相場見通しのつもりだが・・・たぶん後講釈(2015年01月〜2015年03月)

こちらはあまり当らない相場見通しやら相場後講釈やらを書いております。一応債券だけどもマネーマーケットに限りなく近い範囲をカバーしつつも、昔取ったなんとやらで債券市場のお話も。まあどっちにしても板に張り付いている訳ではないのでピンボケになる場合もありそうです。その節はご指摘を。

過去ログ一覧のページに戻る
トップページに戻る

2015/03/30「金曜の債券市場は謎の急落/短国買入7500億円の謎打ち込み」
2015/03/27「短国入札久々の3bp足切」
2015/03/25「火曜の超長期は一気に強含みとかもうね/国債と短国の買入残高雑談」
2015/03/24「週初の超長期は一転して大コケ」
2015/03/23「超長期は連日大暴れ/SLFの緩和/短国買入1.5兆円実施も結果は弱め」
2015/03/19「超長期入札で(入札前から)盛大にブルフラット炸裂/1年TBは足切100円まで流れる」
2015/03/18「17日記述の補足」
2015/03/17「業態別当座預金残高は特段の特色無し/貸出支援は4.4兆円(返済有るので実質3.37兆円)」
2015/03/12「一転して輪番で債券急騰と流動性のない市場は続く」
2015/03/11「流動性供給入札で債券急落とな」
2015/03/10「短国買入は1兆に減額も応札少なめで短国需給は確り」
2015/03/09「輪番中期債が減額キタコレである」
2015/03/05「3月短国買入は多くても6兆円ですかね」
2015/03/04「10年国債入札がまたまたあじゃぱー/2月20日の短国買入は珍しく銘柄が分散」
2015/03/03「2月MB拡大は帳尻の所できっちりとプラスに」
2015/03/02「短国買入は1.5兆に減額も応札少ない/3月輪番は中短期を減額」
2015/02/27「債券市場は落ち着きません/T+1決済って急ぐ必要あるのかね」
2015/02/26「中期が妙に堅調で5年10bp割れ/短国買入状況の確認」
2015/02/23「短国買入は2.5兆円に増額」
2015/02/20「3M短国入札はやっと平均もプラス金利に!/長期ゾーンは引き続きカーブが落ち着きません」
2015/02/18「20年入札で相場大反発/1年短国は100円足切」
2015/02/17「3月の短国買入は結構減りそうですね」
2015/02/16「短国買入減額&固定金利オペ大幅減/5年入札がコケたのに結局超長期がコケるとな」
2015/02/13「3M短国入札が3か月ぶりのプラス利回り足切に!」
2015/02/10「短国買入は札を集めてマイナス入札の6Mは日銀トレードであることが判明/長期債がボラタイル」
2015/02/09「6M入札はマイナス足切となる/オペ関連その他雑談」
2015/02/06「30年入札はまあ無事でフラット&中短期が怪しい/3M短国は100円足切り」
2015/02/05「翌日の30年国債入札を控えて超長期更に売られるの巻/固定オペは謎の増額ロール」
2015/02/04「10年国債入札はテールが45銭と大荒れ/2月短国買入は10〜11兆円程度か」
2015/02/03「1月調節は結局短国買入拡大してMBを増額させています」
2015/02/02「短国買入は2.5兆円/輪番オペは額の変化なし」
2015/01/30「短国3Mは100円まで上昇/2年新発はプラスで5年なども浮上」
2015/01/29「10年に売りが出たりと徐々にイールドが水面に」
2015/01/28「連日の債券市場大暴れ/短国の日銀トレードはだいぶベンダーに書かれるようになりましたね」」
2015/01/26「追加緩和無しにECBで債券市場は今度は売り方向で相場がおかしくなりだしましたよ!!」
2015/01/20「債券市場は更に糸の切れたたこ状態で10年0.205%/短国買入また3兆円」
2015/01/19「12月はなんと都銀の超過準備減少/1年短国も堅調はよいけど売買参考統計値のつき方がアレ」
2015/01/16「補完供給関連の訂正/3M短国入札は在庫重いはずなのにオペ狙い作戦でマイナス足きり」
2015/01/15「30年国債入札は結局ブルフラ/年初の短国買入は1年が1.8兆円入ってオペ先の収益は9億円とな」
2015/01/14「5年新発が瞬間風速ゼロ出合!/短国買入3兆円/補完供給16銘柄ワロタ」
2015/01/13「6M入札は案の定オペ狙い入札でオーバーパー」
2015/01/09「3M入札は落札後100円オファー/物価連動国債入札は警戒程の事は無くニーズが入った模様」
2015/01/08「短国買入は2.5兆円実施/超長期の動きが市場の壊れに合わせてチョッピーな件」
2015/01/07「年初2日目にして債券市場が色々と壊れている件」
2015/01/06「年初早々から債券株式共にインチキ相場ですなあ」
2015/01/05「マネタリーベース目標は達成で誤差1兆円以内とな/輪番は中短期減額超長期の後ろを微減」

2015/03/30

○市場雑談メモ

・金曜の債券市場も何だかわからんが良く動きましたな

昨日の債券市場ですが、米金利上昇で弱含み→輪番オペの打ち込みは内訳含め予想通りだった筈なのだが謎の急落→オペ結果の超長期は実勢だと思ったのだがどうもオペは(超長期などは)実勢よりも強くなって然るべきなので弱いという評価のようで今度は超長期がゲロゲロ、とまあそんな展開だったようですがもう何が何やらという所で。

ヘッドライン見た時に一瞬おーと思ったのはこちら。

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NLUH3B6JIJV701.html
麻生財務相:日銀が現状を認めた−債券流動性低下のリポート
2015/03/27 09:32 JST

国会での質疑でして、実際はただのこういうのがありますね的な話だったようらしいのすが、後付では気にする向きもあったようで、最近は2年で2%の目標をどう軟着陸させに行くかというのが政府サイドの方からホイホイと出ている(黒田さんは軟着陸させる気はないような行動をしていますが)となりますと、緩和的な金融政策の長期化とはなりますが、長期化させるためには今のペースでのMB拡大をするのは政策を長期的に続けられなくなるのだから買入ペース落ちる罠、となるとそらまあ今の相場が輪番で盛大に支えられている訳で、本格的に経済物価情勢を勘案した場合に投資家の買える水準までは調整するでしょとなりますと今の水準ってどうよという話になりますわな特に後ろの方。


そういやここの話とちとずれますけど、この前も人と話をしていて突っ込まれたのですが、置物師匠を降ろして代案はあるのか的に言われたのですけど、「2%目標を中長期で目指す」という形で、しかもフォーキャストターゲット的な考えでやればよいという事で、しかも今の日本の成長力からすると2%安定的に一足飛びに行くのはどう見ても無理ですから、緩和的な政策を長期間続けて、その間に成長力強化や規制緩和などの施策を行う時間を稼ぐという風にするしかない(短期的に2%は無理とする)わけで、そうなった場合に今の「短期決戦」を前提とした政策フレームワークは間違いなので修正するのと同時に、MB直線一気理論やら2年で達成するのがグローバルスタンダードなど吹いた方にはその理論に大穴があった事を認めて責任とってご退場いただく、とまあそういう事で良いんじゃないですかねえと思ったりしますけどね。

まあそれが軟着陸かと言われると微妙ですが(笑)、現実的に2%の達成時期に多少時間がかかっても良いという話なのであれば、緩和政策の枠組みとして「技術的に長期間継続可能な政策枠組み」を作って置くことが必要なのであって、それは何かというと低金利時間軸政策を中心とした緩和政策で、まあMBについても色々とやかましいのがいるから残高維持なりこっそり微減程度なりの形にして、中期的に持続可能な政策にしないと、目標達成の前に政策が技術的に行き詰るとなったら洒落にならんと思うのですけどねえ。


・短国買入打ち込みとな

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of150327.htm
国庫短期証券買入 7,500 2015年3月31日
国債買入(残存期間1年超3年以下) 3,000 2015年3月31日
国債買入(残存期間3年超5年以下) 3,500 2015年3月31日
国債買入(残存期間10年超25年以下) 2,400 2015年3月31日
国債買入(残存期間25年超) 1,400 2015年3月31日
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注3) 11,885 2015年3月27日 2015年3月30日
国債補完供給(国債売現先)・即日(午後オファー分)(注4) 8,000 2015年3月27日 2015年3月30日

短国買入を末渡しで打ってくるとは意外感が強い。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba150327.htm
国庫短期証券買入 18,300 7,504 0.004 0.006 68.2
国債買入(残存期間1年超3年以下) 6,556 3,001 0.003 0.005 97.2
国債買入(残存期間3年超5年以下) 11,264 3,501 0.026 0.032 62.1
国債買入(残存期間10年超25年以下) 6,478 2,406 0.040 0.048 96.5
国債買入(残存期間25年超) 4,268 1,401 0.040 0.047 97.9
国債補完供給(国債売現先)・即日 (午前オファー分) 0 0
国債補完供給(国債売現先)・即日(午後オファー分)(注4) 104 104 -0.400 -0.400

そらまあ期末の所ですから残高は皆さんかなり固めにくる訳で、そもそも応札に回す玉もそんなにないでしょと思ったら応札は少な目に見えますが足切は4糸甘の6糸甘ですから強くはないのねという所。

しかし先週も申しあげたように、4月は日銀の買入短国が10兆円の落ちとなっている訳で、その分の残高を維持しにくるとなると、2兆円を5週間で入れてくる(ので今日か明日に2兆円の打ち込みが来る)と思ったのですがちと不思議。

まー可能性があるとすれば、足元で着地はすると思われるものの、期末の所で国債補完供給がそれなりに出てくる可能性があって、国債補完供給って資金吸収要因になりますし、リクエストベースで飛んでくるものなので当日にならないと分からんというのもありますので、ヘッジを入れてきたのかもしれませんなという所ですが、これで4月の短国買入は少々忙しくなるような気がします。

トップに戻る



2015/03/27

○短国入札で色々と雑考

うひょー
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20150326.htm

5.価格競争入札について
(1)応募額 13兆7,767億円
(2)募入決定額 5兆3,212億8,000万円
(3)募入最低価格 99円99銭2厘0毛(募入最高利回り)(0.0320%)
(4)募入最低価格における案分比率 25.9473%
(5)募入平均価格 99円99銭5厘9毛 (募入平均利回り)(0.0164%)

ということで平均が1bp乗った上に足切が3bpですよ3bp♪

いつでしたっけそんな利回りとか思ったら7か月ぶりとかの水準でして、短国マイナスとかやっておりました暗黒時代がどんだけ長かったのかと思いますと落涙を禁じ得ないところではございますな。

応札倍率が2.6倍くらいというへっぽこ応札倍率になっておりまして、今回の入札に関しては30日発行で期末の所のニーズには対応しまくっているのですが、何せここまでの短国市場暗黒時代の関係上期末の残高調整を最後まで引っ張って待つというような勝負に出てもリスクばっかりというのが普通の発想であり、そらまあ期末の残高調整終わっていたらこの新発無理して買わないですなとなっているのと、1月決定会合後の債券市場ランコルゲと期末要因で短国ディーラーの方々もそんなに在庫リスク抱える訳にも逝かないでしょうとなりまして応札倍率が下がったという事でしょう、よー知らんけど。

でまあベンダー記事(ブルームバーグとか)とかによりますと落札結果発表後は3bp水準近辺で推移した後、さすがに3bpだと買いも入って引けでは2.4-2.5bp辺りに落ち着いてBB引けも2.5bpで落着したようですが、いやあ久々に少しは見れる水準になりましたようははははという所ですな。

まあ今回の新発に関しては今申し上げたように、期末ニーズに関してニーズのある人が買えないリスクを考えて前倒しで動いた(というか金利があったので前倒しで動けた、というのがありますが^^)などの特殊要因はあるのですけれども、他に違っているのは「短国買入オペ狙いヒャッハー」の動きが止まっている(ように見える)ことでありまして、元より申し上げておりますように、マイナス金利で購入するニーズというのは調達がマイナス金利になるような特殊要因(海外絡み)の人と、決算または担保要因でモノとしての短期国債がどうしても必要な場合だけでありまして、本来的に言えばほかの短期金融商品の金利との関係で適正な水準というのがあって然るべきな訳ですよ。

とまあここまで書きますとどういう悪態が出てくるのかが非常に分かりやすいと存じますが、要は日銀の短国買入がマイナス金利までガンガン買いますよとやった上に、その買い方が市場の状況も委細構わずでノルマ消化に走ったために、一部の「短国買入オペ狙いヒャッハー」組の足元を見られて最終投資家のニーズの無いところまで相場水準を持ち上げられてしまったというのが一連の短国マイナス金利の背景として極めて大きなファクターであった訳ですな。

それが何より証拠には・・・・・・・・
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/tmei/index.htm/

こちらで過去の日銀購入短国残高を見ますと、昨年の9/30は39.5兆円、昨年の12/30は38.4兆円の買入残高があったのですが、直近の買入残高は3/20で40.0兆円で、ここから償還分2銘柄分を引いて先週実施した短国買入1.5兆円分をプラスすると39.3兆円の買入残高になる予定となっておりまして、実は昨年9月以降でみると短国買入残高は四半期末ベースでは買入残高ってそんなに変わっていないのですよね。

でまあ短国買入残高が変わらない(ちなみに4月発行分から3M短国は5.7兆円→5.4兆円に減額されるので、13週間1回転すると短国発行残高が3.9兆円落ちる予定)のに特殊要因はあるにせよかつてのマイナス金利ヒャッハーからいきなり普通(かどうか知らんが)のプラス金利水準になるという状況はこれ如何にと考えますと、どこからどう見てもいわゆる日銀トレードヒャッハーが余計であって、日銀トレードヒャッハーを起こさせないようなオペの打ち方というのをもっと考慮すれば短国市場がここまでマイナス金利長期化することは無かったと思われます。

つーかですね、マイナス金利にしないでも短国買入残高39.3兆円とか積めている訳でございまして、「買えないみたいだからもっと金利を下げないといけない」というような発想で成行買いを進めるとオペ先の足元を見られて更に金利低下が加速し、その結果投資家不在相場になってしまい、適正とは全然思えないところに価格水準が進んでしまう、すなわち市場破壊で市場の価格発見機能がなくなり、資源の適正配分にも弊害が生じるという副作用を招くというご教訓が得られてきたように思えるのでございます。

でまあ量を買うとか金利を下げるとかそういう話がAPPの時に中銀って出したくなるのですが、やはりそこにも自ずと限界というか適正な規模というのがあって、市場の価格発見機能を叩き壊すようなAPPを行ったら、それこそ単なる市場介入の則を超えて金融不均衡を拡大させる話でして、金融緩和政策で本来目指す効果のルートとは違う話になるんじゃないでしょうかねえ、とかまあそんなことを思ったりもしますし、そう考えた場合にECBのPSPPとか何やってるんだあれはと思ってしまう次第なのであります。

いやまあ日銀トレードヒャッハーは日銀がしたわけでもないからそこまで文句言われるのかよとかゆーのも分からんでもないのですが、昨年短国金利がマイナスに突っ込んだ時と、そのあとの10月になってからの無慈悲買入攻撃の打ち方があまりにも露骨にノルマ達成意識状態で、あれが足元を見られて日銀トレードヒャッハー攻撃となる誘因となり、今年の頭の場合はどこの阿呆が言い出したのか付利下げ思惑とか出て仮需が発生するというような動きでしたし、まあ付利下げ云々は日銀的には知らんがなかもしれんけど、それに関しては10月の騙し討ち追加緩和が思惑を助長した面もありますし、何ちゅうかまあコミュニケーションポリシー的にも、オペレーションの運営にしても市場との対話がうまく行っていない(というか黒田総裁は市場との対話する気ないでしょ)ですなあと思いますし、同じ懸念をECBの無謀な買入にも感じたりしますなという事で。

トップに戻る



2015/03/25

○市場雑談および係数関連

・超長期が相変わらずの動き

月曜は10年の引けが1.5毛強で30年の引けが1.5毛甘だと思ったら、昨日は10年の引けが変わらずで30年の引けが4.5毛強とかもう何だかねという所ですが、昨日のトピックとしては流動性供給入札の結果発表が30分遅延して(その前の後場寄りからそうでしたが)一瞬何かあるのかと色めきたったりもしていた気がしますが、結果はまあ微妙に応札倍率が前回の同ゾーン(中期から長期)の時に比べてイマイチなのと落札結果が微妙に甘かったくらいで、まあ別にどうという話では無かったのですが、後場途中から引けにかけて前日にあんなにヘロヘロ(しかも前日も後場途中から一気にヘロって引けにかけて戻るという豪快な展開でしたが)だった超長期特に30年とかが強いとかいやーもう流動性無いですなあという所で(^^)。


・ところで流動性と言えば輪番オペですが

無理やり話を繋げておりまして甚だ恐縮ですが(−−;

日銀の保有国債明細
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/mei/mei.htm/

・・・・・・・でまあこちらから各銘柄について償還毎に集計しましてさて輪番ってどうなるのよというのを計算(というほどの物でもないが)すると、年内の各四半期ごとの中長期国債(と物国と変国を入れて)の償還ですが、4-6で6.6兆円、7-9で5.4兆円、10-12で8.7兆円の償還と出てきまして、合計で20.7兆円の償還があるように思えます(なおアタクシが表計算ソフトなどでホイホイと計算しているものなので合っている自信はありますが無保証無答責)ので、年間80兆円の残高拡大をするためには、3四半期ベースですと60兆円の残高拡大が必要で、償還20.7兆円+60兆円として計算すると80.7兆円を4月以降フローベースで購入するという単純計算になりますな。

したがってこれを単純に9か月で割ると9兆円弱(8.6とか8.7とか)の買入がフローベースで必要になるのですが、1年以内対象の輪番は基本的に償還銘柄が打ち込まれるのでこれはストックに跳ねない(と考えると1年以内の輪番とか無駄だろと思う)ので、その分のフローの月1000億円を別腹だと思いますと、フローベースで月9.1兆円弱の買入が必要になりますなというお話。


ちなみに今年の走りですが、3月20日の営業毎旬と12月31日の営業毎旬を比較しますと・・・・・
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/acmai/release/2015/ac150320.htm/
長期国債 216,646,675,588
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/acmai/release/2014/ac141231.htm/
長期国債 201,767,624,480

ということで14.88兆円増えておりまして、3月20日以降に受渡が来る輪番(3/19以降の実施分)が中期3回、長期4回、超長期2回、物国1回あって、合計すると4.33兆円分残っていますので、これが全部3月中の残高に跳ねると19.21兆円の残高拡大になりますが、恐らく1回分の輪番は3月跨ぎになるオファーだと思われますので、そう考えますと概ね第1四半期の長期国債残高拡大が19兆円を割り込む(長期なのか中期なのかで差が出るが18兆円台後半)になるものと思われますので、年間80兆円を四半期展開した場合の20兆円にちょっと足りない程度になります。

となりますと、第1四半期の買入が1.5兆円進捗悪いと考えた場合に9か月でその分の挽回に月0.16兆円ほど必要になるのかなとも思います(どこを発射台にするのかによって若干のズレがありますが、基本的に数値目標らしきものがあったのが昨年末の所なので、発射台は年末で考えるのが妥当じゃネーノと思いますがどうでしょう)ので、まあそんなこんなで来月以降の月間必要買入額がフローベースで9.1兆円は普通に必要になりそうという計算になって、3月の(途中で下げられた)月額買入フローですと月額の買入フローが8.4兆円弱(奇数月と偶数月は平均して計算すると8.38となる筈)ですので、まあ4月以降は買入フローを上げないとマズーという話になりますなという感じですよね、うんうん。

#ちなみに日銀保有明細の額面残高は211.99兆円で、毎旬の216.65兆円と差異がありますが、これは額面と簿価の差分であるという理解で大体あっていたと思う訳で、オーバーパーの部分での差分とか考えると細かい検証が必要なのかもしれませんが、まあ概ね1年以内輪番を除いて9兆円少々と見れば良いのかねとか思うのですが、さすがにそこまで細かく計算できない(というかそもそもディレクティブで示している「残高」が簿価残高なのか額面なのかは定義されていないですし)ので勘弁

・・・・・・・・なお、ふと思い立って2016年の日銀保有国債の償還スケジュールを計算したら、3月20日の時点でアタクシの計算間違いでなければ30.9兆円の償還がありまして、ここから1-3年の輪番の際に打ち込まれ銘柄があると更に増える可能性も無きしも非ずとか要らん事を考えないにしても、年間80兆円の残高拡大に見合うフローの買入ペースが単純計算でも9.24兆円(除く1年以内)とかこれまたお洒落なペースで買入をしないといけなくて、どう見ても市場が回りません本当にありがとうございましたという所ですな。まあその前に爆発しそうですが。


なお、以上の計算はアタクシが表計算ソフトとか電卓とか筆算とかの高度な手法を用いてやっつけ(ではないが)で計算したものですが、皆様におかれましては自力で計算しておられると思いますので内容無保証無答責で伏して宜しくお願い申し上げます、つーか間違えていたら教えてジェネラル!!!


・短国残高明細

調子に乗って短国残高明細を見てみる。
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/tmei/tmei.htm/

4月償還:9.65兆円
5月償還:7.38兆円
6月償還:3.77兆円

でまあ6月償還物はそもそも足元までであまり短国買入に打ち込まれていない(518と516の3Mは買入残高が3/20時点ではゼロとな)ので、ここの所で思いっきり断絶があるのですが、これはまあこの先の買入で若干は是正されるにしても、4月償還9.7兆円って多いわという所で、4月渡しでは短国買入を5回入れられると思うのと、4月は日銀買入中長期国債の償還が殆ど無い(2年債1銘柄の0.3兆円だけ)なので償還を全部戻しに行く必要があるのかはよくわからんですけれども、残高キープするとしたら2兆円×5回かよというお話になりそうですな、うーむ。

#実際は貸出支援基金要因と固定金利オペ要因の分だけ調整する可能性があります

ということで、おそらく今週金曜の短国買入は実施せずに月曜か火曜に買入を入れる(本当は水曜にオファーした方が末残通過後だから札を入れやすいと思うけどそうすると水曜金曜に短国買入になるのもうーむという感じですな)ことにすれば4月渡しで短国買入が5本打ち込めるので、2兆円づつ打ち込むとちょうど良いという感じですかね。

しかし6月償還が少なくてしかも資金余剰月(国債償還と年金定時払いのダブル)なのでこの調子だと6月の買入が盛大に落ちる形になりまして、まあ四半期末だから決算要因のニーズがあるので日銀買入が無い方が市場的には助かるので問題ないっちゃあ問題ないのですが、見事なこの償還分布の偏りってどうなのよ(と言ってもどうしようもないのだが)とは思うのでした。

トップに戻る




2015/03/24

・円債は超長期中心に相変わらずの流動性のなさ

えーっと、昨日の債券市場は先物とか10年とかは強かったのですが、超長期が上値重いですねえとか思っていたら後場途中から超長期が盛大に大コケして30年カレントは一時1.340%(+4.5)まで叩かれたと思ったらBBの引けは1.310%(+1.5)って何ですかそれはというプライスアクション。

でまあタチが悪いのはその間って特段大きな動きがあったような感じでもないことでござりまして、期末で皆ポジション動かしたくない中でちょっとフローが入ると思いっきりそこのゾーンが動くとか、入札前のセットアップで動くとか(昨日は先物は前日比プラスなのに2年も謎の1毛甘とかやっとる)で、まあ期末抜けて少しは流動性が復活することを期待したいのですが、この貧弱な流動性と連日のボラの高さ(ただしトレンドが出ている訳でも無くて結局レンジみたいになっているのだが)は更に参加者をリスクを取らない方向に誘導しますので、いざ物価が上向きになるとか、政府からタオルが飛んでくるとか、要は現状の年間80兆円国債買入残高拡大という無慈悲買入の持続性に対する疑問が飛ぶような話になった場合にどうなるのというのは中々アレ。

つーかこの調子で市場がスカスカになるってのはいわゆる運用部ショックの前みたいな感じではあるのですが、ただまあその時と違うのは流動性皆無になっている理由が先物の売買システム変更によってヘッジ機能が消滅したというのではなくて、日銀が力技で市場の国債を無くしてしまっているからという所でして、そういう意味では運用部ショックのような無抵抗暴落ではなくて、「やったぜパパ債券投資復活だ♪」と投資家が出てきてそのあとがどうなるかという話になるのではないかと愚考されるのがまあ違うんでしょうかね。よーしらんけど。

トップに戻る


2015/03/23

○市場雑談というか何というかで

・債券市場(特に超長期)が連日大暴れの件について

先週月曜と火曜は(月曜がT+2が3/9利払い銘柄の振替停止期間で火曜がMPMだったので)中長期国債入札と輪番が無くて債券市場ちゃんが息をしていないの状態だったわけですが、水曜以降の債券市場ちゃんは木曜に20年入札を控えて何故か入札前から先回り買いだか何だかでヒャッハーヒャッハーとやりやがるという相場なのですが、とにかくこう板の薄い中ちょっとした売買で値がすっ飛ぶという展開になっておりまして、金曜は金曜で謎の超長期失速とかやりやがりましてもう何だかねという状態。

特に足元では期末で決算固めて動きにくいという人が多いというのもあるのでしょうが、まー輪番にしても入札にしてもその時のオファービットとかすっ飛ばしたところで決まるし、大体からしてザラ場に関しても特に超長期とかオファービットが離れまくってちょっと売買が入るといきなりそっち方向にヒャーと動くという流動性皆無状態になっておりまして、これはもしかして3月中に夢の輪番札割れとかスーパー大流れとかが見れるのかもしれない(という風に警戒している人もいるのでまあ成らないとは思うが、割と無警戒の時に突如来るという可能性の方がありそう。ひところの短国買入ほどの所までは行ってないとさすがに思うので)という感じですが、間違って札割れだの超越大流れだのしますと、またぞろ「QQEの持続可能性ガー」という話になるし、一方で年間80兆円のペースはやっていかないと行けないというのに、超長期はご覧の流動性で、長期と中期はそもそも市場キャパ的にかなりの買入をしていて中期は今月途中で減額の刑とかになっている(なお今の買入だと年間ではペースが足りない)というオモシロ状態・・・・・

まあしょうがないから長期輪番を拡大(超長期をあまり増やすと7-10年を逸脱する)するという事になるんでしょうかねえ、精密に計算していないから知らんけど。


・SLFの緩和キタコレ

どうでも良いのだがアタクシのPC環境(アドビのバージョン)のせいなのか知らんが、このリリースをコピペするとイジョーに変なコピペが出来上がるのですが何なんでしょ(稀に日銀の文書の中である例、あと「少」の字が何故か文字コードANSI形式でサポートされていないとか(金曜のがそうでした))。

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2015/rel150320b.pdf
国債補完供給の実務運用の変更について

『日本銀行は、国債の市場取引や決済に係るストレス要因を緩和することにより、金融調節の一層円滑化を図るともに 国債決済確保にも資す観点から国債補完供給 に関して、下記の措置を実施することしまたのでお知らせします(3月23日以降に実施する国債補完供給より適用) 。』

ということで、上限額が2000億円→4000億円になったのと、ロールが可能な営業日が従来のかなりけち臭い5営業日から15営業日に拡大されまして、まあ足元で中期の輪番を減額せざるを得なくなったと思ったら今度は超長期の輪番が飛びまくるとか、中々涙なしには見れない状態になっておりますのでSLFの緩和キターという所です。

・・・・・・・・そういやさっき引用した国債投資家懇談会の所でも「最大の国債保有者である中央銀行が国債の補完的な供給しか行わない中」とかあった訳で、SLFがまさに本当の本当に補完的な役にしかたたないという状態なのでという話ですが、そもそもSLF出ちゃうとMBが減少してしまいますし、レポなんだから問題ないだろとは思うのですが、どうもこちらの方の貸出行為は日銀って昔から積極的じゃないんですよねえ。

つーことで今回SLF緩和しましたが、そもそも足元の債券市場の流動性に関してはSLFを少々手直ししたからどうのこうのという状況ではなく、そもそも流通玉が無いという状態まで来ているのでSLFでレポ目先出来たって最終的にポジションほぐせないような状況では如何ともしがたい訳で、それこそ日銀がスイッチングオークションでもしたらおもろいですけど、やや言い過ぎかも知らんがスイッチで出すものが無いわ状態ですからねえ。そらまあ日銀が持っているのを全部業者がリクエストするとレポで出してくれるくらいの話になれば別ですけどさすがに現実的に無茶な話なので。

ということで焼け石に水という所ですがやらないよりはマシですな。


・そういや短国買入1.5兆円も足切やや弱めと

金曜日に諸般の事情でネタにしなかった短国入札がこうだったので・・・・・・・・
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20150319.htm

(3)募入最低価格 99円99銭8厘0毛(募入最高利回り)(0.0080%)
(4)募入最低価格における案分比率 67.8333%
(5)募入平均価格 99円99銭9厘5毛(募入平均利回り)(0.0020%)

短国市場に関しては既発債はこの時期なので売る人が居ないことからモノ無し状態で、ここのところ直近発行銘柄だけはモノが余っているけれどもそれは別に甘いオファーが出るわけでもなく、結局の所セカンダリーの取引が全然なくて入札の時の需給バランスと短国買入だけという相場でしたが、木曜の3Mはこれまた久々(1か月ぶり)に平均もプラス利回りという結果でした。まあ期末の残高は確保しないといけないという動きはあるにせよ、冷静に考えてみれば期末の債券残高さえ確保していれば何もこんなゼロカツカツ金利の短国を好き好んで積み上げる必要もない訳で、そらまあ期末需要が一巡したところで(さすがにこの期末は先が読めない(普通に考えたら日銀の買入も減るのだが、なにせ市場の事考えないで無慈悲に帳尻プレイをしてくるので油断ならない)から残高が必要なお家の事情的な買いは2月に短国金利が何となく上昇したところでかなり入っているでしょ)ゼロカツカツでの買いも一巡(金利が普通なら需要は何ぼでもあるでしょうが)という所だったのかと思われます。


でまあ金曜の短国買入。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of150320.htm
国庫短期証券買入 15,000 2015年3月24日
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注3) 2,314 2015年3月20日 2015年3月23日
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式> 15,000 2015年3月24日 2015年7月3日

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba150320.htm
国庫短期証券買入 36,308 15,001 0.003 0.003 93.6
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注4) 29 29 -0.400 -0.400
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式>(3月24日スタート分) 3,900 3,900

1.5兆円の打ち込みってえー多くないかそれという所なのですが、一応ブレを考慮して買入を行ったというのと、来週金曜のT+2が期末当日になるからさすがに買入入れないという事なのかね(従来あまり気を使っていないようにも見えるのだが)とは思ったのですが、それはそれとして前述のように前日の3M結果からして入札いれれば玉が入るとか、6Mや1Yを買いたいというような事情もあったとは思われます。

1糸甘か2糸甘くらいかと思ったら3糸甘のほぼ満額という落札結果で、20日前の振替停止期間絡みのGCレポ金利低下が先週の頭にあったわけですが、そちらの要因が剥落したのと新発が出てGC上がる一方で短国入札に関しては日銀トレードヒャッハーとならない限りにおいてはそらまあ需要の出る金利というものがあるだろうというお話。

今月は期末直前の30日にも短国の発行日がある(昨年12月は22日が年内最後の発行日でそのあと30日まで新規供給が無いというスケジュールがアレだったのですが)のですが、先ほど申し上げましたように多分末の短国買入が無いとなると末初の短国需要は何とかなるのかなとは思うのですが、短国買入は4月分が月曜か火曜に入るような気がするので、無慈悲買入VS期初の期末越え分用無し売りファイッ!というのが4月の頭に実施されるという所ですな、うんうん。

トップに戻る




2015/03/19

○各種ネタメモ

・2日動かないと思ったら超長期入札で何故か大フラットニングキタコレ

20年国債入札結果。
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/nyusatsu/2014/resul090.htm

(1)応募額 3兆7,164億円
(2)募入決定額 1兆879億円
(3)募入最低価格 99円80銭 (募入最高利回り) (1.212%)
(4)募入最低価格における案分比率 98.5294%
(5)募入平均価格 100円01銭(募入平均利回り) (1.199%)

昨日は20年国債入札を前に前場から何故か知らんが30年が引っ張って超長期がホイホイと強くなって、フラットニングして迎えた入札で大丈夫かよおいと思ったらテールは21銭ありましたけれども順調な結果(平均は前場引けの実勢近辺だった筈)という評価で後場は更に超長期がぶっ飛びまして特に30年がヒャッハーヒャッハーと値を飛ばして逝きまして、終わってみれば30年カレントのBB引けが11毛強だの20年が8.5毛強だのとなり、更に何だかワカランチ会長ですが5年カレントは2.5毛強で0.10%割るわ、2年はカレントまで全部引けが0%になるわと中々のおそロシアな相場になりました。

でまあなりましたというのはそうなのですが、その前2日は輪番も入札もない(火曜はMPMで月曜はT+2が3/9利払銘柄振替停止期間につき輪番が入れられない)ので相場ちゃんが息をしていないの!!状態だったのが息を吹き返したと思ったらおまいら吹き返し過ぎにも程があるわとゆーことで、相変わらず動けばハイボラティリティという流動性のないへっぽこ相場が続くのでございました。

よく輪番がどのくらい持つのという話が出ると、物理的に発行残高がこうだからこうみたいな話が出てくるのですが、こういう動けばハイボラ動かないと息をしていないの相場を連日やらされますとポジションが思うように捌けないし構築できない(特に大手では)という事になりますので、自然とリスクエクスポージャーも取りにくくなるという事になって、外部ショックに脆弱な相場となっていくのでしょうなあと思った水曜のひと時なのでした。


・1年短国は思いのほか穏当な結果

こちらは1年短国。
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20150318.htm

(3)募入最低価格 100円00銭0厘(募入最高利回り)(0.0000%)
(4)募入最低価格における案分比率 6.3884%
(5)募入平均価格 100円00銭2厘(募入平均利回り)(-0.0019%)

もうちょっと強くて足切100円まで届かないのかとも思ったのですが、こちらは1年短国にしては穏当に100円足切で決まって、BBの引けは−0.2bpだからセカンダリーで特に盛り上がったわけでもなく淡々とアベレージ水準の引けにしているでござるの巻。

もしかしたら20日は短国買入をスキップあるいは相当減額してくる可能性はあって、しかも昨日は固定金利オペがまさかの増額ロール(5655億円の落ちに対して7592億円のロールで2000億円弱増額)となりまして(ただし固定金利オペは短国入札の後に実施しているのでこの結果が入札に影響して居るわけではないのであしからず)で益々短国買入打たなくて良い状態になっている(まあ20日は短国買入スキップはしないと思うけど)ので、そんなこんなで1年短国ニーズもそこまでは盛り上がらんという所だったのでしょうかねえ、良くわからんけど。

でまあ本日は3M短国の入札ですが期末越えニーズだのなんだので短いところがやたらと堅調というかモノ無し芳一状態になっているので、短国買入がろくすっぽ入らないにしてもそっちのニーズでまあゼロにかなり近いくらいのプラス金利にしかならんのでしょうな。


・レポ市場に関する日銀レビューシリーズ

http://www.boj.or.jp/research/wps_rev/rev_2015/rev15j05.htm/
http://www.boj.or.jp/research/wps_rev/rev_2015/data/rev15j05.pdf

これは腰を据えて料理すると色々と味わいがあるのだが、トライパーティー形式の銘柄後決めGCレポって在庫ファイナンスで山のようにトラザクションしないといけない状態になっている業者的にはニーズが高いのだが、資金運用サイドとしてはトライパーティーに払うフィーが出ないこの現状金利状態ェ・・・・・というのがあって、だったら他の運用手段があるわなとかそういう話になって(そらまあGCレポ取引金利が相対的に高くて運用として魅力が高ければ流れてくると思うが、金利の絶対水準が小さすぎて差があっても実収入ベースで屁のような差しかでないと厳しいでしょ)コールに取引が流れるだけのような希ガス。

まあレポ信託でGCSCがセットになっている分というのはそのまま移行すると思うのですが、それにしてもトライパーティーに払うフィー分をこの金利でどう捻出するのかと考えるとこの短国がリアルゼロ金利状態というのは如何ともし難い状況です罠と存じます次第です。

なお詳しく読み込んだ後再度ネタにするかもしれませんししないかもしれません。まあざっと見たところ「国債決済期間短縮至上命題でちょっと突っ走り過ぎじゃあございませんですかねえダンナさん」という気はしますがね。

トップに戻る



2015/03/18

○市場メモ追加とか訂正というほどでもないが訂正みたいなもんとか

・ECB関連

えーっとですな、昨日はECBネタを投下してみましたが、細かいところをあまり見ないでとりあえず数字だけペタペタ張っただけなので追記。

http://www.ecb.europa.eu/mopo/implement/omo/html/index.en.html

Public sector purchase programme
13 Mar. 2015 9,751

こちらの数字は受渡ベースの数字ですので、1週間で98億ユーロの買入ではなくて3日間での買入という実績になっていて、まあスタートダッシュはずいぶん威勢よく買えましたなという話ですな。この調子なら当面月600億ユーロの買入自体は楽勝(他の買入も含めてなので)に見えますが、まあどこの時点まで投資家などが保有する玉を引っぺがしてこれるのかという話になりますので先行きはやはりワカランチ会長ではあります。

でまあPSPPのブレークダウンは月一公表になるのですが、どうも国別残高と国別のデュレーションしか出なさそうで、何とも不透明なものになりそうなのがECBクオリティという所で、来週になってペースの確認をするのと、来月になってブレークダウンの確認をして本当にマーケットニュートラルになっているのか(そもそも論としてその「マーケットニュートラル」というのがきちんと定義されていないファジーな状態なのですけど・・・・・・・)というお話ですな。



・貸出支援関連

しかしまあ何ですな、2日連続で輪番と長期国債入札が無いと債券市場ちゃんが息をしていないの!!状態になって甚だ遺憾の極みですけど・・・・・・・・・

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2015/rel150316b.pdf

新規貸付の概要
貸付期間 4 年
貸付予定額 44,000 億円
貸付先数 40 先

ということで4.4兆円増えているのですが、その一方で既存の分でロールされていないのがあって、実際の残高はそこの下にありますように、

(参考)貸付日時点の貸付残高および貸付先数の見込み
大手行 160,497億円 地域金融機関等 62,957億円 合計 223,454億円

でして、12月時点での数字が

大手行 134,054億円 地域金融機関等 55,719億円 合計 189,773億円

でしたので、残高増えているのは3.37兆円となっておりましてございましたすいませんすいません。

でまあ当初下馬評よりも少ないには少ないのですが、財政要因とオペ要因で3月末に20兆円(80兆の4分の1)だけ資金供給を拡大するという計算をすると、輪番が予定通りに実施されるとして3月までの数字が17.5兆円程度になる(当座預金増減要因からやっつけで計算しているので概ねあっていると思うのだがあまり自信が無い)ので、貸出支援が3.3兆円増えていればここから先短国買入をやらなくても四半期の走りは達成可能という感じになるのかなと思います。

まあ実際は幾つかぶれる要因がありますし、今日は1年TBの入札がある訳でして、後のオペの事を考えると今週は短国買入を打ち込んでおいて1年新発TBを購入しておいた方が吉なので短国買入自体はオファーされるようには思いますが、そんなに買わなくて良さそうな気がします。

ただ期末だなんだと短国の需給が良好(というか入札以外で全然動くタイミングが無く、流通玉も無いけど買う人も手を止めているという感じで売りは出てこないという状態ですな)なので、短国買入が減るくらいの方が市場にフレンドリーだとは思いますけどね。


・次回からは貸出支援に系統金融機関も加わりますな

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2015/rel150317a.pdf
「系統中央機関の会員である金融機関による成長基盤強化を支援するための資金供給および貸出増加を支援するための資金供給の利用に関する特則」の制定等について

これは日銀当座預金取引先以外への与信という話になるので意味合いとしてはかなり重い話(1月に決定済みで今回は要綱発表ではある)ではあるのですけれども、詳しい内容その他については本日はパスです(大汗)。

トップに戻る




2015/03/17

○市場メモ関連

・業態別日銀当座預金残高

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/cabs/cabs.htm/

例によってこちらからDL致しますと、2月積み期間平残での超過準備で大きなところは都市銀行+0.6兆、地方銀行+0.7兆、外国銀行+1.0兆、信託銀行-1.0兆、その他準備預金先+0.5兆円ということで、トータルで2月は平残が1兆円しか増えていないのであまり派手な変化はありません。ちなみに証券の当座預金残高に関しては先月は動いていないようでまあもとよりこちらの当座預金残高ってあまりぶれないのですけれども、GCと超過準備のトレードみたいなのは起きません(当たり前ですが)というお話で。


・貸出増加支援は4.4兆円ですかそうですか

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2015/rel150316b.pdf

新規貸付の概要
貸付期間 4 年
貸付予定額 44,000 億円
貸付先数 40 先

ということで期せずして4揃いになりましたが(^^)、5兆円程度出るのではとか言われていたりしたのでアタクシ的にはもうちょっと出なかったのか残念いう感じですが、とりあえずこれが出ると短国買入の負担が軽くなる(ただしこの貸出支援貸出そのものが共通担保貸出なので担保繰りという意味ではツーペーで、担保が短国に限る訳ではない分だけ短国市場にやさしいという話)という所。

トップに戻る



2015/03/12

○相変わらずの流動性無し子ちゃん相場ですにゃ

http://jp.reuters.com/article/treasuryNews/idJPL4N0WD28T20150311
〔金利マーケットアイ〕国債先物は大幅反発、長期金利0.415%に低下
2015年 03月 11日 15:21 JST

『<15:15> 国債先物は大幅反発、長期金利0.415%に低下

長期国債先物は大幅反発。前日の海外市場で欧米金利が低下した流れを引き継ぎ買い戻しが先行した。後場は日銀オペで需給の底堅さを確認できたため、海外勢を巻き込んで買い戻しに拍車がかかり、上値追いとなった。引き続き変動率は高い。現物債は先物に連動性を強めた長期ゾーン、しっかりした日銀オペ結果を受けた超長期ゾーン利回りに強い低下圧力がかかった。長期ゾーンに国内銀行勢、超長期ゾーンに保険会社の押し目買い観測が出ていた。あす入札を控える5年債も強含みで推移。長期国債先物中心限月6月限の大引けは、前営業日比49銭高の147円09銭。10年最長期国債利回り(長期金利)は同5bp低い0.415%に低下。』(上記URLより)

・・・・・・・まあ米国金利の影響もあるんでしょうけれども、前日は流動性供給入札が滑って債券市場があばばばばーとなったと思ったら昨日は海外金利下がったし輪番もあるしで強くなって輪番も超長期が確りで今度はヒャッハーヒャッハーの展開とかで、40銭だの50銭だの上がったり下がったりとはご苦労な話ではありますが、よーするに市場の厚みが全然ないのでこのありさまという所でもありますし、この調子で輪番どこまで持つのかよというのもある(だいたい中期減額しているけどこのままだと国債買入ペース足りないだろとか)とか、まあ流動性は無いわ(期末要因で流動性が更に落ちている面はあるけど)大丈夫かという所ではあります。

なお、本日は5年と3M短国の入札がありまして、短国の方は最近は日銀トレードヒャッハーというのもすっかり静かになりまして(そらまあ今月は短国買入少なくなるのだから当たり前だが)、一方で期末要因だの諸々の流れで流通玉の方はあまりなくて、ゼロ近辺の水準ですっかり売りも買いも止まって入札の時以外動かんという閑散相場になっております。

ということで、まあ5.7兆円の入札で明日オペが入るのが入って1兆入らなくて5000億円とかでしょうから、入札とセカンダリーをマイナス利回りで回すと在庫が残ってキツいでしょうから入札の所ではプラス利回りになるんじゃないですかね(てきとう)。

5年に関してはしかしまあ別にいいんですけど何も昨日相場持ち上げなくてもと思いますし、大体からして水準がちったあ戻ったとはいえ10bp台前半と中途半端に低い金利でどうなんでしょうかねえとしか(−−:

トップに戻る


2015/03/11

○流動性のない相場に流動性を供給したら急落とな

http://jp.reuters.com/article/jptokyomarket/idJPL4N0WC2ET20150310
〔金利マーケットアイ〕

『<15:10> 国債先物は大幅続落、長期金利0.470%に上昇』

『長期国債先物は大幅続落。先物3月限の取引最終日を11日に控え、中心限月交代に絡む持ち高調整の動きが活発化。前引け段階で3月限と6月限の出来高が逆転したことで、事実上の中心限月交代となった。午後の取引では下落幅を急拡大させた。きょう実施された流動性供給入札が低調だったことが背景にある。現物債も同様に入札低調を確認すると、長いゾーンを中心に利回りへの上昇圧力がかかった。外為市場で円安が進行したことも材料視された。国内銀行勢や保険会社の処分売りとの観測が出ていた。中期ゾーンも軟調。イールドカーブはベア・スティープの形状。長期国債先物中心限月6月限の大引けは、前営業日比36銭安の146円60銭。10年最長期国債利回り(長期金利)は同4.5bp高い0.470%と2014年11月20日以来の高水準を付けた。』(上記URLより)

ということで昨日の債券市場は円安とか来週の20年入札とか毎度のように意識して何となくパッとしない展開だったのですが、流動性供給入札の結果が滑ってしまったのを見て先物がスコーンと下げて、超長期が弱くてなんか知らんけど5年とかも弱くてという素敵な展開ですが、良く良く考えたら(考えなくてもそうですが)ジャパンの期末月でありますので、期末でポジション縮小とかその手のお家の事情もありますし、ここもとの債券市場の無慈悲価格形成攻撃やら日銀トレードヒャッハーもやり難いというのもあってマーケットメーカーの皆様におかれましてもポジション縮小しているという状態なので、需給が動く要因があるとそのまま素直に価格が飛ぶというお話で、流動性のない相場なので流動性供給入札の結果ごときでこの展開とはダジャレにもなりませんな。

なお、実際に株が債券で反応したのかは知らんですけれども、債券がスココーンと下がった辺りから株価の方も指数先物とかよわよわになっていまして、そういやこの前10年入札が滑った時にも株が下がりやがったなあとか思うのですが、最近は円債市場の動きを他市場が見て反応という、人の市場を見て動く国内債券市場の中の人の仕様的には戸惑ってしまう展開となっておりますな。

ちなみに先週の10年入札の時には「入札滑る」→「債券下落」→「それを見た株が下がる」→「それをみた債券が戻る」というオモシロ展開を形成していましたが、債券市場のほうも人から注目されるのにだんだん慣れてきた(かどうか知らんが)のか、昨日の場合は株が下がったのを見て急に買い戻しが盛大に入るというような展開になっていなかった(ちょっと戻ってたけど)というのがチャーミングでしたが、為替ちゃんの方が株安を見て円安一服になっていたっぽいのがお洒落というかワロタというかでした。

トップに戻る



2015/03/10

・短国ですが

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of150309.htm
国庫短期証券買入 10,000 2015年3月11日

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba150309.htm
国庫短期証券買入 34,347 10,001 0.002 0.003 11.6

ということで昨日は短国買入でしたが、輪番の方で中期を減らした分の影響が短国に来るかと思ったらとくには来なかったようで(貸出支援基金が6兆とか出るとそもそも短国買入自体がほぼマルでも大丈夫な筈なのである意味順当だったのかもしれませんが)1兆円に減額オファーとなりましたら応札が3.4兆円と増加になっております。

とは言いましても、そもそも先週は3Mと6Mの入札があったので、その玉が大量に残っていればもっと応札が増えてしかるべきという所でしたので、マイナス入札やってそのままマイナス推移していた6Mは良くわからんですけれども、まあ3Mの方は平均マイナスですけど足切プラスでしたからその所でそこそこ捌けたんじゃないですかねえという感じですし、短いところの利付とかも基本堅調ですので、期末対応やら貸出支援基金に向けた担保繰りとか四半期国債償還に向けた担保繰りとか、まあいろいろなニーズがあるんでしょうなあというメモだけ置いておくのでした。

トップに戻る



2015/03/09

○輪番中短期減額なのだがこの前月間予定で減額出した直後に減額とは相変わらずのアレで

昨日の輪番オファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of150306.htm
国債買入(残存期間1年超3年以下) 3,000 2015年3月10日
国債買入(残存期間3年超5年以下) 3,500 2015年3月10日
国債買入(残存期間10年超25年以下) 2,400 2015年3月10日
国債買入(残存期間25年超) 1,400 2015年3月10日

中短期超長期・・・・・・・っておい中短期500億円×2の減額してるのかよ。

ということで、オペのオファーが出た途端中期とか先物とかが押し込みましたというのはまあ普通と言えば普通の反応なのですが、これがかつての短国買入のようなケースになりますと「短国買入オファーが予想以上に減った」→「応札する札が無いに違いない」→「ヒャッハー、金利低下だぜ!!」となって更に気配が強くなるという(実際の買いが期待より減るという意味では需給悪化要因にもかかわらず)金利が低下するというオモシロ事態が生じますので、まだまだ中短期利付国債の世界はそこまでの修業が足りないという所です(^^)。

つまりですね、本当の本当に投資家全く不在になってオペトレードだけで動くというひところのマイナス金利長期化短期国債市場のようになりますと、札割れを恐れた形で入札をオファーしてくる日銀の行動様式を勘案し、オファーが想定より少ない=市場のポジションが想定以上に軽いという発想になるのですが(^^)、まあまだ投資家がいる世界でありますので、単純に買入額が減った方が効いたという事で。

でまあこの減額の背景は中短期輪番の札が減ってきてこの調子でオペを打ちこんでいると盛大に流れたり札割れになったりという事案が発生しかねず、そうなるとまたぞろオペの限界(スイスの例の一件があったせいか国内投資家よりも海外投資家の方がこのオペの限界問題に関してはナーバスなのでおそらくそういうオペ結果が出ると海外投資家がオモシロ反応をしてくると思います)という話が出てくるのは日銀的にはマズーでしょうから、先を打って減額したという話でしょうな。

しかしまあ何ですな、3月買入の明細について前月末に出したばっかりでその数字をオペ1回でいきなり変えてくるとか、もちろんレンジの範囲内だからダマテンでやっても制度上は問題ないのですが、また「変えた途端に手直し」かよという所でして、なんちゅうかこう外から見ると行き当たりばったり感をまた出しやがったなと思われる次第で、こりゃ債券市場のボラを上げるなあとか思うのでした。

トップに戻る



2015/03/05

○市場雑談メモ

・今日は3M入札と30年入札ですな

30年入札の前に3M入札と書くのがドラめもんクオリティでございますが、昨日もGCレポとか現先市場では玉なし芳一状態になっておりまして、中々こう素敵な展開となっております。

・・・・・・・となりますと今日の入札マイナスかという話になるのですが、まあ一方で今月は短国買入がそれほどのハイペースで実施される訳でもなく、そうなりますとたとえば今週だと今日の3Mに明日の6Mと入札が連発して、しかも短国買入に打ち込んでウマーと思われるのはどう見ても明日の6Mであることを考えますと、今日の3Mは投資家に打ち込んでおかないと在庫負担的に重いでしょとゆー話になるはず。

てな訳でまあ普通にプラス水準で入札やって投資家の買いを誘発させてまずは玉を軽くしましてから日銀買入で売り抜けるチャンスを狙いに行くしかないでしょと思います次第で、間違って入札がマイナス金利水準に下がってしまうと投資家に打ち込み損なって在庫が軽くならないので結局プラス金利に押し戻されるでしょうなあという所です。いずれにせよ入札後のGCや現先レートなど見ると面白いのかもしれません。

なおうっかりしていましたが3日にこれ出ていましたな。
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/fm/juqp/juqp1503.htm/
日銀当座預金増減要因(2015年3月見込み)

今月は財政要因での資金不足が7000億円程度でして、短国に関しては買入残高維持をするのであれば7.1兆円の買入を3月受け渡しベースで実施する必要がありますが、買入短国の残高は12月末が383650億円で、2月末が413355億円と3兆円買入残高が拡大しておりまして、この間に固定オペと被災地支援オペの合計額が1.4兆円減少(82822億円→68882億円)しておりますので、単純に計算するとMB進捗の帳尻分で短国買入を1.5兆円ほど余計に積んでいる格好ですから、そこを調整すると今月の短国買入は6兆円もあれば十分で、そうなると1.5兆円4本で十分というお話。

また、当月にロールが来る固定金利オペは1兆円強なのですが、それよりも大きいのが貸出増加支援の四半期実行の方で、こちらについては今回はそこそこの量が出るとの下馬評になっていまして、これが出る分は短国買入の残高を減らすことが可能になりますので、まあそんなこんなで今月の短国買入は貸出増加支援での基金拡大がどの程度出るのかにもよるのですが、まあ多く見ても6兆円程度しか出ませんなというお話になると思われます。

なお、貸出増加支援についても共通担保は食う話になりますので、担保繰りという面においては貸出増加支援増えて短国買入減ってもツーペーな話ではあるのですけど、共通担保だと別に担保は短国に限定されるものではありませんので、短国市場的にはやはり需給が緩和する方向になるでしょうから、そんなこんなでまあ今月は海外で突発的にニーズが爆発でもしない限り普通にゼロに近い毛ほどのプラス金利で推移するという話になるんでしょうかね、良くわからんけど。


でまあ30年入札の方ですが、昨日は昨日とて朝からまた30年ヒャッハーみたいな超長期の叩き料理が行われていたわけですが、途中で先回り買いでも入ったのかゲロゲロマーライオン状態だったのがだいぶ解消されるという展開になっておりましたので、まあその流れからか今日は何とかなるでしょう的な話もある一方で、この前絶対水準1.5%でいったん捌いたことから、絶対水準バイヤーの金利目線は当然ながら上がる(金利が高くならんと買わん)という話になるでしょうし、まあどうなんでしょうねという所です。

しかしまあ何ですな、中短期に関しては何だかんだと言ってもド短期の金利がアガランチ会長であるために安定しますし、超長期に関しては金利水準調整すれば絶対水準の投資家も見えてきたというのに、10年の所だけは明確な投資家が見えないまま、日銀の買入パワーが強い(10年カレント銘柄の日銀保有状況を見ると笑ってしまうしかない)ので妙にお高いところで値持ちしているという状態で、需給が一発で変化する入札(しかも四半期の場合は発行日が20日になるので輪番にすぐに入れられない)が来ると30銭だ40銭だとテールが流れるという実にこうアレな流れになっておりまして、市場の流動性が日銀買入が進む中でドンドンひどい事になり、はてさてこの馬鹿買入政策どこまで続けられるんでしょという(概ね肌感覚ではあと1年持てば上等と思うのだが単なるドタ勘なので良くわからん)というお話でもあったりしますな、うんうん。

トップに戻る



2015/03/04

○毎度の市場メモ

・10年国債入札がまたあじゃぱー

昨日の10年国債入札。
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/nyusatsu/2014/resul086.htm

(1)応募額 6兆406億円
(2)募入決定額 2兆1,807億円
(3)募入最低価格 99円70銭(募入最高利回り) (0.431%)
(4)募入最低価格における案分比率 15.8952%
(5)募入平均価格 100円03銭(募入平均利回り) (0.396%)

おおまたテール33銭かよという所で、市場予想の足切りが100円から05銭位の間だったはずなのでまあ盛大に流れやがりまして、落札結果発表直後に先物は一気に40銭くらい下がって当日安値の147.38(-0.49)まで下落したのですが、その後超長期と何故か5年とかもヘロヘロになるとかダメじゃん展開の後、なぜか知らんがまたまた超長期の気配がすっ飛んでしまい、引けにかけて戻ったりしながら推移する間に入札が流れた長期よりも木曜に入札のある30年の気配の方が甘いというなんか先月拝見した展開と同じような動きでナンジャソラというところで。

でまあ後講釈としては10年国債入札が不調で30年入札に対する警戒でベアスティープということになるのですが、まんま2月と同じパターンで30年入札を迎えるとかもうお洒落としか(^^)。

落札分布見ると別にどこかが多く入れた訳ではなくて、皆さん万遍なく必要分は落札しているものの、不必要な止め札みたいなのを入れる人がいなかった上に、投資家の札があまり明確なのが見えなかったので、全員の必要分を全部足しても札が届かずオッペケペーということで、ここしばらく少し落ち着くかなとか思ったものの、やはり相変わらず落ち着きませんなあという所でしょうか、良くわからんけど。


・短国買入残高雑考

長期国債買入については本職の皆様どころか現場の皆様もせっせと考察しておりますので、まあそちらはスルーいたしましてマニアネタな短国の方でも(^^)。

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/tmei/index.htm/
日本銀行による国庫短期証券の銘柄別買入額 公表データ

ということでこちらから2月27日残高をDLして前回分と比較したりという事をしますが、今回は2月20日の買入分がモロに跳ねております。

でまあ今回の特徴は「買入銘柄が妙に分散している」というのと「明らかに投げている銘柄が多い」という所でして、前日19日に行われた3Mの入札が久々の平均プラスになって新発はそれなりに捌けたのでしょうが、実際にはそれよりも新発以外の持ち部分を捌く必要があったのねというのが読み取れます。

具体的には、よくある「特定銘柄だけドカンと入る」という形ではなく、2.5兆円の買入に対して514回債が5863億円、511回債が5157億円、512回債が4342億円、513回債が4291億円、510回債が3058億円という形で買入銘柄が分散しているというのがほほーという感じでして、更にこの時の買入は平均2糸甘で足切1糸強(ただし案分3%)となっているので、基本は引けまでしか入っていないという形になるのですが、20日付の売買参考統計値から類推しますと、カレント1年とカレント6か月の507回と511回以外は投げレート(引けで入っていれば514回は入札の足切では入っているがまあ事実上投げでしょ)となっているというのが中々イイハナシダナーな状態となっておりますな、うんうん。


とまあそういうことで、20日の買入では日銀トレード以外の投げも入りましたかウヒョヒョヒョヒョという所ですけれども、27日の買入ではまた日銀トレード大勝利のような気がするので意地悪検証をしようかと思う所で、今週は金曜に6Mの入札があるので短国買入が来週月曜になって、その結果10日報は2月27日の買入分がモロに跳ねるので鑑賞のし甲斐があるというものですな。

あと、保有銘柄の月別償還を見ますと、3月の償還は70794億円で不変(3月償還はすでに対象外なので当たり前)、4月の償還は508回がちょっとだけ(241億円)入ったので96456億円、5月の償還は当たり前ですが今回増えたので63227億円となりまして、6か月と1年のカレントの日銀買入額がイマイチ(511回の残高は15352億円で直近の6M2銘柄が2兆円以上入っているのに対して少ないし、513回の残高は4291億円だし507回の残高も9786億円であまり多くはない)で推移している分償還が多くなって来るのも(ロールニーズが早く来るのでフローの買入額が増えるという意味で)どうもねえという感じではあります。

トップに戻る



2015/03/03

○市場メモである

・2月のマネタリーベースはかすかに前月比プラスキタコレ

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/fm/juqf/juqf.htm/
日銀当座預金増減要因と金融調節(2月実績)

こちらを見ますと、銀行券が3454億円の発行超、当座預金が701億円の減少となっていまして、マネタリーベース的には2700億円程度の増加となりまして、これはまた2月20日に短国買入を5000億円拡大したのが綺麗に効いていますなという形で、まあ相変わらずこういう所は芸術的に調整して来ますなという所で、無駄な能力のような気もしますけどこの手の帳尻芸自体はアタクシも個人的には嫌いではありませんので面白いからつい見てしまうのでした。


ちなみにMBの出来上がり数値だけでしたら月末分は月初翌営業日に当座預金増減要因の確報がでるのでそちらでも確認可能。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/jd150227.htm
日銀当座預金増減要因と金融調節 (2月27日<金>分)
マネタリーベース 2,788,700

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/jd150130.htm
日銀当座預金増減要因と金融調節 (1月30日<金>分)
マネタリーベース 2,786,100

まあ当たり前ですがここの数値も2600億円の増加となっております(ここの誤差分がどこに起因するのかがイマイチ良くわからんかったので誰か教えてジェネラル)ので、要するに2月に関してもマネタリーベースは前月比プラスを維持となりましたので、まあ今後も財政要因での出入りの部分は少なくとも前月比プラスを維持できそうなところまでは短国買入で埋めてくるというのが読めたという所です。

なお、今月の資金需給予想は(すでに短資会社からは予想が出ていますが)日銀から出てくるのが今日になりますのでそれを見ながら適当に計算しようかとは思っております。


・短いゾーンが妙に堅調な件について

先週途中からそうなのですが、短いところがここへきて妙に強くなっていて、残存2年切った辺りで実力の利回りがゼロからマイナス近辺になってみたり、短国のカレントがゼロ%ビットになってみたりと妙に確りの展開。

でまあいつもですと海外ガーとか決算ニーズガーという話で収めてしまう所ではあるのですが、一方で短国でも日銀買入対象外の短いところは別にマイナスというほどひっ迫している訳でもないですし、何で強くなるのか良くわからん。まあ為替がらみのベーシス云々よりもイールドカーブ操作とか資金の避難場所として選好されているような感じではあるのですが、それにしても中短期がここでそんなに強くなるのかねというのは少々?????と思いつつ。どうせ短国需給だって今月そこまでひっ迫しないと思うのですけどねえ・・・・・・・・・

なお昨日の輪番ですが。
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba150302.htm
国債買入(残存期間1年以下) 2,070 500 0.043 0.043 99.8
国債買入(残存期間10年超25年以下) 6,827 2,407 -0.004 -0.001 73.1
国債買入(残存期間25年超) 4,287 1,404 -0.009 -0.005 9.9

1年以下の輪番が甘いのは毎度の四半期償還モノの投げ込みになっているからという事だと思いますので追い風参考記録ですな、うんうん。

トップに戻る



2015/03/02

○市場メモを少々

・短国買入は応札減少とな

金曜のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of150227.htm
国庫短期証券買入 15,000 2015年3月3日
国債買入(残存期間1年超3年以下) 4,000 2015年3月3日
国債買入(残存期間3年超5年以下) 4,000 2015年3月3日
国債買入(残存期間5年超10年以下) 4,000 2015年3月3日

ということで1.5兆円のオファーとまあ順当かな(詳しくは資金需給見込みを見る必要がある)とゆー所ですが、落札結果は以下の通り。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba150227.htm
国庫短期証券買入 25,720 15,003 -0.002 0.002 54.9
国債買入(残存期間1年超3年以下) 9,246 4,000 -0.014 -0.007 60.0
国債買入(残存期間3年超5年以下) 11,320 4,002 -0.002 0.002 96.4
国債買入(残存期間5年超10年以下) 10,439 4,003 0.005 0.007 78.1

前日に入札が行われた新発3Mは引けが0.6bpとかでしたので入らないですかなとは思ったのですが、一応足切で入れれば前日比では強いところで入るのねという所で、今回は落札でどの銘柄が入ったのかが微妙なのですけれども、まあ普通に考えると引けがやたらと強かった514回(1週前の新発)が打ち込まれたのでしょうなあと思います。

しかし最近は新発ではなく何故か1週前の新発の引けが強いという現象が発生しておりまして、中々こう味わいが深いものがあるのですが、金曜の引値を前日の引値と比較して味わいを感じるなどという事は良い子の皆さんにはお勧めいたしませんので念のため申し添えます。


・輪番は短期ゾーン減額とな

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2015/rel150227d.pdf(今回)
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2015/rel150130d.pdf(前回)

2ページ目の所に明細がありますが、今回は表の数字には変化なし(前回は1〜5年のところの下限を5000から4000に減らした)となっていますが、一方で1回の買い入れ予定額を1年以下700億円→500億円、1〜3年4000億円→3500億円に減らしていまして、一応1月末に表の数字をいじったのは意味があるのか??と思いつつも、短いところの応札が減ってきているのでそれに対処したという所でしょうな、うんうん。

トップに戻る


2015/02/27

○市場雑談メモ

・相変わらず落ち着かない債券市場ちゃんで

http://jp.reuters.com/article/jptokyomarket/idJPL4N0W02L120150226
〔金利マーケットアイ〕国債先物は前日比変わらず、長期金利は一時0.350%に上昇
2015年 02月 26日 15:36 JST

『<15:20> 国債先物は前日比変わらず、長期金利は一時0.350%に上昇

国債先物中心限月3月限は前日比変わらずの147円85銭で取引を終えた。前日の米債高や良好な需給環境を受けて買いが先行。午後の取引開始直後には一時148円ちょうどまで買い進まれ、2月3日以来の水準に上昇した。その後は、戻りピッチの速さや株価上昇が警戒され、上値で利益確定売りに押された。現物市場は、朝方から長期・超長期ゾーンを中心にしっかりと推移していたが、午後に入ると、来週の10年債、30年債と続く国債入札が意識され、急速に上値を重くした。10年最長期国債利回り(長期金利)は一時同1bp低い0.325%と2月3日以来の水準に低下したが、午後に入ると反転し、一時0.350%に上昇した。』(上記URLより)

ということで昨日の超長期は前場はワッショイとブルフラットしていたのに午後1時過ぎくらいから急に大失速して終わってみたら7年10年は引けで20年は2甘で30年は4.5甘というスティープ祭りになるとか、まあ昨日も途中から先物の位置がそんなに変わらないのに超長期が短時間でホイホイ強くなったり調子に乗ってますかねという状況だったのでナンジャラホイとか見ていたらカウンターパンチとか何とも落ち着きがない展開が続きますな、というメモだけ置いておくのでした。


・3M短国は平均マイナスも引けはプラスとな

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20150226.htm

(3)募入最低価格 99円99銭9厘5毛(募入最高利回り)(0.0020%)
(4)募入最低価格における案分比率 3.7495%
(5)募入平均価格 100円00銭0厘6毛(募入平均利回り) (-0.0024%)

ということで足切はプラス利回り(ただし極薄案分)だったのですが、平均が100円どころか100円0厘6毛ということで、100.0005どころか100.0010にも札が結構入っているのかよと中々こう?????な結果だったのですが、海外勢の買いでも期待したのかよというにせよマイナス金利での買いはマージナルな人と日銀短国買入で、決算要因での買いはもしかしたら足元の債券市場の動きからしたら減っている可能性があるし、日銀の買入はご案内のように減る可能性が高い中で、そこまで上を入れる必要あるのかとあたしゃ思いながら結果を見たのですけれどもね。

・・・・・・と思ったら案の定というかなんというかで結局セカンダリーではマイナス金利では玉が捌けずの巻となったようで終わってみればプラス金利になってBBの引けは0.6bpとテールより甘くなっておりまして何やってるんだという入札になったのでした。

なおご参考に毎度のロイターさん。
http://jp.reuters.com/article/jptokyomarket/idJPL4N0W02FP20150226
〔金利マーケットアイ〕翌日物の加重0.07%後半か、3カ月物TB入札結果は弱め
2015年 02月 26日 15:05 JST

『財務省が実施した新発3カ月物国庫短期証券の入札結果で、最高落札利回りは0.0020%と前回(0.0060%)に比べて低下した。落札利回りは前回に比べて低下したが、3月の日銀買い入れに不透明感がある中、マイナス水準での応札に慎重姿勢が示され、事前予想に比べて弱めの入札結果となった。新発3カ月物は、入札結果発表後の業者間取引で、プラス0.005%付近で出合いを付けたもよう。』(上記URL先より)

そんな予想だったのかと???ですがまあそういう事のようですな。いずれにせよマイナス金利をホイホイ買い進むような市場環境ではないという事が確認できた3M短国入札結果でした。なお2年入札は平均2.7bpに対して第U非価格がボウズなので、BB引けは2.5bpなのですがまあ勢いがあるという感じではないんじゃねーのという所で。


○国債決済T+1化関連で少々気になる別の論点についての雑談

http://www.mof.go.jp/about_mof/councils/gov_debt_management/proceedings/index.html
国の債務管理の在り方に関する懇談会(議事要旨等)

http://www.mof.go.jp/about_mof/councils/gov_debt_management/proceedings/material/d20150225-3.pdf
国債の決済期間の短縮(T+1)化に向けた取組

・・・・・・ということで相変わらず国債流通市場の現状が日銀大量買入で市場流動性にプレッシャーをかけている(から足元のようなドタバタ相場になる)という状況になる、という当初このT+1化をどうしようって話をしていた時期とは前提状況が大いに異なるのに相変わらず線表通りに推進してどうしますねんという案件ですけどね。

#なお毎度申し上げておりますように、QQE政策が終了して金利水準や国債流通市場の状況が平常に戻ったら別にやっても良いんじゃないですかねえというお話

この資料の『(参考1) 国債決済短縮(T+1)化のイメージ』と『(参考2) 銘柄後決め方式GCレポ取引のスキーム』を見ていてだいぶ気になったのは、T+1でアウトライトSCがT+1になる問題もさることながら、GCがT+0になることに関してで、GCがT+0になった時点でのスキーム図を見ておりますと、これってJSCC使うのが前提になっていますけれどその費用負担とか事務体制構築(関連システム投資も含めて)についていけない規模の投資家はGC市場から振り落とされる格好になると思うのですよね。

でまあ日証協はそんなものは振り落としてしまえという発想なのでしょうけれども、そうなってしまいますと、国債流通市場における在庫ファイナンスを担うGCレポ市場の参加者が債券ディーラーと大手機関投資家(というか多分大手銀行)だけという話になってしまい、「市場の規模は大きいけれども参加者の多様性が確保されていない市場」というものになってしまう惧れがある訳で、その結果としてどういうことが起きるかというと、市場の構造的にショック耐性に弱い市場が出来上がることになりませんかねと思うんですよね。

まあそうなるのかどうかは知らんですけれども、仮にアタクシの懸念(杞憂であれば良いのですが)が顕在化した場合って決済リスクの削減で市場の安全確保みたいな話に逆行する皮肉な結果も待っている(そもそも論として今の市場状況でSC取引にストレスを与える国債決済期間の短縮化それ自体の問題も思いっきり有る訳ですが)ような気がする訳ですが、この手の市場ストレスだの参加者の多様化喪失によるショック耐性だのという話というのは定量的な評価が難しい一方で未決済残高の圧縮のようなものは定量評価が一発で計算できるので、直接的に見えるリスクを削減しようとして見えにくいテールリスクを拡大する、というような結果にならないように、推進するにしても慎重に進めていただきたいものだと思うのでありました。

トップに戻る


2015/02/26

○市場雑談メモ

・5年が0.1%割れとか何か妙に堅調な件について(メモ)

久々にロイターのこちらから。
http://jp.reuters.com/article/jptokyomarket/idJPL4N0VZ1JY20150225
〔金利マーケットアイ〕国債先物が大幅続伸で引け、長期金利は3週ぶり0.335%に低下
2015年 02月 25日 15:19 JST

『<15:10> 国債先物が大幅続伸で引け、長期金利は3週ぶり0.335%に低下

国債先物中心限月3月限は前日比35銭高の147円85銭と大幅続伸で引けた。前日の海外市場で、イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言がハト派的な内容と受け止められ、米債が買われた流れを引き継いで買いが先行した。日銀の買い入れに加えて、年限長期化に絡んだ買いで、需給引き締まりを意識。午後に入ると先物が一段高の展開となった。3月限は一時147円88銭と2月3日以来、約3週ぶりの高値を付けた。現物市場は長期・超長期ゾーンが堅調。現物受渡ベースの月内最終売買日を迎え、年金勢などからの年限長期化目的の買いを、カレント債を中心に観測。10年最長期国債利回り(長期金利)は同3.5bp低い0.335%と2月6日以来約3週ぶり、20年超長期国債利回りは同4bp低い1.140%と2月9日以来約2週ぶりの水準にそれぞれ低下した。』

ということで超長期輪番が強くてブルフラットヒャッハーとなっていたのですけれども、それはそれといたしまして地味に???だったのは中短期で、2年は1.5bpまで低下するわ(引けは2bp)5年は堂々の10bp割れで9bpの引けになるわとなりまして、まあ2年の方は短いところに買いがあってその関連で強いのかなとは思うのですが、5年の10bp割れをそんなに買い進むものなのかという点は何かよくわからんですな。

どこからどう考えても追加緩和をする雰囲気がなくなってしまっているという状況になっているのに昨年末以来の相場が復活するというのもなんだかなあという感じですが、早期2%達成の断念→低金利政策の時間軸政策へのシフトというイメージで中期買うのは分からんでもないけど、それにしても付利金利割れを買い進む必要はない(量的拡大の追及よりも低金利時間軸にシフトするなら短期市場金利がそこまで盛大に下がらなくても良いはずなのでベース金利のイメージに違和感がある)のですけどねえと思いつつ?????な中で2年国債入札を迎えるのでありました。


・短国関連雑談

今日は3M入札ですが、なんか知らんけど足元で前回の短国買入謎の増額が効いたのか前週の新発3Mの514回債が昨日の引けでは-0.9bpとこちらも堅調になっておりまして、これまた何でしょうかねという所ではあるのですが、そうは言いましても5.7兆円の入札をマイナス金利でやってしまって投資家が買えないようになりますとさすがに短国買入だけでは玉がなくなりませんので、プラス金利で入札した方が話が丸く収まりそうな気はしますけどね。

あとまあ足元での債券市場の堅調さが期末に向けた残高積み上げの動きに起因するものであれば、その分だけ期末帳尻ニーズからの短国ニーズも減りますので、そんなこんなでそこまで期末に盛り上がるかねとは思いますけれどもまあ油断はできないので。


ところで短国買入残高ですが。

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/tmei/tmei.htm/
日本銀行による国庫短期証券の銘柄別買入額

ということでこちらなのですが、今回は2/9の短国買入2.5兆円と2/13の短国買入2兆円分が前回対比の増加分として出てくるのですが・・・・・・・・・

買入上位銘柄は、509回20081億円、511回10195億円、508回5521億円、510回4738億円、507回3479億円となっておりまして、509回というのが1月末に入札があった新発3Mでして、新発出た瞬間ではなくてそのあとに買入が増えているというのがお洒落というかなんというか。511回が2/6に入札が行われた新発6Mでして、あとの銘柄は3Mが続くのですけど507回って1月新発の1年短国でして、まだそんなに持っていたのかとちょっと目がテンな結果になっております。なお、こちらは買入銘柄の前回対比増減と売買参考統計値の推移を比較して侘び寂びの世界を感じるのが通。

トップに戻る



2015/02/23

○市場雑談メモである

・短国買入2.5兆円とな

金曜のオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of150220.htm
国庫短期証券買入 25,000 2015年2月24日 (めんどいので短国買入だけ引用)

落札結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba150220.htm
国庫短期証券買入 46,457 25,002 -0.001 0.002 2.8

ということで短国買入が2.5兆円に増額になっているのですけれども、ちょっとネタにしていない隙に固定金利オペの残高が6.5兆円レベルに落ちてきたので、その落ち分を埋めに2.5兆円で打ってきたのかねという風に思われるのですが、前週はMB進捗を過度に重視しないで短国買入のペースをスムージングしに来たのかと思ったのに3M短国の入札が平均もプラスになってやっと正常化かとなったところでやはりMBの前月比を気にするような打ち方ねえとゆー事で、気が利いてるんだか利いてないんだかよくわからんですな。

#まあMB進捗について拘りまくると3兆円とかの可能性もありましたので

でまあ平均は2糸甘だったのですが足切が1糸強だったので、新発3Mを足切で応札すれば普通に入っているという結果になっておりまして、そもそも新発自体が投資家にそこそこ嵌っている(514回の売参は0.6bpだったので足切で入れれば前日比利回り較差ゼロで応札できる)なのでこれは行けるとばかりに早速また新発3Mが0%ビットになっているのがチャーミングというか懲りないですなあというかでありまして、実にこう見苦しいものを感じる次第で、売買参考統計値もちゃっかり514回債は0%に金利低下となっております(その前の銘柄群は2糸強で0.4bpです)なという所で。

つーてもまあ3月の短国買入は減るはずなのでだからまたドンドン金利が下がるという話でもないとは思いますけど案の定油断ならんですな短国市場は。

トップに戻る



2015/02/20

○市場雑談関連

・3M入札がやっとプラス金利ですよ!!!!

イイハナシダナー

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20150219.htm
(3)募入最低価格 99円99銭8厘5毛(募入最高利回り)(0.0060%)
(4)募入最低価格における案分比率 37.5335%
(5)募入平均価格 99円99銭9厘1毛(募入平均利回り)(0.0036%)

ということで昨日の3M短国入札は11月の頭以来の平均プラス利回りという結果になりまして、まあ実に結構なお話でございます。でまあプラスになったから投資家の需要が飛ぶようにあるかと申しますと、プライマリー段階ではニーズが結構あったかとは思うのですが、その後プラス利回りだからセカンダリーでよーしパパ新発短国買っちゃうぞーとは逝かないようで、セカンダリーイマイチで、日本相互証券の引けもテールの0.6bpで終了の巻となっております。

市場推計の落札分布をみるといわゆる不明玉が3.5兆円ほどあるので、もうちょっと盛り上がっても良さそうなものなのですが、まあこれまでの長期的な短国利回りマイナス攻撃によって、投資家サイドとしては「価格を見ながら買うかどうか考える」などというような行動をとっている場合ではなくなり、とにかくプライマリー段階の所で必要な分について動いておかないとそもそもの必要額が確保できない、という飢餓状態でして、その習慣というのはまだ続いているとみらますので、そらまあみなさん今回の入札でもプライマリーでは行くかも知れんけどそのあと別におかわりは要らんわなという話になりますよねという話です。

まあこの調子でプラス金利が定着してくると徐々に「有担保コールよりも低い利回りの国債を買う必要があるのかよ」的な衣食足りて礼節を知る(違)状態になってくるのでしょうが、まだ飢餓状態の記憶が生々しい状態ですから今しばらくは「プライマリーでの買いが一巡すると投資家ニーズ終了」という展開になるんでしょうかね、よー知らんけどな。

なお、本日は例によって例のごとくの短国買入が実施される訳ですが、ここで19日付の売買参考統計値と20日付の売買参考統計値を見ますと中々味わいが深くて、3M新発の入札がプラス水準になってBBの引けは0.6bpですし、売参も0.6bpとまあそんなもんですかねという利回りとなって、まあ需給的には軟化していますよねという状況ではあるのですが、ふとここでほかのカレント利回りがどうなっていますかと見ますと、先々週に入札があった6Mカレントの511回債が-1.1bp→-1.6bp、今週入札があった1年カレントの513回債が-0.5bp→-0.8bpという推移となっている一方で、先週入札があった3Mカレントの512回債の売買参考統計値は+0.4bp→+0.5bpとなっている辺りに幽玄の詫び寂びというものを感じる今日この頃でございますな。


・しかし長いところは落ち着きませんなあ

一昨日の債券市場は後場途中から引けにかけて7年10年だけやたらやや叩かれて、イールドカーブは7-10だけ甘くなるという引け方をしたと思ったら昨日は昨日で盛大にブルフラットするという展開。

一応巨大イベントの超長期入札をクリアしたからというのはあると思いますが、それにしても戻るなら戻るでもうちょっとマイルドに戻って頂きませんといつまで経っても安定しないのですがそろそろ安定しませんかねえという所ではありますな、うんうん。

トップに戻る



2015/02/18

○20年入札がウヒョーとか

・20年国債入札ェ・・・・・・・・・・

昨日の20年国債入札はまたまた他市場注目らしかったのですが、そういえばそんな触れ込みの入札がこの前30年国債入札とかいうイベントでありましたなあとか思っておりましたら、30年国債入札とは違いまして朝からじりじりフラットニングとなりまして、前場引けにかけては20年カレント中心に一段強くなって1.280/1.285(-2.5/-2.0)の気配で終了。

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/nyusatsu/2014/resul082.htm

(3)募入最低価格 98円80銭 (募入最高利回り)(1.275%)
(4)募入最低価格における案分比率 74.6538%
(5)募入平均価格 98円82銭 (募入平均利回り)(1.274%)

ということで落札結果は前場引けのオファーサイドの5糸上で切れてしまうという形になったわけですが、まあ後場の寄りから先物GUして始まっていたので強いんでしょうなあと思われたものの、ここまでの入札が(入札後の動きはともかくとして)テール長めでコケ気味なのが続いていたのでスパッと上で切れてしまって空振り組涙のショートカバー祭りとなったか盛大にブルフラットの巻となりましたな。

・・・・・・でまあ後付でしたら何とでも言えますけど、超長期に関してはしばらく前から親の仇のように水準調整していて、20年はほぼ追加緩和前の水準に戻るところまで叩かれていた(30年はそこまで売られていない)わけですし、だいたいからして前日とかも引け際に超長期いきなり2毛位押し込みとかしていたりと事前に散々売り込んでいましたので、そらまあ前日比MTMだとブルフラットでしょぼーんですけれどもその前から準備していれば上で切っても利食いでしょうとゆーところで、前場に久々の先回り買いが入っているというのであれば上に入れに行く向きがあってもおかしくはないですかねえという所ですかね、よー知らんけど。ちなみに市場推計の落札結果ですと大きく落札したのが2社ほどという感じみたいですね。

しかしまあ何ですな、入札結果が強くて債券反発したのを受けて株とか為替が反応したように見えたのがお洒落でありますけど、20年国債入札が強くて下げ止まるなら落ち着いたという話になるのでしょうが、反動でここまでブルフラット(引けは先物45銭高で20年8.5毛強とかヒャッハーにも程がある展開)となってしまうと落ち着いたという感じではないのでちょっとねえと思いますがどうっすかね。


・1年短国入札は足切100円ですかそうですか

超長期の陰に隠れてすっかり無注目の1年TB結果はこちら。

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20150217.htm

(3)募入最低価格 100円00銭0厘(募入最高利回り)(0.0000%)
(4)募入最低価格における案分比率 14.8406%
(5)募入平均価格 100円00銭1厘(募入平均利回り)(-0.0009%)

どうせ今週の短国買入はそんなに減額されないと思われる(1年新発を買入で入れておくと残高が1年残るので先々の買入運営が楽になるので1年とか6か月の新発が出た直後の短国買入は基本的にロットが大きめになる傾向にある)ので1年TBで日銀買入ヒャッハーというのは(そもそも1年は2.5兆円で発行が少ないし)アリエールでしょとか思いながら売参を見たらマイナス4bpですかそうですかという所で、今週末の短国買入の結果を見るのが楽しみですなあ(棒読み)という所で。

もう1年TBって完全に異世界の物体になっているので直近の2年入札と3M入札の平均落札利回りでスプライン引いてその利回りで全額日銀が引受してその分短国買入減らしてくれた方が皆幸せになると思いますけどねえ、ああ幸せにならないのは日銀ト(銃声)。

トップに戻る


2015/02/17

○例によって私家版市場メモ雑談

・昨日の短国買入関連雑談の訂正をば

その前に昨日の訂正。

短国買入関連のところですが、思いっきり単純計算間違えていたのと、書きながら考え事をしておりまして(ってまあいつも考えながら手が動くクチなのですからそれはいつものことで単に月曜日の朝なので頭が寝ぼけているだけのことですが)何を言いたいのかワカランチ会長な記述があったので訂正いたします。

短国買入の応札の辺りに関する記述ですが、

応札が49744億円でして、前回の短国買入では2.5兆円の買入に対して応札が62995億円だったので、前回の札の空振り分が「47954億円」と書いたのですが、これは単なる引き算の桁繰り下げ間違えという小学校4年生でもやらない間違いをしましたが理由は筆算していたからです(汗)。正解は「37954億円」でして、前回からの札の増分は「2000億円」ではなくて「12000億円」ですけれども、いずれにせよ新発3Mは5.7兆円の発行ですからそれなりに投資家に嵌ったという感じなのは同じです。

あと、次の段落で書こうとしたのは「売参から考えるとそもそも3Mカレント2銘柄が入っていないなあ(ロットで投げた場合は別だが)というのと、「オペ結果を受けてもGCや現先レートが特段さがらなかったので、まだ業者の在庫があります」という話だったのですが、月曜ボケのせいで意味不明文言を書いてしまいましたすいませんすいません。


・短国買入残高関連

暫くサボっておりましたので(大汗)。

直近のはこちらからDLできます
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/tmei/tmei.htm/

過去のはこちらから
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/tmei/index.htm/

まず今後の短国買入スケジュールですけれども、2月10日の短国買入銘柄別残高を見ますと、3月の償還額が70794億円になっておりまして、1月に短国買入残高を積み上げたので、2月10日の時点で12月末対比で1兆円ほどの残高増加になっています。

でまあ3月の時点で短国買入残高が12月末のところに着地するとしますと、2月の償還が10日以降でみて49321億円、これに対して10日以降に受渡の来る短国買入がすでに9日と13日に4.5兆円打ち込まれていますので今月の20日に同様に2兆円買入をすると1.5兆円ほど買入残高が積みあがる格好になりますな。

んでもって3月の償還は先ほど申し上げたように7兆円になりますので、3月の要買入額は4.5兆円程度になってしまう(末残が12月と同じとして計算)ので、1.5兆円3回として考えると2月27日から3回で終了しちゃいまして、まあその方が期末の投資家短国ニーズの邪魔しないから投資家的にはウマーではあるのですが、業者的には在庫を盛大に成行で買ってくれる人がいないのでマズーという感じでして、さてどうするんでしょという所ですけど、まあ需給的に考えたらそういう打ち方になるんでしょうかね良くわからんですけど。


更にどうでもいい話ですが、短国買入残高が旬報で出るようになったので「この回の短国買入でどういう応札だったか」というのを鑑賞するのがたまに味わいがあったりしますな。

1/30-2/10に関しては途中にあったのが1/30に実施した短国買入1発になっておりますので、1/30との差分を取ると思いっきりそれは1/30の短国買入での落札銘柄になります。でこれを見ますと意外に銘柄が分散されているのがお洒落でして、多い順に508回7223億円、498回5337億円、507回5093億円、506回3361億円、505回3214億円(あとは3ケタ億円以下)となります。

でですね、508回というのが中々味わいがあって、これは前日の3M新発なのですが、平均が-0.27bpで足切が0.0の入札で、30日発表の売参が-0.1bpとなっておりまして、この時の短国買入が平均5糸甘足切1糸甘であったことを踏まえますと、508回をさっそくダメダコリャと外した向きがいるというのが注目されるところで、従来のオペ入れてウマーはどこへやらというのに滋味がある訳ですな。

その次の銘柄が498回というケッタイな回号ですけどこれは12月の6M新発でして、ここまで在庫引っ張っていたのか12月に期末ニーズで持っていたのが出てきたのか訳分からん(期末ニーズで持っていたなら6月償還もの売る必要もない気がするし)ですな。ちなみにこの銘柄は平均-0.2bpで足切0.0の入札でしたが、この辺の銘柄は軒並み引けが-1.6bpになっていましたので、まあそうですかねえという感じで、あとは順にカレント1年、カレント6M(この2銘柄は売参がともに-1.6bp)、1週前の新発3M(これは売参が-2.5bp)となりますが、まあその辺はカレントばかりという事ですな。

ちなみに同じように遡ってみていきますともっと素敵なのが1/20-1/30の差分計算でして、この差分は1/19と1/23の短国買入ということで3兆円2回で6兆円の買入になるのですが、1銘柄きっちり3兆円の落札がある銘柄というのがありましてそれが506回短国だったりしまして、実にこう味わいがあるとしか申し上げようがない結果なのですが、以下細々やっているとキリがないので後は売買参考統計値や入札利回りを見ながら味わいというのを感じていただきたいと思います(^^)。


・業態別当座預金残高

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/cabs/cabs.htm/

毎度の当座預金残高ですけれども、1月は都市銀行の超過準備平残が4兆円も拡大しておりまして、ここもと頭打ちだったのでほほーという感じですけど、これって単に短国を買えないマイナス状態が続いていたので4半期の国債償還とか通常の短国償還の部分がロールできないで日銀当座預金に滞留したということでしょうかねえ、良くわからんですけど。

一方で地方銀行やその他準備預金先が落ちていて、証券と外国銀行は増えているという形になっておりまして最近都市銀行と他の銀行業態の超過準備の動きが逆ですなあと思うのでした。


・さて20年国債入札

何かしらんですが昨日も昨日とて超長期が親の仇のように叩かれておりまして、引けでは更に一段甘となっていて先物18銭安で5年は5糸甘(なので5年7年が1.2毛位スティープ)ですが10年が3毛甘で20年が6.5毛甘で30年が8甘とか中々お洒落なスティープ。

いやね、追加緩和以降途中からは投資家不在の中で日銀買入ヒャッハーヒャッハーと言って債券市場の水準がドンドンと強くなりましたなあと思いますと、そらまあ投資家不在で上がった相場は投資家不在でも下がることもあります罠とは思うのですけれども、追加緩和前の水準に戻ると考えた場合に各カレントの引けは何ぼですねんと考えますと、昨年10月30日の引け(追加緩和は31日)は面倒なので全部単利で書きますけど、2年が2bp、5年が0.115%、10年が0.465%、20年が1.315%、30年が1.650%となっておりまして、昨日のBB引けが2年4bp、5年0.140%、10年0.445%、20年1.305%、30年1.540%ということですから30年がまだ調整足り申さんでごわすという所ですかよくわかりません><

なお2年や5年に関してはそもそも昨年10月が日銀無慈悲短国買入によって短国金利マイナスが長期化しだした時で、日銀の短国買入残高が10月末時点で43兆円ありました(足元は39兆円)ので、そもそも短国の部分が違っているので金利水準が違うのはある意味当然なのでこれは別に追加緩和前よりも上昇していても変ではないとは思いますけどね、うんうん。

トップに戻る


2015/02/16

○今日も市場メモである(毎度只の俺様備忘録ですいませんが)

・短国買入は2兆円に減額とな&固定金利オペ大幅減とは

金曜のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of150213.htm
国庫短期証券買入 20,000 2015年2月17日
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式> 15,000 2015年2月17日 2015年5月29日
国債補完供給(国債売現先)・即日(午後オファー分)(注3) 2,000 2015年2月13日 2015年2月16日

ということで短国買入が2兆円に減額オファーとなりまして、前日木曜の新発がプラスになったから投資家に札が嵌ってその結果応札可能玉が減ったんのでしょうなあと思いましたが結果は以下の通り。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba150213.htm
国庫短期証券買入 49,744 20,002 0.002 0.003 87.6
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式>(2月17日スタート分) 4,711 4,711
国債補完供給(国債売現先)・即日(午後オファー分)(注4) 275 275 -0.400 -0.400

応札が49744億円でして、前回の短国買入では2.5兆円の買入に対して応札が62995億円だったので、前回の札の空振り分が47954(37954の間違いです、ただの計算違い)億円あったという計算になるので、新発3M分はやはりそれなりに投資家に嵌っているという計算になる(なお日取りがずれる分買入対象銘柄がずれるのでその分の落ちがあるから単純に2000(12000です。12000にしても5.7兆円の発行ですから少なめではあります)億しか増えたという話ではない)とは思われました。

ただし落札金利が平均3糸甘で足切が2糸甘なので3Mのカレント2銘柄を入れると新発をテールで入れていない限り投げレートになるので、実際に入っているのは先週の6Mとかオペ対象ギリギリの銘柄とかのようにも思えますなという感じで、まあその後のレポや現先の感じからしてまだ在庫は残っている感じではありますな、オペ結果を受けてもうんうん(訂正:「オペ結果を受けてもGCや現先レートが特段さがらなかったので、まだ業者の在庫がありますという話をしようとして意味不明文言を書いてしまいました)

でまあ2兆円に減額したのは札がやや少なめであった事に加え、この調子で単純に2月を2.5兆円で走っていると3月に買入のフローが一気に減ることになるので、そこをややスムージングする為に減額攻撃に打って出たという所でしょうかね。短国プラス金利定着に向けて減額したのでしたらセクシーなのですが、どう考えてもそんな気の利いたプレイをするタマではないのが日銀クオリティでございます(ので同じ理屈で債券市場が少々ずっこけ状態になっているからと言って輪番が増えるとか期待するのは間違い)ので、まー単純にスムージングなんでしょうな。


あとへーと思ったのが固定金利オペでして、上記にあるように今回は4711億円の落札になったのですけれども、12710億円の落ちに対するロールでして、8000億円の減額となっておりまして、その前に木曜に行われた固定金利オペが同様に3370億円の落ちに対して1751億円の減額ロールとなっていて、こちらも1600億円の減額になっていまして、ここへ来て固定金利オペの残高が(ロール後の落ちを考慮すると)7兆円台後半から6兆円台後半に落ちる形になりまして、短国の金利がプラスになったのと固定金利オペのロールが急に低調になったのが同じタイミングで来ているのは何か意味があるのか偶然なのか知らんですが、短国市場で投資家を排除した日銀とオペ先と入札のキャッチボール状態が解消に向かっている(実際に本当に解消するのかは予断を許さんが)中でパターンにも変化がという所なのかもしれず、ただの偶然かもしれずという所で。


・5年入札であじゃぱーだがあじゃぱーなのは結局超長期とな

5年国債である
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/nyusatsu/2014/resul081.htm
(3)募入最低価格 99円85銭 (募入最高利回り)(0.131%)
(4)募入最低価格における案分比率 73.6413%
(5)募入平均価格 99円89銭 (募入平均利回り)(0.122%)

テールが4銭ということで1毛近く流れるとはこれはこれはという所でございまして、落札結果が出た時にはお約束のように先物が急落して中長期が叩かれていたのですが、その後戻ってうだうだとしているうちに5ね円とか先物は戻るのに超長期の方があばばばばーとか、おまえらどんだけ超長期が嫌いなんだよというような展開になりまして結局弱いのは20年だの30年だのというお話。

途中では2年とかも結構甘かったのですが、2年は引けは引けに戻っていましたし、5年も入札が盛大にこけた割には引けは1.5毛甘の0.135%だったりしますので、まあそちらは押し目買いというものも入るのねとは思いましたが、まだ別に安いとも思えない短いところの方に買いが入ってしまう辺り腰が引けているというかやる気がないというかという感じではありますな。

まあ後講釈的には「5年入札ですらこれだけコケたのですから20年債入札も大丈夫かという話になって更に水準訂正をしに逝きました」という話になるのでしょうが、まあ12月以降の相場は投資家をおいてきぼりにしながら日銀輪番オペに打ち込みに行くぜヒャッハーと言いながら投資家不在の中で水準だけドンドン強くして逝っておりましたが、達観してみれば追加金融緩和以降にこういう相場になり、1月になると付利下げネタなどの「あり得ないと思うのだがヤケクソになっている黒田日銀の事だから何をしでかすか分からん」という追加緩和おかわりへの恐怖感で更に加速したという流れがあったのの逆をやっていると思いますと、まあ10月追加緩和の前まで戻る頃には相場は止まるんじゃネーノという程度に達観しておけば宜しいのではないでしょうか、と根拠のないてきとうな事を書いておく。

トップに戻る


2015/02/13

○短国3M入札が久々のプラスになりましたよ!!!

さあ久々のプラスですよ!
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20150212.htm

(3)募入最低価格 99円99銭9厘5毛(募入最高利回り)(0.0020%)
(4)募入最低価格における案分比率 12.8163%
(5)募入平均価格 100円00銭0厘1毛(募入平均利回り)(-0.0004%)

・・・・・・・・・(;∀;)イイハナシダナー

ということで平均はオーバーパーでしたが足切はプラス金利まで戻りまして、何か月ぶりかよとか思ったのですが、よく考えたら10月追加緩和の直後にMB拡大に対して短国買入に掛かるストレスを軽減するというのが出て、一瞬金利が上昇したというのがあるので、3か月ぶりというお話(つまりその間に3M短国が綺麗に1回転している)であります。

ただまあ11月の頭の金利プラス化も一瞬で、その後日銀短国買入が全然減らないどころか無慈悲買入ををして金利がまたマイナスになるという追加緩和の時の説明は何だったのかという動きやら、中曽副総裁の講演での「マイナス金利は政策効果(キリッ)」ってのがあって短国金利形成マイナス長期化待ったなしとなって、その後短国マイナスの長期化が利付債にも波及となって色々と騒ぎになったのですけれども、さらに申し上げるとその前に9月に期末要因と短国買入の打ち方のコラボでマイナス金利になったのが10月の頭に一旦緩和された筈なのにその直後に過去最大の短国買入をやっていきなりマイナスに突入した、という事案がありまして、そう考えますとまあ短国やっている人の気分的な点からしたら半年近く短国マイナス金利で青息吐息状態だったという状況でしたな。

でまあ昨年9月とかその後の10月の推移とかでは確かに玉が枯渇していたのでそらまあマイナスになるのも仕方ない(日銀の買入残高が大きい)面はあったにせよ、特に12月以降とかの動きですとGCレートや現先レートは下がらない中で短国の気配(とか引け値とか売参)だけは何故か不思議に値持ちする、という何だかなあという動きになっていた訳でして、違和感のある価格形成が続いておりましたな。

一方で昨日は足切がプラス利回りに流れてセカンダリーでもプラス利回りで取引されていたようで(なおBBの引けが0.1bpで売参は0.0bpですが)、プラス利回りになればそらまあ普通の運用として買える投資家が出てきますので、マイナス金利の時と違って新発段階で投資家にそれなりに玉が嵌る訳で、短国の金利はプラスになる一方で新発の業者の在庫は軽めになっているので短国発行日スタートになるけどGCレポや現先のレートは低下気味という流れになっておりますが、こちらの方がどう見ても自然な価格形成だわというお話。

まあ何ですな、今の状況から考えると短国買入が3月になるとかなりフローベースが減る(一方で期末要因のニーズについては高まるから短国買入が減っても需給はそこまでコケないと思うけど、期末だけ現先ニーズとかその手の可能性もありますからね)のが読めるから在庫を軽くしておきたいという事で金利がプラスになったという事でしょうけれども、ついでに言えば短国入札で買ってマイナス金利維持して成行買いの日銀買入に打ち込んでウマー的な動きも短国買入のフローが減れば意味がなくなるので、というようなサムシングもあるんでしょうな。そういやうっかりしていましたが先週末のヴェリタスでは1面に堂々と「縮む日銀トレード」という見出しがありまして大変に味わいの深いものを感じましたですよ。


・・・・・・・とは言いましても、在庫が捌ければ日銀短国買入に入れる玉も減る訳でして、そうなるとレートもタイトになる可能性があり、そこでやっぱり玉がないジャン的な事になればマイナス金利ヒャッハーとなるというのは今後も発生するでしょとは思いますけれども、日銀短国買入をバックにした需要(というのか?)でマイナス金利を維持する的な動きが駆逐されますと市場の価格形成がより健全なものに近づくでしょとは思うのでありますが、そういう点でも本日の短国買入から来週の入札(なお1年ものがあるのが味わい深い)、短国買入という一連の流れを確認しないとまだまだ安心はできませんなという所ではあります。

トップに戻る



2015/02/10

○例によって市場俺様メモ

・短国買入応札増加とな

短国買入はまあ順当に2.5兆円のオファーでしたがその結果はこちら。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba150209.htm
国庫短期証券買入 62,955 25,001 0.001 0.005 32.6
(短国買入分だけ引用しました)

ということで2.5兆円のオファーに対して6.3兆円の応札となりまして、前回の短国買入(1/30オファー分)が2.5兆円オファーに対して4.1兆円の応札でして、単純に計算すると4.1兆円から2.5兆円吸い上げとなったところなので先週の入札によって応札玉が4.7兆円増えた格好になっておりますな、うんうん。この間に3Mと6Mの新発債の入札がありましたので、入札そのものは5.7兆円+3.5兆円入っております。

ちなみに同じような雑な計算をすると、1/30の週って前週対比で応札玉が3000億円ほど減った計算になっておりまして、この時は3Mの入札が1本ありまして5.7兆円の供給があったのですが、短国買入への応札玉は増えていないという格好。

今回の短国買入の場合は直近の3Mは100円案分4割とかなのでそこそこ投資家に入っていると思う(1/30の週の3M入札は3週間ぶりに100円案分になったので同様に投資家に入っている分があるはず)のですが、結局6M新発をマイナス水準で足切にしてしまっている結果としてこの分が投資家にろくすっぽ嵌らずに浮いている状態だったので応札がどどーんと増えたという事と思料されまして、相変わらずの短国買入クオリティは平常運転であるというお話。

しかしまあ何ですな、別に普通に投資家が参加できる利回り水準で推移させれば応札がどどーんと増えることもないと思うのですが、プライマリーで投資家を排除してオペの応札が増えて今日も買入が出来たよやったねパパ明日はホームランだ(古くて若人は知らんか)とか最早何のために短国買入やっているのかよくわからんので、面倒だから短国についてはMB維持に必要な残高になるような買入を発行額プロラタで逆算してその分だけ入札時に市中公募減額して普通に入札してその分平均落札価格で日銀引受してくれればいわゆる一つのオペ狙いトレードの人以外皆さんハッピーになると思うのですけどねえ、って毎度申し上げてますが改めて。


・長い方はまた超長期が弱いとな&金曜戻った中短期は行ってこい

でまあ昨日の債券市場でございますが、雇用統計ヒャッハーで結局金曜の上げは何だったのかという展開になって、朝から全般弱めで推移しておりましたが、超長期20年がまたまた親の仇のように売り込むの巻で軟調推移。まあ単純に超長期が主戦場状態になっているので、要は先物やら10年やらの値動きよりも相場全体の動きという意味では超長期ですよという話ではあるのですが、しかしまあ毎日ボラが高い事よという所で。

何気にチャーミングだったのが中短期で、まあ5年とか最初から重めに推移していたからそんなもんちゃあそんなもんなのかも知れませんが、金曜日には6M短国の入札が強い結果になった辺りで強めになっていた2年とかもあっさり味で金曜の戻りをお返しする辺りが何とも。短国買入の結果がレートはともかく応札が盛大に増えていた辺りが影響しているかどうかは知らんですけど、まあそういうことにしておくとお話としては面白いところではありますな。

まーいずれにせよ中々落ち着かない相場ちゃんではありますが、一つには1月追加緩和(特に最後の方に出てきた付利下げネタ)の思惑でヘッジポジションみたいなのが積みあがってしまったことと、それに加えて1月展望レポート中間レビューでの総裁の説明やロジック展開が10月追加緩和での動きと全然違うじゃないかという話になってしまい、それまでが「遅くとも4月の展望レポートまでには追加緩和待ったなし」だったのがいきなり「4月の追加緩和の可能性はなくなったし下手したら10月展望レポートまで判断を引っ張るつもり」となった上に、政府の方が急に追加緩和不要的なトークをしてくるので、それまでが追加緩和待ったなしという状態だったのが急に金融政策に対する見方が変わったからという話っすな。

しかしまあ何ですな、たかがこの程度(というのかどうかは人によって見方違いますけど)の思惑の揺らぎでこの相場変動ということですので、より真面目な話としてたとえば「QQEの2年で達成の看板が長期化される(=その結果買入残高拡大ペースをスローにしてQQEの長期化ができるようにする)」とか「とりあえずデフレ脱却宣言をして大勝利モードにして勝ち逃げモードになる」とか、あんまり期待できないけど「原油があっさり戻って物価がホイホイ上昇する」とか、まあその手の本当の本当に現在のQQEのフレームワークの見直しという話になった場合に債券市場がどういう反応をするのかというのを考えますと大変に素敵な事しか思い浮かびませんな、ナムナム。

でまあその一方でそういう市場云々に関しては思いっきり無責任な素人としか思えないような「国債発行残高が1000兆円あるのだからもっと国債は買える」的なお方が審議委員に就任するというような流れ(まだ確定じゃないけどまあ就任するでしょ)になっているというのがこれまたお洒落としか申し上げようがない訳で(まあ素人の前にジンバブエ理論の方が凄いのだがそれはさておき)、何ちゅうかこう「家に帰るまでが遠足」な金融政策について帰宅が出来ないのではないかという気がだいぶしますな。


・・・・・・なお、念のため追加しますと、実際問題として「経済が好転して物価が本当の本当に安定的に物価目標達成が見えてくる」というような状態でしたら出口政策ってまあそうは言っても何とかなるように思えるのですが、それよりも問題は「ダラダラとQQEを継続した結果として目標達成の前に出口政策を強いられる状態」だとは思いますが、そうは言いましても米国様でもtaperingトークで金利上がって瞬間景気に悪影響出ていましたので、判断というのも難しいのですけどね(=taperingトークで金利が上がった結果景気が腰折れするのであればそもそもトークの判断が早すぎたという事になりますが、米国の場合は結局そのトーク入れる判断が早すぎたという事ではなかった(ただし遅すぎだったのかはまだ分からない)という話ですからね)。

トップに戻る


2015/02/09

○市場雑談である

・6MTBはマイナス足切ですかそうですか&本日は短国買入

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20150206.htm
(3)募入最低価格 100円00銭1厘(募入最高利回り)(-0.0020%)
(4)募入最低価格における案分比率 89.6994%
(5)募入平均価格 100円00銭2厘(募入平均利回り)(-0.0040%)

ということで100円足切とか申し上げていたらちゃっかり1つ上で厚め案分という切られ方となっておりまして、いわゆる不明玉が発行3.5兆円に対して2.2兆円ほどございまして、ふーんという所ですけれども、なかなかワロタのはこの短国入札がマイナスで切れたのを受けたのかどうかは本当のところはどうなのか知らんですけれども、中短期の気配が堅調になりまして、引けの2年は1毛強(カレントだけ、他は5糸強)だわ5年は2毛強だわとなりまして、短国入札が中短期の気配を強くした(本当は知らんが)と考えますとなかなか胸が熱い展開。

なお、売参値を見ますと新発6Mがマイナス0.9bp、1年がマイナス0.9bp、新発3Mは0.0bpで前週の3M509回債がマイナス1.3bpとなっておりますので、入札コストからの利回り差的には509回ですが、bpv加味すると6Mの方が入りそうな気もしますがよくわからん。

ということで本日はまたまた短国買入があるのですが、どうせ2.5兆円で打ってくるというパターンで来るんでしょとは思われますが、しかしまあ短国をマイナスでキープするよりもマイナスにならないようにオペを打ってイールドカーブの起点を下手に沈めないようにした方が全体的なイールドカーブの無用な沈降を防ぐことが出来ますので、輪番とかも順調に実施できると思うのですけどねえ。


・固定金利オペである&短国買入予想(というほどでもないが)

めんどいのでオペ結果の固定金利部分だけ
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba150206.htm
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式>(2月10日スタート分) 3,600 3,600

こちらは元はと言えば固定金利オペのなれの果て(なのでオファーが1.5兆円なのですが)だったりしますけれども、折り返し元が4701億円だったのでまあそこそこの歩留りを今回も示しておりまして、この調子ですと今月ドカドカ来る予定の固定金利オペは精々1兆円程度の落ちで済むのではないかと思われるのですが、まあこればっかりは実際にオペが進まないとワカランチ会長。

でまあ固定金利オペの落ちが1兆円程度としますと、今月は10兆円ある短国買入の落ち分を普通に埋めればマネタリーベースは前月比伸びるという結果になるのかなとゆーところで、まあこの調子で2.5兆円のペースで短国買入が継続すると思われますな、うんうん。


しかしまあ何ですな、MBが目標で設定されているから仕方ないのですが、財政要因で盛大にぶれる資金需給の部分を短国買入で調整するという形になっているので、これ3月になると短国買入のフローが大きく落ちることになる事が想定されまして、そらまあ3月は期末ニーズがあるので買入が全然なくても問題ないというか無い方がアリガタヤ位の話ではあるのですが、短国買入の残高そのもの自体が市場のキャパ的には依然として厳しい状態(厳しくないのだったら金利がマイナスにならん)となっている訳なので、その状態から買入のフローがぶれるというのは、市場の価格形成的に厳しいものがありますなあと思うのですけどね。


○ということでちょっとオペ雑談とか

そういえば先週は途中で「超長期がこれだけコケているのだから輪番で超長期の増額でも」みたいな話もあったやに聞きましたが、短国市場がご案内のようにマイナス継続であばばばばーとなっているのに放置プレイとなっている現状を見ますと、そんなもん債券市場に気を使って超長期輪番が増額とかするくらいならとっくの昔に短国買入のやり方を工夫してマイナス恒常化にならないようにしているわヴォケという所で、超長期の輪番を増やしてほしいなら皆さんでせっせと超長期輪番で短い年限の所を応札して日銀の買入平均残存年限を短くするようにしないと超長期輪番が増えるとは思えんわと存じます次第。

・・・・・・・てな感じで、まあ今のオペがいろいろと微妙なのってそもそも論として「国債(と短国)買入の建付けが量を出したいのか金利を下げたいのかがはっきりしていない」からであって、それは更にそもそも論で言えば「マネタリーベース直線一気理論」なのか「(実質)金利を下げて効果をだす」のかが不明瞭であるという事に起因すると思われます。

つまりですね、本来の建付けで言えば「MB直線一気理論で予想インフレ率が上昇する」というのがあって、それに対してフィッシャー効果で名目金利が上昇してしまいますと宜しくないので長期国債の長いところまで購入して名目金利の上昇を抑制する、というのがQQEの基本的なスタンスなのですな。

しかしながら、問題となるのはそもそも論のMB直線一気置物理論がワークしていないから最近は「実質金利」の方に話が傾斜していて、しかも予想インフレ率の方が思いのほか上昇してくれないものだから「実質金利を下げるには名目金利を下げればよいじゃないか」という話になって「マイナス金利は政策効果(キリッ)」という話になってしまい、その流れでマイナスだろうとなんだろうと無慈悲買入をすることによって「金利が下がって政策効果かくにん!よかった!」という話になってしまい、挙句の果てには付利下げだのという話まで出てくる次第。


最近だと欧州の金利がアレですのでマイナス金利ガーという話もあったりしますが、そもそも日本の場合は「現在2%でアンカーされていないインフレ期待を引き上げて2%にアンカーさせる」というのが2%物価目標達成に必要な手段でありまして、一方の欧州の場合は建付け上では「2%以下で2%に近い水準のインフレ期待」に関しては中長期的には現在アンカーされている(ただし下がる懸念あり)という状態になっておりますので、ゼロ金利制約化における実質金利の引き下げによって政策効果を出す、という政策を実施するためには欧州の場合は名目金利を下げるしかないので無理繰りマイナス金利を投下しているのであって、日本の場合はそもそもインフレ期待を引き上げる方が圧倒的に重要なファクターであることを考えますと、名目金利の引き下げをせっせと図るのが重要なのではなくてインフレ期待を引き上げる必要があり、米国にしろ欧州にしろ「インフレ期待を上げる(または下げない)」という政策は「量的緩和系の政策」で実施しているのがスタンダードであります。

とまあそう考えますと、普通に考えて付利下げとかそっちの政策って「量的緩和政策がインフレ期待に対してワークしないので金利で勝負すます」という事を意味する政策フレームワークの大転換であり、置物副総裁の置物直線一気理論の全面否定になりますので、まあ普通に無いんじゃないですかね、黒田さんのキャラクターからして。

#すいませんあんまりまとまっていませんでした

トップに戻る


2015/02/06

○市場ネタ30年国債とか中期とか

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/nyusatsu/2014/resul079.htm
(1)応募額 1兆4,716億円
(2)募入決定額 5,510億円
(3)募入最低価格 100円20銭  (募入最高利回り) (1.490%)
(4)募入最低価格における案分比率 42.2279%
(5)募入平均価格 100円74銭  (募入平均利回り) (1.464%)

ということで何故か株式市場まで注目していたらしい(らしいというのは30年国債の落札結果が順調というのが出た時に株価指数先物が盛大に戻りを試しに行っていたからそう申し上げておくのだが)30年国債入札ですが、前場の引けでのオファーサイドが平均落札になって、1.5クーポンの100円レベルの手前で止まるという結果でまずは事前に懸念されていたあばばばばー結果とはなりませんでした。

・・・・・・でまあそれは良いのですが、入札前の前場は結構調整していましたが、落札結果出た途端に先物が吹いて何故か堅調落札の超長期も戻るには戻ったものの先物の方が戻りが早いとは何事ぞとか思っていたら、時間の経過とともに超長期特に30年の気配がヒャッハーヒャッハーと強くなって前場引けでは1.465%オファーとかのレベルだったのが大引けになってみると1.350%の引け(7強)とかもうチョッピーにも程がある展開。

でもって昨日超長期も盛大に暴れましたが、まあこれは入札という要因があったからシャーナイナイとしましても、中短期の暴れっぷりが結構な暴れん坊将軍で、5年は12bpレベルとかまで盛大に叩かれた後に入札結果出た後に8.5bp辺り(でしたっけ?)まで戻って、そのあと売りが出て(そのせいで先物が引けにかけて大失速したと思われ)結局10bpレベルに戻って引けは10.5bp(0.5甘)とか中々の暴れ。

更に貫禄の暴れを示したのがなぜか2年でして、前日引けの3bpに対して朝からやたら弱くて前場に前日比利回り2ばい2ばーい以上の6.5bpまで金利が上昇し、超長期落札発表後にはいったん3.5bpレベルまで戻ったものの、その後また叩かれて5bpレベルとかになる(引けは4.5bpで1.5甘)とかジェットコースターにも程がありますし、そのゾーン普通ヘッジできないからこんな凶悪な動きをされたらマーケットメーカー死ねるわ。

なお、この次に申し上げますが、実際には後場の中短期の戻りは超長期の落札結果よりも3M短国が事前のトークよりも強くて100円で切れたので中短期安心感が出たという話もあったりしてまあ謎ではありますわ。


てな感じで、まあとりあえず日銀トレードヒャッハーだけの相場から一転していろいろとオモシロ展開(というかこれだと面白くない人も続出してそうですので不謹慎ですかそうですか)になっておりますが、一応30年国債入札は順調に終了して相場は戻った形になっていますが、これだけ動きがチョッピーですとまだまだ落ち着いたとは言いにくいとゆーところですかね、よー知らんけど。


○市場ネタ:短国とかオペとか

よく考えたら今日は6MTBの入札なので短国買入は月曜に実施されるんでしたすいませんすいません。

で、昨日の3M

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20150205.htm
(3)募入最低価格 100円00銭0厘0毛(募入最高利回り)(0.0000%)
(4)募入最低価格における案分比率 44.8519%
(5)募入平均価格 100円00銭0厘4毛(募入平均利回り) (-0.0015%)

昨日は駄文の方では100円足切でしょとか申し上げておりましたが、直前にはプラス利回りの可能性もありそうという話にはなっていましたので、100円4割案分は何となく強いという評価になって、そのせいで先ほど申し上げた中短期の利付債の戻りが出てきたという話もあるのですがよくわからん、つーか短国と利付は別世界の面もある(同じようなモノという動きをする場合もありますけど)ので、そこでそんなに戻すのかよとも思いますが。

・・・・・・・・まあ何ですな、昨日の短期(というか2年カレント)ゾーンの大暴れぶりを見ますに、さすがにこの動きでマーケットメーカー(最近は一般的に2年くらいも短国も同じカテゴリーに入れられてることが多いわな)がリスク許容度落としていて、今更日銀トレードヒャッハーでも無いだろとなり、その一方で在庫はある程度持たないといけない、となりますとそらまあ100円にドカンと札入れて案分狙って余ったら日銀トレードヒャッハーなどと言っている場合でもないということで、必札分だけを上に入れて後は100円以下で札を流した結果アベレージが上になったんでしょうかね、よー知らんけど。

でまあ一部体力のある人がいたのか、銀行業態さんあたりでマイナス利回りじゃなかったら担保だバランスシートの調整玉だとしてニーズがあったのかは知らんけど、まあそういう人たちが100円に札を入れたので上記の結果になったという感じでしょうかね、まあただの推測ですけど。

さてさて本日は短国6Mの入札がありますが、なにせ6か月ものと言えば四半期末を2回通過できるという夢のような素敵な商品でありまして、発行量が3.5兆円しかない(3Mは5.7兆円な)となりますとまあ普通にニーズを集めて100円足切ですかそうですかという所で、月曜の短国買入が目先の注目材料となりそうですな。


ところで固定金利オペ。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba150205.htm
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式>(2月9日スタート分) 2,160 2,160
(固定金利オペの結果のみ)

これは2360億円のロールで、2160億円入っているので結構順調な歩留りになっておりまして、昨日はシグナル以外の細かいのが残高落ちるかねとか勝手な予想をしたらこちらも順調な歩留りでして、このオペの歩留りが良いと短国買入に掛かる負担が軽くなるのでニッコリという所ですな、うんうん。

以上市場雑談メモでした。

トップに戻る



2015/02/05

○市場雑談系あれこれ

・超長期があばばばばーとな

毎度のロイターさん
http://jp.reuters.com/article/jptokyomarket/idJPL4N0VE31120150204
〔金利マーケットアイ〕翌日物の加重0.07%半ばか、3カ月物TBレートが低下
2015年 02月 4日 15:13 JST

表題が短国ですが長期の方の記事を引用。

上記URLの小見出しを見ると『<14:15> 国債先物が2カ月ぶり安値、30年債入札に警戒感』となっている前が『<12:35> 国債先物が下げ幅縮小、日銀買入で売り圧力が強まらず』となっている辺りが味わいが深い訳でして・・・・・・・・・

昨日は寄りではそんなにサガランチ会長で輪番待ちキタコレと思ったのですが、中期と超長期が弱めに推移して輪番を迎え、輪番そのものは割と強かったので後場最初は戻ったのですが、その後またまた超長期主導でゲロゲロマーライオン相場という展開になってしまいまして、なんと申しますか超長期そこまで親の仇のように売るかと思いつつも、明日(つまり今日)の30年入札ガーとか言いながら叩く叩くで遂に30年1.5%100円まであと8毛という所まで来ましたですよあばばばばー。

でまあ中期もしらっと0.10%水準まで戻っていますが、ここで面白いというか記憶力が置物並みではないかと思うのは「5年の0.10%は強いビット」という講釈する人が結構いることで、いやお前らついこの前まで「付利金利を下回る5年国債とかアホジャネーノ」と言ってただろうと小一時間な訳で、付利越えが岩盤なのはせいぜい2年カレントだろと思うのでして、今日は30年国債の入札ですが、あと8毛調整すれば絶対水準系の投資家も買うでしょと思いまするに、5年とかの中期がどうなるかも注目したいものですな。


・なお3M短国はどうせ貫禄の100円足切りと想定

先ほどのロイター記事の短期部分ですけどね。

『国庫短期証券(TB)はしっかり。新発3カ月物(509回債)は一時前日比0.006%低いマイナス0.020%で出合いを付けた。年度末を見据えた買い需要が示された。レポ(現金担保付債券貸借取引)GCレートは低下。日本証券業協会が公表した「東京レポ・レート」で、5日スタートのGC翌日物レートが0.051%と前日(0.059%)に比べて低下した。』(上記ロイターの市況記事より)

ということで昨日は2年も3bp水準までやっと上昇している中で短国は貫禄のマイナス継続という動きでして、まあ今日は3M新発の入札がありまして、後で書きますけれども固定金利オペシグナルオペがまさかの増額となっていて短国買入のペースにも影響がでるかもという要因はあるのですが、まあこの調子だとどうせ100円足切(オーバー足切になったら泡を吹く)でしょという所です。

しかしまあ何ですな、上記にありますように「年度末を見据えた買い需要でカレントの3M短国の金利が低下」という事のようですが、年度末を見据えた買い需要という意味では別に509回だけではなくほかの銘柄でも年度末を見据えた需要が高まって当該ゾーンの引け利回りが全体として低下してマイナスが深めになっているのでは?と思うのですが、売買参考統計値やBB引けなどを見ますと(以下の部分は内務省検閲によって削除されました)。



・固定金利オペがまさかの増額

昨日のオペオファーと結果のうち固定金利部分

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of150204.htm
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式> 15,000 2015年2月6日 2015年5月19日

てな訳で今回はシグナルのロールでその結果。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba150204.htm
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式>(2月6日スタート分) 13,630 13,630

今回の固定オペは折り返し元が10031億円でして、そのロールが13630億円となっているのでまさかの増額ロールでして、固定オペが半分くらい落ちてその分の穴埋めに短国買入のハイペースが続くのでしょうなあと思って計算している向きにとっては「おー」という数字で、今月の固定オペの動向も面白いかもしれませんね(なんとなくだがシグナル分は割と普通にロールされて細かいのが落ちるような流れのような気がします)。

トップに戻る



2015/02/04

○市場雑談系

・10年国債でヒャッハー

昨日の10年国債入札はご案内の通りでヒャッハー!
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/nyusatsu/2014/resul078.htm

(1)応募額 5兆8,822億円
(2)募入決定額 2兆1,912億円
(3)募入最低価格 99円42銭 (募入最高利回り)(0.360%)
(4)募入最低価格における案分比率 10.9581%
(5)募入平均価格 99円87銭 (募入平均利回り)(0.313%)

ということでテール45銭で利回り的には4毛7糸の流れとかかなーり久し振りに10年入札で流れましたなという所ですが、落札結果出てすかさず債券先物と10年が大下げした後は押し目買いとかもあって先物とかの水準は落ちた辺りで推移しておりましたが、まあ前場から中期とかも弱めに推移しておりましたが、5年も0.10%台に戻ってみたり、超長期とかも結局弱くなってみたりということで素敵な調整となるの巻でした。

まー10年はここもとの超長期下げ相場の中で不気味なまでに値持ちしていて他年限比で割高に推移しておりましたし、調整したとはいえ絶対水準が絶対水準ですから投資家の買いが入りにくいところに輪番トレード的なポジションが持ちにくくなっている中で新発債の供給があったらこうなってしまいましたという話で、別にまあ暴落して投資家が困っている訳でもないでしょう(むしろ上げ相場の中で買えないまま泡吹き状態だったと思われます)し、まー普通に最終投資家が買ってもよかろうと思うレベルまで調整したら普通に落ち着くんじゃないのという所ですかね、よー知らんけど。

したがって多分この記事とかの説明は的を外していると思う。
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPL4N0VD3EP20150203
〔金利ウオッチャー〕長期金利の急上昇、損失抱え動けぬ投資家が背景 変動率に警戒感
2015年 02月 3日 16:27 JST

「損失抱え動けぬ投資家」とかどこにいますねんと思う訳で、単に金利水準的にどう見ても買う訳にも逝かないのだが、そんなことを言っているうちにあれよあれよという間に6年ゾーンまで金利が親指を立てながら溶鉱炉に沈んでしまい、悶絶しながら泡吹き状態になっていたという状況と思われまして、そういう意味では「こんな水準になってしまって動けない」という状態で動かぬというのは多いと思うのですけど、別に投資家がこれで食らって死亡とかんなこたぁねえだろと思うのでありました。

一方で安定の淡々とした説明の同じロイターさんの市場記事をまた貼っておきますね。
http://jp.reuters.com/article/jptokyomarket/idJPL4N0VD30B20150203
〔金利マーケットアイ〕国債先物は入札不調で大幅続落、長期金利一時1カ月半ぶり0.360%
2015年 02月 3日 15:28 JST

『午後に発表された10年債入札結果が不調となったことを受けて、在庫を抱えた業者から調整売りが持ち込まれて急落。先物3月限は一時147円23銭と昨年12月12日以来の水準に下落した。1月下旬からのボラティリティ拡大で損失を抱えた市場参加者のリスク許容度が低下したことが応札を慎重にさせた。急落後はいったんショートポジションをカバーする動きが入ったが、相場の戻りは限られた。現物市場は、朝方から中長期ゾーンを中心に銀行勢や業者などから入札に絡んだ持ち高調整売りが膨らんだ。入札結果発表後に大きく売られた場面では、地方投資家などからいったん押し目買いが観測されたが、あすにも予想される日銀買い入れ結果を見極めたいとの見方から積極的な買いが手控えられた。』(上記URLより)

まあいろいろと後講釈されていますけど、短国市場で展開されていた「投資家不在の業者と日銀買入だけの世界」が中期ゾーンまで波及してしまって投資家不在相場をやらかしている中で、金利水準やりすぎて投資家が本当の本当に不在になってしまって、そこにボラ上昇が来て投資家不在の輪番相場が耐えられなくなったという話だし、投資家の方はと言えば金利上昇したといってもまだまだ全然間尺に合う水準じゃないからこんな所で本格的に買いに入れるかよヴォケという話なだけだと思います。

まーいずれにせよ最終投資家の買いがそれなりに入ってくれるまでは落ち着きにくい相場でございましょうなあという所でしょうかね。


・しかしまあ何ですな

いやー思いのほかあじゃぱー相場が続いておりまして、どうしてこうなったという所ではあるのですが、つらつら考えますに「日銀の輪番で無駄に値持ちしていた」上に「1月に入って投資家不在で輪番ヒャッハートレードが積みあがった」というのがあって、そこに加えて余計だったのが「1月決定会合で付利下げ思惑」というのが出たのが実は結果から逆算すると大きかったのかねという所ですな。

#結果から逆算なので何の役にも立たない考察だが

まーかくいうアタクシも先日申し上げたようにどう考えても無いとは思っても、黒田日銀はヤケクソになっているので何をしでかすか分からんという認識があの10月緩和を受けてアタクシも持ってしまうという状況でしたので、そういう点では「1月追加緩和に対する恐怖感」というのはあったと思うのですよ。

でまあそれが特に中短期の輪番ヒャッハー相場と相まって雰囲気を盛り上げてしまったので、そらまあ今の債券市場的には追加緩和を食らうのが少なくとも投資家的には恐怖以外の何物でも無いので、そういう恐怖からヘッジポジションが入ってしまったという面があって、それこそ先ほど「これは的を外しているでしょ」としたロイター記事も全部が変な訳ではなくて、「追加緩和の恐怖に対してヘッジを入れた部分」だけ投資家の押し目買い意欲が弱まっているともいえますし、追加緩和に対する投資家的な恐怖に対して輪番トレードヒャッハー的な向きはさらにワッショイ状態になるでしょうから、まあその分だけ余計に調整が続いているという事なのかもしれませんね。




・2月資金需給見込みと短国買入がどうなるのかの話

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/fm/juqp/juqp1502.htm/
日銀当座預金増減要因(2015年2月見込み)

こちらを見ますと財政要因での2月資金不足見込みが17.5兆円程度になっておりますが、これに対して今月の輪番は9.2兆円(受け渡しベースの入り繰りを考えないといけないのだが今回はざっくりで行きます)となるので、残りが8.3兆円の不足になります。

で、今月は固定金利オペの落ちが盛大に入っていまして、シグナルのなれの果てとかも含めて5.4兆円近くの落ちがあります(今の残高は7.5兆円)ので、これがどの程度歩留りになるのかが不確定にも程がありまして、まあざっくり半分落ちるとすると2.7兆円になるので、そうなると短国買入で11兆円の打ち込みの可能性がありますなとかそういう話。

しかしまあ何ですな、毎度申し上げていますがMB拡大の帳尻をアウトライトのオペで実施すると、そのアウトライトを食らっている市場の需給関係が財政要因というファンメタと無関係なところで盛大にぶれるわけでして、その買入の絶対額が小さいうちはどうでもよいのですが、ここまで日銀の買入がフローもストックも大きいという状態になりますと、短国市場が全然安定化しなくていろいろと弊害あるんですけどねえと思うのですが、まあ1月の買入を見ればわかるようにもうそんな市場に対するエトセトラとか知らんがなというスタンスなのが見えているので悪態つくだけ無駄という感じではありますな(でも悪態つくけど)。

でまあ2月はその調子で買入をするのはそうとしまして、3月になると財政が思いっきり払い超になってしまう上に買入短国の償還も少なくなるので、この調子だと2月には主に2.5兆円ペース(共通担保の歩留りと業者の在庫状況を見ながら3兆円の会もありそう)での買入が続くのですけれども、3月になると短国買入がほとんど無状態になってしまうというこの需給のぶらせっぷりは何なんでしょという事になると存じます。

まあ3月は期末のニーズがあるから日銀の買入が止まってくれると需給的には助かりますから別にそういうペースでもよいのですが、いずれにせよ財政要因で大きくぶれる資金需給の尻をそのまま短国買入に反映させるというのは何だかなあというか、市場に対するストレスのかけ方半端ないわと思うのでありました。

なお、この資金需給見込みを見た結果なのかどうかは知りませんが、なぜか昨日の(今日付けになる)売買参考統計値を見ますと(今週に入ってその傾向がありますが)先週入札があった509回債の引けが強くなっておりますが、ほかの銘柄の推移も見ると実に味わいが深いですな。なお売参見るのめんどい人はBBの引けでも大体同じなのでその辺でもヨロシ。

トップに戻る




2015/02/03

○1月の調節合計が出ておりますな(メモ)

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/fm/juqf/juqf.htm/
日銀当座預金増減要因と金融調節(1月実績)

てな事でこちらからエクセルに落としてきますと、1月は当座預金的には6.8兆円の増加になっていまして、うち銀行券還流要因が4.1兆円なのでMB的には2.7兆円程度の増加という形になりました。

で、オペ要因の調節具合を見ると、財政要因が一般財政で2.5兆円の揚げ超、国債要因は中長期国債の発行超過部分を輪番で吸収して、短国の日銀保有分の償還部分8兆円に対して買入が11.5兆円になっていて、この3.5兆円部分がMBの増加部分に寄与(共担オペの落ちとかその他項目とかありますが)した形になっておりますな。

でまあその結果は結果としてわかるのですが、MB目標の建て付け的に2014年末の数値があってそこの数値に向けて調整をしていた時と違いまして、現在の建て付けですと「次回MPMまでのオープンエンド」となっていまして、まあさすがにMPMのところで数字を調整する訳にもいかないのでしょうけれども、1月の動きを見ていると「四半期または半期ベースで調整」ではなくて「月次ベースで調整」という感じで動いているようにも見えますので、実際問題としてここの所をどう調整しようとしているのかによって最後の帳尻部分になる短国市場のレート形成に影響が出るので、どういうやり方なのか気になるところです。

短国買入自体がピークより残高減ったとは言え残高そのものが大きいという事もありまして、そもそも論として需給要因的に札が集まるかという問題があるので、実は事前に決め打ちできない(月次調整しようとしてもそもそも短国買入の札が割れるような状態だと調整できないから、そういう意味で事前コミットしたくないというのは調節技術上の問題として存在する)という問題があって、事前にこの辺りをアナウンスできないという事だとは思われますが、ニュアンス的にどういう感じなのかが微妙に???ではあります。

まあ何ですな、金利形成全体の事を考えると短国のレート形成が投資家参加型で円滑に進む(その結果季節要因で自然体でマイナスも今だったらアリエールでしょ)というのが美しいのですが、そもそも金融政策のディレクティブがMB先にありきになっているので、短国買入を帳尻に使うというのもまあそれはそうでしょうなあとは思うのですけど、その結果として価格形成が歪になってしまうというのは金利市場全体的にどうなのよとは思うのであります。

結局のところQQEの建て付けの中で国債ならびに短国買入で「買入によって直接的に何をしたいのか」が不明確になっているのが問題なのですが、MB直線一気理論がどこからどう見ても棄却されて、いつの間にやら金利を下げたりリスク資産の購入をしたりポートフォリオリバランス的な話にすり替わってしまっているのに、ディレクティブがMB直線一気理論のままなのが根本にあるのですけどね。

#なおマイナス金利を維持しようというオペの打ち方がイミフなのはまた別のレベルの問題

トップに戻る



2015/02/02

○例によってオペ関連メモ

・短国買入は2.5兆円ですかそうですか

金曜のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of150130.htm
国庫短期証券買入 25,000 2015年2月3日
国債買入(残存期間1年超3年以下) 4,000 2015年2月3日
国債買入(残存期間3年超5年以下) 4,000 2015年2月3日
国債買入(残存期間5年超10年以下) 4,000 2015年2月3日
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注3) 2,000 2015年1月30日 2015年2月2日

ということで相変わらず札があるので買う攻撃ですが3兆円打ってきたらどうしましょと思っていたので2.5兆円だと多分市場の予想していた額。しかしこのペースでオペやっていくと3月のところがどうなるんでしょうかねえ。

で結果。
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba150130.htm
国庫短期証券買入 40,788 25,002 0.001 0.005 92.5
国債買入(残存期間1年超3年以下) 13,996 4,005 0.006 0.007 1.3
国債買入(残存期間3年超5年以下) 13,690 4,002 0.005 0.005 75.4
国債買入(残存期間5年超10年以下) 14,830 4,003 0.005 0.007 10.9
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注4) 26 26 -0.400 -0.400

応札4兆そこそこということでさすがに3兆買入連発攻撃が効いてまいりましたという所ではあるのですが、1年短国の売参がマイナス2bpとなっていて新発出た時の平均落札レベルがマイナス1.69bpだったので、平均の5糸甘だと儲かっておらずのように見えますので、今回の平均を下げたのは実は506回債(売参マイナス2.5bp)の方だったりするのかも知れませんね。で、そのほかに1年短国が入っているという感じ(カレント3Mは509回の売参がゼロ利回りで508回がマイナス0.1bpなので足切で入れても入札水準から比較すると負けとなるのでカレント2銘柄は投げ以外では入らない)ですか(あとは引けがマイナス1.4bpの6Mとか)というところで。

しかしまあ何ですな、今月はしばらく2.5兆円のペースで買入が継続となるのでしょうが、そうなりますと短国買入残高が12月末対比で3兆円程度上に振れたままで推移することになって、日銀がわざわざご丁寧に需給を締める格好になっているのですが、毎度申し上げておりますように短国市場の金利をマイナスで推移させない(期末などの一時的な瞬間風速は仕方ないにしても)ようにしておけば債券市場にマイナスが波及してその年限が伸びて長期までヒャッハー相場になる、という債券市場ぶっ壊れモードに火をつけることもなかったと思われますし、だいたいからしてここまで債券市場が壊れなければ国債買入の限界とかそういう話がこんなに早くに来る事もなかった訳で、どうにもこうにも短国のオペの打ち方が痛恨としか申し上げようがないですな。


なお市場ですが
http://jp.reuters.com/article/jptokyomarket/idJPL4N0V93QX20150130
〔金利マーケットアイ〕翌日物の加重0.07%前半か、3カ月物TBは-0.006%に低下
2015年 01月 30日 15:28 JST

『日銀が実施した国庫短期証券(TB)買い入れは無難な結果となった。買入予定額は2兆5000億円と前回(3兆円)から減額。落札結果によると、応札額は4兆0788億円と前回(7兆3892億円)を大きく下回った。案分利回り格差はプラス0.001%。日銀が週1回2.5兆─3兆円ペースの買い入れを継続していることから、需給改善への期待が高まった。日銀買い入れを受けて、新発3カ月物は前日比0.005%低いマイナス0.006%で出合いを付けた。』(上記URLより)

ということなのですが、オペの落札結果的にはカレント3Mは投げないと入らないレベルなのですが日銀買入を受けて3Mが強くなるという辺りに味わいがありますな(棒)。


・2月の輪番実施額は変化なしだが謎の修正あり

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2015/rel150130d.pdf(今回)
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2014/rel141230b.pdf(前回)

『(注4)2015年2月2日以降の最初のオファー金額は、残存期間1年以下700億円、残存期間1年超3年以下4,000億円、残存期間3年超5年以下4,000億円、残存期間5年超10年以下4,000億円、残存期間10年超25年以下2,400億円、残存期間25年超1,400億円、変動利付債1,400億円、物価連動債200億円とする予定です。』(今回)

『(注4)2015年1月5日以降の最初のオファー金額は、残存期間1年以下700億円、残存期間1年超3年以下4,000億円、残存期間3年超5年以下4,000億円、残存期間5年超10年以下4,000億円、残存期間10年超25年以下2,400億円、残存期間25年超1,400億円、変動利付債1,400億円、物価連動債200億円とする予定です。』(前回)

ということで昨今の債券市場大暴れを受けて超長期とかいじるのかと思いましたが特段の変化もなくという事で、その一方で意味不明に買入額のレンジで中期の1回当たりの額を『5,000〜12,000程度』から『4,000〜10,000程度』になっておりまして、なんでそこを減らしたのかよくわからん結果になっています。まあ5000億×2を上限にしますよという事かもしれませんけれどもわざわざ変える必要があるのかがよくわからん。

トップに戻る



2015/01/30

○2年入札とか短国とかの市場ネタ

・2年入札はマイナスから浮上とな

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/nyusatsu/2014/resul077.htm

(1)応募額 10兆8,718億円
(2)募入決定額 2兆5,580億円
(3)募入最低価格 100円18銭0厘(募入最高利回り)(0.009%)
(4)募入最低価格における案分比率 57.6529%
(5)募入平均価格 100円18銭6厘(募入平均利回り)(0.006%)

とまあそういうことで昨日の2年は前場引けの時点で気配がプラスの0.5bpから0.8bp辺りのところにいたのでプラス入札だぜヤッホーと思っておりましたが、応札の方も前回よりは少なくて結果もまあこんなもんという所ですし、いわゆる不明玉も1.3兆円程度なのでまず普通の入札となりましたな。

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/nyusatsu/2014/resul077a.htm
本日の2年利付国債(第349回)の第U非価格競争入札に対する応募はありませんでした。

でまあBBの引けは0.5bpになっているのですが、第U非価格はボウズでしたので引け水準は完ぺきなオファーサイドという所で、2年債ヒャッハーマイナス金利からようやく脱却となっていて誠に結構としか申し上げようがない(マイナスだと市場が死んで困るので)ですな、うんうん。

でまあ足元そんな訳で追加緩和ネタがいったん後退したところから全般的に債券市場が調整しているようにも見えるのですが、実際問題としては昨日の債券市場だって先物30銭近い上からスタートしているのに前場から10年辺りにブチカマシが来て失速するとか、後場にも謎の債券ジャッジメントタイムだか何だかしらんですけどここの所連日後場途中で謎の債券売りとか、まあタイミング的には1月展望レポート中間レビューで目先の金融政策に対する見通しが変化した後からではあるのですが、なんだかよー分からん債券売りモードのほうが効いている悪寒もするが誠に謎の極み。

しかしまあ何ですな、昨日も申しあげましたが年初以降の「もう投資家が売るに売れないし買うのも無理という水準になったから日銀オペの成行買いにぶつけてパラダイス銀河だヒャッハー」という相場は何か知らんけど売りが来て、その際に普通の投資家が買えない水準にいるとそらまあ支えのビットがないのだからボラ上がるわなというお話ではあるのですが、しかしながら日銀の無慈悲買入の残高は今後も拡大傾向であることを鑑みると目先はともかくその先どうなのとかを考えるのも難しいですのーと存じます。

てかまあここまでの結果から見ますと「日銀の市場キャパシティーを無視した国債買入が足元では市場に対して相当規模の無駄な仮需要を発生させていた」という金融政策へのインプリケーションを読むことができる訳で、この買入拡大をいつまでも続けてよいのかという話になるでしょと。つまり買入拡大するうちに無駄な仮需を発生させる規模が更に壮大になる訳で、その一方で目標達成を(まあしないと思うけど)するとか、そうじゃなくても金融政策の見直しとかになった時への反動圧力が今回の謎展開なんぞ目じゃない事になりかねませんので、そういう意味からもバランスシートの無理な拡大は先のリスクを高めますなあとか最早2年国債入札と全然関係ない話になるのでした。

一応毎度のロイターさんの記事を置いておきますね。
http://jp.reuters.com/article/jptokyomarket/idJPL4N0V830A20150129
〔金利マーケットアイ〕国債先物は小幅反発、長期金利0.290%に上昇
2015年 01月 29日 15:19 JST

『<15:12> 国債先物は小幅反発、長期金利0.290%に上昇

長期国債先物は小幅反発。前日の海外市場で、米連邦公開市場委員会(FOMC)後の米債が買われた流れを引き継いで、買い戻しが先行した。買い一巡後は戻り売りが優勢になる場面もあり、相場は乱高下した。後場も方向感が出にくかったが、日経平均株価が大幅に軟化したことを材料に終盤に再び短期筋からの買い戻しが優勢になった。現物債も荒い動きになった。長期ゾーンは調整売りと押し目買いが交錯。超長期ゾーンの金利も振れ幅が比較的大きくなった。業者のほか、海外勢を巻き込み一部銀行勢の動きが活発化した。2年債はさえない。ただ、2年債入札は事前の調整が奏功し無難な入札結果となった。最高・平均落札利回りに関しては、ともにプラス水準となり、過度な利回りの低下が修正された。長期国債先物中心限月3月限の大引けは、前営業日比6銭高の147円94銭。10年最長期国債利回り(長期金利)は前営業日比0.5bp上昇の0.290%。』(上記URL先から)


・3M入札は100円足切で本日の短国買入に注目

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20150129.htm

(3)募入最低価格 100円00銭0厘0毛 (募入最高利回り)(0.0000%)
(4)募入最低価格における案分比率 7.8136%
(5)募入平均価格 100円00銭0厘7毛(募入平均利回り)(-0.0027%)

つーことで100円足切になりましたが、いわゆる不明玉も1.8兆円弱と割と普通にディーラーの懐に入っておりますようですので、本日の短国買入ってまあ札はたくさんあるように思えますが、本来的に言えば今月は償還よりも3兆円ほど買入を超過させているところでありますし、来月は10兆円償還がありますけれども、短国残高維持という話だけでいえばよーしパパ3兆円買入しちゃうぞーとかやる必要はなさそうにも見えますな。

つーかですな、まあいろいろな要因があるから決め打ちで講釈するのも微妙ちゃあ微妙なのですけれども、短国金利がどマイナスで推移する中で短国買えないから利付みたいな話になり、その年限がドンドン拡大して債券市場があばばばばばーとなったのの巻き戻しみたいな展開になっている訳でして、ここまでイールドカーブが親指を立てて溶鉱炉に沈む事態になった大きな原因として「短国買入がマイナス金利を維持するようなオペの打ち方で推移して短国のマイナス状態を長期化させて短国市場を殺した」(短国は主要銘柄が13週間物なのですから1か月以上もマイナスが維持されると市場は自動的に死ぬ)というのがあるとしか思えない訳でして、そういう認識も広まる中でよーしパパ札があるから短国買入をたくさんしちゃうぞーとなるかどうかが注目というか日銀の調節スタンスが注目というかでありますな。

なお、売買参考統計値を見ますと本日の場合は507回1年カレントが-2.0bp、昨日の509回が0.0bp、先週の508回が-0.1bp、その前の506回が-2.5bpとなっておりますが、506回は先週の短国買入で軽くなっているので507回が一番入りやすくて、ただまあ1年は発行が2.5兆円ですからオペに打ち込まれるのって経験的に1兆円台後半のはずだから残りの札がどうなるのかという所でしょうし、そうなるとたぶん在庫残っていそうな508と509の引けがあまり強くないから平均と足切の差が出るような結果になるんですかねえよくわかりませんけど。

ちなみに先週金曜の売参を見ますと507回が-2.5bp、508回が-0.1bp、506回が-5.8bpでついでに言えば504回(506の前の3M)が-5.0bpで、その前の月曜の売参を見ると507回が-2.0bpで506回が-3.9bp、504回が-5.5bpで505回(6M)が-2.9bpとなっておりまして、オペが売参からの利回り較差競争方式なので売参が低いものから順に入りやすいというのが仕様ですから旬報の短国残高と比較してみるとなかなか味わいがあるというものです。

トップに戻る



2015/01/29

○市場雑談である

・今度は10年に売りとか中短期が徐々に水面に戻ってきましたよとか

毎度のロイターニュースで恐縮ですが。
http://jp.reuters.com/article/jptokyomarket/idJPL4N0V72NW20150128
〔金利マーケットアイ〕国債先物は続落、長期金利一時0.300%に上昇
2015年 01月 28日 15:19 JST

『<15:14> 国債先物は続落、長期金利一時0.300%に上昇

長期国債先物は続落。前日の米国市場で、12月耐久財受注が市場予想に反して減少したことや企業決算のさえない内容を材料に株安・債券高となった流れを受けて、東京でも買い戻しが先行した。後場は一転、短期筋からの戻り売りに押され、国債先物は節目の148円を割り込んで一時147円80銭まで下落した。現物債も午後の取引から、各ゾーンに強い金利への上昇圧力がかかった。先物に連動性を強めた流れとなり、FOMCの結果を意識した業者中心のポジション調整がみられた。日銀が3本建てでオファーした国債買い入れオペは、市場実勢の範囲内の結果に収まった。2年債利回りは前日比1bp高い0%を付けた。マイナス利回り解消は、昨年12月16日以来、約1カ月ぶり。29日の新発2年債入札を控えて調整圧力がかかった。』

ついこの前0.20%割れドイヒーとか言ってたのが昨日は一時0.300%とかもうね(なお引けは0.285%)という所ですが、昨日は先物が18銭安で10年が2.5甘となっておりまして(なお20年が1強で30年が2.5強というのもなかなかおしゃれですが)、5年も2甘(の0.055%)ですので10年が特に売り攻撃という事ですねわかりますということで。

ついでにここもとの動きですと中短期のところも徐々に水面に戻ってきておりまして、2年カレントがゼロ%まで戻ってきましたし、利付のマイナス金利の引けとなっている部分がだいぶなくなってきておりましてほほーという所ですな。

まー何が何だかという所ではあるのですが、短いところに関してはそんなに付利下げ系のポジションがあったのかねとイマイチワカランチ会長ではあるのですが、いずれにせよ12月中盤以降、特に1月になってからというもの、売る人がいないのを良い事に日銀のレートを問わずに成り行き買いという輪番とか短国買入にぶつけてヒャッハーヒャッハーとやりながら普通の投資家が普通に参加できない水準まで持ち上げてしまったものの、追加緩和観測が後ろに倒れた途端にポジションの維持がしんどくなってきたとかそういう話ですかねえ、なんだかよくわかりませんけど。

あと短国の過激なマイナス状態が気持ち改善しているのも短期のところでは影響があるような気もしますが、単に2年入札前の調整かもしれませんのでよくわからんです、はい。


・本日は3M短国入札(と2年入札)でありますが

さて本日は昨日申し上げたように3Mの短国入札。足元では何か知らんですけれどもやや3Mカレント近辺の引値がやや甘くなってきていて、GCレートはちと下がっているから需給そのものは若干改善しているようにも見えるのですが訳分からん。つーて下がってもGCレートは別に市場の玉がスッカラカンになった時のような水準ではないので、まあ玉はあるんでしょうかね。

てな訳で本日の3M入札は毎度おなじみのマイナス足切りになるのか100円まで足が伸びるのか(アンダーパーは期待してませんけど)という風情なのですが、今日の結果と明日の短国買入の入り方がどうなるのかに注目したいと思います。

しかしまあ何ですな、短国の引けのマイナス金利が徐々に緩和してきている中で2年とかの利付の金利も徐々に水面に復活しつつある、とかいうのを見ますと、そもそも論として短国買入で投資家を排除してマイナス金利を維持するという日銀の調節スタンスが短国のみならず債券市場を壊すのに大変に有意義な貢献をしておりますなというのが示されていると推測される所でして、まーもうちょっと短国買入の実施において札集めるのを重視するだけではない運営というのができませんですかねえと思う今日この頃でございました。

つーことでまあ2年もさすがにマイナスにはならないんでしょ?よくわからないけど。

トップに戻る


2015/01/28

○市場雑談であるが債券市場がいろいろとあばばばばーな件について

・連日の債券大暴れ市場

昨日の債券市場はやや安い位のところで前場は推移していましたが、その間に超長期が一転して(というか前日の終盤に確りしてきたのですけど)強くて盛大にツイストフラットするという展開になりやがりましてナンジャソラ状態。

で、流動性供給もまあ普通に確りで後場さらに超長期堅調になって後場13時近くには超長期がさらに値を飛ばして強くなって20年カレントと30年カレントが最大風速7毛強まで強くなったりしていたのですいが、なんか知らんが13時半くらいから超長期は失速するわ債券先物は下げだすわという謎展開になり、その後中期まで売りでもあったのか弱くなりまして、終わってみれば先物は47銭安の安値引けだわ5年カレントは2.5甘の0.035%だわ10年カレントは4甘の0.260%だわと派手な展開。

まあなんですな、一昨日の引けの時点で超長期は追加緩和前の水準近辺に戻っているのに長期や中期は強いままというのはナンデスカソレという感じだったので朝っぱらからフラットナーが入ったんでしょうかねえというのは想像できますが、途中からの下げはナンデスカコレ状態でございまして、アウトライト的にみたら昨日も超長期は20年カレントで高値7毛強とかやっていたのに引けは5糸甘(引け後に1毛甘)とかで、しかもそれを両方後場にやっているので、後場の高安が8毛あるとかもう何だかねという超長期のチョッピーさですな。昨日の場合は先週金曜のように日中にカーブの方向性が盛大に変わるまでの事ではなかったとは言え、日中にもカーブの形状が大きく動くの巻でありまして、マーケットメーカーの体力が落ちていてちょっとした売買で大暴れという状態になっているなあと思うのでした。

ここまで特に中期ゾーン中心に日銀オペ狙いヒャッハーとかやりすぎている上に、追加緩和の付利下げ等のネタにも反応していたのかねえとも思ったりもしますが、いずれにせよ思いのほかポジションが積みあがっていたものが巻き戻される中でボラが上がるわマーケットのポジションが傷むわという事になったのでしょうかねえと。で、今回のMPMで追加緩和に対する思惑が思いっきり後退(何せ不肖このアタクシも4月展望レポートまでに追加緩和なり焼き土下座なりに追い込まれるのは必至という予想から10月まで意地汚く粘る(ただし豹変リスクあり)に変更しましたからねえ)したので巻き戻しが禿しくなったと。

・・・・・・・などと偉そうに後講釈していますが、本当にそうなのかはよくわからんがとりあえず備忘で書いておかないと後になると益々訳分からなくなりそうなので書いておきますよ。


・今週の短国は入札1本オペ1回

明日は木曜ですので毎度の3M短国入札でして、今回の入札分は大型連休明け直後の償還となりますが、カレンダーの関係上ロールの入札が連休前の4月28日に行われますので、まあ使いやすいっちゃあ使いやすい入札ですな、うんうん。

一方で2月って日銀保有国債の償還が10兆円と多いのですけれども、これは3か月前に短国金利がマイナスヒャッハーとなっていて、投資家に嵌らないで日銀に盛大に打ち込まれていたので、その裏で2月って投資家の償還ロールのニーズが少ないんですけど、それはそれとしてどうせ短国マイナス状態とか中短期の利付がマイナスとかの困ったちゃん状態は継続する中でございますので、金利が付けばニーズはあるんでしょうねえという所です。

でまあ金曜がどうせ短国買入なのですが、ここもとはアタクシが悪態をついておりますように、オペのペースを落とせばマイナス金利維持状態が解消されてもおかしくない所にご丁寧にも日銀が3兆円買入3連発攻撃をしてマイナス金利維持オペレーションを実施している訳で、まだ札があるのでよーしパパ短国また3兆円買っちゃうぞーとかやるのかどうかを注目というか呆れて眺めたいと思います。

・・・・・・ところで短国市場に関してですが、ブルームバーグプロフェッショナル(端末のほうね)の12時28分に大変に興味深い記事が掲載されておりまして、味わいがあるのですがこれは味わいながら舌の上がピリピリと痺れる感もありまして(なおいちゃもんつけているのではなくほめておりますのでお間違えの無いように)、実に勇猛な出来上がりに仕上がっておりますのでご覧になれる方は鑑賞されることをオヌヌメしておきたいと存じます。

トップに戻る



2015/01/26

○市場雑談である

・債券市場が何か盛大に壊れておるのですが(なお引用増量)

こちらは22日木曜日
http://jp.reuters.com/article/jptokyomarket/idJPL4N0V12AM20150122
〔金利マーケットアイ〕国債先物は大幅続落、長期金利一時0.320%に上昇
2015年 01月 22日 15:16 JST

『[東京 22日 ロイター] -〔金利マーケットアイ〕

<15:10> 国債先物は大幅続落、長期金利一時0.320%に上昇

長期国債先物は大幅続落。前場は調整一巡後に値ごろ感からくる短期筋の買い戻しが優勢となる場面があったが、後場は急落した。中心限月3月限は1月9日以来の148円割れとなった。ECB理事会の結果を控える状況で、ロングポジションの調整が入ったとの見方が出ていた。主体は海外勢とみられている。現物債は利回りに強い上昇圧力がかかった。とくに超長期ゾーンは投げが出たもようで、20年債、30年債利回りともに前営業日比10bp以上の大幅な上昇になった。20年債入札そのものは無難な結果に収まっていた。5年債利回りも昨年12月に付けた高水準に上昇。

長期国債先物中心限月3月限の大引けは、前営業日比52銭安の147円65銭。一時は147円41銭まで下落した。10年最長期国債利回り(長期金利)は前営業日比7bp上昇の0.315%。一時は1月5日以来の高水準となる0.320%を付けた。』(上記URLより)


で23日金曜日
http://jp.reuters.com/article/jptokyomarket/idJPL4N0V22I520150123
〔金利マーケットアイ〕国債先物は大幅反発、長期金利一時0.220%に低下
2015年 01月 23日 15:19 JST

『[東京 23日 ロイター] -〔金利マーケットアイ〕

<15:15> 国債先物は大幅反発、長期金利一時0.220%に低下

長期国債先物は大幅反発。前場は欧州中央銀行(ECB)の量的緩和(QE)実施決定を受け、欧米債が堅調に推移した流れを引き継いだ。日銀オペへの期待があったことも、需給面で相場を下支えした。後場は日銀オペで超長期ゾーンの需給の引き締まりを確認すると、上場幅を拡大。一時は148円51銭まで買われた。現物債は高安まちまち。中盤までは、各ゾーンの利回りに強い低下圧力がかかった。前日にロングポジションの調整により金利が急上昇(価格は急落)したため、絶好の押し目を提供した格好。銀行勢を主体にした買いが入っていた。日銀オペ確認後は利回りの低下圧力が強まる場面があった。後半に先物が伸び悩む局面では、長期ゾーン利回りの低下幅をやや縮小した。2年債、30年債の各利回りは上昇基調になった。

長期国債先物中心限月3月限の大引けは、前営業日比75銭高の148円40銭。10年最長期国債利回り(長期金利)は前営業日比7.5bp低下の0.240%。一時は0.220%を付けた。』(上記URLより)

とまあロイターの記事をべたべた貼ってしまいましたが、特に金曜日は輪番の後に超長期が大復活したと思ったらその後いきなり誰が売ったのか知らんですが超長期にブチカマシが来たようで、何か後場ピークから引け近くまでの間に20年が10毛甘くなるとかもうねという状況でして、その前段で言えば前場は超長期ヘロヘロで推移していたので、超長期はカーブ的にスティープ→大復活して何とフラット→売りで崩れて一気にスティープとかもうグチャグチャにも程がある展開となっておりましてもうねという所です。


まあ追加緩和以降色々と市場が壊れモードではあるのですが、追加緩和→12月入り以降の金利低下ヒャッハー相場→1月になって更にヒャッハー状態、とまあヒャッハーヒャッハーモードとなっていた債券市場ですが、SNBの動きでボラが盛大に上がったとか、木曜夜のECBの動きとかもあるのですが、日銀が今回の展望レポート中間レビューのところで急に10月のロジックが無かったことになるというのが炸裂したのも債券相場の壊れ加速に寄与していると思いますがね。

10月には「2年で2%達成に拘る」という姿勢を出しながら追加緩和を実施した訳でして、その流れからしたら誰がどう見ても2%の早期達成に拘る為には緩和政策を早めに拡大しないと今の物価情勢だと厳しいですよね、という認識だったからこそ不肖このアタクシも追加緩和は遅くとも4月とか思っていた訳ですが、今回いきなり「原油が下がって物価が下がるのは知らんがな」状態になるという凄まじいまでのロジック変化(というか10月に飛んだロジックが元に戻ってきたと言えばそうなのですが)ですので、まあ普通に考えますと「日銀は何を言い出して次のアクションをしてくるのか分からん」という認識が非常に強まったわけで、まあ金融政策に思いっきり振らされる債券市場なだけに、金融政策の予測可能性が低下するというのは市場のぶっ壊れっぷりに寄与しているように思えるのですよね。

てな訳でしばらくボラが高いというかカーブが暴れるというかな相場が続くのかもしれませんが、金融政策のロジックが訳分からん状態になっているのが背景にあると考えると、結構根が深くなるかもしれませんな、うんうん。


・短国買入はまた3兆円かよ

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of150123.htm
国庫短期証券買入 30,000 2015年1月27日
(短国買入分のみ引用しています)

・・・・・・・・とまあそういうことで短国買入が3兆円の打ち込みとなりまして、結果はといいますと。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba150123.htm
国庫短期証券買入 73,892 30,000 0.023 0.023
(短国買入分のみ引用しています)

またまた7.4兆円ほどの応札があったので、「応札する玉があるようだから3兆円打ち込みました」という毎度のパターンなのですが、そもそも今月は日銀保有の短国は8兆円だというのに結局今月は11.5兆円の短国買入を打ち込んで来やがりまして、財政要因での資金不足が10.5兆円で国債買入要因での増加が9.3兆円で計算すると、どう見てもマネタリーベースを前月比積み上げにかかった格好になっております。

えーっとですね、10月の追加緩和によって基本的にMB拡大の目標については長期国債の買入で達成するという形になった筈で、しかもその理由は「短期オペに過重負担をかけない」というものだった筈ですよね。

然るに、今のオペの打ち方って「とにかく買える時に残高積みたい」というのが見え見えでして、しかも1月だと資金不足月だからMBの帳尻も考えてみたいな打ち方になっている結果、このオペの応札額や現先レポ金利の動向からして、どこからどう見ても短国を業者が結構抱えているだろうという状態になっているにもかかわらず、短国のレートは延々とマイナス水準で推移している訳でして、どこからどう見てもオペの打ち方自体が結果として在庫を抱えた業者が日銀に売るまで粘る動機を与えているとしか見えない状態になっておりましてもうアホかと。

大体からしてですな、日銀の短国買入残高を財政要因に合わせて一々ぶらされると、その度に短国のセカンダリーの需給が日銀要因でぶれる訳で、イールドカーブの起点となりうる短国の部分の価格形成をもう少しマシにしないといかんというか、そもそも短国のマイナスを放置して(というよりは1月相場では日銀の買入が積極的に短国マイナスを後押ししている格好)いるから中短期の国債市場の価格形成もおかしくなっている訳で、オペの運営があまりといえばあまりなので債券市場の壊れも早く来たと思われますがなんともねえという所です。

ちなみに、例によって例のごとく売買参考統計値を見ますと金曜の短国買入の基準利回りとなる23日付けですと新発の1つ前の銘柄の506回債の平均値単利が-0.058%となっておりまして、これが一番レート低いのでこの銘柄が主に打ち込まれたのでしょうなあという所でございますし、1年新発だと平均値単利が-0.025%ですので、上記の結果(2.3甘の一本値)では入札レベルから見ると投げになるのでまたも入っていませんな、うんうん。

・・・・・となりますと、この応札額からして今週金曜の短国買入もまた札があるぜヒャッハーといって日銀がたくさん買入をオファーしてきて日銀短国買入で打ち込みたい人たちニンマリという流れになりそうで実にこうアレでございますな。


ちなみにネット版だとたぶん見れないと思うのですが、ブルームバーグプロフェッショナルの方では市場講釈の記事がございまして、今回の短国オペに関して中々こう味わいの深い(ほめ言葉です^^)解説が掲載されていたのですが、ご覧になりたい方は金曜の15:50配信の記事でありますのでオヌヌメしておきますね。なお味わいが深いといえば昨日大量に打ち込まれたと思われる短国506回債ですが、日銀の買入によって需給が引き締まるとその後の(以下自粛)。

トップに戻る


2015/01/20

○市場雑談というか金利が更に溶鉱炉な件について

・またも糸の切れた凧状態

http://jp.reuters.com/article/jptokyomarket/idJPL4N0UY24Y20150119
〔金利マーケットアイ〕国債先物が一時最高値、長期金利は0.205%と5日連続で最低更新
2015年 01月 19日 15:17 JST

『<15:10> 国債先物が一時最高値、長期金利は0.205%と5日連続で最低更新

国債先物中心限月3月限は前営業日比22銭高の148円62銭と続伸で引けた。前週末の米債安に加えて、日経平均株価の反発など外部環境からの逆風で、朝方は売りが先行したが、売り一巡後は下げ渋った。午後に入ると、日銀買い入れ結果で残存5年超10年以下を中心に一段の現物需給引き締まりが意識されると上昇に転じ、1月14日の夜間取引で付けた史上最高(148円58銭)を更新して、一時148円65銭まで買われた。現物市場は長期・超長期ゾーンを中心に堅調。10年最長期国債利回り(長期金利)は5営業日連続して過去最低を更新して、同3bp低い0.205%に低下。20年超長期国債利回りは一時同4bp低い0.865%と2013年4月5日以来の水準に低下した。急激な金利低下への警戒感から国内投資家の動意が鈍かったが、海外勢からの買いが観測された。』(上記URLより)

ということでまあロイターのネット版さんで説明がある通りではございますが、輪番の長期ゾーンが結果が強かったのと応札が少なかったのがあって長期がヒャッハーとなり、この後4時過ぎには0.200%までマークする有様。中期とかに関してはユーロ円金先が珍しく盛り上がって金利低下して(ユーロ円TIBORとかが下がっていたり付利がどうのの思惑があったりということのようですが)という事でもう大変な事に。

昨日のオペ結果(短国買入に関しては後ほど)

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba150119.htm
国庫短期証券買入 76,064 30,000 0.020 0.025 77.3
国債買入(残存期間5年超10年以下) 6,915 4,001 -0.007 -0.001 15.0
国債買入(残存期間10年超25年以下) 4,608 2,406 0.012 0.014 64.4
国債買入(残存期間25年超) 3,822 1,405 0.013 0.016 44.3

ということで、長期輪番の応札が6915億円と少ないのと足切りがやや流れたことから後場にヒャッハー相場になりましたぞなという展開だった訳ですが、この調子ですと(もとより新発債の供給に対して買入が過大と言われている)長期ゾーンが夢の輪番札割れまたは輪番が盛大に流れてとんでもない金利まで日銀様お買い上げというようなお洒落な話に来月にでもなるんじゃネーノと申し上げたくなるこの展開ヒドスとしか申し上げようがございませんな。

しかしまあ何ですな、輪番札割れとかになると「国債買入のオペレーションとしての限界」ってな話が出てきて、盛大にMB積み上げまくったのに全然CPIが伸びていませんがマッカラムルールだの何だのとは何だったのかと置物先生を小一時間問い詰めたい状態の中でそういう事態が起きますと、「金融政策の目標が達成できない中でオペレーションに限界」とかどこぞのスイッツアランドみたいな連想が働くと日銀としてもマズーだと思うのですけど大丈夫ですかねえ(ニヤニヤ)。


・短国買入は相変わらずの3兆円

はいはい3兆円3兆円
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of150119.htm
国庫短期証券買入 30,000 2015年1月21日

だいたい昨日なんぞ売買参考統計値的に3か月のカレントしか札が入らないのが予想されるのですから1年TB買って残高の安定的な積み上げ&ロールオーバーの頻度を減らして買入できなくなるリスク回避、という視点で考えたらここで3兆買わないで減らしてオペ先に緊張感ださせればエエヤンなどと思うのですが、そんな事をするのであればそもそも延々と短国金利がマイナスになるようなオペの打ち方をしていないので文句を言うだけ時間の無駄というものです。

で結果はさっきの通りですけど。
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba150119.htm
国庫短期証券買入 76,064 30,000 0.020 0.025 77.3

まあこんなもんでしょという所ですが、昨日付の売参で突出して利回りが低いのは3Mのうち年初1発目と2発目の分になる503回と504回(近い償還の1年短国も同じくですがそもそもそんな銘柄は流通玉が無いのでどうでもよい)で両銘柄ともマイナス5.5bpとなっております(なお1年新発507回はマイナス2.0bp)ので、まあ2甘だの2.5甘だので放り込んでも入札レベルから見たら鼻歌混じりでワークするレートですな(一方1年新発507回だとゼロ以上の金利になるから入札レベル対比負けになるのでこれは入っていない筈)。

なお、その次に入札があった3Mの506回はマイナス3.9bpだったのでまあワークするにはワークするけどちと微妙かなという所ではありましたが、いずれにせよこの落札結果ですと1年TBは入っていませんので、これだけの札がある上に1年TBを買いたいという日銀の意向は強いでしょうとか思うと、今週金曜も3兆で短国買入を打ちやがる可能性があるなあと思う訳で、そうやって国内の普通の投資家をマイナス金利で排除することに何の意味があるのかと小一時間問い詰めたい所ではありますな。

長期国債買入の場合は買入の回数も多いし、銘柄も多いので「どの銘柄がどのレートで入ったか」とか類推するのがかなり面倒ですけれども、短国買入の場合は基本的に買入が週1で買入銘柄の方は10日毎に公表されますし、そもそも流通玉のある銘柄がカレント近辺に限られている(四半期末通過後は残高調整玉の売りが出る場合もありますが)し、買入対象銘柄も2Mよりも長い所になるので銘柄数も少ない、という事で、まあオペ結果と売買参考統計値を見ながら出来上がりレートとかまで想像できますので、売買参考統計値(売参見るの面倒でしたら日本相互証券さんの引けでも良いけど)の推移を鑑賞しながらオペ結果の鑑賞をすると味わいが深いというものでございます。

トップに戻る


2015/01/19

○市場雑談である

・業態別日銀当座預金残高である

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/cabs/cabs.htm/

例によって例のごとくここからダウンロードして数字を見ますと、12月積み期間の数値になるので12月の国債償還要因があるよねと思いつつ鑑賞しますと、「都市銀行」が増えるどころか減っている(平残の方で話をしていますので念の為)というのがほえ?という所です。

つーかまあ都市銀行の超過準備って段々伸びが鈍化してきていまして、さすがにバランスシート制約の問題が出てきているのではないかと思われるところで、それはつまり「都市銀行(とかの投資家)が手持ちの国債を輪番に打ち込んで日銀のバランスシート拡大政策が持続する」という状態では無く、「発行された国債が業者経由で右から左に日銀輪番に打ち込まれることによって日銀のバランスシート拡大政策が持続する」というステージに完全に変貌しているという状況をこの動きも示しているんじゃネーノとか適当な屁理屈を考えてみましたがどうでしょうかね。

#ちょうど12月の途中から輪番効果の金利低下が過激になってきていましたし

なお、地方銀行とかその他準備預金制度適用先とかの超過準備が積み上がっていまして、まあ国債償還要因はこの辺に出ているのかなという所で。


・1年短国入札・・・・・・・・・

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20150116.htm
(3)募入最低価格 100円01銭2厘 (募入最高利回り)(-0.0119%)
(4)募入最低価格における案分比率 5.4545%
(5)募入平均価格 100円01銭7厘 (募入平均利回り)(-0.0169%)

ということで平均がマイナス1.7bpという事で毎度の入札でございましたが最早知らんがなという感じではありますな(−−;

http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPL3N0UV1LF20150116
〔金利マーケットアイ〕新発1年物TB入札しっかり、最高落札利回り過去最低更新
2015年 01月 16日 12:45 JST

『<12:38> 新発1年物TB入札しっかり、最高落札利回り過去最低更新

新発1年物国庫短期証券(TB/507回)の入札で、最高落札利回りはマイナス0.0119%と1年物として過去最低を記録した前回(マイナス0.0040%)を下回った。平均落札利回りはマイナス0.0169%。入札について市場では「しっかりした結果だ。週明け19日にも予想される日銀買い入れの期待や前日入札の3カ月物が事前予想より強かったことが影響した。オペ見合いの需要と思われる」(国内金融機関)との見方が出ていた。』(上記URLより)

てなわけで、まあ本日は恐らく短国買入がオファーされると思うのですが、本日付(金曜に公表される奴)の売買参考統計値を見ますと直近の3Mの引けの方が1Yよりもマイナスが深くなっておりまして、落札時の利回りから本日付の売買参考統計値までの距離を考えると本日の短国買入は3Mの方が入れやすいという事になるんでしょうかよくわかりません。

しかしまあ何ですな、

http://jp.reuters.com/article/jptokyomarket/idJPL3N0UV2FF20150116
〔金利マーケットアイ〕翌日物0.073─0.075%中心、ユーロ円金先は強含み
2015年 01月 16日 15:23 JST

『<15:20> 翌日物0.073─0.075%中心、ユーロ円金先は強含み

無担保コール翌日物は0.073─0.075%中心での取引。主な取り手は地銀・信託で、取引レンジは0.071─0.077%付近とやや幅広くなった。レポ(現金担保付債券貸借取引)GCT+1レート(平均)は0.098%と高止まり。国債売現先オペの応札額は2億円にとどまった。新発1年物国庫短期証券(TB/507回)の入札で、最高落札利回りはマイナス0.0119%と、1年物として過去最低を記録した前回(マイナス0.0040%)を下回った。オペ見合いの需要とみられている。業者間取引で新発債の利回りはマイナス0.02%近辺、3カ月物(506回)はマイナス0.040%での出合い。ユーロ円3カ月金利先物は株安・債券高で強含み。』(上記URLより)

レポGCレートは相変わらず高止まりという記載がありますが、現状の短国マイナス金利状態ってもともと昨年9月に発生した時とは状況が違っていまして、昨年9月の時には日銀買入の残高も多かったというのもありますが、期末ニーズだの海外ニーズだの色々とあって、マイナス金利状態の中でレポGCとか特に短国現先市場とかでも玉がスッカラカンで、特に短国現先に関してはうっかりするとプラスの金利が出ないような状態になっていた訳でして、そういう意味では「日銀と投資家に玉がズッポリ嵌っていて流通玉がそもそも存在しない」という状態の中でのマイナス金利状態だった訳ですよ。

然るに、足元ではここもとの短国買入のオファー額でもそうですし、レポGCや現先利回りを見てもそうですし、普通に流通玉があるのだけれども、その流通レートがマイナスのまま維持されているという状態になっておりまして、昨年9月辺りのマイナス金利状態が投資家需要と日銀買入を背景にしたものという言い方をした場合、足元のマイナス金利状態って「玉がある時に日銀が投資家を押しのけて買ってくるのが見えているので相場が維持されている」という状態にしか見えないのでございまして、もうちょっと短国買入の打ち方を考えた方が資産買入政策の維持可能期間を長く出来るのではないかとか先ほど申し上げたのは、この辺りの状況を勘案して申し上げている次第とゆー所ではありますが、まあ日銀が確信犯的に市場から投資家を排除しようとしているのであればシャーナイナイでもありますな。

つーかですな、売参の引値状況から見ると今日の短国買入って3Mの方が入りやすいと思うのですが、そういう結果になると日銀的には1年物を買いたいでしょうから今週金曜(に多分短国買入が入って受渡ベースの1月分は終了、来週金曜も勿論短国買入ありますがこれは受渡ベースで2月分)の短国買入もうっかりすると盛大に打ってくる可能性が今の「買入が全てに優先するので市場なんぞ死んでも知らんがな主義」のオペレーションだとアリエールなのかも知れませんな、オソロシス。

トップに戻る



2015/01/16

○昨日の訂正を(補完供給関連)

昨日の駄文で国債補完供給に関する話をざくざくっと申し上げましたが、その中で国債補完供給に関して「日銀保有残高の50%/2000億円の少ない方」という風に書いたのですが、50%ではなくて100%の間違いでしたので謹んでお詫びして訂正させて頂きます。以前はロール時のループ抑止みたいな感じで50%だったのですが、100%となるにあたって事務的な建付変更とかあるようなのですがその辺は超テクニカルなのでパス。

なお補完供給オペ自体の建付けについては「このファシリティをジャンジャン使ってドンドンマーケットメイクして下さい」というものではなくて、「債券ショートセールの玉手当はマーケットメーカーが一義的に実施するものだけど日銀も玉持っているから本当に困ったら一時的に貸してやるわ」というような、名前通りの「補完的な措置」という建付けなのは同じでございますな。まあどちらが良いのかというのは立場によって見方が違ってくると思うが、これだけ馬鹿買入する中ではもうちょっと利用はウェルカムみたいな感じになって頂かないと現物債市場の流動性ががががとは思ったりもしますが、ここの価値判断は難しいのでアタクシの考えが正しいかと言われるとちょっともにょりますな(汗)。

でまあついでに昨日はこんなのが出てました。

http://www.boj.or.jp/statistics/set/bffail/sjgb1412.pdf
フェイルの発生状況(2014年12月分)

12月は前月から盛大に拡大しているのが味わいが深いですが、まあ過去の推移を見ますと3月に盛大にフェイルが発生するというように、期末要因があったり、(これは12月の話ではないですが)3連休明けの火曜に突如補完供給が盛大に申し込まれるみたいに、まあ事務対応面におけるサムシングが国内海外の銀行休業日が錯綜する12月だと起きやすそうだったりしますから鬼の首を取ったように「国債市場の流動性低下ガー」とは申しませんけれども、まー金利水準低下で事務コスト削らないととなって色々とチョンボが発生したりSCレポ出すにしても収益碌に出ないのにやるのメンドクセとかその手の話ってどの位あるんでしょうかね。


○短国入札ェ・・・・・・・・・・・・・

ヒャッハー
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20150115.htm
(3)募入最低価格 100円00銭0厘5毛 (募入最高利回り) (-0.0020%)
(4)募入最低価格における案分比率 11.8277%
(5)募入平均価格 100円00銭1厘2毛 (募入平均利回り)(-0.0048%)

・・・・・・・・えーっと昨日は「どうせ100円按分でしょ」と申し上げたのですが、アタクシの妄言を打ち破る盛大にオーバーパーの足きりになっておりましてナンジャソラという所ですが、

http://jp.reuters.com/article/jptokyomarket/idJPL3N0UU2QY20150115
〔金利マーケットアイ〕翌日物0.073─0.075%中心、新発3カ月TBマイナス0.017%
2015年 01月 15日 15:24 JST

『[東京 15日 ロイター] -〔金利マーケットアイ〕

<15:20> 翌日物0.073─0.075%中心、新発3カ月TBマイナス0.017%

無担保コール翌日物は0.073─0.075%中心での取引。主な取り手は地銀、信託など。大手行は0.070%で一部出合いを付けた。準備預金の積み最終日、源泉税揚げ日だが、取引金利水準は前日と大きく変わっていない。レポ(現金担保付債券貸借取引)GCT+1レート(平均)は0.098%と強含み。共通担保資金供給オペは札割れ。国債売現先オペの応札額は70億円だった。新発3カ月物国庫短期証券(TB/506回)の入札結果で、最高落札利回りはマイナス0.0020%、平均落札利回りはマイナス0.0048%となった。事前予想よりも強めで、0%近辺では銀行勢などの需要がしっかりとあることが確認できた。業者間取引で新発3カ月物国庫短期証券利回りはマイナス0.017%、504回証券はマイナス0.055%での出合い。ユーロ円3カ月金利先物は閑散小動き。』(上記URLより)

ということでセカンダリーではまたまた平均落札(マイナス0.48bp)よりも強い所(マイナス1.7bp)での取引となっておられるようですが、一方で上記記事にも記載されておりますようにGCレポの金利は上昇って辺りにジャパン債券市場の大変に滋味に富んだ風情を感じる次第でございます。

でまあ本日は1年TBの入札がある訳ですが、もう面倒だから2.5兆円の発行分のうち5000億円だけ価格競争入札して残りは平均で日銀が直接購入しろやゴルァと申し上げたくなりますが、今の建付け上そういう訳には参りませんので今日も今日とて盛大に強い入札となって国内の運用目的の投資家は置き去りになるんですね分かりますという所ですな。

なお、19日月曜に短国買入が実施されますが、何せ「投資家に買われる前に俺が買う」という餓鬼道のような日銀の今の買入スタンスを勘案すると玉があると思えば買入が盛大に打ち込まれて(そもそも論として1年TB(と6MTB)入札後は1年TB(要するに足が長い物を買った方がロールで四苦八苦しなくて済むという理屈)を買いたいから買入の打ち込みが積極化しやすい)という流れですね分かりますという所で。

トップに戻る


2015/01/15

○30年とか今日の短国とか補完供給とか

・30年入札はやや弱めでも結局ブルフラットとな

うむ。
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/nyusatsu/2014/resul072.htm
(1)応募額 2兆2,947億円
(2)募入決定額 6,432億円
(3)募入最低価格 108円25銭(募入最高利回り)(1.131%)
(4)募入最低価格における案分比率 32.8638%
(5)募入平均価格 108円42銭(募入平均利回り)(1.123%)

ということで30年入札は前場からちと重めで、というかそれ以前の所でフラットしておりましたけどそれはそれとして、落札結果は予想より若干弱めだったけどその後結局切り返して前場遅れていた筈の超長期ゾーンは気が付けば先物長期を追い越してブルフラットウマーという展開だわ10年0.25%だわとか(25という数字を見ると公定歩合2.5%VS10年89回債2.55%というのがありましたとか申しましてもあたしゃライブでそれは見ていない)もう何をやっておられるのかという所ですな、ナムナム。


・本日は3MTB入札で明日は1YTB入札

でまあ毎度の短期の方ですけれども、昨日のGCとか現先とかは別に金利が下がるでもなく、先般の短国買入オペ後に別に需給が締まったような感じでもない(まあ日銀が3兆買った分だけは需給が締まったようだが)という中で3M入札を迎える訳で、GCもそれなりの水準だし、この先でネタにしますが先週の短国買入では1年物ばかり打ち込まれていたようで(火曜に何が打ち込まれたのかは22日に判る)、年始一発目から玉が出ていたっぽい年度内償還物はあまり消化されていないという結果になっておりまして、そうなるとまだ重い筈なんですけどねえ(3月半ば以降に償還の来る銘柄は3月時点での日銀短国買入がどういう入り方をするかによるが、そもそも論として決算ニーズが入るので需給が盛大に締まりやすく、そこで出る予定の資金の運用なら使えるけど再投資を考えると手を出しにくいからそもそも売れにくい筈)。

でも火曜日の短国買入増額を見ますと「重いなら買ってあげよう日銀が」という短国買入残高積み上げ命のためにオペ先ウハウハ国内の普通の投資家排除の姿勢を明確に示して頂きましたので、そらまあ入札はまたまた強い(さすがにオーバーで切れないとは思うのだが)でしょうし、1年TBなんてもっとすごい事になるんでしょうなとしか申し上げようがありません。

しかもご案内のように利付国債の方が5年近くまでマイナス金利になっていますので、マイナス金利を買うのは投資という意味でどうよというニーズが短国プラスになると流れ込んでくる(ただし利付と短国だとまた別モノ的な仕切りもあったりする(クーポンが入らないとか債券インデックスに入っていないとか)のでこれまた完全代替にはならないのだが)でしょうなあと思いますと、ゼロ金利以下をキープしていてもなんとかなるでしょう的なお話になるんでしょうな、ナムナム。


・昨日も補完供給

30年国債入札とスワップおよび債券ブルフラットヒャッハーに隠れておりましたがこんなのも。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of150114.htm
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注3) 5,462 2015年1月14日 2015年1月15日
国債補完供給(国債売現先)・即日(午後オファー分)(注4) 6,000 2015年1月14日 2015年1月15日

午前の部と午後の部で補完供給のオファーですかそうですか。

(注3) 国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)の売却対象銘柄は、20年利付国債100回、20年利付国債144回、30年利付国債16回、30年利付国債45回です。
(注4) 国債補完供給(国債売現先)・即日(午後オファー分)の売却対象銘柄は、10年利付国債313回、20年利付国債108回、30年利付国債40回です。

午前の部が4銘柄で午後の部が3銘柄で、前日の堂々16銘柄には敵いませんが、何かまたも補完供給かよという所で。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba150114.htm
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注4) 72 72 -0.400 -0.400
国債補完供給(国債売現先)・即日(午後オファー分)(注5) 4 4 -0.400 -0.400

(注4) 国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)の売却銘柄は、20年利付国債100回(30億円)、20年利付国債144回(10億円)、30年利付国債16回(2億円)、30年利付国債45回(30億円)です。
(注5) 国債補完供給(国債売現先)・即日(午後オファー分)の売却銘柄は、10年利付国債313回です。

まあ何ですな、落札額が上記のような話ですが、そもそもSCで玉が手当厳しいという状態になっている時にSCレポできますかって話になると、大玉なら別にSCレポすれば良いのでしょうが、ロットの少ない端物とかになると投資家の方に借りに逝くにしたって貸す投資家だって事務コストが掛かる(伝票切ったり日銀ネット回したり照合したり)話ですし、大体からして金イラネ状態になっている訳ですから、そらまあ端物のT+0なんて中々手当できませんなという事で補完供給の出番という事になりますが、実際には補完供給オペのリクエストをした後に手当が出来たりしている分もあるので後場のようにオファー3銘柄あったのに落札1銘柄みたいな話になるんでしょうな。

あと、この補完供給ですが、
http://www.boj.or.jp/mopo/measures/term_cond/yoryo30.htm/
補完供給を目的として行う国債の買戻条件付売却基本要領

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2014/rel140414b.pdf
国債補完供給の実務運用の変更について

こちらにもありますように、そもそも「日銀保有額の半分/2000億円」のうち少ない方しか補完供給をしないわ、ロールは5営業日しかできないわとかとなっておりまして、補完供給の建付け自体が「補完供給を自由に使って国債売買の時にスクイーズとかを気にしないで下さいね」的な物に全くなっていないという代物(本格的にスクイーズ掛ったら5営業日しかロール出来ないのは業者的に見たら1週間しかレポが続かんので実質的に無いのと変わらんわ)になっておりまして、一方で国債は盛大に買入を行ってカレント銘柄をドンドン吸い上げるわ、そんな中で国債決済T+1化を推進とか何処からどう見てもSCレポ市場に盛大なストレスが掛かる(特に今の状況では)話は相変わらず進めようとしているわと、何ちゅうかおまいらその各セクションで自分の庭だけ綺麗にしてるんじゃNEEEEEEEEE!!!!と思うのですけど・・・・・・・・・

#うむ気が付いたら全然関係ない悪態になっていて正直スマンカッタ


○1回分の結果なので短国買入残高の分析(?)でも

どうせ長期国債買入銘柄の分析は本職どころかバイセル両サイドで現場の皆様もせっせと分析していると思いますので、ここでアタクシはニッチ狙い(??)で短国買入残高の分析(のようなもの)でも。

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/mei/index.htm/
日本銀行が保有する国債の銘柄別残高

ということで今回は12月30日から1月9日までの間に受け渡しベースで(つーか約定ベースでもそうですが)短国買入は7日オファーの2.5兆円分しか無かったので、7日の買入で何が入ったのかを見るのにちょうどよいので物は試しに見てみましょう。

・どの銘柄が入ったのか

これはもう12/30との差分を単純に取れば良いのですが、そうしますと500回(3/23償還の3M)が1772億円、501回(12/21償還の1Y)が18652億円、502回(3/30償還の3M)が266億円、503回(4/6償還の3M)が4311億円となっておりまして、合計が25001億円なので7日の短国買入結果と同じ(当たり前)ですな。

ということで、12月に入札が実施されて、まあ普通にマイナス金利で落札してその後も延々とマイナス状態になっていて国内の普通の投資家が排除されまくっている1年短国が大きく入っているのと、入札で所謂不明玉が4.5兆円以上あってショートカバーヒャッハー状態となっていた直前に入札があった503回がその次に入っていて、他の銘柄は誤差の範囲内という結果になっておりまして、確か年初に打ち込みがあった筈(じゃなかったらあの金利にならん)なのだがそっちと思しき銘柄の日銀買入は誤差の範囲内とはこれ如何にという所ですな、うんうん。


・これで日銀保有銘柄の償還バランスどうなるのか

1/9残高を償還順に並べますと、2月償還が10.0兆円で12/30時点と変化なし(って2月償還物は買入対象外だから当たり前)で、3月償還は5.5兆円で、500回と502回が入った分だけ償還が増えましたので、短国買入残高維持の観点からすると3月の要買入額がその分増えている(前倒しで買っているので別に3月に5.5兆円買わないといけない訳ではないが)という事になりますが、まあ大して増えていないなという所で。

上記のように1/7は1年物短国が盛大に打ち込まれておりますので、その分だけ償還ロールの負担は軽くなりますから1年物打ち込み上等という感じですが、今回は2.5兆円のうち1.87兆円が日銀の保有って何ちゅうかもうねという所ですな。


・人の懐具合とか計算するなよ!!絶対するなよ!!!

今回は対象になる買入が1回しかないので計算がしやすいのでつい手が滑って計算をしてしまった。反省はしていない。

7日のオペ結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba150107.htm
国庫短期証券買入 66,130 25,001 0.014 0.021 26.5

つまり7日付の売買参考統計値(は6日の引け後に出る)の平均値単利からの利回り較差で+2.1bpの所が平均落札、+1.4bpの所が足切り(利回り較差で一番小さい数値=一番お高い価格という意味ですな)という事ですかそうですか。

売買参考統計値
http://market.jsda.or.jp/html/saiken/kehai/downloadInput.php
売買参考統計値/格付マトリクス ダウンロード

ここで過去の数値も出せますので1月7日付の短国501回債の平均値単利を見るとマイナス7.7bpという数字が拾えますので、501回債に関しては平均落札利回り較差で日銀がお買入をしたと考えますと日銀のお買い上げとなった利回りはマイナス5.6bpという素敵な利回りとなりますな。

・・・・・・でまあこのマイナス5.6bpの1/9渡での売買価格は普通に計算すると100円5銭3厘1毛とかだいたいそんな数字になる筈で、入札時の平均落札価格はこれまた財務省のページから拾ってこれますぞなということで、おまいら人の懐具合とか計算するなよ!絶対するなよ!!という所で以下は興味のある方が勝手に計算してちょという事にしておく(棒読み)。

なお、短国の場合割引債だから当たり前なのですが、保有期間中のクーポン収入に相当するものがございませんので(利付なら利払いとか経過利息の受け払いで調整されますな)、価格差=収入なのではなくて、その間のファンディングコストを計算しないといけませんが、それはまあ債券現先またはGC利回りで計算するのが妥当ですが、面倒な場合は高めに見積もって0.1%として、今回の501回の場合12/21の発行日から短国買入の受渡日1/9までのファンディングが必要になっていると考えますが、18日間10bpでして、10bpって年間で10銭に相当しますから10銭を365で割って18を掛ければ0.5銭とかそんな感じですかね。

まあ今回はちょうど1回分の短国買入が反映されていましたし、ちょうど1年物がドカンと打ち込まれていたのでつい興味本位で下世話な計算をしてしまったが、公表資料を拾うだけでも色々と味わいが深いという雑談でもあるのでした。

トップに戻る



2015/01/14

そういや最近何とかストのレポートを見ていると「金利低下して銀行が困るという話だが国債売って日銀当座預金の超過準備にすれば良いじゃないか」とか「超長期と日銀当座預金のバーベルポジション推奨」とかその手の話が幾つも散見されるのですが、そもそも日銀当座預金(超過準備)と国債が完全に代替可能な財だったらもっと金利裁定が働くからこんな国債金利の状況にならないのでとりあえずおまいらは顔を洗って出直して来いと小一時間。

○例によって市場メモ

・5年ゼロ金利ですかそうですか(ただし昨日は瞬間風速ちっく)

http://jp.reuters.com/article/jptokyomarket/idJPL3N0US01V20150113
〔金利マーケットアイ〕国債先物は一時最高値更新、5年債利回りは初の0%に低下
2015年 01月 13日 09:18 JST

『[東京 13日 ロイター] -〔金利マーケットアイ〕

<09:10> 国債先物は一時最高値更新、5年債利回りは初の0%に低下

国債先物中心限月3月限は前営業日比12銭高の148円32銭と続伸して寄り付いた。その後、148円38銭まで水準を切り上げ、1月9日の夜間取引で付けた最高値(148円30銭)を更新した。国内連休中の海外市場で、米債が買われた流れを引き継いだ。現物市場はしっかり10年最長期国債利回り(長期金利)は同1bp低い0.265%と1月7日の過去最低に並んだ。また、5年利付国債利回りは同1bp低い0.000%と1月9日の過去最低(0.010%)を更新した。14日にも発表される2015年度国債発行計画で、中期債の発行額が予想対比で減るとの見方から、 一段の需給引き締まりが意識された。』(上記URLより)

ということで朝の早めの時間に5年カレントゼロ%が出合うというお洒落な事案が発生しておりましたが、どうも板の薄い中でお祭りヒャッハーという感じで付けたっぽくて(昨日の主戦場は超長期方面)その後はゼロ%水準はオファーになって引けは0.005%、と書くと何か実感が出ないので0.5bpと書きますが、一応プラスだけどもうすぐ溶鉱炉状態という所で、2年もマイナス3.5bpとかやっていましたし、まあ利付の方はどうなってますねんという状況となっていまして、2年は兎も角5年までゼロだのマイナスだのにされると調達の基本的な年限が中期以下の業態ってどうやって運用しますねん(まあゼロになる前からその悩みは深いのですけれどもマイナスだとそもそもそれを買って良いのかという話になるので問題は更に深刻化)というお話ですが、何せ売る人居ない中で日銀の無慈悲買入は続くので如何ともし難いですなあ。

なお、昨日はブルームバーグニュースがゼロ%出合いの後「マイナス0.01%出合いで過去最低更新」というフラッシュの予定稿と思われるものを慌てたのかゼロ出合いの数分後に間違えて投下して目の前に業者間スクリーンが無い人たちの寿命を3時間ほど縮めてしまったのではないかという事案があったのがご愛嬌でしたな(^^)。


・短国買入3兆円かよ・・・・・・・・・・・・・

昨日のオペオファー(のうち短国買入だけ)
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of150113.htm
国庫短期証券買入 30,000 2015年1月15日

・・・・・・・という事で昨日は短国買入デーでしたが、オファーが3兆円で投下されまして、まあ先週の短国買入が2.5兆円のオファーに対して6.6兆円の応札がありましたし、その後3Mと6Mの入札がありましたが、金曜の6M入札後引けに向けて短国の金利がどどーんと低下しておりました(というのは昨日ネタにしました)ので増額オファーとはどういうことですねん(超棒読み)と思いつつ(ウルトラ棒読み)結果を待機したところ・・・・・・・・

オペ結果(のうち短国買入だけ)
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba150113.htm
国庫短期証券買入 86,453 30,000 0.020 0.022 17.0

8.6兆円の応札って中々見ない盛大な応札額でして、先週の短国買入が66130/25001だったので41129億円の空振り札があって、それに45324億円をオンすると86453億円になるということで、つまり木曜の3Mと金曜の6Mで日銀買入に打ち込み可能玉が4.5兆円増えましたという実にこうアレな結果となっておりまして、金曜の金利低下とは何だったのか(棒読み)という所ではありますが、まあさすがに3兆円吸い上げが入ったから現先とかレポのレートもちったあ下がるの巻ですから需給は好転したでしょという所で増額効果恐るべしですな。

・・・・・・・つーかですな、まあ需要調査するまでも無くGCや現先レートから勘案して昨日は短国買入の応札可能玉があった(というか多かった)というのは見えていたでしょうが、今月の短国償還は8兆円程度なので、償還見合いで買うのであれば別に3兆に増額する必然性は無くて、単にこれ「買える玉があるなら玉があるうちに買う」という日銀の姿勢を露骨に示したものでありますがなという所で、何だかなあという感じですわ。

つまりですね、需給が緩んでも「金利が上がって国内の普通の投資家に買わせる前に日銀が買ってしまえ」という日銀の基本スタンスが今回確認できた、という解釈が思いっきり出来るのが今回の短国買入増額でありまして、そうなりますと日銀がホイホイと買ってくれるというのが見えますから頑張っていればそのうち日銀のお助け買入増額が来るでしょうから頑張る人が頑張った結果マイナス金利が普通に恒常化するという状況は結局1月になっても変わらないのかよという残念な話になりますぞなという所で(日銀買入対象外の短いゾーンは別かも知らんがそもそもそこは売りが出ないと需給が変わらないので恒常的にどうというのは中々考えにくい)。


もうここまでくると日銀は短国買入を維持するために国内の普通の投資家に買わせないようにマイナス金利を維持するようなオペレーションをしているいうような穿った見方しか出来なくなる次第(それはアタクシの心が濁っているからですかそうですか)でございまして、日銀の買入で普通の投資家を排除するとか何のための政策だよと言いたくなりますけれども(しかもその効果がさっぱりよく判らん)、ポートフォリオリバランスの促進のためには投資家を市場から追い出して寒風吹きすさぶ中に放り出すのがマンデートという事ですねわかりますという所でございます。

まあそこまでやるなら「日本銀行としてはQQEの推進によって資産価格に効果を出そうとしている中で、投資家が国債なんぞを買うのはケシカランので腹を切って死ぬべきである」という風に正面切ってアナウンスして頂いた方が潔いのですけどねえ(棒読み)という所ですが、それって国債流通市場の活性化とか国債投資家層の拡大とかを推進している霞が関の方から来ましたな人たち的にどうなんでしょうかね。



・補完供給16銘柄クソワロタ

こんなんありました
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of150113.htm
国債補完供給(国債売現先)・即日(午後オファー分)(注3) 30,674 2015年1月13日 2015年1月14日

なんじゃこのオファー額と思ったら16銘柄もあったのね。

(注3) 国債補完供給(国債売現先)・即日(午後オファー分)の売却対象銘柄は、5年利付国債120回、5年利付国債121回、10年利付国債310回、10年利付国債313回、10年利付国債315回、10年利付国債316回、10年利付国債317回、10年利付国債318回、10年利付国債320回、10年利付国債323回、10年利付国債329回、10年利付国債334回、20年利付国債105回、20年利付国債149回、20年利付国債151回、30年利付国債44回です。

まあどこかの誰かがチョンボしてフェイルになったんだろうなあと思いましたが結果は・・・・
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba150113.htm
国債補完供給(国債売現先)・即日(午後オファー分)(注4) 324 324 -0.400 -0.400

(注4) 国債補完供給(国債売現先)・即日(午後オファー分)の売却銘柄は、5年利付国債120回(6億円)、5年利付国債121回(42億円)、10年利付国債310回(5億円)、10年利付国債320回(74億円)、10年利付国債323回(50億円)、10年利付国債329回(101億円)、20年利付国債105回(24億円)、20年利付国債149回(12億円)、20年利付国債151回(10億円)です。

まあ実際の所は良く判らんですけど、このロットだとチョンボしたのか何かという所だと思われますので特段のインプリケーションは無いのでしょうなあとは思いましたが、しかし流動性が枯渇する(超長期が連日馬鹿動きをして頭が痛いのですが)という話のある中でこういうのが出ると大いに人騒がせではありますな、うんうん。

トップに戻る



2015/01/13

○市場雑談メモ

・6M入札は順当(?)にオーバーパー決着

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20150109.htm
(3)募入最低価格 100円00銭3厘 (募入最高利回り)(-0.0061%)
(4)募入最低価格における案分比率 77.6897%
(5)募入平均価格 100円00銭4厘 (募入平均利回り)(-0.0082%)

金曜に申し上げたように6M短国は発行量がそもそも少なめなので、元より四半期末を2回越えるから投資家にもニーズあるけど、日銀短国買入にも入れやすくなりますからまあ3Mより強いでしょと思ったら順当にオーバーパーの決着に。

とは申しましても良く良く考えたら3Mと逆イールドな訳でございまして、強くなる理由は需給で簡単に説明が出来るのですが、ではその需給って何なんですかと言いますと日銀の短国買入で盛大に作られているものだったりしますので、まあ要するに中長期もそうですけどイールドカーブが日銀買入で盛大に歪んでいるといういつもの話ではありますが・・・・・

しかしまあ何ですな、
http://jp.reuters.com/article/jptokyomarket/idJPL3N0UO2GC20150109
〔金利マーケットアイ〕翌日物0.075─0.078%中心、TB軒並みマイナス幅を拡大
2015年 01月 9日 15:26 JST

『[東京 9日 ロイター] -〔金利マーケットアイ〕

<15:22> 翌日物0.075─0.078%中心、TB軒並みマイナス幅を拡大

無担保コール翌日物は3連休を前にした調達意欲がしっかりと示された。地銀・信託を主な取り手に、0.075─0.078%を中心に取引された。大手行は0.07%、もしくは0.07%をわずかに上回る水準で調達した。調達一巡後は0.070─0.073%付近にやや水準が切り下がった。レポ(現金担保付債券貸借取引)GCT+1レート(平均)は0.100%で高止まり。新発6カ月物国庫短期証券(TB)の入札結果は事前予想よりも強くなった。海外勢などの需要が引き続き強いとの観測が出ていた。入札結果を受け、3カ月物、6カ月物のTB利回りは軒並みマイナス幅を拡大した。ユーロ円3カ月金利先物は閑散。』(上記URLより)

ということで引けに掛けて短国の気配がやたらと強くなって、新発の6Mがマイナス4.5bpで出合うとか言うのはまだしも、前日の入札後に100円のオファーとかになっていた筈の3Mカレントがマイナス6bp出合いとかになっていてナンジャソラという所ですけれども、一方でGCとか現先とかの利回りが急低下したという話でも無い(のは上記記事にある通り)訳でして不思議な展開ではございますなあ(棒)という所です。なおブルームバーグでも解説あるのですが端末叩かないと判らんのよね(ちなみに9日のは15時31分配信)。


・なお債券市場は一転してツイストスティープだが5年1bpだと・・・・・

金曜の債券市場ちゃんは年初からやたら強くて相場が上がっても下がってもフラットしていた超長期が一転してヘロヘロになるという訳のわからん展開(まあ水曜に30年入札がありますけれどもね)になりましたが、一方で先物がやたら強くて、ついでに中期も強くて5年カレントは1bpの出合いとかやらかしておりまして、いやー遂に5年の0%が見えてきましたようはははははという所ですな。

だからどうしたと言われましても困りますが、何ちゅうか入札日程とオペ日程を睨みながらというのと、ちょっとした投資家の売買で思いっきりイールドカーブが派手派手に動くようになっておりまして、まあそれ自体は今に始まった事ではないのですが、昨年の12月辺りからその動きが凶悪化してきて、年初になって更にその凶悪さが拡大している感がありますな、ナムナムナム。

トップに戻る

2015/01/09

○短国とか物国とかのメモ

・3M入札は100円薄め按分もその後は伸びずとな

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20150108.htm

(3)募入最低価格 100円00銭0厘0毛 (募入最高利回り)(0.0000%)
(4)募入最低価格における案分比率 5.5362%
(5)募入平均価格 100円00銭1厘1毛 (募入平均利回り)(-0.0044%)

ということで通常運転クオリティで100円薄め按分という毎度おなじみの結果になってしまいましたが、市場推計の落札分布を見ますと前回の不明4.5兆円以上という空振り続出でショートカバー待ったなしという展開ではなくて、いわゆる不明玉が2.5兆円弱となっていたようで、まあさすがに前回の入札で上で切られた(なお100円厚め按分で上で切られたというのもちょっとそもそも見通しがどうよという気はするのだが)ので今回はオーバーパーから札を入れましたぞなという所ですな、うんうん。

ただまあ毎度のことですがマイナス利回りでも買う人というのは海外投資家と決算需要と担保需要と日銀短国買入でございますので、海外の需要がそこまで来てない中だとそう簡単にホイホイと捌ける訳でも無しという事のようで、新発504回の引けは売参もBB引けも0.000%になっておりますようですし、GCや現先の利回りも相変わらず高めで推移していますし、まー別に売れ売れで玉が無くてというような状況でも無くとゆー所のようですな、うんうん。

まあ四半期末要因剥落分の売りと海外がちょっと足元で買いが弱いというのと、年末に向けて一旦短国買入のペースが落ちた(MB着地したから)ということで需給がやや緩和されているという所のようで、日銀買入に入らないと見られる既発ゾーンでもBB引けはプラス金利になっておりますので、毎度お馴染みの四半期頭束の間の需給緩和ですかそうですかというか、では火曜の3Mは何だったのかという話でしょうが、あれはあれで「3月末越え決算ニーズの前倒しキター!」って奴でしょうし、3月末越え決算ニーズについてはあの一発で終わる筈も勿論なく、今後も決算の着地を考えながら動きが入ってくる上に、恐らくある程度の所は早めに固めておかないと3月期末までのどこかのタイミングで海外ニーズが飛んで来たりすると一気に需給が締まって買えないリスクは出るでしょうし、そもそも日銀の買入が進む分だけ担保需要と決算用国債残高調整ニーズは累積的に高まりますから、どうせ需給が緩んでも別に金利が普通(何をもって普通というかは突っ込まないで^^)になるとは思えませんですな、うんうん。

でまあ今日は6M短国の入札がありますが、短国買入のスケジュール的に多分週明けの火曜に短国買入がありまして、新発6Mも当然買入の対象になる筈ですが、まー6Mは3Mよりbpv大きいし、発行は3.5兆円しかない(3Mは5.7兆円)しという事で、オペ狙いの札が相対的に入りやすくなりますので、7月償還だから3月末と6月末の四半期2回越えでニーズアリアリという投資家を蹴散らして良くて100円按分とかそんな事になるんでしょうかね良く判らんけど。

・・・・・・・しかしまあ何ですな、レートを問わずに成行で購入する日銀買入攻撃によって投資家を蹴散らして市場を壊すというのが起きているのが短期から中長期にも波及しているのですけれども、まあそれによってポートフォリオリバランスが起きるのが政策目的です(キリッ)と言われてしまうので市場破壊ガーとか言われても知らんがなというのが日銀様のお立場なのは重々承知しておりますが、じゃあそのリバランスを金融仲介機能の所でそう簡単にホイホイ出来るのかというと、債券買う為にお預かりしている資金で株を買う訳にも逝かないでしょうし、貸出増やせって言われても相手のあることですし、不良貸出になるの分かってホイホイ貸出増やすアホウは居ない訳ですし、まあ困る訳でございますよね。ま、その辺に理解を示すような話をすると日銀執行部的にはスタンスの揺らぎとか言われてしまうから負けという事で、「マイナス金利は政策効果(キリッ)」とか開き直るしかないんでしょうが。


・固定金利オペは減額ロール

昨日のオペ結果(補完供給の結果は引用割愛)
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba150108.htm
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式>(1月13日スタート分) 910 910

こちらは折り返し元が1541億円の固定金利オペでしたので、3分の2弱の減額ロールという結果になりまして、そらまあ固定オペは減額になるわなという所ですが、今月は固定金利オペの足が来るのが残り2本で5700億円程度ですので、残りも6割ロールだとすると固定金利オペは3000億円程度の落ちになりますな、うんうん。


・物国入札はまあこんなもんでしょうかねえ

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/nyusatsu/2014/resul071.htm
6. 応募額 1兆4,868億円
7. 募入決定額 4,998億円
8. 発行価格(募入最低価格) 106円10銭
9. 募入最高利回り -0.501%
10. 募入最低価格における案分比率 83.0708%

足元でご案内の原油価格アチャーがあってBEIが絶賛弱含みだったので入札は事前警戒モードが強かったようですが、事前警戒が強かったので「そんなに弱いなら買うわ」攻撃で結局警戒した程弱くならないというありがちなパターンで入札レベルのBEIが80割れ水準程度でございましたな。

#足元弱いのは判るけど中長期的に見てBEI80ってゆーのもちょっとえーという気はするんですけど

トップに戻る


2015/01/08

○ヒャッハーの主戦場はやはり債券市場(のより長い所)に向かうのかという雑談

・前場の超長期が特に酷かった件について

昨日の債券市場ですが、海外市場で米国10年国債2%割れウヒョーとかやっていただけに朝から長い所を中心にヒャッハー相場となって、特に超長期が盛大にあばばばばーとなってしまって朝9時過ぎくらいからの飛び方が凄くて10分ちょいで20年カレントが0.94%(2.5毛強)位からあっという間に値を飛ばして0.88%(8.5毛強)まで盛大にヒャッハー状態となり、その間10年カレントも0.265%(2毛強)と高値更新しましたが、まあ超長期の方がヒャッハー主戦場という図で、「長期金利が低くて収益が出ないなら超長期を買えば良いじゃないかbyマリーアントワネット(嘘)」という状態なのか煽っているのか知らんけどもう何だかねという展開。

と思ったらその後先物が急に下げて超長期も一気にコケて前場引け段階では先物はほぼ変わらず水準まで戻されるわ超長期は2毛強水準に押し戻されるわと大変にチョッピーな展開でしたが、まあ売りの方は本当の本当に実弾出たんでしょうからとりあえず実弾が出て良かったですね(そうなのか?)という所でしたがいやもうねという感じで。

でまあ輪番の方は順当に中期と長期がオファーされて結果がイマイチだったので後場下がったりしていましたが、そこでも実弾出たみたいですし、その一方で甘くなるとその側から買いも入るようで、珍しく売買はそれなりに活況だったようですな、うんうん。

・・・・・・・でまあ今日どういう展開になるのかは知らんですけれども、まあ月初から輪番拡大による流動性の枯渇をネタにしたような相場展開になっておりますが、まあこうやって時々ヒャッハーの行き過ぎみたいな所で実弾が打ち込まれてその瞬間は流動性も高まるし価格が調整するという事になるのでしょうが、実にこう惜しい事に実弾打ち込まれる側から日銀の買入が入ってしまいますので、時間の経過と共に日銀に吸い上げが入ってしまい気が付けば流動性がまた無くなるという展開が予想されるのが実にアレという所ですな、うんうん。


・短国買入は2.5兆円でしたが応札がやたら多かった件について

昨日のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of150107.htm
国庫短期証券買入 25,000 2015年1月9日
国債買入(残存期間1年超3年以下) 4,000 2015年1月9日
国債買入(残存期間3年超5年以下) 4,000 2015年1月9日
国債買入(残存期間5年超10年以下) 4,000 2015年1月9日
国債補完供給(国債売現先)・即日(午後オファー分)(注3) 2,000 2015年1月7日 2015年1月8日


ということで短国買入は2.5兆円で来まして、1月の日銀保有分短国償還が8兆円なので2.5兆円だと償還以上に買入が入るという形になりましたが・・・・・・・・・・

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/fm/juqp/juqp1501.htm/
日銀当座預金増減要因(2015年1月見込み)

こちらは当座預金増減要因ですので、銀行券要因については基本的にMB的にはツーペー(実際は成長通貨分をちゃんと考えないといけないですけど単月で見たらそれほどインパクト無いのでキニシナイ事にしておく)なので財政要因の所を見れば良い訳ですが、1月は財政の不足が大きくて、日銀保有短国買入の落ち分をそのまま戻すとした場合に、財政要因の不足が10.5兆円になりまして、輪番オペでの買入が9.3兆円弱になりますので、短国買入の落ち分を単に埋めるだけだと前月比のMBが減る可能性があるので(というか多分減る)、2.5兆円ペースで入れてくると2兆円上積みになるのでMBは減らない(固定金利オペのロールで落ちがある可能性もあるけど)という形になるのですな。

とまあそんな事を考えると2.5兆円でもシャーナイナイなのかなとは思いましたが、少なくとも短国の金利を一旦プラスにしようとかそういう意図は1ミリも無く(というか投資家に買われる前に日銀が買わないとMB積み上げに困るとか思っているのではないかという邪推も)、普通に1月以降もいつものクオリティで短国買入も財政要因の振れも考慮して帳尻が入ってくるという流れですし、市場から投資家を排除するのはそもそもポートフォリオリバランスの観点からも当然(キリッ)なので投資家が買えないとか文句言っても知らんがなそれよりお前らポートフォリオリバランスをしやがれというようなスタンスは不変という事ですな、うんうん。


でオペ結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba150107.htm
国庫短期証券買入 66,130 25,001 0.014 0.021 26.5
国債買入(残存期間1年超3年以下) 9,181 4,000 0.011 0.012
国債買入(残存期間3年超5年以下) 8,063 4,001 0.003 0.008 70.5
国債買入(残存期間5年超10年以下) 12,222 4,011 -0.002 -0.001 13.6
国債補完供給(国債売現先)・即日(午後オファー分)(注4) 1 1 -0.400 -0.400

>国庫短期証券買入 66,130 25,001

いやまあ月曜に売りがあったから2bpまで金利上がったし、火曜の入札は不明4.5兆円以上という結果になったというのは把握しましたが、応札6.6兆円ってそらまた随分札がありましたなと言いますか、そんだけ在庫あるのに火曜日の入札一発で(玉の無い新発は別として)既発まで盛大にマイナスに戻したのは何だったのかと小一時間問い詰めたい所でありますが、まあ日銀買入で捌けるからまずはマイナスで値持ちさせておいてという事ですかそうですか。

しかもオペ入ってもGCとか現先レートとか特に大きく下がった訳でも無いようなので、それなりにまだ持ちはあるようにも見えるのですが、まあ我慢していれば海外と日銀というマイナス金利でも買うコンボがあるからヘーキヘーキという事なのでしょうかねえさっぱり良く判らんがと存じますが、何だよそんなに在庫あるのかよと中々こう謎の応札6兆でしたな。

つーことでまあ札がある内は2.5兆円ペースで短国買入が入ってきて、2月も10兆円の償還があるから札が無くならなければそのままのペースで買入がとかそんな話になるんですかねえとは思いますが、そうなると3月はまた後半に買入ペースが落ちるという流れになるのでしょうかねえとか考えつつも、結局の所途中で買入が出来なくなったりするとまた話がややこしくなるのであまり深く考えないようにしておきます。

まあ何ですな、そもそも財政要因の出入りが大きいと言う日本の短期金融市場における資金需給の特徴がある中で「マネタリーベースをこのペースで拡大」みたいな調節をするとなると、超大規模超過準備状態を前提にしているだけにそもそも買入で最終の帳尻を調節するしかないので、その買入対象資産のどこかにケツ持ちがやってくるというシステムになっております。でまあ「年間このペースで」という表現になっているのですが、1月以降は建付けがオープンエンドになっているので、「年間ペース」と「財政要因による帳尻分をどうするのか」という点があいまいなままになっておりまして、公式には明確なアナウンスが無い状態になっております(ので次回の総裁記者会見で誰か質問して下さいお願いします)が、今回のオペの入れ方を見ると「財政要因の帳尻を全部短国買入に寄せる訳ではない(まあそれは実務上無理だが)」というのは分かりましたが、その一方で「前月対比でマネタリーベースが下がるのも避けに来る」というスタンスであることを確認できましたなという所で、そういう意味では12月以前と概ね同じで、ただ今後はMBの拡大文のケツは回ってこないので概ね(他の要因が一定の場合)短国買入残高は12月末水準を(半期ベースで考えた場合に)維持されますねという事になるというのは把握しました。


・なお今日と明日は短国入札(と今日は物国入札)

物国入札はこのBEIって足元のCPIに引っ張られ過ぎじゃネーノ中長期的に見たらねえという気もしますがまあその辺はパスしておきまして、今日が3Mで明日が6Mの入札ですが、まあ上記のように在庫自体はあるとしても、ニーズがあるのは3月末越えになりますので、ニーズがある方は入札でしか出てこなくて在庫はどうせ全部期内償還でしょうと考えますと普通に堅調入札で100円で切れるとかそんな感じでしょと思います。

まあ間違って今日プラスになったら6Mも期待が持てますが、6月末まで越えてくれる6Mなんてもっとニーズがありますし、日銀だって買いたいでしょうし(たぶん13日に次の短国買入あり)と考えますとどこからどう見ても普通の投資家が買えるレベルでは決着してくれません罠とゆー所で。

まあ何ですな、38兆円の短国買入残高を維持するんだったらもう面倒だから6か月と1年でMB達成に必要な分だけ日銀引受してもらって、残りの分で価格競争入札してその平均落札で引受してくれたら3Mは今よりはだいぶ平和(6Mや1Yのニーズが流れ込んでくるからまあノーマルとはいかないでしょうが)に価格形成が行われて市場も死なないで(オペトレードヒャッハーな人以外は)ハッピーなのですが「マイナス金利は政策効果(キリッ)」だからそうはイカのなんちゃらですかそうですか(−−;

トップに戻る



2015/01/07

○債券市場が色々とあばばばばーとなっておりまして色々と雑談というか何というか

月曜はまだしもでしたが昨日から早速短期市場も債券市場もぶっ飛んでおりましてまあ去年のうちにインフルエンザやっておいて不幸中の幸いかもしれないとか軽口叩いていたら「インフルエンザには幾つか種類あるんですけど・・・・」と言われて俺様涙目の展開orz

・短国がドヒャー

いやまあ落札結果見た時はそんなもんですかねえまあシャーナイナイと思ったのですけどね・・・・・・

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20150106.htm
(3)募入最低価格 100円00銭0厘0毛(募入最高利回り) (0.0000%)
(4)募入最低価格における案分比率 80.5632%
(5)募入平均価格 100円00銭0厘0毛 (募入平均利回り)(0.0000%)

てな訳で下馬評ではプラスという話だったので100円1本値状態でちと強いですねという所だったのですが、昨日の駄文で申し上げましたようにそもそも論として3月期末越えの短国ニーズは相当にある筈なので、もしかしたら3月償還は2bpでも4月償還はゼロ利回りでもおかしくないとか、まあニーズ的にはそんな感じだろと思ったので、とりあえず1発目が100円厚め按分だったら残念ながら順当かなとは思ったのですが・・・・・・

毎度のロイター金利マーケットアイから。
http://jp.reuters.com/article/jptokyomarket/idJPL3N0UL2YN20150106
〔金利マーケットアイ〕翌日物0.07─0.075%中心、レポGCT+10.1%と高止まり
2015年 01月 6日 15:20 JST

『<15:17>(途中割愛)財務省が実施した新発3カ月物国庫短期証券(TB)の入札結果で、最高・平均落札利回りがともにゼロ%になった。落札利回りがプラス圏に浮上する可能性もあったため、ゼロ%の決着は、強めの入札結果だったが、入札ラッシュとなる中、日銀買い入れの頻度が減っているため、需給はやや緩んだ。ただ、あす日銀オペの期待がある中、セカンダリーマーケットでは、3カ月物(502回、503回)の利回りがマイナス水準で推移した。』(上記URLより)

ということで微妙に新発の出合いが書いていませんが、セカンダリーでいきなりマイナス9bpとかその辺の凄まじいマイナス金利の出合いがあって、その後も強いビットが入ってしまい、前日に2bp水準に上昇して既発の3月償還もマイナス1bpとかの水準に沈むというあばばばばーな展開。

いやまあ最初は「えーっと100円厚め按分だったらやや強いとは言え期末越えのニーズ考えたら仕方ないだろ何でそこまで強くするんだ翌日のオペ狙いかよ」などと思っていたのですが、市場推計落札分布が出たら4.5兆円以上がいわゆる不明玉となっていまして、結構多くの人が入札空振りになったと見られる結果で、ショートカバーなのか空振りの人が多くてどうせ売りが出ないのが分かっているので煽っているのかは知らんけど、まあそういう事ですかという展開に落涙を禁じ得ない所でありまする。

でまあ昨日はつい筆が滑って今日の短国買入実施したらテロとか申し上げましたが、まあ冷静に考えますと今月の日銀保有短国償還が8兆円あるので、2兆円×4回の短国買入が実施されると考えると今日2兆円の短国買入がオファーされると思われます(ので昨日の過去ログは取消線入れて訂正しています)が、今日付けの売買参考統計値を見ますとこの新発503回の平均利回り単利は堂々のマイナス8.7bpとなっているので、まあ今日の短国買入でどこで入れても利食いですなあ(ただし持っていない人は売りようがないので残念でした)というオソロシスな状況になっておりまして、もう何なのこの相場という所ですな。

しかしまあ何ですな、前日に3月償還物が2bp水準まで上昇したのって、まあ売りが出たという事ではありますけれども、そもそも論として四半期末の決算調整ニーズで買いがあったものの売りが出ているのだったら、売った分について次の四半期末越えの短国にニーズがあるのって普通に考えて判らねえかと思いますし、大体からして前日に他から買いがあまり入らなかったのも3月末越えのニーズがあるから購入余力を3月後半に償還が来るような再投資リスクの塊のような銘柄に手を出さないで様子見しているだけでしょと考えますと、オーバーパーで切れているなら兎も角100円厚め按分で何でそんなに空振りが続出するのかさっぱりワカランチ会長なのですが。いやまあ今回は空振りでも別にショートカバーとかしないでただ放置というのなら判らんでも無いけど・・・・・・・・・

とまあそんなわけで月初1日だけ短国金利が一部プラスになった訳ですが、結局1日天下に終わってしまいました(いやまあ今後どうなるか知らんけど)という残念な展開になったのが昨日という事で、アタクシの相場悪態も続くのでありましたとさという所です。


・短国購入分残高は38兆円(営業毎旬報告の数値は償還乗換分が含まれるので異なります)

ということで短国買入残高
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/tmei/tmei.htm/

例によってこちらからDLしてヘコヘコ計算しますと、1月2月の償還スケジュールは1月:80238億円、2月100065億円となりまして、短国買入残高維持のペースでオペを実施すると考えますと1月の短国買入が8兆円、2月の短国買入が10兆円となります(3月は今の所5.3兆円の償還ですけれども、暫くは3月償還も短国買入の対象になる筈なのでもうちょっと増える可能性がある)。

で、合計を見ますと383650億円ということで、38.3兆円の残高という事になりますとひところ42兆だの43兆だのという残高になってマイナスに突っ込んでしまったという事を考えると、この残高を維持するのであれば期末ニーズは別として通常運転だとそこまでマイナスが恒常化しなくてもよさそうな日銀の買入水準という感じもせんでもない訳ですよ。

しかしですな、ご案内の通り一旦マイナス金利状態が長期化してしまいますと、これを戻すというのは中々大変というのが残高38.3兆円に落ちてもマイナス状態が続いていますよねという現象からも明らかでありまして、まあ結局の所昨年10月にいったん短国金利がプラスに戻った所で3.5兆円の買入とか打ち込んで短国金利をあっさりマイナスに下げてしまったのと、11月に再度買入の見直しをした所で短国金利がまたプラスに戻った所で、またまた買入をドカンと打ち込んでマイナスに下げるという短国買入の意味不明運営(というか要するに市場機能とかそういうのはどうでも良いから兎に角MB目標達成優先というディレクティブに機械的に従っているだけという局名が泣く対応をしているだけの話なので意味は分かるのだが)をしたのが思いっきり効いてしまっていますなとゆー所ですが、まあオペ打つ方としても置物じゃない方の(自粛)モノ副総裁が「マイナス金利は買入効果(キリッ)」と言っているんだから市場のゴキブリが悪態ついても知らんがなというお立場に成らざるを得ないのも理解できますので究極的には総裁副総裁がスットコドッコイなのがイカンのですけど、まあそんな感じでこりゃ中々厳しいですなという所で。

まあ色々な物を円滑に回したいのであれば、一旦金利をプラスに持って行って、あまり金利を過度に下げ過ぎないように運営した方がどう見ても良いと思いますので、本来的には今日の短国買入を2兆では無く減額するとか思い切ってスキップするとか(スキップしても来週火曜、金曜、再来週の金曜に水曜みたいな入れ方すれば月内間に合うと思いますけどね)したらお洒落なのですが、まあそもそもそういう気の使い方を出来るのであれば今の惨状は無かったので今日は普通に短国買入2兆円打ち込まれて、問題はその2兆円の札がどこにあるのかですが、恐らく月曜の打ち込み玉があるので新発で2兆円無くても既発まで入れればあるでしょと思われます(スポネの現先とかレポとかの金利が別に急低下した訳でも何でも無いから玉はどこかにあるでしょう)ので、まー札は普通に入って問題は玉が余るか余らないかとかそんな話ですかね。



・長期金利が・・・・・・・・・・

再掲だが
http://jp.reuters.com/article/jptokyomarket/idJPL3N0UL2YN20150106

『<14:25> 超長期債利回り大幅低下、20年債が節目の1%割る

超長期ゾーンの利回りが大幅に低下。足元の20年151回債利回りは前営業日比7.5bp低下の0.970%と心理的な節目の1%を割り込んで推移している。30年45回債利回りも同7.5bp低下の1.165%で取引されており、一時は1.160%を付けた。20年債、30年ともに2013年4月5日以来の低水準で推移。マーケットでは、低水準の利回りだが、他のゾーンとの相対比較から、年金勢や一部生保などのリアルマネーが入っているとの観測が浮上している。順調に入札をこなした10年最長期国債利回り(長期金利)も前営業日比3.5bp低下の0.285%と過去最低水準を更新。JPモルガン証券・山脇氏は「足元の5年債金利が0.015%まで低下する状況で、中短期ゾーンの金利低下が進み過ぎており、10年債金利もサポートされてしまう流れになっている」と指摘。国債先物も148円台で上値を追っている。』(上記URLより)

・・・・・・・ということで昨日は朝から超長期とか強くて、10年入札も好調で中期の金利も朝から強くてと何でも強いのですがもう強烈にブルフラットする展開となりまして、10年は0.3割るわ20年は1.0割るわ30年は引けで8毛強だわとかもう凄まじい展開。

短国がアレだったのが影響した訳ではなくて勝手に下がっているだけだと思いますが、中期もお洒落な事になっていまして、BB引値ベースでのマイナス金利が2019年6月償還まで伸びてしまっておりまして、日銀の物価安定目標達成時期に対する理解とかはどこに逝ったのでしょうかというような大変に素敵な展開となりまして、5年カレントはBB引値が遂に0.010%(ってこれ最近は引値が毎度結構なオファーサイドなのに翌日になるとしっかり強くなっていくという中期の勢いがオソロシスなのですけど)となってしまいまして、今日は中期輪番があると思われます(月曜が短期と超長期だったから今日は中期と長期ですな)ので、これはもう輪番で5年カレント夢(悪夢)のゼロ金利とかになって5年がマイナス金利になるのも時間の問題という所ですねわかります><;


・・・・・という事で親指を立てながらイールドカーブは今日も今日とて溶鉱炉に沈んで行くのでありましたという所ですが、まあ投資家の売りが枯渇したところからの金利低下の速度が速い速いという話でございまして、そらまあ良く良く考えますと日銀様におかれましては普通の投資家のように調達コストだの経費だのという概念が無いですからブレークイーブンする金利水準よりも低い金利は買えませんわなあみたいな話が皆無でありまして、兎に角その時の市場価格で成行買いするのですから、投資家の売りが枯渇したら相場水準上げ(金利下げ)放題になる罠という所で誠にアレな状況になっておりますな。


でまあ何ですな、実はこの先更に問題が深刻になるのって短国よりも中長期の方でしょというお話でありまして、投資家の売りが枯渇している中で需給バランスどうなのよと考えますと、中長期国債の場合は何せ輪番での購入がフローベースで新発の発行並とかそれ以上とかになっておりますので、先ほど申し上げた理屈で言えば新発が出る⇒日銀が買う、という流れの中で当たり前なのですが、「余りモノ」が出ますとその余りモノ自体をどうさばくかという問題が発生しますので、最終的にはどこかの投資家が買える水準に持って逝かないと最後の余りモノが捌けないという話になりますが、余りモノが出ないのであればそらまあ水準は強くし放題という話になりますよねというお話。

しかも国債はドンドン償還も来ますので、投資家的にも償還分をさてどう再投資するのよという話になる訳で、ネット発行額(除く日銀保有分)のフローと輪番の買入フローの計算とか結果を見たく無いのでしたくないのですがそのうちするかも知れません(ってもしかしたら誰かがレポートでも出してるかね)。

その点で言えば短国の場合は38兆円程度の残高を維持という形であれば、海外の買いが一巡したら期末ニーズの時期はまあどうしようも無いと思いますけど、それ以外の時には実はあまり極端なマイナスにはならないような気もするんで、実は今後無抵抗で金利が溶鉱炉に沈んで行くのは中長超長期(というか中期は既に溶鉱炉状態だが)ではなかろうかという感じがするのですがそんな話は聞きたくないですかそうですか。

なお、日銀の物価目標達成が強く意識されるのであれば、馬鹿買入のフローも収まる訳ですし、別に投資家としても今持っている国債ポートを後生大事に維持する必要はないので売り圧力が発生してくれるのですけれども、何せ足元の状況では「2年で2%」のまさにその2年の所でCPIが0.5%割れどころか下手したら0%になりそうな勢いというナイスジョークとしか申し上げようがない展開であって、買入フローが収まるどころか追加緩和待ったなしという状況の中で、売ったら最後再投資が当分できないという状況の中で売りが出る訳もございませんなというのが更に状況を悪化させているという所ですな。


○展望レポート中間レビューでのリスクアセスメントに期待しないが期待する

ということでまたも市場雑談悪態だけで駄文書きタイムが終了してしまうのでついでに悪態を書いて置きますけれども、今回のMPMでは展望レポートの中間レビュータイムでありまして、まあどうせ「見通し通りに推移」という話になるでしょうし、「この前の追加緩和の効果で期待インフレは全体として上昇している」という話になっておしマイケルだとは思いますけど、リスクアセスメントの所で最近のこの債券市場の惨状についての影響について何らかの言及があったらお洒落というか感心して暗黒舞踏くらい踊っても良いかなとは思いますけど期待はしません。

まあどこからどう見てもこの金利低下状態って低金利のコストが金融仲介機能に悪影響を与えるレベルになっていますから中長期的に見た場合に金融システムに対して悪影響としか思えないのですが、何せ「金利低下は政策効果(キリッ)」と仰せになっておられますように、置物直線一気理論に寄りますとMB拡大して期待インフレを引き上げて、国債買入で名目金利に低下圧力を掛けて、の合わせ技で実質金利を下げると全て上手く行くという話なので、「金利の過度の低下が金融システムに対して中長期的にリスク」などとは口が裂けても言えない(置物のクビを飛ばせば言えるけど)でしょうなと思いますが、少数意見で誰か反対したのを残してほしいなとは思ったりもします。

でまあその手の話が全然でないまま推移となりますと、まー債券市場は死ねという話ではあるのですが、ええまあ別にそれによって実体経済が盛大に復活してノーマルな世界が戻ってくれるのであれば一旦殺されましても別に名誉の戦死ではあるのですが、ドンドン緩和を拡大して結局物価目標もインフレ期待も全然ダメで更に追加緩和という話になりますと、ただの犬死にも程があるので勘弁して欲しい所ですな、うんうん。

つーかまあノーマルな世界が戻ったら溶鉱炉に沈んだはずの人(機械でしたっけ)がまた復活してターミネーター3が始まるのと同様に、死んだはずの債券市場も生き返りますのでその方がありがたいのですが、ただの犬死にされますと永遠に化けて出るしか無いので殺すにしてもきちんと意味のある殺し方をして欲しい物ですな。

しかしまあ最近の現象を見ますとやはり10月の追加緩和が決定的に悪手だったなあと思いますがその悪態雑談はまた追々。

トップに戻る


2015/01/06

○市場雑談メモ系

・新年おはぎゃあございます

昨日の株式市場ちゃんですが、
http://jp.reuters.com/article/idJPKBN0KE0FW20150105
初日からボラタイルな「官製相場」、2015年の展開暗示か
2015年 01月 5日 16:29 JST

『[東京 5日 ロイター] - 新年初日の東京市場は、動きの激しいボラタイルな展開となった。ギリシャの政情不安など海外の不透明感が強いにもかかわらず、特段の材料がないまま日本株はマイナス圏から急反転。日銀のETF(上場投資信託)購入を期待した買いが入るなど「官製相場」への期待が株価を押し上げた格好で、ドル/円JPY=EBSも切り返した。緩和マネー主導で大きく振れる今年の相場展開を暗示しているようだとの声も出ている。』(上記URLより)

平均株価で200円以上下げていたと思ったら急に戻ってプラスになって顎が外れそうになったのですが引けに掛けて失速とか何ですかこれはという動きを見ますに、最近すっかりお死にになっている国内債券市場の暫く前のような気もしますが、まあ債券市場みたいに全方面爆撃なのではなくてインデックス中心なのが救いっちゃあ救いでしょうかね。よー知らんけど。

そして今朝はおはぎゃあキタコレ!

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150106/t10014464941000.html
NY原油先物 1バレル=50ドル下回る
1月6日 2時41分

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NHODCZ6JTSEG01.html
ロンドン外為:ユーロ、対ドルで06年来の安値付近−緩和観測で
更新日時: 2015/01/05 18:24 JST

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NHPZIZ6VDKI401.html
米国債:30年債は12年以来の低利回り−原油安がインフレ抑制
更新日時: 2015/01/06 05:12 JST

・・・・・・・ということで何か正月早々お洒落な事になっておりますが、原油下がって日本経済に天の助けとか思ったりするのですが、お賃金の動向ガーとか言いながら春闘の結果まで引っ張るという日銀作戦参謀本部の思惑がある中ではございますが、さすがにCPIが+0.5%を割り込む展開になるとおちんぎんガーで引っ張れるのかねというのは懸念されますな。

でまあその時に何をやるかというのも読めない(この前飲み会で追加緩和予想の雑談をした中で「ついに買いました!金!!」とやったらビール吹かれましたが何か)次第でございますが、置物MB理論を継承すると考えますと「物価が行かないならMBを増やせば良いじゃないか」というマリーアントワネットばりの攻撃になりまして、その場合MBの拡大ペースを増やさないといけませんので、10兆円以上の上積みが必要となります。

でですな、まあ前回だって実質10兆円のMB拡大ペース引上げでしたが、構成的に長期国債を30兆円増やして多く見せるという悪ノリに近い動きをしましたが、今回もしやるとしてもMB拡大10兆円以上は必須とは言え、そもそも11月以降の相場を見ればお察しの通りで長期国債買入だってどこまで続けられるのかという話でありますので、どこからどう見ても10兆円拡大以上は出しにくいでしょうなと思います。

そうなりますと、もうこの際ヤケクソでやるならMB10兆円拡大で長期国債5兆円にETF5兆円増やして、「ETF5兆円」をメインにして「5」を出すとかもう無茶苦茶スキームしか思い浮かばないのですがどうするんでしょうかねえ。

あとですね、実は問題になるのが輪番のオペレーショナル的な限界でして、特にこの1−3月期は来年度の事を考えたら投資家が債券売るニーズが多分無い筈(今売ると目先の収益は上がるけど来期の資金収入を失う訳で、もう目先の収益は要らないし来年度苦しいのは端から分かっている話なので)なので、そらまあ新発を右から左に日銀に放り込む業者の皆様が何とかするとは思いますけれども、償還分の買いとかは投資家から飛んでくる事も勘案すると夢の輪番札割れとかが発生してもおかしくない訳で、それって1−3も危ないですけど買入残高が累増して来れば益々その傾向が高まる訳で、実は国債買入のオペレーショナルな限界到達というのが先になればなるほど可能性高まりますよね。

そう考えますと、まあ追加緩和やるにしても輪番のオペレーショナルな限界が露呈した後だと益々打つ手が無くなるというお洒落な事態になりますし、まあ債券市場の中の人てきに見た場合にどう見ても今の政策1年継続するのも物理的に困難でしょと思われる所ですので、結局追加緩和やらないといけないなら実は早めの時期に実施しないとそもそもの打つ手なし状態になるリスクがあったりするというのがおそロシアな所です。


しかしまあ何ですな、「2年で2%達成するために必要な措置を行った(キリッ)」という話をしたその2年の期日が近づく中で盛大にCPIが低下していくとか中々のナイスジョークではあるのですが、「適切な金融政策で短期間で2%目標達成可能」と大口を叩いて副総裁にご就任なされた置物大師匠の弁明マダーという所ですな、うんうん。


・さて今日は10年と短国3Mの入札ですが引値がオモシロ状態なのでその辺の雑談でも

10年はもうこの金利水準で何をせえちゅうねんという所ですが、3Mに関しては中々味わいがありそうな展開。

http://jp.reuters.com/article/jptokyomarket/idJPL3N0UK1CR20150105
〔金利マーケットアイ〕翌日物0.07%中心、3カ月物TBプラス圏に浮上
2015年 01月 5日 15:33 JST

『<15:24> 翌日物0.07%中心、3カ月物TBプラス圏に浮上

無担保コール翌日物は0.070%近辺を中心に取引された。主な取り手は地銀、信託、証券で、0.070─0.072%での出合いが多くなった。大手行は0.068%で資金を調達した。レポ(現金担保付債券貸借取引)レートが高止まりしていることが影響したため、総じて強含みで推移した。レポGCT+1レート(平均)は前営業日からは低下したが、0.086%と高め。3カ月物国庫短期証券(502回/TB)利回りは入札ラッシュなどで需給が今後緩むと見た売りが優勢でプラス圏に浮上した。ユーロ円3カ月金利先物は動意薄。』(上記URLより)

・・・・・・ということで四半期末ニーズの分もあったと思われる短国に関してはその四半期末ニーズ終了分の売りでも出たのか先月の新発3M分が珍しくも2bp水準まで金利が上昇するという動きになった訳で、従来ですとここですかさずマイナス金利で飢え死にしそうな人たちが炊き出しキターと群がる所なのですが、何せ今日からの入札3発(今日と木曜が3Mで金曜が6M)は夢の(別に夢ではないが^^)「3月期末越え銘柄」でありまして、どこからどう見てもそっちの方がニーズがアリアリでしょうという事で、期末越え銘柄の購入の為に待ち状態でしょうな、つーか昨日3月償還売った人も今週の新発に来るという所でしょうな、うんうん。

短国買入がどう推移するのかはまだ微妙な所ではあるのですが、まさか財政要因に合わせて短国買入を増減させるような「MBの為に金利が乱高下しても良し」的なオペレーションをしてくるとは思いにくい(これが普通の現先方式での短期資金供給オペだったら財政要因に合わせた帳尻を打っても問題無いけど、買入系のオペで帳尻をするのは市場をおかしくするだけなので普通はやらないと考えるのが妥当)ので、そうなりますと基本は「現在の短国買入残高を維持」という形になるので、短国買入要因で急に需給がおかしくなるという流れには暫くはならないかなと(・・・と普通だと考えるのですが、何せ昨年10月の前科があるだけに今の調節はアホアホオペレーションをやってくるリスクはある。それこそ明日短国買入やったら思いっきりテロだわ←というのはちと言い過ぎでした、まあ普通だと2兆円実施ですね)。

ただ、日銀の国債買入残高が累増するという事になりますと、その分担保不足になりますし、投資家の方の国債残高の帳尻ニーズの方も高まりますから、3月末に掛けてまたまた短国の需給が思いっきり逼迫するであろうというのは見え見えとか考えますと、まあ普通に考えて3月の特に後半に足の来る短国は再投資リスクが高すぎて要らんがなという話になるでしょうし、(逆に1か月程度の日銀買入対象外の方が短い資金ニーズに対応してニーズあるんじゃネーノと思う)3月期末越えの所の残高は早めに積んで置きたいとなるでしょうから、うっかりすると3月末の所で盛大に利回りが逆イールドになって、3月償還2bp越えで4月償還ゼロ利回りとか平気で起きる可能性もありますなという所で。

つーかですな、昨日の日本相互証券の債券引値とか輪番が減額になったうちの1年以内と超長期の後ろが謎に甘くなって、一方で中期はメインの減額対象だったのに何故か全然甘くならないどころか引けで謎の5糸強(つーかそもそも年末の2.5bpの引けも強いだろそれという所でしたが)となって、5年2.5bpで3M(ただし3月償還)2bpとかオモシロ引値になっていますし、利付の所でも残存1年の所で輪番の関係で需給が違うとばかりに2年335回(12月15日償還)がマイナス0.5bpで2年336回(来年1月15日償還)がマイナス3bpとかどんだけインバートしてますねんというオモシロ引値になっておりまして、もう需給だけの末期症状(いやまあだいぶ前から末期症状ではあるのですが)という所で、新年早々何やってるんだかというお話なのでした。

トップに戻る


2015/01/05

○マネタリーベース目標達成ですねと言いつつ雑談

資金需給月曜の確報
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/jd141229.htm
日銀当座預金増減要因と金融調節 (12月29日<月>分)

マネタリーベース 2,758,800

資金需給火曜の速報
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/jx141230.htm
日銀当座預金増減要因と金融調節 (12月30日<火>分)

銀行券要因(発行超=マイナス) -400
財政等要因(受超=マイナス) -5,700
金融調節 合計         +5,700

ということですので、財政とオペがツーペーですからMBは前日と同じとなる筈なので、12月末のMBは275兆8800億円となる予定で10月の追加緩和で示された

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2014/k141031a.pdf
(別紙)日本銀行のバランスシートの見通し

の数値275兆円にきっちり着地させるという相変わらず数字の着地はやたら正確な所に収めてくるという金融市場局のオペ帳尻能力の高さを示してくれましたのでおめでとうございますという所ですな。

でまあそれは結構ではございますけれども、誠に遺憾なのはその着地に向けて債券市場は死ぬわ短国利回りは相変わらずのゼロ近傍だわで、年末にも悪態を申し上げましたように過度な金利低下の負担によって金利商品の提供が今後出来かねます的な話が出てくるようになっている(確定ではないようだが)訳で、何の為にマネタリーベースを拡大しているのかというのがよく判らんですなあというお話。

まー市場局はあくまでもオペ実行部隊ですから知らんがなという事ではあると思いますが、MB拡大しても別にインフレ期待が高まるどころかBEIは直近低下するわ、名目金利を盛大に下げた副作用は出てきているのに実質金利低下とやらで出るはずの消費や投資は別に盛大に出てくる訳でも無いわ、そもそもファイナンシャルコンディション自体はとっくの昔に緩和的だわというような状態で、普通に考えて作戦の立て方がおかしいと思われますし、市場局だって市場の状況およびその弊害について大本営に報告すれば良いと思うのに、市場との対話アリバイ会議の開催には熱心ですけれども実際の状況をまともに伝えているとは思えない(まともに伝えていたら先般の中曽さんのスットコドッコイ講演はあり得ん)わとゆー事で、まるで昔のソ連で党のエライ人が農場視察に行くときに行き先の農場同士で生産物を山積みになるように在庫を融通し合っていたような光景が見られるような状況になっているのが実にアレ。

#まあそもそも安倍ちゃんの経済政策がやたら指導が多いという点で(内務省検閲^^)

とまあ毎度の悪態ではあるのですが、何ちゅうかこう元々の戦略が全然当を得ない状態の中で、戦略の間違いを認める訳に行かないので更に間違いを過激に実行していって、最終的に焦土になるまで知らんがなとなるという話で、戦略爆撃で焦土にされるのかソ連の参戦で置き去りにされるのか知らんですが、まあ酷い目にあわさせるのが金利市場ですねえと思いますと早い所終戦(=MB直線一気で2年で2%理論の見直し)をして頂きたいのですが、まあ空襲で焼かれたりシベリア抑留されたりるす訳ではない昔陸軍今日銀の方々にとっては知らんがなという所ですから念仏唱えて待っているしか無いんでしょうなあ我々は。


でまあ債券市場的には輪番オペがどこまで持ちこたえるのかという話になると思いますが、どこからどう見ても1年この調子で継続とか無理としか思えないのですがどうするんでしょうかねえ・・・・・・・・・・・・・

つーことで、今の国債買入がどこまで続けられるのかというのが今年のテーマなのですが、恐らく日銀作戦本部としてはマイナス金利を拡大していけば買入出来るでしょという考えだと思われます(執行部からの情報発信はそうとしか思えない)ので、債券市場の死にっぷりがどのような形で実体経済に波及するのか、というか波及して問題視されない限りはひたすら馬鹿のようにイールドカーブがおかしくなるという素敵な展開しか想像できないのが誠にアレですな。大体からして「金利低下は買入効果(キリッ)」とか言っている執行部が存在しているけれども、そもそも論として物価目標達成が見込めるという期待が高まれば本来は金利は低下しない筈(一昨年の5月を見よ)であり、追加緩和以降特に12月になって急速に金利が低下した(12月の過去ログ見たら金利が下がった市場が壊れたという話を毎日行っておりましてそらインフルエンザにもなるわと思った^^)のは市場の物価目標達成期待が更に後退しているだけでしょと思うのですが、金利が下がって「政策効果」とか言ってる場合じゃないと思いますけどね。


などといつもの悪態ですいませんが、特に追加緩和以降はロジックがハチャメチャになっている上に、その後の中曽講演やら黒田講演の「『2%』への招待状」(ちなみに英文の題名がもっと舐めくさっておりまして「"Welcome to the '2 Percent' Club" 」とか「2%クラブ」じゃなくて「マイナス金利クラブ」の間違いだろおいこらナメトンノカという題名で、上手い事言った積りだがどう見ても盛大に滑っている素敵な題名ですよ)という講演とか。12月の謎としか言いようがない上方修正とか、まあなんちゅうか経済物価情勢があって政策があるのではなくて、やりたい政策が先にあってそれに整合的なネタを探して屁理屈構成してるだろうという戦争末期的な状態になっているので、この先何が出てくるのかが難しいなあと思うのでありました。


○輪番は中期を減額して超長期の後ろをほんの少しデュレーション調整

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2014/rel141230b.pdf
当面の長期国債買入れの運営について

(注4)2015年1月5日以降の最初のオファー金額は、残存期間1年以下700億円、残存期間1年超3年以下4,000億円、残存期間3年超5年以下4,000億円、残存期間5年超10年以下4,000億円、残存期間10年超25年以下2,400億円、残存期間25年超1,400億円、変動利付債1,400億円、物価連動債200億円とする予定です。

ちなみに12月はこの通り(11月末のリリースから引用してますよ)。

(注4)2014年12月1日以降の最初のオファー金額は、残存期間1年以下1,100億円、残存期間1年超3年以下4,500億円、残存期間3年超5年以下4,500億円、残存期間5年超10年以下4,000億円、残存期間10年超25年以下2,400億円、残存期間25年超1,600億円、変動利付債1,400億円、物価連動債200億円とする予定です

ということで中短期市場が盛大にぶっ壊れておりますので中期と1年以下の買入が減りまして(というか1年以下とか意味ないから買入止めろよと思うが)デュレーション調整で25年超が200億円減っているという構成になっておりますが、レンジの方を見ると超長期のレンジの下限が妙に上がっている(1300億円〜4000億円→2500億円〜4000億円)のは何ですねんという所で、まあ25年超を減らしたので単なる現状追認ではあるのでしょうが、レンジの下を切り上げてリップサービスでもしたつもりなんでしょうかさっぱりよくわかりません。

まあそれはそれとしまして、翌月のイールドカーブに(場合によっては)思いっきり影響を与える可能性が高いこのイベントなのですが、毎度申し上げておりますようにそういう物件でありますので、債券インデックス対応の売買を月末の引け基準で調整されるという事を鑑みまして、月末前日(というか25日位)に出して頂きたいと再度申し上げておきましょうというか、月末当日の引け後に出すという時点で市場局債券市場分かってねえだろ感を債券市場の中の人に強く見せつけてしまいまうので改善してくださいお願いしますお願いします。

なお営業毎旬と国債銘柄別残高を見ながら計数を確認するのは後日。

トップに戻る