相場見通しのつもりだが・・・たぶん後講釈(2014年4月〜2014年6月)

こちらはあまり当らない相場見通しやら相場後講釈やらを書いております。一応債券だけどもマネーマーケットに限りなく近い範囲をカバーしつつも、昔取ったなんとやらで債券市場のお話も。まあどっちにしても板に張り付いている訳ではないのでピンボケになる場合もありそうです。その節はご指摘を。

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2014/06/30「輪番4区分(実際は2区分ですが)オファーキタコレ/短国買入は1.5兆円」
2014/06/27「国債決済短縮化に関する雑談/短国玉無攻撃/金融庁と日銀の連絡会とな」
2014/06/23「輪番2兆円実施/国債投資家懇談会から」
2014/06/20「輪番変更でイールドカーブのロンガーエンドが火の海に」
2014/06/19「まさかの輪番見直しが3週間で炸裂して超長期が死亡/貸出増加支援はやや少なめの5兆弱」
2014/06/18「業態別当座預金残高など」
2014/06/17「CPオペの足切りが0.1bp&短国買入は減額されるも需給ひっ迫」
2014/06/13「輪番ネタ続き/3MTB入札は超堅調」
2014/06/12「輪番オペ1年未満謎の増額/短国の需給が逼迫中」
2014/06/10「短国買入が1.5兆円でオファー/超長期先物が益々の開店休業」
2014/06/09「ECB追加緩和の反応はブルスティープ&イタリアスペインの買い」
2014/06/06「3M短国入札はショートカバーで0.03%台に突っ込む」
2014/06/05「長期輪番は案の定4000億円で日銀の梯子外しプレイの教訓現る/GCレート低下」
2014/06/04「5月の買入年限は結局6.9年で収まる/雨宮理事再任」
2014/06/03「案の定超長期輪番が1500億円に減額&中期が2500+2500から3000+2000に」
2014/06/02「輪番の長期は4000億円&短国買入が2兆円」
2014/05/30「輪番スケジュールのリバイスが入ったが意味があまり無い数字な件」
2014/05/29「日銀の決算&3MTBは短国だけ需給ひっ迫状態」
2014/05/26「短国買入は2兆円&武者先生の楽観またも登場」
2014/05/23「国債残高の公表で超長期輪番減額の思惑浮上とな」
2014/05/20「短国買入は2.5兆円で実施」
2014/05/19「1年TBは利付などと比較してやたらめったら需給が良好とな」
2014/05/16「3M短国入札は3bp台に金利低下キタコレ/一方で固定金利オペのロールは順調」
2014/05/14「30年国債入札があったが後場の超長期先物は売買無しとな/物国譲渡制限解除/エルニーニョとな」
2014/05/13「短国買入は2兆円/短国は逆イールドで利付は順イールドとな」
2014/05/12「6M入札は平均4bp割れ/法定準備金積み増しとな」
2014/05/09「買入効果で短国金利は低下傾向へ」
2014/04/30「短国買入は2.5兆円のオファーで3Mの需給はやや改善」
2014/04/28「短国買入は月跨ぎになる月曜に実施のようで/市場予想より微妙に弱いCPIで何故か先物10年に売り」
2014/04/25「固定金利オペが結局4月は9兆円中8兆円のロールに!/そのあおりで短国レートは3Mが6bp台に」
2014/04/21「短国買入を2兆円に増額も恐らく3カ月物の既発債が主に入ったのでは」
2014/04/18「3MTB入札は6bp手前でコツンと止まる/業態別当座預金は証券伸びず他が伸びる」
2014/04/17「1年短国入札は堅調」
2014/04/16「長い所は閑散相場が続いていますが要は官製膠着状態」
2014/04/15「国債補完供給オペの明確化は制度改悪なんだけど」
2014/04/14「1年オペの歩留まりが引き続き良好ですな」
2014/04/11「短国5bpが付くものの中々抜けませんなあ/3M固定オペ増額ロール/超長期先物早速開店休業」
2014/04/09「超長期先物はまあ低調ですな/1年オペ今回もかなりの歩留まり」
2014/04/08「超長期先物取引開始/固定金利オペのロールが順調とな」
2014/04/07「超長期の輪番が空振りで市場がちと反応とな」
2014/04/04「短国3M入札足切り5bpまで流れる」
2014/04/02「1年オペは4カ月物でロールされ割と応札が入る/GCレートも上昇」
2014/04/01「東京レポレートプラスに戻る/1年オペ期落ちに注目」

2014/06/30

○オペ関連メモ

・輪番4本キタコレ

金曜のオペオファー

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of140627.htm
国庫短期証券買入 15,000 2014年7月1日
国債買入(残存期間1年超3年以下) 3,000 2014年7月1日
国債買入(残存期間3年超5年以下) 2,000 2014年7月1日
国債買入(残存期間10年超25年以下) 1,000 2014年7月1日
国債買入(残存期間25年超) 300 2014年7月1日

短国の話は後ほどしますが、今回は長期国債買入が中期と超長期でのオファーとなりまして、本数的には4本ということで従来3本までの実施だったのでほほうという所ですな。一応3区分まではオファーする事があり得て、今回の打ち方は2区分ただしどちらも区分の細分化ありという形なので本数的には多目となっておりますが、まあ事務的に回ればこういう打ち方も有りという事なんでしょうね。

でまあ輪番超長期区分分けによる影響が暫く前にあった市場ちゃんの方は全般的に金利低下モードになっておりましてその辺りの影響は一時的な物に留まった感じになっているのは良かったですね(棒読み)という所ではあるのですが、まあ金利低下の背景が先行きの米国の金利見通しの低下とかなのですからそれってまあ本来2年で2%の目標達成だぜヒャッハーという話とは逆の方向だったりしますけどね。


・短国買入1兆5000億円とな

でまあ金曜のオペですが、短国買入も上記のように1.5兆円オファーされまして、平均2bp台前半、足切りも2bp台後半で3bpに届かないという事で、それって有担保コールレート(無担保ではない)比べてどうなのよ的な水準で木曜の入札が終わった訳でございますが、全く情け容赦無しで1.5兆円のオファーキタコレであります。

オペ結果(めんどいので短国だけ)
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba140627.htm
国庫短期証券買入 38,798 15,005 -0.001 0.000 50.5

ということで2bp台の新発ともなるとさすがにそこそこ在庫もあったようで、応札が3.8兆円入ったのですが、まあ落札結果は平均が引けで足切りが強になっていまして、前日の強い入札をそのまま追認するような格好になって来ました。でまあ7月入ってからの短国買入のペース(今回のも受渡しベースでは7月ですが)がこの調子で続きますと短国のセカンダリーの位置が下がりますと有担保コールの金利とかに影響して来て全般的に金利に影響してきますなというのと、コールの金利が下がってくると市場機能に影響してきますんですけどねえという所で、MB拡大に関して長期国債の比重を上げないと厳しいんじゃないですかねえ(というか少なくとも2016年にこのMB拡大を続けるような事になった場合「国債50兆円、MB70兆円」という組み合わせは短期市場的に無理)と思われますが、さて7月はどうなるんでしょうかねえ。

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2014/06/27

○国債決済T+1の進捗状況とな

進捗状況の報告とな。
http://www.fsa.go.jp/news/25/syouken/20140624-1.html
平成26年6月24日 金融庁
証券決済リスク削減に向けた市場関係者の取組の進捗状況について

ということで、詳しくはそこにあるリンク先にありまして、まあ国内債券の人的には国債決済T+1の話が気になるので日証協のページに行きますが。

http://market.jsda.or.jp/shiraberu/saiken/kessai/jgb_kotei/index.html
国債取引の決済リスク削減に関する工程表及び貸株取引に係る決済リスク削減に関する工程表の進捗状況
平成26年6月24日

んでもってそちらの中の上から2番目のリンクの『国債取引の決済リスク削減に関する工程表(平成26年6月24日)』というのが状況の報告みたいになっている(最初のは単に「こういうのを出しました」という表紙みたいなもん)ので、まあそちらをご覧になるのがヨロシアル。

http://market.jsda.or.jp/shiraberu/saiken/kessai/jgb_kotei/files/20140624koutei.pdf
国債取引の決済リスク削減に関する工程表

でまあ項目の中で最初に出てくる項番1『1.国債取引の決済期間の短縮化』の直近の所はこうなっております。

『@ 日証協WGが調査・分析等を依頼した外部コンサルティング・ファームは、幅広い市場関係者へのヒアリング及びアンケート調査を行い、平成26 年3月、コンサルティング報告書を取りまとめた。

A WGでは、引き続き、コンサルティング報告書も踏まえ、アウトライトT+1化(GCレポT+0化)の実現に向けた取引手法及び担保管理インフラ機能の導入等の論点を中心に議論を行っており、平成26 年6月に、その実現に向けた課題の整理及び解決策をグランドデザイン(暫定版)として取りまとめる予定。これを踏まえ、同暫定版を周知するとともに、平成26 年9月を目標に、同確定版を取りまとめることとしている。

B 上記グランドデザインを踏まえ、市場参加者、インフラ提供機関等は、平成29 年以降の速やかなアウトライトT+1化の実現に向けて、システム整備や市場慣行の見直しに取り組む。』
(以上上記工程表の2ページ目より引用)

ということでまあそういう具合との事ですが、時々このネタになりますと申し上げておりますように、まあその「決済リスク削減」という趣旨は理解しますし、そらまあ削減できるリスクは削減した方が良いに決まっておりますが、ただまあ現状でアウトライトT+1、GCレポT+0というのはさすがにどうか(まあ実現するの2017年以降という話にはなっているけど)という話でございまして、ちょっと頭を整理する為に論点を整理してみるというごくごく一部のマニア向けネタになって恐縮至極。

現実問題としてアウトライトT+2とT+1の間にはかなり大きな事務面でのギャップが発生するというのはレポ取引がT+0になってしまうことで、そらまあ業者としてはベースの部分はT+0になる前にGCでもSCでも手当はすると思いますが、当日発生した売買に関する部分の調整はどうしてもT+0になだれ込まざるを得ず、そうなると事務的な負担と事務リスク(例えばセールスが伝票回し遅れてとかてコンファメーションが遅延したとか、売買のフロントシステムへの入力が遅れてポジションの把握が遅延するとかその手の話が起こす影響を処理しなければいけないケツの時間が物凄く短くなるとかそういう話ね)が従来のアウトライトT+2と比較するとかなり厳しくなる訳で、T+3をT+2にした時とは話のレベルが相当違う(のでまあ慎重にやっているという事なんでしょうが)のですな。

でまあ今一般的に行われている現担レポ方式だとT+0で事務を回すの事務量的に無理とか、レポのT+0での貸債とか出来るかよとか、まあその辺の話に関しては取引慣行の変更(新現先方式への全面移行)とかトライパーティーレポ方式への移行というような対策はあるのですが、ここで思いっきりネックになるのが「それに掛かるコストどうすんの」という残念な話でして、ご案内の通り短期資金取引の金利が雀の涙にもならない状態になっている中で、そらまあ業者は商品有価証券の手当てと在庫ファイナンスをしないといけないからなったらなったで対処するんでしょうが、投資家サイドとしてはそれだけのコスト掛けるメリットはどこにありますねんとかそういう話になるでしょうと思う訳で、決済短くなる分在庫ポジションや資金ポジションの把握をよりリアルタイムに近くしないと言う話になったり、取引のSTP化(これは債券決済ではそれなりに進んでいる筈だが短期資金取引の場合は取引によって別途になっている)でもシステム改修のコスト掛かるでしょうし、レポ取引の取引手法が変わればそれ用のシステム対応が必要(なのかどうかは少々良く判らん所があるが)かも知れませんし、そもそも論としてトライパーティーレポやるのは良いけど、そこに出すフィーがどこをどう叩いても出てこないという状態な訳で、まあ色々とその銭の問題がある訳ですよ。つーか事務リスク高まる分人も配置しないといけないからその人件費もありますし。

でまあそのゼニの問題は短期金利が0.5%位まで上がってくれればほぼ問題なく解決する筈なのですけれども(だから別に正常化が全部完了しなくてもいけると思う)、当然ながらこの手の改修は準備段階において対応の為のシステムコストが掛かる部分がある訳ですからして、準備に1年半とか2年とか掛かる事を考えるとやっぱりしんどいので早く2%に物価上昇して下さいよろしくお願い申し上げますという話になる訳ですな。

んでもって更にそもそも論に突っ込みますと、そもそもそれだけのコストと事務負担の拡大をして国債決済をT+1にするメリットって何ですねんという所で、国債の決済リスクって言いましても国債なんですから基本的には取引再構築コストの部分であって(これが非国債だとカウンターが飛ぶのと証券そのものが飛ぶのとという問題があるのですが、国債だったら証券そのものは飛ばないのだから最終的にはそれを持って日銀に駆け込めばマージナルレンディングファシリティーがあるのですから資金繰りそのものは何とかなるでしょ)、それが膨大に積み上がったからと言ってシステミックリスクに繋がるような話じゃないでしょと思う訳ですし、市場参加者の方でカウンターパーティーリスクの管理をしているでしょうし、まあその辺りに関してはバーゼルとかIOSCOとかその辺の規制も強化されている訳ですから、別に米国に合わせなくてもエエヤンとは思うのですけどね。

あと、決済リスク削減以外のメリットとしては、国債決済の期間を短縮することによって資金化が容易になるので円の国際化に資するという話もあるのですが、現実問題としては国債決済は全てT+2でやっている訳ではなくて、必要であればT+1でもT+0でも相対でやろうと思えば出来ない事はない(さすがにT+0は事務回す手間が重いけど)ので、それよりも日銀ネットでの担保差入回収とかそっちの方をよりスピーディーにやれる方に持っていった方が(というか今それもやっている最中の筈だが)良さそうな気もしますし、決済期間短縮したら国際化が進むんだったら欧州市場の国債とかどうですねんと思う訳で、まあそのメリットという考えも判らんことは無いですけれども、それと事務リスク拡大のプロコン分析ってどうなんでしょと思うのだが、何せ事務リスク拡大という話って実際に回してみないと判らないという面があるせいかどうしても計測が難しくて、なかなかこう現場の感覚としてどうのこうのと言っても通じにくい所ではあるなあと思うのでありまする。

で、これまた以前にも申し上げましたが、足元では日銀のQQEによる国債馬鹿買入による玉吸い上げによって国債の流動玉が激減し、その結果セカンダリー売買の流動性が(特にオフザランになると)落ちているという状況な訳で、一方で日銀におかれましては補完供給貸付は5営業日までしか連続して同じ銘柄を同じ先には出さないなどと大変にケチ臭い話をして、国債売買の流動性なんぞ知らんがなというスタンス(大体からしてセカンダリー市場とかをちゃんと理解してるならこの前の騙し討ち輪番変更とかやらんだろと思う)でございまして、そういう状況下においてアウトライトがT+1になるとレポがT+0になる訳で、レポ市場に掛かるストレスはそらまあ決済のケツが短くなる分だけどうしても高くなってしまうので、QQEの出口の時に国債流通市場にストレスをより強く掛けた状態で迎えるという事になった場合に不測の事態が起きませんかねえというのも気になる所でして、まあ要するにQQEが終わって国債の馬鹿買いも終わって短期金利が0.5%に上昇して、となった所でその手の取り組みを加速させれば良いように思えるのですがどうでしょうかねえとゆー所ではございます。

というこの前も話をしましたのでだいぶ繰り返しになっておりますが、またちょっと頭を整理してみたのでごく一部の方向けのマニアネタを投下すると同時に、一応円債やっている方に無縁の話でも無いと思いますので意識のどこかに置いてちょという意味で投下したのでありました。

#頭の整理をしてもまた起きてから頭の整理をしたりしながら書くと時間がかかるなあと思ったのですが、それにしてはお前全然整理できていないのではないかというツッコミをしてはいけません


○さて短国入札ですがががが

えーっと本日は3MTBの入札があるのですが、昨日の日本相互証券さんの短国の引値を見ますと償還が近くて使いにくい銘柄(オペにも入らん)は別ですが、あとはまあ見事に0.03%だの0.03%割れだのという素敵なレートが並んでおりまして、日銀の短国買入の対象になっているゾーンは軒並み3bp割れの引値という大変に素敵な状態になっております。

でもってそんな感じで短国市場の玉がカラカラ帝となっておられる中で月末発行日の3か月TBが出るという事ですが、3bp割れかよと落涙を禁じ得ない状態になっているのですが、ご案内の通り7月は共通担保オペの落ちがあるのと資金需給上放置しておくとMBが落ちやすくなる筈ですので、MB維持するなら短国買入が続くとなるともうエライコッチャでございますがなという話ですが、ディレクティブに忠実に運営すると短国市場の玉が無くなってマイナス金利になっても知った事かですし、短期金融市場の機能がおかしくなっても知った事かという話でございましょうから(金利の馬鹿低下は兎も角市場機能がおかしくなったら金融政策運営上ゆゆ式だと思うのだが)このしょうもない金利水準VS先行きの短国需給見通し(って言ったって単なるオペ読みですが)の対決はどうなるでしょうという所ですな、ナムナム。


○マクロプルーデンスか金融機関経営問題かその心は?

昨日はこんなんでてますが。
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2014/rel140625a.pdf
2014年6月25日 金融庁 日本銀行
「金融庁・日本銀行連絡会」の開催について

『金融庁と日本銀行は、本日、金融システム・金融市場を巡る諸情勢について意見交換を行うため、金融庁長官と日本銀行副総裁を含むメンバーからなる「金融庁・日本銀行連絡会」を開催しました。今後も、連携強化を図っていく観点から、連絡会を半年に一回程度の頻度で開催していく予定です。』

ほほう。

『(主な参加者)
・金融庁 畑中長官 ほか
・日本銀行 中曽副総裁 ほか

(開催頻度)
・半年に一回程度。必要に応じ随時開催。

(目的)
・最近の金融システム・金融市場の諸情勢に関する意見交換』

金融システム云々と言えば日銀からはFSRというのが出ておりまして、暫く前に出た奴をちょっとだけ以前ネタにしましたが、まあ今回ですと地域金融機関の経営課題というか、基礎的な収益力の弱い金融機関と強い金融機関の差が拡大傾向にあるみたいなレビューの部分がヒジョーにこう気になった訳ですけれども、まあ直近ではその手の話がネタになり、将来はまたどうなるかというのはそれこそFSRで問題意識の一端を垣間見せてくれるんでしょうかねえなどと思いつつ、何でまたこの時期に急に出てきたという感じ(そらまあ金融システムの監督という面では被る所が多いから現場レベルでの協力関係とかはあるでしょうから全くない所から急に始まった訳ではないでしょうけれども)ではありますなという所で。

つーかまあこういう話はもう一人いるはずの木彫りの置物状態の人にはどだい無理なのは判りきっておりますけれども、しかし対外の部分でも役立たずで内部管理とか更に役立たず(内管どころか自分の管理出来てるんかいなという世界でしょ)とか随分とお高い置物でございますなあとふとこのメンバーを見て思うのでありまして、黒田さんも大概お忙しいですけど中曽さんは更にまた負担が掛かってますなあと同情の念を禁じ得ません。

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2014/06/23

○市場関連メモ

・短国買入2兆円とな

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of140620.htm
国庫短期証券買入 20,000 2014年6月24日
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注3) 7,205 2014年6月20日 2014年6月23日

ということで金曜は何か知らんが短国買入2兆円のオファーということで、そんなにMBを積まないといかんのかねとか、

ちなみにMBですけど19日のMBは
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/jd140619.htm
マネタリーベース 2,307,600

となっておりまして、金曜は国債償還と貸出増加支援オペ要因があって
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/jx140620.htm
当座預金増減 +107,400 +107,100

となっておりますので、要するに240兆円とかになっているのですけれども、貸出増加支援オペが思ったより伸びなかったから2兆にしたのかも知れませんがしかしまあ短いのでそんなに威勢よくMBを途中で積み上げてどうしますねんとは思いますが、その結果・・・・・・・

http://www.jsda.or.jp/shiryo/toukei/trr/index.html
東京レポ・レート

こちらからエクセル形式で数字落とせますけれども、TKRRベースではレポレートも5割れとかになっていますが、短国現先とかのレートは更に需給ひっ迫を反映して低下の巻となっているようでございまして、既に玉が無いのくらいはヒアリングしてるだろと思うのですが、その状況にも構わずオペ実施ですかそうですかまあいつもの話ですねえという所で。

まー今回に関しては直近で1年TBの入札があったので、年末の買入残高に跳ねる1年TBを購入したかったというのがあるのは把握しましたが、ここもとではまあどこからどこまでが本当の影響かは判らんですけれども、ECBのマイナス預金金利攻撃が出て以来短国の需給が逼迫している中でそのハイペースでの短国買入積み上げは何ですねん(どうせ主に買うのは3か月なのだから今買っても年内にまた再購入しないといかんのだが)という風に思いますが、もっとオソロシスなのは7月になるとシグナルオペをロールした分の落ちがバカスカ来ることでして、6月に積み上げたMBの残高を7月にも維持するという話になった場合に、貸出増加支援オペの残高で積み上がった分の見合いで1年シグナルオペ(のなれの果て)の残高が落ちるのが見えるので、その分を埋める為に短国買入とか思うともう財務省に発行増額して頂かないと短国市場が物凄くお洒落な事になりそうですな。

なお金曜のオペ結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba140620.htm
国庫短期証券買入 27,047 20,002 -0.010 -0.006 55.1
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注4) 20 20 -0.400 -0.400

金利がかなーり低い水準にいるというのに1毛強まで入ったのかよという所ですが、まあそもそも2兆もオファーして札が割れて夢の出来上がりマイナス金利になるんじゃネーノとか恐れていたので札が割れなくて良かったですね(棒読み)という風情ですな、うんうん。


・国債投資家懇談会から少しだけ

http://www.mof.go.jp/about_mof/councils/meeting_of_jgbi/proceedings/outline/140619.html
国債投資家懇談会(第55回)議事要旨
日時 平成26年6月19日(木)14:30〜15:30

ということでFOMC直後に実施となりましたが。

『2. 最近の国債市場の状況と今後の運用見通しについて〔参考配布:参考資料〕』から先の所を読みますと、まあ見事なまでに「先行きはいずれ金利が上昇」という話になっていて、そらまあそうなのですがこれだけ皆さんの見解が「どこかで金利が上昇」となりますとこりゃ暫く金利が上昇しねえわという感じですな。

『国債市場の見通しについては、引き続き日銀買入オペの影響が極めて大きいため、当面動きづらい相場が続くと感じている。物価水準などを考慮すると足元の金利水準は本来あるべき水準よりも低いと感じており、また、現時点では現実味がないが、日本銀行の出口戦略についても頭の片隅においておく必要があるため、積極的に国債を購入するのは難しい。しかし、償還資金の再投資や、キャリー収益を確保する必要があるため、引き続き一定額は買うつもりである。』

『上向きになりつつある景況感や物価動向から考えると現状の金利水準はかなり低いと思われるが、日銀買入オペの影響が圧倒的に大きく、政策に大きな変更がない限り、当面は膠着状態が続くと考えている。当面は日銀買入オペを上回る材料は見当たらない。しかし、BOEの利上げやFRBの緩和縮小など海外の中央銀行が金融緩和の出口に向かっており、また、海外の経済状況からも良い影響を受けて市場がファンダメンタルズにより注目するようになれば、具体的な時期は分からないが、円金利の水準が変化してくると考えている。現在はデュレーションを短くして耐えている状況。』

てな感じで「今の金利水準は日銀の買入によって下駄を履いている」「金融政策の変化が起きれば金利が上昇するのでそれを念頭に置いてポジションは軽く」「金融政策の出口については直ぐに来るとは思わないが意識はしないと」というのが揃っているのが見所ちゃあ見所ですな、うんうん。

でまああと見ててふーんと思ったのと少々アレだったのが2つほど。

まずは最後の人の意見ですけどね(全部同じ発言の流れです)。

『円債に関しては、実質金利がマイナス0.8%台と、大幅なマイナスになっており、債券投資家としては極めて受難の時代である。これは、すなわち債券を保有していることで、顧客の実質的な富が移転をしているということであり、その運用に関しては慎重にならなくてはいけない。』

うーむ。

『中長期的に考える必要があるのは、JGBの市場のみならず、グローバル市場でも流動性は極めて低下しているという点である。その背景としては、リーマンショック以降のグローバルな金融機関に対する資本規制強化の動き及びそれによるバランスシートの縮小がある。』

ですなあ。

『短期的な見方だけで運用を行うということは、流動性がそれなりに確保できて、見方が変わった時に手仕舞いできるということが前提となると思うが、流動性に乏しいマーケットが中長期的に続くと考えると、流動性のプレミアムを要求しながら、長い感覚で行う必要がある。』

確かに。

『世界中で積みあがった債務等を考えると、中長期的にグローバル経済は低成長・ディスインフレとなることが見込まれるため、日本だけが2%のインフレ、2%の実質成長になっていくというシナリオは考えづらい。行き着くところは恐らく1%の程度の実質成長、1%程度のインフレという均衡の模索になるのではないか。』

一々ご尤も。

『この環境で円債の投資をする際重要になってくるのが、国内の預金動向・預貸ギャップであり、それ程大きく預貸ギャップが縮まらず、預金が大きく動かず、そして1%程度のインフレであれば、日本の今の財政状況を考えると、日本銀行の金融政策は極めてゆっくりと進み、しばらく正常化のシナリオにはならないと考える。したがってイールドカーブは端が長期間にわたって抑えられる状況が続くと考える。イールドカーブが立つ、すなわち10年金利が上昇してくると、その際はキャリーを取りたい投資家が再参入してくるため、恐らく円金利はそう大きくは上がらないのではないか。』

なるほどとしか申し上げようがありませんな。

であとちょっと読んでてうーむと思ったのはこのコーナーの中盤辺りの人のご意見っすけどね。

『これまで日銀買入オペによって超長期ゾーン、特に30年債、40年債について、発行量対比大量に買い入れられていたところ、18日の日銀買入オペの方針変更で、30年債、40年債の買入が一定額に抑えられることとなった。これに伴い、需給がやや緩み、投資家目線の水準に徐々に近づいていくのではないかと期待している。(続きがあるが後で)』

日銀買入オペの変更に関するコメントはこの人だけだったのですけれども、まあ言いたい事の気持ちは判らんでも無いが見事なまでのポジショントークで実にアレなテイストを示しているのでついネタになるのでした。

えーっとですな、日銀の買入オペの方針変更のそもそものやり方に問題があるだろという話はさて置いて自分が買えて居なかったので日銀の買いが減って金利が上がって期待とか中々こうポジショントークにも程があるので大変に微笑ましいのですが、こういう方は逆に自分のポジションに都合の悪い話になると物凄い勢いで批判とかしそうですし、ニーズがあるから増発しろと言っていざ増発して金利が上がると中々買わないとかいうようなテイストも感じさせてくれるのがまあ何と申しますかでありまして、いやそれで金利が上昇しても業者がリスク取れなくなった結果としての金利上昇になると最終的にブーメランとなると思うんですが何という目先感の強いコメントと大変に敬服する次第であります。

でその続き。

『(さっきの続き)そして、これまで日本銀行を見て仕事をしていた証券会社が、投資家の意向等にしっかり目を向けて取引を行うという、良い循環が生まれることを期待している。』

えーっとですな、証券会社は別に投資家のドレイじゃなくて営利企業なのですから、そら日銀との取引の部分で収益チャンスがあって流動性も無いのにゴリゴリやってくる投資家の売買打ち込まれたら死亡確定というのであれば投資家の意向に目を向けるよりも前に目を向けるところがあるでしょうと思うのですけれども、中々心温まるテイストでここまでくると一種の清々しさまで感じてしまいますな、誠に素晴らしい。

とまあそんな辺りが少々目についたので市場雑談系のネタという感じです。しかしこの人以外のコメントって債券市場に関しては日銀買入の話を連発しているのに前日の突然の買入変更に関するコメントが無いのはこれまたどうなんでしょうねえとは思うのでありました。

まあPD懇では誰か暴れた人いますかねえというのは今日になったら議事要旨が出るのでワクテカしながら待つのでありました。

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2014/06/20

○輪番変更でイールドカーブのロンガーエンドが火の海とな

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-N7CP2F6JIJUP01.html
債券、日銀オペ変更で30年や40年ゾーンが大幅安−10年以下には買い
更新日時: 2014/06/19 15:36 JST

ということで昨日の債券市場ですが、前日の輪番買入内訳の突如の変更攻撃によりまして前日から超長期の後ろが弱かったのですが、当然ながらその流れを引き継ぎまして超長期の30年、40年(たぶん25年超なのでしょうけれども)がヘロヘロだった訳ですが、前場は途中で30年1.7%(3甘)の所で一旦止まったかなあとも思わせてくれたのですが、後場中盤以降一段安という感じの2段下げモードという展開になって日本相互証券さんの引けは30年カレントが5.5甘の1.715%で40年カレントが6甘の1.800%となりまして、一方で引けベースで言いますと10年カレントが0.5強の0.585%でして、BB引値ベースで見ると10年30年が6毛、10年40年が6.5毛のスティープでして、20年が1.5甘だったので20年30年の所で4.5毛スティープという事で、輪番オペの運営変更ネタでイールドカーブのロンガーエンドに無慈悲な攻撃が行われて火の海になるの巻。

まあやっちまいましたなあというのは一昨日に紙が出た所で予想されてはいたものの、昨日の相場的には一旦節目(30年カレントの1.7%という絶対水準)で止まった感を見せつつ2段下げしてくれたので残念感が更に漂うという所で、しかも原因が輪番に関する不意打ちにも程がある変更という事で、ポジションで逆を食らった皆様におかれましては誠にお気の毒としか申し上げようのない展開であります。

これがまあ経済指標の結果とか、金融政策決定会合の結果とか、そういう要因での動きで食らったのであればまあ世の中そういう事もありますがなという感じでしょうけれども、妙ちくりんなタイミングあんどついこの前に変更したばっかりの輪番買入内訳変更とか誰も読めんわこんなのというプレイによって食らってしまうというのはまあ食らった人としては納得いかんわという所でしょう。

でまあ昨日も申し上げたような気がしますがしつこく申し上げますと、この調子で突如の「機動的見直し」攻撃が飛んできますと、只でなくさえ流動性が下がっていて業者としてクオートしにくい状況になっているのに、日銀将軍様の無慈悲な攻撃が突如飛んできてイールドカーブの特定ゾーンが焼き払われてしまって火の海になるというような話になりますと、業者的には店頭での引き合いに対してレートをクオートしにくくなるにも程があるという事になる訳でして、そうなりますと国債の流通市場への悪影響も必至ですし、ひいては国債の円滑消化にも悪影響を与えるでしょと思うのですが、今日のPD懇で誰か指摘する向きが出るのではないかとワクテカしているアタクシなのでありました。

なお、昨日は偶々こんな案件があって更に市場の皆様の神経を逆撫でする辺りが何とも見事なタイミング過ぎて落涙を禁じ得ません。

http://www.nikkei.com/markets/features/12.aspx?g=DGXNASFL190S7_19062014000000
黒田日銀総裁、国債の流動性「極度に低下した状況にない」
2014/6/19 14:20
〔日経QUICKニュース(NQN)〕

『日銀の大量の国債買い入れ影響については「(昨年4月の)量的・質的金融緩和の導入当初から問題意識を持って対応してきている。市場参加者との密接な対話を行いながら進めている」と説明した。』(上記URLより)

http://jp.reuters.com/article/idJPT9N0OT00920140619
BRIEF-市場と密接な対話しながら国債買い入れている=黒田日銀総裁
2014年 06月 19日 14:10 JST

『日銀の黒田東彦総裁は19日午後、参院財政金融委員会に出席し、国債買い入れについて、市場と密接な対話をしながら行っており、今後も点検し、市場参加者と対話を続けたいと述べた。』(上記URLより)

・・・・・・・・まあ元は同じネタなのですが、市場と密接な対話をした結果が輪番運営の不意打ち変更かよという辺りが市場の中の皆様のトサカを盛大に刺激する訳でございまして、もしかしてこのような頻繁(といっても3週間で2回目が出てきたという話ですが)な変更を打ち込んでくるのが「市場との対話」というご認識をシャチョー様が持ってらっしゃるという事になりますと、そういう動きも時と場合によっては「日銀が能動的に債券市場を焼き払いに行っているだけ」という場合もありますがなというのが今回のケースな訳でございまして、昨年5月6月の場合と今回とでは状況が全然違うのでありまして、昨年輪番の運営方法をこまめにいじって上手く行ったから今回も上手く行くとは限らんというのが相場様のオソロシスな所でありまして、そういう定性的な部分というのは頭のよろしい方におかれましてはイマイチ気が付いて下さらないのかも知れませんが、ちったあ気がついて頂きたいという所でありますな。

つーことでですな、市場における日銀買入のシェアがフローにしてもストックにしても巨大になっているという状況を鑑みますと、まあ市場職人という訳でも無さそうな皆様が変にジャッジメンタルに介入しようとするのは無理があるというか、今回のように結果として日銀がイールドカーブを能動的に焼きに行く(しかもそれがボードの決定などとは関係ないオペ技術的な部分でというのがミソ)事になってしまうような話になるというのは避けた方が無難であって、より機械的というかシステマティックに長期国債の買入を運営した方が宜しいのではないか、という昨日の結論を繰り返すのでありました。

結局の所、市場としては不確実性というのがボラを高める要因になる訳で、そらまあ不確実性が全部無くなったら商売あがったりだからそれは困るのですが(^^)、経済予測とか政策動向予測とかそういうのと全く関係ない部分で想定の出来ない不確実性が恣意的な形で炸裂するのが一番困るのであって、だったら最初から読める形でシステマティックに輪番運営した方が良かろうと思いますし、大体からして正常化のせの字も出てこない状況でこの有様ですと、QQEからの正常化を行う際に債券市場に何の燃料を投下しだすねん日銀はというヒジョーにオソロシスなものを感じさせてくれますので勘弁して頂きたい所であります。

・・・・・・・でまあ一番起きて欲しくないのは今回の輪番変更に関して「市場との対話を行って機動的に変更しています(キリッ)」とか「国債市場はこのように健全に値動きをしており流動性が極端に低下した状況というような質問を国会でされたような状態では無いです(キリッ)」とか謎の形でシャチョーを始めとした偉い人に認識されてしまう事でありまして、そういうような事になりますとそれこそ出口政策での債券市場がどうなるのかというのが非常に危惧されますな、という事になるので一応声を出してみましたという所でございまする。

#なお昨日の金融ファクシミリ新聞さんの朝刊では早速「金融緩和の縮小にらむ」とかいう題字が載っておりまして、まあ当然そういうヘッドライン出るわなと思ったりするのでありました

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2014/06/19

○輪番の予定がもう見直しというのは大悪手だと思うという悪態シリーズが先に来るのだ

昨日は決定会合議事要旨だの1年TB入札だの貸出支援オペだのというネタが色々とあったのですが、それらのネタを粉砕する大ネタがしらっと金融市場局から投下されたのが夕方タイム。

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2014/rel140618a.pdf
2014年6月18日
日本銀行 金融市場局
当面の長期国債買入れの運営について

ということで紙が出た訳ですが、ついこの前6月2日から適用の運営の紙を出したばかりだというのにその舌の根も乾かぬうちに、というか3週間でまた差し替えの紙が出てくるとはどういう事ですねんという感じですが、さて内容はと言いますと・・・・・・・・・

5月29日に出ていた紙
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2014/rel140529b.pdf


・超長期の減額&もう30年40年は打ち込むんじゃねえ攻撃

別紙にありますように、今回の変更点は(1)超長期(残存10年超)の1回辺り買入額を前回の「1,500〜3,500程度」から「1,300〜3,500程度」としたことで、ついこの前減額してその下限での買入をおっぱじめたばかりだというのに3週間で更に減額とかナンジャソラというのが一つ。

でまあ更にアレなのはその下にある(注4)という所でして・・・・・・・・・・・

『(注4)残存期間10年超については、残存期間の区分を細分化して同時にオファーすることがあります。2014年6月23日以降に行う最初のオファーは、残存期間10年超25年以下1,000億円、残存期間25年超300億円とする予定です。』(今回の紙から)

ということで、今回のもう一つの眼目は超長期のゾーニングをした上に、超長期手前の方を厚くして超長期の後ろの方は要らんぞなというのを思いっきり明確にした事でして、超長期のゾーニングという話だったら前からそういう提言はあった筈で、だったら最初からやっておけやという感じなのですが、1年間(途中で「程度」を活用して下限を切る買入をしていたのにもかかわらず)放置プレイをしていた「紙」について変更したと思ったら3週間でまた変更とか何ということでしょうと言う話でありまして、何考えとるんじゃゴルァという声が債券市場で飛び交ったのは言うまでもありません。

背景として恐らくここまでの日銀保有国債の残高の増え方から考えると、40年カレントとかが超長期輪番でバカスカ打ち込まれてしまって、買入平均残存が中々短期化しないという事があって、まあそれに対して調整しましたよという事なのでしょうが、それにしてもここまでの輪番の札の入り方から考えたら40年のカレントが出た(直近の40年国債入札は5月27日です)後の超長期輪番で40年カレントがバカスカ打ち込まれる事くらいちょっと想像力があれば想像できると思うのですが、いざ輪番で超長期の中でも長いのが打ち込まれてしまってから(この前償還銘柄が沢山入りそうなタイミングで1年未満の輪番を増額したのはやはり平均残存の帳尻オペだったのでしょうなあ)泡を吹きながら(かどうか知らんが)更に超長期の輪番を減額&新規ゾーニングをしてくるとか朝令暮改にも程があるわという所であります。


でまあ30年40年をバカスカ打ち込まれると中々平均残存が7年に近くなってくれないから超長期のゾーニングを今さらながらに入れてきたというのは把握致しましたが、その結果として従来30年だの40年だののカレントがバカスカ入っていた超長期輪番の実態からすると、30年40年の日銀による輪番での買入が激減するという計算になりますので、この紙が出た後の債券市場では超長期の後ろ(実際問題としてのゾーニングは25年の所で切れていますが)の所、20年から30年の所で盛大にイールドカーブがスティープするような気配になりまして、何ともかんともという所ではございます。


・不確実性を思いっきり拡大させる今回の「紙」の書き換え

ということでまあそんな紙が出た訳ですが、今回まあ色々とナメトンノカという論点が多々見つかる訳で、そらもう湯気出ます罠という論点が幾つかあるので湯気を出しながら少々。

まず先ほど申し上げましたように、先月末近くに「これで当面行きます」というのを1年ぶりに出して来たというのにそれを3週間で新しくリバイスするということで、まあ債券市場からしてみれば朝令暮改にも程がある(しかも超長期減額ですし)話でして、それだったらその前の時点で紙をわざわざ出すなよとか思いますし、大体からして紙が出ても1か月すら持たないんだったら端から紙の内容が当てにならないという事ですから、そらまあ市場からしてみたら「不確実性にも程がある」という話になります罠。

特に足元では日銀の輪番と国債入札(と強いて言えば月末の債券インデックス長期化)が債券市場のイベントとなっている訳ですが、その中で輪番に関して紙が出たと思ったらあっという間に変更の紙が出るとかなりますと、輪番だけ無駄に不確実性が高いという話になりますし、しかもご案内の通りで輪番が債券需給に大きく影響する一大イベントとなっている中でその一大イベントが不確実と来た日には、マーケットメーカーだってポジション取れません罠(他の要因で動くなら兎も角、日銀が輪番スケジュールを急にホイホイ変えてくるというのは日銀が恣意的に決める話なので予測可能性もへったくれもないから、そうなるとポジションの持越しもリスクとかそういう話になる)ということでして、只でなくさえ流動性が無いからポジション取りにくく、ポジションが取りにくいからちょっとした売買でイールドカーブが振れ、それがポジションの取りにくさに拍車をかけるという流動性低下の負のスパイラルになっているというのに、それを助長してどうすんねんというお話です罠。


でまあ更にアチャーとしか申し上げようがないのが、超長期輪番ゾーニングの内容についての説明部分で、『2014年6月23日以降に行う最初のオファーは、残存期間10年超25年以下1,000億円、残存期間25年超300億円とする予定です。』(再掲)となっているこの「最初のオファーは」というのが何とも債券市場というかマーケットメーカーに対してフレンドリーさの欠片も無い部分であります。

つまりですね、まあダマテンでゾーニング出されても死亡しますからそれを出すのは判りますし、中期の輪番のようにウェイトを似たような感じ(当初は半々だったのが直近比率が動いた訳ですが)にしないで、超長期の後ろはもうイランという意志表示をするのに、ダマテンでいきなり実施したら債券市場がビックリするから事前にアナウンスして起きましょう、という日銀の意図はまあ判るのですが、残念な事に今回「最初のオファーは」という言い方をしているのがウンコにも程がある所です。

と申しますのは、まあこれはとりあえずこのウェイトでオファーしてみて、買入の平均残存年限の状況をみたり、超長期の後ろのイールドカーブ状況を見て必要ならばウェイトをいじってマーケットフレンドリーにしようという意図を持っているんだろうなあというのもこれまた判るのですが、そもそも輪番の買入が需給を大きく左右するという状態になっている訳ですから、「必要に応じて機動的に対応」というのは「日銀が恣意的にイールドカーブの形状に大きな影響を与える」というのと同義であり、しかもその変化が急に月の途中のエライ中途半端なタイミング(このタイミングに関しても後で悪態の予定)で行われるとなりますと、そらまあマーケットメーカーが店頭の売買に対応したり入札に参加したりする際の超不確実要因が日銀の胸先三寸という事になりますし、そもそもその胸先三寸の反応関数もよく判らんとなりますと、安心してマーケットメークもできませんという事になります罠。

もうちょっと端的に言ってしまうと、次回の超長期輪番が1000億/300億になったとして、その次の回の配分が判らんとかいう時点でどうひっくり返るか判らんとなると超長期ゾーンのマーケットメーカーは店頭での投資家からの引き合いに対応してポジションをとる事そのものがリスクになる訳でして、しかもこの年限がこの先どういう切られ方になるのかも謎とかになりましたら、昨日この紙が出た後は超長期の20年よりも後ろ(正確に言えば25年の所なのかもしれないが板が無いので判らん)の部分でカーブがスティープしましたが、そこのスティープフラットの関係も次の次のオファーでひっくり返るかもしれないし、下手したらカーブ形状が変わるグリッドですら変わるかもしれないという状況でマーケットメークまともに出来るかよという話になる訳で、せめて「当面はこうする」位の表現にしてくれよと思いますし、まあその「当面」も今回3週間如きでひっくり返されるという事案が発生した以上は当てにならんぞなもしという話ですし、まあ困ったもんだよという事ですよねこれって。


という訳で、まあ金融市場局様におかれましては恐らくそれなりには考えたと思われる部分もあるのですけれども、それがどこをどう見ても結果的にはマーケットフレンドリーどころか業者がリスクを取れなくなる方向に思いっきり燃料を投下するという材料になっている辺りがオッペケペーにも程があるプレイでして、何ちゅうセンスの無さとしか申し上げようがない次第ではあります。



・アナウンスするタイミングと1年以下の上限引き上げに対する悪態である

でもって更に悪態を申し上げますと、これを打ち込んだタイミングがFOMCの前日で、そのほかにもBOEの議事要旨が出るとか、新方式による貸出支援オペの結果が出るとか、そういう話題目白押しの中で出して来るという辺りが実にあざとい訳でして、超長期の買入減額と言う下手するとTaperingみたいな言われ方をするリスクのあるネタをFOMCにぶつけて、株式市場や為替市場がそっちに気をとられているタイミングを狙ってくるというのがもう何ともあざといというかセコいというか甚だケシカラン訳ですよ。

しかも今回超長期の買入の下限を減らしているのですが、良く良く見ますと残存1年以内の買入について、一回当たりの買入予定額の上限を500億円増やしておりまして、超長期の買入予定回数が月に5回で、1年以内の買入予定回数が月に2回、そして今回は1回辺りの買入について超長期の下限を200億円減額して1年以内の上限を500億円増額しているので、200×5=500×2という謎の計算式によりまして「総額ベースで下限が減っていますが上限も増えていますよ(キリッ)」とか、そもそも殆どの年限で下限の買入(つーか5〜10年は下限を切ってますけど)を行っているのに、帳尻的な意味しかない年限(1年以内という短期国債と同じ年限ですから)の上限増やして「下限を減らしたが上限も増やしている」という見せ方をする辺りが実に貧乏臭いというか(内務省検閲)丸出しというかでございまして、そういうのがまた分かりやすく見えてしまう所が債券市場をナメトンノカという話になる訳でして甚だ遺憾にも程がある所ではあります。


そして今申し上げましたように、今回の「紙」の変更にも何故か反映されていないのは、現実問題として下限を切って「程度」の中で運用されている5〜10年の買入の表示でして、今回も引き続き『4,500〜6,000程度』と表示しているのは、先般のバージョンが出た時に申し上げたように、買入のコアゾーンとなる部分の数字を小さくするとそれこそ細かいゾーニングとか見ていない為替市場とか株式市場辺りがネガティブな反応をするリスクを意識しているのでしょうなあとしか思えませんが、ここはここで「程度」の運用でレンジを逸脱した買入オファーが続いているのを紙の方で実態に合わせないという時点で紙の内容を墨守する気ねえだろという話になる訳です。


・紙の在り方に関してとかそんな点

もちろん、金融市場局として墨守しないといけないのは決定会合で示されているディレクティブであって、そちらを実務的にどう運用しようかという話になった時に出しているおまけが「紙」であるので、紙の通りに運用してディレクティブを逸脱する方が問題ではある、というのはその通りではあるのですが、墨守しない紙だったら変に出されると却って市場参加者に対して不確実性を与えるだけになる訳でして、まあ確かに昨年出した当初の時点では紙にも効用があったとは思いますし、機動的な対処にも効用があったかもしれないですけれども、実際に買入が累積してきて、債券市場における価格形成に対する日銀買入の影響があまりにも大きくなった現在となっては、変に「機動的な対応」や「柔軟な対応」をする方が市場に対する不確実性を与え、マーケットメーカーのポジションニングに対するリスク要因となり、ひいては債券市場の流動性の低下に拍車をかける結果を生むようになっているのではないか、とまあそんな事を今回の公表とそれに対する市場の反応やら感想やら苦情やらを見ていると思う訳ですよ。

つまりですね、こうなってくると実はもうここから先の輪番に関しては月の中でのタイミングの入り繰りとかは適宜調整するにしても、買入の対象や額に関しては、ディレクティブを順守する為にどのような年限をどのようなウェイトで買えば良いかを月当たりでブレークダウン(その際にもう少し年限区分を細かくしても良いと思いますし、その方がやりやすいでしょう)して、債券市場がどう動いても淡々とそのペースを守って買入を行うという、FED方式に近いやり方で輪番オペを運営した方が、却って市場に対する不確定要因を除去する結果になるんじゃないですかとも思う訳で(これはアタクシがそう思うだけで見解は分かれると思いますので念のため申し添えます)、しつこく申し上げますがこうホイホイと「紙」の内容をいじられますと、市場(特にマーケットメーカー)はポジションすら取れないわという話になってくると思いますが如何でしょうかねえという所ですな、うんうん。

#と、すこし穏当に纏めてみたつもりだが


・注記について少々追加

今回の追記に関して少々あたくしなりの解釈をば。

『(注1) 2つまたは3つの残存期間区分を同時にオファーします。』
『(注4)残存期間10年超については、残存期間の区分を細分化して同時にオファーすることがあります。2014年6月23日以降に行う最初のオファーは、残存期間10年超25年以下1,000億円、残存期間25年超300億円とする予定です』

ということで(注2と3は前回と同じ話)、今回ちょっと話題になっていたのは「残存期間区分が3つまでだとすると中期と超長期の輪番は同時にオファーしないのでは」という話でしたが、これは純粋に原則論で言えば「同時オファーはあり得る」という事になると思います。あくまでも残存期間区分として提示されているのは紙の表の中に出ている部分であって、その中でのゾーニングに関しては残存期間区分という大枠から見て細かい部分の話になると思います。

ただし、オファーバックして落札結果を決定して通知してというような事務フローが円滑に回るのかという観点からしますと、同時に応札する種類が増えると事務が輻輳してくると思いますので、その事務リスクという点で回避するというような事はあるかもしれません。ただまあ月のトータルの部分にこれは影響を与える話では無いので、そこでああだこうだという話をするのは狙公の家で飼われているエテ公が朝3つか暮れ3つかでウッキーと言うようなレベルの話なのでまあ細けぇこたあキニシナイという事ですが、事務輻輳がしんどいという話ですと先ほどの「もっと細かくしたら」という話も実務面で机上の空論化してしまうのでそこは気になる所。

あと、ウダウダ申し上げましたが、まあ基本的に注4に関しましては常識的に考えると「次回以降当面はこの配分とゾーニングで行きます」というのを事前にアナウンスしているだけで、何で数字の話をしているかと言えば、先ほども申し上げましたように、従来ゾーニングしている中期がほぼイーブンウェイトでの買入をしているのに対して今回は偏りがあるので、実際のオペオファー時にサプライズを与えるよりも、先にアナウンスしておきたいという事であって、毎回買入の入り方を見ながらホイホイと配分を変えてくるというような事はしないと思います。


○その他昨日のネタを少々

・貸出増加支援オペ結果

本来ならこれも大ネタなのですが(汗)。
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2014/rel140618b.pdf
貸出増加を支援するための資金供給の実施結果(2014 年6 月実施分)

新規貸付の概要
貸付期間 4 年
貸付予定額 49,368 億円
貸付先数 60 先

ということで巷間5兆から6兆程度出るのではないかと言われていた貸出増加支援オペですが、結局ほぼほぼ5兆円の落札となりまして、まあこれで4年の0.1%ファンディング確定したからよーしパパ4年ゾーンの国債買って雀の涙の鞘抜きで明日はホームランだ!とは成らんとは思いますが、ALM的に言えば4年の固定金利ベースの負債が入ったのでその分当該金融機関の金利リスクプロファイル的にはリスク耐性が向上しているといのは言える話ですので、そういう意味では債券市場にフェイバーという話になるんでしょう。

でまあこの分の固定金利オペが期落ちで減るんだろうなあとか思いますがその辺りに関してはまた後日。


・資金循環統計

これまた本当は超大ネタ。
http://www.boj.or.jp/statistics/sj/sj.htm/
資金循環統計(速報)(2014年第1四半期)

このページから各種計表へのリンクが貼ってありまして、そこからヘコヘコと数字やら文書やらを落として来るとそれはそれで面白いのですが、そのネタもまた後日できればやります(やらないかもしれないが)。

でまあほほうというのは最初の所にある「資金循環統計(速報)(2014年第1四半期) [ZIP 79KB](注1)」からデータ落としてきて表を眺めている中であったのですが、ここからデータ落とすとエクセルファイルが展開されますけれども、その中で公的年金の国債残高の今年1Qの増減を見ると(シート6のJ36セルになると思うのだが)「18418億円の売り越し」となっている(筈だが間違っていたらすいません)所でして、色々と味わいが深い事よとか思うのでした。

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2014/06/18

○市場メモ雑談

・業態別当座預金残高

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/cabs/cabs.htm/

5月の当座預金残高は月平ベースで2兆円弱しか増えていませんが、今回の特色としては都市銀行以外の銀行業態が超過準備減らしていて信託銀行の超過準備に結果的に振り替わっているというのと、証券の当座預金残高はもう伸びませんなあというのがほぼ明確になっているということですか(まあ今に始まった事ではないが)。

信託の超過準備が増えているのが要因がよく判らんですけれども、銀行業界とは割と逆の動きをするのが中々興味深いですなという所ですな。でまあ証券に関してはそらまあ所要準備が無くて商品有価証券を持っている業態ですし、運用として日銀当座預金を持つというのは利回り付くにしたってまあ利回り低いですし、ROE的に言えばバランスシートの無駄使いになってしまいますから、やはり資産買入拡大、つまり当座預金積み上げには銀行業態がせっせと超過準備を積んでくれないと厳しいですねという当たり前の結論を確認するのでありました。


・短国ェ・・・・・・・・・・

今日は1年短国の入札で明日は3か月短国の入札なのですが、足元では短国の玉が逼迫しているのに日銀が何考えてるのか知らんが短国買入をせっせと継続して下さる(今月は四半期償還と年金定時払いがぶつかる月なので財政は盛大に払い超になるからMBは放置しても積み上がる)ので短国のセカンダリーのレートとか現先のレートが盛大にヒャッハーとなっているようで誠に遺憾なのですけれどもさてどうなるのやら。

つーかですね、良く良く考えますと1年TBの償還って当たり前ですけど来年の6月足な訳でして、QQEでのMB積み上げヒャッハーというのが確約されておりますのはあくまでも今年の年末でごじゃりまして、別にその後同じペースでMB積み上げの実施するかどうか判らんですし、長期国債の買入ペースをフローベースでそこそこ確保するという話になった時に短期オペの帳尻的にこのペースで短国買入が継続しやがるかというとこれは一度くそまじめに計算しないといけないテーマだったりするので(まあそもそも論として実際に政策がどうなるのかは不確定要素が多すぎて何がどうなるのか想像するのもヤヤコシヤだが)、はてさて短期と言っても持ちきり前提で考えた場合にどうなのというのは微妙ちゃあ微妙。ま、足元ではどうせ日銀バキュームカーが吸い上げにやってくるので日銀に放り込んでしまえば良いのでもちきり前提とかややこしい事を考えなければ無問題ですけどね。

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2014/06/17

○CPオペでアチャーとか

昨日のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of140616.htm
CP等買入 4,500 2014年6月19日
国庫短期証券買入 10,000 2014年6月18日
国債買入(残存期間1年超3年以下) 3,000 2014年6月20日
国債買入(残存期間3年超5年以下) 2,000 2014年6月20日
国債買入(残存期間5年超10年以下) 4,000 2014年6月20日

オペ結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba140616.htm
国庫短期証券買入 23,410 10,003 -0.001 -0.001 80.7
国債買入(残存期間1年超3年以下) 12,745 3,004 0.003 0.003 59.0
国債買入(残存期間3年超5年以下) 7,890 2,005 0.002 0.003 12.1
国債買入(残存期間5年超10年以下) 14,742 4,004 -0.006 -0.005 47.2
CP等買入 4,434 4,014 0.001 0.080

>CP等買入 4,434 4,014 0.001 0.080
>CP等買入 4,434 4,014 0.001 0.080
>CP等買入 4,434 4,014 0.001 0.080

・・・・・( ゚д゚)
・・・・・(つд⊂)ゴシゴシ
・・・・・(;゚д゚)

えーっとあのその全取レートの0.001%って利回り較差・・・・・ではなくて出来上がりの利回りでございまして、札割れの巻という事になっておりましてアチャーとしか申し上げようがない結果に。

昨日のCP買入は事前にも応札する物がねえという状況ではあった(ちなみに金ファクさんが朝刊でその件を話題にしていましたぞ)のですが、札割れ(割れたのに切られた400億円が謎なのだがマイナス応札でもして切られたのか銘柄の限度に引っかかったのかは切られた当人とオペ担当部署しか判らんぞな)するわ(ちなみにQQE以降は初のようです)足切りは全取0.1bpになるわという大変にあじゃぱーな結果に。

最近は企業さんの調達も社債シフトになっていて、元からのCP発行常連の皆様(金融系)は残っているのですが、全体としての発行も特段の盛り上がりはないですし、結果としてCP市場の発行の業態とかも偏ってきているという形になっておりますので、日銀のCP買入に入れる玉が枯渇しているという状況にある中で、CP買入は残高維持の為にホイホイと買入が続くので今回のような結果になっている訳ですが、一方で発行が偏っている関係もあって日銀のCP買入の枠が一杯になっている状況というのも良くある話で、その場合はレートが日銀買入とは無縁のレートになるという感じですので、まあ端的に言って日銀のCP買入が市場を歪めてるだろという感じなんですけどねえ。

つーかもうとっくの昔に企業に対する金融環境が盛大に緩和された状態という認識を示し続けている(後で金融経済月報ネタに出てくるかもしれんが^^)というのにCP買入とか継続する意味あるんかいなという気も盛大にする訳で、そもそもCPや社債の買入はリーマンショック後の短期金融市場やクレジット市場における金融の引き締まりに対応するために実施したものですし、まあ社債はそれでも3年まで買うから企業金融緩和的な意味合いでは政策的な意味があると思いますが、CPとか短期金融市場もクレジット市場も超緩和状態になっている中ではMB積み上げ以外の意味があるのかよと思うのですけどねえ。

とは言いましても、これは金融政策決定会合のディレクティブにどどーんと書いてあるという建付けになっておりますので、アホラシカという状況になっているとしても継続せざるを得ないのが残念無念な所ではありますな。


あと、短国買入が1兆円にやっと減額になったのですが、減額しても買入結果がご覧のとおりで前日比利回り較差マイナスで決定されていまして、何かよく判らんけどやたら玉が枯渇してスッカラカンになっているという状況(一方でGCレートはそれほど派手に下がっていないので、明らかに短国の需給が突出して良いという状態)なのにまだ買うかね(下手にスキップすると保有銘柄の償還構成に変な歪みが出るのでスキップしたくないというのも判りますが)という所ではありまして、まあ短期市場におかれましては日銀の各種買入オペが市場の需給関係を盛大におかしくして回っているという大変に素敵というかMB積み上げを政策目標としているのでそらまあしょうがないのですが、一体全体何のために市場機能をグチャグチャにしてまでMBを積むのよという理論について置物副総裁の明確な説明を賜りたい物であります。

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2014/06/13

○輪番関連ネタおよび昨日の訂正(すいませんすいません)

・1年以下の輪番は2日にもオファーがありました&その他訂正など(大汗)

まずは昨日の駄文を伏して訂正(汗)。

えーっとですね、1年以下輪番が2000億円に増額になった話をした時に、今月の1回目の如き話を申し上げた訳ですけれども、6月2日に1年以内輪番を1100億円オファーしていたのを勘違いして忘れておりまして、そうなりますとオファーベースでは今月は何と(通常の利付だけで言えば)買入が前月よりも多いオファーになりそうというオソロシスな話になるのですが、昨日申し上げましたように一昨日の輪番の1年以内に関しては償還銘柄の当期利払口閉鎖直前になる受渡になるので、償還銘柄を打ち込みやすい(償還銘柄は償還直前になるとGCとかで使えなくなるのでファンディングのつけられない純粋な運用になってしまい、業者などからすると使い勝手が宜しくない)ので思いっきり打ち込みに行くインセンティブが生じる(しかも輪番は基準価格からの利回り較差競争入札になるので償還まで数日とかになるとレートを大甘にしてもヘーキヘーキとなる)訳で)のですが、そこまで狙って2000億円を打ち込んだのかは謎。

まあいずれにせよ今月の流れとしては長めに推移している買入平均残存年限の調整をしたという所だとは思うのですが、1−3/3−5の買入のバランスを1−3に重めに振り直すとか、1年以下の買入額を増やすとかいうのはただの帳尻オペではあっても印象としては白日銀時代の短い所の買入重視みたいに見える訳でして、まあそんな細けぇこたあ他の市場の皆様は見てないから良いようなものの、何やってるんだかという印象は拭えない所ではありまする。

あと訂正なのですが、昨日10日までの日銀保有銘柄旬報が出てきたので色々と計算していて気が付いたのですが、今年12月末までに償還の来る日銀保有銘柄の計算で(除く物国変国)10年267回債までの計算をしていた積りだったのですが266回債までを足し合わせた数字で計算してしまいまして(大汗)、この銘柄そこそこ保有があるので再計算(ただしめんどいので昨日書いた月末旬報ベースの数字での計算の再計算)してみました。

5月末の日銀保有国債残高:164.9兆円
昨年12月末の同残高:141.6兆円
年内に償還の来る銘柄の額面残高:14.4兆円(昨日の計算は13.9兆円)
(相変わらず物国変国の償還分をスルーしています)

ということで計算し直しますと、12月末までの償還分を差し引くと買入残高の増加は9.0兆円となりまして、目標50兆円に対してあと41.0兆円ほど積まないといけないという形になりますが、これを7で割ると5.9兆円という月割りになって、昨日の計算よりも0.1兆円ほどずれてきます(なお全部端数を四捨五入しています)のですいませんすいませんなのですが、そうは言いましてもまあ昨日申し上げていたような話の趣旨には実はあまり影響しないのでした。

つまりですね、現在の残存1年以内を除いたベースで考えた場合の買入が月に6.2兆円程度あるので、やっぱり50兆円に対して足が出る感じになるのは同じでして、いやまあ長期国債の残高の方で足が出る分短期の買入が減った方が馬鹿みたいに需給が逼迫しやすくなっている短国市場の惨状から考えると結構な話ではあるのですけれども、只でなくさえ財政ファイナンスガーとかいう話になりやすい中で目標を上振れて買う件について日銀的にどう考えているんでしょうねえというのは気になります。

大体からして少々の上振れはヘーキヘーキという話だったらそもそも論として買入平均年限が8年超える(あるいは超えそうになる)となると細々と買入の微調整を繰り返す事もねえだろという気はする次第で、いやあどうするんでしょうねえと思いますし、さらにそもそも論として考えた場合、本当の本当に日銀の目標達成という話になるのでしたら、フィッシャー効果様によりまして名目長期金利の上昇圧力は先に逝く程高くなるのですからして、50兆円残高目標に対する買入余力を後の方に残しておいた方が良いのではないかとも思うのですけれどもね。つまり、後になって目標達成の認識が高まっている中で買入残高調整の帳尻とか言っていきなり月の買入ペースを下げられると予想外の市場アクションを招くと思うということですな、うんうん。


・ところで6月10日の買入残高明細

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/mei/mei.htm/

でまあ折角10日の残高が出ているので計算してみようとか思ってああだこうだいじっている内に前述の話になったのですが(大汗)、残高の差分をヘコヘコとみておりましたが、5月末対比で残高が4桁億えん増えたのは以下の銘柄と相成りました(なおあたくしの計算ベースなので例によって内容無保証)。

10年333:4693
5年106:3101
2年336:2636
40年7:1759
10年285:1732
10年323:1672
10年332:1355
5年105:1209
5年117:1171

長い所はカレント近辺ばっかりで、短い所に関しては投資家の売りが出て来そうな所(実勢の利回りが付利金利近辺の5年既発債と新発出た後暫く経過して用済みになった2年既発債)に銘柄が集中していて中々心が温まりますな。まあ保有残高見ると更にワロエルのだがそれはまた別の機会にというか皆さん計算してますよね。

なお、1年以内の1100億円のうち、12月末までに償還が来る銘柄の買入残高が886億円(残りは来年償還の銘柄)となっていまして、これらの部分に関しては年末買入残高の積み上げには寄与しない部分になりますな、うんうん。


・3M短国入札結果である

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20140612.htm

(3)募入最低価格 99円99銭0厘0毛 (募入最高利回り) (0.0396%)
(4)募入最低価格における案分比率 39.5526%
(5)募入平均価格 99円99銭0厘6毛 (募入平均利回り) (0.0372%)

ということでまあ予想通りの4割れ入札となっておりまして、まあ短期市場金余りなのは今に始まった事ではないのですけれども、短国の需給はその中でも突出して良いように見える次第でして、短国のレートが低いとCPやレポ現先のレートなどにも影響しそうなもんですが、CPレートは意外にサガランチ会長ですしレポ現先はまあ先週頭からホイホイ低下しましたけれども昨日とかはまた上昇していまして、一方で短国の需給は妙に建長寺というのはこれはまあ単純に短国をアウトライトで買う人がどこかにいるのでしょう(って当たり前過ぎる推論ですが)というのと、その人がCPとかレポ現先とかではなくて短国アウトライトの選好性が高いというようなお家の事情がある人なのかねえとか、まあその程度の想像は付くのですけれどもどうなんでしょうかねえという所で良くワカランチ会長です(つまり結論は無い)。


・ところで超過準備マイナススタートですかそうですか

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-N71YPD6K50YO01.html
ECBがマイナス金利を適用、市中銀行の翌日物預金が急減
更新日時: 2014/06/12 20:21 JST

『 6月12日(ブルームバーグ):欧州中央銀行(ECB)への市中銀行からの預金にマイナス金利が適用されたことを受け、同中銀への翌日物預金は2011年以来の低水準 となった。』(上記URLより)

ミーはまだECBの各種計数を確認して無いので記事引用だけ備忘で置いておきます。

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2014/06/12

○市場雑談メモ

・輪番オペの1年以下を増額とな

昨日の輪番オファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of140611.htm
社債等買入 1,000 2014年6月17日
国債買入(残存期間1年以下) 2,000 2014年6月13日
国債買入(残存期間5年超10年以下) 4,000 2014年6月13日

社債買入は事前アナウンス付なのでまあ良いのですが、昨日の数字でほえ?となったのは1年以下の輪番が2000億円で打ち込まれている事でありまする。

この前金融市場局が出した紙によりますと1年以下の輪番に関しては1回の買入額が1100億円〜2000億円というレンジになって(従来は1100億円としていた)おりまして、今回何故か謎のレンジ上限攻撃を実施した訳で、何でそういう事わざわざしますねんという事で、まあどうでもいいちゃあどうでも良いのですが雑談ネタとしてはオモロイので勝手に外野から愚考。

まずは「買入平均残存をここで思いっきり調整しよう」という点が普通に想像される訳でして、特にこのタイミングで輪番を打ち込むと6月20日償還銘柄が盛大に打ち込まれる可能性がある(落札結果は平均6糸甘の足切り3糸甘だったので償還物はそこそこ打ち込まれたんと違いますかねえ。まあ20日現在の日銀保有国債旬報見て10日の残高との差分を取れば今回の2000億円オファーのうち(落札は2003億ね)どれだけが償還銘柄だったのかが判りますので再来週確認してみたいですが)ので、長期国債買入の平均残存7年近辺という数字への帳尻に絶好の調整玉にも程があるという大変に素敵な展開になりますし、まあ償還銘柄ではなくてもいずれにせよ1年以内の所が打ち込まれますので、ここの買入を増やすと買入平均年限の調整が楽になるでしょうなあというのはあります。

でまあこの前から中期の買入で2500/2500だったのが3000/2000になっていたりするので、この辺とも合わせると買入平均残存年限の調整を相当意識しているなあというのと、ついでに平均残存年限がだいぶ調整されてきたから長い所の買入に影響が無くて良かったですねと考えたくなるのですが、もう一つの問題点として「ところで買入残高の方はどうなりますねん」という話もあって、1年以下とは言え買入オファー額増やすのどうなのという気もせんでもない。

と申しますのは、5月30日時点での買入銘柄残高と5月末の日銀旬報、12月末の旬報を見て長期国債買入残高の推移と今後の必要買入額を計算するとこんな感じになると思うのですよね(一応検算したけれども内容は無保証なので皆さん確認したければ自力で計算してちょ)。

5月末の日銀保有国債残高:164.9兆円
昨年12月末の同残高:141.6兆円
年内に償還の来る銘柄の額面残高:13.9兆円
(ちなみに手抜きで物国は計算していない、2年323回まで、5年87回まで、10年267回まで、20年27回までの額面残高を合計したつもり)

となりまして、年間50兆円の残高増加という目標に対して5月末までの増分は23.3兆円なのですけれども、13.9兆円の償還分があるから実質的な増分は9.4兆円になりまして、残り7か月で40.6兆円の長期国債残高増加が必要、という計算になります。

で、こいつを7で割るとどう見ても5.8兆円にしかなりませんで、今のペースでの買入だと1年超のところで物国変国を除いても月の買入フローが7.15兆円になっていますので、帳尻をどう合わせるのでしょうかという話になっている訳で、これに1年以内の買入で年末越え銘柄が入ってくるとその分も加算されますし、物国変国だって合計で6200億円の買入が行われますので、この調子ですとどう見ても残高増加が50兆円では済まなくなるはず。

でまあ単純に計算しても3兆円近く足が出てしまう(と思うのだが間違ってるかもしれないから検算して下さいませ)のですが、そこはいざとなったらディレクティブにあるのは「約50兆円」なので3兆円如き「約」の範囲内なのでヘーキヘーキと開き直れば今のペースでも無問題なのですが、たぶん日銀文学的には「約」と「程度」ではアローワンスが違う筈で、四捨五入して50兆円だから大丈夫だぜヒャッハーとなるのかは謎な面もあって誰か記者会見で質問して欲しいもんだという所です。

ということでして、買入平均残存調整するのは良いのですが、短い所の買入を増やす方向での調整をした場合に、全部償還銘柄が打ち込まれて年内に落ちてしまえば残高の悩みにはつながらないのですけれども、年末越えが沢山入るとそれはそれで残高の問題というのが発生する訳ですが、そうなって来ますと例の「紙」の運用における必殺技が一つありまして、例の紙では1回の買入金額に「程度」という必殺文言が入っているのですけれども、良く良く見ますと買入オファーの回数に関しても「程度」という文言が入っているというのが諸葛孔明の罠でありまして、別に買入の回数を1回いじっても「程度」の範囲内に収まるという究極必殺技があるにはある(まあやったらまた日銀か!となると思いますのでお勧めしません)ので、はてさてどうなんでしょという所ではあります。

まあ他に考えられるのは、実は今月の1年以内の買入は6月20日償還銘柄打ち込み大会を促進する為に償還銘柄の振決当期利払口閉鎖直前の受渡日になる辺りに1回で全部打ち込んでくるという作戦を取って、残高問題も平均残存問題も帳尻合わせだヒャッハーという事かも知れませんなあとか、まあそんな事を思うのですが、実際にどうなるのかは今月の後半の輪番オファーや買入銘柄の状況を見ながらという所ですな。


・・・・・・・・などとまあ色々と雑談ネタは尽き無いのですけれども、しかしながら長期国債買入とか言いながら短国買入よりも足の短い銘柄が入ってくるような買入(になっているかどうかは蓋を開けてみないと判らないですけれども)を実施する事に何の政策的意味があるのか(ただの資金需給の足ずれ調整にしかなってないだろという話)という気もするので、1年未満の輪番のオファー額を増やすという行為そのものが何ちゅうかQQEの本筋から考えるとどうなのかねえという気はしますけどね。



・短国ェ・・・・・・・・・・・

昨日の2M短国入札
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20140611.htm

(3)募入最低価格 99円99銭4厘0毛 (募入最高利回り)(0.0421%)
(4)募入最低価格における案分比率 8.4580%
(5)募入平均価格 99円99銭4厘8毛 (募入平均利回り)(0.0365%)

足は微妙に流れているのですが、そもそもの平均4割れが強いですなあという水準でして、この銘柄基本的に短国買入に入らないので、ニーズがある時と無い時の差が結構ある物件でして、まあ今回は短国が全般スッカラカン(なのでGCも低いのだが一方でCPのレートは特段サガランチ会長だったりするという若干の謎展開が続いている)という事で、短国ニーズが強いですねというのが反映されてそもそも入札前からきっちりビット入っていたので強いなあという感じではありましたからやはり強かったですねという所で。

でまあ本日は3MTBの入札になるんですけれども、3Mが玉無芳一の所に来ての入札という事で(なのになぜか短国買入は月曜も1.5兆円でしたが)いやはやという所ですがどうせ堅調なんでしょう(白目)。

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2014/06/10

○市場メモ

・オペ関連雑談

昨日のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of140609.htm

国庫短期証券買入 15,000 2014年6月11日

・・・・・・ということで予想されていた輪番オペがパスされていまして、先物が5銭位下がったのですが、冷静に考えますと朝三暮四のエテ公みたいなもんで、別に月中の買入総額が落ちるという話でもない(と思う)ので別にそれ以上の動きは無し。

で、短国買入ですが1.5兆円の買入オファーということで、そんなにMBをせっせと積む必要あるんかいなとは思いますし、大体からして足元で短期市場では短国が謎の需給の良さを示している訳で、そこで日銀がせっせと購入とか民業圧迫にも程があるのですが、まあその流れに沿ってGCは低いわ短国は物無し芳一だわという状況になっておりまして、明日の2Mは短国買入対象外となると思いますが、需給が良いから強いんでしょ(てきとう)という感じで。


・超長期国債先物ェ・・・・・・・・・・

あと少しで先物の当限が売買最終日になる訳ですが、ここで超長期国債先物の状況を確認してみましょう。

http://www.ose.or.jp/market/trading_data/today_overview
当日取引高等

こちらから『JPXデリバティブ取引市況(日通し)(2014/06/09) 』とか『JPXデリバティブ建玉残高表(2014/06/09) 』などというのをDLしますとこのような数値が拾えます。

超長期国債先物売買高

夜間:10 (0)
前場:101 (1)
後場:38 (0)
合計:149 (1)

(1)という立会外があるのがほえーという感じですが、それはそうと100枚ですかそうですか・・・・・・と言いたいですけれども、これはカレンダースプレッド含むでしたっけ。

超長期国債先物建玉残高

26年06月限 92 316 -14 330
26年09月限 57 88 +57 31
26年12月限 0 0 ±0 0
合計   149 404 +43 361

左から取引高、当日建玉残高、前日比、前日建玉残高となっていますので、超長期国債先物の建玉合計が400枚もありますようわー凄いですねえ(棒読み)という所で、盛大な出オチ攻撃に落涙を禁じ得ませんな。

#このままだと自分でも存在を忘れそうなので備忘代わりにメモを置いておきましたということで

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2014/06/09

ECBの資金供給量に注目とかモーサテの為替コメンテーターが言ってるとゆーことは為替市場の皆様におかれましてはマイナス金利クレクレと言いながら流動性は拡大しろと言っていたんですかそうですか・・・・・・・・・

○ECBレビュー雑談などなど

・欧州市場の初期反応はブルスティープ&イタスペ金利更に低下

金曜の結果に関しては既にあちこちで解説があると思うのでまあそういう事ですという感じですが、市場ちゃんの反応(ドラギ総裁会見は兎も角肝心の要綱が出たのが欧州の午後3時過ぎとかなので金曜も初期反応が続いていたと思う)ですけど欧州市場はカーブがブルスティープするわイタリアスペインの金利は引き続き低下するわという反応で、ユーロはまあ反応イマイチという感じのようで。

でまあベースレートが下がったのですからブルスティープするのはまあ良いとしまして、イタリアスペインの金利が一段低下というのは良くワカランチ会長なのですが、仮に追加策で国債買入期待だとちょっと外すんじゃネーノという気はします。

と申しますのは、毎度申し上げておりますからご案内の事だと思いますが、今回の預金ファシリティーマイナスは結構広範にいわゆる中銀預け金的な物に対してチャージを掛けてくるものでして、当然ながら流動性という意味では結構強烈な吸収オペになる訳でして、そんな中でユーロ高阻止でマイナス金利という事にしていた筈なのですが、資金供給量に注目とか為替市場が言い出すとまさに何をしようとしているのか判らんという所ですな、うんうん。

で、流動性を引く政策を実施するという事は、基本的に日米英などが実施している国債買入によるバランスシート政策を実施する際に限界がある訳で、国債買入というのは要するに国債と中銀預金の交換ということで、ある意味金と金の交換になるのですけれども、肝心の中銀預金がマイナスチャージされるという事になりますと国債を売る人がいるのかねという話になる訳で、つまりLSAPとなるような「規模の緩和」を実施する事が技術論として極めて困難になるという話です罠。

となりますと、実はマイナス金利導入の裏の狙いは大規模量的緩和の実施を阻止したいブンデスバンクによる諸葛孔明の罠ではないかという気もだいぶするんですけど、というかECBの中でもその孔明の罠に関して気が付いてい無さそうな委員とかいそうに思えます。


・施策の中でやはりマイナス金利が他の政策と整合性が取れない&色々悪手だろという雑談

ということで先週打ち込んだECBの施策ですけどね。

(1)超過準備にマイナス金利チャージ、MRO金利10bp引き下げ(コリドアを50bpに)、なお利下げはこれで基本的に打ち止め

(2)民間向け貸出残高の7%(4000億ユーロ相当らしい)を2018年9月まで0.25%の固定金利で貸出、その後は貸出増加額の3倍相当を2018年9月までの固定金利(金利はMRO+10bp)で貸出

(3)MRO、3MLTROを2016年12月までフルアロットメントで延長、SMPの不胎化資金吸収を停止

(4)ABS買入について更に検討

でまあ(4)はただのやるやる詐欺ですからどうでも良いとして、明らかに変なのは(1)と(3)が流動性供給という観点で何をやりたいのか判らんという件でして、特に不胎化吸収の停止がワケワカランとゆー所です。超過準備にマイナスチャージをするという事は基本的に参加者が超過準備を減らすインセンティブを与えれる訳で、特に資金繰りや流動性確保に余裕のある金融機関は極力超過準備を減らそうとするでしょうとなっている中で、吸収を停止する事に何の意味があるのか判らんにも程があるというものです(会見で別の観点から質問があって説明をしていたが説明を読むと意味がかなり不明)。

でまあ超過準備マイナスですから基本的に資金繰りに懸念が無ければ不要な流動性は持たないというのが合理的という事になるでしょう、となりますと、これ裏を返しますと「超過準備を大きく保有している金融機関は流動性確保に不安があるという事を意味すると受け止められる可能性がある」という話でもありまして、そらまあペナルティー金利が設定されているのですから当たり前ですけれども、これはつまり「超過準備保有に対するStigmaが発生」という話にもなりかねない訳で、まあ実際にそこまでの話に直ぐに繋がるのか判らんですけれども、まあそういう可能性はある訳でして、その辺りもまあ悪手だなあと思う次第。

んでもってスティグマ云々はさておくにしても、基本的には超過準備を減らしていくのが金融機関の合理的な行動になりますので、流れとしては超過準備を減らす方法としては、個別行ベースでは国債買うというのもアリエールですが、システム全体としてはそれは別の個別行に対して超過準備が発生するだけの事ですので、基本的にシステム全体として発生する現象は(1)期落ちになるMROやLTROをそのまま返済する、(2)銀行券の形で準備預金を取り崩す、という形になるでしょうという事ですが、まあ(2)はさすがにコスト掛かるからそうはならないと思う(つまりマイナス金利を深くすると銀行券需要が出てくるという事です、各行と連日中銀との間で現送車が行き来する姿とか想像するとシュールですが^^)のですが、まあ基本的に(1)の現象がこれから起きるでしょうという所ですな。

となりますと、限界的には翌日物のEONIA金利がぶれやすくなる訳で、特にユーロシステムの場合は日銀のような細かい調節を実施する訳ではないですから、超過準備がほとんどない状況ですと資金需給のブレによって翌日物金利が大きく動きやすくなる可能性は高まる罠(その点も勘案しているのかどうか知らんですが、ユーロシステムの預金準備率は高めなので超過準備をカツカツにしたとしてもリアル資金繰り部分でどうこうという話にはならない)という事になりますぞな。

まあそれに対してはMROがフルアロットメントで実施されますからそちらで担保というのはありますけれども、つーてMROは毎日実施しているようなファシリティーでもありませんので、まーやはり翌日物金利はぶれるでしょうなあと思います。

結局の所今回のマイナス金利導入というのは他の施策と並べると実務上の矛盾が生じるという問題がありますし、流動性吸収という意味でもどうなのと思いますが、先ほどの与太話ではないですがブンデスバンクの罠なのかも知れませんけど、まあそれよりは「マイナス金利」というのを事前にECB高官が吹聴してしまったせいで引っ込みが付かなくなった(恐らく今回マイナス金利やらないとユーロが盛大に失望でユーロ高になっていたんでしょ)というのもデカイと思います。で、良く良く考えるとマイナス金利吹いていたのはブンデス方面だったような気もするんですが・・・・・・・・・・・(^^)。


さてまあ(2)なんですけれども、これがまた微妙で(会見で説明していた)4000億ユーロの資金を金融機関が仮にフルに利用しますとなったとして、じゃあそれは何に使うのよという事ですが、何せ借入金利的には超過準備対比で35bpのコストが掛かっている訳で、この分でよーしパパ2018年9月までの期日の債券買ってウハウハ(ただし貸出が減ったら2年後には期日前返済の刑になる)だぞーとかそういう事になるという想像もあって短い所の金利が盛大に下がった訳ですが、実際問題としてはそういうオペレーションって資本の無駄遣いのような気もしますし、大体からしてAQR(資産査定)とかされている中でこの7%部分が全部掴み金だヒャッハーとかいう話になるのかねというのは少々謎。

何となくこれで負債サイドのデュレーションを長くした分はMROやLTROをせっせと返済してしまうといかそういう風になりそうな気がしますし、まあ金利の引き下げ効果についてはイニシャルの4000億ユーロ部分が効きそうな気はしますが、それ以降の貸出増加のインセンティブになるのかはかなり謎な気がします。

まあ日銀の貸出増加支援もそうなのですが、この手の固定金利で出してやる系の施策というのは金利先高観が発生するとか、資金需要が発生して放っておいても貸出が増える、というような時に凶悪な効果を発揮するものであって、欧州の場合は今まさに金融機関の資産査定をおっぱじめている中なのでどうなんでしょうねえ感はあるのでして、貸出増加支援に本当になるのかは謎としか申し上げようがありません。

#という辺りが論点のような気がするが漏れがあるかも知らん


・マイナス金利のメリットとしてナントカ発見器というかナントカホイホイというか

なおたまたま目についただけで殊更にこの記事を晒し物にしようという意図ではありません。

http://jp.reuters.com/article/idJPKBN0EH03320140606?sp=true
ECB、マイナス金利など追加緩和決定:識者はこうみる
2014年 06月 6日 10:15 JST

ここでも誰とは申しませんが、「大規模流動性が供給」とか「量的緩和実施へ」とか説明している方がいまして、いやだから超過準備にマイナス金利をチャージしているんだから金融機関は超過準備を持たなくなるだろう貴殿の頭には虫でも湧いてらっしゃるんですかと小一時間問い詰めたい方がおいででして、今回のマイナス金利に関してはそういう意味ではナントカ発見器と申しますかナントカホイホイと申しますかというリトマス試験紙的な効果は抜群にも程がある(金曜朝のモーサテも「超過準備が貸出に回ることが期待されます」とか寝言を仰せになっていたのは金曜に悪態をついた通り)訳で、こういうコメントをするバカスケに対して金融政策に関するコメント取りに行ったりレポート出させたりするなよと関係各位におかれましてはお願い致したい所存でありますな。

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2014/06/06

○短国入札ェ・・・・・・・・・・(メモ)

昨日の3M短国入札。
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20140605.htm

(3)募入最低価格 99円98銭8厘5毛(募入最高利回り) (0.0461%)
(4)募入最低価格における案分比率 76.0283%
(5)募入平均価格 99円98銭8厘8毛 (募入平均利回り) (0.0449%)

ということで微妙に強いかなという感じだったのですが、いわゆる不明玉多くてセカンダリーでいきなりショートカバーとなって3bpレベルに低下して日本相互証券さんの引けも3.4bpとかナンジャソラの展開。まあ今朝のECBの思惑もあったのかも知らんがおいおいおいという感じでして、今日の6Mどうなりますねんという所ですな。

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2014/06/05

○市場雑談関連

・輪番ェ・・・・・・・・・・・・

うっかり4500億円オファーされたら「焼き土下座の時期や場所についてはまだ明言していない」という言い訳を用意していたのですが、無事に(?)焼き土下座は回避と相成りました。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of140604.htm
国債買入(残存期間1年超3年以下) 3,000 2014年6月6日
国債買入(残存期間3年超5年以下) 2,000 2014年6月6日
国債買入(残存期間5年超10年以下) 4,000 2014年6月6日

ふむふむ長期4000億で焼き土下座回避かとか思っておりましたら、良く良く見ると(というか良く良く見なくても気が付くのですが)今回中期のオファーの割り方が変わっておりまして、従来1−3年と3−5年のバゲットに分けている割り振りが前回までの2500/2500から3000/2000と中期の手前というか3年以内の所を厚くした格好になっていておーという話。

でまあ長期4000(って普通想像するとそうなる筈なのだが一部今回の「紙」を全面信用していて4500で来るという人もいたようですな)に反応したのか、それとも中期の配分に反応したのか知らんですけど先物が瞬間5銭位下がっていましたが直ぐに戻っていたのがチャーミングではありましたが、まあそういう反応を瞬間だけしていましたな(オペ結果は特段波乱無かったようですけど)。

中期のバゲットの割り振りを変えてきたのはまあ誰もが予想できますように、恐らくは平均買入残存年限対策でして、買入平均が8年近辺まで伸びておいおいどうなるんやという話が毎度毎度のように発生されても困るので、それなら中期のバゲットをいじって調整すれば良いじゃないかという話になったという所(長期の4000はさすがに4500-6000程度を銘打っているだけにこれ以上は減らせないでしょう)ですし、元々あるのは買入平均年限の7年程度という方なので、要するにこれはディレクティブに合わせるためのただの調整になります。超長期の買入を1回辺り200億円(月に1000億円)減らしたのですが、それだけですとちょっと余裕が無いので中期をいじって来たんでしょうなあという事です。

ということでディレクティブに合わせるためのただの調整ではあるのですが、そらまあ債券市場的には「買入の短期化狙い」という事になりますのでうーんこのという感じではありますし、1−3年という麿ゾーン(勝手に命名)の買入拡大というのは黒日銀の漂白というイメージも与えるのでいやーあっはっはっはとゆー所です。

さてさて、まあ長期4000に関しては予想通りではあるものの、「紙」を出した適用開始の初回にいきなり「4500-6000程度」の程度(about)を使ってレンジブレイクとかナンジャソラという話ではありまして、何の為にあの「紙」を出しましたねんという話にはなると思いますし、まあ前回の量的緩和解除から良く良く考えますと結構時間が経過している訳でして、前回の量的緩和解除における動きとかの時に学生さんだったとかいう人が結構いるんだよなあとか非常に当たり前の事を思い出しますと、まあ色々と味わいもあるというものです。

というのはですな、こちとら前回の量的緩和解除の時も債券市場のらくろ二等兵だった訳ですが、当時は福井の俊ちゃんというイカサマ成分満載の大狸(なおこれは褒め言葉ですので念の為申し添えます^^)が日銀総裁だった訳ですが、この大狸先生(褒め言葉)におかれましては量的緩和解除に向けた地均しを開始してからというもの従来の話を一転して翻してくるという狸技をカマシてきまして、それに対して散々悪態をついていたという事案がありまして、まあ梯子というのは平然と外してくるのが中央銀行クオリティであるという認識は一応記憶のどこかに残っている訳ですよ。

然るに、そういうの実際に見て怪我したりウハウハになったりするような経験値が無いと、案外この手の梯子外しプレイに対する耐性が無い訳で、まあそういう意味では今回いきなり紙のレンジを初回から切るという何のための紙ですねんというのを出したというのは、「梯子は外される時には盛大に外される」という君子はジャガーチェンジする事もありますよという中央銀行クオリティを示すという意味では良い先触れだったのかも知れませんなという事でもあります。

ただまあやはりこういうのはどうせ4000億円でオファーするのが見え見えなのだったら最初の時点で誠実に「4000-7000程度」というように出した方が良かったんじゃネーノとは思う訳で、何もこんなしょうもない事で「中銀はいざとなったら盛大に梯子を外す」というのをお見せしなくても良い訳でして、梯子外しプレイをするのは明確に出口政策を志向するようになってからで良い(現時点で出口の地均しするのはちょっとねえ)と思われるのよ。つまりこういう紙の所で「日銀の出すものを真正直に捉えると梯子を外される」という風な認識を債券市場関係者に与えてしまうと、今後めでたく出口政策になるにせよ、追加金融緩和をしなければならないにせよ、日銀の出してくるものを額面通りに受け止めてくれなくなってしまうリスクが発生する訳で、それが市場の価格形成に日銀の意図しない影響を与えるリスクがありますよね、とか考えますと、こんなつまらん所で梯子外しプレイをするのは技術論的な観点からは実に残念としか申し上げようがありませんが、こちらは焼き土下座を回避できたので別に問題はありませんので念の為(違)。

ということで何か話が拡散しちゃいましたが、まあ要するにあの紙を見た時点でナメトンノカと申し上げて先週金曜にああだこうだと砲撃しましたが、まあ4000-7000と変更しなかったのはコアゾーンの買入額をいじって債券以外の市場が何か反応するのを恐れた訳で、そこの数字を同じにしておけば毎回の買入額が何ぼですねんという話はどうせ債券市場以外の人たちは見てないから、紙で目くらまししておけばヘーキヘーキという忍法その場凌ぎの術が出たという事でもありますので、今後の忍法その場凌ぎの術に惑わされないように注意が必要である、という事でもありますな、うんうん。

#そこで妖術に対処するためには経験値が重要ということです(自画自賛)


・3MTB入札と6MTB入札である

本日が3MTBで明日が6MTB入札ですが、今月(というか今週)に入ってから急にGCのレートが下がっていまして、まあ先週GCが妙に上がったのも???ではあったのですが、なんか良く判らん需給の変化というか、誰かのポジション繰りか担保繰りの変化でもあったのですかねという所なのですが、まあ謎は謎。

今週のGCレート低下は先週末の短国買入意表の2兆円オファー(資金需給的にはそこまで買わなくてもMBは進捗する)が効いているのかもしれませんが、いずれにせよまあそんな感じで入札が炸裂しますのでさてどうなるのやらというのと、今週は金曜に6Mの入札があるので、次回の短国買入が9日オファーとなり、その額が減るのか減らないのか(減らないと買い過ぎにも程があると思うが)という結果が出るのがいつもよりも遅いのが微妙な所ではありますなという所です。

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2014/06/04

○市場メモや雑談など

・国債保有銘柄別残高

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/mei/mei.htm/

例によって例の如くここからZIPで落としてきて比較とかするのですが、4月末との比較をしますとあたくしの計算ベースでは平均残存期間が7.9年半ばという数字になったように見えます(あたくしがやっつけで計算したら物国変国含まず7.95年で含んで7.93年ですが、手抜きで平均残存を計算するのに閏年修正を掛けていない(償還日から5月30日を引いて365で割っているだけなので多分長い方に誤差が出る)のでその分は正確ではないがまあ勘弁)ので、8年以内に収まって良かったですね(棒読み)という所ですな。

でまあ今月から輪番超長期が1500億円になったのでとりあえず8年は切ってくれそうですね良かったですねという所ですが、しかしまあ5月の増加銘柄見ていると当然のようにカレント辺りが出てくる訳で、333回債19151億円の増加とかナンジャソラという所で、結局の所QQEを打ち込んでいる間じゅう各年限のカレント、特に10年カレントは盛大に打ち込まれる事になりますので、QQEやっているうちはまあシャーナイナイだとしてもこれ真面目に金融正常化しようと思ったら特定ゾーンの銘柄の需給が極端に逼迫するという状態を延々と続ける訳にも行かないから「国債入替売買オペ」でも実施してこの近辺のゾーンの需給を均しに行かないと国債市場における価格形成に悪影響を将来に渡っても与えることになると思いますけどねえ。

なお、短国の償還計算とか国債保有銘柄の償還額計算とかはまだ終わっていないので明日にでも(大汗)。

#ところで今日は長期の輪番でしたっけ焼き土下座の準備が必要でしたっけ(なお全身白塗り暗黒舞踏ショーはやっぱり準備していませんので念の為申し添えます)

・雨宮理事再任とな

暫く前から観測報道が出ておりました通り。
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2014/rel140603a.htm/

理事の任期は4年ありますので金融政策の正常化完了までよろしくお願いいたしますm(__)m

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2014/06/03

○輪番ネタとかその他市場雑談メモ

・超長期輪番1500億円キタコレ&関連して雑談

まあ市場の予想通りだと思いますけどね。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of140602.htm
国債買入(残存期間1年以下) 1,100 2014年6月4日
国債買入(残存期間10年超) 1,500 2014年6月4日

ということで超長期輪番は先週示されたテーブルで広げた下限に買入を減らして先週までの1700億円→1500億円となりまして、案の定1年以下に関してはレンジにして上限を上げたけれども変わらず1100億円となった訳で、まーこれは例の紙が出た所で1500に下げるでしょうねえというのが見え見えだったので金曜の時点で織り込んでいたと思われます。なお輪番オペのもう一つのネタの長期ゾーンに関しては明日以降となりますが、こちらは4000億円でどうせ実施してくるでしょうというか、まあさすがに4000からは減らないでしょうというのは把握したという感じですかね。

でまあそれはそれで良いのですが、買入平均年限の6〜8年に拘るのでしたらば、この超長期輪番をもっとバゲット切れば良いのにと思う訳で、10年までの所はカレントが3つある中でバゲットが3つあるのに超長期は平均残存年限的に言えば20年と40年では倍違う上に思いっきり買入平均残存の所に影響する訳でして、だったらバゲット切ってもうちょっと細かく分ければ超長期各カレントがその時に入れやすくなるので輪番使いやすくなるし、日銀も年限が読みやすくなってお互いめでたしめでたしに思えるのですが、変にここでバゲットを分けた時に海外投資家や株式市場への説明が難しいですかそうですか。

つーかですね、1500億円に減らしてもそれこそ40年カレントばかり集中的に打ち込まれたら平均残存長いままになってしまいますので、10日毎の買入残高推移見ながら輪番ゲームみたいな話が続くという生産性の無い話(しかし日銀の馬鹿買入が市場を圧倒しているので生産性が無いと言われようとも輪番ゲームで市場が盛り上がるのは致し方ないところです)ではございまして、どうせ紙を出すならもうちょっと練って欲しかったと思うのですが・・・・・・・・・


・更に超どうでも良いが正常化だけの事を考えたらバーベル輪番の方が吉かも

なお更に超どうでも良い事を申し上げますと、将来的な金融政策正常化という事を考えますと、実は今のように中長期を厚く買うよりも「短い所と超長期」というバーベル型で買入をした方が将来の金融政策正常化においてウマーの可能性がありますと存じます。

・・・・・・と申しますのは、まあ何だかんだと申し上げましても実は国債買入をバカスカ実施したとしても不胎化する事と、財政ファイナンス懸念を持たれないようにすることである程度の所までは何とかなるように見える(と言いつつ今のところはそうだというだけで実際に米国が正常化プロセスに入ってみないと本当の事は分からないのですが話の都合上今回はそういう事にしておく)ようで、そうなりますと出口政策における喫緊の問題は「国債売却しないといけない事態」というよりは「保有する膨大な国債の利息収支が赤字って財政負担になる事」のように思えます。

#なお、本当に問題なのは「マネタリストのある不快な算術」のケースですけどね

でまあ普通に正常化やるという事になった場合に、日銀のファンディングコストが利上げすると当然上昇しますし、金利政策をする場合には保有長期国債を基本的に不胎化(資金供給的な意味での不胎化ね)しないといけませんので、そうしますと保有長期国債の購入時利回りと不胎化に掛かるコスト(=誘導しようとする市場金利にほぼ等しい)との差が逆鞘になると財政負担マズーという話になる(準備金をこの前多目に積み増した理由にその対策が全く無いとは言わせない)訳ですが、ご案内の通り今の金利水準ですと中期ゾーン以下は1回の利上げで逆鞘確定ですし、長期も2回利上げして0.5%になった所でカツカツとなる次第で、そういう事を考えますと本当は短期と超長期にしておけば、短期は金利低いけど直ぐに償還が来るのでまあ気にしないで済みますし、超長期は利回り水準があるので短期金利が1%になってもまだ余裕という事で、出口まで考えるとバーベルの方が魅力あるように見えますなうんうん。

まあそんな事しますと市場の価格形成を思いっきり歪めそうなので無理でしょうけどね(^^)。


・そういえば「年内追加緩和なし」の転び何とかストが続出している件について

先週末のCPIを受けてなのかどうか知らんですけれども、金曜はアタクシが見た範囲内では3名ほどの何とかストの皆様が従来の追加緩和予想(だいたい7月)から転んで年内追加緩和無しという事で、先日来黒田総裁はじめ日銀のペーパーなどでも書かれておられます「民間エコノミストは物価動向にビハインド・ザ・カーブ」という民間エコノミストdisりモードを裏打ちする結果がゴロゴロと出てきておりまして、転びサヨクの姿を見るようで誠に心が温まるものを感じる次第。

しかしまあ何ですな、4−6の反動減だったら4月単月だけ見てもまだ変動要因あるでしょうし、その他アネクドータルな数値は実際は5〜6月の辺りの動向の方が重要にも思えるのでして、だったらもっと前に転向するかこの際4−6全部見てから転べばと思うのですけれども、このタイミングってねえとか思いつつ、これが何かの死亡フラグで無いことを祈る今日この頃でございまする(棒読み)。

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2014/06/02

○各種雑談系小ネタ

・輪番4000億円・・・・・と思ったら6月適用でした(汗)&短国買入が2兆円だと?

オペネタである
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of140530.htm
国庫短期証券買入 20,000 2014年6月3日
国債買入(残存期間1年超3年以下) 2,500 2014年6月3日
国債買入(残存期間3年超5年以下) 2,500 2014年6月3日
国債買入(残存期間5年超10年以下) 4,000 2014年6月3日

5年〜10年の輪番が4000億円オファーキタコレとか思ったのですが、良く良く考えたら・・・・・・

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2014/rel140529b.pdf

『日本銀行は、長期国債買入れについて、当面、以下のとおり運営することとしました(6月2日より適用)。』

ということですので今月に入ってから先般の「紙」が適用されるので、一応今週になると4500億円のオファーになるかも知れませんよ(棒読み)。なお金曜日の駄文では焼き土下座とか申し上げましたが、最初は全身白塗りで暗黒舞踏をする姿をようつべに上げるとか書こうと思って一応思いとどまる位のイメージではおりますので念の為申し添えます。

なお、この紙の英文にも味わいというのがありましてですなあ・・・・・・

http://www.boj.or.jp/en/announcements/release_2014/rel140529b.pdf
Outline of Outright Purchases of Japanese Government Bonds

月間買入総額は『Approximately 6-8 trillion yen per month in principle.』とありまして、一方のバケット別の月額買入予定は『About 110-200』などという表現になっていまして、日本語だとこれが『毎月6〜8兆円程度を基本とする』と『1,100〜2,000程度』となっていまして、どちらも「程度」という日本語になっているのですが、英語にした場合に単語の使い分けを見るとどう見てもアバウトの方守る気ないですよねあっはっはというところでございまするな。うんうん。

#日本語よりも英文リリースの方がニュアンスが分かりやすいというケースもあるのよね

あと、金曜日は短国買入が2兆円のオファーだったのですが、6月は資金需給的にはそれほど短国を買わなくて良い筈な上に、貸出支援オペが数兆円のオーダーで出ると思われますので、そんなペースで買わなくてもエエジャロと思うのですがここのところがイマイチワカランチ会長でございましたですな。

つーかまあ良く良く考えてみると別に短国買入でヒーコラやらんでも共通担保オペの落札下限金利を撤廃すれば共通担保オペで残高積み上げ出来る訳で、アウトライトだと0.10%を割っても良いが供給オペだとケシカランというのもこの際やけくそで廃止したらどうでしょうかねえ、って両建てで露骨に収益支援になるだけのそれこそタダの数字作りになるからやらないのですけれどもね。

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2014/05/30

はあそうですか。
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2014/rel140529a.htm/
ワークショップ「市場流動性の諸問題 ― 各種市場の流動性指標の活用に向けて ―」を開催

市場流動性の問題っていう題名を見てキャバクラ辺りで嬢相手に説教を垂れるクソオヤジというテンプレのような図を思い出さざるを得ない訳で、指標の活用は良いけどその前におまいらの国債異次元買いがだなあ・・・・・・・・

#またの名をマッチポンプですね

○「紙」の書き換えがキタコレだが色々とクオリティに問題がある(ように見える)件について

昨日の日銀様におかれましては、白井さんの異次元講演もありまして中々お洒落なネタを繰り出して頂きましたが、一日の終わりに出たネタがこれである。

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2014/rel140529b.pdf
2014年5月29日 日本銀行 金融市場局
当面の長期国債買入れの運営について

ということで出てきたのですが、色々な意味でツッコミどころがあるという訳のわからん「紙」を出してきやがりまして何というか読めば読むほど実にアレであるというお話で、まあ市場ちゃんの方も何となくそんな感じの反応だったりもしますな。

なおこの前までのはこちら。
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2013/rel130530b.pdf
2013年5月30日 日本銀行 金融市場局
当面の長期国債買入れの運営について


・数字を減らしたくないのは気持ちは判るがそれは債券市場よりも他市場との対話を優先ということですな

今回の公表文書ですけどね。

『1.買入金額 毎月6〜8兆円程度を基本とする。ただし、政策効果の浸透を促すため、市場動向を踏まえて弾力的に運用する。』

『3.国債種類・残存期間による区分別の買入金額 別紙のとおり』

ということで、前回は7兆円程度だったのですが、ディレクティブにある長期国債買入残高を50兆円増加という数字に着地させることを考えると(年内に償還が来る銘柄の日銀保有残高を全部足せば見えますが)月の買入フローを6兆円前半に置かないと買入額がオーバーになってしまう訳でして、本当に着地から逆算するなら中心の数字を減らした形で、例えば「6.5兆円程度」とか書けば良いだけの話なんですし、そもそも今もその着地に向けたフローでの買入ペース(詳しく計算すると今のペースでもちと速いんですが)という流れの筈なんですよ。

然るに、今回「6〜8兆円」という数字の出し方をしたのは何でかと妄想しますと、こらまあ次に申し上げますコアゾーンの買入フロー額の数値がインチキであることも併せて踏まえますと「小さい数字を出してテーパリングなどと言われたくない」という意図が見え見えにも程がある訳でして、つまりこれは日銀買入で市場の流動性というかプライスアクションがもう残念な事になっている債券市場に向けて正確なスケジューリングを示して差し上げようというような意識ではなく、それよりもそういう細かいテクニカルな数値について全然気にしない癖にこの手の数字を見てヒャッハーと反応するプリオン脳の海外投機家の皆さんを筆頭にした他市場の皆様の反応を重視している、という事を示すものでありまして、つまり今回の数値発表の明細の意味はそういう事ですよ債券市場の皆様。


・買入フローの月額と月間買入予定のフロー明細の整合性が前回以上に取れていない件について

でまあ別紙のとおりと書いてある所に区分別の買入金額が書いてあるのですが、まあ最初に超長期の下限1500億円というのに目が行くと思うのですが、暫く見ている内に債券市場の皆様気が付いてナンジャソラの声が高まった(と思われる)のはこの別紙『<当面の月間買入予定>』の区分別買入のレンジの置き方です。

これね、1回辺りオファー金額のレンジがあって、買入金額の合計が書いてあるのですけれども、良く良く計算してみると各年限のオファー金額の小さい方の合計を全部足し合わせるとその総額が66700億円(変国物国を除く)になって、そもそも「6〜8兆円」のレンジの下限と整合性が無いわ、66700億円(プラス物国変国)の買入ペースで買入を実施して行ったらディレクティブで示している50兆円を軽く超過するわという数字になっていて、その時点でナメトンノカという話になるのですが、大きい方の数字を全部足すと何と97500億円になってしまいまして、レンジの8兆円を大きく上に逸脱するという数字になっております。

なお元々の数字の方もそういう意味では下限が6兆9200で上限が95200だからおかしいのですが、それでも前回は下限を全部足すと7兆円なので数字の整合性は取っていた訳ですが、その時に出した上げ底数字をそのまま維持しようとして出した結果更に上限の数字が拡大するという事で、要するに今回の数値は先ほども申し上げたように「数字を盛る」方を引き続き重視しているというのが継続しているという事で、本当に債券市場を向いて出した数字なのか甚だ疑問という話になる訳ですな。


・そもそもコアゾーンのオファー金額の提示がナメトンノカという件について

債券市場の皆様におかれまして超長期の1500億円下限という数値と共に次に気が付くのが『残存期間:5年超10年以下』のオファー金額であります。

つまり、ここの1回あたりオファー金額が『4,500〜6,000程度』になっておりまして、この数値は直近(といっても昨年5月だが)公表されていた数値と同じとなっているのですが、皆様ご案内の通り足元ではこのゾーンの買入のオファー額は4000億円で推移しておりまして、これに対しては「程度」の範囲内というような扱いになっているのは債券市場の皆様ご存知の通りでありまする。

で、今回当然ながらここの数字は現状に合わせて下限を4000億円にしてくるもんだと思っていた方が多い(というか殆ど)と存じますが、今回はここの数字を何と現状に合わせなかったとゆー驚愕のプレイが炸裂している訳です。

んでもってこの理由を考えると当然ながら一つしかない訳で、コアゾーンのオファー金額の数字をいじる事によってオッペケペーの皆さんからテーパリングと言われるのを懸念したという話ですよねとしか申し上げようがなく、そもそもここの数字を変に盛っているから買入フローの合計下限が全体の6兆円から整合性が取れていない訳でございます。

でまあ他市場の方々なんぞは毎回の実際の買入額がどうなったとかそんなの知らんがなでございますからして、てきとうに盛った数字を出しておけば目眩ましになりますからそれで無問題という事でしょうが、債券市場から致しますとここの5年超10年以下の月額フローが現状と合っていないという時点で「程度」を使ってレンジをブレイクする気が満々なのが端から明らかであるというのが見える訳で、そうなると超長期の下限1500億円だって必殺攻撃「程度」の解釈を使えば1000億円位までは減らされても不思議ではない罠という思惑が置きますがな、と思ったら引け後の超長期の気配的にはそんな感じになっている辺り実にこう味わいの深いプライスアクションではございまする。



・こんなんだったら出す必要あったのかねという感じも否めませんな

とまあそんな訳でございまして、そもそも今回の「紙」の書き直しですが誰に向かって出しているのかと小一時間問い詰めたくなるような物件で、市場との対話と言っても別に債券市場と対話する気無いでしょ、というのが見え見えという代物という所が何とも遺憾の極みという所でございまして、いやまあ中央銀行が市場との対話というのを推し進めすぎるとそれは「自分の尾を追う犬」になり兼ねないし、クレクレを助長する事にもなるから「退かぬ、媚びぬ」というのがあっても良いと思うし、一々全部市場の要望を聞く事も無いのですけれども、こういう風に「私たちは市場との対話をきちんと実施しています(キリッ)」というポーズを示しながら実際に出しているのは端から月間の買入予定がレンジブレイクしている代物という事でして、要するに債券市場と対話する気はありません、というのが見ている方に30秒で伝わってしまうというのは如何なものかと思う訳ですよ。

まあ別に1から100まで市場に配慮せんでも良いのですけれども、それにしたってお約束と言いますかお作法と言いますか、もう少しこう市場向けガイダンスとして整合性を取ったものを出して頂いた上で「状況の変化に応じて臨機の対応」というのをして頂きたい訳で、どうせ次回の5年超10年以下の買入オファー額が4000億円になるのは必定(というか債券市場的にも4000億円だと思っています罠)なのにレンジを4500〜6000と出すとか、端から程度の範囲を最大に炸裂させるとかですと、そもそもこの買入予定自体がエエカゲンという話になるので、それだったら出さない方がマシ位の勢いです罠。

でまあついでに申し上げますと、数字を「盛った」せいで例えば超長期は前回のレンジが2000〜3000億円だったのですが、今回下限の方を実体に合わせて1500に下げたのを誤魔化すために上限も上げて3500にしているのですが、じゃあお前ら超長期債がコケたら本当に3500億円買うんだなオラオラどうなんや!!という話でもあるのですが、誠に惜しい事にそうやって超長期を叩きに行こうという人が居たら皆さんが「どうぞどうぞ」とダチョウ倶楽部状態になってしまう所が今の債券市場の残念な所(売る玉を持っているのは発行体様しかおらんわ)ではございますけれども、当然こういう数字の出し方をすると「相場がコケた時に日銀が馬鹿買いの上塗りをしてくれる」というイメージを振りまく事になります罠。

でも実際問題として出口に対してグラデュアルに金利上昇するのを下手に止めるのが正しいのかとか、あるマネタリストの不快な算術状態になった時にインフレ高進上等と長期国債の買入を増やして更なるスパイラルを招かないのかとか、実際問題としては一筋縄ではいかない話でもありますし、大体からして「出口政策を意識して金利が上昇した場合に買入を増やせるように上限が上がっている」という見方をした人がふと我に帰りますと「あれ?日銀は出口政策を意識しているのか????」という話になる訳でございまして、却って変な思惑を招くリスクもあるというのがあったりして、色々とワラタというか何というかな「紙」なのでございましたとさ。

なお、念のため申し添えますが次回の5-10年の輪番で4500億円オファーしたらナメトンノカ云々は全面的に撤回致しまして焼き土下座でもさせて頂きたく存じます。

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2014/05/29

○その他少々雑談

・日銀の決算キタコレ

http://www.boj.or.jp/about/account/zai1405a.htm/

まあ今回は以前ネタにしましたように、というか公表されていましたように利益準備金の積み増しを増やしておりますが、そのうちこれを埋蔵金とか言い出す人が出てくるに100腕時計という所でございますがそれは兎も角。

これまたアホラシイのでURL張りませんけど、出口政策の損失リスクがどうのこうのという解説が良く出てくるのですが、損失そのものに大きな問題があるとは思えない訳で、損失が出れば政府が補填すれば良いだけの問題であって、それ自体が出口政策のリスクや足かせになる可能性ってまあ無いでしょと思います。

とは言いましても当然ながらその「政府が補填」という所に関してのリスクというのはある訳でございまして、それこそ何で補填するのだとか政治的イシュ―になるとよろしくないでしょうし、または補填すべき政府の方が更に真っ赤っ赤で財政大爆発という話になっていたらそれはもうエライコッチャな訳でして、リスクはそっちでしょというお話ですし、財政爆発まで行かなくても「あるマネタリストの不快な算術」状態になるという政策のコンフリクトの方が問題であるという話だと思いますので、出口政策の損失で債務超過ガーとかの一点張りでの説明は眉に唾をつけて読むのが吉というものです。


・市場雑談

今日は3MTBの入札ですが、足元GCレートが何故か上昇したり(ちなみに短国の需給は基本的に良い)してますし、6月は四半期末要因があるものの、貸出支援オペがそこそこ出れば短国買入が大幅に減る可能性もあり(財政要因的には年金定時払いと四半期国債償還がぶつかる月なので余剰)とゆーことでさてどっちに出るんでしょうねえ、というか最近気配も碌に無いみたいなのでどうなるやら。

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2014/05/26

金曜の午後にこんなの投下されていました。
http://www.musha.co.jp/short_comment/detail/120
2014年05月23日
ストラテジーブレティン 第120号
日本株潮目の転換へ〜Enough is Enough 、悲観論はもうたくさんだ〜

・・・・・・・・・・えーっとあのその先生の楽観論の方がですなあ。

○市場メモメモ

・超長期輪番は同額で実施(なお短国は2兆円)

昨日のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of140523.htm
国庫短期証券買入 20,000 2014年5月27日
国債買入(残存期間1年超3年以下) 2,500 2014年5月27日
国債買入(残存期間3年超5年以下) 2,500 2014年5月27日
国債買入(残存期間10年超) 1,700 2014年5月27日
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式> 15,000 2014年5月27日 2014年9月5日

ということでやたらめったら注目されてしまった超長期の輪番ですけれども、今回は減額無しとなりまして債券市場ちゃんは持ち直しというかその後後場から引けに掛けて先物とか長期とか堅調とか何ですねんという感じでしたが、まあ買いたい弱気の人がいたんですかねえ良く判らんですけど。なお、超長期は朝方弱めで直ぐに戻って輪番1700億円見て最初はパラレルっぽくなったのですけれども、その後改めて「どうせ超長期輪番減額待ったなし」という話にでもなったのか超長期の後ろの方は伸びイマイチさん、という後講釈で宜しかったでしたっけ??

まあこの輪番の件ですけれども、金曜にも申し上げましたようにそもそも論として金融市場局が昨年の5月末に出した「紙」が足元のディレクティブと整合性が取れていない(そもそも昨年と今年ではディレクティブ通りにやったとしても買入のペースが異なる)のが話をややこしくしている訳で、まー確かに機動的な対応が出来るようにということで色々な面を曖昧にして輪番を運営するというのも判るのですけれども、足元では(他にネタがないせいもあるのですが)輪番がどういうスケジュールおよび額で実施されるかが無駄に注目されるという形になっていまして、買入ペースについてそれこそ月次で「来月の予定」でも出したらどうよという感じではありますな。

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2014/05/23

○総裁会見の続きですが債券市場の流動性低下に関しては最後が市場雑談ネタになるのでした

今回もその質問があったのですが毎度のお答えでしたな。質問は割愛。

『(答) 前にも申し上げた通り、国債市場の流動性が非常に低下して、国債の取引がスムーズに行われていないとか、価格付けが適切に行われていないといったことは無いと思っています。ただ、大量の国債の買い入れを行っていますので、常に市場の関係者と意見の交換をし、一番適切な形で、金融緩和が経済全体に波及していくように努めています。』

はあそうですか(棒読み)。

『金利が低いこと自体は、色々な要因があると思いますけれども、1 つの大きな要因は、もちろん日本銀行が大量の国債を毎月購入し、保有残高を着々と増やしていることにあると思います。これは「量的・質的金融緩和」の目的自体がイールドカーブ全体を、短期金利だけでなくて、長期金利まで含めて、低位に安定させることによって、経済の回復、ひいては「物価安定の目標」の達成に繋げようということであり、これ自体は別におかしいことではないと思います。』

まあそうですが。

『将来に亘って金利がどういう経路を辿るかは、日本銀行の国債買い入れのみならず、市場関係者のインフレ期待、物価上昇期待がどのように変わっていくか、あるいは海外の長期金利の動向にも影響されるかもしれません。様々な要因によって影響されますので、今の時点で具体的に将来の姿を申し上げるわけにもいきませんし、あまり具体的に申し上げますと、金利についてフォワードガイダンスを出している様にも見られかねませんので、具体的には申し上げません。しかし、今の時点で何か国債市場が問題を孕んでいるとか、金利が低いことが如何か、といったようなことは全く考えておりません。』

はあそうですか(棒読み)という所でまあこの調子が続くんでしょ。で、国債買入に関してはこんな質問も。

『(問)(冒頭割愛)2 点目は、昨年5 月30 日に日銀は「当面の長期国債買入れの運営について」というペーパーで、1 回あたりの長期国債買入れのオファー金額の目安を公表されています。その資料では、残存期間5 年超10 年以下の長期国債は1回あたり4,500〜6,000 億円程度、10 年超については1 回あたり2,000〜3,000億円程度とありますが、ここ2、3 か月はずっと記載の数字を下回って買入れがされています。この数字について、改めて変更されたり、ペーパーを出されたりすることはしないのでしょうか。理由とか背景とかお伺いできるようであればお願いします。(以下割愛)』

『(答)(冒頭割愛)2 点目については、買入れの方針は金融政策決定会合で決めており、ご指摘のペーパーはあくまでも、それを受けた事務方の運営の指針ということです。常に市場の関係者とは、意見交換をしながら金融政策が一番適切な形で効果を発揮できるように運営していますが、先程申し上げたように金融政策決定会合で決める買入れ方針は全く変化していません。(以下割愛)』

という説明でまあ誤魔化されてしまっているのが残念無念という所なのですが、要するにMPMで決められている「残高増加が年間50兆円程度」「買入銘柄の平均残存期間が7年程度」という方針に対して、金融市場局が出している紙との間にコンフリクトが発生する可能性がある訳で、そのコンフリクトが発生した場合にどういう扱いになるのか、という点と、そもそもコンフリクトが発生したと認識する閾値のようなものがあるのか、という点が市場の一番困っている所なんですよね。

でまあここの説明にあるように「コンフリクトがあった場合はMPMが優先なのは当然」という事ではありますので、金融市場局が出した「紙」の通りに実施する訳ではないのですが、そもそも論としてMPMの指針のアローアンスがワカランチ会長という事ですし、実際問題として今や入札と輪番とインデックス長期化対応位しか債券市場のネタが無い中で、輪番どうなるのな話は超超超超注目されている訳ですからして、そろそろ例の「紙」も含めてちょっと見直した方がエエンチャイマスカとは思います。

ただまあその場合ですけど、市場との対話とか言ってヒアリングかけまくるよりは、ある日突如何の予告も無く出す方が良いんじゃネーノとは思う訳で、前回紙を出した時はどちらかと言えばきゃりーぱみゅぱみゅがマーライオン相場だった時の気休め効果とかそういう世界のものだったので、数字に関するインパクトが無茶苦茶あったかと言うと全体感として見ていたように思えるのですが、今回は市場のネタが輪番しか無いというような状態で、細かい数字の上げ下げだけでも何かインパクトありそうなので、やるならある時突然やらないとその前に無駄に思惑ばっかり出るでしょうなあという風には思うのですがどうですかね。

というのはですね、
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/mei/mei.htm/
日本銀行が保有する国債の銘柄別残高

こやつなのですが、今月から旬報になったのは良いのですが、旬報になったせいで今度は「今月の買入平均年限の中間ラップ」とかの集計が可能になった、というかもう皆さんこの数字をせっせと計算するのが仕様となってしまい、旬報の出るときは皆さんせっせと残業に勤しんでおられる(これ出る時間が遅め)と存じます次第なのですが、今回ですとカレントばかり入ってしまって平均残存の走りが8年キタコレとか話題になる事なる事。

つまりですな、保有銘柄残高公表の方の透明性を高めたのは良いのですが、肝心の輪番オペの運営の方が何かこう中途半端にファジーになっているので、却ってその透明性拡大が市場的には思惑という名前のエサを与える結果になってねえかという大変皮肉な展開ワロタという感じですな。ま、この旬報攻撃は補完供給で借入可能な銘柄をよりタイムリーに見やすくしようという趣旨の方がメインで、どの銘柄を購入したしたのお知らせは副次的(だって短国買入の方は旬報になっていないですから)な話な気もしますが、何ちゅうかアレですなあという事で、最後は総裁会見と関係ない話になってしまいました誠に恐縮至極。

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2014/05/20

・オペ関連メモ

昨日のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of140519.htm

CP等買入 4,000 2014年5月22日
国庫短期証券買入 25,000 2014年5月21日
国債買入(残存期間1年以下) 1,100 2014年5月21日
国債買入(残存期間5年超10年以下) 4,000 2014年5月21日

短国買入また2.5兆円かよという所ですがオペ結果。
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba140519.htm

国庫短期証券買入 54,736 25,007 0.000 0.000 95.1
国債買入(残存期間1年以下) 6,298 1,102 0.010 0.010 63.4
国債買入(残存期間5年超10年以下) 18,853 4,008 0.003 0.003 53.3
CP等買入 7,732 3,781 0.085 0.088 8.9

短国買入のレートは引けでしたけれども、2.5兆円日銀様お買い上げの余波でGCレートはきっちり低下という事で、結局短国発行日の所で上昇して日銀買入の所で低下するという毎度のパターンになっていて、変化率だけ見ればGCレートが金利の中で一番良く動いている(ただしただの官製需給)というお洒落な展開になっておりますの。

あと、CP買入に関しては前回が平均8.7bp足切り8.5bpだったので気持ち金利上昇しましたけれどもこちらは直近の短国レートの低下は関係なしという展開でして、そらまあ発行レートの方が横ばいですのでそらそうよという感じですかな。

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2014/05/16

○市場雑談メモ

・3M短国入札ェ・・・・・・・・

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20140515.htm

(3)募入最低価格 99円99銭0厘0毛 (募入最高利回り)(0.0401%)
(4)募入最低価格における案分比率 8.1556%
(5)募入平均価格 99円99銭0厘8毛 (募入平均利回り)(0.0369%)

ということで(書いてませんでしたが)今週入ってから短国のレートとかGCのレートとかが低下していまして、先週は6M入札が強くて3Mと逆イールドキタコレとか言ってましたが、今週に入って何か知らんが順調に気配が強くなって来まして水曜の時点で4bpビットとかゆー状況になっていて(さすがにそこでは少し玉が出たっぽいが)入札も案の定4割れ(足切りは4に乗っているのですが按分薄いっすからねえ)水準という素敵な展開になっておりまして、今週から短国買入2兆ペースに下げましたが、やはり日銀の買入の上げ下げが効きますなあ(4月は3月期末ニーズの裏が出ている分もあると思うけど)という所で誠にこうアレであります。


・一方で固定金利オペは割とロールされるの巻

昨日の3M固定金利オペ結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba140515.htm
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式>(5月19日スタート分) 2,370 2,370

ということなのですが、今回のオペは2月前に実施したオペの期落ちのロールでして、1290億円のロールが2370億円と増額ロールでして、水曜は1年オペの期落ち分がロールされたいたのですけれども、20012億円の期落ちに対して12095億円と6割のロールで若干4月よりは歩留まりが悪かったものの、こちらもまあロールが入っているという感じです。つーか3Mの固定オペのロールが最近は2000〜3000億円で入ってくるようになっているので、6月落ち分だと増額の方が多くなるんじゃネーノとか、もっとバカスカ落ちると思われていた固定金利オペが割とロールされてますなあという印象で、短国は強くて金利下がっているんだったらこっちのロールが減っても良いのではネーノかとか言う単純な話でも無いようでこの辺のメカニズムが良く判らん。まあALM的なサムシングとか、GCレポ市場でのファンディングに向かない商品在庫の底溜まり部分とかそっち方面の要因なんでしょうが。

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2014/05/14

○市場雑談メモである

・30年国債入札でしたが

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/nyusatsu/2014/resul011.htm

6. 価格競争入札について
(1)応募額 2兆5,202億円
(2)募入決定額 5,459億円
(3)募入最低価格 99円80銭(募入最高利回り)(1.710%)
(4)募入最低価格における案分比率 82.5075%
(5)募入平均価格 99円83銭(募入平均利回り)(1.708%)
 
つーことで30年国債なのですが30年国債でテール3銭だわ応札は2.5兆もあるわという結果で入札は順調だったのですが、じゃあ超長期がウヒョーとなるのかというと先物がちょっと上昇したり超長期が若干強くなったものの、終わってみれば引けは先物5銭安で20年は引けで30年は5糸強でいやまあ先物対比で1毛動いているから動いたという事なのかも知れませんが、もう何ちゅうか今に始まった話ではないですけれども、30年国債の入札でも相場がろくすっぽ動きませんですかそうですかという風情に誠に残念なものを感じる次第でありまする。

ところでこちらなんですが。
http://www.ose.or.jp/market/trading_data/today_overview
当日取引高等

『JPXデリバティブ取引市況(日通し)(2014/05/13) 』って所の右側にエクセルの絵がありますが、そこからJPXデリバティブ取引市況の債券先物売買高を見ますと、30年国債入札があって落札結果が発表されたというのに昨日後場の超長期先物の取引高が貫録のゼロ枚(なお前場は14枚)という大変に心の温まる内容に落涙を禁じ得ない所ではございます。


・物国譲渡制限一部解禁の方向とな

ほほう。
http://www.mof.go.jp/jgbs/topics/press_release/260513-01.html
物価連動国債に係る譲渡制限を一部解除します

『財務省は、平成28年1月以降に満期を迎える物価連動国債について、平成27年1月より、国債に関する法律(明治39年法律第34号)第2条の2に基づく譲渡制限を解除し、個人等による保有を可能とすることとします。なお、平成27年12月末までに満期を迎える物価連動国債については、平成27年1月以降も引き続き、個人等に対する譲渡制限が維持されることとなります。』

最初一部解除とは何ですねんと思いましたが、要は一部の銘柄は譲渡制限が維持されるという事のようですな。まあ今の所はほほうとしか申し上げようがありませんがメモメモ。


・世にクレクレの種は尽きまじ

市場雑談とちと違いますが。

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-N5HTOT6K50YK01.html
順風の黒田日銀に伏兵、5年ぶり「神の子」到来で冷夏予想
更新日時: 2014/05/14 00:01 JST

『5月14日(ブルームバーグ):消費税率引き上げ後の駆け込み需要の反動も想定の範囲内に終わる兆しが見えるなど、順風満帆に見える黒田日銀だが、5年ぶりに予想されている「エルニーニョ」の到来で冷夏になる可能性が出ており、日銀は一抹の不安を抱いている。関係者への取材で明らかになった。』(上記URLより)

はあそうですかという所で、記事の方では何とかストの皆様のコメントがああだこうだと並んでおりますが、冷夏如きで景気の腰が折れるんだったら消費税の駆け込み反動でその前に落ちとるわと思いますし、一時的な落ち込みで金融政策が一々対応せんわ問題は基調的な部分じゃろと思うのですけれども、まあ世にクレクレの種は尽きまじという所ですな。つーか日本の過去の冷害でどうのこうのってえのはそもそも論として不良債権問題だったり経済の大きなスラックだったりが背景にあって、基調が強くなかったから影響したとかいう話じゃネーノと思うのですが、日銀に対するクレクレネタが最近微妙に不足気味なのでネタ探し必死だなという所で。

なお、93年冷害並みになるとコメの値段が盛大に上昇しますが、コメって思いっきりコアCPIの構成要素(生鮮食品ちゃいますねん)なんでCPI的には日銀ウハウハ(ってまあ1年だけの効果で翌年裏が出るから実際には意味は無いが)となりますががががが。

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2014/05/13

○市場雑談メモ

・短国買入は2兆円でオファー&その他少々

昨日のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of140512.htm
国庫短期証券買入 20,000 2014年5月14日
国債補完供給(国債売現先)・即日(注3) 2,000 2014年5月12日 2014年5月13日

オペ結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba140512.htm
国庫短期証券買入 36,153 20,007 -0.002 0.000 51.4
国債補完供給(国債売現先)・即日(注4) 4 4 -0.400 -0.400

つーことで前週まで2.5兆円ペースで行っていた短国買入ですが今週分は2兆円のオファーとなりまして、オファー2兆円になっただけあって平均は引けという割と穏当な水準での結果になっておりますな。

何せ短国市場様におかれましては引値だけ見ると盛大に逆イールドになっておりまして、オペに入らない糞短い物は足元では期末のようなニーズは無いので現先見合いに近づく(現先レート並みに上昇するとは言わん)し、3Mはカレントが毎週供給される(その分償還されてますけど)しという事ですが、一方で後ろは今の所短国買入で吸い上げられる分を見越して強くなったままという状況になっておりまして(ただし流通在庫がろくすっぽ無い銘柄が多々あるので実際にロットを売り買いした場合は話は別かも知れません)華麗に逆イールド状態はこのまま継続するでしょうなあという所で。

でまあワロエルのはその一方で利付国債の1年以下のゾーンに関して引値とかを見ますとこちらは(ほとんど傾きは無いですけど一応)順イールドとなっていまして、この差は何ですねんと言いますとどう見ても日銀買入効果です本当にありがとうございましたとしか申し上げようがなく、長国買入の1年以下買入フローと短国の買入フローが天と地ぐらい違っているのでこのような価格形成になっているという次第で、まあ別に今に始まった事ではないですけれどもMB目標達成の為にどんだけ市場の価格発見機能を破壊して回っているのかというのが如実に分かりますよね、という嫌味メモでございましたとさ。

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2014/05/12

○各種メモを少々

・6M入札は平均4bp割れとな

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20140509.htm

(3)募入最低価格 99円98銭0厘 (募入最高利回り) (0.0403%)
(4)募入最低価格における案分比率 15.7349%
(5)募入平均価格 99円98銭1厘 (募入平均利回り) (0.0383%)

6MTBは期間が中途半端な上に発行が3.5兆円とやや少なめなのもありまして、需給関係が偏る場合がありますが、直近ではこの辺の流通玉がスッカラカンだったようでして、でまあ流通玉がスッカラカンになる背景には当然ながら投資家の買いがあるという事で、入札前から4bp台の気配だった訳ですが、更に入札で強くなるの巻となっております。

まあ冷静に考えればこの前までは短国買入減額の影響で3Mとかの需給がやや緩んだ訳ですが、MB目標達成のためには結局買入が続く訳でございまして、そうなりますと短国市場では吸い上げ祭りは続く(6月の4年まで可能な貸出増加支援オペがどの位応札来るのかが注目ですけど)のですし、そこそこ長い所はそらまあニーズはあるだろうなあという所ですかそうですか。

なお、今の所確定しているのは年末までのMB目標でありまして、それ以降に関しては市場の何とかストの皆様の殆どが目標行かないです無理です緩和継続です(アタクシが認識している目標達成じゃあと言ってるのは2名だったかな)と申しておりますが、実際問題として本当の本当にどうなるのかはワカランチ会長ですから、実はあまり盛大にロングの運用をマネーマーケット的にして良いのでしょうかというのは微妙に謎な部分が無い訳では無い(けどレート形成は別に後ろが立っている訳でもなく2年は付利より下ですけどね)ので、6Mだと11月足だから丁度良いのかも知れませんね、などという事は特に考えている訳ではないと思うのだが後付で変な屁理屈を立てようとすると6Mのニーズが妙に強い事にはそういうコジツケも可能だったりします(^^)。


・決算剰余金の法定準備金積み立てを増やすとな

これまたコジツケ可能ネタ。
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2014/rel140509c.htm/
日本銀行法第53条第2項に基づく認可申請について

『日本銀行は、第129回事業年度(平成25年度)決算において、財務の健全性確保の観点から、当期剰余金の5%相当額(注)を超える20%相当額を法定準備金として積み立てる方針を決定し、本日、財務大臣に対して日本銀行法第53条第2項に基づく認可申請を行いましたので、お知らせします。』

>財務の健全性確保の観点から
>財務の健全性確保の観点から
>財務の健全性確保の観点から

ほうほう。

まあ足元で国債馬鹿買入によってグロスの総資産ベースが拡大しているから準備金を拡大しましたとか、ETFやJ−REITという償還来ないリスク性資産の買入が拡大しているから準備金を拡大しましたとか、まあそういうのが表面的な話になると思うのですけれども、QQE正常化にあたっていずれかの時点で短期金利をいじらないと行けなくなり、その際に莫大に保有する国債の購入時利回りと短期金利の差分から発生する期間損益が赤くなってしまいますから正常化を見越した対策ですねわかります、とまあコジツケが可能ですなうんうん。まーこの手の話ってえのは何ぼでもコジツケ可能になりますのでご注意ありたしという所ですけどにゃ。

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2014/05/09

○市場雑談メモ

・短国金利は低下モードですな(つーかもう下がったが)

昨日は3MTB入札
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20140508.htm

(3)募入最低価格 99円98銭6厘0毛(募入最高利回り)(0.0561%)
(4)募入最低価格における案分比率 23.8922%
(5)募入平均価格 99円98銭6厘3毛(募入平均利回り)(0.0549%)

ということで3M短国レートは連休中に6bp台半ばとかに上昇しましたが、短国買入効果が出てきた上に、今月の短国買入はハイペースが予想されますので、そらまあ金利に低下圧力が掛かります罠という所で、とりあえず一昨日の時点で6割れやっていましたのでまあこんなもんでっしゃろという感じですかね。GCレートは今の所はまだ微妙ですけど。

あと注目なのはここからどの程度のレベルまで金利低下していくのかという所で、3月の金利馬鹿低下は期末要因が入っていたので追い風参考記録だとは思うのですが、ご覧のとおりで日銀の短国買入のフローベースの所で思いっきり水準が影響されてしまうという残念な単なる需給マーケットと化しておられますので、方向性としてはMB拡大する中で固定金利オペや貸出支援関連オペの残高が積み上がってくれないと年末に向けてはやはり厳しい展開になるでしょうなあという所ではあります。

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2014/04/30

○市場メモ

・短国買入増額とな

月曜のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of140428.htm

国庫短期証券買入 25,000 2014年5月1日
国債買入(残存期間1年超3年以下) 2,500 2014年5月1日
国債買入(残存期間3年超5年以下) 2,500 2014年5月1日
国債買入(残存期間5年超10年以下) 4,000 2014年5月1日

ということで月跨ぎのオペは短国買入2.5兆円のオファーとなりました。芸の細かい話をすると輪番もロットが多めになる中期+長期で打ってきているんですな。

結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba140428.htm

国庫短期証券買入 49,530 25,004 0.001 0.002 94.0
国債買入(残存期間1年超3年以下) 9,408 2,508 0.001 0.002 33.5
国債買入(残存期間3年超5年以下) 11,962 2,507 0.002 0.003 17.7
国債買入(残存期間5年超10年以下) 13,151 4,006 -0.005 -0.004 75.4

長い方はまあこんなもんだと思う(一応後付講釈ではここもとずっと重かった中期の応札が少し減ったのがネタにされていたらしいというのもあるけど)ところで、短国に関しても2.5兆規模に拡大したのが効いて前回のような4糸甘だの5糸甘だのという水準にはならずに1糸甘とか2糸甘とかまで入りましたし、短国3Mの気配も若干低下という流れになってGCもやや軟調とか早速需給改善という形になっておりまして、もう完全にオペ次第で需給のぶれる、というか水準の変わる短国市場状態になっておりまして、何を今さら市場との対話だヴォケというような風情も漂う今日この頃という所でございますな。

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2014/04/28

・短国買入は本日のようですな

金曜のオペレーション
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of140425.htm
国債買入(残存期間10年超) 1,700 2014年4月30日
国債買入(変動利付債) 1,400 2014年4月30日

ということで毎週(短国入札がなければ)金曜日に実施される短国買入ですが先週金曜はパスとなりまして恐らく今日のオファーになるんでしょう。既に市場予想通りの展開なので特段の反応は無かったようですが、今月は思いの他(かどうか知らんが、まあ市場的には思いのほかでしょう)固定金利オペのロールが進捗しましたので、短国買入に関しては月内の残高稼ぐよりも月末越えをして5月の残高を稼いでおきたいという形になる訳ですなという所。

まあいずれにせよ短国買入に関して最近は市場の需給に配慮してどうのこうのとかやっている余裕は特段無さそう、というかもしかして単にMB目標と月々の進捗から単純に逆算しているだけではなかろうかというオペレーションが良く言えば淡々と、悪く言えばフローのブレで短期市場における唯一最大の市場攪乱要因になっているという状態がこれからも続くという事ですねわかります。


・CPIが出た訳ですが

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-N4K6V86K50Y701.html
東京都区部は2.7%上昇、消費者物価4月分−消費税率引き上げで (2)
更新日時: 2014/04/25 10:46 JST

ということで市場予想平均が都区部のコアで2.8%だったので市場事前予想よりも微妙に下ブレという一番反応しにくい結果となりまして、どうせなら上下に盛大にブレて頂きますと面白相場や面白解説などの鑑賞が出来たと思われますので惜しい所ですな(違)。

でまあ何だか知らんのですが金曜は急に先物がドカンと下がるという謎展開が発生したりしてまして、CPIがどちらかにブレているなら兎も角、微妙なブレしかも弱い方という結果なのにドカンと売りが出るとは何ぞこれとしか申し上げようがありませんが、下がると買いもあるようで結局そんなにサガランチ会長にはなりましたな。しかし引値見ると10年が売られたのかも知れませんが、いずれにしてもCPIだけだと別にそこまで売らんでエエジャロという数字だったので謎ですなあというメモ。

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2014/04/25

○市場雑談メモ

・固定金利オペのロールが超順調となりましたな(驚)

昨日のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of140424.htm
CP等買入 4,500 2014年4月30日
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式> 8,000 2014年4月28日 2014年7月28日

オペ結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba140424.htm
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式>(4月28日スタート分) 6,010 6,010
CP等買入 8,105 4,190 0.087 0.089 25.9

ということで今回のオペは3か月物のロールだったのですが、折り返し元が1月30日にオファーされた3か月物でして、2/3〜4/28で3190億円だったものなので、ほぼ倍額のロールというお洒落な展開になっております。

つーことで今月は固定金利オペが9兆円(シグナルが7兆円位で3か月が2兆円位)程度ありまして、まあ歩留まりがいいところ半分も行けば御の字とか思っていたのですが、結局今月は8兆円近くの固定金利オペの実施となりましたという事で正直超意外な展開で逆に固定金利が全然ロールされないで短国買入に皺寄せが来て更に金利低下待ったなしとか懸念していたのの真逆とかどういう事ですねんという感じではあります(大汗)。

まあサイクルとしてはシグナルオペが思ったよりロールされる→短国買入オペを抑制→短国需給緩和→GCレート上昇→固定金利オペと市場金利の乖離が縮小する→固定金利オペのニーズが復活→固定金利オペのロールが増える、というような流れになっておりまして、3月までの動きの逆回転という事になっているのが何とも不思議ではありますな。

しかしまあ結局の所短国買入オペの動向次第でこれがまた逆転する可能性もある(ただし大物のロールをしているのでとりあえず7月までは残高がそれなりに維持されるのは確定)という所でして、これもまた官製相場という風情でございまして、長期債の市場もまあ官製相場にも程があるのですが、日銀買入攻撃で市場の価格発見機能が喪失していますなあ(まあ短期市場の場合はそもそもコールを誘導(今は建付け上していないが)するから半官製相場になるという面はあるのだが)という所ではござります。


・3Mも6bpとな

昨日の3M
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20140424.htm

(3)募入最低価格 99円98銭3厘5毛(募入最高利回り) (0.0661%)
(4)募入最低価格における案分比率 28.9038%
(5)募入平均価格 99円98銭4厘1毛(募入平均利回り) (0.0637%)

ということで先週の入札では6bp待ったなしとか言ってたら結局6の手前で切れてショートカバー入ったりした3Mですけれども、先週の新発が短国買入で捌けていなかったと思われる上にGCが足元で妙に高止まっていますので入札に向けて6bp台のオファー水準になっていたのですが、今回はそのまま順当に推移して足切りは6台後半に上昇(さすがにビットサイドのようですが)という流れ。

ま、こちらも固定金利オペのロールが妙に進んだ影響という所ですが、まあ逆から考えますと、短国買入に関して2月3月のペースで買入を進めてしまうと短国等の市場金利が馬鹿低下するという状況であり、まあ今月程度のペースならそこそこの水準で市場金利が推移するという話ですねという事ですので、そう考えますとやはりマネタリーベースの拡大においていわゆる「その他」の部分については現状程度の所に留めておかないと短期金融市場が盛大に壊れてしまうリスクがある、というオペレーショナルな限界が見えてきたという事でしょうな。

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2014/04/21

・短国買入2兆円とな

1年短国入札があったので早速短国買入が2兆円に増額オファーキタコレ。
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of140418.htm
国庫短期証券買入 20,000 2014年4月22日
国債買入(残存期間5年超10年以下) 4,000 2014年4月22日
国債買入(残存期間10年超) 1,700 2014年4月22日

結果ですが。
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba140418.htm
国庫短期証券買入 58,621 20,005 0.003 0.004 43.2
国債買入(残存期間5年超10年以下) 12,246 4,004 0.005 0.007 45.2
国債買入(残存期間10年超) 4,422 1,704 0.002 0.006 37.9

まあ引値の関係で3か月ゾーンの新発以外が入りやすそうで、この水準だと新発1年って業者だと入れにくいかなという感じもするので日銀的には残念な結果になった気もせんでもないですが、それはそれとしてやる気出して2兆円吸い上げを実施しましたので、先週先々週に短国入札がやや立て込んでいましたのですけど、今週からは短国入札のペースが下がって週1の3Mとなります。んでもって5月は資金需給的に短国買入のペースがまた上がると予想されていますので、そんなこんなで今週からは短国の需給が改善する傾向になるでしょうなあという所で。

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2014/04/18

○市場メモ

時間が無いのでメモを少々

・3月業態別当座預金残高

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/cabs/cabs.htm/

ここから表計算ソフトにDLして見ますと、まあ大体皆さん増える中で証券の当座預金残高だけは伸びないとなっていますが、そらまあ証券の場合は商品有価証券のバランスシート制約の問題があるでしょうからこうなるわなとは思いますけど。


・3M入札とな

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20140417.htm

(3)募入最低価格 99円98銭5厘0毛(募入最高利回り)(0.0595%)
(4)募入最低価格における案分比率 60.9836%
(5)募入平均価格 99円98銭5厘0毛(募入平均利回り)(0.0595%)

ということで、3M新発なのですが前引けで6bpオファーだったので6台かもと期待されましたけれどさすがに6台ではニーズがてんこ盛りだったようでその手前で切れてショートカバーでセカンダリー若干強含みのようでございますな、うんうん。

まー足元入札連発と短国買入が若干少な目で、GCが若干高めの推移なので短国需給が重めで推移していたと思うのですが、レート調整して行った結果6bpの所でコツンと来た感じですかねえ、よー知らんけど。

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2014/04/17

○一応市場メモ

・1年TB

うむ。
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20140416.htm

(3)募入最低価格 99円95銭7厘 (募入最高利回り)(0.0431%)
(4)募入最低価格における案分比率 17.9878%
(5)募入平均価格 99円96銭0厘 (募入平均利回り)(0.0401%)

4bp台後半にでも乗ってくれるかと期待しましたが、1年TBは相変わらず謎の需要の強さで堅調な結果だわ不明玉は2兆だわショートカバーで堅調だわとなりましたが、引値が強くなると次の短国買入でこの銘柄が入りやすくなるので日銀ニッコリですね。


・固定金利オペ

昨日のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of140416.htm
国債買入(残存期間1年超3年以下) 2,500 2014年4月18日
国債買入(残存期間3年超5年以下) 2,500 2014年4月18日
国債買入(残存期間5年超10年以下) 4,000 2014年4月18日
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式> 15,000 2014年4月18日 2014年7月29日


オペ結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba140416.htm
国債買入(残存期間1年超3年以下) 11,726 2,506 0.002 0.003 1.0
国債買入(残存期間3年超5年以下) 12,980 2,508 0.003 0.004 15.9
国債買入(残存期間5年超10年以下) 15,405 4,006 0.005 0.006 64.8
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式>(4月18日スタート分) 7,893 7,893

昨日のオペは昨年のシグナルの折り返しで、元は10230億円あったので、7893億円の折り返しとは打率8割近くでドカベン山田太郎もビックリ(昭和の香りですかすいませんすいません)という所ですが、何せ(昨日はスルーしましたが)一昨日の固定金利なんぞ3か月のロールでしたが、1661億円の足に対して3301億円のロールでしたのでロールの方が多かったりして、最近は謎の順調ロールが続いていますな・・・・・・・

というただのメモでした。

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2014/04/16

○市場雑談系

・そういえば10年カレントの出来がどうのこうのとか話題でしたが

月曜は月曜相場で10年カレントの出来が日本相互証券さんの所で無かったというオソロシスな一日で何年ぶりとかいうお洒落な話になっておりましたが、昨日は昨日で5年国債入札だというのに先物の前場出来は1万枚行かないし(というか7000弱)10年カレントは前場は前日に引き続きで出合い無しとか何というお洒落な展開。

まあさすがに後場に出来はありましたし、超長期とかは月曜も火曜も一応売買動いてたっぽいので、単に10年カレント0.60%で売りも買いもウゴカンチ会長という事なのだとは思いますけれども、それにしても10年位までの所がろくすっぽ動かずですし、最早入札と輪番しか動くネタが無いのですが、その入札や輪番でも輪番減額騙し討ちとかそういうお洒落な事でも無い限り動かないという困った状態になっているのはもう何だかねという感じで。

でまあ動かない動かないとかゆうとりますが、こうやって流動性が無くなってくると外的ショックに脆弱になりやすくなるっちゅうリスクは高まってきますし、そこへ来て国債買占め(というか「買い締め」というのが良いのかも^^)している日銀様におかれましては「補完貸付は5営業日しかロールしません」という事実上お前ら借りに来るんじゃねえ的な「制度運営の明確化」を行ってしまうという事で、まあ別に今直ぐにどうのこうのという話では全然ありませんけど、そうやって業者がショートセールしにくくする話を推進してどないすんねん(SCレポがT+0化するという意味で国債アウトライト決済をT+1化するという話も業者がショートセールし難くなる話)という所ですな。

どうもね、株式市場の空売り規制なんかもそうですけど、空売りそのものを規制すると価格が維持できるという信仰が政策当局の皆様的にはあるのかもしれませんけど、皆さんが揃って「売り」一色になっている時って言うのはショートセールの買戻し以外の買いってなかなか入らないのでして、ショートのできないものってそもそもマーケットメーカーが付かないですし、値段崩れだすと凄まじい崩れ方になると思うので、まあどうも日銀様におかれましては「市場」という訳のわからん所を相手にするのはお苦手のようですが、昨日も悪態申し上げましたように、あの施策を出して「市場の流動性を高めます(キリッ)」とか言い出す所が絶望的にアレという所ですな。


・超長期国債先物取引

さて、そんな困った相場でございますが、ここで超長期国債先物取引の状況を見てみましょう。

http://www.ose.or.jp/market/trading_data/today_overview
当日取引高等

例によって「JPXデリバティブ取引市況(日通し)(2014/04/15)」から売買高をエクセルにDLして確認いたしますとこの通りです。

夜間:0
前場:5
後場:26
合計:31

例によって立会外取引はゼロ枚なので立会内取引でこの数字ですが、中々素敵な状況になっておられるようで、テコ入れマダーって所ですなうんうん。


・レポとか短国とかその辺のメモ

今日は1年短国の入札がありまして、まあ日銀様におかれましてはこの1年短国を短国買入で吸い上げるべく虎視眈々と狙っておられる(1年TB買えば年末のMB残高に跳ねる、つーか他の物買っても年内に償還来るので無駄働きにも程がある)訳ですけれども、今週月曜の短国買入を1兆5000億円で珍しく抑制してきた(固定金利オペのロール進捗が順調なせいもあると思うけど)影響か足元ではGCレートがやや上昇圧力という感じになっておりますので、まあ普通に普通の入札になるんじゃないですかねえ(てきとう)。

まあそげな感じで今週の短期債需給は若干緩めで推移するのかも知れんけど、GCに関しては短国需給だけではなくてその他の要因もあって上昇している感じですし、何故かここへきて期末に一回低下したあと若干戻し気味だったCP新発レートがまた低下しているのも見られたりというような流れですから、まあその辺りの局地的な話だけでどうこうというのも何ですけど、結局の所リアルマネー系の資金というのは短期市場にウジャウジャ転がっていて、短国のように一発のロットがでかい物だと微妙に需給が緩んでいるようには見えるのですが、実際の所はそんなに金利上昇って感じでもないんじゃネーノと思うのでした。

あとそれから、どうせ1年短国買いに今週金曜の短国買入は普通に多目にオファーすると勝手に妄想しているアタクシだったりするのが上記の何となくなイメージの背景にあったりするのかも知れんが。

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2014/04/15

○一瞬改善にみえるが盛大に改悪の変更(正しくは「明確化」)とは遺憾の極み(補完供給関連)

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2014/rel140414b.pdf
国債補完供給の実務運用の変更について

これはペーパーの右上に「日本銀行金融市場局」とありますように金融市場局の判断での決定でありまして、基本要綱の範囲内の運用についてのお話ですな。

『日本銀行は、国債の市場取引や決済に係るストレス要因を緩和することにより、金融調節の一層の円滑化を図るとともに、国債決済の円滑確保にも資する観点から、国債補完供給に関して、下記の措置を実施することとしましたのでお知らせします。』

ほう。

『1.オファーの1 日2 回化』

『1 日2 回のオファー実施を可能とする取扱いに変更します。概要は以下のとおりです。』

・・・・・・・・ということで従来オファーが午後2時だけだったのですが午前のオファーもするようになったと。うんうん。(次の『ロ. 銘柄別の売却上限額』は単に前場に貸出した分は貸せなくなりますよという当たり前の話です)

『2.「日本銀行が保有する国債の銘柄別残高」に関する公表頻度の引上げ』

『―― 本件の取扱いは、5 月9 日時点の残高にかかる公表(5 月13 日公表予定)から開始します。』

末残公表だけではなくて旬報方式になるようですな。

・・・・・・・・とまあここまでは良いのですけど、問題はこの次。


『3.連続利用に関する取扱いの明確化

国債補完供給の連続利用の可否について予見可能性を高める観点から、同一銘柄の売却(注1)に関する取扱いを以下のとおり明確化します。

今回明確化する取扱い

(2014 年4 月21 日以降のオファー実施分から適用)

同一銘柄の売却に関する取扱い
一のオペ先に対して同一銘柄を連続して売却することのできる日数は、原則として最長5 営業日とします(注2)。

- 金融市場の情勢等を勘案して日本銀行が必要と認める場合は、延長することがあります。

(注1) 利回り競争入札を通じた売却を指します(再売却は含みません)。
(注2) 買戻日については、従来の取扱い(原則として売却日の翌営業日に買戻を実施(オーバーナイト供給))から変更はありません。』

・・・・・・・・・・・・・おおもう何だかねえ。

えーっとですね、「5営業日までしか使えない」という制度にする意味が全くもって意味不明と言う所でございまして、オファーを1日2回にして残高公表を月3回に増やすという努力がこの「明確化」で全部台無しどころかドテンマイナスになっているというここまで市場センスの無いのも珍しいわという事でネタというか以下悪態になるのでした。

つまりですな、これロンバード貸出が最初に導入された時にも補完措置というような感じで同様に5営業日しか貸しませんという建付けになっていたのですが、この「5営業日しか貸しません」というのは要するに「この制度は限界的な制度だからなるべく使うな」と言っているのに等しく(仮に日銀の現場がそうではないと言ってもカウンターパーティーたる民間はそういう受け止め方をするし、大体からしてそういう認識が無いなら常設ファシリティー化するでしょ)、つまりは国債補完供給オペ利用にはStigmaがあると言っているのに等しい訳ですよ。

いやまあこれで足元で別に日銀がろくすっぽ国債を保有していないというのであれば別なのですが、国債市場の流動性を馬鹿買い政策で盛大に殺しているのに、わざわざ国債のレンディングにStigmaを設けて使いにくくしてどうしますねんと存じます次第。

更にこれ酷いと思うのは、先ほど引用しましたようにリリースで『国債の市場取引や決済に係るストレス要因を緩和する』とか言っている点でして、まあ確かに他の施策を見ると補完供給の使い勝手を良くしようと思って色々と新しい措置を突っ込んでいる積りなのでしょうが、この「努力したつもりでやっている事が逆方向」というのがもうアレな働き者の風情を醸し出している訳で、市場との対話がどうのこうのとか言ってその成果物がこれですかと非常に残念としか申し上げようがない部分。

金と違ってモノの場合って限界的な部分で問題になるのは該当のモノがあるかどうか(金には色は無いがモノは個別ですから)という話になるので、そのロールが5営業日しかできないというのはかなり問題になるというか基本的に借りに行かん罠となりますし、そうなりますと限界的にショートセールに制約が掛かりやすくなるんですけどという話っすな。

ちなみに通常ベースで業者が投資家からレポする場合って決算制約のような時期の場合は別ですが通常はロールを前提にタームで借りたりして、ロールが止まるというのはその投資家が売却をする場合ですから世の中のショートセールがその分減るというような状況な訳ですが、日銀の場合は国債は馬鹿買いして買い集めるわ、売却はしないわな所に来て、持っている玉をレポ市場でロールしないわと仰せという事ですから、国債流通市場的にはナンジャソラという話です罠。

いやあのですね、別に通常ベースの金融政策やってて日銀が国債市場に対するプレゼンス無いなら兎も角、しつこく申し上げておりますように日銀が盛大に国債を買い占めて国債流通市場に対して盛大にストレスを掛けている状態になっているのに、そのストレスを解消するどころか悪化する方向(正確にはこれ「明確化」ですので従来から運用面で使いにくくしてたんでしょうなあという想像に難くないので、悪化ではなくて明確化なのかも知れんが)の話をするとか、国債大量発行&事実上財政ファイナンスと言われても文句の言いにくい状態になっており、将来的にこの金融政策を正常化しようという事を考えているのであれば、何でレンディングファシリティーをわざわざ使いにくくする「明確化」するんだよと思う次第。

まー何ですな、これ借入の日数制限残したままで出口政策モードになった時に国債流通市場が更に低下しちゃって何かの拍子に金利急騰みたいなリスクの背景になる可能性も無い訳では無いという話になると思われます(1998年や2003年の国債市場暴落はトリガーは別ですが背景にはどちらの場合でも「国債流通市場での流動性の低下」(特に98年の場合は極端な低下で原因は前年の東証債券先物取引のシステム変更がきっかけでしたが)があるので、将来の出口政策モードあるいは財政拡大状態の継続時に大丈夫かよとか思うのでありますわ。

ちなみにFEDの場合ですが。
http://www.newyorkfed.org/markets/securitieslending.html
Securities Lending

『The Bank provides a secondary and temporary source of securities to the financing market through a Securities Lending program to promote smooth clearing of Treasury and Agency securities. The program offers securities for loan from the System Open Market Account (SOMA) portfolio in accordance with program terms and conditions. Securities loans are awarded to primary dealers based on competitive bidding in an auction held each business day at noon eastern standard time. 』

関連して各種のファシリティーの紹介ページ
http://www.newyorkfed.org/markets/Forms_of_Fed_Lending.pdf

細かい要綱がちと見つかりませんでしたが、別に「何日間限定」というような制限はなく借りれますと言う風にしか見えないのですし、セキュリティーレンディングの方のトランザクションボリュームを見ますと恒常的に残高があるようでして、日銀の補完供給のように実施される日があったりなかったりするようなオペではなくて、常設ファシリティ―みたいな形になっています罠という所です。まあ普通にこういうもんでしょと思うのですけどねえ。



そういや話はちと違いますが、国債市場の流動性という話では相変わらず「国債決済アウトライトT+1化」というのも日銀様におかれましては推進していると仄聞しますが、未決済取引残高の圧縮よりもレポT+0化によるレポ市場に掛かるストレスの拡大と、T+0化の事務コストを嫌ってレポ市場から退出する参加者が出る事による国債流通市場に掛かるストレスの方が同様に出口政策や国債大量発行という財政問題がある中ではシステミックリスクに繋がる話だと思うのですが、相変わらず少なくとも表に出ている部分ではそういう考察も無かったりするという次第で、引き続き債券市場との対話というのはどうもグダグダですなあというのと、庭先お掃除が得意ですなあというお話なのでございましたとさ。

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2014/04/14

○市場メモ雑談

・2M短国入札ェ・・・・・・・

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20140411.htm

(3)募入最低価格 99円99銭2厘5毛 (募入最高利回り)(0.0547%)
(4)募入最低価格における案分比率 49.4009%
(5)募入平均価格 99円99銭2厘6毛 (募入平均利回り)(0.0540%)

ということで5bp台に乗った落札になりまして金曜に5bpってタッチはしても抜けないですなあって話をした途端にこの有様とは俺様涙目という感じですけれども、2か月ものなので短国買入の対象にならないのと、今回の短国は6月4日の税揚げ足なのでロールが行われない(5月と6月の入札スケジュールをご参照下さい、なお4月の2Mは税揚げに足をぶつけるのでロールされないというのが仕様)のがあるので、償還再投資の際にリスクがあるぞなという事で今回はニーズが少なかったようで。

ま、今日の短国買入で先週の新発がホイホイ吸い上げられるから結局需給は良くなるんでしょうけど。


・1年オペのロール

金曜のオペ
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of140411.htm
社債等買入 1,000 2014年4月17日
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式> 20,000 2014年4月15日 2014年7月25日

オペ結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba140411.htm
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式>(4月15日スタート分) 11,820 11,820
社債等買入 1,892 929 0.103 0.113 98.6

この回は昨年4月11日に実施した一発目のオペでして、最初の最初に実施されたシグナルオペで4/15〜4/15の1年オペのロールでしたが、15000億円のオファーに対して26310億円の応札があった奴だったのですが、オファーを2兆円で実施するとはお洒落なという所ですな。

でまあ応札は15003億円のエンドに対して11820億円ですので、先週木曜の3Mオペのビックリ増額ロールでついに固定金利オペの岩盤の可能性が微し存という事を申し上げましたがそうではなかったようで(^^)。

つーても3分の2以上は歩留まりしているのでまあ多いっちゃあ多いざんずなと思うのでありました。

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2014/04/11

○市場雑談系メモメモ

・近くて遠い5bpとな

昨日の短国3M入札
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20140410.htm

(3)募入最低価格 99円98銭7厘5毛(募入最高利回り)(0.0501%)
(4)募入最低価格における案分比率 47.2357%
(5)募入平均価格 99円98銭8厘0毛(募入平均利回り)(0.0481%)

ということで足切りは前回の3Mと同じく5bpには乗っているのですが実際問題としてはその水準は盛大にビットという感じで、結局4.8-5.0とかそんな感じのようでおじゃる訳でございますが、今週は日程の都合上短国買入が入らなくて入るの月曜になるというのと、期末要因剥落と債券市場的には投資家期初の動きによって業者的にはそこそこ在庫ファンディングニーズが上がるという流れになってはいるのですが、そういう状況を踏まえても5bpという水準を明確に上回って金利上昇という感じにはならないですなあとい所です。

でまあ来週はまた短国買入入りますし、需給は改善方向となるでしょうから短国の金利水準っちゅうのもこの辺の水準から中々アガランチ会長ということですっかり定着モードでございますな、ナムナム。


・固定金利オペが増額ロールだと?

昨日のオペ
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of140410.htm

国債買入(残存期間1年超3年以下) 2,500 2014年4月14日
国債買入(残存期間3年超5年以下) 2,500 2014年4月14日
国債買入(残存期間5年超10年以下) 4,000 2014年4月14日
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式> 8,000 2014年4月14日 2014年7月14日

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba140410.htm

国債買入(残存期間1年超3年以下) 12,418 2,503 0.005 0.005 75.9
国債買入(残存期間3年超5年以下) 16,212 2,504 0.005 0.005 86.9
国債買入(残存期間5年超10年以下) 14,282 4,005 0.004 0.005 87.8
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式>(4月14日スタート分) 3,570 3,570

輪番の中期が甘いとかそういう話もあるような気がしますが、毎度おなじみの固定金利オペのロール状況の方が気になるので確認をしますと、こちらのオペは元が1月16日にオファーされた1/20〜4/14の3か月もの固定金利オペで、3000億円落札されたものでございまして、つまり今回は何と固定金利オペが増額ロールの巻となっておりますぞなもしという所で。

いやー何か知らんがこの前まで全然ロールが進まなかったのが正解なのか、需要の底溜まりの部分にヒットしたからロールが進むようになったのか何だかよく判らんですな正直言って。

いずれにせよ固定金利オペがもっと減るという仮定の元で短国市場死亡の可能性を懸念していた訳ですので、短国市場の死期が先に延びるような結果になるのは結構な話(結局の所は日銀の馬鹿買いによって死期は来るリスクがオオアリクイなのですけどね)ですな。


・超長期国債先物ェ・・・・・・・・・・・・・

どこかにデータは無いかと思って探していたらこの辺にデータが。

http://www.ose.or.jp/market/trading_data/today_overview
当日取引高等

ここの「JPXデリバティブ取引市況」という所にある「JPXデリバティブ取引市況(日通し)(2014/04/10)」(これは今朝だから4月10日となっている)の所にエクセルファイルがありまして、そこからDLして来ますと各市場の取引高が取れるという便利な代物。

さて、このファイルを見ますと昨日の超長期国債先物取引の取引高が確認できるわけですが・・・・・・・

超長期国債先物の取引高、ちなみに超長期国債先物は立会外取引の売買高は今の所ゼロです。
夜間:4
前場:15
後場:15
日通し合計:34

・・・・・・・・・・・・うむ、早速開店休業への道を着実に進んでいますなorzorzorz

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2014/04/09

○その他市場メモ

・固定金利オペ今回も歩留まり多くロールとな

昨日のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of140408.htm
米ドル資金供給 2014年4月10日 2014年4月17日 0.580
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式> 20,000 2014年4月10日 2014年7月23日

オペ結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba140408.htm
米ドル資金供給(4月10日スタート分) 0 0
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式>(4月10日スタート分) 12,680 12,680

元のオペがオファー額2兆円で応札額が15078億円でしたので、今回はそのうち12680億円が折り返しになるという事で、中々今回も歩留まり多しという感じでございます。ついこの前まで3か月オペのロールが全然歩留まりしてなかったのはナンデスネンという気もしますが、まあ足がそれなりにある中で急にオペ残落とすのもよろしくないということですかそうですかという事にでもしておきますかねえ(棒)という所ですな。

まーいずれにせよオペがそこそこロールされておりますので、その分短期国債買入に掛かる皺寄せが軽減されますからして、オペが落ちまくってMB維持の為に短国買入が嵩みまくってヒャッハー金利が長期化して市場にプレッシャーが掛かるという、もはや何のためにMBを拡大しているのか訳がワカランチ会長という状況が発生するのが少しだけ先送りになったのは慶賀すべきことではありますが、結局オペを3か月近辺でロールしているので7月から8月に掛けてまたオペの巨大な落ちがやってくるという残念な事態があるので問題が3か月ほど先送りになっているだけではあるのですがorzorz


・超長期先物ェ・・・・・・・・・・

昨日の超長期先物は日中取引分で118枚(前日の夜間で少し出合いがあったようで)ですが、9時5分時点での出合いが4枚とか中々お洒落な展開だわ、値幅だけは無駄にある(チーペストが18年なので当然なのですが、それに加えてそもそもの値段が200円近くあるので価格変化が妙に大きく見えてしまう)わと中々素敵な取引でございますなあという所で。

しかしまあよー判らんのだが、上の方の売り板だけは妙に厚いのってヘッジャーのニーズでも入っているんでしょうかとは思うのですが、先物というのはヘッジャーだけだと取引が活性化しないのでスペキュレーターマダーという所ですかわかりません><;

とまあそんな感じで日々微妙な出来高となっておりますが、さて超長期先物の行方はどっちでしょうかね。

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2014/04/08

○市場メモ雑談

・超長期先物ェ・・・・・・・・

まあ何ですな、始まったのは良いのだが朝から10時までの間に出来高18枚とかでコーヒー吹きそうになった訳ですが、終わってみたら出来高119枚になっていて、建玉見たら速報ベースで90枚になってましたのですがこれはまずまずだったのかダメダメだったのか良くわかりませんが、TIFEEが何を考えたか突っ込んで結局盛大にダメダメだったスワップ先物とか初日から開店休業だった事を考えますとまだマシですかそうですか。


・6MTB入札とかCP買入とか

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20140407.htm

(3)募入最低価格 99円97銭6厘(募入最高利回り)(0.0478%)
(4)募入最低価格における案分比率 55.0695%
(5)募入平均価格 99円97銭7厘(募入平均利回り)(0.0458%)

ということで順当に5bpには届かないという結果になりまして、とりあえず短国買入ペースが少々落ちても(というか週2兆買いが入り続けると需給的に厳しいわなという感じですよね)需要の方は当然ながらある訳でして、まーメドとして5bpの辺りでは買い意欲が強まるという感じなんですかね、よー知らんけど。

GCレートとかも期末のあばばばばー状態から脱却はしたものの、結局6bpとか7bp位まで上昇したもののそこからは上がらんどころか新発短国が捌けてくると下がりそうな感じでして、リアルゼロ(とかマイナス)とか見てしまうと6bpだの7bpだのは何と無限大倍(ではなく除算不能ですが^^)という事で何か知らんがお安く見えてしまう所がエッシャーの騙し絵状態でございますが、こういうのを目線が変わると申しますな、うんうん。

つーことで目線が変わるとどうなりますかと申しますとですな、

昨日のオペ
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of140407.htm

CP等買入 4,500 2014年4月10日
国債買入(残存期間5年超10年以下) 4,000 2014年4月9日
国債買入(残存期間10年超) 1,700 2014年4月9日
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式> 8,000 2014年4月9日 2014年7月14日

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba140407.htm

国債買入(残存期間5年超10年以下) 10,236 4,010 -0.019 -0.018 96.2
国債買入(残存期間10年超) 6,032 1,704 -0.013 -0.011 7.8
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式>(4月9日スタート分) 2,190 2,190
CP等買入 9,420 4,440 0.075 0.078 11.0

CP買入の平均が7.8bpで足切りが7.5bpとかになりやがっておりまして、前回期末前(3/26)に実施したCP買入は5000億円のオファーでしたが平均8.2bpの足切り7.5bpとなっていまして平均落札のレートがちゃっかり低下していますな。

期末の所では既に短国とかの需給が逼迫しておりましたが、CPに関してはやや金利が低下して来やがりましたなあという感じでしたけど、こちらに関しては期初になって買入レート一段の低下とかうーんこの目線が変わりやがってという感じですかねえ。まーCPに関しては期末期初なので発行体サイドが発行を圧縮する関係上需給が足元で良いという要因もありますが、こちらに関しては現先とかレポとかのレートの目線が変わると需給が少々緩んでも中々上がりにくくはなるかなという感じで。


ところで昨日は固定金利オペの3か月の方のロールがあったのですが、昨日の結果だけを見ると2190億円と相変わらずの盛大な札割れに見えますが、元々のオペが1月9日にオファーされた1/14〜4/9の固定金利オペでして、この時の落札結果が2121億円でしたから何ということでしょう今回も順調にロールされているではありませんか(某リフォーム番組風に)という中々素敵な展開となっておりまして、何ですかこの固定金利オペの順調なロールは(棒読み)という所でございますが、はてさてこれからどうなるんでしょうかね。

でもって本日は10日に足が来る1年固定オペ(2013年4月15日にオファーした4/17〜4/10の2兆円オファーして15078億円札が入った奴)のロールがある予定になっていますので、はてさてこれがどの位歩留まりしてくれるんでしょうかというのが本日の注目という所ですな。

ちなみに最近はMPMの時は輪番も国債入札(ついでに短国買入も)無いので動く材料が無いですなあなどと言われるようになっているという大変に素晴らしい市場のテイタラクになっていますので、1年オペのロール状況でも確認しますかね(^^)。

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2014/04/07

○オペ関連雑談メモ

金曜のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of140404.htm

国庫短期証券買入 15,000 2014年4月8日
国債買入(残存期間1年以下) 1,100 2014年4月8日
国債買入(残存期間1年超3年以下) 2,500 2014年4月8日
国債買入(残存期間3年超5年以下) 2,500 2014年4月8日

オペ結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba140404.htm

国庫短期証券買入 35,525 15,006 0.005 0.006 52.9
国債買入(残存期間1年以下) 6,007 1,104 0.003 0.005 10.0
国債買入(残存期間1年超3年以下) 11,466 2,501 0.005 0.005 90.8
国債買入(残存期間3年超5年以下) 13,251 2,503 0.005 0.006 93.3

つーことでまず短国買入ですけれども、1.5兆円の打ち込みはまあ恐らく市場の予想通りと思われます。まあ今月に関してはご案内の通りで1年オペのエンドがバカスカ来るのですが、既に先週の2本が(多分衆目の一致する以上に)札を集めるという不思議現象が発生しておりまして(だって3か月とかいつものオペと同じで違うのはエンドの量が多いだけなのですが何故かこっちはロールの歩留まりが良いとな)短国買入をそうホイホイ実施しなくて済むとなっておりまして、当初ビビッていた2兆円連発攻撃とかには今の所なっていないようで何より。

しかしまあ冷静に考えますと、今短国買入を行っても入るのは概ね3か月物になってしまいますから、6月末までの残高には跳ねるにせよ、真に積まないといけないのは年末のMB残高ですからして、まー今ですと年末越えるのは1年短国しかありませんよって、そう考えますと1年TBの入札後の短国買入で1年物がバシッと入って頂くというのが一番ウマーな話でして、何もここで必要もない馬鹿買いをして短国の需給を無駄に逼迫させると本命の買入に支障をきたしますので(つーても結局入札後の引値次第というのもあるが)暫くこんな感じですかね。まあ1年オペロール分の札の入り方を見ながらの展開にはなるんでしょうが。


でまあ輪番の方ですが、金曜は超長期輪番を予想する向きが多かった(1年以下と超長期という予想では無かったかしら)ようで、輪番オファーを見て瞬間アチャーという動きになっておりましたが、まあ瞬間芸に留まったのでそれほどの話でも無かったかも知れませんけれども、まあ何ちゅうか超長期輪番に関しては毎度毎度微妙に物議を醸しますなあという感じですな。

まあ話がややこしくなるのは以前市場局が出した輪番スケジュールの「ようなもの」が昨年の買入ペースをベースにして作っている事でして、長期国債だけで言えば今年は昨年よりもペースを落とさないといけないという状況なのに出した紙を差し替えるでも引っ込めるでもなく継続する所に問題がある訳でして、まああのスケジュールのようなものは建付けとしてはあくまでも「目安」ですし、紙を出しているのは市場局ですから別にディレクティブとかでも何でも無いのですけれども、何もしないで有耶無耶のうちにというのは「市場との対話」という観点ではうーむという所かと。

いやね、短期市場における金融調節だと主要な参加者の頭数も少ないし、資金需給に関しては日銀の方が情報持っていますし、調節の呼吸みたいなのも日銀にしたって参加者にしたってまあ長年の蓄積があるのですけど、どうも債券市場となりますとそもそもが日銀の守備範囲外だったこともあって、相変わらず慣れないですなあというか、だいたい市場の予想を要らん所で外してやらかしになってしまうというのが散見されるのが残念という所なのですが、どうも外野から悪態が飛んでも定期的にやらかしをするのは、まあ何だかんだゆうて本来業務の守備範囲の問題でしょうなあと思うのでした。

つまりですね、以前は債券だけではなくてかつてはGCレポ市場とかCP市場とかでも微妙なやらかしがあったりしました(ってリーマンショック後にレポ金利が恒常的にロンバード水準に張り付いてCP金利も上昇して大変な事になったとかの事案だが、まあ調節担当部署的には当時はコールの金利にディレクティブが掛かっているのでレポやCP市場の金利上昇による金融引き締まりガーでやらかしと言われても調節部署的には困るのであって本来はボードはよ動けやという話になるのだが)ように、どうも日銀様におかれましてはインターバンクに関しては超越神業な天才調節をするんですけど、市場ちゃんの方にももう少しこう何とかならんかねと思うのですけどまあ難しいでしょうかねえ。

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2014/04/04

○市場雑談などなど

・短国3Mが流れるとな

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20140403.htm

(3)募入最低価格 99円98銭7厘5毛 (募入最高利回り)(0.0501%)
(4)募入最低価格における案分比率 10.6809%
(5)募入平均価格 99円98銭8厘4毛 (募入平均利回り)(0.0465%)

ということでついこの前まで玉無芳一でエライコッチャでしたが3MTB入札は足切り5bpまで流れるの巻となっておりました。まあ足元でGCレートが上昇(つーても以前から見たら低いけど)してますし、期末の特殊需要が一巡して用済みになったモノも出てきたっぽいので一旦金利が上昇しましたぞなという事だと思いますが、どうせ今日短国買入でまた吸い上げ攻撃が来るので、GCとかまで含めた場合の需給は若干緩んでいるにせよ短国の方は物がそんなに余る訳でもないでしょうなあとorzではあるのでした。

とは言いましても、とりあえず地獄の黙示録状態のレートは3日ほどで一旦落ち着いてくれましたので一息という所ではあります。


・シグナルオペのロール

昨日のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of140403.htm
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式> 20,000 2014年4月7日 2014年7月18日

こちらのオペですが、昨年4月11日に4/15〜4/7の期間で2兆円オファーされたもののエンド対応となりまして、ちなみにこの日は1年オペ最初に実施した日ですけれども、しつこく2発目の2兆円というのを打ち込んだ方に対応します。

で、前回は謎の4か月オペ8月1日エンドでしたが、今回は3か月ちょっと長いという7月18日エンドとなっていまして、額が大きいオペの期日を分散する為に前回は謎の4か月を打ちましたが、今回は3か月に毛が生えた期間にして結局基本は3か月でロールという話のようですな。

そしてオペ結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba140403.htm
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式>(4月7日スタート分) 15,180 15,180

元のオペが1兆8000億円(元のオペですが朝の一発目は1兆5000に対して札が2兆6310入ったので、午後になって2兆円の追加で追い打ちを掛けたらさすがに札割れしましたという結果)だったので、結構ロールされたという感じでして、正直こりはビックリというかそんなにニーズあるんかいなという感じではありますが、短期オペに関しては昔からの蓄積があるだけに帳尻合わせるの得意でございますなあ(意味深)という所でして、資金供給オペの札読みのそのお力を債券市場との対話に活用して頂きたいと思うのですがそちらの方は輪番オペで色々と市場のオモシロ反応を誘発するという所が何ともアレでございまして、つまり市場と違いまして(内務省検閲)。


ま、それは兎も角として大いに懸念されていたシグナルオペのロールですが、今月7兆からあるシグナルオペの期落ちですけれども1日と3日で3兆円分が都合2兆5000億円ロールされた形になりまして、市場の皆様が当初懸念していたよりはロールの進捗がよくて(半分行けば御の字位のイメージだったと思う)これは短国買入に掛かる負担が減るわというニッコリの展開ではあるのですが、そこで調子に乗って今日の短国買入とかが普通にどどーんと来るのが最近の調節クオリティなので油断はできません(−−)。

つーても1年オペを3か月とかでロールしておりますので、年末のMB目標に対してという意味では(3Mでやるなら)あと2回ロールしないといけなくて、さてその時に札ってどうなんでしょとは思いますが、こうなったら6月の貸出増加支援オペが盛大に伸びることを願って止まないものでありまするという所ですな、うんうん。

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2014/04/02

○またまた市場雑談メモ

・1年固定金利オペが4か月でロールとな

昨日は10年国債入札とか、期初のとりあえず売買益確保の売りが来たと思ったらすかさず買いが入って(ってか入替ですかねえ)盛大に堅調相場とか、長い方も久々に色々と話題があった感じの相場様でございましたが、一方で地味にマニア方面で注目される1年固定金利オペのロールがやって参りました。

オペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of140401.htm
米ドル資金供給 2014年4月3日 2014年4月10日 0.580
米ドル資金供給 2014年4月3日 2014年6月26日 0.580
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式> 15,000 2014年4月3日 2014年8月1日

オファーロットの1兆5000億円というのはこの折り返し元のオペが1兆5000億円でしたので、それに合わせたという事だと思うのですが、この8月1日というエンドを見せられて外野的にはポカーンという感じで「まあ札があるんだろうけどナンジャコリャ」というのが正直な感想。

と申しますのも、ここもとの固定金利オペって普通に3か月のタームでロールされていたので、1年でも3か月でもなく急に4か月というのが来るのが唐突感が思いっ切りあるという所でありまして(8月1日が資金過不足(この場合は余剰)の大きな日だというのならまだ判るのだが、特段資金過不足がデカイ日でも無い筈なのにわざわざ足を置く意味が無い)、見せられたほうとしては先ほどのような????感を持つのでありました。

で、オペ結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba140401.htm
米ドル資金供給(4月10日エンド分) 0 0
米ドル資金供給(6月26日エンド分) 0 0
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式>(4月3日スタート分) 10,430 10,430

まあそんな訳で8月1日エンドってナンジャソラというオペではありましたが、市場ヒアリングでニーズの調査をしたので1兆円もロールされて大勝利という事なのかも知れませんが、どうにも微妙なオペでしたなという感じですわ。

つまりですな、これ1年シグナルオペのロールになるので、1年(1年にすると来年足が集中しちゃうので適当にぶらしても良いのでしょうが)で打つとか、それとも貸出増加支援オペの今後の実行に合わせて足を置く(共通担保を4年固定金利オペに使って下さいね的な意味で)というイメージで6月なり9月なりの足にするとかいうのだと何か意味のありそうな話になったのですが、何ちゅうかこう「とりあえず市場ヒアリングした結果ニーズがありそうなのがこの辺だったのでオファーしました」感が満載で、シグナルオペのロールなんだからもうちょっとメッセージ性のあるオペを実施しても良かったんじゃないのという感じです。

でまあメッセージ無いなら無いで普通に3か月打つ(先ほど申し上げたようにここもとの固定金利オペって普通に3か月のタームで打っているので)とか、3か月近辺で8000億円二本立てで打つとかすれば、「固定金利オペに関しては淡々と実施する」というのが判りますし、一部を二本立ての片方だけ1年にするというのも有りだった気もするのですが、淡々と実施するでもなく、かと言って1年デュレーションの負債を金融機関に作るチャンスを与える訳でもなく、何かまあとりあえず今回はここの落ちにしておけば札が入りそうだからオペを打ちましたというように見えてしまうのはどうにもこうにも。

ま、そういう「見せ方」を工夫している余裕も無いという感じでオペでのMB積み上げが大変になっているというのがあるんでしょうなあとは思うのですが、それが露骨に見えてしまうというのも残念という感じでして、去年とりあえずヤケクソで打ち込んだQQEが何とか1年は運営できたものの、ここへきて最初の時点でフィージビリティーとかをろくすっぽ考えないで突っ込んだ弊害がボロボロと出てきたという感が満艦飾と相成っているのが実にこう味わいの深い物を感じるのでありました。

まあ何ですな、とりあえず今月はオペの足が多いから足をぶらす為にちょっと先のエンドで打って、今日以降(今日は3か月物のロール)のオペの足を適当に分散させる為に少し足を長くしただけとかそういうオチなのかも知れないですが、何にせよ折角市場に対してメッセージを出すチャンスだったので「何が何だかよく判らない」というオペエンドの設定は結果的に札は入っているのですけれども、市場との対話という意味ではセンスがねえなあとは思うのですが、そもそもこの前闇討ちで超長期輪番を減額している時点でセンスが無いのでこういう仕様なんでしょうなあとゆー話で、どうも日銀は(これまでそういうのやっていないからノウハウの蓄積とか無いから仕方ないけど)資金需給読みとかそういうのは超精緻なのですけれども、市場というもうちょっと意味不明な物を相手にするというのが苦手のようですな。

ただまあ苦手ですなとか言って済ませている場合でも無く、QQEでの長期国債馬鹿買いだって何時までも続けられる訳でもなく(というか来年継続とか無理じゃろ)いずれ買入規模の縮小とか、それこそ出口政策とかの話になった場合、ここまで市場にストレス与えているだけに反動も大きい訳でして、その反動で市場が変なことにならないようにというのは日銀にケツが回ってくると思いますのでこの調子で良いんでしょうかという懸念はありますなあ、などとたかが1年オペのロールネタでこれだけ雑談をするアタクシの方が変ですかそうですか。


・GCレートはとりあえずヒャッハー脱却のようで何より

昨日のGCレートはやっとマイナスだのゼロだの1bpだのというヒャッハーレベルから脱却したようで、昨日は先ほども申し上げたようにそこそこ投資家の売買があったようですので、その点からしてもGCの調達サイドのニーズも増えたとは思いますし、期末特殊ニーズも若干軽減されたという所で日中そこそこ動いた模様ですけど、とりあえずゼロだの1だのという素敵な水準じゃなくなった事も影響しているのか超短い所の利付とか短国のBB引値のレートは若干上昇しておりましたな。

つーことで明日から今期の短国入札が始まるので、まあ3bp割れとかいうような入札にはならないで済みそうというのでとりあえず短期市場崩壊の危機は次の四半期末まで先送りされたのかどうか知りませんが、目先直ぐに崩壊はしないで済みそうですなあっはっは。

しかしまあ何ですな、31日に短国買入1兆円というのがありましたが、28日だと末渡しだし1日だと残高の大きい1年固定金利オペのロールにぶつかるし、今日だと入札前日ということでまあ31日に短国買入を打ち込んだという話(明日は入札)だとは思うのですけれども、その辺りも何というかもう末初で需給厳しい中でも短国買入いれざるを得ないとかいう奴で、先ほど申しあげたオペの必死感が出ているようで何ともアレという所ですの。

とか何とか言ってるうちに明日の短国入札で3bp割れじゃなくて良かったですねとか言ってたらやっぱり短国買入2兆円とか打ち込まれると結局短国の需給は締まったままになってしまいそうな気もしますので、全然安心できんっつーか短国金利5bp割れた状態が恒常化すると他の金利に波及するぞなもし(というか既に波及してるんだが)というお話で、とりあえずゼロだのマイナスだののヒャッハーな短期市場焼け野原にはなっていないものの、誰得低位金利恒常化状態になってしまうというリスクは別に消えている訳では無いでしょうなあという残念な市場雑談メモなのでありました。

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2014/04/01

○市場(といっても短い方)メモ雑談を少々

・TKRRはプラスに戻りましたが・・・・・・

東京レポレート
http://www.jsda.or.jp/shiryo/toukei/trr/index.html

31日の数値ですが、翌日物のT+0が0.004%でT+1が0.001%という事でまあとりあえずプラスの数値にはなりましたが、つーてまあ普通のレートに戻っているのかというと0.1bpとかの世界ですし、何せ期末期初の関係で実弾の売りでも出ない限り短国の発行日までは需給に変化無し子ちゃんという事になります(つーか実弾売り出ていると思われる側から短国買入で盛大に吸い上げが行われていたのだが)ので、一応0.1bpとかになっていますがGCニーズはまだまだあるようでございましてこんな感じのレート推移が続きそう(まあ入札で改善するとは思うけれども)だわで、当たり前ですが短国のアウトライトのレートもアガランチ会長だわ(さすがに末渡しの時みたいに全部2bpとかいう事は無いようだが)という状況ですので、色々と波及しそうですなあという所で。

つーかまあ昨年も期末期初の所で現先とかレポとか逼迫して(昨年の場合は4月に実施されると見られていた大規模緩和の時に間違って利下げされると困るということで短国のレートが馬鹿下がりして玉が逼迫した面が大きいので今年とは話が違うが起きた現象は同じ)コールとかの金利の位置が結局変わってしまいましたなあというのがございましたが、期末期初の度にこれやられたら勘弁という所でありまして、まあ何と申しますか厳しいですなあ。


・今日から1年オペの期落ち祭りが開催されますよ!!!

昨日のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of140331.htm
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式> 8,000 2014年4月2日 2014年7月7日
国債補完供給(国債売現先)・即日(注3) 2,000 2014年3月31日 2014年4月1日

オペ結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba140331.htm
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式>(4月2日スタート分) 1,630 1,630
国債補完供給(国債売現先)・即日(注4) 4 4 -0.400 -0.400

ということで今回の固定金利オペですけれども、元が3200億円実施されていた3か月固定金利オペの折り返しになりまして、きっちり半分だけロールされましたですかそうですかというか、半分くらいはロールされるんだほほーという所ではあります。まあロットが少ないっすからこんなもんかもしれないけど。

でまあ今月期落ちの来る3Mの固定金利オペは受渡で明日落ちの3200億円が一番ロットがでかい筈で、大体2000億円とか3000億円とかのロットですから恐らくこんな感じで半分程度の歩留まりという感じになるのかねとは把握しましたが、問題は今月期日が続々到来する1年固定金利オペの方がどうなるかという話。

早速4月3日の期落ちで1年物のうち4月12日(最初に固定金利1年物を突っ込んだのは11日ね)にオファーした(オファー額は15000億円)の期落ちが13470億円やって参りまして、さて今日はこのオペの折り返しどうするんでしょうかねえという話。

普通にいつもの3か月オペ固定金利で8000億円オファーとかしますとそもそもがロールに対してショートになる(2本立てにすれば別だが)訳ですし、まーそれ以前の問題としてこれ1年固定だったらニーズがあるんじゃネーノという気はするがその辺は期落ちの来る人たちに直接聞かないとワカランチ会長なのでよー知らんですけど、まあいずれにせよどういうオペの打ち方になってどれだけロールされるのかは注目という所ですな。つーかこのオペがバカスカ落ちると短国買入にまた皺寄せががががという話になるんですけど(ちなみに4月が大体7兆円、5月が大体3兆円の落ちがあったりします)。

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