高田創 審議委員
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高田さんの略歴(日銀Webより)
昭和57年3月 東京大学経済学部卒業
昭和57年4月 日本興業銀行(現・みずほ銀行)入行
昭和61年6月 オックスフォード大学開発経済学修士課程修了
平成11年10月 興銀証券(現・みずほ証券) 市場営業グループ投資戦略部長
その後一貫して債券市場をベースにマクロ分析・市場分析のエコノミストとして活躍
平成23年7月 みずほ総合研究所 常務執行役員
令和2年1月 岡三証券 グローバル・リサーチ・センター理事長 エグゼクティブエコノミスト
令和4年7月24日 日本銀行政策委員会審議委員
(前職:岡三証券 グローバル・リサーチ・センター理事長)
詳しくはこちら→https://www.boj.or.jp/about/organization/policyboard/bm_takata.htm
2025/10/23「広島講演(その3)ノルムの転換にも自信ニキなのでこの理屈なら毎会合利上げ提案でもおかしくない」
2025/10/22「広島講演(その2)関税問題は大きな影響にはならないとの見立て」
2025/10/21「広島での講演で「事実上の物価目標達成宣言」を行っています」
2025/07/07「金懇会見は結構タカというか真人間になっておられますな」
2025/07/04「三重金懇はタカ派成分もちょいちょいあるけどベースラインはハトだし国債買入の話は財政ファイナンス認定状態」
2024/09/09「会見では案の定市場の安定云々の質問ばっかりでした」
2024/09/06「高田審議委員の金懇講演は今後の政策調整に対しての主体性を一切感じず残念なことです」
2025/10/23
〇高田審議委員広島金懇の金融政策に関する理屈ですとまあ毎回利上げ主張ですわな
https://www.boj.or.jp/about/press/koen_2025/data/ko251020a1.pdf
わが国の経済・物価情勢と金融政策:
資産運用立国と日本経済
── 中国経済連合会における講演 ──
日本銀行政策委員会審議委員
高田 創
まあゆうて今時点で高田さん(と田村さん)の利上げコールが現実化するかというと中々のハードルの高さがあると思いますが(為替がぶっ飛ばない限り)、12月に向けて高田さんのこの理屈って一段と裏付けされるじゃろと思いますし、まあグローバルリスクオフとの兼ね合いになりますけど、結局のところ「高市カラー」を出して来たら積極財政炸裂になるのですからまあ市場環境的にも利上げ後押しされるじゃろ、と考えますと今のうちに論点を確認するのも悪くは無いかと存じますです、はい。
てな訳で『3. 最近の金融政策運営』から参ろうず。
・やはり「物価安定目標の実現」が理由なんですよね
『次に、今後の金融政策運営に対する私の考えをお話しします。本年1月には、わが国の経済・物価は、これまで示してきた見通しに概ね沿って推移し、先行き見通しが実現していく確度が高まってきていたため、2%の「物価安定の目標」の持続的・安定的な実現という観点から、金融緩和度合いを調整することが適切と判断し、政策金利の
0.5%程度への引き上げを決定しました。』
ということでまずはレビューをしているのですが、
『国内要因に加えて海外要因からも「物価安定の目標」実現が目前に迫りつつあるなかで、特に短期の実質金利は大幅なマイナスとなっており緩和的な金融環境は継続しています(図表13
)。』
物価安定の目標実現は「目前に迫りつつある」のだが、
『さらに、次のギアシフトに向けたクロース・コールを行う上で注目してきたのは関税を中心とした海外要因でしたが、前述のように当初抱いた不安は低下したと判断するに至りました。』
ということなので、そもそも米国云々なかりせばもっと早くから物価目標達成が極めて近いので利上げをすべき、という話になっていたという事後諸葛亮のような気もせんでもないですがなんか物凄い強気なんですよね。
『こうしたもと、堅調な設備投資や賃上げ、価格転嫁の継続など「前向きな企業行動」の持続性が確認され、さらに、7月に関税交渉が
15%で合意し、その後、9月に確定したなか、私としては、警戒モード、「計画運休」の解除の段階と判断しました。』
てな訳で、さっき書いたように「米国関税なかりせばもっと早くに利上げ判断」だったという威勢の良すぎる説明になっています。
・やっぱり「円高恐怖症」のトラウマが日銀に強いんだなと思ったこの一節
次の部分が非常に興味深いんですよ実は。
『もっとも、関税政策による影響で米国経済の減速が生じうるだけに、内外の金融政策のスタンスの違いで、為替を中心とする金融市場に大きな変動が及ぶリスクへの注視も、長年の歴史を振り返ったうえで重要と考えてきました。』
とは何ぞや、という話なんですが、これ多分以前も高田っち言ってた話だし何なら民間何とかストの時にも言ってたと思うのですけど、以下のようなお話でして、
『実際、1970年代の変動相場制への移行後、日米欧の金融政策の連動が繰り返されてきました。今次局面を除いた日本銀行の過去5回の利上げ局面を振り返ると、米国の利上げ局面で日本も利上げし、米国の利下げ後に日本は利下げに転じていました。』
『FRBが利下げを再開する場合には日本銀行の金融政策の自由度が低下する可能性もありました。ただし、今回は米国の深刻な景気後退が想定され難いもとでは、
2000年頃のITバブル崩壊後や 2000年代後半の世界金融危機後とは異なります。今回、米国は利下げに転じましたが、その理由は、景気後退ではなく、9月のパウエル議長の会見でも、あくまでもリスク管理的なものとされ、その後も経済の底堅さは続いています。』
この点はまあそうですねという話で、今回の米国は「金融緩和」なのではなくて「引き締め状態の中立化」なのですから話が違う訳ですな。
でもってそれは良いんですけど次の部分が非常に味わいがありまして、
『米国利下げ後も米国の長期金利は底入れし、為替も円高は回避されているだけに、今回は、過去繰り返された事例とは異なり、日本の利上げの制約にはならないと考えるに至りました。』
>為替も円高は回避されているだけに
>為替も円高は回避されているだけに
>為替も円高は回避されているだけに
・・・・・・・お、おぅ
いやむしろここから円高になった方が良くないか、ってな局面だと思うのですが、この局面の中でも「円高が回避されているから日本の利上げの制約にはならない」という認識を示しているのが非常に興味深いわけでして、まあ高田さんがこういう説明をするくらいですから、つまりは植田総裁なのか内田副総裁なのか日銀大本営皆さん揃ってなのかは分からないですけれども、まあかつて円高をネタにボコボコに批判されたというのがこの円安で困っている局面でもトラウマとして日銀に根強く残っているからこそ、いまさら円高回避もねえだろというような所でも「円高が回避されているから日本の利上げの制約にはならない」という説明をわざわざしているんだと思うんですよね、名推理なのか迷推理なのかは分からんけどwww
でもって日銀あるいは植田総裁に相変わらずの円高恐怖症があるのでしたらば、そりゃまあ円安多少進んでもケツ叩かれないと動かないし、円高にちょっと戻るだけでビビリンチョになるわなと考えますとやっぱり円安に振れやすいって話になると思うのですよね、知らんけど。
・構造的に物価が上がりやすくなった件の話は例によって説明が長いのですがまあそうですねという話
次の段落は物価が構造的に上がりやすくなる云々で高田さんの好きな「ビック・プッシュ」が登場する部分です。お話自体はまあそうですね、って話なので流しますが。
『2022年から 2023年にかけ、コロナ禍後の世界的な経済回復の潮流からエネルギー・食料品価格上昇の「ビッグ・プッシュ
」を起点に世界規模で物価の上振れが生じ、日本にもその波が及び、円安も相俟って輸入製品中心の物価上昇が生じました。』
『日本では賃金等の引き上げ抑制のノルムも残存していただけに二次的な物価上昇は限定的でしたが、海外発の「ビッグ・プッシュ」が日本のノルムを解く効果を果たしました。』
ノルムが解けたそうです。
『一方、今回は既に物価が上がらないノルムも解け、中長期のインフレ期待も引き上がると思われるだけに、物価上昇の二次的な影響もさらに生じやすくなっています。』
この認識の部分が大本営と根本的に相違する部分ですな。まあ大本営が高田っちと同じ認識だったら中立金利まで利上げすることになるのでそうならんわけですが。
『賃金に加え、粘着性が高く、従来、岩盤とされていた家賃やオフィス賃料の上昇も生じだした点も基調的物価上昇を示すものです。』
『さらに、海外状況の制約も低下しただけに、今後、物価上昇要因が生じた場合、日本でも物価が予想以上に上振れするリスクも念頭に置く必要があると思います。』
ですわなー
『足もとはベアを中心に 2026年に向けた賃金の上昇も 2023年以降4巡目を迎えるなか、私としては、もう一段ギアシフトを行いつつ、「物価安定の目標」の実現に概ね達していることを前提にしたコミュニケーションを行う必要があると考えております。』
という理屈ですな、まあこれ全部通ると中立までの利上げが決まるので(べき論としてはそうあるべきだと思いますが)どうせ物価動向よりも政権の顔色伺いながら利上げ判断するハトハトチキンには届かない理屈ではあるのですが、この先の説明も重要な論点になるんですよね〜、ということで次に進みます。
・既にゼロインフレ均衡からマイルドインフレ均衡に向けた遷移が行われているのだから政策の根本スタンスを・・・・・
『市場とのコミュニケーション上、縮小均衡モード・ノルムが残存する期間はヘッドラインの物価が2%を上回っても、基調的物価は物価目標に達していないとして粘り強い緩和を継続することが必要でした。』
『一方、今やノルムも解け、「平時」に戻った中、既に3年半の間、2%を超えるヘッドラインの物価水準にも注目した対応も重要であると考えました。』
この説明、どこまで高田さんが意識しているのかは分からないですけれども、変態仮面(とアタクシだけが勝手に二つ名を進呈している)ジェイムス(ジム)・ブラード元セントルイス連銀総裁の説明で人口に膾炙した「複数均衡論」の考えも入っていますわなと一読して思った次第で、って全然的を外してたらゴメンナチャイなのですが、ゼロインフレ近辺の均衡においては均衡からの脱却のために強力な施策が必要だったけれども、既にマイルドインフレ近辺の均衡へと経済のステージが変化したのだから、それに見合った政策運営にすべきではないか、というお話な訳ですよ。
『国内での根強いノルムが後退し「物価目標の実現」に概ね達したと考え、さらに、海外の不安が後退したなか「計画運休」解除と評価し、私は利上げに向け機が熟したと考えました。その結果、もう一段のギアシフト、緩和の度合い調整が必要として9月の金融政策決定会合で0.75
%への利上げを提案しています。』
ということで金利のパートはおしまいでして、この後資産買入のパートになるのですが、こっちの話はまたいずれまとめて色々と考える話ですが、現時点では正常化するまで10年スパンの世界になっているので、あんまり先の事を考えてもしゃあない(べき論はとっとと正常化ですけど)ので割愛します。
2025/10/22
〇高田審議委員広島講演の続きですが時間が無いのでちょっとだけ(なのでさらに続きます、汗)
https://www.boj.or.jp/about/press/koen_2025/data/ko251020a1.pdf
わが国の経済・物価情勢と金融政策:
資産運用立国と日本経済
── 中国経済連合会における講演 ──
日本銀行政策委員会審議委員
高田 創
・かつての日米貿易摩擦問題との比較をしても日本経済にそんなに大きな悪影響にならんじゃろという見解
昨日の続きですが、最後に『(過去の日米通商摩擦との比較)』ってのがあって、昨日時間が無くてその前で打ち切りしてしまったのですが続きを、というかその先の金融政策の話をすることになりますとこちらがクソ長いので金融政策の手前まで、ということになりますが(汗)。
『ここで改めて、今回の米国の関税政策と 1990年代までの日米通商摩擦時を比べてみたいと思います 。』
ほうほう。
『過去半世紀余り続く米国の経常収支赤字の主因となる貿易赤字は、1980 〜 1990年代まで、日本が圧倒的なウエイトを占めていました(図表10
11、 )。米国の貿易赤字に占める日本の割合は、 1991年のピークには53%にまで達し、「米国の貿易赤字問題=日米通商問題」と位置付けられる状況でした。当時、経常収支赤字の改善に為替市場を通じた調整機能が期待されており、円高圧力が高まりました。』
はい。
『図表 11のように米国の貿易赤字の圧倒的なプレゼンスを日本が占めていたもと、為替円高進行に加えて、直接的な輸出割当制や輸出自主規制といった米国側の対応がとられました。このことは、関税賦課ではないものの、当時、日本だけ競争環境が悪化した異例な状況にあったと捉えられます。』
『その結果、日本企業は米国市場で他国との競争条件を保つ観点から、為替円高のもとでも現地のドル建て価格を据え置くかたちで価格転嫁を避けることで深刻な影響が生じました。』
『日本企業はその負担に対して、「リストラ経営」でコスト圧縮を行い、その過程で賃金が圧縮され、同時に、マージンや販売価格も圧縮されました。』
・・・・・・という話なんですがむしろそれよりも問題だったのは資産バブルとその崩壊の過程で表面化した「3つの過剰」だったんではないかと思うんだが。その背景に貿易不均衡問題はあったと思うけど。
『今回の米国の関税政策は、1990年代までの通商摩擦時と異なり、日本を含む各国・地域が幅広く対象となっており、日本だけに影響が及ぶわけではありません。もちろん、自動車産業については輸出への依存度合いの高さが指摘され、その影響は大きいです。ただし、日本企業の自動車生産に占める米国への輸出割合はピークの
1998年には 30%程度でしたが、 2024年には6%近くまで低下しています。加えて、日本企業は長年のリストラ経営に伴う企業財務の改善で、海外発のショックへの耐性があることも指摘したいと思います。』
『図表 12左図のとおり、企業収益は 1990年代後半から直近 2024年度で10 倍近くに拡大し、90
兆円程度と過去最大の水準となりました。これだけの企業収益水準が続くことは2000年代に生じた経済回復局面とも異なる点であり、企業価値底上げの背景になっています。日本企業は
30年以上にわたって通商摩擦に伴う厳しい外部環境のなか円高でも耐え抜くべく損益分岐点を引き下げ、ショックへの耐久度を増してきました。』
とまあそういうことで、現実問題として企業の財務ポジションが様変わりしたのはその通りなんですが、その間の説明がなんかエライアバウトじゃなと思います。
『今年7月に合意され、9月に確定した相互関税率 15%は、対米黒字国の中では最低水準であるほか、日本の輸出における対米依存度も過去と比べて大きく低下しています。完成車メーカー各社が公表している関税引き上げによる今年度の減益幅は、合計すると2兆円台半ば程度となりますが、日本企業の収益が100兆円近い水準にあること、関連部品産業も含め価格転嫁も見込まれ、円安の恩恵もあり、減収はこれよりも限定される可能性があります。以上、米国の関税政策を受けても、いまのところ輸出企業中心に企業行動に変調の兆しは見られておらず、
1990年代のような価格引き下げ圧力や賃金抑制圧力が繰り返されることにはなりにくく、
企業の前向きな動きは途切れにくいと展望しています。』
まあ要するに言いたいのは最後の「以上、米国の関税政策を受けても、いまのところ輸出企業中心に企業行動に変調の兆しは見られておらず、
1990年代のような価格引き下げ圧力や賃金抑制圧力が繰り返されることにはなりにくく、企業の前向きな動きは途切れにくいと展望しています。」を言いたかったんだと思いますが、途中の説明が高田さんらしからぬ端折り過ぎじゃないかなとは思いました、はい。
2025/10/21
〇高田審議委員の広島講演ですが「物価目標達成」の背景の経済の説明がドチャクソ強いっす
https://www.boj.or.jp/about/press/koen_2025/data/ko251020a1.pdf
わが国の経済・物価情勢と金融政策:
資産運用立国と日本経済
── 中国経済連合会における講演 ──
日本銀行政策委員会審議委員
高田 創
広島での講演だと思うのですが、資産運用立国云々ってまさに岸田さんもニッコリという奴なので、その辺配慮してお題決めたのかねとか邪推する程度には心が汚れているアタクシですが、資産運用立国云々の話は今日はパスします(あとでやるかもしれないしやらないかもしれない)。
まあ資産運用立国よりも成長経済で遊休資産なんてものは全然ないよ投資大歓迎、っていう方が楽しい気がするんですけれども、それは昭和脳ですかそうですかってなもんですねたぶん。
・米国の関税政策の影響に関しての説明が大本営(さっきの植田総裁の会見にあるような「おかしくなるべきだ」)と真逆に近い件について
『2. 経済・物価情勢』から参ります。なお今回はまた半角英数がテキスト認識されないので補記しています(忘れてなければ)
『経済・物価情勢です。海外経済は、各国の通商政策等の影響を受けて一部に弱めの動きもみられますが、総じてみれば緩やかに成長しています。今年10月に改訂されたIMFの世界経済見通しは、米国の関税政策の影響を大きく受けた4月やその後7月の見通しからも上方修正されています(図表1)。』
でもってこの先が米国ですが、
『関税政策の影響が懸念される米国経済については、4月のトランプ政権の相互関税賦課の影響から、物価上昇に伴う内需落ち込みを想定していましたが、実際の影響は今のところ限られています。米国の雇用は減速がみられますが、企業収益もIT関係を中心に改善し、株価も史上最高値圏にあります。先行き不安から消費・投資への懸念は根強いですが、資産価格も堅調ななか、マインドへの影響も限られています。今年1月のFOMC以降、政策金利は据え置かれていましたが、雇用の減速を背景にFRBは9月、再び利下げに転じています(図表2)。但し、賃金や雇用者所得は堅調で、AI投資も高水準です。』
全般的に威勢の良い説明ですよね。でもって先行きですが、
『先行きについては、家計・企業・金融機関のバランスシートは健全であり、金融環境も安定的であることなどから、従来、景気悪化局面でみられた信用収縮に伴う急激な落ち込みは想定され難いと捉えています。』
ほうほう。
『本年初から関税中心に、成長にマイナスに働く「北風政策」が先行しましたが、7月には減税法案も議会を通過し、規制緩和政策のメニューに伴う投資拡大等も加わり、プラスに働く「太陽政策」の局面に移行しつつあるだけに、局面が変化してきたと認識しています。』
「局面が変化してきたと認識しています」とは思いっきり大きく出たなって感じでして、「まだ関税の影響が出るのが遅れているがこれから出る筈だし出るべき」って言ってる大本営とは正反対の認識を示しているというのが高田っちいきなり後方から直線一気に抜刀斎を追い抜くミスターシービー状態キタコレという風情ではあります。
・米国の影響が小さい分は海外にしわ寄せがくるんじゃないか問題は「各国が財政金融を出しているから相殺」という認識
次のパラグラフは各国の影響ですけれども、
『関税を世界中に賦課する米国は、最適関税理論上、大国の特権を活かした交易条件改善から、減速の影響は今のところ限られています。そこでは、海外が米国への輸出価格を引き下げることで、本来、米国が負担するはずの関税負担を海外に課す効果が生じます。』
でもってこの先その原理の説明がありますがまあそこは説明されなくても直感的にそうじゃろという話なのでノーコメント引用。
『次の図表3は、教科書的な最適関税論を示す概念図です。米国のように世界経済に影響を及ぼしうる「大国」の前提に立つと、関税の賦課による需要減少に伴い、世界価格が低下する結果(図表3左図のP0→P2)、関税による厚生損失(図表3左図の@)を関税収入(図表3左図のA)が上回り、プラス効果が生じます(図表3左図のA−@)。一方、「小国」の場合(図表3右図)は、関税を賦課しても世界価格は不変(図表3右図、P0=P2)となり、大国のような交易条件の改善効果は見込めません。今回、業種や製品によって差異はあるものの、米国に当てはまる大国の前提に立つと、世界の他地域の輸出価格を引き下げることを通じて、世界に課税をするような効果を生むことになります。』
でもってじゃあその米国以外はどうなっているかという話ですが、
『一方、関税負担が生じる海外諸国には、本来、減速要因として働くはずですが、米国の関税政策に伴い海外全般で危機意識が醸成されたことで、欧米、中国、新興国で押しなべて財政金融政策が同時に緩和方向に傾き、世界中のベクトルが揃う異例な環境が生じています。』
なので堅調という話でして、
『次の図表4は、世界各国の金融政策の方向性を示しています。2022 ・2023 年の引き締め局面から一転し、過去1年余り、各国が揃って金融緩和局面にあることがわかります。同時に、米欧中、各地域で財政政策の拡大も生じており、金融と合わせて拡張的な効果を及ぼします。その結果、当初、米国の関税政策で世界的な減速が不安視されていたにもかかわらず、金融・財政政策のベクトルが揃うことで想定外の経済底上げ・インフレ圧力が生じる可能性に留意したいと思います。』
さっきの植田総裁のG20会見での説明とはまるっきり見立てが逆ですが、現実には世界経済がそこまでコケてないんですから現実に即して言えば高田さんの言ってる方に分があるようにも見えますよね〜
『こうした状況は、 2020年以降、コロナ禍で世界的に景気押し上げ政策がとられた局面と類似しています。』
なるほど。
『夏場以降、世界的な株高が生じているのは、こうした世界的な金融財政政策によるサポートを受けている可能性もあります。』
2020年以降のアノマリーと考えたらインフレ再加速じゃないですかヤダー、ということでじゃあジャパンはという話に繋がります。
・日本経済への影響に関しても関税の影響大したことないぞな攻撃
『米国の関税政策の日本への影響は、当初、海外経済の減速や、企業収益の減少とそれに伴う賃上げの減速、不確実性の高まりによる企業・家計の支出先送りなどの経路を通じてわが国経済を下押しすると考えられました。』
ということでジャパンへの影響。
『今年春先以降の日本経済の状況は、喩えれば4月のトランプ政権の「相互関税台風」予想を受けて生じた公共交通機関の「計画運休」のように、事前に、「台風」が来る前から見通しを引き下げていました(図表5)。』
ワロタw
『但し、実際には、 10月発表の日銀短観や日銀支店長会議の報告等でも目立った減速は確認されていません。』
はい。
『足もと、日本の企業部門では、 2025年度の企業収益予想は伸び悩むものの高水準、
2025年の春季労使交渉でも、連合の第7回集計(最終回)で高水準の賃上げ率が実現しています(図表6)。家計部門では、個人消費は、物価上昇の影響などから消費者マインドに弱さがみられるものの、雇用者所得の改善を背景に底堅く推移しています(図表7)。従って、雇用・所得環境の改善が個人消費を支える構造に変化はないと考えます。』
ほうほう。
『コメなどの食料品価格上昇で足もとの物価上昇率は2%を上回っていますが(図表8)、賃金上昇率の高まりを背景に、先行して上昇した物価を賃金が追いかけ、個人消費も緩やかな増加を続けると期待されます。』
ということで国内も関税の影響大したことないよねという話ですわ。
・物価の基調も強いがなという話で威勢よく「事実上の物価目標達成」宣言である
次が物価の話。
『物価の基調をみるうえで、様々な主体の中長期的な予想物価上昇率をみると、着実な底上げが継続しています(図表9)。国内のインフレ圧力を示すGDPデフレーターをみると、これまでユニット・プロフィット(UP)等が伸びの中心でしたが、
2024年以降は賃金上昇を背景にユニット・レーバー・コスト(ULC)の寄与が高まり、UPとULCがバランスよく伸びる姿に近付き、物価上昇が輸入物価要因だけでなく国内要因による上昇、ホームメード化する動きが生じています。』
ホームメイドインフレとな!
『この点、 2025年春季労使交渉の賃上げ率が高水準となったことは、こうした傾向が継続する可能性を示唆します。さらに、
2025年度の最低賃金引き上げ幅の目安が、前年の5%を上回る6%で決められたことも賃金の上昇が続くことを示唆します。地方では国の目安を超える水準で各県が競い合い、引き上げ率が
6.3%にまで至ったことは、物価のノルム転換の象徴的な事例であり、期待インフレにも影響を与えると考えられます。』
ノルムの転換まで言及。
『政府が 2020年代中に最低賃金の水準を時給 1500円まで引き上げる目標を掲げていることは、将来の水準にコミットすることで、賃金に対するフォワードガイダンスのような効果を生むと考えられます。』
とまあ威勢の良い賃金とその物価への影響の話が先に来ましてその後が企業行動の物価への影響の話でして、
『以上、人手不足を背景とした供給制約――言わば「人手不足経済」への転換――のもとで、企業の賃金・価格設定行動には積極的な動きがみられており、賃上げ定着を受けた国内要因、ホームメード化したインフレ圧力から、エネルギー価格下落下でも物価上昇が生じ、前掲図表8にあるように消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は
年4月以降、3年半近く2%以上と、米欧主要国と比べても高い水準が続いています。』
これまた威勢が良い。
『また、物価のノルムが既に転換し、予想物価上昇率の底上げも加わるだけに、こうした国内の動向をみる限り、私としては、既に「物価安定の目標」実現が概ね達成した局面と捉えています。』
ということで物価目標実現達成、という話だが確かにここまでの威勢の良い説明を見ますと「お、そうだな」という感じになってしまいますね。
・春の段階で懸念していたことは・・・・・
次のパラグラフに参ります。
『4月の相互関税公表後、「物価安定の目標」に向けた動きをみるうえで、こうしたシナリオに対して米国による関税政策が水を差さないか注視してきました。その際、関税政策のわが国経済への波及経路を考えるうえで、これまで次の4点でマイナスの影響が表れないかに注目してきました。』
『具体的には、第1に、不確実性の高まりから設備投資の下振れがあるか。第2に、米国の関税政策に起因した世界経済の減速を背景とする輸出下振れがないか。第3に、企業収益の低下から
2026年に向けた賃上げの動きが抑制されるとともに、販売価格も抑制する動きが生じないか。さらに、第4として、米国の各種政策に伴う思惑から為替円高が進行し、企業収益や輸入物価等を押し下げないかにありました。』
むしろ円安になった方が個人消費にはプラスで実質賃金のプラス化が展望しやすくなる気がしますがまあそれはさておきまして、
『以上4点について、今年4月の相互関税賦課後、半年を経過した段階の評価として、』
ということで・・・・・
『第1に、設備投資は、8月に公表された日本政策投資銀行の設備投資計画調査や
月の日銀短観でも目立った下振れはみられていません。なかでも、日銀短観で、相互関税の影響を受けやすいとみられる大企業製造業の上方修正があった点に注目しています。』
『第2に、世界経済については、IMFの 月の見通しで、7月に続き改善が生じ、半導体のサイクル等も上向きの流れがあります。』
『第3の企業収益は、4−6月期、製造業を中心に落ち込みが生じましたが、円安の影響もあって、輸出企業でも想定対比で目立った下振れは確認されていません。その後、関税妥結もあり、8月以降は、業績予想の修正度合いを示すリビジョン・インデックスがプラスに転じ、下期に入って今年度の収益の上方修正が生じる可能性があるだけに、賃上げの動きが抑制されるまでには至らないと展望されます。さらに、最低賃金の引き上げ目安が2024年を超える6%の水準で決まったことも、来年の賃上げに向けた発射台を高める要因となります。』
『私は、特に、第4の米国の政策への期待次第で市場が大きく変動する可能性を懸念していましたが、米国経済の腰折れは回避されています。9月に米国は利下げに転じましたが、円高に振れる動きは生じず、むしろ円安に振れる動きが生じています。また、日米ともに株式市場が史上最高値圏にあることも安心感をもたらしています。』
何という威勢の良い認識でしょうか!
『以上、4つの懸念を総括すると、国内企業の前向きな動きが続く中、その制約となりうる海外の通商要因も大きな下押しにはなりにくいと評価されます。』
『その結果、国内の物価見通し実現に向け、海外要因が制約となることはなく、私としては、年前半以来の「計画運休」は解除、「物価安定の目標」実現を前提とした議論も必要と考えます。』
ということで経済認識の部分で既に金融政策の話になっていまして、時間の関係で一旦ここまでで一つの話になっているので続きは明日以降ということで勘弁してちょ。
2025/07/07
〇高田審議委員金懇会見である
https://www.boj.or.jp/about/press/kaiken_2025/kk250704a.pdf
高田審議委員記者会見
――2025年7月3日(木)午後2時から約40分
於 津市
・4月展望の下方修正は「計画運休」みたいなもんという譬えを頂きました
最初の説明はさておきましてその次から。
『(問)まず今日講演の中でお話しされていました、利上げいったん休止局面で、一定期間の様子見の後、再びギアシフトという点について、少し詳しく聞かせて頂きたいと思っています。関税措置の中でも堅調な企業の賃上げですとか、価格設定行動について述べられていまして、90
年前後と比較しても賃金抑制のような縮小均衡につながりにくいとも話されていました。』
90年前後云々というのは金懇挨拶の中でめんどくさいから割愛した部分の話ですね(汗)。
『この一定期間の様子見とは、この一時停止している米国の相互関税の再延長ですとか、日米交渉の妥結などが達すれば、この様子見の期間というのは達成するというふうな見方なのか、それともそうではないのか、まず教えて頂けたらと思います。』
ということですが高田さんやたら説明が長いというか何というかでして、
『(答)様子見というふうなことで申し上げたんですけれども、これまでを考えてまいりますと、1970
年代以降の変動相場制への移行後ですね、これまで過去 5 回の利上げ局面があるんですけれども、これまでアメリカの利下げの後に、日本も利下げに転ずるという状況でありました。』
はい。
『ただし今回の状況というのは、私自身は従来のようなアメリカの深刻な景気の後退が想定されるという状況ではないというふうに思っておりますので、そういう意味では、2000
年のITバブル崩壊や、2000 年代後半の世界の金融危機とは異なって、足元はあくまでも利上げのいったんの休止局面であって、一定の様子見期間の後、再びギアシフトを行える状況だと私は思っています。』
まあそもそも論として今の米国って「引き締め状態から中立に戻すかどうか」の局面であって、金融緩和をしようとして利下げしている訳じゃないですから比較するのがおかしいわなという事で。
『アメリカでは相互関税賦課に伴って、インフレ率が反転する観測なんかも一部にはあるということもありますし、そういう意味ではちょうどこれからの夏場の状況というんでしょうか、この辺についてはよくわれわれもみていきたいなというふうに思います。』
とりあえず答えているようで別に答えていない尺稼ぎですな。
『それから、一時停止というような状況ではございますけれども、これなかなかどのくらいの期間かというところを予断を持って申し上げられるような状況でもないというふうに思ってます。』
まあこれはこう答えるじゃろという話なんですが、ただまあ「関税交渉の帰趨が見えてきたら判断できるんじゃないのか」という話ではあると思うのですが、その説明はこの次に出てくるんですけど・・・・・
『ただ今回、私どもも 4 月の展望レポートも含めて、見通しを下方修正させてきたわけなんですけれども、私どもだけじゃなくて、この春からみると、IMFなどいろんな各市場参加者、各研究機関というんでしょうか、足元の見通しを下げているわけなんでありますけれども、』
寧ろお前らIMF見て下げたじゃろって説が大有り。
『いずれも現在の経済状況は大きく悪化はしてなくてもですね、これから経済の下押しがあるんじゃないかというような観測のもとで対応するというんでしょうか。』
でもってそれは「計画運休」なんですよという話が次に来まして、
『ですから、私は懇談会でも申し上げたんですけれども、ある面でいうと、公共交通機関における「計画運休」のようにですね、いわば「相互関税台風」が到来するんだというような見込みに対して、事前に見通しの引き下げを行ったというような状況でもあるので、』
ワロタwwwww
『そういう意味からしますと、この事前の想定なり、ある面ではその「相互関税台風」の天気予報が変わるということであれば、おのずと経済の見通しも変わってくるということになりますので、そういう意味では今後のその辺の動向をよく見守っていきたいなというふうに思います。』
ほうほうそうですかそうですか。
『これも日々変わる状況でもありますし、またこの7 月というのは、非常にそういう意味では非常にそういうところが押し迫っているといいましょうか、いろんなメニューが揃ってるというところでもありますので、この辺をみていきたいとは思っておりますけれども、ただ目先のそういうアナウンスメントだけに引きずられることなく、いろんな意味で、実際の海外の経済状況とか、こうしたものなんかを見極めていきたいなというふうに思っているところであります。』
関税の先行きガーでどこまでも引っ張りそうな勢いだし、なんかの理由で急に利上げってなったらその「関税の先行きガー」をジャガーチェンジさせる、というのが今から見え見えな訳でして、つまりは日銀が何をしでかすのかはロジカルに考えても多分よくわからなくて、それよりも「こいつら突然ジャガーチェンジする」という認識でいるのがよろしいのかな、とこの辺りの高田さんの説明見てて思いました。
説明はさらに続きまして、
『特に米国なんかにつきましては、先ほども申し上げたところと重なる部分もあるんですけれども、経済の状況の見込みが、最初の関税のところから、場合によっては、これまで、これからあり得るというんでしょうか、減税でありますとか、こうしたものも含めたところにも、最近も関心も移ってきておりますので、そうしたものなど両面を踏まえたうえで、みていきたいなというふうに思っているところであります。』
この上振れもあるでよ、というのはいざとなった時のジャガーチェンジの為のヘッジクローズと考えたら大本営もこういう発想なのか、それともハトハトチキン総裁はやっぱりハトハトチキンで、精々田村さんと高田さんだけなのかというのは中々興味深い所ではあります。
・中立金利は「虹のようなもの」で「近づいてくるとよくわからなくなってしまう」ってのもなんかの伏線かもしれませんよ!
次の質疑応答での高田さんの回答も面白くてですね、
『(問)もう一問なんですけれども、ギアシフトする必要性を述べられつつ、緩和的な金融環境の継続が大事だということもおっしゃっていました。その意味するところなんですけれども、政策金利を
0.75%まで引き上げても、この緩和的な環境というのは続くというふうな考え方なのか、はたまたこの今日の講演でもその物価安定目標の実現まで目前に迫っているという話もありました。これはこの
0.75%というのを中立金利というようなお考えということもあるんでしょうか。お考えについてお聞かせください。』
金懇挨拶の方で「特に短期の実質金利は大幅なマイナスとなっており緩和的な金融環境は継続しています」って言ってて、金懇挨拶の図表8みたら1年の実質金利▲1.5%近くあるのに、何で0.75%で中立金利になるとかいう愚問を出すのかとは思いましたが、まあ回答の方が面白かったので勘弁しちゃるわw
『(答)中立金利というようなことについては、もちろん概念として私は非常に重要だと思ってるんですけれども、よく申し上げているのは、中立金利っていう概念は重要だけども、虹みたいなもので、だんだん近づいていくと、よく分かんなくなっちゃうというような言い方をさせて頂いているんですけれども、』
これはwwwwwwww
これ中立金利もそうなんですが、今言っているお気持ち物価に関してもあれは虹みたいなもん、ってことになるのかな、と思ってかなりウケたんじゃが。
『これまでのように非常に長い、日本みたいな状況で、いわゆるシクリカルなものもなかなか描けていないというような状況が何十年も続いたという中でのところから申し上げますと、この中立金利というようなものを一定水準のもので考えながら、そこに近づけていくというようなことでもなかなかないのかなと。そういう意味では一定の対応をしながら、その段階をもって、今が緩和的状況なのか、そうしたものを
1 回 1 回検証しながら対応していくという感じになっていくんじゃないかなというふうに思ってます。』
『ですから、必ずしも例えば利上げをした場合に、その水準が中立金利かどうかというのは、繰り返しになりますけれども、そのときの状況というんでしょうか、というところをもう
1 回精査しながらというかたちにならざるを得ないかというふうに思ってます。』
まあ利上げして様子見てまだ緩和的かどうかを判断するって話になるというのは話としてはわからんではないのですけれども、だったら実質金利のグラフとか出すなよな、とは思います。
『そういう面から言いますと、私も今回申し上げたところというのは物価の目標への動きというものが、ようやく目の前に迫ってきたというような状況と考えておりますけれども、ただ一方で足元の状況は、いろんな意味での不確実性というものもあるわけでありますので、また一方で目の前に迫っているといっても、完全にそれが達成されたという状況でもまだないということからすれば、当面そこまでのところについては、ある程度緩和のところで、そこにより近づくためにもですね、緩和的な状況を続けながら対応していく。』
ある程度緩和のところで、は良いんですけれども1年の実質金利が▲1.5%近くにあるような状況が「ある程度緩和のところ」というのは話に無理があるんじゃないでしょうか・・・・・・
『また今どうしても、世の中的に、グローバルにもということだと思うんですけれども、やや悲観の方に振れやすい部分というものもあるわけでありますから、そうした面で過度に悲観に振れないようなためにも、目先のところはある程度緩和的なところで、今の状況をサポートしながら、ようやくここまできた状況というものが遠ざかってしまうようなことがないように、心掛けていきたいなと、そんな感じでみているところであります。』
×世の中⇒〇ハトハトチキン植田総裁ですねわかりますwww
・企業行動がどうなるかが注目のようですね
この点についての質疑というか応答が結構多かった感じです。
『(問)(前半割愛)二つ目が、日本国内の経済動向なんですけれども、午前中の講演でも設備投資とか賃上げであるとか価格転嫁の状況の持続性っていうのがチェックポイントなんだろうなというふうに私は受けとめたんですけれども、先日の短観でもですね、設備投資の意欲は高い水準だというふうに解釈できると思いますし、国内の動向だけみればですね、次の利上げができる環境っていうのが整いつつあるのではないかと思うのですけれども、その辺りのご見解をお願いできればと思います。』
こちらは直接的に短観を踏まえた質問ですが、
『(答)(前半割愛)それから二番目のところで、国内の動向について短観も踏まえたうえでというようなご質問もあったと思うんですけれども、今週発表された短観について申し上げれば、やはり企業の業況感、価格転嫁の進捗を主因として、企業業績も結構高めでもありましたし、全体として良好な水準を維持してたんじゃないかなというふうに思います。』
という評価に加え、
『製造業を中心に懸念されたアメリカの通商政策というんでしょうか、これも現段階ではそんなに大きな影響はみられてないのかなという、そういう意味では底堅い動きだったかなというふうに思ってますし、それから先行きの判断にしても、価格転嫁ですとか、それから人件費への動向ですとか、それから販売価格による状況とか、それについてはもちろん懸念の声は依然としてもちろんあるんですけれども、ただ大きな下押しになっているというような状況でもないのかなというふうには思っているところであります。』
『また設備投資なんかについても、比較的どうでしょうかね、製造業、今年度の計画なんですけれども、製造業・非製造業ともに、3月からやや上方修正されているということもありますので、そういう意味では緩やかな増加傾向にあるという動きはやっぱり不変なのかなというふうに思います。』
ということでエライ威勢の良い評価です。
『やっぱりそういう意味からしますと、DX関連でありますとか、AIだとか、人手不足対応とか、こういうものの需要が引き続き強いということがやっぱり背景にあるんじゃないかというふうには思います。』
だそうですが、
『ただそうは言っても、やはりまだこの不確実性というんでしょうか、それから不透明感というか、なかなか特にこれまでの計画ということについては見極めきらないというような見方も結構出てきてはおりますので、そういう意味からすると、その辺の不透明感はまだ残した状況であるということは言えるんじゃないかと思います。』
あらそうですか。
『ですから、そういう中からしますと、先ほども申し上げた物価安定の目標が目の前にというふうには申し上げておりますけれども、そういうようなところの達成ということについては、やはりこうした投資計画ですとか、企業行動というんでしょうか、こうしたものも踏まえたうえで、われわれ判断をしなきゃいけないというふうに思ってますので、そういう意味からすれば、もうちょっと今暫く見極めるということが必要なのかなというふうに思っている次第であります。』
ということですが、じゃあお前どの位まで見てるのかという話がありまして、
『(問)(前半割愛)あともう一つなんですけど、どこまで見極めるべきかっていうところなんですが、例えば関税のところが、ディールができてですね、その後やっぱりその後もまだハードデータをしっかり見てから判断するべきなのか、その点についてですね、というのも高田審議委員、以前、調整しないでいるリスク、要するに過度な緩和期待というのが高まってしまうリスクについても言及されているので、その点ちょっと教えて頂ければと思います。』
良い質問の仕方である。
『(答)(前半割愛)二番目にご指摘があった、じゃあどこまで見極めるのかというところ、正直言ってこれ、きりないですよね、何があっても毎日何か起こっちゃってるわけですよね。だからそれ言い出してたら、もうきりないよっていうことになっちゃうわけなんですけれども、』
(^^)。
『ただやはり一つの動きとすれば、先ほどからもうこれも繰り返しになっちゃうんですけれども、企業の前向きな動きというんでしょうか、それが海外のところのそういう不透明感も踏まえたうえでも、やはりそれが強くなってくるというような、確信がより高まるというんでしょうか、またそれに伴ってそれがまた当然のことながら、企業行動のところで言えば賃金であり、また価格転嫁ということもあるわけでありますから、物価の動きにどう跳ね返ってくるかというところにも影響するわけでありますから、その辺のところの物価の動向も踏まえたうえで、毎回毎回の会合の中で、一つ一つ判断をしていくということでならざるを得ないんじゃないかなというふうに思います。』
おーーーーーーーーー。
『ですから、それがいつの時期かっていうことを、今の段階で申し上げられるような状況でもありませんし、またそれは予断を持って申し上げるようなものではないんですけれども、ただ、今申し上げたようなところを私なりの時間軸、時間軸というか座標軸というか、いうところの中で持ちながら、これからも判断をしていきたいなというふうに思います。』
という事なんで、そういう文脈からしたらやはり年末から年初にかけてはもうその辺の白黒はつけられるじゃろ、ってことになるんじゃなかろうかとは思いますがどうでしょうかね。
・緩和を引っ張るリスクで「欧米タイプのリスクの可能性」に言及とな!!
今の続きです。
『それから最後にご指摘があった、過度に、ということなんですけれども、当然のことながら、今回の状況なんかもそうなんですけれども、この懇談会の中でも申し上げたんですけれども、今世界的にも、ちょうど、世界中とまでは言いづらいですけれども、米欧にしても中国にしても、それから新興国にしてもですね、比較的揃って金融緩和、それから財政拡大っていう方向に向かってるわけですね。』
はい。
『そうしますと、今回、各地域毎に、こういういろんなストレスがある中で下振れした動きを見込むわけなんでありますけれども、全体が合わさっちゃうと思いがけないような上振れみたいなことが起こってしまうリスクというものも当然あるわけであります。』
まさにアフターパンデミックですわな。
『日本経済につきましても、特に 3、4 年前のときのコロナのときっていうのは、世界的には緩和があってもですね、なかなか日本の場合はそこまで、非常にまだノルムが残っていたりとか、厳しい状況でありましたから、そう変化がでなかったわけですけれども、今回はそれなりに日本の状況というものも変化が出てきてるわけでありますから、』
おおおおおおおおおお!
『そうした状況の中で海外も含めたところが、温度感が上がってくるといった場合には、先ほど私はホームメイド化の兆しがというふうに申し上げましたけれども、そうした点のところもあるということではありますし、また一方で資産価格のところ辺りも含めてよくよくみないといけない部分というものも当然出てきますので、そうしたところ総合判断しながら、これからもみていきたいなというふうに思っている次第であります。』
!!!!!!!!!!!!!
ということでして、なんか高田さん会見の方が金懇挨拶よりも真人間化著しいなあと思いました(ニッコリ)。
2025/07/04
お題「高田審議委員三重金懇:タカ成分もちょいちょい混じっていますけどね」
決着はついている話ではありますがあらためてイイハナシダナー
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-07-03/SYSPG2T1UM0W00
25年春闘賃上げ34年ぶり高水準、勢い持続で連合の目標達成−最終集計
照喜納明美、横山恵利香
2025年7月3日 16:03 JST 更新日時 2025年7月3日 17:40 JST
→平均賃上げ率は5.25%と2年連続5%台、ベースアップは3.70%
→中小の賃上げ率は4.65%と高水準も目標には届かず、ベア3.49%
#あ、今日は9末越えの3M入札だった・・・・(高田さんの金懇ネタだけで本日は終っております為念)
〇高田審議委員三重金懇はタカとハトが混在している感がありますが・・・・・・
https://www.boj.or.jp/about/press/koen_2025/data/ko250703a1.pdf
わが国の経済・物価情勢と金融政策
三重県金融経済懇談会における挨拶要旨
日本銀行政策委員会審議委員 高田 創
2025年7月3日
・経済の説明が展望レポートベースなのは別に良いんだが結局高田さんはこれに対してどういう見解なのかが分からん
ということで『2. 経済・物価情勢』を見ますが、
『経済・物価情勢です。海外経済は、各国の通商政策等の影響を受けて一部に弱めの動きもみられますが、総じてみれば緩やかに成長しています。今年4月に改訂されたIMFの世界経済見通しは、米国の関税政策の影響を大きく受ける見通しとなっており、一段の下振れリスクも指摘されています(図表1)。』
でまあそのIMFの見通しに丸乗りしたのが日銀の4月展望レポートでしたが、
『ただし、関税政策の影響が懸念される米国経済について、最近の経済指標――ハードデータ――からはなお緩やかに成長している姿も窺われます。』
となっていまして、
『1月FOMC以降、政策金利は据え置かれていますが、FRBは再び利下げに転じるとの市場参加者の見方もみられます(図表2)。先行きについても、家計・企業・金融機関はバランスシートが健全であることなどから、従来、景気悪化局面でみられた信用収縮に伴う急激な落ち込みは想定され難いと捉えており、私としては、深刻な景気後退というよりは、消費者マインド低迷の影響などから、潜在成長率を下回る成長率への減速を見込んでいました。』
あらそうなんですか。
『ただし、この減速は、米政権の政策に起因するだけに、上下双方向に不確実性は極めて高い点を念頭に置く必要があります。現時点では堅調であっても、関税への不安が長引けば長引くほど、不確実性の高まりから経済への下押し圧力は高まると考えられ、時間軸のなかで慎重に見極める必要があります。』
『他方で、後段で改めてお話ししたいと思いますが、新政権発足後、経済成長にマイナスに働く関税等の政策が先行しており、今後、減税等の成長にプラスの政策が進められた場合、成長率の上振れもあり得ると考えています。また、海外では、欧米、中国、新興国で押しなべて、財政金融政策が同時に緩和方向に傾き、世界中のベクトルが揃うことで、合成されて予想以上の経済押し上げ・インフレ圧力が生じる可能性にも留意したいと思います。』
という上振れの話はしているんですけど、まあ後に出てくる金融政策の話をみていると、威勢の良い事言ってるけど結局経済先行き不透明ガーで地蔵って感じなのは否めません。
『こうした米国の関税政策の影響は、海外経済の減速や、わが国企業の収益の減少とそれに伴う賃上げの減速、不確実性の高まりによる企業・家計の支出の先送りなどの経路を通じてわが国経済を下押しすると考えられ、4月展望レポートでは、1月対比で成長率・物価見通しとも下方修正しています(図表3)。』
でもって聞きたいのは高田さんがこのベースラインシナリオに対してどう思っているか、なのでございますけれども、
『ただし、足もと、日本の企業部門では、企業収益の改善傾向が続いており、2025年の春季労使交渉でも、連合の第6回集計時点で、高水準の賃上げ率が実現しています(図表4)。家計部門では、個人消費は、物価上昇の影響などから消費者マインドに弱さがみられるものの、雇用者所得の改善を背景に緩やかな増加基調を維持しています(図表5)。コメなどの食料品価格上昇で足もとの物価上昇率は高まっていますが(図表6)、先行き、輸入物価の下落等に伴う物価上昇の落ちつきに加え、賃金上昇率の高まりを背景に、先行して上昇した物価を賃金が追いかけるかたちで、個人消費も緩やかな増加を続けると期待されます。』
という説明はしているのですが、結局のところ「じゃあ高田さんのご意見は」ってのが見えて来ない訳ですわな。(ちなみにこの金懇挨拶の原稿も半角英数がテキスト認識されない謎事象が発生しておりますが、会見の方は半角英数認識されているからちょっとPDFのプロパティみたらPDF変換ソフト金懇テキストと就任会見で別の使っていますね〜)
・基調的物価とかいうお気持ち物価ェ・・・・・・・・・・・・
でもって物価の話なんですけど、
『また、物価の基調をみるうえで、様々な主体の中長期的な予想物価上昇率をみると、着実な底上げが継続しています(図表7)。』
ってのが一発目にあります。さらに、
『加えて、国内のインフレ圧力を示すGDPデフレーターをみると、これまでユニット・プロフィット(UP)等が伸びの中心でしたが、
年以降は賃金上昇を背景にユニット・レーバー・コスト(ULC)の寄与が高まり、UPとULCがバランスよく伸びる姿に近付き、物価上昇が輸入物価要因だけでなく国内要因による上昇、いよいよホームメード化する兆しが生じています。』
いよいよじゃなくてとっくの昔にホームメードインフレじゃろとアタクシは思う訳ですが、まあそれは兎も角として、高田さんの言う基調的物価、というのが図表7ということで本文の巻末になりますけれども、
『図表7 日本の物価関連指標
合成予想物価上昇率
GDPデフレータ―』
ってなっている訳ですな。ではここで直近の政策委員の皆様における基調的物価に関する講演等での言及を確認しますと、
田村審議委員金懇の図表だと
https://www.boj.or.jp/about/press/koen_2025/data/ko250625a2.pdf
図表5 消費者物価(前月比・年率)
(季節調整済前月比、年率換算、%)
図表6 消費者物価(家賃・公共サービス)
図表7 消費者物価(生鮮食品・その他食料)
図表8 予想物価上昇率
この辺りが「最近私が注目している指標」として挙げられていまして、一方で植田総裁が6月の内外情勢調査会で講演を行っていた時に言及していたのは、
植田総裁の内外情勢調査会講演での図表
https://www.boj.or.jp/about/press/koen_2025/data/ko250603a2.pdf
図表7 基調的な物価上昇率に関連する指標
@価格変動の大きい品目を控除した物価指標
CPI(除く生鮮食品)
CPI(除く生鮮食品・エネルギー)
CPI(刈込平均値)
CPI(加重中央値)
CPI(最頻値)
A賃金変動を反映しやすい指標
CPI(低変動品目)
CPI(サービス)のトレンド
B中長期の予想物価上昇率
合成予想物価上昇率(10年後)
C経済モデルから推計された指標
モデル@:フィリップス曲線の切片
モデルA:時変VARモデル
モデルB:準構造モデル
と散々出していましたが、その前の金研国際コンファランスでの挨拶では「(ここでは、予想物価上昇率を基調的な物価上昇率の近似として用いています)」とか言って説明をぶっ放しておりましたわな。
・・・・・・・ということでですな、これは別に高田っちがどうのこうのの話じゃなくなってしまいましたけど、そもそもこの「基調的物価」ってのを説明する際に説明する人によって別々のものがホイホイと出てくるという状況なのってそもそも論として「インフレーションターゲット」をしているのにその数字の定義自体がフラフラなのって政策運営としてロジカルに成り立つもんなんですか、というツッコミをしたくなる訳でございまして、7月展望レポートでもっとこの「基調的物価」を深堀していただきたいもんだ、とまあそのように思う訳ですな、という悪態でした。
・でもって高田っちは「構造的変化」に言及していまして
話を戻しますと、さっきの続きですが基調的物価に関して高田さんはこのように締めています。
『この点、 年春季労使交渉の賃上げ率が高水準となったことは、こうした傾向が継続する可能性を示唆します。』
さらに次のパラグラフでは、
『人手不足を背景とした供給制約――言わば「人手不足経済」への転換――のもとで、企業の賃金・価格設定行動には積極的な動きがみられており、少なくともこうした国内の動向をみる限り、私としては、「物価安定の目標」実現が目前に迫りつつある局面と捉えています。』
実現が目前なのに短期政策金利0.5%は不味くないですか高田さん、というお話なのですが、
・構造変化が生じているという認識なのですがベースにハトハトおじさんが表れてしまうのですな
『このシナリオは、4月に公表された相互関税後も大筋では変わらないと想定していますが、漸く「物価安定の目標」への動きが生じてきたなかで、このモメンタムに米国による関税政策が水を差さないか注視したいと思います。』
さっきは構造変化を踏まえつつ「目前に迫りつつある」と言ってたのに関税政策一発でその構造変化が台無しになる恐れがある、という説明ですね。
まあこの部分が植田日銀ハトハトチキンの真骨頂と結局同じなところが高田さんの説明の惜しい所でございまして、「人手不足を背景とした供給制約」ってのが構造的な変化として生じているのであれば、多少の循環的な経済の下押しでその構造が壊れる訳ねえだろ、とこちとら思うのですけれども、この点について植田日銀大本営は「いやもう景気が減速したら折角進んできた構造変化がボキッと折れてしまう」懸念を過去のディスインフレ経済のイメージを引っ張りすぎている結果として、過剰な懸念を持っていて、(というのはワシの個人的見解なのでまあ異論は認める)そのために構造変化を過小評価しているんじゃないか、とワシは思う訳でして、何でそう思うかと言えば、何とかストの皆様やら日銀やらがニアータームの物価見通しを最近ずーっと同じ方向に外し続けていることが、まさに「前提の変化」を示しているんじゃないの、ってことな訳です。
でもって、高田さんも構造変化は認めつつも、上記のように「米国の関税政策一発で元に戻る懸念」を示しておりますので、まあ現状抜刀斎コースとハトハトチキンの間で揺れているって感じじゃないでしょうか、とは思いました。
なお、日銀大本営のハトハトチキン方式の場合、マジのマジで構造変化が起きている場合、変化への対応がどっからどう見ても大いなるビハインドになる(短期政策金利がこんなにクソ低いのを放置した場合は特に)ので、途中をすっ飛ばして2%よりも高めのインフレが定着(イメージとしては経済低迷しながらインフレは高かった過去の英国のもうちょっとマイルドバージョンかな)するということになるんだよなーというのが大予想です。
とまあそういう訳ですので、今の部分の続きが、
『その際、関税政策のわが国経済への波及経路を考えると、次の4点でマイナスの影響が現れないかに注目する必要があると思います。』
ってなっていて、
『具体的には、第1に、不確実性の高まりからの設備投資の下振れがあるか。』
『第2に、米国の関税政策に起因した世界経済の減速を背景とする輸出下振れがないか。』
『第3に、企業収益の低下から 年に向けた賃上げの動きが抑制されるとともに、販売価格も抑制する動きが生じないか。』
『さらに、第4として、米国の各種政策に伴う思惑から為替円高が進行し、企業収益や輸入物価等を押し下げないか。』
1は直近の短観ではセーフっぽかったですな。3は田村委員も懸念点として挙げているし、
まあそれはそうじゃろと思うのですが、
『私としては、特に、第4の米新政権の政策への期待次第で市場が大きく変動する可能性に留意したいと思っています。』
って話なんですけど円高に振れて輸入物価下がったら実質所得に思いっきりプラスに働いてイイハナシダナーの方になるんじゃないの、と思ったのでこの点をポイントにするのは若干違和感を覚えました。
・金融緩和度合いの調整に言及するも「円高恐怖症」があるから結局ハトハトチキン音頭になりそうですねえ
『3. 最近の金融政策運営』になります。最初のパラは今の政策金利が0.5%ですって話なので飛ばしてその次から参ります。
『先ほど述べたように、国内要因をみる限り「物価安定の目標」実現が目前に迫りつつあるなかで、特に短期の実質金利は大幅なマイナスとなっており緩和的な金融環境は継続しています(図表8)。こうしたもと、私としては、堅調な設備投資や賃上げ、価格転嫁の継続など「前向きな企業行動」の持続性が確認されていけば、その都度、もう一段のギアシフト――金融緩和度合いの更なる調整――を進めることが引き続き必要だと考えています。』
ギアシフトっていうと加速するみたいなイメージになるから何かもうちょっと言い方変えた方が誤解を招きにくいと思うのですが・・・・・
というのはさておきますけど、構造変化の持続性が確認できた時には「緩和度合いの調整」じゃなくてそれはもう中立金利に持って行っておかないと過剰な金融緩和による好ましくないインフレ上振れにつながるんじゃないですか、と申し上げたいですな。まあこの言い方自体はいつもの高田っちではありますが。
『もっとも、関税政策による影響で米国経済の減速が見込まれるもと、内外の異なる景気サイクルを背景とする金融政策のスタンスの違いで、為替を中心とする金融市場に大きな変動が及ぶリスクへの注視も引き続き重要です。』
さっきの部分で「為替円高に注意」と言っててナンジャソラと思いましたが、こちらでもうちょっと露骨に為替円高警戒をしておりまして、この「為替円高警戒スタンス」ってのがハトハトチキン音頭に繋がる、というか盛大なる推測なんですけど、たぶん植田さんのハトハト音頭成分の半分以上は高田っちと同様に「為替円高恐怖症」からきているんじゃないかとアタクシは妄想していますので、そういう妄想をベースにしますと、この高田さんの「円高懸念」表明ってのは、やっぱり根っこの部分でハトハトチキン音頭になるんだなあ、と思ってしまう訳ですよ。
以下円高怖いよ音頭が展開されます。
『実際、1970年代の変動相場制への移行後、今次局面を除いた日本銀行の過去5回の利上げ局面を振り返ると、米国の利下げ後に、日本も利下げに転じていました。今後、FRBが利下げを再開する場合には、こうした観点で日本銀行の金融政策の自由度が低下する可能性も考えられます。』
米国が利下げすると為替円高が怖いので利上げするのがコワイヨー、というのが何ともかんともですが、
『ただし、先に述べたように米国の深刻な景気後退が想定され難いもとでは、
2000年頃のITバブル崩壊後や2000年代後半の世界金融危機後とは異なり、足もとは利上げの一旦休止局面であって一定期間の様子見の後、再びギアシフトを続けていく状況だと評価しています。』
『米国では相互関税賦課に伴いインフレ率が反転上昇する観測も根強く、利下げの可能性は低下する傾向にあるだけに、夏場にかけてのFRBの動向に注目です。』
いやーーーーーうーーーーーんって感じですが、だったら何でもっと早く利上げ進めなかったのよってお話ではあります。
・過度に悲観に振れないように云々は高田さんでしたか
でもってこの次ですが、
『なお、米国の各種政策にかかる不確実性が引き続き高いだけに、経済の下押し圧力が強まった場合の対応だけではなく、米国の政策転換次第では機動的に利上げへ回帰する可能性も考えられるため、私としては、過度な悲観に陥ることを排し、自由度を高めた柔軟な金融政策運営が求められていると認識しています。』
主な意見にあった「過度な悲観」云々ってのは高田さんだったんですか、ただし、
『同様に、漸く迫ってきた「物価安定の目標」実現への動きを維持すべく、企業や家計の行動が過度に悲観に振れないよう、日本銀行として緩和的な金融環境の継続でサポートしていく姿勢も必要と考えています。』
って言ってて、結局緩和が必要って認識でして、国内でホームメードインフレが上振れたら面倒なことになりゃしませんかねえ、という辺りに関しては特に問題意識は無い模様ですし、結局為替かよって話なので、根っこの部分hではハトハトチキンちゃんですな、というお話になろうかと思います。
・国債買入の話ですが市場配慮とか言ってるのは実に情けない(過激派の感想です)
その次が国債買入の話ですが、まあこのくだりに関しては盛大にダメ出しですな、というアタクシは過激派。
『また、6月会合では、市場参加者の方々のご意見も参考にさせていただいたうえで、長期国債買入れの減額計画の中間評価を行い、今後、これまでと同じ毎四半期
4000億円程度の減額を 2026年1〜3月まで続けることとしました(図表9)。また、その後も毎四半期
億2000円程度ずつ減額し、 2027年1〜3月に2兆円程度とすることとしています。』
これは決定事項。
『こうした措置は、国債買入れの減額を行うことによる市場の正常化、市場機能の改善を意図したものです。』
バランスシート規模の是正って話をしないのはなんでなんでしょうかねえ・・・・・・・・
『4月の内外の債券市場変動時以降、超長期金利が大幅に上昇し、超長期ゾーンに市場分断が生じたほか、スワップスプレッドの急拡大など市場間の相関も崩れる事態が生じました(図表
)。イールドカーブ上、局所的にリスクプレミアムが高まり、直近5月の債券市場サーベイでは市場機能度が大きく低下するに至っています。』
って言うんですけど、それこそ戦後始まった長短分離政策と金融規制の時代から、金利の世界って参加者による分断があるので、なんか今になって急に市場分断が起きたみたいな言い方しているのは違和感があります。
というか、黒田緩和によるQQEだのマイナス金利だのYCCだのによって超長期以外の金利の世界が全部焼き払われてしまったからしょうがなく超長期方面に難民として追いやられていただけの話で、焼き払われていた故郷が復興してきたら難民の皆さん本来の巣に帰るわけですし、そもそも金融業態自体が調達運用構造が業態によっても参加者によっても違うんだからメインで参加する市場だって皆さん違うので市場分断ガーとかいうのも話がおかしいんですよね。
まあそんな悪態はさておきまして。
『以上の背景には、生保の超長期債ニーズが限界的になっているほか、市場変動を受けて業者がマーケットメイクしにくくなっているとの声も聞かれています。従って、今後、市場全体としての機能度の改善を念頭に、年限別の需給動向や流動性も踏まえたうえで、国債買入れの減額を進めていく必要があると思っています。』
と言ってるのが市場に対する過保護な訳でして(なおワイの意見は多分市場の中心から見たら過激派寄りだと思いますのでお間違えの無いように念のため申し添えます)、そんなことやってたら何時まで経っても市場が当局依存になりますし、それこそ財政リスクへの市場からの警告というトランプですらそれにビビるという市場による経済財政政策への規律付け、がいつまでたっても機能しなくなる訳でして、特に財政ポジションがクソのように悪いジャパンにとって、市場による規律付けの復活は急務としか言いようが無い(繰り返し申し上げますが市場の中心から見たら原理主義的過激派って扱いだと思います)のですが、まあ「市場にお詳しい」高田さんまでこう言ってしまう時点で色々とオワ終わりなものを感じてしょんぼりしちゃいますなという所ではあります。
・節子、その理屈は思いっきり「中銀は財政ファイナンスをやっています」って説明や
さらに話は続きますが小見出しの時点でお察しのように、
『日本銀行の買入れ減額は、「長期金利は金融市場において形成されることが基本」としたうえで、国債買入れは「国債市場の安定に配慮するための柔軟性を確保しつつ、予見可能な形で減額していく」としています。』
この次がもうどこからどう見ても財政ファイナンスでこれは故ロバート・ムガベ大統領も天国から微笑みます。
『私としては、これまでの日本銀行の国債買入れは、国債保有を増やすことで市場における国債の量を抑制する効果を持っていたと考えています。』
『一方、買入れ減額はこれまで日本銀行が買入れていた額の一部が市場に供給され、事実上、市場における国債の量が増加することになります。』
『この点を踏まえれば、今次局面は過去と比べて有数の市中への大量国債供給局面とも考えられます。』
どう見ても財政ファイナンスです本当にありがとうございました。
『図表11 は、「ネット発行額」として、これまで発行された国債の残高前年差の推移を示します。これから、日本銀行が行ってきた国債買入れを勘案して、「市中残高」として、事実上、市場に供給される国債の前年差が示され、国債買入れ減額の影響もここに表れます。昨年から始まった買入れの減額に伴い、市中への国債供給は増加し、
2025年度末で2000年代以降における国債市中残高の前年差のピークに匹敵する状況となることがわかります。そのため、国債が市場に供給されることに伴う不安定性を回避するためにも、減額幅の調整や市場の受容状況の見極めが必要と考えています。』
この理屈ってもはや高橋財政が破綻に向かっている時と変わらんじゃろと思う訳でして、その意味で今回2026年4月からの国債買入減額速度を落としているってのはかなり由々しき事態だとワイは思うんですよね(もともと減額速度が遅いわと思っているのに更に遅くするとか言語道断、という過激派思想ですがまああくまでも個人の感想なので)。
・正常化の過程での金利上昇を「意図せざる引き締め」呼ばわりするのでハトハトチキン
さらにこのコーナー最後のパラグラフですが。
『なお、超長期ゾーンのリスクプレミアム上昇は、ボラティリティの変動がイールドカーブ全体に波及し市場機能の低下に繋がりやすいため、その結果、意図せざる金融引き締め効果が幅広く市場に伝播するリスクも生じえます。』
いやそれそもそもQQEだのマイナス金利だのYCCだので過剰にリスクプレミアムを日銀が無くしたことの反動なんだから正常化の過程で甘受すべき話だろ何言ってるんだよという話で、
『また、安定した国債市場におけるリスクフリーのイールドカーブの形成は、日本の金融インフラを支えるものでもあります。』
と思うなら何で巨額の買入続けるんですか???・
『日本銀行による国債買入れの減額が財政に対する配慮ではないことは言うまでもありませんが、先ほど述べたように、事実上、市場に国債を供給する効果が生じるだけに、市場全体としての機能度の改善の観点から、当局間で十分に意見交換し、市場の安定に努めていく必要もあると考えております。』
結果として財政ファイナンスをしていますってのを認めているのはまあ潔いです。
『この 1年を振り返り、超長期ゾーンの投資ニーズの減退等、当初の想定外の市場構造変化もあっただけに、今後も、1年後に改めて中間評価を行って状況に応じた見直しも必要と考えます。』
っていうことで、まあ裏を返せばあの高田さんですらこういう説明になってしまう。ってくらい日銀のバランスシート問題っていうのは深刻で、深刻過ぎるから誰も正面切ってバランスシートの問題を言わない、どころか金融学会で内田副総裁は堂々と「金利政策と関係なくバランスシート政策ができる」とかリアルバーナンキの背理法が可能な屁理屈をぶち込んできている、というのが滅茶滅茶恐ろしいお話だなあ、と原理主義者で過激派で杞憂民のワイは思いました。
なお、以下の部分ですがいつも高田さんそっちの話が多分思い入れあるんでしょうけど残念ながら以下割愛します、まあいつも割愛していますのでワイ的理由はお察しください。
2024/09/09
〇高田審議委員金懇会見でもまあ市場の安定の話聞かれる聞かれる
https://www.boj.or.jp/about/press/kaiken_2024/kk240906a.pdf
高田審議委員記者会見
――2024年9月5日(木)午後2時30分から約35分
於 金沢市
・早速市場の安定不安定について聞かれるの巻
幹事社による「本日はどうでしたか」というのの次の実質的な質問一発目が早速これである。
『(問)高田委員にお伺いしたいんですけれども、今回の講演の中でも株式市場などの大幅な変動についてのお話があったと思いますが、現在、金融資本市場は不安定だという認識でいらっしゃるのかご見解を教えてください。』
ついでにこの人の質問続けて引用しますが、
『また、政策金利の引き上げについてもお伺いしたいです。十分な時間をかけるというご発言もありましたが、具体的なイメージはありますでしょうか。』
『そして、政策金利の引き上げについて、経済・物価や金融の情勢を検証しながら対応するのが現実的だというお話がありました。7
月に利上げしたとき、検証が不足していたという意味、そういった認識はあるのでしょうか。こちらも併せて教えてください。』
最後のはもうちょっと露骨に「その後の市場の反応を見ると検証が不足していたから大きな動きがあったのではないかとお考えでしょうか」とか聞いても良かったんでネーノ。
高田さんの回答。
『(答)不安定ということについてみると、特に 8 月以降ということになりますか、海外なかんずくアメリカ経済のところに対する見通しというんでしょうか、これがグローバルにも随分と意見が分かれたということじゃないかと思うんです。』
って回答をしているんですよね。つまり、
『そうしたところが世界的な市場のボラティリティを高めたわけで、そういう意味からすると月毎に、経済指標が大体出てくるのが主でありますので、今二巡目が始まっているような状況だと思うんです。』
ということで日銀のせいじゃないよと暗に言ってまして、それはそれでそういうのはわかるんですけれども、そういう話をしだすと、じゃあ日銀は海外要因で市場が変動している時に政策変更を躊躇するというお話になってしまう訳でして、いやそうじゃないでしょまずは国内物価の安定に対して問題があるような状況なら政策を変更するでしょというツッコミを入れたくなるわけでして、まあこれ高田さんが悪いんじゃなくて、完全に市場従属ですよってひっくり返ってワンワンと降参のポーズを取った内田副総裁のあの情報発信が悪いんですけど、米国経済に対する市場の思惑で金融市場が動いている時には政策変更しない、ってアホの極みみたいな話になってしまう訳ですよね。
『もちろん 8 月の頭ほどではありませんけれども、ややボラティリティが高まりやすい動きが生じています。同じようなモノの見方というか、アメリカ経済の減速に関していうと、やや
8 月ほど高まっているわけではありませんけれども、それに類する動きが足元も生じているということは確かなんだろうと思っています。そういう意味では多少収まってきているとは言いながらも、少しずつ変動がという動きはあるかと思っています。』
ということなんですが、そもそも論として市場なんて毎度毎度先行きの思惑で大きく動くことなんてあるわけですし、日銀の政策修正の思惑でだって大きく動くこともあるわけで、市場が大きく変動したから本来実施すべき政策を行いません、というのは無茶苦茶にも程がある馬鹿説明でして、その場しのぎにしたって言って良い事と悪いことがあるわけで、そういう最低限守るべきラインを踏み越えた内田副総裁講演は後々どころか早速禍根を残しておる次第。
さて先ほどの質問の後半2つに関してですが、
『それから政策金利の引き上げのところについては、十分な時間ということで申し上げましたけれども、この十分というところに関しては、別に特定の時間を指しているわけではございません。』
じゃあ「十分な時間をかける」って言う必要ないじゃん。
『私が今日の金融経済懇談会のところで申し上げたのは、政策金利、特に中立金利と言われているところに例えば目標みたいなものがあってそこにポンというようなことではなくて、やはり毎回毎回の経済の状況をみながら対応していくということに尽きるということだと思っておりますので、そういう意味で十分な時間をと申し上げたということです。』
毎回毎回検討するのと「十分な時間を」というのではずいぶん言ってることが違いやせんですかねえ。ということで3番目ですがまあこれは比較的どうでもよくて、
『検証をしながらというような状況であるとすれば、7 月にも私どもは調整したわけでありますけれども、そこの段階でも当然のことながら様々な検証をしながら調整を行ったということであります。決して検証が不足していたということではありません。当然のことながら今後に関しても毎回毎回、検証活動をしながら、最善を尽くして対応していきたいと思っているところであります。』
まあこれはこう回答するわな。
・市場が動いていると利上げはしないのかという露骨質問来ますよね〜
次の人。
『(問)先ほどの質問にも関連するのですが、8 月前半に大きなマーケットの変動が生じた影響を当面は見極める必要があるということですが、確認なんですけれども、やっぱり市場が不安定な間は再利上げっていうのは更なるボラティリティを生じてしまうので難しい、っていうことなのかという点が一点目です。』
露骨プレイキタコレですな。
これ従来(7月利上げ前)であれば、「諸外国と異なって日本は物価が大きく上振れするリスクが小さく、基調的物価は徐々に2%に向かって上昇している段階なので、政策調整する際に急いで実施する必要がなく、したがって内外金融市場が不安定な時に敢えて政策調整をする必要はない」でよかったのですが、7月利上げの際には為替を意識したんでしょうけど、為替とそれに伴う物価上振れリスクに思いっきり言及しているので、本来は物価上振れリスクがあるというのであれば、状況によっては金融市場がどうであれ対応しないといけないタイミングがある、ということになるんですよね。
でまあこの質問の後半、そのあたりを念頭に置いてるんだったら中々お洒落なのですが、物価の上振れリスクについて聞いています。
『二点目は、こうした市場変動はやはり経済には下振れリスクになると思われますが、一方で、ご講演では値上げの波がまた再燃して、今年度の下期には、そちらが到来するのではと、どちらかというと、物価の上振れリスクになり得る点についても述べられています。政策運営上、どちらが、より今大きいリスクというふうに認識されているのか、ご見解をお願いします。』
物価上振れがリスクとして大きいんだったら「市場が不安定」云々って説明はおかしいということになる、という諸葛孔明の罠みたいな質問ですね。
高田さんの回答。
『(答)こういう変動が 8 月以降生じたという中で言えば、今日の文言の中でも申し上げたんですけれども、きわめて高い緊張感を持って注視していくということに尽きると思うんです。』
結局これである。
『ですから、当然のことながら、基本的な考え方としては、物価それから経済の見通しが実現していくということであれば、金融緩和の度合いをその時々に応じて調節していくというのが基本姿勢であることは間違いないです。』
とは言ってますが、
『ただ一方で、金融とか資本市場の動向というものが、当然その前提である大目的である物価それから経済の見通しのリスク等に及ぼす影響が生じるということであるとすれば、当然、そこのところを考えざるを得ないということになるわけです。』
はいはいチキンチキン。
『あくまでも、基本的な姿勢としてわれわれは考えているわけでありますが、条件付きであるということはもう間違いないというふうに思っていますので、そういう意味で毎回毎回検証していくということになると思っています。』
「条件付きであるということはもう間違いない」とはこれまたヘイヘイピッチャービビってるよビビってるよというやつですな、南無三。
リスクに関してはこんな回答をしていまして、
『それから当然のことながら、いろんなリスクがあるわけでありまして、例えば、物価においても、4
月とか 10 月のタイミングにおいて値上げがあるということは、当然のことながらリスクであります。』
節子、それはリスクちゃう、好循環や。
という筈なんですけど、それをリスクとか言ってしまっている時点でナンジャソラというか、まあ2%物価安定目標を標榜しているのに肝心の脳の方がそっちに順応してないんじゃないのかね、とこの部分を見て思ってしまいました。
『また、われわれもいろいろヒアリング等をしておりますと、10 月のところにいろんな品目の値上げがもう既に予定されているとか、これも完全に決まったわけではないんでしょうけれども、ある程度こうしたものがあるというのはリストとして上がっているのは確かであります。』
で?
『ただ、こういう動きというのは、われわれもずっと考えておりましたけれども、為替のところが円安に振れている中で、上振れしやすい部分もあったと思いますから、そういう面でコストプッシュの要因で、下期に向けてもというところもあったと思います。為替のところもこの
1 か月間で変動もしておりますから、そういう面も受けた中で、どういう方向になるのかというところに関しては、また新たな目で見る必要も出てくるんだろうなと思っています。』
この高田っちの言い方ですと、全然好循環の存在を意識していないような説明になっていまして、いやそれって違うんじゃないのと思ってしまいます。
『ですから、物価ですとか、リスク要因とか、その辺のところについては、必ずしも上か下かという、白か黒かというものではないと思うんですけれども、多少この
1 か月間で変動があった部分、もしくは環境の変化があった部分もあるので、その部分をもう一回見極めながら考えていきたいと思っているところです。』
まあさっきからずっとそうなんですが、高田っちってハト派とかタカ派とかいう以前にチキン派という方が適切なんじゃねえのって感じでして、節目節目の説明がチキンで、しかもここまでの質問でも結局方向性を持った回答は全然していない訳でして、うーん何なんですかねえって感じです。
・という訳で好循環に関して質問されるのだが
こんなんありました(この質問の後半部分は次に)
『(問)二つ伺いたいと思います。一つは、7 月会合時点と比べた賃金と物価の好循環の強まり度合いは、今、いかがでしょうか。そして、今後それを確認するために、どういう指標をご覧になるのか伺えたらと思います。(後半割愛)』
なるほど。では高田さんどう回答しましたかと言いますと、
『(答)7 月会合の時の物価と賃金の好循環というところに関しては、今日私の金融経済懇談会の中での議論というんでしょうか、そこのところも企業のバランスシートですとか、それから損益計算書、こうしたところの好循環、もしくは前向きな動きというふうに言ってもいいかもしれませんね、そうしたところを中心に申し上げましたので、そういう点で、私はあまり変化があるとも思っていません。』
進展してないのかよ、と思ったら
『そういう意味では、着実にそういう前向きな動きになってきているんじゃないかなと思っているところであります。』
うーん結局何が言いたいんだろう、と思いますが高田さん返す刀で、
『ただ、先ほど頂いた質問の中の議論の繰り返しにはなってしまうんですけれども、こういう中で物価、それから経済の見通しというところに関して、当然、様々なリスク要因が与える影響も出てまいります。』
うへーやる気ねえな。
『先ほど申し上げた損益計算書、バランスシートというところにも出てまいりますので、その辺のところについては予断なくというか、丹念にみていきたい。特に、こういう変化の時期においては、高い緊張感を持って注視していきたいなと思うところであります。(後半割愛)』
何ちゅうか結局なんも答えてないのよね高田さん・・・・・・・
・中立金利は案の定質問されるの巻
氷見野さんの金懇で中立金利についての愚劣な質疑に悪態をついたのが聞こえたのかどうか知らんですけど今回中立金利の質問これとあと1個だけでしたなwwwwwwwwww
『(問)(前半割愛)二点目は、今朝の講演で、まだ緩和的な金融環境はなお継続しているとおっしゃったんですけれども、高田さんがお考えの中立金利の水準は、数値として、今どれくらいでしょうか。』
中立金利に達しているだの達していないだのというのを講演でお話をしたんならそら質問するよね、というお話ですがこの回答は・・・・・・
『(答)(前半割愛)二番目のご質問ですけれども、緩和的な状況ということで今日の懇談会の中でも、実質金利が相当低いというような話をさせて頂きましたし、また一方で、中立金利という概念を考えた場合に低いのではないかということを申し上げました。』
これもまあ元はと言えば日銀大本営が最初のマイナス解除の時に「金融政策は緩和的な状況が続く」ってのを(長期金利上昇が怖いから)積極的にアピールしてしまった(その結果ドル円が160円に飛んで行ったわけですが)のが「やり過ぎコミュニケーション」であり、その後円安是正の意味もありつつ政策調整を行う際に、当初の「緩和的な状況云々」との説明との整合性を取るために持ち出して来ているのがこの中立金利だの実質金利だのの話でして、本来はもっとフワッとした形で「そうは言ってもまだ緩和的ですよね、今の状況見て引き締め的とは思わないよね」くらいの定性的な話にすればよかったのに、実質金利は大幅なマイナス、みたいな定量的な物言いをするもんだから、毎度毎度皆さんがこうやって質問される羽目になっている訳ですよ。
ということで高田っちも、
『ただ、この議論は、いろんな方からご質問を頂くことになるんですが、』
とイヤミの一つもぶっこみたくなるわけですなw
『中立金利という概念にはなかなか幅があって、ピンポイントでということでもないんです。』
はい。
『今日の私の資料の中にも、これだけの幅みたいなところでの議論はありますけれども、逆に言えば、相当幅があるんだよということを皆さんに申し上げたかったというところが趣旨でありまして、』
んだんだ。
『あまり明確に水準といいましょうか、それから私もこの半世紀ぐらい市場をみておりますが、正直申し上げて、この中立金利という概念をこれまで議論してきて、理論的にはある概念ではあるんですが、実務的にはなかなか難しい概念だなというのも実感しているところであります。』
これは仰る通りなのでして、つまりはこの中立金利だの実質金利だのを前面に押し出して説明をしまくっている大本営に問題が大有りなんですよね。
『ですから特に日本のように、今日の私の懇談会の中でのテーマでもあるのですが、過去という中でこの
30 年間ぐらいの[金利が]もうほとんどゼロもしくはマイナスのような状況の中で、いろんな試算をしてもですね、パッとした議論というのになかなかなりにくいというのが現実の問題です。』
『海外のように比較的アップダウンというか、シクリカルに変動がある状況であれば、一定の水準というところにある程度、この
10 年、20 年の中で線を引くことも、一つの対応としてはあり得るということかもしれませんが、』
ということでして、海外のようにもともとが経済のサイクルが通常ベースで回る中で、物価安定目標近辺でインフレ期待が安定しており、実際の物価もサイクル描きながら推移している、という時点でやっと中立金利の話が実務的にできないわけでもない、という世界になるわけで、これからそれをしようという日本では中立金利の話を持ち出してくるのに無理がある、ってお話ですわな。つまり、
『残念ながら日本の場合は、今申し上げたような 30 年間、こうした状況の中での対応ということからしますと、その水準というのは相当慎重に、もしくは幅を持って考えていかないといけない概念であるし、実務的にこれということにはなかなかなりづらいというのが一つの考え方なんではないかと思っております。今のお答えのところもそれが趣旨だということで申し上げればというふうに思っています。』
まあさすがにここの説明は高田さん分かりやすく説明していますよね、という感じでした。金融政策運営に関わりそうな部分では回答を華麗に逃げているようなムーブでしたがさすがにこっちはね。
2024/09/06
〇高田審議委員の金懇講演は今後の政策調整に対しての主体性を一切感じず残念なことです
HTML版
https://www.boj.or.jp/about/press/koen_2024/ko240905a.htm
PDF版
https://www.boj.or.jp/about/press/koen_2024/data/ko240905a1.pdf
でまあ今回HTML版とPDF版が同時公表されていまして、コピペにはHTMLの方が便利なので
引用はHTML版から行います。
https://www.boj.or.jp/about/press/koen_2024/ko240905a.htm
【挨拶】わが国の経済・物価情勢と金融政策
石川県金融経済懇談会における挨拶要旨
日本銀行政策委員会審議委員 高田 創
2024年9月5日
・案の定ではあるが今後の政策調整を主体的に進めようという意思は見られません
前回の高田さんの金懇は2/29に実施されていまして、2/29と言えば1月決定会合で予告ホームランチックなものが打ち出されていた後、ということでして、それまで高田さん何で守りに入っているのかさっぱり意味不明ながらまるっきり踏み込んだ発言とかオリジナリティある発言とかしなくて、債券市場のマーケットエコノミスト出身者というカテゴリー(過去は水野温氏さん、佐藤健裕さんという寄らば斬るぞというファンキー(褒めてる)な方々でしたな)なのに何ですかこれはというテイタラクでございましたが、2月の金懇少しだけ踏み込んでいたのでまとめでこんなこと書いたんですよね。
(3月1日に書いた駄文より引用開始)
「しかしまあ何ですな、この前の金懇でも高田さん歴史的な話をしてた割に別に面白い話があった訳でもなくて、多角的レビューということで25年レビューの話をしているのですが、あーたの25年はナンダッタノカと小一時間問い詰めたくなるのをまあ我慢しておるというような状態ですわwwwwwwww
あ、あと会見でも微妙に踏み込み気味の言い方になっていまして、これはまあ「緩和的な環境が続く」というのが効きすぎて特に他市場がヒャッハーヒャッハー言ってるのに対してちょっと水を差しておく必要があるんじゃないか、という人形使いの意志らしきものを感じたのはアタクシの超個人的偏った感想ですが一応そういう読み筋ですというのを申し上げておきます(この前の植田さんの国会答弁も然りで)」
(ここまで3月1日に書いた駄文)
・・・・踏み込んではいるもののご自身の意思というよりは腹話術人形遣いの意図とかアタクシも大概にボロカス申しておりますが、まあ高田さんへの期待値の高さがあったからこうなっておるわけでございますな。
でまあそんなこんなで、今回もそんなに期待してはいなかった(むしろ今回の金懇で踏み込みが出るのを期待している市場の一部の方が健忘症にも程がある)のですが、案の定今回も小見出しの通りで、「主体的に金融緩和の修正を推進しようという意思を全く感じない」という素敵な金懇挨拶(会見もそうですがそちらは会見録でましたら週明けにでも)になっておりました。
ということでまとめを先に出オチにしてしまいましたが中身を鑑賞鑑賞。
・輪番に関しては公式説明をしたあと積極的な話をするかと思えば全然しないのが高田っちクオリティ
てな訳で『2.経済・物価情勢』はかっ飛ばして『3.最近の金融政策運営』の部分から参ります。このコーナーを最初から引用しますが、
『次に、金融政策運営に対する考えをお話しします。日本銀行は、今年3月の金融政策決定会合で、「物価安定の目標」が持続的・安定的に実現していくことが見通せる状況に至ったと判断し、金融政策の枠組みの見直しを行いました。イールドカーブ・コントロールの枠組みおよびマイナス金利政策といった大規模な金融緩和はその役割を果たしたことから撤廃し、短期金利の操作を主たる政策手段として、「物価安定の目標」のもとで、その持続的・安定的な実現に向けて、経済・物価・金融情勢に応じて適切に金融政策を運営することにしています。』
ってのはまあどうでも良いのですがこの次に輪番の話があって、
『更に、7月の金融政策決定会合で、市場参加者の意見も参考にしつつ、2026年3月までの国債買入れの減額計画を決定しました(図表8)。長期金利は金融市場において形成されることが基本であり、国債買入れは、国債市場の安定に配慮するための柔軟性を確保しつつ、予見可能な形で減額していくことが適切との考え方に基づき、相応の規模となる減額計画を策定したところです。』
とは言ってるんですが、この次がもう腰が砕けるわけでして、
『ただし、日本銀行のバランスシート規模は大きく、今後もかなりの期間にわたってバランスシートの縮小を続けることが予測されるため、現時点では、最終的な国債保有残高やバランスシートをどこまで縮小するのが望ましいかを議論することは難しい点も指摘したいと思います。海外中央銀行が既に保有債券額の削減を進めてきており、こうした事例も参考にしていく必要があります。』
なんすかこのやる気のない説明は、というところでして、いやそもそも論として通常の金融政策運営を行うにあたっては、成長通貨供給に必要な残高+短期金融市場のオペレーションの都合上必要な当座預金残高の底だまり部分以上に長期国債を買う意味は一切存在しないのですから、債券市場とかマネーマーケットとか見てたという触れ込みの人だったら初手はその原則論をぶち上げて、その後に現実論としまして黒田とかいうスカポンタンが日銀当座預金のうんこタワーを積み上げてしまったので、これを一気に崩すとそこら中にうんこが飛び散って悲惨なことになるからそういう訳にはいかなくて、という話をしろよ(うんこタワーとか金懇で言ったら事故だけどwww)という流れで話をするもんだろというところでして、初手でべき論を言わない時点で腰の引け方が半端ないのがよくわかりますね。
・政策金利の調整に関しても腰の引け方が半端ないのだがその前に実質金利論があったので雑感
とまあ輪番減額に対して「ワイが主体的に減額の議論をリードする」とかいうような気概を1ミクロンも感じない残念なコメントの次に政策金利の方の話になるのですが、
『加えて、主な政策手段である短期金利については、0.25%程度への引き上げを決定しました(図表9)。これまで示してきた経済・物価見通しに概ね沿って推移する一方、物価上振れのリスクに注意する必要がある状況を踏まえ、「物価安定の目標」の持続的・安定的な実現との観点から、金融緩和の度合いを調整することが適当と判断しました。』
公式見解通り。
『政策金利を引き上げましたが、金融緩和度合いを評価するうえでは、実質金利と比較する対象となる自然利子率の把握が重要となります。』
『もっとも、自然利子率は、現実の世界で直接観察できるデータではなく、様々な手法で推計した結果をみても大きなばらつきがあり、足もとの水準をピンポイントで把握することは極めて困難です(図表10)。』
自然利子率の把握って金融政策運営の実務的観点から言えばそれ無理って話で、金融政策を実施していく中でその波及状況と、経済への影響を見ながら今の政策が緩和的なのか中立的なのか引き締め的なのかを結果から逆算して判断していく(ので自然利子率の把握に無駄に拘ろうとすると政策が常にビハインドになってしまうリスクがある)しかないですし、インフレ期待がインフレ目標近辺で長期にわたってアンカーされていて、実際のインフレ率もインフレ目標近辺でサイクルをもって回っている、というような一種の定常状態だったら自然利子率が何となく推計できるかもしれないけど、今の日本の場合はインフレ期待を変化させようとしている(もうしちゃってるんじゃないか説もあるがそこらはさておきまして)という政策をしているんですから、そもそも論として自然利子率云々の話を持ち出すのは話がややこしくなるだけだからあんまりこれ言い出さない方が良いと思うのです。
では何で大本営はこういう話をするのかといえば(っていつの間にか高田っちじゃなくて主語が人形遣いになっていますが気にしない気にしない)、以下にありますように、
『ただし、こうした様々な試算結果と比べても、足もとの実質金利は自然利子率を下回っており、政策金利引き上げ後も、緩和的な金融環境はなお継続しているとみています(図表11)。』
結局ですね、大本営が実質金利の話を持ち出しているのって、マイナス金利解除直前から続いている複雑骨折コミュニケーション、すなわち「マイナス金利を解除しても緩和的な金融環境を続けます」⇒「今後見通し達成が進展してきたら利上げを継続します」っていう流れ、これ初手で「緩和的な環境を続けます」を強く言いすぎたのが元凶で、3月は兎も角4月展望で軌道修正しないといけなかったのに、4月展望でさらに緩和アピールを加速させてしまったようなコミュニケーションをしたのがすべての間違いのもとなんですけど、まあこの複雑骨折コミュニケーションの帳尻を合わせに行くため(と政治方面からうっとおしい蠅が飛んでこないようにするため)に「利上げしても緩和的な状態は続いている」アピールをすることになってしまい、そこで実質金利の話を出すことになってしまったので、結果的に中立金利はいくらか、というデギンドス副総裁の頭髪並みの不毛な質疑応答が繰り返され、このような説明が行われることになっているんですよね。
とまあそういう訳ですので、政策調整の過程において実質金利がどうのこうのって話はこれからも説明で使うんでしょうけれども、あくまでも金融政策アクションという結果から後付けして説明している道具に過ぎないのであって、日銀が実質金利の話をしているからと言ってクソ真面目に実質金利あるいは中立金利水準の推計をしようとかいう作業を下々の市場の中の人たちが行うのは、カシュカリ総裁の頭髪並みに不毛な作業になると思うの。まあ目くらましの説明に便利なのはその通りなんで、あくまでも目くらましだと思って使うんだったらそれはそれでアリだと思いますけどね、と身も蓋もない中立金利雑談でした。
・追加の金融政策調整(利上げ)に関しては腰が引けてる引けてる
すいません脱線しました話戻って高田っちの金懇挨拶のこの先に参りますと、
『8月前半に株式・為替相場の大幅な変動が生じその影響が残存するだけに、当面はその動向を注視し影響を見極める必要があります。そのうえで、緩和的な金融環境が続くもと、私自身としては、先行きについても、物価が概ね見通しに沿って推移するもとで、堅調な設備投資や賃上げ、価格転嫁の継続など「前向きな企業行動」の持続性が確認されていけば、その都度、もう一段のギアシフト――金融緩和度合いの更なる調整――を進め、言わば「金利のある世界」にしていくことは必要だと考えています。』
と、一瞬高田っちに自我が芽生えたかとおもってこれはイプセンもニッコリという話になるのですが返す刀で、
『ただし、自然利子率のピンポイントでの把握が困難なもと、「物価安定の目標」実現の時期に向けて一定の中立金利の水準を念頭に政策金利を引き上げていく訳ではなく、十分な時間をかけつつ、その都度、政策金利引き上げの経済・物価・金融情勢への影響を検証しながら対応するというアプローチが現実的ではないかと考えています。』
お、おぅ・・・・・・・・
これね、まあ結局のところ大本営の説明と同じことになるんだけど、大本営理論というか今回の高田っちの説明でも、直前のところで「ただし、こうした様々な試算結果と比べても、足もとの実質金利は自然利子率を下回っており、政策金利引き上げ後も、緩和的な金融環境はなお継続しているとみています」って仰せな訳でして、図表11とかいうのを見ると(PDFバージョンでみてちょんまげ)雑な目の子でみても実質短期金利▲1.7%くらいだし、実質長期(10年)金利は▲0.6%くらいなんですが、図表10の日本の自然利子率、ってのが▲1.0%〜+0.5%のレンジになって居ますから、少なくとも途中までの政策金利調整は高田っちのいう「慎重なアプローチ」をしなくても良い筈だし、逆に慎重にやりすぎて政策がビハインドするリスクがあるから今回利上げしたんじゃなかったっけ、というお話になるわけですな。
ということですので、この高田っちの慎重アプローチ、っての実は大本営理論とは今の金利水準から暫くの間の調整に関しては相性悪いんですよ。高田っちが今の政策金利水準は中立金利にかなり近いところにあって今の政策は実はかなり中立に近い、という認識であれば慎重アプローチで良いんですけど・・・・・・・・・
とまあそういう訳ですので、残念ながら高田っちにおかれましては政策調整に関して及び腰という感じでして、少なくとも利上げについて積極的に主導するということはなさそうだな、というのがアタクシの勝手な結論になるわけですな。まあゆうてなんか明確な理屈をもって慎重派という話でもないので、大本営が政策調整するぞと言えばイエッサーってなるでしょ(あくまでも個人の感想です)というところで。
さらに、
『振り返ると、1970年代の変動相場制への移行後、先進国の金融政策スタンスとそれに対応する景気サイクルは概ね連動していましたが、足もと、内外の景気サイクルは異なります。』
単に日本の政策がクッソビハインドしているだけのような気がしますがそれはさておきまして、
『米欧では利下げに向けた動きが生じていますが、これまでの利上げが急だっただけにその影響が時間を経て生じる場合、わが国の経済を下押しするリスクがあり、同時に、金融政策スタンスの違いから金融市場に変動が生じる可能性もあるだけに、当面は内外の動向を慎重に見守る必要があります。』
と金融政策運営のコーナーをこのように締めておりまして、フォワードルッキングに政策を運営して行きましょう、というスタンスは残念ながら感じられず、言ってることが全部リアクティブというのが誠に残念無念といったところですが、何でこんなにチキンちゃんなんでしょ高田っちは・・・・・・・
・おじいちゃん満州の話はさっきもしたでしょ
ちなみに次のコーナーの小見出しが『4.バブル崩壊からの「過去・現在・未来」』となっていて、過去の金懇で毎回この話題をしておりまして、いやまあ確かに金懇は毎回別会場でやるから聞いてる人は別なんで同じ話をしちゃあいかんという法は無いので別に良いんですけど、さすがに毎回この話を読まされますと読んでる方としてははいはいおじいちゃん満州のお話はさっきもしたでしょお昼ごはんの時間ですよって申し訳ないがなってしまいますな。
なお、その話の中で思いっきり、
『私としては、ノルムの転換には1つの世代を形成する10年単位の時間が必要な可能性を踏まえると、日本銀行が長年にわたって粘り強い緩和姿勢を続け、資産価格の改善や極端な円高からの反転を支えたことが、バブル崩壊からの歴史的な変化となるノルム転換の変曲点を迎える「下地」となったと捉えています。』
ということで、異次元緩和を思いっきり肯定しているので(ノ∀`)アチャーって感じで読んでおりましたが、全体のお話自体はいつもの奴なので割愛します。
あと、最後のところに長期国債買入の話があるのですが、お前は何を言ってるんだという話ではあるのですが時間も無くなりましたし、どうせ主体的に減らそうという話ではない(読めばわかりますが無茶苦茶腰が引けている)ので引用割愛します。
とまあそういうことで。