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2026/03/03
お題「イラン攻撃を受けた市場クリップ/氷見野副総裁和歌山金懇挨拶(その1)」
そういや先週末こんなのがあったんでしたな
https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2026-02-27/TB3UR0KJH6V900
諮問会議の民間議員がインフレ予想低下を警戒、日銀に適切対応求める
Sumio Ito
2026年2月27日 at 17:35 JST
『前日銀副総裁の若田部昌澄早大教授が足元の物価動向について「総合、いわゆる欧米型コアともに2%を下回っており、サービスも弱め」と指摘。』(上記URL先より)
>欧米型コアともに2%を下回っており、サービスも弱め
>欧米型コアともに2%を下回っており、サービスも弱め
>欧米型コアともに2%を下回っており、サービスも弱め
https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/zenkoku.pdf
2020年基準 消 費 者 物価指数
全 国 2026年(令和8年)
『(3) 生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数は111.4
前年同月比は2.6%の上昇 前月比(季節調整値)は0.1%の上昇』
https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/kubu.pdf
2020年基準 消 費 者 物 価 指 数
東京都区部 2026年(令和8年)2月分(中旬速報値)
『(3) 生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数は110.6
前年同月比は2.5%の上昇 前月比(季節調整値)は0.3%の上昇』
しかもCPIの伸び率弱まっているのってガソリン暫定税率とか補助金の影響だし一般サービスは強いんだがこの馬じゃなかった若田部とかいう輩は何見て物喋ってるんですかねえ・・・・
〇とりあえず全般的に金利が低下している中ですが短国は3Mカレントまで引け変わらずなのがチャーミングというメモ
ロイターさんによる昨日の債券市場レビュー
https://jp.reuters.com/markets/japan/WB2YEYTFOVIFNASWAAG3TXT62I-2026-03-02/
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は続伸、長期金利2.06% 中東情勢緊迫化で買い
ロイター編集
2026年3月2日午後 3:32 GMT+9
『[東京 2日 ロイター] - <15:18> 国債先物は続伸、長期金利2.06% 中東情勢緊迫化で買い
国債先物中心限月3月限は前営業日比44銭高の133円24銭と続伸して取引を終えた。中東情勢緊迫化を背景にリスク回避ムードが強まり、円債は買いが優勢となった。新発10年国債利回り(長期金利)は同5.0bp低下の2.060%。』(上記URL先より、以下同様)
ということでまあ順当に全体的に金利が低下していました次第で、
『現物市場で新発債利回りは総じて低下。2年債は同3.0bp低下の1.215%、5年債は同4.5bp低下の1.530%。20年債は同4.5bp低下の2.880%。30年債は同5.5bp低下の3.280%。40年債は同4.0bp低下の3.520%。』
ってことなのですが、ただまあ一方で資源高ショックって事になりますと、これはウクライナ侵攻の時と同じパターンで、その価格上昇が持続的に効いてくるってことになると、単純にコストプッシュだから放置していて良いという事にはならない、というのを先般のインフレ高進局面で欧米の中銀は学習しているので、欧米の金利ってそんなにホイホイと下がるのかいなというのもこれありではあるのですが、初期反応はリスクオフだ金利低下だ〜となるのはそらそうよという話ですので、
『 OFFER BID 前日比
2年 1.214 1.221 -0.022 15:02
5年 1.526 1.536 -0.041 15:04
10年 2.057 2.064 -0.051 15:15
20年 2.876 2.887 -0.034 15:15
30年 3.275 3.29 -0.041 15:15
40年 3.503 3.517 -0.035 15:08』
ということで全般お強くしておられるのですが、ここで味わいがあったのが短国ちゃんでして、
(3/2引値)
国庫短期証券1356 2026/04/20 平均値単利 0.705
国庫短期証券1358 2026/04/27 平均値単利 0.705
国庫短期証券1359 2026/05/07 平均値単利 0.760
国庫短期証券1342 2026/05/11 平均値単利 0.760
国庫短期証券1360 2026/05/11 平均値単利 0.720
国庫短期証券1362 2026/05/18 平均値単利 0.764
国庫短期証券1307 2026/05/20 平均値単利 0.770
国庫短期証券1364 2026/05/25 平均値単利 0.770
国庫短期証券1365 2026/06/01 平均値単利 0.760←新発3MI
国庫短期証券1366 2026/06/08 平均値単利 0.770←今週金曜入札の新発WI
(2/27引値)
国庫短期証券1356 2026/04/20 平均値単利 0.705
国庫短期証券1358 2026/04/27 平均値単利 0.705
国庫短期証券1359 2026/05/07 平均値単利 0.760
国庫短期証券1342 2026/05/11 平均値単利 0.760
国庫短期証券1360 2026/05/11 平均値単利 0.720
国庫短期証券1362 2026/05/18 平均値単利 0.730
国庫短期証券1307 2026/05/20 平均値単利 0.770
国庫短期証券1364 2026/05/25 平均値単利 0.770
国庫短期証券1365 2026/06/01 平均値単利 0.760←新発3MI
国庫短期証券1366 2026/06/08 平均値単利 0.769←今週金曜入札の新発WI
まあここまで並べることは無いのですが(笑)、3Mまでのところの引値は(一部の変態銘柄の修正は別にして)引けカワランチ会長という結果になっておりまして、4月末を跨いだ所で引値が段差持って甘くなっているでござるの巻、という4月会合利上げモードが継続しておりまして、ついでに申し上げますと3Mカレントゾーンから後ろに行きますと引けが1毛強とかそういう感じで強くなっている、という形になっていまして、長期債市場の盛大な金利低下に対してこの推移は中々味わいがあると思いました。
だからどうしたと言われると困るのですが、氷見野さんの金懇挨拶でも地均しはしていないけど別に利上げを先送りする感じもしないですし、円債はこんな感じですがグローバルの債券市場ちゃんって・・・・
https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2026-03-02/TBACMIT96OSK00
米国債売り加速、中東情勢受けた原油高でインフレ懸念−ドル上昇
・米ISM製造業で仕入れ価格指数が急上昇したことも国債相場の重しに
・S&P500種とナスダック総合はプラス圏に浮上、ドル一時157円75銭
Rita Nazareth
2026年3月3日 at 4:04 JST
『2日の米金融市場では、中東での紛争激化を受けて原油価格が大幅に上昇。インフレ再加速への懸念から、国債相場は急落(利回り上昇)している。市場では米利下げ観測が後退し、ドルが買われた。
米国債相場は全ての年限で下落。この日発表された米ISM製造業総合景況指数が2カ月連続で拡大圏となったことや、仕入れ価格が2022年以来の高水準に急上昇したことも国債相場への重しとなった。
国債 直近値 前営業日比(bp) (「変化率」表示は無意味なので引用割愛)
米30年債利回り 4.70% 8.8
米10年債利回り 4.05% 11.2
米2年債利回り 3.49% 11.7
米東部時間 13時58分』(上記URL先より)
とか、
https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2026-03-02/TBAAPEKJH6V500
【欧州市況】株は11月以来の大幅安、国債下落−利下げ観測が後退
Levin Stamm
2026年3月3日 at 4:39 JST
『欧州債は下落。トレーダーの間では利下げ観測が後退した。エネルギーの供給ショックで物価が上昇し、インフレを招くとの見方が広がった。
償還期限が短めの英国、イタリア債が下げを主導した格好となった。エネルギー価格の上昇に伴い、中央銀行の金融政策は難しいかじ取りが求められるとの懸念が背景にある。また、償還期限が長めの国債は、政府が支出拡大を余儀なくされることで、圧迫されるリスクを抱えている。
欧州中央銀行(ECB)が年内に利下げするとの見方は、ほぼ完全に消えた。先週末時点では可能性はおよそ五分五分とみられていた。』(上記URL先より)
ってな中で円債だけホイホイと金利低下できるもんなのかねという気はせんでもないというか、インフレがコストプッシュだから緩和継続ガーって言ってたら物価もさることながら円安を助長せんかしらという懸念しか出てこないでござるの巻になるんだが、とは思いますがどうなるやら。
というかですね、先週に発生していた「諮問会議の民間議員がインフレ予想低下を警戒、日銀に適切対応求める」(さっきのBBGのヘッドラインより)っていう事案がとんでもないフラグになっているのが笑うに笑えません・・・・・・
〇氷見野副総裁の和歌山金懇はテキストが中々面白かったが早期利上げ地均しではありませんわな
https://www.boj.or.jp/about/press/koen_2026/data/ko260302a1.pdf
最近の金融経済情勢と金融政策運営
── 和歌山県金融経済懇談会における挨拶 ──
日本銀行副総裁 氷見野 良三
・参考文献の最初と最後がクソワロタ(褒めてる)
今回の金懇挨拶、図表の曼陀羅図があまりにもインパクトがあるのですが、脚注の並びもインパクトがありまして・・・
1 空海『御請来目録』806 年
・・・・
7 詳しくは、氷見野良三『易経入門 孔子がギリシア悲劇を読んだら』文春新書、2011年、をご覧ください。
8 吉川幸次郎『古典について』講談社学術文庫、2021 年
9 狩野直喜「山井鼎と七経孟子考文補遺」(『支那学文藪』みすず書房、1973 年、所収)。文語調の表現を口語調に改めました。
って脚注7が特にビビりましたが、氷見野さんってマイヨールの評伝書いているのは存じ上げてましたが、何ですかこの脚注7の書籍は(褒めてる)って話でこれはビビるしか無いじゃないですかヤダーってなもんでございました(^^)。
・曼陀羅図はなんの判じ物かという話はあるのですがワシは「物事は単純に割り切れるものではない」という意味かと思いました
でまあ今回の金懇挨拶、初手からこの説明がおっぱじまるわけでして、『1.はじめに』の部分が、
『みなさま、本日はお忙しい中ありがとうございます。日ごろから日本銀行にご支援・ご協力を賜り、感謝申し上げます。』
からの『(マクロ経済の見取り図)』でして・・・・・
『本日は、まず、日本の経済と物価について、次いで金融政策の運営について、考えを述べさせていただきたいと思いますが、なにぶん、経済も物価も金融政策もいろいろな論点がありますので、どの話がどこにどうつながって、全体の中でどういう意味を持つのか、見えにくいかと思いまして、全体を一覧する見取り図のようなものを用意してまいりました(図表1)。』
でもって図表1が『マクロ経済の見取り図』ってことで驚異の曼陀羅図が登場するのですな。
『ちょっと曼荼羅みたいに見えるかもしれませんが、弘法大師もはじめて曼荼羅を日本に持ち帰られた際に、「なかなか文章には載せきれないことがらも、図画で示すと一目でわかる」といった趣旨のことをおっしゃっています1。』
でもってこの脚注がまさかの「空海『御請来目録』806 年」だったりします。
『今回は高野山にもお邪魔させていただく予定ですが、一種のオマージュとしてお許しいただけるのではなかろうかと希望的な観測を抱いております。』
お、おぅ・・・・・
『なお、中身はマクロ経済学の標準的なモデル「動学的総需要・総供給モデル」の骨格をなす5つの方程式を絵にしたものです2。』
ほうほう。
『内生変数を円状に並べ、外生変数のうち比較的恒常的なものをその内側に、一時的な色彩が強いものを外側に配置してあります。』
な、なるほど。
『また、矢印もいっぱい引いてありますが、変数の間の関係について、方程式で足し算になっているところを黒矢印で、引き算になっているところを白矢印で示してあります。』
改めて図表1を読むとなるほどなるほどと思うのだがこれはまた複雑な、ってなもんですが、この先の説明も含めて鑑賞しますと、経済の動きってのはそう簡単に単純化するもんでもない、っていう話をしているのかなあとアタクシは勝手に理解しましたが、氷見野さんの真意と違っていたらアタクシの浅学菲才を謝罪するしかないんですが、まあその浅学菲才のワイが思ったのは、この氷見野さんの曼陀羅図連発攻撃なんですけど・・・・・・・
https://www.boj.or.jp/about/press/koen_2013/data/ko130828a2.pdf
「量的・質的金融緩和」のトランスミッション・メカニズム
ー 「第一の矢」の考え方 ー
こちらは図表シリーズになりますが、6ページ目の図表(PDFの7枚目)に「「量的・質的金融緩和」の波及経路」ってのがありまして、風が吹けば桶屋が儲かる置物フローチャートとして名高い波及経路でして、まあこの波及経路が全然ワークしなかったことでも著名ではあるのですが、置物リフレ理論にしましても、最近の馬もとい若田部大先生などの高圧経済万歳理論とか、審議委員絶賛ノミネート中の浅田先生のMMTとか、まあ兎に角経済を直線的な単純化をして説明して「こうやれば世の中バラ色」という説明をすることによってリテラシーの低い馬鹿政治家や愚民の皆様大喜び、という流れが続いている訳ですな。
とまあそんな現状を踏まえまして、氷見野さん今回はこの曼陀羅図で説明(曼陀羅図見ただけでは何が何だかなのですが、説明文章を読むと何となくイメージが掴めそうになってくるというまさに弘法大師もビックリの内容になっている)しているのって、インチキ連中の「風が吹けば桶屋が儲かる」的な物事の単純化によるインチキ説明に対するアンチテーゼの意味も込めてこういう説明をしているのかな、とか思ったりはしましたが、あくまでもこれはアタクシの浅学菲才がもたらす勝手解釈なので、氷見野さんの意図と全然違っていたらゴメンナサイとしか申し上げようがありません。
・説明は全体として流れるように繋がっているので紹介しだすと全編を読んでいくことになるのだがそこを無理矢理現世利益にしますと・・・・
ということでですね、今回の氷見野さんの説明って全体がこの曼陀羅図を流れるように説明しているので、途中だけ切り取ってネタにしにくいのでして(というのはアタクシの読み込みが足りないから、という説はあるのですが・・・)、とりあえず目先の金融政策に関する部分だけ無理やり読み取ろうとすると、『4.当面の金融政策運営』の部分を拾いながら読むことになります。なお全編に関しては会見も含めて明日に続くで勘弁してつかあさい(滝汗)。
・金融政策の説明の初手でしらっとぶちかましているんですよね
でもってその初手の部分がいきなりこれでありまして、
『さて、日本銀行の仕事の一つは、経済が過熱して物価に上昇圧力がかかれば金融を引き締め、経済が沈滞して物価が下押しされれば金融を緩和することです。それによって、過度のインフレにもデフレにもならないよう物価を安定させ、経済を息の長い成長軌道に乗せることを目指すわけです。』
全くその通りですな。
『日本銀行法の第2条には、「日本銀行は、通貨及び金融の調節を行うに当たっては、物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資することをもって、その理念とする」とありますが、これはそのような意味だろうと理解しております。』
ということで日本銀行法第二条をぶっこんでいるのが非常に味わいが深くて、日本銀行法第4条の政府との連携の話ばっかり持ち出す一派に対して静かなる大砲撃をしていますし、物価が高止まるのも怪しからん(なお物価の話の部分が前の方にあるのでそれはそれで明日以降)ということで、国民厚生の観点と、経済のスムージングという話を最初に持って来ているのは、氷見野さんにそういう意図があるかどうかはさておいても、大変に結構なぶちかましになっているのでありました。
でもって(政策金利)ってところですが、
『では、以上のような一般論を今の日本の状況に当てはめると、どういう結果になるでしょうか。』
今朝は時間と量の関係上一般論部分をワープするという暴挙に出ますが、実際にはこの「一般論」部分が結構大事な説明になっているのでお時間のある方はその一般論部分を目ん玉おっびろげて読むべし、であります。いずれ拙駄文でもご紹介する所存ですが。
『まず、先ほど申し上げた「インフレギャップはまだ若干のマイナスだが、今後ゼロ近傍に近づいていく」という見通しからすれば、ある程度緩和的なスタンスから出発して、政策金利のゆるやかな引き上げを通じて、だんだん中立に近づけていく、ということになると思います。』
>だんだん中立に近づけていく
>だんだん中立に近づけていく
>だんだん中立に近づけていく
まあ当然なのですがちゃんと言及しますね。
『GDPギャップについても、私どもの見通しでは、足もとのゼロ近傍から今後はプラス幅を徐々に拡大していくと想定していますので、政策金利を緩やかに引き上げていく方向に働くことになりそうです。』
ほうほう。「なりそうです」とは、って感じですがその次で、
『しかし、すでに申し上げた通り、GDPギャップをめぐっては異なる見方もあります。』
これまた前段を見る必要がありますので何ですが(汗)
『供給能力不足の状況からすればGDPギャップの実態は推計値よりも高いはずだ、という見方(前出図表5青線)に立てば、もっと利上げを急ぐべきだ、ということになりそうですし、経済はまだ強くない、という実感のほう(前出図表5緑線)に立つとすれば、そんなに急がなくても、ということになるかもしれません。』
おーーーーなるほど納得感のある説明。
『日本銀行は昨年 12 月に政策金利を 0.5%から 0.75%に引き上げましたが、これについては、遅すぎた、というご批判も、早すぎる、というご批判もいただいているところです。このように見方が分かれる背景には、今申し上げたような事情も働いているのではないかと思います。』
今の説明を受ければそういう話になりますな、なるほどなるほど。
『さて、GDPギャップとインフレギャップとを見て、例えば金融政策は若干緩和的にすることが適当だと判断したとして、では具体的には政策金利を何パーセントにしたらいいのでしょうか。』
ってことで、
『曼荼羅では、「自然利子率」と「予想インフレ率」のところから「政策金利」に矢印が向かっています。自然利子率というのは景気に中立的で経済を加速も減速もさせない実質金利の水準のことで、これに予想インフレ率を足すと、景気に中立的な名目金利の水準になります。政策金利をこれより若干低めにしておけば、金融政策は若干緩和的になることになります。こうしたやり方で政策金利を定めておけば、政策金利から左方向に向かって計算していくと、ちょうど頃合いの「金融環境」になるだろう、というわけです。』
という話になるのですが、そこで中立金利(あるいは自然利子率)が幾らか、という話の数値の精緻化方向に行くのではなくて、数値を知るには経済現象から後付けでみていくしかないですよね、という話にしておりまして、その説明の部分のまとめ部分で、
『以上からすれば、利上げによる影響はこれまでのところ限定的であり、金融環境は依然緩和的な領域にあるのではないかというふうに見えます。ただ、影響が数字に出てくるのは必ず遅れます。本日は、みなさまの肌感覚としてどうか、というお話をぜひお聞きしたいと思っております。』
ってことを説明していまして、今回は「方向性として利上げなのはまず間違いないけどそれ以上の踏み込みは全然していない」という事に成ろうかと思います。
・説明の最後の一個手前の部分でこんな説明をしているのが痺れました(これまた褒めてる)
『(循環の全体像で考える)』ってのが最後の部分の1個手前にあるのですけどこれが大変に宜しいので読んで味噌ということで拝読しますが、
『さて、以上で経済・物価・金融の循環の全体像の図式的な整理を一通りご覧いただきましたが、どのようにお感じになったでしょうか。もう少し単純明快に整理できないのか、と思われた方もおありではなかったかと思います。』
この辺りがアタクシ先ほど申し上げた曼陀羅図を持ち出したアタクシの勝手解釈に繋がるんですけどね。
『ただ、いろいろな要素が影響しあいながら、循環し、変化していく姿を全体像として把握すること7には、三つぐらいのメリットがあると思います。』
しれっとここに『7 詳しくは、氷見野良三『易経入門 孔子がギリシア悲劇を読んだら』文春新書、2011年、をご覧ください』があるのがチャーミング。
『第一に、経済の状況について評価する際に、特定の指標の動きだけで判断するのではなく、循環の中の様々な兆候を総合して、全体としていったい何が起きているのかを考えることができるようになります。例えば、全体のシナリオのどこにほころびの兆しが出ても、それに気づきやすいだろうと思います。』
これは結果的にリフレ連中への見事な精密爆撃になっておりますが、特定指標でギャースカ言う市場のワシらにもきちんと着弾しているという話がありますな(滝汗)。
『第二に、ショックや政策の直接的な影響だけではなく、様々な間接的な経路を通じた副作用やフィードバックにも注意しやすくなるのではないかと思います。』
然り。
『第三に、それぞれの指標には誤差もあれば推計の幅もあります。特殊要因による一時的な動きもあれば、大きな変化の兆しもあります。指標相互の関係や、全体の中での動きを評価することにより、指標のより的確な読み方ができるようになるのではないかと思います。』
おおおおおおおお。でもって最後にパウちゃんの言葉を入れています。
『FRBのパウエル議長は、「入ってくるデータの全体像に基づいて」政策を判断する、としばしば強調していますが、今申し上げたような趣旨も含まれているのではないかなと勝手に想像しています。』
ってな訳で、今回の金懇挨拶もネタにするのが中々大変(全体が繋がっているので)なのですが、とりあえずアタクシが最も印象を受けた(いやまあ全体として印象強いのでどこが、と切り取るのも難しいのですが)部分をネタにしてみた次第でありまする。
会見含めて続きは明日で勘弁。
2026/03/02
お題「3M入札は4月利上げモードも付利上金利は買い来るのかね/高田さんの会見は「腰が引けた」感が満艦飾で寧ろハト派かとwww」
あーあ
https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2026-02-28/TB6DOMT96OSG00
トランプ氏「最大のばくち」、イラン攻撃は支持率回復シナリオの第1幕
Neil Munshi、Peter Martin
2026年3月1日 at 3:05 JST
・オマーンが交渉進展を報告、国民の大半が戦争に反対する中での攻撃
・国民の関心をそらす目的なら、最終的には非常に悪い結果に−専門家
『米国の大統領は国内での支持が落ちるとイラン攻撃に頼るという見方は、トランプ氏自身がかつて繰り返していたものだ。同氏は2011年、「オバマ大統領は再選のためにイラン戦争を始めるだろう」などと投稿。2013年にも同様の投稿を繰り返していた。』(上記URL先より)
支持率挽回のためにおっぱじめた、のではないと思いたいのですが・・・・・
〇なんかまた飛んでも無いものをおっぱじめやがりましたなorzorz
という訳で
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC012M40R00C26A3000000/
ホルムズ海峡、事実上封鎖 イラン海軍が商船三井に航行禁止を通告
米・イスラエルがイラン攻撃
2026年3月1日 22:06
(2026年3月1日 23:22更新)
[会員限定記事]
『商船三井は1日、イラン海軍からエネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡の航行禁止を通告されたことを明らかにした。米国とイスラエルによるイランへの攻撃を受け、同国周辺は混乱が続いている。同海峡が事実上封鎖されたことで、世界のエネルギー輸送にも影響が出る可能性がある。』(上記URL先より、以下会員記事)
ってことになっておりまして、これ経済にマイナスではあるのだがコストプッシュ要因にもなりそうですし、どうするんでしょというか、だからとっとと1.5%くらいまで利上げしておけば良かったのにという話ではありますが、今後の進展次第なので何ともではありますけど、ベネズエラみたいに都合よく進むとは思えんのだがなあ・・・・・・
https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2026-03-01/TB8J76KJH6V400
ドル急伸、アジア時間早朝は逃避活発−対円は156円付近ほぼ変わらず
Matthew Burgess
2026年3月2日 at 4:34 JST
だそうですがアジア他通貨対比で円が堅調とはまだまだ日本も逃避先扱いされているんですかねえ、知らんけど。
まあいずれにしましても今後の動向次第としか言いようが無いですがメモっておきました。
〇3M短国は4月利上げモードではありました(がイラン戦争おっぱじまったのでこの先は知らん)
https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20260227.htm
国庫短期証券(第1365回)の入札結果
『本日実施した国庫短期証券(第1365回)の価格競争入札及び国債市場特別参加者・第T非価格競争入札について、下記のように募入の決定を行いました。
記
1.名称及び記号 国庫短期証券(第1365回)
2.発行根拠法律及びその条項
財政法(昭和22年法律第34号)第7条第1項、財政融資資金法(昭和26年法律第100号)第9条第1項並びに特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第83条第1項、第94条第2項、同条第4項、第95条第1項、第123条の18第1項、第136条第1項及び第137条第1項
3.発行日 令和8年3月2日
4.償還期限 令和8年6月1日
5.価格競争入札について
(1)応募額 10兆6,841億円
(2)募入決定額 3兆6,697億5,000万円
(3)募入最低価格 99円80銭5厘0毛
(募入最高利回り) (0.7836%)
(4)募入最低価格における案分比率 4.5253%
(5)募入平均価格 99円80銭8厘0毛
(募入平均利回り) (0.7715%)』
先週が0.7573%/0.7781%でしたので明確に金利上昇、と言いましても今回は(前回債まで低調だった)応札が10兆円台を回復していまして、それなりに札もありましたわってな結果だったこともあるのか、
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html
売買参考統計値
(2/27引値)
国庫短期証券1356 2026/04/20 平均値単利 0.705
国庫短期証券1358 2026/04/27 平均値単利 0.705
国庫短期証券1359 2026/05/07 平均値単利 0.760
国庫短期証券1342 2026/05/11 平均値単利 0.760
国庫短期証券1360 2026/05/11 平均値単利 0.720
国庫短期証券1362 2026/05/18 平均値単利 0.730
国庫短期証券1307 2026/05/20 平均値単利 0.770
国庫短期証券1364 2026/05/25 平均値単利 0.770
国庫短期証券1365 2026/06/01 平均値単利 0.760←新発3MI
国庫短期証券1366 2026/06/08 平均値単利 0.769←今週金曜入札の新発WI
(2/26引値)
国庫短期証券1356 2026/04/20 平均値単利 0.705
国庫短期証券1358 2026/04/27 平均値単利 0.705
国庫短期証券1359 2026/05/07 平均値単利 0.760
国庫短期証券1342 2026/05/11 平均値単利 0.760
国庫短期証券1360 2026/05/11 平均値単利 0.725
国庫短期証券1362 2026/05/18 平均値単利 0.769
国庫短期証券1307 2026/05/20 平均値単利 0.770
国庫短期証券1364 2026/05/25 平均値単利 0.770←カレント3MTDB
国庫短期証券1365 2026/06/01 平均値単利 0.780←2/27入札新発3MのWI
ということで5月足の一部の銘柄が周囲対比で変態引値になっていますが、新発3Mの引値しれっと0.760%と強くなっていまして、まあなんのかんの言っても明確に付利越えレートになってくると買う向きがあって4月利上げ織り込みモードになっても結局はそんなにカーブが立たないのね、とは思ってしまいましたが、そもそも論として米国のイラン攻撃という新展開になったのでこの先どうなるのかは良くわからんところではあります。トラ公の思惑通りに早期解決するなら途中ですったもんだしても結局は元に戻るとは思いますが思惑通りに行くのかとなると激しく不透明・・・・・・・
〇高田審議委員金懇会見は(材料視されなかったけど)なんか全然タカ派じゃないんですが・・・・・
https://www.boj.or.jp/about/press/kaiken_2026/kk260227a.pdf
高田審議委員記者会見
――2026年2月26日(木)午後2時から約35分
於 京都市
・長期国債買入に関しては超及び腰でビビリンチョ(まあハト派って奴です)であるというのが確認できました
質疑としては中盤になりますが、
『(問)午前中の講演で国債市場のところについて結構分量を割かれていまして、その点についてお伺いしたいんですけれども、減額についてはゆっくり時間をかけてやっていってもいいんじゃないかという趣旨のお話があったと思うんですが、これはおっしゃるように今年の
6 月にも中間評価というのはありますけど、別に何か急いで減額をする必要はないんじゃないかというお考えをお持ちという理解でよろしいのかどうかということと、』
急がなくて良い、なのか(個人的には今のペースじゃ遅過ぎて話にならんと思いますがそれはさておき)一段と様子見地蔵なのか、ってのは気になりますわな。
『あともう一点、例外的な状況では、柔軟に対応ということなんですけれども、この文章を細かいところまで書かれてることを見ると、どちらかというと柔軟に対応していく必要性というのを、何か重きをおかれていらっしゃるのかなっていう印象を持つんですけど、そういった点どういうふうにお考えになっているんでしょうか。』
ということで、この例外的な状況云々のところはあんまりネタにしませんでしたが、まあそういう印象を与えるような感じでしたし、ヘッドラインでもそんな感じで出ていたな、とは思われる所でしたのでこの二点の回答は気になる訳ですが、
『(答)国債の減額のところについて、もう既に始められておりますので、その流れの中でということだと思います。』
蒟蒻問答チックだがペースはこのままってことかしら、うーむ。
『それから、6 月にまた中間評価をということになるのですけれども、別にその前に何とかとかいうことよりも、今日申し上げたのは、あくまでも一般論的なところということかと思います。』
一般論の割にはちょっと及び腰にみえましたけどねえ。
『ですから、もちろんYCCも止めてるわけでありますし、自由なもしくは市場機能にということではありますけれども、やはりその変動具合によっては先ほども申し上げたリスク・プレミアムが上がり過ぎてしまうと、そうなると逆に市場機能が歪んでしまったりとか、市場機能が不全になってしまうリスクというのは、私もこの
40 年間債券市場を見ておりますと、やっぱり局面局面によっては起こることもある。ですから、そういう意味からすると、ある程度時間をかけながら、丁寧に対応していくというのはやっぱり必要なんだろうなというのが、前半部分のところであります。』
でまあこの説明を見ますとやはり及び腰っぽくて、まあ気持ちは分かるんですけど、ワイ的には金曜日も申し上げましたように、ここから先は利上げ遅れについても問題なのですが、さらに大きな「財政ファイナンス懸念の浮上」について考えた場合に「市場配慮で買入を維持」みたいなものの言い方をするのは、その財政ファイナンス懸念を助長することになり兼ねない地雷説明だと思っていますので、ここについては(高田さんってずっとこのスタンスで一貫しているからその意味では高田さんとしては順当な説明であったとしても)状況の変化に対応してもうちょっと「原則論」に寄せた説明をしてほしいなと思います、っての金懇挨拶本編でもネタにしましたが、会見でのこの説明を見ますと更にそのイメージを強くしてしまいますな、と思いました。
でもって後半部分。
『それから、それと関連する部分もあるのですが、後半部分でご指摘頂いた例外的な状況というのでしょうか、そういうリスク・プレミアムが過度に上がってしまうような状況、そういったときには、やはりある程度オペも含めた、そういう思案に入れるというか、そういうメニューもある程度念頭に置きながら対応していくというのは、こういう局面においては、一つ重要な点ではないかと。』
重要な点、って言ってますのでこれは高田さんをそれこそ金融市場局担当理事に据えると金利上昇時にビビリンチョしそうな、ってな感じが思いっきり漂ってくる説明になっています。
でもってさらに、
『それをすぐにどうするかということは別にしても、少なくともそういうメニューというものが存在するということを念頭に置いて考えていくということは、私は重要じゃないかなと思ってますので、』
追い打ちの如くこれですので、ビビリンチョしそうなのがまあよくわかります。
『そのための様々な手段というのはいくつかございますけれども、そういうものをある程度念頭に置きながら、そんなかたちで私自身も考えているということであります。』
ということで、高田さんの説明は「例外的な状況」に関して柔軟と言うかビビリンチョと言うかな訳で、この辺は大本営参謀が何考えているかという方が重要ではあると思いますが、利上げにはタカでも債券市場に対しては配慮という名のビビリンチョをかましているのが残念というか、まあそういうスタンスでありますので、金懇挨拶における長期国債買入減額に関わる説明が及び腰にも程があるわと思ったのは会見のこの説明で裏が取れましたな、ってな感じです。
・長期金利に関するコメントがハト派だわ政治忖度だわ
この質疑よりも前の方にあったんですけどね、
『(問)(前半割愛)二点目は最近の長期金利の動きで、ご講演でも少し触れられているんですが、この長期金利の上昇の背景の一つに、政権の財政政策への不安、あと日銀の利上げが遅いためにインフレが高進するのではという、そういった構造的な要因、需給だけでない日本の経済政策に対する懸念っていうのを反映しているということも言えるかと思うんですけれども、こうした財政に対する不安、これが長期金利の動きを不安定にするリスクっていうのはどのようにお考えでしょうか。債券市場に精通していらっしゃる高田委員の考えを是非伺いたいと思います。』
ビハインドと財政の両方の懸念に対しての質問ですが、クソ長い時点でだいたいお察しなんですけど、
『(答)(前半割愛)それから二番目の長期金利のところなのですけれども、今日の講演のところでも申し上げたのですけれども、長期金利のいろいろな決定要因というのでしょうか、これにはいろいろなファクターがあると思っています。』
だいたい質問に対する回答の前に枕詞を置いている時点で「とりあえず尺を稼いで無難な回答をどうしようか考えている」というモードであることが多い訳でして(笑)、
『一つは、日本銀行が決める政策金利みたいな部分もありますし、それからある程度長短金利差を中心としてリスク・プレミアムというのでしょうか、そういうようなファクターというものもあると思いますので、特に後者のリスク・プレミアムというような部分については、様々な要因が絡んでくるのは確かです。』
ちなみにですね、先ほど申し上げた通りでさっきの長期国債買入に対しての質疑はこの質疑の先の方にあったのですが、リスクプレミアムってのがさっきの質疑であったのを踏まえますと、高田さん結構金利急騰時にビビリンチョしそうだな、というのが分かるのですが、ただ「財政リスクプレミアム」に対応して日銀が国債買入を拡大してしまいますと、それはまさに財政ファイナンスって言われてしまうんじゃないですかねえ、とは思ってしまうので長期国債買入に関する高田さんの説明には財政ファイナンス懸念に対する部分がちょっと危ないんじゃないかなとは思った次第なのです。
それはさておきまして続きに参りますと、
『そういう中で、市場の方々がいろいろなところを気にされるというところで、これはもう市場参加者の意識によっても随分変わってくるということだろうと思います。もちろん需給という部分もあるでしょうし、またその需給というのはこれからのいろいろな政策というのでしょうか、発行とか、償還であったりとかいう部分もあるでしょうし、また市場の中での債券に対するニーズみたいなものもあるだろうと思いますから、そういうものをやっぱりよくよく見ていきたい。またそれは変化の要因でもございますから、そこはよく見ていきたいというふうに思っています。』
ということで、需給の話を思いっきりしていますし、金曜にネタにした通りで実質的なネット発行額というのをエライ気にしているので、まあこれは国債買入の縮小にはハトオブハトだなと思いました。
とまあこれだけ散々説明して最後に財政が出てきますが、
『財政ということでありますと、これはもう政府、それから国会でのということとなりますから、われわれの方としては、そこのところについて、今申し上げられる状況でもないということではありますけれども、』
いやいやいや、政府との共同声明を出していて、そこに思いっきり「また、政府は、日本銀行との連携強化にあたり、財政運営に対する信認を確保する観点から、持続可能な財政構造を確立するための取組を着実に推進する。」(2013/1/22デフレ脱却と持続的な経済成長の実現のための政府・日本銀行の政策連携について)ってあるんだから、そもそも「われわれの方では申し上げられる状況でもない」って言ってるのおかしいだろって話なんですが、
『ただ一般論として申し上げれば、そうしたところが不安定要因になるものもあるわけでありますから、そこのところに対して一定の安定を保ったような状況というものを重視していきたいなというふうに思っているということでございます。』
「持続可能な財政構造を確立するための取り組み」ってのは共同声明に謳っているんだから当然日銀サイドが発言して然るべきなんですが、そもそもこの高田さんの説明には「財政」という言葉が説明部分の中に一切ない、という辺りがもうお察しの忖度というかビビリンチョな訳で、まあ利上げに関して威勢の良い事を言ってるけど結局ビビリンチョなのは変わらんな、とは思いました。
・でもって肝心の利上げも威勢の良さは会見ではあまり見受けられないんですよね
実質冒頭の質問から(最初のは幹事社によるご当地質問を兼ねた「本日の感想」です)
『(問)私から、利上げに関して二点ほどお伺いしたいんですけれども、午前中の講演では、高田さん、物価目標は概ね達成しているとして、今後も段階的にギアシフトを行っていく途上にあるというご指摘をされています。段階的にということは、これはやはり次の
1%で終わりではなくて、更なる利上げも視野に入れているということかなと理解するんですけれども、現時点で考えられている、適切な利上げペースあるいはターミナルレート、こういったものをどういうふうに考えているかというのを伺えますでしょうか。』
そら聞くわな。
『市場では 4 月までで 1 回、年内 2 回の利上げという見方が多いと思いますけれども、もう少し早いペースでの利上げも必要になると想定していらっしゃるのかどうか、その辺りを伺えますか。これがまず一点です。』
でもって2点目にも行きますが、
『もう一つ関連して、仮に 3 月とか 4 月に利上げが行われなかった場合、物価が予想以上に上振れするリスクや、意図せざるビハインド・ザ・カーブが生じるリスクが、どの程度高まるというふうに考えられていらっしゃいますでしょうか。』
利上げが適切って提案しているんだからそもそも現時点での政策金利が過度に緩和的だと思っている証拠の筈なんですが回答の方が中々微妙なんですよね、ということで参りますが、回答が初手からクソ長くなっていまして、本来こんなのシンプルに回答できそうなものをああでもないこうでもないと説明している時点でちょっとスタンス大丈夫かとは思ってしまうんですよ。
『(答)今ご指摘頂いた点なのですけれども、私自身はもう去年から物価目標のところは概ね達成というような言い方をしておりますので、そういう意味からしますと、もう既に今年
1 月の会合のところでも、利上げの提案をさせて頂いてるということでございますので、これからはともかくとして、一応そういうスタンスであるということはまず申し上げておきたいということだと思います。』
ってわざわざ最初に断る時点で「威勢の良い事を言ってクローズアップされないようにしよう」ってビビリンチョスタンスっぽく見えるのですが。
『そういう状況でありますから、ある程度段階的にこれからも対応していくというようなことは基本的なスタンスとしてみているということです。』
だそうなのですが、この先がフニャフニャなんですよ、以下鑑賞しますが、
『ただ、今ご指摘頂いた点なのですけれども、ペースでありますとか、ターミナルレートというのは、これは今の時点ではなかなか分かりづらいというふうに私も思っていまして、』
いやいやいやいや高田さん何言ってるのよという話で、物価安定目標達成していると思ってるんだったら概念的に適切な短期政策金利は名目中立金利水準であって、0.75%という今の水準が中立金利の訳ないでしょと思うのですが、まあ利上げペースとか言ってる時点で何ですのってなもんでして、
『というのはやはり今後の経済とか物価とか、もしくは金融環境とかですね、こうしたものにやっぱり左右されるということ。』
物価安定目標達成しているんだったら、あくまでも経済(と物価)のサイクルを均すためのスムージングとしての金融政策運営を実施しているステージになる筈なんだから、中立金利対比でどの程度の緩和または引き締め状態が望ましいか、ってのがベースになって政策金利が決まる筈、って事になりませんかねと思う訳で、
『それから、私も今年 1 月の段階でも先ほど申し上げたように、利上げをということで申し上げているのですけど、その背景には、海外のところの影響がやはり随分大きいかなというふうに思っておりまして、今回のこちらの講演の中でも、今年
2026 年は回復に向けた転換局面であるというような現状認識をさせて頂いておりますので、その辺のところの具合もやはり十分に考慮に入れたうえで、国内だけではなくて海外の状況というのでしょうか、よりそちらのところも考えておきながら対応したいというふうに思っております。』
という説明であれば、引き締め局面ではないにしたって、どう見たって超緩和局面であることは不適切になるんですからなんでそんなに及び腰の説明になりますのよってところですが、先ほどネタにしましたように、財政の維持可能性に関する発言を思いっきり避けているという部分も含めまして、今回の高田さん一切踏み込まないどころかビビリンチョな説明に終始しているわなとは思いました。
『ですから、良く中立金利でありますとかターミナルレートというか、いろいろ議論はありますけれども、なかなか今、国内の要因のところだけでその辺のところを簡単に申し上げられるというような状況ではないかなと。そこはもう少し環境認識というのでしょうか、その辺を見極めたうえで考えていく必要があるというふうに思いますし、』
でたな「見極めたい」
『またペースについても、なかなか例えば何か月とか、半年だとか 1 年だとかそういう別に決まったものがあるわけでも全くないわけでありますから、あくまでも環境次第と、データ次第といいましょうか、また金融環境次第というようなことでやっぱり考えていくべき。』
うーんこの。
『特に先ほどから繰り返しになりますけれども、今年 2026 年というのは海外環境も含めて大きな変化の[年]ということでもありますから、その辺は予断を持ってみることではなくて、環境についてじっくり見極めていきたいと、そんなふうに考えているところであります。』
じっくり見極めたい、だそうでして、だったら何でお前前回利上げ提案してるんだよと言う話ですな。質問の後半ですが、
『それから今後の動向ということも含めて 3 月、4 月にという、あまり仮定の条件を置いた議論というのはなかなかしづらいとは思ってるのですけれども、私としては別に今の段階でビハインド・ザ・カーブになっているとは思いません。』
なっているか、という質問をしていないのにわざわざ「ビハインドになっていない」って回答する辺りがもう今回の説明やたら腰が引けているなあという所でして、
『ただ、今日の講演の中でもそうなのですけれども、状況によってはそのリスクがあるケースもあるわけでありますから、極力そういうことにならないような対応を取りたいという認識、それが先ほどの前半のところで申し上げた、私の認識でありますとか、またもしくは
1 月の段階で私なりの提案をさせて頂いたといったところの背景になるというふうにご理解頂ければと思います。』
いやーその説明だと益々1月利上げ提案の意味が分からんのだが、という感じではあります。
でもって利上げに関しては別の質疑でも及び腰感満載の説明があるのですが、ながくなるしまあ基本的に重複なので今回はこの(クソ長い)説明を紹介して終わり(時間が無いからなんですが笑)にしようかと思います。