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2025/12/30

お題「主な意見なんですが総裁会見対比強いじゃないですかヤダー/その他雑談とか年末ご挨拶とか」

大納会が半ドンじゃないのは風情が無いこと夥しいですな(昭和脳老害ジジイ)

〇決定会合主な意見はなんですかこの強気はという感じですけどねえ・・・・・

ただまあゆうて市場ちゃんの方は一部のヘッドラインで為替が円高に振れたくらいだったかしら、とは思いましたが内容は強いと思いまっせ。

https://www.boj.or.jp/mopo/mpmsche_minu/opinion_2025/opi251219.pdf
金融政策決定会合における主な意見
(2025 年 12 月 18、19 日開催分)1

・とは言え経済の所はまあそこまででもないですけどやはり重要な指摘が

『T.金融経済情勢に関する意見』の『(経済情勢)』は6個の意見がありました。

『・ わが国経済は、一部に弱めの動きもみられるが、緩やかに回復している。先行きは、各国の通商政策等の影響を受けて成長ペースは緩やかなものにとどまるものの、その後は海外経済が成長経路に復していくもとで、成長率を高めていくとみられる。』

これは大本営なのでまあ良いとしまして、

『・ 直近の短観をみても、業況感は自動車関連の中小企業も含めて悪くない。米国の通商政策については、先行きの下振れリスクもひと頃と比べると低下したとみている。』

これも今回の大勢見解に沿っている話ですね。

『・ 地域企業からは、人手不足に対応した省人化投資が設備投資を押し上げているとの声が多く聞かれた。こうした投資は課題解決に向けた前進であり、経済成長にも寄与している。』

それはその通りですし、前向きな投資が行われるというのはイイハナシダナーにも程があるので良い指摘、とはいってもこれ自体もメインの見解で示されていますな。

『・ 来年の賃上げは、高めの物価上昇や堅調な企業業績、人手不足の継続などから、組合のある大企業では、少なくとも今年並みの水準になるとみられる。』

そうなりそうですな(じっと給与明細を見て目から汗が噴き出すorzorz)

・・・・とまあここまでは「展望レポートで従来示していた先行きの前向きな見通しが徐々に実現してきています」ってお話なのですが、最後の二人がちょっと違った視点の指摘をしておりまして、

『・ 先行き1、2年程度は、政府の経済対策が経済の押し上げに働き、成長ペースの一時的な伸び悩みもある程度解消されるかもしれない。家計のインフレ実感が緩和する可能性もある。』

これ前半と後半がイマイチ脈絡が無いので何を言いたいのかが分からんです。字数の関係で端折らないといけないのはわかるんだが、この後半部分の意味合いが分かる文章書いて欲しいわと思いました(とか言ってると脊髄反射で文章書いてるワシにブーメランなのですがwww)。

いやまあ「政府の対策によってアクチュアルの物価の直接的な押し下げがあるのでインフレ実感が緩和する」って言いたいんでしょうけれども、一方で成長ペースが維持されるなら基調的物価には上昇圧力が掛かるんだから、インフレ実感が緩和してくれないんじゃネーノと思いますので、そこの整理がどうなっているのかが良くわからんかったです。

というのはまあ良いんですけど最後の指摘は重要な論点。

『・ 今次局面は、コロナ禍で世界同時に金融財政両面から景気押上げ政策がとられた局面と類似し、当時と同様、グローバルな政策サイクルの一致から、世界経済・物価の上振れを展望する。』

これって「下手したら日本でも欧米タイプの物価高になってしまうリスクがあるで」という話でもあるわけですが、次の物価のコーナーを見ますとこれがまた結構な強い内容というか、その強さが循環的な強さではなくて構造的な強さになっているのが今回の主な意見のポイントかとは思うので、次に参りますね。


・物価の部分ですがポイントだらけでして・・・・・・・

『(物価)』の部分の意見は7個、こちらはかなり色々とポイントがありまして・・・・・

『・ 消費者物価の基調的な上昇率は、賃金上昇の販売価格への転嫁の動きが続くもとで、引き続き、緩やかに上昇しており、見通し期間後半には「物価安定の目標」と概ね整合的な水準で推移すると考えられる。』

最初はお約束の大本営なのですが、次の記述を見て目が点になりました!


・「メインシナリオが差し替えられました」というのを思いっきり明言しているのは結構なメッセージ

2番目の意見になるのですが、過去の経験則的に2番目に登場するのは執行部(総裁副総裁)の誰かだったり、植田総裁に極めて近い見解を示している意見、となっているのですが・・・・・・・

『・ わが国経済の成長ペースの伸び悩みがメインシナリオではなくなったことから、物価の基調に今後伸び悩みが生じる可能性も小さくなってきている。』

>わが国経済の成長ペースの伸び悩みがメインシナリオではなくなったことから
>わが国経済の成長ペースの伸び悩みがメインシナリオではなくなったことから
>わが国経済の成長ペースの伸び悩みがメインシナリオではなくなったことから

物価の方にしらっと入っているのがチャーミングですが、確かに拙駄文でも指摘しましたけど、今回の政策変更に当たって声明文別紙の方で経済物価情勢についての情勢判断文書を出していますが、確かにそこでは先行き当面の経済情勢に関して、10月展望レポート基本的見解で示されていた「成長ペースは伸び悩むと考えられる。」(10月展望)が「成長ペースは緩やかなものにとどまると考えられる。」(12月声明文)と上方修正されていたんですな。

ただ、声明文本体の方ではあくまでも先行きの2%物価安定目標の実現の高まりと賃金物価の循環の確認と下振れリスクの軽減を理由にしていましたし、総裁記者会見でも基本的にはその線で説明をしていまして、この声明文別紙の形で示した「実は今回中間レビューしてメインシナリオを差し替えました」というのを総裁会見や経団連講演ではあまり触れずに、この主な意見でしらっと「大本営の次の意見」として出してきたのにはまあ普通にメッセージ性があるわな、と思いましたが如何でしょうか。

つまりですね、1月展望レポートでこの辺の回答は出てくるとは思うのですが、今年の1月の利上げの時はトランプの不確実性なかりせばもうちょっと威勢よく利上げすることだってアリエール(冷静に考えたら2%物価安定目標が達成したと判断されるときに政策金利1%とかだったら(その瞬間の経済が循環的に悪くない限り)明らかに不適切な緩和水準じゃろという話な訳ですからね)だった訳ですが、そこに復した、ということになると、物価目標達成との距離が近い分だけ政策の緩和度合いを薄める作業は速くやらんとアカンノトチャイマスカという話にもつながるわけですわな。まあそこまで日銀が根性出すとはワシもあんまり期待しませんけど、理屈の上ではそうなる話なんですよね・・・・・・


・政策効果の押し下げはネグるし何なら基調物価にはプラスじゃろというお話

まあ「コストプッシュで上がるのは一時的」と言ってネグったんですから「政策効果で下がるのは一時的」と言ってネグらないと理屈が合わないので当然ですし、コストプッシュは所得の外部漏出なのに対して政策効果の方は財政支出なんですしおすし。

『・ 消費者物価の上昇率はベース効果を通じて次第に低下していくが、名目賃金はこれまでの上昇モメンタムが来年度の春闘に向けても維持されるため、実質賃金の上昇率は来年前半にはプラス圏に浮上し、物価の基調は2%に向けて着実に上昇し続けると考える。』

実質賃金が本当に上がる時が来るんでしょうかねえ・・・・トホホ。

『・ 企業の価格設定行動の積極化や、これまでの為替の影響もあり、物価の上昇は粘着的である。先行きについて、政府の物価高対策や経済政策は、その実際の効果の規模や発現するスピードにもよるものの、消費や投資意欲を高め、経済や中長期的な物価の上昇の力を高めるものと考える。』

まあその通りですわな、という政策効果に関する指摘ですが、この人そのどさくさに紛れてしらっと「企業の価格設定行動の積極化や、これまでの為替の影響もあり、物価の上昇は粘着的である。」という物価を巡る構造変化について指摘していますな。


・来春って3か月後の事じゃないですかヤダー

『・ 来春、賃上げ率が、3年連続で物価安定の目標と整合的な水準になることを確認できれば、物価の基調は2%に達したと判断できる。』

来春、って書かれると一瞬どっちだか分からなくなりますが、よく考えてみればそれは3か月後の話ですし、4月の展望レポートの時点で物価の基調2%達成ってことならば政策金利0.75%とか寝ぼけているばあいじゃないじゃないですかヤダー。

というこの意見、まあさすがに高田っちの意見だとは思うのですが、高田っち以外の意見ったらマジで腰を抜かす所存w


・最後の意見2つはやや慎重気味ですがそれでも弱くはない

『・ 米関連以外の食料品でも高めの価格上昇が続く中、今後の物価動向を見極めるうえで、企業の値上げ姿勢と消費者の購買状況等を注視すべきである。』

『・ 世界的な人口動態・気候変動を背景に、輸入物価の上昇ショックが断続的に発生している可能性もあり、基調的物価やインフレ予想にも影響を及ぼし得るため、その動向を注視すべきである。』

最後の二つは前者が「ゆうて今後まだ価格設定行動や購買行動が腰折れするかもしれないから注意」と慎重だし、後者はまあどっちとも取れるのですが、物価が強いのが実は単純にグローバルな継続的なコストプッシュである(ので基調物価ではない)と言いたいのかなとは思いましたのでややこの2つは慎重気味ですが、全般的に見て物価のパートが強いですし、しかも指摘されていることが循環的要因というよりも構造的要因に寄っているように見受けられますので、物価目標達成に向けた盛り上がりが田村さん高田さん以外の政策委員にも波及しているように見受けられたのですがどうでしょうかしら。

でまあそう考えると、ホンマに半年に1回の利上げで政策金利1.5%になるのが来年の夏とか悠長な事言っててエエノカという話になるとしか思えんのだが、その辺りは1月展望レポートを注目したいなと思う訳です。


・政策に関して

政策変更したから意見は多いのですが、『U.金融政策運営に関する意見』は18個ですわ。

『・ 賃金と物価がともに緩やかに上昇していくメカニズムは維持される可能性が高く、先行き、経済・物価の中心的な見通しが実現する確度は高まっている。「物価安定の目標」の持続的・安定的な実現という観点から、政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整することが適切である。』

これは大本営。

『・ @世界経済のダウンサイドリスクは引き続き大きいが、米国の関税の影響は、異例のリスクとまでは言えなくなったこと、Aわが国企業の収益は高水準を維持し、来春に向けた賃上げのモメンタムは維持されていること、B国内物価は、食料品インフレが収束し、いったんは2%を切る見通しだが、その後は賃上げを伴う上昇を予想できることから、今回、金融緩和度合いの調整を行うことが適当である。』

これも大本営でしょうね。

・いきなり「次回を待つリスクは大きい」来ました

『・ 企業業績は賃上げを支え得る程度に堅調であり、為替の物価に与える影響などを踏まえると、このままの金融環境では物価上昇圧力が持続するため、次回会合を待つリスクは大きい。』

しらっとこの「次回を待つリスクは大きい」が大本営の直後に出てきているのがウヒョーという感じで、大本営の鉄砲玉に使われている感が強いですが、まあこれ次回を待つリスクは円安ですよね。

・現在が過度に緩和的という意見も来ました

『・ 実質金利がその均衡値から乖離した状態が続くと、マクロの資源配分に影響が出て将来的に偏りが生じ、持続的な経済成長にも影響を与え得る。』

『・ 現状の金融環境が経済実態からみて過度に緩和的になりつつあるため、政策金利を0.25%引き上げることが望ましい。今後も適切なタイミングでの金融緩和度合いの調整が必要である。』

『・ 日本の実質政策金利は群を抜いて世界最低水準であり、為替市場を通じた物価への影響も踏まえ、緩和度合いの調整を行うことが妥当と考える。』

『・ 0.75%に金利を引き上げた後も実質金利は大幅なマイナスであり、緩和の範囲内の調整である。引き続き、わが国経済を強力にサポートする金利水準、金融緩和の度合いにある。』

ちょwww4名wwwwwwww

いやまあ高田っちと田村抜刀斎が抜刀をするのは分かるのですが、他2名も抜刀しているというのはハーコリャコリャって感じですwwwww


・実質では低いけど名目は久々のゾーンですよと言う指摘

『・ 政策金利の変更後は、実質金利でみるときわめて低い水準にあるとはいえ、名目金利では久方ぶりの水準となるので、経済や金融市場への影響のモニタリングが肝要となる。』

まあそれはそうなのですけど、別にどうという事でも無かろうとは思います(こちとら大昔の預貯金金利水準の記憶が鮮明にある老害ジジイですから(お年玉握りしめて郵便貯金してた人))


・ビハインドのリスクの指摘

『・ 海外環境が今年の利下げ一辺倒の反動から、来年に向け利上げバイアスに一転する可能性もあるだけに、ビハインドザカーブになることを回避すべく、着実な利上げが望ましい。』

10月の総裁会見では幹事社質問への回答で「現状はビハインド・ザ・カーブに陥る懸念が高まっているとは認識していません」とぶっこんでしまって円安加速させた植田日銀ですが、まあ普通にこういう指摘も出てきててるので、昨日ネタにしたように今回の総裁会見ではビハインド云々に関しても「懸念高くない」みたいな不用意なハトハトチキン回答を封印していましたので、さすがに政策委員会が全体的に「政策調整の遅れのリスク」を強く意識するようになった、というメッセージ性が強いかなと(この意見が、という訳ではなくて全体の構成が、です)思いました。

・今後の利上げに関して

『・ 今後の金融緩和度合いの調整に際しては、特定のペースを念頭に置かずに、経済・物価・金融情勢を丁寧に点検しながら、毎回の決定会合において、適切に判断していくことが望ましい。』

『・ 先行きの政策運営については、経済・物価や市場の状況を見極め、タイミングをみながら金利の調整を行っていくことが重要である。』

『・ これまでの利上げに伴う経済・物価への影響はほとんどなく、中立的な金利水準まで、まだかなりの距離があると言える。当面は数か月に一回のペースを念頭に、経済・物価の反応を確認しながら、金融緩和度合いの調整を進めるべきである。適時に政策金利の調整を進めることが、将来の急激な金融引締めを回避し、経済の持続的・安定的な成長に繋がる。』

メジャーペースでやるのかどうか、ってのは難しいところで、できるのであればメジャードペースで行って一旦の中間目標ここ、ってなっていた方が金融市場は落ち着きやすいのですけど、まあ無理じゃろうなというのはこの先の中立金利云々の話で明らかかなと思います。


・財政と金融が補完するなら利上げじゃないのかしら

次の意見ですが何を言いたいのかが謎でした。

『・ 日本経済は現在、食料品などのコストプッシュインフレで多くの家計が困難に直面する一方、2%の「物価安定の目標」の持続的達成が現実味を帯びるという、重層的な局面にある。その点では、財政政策と金融政策は補完し合う関係にある。』

だから緩和しろといってるのか正常化しろといってるのかがわからんかった。


・中立金利云々の話はこれまでの「精緻化路線」が見事に粉砕されています

まあ当然なんですけどね。

『・ 中立金利の水準を事前に特定することは難しく、かなりの幅をもってみる必要がある。今後とも、短期金利の変化に対する経済・物価の反応を点検し、中立金利の水準を探りながら、金融緩和の度合いを調整していくことが適当である。』

『・ 中立金利の特定が困難な中、中立金利の水準を志向していくのではなく、海外金利環境の転換も見込まれるだけに、自由度をもった対応が必要である。』

『・ 利上げの影響は、金融市場の変化、金融機関の金利設定や融資行動の変化、企業の設備投資行動や家計の貯蓄・投資行動の変化などの経路を経て、景気や物価の変化となって現れてくる。各段階での働きをヒアリングや様々な指標を通じて把握し、利上げの働きを注意深く観察することによって中立金利を見定めていく、というアプローチを、計量的なモデルを用いた中立金利の推計と併用することで、地に足の着いた政策判断が可能になる。』

まあ植田さんが言い出したことになっていますけど、植田さんだって中立金利が重要な概念であったとしても政策運営のガイダンスに使うのは無理があることくらい分かってない訳も無いと思うので、何であんなことを言い出したのかが未だに謎なんですよね・・・・・・・


・これはキャッチーな書き方で砲撃していますね

『・ 円安や長期金利上昇の背景には、インフレ率に対し政策金利が低すぎることが影響している面が相応にある。適時の利上げを進めることは、先々のインフレ圧力を抑制し、長期金利の抑制に繋がり得る。』

なんか抜刀斎が抜刀してるんじゃないかという気がします。これは見事に一般ニュースのヘッドラインにもなってましたけど狙ったでしょ〜


・財政リスクプレミアムへの言及は重要ですな

『・ 長期金利の水準と変動はリスクプレミアム要因も相応にあるとみている。グローバルにも財政やインフレが意識されており、丁寧にみていきたい。』

ってのが最後にあるんですが、城内大臣ご臨席の中ですけれども臆せず日銀はガンガンこの点についてはぶっこんでいくべきだし、何なら大臣がいるからこそぶっこんでいかないとイカンと思います。


・なお城内大臣は追加利上げに五寸釘をさしておりますが大丈夫かね

ということで今回は全部の意見を引用しましたので量だけは無駄におおくなりましたが、最後の最後に政府からの出席者の意見で城内大臣のお言葉をば。

『V.政府の意見』の『(内閣府)』から。

『・ 高市内閣は、「責任ある積極財政」の下、総合経済対策に関連する施策の実行など「強い経済」の実現に最大限注力する。』

『・ 今回の提案は、物価安定目標を持続的・安定的に実現するために必要と判断されたものと受け止めている。他方で、設備投資や企業収益等の今後の動向を十分注視する必要がある。』

『・ 日本銀行には、日本銀行法、政府・日本銀行の共同声明の趣旨に沿って政府と緊密に連携し、2%の物価安定目標の持続的・安定的な実現に向け、適切な金融政策運営を期待する。』

1番目と3番目はどうでもいのですが、「他方で、設備投資や企業収益等の今後の動向を十分注視する必要がある」はまた五寸釘差しにきやがった、ということですがはてさて今後はどうなっていくのか楽しみではありますが、どうせ円安に振れると利上げ容認してくるんだから、政策委員会の大勢見解はこのように示しながらも植田総裁がハトハトチキン音頭を歌い、官邸の取り巻きのブレーン(笑)の皆様が高圧経済馬鹿踊りを踊って円安に飛べばエエンチャイマスノというヤケクソな事を思ってしまいます。



〇ただの雑感だがこういう「やりくり」は「問題を大きくして後に先送りしてしまう」というジャパニーズしぐさの典型に見えるんだよな

今回の予算案に関連してこんな指摘が次々と
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA256670V21C25A2000000/
高市予算、28年ぶり「黒字」は本物か 与野党で示すべき市場への責任
予算・税制2026
2025年12月29日 5:00
[会員限定記事]

https://jp.reuters.com/markets/treasury/GRC2R5ULIFNDRCP3I7PRMSDEVQ-2025-12-28/
マクロスコープ:高市氏が予算案で講じた「会計操作」、国債発行抑制を強く意識
鬼原民幸
2025年12月29日午前 8:18 GMT+9

日経朝刊本紙のほうでは「高市予算、かりそめの黒字 補正予算で収支悪化/金利上昇で利払い増 財政、野党も責任重く」(2025/12/30付日本経済新聞 朝刊)ってのもあるみたいですわな。


・・・・えーっとですね、こういう「とりあえず目先はやりくりで何とかする」っていうのは一度や二度はしゃあない面は勿論あるのは分かるんですが、これをやって後でエライことになった典型がまさに今起きている「異次元緩和の後始末」な訳でして、「2年で2%、できなかったら職を賭す」って言ってたんだから2年で達成できなかった時点で他のやり用を考えればいいのに、ハロウィン追加緩和→補完的措置→マイナス金利→YCC政策、とやってしまって問題の先送りを散々っぱらからやらかした挙句、いざ出口への道が見えたときに、それまで積み上げた緩和の山崩しをするのが恐ろしくなって今度は緩和修正の先送りに狂奔して今に至る、という事案が起きているのですわな。

まあこの目先のやりくりしてたら云々ってそれこそ満州事変以降全部そうじゃろみたいな話だったりもするので、日本の伝統芸能にも程があるんだけど、無理なやりくりの行き着く先は焼け野原であったり過度な通貨安コストプッシュインフレだったりと、碌なことになっていないので、もっと正々堂々と赤国増発をして問題の所在を早期に白日の下に晒すべき時間帯にもうなっているんじゃないの、と過激な事を年の瀬に思ってしまいました、というだけのジジイの雑談で年末は締めさせていただきます。


・・・・ということで今年も拙駄文にお付き合いいただきまして誠にありがとうございます。新年は暦通りで5日から参りたいと思います。良いお年をお迎えくださいませ〜






2025/12/29

お題「ESPフォーキャストまで先の方の物価見通しを上方修正とな/総裁会見(その3)ツケの請求書な質疑応答を鑑賞」

今回の年末年始は円資産市場的には5連休になりますが実は9月のシルバーウィークが来年は5連休だし、5月のゴールデンウィークも5連休なので年末年始特有のイベントが発生する分を勘案すると全然暇じゃないという事実が存在するのですが、ナムナム。

まあ御用納めが金曜だったから今日明日の通勤電車は空いてる(むしろ昼の方が混んでそう)のではないかと勝手に愚考しますよってその通りなら5月や9月よりはマシですよね〜。


〇ESPフォーキャストという日銀最大の逃げ口上がついに重い腰を上げてきた件について

ESPフォーキャストに関しましては近年の日本の物価に関して典型的な後追い予想しかしてなくてまあヘタクソの極みにも程があってこんなポンコツ数値をリファーするなよ日銀は、とも思うのですが、日銀にとって大変都合の良い事にこのESPフォーキャストの物価見通しってやたらめったら低めに出てくるから、政策修正を先送りするときに使うのにも便利だし、日銀がアクチュアルの物価を近年散々外しまくる(当然過小評価)していることに関しても、その点をツッコまれるとこのESPフォーキャストを持ち出して「だって民間予想は日銀の予想よりも一段と弱いんだからシャーナイですね」と華麗に言い訳をする物体であって害毒しか垂れ流していないポンコツフォーキャストではありますが・・・・・・・


https://www.jcer.or.jp/esp-forecast-top/forecast
ESPフォーキャスト調査

でまあ直近では12月調査が出ていまして、こちらの一覧にある各月のところにあります奴で例えば『2025年12月調査結果概要』というのを見ますとPDFが出てくるんですよ。でもっていつもだったらリンクを貼るのですが、リンク先のアドレスがクッソ長すぎてちょっとURL入れにくいので、PDFの方は各自開けてみてちょんまげ方式となります。

でもってですね、こちらの直近3か月分の「調査結果概要」のなかにある「(日本の)消費者物価指数」ってのがあるのですが、そこを拝読しますと中々味わいが深いものが出ているのですよ、と申しますのは、その年度のところではなくて四半期展開(グラフになっています)を見ますと・・・・

(2025年12月調査より)
2025年4Q:予測値総平均=2.69%
2026年1Q:予測値総平均=1.89%
2026年2Q:予測値総平均=1.64%
2026年3Q:予測値総平均=1.78%
2026年4Q:予測値総平均=1.80%
2027年1Q:予測値総平均=2.06%

(2025年11月調査より)
2025年4Q:予測値総平均=2.55%
2026年1Q:予測値総平均=2.08%
2026年2Q:予測値総平均=1.63%
2026年3Q:予測値総平均=1.75%
2026年4Q:予測値総平均=1.79%
2027年1Q:予測値総平均=1.84%

(2025年10月調査より)
2025年4Q:予測値総平均=2.54%
2026年1Q:予測値総平均=2.12%
2026年2Q:予測値総平均=1.69%
2026年3Q:予測値総平均=1.81%
2026年4Q:予測値総平均=1.81%
2027年1Q:予測値総平均=1.80%

(2025年9月調査より)
2025年4Q:予測値総平均=2.51%
2026年1Q:予測値総平均=2.08%
2026年2Q:予測値総平均=1.68%
2026年3Q:予測値総平均=1.81%
2026年4Q:予測値総平均=1.80%
2027年1Q:予測値総平均=1.81%

こちらはだいたい月初の時点で調査をしていまして、確かにまあ11月の頭の段階では補正予算規模とか来年度の話とか言われてもシランガナというのはあったというのもございますけれども、さっきのURL先から過去のをポチポチとしてみれば分かりますけど、今年って予想期間の後ろの方では「1.8%程度で物価は推移していくことになるでしょう」という見立てになっていた(1.7%台後半から1.8%位で推移しています)のですが、今回12月調査において2027年度1Qという「2026年度のケツ」の所での見通しが遂に2%超えとなっておりまして、この後追いばっかりで最近では常に見通しを下に外し続けているという見事な遅行指標と言っても差し支えない(かどうかは知らんが)ESPフォーキャストの物価見通しが重い腰をやっと上げて物価見通しを上げて「来年度の終わりには2%達成」の数字を出してきた訳でして、後追い指標ですらこの見通しを出している、ということは最早マジのマジで上振れを懸念しないといけない時間帯に入ってきた、すなわち日銀がのうのうとしたペースで利上げするのを為替市場のみならず本命の物価指標も許さんということになるリスクが実はかなり高まっている、と言えるのではないでしょうか。

などと勝手に言えるのではないでしょうかとか申しておりますが、まあ実際どうなのというのは知らんとしか申し上げようがないものの、本日出る予定(でしたよね)の12月会合主な意見、でどのような物価に対する認識と、それに連動した形での政策の話が出ているのかを注目したいですね!!!!!!


〇しつこく総裁記者会見の続きですが(その3):とにもかくにも説明がグダグダで悲しい件について

https://www.boj.or.jp/about/press/kaiken_2025/kk251222a.pdf
総裁記者会見
――2025年12月19日(金)午後3時30分から約70分

今回の経団連年末講演って金融政策に関する話がろくすっぽ無くて見事なまでに展望レポートというか直近の声明文棒読み、という恐ろしいものになっていた訳ですが、もしかしてこの総裁会見があまりにもグダグダだったので金融政策に関するロジックの話を敢えてスルーしたんじゃないかという気が後付けではしてくるくらいに悲しい会見だったので、中立金利云々以外の話の部分を拾っておきましょう企画です。


・そもそも現状の経済アセスメントでなぜ政策変更を行ったかの説明がオワットル

冒頭の幹事社質問の後半は先般ネタにしたように中立金利ですが、前半は非常に順当な直球の質問に
なっていまして、当然のように想定問答がある筈の質問が来ているのですな。

『(問)本日、追加利上げを決めた理由について詳しくご説明をお願い致します。判断材料とされた賃上げの見通しに加え、不透明感が低下したとされる米国の関税政策、米国経済の足元での評価について教えてください。(後半割愛)』

回答がクソ長い。初手の質問だから全部説明したいんだろうけどどうせ後からも質問来るんだからもっと簡単に回答しろ(だからいつも時間が無駄に押すんだよ)。

『(答)まず最初の利上げの背景ですけれども、前回の 10 月の決定会合では、アメリカをはじめ、海外経済を巡る不確実性がなお高い状況にあったことに加えまして、わが国企業の積極的な賃金設定行動が途切れることがないかどうかを見極める、そういう観点から、来年の春季労使交渉に向けた初動のモメンタムがしっかりしているかどうかを確認したいというふうに考え、政策金利を据え置きました。』

でまあそれはそれで良いんですけど、じゃあ10月会合の会見の時の説明は何であんなにハトハトチキン風味だったのかという話でして、いや確かに後半になってから「初動のモメンタム」の話をせっせとしてたので本人もやらかしたという自覚が途中であったのかもしれませんが。

さてここで10月会合後の記者会見を再確認しておきましょう
https://www.boj.or.jp/about/press/kaiken_2025/kk251031a.pdf
総裁記者会見
――2025年10月30日(木)午後3時30分から約60分

『(答)まず最初のご質問からですが、今回の展望レポートにおける経済・物価見通しですが、いずれも前回展望レポートから大きく変わっておらず、中心的な見通しが実現する確度は少しずつ高まってきていると判断しています。そのうえで、まず米国経済の動向ですが、関税による企業収益の悪化を通じた雇用・所得形成への影響や、関税コストの価格転嫁を通じた個人消費への影響などが、今後、次第に明らかになると考えられます。もっとも、こうした点は、当面はっきりしない可能性があるため、逐次入手する情報に基づき、経済全体の姿を予想しながら判断していくことになると思います。次に関税政策がわが国経済に与える影響についてですが、これに関しては、関税政策による収益下押し圧力が作用するもとでも、企業の積極的な賃金設定行動が途切れることがないかどうか、もう少し確認したいと考えています。』

『わが国の消費者物価ですが、これまでのところ、食料品価格上昇の影響が減衰していく一方、基調的な物価上昇率が緩やかに上昇するという中心的な見通しに沿って推移しており、現状はビハインド・ザ・カーブに陥る懸念が高まっているとは認識していません。引き続き、基調的な物価の動きに加え、食料品価格の上昇が長期化し、物価全般の上振れ・下振れにつながるリスクが顕現化することがないかどうか、といった点を点検していきます。』(以上の引用部分は直上URL先の10月31日の決定会合後の総裁記者会見より引用)

ってあって、この幹事社質問の回答が出た瞬間から円安祭りになっていた訳ですけれども、「当面はっきりしない可能性があるため」「もう少し確認したいと考えています」「ビハインド・ザ・カーブに陥る懸念が高まっているとは認識していません」って言い放っておいて1か月半後にジャガーチェンジをしている訳ですわな。

まあその間に左門豊作や花形満もタジタジとなる勢いで日銀が予告ホームランを予告しまくったので、政策変更自体はノーサプライズで済んだわけですが、よく考えてみたら10月の末の時点でこう言っていたのに12月の頭には全力で予告ホームランイベントを発生させるっていうのはあまりにもドイヒーではないでしょうか、というお話になる訳ですよね。

でまあ今回の会見の方に戻りますと、

『その後の動向をみますと、まずアメリカ経済については、関税コストの販売価格への転嫁が引き続き緩やかなものにとどまる中で、個人消費が堅調に推移しています。それから、AI関連需要の拡大を背景に、設備投資も増加を続けています。こうした点を踏まえて労働市場の動向などなお留意すべき点は少なくないわけですが、経済全体の下振れリスクはひと頃より低下していると考えられました。』

って話だがそんなに度肝を抜くような経済指標出てましたっけ???

『次に、関税政策のわが国経済への影響については、製造業を中心に収益に下押し圧力がかかってはいますが、設備投資や雇用・賃金動向を含め、経済全体に波及している様子は窺われないとみています。』

「当面はっきりしない可能性があるため」「もう少し確認したいと考えています」とは何だったのか。

『こうした中、今週ですね、発表されました短観をみますと、企業収益についても製造業を含め、今年度の収益計画が 3 か月前の計画から小幅ですが上方修正となるなど、先行きの不透明感は次第に薄れてきています。』

短観で判断できるんだったら10月の会見冒頭での「先行きの判断にはなお慎重」としか読めない説明は何だったのかという話な訳ですよ。

結局ですね、政策決定ってのは「政策金利を動かすか動かさないか」のデジタルなものになってしまうのに対しまして、本来はそこに至るまでの情勢判断ってのはデジタルではなくてアナログに徐々にグラデーションの変化を経ながら判断が変わっていくものなのですが、日銀の場合はこれ今に始まったことではないのですが、決定した(あるいはしようとしている)政策内容に対して整合的な説明を「その場限りで」行ってしまうから、説明がデジタルに飛ぶ、すなわち情勢判断その他の本来アナログに動いている筈のものが盛大にデジタルにギャップを生じて動くっていう見え方になってしまっているのが日銀の伝統芸能なのですが、今回の会見ではこの伝統芸能に関しての記者の皆様からのイヤミタラタラな質問が見ものでした。

でもってまだ植田さんの説明は続くのですが、

『このように米国経済や関税政策の影響を巡る不確実性は引き続き残ってはいますが、低下しています。そのうえで先ほど申し上げた通り、この間明らかとなってきました労使の来年春闘に向けた対応方針や、私どもの本支店を通じたヒアリング情報等を踏まえますと、来年は今年に続き、しっかりとした賃上げが実施される可能性が高いと考えられます。』

賃金の件は後の方で素敵な質問が有ったので後程。

『消費者物価の基調的な上昇率について緩やかな上昇が続いていることと合わせて考えると、今後とも賃金と物価がともに緩やかに上昇するメカニズムが維持される可能性が高く、私どもの経済・物価の中心的な見通しが実現する確度は高まっていると判断しました。』

いや前回と何が違うのよ・・・・(なお声明文の文言では消費者物価の部分の定性的な記述が結構大きめに上方修正されているのは声明文をネタにした時にご紹介した通りです)

『こうした経済・物価情勢を踏まえ、今日の会合では 2%の物価安定目標の持続的・安定的実現という観点から、これまでお示ししていました金融政策運営方針に沿って、政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整することが適切であると判断したところです。(後半割愛)』

という説明をしていますが・・・・・・・・


・ツケの請求書シリーズ:好循環の確認

まあ要は賃金が基準なら来年の年末まで再調整できませんねえ、というイヤミタラタラな質問ですが、これは質疑応答の最後の方ですね。

『(問)今回の利上げは、今年 1 月の利上げ以来 11 か月、約 1 年ぶりの利上げになったと思います。前回の利上げのときも、しっかりとした賃上げを実施するといった声が聞かれるというようなお話をされてまして、今回も、しっかりとした賃上げが実施される可能性が高いというようなことを理由に挙げられていたと思います。』

そうですねーーーーーー(・∀・)ニヤニヤ

『ただ、春闘のこういう賃上げを確認することでここ 2 回の利上げを判断されたってなると、次、利上げするときも、また春闘というものに依存するというか、そこの判断がないとできなくなってしまうんじゃないかなと少し思ったんですが、』

この質問している人、質問者本人に聞かないと実際のところは分からないですけれども、まあリアタイ視聴してて(音声だけですけど)感じたニュアンスとしては、この質問者はこの点をピュアに聞いている訳ではなくて、意地悪で質問しているんだろうなあと感じました、いいぞもっとやれwww

『今後も賃金と物価が緩やかに上昇していくメカニズム、これを確認するのにはどういうところを確認して判断ができると考えていらっしゃるのか、教えてください。』

なぜ意地悪かと言えば締め文言がこうなっているからでして、この2回の利上げは賃金ガーって言ってたけど今後はどうなるんだというお話をしております。

・・・・この点ですけれども、ここで「2023年10月展望レポートのハイライト」を見てみましょう。

https://www.boj.or.jp/mopo/outlook/highlight/ten202310.htm
展望レポート・ハイライト(2023年10月)
経済・物価情勢の展望

ここに『物価のトレンドは2%目標に向けて徐々に高まるが、賃金と物価の好循環が必要』ってのがあって、なんと好循環らしきものが6回転すると2%に達する、という恐ろしい図が出ていて、この時のハイライトに関しては2023年11月16日の駄文でナメトンノカという駄文を書いたんですけれども(このちょっと前辺りからハイライトのポンチ絵が酷いことになっている)その時このグルグル6回転コイル巻のポンチ絵に対して、

「でまあこのイラストもひどくて、「賃金と物価の好循環」とやらと思しき螺旋巻きのぐるぐるがなんか知らんけど6つもあって、お前ら好循環6回回らないと物価行かないのかよという図になっておるわけでして、そうなるとこのイラストの意味するのは「あと6年くらい経たないと2%に行きませんよ」にしか見えないんですけどもうアホかと馬鹿かと。

過去のイラストはまあ微妙な絵柄ですけどちゃんと「方向性」を示してたので、前回のがなんじゃこりゃでしたけど今回って前回に輪をかけてひどくて、いやお前らこれ誰に向けて出してるんだよという話で、一般向けにしては言いたいことがわけわからんわけで、何のためにイラスト説明作ったのかと小一時間問い詰めたい、というかこれ絵師が途中で変わったんじゃないかと思う位に過去との整合性が取れていないんですががががが。」

(この「」内は2023年11月16日の拙駄文を再掲しています)

・・・・・って物件を日銀は過去に出していまして、この質問をした記者さんにおかれましても、過去の日銀が散々「好循環が必要」という話をしていたのを引き合いにして、「じゃあ今後も1年に1回ですか大丈夫ですかあんたら」という逆ねじ質問をしているのではないかと思いました。

でまあ当然「1年後まで判断できない」などと口走った日には為替が170円にぶっ飛んでしまいますのでそんなことは言えずに、

『(答)賃金と物価が相互に影響しあって少しずつ上昇していくという基調的物価の上昇の根本のところをみるには、やっぱり賃金が一つの大きなポイントになるということで、たまたま、たまたまといいますか、この 2 回の利上げは、賃金のところに焦点が当たったということでありますが、賃金の上昇が物価にどう波及するかというところは当然大きなポイントでありますし、』

なんだよこの進次郎話法。

『そこは非常に難しくて、物価の動きが、これも申し上げてますように、基調的な物価の動きと一時的な動き、両方からきてますので、基調的な物価の動きはどうなのかというところをまず識別しないといけないわけですが、それができたうえでどう動いてるかということをみて、政策の判断をするということは、当然十分あり得るということだと思います。』

まるで説明になっていないのだが、とりあえず「来年の12月まで利上げ判断ができないということではない」というのを言いたいのだけは分かったがもう説明がグダグダでして、これは過去に上述のように「賃金と物価の好循環が必要」と必要条件のように威勢よく説明してしまっているツケが回ってきている訳ですな。南無三。


・ツケの請求書シリーズ:第一の力第二の力

この質問も良かったです、やっぱり最後の方ですが、

『(問)1 年以上前の用語で恐縮なんですけれども、かつて物価上昇の圧力について「第一の力」と「第二の力」という概念を提示されてご説明された時期がございました。』

リアタイで聞いた瞬間に茶を吹いたわ(いいぞもっとやれ)

『足元の為替状況を考えると、いわゆる「第一の力」が再び戻ってきたということになりますが、この「第一の力」が戻ったこのような状況は物価上昇率 2%に収束することを目指されるうえでポジティブなのかネガティブなのか、総裁のお考えをご教示願います。』

これも半分以上イヤミで聞いてるだろと思う訳ですが、変な概念こねくり回すなよというご教訓ですね。

『(答)「第一の力」と「第二の力」の関係は微妙なところでして、「第一の力」の多くは一時的な要因ですので、時間が経てば消えていってしまうものですけれども、これが何らかの要因で、例えば期待物価上昇率に影響を与えるとか、それを通してのケースもありますが、賃金上昇率に影響を与えるというようなメカニズムを通じて「第二の力」に波及するということは十分あり得るかと思います。ということにとどめさせて頂きます。』

つまり回答不能とwwwwwwまあ元々がヘナチョコ概念でしたからね。


・ツケの請求書シリーズ:ビハインドの懸念

前回まで「ビハインドの懸念はない」位の勢いで説明していましたが・・・・・・

『(問)ビハインド・ザ・カーブに陥るリスクは総裁は小さいとみてらっしゃるとは思うんですけれども、今後の利上げもですね、これまでのようなペースで急がず、徐々に進めていくというおつもりでいらっしゃるのかどうか、その点をお願い致します。』

わざと聞いてるだろ笑。ちなみにこれが最後の質問でしたw

『(答)文字通りのペースについては、今後のデータ、経済情勢で判断していくということでありますが、やり方としてはおっしゃった言葉を用いて表現させて頂ければビハインドにならないように、つまりインフレ率がスムーズに目標に着地するように適切に政策判断をしていくということでございます。』

そもそもインフレ率が着地していないんですがwwwwwww


まあ何ですな、アクチュアルの物価に関しては目先政府のナンタラ補助金とかが出てその押し下げ効果がそこそこ大きいということになっているのですが、いち第二種兼業主夫として生活実感の物価を見ますと価格設定する方がもはや調子に乗って値上げしてるだろうくらいの勢いになっていまして、これ目先の物価に関してだってそんなに日銀やポンコツ何とかストの想定するようなパスになるのかってのは何の根拠もないけど大丈夫かってのがある訳でして、来年頭とかの物価推移が下がらんかったらどうするんだとは思いましたが、一応金曜日に出ていた都区部CPIは事前の何とかスト予想よりは弱かったみたいですよね、なんか(スポ末というのもあるので)ワシはワチャワチャしててイマイチ見れてませんけど、まあ1−3月期のアクチュアルの物価動向は自分としては気にしていたりはします。とフラグを立てて置いたら物価は思いのほか伸び悩むかもしれませんけどwwwwwww


という事で今朝はこの辺で勘弁していただきとう存じます。今日はなんせトム末ですからねーーーーー






2025/12/26

お題「金融政策運営の話が過去比エライ勢いで削減された理由が謎な植田総裁経団連年末講演でした」

ほうほうほう
https://www.47news.jp/13647874.html
【速報】内閣府が科学的裏付けのない動画公開、削除
2025年12月25日 21時31分(コピーライト)共同通信

『内閣府が、今月の障害者週間に合わせて、手話が脳の活性化や記憶力向上につながるとの科学的裏付けのない動画を公開し、批判を受けて削除していたことが分かった。関係者が25日明らかにした。』(上記URL先より)

「財政拡大をすると円高になるので問題ない」という科学的裏付け(強すぎる前提条件がないと成立しない「理論」の裏付けはあるwww)という妄言を公開している何とか委員も政府方面から削除して頂けませんですかねえ。

ちなみに(しつこく繰り返しますが)マンデルフレミング云々はかつてリフレ派の皆さんによる「デフレ脱却に財政拡張を行っても円高になって財政効果が打ち消されてしまうが、金融緩和ではそうはならないので金融政策で対応するのが有効」という金融緩和万能論(と財政はデフレ対策に効かん論)の根拠になっていたものなので、マンデルフレミングを持ち出して財政出しても大丈夫論を同じリフレ派が唱えるのは相当にドイヒーな話なのはしつこく指摘しておきましょうw


〇年末恒例の経団連での総裁講演ですが過去イチに金融政策運営の話をしないとは如何なることぞ

https://www.boj.or.jp/about/press/koen_2025/data/ko251225a1.pdf
賃金上昇を伴った「物価安定の目標」の達成に向けて
── 日本経済団体連合会審議員会における講演 ──
日本銀行総裁 植田 和男


・分量の少なさが際立つ講演なんですよね〜

この講演、まあテキスト出ましたとなったのでせっせと読んでいたのですが、なんかあっという間に終ってしまってナンジャコリャと思って分量を確認したらナンジャコリャだったわけです。

年末の経団連講演って基本的に(平日ならば)クリスマスの日に打ち込んで来るのが恒例行事になっておられるので、

https://www.boj.or.jp/about/press/koen_speaker/index.htm
講演・挨拶等(講演者別の一覧)

こんなあたりで植田さんとか黒田さんで見ると一番早いと思うのですが・・・・・・・

今回2025の講演テキスト:7ページ半(PDFベース、以下同様)
前回2024の講演テキスト:ほぼ10ページ
2023年の講演テキスト:10ページ半

となっていまして、じゃあその前の黒ちゃんどうでしたっけという感じですが、

2022年の講演テキスト:12ページと3分の1
(奇しくもこの時のお題が「賃金上昇を伴う形での「物価安定の目標」の持続的・安定的な実現に向けて」2021年の講演テキスト:ほぼ12ページ

ってな感じで、年末の経団連講演って基本的にその年の集大成みたいな講演だし翌年に向けてのパースペクティブを騙るじゃなかった語る講演だったりしているのですが、今回エライ勢いで分量が減っておりますわな。

モチのロンですが分量だけが問題ではないというのはありますが、内容自体も金融政策運営に関してがエライ勢いでスッカスカでして、なにせこの1年は0.25%だった政策金利が年始に0.50%になり年末に0.75%になった訳ですし、物価安定目標の達成だってかなり見えてきた(個人的にはとっくの昔に達成していてオーバーシュートを気にしないといけない時期になってませんかねえとは思うけど)というかなり大きな変化のあった年なんですから、それ相応の内容があって然るべき、あるいは大勝利宣言でも良いけどと思ったのですが、どうしちゃったんすかこれはというのが初手の印象。

まあさすがにそういう訳でも無いとは思うのですが、これ先般の利上げの際の総裁記者会見がどこからどう見ても「これまでの説明との整合性をつつかれまくった」という会見(なのでつまらない会見だったと言うのが一般的な感想だと思いますが変態のワシにとっては垂涎ものの面白会見でした)が発生したので、今回の年末講演で政策運営ロジックに関する説明をおっぱじめると説明がグダグダになり兼ねないので逃げやがったのかなと邪推までしたくなりました。

ああそれからもう一つ邪推するとしますと、片山財務大臣を始めとする政府方面の渾身の「断固たる」口先介入によって決定会合以降の円安が一旦押し戻されたので安心して円安火消しを止めた、ということでテキストが少なくなったのかとも思いました(かなりの邪推ですので念のため申し添えます^^)。すなわち、円安の火消しをしようとすると利上げに関して威勢の良い事を言わないといけなくなって、それはそれで金利上昇の方が気になってくるので円安の火消をしなくて良い局面だったらわざわざ火消しに行って金利上昇をさせるのもやりたくない、というのはありそうなので・・・・・・

まあいずれにしましても、今回は(実質金利的な観点では別になんでも無いにしたって名目の数値で言えば)エポックメイキングな75bpの政策金利というのがあったのにこのテキストの量(とスカスカの質)というのには滅茶苦茶違和感を感じましたが、日銀としては為替円安と金利上昇の両方に「いい顔」をできない以上、最早何も言わないモードになったのかとも思いました。実際何でこうなっているのよってなもんではありますわな。


・・・・とボロカス言いましたが、この講演に関しては後半の方で経団連相手に「お前ら散々収益上げてるんだから成長投資と労働分配をもっとしやがれ」という話をしている所はポイントが高いので、そっちに関してはエエンチャイマスノと思いますけれども、金融政策の話をろくすっぽしない(深堀りが無くて公表文書の丸読みの世界)というのは従来路線から大きく変わった感があってナンノコッチャではあります。


ということで金融政策運営に関してですが・・・・・・


・ところで来年の秋口以降になると物価目標達成という見通しなんですが・・・・・・・

まあこれは今回の講演だけの話ではなくて従来から言っている話ですけど、金融政策のパートでのお話は・・・・・・

『こうした最近のデータやヒアリング情報からは、来年以降も、賃金と物価がともに緩やかに上昇していくメカニズムが維持される可能性が高いと考えられます。その結果として、先行き、「展望レポート」の見通し期間の後半、すなわち、来年度後半から 2027 年度にかけて、基調的な物価上昇率が2%の「物価安定の目標」と概ね整合的な水準で推移するという、私どもの中心的な見通しが実現する確度は高まっていると考えています。』

という見通し自体は以前より言っていますけど、そうであるならば来年度後半から2007年度に掛けて、即ち2026年の秋口以降には物価安定目標がほぼ達成される、というのが中心的な見方になる訳でして、そうであればその時の政策金利水準って言うのは、長期均衡における名目中立金利、と言いたいですがまあそこはオマケしてもうちょい下だと思うにしたって、名目の物価上昇トレンドであるところの2%に相応の近さになっていないとおかしくねえか、って話になる筈だと思うのですがどうなんでしょうかねえと思います。

『こうした経済・物価情勢を踏まえ、先週の決定会合では、2%の「物価安定の目標」の持続的・安定的な実現という観点から、政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整することが適切であると判断しました。』

でも水準がまだ0.75%でして、2%どころか1%にも行ってない訳でして、それでエエノカという話ではあるのですが、「金融緩和の度合いを調整」ということになっておりますのはご案内の通りでして・・・・


・先行きの金融政策運営におけるポイントとか考え方とかは一切示さず事実上の声明文棒読みモード

『先行きの金融政策運営については、現在の実質金利がきわめて低い水準にあることを踏まえると、「展望レポート」で示している中心的な見通しが実現していくとすれば、経済・物価情勢の改善に応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになると考えています。』

と言っているのですが、特に年度が替わって以降になりますと、「金融緩和の度合いを調整」で済む話なのかという論点がそろそろ出てきてもおかしくない訳で、むしろ引き締め的にならないと思われる程度の水準に向けて政策金利を引き上げますくらいの説明をしていって「緩和的」のアピールを下げないと円安がダラダラと続くんジャマイカという懸念isあると思うんですよね。

とは言えまあこれ自体は今の公式スタンスなので今回の経団連講演ではそれを繰り返しているに過ぎないのですが、以下の説明が・・・・・・

『日本銀行としては、緩和の度合いを適切に調整していくことは、「物価安定の目標」をスムーズに実現するとともに、皆様が安心してビジネスを行う土台となる、息の長い成長につながると認識しています。以下では、日本銀行が目指している、やや長い目でみた経済の姿について、お話しします。』

ということで話が終わっているというのが甚だ怪しからん話でして、この先の金融政策判断について、説明している「「展望レポート」で示している中心的な見通しが実現していくとすれば、経済・物価情勢の改善に応じて、引き続き政策金利を引き上げ」のキーポイントについては一切触れない、という作戦に出てきましたなという感じですわ。

まあアレです。新手の政策反応関数(今回の決定会合のちょっと前から出てきたのが「貸出動向」とか「金融環境」ですが)を引っ張り出してきて説明しておきながら政策決定の説明上都合が悪くなるとしれっと引っ込めてなかったことにする、ということを繰り返すよりは「なんも出さない」方がまだマシとも言えますので一概に怪しからん呼ばわりするのもどうかとは思いますが、しかしまあ先行きの運営に関して何も深堀り説明をしない、ってのも大概な話でして、


・ここで昨年12月の経団連講演における先行き金融政策運営に関する説明を確認してみましょう

https://www.boj.or.jp/about/press/koen_2024/data/ko241225a1.pdf
2%物価目標の実現とわが国経済
── 日本経済団体連合会審議員会における講演 ──

ということで昨年年末の経団連講演ですけれども、ここでは先行きの政策運営に関しまして、『4.2%目標の実現と金融政策』って小見出し一つ使って、政策運営スタンスの説明はその中の1ページほどの分量で説明をしているんですよ。1ページもあるから論点部分だけ引用しますけど、

(以下の部分は直上URL先の2024年12月植田総裁経団連講演テキストより)

『続いて、本日の最後の話題として、今後の金融政策運営に関連して、2点ポイントを申し上げます。』

『第1のポイントは、日本銀行は、2%目標の持続的・安定的な実現に向けた移行期にあたる現時点においては、景気・物価に中立的となる中立金利よりも政策金利を低くすることにより緩和的な金融環境を維持し、経済をしっかりとサポートしていく、ということです。デフレ・低インフレ環境に逆戻りすることは、避けなければなりません。』

『第2のポイントは、経済・物価情勢の改善が続いていくのであれば、それに応じて、政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことが必要になる、ということです。経済・物価情勢が改善するもとでも、現在のような低金利を維持し続ければ、金融緩和の度合いが過大なものとなる可能性があります。そうした政策運営のもとでは、物価上昇率が2%目標を上回って加速し、後になって、急速な金利の引き上げを迫られるリスクが高まらざるをえません。物価の加速や金利の急速な上昇は、企業の前向きな動きを支え、息の長い成長を実現していくうえでもマイナスです。』

(以上の部分のみ直上URL先の2024年12月の植田総裁経団連講演テキストより)

ということでですね、今回は確かに「緩和的な状態を維持」の部分も「政策金利の引き上げ」の部分も前回対比で説明が無いちゃあ無いのですが、それにしても政策金利の引き上げ云々の部分における、「経済・物価情勢が改善するもとでも、現在のような低金利を維持し続ければ、金融緩和の度合いが過大なものとなる可能性があります。」って点を今回触れていないってのは、一段の物価情勢改善が進む中において言わなくて良いのかよと思ってしまう所でして、なんか「遠くでは威勢の良いこと言うけどいざ目の前で決断迫られると急にチキン化してしまう」みたいな風情でおじちゃんは悲しいよと思いました。



・経団連相手の講演でこの説明は良かったので褒めてつかわす(なぞのウエメセ)

・・・・・とまあそういう事でいつものように悪態ジジイなのですが、今回の講演の説明で中々イヤミが効いてて良かったなと思うのは賃金というか労働分配に関連する部分ですね。『3.賃金と物価がともに緩やかに上昇する経済』ってところの『(2)現在地の確認』です。

『次に、我々が目指している経済の姿に対する、わが国経済の現在地を確認したいと思います。図表4をご覧ください。この 10 年余りで、企業収益は約2倍に増加しています。労働市場では、生産年齢人口の減少が続くなか、シニア層や女性の追加的な労働供給の余地も少なくなり、労働需給のタイト化が進みました1。こうしたもとで、図表5で示しているように、長年にわたって停滞していた賃金にも上昇圧力がかかるようになり、ここ数年は高い賃上げ率が実現しています。』

ってあって図表4とかと見たくなるのですが、よくよく本文を読んでみれば「企業収益は2倍」だというのに実質賃金ってどうなっていましたっけ、というツッコミをしたくなりますよねwwwwww

その辺りに関してしらっと先の方(講演テキストの5ページ目、PDFの6枚目)にお話がありまして、

『今申し上げたわが国における賃金と物価の現在地を踏まえつつ、企業部門の収益や支出の動きを確認すると、目指す経済を実現していくうえでの課題が、幾つかみえてきます。図表8の左グラフをご覧ください。』

図表8ってのはPDFの最終ページ(14枚目)の下段になるのですが、もうこれを見た瞬間に「聞け万国の労働者」状態ですわな、ってなもんですよね、特に右グラフwwww

『振り返ると、わが国経済がデフレに陥った 1990 年代後半以降、企業は、雇用の安定を優先し、賃上げや設備投資を抑制してきました。当時の企業行動は、厳しい経営環境に直面するもとで、失業率の上昇を抑える効果があったほか、企業自身の財務体質の改善にとっても必要なものだったと思います。』

『現在は、こうした状況を乗り越え、人件費や設備投資が緩やかに増加するようになってきています。』

でもって、この講演の一番イイシテキダナーと思うのはこの次。

『もっとも、企業収益の大幅な増加に比べて、これらの伸びが相対的に緩やかなものにとどまっているとの指摘もあります。』

さすがに経団連相手に断定的な言い方はできないですかまあ仕方ないですね、とこの「指摘もあります」とかいう苦渋の表現には同情をするので悪態をつく気にはなりません、まあこれでも良くぞ言ったという部類ではないかと。

そして講演テキストは聞け万国の労働者轟きわたるメーデーの示威者に起こる足取りと未来を告ぐる鬨の声、な図表右グラフに話が移りまして・・・・・

『結果として、右グラフのとおり、企業が生み出した付加価値の総額と人件費の関係を示す労働分配率は、緩やかな低下傾向が続いています。』

って言う事で、ここの「(2)現在地の確認」コーナーが締まっているのですが、これすなわち「金融緩和でお前らに収益上げさせているのに出し渋るとはどういう事やゴルァアアアアアアアア!!!というのを若干のオブラートに包んで言ってるわけでして、これはまあ当然ですが妥当な指摘ではあるかと存じますのでまあここは評価したいと思います。

なお、この先が『(3)期待されるさらなる変化』ってコーナーで、

『以上を踏まえますと、わが国では、息の長い経済成長を現実のものとするため、将来を見据えた人への投資や設備投資が、これまで以上に強く求められる局面を迎えているように思います。』

「お前らちゃんと動け」といってましてさらに、

『どの時代にあっても、一国の経済成長のエンジンは、企業の皆様の積極的な行動です。以下では、皆様への期待を込めて、この点について少し詳しくお話しします。』

とか「お前らやれや」な話をしているのが実に結構な訳で、以下は成長投資と労働分配をもっと積極的にやらんかいゴルァというのをオブラートに包んで砂糖をまぶして苺のトッピングなんぞをしながらお話をしていまして、まあこの話は大変いただけますわなとは思いましたので、金融政策運営のところの話がろくすっぽ無かったという金融市場の中の人的な憤怒ポイントに関してはある程度は勘弁して差し上げようかとは思いましたwwww


・とは言え最後のこの辺りはいただけない

でまあその勘弁して差し上げる部分では、

『第1に、人への投資については、先ほど申し上げたとおり、ここ数年、高い賃上げ率が実現しているほか、企業規模や地域の面でも、賃上げの裾野に広がりがみられています。来年の春季労使交渉に向けても、経団連では、賃上げのモメンタムの「さらなる定着」を目指すとの方針を打ち出されており、大変心強く感じています。日本銀行では、こうした前向きな動きが続くなかで、わが国における賃金の期待形成メカニズムが変化していくことを期待しています。』

ってな感じでオブラートに包んで砂糖まぶしてトッピングしている訳でして、

『第2に、設備投資に関する取り組みです。長年にわたるデフレ期には、投資を先送りし、将来の不確実性に備えて現預金を積み上げる誘因が働きやすかったように思います。しかしながら、緩やかな物価上昇が続く世界に移行すれば、現預金の実質的な価値が目減りしやすくなる一方、将来を見据え、先んじて投資を行うことの重要性が、これまで以上に高まっていくと考えられます。また、人手不足の継続が見込まれるもとでは、AIの利活用を含め、労働代替型の投資を一段と進めていく余地も大きいように思います。』

こっちもオブラートなのは良いんですけど、日銀総裁が何もわざわざ「現預金の実質的な価値が目減りしやすくなる一方」って言う必要はないでしょ職制的に言って(「成長への投資をしないことによる機会損失」位にしておけよ・・・・)と思ったのが1点目と、このコーナーの締めの部分で、

『今申し上げた企業の取り組みは、政府や日本銀行の政策が適切に後押しすることで、力強さを増していくと考えられます。』

って言ってまあ政府へのヨイショと日銀の自画自賛をしているのですが、本来的に言えばそういう後押しが無くても自発的にそういう取り組みが進まないといけないわけで、いつまでもそういう補助輪つけたまま状態なのは結果として自主的に取り組みをする企業の優位性を失わせてしまうことになるのではないか、と思うのでそろそろこういうのを言うのも大概にした方がエエンチャウノとは思いました、まあ政府部門が実際にこういうスタンスが変わっていないからシャーナイナイなのではありますが・・・・・・・・


#先入先出してたら積み残しが続出しており恐縮ですが今朝はこの辺で勘弁してちょ






2025/12/25

お題「わたくしクソしつこいので10月会合議事要旨の中立金利議論+ラガルド総裁のRスター梯子外しで一席と粘着しておりますw」

高市さんはとにかく取り巻きがアレなのがなあ・・・・・・
https://bunshun.jp/articles/-/84877
《本人直撃》「日本は核保有すべき」発言をしたのは“核軍縮担当”の首相補佐官だった! 高市首相が更迭しない理由は…
「週刊文春」編集部
source : 週刊文春 2026年1月1日・8日号

「核軍縮・不拡散問題担当」なのもアレだが制服組出身というのがかなりのアレ

〇10月会合での「中立金利」の意味合いは・・・・・&ここでラガルドの説明を確認してみましょう

という訳で先入先出で10月会合議事要旨から少々なのですが(汗)
https://www.boj.or.jp/mopo/mpmsche_minu/minu_2025/g251030.pdf
政策委員会
金融政策決定会合
議事要旨
(2025年10月29、30日開催分)

・中立金利が出てくるのは6か所ですがw

「中立金利」で検索をするとこの議事要旨に6か所あるのですが、その中で田村委員が「中立金利に近づけるため」という(これは決定会合声明文の中で田村委員の反対理由の中にもあった)話をしているのが2か所あって、残りの4か所は今後の政策運営の議論をしている部分になります。

・・・・・でですね、この「中立金利」ってのがまあコミュニケーションポリシー上オワ終っているのは2回シリーズで総裁記者会見をネタにして(なおまだネタにすべき部分はある)明白なのですが、この「中立金利」の話って何が混乱招くねんと申しますと、アタクシ思いまするに、「物価安定目標を達成した後の長期均衡状態における中立金利」の話と「今の時点でスライスをした時に景気刺激的でも景気抑制的でもない金利水準としての中立金利」のどっちの話をしているのかが曖昧なまま話が進んでいるのが一番アカンねんって気がします。

と申しますのも、いわゆるターミナル金利(ワシこの「ターミナル金利」って言葉も曖昧で好きじゃないんだが)と中立金利の関係において(最近若干そこを区別するような発想が債券市場の中の皆様にも広がっているように見受けられますが・・・)債券市場の中の人たちって日銀が言ってる「中立金利」(敢えてカッコ書きしています)と「ターミナル金利」はおなじもの、という感覚でいた方多いと思うんですよ。

でも、2%物価安定目標はまだ達成していない(高田さんは達成していると主張していますが為念)中で計測した現時点での中立金利っていうのは、2%物価目標達成した暁には今の水準からは別のところにあるはずなので、したがっていわゆるターミナル金利とは異なっている筈なんですよね(この先チンタラとしながらも物価安定目標が達成される、という見通しが前提にある)。

なのでその辺りで滅茶苦茶コミュニケーションがわかりにくくなっているのでして、やっと12月会合では「中立金利」を表に出すのを控えて、「金融緩和度合い」という意味で「実質金利」の話をするようにコミュニケーションを立て直して来ましたが、まあこれはこれで「どうやって計測するの」という感じで定量的な話になだれこんでしまうという傾向に有るわけで、もっとフワフワした「総合判断」に何で持ち込まないのかというのが不思議で仕方ないんですが、まあこういう「中立金利」とか「実質金利」とか使った方が頭の良い議論に見えるのと、尤もらしい数字を出して煙に巻きながら目先の目くらましができるので便利、ってのはあるんでしょうなあと思いましたが実際どうなんだか。


・田村委員の(前から言ってますけど)「中立金利」はどっちなのかが微妙にムツカシネ

でまあ10月の中立金利談議ですが、

『一方、複数の委員は、今回の決定会合で、政策金利を 0.75%程度に引き上げることが望ましいとの見解を示した。』

ということで、10月会合での利上げ提案に関する部分に初出があります。

『このうちの一人の委員は、関税政策の影響による米国経済の減速は考え難いと指摘したうえで、国内では既に「物価安定の目標」の実現が概ね達成されたと考えられるほか、足もとでは円安進行に伴う物価の上振れリスクにも留意が必要であることを踏まえると、再び利上げスタンスに回帰し、海外対比で低水準の実質金利の調整を行い得る状況であるとの認識を示した。』

これは高田さんですね。高田さん実質金利を調整せよとのことですが、「物価安定目標がおおむね達成」という認識だったら0.75%に利上げしても遅すぎなんじゃないですかとは思ってしまいますが、ただまあその後のパスの話をしている訳ではないのでその辺はよくわからんですな。

ただ、「物価安定目標がほぼ達成」でしかも「物価上振れリスク」があるのなら、割と速やかに緩和度合いを相応の程度までは引き下げておかないと物価上振れによる将来の強烈な引き締めの必要性が発生する(すなわち国民厚生上好ましくない事態を引き起こす)ってことになる筈なんで、すくなくとも相応の水準にまでは連続利上げくらいの勢い(遅くとも展望会合毎に1回)は上げないと間尺に合わんという理屈になる筈なので、1月会合での高田さんの動きは楽しみになってまいりましたな。

でもって中立金利云々は田村さんが以前からそうですが言っているんですけどね、

『別の一人の委員は、上下双方向のリスクがある現時点で、政策金利を一気に引き締める領域まで引き上げるべきではないが、物価の上振れリスクがある中、将来の急激な利上げによるショックを避けるため、金融緩和度合いを調整して、中立金利にもう少し近づけておくべきであるとの見解を示した。』

ということで利上げを提案しているのですが、この「中立金利」というのは文章の趣旨から言ったら「今の時点での瞬間風速中立金利」に見える(緩和度合いの調整と言っているから)ようにも見えますが、物価安定目標達成後の長期均衡を前提にした中立金利の事を言っているのがもしれず(将来の急激な利上げ云々というのは足元の話だけではないので)どっちなんじゃろ、という風には思うのでありまする。

・・・・・まあゆうてそのどっちなんじゃろ、という話自体もそんなにゴリゴリと詰める話ではなくて、もっとフワッとした「何となくこんなもんじゃねーか」というようなことで、そもそも論として盛大に緩和的なのは自明だからそこをゴリゴリと考え出すと言葉遊びの世界に陥ってしまう、というツッコミを皆さまも思ったのではないかと存じますが、いやまさにそこが政策運営コミュニケーション上でのポイントになると思われる訳でして、植田さんがうっかり口走った「中立金利の精緻化」っていうのはそういう意味からも話を複雑骨折させるだけでしか無かったということではありますわな。


・先行きの金融政策運営論議での「中立金利」ってより「長期均衡水準における中立金利」に話が寄っている希ガス

ただまあこの議事要旨、先行きの金融政策運営という話の中でも思いっきりこの「中立金利」ってのが出てしまうわけでございますわな。ちょっと先の方になりますが、ここのコーナー(ちなみに議事要旨15pの後半以降)ですな。

『何人かの委員は、中立金利が現在の政策金利より高い位置にあることを踏まえると、経済・物価情勢の改善に応じて金融緩和の度合いを調整していくことは、長い目でみて安定した経済・物価の実現につながると指摘した。』

中立金利って概念としては重要だし、物語をするのには便利な用語なのでうっかり使ってしまうのですが、本来はこの部分は「今の金融政策スタンスが緩和的な状態であることを踏まえると」としながら議論した方が良いんじゃないですか、って思いました、理由は散々申し上げた通り。

『このうちの一人の委員は、現段階での利上げは、将来のためにも経済のゆがみを抑制し、政策金利を緩やかに均衡状態に戻していくという、金利正常化のプロセスと考えられると指摘した。』

田村さんか高田さんですが「経済のゆがみを抑制し」ってしらっとぶっこんでいるのがチャーミング。

『ある委員は、米欧と異なってわが国の政策金利が中立金利を下回っていることや、株式市場などの金融資本市場が不安定化する可能性もあることを指摘したうえで、足もとは急ぐ状況ではないかもしれないが、適切な情報発信を続けながらタイミングを逃さずに利上げを行うべきであるとの見解を示した。』

これは高田田村以外の誰かということで利上げの(10月時点での)潜在賛成票が1票ありますわな。

『別のある委員は、インフレ率が目標に到達するまで金利の調整を一切行わないとした場合、目標達成時点で一挙に金利を中立金利まで引き上げる必要があるが、その時々の中立金利を具体的に特定することはできないため、これを成功裏に行うのはほぼ不可能と考えられると付け加えた。』

いやその通りなんですし、同じ理由で物価安定目標達成が近くなってきた時に、物価安定目標達成時にふさわしい均衡中立金利からあまりにも離れた水準に政策金利があったら同じ話になるんだから、一切行わない、だけではなくて非常に緩慢な調整しかしなかった場合でも同じことが起きるから、そんなに余裕が有るわけではないんですよね。これは「今利上げしろ」の人なのかそうじゃないのかが判然としませんけど。

『この間、一人の委員は、世界経済や金融市場の動向と、そのもとでのわが国の経済・物価見通しに沿って、適切なタイミングで徐々に政策金利を引き上げていくという基本方針は不変であると述べたうえで、市場の安定を確保しつつ、金融政策の効果を円滑に波及させるためには、こうした政策反応関数が変化したと疑われることがないよう、市場との丁寧なコミュニケーションを続けていく必要があるとの見解を示した。』

いやお前ら今まで散々政策決定の背景に使っている説明をコロコロと変えているのにどの口がそれを言うのかと小一時間問い詰めたい。


・・・・・とまあそんな感じですけれども、小見出しに書いたように、アタクシ思ったのはここでの中立金利の話って物価安定目標が達成された段階における中立金利の話をしている、あるいはそちらに寄せた話をしているように見えまして、まあそれならそれで良いのですが、だったら益々植田さんが12月の名古屋講演やらその前後の国会答弁などで「中立金利水準水系の精緻化」とか口走ったのかというのが訳わからんという話にはなるのですが、まあつまりはそういう「概念としては重要だが政策運営の具体的なツールに落とし込むと混乱しか生じない術語」を使うのはイクナイ!という事に成ろうかと存じます。


・ECBラガルド総裁が先日盛大にRスターの梯子を外した件について

全然ネタにしていない(すいませんすいません)先日のECB決定会合の会見での一幕で、既にご案内の方も多いというか何なら外債の皆様がほえーって感じだったかと存じますが、

https://www.ecb.europa.eu/press/press_conference/monetary-policy-statement/2025/html/ecb.is251218~3a10402adb.en.html
MONETARY POLICY STATEMENT
PRESS CONFERENCE
Christine Lagarde, President of the ECB,
Luis de Guindos, Vice-President of the ECB
Frankfurt am Main, 18 December 2025

質疑応答の後半(上記URLさきのダンダラだとざっくり最後の4分の1あたり)の質疑応答になります。QとかAとかは引用者が補記しています。

『Q:I have a follow-up question on your first comment about the changing growth profile due to AI. Isabel Schnabel made a similar comment in her interview with Bloomberg, where she said that the natural interest rate might rise because of that. Do you agree with that assessment?(後半割愛)』

AIの普及(による生産性の向上)によって自然利子率が高まるんじゃないかという議論があってシュナーベル専務理事もそのような話をしていますが、この点についてどうおもわれますか、という質問に対してラガルドはん、死角からアッパーカット繰り出す鬼回答をしておりまして、

『A:(第二問に前半で回答しているのでこれは後半になります)On your first question: Look, I'm not going to agonise over the issue of where and how is the r-star and the rate which is ideal because it neither stimulates nor restricts our economies.』

ちょwwwwwおまwwwwwwwRスターの水準とか深く考えなくてエエガナもアレだが理由が「それは経済を刺激も引き締めもしない金利だからです」は強引な回答、と思ったら返す刀で、

『There are multiple factors that can affect it. Productivity is obviously one of them. If we draw a lot of productivity out of artificial intelligence, it will impact it, but there are multiple other factors as well that will impact r-star.』

Rスターは色々な構造要因で決まりますわな(だから単一の要因だけ採り上げてどうのこうのいうのは生産的な話ではない、と言いたいんでしょうかね)だそうですが、次に良い事をラガルドはん言ってまして

『One of the characteristics of r-star is that you can only sort of identify it, eventually, in completely stable circumstances.』

Rスターは完全に安定した状態の時にのみ数値を特定できる、と仰せで、まあRスターって長期均衡状態における中立金利なので仰せの通りな訳ですが、つまりはそんなの特定するのに血道を上げる必要なしと言ってるようなもんでして、

『I don't think that we can call the current circumstances perfectly stable and predictable. There is, as I said earlier, too much uncertainty, too much risk, and too many shocks, under the spell of which we still are, to actually identify r-star and have a view as to whether it's going to increase.』

今の状況はパーフェクトに安定して予測可能な状態であるとは言えないし、色々な不確実性とリスクとショックに満ちている訳でして、そんな時にRスターを特定するとか上がった下がったとかいうのは無理じゃろ、とイエーイ和男ちゃん見てる〜って言いたくなるこのラガルドはんの割り切りぶり(とは言ってもこれまでECBもRスターがどうしたとか言いながら説明してたことあるじゃんと思うのでなんかとんでもない梯子外しのような気はせんでもないが)

さらに追い打ちをかけるように、

『So, as I said, it's not observable, so to speak, and I think it's a very good debate to have, but I'm not sure that this is the one that has caught the attention of the Governing Council. It's certainly not one that we debated today, or yesterday for that matter.』

wwwwwwwwwwwwwwwww

議論としての価値はあるけれども、観測できるものではないので、理事会ではこの話を昨日も今日もしてないもんね、ってこらまたエライ勢いでのぶった切りになっておられます。


・・・・・・まあアレです。Rスターと中立金利っていうのは同義に見えて必ずしも同義じゃなくて、長期均衡の話と今のスライスでの話(も包含した概念)になっているので、すべてが全てラガルドはんによる無意識の植田さんへの砲撃、という訳でもないのですが、まあそれにしましても「リアタイで観測できないものに関して血道をあげて測定しようとするのは無駄じゃろ。概念として議論の対象になるにしたって」という説明な訳で、日銀もまあ今回の決定会合での植田総裁会見の燃えっぷりをみまして中立金利云々の話はもっとバックベンチに下げて頂くようにお願いしたいものだと切に思って止みませんなw



〇その他本来はネタがあったのだがうっかり興奮してまた中立金利話をしてしまったので以下明日以降向けの備忘メモ

まあ中立金利を振り回す件に関する悪態はさすがに食傷だと思うのでこの辺までにしますとして、明日以降用の備忘メモ

・債券市場参加者会合

https://www.boj.or.jp/paym/bond/mbond_list/mbond251224.pdf
「債券市場参加者会合」第 23 回議事要旨

というのがございましたなというだけの話です

・基調インフレ

https://www.boj.or.jp/research/research_data/cpi/index.htm
基調的なインフレ率を捕捉するための指標

こちらに関してですが、日銀の見通し的にもそうですし、世の中の何とかストの皆様もそうですが、さすがに今後政策によるお注射が効いてCPIの前年比は鈍化して2%割れ、って話になっているのですが、ゆうて今後物価の伸び率がそんなに落ちなかったらどうするんじゃろ、というのは結構思ったり思わなかったり

・総裁記者会見と議事要旨

もうちょっと補足部分があると思うのです誠にすいませんすいません

・短国ェ・・・・・・・・・

なんかカレント3Mまでがやたら強くて頭がクラクラ来ますが、まあこれはさすがに金利観じゃなくてモノとしての「期間の短い国債」への需要なので短国市場的にはエライコッチャですが、GCとかに関係している訳でもないですし、局地的な事案でしょということで今日は時間の都合上パスします。








2025/12/24

お題「財政懸念に火消ししていますねえ/全戻し市場のメモ/植田総裁会見(その2)」

あいかわらずのキチガイじゃな
https://jp.reuters.com/markets/japan/5GNJWJ2F6BKM5G6HPBWKLT6A4Y-2025-12-23/
トランプ氏「同意しない者はFRB議長にせず」、就任前から利下げ要求
ロイター編集
2025年12月24日午前 3:52 GMT+9

こりゃ後任がやりにくくなったら可哀そうだから1月3月連続利上げが必要ですね(大嘘)


〇高市首相日経インタビューでも円安金利上昇の火消しモードですかそうですか

まあ商売だからしょうがないのはわかるけどこういう「公益性の高い単独インタビュー」は全文公開をして頂きたいもんだと思いますし、これ逆側の観点で言えばメディアに対して権力サイドが「単独インタビュー」を餌にして都合の良い記事を書かせるような圧力を暗に掛けることに繋がるので如何なものかというのは正直ある。

昔は紙媒体しかなかったのでその時からの歴史的流れ、と言ってしまえばそれまでですが。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA225SX0S5A221C2000000/
高市首相「無責任な減税しない」、国債発行抑える 単独インタビュー
高市早苗政権
2025年12月23日 13:47
(2025年12月23日 19:00更新)
[有料会員限定記事]

昨日は月曜相場の丸戻しみたいなことをしていましたが、この記事がどのくらい効いたのかはよくわからんですけれども、為替介入示唆発言とかも含めて、さすがに円安長期金利上昇に対する火消しモードに入っているように見えますわな。

記事の方は有料会員記事なので無料のリード部分だけ引用しますが(引用しますがも何も無課金なので読んでませんけどね、あっはっは)、

『高市早苗首相は23日、首相官邸で日本経済新聞の単独インタビューに答えた。政権が看板に掲げる「責任ある積極財政」について「無責任な国債発行や減税を行うということではない」と語った。長期金利が上昇圧力を強めるなか、市場の信認を意識しながら財政運営する姿勢を強調した。』

『積極財政が財政悪化や円安を招く懸念はないかと問うと、首相は「積極財政は先を見据えた財政政策だ。決して規模ありきでいたずらに歳出を拡張す...』(上記URL先より、以下会員記事)

とのことでして、落選した方の自民党総裁選時に「利上げはアホやと思う」と言ってみたり、今回の総裁選および政権発足以降は経済政策においてブレーン(笑)を中心に高圧経済音頭を踊り倒して積極財政をぶち上げたり、というポンポコリン丸出しのスタートを切った高市政権な訳ですが、ここに来てやっとポンポコリン共の言ってる通りにすると現実から手酷いしっぺ返しを受けることになるとお気づきになったのであれば誠に慶賀すべき事態ではありますな。

ただ財政クレクレの流れは与野党ともに止まることを知らずモードですし、大体からしてクレクレモードを止めたら支持下がらんですかねえというのも有るわけですし、もっとそもそも論を言えば、足元では税収が上がっているし物価高を反映した支出の方は後から来るから財政ポジション改善しているように見えますが、それを持って還元と称してバラマキをしている件については、それ景気後退時期になって税収減ったら増税でもするのかよ小一時間問い詰めたい訳で、ワイが中学の公民だか高校の政治経済だか忘れたけど教わった筈の「財政のビルトインスタビライザー」はどこ逝ったの巻。

てな訳で、まあ本質的に反省しているのかどうかは謎で、確かに市場なんてチョロいからちょっとリップサービスしておけば目先は凌げるという悲しい事実はありますが、そうやって目先を凌ぐことばかりしていると後でもっと大きなツケが回ってくるので、本質的に反省をしていただきたいですし、本質的な反省を示したいなら経済財政諮問会議とかあの辺りに巣食っている経済ブレーンとやらを全員追放して頂きたい、というかあいつらを追放したら一発で財政懸念の長期金利上昇は(円安も)止まるじゃろw

インタビュー全文はこちら(と言っても会員記事ですが)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA234VU0T21C25A2000000/
高市早苗首相の23日の単独インタビュー・全文
高市早苗政権
2025年12月23日 19:45
[会員限定記事]

最初の質問から中々突っ込み度合いが高そうですね、回答が分からんからアレですが・・・・・・


ということで、目先の目くらましに言ってるだけなのか、それとも心底反省しているのか、というのの見極めが今後は必要になるんじゃなかろうか、と思いました。


〇なんか知らんけど盛大に月曜の動きを戻すの巻でしたな(なお短国はリバーサルなく相変わらず強い)

ふむふむ
https://jp.reuters.com/markets/japan/QTW2QZD77VMNPB33P7HEJMOUAI-2025-12-23/
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は反発、長期金利2.035% 円安一服・財政懸念和らぐ
ロイター編集
2025年12月23日午後 3:30 GMT+9

『[東京 23日 ロイター] - <15:14> 国債先物は反発、長期金利2.035% 円安一服・財政懸念和らぐ

国債先物中心限月3月限は、前営業日比45銭高の132円85銭と反発して取引を終えた。円安が一服したことや財政懸念が和らいだことを背景に円債は買い戻しが優勢となった。現物市場では新発10年国債利回り(長期金利)は同4.5ベーシスポイント(bp)低下の2.035%。』(上記URL先より、以下同様)

ということですが、記事を拝読しますと、

『また、2026年度予算案を巡っては、政府は一般会計歳出総額を122兆円前後とする方向で調整に入り、新規国債発行額は30兆円前後になる見通しだと報じられ、「(中長期債の)国債発行が大幅に増えない可能性が出てきたことは、市場にとってはポジティブな材料だ」(鶴田氏)との見方を示す。』

目先のやりくり部分で反応しているのがまあいつものチョロさなのですが、それよりも本質的な姿勢がどうなっているのかという話で、結局何とか会議にあの連中が集団で居座っている状態なのって本質的な姿勢が何ら変わっていないというのを示すんだよなーとしか申し上げようがない、というのがアタクシの個人の感想ですなのではありますが、まあこうやってとりあえず反応したようであります。

『高市早苗首相は23日、日本経済新聞のインタビューで、政権が看板に掲げる「責任ある積極財政」について「無責任な国債発行や減税を行うということではない」と述べた。市場では「財政拡大懸念から売っていた市場参加者が買い戻すきっかけとなっているようだ」(前出の国内証券債券セールス担当)との声が聞かれた。』

まあ確かに「国債発行して減税」くらいのことを言ってた政権発足当初のクズっぷりからはかなりの改善が見られますが、単に金利上昇を受けて目先市場をチョロマカシておく必要があるとの判断なのか、心底反省しているのかはこれから見て行くことになるでしょうけれども、一旦は高圧経済馬鹿音頭の盆踊り大会は休止になったということですので、高圧経済音頭を材料にした売りは一巡ということですねわかります。

『現物市場では新発債利回りは低下。2年債は前営業日比3.0bp低下の1.090%、5年債は同4.5bp低下の1.490%、20年債は同2.0bp低下の2.98%。30年債は同0.5bp低下の3.425%、40年債は同1.5bp低下の3.700%。』

火曜の相場は月曜相場のリバーサルだからこうなる、ってことではあるのですが、財政懸念が緩和されて買われるなら長い方が買われるのは分かるが短い所買う必要は無いじゃろという感じで、2年2.5強だか3強ってなにやってんだかとアタクシは思ったりもするのですが、金曜の利上げからこの方なんかもう訳の分からんムーブになっているのでおこちゃまのワイ理解に苦しむの巻でありまする。まあメモだけ取っておく感じで(滝汗)

『    OFFER  BID    前日比
2年   1.087  1.099    -0.025  15:06
5年   1.484  1.497    -0.046  15:03
10年  2.033   2.04    -0.043  15:09
20年  2.978  2.985    -0.019  15:09
30年  3.421  3.432    -0.004  15:10
40年  3.692  3.701    -0.019  15:10』

まあ昨日ベアフラットしたのの反動なのと、円安が一旦戻ったので短い方が強かったって事ではありますが、短い方動き激しすぎますなマッタクモウ。


なお短国ちゃんですが、長くなるので3月償還から3Mカレントのところだけ売参引用しますが、

https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html

(12/23引値)
国庫短期証券1346 2026/03/02 平均値単利 0.595
国庫短期証券1347 2026/03/09 平均値単利 0.625
国庫短期証券1348 2026/03/16 平均値単利 0.620
国庫短期証券1350 2026/03/23 平均値単利 0.635
国庫短期証券1352 2026/03/30 平均値単利 0.635 ←カレント3M

(12/22引値)
国庫短期証券1346 2026/03/02 平均値単利 0.605
国庫短期証券1347 2026/03/09 平均値単利 0.635
国庫短期証券1348 2026/03/16 平均値単利 0.640
国庫短期証券1350 2026/03/23 平均値単利 0.650
国庫短期証券1352 2026/03/30 平均値単利 0.640 ←カレント3M

長期債市場が前日のリバーサルをやっているというのに短国ときたら昨日もしっかり引け強になっていますし、一々引用しませんが償還短い方も更に強くなっていまして、まあ3Mあたりまでの短国は年末越えとか長期ゾーン避難民とか担保繰りとかの事情による「短期ゾーンのリスクフリー資産へのニーズ」を反映したものであって、市場の金利観を反映したもんではないですわな。なお1年どころは市場の金利観っぽいムーブをしていそうな感じですな。

まあ今回に関しては年末越え直前に政策金利が上がった上に、政策金利変更の前に年内の3M短国の入札が全部終わってしまって1週間半の端境期が発生しているので、ということなんでしょうけれども、これすなわち3M以下のTDB発行量が市場全体のニーズに対してやはり絶対的にかなりの幅で不足しているということを示しているかと思いますが、毎度申し上げておりますように短期の政策金利がようやく名目下限と他の国では言われる50bpから離陸しましたので、今後短期資金がリスクフリーの安全資産を求める動きってのが追加されると思いますし、20世紀にあった「新発NCD3か月物」というターム物指標金利が閉店モードになっている中で、短期市場の3M辺りの指標金利というのも欲しいところではありますので、新発TDB3M利回りが真の意味での短期ターム物の信用リスクフリーレートの指標金利として育って頂くためにも、3M短国を特会と国庫資金繰りの帳尻だけではなく、短期の重要市場として育成して頂くことをご検討されることを望む所です。

なお東京レポレートちゃんの方ですが、
https://www.jsda.or.jp/shiryoshitsu/toukei/trr/index.html

         O/N  T/N 1w  2w  3w  1m  3m  6m  1y
2025/12/19 0.497 0.687 0.696 0.694 0.699 0.709 0.723 0.752 0.837
2025/12/22 0.743 0.740 0.724 0.711 0.719 0.721 0.734 0.757 0.846
2025/12/23 0.735 0.738 0.719 0.709 0.717 0.722 0.733 0.759 0.853

こちらも年末越えショートタームの金利が低かったりして、年末越え要因があるんでしょうなあというのは感じられますけれども、それはそれとして全般的には利上げ後の新しい居場所ってこんなもんじゃろって感じですし、1年の85.3ってのは7月会合で利上げだと思えばそんなに違和感のある水準でもない(ただし利上げ前倒しやペース加速は織り込んでいない)というのは昨日も申し上げた通りですが、こっちはまあこんなもんですかねえということなので、短国独自の現象って所だと思いますし、やっぱり3MTDBの発行量が以下同文w


〇決定会合植田総裁記者会見(その2)

などと言っているうちに明日は経団連で植田さんからのクリスマスプレゼントが容易されているのですが。

https://www.boj.or.jp/about/press/kaiken_2025/kk251222a.pdf
総裁記者会見
――2025年12月19日(金)午後3時30分から約70分


・中立金利面白問答の続き

昨日ご紹介した

『日銀が公表した複数の中立金利の推計モデルの値ですが、こういうものをまず、なぜ幅のあるものを公表したのか、対話のツールとして公表したのか、その点を伺えればと思います。』

という質問で既に植田総裁のライフはゼロよ!!!って感じになっていたのはご案内の通りかとは存じますが、やっぱり見世物として面白いので中立金利問答をさらに引用して差し上げようかとw

『(問)(前半割愛)二点目は、中立金利と政策金利の距離なんですが、名古屋の記者会見では、利上げした際にもう少しその距離についてはっきりと明示しますと言って頂いたんですけれども、実際は幅がある中立金利の概念の中で、その距離は難しいと思うんですが、先ほど下限からは少し距離があるとおっしゃったので、そこが今の政策金利と中立金利との距離という、そういう明示されたご判断ということなのか、今後の利上げを考えるうえで、この距離について何かもう少しヒントが得られればと思うんですがそこはいかがでしょうか。』

質疑も後半の方になっておりますが、あれだけ大見得切って名古屋講演の会見で言ったのもさることながら、今回は植田さん中立金利云々のお話を国会の委員会質疑でもしているというのがあまりにも酷い訳で、そりゃ皆さん半分以上嫌がらせで聞いているんじゃないかと思いますが、植田さんの回答はと言いますと、

『(答)(前半割愛)それから、中立金利と現実の金利の距離感について、もう少し情報が何かないかというご質問だったと思いますけれども、これは先ほどの方のご質問に対する答えを繰り返すことにならざるを得ないと思いますけれども、不十分ではあるけれども、推計された中立金利の下限よりもまだ少し下にあるというのは弱い一つのエビデンスであろうかと思いますし、それから申し上げたように、これまでやってきた利上げの影響をみたときに、ものすごい金融緩和度合いが急速に引き締まっている、縮まっているというようなエビデンスはないようにみえるという辺りでございます。』

実質金利の方で説明して何とか逃れておりますが、「距離感」という話になってしまうと、結局のところは「ザ・中立金利」との差分は如何って話になる訳で、中立金利をコミュニケーションの道具に使うこと自体が下手くそ丸出しにも程があるのですが、今回必死こいて「ザ・中立金利」の話から離脱しようとしているのは把握しましたが、明日の経団連講演や1月の展望レポートではどういう説明をおっぱじめるのかが楽しみです。


しかしまあ何ですな、

『(問)今回、実質金利について、きわめて低いとか大幅なマイナスっていう評価をされたわけですけども、この文言については、常識的に考えれば、あと 1 回、0.25%の利上げでは対処しにくいと思うんですけども、この大幅なマイナスの実質金利、きわめて低い実質金利に対して、残り 1 回の利上げで対処することもあり得るというふうに考えてよろしいんでしょうか。』

以前安易に出した(当時は「先の先の利上げまで一気に織り込まれると困る」という思いで出したんでしょうけれども)「推計される中立金利の下限が+1.0%」っていうその場の目くらまし数値がここに来て思いっきりダメージになっている訳ですわ。

『(答)対処といいますか、利上げの余地がどれくらいかというご質問だと思うんですけれども、それは先ほど来申し上げてますように、今回の利上げの経済・物価・金融環境への影響をチェックしつつ判断していきたいと思っております。』

とかいう問答になってみたりしているのも笑いますが、なにげに最後の方ではこんなことまで言い出しておりまして・・・・・・・・・・・


・経済が新しい均衡に向かう前に中立金利を精緻に推計することに意味が無いと事実上言ってるのはクソワロタ

『(問)中立金利の推計に幅があって難しいということは、よく理解致しました。改めてですね、総裁ご覧になってその中立金利を推計するうえで、大事な要素っていうのは例えばどんなものがありますでしょうか。それは半年前、1 年前と比べて何か変化はありますでしょうか。』

しらっと「半年前、1 年前と比べて何か変化はありますでしょうか」とか爆弾質問をしているのイイデスネ!

『(答)一つは、答えになってないんですが、データがたくさんあった方がいいということですし、更に申し上げれば、中立金利の周りで中立金利より高かったり低かったりということが何回も繰り返されていると、中立金利はより精密に推計されやすいということです。残念ながら、そういう何回ものサイクルは過去 2、30 年みても日本経済にあまり多くはなかったということです。』

誠に仰る通りなのですが、だったらそもそも論として今の時点で中立金利の推計を精緻化するという作業は労多くして功少ないし、場合によってはミスリーディングな結果を出す(現に「下限+1.0%」が既にコミュニケーション上のガンになっているわけですしおすし)ことになるんですけど、ほんの2週間ちょい前に言ってたことは何だったのかと小一時間問い詰めたいですね。

『また違う観点から申し上げれば、中立金利は潜在成長率と関係が深い概念ですので、潜在成長率について、もう少し情報があるとか、そこと中立金利の関係については考察を深めるとか、それはもう一つの接近方法だと思います。』

だったら「現時点での中立金利推計」とか労多くして功少ないもんに血道をあげてコミュニケーションのツールにするなよとしか言いようが無い。


・具体的な「今の数値」を出すのもまあ有害無益だから当面は止めた方がいいですよね〜

最後の方なのでマシンガン質疑になっていますが、この方の後にもしらっと辛辣な質問が並んでいまして、これは単純化してしまえば「今の中立金利とかいう物に関して具体的な数値を出すことの弊害」がモロに表れているという話なんですが・・・・・・・・・・・

『(問)今回の決定の中で、実質金利がきわめて低い水準にあるという表現がありましたけれども、この実質金利というのはどの実質金利を指すのか。これまで 1 年、10 年を使って、差し引くインフレ率は予想物価上昇率を使っているケースが多かったかと思うんですが、総裁、先だっての 12 月 1 日の講演では、コアCPIを差し引くのに使ってらして、改めてこの実質金利はどの数字を指すのかなっていうのを、というのも、どちらを用いるかでCPIと予想物価上昇率、今後、日銀の予測だと方向性が違うので、緩和度合いというのも分かれてくるのかなと思いまして、実質金利の定義を教えて頂ければ幸いです。』

これは鬼wwwwwwwwwwwwwwww

まあアレです、アタクシうっかりネタにしてませんでしたが、12月1日の名古屋講演での「実質金利」の図表に関しては「ナンジャコリャ」という指摘が結構市場の中の人から飛んでいた件ですのでよくやった。

でもって回答ですが、

『(答)実質金利の計算のときに、予想インフレ率のところに何を使うかという点は、その計算をする人の考えで幅がある概念だと思います。ただ、様々な予想インフレ率を使っていろいろ計算したとしても、オーバーナイトの政策金利のところから 2、3 年のところ、短期ゾーンまでは、はっきりと大きなマイナスだということは言えるかと思います。』

もはや回答になっていないですが、これはもう黒田末期以降の日銀の悪い傾向である「その場の説明に都合の良いものをアドホックに出してくる」という頭が良いんだか悪いんだか良くわからない(お勉強がとんでもなく出来る集団なのはもう間違いないですけど)行動の蓄積が遂にここに来てボロが出てきたという感じですな。

さらに次の人が、

『(問)中立金利についてお伺いしたいんですが、日銀の推計として幅はあるものの、大体1〜2.5%というものを出されていると思います。総裁のお考えとしては、幅があるけど大体この間にあると考えてらっしゃるのか、ということは 1%にいったら、別に上限にぶつかったということでもないし 2.5%までいけるということでもないという理解をしていいのか。それとも先ほど来おっしゃってるように、経済・物価・金融情勢をみながらということであれば、例えば 0.75[%]で終わって利上げっていうのが、これが中立という可能性も総裁はお考えになっているんでしょうか。』

植田さん完全に逆手を取られていますねえw

『(答)大事な点としては、統計的な推計作業だけでは絞りきれないようなもの、あるいは、ような状況にあるということだと思います。従って繰り返しですけれども、金利変動に対する経済の反応をみつつ、手探りでみていかないといけないということだと思います。』

じゃあ何で精緻化するとか次の利上げの時にはもう少しお示ししたいとか口走ったんだよwwwwwwwwwwww


とまあそういう訳で面白問答であって別に政策インプリケーションがある話でもないネタで誠に恐縮ですが、まさかの2回シリーズになってしまいまして誠に申し訳ございませんでした(時間の関係上続きは明日で勘弁)







2025/12/23

お題「介入に断固たる姿勢とな/利上げ初日市場メモ/総裁会見より(その1)」

まあ結局はこの先の経済と物価のバランス次第ですよね米国は・・・・
https://jp.reuters.com/markets/japan/BYQ6IR4PJ5MMLJMZOHIESG5BXI-2025-12-22/
利下げしなければ、景気後退リスク増大─ミランFRB理事=報道
ロイター編集
2025年12月23日午前 12:35 GMT+9

『[22日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のミラン理事は22日、近い将来における景気後退リスクはみられないとしつつも、「金利を下方に調整しなければ、景気後退リスクが高まる」という認識を示した。ミラン理事はまた、ブルームバーグとのインタビューで、自身の後任が上院で承認されるまで、年1月末の任期終了後も現職にとどまる公算が大きいと述べた。』(上記URL先より)

後任承認されなかったら空席になるんじゃないのかと思うのだがなんかお助け規定があるのかね、まあいいけど。


〇片山財務相BBGインタビューでぶちかましても1円行くか行かないかの円高とはオワットルわwwww

今朝こんなのがキテマシタが、
https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2025-12-22/T7CBH6T96OSG00
片山財務相、過度な為替変動には断固たる措置−介入は「フリーハンド」
・日銀総裁会見以降の為替の動きは「ファンダメンタルズではなく投機」
・9月の日米財務相共同声明に基づいた措置取れる-「常に万全の態勢」
Takashi Umekawa、Erica Yokoyama
2025年12月22日 at 22:10 JST
更新日時:2025年12月22日 at 22:21 JST

『片山さつき財務相は、為替の過度で無秩序な変動に対し、断固として措置を取る用意があるとし、市場介入も辞さない姿勢を示した。22日にブルームバーグの単独インタビューに応じた。』(上記URL先より、以下同様)

と思うんだったら変なブラフ掛けないで黙って介入すりゃいいのですが、まあこういう風に吠えている時点で実弾打たないで何とかしよう、という出し惜しみ感が出てしまうんですけどねえwww

『片山財務相は、日本銀行の植田和男総裁の19日午後の記者会見後に進んだ円安について、「非常に短い時間での動き。完全にファンダメンタルズではなくて投機だ」と指摘。このような動きに対して、9月の日米財務相共同声明に基づき「断固として措置を取る、アクションを取るということを申し上げている」と語った。』

とのお告げですが、総裁会見で「次の利上げを判断するのに時間がかかりそうだし、利上げの最終着地を示さないのも利上げのやる気が無い」と見なされてしまった(前者は兎も角後者はそもそも論として今の日銀の場合は(インフレ期待がアンカーされている状態とは言い難いことになっているので)最終着地を出す必要が無いのだからミスコミュニケーションなのですが、その前に植田総裁が要らんことを言ったのが悪いので自業自得のミスコミュニケーション)のですからどう見ても「金融政策運営というファンダメンタルズを反映したムーブメント」です本当にありがとうございました、としか言いようが無いんですけどね。

よって、

『為替介入も含めた行動を取れるということは日米財務相間の合意事項であり、「フリーハンドがあるということだ」と説明。年末年始で取引が薄くなる中でも、「常に万全の態勢」が整っているとした。状況はその都度異なるため、介入の手法に定型のパターンはないとも述べた。』

まあ年始に介入ぶちかましとかやっていただいてもよろしくてよ、とは思いますが、たかだか政策金利0.75%如きでベッセントが許してくれるんですかねえ。これがせめて政策金利1.25%とか1.50%あれば格好は着くのですが、「実質金利は大幅なマイナス」とか思いっきり日銀が表明している(声明文にそう書いてあるんだから仕方ない)のに、円安阻止介入をするって、とは思いますけど。

と思ったらドル円ちゃんは
https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2025-12-22/T7OAL5KK3NYD00
円、対ドルで一時156円台後半に上昇−片山財務相の発言に反応
Vassilis Karamanis
2025年12月22日 at 22:29 JST

『片山さつき財務相がファンダメンタルズに沿わない為替の動きに対しては、「フリーハンド」で行動を取れるとブルームバーグとの単独インタビューで発言し、円相場が反応。円はドルに対して一時0.6%上昇し、1ドル=156円88銭を付けた。』(この部分だけ直上URL先の方のブルームバーグニュース記事より)

0.6%wwwwwwwwwwwwwwwwwww


でまあ元記事に戻りまして長期金利に関しては

『政府は2026年度当初予算案を今週にも閣議決定する見通しで、編成作業は大詰めを迎える。片山財務相は、新規国債の発行額などの具体的な数字には言及しなかったものの、「市場に迷惑をかけるようなものにはならないと確信している」と強調した。』(このコーナー最初に引用した方のBBG記事(片山財務相インタビュー)より、以下同様)

まあ申し訳ないがおんどれの確信なんぞ何の役にも立たんのだが。

『積極財政に転換すれば、初年度は財政の数字の中で悪くなるものがあることは認識済みだという。「そこが問題ではなく、何をやっても経済成長率が全然上がらない状況を10年、20年、30年と繰り返してきて、今までと同じことをやってもしょうがない」と説明。集中投入して成長力を高める方に大きくかじを切る必要性を強調した。』

どう見ても財政莫大に出す気満々なのですが、その割には中身がしょうもいやなんでもありません。

というかまあ債券市場的には今回利上げしているのに(ミスコミュニケーションの面も否めないとはいえ)為替がビタイチ円高に振れないで思いっきり円安に振れたというのは結構な衝撃をもって受け止めていると思いますし、なんか昨日は10年叩き料理が展開されていた訳でして、総裁会見とかいう大事なネタもあるのですが、本件及び昨日の市場メモはちゃんとメモっておく必要が・・・・・・・



〇10年の叩き料理ですかそうですか(利上げ開始市場備忘メモ)

いつものようにロイターさん
https://jp.reuters.com/markets/japan/GD33MWGUHNKYDKJFDAUZCLAVKA-2025-12-22/
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は続落、長期金利一時26年半ぶり2.1% 日銀利上げ継続意識
ロイター編集
2025年12月22日午後 3:34 GMT+9

『[東京 22日 ロイター] - <15:16> 国債先物は続落、長期金利一時26年半ぶり2.1% 日銀利上げ継続意識

国債先物中心限月3月限は、前営業日比45銭安の132円40銭と続落して取引を終えた。円安進行を背景に日銀による利上げが継続されるとの見方から円債は売り圧力が強まった。現物市場では新発10年国債利回り(長期金利)は一時2.10%と1999年2月以来の高水準を付けた後、同6.0ベーシスポイント(bp)上昇の2.080%。』(上記URL先より、以下同様)

ということで、前述した通りで円安進行しちゃっているのがたぶん債券市場的には(ノ∀`)アチャーって奴だと思われる訳でして、しかもこの債券安を見ても為替市場の方は碌すっぽ反応していない(と思われる)次第でして、昨日は木原官房長官とか三村財務官の牽制もあったのでそっちの方には多少は反応していたようには見えるのですが、円債が前場引けとか後場寄り辺りで親の仇のように売られている中で別にドル円ちゃんが円高に反応しているような雰囲気は無かったように見られる、というのもこれまた円債ションボリーヌという感じだったのではないかと愚考します。実際のところは知らんけどな。

『国債先物は朝方から売りが先行。前週末の欧米金利上昇や夜間取引の小幅な下落に追随して始まった。その後じわじわと国債先物は下げ幅を拡大。現物市場では5年債や10年債ゾーンを中心に金利上昇圧力が強まった。「銀行勢による中長期ゾーンの売りが目立った」(国内証券債券セールス担当)という。』

ありゃま。

『後場に入り、国債先物は一段と下げ幅を拡大。現物市場では新発10年債利回りが一時2.10%と26年半ぶりの高水準を更新。ただ、その後押し目買いが入り、2.075%に低下。「地方勢による買いが多少入ってきている」(同)という。その流れが波及し、国債先物もじわじわと下げ幅を縮小した。』

そういや大昔よく話をしてたのは「2%って意外に止まらなくて1.9か2.1の方が止まるんだよなあ」とか言ってたような過去の記憶がだんだんよみがえってきましたが、なかなか便利なのは過去の公社債便覧でもひっくり返してみれば、10年債の大昔のクーポンってのがわかりますし、当時は基本カレントクーポンで発行してたからだいたいの居場所がイメージできるので、滞留時間の長かったクーポンってナンボジャロとか読めると思います。なにせ前世紀の話なので昭和ジジイとしては相場様が戻ってくると過去の記憶が何となく戻ってくるという状況ですが(コラ)。

てな訳で、

『現物市場では新発債利回りは上昇。2年債は前営業日比3.0bp上昇の1.120%と1996年以来の高水準、5年債は同5.0bp上昇の1.535%と、2008年以来の水準まで上昇。20年債は一時3.025%と過去最高水準を更新した後、同3.0bp上昇の3.00%。30年債は同1.5bp上昇の3.430%。40年債は同0.5bp上昇の3.715%。』

ベアフラット〜

『    OFFER  BID   前日比 
2年   1.11   1.123   0.025  15:02
5年   1.529  1.541   0.055  15:12
10年  2.075  2.081   0.059  15:13
20年  2.998  3.007   0.033  15:10
30年  3.427  3.437   0.022  15:17
40年  3.712  3.721   0.01  15:10』

ということでメモっておくわけですな。


なお短期ですけどこれがまた短国ちゃんは3Mカレントの金利がむしろ下がるとか言うアレ事態に・・・・・

https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html

(12/22引値)
1月足(の3Mの成れの果て銘柄)
国庫短期証券1334 2026/01/07 平均値単利 0.530
国庫短期証券1335 2026/01/13 平均値単利 0.530
国庫短期証券1337 2026/01/19 平均値単利 0.515
国庫短期証券1339 2026/01/26 平均値単利 0.515

2月足
国庫短期証券1340 2026/02/02 平均値単利 0.515
国庫短期証券1341 2026/02/09 平均値単利 0.515
国庫短期証券1343 2026/02/16 平均値単利 0.568
国庫短期証券1344 2026/02/24 平均値単利 0.575

3月足
国庫短期証券1346 2026/03/02 平均値単利 0.605
国庫短期証券1347 2026/03/09 平均値単利 0.635
国庫短期証券1348 2026/03/16 平均値単利 0.640
国庫短期証券1350 2026/03/23 平均値単利 0.650
国庫短期証券1352 2026/03/30 平均値単利 0.640 ←カレント3M


(12/19引値)
1月足(の3Mの成れの果て銘柄)
国庫短期証券1334 2026/01/07 平均値単利 0.529
国庫短期証券1335 2026/01/13 平均値単利 0.529
国庫短期証券1337 2026/01/19 平均値単利 0.514
国庫短期証券1339 2026/01/26 平均値単利 0.514

2月足
国庫短期証券1340 2026/02/02 平均値単利 0.514
国庫短期証券1341 2026/02/09 平均値単利 0.514
国庫短期証券1343 2026/02/16 平均値単利 0.569
国庫短期証券1344 2026/02/24 平均値単利 0.575

3月足
国庫短期証券1346 2026/03/02 平均値単利 0.605
国庫短期証券1347 2026/03/09 平均値単利 0.635
国庫短期証券1348 2026/03/16 平均値単利 0.660
国庫短期証券1350 2026/03/23 平均値単利 0.660
国庫短期証券1352 2026/03/30 平均値単利 0.665 ←カレント3M

ちょwwwwwwwおまwwwwwwwwカレント3Mが2毛5糸強wwwwwwwwwww

ということでですな、月曜日にはアタクシ「利上げしてるのに何じゃこのレートは」などと申しておりましたが、修正されるどころかカレント3Mが(3/30エンドだから使い勝手あまり良くない銘柄にも関わらず)堂々の金利低下で付利から10bp以上低い水準になってしまったでござる(その手前の銘柄も1毛強とかいう感じで強くなっていますしおすし)の巻となっておりましてこりゃ大変に失礼しましたと平身低頭するしかないというおそロシアな展開に。

でまあこうなりますと、短国ちゃんに関しては1/7の償還銘柄の見合いで発行される奴が1/6に入札があるのですが、要するにそこまで新規供給が無い(償還も無いけど)ので、何のことはない3Mの方は需給確りなんかいなという事ですが、これは長い方からの避難民キマシタカネと思わせる(実際のところは知らんが)中長期売りの中で短国の短い方強い(ちなみに引用しませんけど1年とかの引けは金利上昇しております)という攻撃になりやがりました、おーおそろし。

なお、東京レポレートちゃんの方ですが
https://www.jsda.or.jp/shiryoshitsu/toukei/trr/index.html

         O/N  T/N  1w 2w  3w  1m  3m  6m  1y  
2025/12/19 0.497 0.687 0.696 0.694 0.699 0.709 0.723 0.752 0.837
2025/12/22 0.743 0.740 0.724 0.711 0.719 0.721 0.734 0.757 0.846

ということでして、金曜11時の時点ではトモネGCまだ一応半信半疑レートでしたが、さすがにこちらは付利菌prん迄金利上昇の巻となっておられますし、ターム物も70台には乗ってきましたでござるというところでありますが、短国3Mのムーブは(それが付利近辺だったら兎も角この金利水準で、ということで)ナンジャソラ状態ではございますなというメモでした。


〇植田総裁記者会見(どうせ終わらんのでその1)

https://www.boj.or.jp/about/press/kaiken_2025/kk251222a.pdf
総裁記者会見
――2025年12月19日(金)午後3時30分から約70分

・当たり前だが「中立金利」の説明で初手からお笑い劇場が発生しておられる訳ですな

まずは幹事社の質問の後半が中立金利でしてですね、

『(問)(前半割愛)二問目は、今後の利上げペース、中立金利についての考え方を教えてください。今回の利上げ後もなお緩和的で、経済・物価情勢に応じて引き続き政策金利を引き上げる、緩和度合いを調整するということですが、かねて示されている中立金利の推定幅の下限は 1%であり、今回の利上げで一歩下限に近づく中、今後の利上げに当たり一段と注意して観察されるデータ、情報があれば教えてください。』

水準の話と政策反応関数の話が質問ですけれども、植田総裁の答弁は、

『(答)(前半割愛)続いて、今後についてのご質問ですけれども、まず先行きの金利パスや金融緩和の度合いを調整するペースは、今後の経済・物価・金融情勢次第であって、毎回の金融政策決定会合において、経済・物価の見通しやリスク、見通し実現の確度をアップデートしながら、適切に判断していく方針です。』

でまあこれは幹事社質問という一発目の質問ですからさすがに想定問答がこうなっていると思うのですけれども、今回の会見に関しては拙駄文でも10回位は懸念を表明させていただきましたが、当然ながら多くの識者の方々が「会見でのコミュニケーションをミスると為替が飛ぶ懸念とか金利が飛ぶ懸念があるけど喋るのがこれまでも散々会見でやらかしている植田総裁なのでヤバいっすよね」という指摘をされておられたと思うのよね。

でですな、先行きの金融政策運営に関しては、上記の事と、もうちょっとこう「今後も金融緩和度合いの調整、即ち利上げを実施しますよ」というのをもうちょっと強めに言った方が良かったとは思いますが、まあ要するに上記の事以上の話をするとドツボにハマるじゃろとか思ってたら、案の定後の方でどんどんドツボにハマって円安飛ぶ飛ぶ炎と燃えてしまったのは皆様ご案内の通りかと。

でまあ政策反応関数問答は(時間の関係上)今日カバーしている余裕が無いので明日に続くとしまして、中立金利に関しての説明が次に入ります。まあこれも初球の幹事社質問だから想定問答をちゃんと踏まえて説明していると思うのですが・・・・・・・

『それから、中立金利ですけれども、中立金利の推計値ですが、以前よりずっとお話ししてきました通り、相当なばらつきがあります。従いまして、その水準を前もって特定することは難しく、かなりの幅を持ってみる必要がある、というふうに考えています。』

で??

『このことを前提にしますと、私どもとしては、今後とも短期金利の変化に対する経済・物価の反応を点検し、中立金利の水準をそういうことから探りながら、金融緩和の度合いを調整していくことが適当と考えています。』

まあこの程度は言わざるを得ない(「何を点検するのか」によっては「毎回の点検にクソ時間がかかる=この先の利上げペースはクソ遅い」となってしまうので物言いには注意しないといけないのだがそこでやらかすのが植田日銀クオリティなのは後述、というか明日に続きます)のですが、

『そのうえで、金融緩和の度合いを評価するに当たっては、短期金利と中立金利の関係だけでなくて、実質金利の水準や貸出の動向などを含め、経済・物価・金融情勢を丁寧に点検しながら総合的に判断していく必要があると考えています。』

「丁寧に」って入れるのがまず余計で、これまあ大本営あるいは植田さんとしては「丁寧に=真剣に」って意味合いなのかも知れませんけれども、もともとがハトハトチキンおじさんという市場(債券のみならず他市場含めて)の評価が一般的となっている植田さんがこの「丁寧に」を使うと、その時点で「利上げに時間がかかる」という評価になってしまいやすいので「丁寧に」ってのもう言うの止めたらと思いますけど何とかならんもんかね。


・・・・・ということで初球は無難にこなせているのですが、その直後に早速無慈悲な追加砲撃が飛んでくるのが大変にお洒落なんですよね。次の質問者から。

『(問)(前半割愛)二問目ですが、先行きの利上げについてですけれども、先ほども言及がありましたが、今回の声明文で、利上げ後でも実質金利は大幅なマイナスが続き、きわめて低い水準という従来の表現を踏襲されているかと思います。これは、いわゆるターミナルレートが引き上がったため、0.25%上げてもまだかなり距離があるということなのか、あるいは単純に、実質金利のマイナス幅が深いということを指しているのか、もう少し、このきわめて低いというご見解の背景についてご説明を頂ければと思います。』

さっきの説明だったら何で声明文では「実質金利は極めて低い」になるんだよ、という正論アッパーカットが打ち込まれる訳ですが、この回答からが中立金利の説明のグダグダが始まりまして・・・・・・

『(答)(前半割愛)それから、0.75[%]になっても実質金利はきわめて低いということの意味ですけれども、一つには、きちんと特定は難しいと申し上げた中立金利ですが、その推計値のある種下限には、まだ少し距離があるということが一つ言えるかと思います。』

1%ならあと0.25%しか無いのですが・・・・・ということで以下の説明がもう見てらんない(リアタイで聞いている時も腹抱えて笑ってましたアタクシw)

『それから、先ほど申し上げたように、中立金利がどれくらいか、あるいは中立金利と現実の金利の差、これを推し量っていくに際して、金利を調整したときの経済・物価あるいは金融情勢の反応をみながらやっていきたいというふうに申し上げました。既に、ここまでに、マイナス金利からゼロ金利に移行するところを含めまして、何回か金利を上げてきております。それに伴っての経済・物価あるいは金融環境の変化を改めて振り返ってみますと、利上げによって、そういうところに、ものすごい強い引き締め効果が出たというわけでもないというふうにも考えられます。そうした点を総合的に判断しますと、まだ実質金利はきわめて低いところにあるというふうに考えた次第です。 』


グダグダにも程があるのですが、その次も砲撃がありまして、


『(問)(前半割愛)もう一問。先ほどの中立金利の話にちょっと戻るんですけども、次に利上げがあると政策金利は 1%ということになります。そうすると日銀が推計する下限に当たっている可能性があると思いますが、現時点でもこの水準に上がったとしても緩和的であろうというふうにみていらっしゃるのか、それとも経済・物価の反応をみながらでないとそこは判断できないのか、その点もお伺いします。』

そら聞きますよね。

『(答)(前半割愛)それから、1%にこの先もしなったとしたら、そこでも緩和的な状況といえるかどうかというご質問だったと思いますが、これはご指摘があったように、もちろん中立金利の推計はもっとシャープにできれば、それはそれに越したことはないわけですが、そう簡単ではないと思っておりますので、そっちはそっちで続けつつも、基本的には金利を 0.75[%]に上げたときの今後の経済・金融環境・物価の反応をよくみて判断するということになるかと思います。』

もう見てらんない(まあ視聴時はワイ笑ってましたがwwww)のですが、一人飛ばしてその次の人が辛辣な質問をぶっこんでおりますwwwwww

『(問)まず、中立金利に向けた段階的な利上げスタンスについて伺います。日銀が公表した複数の中立金利の推計モデルの値ですが、こういうものをまず、なぜ幅のあるものを公表したのか、対話のツールとして公表したのか、その点を伺えればと思います。』

これは火の玉ストレート。

『あとこのような値がいくつかある場合、普通は上下の極端な数字を弾いて、残りの値を均したりとか中央値を取ったりとかしてみるとは思うんですけれども、政策の運営の念頭に置くようなイメージもあるんですが、現状、中立金利の総裁の頭の中にある位置付けっていうところをもう少しクリアに対話として表現できないものか、その点を伺いたいと思います。(後半割愛)』

もうやめて!!!植田総裁のライフはゼロよ!!!!!!!!!!!(いいぞもっとやれ)

でまあ回答ですが、

『(答)まず、中立金利の推計のところですけれども、これはうまくいくかどうかは別にして、中立金利という概念自体は金融政策の枠組みを考えていく際に非常に重要な概念ですし、分かるものならちゃんと分かって、それをもとに政策をやった方がいいということは確かだと思います。なぜ推計してその結果を公表したかということですけれども、それは外国でも同じような問題意識から中立金利の推計はこれまでたくさんなされていますし、ある程度は様々な中央銀行はそれを参考にしてるということもありますので、私どもも様々な方法で推計し、取りあえず結果を公表してきたということであります。』

本件についてはおもろいムーブがあることを指摘している方もいましてまあ受け売りでそのうちネタにする所存。

『そのうえで先ほども申し上げたように、現状では非常に幅のある推計結果となっているということですし、特にそのうちのここが非常にもっともらしいということが言える段階ではないのでそのまま出した、絞ったものは出さずにそのまま推移しております。』

質問者の指摘する「混乱の元にしかならんからだったら出すなよ」という話をそのまま肯定してねえかwwww

『ただ、今後はもちろん必要に応じて、あるいは機会があれば、再推計とかを試みたいと思いますし、更に、再推計したとしても、すぐに範囲が縮まるとも必ずしも思えないですけれども、それに加えて、様々な推計には、それぞれの特性がありますので、どういう方法を使っているかというのは違いますので、その中で現状にどちらかといえばフィットした推計方法かどうかというような点も、もっと注意してみていきたいなというふうに思っております。ただそれでも、こうした統計的作業だけで絞りきれるかというとそうではないということは最初に申し上げた通りで、金利調整に対する経済の反応をみながら、中立金利についても類推していくしかないなというふうには思っております。(後半割愛)』

完全に終わり散らかしている回答になっておりますが、もとはと言えば植田総裁の自業自得なので同情の余地は1ミクロンもございませんわwwwwwwwwwwwwww


という中立金利お笑い劇場のネタでとりあえず時間の都合上今朝は勘弁していただきとう存じます。





2025/12/22

お題「決定会合レビュー補足雑談」

今朝は土曜日の補足って感じで恐縮ですが今年はカレンダーの並びのせいでこの週末に成敗しないといけないものが多いからシャーナシということで(滝汗)。

〇今日から本当に75bpになるのですが短期回りの落ち着きどころはどうなるのやら(雑談メモ)

・利上げしたというのになんすかこの短国引値は

ということで本日から超過準備の付利金利が75bpになる訳ですが、昨日の売参ちゃんを見ますと・・・・・・

https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html

(12/19引値)
1月足(の3Mの成れの果て銘柄)
国庫短期証券1334 2026/01/07 平均値単利 0.529
国庫短期証券1335 2026/01/13 平均値単利 0.529
国庫短期証券1337 2026/01/19 平均値単利 0.514
国庫短期証券1339 2026/01/26 平均値単利 0.514

2月足
国庫短期証券1340 2026/02/02 平均値単利 0.514
国庫短期証券1341 2026/02/09 平均値単利 0.514
国庫短期証券1343 2026/02/16 平均値単利 0.569
国庫短期証券1344 2026/02/24 平均値単利 0.575

3月足
国庫短期証券1346 2026/03/02 平均値単利 0.605
国庫短期証券1347 2026/03/09 平均値単利 0.635
国庫短期証券1348 2026/03/16 平均値単利 0.660
国庫短期証券1350 2026/03/23 平均値単利 0.660
国庫短期証券1352 2026/03/30 平均値単利 0.665 ←カレント3M

・・・・・・・(゚д゚)

まあカレント3Mに関しては先週木曜に入札やって入札のアベレージ水準(0.6667%/0.6828%)なので一応話は分かるし、そんな水準なのかよとは若干思うにしましても、0.50%の政策金利やっているときから見たらその時で言えば0.415%なので従来からの経緯を考えればそこまでビビるような低い金利水準ではない(いやまあこの水準が恒常化するのおかしいとは思うけど)訳でございまして、まあそれはそれで良いんですが・・・・・・

せめて1月会合跨ぎでレートが違うならともかく、決定会合もなんも無い2月の途中からレートに階段ついてるとか真面目にやる気あるのかと小一時間問い詰めたい訳ですが、いやまあこれがマジなら1月決定会合で追加利上げが無い事が大前提ですけど、1月償還持ってる人が(資金繰りの問題が無い限りにおいて)保有する1月償還銘柄から3月償還に乗り換えたらフリーランチにも程があるじゃんの世界なんだがマジデスカコレハ。

ちなみに、URL再掲(珍しくリンク)しますけど、そこをみますと、
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html

『・発表日付について
売買参考統計値は、当日の午後3時における気配に基づいて作成・発表していますが、翌営業日の公社債店頭売買を行う際の参考となる価格・利回りであるため、発表日付は翌営業日の日付となります。(例) 3月31日午後3時の気配を基に当日夕刻に発表した売買参考統計値の発表日付は4月1日』

>当日の午後3時における気配に基づいて作成・発表していますが
>当日の午後3時における気配に基づいて作成・発表していますが
>当日の午後3時における気配に基づいて作成・発表していますが

ということで75bpの政策金利引き上げ決定出てから2時間半くらいは経過しているんですがナンナンスカネエ。


なおちなみに東京レポ―レートの方はと言いますと、
https://www.jsda.or.jp/shiryoshitsu/toukei/trr/index.html
東京レポ・レート

         O/N T/N  1w  2w  3w  1m  3m  6m  1y   
2025/12/12 0.499 0.503 0.498 0.551 0.580 0.631 0.692 0.728 0.792
2025/12/15 0.499 0.502 0.502 0.570 0.594 0.649 0.696 0.736 0.804
2025/12/16 0.499 0.502 0.526 0.598 0.619 0.663 0.701 0.742 0.814
2025/12/17 0.500 0.501 0.546 0.621 0.644 0.676 0.702 0.745 0.818
2025/12/18 0.497 0.499 0.586 0.637 0.658 0.692 0.709 0.749 0.824
2025/12/19 0.497 0.687 0.696 0.694 0.699 0.709 0.723 0.752 0.837

東京レポレートは
https://www.jsda.or.jp/shiryoshitsu/toukei/trr/20170829_TermsAndConditions.pdf
東京レポ・レート(レファレンス先平均値)作成・公表要領

『基準時点 ・ レファレンス先は、全ての期間について午前 11 時時点のレート』

となっていまして、こちらは75bp利上げ前のレートでして、まあ利上げほぼ間違いなしとは言え世の中何が起こるか分からんですし、そもそも論として初日の各種レートの落ち着きどころが読めないのですから、政策金利0.75%に対して6.3bp金利水準が低いってのは政策金利50bp時代の通常運転(ちなみに直近のトモネって50乗っていますがこれはGCの資金取り手と出し手のバランスが直近で資金需要が多めに推移しているからでその前はもうちょい低かった)から見たら低いですなあという水準ではあるのですけれども、上述のような各種不透明部分を考えたらまあそんなもんでも別にそんなに違和感ないかなという感じですな。ターム物も若干低い気はしますが(ターム物はT+1スタート換算)、そこまで目を剥くほど低い(利上げの織り込みが無い)訳ではないのでまあねって感じです。

ま、短国アウトライトのセカンダリーって短国自体が償還まで持ち切りで出てこない人が多いと思われるので流動性が無くて、特に発行から期間が経過すると流通玉自体が「誰かが売ったら出てくる」状態ではあるので流通玉が無い→気配が変わりようがない、っていうのは分かるのですけれども、なんかGCと短国のスプレッドが何ぼ何でも、という感じですな、ちなみに1年どころになると、金曜日の短国1年カレントの売買参考統計値の単利は0.870%なので、むしろ短国金利の方が先に上昇しているという風情になっているのが何ともかんともではありますが、まあ短期って相対の世界で中々こういう形で数字が出てくるとナンナンスカコレハ、となってしまうものではあるのですけど、短期政策金利がこれから1%だの2%だのという風になっていきますと、今までどスルーされていた短期の世界の金利形成というのにも注目がされるようになってくる(と良いなあ)と思うので、まあどういう形になるのが良いのかってのは関係各位の研究を願いたいものだとか思うのでした。ワシは知らんけど。


〇こちらは利上げ決定前に書かれた観測記事ですが円一段安に高市政権何を思うでしょうかねえ

・円安進行に高市政権何を思うかしらねえ

https://jp.reuters.com/opinion/3A6HCQDZHFP5TGQE653RSWSGDU-2025-12-18/
マクロスコープ:高市首相が気を揉む為替動向、政府内に日銀利上げ継続容認の声
鬼原民幸
2025年12月19日午前 8:04 GMT+9

タイムスタンプの通りでこちらは決定会合の日の朝に出ている記事なので決定会合後の円安進行は織り込まれていませんが・・・・・・・

『[東京 19日 ロイター] - 日銀は19日までの金融政策決定会合で、政策金利の引き上げに踏み切る見通しだ。為替動向に気を揉み利上げ容認に傾いた高市早苗首相について、政府内からは今後も当面は日銀の追加利上げを容認し続けるとの見方が出ている。すでに焦点は「利上げ後」に移りつつあり、到達金利(ターミナルレート)の水準もささやかれ始めた。』(上記URL先より、以下同様)

ということですがそんなの物価安定目標達成して長期均衡水準に達した場合の長期均衡中立金利ってトレンド物価上昇率+実質トレンドグロースなんだから+2.5%からご相談じゃろとしか思えませんけれどもそれはさておきまして、こちらの解説と言うか観測記事でのこの辺りの説明がほほうって感じでございまして、

『<高市氏の「変化」は継続中>』

って小見出しが大変に良い傾向の可能性が無くはないというお話でして、

『「この予算はもうこれ以上積まなくていい」。今月、首相官邸で開かれた来年度当初予算編成に向けた協議の場で、高市氏は省庁の担当者に向けてこう話した。「この予算」は高市氏が首相就任以前にこだわっていた政策に関連する費目だったにもかかわらず、だ。』

ほほう。

『同席した経済官庁幹部は「首相になったからには以前の主張を譲らなければならないと自覚していると感じた。ポストが人をつくるというか、高市氏はかなり変わった」と驚いた。』

まあこの「経済官庁幹部」を初めとする官僚方面によるポジショントークの可能性は否定できないところではあるので話半分に聞いておく必要はあるのですが、

『首相就任当初、高市氏が「マクロ経済政策の最終責任は政府にある」と繰り返し述べたことは、日銀の利上げへのけん制だと市場に受け止められた。経済財政諮問会議の民間議員にリフレ派の論客を起用したことなども重なり、円は首相就任時の対ドル151円から1カ月で一時157円まで下落した。』

っていうことですが、この記事の後の日銀決定によって158円を窺う流れになっておりますがな。

『輸入物価の高騰が家計を圧迫し続ければ高い内閣支持率に水を差しかねない。支持率の低下は解散総選挙という首相が持つ最大の武器を封じ、自民党内のガバナンスをも弱める可能性すらある。まさに政権の生命線だ。』

『前出の経済官庁幹部は、高市氏は過去の言動からの「豹変」を気にしない面があると指摘。「金融政策に強いこだわりがないようにも思えるが、よく言えば柔軟性がある」とした上で、「首相官邸は官房副長官や首相秘書官を含めて実力派が揃っている。チームとして力を発揮すれば政権は安定するのではないか」とも語った。』

とまあそういうことで、なんか官僚氏のポジショントークの香りは漂いますが、円安ぶっ飛びの巻になってくると、高市政権としてはケツに火が点くの巻、ということになるのでそうなると7月どころか4月(さすがに1月だと爆笑しますがそれは恥ずかしいから無いにしまして)にも利上げが前倒しになる、というのは普通にリスクとして考えないと行けないんとチャイマスカねえと。


・利上げ半年に一回とか悠長なこと言ってる場合なんですかねえ・・・・・・・&経団連でどう火消しするのかに注目

・・・・というかですね、まあ本来はもっと前の段階でちゃっちゃと1%まで政策金利を上げておいて、「とりあえずこの後の状況見て必要なら利上げするわ」という感じで一旦「利上げしたド〜」って雰囲気を早めに出して置いた方が良かったんですが、まあここからの流れって「円安で追い込まれる」→「利上げ」→「でもまだ利上げ足り申さんということで円安で追い込まれる」の繰り返しになりそうですし、半年に1回とかチンタラやってるとその流れがトマランチ会長じゃネーノという思うのですがどうでしょうかねえ。

しかももうここまで来ると「1%でいったん様子見ステージ」ってやっちゃうと円安加速以外の何物でもない訳で、1.25か1.50か知らんけど、ちゃっちゃとその辺の水準までは利上げしてから様子見、みたいにしないとどこまでも追い込まれモードになるんじゃないのかね、っていうのを見せてきたのが今次利上げ後の円安アイヤーの巻かと思うんですよね、まあ個人の感想ですけど。


でまあ
https://www.boj.or.jp/about/press/index.htm
今後の講演・挨拶等の予定
     
今後の講演・挨拶等の予定
    日程       講演者等          講演内容等
2025年12月25日    植田総裁     日本経済団体連合会審議員会における講演

ということで恒例のクリスマスの日に植田総裁の経団連講演があるのですが、円安にかっ飛んでしまいましたので、これはさすがに火消をしないとヤバいでしょうという風に思うのですが、25日の講演が楽しみになってまいりました。


ああそれから一応ですね
https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2025-12-19/T7IDL1KK3NYB00
植田日銀総裁が利上げ継続に意欲、中立金利議論は「肩透かし」
・適切なタイミングの利上げ判断、物価2%へのスムーズな着地に必要
・中立金利に関しては踏み込まず、過度に焦点が当たることを懸念

Sumio Ito、Keiko Ujikane
2025年12月19日 at 21:49 JST
更新日時:2025年12月20日 at 0:26 JST

ということなので、この記事自体は決定会合後の円安飛ぶ飛ぶ炎と燃えてという状況を受けての記事ではありますけれども、植田総裁が「この先の利上げ」に関してもやりますよ(ただしそのペースが遅いんじゃないかと思わせるような物言いをしたのが良くないのだが)っていう話をしたことについての指摘などもある記事(めんどいのと時間の関係で記事の内容はスルーしますが)ではありますが、まあ経団連の方でもうちょっとその「慎重さを隠す」感じで行く可能性はありますぜよ、と思ったんですよね。

たぶんですけど、昨年7月の利上げでのアイヤー相場がトラウマで、そんなに気合入れたら昨年7月の再来になる、とか植田さんあるいは大本営がビビったのでああいう会見になったという可能性はあるのですが、今回の市場動向を見てちょっと出方を調整しないと円安再加速になるから・・・・・というところなんですかね、知らんけど。

ということで補足雑談で恐縮至極でした。






2025/12/20

お題「そこそこ強気な利上げをしたのですが今までのツケが色々と回ってまいりましたなあ(・∀・)ニヤニヤ」

まあ何といっても南無大師遍照金剛としか言いようが無いわけですが
https://jp.reuters.com/markets/japan/ZJAHJUUVB5MSTBPGMF6K5AQYSE-2025-12-19/
NY外為市場=円急落、日銀が追加利上げ明確に示さず 介入警戒続く
ロイター編集
2025年12月20日午前 7:10 GMT+9

『[ニューヨーク/ロンドン 19日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、円がドルなどの主要通貨に対し大きく下落した。日銀が利上げを決定したものの、今後の追加利上げに関する方針を明確に示さなかったことを受けた。終盤の取引でドル/円は1.23%高の157.535円。一時157.67円まで上昇し、4週間ぶりの高値を更新した。』(上記URL先より、以下同様)

とまあそういう訳であらー利上げしたのに円安進んじゃったの〜かなちいね〜〜ってなもんでもはや大草原不可避の情勢なのですが、いままでのポンコツコミュニケーションのツケが一気に回ってきたという風情になっていまして草も生えないwwwwwwwwwwwwwwwww

ということでレビュー参ります(昨日大口叩いたのだが寝坊したので土曜の午前だがどう見ても昼でサーセン)


〇声明文本紙:実は威勢の良い話を色々としているのですが・・・・・・・・・

今回声明文
https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2025/k251219a.pdf

10月展望レポート基本的見解
https://www.boj.or.jp/mopo/outlook/gor2510a.pdf

・決定事項自体は順当だが全員一致はナンノコッチャである

『1.日本銀行は、本日、政策委員会・金融政策決定会合において、次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針を、以下のとおりとすることを決定した(全員一致)。

無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0.75%程度で推移するよう促す1。』

そりゃいいんですけど、全員一致って前回0.50賛成して0.75に反対した7名はどの面下げて賛成に転じてるんだよ、とは思いました。

『2.上記の金融市場調節方針の変更に伴い、以下のとおり、各種制度の適用利率の変更を決定した2(全員一致)。

(1)補完当座預金制度の適用利率
補完当座預金制度の適用利率(日本銀行当座預金<所要準備額相当部分を除く>への付利金利)については、0.75%とする3。

(2)基準貸付利率4
補完貸付制度については、その適用金利である基準貸付利率を1.0%とする。』

まあこれはこうなるものですな。


・経済物価情勢の認識:詳しくは別紙になるのですが今回の付加事項はまあ従来の予告ホームラン通り

『3.わが国の景気は、一部に弱めの動きもみられるが、緩やかに回復している(別紙)。』

詳細は後で。

『賃金を巡る環境を整理すると、労働需給は引き締まった状況が続いているほか、企業収益は、関税政策の影響を加味しても、全体として高い水準を維持することが見込まれる。こうしたもとで、春季労使交渉に向けた労使の対応方針や日本銀行の本支店を通じたヒアリング情報等を踏まえると、来年は、今年に続き、しっかりとした賃上げが実施される可能性が高く、企業の積極的な賃金設定行動が途切れるリスクは低いと考えられる。』

先日ネタにしましたように、直近で茶番劇のように、というか茶番なんですが、「2026年度賃上げスタンスの動向(12月初時点)」(https://www.boj.or.jp/research/brp/rer/data/rerc251215.pdf)という日銀今まで一度もこんなのを出したことが無かった猿芝居を恥ずかしげもなく出してきて、弊駄文では「どうせ出すなら決定会合で利上げ決定した時に「ヒアリング情報はこの通りです」って出すなら分かるが決定会合の前に出すのは利上げしますよっていう決定のための忖度茶坊主にも程があるわ」というような感じで悪態をつきましたが、12月にこれを出せるならなぜ昨年12月の決定会合では「判断できないから」と言って1月に利上げを先送りしたのかまったく意味が分かりませんな、と思ったら案の定会見で聞かれていたのは草も生えないwww

『この間、米国経済や各国の通商政策の影響を巡る不確実性は引き続き残っているものの、低下している。』

だそうなんだが、10月決定会合すなわち10月末の時点と比較して米国経済の影響についてなんか新しいデータがありましたっけ、という話をしたら米国は政府閉鎖でデータがあんまり出てないし、この間FEDは利下げしてるんだしって話で、何で10月に判断できなくて今回判断できるんでちゅかねえというお話。まあ一応12月短観が強かった、という言い訳はできるのでまだこっちの方はマシだがwww

『物価面をみると、賃金上昇の販売価格への転嫁の動きが続くもとで、消費者物価の基調的な上昇率は、緩やかな上昇が続いている。』

という書き方になっていて10月見通しオントラックっぽく書いているのですが、後述しますけれども物価に対する判断とか見通しとか今回結構強くなっているんですよね、わずか1か月半の間にqqq


まあそんな屁理屈を並べたあと、

『このように、最近のデータやヒアリング情報からは、賃金と物価がともに緩やかに上昇していくメカニズムが維持される可能性が高いと考えられ、先行き、「展望レポート」の見通し期間後半には、基調的な物価上昇率が2%の「物価安定の目標」と概ね整合的な水準で推移するという、中心的な見通しが実現する確度は高まっている。』

ということなのですが、この理屈もよくよく考えたら微妙なんですよね。

つまりですな、そもそも論として「オントラックなら見通し期間の後半には達成」って言ってるのですから、オントラックで推移したら時間の経過とに見通し期間後半の達成確度は高まるはずであって、何も米国経済ガーとか賃金ガーを一々必死こいて確認しなくたって、時間の経過によって自動的に見通しに近づいている訳で、それを殊更にこのように丁寧に確認しないと確度の高まりとは言えない、ということですと、じゃあ次回は何を確認するんですかって話になる訳でして、その確認作業って時間がかかりますよねみたいになったら、そらまあさっきのロイターさんの言う「日銀が追加利上げ明確に示さず」って特に海外筋の為替投資家さんみたいに、普段から日銀屁理屈文学を読みなれているわけでもない人々には取られたってそりゃ文句は言えんじゃろ、という話になるわけですな。

でもってその辺は総裁記者会見における「中立金利との距離」の話とかで思いっきり今までのツケが今回やってきましたよね、というお話でもあるのですが、その辺りはまた追々。


・中立金利との距離の説明がかなりのグダグダになっていましたよねーーーーーーーーー

でもって声明文項番3の続きですが、

『こうした経済・物価情勢を踏まえ、2%の「物価安定の目標」の持続的・安定的な実現という観点から、金融緩和の度合いを調整することが適切であると判断した。政策金利の変更後も、実質金利は大幅なマイナスが続き、緩和的な金融環境は維持されるため、引き続き経済活動をしっかりとサポートしていくと考えている。』

と言っているのですが、この「実質金利は大幅なマイナスが続き」なんですけど、この前植田総裁は中立金利の話をして説明していましたが、昨年推計値出していた名目中立金利って+1.0%〜+2.5%の範囲内で幅のある概念、って話でして、でもって今回は声明文や別紙や会見でお分かりの通り、その水準については誤魔化し戦術に出ているのですな。

でもですね、政策金利が+0.75%のときに、実質金利すなわち名目中立金利と名目政策金利の差分が「大幅なマイナス」って言ってるのおかしくないですかって話で、名目中立金利の推計値の下限が+1.0だったら政策金利+0.75%ってのはどこからどう見たって距離が0.25%しか無くて、距離が0.5%の時ならまあ「大幅なマイナス」と言うのは多少無理矢理観あるにしても分からんでもないけど、0.25%水準ともなったら大幅なマイナスとは言わんじゃろ、ってなことを思う訳ですよ。

となりますと、そもそも論として日銀は今時点での中立金利をいくらで見ているんですか、となった時に話がややこしくなるのですが、これは先般植田総裁がうっかり「中立金利の推計を精緻化していく」とか政策運営のコミュニケーションの観点からしたら拙劣にも程があることを言い出したのが悪いわけで、「今の状況が緩和的なのか引き締め的なのか」という論点で説明の勝負をすれば声明文のこの部分と、会見での説明の間に変な齟齬が発生しなかった訳でして、これもまた過去のその場しのぎの説明のツケが回ってきている感が有るわけです。


・先行き政策ガイダンスに「通商政策影響の不確実性ガー」「丁寧に確認」が抜ける

項番4が政策ガイダンス文言ですが、これは基本的に政策変更行うとガイダンス文言が自動的についてくるという感じですのでそれ自体は平常運転ではあるのですが、10月展望と比較した場合の差分を見ますと・・・・・

『今後の金融政策運営については、現在の実質金利がきわめて低い水準にあることを踏まえると、「展望レポート」で示している経済・物価の見通しが実現していくとすれば、経済・物価情勢の改善に応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになると考えている。』(12月声明文)

『金融政策運営については、現在の実質金利がきわめて低い水準にあることを踏まえると、以上のような経済・物価の見通しが実現していくとすれば、経済・物価情勢の改善に応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになると考えている。』(10月展望)

ということでこの文言は同じ(だとすると前述のように利上げしてるのに実質金利は「きわめて低い」のままとは何ぞやという話になるが)。

『日本銀行は、2%の「物価安定の目標」のもとで、その持続的・安定的な実現という観点から、経済・物価・金融情勢に応じて適切に金融政策を運営していく。』(12月声明文)

『そのうえで、こうした見通しが実現していくかについては、各国の通商政策等の影響を巡る不確実性がなお高い状況が続いていることを踏まえ、内外の経済・物価情勢や金融市場の動向等を丁寧に確認し、予断を持たずに判断していくことが重要と考えている。日本銀行は、2%の「物価安定の目標」のもとで、その持続的・安定的な実現という観点から、経済・物価・金融情勢に応じて適切に金融政策を運営していく。』(10月展望)

ということで、10月展望ではあった「こうした見通しが実現していくかについては、各国の通商政策等の影響を巡る不確実性がなお高い状況が続いていることを踏まえ、内外の経済・物価情勢や金融市場の動向等を丁寧に確認し、予断を持たずに判断していくことが重要と考えている。」というのが丸々抜けている訳ですな。

でもってここの部分ですが、1月展望のガイダンス文言では

https://www.boj.or.jp/mopo/outlook/gor2501a.pdf

『金融政策運営については、先行きの経済・物価・金融情勢次第であるが、現在の実質金利がきわめて低い水準にあることを踏まえると、以上のような経済・物価の見通しが実現していくとすれば、それに応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになると考えている。日本銀行は、2%の「物価安定の目標」のもとで、その持続的・安定的な実現という観点から、経済・物価・金融情勢に応じて適切に金融政策を運営していく。』(今年1月展望レポート)

だったのがトランプ関税を受けて4月にヘッジクローズが入った、という流れになっていますので、つまりはこの部分は「4月以降の「一回パス」モードからの脱却」ということになりますので、結構威勢の良い事を言ってるんですよね。


とまあそういう訳で、声明文本編のポイントとしては「利上げしているのに実質金利に対する評価が全然変わっていない」というのと、「4月展望レポート以降継続していた「一休みモード」を解除した」ということになっていまして、実はこれ自体はそれなりに威勢の良い話をしているんです。でもって別紙に行きますが・・・・・・


〇声明文別紙:先行き経済物価見通しの文言変化に注目したいところです

今回「別紙」の形で経済物価情勢の中間評価が示されました、なんでやという気はしますが、まあこれを本編に織り込んでしまうと本編がクソ長くなりすぎるから、ということでそれ以上の意味は無いとは思いますけれども・・・・・・・

・現状判断は10月展望と同じ認識(ごく一部変化があるだけ)

『わが国の景気は、一部に弱めの動きもみられるが、緩やかに回復している。』(12月声明文)
『わが国の景気は、一部に弱めの動きもみられるが、緩やかに回復している。』(10月展望)

総括判断は同じです。

『海外経済は、各国の通商政策等の影響を受けて一部に弱めの動きもみられるが、総じてみれば緩やかに成長している。』(12月声明文)
『海外経済は、各国の通商政策等の影響を受けて一部に弱めの動きもみられるが、総じてみれば緩やかに成長している。』(10月展望)

海外経済の判断も同じ、

『輸出や鉱工業生産は、米国の関税引き上げの影響を受けつつも、基調としては横ばい圏内の動きを続けている。』(12月声明文)
『輸出や鉱工業生産は、一部に米国の関税引き上げに伴う駆け込みとその反動の動きがみられるが、基調としては横ばい圏内の動きを続けている。』(10月展望)

この部分が前回と違うのですけど、ここは駆け込み要因とかの話が抜けていますが、結論は同じですね。

『企業収益は、製造業において関税による下押しの影響がみられるが、全体としては高水準を維持しており、業況感も良好な水準で推移している。こうしたもとで、設備投資は緩やかな増加傾向にある。』(12月声明文)
『企業収益は、製造業において関税による下押しの影響がみられるが、全体としては高水準を維持しており、業況感も良好な水準を維持している。こうしたもとで、設備投資は緩やかな増加傾向にある。』(10月展望)

企業部門の評価も文言一致。

『個人消費は、物価上昇の影響を受けつつも、雇用・所得環境の改善を背景に底堅く推移している。一方、住宅投資は減少している。この間、公共投資は横ばい圏内の動きを続けている。』(12月声明文)
『個人消費は、物価上昇の影響を受けつつも、雇用・所得環境の改善を背景に底堅く推移している。一方、住宅投資は減少している。この間、公共投資は横ばい圏内の動きを続けている。』(10月展望)

この辺も文言一致。

『わが国の金融環境は、緩和した状態にある。』(12月声明文)
『わが国の金融環境は、緩和した状態にある。』(10月展望)

金融環境に関してもいつも通りです。

『物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比をみると、賃金上昇の販売価格への転嫁の動きが続くもとで、米などの食料品価格上昇の影響等から、足もとでは3%程度となっている。予想物価上昇率は、緩やかに上昇している。』(12月声明文)
『物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比をみると、賃金上昇の販売価格への転嫁の動きが続くもとで、米などの食料品価格上昇の影響等から、足もとでは3%程度となっている。予想物価上昇率は、緩やかに上昇している。』(10月展望)

物価に関する認識も同じ(アクチュアルのYoYのインフレもあんまり変わらなかったのでそこの含めて同じ)。


・・・・・とまあそういうことで基本的に変化なしであるというのを確認しまして先行きに行きますが、


・先行き見通しでは経済見通し物価の見通しともに引き上げである

『先行きのわが国経済を展望すると、各国の通商政策等の影響を受けて、海外経済が幾分減速し、わが国企業の収益なども下押しされるもとで、緩和的な金融環境などが下支え要因として作用するものの、成長ペースは緩やかなものにとどまると考えられる。』(12月声明文)

『先行きのわが国経済を展望すると、各国の通商政策等の影響を受けて、海外経済が減速し、わが国企業の収益なども下押しされるもとで、緩和的な金融環境などが下支え要因として作用するものの、成長ペースは伸び悩むと考えられる。』(10月展望)

経済見通しの方では比較するとわかりますように、海外経済の見通しを若干引き上げた上で、日本経済全体の見通しも成長ペースは「伸び悩み」から「緩やかな成長」に引き上げとなっていまして、展望レポート中間レビューの段階ですが見通しは引き上げになっていて、何ならオントラック上振れじゃねえかという話になっております。

『その後については、海外経済が成長経路に復していくもとで、成長率を高めていくと見込まれる。』(12月声明文)
『その後については、海外経済が緩やかな成長経路に復していくもとで、わが国経済も成長率を高めていくと見込まれる。』(10月展望)

その後の部分でも海外経済が「緩やかな成長経路に復する」から「成長経路に復する」ということでここの見通しもあがっていますわなという景気の宜しいお話を展開していまして、さらに威勢が良いのは物価の部分でして、

『消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、米などの食料品価格上昇の影響が減衰していくもとで、政府の物価高対策の効果もあり、来年度前半にかけて、2%を下回る水準までプラス幅を縮小していくと考えられる。』(12月声明文)

『消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、米などの食料品価格上昇の影響が減衰していくもとで、来年度前半にかけて、2%を下回る水準までプラス幅を縮小していくと考えられる。』(10月展望)

アクチュアルの物価見通しに関しては政府の物価高対策という要素は入ったものの見通しは同じですが、

『その後は、成長率が高まるもとで人手不足感が強まり、中長期的な予想物価上昇率が上昇していくことから、基調的な物価上昇率と消費者物価(除く生鮮食品)の上昇率はともに徐々に高まっていくと予想され、「展望レポート」の見通し期間後半には「物価安定の目標」と概ね整合的な水準で推移すると考えられる(注)。』(12月声明文)

『この間、消費者物価の基調的な上昇率は、成長ペースの影響などを受けて伸び悩むことが見込まれる。もっとも、賃金と物価が相互に参照しながら緩やかに上昇していくメカニズムは維持され、その後は、成長率が高まるもとで人手不足感が強まり、中長期的な予想物価上昇率が上昇していくことから、基調的な物価上昇率と消費者物価(除く生鮮食品)の上昇率はともに徐々に高まっていくと予想され、見通し期間後半には「物価安定の目標」と概ね整合的な水準で推移すると考えられる。』(10月展望)

ということで、今回「基調的な物価上昇率が一旦伸び悩む」という文言が外れておりまして、基調的な物価に関しては特に留まることもなく順調に上昇していく、ということでここもまた威勢の良い見通しになっていまして、さきほどの声明文本編も合わせまして実は結構な威勢の良い内容になっているんですよね。


・リスク要因は(声明文本編と同様に)不確実性ガーがばっさり削除

『リスク要因としては、各国の通商政策等の影響を受けた海外の経済・物価動向、企業の賃金・価格設定行動、金融・為替市場の動向などがあり、それらのわが国経済・物価への影響については、十分注視する必要がある。』(12月声明文)

『リスク要因としては様々なものがあるが、とくに、各国の通商政策等の影響を受けた海外の経済・物価動向を巡る不確実性はなお高い状況が続いており、その金融・為替市場やわが国経済・物価への影響については、十分注視する必要がある。』(10月展望)

リスク要因の部分は10月展望では鏡の部分(他は基本的見解本編からコピペっています)になりますが、こちら声明文本編とどうように「海外経済の不確実性ガー」文言が取っ払われておりまして、これもまた威勢の良い流れになっています。


・高田さんと田村さんは物価がもっと強かろうという認識を示す

でもって声明文脚注。

『(注)高田委員は、物価の見通しについて、基調的な物価上昇率を含め、消費者物価は既に概ね「物価安定の目標」に達する水準にあるとして、田村委員は、基調的な物価上昇率の見通しについて、見通し期間の半ば以降、「物価安定の目標」と概ね整合的な水準で推移するとして、反対した。』(12月声明文)

ということですが、この理屈だと高田っちって次回会合でも利上げ提案しないと理屈が合わないと思うのですが、
次回会合でどう出て来るかは楽しみですな。


・・・・・とまあここだけ見るとそこそこ威勢の良い内容になっているのですが、コミュニケーションがアレでして・・・・・・



〇クソしょうもないフリップ芸は「高市政権への忖度丸出し」で利上げ姿勢に疑問を持たせるでござるの巻ですわなとなる

https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2025/k251219b.pdf
2025年12月金融政策決定会合での決定内容

なんか3本の鉛筆っぽいのもありますが、まあこのフリップ芸の最大のアカン奴なのはここですよね。

一番下の囲み部分wwww

『●実質金利は大幅なマイナスが続き、緩和的な金融環境は維持 → (引用者追記;以下の部分だけ赤色文字)経済活動をしっかりとサポート

● 見通しが実現していくとすれば、経済・物価情勢の改善に応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整』

・・・・・あのさあ、どう見たってこれ「見通しが実現していくとすれば、以下の方を「赤色文字」で強調すべきだろという話なのですが、「経済活動をしっかりとサポート」っていうのを赤色強調してしまうのって、それどこからどう見たって「緩和を続けますよアピール」となるから、そりゃ為替市場が見たら「ああ日銀は今後の追加利上げに積極的じゃないのね」と読み取ってしまう訳ですよ。

でもってですね、日銀が何でわざわざ利上げの方じゃなくて「経済をしっかりサポート」を強調するかと言いますと、そんなのはどこからどう考えても高圧経済音頭の踊り過ぎで脳が幾分か不自由になられた政権及びその取り巻きの皆様に対するアピールな訳でして、つまりは政権向けアピールって奴ですわな。

でまあどうせ日銀の事だから声明文と声明文別紙には威勢の良い事書いたからエエジャロって思っていたのかとは愚考しますけれども、この「緩和スタンスアピール」もそうでしたが、その後の記者会見における中立金利水準問答などの質疑応答においても、政権にビビリンチョしたのか忖度したのか知らんですけど、追加利上げに関して判断に時間を掛けてきそうな話をしていましたな、ちゅうことでご案内のように円安飛ぶ飛ぶ炎と燃えて、となってしまいましたwwwww


〇会見に関しては月曜に詳細でてからにしますが「従来のその場しのぎの説明のツケが一気に回ってきた」感のある面白会見でしたな

でまあ会見を受けて円安加速したのはご案内の通りで、先ほどのロイターさんのNY為替市況の記事を再度見ますと、

https://jp.reuters.com/markets/japan/ZJAHJUUVB5MSTBPGMF6K5AQYSE-2025-12-19/
NY外為市場=円急落、日銀が追加利上げ明確に示さず 介入警戒続く
ロイター編集
2025年12月20日午前 7:10 GMT+9

『[ニューヨーク/ロンドン 19日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、円がドルなどの主要通貨に対し大きく下落した。日銀が利上げを決定したものの、今後の追加利上げに関する方針を明確に示さなかったことを受けた。終盤の取引でドル/円は1.23%高の157.535円。一時157.67円まで上昇し、4週間ぶりの高値を更新した。』(上記URL先より、以下同様)

ちなみにユーロとかポンちゃんとかに対してもドイヒーで

『ユーロ/円は184.71円と、過去最高値を更新。スイスフラン/円も197.23円と過去最高値を更新した。英ポンド/円は一時1.36%高の210.96円と、2008年以来の高値を付けた。』

だったのですがそれは兎も角として記事を拝読しますと、

『日銀は18─19日に開いた金融政策決定会合で、政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標を0.75%に引き上げると全員一致で決定。利上げは1月以来で、政策金利は1995年9月以来、30年ぶりの高水準となった。植田和男総裁は金融政策決定会合後の会見で、経済に対して引き締め的でも緩和的でもない中立金利について、推計値の下限までには「少し距離がある」とする一方で、実際の中立金利がどこに位置するのかは利上げによる経済の反応を点検しながら「手探りで見ていかなければいけない」と言及。今後の利上げの具体的な時期やペースについて明言を避けたことが円の下落につながった。』

『バノックバーン・グローバル・フォレックス(ニューヨーク)のチーフマーケットストラテジスト、マーク・チャンドラー氏は「日銀は予想通りに利上げを決定し、経済が想定通りに推移すれば利上げを継続する姿勢を示したが、円はあらゆる通貨に対して弱含んでいる」とし、「日銀のスタンスが十分にタカ派ではなかったと市場で受け止められている可能性がある」と述べた。』

会見の前の時点でもドル円でみてて円安に振れていた(と言っても東京時間では精々156円に乗ったり乗らなかったりではありましたが)のですが、金利は上がってるのに株は上がるわ円安だわで、材料出尽くしというのもあったとは思うのですが、そもそもその「材料出尽くし」になってしまっているのがアカンタレで、さらにアタクシとしてはあのフリップ芸の赤字強調箇所が政権への大忖度モードを思いっきりアピールしている辺りも問題だったかと思ってます。

でもって、ロイターさんの同記事にもありますように、中立金利に関する説明が今回声明文などで特に無かったのに加えまして、会見でもひたすら中立金利水準に関する問答は逃げ回りとなってしまっていて、12月頭の名古屋講演で突如「次回利上げの時にもう少し詳しくお見せしたい」みたいに切ってた大見得を無かったことにしてしまっていたら、そりゃまあ利上げへの積極性があんまりないなあと(特に中銀文学に慣れていない皆様にとっては)思われても仕方なかったりする訳です。

つまりですな、足元急に「ザ・中立金利」の話をおっぱじめてしまった植田総裁のコミュニケーションは大失敗のコンコンチキだったという訳で、反省して丸坊主にして墨染めの衣を纏って次回の決定会合出てこいやというお話ではある(あくまでも個人の偏見です)訳ですな。初手から「利上げの方向で状況見ながらやっていきたいが経済が2%物価目標に整合的な状態に変化していく過程なので利上げをどの程度やれば良いかなどはあくまでもやってみないとわかりません」ってのを初手からもっときちんと言っていれば良かったのに、変に「ザ・中立金利」とかいう大風呂敷広げるもんだから利上げ水準のガイダンスが出るものと期待させてしまった結果がこの反応になって出ている訳です、ナミナムナム。


それから、今回の会見では過去の「その場しのぎの説明」を蒸し返して質問するという素敵な質問が幾つもありまして、「第一の力、第二の力」とか質問飛んだ時にはリアル爆笑してしまいましたけれども、兎に角黒田末期にとっとと政策の撤収を徐々にやっておけば良かったのに、屁理屈を捏ねまくってクソ粘りした挙句に、植田総裁が「ボクチン怒られたくないモン」とばかりに全方位に忖度を行った結果、黒田緩和は全て正しいとする前提にたって政策運営をおっぱじめるわ、多角的レビューもその線で纏めるから盛大な猿芝居になるわで、そんなこんなで本来とっととやっておくべきだった超緩和政策の修正を先送りして、そのためにその場その場で屁理屈を捏ねまくっていたツケが、本当に物価目標達成が近づいたり、為替市場などが変調を来したり、という状況の中で一気に問題が出てきた、という風にはアタクシはおもうのでありました。


てなわけで記者会見はそういう点で面白かったし、まあ円安にぶっ飛んだのはこれまでの日銀の屁理屈大楼閣というか政策反応関数昭和温泉旅館とか、そういうののツケが回って一気に炎上しているから、ということですし、それは黒田だけじゃなくて植田さんになってからのコミュニケーションも大概だったし、中立金利云々は完全に植田総裁のチョンボだし、ということなので別に同情の余地は無いのでこちとら手を打って笑いながら対岸の炎上を眺めるの巻、って風情ではあります、と突き放した論評をさせて頂きたく存じます。

という所で一旦午前中も終わりそうなのでこの辺で勘弁して頂きたいと思います(この部分書いてる時点で1140ですわwwww)。

#ああちなみに円安にぶっ飛ぶと次の利上げって早まるのでさらにおもしろくなってまいりました!!!ではある




2025/12/19

お題「3M短国入札はまあそんなもんですが今後の市場拡大を希望/その他雑談」

なんですかこりゃ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA18CNQ0Y5A211C2000000/
首相官邸筋「核持つべきだ」 安保担当、非公式取材で
政治
2025年12月18日 23:40

『高市政権で安全保障政策を担当する官邸筋は18日、「私は核を持つべきだと思っている」と官邸で記者団に述べ、日本の核兵器保有が必要だとの認識を示した。発言はオフレコを前提にした記者団の非公式取材を受けた際に出た。同時に、現実的ではないとの見方にも言及した。』(上記URL先より)

・・・・あのさあ、関係各国に根回しを全て行って、保有するだけの技術的な準備を万端にしてからそういう発言するならまあ(核保有の是非論はさておきまして)良いんですけど、核武装の問題なんて「現実的ではない」と思っているだったら言うなよというイシューであって、空論の理想論を振り回しても問題ないイシューとそうじゃないイシューがあることくらい分からんのかこの官邸筋は・・・・・・

例の台湾有事問題だって台湾有事が日本有事なのは自明だけどあえて表明しない、ってのは戦略的にやってた話なんで表明するなら台湾防衛のために自衛隊を派兵する体制が整ってから(現実的にはかなり大変)の話だろというお話だったんだし(まあその後の大陸中国の対応が国際的に相手にされないズッコケムーブで勝手に転んだみたいだから事なきを得ているように見えますが)

まあ急に政権に入って今までのムーブしてたらエライ勢いでハレーションが起きる、というのは「リフレ派とゆかいななかまたち」もまさしくそのムーブになっておりますが・・・・・・・orzorz


〇3M短国入札はまあそんなもんちゃあそんなもんだがおもんないわな入札でしたな

https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20251218.htm
国庫短期証券(第1352回)の入札結果

『本日実施した国庫短期証券(第1352回)の価格競争入札及び国債市場特別参加者・第T非価格競争入札について、下記のように募入の決定を行いました。



1.名称及び記号     国庫短期証券(第1352回)
2.発行根拠法律及びその条項
財政法(昭和22年法律第34号)第7条第1項、財政融資資金法(昭和26年法律第100号)第9条第1項並びに特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第83条第1項、第94条第2項、同条第4項、第95条第1項、第123条の18第1項、第136条第1項及び第137条第1項

3.発行日    令和7年12月22日
4.償還期限   令和8年3月30日
5.価格競争入札について
(1)応募額        11兆3,199億円
(2)募入決定額    3兆3,525億8,000万円
(3)募入最低価格    99円81銭7厘0毛
(募入最高利回り)     (0.6828%)
(4)募入最低価格における案分比率     32.6388%
(5)募入平均価格    99円82銭1厘3毛
(募入平均利回り)     (0.6667%)』

うーんこのという感じで、単純に25bp金利を差っ引いて考えれば0.4167%平均の0.4328%足切りという水準でして、昨年みたいに短国の需給がクッソタイトだった時代の3Mよりは換算水準は高いって感じではあるのですが、ゆうてまあ最近は利上げ云々の意識が無くても4台の水準には乗っていたので、利上げしても状況変わらんのかよという所ではありますし、そもそも論として年内の短国の入札はおしまいになるのでここからほぼ2週間新規供給が無い(まあ償還も月曜日分で全部終わるのですけれども)格好になるので、1月再利上げみたな面白思惑が出る(わけはない)なら別ですが、そんなに感じは変わらんのかなとか思ったり思わなかったり。

ただまあ1年どころとかに関しては昨日の引値もまだ0.86%水準ということで7月利上げは織り込んだ状況になっていまして、こっちの方が重かったり水準訂正する(次の次、が半年後というコンセンサスになっているのが前倒しになる場合にはそこそこ水準訂正の余地が実はあるのだ)ということになるとまた話も変わってくるのかもしれませんな、よくわからんけど。

というかそもそもタームプレミアム丸無視で無担保コールよりも低い金利、というのが安全資産プレミアムがあるにしたってそれはプレミアムの付きすぎじゃろとは思うのですけど。

でもって売参ちゃん
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html

(12/18引値)
国庫短期証券1341 2026/02/09 平均値単利 0.500
国庫短期証券1343 2026/02/16 平均値単利 0.555
国庫短期証券1344 2026/02/24 平均値単利 0.575
国庫短期証券1346 2026/03/02 平均値単利 0.605
国庫短期証券1347 2026/03/09 平均値単利 0.635
国庫短期証券1348 2026/03/16 平均値単利 0.660
国庫短期証券1350 2026/03/23 平均値単利 0.660
国庫短期証券1352 2026/03/30 平均値単利 0.665←新発3Mに昇格した初日の引け

(12/17引値)
国庫短期証券1341 2026/02/09 平均値単利 0.500
国庫短期証券1343 2026/02/16 平均値単利 0.555
国庫短期証券1344 2026/02/24 平均値単利 0.574
国庫短期証券1346 2026/03/02 平均値単利 0.605
国庫短期証券1347 2026/03/09 平均値単利 0.634
国庫短期証券1348 2026/03/16 平均値単利 0.650
国庫短期証券1350 2026/03/23 平均値単利 0.650←カレント3M
国庫短期証券1352 2026/03/30 平均値単利 0.650←新発WI

とまあそういう訳で、入札の平均落札近辺で引けさせていますので、水曜の1年短国(平均よりも安い引値だった)と比較すればやっぱりだいぶ違いますわなという風情ですが、50bp政策金利における0.415%で初手が始まるのか〜って感じでそりゃまあ利上げしたからと言って需給が急に変わるわけではないからこんなもんなのかもしれませんが、夢の0.70%台はまだまだ前途遼遠という感じですな、トホホ。

などと言ってるアタクシも「夢の0.70%台」とか言ってるわけですが、本来はコールやGCよりも金利高くて然るべきなんで、夢の70bpとか言ってる時点で既に負け犬モードなのですけどね!!!!!!!!!

でまあちょっとだけ真面目な話をしますと、政策金利0.75%になるのですが、たぶん「次の次」に関しては早晩(来年の7月展望レポートまでの間に、なおその間に円安ぶっ飛んだら前倒しの可能性だってアリエールだと思うの)1%水準にはなると思うのですが、その辺の水準が近くなってくると短期資金運用した時の利息というのが一応見るに耐えられる数字になってくる世界に入ってくるんじゃなかろうか、とまあワイは思う訳でして(あくまでも個人の感想です)、そうなりますと短期の運用資産のポートフォリオ組む場合にやはり必要になる短期の安全資産(短期資金はその資金の性格上元本保全へのニーズが長期債投資資金などと比較して強くなるのは自明なのだ)ということで、短期国債のニーズってさらに湧いて出てくると(願望込みで)思うのでありまして、短国市場の整備(発行増やすのもそうですが6Mや1Yのバランスとかも含めて)が進んでいただきたいですな。

この短国市場ちゃんがコールよりも全然金利の低い別世界、みたいになってしまいますと、短期運用資金がうっかり利回り追求ムーブになった時に、利回り求めて変なもんに行ってしまう、ということになってしまった時に本邦で発生した過去最大のアレ案件は「エンロン」でしたけれども、まあその馬鹿が過度な利回り追求ムーブをするのを全て塞ぐのは難しいにしても、安全資産の利回りが妥当な範囲内である程度ある状態にしておかないと、不適切な利回り追求行動を誘発しやすい環境になり、ひいては金融安定化の面からも好ましくないことになり兼ねない、と壮大な話に話を持って行っていますが、まあ一応それはアタクシマジでそう思っていますので、発行当局におかれましては日銀政策金利が1%以上になって、「安全に短期で資金運用をしたいニーズ」に対する受け皿としての短期国債市場の整備を今のうちからお願いしたい、と斯様思うところではございます。


〇さて利上げじゃ利上げじゃということで雑談はだいたい行いましたが・・・・・・・・

昨日のほのぼのニュースはこれですね
https://news.yahoo.co.jp/articles/6bcc377a09f9de852a80ce7abc4df3391af71635
全銀協会長、日銀利上げ可能性「相応に高い」−30年ぶり水準なら歴史的
12/18(木) 15:42配信

『その上で「30年ぶりの金利になれば歴史的だ。多くの行員にとって未経験だ」と述べた。』(上記URL先より)

30年ぶり、ってのが既に歴史的な訳で「歴史的な金利になれば歴史的だ」ってこれはどこの小泉進次郎ですかと小一時間という感じですが、まあ利上げで嬉しいのは伝わりました。

・・・・・しかしこのニュース、アタクシが今(今朝)見たらヤフコメの一発目が「名目金利は歴史的かもしれないが実質金利が大きくマイナスなのは全然変わらんじゃん」という冷静なツッコミが入っていまして、昨日ネタにした経団連の珍獣観察会ニュースのコメントもそうですけど、最近は一頃の工作員(あるいは〇〇ユーゲント)満載状態としか思えない状態から、真っ当なコメントが随分入るようになってきたなあと思いました。


という雑談はさておきまして、


何度も書いているのでアレですが、まあ今回に関しては「次の次」とか「それ以降」の話をどういう形で説明するのか、というのが焦点になりそうですが、話は相当混線しそうで、多分円安にぶっ飛ぶリスクの方が大きいとはおもうのですが、滅茶苦茶やる気を出していきなり今回の決定会合で4月再利上げの観測がでるようなやる気モードになる可能性も全くないわけでは無さそうなのが恐ろしい。

まあ金利的にはハトハトチキンムーブでいったん金利下がっても円安ぶっ飛んだら次の次が近くなってしまうので、最終的には売られることになりゃせんか、とかフラグを立ててみますがさてどうなるのやら・・・・・・・・


まあ「中立金利の話」「今後の政策判断の基準の話」「利上げ経路について」の辺りがキモになると思いますが、これを全て「中立金利はわからん」「総合判断なので特定の何かを持って判断するわけではないから特定の話はしません」「中立金利もわからんし総合判断で考えていくので今から経路とか言われても回答不能」という頭の悪そうなムーブをして全部逃げ切ることができたら植田さんも大したもんだと見方を見直すんですが、どうせ植田さんの事だから「自分の言葉で丁寧に説明ムーブ」をやって自爆するのが目に見えていますし、しかも今回はどっち側に自爆するのかも読めないので15時半過ぎの出たとこ勝負って感じになるんでしょうね。

あとは、決定会合の時に変なポンチ絵を出すしょうもないムーブが起きそうな悪寒しかないのですが、このポンチ絵にどんなのが出てくるのか、というのが楽しみなんですけど、今急に天から降りてきたのは「今後の政策調整における3本の柱」というコロナ対策3本の鉛筆みたいなポンチ絵です。大当たりしたら今夜はビフテキでお祝いしようかと思います(嘘)。


〇これは年末年始の読み物に最適(かどうか知らんが)なFSBのノンバンクレポート

https://www.boj.or.jp/intl_finance/meeting/group/gro251217a.htm
金融安定理事会による「2025年ノンバンク金融仲介にかかるグローバル・モニタリングレポート」の公表について

『金融安定理事会(FSB)は、12月16日、「2025年ノンバンク金融仲介(NBFI)にかかるグローバル・モニタリングレポート [PDF] 」<金融安定理事会ウェブサイトにリンク>(原題:Global Monitoring Report on Non-Bank Financial Intermediation 2025)を公表しました。』

キタコレ!

『本レポートは、NBFIセクターの世界的なモニタリングの一環として、世界のGDPの90%以上を占める29の法域を対象とし、2024年末時点を基準に実施されたFSBグローバルモニタリングエクササイズの結果を報告しています。』

『本レポートには、急速に成長しているNBFIセクターの包括的な調査、及び銀行システムに類似した脆弱性を生みやすいNBFIの経済的機能に焦点を当てた分析が含まれています。』

NBFIの脆弱性ってのは近年のプルーデンスウィングにおけるホットトピックでして、脆弱性の点検の結果とか言ってこの方面への金融規制が強化される流れというのはアリエール(特に今後NBFIでやらかし事案が発生した場合)なので読みたい訳ですが全編英語なので(当たり前)年末年始の読み物かなとは思いました。色刷りなんですがグレースケールで出すと図表が見にくいったらありゃしないのが困るんですけどね・・・・・・・

https://www.fsb.org/uploads/P161225.pdf
Global Monitoring Report on
Nonbank Financial Intermediation
2025

なおPDF91枚組の大部になります


・・・・ということでさあ決定会合決定会合なので今朝は甚だ恐縮ですがこんなもんで勘弁してつかあさい。さすがに明日はレビューネタを午前中のどこかでは投下しようと思いますので乞うご期待(と自分で自分を縛るという趣味)








2025/12/18

お題「決定会合プレビュー雑談/短国1年は7月利上げを織り込んだ水準で決着で3Mはどうなりますかね」

イイハナシダナー
https://jp.reuters.com/markets/japan/5YYYIWOJTJK4LOSB4IWAZ4NIFY-2025-12-16/
トランプ氏支持率39%に低下、経済政策への不満広がる=ロイター/イプソス調査
Jason Lange
2025年12月17日午前 7:34 GMT+9

『[ワシントン 16日 ロイター] - ロイター/イプソスが実施した最新の世論調査で、トランプ米大統領の支持率は39%と、2期目として最低水準に迫った。共和党支持者がトランプ氏の経済政策不満を抱いているためだ。』(上記URL先より)

こんなんでインフレ助長しそうな利下げを積極推進して大丈夫なんですかねえ・・・・・


〇皆さん最終確認砲を打っています&経団連方面で珍獣観察会とか決定会合プレビュー世間話メモ

もはやこの手のヘッドラインが出ても何も反応しないですが笑
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB164BD0W5A211C2000000/
日銀利上げ26年も継続方針 政策金利0.75%へ、18日から決定会合
金融政策
2025年12月17日 18:00
[有料会員限定記事]

『日銀は2026年以降も利上げ路線を継続する方針だ。植田和男総裁ら執行部は18〜19日に開く金融政策決定会合で政策金利を0.25%引き上げて0.75%にする議案を提出し、9人いる政策委員の賛成多数で決定する見通しとなった。利上げ後も市場に「打ち止め感」が広がらないように配慮する。』(上記URL先より、以下会員記事)

ちなみにもう面倒なので引用しませんけど時事とか共同とか公共放送とか皆さん昨日から今朝に掛けて「最終確報版」みたいな感じでこの手のニュースを打っていますが、ちゃんと「打ち止め感がどうのこうの」みたいな話を一番しているのは多分日経さんだと思うので日経さんを引用、と言っても無課金なので記事真面目に読んでませんけどwwwww

ということでまあ「知ってた」って奴なんですけど、0.75で打ち止め、はまあさておきまして、仮に1%で打ち止めという観測になったとしましても円安にぶっ飛ぶんじゃないのかとワイは思ってしまうのですが、為替市場様におかれまして何考えているのかがさっぱりワカランチ会長なので実際のところどうなるのかはわからんですが有識者教えてちょ。

でですね、これ植田さんが言い出した「中立金利水準を精緻化しましょう」ってのがコミュニケーションをややこしくしているというのは再三再四どころか20回くらいは拙駄文で申し上げておりますが、「今の時点での中立金利」とか計算したってそもそも論として2%インフレ期待がアンカーされるようにインフレ期待の押上げを図っている途中の段階での「今の中立金利」っていうのはそりゃ定義上「物価目標を達成した時点での中立金利」よりも低くなってしまいますので、そうなると「2%物価目標達成途上でインフレ期待が2%にアンカーされる前の段階での今の中立金利」ってのを出してしまえば、それが最終のゴールと勘違いされてしまう、すなわち物価目標を達成した時点での中立金利よりも低い数値を目標達成時点での中立金利だと誤解してしまうわけですから、そりゃもうダメダメじゃろというお話。

なので、上記日経記事でも実は無料部分に次の小見出しとして「実質金利、利上げ後もマイナス圏」ってのがありますが、実質金利、といってしまうとその水準という数字でまた面倒なことになる(具体的な数字を出してしまえば結局「今の中立金利水準」でコミュニケーションしているのと同義になるから)のであって、そういう「定量部分」で勝負しちゃダメで、「今の状況が緩和的かどうか」という「定性部分」で勝負していくコミュニケーションにするしかないと思うんですけどどうなんでしょうかねえ。

ちなみに定性部分で勝負されてしまうと、中立金利をこねくり回して計算するというネタが無くなるので、何とかスト方面の皆さんがネタに困る、という弊害(笑)があるんですが、手を変え品を変えなんかの数字出して説明していこうというのは物価目標達成から遠い時期ならまだしも、近くなった所でその手法は使わんほうが良いと思います。


というのは毎度申し上げているのにしつこいと言われそうですが、そっちの方向での話じゃなくて完全に何とかスト業界(?)が中立金利の計算に血道を上げている状態だから生来の逆らい屋さんのワイの血が騒いでいるので隙あらば書いているのですが、それはそうとしまして会見で中立金利の話はどうせ質疑応答で出てくると思うのですが、この中立金利に関しては「弱い数字を言わせる質問」と「強い数字を言わせる質問」という両方のトラップがあるので、どういう質疑応答になるのかを楽しみにしておりまする。

つまりですね、「昨年日銀では中立金利の推計値を1.0%〜2.5%としていましたがこの数字は変化ないですか」→(たぶん「大きな変化無いです」が回答になるはず)→「では今回は兎も角次回利上げを行った後はかなり慎重に状況を見ながら、となりますね」って質問すると「1%で打ち止め感」を出す回答を(植田さんだから誘導尋問に引っかかるので)引き出せますし、逆に「長期均衡を前提にした場合、概念的には中立金利というのは均衡物価上昇率と均衡実質成長率の足し算だと思われますがそれで間違いないでしょうか」って聞けばバイデフィニションでそれは然りとしか答えようがない筈なので、そうなるとどう見たって長期均衡(つまり物価目標達成)時点での中立金利は2.5%から3%(政府の「実質成長1%」が達成できればの話だが)ということになりますので、打ち止め感どころか利上げサイクル早まるんじゃネーノ位の話になり兼ねない、ということで、これどっちの方向でトラップ掛けても、植田さんが真面目に答弁すると面白結果になります(ので中立金利を今の段階でコミュニケーションに使うなとワイは言ってる)ぞなというお話ではないかと思うのですな。まあ会見でどっちのトラップが飛んでくるのかを楽しみにしたいですね。


なお、昨日は経団連方面で珍獣観察会があったようで、

https://news.yahoo.co.jp/articles/33ee99ec339aaeb31c7b6649ef1a906112c51837
高市総理の経済「ブレーン」が日銀の“次の次”利上げをけん制?「責任ある積極財政」に市場からは警鐘も
12/17(水) 17:57配信
TBSテレビ

『高市総理の経済政策の「ブレーン」が公の場で揃って発言しました。歴史的水準の円安と長期金利の高さの中、その主張とは?』

『本田悦朗 元内閣官房参与
「サナエノミクスという言葉を本人は『恥ずかしいな、そういう名前は』とおっしゃっていたんですけど、最近は素直にサナエノミクスと本人もおっしゃっている」』

『経団連のシンポジウムに登壇した4人。経済財政諮問会議のメンバーである若田部前日銀副総裁らは高市総理の「ブレーン」とされています。

共通しているのは、▼国債の追加発行をいとわない財政出動や、▼金融緩和に積極的という点。』(以上上記URL先より、以下同様)

・・・・なんですかこの珍獣観察会はwwwww

『そして今週、政策金利の引き上げが確実視される日銀についても…

第一生命経済研究所 永濱利廣 首席エコノミスト
「今週、日銀が利上げしそうな感じで、これをどう正当化するか」

若田部昌澄 前日銀副総裁
「拙速な利上げとか、行き過ぎた程度の金融緩和の縮小は望ましくない」

「次の次」の利上げをけん制したともとれる発言です。こうした中で永田町関係者からはこんな声も…

市場からも警鐘が鳴らされる中、ブレーンたちは「責任ある」アドバイスを続けられるのでしょうか。』

ということで締まっていますが、何気にこれヤフコメが面白くて、高市政権万歳のヤフコメだというのにこちらのコメントはまあ読んで味噌の流れになっていまして(まあ最近の珍獣ニュースではコメント毎回こんな感じではあるのですが)中々味わいが深い訳ですけれども、この調子で経済財政諮問会議とかそういう方面で珍獣の皆様が高圧経済音頭を声高らかに踊って頂きますと円安が加速して利上げサイクルが早まるだけの話じゃろ、と思いました。


しかしまあ何ですな、

https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2025-12-16/T7C9NOT96OSM00
高市政権が容認する日銀政策金利、1%が3割超で最多-エコノミスト調査
Masaru Aoki
2025年12月17日 at 8:30 JST
更新日時:2025年12月17日 at 10:01 JST

『ブルームバーグが5−10日に実施したエコノミスト調査で高市政権が容認する政策金利水準を尋ねたところ、1%が32%とトップで、1.5%が19%、1.25%が17%の順となった。利上げは0.75%で打ち止めとの回答は4%にとどまり、判断し難いが21%だった。』(上記URL先より)

「そもそもそんな質問はクソなので回答に値しません」って回答は無かったのかと何とかストの皆様に小一時間問い詰めたい所ですが、もしかしたらこの「判断しがたい」の21%のうちそういう趣旨で回答しなかった人がいるんじゃないかとは期待したいのですが、さすがにこれは酷いサーベイだと思いましたけれども、そういう時に「こんな無意味な質問に回答できるか質問する貴社の見識を疑う」などと正面切って言い出すようなエーテル並みに沸点の低い人は表に出せない、というのもこれまた世の中の常ではあるなとは思いました(はて誰の事やらwwwww)


〇1年短国は7月再利上げ織り込みレートになりましたが・・・・・・・

1年短国の結果
https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20251217.htm
国庫短期証券(第1351回)の入札結果

『本日実施した国庫短期証券(第1351回)の価格競争入札及び国債市場特別参加者・第T非価格競争入札について、下記のように募入の決定を行いました。



1.名称及び記号      国庫短期証券(第1351回)
2.発行根拠法律及びその条項   特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第46条第1項

3.発行日    令和7年12月22日
4.償還期限   令和8年12月21日
5.価格競争入札について
(1)応募額         7兆7,227億円
(2)募入決定額     2兆5,653億6,000万円
(3)募入最低価格     99円13銭5厘
(募入最高利回り)     (0.8749%)
(4)募入最低価格における案分比率    9.9433%
(5)募入平均価格     99円14銭7厘
(募入平均利回り)     (0.8627%)』

ということで昨日ネタにしました通り1年短国は入札前日のWI引けが0.845%でして、その前の日(昨日の駄文読み直したら前日のWI気配の磔に失敗してましたねすいません)が0.835%だったので引値修正をしてきたばっかりのところなのですが、その引値修正では足りずに8台後半になるの巻となっておりました。

こちらなんですけど、平均の0.8627%を手前0.75%として4月会合の場合と7月会合の場合とで後半の換算金利計算しますと(例によってワイの手元のエクセルベースなので間違ってたらゴメンチャイですが)4月会合で分かち計算した場合に後半金利が0.9245%となり、7月会合で分かち計算した場合には後半金利は夢の1.0430%になる、ということですし、何なら足切りの0.8749%だと7月会合の分かち計算をした場合には後半金利は1.0747%になる、という素敵な結果になっております。

ですのでこの結果って今回利上げしてこの後次回7月、その後の利上げは来年1月、ってな計算(まあ12月でも似たようなもんですが)をした場合には日銀当座預金付利金利(=政策金利)対比で間尺には合っている、という結果になりやがったわけですな、うんうん。

でもって昨日の売参ですけれども、
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html

(12/17引値)
国庫短期証券1345 2026/11/20 平均値単利 0.850
国庫短期証券1351 2026/12/21 平均値単利 0.865

となりまして、平均落札よりも若干金利が高い所で引かせていますので、(1年短国は入札日や入札直後は約定ベースでテナーが1年を超えてしまうという問題があるので真価は約定ベースで1年切った所から問われる気もしますがそれはそれとしまして)、やっと7月の再利上げまではちゃんと織り込む結果になったかということで、とにもかくにも短国ちゃんはマイナス金利解除からこのかた、一時的に先行きの政策金利パス見通しをまともに織り込む場面もあったものの、基本的には利上げを碌すっぽ織り込まない価格形成が多かったのですが、やっと(短国界で一番価格変動リスクの大きい)1年どころで「それっぽい」価格形成になったなあと感慨しきりでございます。

ただまあ何ですな、これ敢えて4月利上げって換算レート出してみましたが、まあ実際問題としては「次の次」が4月だと前倒しにも程があるので「さらに利上げのおかわり君」も織り込みに行かないと計算合わなくなる、と考えられますので、まあ一朝一夕に今の市場の「次の次」の想定時期が前倒しになる気もしない(来年6月だったら倒れるかもしれないけど)のですが、決定会合の結果植田さんがうっかりハトハトチキン音頭をまた踊ってしまったり、ブレーン(笑)の皆さんが高圧経済音頭を高らかに踊ってしまったり、とかいうような事情で円安飛ぶ飛ぶ炎と燃えてしまうと前倒しにならないとも限らんので、まあこれからはその部分への思惑(いやまあ勿論「次の次」が後ろ倒しになる場合もあるけど、世界経済が全コケとかじゃない限りにおいてその場合は円安を伴うので結局後ろに倒れない説を提唱したいんですがwww)がこの辺りの1年どころにどういう反映をされるのか、というので少し面白く見れるかな、とは思いました。


でもって今日は3Mなのですが売参ちゃんによりますと、

(12/17引値)
国庫短期証券1341 2026/02/09 平均値単利 0.500
国庫短期証券1343 2026/02/16 平均値単利 0.555
国庫短期証券1344 2026/02/24 平均値単利 0.574
国庫短期証券1346 2026/03/02 平均値単利 0.605
国庫短期証券1347 2026/03/09 平均値単利 0.634
国庫短期証券1348 2026/03/16 平均値単利 0.650
国庫短期証券1350 2026/03/23 平均値単利 0.650←カレント3M
国庫短期証券1352 2026/03/30 平均値単利 0.650←新発WI

(12/16引値)
国庫短期証券1341 2026/02/09 平均値単利 0.500
国庫短期証券1343 2026/02/16 平均値単利 0.540
国庫短期証券1344 2026/02/24 平均値単利 0.560
国庫短期証券1346 2026/03/02 平均値単利 0.590
国庫短期証券1347 2026/03/09 平均値単利 0.620
国庫短期証券1348 2026/03/16 平均値単利 0.629
国庫短期証券1350 2026/03/23 平均値単利 0.630←カレント3M
国庫短期証券1352 2026/03/30 平均値単利 0.629←新発WI

ということで3Mカレント近辺の引値がやっと調整されて、カレントとWIは0.65%に調整されまして、じゃあこの金利何ぼですねんと考えた場合に(さすがに3月会合までの次の次は通貨防衛世紀末伝説状態でヒャッハー地獄が起きていない限りないでしょうから)政策金利-10bpって話だから今だと0.40%という水準で、まあもうこの辺は需給次第ではあるのですが、今次局面における短国って当初は0.3%台後半だったのが徐々に極端なタイトさが緩和されて0.4%台(利上げの思惑がどのくらい影響したのかが謎ですが)とかで推移していたので、ここからまあ0.70%辺りの範囲内ならとは思いつつも、ゆうて次のステージでは従来と違って「次の次」が割と明確に見えている感じがあって、従来はその点「次の利上げっていつでしたっけねえ(棒読み)」感の方が勝っていた市場だったことを踏まえれば、タームプレミアムが従来の局面よりも乗ってたって罰は当たらんと思うのですが、どの辺のレベルで決着するのかは楽しみではあります。


というところで今朝は時間の都合でこの辺でご勘弁いただきたく存じますが、ここもとFOMCネタとかFEDネタがお留守で誠に申し訳ございません(一応下読みは少ししているんですが時間が・・・・)

今日のスポットは利上げ後、明日のトムは利上げ後ということでやっと気分が盛り上がってまいりました!!!!!







2025/12/17

お題「短国1年入札がまともっぽい金利になるか乞うご期待(なお3MTDB・・・・)/米国ニュースメモ/PD懇要旨メモ」

こういう記事は今後もちゃんと全文掲載して頂きたいですな
https://www.asahi.com/articles/ASTDJ2TJGTDJUTFK00YM.html
国光副大臣を厳重注意 「辞めた女性官僚たくさん」事実でない発言で
白見はる菜 2025年12月16日 18時00分

『立憲側と尾崎官房副長官の説明によると、国光氏は12月6日に配信されたネットメディア「ReHacQ(リハック)」に出演し、「(自らが)厚労省の役人時代に小西先生から50問くらい聞かれた。子育てができなかった。それで辞めた女性官僚はたくさんいる」と発言した。立憲は15日、発言内容は事実ではないとして自民に発言の撤回と謝罪を求めて抗議。国光氏は同日、発言を撤回して小西氏に直接謝罪したという。』(上記URL先より)

この副大臣もとんでもないクソな上にリハックってのがネットメディアの悪い面を煮詰めたような物体なのでクソの二乗ですわな(あくまでも個人の感想です)。


〇金曜までが長いですわwということで今日は1年で明日は3Mの短国入札とな

すいませんこの前火曜とか言ってましたが1年の入札は今日でした(汗)

https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_auct/auct20251210.htm
国庫短期証券(第1351回)の発行予定額等

『1. 入札予定日 令和7年12月17日
2. 発行予定日 令和7年12月22日
3. 償還予定日 令和8年12月21日
4. 発行予定額 額面金額で3兆2,000億円程度
5. その他 上記の発行予定額を変更する場合には、入札日の前日に再度公表する予定です』

https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_auct/auct20251211.htm
国庫短期証券(第1352回)の発行予定額等

『1. 入札予定日 令和7年12月18日
2. 発行予定日 令和7年12月22日
3. 償還予定日 令和8年3月30日
4. 発行予定額 額面金額で4兆3,000億円程度
5. その他 上記の発行予定額を変更する場合には、入札日の前日に再度公表する予定です。』

ということで今日の1Yも明日の3Mも発行日は堂々の12/22なので利上げ後新金利適用初日となりますので、75への利上げは織り込んでもろて頂いて、ということになりますが、売参ちゃんのWIを見ますと1年どころは、

https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html

(12/16引値)
国庫短期証券1338 2026/10/20 平均値単利 0.820
国庫短期証券1345 2026/11/20 平均値単利 0.830←カレント1YTDB
国庫短期証券1351 2026/12/21 平均値単利 0.845←今日の新発WI

(12/15引値)
国庫短期証券1338 2026/10/20 平均値単利 0.810
国庫短期証券1345 2026/11/20 平均値単利 0.810
国庫短期証券1345 2026/11/20 平均値単利 0.810

ということでして、昨日って2年カレントとかは引値5糸だけですけど強くなっていたのですが、短国1年の方は入札前にきっちりと水準訂正してきて0.845%とか仰せになっていますな。

でもってこの0.845%って金利は雑に言えば手前0.75%で後ろ1%だと思った時に、0.75と1の間の3分の1の金利になるんだから、ざっくり手前(0.75%)の期間が3分の2になる、という計算になりますから8か月後、すなわち来年の7月終わり辺りからの換算利回りが1%でブレークイーブンという結果になるわけでして、一応真面目にエクセルで手計算しますと7月会合で次の利上げとなった場合って新金利適用が8月3日からになるので、そこで分かち計算すると後半の金利が0.997%になるので何となくもっともらしい金利になる、という水準でござるの巻。

・・・・・となるとこの0.85%辺りの水準ってのはそこまで割高感はないとも言えますが、そうは言いましても次の利上げが前に倒れるリスクをガン無視というのも如何なものかと思うのでタームプレミアムの乗り方が足りないとしか言いようが無い水準ではあるのですけれども、6Mとか3Mとかの織り込み不足に比べればマシな部類のレートにはなって来たような気配値にはなっていますな。まあゆうて所詮はWIの気配値段なので実際に入札がどうなるかは知らんけど。

まあゆうてこの1年どころの気配って15日の引値と比較してみればお分かりのように、入札前になってちょっと修正入ったって感じになっているのでホンマカイナという気もするのであてにはしない方が良いのかもしれませんけれども、ただまあ1年短国ともなりますと2年国債の半分くらいの価格感応度があるので長期債からの避難民がやってきたり何でも良いから国債買うって人は1年には来にくいので、まあ真っ当なレートになっていただければとは思うのでしたがさてどうなるやら。


でもって3Mですがこちらは相変わらずでして、

(12/16引値)
国庫短期証券1341 2026/02/09 平均値単利 0.500
国庫短期証券1343 2026/02/16 平均値単利 0.540
国庫短期証券1344 2026/02/24 平均値単利 0.560
国庫短期証券1346 2026/03/02 平均値単利 0.590
国庫短期証券1347 2026/03/09 平均値単利 0.620
国庫短期証券1348 2026/03/16 平均値単利 0.629
国庫短期証券1350 2026/03/23 平均値単利 0.630←カレント3M
国庫短期証券1352 2026/03/30 平均値単利 0.629←木曜日入札の新発WI

とかいう面白利回りになっておりまして、3Mの0.63%ってのもああそうなんですかという利回りではありますが、その手前の気配値がご案内の通り(実際にはこのゾーンには6Mと1Yの成れの果ての銘柄もあるのですが3Mで発行された銘柄を並べております為念)ということで、いやお前確かにまだ売参ベースでは足元まだ政策金利50bpだけどなんですかこの利回りはという水準が全部並んでいるという中々セクシーな気配になっておりまして、こっちが木曜の入札でスタートから政策金利0.75%になる筈の3Mでどういう水準になるのかというのが楽しみですなとは思います。てか木曜の新発は3/30エンドなので基本的に使い勝手悪いんですけどね。

・・・・でまあ思う訳ですが、短国3Mってニーズに対して発行量が絶対的に不足しているってのもこういう価格形成になってしまう要因だとは思われる訳ですが、一方で1Yとかになると(昨日の売参がマジのマジならという前提を置いた場合ですが)まあ一応それなりにマシな価格形成をするのっていうのは3Mに比べれば発行バランスがマシなのかなと思いました。

あとですね、だいぶ話は脱線してきますが、短国って短国買入が無いってのも割とポイントが高くて、兎に角短国買入と言えばマイナス金利前夜には日銀当座預金残高拡大の帳尻の為に自動的に買入が行われるもんだから日銀当座預金付利が10bpあるのにドマイナスまで買われてしまって価格形成が無茶苦茶になった、という事案があった訳ですが、日銀の買入っていうのは結局のところ引値からの価格または利回り較差のコンベンショナルで自動的に行われてしまうから、引値形成が一旦歪みだすと日銀買入によってそれがサポートされ続けてしまう、という割ととんでもない弊害があって、そりゃまあマーケットメーカー的には日銀買入という逃げ場があると助かるのはあるのですけれども、市場の合理的な価格形成を日銀買入が結果的に歪めてしまうという弊害についてはもっと指摘されるべきではないかとは思いました、まあYCCの時にも最後の方で長期債方面でそんなことがあったのはご記憶に新しいとは思いますが。


〇あら結局FRB議長人事は1月なのですね(備忘メモ)

ほうほうそうですかそうですか
https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2025-12-16/T7D5JXT96OSV00
FRB議長候補と今週さらに面談、発表は1月上旬の公算−米財務長官
・次期FRB議長の発表、自分の予想は「1月上旬」−ベッセント氏
・有力候補のハセット、ウォーシュ氏いずれも「極めて適格」
Daniel Flatley
2025年12月16日 at 22:26 JST
更新日時:2025年12月17日 at 0:49 JST

『ベッセント米財務長官は、連邦準備制度理事会(FRB)次期議長候補者との面談が週内にあと1回か2回あると述べ、トランプ大統領による次期議長決定の発表は1月上旬になる可能性が高いとの見方を示した。』

『ベッセント氏は16日、FOXビジネスに対し、次期FRB議長選出は「大統領のペースで進んでいる」と説明。「大統領は極めて慎重」に選定を行っているとし、「面談では候補者に対して極めて直接的に、FRBの政策やFRBの組織、今後の方向性、経済についてたずねている」と明らかにした。』(上記URL先より、以下同様)

だそうですが、

『ハセット氏が次期議長となる場合、自立した判断ができないのではないかという懸念から「適格性に欠ける」との見方もあるが、ベッセント氏は否定。過去に経済政策に関わる政府の要職を務めた後にFRB議長に就いた例はあるとし、ジャネット・イエレン氏を例に挙げた。』

ってのがあって、なるほどさすがにこういう話があるので最近のハセットさんはまともなことを言っているのかとは思ったのですが、単に猫被っているだけなのか、そうは言ってもFRB議長になってトランプのラジコンおじさんになってしまうのはさすがに末代までの恥さらしになるという自制が働いているのか、どっちなんだかは分かり兼ねますけれども、ハセットさんは今朝もこんなニュースありますわな。

https://jp.reuters.com/markets/japan/4N7MQ3MMR5OUPDC6OAN62R574I-2025-12-16/
ハセット氏、FRBの独立性強調 「大統領に近い」批判を一蹴
ロイター編集
2025年12月17日午前 2:42 GMT+9

『[ワシントン 16日 ロイター] - 米ホワイトハウスの国家経済会議(NEC)のハセット委員長は16日、米連邦準備理事会(FRB)の独立性は極めて重要との考えを改めて示した。CNBCとのインタビューで語った。またハセット氏はホワイトハウス外で記者団に対し、議長の任務はFRBを独立して運営することだと説明。「大統領に近い立場にいることや、大統領によく仕えていることが、何らかの職に就けない理由になるという考えは、私には全く理解できない」と述べた。』(上記URL先より、以下同様)

だそうで、猫被っているのかどうかは良くわからんというか、まあこの辺実際どうなんでしょうというお話は専門のウォッチャーの方の見立てを聞いてみたいのでアタクシが軽々に報道で判断するような話ではないとは存じますけど、ただまあ米国の場合は不都合なレベルの物価高にならないようにしておかないとトラ公の政権基盤も危うくなるわけでして、そう考えますとやっぱり物価推移なんじゃネーノとは思いますけど、とりあえず雇用統計に関してはハセットさんは

『さらにハセット氏はインタビューで、この日発表された雇用統計について「堅調な上昇軌道にある」と楽観的な見方を示唆。「6カ月以内に製造業の雇用が増加すると予想している」と語った。』

『経済および貿易については「赤字削減が鍵」になるとの考えを示唆。米経済には金利を引き下げる余地が十分にあるとの考えを改めて示した。』

だそうなんですけど、ゆうてCPIとか強くなってきたら利下げにはさすがにビビるじゃろというかトラ公の方が先にTACOるんじゃねえのという気はしますよね。

ついでに雇用統計のニュースを備忘の為に貼っておきますが、一応長期金利は低下で反応(PMIのせいなのかも知れませんけど)しているのかしらこれ。

https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2025-12-16/T7D71WT9NJLT00
米雇用者数は回復も失業率上昇、10月は大幅減−労働市場の減速映す
・11月の非農業部門雇用者数は前月比6万4000人増−失業率4.6%に上昇
・10月の雇用者数は10万5000人減−連邦政府職員の減少が背景
Mark Niquette
2025年12月16日 at 22:43 JST
更新日時:2025年12月17日 at 3:06 JST

『11月の米雇用統計では、雇用者数が低調な伸びにとどまり、失業率は4年ぶり水準に上昇した。また10月は
雇用者数が減少。労働市場の減速が続いていることが示された。

キーポイント
11月の非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比6万4000人増
エコノミスト予想の中央値は5万人増
10月は10万5000人減
家計調査に基づく11月の失業率は4.6%
市場予想は4.5%』(上記URL先より)


https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2025-12-16/T7D9NQT96OSI00
【米雇用統計】1月利下げ論の追い風にならず−市場関係者の見方
Bloomberg News
2025年12月16日 at 23:47 JST

『11月の米雇用統計では、雇用者数が低調な伸びにとどまり、失業率は上昇した。また10月は雇用者数が減少。労働市場の減速が続いていることが示された。』(上記URL先より)

以下コメントがあるけど割愛。


https://jp.reuters.com/markets/japan/PTUOIVLPLVJYJHZEQ4UUQFXCH4-2025-12-16/
FF金利先物、1月米利下げ確率31%に上昇 失業率上昇で
Gertrude Chavez-Dreyfuss
2025年12月17日午前 2:28 GMT+9

『[ニューヨーク 16日 ロイター] - - 16日のフェデラルファンド(FF)金利先物市場では、米連邦準備理事会(FRB)が1月の次回米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げに踏み切る確率が上昇した。11月の米失業率が上昇したことを受けた。』

『LSEGの推計によると、FF金利先物は、FRBが来月利下げに踏み切る確率を31%と織り込んでいる。11月雇用統計直前は22%だった。』

『先物市場は26年に2回、それぞれ25ベーシスポイント(bp)の利下げが実施されると予想し、緩和幅は57bpを織り込む。来年最初の利下げは6月に実施されるとの見方が強く、その確率は83%。』(上記URL先より)

てなことで、「利下げ打ち止めじゃネーノ」みたいな数字が出てこなければ基本的にそんなにサプライズにはならないって話で良いのかしらとは思いました。


〇国債市場参加者会合(今更ですが)

今更ジローですが
https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/meeting_of_jgbsp/proceedings/251212pd.html
国債市場特別参加者会合(第117回)議事の要点

・日時 令和7年12月12日(金)16:00〜16:45
・場所 中央合同庁舎第4号館 1208特別会議室

要点と言うだけにマジで要点だけなんですが、

『・内容

1. 令和8年度国債発行計画について

<参加者からの意見>
・超長期債については、いずれの年限においても減額が望ましく、特に30年債を中心に少なくとも1,000億円/月以上の減額の必要がある、との意見が聞かれた。

・10年以下の年限では、2年債を中心として、基本的に短めの年限から増額が可能である、との意見が聞かれた。』

ということでサラサラと記載があるのですが、まあこれしれっと書いているけどどう見てもヤベー奴の話でして、つまりは積極財政バンバン打ちますと言っても既にそのファイナンスは長期ではできませんってお話な訳ですし、しかも現状って日銀が買入を減らしてきているとは言え、アホみたいに国債買入を行って、統合政府の中でマチュリティートランスフォーメーションを実施して債務を超短期に変換する作業をせっせと実施している中ですらこういうテイタラクな訳ですから、「基本的に短めの年限から増額が可能である」っていうのは「Majiで(ピー)する5秒前(古い)」の風情を感じさせる大変にアレな文言なのですよね。

でまあ今回は市場のコメントという形でものすごーーーくしらっという感じで出しているのですが、今申し上げたように割とヤバい状態じゃんというのを出すのですが、鉦や太鼓を打ち鳴らして警戒を呼び掛けるんじゃなくて、こういう感じで分かる人にわかるようなしれっとした出し方っていうのが却って発行当局の危機感を読み取ってしまうというのがまあ10年以上この手の文書を見慣れたワイの感想なのでこれは結構ガクブルして読んでしまいました、というのを言いたかったわけですな、南無三。

一応続き。

『2. 令和8年1-3月期における物価連動債の発行額等について

<当局案>

・発行額・買入消却額について、現状どおり、1回(四半期に一度実施)の入札当たりの発行額を2,500億円とし、毎月200億円の買入消却入札を行うこととしてはどうか。

<参加者からの意見>

・BEIは足もとで上昇傾向であり、投資家層の広がりは少しずつ見えてきているものの、流動性が引き続き低いこと等を踏まえ、ほとんどの参加者から、現状の取り扱いを維持する当局案を支持する意見が聞かれた。』

流動性が低いから投資家層が広がらない、投資家層が広がらないからネット発行を増やすような発行ができない、ネット発行が増えて行かないので市場の厚みが広がらなくて流動性が上がらない、の堂々巡りに陥った状態でネット発行が増えないどころか(手前の発行が多いときの償還が着実に来るので)減るという流れなのは何とかならんもんですかねえ。デフレ時代なら仕方ないけど物価安定目標2%達成しようかという時代なのに物価連動国債市場の厚みが薄いままっぽい(んですよね)のは残念無念としか言いようが無い。


『3. 令和8年1-3月期における流動性供給入札の実施額等について

<当局案>

・残存1-5年ゾーン(奇数月発行)については、現状どおり7,000億円、
残存5-15.5年ゾーン(毎月発行)については、現状どおり6,500億円、
残存15.5-39年ゾーン(偶数月発行)については、現状どおり2,500億円の発行としてはどうか。

<参加者からの意見>

・ほとんどの参加者から、当局案を支持する意見が聞かれたが、一部の参加者から、超長期ゾーンのオフ・ザ・ラン銘柄の一部について需給がタイトな状況であるため、残存15.5-39年ゾーンの増額を希望する、との意見が聞かれた。』

流動性供給入札に関してはまあこんなもんじゃろという感じですかね。







2025/12/16

お題「短観は今回も強いですなあ/会合後に出さないで会合前に出すのか(賃上げ云々資料)/その他少々」

自走式お掃除ロボを使えるようなスタイリッシュな生活をしたいワイでしたorz
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN152UY0V11C25A2000000/
ルンバの米アイロボット、破産法申請 中国企業傘下に
北米
2025年12月15日 13:12
(2025年12月15日 13:40更新)

・・・・・家電のコモディティ化の速度って本当に早くなったなあと昭和脳のワイは思います。


〇日銀短観はこれ強い内容ってことで宜しいと思うのですが

いつもの私家版確認です。
https://www.boj.or.jp/statistics/tk/gaiyo/2021/tka2512.pdf
短 観(概要)―2025年12月― 
 第207回  全国企業短期経済観測調査  
< 回 答 期 間 > 11月11日 〜 12月12日


・業況判断DIは「結局トラ公あったけど今年全然問題なかったじゃん」という結論ですわな

          (9月短観)        (12月短観)
          現状→12月予測     現状→3月予測
製造業大企業   +14→+12     +15→+15 
製造業中堅企業 +12→+8       +16→+10        
製造業中小企業  +1→▲1       +6→+2

非製造業大企業  +34→+28     +34→+28
非製造業中堅企業 +24→+18     +25→+18
非製造業中小企業 +14→+10      +15→+10

前回はこんなこと書いてましたが、

(前回10/2に書いた拙駄文より)
ということで、いつものように「前回出ていた先行きの慎重な見方に対して結果は上振れ」で「そうは言っても先行きは現状よりも慎重」って結果になっていますが、こちらは基本的に短観DIが強いときに景気のモメンタムが盛大に良くない限りは先行きDIって足元対比で堅めに出てくる傾向が強い(と15年以上見てて思う)ので、まあこれは普通に堅調な結果でっしゃろと思います(たしかBBGの集計してた予想は大企業製造業+14だったので見事にインラインだったかと)。
(ここまで前回短観時の拙駄文)

でまあ今回もまるで同じなのですが、なにげに製造業の中堅と中小の改善が目立つ結果になっていますわな。まあ先行きが低めに出るのはもう仕様なのでそんなに気にしなくて良いかなという話なんですが、結局のところトラ公出たけど乗り切りました、っていうこの1年だったんじゃないですかねえ、と考えれば「先行きの不透明ガー」で利上げを引っ張る理由は無い(これが政策金利水準自体が既に1.5%とかあるのならその「お気持ち」で利上げを引っ張る理由に使えないでもないでしょうけど、なにせ今の水準は0.5%なのですから利上げを躊躇する意味はない、ということね)でしょうというお話だし、トラ公の影響は懸念されたようなものではなく、引き続き緩やかな成長軌道にある、ということで良かったということですな。たぶん。


・企業の販売価格見通しもトラ公関税大会を経ても特に変わらんかったですねということで

販売価格見通し 全規模合計 全 産 業
1年後 12月:2.6%→3月:2.7%→6月:2.8%→9月:2.8%→12月:2.8%→3月:2.9%→6月:2.9%→9月:2.8%→12月:2.7%
3年後 12月:3.7%→3月:4.0%→6月:4.1%→9月:4.1%→12月:4.2%→3月:4.4%→6月:4.3%→9月:4.3%→12月:4.3%
5年後 12月:4.4%→3月:4.7%→6月:4.8%→9月:4.9%→12月:5.0%→3月:5.2%→6月:5.1%→9月:5.2%→12月:5.2%

大 企 業 製 造 業
1年後 12月:2.2%→3月:2.2%→6月:2.3%→9月:2.2%→12月:2.2%→3月:2.3%→6月:2.3%→9月:2.2%→12月:2.2%
3年後 12月:2.8%→3月:2.8%→6月:3.2%→9月:3.1%→12月:3.2%→3月:3.4%→6月:3.1%→9月:3.2%→12月:3.2%
5年後 12月:3.0%→3月:3.1%→6月:3.3%→9月:3.4%→12月:3.4%→3月:3.7%→6月:3.8%→9月:3.9%→12月:3.9%

大 企 業 非製造業
1年後 12月:2.0%→3月:2.0%→6月:2.1%→9月:2.1%→12月:2.2%→3月:2.4%→6月:2.3%→9月:2.3%→12月:2.2%
3年後 12月:2.7%→3月:2.8%→6月:3.0%→9月:3.0%→12月:3.1%→3月:3.1%→6月:3.2%→9月:3.4%→12月:3.3%
5年後 12月:3.2%→3月:3.2%→6月:3.4%→9月:3.5%→12月:3.6%→3月:3.5%→6月:3.9%→9月:4.1%→12月:4.0%

いやーもうずっとこういう推移をしている訳でして、こんなんもうどっからどう見たって「企業の価格設定行動から見られるインフレ期待はマイルドインフレ(この水準をマイルドというのかはさておきますがまあマイルドなんでしょうな)を前提とした状態にアンカーされている」としか言いようが無いわけで、いまさらこの数字が一段高になるべきとかそういう風に思わんじゃろ常識的に考えて、という話でございまして、これは別に今に始まった話ではないのですが、政策調整を先送りするのに都合の良いインフレ期待指数を捻りだしてインフレ期待が2%にアンカーされていない、とするのはもう大概にしていただきたいものだと思います。


・企業の価格見通しも以下同文

物価全般見通し 全規模合計 全 産 業
1年後 12月:2.4%→3月:2.4%→6月:2.4%→9月:2.4%→12月:2.4%→3月:2.5%→6月:2.4%→9月:2.4%→12月:2.4%
3年後 12月:2.2%→3月:2.2%→6月:2.3%→9月:2.3%→12月:2.3%→3月:2.4%→6月:2.4%→9月:2.4%→12月:2.4%
5年後 12月:2.1%→3月:2.1%→6月:2.2%→9月:2.2%→12月:2.2%→3月:2.3%→6月:2.3%→9月:2.4%→12月:2.4%

中小企業 製 造 業
1年後 12月:2.7%→3月:2.6%→6月:2.7%→9月:2.6%→12月:2.6%→3月:2.7%→6月:2.6%→9月:2.6%→12月:2.6%
3年後 12月:2.4%→3月:2.4%→6月:2.5%→9月:2.5%→12月:2.5%→3月:2.6%→6月:2.5%→9月:2.6%→12月:2.6%
5年後 12月:2.3%→3月:2.4%→6月:2.5%→9月:2.4%→12月:2.5%→3月:2.5%→6月:2.5%→9月:2.6%→12月:2.6%

中小企業 非製造業
1年後 12月:2.6%→3月:2.6%→6月:2.6%→9月:2.6%→12月:2.6%→3月:2.7%→6月:2.6%→9月:2.6%→12月:2.6%
3年後 12月:2.4%→3月:2.4%→6月:2.5%→9月:2.4%→12月:2.5%→3月:2.6%→6月:2.5%→9月:2.6%→12月:2.6%
5年後 12月:2.3%→3月:2.3%→6月:2.4%→9月:2.4%→12月:2.4%→3月:2.5%→6月:2.4%→9月:2.5%→12月:2.5%

いやも最早何も申し上げることも無いのですが、これを「企業のインフレ期待が2%物価目標に整合的な状況でアンカーされている」と言わない方が頭おかしいんじゃないかという状況(しかも毎度これを言っている)訳でして、むしろこの数字が上がりだしたらヤバいじゃろという世界のようにしか見えませんがどうでしょうかね。


・販売価格判断と仕入価格判断は中小がちょっと微妙なのかこれ(絶対水準は強いけど)

販売価格判断

            (9月短観)         (12月短観)
           現状→12月予測      現状→3月予測
製造業大企業   +24→+25       +25→+26
製造業中小企業 +25→+31       +26→+32

非製造業大企業  +28→+32      +31→+32
非製造業中小企業 +28→+33      +26→+32


仕入価格判断
          (9月短観)          (12月短観)
          現状→12月予測      現状→3月予測
製造業大企業   +38→+39      +40→+43
製造業中小企業 +52→+56      +54→+59

非製造業大企業  +41→+46     +44→+46
非製造業中小企業 +52→+57     +51→+54

まあ水準自体は高いままなのですが、ちょっと気になったのは中小企業が見通し対比で販売価格判断が強くなっていないことではありますが、ゆうて販売価格判断の先行きって基本的に高めに出る傾向があるので、それ自体は揉んだではないのかもしれませんけど、中小の非製造業だけは今回前回対比で数値が下がっているのは気にかかりました(仕入価格判断も1ポイント下がっているのでツーペーなのかもしれませんけど)。


・雇用判断DI:前回は「全般少しずつ逼迫傾向」でしたが今回はまあ横ばいですかしら(なお水準はクッソ逼迫)

            (9月短観)        (12月短観)
           現状→12月予測     現状→3月予測
製造業大企業   ▲19→▲22     ▲19→▲21
製造業中堅企業  ▲25→▲28     ▲28→▲31
製造業中小企業  ▲25→▲31     ▲27→▲32

非製造業大企業   ▲39→▲40    ▲38→▲40
非製造業中堅企業  ▲46→▲50    ▲47→▲48
非製造業中小企業  ▲46→▲50    ▲48→▲52

6月短観までは「見通し程逼迫しませんでした。ただし水準は逼迫ですけど」だったんですが、9月短観では人手不足感が全体的にやや高まったかなという感じでして、今回はまあゆうて横ばい圏内っぽいですけど、製造業の中堅と中小の雇用判断DIが逼迫方向にやや進んでいるのが目立っている感じかと。

まあいずれにしましても強いのですけどね。


・・・・ということで私家版で見ますと「企業部門まるで隙無し」という剣豪のような状態になっている訳で、どこからどう見ましても利上げを躊躇する理由にはならないでしょうという感じですな。


・設備投資計画の走りも強いですよねこれ

▽設備投資額(含む土地投資額)の足取り

ってコーナーが短観の13ページ以降にありまして、例によって図表を貼り付けるスキルも無ければそもそも貼ってよいのか問題もあるので貼るのは割愛しますが、ここの数字を過去の足取りと比較すると、別に今回米国関税政策の影響が出て設備投資が下方屈曲、という図にはなっていないように見えますよね・・・・・・・

って実は前回書いた拙駄文なのですが、全く同じ感想どころか今回の中間ラップ見たらつええええええという感じにしか
見えない訳でして・・・・・・・・・・・


・前回10月短観は思い起こせば高市政権爆誕を前提にしないで駄文を書いていたので・・・・・・・

前回書いた拙駄文は短観についてこのようにまとめていました。

(前回10/2に書いた拙駄文より)
とまあそういう訳で私家版チェックをしてみましたが、この短観だと10月利上げを排除する理由にはならんじゃろ、としか思えませんが、ゆうてそこで利上げ観測が高まったかと言われると昨日の市場ちゃんだとよくわからんとしか言いようが無い結果だったと思うの。
(ここまで前回短観時の拙駄文)

ってな感じで「自民党総裁選挙要因はあるけど短観で見たら10月利上げを排除する意味ないんですよね」だったのですけれども、その週末にご案内のように高市自民党総裁爆誕の儀が発生したので話が変わってしまいましたが、ゆうて今回の短観は10月よりもどう見たって強い内容でして、こんなんもう利上げじゃろ利上げということで宜しいんじゃないですかねえ、知らんけど。


〇こういう怪しげな利上げ正当化リサーチを出してくるのが相変わらずの小賢しさではある

はーぁ忖度忖度♪(これを見た瞬間に作った俗謡「忖度音頭」を踊りながら)
https://www.boj.or.jp/research/brp/rer/data/rerc251215.pdf
2026 年度賃上げスタンスの動向(12 月初時点)

って題名みた瞬間に忖度音頭を踊ってしまったわwwwwwwwwww

サブタイトルが、

―本店及び全国 32 支店に対し、12/3 までの情報を確認―

『▽2026 年度の賃上げスタンスの動向(前年度との比較)について、本支店を通じて情報収集を行ったところ、いくつかの支店では 2025 年度を「上回る」(2支店)、「下回る」(2支店)との回答があったが、大半の先では高い伸びとなった前年度並みとの回答であった。』

どう見てもモメンタム維持です本当にありがとうございました(まあこの物価上昇率だと前年並みでやってくれないと生活給の観点からやってられんわという話なのでそうじゃないと困るのだが)。

『▽2025 年度の企業収益について、米国の関税引き上げの影響等もあって顕著な改善を見込む先は多くはないものの、人手不足感の強い状態が継続するもとで、従業員の係留・士気向上の観点から、「2026 年度についても、2025 年度と同程度ないし世間相場並みの賃上げを行う必要がある」と考える企業が大半を占めているように窺われる。』

「世間相場並みの賃上げを行う必要がある」という部分に「ノルムの変化」を埋め込んでいますねえw

『―― 大・中堅企業については、2026 年度も 2025 年度並みの賃上げは可能だが、中小企業については価格転嫁の遅れ等による収益不芳先を中心に 2025 年度並みの賃上げは厳しいとの声は比較的多く聞かれる。業種別にみると、自動車等の製造業の一部からは、米国の関税引き上げによる収益減を主因に、2025 年度並みの賃上げを2026 年度も継続することは困難との声も聞かれる一方、非製造業を中心に人材の確保や係留の観点から 2025 年度並みの賃上げが必要との声が聞かれる。』

まあそうなりますわな・・・・・

『―― 年齢階層別には、とくに人手不足感が強く、採用市場での競争も激しい若年層を中心に、初任給の引き上げも含めて、手厚めの配分を行うとの先が多い。』

・・・・・ねえねえジジイはジジイは????

『―― 高めの上昇率となった 2025 年度の最低賃金の改定を受けて、パート労働者の賃金を引き上げる中で、正社員についても公平感の観点から相応の賃上げを行う必要があるとの声が、都市部以外の地域で聞かれている。』

なるほど。

ということですが、今までこんなの出したことなかったのに突如出てくることと言い、そもそも論としてこの資料って今回の金融政策決定会合で利上げを決定した時に「参考資料」として出せば良さそうなものだと思うのよね。

然るにわざわざ決定会合の直前に出してくるとか露骨な予告ホームラン過ぎてもう笑ってしまうしかないのですが、日銀のコミュ障振りってこういう所やぞ、という風に思う訳でして、利上げするからさて事前に賃金動向を出しておきましょう、とか本人たちはたぶん親切のつもりで出しているんけど、こっちはまた露骨な予告ホームランを急に出してくるとか小賢しいわという感想が先に立ってしまう訳ですが、まあそれ自体はあくまでもアタクシ個人の感想でありまして、もしかしたら債券市場全般的には「ヘヘーアリガヤヤアリガタヤ親切にも資料が出てきた」っていう感想かもしれませんので、まあその辺は良くわかりませんわ。


〇FOMC終わって発言が色々出てきますな

会見ネタすらまだ追いついていないというのにこれである(すいませんすいません)

ボストン連銀コリンズ総裁
https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2025-12-15/T7BRJ8KK3NY800
ボストン連銀総裁、利下げ支持は「際どい判断」−インフレなお懸念
Jonnelle Marte
2025年12月16日 at 4:23 JST

『米ボストン連銀のコリンズ総裁は、先週の連邦公開市場委員会(FOMC)では利下げを支持したものの、その決定は「際どい判断」だったと述べた。インフレの高止まりに対する懸念が依然としてあるためだという。「11月の時点で私の分析では政策金利を据え置く方向に傾いていたが、12月の会合までに入手可能となった情報にはリスクバランスがやや変化したことが示唆された」と、コリンズ氏は15日、リンクトインに投稿した。』(上記URLより、以下同様)

ほうほうそうですかそうですかという感じですが、

『「インフレがさらに顕著に上昇するというシナリオは、やや可能性が低くなった」と同総裁は指摘。「長期的なインフレ期待を示す一部指標の低下と、実効関税率の低下を示唆する最近の通商政策変更、労働市場の軟化を反映している」と説明した。コリンズ総裁はその上で「5年近く続いている高インフレを踏まえ、インフレの持続性については引き続き懸念している」と述べた。』

ってな話でして、まあここから先は物価指標に注目が戻るのかも知れませんなと思いました。


ウィリアムズ総裁
https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2025-12-15/T7BHSGKK3O6B00
NY連銀ウィリアムズ総裁、金融政策は来年に向けて良い位置にある
Jonnelle Marte、Matthew Boesler
2025年12月16日 at 0:45 JST
更新日時:2025年12月16日 at 1:08 JST

・やや景気抑制スタンスを中立に向け移行したことで良い位置にと発言
・2026年の米成長率は約2.25%に加速、インフレは鈍化と予想

『ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は、雇用に関するリスクが高まり、インフレリスクが幾分後退している中、先週の利下げ決定を受け、金融政策は来年に向けて良い位置にあるとの見解を示した。』(上記URL先より、以下同様)

だそうで、

『ウィリアムズ総裁は15日、ニュージャージー州ジャージーシティーでのイベントで「金融政策はこれらリスクの均衡を図ることに非常に注力している。そのために連邦公開市場委員会(FOMC)はやや景気抑制的な金融政策スタンスを中立に向けて移行させた」と発言。「こうした措置により、金融政策は2026年に向けて良い位置にある」と述べた。発言内容は準備原稿に基づく。』

ってな訳ですので、NY連銀を見に行きますと、
https://www.newyorkfed.org/newsevents/speeches/2025/wil251215
Speech
Resilience
December 15, 2025
John C. Williams, President and Chief Executive Officer
Remarks at the New Jersey Bankers Association, Jersey City, New JerseyAs prepared for delivery

これ小見出しを見ますと

Turning the Corner
Temporarily Stalled
Gradual Cooling

と来てからの

Monetary Policy and the Road Ahead
Balance Sheet
Conclusion

ってなっていまして、今目を泳がせては見ましたがネタにする時間はちょっと無いのですいませんすいませんって感じです。ざっと見てあんまり決め打ちはしていないようには見えましたし、そもそもお題が「レジリアンス」なので少なくとも利下げをホイホイ行うという前提の話ではない(レジリアントならガツガツ緩和する必要はない筈だから)と思いましたけどどうでございますかしらってなもんです。


〇高市さん改心したのかとも思いきやなのですが・・・・・・・・

こんなんがあったというお話を聞きつけてきましたので備忘メモ
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/2346837?display=1
サナエノミクスについて力説 積極的な財政出動で「所得増える 消費マインド上がる 税収増える」片山さつき財務大臣
tbc 東北放送
2025年12月14日(日) 14:34
国内

もうこの題名でお腹一杯で、だったら何で今までの財政出動ではそうならなかったのかと小一時間な訳ですが、最後に

『次ページ 借金は発散しない >』

ってあってもうアレですよアレ。

https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/2346837?page=2
サナエノミクスについて力説 積極的な財政出動で「所得増える 消費マインド上がる 税収増える」片山さつき財務大臣
tbc 東北放送
2025年12月14日(日) 14:34
国内

『片山大臣は、歳出を増やしても経済が成長し続けることで財政が破綻することはないとの考えを示しました。また、「地域ごとのクラスターが日本を救う、サナエノミクスの主役だ」などと述べ、高市政権が進める経済政策への支持を呼びかけました。』(直上URL先より)

・・・・・・・「地域ごとのクラスターが日本を救う、サナエノミクスの主役だ」ってのがどういう文脈で説明しているのかよくわからんですが何ですかねえ。

ということで、最近一部では高市さんが改心したとか、果てはリフレ派の損切りが行われつつあるかのような観測報道も出ていたり出ていなかったりしますけど、昨日ネタにした金曜日の「デフレに戻る可能性」発言にしましてもこの週末(土曜日)の講演にしろまあ結局のところ高圧経済大爆発コースへの懸念は相変わらずですなという所ですのうと思いましたが、片山さん赤紫系のお衣装がお好みなんですね(って全然関係ないですがw)。







2025/12/15

お題「中立金利がガイダンスにならないのは結構なお話&その他/3MTDBェ・・・・/ドットプロットの補足メモ」

これはこれはw
https://www.47news.jp/13590944.html
【速報】軍国主義復活は失敗すると中国共産党幹部
2025年12月13日 11時38分共同通信

最近毎日のように自己紹介してませんかねえ大陸中国さんwwwwwww

〇利上げ確定みたいなのが出てきましたな&だから中立金利の計算祭りとかやめロッテゆうたじゃろwwwww

日経さん(といってもいつものように無課金のためリードの部分だけ)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB115DU0R11C25A2000000/
日銀0.75%に利上げへ、30年ぶりの水準に 19日金融政策決定会合
日銀政策決定会合
2025年12月12日 17:00
[会員限定記事]

『日銀は18〜19日に開く金融政策決定会合で政策金利を現在の0.5%から引き上げる最終調整に入る。0.25%引き上げて0.75%とする案が有力で、1995年以来30年ぶりの金利水準に達することになる。

植田和男総裁ら執行部は利上げの議案を提出する意向を示唆している。日本経済新聞社の取材では、正副総裁を含めて9人の政策委員のうち過半数が執行部案を支持する見通しだ。』(上記URL先より、以下会員記事)

てな訳で金曜の夕刻に日経さんを始めとして各社が「来週利上げ」を報じるの巻(ちなみにお気づきかとは思いますが某公共放送のニュースサイトは先般のリニューアル以来リンクを貼らないことにしているので悪しからずご了承ください)となっておりまして、まあ知ってたという話ではありますがもうよほどの天変地異が起きない限りにおいて今週金曜日に利上げ決定、当座預金金利の新金利適用は翌営業日の12/22ということでファイナルアンサーということですな。ちなみに某公共放送では多分今朝のニュースでも取り上げているみたいです。

でまあそれはそれで良いのですが(もはやそれが出たとて反応はしない)、ロイターさんのこちらの記事はほほうと思った次第でして、

https://jp.reuters.com/opinion/V2GKXDV3GNKXDCKPZFS6UISVP4-2025-12-12/
日銀、次回会合で中立金利の推計公表せず 利上げは経済・物価次第=関係筋
和田崇彦, 木原麗花
2025年12月12日午後 5:23 GMT+9・2025年12月12日更新

『[東京 12日 ロイター] - 日銀は18、19日の金融政策決定会合で中立金利の最新推計を公表しない見通しだ。市場では今後の利上げパスに関して中立金利の推計に注目が向かっているが、日銀は特定の水準をあらかじめ中立金利と定めることはせず、引き続き経済・物価の情勢を点検しながら、政策運営をしていく方針だ。中立金利の推計値は主要なコミュニケーションツールとは位置付けない。複数の関係筋が明らかにした。』(上記URL先より、以下同様)

・・・・・おおこれは(実際にそうならば、の話ですが)良い傾向だわ、というニュースでして、拙駄文では先日来散々この「ザ・中立金利を今の時点でわざわざ精緻化して推計することの無意味&コミュニケーション上の害悪」について申し上げて皆様の耳にタコができている頃かと存じますが、なにせ植田総裁が自ら「中立金利の推計を精緻化する」だの「次回には公表する」だの言いやがるもんだから、先週途中からは債券市場ではもうすっかりこの「ザ・中立金利の計算祭り」が市場のあちこちで展開されていまして、何とかストの皆様もそうですけれども、この中立金利云々の話を偉い人が聞いてしまうと当然のように「ご下問」が飛んできたりするわけでして、そういう時に弊駄文のように「今の時点で中立金利を精緻化して計算する意味は一ミリも無くてただの時間の無駄」とか言い放ってしまうとサラリーマン的に色々とアレ、という恐ろしい事案も懸念される訳で、カシュカリ総裁の頭髪の如き不毛な世界が先週の円債方面では絶賛大展開されていて甚だ遺憾の極みだった訳ですな、うんうん。

と思ったらこれは朗報といいたいけど、そもそもこの「複数の関係者」とは何ぞやというのはあるのでまあ良くわからん所ではあるのですが、

>中立金利の推計値は主要なコミュニケーションツールとは位置付けない

ってのは当然でして、以前からしつこく申し上げていますように、そもそも論として今のようにインフレ期待をシフトアップさせる途中の段階(ということに日銀の情勢判断上はなっている)の現段階におけるスライスを取って中立金利計算したってナンセンスであって、2%物価安定目標が達成されている状態、すなわち景気サイクルが1回転する間に物価が概ね2%程度で推移する(=トレンドインフレが2%)状態、当然その時点では実質成長率も1回転の間に概ね潜在成長率(=トレンド成長率が今の日銀の推計でいえば0.5%程度だし、政府の目標はトレンド成長率1%ですわな)程度で推移する状態、という物価安定目標達成後の新常態における中立金利は何ぼですか、という話をするなら意味があるのだが、としか言いようが無いわけですな。

でもってこの記事中々良い説明が続いていまして、

『日銀は内部で中立金利の推計の精緻化に取り組んでいるが、データを最新にしても推計値の幅が広いことに変化はないとの声が出ている。』

ってのがありますが、そもそもバックワードのデータ使って中立金利(らしきもの)を推計したら、長期停滞期の経済にフィットする中立金利(らしきもの)が出てくるんだから、バックワードのデータ使って中立金利を計算することに意味があるわけねえだろうとしか言いようが無いし、つまりはその場合「目標達成後の新常態」に対して過小評価された数値が出てくるのは間違いないでしょという事な訳だから、今時点での中立金利推計とかいう作業自体がデフレバイアスが掛かった発想ですがなって話になるわけですな。

でまあこういう話になるんだが、

『金融政策運営に当たり、中立金利の推計値を参照するものの、利上げで貸出動向など金融環境に変調が生じないかなど、実際の政策判断は経済・物価情勢をもとに行っていく。』

これに関連する記事をロイターさんだしていたことについては先週の弊駄文でご紹介しましたが

https://jp.reuters.com/opinion/forex-forum/O7RPLFZUINPNBLWPBOXLZTUUVI-2025-12-08/
アングル:日銀、先行き利上げ判断で貸出動向に注目 中立金利推計に不確実性
和田崇彦
2025年12月9日午前 6:59 GMT+9・2025年12月9日更新

まあ要するにこの記事の続編みたいな感じになっていますけれども、今回の記事の方にありまして今しがた引用しました

>利上げで貸出動向など金融環境に変調が生じないかなど、実際の政策判断は経済・物価情勢をもとに行っていく。

ってところはコミュニケーション下手を打つと面倒なことになるとおもうんですよね。

つまりですね、本来はこの部分って「実際の政策判断は経済・物価情勢をもとに行っていく」っていうのが本来的には重要な話で、「利上げを行ったら経済にブレーキが結構かかっちゃいましたね」となったらその利上げは実は引き締め的な利上げでした、って話だし、「利上げしたものの経済には何らブレーキ掛かりませんなあ」だったらその利上げは緩和の調整にすぎませんでした、って話になるんだが、何せ日本の場合は期待インフレを2%に引き上げてアンカーさせるという事をしているので、過去のデータを使って推計するのが必ずしもあてにならない訳ですから、中立金利の推計とかをするよりも「利上げした後の経済物価情勢を見ながら経済に全然ブレーキ掛からんのならばまだ緩和的だから再度利上げ」って感じで判断してく、っていう話だと思うのですよね。というかそれしか実践的にはやりようが無いし。

しかしながら、ロイターさんの12/8の報道も含めまして、本来「経済物価情勢全般を総合的に判断」となるはずの部分が、前段の「貸出動向」という特定の指標に紐付けしたような書かれ方になってしまっているのにはきな臭さを感じる訳でして、それはつまりまたぞろ「その場で説明するのに便利なものを安直に使ってしまうので、後で都合が悪くなった時に別のものを持ち出してきて結果として説明の首尾一貫性が全くないご都合主義のお気持ち政策に見えてしまう」という弊害をもたらすこと繋がるんじゃないか、という点は甚だ懸念されるところです。

特に植田さんにその傾向があるんじゃないかなと懸念しているのですが、「丁寧に分かりやすく説明しよう」というのは大事ではあるのですが、その「分かりやすさ」が「その場で説明に一番使えそうなものを持ち出してその場限りの説明をする」ということに結果的になっているんじゃねえのかって思う訳でして、今次利上げ局面なんてどこまで利上げしたら経済にブレーキがかかるのかとかはやってみないと分からんの世界なんだから、分からんものを分かるかのように「丁寧に説明」するのは混乱の元になりますので、今後はもっと堂々と「利上げ後の経済物価情勢の推移を見ていき、依然として政策金利水準が緩和的だと思ったら物価目標達成に向けての確度の高まりに応じて政策金利を引き上げます」って説明したら良いのに、と思うのですが、それだと馬鹿っぽく見えてしまうんでしょうなあ植田先生のような頭の良い方には、と頭の悪いアタクシは思うのでありました。


てな訳で、中立金利計算合戦の次は「経済物価情勢の判断を何の指標でみるのか」のあてっこ合戦にならないことを切に願いたいし、大本営および植田総裁におかれましてはその線でのコミュニケーションをお願いしたい、と斯様に思うのでありましたがさてどうなるやら。



〇片山さん・・・と思ったらヘッドライン詐欺の感はある

https://jp.reuters.com/economy/bank-of-japan/TG3Y3FDJMJLDNCOCO3JDQBA7VA-2025-12-12/
かじ取り誤るとデフレに戻る可能性、日銀と共通認識=片山財務相
田中志保
2025年12月12日午後 4:01 GMT+9・2025年12月12日更新

『[東京 12日 ロイター] - 片山さつき財務相は12日の参院予算委員会で、政策のかじ取りを誤ると再びデフレに逆戻りする可能性があるという状況について「日銀との間に大きな齟齬(そご)はなく、共通した認識をしている」との見方を示した。』(上記URL先より、以下同様)

まーた金融緩和万歳円安誘導発言かよ、と思ったのだがヘッドライン詐欺だったようでして、

『加藤明良議員(自民)の質問に答えた。加藤議員は、日本経済はデフレから脱却していないという政府の見解の一方で、日銀は消費者物価の上昇を踏まえてインフレ状態と説明しているとし、二面性を持つ経済局面で「責任ある積極財政」をどう展開していくのかなどと質問した。』

基調的なインフレと一時的なコストプッシュ要因が乗っかった実際のインフレ、という説明(それ自体がホンマカイナという話はあるがそれはさておくとしまして)を日銀はしているので、インフレ状態とは言ってるのかと言われるとこれがまた難しい(のはそもそもの基調的と実際の物価の解離が何年も続いているのにその線で説明し続けているからなんですけどそこはさておきましてwww)という状態ですが、まあ質問する方はこういう質問をしてくる訳でして、とっととデフレ脱却宣言をしない政府が悪いよ政府が、とは思いますけどまあこういう質問をするわけですな。

『片山財務相は、足元の消費者物価は前年比3%程度の上昇を続けており、食料品価格など「物価高が景気を下押しするリスクがあるという状況」と説明。「かじ取りを誤ると、まだ再びデフレに戻ってしまう可能性がないとは言えないという状況については、政府と日銀の間に大きな齟齬はなく、共通した認識をしているものと理解している」と述べた。』

という説明で、2%物価目標達成できていない状態でインフレ期待もまだ2%にアンカーされていない状態(とはワイは思わんがまあ日銀公式はそういう説明)だからアンカーされる前に引き締めみたいなことをしたらアカンじゃろ、というのが日銀の説明なんで、片山さんの説明自体そんなに外れた説明じゃないのは把握しましたが、既に現内閣は「リフレ派に毒された高圧経済積極財政円安上等政権である」というのが初期値で認識されてしまっているので、何か言えば円安方向へのヘッドラインになりやすいんわなと思いました。

ちなみに某時事メインの某金融観測というコラムの報じるところによりますと

しかしまあ何ですな(と言いながらこれ記事の全文引用になってしまいましたロイターさんすいませんすいません)。

『その上で、賃金の上昇を伴った持続的・安定的な物価上昇や投資が拡大し生産性が上がるという成長型経済が「本来の目指す道だが、そこはまだ道半ば」であるとし、物価高対策などに取り組む姿勢を示した。』

ということであれば、過度な金融緩和(と政府のお助け政策)によって本来ならば淘汰されるべき生産性の低い主体を温存することによって成長分野への資源配分が阻害されるような事を起こさないようにすべきなので過度な金融緩和は早急に是正されるべきであって、引き締めゾーンに入らない範囲での利上げはジャンジャン行うべきなんですよね、って誰か金曜の会見で質問してくれませんかねえ(社名を背負ってその質問をするのは中々アレなのは分かるのでまあ出なくても文句は言わないけどさ)とは思いました。

まあでもこういうヘッドラインを打たれやすい、ということですので、植田総裁におかれましても今回の利上げの記者会見でも発言に注意しないと「ダビッシュな利上げ」というヘッドラインを打たれてしまって円安は飛ぶ飛ぶドームの風で、という素敵な事になり兼ねませんので、ハトハトチキンによるご自身のお言葉というのは封印してもろていただかないとアカンじゃろとは思う所です。

そういや余談ですが高市さんのこれはワロタ
https://jp.reuters.com/world/taiwan/Z25DXU2WARN5LMGUVY3ITTBZWA-2025-12-12/
台湾巡る高市氏の国会質疑、政府が事前に「問取り」 立憲は首相の責任指摘
鬼原民幸
2025年12月12日午後 6:32 GMT+9・2025年12月12日更新

ご自身のお言葉を披露して良い立場とそうじゃない立場というのがありますわな、とは思いっきり思いましたということでw


〇3M短国は0.6台前半でしたかそうですか、ってエライ堅調でしたなコリャコリャ

金曜の3M短国ちゃん
https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20251212.htm
国庫短期証券(第1350回)の入札結果

『本日実施した国庫短期証券(第1350回)の価格競争入札及び国債市場特別参加者・第T非価格競争入札について、下記のように募入の決定を行いました。



1.名称及び記号      国庫短期証券(第1350回)
2.発行根拠法律及びその条項
財政法(昭和22年法律第34号)第7条第1項、財政融資資金法(昭和26年法律第100号)第9条第1項並びに特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第83条第1項、第94条第2項、同条第4項、第95条第1項、第123条の18第1項、第136条第1項及び第137条第1項

3.発行日     令和7年12月15日
4.償還期限    令和8年3月23日
5.価格競争入札について
(1)応募額         11兆4,504億円
(2)募入決定額     3兆3,525億8,000万円
(3)募入最低価格    99円83銭0厘5毛
(募入最高利回り)   (0.6323%)
(4)募入最低価格における案分比率    90.5121%
(5)募入平均価格     99円83銭2厘7毛
(募入平均利回り)    (0.6241%)』

あらまという感じですが、金曜日の拙駄文で申し上げました通り、木曜の引けで1350回新発WIの引値は(売参ベースですが)0.650%(2毛5糸甘)に引値修正してきたのですが、何のことはない0.65%なんぞ全然届かんレートでの決着となりまして、最早ここまで来ると織り込みとか言っても前半の部分が1週間しか無いのでアレなんですが、アベレージの0.6241%って手前1週間を0.50%と見て換算レート計算すると利上げ後のこの銘柄の換算レート0.634%とかいうレートで、政策金利から11.6毛も乖離があるのはさすがにそりゃ(年末越えプレミアムが仮に乗っかるにしても)レート低すぎじゃろという水準になってしまうのですが、なにせWIよりもお強い水準で決着しているし、応札11.4兆円もあるしということで(応札が多いのは札を下に流したからかも知れませんけど)、あらまあニーズあるじゃんという風情ではありまする。

ちなみに足切りの0.6323%で後ろが0.642%でしてこれまた政策金利から10毛強の低金利になっておりますのでナンノコッチャという感じではありますが、まあ利上げが近いですし利上げ後のパスだって分からんという昨今なので短国方面に長期債からの避難民がやってきて大盛況になっているのかも知れないといういつものパティーンなのかも知れませんが、純粋に短期政策金利とかコールレートとかの見合いで安全資産プレミアムのっけたとしてもちょっと間尺に合わんじゃろという水準に金利が(事実上)下がってしまったのはぐぬぬという感じではありました。

まあこれ自体は短国アウトライトだけの現象で、交付税特会借入の金利でもお分かりの通り、他の部分ではさすがに12月利上げフル織り込みじゃないとレートが形成されないような感じになっていて、相対の世界なのでよくわからんですけど、コールのタームとかCPとかそういうのはさすがにそういう感じなんじゃないでしょうかね、知らんけど。


〇FOMCレビュー雑談の一発ネタ:ドットプロットの真面目なネタと面白ネタ(どっちもメモ程度で)

今回12月
https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/files/fomcprojtabl20251210.pdf

前回9月
https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/files/fomcprojtabl20251210.pdf

・ロンガーランの金利は殆ど動いてませんけど物凄く微細には上がっていますね今回

というのが真面目な話ですが、今回のロンガーランって3%超の部分(3-3.25およびそこから上)の分布って前回と一致していまして、全然動いていないんですよ。でもってですね、その下の分布ですが、

3%:4人⇒5人
2.75-3.00%:1人⇒1人
2.75%:2人⇒1人
2.50-2.75%:3人⇒3人

となっていまして(よって3%超は9人)、これだと中央値とかそういうのには影響ない世界ですが、1名だか複数だかは分かりませんけれども、弱気派の中で若干のロンガーラン引き上げの動きがあったのね、というのはほほうと思いましたけれども、もしかしたら今回ってロンガーランもう少し上がるとかそっちがコンセンサスだったのかも知れずですし、そもそもこの程度の変化だと誤差オブ誤差なのでまあ反応はせんわなとは思いましたが、一応メモだけはしておこうかと。


・ミラン理事の変態金利パス予想に変化がwwwww

まあ一番下のプロットを見ておけばミラン理事の変態金利パスが推測できますがwwwww

9月時点でのミランの政策金利パス

2025年末:2.75-3.00%
2026年末:2.50-2.75%
2027年末:2.25-2.50%
2028年末:イマイチ良くわからんが一番低いのだと2.50-2.75%


12月時点でのミランの政策金利パス

2025年末:3.25-3.50%(50利下げ主張なので)
2026年末:2.00-2.25%
2027年末:2.25-2.50%
2028年末:イマイチ良くわからんが一番低いのだと2.50-2.75%

となっていまして、まあ基本的には「じゃんじゃん利下げしてから低めの水準(と言ってもロンガーランの一番低いプロットは2.50-2.75に3票あるのでそこまで無茶苦茶低い訳ではない)で維持する」という図になっているのですが、前回対比で今回2026年末の政策金利水準が大きく下がっていますなwwwwwww

まあこれ自体は「利下げがこれでは足りないので埋め合わせるためには大幅利下げが必要」ということで低くなったんだと思いますし、ロンガーランから見てそこそこの水準の緩和的な所まで2026年には持っていく、ということなので、それが効いてくれば今度は2027年以降は利上げに転じるって話になるので、このパスの変更自体は普通にロジカルに理解できますし、ああなるほどと思ってしまいましたが、なにせ2026年末の数値の下げが目立つところではあったのでこれも備忘メモということで備忘させていただきました。

という辺りで今朝はご勘弁。(FOMC会見ネタはどうした)





2025/12/12

お題「今日は3M短国/FEDの短国買入を「QE復活」というのはちょっと論点がずれていると思いますが・・・・」

ほほう
https://www.agrinews.co.jp/news/index/350781
2025年12月12日
全農、お米券対応に奔走 臨時発行問い合わせ相次ぐ
| ニュース| ニッポンの米| 主要記事

とのことで、

『「お米券」は全農と全国米穀販売事業共済協同組合(全米販)が発行している。全農が発行する同券の名称は「おこめギフト券」。同券の流通量の約2割が全農、約8割が全米販によるものという。』(上記URL先より、以下同様)

なるほど。でもって実際におっぱじまった場合ですが・・・・・

『「お米券」を活用する自治体の総数が不明なため、どのくらいの枚数を臨時発行する必要があるかといった全体像が見通せない。だが、希望する自治体が一定数ある場合は既存の体制では間に合わない。全農は臨時券発行に向けたシステム改修や関係団体との調整を進めている。』

oh・・・・・・・


〇相変わらず3M短国は利上げの織り込みがアレですがさて本日はどうっすかねえ

https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_auct/auct20251205.htm
国庫短期証券(第1350回)の発行予定額等

『1. 入札予定日  令和7年12月12日
2. 発行予定日   令和7年12月15日
3. 償還予定日   令和8年3月23日
4. 発行予定額   額面金額で4兆3,000億円程度
5. その他   上記の発行予定額を変更する場合には、入札日の前日に再度公表する予定です。』

ということですが、短国の発行スケジュールを見ながら年の瀬を思うという変態のアタクシとしては3Mの入札が今日と来週木曜(金曜はMPM2日なので前倒し)で年内終了(その間に来週1年短国がある)ということですので、おお年の瀬じゃのうとか思ってしまいますがそれは兎も角として、

売参ちゃん
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html

(12/11引値)
国庫短期証券1343 2026/02/16 平均値単利 0.540
国庫短期証券1344 2026/02/24 平均値単利 0.560
国庫短期証券1346 2026/03/02 平均値単利 0.589
国庫短期証券1347 2026/03/09 平均値単利 0.620
国庫短期証券1348 2026/03/16 平均値単利 0.620
国庫短期証券1350 2026/03/23 平均値単利 0.650←新発WI

こちら売参ベースのWIレートは昨日の引けで修正されて(甘い方に)0.65%に金利上昇してはいるのですけれども、ゆうてこれ12/15〜3/23を例によって12/22で分かち計算して手前を0.50%にした場合って後ろの金利0.662%(さすがに手前が1週間になってくると後ろの金利への影響が無くなるわ)とかいう金利水準でして、それって今の政策金利ベースで考えれば0.412%とかいう水準になる訳で、短国の需給がかなりタイトだった時期でも(利上げ云々関係なかったちょっと以前のい時代の話になりますが)何のかんの言って0.40%割れってのは相当需給がタイト気味の時のレートという感じになっていまして(ちなみに昨年は10月11月に短国の需給がクソ逼迫してレートがクソ低かったが今年はそういうことにならず仕舞いでここまで来ている)この水準だと利上げ後の想定3Mレートとやや乖離があるんじゃネーノ(あくまでもアタクシの主観的感想ですのであしからずご了承ください)という気はするのですが、はてさてこの3Mがどうなるんでしょうかねえという所ではあります。

ただですね、今引用した引値の短い方を見ますと、2/16償還で0.540%とか新発の織り込み度合いがどうのこうのと言っているのが空しくなるレベルでお強い引値になっている(引値がそのレートだからと言ってそのレートでビットが立つとは限らんのが短国クオリティですが為念)訳でして、まあさすがに利上げが何ぼのもんじゃいという変態はいないでしょうけれども、クソ短くなると気配がお強い状況ではありますので(ちなみに1月償還だと昨日の引けはまさかの0.50%になっていますわな、何ぼ何でも来週利上げしたら再来週からは調整すると思いますが・・・・)入札流れるのかどうかというのもイマイチどころか今10位はワカランチ会長ではございまする。はい。


〇FOMCレビューの続き

・短国買入がQE再開という話題になっているようなのですがそれは何か違うと思うんだけど・・・・・・

https://www.federalreserve.gov/newsevents/pressreleases/monetary20251210a1.htm
December 10, 2025
Implementation Note issued December 10, 2025

ディレクティブの4ポツ目

『Increase the System Open Market Account holdings of securities through purchases of Treasury bills and, if needed, other Treasury securities with remaining maturities of 3 years or less to maintain an ample level of reserves.』

ってのを見てQE復活みたいな言い方をしている向きも見られたんですが、それはちと違うんじゃねえのかという気がするわけですよ。

つまりですね、あくまでもこの短国(必要ならば3年以内の中期国債)購入って「to maintain an ample level of reserves」を目的として買っている訳で、これがampleじゃなくてabunduntだったらSOMAの超過準備を能動的に大幅に増やすって話なんですが、ampleリサーブレベルってのはまさに現時点でのレベルである、という認識をFEDが示しているのですから、あくまでもこの場合の短国買入はリザーブ需要に対してリアクティブに反応するものであって、リザーブをプロアクティブに増加させていくというような能動的な意味合いはないんじゃねえのか、って会見ちゃんと全部読んでいる訳でもないのに勝手に思っている訳ですよ。

と書いた所で気が付きましたが(滝汗)

初手からこれあったっけという感じなのですが、上記のインプリメンテーションノートの右の方に『Related Information』ってのがありますので、これでまあだいたいわかるでしょ、と思いながら読む訳ですよ(って書き方でお察しのように、この部分は先ほど泥縄で確認した部分ですサーセン)

Statement Regarding Reserve Management Purchases Operations

って埋め込みリンクがあって、それを踏みに行きますとこんなのになります。

https://www.newyorkfed.org//markets/opolicy/operating_policy_251210a
Operating Policy
Statement Regarding Reserve Management Purchases Operations
December 10, 2025

こちらを見ますとですね、

『On December 10, 2025, the Federal Open Market Committee (FOMC) directed the Open Market Trading Desk (the Desk) at the Federal Reserve Bank of New York to increase System Open Market Account (SOMA) securities holdings to maintain an ample level of reserves through purchases in the secondary market of Treasury bills (or, if needed, of Treasury securities with remaining maturities of 3 years or less). 』

というのが冒頭にありまして、インプリメンテーションノートに記載されているディレクティブのさっきの文言と同じ事が書いてありますので、まさにこのオペレーションについてのステートメントになるんですけど、上記部分に続きましてこの第1パラグラフでは、

『These reserve management purchases (RMPs) will be sized to accommodate projected trend growth in the demand for Federal Reserve liabilities as well as seasonal fluctuations, such as those driven by tax payment dates.』

ということですので、つまりは成長通貨に伴ってインターバンク市場における必要なリザーブの水準は引きあがって行くでしょう、という事を前提として(それはその通り)、必要なリサーブ水準がトレンドとして増加することによって、SOMAでの当座預金残高総額を維持した場合にだんだん「スケアスリザーブ(いわゆるトン調節)に近くなってくるのをこの短国買入で補う、って言ってるわけですよ。

まあそういうことですので、完全なるリアクティブではなくて、ある程度プロジェクションベースでの買入になるにはなるのですが、別にこのオペレーションによってSOMA内のリザーブ総額を必要以上に拡大しましょうという話をしている訳ではないので、やっぱり「QE再開」みたいなことを言うのは(100%間違いとは言わないけど)かなりミスリードな解説になると思いますが如何でしょうか。

でもってこのNY連銀のリリースの続きを見ますと、

『Monthly amounts of RMPs will be announced on or around the ninth business day of each month alongside a tentative schedule of purchase operations for the subsequent approximately thirty days. The Desk plans to release the first schedule on December 11, 2025, with a total amount of RMPs of approximately $40 billion in Treasury bills; purchases will start on December 12, 2025. 』

毎月このくらい買いまっせというアナウンスするようですが、とりあえず今月はだいたい400億ドルの短国を購入しますよということで、これが本当に「アンプルリザーブ維持」の規模なのか(=過剰な規模になっているかどうか)についての話はそこまでこちらも米国短期市場を見ている訳ではないので分からん。

ただですね、これって「短国と中銀当座預金の交換」取引がメインになりますので、それっていわゆるQEとはやっぱり違うんじゃないのってお話でして、もちろんこれがUSトレジャリーの方が短国を過剰発行していて、そのために短期金利が上がるのを短国買入で何とかしましょうという財政お助けスキームだったりしますと、それは事実上の財政マネタイズになる話にはなったりしますので、制度の運営がどうなっているのかという転の考察が必要かな、と思います。

『The Desk anticipates that the pace of RMPs will remain elevated for a few months to offset expected large increases in non-reserve liabilities in April.』

その後向こう数か月にわたってFEDのノンリザーブ負債(って言うとナンノコッチャと思いますが具体的には発行銀行券残高見合いとかそういう奴です)の予想される大きな拡大に対応してこの短国買入を拡大する可能性がありますよああそれから所要リザーブの拡大は来年の4月くらいまでな、という説明を行っております。

『After that, the pace of total purchases will likely be significantly reduced in line with expected seasonal patterns in Federal Reserve liabilities.』

でもってその後は季節要因によるFEDの負債状況の変化を想定した場合に短国買入は大きく減らすことになるでしょう、と言ってまして、

『Purchase amounts will be adjusted as appropriate based on the outlook for reserve supply and market conditions.』

ってことですが、要するにこれは季節要因によって増減するFEDの当座預金残高需要の増減に対して、短国買入で対応しましょう、という話をしている訳でして、実際の運営で逸脱する可能性はモチのロンでアリエールではありますが、この説明の建付けを見ますと、あくまでも短期の市場オペレーションとしての短国買入であって、誤差を押して言えば日銀が資金需給に対応して共通担保オペを実施している方のイメージに近いじゃろという風にしか読めませんな。

でまあFEDが短国買入で対応するのは、季節要因による資金需給の増減に現先方式の資金供給を行うのが事務的にできないのかメンドクサイのか制度がそもそもないのかというのは不勉強にして存じ上げませんが(すいませんすいません)短国買入でやっておけば短国は早期に期落ちが来るので、実質的には購入した短国のテナーが期日になる資金供給オペを実施しているのと同じになりますので買うのが短国だってお話になるんですな、うんうん。

あとは事務連絡でして、

『The Desk was also directed in October to reinvest all principal payments from the Federal Reserve's holdings of agency securities into Treasury bills via secondary market purchases. The monthly schedule of planned purchases will include RMPs as well as these purchases.』

買い切りMBSのテナーが来た時の元本部分の再投資に関してもこのオペレーションに含めるそうな。

『The Desk plans to distribute the monthly secondary market purchases across two Treasury bill sectors. Purchase amounts in each sector will be determined by sector weights. These sector weights will be based on the 12-month average of the par amount of Treasury bills outstanding in each sector relative to the total amount outstanding across the two sectors as initially measured at the end of September 2025.』

『Additional information on RMPs and reinvestment operations can be found in the following locations:』

買入に関してのQAがあるのですが、短国買入に関しては全部まとめて一緒くたではなくて、テナーによって2つのブラケットを設けて、このブラケットで幾ら買う、みたいな買い方をするようですが、その辺の細かい話は割愛しますというかこっち見てちょんまげ。

https://www.newyorkfed.org/markets/reserve-management-reinvestment-purchases-faq
FAQs: Reserve Management Purchases and Reinvestment Purchases
December 10, 2025

The following frequently asked questions (FAQs) provide further information about the Federal Reserve's secondary market transactions in Treasury securities.

ちなみに最初の方に表がありますが、

BILLS
SECTOR         1-4 months   4-12 months
SECTOR WEIGHT      75%       25%

ってなっているので、1-4Mテナーの短国が買入全体の75%、4-12Mテナーの短国が買入全体の25%ということで、大体は短い短国を買いますよというお話をしておりますね。


・むしろ重要なのはレポファシリティの常設フルアロットメント化でありまして

URL再掲
https://www.federalreserve.gov/newsevents/pressreleases/monetary20251210a1.htm
December 10, 2025
Implementation Note issued December 10, 2025

アタクシに言わせますと(なのでアタクシの主観ですので為念)ディレクティブ2ポツ目の

『Conduct standing overnight repurchase agreement operations at a rate of 3.75 percent.』

の方でが重要でしょ、ってことでして、翌日物レポオペをフルアロットメントにした方が短期金利の跳ね上がり抑制に効く話で、こっちの方を重要視されるべきだと思うのですが、あまりにもQE再開とかいう文字列が世の中に踊っていたのでそれはちとチャウんじゃなかろうかと思って書いてみましたが、そっちの説明もインプリメンテーションノートの埋め込みリンク先にありまして、


https://www.newyorkfed.org/markets/opolicy/operating_policy_251210
Operating Policy
Statement Regarding Standing Overnight Repo Operations
December 10, 2025

『In accordance with the FOMC implementation note issued December 10, 2025, the Open Market Trading Desk (the Desk) at the Federal Reserve Bank of New York will make the following adjustments to standing overnight repurchase agreement (repo) operations effective December 11, 2025.』

はい。

『Going forward, standing overnight repo operations will no longer have an aggregate operational limit and will be conducted in a full allotment format using the FedTrade Plus trading platform. 』

フルアロットメントだし指値オペになりましたよ、という話ですが、テクニカルには

『Eligible counterparties may submit one proposition per security type during each of the twice daily operation times, with a maximum per-proposition amount of $40 billion. 』

この辺の事務的な話はワイ当然ながらこのオペレーションを触ったことが無いので不勉強で恐縮ですが、事務面の制約なのか何だかわかりませんが、1ポーションで400億ドルまでしか入れられないというような制限はあるみたいですね。よくわからんが(すいませんすいませんすいません)。

『Propositions will be awarded at the standing overnight repo operation rate immediately following the operation close time. All other operational parameters are unchanged.

Additional information can be found at the Repo and Reverse Repo Agreements page or in Frequently Asked Questions.』

ってなことでFAQがあるのだがこの辺はそもそも自分で触ってないものなので読んだとてワカランチ会長の悪寒が(大汗)

https://www.newyorkfed.org/markets/repo-agreement-ops-faq
FAQs: Standing Repo Facility
December 10, 2025

The following frequently asked questions (FAQs) provide further information about the Federal Reserve's Standing Repo Facility (SRF) operations.

・・・・てなところで今朝は勘弁してつかあさい(会見ネタは週明けでおゆるしくだせえお代官様)








2025/12/11

お題「寝起きでFOMCである(汗)」

ワイ将、外が暗いと頭の起動が遅くなるという原始人仕様なので12月のFOMCが一番のアレですww

〇FOMC声明文:大して現状判断を変えずに「バランスオブリスク」の同じ理由で利下げですかそうですか

まあ今回さすがに利下げするじゃろとは思ったが、トランプがクソみたいなこと言ってるから後任に政策金利引き下げ余地を差し上げるために据え置いたらどうしようとは正直デギンドス副総裁の頭髪ほどは思っていましたqqqqq

https://www.federalreserve.gov/newsevents/pressreleases/monetary20251210a.htm(今回)
https://www.federalreserve.gov/newsevents/pressreleases/monetary20251029a.htm(前回10月)

・第1パラグラフ:一応失業率の「依然として低い」が抜けているので判断下げています(ただしSEPは下がっていない)

利下げする根拠に何を持ってくるのか、というのが今回注目された所だと思うのですが、景気の現状判断を示した第1パラグラフでは・・・・・・

『Available indicators suggest that economic activity has been expanding at a moderate pace.』(今回)
『Available indicators suggest that economic activity has been expanding at a moderate pace.』 (前回10月)

総括判断は同じでした。

『Job gains have slowed this year, and the unemployment rate has edged up through September.』(今回)
『Job gains have slowed this year, and the unemployment rate has edged up but remained low through August;』(前回10月)

今回失業率の部分で「remained low」が抜けたのでこれは判断として下方修正ということになるのですが、ただ後で申し上げますがSEPの失業率見通し碌すっぽ変わっていないのでナンノコッチャ感は否めないが下方修正。

『More recent indicators are consistent with these developments.』(今回)
『more recent indicators are consistent with these developments.』(前回10月)

より最近の指標もそれを裏付けます、ってのは文言一緒で(政府閉鎖の影響でアベイラブルデーターが少ないからこれ入れているんだけど前回比較でこれが載っていると間抜けな感じはしますな)、

『Inflation has moved up since earlier in the year and remains somewhat elevated.』(今回)
『Inflation has moved up since earlier in the year and remains somewhat elevated.』(前回10月)

インフレに関する文言も変化はありません。


・第2パラグラフ:今回も「バランスオブリスク」で利下げしているのですが「ダウンサイドリスクは上がっている」を継続しているのね

一応1パラで下方修正(??)していますけどSEP的に何の下方修正にもなっていないのですから「不確実性ガー」で行くしかない訳ですな。

『The Committee seeks to achieve maximum employment and inflation at the rate of 2 percent over the longer run.』(今回)
『The Committee seeks to achieve maximum employment and inflation at the rate of 2 percent over the longer run.』(前回10月)

いつもの枕詞。

『Uncertainty about the economic outlook remains elevated.』(今回)
『Uncertainty about the economic outlook remains elevated.』(前回10月)

でもってこれは同じなのですが、

『The Committee is attentive to the risks to both sides of its dual mandate and judges that downside risks to employment rose in recent months.』(今回)
『The Committee is attentive to the risks to both sides of its dual mandate and judges that downside risks to employment rose in recent months.』(前回10月)

全開と同一文章、と言ってしまえばそれまでなのですが、ただこの文言って最後の部分が「雇用のダウンサイドリスクがこの数か月で引きあがっている」という状況変化文言なので、つまりはこれ雇用のダウンサイドリスクが10月よりもより一層強まっている、という説明になるので、そういう意味では下方リスク判断を一層強くした、というようにも読めますなとは思いますけど、まあその結果利下げしたってことなんでしょうかね、ということで次のパラに行きますが、


・第3パラグラフ:25bp利下げして「追加の政策調整」のところに文言が追加されています

『In support of its goals and in light of the shift in the balance of risks, the Committee decided to lower the target range for the federal funds rate by 1/4 percentage point to 3-1/2 to 3-3/4 percent.』(今回)

『In support of its goals and in light of the shift in the balance of risks, the Committee decided to lower the target range for the federal funds rate by 1/4 percentage point to 3-3/4 to 4 percent.』(前回10月)

てなわけで「バランスオブリスクのシフト」という同じ理由で25bp追加利下げしています。まあこれは市場の事前想定通りですけど、バランスオブリスクのシフトというのを使っていますので、理屈からしたら「ダウンサイドリスクがより一層高まりました」という若干ホンマカイナ感が漂う話になっていまして、だって見通しは変わってない(後のSEP部分でやりますが)ですし一部のキチガイを除けば来年の利下げをそこまで大きく見ていないので、下方リスク一段の拡大と言われましてもうーんそうなんですかねえ(棒読み)って風情はするんですけどあたしゃ(個人の感想です)

『In considering the extent and timing of additional adjustments to the target range for the federal funds rate, the Committee will carefully assess incoming data, the evolving outlook, and the balance of risks.』(今回)

『In considering additional adjustments to the target range for the federal funds rate, the Committee will carefully assess incoming data, the evolving outlook, and the balance of risks. 』(前回10月)

「追加の誘導目標水準調整を検討する際には」という部分に今回は「the extent and timing of 」って文言が入っていまして、声明文単体で見た場合この表現は玉虫色にも程があると思いました。と申しますのも「程度」文言はもっと威勢よく下げる可能性を示唆します(下げないというのも示唆するけど)し、「タイミング」文言は逆に追加利下げの「タイミングを見る」ということで次回利下げではもっと検討しますよと言っている、ということでこの文言タカハトどっちにも取れそうな気がしました。

『The Committee decided to conclude the reduction of its aggregate securities holdings on December 1.』(前回10月)

前回は長期国債償還再投資で残高維持、というのに切り替わったのでこの文言がありましたがこれは当然今回はありません。

『The Committee is strongly committed to supporting maximum employment and returning inflation to its 2 percent objective.』(今回)
『The Committee is strongly committed to supporting maximum employment and returning inflation to its 2 percent objective.』(前回10月)

3パラ最後のこの文言は2パラ頭の枕詞の係り結びみたいなものなので今回も変更なしです。


・第4パラグラフ:こちらはいつものように全文一致ですのでベタ引用だけ。

『In assessing the appropriate stance of monetary policy, the Committee will continue to monitor the implications of incoming information for the economic outlook. The Committee would be prepared to adjust the stance of monetary policy as appropriate if risks emerge that could impede the attainment of the Committee's goals. The Committee's assessments will take into account a wide range of information, including readings on labor market conditions, inflation pressures and inflation expectations, and financial and international developments.』(今回)

『In assessing the appropriate stance of monetary policy, the Committee will continue to monitor the implications of incoming information for the economic outlook. The Committee would be prepared to adjust the stance of monetary policy as appropriate if risks emerge that could impede the attainment of the Committee's goals. The Committee's assessments will take into account a wide range of information, including readings on labor market conditions, inflation pressures and inflation expectations, and financial and international developments.』(前回10月)


・第5パラグラフ:今回はグールズビー総裁(シカゴ)が利下げ賛成から反対に回りましたので9対2対1

『Voting for the monetary policy action were Jerome H. Powell, Chair; John C. Williams, Vice Chair; Michael S. Barr; Michelle W. Bowman; Susan M. Collins; Lisa D. Cook; Philip N. Jefferson; Alberto G. Musalem; and Christopher J. Waller. 』(今回)

『Voting for the monetary policy action were Jerome H. Powell, Chair; John C. Williams, Vice Chair; Michael S. Barr; Michelle W. Bowman; Susan M. Collins; Lisa D. Cook; Austan D. Goolsbee; Philip N. Jefferson; Alberto G. Musalem; and Christopher J. Waller. 』(前回10月)

ということで、

『Voting against this action were Stephen I. Miran, who preferred to lower the target range for the federal funds rate by 1/2 percentage point at this meeting; (今回)

『Voting against this action were Stephen I. Miran, who preferred to lower the target range for the federal funds rate by 1/2 percentage point at this meeting, 』(前回10月)

からの

『and Austan D. Goolsbee and Jeffrey R. Schmid, who preferred no change to the target range for the federal funds rate at this meeting.』(今回)
『and Jeffrey R. Schmid, who preferred no change to the target range for the federal funds rate at this meeting.』(前回10月)

シュミッドの他にグールズビーも反対ですが、SEPの所でネタにしますが今回は「利下げ反対」がこのほかに4人いるというのが中々チャーミングな結果になっておりましたな。


〇ディレクティブに今回は変化があるのですよこれがまた

https://www.federalreserve.gov/newsevents/pressreleases/monetary20251210a1.htm
Implementation Note issued December 10, 2025

https://www.federalreserve.gov/newsevents/pressreleases/monetary20251029a1.htm
Implementation Note issued October 29, 2025

PDFだと勝手に最終ページに出ていますがHTMLだと声明文の埋め込みリンクを踏むと出てくるインプリメンテーションノート。


・常設翌日物レポファシリティ(資金供給サイド)が指値オペになって1日の取引上限額を撤廃しています

『"Effective December 11, 2025, the Federal Open Market Committee directs the Desk to:』以下がディレクティブになりますが、その2ポツ目

『Conduct standing overnight repurchase agreement operations at a rate of 3.75 percent.』(今回)
『Conduct standing overnight repurchase agreement operations with a minimum bid rate of 4.0 percent and with an aggregate operation limit of $500 billion.』(前回10月)

常設の翌日物レポファシリティに関して、前回までは「a minimum bid rate of 4.0 percent 」と最低応札レートが4.0%で「with an aggregate operation limit of $500 billion.』」と5000億ドルまでが1日の取引上限(よって満額以上の札が入ると思ったら上の金利を差さないといけない)ってのがあったのですが、今回指値の3.75%(25下がっているのはFF誘導金利が25下がっているから順当です)でアグリゲートリミットを撤廃しているので、3.75%で無制限の常設レポファシリティになっていまして、市場参加者の資金繰り的にはお助け成分が高まったということになりますわな(この手の措置を乱発すると市場参加者の資金繰り管理が雑になるという問題点もあるんだが)。


・バランスシートのアンプルリザーブ維持のために短期国債の購入、「必要ならば残存3年までのトレジャリーノート」も買うとな

4ポツ目と5ポツ目ですが、

『Increase the System Open Market Account holdings of securities through purchases of Treasury bills and, if needed, other Treasury securities with remaining maturities of 3 years or less to maintain an ample level of reserves.』(今回)

『Roll over at auction all principal payments from the Federal Reserve's holdings of Treasury securities. Reinvest all principal payments from the Federal Reserve's holdings of agency securities into Treasury bills."』(今回)

となっていますが、前回は(実際にはもっとここの文言長いのですが、12月1日からFEDは保有資産の縮減を停止
しましたので、縮減に関わる文言部分を割愛しますと)下記の通りでして、

『Beginning on December 1, roll over at auction all principal payments from the Federal Reserve's holdings of Treasury securities.』(前回10月)

『Beginning on December 1, reinvest all principal payments from the Federal Reserve's holdings of agency securities into Treasury bills.』(前回10月)

国債の償還再投資は国債、MBSの償還再投資は短期国債、となっているのですが、今回の文言を見ますと、4ポツ目の方は「アンプルリザーブ維持のためには短期国債を購入する、ただし必要なら3年までの国債を買ってよろしい」となっていて、5ポツ目の方でも「MBSの償還再投資は短期国債」となっているのですが、この説明を見た感じだと(詳しくはMY連銀見に行くべきなんですが)MBS償還再投資の際にも3年以内のT-Note買えそうな気がしました。

ということで、この2か所が変更になっているのですが、まあ最初の常設レポファシリティの無制限化はどこからどう見ても市場に対するお助け措置だし、短国の代替で3年までの国債買えるってのもお助け措置なので、これはしらっとお助け打ってきましたねという感じだと思います。


〇SEPですが見通しはむしろ上がってねえかで今回の利下げ反対が6人(=投票メンバー以外に4人)はワロスワロス

https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/files/fomcprojtabl20251210.pdf(今回)
https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/files/fomcprojtabl20250917.pdf(前回9月)

と言いつつ引用はHTMLバージョンの方から行います概ね。
https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/fomcprojtabl20251210.htm
https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/fomcprojtabl20250917.htm


・失業率見通しは変わってないし成長率見通し上がってるんだよな〜

『Table 1. Economic projections of Federal Reserve Board members and Federal Reserve Bank presidents, under their individual assumptions of projected appropriate monetary policy, December 2025』

以下左から2025、2026、2027、2028、ロンガーランです

Change in real GDP     1.7   2.3  2.0  1.9  1.8
September projection    1.6   1.8  1.9  1.8  1.8

・・・・・来年の成長率見通し上がってるじゃん

Unemployment rate     4.5   4.4  4.2  4.2  4.2
September projection    4.5   4.4  4.3  4.2  4.2

まあ「今回利下げという適切な措置を取ったから」という理屈なんでしょうけれども、「雇用の下方リスクバランスが拡大していてそのリスクバランスを受けて利下げした」なのに見通し横ばいかよってところですな。まああくまでも「リスクバランス」で利下げしていて「シナリオ修正」で利下げしている訳ではない、ってことでもあるのですがなんだかなあという感じ。

PCE inflation          2.9  2.4  2.1  2.0  2.0
September projection     3.0  2.6  2.1  2.0  2.0

Core PCE inflation       3.0  2.5  2.1  2.0 (ロンガーランなし)
September projection     3.1  2.6  2.1  2.0


物価見通しはちょっと下がっていますね。まあここが上がってたら利下げしているの無茶苦茶って話になりますが

・・・・という訳で見通し数値は達観すれば同じか成長率上方修正なんですよね。


・みんな大好きSEPちゃんですが・・・・・・

『Figure 2. FOMC participants' assessments of appropriate monetary policy: Midpoint of target range or target level for the federal funds rate』
(Number of participants with projected midpoint of target range or target level)

まあ一番クソワロタのは

Midpoint of target range or target level (Percent) 2025

で燦然と輝く

『3.875  6』

でして反対の地区連銀総裁があと4人いましたねって話ですなwwwwwww


・・・・でもって来年に関しても、

2026

3.875    3
3.625    4

と利下げするなまたはこれ以上利下げするなが合計7人いまして、

3.375    4

あと1回だけ利下げが4人

3.125    4

あと2回利下げが4人、でここまでで16人という圧倒的な状態になっておりまして、おかげでこれ全員のミッドポイントを取ると「10月12月に利下げしたのに来年末の金利見通し水準は前回9月と同じ」という大変にチャーミングな結果に成るので、さっきのテーブル1では、

Memo: Projected appropriate policy path

Federal funds rate    3.6   3.4   3.1   3.1   3.0
September projection  3.6   3.4   3.1   3.1   3.0

左から2025、2026、2027、2028、ロンガーランですな

という面白結果になっておりましてワロスワロスという感じでした。

というところで時間もアレですのでオープニングリマークなどはまた明日以降で勘弁してつかあさい。






2025/12/10

お題「植田総裁国会でまたも台無し発言(ノ∀`)アチャー/ハセットさんのコメントとか/6M短国片足0.70%でしたか」

な、なんだってーーーーーーΩΩΩ
https://jp.reuters.com/world/taiwan/NOUS5OLBLVJYRIY7VOM2FI5GNA-2025-12-09/
中国外相「日本が軍事的に脅かしている」、独外相との会談で発言
ロイター編集
2025年12月9日午後 1:29 GMT+9

大陸中国を軍事的に脅かしている日本の軍事力は世界一ぃーーーーーーーーー!!!!

・・・・の訳ねえだろという話なんですが、なんか記事中言ってることもアレで頭が痛いですなんですかこれ。


〇ここまで来ると植田さんわざと円安にしようとしてるんじゃないか疑惑がwwwwwwwww

昨日の国会質疑、引け近くにこの発言が報道されて「何言ってるんだこのハトハトチキンは」と思いましたが。

https://jp.reuters.com/economy/bank-of-japan/UMY46ZA2HZKQVP24VBZI5S2IOA-2025-12-09/
最近の長期金利、「やや速いスピード」で上昇=植田日銀総裁
和田崇彦
2025年12月9日午後 3:24 GMT+9

さらにこういう発言も出ていまして、

https://www.jiji.com/jc/article?k=2025120900735
長期金利「急上昇なら国債購入増」 市場動向を注視―植田日銀総裁
時事通信 経済部2025年12月09日20時14分配信

これ見て債券先物がちょい上がったのですが、それよりも反応したのが為替ちゃんで、ドル円156円台にちゃっかり乗ってしまいましたし、まあ海外要因だとは思うのですがさっき為替レート見たらドル円156円後半に突っ込んで来ておりまして、最早植田総裁わざと円安に持って行って、円安に持っていくことによって「日銀様円安阻止のために利上げして下せえおねげえしますだ」と世間から言わせて堂々利上げを継続しようとしてわざとハトハトチキンに切り取られるような発言をしているんじゃないか疑惑まで持ち上がって来る程度にはコミュニケーションがあばばばばーという所ですな、南無三。

ああちなみに植田さんにそんな悪辣な深慮遠謀があるとは思えなくて、善人のおっちゃんが善人丸出しの素で発言しているだけではないかとは思うのですが、それにしても円安是正も金融緩和調整の目的の一つだというのに円安に火を点ける発言をしちゃうってのは素でやってるんだったら悲しすぎるので、この先の利上げをやりやすくするためにわざとピエロを演じている、って思いたくなってしまいますわなwwwwwwwwww

ということで時事の方から引用しますが、

https://www.jiji.com/jc/article?k=2025120900735
長期金利「急上昇なら国債購入増」 市場動向を注視―植田日銀総裁
時事通信 経済部2025年12月09日20時14分配信

『植田和男日銀総裁は9日の衆院予算委員会で、最近の長期金利の動きについて「やや速いスピードで上昇している」と指摘した。』(上記時事通信ニュースURL先より、以下同様)

質問されたからって何でそんな回答するのって話で、そんなの「個別の動きにはコメントしない」で終わりだし、若し言うなら「経済物価情勢の改善を市場が評価しているから長期金利が上昇しているものと認識している」って淡々とファンメタに沿って推移しているといえば良いだけの話で、何で「やや速いスピードで」とか行ってしまうのか甚だ理解に苦しみますわ。というかそれ言ったら円安に飛ぶのが明らかなんだからやっぱりわざとでしょ植田さんwww

でまあそれに加えてこの国債買入の発言をしているのがさらに致命的でして、

『その上で「通常の市場の動きと異なるような形で急激に上昇する例外的な状況では、機動的に国債買い入れの増額などを実施する」と述べ、市場動向を注視する姿勢を示した。立憲民主党の藤岡隆雄氏への答弁。』

こんなんどう見たって「この先長期金利が上がったら国債買入を増額します」って捉えられてしまう訳で、輪番増額だって本来は「例えばリーマンショックのような市場混乱が生じて金融システム危機が懸念されるような例外的な状況では国債買入で対応する場合もある」という建付けなのが今の金融政策運営の枠組みの筈なんだが、これでは長期金利上昇に対して植田プットを導入したとか、さらに言えば財政懸念で長期金利上昇したら長期国債買入増額、という財政ファイナンス宣言をしていると捉えられても文句が言えない迂闊にもほどがある発言でして、いいからこのハトハトチキンに自由に喋らせるなというお話ですが、もしかしたらこれもわざと円安に振ろうして(しつこいので以下割愛w)


でまあ夕方にはFT相手のインタビューってのがあったみたいで、日経課金勢ですと中身が見れると思うのでまあ皆さん見てちょんまげという感じですが、ワイ将20年来堂々の日経無課金勢(課金は本紙を駅売りとかコンビニに走って買いに行く^^)なのでBBGの記事ででも。

https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2025-12-09/T7012LKJH6V400
植田日銀総裁、持続的な2%インフレ目標の達成が近づいている
・持続的2%インフレ達成まで緩やかな政策調整を継続する考えを表明
・市場は利上げを大方織り込み、焦点は金利軌道と中立金利
Toru Fujioka
2025年12月9日 at 21:08 JST

一応BBGは(どうせ為替市場が一旦円高になったからだと思いますが)記事のヘッドラインがこのようになっていましたが、記事出てた時のヘッドライン見ていると若干微妙なところもあって、インタビューの後半(??)の方で利上げしますよとか物価目標達成に確信高まるとかそういう話をしてドル円で言えば156円30銭とかの水準から156円割れに円高に振れたって感じだったと思います(その後また156円回復しましたけど)。

一応記事では、

『植田総裁はFT紙とのインタビューで、日銀が再び利上げを実施してもそれが最終ではないと示唆した。

「持続的に2%のインフレを達成」するまで、日銀は緩和の度合いを緩やかに調整し続けると述べた。

「政策金利が自然利子率(中立金利)の水準に戻るまで」と続け、「その水準がどこであるにしてもだ」と付け加えた。

植田総裁の発言が配信されると円はわずかに上昇し、ドル・円は一時156円を割り込んだ。』(上記BBG記事URL先より)

ということで「利上げは今回で打ち止めではありません」というのをアピールしましたけど、わざわざこの時期にFT相手にインタビューするんだから、それは「この先もあるでよ」というアピールを行うことによって一段の円安を阻止しようという大本営作戦参謀の皆様の意図があるのは見え見えで、作戦参謀の振付通りに植田さんが喋れば本来は円高に振れてくれないと困るわけですから、まあこういうのを振付通りに喋るのは順当オブ順当という所ではあります。

しかしながら上述のようにその前のお時間の国会で植田さんダイナシー発言を盛大に行って折角のFTインタビューも見事に不発、という結果(しかも別要因だとは思いますが円安一段と進行しているんですが)になった訳でして、これは来週金曜の総裁記者会見が思いやられるのですが、まあ円安が一段と進行したら却って「次の次」の利上げ時期が早まるという説はオオアリクイなので話がややこしい所ではありまして結構読み筋が難しいとも言えるかと存じます。

てな訳で12月会合のリスクは植田さんが要らん事言って「利上げしているのに円安一段の進行」となった場合にターミナルレート云々の方とは関係なく円安阻止のためにその次の利上げ時期が早まる、というのが(昨日散々申し上げた中立金利談議による無用のボラも勿論大いなる問題点なのですが)これあり、という感じになりそうなのは何となく把握しました。定例会見でのハトハトチキン炸裂で為替が走るのは一段と警戒した方が良いですかね、知らんけど。



〇ハセットさんが意外にまともなことを言ったりもしている件について(とトランプ発言)

しかしまあ何ですな、
https://jp.reuters.com/markets/japan/Y2I3YUGCNBOFRJL65LYMZBFU54-2025-12-09/
次期FRB議長の条件は即座の利下げ支持=トランプ大統領
ロイター編集
2025年12月9日午後 9:32 GMT+9

相変わらずトラ公はアホなのかというかどこの未開国だよって話ですが、

『[ワシントン 9日 ロイター] - トランプ米大統領は9日に公表されたポリティコとのインタビューで、連邦準備理事会(FRB)の次期議長に指名する条件として、即座の利下げ支持を挙げた。新議長が即座に利下げすることがリトマス試験紙なのかとの質問に対し、「そうだ」と答えた。』(上記URL先より)

あまりにもトラ公がやかましい、となりますとこれ実はパウちゃん議長の間は利下げしないで次の議長に利下げ余地を残して差し上げた方が親切なんじゃないかという気がしてきましたwwwwwwwwwwww


という与太話はさておきまして昨日のハセットさんですが、後から出てきたこっちはまあトラ公の犬っぽいワンワン発言ではあるのですが、

https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2025-12-09/T70D4ST9NJLU00
FRBには25bp超の利下げ余地ある-次期議長の有力候補ハセット氏
・「政治と距離を置く」と強調、FRBの独立性維持に理解示す
・迅速な利下げが試金石とトランプ氏、ハセット氏の立ち位置問う声も
Amara Omeokwe
2025年12月10日 at 1:03 JST
更新日時:2025年12月10日 at 1:14 JST

『米国家経済会議(NEC)のハセット委員長は、連邦準備制度理事会(FRB)の政策金利には大幅な引き下げ余地があるとの認識を示した。』(上記URL先より、以下同様)

でもってこの記事だと「政治と距離を置く」部分が記事中に無いのでどういう話をしたのかはよくわからんですけれども、

『ブルームバーグの報道によれば、ハセット氏はトランプ大統領が進める次期FRB議長人事で最有力候補とされている。ハセット氏は9日、ウォール・ストリート・ジャーナル主催のCEOカウンシル・サミットで、FRB議長に就任した場合、大統領が求める「大幅利下げ」を推進するかどうか問われた。

同氏は「データがそれを示しているのであれば、例えば今なら、そうした利下げには十分な余地があると思う」と述べた。それは25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)を超える引き下げを意味するのかとの質問には、「その通りだ」と答えた。』

ということでワンワンとトラ公の犬発言をしているようにも見えるのですが、昨日というか一昨日になるのかもしれませんが、こっちの方では結構いいことを言ってましてですね、

https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2025-12-08/T6YEE5KJH6V600
次期議長候補ハセット氏、FRBが6カ月先の金利方針示すのは「無責任」
・FRB議長の責務は「データ注視・政策調整・その行動の説明」
・この点ではパウエル氏も私と同じ考えだろう−CNBCで語る
Justin Sink
2025年12月9日 at 0:25 JST
更新日時:2025年12月9日 at 3:01 JST

これCNBCなので多分CNBCのネット版で発言動画とか運が良ければQA全文みたいなのが見れるかもしれないのですけれども、軽く見た感じでは運悪く引っかかってこなかったのですが、

『ホワイトハウスのハセット国家経済会議(NEC)委員長は8日、連邦準備制度理事(FRB)が向こう6カ月の金利誘導見通しを示すのは無責任だとし、経済指標に沿って柔軟に判断する重要性を強調した。同氏は、5月に任期満了を迎えるパウエルFRB議長の後任候補として有力視されている。』(上記URL先より、以下同様)

ということで、フォワードガイダンス的な手法に対して否定的な発言をしているんですよね。

『ハセット氏は経済専門局CNBCで、「FRB議長の仕事は、データを注視し、それに応じて政策を調整し、なぜその行動を取るのか説明することだ」と発言。「従って、『今後6カ月にこうする』とあらかじめ言明するのは無責任だろう」と述べた。2026年を見据え、どれだけの追加利下げが正当化されるかとの質問に答えた。』

まあとっくの昔にECBはフォワードの政策ガイダンスを出すのを止めたわけですが、FEDに関してはあのコミュニケーションの弊害にしかなっていないドットプロットを相変わらず出しているのですけれども、グレートモデレーションだったり、均衡金利から遠いときだったり、フォワードガイダンスによって緩和を強化したいときだったり、みたいな時には有効なコミュニケーション方法として使えましたが、どっからどうみたって今になったら「足もとの現状認識の微小な変化を増幅して示してしまう」という弊害の方が大きいドットチャートみたいな政策ガイダンス出さない方が良いわけでして、ハセットさんの言ってることに一理というか百理くらいはあるじゃろというお話。

『その上で、「利下げ回数の話で期待を裏切りたいわけではないが、私が言えることはデータを注視する必要があるということだ」と続けた。』

とのことでございまして、ハセットさん「今の時点」での話はするけど「政策ガイダンス方式」は取らないよ、って言ってるのはポイント高いと思いましたし、まあこういうセンスがあるんだったら(もともとパウちゃんだってトランプ人事で入って来て今が有るのと同じように)ハセットさん、そこまでキチガイ政策をぶち込んでこないんじゃないのって期待もちょっとはしたくなってきましたけどどうでしょうかねえ(甘いかな??)。


・・・・・ということでですね、基本的に「ガイダンス政策」ってのが弊害になるので引っ込めようとしているのが世の流れで、背景にはパンデミック前ロシアのウクライナ侵攻前のある種のグレートモデレーション時代から、ポストパンデミックかつ世界の分断が進む中での大いなる経済構造の変化によって、新しい均衡点がどこなのかというのが手探りであって決め打ちができない、というのがあるわけですよ多分。

でまあ日本に関してはそもそもがゼロインフレ均衡から2%マイルドインフレ均衡に持っていくという遷移ステージにある(ワイはもう新しい均衡に行ってると思っているけどそれはさておき)訳で、その点で言えば欧米以上に構造変化が大きいわけですからして、ガイダンス政策に通じる「中立金利水準の精緻な測定をして出しましょう」みたいなのを今いまの時点でやる必要って一切無いし(将来の新均衡になったという時点で出す意味はある、為念)、政策コミュニケーションの無用なノイズになるだけでしょと思うのですが、植田総裁だけなんか思いっきり世界の潮流に逆行してませんかねえ、とハセットさんの話をしていたのに気が付けば日銀話に持っていくのが拙駄文のいつものアレなので勘弁してくださいませwww

まあ日銀余談は兎も角として、FEDもこの「ドットチャート」に関しては今後どないかしていくというか基本的に廃止する方向じゃネーノと思いましたし、少なくともハセットさんになったら、ロンガーランのFFってのは出すかもしれない(ガイダンスじゃなくて長期均衡時の話ですよって建付けを明確にして)けど、年末とか来年末とかいうのはこの文脈で言えば「無責任」って話ですから無くすんじゃないですかねとは思いましたし、それはまあ良い傾向じゃろ、とも思いました、個人の感想ですけど。


〇6M短国ちゃんは足切り0.70%に乗ったけど引けは0.69%だったようで

とりあえず時間も無いので簡単にメモだけ

https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20251209.htm
国庫短期証券(第1349回)の入札結果

『本日実施した国庫短期証券(第1349回)の価格競争入札及び国債市場特別参加者・第T非価格競争入札について、下記のように募入の決定を行いました。



1.名称及び記号   国庫短期証券(第1349回)
2.発行根拠法律及びその条項
特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第46条第1項並びに財政法(昭和22年法律第34号)第7条第1項、財政融資資金法(昭和26年法律第100号)第9条第1項並びに特別会計に関する法律第83条第1項、第94条第2項、同条第4項、第95条第1項、第123条の18第1項、第136条第1項及び第137条第1項

3.発行日    令和7年12月10日
4.償還期限  令和8年6月10日
5.価格競争入札について
(1)応募額       9兆7,169億円
(2)募入決定額    2兆7,693億8,000万円
(3)募入最低価格   99円65銭1厘
(募入最高利回り)   (0.7023%)
(4)募入最低価格における案分比率    80.0920%
(5)募入平均価格   99円65銭5厘
(募入平均利回り)   (0.6942%)』

まあ従来の感じですと足元のGCやコールよりも短国アウトライトの方が金利低くて、って感じだったので利上げ後0.70%位が3Mの居場所だったらまあそんなもんかもしれませんねというレートではあるのですが、ただよくよく考えますと補正の後短国増発待ったなしだし、来年度予算を考えた場合でも短国には増発圧力掛かるじゃろと考えた場合に、そもそもターム物短国の位置が恒常的にコールより低い金利というのがノーマルでよいのか問題とか有るわけですよ。

ついでに言えば、一応12月利上げでその次は7月とかそういう話だと(仮に6月でも、ですが)6/10償還でしたらそれは次の次の利上げ関係ないじゃろ、という話にはなるのですが、ゆうてこれさっき申し上げたように植田さんのコミュニケーションがチョンボしてしまって利上げしたのに円安カッ飛ぶとかいう地獄の展開になった場合には、4月利上げの目だって出てきておかしくは無いとか考えた場合に、その手のリスクを丸無視したレートになっているのも微妙に唸るところで、やっぱりタームプレミアムというのは有った方が宜しいんじゃないでしょうかという説も無くは無い。

とかまあウニャウニャと申し上げていますが、そもそも利上げ後の3Mの居場所も良くわからんし、いつまでもこの短国の需給構造のままって訳でもないと思うので、水準の評価はやりにくいのですが、売参ちゃんを見ますと、

https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html

(12/9引値)
国庫短期証券1349 2026/06/10 平均値単利 0.690

ってなっておりますので、一応0.70%が一旦の目途みたいな感じなんですかねえ、知らんけど。

ということで今朝はこの辺で勘弁していただきとう存じます。






2025/12/09

お題「シュナーベル専務理事が「次は利上げ」とな/」6M短国とかタームのレポレートとか/日銀利上げ後のコミュニケーションに不安しか無いんですけど・・・」

そらそうよ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA038KP0T01C25A2000000/
10月実質賃金0.7%減、10カ月連続マイナス 物価になお追いつかず
経済
2025年12月8日 8:30


〇シュナーベルがBBGのインタビューで利上げ話とかその辺のメモ(詳しく読めていないのでマジのメモだけですが)

昨日の午後こんなの出て反応してたような
https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2025-12-08/T6X90FKJH6V500
シュナーベル氏、ECB次期総裁に就く用意−「次が利上げ」違和感ない
Jana Randow、Mark Schroers
2025年12月8日 at 15:01 JST
更新日時:2025年12月8日 at 20:13 JST

次は利上げキタコレという話ですが、これに対して
https://jp.reuters.com/markets/japan/4GFLHD4PENNQBAUJ5LMIYZLWAE-2025-12-08/
独30年国債利回りが14年ぶり高水準、ECB理事発言などが圧迫
ロイター編集
2025年12月8日午後 4:57 GMT+9

ってなことのようでござんして、他には昨日はこんなの
https://jp.reuters.com/markets/japan/EGIPSQMXSZKEBCQ6IDXQ3ZDCVY-2025-12-08/
インフレ上振れにECBは留意を、金利変更は不要=スロバキア中銀総裁
Balazs Koranyi
2025年12月8日午後 8:58 GMT+9

もあって、しばらく前からそんな感じで利下げうちどめからインフレ上振れ懸念の方の話がECB高官から出てきているのですけれども、さっきのシュナーベルのインタビューはECBの方に早速アップされていまして、

https://www.ecb.europa.eu/press/inter/date/2025/html/ecb.in251208~6d0ca6e90d.en.html
Interview with Bloomberg
Interview with Isabel Schnabel, Member of the Executive Board of the ECB, conducted by Jana Randow and Mark Schrors on 3 December 2025
8 December 2025

次が利上げ云々はこの辺の問答ですね。もちろん背景説明が前の方の質疑にあるのでそっちをちゃんとみないといけませんけどとりあえず・・・・・(QAは引用者が補記しています)

Q:『The very obvious next question then is: where are we in the policy cycle? Has the rate-cutting cycle come to an end?』

A:『Interest rates are in a good place, and in the absence of larger shocks, I expect them to stay in this place for some time. The distribution of inflation risks has shifted to the upside, and accordingly, both markets and survey participants expect that the next rate move is going to be a hike, albeit not anytime soon.』

『Now we must focus firmly on the medium term and we have to ask ourselves whether the degree of accommodation or restrictiveness is the right one for the given macroeconomic environment.』

からの、

『I believe that we could see an increase in the natural rate of interest, related to what’s happening in the area of AI and with regard to public investment. Of course, we don’t have a tool to estimate r* precisely in real time. But if it were to increase, a constant policy rate would lead to more accommodation unless inflation were to drop at the same time to the same degree. We have to monitor whether our policy becomes more accommodative over time, and potentially too accommodative, which would then be a time to think about another rate move.』

自然利子率が上がっているんじゃネーノって話をしていますね。でもって

Q:『So do the expectations for the next move to be a hike feel right? Would you agree with those expectations?

A:『I’m rather comfortable with those expectations.』

という問答をしておりました。まあ詳しくはまた読んでみます。



〇今日は6M短国ですな(5年入札は知らん)&レポレートのターム物金利上昇気味ですが

https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_auct/auct20251202.htm
国庫短期証券(第1349回)の発行予定額等

12/10-6/10なので跨ぐ決定会合は12月、1月、3月、4月になりますので、12月は織り込むにしましてもその次の利上げはよー織り込まんわというテナーになりますがな。

売買参考統計値
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html

(12/8引値)
国庫短期証券1349 2026/06/10 平均値単利 0.685

ということで昨日のWI引けが0.685%で3Mカレントは0.625%なので一応段差はあるのですが、そもそも論として利上げ後のベースレートは0.75%なのですから、この0.685%ってのを12月会合のところで分解しますと、手前0.50%で後半0.698%ってことになるので、まあどうせ短国がコールよりもレート低いじゃろ、と考えると、4月会合までの間に「もう1回」は無いという確信の下でまあ一応そこまで悪いレートでもないですかねえ位の話(と言っても想定コールレートよりも低いのは変わらんのだが)ですな。

6Mに関しては使い勝手があまりよろしくないのと、1年短国よりもレートが出ないのもあって入札の時の需給が極端にブレるときがあるので、どっちに転ぶのかよくわからんけれども、まあ一応0.70割れでそこまで悪いレートではありませんなという位かとは存じます。


でまあそれはそれとしまして東京レポレートちゃんですが、
https://www.jsda.or.jp/shiryoshitsu/toukei/trr/index.html

         O/N T/N  1w  2w  3w  1m  3m  6m  1y
2025/11/26 0.501 0.502 0.496 0.495 0.495 0.497 0.588 0.645 0.746
2025/11/27 0.500 0.495 0.494 0.494 0.494 0.501 0.594 0.646 0.747
2025/11/28 0.498 0.500 0.495 0.495 0.495 0.507 0.598 0.646 0.747
2025/12/1  0.501 0.501 0.496 0.496 0.497 0.523 0.614 0.657 0.750
2025/12/2  0.500 0.501 0.496 0.496 0.505 0.543 0.639 0.673 0.754
2025/12/3  0.499 0.501 0.496 0.496 0.509 0.562 0.646 0.684 0.760
2025/12/4  0.499 0.501 0.496 0.496 0.522 0.576 0.652 0.694 0.766
2025/12/5  0.500 0.502 0.497 0.497 0.531 0.590 0.663 0.705 0.775
2025/12/8  0.500 0.501 0.497 0.501 0.541 0.603 0.676 0.715 0.779

植田さんの予告ホームラン以降(12/1の10時過ぎに予告ホームランが出ているので1日のリファレンスから予告ホームラン以降になる)1mとか3mとかのレートは着実に上昇していております(とはいっても3Mでいえば短国の方がもともとの金利水準が低すぎたせいもあって短国金利の修正の方が大きいけど)という感じですが、なんか地味に6mとかの金利も上昇してきていまして、6mの0.715%って、昨日ベースのトム6M(12/9-6/9)で手前を0.50%で分解すると後ろのレートが0.732%ということでもう一声って感じではありますが、とりあえず12月利上げは織り込み、とは言いましてもさすがに4月に次の次というのは一切織り込んでおりませんレートになろうかと思います。(ちなみに予告ホームラン前の11/26の0.645%は手前を0.50%で置いた場合の12/22以降のレートは0.668%なので当然ですが織り込みは進みましたなという感じです)

新金利適用日が12/22からになる(と思われる)ので手前の金利適用の残り日数が少なくなると自動的に金利が上がってしまうので単純比較しにくくてめんどいのですが笑、概ね現状では12月利上げに向けた修正はほぼ完了している(短国3Mは微妙な気がするけど)ようには見えるものの、さすがにその次の話は来年4月会合には来ないじゃろ、という金利形成になっているようですし、まあそれ自体は来週金曜の決定会合で突如植田さんが変な物食ったかのように威勢の良い事を言い出さない限り目先で盛り上がることはない(ただし年末年始とかに円安ぶっ飛んでしまうと4月再利上げの思惑が出てくる可能性はワンチャンのワンくらいはあるんじゃネーノとは思う)とは思うのですが、今日の6Mが妙に流れちゃったりするとその手のトークが出てくるかもしれませんぜと僕言いましたよねメソッドを適用しておきます。



〇市場備忘メモを書きつつ途中からコミュニケーションポリシーの悪態になるのでした

すいません皆さんご案内の市況のメモ引用で
https://jp.reuters.com/markets/japan/GA6VJU36FJIPHFZ75XJ32XXGG4-2025-12-08/
国債先物は続落、長期金利18年半ぶり1.965% 20年債金利は過去最高水準
ロイター編集
2025年12月8日午後 4:09 GMT+9

『[東京 8日 ロイター] - 8日の東京円債市場で、国債先物中心限月12月限は、前営業日比10銭安の133円84銭と続落して取引を終えた。週内に5年債・20年債入札を控える中、円債は売りが優勢となった。新発10年国債利回り(長期金利)は同1.5ベーシスポイント(bp)上昇の1.965%と、2007年6月以来の高水準を付けた。現物市場では新発20年債利回りが同3.0bp上昇の2.950%と過去最高水準を付けた。』(上記URL先より、以下同様)

ということで20年は入札が木曜なのでなにも月曜から調整せんでもという感じではあるのですが、昨日は前場から20年妙に弱くて、と思ったら30年にその後伝染したりしてましてナンノコッチャという感じですが。

『2年債は前営業日比1.0bp上昇の1.060%と、07年7月以来の高水準。5年債は同1.5bp上昇の1.450%と08年6月以来の水準まで上昇。30年債は同3.0bp上昇の3.385%、40年債は同0.5bp上昇の3.660%。』

今日は5年国債の入札ですので調整したのかは知らんけどしれっと2年とかの金利も上昇しておる訳でして、

『   OFFER  BID   前日比 
2年  1.051  1.061   0.011  15:08
5年  1.442  1.448   0.011  15:13
10年  1.959  1.964   0.015  15:03
20年  2.948  2.955   0.035  15:10
30年  3.379  3.392   0.031  15:14
40年  3.664  3.676   0.017  15:10』

まあアレです。これ決定会合まで妙に間があるのが悪いのと、そもそも論として政策金利の方向性について、展望レポートで書いてあるガイダンス文言は以前から「2%物価目標達成に向けて徐々に緩和度合いを調整」と言ってあるものの、その傍から主に植田総裁が「ビハインドのリスクは無い」とか、「海外経済の不確実性ガー」とか、「基調的物価は2%にまだ達していない」とか、利上げを渋るような説明を延々としていたのが悪くて、その辺り先日の名古屋での予告ホームランでやっと言い換えましたが、それまでのハトハトチキンコミュニケーションの結果0.75%に利上げしたら向こう1年くらいこの金利、みたいな認識が世の中に強まってしまった為にこの有様って事な訳で、植田総裁の説明がヘタクソ(物凄く丁寧にやっていると本人は思っているんだろうが市場相手のコミュニケーションとしては下手糞の極み)なのがアカンのよねとは思う訳でして・・・・・・

https://jp.reuters.com/opinion/forex-forum/O7RPLFZUINPNBLWPBOXLZTUUVI-2025-12-08/
アングル:日銀、先行き利上げ判断で貸出動向に注目 中立金利推計に不確実性
和田崇彦
2025年12月8日午後 9:45 GMT+9

ここに来て先般の植田総裁の国会発言が思いっきり効いてしまって債券市場の中の皆様におかれましては「中立金利水準の計算」ムーブが起きている(ように見える)訳で、ロイターさんでもこんな感じで紹介される訳ですな。

『中立金利は景気に対して緩和的でも引き締め的でもない自然利子率を巡る推計がもとになっている。日銀は2024年8月、金融政策の多角的レビューの一環で出した論文で自然利子率の推計を示した。6つのモデルから導き出した推計値を寄せ集めると自然利子率はマイナス1.0%―プラス0.5%で、日銀が物価2%目標を達成したとの前提に立てば、自然利子率に2%を足すことで、中立金利は1―2.5%となる。』(上記URL先より、以下同様)

ってのはご案内の通りですが、そもそも経済が常態の時に自然利子率がマイナス1%とかいうのが直感的に考えておかしいじゃろというお話で、まあ当時だと中立金利が2%でござるって出してしまうと政策金利水準が0.25%なのでその距離に市場がエライコッチャとビビリンチョになると困るから低めの下限値出しているのは政策コミュニケーションの配慮としては分からんでもないのですが、だったら初手からそんなの出すなよという話は連日拙駄文で主張しておりますのでまあ以下割愛。

『24年8月の論文は23年第1四半期までのデータが用いられている。直近までのデータを入れることで、自然利子率の推計が上振れる可能性もあるが、同論文は「新たなデータが追加されると、事後的に見て現在の推計値が変わり得る」と指摘している。直近の推計値は不確実性が大きく、相当の幅をもって評価する必要がある。』

低インフレ均衡の時代と2%物価目標達成均衡の時代ではそもそも前提条件が違うので過去のデータ使って新常態になった時の中立金利を推計すること自体がナンセンスなんですが、植田さんが「ザ・中立金利」を計測するのにご執心、ってのが政策コミュニケーション上致命的で、市場の中の皆さんも一生懸命このナンセンスな「ザ・中立金利の計算作業」をおっぱじめているという不毛にも程がある現象が発生している点は植田総裁の罪が重いとしか申し上げようがないですな、ナムナム。

とは言いましても上記記事を見ますと、

『政策金利が緩和的かどうか、その示唆を提供するものとして、日銀では金融環境、とりわけ金融機関の貸出動向が注目されている。8日に発表された11月の預金・貸出動向によれば、銀行・信金計の貸出平残は前年比4.2%増の652兆5470億円。M&A(企業の合併や買収)や不動産関連、経済活動の正常化に伴う資金需要が続き、残高は2000年1月以降の最高を更新し続けている 』

ってのが出てまして、いやだから言い訳の為に特定の指標を持ち出してその場限りの説明をするのマジで止めろよと思う訳で、黒田末期以降お前ら何回説明に使う指標を取り替えたか(物価に関してだって王道のコアCPIが都合悪く成ったらコアコアを出して、コアコアが都合悪く成ったら賃金と物価の好循環とか言い出したりして最近は基調的物価になってるだろうと)って話で、その場限りの説明をしている方はその場限りの目くらましの積りで言い訳しているんでしょうけれども、市場の方は中央銀行の政策コミュニケーションだから真に受けて考える訳で、足元では「ザ・基調的物価の推計」がブームですけれども、記事のこの説明を持ち出しだすと今度は「金融環境のインデックス」みたいなのを皆で一生懸命になって計算しようとしだすことになりまして、またまた不毛なことになりそうな悪寒しかしない訳ですよ。

まあこれインフレ目標政策の今の枠組みが2%に対してリジッドな説明をしているのの弊害でもあって、もっとフワフワした総合判断ですよっていう感じであれば特定の指標や特定の数値を殊更に出してくる必要はないのですが、2%のところを無駄にリジッドな目標にしているもんだから、じゃあその2%達成の判断根拠は、という問いに対して一々具体的なものを持ち出してくる必要が生じてくるのだが、結局のところ総合判断なので説明の為に出した特定指標が都合悪くなると別のものを出してくる、ということで説明が首尾一貫しないということになるんだよなーーーー、とは最近思う所ではありますな、うんうん。

しかしまあ何ですな、この貸出動向云々ですけど、

『<0.75%で変調は>

0.25%から0.5%に利上げしても貸出の増勢は変化なく、日銀では0.75%に利上げしても貸出のトレンドに大きな影響は生じないのではないかとの見方が出ている。

利上げの場合、金融機関が貸出金利に適用していく時期や金利上乗せの程度はまちまちだが、もし政策金利が引き締め領域に入っていくとすれば貸出動向に変調が出てくるはずで、日銀はその転換点がどの時点で訪れるのか、経済や物価その他の動向とともに注視していくとみられる。』

って言ってるんだがこちとら20世紀の不動産バブルの崩壊局面の頃金貸しの手先の小僧だったから覚えているけど、ガチのヤバい奴の時には金利上げたからと言って効いてくるのかというと、どう見たってあの時って総量規制と三業種規制の方が効いた(効きすぎた)わけで、政策金利馬鹿上げしたからだけでは止まったのかどうか怪しいですぜという話なので、貸出がどうのこうのという説明を使うのもあまりよろしくないと思うのですけどねえとは思うのでありました、大体からして金融政策が貸出に効いて云々ってタイムラグがどちゃくそあるんだから貸出で見てたら緩和修正が後手に回ってビハインドの弊害になるわ、その後の引き締めで今度は引き締めのやり過ぎになるまで引き締め続けて弊害になるわという結果になるとしか思えんのだが・・・・・・


ということで、もっと単純に「ここから先は過去のデータが当てはまらない世の中になるので事前にメルクマールを置かないで出たとこ勝負で徐々に利上げして行って新しい「2%物価安定の世界」にフィットした均衡点を探していきます」って説明するだけでエエンチャウノとは思うのですが、まあそれだと馬鹿丸出しっぽくて頭のよろしい植田総裁や日銀の高機能頭脳の皆様におかれましては不本意なんですかねえ。なんかこの調子だと12月利上げは良いんですけどその後のコミュニケーションでやたら面倒なことになりそうにしか思えませんな、南無三。







2025/12/08

お題「BBG砲でそこそこ反応したのは「その次」の話ですかねえ(謎である)/3Mは中途半端な気もするが織り込み進む/財政スタンスはマジで反省しているのか(謎である)」

12月8日と言えば真珠湾攻撃ですな〜

〇BBG砲・・・・も「知ってた」系ではあるが「この先の利上げ」の話があるから反応したのかしら

BBGのネット版ってUIをリニューアルしたんですけれども、「検索」がどこかに行ってしまった(ように見えるんだが)のはクソ改悪としか言いようが無い(UIは元々あまりよろしくなかったのが改善されたのですけど、「検索」機能でまあUIをカバーできていたんですよ今までは)

ということでニュース探すのが面倒になって益々BBGをネタにしなさそうになっていますが
https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2025-12-05/T6KVQHKK3NY800
日銀が今月会合で政策金利引き上げへ、利上げ継続姿勢を維持−関係者
Sumio Ito、Toru Fujioka
2025年12月5日 at 13:27 JST
更新日時:2025年12月5日 at 13:35 JST

『・0.75%への利上げは緩和環境内での調整、政策の打ち止め感は出さず
・経済・物価に応じ利上げ継続、中立金利に関する情報発信にも注目』

ってな訳で何かリニューアルされたサイトにまだ慣れていませんが、ってかマジで「記事検索」機能が無いと使い物にならんのだがどこに記事検索があるのか知ってる人いたら教えてください。いやまあ無料で見てないでBBGの会員でログインしやがれってことなのかもしれませんけど何だかねえって感じではあります。

という悪態は兎も角として記事の方に参りますが。

『日本銀行は、内外の経済・物価や市場に大きな変化がない限り、今月の金融政策決定会合で政策金利を0.75%に引き上げる公算が大きい。その後も利上げ継続姿勢を維持する見通しだ。複数の関係者への取材で分かった。』(上記URL先より、以下同様)

まあ「知ってた」ネタではあるのですが、なんか知らんけど為替市場ってこんなのでも動くのねと感心してしまいましたけど、もしかしてアルゴって低能の極みなんじゃないか(というか学習を間違えている)と思う今日のこの頃ではありますが、まあAI様が低能を発揮してくれればこちとら昔ながらの現場叩き上げ職人理論皆無ジジイにも生き延びる余地があるというのものでアリガテエアリガテエwwww

『今回の利上げは緩和的な金融環境の中での調整だとし、利上げ後も実質金利はマイナス圏にあり、金融引き締めではないという。経済・物価が日銀の見通しに沿って推移すれば、利上げで緩和度合いを調整していく姿勢も変わらない見込みで、政策の打ち止め感は出さない見通しだ。』

見通しだ、も糞も0.75で打ち止めとか言ってるのはリフレとかいう邪教に洗脳されて思考に多大なる欠陥が発生しているような知能の欠如した人しかそんな事思わんじゃろ2%物価目標達成している時に短期政策金利の均衡値が0.75%の訳ねえだろ脳味噌ついてるのか貴様というお話なんですけれども、まあ高市さんの取り巻きがアホウ節を踊るからそりゃまああれを真に受ければ打ち止めと思ってもおかしくないというのは理解できるが何ぼ何でももう少しものを考えて頂きたいとは存じます次第。

記事の最後の方の説明はアホの子にも分かりやすく説明されていまして、

『0.75%への引き上げ後は、引き続き利上げを急がなければならない経済・物価情勢にないと日銀はみている。景気を刺激も抑制もしない中立金利について最新の見解を示す可能性があるが、水準を特定するのは難しく、利上げの影響を点検しながら探っていく考えに変化はないという。』

これ中立金利に関しては植田さんが(学者らしいといえば学者らしいのですが)「ザ・中立金利」を精緻に推計して、それを政策の羅針盤というか北極星にしようっていうのに対して、こちらのBBGの「複数の関係者」記事では「水準を特定するのは難しく、利上げの影響を点検しながら探っていく考えに変化はない」となっていまして、そりゃそうじゃろという話になっております。でもって記事の上記部分の続きは、

『日銀が集計した自然利子率の推計に基づけば、中立金利は1−2.5%に分布している。植田総裁は4日の参院財政金融委員会で、中立金利の推計にはかなり広い幅があるとしつつ、狭める作業がうまくいけば「適宜公表していきたい」との考えを示した。会合や総裁会見での情報発信が注目される。』

となっているので、こりゃどうみても「植田総裁が「ザ・中立金利」を出したがっていますけど大本営としてはそりゃ無理じゃろと思っている」という状況を示しておりますが、拙駄文では再三再四申し上げていますように、今のように均衡を変化させようとしている中で政策運営のコミュニケーションに中立金利を使うのは無駄に市場のボラを上げるだけで一利なしと思うので大本営の見解(と思われるもの)に同意ですな。

なお、

『複数の関係者によると、高市早苗政権は、日銀が今月利上げを容認する姿勢だ。ただ、このタイミングでの実施に慎重な意見もあるという。高市首相は金融緩和を重視するとみられており、日銀に利上げペースをより緩やかにするよう影響力を及ぼすのではないかとの観測も浮上していた。』

とのことですが、止まらん円安に勝てない(長期金利上昇にどのくらいの問題意識をもっているのかは謎)ってなもんですかしら知らんけど。

・・・・・・しかし来週末利上げまで待ち時間ってのは長いですね〜

てな訳でございますので、12月利上げは確定としまして、問題は植田さんが何を言い出すかによりけりではあるのですけども、妙にやる気満々の説明をおっぱじめると「次の利上げ」が来年の7月どころではなくなる勢いで説明をしかねないのが植田さんの恐ろしい所だし、まあ「次の利上げ」に関してやたらとハトハトチキンな説明をおっぱじめてしまうと(どうせFEDが利下げするとして)FED利下げ日銀利上げでも円高に振れないで、何なら年末に向けてエッホエッホと円安で利上げ催促祭りになり兼ねないので、どう説明するのかというのと、そもそも市場ちゃんが何を織り込んでいるのかのコンセンサスが今週来週でできるのか次第かと。

というかですね、木曜のロイター砲でも金曜のBBG砲でも、ただの馬鹿アルゴのせいなのかも知れないけど、為替市場が反応しちゃうのを見て「どこにコンセンサスがあるのかが分からんがな」という状態にアタクシとしては思ってしまうので、日銀の出方に対して市場がどう反応するのかがイマイチ読めない、という今までになかったパターンの中々難しい利上げではあるなと思うのでした。マジで市場のコンセンサスが良くわからんですバイ(情けない話だが)。



〇短国3Mはまあとりあえず流れずに決着してイマイチ感あるけど織り込んでるちゃあ織り込んでるかも知れん(?)レート

https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20251205.htm
国庫短期証券(第1348回)の入札結果

『本日実施した国庫短期証券(第1348回)の価格競争入札及び国債市場特別参加者・第T非価格競争入札について、下記のように募入の決定を行いました。



1.名称及び記号    国庫短期証券(第1348回)
2.発行根拠法律及びその条項
財政法(昭和22年法律第34号)第7条第1項、財政融資資金法(昭和26年法律第100号)第9条第1項並びに特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第83条第1項、第94条第2項、同条第4項、第95条第1項、第123条の18第1項、第136条第1項及び第137条第1項

3.発行日     令和7年12月8日
4.償還期限   令和8年3月16日
5.価格競争入札について
(1)応募額       12兆8,896億円
(2)募入決定額     3兆3,910億円
(3)募入最低価格    99円82銭9厘5毛
(募入最高利回り)    (0.6361%)
(4)募入最低価格における案分比率    19.4500%
(5)募入平均価格    99円83銭2厘2毛
(募入平均利回り)     (0.6260%)』

とまあそういう結果になったようで、売参ベースのWI引値の0.620%に対しまして若干弱い入札でしたが、ゆうて前週のように大流れしたわけではなく、植田総裁名古屋講演予告ホームランで修正が入った先週の気配を容認する格好になりましたと。

売参ちゃん見ますと
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html

(12/5引値)
国庫短期証券1346 2026/03/02 平均値単利 0.560
国庫短期証券1347 2026/03/09 平均値単利 0.620←金曜までカレントだった前回新発3M
国庫短期証券1348 2026/03/16 平均値単利 0.625←3M新発債
国庫短期証券1350 2026/03/23 平均値単利 0.625←今週の3MWI(まあてきとうな値付けではあるが)

ということで0.625%とかいうアベレージ水準で引かせているので、モチのロンですが前週(先月末)の短国3M入札よりは水準訂正をしていますけど、入札流れて引けが崩れるとかいう事案にはなっていないという結果ですが、そりゃまあ良いんですけど前回新発の方は0.62%水準になっていますけれども、その1週前の3Mは0.560%(ちなみにその前の銘柄も0.560%ですアイヤー)とかいうレートになっていまして、いやなんだよその階段はってなもんですが、何せ実弾の売りが出るかPDの在庫が大いに残っている時じゃないと既発になって暫くした銘柄って水準訂正をしないというのが今の短国クオリティなのでまあご愛嬌という事で。

でまあこの0.625%っていうのは決定会合までをおまけして0.42%で計算して差し上げても後半のレートが0.659%にしかならんので、政策金利0.75%からの解離9bpってうーむという感じ(手前0.50%で計算したら0.646%ね)ではありましてもうちょっと調整しないのかよ(とか言ってるうちに手前の残り日数はどんどん少なくなっていくので本来は受渡日が1日ズレるたびに金利水準の調整が必要なんですよね、なんかあんまりそういう真面目な値付けになっていないのは短国だけじゃなくてCPとかもその傾向がみられるけど)とは思いますし、大体からして補正出たら6M短国増発でまわりまわって3M発行増えるじゃろとも思うのですけど、ここから来週金曜に向けて毎日気配値どうなるかなーとか楽しみながら見物したいと思います。


〇10年1.95%ですかそうですか&放漫財政の修正ムーブがちょっと見られるかもしれませんなあ

いつものロイターさん

https://jp.reuters.com/markets/japan/Y3EPI3DD5VJH5JE43ZODYEEJOY-2025-12-05/
〔マーケットアイ〕国債先物は続落、長期金利18年ぶり1.95% 超長期ゾーンは金利低下
ロイター編集
2025年12月5日午後 3:28 GMT+9 2025年12月5日更新

『[東京 5日 ロイター] - <15:14> 国債先物は続落、長期金利18年ぶり1.95% 超長期ゾーンは金利低下

国債先物中心限月12月限は、前営業日比17銭安の133円94銭と続落して取引を終えた。日銀の利上げ観測を背景に売りが優勢となった。新発10年国債利回り(長期金利)は同1.5ベーシスポイント(bp)上昇の1.950%と、2007年7月以来の高水準を付けた。一方、現物市場では超長期ゾーンの金利低下が目立った。』(上記URL先より、以下同様)

ということで、もはや金利上昇のニュースが「日銀の利上げ観測」と「財政拡張懸念」しか理由の書きようがないという相場になっておりますが、今週前半にスティープした時に中立金利の見方が変われば必ずしもフラットせんじゃろ、とか堂々のドヤ顔(ではありませんが)で申し上げたら連日のツイストフラット商状というフラグ建築の冴え渡りっぷりに小職としては落涙を禁じ得ないところではあります。あばばばばばー。

『現物市場では、新発債利回りはまちまち。市場では「日銀の利上げパスが不確定要因であることから、中期ゾーンは腰の入った買いは入りづらく、足元は売りが優勢だ。長期と超長期ゾーンは、投資家による小口の買いや業者の買い戻しの動きなどがみられる」(国内証券債券セールス担当)との声が聞かれた。』

ホンマカイナって感じではあるのですが、まあさすがに0.75%に利上げしたあと1年間利上げ無しみたいな高圧経済上等というのは円安にビビって引っ込めてきている感がある訳でして、その点から超長期の売りが一旦の一段落になっているのであればそれはそれで味わいのある話。

『2年債は前営業日比3.0bp上昇の1.050%と07年8月以来の高水準。5年債は同2.5bp上昇の1.435%と08年6月以来の水準まで上昇。一方、20年債は同0.5bp低下の2.920%、30年債は同3.0bp低下の3.360%。 40年債は出合いなし。』

まあ中短期に関しては「その先の利上げ」に関して今までタカを括っていましたからこういう話になるのはまあしゃあないという感じですが、一応これだと1%を上回る利上げを織り込みに行っているんですよね。

『    OFFER  BID   前日比 
2年   1.042  1.051   0.032  15:04
5年   1.428  1.434   0.026  15:03
10年  1.943  1.949   0.018  15:02
20年  2.913   2.92  -0.004  14:59
30年  3.351  3.361   -0.03  15:04
40年  3.638  3.659   -0.039 15:04』

ということで2年1%オーバーでも金利上がるので、つまりは0.75のあと1%には利上げしますし、その後も利上げはありますよ(と言ってもこれだと利上げ到達点精々1.25%にしか見えませんが)という動きにはなっているので高圧経済円安上等の流れが変化したというイメージは共有されているんでしょうね。


でまあこんなのも出ていましたし、
https://www.jiji.com/jc/article?k=2025120500548
自民、所得増税の27年1月開始案を提示 防衛財源確保で、維新に反対論
時事通信 経済部2025年12月05日20時25分配信

『自民党と日本維新の会の税制調査会長は5日、国会内で会談し、防衛力強化の財源として検討されている所得税増税について協議した。自民税調の小野寺五典会長は2027年1月から増税するという党の意見を提示、維新の梅村聡税調会長は党内に賛否の声があることを伝えたという。26年度税制改正に向けて、
両党は協議を継続する。』(上記URL先より)

防衛国債を出すとかいう話を聞くと昭和脳なので例のアレ(https://www.jpx.co.jp/corporate/learning/tour/arrows/detail/17.html)を思い出してしまう程度に莫大に威勢の良い話をしておられますなと思って生温かく見守っておったのですが、まあいきなり防衛国債出すような勇者なことは回避してきそうな感じは漂ってまいりましたし、だんだん最近は「責任ある」の方にシフトしてきている感もあるのは先週木曜にもロイターが記事出していましたな。

とは言いましても、
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/2329869
高校生の扶養控除縮小へ 政府与党が来年度税制改正で検討 児童手当や高校無償化など負担軽減拡充で
TBSテレビ
2025年12月5日(金) 01:13
経済

ってのが出たと思ったら、
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA0630Z0W5A201C2000000/
高校生の扶養控除、高市首相「縮減、指示していない」
予算・税制2026
2025年12月7日 0:50
(2025年12月7日 20:52更新)

ということで引っ込めてしまう、という感じでクレクレ圧力に対しては相変わらずでもありますけれども、発足当初の財政なんでもぶち込みますモード一辺倒では不味かろうという知性に目覚めたのであれば、そりゃまあ財政ネタで超長期叩き売るのも限界ありますがな、という話でもあるので、一旦補正で大盤振る舞いするのは織り込んだとして、今後は来年度予算に向けた動きがどうなるのかという話になるんですかね、知らんけど。

てな訳で雑談メモばっかりで恐縮至極でございました。








2025/12/05

お題「ロイター砲は知ってた案件/問題は「中立金利」とかのコミュニケーションですわな/長期と短期の市場備忘クリップ」

イイハナシダナー(消費者的に)
https://www.agrinews.co.jp/news/index/349220
2025年12月5日
[ニッポンの米]米価下落の見方強まる 見通し指数32に急落

なお会員記事なので中身はよくわからんでござる(汗)。


〇ロイター砲でましたが何とあれで為替反応するのかと思いましたw

昨日のロイター砲
https://jp.reuters.com/economy/bank-of-japan/CI5TT7MUNJNENMJUSINYROHOJY-2025-12-04/
日銀、12月会合で利上げの可能性強まる 高市政権も容認姿勢=関係筋
ロイター編集
2025年12月4日午後 3:15 GMT+9

ネット版の日本語記事は3時過ぎになっていますが、実際には英文のフラッシュの方が引け前に出ていましたが、まあ12月利上げはむしろ無いって話が出た方がニュースじゃろという「知ってた」の世界なので円債は反応をした感じでもなかったのですが、ドル円ちゃんが155円50銭水準から155円20銭水準に値段が飛んで、引け後も155円割る勢い(割ったかどうか忘れたqqq)だったのにはナンジャソラと思いました。

一応記事ですけど。

『[東京 4日 ロイター] - 日銀が18、19日の金融政策決定会合で政策金利を0.75%に引き上げる可能性が強まった。高市早苗政権も日銀の利上げ判断を容認する構えだ。複数の関係筋が明らかにした。9、10日の米連邦公開市場委員会(FOMC)などを受けた市場の動きや、企業の賃上げを巡る情報を踏まえて最終判断する。』(上記URL先より、以下同様)

無関係者のアタクシですらこの期に及んで(とんでもない天変地異が無い限り)再来週利上げしなかったら打ち首獄門じゃろという予想位は立てられるので、まあ何を今さらという感じですが、

『利上げに踏み切れば2025年1月以来。米国の関税政策の影響見極めを優先して利上げ判断を見送ってきたが、11カ月ぶりの利上げとなる。日銀は、0.75%に利上げしても中立金利まではまだ距離があるとしており、12月以降の利上げ姿勢をどう発信するかが焦点となる。』

この点は後程植田さんの国会答弁記事があったので多少雑談を。

『日銀の利上げを巡っては「責任ある積極財政」を掲げる高市政権の理解を得られるかが焦点の1つになっていた。高市首相は就任当初から、マクロ経済政策運営の「最終的な責任は政府が持つ」と発言してきたが、外為市場で急速に円安が進んだことなどから政権内部でも日銀の利上げを容認する声が強まっていた。』

>外為市場で急速に円安が進んだことなどから

まあ結局また為替かよという感じですが、昨日のこのニュース自体は今に始まった話では無いにしましても、円債市場ちゃんの方も(これまた後でクリップしますが)金利上昇の巻をやっているのにも関わらず、ドル円ちゃんは相変わらずの155円水準で円高に全然ならん、という状況ですので、まあ結局利上げしても円安是正が進まんということになると次の利上げもだんだんと視野に入ってくるってなもんじゃなかろうかとは思ったりする訳ですがさてどうなるのやら、ということで問題になるのは最早今回の利上げではなくて「この先」の話になるのですが・・・・・・・・・・


〇中立金利は(特に今の日本の場合は)事後的にしかわからない概念上の産物なので勝負しない方が・・・・・(植田発言)

でまあ日中はこっちの方がニュースネタになっていたわけですけれども、

https://jp.reuters.com/economy/bank-of-japan/IH7BN44N6VN6NBDXLLEBBRRT6Q-2025-12-04/
中立金利は推計に幅、政策金利の到達点に「若干の不確実性」=日銀総裁
和田崇彦
2025年12月4日午後 12:51 GMT+9

ということでこっちのコミュニケーションが重要になるのですが・・・・・・

『[東京 4日 ロイター] - 日銀の植田和男総裁は4日の参議院財政金融委員会で、中立金利は「広い幅をもってしか推計できていない」と述べた。その上で、最終的に政策金利をどこまで上げていくのが適当かは中立金利に依存するが、推計の幅があるため「そこには若干の不確実性がある」と話した。』(上記URL先より、以下同様)

という話ではあるのですが、

『植田総裁は中立金利の推計について「常にもう少し狭めることができないか、作業を続けている」とし、今後、うまく狭めることができたら適宜公表していきたいが「現状ではかなりの幅をもって見ざるを得ない概念」と説明した。』

という説明をしているのが相変わらずの植田さんでして、他の方必ずしもこの「ザ・中立金利」を精緻に計測しようという考え方は持っていないと思われるのですが、植田さんは(マクロ経済学者だからそうなってしまうんだと思うけど)どうしてもこの「ザ・中立金利」を計測しようっていう発想に立ってコミュニケーションをおっぱじめてしまう悪い傾向がありまして、今回の利上げ以降のコミュニケーションに大いなる地雷になるだろうなあと思う訳ですよ。まあ再三再四弊駄文では申し上げているつもりですがこの点については。

つまりですね、中立金利なんてえのはある程度経済が均衡近辺で安定推移するような状況、言ってみれば暫く前の「グレートモデレーション」みたいな安定期にはそりゃまあだいたいこんなもんじゃねえのみたいな話がしやすくなると思うのですが、それってすなわち「中立金利水準は事後的にしか分からない」ということが背景になる訳でございまして、足元のジャパンのように30年間短期政策金利が0.5%以下で推移していたところから2%物価安定目標達成という別の安定状態に遷移させようとしている中で、中立金利なんて事後的にしか分からん(実質金利だって同じ理屈ですが)としか言いようが無いわけですから、中立金利に対して今植田さんが回答をするのであれば、「これから政策金利も過去かなりの期間にわたって経験の無いゾーンに踏み込むので、いわゆる中立金利の水準というのは実際に政策金利を動かす中での経済の反応を見ながら判断するしかない」という回答をすべきであって、「ザ・中立金利」を求めたい、ってのは気概としては立派だしやるなとは言わないけど、金融政策運営のコミュニケーションの中では混乱の元にしかならない手法ですわな、という所ですな。

だってまあ多くの方も指摘しているように、中立金利水準を低め(例えば1%)とか言い出せば利上げに消極的って言われて円安がバンバン進行するリスクがあるし、一方で中立金利を本来的な意味での妥当な線(2%物価+基調的な潜在成長率の水準)で示したら今度は「エライ勢いで利上げするんジャマイカ」となって債券市場があばばばば―になってしまう訳ですから、こんなの「利上げして様子見て、その結果0.75%の政策金利水準が緩和的過ぎるというのであれば利上げして調整、というのを繰り返して行って適正な政策金利水準の位置を手探りで考えていくことにいなる」というお話で、要は「利上げしても緩和的だったら緩和を再度調整をしますよ」という方向性だけ出す以外にコミュニケーション取れない筈なんですよね。

てな訳で、植田さんのこの「ザ・中立金利」を計測してそれを羅針盤にしたい、というスタンスは危険としか言いようが無いのでちょっと中の振付師の皆さん再来週までに何とか植田さんの説明スタンスを変えて差し上げて下さい。とまあそういう話になります。

ただまあ何ですな、これまでのハトハトチキンが素なのか大いなる芝居だったのか、によってだいぶ話は違ってくるのですけれども、どうもこう根がハトハトチキンっぽい気しかしない植田さんですので、今回利上げする→今後も利上げするというコミュニケーションはちゃんと行う、までは良いんですけど、いわゆるターミナルレートとか中立金利の話になった時に、例の「中立金利下限1%」みたいなハトハトちっくなお話をおっぱじめてしまって、為替が円安に飛んでしまって台無しオブ台無しになりそうな悪寒(この場合円債ちゃんは「1%への利上げは遠い」に反応するのか円安の方に反応するのかはよくわからんですよねー)しか今のところしていないのですけど、まあ今回は決定会合までの準備期間が十分にあるので、振付師の皆さんが頑張って振付を行って「この先の利上げ」に関しては方向性としては利上げ、水準とかそういうのは曖昧戦略、でお願いしたいと存じますがさてどうなるのやら・・・・

あとですね、付け加えますとこの「中立金利」とか「(いわゆる)ターミナルレート」の話ってグレートモデレーションみたいな時には政策の羅針盤というか北極星みたいな感じで役に立つ概念なのですが、今みたいに構造変化を伴いながら経済物価環境が変化している状況においては何の役にも立たないどころか、市場のボラを上げるだけの話なので、そういう話に関しては中央銀行は「ザ・中立金利」みたいな話をしない方がよくて、中銀がそれを言うもんだから市場の何とかストとかメディアとかポジションテイクしている人たちとかも、その「ザ・中立金利」なり「ザ・ターミナルレート」についであーでもないこーでもないとか言い出して話をさらにややこしくする元になるので、そっちで勝負するのは筋が宜しくないと思いますし、(まあ何とかストの場合は商売として質問されるから回答しないといけないという面はあるので同情の余地は大いにあるのですが)何とかストがやれ中立金利だターミナルレートだとかいうのもカシュカリ総裁の頭髪並みの不毛オブ不毛の話で甚だ怪しからんとは思っております次第です、個人の偏見ですけど。



〇でまあ昨日は30年国債入札が強かったのに相場コケてしまったでござるの巻(いつもの備忘メモ)

ナムナム
https://jp.reuters.com/markets/japan/WNGNBUWDYBPFNCWEC2PODSNYFY-2025-12-04/
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は大幅続落、長期金利は18年半ぶり高水準の1.935%に上昇
ロイター編集
2025年12月4日午後 3:45 GMT+9

『[東京 4日 ロイター] - <15:16> 国債先物は大幅続落、長期金利は18年半ぶり高水準の1.935%に上昇

国債先物中心限月12月限は、前営業日比34銭安の134円11銭と大幅続落して取引を終えた。新発10年国債利回り(長期金利)は同4.5ベーシスポイント(bp)上昇の1.935%と、2007年7月以来18年半ぶりの高水準をつけた。一方、警戒感のあった30年利付国債入札が順調な結果となり、30年金利については低下した。』(上記URL先より、以下同様)

昨日は30年国債の入札が強めで決着して落札結果出た後にフワッと相場持ち直したのですが、持ち直した所で10年だか何だかの戻り売り叩き攻撃が発生してしまいまして、叩き料理アイヤーという感じで引けにかけて10年中心にあばばばばーという展開だったようですな。

『財務省が実施した30年債入札は、事前に警戒感があった中で最低落札価格が市場予想を上回り応札倍率が6年半ぶりの高さとなるなど順調な結果となり、先物は取引中盤に買い戻される場面もあったが、長続きしなかった。現物市場では10年物以外の新発国債利回りはまちまち。2年債は前営業日比横ばいの1.015%。5年債は同2.5bp上昇の1.410%と08年6月以来17年半ぶり水準を更新した。20年債は同1.0bp上昇の2.920%で、序盤には一時99年6月以来26年半ぶり高水準の2.940%をつけた。30年債は順調な入札結果が好感され、同3.5bp低下の3.385%。入札前には一時、3.445%をつけて過去最高水準を更新した。40年債は同1.0bp上昇の3.745%。』

てな訳で何か豪快なツイストフラットをしていましたが、

『TRADEWEB
    OFFER  BID   前日比 時間
2年  1.012  1.022   0.006  15:08
5年  1.403  1.409   0.024  15:13
10年 1.934  1.939   0.047  15:11
20年 2.913  2.922   0.005  15:15
30年 3.381  3.391  -0.034  15:15
40年 3.686  3.702  -0.042  15:15』

取引中盤以降特に10年の弱さが目立っていたと思うのですが、先物ならともかく10年が周辺対比で弱い推移となるのにはさすがにこれは売りでも出てこないとそうはならんじゃろ(いやまあ火曜の新発が捌ききれてないと思われる中での下げなので、という投げがあるのかもしれないけどそういう投げ方ではないような気がしますけど・・・・)とは思うのでちょっと気にかかるところです。


〇交付税特会6Mのレートがちゃっかり上昇しておりますな&今日は新発3M入札

昨日の交付税特会6M
https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/kariire/kari-result251204.htm
交付税及び譲与税配付金特別会計の借入金の入札結果(令和7年12月4日入札)

『本日、借入金の入札について、下記のように募入の決定を行いました。


1.借入根拠法律及びその条項  特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)附則第4条第1項
2.借入日      令和7年12月12日
3.償還期限     令和8年6月12日
4.償還方法    令和8年6月12日に一括償還
5.借入利率競争入札について  
(1)応募額        3兆6,900億円
(2)募入決定額     1兆3,000億円
(3)募入最高利率      0.797%
(4)募入最高利率における案分比率     52.5000%
(5)募入平均利率     0.783%』

ということで今回の交付税特会6Mは0.783%/0.797%と金利が上昇の巻になりました。前回の特会借入6Mは11月26日入札(すなわち植田総裁予告ホームランの前)だったのですが、こちらが12/4−6/3で0.757%/0.768%という結果でしたので結構レート上昇しましたね、という結果です。

まあ本来ターム物に関しては流動性リスクプレミアムがテナーの長さに応じて乗っかってきて然るべき、というのが金利市場のお約束ではありますので、利上げ後の付利金利0.75%に多少タームプレミアムが載っていること自体はごく自然な話なのでまあこれはこういうもんじゃろ、で済ますこともできるのですが、折角なので半分お遊びで「次の次の織り込み度合い」を計算しますと今回は・・・・・・

まあめんどいのでこの際足元から0.75%で計算して、このレートが4月展望での利上げ(月末の利上げになるので実質的には5月頭利上げみたいなもんですが)をどの程度織り込むんでしょうか、という面白計算をしてみますと、手前0.75%で計算して4/30(来年4月会合の翌営業日)からのレートが、平均の0.783%の場合後半0.890%になって、足切りの0.797%の場合何という事でしょう後半が0.949%になる、という面白レートに。真面目に計算しようとすると12/22までは0.50%で計算しないといけないので後ろの換算レートってもうちょっと高くなるのですが、まあお遊びなのでこんなもんで勘弁してもろて頂いて。

前週(植田予告ホームラン前)だと足切りの0.768%でかろうじて後半0.844%って数字になるので、さすがに今回の植田予告ホームランで今回の利上げのみならず、「その先に間違って利上げがあるリスクをちったあ載せて頂かないと困りますなあ」というレートになっている次第です。

勿論ですが、この交付税特会ってレートが常に高め高めで決着する物件ですので、実際に市場の中の人たちが12月の次に4月のリスクってのをそんなに強く考えているとは思えませんけれども、そうは言いましてもリスクプレミアムは載せて頂かないと、という感じになっているというのは、0.75%に利上げして打ち止め、という訳ではないんじゃネーノというのがかなり人口に膾炙してきたということの一端を示すものじゃないのかな、とか思ったりしました、知らんけど。


でもって短国ちゃんですが、

https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_auct/auct20251128.htm
国庫短期証券(第1348回)の発行予定額等

1. 入札予定日  令和7年12月5日
2. 発行予定日  令和7年12月8日
3. 償還予定日  令和8年3月16日
4. 発行予定額  額面金額で4兆3,000億円程度
5. その他  上記の発行予定額を変更する場合には、入札日の前日に再度公表する予定です。

てな訳で今日は毎度おなじみの如く3Mの入札があって、売参ベースのWIは0.620%で引けさせているのですが、12/22から新金利適用、ということで考えますと、0.62%っての手前を0.50で計算させたら後ろが0.64%とかいう割と悲しいレートではあるのですが、まあゆうて短国自体は恒常的にコールよりもレートが低いので、その辺をオマケして差し上げて手前を0.42%まで下げて計算すると後ろが0.653%という数字になって参りますなとか何とか。まあ多少唸るんですけど、ゆうて年末越えでもありますし、短国ですしっていうのも絡んできて良くわからんところではありますので、結果を見てから能書きでも垂れますかってなもんです(じゃあお前なんで書いたんだと言われそうですがそういうツッコミをしてはいけません)。

今朝はこの辺で勘弁








2025/12/04

お題「”責任ある”積極財政になっていくのでしょうかねえ(城内発言)/金利上がったので長期と短期のメモメモ」

どうなんでしょうかねえ
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-12-03/T6PIFTKIP3J500
ハセット氏のFRB議長起用、債券投資家が財務省に懸念を伝達−FT
Airielle Lowe
2025年12月4日 4:16 JST

ゆうてパウエルだってトランプお声掛かりの人事でしたけど、トランプの言う事なんでもヘイコラと聞いて米国経済をむちゃくちゃにしてしまったら未来永劫馬鹿議長として悪名を残すことになる訳で、よほどの馬鹿じゃない限りは未来永劫の悪名というのに怯むんじゃないかねと思うのは甘いですかねえ・・・・・・・

〇責任ある積極財政のトーンが現実を見て矯正されるのでしょうか&城内さんの「ネットde真実」クソワロタ

ほうほうそうですかそうですか
https://jp.reuters.com/opinion/forex-forum/H367XRCM2RJFTM6RZII3TWSS5M-2025-12-03/
円安、家計の購買力低下させる可能性 産業空洞化解消にはプラス=城内成長戦略相
ロイター編集
2025年12月3日午後 3:59 GMT+9

『[東京 3日 ロイター] - 城内実・成長戦略相は3日の衆院内閣委員会で、為替円安について、輸入物価の上昇を通じて国内物価を押し上げ、家計や企業の実質的な購買力を低下させる可能性に留意が必要である一方、輸出企業の収益にプラスの面があり、海外進出した企業の国内回帰で産業空洞化の解消にもプラスとの見方を示した。』

『高市早苗政権の経済政策については、短期的に物価高対策を講じた上で、中長期的に日本経済の供給構造を強化しながら物価高を加速させることがないよう戦略的に投資を行う内容だと説明した。岡田悟委員(立憲)への答弁。』(上記URL先より、以下同様)

ということですが、円安で産業空洞化の解消にプラスになるんだったらとっくの昔に空洞化解消していないとおかしくね???ということで甚だアレではあるのですが、これまで高圧経済万歳と言ってたのに現実に気が付いたからと言って突如「過度な円安は怪しからん」とジャガーチェンジする訳にもいかないので徐々に足抜けしようとしているから取って付けたような言い訳をしている、というのであればまあそれはそれで移行期間中なのでシャーナイナイということで評価に値するのですが、実際の所現実を目にして改心しているのかどうかはイマイチよくわかりませんな。

でまあ一番クソ笑ったのはこの部分ですわな。

『過去に、正しい財政を学ぶ中でメディアの通説や政府の説明が正しくないことに気づき、積極財政が正しいと思うようになったと発言したことに関しては「議員個人としての過去の発言」だとして経済財政政策を担当する大臣として答弁は控えると述べた。』

>正しい財政を学ぶ中で

「ネットde真実」キタコレといった所で、こういう犬笛に踊らされて色々やらかす輩というのがここ数年特に目立つわけですけれども、国会議員がこれかよとか思いますけど、そらまあ与野党問わずで国会議員でも変な陰謀論とかオカルト科学とかを唱える連中がうじゃうじゃいるのでこういうのがいること自体はまあそういう事じゃろとは思いますけど、しかし「ネットde真実」で政策立案しないで頂きたいという所で、高市さん何ぼ何でも取り巻きが酷すぎるというお話になるのですが、この記事の締めが、

『その上で「ばらまきや放漫財政などではなく」、財政規律派を含む学者の話や経済指標などを「しっかり踏まえながら、戦略的な財政出動を行うことが大事だと認識している」と語った。』

しかし「財政規律派」とか言ってる時点でまだ脳がネットで真実モードから解離できてないわなという所ではあるのですが、ただまあさすがに円安トマランチ会長というのを見て現実に目覚めたのであれば誠に結構な事ではあるのですが、何とか諮問会議とかの会議にとんでもない馬鹿を既に招き入れてしまっているので、あの辺りの馬鹿を切ることができるのか、と思うとまあ絶望的じゃないのかね、とも思いますが、あの馬鹿一派を切り捨てられれば評価してみたいと思います。

てな訳で、「責任ある」の方に力点置いてくれればまあだいぶマシにはなると思うのですが、もともと財政出せ出せ音頭は野党も言っていることなので、今の政治状況でいきなり「責任ある財政」に舵を切るのは難しいでしょうし、根が改心している訳でもなさそうなので前途遼遠ではありますわな。



〇10年国債入札で下げ止まったかと思わせましたが1日で戻ってしまいましたな(市場備忘メモ)

https://jp.reuters.com/markets/japan/XEWZOPC6ZFI7ZM4766CNUQG76E-2025-12-03/
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は反落、長期金利1.89%に上昇 17年半ぶり高水準
ロイター編集
2025年12月3日午後 3:32 GMT+9

『[東京 3日 ロイター] - <15:10> 国債先物は反落、長期金利1.89%に上昇 17年半ぶり高水準

国債先物中心限月12月限は、前営業日比25銭安の134円45銭と反落して取引を終えた。日銀の利上げ継続や財政拡張に対する警戒感が重しだった。新発10年国債利回り(長期金利)は同3.5ベーシスポイント(bp)上昇の1.890%と、2008年6月以来17年半ぶりの高水準を更新した。』(上記URL先より、以下同様)

まあ冷静に考えてみたら1995年の途中から政策金利0.5%以下だったんですから、17年半ぶりの高水準って言いましてもそりゃそうだとしか言いようが無いのですけれども、まあインパクトはありますわな。

ただまあゆうて、

『現物市場では10年物以外の新発国債利回りも総じて上昇。「あすの30年利付国債入札に対する警戒感が長期・超長期ゾーンを圧迫した」(稲留氏)ことから、イールドカーブはベアスティープ化した。』

てな訳で今日は30年新発の入札があるから毎度おなじみの入札前調整の面はあるにしましても、

『2年債は前営業日比1.0bp上昇の1.015%、5年債は同2.0bp上昇の1.385%と、10年債と同様に17年半ぶり高水準を更新した。20年債は同3.5bp上昇の2.910%と、26年半ぶり高水準を更新。30年債は一時同5.0bp上昇の3.425%と過去最高水準を更新した。40年債は同5.5bp上昇の3.740%。』

『TRADEWEB 
     OFFER  BID   前日比  時間
2年   1.007  1.016   0.005  15:00
5年   1.379  1.385   0.017  15:03
10年  1.888  1.893   0.035  15:03
20年  2.908  2.918   0.036  15:09
30年  3.413  3.424   0.045  15:08
40年  3.736  3.745   0.052  15:11』

ってことで、利上げとか言ってる割にはフラットしないでスティープしていますが、単に30年国債入札の前の日だからスティープしただけ、とかいうしょうもない理由だけのような気がだいぶしますけれども、まあ一応真面目に解釈すれば、物価目標達成に向けて政策金利上げていく、っていうんだったら0.75%に利上げして一発でおしまいという訳ではないわけで、まだまだ利上げ最終局面ではない、という発想に立てば、本来利上げ最終局面に来るからこそのフラットニングというのも今しばらくお時間を要します、というはなしになるんですかねえ、知らんけど。


〇ここで短国とかGCのレートも確認しておきましょう

なお水曜の短国ちゃんの気配は殆ど引け変わらずだった(3Mまでの所で言えば月曜の時点で一旦の引値修正が終って火曜も3Mくらいまでは引け変わらずでしたけど)のですが、久々にGCちゃんを確認しますとですね、

https://www.jsda.or.jp/shiryoshitsu/toukei/trr/index.html
東京レポ・レート

         O/N T/N  1w  2w  3w  1m  3m  6m  1y
2025/11/25 0.498 0.502 0.495 0.494 0.494 0.497 0.583 0.642 0.745
2025/11/26 0.501 0.502 0.496 0.495 0.495 0.497 0.588 0.645 0.746
2025/11/27 0.500 0.495 0.494 0.494 0.494 0.501 0.594 0.646 0.747
2025/11/28 0.498 0.500 0.495 0.495 0.495 0.507 0.598 0.646 0.747
2025/12/1  0.501 0.501 0.496 0.496 0.497 0.523 0.614 0.657 0.750
2025/12/2  0.500 0.501 0.496 0.496 0.505 0.543 0.639 0.673 0.754
2025/12/3  0.499 0.501 0.496 0.496 0.509 0.562 0.646 0.684 0.760

って感じでして、GCトモネって最近は付利よりも若干高くなったりもするのねという風情ではありますが、そこはさておきまして、1mとか3mとか利上げタイミングによって大いに影響がある部分の金利はさすがにここもと上昇しておられる次第でありまして、植田さんの決め打ち砲が出たのが1日の午前中でしたので、きっちりと1日のリファレンスレートから上昇している格好ではありますわな。

・・・・ただですな、GCの長い方はそこまで修正したわけでもない、といってもGCの長い所とかになるとそもそもそんなに盛大に取引されるものではないので短国アウトライトの方にサヤ寄せされてしまっている面もあろうかと思いますのでそのあたりは割り引いて考えないといけませんけれども、6mとか1yとかはそこまで上がらずの巻となっている訳でして、つまりは「その先」の利上げに対する織り込みはまだまだ進んできている訳でもない、という解釈を勝手にしておこうかと思います。実際のところは良くわからんのだが。

https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html

(12/3引値)
(3M近辺)
国庫短期証券1346 2026/03/02 平均値単利 0.560
国庫短期証券1347 2026/03/09 平均値単利 0.584
国庫短期証券1348 2026/03/16 平均値単利 0.620(新発WI)
(6M近辺)
国庫短期証券1342 2026/05/11 平均値単利 0.620
国庫短期証券1307 2026/05/20 平均値単利 0.650
国庫短期証券1349 2026/06/10 平均値単利 0.670(新発WI)
(1Y近辺)
国庫短期証券1338 2026/10/20 平均値単利 0.750
国庫短期証券1345 2026/11/20 平均値単利 0.755

(12/2引値)
(3M近辺)
国庫短期証券1346 2026/03/02 平均値単利 0.560
国庫短期証券1347 2026/03/09 平均値単利 0.580
国庫短期証券1348 2026/03/16 平均値単利 0.620(新発WI)
(6M近辺)
国庫短期証券1342 2026/05/11 平均値単利 0.620
国庫短期証券1307 2026/05/20 平均値単利 0.650
国庫短期証券1349 2026/06/10 平均値単利 0.670 (新発WI)
(1Y近辺)
国庫短期証券1338 2026/10/20 平均値単利 0.750
国庫短期証券1345 2026/11/20 平均値単利 0.755

(12/1引値)
(3M近辺)
国庫短期証券1346 2026/03/02 平均値単利 0.560
国庫短期証券1347 2026/03/09 平均値単利 0.580
国庫短期証券1348 2026/03/16 平均値単利 0.620(新発WI)
(6M近辺)
国庫短期証券1342 2026/05/11 平均値単利 0.660
国庫短期証券1307 2026/05/20 平均値単利 0.660
(1Y近辺)
国庫短期証券1338 2026/10/20 平均値単利 0.755
国庫短期証券1345 2026/11/20 平均値単利 0.760

ちょっと長くなってしまいましたが、まあだいたいここもとの推移ですと、植田予告ホームランで影響されたのはもともと0.75%への織り込みがあんまり進んでいなかった3Mとか6M(3Mは先週金曜の新発までは「あんまり」どころか「全然織り込んでいない」レートになっていましたが)とかで、1年ってあんまり影響ない(11/28の引値も1年近辺は1338は0.74%で1345が0.75%だったので1毛くらいは動いたがまあそんなもんしか動いてない)という結果になっておりますわな。

実際問題としては先週金曜の3Mにみられますように、短国って基本的に入札の時じゃないとまとまった集玉が難しいので、つまりは入札の時にならないと水準訂正をしない、という部分もあろうかとは存じますので、短国界隈が1ミリも「0.75%の次」を意識していないという事もないとは思うのですが、ただまあ気配に見える感じですと1%への利上げに関してはとりあえず「そんな先まで考えるほどではない」という評価になっている、ということをメモっておこうかという話でした。


〇レーン専務理事発言(これまた備忘メモですが)

渾身知恵のかたまりみたいな風格を示していますよね毎度思うんですが
https://jp.reuters.com/markets/japan/JUKDUYCWFVIDVGWFO2S26VMBEA-2025-12-03/
ECBレーン専務理事、インフレ低下予想に疑問 最近の上振れを指摘
ロイター編集
2025年12月4日午前 2:00 GMT+9

『[フランクフルト 3日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のチーフエコノミストであるレーン専務理事は3日、ユーロ圏のインフレ率が最近「上振れサプライズ」を見せており、来年初めのインフレ低下というECBの予想に疑問が生じていると述べた。

ユーロ圏20カ国のインフレ率は今年大半、ECBの目標である2%付近で推移していたが、過去数カ月間の物価上昇率の一部は予想を上回った。』(上記URL先より、以下同様)

ということですが、

『レーン氏は「エネルギー価格の低下により、特に来年最初の数カ月はインフレ率が目標を下回るという明確な予測を立てていました。しかし、実際には一部のデータは逆方向に動いている。こうした動きが予測修正の要因となる」と述べた。その上で、「短期的な逸脱が一時的であることが確実視されている状況には対応すべきではない」という見解を繰り返した。』

まあ記事にもありますようにそもそもECBは据え置き予想ではあるのですが、こういう「予測が一方方向に外れ続ける」という場合って言うのは、何らかの政治的事情に忖度して鉛筆を舐めているのでなければ、今回しているマクロ経済などの想定モデルの前提条件に変化が生じている可能性というのを真っ先に疑ってかかるべき、というのが鉄則だと思いますので、今回の据え置きはさておきましても、経済予測の前提になっている構造要因の変化、要するにインフレになりやすい構造の発生、というのが欧州で発生している可能性ってのも(壮大な話をすれば)無くはない、となりますとそれこそ米国もそうなんですけど、やっぱり「隙あらばゼロインフレ」の時代ではなくなったという話で、未だにデフレ脳なハトハトチキン音頭を日本も踊っている場合じゃないようにも思えました、と我田引水のメモでした。


でもって3日はレーンさん、講演をやっているので記事はこの講演の話だと思うのですが、講演自体は結構壮大な話をしていますので、余裕が有ったら読みたいと申しますか、たぶん再来週の中銀ウィークを前に日銀もFEDもECBも今回は結果が見え見え(日銀利上げ、FED利下げ、ECB据え置き)で決定会合の前になるとネタ切れの悪寒しかしないのでその時に投下出来たら投下できるように準備できればとは思いますけれども月末月初進行のあとは年末進行なのが何んともかんとも。

https://www.ecb.europa.eu/press/key/date/2025/html/ecb.sp251203~0aa6ff1366.en.html
Inflation deviations and monetary policy

Keynote speech by Philip R. Lane, Member of the Executive Board of the ECB, at the 15th workshop on exchange rates, co-organised by Banka Slovenije with the Banca d’Italia, the Bank for International Settlements, the European Central Bank and the Nationale Bank van Belgie/Banque Nationale de Belgique

Ljubljana, 3 December 2025









2025/12/03

お題「名古屋講演での記者会見はもはや12月利上げ確定でその先に関する質疑も」

しかしまあ何ですな
https://www.bloomberg.co.jp/quote/JPY:CUR
米ドル/円JPY:CUR
155.83JPY
(これは今朝取った数字ですリンク先はリアタイで変わります)

日銀様が利上げするってゆうとるのに結局碌すっぽ円高に行かないということで、円高恐怖症のハトハトチキン先生はニッコリかも知れないけど、円安是正にならんとなるとこれ利上げしてもまた利上げに追い込まれるパティーンでワシとしてはオモロイのだが世の中的にはオモンナイ展開になりかねませんねえ・・・・・

まあ12月利上げは左門豊作の予告ホームランってなもんですのでそれはそれとしまして、こうなってくると「利上げの理屈構成」と「植田さんの説明」がどうなるのか、ということと、それを受けた為替ちゃんが一番楽しみになってきましたな、ってな認識ですバイ星クン(左門豊作風に)


〇名古屋講演での総裁記者会見ですが12月利上げ前提で問題は「その先」がどうなるかだと思いますけど・・・・

https://www.boj.or.jp/about/press/kaiken_2025/kk251202a.pdf
総裁記者会見
――2025年12月1日(月)午後2時から約30分
於 名古屋市


・円安が利上げに繋がるのかどうか

2ページ目のケツまで飛びますとそういう質問が出てきますが、

『(問)私から二点ございます。本日講演でですね、12 月の決定会合において、利上げの是非について、適切に判断していきたいという趣旨のご発言があったと思います。これに関連して、まず一つがですね、足元の為替状況ですね、その円安が様々な経路を通じて物価を押し上げやすくなっているというご説明を、本日であったり国会の場でも総裁はされていると思います。足元の円安基調は利上げを早めに実施した方がいいと考える動機になっているとお考えでしょうか。(後半割愛)』

ド直球質問キタコレですが、

『(答)まず、為替の物価、金融政策への影響でございますけれども、午前中の講演でも申し上げた通り、為替レートは円安に進みますと、輸入物価の上昇、それが国内価格に転嫁されるということから、もちろん物価押し上げ要因になります。更に、企業の価格・賃金設定行動が積極化するもとで、その価格の反応が大きくなっている面、あるいはその可能性に注意が必要だとは考えています。また、予想物価上昇率への影響を通じて、場合によっては基調的物価上昇率に影響する可能性にも注意が必要だと思います。しっかりみていきたいと思っております。(後半割愛)』

ってエライ勢いで円安がアクチュアルの物価、基調物価の押上げ要因になりますよと思いっきり明言している訳でして、ここで前回MPM後の総裁会見での為替の質疑を確認してみましょう。

10月30日金融政策決定会合後の植田総裁記者会見
https://www.boj.or.jp/about/press/kaiken_2025/kk251031a.pdf

9ページにあるんですけどね。

『(問)二点お願いします。為替についてなんですけれども、もちろん水準についてはコメントは差し控えるということだと思うんですけれども、今円安が進んで、足元円安が進んできていて、これが経済・物価にどのような影響を与えるかということについて一点お願いします。(後半割愛)』

『(答)最初は為替レートですね。これは短期的な動向についてコメントしないということですし、ファンダメンタルズに沿って安定的に推移することが望ましいということですけれども、変動の経済・物価への影響という点では、これも抽象的な言い方になりますけれども、為替変動のもとになった要因も含めて、経済・物価への影響を精査していきたいというふうに常に考えています。(後半割愛)』

(この質疑の引用は直上URL先の10/30総裁記者会見のものになります)

・・・・・・ということでですね、そりゃまあ水準が変わったというのもあるって理屈はあるとは思いますけれども、10月末時点でのフニャっとした一般論に対して何ですか今回の威勢の良い説明は、ということになる訳ですな。まあこれは結局のところ「過度な円安イクナイ」だし、一方で足元では財政を拡張しながら財政規律を緩めようという話を政権の方がぶっこんでいるんですから、そりゃ円安に振れやすいわけでして、その部分を金融政策でカバーできるかどうかは兎も角、従来のような「ビハインドではありません」とか寝言言って円安を加速させるようなことは言えません、って話にやっとなったかってなもんですな。

でまあ今回利上げしたものの、政権のブレーン(笑)が馬鹿のホームラン王みたいな与太発言を連発してまたぞろ高市政権の経済政策は円安上等、って言われようになってきて円安に振れたらこの理屈だと追加利上げもそんなに遅くないし、なんでしたら皆さんすっかりその点忘れているんじゃないかという話ですが、12月と1月って単体で見たらそのタイミングどっちでもよかっぺという話ではあるのですけれども、12月に利上げすると次ってその気になれば4月展望で行ける(1月展望を挟むので一応展望レポート2回分検討した結果、と言える)のでして、「その次」のこと考えると12月と1月ってそれなりに意味合いが違ってくるんですよね、という話は多分ポジション持っている市場の中の人は意識していると思うのですが、なんせポンコツ何とかストの皆さんが次は1年先とか言うもんだから「その次」の事を考えたタイミング選定という話がイマイチ盛り上がらんですな、とも思います。まあアタクシの願望全部乗せの妄想ですがなと言われてしまえばぐうの音も出ませんがwww


・ビハインドに関して

『(問)(前半割愛)あともう一点伺いたいんですけれども、政策調整なんですけれども、こちらの早過ぎるリスクと後手に回るリスクの双方があるかと思います。総裁はこれまで後手に回る、いわゆるビハインド・ザ・カーブに陥るリスクが小さいというご見解を示されていたかと思いますけれども、現時点におきましてはその政策調整早過ぎるリスクと後手に回るリスク、どちらの方により警戒が必要だというふうにお考えでいらっしゃいますでしょうか。』

講演の方でもこのトーンが変わっていたわけですが、ご案内の通りで

『(答)(前半割愛)それから、早過ぎる金利の調整、遅過ぎる金利の調整ということでございますけれども、これは一般論でしかお答えできないと思いますが、要するにどういう観点から早過ぎるか遅過ぎるかということで申し上げれば、基調的物価上昇率の 2%、あるいは持続的・安定的な 2%の物価目標の達成をスムーズに行う、スムーズに物価目標に達成するためにはどういう政策金利のパスが適切かという観点から判断するということでございます。』

この答弁、「これは一般論でしかお答えできないと思いますが」ってのが「えええええええ」という所でして、それすなわち同様に10月会合後の総裁記者会見では・・・・・


(以下10/30総裁記者会見より)

2p以下の
『(問)二問質問させて頂きます。(途中割愛)この際、物価上昇が続く中、ビハインド・ザ・カーブに陥る懸念はないかも併せてお伺い致します。(以下割愛)』

に対して(これは幹事社質問)

『(答)まず最初のご質問からですが、(途中割愛)わが国の消費者物価ですが、これまでのところ、食料品価格上昇の影響が減衰していく一方、基調的な物価上昇率が緩やかに上昇するという中心的な見通しに沿って推移しており、現状はビハインド・ザ・カーブに陥る懸念が高まっているとは認識していません。引き続き、基調的な物価の動きに加え、食料品価格の上昇が長期化し、物価全般の上振れ・下振れにつながるリスクが顕現化することがないかどうか、といった点を点検していきます。(以下割愛)』

だったし、その後にも念押し質問があって、5pになりますが、

『(問)二番目がちょっと関連するんですけれども、ビハインド・ザ・カーブに陥るリスクは今のところ大きくないということで、次の利上げは急ぐ必要がない、ゆっくり判断できるというご認識でよろしいでしょうか。』

に対しても、

『(答)ビハインド・ザ・カーブに陥るリスクがある、それに近いことをおっしゃってたのは反対された一人の委員でございますが、これも主な意見で詳しくご覧頂きたいと思いますが、強くそういうことを主張される意見があったというわけではございません。ただ、見通しの確度が上がってきている中で、もう少しデータ等の確認をしたうえでどうなるかということは、予断を持たずにデータをみていきたいというところでございます。』

(以上の引用部分は10/30総裁記者会見より)

ということで、実質この1か月の間に何でこんなにトーンチェンジしているんですか不思議でちゅねえ(鼻ホジホジ)ってなもんでございまして、結局為替円安かよってなもんでございますな、南無三。


・利上げのメリットを丁寧に説明するという従来滅多にでてこなかったムーブキタコレ

今回はまあ聞く方も12月利上げ予告ホームランな講演を受けてホームランをかっ飛ばす前提の質問をしておった訳ですが、こんなのがありましたわな。

『(問)(前半割愛)二点目は、このところの物価上昇が、需要の強さというよりも、供給制約のコストプッシュが主因だとすると、供給力を高めるために政府は積極財政をし、中央銀行は政策金利を上げない方がいいという指摘もあると思います。総裁は、この供給制約経済においての金融政策のあり方、もしくはその息の長い成長を軌道に乗せるために必要と今日おっしゃってましたが、そういった考え方についてちょっと教えて頂けるとありがたいです。』

供給力高めるためなら積極財政よりも構造改革じゃないのという気はしますがそれはさておきまして、この質問に対する回答がクッソ丁寧なのが結構ワロタところでして、仕込みなんじゃないかという位の立て板に水(なのかはちゃんと見てなかったから覚えてないけど)の風情なのが味わいがありますよね。

クッソ長いんですけど、

『(答)(前半割愛)それから、現時点での政府の総合経済対策、あるいは財政政策と私どもの政策とのミックスのようなところについてどういうふうに考えるかというご質問だったと思いますけれども、まず、そもそも私どもの政策は、消費者物価上昇率、現状 3%前後ですけれども、そこから一時的な動きを除いた、私どもとしては基調というふうに呼んでいますが、そこの動きを良くみて、それが 2%にうまく着地していくかどうかという観点から調整しているものでございます。』

というお気持ち物価を軸に行うといういつもの屁理屈を出しながら、

『そのうえで、現在のポリシーミックスの状況ということに関する考え方ですけれども、政府の方はもちろん責任ある積極財政、それから私どもの方はさっきのような意味で基調的な物価に着目しつつ、適宜、緩和的な金融環境の緩和度合いを調整していくという金融政策、そういうミックスになっているかと思います。』

ほう。

『後者に念のため付け加えれば、午前中も申し上げましたけれども、ブレーキを踏んでいるというよりは、まだ緩和的な状況にありますので、ある種、アクセルを踏んだ状態だけれどもアクセルの踏み方を調整しているという程度のものというふうにお考え頂ければと思います。』

これ官邸向けには「緩和の調整」ってのを強調する必要があるんですけど、ゆうて「緩和」をあまり前面に出してしまうと為替市場ちゃんの方が円高に振れてくれない、というデメリットがあるのが痛しかゆし。

『そういうミックスを実行していくことによって、おっしゃったように、一方でスムーズな物価安定の姿に着地することができる、それをある意味土台として、政府の政策の効果も強く息の長いものになる、経済成長等への効果ですね、というものであるというふうに思っております。』

でもってこの次の部分も中々でして、

『緩和度合いの調整が、場合によって遅れたりしますと、例えば、アメリカ、ヨーロッパ等で経験しましたように非常に高いインフレ率になって、政策金利が 4、5%にはならないといけないというような調整の可能性が出てきますので、それは混乱を引き起こしてしまう。そうならないことによって、息の長い経済成長が達成できる、そういうものであるというふうに考えております。』

この「インフレが大きく上振れする」という話って従来は、もちろんそういうニュアンスでの説明はしているのですが、このような直接的な言い方をして「インフレ上振れのリスク」というのを前面に出したことはない(あったとしてもかなり稀だったと思うの)のでして、ここら辺の利上げした時に繰り出す理屈の中でも結構強い事を今回言ってる感じなんですよね。

まあ例によって例の如く単純に12月利上げをするための予告ホームランだから威勢の良い事を言っているだけ、なのかもしれませんけれども、ただまあこんかいの説明が従来、例えば直近10月末の説明と比較しただけでも結構「先の先」まで考えた利上げ理屈になってきている、という点は見逃せないと思いますので、植田さんが相変わらずのハトハトチキンさんのままで12月会合後の説明で台無し(次の話や次の次の話を全然しないで、という意味ね)にするリスクはオオアリクイだと思いますけれども、ただ大本営の想定問答(でしょこれどうせ)ベースで見た場合、昨日ネタにしました「急に取り出した物価に関するグラフを使った「構造的に2%達成じゃワレ」宣言」も含めて考えますと、結構根本的な部分でジャガーチェンジしている可能性というのはあるんじゃないですか、って思う訳ですよアタシャ。まあ同意いただくかどうかは皆様次第ですが。


・自然利子率に関しては植田さんが喋りたがりますけどまあ喋らん方が良いと思うんですよね

自然利子率に関する質疑もありました。

『(問)今の金利水準は、自然利子率あるいは中立的な金利よりは、まだきわめて低い水準なのではないかという市場の見方があります。遅過ぎず早過ぎず利上げをしていくということは、すなわち今回仮に近い将来 0.75%まで政策金利を引き上げても、その先にも何度か利上げがあるのではっていうのが今の市場の見方だと思います。』

この質問した方は「次」あるいは「次の次」の話をしておるので良い質問ですよね。

『今後どういうペースで利上げしていくかなかなか判断難しいと思うんですけれども、総裁のお考えでは、まだ今の政策金利ってのは中立的な水準からは相当距離があるというふうにお考えでしょうか。』

これに対して植田総裁ですけれども、

『(答)現在の金利水準は、基本的には中立金利より低いというふうに考えています。ただ、どれくらい距離があるのかという点に関しては、最近のMPMの会見の中でお答えしたのと同じ答えになりますけれども、次回利上げをすることがあれば、そのときにその時点での考えをもう少しはっきりと明示させて頂ければと思います。』

って言ってるんだが、本来は抜刀斎が言うように自然利子率がそれなりの水準のマイナス、って経済はどっからどうみたって尋常な経済の状態じゃない訳でして、2%物価目標達成しているという経済状態になっているならば、そりゃ自然利子率はプラスのどこかにおるじゃろ、ってな話になるはずなので、その意味から言ったって次回の利上げのタイミングで自然利子率に言及したら後で自分の首絞めるだけだから言わない方が良いと思うんですよね。

曖昧戦術とるんだったらせめて「基調物価」の方で勝負しないと、って思いますのでこの部分は今後のコミュニケーションの中で懸念されるところですね。


というのがまあ今回の会見での「予告ホームランの先にあること」のネタになろうかと思います。

そのほかとしては12月予告ホームランですが何で12月で行けるんですか質問で、これはこれでおもろい質問があったのでそこを引用しますと、


・昨年12月は「賃金を見て行きたい春闘を見たい」と言って1月利上げ観測も叩き潰してしまったのになぜ今回は・・・・

イイシツモンダナーってなもんですが(^^)。5pになります。

『(問)去年の 12 月の金融政策決定会合の際には、そのタイミングだと春闘の見通しについてあまり情報がないという話を当時はされていて、利上げを見送ったと思います。』

これは実にいい指摘であります(褒めてる)。

『ただ昨年の状況と比べると物価安定の目標への距離は今近づいていると思いますし、本日の講演ではその賃上げの原資となる企業収益について高い水準が維持されるだろうというお話をされていました。昨年のこの時期よりも、その春闘での高い賃上げの継続について現在自信を持っていらっしゃるのか、そして去年よりもその判断を早くできるということなのか、ちょっとそこをまずお聞かせください。(後半割愛)』

まあ当然これには想定問答用意されているでしょうが、さて何と答えたかと言いますと・・・・・

『(答)まず去年の今頃と比べて何がどう違うのかというご質問だと思いますけれども、ちょっと直ちに去年の今頃の自分の心理状態を正確に思い出せないのですが、一般的な表現で申し上げれば、様々な不確実性を抱える中で、それを総合的に精査するとどういうことになるかということを考えていて、結果的に 1 月の利上げになったということだと思います。』

これ「心理状態」とかポロっと言ってしまうのが植田さんのチャーミングなところでして、つまりは「お気持ち」が問題になっているというのが良くわかって「この正直者!」と半畳を飛ばしたくなりますねw

『現状は様々な不確実性が依然としてあるわけですが、その中でも特に重視していた二番目にご質問されたアメリカの関税政策もあり、あるいはアメリカ経済に関する不確実性が数か月前よりは、残存しているけれども低下したという状態にある。』

『そういう中で先ほどのご質問とも重なりますが、残った中で大事なポイントとして、来年春闘の賃金の動向がクローズアップされているという状況であって、従ってそこに関する情報をなるべく精力的に集めて判断しようという状況でございます。(後半割愛)』

まあ全然言い訳になっていませんが、以下量もアレですし時間もアレなので割愛しますけど、この間に「12月会合に向けて賃金設定動向の状況を一生懸命集めています」ってのをクッソ丁寧に説明していて、12月予告ホームランの念押しをしております。昨年との違いって結局何なのかは分からずじまいですけどねwwwwwwwww

ということで今朝はこの辺で勘弁。








2025/12/02

お題「植田総裁予告ホームランだし「その先」に繋がるポイント部分もあるという名古屋講演でしたな/市場動向備忘でクリップ」

ということで皆様ご案内の通りではありますが一応確認をば(^^)

〇どう見ても予告ホームランです本当にありがとうございました

https://www.boj.or.jp/about/press/koen_2025/data/ko251201a1.pdf
最近の金融経済情勢と金融政策運営
── 名古屋での経済界代表者との懇談における挨拶 ──
日本銀行総裁 植田 和男

・「全員公開の場」での予告ホームランだったのは「お漏らし」よりは筋が相当よろしいがな

今回の講演、長さもそんなに長くない中でがっつりと予告ホームランっぽい話をしているのですが、ああでもないこうでもないと言わないでぶっこんでくることそのものが予告ホームランな訳でして、これで12月利上げしなかったらお前ら全員磔刑もんじゃろってな内容に仕上がっています。

まあ何ですな、ほぼ3週間前なのでエライ勝負掛けてきましたなとは思いますけれども、とは言いましても今回は総裁講演というちゃとした表の場で予告ホームラン打ってきたのは(別にワシ予告ホームラン打つべきとは思わないけれども若し予告ホームランしたいのであれば)まあ評価する所でありまして、なんか金曜の引け後になってどこかのベンダーから変なお漏らし記事が出てきて急に地均しのようなものがおっぱじまるのと比較したら、ちゃんとした公開の平場で予告ホームラン打ってもらう方が透明性とか公平性の面から断然良い話(しつこいですが予告ホームランする必要があるのか否かの問題は別に存在するのでお忘れなきよう)なので、まあその意味では今回の総裁講演で予告ホームランをぶっこんできたのはベストとは全然思わないけれども、しょうもないお漏らし報道からスタートするよりは筋の良い話だったと思います。

ではご案内かとは思いますがこちらの駄文は備忘も兼ねていますから確認確認。


・今までは「これから関税の影響が出て悪くなるに違いない」だったのですが・・・・・・・

『2.経済・物価情勢』の『(1)海外経済』ですが、

『図表1をご覧ください。IMFによる 2025 年の世界経済見通しは、本年4月に、米国の関税政策の影響を織り込む形で2%台後半まで引き下げられましたが、その後は上方修正が続き、直近 10 月の見通しでは、25 年、26 年ともに3%台の成長を維持することが見込まれています。このように、ひと頃、世界経済の大きな下押し要因と考えられていた関税政策の影響は、これまでのところ、さほど顕在化していません。』

という認識は従来通りで、

『その背景として、大きく3つの点を指摘できます。第一に、本年夏場以降、多くの国や地域において、米国との通商交渉が合意に至り、先行きを巡る不確実性が低下したことです。第二に、後ほど述べるように、米国内において、関税コストの販売価格への転嫁が緩やかなものに止まっており、米国の個人消費が当初懸念されていたほど下押しされていないことがあります。第三に、AI関連を中心とする世界的なデジタル分野への投資拡大や、コロナ禍で販売が急増したパソコン、スマホの買替需要の高まりなどが、各国の貿易や生産活動を下支えしていることです。』

という背景認識も従来通り。でもって見通しですが、

『先行きを展望すると、関税政策の影響を受けて海外経済はいったん減速するとの見方に変わりはありませんが、その後は緩やかな成長経路に復していくと予想しています。こうした見通しが実現するかどうかは、世界経済を牽引する、米国の動向が重要なカギを握っています。』

となっているのですが、この次の部分がポイントでして、

『図表2をご覧ください。左グラフの米国の設備投資をみると、AI関連需要の拡大を背景に、このところ、大手ハイテク企業による投資が大幅に増加しています。中央のグラフをご覧ください。先ほど述べたとおり、関税賦課の負担が物価の上昇という形で消費者に転嫁されるペースは、これまでのところ、緩やかなものに止まっています。これに、最近の株高による資産効果も加わり、米国の個人消費は堅調に推移しています。もっとも、これは、米国の企業部門が、消費者に代わり、関税のコスト負担を相当程度引き受けていることを意味しています。この点に関し、右のグラフからは、雇用者数の増加ペースが、足もと鈍化していることがわかります。厳格な移民政策の影響を含め、その背景は複雑ですが、関税政策による企業収益の下押しが、労働市場の動向に及ぼす影響についても注意してみていきたいと思います。』

『このほか、AI関連需要の今後の展開やプライベート・クレジット市場の動向など、米国経済について留意すべき点は少なくありませんが、足もとまでの動きを踏まえると、経済全体の下振れリスクはひと頃より低下していると考えられます。先月半ばに政府機関閉鎖が終了したことも、不確実性の低下につながるものと考えています。』

という説明になっていますが、これまでの日銀というかハトハトチキン音頭では必ずと言っていいほど、「関税の影響は当初想定よりも時間を掛けてゆっくりと出てきているので、これから悪影響が出てくるんですだから先行き警戒ですよ」って説明をしていたのですが、まあ今回見事なまでにその部分をバッサリと削除している訳でして、お前ら今まで言ってたのは何だったのか、という話になる訳でして、相変わらずの勝手にジャガーチェンジコミュニケーションには困ったもんですが、まあこのようにジャガーチェンジしたということはすなわち利上げということですわな、となるわけで初手の段階でまあこれは予告モードですわとなる次第。


・国内経済情勢の見通しに関しても同様

『(2)わが国の経済・物価情勢』に入りますが、『(経済の現状と先行き)』の先行きの部分に関しても然りでありまして、

『経済の先行きを展望すると、先ほど申し上げたとおり、7〜9月期のマイナス成長は一時的で、今後はプラス成長に復していくとみています。当面は、各国の通商政策等の影響を受けて海外経済が減速するもとで、わが国経済の成長ペースは伸び悩むと考えられますが、その後は、海外経済が緩やかな成長経路に復していくもとで、わが国経済も成長率を高めていくと見込んでいます。』

という展望レポートの見通しを示しながらも「直近のマイナス成長は一時的」とうのをご丁寧に入れた上で、

『こうした中心的な見通しに対するリスクとして、10 月末に私どもが取り纏めた「展望レポート」では、海外の経済・物価動向や輸入物価の変動など、様々な要因を指摘しています。もっとも、ここ数か月の最大の懸念事項であった関税政策については、先ほど述べたように、米国内でその悪影響がさほど顕在化しておらず、また、国内でも、企業収益に与える影響が限定的との見方が増えつつあるなど、先行きの不透明感は次第に薄れてきているように思います。』

まあ結局ここも米国ガーになるのですが、ついこの前までは「米国がこれから関税の悪影響で悪化するに違いないからハトハトチキンだぜコケコッコー」とやっていたのに、急に(先ほどの海外経済と同様に)それを言わなくなる、という毎度おなじみのご都合主義にも程がある説明ではありますが、突如これを抜いておりますのでこちらでも予告ホームランな訳ですし、


・物価のところでは6月の内外情勢調査会で言及してなかった物件が登場して構造変化を説く植田総裁

『(物価の現状と先行き)』の所も中々ワロタのですが、

『続いて、物価情勢に話を進めます。』

ということで話がおっぱじまるのですが、読んでてワロタのはこの先の部分でして、

『この点に関し、右グラフで品目別の価格変動分布をご覧ください。』

おや???

『直近 10 月の分布は、食料品をはじめ、5%以上の上昇を続ける品目数の多さから、右の裾野が厚めとなっていますが、輸入物価上昇の影響が大きかった2023 年の分布と比較すれば、品目間のバランスははっきりと改善しています。その結果、わが国がデフレに陥る以前、年平均で2%程度の物価上昇率を実現していた 1990 年代前半の分布に近い姿となりつつあります。』

>年平均で2%程度の物価上昇率を実現していた 1990 年代前半の分布に近い姿となりつつあります
>年平均で2%程度の物価上昇率を実現していた 1990 年代前半の分布に近い姿となりつつあります
>年平均で2%程度の物価上昇率を実現していた 1990 年代前半の分布に近い姿となりつつあります

これは物価2%安定目標の達成がかなり近い!って言ってるのに等しいので、12月利上げ予告ホームランのみならず、今後物価目標が達成して政策金利が中立金利に近い水準まで上げていく、という正常化路線に入りますよ、という事も示唆しているという意味で重要なポイントになるのですよ。

・・・・・でまあそれはそれでいいんですけど、この図表7(PDFの14枚目)の右側「品目別の価格変動分布」のグラフを見ますと、凡例を見ればおわかりのように出している数字が「2025/10月」「2023/6月」「1992/1月」とかいうものすごいタイムリープをした凡例しかだしていなくて、実際問題としてじゃあお前らここ1年はどういう推移してたんだよこの数値、ってお話になるわけでして、こんなの弘法大師の池じゃあるまいし、一晩で急にこういう分布になっている訳はないんだから、この図表を出すのを満を持していて、説明で必要になるタイミングまで温存していました、ってのが見え見えな訳ですよ。

何故ならば、今年6月頭の内外情勢調査会における植田総裁のハトハト講演(https://www.boj.or.jp/about/press/koen_2025/ko250603a.htm)における物価の図表(https://www.boj.or.jp/about/press/koen_2025/data/ko250603a2.pdf)ってこの図表パートのPDFの6枚目になるのですが、さっきの「品目別価格変動分布」なんて一ミリもだしていない訳でして、こんなん「自分の説明に都合が良くなったので今まで満を持して出していなかったものを登場させました」ってなもんじゃろというお話な訳ですな。

とまあそういうことで、相変わらず悪態は申し上げるのですが、まあこのような図表が唐突に登場してくる(ちなみに他の人が時々この品目別の話とか、サービス価格の話とかを出してくるケースが無かったわけでは無いので念のため申し添えます)というのは、これは12月利上げの予告ホームランのみならず、今後もそれなりのペースでの利上げを継続していきまっせ、という話だし、何なら円安加速とかしたら利上げが前倒しになる可能性だってアリエール(なにせ物価構造が2%時代に似てきているんですから)という話にもなるので、この部分のメッセージもダイジダイジネーと思う訳ですよ、アタクシがそう思っているだけかもしれませんけれども。

でまあ先行きの話はいつも通り(もともとドメ要因だけで見れば物価の見通しは確りしているので今回特にそこでのジャガーチェンジは見られないと思うの)なので割愛しまして金融政策に参りますね。


・金融政策運営はご案内の通りで予告ホームランだし何ならこれ高市さんをこれで説明したんじゃろとオモタです

まずは「今後の利上げは「緩和の調整」です」と説明します。

『続いて、金融政策運営についてお話しします。日本銀行としては、これまでご説明したような経済・物価の見通しが実現していくとすれば、経済・物価情勢の改善に応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和度合いを調整していくことになると考えています。』

この背景説明をご丁寧に実施する次第でして、

『こうした方針の前提として、図表8にありますように、現在の実質金利、すなわち名目の政策金利から物価上昇率を差し引いた金利は、きわめて低い水準にあり、経済・物価に対して中立的な実質金利──経済学の世界では「自然利子率」と呼ばれています──を大きく下回っているとの認識があります。つまり、政策金利を引き上げるといっても、緩和的な金融環境の中での調整であり、例えて言えば、景気にブレーキをかけるものではなく、安定した経済・物価の実現に向けて、アクセルをうまく緩めていくプロセスだと考えています。』

という説明をしているのですが、なんかこの辺りの部分って高市さん向けに植田さんが植田先生となってゼミを行った際の説明がそのまんまこれだったんじゃないかな、ってふと思いました(^^)

続きましてこのような説明が出てきますが、

『そう申し上げたうえで、日本銀行では、最近の米国経済や関税政策を巡る不確実性の低下などを踏まえると、経済・物価の中心的な見通しが実現していく確度は、少しずつ高まってきていると考えています。今は、企業の積極的な賃金設定行動が継続していくかどうかを見極めていく段階にあり、特に、来年の春季労使交渉に向けた初動のモメンタムを確認していくことが重要と考えています。』

からの、

『図表9をご覧下さい。まず、前提として、左グラフの短観の雇用人員判断DIをみると、非製造業でバブル期並みの「不足」超となるなど、全体として人手不足感が強い状況が続いています。今年度の最低賃金が前年比+5%超と過去最高の伸び率になったことも、賃上げの裾野を拡げる方向で作用する可能性が高いとみられます。』

って植田さんこのまま高市さんにレクしたんじゃねえのって感じですね。

『この間、賃上げの原資となる企業収益については、先ほど述べたとおり、関税政策の影響を加味しても、全体として高い水準が維持される見通しです。こうしたなか、連合は、来年の春闘に向けた闘争方針を先週発表し、目標賃上げ率を前年と同じ「5%以上」とすることなどを掲げています。経営者側も、例えば経団連は、賃上げの「さらなる定着」という方針を強く打ち出しているほか、経済同友会が9月に実施した調査をみても、多くの先が、今年とほぼ同じかそれ以上の賃上げ率を予定しています。先週開催された政労使会議では、政府が、中小企業を含めた賃上げの環境整備に取り組むことを表明しました。』

このしつこいまでの説明な訳でして、その結論がこの予告ホームラン。

『現在、日本銀行では、12 月 18 日、19 日に予定されております次回の決定会合に向けて、本支店を通じ、企業の賃上げスタンスに関して精力的に情報収集しているところです。決定会合においては、この点を含めて、内外経済・物価情勢や金融資本市場の動向を、様々なデータや情報をもとに点検・議論し、利上げの是非について、適切に判断したいと考えています。』

どう見ても予告ホームランです本当にありがとうございました。

・・・でですね、これマジで高市さんへのレク原稿なんじゃねえのかと思ったのは更にこの次の部分に、

『振り返ってみれば、過去 10 年余りの政府、日本銀行による積極的なマクロ経済政策は、わが国経済に強力な刺激効果をもたらし、これにより、賃金と物価がともに緩やかに上昇するメカニズムが復活しました。』

ということでアベノミクスに対するヨイショ(どう考えたって人口動態とコロナショックとグローバル化の巻き戻しが切っ掛けであってアベノミクスでメカニズム復活するならもう10年前に復活してるだろという話なのでインチキにも程があるんだがこうやってアベノミクスをヨイショしておかないと高市さんが暴れだしかねませんからwww)をしている部分が有るわけでして、こんなの言う必要もないのに言ってるという辺りが、アベノミクス教の現官邸に対する配慮というかヨイショというか忖度というか、な訳でしてまあ笑いましたわwwwwww

『こうしたなか、日本銀行は、2%の「物価安定の目標」が持続的・安定的に実現する姿に着地するよう、徐々に金融緩和度合いを調整しています。遅すぎることもなく、早すぎることもなく、緩和の度合いを適切に調整していくことは、金融資本市場の安定を確保しつつ、物価安定目標をスムーズに実現するとともに、わが国経済を息の長い成長軌道に乗せるために必要であり、ひいては、これまでの政府と日本銀行の取り組みを最終的に成功させることにつながると考えています。』

政策が遅れることのリスクは大きくない、とか言ってたのにまあ何という事でしょう、って感じですね。

あと、会見に関しては今日会見録出てくると思いますが、あんまり真面目にライブみてませんでしたけれども、画像で見る感じですと今回の植田さん、いつもの総裁会見での微妙に話しにくそうな感じではなくて、なんか生き生きとしていたようにはお見受けしましたが、これがハトハトチキンが仮面だったのでその仮面の重圧が外れてニッコリしているのであれば大変結構なのですが、ただまあ植田さんの場合は根がハトハトチキンなんじゃネーノというのも怪しさがあるのでそこはあまり信用しないということで。



〇一応相場の反応ちゃんをクリップしておきます(備忘用メモです)

債券市場ちゃん
https://jp.reuters.com/markets/japan/ATIPB2OOONJ7ZJDH7KG5CDJ6RI-2025-12-01/
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は大幅続落、長期金利17年ぶり1.875% 12月日銀利上げ観測で
ロイター編集
2025年12月1日午後 6:55 GMT+9

『[東京 1日 ロイター] - <15:18> 国債先物は大幅続落、長期金利17年ぶり1.875% 12月日銀利上げ観測で

国債先物中心限月12月限は、前営業日比70銭安の134円43銭と大幅続落して取引を終えた。植田和男日銀総裁の発言を受けて12月会合での利上げ観測が一段と強まり、円債は売り圧力が強まった。新発10年国債利回り(長期金利)は同7.5ベーシスポイント(bp)上昇の1.875%と2008年6月以来の高水準を付けた。』

『国債先物は朝方から売りが先行。前週末の夜間取引の下落の流れに追随して始まった。その後、植田日銀総裁の名古屋金融経済懇談会でのあいさつ もっと見る をきっかけに、国債先物は下げ幅を拡大、現物市場では全年限で金利上昇圧力がかかった。』(上記URL先より、以下同様)

ということですが、一時超長期殆どパラレルくらいの勢いで売られていてなんということでしょうって感じでしたが、

『2年債は同3.0bp上昇の1.020%、5年債は同7.0bp上昇の1.380%と、いずれも08年6月以来の高水準を更新。20年債は同6.5bp上昇の2.890%と1999年6月以来の水準まで上昇。30年債は一時3.395%と、過去最高水準を更新した後、同5.5bp上昇の3.390%。40年債利回りは同4.5bp上昇の3.730%。』

『     OFFER  BID   前日比
2年    1.011  1.022   0.03  15:04
5年    1.373  1.379   0.064  15:15
10年   1.868  1.874   0.064  15:13
20年   2.883  2.892   0.062  15:12
30年   3.383  3.395   0.055  15:13
40年   3.714  3.727   0.039  15:13』

てな形で一応フラットはフラットなのですが、そんなにフラットニングした感じではないですしおすしというところですが、まあゆうて売るほど世の中ショートなのかというとそれは良くわからんけど、とはいっても買う方も腰は当然引けますので、入札があるとそこで水準訂正、ってのはまあしゃあないんですかねえ、今日10年入札ですが。


でもって短国ちゃんはまあ全面的に気配甘くなってはいるのですが、

https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html

金曜日はご案内の通りで新発3mが驚異の水準訂正をした(と言っても絶対水準が相変わらずですけれども)ので、3Mのカレント近辺の引けってこんな感じでしたが、

(11/28引値)
国庫短期証券1343 2026/02/16 平均値単利 0.470
国庫短期証券1344 2026/02/24 平均値単利 0.470
国庫短期証券1346 2026/03/02 平均値単利 0.490
国庫短期証券1347 2026/03/09 平均値単利 0.580


昨日の引けは

(12/1引値)
国庫短期証券1343 2026/02/16 平均値単利 0.540
国庫短期証券1344 2026/02/24 平均値単利 0.560
国庫短期証券1346 2026/03/02 平均値単利 0.560
国庫短期証券1347 2026/03/09 平均値単利 0.580

となりまして、12月利上げ予告ホームランなのですが3M新発1347回の引値は0.580%ステイでして、ただまあさすがに周辺銘柄は全部3M新発の方にサヤ寄せされるという結果になりまして、さすがに気配は甘くなったのですけれども、ゆうて3月9日償還でレート0.58%ですかそうですかってな水準なのはうーんそうなのかなーとは思ってしまいますが、まあ利上げがどうのこうのになった時に日銀当座預金ブタ積みじゃなくて国債残高維持しながら価格変動リスク下げる、ってことになったら3M新発TDBがどこからどうみても流動性高いし価格変動リスク少ないし、となるので何なら利上げ前に人気化しても不思議ではない、までアリエールですからこの辺の水準に関しては正直よー分からんというところではあります。


とまあそんな訳で本日は10年入札ですね、さてどうなるやら(皆が警戒する入札は警戒するのでまあ・・・ではあるのですがさて)







2025/12/01

お題「短国3Mが突如覚醒(か?)/野口審議委員金懇会見は挨拶対比で威勢が良いとお見受けしました」

ほほう
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-11-28/T6F65KKJH6V900
トランプ氏、移民政策を大幅強化-「第三世界諸国」からの移住恒久停止
Akriti Sharma
2025年11月28日 13:39 JST 更新日時 2025年11月28日 17:23 JST

ネイティブアメリカンからしてみりゃお前は「国内の平穏を損なう移民」の末裔に他ならないんじゃないですかねえ(鼻ホジホジ)


〇短国3Mが突如覚醒したようですが(ただし感謝祭要因はあると思います)

金曜は短国ネタどうしようかな〜と思いながらもイマイチイメージが良くわからなかった(こちとら休み明けだったのでボケているというのは言い訳でいつもボケているんですが)のでパスしたら短国ちゃんがエライことになっておりました。

金曜の3M
https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20251128.htm
国庫短期証券(第1347回)の入札結果

『本日実施した国庫短期証券(第1347回)の価格競争入札及び国債市場特別参加者・第T非価格競争入札について、下記のように募入の決定を行いました。



1.名称及び記号   国庫短期証券(第1347回)
2.発行根拠法律及びその条項
財政法(昭和22年法律第34号)第7条第1項、財政融資資金法(昭和26年法律第100号)第9条第1項並びに特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第83条第1項、第94条第2項、同条第4項、第95条第1項、第123条の18第1項、第136条第1項及び第137条第1項

3.発行日     令和7年12月1日
4.償還期限    令和8年3月9日
5.価格競争入札について
(1)応募額         8兆8,657億5,000万円
(2)募入決定額      3兆3,975億9,000万円
(3)募入最低価格     99円85銭0厘5毛
(募入最高利回り)    (0.5576%)
(4)募入最低価格における案分比率     56.9036%
(5)募入平均価格     99円86銭0厘9毛
(募入平均利回り)    (0.5187%)』

・・・・・( ゚д゚)
・・・・・(つд⊂)ゴシゴシ
・・・・・( ゚д゚;

ちょwwwwおまwwwwww0.5187/0.5576ってどんだけ流れとるんじゃという話ですが、売参ちゃんを確認しますと、カレント近辺の銘柄の引値って、

https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html

(11/27引値)
国庫短期証券1344 2026/02/24 平均値単利 0.470
国庫短期証券1346 2026/03/02 平均値単利 0.490 ←金曜入札までのカレント3M
国庫短期証券1347 2026/03/09 平均値単利 0.510 ←新発WI

だったので、1個手前の銘柄との乖離は一応階段ついてたって話なのですが、さらにWIの引けを突き抜けた平均落札な上に足切りが盛大に流れたでござるの巻となっていた上に、

(11/28引値)
国庫短期証券1344 2026/02/24 平均値単利 0.470
国庫短期証券1346 2026/03/02 平均値単利 0.490
国庫短期証券1347 2026/03/09 平均値単利 0.580

ということで、足切り水準も突き抜けた大甘レートとなって引けておりましてナンノコッチャという感じではあるのですが、ただまあ先週金曜の場合はいわゆる一つのサンクスギビングっちゅうのがあったので、とにかく短期国債というモノであればかいまっせなことも多いとされる海外の皆様が七面鳥だかなんだかでお祝いしていて不参加、という事情があったりするのかもしれませんけれども、まあ逆に言えばそういう買いがちょっと細るとレートが調整されまっせという状況を示したってえことでしょうか、知らんけど。

・・・・・とは言いましても、じゃあこの0.58ってどんな水準かと言いますと、手前の金利0.50%、後ろの金利0.75%で計算した時に1月決定会合での利上げのブレークイーブンに届いているなどということはまるでなくて、1月で切って0.687%とかいう水準なので、1月利上げ半分ちょい織り込みにやっと上昇したとかいう水準だったりします。まあ短国の場合はコールよりも恒常的に金利が低いので手前の金利が(いまだいたい年内償還の短国がその辺だと思うのですが)0.44%で置いてみると後ろの金利が0.767%になるので、まあそう考えると1月利上げをだいたい織り込んだ水準、とする方が妥当な評価に近いかもしれません。

ということは当然ながら12月利上げの織り込みは全然足りない訳で、さっきの手前0.44%理論で計算すると12月会合で切った場合の後半利回りは0.618%なんで、政策金利0.75になって足元の短国が0.6台前半はどこからどうみてもねえだろ、という話になるので12月利上げは碌に織り込んでいないという数値ではあるのですが、何せこれまでが3M(一時0.5台乗ってましたが最近は)0.5%割れ水準とかいう年末越えプレミアム(があるのかどうか知らんけど)を勘案したとしてもそれはどうなのという水準で延々と推移していたことを思いますとこれは中々の展開、ということになったのでウヒョーということで早速ネタに。

ではあるのですが、上記の引値の付き方見ればお分かりのように、新発のところだけゲロ甘になっているだけでして、既発に売りが出るような状態でもなさそうですし、水準一気に修正した場合、他の年限と違って短国ちゃんの場合は持ち切りホールディングカンパニーの方が多いので、価格下落懸念の売りではなくて、はいはい押し目買い押し目買いというのしか来ないという大変にチャーミングなマーケット(売りが出るとすれば他資産との裁定が発生するか、アロケーションの変更によって資金化されるかのどっちかしかない、というのが基本)なので、これがそのまま定着するのかどうか、は今日のハトハトチキン先生の名古屋講演で予告ホームランが来るかどうかにかなり影響されそうですわな、知らんけど。


ちなみにネタにするのさぼっておりましたが交付税特会6Mちゃんのほうですけれども、

https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/kariire/kari-result251126.htm
交付税及び譲与税配付金特別会計の借入金の入札結果(令和7年11月26日入札)

『本日、借入金の入札について、下記のように募入の決定を行いました。



1.借入根拠法律及びその条項  特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)附則第4条第1項
2.借入日   令和7年12月4日
3.償還期限  令和8年6月3日
4.償還方法  令和8年6月3日に一括償還
5.借入利率競争入札について  
(1)応募額        3兆8,500億円
(2)募入決定額     1兆3,000億円
(3)募入最高利率     0.768%
(4)募入最高利率における案分比率    38.3367%
(5)募入平均利率     0.757%』

https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/kariire/kari-result251120.htm
交付税及び譲与税配付金特別会計の借入金の入札結果(令和7年11月20日入札)

『本日、借入金の入札について、下記のように募入の決定を行いました。



1.借入根拠法律及びその条項  特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)附則第4条第1項
2.借入日    令和7年11月28日
3.償還期限   令和8年5月29日
4.償還方法   令和8年5月29日に一括償還
5.借入利率競争入札について  
(1)応募額    3兆8,364億円
(2)募入決定額     1兆3,000億円
(3)募入最高利率    0.761%
(4)募入最高利率における案分比率  2.4000%
(5)募入平均利率    0.753%』

ということで、交付税特会ちゃんの方はアタクシがのうのうと休みを取っていた時に既に利上げ全織り込みモードになってあらさられました次第でして、11月って交付税特会6Mが毎週のようにあったのでならべますと、

11/26入札:12/4-6/3 0.757%/0.768%
11/20入札:11/28-5/29 0.753%/0.761%
11/18入札:11/26-5/27 0.739%/0.752%
11/11入札:11/21-5/22 0.734%/0.745%
11/5入札:11/14-5/15 0.722%/0.733%

ということで元々レートが高めで利上げも織り込みにいっていた特会6Mですが、こっちはしっかりと金利水準上昇(と言ってもさすがに0.75%プラスアルファ水準まで上がってしまうとそこからは札が入るのかな、って感じではありますが)になっておりまして、特会これだけ織り込んでいるのに短国3Mが1ミリも織り込んでいないのはこれ何ぞと言おうかと思ってたもののパスしたらこの3M入札という辺り相変わらずのフラグ建築士っぷりで落涙を禁じ得ませんが、まあ一番ウゴカンチ会長だった短国3Mが動くというクララが立ったみたいな感動物語(大嘘)が金曜日はこっそりと展開されていましたな、というメモでした。


〇野口委員大分金懇会見より:金懇挨拶テキスト対比でエライ威勢がいいように見えますね

https://www.boj.or.jp/about/press/kaiken_2025/kk251128a.pdf
野口審議委員記者会見
――2025年11月27日(木)午後2時30分から約30分
於 大分市


・9月に真人間になったかと思ったらまたリフレ音頭を踊りだした件について

というのがそりゃ最初に聞かれるよねというところでして、

『(問)9 月の講演の中で、野口審議委員はこれまで以上に利上げの必要性、政策調整の必要性が高まっているという趣旨のご発言をされて、上振れリスクをみていかなければいけないということをおっしゃっていたと思うんですが、今日の講演に関してはそういったご発言はありませんでした。その点について何か変化があったのかっていうことをまず一点。(後半割愛)』

最初のオープニングリマークの次になる事実上の一発目の質問がこれですわ、そりゃそうだ。

『(答)まず最初のご質問についてでありますけれども、私自身の政策に対するスタンスというか考え方自体が、例えば 9 月[の札幌商工会議所における講演]時点と大きく変わったということは全くないというふうに、私自身としては認識しております。』

は??

『ただ、強調点は多少変わったかもしれませんが、それは 9 月と同じことを繰り返す必要もないのかなというところが主でありまして、基本的には 9 月時点でも同じであります。』

いやいやいやそのりくつはおかしい。

認識が変わらないんだったら同じことを繰り返して主張すべきであって、「 9 月と同じことを繰り返す必要もない」というのは情報発信としておかしいじゃろ、というお話なんですが、これ素で言ってるのかお芝居で言ってるのかはよくわからんのですが、ただまあよくよく考えてみると植田総裁も一つの事について質問された時に一生懸命に別の言い回しで説明するのが丁寧な説明と思っている節があって、それが市場を散々困らせているのですけれども、学者先生ってそういう習性(そりゃまあ教育という面では一つの事を教えるのに色々な説明を使った方が学生が理解しやすいってのはあるでしょうから・・・・)があるのかなとは思いました。

にしてもこれはナンジャソラという感じでして、

『政策調整を進めていくという基本的な立場は、これは前提条件でありまして、そのうえで、どのぐらいのペースで行うのかというのが、現在の最も大きなポイントであるわけです。』

ということですが、9月の講演ではその時期も早そうな話をしていましたけれども、

『それに関しては、今回の講演の中でお話しさせて頂いたように、早すぎても遅すぎても、問題が出るであろうと。』

早すぎても問題、というのであれば12月は無いし1月も消極的なのかという話になるんですが、この先の説明がこれまた微妙で、

『その適切なペースというのはなかなか難しいのでありますけれども、それを狙っていかなくてはいけないというところであります。』

「ペース」って言ってるので次回利上げで打ち止めとかいう話ではない訳でして、同じ穴の狢で何とか委員会とか何とか審議会方面で大暴れしているリフレ高圧経済音頭の一派の皆様とはそもそもこの時点で言ってる話が違う(野口さんの方がマシ)ということになっていますし、

『ただ、一つ言えることは、そういった中でも、着実に目標に近づいているということは事実です。目標に近づいているということは、例えば、いわゆる需給ギャップが今まではマイナスだったのが、それがゼロになり、プラスの方向に動いていく。あるいはかなり完全雇用に近い状態が継続して、人手不足感が労働市場でますます強まっている。あるいはいろいろな基調的なインフレ率という点で言えば、期待物価に関する様々な指標が、非常にゆっくりではありますけれども、徐々に 2%に近づいてきている。いろいろな指標をみてもですね、目標にじわじわと近づいているということは事実であります。』

寧ろぶち抜けてるんじゃないかという気がしますがそこは解釈の世界なので置いておくとしまして、

『ということは、目標に近づいているにもかかわらず、仮に目標に到達したにもかかわらず、かなり実質金利その他の面で金融緩和的な状態が続くということになりますと、これは当然上振れリスクというものをもたらしてしまうということでありますので、われわれが目標に近づけば近づくほど、その上振れリスクの重みというのは高くなるということを 9 月[の講演]で強調させて頂いたわけであります。』

さいですな。

『その点については、認識としては、私自身は変わっていないというふうに考えております。(後半割愛)』

ということでして、何でそうなるのかは正直よくわからんのですが、会見の一発目の質疑からいきなり金懇挨拶のテキストのトーンよりもタカっぽくなっている、というのが中々不思議な展開なんですよ。


・春闘云々を金懇テキストでは結構言ってましたけど・・・・・

ということなのでこういう質問もあったのですが、

『(問)ご講演の中で、米国の関税政策の影響について、これまでのところ限定的という見方をされていましたが、この辺りが企業収益および来年の春闘に与える影響っていうのをどういうふうにご覧になられているかという点。あと、前回の決定会合後の会見で総裁が、初動のモメンタムというところを見極めたいとお話がありましたが、野口委員にとってもこの初動のモメンタムというのが利上げの判断材料になるか、その点お聞かせ頂ければと思います。』

これに対する野口さんの回答ですが(全般的に今回説明が長い)、

『(答)今のご質問に関してでありますけれども、私個人としても、今後の政策調整において非常に重要な要因というか、最も重要な要因の一つかもしれませんが、それはやはり来年の春闘に向けた賃上げの状況であるというふうに考えております。』

ふむふむ。

『ただこの賃上げというものは、春闘が終わったからそれでもう終わりであるというわけでもなければ、春闘が始まらない限りは全く分からないというものでもないのです。ですから、常にこれはウォッチしていかなくてはいけない。』

ほほう。

『今までも春闘で、例えばベアが 3%超というふうに決まったとしても、例えばマクロの賃金統計などではなかなかそれがそこまでいっていない。じわじわと上がってはいくのだが、せいぜい 2%台の半ばぐらいであるというようなところで、やはりそれは春闘というのはごく一部の企業の賃上げ動向を数字にしたものでしかありませんので、それが全体としての中小企業、それから地方経済まで浸透していって、それがマクロの数字として表れてくるには、やはりそれなりのラグがあるわけです。』

まあベア上げながら他で下げたりゲフンゲフン

『そういうことを考えれば、春闘という一つのイベントだけをとらえて、日本の賃上げの動向というものを判断するということは、私はそれほど簡単ではないというふうに考えております。』

おおおおおおおお。きわめてまともな発言キタコレ。

『逆に言えば、春闘に向けたいろいろな動きというのは、もう既に出始めているとも考えられると思います。』

キタコレ!!!

『その一つは、例えば労働組合の方では、連合の方で基本方針というのが既に出ております。その中では、例えば、講演の中でもお話をしたのですが、1%の実質賃金上昇の賃上げノルム(注)という、そういうフレーズが出ておりました。これは私はそういうものが実現できるというのが、いわば日本銀行が目標としている日本経済の姿とかなり近いものだというふうに考えておりますので、』

!!!!!!!!ノルムキタコレ!

『労働組合の側がそういう観点でもって日本経済を見据えて、そして実際に賃金交渉を行うということであれば、それは非常にポジティブな意味があるというふうに考えております。これは実際、実現できるかどうかはまた別でありますが、少なくとも労働組合の方はそういう考え方をもう既に打ち出していると。』

「非常にポジティブ」頂きました。

『それから経営者の側も、あまり表には表れておりませんけれども、例えば各種の経営者団体が既にいろいろなアンケート調査をして、来年度の賃上げ動向、例えば来年は今年の春闘を維持するのか、あるいはそれはちょっと今年[並み]はさすがに無理で少し引き下げになるかもしれない、あるいは引き上げをするつもりであると、いろいろなアンケートを取ったりしているわけです。経営者団体のそういった情報というのも、ランダムではありますけれども入ってきておりますので、そういうものも一つの参考になって、実際どういうかたちで決着するのかというのはもちろんまだ分かりませんが、そういういろいろなルートがありますので、必ずしも何か春闘が終わらない限り何もできないというものではないというふうに考えております。』

・・・・こりゃどう見ても賃金上昇の定着とかノルムとかそういうのに対してエライポジイティブじゃん、という話でして、この威勢の良さは金懇テキストとは打って変わってるじゃんというお話。


・ただし利上げ時期に関してはそんなに威勢良くないですが利上げ自体の必要性は割と認めています

以下多少質疑あるのですが最後のところでこんなのが

『(問)講演の中でもかねて、利上げのペースについて、ほふく前進との認識を示されてました。今、足元、雇用情勢も改善してまして、あと需給ギャップもゼロに近づいている中で、この金融緩和を続けることがマイナスの影響も出てくるかと思うんですけれども、12 月、1 月と市場では半々ぐらいで織り込みが進んでますけれども、この辺の市場の見方と野口さんの見方に齟齬はあるのでしょうか。』

具体的時期になると野口さんそこはトーンダウンするんですよね。

『(答)市場の見方は、市場は市場でこういう見方もあり得るなというふうに私は個人で思っておりますけれども、もちろん今後どのぐらいのペースで政策調整をしていくかというのは、これは今後のデータ次第。まだいろいろなデータ、いろいろなイベントというのがありますので、その中で特に賃上げ、それから米国経済、あるいは為替の今後の動き、そういういろいろなものを勘案して、最終的に物価・経済にどういう影響を与えるのかということを見極めながら、これは繰り返しになりますけども遅すぎず、早すぎずですね、適切な水準で政策調整をしていくということになると思います。』

といういつもの話をするものの、返す刀で

『今まではかなり仮に遅れたとしてもそれが大きな影響ということはなかったにしても、これは目標に近づけば近づくほど遅れることによる様々な歪み、あるいは物価や経済を上振れさせてしまうというマイナス面が強くなるというのは事実なので、』

おーーーーーーー

『そこは日本銀行としても政策調整のタイミングというものに非常に注意深く、適切に、遅すぎず、早すぎずやらなくてはいけない状況に今入っているということだと思います。』


ということでですね、なんか知らんけど、11/20の小枝さんの金懇は「金懇テキストは無茶苦茶威勢が良いのだが記者会見ではトーンダウン」だったのですが、今般の11/27の野口さんの金懇は「金懇テキストは特に威勢が良い訳ではないのだが記者会見では定性的な部分でエライ威勢が良い」という対照的な物件にしあがっていまして、なぜそうなるのかはよくわからんので不思議ちゃんではあるのですが、ただまあ会見は講演テキストよりはだいぶ威勢がいいな、とは思いました。