっておりましたので、まあプラス利回りにしてもゼロに近いところでしょうなあと思っていたらこの結果。

100円足切はともかくとして、案分比率1.2727%って何ですかそれという所で、今回から応札満額が1.75兆円になったので、満額100円に入れても222.7億円しか落札できないというお洒落な結果になっておりましてうーむこれはという感じ。

でまあ何ですな、応札限度を減らした為に起きた現象という意味ではこれも味わいがあるのですけれども、100円で切れるかも知れない、という事になった場合に、応札限度額が減った事から案分と思われるところに入れられる札も必然的に減る訳で、そう考えると必殺は上に入れておかないとマズーとか皆さんが思うと平均が上がりやすくなるという現象の方が出た次第だと思われるのですがどうでしょうかね。

これが逆に超不人気入札の場合だと応札限度が減っていることによって「止め札」の総量が減ってしまいますので、止め札がどこに入るか読めないという事から足切が流れるという減少が生じえるのですな、うんうん。


・・・・・・・という話はともかくとして、今回の入札で更に味わいがあったのがいわゆる市場推計の落札分布でありまして、どこぞの業者さんが思いっきり満額落札をしている(つまり発行予定の半分である1.75兆円を購入している)という報道があった件が実にこう滋味のあるところでございまする。足切の案分があの有様ですから、応札可能額満額を堂々とマイナス利回りの所に応札してきたというプレイを炸裂させたという事のようですな。

毎度申し上げておりますので耳タコではありますが、マイナス利回りの短国を購入する可能性というのは、ファンディングがマイナスになる(為替フォワードの関係などだから為替がらみ)か、担保需要でどうしようもない場合か、決算お化粧の為に国債残高が必要な場合か、という事になりまして、まあしいて言えばこの銘柄は6月と9月の四半期末を超えられるという点で有能ではあるのですが、いまからそこまでして9月残高積むのかよという感はぬぐえませんな。

しかしながら今般1.75兆円も6M新発をマイナス利回りでドドーンとお買い上げなさるというプレイが出ましたので、そのようなマージナルな需要が兆円単位で実はある、という事だとあたくしは理解致しましたので(棒読み)、いやー市場って奥が深くてアタクシの如き無力参加者には良くわからんですなあ(棒)と誠に遺憾の極みに存じます。

まあそんな訳で、マージナルな需要だか何だか知りませんが、またぞろ普通の国内投資家が普通の状態では買えない水準まで相場が持ち上がるほどの需要があるというのが満額落札の背景にあると思われますので、こらまた随分と太いお客様をお持ちな業者様でいらっしゃいますなあ(盛大に棒読み)とゆーところですし、そんなにマージナルな需要があるんだったら別に今月の短国買入9兆円とかじゃなくても良い(今月のMB残高を7兆円程度の積みにするなら短国買入は7兆円水準に減らせる)のですから金曜の短国買入を2.5兆円とかにしない方が良いんじゃないでしょうかねえだってそんなにニーズがあるらしいですから日銀が買うと市場を圧迫しちゃいますよ〜(提案)。


まーいずれにせよ明日の3Mがどうなるか次第ですし、3Mまでマイナスとかになったら仰天しますけれども、3M入札が流れて普通に業者のもちになって今週の短国買入で3Mカレントばかりが入ることを祈念しつつ売買参考統計値を見たら6M新発の平均値単利がマイナス1bpというのがもう何だかねという所ではあります。

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2015/04/06

○市場メモ系

・短国買入は2兆円オファー

金曜のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of150403.htm

国庫短期証券買入 20,000 2015年4月7日
国債買入(残存期間1年超3年以下) 3,750 2015年4月7日
国債買入(残存期間3年超5年以下) 3,750 2015年4月7日
国債買入(残存期間5年超10年以下) 4,000 2015年4月7日
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注3) 1,551 2015年4月3日 2015年4月6日

ということで短国買入は2兆円で打ってきましたので、これだと来週再来週が2.5兆円で24日が2兆円で合計9兆円コースになりそうですな。順当順当。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba150403.htm

国庫短期証券買入 29,611 20,002 0.002 0.004 30.5
国債買入(残存期間1年超3年以下) 7,854 3,756 -0.013 -0.008 22.0
国債買入(残存期間3年超5年以下) 8,876 3,753 0.001 0.005 12.0
国債買入(残存期間5年超10年以下) 11,175 4,001 0.016 0.019 3.5
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注4) 3 3 -0.400 -0.400

応札が3兆円無いという状況で、これは期初の売りが出ていませんわというところ(まあ期初の売りが出てもオペ対象銘柄にならない場合もあるけどな)でして、これは普通に市場の玉が少な目という感じですが、落札レートの方は2糸甘/4糸甘という表示になっているのでお安く見えますが、木曜の新発3Mか既発の6Mとかが入っているのですかね。


・債券市場は3日同じトレンドが続かずの巻

でまあ金曜の債券市場ですれども、2日かけて超長期を強くした動きに対してランボー怒りの戻り売りでも出たのか知らんですけれども、一転して超長期ヘロヘロの相場展開になっているとかもう何だかねという有様ですが、3日連続で同じトレンドにならないという毎度のパターンを継承しておりまして、なんちゅうかこの債券市場って達観すると横ばいなのにカーブのボラだけ無駄に高いという素敵な展開になっておりまして、要は方向感ないけど流動性が全然ないから値段だけ飛ぶというお話なのでしょう。

なおここもと期初から中短期が妙に堅調で、先週の3Mもそうですけれども5年が10bp割れで推移したり、2年がまたまた1bpレベルまで強くなってみたりとか、期初から強いのが継続しているのが中短期なのは、今月から輪番の買入が増えたという要因よりは、投資家の買いが期初の買いだとか、もしかしたら金曜あたりだと超長期からの短期化とか、まあその手の動きで短期ゾーン強いですよねという話ではあります。

なお、金曜の輪番は中長期で来たのですが、中期の輪番が早めにホイホイ入っているので、暫く輪番が無い→売りだ〜的な話になってもおかしくはないのですが、そういう動きになっていないところを見ると、純粋に投資家が中短期を買い越し状態にしていて、その結果として堅調に推移しているという事でしょうな。

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2015/04/03

○市場&計数関連メモメモ

・3M入札は堅調とな

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20150402.htm

(3)募入最低価格 99円99銭6厘0毛(募入最高利回り)(0.0160%)
(4)募入最低価格における案分比率 18.4277%
(5)募入平均価格 99円99銭7厘7毛(募入平均利回り)(0.0092%)

ということで先週の入札は3bpレベルまで流れるわ応札少ないわでうひょーと思った訳ですが、では期初一発目はどうなるのかは非常に謎で今回は読みにくかったですけれども、1bp割れの平均なので強い結果という所でしたな。

毎度おなじみの短国期初の売りらしきものが出ている感じが無く(というのはセカンダリーが全然盛り上がりが無い)ちょっと????であったわけですが、ちょうど3か月前の短国入札と同じパターンでいわゆる不明玉も多くて、まーなんと申しますか「四半期末が終わったら次の四半期末の残高積み上げ対応を考えないといけませんなあ」というハムスター状態で購入した短国の償還再投資しないといけないですよね〜ってな感じですな。

ということですので、夢の2年とのインバートはしないで、3Mの金利の方が最近堅調な中短期国債の金利に引っ張られて強くなるという展開でして、いわゆる不明玉3兆円ということで空振りの人もいたのかセカンダリーは0.2bpまで強くなって引けとか売買参考統計値は0.2bpと急低下となり、周辺銘柄の売参も0.5bp近辺まで低下しましたので、本日の短国買入は普通にカレント3M近辺(持ちがあるなら521回が一番の候補ですか)が入るんですかね、良くわからんけど。

つーことで、期初ではありますがターンオーバーの早い短国市場ではまず最初に四半期末残高要請分をある程度積んでおかないと世の中何があるかワカランチ会長なのでということで、短期金融市場の金利商品としての利回り形成という訳には行かなかったようで残念無念。

今月は短国買入が割と高めのペースで飛んでくる筈なので、需給はタイトになりやすいですが、後で申し上げる短国買入残高の償還スケジュールを見ますと6月に短国買入のペースが落ちると思われますので、マイナス突っ込んでまで残高作りに行くという動きはあまり考えにくく、あとは海外次第という所になるんでしょうかね、よー知らんけど。


・10年国債入札堅調でヒャッハー

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/nyusatsu/resul20150402.htm

6. 価格競争入札について
(1)応募額 6兆36億円
(2)募入決定額 2兆1,858億円
(3)募入最低価格 100円25銭 (募入最高利回り) (0.373%)
(4)募入最低価格における案分比率 32.3576%
(5)募入平均価格 100円29銭 (募入平均利回り) (0.369%)

えーっともう普通に順調な入札で普通に順調に落札結果発表後に普通に10年が強くなって引けてみたら先物29銭高に対して10年新発4毛強とか10年カレントを強くする引け方になっているという展開でして、期初の売りとは何だったのかというお話ではありますな。

まーそうは申しましても(あまりきちんと集計したわけではなく脳内記憶ベースですが)1月後半に相場がおかしくなってハイボラ相場になり、いったん落ち着いたけどハイボラという状態になっている昨今って3日続いて同じ動きをするのってほとんど見た記憶が無いのでありまして、そういう意味では本日債券市場様がどういう挙動を示すのかが中々こう興味津々な訳ですが(−−;


・日銀保有短国残高&資金需給見込み

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/tmei/tmei.htm/
日本銀行による国庫短期証券の銘柄別買入額

短国の銘柄別買入額を見ると3/20-3/31(なので2回分)の買入で一番入っているのが何故か6Mカレント銘柄というのがナンジャソラという所でした。手前の償還予定は変化ないのでまあそれはそれということで資金需給見込みを鑑賞。

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/fm/juqp/juqp1504.htm/
日銀当座預金増減要因(2015年4月見込み)

財政要因での資金過不足が8.5兆円の資金不足となっておりまして、これに対して輪番は今月偶数月なので変国ということで、1年以内も含めてみた場合に9.1兆円弱の買入になりますので、それで0.6億円の浮きになります(面倒なので輪番の月跨ぎ分はツーペーでおいている)。

で、四半期で20兆円のMB積みをする、というのがこの前の動きで見えてきましたが、そこを月割りすると財政要因が一番キツイと思われる5月にあまり無理しないようにするのと6月は四半期末だからそこで短国買入を積み上げに掛かると市場に大きなストレスをかけるのも勘案して、今月は6.7兆円よりも多く積んでくるとイメージするのが妥当ではないかと。

となりますと、保有短国の償還スケジュール的に4月は10兆円弱の償還があるので、その買入残高自体もそんなにぶらさないでしょうなあと思いますと、結論として9兆円〜10兆円の買入を実施という事になるでしょうな。でもって月末に跨ぎで買入を入れるかと思ったら帳尻オペが入ったという実績がありますので、今月の短国買入は各金曜日の4回ですから、9兆円なら来週と再来週(6Mと1Y入札後)に2.5兆円でその他が2兆円。10兆円にすると全部2.5兆円になるのでちと重いかなという感じではないでしょうか、よーわからんけどな!!!


・今年はともかく来年の輪番は・・・・・・・・・・・

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/mei/mei.htm/
日本銀行が保有する国債の銘柄別残高

買入年限がどうのこうのという話もあるのですが、それより気になるのが保有銘柄の償還スケジュールでして、前回発表以降に1年以内の輪番が無かったので今年の償還が額面で20.7兆円というのは変わらないのですけれども、1-3年の輪番で短いところが打ち込まれますので来年償還になる国債が31.3兆円になっておりまして、そうなりますと国債買入残高80兆円拡大するのに年間111.3兆円の買入をフローベースでしないといけなくて、ほぼ9.3兆円のフロー買入をするとか今でも青息吐息なのに大手投資家さんのアロケーション変更が一段落してそうな来年に輪番継続できるとは到底思えず、円債市場地獄の黙示録になりそうな悪寒がするのでQQE政策の総括マダーという所ですな、ナムナム。

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2014/04/02

○市場メモその他

・30年国債が連日暴れすぎの件について

昨日は月末公表の輪番オペ割り振りで超長期増額の思惑もあった(というかたぶんその予想が中心)のですが、空振りとなったために超長期特に30年方面がスティープマックイーンとなってしまいまして、場中には先物20銭位上がっているのに前日比利回り上昇してるだろその気配というような見苦しい展開でしたが、まあその前の月末に30年の所をやたらフラットさせていたのでその反動という事でございましょうかね良くわかりません。引けではカーブのスティープ緩和されていましたが。

しかしまあ何ですな、「翌月の輪番の割り振りがこうなると予想」→「実際にこんな割り振りになったのでコンセンサス対比超長期の買入が増えてないからスティープ」というのとか、「今日の輪番はこのゾーンを予想」→「空振りだったのでそのゾーン弱含み」とか、もう債券市場サイコロの旅でもやっていた方が良いんじゃないのというテイタラクで、更にこれから輪番が進んでいくと債券市場ってもう息をしていないの状態になる(すでになっているが)のですかねえとか、どう見ても輪番規模を拡大できないだろとか思うのですけど、はてさてどうなるのやら。


・3M入札は新方式での初回です

本日は3M短国期初1発目の入札になります。

・・・・・・・でですね、今回から国債入札に関しては応札限度額が発行予定額の半分となっておりまして、特に短国方面で散見された「入札で買い上げて投資家を排除するレート水準まで強くして日銀に打ち込んでヒャッハー」という巷間では日銀トレードなどともいわれるような力技プレイがさすがに難しくなった、というかまあ暫くその動きもあまり見られなかったように思うのですが、期初なのでまたフンドシ締め直してヒャッハーみたいなのになるのかどうかは注意ですが、とは言え物理的にはやりにくいでしょうなと。

んでもってそうなりますと、最終投資家が「モノ」ではなくて「短期金融市場の金利商品」として購入できるレベルってどの辺りになるのというようなことを考えながらの価格形成に普通だとなると思うのですが、短国期初の売りみたいなのが全然出てきている雰囲気が無いのが微妙に????でして、現状でたぶん流通玉がそんなにないので気配も当てにならないという中での入札だからちと難易度が高い気がします。

なお、3か月前の場合は同じような感じで少しは水準訂正するかと思ったら3月末残高を意識したのかどうか知らんけど、まあその手の買いっぽいのが最終投資家から結構入って強めの所になった上に、その後追加緩和思惑で付利下げみたいなお話が飛び回るわ、日銀トレードヒャッハーは凶悪化するわという流れで短国利回りが地獄の黙示録になってしまっていたのですが、まあ日銀トレード云々は今回は無いにせよ、6月末の残高というのも世の中何があるかワカランチ会長ですから気にする人は気にするでしょうなあと。

ちなみに、おそらく「短期金融市場の金利商品」としての適性と思われる利回り水準辺りでの決着となった場合には、夢の「短国3Mカレントと2年カレントの金利逆転」という素敵な光景が発生し、もしかしたら定着するかもしれませんね。どう見ても夢じゃなくてナイトメアですけど。

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2015/04/01

○期末計数関連市場関連雑談

・マネタリーベース着地ワロタ

昨日の資金需給速報
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/jx150331.htm
銀行券要因(発行超=マイナス) 1,300
財政等要因(受超=マイナス) 14,300
金融調節合計 +16,000
当座預金増減 +31,600

前日のマネタリーベースが
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/jd150330.htm
マネタリーベース 2,928,300

となっていましたので、昨日のMBが295.86兆円くらいになると思われますが、ここで昨年末のMBを見てみましょう。

昨年末のマネタリーベース
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/jd141230.htm
マネタリーベース 2,758,800

ということで275.88兆円ですので、四半期でMB拡大きっちり20兆円となっておりまして、先週金曜日の短国買入7500億円とはナンジャラホイと思ったわけですが、財政要因の出入りに関しての状況を確認した結果として調整で7500億円打って綺麗に着地させた(なお国債補完供給が昨日は462億円出ていまして、それが無かった場合は昨日のMB着地が295.90兆円になる筈というこのビューテホーな着地。

しかしまあこれだけいろいろとぶれる中でマンデートきっちりに着地するように誘導するという大変に芸術的な調整を行っているのですが、実に残念なことに置物師匠のマネタリーベース直線一気理論がそもそも論として全然成り立っていないという状態でありますので、それだけの事で言いますとなんちゅう無駄な高度スキルとは思いますが、将来金利誘導の世界に戻った場合のことを考えますと、銀行券要因と財政要因の精密な予測と調査によって、実効オーバーナイト金利が誘導水準から大きく乖離しないように資金需給を調節するという高度テクニックがあってこそ市場金利のベース部分が安定するのよねなどと高く評価してみたりするのでした。


・輪番超長期増額来ねええええええええ&刻みがこまけええええええ

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2015/rel150331c.pdf
当面の長期国債買入れの運営について

『日本銀行は、長期国債買入れについて、当面、以下のとおり運営することとしました(2015年4月1日より適用)。── 次回公表は4月30日17時を予定』

前回はこちら
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2015/rel150227d.pdf

変化を見ますと、まず別表の年限別レンジに関しては変化がありません。

利付国債(変動利付債、物価連動債を除く)
残存期間:1年以下    2回程度 500〜1,500程度   1,000〜3,00程度
残存期間:1年超5年以下  6回程度 4,000〜10,000程度 24,000〜60,000程度
残存期間:5年超10年以下 6回程度 3,000〜6,000程度  18,000〜36,000程度
残存期間:10年超     5回程度 2,500〜4,000程度  12,500〜20,000程度
変動利付債<偶数月>  隔月1回  1,400程度   1,400程度
物価連動債<奇数月>  隔月1回  200程度    200程度

でまあ注目の次回買い入れ予定額ですが・・・・・・・・

(注4)2015年4月1日以降の最初のオファー金額は、残存期間1年以下700億円、残存期間1年超3年以下3,750億円、残存期間3年超5年以下3,750億円、残存期間5年超10年以下4,000億円、残存期間10年超25年以下2,400億円、残存期間25年超1,400億円、変動利付債1,400億円、物価連動債200億円とする予定です。

現状では1年以下500、1-3年3000(月の途中で減額の刑を食らった)、3-5年3500(同左)、5-10年4000、10-25年2400、25-年1400、変国1400、物国200ですので、今回増額になったのは中短期という形になりまして、1年以下+200(月+400)、1-3年+750(月4500)、3-5年+250(月1500)という事になりました。

でまあこの前(25日の駄文で)計算したざっくり計算ですと、今年年間80兆円ペースで長期国債の残高を積み上げに行くためには1年以下の輪番を除いて(1年以下輪番は基本的に償還がすぐ来る銘柄が打ち込まれるので残高に見ないのが妥当)月に9兆円程度の買入フローが必要になるというと思われるのですが、この買入を足すと(変動と物価連動は平均額にする)8.88兆円で、1年未満を足すと9兆になるのですが、これだと微妙に少ないような気がせんでもないのだが、まあ先月のペースだと明らかに足りなかったから大体復元してきましたなという感じであります。

なお、今回は超長期の増額も入るだろうという予想が多かったという事で、この数値が公表されたあとイブニングセッションでちゃっかり超長期が弱含みになったり先物が下がったりしていましてクソワロタという所ですが、まあこの当てっこ予想大会で相場がその前もその後も動くというような形になっておりまして、丁半壺振り状態かよという状況なのも何だかなあとは思うのでありました。

つーかですな、毎度しつこく申し上げておりますように、債券インデックス更新に関する売買というのは何もないのであれば基本的に月末の終値近辺でリバランスする、というのがインデックスベースでの投資をする人の基本でありまして、その月末終値出た後にイールドカーブを派手にぶらす材料になりえる翌月の輪番予定が公表されるというこの日程の組み方何とかならんのかとは思うのですが、オペ先にはインデックス投資を基本にしている人がそんなにいないでしょうからそういう話にはならないだろうなあと思ったりするのでありました、ナムナム。

しかしまあ何ですな、これ2年の所の買入が結構キツくて、短国買入の残高推移(つまりその他貸出等の進捗)と海外ニーズ次第ではありますが、短国と2年のインバートが瞬間芸じゃなくても起きると胸が熱くなりますな。



・JPX400連動型ETF買入クルー!!!!

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2015/rel150331d.htm/
「指数連動型上場投資信託受益権等買入等基本要領」の一部改正の実施日について
2015年3月31日
日本銀行

『日本銀行は、2014年11月19日、「指数連動型上場投資信託受益権等買入等基本要領」の一部改正を決定しましたが(注)、今般、これら一部改正のうち、8.に係る一部改正を明日(4月1日)から実施することとしましたのでお知らせします。』

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2014/rel141119a.pdf

改正がどうのこうのは上記にありますが、要するにJPX400連動型ETFの買入をしますよというお話ですな。

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