相場見通しのつもりだが・・・たぶん後講釈(2012年04月〜2012年09月)

(本当は債券市場の話をすべきなのですが、多分短期が中心になります)

こちらはあまり当らない相場見通しやら相場後講釈やらを書いております。一応債券だけどもマネーマーケットに限りなく近い範囲をカバーしつつも、昔取ったなんとやらで債券市場のお話も。まあどっちにしても板に張り付いている訳ではないのでピンボケになる場合もありそうです。その節はご指摘を。

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2012/09/28「基金国債買入の年限区分撤廃/期末で短国が堅調」
2012/09/24「当座預金残高が7月2日のピークを超える/基金国債の償還スケジュール確認」
2012/09/13「久々に色々と市場雑談である」
2012/09/05「すっかり皆さん話題にしないマネタリーベースで悪態/その他少々」
2012/09/04「輪番オペで償還銘柄の打ち込みが久々に」
2012/09/03「特例公債法案成立困難で交付税の支払い繰り延べ→資金供給オペ実施とな」
2012/08/31「3MTB入札と2年入札と4M固定金利オペの結果が微妙にちぐはぐ」
2012/08/29「オペ運営は相変わらず微妙/先週の超長期国債入札は投資家の売りとどこぞのインチキレポートがセットで何か作った相場のような雰囲気が」
2012/08/24「基金国債買入は札割れせず/固定金利オペの残高が減らない件/米国の追加緩和期待とな」
2012/08/22「基金短国買入はオファーを8000→6000に減額」
2012/08/21「引き続きオペ雑談」
2012/08/20「基金国債買入オペが見送り中/0.86%まで金利上昇後に金利低下」
2012/08/17「5年カレントが0.24%に上昇!」
2012/08/16「5年が0.20%超えとな」
2012/08/15「日銀保有長期国債が銀行券を上回る/基金短国買入が増額」
2012/08/14「2か月TB入札は平均も0.10%乗せ」
2012/08/09「3党合意の合意キタコレでほっと一息/2年カレントに投資家の売り」
2012/08/03「3か月TBが2年とインバート」
2012/08/02「基金国債買入が1〜2年、2〜3年共に大幅札割れ!」
2012/08/01「2年国債入札が0.10%をしっかり割ってしまう強い結果に!」
2012/07/31「6か月固定オペはやっぱり札が入らない/基金短国買入は順調消化」
2012/07/25「欧米金利最低更新中/2年以内の基金国債買入微妙にアレなぴたり入札」
2012/07/24「2か月入札は穏当な結果に/欧州マイナス金利雑考メモ」
2012/07/23「ユーロまた炎上/6か月オペを打つのも大概にした方が/謎の輪番結果/LIBOR関連」
2012/07/19「輪番オペと基金国債買入の1年以内でマイナス金利応札が可能に」
2012/07/10「ECB利下げで金先堅調/3か月オペのロールが連発で6か月」
2012/06/29「3か月オペを2回連続で6か月でロールしたと思ったら今度は3か月オペを新規に」
2012/06/27「基金オペの打ち方がどんどんヤケクソ拡大しているのもさすがにどうかと思います」
2012/06/26「日銀当座預金残高がついに43兆円台に突入へ」
2012/06/25「3か月固定オペのロールを6か月で行うとか小細工にも程がありますが」
2012/06/20「ヤケクソの固定オペ連日の新規オファー」
2012/06/19「基金オペのオファー色々いじり過ぎですな^^」
2012/06/15「3か月TB入札が堅調になってきました」
2012/06/13「基金短国買入を減額オファーする涙ぐましい努力」
2012/06/12「固定金利オペの札割れはまだ続きます」
2012/06/08「3か月オペは2日連続で札割れ/3か月TB入札は応札ついに100兆円越え」
2012/06/07「グローバルにクレクレモード/3か月固定オペも札割れ」
2012/06/06「相変わらずのクレクレ相場のようですな(ただし債券以外)」
2012/06/04「グローバルに債券市場がアレ/6か月オペが札割れ」
2012/05/30「2年国債入札で前代未聞の事務ミスによる入札やり直し」
2012/05/28「基金国債買入の割り振り変更/スペインは燃えているか」
2012/05/25「輪番オペで物価連動と変動利付を1200億円振替」
2012/05/24「決定会合現状維持で何を期待していたのか円高進行」
2012/05/23「武者先生満を持してギリシャ大丈夫のお告げ/格下げキタコレ/短国入札など」
2012/05/21「金曜もオペ札割れ大会続き輪番が札割れとな」
2012/05/17「付利下げ観測記事(ただの与太記事だが)を見て基金国債買入が何と札割れ」
2012/05/16「社債オペは特定銘柄の応札殺到&短国オペは札割れせず」
2012/05/11「短国入札は0.10%割れが続くので基金短国買入の札が入りませんなあ」
2012/05/09「基金オペ札割れ大会キタコレ」
2012/05/02「基金国債買入の2年と3年の配分が微妙にしょぼい件について」
2012/04/27「お縄ショックならず」
2012/04/24「決定会合前に先物高値更新とな」
2012/04/13「固定金利オペの見直しが必要ではないかと」
2012/04/12「今月は輪番オペが月前半でもう3回実施」
2012/04/11「現状維持だった決定会合および総裁会見の市場の反応」
2012/04/10「オペ関連雑談を少々(社債オペ札割れとか固定金利オペとか)」
2012/04/05「期初の買いが短期も長期も」
2012/04/03「国債決済期間短縮に伴うオペのオファー時刻変更」

2012/09/28

○基金国債買入の対象年限分けを撤廃

こんなん出ました。
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2012/rel120927a.pdf
資産買入等基金による国債買入の当面の運営について

『同国債買入については、本年4月27日付「資産買入等基金の国債買入・社債等買入の当面の運営について」により、これまで、買入対象銘柄を「残存期間1年以上2年以下」と「残存期間2年超3年以下」に区分して入札を行ってきましたが、今後は、残存期間による区分を行わず、買入対象銘柄を「残存期間1年以上3年以下」として入札を行うことがあります。』

ということで、先般基金国債買入の応札下限金利を撤廃しましたが、その後に基金国債買入を実施したら落札金利が逆イールドになっちゃいましたなという現象もございますし、まあその前から手前が札割れして後ろが按分とか、逆に手前にどどんと札が入っているのに後ろが札割れとか起きて、まあ毎度毎度入札オファーをする金融市場局の調節担当部署も需給動向ヒアリングするのも大変ですがなという感じでございました。市場金利に関しても既に3年までは実質0.10%割れ状態(買いに行けば10割れで売りに行くと10)とゆーのが続いておりましたので、まあこれはそのような市場状況を追認したというのと、オペレーションをやりやすくしました、という所でしょう。

今回の措置に関しては上記URL先にありますように「金融市場局」名で出ておりますので、建付けとしては「金融政策としての何らかの政策的意図はございません」という事になります(何らかの政策的な意図を持ってアナウンスしたい時には決定会合での議決事項に持って行く)ので、これ自体は特段の政策的な意味合いは無いという事になりますが、市場的に言えば3年以内の国債金利形成の部分で、2年と2年超の所での需給の差(=新発国債が出る分)に伴う逆イールドチックな動きが無くなり、まあこの期間の利回り形成がスムーズになる、というと格好いいですけれども、要するに横一線になるということですな(^^)。

とか何とか考えますと、昨日の2年新発が0.10%一本値入札(なお一本値ではありますが電波発信装置のドクターZ先生にお断りしますがどう見ても日銀のご指導とかございませんので念の為^^)で按分が9%強となりまして、先月よりやや弱めの入札になった(先月は平均が0.10%割れで足切り100円の按分が5%でした)のですが、この銘柄が買入対象になって(発行日が来月15日なのでまだ対象にならない)以降は0.10%をちょっと切った辺りでこの銘柄が捌けて、その間は他の銘柄もまあその辺の金利に収斂する、とかまあそんな感じになるんでしょうかね、よー判らんけど(もうちょっと詳しく話をすると、当然ながら対顧客でショートセール対応をしたりするとカバーニーズが発生するので、その分だけ金利が下がりやすくなるので新発債よりもそれ以外の方が多分実力ベースの金利は低くなると思う)。

ま、今さらいう話でも無いですが、基金国債買入自体は来年の末まで継続するのが確定している(そらまあ状況が激変して物価でも物凄い勢いで上昇すれば別ですが)という大変に素敵な状態になっておりますので、どう見ても来年の秋口位まではこの調子の金利形成になるんでしょうなあ、とほほのほ。


○その他市場雑談

といっても短国とかGCとかの話ですが^^;

昨日の3か月TB入札
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20120927.htm

(3)募入最低価格 99円97銭2厘5毛
(募入最高利回り) (0.0994%)

(4)募入最低価格に 15.3673%
   おける案分比率

(5)募入平均価格 99円97銭2厘6毛
(募入平均利回り) (0.0990%)


ちなみに前回の3MTBの結果はこちら
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20120920.htm

(3)募入最低価格 99円97銭5厘0毛
(募入最高利回り) (0.0992%)

(4)募入最低価格に 6.1397%
   おける案分比率

(5)募入平均価格 99円97銭5厘2毛
(募入平均利回り)(0.0984%)

直近3回(3週間)の3MTB入札では足切りが0.10%割れとなっておりまして(それまでは足切りが0.10%に乗っておりました)、まあ今回も足切りは0.10%割れとなっております。

足元では期末要因というのがあるのと、20日の国債大量償還の資金が当座預金残高水準に見られるように余っているということで、短期国債に資金潰しのニーズが絶賛到来の図となっておりまして、短国対象となるタームの現先レートとか全力で低下しておりますし、まあ短国に関しても在庫が減りましたぞなという状態。今回の3MTBに関しては発行日が期末越えになる(来週月曜)のですが、まあ若干平均が安くなった(今回の3MTBからは年末をまたぐ関係で13週間物では無くて14週間物で出てくるので価格で単純比較できません)かも程度しか変化も無く、引き続き堅調という形に。

まあタームの短国現先ニーズの強さとか見てますと、どう見ても待機資金です本当にありがとうございましたという風情を醸し出している所ではございまして、タームじゃない現先レートに関しても今回は期末接近のタイミングで瞬間的にはニーズありありの結果モノナシ状態になって急速に低下した(その後末初の所では戻りましたが)りしてまして、GCに関してはまあ相変わらず0.10%で張り付き状態で、0.10%割れでも買わざるを得ない人の買いで10を割るものの、持続的にどんどん下がる訳では無いという所のようで、まあ引き続きGCや現先市場でのレートは低い状況ですし、短国などのニーズは強いという短期市場銭ウナール状態は続くのでございました。つーかこれから日銀の買入残高増えるともっと銭が唸るのですけれども。

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2012/09/24

ということで(どういうことだ)各種市場雑談ネタでありますが、MPMネタとかその前のFOMCネタとかでバタバタしておりましたが、スルーしておりました市場雑談ネタを少々。

○当座預金残高が7月2日のピークを上回るようです

金曜の当座預金残高
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/jx120921.htm

>当座預金残高 437,400

今日の当座預金残高見込
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/jp120924.htm

>当座預金増減 +5,400

ということで、9月20日の四半期恒例国債大量償還の巻の影響によりまして、当座預金残高は絶賛増加中で、現在の見込み段階では今日の当座預金残高は442800億円となる予定でございまして、既往ピークの7月2日(これも6月20日の国債大量償還の余波による)の当座預金残高440500億円を上回る予定となっております。

・・・・・・・・・でまあそれはどうでも良いのですが、当座預金残高が減って日銀の引き締めで円高ガーとか言ってた人たち出てきやがれゴルァと思うのですが、すっかり話題にならんとは何たる事ぞと思って悪態がてら書いただけである。

まあ当座預金残高が積みあがっているから金利がクソ低下するのかと言われますと必ずしもそういう訳では無く、短国の入札はまあ強めで推移していますがGCレートがどどーんと下がるという話でも無いですがなという所。そもそも当座預金残高の拡大は日銀の資産買入の拡大が背景としてあるので、これからも買入残高が拡大する中ではまー普通に当座預金残高が拡大していくのですが、拡大している時はだんまりでその前に震災の影響による前年比縮小の時だけ大騒ぎとかどんだけ悪意を持った人たちだよという所で、どこぞの夕刊紙で電波浴シリーズを垂れ流しているウォッチマンとかもそうですが、それより本職の何とかストで本件のネタを大騒ぎしていた以下悪態。


○物は試しに基金国債買入ペースを計算してみたお

8月末時点の営業毎旬報告
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/acmai/release/2012/ac120831.htm/

8月末時点の日銀保有国債銘柄別残高
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/mei/release/2012/mei1208.pdf

営業毎旬報告を見ますと基金国債残高が15兆7099億円となっておりまして、まあここから年末までに24兆円、来年6月末までに29兆円、来年末までに34兆円の残高に持って行くという計算になるのですが、一方で既往の購入分の償還分の買入も実施しないといけない(目標は買入額ではなくて残高だから)ので、それを計算しようとすると上記保有銘柄別残高を確認する必要がございますな。

ということで、あたくし上記の保有銘柄別残高に対して各銘柄の償還確認して電卓(汗)で手計算した結果(でございまして、一応検算したつもりなのですが間違っていたらスイマセン)以下のような結果に。(縦長ですいません)

2012/12までに償還するもの

2年債(296-299)3723億円
5年債(68-69)448億円
10年債(244-245)800億円

合計:4971億円

2013/06までに償還するもの

2年債(300-305)8672億円
5年債(70-74)2497億円
10年債(247-252)1360億円
20年債(24)138億円

合計:12667億円

2013/12までに償還するもの

2年債(306-311)33186億円
5年債(75-80)1469億円
10年債(253-257)4711億円

合計:39366億円

2014/06までに償還するもの

2年債(312-317)65584億円
5年債(81-84)10088億円
10年債(258-262)559億円

合計:76231億円


つーことで、実は後に来ると償還が何気にドカドカ来るので、たとえば基金残高の期間をあと半年延長しようものなら、残高維持であっても既に現時点で償還見合いで半年で7兆6200億円(これ額面ベースで、実際の買入残高ガーの話は時価ベースになると思うので多少のブレはありますけれども、まあ今の所は2年債中心なのでそんなに派手にはぶれないとは思います)あるという大変に素敵な状態で、その上これから買う分だって普通に残存1年〜2年を買ったら残高が積みあがる可能性はある(まあ基本的にカレント近辺が多いとは思いますが、カレント買ってから暫くして打ち込む投資家もいるでしょうからまだこのゾーンの買い残高が増える余地はあるでしょう)のですから、まあ中々残高維持だけでも大変というお洒落な話に。

で、肝心の手前に関してですが、9月渡での基金国債買入は先週末までの時点で3本あって、それぞれ2508+4000億円、3425+4000億円、7000+3001億円の買入となっていますので、合計しますと23934億円になりまして、只今基金国債買入残高が(アタクシの計算が間違っていなければ)18兆1000億円の所まで確定している、という事になります。

んでもって償還が上記の通りですので、年末までには24兆円−18.1兆円+5000億円(償還分)ということで、あと6.4兆円の積み上げが必要となりますので、これを残り3か月で割ると月に2.2兆円弱の購入が必要と。

んでもって来年6月末までにはこれに5兆円の残高積み上げを行うのですが、償還が上記のように1.3兆円ありますので、半年で6.3兆円の積み上げが必要で月割りすると月1.1兆円弱の購入が必要ですの。

同様に来年の年末までには5兆円積み上げ+3.9兆円の償還対応がありますので、これを月割りすると月1.5兆円弱の購入が必要になるという事で、何気に今回の基金積み上げは来年の前半よりも後半の方が買入ペースが拡大するというオサレな結果になっておりますの。

なお、2014年6月末までの買入残高維持という話になると、この半年は償還対応だけで7.6兆円の積み上げが必要ですのでそれだけで月に1.3兆円弱の購入が必要となりますぞなもしという所です。


・・・・・・・・・・・とまあそんなものはどうせどこかの本職の方がレポート書いている筈なので皆様先刻合点承知の助だとは存じますが、まあ一応あたくし自力で計算してみたのでドヤ顔でご報告という話ですが(と言いつつこれで計算ミスしてたらアホス)、この数字を見ますと次の追加緩和(10月末の会合では展望レポートで中長期的な見通しおよび中長期的な物価安定の目途に対する見通しを示すのですが、まあどう見ても中長期的な物価安定の目途の達成が遅れるのは見え見えですからして、政策ロジックとしてはそこで何らかの追加緩和が行われるでしょという話になりますぞな)では来年前半の国債買入をあと5兆円積む(だけだとしょぼいので短国買入を5兆円追加がセット)のが一番据わりが良いという話になりますな。ほとんど絵合わせパズルの世界ですが。

また、この償還スケジュールを見ておりますと買入基金の期間延長を行った場合、残高の積み上げを行ってしまうと買入が相当のペースで実施しないと回らなくなるという中々アレな事態になりますなあ実務的にそれ大丈夫かという話になりますぞな。

まあいずれにしましても、基金買入に関しては物価安定の目途達成が展望レポートの見通し期間内になる辺りになるまでは最低でも続けないといけませんでしょうし、それに加えまして、そもそも1%の目途が達成できればそれで良いかというと必ずしもそうではなく、本来的に言えば欧米並みの2%を目指すもんでしょう(いきなり2%とか言うと余りにも遠すぎるという観点から1%として置いている、という説明はさすがの麿様でも仰っていますがな)とか何とかまあそういう話になれば残高維持しましょうとかいう話になってもおかしくは無いとか考えますと、何か短い所に関しては延々と日銀様絶賛お買い上げモードが続くのではないかとオソロシスなお話。


○基金国債買入の逆イールドとな

買入下限金利撤廃後の最初の基金国債買入が木曜なので、本来はこれも先週ネタにするべきものだったのですがすいませんすいません。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba120920.htm

国債買入(資産買入等基金)(残存期間1年以上2年以下) 23,331 7,000 0.100 0.100
国債買入(資産買入等基金)(残存期間2年超3年以下) 8,172 3,001 0.096 0.100 9.9

・・・・・・・・・ということで、2年超3年以下の方が買入予定額3000億円と少なかったのですけれども、こちらの買入は平均こそ0.100%ですけれども足切りはきっちり0.096%となって、一方の1年以上2年以下の方が0.100%足切りだったので貫録のレート逆転となったのですが、こらまあ2年の所は2年国債の発行がある分だけ需給が違いますからある意味こういう事案になってもシャーナイナイなのですが、買入の逆イールドが定着しちゃうのも何だか思いっきり「日銀の買入によって市場の需給を必要以上に歪めている」というような話になりゃーせんですかのという気はするのですけど、じゃあ買入の割り振りをどうするかとゆーのもこれまた難しく、調節担当部署におかれましては買入下限金利撤廃で積み上げの方はまあ行くにしても今度は「市場の需給を必要以上に歪める」的な部分でのお悩みが発生と言ったところで、誠に同情の念に堪えない所でございます。

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2012/09/13

○とは言っても足元のネメモもしておく(ただの備忘録)

・ドイツ憲法裁判所

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE88B05C20120912
ドイツ憲法裁が条件付きでESM批准を承認、市場好感
2012年 09月 13日 04:06 JST

プライスアクションを見ますと、最初「条件付き」という方に引っかかったのかユーロが瞬間売られたのですが、条件そのものがあまり無茶なものでもなかったということだと思うのですが(ドイツの負担が1900億ユーロ上限云々の条件)、瞬間だけ売られたユーロはその後反発し、ドイツ国債は長期も売られましたが中短期も売られて(2年とか出た直後にそれまでの0.04%レベルから0.06%レベルに金利上昇していましたな、その後は知らんが)という中々素敵な展開。

ちょっとソースを拾ってこれなかったのですが、昨日は日中にスペインが欧州安定化基金に支援要請する方向で云々というのが出て債券先物とか下がったりしておりましたが、まあ欧州に関しては流れを見て反応するしかないですわなという所ですが、とりあえずまあ常識的な線で落ち着く方向になっているのは誠に結構な展開ではないかと。

つーてもどうせまた有権者ガーとか言い出して話がややこしくなるんでしょうけれどもね。


・今日は入札2本とな

本日は20年と3か月TBの入札で、まあ普通は20年国債入札の話をするのですが、ここでマニアのあたくしは3か月TBの入札の雑談をする次第。

ここもと新発3か月TBの入札って足切りは0.10%台なのですが、按分は1%入るか入らないかという流れになっております上に、平均落札価格の方が札ベースで0.10%台の1つ上の所になっていて、メインの札が明らかに0.09%台に入るというのが連続しております。足元ではGCレートが0.10%ビットで余剰資金が列をなして並んでいる上に、20日には四半期定例の国債絶賛大量償還があるとゆー事でまあ足元資金の余剰感高まるの巻。

おまけに短期市場的にはCPという運用ツールもあるのですけれども、こちらの方は最近の絶賛格下げ攻撃によって色々と持ちにくい銘柄が増えてきて、格下げ食らった銘柄とか格下げ懸念の高そうな銘柄とかのレートが微妙に上昇ということで、余剰資金がうじゃうじゃあるという中でクレジット物に関しては選別化の動きが目に着くという状況。

まあつまり金は余るわクレジットに関しては選別色が強まるわという流れの中で、短期方面では国債や高格付け安心感銘柄(電力以外の公益系とかのCPが典型)にはニーズが更に高まるという流れになっておりまして、さらに20日から金がどどーんと余るというのが見え見えという展開になっておりますので、本日の3か月TBは発行日が18日になるのですが、これはまあ20日渡しの買いを睨んで在庫確保もしたいでしょうし、もとより金が余っている人が更に余るという事で買う動きもあるでしょうしとか思うと、まあ落札がどの水準になるのかというのと、落札分布どうなるのかはマニア的に注目しております。一方で欧州の金利コンバージョンの動きがドイツの2年国債のマイナス金利解消とかに作用していて、そっち方面からのニーズがどのくらい落ちるものなのかというのもあって、その辺りのニーズをどう踏まえた動きになるのでしょうかねえとかまあ長い所からみたらどうでも良い誤差かもしれませんが、色々とインプリケーションがありそうな無さそうな入札ではございます、というメモなのでございました(^^)。

#しかし昨日の某社の20年単買い推奨レポートの根拠がどう見ても「20年が安い」じゃなくて「10年が高い」にしかなっていないのはアレなクオリティですな

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2012/09/05

・そういえば今月もマネタリーベースは・・・・・

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/mb/base1208.pdf
マネタリーベース(2012年8月)

えーっと、震災の危機対応による大量資金供給の影響が剥落してきたら順調に前年対比のマネタリーベースは拡大しているのですが、今年の3月や4月にマネタリーベースが減ったから日銀が金融引き締めしていて円高ガーとか抜かしていた本職の皆様が護国寺方面とか溜池山王方面にいたような気が思いっきり致しますが、おまえらちょっとこれについてコメントしろやゴルァとしか申し上げようがございませんな(-_-メ)。


・社債オペとか営業毎旬報告とか

これは先週末のネタですが(汗)
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2012/rel120831b.pdf
CP・社債等買入(資産買入等基金)オペレーションのオファー日程について

『オファー日等については、今後も決定の都度、公表する予定です。なお、社債等買入オペの9月オファー分のオファー金額については、2,000億円から2,500億円に変更しています。』

ほほうと思って営業毎旬報告を確認する訳で。

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/acmai/release/2012/ac120831.htm/
営業毎旬報告(平成24年8月31日現在)

下の方にある別表2の「資産買入等の基金」の内訳に基金オペの買入残高明細があるのだが、社債に関しては2,577,295,279千円、と書くと書いてる本人も一瞬なんだかワカランチ会長になる(どうせなら円単位で書いてもらった方が見た瞬間わかるぞなもし)のですが、よーするに2.57兆円の買入残高という数値。

ご案内の通り買入の目標額が年末基準で2.9兆円ですので、単純計算すると残り3300億円買えばオッケーという話ですが、基金社債買入に関しては既に買入をした銘柄の償還も始まっていますので、まあその辺も加味してオファー金額を拡大しましたという話なのでしょうかねという所ですが、償還スケジュールがワカランチ会長なので11月と12月に買入どうしますねんというのはワカランチ会長ではございますな。うんうん。

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2012/09/04

・輪番ェ・・・・・・

昨日は輪番

オファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of120903.htm
国債買入(残存期間1年以下) 3,100 2012年9月5日
国債買入(残存期間1年超10年以下) 2,500 2012年9月5日

結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba120903.htm
国債買入(残存期間1年以下) 8,316 3,101 0.031 0.038 83.4
国債買入(残存期間1年超10年以下) 9,894 2,503 0.002 0.003 36.6

うむ、短い方が妙に甘い気がするが、これは懐かしの償還銘柄打ち込み攻撃ですかの???

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2012/09/03

○特例公債法案の遅れで早速色々と

ご案内の通り29日に野田首相の問責決議案が参議院で可決して今国会は事実上終了となった事から、衆議院では通過した特例公債法案は店晒しになったのですが、早速金曜の閣議終了後に安住財務大臣が会見を。

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M9LJB007SXKX01.html
財務相:全経費で予算執行抑制、交付税延期も−財源法案不成立なら

『8月31日(ブルームバーグ):安住淳財務相は31日午前の閣議後会見で、赤字国債発行の裏付けとなる特例公債法案が今国会で不成立の場合に備えた、9月以降の予算執行の抑制策を公表した。基本的に全経費を対象とし、同月初旬に予定される4兆円規模の地方交付税の交付も延期となる可能性がある。政府は9月8日の会期末までの国会状況をみて最終判断する。同法案の不成立で執行が抑制されると、初めてのケースとなる。』(上記URLより、以下同様)

ということで、会見でまあ色々と話があったのですが、インターバンク的にあちゃーとなったのはこちらの部分でございました。

『地方交付税については地方自治体の円滑な財政運営に十分配慮して検討するとしながらも、「現時点で、法案が成立していないため、通例の9月初旬の交付は現実的には延期をすることになる」と言明。庁費や旅費などの政府部内の行政経費は毎月予算額の50%以下に抑制するほか、3カ月ごとに支払われる独立行政法人・国立大学法人向け支出も50%以上を留保する方針だ。』

独法の経費とかはまあ関係者におかれましてはエライコッチャでございますが、短期金融市場的には何なのですが、それはそれとして地方交付税の所が問題でございまして、「通例の9月初旬の交付は現実的には延期をすることになる」ってあーたそれ翌週火曜日の9月4日予定のブツでございまして、その額が大体1.4兆円位想定されていましたので、T+2でいきなり資金繰りが1.4兆円下振れしますぞなもしという大変にお洒落な事態。

ちなみに、短国に関しては、

『今年度予算で20兆円枠が確保されている財務省証券を発行して補てんする可能性については「一時的な資金繰りの手段で歳出の財源ではない」と否定した。』

とのことで増発はしないという話のようですが、とりあえずそれよりも目先の資金繰りでございますがなという事で、T+2の所で資金ニーズが急に来たのでここぞとばかりに日銀はこんなオペを実施。


先週金曜のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of120831.htm

国債買入(資産買入等基金)(残存期間1年以上2年以下) 4,000 2012年9月4日
国債買入(資産買入等基金)(残存期間2年超3年以下) 4,000 2012年9月4日
共通担保資金供給(資産買入等基金) 8,000 2012年9月4日 2012年10月15日
共通担保資金供給(資産買入等基金) 16,000 2012年9月4日 2013年1月15日


オペ結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba120831.htm

国債買入(資産買入等基金)(残存期間1年以上2年以下) 2,508 2,508 0.000 0.000
国債買入(資産買入等基金)(残存期間2年超3年以下) 4,465 4,000 0.001 0.002
共通担保資金供給(資産買入等基金)(10月15日エンド分) 21,990 8,011 36.4
共通担保資金供給(資産買入等基金)(1月15日エンド分) 10,725 10,725

午前中の基金国債買入に関しては今回合計8000億円のオファーとなりまして、今月オファーした過去3回の7000億円(いずれも5000+2000)から増額してきたのですけれども、前回2〜3年の方が札がそこそこ入っていた事を勘案したのか、今回は2〜3年の札を2000億から4000億円にした所、1〜2年は盛大に札割れして2〜3年の方は4000億分きっちり入ったという事で、まあ今月のMPMは第3週(18〜19日)ですのであと2回基金国債買入が入る可能性がありますが、札割れ対策の為の応札下限金利撤廃を9月MPMで実施するのかどうかはこの応札状況を見ていると極めて微妙ではございますな。

まあどうせどこかで厳しくなると思いますので、変にギリギリになってバタバタするよりは次回MPMでちゃっちゃと応札下限金利撤廃すれば良いと思うのですけどねえ。

という話は比較的どうでも良い(良くは無いが)のですが、金曜のオモシロオペは何と言いましても基金共通担保オペの2本立て実施でございます。

もともと4日には3か月オペの期落ちが8175億円ありまして、3か月オペをロールするでしょうなあというのはあったのですが、このオペのロールが何と1か月物でのオファー。まあ前から1か月物とかの方が担保繰りに柔軟性が持てるから世間的にはそっちの方がニーズがあるという事ですがなというのは以前から申し上げておりました(つーかあたくしが申すまでも無くヒアリングでそういう声が多く聞こえていると存じますけど^^)が、まあやっとマーケットフレンドリーというか「市場のニーズに柔軟に対応」という固定金利オペの枠組み見直しの当初に話をしていた通りの事が出来ましたですかそうですかという所でこれはまあマーケットフレンドリー。

でですな、もう一本の方が何ともアレなオペでございまして(^^)、急に資金不足が来たのでというプレイになった市場に対して、その不測の不足日(駄洒落では無い^^)に向けて新規で資金供給をオファーするというのは不測の事態に対する迅速な対応ではあるのですけれども、そこに向けて打ち込んでくるオペが「新規で4か月物の固定金利オペ」という所が何とも味わいのある所です。

もうね、こういう所で「ほーれほれ、資金だよ資金♪」と言いつつ新規で出してくるのが短いオペじゃなくて年末越えのクソ長い資金という所が、市場の足元を見たっつーか何つーかという所で、そらまあ資金繰りのブレに対して放置プレイされたらもっと困りますからこれはこれで「臨機応変の対応」である事は間違いないのですし、財政要因の下振れ予定額の1兆4千億円を上回る1兆6千億円でのオファー(単に8000億円の整数倍で打ってきただけのような気もしますが細けぇこたぁ気にすんなYO!)というのは量的にも十分な額のオファーという事で、そーゆー意味ではこれまたマーケットに配慮しているようではあるのですが、この場面で積み上げておきたい固定金利オペの残高を稼ごうという所が、現金持って在庫買いたたくバッタ屋のオッサンみたいな風情を醸し出しておりまして誠に味わいの深い(深くないですかそうですか)ものを感じる所ではございます。

#まあ上記のように一方で1Mのオペも打っている辺りが飴と鞭とでも申しますか

で、そのオペの結果は上記引用の通りで、1か月物固定金利オペには何と2.2兆円近い渾身の応札が入りまして、やはり短いタームのオペの方がニーズがある(ちなみに短期市場以外の人向けに話をしますと、別に常に短い方がニーズがある訳ではありませんで、偶々現在の市場環境としては同じ固定金利の資金供給だったら長いものよりも短いものの方がニーズがあるというだけの話ですので、あまり一般化して考えないように)というのが明確になったのと、4Mものと言えどもやはりT+2で急に財政下振れが来たのでに対しては札が入りますなあというのが判明した、とまあそんな所でしょう。

てなわけで、特例公債法案絡みで急にまた来やがったなという感じではありますが、何となく今回のあずみんの会見はわざわざ騒ぎを大きくして「野党のボケアホカスが協力しねえから色々と悪影響が出るんじゃヴォケ」と政治的にアピろうとしている風情も感じる次第ではありますが、しかしまあ政府支出の一部が止まるだけでは無く、地方交付税交付金の支払いが止まりますと地方行政機関の業務執行にも影響が出て来るとかいう話になるでしょうし、支払いが暫く止まるとなると、まー普通にその間ってあちこちで資金繰りを保守的にしましょうとかいう話になるので、政府および地方公共団体からの財政関連支出が景気に対して影響を与える(もちろん悪い方に)という図も考えられる訳でして、何だかなあという感じがする金曜のひとときなのでございました。

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2012/08/31

○毎度の短期市場方面の市場雑談メモ

・3か月短国入札

昨日の3MTBの落札結果
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul240830.htm

5.価格競争入札について
(1)応募額 124兆4,317億円
(2)募入決定額 5兆3,394億7,000万円
(3)募入最低価格 99円97銭5厘0毛
(募入最高利回り)(0.1002%)
(4)募入最低価格における案分比率 0.4855%
(5)募入平均価格 99円97銭5厘5毛
(募入平均利回り )(0.0982%)

ということですが、前回は平均が99.9752円(0.0994%)で足切りでの按分比率が3.3246%だったのですが、今回は平均がいきなり0.03銭(3毛って書くとイールドと紛らわしい^^)上昇して按分比率が3.32%から0.48%とだいぶ減ってやがりまして、殆どが上の札で入りましたという結果に。

東京レポレート(http://www.boj.or.jp/statistics/market/short/trp/index.htm/)もここもと0.100%(T/Nを見ておくと吉)に張り付いていますし、水曜はT/Nが0.098%に低下したりしてまして、まあさすがに資金運用目的で0.10%割れのGCを買う人は日銀当座預金非対象先限定となります(担保繰りで買う場合はその限りに非ず)ので、今のところの市場状況では0.10%割れでは調達ニーズが全部充足できるわけでも無く、さすがに0.10%が基本という感じになっているようですが、まあ背景としては足元で資金の余剰感が高まっている事から短国の買いニーズが高まったという所なんでしょうかね、よー知らんですけど。ちなみにいわゆる不明玉に関しては金融ファクシミリ新聞様によりますと今回が18380億円で前回が24847億円ですので、平均が上がった分だけニーズは減っているのかもしれませんが。

月曜の基金短国買入は普通に0.099%の買入でしたので、そこから見ると短国の平均がまんま上の値段になっているという今回の入札はちと強いような気もしますが、今週に入ってからのGC金利低下が影響したんでしょうなあと思いつつ、来週に多分やるであろう基金短国買入のレートが低下するのかどうかがマニア的には注目なのですが、所詮0.099%か0.098%かという残念なマイクロな世界であることには変わりありませんので、関係者以外にはあまり影響のない話ですかそうですかorz

そういや応札がまた最大を更新(大昔の99兆円応札可能時代を除く)したようですけれども、何か100兆円をある程度超えると110兆でも120兆でもあまり気にならなくなってくる感覚のマヒ化恐るべし(^^)。


・2年国債入札である

2年国債入札の結果
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/nyusatsu/2012/resul035.htm

(3)募入最低価格 100円00銭0厘
(募入最高利回り)(0.100%)
(4)募入最低価格における案分比率 5.5840%
(5)募入平均価格 100円00銭2厘
(募入平均利回り)(0.098%)

ということで、こちらにつきましては前回の平均100円00銭6厘足切り100円00銭5厘というアヒャヒャヒャヒャな入札から見るとやや落ち着いた結果に。0.10%入ったのはまあ良かったですね(そらまあ0.095/0.100の気配だったのですから入るでしょうが)とは言いましても相変わらず0.10%割れの所が多くの札というのはカワランチ会長。

こちらも短国と同じ理由で0.10%割れを資金運用目的で買う人は日銀当座預金の非取引先という話になりますし、担保ニーズだったら短国の方が良い(何も2年を付利割れでフィックスする必要は無い)のでその手のニーズは少ないということですので、まあ前回債もそうでしたけれども、今回債に関しても(それはそれで売れているとは思いますが)0.10%割れをホイホイと買う人ってそんなにいるもんなんですかねえとか思いつつ。

前回の入札の時には今月のMPMで基金国債買入の下限が撤廃されるかも(とあたくしも申し上げましたが・・・・・)とか、それ以上には付利の引き下げに関する期待とかもあったでしょうからそれで盛り上がって強くなったというのがありますが、付利下げに関してはまあ米国の方もだいぶ遠い話になりそうなので日本の付利下げも遠いでしょと思われますし、基金国債買入の下限撤廃に関してはあたくし的には来月のMPMでやっておいた方が無理なく基金の積み上げが出来るからやっておいた方が良いとは思いますが、足元で基金国債買入が札割れしていないという実績があると来月のMPM(まで当然ながら時間がございますので状況はこれから変化し得るのですけど)で基金国債買入の応札金利下限の撤廃も無いでしょうなあと思われますので、そんなこんなで0.10%割れをドンドン買い進むという訳にもいかんという所ですかね。

まあ2年に関しては中期ゾーンの決算益出し調整売りとかの影響も受けるかとは思いますし、5年とかもカレントが0.20%台に乗った後はさすがに0.24%はやり過ぎにしても、その後も案外伸びないで金利の方サガランチ会長になっていて何気に0.20%台で推移してるとか、どうも中期が重そうにしているのも影響してるのかねなどとつらつら思ったのでメモだけしておくのでありました。


・4か月オペとな

昨日のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of120830.htm
共通担保資金供給(資産買入等基金) 8,000 2012年9月3日 2013年1月11日

オペ結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba120830.htm
共通担保資金供給(資産買入等基金)(9月3日スタート分) 11,135 8,006 71.9

ということで昨日は3Mのオペのロールを何と年末越え4か月なんぞで実施しやがりまして、足元で6か月のオペが盛大に札割れしてて水曜の3Mオペも札割れしやがったというのにここで何で長いオペ打ってくるんじゃ何という無謀なチャレンジとか思ったのですが、ちゃんと札が入っておりまして事前のヒアリングで需要を確認してオファーしたんですねこりゃどうも失礼いたしましたと一人で勝手に盛り上がって勝手に謝罪する昨日のあたくしでございました(^^)。

年末越えにニーズがあったのか12月の頭とかに落ちるオペが要らなかったのかは札を入れた本人じゃないから知らんですけど、年末越え4か月オペが実施されたのもほほうという感じでしたが結果を見て更にほほうという感じ。GC高いのなら判るのですけれども、足元GCは低い(高い低いと言っても0.100なのか0.108なのかとかそういう世界なので大差ないですけど)ですし、短国の入札に示されているように金余っているっぽい中でしたのであたしゃ意外でしたけど、まあヒアリングの勝利ということですかそうですかという風に申し上げておきまふ。

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2012/08/29

○何となく市場雑談

・毎度のオペ雑談

昨日のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of120828.htm

米ドル資金供給(固定金利方式) 2012年8月30日 2012年9月7日 0.640
共通担保資金供給(資産買入等基金) 8,000 2012年8月30日 2012年12月5日

オペ結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba120828.htm

米ドル資金供給(固定金利方式)(8月30日スタート分) 0 0
共通担保資金供給(資産買入等基金)(8月30日スタート分) 5,180 5,180

昨日のオペは3か月オペ8005億円の落ちに対してロールが行われたのですけれども、貫録の札割れと相成りました。まあここもと3か月オペの応札が減って来ていたのでそろそろ札割れかという所でしたし、そもそもオペ残高の方がろくすっぽ減っていないので少々減った方が良いというのもあるのですが。

ただまあ何ですな、相変わらず6か月の固定オペは札割れしているのにロールのオファーを8000億円とかやっていますし、これ年末時点の着地に向けての調節ってどうやるのかなあというのはさすがに9月ともなると段々気になって参ります。何か変な力技みたいな調節が入らない事を希望するのですが・・・・・・・


・相場雑談というか何というか

先日の20年国債入札以来超長期が軟調のようで。

・・・・・・・・超長期入札の日ってFOMC議事要旨で米債強くなって帰って来た日で、前場途中まで強かったのですが前場途中から超長期に売りが出ましたと言わんばかりの気配になっていきなり20年30年が大失速した上に入札は流れるわ不明札は少ないわという結果。その後の超長期ヘロヘロは追加の売りなのか流れた入札が入っちゃったので外しますかなのかはワカランチ会長ではございますがまあ超長期ゾーンヘロヘロの巻。

でまあそれはそれで良いのですが、某どこぞの業者様が入札の日の後場に20年のスティープニングポジション推奨というナンジャソラというレポートを出していて、しかもそれ良く見ますとただのアノマリーじゃねえかという題名インパクト狙いのレポートが出ていて何だかなあという感じでございましたけど、とりあえず題名にインパクトがあったので話題になっていたようで何だかなあという所ですわ。つーか別に売り推奨するなら売り推奨でも良いのですが、内容的にアレなレポートで何考えて出してるんだと考えると以下自主規制。

まあ先週の20年国債入札に関しては微妙に色々と考えさせられるものがあるのですよね、という話ではございますが頭の中が纏まっていないのとおりませんのでとりあえず忘れないようにメモしておきます。

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2012/08/24

○オペ関連雑談

ネタにしてなかった水曜日のオペの話からまず。

オファー(22日水曜日)
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of120822.htm

国債買入(資産買入等基金)(残存期間1年以上2年以下) 5,000 2012年8月24日
国債買入(資産買入等基金)(残存期間2年超3年以下) 2,000 2012年8月24日
共通担保資金供給(資産買入等基金) 8,000 2012年8月24日 2012年11月22日

結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba120822.htm

国債買入(資産買入等基金)(残存期間1年以上2年以下) 5,028 5,006 0.000 0.000 99.6
国債買入(資産買入等基金)(残存期間2年超3年以下) 5,056 2,010 0.000 0.000 39.8
共通担保資金供給(資産買入等基金)(8月24日スタート分) 15,385 8,001 52.0

ということで、水曜は基金国債買入が実施されましたが、めでたく両方とも札が割れずに予定量の7000億円の購入が出来ましたという結果に。まあ直近ではこの前夜にドイツ2年国債の入札があって終わってみたらレートがプラスになっていた(と思ったら昨日の夕方見たら2年国債って0%挟みで上行ったり下行ったりしとりましたな)ということで、ECBの預金ファシリティレートゼロ攻撃以降にマイナスが延々と続いたドイツ国債の金利とかがノーマルな水準になってくれると、海外絡みの買い意欲が落ちるので札はやや入りやすくなるかなというような市場環境の話もありますし、さらには時期的に決算の益出しでの売り(というか入替)ニーズもありますので、変に場で売るよりは日銀の買入に突っ込んだ方が市場インパクト無く売却できるぞなというようなニーズもあるでしょうな。

とまあそんな需給環境なので札は確かに入ったには入ったのですけれども、0.10%だとビットサイドという状態は別に変っている訳でも無く、市場環境次第ではまた札割れのリスクもありますぞなもしという状態は変わらないのでございますから、買入ペースを少し早めにして年末のちょっと前に目標行くようにしておくとか、札が入りやすくなる工夫(要するに応札下限金利の撤廃)とかはしておいた方が吉のような気がするんですけどね〜。

何かね、日銀の毎度おなじみの間の悪さというか様式美の世界から類推致しますと、今回札がめでたく入ったのですっかり安心してたら年末近くなって市場環境が変わって札割れ連発→でも次の決定会合まで応札下限金利の撤廃ができないお!となるとかいうようなお洒落な展開になりそうですので、その辺をご考慮の上買入を進めて頂ければと存じます(大体からしてその後も買入しないといけないし)。


・とか言ってるうちに固定金利オペの応札が減るでござるの巻

昨日のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of120823.htm
共通担保資金供給(資産買入等基金) 8,000 2012年8月27日 2012年11月28日

結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba120823.htm
共通担保資金供給(資産買入等基金)(8月27日スタート分) 8,690 8,005 92.1

ということで3か月物の固定金利オペが2日連続でオファーになったのですが、応札が足元急減少でござるの巻。

資金需給的には年金の定時払いが15日に入りまして財政要因で3兆円弱払い超になって、当座預金残高が38兆円位まで拡大(木曜に財政が3兆円揚げ超で今日の当座預金残高は36.8兆円とかになると思います)したりして、GC市場的に資金が余り気味で資金運用ニーズの方が強いという状態になっていますので、固定金利オペの応札が減って来た感じではございます。

ただまあ何ですな、固定金利オペ自体が残高減っていないというのもありまして、あたくしの手計算ベースですろ固定金利オペのオペ残ってまだ31.3兆円位ございまして、7月の決定化合以降殆ど残高が減っていない(7月16日とかだと30.6兆円だったので却って増えてたりする)のでございまして、こちらは25兆円に減らすというのが逆に進捗していないという謎展開。

何で減ってないのという話ですが、時々新規で3か月のオペが入っていたのに加えて、20日にオファーされた6か月オペは前回札割れした(初めて札割れになった2月16日オファーのオペで残高が7010億円だった)オペの折り返しを普通に打ってきたというような格好(まあ今回はより札割れしたので折り返しで残高減りましたが)ですので、今後札割れオペが普通に8000億円でオファーされて、まあ6か月は札割れするんでしょうけれども、何か思ったよりも固定オペの残高を落としてこないのも面白いですな。

まあ目標以上に残高積む分には誰も怒りはしない話ですから固定金利オペの残高が減らなくてもよかばいという考え方もありますのでそれはそれで良いのかもしれませんが、一応資金需給を元にして短期市場の需給を考えて、価格形成どうなるのとか考える側と致しましては、別に全部が全部100%予見可能である必要も無いのですけれども、何か減らすと言ってる固定金利オペは減らないし、国債買入の方はペース的に間に合うのかよ(確かに札割れしなければ無問題なペースなのですが)という感じで淡々と進んでいるのも何か微妙にずっこけ感はするんだよなあとか思うのであります。

いやね、それこそ年末になって急に調整して固定オペのロールが来なくなるとか言う風になっちゃうとこれまた攪乱要因(その分を通常の金利入札オペでリプレースという話になるのですが)になるので、着地前に急に調整が入らないように願いたい所ではございますが、まあ確かに水物相手なのでオペ打つ方も大変だなあと同情を禁じ得ない部分はございます、と言いながらああだこうだといちゃもん付けているのですけどね(^^)。


○米国の「追加緩和観測」の定義がよく判らない件について(雑談)

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M985QN6S972A01.html
米国債:10年債は5営業日続伸、米追加緩和観測が強まる

『8月23日(ブルームバーグ):23日の米国債は上昇。10年債は5日続伸。朝方発表された失業保険申請件数が増加し、米金融当局による追加緩和観測が強まった。』(上記URLより)

とのことでございますが、記事のコメントを拝読いたしますと・・・・・

『キャンター・フィッツジェラルドの金利責任者、ブライアン・エドモンズ氏(ニューヨーク在勤)は、「議事録は信じられないほどハト派的だった」と述べ、「議事録でトーンが決まった。市場は量的緩和第3弾の実施は決定しているかのように受け止めている」と続けた。』(上記URLより)

とか何とか仰せなのでございますが、あの議事要旨見ると「追加金融緩和」はまあ近々実施するでしょうなあとは思うのですけれども、「新たな大規模資産購入プログラム」については色々とケチがついている(効果がホンマにあるんかいなとかデメリットがあるじゃろとか)訳でして、あの文面見てどこがどうQE3がダンディール扱いになるのか判らんですけど、どうもベンダーのコメントとか見ていると「追加金融緩和期待」がQE3の期待なのか、それ以外の目くらまし追加緩和期待を意味しているのかがワカランチ会長ではございまする。

まあ何ですな、とりあえず出尽くし感を出さないようにする、ってえのと、下手に長期金利を上げないようにする、ってえのは逆さ絵のおじさんが意識していると思われますので、そこらのコントロールは何とか努力するとは思うのですけれども、どうも昨日のFOMC議事要旨でQE3期待が盛り上がってしまったという事になりますと、期待のコントロールが段々難しくなってきているのかなあとか思うのであります。

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2012/08/22

○趣味ネタの前にちょっとだけ雑談

昨日のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of120821.htm

国庫短期証券買入(資産買入等基金) 6,000 2012年8月23日
米ドル資金供給(固定金利方式) 2012年8月23日 2012年8月30日 0.640
米ドル資金供給(固定金利方式) 2012年8月23日 2012年11月16日 0.640

オペ結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba120821.htm

国庫短期証券買入(資産買入等基金) 30,505 6,016 0.099 0.099 17.5
米ドル資金供給(固定金利方式)(8月30日エンド分) 2 2
米ドル資金供給(固定金利方式)(11月16日エンド分) 0 0

ドルオペ1Wに札が入ったとはメズラシヤという感じですが、まあ事務の練習は時々やっておかないとアレですからねという所。まあそれよりもふーんと思ったのは基金短国買入のオファーが今回は減ったこと。

まあ何ですな、足元の需給環境を考えると今オファーしても年内償還物がバカスカ打ち込まれるだけの事ですからあまりジャンジャン買ってもシャーナイというのはあるのでしょうかねと思いましたが、前回8000億円にしたと思ったら今回6000億円とか需給動向見てるのか何だか存じませんが、適当に目先が変わるのが今の調節クオリティでございますなという所で。

まあ昨日は5年国債入札に配慮したのか基金長期国債買入はスルーでしたが、今日はそろそろ日程的に基金長期国債買入があるような気がする(保証はしませんので悪しからず)ので、応札がどうなるかワクワクテカテカでございますな。

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2012/08/21

○オペ雑談と昨日の訂正

昨日の当駄文で「金曜のオペが〜」とか申し上げたのですが、当該のリンク先を見ればすぐわかりますように、URL添付してたのは木曜のオペオファーでして、じゃあ金曜はどうだったのかと言いますとそもそもオペのオファーが無かったというのが正解でした。謹んでお詫びして訂正致します(過去ログの方に訂正表記しますた)。

さてまあ昨日ですが、昨日もしらっと基金国債買入オファーの実施はスルーされておりまして、はてこんなペースで大丈夫なのかいなとは思うのですけれども、まあ確かに直近では大体10日ごとに買入のオファーがあった事を勘案すると今日(か明日)辺りに買入のオファーがあるのですかねという話ですわな。

つーことでまあ今日明日辺りに入ると思われる基金国債買入の応札状況とゆーのは気になる所でして、まあこの札の入り方次第ではオファーのペースを再検討とかそういう事にもなろうかとは思いますが、そもそも買入対象ゾーンの金利が0.10%ビットが続くのは当面はカワランチ会長となる訳ですから、実は下限撤廃してもしなくても市場的に大変化があるのかというとそれもなあという気もせんでも無い(まあ買入総額がこれ以上拡大すれば別ですが、今の額だとせいぜい3年の金利が0.095%になる位じゃネーノと思うので大差ないちゃあ大差ない)ので、市場的にあまりインプリケーションが無い(既にかなりの所まで織り込んだ状態なので)んじゃネーノ疑惑もありまして(^^)、あとはちゃんと残高積めますかとかそっちのまあマニア的興味に移るのでした。

とは言いましても、基金の残高については必達ということが先週出た7月会合議事要旨でも示されている(一方で麿会見では麿節の為その必達のニュアンスがあまり伝わらない辺りがどうかと思いますが)ので、残高は必達と相成りますが、必達させるためにとか言って国債買入と短国買入を一緒くたにして誤魔化すという技を使うのは難しいでしょうなと。つまり「長いものを買っていた話が短いものに化ける」というのはそもそも長めのターム物金利を下げるという理屈に整合的では無い上に、この前は固定金利オペの代替物として短期国債の買入を拡大させたというのをやったばかりですので、今度はそれを国債買入の代替にするというのはさすがに理屈の整合性がががががという所でしょうな。

つーことで、まあ今週オペやって札が普通に入って買入のペース的に大丈夫だとなりますと無問題ではあるのですが、札がまたまた割れるとなりますと、残高必達の為にどういう工夫をするのかという話をネタにする何とかストの方がまた出てくると思われる次第でして、まあ短期国債買入の利用という荒業も有り得ますが、上記の理由にてちと理屈に無理があるので、やはり応札下限金利の撤廃か、買入対象年限の長期化が必要になるという話になるのですが、応札下限金利の撤廃について8月会合後の麿会見で「現在は必要が無い(キリッ)」とか妙に突っ張って発言していたのが少々アレでございまして、下限撤廃したくないというのは把握しましたけど、下限撤廃とか比較的どうでも良い所で突っ張る結果「やっぱり買入年限を延長して5年まで買う」とかいう方向になる方がよっぽど日銀的にマズーな話になると思う(買入終了後の反動がより大きくなるのと、出口政策の運営がより難しくなるのと、財政ファイナンスがどうのこうのの話に繋がりやすくなるから)ので、まあ買入オペ以降の変な思惑には注意という所ですな。

7月会合の議事要旨を額面通りに捉えると基金買入残高目標は必達になるので、そのためにオペのテクニカルな手直し(=応札金利下限撤廃)をするのは別に抵抗はなさそうなのですけれども、麿会見が微妙にアレだったのがアレ。

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2012/08/20

○市場雑談というかメモ

・基金国債買入は???

金曜のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of120816.htm
共通担保資金供給(資産買入等基金) 8,000 2012年8月20日 2012年11月21日
(追記:翌日訂正しましたがこれは木曜のオペで金曜はそもそもオペがありませんでした)

ということで金曜は何故か基金国債買入のオファー無し。

ちなみにオペのオファーと結果の直近分はこちらにリンクがあってそこのリンク先をポチポチ押すと判るのですが、前回のオファーが10日金曜日でMPMの翌日だったのですが、何故か先週は基金国債買入がスルー。(追記:翌日訂正しましたがこれは木曜のオペで金曜はそもそもオペがありませんでした)

http://www3.boj.or.jp/market/jp/menu_o.htm

えーっと、基金国債買入って単純計算で毎週5000億円ずつ進捗させないと目標数字行かない筈なのですが、1週オペオファーをスルーしている余裕とかあるんでしたっけ?という気がする上に、先週と言えば何だか訳判んないけど急に売りが出て5年は0.24%になるわ(一応先週申し上げましたようにお家の事情的な売りでしょという説ではありますが)10年は0.86%になるわというような相場になった訳ですが(金曜の後場から何か知らんが長期超長期が戻っておりましたけれども)、まー短い所もお家の事情的な売りが出ているまたは売りニーズがあるとすれば、もしかしたら先週金曜だったら基金国債買入をオファーしたらそれなりに札が集まったんじゃネーノと思ったので、オペをオファーしなかったのが少々不思議ちゃん。

まー明日の5年入札前にまだ短い所が重いのかもしれませんので別に今日オファーをすればという感じなのかも知れませんが、基本的には業者が0.10%以上の金利で基金国債買入に応札する積極的な意味が無い(0.10%割れでオファーしておけば売れるのですが売れると言っても限界的ではあるので、在庫ファイナンスの金利(=GCレート)との絡みで沢山持つのもどうなのかという話があり、在庫が重くてコストが0.10%なら応札する意味もあるでしょ)でしょうから、札割れが続きやすいという状況は変わらないと思われます。

そんな中で従来通りのペースでオファーをしている場合では無いように思えるのですが、札が入る自信でもあるのならまあ良いですけど、札割れ続いて目標達成の為に年末近くに急に買入加速されると市場の需給を急に歪めることになるので勘弁して頂きたいとか思ったりする訳ですが、札割れに関して楽観しているのか、それとも金曜にオファーをして札がしこたま入るとまた「何だ札割れしないじゃないかやっぱり応札金利の下限撤廃要らないじゃないか」とか言われるのがシャクだったとかだと面白いのですが(^^)。


・金曜の相場メモ

まあ備忘だけですがね。

金曜は前場はちょっと上がったと思ったら上値重くなってウダウダしてて前場引けの先物は前日比5銭高とか(ちなみに前場の安値は前日比2銭高)で、どちらかと言うと先物は強いものの現物が重そうで上値重いでござるの巻。

とか何とかゆうとったら、後場途中から現物強くなって、長期とか超長期とか堅調に推移して現物が引っ張るの巻となって推移した上に、BBの引値が全般的にビットサイドでついているような感じなのでが中々お洒落。

まー何ですな、先週は板の薄い中でいきなり売りが出たと思ったら金曜は金曜で後場急に目が覚めたかのような戻り方とか、お盆時期にありがちなパターンでしたねと言ってしまえばそれまでなのですが、何ともアレでございました。単なるあたくしの備忘メモ。

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2012/08/17

○5年カレントの引けが0.240%とな

ということで珍しく柄にもなく連日の債券市場メモ(このサイトの題名は何だったっけというツッコミは全力で却下)であるが。

えーっと、昨日の債券市場様におかれましても金利が上昇した訳ですが、10年ゾーンとか中々重そうにしておりまして朝っぱらから0.85%になってそこで止まったかと思ったらその後もう一発売られておまけに引け際にもう一発売られて引けでは4.5毛甘/5.0毛甘の0.860/0.865とか素敵な事になっておりました(BBの引けは0.860%)けれども、それはそれとして誠にアレなのが5年近辺でござりまして、5年ゾーンは今日もヘロヘロというかゲロゲロというかで105回債は3.0毛甘/3.5毛甘の0.235/0.240というこれまた売り込みましたなあという水準(BBの引けは0.240%)。

時間軸とか日銀買入とか考えたらああだこうだというのは昨日も申し上げましたので割愛致しますが、まー相場観として考えた場合にそこまで売るのかよという気はするのですけれども、世の中にはお家の事情というのがあって、お家の事情というのは基本的に成行売買と相成りますので、相場観ガーとか言って立ち向かっても成行さんのパワーがでかければこうなりますがなという所なんですよね、いやまあ本気で5年の金利水準の適正値はもっと高い所にあるとか思っているのだったらどうもすいませんという感じですけど。

まあ何ですな、新発105回債に関しては来週5年入札がありますので、とりあえず中期の売りは105回でヘッジして逝くっちゅう話でヘロヘロ振りが際立つんでしょうけれども、まあ少々びっくらこいたことですよ。地味に金先もここもとヘロヘロしていて、気が付けば金先3限月が99.70割っているのもチャーミングですが何で売られてるのかワカランチ会長なので後講釈保留(^^)。

しかし何もお盆中にやらんでもとか思いますが、よくよく考えますと中間決算まで1か月半でございますし、入替売買するならその反対やるのに絶好の5年新発入札が来週火曜日という訳ですからなるほどなあとか言うのは後からなら何ぼでも言える訳でして(超大汗)、そーゆーのを今さらドヤ顔で語るとかどう見ても時既にお寿司です本当にありがとうございましたなので恥ずかしくてあまり後講釈する気が起きませんぞなもし。

あとまあ相場観的な話ですと、消費税増税法案の景気条項ガーとか、選挙が前倒しになって自民公明が勝つと大公共事業マニフェストガーとか、その手のネタも一応ありますし、米債が10年1.8%とかに売られてみたり、株価が妙に堅調だったりなどというのもありますので、そーゆー意味ではお家の事情だけと決め打ちするのもどうかとは思いますけれども、中期の売られっぷりを見てそういう後講釈をしてみましたという所で、本当の所は売ってる当人たちしか判らないお話でございますのでその辺はよろしくお願いいたします。

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2012/08/16

・5年が久々の0.20%台乗せとか

昨日の債券市場ちゃんは金利上昇の巻だったのですが、まあ長い所は兎も角としてほほうと思ったのは中期が取引途中からヘロヘロ化して5年カレントが2毛甘の0.210%とか出合ってみたり(日本相互証券の引けは0.205%でした)という所でしょうか。

3年までの所は時間軸に加えて日銀買入効果がありまして0.10%で張り付いている(つーか0.10よりちょっと低い水準ですな)ので、その後ろの金利も0.10%に近い所で推移となっておりまして、5年が0.20%乗せると手前対比でみた時に結構安く見えるような気がするんですが、昨日は0.20%乗せてもヘロヘロモードと。

まーどこのどなたがご売却されたのかは存じませんが、入札準備にしてはちょっと豪快な売り方ですので、単なる入札準備というよりは別の話だと思いますし、0.20%乗せても叩かれるという動きってへーという感じで、まあお家の事情的な売り方もあるのかねえとか思いつつ眺めるの巻となるのでした。

しかし昨日は2年カレントが0.10%出合いとかベンダーに出て「ほえ?」と思ったのですが、単に業者間で0.10%にあるビットを洒落で少額叩いた人がいただけのようですけど、まあ地合いを悪くしたいから叩いたのか、単にギャグで叩いたのか存じませんが(^^)、中短期がヘロヘロになると雰囲気が悪くなりますのおと思った昨日のひとときでしたので俺様備忘録として残して置きますね。

#まあ2年とか3年とかが本当にヘロヘロになったら基金買入が積みあがって日銀的にはウマーなのでしょうけれども・・・・・・

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2012/08/15

○小ネタ少々

・営業毎旬報告

直近のが出ました
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/acmai/release/2012/ac120810.htm/
営業毎旬報告(平成24年8月10日現在)

でまあこちらの中でニュースネタになっていたのは保有長期国債残高が発行銀行券残高を上回りましたという話で、発行銀行券残高が80兆7876億円なのは一目瞭然なのですけれども、長期国債の残高については下の方を見ないとワカランチ会長でして、別表1と別表2にある長期国債を足すとが80兆9697億円になりまして、長期国債保有額が銀行券をオーバーですという所で。

つーてもそもそも短期国債も含めれば上回っているというの今に始まった話では無いですし、基金国債買入はまあ一応3年以内の物ですし、どこぞの米国みたいにやたら長期化している訳でも無いんですが、ただまあそうは言いましても「公共事業を200兆円やりますが財源は赤字国債です」というような人たちが政権取ってそのままそれをおっぱじめるとかいうような話になりだすとどうなんでしょうかねえという気は。

まあ何ですな、資金バランスから言ってそう簡単に国債消化構造が崩れるという話にはならんでしょうけれども、だからと言って調子に乗って赤字国債全力で増発して公共事業バンバンやりますとか、社会保障の支出は増えるがままに放置プレイでこれまた穴は赤字国債とかやっておりますと、まあどこかでしっぺ返しが来ると思うのですけどねえ。で、そのしっぺ返しがどこで来るのかが定量的に判れば誰も苦労はしない話でございまして、それがどこなのか判らないから困るんですけれども、国債バンバン発行して日銀引き受けとかゆうとる人たちは定量的に判らないというのでは根拠にならんとか言い出すので頭が痛くなる話なのですけどね。

ま、銀行券ルール自体は一種の歯止めとして判りやすい数値として使っている話ではあるのですが、一応の根拠としては資金供給の長短バランスという話で、金融市場調節を無理なく行う為には長短バランスを確保しておいた方が金融政策の運営上やりやすいちゅう話ではございますので今のように絶賛量的緩和状態の時よりも問題になるのは平常時ではございますな、うんうん。


・基金国庫短期証券買入が増額とな

昨日のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of120814.htm

国庫短期証券買入(資産買入等基金) 8,000 2012年8月16日
米ドル資金供給(固定金利方式) 2012年8月16日 2012年8月23日 0.640
共通担保資金供給(資産買入等基金) 8,000 2012年8月16日 2012年11月19日

オペ結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba120814.htm

国庫短期証券買入(資産買入等基金) 40,327 8,009 0.099 0.099 28.4
米ドル資金供給(固定金利方式)(8月16日スタート分) 0 0
共通担保資金供給(資産買入等基金)(8月16日スタート分) 34,671 8,008 23.1

ということで、基金国庫短期証券買入が前回の6000億円オファーから今回は貫録の2000億円増額の8000億円の買入実施でしたが、応札は4兆ありまして落札レートは0.099%とすっかり0.099%オファー0.100%ビットが定着でござるの巻という感じになって参りました。まあ0.10%を割って買う人(含む日銀)の量に対して発行量の方が思い切り多いですねという訳で、まあ超過準備付利が受けられる人が0.10%割れの短国をそんなにホイホイ買うようになっている訳では無い(担保繰りとかの限界的な部分を除く)という事なんでしょ。

というのはともかくとして、何でまた今回短国買入のオファーを増やしましたねんという所ですが、今回の応札に示されましたように応札意欲もあるので増やしたからと言っても市場金利を無駄に下げないというのが大体公式見解みたいな所になるのでしょうけれども(^^)、まー足元で基金国債買入の方が暫くの間札割れ状況が続く事になろうかと思いますので、せめて短国の方でも買入ペースを上げておきましょうというのがあるのかなと(^^)。

つまりですな、先般のMPM声明文で『今後とも、資産買入等の基金の着実な積み上げを通じて間断なく金融緩和を進めていく。』という一文が新たに加わりましたけれども、つまりは資産買入等基金の残高の積み上げが進捗する事によって金融緩和効果が高まる、という理屈(ホンマカイナというツッコミはここでは華麗にスルー^^)が強調された訳でございますからして、基金国債買入が札割れ連発で進捗が遅れる分はとりあえず基金短国買入の残高を積み上げて全体の基金残高の積み上げを進捗させましょうという話なのではないか、とまあ勝手に愚考する次第。

ただまあ何ですな、短国買入って概ね3か月新発近辺が一番多く入ると思いますので、8月のこの時期に短国せっせと買入しても11月には償還祭りになるのでまた買入オファーしないといけないんですけどね。

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2012/08/14

○2か月TB入札が平均0.10%

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul240813.htm
国庫短期証券(第302回)の入札結果

(3)募入最低価格 99円98銭6厘5毛
(募入最高利回り) (0.1026%)
(4)募入最低価格における案分比率 1.6530%
(5)募入平均価格 99円98銭6厘8毛
(募入平均利回り) (0.1003%)

ということで2MTBの入札も0.10%乗せになりまして、今回は平均も0.10%乗せとなりました。まあ応札レートの刻みの関係でこうなった面があるので単純に「金利上昇」という話でも無いのですけれども、ただまあ2Mの方が3M対比で担保玉とかに使うというような使い勝手が悪いというのもありますし、この銘柄10月2日足なので足的に使いにくいというのもありまして、まあ平均0.10%ですかそうですかという所で。

GCレートが0.100〜0.105%の間で安定推移してるようですし、一方でより長い所では0.10%は強力ビットで基金国債買入は絶賛札割れとかになっているとなりまして、ほんのちょっとではありますが見事なインバートと中々お洒落ですねえという所ですが、これは先ほど申し上げた担保玉としての使い勝手的な話とか、運用期間をどこまでフィックスできるのかというような話にもつながる「モノとしての価値」という部分を反映しているのではないでしょうか、とか強引なこじつけ成分がかなーり入っていますがまあそんな事を思った昨日のひとときだったのでメモだけおいときますね。

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2012/08/09

○その他相場関連雑談

・3党合意の合意キター

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120808-OYT1T01187.htm
法案成立の暁、近いうちに信を問う…3党首合意

『野田首相(民主党代表)と自民党の谷垣総裁、公明党の山口代表は8日夜、国会内で会談し、社会保障・税一体改革関連法案の早期成立と、法案が成立した暁には、近いうちに国民に信を問うことで合意した。』(上記URLより)


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120809-00000014-mai-pol
<消費増税>10日成立、3党首合意 秋解散の見方強まる
毎日新聞 8月9日(木)2時31分配信

『野田佳彦首相は8日夜、自民党の谷垣禎一総裁と国会内で40分間会談し、消費増税を柱とする税と社会保障の一体改革関連法案について「(民主、自民、公明の)3党合意を踏まえて早期に成立を期す。成立した暁には近いうちに国民に信を問う」ことで合意した。自民党は法案成立の条件として衆院解散・総選挙の確約を求めていたが、谷垣氏は早期解散の確約と解釈して受け入れた。首相が政治生命を懸ける消費増税法案は10日に参院で可決、成立する見通しとなった。』(上記URLより)

野田さんと谷垣さんに公明党の山口さんも加わっていますからさすがにこれは秋までに解散総選挙でしょという事で、一体改革関連法案も通過という事で、不意打ち闇討ちモードの債券市場ビックリの0.80%乗せ(昨日の場中だと確か10年ベースで一番甘い所が0.805/0.810辺りでしたが、延々と話が進まないので結構な時間滞在してた感じ、引け近くに誰か買ったのかホイホイ戻って0.80割ってましたが)とかやっておりましたが、とりあえず昨日落着しないと今日が長崎原爆忌で金曜の後はお盆休み(&終戦の日)ですからスケジュール的にどうよとか懸念されてましたので、まずはほっと一息という感じでしょうか。

でまあ消費税関連法案もそうなのですが、特例公債法案の方もひとつよろしくお願いして頂きませんと、日本版フィスカルクリフというよりは日本版フィスカル孔明の罠(ネーミングセンスが無くてすいませんすいません)に勝手に引っかかるでござるの巻というアホウ現象になりますので・・・・・・・

かんべえ先生の見解を頂きたいなどとネットの片隅で申し上げた声が聞こえたかどうかは存じませんが、かんべえ先生のスケジュール感が示されているのでご参考までに。
http://tameike.net/comments.htm#new
(本日見ると8/8の部分になりますが、後日の場合は8/8の所をご覧ください)

『○10月下旬に臨時国会召集、特例公債法案を処理して解散、11月後半に選挙ですかねえ。タイミングがあまり早いと、エネルギー環境会議の「国民的議論」がリセットされちゃうという問題もあります。そういうこと、考えていないように見えちゃうのが民主党政権の危なっかしいところなんで、ご用心をなさいまし。』(上記URLの8月8日コメントです)


・2年カレントとかの市場雑談である

で、先ほどちょっと申し上げましたように、昨日は2年カレントが0.095%で業者間で出合っておりましたようで、その後もオファーが置いてあったりしたのがへーという感じでした。確か先週金曜のドラギのドリフターズコント状態で債券市場アヒャヒャヒャヒャの時には0.085%とか勢い余ってやってたような記憶がある訳で、どうしましたねんという所ではございます。

勝手にこじつけると、足元で欧州コア国の2年国債利回りのマイナスが若干緩んでいるというのもあったので、その影響もあるかなとか妄想したりもしますが、まあ単純に0.10%割れで大玉打ち込んでもビットが立つならいったん叩いてやれというのもあったのかもしれず、その辺は妄想の世界でございまする。

ただまあ何ですな、先ほどの話と同じ事になりますが、2年カレントの金利がやや上昇して需給が若干緩和されたような雰囲気という事になりますと、今回は基金国債買入の応札下限金利の撤廃を見送る攻撃になるかもしれないなあとは存じますけれども、いずれにせよこの辺のゾーンが0.10%台に乗るというような流れには中々なりにくい状況の下で買入残高はまだ積み上げないといけませんので、やはりどこかのタイミングで下限金利撤廃コースだとは思うのですけどね。

ちなみに3か月TBですけれども。

昨日の結果
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul240808.htm
(3)募入最低価格 99円97銭5厘0毛 (募入最高利回り)(0.1002%)
(4)募入最低価格における案分比率 3.3520%
(5)募入平均価格 99円97銭5厘2毛 (募入平均利回り)(0.0994%)

先週の結果
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul240802.htm
(3)募入最低価格 99円97銭5厘0毛 (募入最高利回り)(0.1002%)
(4)募入最低価格における案分比率 1.9115%
(5)募入平均価格 99円97銭5厘3毛 (募入平均利回り)(0.0990%)

ということで、按分比率の上昇と平均落札価格の低下という事で、まあ基金短国買入の下限撤廃で一瞬ウヒョーとなった部分はやや剥落して平常運転になっていますなという所でして、長い所に関しても下限撤廃引っ張って変に期待をさせた価格形成を続けさせるよりは、下限撤廃して普通に思惑を排した状態で需給のみで価格形成させた方が良いのではないかとゆー気も致しますです、はい。

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2012/08/03

・3か月短国入札

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul240802.htm

(3)募入最低価格 99円97銭5厘0毛 (募入最高利回り)(0.1002%)
(4)募入最低価格における案分比率 1.9115%
(5)募入平均価格 99円97銭5厘3毛 (募入平均利回り )(0.0990%)

・・・・・・・どう見ても2年国債とインバートです本当にありがとうございました。

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2012/08/02

○基金国債買入でウヒョー

#加藤一二三九段ではありません(^^)

昨日のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of120801.htm

国債買入(資産買入等基金)(残存期間1年以上2年以下) 5,000 2012年8月3日
国債買入(資産買入等基金)(残存期間2年超3年以下) 2,000 2012年8月3日
共通担保資金供給(資産買入等基金) 8,000 2012年8月3日 2013年2月19日

でもってそのオペ結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba120801.htm

国債買入(資産買入等基金)(残存期間1年以上2年以下) 3,594 3,594 0.000 0.000
国債買入(資産買入等基金)(残存期間2年超3年以下) 964 964 0.000 0.000
共通担保資金供給(資産買入等基金)(8月3日スタート分) 3,083 3,083

・・・・・・・ということで基金国債買入でございますが、月曜に入札があってアチャーな強さだった2年新発、というのは昨日申し上げた通りですが、その2年ゾーンでありますところ(念の為付け加えますと、31日に入札が行われた2年新発債は発行日が8月15日ですので足元では基金国債買入対象外となります)の1年以上2年以下どころか、2年超3年以下の所も札割れと相成りまして、これはまた残念な結果。

でまあ落札結果出るのは昼休みタイムなのですが、この結果を受けまして2年新発債は前場の0.095/0.100の気配から0.090/0.095の気配に貫録の出世となりまして、そらまあこの結果出されると「基金国債買入の買入下限金利の0.10%も撤廃がすっかり視野に入ってきましたなあ的な話になりやがりまして、その結果なのか、それとも業者の総意で買入下限金利撤廃しなはれ状態なのかはよー知りませんが(^^)、2年ゾーンとかの国債の日本相互証券引け利回りも0.095%に低下するの巻で債券市場様におかれましても前場は超長期の方が強くて中期は上値重そうにしていた筈が、引値分布見ると中短期ゾーンの方が相対的に強くなっているという所でした。

ちなみに日本相互証券さんの引け利回りを拝読いたしますと、5年債で言えば75回債から94回債、償還で言うと2013年9月償還から2015年12月償還まで(つまり1年以上の基金国債買入に突っ込める償還年限にあたる銘柄&その3か月先まで)が軒並み前日比利回り低下して何と何と0.095%の引値となりました(10年債だと253回〜273回で、償還は2013/09〜2015/09)。

いやまあこれで益々買入下限金利撤廃の思惑が高まり、そうなると札もハイランチ会長になり、自己実現バンドワゴン状態で益々札が入らないとかお洒落な展開になってくるのですけれども、さて日本銀行様におかれましてはどうするのやらという所ですが、まあ買入年限を5年とかまでにするよりは市場金利低下容認の方がスマート(というよりまだマシというのが正しいか)な希ガス。買入もそうなると新発の供給がある2年の方がメインになると思いますし。

応札下限利回りに関しては特段MPMで決めるような話でも無いのですが、この前基金国庫短期証券買入の下限利回り撤廃をMPM決定事項として公表したので、まあMPMマターになるんでしょうかね。

いずれにせよ、既に昨日の日本相互証券引値でも示されましたように、基金国債買入の買入下限利回りが撤廃されようなもんなら需給関係から言って3年の金利がGCレートや3か月TBに対してインバートするというお洒落な展開になる可能性も(つーか既に昨日の時点で引値はGCに対してインバートしていますが)ありますがなという所で、何とも香ばしい展開になって参りました!!!という所でございましょうか。

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2012/08/01

○2年国債入札ェ・・・・・・・

昨日の2年国債入札オファー
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/nyusatsu/2012/offer028.htm

落札結果
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/nyusatsu/2012/resul028.htm

6. 価格競争入札について

(1)応募額 29兆2,935億円
(2)募入決定額 2兆4,749億円
(3)募入最低価格 100円00銭5厘 (募入最高利回り)(0.097%)
(4)募入最低価格における案分比率 28.1375%  
(5)募入平均価格 100円00銭6厘 (募入平均利回り) (0.096%)

・・・・・・・・・・・orz

いやあのですな、まあ昨日確かに0.10割れたらアレですなあとは申し上げましたが、何ぼなんでも2兆7000億円分がまるまる10割れだわ、まあ間違って上(100.005)で切れても按分多いでしょとか思っていたのですけれども、上記のような結果になるとはそらあーた何ぼなんでも調子に乗り過ぎじゃネーノとか思うのですけどはてさてどうなんでしょうね。

つまりですね、0.10%割れでの日銀様の購入が見えている短国だって買い進まれている訳でも無いのに、3か月どころか2年ですよ2年、何で2年の方を0.10%割れ突っ込んで行きますねんという話でありますな。どこぞの銀行さんでも買ってますのかねとかだとこれはまたウヒョーという感じなのですが、まあ例によって例の如くご購入遊ばされた業者様と不明玉様(不明は金融ファクシミリ新聞によりますと6232億円でまあ通常運転)に聞かないとワカランチ会長ではございますが、しかし3か月TBが突き進まない中で2年を買ってくるというのもイメージが湧かないですの。

考えられるのは当然ながら超過準備付利の外側の人たちという事なのですが、投資信託で2年国債をしこたま買わないと行けないような建付けの商品って(公募物では)見たことないですし、年金はそもそもこのゾーンでわざわざ新発国債買うニーズあるとも思えず、生損保も同様とゆーことで、残りは海外投資家様という所。確かにドイツとかの2年国債金利がマイナスだから連想でそーゆー話になるのも判らんでは無いですけど、そもそも2兆7000億円も海外だけでニーズがあるとは思えないですし、海外が買いに来るなら先に短国がもっと祭りになるじゃろと思うので、結局の所「実需の買い」という視点から考えた場合何が何だかよく判らん強さではございました。

#可能性があるとすれば「割引国債はダメだが利付国債は買う」とかいうような仕切りになっているポートがお家の事情で3か月TBよりも2年国債を優先するって動きかなあと思うのですけれども、今時そういうのってどうなんでしょうねえ

ただまあ何ですな、こうやって2年新発の金利が思いっきり0.10%を割りました(結局0.095/0.100の気配で日本相互証券の引けは0.095になっていたと思いますけど)となりますと、早速日経新聞様(日経新聞はかねてから申し上げておりますように拙宅では購読しておりませんので見ないで言うのですが)やら、どこぞの何とかストの皆様におかれましては「基金国債買入の購入が進まない事が懸念→基金国債買入の買入下限利回り撤廃の思惑」という煽りネタを投入するチャンス来々軒とばかりにネタを今朝から投入しているに1万ドラクマという所でございまして、0.20%を割って以来すっかりウゴカンチ会長になっております5年金利なんぞも益々ウゴカンチ会長というかアガランチ会長になるのは必至という所でしょうかねえ。いやはや何とも。

あともう一つ考えているのは、MPMの後最初に行われた3か月TB入札であります所の7月19日オファーのTB296回の再来という動きでして、あの時も不明玉が2.5兆円も出まして「これは買い手が目線を変えたのかあああ」と正直慌てたのですけれども、結局その後のTB入札も穏当な水準で推移し、あの入札は何だったねんという結果になったっつーのがございます。でまあ今回は基金買入下限金利撤廃ネタとかで盛り上げたり、まあ現実に下限金利撤廃になったら0.095%位で日銀に放り込めるし、撤廃にならなくてもどうせ100円には無限のビットが入っているでしょうから逝かれも屁のようなもんとか諸々考えて宝くじ感覚で突っ込んでいるのかも知れないなあと。

しかもこの債券の場合、発行日が8月15日ですので、暫くの間は在庫ファイナンスで逆ザヤのGC調達の心配をすることが無いので、キャリーでマイナスで首が締まるという事もないのがお洒落でして、その間にMPM一回ありますし、ここで「0.10%は入らないんじゃとっとと買入下限撤廃しやがれゴルァ!」とアピって置きますとMPMでさてどうしましょという話が進みやすくなるがなというのもあるので、まあ煽り上等と考えますとそれはそれで可能性あるかなとも思ったり思わなかったり(^^)(^^)(^^)。


ちなみに話はそれますが、「買入対象銘柄の年限長期化」と「買入下限金利の撤廃」というのはある意味トレードオフの関係にございまして、つまりは「基金買入の残高目標を達成するため」という観点で見た場合、別に両方やる必要は1ミリも無い訳でございまして、「超過準備付利金利(0.10%)割れの国債買入をやらない代わりにより長めの国債も買う」VS「対象年限の市場金利が超過準備付利金利割れとなっていることを容認する代わりに対象年限の国債の購入余地を高める」という2者択一の世界でございますので、両方が実施みたいな話をしているコメンテーターがいましたら(いないと思うが)基本的に素人認定するのが吉。

んでもってどっちをやるかと考えた場合、まあ短期国債ゾーンで既に実施したのを見ますととりあえず後者の下限金利撤廃の方がまあ先に来る(ただしその前にオペの札の入り方を見ていき、札割れ連発でどうしようも無いという風になるかどうかを見極めるのが先ですが)のでしょうなあとは思います(非伝統的政策はスムーズな出口設計というのも重要という視点を日銀は持っている筈なので、より長い物を買うくらいなら市場金利の低下容認を選択するでしょと思う)ので、その辺は今後の基金国債買入オペの入り具合を見て行きたいとおもいますです、はい。

#まあいずれの選択肢を取るにせよ、債券市場のインプリケーションという意味では中短期金利が今の水準で益々ウゴカンチ会長になるという話(5年とかはここからもうちょっと下がるのかね)っつー所でしょうかね。何か0.20%を割るとウゴカンチ会長化しますなあ・・・・・・

なお、短期国債と違うのは日銀の買入規模がこのゾーンの流動玉の供給具合に比べて多い事でして、毎週3か月TBが5.7兆円発行されている(その上1年と2か月と6か月が3本あわせて月に8.5兆円発行ですぞなもし)という市場での9.5兆円の買入というのと、元々発行された中長期国債の残骸も色々とあります(ここで市中残高を全銘柄集計したら格好良いのですけれども、そんなマメさはあたくしには存在しないのでここの細かい話はスルーで勘弁)けれども、新発で出てくるのって2年国債の月2.7兆円という市場で24兆円(来年6月末には29兆円)の買入残高達成というのはインパクト的にどうなんでしょうねという感じはします。

#厳密に論議を展開しようとすると、国債買入の方がいったん買うと暫く残高に残るのに対し、短国の買いは現状の環境で考えると殆ど3か月で入ってくるのでターンオーバーが多いとか、色々と置きをしながら市場インパクトをシミュレーションしないといけませんので、まあヒマなお方は計算したらどうっすかね^^

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2012/07/31

○色々忙しくてスルーしていたのでオペ短期雑談をまとめて

・だから長い固定オペはあきらメロンと

オペに関してはこちらのページから見るのが吉です。今回の雑談はここ1週間少々のオペレビュー雑談をするので一々URLを付けませんっす。
http://www3.boj.or.jp/market/jp/menu_o.htm

先週来オペが色々と工夫を凝らして、というと綺麗な言い方になりますが、まあ何か日々七転八倒しているようで調節担当部署におかれましては誠にご愁傷様に存じますという次第でござります(−−)

先日ネタにしましたように20日金曜には固定金利オペの柔軟化決定前に大変に不評の高かった「3か月のオペを6か月でロール」というのをやらかした訳ですが、当座預金残高自体は高水準なるも超過準備があまり動かないという事もあって1兆円の札が入った訳ですよ。

でまあ24日火曜は6か月のオペのロールを6か月で実施したら応札が9075億円(元の折り返しは8000億入っていた)で、まあこの辺りはGCレートがサガランチ会長というか0.105%よりも高かったような感じで推移してたのでまあそうかなという所でした。更に25日には3か月のオペを新規で入れたのですが、3か月オペは最近(今月のMPM前は6か月オペばかり打っていて、3か月オペオファーってのは17日以降という感じになっていました)は応札が4倍超あって按分比率が20%少々という推移でしたが、6か月オペとは大違いで37465億円の応札と短いオペなら要るけど長いのは要らんがなというのが鮮明に。

・・・・・・・・という状態だったのですが、新規オペ入れても札がどどーんと入るという事で、物は試しにやってみたのかも知れませんが、26日には再び3か月オペを6か月でロールするというニーズの無いプレイを実施したら物の見事に応札4475億円(前日の3か月オペの10分の1程度の応札とな)となってニーズの無さというか市場の態度がきっちりし過ぎじゃと苦笑を禁じ得ない次第でありました。

でもって昨日は3か月のオペのロールで今度は2か月物(2か月ロングですけれども)を打つというオモシロプレイが登場(^^)。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of120730.htm
共通担保資金供給(資産買入等基金) 8,000 2012年8月1日 2012年10月26日

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba120730.htm
共通担保資金供給(資産買入等基金)(8月1日スタート分) 38,015 8,010 21.1

まあ当然のようにニーズ有りまくりで今回も按分20%近辺という結果でございまして、まあ確かに年末に向けて買入が拡大すると段々固定金利オペのニーズが落ちる可能性があるから残高入れておきたいという気持ちも判るのでございますが、まあ買入拡大しても超過準備を普通に積んで行く形になって(というかもっと正確な言い方をすると超過準備を積んで行く形にならないと買入拡大が段々困難になってくるのですけど)、市場のファンディングニーズから目の子というか勘で考えますと(^^)、25兆円の固定金利オペはそのまま平常運転でニーズがあると思いますので、そんなに慌てて長いの打たなくても良いような気がするんですが、つーか折角「機動的に対応」という事になっているのですから今後は徐々に短いオペを入れて頂きたく存じますけどどうでしょうかねえ。

#短いオペにすると残高確保のためにターンオーバーが増えるので毎日資金供給を沢山やっているように見えるという副次的効果(????)がありますな(^^)


・買入系雑談

基金短国買入ですけれども、MPMで買入応札下限金利の撤廃が行われてさてどうなりましたかと申しますと、17日は3000億円のオファーに対して30194億円の応札で0.098/0.098となったのですが、27日は応札を堂々6000億円に倍増したのですが、一方で(この次に書きますが)短国入札がMPM翌週の謎不明玉祭りから徐々に普通の入札に戻って来た(超過準備付利の投資家の短国買いレベルの目線が変わらなかったのが原因ですけれども)という事で、やや在庫の持ちも増えたのか、27日は堂々の47872億円の応札で落札レートも0.099/0.099と前回対比でレート上昇。

まあ先々週19日の3か月TB入札で不明玉と言われるのが2.5兆円もあったので、超過準備付利の投資家が買いの目線を変えてきた(0.10%割れも普通に買うようになった)のかと思ってあたしゃかなーりびっくらこいた(想定外)というか焦ったのでありますが、翌週の2か月TBと3か月TBに関しては足切りは超極薄按分ですけれども0.10%レベルに届くわ、所謂不明玉も通常レベル(2か月は不明やや少なめの2000億程度で3か月は大体通常運転レベルの11000億程度)でして、19日の3か月短国入札は何だったんだという感じ(まあ担保玉か何かで偶々ニーズがあったんでしょと思いますがタイミング的に人騒がせにも程があるので、買えなくなったら困る系の意識もあったのかもね)でありますが、0.10%は超岩盤の強力ビットサイド状態というのはカワランチ会長の中、今のところは短国買入をホイホイ入れても普通にジャンジャン買入が可能という所なんでしょうな、うんうん。

ただまあ今ホイホイ短国買入入れても買えるのって殆ど3か月新発近辺になると思いますので、3か月ごとに買入ロールしないといけないので中々オイソガシヤと申しますか、まあ徐々に買入のインパクトが市場に効いてくるでしょうなあとゆーところですがそれがどのくらいになるのかは正直ワカランチ会長。


CP買入に関してはMPM後の7月13日(なおこの時はまだ応札下限金利撤廃は適用されていませんでした、というのに落札結果見た時にあたくし最初気が付かなかったという末代までの不覚事案があったのは内緒です)は出来上がりの買入金利が0.111/0.110だったのですが、これまた足元でGCレートが微妙に高めに推移しているせいか25日の買入レートは0.112/0.111と一つ上昇しておりまして、こちらは下限撤廃の影響今のところなしという感じです。まあ買入の玉さえあればさすがに10は割らんでしょという感じ。


あと、基金国債買入とか輪番とかですけれども、20日の輪番1年以内の落札が出来上がりで多分0.100%と思われる結果(基準利回りとの較差入札なので出来上がりの数字は基準利回りを見ないと正確にはワカランチ会長なのですけれども、たぶん較差0.000/0.000の落札という事は出来あがり0.100%でしょ)となったのは何ぞなもしとか、24日は基金国債買入の1-2年の所とりあえず6000億円もオファーして何とか応札入ってましたけど、さて今日は2年国債の入札がある訳ですが、こちらの金利が0.10%割れとかに沈んでしまうと今後札入るのかねという大変に香ばしいアレを感じるものでして、まあ2年国債の入札結果次第では今後はやはり2-3年を買うしかありませんなあ→2-3年の需給が更に逼迫してカツカツになる→中期金利がアガランチ会長になる→さてどうすんでしょ的な流れになり兼ねませんので、まあニヤニヤしながら眺めたいと存じます。

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2012/07/25

○市場メモ系雑談

・欧州とか米金利とかを俺様メモである

何が何やらという感じですが
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M7O1SC6S973H01.html
スペインのカタルーニャ、中央政府基金に支援要請へ−パイス

El Paisが報道してるんでしたらまあそうっすかと思ったら当該記事は
こちらと思われます(ただしスペイン語)。
http://ccaa.elpais.com/ccaa/2012/07/24/catalunya/1343131267_938560.html

ということで、米国10年債は貫録の1.4%割れですかそうですか。
http://www.bloomberg.co.jp/markets/index_americas.html

米国10年国債 1.387 -0.039 103.312
米国30年国債 2.454 -0.045 111.500

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M7OKKQ6VDKI001.html
米国債:利回りが連日過去最低を更新、欧州危機で不安増幅

・・・・・・・・・・・でまあ追加緩和がどうのこのという報道がWSJに出たとかいう話をモーサテがしていましたが、しかしまあ金融市場に混乱が生じていない中で追加という話ですと相当の下振れリスクという話にならないと難しいような気もしますし、はてどうなんでしょと思うのでございますけどね。


・オペ関連雑談

昨日のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of120724.htm

国債買入(資産買入等基金)(残存期間1年以上2年以下) 6,000 2012年7月26日
国債買入(資産買入等基金)(残存期間2年超3年以下) 1,000 2012年7月26日
米ドル資金供給(固定金利方式) 2012年7月26日 2012年8月2日 0.630
米ドル資金供給(固定金利方式) 2012年7月26日 2012年10月18日 0.640
共通担保資金供給(資産買入等基金) 8,000 2012年7月26日 2013年2月12日

オペ結果(順序は上のに揃える形で直しています)
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba120724.htm

国債買入(資産買入等基金)(残存期間1年以上2年以下) 6,001 6,000 0.000 0.000 100.0
国債買入(資産買入等基金)(残存期間2年超3年以下) 1,576 1,002 0.000 0.000 63.6
米ドル資金供給(固定金利方式)(8月2日エンド分) 0 0
米ドル資金供給(固定金利方式)(10月18日エンド分) 0 0
共通担保資金供給(資産買入等基金)(7月26日スタート分) 9,075 8,008 88.2

・・・・・・・・何かまた6か月オペを打っておられますが、まー足元でGCレートが高い(高いって言っても0.105〜0.110の間ですけど)状況にありますように、若干足元のGCが重いので6か月オペを入れても札が入るのでしょうけれども、どちらかと言いますと安定的に3か月オペを入れるとかの方がオペのニーズという意味では扱いやすいと思うのですけれどもにゃあ。何となく買入進んで年末に向けて当座預金残高が増えて札が入りにくくなる前に打ってしまえというようなお気持ちが伝わって来るのですが(^^)、いやまあお気持ちは判るのですけれども折角市場のニーズに合わせてオペしますという話になった事ですし、もうちょっと短いオペの方が国債の在庫ファンディング的にはアリガタヤという気はする(まあ銀行の場合どうなのという議論はありますが)んですけどね。毎日1兆円のオペを25本打つ(よって期間は25営業日物)とかもう機械的にやるというのも^^

#この前資金余剰日(6月20日)スタートのオペも実施したわけですし

あと、基金国債買入の方ですが、これまたECBのどう見ても何も考えていないはた迷惑利下げによってドイツだのデンマークだのオランダだのの2年金利がマイナスだのゼロだのという素敵な水準になり(スイスはペッグの影響で以前よりマイナスでしたが)まして、デンマークとか-0.40%近くだったと思いますので、ファシリティーのマイナス金利よりも安全資産プレミアムが20bp近く乗っているという素敵な状態になっているとかになりやがりまして、その影響かどうかは知らんですけれども、日本の2年国債も0.10%ではとてもとても買わせてくれません状態になっとる次第。

つーことで、まあ昨日のオペでは6000/1000という割り振りで無茶しやがってという感じではあったのですが、とりあえずカツカツで札が入って良かったですね(棒読み)という風情ではあるものの、まあ2年金利とか中々アガランチ会長になっている中でこちらの方の基金オペ買入いつまで続くのでしょうかねえという感じではありまする。まあ札の入りがしんどいようなら2年〜3年の買入を厚くするという事になるのでしょうが、そうなりますと(まあ既に十分沈んでいますが)益々0.10%岩盤状態の年限が伸びて行くのでしょうという誠にアヒャヒャヒャヒャな事になりますなあ。

まあ残高達成の為にという話になると、この辺の市場金利がアガランチ会長どころか低下となりますと、将来的に買入下限金利を撤廃するとかやっぱり買入の年限を延長するとか、その手の素敵な思惑は出易くなり、それがまた自己実現的に相場に反映されるとか考えますと中短期金利は中々アレな事態が続くという事ですかそうですかorzorzorz

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2012/07/24

○各種雑考とか雑談とかである

・2か月TB入札

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul240723.htm
国庫短期証券(第297回)の入札結果

(1)応募額 46兆53億1,000万円
(2)募入決定額 2兆3,276億5,000万円
(3)募入最低価格 99円98銭3厘0毛 (募入最高利回り)(0.1000%)
(4)募入最低価格における案分比率 0.7166%
(5)募入平均価格 99円98銭3厘5毛 (募入平均利回り)(0.0971%)

ということで、落札結果は毎度のように0.10%割れ・・・・と思ったら物凄い薄い按分ですけれども足切りが0.10%に乗るとかほほうな結果。まあ平均が上の刻みなんで足切りで入った札は本当の本当にカスみたいなロットなんでしょうけれども。

・・・・・でまあそれはそれとしてへーと思ったのは不明玉ちゃんでして、2.5兆円の入札(価格競争分は2.3兆円ね)に対して所謂不明玉が2000億円ちょいしかございませんでして、先週の3カ月入札でげげげのげと思った不明玉2.5兆円攻撃から一転して超普通の入札になりましたです。

まあ何ですな、2か月と3か月ですと「モノ」としての使い勝手が違う(3か月の方がモノとしては使い勝手が良いという面があったりする)ので、物としてのニーズがはてさてどうなんでしょとか考えた場合には結局の所今週の入札を見ないと何とも言えなかったりするのですが、まードンドン金利が下がってオッペケペーという事でも無いのかなあとは思う入札結果でありました。


・マイナス金利雑考

まだ頭が纏まっていないのでとりあえず思考のメモだけしておく。

・・・・・・えーっとですな、このネタもうちょっと考えて頭で纏めてから書こうと思っているのですが、今日の某モーサテで「ECBの預金ファシリティー金利をマイナスにして銀行間金利がマイナス」とか何とかいう解説をしている方がいたので脊髄反射でちょっとだけメモ。

そもそもECBの預金ファシリティーってのは日米のようなリザーブ付利と話が別で、これは超過準備部分を準備預金制度参加銀行が自主的にファシリティーに預けるという仕組みになっておりまして、一方でECBは超過準備に付利をしていない中で超過準備の保有限度は特段設けられていない(筈です、色々と探したのだがなかなか見つからないのですが関係者に聞いて回った所たぶんそうだと思われます)ので、預金ファシリティー金利をマイナスにしても意味が全くないだけの話ですわな。

そらまあ超過準備にチャージをするとか、(デンマーク方式で)超過準備に限度額を設けてそれを超えると自動的にペナルティー金利というのであれば話は分かりますが、そうなった場合って銀行間市場金利がマイナスになるよりも、単純に超過準備が減らせるだ減らされるという行動になりますので、つまり「量的な意味では引き締めになる」という事でございまして、そらあーた金融不安のある中でインターバンクの資金量を締めるとか頭が相当いかれていないと実施できない政策だと思うのですけどねえ。

ただまあECBは今回の利下げでどう見ても何も考えてないだろうという預金ファシリティーゼロ攻撃によって却って市場の安全資産選好を強めて安全国の国債金利のマイナスを深くしたという無茶(短期市場関係者的な視点だと、どう見ても今回の利下げは逆効果で何の為に実施したのか意味判んねえという風に思えるのですが)振りをしているのがアレでございますけれども。

まあそもそも銀行間市場でのマイナス金利発生とかいうのは基本的に調達がマイナスでは無い以上シングルカレンシーの状態では有り得ない(為替スワップが絡むと有る)のでして、リアルマイナス金利資金供給でも無い限りは銀行間には行かずにモノとしてのニーズのある国債の方に逝くでしょとかいう話をしようかと思っているのですが、まだ頭の中で全然纏まらない中でついモーサテにツッコミを入れる為に脊髄反射で書いてしまったので続きは後日(^^)、というか本石町日記先生の方が詳しそうな希ガス(大汗)。

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2012/07/23

・またユーロですかそうですか

ほほう。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M7G5546KLVSD01.html
NY外為(20日):ユーロが対円で2000年以来の安値に下落

『7月20日(ブルームバーグ):20日のニューヨーク外国為替市場ではユーロが対円で2000年11月以来の安値に下落。対ドルでは2年ぶり安値をつけた。欧州政策当局者による域内金融危機への解決努力が十分ではないとの懸念が背景だ。』(上記URLより)

という事でECBの先般の利下げは金融政策対応として方向が斜め上だった(利下げするよりは信用緩和だったんじゃネーノという意味)という感じではございますが、展望レポートを出すとその途端に欧州があばばばばーになるとか4月の展望レポートに続いて7月の中間評価でも同じプレイが炸裂とか、もうお祓いを受けた方が良いのではないかというレベルのような気がします(−−)。

まあ円高になるとまた色々と喧しくなるのですが、展望レポートをドヤ顔で出した途端というタイミングが如何にもマズーでしょうなあ。


・調子に乗って6か月オペの実施なのですが&謎の輪番結果

金曜日のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of120720.htm

国債買入(残存期間1年以下) 3,100 2012年7月24日
国債買入(残存期間1年超10年以下) 2,500 2012年7月24日
共通担保資金供給(資産買入等基金) 8,000 2012年7月24日 2013年2月7日

オペ結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba120720.htm

国債買入(残存期間1年以下) 8,527 3,101 0.000 0.000 98.9
国債買入(残存期間1年超10年以下) 7,324 2,504 0.006 0.007 78.3
共通担保資金供給(資産買入等基金)(7月24日スタート分) 10,430 8,005 76.7

という事で金曜のオペは色々と謎だった訳ですが、まずどうなのかと思うのは6か月オペのオファーでして、木曜は普通に3か月固定オペのロールを3か月で実施したのですが、まあ札が集まるもんだから調子に乗ってオファーしたんだろうなあというのは判るのですが、金曜はまたまた「3か月固定オペのロールを6か月オペで実施」というパターン。

いやね、足元でGCが重めだからこれはこれで札は集まるかもねとか思って見ておりましたら応札1兆入ったのですけれども、足元の需給的に入りそうだからという事でそうホイホイと3か月オペのロールを6か月で打つというような事をされますと、固定金利オペを使った在庫ファンディングする債券業者としては担保繰りの計画が立て難くなって運用的に困るんでそういうの勘弁して欲しいんですけどねえ。固定金利オペの総額25兆円ですと(買入の拡大によってブレはあると思いますが)目の子で恐らく市場の資金需要的に言って残高目標は行くでしょと思われる水準でして、そう慌てて年末越えのオペを入れなくてもと思うのですよね。

つーか「市場のニーズに対応しやすくする」という事でオペの期間を6か月以内というのにした筈でして、3か月オペなら3か月オペで普通に25兆円を8000で割った分だけ回してくれれば良いと思う(まあ3か月よりも1か月とかにした方がニーズが高いと思うけど)次第でありますし、6か月オペを残したいのであれば6か月のロールを6か月でやれば宜しいがなと存じます次第。

つまりですな、現状の国内における業者の在庫ファイナンスとか銀行の金繰りという市場(市場というか対日銀取引だが^^)における参加者のリスクは、「資金がショートする」リスクよりも「担保繰りがショートする」リスクの方がテラヤバスであって、担保繰りがショートすると飛んでも無い低い金利の短国を買うのかGCを買うのかという事になります(担保さえあれば日銀からも取れますし、GC市場でほんのちょっとレート上げれば資金のアベイラビリティーは潤沢に確保できている)という事でそもそも6か月オペのニーズが消滅している(1年とかの金利が6か月よりも立っていれば運用サイドのニーズがあるけれどもその金利は基金国債買入拡大の影響で超フラット状態)という事なのですからして、まあ無茶振りオペへの対応で苦労している調節担当セクション的に年末越えのオペを打っても札が入りそうなら打ちたいというお気持ちはひじょーーーによく判るのですけれども、やはりその市場のニーズに機動的に対応という話と整合的ですかねというのは思うのでありました。


#うむ、3行コメントの積りが妙な長さに

あとまあ輪番も謎なのですが、1年以内の輪番の足切りが利回り較差0.000%になっておりまして、それって出来上がり0.100%じゃネーノという気がするのですが、今普通に短い所の国債買いに逝っても0.09%台で何とか(モノによっては物無しの為もっと悲惨な事になるような希ガス)という感じだと思うのですが、どうしてこうなったのかが正直ミーには謎ざますが何なんでしょこれ??

#単なる何かの勘違いだったらどうもすいません


・LIBORがどうのこうの

モーサテでロイターが報道しておりましたがどうのこうのとゆうとったニュース。
http://www.reuters.com/article/2012/07/22/us-banking-libor-criminal-idUSBRE86L0CC20120722
Exclusive: Prosecutors, regulators close to making Libor arrests

いやあのそもそも無担保銀行間取引の3か月とか6か月とかの市場取引実態が無い状況下において呈示金利が正しいも正しくないもねえだろとか言うのは何度も申し上げている通りですが、どうも「銀行叩き」とか「(米国の場合は)自国の短期市場指標金利がロンドンで決められているのはケシカラン」というような経済的では無い動機が話をややこしくしているようで、甚だ遺憾な展開だとは存じます次第。

BOEのページ(何かレイアウトが変な気がするのですがワシのPCのせいかな)
http://www.bankofengland.co.uk/publications/Pages/news/2012/070.aspx
News Release - Further information and correspondence in relation to the BBA Libor Review in 2008

下のKey Resourcesって所に

http://www.bankofengland.co.uk/publications/Documents/other/treasurycommittee/financialstability/emailchain.pdf
Further information and correspondence in relation to the BBA Libor Review in 2008
(メールのコピーをPDFにしているのでアホのように重いので注意)

http://www.bankofengland.co.uk/publications/Documents/other/treasurycommittee/financialstability/timeline.pdf
Timeline of Bank/Federal Reserve/BBA communications about BBA Libor Review in 2008

とかございますが、まあこの辺の関連情報一通り読むほどの暇が中々無いのですが(汗)その前の米国当局と英国当局の話はこちらの方にあるみたいです。

http://www.bankofengland.co.uk/publications/Pages/news/2012/068.aspx
Bank of New York and British Bankers’ Association in relation to Libor

http://www.bankofengland.co.uk/publications/Documents/news/2012/nr068.pdf
Correspondence between the Bank of England, the Federal Reserve Bank of New York and the British Bankers' Association

まあ経緯とか真面目に読まないと何とも言えませんな、うんうん。

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2012/07/19

○輪番オペ1年以下の応札金利がどうのこうの

こんなんありました。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M7BZ9Q0YHQ0X01.html
日銀、輪番オペ1年以下の下限金利撤廃−マイナス金利容認も(1)

『7月18日(ブルームバーグ):日本銀行は長期国債買い入れ(輪番オペ)の残存期間1年以下を対象に0.1%の下限金利を撤廃し、マイナス金利での買い入れも容認する。同オペでの応札額が予定額に届かない「札割れ」を回避する対応策。広報担当の中村毅史氏によると、17日に証券会社など取引業者に通知した。具体的には正の金利を入力することになっていたものを、短期国債や1年以下について、「正、負、ゼロのいずれかの値」を入力することに変更。日銀がマイナス金利でも購入することは初めて。同オペではこれまで日銀が買い入れる際に利回りが0.1%を下回る場合は対象外としていた。中村氏は「下限金利がなくなるので、札割れは起きにくくなるだろう」との見方を示した。』(上記URLより)

でまあこういうのが出ますと早速「基金長期国債の買入に関しても買入下限金利撤廃の可能性高まる」という連想が出るのですけれども(というかそんなコメント見ましたが)、これはやはり「買入残高の確保をする為に1年以下の所でバンバンやりまっせ〜」という話でありまして、理屈としては基金短国買入の下限金利撤廃と同じです罠。

ただまあ何ですな、こういうの出すと当然ながら変な思惑を呼ぶのでどうなのよという気もするんですけど、恐らくは日銀的には足元で別にレートが馬鹿下がりしている訳でもなく、マイナス落札何ぞ夢のまた夢という状態の今だから変に思惑を呼ばないと判断したんだろうなあとは思いますし、まあ大体それで問題ないとは思うのですが、やはり足元ではちょっとその手のコメントも出るわなあとか思いました(が先ほども申し上げましたように、この施策を見て「これで基金長期国債買入下限金利の撤廃が見えてきた」とか言うのは発想のひねりが足りませんのでもう少し頭を捻りましょうという所で(^^)。

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2012/07/10

○金先とか2年債とかオペ雑談とか

またまたロイターから。
http://jp.reuters.com/article/treasuryNews/idJPTK084585620120709
東京マーケット・サマリー・最終(9日)
2012年 07月 9日 18:03 JST

『ユーロ円3カ月金利先物市場は堅調。日銀が11─12日の金融政策決定会合で何らかの追加緩和を打ち出すとの観測から短期筋や実需筋から買いが先行した。中心限月の2013年3月限は一時前週末清算値比3.5ティック高の99.740と2011年3月以来の高値を付けた』(上記URLより)

昨日は「債券市場は追加無しがコンセンサスになってきてるんじゃネーノ」と申しましたらお友達さんから盛大にツッコミを頂戴いたしましたが(汗)、ユーロ円金先は金曜と月曜で大体0.06〜0.07%程度の金利低下と最近ではまれにみる大上げ。

金曜から金利低下という事で、まあどう見てもECBの利下げが点火材料になっているのでございますが、預金ファシリティーゼロの影響で欧州でもドイツ国債の2年がマイナスとかやっていますが、オランダの2年も0.05%とかに低下してたと思いますし、預金ファシリティー金利がゼロになって安全国の国債買いますか攻撃が入って、それが為替オープンで来るのか為替ヘッジ付になるのか知らんですけど、仮にヘッジ付でも調整ベースで金利がプラスなら買うかとか無茶振りされますとこらまたアレな展開という事です罠。

2年カレントに関しても朝方は0.095/0.100とかだったと思うのですが、後場になって0.095%が業者間で盛大に(というのはちょっとオーバーですが)出合って、超過準備付利金利割れかよ2年で〜とか思ってみてたら5年とかもまあ金曜同様に0.20%割れ(引けは5糸強の0.190%)ですし、全くECBは何を考えてるんだという所ではございます。

だからと言って日本が当座預金付利下げるかちゅうたらまあ先ほどの事案のように、金利を必要以上に下げ過ぎると弊害の方が大きいという事なので普通に考えると下げないとは思いますけど、そらまあ2年の金利が0.10%割れ定着(所詮限界的な部分の買いではあると思いますので長続きはしないと思いますが、ただまあ預金ファシリティゼロの影響という事ですから従来の動きより若干継続する恐れは無いとは言えないかなあと)とかしますと、やはりその手の思惑は仕掛けやすくなるだろうなあと思われます。


で、オペ雑談ですが。

ここ3日のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of120705.htm(5日)
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of120706.htm(6日)
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of120709.htm(9日)

でまあその結果ですけれども、3Mと6Mの固定金利オペの結果を並べてみましょう。

5日は3か月オペのロールを6か月で実施
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba120705.htm
共通担保資金供給(資産買入等基金)(7月9日スタート分) 3,220 3,220

6日は3か月オペを新規で実施
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba120706.htm
共通担保資金供給(資産買入等基金)(7月10日スタート分) 26,650 8,009 30.1

9日は3か月オペのロールを6か月で実施
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba120709.htm
共通担保資金供給(資産買入等基金)(7月11日スタート分) 1,790 1,790

・・・・・・・・・いやね、3か月のロールで打ってきてる6か月オペの応札がドンドン減る一方で、3か月を新規で入れると応札が3倍超とか、オペを打つ方も応札する方も意地になっているように見えて(まあ入れる方は意地でも何でもなく単に経済合理的に行動しているだけでしょうが^^)実に香ばしい展開でごいますな。などと野次馬モードですいませんすいません。

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2012/06/29

○またもオペ雑談

ただの粘着ですかそうですか(^^)。

オファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of120628.htm
共通担保資金供給(資産買入等基金) 8,000 2012年7月2日 2012年9月27日

結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba120628.htm
共通担保資金供給(資産買入等基金)(7月2日スタート分) 15,033 8,009 53.3

ということで3か月固定オペをまたまた新規で入れてきたのですが、もともと今月は20日以降月末に掛けてのオペの期落ちが少なかったうえに、3か月のロールを6か月で実施するという荒業プレイによってロールの札が減ったのもあって、まあ3か月のニーズはあったということでめでたく応札が1.5兆円入って良かったですね(棒読み)という所ではございます。

まあ何と申しますかオペ残高確保の為になりふり構わずという風情でありまして、そらまあ5月の決定会合議事要旨見たら政策委員会から「まあお前ら頑張れ」とか実務上のフィージビリティー的に限界のある状態までオペ拡大して後は現場にマルナゲータとか現場からしたらナメトンノカヴォケという所ではございましょうけれども(−−)、まあそんな中でも頑張る所がジャパンのクオリティーっぽくて実に素敵ではございます。

・・・・・・・ただですな、3か月のオペのロールが6か月になるとか、そんでもって減った3か月の分を今度は新規で入れるとか(それこそ今回のオペのエンドでのロールが6か月になったら「創刊号は200円」の某ディアゴスティーニ商法かという所ですが^^)、あまりオペの打ち方が猫の目状態になってしまうと、そもそも現在は量的緩和状態を実施している中で、そういう環境下において別に固定金利の3か月とか6か月とかそんな長い資金ってニーズが多い訳では無いのでして、資金のアベイラビリティーに問題があるという状態だと固定金利にニーズがあるのは欧州見れば判りますけど、日本の市場環境的には、資金のアベイラビリティーよりも担保足りなくなる方がリスクというまあある意味贅沢な悩みではありますが、そーゆー状況にある訳でございます。

そして、固定金利オペにニーズの出るもう一つのルートとしては長短金利差での鞘抜きニーズという話になるのですが、基金国債買入をホイホイ拡大した結果として、1年どころか3年まで金利が0.10%に張り付いてしまいますと、そもそも6か月の資金を固定しても鞘抜けるものが無い(たとえば1年金利が0.15%だったら6か月を0.10%で固定したら後半6か月が0.20%でブレークイーブンとかそういう話ね)のでございまして、益々ニーズございませんなというお話。

つまりですよ、そういう次第でそもそもニーズが無い中でまあそれはそれで一定の札が入るのはどうしてかと考えた場合に、「安定したファンディング」というニーズが有る訳でして、国債ディーラーからするとまあ当然ながら国債売買における在庫ファイナンスのニーズがありまして、売買で結構その必要額はぶれますけれども、そうは言いましても根っこの部分でのファンディングのニーズがありますので、そこに関しては3か月の固定オペをロールしながら対応しまひょかという話になりますがなという事ですな。然るに3か月のオペのエンドが6か月になるとか、急に新規がホイホイ入ってくる(まあ総額減った分の補填したいのは判るけど)とか、あまり猫の目をやられますと入れる方的に「安定したファンディング」のニーズを満たさなくなりますがなとゆー事になって、却って札が入らなくなる可能性がありますので、まあ残高確保に色々と工夫したいのは良く判りますし、工夫大変ですねえとか思うのですけれども、市場的にはそんな事情もあると思われますので、工夫も程々にというのが吉なのではないかと愚考する次第だったりしますです、はい。

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2012/06/27

○オペ雑談メモ

毎日工夫をこらしたオペを打っているのは判りますが・・・・・・・・

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of120626.htm

米ドル資金供給(固定金利方式) 2012年6月28日 2012年7月6日 0.670
米ドル資金供給(固定金利方式) 2012年6月28日 2012年9月20日 0.680
共通担保資金供給(資産買入等基金) 8,000 2012年6月28日 2013年1月21日


http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba120626.htm

米ドル資金供給(固定金利方式)(7月6日エンド分) 0 0
米ドル資金供給(固定金利方式)(9月20日エンド分) 0 0
共通担保資金供給(資産買入等基金)(6月28日スタート分) 3,985 3,985

ドルオペの方はまあ良いとしまして、昨日は固定金利オペのオファーがあったのですけれども、何故か3か月物のオペのロールを6か月で打つという「創刊号は300円」のディアゴスティーニ商法もビックリのオファーを実施。まあ普通にやっていると6か月物のオペって中々札が入らない(しかも20日越えて当座預金残高が空前の状態になっているという中ですし)のでこういう戦法を取って札集めようというお気持ちは判るのですが、この前はまあ3か月オペを新規で入れたからその分の振替で3か月のロールを6か月で打ってもまあそうですねえとは思いましたが、さすがに2発目となるとややアレな雰囲気が。

いやですね、基本的に固定金利オペってロール前提でオファーしているという風に市場の方も思って段取りを組んでいる筈でして、3か月のオペの落ちが6か月になるとかいうのを乱発されますとやはりそれは「事前の段取りが狂う」という話になると思いますので、その方が札が入るかもしれないから打ちたくなるのは判るのですけれども、さすがに段取り組んでたのがいきなり変更とかになりますと、今度は「ロールが必ずしも同じように入らないかもしれない」というのを前提に置いた応札をする(つまり安心して応札できないという話)事になると思いますので、目先はともかく、将来的な継続的な見方をした場合に却って応札が減ることになりゃせんかという気は何となくするんですがどうでしょうかね。つーか8000億円(細かい事言うと8004億円)のロールに対して応札が3985億円しか無かったというのは(ちなみに前回の攻撃時は8011億円のロールに6899億円が応札)単に資金ニーズがという話だとは思いますが、こじつけてしまえば固定金利オペの運営に関して不確実性が出てきたのでオペの応札が減ったとも言えない事はございませんと存じますです、はい。

まーそんな事言ってる場合じゃないという位の技術的な固定金利オペの限界に至っておりますがなといってしまえばそれまでの話ではあるのですが

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2012/06/26

○何となく雑談ネタみたいなものを少々

・当座預金残高が絶賛拡大している訳ですが

昨日の当座預金残高速報
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/jx120625.htm
当座預金残高 425,500

本日の当座預金残高予想
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/jp120626.htm
当座預金増減 +9,600

ということでございますので、本日は日銀当座預金残高が43兆円台に乗る予想となっている訳ですが、今年の3月とか4月に前年の震災対応流動性供給の影響で前年比のマネーが減って日銀は金融引き締めしているから円高になってケシカランとか言っていた人たち、特にどこぞの何とかスト様におかれましては当然ながら足元の状況を捕まえて日銀の金融緩和が進んで大変に素晴らしいとか褒めるんでしょうねえと存じまして、目を皿のようにして某証券や某証券からのレポート配信を楽しみにしておったのですが、あたくしが見た所その手のレポートらしきものは全く拝読できないという甚だ残念な状態。

まあ何ですな、つまりおまいら日銀の引き締めガーとか抜かしていたのは単にその場で日銀にいちゃもんをつけただけだったんちゃうのかと小一時間問い詰めたい訳でありまして、世の中色々な言説を拝見しておりますと、まあメディア系電波発信装置系の人々は良くやる手段ではありますが、統計とかデータを自分の都合の良い時だけ引用してああだこうだという手段がありまして、本職の何とかストとかが大真面目にこの手の手法を用いるというのも昨今では(まあ一部とはいえ)目に付く所でありますので、よーく監視する必要があるかなあと個人的には思っていますが、一々それを並べて晒しあげとかするほどマメではありませんので気が向くと監視するだけという所ですな、うんうん。

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2012/06/25

○日々是オペ雑談

金曜のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of120622.htm

国債買入(資産買入等基金)(残存期間1年以上2年以下) 7,000 2012年6月26日
国債買入(資産買入等基金)(残存期間2年超3年以下) 3,000 2012年6月26日
共通担保資金供給(資産買入等基金) 8,000 2012年6月26日 2013年1月17日


結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba120622.htm

国債買入(資産買入等基金)(残存期間1年以上2年以下) 11,063 7,013 0.000 0.000 59.8
国債買入(資産買入等基金)(残存期間2年超3年以下) 8,342 3,000 0.002 0.002 60.0
共通担保資金供給(資産買入等基金)(6月26日スタート分) 6,899 6,899

ということでオペのオファーが毎度の如く必死なのですが(^^)、金曜につきましては基金国債買入の配分が8000/2000→7000/3000と変わりましたがトータルは同じ。応札の状況見ると割り振り的にはこんなもんという感じでしょうか。

そして金曜日に更にアレでしたのは固定金利オペの方でして、こちらに関してはロールの実施なのですが「3か月物のロールを6か月物で実施」という荒業にも程がある攻撃。まあこの前新規で3か月物を入れましたのでその分を6か月に振るという手は確かに有りなのですが、何というかその発想は無かったわという所でございまして、6899億円も応札があって良かったですね(棒)という所でございますが、とにかく残高達成の為にご苦労なこったという所で実に涙ぐましいものを感じるのでメモだけしておくのであります。

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2012/06/20

○今日もオペ雑談

こう毎日オペでネタが投下されるとか中々胸の熱い展開ではありまふ。

火曜日のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of120619.htm

米ドル資金供給(固定金利方式) 2012年6月21日 2012年6月28日 0.650
共通担保資金供給(資産買入等基金) 8,000 2012年6月21日 2013年1月15日

オペ結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba120619.htm

米ドル資金供給(固定金利方式)(6月21日スタート分) 0 0
共通担保資金供給(資産買入等基金)(6月21日スタート分) 3,207 3,207

ドルオペ坊主は兎も角としまして、昨日は月曜に続いて固定金利オペを新規でオファーするというプレーに出てまいりました金融市場局。まあ丁寧な言い方をしますと「さまざまな方法を使って積極的に資金供給オペを実施」とか何とかいうのですが、まあ短期市場関係者的に申し上げますと「ヤケクソのオペ乱打」ってな感じがするんですが口が悪いですかそうですか。

6か月オペの新規とかこらまたよー打ちますなという所ではあるのですが、やはり6か月オペだけに前日の3か月とは違い普通に(まあ予想通りです)札割れとなったのですがとりあえず年末残高を3200億円積み増せてよかったですね(棒読み)という所で。

まあ何ですな、昨日も申し上げましたようにこのオペ乱打状態は新たな政策インプリケーションを与えるものでは無く(あったらMPMで何かアナウンスする)、従来MPMで決定している金融調節方針の踏襲という事ではあるのでござんすが、固定金利オペを新規に打つにしても一応明らかに資金余剰日になる所を避けてみたり、足元での固定金利オペの期落ちが妙になかった(28日まで期落ちが無い)りするとか、6月20日の大幅余剰(財政要因で7.3兆円の資金余剰見込み)を意識したのかねとか、まあ一応資金需給もみながら淡々とオペを打っていたというのが従来の姿。

然るに、何でこのタイミングでというのはよーワカランチ会長ではございますけれども、直近はその淡々とした打ち方から一転して髪振り乱しての追い込みとゆー感じでありまして、大体からして20日は資金大余剰日なのは端から明らかで、何もなくても当座預金残高が40兆円近辺という状態なのに、その日スタートで新規の資金供給オペ打つ(ちなみに基金国債買入も20日スタートで1兆円オファーしていた訳で、合計で1.8兆円の新規資金供給である)とか中々画期的というかヤケクソというかっつー風情ではございまする。


先ほど申し上げたように政策インプリケーション云々という話よりは、これは市場金利の絶賛低下によって資産買入等基金の残高目標の達成がしんどくなりそうという事で、まあそもそも包括緩和では「長めの市場金利の低下」と「リスクプレミアムの縮小」を企図しているのでそれはそれで札割れ上等とか言いたいのでしょうけれども、MPMのアナウンスとして65兆円(来年6月末では70兆円)というのをぶち上げております関係上、札割れ上等未達やむなしとか開き直る訳にも行かず(まあ経済物価情勢が順調に目途達成寸前とかなら兎も角ね^^)、まあ髪振り乱してオペ頑張るしかないですが、面白いからこの際資金需給とかあまり気にしないで毎日固定金利オペ打ってくださいとかまた調節部隊の方々が色々と頭を捻っている(と思われる)中で無責任な野次馬発言ですかそうですか。

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2012/06/19

○オペ雑談というか備忘録である

昨日は色々とオペで不思議現象があったので。

月曜のオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of120618.htm

CP等買入(資産買入等基金) 3,000 2012年6月21日
国債買入(資産買入等基金)(残存期間1年以上2年以下) 8,000 2012年6月20日
国債買入(資産買入等基金)(残存期間2年超3年以下) 2,000 2012年6月20日
共通担保資金供給(資産買入等基金) 8,000 2012年6月20日 2012年9月21日

落札結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba120618.htm

CP等買入(資産買入等基金) 4,730 2,956 0.006 0.008 19.9
国債買入(資産買入等基金)(残存期間1年以上2年以下) 11,731 8,018 0.000 0.000 68.3
国債買入(資産買入等基金)(残存期間2年超3年以下) 7,368 2,008 0.001 0.001 59.6
共通担保資金供給(資産買入等基金)(6月20日スタート分) 18,500 8,008 43.3

(上記URL先ではオファーバック順に表記されているのですが、オファー順に順序を改変しています)

まず最初にあれと思ったのは基金国債買入でして、今回は1〜2年と2〜3年の各買入予定額が8000億円と2000億円と相成りまして、ここもとの買入オファーはオファー日ベースで直近から順にさかのぼると18日:8000/2000、7日:6000/2000、5月25日:3500/3500、5月16日:6000/1000(でこの16日の買入のうち1〜2年が札割れして話題になったのだが)とまあ毎回変更するわ今回は額が増えるわと中々お洒落。

何で増えましたですねんという話は正直ワカランチ会長ではございますが、落札結果を見るとまあ札は普通に入っているので、その辺は札が入るという読み筋(ヒアリングなどはしている筈)でオファー額を決定しているのでしょうけれども、(1)買入を前倒し実施しているようなアピールをしてみた、(2)今後も買入が増えて来ると段々札割れの可能性が高まってくるので、そんなら買える内に残高を確保しておく、というまあ概ね2種類の読み筋(あるいは合わせ技)があるかと思われます。


でまあ後場にこれまたありゃーと思ったのは3か月固定金利オペのオファーでありまして、既に3か月物オペに関しては(この前1回札割れしましたけど)残高目標行っておりまして、何で新規で打つのか正直謎展開。上記の結果の通りで18500億円の応札があったのですけれども、先日ちょっとネタにしたように固定金利オペの期落ちが暫く無い中でGCレートが微妙に高いという状態だったので札は入る展開ではあったと思うのですが、何でこのタイミングで新規を入れたのでしょうかねという感じ。

20日になると国債償還で財政資金が7兆円とかの払い超になりまして、まあその7兆に関しては即座に市場に出るかどうかというとこれまた微妙なので20日直後って資金が偏在しやすい状況にはなるのでそれに対応したという説は無い訳でも無いのですが、んな資金偏在なんぞ暫くしたら解消しまして金が余りまくって来る話ですし、大体からして20日の資金偏在を気にするならもっと前にオファーしないといかん話。

とまあ考えますと、これまた将来の札割れ対策で先に残高積んで置けば償還ロール時に需要が完全になくなってオペが坊主になるという事も避けられる(資金需要的にニーズの無い時に新規を入れても坊主になるだけだが、オペの落ちがあると少なくともその分だけは資金需要が発生する計算になるので)ので、札割れ対策で糊代作ったとかそういう話になるんですかね。

まあ何ですな、とりあえず残高に目標数値を置いているだけに、札割れ対策も考えてオペを色々と(オペ部隊の裁量範囲内で)いじっているという所に涙ぐましい努力の跡を感じる次第でございます。基金国債買入に関してはケツの残高目標だけ決まっているので、途中のオファーをどうするかは市場局の裁量になりますが、固定金利オペに関しては毎回8000億円のオファーという風にしていたというのがありまして(この辺→http://www.boj.or.jp/announcements/release_2010/un1003d.pdf)この後オペ残高拡大していく中で前述の頻度とかは形骸化しているのですけれども、毎回8000億円というのが微妙に生きているような感じですよね。MPMで議決しないといけないのかはよく判らん所ではあるのですが、8000億円というアナウンスを1回やっているので有耶無耶のうちに変えるのも変という事でしょうかね。


つーことで、まあ特段の政策アナウンスメントを意識している訳でも無い(逆にアナウンスメントを強調したいのであればMPMで鉦や太鼓を打ち鳴らして宣伝するもんですから)とは思いますが、ちょっと面白かったので小ネタでありました。

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2012/06/15

○いつもの市場雑談

いつものオペ雑談である(^^)。

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of120614.htm
共通担保資金供給(資産買入等基金) 8,000 2012年6月18日 2012年9月20日

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba120614.htm
共通担保資金供給(資産買入等基金)(6月18日スタート分) 22,770 8,008 35.2

昨日の3か月固定金利オペはこれまた応札2兆超えとエライ多い額になった訳でございますが、13日と15日に共通担保金利入札オペの期落ちが各1兆円あった(今月の頭と先月のケツに実施したオペ)為にオペ的にニーズがあった事と、固定金利オペの足が来るのが次は6月26日でして、暫く買入以外の資金供給オペが無い(資金需給的には余剰モードに突入するのでどこからどう考えても金利入札オペが追加で入るとは思えない)とゆーよーな一時的な需給要因でしょうなあと思われる次第ではございます。

ただまあ傾向としては昨日の3か月TB入札に見られますように・・・・・・

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul240614.htm

5.価格競争入札について

(1)応募額 112兆2,786億円
(2)募入決定額 5兆3,144億8,000万円
(3)募入最低価格 99円97銭4厘5毛 (募入最高利回り)(0.1011%)
(4)募入最低価格における案分比率 0.8955%
(5)募入平均価格 99円97銭4厘9毛 (募入平均利回り)(0.0996%)

・・・・・・ということで、辛うじて0.10%乗せの所の足切りで決着(一つ上の札の99.9750円はレート換算で0.9921%となる筈)したのですが、按分は何と1%割れとなりますので、按分狙いで満額(5.7兆円)応札しても510億円しか入らないという誠に残念な状態で、そらまあメインの札は0.9921%の所に入ったのでしょうなあ(じゃなかったら平均が99.9749にならん)とゆー所でございまする。少しでもコスト下げようという事で応札限度の残り分を皆さん揃って足切りの所に突っ込んだ結果応募額は貫録の2打席連続100兆超えと相成りましたという事でございますな、うんうん。


でですな、つまり入札参加した皆様におかれましては直近の3か月TBのコストがどう見ても0.10%割れとなっておられる訳でございまして、まあそーゆー状態ですと基金短国買入にこの銘柄を打ち込むインセンティブは中々沸かないでしょうなあとか思われる次第で、先日はオファー額を減額するという大技で札割れを回避した基金短期国債買入ですが、この調子ですとどう見ても札が集まりません本当にありがとうございましたという所でしょう。

んでもって3MTBにこれだけ需要があるという事はすなわち短期市場で潰さないといけないキャッシュは相変わらずアホのように存在するということでもありまして、最近は1年以内とかの金利って国債は当然のように0.10%割れた所じゃないと買わせてくれませんし、一般債とかもモノナシになってインデックス落ちの売りが出ると右から左へ瞬時に捌けてしまい業者の皆様在庫スッカラカン(ただし一部のアレな銘柄を除く)という大変にビューテホーな状況でもございます。

ということはですな、まあ引き続き固定金利オペに関しては今回のオペこそ絶賛大応札になりましたけれども、今後の展開を考えた場合にはやはり3か月などという長い期間は要らんがな、ましてや6か月なんぞ、とまあそういう話は続き、金融市場局の頭痛は続くという所でございましょうな、うんうん。

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2012/06/13

○今日もオペ雑談

毎日オペの結果で雑談とかどこまで粘着なのかというツッコミは謹んで却下。

昨日のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of120612.htm

社債等買入(資産買入等基金) 2,000 2012年6月18日
国庫短期証券買入(資産買入等基金) 2,000 2012年6月14日
米ドル資金供給(固定金利方式) 2012年6月14日 2012年6月21日 0.660
共通担保資金供給(資産買入等基金) 8,000 2012年6月14日 2012年9月13日


結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba120612.htm

社債等買入(資産買入等基金) 5,794 1,987 0.100 0.125 13.9
国庫短期証券買入(資産買入等基金) 3,312 2,004 0.000 0.000 60.5
米ドル資金供給(固定金利方式)(6月14日スタート分) 0 0
共通担保資金供給(資産買入等基金)(6月14日スタート分) 10,294 8,007 77.8

(※オファーバックの順に記載されるので表示順序をオファーと同じに改変しています)

午前の基金短国買入ですけれども、今回は2000億円にオファーを減額(前回の実施は5月15日のオファーで3000億円)しているのがほほうという感じ。いやまあ市場状況をヒアリングした結果3000億円だと札割れしそうだから減らしてみましたという話だと思いますけど、その努力が功を奏して札割れは回避されまして良かったですね(棒読み)という所でありまする。

まあ金融政策決定会合を前にまた札割れになるとどこぞの経済クオリティーペーパー様を始めとしてメディアが鬼の首を取ったように報道して(お前が言うなと言われそうですが^^)ちょっとまあ都合悪い罠とかゆーのもあるでしょうから札割れ回避の為にオファーを減らしたって話だと思うのですけれども、まあこーゆー苦労をする位ならば昨日も雑談風味で申し上げたように、この際札割れ上等のスタンスでただしもう市場が食えないと言ってもオペを突っ込むわんこそばスキームで「ほら積極的に資金供給や資産買入してるでしょ」とやるというのもどうなのかなという気は若干せんでもないっすな。ただまあそれは包括緩和における基金オペのフレームワークというか説明をマイナーチェンジしないといけないので今オペ部隊が勝手にそうする訳にもいかないでしょうけれども。

んでもって午後の3か月オペは無事に札が入って良かったですね(棒読み)という所ですが、まあこの前打った共通担保本店オペの金利入札物の1兆円の落ちもありましたので、そらまあロールの札入りますなという所ですかそうですか。今月は後半以降年金定時払いと国債償還要因で物凄い勢いで資金余剰になる筈ですので、今後のオペの札の入り具合としてはどうなのかねという気はします。


でですな、以下あたくしの与太話(その前も与太話ではないかという論考は行わないのがお約束)となりますけれども、そもそもこの前の折角工夫してオファーした年末越え6か月固定オペの残念な結果を見れば判りますように、長いオペにニーズが無いのでありますからして、この際3か月オペも期間短くしまして1か月物にして6か月物オペも無しにして、札割れ上等で資金需給とか丸無視して毎営業日2兆円オファーし続けると、全部入れば残高40兆円になるし、入らなくて残高行かなくても「いや我々は40兆円まで出しますと言ってるんですが市場が〜」と開き直れるとか最早与太レベルになっておりますが、その位の事をやったらお互い面倒じゃないような気がするんですが(毎日入るとなると市場も楽だし1か月物なら担保繰り的にも窮屈さが少なくなる)この際ヤケクソで如何でしょうか(^^)。

というような与太話が出る位に固定金利オペとかを始め、包括緩和の枠組みがオペレーション技術的に少々窮屈になっているという状況でもございます。でまあその包括緩和における基金残高達成の為により長い期間の国債買うとか、よりしょうもない技とかもあるとは思いますけれども、それで残高を無理矢理達成させることによって何の効果があって、その一方でそれって誰得なのでしょうかねえという観点もある訳でして、まあ何と申しますか・・・・・・・・

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M5HJ8W6JTSE801.html
IMF:円は中期的観点から幾分過大評価−声明

『日本銀行の金融政策に関しては、日銀による最近の金融緩和が景気回復を支えデフレ脱却に寄与するとし、日銀が掲げる物価目標達成へ向け、資産買い入れ拡大含めた一段の緩和を実施し得ると述べた。』(上記URLより)

昨日はこんなのがありましたが、いやその資産買入拡大を含めた一段の緩和を技術的にどう捌いて行くのかというような話はIMF様的にはどうなのとか思うのでありまして、政策論は政策論で結構なのですが、実務的観点が欠如した政策論をなんぼ打ち込まれましてもノイズにしかならん訳でして何だかねえとか思うのでありました。

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2012/06/12

○固定金利オペ札割れ祭りは続く

昨日のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of120611.htm

国債買入(残存期間1年超10年以下) 2,500 2012年6月13日
国債買入(残存期間10年超30年以下) 1,000 2012年6月13日
共通担保資金供給(資産買入等基金) 8,000 2012年6月13日 2013年1月10日

オペ結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba120611.htm

国債買入(残存期間1年超10年以下) 8,333 2,508 0.015 0.017 58.0
国債買入(残存期間10年超30年以下) 5,167 1,005 0.017 0.018 39.0
共通担保資金供給(資産買入等基金)(6月13日スタート分) 1,740 1,740

債券市場的には輪番がどっちもちょっと甘かったような気がする方がアレですが、にちぎんかんさつにっきの著者であります所のヲチャードラめもんから致しますと6か月オペの方が色々とアレなインプリケーションの山でありまする。

まずですな、最初にオファーされて「????」だったのはこのオペの期間でありまして、いやまあ短期市場の市場慣行的に「6か月物」というのは期間が「6か月応当日以上7か月応当日未満」のものを差すので、6/13〜1/10も6か月物ちゃあ6か月物(普通は6か月ロングとか言うけど、ここまで長いと一般的かどうかしらんが7か月ショートと言った方が・・・・・)なのですが、普通に年末越えは7月スタートからオファーされると思ったのでかなーり意外感。

もしかしたらオペ打つ側として、ここもと6か月物のオペが絶賛札割れ状態で未達が連発して6か月の固定オペ残が12兆7000億円近傍まで落ちているので、年末越えにしたらもうちょっと札集まるとかトラタヌ皮算用をしたのかとも思うのですけれども、現状は期間の長いオペにそもそもニーズが無いのでありまして、年末越えガーとか言ってもそもそも年末だから流動性枯渇してとかいう懸念は足元である訳でも無く、それよりも年末越えの担保繰りを今からFixする方が保有債券在庫繰り上の観点からリスクあるだろという状況でもある訳ですから、そもそも期間を延ばして札が集まるとかあまり考えない方が良いと思われる次第で、誠に残念な結果でございましたなあ(棒読み)という感じ。

今回のオペの札割れですが、折り返し前の元のオペは普通に8000億円だったので、これでまた残高が落ちまして、あたくしの手計算ベースですと明日の時点で6か月のオペ残高は121,270億円まで落ちるという大変に素敵な状態になる予定であります。金融市場局(または企画局)涙目の展開。



○ということで65兆円の枠組みをどうするかという問題が引き続きテクニカルに絶賛発生中

つまりは市場のキャパ的というかオペレーション技術的というか、まあそういう意味で現在の包括緩和の枠組みで打つオペの限界が出ているという素敵な状態になっているのが昨今の動きではございまして、今週もMPMありますけれども、折角2名の審議委員が次回から(国会承認されればの話ですが)加わるという事もございますので、7月の展望レポート中間レビューに合わせましてこの辺りも議論して頂きたく存じますが、その際に技術論で執行部のペースに(以下同文)。

まあそれはそれとして、とりあえず固定金利オペの6か月というのがどう見てもイラネという状況下で、「オペ残高65兆円!」とかぶち上げております手前、中々この数字を引っ込めるのも難しく、しかしながらそもそも固定金利オペが札割れする(とか短い期間の買入オペもそうですが)のって包括緩和による金融緩和によって金利水準が下がった事と、買入の拡大も含めた潤沢な資金供給によって起きたテクニカルな自然現象でして、この自然現象を65兆円の為に是正しようとするとそれはそれで変な事になりますがなという話。

でですな、あたくしが最近その手の雑談しながら思うのは「この際札割れ未達に関してはシャーナイナイと割り切る代わりに、オペに関してはジャンジャンオファーしまくる事によって「麿は積極的に資金供給や買入を提供しているのですが市場が要らないと言っているので仕方がないでおじゃる。食い過ぎでおなかパンパンの人に無理矢理食わせる訳にもいかないでおじゃるよ。」とゆー感じで開き直れないかなとゆー事。

つまりですな、まあ65兆は目標として置きまして、買入などのペースに関しては現在の均等割ではなくて、もっと早期に残高を達成する勢いでオファーを行い、残高がそれで一杯になればなったで拡大余地が出来る訳ですし、札割れが続いて中々残高行かなくても「ほれこの通り、残高目標は年末どころかもっと早くに行くように物凄い勢いでオファーしているんですからシャーナイナイじゃないのよ」と市場のせいにする攻撃というのはできんもんかなと。

均等割りでやって行って札割れ未達とかになるよりは、いやもう物凄い勢いで実施してますよってやっておけば、まあその時点で印象が違うと思う(まあそういうの為替市場とか見てくれない可能性があるのでそれはそれで「買入ペースをもっと加速させます。固定金利オペのオファーももっと増やします」って宣言するとかしてアピるのは重要)ので、ど〜せ未達になるなら最初からもっとバシバシオペ打って置けばいいじゃんと逆転の発想で逝くのはどうっすかねえ。とか妄想してみました。

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2012/06/08

○オペとか短国入札とかの雑談である

まずはオペ。

昨日のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of120607.htm

国債買入(資産買入等基金)(残存期間1年以上2年以下) 6,000 2012年6月11日
国債買入(資産買入等基金)(残存期間2年超3年以下) 2,000 2012年6月11日
共通担保資金供給(資産買入等基金) 8,000 2012年6月11日 2012年9月11日
国債補完供給(国債売現先)・即日(注3) 448 2012年6月7日 2012年6月8日

オペ結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba120607.htm

国債買入(資産買入等基金)(残存期間1年以上2年以下) 10,196 6,025 0.000 0.000 58.7
国債買入(資産買入等基金)(残存期間2年超3年以下) 5,892 2,003 0.001 0.001 99.4
共通担保資金供給(資産買入等基金)(6月11日スタート分) 7,765 7,765
国債補完供給(国債売現先)・即日(注4) 63 63 -0.900 -0.900


・基金国債買入の割り振りにまたまた変化

前回の基金国債買入は3500/3500という割り振りでしたが、今回は6000/2000の割り振りになりました。前々回は1-2年が札割れとなってしまったので割り振りを変えたら1-2年にそこそこ札も入りましたし、まあこの割り振りに関しては市場の需給動向とかをモニターして決めているんでしょうなあという感じでございますが、今回は再び1-2年のウェイトを上げたのはそういう背景でしょ。

まーよーするに「札が入りやすいように打つ」というのが主眼で、その割り振りをいじるのは単に市場の需給によって変化するという事になると思いますので、そういうことから致しまして特段この割り振り変更には政策的インプリケーションはありませんと解釈をするのが妥当かと存じます。

あと、オファー額が増えていますが、これは前々回の札割れによって未達になった為に残高目標達成の為にその分の穴埋めをしましょという事だと思われますので、これまた特段の政策インプリケーションは無いでしょという所ではないかと思われます。


・3か月固定金利オペ2日連続札割れキタコレ

今回は7765億円の応札となりましてまあ前日よりはマシになりましたが、こんな事なら金利入札入れなくても良かったですねえ(棒読み)という所で金融市場局涙目の展開で誠に残念に存じます。ナムナム。


あと3M短国入札雑談ですけどね。
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul240607.htm
国庫短期証券(第286回)の入札結果

5. 価格競争入札について

(1)応募額 114兆6,953億円
(2)募入決定額 5兆2,982億7,000万円
(3)募入最低価格 99円97銭5厘0毛 (募入最高利回り)(0.1002%)
(4)募入最低価格における案分比率 2.1529%
(5)募入平均価格 99円97銭5厘3毛 (募入平均利回り )(0.0990%)

・・・・・・・・・・・・1社当たり応札限度額が5.7兆円なのですが、そんな中で応募額114兆円とはこれまたキタコレという感じですな、うんうん。まあ按分が薄めになるという事で上に必要最低限の札を入れて按分の所に応札限度一杯まで入れるという人が増えてきたということでしょうな。

ちなみに、アベレージは今回も順調に上昇しておりまして誠にあれでございます。

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2012/06/07

○世界的クレクレモードとな

昨日は東京時間の夕方以降から欧州株が上昇してて経済指標も別に良い訳でも無いのでどうしたのという所でしたが。

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M57PW46S972M01.html
米国株:今年最大の上げ−欧米の景気刺激策の導入観測で

『6月6日(ブルームバーグ):米株式相場は続伸。主な株価指数は今年最大の上げを演じた。欧米の当局者が景気刺激策を講じるとの思惑から買いが膨らんだ。』

『投資会社ホランド(ニューヨーク)のマイケル・ホランド会長は「市場は中央銀行が世界経済の弱さをかなり認識し、対処方法を模索しているとみている」と指摘。「大規模な売りがあっただけにバリュエーション(株価評価)は低く、それは今日のような日に相場を押し上げる一助となる」と述べた。』(上記URLより)

まあ実体経済に関しての話だとこんなんだったりしますけど、これのどこが「世界経済の弱さをかなり認識」なのかはよくわからん。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M57JP86S972801.html
米地区連銀報告:経済「緩やかなペース」で拡大−雇用横ばい


・・・・・・・・まあ金融緩和催促でリスク資産の下げ相場をやるのもアレですけれども、金融緩和期待でリスク資産が上昇して事前に盛り上がるというのもある意味でオソロシスな話で、さてそうなりますと実際に中銀がどういう行動をすると市場がどういう反応をするのか、という話になる訳でして、下手な見せ方をすると市場が却って要らん方向に暴れだすリスクがあるので中央銀行のプレゼン(というかハッタリ)能力が問われる局面となっているような気がする訳でして、こういう局面では麿の麿節というのは(いやまあ麿の仰っている事はそれはそれで1つの正論である事はその通りなのですが)お願いだから封印して置いて下さいなとか思うのですが、どう見ても任期間近なので麿節全開モードになっているのが足元での市場との対話の齟齬に繋がりそうな悪寒が致しますな。とまたも悪態。

しかし今日のモーサテのニュース字幕「ECB利下げ見送り」とかクレクレにも程がありますなあとか思う次第で、全く最近のメディアは売らんかな精神でキャッチーなヘッドラインを出すのが仕事と勘違いしてるだろうと小一時間問い詰めたいのですが、日本だけの傾向じゃないようにも見えまして、これらの煽りモードが市場のボラを無駄に高めているようにも見えます罠。

あと思うのですけれども、まあ欧州圏の場合実体経済的に利下げというのは話としては選択肢なのかもしれないけれども、それは欧州債務問題の火消しとは別問題であって、欧州債務問題はリクイディティーじゃなくてソルベンシーの問題になっているのでECBが利下げしたからリスクオンとか発想が短絡的にも程があるだろとか思いますが、市場が祭りモードになっているのでそういう論考で動く訳では無いんでしょうけどね(−−;


○固定金利3か月オペも札割れキタコレ

昨日のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of120606.htm

国債買入(残存期間1年以下) 3,100 2012年6月8日
国債買入(残存期間1年超10年以下) 2,500 2012年6月8日
共通担保資金供給(資産買入等基金) 8,000 2012年6月8日 2012年9月7日

オペ結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba120606.htm

国債買入(残存期間1年以下) 3,930 3,123 0.000 0.004 72.6
国債買入(残存期間1年超10年以下) 11,631 2,500 0.007 0.007
共通担保資金供給(資産買入等基金)(6月8日スタート分) 4,305 4,305

輪番オペの1年以内が札割れしなかったのは良かったですねえ(棒読み)という感じですが、その一方で3か月の固定金利オペが初の札割れとなってしまいました。

まあ何ですな、月末にGCが上昇してコールが上昇したもんで共通担保の金利入札1兆円というのを打ち込んでいたのですが、先週打ったのは兎も角としてどう見ても今週の1兆円は朝から金が出てきてGC下がってきましたねという中での追い打ちオペだったこともあって(応札1.2兆円でしたし)資金ニーズが全力で充足されてしまい固定金利オペのニーズが低下しちゃいましたなという残念な結果に。

つーことでまあ6か月オペに関してはご案内の通りロールする度に札割れとなりまして、現状での残高が(あたくしがエクセルで手計算しているベースなので正確性は担保致しかねますが)12兆円そこそこまで落ちてきておりまして、この調子だと10兆円の残高目標達成がテラヤバスという状態になっているのですけど、3か月が札割れ(しかもいきなりオファーの5割ちょいとな)とかうーむですわなあと存じます次第。

まーちょっと金利入札オペ出し過ぎだったですねえという所だとは思うのですが、札割れがある程度恒常化してくると自己実現的に札の入り方が悪くなってくるので、はてさて今後どうなるんでしょうと申しますか、調節課の皆様におかれましては誠にご愁傷様でございますと申しますかという所でございます。ナムナム。

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2012/06/06

○その他雑談ネタを少々

・クレクレが妙に外野で盛り上がるのですが

つーかまあ先月の決定会合前もクレクレの話があったりしましたけど、金利市場的に言えば既に3年までの金利が0.10%だわ、CPや社債のスプレッドはアホのように縮小しているわで、ディーラーなら兎も角として投資家サイドからしたら日銀が金利とスプレッド潰して収益機会を奪って行くという大変に素敵な民業圧迫状態ですからして、今さら追加緩和とか言われてもしんどいですなあという感じでしょうか。まあそれで株が上がったり為替が円安に振れてくれれば投資家としては助かるので追加やってそっちに効いてくれれば良いやという所だと思いますが(−−)。

ということで、来週のMPMを前に株式市場と為替市場の何とかストの皆様におかれましてはクレクレ祭りがそろそろ始まったようで、朝の某テレビを見ればクレクレですし、為替方面とかからのクレクレレポートがやってきたりとかまたまた香ばしい展開に。

・・・・・・・とか思っていたらこの人がまた登場していましたな。

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M54ZRS6KLVR501.html
民主・前原氏:円高対策を早急提言したい、必要なら日銀にも要求 (1)

まあどうせ碌な事提言しないのですけれども、どうもこの前ナントカさんにおかれましては経済政策系の話をするとピントがずれた発言が(経済政策以外でもという気もしますが)多くて何と申しますかアレではございますなあとか思うのでありました。

#更にどうでも良いのですが、どこぞのレポートで日銀の追加金融政策の考察みたいなのがあったのですが、一つ一つの説明は判るのですが、フィージビリティー的にねえだろという話やら、予想する背景説明が前後で矛盾してたりして中々笑ってしまったのですが武士の情けでネタにするのは控えます(^^)


・そういえば3か月短国が減額になっておりました

・・・・・・物凄く不覚な事に入札終わってしばらくしてから気が付いたのですが(恥)、今月発行分となる先週の3か月TB入札から発行額が6兆円→5.7兆円に減額になっておりますな。まあ国庫資金繰りの関係で減額になったとかそういう事でしょうが、もともと投資するものが無いとゆーのに更に追い打ちですかそうですかという感じでありまする(涙)。

ということでですね、先週の入札をネタにした時に完全に失念していたのですが、そもそも足元GCレートが上昇している中で前週対比入札が強かった要因の一つに減額発行というのを考慮に入れていませんでしたというお詫びと追記でございましたm(__)m

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2012/06/04

ほほう。

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M4YGEL6K50XS01.html
米国株:ダウ平均、年初来の上げを消す−雇用統計などを嫌気

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M4XWHH6K50XS01.html
米国債(1日):30年債利回りが過去最低、雇用の伸びが減速

米国やらドイツやらの債券市場が2003年の日本みたいになってきたようにも思えますが、まあマーライオン相場になるには欧州の不良債権の出しが足りているのかどうかがよく判らん。


○市場雑談

・まあ円債も高値更新しているのですが

金曜もまあ高値更新してましたけど。
http://jp.reuters.com/article/treasuryNews/idJPTK081869220120601
〔金利マーケットアイ〕国債先物が夜間で144円台に上昇 欧州時間でもリスクオフ不変
2012年 06月 1日 17:49 JST

金曜はザラバベースだと確か10年が0.805%とまたまた5糸高値更新して5年が0.195%などと0.2%を割りやがるというような動きで10年とかどこのセルゲイ・ブブカかよというような5糸高値更新攻撃が続いておりますが今日はどうなるんでしょうかねえ。

んでまあそれはそれで良いのですが、ど〜も米国やらドイツやらと話が違いますなあとか思うのはここもと超長期の伸びがイマイチさんな所でございまして、5月14日の週では金融ファクシミリ新聞の付利金利ネタで中短期ゾーンが強くなった時に長い所がブルフラットしやがったのですが、足元海外の長い方の金利が威勢よく下がる中では今一ブルフラットしないというのが不思議っちゃあ不思議(まあ色々とこじつける事は可能ですけれども)でございまして、ジャパンの皆様におかれましては米欧債券市場のようなあばばばばーな展開になっておられないという事を示しておられるという状況でございまして、つまりマーライオン相場になるために必須であります所の全員参加の酔っ払い症状も食い過ぎ症状も無いという冷静な宴席モードとなっているようで誠に結構というかオモロクナイ(不謹慎)というか。


・GCレートは高いけれども6M固定はいりませんですかそうですか

金曜日の東京レポレート
http://www.boj.or.jp/statistics/market/short/trp/trp120601.htm/

翌日物
T+0 0.104
T+1 0.111

ということでまあ金曜も足元だけカネナシの影響でGCレートはやや高め(高めって言ったって0.11%とかなのですが、それは先生3年の金利が0.10%な訳ですし)に推移しておりました。木曜には15日エンドという財政払いの日にエンドをぶつけた金利入札の本店オペを1兆打ったら2兆7000億円も応札があった訳ですけど・・・・・・・・

金曜のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of120601.htm
共通担保資金供給(資産買入等基金) 8,000 2012年6月5日 2012年12月3日

毎度おなじみの6か月オペに対しまして・・・・・・・・

オペ結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba120601.htm
共通担保資金供給(資産買入等基金)(6月5日スタート分) 2,545 2,545

またまた札割れとなったのですが、その応札の減り方が中々残念でございまして、オファー日ベースで5月18日が2698億円、5月8日が3260億円、4月25日が5715億円とゆーことで4月27日の決定会合での6か月オペの減額決定前から既に割れていたのはいたのですが、オペ減額を決定して未達上等という風になってからとゆーものの応札の半分も入らないという大変に素敵な展開が継続しておりまして、この調子でやっておりますと15兆円の6か月オペの5兆円減額どころか10兆円位落ちてしまうんじゃネーノというような風情になっておられます。

ちなみに、「札割れ」というのは「応札が目標額行かなかったという現象」の話で、オペという意味で言えば応札が行かない結果として目標額に届かなかったので「未達」と言った方がオペレーション実施側の言い方としては正確、札割れしても目標額に行く場合がある(応募未達になった場合の残額をシ団引受するような昔の10年国債入札のようなケース)ので札割れと未達は意味が微妙に違いますけど、まあこっちは市場で応札する側なので札割れと言ってしまいます。

しかしまあ足元でGCがやや上昇しているわ2週間のオペを打てば応札が2兆7千億円入るわという状況だというのに、6か月の固定オペの応札が減るとか何という残念なお話ではないかと思うのでございます。つまりですな、5月18日のオペの時って例の金融ファクシミリ新聞の付利金利引き下げネタで、まあ短期市場の人間的にはそれはお前普通に与太ネタだろ(そもそも論旨に与太成分が高かったのは先日申し上げた通り)という状況ではあっても、まあ足元そんなに資金がひっ迫して居た訳でも無いですし、万万が一付利下げになったら固定金利で調達する6か月が盛大に大ヤラレになってしまいますので、札が入らないでしょというのは判るのですが、金曜もこの有様とはという感じ。

まー要するに金曜の結果で分かったのは「現状の金利体系からすると6か月の固定金利オペにはそもそもメリットが無いのでニーズが無い」という(まあ今に始まった事では無くて前から指摘はされていましたけど)ことが明白になったという所なのでしょうな。逆にこれまで良く札が入っていましたわという感じなのですが、それはそれでまあ以下自主規制という感じですかそうですか(^^)。

でまあ今申し上げましたように、このペースで残高が減っていくと10兆円の維持も危ないような気がする(6か月オペは7月実行分から年末越えになる)のですけれども、「未達が続いて行きませんでした」となった場合にどうするんでしょうかねえ。


○オペ未達関連雑談というか悪態というか屁理屈というか

この前ちょっとだけネタにした件なのですけどね。

http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTYE84N05W20120524
緩和効果は「量」で測れないと日銀総裁が強調、「金利」が大事
2012年 05月 24日 19:56 JST

まあこのヘッドラインの打ち方にはロイターの悪意を感じる次第で、本来の総裁の発言意図は「緩和効果は『量だけ』では測れない」と強調したとすべきであります。つまりそもそもの質問が毎度のマネタリーベースガーの質問なんですから、「マネタリーベースの数値だけ見て測るのは正確では無い」という話をしている筈(国会の会議録を見ないと確定はしませんが、従来の総裁の説明を持ち出せばそうなるので、上記URL記事にある『日銀の白川方明総裁が金融緩和の効果を測るのは「量でなく金利」だと発信し始めた』(上記URLより)というのは明らかに悪意を持った記事でありまして、財務省を見習って日本銀行も今後は公開質問状をこういうベンダーには送り付けるべきではないかと思いますけど如何でしょうか。

大体からして「金利を下げる為に量を出している」って前から日銀は説明している(声明文でも何でも見れば判る)訳で「発信し始めた」とか急に意見を変えたようなニュース記事にどう見ても何もない所にわざわざ波風を立ててニュースにしようという愉快犯的放火魔のようなテイストを感じてしまう次第(なので本来的に言えばこうやってURL張るとアクセス数が増えてベンダーの馬鹿記者や馬鹿営業や馬鹿経営者が「ほらヒット数が高いでしょ」とドヤ顔になるのであまりURL張りたくは無いのですが引用する手前やむなしorz)。

・・・・・・・・・いやまあすいません話が逸れてしまいましたが、まあこの件に関してはもう一つの側面があって、上記のように固定金利オペが市場金利の下限張り付きによって(ちなみに金曜は久々に2年カレントが0.10%オファーになっていたようでございます、これまでは0.10%ビットでしたのでこれは画期的(違)ですな)応札がハイランチ会長となる中、そうは言っても固定金利オペの残高目標もあるので短いオペを入れにくいという状態で、結果として昨年対比ベースの当座預金残高が(昨年に関しては震災向け供給の余波がありますが)増えませんし、うっかりすると固定金利オペ6か月の残高目標が未達になりそうな勢いになってきたというのもあって、そーゆー先行きへの布石というのもあるんでしょうなあとは思います。

でですな、それはまあそれで良いのですけれども、包括緩和政策によって金利という面では確かに金利が3年まで0.10%張り付きになって全力で緩和効果が成果として現れておりますし、社債やCPに関してもスプレッドが潰れて投資するサイドとしては大概な民業圧迫状態になっておられるという状況でこれまた緩和効果の成果が出ているのですけれども、その一方で包括緩和で買っておられます所のETFに関しましては欧州債務問題やらを受けて絶賛下落しております訳で、こちらは包括緩和の効果が現れておりませんがさて如何致しましょうかと存じますが・・・・・・・

とか言われたらどうする積りなのでしょうかねと思うのですけど(^^)。2000億円とかしょぼい事言わんともっと買ってくんなましとゆー気はするんですけどにゃあ。外債を買って海外に金を流すよりも国内株式市場に直接金が行くETFの方が良いと思うのはポジショントークの屁理屈ですかそうですか(^^)。

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2012/05/30

○2年国債入札で事務ミスとな

昨日の2年国債入札ですが後場になりましてこんなのが。

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/nyusatsu/2012/resul014.htm
入札結果発表時刻の遅延について

『本日の2年債入札については、入札事務トラブルの発生により、結果の発表時刻は、予定時刻(12時45分)から遅れる見込みです。発表時刻については、状況が判明次第追って発表します。』

システムトラブルと書いていなかったので何でしょ???という感じでして、入札データを何らかのミスで飛ばしたとかそういう世界なのかね????などと妄想も膨らんだのですが、しばらくの間ステータスが「原因調査中」となっておりまして、そのうち「入札のやり直しの方向で対応」となりまして・・・・・・

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2012/rel120529b.pdf
再入札の実施について

『本日の2年債入札については、再入札を実施します。オファー時刻は14時00分、申込締切時刻は14時30分、結果発表時刻は15時15分とします。』

ってな事になったのですが、ベンダーなどの報道によると「日銀の事務ミス」という話でシステムトラブルでは無く、日銀ネットで同様に応札するという事なのでまあシステム的に重大な問題が有った訳では無いと一安心。

しかしこの「再入札の実施」的なニュースが流れた時に何故か債券先物が上昇して高値143.43円(+0.20円)とかになって、たまたまの偶然なのかどうかは知らんですけれども、それは買い材料じゃないだろと思いながら眺めるの巻。

んでまあ落札結果はこの通り。
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/nyusatsu/2012/resul014a.htm
2年利付国債(第317回)の入札結果

6. 価格競争入札について
(1)応募額 24兆2,699億円
(2)募入決定額 2兆4,780億円
(3)募入最低価格 100円00銭0厘 (募入最高利回り) (0.100%)
(4)募入最低価格における案分比率 52.4544%
(5)募入平均価格 100円00銭0厘 (募入平均利回り) (0.100%)

・・・・・・・・・・・・\(^o^)/

日銀の資産買入等基金および輪番オペの買入最低レートが0.100%即ちこの銘柄ですと100円となる訳でございますので、即ちこの国債100円で買っててきとーに保有して日銀に売却してもキャピタルゲインは鐚一文無く、保有期間利回りに関してもクーポンが0.10%なので日銀当座預金に置いて超過準備状態にしている時と同じ利回りという大変に素敵な結果となりました。

いやまあ既に短国で0.10%割れというのがありますのでこんなもんちゃあこんなもんなのかもしれませんが、いやあの仮にも2年債ですよ2年債という事でございまして、しかも100や500とかの端額の話じゃなくて、新発が2兆7000億円(実際は第U非価格のおかわりもあるのでもっと多い)出るとゆー中で0.100%ですかそうですかという所ですし、しかもお洒落にも程があるのは第U非価格入札もがっつり入っているという状態。

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/nyusatsu/2012/resul014b.htm
2年利付国債(第317回)の第U非価格競争入札結果

6. 募入決定額 1,511億円

・・・・・・・・・・まあ素敵(^^)。

ちなみに、こういう状況を「100円で財務省から買って100円で日銀に売却する簡単なお仕事」とも申しますが(違)、超マニアックな話をすると同じ100円でもまあ少しだけ工夫の余地は無い訳でも無いような気がします。まあゴミみたいな話なのでここではスルーします(ニヤニヤ)。

http://www.mof.go.jp/jgbs/topics/press_release/20120529.html
2年利付国債(第317回)の再入札について

『本日実施された2年債の入札において、国債入札の事務を行う日本銀行で事務トラブルが発生したことを受け、入札をやり直し、再入札を行いました。関係者の皆様にご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。今後、このような事態が発生しないよう、日本銀行とともに、再発防止に努めてまいります。』

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2012/rel120529c.pdf
本日の2年債の再入札について

『本日実施された2年債の入札において、日本銀行での事務上の問題から、一部の参加者について入札データを入力できない事象が発生したことから、財務省と調整のうえ、再入札を行いました。再入札については17時に事務手続きを終了しています。関係者の皆様には、ご迷惑をお掛けいたしました。お詫び申し上げます。日本銀行としては、今回の事態を踏まえて、再発防止に努めてまいります。』

まあ10年国債とかだったらそれこそエライコッチャでして、ろくすっぽ動かない2年国債だったのでまあ市場に与えるダメージとかも大したことでは無くて(入札やオペで日銀ネットの打鍵していた事もございますあたくしと致しましては、応札でトラブル状態になった入札参加者の日銀ネット打ち込み担当者や担当ディーラーの皆様におかれましては寿命が1年くらいは着実に縮まったと思いますので誠にご愁傷様としか申し上げようがございませんが・・・・・・)不幸中の幸いという感じでしたな。

http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPTK081590620120529
UPDATE1: 国債入札トラブルは応札限度額の誤入力が原因 複数チェックも機能せず=日銀
2012年 05月 29日 21:56 JST

『[東京 29日 ロイター] 日銀は29日、同日に行われた2年物国債の入札で事務上のトラブルが発生し再入札を行う事態になったことについて、業務局の職員が別の年限の国債入札画面に入札参加者毎の応札限度額を入力したため、本来のデータが更新されず、応札できない参加者が発生していたことを明らかにした。国債入札に関する事務を3人態勢でチェックしているが、それも機能しなかった。日銀では、市場に混乱を与えかねない重要なミスと認識しており、可及的速やかに再発防止策を策定する。業務局の杉浦俊彦総務課長が語った。』(上記URLより)

との事ですが、まあ第T非価格競争入札の応札限度額の更新を入力ミスしたという話のようで誠に残念という所ですが、まー入札の方式が色々と複雑になっているのでこういう事は起きえる話で、今回はその件数がアホのように多かったのでどうしようもありませんでしたってな話でしょうか。事務は堅確に願いたい物であります。

しかしロイターこれは言い過ぎwwww
http://jp.reuters.com/article/domesticJPNews/idJPTYE84S04W20120529
国債入札で異例のやり直し、今後の安定消化に課題も
2012年 05月 29日 20:05 JST

事務ミス捕まえて「安定消化に課題も」ってそこまで言う話じゃねえだろと思うのでありまして、ロイターのマッチポンプクオリティの高さを垣間見る記事ではございますなあと思うのでありますけどね。そらまあ事務ミスは勘弁してとは思いますけれども、じゃあこの手のミスを減らすために第1非価格止めますかとか第1非価格の限度額更新を年イチにしますかとか、オファーバックの時限を遅くしますとかって訳には行かないでしょうし。

ただまあフェイルセーフみたいな枠組みが有った方が良さげな気がしますけど(具体的にはイメージが無いが、汗)。

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2012/05/28

○基金国債買入の年限割り振りを手直しとな

金曜のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of120525.htm

国債買入(資産買入等基金)(残存期間1年以上2年以下) 3,500 2012年5月29日
国債買入(資産買入等基金)(残存期間2年超3年以下) 3,500 2012年5月29日
共通担保資金供給(資産買入等基金) 8,000 2012年5月29日 2012年8月30日

固定金利オペの方は良いとしまして、基金国債買入の割り振りが1年〜2年と2年〜3年をどちらも3500億円にして、ついでに(これはオペのオファーを見ないと載っていないのですけれども)1社辺りの応札限度額を拡大してオファー満額まで応札できるようにしました(従来は確かオファーの半分まで)。これはまあ前週の水曜日に基金国債買入の1年〜2年が6000億円のオファーに対して4805億円しか応札が無くて債券市場的には見事な3年以内ゾーンへの点火状態になってしまったとゆー素敵な事態を受けての割り振り変更。

まー何ですな、前回の実績からすると(前回は応札が4805億円&7008億円)こういう割り振りになるんでしょうなという所でもあるのですが、従来が6000億円&1000億円のオファーだったのでこらまたいきなりどどーんと3年の買いを増やしましたなあという話でございまして、その割り振りを見た債券市場は5年とかの中期ゾーンが強くなってみたり先物が上がってみたりしていましたが、超長期が弱くてなのかこの後に示すオペの結果で意外に1年〜2年の応札が多かったのをネタにしたのかどうかは知りませんが、まあ後場は謎の下げでしたが、まー中短期は堅調という事で。

オペ落札結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba120525.htm

国債買入(資産買入等基金)(残存期間1年以上2年以下) 9,575 3,506 0.000 0.000 36.6
国債買入(資産買入等基金)(残存期間2年超3年以下) 6,156 3,520 0.000 0.000 53.9
共通担保資金供給(資産買入等基金)(5月29日スタート分) 18,690 8,005 42.8

ちなみに固定金利3か月オペの応札がやたら増えている(前回木曜日の応札は11010億円、前々回火曜日の応札は9980億円)のもチャーミングでこれはこれで話題ちゃあ話題なのですけれども(足元で当座預金残高が低水準という話で、3年の国債よりもGCレポ金利の方が高いとか何ともアレ)それはスルーしまして、応札のバランスが今回は9575億円&6156億円に。

2年〜3年の落札利回りはまあ誰もが予想するように利回り較差0.000%(前回は平均0.011%で足切り0.010%)となりましたので、貫録の3年まで0.100%で日銀様お買い上げ確定と相成りましたからしてそらまあ3年ゾーンまで0.10%よりも甘いオファーが出なくなる罠とか思うのですけれども、1年〜2年の応札が今回多いとは何ぞねという所でして、応札がこうなりますと次回のオファーも3500億円&3500億円でやるのかねという気もせんでも無い。

まあ今回の場合は決定会合後の総裁会見で(あたくしが金曜に引用したように)補完当座預金制度の付利金利の引き下げに関して全力で否定していたというのが効いたのと、その前まで1年〜2年の方に思いっきり寄せて買っていて2年〜3年はおまけという感じだったのが急に半々になったので(そもそも2年ゾーンは新発の供給があるので需給的に違う筈ですからして)需給的に1年〜2年の方が本当はありました(特に売る必要も無かったので持っていただけで買入が減るとなると話が変わる罠って事でしょ)という所ですかね。

木曜に出てた輪番の買入内訳変更についてもそうなのですが、今回の基金国債買入の割り振りに関しては基本的には金融市場局マターで実施しているので、それには基本的には政策的意図は無いという建付けになっている(もちろん2年〜3年の買入が増えればその分だけ将来的に買入が大変になってくるだろうなあとかその手の思惑が出るのはシャーナイナイなのですけど)ので、今後も市場動向を見ながら割り振りが変更になるのは有り得る話とゆー事ではあろうかと思います(もともとそういう風にアナウンスされたたし)。ただまあ割り振り直したら今度は手前の応札が多くなったとか皮肉な展開で金融市場局カワイソスと言ったところですな、うんうん。

つーことで、まあ今後割り振りが変更になってもそれは技術的対応というのが建付けとなるっちゅう事ではございますけれども、そうは言っても技術的対応という名の下に「なお書き修正」をした事もあります(「なお書き修正」はMPMでしたけど)ので、割り振りが変われば変わったで何かの意志がーみたいな解説は出てくるのは仕方ないでしょうなあとは思うのでありました。ただまあ大事な事なんでもう一度申し上げますと、今回の対応はあくまでも「買入が大幅札割れとかして資産買入等基金の残高達成が出来なくなる事を防止するための技術的対応」ではございますので念の為。


○その他少々

・スペインは燃えているか

ただのニュースクリップである。

http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTJE84O01B20120525
スペイン国債利回り上昇、カタルーニャ州の政府支援要請で
2012年 05月 26日 03:07 JST

『[ロンドン 25日 ロイター] 25日のユーロ圏金融・債券市場では、スペイン国債の利回りが上昇した。同国自治州で最も裕福とされるカタルーニャ州による中央政府への支援要請が明らかになった。』(上記URLより)

どうでも良いが自治州政府代表の表記って日本外務省の文書とか見ると「知事」になっているのでニュース記事でも「知事」表記ですけどあたくしのイメージ的には「首相」なんですが。まあカタランの与党はCIU(首相もCIU)で中道右派ではありますが、そうは言っても伝統的に関係がアレな中央政府に泣きつくとはカタラン人的にどうよと言う所で、問題がそれだけあばばばばーなんでしょうなあ。

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE84O05P20120525
バンキアがスペイン政府に190億ユーロの支援要請、想定の約2倍
2012年 05月 26日 08:33 JST

『[マドリード 25日 ロイター] スペインが支援に乗り出した銀行バンキア(BKIA.MC: 株価, 企業情報, レポート)は25日、190億ユーロ(237億7000万ドル)の資本注入を政府に要請した。政府はこれまでバンキア支援に少なくとも90億ユーロが必要になるとの見方を示していたが、この2倍の規模となった。』(上記URLより)

バンキアってマドリッドとバレンシアの貯蓄金融機関(カハ)を中心にその他複数の細かいカハをくっつけた奴ですな、ナムナム。

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2012/05/25

次のネタはまあマイナーネタだが付随する小ネタもあるので。

○輪番のゾーン別内訳のマイナーチェンジ

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2012/rel120524a.pdf
長期国債買入れにおける物価連動債および変動利付債の買入金額の変更について

『日本銀行では、物価連動債の市中残高が減少していることを踏まえ、長期国債買入れにおける国債種類・残存期間による区分別の買入金額について、下記のとおり、物価連動債を1,200億円減額し、変動利付債を1,200億円増額することとし、次回買入れより適用することとしました。なお、買入総額(年21.6兆円)など、長期国債買入れの運営に係るその他の事項については、変更ありません。』

ということで、物価連動国債に関しては足元では市中残高が減少してきておりまして、まーどこかで減額するんでしょうなあと思っておりましたし、今回は減額をするけれども買入そのものは続く(半額になる)という形ですので、まあ政策インプリケーションは無い措置ではございます。

最初このリリースが出る時に情報ベンダー見てたら「輪番の買入内訳の変更」というのだけ出ていたので一瞬「あれ?」と思ったのですが、日銀のサイトを見に行ったらこれがあったのでなるほどと思った次第。

・・・・・・・・という事だけですと小ネタにもならないのですが、ここから先が小ネタなのです(^^)。

今回の輪番のゾーン別内訳変更なのですが、金融政策決定会合(長いからMPMで勘弁)での決定では無いのですよね。と申しますのは、先ほどの公表文書に『2012年5月24日 日本銀行金融市場局』とありましたように、リリースしているのが「金融市場局」という事ですので金融市場局の判断によって(最終決定権限者は誰だか知らんが多分理事(いわゆる執行部)ですよね?教えてジェネラル!!)決定されましたというのを示している訳ですよ。

でまあその辺があたくし的には「あれ?」と思った次第でして、輪番のゾーン別内訳ってMPMマターじゃなかったのか???とか思って過去のリリースをあたくしの当時の駄文(俺様備忘録ですから^^)を見ながら調べてみました。


前回に輪番の買入のゾーン別内訳が変更になったのは2009年3月のMPMで輪番の買入額が拡大になった時です罠。

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2009/k090318.pdf

『2.金融市場における年度末越えの資金調達は概ね目処がつきつつあるが、年度明け後も、後述するような厳しい金融経済情勢を背景に、市場の緊張が続く可能性が高い。このような状況下、日本銀行は、金融市場の安定を確保するため、引き続き、積極的な資金供給を行っていくことが重要であると判断した。こうした観点から、長期の資金供給手段を一層活用し、円滑な金融調節を行っていくため、長期国債の買入れを以下の通り増額することとした。これまで年16.8 兆円(月1.4 兆円)ペースで行ってきた長期国債の買入れを、4.8 兆円増額し、年21.6 兆円(月1.8 兆円)ペースで実施する(当月より実施)。』(2009年3月MPM)

ということで、確かによく見るとMPMで決定した声明文の中には総額の話しか無くて、内訳については別建てでリリースされています。

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2009/mok0903a.pdf
長期国債買入れにおける残存期間等区分別買入金額の変更について

『本日の政策委員会・金融政策決定会合において、長期国債買入れの増額(年16.8兆円→21.6兆円)が決定されたことに伴い、国債種類・残存期間による区分別の買入金額を下記のとおりとし、次回買入れより適用することとしました。なお、買入対象国債や買入頻度など、長期国債買入れの運営に係るその他の事項については、変更ありません。』

ということでよくよく考えてみると、当時の増額時には基本的に当初決めたバランスを維持するような感じでの増額でして、「増額」そのものには政策的なインプリケーションがございましたが、「割り振り」については政策的なインプリケーションが無かったなあと思うのですよ。

ただ、この時は上記にあるように「政策委員会・金融政策決定会合において、長期国債買入れの増額(年16.8兆円→21.6兆円)が決定されたことに伴い」とありますので、おそらく金融政策決定会合でこの部分の話もあったんでしょう(議決したのかどうかは謎、というか議事要旨見るとそっちには載っていないっすな)なあとは思われますです。はい。

#ちなみにその時の議事要旨。最後の方に声明文と声明文別紙があります。
http://www.boj.or.jp/mopo/mpmsche_minu/minu_2009/g090318.pdf

あとね、先ほどの2009年3月MPM後の『長期国債買入れにおける残存期間等区分別買入金額の変更について』をよく見ると、リリースしているのが『2009年3月18日 日本銀行』とあって、金融市場局の名前が無いのが判ると思いますが、MPMで議決した事をリリースする場合には部局名では無くて「日本銀行」としてリリースする(ただし今日の最初のネタになった総裁会見要旨を見れば判るように、別にMPMマターじゃなくても「日本銀行」という名前でリリースしている公表文書はあるので、「日本銀行」とあるもの全てがMPMを通ったものとは限らない)ので、まあこの時はMPMを通っていそうな感じだなあとか思われるのですな。

よりわかりやすいのは当初の輪番ゾーン別買入導入でして・・・・・

そもそも輪番のゾーン別買入(と変国物国30年の買入追加)が行われたのは2009年1月のMPMでございます。

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2009/k090122.pdf

ここの別紙にある『本日の措置について』に『5.長期国債買入れにおける対象国債の追加および残存期間等区分別買入れの実施(公表資料4・5参照)』というのがありまして、その公表資料4・5というのは

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2009/mok0901b.pdf
「国債売買基本要領」の一部改正について

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2009/mok0901c.pdf
長期国債買入れの当面の運営について

というのがありまして、こちらはそもそもが声明文の別紙と紐が付いている形になっていますので、これは明らかにMPM議決マターであるという話になるのですが、そらまあこの時は初回ですからMPM通しますでしょうし、新しい買入が増えたので当然MPMを通ったんですなという所でしょう。

つまり、実は輪番のゾーン別内訳に関しては執行部で変更することも出来るという話だったのね(現に今回はそうなっている)という所なのですが、まあ常識的に考えて例えば1年未満をゼロにして全部超長期に振りますというような「政策的インプリケーションやアナウンスメント効果のある場合」というのはMPMで議決するという事になるんでしょうねえと言うのが今回の措置で判りました。

まあ今回はMPM当日に出すとその辺が判りにくくなるので、今回の内訳変更には政策的なインプリケーションは無いですよ、というのを強調する為にあえて1日ずらして発表したという事でしょうかね。よー判らんですけど。


ちなみに更に関係ないですが、2009年1月の『長期国債買入れの当面の運営について』を見ていて改めて気が付いたのですけれども・・・・・・・

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2009/mok0901c.pdf(再掲)

『6.長期国債保有に関する方針
日本銀行が保有する長期国債の残高は、発行銀行券残高を上限とする』

・・・・・・・当時あたくしの書いた駄文を読み直してみたら、この表現の部分を完全にスルーしている所が汗顔の至りでございます(内訳の分析する方に頭が行ってました)が、いわゆる「銀行券ルール」がMPMによる議決を経て明文化されたのってこの時だったんですねというマニア話でございます。それまでは会見での発言や国会答弁などで所謂銀行券ルールの話をしておりまして、まあ当たり前のように受け止めていたのでこの文言をスルーしてしまいましたが(汗)、実はそういうのがあったんだなあとか改めて確認作業をするうちに認識したのでドヤ顔で皆様にご披露でござるの巻とゆー所でございます。

#まあ日銀の中の人からしたら当たり前の話でしょうけれども、汗

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2012/05/24

○決定会合その他雑談や別の雑談など小ネタを少々

・為替の反応ワロタ&しかし間が悪いとはこのことで

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M4G6GJ0UQVI901.html
円全面高、日銀緩和見送りで買い圧力強まる−対ドル79円半ば

『5月23日(ブルームバーグ):東京外国為替市場では円が主要16通貨に対して全面高となった。対ドルでは午前に付けた1ドル=80円08銭から、79円台半ばに水準を切り上げた。日本銀行はこの日の会合で、金融政策の現状維持を決定したが、海外の市場関係者を中心に一部で追加緩和期待があったとの指摘も聞かれ、失望感から円買い圧力が強まる格好となった。』(上記URLより)

・・・・・・・・・確かに決定会合後にドル円は80円近辺から79円半ばくらいまで動いていまして、フィッチが格下げしても30銭少々しか動かない中でお前ら何を期待していたねんと為替市場関係者の皆様のアレ振りに呆れてしまいました。

しかしまあ何ですな、たぶん昨日の日本株下げって円高もあるのでしょうけれども、パパデモスの無茶しやがって発言によって益々ユーロちゃんが息をしていないの状態になるという状態も影響していたんじゃネーノとは思うのですが、日銀の金融決定会合の前後で欧州債務問題のアチャー状態が入ってしまい、円は上がるわ株は下がるわというのが相変わらずのタイミングの絶妙さ(まあ悪い方の絶妙だが)という所でありまして、感心することしきりの昨日なのでございましたです。

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2012/05/23

為替市場のモーサテコメントで今日も「日銀の追加緩和期待」とか言ってるのだが何なんでしょ。と申しますのは、そのコメントの人その後「日銀の政策が注目されている」と言った口が直後に「金融政策での円安誘導は一時的」と言ってしまうのでして、おまいらは「単なる一時的効果でも相場が動いてくれ」と思ってクレクレゆうとるのかと小一時間問い詰めたいのですが。

でまあ暫くだんまりだったこの先生がこのお告げを。
http://www.musha.co.jp/3968

>ギリシャのユーロ離脱は回避される可能性が強いのではないか。
>ギリシャのユーロ離脱は回避される可能性が強いのではないか。
>ギリシャのユーロ離脱は回避される可能性が強いのではないか。

・・・・・・・・・・・・orz

ご参考
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M4FY0L6VDKHW01.html
米国株:引け前に失速、ギリシャがユーロ離脱準備との報道で


○格下げですかそうですか

ご丁寧に他国比較まで掲載の公共放送。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120522/t10015299901000.html
フィッチ 日本国債1段階格下げ
5月22日 18時47分

フィッチのページはこちらですが、リリース内容は会員登録(最近のリリース見るのであれば無料登録)しないと読めないようで残念無念。
http://www.fitchratings.co.jp/web/

ということで、公共放送ニュースから。

『格下げの理由として、日本の債務残高がGDP=国内総生産に対して2倍を超え、世界で最も比率が高いこと、財政赤字削減に向けた取り組みが遅れており、しかも政治的なリスクに直面していること、政府が目指す消費税率の引き上げは、法案成立に向けた国会審議の見通しが不透明なことなどを挙げています。日本国債の格付けは、去年1月にアメリカの大手格付け会社「スタンダード・アンド・プアーズ」が、去年8月には「ムーディーズ」が、いずれも1段階下げ、上から4番目の水準にしました。また日本の格付け会社、「R&I・格付投資情報センター」も、去年12月に初めて、最上位の「AAA(トリプルエー)」から1段階格付けを引き下げていました。』(上記URLより)

はあはあそうですかという所ですが、肝心の債券先物ちゃんはこのリリース出た瞬間7銭だか8銭だか下がったみたいなのですが、あっという間に元に戻るでござるの巻と実に残念な展開。為替に関してはドル円で30銭位円安に振れていましたがユーロがそのタイミングで下落してたので対ユーロではウゴカンチ会長となっておられて貫録の無反応モードではございました。

まあ一応AA落ちなのですけど反応しませんなあちゅー所なのですが、かつてA2とかイミフ格付けをしていたMoody'sというのもありましたので、はあA格ですかそうですかふーんってなもんで華麗に話が終了という所なのでしょうな。


○市場メモというかなんというか

市場メモ言いましても足元3年までの金利が貫録の0.10%(つーか2年ゾーンとか引けの0.10%にビットが並んでいるような気がするんだが)で推移し、日銀がうっかり基金国債買入残高達成のためにより長めの債券買うとか言い出した日には只でなくさえウゴカンチ会長の中期ゾーンが益々ウゴカンチ会長になるという予想が出来る残念な状態で市場メモもへったくれもという感じっすけど。

・2か月TB入札

http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul240522.htm

(3)募入最低価格 99円98銭3厘0毛
(募入最高利回り)(0.1017%)

(4)募入最低価格に 3.2891%
   おける案分比率

(5)募入平均価格 99円98銭3厘2毛
(募入平均利回り )(0.1005%)

ということで平均0.10%キターとか喜ぶわけですが、まあ冷静に考えますとこの結果って単に応札の刻みの問題で、応札の刻みが99.9835=0.0987%、99.9830=0.1017%とゆー風になっておりまして、まあそうは言っても0.10%割れで全部の札要らんがなという事もありますので、0.10%に乗った所に按分狙いで札が入るのですが、この0.10%乗せのレベルがいつもの3か月TBだと0.1002%相当になる一方で、今回の2か月TBでは0.1017%となっていたのでその分だけ平均利回りが上がっただけという感じっすかねえ。

ただまあ4月の2か月TB入札はタイミングが期初近くで玉が足りないというのも影響したのと、一部の業者さんがどどーんと落札したのもあって足切りは0.1017%でしたが、平均は0.0989%と0.10%割れだったので、その時よりは落ち着いた結果という感じではございます。まあ短国のニーズはニーズでありますが、物が無くてヒャッハーというよりは0.10%では物は出てこないけれどもちょっと強めを買う積りなら買うこともできますなあという所でしょうか。まあGCも0.10割れで沈むとかではないですし。


・公社債売買動向

一昨日のニュースなので今さらネタですがメモだけ。

http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPTK080902820120521
UPDATE1: 4月公社債投資家別売買状況、都銀の売り越し5.1兆円と過去最大
2012年 05月 21日 10:33 JST

都銀の売り越しが大きかったのと売買高がやたら多かったのと、超長期の海外の買い越しがやたら多かったのが話題になっていたのでクリップだけしておく。超長期の海外の買い越しが多かったから足の速い海外勢の売る前に売っておくかって人が出たのではというような後講釈も一昨日&昨日の超長期スティープの中で出ておりましたのでメモメモ。まあ超長期入札のセットアップもあるんでしょうけど。

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2012/05/21

○金曜も札割れ祭り

金曜のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of120518.htm

国債買入(残存期間1年以下) 3,100 2012年5月22日
国債買入(残存期間1年超10年以下) 2,500 2012年5月22日
共通担保資金供給(資産買入等基金) 8,000 2012年5月22日 2012年11月26日

オペ結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba120518.htm

国債買入(残存期間1年以下) 1,747 1,747 0.000 0.000
国債買入(残存期間1年超10年以下) 11,920 2,506 -0.004 -0.002 24.9
共通担保資金供給(資産買入等基金)(5月22日スタート分) 2,698 2,698

・・・・・・・・ということで前場に行われた輪番オペの残存1年以下が貫録の札割れという大変に素敵な事になりました。つーかまあオペのオファー出た時に札割れ必至って話はしておりましたので結果自体は驚きでは無いのですが、ああ輪番も割れましたかねえという所でございまする。

ちなみに、輪番オペは前日比の利回り較差での入札になるのですが、出来上がりレートが0.10%未満になる応札は無効になる(基金短国買入や基金国債買入との平仄を取るためって事でしょうが、実はこれ最近(確か2月の緩和強化以降)になって入った条件ね)という風にオファー時に示されているので、まあ1年以内の利付国債の引値が水曜の基金国債買入(2年以内)札割れ祭りの時に軒並み0.10%となってしまい、そのままその水準が貫録のビットサイドとなっておりまして、そらまあ応札入らん罠という所ではあるのですけれども、先週前半までは1年どころの利付国債は0.10%だと一応オファーサイドで札は入っていたという状態だったのがきっちりひっくり返しましたなあとゆーのがきっちりとだった事を考えますと判っていた結果とは言え誠にアチャーではございます。

そういや武士の情けで名前は出さないが、どこぞのベンダーのコメントでどこぞの証券会社の債券何とかストの肩書の方が「基金オペは0.10%の下限金利があるけど輪番オペの札割れは想定外」とかコメントしていましたが、日銀オペ先なら輪番の下限金利がある事を把握して然るべき(日銀からのオペ入札要綱(オファー締切時刻とか決済方法とか書いてある日銀ネット経由で示されるブツ)に書いてあるのだが、一般向けにはそこまでアナウンスされていない)でして、債券何とかストとして誠に残念ですので顔を洗って出直して頂きたいものでありますな

#ま、オペの細かい話っていうのはそれだけ注目されてないちゅー話なんでしょorz

しかしまあ残存3年以内の引けが揃いも揃って0.10%で並んでしまいまして、まあさすがに3年どころは0.10%オファー出るんでしょうけれども、1年以内の利付国債まで札割れするとか短期から2年とか位までの市場休業のお知らせという大変に困った状態。多分残存2年くらいまでで0.10%で買えるのってGCレポだけじゃネーノという有様(まあそのGCだって足元当座預金残高がやや減っているので買えているだけだと思いますし・・・・・・)になっておりまして、こうなってくるとそもそも日銀の包括緩和による資金供給自体が物理的に出来なくなっていますなあというお話です罠。

だからと言って付利金利下げたらどうなるかと言いますと、それは金利水準が平行移動しただけで札が入らないのは同じ事になりますので問題の解決にはならないです罠。ちなみに付利金利下げないで応札の方で0.10%割れを容認したら札は入りますが、その場合は日銀当座預金取引先に対する単なる収益プレゼントになってしまいますので、もはや何のために資金供給をやっているのか意味が分からんですがなという話ですな。

・・・・・・・という事で輪番オペネタなのですが、午後には6か月固定金利オペが今回も堂々の札割れになっているのもまあアレでございます。固定金利オペの6か月物は年末までに5兆円減額なのですけれども、オペを普通にロールオーバーしていく中で札割れが連発していく中で減額という流れになっているのですが、この調子だと減額しすぎて5兆円以上落ちるんじゃないかと懸念される次第。

まあいずれにせよ「長めのターム物金利を下げる」という目的を達成すると同時に市場は開店休業になるわオペの札は入らないわという大変に素敵な事態になっているのですが、この調子でオペの札が入らないといなった場合に日銀としてはどういうロジックで説明(というか言い逃れ)をするのかが見ものではございます。つーか枠組み自体をどうにかした方が良さそうな気もするけど。

ちなみに3月〜4月の積み期間の当座預金残高ですけれども、都銀とその他が増えていて信託がやや減っているという感じですかそうですか。
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/cabs/jcabs.pdf

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2012/05/17

○基金国債買入(2年以内)札割れの巻&1年短国がアヒャヒャヒャヒャ

昨日のオペオファー(のうち基金国債買入だけ引用)
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of120516.htm
国債買入(資産買入等基金)(残存期間1年以上2年以下) 6,000 2012年5月18日
国債買入(資産買入等基金)(残存期間2年超3年以下) 1,000 2012年5月18日

結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba120516.htm
国債買入(資産買入等基金)(残存期間1年以上2年以下) 4,805 4,805 0.000 0.000
国債買入(資産買入等基金)(残存期間2年超3年以下) 7,008 1,004 0.010 0.011 19.9

・・・・・・・ということで2年以内の方の基金国債買入が札割れしたのですが、昨日は金融ファクシミリ新聞(普通の人は知らないと思いますが)が「付利金利引き下げへの思惑」というどう見ても与太記事かポジショントークをそのまま書いたかのようなしょうもない記事が出て、丁度まあ世界リスクオフ態勢になっている中で、2年とかの辺りの中短期債で業者がショートしている銘柄とかで降参のショートカバーが0.10%割れ水準に入るでござるの巻となりやがり、2年ゾーンが業者間で0.10%貫録のビットサイドが並ぶわ、ショート銘柄だと0.10%割れのビットになるわともうアヒャヒャヒャヒャ状態。

んでもってまた日銀も何でそのタイミングで基金国債買入入れるのよとか思うのですけれども、基金国債買入を打ち込んだらそらまあ札が足りない罠という当たり前の結果になって、この結果が出たのが昼休みなもんで、後場の寄りでは世界リスクオフ(何せドル円で円安進行していたのに株安が進行するという大変にお洒落な展開)も相まって先物窓開けて寄る有様。

んでもって12:35に落札結果が出た1年TB入札ですけれども、結果はこの有様。
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul240516.htm

(3)募入最低価格 99円90銭0厘
(募入最高利回り) (0.1003%)

(4)募入最低価格に 3.7749%
   おける案分比率

(5)募入平均価格 99円90銭1厘
(募入平均利回り )(0.0993%)

うむ、一応0.10%カツカツに札を入れるものの、応札限度額がやや少ないので按分薄いの判っているから上にも札入れないとマズーだろという事になってまあ普通に0.10%割れになってしまった次第という事のようですが(応札限度まるまるを足切りに入れても出来上がりが3ケタ億円にしかならねえ)、こらまたあちゃーな結果でもありますが、こうなりますとまたまた基金短国買入の残高積み上げ大変だなと思う次第。

まあ昨日の債券市場のうち長期や超長期とかが強いのは付利云々よりも東京時間からおっぱじまっていたリスクオフ祭りの方が効いているんでしょうなあとは思いますけれども、短い所に関してはこの流れが続いて昨日の日本相互証券の引値は2年債は軒並み全部0.10%(つーかまあ0.10%はビットサイドで0.10割れの出合いがあちこち散見されていたわけだが)でまだ基金国債買入に入らない5年90回(2015/6/20償還)の引けまで0.110%(1毛強)と相成りまして、まあ見事に中短期ゾーンのカーブがぶっ潰れてしまいましたとさ。

まー0.10%割れでビットあるなら売って日銀当座預金に入れておけば良いという議論はあるかもしれませんが、付利下げの可能性は兎も角(次に悪態交じりに書きますが普通に考えて付利下げは追加緩和のオプションの中で一番有り得ない選択肢)として、一応債券運用という仕切りの中で運用している人たちとしては、その債券運用の残高とかの問題とかもありますし、そもそも超過準備をアホのように積み上げて良いものかという議論が無い訳でも無いとか、まーそーゆー感じの制約があって、いきなり直ぐにホイホイと動くわけにも逝かないちゅー所なんでしょうな、よー知らんけど。(0.10%割れの水準で売ってウハウハとか言っても売った金で結局0.10%割れでしか債券を買えないのであれば意味なしにも程がある訳ですし^^)

日銀当座預金と関係ない所の人たちは他に買うものなければ0.10%割れを買わないといけませんし、まあ何と申しますかアヒャヒャヒャヒャではあるのですが、この流れはどう見ても誰得展開ではございますなという事で。

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2012/05/16

○各種オペ関係雑談

昨日のオペ(ドル資金供給は引用割愛)

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of120515.htm
国庫短期証券買入(資産買入等基金) 3,000 2012年5月17日

結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba120515.htm
国庫短期証券買入(資産買入等基金) 4,050 3,003 0.000 0.000 74.1

昨日のオペは無事に札割れならずという事になりまして、こりゃ失礼致しましたと申しますか、0.10で売るなら客に売れとか思いますがまあそれは兎も角として、昨日の場合は普通に考えると先週の新発3か月が入ったのか、そうじゃなかったらどこかの投資家が手持ちの既発でも入れたのかとかも思いますが、まあ普通に3か月新発が入ったのでしょうかねえ。札入れた人(と日銀)じゃないからよく判んないですけど。

足元では海外というか欧州が怪しげな流れになってまして、安い円が出てきて短国買いになるのか、その辺すっ飛ばしてキャッシュ専攻になって短国どころの騒ぎでは無い流れになるのかは存じませんが、まあいずれにせよ引き続き基金短国買入の残高が達成できるかって市場状況次第というのがカワランチ会長になるのですが、そもそも短国買入札割れというのは買入基準金利の0.10%を下回った状況になっているのが原因なのですからして、「札割れ」はある意味政策意図が達成された結果でもある、とか考えますと、そもそも残高に目標を設けているのに無理があるのではないですかねえという感じも。

まあ最初は国債買入が今ほど多くなかったので短国買入の残高目標達成に関しても特段の問題もなかろうという感じだったのですけれども、国債買入拡大で2年の金利が潰れる中で1年までのイールドがフラット(というか時にGC対比で逆イールド)となっているのですからして、そらまあこうなる罠という話ではございます。毎度申し上げていますが、国債買入拡大した結果として色々と調節技術上の無理が生じていますな。


ところで金曜の社債買入(他のオペの引用はスルー)

http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of120511.htm
社債等買入(資産買入等基金) 2,000 2012年5月17日

結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba120511.htm
社債等買入(資産買入等基金) 5,965 1,583 0.110 0.202 68.7

買入対象銘柄の3年までの拡大後最初の社債買入はここぞとばかりに2年から3年のところの銘柄を打ち込みに逝って、一部不人気銘柄の枠が余るほどの買入申込みがあったので当選辞退が出ましたと言う事ですな。まあ次回からはその辺の不人気銘柄の枠埋まったのであればレート下がるんでしょ。

そういやどこぞのレポート(武士の情けで名前は出さない)で「もっと買入の基準を下げたり枠を拡大したりしてリスクプレミアムを縮小するようにすべき」とかいうどう見てもポジショントークのクレクレです本当にありがとうございましたというのがあったような気がしますが、そもそも非伝統的金融政策における信用緩和政策における「リスクプレミアムの縮小」というのは「市場の混乱によって市場の価格発見機能が低下し、本来付くべきでは無いリスクプレミアムが拡大している状態を是正し、市場による適正な価格形成が行われるようにする」という事であって、業績がうんこで信用状況がアレな企業に市場によって付けられる信用スプレッドを潰しに行く、という事では無いので、クレクレにも節度を持っていただきたい、と斯様思うのでございまする。

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2012/05/11

○短国入札は引き続きアレ

一昨日と昨日は6か月、3か月の短国入札があったんですけどね。

6か月TB入札結果
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul240509.htm

(3)募入最低価格 99円95銭1厘
(募入最高利回り) (0.0999%)

(4)募入最低価格に 17.3962%
   おける案分比率

(5)募入平均価格 99円95銭1厘
(募入平均利回り )(0.0999%)


3か月TB入札結果
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul240510.htm

(3)募入最低価格 99円97銭5厘0毛
(募入最高利回り) (0.1002%)

(4)募入最低価格に 3.7739%
   おける案分比率

(5)募入平均価格 99円97銭5厘2毛
(募入平均利回り )(0.0994%)


・・・・・・・・・いやまあ何と申しますかという入札なのですが、3か月の方に関しては足切り0.1002%というのが前回4月26日の入札でも起きていまして、この時は按分8.6901%となっていましたが、今回もまた0.1002%の足切りだわ按分は3.7739%に低下するわ(したがって応札の方は前回が77.9兆円だったのが今回は97.9兆円に増えてますな)と言う事で、益々ニーズが高まるの図となっておりまする。足切りの所に按分狙いで札入れても満額入れても2000億円少々しか入らないとか中々お洒落な展開ですわな。

それとまあアチャーだったのはその前の6か月TB入札の方でして、平均と足切りが0.0999%と相成りまして0.10%割れという華麗な展開。まあ今回の入札は応札の刻みをイールドに直すと99.952円=0.09792%、99.951円=0.09997%、99.950円=0.1021%となっていましたので、0.09997%の所になるわなあとは思われていましたので、結果自体は市場予想通りではあるのですが、それにしても0.10%はどう見てもビットサイドです本当にありがとうございましたという風情になっているのが実にお洒落。

先日基金短国買入が絶賛大札割れになったという話をしましたが、当然ながらこの2回の入札とも0.10%は全力でビットサイドとなっておりますからして、0.10%での売却というのはどう見てもサービスレートとなるという状況の中、日銀にわざわざサービスレートで売却するお人好しもいない訳でございますからして、しばらくは基金短国買入打てませんなああっはっはという事でございまする。

足元、欧州がアレな影響がどの程度効いているのかはよー存じませんけど、まあ国内勢だけではなく海外の買いもやや強めというのも効いている結果としてまたも0.10%割れモードという事になっているのかなとは思いますが、しかしながらやはりここもとの基金買入攻撃による買入拡大も効いているんじゃないかという風にも思われる次第で、この調子で順調に短期債やら2年ゾーンやらの吸い上げが進んで行きますと、どうしても余剰資金の潰しをするニーズは高まるでしょうし、2年とかまで0.100に接近してくると(2年カレントはこの前まで0.105/0.110の気配でしたが、最近は0.100/0.105になっていたりしますがな)短国のレートが付くようになるまで時間が掛かる可能性も懸念される次第で。

マーケットが0.10%だと短国全力買いという流れになっておりますと、基金短国買入の残高4.5兆円達成とか大丈夫なんでしょうかねえ(ニヤニヤ)。


・・・・・・と申しますか、まあそもそも資産買入等基金なのですが、当初より固定金利オペとか短国買入とかも残高に入れて勘定してましたけれども、短い所に関してはある意味政策意図を十分に達成している訳でもありまして、CP買入以外の短期物に関しては資産買入等基金の枠組みから外した方がすっきりする、というかオペレーション上の苦労が減るような気がするんですけどどうでしょうかねえとは思います。ただまあそうすると見かけの基金の数字が激減しちゃうのでそれはそれで難しい面がある(短期金融市場的には多分みなさん大歓迎で、正直それによって引締めになるとかいう話は1ミリも無いのですが、相変わらずマネーガーとか言う人や日銀当座預金残高ガーとか言う人たちがいるので話がヤヤコシヤとは思うのでございまする。

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2012/05/09

○基金オペ札割れ祭りキター

昨日のオペオファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of120508.htm

CP等買入(資産買入等基金) 3,000 2012年5月11日
国庫短期証券買入(資産買入等基金) 3,000 2012年5月10日
米ドル資金供給(固定金利方式) 2012年5月10日 2012年5月17日 0.640
共通担保資金供給(資産買入等基金) 8,000 2012年5月10日 2012年11月13日

オペ結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba120508.htm

国庫短期証券買入(資産買入等基金) 144 144 0.000 0.000
米ドル資金供給(固定金利方式)(5月10日スタート分) 0 0
共通担保資金供給(資産買入等基金)(5月10日スタート分) 3,260 3,260
CP等買入(資産買入等基金) 4,640 2,965 0.010 0.011 94.1

でまあCPとドルオペはスルーして本日のネタは基金短国買入と6か月固定オペなのですが、もう何というかね・・・・・

>国庫短期証券買入(資産買入等基金) 144 144 0.000 0.000
>国庫短期証券買入(資産買入等基金) 144 144 0.000 0.000
>国庫短期証券買入(資産買入等基金) 144 144 0.000 0.000

実はまあ基金の国庫短期証券買入は前回4月25日に実施されてまして、この時も1742/1742と札割れだった(オファーは3000億円)のですが、今回は何とまあ144億円ぽっちしか入らないというお洒落な状況。

何でそうなりますねんという話ですが、直近の3か月TB入札は26日に行われたものでしたけどこの時の落札結果が0.1002%/0.1002%と0.10%カツカツの入札だった上にその後投資家の買い(海外も含め)が入って0.1002%レベルのモノはすっかり持って行かれてそもそも0.10%で出すものがあるかいな状態になっている、という背景があって、その上1年とか6か月とかの短国の在庫もすっからかんである、というような状況があるのですけれども、何ぼなんでも144億円というのは残念過ぎる札割れ。

そらまあ基金買入によって国債は買うわ短国は買うわという風になっている中でございますから黙っていても当座預金残高が積みあがってきますし、短い所の金利は1年まで0.100%とかになっている状況ですからして、短国買入にわざわざ0.100%で入れなくても店頭で売った方が良いお値段で売れますがなという状態ですから札割れになりますなあという所です。

その上国債買入によって当座預金残高が勝手に積みあがるという流れがこれから見え見えという状態でして、まあ海外次第の面もありますけれども、短国市場に関しても資金余剰感が高まってくると日銀オペに入れなくても良いや攻撃になる時間帯が長くなる可能性があって、そうなりますと基金オペの残高目標の達成としてどうよというような懸念も出てくるんじゃネーノという所ではございます。

まあ何ですな、金利を下げるという意味ではより長い所をドバドバ買うようになっているのですから、今さら短国買入をバカスカ実施しなくても良いのではという気もする訳でございまして、この際短国買入を減らしたらとか思わないでも無いのですが、これまた短国買入を減らすとその分国債買入を増やさないと基金残高が減ってしまいますので(^^)、中々大変ですなあと思うのでありました。

ちなみに今週からは短国の入札がT+2ペースになりまして、従来毎週水曜だった3か月TB入札が木曜になるのですが、今日は6か月TBの入札でございまして、足元の玉スッカラカン状態の中どういう入札になるのかと考えると今からおそロシアなのでございますがさてどうなるでしょう。


でもって6か月固定金利オペの方も札割れ。

まあ先般の決定会合で6か月オペは減額ということになったのですけれども、何故かオペの方は普通にオファーされておりました。まあ今回のオペはそもそも最初に入れた6か月オペシリーズなのでロールなのかなとも思いますが、昨日もお約束のように貫録の札割れになっておりまして、もしかしてこの調子で普通に札割れが続いていけば自然体でオペ残5兆円減るんじゃないかというような勢いではございます(ちなみにあたくしの手控えで計算したら今回の結果的に減額ロールとなるオペによって6か月オペの残高は13.8兆円になってまして、あと3.8兆円減らすと間尺に合う勘定)。

いやまあそれで自然体でオペ残減ってきそうな勢いでもあるのですが、そういう自然体の減らし方をしているとどのタイミングで固定オペの残高が10兆になるのかがイマイチ判らんですなあという気もしますし、大体からして日銀的には残高のコントロールが大変じゃネーノとも思いますがどうなんでしょ。


いずれにせよ、どうも足元でこうオペの大量札割れ祭りを見せられますと、益々資金余剰感が高まって参りまして、ただでなくさえキャッシュ潰すものが無くて泣きそうな短期資金運用部門の人たち涙目の展開という所でございます罠。

つーか短国買入とか残高維持大丈夫かとも思いますが、まあ何ぼなんでも永遠に10割れ水準って事も無いとは思いますので何とかなるとは思うのですけれども、今週後半以降少し玉が供給された後のオペ応札状況をニヤニヤしながら眺めたいとは思います。この調子がしばらく続くとなるとオペ残高達成問題的にはどうなのよという感じがいたします。

まあ正直1年以内のオペとか買入に関しては基金残高から外した方が調節も楽になるし基金の運営も楽になる(CPは残すとして)とは思うのですけど、それを外すと基金の残高でござると言ってるものが30.5兆円ほど(短国は4.5兆なので本当は30.45兆円)落ちてしまうので見栄えがががががという問題がorz

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2012/05/02

○昨日の基金国債買入なのでございますが

昨日のオペオファー(固定オペの部分は引用割愛)
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of120501.htm
国債買入(資産買入等基金)(残存期間1年以上2年以下) 6,000 2012年5月7日
国債買入(資産買入等基金)(残存期間2年超3年以下) 1,000 2012年5月7日

という事で、早速のオペオファーで残存2年と3年で分けるというのがあったのですが、このオファー額を見て市場的には「えええええええええええええええ!!!!」という反応がまず最初に。

いやね、確かに2年は新発が毎月の発行が27000億円(第U非価格があると更に増える)あって、一方で3年ゾーンは新発が無いので市場の流通玉が少ないというのは判るのですけれども、やはりこの比率は「何だ3年ゾーンまで買うと言ったのに必要最低限しか買わないとかやる気ないんだ」というイメージを第一感で与えるシロモノで、当然ながら昨日の債券市場では朝方堅調だった5年ゾーンがこのオファーを見てやや失速して債券先物もやや失速。

で、オペの結果ですけど
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba120501.htm
国債買入(資産買入等基金)(残存期間1年以上2年以下) 14,282 6,007 0.005 0.005 53.0
国債買入(資産買入等基金)(残存期間2年超3年以下) 6,588 1,005 0.021 0.024 3.2

出来上がりの利回りで一番強い所で0.121%まで入ってまして、昨日の3年ゾーン(2015年3月償還物)の引けが0.125%だったので、アベレージも含めて引けよりも強い所まで入ってくれたので、まあ市場予想より強かったということでホッとしてその後気配は戻ったので不幸中の幸い。


でまあこれに関しては色々と見解が分かれる所だとは思うのですよね。つまり結果を見ればオペのオファーする所がちゃんと需給を見て適正な額を入れたという話ではあるのですけれども、そうは言いましても入れる方だってそもそも昨日の引けより弱い所に入れるのがアホラシカ(どうせ買入は続くので)というのもあってそんなに入れなかった可能性もある訳でございまして、まあ結果的にはこれでオーライなのかも知れんし、実務上はこんなもんですかねという所なんですけどあたくし的にはややどうかという気が。

つまりですね、オファーがあった時の市場のファーストアクションを見れば判りますように、「1000億円」という額には「必要最低限しか実施しませんですが何か?」というニュアンスをまあこのオファーを見ると受け止める訳でございまして、これ債券市場しか反応して無いから良いようなもんで、こういう数字を見て「日銀は3年に買入年限を伸ばすと言ったのに結局必要最低限しか買っていなくて消極的」とか言われてしまうと、「折角買入の年限を伸ばすという積極策を実施したのに消極的と言われる」という意味不明あるいは台無しにも程がある展開に成りかねない次第でありまして、せめて「5000vs2000」の比率くらいにしておいた方が「見せ方」として適切だったのではないかと。

まあそうするとそのうち2年ゾーンの買入よりも3年ゾーンの買入の利回りが低くなるという無茶現象が発生しかねないのですが、そうなったらそうなったで「新発債の発行がある2年の買入の方がニーズがあるようですので3年の買入予定額を減らしますね、なんてマーケットフレンドリーなんでしょ私たちって(はぁと)」とか何とか言って是正すれば(いやそこまでやらんでもその前に是正しておけば良いのだが)良いんじゃネーノと。

あとね、どうせしばらく買入が続くことを考えると、先に3年ゾーンを買って置いた方が後で3年を買うよりも出口政策の際に保有銘柄の平均残存が結果的に短くなるんじゃないのかなあというのと、基金買入の償還が早く来ない分だけ当面の残高維持が楽になるのではないかなあなどと思ったんですけどね。


ということで、何と申しますかあまり「小出し感」を与えるような見せ方をするのも残念というか、下手に小出しする位なら何もしないで「やる時はやるよ〜」とやるやる詐欺でもしておくというどこぞの逆さ絵オヤジあるいは福井の俊ちゃんスキームの方がお得感があるのでございまして、折角色々とやってるんだから具体的な実務部分で小出し感を出さなくても・・・・・とは思うのでありますけどどうでしょうかね。まあもちろんこの辺りは見解が分かれると思うのであたくしの愚意見必ずしも市場のメジャーな意見かというとよくワカランチ会長ではありますが。

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2012/04/27

○お縄ショック来ねえええええええええええ

お縄先生お縄ならず
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20100806-849918/news/20120426-OYT1T00244.htm
陸山会事件、小沢氏に無罪…元秘書との共謀否定

昨日の債券市場ですが、NHKが無罪を報じたのがベンダーに出たのが10時直後だったと記憶しておりますが、その瞬間に債券先物が5銭ほど下がったんですけど後続全くなくて、それどころか現物債が堅調推移していたせいもあってその後は前日比プラスになって上をトライしにいく有様。

小沢無罪→消費税関連法案がマズー→財政懸念で小沢ショック再来ネタはあっさり味で粉砕されてしまいました。つーか1審判決前から小沢ショック再び来るかもねみたいな話をみんなでしていたらそらまあショックは起きんわなという事で、不意打ち食らうからショックが起きるという論点からすれば、昨日の場合はお縄先生がリアルお縄になった場合に債券先物買い攻撃とかが見られたのかもしれませんな。

とは言え、財政再建への不透明感が高まって、その一方で日銀に政治家がゆすりたかりをするという状況が強まると、財政マネタイズとかそっちの連想をだんだんしやすくなってくる訳で、とりあえず昨日の反応は昨日の反応としてまた今後はどうなのよという話でしょうな。

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2012/04/24

○何となく雑談

・相場後付雑談等

昨日は債券先物が143円ついてみたり(引けは142円95銭)10年カレントが0.910%ついてみたりとやっておりましたが、後付で言われていた「日銀の追加緩和見通し」にしたってフランス大統領選挙でサルコジ大統領が危なさそうという話にしたって月曜に急に出てきた話でもないのに何でじゃろとゆー感は拭えないのですけれども、まあ相場後付コメントとか見てても妙に強気な話が多かったりしますし、何なんでしょうねえと。

ま〜どちらかと言えば債券市場が1%割れるか割れないかという水準という手の出しにくい所で延々と膠着する間に何となくショートみたいな状態(債券の場合は投資家的に言えば何もしないでいると時間の経過と共に自動的にポジションがショート目になってくるので)になる投資家が増えているとかの状態があって、段々買わないでいるのご勘弁モードになってきて、どこかで買いにいかないといけませんなという雰囲気で我慢できなくなったのでとりあえず言い訳探しということなのでしょうか、わかりません><;

それから昨日から国債決済のT+2化が開始しまして、特段何か起きたというような感じではなさそうですけれども、実際問題としてはその決済が回る明日になったら判りますがなという所でしょう。

ちなみに3か月短国の入札に関しては今月中はまだT+3で行う(つーか短国の入札はスケジュール上T+4の時とかもあるので、そもそもその辺は柔軟にやっているのですけど、特に3か月物以外の場合)ようで、連休の合間に発行償還が来るのを避ける(のと営業日ベースでの償還日程が立て込むのを避けるため)に本日は3か月TBの入札が行われる(発行日は金曜日、当然ながら償還が同様に金曜にある)のですが、こちらは(最近短国入札ネタをすっかりスルーしてますが)何せGCから1年TBまでの金利差がろくすっぽ無いという素敵な市場になっていることもございまして、「0.10%だとニーズがアホほどあり、0.10%を割ると買う人が急に減る」という毎度おなじみの展開が続き、その市況に沿った落札結果になるでしょうなという事で。

これが海外の買いがどかどか来るとかとゆー話になるとまた話が変わってくるのですけれども、現状ではそこまでの話でもなさそうなので、まあ安定推移とゆーかウゴカンチ会長とゆーかという感じでしょうなあ。

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2012/04/13

○オペ雑談

引用大会で意外に時間を使ったのでさくらレポートネタは明日以降に持ち越しで勘弁でありまして、ちょっとだけ雑談ネタ。

まあ次回の会合で追加緩和(のようなもの)がどうのこうのという話は相変わらずでございまして、その内容に関してもああだこうだという話が出ているのですが、オペレーション技術的な観点からしますと、基金オペの内容に関して組み換えというか見直しが必要じゃないかと思うのですよ。

つまりですな、現在オペ技術的に一番ネックになっているのが「固定金利オペ」でございまして、6か月オペが何度か札割れになりましたというネタはあたくしが数回駄文で申し上げました通りかと思うのですが、足元では金利入札オペの残高がゼロになっていまして、固定金利オペだけで回している格好になっています。でも・・・・・

12日の資金需給速報
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/jx120412.htm
当座預金残高 359,200

13日の資金需給見込み
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/jp120413.htm
当座預金増減 +27,900

とまあこんな状態でありまして、今日には当座預金残高が38兆円ペースに乗るという状態になっておりまして、まあ要するに資金需給ってそれだけぶれるんだから単月の当座預金残高がどうのこうのとか一々言うかねとも思いますが、このように当座預金座残高が積みあがって余剰資金溜まって来ますと(特に6か月の)固定金利オペに応札するインセンティブが下がってくるという問題がある訳です。つまりですな、資金需給的に余剰資金が溜まる時期になる(あるいは近づく)と固定金利オペ残高の目標を達成する為に金利入札オペを抑制的にしないといけないとかアホウな問題が発生するのでございまして、何が何やら状態になるのですな。

今後は買入系のオペの残高が増えてくるのも当然ながら資金需給には効いてきますので、そうなりますと固定金利オペの残高維持が益々窮屈になり、固定金利オペ残高維持の為に資金供給オペの実施がやりにくくなるとかどう見ても本末転倒です本当にありがとうございましたという展開が見え見えな訳でございまする。つーかもう見えているけど。

つまり何が言いたいのかと申しますと、元々は固定金利オペからスタートしているから仕方ない部分はあるのですが、買入系のオペが拡大されて行く中で固定金利オペの存在理由も存在するメリットも低下している、つーか足元では邪魔化している訳でございまして、この固定金利オペに関しては純粋にオペ技術論として考えた場合に見直すというか、実施額の大幅削減をするのが必要じゃないですかねえと思うのですよ。まあ極端に言えば固定金利オペ全廃して金利入札オペに戻して、その一方で買入系に回せばとか思いますけれども、さすがに35兆は中々しんどいでしょうなあとか思うと、固定金利オペの増やし過ぎはどう見ても失敗だったなあという感じになって参りました。

つーても、この状態って後になるほどしんどくなってきそうですから、4月会合とは言いませんけれども、どこかのタイミングで基金オペの内訳見直しとかをした方が良いのではないかと思いますです、はい。

という何が何だか判らない雑談で恐縮至極。

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2012/04/12

○時間が無くなったのでメモだけ

・輪番オペが既に3回目とな

昨日は輪番オペがあった訳ですが、月に4回実施する輪番が何と今月は前半のうちに3発実施。

・・・・・・でまあ何でですねんという話ですが、こらまああたくしの想像の世界ではありますが、恐らく単純にカレンダーの関係と国債決済期間のT+2化移行が絡んでいると思います。

つまり、そもそも論として受渡しが月末跨ぎになる買入系のオペは避けられる傾向にある(連休絡むと更にそうなる)のでそもそも今月の場合最終週にオペ入れるにしても前半にしか入れられないというのがあり、更に23日約定から国債決済期間のT+2化が開始になるので、その移行に絡んでフェイルが増えたりするような事が無いとも言えないので、とりあえず今月は23日以降の約定を避けてみましたという事(23日約定と決済日が同一になるから20日の約定も避けるような気がする)で、その結果としてまあ日程上3週間で4回輪番やらないといけませんなという事になったのではないかと愚考致します。

というメモでした、いやお友達と話しててそんな結論になってみたんですが、実際の所どうなのか誰か知ってたら教えてつかーせ。

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2012/04/11

○総裁会見についてはテキスト出てから詳しく書きますが簡単に

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M296I26JTSEM01.html
日銀総裁:特に念入りに点検へ−次回の政策決定会合
更新日時: 2012/04/10 18:19 JST

『4月10日(ブルームバーグ):日本銀行の白川方明総裁は10日午後、定例記者会見で、27日の次回金融政策決定会合について、経済・物価の見通しを「特に念入りに点検し、そうした見通しに基づいて適切な金融政策を行っていきたい」と述べた。』(上記URLより)

ということで、今回の総裁会見のベンダーヘッドラインを見ておりますと、概ね「次回に〜」「次回に〜」の連発でありまして、まあ次回の政策決定会合に向けて点検しますよとか展望レポートは大事とか、普通に読むと次回の会合で何かそれらしいことをしましょうかねえというのを示唆する内容って感じですわな。

例えばブルームバーグ(プロフェッショナル版)の日銀関連のヘッドラインを一部だけ引用するとこんな感じである。ちなみに決定会合後の定例記者会見のエンバーゴが外れるのは16時30分でございます。

16:31 JBN *日銀総裁:次回会合では特に念入りに点検し適切に政策運営
16:32 JBN *日銀総裁:物価上昇1%めどに強力に金融政策を推進する
16:34 JBN *日銀総裁:次回会合の判断を予め予断持つのは慎む
16:34 JBN *日銀総裁:展望リポートは非常に大事

というような感じで、これを見てまあ債券先物は7銭位上がった(まあ誤差とも言えますけどね^^)のですが、英語のヘッドラインを見ますと(まあ正しくはロイターととか時事とかのヘッドラインも見ないといけない訳ですが)こんな感じ。

16:32 BN *SHIRAKAWA SAYS WILL TAKE APPROPRIATE POLICIES
16:32 BN *SHIRAKAWA : WILL CAREFULLY EXAMINE PRICE OUTLOOK AT NEXT MEETING
16:33 BN *SHIRAKAWA SAYS NO CHANGE TO EASING TO END DEFLATION

とかなんとかいう感じでして、日本語のヘッドラインで出てくるニュアンスだともう「次回が〜」の連呼なのですが、英語だとあんまりそういうニュアンスがヘッドラインでツタワランチ会長だったせいもありまして、ドル円市場を(債券先物もそうですよ)16時半前から目を皿のようにして見ておった訳ですが、会見公表前の水準が大体81円10銭近辺で、その後81円00銭近くまで下がったものの、結局はあまり動かずでおそらくニュース詳細が出た辺りでは81円20銭とかその辺りまで反応している、という感じでして、まあこれまた誤差ともいえる数字ではございますけれども、今回の総裁会見は特段台無し発言も無かったようで誠に結構。


○ということで市場の反応らしきものメモ

えーっとまあ昨日の市場ですけれども、決定会合の結果は12時09分に出た訳ですけれども、その前に何故か81円70銭とかにイントラデイで円安になっていたのですけれども、その後20銭程度円高に振れましてまあそうだろうなあとか思っておりましたら14時過ぎ位だったような気もしますが、まあ欧州勢がもさもさと起動する時間帯と思われる頃には81円30銭とか20銭とかになっておりましたなあという所でしたわな。

んでもって総裁会見に対する反応は上記の通りで、一瞬円高になりかけたものの、会見内容が伝わるとまあ誤差の範囲内で円安気味という感じではございましたという所ではないかと思います。

株価は思いっきり為替連動みたいな感じに見えました。まあ引け後にソニーだのシャープだのがお洒落な決算を出しやがりまして、おまけに欧州債務問題ガーのネタ復活で今日はあばばばばーの悪寒がしますけど、まあそれは本当は金融政策決定会合と関係ないのですが、ど〜せ鬼の首を取ったように言い出す人がいるんでしょうなあ〜というのに百万ドラクマ。

債券市場が一番ワケワカランチ会長だったのですが、上記のように昼休み中に結果が出た訳ですけれども、後場の寄り前にいきなり業者間スクリーンのビットがポコポコ叩かれて先物は前場から10銭位下で寄る有様。実はお友達から「何でこんなに売られてるんだよ〜」と電話を受けて最初債券じゃなくて為替の事だと思っていた位に寝ぼけたあたくしなのでございましたが、そもそもここから先の追加緩和って量的緩和とかの世界なんですから追加緩和が即長期金利低下につながるのかどうかって怪しいだろとか思う(瞬間芸では金利低下で反応するでしょうけれども中期的に見た場合に、って話ね)のでありまして、わけわかんねーとか思ってたらその後は引けに掛けて絶賛上昇ブルフラットとなって、まあ良く判らん反応ではございましたことですよ。

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2012/04/10

○オペ関連雑談

オペ関連のネタが色々とあったのにスルーしまくっていましたのでまとめてメモをしておきます。

・社債買入オペ貫録の札割れ

先週金曜の資産買入等基金による社債買入ですが・・・・・・

オファー
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of120406.htm
社債等買入(資産買入等基金) 2,000 2012年4月12日

結果
http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba120406.htm
社債等買入(資産買入等基金) 772 772 0.000 0.003

ということで貫録の大幅札割れとなったのですが、前回の3月9日は2165億円の応札があったのでいきなりずいぶん減りましたなという感じでございますが、単に応札可能玉の問題か期初のせいなのかは良く判りませんが、それにしても前回対比で結構応札減りましたの。

でまあしつこく申し上げておりますように、このオペレーションに関しても残高は基本的に目標額としておいております関係上、札割れが続くとマズーな話でございまして、これが恒常的になるようですと、オペのオファー頻度を上げるしかありませんけど、それでも足りない場合は何等かの振替措置を取ることになるかどうかという話になろうかと思います。

まあそれで国債買入増やしたら喜ぶ人いるからそれはそれで目くらましに宜しいんじゃないですかねとか思いますけどにゃ。


・共通担保金利入札貫録の残高ゼロとか基金共通担保オペとか

先日ネタにした金利入札方式の共通担保オペですけれども、順調に(?)期落ちをロールしなかったのでめでたく先週水曜日に金利入札方式の残高ゼロと相成りましたけれども、足元では2月21日の国債償還要因に加え、年度末から年度初にかけての財政払い(交付税とか諸々の財政執行による)によって資金需給が余剰に振れて、3月前半に11兆円あった共通担保金利入札方式のオペ残がゼロになっても(その間に6か月物の固定金利オペが1.6兆円打たれているので実質的には足元ではオペ残が前月対比で大体10兆弱減ったイメージ)当座預金残高自体は3月前半よりも10兆円位増えておりますな。

つーことで、足元ではGCレートも多分0.10%をちょっと割る位が実力のようですし、昨日の2か月TBもほぼ0.10%水準(まあまともにロットを買いに行ったら0.10は買わせてくれないでしょ)という感じで、足元は資金余剰感ありありという流れ。

んでもって今後の基金による国債と短期国債買入の拡大が待っておりますので、今月はそのまま余剰で推移するので共通担保オペの金利入札は(もしかしたら国債決済期間短縮対応で新しくメニューに加えた本店オペ先日付方式の午前中オファーというのを事務周りの練習を兼ねて実施するかもしれませんけど)入れにくい状態が続くでしょうな。

つーかですな、資金の余剰感が強いので、共通担保の固定金利方式の方も中々こうあっぷあっぷでして、3月29日には6か月物のオペが8760億円応札とか素敵な事になっていましたが、先週金曜の3か月物オペも応札が9445億円とかになっていまして、これまたオペ残確保大丈夫ですかという感じですわな。

まあこちらに関しては金利入札方式オペの残高を絞ったりして(というかゼロにしてますが^^)何とか固定金利オペに誘導するようにしていますけれども、現実問題として資金余剰が溜まってくるとオペ残確保は中々大変ではないかと思います。まあ端的に言ってしまえばメガバンクさんとかに超過準備額を拡大して貰うしかやりようが無いと存じますが、それをやるとゆー事は基金オペに「ご協力」の札をという事に繋がりますが、基金オペの金利というのは最初の作り込みの時点で「固定金利」になっているので、間違って利下げのような事をすると「ご協力の札に対する背信行為」になるのがお洒落というものです(^^)。


・どうでも良い豆知識の整理(誰得豆知識ですが)

ちなみにどうでも良い豆知識ですけれども、ECBのLTROの場合は適用金利は実を言うと固定金利ではなくて「期中のMRO金利の平均」となっていまして、つまり期中に政策金利が変更になった場合、フルスライドでLTROの適用金利って変更になります。また、日銀の実施した施策の中で前回実施した企業金融支援特別オペについてはこれまた期中のコール誘導水準金利の平均となっていましたが、この固定金利オペは何故か期中固定金利に設定されています。

まあ固定金利にしておいた方が、いざ利上げ近しという話になった時に応札がわんさかやって来るという効果がありますし、逆に変動方式にしちゃいますと応札が全然来なくなって(特に長いもの)絶賛大札割れになるというのがあるのと、そもそも途中でコールの誘導目標をレンジにしているので元々の金利水準の設定が出来ませんがなという話でもある(補完当座預金金利にするという手はあるが、通常時は金利コリドアを作る関係上補完当座預金金利での貸出にしたらサービスレートにも程がある)という事で、まあ利下げの可能性を考えないで設定したんでしょうなあという所で。



更にどうでも良いですが、これ書くときに念の為調べた訳ですが。

2009年12月の固定金利オペ導入時にはこう決めたのですけれども・・・・・

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2009/mok0912a.pdf
の別紙

『ロ.固定金利方式
貸付日における誘導目標金利(本行が金融市場調節方針において誘導目標として定める無担保コールレート(オーバーナイト物)の水準をいう。)を貸付利率とする方式。』

2010年10月5日の決定会合で包括緩和を実施してコールの誘導目標をレンジにした時にこのような特則を出しております。

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2010/un1010a.pdf

『日本銀行は、本日、政策委員会・金融政策決定会合において、当分の間、下記1.ないし3.の利率については、それぞれの規定にかかわらず、年0.1%とすることを決定しましたので、お知らせします。』

となっておりますので、まあ最初に決めていた時には想定外の事態になっていたんですねえというのが判るかと思われます(^^)。


・ということでまあ続いて雑談だが

しかしまあ何ですな、先ほど上の方でさらっと流した訳ですが、資金供給オペの残高(除く買入)が10兆円減っても日銀当座預金残高が10兆円増える、という位に資金需給ってぶれるものですし、大体からして財政の出入りって予算審議だの執行だのの関係でぶれる事もこれまたあったりしますし、更に昨年は震災関連での予備的資金需要によって超過準備が積みあがるという格好だった訳で、それに対して単月の当座預金残高のブレで日銀の供給姿勢ガーとか言ってる人たちちょっと来なさいという話ですわな。

いやまあ素人さんがその辺判りにくいというのはシャーナイナイでして、何せ先日の生活意識アンケートにありますように、「日銀のホームページを利用した事が無い」人が貫録の93.6%な訳ですからして(という事は1日何回も日銀のサイトを見ている、というかそもそもあたくしのPCではブラウザーのホームを日銀ページにしているので当たり前なのですが、そういうあたくしは変態中の変態ですかそうですか^^)、まあ別にそれはそれで良いのですが、そーゆー人たちにきちんとした話をしないといけない何とかスト(誰とは言わないけれども金融政策の話になると突如話の内容が無茶苦茶になる人のことですがね)の方が「金融引き締めをしたような収縮」とかいうのが有罪とゆー感じですわな。

大体からして昨年同時期の短期市場金利とか短期物の社債レートとか良く見ろやドアホウとか思う訳で(以下この前と同じ悪態になるので割愛)。


いずれにせよ国債の買入系はまあ何とでもなるでしょうし、短期国債に関してもそう常に0.10%割れ恒常化という事にもならないでしょう(とはいえ0.100%張り付きでしょうけれども)から何とかなるにせよ、足元の余剰感が高まると固定金利オペに関してはしんどいですし、社債とCPについては玉の関係でという面もあるので中々大変だろうなあとは思いまする。

以上誰得マニア雑談でした。

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2012/04/05

○気を取り直して市場俺様メモ

・短国入札平均落札価格貫録の0.10%割れ

期初一発目の短国入札でした
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul240404.htm
国庫短期証券(第270回)の入札結果

(3)募入最低価格 99円97銭5厘0毛
(募入最高利回り) (0.1002%)

(4)募入最低価格に 5.2187%
   おける案分比率

(5)募入平均価格 99円97銭5厘2毛
(募入平均利回り )(0.0994%)

ということで、まあ0.1002%に皆さん鬼のように応札するので額を取りたければその上の0.10%割れにも札を入れないといけませんねという話だということで貫録の0.10%割れの平均になりましたが、もうちょっと平均が上に行ってもおかしくは無いかなと思ったので、まあそうは言っても0.10%割れをどんどん特攻して買わないといけない人がそんなにたくさんいる訳では無い(基本的に0.10%割れでも買うのは日銀の補完当座預金制度の枠外にいる人で、それ以外の人が買うのは何らかのお家の事情(商品在庫の確保とか、担保玉の確保とか、超過準備を積み過ぎないようにする為とか、国債保有残高のお化粧とか)によるものです)ので、この程度で済んだという事ですかそうですかっつー所です。

とは申しましても、3か月TBがこの有様になりますとまたぞろ固定金利オペの札割れとか短国買入の札割れとかが懸念されてくる次第でございまして(というのはまだ話は早いが)、またぞろ調節部隊は頭の痛い所でしょうなあという所で。


・期初の買いキタコレ・・・・・なのか???

いや昨日の債券市場なのですけどね。

米国がご案内のアレでQE3期待が更に絶賛大逃走中というのをネタにして米国様の債券市場様がアレになられて債券先物下落スタートで10年1.05%に上昇キタコレ!

・・・・・・とか思ってたらいきなり超長期強くて前場は先物20銭下がっているのに超長期引けビットとか何やってますねん債券市場という感じですが、例によって例の如くで、買いたいけどちょっと手を引いているという人たちが水準来た所で買いに来ると俺も俺もとなるのかつよつよになるというのはオソロシス。

まあ後場になるとカーブ調整されました(引値はインチキくさいのですがどうなんですか)けれども、いや昨日の前場の超長期はびっくらこいたわ、という市場俺様メモでした。

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2012/04/03

○そういやオペのオファー時刻変更関連

昨日メモにするの忘れてた。

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2012/rel120330a.pdf
国債の決済期間の短縮化後における金融調節取引のオファー時刻等について

『日本銀行では、国債の決済期間の短縮化に伴い、現在のオペタイムテーブルを別紙のとおり変更しましたので、お知らせします。主な変更点は、次のとおりです。

(1) 午前中(10時10分)にオファーする先日付での共通担保資金供給オペ (本店貸付・金利入札方式)を追加

(2) 先日付オペのうち、国債現先オペ、国庫短期証券売買オペおよび国債買入オペにかかるオファー日からスタート日までの日数を短縮

なお、(1)については、4月2日以降の適宜のタイミングからオファーを行うこととするほか、(2)については、4月23日以降のオファー分から適用することとします。』

「本店オペのみ」で先日付オペがスタートという事ですが、基金オペの固定金利方式の場合は
http://www.boj.or.jp/mopo/measures/term_cond/yoryo57.htm/

『3. 貸付店
本店(業務局)または支店とする。』

ってあるので全店オペ扱いになると思う(ついでに言うとオファーバックが14時回っているから)ので、オファー時刻は変わらないんでしょうか、よくわかりません(><;

多分あたくしの認識で合っているとは思いますが、しかしそうなると当分金利入札オペの実施がなさそうという昨今でもございますので、せっかく新設したものが実行できないというのも何ですから、物は試しに早いうちに練習してロジの実践をした方が良いのではないでしょうか、と好き勝手な提案(^^)。

ということで小ネタでした。

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