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2025/03/31

お題「3M入札と短国が面白相場にwww/3月会合主な意見は大本営(と中村さん)以外威勢が良いのではないかと」

いやー期末ですねえ期末。ちょっとこの四半期の中の人は日銀に振り回されてマジで死ねるわという感じでしたわ。他にも要因はあるけどね。

それはそれとしてこれはイイハナシダナーですね
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250328/k10014763291000.html
超長期国債の金利上昇 財政に反応?【経済コラム】
2025年3月30日 0時02分


〇3M短国を始めとして短国が面白相場になった件について

金曜は年度末発行とかいう恐ろしい3Mの入札があったのですが、なにせ金曜にネタにしましたように、木曜の短国の引けって新発強くしやがっておった訳ですのでどうなるのかと思っておりましたところ・・・・・

https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20250328.htm
国庫短期証券(第1296回)の入札結果

『本日実施した国庫短期証券(第1296回)の価格競争入札及び国債市場特別参加者・第T非価格競争入札について、下記のように募入の決定を行いました。



1.名称及び記号   国庫短期証券(第1296回)
2.発行根拠法律及びその条項
財政法(昭和22年法律第34号)第7条第1項、財政融資資金法(昭和26年法律第100号)第9条第1項並びに特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第83条第1項、第94条第2項、同条第4項、第95条第1項、第136条第1項及び第137条第1項

3.発行日     令和7年3月31日
4.償還期限   令和7年6月30日』

でもって結果が、

『5.価格競争入札について
(1)応募額       8兆2,803億円
(2)募入決定額     3兆4,899億円
(3)募入最低価格   99円91銭3厘5毛
(募入最高利回り)    (0.3472%)
(4)募入最低価格における案分比率   88.0000%
(5)募入平均価格   99円92銭6厘9毛
(募入平均利回り)    (0.2934%)』

テール5毛4糸wwwwwwww

ということで、前日のWIが0.275%で5糸強にして引かせておいて足切りいきなり0.3472%はクソワロタとしか言いようがありませんが、よくよく見ますと応札が8.3兆円しかないわけで、まあこんな水準までくると買えませんがな、というのは有ると思いますし、更に言えば大体において期末のポートの帳尻を3/31発行の新発3Mでやるというのはちょっと並の神経の人間のやることではない訳ですが、結局はそういう常識的ムーブによってニーズが無かったのですが、期末近くになって急に激強になったもんだから一部で調子に乗ってやっちまったということでしょうな。

でまあ売参も当然笑えるのですが、
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html

(3/27引値)
国庫短期証券1290 2025/06/02 平均値単利 0.280
国庫短期証券1292 2025/06/09 平均値単利 0.280
国庫短期証券1274 2025/06/10 平均値単利 0.280
国庫短期証券1293 2025/06/16 平均値単利 0.240
国庫短期証券1238 2025/06/20 平均値単利 0.290
国庫短期証券1295 2025/06/23 平均値単利 0.280←カレント3M
国庫短期証券1296 2025/06/30 平均値単利 0.275←新発WI

というのは金曜日にご案内しましたけれども、では金曜の引値はどうなったかと言いますと、

(3/28引値)
国庫短期証券1290 2025/06/02 平均値単利 0.350
国庫短期証券1292 2025/06/09 平均値単利 0.350
国庫短期証券1274 2025/06/10 平均値単利 0.350
国庫短期証券1293 2025/06/16 平均値単利 0.350
国庫短期証券1238 2025/06/20 平均値単利 0.350
国庫短期証券1295 2025/06/23 平均値単利 0.350
国庫短期証券1296 2025/06/30 平均値単利 0.350

おーる0.35%になっておりまして、なんか知らんけど0.24%とかいう奇天烈引値にされていた1293回に至っては引けが11毛甘とかいう無茶苦茶なことになっておりまして、まあそもそも木曜に何でそんな引値になったのかも意味プーですけれども、調子に乗って気配強くしてたら一気に天罰が下ったでござるの巻になっておりまして実に清々しい展開になっております、何なんですかもうという感じですが・・・・・・・


ちなみに東京レポレートちゃんですけれども、
https://www.jsda.or.jp/shiryoshitsu/toukei/trr/index.html

        O/N  T/N  1w  2w  3w  1m  3m  6m  1y  
2025/3/25 0.482 0.489 0.455 0.450 0.446 0.444 0.461 0.502 0.604
2025/3/26 0.484 0.486 0.453 0.450 0.448 0.447 0.461 0.502 0.604
2025/3/27 0.479 0.447 0.443 0.445 0.445 0.444 0.461 0.502 0.604
2025/3/28 0.481 0.301 0.425 0.436 0.442 0.441 0.461 0.504 0.604

ということで、末初取引になる金曜のトモネは0.301%ということで、まあそんなもんじゃろという感じでレポ市場の方はそんなに変なムーブも無く期末期初を迎えているようでして、おかしいのは短国だけという感じですが、まあ短国はそもそもずっと0.30%台前半で推移しているというナンジャソラレートで推移しているのでおかしいのは今に始まったことではないのですが、まあ短国市場がこのテイタラクってのは困ったもんではありますな。ナムナム。


〇3月会合主な意見

https://www.boj.or.jp/mopo/mpmsche_minu/opinion_2025/opi250319.pdf
金融政策決定会合における主な意見
(2025 年 3 月 18、19 日開催分)1

・賃金への評価に関する意見>米国リスクへの意見なのがちょっとほほうと思いました

というのはですね、これ小枝さんの就任会見でワチャワチャしてたので途中までになってましたが、1月の議事要旨においては賃金の強くなるであろう、という前提で利上げを行っているので、現実問題としてはさておき、政策屁理屈的には3月会合では「既に勝負のあった話」の筈なんですよ。

ところが、『T.金融経済情勢に関する意見』の『(経済情勢)』を見ますと、3番目の意見から賃金賃金という連呼になっていまして、

『・春季労使交渉の賃上げ率は、これまでのところ、昨年の数字を若干上回っており、2%の「物価安定の目標」と整合的な名目賃金上昇がしっかりと定着しつつある。』

から始まり、

『・ 中小企業の春季労使交渉における賃上げ率の前年からの上振れ幅は大企業より大きく、2022 年以降の価格転嫁の進捗と同様、大企業が先行し、中小企業が追いかける形である。』

『・ 春季労使交渉の出だしは、1月に予測した範囲であるが、良好だった。食品などの物価高の中で1月の個人消費は弱めだったが、先行きは賃上げが消費の後押しに働くとみられる。』

『・ 法人企業統計をみると、雇用の7割を占める中小企業では、賃金は増加する一方、設備投資は2年連続で減少している。労働分配率が高い中、防衛的賃上げと設備投資の両立は難しい状況が窺われ、賃上げの持続性に懸念が残る。』

こちらは中村審議委員ですね。

『・ 賃上げノルムの定着には、中小企業の設備投資ともう一回り大きくなる構造改革が鍵となる。』

これは直近の賃上げの評価ではないですが、1月利上げの時点で来年度の賃金改定は強い、という見通しのもとでぶっこんできたと思われた(というか議事要旨的にはそうなっている)利上げなので、賃金の話でこんなに意見が並ぶとは何じゃそらでして、一方でこの先が、

『・ 米国新政権の政策を巡る不透明感は、各国の企業・家計のコンフィデンスに影響するものであり、世界経済の不確実性は高まっている。』

『・ 前回会合以降のリスク要因の変化としては、米国の政策運営に起因する世界経済の不確実性の高まりが指摘できる。』

『・ 米国経済は、雇用情勢が引き続き底堅く、ソフトランディング路線を歩んでいる。』

『・ 米国ではインフレリスクと景気後退リスクが両方高まっている。』

ということで、あっさり味感が強い内容になっているのが割と違和感ありまして、いやお前ら今の段階でのネタは米国とアクチュアルの物価(物価は次のコーナー)なんだから将来の金融政策の話するなら米国の懸念についていろいろ議論があるじゃろう、と思いました。

まあ何ですな、これは読み筋としては2つあって、1つはそもそも米国の不確実性はわからんので議論のしようがないので主な意見でもこの程度しか書けないだけ、という事なのかとは思うのですが、メタな読みをしますと、3月会合でも実は「いやー賃金強いっすなあガハハハハ」という感じで威勢の良い会話が繰り広げられていて、次回利上げもそんなに遠くない、という雰囲気が漂う中で意見を並べたからポジティブな方の話が多くなった、という読みもできそうに見えます。

いずれにしましても、これを見ると「あれれ??賃金の高評価アピールは強いけど米国懸念がそんなに重くないのね」という感じを受けるつくりになっているのが気になりました。


・意見の量だけで判断するのはアレですがこれを見ますと次はやっぱり「物価」じゃないのかね

次は『(物価)』です。最初のは大本営だからスルーしますが、こちらは今回7つ(大本営含む)並んでおりますが、前回利上げを決定した時の「主な意見」をここで確認してみましょう。

https://www.boj.or.jp/mopo/mpmsche_minu/opinion_2025/opi250124.pdf
金融政策決定会合における主な意見
(2025 年 1 月 23、24 日開催分)1

この時って『(物価)』コーナーの意見って4つ(含む大本営)しか無くて、お前らインフレ目標政策やってて政策金利変更しているのに何で物価の話がこれだけしかないんじゃと思った(経済のところが多かった)のですが、展望レポートでも無ければ政策変更も無かったというのに今回7個(大本営があるからまあ6個だが)の意見が物価に並んでいるというのはありゃま、と思いました。

大本営を除く6個の意見を見てみましょう(よって以下は元々のURL先の3月会合主な意見になります)。

『・春季労使交渉の集計結果などを踏まえると、物価は着実な上昇が見込まれる状況となっており、基調的な物価上昇率も2%に向けて順調に上昇している可能性が高い。』

利上げ後の会合でこの意見が出ているというのが力あるわというか、これが大本営の次(よって2番目)に出てくるという辺りに編集の意図があるんじゃないでしょうか(建付け上は植田さんが編集していることになっているので最終的になのか最初からなのかはともかく植田さんがこの並び順でゴーサインを出している筈ですわよ)と勝手読み。

『・ 今後の米国新政権の政策運営次第では、グローバルな経済・物価動向や金融・為替市場の変動などを介して、わが国の物価にも影響が及びうる。』

上なのか下なのかはコメントが無いのでハトタカは良くわからん。


。食料品価格上昇に対する評価で大本営屁理屈コストプッシュ一時的理論に反旗が2本か3本立っていますが

『・ 1月の消費者物価指数(総合)の上昇率の過半はエネルギー、生鮮食品、穀類によるものだが、エネルギーの上昇は一時的な性格が強い。生鮮食品、穀類の上昇は、主に供給ショックと位置づけられるが、持続性がありうるため、いずれも予想物価上昇率などへの波及を注視すべきである。』

ということで食料品価格の話になりますが、この人は「主に供給ショックと位置づけられるが」と断っているので温和ですけれども、続けて「持続性がありうるため、いずれも予想物価上昇率などへの波及を注視すべきである」としていまして、コストプッシュだからいずれ低下するの一点張りでひたすら屁理屈を捏ね続ける大本営に対してイヤミを垂れているのですが、この次の方はさらに厳しく、

『・ 農産物の価格高騰は、供給力低下や人件費上昇等、一過性でない要因の影響が大きい。更に、家計のインフレ予想を押し上げ、物価の基調に大きく影響する。』

これは大本営(というか植田内田)の屁理屈言い逃れに対する無慈悲な砲撃ですな!!!!!

『・企業の価格転嫁にはまだ時間が掛かっており、価格上昇圧力はしばらく継続すると考えている。例えば、民間調査によれば、2025 年の食料品の価格改定の動きも再び勢いを増している。』

まあこの方は反旗というほどではないけれども、物価上昇はコストプッシュだから一時的、と念仏のように言い続けるも物価上昇率は高止まり、という現実に対しての鉄槌にはなっている訳です、ということでお三方から「お前らええかげんにせえ」というのが出てきているのは大変に味わいが深いところです。

ちなみに最後は、

『・ 高水準の賃上げが実現し、国内要因のインフレ圧力などから、「物価安定の目標」の実現が目前に迫りつつある段階であり、来年度には、こうした前提で情報発信する新たな局面に入るといえる。』

とまあ非常に威勢の良い意見で締まっていまして、総じて物価に対しての意見が多い上に強いのだらけ、と大変に勇ましい結果になっておりまして、これは次回利上げがそんなに遠いわけでもないですよというメッセージになる、かどうかはまあ皆様のご判断にお任せしますが、ずいぶんと威勢がいいじゃねえかという感じがしました。

まあ最後のは例によって田村抜刀斎のような気もしますが、これ抜刀斎以外からこういうのが出ているとなるとそれはそれで大きい(というか農産物の価格高騰は云々が抜刀斎な気がするのですよね)なあと思いました。


・金融政策運営に関する意見のところでは前段とは一転してチキンモードから始まります

続いて『U.金融政策運営に関する意見』ですが、

『・ 経済・物価の見通しが実現していくとすれば、それに応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していく。そのうえで、具体的な金融政策運営については、予断をもたず、経済・物価の見通しやリスク、見通しが実現する確度をアップデートしながら、適切に判断していく必要がある。』

というのは大本営ですが、

『・ 当面、米国新政権の政策とその世界経済・国際金融資本市場への影響を注視しながら、国内的には0.5%という新しい金利水準の下での経済・物価の反応を見極めていくことが適当である。そのうえで、次の利上げを判断すべきである。』

毎度思うのだが「国内的には0.5%という新しい金利水準の下での経済・物価の反応を見極めていくことが適当である」って言ったら、金融政策の効果が実体経済に波及するためのタイムラグ考えたらしばらく地蔵です、って話になるんですよね。さらに次の意見も、

『・ 1月までの政策金利変更の影響や、このところの長期金利の変動の影響を確認するうえで、まだ十分なデータが揃っていない。経済活動への本格的波及とその影響の確認には時間が必要である。』

これもそうですわな。でまあ波及効果云々とは違いますが、

『・ 米国発の下方リスクは足許で急速に強まっており、関税問題の今後の展開次第では、わが国の実体経済にまで悪影響を与えていく可能性が十分ある。その場合には、利上げのタイミングをより慎重に見極めることが必要である。』

とまあこれまた地蔵宣言な訳ですな。一方で経済と物価のところは基本的に威勢の良い話をしているし、米国に関したって(コメントのしようがなかったからかもしれないけど)たいしてコメントがなった訳で、何なんですかこの温度差はという感じなのですが、最近の日銀は直近でこういう説明をしていても堂々と次の会合でひっくり返してくる、というのを平気でやるので油断はできない(たぶん大本営の次の人内田副総裁でしょ)。


・大本営、地蔵3人からの威勢の良い人、という順序ですがここからは再転してやたら威勢が良くなる

次からが威勢の良い人たち。

『・次回会合では、@企業や家計のインフレ予想、A物価上振れリスクの顕在化、B賃上げの進展をしっかりと確認し、金融政策を判断していく必要がある。』

これは威勢が良い。

『・ 米国経済は、減速を示す指標もあるが、雇用関連指標などは底堅い。不確実性は高いが、政策変更を急がないとのFRBの情報発信も踏まえると、日本銀行の政策の自由度は引き続き増した状況と捉えている。』

この説明、こっちのカテゴリーに入っているということは「利上げができる」って意味なんだと思うのだが、如何にも何言ってるんだか分からない表現は勘弁してください。


・昨年8月の内田副総裁の土下座金懇に対して猛烈な砲撃が加えられています!!!!!

次の意見はイイハナシダナー。

『・ 不確実性は高まっているが、だからといって常に政策対応を慎重にすればいいというわけではなく、今後の状況によっては、果断に対応すべき場面もありうる。』

>不確実性は高まっているが、だからといって常に政策対応を慎重にすればいいというわけではなく
>不確実性は高まっているが、だからといって常に政策対応を慎重にすればいいというわけではなく
>不確実性は高まっているが、だからといって常に政策対応を慎重にすればいいというわけではなく

どう見ても内田副総裁への砲撃です本当にありがとうございました。さらに別のお方(でしょうな)からも、援護砲撃が行われています。

『・ 各国の通商政策等から物価に上下双方向の不確実性がある時に、不確実だから現状維持、金融緩和を継続する、ということにはならない。』

>不確実だから現状維持、金融緩和を継続する、ということにはならない
>不確実だから現状維持、金融緩和を継続する、ということにはならない
>不確実だから現状維持、金融緩和を継続する、ということにはならない

いやーいい感じですなあ。


・無慈悲な砲撃のあとにはさらに威勢の良い話が

一連の無慈悲な砲撃に続きまして、

『・ 次の利上げを行う局面では、基調的な物価上昇率が2%の目標にかなり近づいていることも想定されるため、金融政策のスタンスを従来の緩和から中立へ転換させる点も含めて検討していく必要性がある。』

次の利上げの時にはその次の利上げももう織り込ませましょうということですかね。

『・ 資産価格上昇に伴う期待収益率向上から、市場参加者は、実質金利を消費者物価で捉える以上に低位に感じ、緩和効果がより強まっている可能性がある。今後、過度な緩和継続期待の醸成による金融の過熱を避ける観点から、金融緩和度合いの調整を機動的に行う必要がある。』

というか既に金融過熱してるじゃろと思いますが、それはそうとしてこのような意見も出てきましたわな、というところでして、なんかエライ威勢の良い話が多くて、大本営VSその他って感じなんでしょうかね、まあ良くわからんけど。


・長期国債買入減額に関して

最後の2つが長期国債買入に関して

『・ 国債買入れの減額計画について、今のところは、既存の計画を大きく変更する必要性は感じないが、2026 年4月以降に関しては、より長期的な視点から検討する必要がある。』

2026年の話を今からせんでもよかろうと思うのですが、そもそも論として月額1兆2千億とかいう数字は包括緩和やっている時の数字なので、今のペースで落としていっても物価目標が達成できているのになぜか長期国債は必要以上に買入をして緩和を継続している、という状態になりそうな訳で、逆にその時点で買入を継続してたら「財政ファイナンス」ってことになりゃあしませんかと思うのですが、

『・ 国債買入れ減額の中間評価で、国債市場の動向や市場機能を点検する際、市場参加者の見方を伺うことになるが、そのプロセスでの市場との対話は、長期金利の安定の観点からも重要である。』

対話は重要なんですが、前回の減額計画での意見をみてたらお前ら財政ファイナンス懸念とか、そもそもの長期国債大量買入れの建付け(=2%の物価目標達成のため)とか忘れてないかというような超目先のクソみたいな意見が結構転がっていたのをみますに、そんなのべき論で行けやとしか思えませんですけどね。


〇東京都区部CPIェ・・・・・・(メモだけ)

https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/kubu.pdf
2020年基準 消 費 者 物 価 指 数
東京都区部 2025年(令和7年)3月分(中旬速報値)

『◎ 概 況

(1) 総合指数は2020年を100として110.1
前年同月比は2.9%の上昇 前月比(季節調整値)は0.3%の上昇

(2) 生鮮食品を除く総合指数は109.1
前年同月比は2.4%の上昇 前月比(季節調整値)は0.5%の上昇

(3) 生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数は108.5
前年同月比は2.2%の上昇 前月比(季節調整値)は0.4%の上昇』

ということで相変わらずクッソ強いんですけれども、この調子が続いているのに相変わらず「コストプッシュなのでそのうち下がります」って言い張るのいい加減にした方が良いと思うんですけどねえ・・・・・







2025/03/28

お題「3M新発WIが0.275%とな/小枝審議委員就任記者会見」

ほうほう
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250327/k10014762621000.html
石破首相 法人減税「思った効果あげなかった」 改革の考え示す
2025年3月27日 19時09分

『法人税の減税をめぐり、石破総理大臣は、参議院財政金融委員会で、企業の内部留保に回っただけではないかと指摘されたのに対し、想定した効果をあげられなかったとして、今後、改革に取り組む考えを示しました。』(上記URL先より)

〇新発3MWIちゃんがなんか不穏なんですが・・・・・

いつもの売参
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html

(3/27引値)
国庫短期証券1290 2025/06/02 平均値単利 0.280
国庫短期証券1292 2025/06/09 平均値単利 0.280
国庫短期証券1274 2025/06/10 平均値単利 0.280
国庫短期証券1293 2025/06/16 平均値単利 0.240
国庫短期証券1238 2025/06/20 平均値単利 0.290
国庫短期証券1295 2025/06/23 平均値単利 0.280←カレント3M
国庫短期証券1296 2025/06/30 平均値単利 0.275←新発WI

という訳で何という事でしょう、今日入札予定の新発3MのWIが前日比強くされてて0.275%(3/26は0.280%)にされていましてナンジャソラというお話ではあるのですが、(1293の謎の4毛強も意味不明ですな)期末帳尻ニーズこんなぎりぎりまで残るのかよという所でして、いやまあ確かにロットで買えるの入札のタイミングしかないから分からんでもないのですけど、以前金利があった時ってのは普通は「期末ぎりぎりに落ちが来る短国は基本的に嫌われ者になる」というのが仕様だったのですが、この銘柄って次に落ちるときも四半期末ギリギリでして、運用するほう見た場合キャッシュフローが見えていない限り普通避けるだろって足の銘柄がクソ強い気配で入札を迎えるのは正直ナンノコッチャという感じではありますが、まあ今日の結果がどうなるやらって感じではあります。

ちなみにGCちゃんですけれども、
https://www.jsda.or.jp/shiryoshitsu/toukei/trr/index.html

        O/N  T/N  1w  2w  3w  1m  3m  6m  1y
2025/3/25 0.482 0.489 0.455 0.450 0.446 0.444 0.461 0.502 0.604
2025/3/26 0.484 0.486 0.453 0.450 0.448 0.447 0.461 0.502 0.604
2025/3/27 0.479 0.447 0.443 0.445 0.445 0.444 0.461 0.502 0.604

って訳で、本日のトモネが末初になるのですが、昨日のトモネの時点でGCレート低下になっていましたので、まあ末初は末初らしくなるんでしょうなあとは思います。知らんけど。


〇小枝審議委員の就任会見はやはり誠にアレなアレ感が・・・・・・・・

昨日はBBGの記事ベースで杞憂民になっておりましたが、やはり一問一答をきちんと読まないといけない、とおもいまして拝読したわけですが・・・・・・・・・・

https://www.boj.or.jp/about/press/kaiken_2025/kk250327a.pdf
小枝審議委員就任記者会見
――2025年3月26日(水)午後5時から約30分

最初はまあ「ご所信を」の質問なんですけど。

『(問)まず審議委員就任に対する今の率直な気持ちと抱負について。その関連で、日本銀行は2024 年 3 月に約 8 年続いたマイナス金利政策を解除し、同年 7 月と今年 1 月に政策金利引き上げを行うなど、金融政策正常化の局面にあるかと思いますが、今後の政策判断にどのように臨むお考えでしょうか。この辺りを併せてお聞かせください。』

『(答)本日付けで日本銀行の審議委員を拝命致しました、小枝と申します。どうぞよろしくお願い致します。』

よろしくお願いします。

・・・ということで所信表明なのですが、この所信表明の時点で杞憂民の杞憂は深くなるのです。

・マンデートの話をしたと思ったら道具の話になるのがちょっと・・・・・・

『私は大学と大学院で経済学を勉強した後、ワシントンDCにございます国際通貨基金、IMFで働いてから、金融ファイナンス、マクロ経済学の分野で教育研究活動に励んでまいりました。』

別に経歴自慢している訳じゃないとは思うのですが皆さん知ってるんだから言わなくてもとは思いましたがこの後が何とも。

『今回この審議委員のお話を頂いたときに、個人的に、まず初めに再確認しましたのが、日本銀行の使命、マンデートです。こちらは皆さまもご承知なところだと思いますけれども、物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資する、という文言がございます。』

ではこのマンデートとは何ぞや、すなわち今の政策運営が本当にこのマンデートに沿っているといえるのか、みたいな話をしだすと大変に素敵だったのですが・・・・・・・

『この使命を果たすために、日本銀行は金融政策ツールを使います。』

は???

『ですので、金融に関する知識ですとか経験は大事であることは言うまでもありません。』

ズコー(ズッコケる音)


・いやあの申し訳ないけどVAR使いなら間に合ってるんで

でもってこの次ですが、

『私は研究者として、長年金利のモデルに取り組んでまいりました、あるいは金融のデータを使って実証分析なども行ってまいりましたので、そういったノウハウを、必要に応じて適宜生かしながら任務に当たっていきたいと考えております。』

日銀が得意なVARとかそういう色々な計量分析のことだと思われるのですが、そういう分析は既に日銀の中のスタッフの皆さんで優秀な方々がゴロゴロと転がっている訳でして、とっくの昔に間に合ってるんですけど。

というかですね、昨日も申し上げましたが金利のモデルがどうのこうの言いましても、あれで金利変動の背景をリアルタイムで理解するとか、先行きの金利動向をズバリ当てましょうとかそんなの出来ませんがな(なお商売上の都合としてできるということにしておいた方が都合が良いという説は(ここで通信が途絶える)

あと、「金融のデータを使って実証分析」とか仰せで、この後のにマクロ経済がどうのこうのという能書きが出てくるのですが、マクロの実証分析ってそんなに当てはまりが良いものでしたっけと思いますし、だいたいからしてその手の分析って政策対応においてキモになるような局面で当てにならんじゃろ(個人の偏見です)と思う訳でして、なんかもうこの説明を読んでいる時点で杞憂民の杞憂が深まるのでありました。


・中立金利とか基調的インフレを軸にして説明するのはどう見てもアレ感が漂う

そしてさらに所信表明は続きまして、

『そして、先ほどの使命の後半のところですけれども、国民経済の健全な発展に資するというところは、やはりマクロ経済学的な均衡と密接な関係にあるのかなと考えております。』

ナンジャソラという感じですが次を見ますと、

『金融活動だけでなく様々な経済活動があって、マクロ経済学的均衡が決まっていく。中立金利ですとか、あるいは基調的なインフレですとか、そういった金融政策を行ううえで大切な変数ですけれども、』

ああ・・・・・・・・

えーっとですね、中立金利ってのは定義としては「中長期的に金融引き締めでも緩和でもない金利」って話ですが・・・・・、

『直接はみえない変数は、マクロ経済学的均衡と密接な関係にあると思います。』

何かエライ大上段に構えているのですけれども、そもそも中立金利ってのは「物事を考えやすくするために作りだされた概念」なのであって、別に世の中に「ザ・中立金利」みたいなのがある訳ではない(だから計測できない)訳でして、金融政策いじってその結果経済が反応したのをみて、緩和的とか引き締め的とかいう(しかもその経済が反応した、ってのも経済のどの部分を見るかで反応結果とされるものだって変わりますよね)話をして、でまあその判断を言語化するのに「中立金利よりも上か下か」というのが便利なので使っている、というだけの話で、そもそもこれが「大切な変数」とか言ってしまうのが杞憂民の杞憂以下同文。

でまあ基調的インフレですけれども、これも最近弊駄文では悪態ついていますが、結局のところ金融緩和の修正を渋るための屁理屈文言として使われている話だし、これだって「ザ・基調的なインフレ」なんちゅうもんはない(強いて言えば中長期のインフレ期待がそれになるんじゃねえのとは思うがそもそも中長期のインフレ期待だって計測できない)訳でして、この辺は中央銀行が政策の説明をするためのレトリックである、というのが中央銀行の政策を見物して回っている門前小僧素人野良ヲチャーの感想なんですけど、まあ小枝大先生におかれましてはそうではないようで、

『こういった概念や変数に対して、いろいろ理解が深まってきている、分析が積み上がってきていると思います。』

だそうです。


・金融分析をメインにするのかよ

でまあ話は続くのですが、

『ですので、金融に加えて、マクロ経済学的視点を大切にして任務に当たっていきたいと考えております。』

金融に加えて、ってのが引っかかったんですが、もしかしてマクロよりも細かい分析を一生懸命にやってマクロの事は後なのかよと杞憂民以下略。


・金融システムの安定って信用秩序の安定だと思うんだが(決済インフラも当然非常に大事だけど)

さらに、

『日本銀行の使命には決済システムが円滑に行われることを通じて、金融システムの安定に貢献するという使命もございます。』

いや「銀行の銀行」だから決済システムを円滑に回すのは大事なんだが、金融システムの安定っていったら一般的に信用秩序の安定を意味すると思うんですけれどもワイなんか勘違いしてたっけ??

『こちらに関しても同様に重要な使命だと考えております。』

いやまあ決済システムの円滑な運営は物凄く大事な話ではあるんですが、

『様々なデータをみて、分析もみさせて頂き、分析の結果だけでなくその過程にも理解をして、』

決済システムの運営でそういう話になるのもいやなんですかって感じですが、

『そのうえで執行部の方々の説明もよく伺って、他の委員の方たちとも議論して、誠心誠意任務に努めていきたいと考えております。どうぞよろしくお願い致します。』


とまあそういう訳で、所信表明の時点で何か色々と微妙なんですけれども、この所信の部分でやたら目立つのが「データを見て分析」というところでして、まあデータ見るなという話ではないのですけれども、マイクロマネジメント的な分析の方に軸足を置いている雰囲気がこの字面からは漂って来ます(あとまあ昨日ネタにしたような「長期金利の変動の要因分析ができる」みたいなのも含め)ので、うーんなんじゃろという所ではあります。


・中立金利を概念としてではなくて「ザ・中立金利」の精緻な計測の方に行きそうな説明キタコレ

『(問)(前半割愛)あと二点目、中立金利についての考え方ですが、日銀は中立金利について様々な推計を既に出しておりますが、こちらについてご自身の知見を生かして更なる工夫の余地があるのか、あるとすればどのようなもので、また中立金利という概念について政策運営やコミュニケーション上、どのように位置付けるべきかお考えをお聞かせください。』

中立金利という概念について〜の部分が中々秀逸で高く評価したい質問ですな。

『(答)(前半割愛)二番目の中立金利のところですけれども、やはり自然利子率の推計には幅があると思います。最近の日銀で出されている資料をみても、統計ベースでみたものとか、サーベイベースでみたもの、あるいはモデルを使って推計したものとか様々な取り組みがされていて、』

さいですな。

『こちらも先ほど申し上げたように金融政策を行う、金融政策スタンスをみるうえでも、とても大切な変数だと思うんですけれども、直接は観察できない変数ですので、』

なので総合的に判断するしかないです、という話になるのかと思えば、

『この辺に関しては推計の結果だけでなく、どういうデータの特徴があるのかとかモデルの特徴あるいは仮定についても、目を向けていろいろ議論していきたいと考えております。』

計測の精緻化のほうに進んでもしゃーないじゃろあれは「物事を考えるために作り出したモノ」なんだから・・・・


・基調的な物価とか中立金利とかをどう説明するかと問われるの巻

『(問)(前半割愛)あともう一つですね、今ほどの中立金利もそうですし、冒頭、基調的な物価というのも直接観察はできないということだったと思うんですけれども、これから金融経済懇談会等ですね、情報発信されるお立場として、国会でもいろいろ話題になっていますが、なかなか伝えることが難しい基調的な物価、今の段階でどういうふうにお伝えするか、あと分かりやすく伝えるためにどう工夫していくかということをお聞かせください。』

そもそも説明のための方便であるところの「基調的物価」「中立金利」をどう説明するか、とかこれわざと質問してるじゃろ、と思ってしまいました、知らんけど。

『(答)(前半割愛)そうですね、基調的なインフレ、どう伝えていけばいいか、原点にやっぱりいつも戻ることは大切だと思っていて、先ほど申し上げた、日本銀行の使命は 2%の安定的に持続的なインフレを実現していくということですので、基調的なインフレはそこに向かっているという、様々な指標をみてもその方向性だと思いますので、そういったことは伝えていけるのかなと思っております。』

蒟蒻問答にしか見えない・・・・・・


・うーんこの分析厨

『(問)(前半割愛)二点目が先ほど冒頭におっしゃっていたマクロ経済学的な均衡についてなんですけれども、少し具体的に、例えばコロナ禍で大きく経済構造が変化する中で、均衡点の変化があるのか、どういったデータをより重視して今の経済状況というのを判断していきたいとお考えなのかをお聞かせ頂ければと思います。』

今回の質疑(というか質問)中々オモロイですね。

『(答)(前半割愛)均衡の話ですけれども、先ほど推計の不確実性の大きなところは、一般論ですけれども、自然利子率のところから来ていると、自然利子率の大きなところは潜在成長率、一般論として、そういったことが学問的に言えると思いますが、』

という話なんだが潜在成長率ってそんなに屈曲してたってというかそらまあ推計誤差はあるけど何パーセントも違うもんじゃないと思うんだがまあそれはさておき、

『様々な要因によってそういった均衡のトレンドも含めて変わっていくものですので、そういったいくつかのアプローチを使いながら、理解を深めていくという努力を引き続きしていくしかないのかなと考えております。』

まあ質問する方も「どう分析するか」って質問を投げてるからしゃあない面もありますけど、そういう分析の話をするのではなく、経済の構造変化に関する所見を聞かせてほしかったなと思います。


・既往の政策にケチをつけたくなかったということなら良いのですが・・・・・・

昨日ネタにしたBBG記事の表題になっていた発言はこちらのようですね。

『(問)ここまでの日銀の政策についての評価をお伺いしたいと思います。11 年にわたった異次元緩和の転換が 24 年 3 月にありまして、7 月、今年 1 月と利上げを進めてきました。そのペースあるいはその判断ですね、その判断について適切だとお考えか、あるいはもっと早く動くこともあり得たのか、それとももっとゆっくりと利上げを進めるべきなのか、その辺りここまでの日銀の政策についての評価を聞かせてください。』

というのに対して、

『(答)ここまでは植田総裁のもとでの金融政策枠組みの変化だと思いますけれども、先ほどの使命に向けて取り組まれてきて、金利のある世界になってから、そこまで年月が経ってない中、まだまだ日本経済がどう反応していくかっていうのをしっかり見届けていく必要があるのかなと思っておりますので、なかなか金融政策の効果ってすぐ出る効果もありますけど、ラグもありますので、しっかりそこはみていって、今後判断していくことになるのかなと思っております。』

まあこれはいきなり「ペースがクソ遅いわヴォケ」という発言をしにくいでしょうから気を使ったということでないか、と一応好意的に解釈しておきますが、政策の効果を見ていくのに時間がかかる云々という話をそのまま持ち込まれるとハトハトチキンの仲間入りですね・・・・・・・

なお、この部分は最後に更問が来ていて、ちょっと立て直しをしていますので、単にこれは「就任早々にぶちかまさない配慮」だったように見えますので後程。


・実質金利は極めて低いのにビハインドになるリスクについてあまり言わないのは何ぞ

この質疑の前に「実質金利は極めて低い」って発言があったのを受けての質問ですね。

『(問)今、実質金利はきわめて低い状況にあるというふうにご発言されましたけれども、高水準の物価上昇が続くもとでビハインド・ザ・カーブに陥るリスクというものが今どの程度ちょっと警戒しなきゃいけない状況なのか、それともまだゆっくりとですね、経済の状況をみながら政策調整を進めていけるというふうにお考えなのか、そちらについてご見解をお願いします。』

イイシツモンダナー

・・・・・というか総裁の定例会見も今回みたいな感じの質疑にならんのかね、とは思いますけどそれはさておき、

『(答)先ほどの使命に立ち返りますと、やはり 2%のインフレを安定的・持続的にというところは、基調的なインフレというのをみていかなければいけない面も多々あると思います。』

でも実質金利が極めて低いってんだったら基調的インフレは今の政策金利0.5%から比べてかなり高いところにある、ってことになるはずだから、それは基調的インフレはかなり高いところにあると思うのですが、

『一般論として。その基調のインフレは緩やかに上がっていってるという現状があると思います。もちろん一方で、足元のインフレは基調よりも高い、インフレに対する認識ですとか、マインドに関することについてもみていかなければいけないと思いますので、』

何で計測できないのにそう言い切れるのやらと思いますし、実質金利が極めて低いというのと話の整合性が微妙なんですが(だからこそもう基調インフレとか中立金利とかそういうのを説明に使わない方が良い時間帯になっている(使って良いのは目標達成から遠いとき)というのは再三再四拙駄文で申し上げておる次第)・・・・

『この辺は本当に私もしっかりこれから本日就任したばかりですのでみていって、次の[金融]政策決定会合でしっかり議論させて頂きたいと考えております。』

ということで基本的には回答回避なのですが、ビハインドのリスク云々については基調的物価を繰り出してまあ否定している感じですね。


・長期金利変動の要因分解は可能です( ー`дー´)キリッ

というのはここにありました。

『(問)(前半割愛)あと二点目なんですけれども、最近長期金利の上昇がみられますが、この上昇というのをどのように評価していらっしゃるか、見解をお聞かせ頂ければと思います。』

でもってこれに対して、

『(答)(前半割愛)長期金利に関しては、足元の水準ですとか日々の動きに関してはコメントは差し控えたいと思っております。ただ、一般論として長期金利というのは要因分解ができる、短期金利の将来の予測の平均値と、その他のリスク・プレミアムあるいはタームプレミアムと言われる要因に分けることができて、各要因もどういった要因によってどれだけ動いてるかっていう分析は可能だと思いますので、そういったところも今後関心を持ってみていきたいとは思っております。』

(ノ∀`)アチャー

市場の皆さん売られた喧嘩は買わないといけませんよ(煽っているわけではありませんわ)


・最後にやはり更問が来ていた「しっかり見届けていく必要がある」

『(問)先ほどのご発言で、金利のある世界になってからまだ間もないので経済の反応を見届ける必要があるということをおっしゃられましたけれど、こういったことっていうのは、そんなに利上げを急いでいく、やっていくような必要性は感じていらっしゃらないということでいいのかどうか、それをまず一点。(後半割愛)』

やはり来ますよね。

『(答)(回答が逆順のため前半割愛)金利のある世界、そうですね、金利のある世界で経済がどう反応していくかっていうことをしっかり見届けるということは、必ずしも利上げを急がないという意味でもないし、利上げを急ぐという意味でもないと申し上げたいと思います。』

更問を食らって「あ、これはやばい」と思って修正したのは評価しますが、まあ今後はご注意いただきたいし、BBGのヘッドラインのようにこっちの発言は華麗にスルーされて報道される訳ですな。

『次の決定会合までまだ時間がございますので、しっかりとそこは誠心誠意任務に励んでいきたいと思っております。』

ということですが、なんか分析厨っぽいのが非常に気になるところです、まあ意気込みが上滑りしただけ、だと良いんですけどね(杞憂民)






2025/03/27

お題「小枝審議委員就任会見ェ・・・・/短国ちゃん期末モードの引値/1月議事要旨より(その2)」

そらそうよ
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-03-26/STQQDBT1UM0X00
関税による影響、一時的とは限らない−セントルイス連銀総裁が警告
Jonnelle Marte
2025年3月27日 2:54 JST

『米セントルイス連銀のムサレム総裁は26日、関税による影響が一時的なものにとどまるかどうかは不透明だと述べ、その二次的影響によって金融当局が金利をより長期にわたって据え置く可能性があるとの見解を示した。』

『ムサレム氏は、関税やその他の要因の変化により、インフレ率が当局目標の2%を上回った水準で高止まりしたり、さらに上昇したりするリスクが高まっていると指摘。インフレ期待を安定的に保つことが極めて重要だとあらためて強調した。』(上記URL先より)

まあそらそうよとしか言いようが無いですわな・・・・・・・

〇小枝審議委員就任ということですが初手から嫌な予感(会見詳報出てからまたやりますが)

前任のあの人は結局何をしに日銀審議委員になったのかというか、日銀審議委員のポストはキャリアアップの踏み台じゃないんですが、という人が近年甚だ多くて遺憾の極みとしか申し上げようがなかったですが、小枝先生はそんなことは無いでしょうということで。

就任会見の詳報は今日出ると思うのですが、ヘッドラインを見るとそこはかとなくアレな予感。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-03-26/STGF8YT0AFB400
小枝日銀委員、金融政策は利上げによる経済への影響など見て判断
伊藤純夫
2025年3月26日 14:59 JST 更新日時 2025年3月26日 19:09 JST

→基調的物価は2%の方向、賃金・物価の好循環は確認されてきている
→通商政策含め先行き不確実性高い、国債減額計画は市場の意見聞く

>金融政策は利上げによる経済への影響など見て判断
>金融政策は利上げによる経済への影響など見て判断
>金融政策は利上げによる経済への影響など見て判断

・・・・・うーんこのという感じでして、それ言い出すと金融政策の実体経済への波及には少なくとも半年程度のラグがあるとかそういうのが定説という事になっている筈なので、この先生も学者の時は威勢が良かったのにいざ政策委員になるとハトハトチキンになってしまうのではないかという不安がよぎりますな。

ということでBBGさんの記事をさらっと見ますが、

『小枝氏は植田和男総裁の下で進んでいる金融政策の正常化に関し、金利のある世界が実現してから間もない現状では、「日本経済がどう反応していくかをしっかり見届けていく必要がある」と指摘。金融政策の効果の発現には時間がかかることもあり、「しっかりそこは見て、今後判断していくことになる」と語った。』(上記URL先より、以下同様)

>金融政策の効果の発現には時間がかかることもあり
>金融政策の効果の発現には時間がかかることもあり
>金融政策の効果の発現には時間がかかることもあり

・・・・・・アカン

いやあのですね、現状アホみたいな緩和をしているのですから、そっちの効きすぎでビハインドにならんのか、というのが最大のリスク(ビハインドになったのが誰の目にも明らかになった時点では飛んでもない手遅れになっているんですから)だろ何が「時間がかかることもあり」じゃお前は何を言ってるんだ、と初手から罵倒したくなるのをじっと我慢して記事を拝読いたしますと、

『日銀は昨年7月に決めた計画に沿って国債買い入れを段階的に減額し、バランスシートの圧縮を進めている。6月には減額計画の中間評価を行う予定だ。』

ということで長期国債買入の件についての話があったのだが、

『小枝氏は、中間評価について「市場関係者や執行部の報告などしっかり聞いた上で、分析も見て判断したい」と指摘。』

「分析も見て判断したい」とは何ぞやという話だし、だいたいからして多角的レビューのアレを見ればわかるように、「分析」とやらはちょっとパラメータいじれば何ぼでも我田引水ができるもので、結論先にありきの分析ぶっこんでるなあ、というのは以前より何度も見た(過去イチトサカに来たのはリーマンショック後に1回だけ行ったCP買現先オペが「CP金利の引き下げに寄与した」とかいう強引にもほどがある我田引水分析なのはワイの過去ログを漁ると出てくると思います)のでして、まあこの時点で大丈夫かと思ったら案の定なのですが、

『上昇基調にある長期金利に関しては、足元の水準や日々の動きにはコメントを控えるとしつつ、長期金利変動の要因分析は可能であり、今後、関心を持ってみていきたいと語った。』

>長期金利変動の要因分析は可能であり
>長期金利変動の要因分析は可能であり
>長期金利変動の要因分析は可能であり

悪いんだがこの道四半世紀以上のワイが断言するけど「可能なわけぇ・・・・ないだろ!!!」

あ、念のため申し添えますが、タイムスパンが数年とかの話ならともかく、短期の市場変動の要因なんか数理的に分析できねえよ、という話ですのでよろしくお願いいたします。

・・・・・・・これは初手から地雷審議委員の悪寒しか起きなくて、就任前にまともな人が来たと喜んでいたのですが、糠喜びになるのは悲しいので、この悪寒はきっと杞憂民の杞憂だと自分に言い聞かせながら今後の展開を見守りたいと思います(まあリフレ派と比べれば人間とゾウリムシ位は違いますからその点ではベストかはともかくベターですけどね)。


〇うっかりしておりましたが短国の引値が期末直前に期末モードになっている件について

サーセンうっかり忘れてました短国ちゃんですが売参を見ますとですな、
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html

てきとーに1Mと2Mと3Mの短国(全て3M短国の成れの果て)の引値ちゃんを並べてみますと、月曜の時点では

(3/24引値)
国庫短期証券1282 2025/04/21 平均値単利 0.320
国庫短期証券1283 2025/04/28 平均値単利 0.320

国庫短期証券1287 2025/05/19 平均値単利 0.320
国庫短期証券1289 2025/05/26 平均値単利 0.320

国庫短期証券1293 2025/06/16 平均値単利 0.320
国庫短期証券1295 2025/06/23 平均値単利 0.280
国庫短期証券1296 2025/06/30 平均値単利 0.320

1295は先週金曜日に0.30割れで入札をやりやがった新発で1296は明日入札予定の3MWIです。

(3/25引値)
国庫短期証券1282 2025/04/21 平均値単利 0.300
国庫短期証券1283 2025/04/28 平均値単利 0.300

国庫短期証券1287 2025/05/19 平均値単利 0.300
国庫短期証券1289 2025/05/26 平均値単利 0.300

国庫短期証券1293 2025/06/16 平均値単利 0.290
国庫短期証券1295 2025/06/23 平均値単利 0.280
国庫短期証券1296 2025/06/30 平均値単利 0.290

とまあそういう訳で、月曜まではだいたい引値0.32%(変態銘柄の1295を除く)で延々と横並び(っていう利上げ観測完全無視イールドカーブってのもどうかとは思うがそれはさておきまして)で推移しておったのですが、まあ先週金曜の新発3Mがつよつよ入札であってことからお察しのように、その前から需給はタイトってイメージは有ったのですが、謎に引値は粘っていたのが火曜の引けで2毛とか強くなって0.30%という何の根拠も無いしそもそもGCやコール対比でクッソ低いのですが、まあその水準まで逝ってしまった上に3Mカレントゾーンが30割れになっておった訳ですよ。そうしましたら昨日は、

(3/25引値)
国庫短期証券1282 2025/04/21 平均値単利 0.290
国庫短期証券1283 2025/04/28 平均値単利 0.280

国庫短期証券1287 2025/05/19 平均値単利 0.290
国庫短期証券1289 2025/05/26 平均値単利 0.290

国庫短期証券1293 2025/06/16 平均値単利 0.290
国庫短期証券1295 2025/06/23 平均値単利 0.280
国庫短期証券1296 2025/06/30 平均値単利 0.290

軒並み30bp割れというテイタラクになっておりまして、期末帳尻ニーズ対応というのは分からんでもないのですが、帳尻するにしてもこんな時期まで引っ張らんじゃろ、とアタクシは昔の人なのでそのようにうっかり考えてしまうのですが、マイナス金利とかいう異世界の時間帯が長かったので、脳がまだ異世界モードの方も多い(というかこっちが異世界についていけなかったモウロクジジイ説は大有りなのですがそういうツッコミはしてはいけません)訳でして、まあぎりぎりになって動くもんなのかねとは思いましたが、需給自体はもうちょっと前からタイトだったから単に引値が追い付くのが遅かっただけかもしれません、知らんけど。

あと多分期末のこの時期にそういうことではないとは思うのですが、最近の短国ちゃんは利上げ観測が強まると長いところから避難民が押し寄せてきて一気に賑わうという仕様になっているので、まあこれが期末じゃなかったらそっちのムーブでもとは思うのですが、このぎりぎりに本格的な勢いでポートを戦略的にぶん回すのは(決算関係なければ別かもですが)よーおらんじゃろとは思う次第。

ま、今回に関してはそもそも前々回、前回の短国入札とその後のムーブにみられたように、先々週の後半位から短国需給がタイトになっていっていた流れが、引値の形で可視化されたのがたまたま直前になった、というだけではないかな、と思うのですけどどうでしょうかね。


〇引き続き1月議事要旨

https://www.boj.or.jp/mopo/mpmsche_minu/minu_2025/g250124.pdf

1月議事要旨は3月会合での議決事項、ということなので、もちろん嘘は書かれないにしましても、その後の情勢変化を受けて何となく扱う話題の軽重を掛けているだろ、というのは(これは別に日銀だけじゃなくて何ならFEDの方がより分かりやすくやってくる傾向がある)ありますので、その辺を
注目しながら読む、という性格の悪い読み方が吉かと勝手に思っています。

ということで『V.金融経済情勢と展望レポートに関する委員会の検討の概要』から。

・昨年の「米国経済の不確実性ガー」の言い訳コーナーがあったのはクソワロタ

『1.経済・物価情勢の現状』の米国経済の話ですが、

『米国経済について、委員は、個人消費を中心に堅調に成長しているとの認識で一致した。』

「米国経済ガー」とは何ぞやと言いたくなりますが、まあ前回12月会合議事要旨でもこう言っているのでwww

『何人かの委員は、最近の個人消費や雇用関連の指標がしっかりとしていることなどを踏まえると、昨年夏場にみられた経済の急減速懸念は後退していると指摘した。』

思わず「これ1月会合議事要旨でしたっけ」と見直してしまいましたが、そんな判断もっと前に出来るじゃろと思うのですが、12月会合議事要旨では「何人かの委員は、夏場に懸念された労働市場が急速に悪化するリスクは後退しており」ってなっていまして、なんかもう9月会合の時に「6月くらいから米国経済の不確実性ガー」とか言い出した(ならなぜ7月に利上げした)というその場しのぎの説明の辻褄合わせに必死だなと思いました。

『このうちの一人の委員は、実体経済が堅調な中で、ディスインフレのプロセスが続いており、FRBは余裕を持った政策運営が可能な状態にあると述べた。』

これ謎なんだが「余裕をもった政策運営」というのは何に余裕を持っているのかという話でして、米国の場合「余裕を持った政策運営」ってのは「引き締め的な金融政策を継続する余裕を持った政策運営」なのですから、むしろディスインフレのプロセスが遅れながら経済が強い時の方が現状の引き締め的な金融政策を急いで修正しなくて良くなるのでして、なんかこれ議事要旨書いている中の人が端折りすぎているだけだとは思うのですが、読んでて違和感感じましたわ。

『また、この委員は、昨年夏場の世界的な株価下落の一因となった雇用統計の弱さは、一時的な振れであった可能性が高いと付け加えた。』

今頃ドヤ顔(かどうか知らんが)で言う話なの????って感じでして、

『この点に関連し、別の一人の委員は、雇用には底入れの可能性が生じており、米国経済はソフトランディングしていくというより、むしろ早期に再加速する可能性が高まっているとの見方を示した。』

この委員の指摘の方が思いっきりしっくり来ますよね。でもってこの委員ですけれどもも引き続きまして、

『この委員は、そうしたもとで、FRBの利下げの一時休止も見込まれていると指摘した。』

って話になるわけでして、これその前の人たちの説明ってなんか今回の利上げに際してそれまで言ってた米国経済ガーとの辻褄合わせをするために、ここに来て急にアメリカン経済の懸念が解消していますがなみたいな話をおっぱじめていませんかねえ、と思ったので指摘しておこうかと思いました。

さらに米国経済については他の委員が、

『この間、ある委員は、米国経済についてはソフトランディング期待が高いが、同国の政策運営の不確実性が高い中、物価上昇率や金利の一段の上昇が生じれば、株価の下落を通じて、同国経済を支える個人消費を下押しする可能性もあり、注意を要すると指摘した。』

というのはまあそうですねとは思いますが、同時に米国の物価が上昇に転じた場合の日本への影響というのも言及して欲しかったなとは思いました。


・国内物価の現状の話

話は飛びまして国内のほうになりますが、

『物価面について、委員は、既往の輸入物価上昇を起点とする価格転嫁の影響は減衰してきているものの、賃金上昇等を受けたサービス価格の緩やかな上昇が続くもとで、政府によるエネルギー負担緩和策の縮小もあって、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、足もとは3%程度となっているとの認識で一致した。』

という話になっているのだが、生活物価の上がりっぷりを見ますと何ちゅうか統計的にはそういうことなのかも知れないけれどもなんか違和感あるんですよね、この「既往の輸入物価上昇を起点とする価格転嫁の影響は減衰してきているものの」って話も。

でもって話をややこしくしているのは、アクチュアルの物価が高止まりしている件に関しては毎度毎度「コストプッシュです」で済ませていることでして、だったら何で「既往の輸入物価上昇を起点とする価格転嫁の影響は減衰してきているものの」という判断になるのよ、と思う訳でして、とにかくこの物価の説明に対する違和感がアタクシ非常に強いのですけれども、なぜか知らんが記者会見でそっちの方面のツッコミが毎度イマイチなのが気になる(昨日の国会での半期報では結構突っ込まれていたみたいですがちゃんと見てないから詳しくない)次第。

まあそんなアタクシのしょうもないポエムはさておきまして、

『大方の委員は、物価情勢は、これまで「展望レポート」で示してきた見通しに概ね沿って推移しているとの見方を示した。』

ほう。

『複数の委員は、これまで十分に価格転嫁が行われてこなかった業種・企業などで、既往の原材料価格上昇等を販売価格に反映する動きが引き続きみられているほか、人件費や物流費の上昇分を販売価格に反映する動きも幅広くみられていると述べた。』

だからCPI高止まりしているんジャマイカとおもうのですよね。

『そのうえで、何人かの委員は、足もとの消費者物価の前年比の高まりについては、米価格が新米流通後も下落しなかったことなども影響していると指摘した。』

コアには跳ねないけど年末の野菜価格の上昇は異常でしたわよ(第二種兼業主夫脳)


・予想インフレの現状についての話

でもってその続きですが、

『この間、予想物価上昇率について、委員は、緩やかに上昇しているとの見方で一致した。』

お前ら何年それ言ってますねんという話だし、そんなに都合よく「緩やかに上昇」するもんじゃなくて、それこそ変態仮面のジム・ブラードが言ってた複数均衡論(あれが正しいのかは正直謎だが感覚的にしっくり来る説明だとは思う)みたいに、どこかで均衡が次の均衡点に遷移するもん、と考える方がむしろ自然な発想だと思うので、この何年もの間「緩やかに上昇」って認識で政策運営をしているのも意味不明な面がワイにはある。異論は大有りだと思うけど。

『一人の委員は、「生活意識に関するアンケート調査」において家計の5年後の物価予想の平均値が上昇した点を指摘した。別の一人の委員は、中長期の予想物価上昇率に関する指標をみると、1%台後半となるものが増えてきていると述べた。また、ある委員は、企業や家計の予想物価上昇率は概ね2%程度となっているのではないか、との見方を示した。』

とまあこのように少なくとも3人は既に期待インフレが2%点の近傍に到達しているのではないか、という指摘をしているのは地味に大事だと思います。インフレ期待が2%近傍にいるんだったら最早物価安定目標達成みたいなもんなんですよね定義上で言えば(アンカーされているか否か問題が残るのですけれども)。

というのに対して予想インフレはそんなに強くないだろ、という意見があるのですが、最初野口さんかなとも思ったのですが、このロジックの組み立て方には大本営的なサムシングを感じるのでうっちーの可能性がワンチャンあるなと思いました。

『これに対して、一人の委員は、予想物価上昇率が大きめに上昇しているのであれば、名目金利が低位にあるもと、実質金利の低下を通じて、景気刺激効果はより強まっているはずであるとの見方を示した。』

もし期待インフレが2%に達しているんだったら金融緩和効果が飛んでも無いものになっているのだからもっと経済や物価が上向きにスパークするんじゃないか、という指摘でして、だから、

『この委員は、こうした点を踏まえると、予想物価上昇率は、上昇してきているものの、2%より低い水準にあるとみるべきであると付け加えた。』

ということで予想物価上昇率はそんなに高くない、っていう理屈になっているのですが、実質金利の大きな低下が都市部の不動産価格に出てみたり、株式市場に出てみたり、為替円安に出てみたり、という形で資産市場の方に出ているんじゃないの、というツッコミをしたくなるわけですわ。

だってさ、1990年手前のバブル経済の時だって、CPIがガチで上がりだしたのって最後の半年かそこらだったはずで、その頃には既に時すでにお寿司が特上寿司100人前くらいの状態になっていた訳でございまして、その時よりも更に金融資本市場が強くなっているんだから、経済物価がそこまで跳ねてないからヘーキヘーキという考え方には、やりたい政策から後付けの毎度のアレを感じる次第で、そういう点も大本営っぽいなと・・・・・・・・・

というところで時間が例によって無くなったので本日はこの辺で勘弁。




2025/03/26

お題「1月会合議事要旨より(その1)」

物価高対策とか言ってまたマクロ的には物価が上がる政策をするに商品券10万ジンバブエドル
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250325/k10014759891000.html
石破首相 “新年度予算案の成立後 強力な物価高対策を検討”
2025年3月25日 21時25分

『自民 佐藤幹事長代理「予備費を使うとかよけいな発言」

自民党の佐藤正久幹事長代理は25日夜、BS日テレの「深層NEWS」に出演し、物価高対策について「新年度予算案が成立する前から、予備費を使うとか、補正予算案を編成するのかと捉えられかねない。まさに予算審議の現場を動かしている人間からするとよけいな発言だ」と述べました。』

『立民 大串代表代行「極めて問題のある発言」

立憲民主党の大串代表代行は記者団に対し「国会で審議をしている新年度予算案の内容が不十分だということをみずから露呈したことになる。極めて問題のある発言だ」と述べました。』(以上上記URL先より)

そりゃそうですよね・・・・・・・・

〇1月会合議事要旨より(その1)

https://www.boj.or.jp/mopo/mpmsche_minu/minu_2025/g250124.pdf
政策委員会 金融政策決定会合 議事要旨
(2025年1月23、24日開催分)

という訳で1月会合の議事要旨ですな。もしかして気が向いたら「主な意見」と比較するかもしれないので主な意見のURLも貼っておく。

https://www.boj.or.jp/mopo/mpmsche_minu/opinion_2025/opi250124.pdf
金融政策決定会合における主な意見
(2025 年 1 月 23、24 日開催分)

・貸増関連がちょっと気になったので

主な意見のほうには貸増に関する話が無かったのですが、議事要旨には当然の如く掲載されていまして、『U.貸出増加支援資金供給の終了に伴う経過措置』ってところ。

『1.執行部からの説明

貸出増加支援資金供給については、足もとまでの経済・金融情勢を踏まえると、現行の貸付実行期限である本年6月末をもって新規貸付けを終了することが適当と考えられる。本資金供給を終了した場合に、金融機関の資金繰りや市場金利等に与える影響を確認したが、大きな問題は生じないと考えられる。』

ちょwwwwwwこんなに簡単に終了できるのかよwwwwwwwww


ちなみに2024年の1月は一応まだQQE中ではあったのですけれども、昨年って何て言って貸増を延長していたのか、というのがこちらになります。

https://www.boj.or.jp/mopo/mpmsche_minu/minu_2024/g240123.htm
政策委員会 金融政策決定会合 議事要旨
(2024年1月22、23日開催分)

『III.貸出増加支援資金供給の延長

1.執行部からの説明
貸出増加支援資金供給の利用残高は、増加を続けており、本資金供給は、引き続き、金融環境を緩和的なものとすることに貢献している。こうした状況を踏まえると、「貸出支援基金運営基本要領」の一部改正等を行い、本資金供給を1年間延長することが適当と考えられる。

2.委員会の検討・採決
採決の結果、上記案件について全員一致で決定された。本件については、会合終了後、対外公表することとされた。』(この部分だけ直上URL先の2024年1月会合議事要旨より)

まあこの後貸増に関しては7月の0.25%への利上げの時に変動金利化をしたのでそこで前進していたのですが、「増加が続いているから緩和に資するので延長」と言って延長していたのに対して今回はその辺の政策的な建付けについてはあんまり細かく議論しないでフェードアウトってのもなんだかねえというか、もうちょっとこう一つ一つの面白政策手段に関しては手じまいするのは当然ですけど、手じまいするにあたって「でこれは結局何だったのか」というのをもうちょっと詰める、せめて詰めているなあというのは残して欲しいのですが、

25年1月議事要旨に戻ります。

『そのうえで、本資金供給の利用残高が高水準にあるもとで、円滑に終了する観点から、「貸出支援基金の運営として行う貸出増加を支援するための資金供給基本要領」の一部改正を行い、期限後、本年 12 月末までの半年間、満期到来額の半分を上限として、貸付期間1年の借り換えを認める経過措置を設けることが適当と考えられる。』

何で適当なのかは微妙ですけれども、なんでも経過措置を取らないとコワイデチューが仕様なのでまあ気持ちは分かるんだが、

『2.委員会の検討

委員は、執行部の説明どおり、貸出増加支援資金供給について、@本年6月末をもって新規貸付けを終了すること、Aその際、本年 12 月末までの半年間、経過措置を設けること、が適切であるとの認識で一致した。』

あっさり味・・・・・・

『一人の委員は、金融機関の積極的な貸出姿勢などをみても本資金供給の目的は既に十分に果たしたと述べたうえで、』

そもそも論として貸増あったから積極的な貸し出し姿勢があったというのは因果関係として存在するのか、という話で有りまして、

『本資金供給が金融機関の資金繰りを支援する効果がかなり強いことも踏まえると、この段階で終了することが適切であるとの見方を示した。』

ってなっていますように、そもそも論としてこの貸増って貸増があるからよーしパパ貸出拡大しちゃうぞー、という話になるのではなくて、貸出増えるとオイチイファンディング手段が日銀から提供されているからまあ使いますかってなもんで使っているうちに残高が増えてしまいました、という話で、結果「”有利な条件での資金繰り”支援」になっていたわけですよ。

そもそも論としてとんでもない量の日銀当座預金を出している時点で資金繰り云々の話って流動性の観点からしたら発生し得ないのでありまして(ただし金融機関の信用力を理由とした資金繰り云々はいつでも発生し得る)、パレート最適的に考えたらおかしい(というかおかしいものを他にもさんざんやっているんですけど)ものなので。

『ある委員は、日本銀行のバランスシートが縮小していく過程においては、金融機関の資金繰りについて、従来以上に丁寧にモニタリングをしていくことが重要であると指摘した。』

って言ってる趣旨はまあそうかも知れませんが、今の当座預金残高の規模ってマクロ的にとんでもない資金余剰状態であって、この時点で金融機関の資金繰りが云々っていうのはどこからどうみても個別金融機関のチョンボの世界であって、こうやって大上段で言う話なのかというとちょっと違う気がしますわな。チョンボ野郎の対応は個別の対応の話であって、日銀バランスシートの縮小というマクロ的な問題に絡めて考えるのは大幅にバランスシートを正常化した後の話であって今から心配する話ではどうみても無いのでこういう指摘があるのは気にかかるところです。


・物価上振れの指摘は1月会合主な意見でも示された通りですが再度確認

順番飛ばして先行きの金融政策運営の話の部分を見ますが・・・・

今回は利上げ会合でしたのでネタはそこそこあるのですが、まずは今後の利上げに関するところが興味津々、ということになりますので一気にワープしまして『W.金融政策運営に関する委員会の検討の概要』の中段、先行きの金融政策に関する議論を確認してみましょう。

『先行きの金融政策運営について、委員は、経済・物価・金融情勢次第であるが、現在の実質金利がきわめて低い水準にあることを踏まえると、経済・物価の見通しが実現していくとすれば、それに応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことが適当との見方で一致した。そのうえで、2%の「物価安定の目標」のもとで、その持続的・安定的な実現という観点から、経済・物価・金融情勢に応じて適切に金融政策を運営していくとの考え方を共有した。』

これは大本営公式見解なのでだから何だという話ではないので次、

『ある委員は、利上げ後も、実質金利は大幅なマイナスとなっており、経済・物価がオントラックであれば、それに応じて、引き続き利上げをしていくことで、そのマイナス幅を縮小していく必要があると指摘した。』

然り。

『一人の委員は、今後、基調的な物価上昇率が上昇していけば、それに応じて段階的に政策金利を引き上げて いく必要がある との見方を示した。』

お気持ち物価を基準にするの止めませんかねえ・・・・・

『この間、ある委員は、経済・物価がオントラックで推移する中、物価の上振れリスクが膨らんでおり、金融緩和の度合いを適時・段階的に調整していくことが適当であると述べた。』

上振れリスク登場。

『一人の委員は、新年度に向けた賃上げといった国内要因による 価格転嫁の一段の進展や為替円安の進行で、物価が上振れる可能性があるほか、』

これは賃上げをネタにしていますが、それに加えて今後新年度になったところでの年度替わりの価格改定の動きに対する上振れ警戒も入れているという中々威勢の良い指摘な上に、こちらの委員はさらに、

『不動産も含めた資産価格上昇で投資家の期待も高まっているとして、今後、過度な緩和継続期待の醸成による為替円安の進行や金融の過熱を避ける観点から、金融緩和の度合いを調整することも必要であると述べた。』

ということで、さっきの方の「ある委員」が抜刀斎みたいなこと言う罠とおもいましたが、むしろこちらの方が抜刀斎と考えると、物価上振れで抜刀している人が少なくとも2名はいるという力強い状況な訳ですね。

しかも不動産価格に関しては昨今民営賃貸住宅の家賃改定の話がニュースの話題になってみたりしていまして、まあこの辺も含めて影響出てきているんじゃないかねとは思うのですよね。

でもってここまで出た所でハト系の意見が出てきますが、

『これに対して、別の一人の委員は、昨年前半までのような急激な為替円安の進行は決して望ましいものではないが、経済の現状を踏まえると、為替円安の修正が急激に進むリスクにも相応に注意が必要であると述べた。』

『また、ある委員は、家計の節約志向の強まりなどが、企業の価格設定行動に及ぼす影響を注視する必要があると指摘した。』

ちなみに、この意見に関する部分って1月会合後に出ていた「主な意見」を見ますと、

『・ 利上げ後も、実質金利は大幅なマイナスであり、経済・物価がオントラックであれば、それに応じて、引き続き利上げをしていくことで、そのマイナス幅を縮小していく必要がある。

・ 経済・物価がオントラックで推移する中、インフレ上振れリスクが膨らんでおり、金融緩和度合いを適時・段階的に調整していくことが適当である。

・ 新年度に向けた価格転嫁の一段の進展や円安進行で、物価が上振れる可能性もあるほか、不動産も含めた資産価格上昇で投資家の期待も高まっている。今後、過度な緩和継続期待の醸成による円安進行や金融の過熱を避ける観点から、金融緩和度合いの調整を行うことも必要である。

・ 日本経済の現状をみると、昨年前半までのような急激な円安の進行は決して望ましいものではない。一方で、円安是正が過度に進むといった逆のリスクにも相応に注意が必要と考える。』(この部分は1月決定会合「主な意見」から引用しています)

となっていて、記載事項自体は同じなんですが、1つの段落の中にまとめて書くと「上振れ警戒」のトーンがより強めに見える(登場順序とタカハトの文章量が分かりやすく違っているので)のが中々味わいがあるなと思いました。


・利上げペースという話をするのは「打ち止めじゃないですよ」アピールじゃな

『先行き政策金利を変更していくペースについて、一人の委員は、上下双方向のリスクがかなり大きいことを考えると、利上げのペースや、その到達点を示すターミナル・レートを示唆することにはきわめて慎重であるべきと指摘した。』

ということで今回の議事要旨、先行きの利上げペースの話ってのが出ているのが味わいがありますわなということでして、

マイナス金利解除時の議事要旨
https://www.boj.or.jp/mopo/mpmsche_minu/minu_2024/g240319.htm

0.25%への利上げ時の議事要旨
https://www.boj.or.jp/mopo/mpmsche_minu/minu_2024/g240731.htm

こちらの議事要旨では、先行きの政策調整ペースに関して言及している部分あるのですが、今回のように独立した段落を作って先行きの政策調整ペースの話をしている訳ではなくて、1月の前の12月会合では「次回利上げのタイミング」の段落はあったのですが、そこでの話は当然ピンポイントで0.50%への利上げどうしますねんの話だったので、今回のように先のペースの話が独立段落として出たのはまあそういうことやぞというメッセージなんでしょ、とは思いました。

『別の一人の委員は、特定の中立金利の水準などを目指して利上げを進めていくのではなく、利上げのたびに、その経済・物価への影響を見極めながら政策を調整していく慎重さが必要であると述べた。』

『これに対して、ある委員は、経済・物価が見通しに沿って推移していくならば、2025 年度後半に1%程度という水準を念頭に置き、そこに向けて政策金利を引き上げていくことが望ましいとの見方を示した。』

抜刀斎キタコレという感じですが、それほど議論が盛り上がっている訳でもないような書き方ではありますけど、独立項目で書いたのはほほうと思いました。まあ「利上げ打ち止めじゃないですよ」感を出したかったんでしょうね、知らんけど。


・基調的物価とは、というお話

次の段落はこの話。

『委員は、今後の政策判断にあたって、基調的な物価上昇率をどのように捉えていくかについても議論した。』

どこかの口の悪い人が「お気持ち」とか言っておりますが(はて誰の事やら)、この「基調的物価」がアクチュアルの物価が高止まりして物価高対策とか言われる中でだんだん対外説明的に怪しい感じになってきていると思うのでこういう話をしているのは大事だと思いました。ちなみに主な意見では、

『・将来的には、政策金利についての考え方や、基調的な物価上昇率に関する各種指標の位置づけを整理していくことが望ましい。』(これは1月会合「主な意見」より)

とだけありましたが、なんだちゃんと話をしてるじゃん、と思いましたので今後の展開がちょっと楽しみ。

『委員は、基調的な物価上昇率を単一の指標で捉えることは出来ず、様々な角度から、幅を持って捉えることが重要であるとの認識を共有した。』

なのに何で「2%より低い」みたいなあたかも基調的物価が「ザ・基調的物価」としてピンポイントであるような説明になってしまうのかが甚だ怪しからん訳で、毎度申していますが基調的物価が2%に近いところにいるんだったら計測誤差も含めて考えたら既に2%行ってるかもしれないという話になるわけで、この「基調的物価」は物価目標から遠い時、あるいはテンポラリーなインパルスによって物価が上下に跳ねた場合には使って良いと思うのですが、今のようにCPI上振れが恒常化している中で使うのは屁理屈にしか見えないと思います。

『一人の委員は、基調的な物価上昇率は、総合的に評価されるものであると述べたうえで、将来的には、基調的な物価上昇率に関する各種指標の位置付けを整理していくことが望ましいと述べた。』

これが主な意見の人ですね、仰せの通りかと。

『ある委員は、概念的には、基調的な物価上昇率が高まっていくには、価格硬直性の強い家賃等の価格が上昇することが重要であると指摘した。』

何で決め打ちするのかね、と思いますし、そもそもCPI計測における民営賃貸住宅の家賃のサンプルの取り方とかの統計上の問題の方はどないなっとんねんという話もあるし、これは家賃が上がりにくいのをいいことに「利上げを渋るための屁理屈」を捏ねる黒田末期以降の日銀大本営の病気に起因する議論のように見えますな(となると言ってるのは特定できそうw)。

と思ったらここで凄く良い指摘が出ていまして、

『他方で、一人の委員は、わが国の慣行のもとでは、家賃や公共料金が上昇するには長い時間を要するとみられ、金融政策が影響を及ぼしうるものとして、これらを除いた物価をよくみながら、物価の上振れリスクに注意していくべき局面にあると述べた。』

かつて石田審議委員や佐藤審議委員もこの点指摘しておられたのですが、除く帰属家賃でトレンドを見るべき、という指摘で、住友繋がりで抜刀斎が言ってるんじゃないかと思いましたけれども、日銀大本営の利上げを渋る屁理屈に大砲撃を加えている姿に大変好感を受けました。

ということでアタクシの時間が無くなってしまいましたので続きは明日以降で勘弁してつかあさい。








2025/03/25

お題「FOMCレビュー:オープニングリマークの説明はどう見ても地蔵宣言ですよねこれ」

ほほう
https://jp.reuters.com/markets/quote/USDJPY=X/
US Dollar / Japanese Yen FX Spot Rate
USDJPY=X
直近の取引 150.67 JPY
2025年3月25日の時点。値は少なくとも15分遅れで表示しています

トラ公に振り回されておりますが、結局のところ包括関税もやるやる詐欺でただのブラフじゃんという話になってまいりますと、これは植田総裁が会見でゆうとった「4 月の初めにはある程度のところが出てくるかもしれないという状況ですので」がなまじギャグじゃなくなってきましたな、お誂え向きにドル円も150円奪還してるんだし・・・・・・・^^;

〇FOMCレビューの続きでパウちゃん会見だが今日は地蔵宣言のオープニングリマークで勘弁

https://www.federalreserve.gov/mediacenter/files/FOMCpresconf20250319.pdf
Transcript of Chair Powell’s Press Conference
March 19, 2025

木曜日にネタにしました通り、FOMCって労働市場の見通しは下げてなくて物価の見通しは上げてて、2025年末のドットはどう見たってあれは上がっていると評価する(あれを中央値が同じだから云々とかいうのは全く無意味な説明でしょとしか言いようが無い)もんだし、あと結構ほほうと思ったのはロンガーランのドットが「ハト派最右翼」の皆さんがちょっとだけですけれども引き上げているというのもあって、これ全般的には結構な勢いで「トラ公要因による物価上昇への構造シフトを警戒」モードだって感じなんですよね。

ただまあだいたいこういうのが公表文書で出るときってのはパウエルはバランスを取りに行く傾向にあって(ものすごい勢いで引き締めている時だけは別でしたが)、だいたい会見ではこの警戒トーンを中和しに行くんですよ、良い悪いの議論があるけどそれがパウちゃんの仕様でして、タヌキちゃあタヌキなんですけど、植田さんみたいに全部ド直球に説明して政策据え置きの時はハトハトチキン爆裂で利上げした時は中の人が変わったのかというようなタカ派になるというのも如何なものかと思うので、まあこれはこれでアリちゃあアリ。

とは言いましても、FEDと言えども公的機関なので、公的機関の特性として発出物にはウェイトがあるわけで、公表文書>記者会見なのですが(これはまあしょうがない面が多々あるのですけど)会見ヘッドラインでああだこうだ反応してしまうとパウちゃんの場合は通常運転の特に「公表文書のトーンを中和する説明」をする傾向にあるので、あんまり会見のトーンに反応しない方が良いと思うんですよね〜。

と前置きはさておきましてオープニングリマークからですが、最初の方はただのご挨拶なので引用はするけど読み飛ばして無問題。

『CHAIR POWELL. Good afternoon. My colleagues and I remain squarely focused on achieving our dual mandate goals of maximum employment and stable prices for the benefit of the American people. The economy is strong overall and has made significant progress toward our goals over the past two years. Labor market conditions are solid, and inflation has moved closer to our 2-percent longer-run goal, though it remains somewhat elevated.』

『In support of our goals, today the Federal Open Market Committee decided to leave our policy interest rate unchanged. We also made the technical decision to slow the pace of decline in the size of our balance sheet. I will have more to say about these decisions after briefly reviewing economic developments.』

ここは挨拶と今日の決定の話でここからが説明。

・経済について:「uncertainty about the economic outlook」ですわな

『Economic activity continued to expand at a solid pace in the fourth quarter of last year, with GDP rising at 2.3 percent. Recent indications, however, point to a moderation in consumer spending following the rapid growth seen over the second half of 2024.? Surveys of households and businesses point to heightened uncertainty about the economic outlook. It remains to be seen how these developments might affect future spending and investment. In our Summary of Economic Projections, the median participant projects GDP to rise 1.7 percent this year, somewhat lower than projected in December, and to rise a bit below 2 percent over the next two years.』

経済については「Surveys of households and businesses point to heightened uncertainty about the economic outlook.」とサーベイが云々と言ってますが、いずれにしましても「経済の先行き見通しが不透明」というのがキーワードですわな。でもって手前の見通しを引き下げ。


・労働市場について:説明を見ますとまさに「理想的な状態」

『In the labor market, conditions remain solid. Payroll job gains averaged 200 thousand per month over the past three months. The unemployment rate, at 4.1 percent, remains low and has held in a narrow range for the past year. The jobs-to-workers gap has held steady for several months. Wages are growing faster than inflation, and at a more sustainable pace than earlier in the pandemic recovery. 』

と状況の説明をしておりまして、その結論が「Wages are growing faster than inflation, and at a more sustainable pace than earlier in the pandemic recovery.」とか理想的過ぎる状況みたいな説明になっておりまして、

『Overall, a wide set of indicators suggests that conditions in the labor market are broadly in balance. The labor market is not a source of significant inflationary pressures. The median projection for the unemployment rate in the SEP is 4.4 percent at the end of this year and 4.3 percent over the next two years.』

しかも全体的にバランスが取れてるだの過度なインフレ圧力を招いていないだのいいことづくめの説明になっております。どっかの中銀は「好循環」とか言って賃金上昇が物価上昇圧力に繋がるのを寧ろ推奨しているような説明を未だにしていますが、本来はこういう説明になっているべきなんじゃないでしょうかねえと思いました、まる。


・物価について:関税政策の影響について「サーベイによりますと」としているのがちょっとチャーミング

『Inflation has eased significantly over the past two years but remains somewhat elevated relative to our 2 percent longer-run goal.』

直近2年間で盛大に下がったけれどもまだ2%目標より幾分かお高い、というのはいつも通りの状況認識ですが、

『Estimates based on the Consumer Price Index and other data indicate that total PCE prices rose 2.5 percent over the 12-months ending in February and that, excluding the volatile food and energy categories, core PCE prices rose 2.8 percent. 』

アクチュアルな物価の状況について説明して、

『Some near-term measures of inflation expectations have recently moved up. We see this in both market- and survey-based measures, and survey respondents, both consumers and businesses, are mentioning tariffs as a driving factor. Beyond the next year or so, however, most measures of longer-term expectations remain consistent with our 2 percent inflation goal. 』

長期インフレ期待は安定しているが(というかまあ基本的に安定していることにしないと思いっきり緩和か思いっきり引き締めのベタ踏みが必要になるので安定していることにするのが仕様)ニアータームのインフレ期待については最近上がっていまして、サーベイが申すにはやはり関税の影響を気にしています。だそうです。

ここでオモロイなと思ったのは、さっきの「経済の先行きの不確実性」とこの「物価の先行きの関税の影響」について、自分たちがそう思っているという説明をしないで「世の中の皆さんのサーベイでもこのような結果が出ています」というイタコ話法を使っている辺りが、まあホワイトハウスのキチガイとの間合いという感じを勝手に思ってしまいましたwww

『The median projection in the SEP for total PCE inflation is 2.7 percent this year and 2.2 percent next year, a little higher than projected in December. In 2027, the median projection is at our 2 percent objective.』

最後はSEPの見通し、物価見通しは引き上げ。


・金融政策について:まあ地蔵宣言ですよねこれは

『Our monetary policy actions are guided by our dual mandate to promote maximum employment and stable prices for the American people.』

これはいつもの開経偈。

『At today’s meeting, the Committee decided to maintain the target range for the federal funds rate at 4-1/4 to 4-1/2 percent.』

政策金利据え置き。

『Looking ahead, the new Administration is in the process of implementing significant policy changes in four distinct areas: trade, immigration, fiscal policy, and regulation.』

貿易、移民政策、財政政策、規制に関してトラ公のヤローがsignificant policy changesを打ち出している訳だが、

『It is the net effect of these policy changes that will matter for the economy and for the path of monetary policy. While there have been recent developments in some of these areas, especially trade policy, uncertainty around the changes and their effects on the economic outlook is high. As we parse the incoming information, we are focused on separating the signal from the noise as the outlook evolves.』

ちょっと貿易関連では施策出てきていますが、今後の影響については不確実性が高く、今後のデータを見る際にもノイズを排除しながら見ていかないと行けなくてムツカシネー、と来てからの、

『As we say in our statement, in considering the extent and timing of additional adjustments to the target range for the federal funds rate, the Committee will assess incoming data, the evolving outlook, and the balance of risks. We do not need to be in a hurry to adjust our policy stance, and we are well positioned to wait for greater clarity.』

ここのところずっと言ってますが、「We do not need to be in a hurry to adjust our policy stance, and we are well positioned to wait for greater clarity」を今回も言っていまして、そりゃまあ物価は不確実で2%オーバーとは言え以前よりも顕著に落ち着いているし、労働市場は理想的な状態だし、賃金は物価を上回る強さだし、となりましたらそらまあしばらく動かなくてヨシ!(現場猫のアスキーアート割愛)という結論にするわなと。


・先行きの政策は状況次第ですがと言いながら再度「well positioned 」と言及していますな

次はSEPのただの説明なので引用だけ

『In our SEP, FOMC participants wrote down their individual assessments of an appropriate path for the federal funds rate, based on what each participant judges to be the most likely scenario going forward-an admittedly challenging exercise at this time, in light of considerable uncertainty. The median participant projects that the appropriate level of the federal funds rate will be 3.9 percent at the end of this year and 3.4 percent at the end of next year, unchanged from December. While these individual forecasts are always subject to uncertainty, as I noted, uncertainty today is unusually elevated. And, of course, these projections are not a Committee plan or a decision.』

でもって政策は事前決め打ちではないといういつもの説明が続きまして。

『Policy is not on a preset course. As the economy evolves, we will adjust our policy stance in a manner that best promotes our maximum employment and price stability goals. If the economy remains strong and inflation does not continue to move sustainably toward 2 percent, we can maintain policy restraint for longer. If the labor market were to weaken unexpectedly or inflation were to fall more quickly than anticipated, we can ease policy accordingly. Our current policy stance is well positioned to deal with the risks and uncertainties that we face in pursuing both sides of our dual mandate.』

ここでも「先行き不透明ですが今のスタンスは上下どちらのリスクにも対応できる水準ですのでとにかくあんじょうようやっときますわ」という説明をしていますが、ここの最後の部分で、「Our current policy stance is well positioned to deal with the risks and uncertainties」と2つ前のパラグラフでの表現を繰り返して使っておりまして、すくなくともホイホイ利下げするような状況ではない、という話をしていますので、その点ではSEPのドット(2025年)と整合的というか、やはり「2回とは言ってるけどもしかしたら1回とか0回もアリエール」というのがここでも示されているって感じだと思うんですよね。


・国債ポートの縮小ペースの減額:特段踏み込んだ説明は無く淡々と説明

『At today’s meeting, we also decided to slow the pace of decline in our balance sheet. Since we began balance sheet runoff, our securities holdings have declined by more than $2 trillion. While market indicators continue to suggest that the quantity of reserves remains abundant, we have seen some signs of increased tightness in money markets.』

「While market indicators continue to suggest that the quantity of reserves remains abundant, we have seen some signs of increased tightness in money markets」なので国債の残高縮小ペースを減額しますと。

『Beginning in April, the monthly cap on Treasury redemptions will be lowered from $25 billion to $5 billion. Consistent with the Committee’s intention to hold primarily Treasury securities in the longer run, we are leaving the cap on agency securities unchanged. This action has no implications for our intended stance of monetary policy and should not affect the size of our balance sheet over the medium term. 』

MBSに関しては将来的にゼロにする(それこそこの前ローガンが講演で言ってたパレート最適の考えからしたら当の然であるのですが)ので変わらず減額するわな、というお話ですが、どの辺で止めるのかはまあ良くわからんところではありますな。


・政策枠組みのレビュー:5月にコンファレンスするみたいですね

『The Committee also continued its discussions as part of our five-year review of our monetary policy framework. At this meeting, we focused on labor market dynamics and our maximum employment goal. As we have indicated, our review will include outreach and public events involving a wide range of parties, including Fed Listens events around the country and a research conference in May. Throughout this process, we will be open to new ideas and critical feedback, and we will take on board lessons of the last five years in determining our findings. We intend to wrap up the review by late summer. 』

5月にコンファレンスやる、という以外は新しい話は無くて、どうせこれジャクソンホールのタイミングでぶつけてくるんでしょ、と思います。


・最後はいつものお経

『The Fed has been assigned two goals for monetary policy-maximum employment and stable prices. We remain committed to supporting maximum employment, bringing inflation sustainably to our 2 percent goal, and keeping longer-term inflation expectations well anchored. Our success in delivering on these goals matters to all Americans. We understand that our actions affect communities, families, and businesses across the country. Everything we do is in service to our public mission. We at the Fed will do everything we can to achieve our maximum employment and price stability goals. Thank you. I look forward to your questions.』

オープニングリマークの最後はいつものお経で締めていてこれはいつも通りです。

・・・・・という所で時間切れなのでQAは追々(なんか昨日から急に期末モードになって円債ちゃんが意思をもって動いている感じがしなくなっておりますので今週は虫干し仕事を成敗しろというお告げだと思うの)やっていきますが、Q&Aではハト発言とかいうのが何とかストとかのコメント見ていると出ているのですが、声明文とこのオープニングリマークはどっからどうみても「ワシ動かないもんね」モードだし、SEPのドットも見通しもなんか今までの行きがかり上2回利下げにしているけど、そうじゃなさそうな感じというのが伝わってくるのは高金利スキーのアタクシの目の曇りによるものだとは思いますが、でもまあそういう事じゃね??とは感じるのですがどうでしょうかねえ。


あと昨日は植田さんがなんか国会で発言させられていましたが、国債売却の可能性ってそりゃゼロじゃない話なの当たり前じゃろということだし、国債売却云々の前にアホのようなロットの買入を継続している方の問題について質問しろよと思いました。あと決定会合での総裁会見でめんどいからネタにしませんでしたが、国債買入に関して6月の見直しでペースが落ちる方向の質問ばっかりしてるの何なのと思いました。まあ過激派のワイとしては今の削減ペースもクソ遅いし、買入3兆円もやらないと金利が急騰して困るとか言ってるのは「財政ファイナンス容認」って言ってるのと同義であって言ってる輩は全員ジンバブエに移住しろやとしか申し上げようがないのですがwwwwww










2025/03/24

お題「3M新発短国30割れとな/SLFに関する日銀レビューシリーズ/植田総裁定例記者会見より」

ありゃま
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250323/k10014758091000.html
愛媛 今治で山林火災 付近住民に避難呼びかけ けが人情報なし
2025年3月23日 18時59分

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250323/k10014758011000.html
岡山市南区で山林火災 消火活動 けが人や建物へ延焼の情報なし
2025年3月23日 18時57分

失火なのかどうかはさておき春(と冬)は大火起きやすいですので要注意
https://www.nhk.or.jp/bousai/articles/21432/
大規模火災はなぜ起こる?強風による飛び火と乾燥
2023年11月16日

江戸ですと振袖火事が3月頭(新暦換算)、目黒行人坂の大火が4月頭(同)ですにゃ


〇3M新発0.30割れとかもうねということでメモメモ

今週金曜の新発が期内最終ではあるのですが、まあ3/31発行とかいうのもアレとなると確かに先週末のは期内最終みたいなもんちゃあそうなのかもしれませんけれども・・・・・

https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20250321.htm
国庫短期証券(第1295回)の入札結果

『本日実施した国庫短期証券(第1295回)の価格競争入札及び国債市場特別参加者・第T非価格競争入札について、下記のように募入の決定を行いました。



1.名称及び記号   国庫短期証券(第1295回)
2.発行根拠法律及びその条項
財政法(昭和22年法律第34号)第7条第1項、財政融資資金法(昭和26年法律第100号)第9条第1項並びに特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第83条第1項、第94条第2項、同条第4項、第95条第1項、第136条第1項及び第137条第1項

3.発行日   令和7年3月24日
4.償還期限  令和7年6月23日
5.価格競争入札について
(1)応募額       11兆1,601億円
(2)募入決定額     3兆4,058億8,000万円
(3)募入最低価格   99円92銭5厘5毛
(募入最高利回り)    (0.2990%)
(4)募入最低価格における案分比率  56.3648%
(5)募入平均価格    99円92銭7厘8毛
(募入平均利回り)    (0.2898%)』

・・・・・orzorz

とまあそういうことで平均が30微かに割れてしまいましたという結果でナンノコッチャにも程があるのですけれども、その後もちゃっかり強かったみたいで売参ちゃんを見ますと、

https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html

(3/21引値)
国庫短期証券1274 2025/06/10 平均値単利 0.320
国庫短期証券1293 2025/06/16 平均値単利 0.319
国庫短期証券1238 2025/06/20 平均値単利 0.320
国庫短期証券1295 2025/06/23 平均値単利 0.280
国庫短期証券1296 2025/06/30 平均値単利 0.319←今週金曜日に入札のある3M新発WI

ということで、1295だけ引値が0.280%とかいう面白引値になっておりまして、単純に新発でロットの買いがドバーみたいなのがあってこの銘柄だけ局地的に強い、という図には成っていまして、気が付くと手前の3Mとかでも入札の時に局地的に強かったものが0.32%横並びみたいになっていまして、まあこの0.32%っていうのもホンマカイナ感は多々あるのですけれども、それはそれとしてなんか期末だからなのか強いという結果になっております。ナンノコッチャ。

一方のGCちゃんですけれども、

https://www.jsda.or.jp/shiryoshitsu/toukei/trr/index.html

        O/N  T/N  1w  2w  3w  1m  3m  6m  1y
2025/3/18 0.496 0.489 0.453 0.435 0.436 0.435 0.458 0.502 0.603
2025/3/19 0.491 0.493 0.455 0.441 0.439 0.437 0.458 0.502 0.604
2025/3/21 0.487 0.495 0.455 0.444 0.442 0.438 0.458 0.502 0.604

GCレートは著変無しでして、トモネのレートは割と高水準のところで止まっていまして、一方で3Mの新発だけはアホほど強いといういつものアレになっておりますです、はい。


〇SLFの利用と市場の流動性というのがあったが説明文見て吹いた件

日銀レビューシリーズですけど

https://www.boj.or.jp/research/wps_rev/rev_2025/rev25j01.htm
国債補完供給の利用状況からみた国債市場の機能度
2025年3月21日
金融市場局 井出穣治、高橋優豊、増田朋晃

本文はこちら
https://www.boj.or.jp/research/wps_rev/rev_2025/data/rev25j01.pdf


でもってHTMLにあるエグゼクティブサマリーですけれども、『要旨』ってお題でして、

『日本銀行では、国債市場の流動性向上と円滑な市場機能の維持に貢献する観点から、国債補完供給制度(SLF)のもとで、市場参加者に国債を一時的・補完的に供給している。』

「一時的・補完的に」ってところに「常設ファシリティにする気はない」という強い意志が見られますねwww

『SLFの利用は、イールドカーブ・コントロール撤廃を見込んだ国債の売り圧力と、それを受けた日本銀行の大規模買入れから国債市場の流動性が大きく低下した2023年初に急増し、その後も高止まりの状況が続いたが、2024年半ば以降は減少している。』

まあSLFが午前も午後もゼロになる日が1週間続いたら正常化だと思ってますワイは。

『利用額減少の背景としては、投資家のポジション動向の変化に加え、日本銀行の国債買入れ減少やレポレートの安定により、国債の現物・先物市場やレポ市場の機能度が幾分改善していることが指摘できる。』

はまあ良いのですが、この次の説明文言に紅茶吹いたのですが、

『もっとも、10年既発債を中心に、日本銀行の国債保有比率が極めて高い銘柄が残存する中、
SLFは引き続き国債市場の流動性を下支えする役割を果たしている。』

>SLFは引き続き国債市場の流動性を下支えする役割を果たしている
>SLFは引き続き国債市場の流動性を下支えする役割を果たしている
>SLFは引き続き国債市場の流動性を下支えする役割を果たしている

「下支えする役割」ってそもそも国債市場の流動性ぶっ壊してるのおまいらの後先考えない大量の国債買入のせいじゃろ以外の何物でもないのですから、それに対してSLF出すのは当然の補償措置であって、「国債市場の流動性を下支えする役割を」とか偉そうに説明するのってどこのDV男かよと小一時間問い詰めたいwwwwwwwwwwww

『日本銀行としては、今後も、SLFの利用状況に映し出される国債市場の機能度について、丁寧にフォローしていく。』

まあ中身に関してはご紹介割愛しますがまあ読んで味噌という所です。


〇決定会合レビューで植田総裁会見:

https://www.boj.or.jp/about/press/kaiken_2025/kk250321a.pdf
総裁記者会見
――2025年3月19日(水)午後3時30分から約65分

・今回幹事社の質問がポイント押さえた簡潔な質問で良かったですね

幹事社からの質問2問あったのですが、重要なポイントについて1点で聞く方式(なので2つあって2問だった)だったのは高く評価できるなと思いました、やればできるじゃん。

『(問)今春闘の賃上げの受け止めについて伺います。3 月 12 日の集中回答日などを経て、大企業を中心に大幅な賃上げを行う発表が相次ぎ、具体的な水準も出てきましたが、この水準が今後の金融政策運営にどのような影響を与えるものとお考えでしょうか、お聞かせください。』

ということで賃金に関してですが・・・・・・・・


・「賃金強いのも含めて1月利上げした」がやっぱり基本線なのですが・・・・・・・

植田さんの回答ですけどね、

『(答)先週ですか、明らかになりました連合の第一次集計結果では、春季労使交渉における賃上げ率は 5.46%と、昨年に引き続き高水準となりました。また、集計結果では、大企業だけでなく、相対的に規模が小さい企業でも、高めの賃上げ率が実現しており、賃上げの動きが広がってきていることも窺われます。』

ではあるものの、

『今回公表された結果は、1月会合時点での見通しに概ね沿ったものと評価しています。』

であるので、そういう意味では今後の政策運営に関して強い後押しになるのかというと「1月で既にお見通しじゃガハハ」になると思うのですよね。

『もちろん、中小企業の中には、これから本格的な賃上げ交渉を行う先も少なくなく、今後とも賃金動向については丁寧に確認していく必要があります。』

だそうで、こういう説明だと「結局まだ賃金の見極め終わってないのかよと思ってしまうのですが、これだとハトハトチキンと見られるのもどうなのか、ということでちょっと先の質疑での回答はサービスフレーズ(というか何というか)が入っているんですよね。

まあそれはこの後ということで上記引用の続きですが、

『また、言うまでもないことですが、金融政策運営においては賃金動向に限らず、幅広く経済・物価・金融情勢を点検し、わが国の経済・物価の見通しやリスク、見通し実現の確度に及ぼす影響を見極めていくことが重要と考えています。』

ということでしたが、ちょっと先の質疑に行くと別の説明になっているのが植田さん安定感欠くんだよなあ(従来よりはマシなんですけど)とは思いましたがそれは後述しまして幹事社から2問目に参ります。


・アクチュアルの物価が高止まりしていることについてはさすがに冒頭に言及せざるを得なくなっていますね

『(問)足元の物価動向についてお伺い致します。直近で公表されている 1 月の消費者物価指数であったり、2 月の企業物価指数は高い伸びが続いている状況ですが、1 月の展望レポートで示した物価見通しや基調的物価の想定の範囲の動きととらえているのでしょうか、総裁の見解をお聞かせください。』

春闘の評価、足元の物価の評価、という重要な2点(他にもう一つあって次の次の人の質疑でいい感じの回答がありますわな)についての質問でした、簡潔で大変結構。

『(答)ご指摘頂いた通り、1 月の例えば生鮮食品を除く消費者物価の前年比は 3.2%と伸び率をやや高めています。また、国内企業物価の前年比も 4%程度の伸びとなっています。こうしたことが国民生活にマイナスの影響を与えていることは十分に認識しております。』

開口一番これを言うのはまあさすがのハトハトチキン日銀と言えども物価上昇放置プレイへの批判で十字砲火食らわないように、という認識くらいはあるんでしょうね。

『こうした物価動向、特に最近の消費者物価の前年比には、政府によるエネルギー負担緩和策の縮小に加え、米価格の上昇が影響しています。米を含む食料品などの価格上昇は、それ自体は天候要因等を背景とするものだとしましても、家計のマインドや予想物価上昇率の変化を介して基調的な物価上昇率に二次的な影響を及ぼし得る点は認識しておく必要があると考えています。』

かつて黒田日銀はQQE2(またの名をバズーカ2だのハロウィン緩和だの)をした際に「原油価格などの下落がどうのこうの」という飛んでもない屁理屈を繰り出して追加緩和をしましたけれども、米価上昇に関しては「それ自体は天候要因等を背景とするものだとしましても」とか言っている時点で利上げの理由にしたくないと考えていることは明白ではあります。まあこういわないと政策調整(=利上げ)をしない理由の方が謎になってくるんですけどね。

なので・・・・・・・


・「基調的な物価」の危うさもそうだけど「需給ギャップ」は1月展望の説明で言えば今後使わない方が良かったと思うのだが

上記の続きです。

『そのうえでですが、現時点では、こうした点を踏まえても、基調的な物価上昇率については、徐々に高まってきていますが、なお 2%を下回っているという認識に変わりはありません。』

さっきの「米価上昇は季節要因による一時的な物」というのと、この「基調的な物価上昇率」の話ってあんまりこれを前面に出してしまうと「日銀は物価高を放置している」って批判がいつ被弾してもおかしくなくなってしまうのでいい加減この「基調的な物価指数」を言うの控えめにした方がエエンチャウノと思いますけどね。

まあそれはそうとしまして、

『日本銀行としては引き続き、各種の物価指標のほか、物価変動の背後にあるマクロ的な需給ギャップや、予想物価上昇率、賃金上昇率など、経済・物価に関する様々な情報を丁寧にみたうえで、物価情勢を評価してまいりたいと考えています。』

という説明をしているのですが、1月の利上げの時の展望レポートでの説明と、その後の背景説明部分で渾身のBOXがあった訳でして、あの時の説明ですと、寧ろ「需給ギャップと関係ない構造的な部分で物価上昇率が定着している」という話をしているんですし、だいたいからして物価安定目標ってのは「景気循環が1サイクルする中で物価上昇率がそのスルーザサイクルにおいておおむね2%近辺で推移する」ってのが目標達成なのであるからして、マクロ的な需給ギャップがマイナスだからどうのこうのって話をするのも多少おかしいんですよね。今の政策金利がおおむね中立あるいはそれにかなり近いと思われる水準なら別ですけど。

ということで、基調的物価うんぬんはまあ今までの説明でも言ってたから言う罠とは思いますが、需給ギャップの話は1月会合のところでの展望レポートの書きっぷりを見ると物価安定目標達成と必ずしも直リンしない話の筈なんで、植田さんがここでわざわざ「マクロ的な需給ギャップ」とか言ってしまうのも(いやまあ展望レポートにおける物価見通しは「基調的な物価ガー」でその基調を決めるのが「マクロ的な需給ギャップ」と「期待インフレ率」なんでこういう説明をするのもまあそうかなとも思うのですが、余計なファクターをゴテゴテつけるから日銀が何を見て判断しているのかが訳わからんことになるんですよね〜、とは思うのでした。

ちなみに2社目の質問がクソ過ぎて泣くのだが引用する気にもならんけど、せめて「何点聞きたい」って最初に言えよと思いました。質問が終わるのかと思ったら次々質問が増築されて終わらないのはさすがに聞いててトサカに来ましたので猛省を促したいし、前半でそういうクソみたいにダラダラとした質問する輩がいるから後半時間が無くなるんですよね。


でまあその次の質疑が中々結構でごわすって感じでしたが。


・海外リスクに関してまさかの「4月頭に判断可能」発言

この質問も中々結構。

『(問)一点目は春闘を含めて国内の賃金・物価情勢は順調な動きを続ける一方で、海外経済は先行き不透明感が増している状況ということだと現状は思います。こうした内外情勢を踏まえて、現状は国内要因による物価上振れリスクと、海外要因による下振れリスクのどちらをより重視する、もしくは懸念する局面とお考えでしょうか。』

幹事社が(後の人のために残したんだと思いますが)聞かなかった海外経済ガーの話についてそのウェイトはどうなんですかという質問でして、

『1月の展望レポートで示した消費者物価の上振れリスク、これについて現状は低下しているのかそれともリスクは変わらないとお考えなのか、総裁のお考えをお願いします、ということが一点目です。(後半割愛)』

『(答)前半ですけれども、当然のことながら、国内の物価・賃金のある種好循環の継続の状況と、ここにきて重要性を増している海外発の様々な不確実性の両方をみて、両方を今後の経済・物価見通しに、あるいはそのリスクに的確に反映させて政策を決めていくということだと思います。』

これは一般論ですな。

『どちらの側面を重視しているのかというご質問だったと思いますが、特に後者の海外発の不確実性のところは、先ほども申し上げましたが、ここにきて急速に高まっているという側面と、まだ今後明らかになる政策内容によってどういうことになるかという部分がかなり大きく振れるということですので、』

「ここにきて急速に高まっている」キタコレと思ったら・・・・・・

『定量的にうまく把握できるという段階では必ずしもないように思います。』

ほほう。でもって問題はこの次。

『ただし、4 月の初めにはある程度のところが出てくるかもしれないという状況ですので、次回の決定会合ないし展望レポートがありますが、そういう中ではある程度消化できるかなと思っています。』

・・・・・(;゚д゚)

>4 月の初めにはある程度のところが出てくるかもしれないという状況ですので
>4 月の初めにはある程度のところが出てくるかもしれないという状況ですので
>4 月の初めにはある程度のところが出てくるかもしれないという状況ですので

いやそのりくつはおかしいwwwww

・・・・とは思うのですが、これ1月の理屈とまるで同じな訳でして、1月と違うのはその前の12月会合では米国新政権の政策ガーの説明がどう見たって1月利上げ出来ないしうっかりしたら3月も無いかもって説明だったのに対して今回はまるで「頭出し」をしているような説明になっていることですし、さらに賃金に関する説明では・・・・・・


・最初は「強い春闘はオントラック」だったのに何か知らんけど次では威勢の良い説明になったのは何でや

『それと、回り続けている賃金・物価の好循環、』

好循環が「回り続けている」といきなりの威勢のよさに加え、

『これは先ほど、概ねオントラックと申し上げましたけれども、特に先週の春闘の一次集計は、オントラックの中でもやや強めであったとみていますし、今日の決定会合でも一部の委員からは、物価の上振れリスクについても引き続き注意したいという発言もあったりしましたので、それも意識しながら次回会合以降、両方の側面を的確に見極めて判断を続けていきたいと思っています。(後半割愛)』

わざわざ冒頭の説明を上書き修正している訳でして、いやなんですかこれはという感じでして、ここの質疑応答だけ見ると4月(5月)利上げあっても全然おかしくないというか、むしろやらなかった場合の説明の方がムツカシイんじゃないですか、って話(モチのロンだがその前の段階でグローバルリスクオフ相場にでもなっていたら説明は簡単になるけど)ですよねこれは。

ということで何か最初の質疑のこの辺でまた植田さん微妙に情緒不安定な回答をしやがるなという感じは否めないのですが、今回はうっかり追加利上げ観測を叩き潰すような説明をすると円安にかっ飛んでしまって日銀涙目の展開になるから、冒頭幹事社の質問に対する回答だと円安ヒャッハー勢が喜んでしまう(一番最初の質疑応答では少なくとも利上げ前のめり姿勢は一切なかったですから)のに気がついてトーンを微修正したんじゃないかとは想像できるのですが、同じ会見の中で前の発言を上書き訂正するのはちょっとねえとは思いました。


・最初の2つの質疑でいきなりまとめるのも何ですが今回は「タカハト双方強めのトーンで説明」というプレイですね

まあ何ですな、今回の定例会見はだいたい最初の部分で勝負あったという感じの会見になっていると思う訳でして、つまりは「不確実性は高まった」と言いながら早期利上げするわけでもなさそうに言いつつも、春闘は「オントラックの上の方」だの「物価上振れの指摘があった」だの「4月になるとある程度のところが出てくるかもしれない」だのやたら並べて4月(5月)利上げもできる説明もしている、という形になっています。

従来ですとこれは多くの皆様も指摘しておられますが、植田さんの会見って現状維持の時は現状維持の説明をやたら強調するからハトハトチキンになり、利上げした時は利上げの説明をやたら強調するから変なハーブでもキメたのかというタカ派になる、という甚だ遺憾なプレイが演じられていましたが、やっと気が付いたのか何だか知らんけど、今回はそこは改善した格好。

とはいいましても、なんも両方ともに強いトーンをちりばめることもないのに、と思う訳で、不確実性についての説明が特にそうですけど、今回は先ほどありましたように、「海外発の不確実性のところは(途中割愛)ここにきて急速に高まっているという側面と、まだ今後明らかになる政策内容によってどういうことになるかという部分がかなり大きく振れるということですので」ということで「かなり大きく振れる」とか自分で言ってしまっているのが何ちゅうかねえという所ではありまして、12月1月みたいな振れが突如どこかでやって来ますって言ってるようなもんですが、いやその「大きく振れる不確実性」とやらで政策判断するのかよ、ってなところですな。

以下はまあある意味オマケにも近いのですが、


・「基調的物価」で説明するのは実際の物価水準がこの状況の中では無理があるとしか思えない件について

さっきの質疑の後半が「基調的物価」についてでして、その説明がまあ腑に落ちないので後から何回か質問されるの巻となっています、すなわち・・・・・・

『(問)(前半割愛)二点目は、基調的な物価上昇率についてお伺いします。見通し期間後半にはですね、物価目標の 2%程度と整合的な数字になるという認識を示しておられると思いますが、一方で、基調的な物価上昇率を具体的に示すということについてはなかなか難しいというお立場だと思います。』

という日銀の屁理屈を踏まえまして、

『現状のままですと、2%に達したときに、基調的な物価上昇率は 2%に達しましたと宣言しても、なかなか恣意的と受け止められる可能性もあると思うんですけども、』

これはしらっと厳しいご指摘(^^)

『そのうえで総裁は今、基調的な物価上昇率が大体どのくらいなのか、2%に達してないということですけど、大体のイメージを教えて頂きたいということと、今後、より基調的な物価上昇率を精緻化といいますか収斂させていく、そういうお考えはあるのか、その点についてお伺いします。』

これはまあ当然の質問ですよね。でもってどう回答するのかというと、

『(答)(前半割愛)それから、基調的物価上昇率について依然としてよく分からないなということでございますけれども、これは私どもも、ここはもう少し明確に示せればいいなという問題意識は当然ずっと持っておりまして、様々な指標を繰り返しみたり、あるいは新しい指標を開発してこれまでのものと比べたりしております。』

えええええええええ

・・・・「基調的物価」って黒田末期以降は緩和政策の修正を渋るために持ち出される概念以外の何物でも無いじゃろ、としか突っ込みようがないんですけれども、この「精緻化」って何の意味あるんじゃというお話で、「ザ・基調的物価」が精緻に出せるんだったらその計算ルールの公開と共に、それを正式の政府統計にして物価目標にすれば良いじゃんとしか言いようが無いわけですが、当然そんなことになるわけがないのですから、そもそも論として「基調的物価の精緻化」というのが無駄作業ですわな。

『ただ残念ながら、これを出せば皆さんにご納得頂けるとか、われわれ自身もそれだけで政策を決められるというような、非常に素晴らしいものが見つかったという段階では必ずしもないというところでございます。』

というよりもそもそも論として「基調的物価」ってのは「総合判断」の世界になるのですから、そんなものは無い(事後的に過去何年間の推移を取るとかならできるでしょうけれどもそれは政策判断に役に立たないし、政策判断をビハインドさせる弊害の方が大きい)んですから、あたかも「ザ・基調的物価」みたいなのがあるような植田総裁の説明は如何なものかとしか言いようが無い。

『そのうえで引き続き努力を続けて、もう少し絞ることができれば、それは適宜公表していくことを検討したいとは思いますが、まだその少し手前の段階にあるかなと感じています。』

悪いこと言わないからそういうのは止めておけとしか・・・・・・・

『あとは、私がどれくらいとみているかということでしたでしょうか。1%以上、2%は下回るという中にはいるというふうに思っております。』

ということで話が終わっていますが、じゃあその計算根拠出せって言いたくなりますよね、と思う訳でして、「基調的物価」を前面に出して説明するのはインチキ説明をする気満々の確信犯でやるならまだああインチキ説明だなと思うので良い(良くはないが)のですが、こうやって「ザ・基調的物価」があるような言い方をして説明するのは、物価水準が2%よりも下でウダウダとしている分には弊害が無かった説明ですけれども、アクチュアルの物価が高止まりする中でこの「基調的物価」とかいう屏風に描かれた虎で説明するのは説明が苦しくなるだけだから止めとけと思いますが如何でしょうか。


という訳でちょっとあとの方で基調的物価うんぬんについてのツッコミがありまして、

『(問)(前半割愛)それから、基調的物価を重要視してるというのはよく分かるんですけども、一方で米が上がったりしてる中で、CPIはもう 3 年近く 2%をずっと超え続けていて、いわゆる後手に回ってしまってるという、ビハインド・ザ・カーブのリスクはない、今のところはないということをこれまでも説明されてたと思うんですが、そのお考えは変わりないでしょうか。』

アクチュアルの物価との乖離について質問される訳ですが、

『(答)(前半割愛)それから、消費者物価総合でみれば、もう 2%を長い期間超えているというのはおっしゃる通りで、これの国民生活へのマイナスの影響については、強く意識しております。』

またこれ言ってますね、さすがに言わないとヤバイとおもってるんでしょう。

『ただ、私どもが目標としてますのが、2%の目標を持続的に実現しようということですので、その点からみますと、先ほど来出ていますように、基調的な物価の上昇率がまだ 2[%]をちょっと下回っているとみられることとか、もう少しそれを分かりやすく申し上げれば、ちょっとあの不正確な表現にはなりますが、サービス価格の上昇はそれほど強いものではない、という辺り等から判断しまして、普通の意味でのビハインド・ザ・カーブになるっていうリスクはそれほど高くないのではないかというふうに今みております。』

サービス価格で言い換えていますがじゃあお前サービス価格が上がったら正常化急ぐのかって話になるわけで、基調的物価が直接計測できないって言ってるのに、その基調的物価というので説明するのは無理がある罠と思います。

あと、先ほども申し上げましたが、4月展望のところで「需給ギャップがそんなに強くなくても構造的に(主に労働供給を中心とする供給要因の構造変化で)物価上昇圧力がありまっせ」という説明を詳しく行っている訳でして、一方で展望レポートでの「基調的物価」の説明って従来から、

(これは1月展望から引用しますが)「物価の基調を規定する主たる要因について点検すると、労働や設備の稼働状況を表すマクロ的な需給ギャップは〜」と「次に、中長期的な予想物価上昇率をみると〜」になっているので、まあこの辺の説明が例によって昭和温泉旅館状態になっているから一層訳が分からなくなるの巻ですわな、と思いました、


・長期金利の例外的な上昇云々については国会の時の説明通りですが丁寧にトーンダウンでもありますな

足元で長期金利上昇が一服したせいであまり質問無かったのですが、

『(問)一問目が長期金利の足元の上昇について、要因と受け止めを教えてください。例外的な状況では長期金利を抑えにいくということもおっしゃってますけども、今、日銀が普通の金融政策に戻った中で再び債券市場に介入していくっていうことも弊害もあると思います。その例外的にいくということの意味づけというかですね、その辺りの弊害も含めてどのように考えているかということを教えてください。(後半割愛)』

例外的とは何ぞやという質問。

『(答)長期金利ですけれども、ごく短期の動向についてはコメントを差し控えたいと思いますけれども、ここ暫く上昇の傾向にあるという点については、国会でも申し上げたかと思いますけれども、例えば1 月から最近にかけてのインフレ率に関するデータ、あるいはGDPデータ、あるいは直近の賃金に関する動き、これらのデータ、更に海外、例えばドイツの金利の上昇、こうした動きに反応しているというのが市場での見方というふうに理解しております。』

というのはさておきまして、

『それも含めて、長期金利は市場で形成されるというものであると考えていますが、そうした通常の価格形成とは異なるかたちで急激に金利が急上昇するというような例外的なケースでは、市場における安定的な価格形成を促すという観点から、機動的なオペをやるということもあり得るということを去年の 7 月に決めたところでございます。』

>市場における安定的な価格形成を促すという観点から

これを最初から説明に入れておけって話でして、つまりは「長期金利を下げようと思うとか上限値を決めて介入するということではない」というお話な訳ですよね。

まあ昨年の7月に関しては国債買入規模の減額で金利が突如急上昇されるの怖いよーってことで入れたかったのは分かるんですが、まああんまりそういう文言を入れるもんじゃないって思いますよね。だいたいからしてその「例外的な状況」をだれが判断するのかという話も良くわからん(今の建付けだとたぶん金融市場局が勝手に判断するということになると思うんだがそれでいいのか問題は常にある)わけですし。

『現状はそうした状況ではないっていうふうに考えていますが、こうしたこともあり得るという観点から市場動向を注視していきたいというふうに思っております。』

これ植田さんの仕様なんでしょうけれども、何もここでこういうことも「あり得る」とか言ってしまう必要は無いわけで、「必要な場合に適切な対処ができるように市場動向は常に点検しています」とか言えば済む話をわざわざ「あり得る」とかいうなよな、と思いますが、どうも植田さんは一々説明の際に「強い言葉」を使いたがる悪い癖があるんだよなと思いました。


・コメ価格の影響に関しては質問かなり多かったのですが結局逃げ口上で終始してますな

まあ散々質問されていましたので一部だけ引用しますが、

『(問)(前半割愛)もう一個が物価についてなんですけども、先ほどからちょっと出てますけども、足元の米価格とか食料品の上昇が、現時点においては基調的な物価に与える影響はないというふうにお考えなのでしょうか。足元の物価高に金融政策で対応すべきではないと、むしろデメリットが大きいと判断されたということだと思うんですけども、その理由も教えて頂ければというふうに思います。』

『(答)(前半割愛)それから、物価については、食品価格の上昇についてということだったと思いますが、これは普通は、抽象的に言えば一時的なサプライショックであるというふうにみるものだと思いますけれども、』

単なる供給ショックじゃねえだろという話で、そもそも米生産のためのコストだって物流コストだって上がっているんだし、何で食料品のところだけ「一時的」で済ますんだよという話ですが、

『米価格の上昇、若干長引いてますし、インフレ期待、消費者マインドに対する影響等を通じて、何らかのかたちで基調的な物価に影響を与えるという可能性もゼロではないので、そこはみていきたいと思います。』

ゼロではない、って思いっきり影響与えてないかって話ですけど、

『また、米や生鮮食品の価格上昇に金融政策でという部分もご質問にあったかと思いますが、そこは直接影響する手段を持っているわけではないので、無理にでもそうしたモノの価格を下げるということになれば、景気全体を冷やして、食品に対する需要を冷やして価格をというメカニズムが考えられるわけですが、それはあまりにコストが大きいということだと思います。』

これまたしょうもない藁人形論法で返していまして、ってこれ質問する方も上手くなくて揚げ足取り回答をしているんですけど、この植田さんの説明は「金融引き締めをしない」理由としては通用するけれども、「過度な金融緩和を継続する」理由には一切なっていないんですよね。

でまあ余計だなと思うのは、こういう説明を一たびしてしまうと、今後の「金融緩和政策の調整」が「需要を冷やして景気をさげようとしている」と解釈する向きが増えてしまうので、こういう藁人形論法はしちゃダメなんですよね、と思いました。


しかしコメ価格上昇の影響なんですけど、、

『(問)一つ目が米の価格の上昇なんですけれども、普段買うものが値上がりすることで消費を冷やす恐れもある一方で、先々の物価観を高める可能性も両面あるのかなと。経済・物価にとって上下両面あるのかなと思うんですけども、総裁、そのリスクは、米の価格に関しては、上方向、下方向どういうふうにお考えでしょうかというのが一つです。(後半割愛)』

という質問に対しては、

『(答)米の価格ですけれども、水準について、どういう姿になるかというのは難しいですけれども、インフレ率という意味では下がっていくのではないかというふうにみています。そのうえで、消費への影響ですけれども、確かに食料周り、あるいは非耐久財消費は弱めにはっきり推移していますけれども、そこの価格上昇が、その他の項目、サービスとか、耐久財消費に強いマイナスの影響が及んでいるという段階ではないようにみています(後半割愛)』

ということで「サービスとか、耐久財消費に強いマイナスの影響が及んでいるという段階ではないようにみています」だそうなのですが、一方別の質疑では、

『(問)先ほど質問のあった米の価格上昇がインフレ期待に与える影響についてもう少し詳しく伺いたいんですけれども、やはり日本の食卓を代表する米などで全体的なインフレ期待を切り上げるんじゃないかという見方がある中で、総裁がおっしゃった通り、コストプッシュのインフレ率が下がっていたとしても、家計のマインドとか予想物価自体はある種上振れて、これが利上げのペースを早める要因になり得るリスクっていうのは、現状総裁、どれぐらいみていらっしゃるか、この点お願いします。』

って質問に対しては、

『(答)家計の予想物価上昇率は割としょっちゅう購入するモノ、特に食品あるいはエネルギーとか、これによって強く影響されるっていうのは、昔からいろんな国で報告されてまして、従って特に短期の家計の予想インフレ率は、食品が上がると割とすぐ上がるというパターンはあるかと思います。ただ、これは家計であっても中長期のインフレ予想とか、そういうものに広がりを持つことがあるとしますと、場合によってはちょっと遠い先の話かもしれませんが、耐久消費財の購入が早まるとか、幅広い影響を持つ可能性もありますし、そういう意味での広がりがあるかどうかという点は注視していきたいと思っています。』

ってことで、インフレ予想の上昇で耐久消費財の需要が前倒しになりえるという認識を示していまして、どっちやねんという話でもあるのですが、これもしかして物価上昇を受けてインフレ期待が上がっているから耐久消費財の需要が落ちていない、ってことになっているんじゃないかね、っていう可能性はないものかね、とは思いましたですわよオホホホホホ。









2025/03/21

お題「決定会合声明文比較である」

いつもの馬鹿踊りとはいえ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN200RI0Q5A320C2000000/
トランプ氏「関税に合わせ利下げを」 景気下支え要求か
北米
2025年3月20日 12:03 [会員限定記事]

まあこれは「関税のせいで物価が上がった」という宣伝を行う必要が有るわけですが、既にその点について今回のFOMC(の会見ちゃんと読んでないけど声明文とSEP)では説明をしているのは当然だがさすがです。


〇本邦の金融政策決定会合レビューですが今回は会見まで含めると「両方に踏み込んだ」面白メッセージ(会見ネタは今日出てから)

今回声明文
https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2025/k250319a.pdf

1月展望レポート基本的見解
https://www.boj.or.jp/mopo/outlook/gor2501a.pdf

項番2が経済物価の現状認識と先行き見通しなので前回展望レポートの文と比較する訳ですが。

・現状認識:経済、物価共に事実上の全文一致

『わが国の景気は、一部に弱めの動きもみられるが、緩やかに回復している。』(今回)
『わが国の景気は、一部に弱めの動きもみられるが、緩やかに回復している。』(前回1月展望レポート)

総括判断変わらず。

『海外経済は、総じてみれば緩やかに成長している。輸出や鉱工業生産は横ばい圏内の動きとなっている。』(今回)
『海外経済は、総じてみれば緩やかに成長している。輸出や鉱工業生産は横ばい圏内の動きとなっている。』(前回1月展望レポート)

海外経済、輸出、生産は変わらず。

『企業収益が改善傾向にあるもとで、設備投資は緩やかな増加傾向にある。雇用・所得環境は緩やかに改善している。』(今回)
『企業収益は改善傾向にあり、業況感は良好な水準を維持している。こうしたもとで、設備投資は緩やかな増加傾向にある。雇用・所得環境は緩やかに改善している。』(前回1月展望レポート)

業況感のコメントは短観直後の会合の時だけ記載されますのでここも実質全文一致。

『個人消費は、物価上昇の影響などがみられるものの、緩やかな増加基調にある。住宅投資は弱めの動きとなっている。公共投資は横ばい圏内の動きとなっている。』(今回)
『個人消費は、物価上昇の影響などがみられるものの、緩やかな増加基調にある。住宅投資は弱めの動きとなっている。公共投資は横ばい圏内の動きとなっている。』(前回1月展望レポート)

とまあそういう訳で、需要項目に関しては全て前回と一致。

『わが国の金融環境は、緩和した状態にある。』(今回)
『わが国の金融環境は、緩和した状態にある。』(前回1月展望レポート)

何とかしてくださいwwww

『物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比をみると、既往の輸入物価上昇を起点とする価格転嫁の影響は減衰してきているものの、賃金上昇等を受けたサービス価格の緩やかな上昇が続くもとで、政府によるエネルギー負担緩和策の縮小もあって、足もとは3%台前半となっている。予想物価上昇率は、緩やかに上昇している。』(今回)

『物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比をみると、既往の輸入物価上昇を起点とする価格転嫁の影響は減衰してきているものの、賃金上昇等を受けたサービス価格の緩やかな上昇が続くもとで、政府によるエネルギー負担緩和策の縮小もあって、足もとは3%程度となっている。予想物価上昇率は、緩やかに上昇している。』(前回1月展望レポート)

アクチュアルの物価に関しては足元の数字が違いますがこれはファクトベースの話なのでまあ特にこれによる意図はないので事実上の全文一致です。

しかしまあ何ですな。予想物価上昇率って何年「緩やかに上昇している」んですかねえと聞きたくなりますが、慣性を考えたら年単位でインフレ期待が上昇してたら2%でピタリと止まってくれないんじゃないですかねえというツッコミをしたくなります。まあそれ以前の問題とし期待インフレ既に2%を上振れているだろうと思いますし、インフレ期待が上がらないで物価そのうち落ち着くとか言ってるのESPフォーキャスターとかいう過去の数字からしか予想しないポンコツ何とかストと日銀大本営だけじゃろうとしか思えませんけれどもねwwwwwwww

 
・先行き見通し:堂々の事実上の全文一致なのですがそれでいいのかと悪態をついてみるw

『先行きのわが国経済を展望すると、海外経済が緩やかな成長を続けるもとで、緩和的な金融環境などを背景に、所得から支出への前向きの循環メカニズムが徐々に強まることから、潜在成長率を上回る成長を続けると考えられる。』(今回)
『先行きのわが国経済を展望すると、海外経済が緩やかな成長を続けるもとで、緩和的な金融環境などを背景に、所得から支出への前向きの循環メカニズムが徐々に強まることから、潜在成長率を上回る成長を続けると考えられる。』(前回1月展望レポート)

この説明、相変わらず同じなのですが、そもそも論として見通し期間の後半に物価安定目標を達成するという見通しなのであれば、本来は「緩和的な金融環境などを背景に」っていうのは目先はそうかもしれないけど、物価安定目標を達成している時点では金融環境が緩和的であるのは過剰緩和なので、つまりは「緩和的な金融環境などを背景に」という見通しの文言は途中まではそれで良いとしても見通し期間の後半には緩和的な金融環境を維持していない筈(維持しているのは寧ろ害悪)なので、この表現っておかしくないか、とさすがに思うのよね。

いやまあQQEの枠組み維持しているうちはこれでもよかったけど、政策のステージは物価目標達成を現実的なものとして、ただまあその状況になるかどうかを確認中って段階なのだからそもそも論として「緩和的な金融環境」ってのこれいつまで言ってるんだよ、とさすがにそろそろツッコミたい訳です、だいたいからして日銀は「これから緩和度合いの調整をする」って言ってるんだから。

という悪態はさておきまして、

『消費者物価(除く生鮮食品)については、既往の輸入物価上昇を起点とする価格転嫁の影響が減衰する一方、その基調的な上昇率は、人手不足感が高まるもと、マクロ的な需給ギャップの改善に加え、賃金と物価の好循環が引き続き強まり中長期的な予想物価上昇率が上昇していくことから、徐々に高まっていくと予想され、「展望レポート」の見通し期間後半には「物価安定の目標」と概ね整合的な水準で推移すると考えられる。』(今回)

ここの日本語もよくよく考えるとイミフな部分があって、「賃金と物価の好循環が引き続き強まり中長期的な予想物価上昇率が上昇していくことから」と書いてありますが、中長期的な予想物価上昇率は「好循環が強まる」と上がるもんなのか、好循環とは別の独立事象として上げているのかが謎でして、そもそもお前ら「適合的期待形成」の話どこに行ったんだよと思います。

まあもっとそれ以前の問題で今起きてることって普通に「コストプッシュのスパイラル」にしか見えない(生産性向上の設備投資が進んでいる(らしい)点だけは心強いのですが、そんなにTFPって上がってましたっけという疑問がないわけではない)のですけどねwww

でまあ見通し期間後半には目標達成、というのは同じ(まあこんなところで変更はせんじゃろと思いますが)ですわな。

展望レポートでの記載ですが、

『既往の輸入物価上昇を起点とする価格転嫁の影響が減衰する一方、消費者物価の基調的な上昇率は、人手不足感が高まるもと、マクロ的な需給ギャップの改善に加え、賃金と物価の好循環が引き続き強まり中長期的な予想物価上昇率が上昇していくことから、徐々に高まっていくと予想され、見通し期間後半には「物価安定の目標」と概ね整合的な水準で推移すると考えられる。』(前回1月展望レポート)

はいはい全文一致全文一致。

でもって米要因に関してですが、

『なお、来年度にかけては、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比に対して、米価格が高水準で推移すると見込まれることや政府による施策の反動が生じることが押し上げ方向で作用すると考えられる。』(今回)
『なお、2025年度にかけては、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比に対して、米価格が高水準で推移すると見込まれることや政府による施策の反動が生じることが押し上げ方向で作用すると考えられる。』(前回1月展望レポート)

とありまして、ここの文言も一緒なのですが、コメ価格の上昇に関してはこれ前回の展望の時にも思いましたけれども、幅広にコストプッシュになるものだし、世間的な「物価がこんなに上がっている」感を強くするものであるからして、それって賃金設定の際に影響するよねってのもあり(現に春闘強いけれどもこれって秋口以降年末近くから顕著になった生活物価の高騰の影響って絶対にあると思うんですよね)、コメ価格上昇は幅広に影響するものだから、まるでワンオフみたいな書きぶりになっているのは如何なものかという風には思います、さすがに会見で「ワンオフなので平気平気」とか言ったら屑扇動家に扇動されて財務省前で馬鹿踊りしている愚民が日銀前に矛先変えてくるリスクはご認識されているようで何よりですけれどもwwwwwww

まあでもこの書き方だと「ワンオフだから平気平気」という話をしているように見えて何ともではあります。


・リスク要因:要するにトランプ関税発動を受けたグローバル金融市場動向次第じゃなと

経済と物価のところは基本的見解の本文から引用していますが、リスク要因に関しては鏡の方から引用しています。

『リスク要因をみると、各国の通商政策等の動きやその影響を受けた海外の経済・物価動向、資源価格の動向、企業の賃金・価格設定行動など、わが国経済・物価を巡る不確実性は引き続き高い。』(今回)

『リスク要因をみると、海外の経済・物価動向、資源価格の動向、企業の賃金・価格設定行動など、わが国経済・物価を巡る不確実性は引き続き高い。そのもとで、金融・為替市場の動向やそのわが国経済・物価への影響を、十分注視する必要がある。』(前回1月展望レポート)

今回「各国の通商政策等の動きやその影響を受けた」が入りましたので、ある意味では昨年9月の声明文の時のようなビビりんちょ文言キタコレ、ではあるのですが、これは皆様ご案内の通り、会見の方で堂々と植田さん「4月に成ればある程度は見極められるかもしれません」って言ってましたし、そもそも既に日銀は12月にハトハト情報発信をしておいて年始になったらモチが喉につかえたのか何だか知りませんが突如のジャガーチェンジをしたという実績もあり、これが入ったのは「利上げを渋る言い訳」ではあるものの、この言い訳を自由奔放に使ってくるのでまあ入ったからとて、って話ではあります。

一応一般的に解釈すればこれは「利上げ慎重な方に踏み込んでいる文言追加」ではあるのですが、一方でそういうふざけた説明をしているので(詳しくは会見のテキスト見てから)これを過大視するのも良くないと思います。つまり・・・・・・

『そのもとで、金融・為替市場の動向やそのわが国経済・物価への影響を、十分注視する必要がある。とくに、このところ、企業の賃金・価格設定行動が積極化するもとで、過去と比べると、為替の変動が物価に影響を及ぼしやすくなっている面がある。』(今回)

『とくに、このところ、企業の賃金・価格設定行動が積極化するもとで、過去と比べると、為替の変動が物価に影響を及ぼしやすくなっている面がある。』(前回1月展望レポート)

でもって先ほどの「各国の通商政策等の動きや」の係り受け部分が今回追加の「そのもとで、金融・為替市場の動向やそのわが国経済・物価への影響を、十分注視する必要がある。」な訳でして、これと植田さんが会見で言ってた「4月の時点である程度見極めがつくかもしれません云々」という話と連動していまして、「そのわが国経済・物価への影響」なんてそんなの何年もしてから後付けでしか基本的には分からん話(リーマンショック級の災厄なら別ですけど)なので、直接的に直ぐわかるのは当然ながら「金融・為替市場の動向」になる訳でして、従いまして「4月にグローバル金融市場がリスクオフ祭りにでもならないならまた見極めたことにする」攻撃っていうのは現実性は普通にある、というのがこの書き方および総裁会見での説明になると存じます(個人の感想です)。

まあとりあえず日銀はしばらくの間「米国経済ガー」「各国の通商政策の動向ガー」をネタにして、見極めができた!と突如言い出して利上げ、不透明だ!と言い出して政策金利据え置き、という茶番のようなコミュニケーションを取り続けることになるかと思いますが、先般来申し上げておりますように、年度替わりのところでは「企業の価格設定行動」の内容に関する言及も重要になってくると思います。

ってなところですかね。会見とセットで考えれば「トラ公の関税云々が無難に済めば4月(5月)だって利上げできるもんね」ではありますが、そもそも関税始まってから実際にそれが経済に効いてくるの数か月(既往在庫があるんだし)は掛かる話で、本来それを見極めて、となったら向こう半年は軽く見ても何もできないとなるのに、何で4月の金融市場で見極めができるのかというと、そもそもこいつら別に見極めができたできないで利上げをしている訳ではないから、という身も蓋もない話に帰着すると思いますwwwwwwwww

ではまあそんな感じで。







2025/03/20

お題「堂々の寝過ごしからの寝起きクイックFOMCレビューでござる」

ということで会見まで行かないところでまずは愚感想を並べさせていただきとう存じます

〇声明文:不確実性と言いつつどっちのリスクと言わないの巧みですね&国債減額ペースの減速とな

ということで声明文である、

https://www.federalreserve.gov/newsevents/pressreleases/monetary20250319a.htm(今回)
https://www.federalreserve.gov/newsevents/pressreleases/monetary20250129a.htm(前回1月)

・第1パラグラフ:現状認識は文言変わらず

『Recent indicators suggest that economic activity has continued to expand at a solid pace.』(今回)
『Recent indicators suggest that economic activity has continued to expand at a solid pace.』(前回1月)

総括判断も同じ文言ですし、

『The unemployment rate has stabilized at a low level in recent months, and labor market conditions remain solid. Inflation remains somewhat elevated.』(今回)
『The unemployment rate has stabilized at a low level in recent months, and labor market conditions remain solid. Inflation remains somewhat elevated.』(前回1月)

労働市場、インフレに関する文言も同じです。まあポイントは第2パラでして、


・第2パラグラフ:「不確実性が高まっている(ただしどっちのリスクとは言ってない)」とは中々味のある表現ですね

『The Committee seeks to achieve maximum employment and inflation at the rate of 2 percent over the longer run.』(今回)
『The Committee seeks to achieve maximum employment and inflation at the rate of 2 percent over the longer run.』(前回1月)

2パラの頭にあるデュアルマンデートの話は開経偈なのでいつもと同じで問題はこの次。

『Uncertainty around the economic outlook has increased.』(今回)

というのがワシ思うになかなか斬新で、前回までどうなっていたかと言えば、

『The Committee judges that the risks to achieving its employment and inflation goals are roughly in balance. The economic outlook is uncertain, and the Committee is attentive to the risks to both sides of its dual mandate.』(前回1月)

となっていまして、リスクバランスがどっちにある、という話をここに入れて、でまあ両方のサイドのリスクにあんじょう注意していきますわ、というので結んでいたのですが、今回は先ほどの「不確実性が拡大した」に続いて、

『The Committee is attentive to the risks to both sides of its dual mandate.』(今回)

という締め方をしていまして、リスク認識の話を敢えて割愛しているんですよね。

これがどこかのハトハトチキンですと「不確実性が高まったので緩和の修正はしません」になってしまうのですが、FEDのオシャンティーなところは「不確実性が高まった(どちらにとは言ってない)」という所でして、まあこれ同時に出ているSEPの総括部分で足元(2025暦年)の見通しを経済下げ失業気持ちだけ上げ物価上げで出しているからまさにボースサイドオブリスクがインクリーズしているってことだと思いますけれども、上の話も下の話もしないというのはオモロイなと思いました、まあ会見で何か突っ込まれていると思いますがまだ確認してません(ちなみに市場の反応もいつも通り確認しないでこれ書いてます)。

まあこの「リスクがどうこうというのはノーコメント地蔵」としながら「不確実性が拡大」で済ませているのが面白かったですねという感じで。


・第3パラグラフ:4月から国債のバランスシート縮小ペースをスローダウン(MBSは変わらず)

『In support of its goals, the Committee decided to maintain the target range for the federal funds rate at 4-1/4 to 4-1/2 percent.』(今回)
『In support of its goals, the Committee decided to maintain the target range for the federal funds rate at 4-1/4 to 4-1/2 percent.』(前回1月)

政策金利は順当に据え置き。

『In considering the extent and timing of additional adjustments to the target range for the federal funds rate, the Committee will carefully assess incoming data, the evolving outlook, and the balance of risks.』(今回)
『In considering the extent and timing of additional adjustments to the target range for the federal funds rate, the Committee will carefully assess incoming data, the evolving outlook, and the balance of risks 』(前回1月)

この手の「あんじょうようやっときますわ」文言は今回も全編にわたって全文一致になります。

『The Committee will continue reducing its holdings of Treasury securities and agency debt and agency mortgage-backed securities. Beginning in April, the Committee will slow the pace of decline of its securities holdings by reducing the monthly redemption cap on Treasury securities from $25 billion to $5 billion. The Committee will maintain the monthly redemption cap on agency debt and agency mortgage-backed securities at $35 billion.』(今回)

『The Committee will continue reducing its holdings of Treasury securities and agency debt and agency mortgage-backed securities.』(前回1月)

ということで今回MBSポートの削減ペースは変えず、国債ポートの削減ペースを落としましたな(月額250億ドルまでは減らす、だったのが50億ドルになりましたな)。これをどのくらい市場が好感するのかは正直ワシノーアイデアだから良くわからんのでこれアップしてから確認してみますけど。

『The Committee is strongly committed to supporting maximum employment and returning inflation to its 2 percent objective.』(今回)
『The Committee is strongly committed to supporting maximum employment and returning inflation to its 2 percent objective.』(前回1月)

3パラの最後は2パラの頭の開経偈の対句みたいなもんです。今回も同一文言。


・第4パラグラフ:適切な金融政策を状況に応じてあんじょうようやりますわ、は文言一致

文言一致なので手抜きでパラ1個ぶつ切りにしないで引用します。

『In assessing the appropriate stance of monetary policy, the Committee will continue to monitor the implications of incoming information for the economic outlook. The Committee would be prepared to adjust the stance of monetary policy as appropriate if risks emerge that could impede the attainment of the Committee's goals. The Committee's assessments will take into account a wide range of information, including readings on labor market conditions, inflation pressures and inflation expectations, and financial and international developments.』(今回)

『In assessing the appropriate stance of monetary policy, the Committee will continue to monitor the implications of incoming information for the economic outlook. The Committee would be prepared to adjust the stance of monetary policy as appropriate if risks emerge that could impede the attainment of the Committee's goals. The Committee's assessments will take into account a wide range of information, including readings on labor market conditions, inflation pressures and inflation expectations, and financial and international developments.』(前回1月)

このパラは現在は「あんじょうようやっときますわ」文言の域を出ませんね。


・第5パラグラフ:ウォーラー理事が国債ポートの減額ペース削減に反対(従来通りのペースにすべき派)

『Voting for the monetary policy action were Jerome H. Powell, Chair; John C. Williams, Vice Chair; Michael S. Barr; Michelle W. Bowman; Susan M. Collins; Lisa D. Cook; Austan D. Goolsbee; Philip N. Jefferson; Adriana D. Kugler; Alberto G. Musalem; and Jeffrey R. Schmid.』(今回)
『Voting against this action was Christopher J. Waller, who supported no change for the federal funds target range but preferred to continue the current pace of decline in securities holdings.』(今回)

『Voting for the monetary policy action were Jerome H. Powell, Chair; John C. Williams, Vice Chair; Michael S. Barr; Michelle W. Bowman; Susan M. Collins; Lisa D. Cook; Austan D. Goolsbee; Philip N. Jefferson; Adriana D. Kugler; Alberto G. Musalem; Jeffrey R. Schmid; and Christopher J. Waller.』(前回1月)

ということですな。


・ディレクティブは当然ですがペース削減に伴う変更があったのだがその他に削減項目がありまして

HTML版だと画面の下の方にリンクがあります。PDFだとそのままケツに出ています。

https://www.federalreserve.gov/newsevents/pressreleases/monetary20250319a1.htm
Implementation Note issued March 19, 2025

https://www.federalreserve.gov/newsevents/pressreleases/monetary20250129a1.htm
Implementation Note issued January 29, 2025

こちらなんですが、

『・As part of its policy decision, the Federal Open Market Committee voted to direct the Open Market Desk at the Federal Reserve Bank of New York, until instructed otherwise, to execute transactions in the System Open Market Account in accordance with the following domestic policy directive:』

ということで、

"Effective March 20, 2025, the Federal Open Market Committee directs the Desk to:』

から始まるディレクティブなのですが、最後の項目にこれまであった、

『・Engage in dollar roll and coupon swap transactions as necessary to facilitate settlement of the Federal Reserve's agency MBS transactions."』

の項目が無くなっている(最後にダブルクオーテーションがあるのはディレクティブの最後の部分だからで他意はない)のですが、これは「MBSの取引に際して必要ならばdollar roll and coupon swap transactionsをしてくださいな」というお話で、まあこの辺は不勉強なのでさっぱりワカランチ会長なのですが、技術的にやらなくてもよくなったとかそういう話ですかしら、まあ良くわからんのですが気にはなりました。

その他の項目(各種ファシリティの基準金利や取引上限額)は国債のマンスリー減額キャップが25ビリオンから5ビリオンに減った(ので減額上限の引き下げ)以外の部分では変更なしです。


〇SEP:経済見通し下げ物価見通し上げで目先の利下げに関してはだいぶ「やっぱそんなに下げませんわ」の流れに

SEP
PDF版 https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/files/fomcprojtabl20250319.pdf
HTML版 https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/fomcprojtabl20250319.htm

前回12月はこちら
PDF版 https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/files/fomcprojtabl20241218.pdf
HTML版 https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/fomcprojtabl20241218.htm

引用はHTML版の方を使います

・目先の経済見通し下げ、失業は気持ちだけ上げ、物価上げですわな

手抜きで「Median」だけ比較します。左から2025、2026、2027、ロンガーランですな

Change in real GDP  1.7  1.8  1.8  1.8
December projection  2.1  2.0  1.9  1.8

Unemployment rate  4.4  4.3  4.3  4.2
December projection  4.3  4.3  4.3  4.2

PCE inflation       2.7  2.2  2.0  2.0
December projection  2.5  2.1  2.0  2.0

Core PCE inflation   2.8  2.2  2.0
December projection  2.5  2.2  2.0

ということですが、まあこの際2026年とか2027年とかの見通しはどうでもよくて、2025年を見ておけば良いのですが、ご覧の通りで経済下げ物価上げ、でもって経済下げているけと失業の方はあんまり下がっていなくて、まあお気持ち程度だな、と思うのは、

Central Tendencyの2025年

Change in real GDP 1.5-1.9
December projection 1.8-2.2

Unemployment rate  4.3-4.4
December projection  4.2-4.5

PCE inflation      2.6-2.9
December projection  2.5-2.7

Rangeの2025年

Change in real GDP 1.0-2.4
December projection 1.6-2.5

Unemployment rate  4.1-4.6
December projection  4.2-4.5

PCE inflation      2.5-3.4
December projection  2.1-2.9

ということで、全体の数字見ますとより鮮明なのですが、物価の見通しが結構上がっていて経済の見通しは下げてる人はガッツリ下げている、一方で労働市場の方はそんなに下がってないな、ということですので、つまりは経済見た場合の不確実性は下だけどマンデートで見た場合は物価の上振れが不確実性、ということになっておりまして、これ出されるとうーんこれだとバンバン利下げにはならんじゃろ、という話になりますが、当然ドットにそれは出ていまして・・・・・・


・ドットでは2025年の利下げペースが(既に織り込んでいるとは思うけど)がっつり後退していますわな

Figure 2. FOMC participants' assessments of appropriate monetary policy:
Midpoint of target range or target level for the federal funds rate
Number of participants with projected midpoint of target range or target level

ということですが、2026年と2027年のドットを見て真面目にああだこうだいうのは時間の無駄以外の何物でもありませんので2025年とロンガーランだけみておけばよろし。

2025年末のFF金利が現値から何回利下げするか、12月⇒3月で見ますと、

利下げ無し:1人⇒4人
1回利下げ:3人⇒4人
2回利下げ:10人⇒9人
3回利下げ:3人⇒2人
4回利下げ:1人⇒0人
5回利下げ:1人⇒0人

ということで、これメディアンは(19人なので)上から10人目になるから「2回利下げ」のままで変わらないのですが、どこからどう見てもこれは盛大に上方シフトです本当にありがとうございましたという話で、しかもインプリケーションとしてはデュアルマンデートのポイントになる失業率とインフレトータルしたら上振れ、の結果がそのまま出ているので、こっちを世の中的にどの程度織り込んでいるのかがよく分からんのですが、ここで示されているのは年内利下げ2回かもしれないけどうっかりしたら1回とか全然普通にあるでよというお話をしていますわな。

でもってロンガーランなのですが、これは割と面白くて、

2.75-3.00%のレンジとそれ以上の水準の分布:変わらず
2.75%以下の水準の分布:2.25-2.50から並んでいた4人のレートがちょっとだけ上昇

という結果になっていて、「基本的にロンガーラン変わらんのだがハト派の人たちだけちょっとロンガーランの金利をちょっと上げてきた」というお話になっていますので、さっきのドットもそうですけど、割とわかりやすくハト派の勢いが落ちていますって感じになっていると思いました。


というのがまあとりあえず寝過ごし寝起きでノンビリ読んだ結果です。答え合わせはこれから(アップしてから)行います。





2025/03/19

お題「1年短国もまあ普通に堅調と/ローガン総裁の中銀バランスシート講演(ファイナル)」

ほほう
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250319/k10014753801000.html
総務省 ネット上の投稿など削除対象例示したガイドライン公表
2025年3月19日 5時08分

財務真理教とかああいうのを削除した方がよろしいかと思いますがwwwwwww


〇1年短国もまあ相変わらず普通に札を集められますようで

昨日は1年短国の入札があったわけですけれども、
https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20250318.htm
国庫短期証券(第1294回)の入札結果

『本日実施した国庫短期証券(第1294回)の価格競争入札及び国債市場特別参加者・第T非価格競争入札について、下記のように募入の決定を行いました。



1.名称及び記号           国庫短期証券(第1294回)
2.発行根拠法律及びその条項
財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律(平成24年法律第101号)第3条第1項及び特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第46条第1項』

はいきました特例公債(だからどうしたと言われると困るが)。

『3.発行日      令和7年3月21日
4.償還期限     令和8年3月23日
5.価格競争入札について
(1)応募額         9兆191億円
(2)募入決定額    2兆4,278億7,000万円
(3)募入最低価格    99円37銭3厘
(募入最高利回り)     (0.6275%)
(4)募入最低価格における案分比率   78.7425%
(5)募入平均価格    99円38銭2厘
(募入平均利回り)     (0.6184%)』

とまあそういう結果でして、

https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html

(3/17引値)
国庫短期証券1288 2026/02/20 平均値単利 0.600
国庫短期証券1294 2026/03/23 平均値単利 0.630

前日の新発WIは一応手前と3毛段差ついてましたが、入札は0.63割れ割れということで、

(3/18引値)
国庫短期証券1288 2026/02/20 平均値単利 0.600
国庫短期証券1294 2026/03/23 平均値単利 0.615

まあ堅調ですことオホホホホホという結果になっておられまして、えーっとおまいら途中の利上げの可能性に関してはどこに行っとるんだという話ではあるのですが、まあそもそも論として3Mの短国が0.30%髭程度の利回りしかないのですからシャーナシということではあるのですが、政策金利0.75%の時に0.60%は(低いにも程があるが)まだ分からんでもないけど、1.00%で0.60%は何ぼ何でもと思うので何ですかねえという所ですが、そんなこと言ってると短国一生手を出せませんから、ということで安全資産不足な訳で、それこそ昨日から突如蒸し返しているダラス連銀ローガン総裁によります中銀バランスシートのあり方ってのを考えたくなります。

というかですね、日銀ってこの前までYCCと言って長期金利すなわち国債市場の金利形成を使って緩和的な政策をしますよ、ってやっていた訳でして、それはすなわち国債市場の金利形成が経済物価に対して緩和的効果を与える、という理屈で政策を実施していた訳で、その理屈が正しいのであれば、3か月物の国債利回りが0.30%でしかなくて、コール誘導金利0.50%でございと言って政策やってるけど、全然整合性取れてないじゃんという話になるんですけれども、その辺は整理する気ないんですかね。

まあだから短国の金利を高め誘導してコール並みに持っていけ、と言われましても日銀がやるとしたらONRRPみたいなのを作って当預先以外に大開放するというFED方式をとるのか、というお話になるのですが、まあそんなんよーやらんじゃろ(そもそもLSAPでYCCになってから時間が長いからすっかり皆さん忘れていると思いますが日銀は債券市場とかシランガナなのが本来の姿なんですよ)と思いますけれども、コール誘導金利が国債利回りに反映しないのどうなのよとはこれからもちょくちょく悪態をつきたい次第ではあります。


〇決定会合とFOMC待ちのどさくさにローガン総裁の中銀バランスシート論読みをやっておく企画

https://www.dallasfed.org/news/speeches/logan/2025/lkl250225
Speech by President Lorie K. Logan
Efficient and effective central bank balance sheets
February 25, 2025

Dallas Fed President Lorie K. Logan delivered these remarks at the Bank of England Agenda for Research Conference in London.

中銀バランスシートの「Efficiency」についてはパレート最適という話を出してきましてああでもないこうでもないと言ってましたが、結論としては中銀リザーブには短期金融市場金利とほぼ同じ金利を付利して、それが基本的には短期市場における市場金利の上限を画しつつも、市場金利がその辺で推移することがパレート最適を維持しつつ効率的である、というお話をしていたんですな、ということで後半の「Effectiveness」に参ります。

『Effectiveness』って小見出しから参ります。

『I’ll now turn to my second principle, effectiveness. A central bank’s tools must reliably transmit the stance of policy to money market rates and the economy.』

有効性、という話ですが、最初に出てくるお題は「中央銀行の政策スタンスをどのように短期金融市場の金利に反映させて経済に波及させるのか」ということで市場の金利誘導するための技術論になるのですが、こちらのコーナーは割と結論が単純です。まあ読んでみますと、

『Researchers have debated how exactly to define effectiveness.[8] Is it about the dispersion of rates within or across money markets? Volatility over time? Robustness under stress? Transmission to broader markets? The answer to that technical question may differ across financial systems. For purposes of principles, it suffices to say that effective implementation keeps money market rates close to the policy target.』

そもそも何を目的として「効果的」なのか、というような議論もありまして、とうウダウダと話がありますが、要は市場金利が政策としてこの辺の金利に居てほしいというのを満たせばエエガナ、という話をしております。まあこのイベントがBOE主催のイベントで多分マニア向けなのでその分だけ話が細かくなっている、とご理解いただければ良さそうな気がします。

でもってその次のパラになりますけれども、ここで準備預金の水準どうしますかの話が出てきます、

・いわゆる「トン調節」は無理じゃろという話をしておりますな

『A central bank can influence market rates through its balance sheet in two main ways. 』

中銀が(短期)市場金利に影響を与える方法は2つある、というからナンジャラホイと思ったら、

『One approach supplies a limited quantity of reserves, so that reserves carry a liquidity premium and market rates significantly exceed interest on reserves.』

いわゆるトン調節の世界の話をしています。

『The banking system then typically lands on a steep portion of the aggregate demand curve for reserves. The central bank achieves its policy target by increasing or decreasing reserve supply to intersect the appropriate point on the demand curve.』

需要曲線がどうのこうのと説明がありますが、トン調節の時代をしっている方には先刻ご承知の話ですし、ご存じの無い方は白川方明「現代の金融政策 理論と実践(日本経済新聞出版社2008)」の第3部第7章 「金融調節方針とオーバーナイト金利」でも読んでくださいw

オルタナティブアプローチですが、

『In the alternative approach, the central bank makes the supply of reserves ample enough to eliminate the liquidity premium-the efficient configuration I described with my first principle. The banking system then typically lands on a relatively flat portion of the aggregate demand curve for reserves. Small changes in reserves supply don’t substantially move money market rates in that environment. Instead, the central bank moves money market rates primarily by adjusting the interest rate on liabilities such as reserves.』

いわゆるアンプルリサーブシステム(今世の中で行われているやつ)の話をしていますが、ここでしらっとアンプルリザーブシステムについて「流動性プレミアム発生を未然に抑止するリザーブを出す」という言い方をしながら、「the efficient configuration I described with my first principle」とこの方法は効率的でもある、と言ってる時点で結論は出ているようなもんです。

『Before the Global Financial Crisis (GFC), scarce-reserves systems provided effective rate control for the Fed and many other central banks. And systems with ample reserves have proven effective in controlling rates more recently.』

リーマンショックの前はそういう制度使っているところ少なかった(ECBの域内の場合はもともと法定準備率が高くてその保障の意味もあって常設ファシリティによるコリドア方式を取っていましたが、FEDや日銀は付利無しでしたからね)という話をしておりましたが、今はこのアンプルリザーブの方が良いという認識、だそうです。

まあそれもうーんどうなのよというのはあって、民間サイドのワイから言わせてもらうと、アンプルリザーブに短期金融市場の上限金利の付利を付与するってやり方は、中銀決済システムに直接参加している市場参加者と、それ以外の参加者の間に経済的な有利不利が制度的に発生してしまうので、それこそ市場デザインとしてパレート最適になってないんじゃなかろうかと思うのですよ。

昔のECB方式で市場金利の下限を画す常設預金ファシリティと上限を画す常設貸出ファシリティでコリドア作って行く方がエエンチャウノとは思うのですが、まあ現実問題として中銀のバランスシートが巨大化していまして、黙っていてもアンプルリザーブになってしまうので、現状肯定のためにこの理屈を繰り出している感は拭えない気がしないでもありません。


・アンプルリザーブ推しなのはそもそも米国当局が資金需給を読めないからという気はだいぶしますけどねwwww

『While it remains conceptually possible to implement monetary policy today with scarce reserves, developments since the GFC would complicate the task of fine-tuning reserve supply to hit a point on the steep portion of the demand curve. Changes in regulations and banks’ own risk management have made reserve demand larger, more volatile and more difficult to predict. In the U.S., fiscal flows also create more reserve volatility than previously.』

調節の敗北みたいな話をしていますけど、そもそも米国ってその辺の調節がザルで、ワイが小僧の時ってFFの実際の金利って結構馬鹿みたいにブレていた記憶しかない(だからそもそもFF自体が日本の昔のコールとは違う感じだった筈)ので、何をゆうてますねんという気はしますが、資金需給のブレが読みにくいからという言い訳と共に、アンプルリザーブシステムがよろしい、という話をしています。

だったかつてのECBみたいに準備預金率を引き上げて「法定準備積み不足」はあっても「決済資金の赤残」は無いような設計にすりゃエエヤンと私は思うのですけれども、まあそんな話をここでしても別にアメリカに届くわけではないのでアレではありますがwwwww

でもってアンプルリザーブシステムの利点の話が続きますが、

『The ample-reserves regime simplifies rate control because fluctuations in reserve supply and demand don’t require frequent and precise offsetting central bank actions. You might say this makes the ample-reserves regime efficient for a second reason. Not only does it avoid the inefficiencies associated with a liquidity premium on reserves, but it also saves some forecasting and operational effort. The ample regime requires gradual forecasting and operations to approximately track demand for central bank liabilities over periods of months and years. The scarce-reserves regime requires the much heavier lift of actively managing reserve supply on a daily basis to precisely match demand.』

ああだこうだ言ってますが、簡単に言ってしまえば「十分なリザーブだしておけばこまごまとした調節をせんでよろし」という中銀手抜き論なのですが、まあ美しく「効率的でもある」と仰せですwww


・この辺からは完全に技術論ですが常設ファシリティの存在意義について説明しています

『Ample-reserves regimes are sometimes called “floor systems,” because when reserve supply is large enough, the main influence on market rates is the floor established under them by interest on reserves.

But the “floor system” name can give a misleading impression of how these regimes work. Even in a floor system, central bank lending tools ? which put a ceiling on interest rates?retain an important role in policy implementation.』

ここはまあ確かにそうなんですよね、という部分なのですが、本来は十分なリザーブを出して付利をする、というのは超過準備による市場金利の低下圧力を常設ファシリティで止めるというのが理屈で、だからフロアーシステムって名前がついているのですが、現実問題としては常設ファシリティの金利が市場金利上限になってしまっているので、フロアーシステムという言い方はどうなのよというのが挿入されています。

中銀リサーブ付利が上限なら常設貸出ファシリティ要らんじゃろ、という件に関して以下ウダウダ説明しているのですが、

『Central banks’ estimates of the quantity of reserves needed to remain at the floor, though careful, are less than perfectly precise. As a result, unexpected shortfalls of reserves can sometimes generate upward pressure on money market rates. Such events arise much less frequently with ample reserves than scarce reserves-that’s what makes the ample-reserves approach more effective-but the incidence isn’t zero. So even in an ample-reserves regime, reliable ceiling tools remain indispensable, at minimum as a backstop against mistaken estimates, and potentially as a routine source of reserve supply. Indeed, many central banks plan to routinely employ one or more ceiling tools in their long-run implementation frameworks. While these tools’ designs vary in response to local needs, the common principle is that they make policy implementation more effective.』

ああだこうだ書いてますが、要するにアンプルリザーブの時でも市場金利がなんかの拍子に跳ね上がることがあるので、「at minimum as a backstop against mistaken estimates」のために上限措置が必要です、ということで、

『The Fed’s ceiling tools include the discount window, the Standing Repo Facility (SRF), and the Foreign and International Monetary Authorities Repo Facility, as well as the Open Market Trading Desk’s capacity to conduct discretionary repo operations.』

常設の各種貸出系のファシリティをFEDは用意しています、という話をして、

『Although these tools are time tested and have often worked well, I believe we could further enhance their efficacy.』

これらのツールは有効だけどさらにエンハンスするって何をエンハンスするねんと思いますが、そこの説明はあんまりなくて、FEDのディスカウントウィンドウと各種常設ファシリティの説明で話は終ります。まあクソ長かったですけれども簡単にまとめると「アンプルリザーブシステムしか勝たん」ということのようです。

以下読み流して結構だと思うのですが、両制度の利点についての自慢話ですw

『The discount window is flexible and robust, capable of lending to banks against a very broad range of collateral throughout the day. For this reason, I believe every bank in the United States should make sure it is operationally ready to access the window. Banks have increased their operational readiness since the 2023 stresses, but readiness should be a continuing effort, not a one-time project. And it needs to be a partnership between borrowers and lenders. At the Federal Reserve Banks, we are considering how we can most efficiently serve our customers when they come to borrow. The Board of Governors recently completed a Request for Information on discount window operations.[9] I’m optimistic that feedback will help us support enhanced readiness, particularly by considering more automation, extended hours of operation, faster communications with depository institutions and interoperability with other secured lending sources.』

『Turning to the SRF and other open market operations that provide liquidity, the Fed’s tools will function most effectively if they innovate alongside the markets in which we participate. The Desk experimented with morning SRF operations over year end and has announced an upcoming small-value test of capabilities for morning settlements.[10] And as the U.S. repo market continues to shift toward central clearing, I believe the FOMC should consider the merits of centrally clearing the SRF as well as other open market operations. Centrally clearing the Fed’s trades would support the Securities and Exchange Commission clearing mandate for the private sector. It would also decrease our counterparties’ cost of intermediating funding to the broader market.』


・最後に(実はまあ以前ネタにした資産構成の話が本当の最後だが)トレードオフに関して

『Trade-offs between efficiency and effectiveness』って小見出しを残しそうになったので慌てて参りますが、

『I’ve argued that, at a high level, supplying ample reserves and positioning money market rates close to interest on reserves is both efficient and effective. Still, when it comes to the details of implementing such a regime, central banks can face modest trade-offs between efficiency and effectiveness.』

トレードオフがありますよ、という話ですが

『These trade-offs could fill an entire speech, or a book. Today, I’d like to discuss just one of them, the precise positioning of money market rates relative to interest on reserves.』

それだけで本になるから一つだけ、ということでリザーブ付利の金利の意味付けについて、と来ましたが、

『In the U.S., the volatility of money market rates picks up noticeably as market rates move above interest on reserves.[11] The increase in volatility appears to stem largely from frictions in redistributing liquidity among financial institutions. In this environment, operating with money market rates close to, but perhaps slightly below, interest on reserves is likely to provide more effective rate control. In my view, for the U.S. financial system, bringing market rates all the way up to interest on reserves could reduce effectiveness while delivering only a minimal improvement in efficiency.[12]』

『Some other central banks are planning for money market rates to converge slightly above interest on reserves. Those central banks operate in different institutional environments and face different frictions, which can change the trade-off between efficiency and effectiveness and may support a different configuration of rates than in the U.S.』

時間が無くなってきたのでベターっと引用していますが、要はこれ市場の形状によってリザーブ付利が短期市場の上限になるのか下限になるのかというのは異なってきますがな、というお話をしていて、米国の場合は技術上市場の上限金利になっていて、実際問題として短期市場の金利がリザーブ付利水準を超える短期市場のボラがクソ高まる、という現象が発生している、というのをご紹介してひたすらマニア向けのお話のご紹介はこの辺で終わります(ほぼワシの趣味でしたサーセン)。

#ちなみにアンプルリザーブに付利、というセットは当預先への利益供与じゃねえか問題が論点になりそうなもんだがそこは華麗にスルーしてるのはチャーミングですね






2025/03/18

お題「円債馬鹿動きするのでメモ/今更昔のネタですがダラス連銀ローガン総裁講演からバランスシートの話」

あらあらまあまあ
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250317/k10014752231000.html
スーパーのコメ平均価格 5キロ当たり4077円 去年同期比約2倍に
2025年3月17日 22時40分

これまで上がってなかったのが一気に来た面はあるんですけどね・・・・・・

〇しかしなんちゅうチョッピーな相場なんじゃろという備忘メモ

https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/2FZ4IP65ZBMXTOZYCBF3WJ6WUM-2025-03-17/
マーケットアイ〕金利:国債先物は続伸、買い戻し優勢 中長期ゾーンに金利低下圧力
ロイター編集
2025年3月17日午後 3:31 GMT+9

『東京 17日 ロイター] -  <15:25> 国債先物は続伸、買い戻し優勢 中長期ゾーンに金利低下圧力

国債先物6月限は、前営業日比16銭高の138円30銭と続伸して取引を終えた。日米中銀会合を控える中、国債先物は買い戻しの動きが優勢となった。新発10年国債利回り(長期金利)は同1.0ベーシスポイント(bp)低下の1.505%。現物市場では中期ゾーンの金利低下が長期ゾーンに波及した。』

『朝方の国債先物は買いが先行。前週末の夜間取引の国債先物が上昇した流れに追随した。その後、国債先物は一時マイナス圏に沈む場面があったものの、再びプラス圏に転じた。』(上記URL先より、以下同様)

ってなもんでここもとずっとそうなんですが上がって下がってまた上がるとかその逆とかで日中の移動がめちゃくちゃ大きいんですよね。横綱の品格が無い。

『2年債は同3.0bp低下の0.805%、5年債は同2.5bp低下の1.095%。一方、20年債は同1.5bp上昇の2.280%、30年債は一時2.630%と2006年4月以来の高水準を付けた後、同2.0bp上昇の2.605%。40年債は一時3.00%と過去最高水準を付けた後、同3.0bp上昇の2.960%。』

7甘までやってから結局3甘に戻っていたんですけど何なんですか40年って話ですけれども、背景で何かあるのか、というとこれがまあ微妙な後付けネタにはなっているのですが、

『石破茂政権の支持率低下を背景に「政局混迷で日銀の金融政策は慎重にせざる得ないとの見方が浮上し、中短期ゾーンの巻き戻しの動きがでている」(前出の国内証券債券セールス担当)という。一方、超長期債は、業者によるポジションのアンワインドの動きがでているほか、一部の市場参加者がイールドカーブがスティープ化しやすい「高市トレード」を仕掛けている可能性が指摘されている。』

って話なんですが、高市トレードって昨年のあの時期から比較したら物価高が更に社会問題になっている昨今であり、しかも財政リスクプレミアムの話が世界的にもネタに一層なりやすくなっている、という事をもうちょっと真面目に考えたら、高市の言ってるようなリフレ高圧経済アプローチなんぞを今ぶっこんだら飛んでもないことになって、通貨防衛か物価強力抑制の為にあっという間にとんでもない引き締めに追い込まれるんだから2年債とか買ってる場合じゃねえだろと思うので、高市トレードで超長期売られるのは分かるけど中短期買うのはさすがにバカジャネーノと思ってしまう訳で、これ高市トレードでも何でもなくて単なるポジションの閉じなんだか仕掛けなんだかって話でしょとは思いますが、まあ何とも落ち着かない相場が期末のこの時期に続きますなという所で。

そもそも論として日銀の政策反応関数が云々というのはいつも言ってる悪態なので割愛しますが、まあ日銀の動きがまるでロジカルに読めない(なお先行きに関して言えば目先の話だけは米国経済政策云々の話に関連した「不確実性」に関するワーディングと、企業の価格設定行動に関するワーディングを見ておけばよろしというのは昨日申し上げた次第)のがややこしさに拍車を掛けている面はありますわな、とは思いますけど。

ただまあ何ですな、ゲルじゃなくなった場合に高圧経済みたいなことをおっぱじめようもんなら円安と物価高が更に進行するだけの話で、それを日銀が放置する、というのも何ぼ政治圧力に弱いと言っても植田和男先生がそれをやって千載の悪名を残す、ということはさすがにしないんじゃないかとは思うのですけれども、おまいら何ぼ何でも植田和男先生を舐めすぎじゃねえのとは思いました昨日のイールドカーブ見ててwww


〇何かすっかり続きをしておりませんでしたがローガン総裁のFEDバランスシートのお話

https://www.dallasfed.org/news/speeches/logan/2025/lkl250225
Speech by President Lorie K. Logan
Efficient and effective central bank balance sheets
February 25, 2025

Dallas Fed President Lorie K. Logan delivered these remarks at the Bank of England Agenda for Research Conference in London.

すいませんすいません2月の講演ネタの続きです。

・FEDのバランスシート政策に関する2つの柱のうち「Efficiency」の基本はパレート最適とな

ということでですね、ローガン総裁の話ってバランスシートとかオペレーションに関しては多分読んで置いた方が良い(経済見通しとかの話はまあそこまで・・・・)訳でして、たぶんなんですけどFOMCのなかでもそういう件に関しては一目も二目も置かれている筈なのよね。ということで読むのですが、講演のお題にもあるように「Efficient and effective central bank balance sheets」とは何ぞやという話なので、そこは読んでおいた方が将来のFEDのバランスシートがどうなって行くのかという話への示唆になると思うのでオヌヌメしたい訳です。

『Efficiency』ってお題のところから参ります。

『By efficiency, I mean allocative or Pareto efficiency. The central bank should design its balance sheet in such a way that no adjustment could make someone better off (in the economy the central bank serves) without simultaneously making someone else worse off (again, in the economy the central bank serves).』

パレート最適であるべき、ということでバランスシートの設計はミクロ的に中立にならんといかんぜよ、という話を冒頭でしている訳で、まあいきなり出オチみたいなもんですが、パレート最適と程遠い極東の国のどっかの中銀は爪の垢を煎じて飲むべき。

『Allocative efficiency requires setting the price of resources equal to their social marginal cost. Let’s apply that idea to central bank liabilities, specifically, reserves. From the perspective of a commercial bank considering how many reserves to hold, the price of reserves is the spread between money market interest rates and whatever rate the central bank pays on reserves. That is, when money market rates exceed interest on reserves, the commercial bank pays an opportunity cost in foregone interest to hold reserves.』

ときましてからの準備預金付利に関する話になっているのですが、商業銀行が準備預金を保有する機会費用(または収益)は市場金利と準備預金付利金利の差ですよ、という話をしておりまして、

『The central bank’s marginal cost of supplying reserves is typically small. Reserves are an electronic entry on the central bank’s books. No paper currency needs to be produced.』

『So, as I have argued previously, efficiency calls for money market rates to land close to the interest rate on reserves.[3] 』

準備預金に関しては市場金利とほぼ同じ金利を付利すべき(機会費用を中立にする)とのことで、

『If money market rates exceed interest on reserves, banks experience inefficient pressure to economize on reserves, the most liquid asset in the financial system. That increases financial stability risks and can gum up the flow of payments. 』

市場金利の方が高ければ銀行は市場運用で収益を上げようとして、準備預金を極力削減することによって金融機関は流動性が低い状態でいることが常態化してしまうのでいざというときの金融機関の安定性に問題が生じる、という説明をしていますな、じゃあ法定準備率上げれば良いじゃんというだけの話のような気がしますが先に行きますけど、

『The opposite problem occurs when interest on reserves exceeds market rates. Typically, only a limited set of financial institutions, such as banks, can hold reserves. Other financial institutions must hold their liquidity in other instruments, such as repurchase agreements (repos) or short-dated government securities. When these instruments pay less interest than reserves, the cost of liquidity is inefficiently higher for non-banks.』

市場金利よりも準備預金(これ超過準備も含むの話なので、この先に出てくる付利付き準備預金を意味する部分の訳を「中銀リザーブ」ににします)付利が高い場合、準備預金制度(これは制度の方なのでこの言葉で勘弁)に参加できる金融機関とそれ以外のファイナンシャルインスティテューションの間での差が生じて、ノンバンクなどが無用に流動性を減らしたり非効率な運用をします、って話ですな、まあパレート最適からしたらとんでもない量の超過準備に付利した金利が同等の流動性や信用力のある市場金利よりも高いって状態になってしまうとミクロ的な不公平が発生するのは今の日本の短国市場を見れば一目瞭然ではありますが、説明に関しては微妙感はある(けど短期金融市場はそもそも論として法域によって構造がだいぶ違う面があるので日本のことを考えながらよむのもイクナイかなとは思います)。

・米国だなーって感じがする説明になっています(米国だなーという理由はなかで書きますね)

『Elsewhere, I’ve described the idea of keeping money market rates near interest on reserves as a Friedman rule for interest-bearing reserves.[4] 』

でまあその次のパラグラフではいわゆるフリードマンルール(成長通貨供給を一定のルールベースで継続的に行っていく)に絡めて準備金付利に関する説明をしていましたが、と過去の講演をリファーしておりますが、この話を持ちだされると日本の(従来の)理屈とだいぶ違ってくるなとは思う件でございます。

と申しますのは、日本の場合従来(大昔ですけど)の伝統的な考えかたに基づいた成長通貨供給ってのは(もはや銀行券ルールとかそういうのが崩壊しているのでその言葉自体が死語ですけど)マネタリスト的なフリードマンのk%ルールみたいなのでやるのではなくて、あくまでも資金需要の実績に応じて行う(だから銀行券ルールになる)ものとなっているので、中央銀行がフリードマンルールで成長通貨供給を行う、という発想にはならんので、ワイ当然日本の話しか知らんのでこういう出され方をすると「へ??」となってしまいますがめげずに読みますと、

『There’s more than one way to achieve this configuration of rates. A central bank can estimate the quantity of reserves that would meet banks’ demand with market rates near interest on reserves, then acquire sufficient assets to supply that quantity.』

とは言え通常の金融調節の考え方はさすがに外生的な発想で、市中の資金需給に応じて市場の資金量の調節を行う云々という話をしていますな。でその方法ですが、

『Or, like the Bank of England, a central bank can offer to lend reserves at the same interest rate it pays on its deposit facility-letting banks take down however many reserves they demand. Likewise, if an excessive supply of reserves pushes money market rates below interest on reserves, a central bank can drain liquidity and bring rates back up by reducing its asset holdings.』

これBOEのイベントでの講演だからBOEが例に出ていますね。

『Or, as with the Fed’s Overnight Reverse Repurchase Agreement Facility, a central bank can offer to absorb liquidity from market participants ineligible for interest on reserves.』

まあここは資金調節の手段の話で、預金ファシリティと貸出ファシリティを使うBOE方式とONRRPを
使って市中の余剰資金を引くFED方式の話をしています。

『The optimal choices among these tactics may depend on the specifics of a central bank’s environment, such as its counterparties, how liquidity flows between those counterparties and other firms, the counterparties’ willingness to borrow from central bank facilities, the central bank’s institutional authorities, and the exogenous influences on reserve supply and demand.』

本来はここをもうちょっと詳細に説明してくれると入門者向けになるのですが、まあこれ入門者向けの話をしている訳ではないからスルーされていますが、短期金融市場における参加者がどのくらい中銀のファシリティにアクセスできるのか、という差が法域によって違いますので、準備預金制度の外側にいる人のマネーマーケットにおけるシェアが大きい米国の場合、中銀の常設ファシリティだけでは市場の過剰流動性を引ききれないという問題があって(かつてはGSE問題とか言われていたこともある)、そのためにONRRPみたいなのを設けて準備預金制度の外側にある流動性供給を行い、短期市場金利を適正に誘導しようとしておりますわな。

ちなみに日銀の場合は「無担保コール翌日物」が誘導金利にあればヨシ!(現場猫のイラスト割愛)という理論なので、オープン市場の金利はシランガナ状態(というと言いすぎで一応レポ金利くらいはちゃんと気にしている筈ですけど)なので、3M短国の利回りが0.30%でもシランガナ状態でやらせてもろていただいて、というメソッドになっております。

『But, again, those choices are tactical.』

という話は技術的ですよ、ということで、

『The strategic decision is where to position interest on reserves relative to money market rates. And when I look across major central banks, it seems to me our approaches are fundamentally similar. We all aim to keep money market rates close to interest on reserves, which is the efficient arrangement.』

・市場金利と中銀リザーブ付利金利がほぼ同水準で有るべきというお話をしておりますが(なお技術論)

重要なのは戦略的に短期市場金利との関係で中銀リザーブ付利金利を何ぼに設定するかという話で、

『You may have noticed that I said efficiency calls for money market rates to settle close to interest on reserves, not necessarily equal to interest on reserves.』

先ほど言いましたけど、水準は「close to」であって「equal to」ではないよ、とのことですが、

『Technical factors can appropriately create small spreads between different money market instruments. For example, the repo market in the U.S. has several segments.[5] Small rate spreads between segments can reflect participants’ market power or transactions’ non-price terms. No amount of reserve supply can compress these spreads to zero, nor could the interest rate on reserves match all the different repo rates at once.』

ゴテゴテ説明していますが、要するに実際の短期金融市場では市場が完全裁定の効率市場じゃないんだから取引によって多少のスプレッドが発生しておりますがそれが一々全部リサーブ金利水準に一致すべきとかそういうことはありませんがな、という説明じゃな。

『Similarly, even in an efficient configuration, temporary frictions such as those often seen on statement dates could cause short-lived rate movements. Such fluctuations aren’t necessarily inefficient. Suppressing them could require supplying so many reserves as to push money market rates materially below interest on reserves the rest of the year.』

これまたゴテゴテ説明ですが、完全市場であっても例えば年のある時期には金利が動く、みたいなことはあり得る訳で、それをもって市場の非効率とは言わない、とまあそりゃそうだという説明が続きまして、

『The cost of supplying reserves also may not be exactly zero. Yesterday’s keynote speaker, Annette Vissing-Jorgensen, has pointed out that if a central bank backs its liabilities with assets that carry a scarcity premium, removing those assets from circulation is costly.[6] I’d note, though, and I’ll return to this later, that the cost depends on whether the supply of such assets can grow.』

うーんこのマニア議論という感じでして、リファーされているものを読んでいないのであれなのですが、中銀が流動性供給をする際に希少性プレミアムのある資産を裏付けにしている場合、その希少性プレミアムがそのまま残ってしまうみたいな話があったみたいですが、それまさに超過準備アホほど出している中で担保需要が根強いことから短国の利回りがクッソ低いというジャパンの話じゃんとか思いましたが、リファーの元を見ていないので何とも。

まあでもこの問題も中々論点としては興味深くて、そらまあローガンの話を日本に直接持ち込んでみても多分前提条件が違うからそもそも議論にならん面はあるのですが、現状短国の利回りが低すぎるのは発行が足りないというのもあるけど、やっぱり中銀リザーブの出し過ぎによって市場の非効率性が生じている、と考えますと、今の超過準備の量そのものは明らかにおかしいのでじゃんじゃん減らして目指せパレート最適、という話になるんじゃなかろうかとただの我田引水ポジショントークになっておりますが、そんなことを思いました。


・市場金利>リザーブ付利金利の方が良いのではないかという議論もあるけど・・・・・・

このコーナーの最後の部分ですが、

『Some observers have objected to keeping money market rates close to interest on reserves, saying this suppresses trading in the interbank money market. In the face of unexpected payment shocks, an active interbank market helps the private sector redistribute funds across banks. By comparison, without an interbank market, the central bank may intermediate more of that redistribution through its deposit and lending facilities. Policy preferences can differ about the desirability of trading off a smaller central bank footprint against the spread of market rates over interest on reserves, and the resulting inefficiency, that would be needed to incentivize active interbank trading.』

ローガンさん今の説明のカウンターアーギュメントとして、市場金利の方が高い設計にしておいたほうが、短期金融市場の取引が活発化する(中銀リザーブの機会費用が発生するから)ので市場の流動性が高まるし、短期金融市場の取引が活発じゃない場合には何かあった時にすべての尻が中央銀行に持ち込まれることになるから、中銀がコストを抱えることになるので、活発な銀行間市場ができる方が望ましい、というのがありますが、ときまして、

『While that’s an interesting philosophical discussion, I don’t see much of a practical argument for the U.S., at least. When the U.S. banking system has excess reserves, they tend to accumulate at the largest money-center banks.The regulations applicable to such banks disincentivize unsecured lending to other banks. 』

この議論は興味深いものではあるものの、米国の現状、すなわち金融システム上に超過準備が大量にあり、かつ多くの資金が大規模なマネーセンターバンクに集まっており、銀行間の無担保取引に関するインセンティブを阻害する規制のある状態の現状にはそぐわないのではないか、というお話。

まあこの点はもう法域によって異なる話なので、その意味では日本は米国とは短期金融市場の構成が大分違うはずなので(そこまで米国に詳しいわけではないので詳しい人に聞かないといかんが)ローガンの発想のうちのタクティカルな部分が日本に適合するかは謎ではある。

『As a result, only very large spreads between money market rates and interest on reserves would likely suffice to revive the U.S. interbank market-and that would be very inefficient.[7]』

なのでリサーブ金利を引き下げて銀行間取引を拡大することはできるけどそれは非効率じゃなかろうか、という話でこれはまあ日本には適用できるのかどうか謎な話ではあります。

『Nor would an active interbank market improve banks’ resilience to liquidity stress. Making liquidity artificially scarce and then giving banks lots of practice managing that scarcity is riskier and less efficient than avoiding scarcity in the first place. And there are plenty of other ways that banks can maintain operational readiness to exercise their liquidity tools.』

それからインターバンク市場が活発だからと言って流動性のストレスにレジリアントかというとそうではないじゃろ、とまあそりゃそうだという話で前半は終りました。

ということですさまじくマニアックなネタで恐縮ですが、前半の結論としては(だいぶ前に結論部分をご紹介した時にもありましたように)ローガンさんの発想としてはFEDについては「割と潤沢なアンプルリザーブ」と「付利金利(準備預金含むすべての中銀リザーブ)は短期金融市場の上限金利に基本的にはいる状態(一時的に短期市場の金利が上回るのはありえる)」というセットで考えている、ということになりますので、その点で言えば現世利益的にはバランスシートはそこそこ大きなものをもったまま走る、という話になるのかな、とは思いました。





2025/03/17

お題「短国は期末モードですかね/決定会合プレビュー雑談だが春闘は日銀的には1月利上げで決着済みだと思うの」

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF209IW0Q5A220C2000000/
SNS×選挙、バズれば官軍 「注目で収益」公正揺るがす
デモクライシス #SNSが政治変えた件@
2025年3月17日 2:00 [会員限定記事]

ってお話ですけど、まあ財務省陰謀論みたいなクソ言説を振り撒きまくってるのは従来型のお茶の間コメンテーター芸人だったりする訳で、SNSは手段としてはそうだけど、それ以前にリフレ派みたいなのをありがたがってコメンテーターにしている従来のメディアの質の低さってのも問われるべきだと思いますけどねえ。

てかお前ら石丸旋風とか言って有難がって報道してるし今だって玉木とか有難がって報道してるじゃろうが何をゆうとるんじゃワレ。

〇短国結局ニーズは堅調ですかそうですか

金曜の新発3M
https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20250314.htm
国庫短期証券(第1293回)の入札結果

『本日実施した国庫短期証券(第1293回)の価格競争入札及び国債市場特別参加者・第T非価格競争入札について、下記のように募入の決定を行いました。



1.名称及び記号   国庫短期証券(第1293回)
2.発行根拠法律及びその条項
財政法(昭和22年法律第34号)第7条第1項、財政融資資金法(昭和26年法律第100号)第9条第1項並びに特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第83条第1項、第94条第2項、同条第4項、第95条第1項、第136条第1項及び第137条第1項

3.発行日     令和7年3月17日
4.償還期限   令和7年6月16日
5.価格競争入札について
(1)応募額        11兆8,901億円
(2)募入決定額     3兆4,059億円
(3)募入最低価格   99円92銭2厘0毛
(募入最高利回り)  (0.3131%)
(4)募入最低価格における案分比率  91.0000%
(5)募入平均価格   99円92銭3厘5毛
(募入平均利回り)  (0.3070%)』

前日の引値の段階ではカレント(1個前)の3Mが0.32%まで戻りまして(入札自体は0.34-0.35%でしたがショートカバー祭りになって0.3%割れから始まった銘柄でした)、新発WIも0.32%の引値になっていたのですが、WIよりも全然強いし、当然ながら前週の入札よりも全然強いという結果になりやがりましたが、ゆうてまあ前週の学習効果か別にショートカバー祭りとかいうのでもなく、「順調に強い結果」ってことですか知らんけど。

でまあ売買参考統計値見ますと、
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html

国庫短期証券1292 2025/06/09 平均値単利 0.320
国庫短期証券1274 2025/06/10 平均値単利 0.320
国庫短期証券1293 2025/06/16 平均値単利 0.300
国庫短期証券1238 2025/06/20 平均値単利 0.320
国庫短期証券1295 2025/06/23 平均値単利 0.320

1295ってのが今週の3MのWIですけれども、新発だけ0.30%の引けとかいう謎イールドカーブになっておりまして、新発なんて出たばっかりなんだから一番世の中に物があるはずなんですが、これが一番強いとかいうのが短国の面白クオリティですなとは思うのですが、新発の時が一番まともにロットで玉を入れられるもんだから、まとまって買いたい人は新発の時にぶっこむしかないでしょうから、ロットの人のお家の事情があると新発強くなるの法則という感じですかしら。

今回の期末越えのところは、ついこの前までがアホみたいに無風で、寧ろじりじりと金利が上昇気味でナンノコッチャと思っていたのですが、この2週間でやっと期末っぽいニーズが見えてきた感がありますが、(一応4月利上げの可能性でも読んでいるのかというのはあるけどまあ関係ないじゃろ)長い方の相場が不安定ですじゃろというのとなんか関係あるのかどうか、というのは興味深いところなのですが、こちとらそんなお家の事情な人たちの懐具合とか知る由も無いので何ともコメントは仕様がないのですけれども、でもまあその辺の大人の事情系のサムシングがあるんじゃなかろうかとは思うのでありました(あくまでも妄想です)。


ちなみに金月現象無しだったGCちゃんですが、

https://www.jsda.or.jp/shiryoshitsu/toukei/trr/index.html

        O/N  T/N  1w  2w  3w  1m  3m  6m  1y
2025/3/12 0.484 0.477 0.449 0.444 0.440 0.436 0.457 0.497 0.601
2025/3/13 0.493 0.478 0.449 0.444 0.438 0.436 0.457 0.498 0.601
2025/3/14 0.493 0.492 0.451 0.444 0.437 0.435 0.457 0.498 0.603

GCレートの方はここもと(足元金利が)高止まりになっていまして、ターム物は動いてないから金利観変わってないんじゃろうなというのは分かるのですが、足元この水準ってことはマーケットメーカーの在庫ファンディングニーズがあって、一方で短国の入札は強いのですから長い方要因ですかね、という位の想像はできますがどうでしょうかね。ちなみに足元GCが高止まりになっている影響で1wとかも上昇していて、期末越えになる3wや1mとの逆転がより見やすくなっているのもチャーミング。

しかし先週は長い方も良く動きましたな。

https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/IFPDQFWD4VMI5CRTNJTLRIHX7E-2025-03-14/
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は反発、長期金利1.52% 米金利低下やポジション調整で
ロイター編集
2025年3月14日午後 3:42 GMT+9

先週は債券先物の限月交代もあったり、なんかもう先物連日クッソ動きましたなという感じですが。

『[東京 14日 ロイター] - <15:28> 国債先物は反発、長期金利1.52% 米金利低下やポジション調整で

国債先物6月限は、前営業日比39銭高の138円14銭と反発して取引を終えた。新発10年国債利回り(長期金利)は同2.5ベーシスポイント(bp)低下の1.520%。米金利低下や週末を控えたポジション調整の動きから国債先物は買いが優勢となった。

朝方の国債先物は買いが先行。トランプ米政権の関税政策に起因する貿易戦争で、景気先行き懸念が強まり、米10年債利回りが4.27%付近に低下。この流れに追随して始まった。

後場に入り、国債先物は一時的にマイナス圏に沈む場面があったものの、再び上昇に転じた。その後はじわじわと上げ幅を拡大した。  

市場関係者によると「特段材料は見当たらない中、いったん手仕舞いの動きが出ているようだ」(国内証券債券セールス担当)という。また「不安定な相場の中、投資家からのフローが出ると、そこまで多くない量で値が大きく振れてしまっている。それに対して市場は右往左往している印象だ」(同)との声が出ている。』(上記URL先より)

ってなもんで、先週って40銭下がって60銭上がって28銭下がって23銭下がって39銭上がってその間に限月交代がある(しかも実質は火曜の引けで交代(火曜の夜間始まった瞬間に逆転してるから)なのですが形式上は水曜の限月交代とかいう面倒な交代)とかいうことで無駄に疲れる相場ちゃんではありましたが、まあ金融政策がどう転ぶのかが訳わからんところに来てトラ公の気まぐれメニューだから仕方ないとはいえ、まあ長い方も安定しませんわなという所ではありました、という雑談メモでした。


〇そういや決定会合が水曜なのでプレビュー雑談と言いつつ春闘の一次回答

https://jp.reuters.com/business/ZGS6WGXEVVL3TFNKELEUW66CO4-2025-03-14/
連合の春闘賃上げ率、前年超え5.46% 会長「新ステージ定着に好発進」
杉山健太郎, 山崎牧子
2025年3月14日午後 7:07 GMT+9

『[東京 14日 ロイター] - 連合が14日発表した2025年春闘の1次集計によると、基本給を底上げするベースアップ(ベア)と定期昇給(定昇)を合わせた賃上げ率は、加重平均で5.46%と前年同時期に比べて0.18ポイント上昇した。2年連続で5%を超え、1991年以来34年ぶりの高水準となった。会見した芳野友子会長は「新たなステージの定着に向けて良いスタートが切れた」と評価した。』(上記URL先より、以下同様)

という話ではあるのですが、物価が盛大に上がってるんだから当たり前だろ何偉そうにいってるんだこの御用組合連合会がという風情ではあるのですけえれども、

『300人未満の中小組合351組合の賃上げ率は、加重平均で5.09%。前年同時期に比べて0.67ポイント上昇した。芳野会長は「第1回目の集計で5%を超えたが、気を緩めずに最後までサポートしていきたい」と述べ、労務費を含む価格転嫁の運動をさらに強化していく考えを示した。』

いやまあ中小企業の賃上げ原資か確保のために労務費の上昇を価格に反映させましょうって話をしているのは意味が分かるんですけれども、労務費上昇が丸々価格転嫁されたら結局のところ価格上昇によって賃金上がった分飛んでしまうじゃろという話で、労働組合がそんな話をする必要はないんだがという辺りがまあ御用組合の御用っぷりの面目躍如な訳ですが、賃金上がっても価格転嫁の運動強化してたらお前何のために賃上げ運動やってるんだよアホなのかと思ってしまいました。

というのはさておきまして、まあこういうのでたし日銀の利上げに後押し、というニュースヘッドラインがにぎやかになっておりましたが、そこは残念ながらそうじゃないと思うのよねあたくしは。

・・・・・と申しますのは、そもそも論として12月1月での政策運営に関する説明を改めて確認しますと、

(いずれも幹事社質問に対する植田総裁の回答を引用します)

12月現状維持
https://www.boj.or.jp/about/press/kaiken_2024/kk241220a.pdf

『(答)まず今回利上げを見送った理由ですが、基本的な点として先ほど申し上げましたが、金融政策運営については、経済・物価の見通しが私どもの見通しが実現していくとすれば、それに応じて引き続き政策金利を引き上げ、緩和度合いを調整していくということが基本的な考え方でございます。そのうえで、その緩和度合いの調整のタイミングですが、様々なデータや情報を丹念に点検したうえで判断していく必要があります。』

『ご指摘のように、最近の経済・物価に関する各種の指標は、概ね見通しに沿って推移しています。ただ、賃金と物価の好循環の強まりを確認するという視点から、来年の春季労使交渉に向けたモメンタムなど、今後の賃金動向について、もう少し情報が必要と考えました。また、米国をはじめとする海外経済の先行きも引き続き不透明であり、米国次期政権の経済政策を巡る不確実性は大きいと考えています。これらを踏まえて今回の会合では、金融市場調節方針、現状維持を決定致しました。』(以上直上URL先2024年12月19日決定会合後の植田総裁記者会見での総裁発言より)


1月利上げ決定
https://www.boj.or.jp/about/press/kaiken_2025/kk250127a.pdf

『(答)まず先ほど申し上げましたように、今日の会合では、展望レポートの見通しについて議論しまして、わが国の経済・物価が、これまで示してきた見通しに概ね沿って推移しており、先行き見通しが実現していく確度が高まってきていると判断しました。』

『ご指摘頂いた今年の春季労使交渉ですが、昨年に続き、しっかりとした賃上げの実施が見込まれると判断しました。すなわち、今年も賃上げを継続するという企業の声が増加しているほか、支店長会議では、継続的な賃上げが必要との認識が幅広い業種・規模の企業に浸透してきているという報告もありました。また、各種のアンケート調査でも、昨年の同時期対比で賃上げの実施を計画する先が増加していることを確認致しました。』

『米国についてですが、まずインフレ率が低下するもとで、様々なデータをみますと、経済がしっかりとしていると評価しました。また、今週入り後、トランプ大統領が就任し、政策の大きな方向性が示されつつありますが、その後も国際金融資本市場は、全体として落ち着いていると判断しました。』

『輸入物価ですが、前年比でみれば、引き続き抑制された水準にあるという点は変わりはないとみています。ただ、前回 10 月の展望レポート時点との対比でみますと、為替円安等に伴い、輸入物価が上振れていまして、本日取りまとめた新しい展望レポートでは、先ほど申し上げましたが、消費者物価の見通しは、24 年度が 2%台後半となった後、25 年度も 2%台半ばと高めとなりました。こうした状況を踏まえ、2%目標の持続的・安定的な実現という観点から、金融緩和度合いの調整をすることが適切と判断したところであります。』(以上直上URL先2025年1月24日決定会合後の植田総裁記者会見での総裁発言より)

・・・ということで(ジャガーチェンジにもほどがある云々の悪態はさておきますとしまして)比較しますと、1月の追加利上げの時点で「春闘」は既にファクターに入っているので、実は植田さんのこの説明から敷衍しますと、今回の春闘が強いから次の利上げが前倒しになるとかそういう有難い話はあんまりない(いやとっとと利上げしろとは思うのでアタクシの思うべき論と予想は別物なのは念のため申し添えますが)んですよね。残念ながら。

ということですので、1月の利上げの時点で言ってた理由のうち今後問題になるのはこの後半の「米国経済ガー」の部分になるわけでして、こちらに関しては先日ネタにしたように、先般の国会で植田さん、

https://jp.reuters.com/economy/bank-of-japan/L4DSNRDCPJIKDA4HLRWVZCA22M-2025-03-12/
海外の経済・物価巡る不確実性、非常に心配している=植田日銀総裁
和田崇彦
2025年3月12日午後 4:29 GMT+9

『[東京 12日 ロイター] - 日銀の植田和男総裁は12日、参議院予算委員会で「こういうご時世なので、海外の経済・物価動向を巡る不確実性については非常に心配している」と述べた。その上で、国内企業の賃金・価格設定行動についても注視していると話した。』(直上URL先3/12ロイター記事より)

とかぬかしやがっている訳でして、こちらが「非常に心配」だったら追加利上げせんわーという話になるのでして、まあ賃金の話は既に日銀の理屈では1月利上げで決着済みの話で、次はこの米国経済様という話になりますわなという所。

でもってそれ以外にというと、さっき引用した1月の決定会合における説明、「輸入物価上がってアクチュアルの物価が上振れた」の部分になってきますので、その点で年度替わりの価格設定行動の変化を見ますとか、為替も含めた輸入物価動向の確認とか、そっちの方は注目される部分という事になるはずなんですよね。

ということでして、日銀が「米国経済ガー」って言ってるうちは基本的に次の利上げはしませんよ。って考えるのが順当な読み筋という話でして、ただまあその中で米国経済以外では「企業の価格設定行動」と「アクチュアルの物価をどう評価するのか」という点での日銀の言説は要注意、と考えるのがよろしいんじゃ無かろうかと思う訳ですよ。

このうち、アクチュアルの物価に関しては、先般の内田副総裁の講演でも堂々と「物価は2%に向けて落ち着く」というここ数年スパンで外し続けている日銀大本営発表を垂れ流していたので、アクチュアルの物価に関してなんか言い出すとすればやはり4月の価格改定見てからという話になるでしょうから、その点では4月の支店長会議で何か出てくるかどうか、物価に関するアネクドートがたくさん出てきてその内容が強いものだらけの場合はちょっと注意という感じじゃないかなと思います。輸入物価に関しては為替の水準とそもそもの輸入物価の寄与という話ですが、企業物価指数見ると(https://www.boj.or.jp/statistics/pi/cgpi_release/cgpi2502.pdf)輸入物価が上昇という図にはなっていないのでこちらは利上げをする理由にならんじゃろという感じですわな。


・・・・という感じがまあ現状でのワイの読み筋なんですけれども、ここで非常に困るのは、「最近の日銀はジャガーチェンジにも程がある」という所でして、12月1月のジャガーチェンジが典型ですけれども、昨年の9月決定会合の時だって7月に利上げしておきながら「6月の頃から米国経済ガー」とかとんでもない説明をぶっかましていた(だったら何で7月利上げしたんだよこのウソツキ、という話ですな)りして、首尾一貫していないどころの騒ぎじゃなくて、もしかしてお前らサイコパス集団なのかよというレベルで態度を急変させる訳ですな。

そんな訳なので、先日の国会でのやたら強い表現での「非常に心配している」も「3月の政策変更はないです」とは確実に言っているのですが、じゃあ4月(5月)利上げは無いのか、というとああいっておきながらいきなりのジャガーチェンジをぶっかます可能性が大有りなので油断禁物ではありまして、とにかくこいつら目先の事しか言わないし、しかも無駄に強い表現を使うからなんか先のことまで言っているのかと思ってしまうのですが、この人たち説明に一貫性というものが全くない(のだが先般シリーズでネタにしましたけど内田副総裁に言わせれば「日本銀行は、昨年4月の展望レポート以降、一貫して同じ「政策反応関数」を示してきました。」(3月5日の内田副総裁静岡金懇挨拶より)と言い切ってしまうのが凄すぎるわけですが)のですが、まあ当面は「米国経済ガー」の話っぷりを確認しておく、というか他の質問しても多分無駄足なので水曜の会見ではそこに絞って質問オナシャスって感じですけれども、「米国経済(および米国政策を受けた世界への影響)」と「企業の価格設定行動(これは4月入ってから)」に関する日銀の評価を見れば4月(5月)に何かあるのかどうか、ってのは読みやすくなると思います。

というアタクシの読み筋をダラダラとご披露するという雑談企画で甚だ恐縮至極でしたが今朝はこの辺で勘弁。





2025/03/14

お題「なんか安定しない相場ですなあというメモと短期のメモと内田さん金懇会見特にネタ無しというメモで勘弁」

これはひどい
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250313/k10014748861000.html
“新宿警察署の代表番号から不審電話” 新手口の特殊詐欺か
2025年3月13日 17時37分

『現時点では実在する警察署の番号が表示される仕組みはわかっていないということで、警視庁は確認を進めるとともに、警察から電話があった場合、いったん電話を切って、代表番号にかけ直したり、家族や周囲の人に相談したりするよう呼びかけています。』(上記URL先より)

もはや電話は完全に大丈夫な相手(親兄弟とか)以外からのものは出ないで留守電応対するしかない、って感じですな・・・・・・


〇相変わらずヒョイヒョイ動く相場ちゃんのようで(という備忘メモ)

うーんこの
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-03-13/ST1MB3T0AFB400
【日本市況】債券下落、植田総裁の答弁受け利上げ観測強まる−円上昇
横山桃花
2025年3月13日 14:16 JST 更新日時 2025年3月13日 16:11 JST

『13日の日本市場では債券が下落。日本銀行の植田和男総裁が金融政策の正常化に前向きな発言をしたことで、利上げ観測が強まった。為替は円が対ドルで147円台後半に上昇し、株式は指数が前日終値付近で終えた。』

『植田総裁は13日、参院財政金融委員会で答弁し、賃金の上昇率は強い姿が続いているとした上で、「今後、実質賃金あるいは消費についてはもう少し良い姿が見込まれる」と語った。人手不足の強まりに伴って賃金・物価は上がりにくいという慣行も変化しており、この継続が2%の物価目標の持続的・安定的な実現に重要だとの認識も示した。』(上記URL先より)

ってな感じでBBGが解説している一方で、ロイターさんの方では、

https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/WJUASDNRVRNYPBOSK7WICZOCZY-2025-03-13/
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は続落、長期金利1.54% 買い一巡後は戻り売り
ロイター編集
2025年3月13日午後 3:22 GMT+9

『[東京 13日 ロイター] - <15:13> 国債先物は続落、長期金利1.54% 買い一巡後は戻り売り』

『三井住友トラスト・アセットマネジメントのシニアストラテジスト、稲留克俊氏は「(後場の円債は)朝方に買いが強かった分の反動が出ている」と指摘。日銀の利上げ継続への警戒感も根強く、「地合いの悪さを踏まえると、買い進めにくいようだ」とみる。参院財政金融委員会での植田和男日銀総裁の答弁 もっと見る については「目新しい発言は特段なかった印象だ」(稲留氏)との声が聞かれた。』(以上上記URL先より)

ってな感じで市場の動きに対する後付け講釈の中で植田さんの国会答弁に対しての見方も異なるという何が何だかよくわからん相場ではあるのですが、債券市場の値動き的には前場は思いっきり堅調相場で後場はションボリ―ヌでずるずる下げるという展開で、しかも昨日って別に入札も輪番も無かったというのに何やってるんですかという感じでして、今週は月曜の下げから始まり火曜の上げと水曜木曜の下げ(しかも木曜は日中でブルフラットとベアスティープをやるというイミフ展開)とか何かまあ落ち着きませんわなという所で、これが何を意味するのかはよくわからんのですが、とにもかくにも上記のロイターさん記事って当日分時系列に読めるから分かりやすいのですが、

『[東京 13日 ロイター] - <15:13> 国債先物は続落、長期金利1.54% 買い一巡後は戻り売り

国債先物6月限は、前営業日比24銭安の137円75銭と続落して取引を終えた。新発10年国債利回り(長期金利)は一時1.495%まで低下した後に反転し、同2.0ベーシスポイント(bp)上昇の1.540%。朝方に買われた反動から現物債を中心に戻り売りがみられ、その流れが国債先物にも波及した。』

だったのですが、前場引けは、

『<11:07> 前場の国債先物は反発、長期金利1.495% 超長期債の金利低下目立つ 

国債先物中心限月6月限は、前営業日比15銭高の138円14銭と反発して午前の取引を終えた。夜間取引の上昇や時間外取引の米金利の低下を背景に、買いが優勢となった。現物市場では、新発10年国債利回り(長期金利)が同2.5bp低下の1.495%。超長期債の金利低下の流れが波及し、中長期債も底堅い動きとなった。』(以上上記ロイター記事より)

っていうことで日中高安で見ると結構な値動きをしてやがって何ですかこの不安定な地合いはというところなのですが、期末特有の機関投資家さん期末固めて動きにくいから一部の動きで右往左往なのか、直近の金利上昇によって期末固め直さないといけない人のお家の事情な成り行き売買が交錯して値動きがアホみたいに大きくなるのか、何なんでしょうかねというメモだけ置いてみました。


〇貸増ちゃんとか今日は3M短国ですねとかGCとかその辺のメモ

・かしぞうちゃん

https://www.boj.or.jp/mopo/measures/mkt_ope/len_b/mope250313a.pdf
貸出増加を支援するための資金供給の実施結果
(2025年3月実施分)

『今回の貸付の概要
貸付予定額    18,695億円
貸付先数      25先』

うーん1.8兆円。

『(参考)貸付日時点の貸付残高および貸付先数の見込み

            貸付残高     貸付先数
大手行        293,611億円      6先
地域金融機関等  436,579億円     110先
合計         730,190億円     116先』

うーん73兆円ってなところですが、この貸増も以前出ていた4年物ってのがそう簡単にエンドにならない訳でして、金融緩和政策の出口を真面目に考えていたらこういうクッソ長い期間のオペってのは禁物じゃろと思うのですが、先般来なんと6回シリーズで大粘着せざるを得なかった内田副総裁講演に言わせれば「出口の事を考えた」とか言ってるのが笑止千万だし、5年固定の長期共担というのを打ったのも実に飛んでもない話で(国債買入ならば買入の時点で話が一旦終わるし、本当にいざとなったら売りオペできるけど、長期貸付は絶対に期日まで資金供給が続くもの)、本来であれば経過措置も要らねえだろとは思いますが、まあ経過措置の方は1年変動貸出だし期落ちの半分だけロールだからしゃあなしや、って感じではあります。



・今日は3Mでございますが&GCちゃん

先週の3Mは0.35%台の足になったのですが、落札結果発表直後からショートカバー祭りになってしまって0.3%割れの引けとかにされてしまって煽りを食って周辺銘柄の引けも強くされるなどの惨状を呈しておりましたが、

売参ちゃん
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html

(3/13引値)
国庫短期証券1290 2025/06/02 平均値単利 0.320
国庫短期証券1292 2025/06/09 平均値単利 0.320←カレント3M
国庫短期証券1293 2025/06/16 平均値単利 0.320←今日入札の新発3MWI

ということで、1292の引けはいつの間にか、というかまあ実は3/12の引値のところだったのですが、ショートカバー特別価格の0.28%水準から修正されておりまして、とりあえずショートカバー祭りの余波はやっと鎮静化した模様ですが、ゆうて水準的には先週の今頃だと0.345%だのでやっていましたので、結局のところ0.35%の水準に乗るようだと買いが入りやすくなるという話なのか、それとも期末帳尻短国残高調整ニーズ自体があるから全般的に気配が確りなのかは知らんですけれども、月初からじりじりと水準を切り上げたムーブは戻ってくる雰囲気じゃなさそうですなという所で。


東京レポレートちゃん
https://www.jsda.or.jp/shiryoshitsu/toukei/trr/index.html

先週水曜以降の推移

        O/N T/N  1w  2w  3w  1m  3m  6m  1y
2025/3/5 0.486 0.480 0.447 0.446 0.443 0.437 0.458 0.497 0.594
2025/3/6 0.490 0.462 0.447 0.442 0.441 0.436 0.456 0.497 0.595
2025/3/7 0.483 0.482 0.450 0.443 0.442 0.436 0.457 0.497 0.595
2025/3/10 0.481 0.485 0.451 0.445 0.441 0.436 0.458 0.497 0.599
2025/3/11 0.491 0.478 0.450 0.444 0.440 0.437 0.458 0.497 0.600
2025/3/12 0.484 0.477 0.449 0.444 0.440 0.436 0.457 0.497 0.601
2025/3/13 0.493 0.478 0.449 0.444 0.438 0.436 0.457 0.498 0.601

ターム物は無風って感じですけれども(期末跨ぎになったタイミングで3wのレートが変化するとかそういうプレイも存在しないとは・・・・・・って感じですけど)足元の方についても先週は金月レートの低下が木曜のトモネ方面に見られたのですが、今週は金月現象が観測されずという地合いになっていまして、これどういう法則で発生したりしなかったりするのかが何かよー分からんのですが、っていやまあ単純に需給で決まるんですけどその需給の背景is何って話でして、この動きから何かを読み取りたいと思いながら読み取れていないのですがちょっと達人の方いましたら伏してご教授を願いたいところではありまする。

今日の入札通過してみないと分からん面はあるのですが、ゆうて短国方面の需給はたぶん堅調な筈で、短国在庫要因ではGC上がらんと思うので、まあ他の話ではあるのかなと思うのですが・・・・・・・・・・


・それから火曜日に特会借入あったんですよね(いまさらですが)

https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/kariire/energy-result250311.htm
エネルギー対策特別会計の借入金の入札結果(令和7年3月11日入札)

『本日、借入金の入札について、下記のように募入の決定を行いました。
 



1.借入根拠法律及びその条項
 特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第13条第1項
2.借入日  令和7年3月21日
3.償還期限  令和8年3月23日
4.償還方法  令和8年3月23日に一括償還

5.応募額    2兆4,176億円
6.募入決定額  7,438億円
7.募入最高利率  0.810%
8.募入最高利率における案分比率   9.2498%
9.募入平均利率  0.762%』

という結果でして、これ物凄く単純に言ってしまえば3か月後に0.75%に利上げしてその6か月後に1.00%に利上げした場合、平均の付利金利は0.75%になるという計算になるので、相変わらず特会借入だけは利上げを盛大に織り込んでいる、というよりはまあタームプレミアムが乗っかった正常な状態ですよ、ってな事ではあると思うのですが、大変にオシャンティーなレートになっていますな。

なんせ現物国債の方は2年カレントで0.85%とかやっているのに、その一方で特会借入は1年で一番お高い落札利回りで何と0.810%(極薄案分ですけど)とかなっている訳であって、まあ特会借入のレートもちと高すぎな気はしますが、現物国債の短期ゾーンってコールレートから15も低い3Mとかやってる短国もそうなんですけれども、こうやって見ていくと2年とかも金利上がったとは言えまあ何ですかねえという水準というのが再認識される今日この頃なのではないか、と斯様思うのですが如何でございましょうか。


〇そういえば内田副総裁金懇会見ですがまあこれはかなりしょうもないので甚だ簡単に

https://www.boj.or.jp/about/press/kaiken_2025/kk250306a.pdf
内田副総裁記者会見
――2025年3月5日(水)午後2時から約30分
於 静岡市

まあ咄嗟にそういう話になるのは無理がある、というのはその通りではあるのですが、本当はこの会見では例えば「先ほどのご挨拶の中で2022年12月のYCCのバンド拡大について「出口プロセスの大きな山」と仰っていましたが、当時は出口について考えていないし、出口とは全く関係ない」と説明していたはずですが、今回このような説明をした理由についてご教示いただけますでしょうか」というような質問が浴びせかけられますと、大変面白い、というかそもそもそういう質問攻めを食らうと思ったらウッチーさんだってもうちょっとそこらへん考えるじゃろ、ってなもんや三度笠な訳ですから、まあ記者の方も舐められているというお話でもあるんじゃないのとは思いました、奮起を期待したいですな。

ということでクソのようにしょうもない質疑が続いていましたが、この辺はメモっておこうかなと。

・ビハインドのリスクについてあるともないとも言わないで逃げを打ちやがりましたwwwwww

まあ前振りみたいな感じですが先にこんな質問ありまして、

『(問)二点お伺いしたいんですが、アメリカ経済について減速懸念が出てきているということと、それから為替もひとときに比べると円高に振れているということで、日銀にとっては、次の利上げに向けてまだ判断を見極めていく時間的な余裕が今できているのかというのが一点目。(後半割愛)』

回答ですが、

『(答)一問目についてはですね、今お答えしたことにほぼ尽きると思いますが、当然ですけれども、ある特定の状況に対応するわけではないので、米国経済とか為替とかいろんなものを含めて、日本経済それから日本の物価というのを考えて、それに応じて政策を打っていくということに尽きるというふうに思います。(後半割愛)』

>当然ですけれども、ある特定の状況に対応するわけではないので
>当然ですけれども、ある特定の状況に対応するわけではないので
>当然ですけれども、ある特定の状況に対応するわけではないので

・・・・・市場が不安定な時には利上げしませんとか言ってたのは何だったのかというこの堂々とした態度(褒めてない)

というのがあったのですが、先の方でビハインド云々の話がありまして、

『(問)物価の上振れリスクというところに関連してくるんですけれども、副総裁、これまでビハインドザカーブになるリスクはほぼないという話をおっしゃってらっしゃいましたけど、今、足元こういった講演の内容を踏まえてですね、先ほど毎回利上げするとはみられていない、一般的にですね、という発言からすると、今何か利上げを急いでやるような状況に追い込まれるリスクについてはそんなに高く見てらっしゃらないという理解でいいのかどうかっていうところがまず一点。(後半割愛)』

『(答)利上げのペースについてはですね、いつも言っている通りですけれども、今後の、先行きの経済・物価・金融情勢次第ということですし、考え方は何度も説明している通りですので、その中で判断していくということに尽きるというふうに思います。(後半割愛)』

まあビハインドのリスクに関しては「ある」とはそりゃまあ言わないでしょうけれども、「ない」と回答するのはさすがにマズイという意識はあるのかな、と思う訳で、他の質疑全編見てもそうなんですが、記者会見の方は堂々の安全運転で目先の政策調整に関しては何も答えない、というのを貫いていた感じがしました、というのだけメモっておきます。

ということで今朝は備忘メモばっかりで恐縮至極



2025/03/13

お題「植田さんの国会答弁は良い話と余計な話がありましたな/内田副総裁金懇挨拶ツッコミ(ファイナル)」

けいきのいいはなしだなー
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250312/k10014747311000.html
春闘 集中回答日 満額回答相次ぐ 各社の賃上げ状況【詳しく】
2025年3月12日 19時30分

なお、(以下略)

〇あまり「非常に心配」とか強い言葉使わない方が良いのだが&財政の部分もっと報道して差し上げてほしいんだが

うーんこの
https://jp.reuters.com/economy/bank-of-japan/L4DSNRDCPJIKDA4HLRWVZCA22M-2025-03-12/
海外の経済・物価巡る不確実性、非常に心配している=植田日銀総裁
和田崇彦
2025年3月12日午後 4:29 GMT+9

『[東京 12日 ロイター] - 日銀の植田和男総裁は12日、参議院予算委員会で「こういうご時世なので、海外の経済・物価動向を巡る不確実性については非常に心配している」と述べた。その上で、国内企業の賃金・価格設定行動についても注視していると話した。

植田総裁が2月の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議後の記者会見で、トランプ米政権の関税政策を巡る不確実性を強調したことについて、藤巻健史委員(維新)が質問した。』(上記URL先より)

ということでいやまあ現状トランプがシェフの気まぐれメニューで毎日コロコロと言う事変えて混乱の極みにも程があるので心配なのはわかるんですが、12月の決定会合では「米国新政権の政策の影響が」って言って利上げ渋って、1月の決定会合では急に人が変わったように利上げして、でもって直近では「非常に心配」になってしまうのっていうのどうなのよという感じで、日銀の情報発信において一番いかんのは、政策決定に関する理由付けをするときに、本来的にメインの経済物価情勢の話を主軸にして話を通せばよいものを、一々米国経済ガーとか金融市場の混乱ガーとか余計なものをフレームアップして説明してしまうことで、その方がその場の説明が楽だからそうしているんだろうなあというのは屁理屈日銀大本営の見物を20年少々やっておりますとだいたい理解はできるのですが、しかしそれはノイズを与えることになりやすいんですよね。

でまあ今回のこれ、まあつらつらと考えてみたのですが、市場的にまさか3月利上げと思っている人はいないと思うのですが、海外経済ガーと言っておけば日銀としては3月なにもしないを簡単に通過できるからこういう言い方になる訳でして、もしかしてそっちが頭にあるんじゃなかろうか、っていう気がしてまいりました。

何せ12月での情報発信を真に受けてロジカルに考えたら、春闘の結果だってやっと今頃出てきているし、しかもそれは大企業だけの話で中小企業はこれからの話だし、米国新政権の政策の不透明なんて1月に見切り発車できるものではなくて、案の定足元で不透明どころの話じゃないことになっているのですから、あれ12月会合とその後の経団連講演を見てロジカルに考えたら3月だって利上げできるか怪しいし1月なんて100無いという話の筈だった訳でして、それが1月に平気でジャガーチェンジしているんですから、今回の植田さんの「非常に心配している」の発言も単純に「3月会合では何もする気がないもんねー」だけの意味であって、4月(5月)会合で何がどうなるのかというのは示していない、と考えるのが妥当だと思うのよね、知らんけど。


ただまあ何ですな、元々次回の利上げってたぶん市場的には7月がメインで、うっかりすると6月とか4月(5月)も無くはないくらいの感じだと思うので、そんな先の時には状況も変わっているから今足元で心配している云々の発言一発で急に7月が後ろに倒れるほどの事もないということなのでしょうか、市場ちゃん別に丸無視モードだったと思いますので、そういう意味では無風でよろしゅうございましたねとは思う(為替がなんか円安になっていた気がするが最早最近の動きはどの市場が何の材料を捕まえてどういう判断で動いているのかが訳ワカメ)のでよろしかったのですが、これ3月会合の記者会見で「非常に心配」を連呼すると、債券市場はそうでもないかも知れませんけれども、為替市場辺りが無駄に円安に反応しそうで今から心配ではあります。

いやまあ円安に反応すると利上げが早まって夢の4月(5月)利上げプレイが炸裂するとかいうドリームムーブも期待できるのですが、そうなってから「非常に心配」を引っ込めて利上げすると、さすがに植田日銀のジャガーチェンジに慣れてきた債券市場はそこまでビビらないかもしれませんが、為替市場とか「こいつら何なの」となってくるんじゃないかと思いますので、まあ3月会合ではあまり余計なことを言わないで淡々と1月利上げの影響と賃金物価動向をみておりますって説明に終始した方がよろしいんじゃないかと思ったり思わなかったり。


同じ国会で午前中は
https://jp.reuters.com/economy/bank-of-japan/SZB22FQS3VMMLBVRKAR75A2GHA-2025-03-12/
長期金利、市場と日銀の見方に大きな齟齬ない=植田総裁
和田崇彦
2025年3月12日午前 9:51 GMT+9

『[東京 12日 ロイター] - 日銀の植田和男総裁は12日の衆議院財務金融委員会で、長期金利は「市場で自由に形成されることが基本だ」と改めて話し、昨年来の上昇傾向は市場における経済・物価情勢の見方や海外金利の変化などを反映したものとの認識を示した。その上で「市場の見方とわれわれの見方の間に大きな齟齬(そご)はない」と述べた。階猛委員(立憲)の質問に答えた。』(上記URL先より、以下同様)

とまた階か!というクソくだらない質疑が展開されていたみたいでしたが、この部分は大変に結構。

『長期金利上昇による財政への影響を巡り「中長期的な持続可能性について常に配慮していただきたい」とも述べた。』

長期金利上昇による財政への影響がどうのこうのって質問を前回もしていて、この階ってのは何を日銀に言ってほしいのかが意味不明なんだが、財政の持続可能性を考えた中長期的な財政運営をする、という共同声明の精神に沿って国会に要望するのは重要なのでこれからもきちんとやっていただきたいものですということで、これは良かったなと思いました。


〇結局「2013年以降の金融緩和政策が無謬だった」と無理筋をかますからややこしいことになるのだ

という小見出しだがお察しの通り内田さんの金懇ネタツッコミ大会の続きたぶんファイナル。
https://www.boj.or.jp/about/press/koen_2025/ko250305a.htm


・出口の説明の冒頭が図々しすぎて草どころか森wwwwwwwwwwwwwwwww

引き続き『4.金融政策の多角的レビュー』のところですが、その最後の小見出しが『大規模な金融緩和の出口』でして、とにかくこの内田さんの金懇、特に多角的レビューの部分での説明がだいたい「2013年以降の金融政策は無謬だった」というノリで過去の黒田緩和を全面的かつ必死の形相で擁護しよう、というのが満艦飾になっているから話がおかしくなるんですよね。

でまあこの内田さんのスタンスって多角的レビューそのものに対しての印象も悪化させる代物になるわけでして、多角的レビューを説明しながら黒田緩和を必死に擁護されますと、そりゃまあ普通に「多角的レビューは黒田緩和を擁護するために行った結論先にありきのインチキレビュー」って評価に繋がる訳でして、なんか立派な冊子(内田さんの金懇の図表にお写真があるんですが、有料で問題ないから売ってくれませんかしら)も作ってお手盛りインチキレビューしたのかよってなったらカナチイネーってお話なんですけどね。

でまあその必死の擁護ですが、冒頭でいきなり飛んでもない歴史改竄発言が登場します。

『最後に副作用そのものではありませんが、非伝統的な政策手段を導入する際に考えるべきこととして、「出口」があります。』

ほほう。

『解体のことを考えずに建物を設計する建築士はいません。大規模緩和の手段を設計する際には、当然出口のプロセスは念頭に置いて作りました。』

・・・・・( ゚д゚)
・・・・・(つд⊂)ゴシゴシ
・・・・・(;゚д゚)

いやここまで堂々と言うのはちょっとアタクシのような凡下にはまねができませんし、解体の事を考えて建物を設計する建築士ってのもなんか変な例えじゃないですかねえと思いますが、もしかしたら黒田緩和を途中から昭和温泉旅館とか言ってた口の悪い人がいたような気がするけど、昭和温泉旅館批判が念頭にあって「建築士」っていう言葉が出ているんだったらこれは大草原不可避wwwwwwww


・しかも出口プロセスの話なのに全然出口じゃない件を例にだすわそもそもアネクが微妙だわ

『小さな一例ですが、イールドカーブ・コントロールの最後の局面で発動した長期固定金利での資金供給は、政策導入後の日銀ネットの更改時にシステム化していました。』

・・・・・( ゚д゚)
・・・・・(つд⊂)ゴシゴシ
・・・・・(;゚д゚)

なんかもう色々と無茶苦茶でして、長期固定金利の資金供給って2年オペ5年オペですけれども、それ出口政策じゃないでしょという話だし、オペの事務がシステム対応か手対応か、ってのは出口政策の設計と全然別の問題でしょ、という話がありますし、

https://www.boj.or.jp/mopo/measures/term_cond/yoryo33.htm
共通担保資金供給オペレーション基本要領

決定 2006年 4月11日

改正 2007年 9月19日
2009年 5月22日
2009年12月 1日
2014年 2月18日
2016年 9月21日
2017年 1月31日
2023年 1月18日
2024年 3月19日

2006年に従来の資金供給オペを共通担保方式に一本化して、オンライン化を促進(手対応部分の日銀ネットでの対応にする)ために行われた実施要項が出たのですが、この時の資金供給方式はコンベンショナル方式のみでした。

でもってその後の改定の中で共通担保オペに固定金利方式(当初は3か月)が導入されたのがリーマンショックによる短期金融市場のオープン市場金利(GCレポとか現先金利)上昇を受けたターム物金利対応のための施策で、2009年12月(ちなみにこの時の固定金利は要綱で「コール誘導目標」になっていました)の変更がこれに当たりますので、固定金利オペに関してはこの時点でオンライン化されていたのか固定だけ手対応だったのかは(自分は当時日銀ネット触っていなかったので)知らんので保留しますが、まあ固定金利オペ自体は2009年からあったんですよ。

でまあ途中は飛ばしますが、固定金利方式10年までとかいう飛んでもないのができるようになったのはYCC導入と同時でして、つまりは2016年9月の改定がそれにあたりまして、(ちなみに2014年は金商法改正に伴う読み替え措置)上記のアネクドートが何をさしているのかがイマイチ分からんのですが、それまでは手対応だったんですかね、知らんけど。(ちなみにその辺の経過は「ホーム>金融政策>金融政策に関する決定事項等>」で要綱の改正日のあたりを探すと出てくる場合と、MPM声明文別紙の中に入っている場合があります)

ただまあ固定金利オペが手対応だから必要なオペレーションができないので、システム化しましたってドヤ顔で言う話かよと思いますし、それ以前の問題として固定金利長期資金供給オペは出口政策じゃないだろ(寧ろそのオペ残によって出口の現在において短国の需給ひっ迫などの問題の一因になっているとみられるので出口の逆の話ですわな)ということで、お前は何を言ってるんだというアネクドートをだしてくるの勘弁してもらえませんかって話なのですが、

『「本当に必要なのか」という議論になりましたが、「出口までのどこかの時点では必要になると思う」と言ってシステム部局に頼みました。日本銀行の政策遂行能力の多くは、本支店の現場力に支えられています。』

現場力を褒めるのは結構なのですが、それ出口政策の設計と関係ないじゃんという話で、建築士の話をしていたはずがいつの間にか建築現場の工事主任の話に摩り替っているのが絵に描いたような詭弁のガイドラインで一種の感動を禁じ得ない(褒めてません)。


・YCCレンジ拡大が「出口プロセス」だったそうですよ!!!!!!!

でもってその続きですが、ここでもとんでもない歴史改竄が行われています

『出口プロセスはまだ始まったばかりですが、大きな山だと思っていた難所を2つ通過しました。2022年12月のイールドカーブ・コントロールの変動幅の1回目の拡大と、昨年3月の大規模緩和の終了です。』

>2022年12月のイールドカーブ・コントロールの変動幅の1回目の拡大と
>2022年12月のイールドカーブ・コントロールの変動幅の1回目の拡大と
>2022年12月のイールドカーブ・コントロールの変動幅の1回目の拡大と

さてここで2022年12月の金融政策決定会合後の黒田総裁(当時)の会見を確認してみましょう。

https://www.boj.or.jp/about/press/kaiken_2022/kk221221a.htm
総裁記者会見
2022年12月20日(火)午後3時半から約60分

『(答)まず今回の措置は、市場機能を改善することで、イールドカーブ・コントロールを起点とする金融緩和の効果が、企業金融等を通じてより円滑に波及していくようにする趣旨で行うものでありまして、利上げではありません。今回の措置により、国債金利の変動幅が広がるものの、企業金融等を通じてイールドカーブ・コントロールを起点とする金融緩和の効果が、より円滑に波及していくというふうに考えております。』

からの、

『日本銀行としては、この枠組みによる金融緩和の持続性を高めることで、物価安定の目標の実現を目指していく考えであります。』

緩和政策の持続性を高める施策が何で出口なんでしょう、と思いますよね。モチのロンですが黒田総裁は当時こういう説明をしておりました。

『また、このイールドカーブ・コントロールの運用の一部の見直し、これはイールドカーブ・コントロールをやめるとか、あるいは出口というようなものでは全くありません。公表文でも示しておりますように、イールドカーブ・コントロールを起点とする金融緩和の効果が、企業金融などを通じてより円滑に波及していくようにする趣旨で行うものであって、出口政策とか出口戦略の一歩とか、そういうものでは全くありません。経済・物価情勢を踏まえますと、これも最初に申し上げた通り、現在は経済をしっかりと支えて、賃金の上昇を伴うかたちで物価安定の目標を持続的・安定的に実現するために、金融緩和を継続することが適当であるというのが、政策委員会の一致した考えであります。』(以上の部分は直上URL先2022年12月決定会合での黒田総裁会見での
総裁発言より)

>出口政策とか出口戦略の一歩とか、そういうものでは全くありません
>出口政策とか出口戦略の一歩とか、そういうものでは全くありません
>出口政策とか出口戦略の一歩とか、そういうものでは全くありません

・・・・・こうやって歴史は改竄されていくんですね、と思いました。こええええええよ。


・「無風という事では全くなく」とはwwwwwww

あげくに、

『もちろん無風ということでは全くなく、前者では、その後の数か月で一部の銘柄の国債を100%買うことになり、市場機能を大きく歪めました。』

ってので誤魔化しているんですが黒田末期に積み上げた日銀バランスシートが正常化プロセスに対して大きな重荷になっているとかそういうのは無風じゃないですかそうですかという話で何なんですかねえこの説明って感じです。

でまあ最後に

『後者については、図表19をご覧ください。昨年3月の大規模緩和終了時は「緩和的な金融環境は継続していること」を説明したことで、市場の安心感が醸成されましたが、その「つけ」として、いわゆる円キャリーポジションが積み上がりました。このポジションが7月の利上げの際に巻き戻されたことは、為替・株価の大きな変動の一因となりました。』

『今後もオペレーション・コミュニケーションの両面で工夫とバランスが求められていくだろうと思います。そうした意味でも、大規模緩和の最終的な功罪は確定していません。換言すれば、今後の出口プロセスを上手く進めることで全体評価のプラスが大きくなるわけですから、しっかりと対応していきたいと考えています。』

と言ってるのですが、当時出口じゃないと散々言ってたことを2年後に勝手に出口の大きなプロセスとか言ってしまうようなコミュニケーションの「工夫」をされているのを目の当たりにすると心配しかないですね、という話になるかと思います。


・最後のご当地ネタでも・・・・・

最後に小ネタですけど、『5.静岡県経済への期待』のところで微妙なのがある(遠州VS駿河的なところで)のですが、まあ私は静岡県人じゃないし親類に静岡県人がいるわけでもないのでそのツッコミは割愛しますw






2025/03/12

お題「なんすかこのジェットコースター相場(ただの備忘メモ)/内田副総裁の金懇ツッコミ処大杉ワロリンチョ(その5)」

なんじゃこのヘッドラインは
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD053N60V00C25A3000000/
広い家、高齢世帯が5割所有 45歳未満は1割に低下
生活
2025年3月11日 5:00 [会員限定記事]

『日本の住宅が狭くなるなか、広い家を所有するのは高齢世帯に偏る実態が明らかになった。5年に1回の総務省の調査によると、複数人数で快適に住めるとされる70平方メートル以上の住宅の年代別の所有率で65歳以上世帯が51%を占め、15年前と比べ14ポイントも上昇した。一方で新築住宅は狭くなっており、45歳未満で同じ面積を所有する世帯は12%に低下した。若い世代は十分な面積の家を手に入れにくくなっている。』(上記URL先より、以下会員記事)

ということですが、これは単純に一次取得の住宅の規模が価格の問題なども含めて小さくなっていることが原因じゃろ(付け加えるとすれば若い世帯が70平米無くても大丈夫ってことでそっちに需要があるのかもだが若い世帯じゃないから知らん)としか思えんのだが、記事の題名の書き方に世代間対立を煽るような悪意のある釣り見出しになっているのが酷いわと思いましたが、毎度の如く日経無課金なので中身は知らん。


〇しかしまあトラ公でハチャメチャですな(単なる備忘メモ冊談ですが)

https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/2EBPLYB5NNPEDNGU5FZAIMWUZM-2025-03-11/
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は大幅反発、米金利低下や株安で 長期金利1.505%に低下
ロイター編集
2025年3月11日午後 3:28 GMT+9

『[東京 11日 ロイター] - <15:10> 国債先物は大幅反発、米金利低下や株安で 長期金利1.505%に低下

国債先物中心限月3月限は前営業日比60銭高の138円82銭と大幅反発して取引を終えた。米景気懸念を背景とした金利低下や株安を手掛かりに国債が買われた。新発10年国債利回り(長期金利)は7.0ベーシスポイント(bp)低下の1.505%。一時1.490%まで低下する場面もあった。』(上記URL先より、以下同様)

ということで昨日の円債ちゃん、一時とんでもないブルスティープというかツイストまでしていたりして何やってんだ相場にも程がありましたが、トラ公がハチャメチャなもんだからあちこち煽りを食ってハチャメチャなムーブになっているようですが、月曜までは親の仇の如く売り込んでいたと思ったら昨日は昨日で大踏み上げとかもはや訳わからん。

挙句にこれである(さっき出したものなので引けではない)。

https://port.jpx.co.jp/jpx/template/quote.cgi?F=tmp/future_day_through

限月 ;25年6月限
取引日;03/12

始値 :138.25(03/11)(15:30)
高値 :138.34(03/11)(17:39)
安値 :137.86(03/12)(03:46)
現在値:137.87(03/12)(04:59)
前日比:-0.40

昨日63銭上昇の138円27銭(6月限の清算価格は3月限とカレンダーの終値で出すので昨日の清算価格は138円26銭です為念) で、当限最終2営業日前のタイミングでカレンダーの窓を全埋めするとか何のギャグだよと思う訳ですけれども、実質的には昨日の引けで限月交代みたいなもん(イブニング始まった途端に売買高逆転しましたが板状況からみたら事実上の限月交代は昨日の引けじゃろという感じ、取引所認定ベースでは日通しの売買高逆転で限月交代なのでほぼ間違いなく今日なんですが)でしたが、限月交代のところでアウトライト荒れましたなあ(カレンダーは別に荒れなかったのでそっちの絡みの問題は無かったと思うのですけれどもどうでしょうかね)という所なんですが、昨日上げた62銭分を今朝の時点で40銭お返しとか更に訳わからんでございます。

まあ何ですな、円債ちゃんの場合は期末のタイミングでお家の事情的な売買が入りやすいタイミングで金利がホイホイ上昇してしまったので、お家の事情の調整売買が必要になってしまった向きがあったりとかで、値動きが増幅されやすいってのもありそうですし、他資産の値動きの関係でのお家の事情ムーブも起きるのか、とか色々とは思うのですけど。

もっとそもそも論を言えばもっと早くに政策金利調整をしておいて「とりあえず緩和的なのか引き締め的なのか中立的なのかを今後の経済物価情勢を見ながら確認していくステージ」に今の時点でなっていなかったのがアカンタレなところで、トランプが暴れる中で日本だけ政策金利がクソ低くて超緩和的な状態なのがこれから猛烈に響いてくるリスクがあるなあとは思ってしまいました。個人の感想ですけど。


〇内田副総裁の静岡金懇をしつこく見ていくわけですが(なんとその5)

今朝になったらHTML版も出ましたね(ということでコピペの楽なHTML版から引用します)

https://www.boj.or.jp/about/press/koen_2025/data/ko250305a1.pdf(PDF)
https://www.boj.or.jp/about/press/koen_2025/ko250305a.htm(HTML)

・低金利の副作用論に対して反論しているのだが「じゃああの政策が必要だったか」の回答になっていな上に・・・・

『4.金融政策の多角的レビュー』の『大規模な金融緩和の効果と副作用』というところなんですが、これまた論が強引なんですよね。

・・・・・・というかですね、内田さん立場的に今までの日銀の政策について「実施した政策は正しかった」と説明したいバイアスがあるのは良くわかりますし、おまけに日銀の中の皆様ときたら頭の良さは飛んでもないハイレベルなので、それが悪い方に出ると屁理屈詭弁大魔王のラスボス最終形態みたいな進化を遂げてしまうのですよね。ということでこの金懇挨拶って過去の日銀の政策運営は正しかったです、って釈明を思いっきり行うのは気持ちは良くわかるのですが、結局あれこれと理屈を述べ立てるところで話の整合性が取れないとか、どうしてもそうなってしまう訳ですわ。だって本当に完璧な政策だったら2年で2%達成してたんだし、今みたいに円安物価高のコンボと足元みたいな金利上昇株安のコンボで攻め込まれないで済んでいたわけなので、すくなくともこれまでの日銀の政策は当初の意図通りに機能した結果こうなったわけではない、ということなんですから、そんなの余計な言い訳をつべこべしないで今の話をしておけばエエネンと思いますし、もっと時代が下がってから評価すりゃエエネンとも思うのよね。

でまあ以下もその強引な理屈について鑑賞するのですが、今回のは立論段階と結論段階でのギャップが楽しめます。では参ります。引用はHTMLバージョンから。

『図表18をご覧ください。とはいえ、何事もフリーランチはなく、副作用はありました。現時点までの比較では、効果の方が上回っていると思いますが、今後副作用が表れてくる恐れはありますので、その留保付きの評価になると思います。』

と、最初に「私言いましたよね」をつけておくのが両建てクオリティですが、以下は副作用論を否定して回っておりますwww

『いくつかある副作用のうち「金融市場の歪み」と「金融機関収益への影響」は、効果と表裏不可分のものですので、常に意識し、バランスを取りながら、緩和を進めていました。一方で、これらとはやや性質が異なる副作用として、「低金利と生産性の関係」と「財政との関係」があります。』

どこがバランスとったんじゃという話で、金融機関収益云々はまあさておくとして(正直そこは重篤な問題ではなくて、より大きなマクロ的な意味での所得移転の問題(特にマイナス金利においては)の視点じゃねえのと思うのですが)金融市場の歪みに関してバランスとってるんだったら今のイールドカーブの変な状況(国債買入によるカーブ形状への影響)だって短期市場の国債不足問題だって起きてねえだろという話ですが、そういう分が悪いところには出て行かない、というのがまあこれは作戦ですわな。

・経済の新陳代謝を促すのが金利じゃないんだったら何で極端な金融緩和する必要あったんでしょうか

次のパラに行きますがこれ結論が飛んでもない開き直りなのと、庭先論にも程がある説明をしていまして草も生えないwww

『まず前者について、「低金利がいわゆるゾンビ企業を温存させ、長期的な生産性を押し下げたのではないか」という見方があります。』

はい。

『この点は学界でも両論があり、レビューでも結論を出していません。』

としながらも、

『私は、就職氷河期世代のことも考えると、金融緩和によるハイプレッシャー効果で、その後の世代の就職環境が好転したプラスの方が大きく、むしろ生産性を高める方向に作用したと思っています。』

それはあなたの感想ですよね??

『デフレ期における企業による雇用保蔵は、既存の労働者を対象とするものでしたので、新規に労働市場に参入する人々に対しては、むしろ採用を抑制する方向に働きました。終身雇用的な色彩が強いわが国において、若い世代の就職とOJT(企業内トレーニング)の機会が狭まったことは、経済全体としてみても、生産性の低下につながる大きな要因であったと思います。』

そのあたりの論点について両論があり結論が出てないんじゃないのかね。

『また、仮に(私はそう思いませんが)低生産性企業の存続や新陳代謝の遅れによるマイナスの方が大きかったとしても、
それは低金利に不可分のものというより、補助金などを含めて、社会・経済が選択した結果だと思います。』

これがまたエライ勢いで庭先論な訳でして、そんな庭先論は日銀総裁副総裁と言った国家のかじ取りをする人がいう話じゃねえだろ何だよその「ワシ知らんもんね」理論は、という話なのですが、この点は次の財政との関係のところで一段と顕著になりますので乞うご期待。

というかですね、そんな庭先論を言うんだったら何でお前ら成長基盤強化オペだの貸出増加支援オペだの気候変動オペだのやってるの、って話で、オペやる時だけ突然経済全体の大所高所論が出てきて、こういう話になると急に庭先論だしてくるのって理屈のチェリーピッキングなんですよね。でもって最後が酷い。

『繰り返しになりますが、日本の社会や経済が、失業というものに大きな抵抗があった以上、経済の新陳代謝を促す原動力(ドライビング・フォース)は、金利ではなく、人手不足しかなかった、というのが、私の見方です。』

・・・・・( ゚д゚)
・・・・・(つд⊂)ゴシゴシ
・・・・・(;゚д゚)

じゃあ別に異次元緩和であった必要はあったの?????????


・財政に関してはまあ完全に庭先論かつ無理のある立論

次の財政のところは色々と無理無理説明でしてですな。

『次に財政との関係については、レビューで「意見交換等では、大規模な金融緩和が財政規律の弛緩につながったとの指摘もみられた」「これまで一貫して説明してきたように・・・政府による財政資金の調達支援が目的の「財政ファイナンス」ではないことを明確に示していくことは・・・きわめて重要である」としか記述していないことに、不十分・物足りないというご指摘をいただいています。この問題は、様々な議論の立て方が可能で、短く語ることは誤解を生みかねないのですが、それを恐れずに言えば、私自身は、次のように整理しています。』

ということですが、

『まず、財政ファイナンスと財政モラルハザードの議論は、相互に関連はしていますが、別の問題です。』

まあこの時点で無理があるのだが(普通に一体不可分じゃろ)、

『財政ファイナンスかどうかは、識者の方もよく指摘するとおり、中央銀行が「そうした意図はない」と言うだけでは完結しません。』

って言ってるのはまあいいんですけれども、

『緩和の全プロセスにおいて、経済・物価との関係で必要な金融政策を適切に行うこと、すなわち、財政状況への配慮によって本来必要な政策を曲げることはない、という「結果」が必要です。』

って言ってますが、世の中的に「日銀は利上げによる財政への悪影響を気にしているからどうせ金利をゆっくりしか上げない」って捉えることによって円安が進行してきた訳で、しかもそれは物価が明らかに上抜けしてきた黒田総裁末期以降、特にインフレが明らかに強くなった植田総裁時代になって「日銀は金利引き上げが遅いから」ということで円安が進行した訳ですよね。

ということは既に現時点において「本来必要な政策を曲げる」ということが生じているという話でもありますし、日銀が「基調的物価が2%行ってない」という理屈をこね回して、実際の物価が「2%に向けて下がる」と言い続けて全然そうならないという見込み外しをしているのに政策の修正はまるで急がない、というのは、それ物価の判定を捻じ曲げて財政配慮してるじゃろ、というツッコミをせざるを得ない訳ですな。現実問題として物価高がこれだけ問題になっている訳ですし。

でもウッチー堂々の開き直りで、

『これまでのところ、日本銀行は、利上げや国債買入れの減額を含め必要な政策を行っています。』

遅きに失しているだろ・・・・・・

『今後も当然、経済との関係で適切な政策運営を実施していきます。』

遅いわ。

『そのうえで、最終的に「政府による財政資金の調達支援を目的とする金融政策(財政ファイナンス)はなかった」と納得していただくためには、出口プロセスの進展を待つ必要があると思っています。』

ということですが、既に今の時点で円安物価高とか起きていること自体が既に財政ファイナンスの弊害が発生している、とも言えるのではないかと思う訳ですし、財政ファイナンスに関してはあたおか中銀じゃない限り普通は「財政ファイナンスをする意図はない」って言うの当たり前なのですから、問題は財政ファイナンスの弊害として発生するインフレへの対処という話で、現時点でアクチュアルのインフレーションに弊害アリという状況なのに、基調的インフレとやらを強調してアクチュアルのインフレはいずれ下がると言いながら下がらないというのを継続している時点でこれは財政ファイナンスの結果ですわなということじゃないのかね、と思うのですがどうでございましょうかね。


・財政規律弛緩の問題は私ら知らんもんねの庭先論だが日銀総裁副総裁の立場でそれは無いんじゃないですかねえ

次のパラが財政規律の話。

『次に財政モラルハザードの問題、すなわち「大規模緩和によって財政規律が弛緩したかどうか」は、「財政規律」というものをどう測るかに依存します。』

この時点で話を誤魔化しにかかっている感が漂いますが、

『政府が支出をしやすくなったか、ということであれば、借入主体である政府部門が金利低下のメリットを受けたことは間違いありません。一方で、財政状況への影響ということであれば、大規模緩和を行わずに、経済がより低い軌道を辿った場合に比べて、むしろ好転した可能性が高いでしょう。』

それはあなたの感想ですよね?

『この点も、いろいろな議論ができますが、私が申し上げたいのは、少し違った角度の議論です。』

からの、

『すなわち、大規模緩和が経済・物価との関係で必要なものであった、という前提に立つ以上(この前提を疑うことはもちろん可能ですが、それは副作用論とは別の問題です)、』

おいこら何で副作用論とは別の問題です、で誤魔化すんだよという話で、大規模緩和じゃなくても必要であればそもそも論として長期国債のここまでの大量購入が必要だったのかとかマイナス金利が必要であったのかという議論になるんだから、結局は財政ファイナンスの問題につながるじゃろという話で、そこをスルーしている時点で強引な説明なんですが、

『それが財政規律を弛緩させる面があるのであれば、政府が対応しなければならない、ということです。』

出ました庭先論。

まあそういうのは小役人が言うのは仕方ないのですが、日銀総裁副総裁とかいうような(政策委員もまあそうですけど)日本全体の政策運営に直接携わるような方が「僕知らんもんね」の小役人ムーブをかます(この点では黒田総裁も盛大に小役人ムーブをかましていたので黒田総裁直伝のムーブなんでしょうけれどもwww)のって如何なものかと思うし、だったらあの政府日銀の共同声明(自体は麿総裁時代の作品なんですが)にあるのは何なんだというお話でもなります。

『そのことによって、政府・中央銀行が全体として、経済との関係で適切な政策ができることになるからです。財政を弛緩させたくないという理由で、経済にとって必要な政策を中央銀行が行わない、というのはどう考えても最適解ではありません。』

政府が発狂して「国債は返す必要が無いのだから財源」とか言い出してもお前同じこと言うのって話だし、さっきの部分に戻れば、そもそも日銀が財政ファイナンスの弊害とも言えそうな物価高に対する対処を遅らせている時点でお前は何を言ってるんだという話なのですが、まあこういってもどうせ内田さんは「今の政策は適切( ー`дー´)キリッ」としか言わないので糠に釘にも程があるのが悲しい。


・共同声明の通りに何もやってないのに何をゆうてるんですかねえ・・・・・・・・・

しかもアタクシが共同声明どこ行った、というのを予期するかのように、というかまあそういうツッコミが明らかに想定できるから、ということで抜け目なく立論が行われているのですが、

『この論点は、コロナ禍で各国共通の課題となり、私が出ていた国際会議でもたびたび議論になりました。』

ほう。

『「国債増発を伴う財政拡張」と「国債買入れを含む金融緩和」というポリシーミックスは、財政ファイナンス・財政規律の両面でデリケートな問題になりえます。』

なりますなあ。

『当時のひとつの共通認識は、こうした大規模な政策協調を行うときには、それぞれの使命を全うする強い規律が求められる、ということだったように思います。』

で???

『この点、わが国では、コロナ禍よりかなり前の2013年1月、政府と日本銀行の共同声明において、盛り込まれていた考え方です。』

その通りにやってないのに何をいけしゃあしゃあとおっしゃってるのやら、という事ですが、まあそういう強引な説明になっておるわけでして、いやはやコマッタモンダというところです。

しかしまあ一々ツッコミどころがあるというか、一々言ってることが強引な説明になっているのが今回の内田さんの金懇挨拶でして、これまあ読んでて思いますが、たぶん話を聞いているだけだと「ん??」とは思うものの、水の流れるような華麗な屁理屈立論に流されてその場では何となく丸め込まれてしまうんだろうなあという風にアタクシも思ってしまう次第でして、テキスト見ながらねじり鉢巻きで成敗モードにスイッチを入れないと行けない、という辺りがさすが優秀な日銀プロパー企画大魔王(全然褒めてない)だなと感心してしまいました。

ということでここで今朝は勘弁ですが、最初の方でも言ったように「一々全部正しかったという説明をしようとする」からこういう事になるのであって、とりあえず未来の話をすればよいのに、と思うんですよね。どうも間違いと言ったら死んでしまう病に罹患しているのは黒ちゃんだけではなかったのかなとも思いました。






2025/03/11

お題「黒田さんが謎発言をしている模様/内田さんの静岡金懇ですが何ですかこの理屈は・・・・(なんとその4)」

うひょひょひょ
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20250311-OYT1T50030/
NYダウ、一時1000ドル超下落…トランプ政権の政策で景気後退の懸念強まる
2025/03/11 04:06

『トランプ米大統領が9日の米FOXニュースとのインタビューで、米景気について「過渡期にある」と発言した。トランプ政権が関税措置の導入など現在の政策を維持し、当面の株価下落を容認するとの見方から、スマートフォン大手アップルや半導体大手エヌビディアなどの銘柄が売られている。』(上記URL先より)

トラ公が「株を売る奴に関税を掛ける」と発狂するに1万ドラクマ行きましょうか(大嘘)

〇なんかニュースから雑メモ

・黒田とかいう物体の妄言メモ

https://www.jiji.com/jc/article?k=2025030701368&g=eco
「まっとうで正しい」 日銀の段階的利上げ―黒田前総裁
時事通信 経済部2025年03月07日23時01分配信

『黒田東彦前日銀総裁は7日のBS11の番組で、植田和男総裁の下で進む段階的利上げについて、「非常にまっとうで正しい政策だ」と評価した。賃金と物価がともに上がる好循環が始まっているとして、「大規模な金融緩和をする必要がない。むしろ続けると本当にインフレになってしまう」と述べた。』(上記URL先より)

>”本当に”インフレになってしまう

・・・・・あらー黒ちゃん本音が出ちゃったのーーーって風情ですが、「本当に」とか言い出しているのを見ると、お前QQEで本当に物価があがるとは思ってなかったじゃろという所ですが、この期に及んで何をゆうてんじゃという所ですな、いやまあそれだけのことですが実に怪しからん。


・物価高対策とか言ってるのだからデフレ脱却云々もう口に出さない方が・・・・

https://www.jiji.com/jc/article?k=2025031000946&g=eco
石破首相「物価高対策で生活守る」 消費下押し懸念―諮問会議
時事通信 経済部2025年03月10日20時37分配信

『政府は10日、経済財政諮問会議を首相官邸で開催した。コメや野菜などの価格高騰が続く中、議長の石破茂首相は「物価上昇率が高まり長期金利も徐々に上昇している」と指摘。消費下押しリスクに警戒感を示した上で、政府備蓄米の活用といった物価抑制策などを「最大限生かすことで国民生活、事業活動を守り抜く」と強調した。』(上記URL先より、以下同様)

物価高対策で財政も金融政策も緩和したら物価高さらに加速するだけの話で、財政支出するんだったら金融政策の馬鹿緩和の調整をさせろとしか申し上げようがありませんが。

『会議では民間議員が、物価高で個人消費が下押しされ景気の回復基調が後戻りすることに懸念を表明。これまでの物価高対策を検証するよう政府に提言した。』

どういう文脈で言っているのかが気になりますが、物価高対策やって結局物価が上がる、みたいなことになっていませんか、って検証となるとそんなのできるのかねとも思います・・・


〇内田副総裁静岡金懇って部分部分では理屈が通っているのだが全体の整合性が(その4)

しゃーせんその4になってしまいました。

https://www.boj.or.jp/about/press/koen_2025/data/ko250305a1.pdf
最近の金融経済情勢と金融政策運営
静岡県金融経済懇談会における挨拶
日本銀行副総裁 内田 眞一
2025年3月5日

・労働市場の需給が改善したのは構造要因の変化ってあんたら説明していましたよね

なんでしょうかね、こちらの内田さんの説明、一々すべての政策について正当化するように正当化するように、という説明をしていまして、そらまあプロパー出身の副総裁だからそういうインセンティブが働くのは分かるんですが、説明のパートパートでは理屈が通っているのですが、その理屈の前後が不連接なんですよね。

昨日ネタにした部分で言えば「実質金利」とか「緩和度合い」を説明している部分で、Q何で0.5%という低金利なのか→Aまだ基調的物価は2%に達していないからここで金融を引き締めするのは良くない、と説明した直後に、Q何で景気が弱いのに利上げするのか→A今の政策金利水準は極めて低い実質金利、と説明している訳で、どっちなんですかという話だし、だから徐々に調整する、とは言ってるけどじゃあどう調整するのかというと「中立金利は分からん」と言って誤魔化す、という形で、パートパートでの説明は完結しているのだが個別の説明を並べると全然話が繋がらない、よってこっちとしては日銀の政策判断の基準が分からん(違う理屈が幾つもならんでいるので注目する理屈によって結果は異なる)という話になって、今みたいな変な動きをするんですよね、とまあ思います。

昨日の続きの部分にもなんかダウトな話がありましたが、ちょっとそこは調べ物が必要なものもあるのでいったん飛ばして次の2013年以降の政策自画自賛パートを拝読するわけですが。

『(2013 年以降の大規模な金融緩和)

こうした中で、日本銀行は 2013 年以降、量的・質的金融緩和、マイナス金利政策、イールドカーブ・コントロールと、大規模な金融緩和に踏み込むことになります。これら一連の政策は実質金利の低下という金融政策の中核的なメカニズムを通じて、経済・物価を刺激しました。ひとつ前の図表 14 に戻っていただきますと、青い線の実質金利は、シャドーがかかっていない部分で、大きなマイナスになっています。』

この図表も結構謎で、昨日も申し上げましたがそもそも論として予想物価上昇率が日銀スタッフ推計値という話なんですが、これを見ると直近の名目金利−実質金利であるところの予想物価上昇率って目の子で見たってもう2%にほとんど近い状態になっていて、基調的物価上昇率が2%に達していないとは何のことだという話になるわけでして、説明に都合の良いものを引っ張り出して使っているのではないかという問題がありますわな。

さらに、この実質金利に関してですが、何の気なしに昔の展望レポートを見てみましたところ、例えば2014年4月(なので黒田緩和から1年後)の展望レポート全文を見ますと、

https://www.boj.or.jp/mopo/outlook/gor1404b.pdf

こちらのPDF74枚目のところに「設備投資を取り巻く環境」ってのがあって、そこでは「(1)投資採算と設備投資」というグラフで設備投資に影響する金利ということで実質金利を定義して置いているのですが、そこでは「3. 実質金利=長期プライムレート−1年先の内需デフレーター前年比」というのがあったりします。

まあこれだとフォワードルッキングな部分が反映されないという点がデメリットとして大きな気もしますが、でもまあ謎のスタッフ推計期待インフレ率を使うよりはええんちゃうのという話ではありますわな。

という話ですし、だいたいからして足元で政策金利の調整を渋る話をするときには「基調的物価が2%に行ってない」で調整を渋るくせに、一方で黒田緩和の効果に関してはその頃の基調的物価との比較は丸無視して実質金利がこんなに下がった(しかも2013年から2014年に掛けては久々の消費増税に向けた便乗ムーブに財政支出という下駄があってこのときはインフレ期待らしきものが妙に上がった)という話をするの何ですかそれはというお話。

2013年のQQE導入で「実質金利の低下という金融政策の中核的なメカニズム」経由で経済物価に効いたんだったら、その間にさぞかし基調的な物価が上昇したんですよねというツッコミになるわけですが、物価が上がってきたのはいつだかはご案内の通り。

しかし内田さんのこの説明の図々しさはドイヒー。

『図表 16 をご覧ください。この金利低下の効果をあまり評価しない識者もおられますが、これには、緩和効果の波及が主として市場を通じるものだったことも影響しているように思います。もともと、「金利がほぼゼロのもとでは、金利を下げても企業が投資をしたいと思うわけではない」というのはそのとおりで、貸出ルートを通じた政策効果の波及は、全体の3割に過ぎません。5割強が、株価や為替など金融資本市場経由でした。』

経由の説明をしているだけで、大規模緩和して9年間物価がたいして上がらなかったことに関する説明は皆無というのが清々しいまでの論点ずらし。

『逆に、大規模緩和の効果を高く評価する意見では、それ以前の日本経済が過度の円高や株価の低迷などにあえいでおり、大規模緩和の導入でこれらが解消されたことを重視します。ただ、そうした市場動向の背景には、世界経済の回復という外部要因もありましたので、一部割り引く必要があります。』

こっちは要因の話をしている訳で、なんかまあ詭弁術は凄いなと思うのですが、

『いずれにしても、大規模緩和による実質金利の低下は、主として金融資本市場ルートを通じて、経済・物価を刺激した、ということは言えると思います。』

刺激した結果物価って2年で2%になりましたっけ?????

という話なのだが、ここで更に話は飛躍しまして、

『図表 17 をご覧ください。結果として、政府の諸施策と相まって 500 万人を超える雇用を生み、デフレの大もとにあった労働市場の緩み(スラック)を解消しました。』

これはひどい

いやあのさ、労働市場の供給要因が構造的に変化したから物価が上がるようになった、って言ってたじゃんという話で、この前の多角的レビューでもQQEやっても物価が上がらなかった言い訳にその話を延々としていた訳で、労働市場のスラックの解消は主に人口動態要因じゃろという話な訳で、その間に経済の下支えのために金融緩和政策が必要でした、という位ならともなく、QQEが成果を出したみたいな言い方するんじゃねえよという話なのですが、まあこれが多角的レビューでも見られた自己正当化バイアスって奴でございます。

真の設問は「途中で金融緩和が必要だったとしても、あのような規模かつ異例で出口でフリクションが起こりそうな施策をする必要があったのかどうか」というのが本来のQQEレビューとなって然るべきなのですが、結局2013年以降の政策運営が正しかったという結論から話を組み立てるもんだから、その組み立てにおける理屈は綺麗に構成されていても、他のところでの理屈との間で前後不接連が発生するわけですわな、とまあそういう風に思うのですが、これ聞き流しているとまあ普通に「ふむふむ」となりそうなところも大変に優秀(褒めてない)だなと思うところではあります。

『私は、デフレ経済の本質は「余剰人員を抱えたワークシェアリング経済」だと思っています。』

そんなこと言ってましたっけ???しかもそれだったら何であんな規模の金融緩和を10年も継続する必要あったんですか????????

『振り返れば 1990 年代以降、バブル経済の崩壊、グローバル化や少子高齢化への適応の遅れから、成長率が低下し、慢性的に需要が不足しました。これに対する典型的な解決法は、「失業と倒産の一時的な増加を甘受して経済の早期回復を図る」ということで、例えば米国経済は、コロナ禍とその後にそうした過程を辿りました。』

『これに対して、当時の日本の社会・経済の選択は、企業に雇用を保蔵させる一方で、様々な補助を行い、失業を低水準にとどめるという方向でした。その代償として、雇用と企業数が過剰な状況が長期間続き、賃金も製品価格も上げられませんでした。それが社会にとって「当たり前のこと」あるいは「しきたり」(ノルム)になり、それに反する行動は非難されることもありました1。』

これも「当時の」って説明していますけれども、それを言い出すと「1975年体制」と言われる話に遡って考える(拙駄文では何回かご紹介していますが、この1975年体制に関しては「平成バブルの研究(村松・奥野編)」(2002年、東洋経済新報社)で内容の説明があります)必要がありますし、問題がそこならば何でQQEを実施したのというのとの整合性が取れないですよね、って話ですが、この続きがさらに図々しい。


・10年たって「私言いましたよね」って言うのはさすがに強引なんてもんじゃない

この次の記述もぶっ飛んだ訳ですが、

『こうした固着した状況を解消するには、経済を強く刺激し、労働市場を人手不足の状態に持っていくしかない、というのが私たちの思いでした。大規模緩和の初期、2014 年のクリスマスに、当時の黒田総裁は経団連で『2%への招待状』という講演を行いました。日本銀行にしては「攻めたタイトル」で、英文ではさらに"Welcome to the 2% Club"としてみました。その中で「デフレを脱却した後は、こうした人々(2%の実現を信じていない企業)も参入してきますので、例えば人手の確保の競争は激しくなるでしょう」「今の過渡期的な状況を利用するかどうかは、早い者勝ちの面があるということです」と主張しています。少し早すぎる招待状でしたが、10 年を経て、今、この状況に近づいています。大きな構図として、大規模緩和の狙いは実現しつつあり、それは日本経済を活性化する方向に働いたと思います。』

ちなみに当時のアレはこれですw
https://www.boj.or.jp/about/press/koen_2014/ko141225a.htm
【講演】
「2%」への招待状
日本経済団体連合会審議員会における講演
日本銀行総裁 黒田 東彦
2014年12月25日

でまあ内田さん「少し早すぎる招待状でしたが」で話を済ませているのですが、この講演の翌年にQQE2の実施、その翌年にはマイナス金利政策の実施、というようになっていた訳でして、前年のQQE開始当初の財政出動効果とか、円安効果とかが息切れしていた時期で、この約10か月後にQQE2が実施されたように、この招待状のあとって景気の息切れや物価上昇の戻りが発生してた時期だし、何ならその後のコロナもあった訳で、この招待状真に受けて賃上げだの設備投資拡大だのしてたらエライことになっていたとしか申し上げようがない訳です。

その辺の話を全部かっ飛ばして「私言いましたよね」はさすがに図々しいにも程がありますし、だいたいからしてこの時の「2%の招待状」では「デフレを脱却すれば人手の確保の競争は激しくなるでしょう」という説明になっていましたが、実際問題としては「人口動態の変化に伴う労働市場の構造的な供給制約によって2%物価上昇が実現しそうになってきました」な訳で、因果関係がひっくり返っているので、そもそも「私言いましたよね」ですらない、という中々恐ろしいものを引っ張り出してくるわ内田さん、と感心する(褒めてない)しかないのですが、何でこんなことを平然と言ってしまうのでしょうかねえというのは考察の材料としては大変に興味深い案件ではございます。


でもって案の定なのですが、まだツッコミどころがあるというのに本日も時間の関係でこの辺で勘弁させていただきたい訳ですが、ネチネチとこちらに粘着している間に世の中どうなりますのやらという感じにはなっていますが、債券先物だけみたら今日は上に行ってるようなので何か知らんけど売られるの巻は一服ですかね、知らんけど。











2025/03/10

お題「パウエル発言(ドットチャート見直しとか)/短国入札は堅調というか強い/内田副総裁静岡金懇はツッコミどころだらけ(その3)」

先週はツッコミの大喜利が始まっていましたが
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-03-07/SSQDBZT0G1KW00
トランプ大統領、日米安保条約に不満表明−日本は米国を守る必要ない
村上さくら、氏兼敬子
2025年3月7日 13:51 JST 更新日時 2025年3月7日 15:31 JST

『トランプ米大統領は6日、日米安全保障条約を巡り、米国は日本を守る義務があるものの、日本はそれと同様の安全保障を提供していないとして、不満を示した。トランプ大統領は記者団に対し、「われわれは日本と素晴らしい関係を築いている。だが、われわれは日本を守らなければならないが、日本はわれわれを守る必要はないという興味深い取り決めがある」と述べた。同氏は、「ところで、彼らはわれわれから経済的にもうけている」とした上で、「誰がこんな取引を行っているのかと尋ねたのだ」と不満をにじませた。』(上記URL先より)

とりあえず思いつくツッコミは「じゃあ我々も米国を守るから真珠湾に海軍基地置きますわ」「米国防衛に必要だからマンハッタン島を貸せ」「ディールの文句はトルーマンに言え(トラ公今から地獄の一丁目に逝ってトルーマンに会ってこい、などとは申しませんがwww)」ですけれども、このトラ公とかいう輩ですが、馬鹿の振りしているのではなくて本当に認知に問題があるんじゃないかという気がしてきてリーマンショックの時とは別の意味での資本主義の危機を感じないわけでもない今日この頃ですな、困ったもんです。

まあこの理屈を敷衍すると実は自主防衛できている国って北の将軍様の国とかいう飛んでもないエッシャーの騙し絵状態が発生してしまうのがこれまた恐ろしい・・・・・・・


〇ドットチャート見直しの可能性キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!のかな??(パウちゃん発言)

これはキタコレ
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/XOWO5DYL2JINNLDVRWFI2BKN2Q-2025-03-08/
パウエルFRB議長、「ドットチャート」見直しの可能性示唆
Ann Saphir, Howard Schneider
2025年3月8日午前 11:44 GMT+9

『[7日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は7日、現在進行中の包括的な政策枠組み再検討の一環として、連邦公開市場委員会(FOMC)参加者らの政策金利見通しを図で示す「ドットチャート」を見直す可能性があることを示唆した。ニューヨークで開催された会議で発言した。』

『「コミュニケーション、特にFOMC後のコミュニケーションのあり方について、SEPを注意深く検証するとともに、世界の中央銀行が行っていることと比較するつもりだ」と述べた。』(上記URL先より、以下同様)

ってこれはどう見たって当たり前の話で、ウッドワードやバーナンキが言ってたフォワードガイダンス流のコミュニケーションが「足もとの微細な変化を将来に引っ張って見た目変化が増幅してしまう」という弊害が出まくっている以上、とっととなくせやこのドットチャートと拙駄文でも何度か申し上げていた訳でして、いやーやっとそういうのが表に出てきたか〜ってなもんです。よすよす。

まああのドットチャートって「フォワードガイダンスじゃないフォワードガイダンス」な訳でして、短期政策金利がゼロ制約に引っかかっている中で追加的な緩和効果をだすのにはフォワードガイダンス同様に使い勝手がよろしかったですが、いまのような状況でそのようなものは不要だし、足元の情勢変化に対応して先の政策金利を出してしまうと後ろに行くほど影響が大きくなるんだから市場の期待を無駄に振り回すだけの弊害しかないですな。

また同記事ではアタクシが大好きなドン・コーンが登場していて

『この日の会議では、FRBのコーン元副議長が、金利予想の中央値では不確実性やさまざまな代替シナリオを捉えることができないと指摘。金利見通しの前提となる経済状況を明示することなどを提案した。』

というお話をしていましたが、まあ「出さない」のが妥当なんじゃないですかね(仮に出すなら6か月先位までじゃろうよ)ということで。


でもってこちらなんですが、パウちゃんのお話(と言っても短い)のがこちらにありまして、

https://www.federalreserve.gov/newsevents/speech/powell20250307a.htm
Speech
March 07, 2025
Economic Outlook
Chair Jerome H. Powell
At the University of Chicago Booth School of Business 2025 U.S. Monetary Policy Forum, New York, New York

こちらの中の最後の部分にレビューの話がありまして、

『Conclusion

Before I conclude, I will note that at our last FOMC meeting, we began our second five-year review of our monetary policy framework. We will consider changes to our consensus statement (Statement on Longer-Run Goals and Monetary Policy Strategy) and to our communications as part of this review. The consensus statement articulates our framework for the conduct of monetary policy in pursuit of the goals assigned to us by Congress. We will consider lessons of the past five years and adapt our approach, where appropriate, to best serve the American people, to whom we are accountable. The 2 percent longer-run inflation goal will be retained and is not a focus of the review.』

まあ従来言ってる話と変わりませんで、2%物価目標、ってのは変えないけれどもそれ以外のコミュニケーションとかロンガーランのストラテジーとかそういうのはここ5年間での状況を踏まえて見直しましょう、という話をしていますが、具体的にドットチャートがどうだのとは言っていませんので、質疑応答かパネルセッションだかで言ってたんですかね、知らんけど。

『This public review will be familiar to those who followed our process five years ago. We will hold outreach events around the country involving a wide range of parties, including Fed Listens events. We are open to new ideas and critical feedback. We will host a research conference in Washington in May. Our intent is to wrap up the review by late summer.』

ということなので、これはどう見てもジャクソンホールのところに合わせて結論をぶち込んでくるでしょう。


あとですね、金融政策に関してですがその直前の小見出しのところにちょろっと言及があるのですが、

『Monetary Policy

Looking ahead, the new Administration is in the process of implementing significant policy changes in four distinct areas: trade, immigration, fiscal policy, and regulation. It is the net effect of these policy changes that will matter for the economy and for the path of monetary policy. While there have been recent developments in some of these areas, especially trade policy, uncertainty around the changes and their likely effects remains high. As we parse the incoming information, we are focused on separating the signal from the noise as the outlook evolves. We do not need to be in a hurry, and are well positioned to wait for greater clarity.』

トラ公が政策を盛大にチェンジさせて、とくに貿易に関してはエライコッチャで色々とやりますので、そのトータルの影響を見ないといかんのだが先行きは不透明、幸いにも我々は良いポジションにいるので政策対応を急ぐ必要はく、よりクリアになってくるまで待つことができる(We do not need to be in a hurry, and are well positioned to wait for greater clarity)というお話で、まあ従来通りですわな。

なお日本の場合「不透明だから動かない」をしている余裕が本当にあるのか問題というのがありますよね、というネタは下の方で内田さんの金懇ツッコみ祭りをしているのでそちらで一席w

『Policy is not on a preset course. If the economy remains strong but inflation does not continue to move sustainably toward 2 percent, we can maintain policy restraint for longer. If the labor market were to weaken unexpectedly or inflation were to fall more quickly than anticipated, we can ease policy accordingly. Our current policy stance is well positioned to deal with the risks and uncertainties that we face in pursuing both sides of our dual mandate.』

でもって次のパラは「政策にプリセットコース無しじゃけえ状況に応じて適宜適切に対応するのう」というお話をしていますがこれもいつも通り、ということでまあ特になんか変わった話をしている訳ではありませんでした。



〇3M入札とかあったわけですが・・・・・・

・木曜の6Mがそこそこ強かったと思うのだが3Mは落札は普通かと思ったらショートカバー祭りキタコレ

金曜は3Mの入札があったわけですが、
https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20250307.htm
国庫短期証券(第1292回)の入札結果

『本日実施した国庫短期証券(第1292回)の価格競争入札及び国債市場特別参加者・第T非価格競争入札について、下記のように募入の決定を行いました。



1.名称及び記号   国庫短期証券(第1292回)
2.発行根拠法律及びその条項
財政法(昭和22年法律第34号)第7条第1項、財政融資資金法(昭和26年法律第100号)第9条第1項並びに特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第83条第1項、第94条第2項、同条第4項、第95条第1項、第136条第1項及び第137条第1項

3.発行日   令和7年3月10日
4.償還期限  令和7年6月9日
5.価格競争入札について
(1)応募額        11兆3,005億円
(2)募入決定額    3兆4,598億8,000万円
(3)募入最低価格    99円91銭2厘0毛
(募入最高利回り)  (0.3532%)
(4)募入最低価格における案分比率   36.9766%
(5)募入平均価格    99円91銭5厘2毛
(募入平均利回り)  (0.3404%)』

ということですが、前日の売買参考統計値ベースでの新発1292回のWI引値って0.345%の平均値単利だったので、そこから見るとそんなに無茶でもない結果ではあったのですが、ここもと3Mって応札が10兆割れが続いていてどちらかというと応札があんまり多くない印象があったのに対して今回は11兆円の応札とはおおいですな、と思ったら落札結果直後からショートカバーのビットと思われる強いビットが入って来て、終わってみれば0.28%とかいや30割れかよというショートカバー祭りに。

売買参考統計値
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html 

ということで売参ベースの金曜の引けですが、3Mカレントゾーンの直近3銘柄は

(3/7引値)
国庫短期証券1289 2025/05/26 平均値単利 0.320
国庫短期証券1290 2025/06/02 平均値単利 0.320
国庫短期証券1292 2025/06/09 平均値単利 0.280

(3/6引値)
国庫短期証券1289 2025/05/26 平均値単利 0.354
国庫短期証券1290 2025/06/02 平均値単利 0.345
国庫短期証券1292 2025/06/09 平均値単利 0.345

ちょwwwおまwwww3.4強に2.5強に6.5強とかナンジャソラ(まあ新発の0.28%に関してはショートカバービットとはいえ付け値らしいのでシャーナイナイではあるのでしょうが)という結果になっておりまして、ここもと3Mを徐々に修正していた動きも一頓挫という風情ではありまする。

まあどうせ金利が上がってきたからなのか、発行日3/10でそろそろ期末の帳尻なのかは知らんですけれども、ここもと短国の利回りが修正されるのかな、という風情だったものに対して、ちょっと買いがどどんと入るとこの有様という事で、まあ短国金利がレポやコールなど対比でクッソ低い利回り、というのの解消はまだまだ前途遼遠という感じでしょうかね、知らんけど。


でまあついでにネタが押しててネタにしそこなった木曜の6Mですが、

https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20250306.htm
国庫短期証券(第1291回)の入札結果

『本日実施した国庫短期証券(第1291回)の価格競争入札及び国債市場特別参加者・第T非価格競争入札について、下記のように募入の決定を行いました。



1.名称及び記号     国庫短期証券(第1291回)
2.発行根拠法律及びその条項
財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律(平成24年法律第101号)第3条第1項並びに財政法(昭和22年法律第34号)第7条第1項、財政融資資金法(昭和26年法律第100号)第9条第1項並びに特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第83条第1項、第94条第2項、同条第4項、第95条第1項、第136条第1項及び第137条第1項』

6Mなので特例公債分が含まれますね。

『3.発行日     令和7年3月10日
4.償還期限    令和7年9月10日

5.価格競争入札について
(1)応募額        8兆124億円
(2)募入決定額     2兆6,667億円
(3)募入最低価格    99円77銭2厘
(募入最高利回り)   (0.4533%)
(4)募入最低価格における案分比率   25.0000%
(5)募入平均価格    99円78銭0厘
(募入平均利回り)   (0.4373%)』

こちらの入札に関しても(って今から言うのはどう見ても事後諸葛亮ですけれども)実は前日(3/5)の新発6MWIの引値が平均値単利で0.450%で入札を迎えておいて、平均は0.4373%で足切りが0.4533%と強めの結果になっていたし、3/6の売買参考統計値の引値を見ますと、1291回はちゃっかり0.430%と2毛強にしていて、しかも落札の平均よりも7糸強いという引けにさせていまして、その6M見たら3Mのあの落札水準でショートカバー祭りになるってちょっとおじちゃん良くわからんというのはありますわな。いやまあ在庫にした場合のファンディングコスト問題があるから客のニーズが見えなければたくさん入れたくないのは分かるけれども前日の6Mが普通に強かったのですからショートカバー祭りに巻き込まれない程度には落札するじゃろと思わんでもないのですが、なんか不肖このアタクシがマーケットメーカーの端くれをやっていた時代とは違うので最近はどういうプレイをしているのか知らんけど、それにしても前日の6Mの流れから考えたらそんなに入札滑らんじゃろと思った割には0.35%台まで入ったのにナンジャソラって感じではありました(個人の事後諸葛亮な感想です)。

しかしこの6Mとかいう輩も6か月間で足元GCとほとんど変わらんという利回りでして、確かに3Mが0.3%台前半だから、そこから引っ張れば利上げを織り込んだり、タームのプレミアムを織り込んだりはしているのですが、しかし0.43%かよってなもんでして、まあ短国全体的に利回り水準が「モノとしての短国」のプレミアムが付いた格好になっているのは、LSAP(というよりは長期共担と貸出支援基金オペ)の弊害が出ている形で、本来であれば短期市場におけるターム物運用の主力資産になって然るべき短国の利回りがこれっていうのは、主語をでかくして言えば政策金利引き上げの効果を損ねているとも言えますわな、といういつもの悪態になるのでした。


・GCレートに関しては金月現象は気持ち程度でしたかねえ(これまた本当は先週末の話だが)

いつもの東京レポレート
https://www.jsda.or.jp/shiryoshitsu/toukei/trr/index.html

        O/N  T/N 1w  2w  3w  1m  3m  6m  1y
2025/3/4 0.494 0.486 0.444 0.439 0.436 0.434 0.457 0.495 0.594
2025/3/5 0.486 0.480 0.447 0.446 0.443 0.437 0.458 0.497 0.594
2025/3/6 0.490 0.462 0.447 0.442 0.441 0.436 0.456 0.497 0.595
2025/3/7 0.483 0.482 0.450 0.443 0.442 0.436 0.457 0.497 0.595

6日のトモネと7日のオーバーナイトが金月取引になりますが、トモネのところで2毛位安くなったあとに金曜日のトモネは戻っていますわな、という感じですので、ひところ見られた金月急落現象は起きていないということですし、全般的に足元は高いのを見ますとまあ長期債現物のマーケットメーカーの持ちがそこそこあるのかしら。と何となく思いますがはてさてどうなのやら。

今月は6Mの特会借入が無い月なので(12Mが今週火曜日に一本あるだけ)そっちの金利観が見れないのは惜しいですなという感じではあります。


〇内田副総裁静岡金懇はとにかく過去の正当化の見苦しさがドイヒー

とまあそういうことでツッコミどころでツッコミだすとエライことになるという物件で、月初で生業がクソ忙しい(まあ月初じゃなくてもクソ忙しい説はあるが)アタクシに対する嫌がらせかという位にツッコミどころのある金懇なんですがチマチマやってると終わらないので大成敗という事で以下参ります。

https://www.boj.or.jp/about/press/koen_2025/data/ko250305a1.pdf
最近の金融経済情勢と金融政策運営
静岡県金融経済懇談会における挨拶
日本銀行副総裁 内田 眞一
2025年3月5日

・コストプッシュのインフレだからそのうち下がるって言い続けて何年たってましたっけ

『3.日本銀行の金融政策運営』のところはもうツッコミどころしかないという物件に仕上がっているわけで、2回にわたってツッコミを入れてみましたが、もう一つの小見出しのところも大概にアレでしてですね、

『3.日本銀行の金融政策運営』の『(利上げに対する2つの方向からの疑問)』ってところですけど、その前半の言い訳が相変わらずすぎてドイヒー。

『これまで日本銀行は、昨年3月に大規模緩和を終了し、その後、7月と今年1月に利上げを行いました。こうした政策運営に対しては、正反対の2つの方向から疑問が呈されることがあります。ひとつは、「3年近くにわたって2%以上の物価上昇が続いているのに、なぜ 0.5%程度の低金利を続けるのか」というものです。』

どう申し開きをするのかと思えば、

『これに対しては、@現在の物価上昇にはまだグローバルなインフレによるコストプッシュの影響が残っていて、それはいずれ減衰していく、』

えーっとすいません、日銀ってそれずーっと言い続けて物価が上振れした状態のままなんですが、そもそもここまで見通しを外しまくっているのに何を言ってるんですかという話だし、見通し外しているのに何で政策調整をチンタラとしかやらんのですか、という話でもなります。


・基調的物価が何で賃金なんだよいい加減にしろ

でもってさらにひどいのは、

『A賃金上昇を伴う形で物価が上昇するという「基調的な物価上昇率」はまだ2%に至っていない、ということです。』

おいこら、基調的な物価上昇に何で賃金が入るんだよ勝手に話を変えるなよという話でして、日銀はかねてより基調的な物価上昇と捉えるために色々と研究をしていまして、その成果物がこんな形で出ている訳ですよね。

https://www.boj.or.jp/research/research_data/cpi/index.htm
基調的なインフレ率を捕捉するための指標

ちょっと読んで差し上げますと、

『物価動向の分析にあたっては、現実に観測される消費者物価の動きから、様々な一時的要因の影響を取り除いた、基調的なインフレ率(いわゆる「コア指標」)がよく利用されています。その際には、特定のコア指標に依存するのではなく、様々なコア指標を総合的にみていくことによって、基調的な物価変動をより的確に把握することができると考えられます。』(この部分は直上URL先の日銀「基調的なインフレ率を捕捉するための指標」より)

ついでに言えば、この消費者物価の「基調」を捉えるためにどのような研究をしてきたか、の一環として直上URL先に2本のペーパーが紹介されていますが、

https://www.boj.or.jp/research/wps_rev/rev_2015/rev15j11.htm(要旨)
消費者物価コア指標とその特性
景気変動との関係を中心に
2015年11月20日
調査統計局 川本卓司、中浜萌、法眼吉彦

こちら本編の最後の方に「需給ギャップとの連動性が高くなく粘着的に推移してきた最頻値や加重中央値の上昇には需給ギャップの改善だけではなく、幅広い品目の価格上昇率を高めるようなインフレ予想の上昇が重要」という話があり、「インフレ予想の上昇が賃金・価格設定に織り込まれていくことが重要」という指摘はありますが、「賃金上昇を伴う形で物価が上昇するという基調的な物価上昇率」などというような珍妙な説明は当然ながら存在しない訳ですよ。

更に同時に出ている
https://www.boj.or.jp/research/wps_rev/rev_2015/rev15j12.htm
消費者物価コア指標のパフォーマンスについて
2015年11月20日
企画局 白塚重典

こちらに関しては「トレンドの物価動向を一番よく説明できるのはどのような手法か」ということを色々と検証している訳ですが、別に賃金上昇を伴うだのという話があるでもなし、ではありますし、基調的な物価の上昇と賃金上昇は別にお互いに一致指標として動くもんじゃないでしょ(現に米国だって今次インフレ局面における実質賃金の上昇ってインフレ鎮静化の中でやっと起きているんだし)ということなので、おそらく実質賃金の上昇ガーとか言って緩和を引っ張ると、実質賃金上がらないまま物価高だけは継続するってことになるとしか思えないのですが、何かもう「基調的な物価」という一般には訳の分からん言葉を使って押し通す、しかも賃金まで入れてくる、ということでお前真面目やる気あるんかというお話を堂々とぶっこんでいる訳ですな。


・基調的物価のグラフ出しているんだがどう見てもチェリーピッキングです本当にありがとうございました

でまあその「実際の物価はどうのこうので基調的物価はどうのこうの」ですが、金懇挨拶本編に戻りますと、

『図表9をご覧ください。左端のグラフにありますとおり、消費者物価は2%を上回って推移していますが、その右の3つのグラフにありますとおり、基調的な物価上昇率はなお2%を下回っています。』

こりゃまた酷いって感じでして、図表9ってのPDFの22枚目になるんですけど、「@物価統計からみた基調」ではCPIの基調を「低変動品目」とか言って出しているんですが、本来は10%刈込平均が基調を見るのにパフォーマンスが良いって話はどこに逝ったんだという感じだし、「Aインフレ予想からみた基調」の予想物価上昇率に関しては例の「合成予想物価上昇率(10年後)」というインチキ臭いのしか出してこないし、「B経済モデルからみた基調」なんてもうパラメータ舐め舐めで何とでもなるじゃろというお話。


・しかも示している「基調的物価」が威勢よく上がっているのに何で大幅なマイナスの実質金利継続するのやら

でもってそれに続きまして内田さん、こういう説明しているんですが、

『こうした状況で金融面から引き締めてしまうと、景気を抑制して賃金も上がらなくなってしまいます。物価もいずれ2%より低くなります。』

引き締めってお前何を言ってるんだという話でして、内田さんこの部分の最初のところで「3年近くにわたって2%以上の物価上昇が続いているのに、なぜ 0.5%程度の低金利を続けるのか」という質問に回答する、ということでこの説明をしているんですが、0.5%の政策金利が極めて低い(というか大きなマイナスの)実質金利だからおかしくないか、って疑問に対して「引き締めは怪しからん」とか言ってるの完全なる藁人形論法というか話のすり替えであり詭弁以外の何物でもない訳ので、その時点でまずこの話が詭弁なのですけれども、もう一度講演原稿本編の図表9を見て頂きたいんんですけど・・・・・

図表9の「基調的な物価上昇率」を見ると3つの面から見た(ことになっている)基調的物価とやらは2022年以降明確に上昇を継続しているし、何なら「B経済モデルからみた基調」みたら直近では勢い付けて上昇している訳ですよ。ということは、実質金利が極めて低いマイナス(しかも日銀の資産買入ストックもマイナス金利解除前に急増したというおまけつき)で、しかも2022年から物価が明確に上昇して実質金利は大きく低下した訳ですから、このままでは基調的インフレが2%を超えて上振れする方が可能性高いだろ、という話を心配しないといけないのに、今の状況が何ら問題ない政策金利の水準という説明をしているのは何ぼ何でも話がおかしいだろというお話な訳ですよ。

ということでですね、まあ内田さんとしては「追加利上げに前のめりな訳ではないですよ」って言いたいからこういう詭弁学園満艦飾の説明をしているんでしょうね、というのはまあだいたい想像は付くのですけれども、だったら「追加利上げに前のめりではない」というのをもっと別の説明で行えばいいものを、詭弁に次ぐ詭弁で説明しちゃうのが(特に黒田末期以降の)日銀の悪いところでして、もっと単純に「物価は確かに高いのですが、そうは言っても0.5%超の政策金利を全然やっていなかったので市場が慣れるまでちょっと時間があった方が良いかと思う」とでも言っておいた方がまだマシじゃないのかと思う訳ですし、これだけ並べた屁理屈を後になってどうひっくり返すのかというのも見てみたい気がします、あっはっは。

・・・・・とまあこの調子でツッコミどころがホイホイでてくるのはさすがにどうなのかと思いますよいやマジで。


・供給制約の話をしているのか潜在成長の話をしているのか訳わからん

とまあほんのちょっとの文章なのにゴリゴリとツッコんでいたのですが、じゃあその反対側の批判の方への説明はどうなっているのかと言いますと、

『逆方向の批判は、「景気回復の足取りが弱いのに、なぜ利上げをするのか」というものです。』

この点は前回の展望レポート(基本的見解でもありましたし背景説明では詳しいのがBOXの格好で出ましたわな)での説明だと「特に労働面を中心とした供給制約によって、物価は需給ギャップに対する感応度が下がっている」という説明だったのですが、

『これに対しては、まず、0.5%程度という金利は、十分緩和的であり、経済をしっかり支えている、ということです。』

この「緩和的」云々の説明も大概にした方が良いんじゃないかと思うのですが、0.5%の金利が十分に緩和的なのであれば、前段の部分で「0.5%の政策金利が低すぎる」に対して「こうした状況で金融面から引き締めてしまうと、景気を抑制して賃金も上がらなくなってしまいます。物価もいずれ2%より低くなります。」って言ってるのと説明が思いっきり矛盾している訳でして、お前は何を言ってるんだという話になるわけでして、この「緩和的」云々っての政策調整を進める中でそろそろ引っ込めておかないと説明が一段とカオスになりますよ。

『また、現状程度の成長率で激しい人手不足が起こり、(基調的な物価上昇率は2%に達していないにしても)物価や賃金が上がってきているということは、わが国の経済の実力がそれよりも低い、ということを意味します。』

????????????????????????

あれ〜、供給制約、就中労働需給の制約が問題だったんじゃなかったの?????って話だし、確かに理屈の上では潜在成長率が極めて低いのであれば、経済の上げ下げに対する物価の反応が大きくなりやすくなるのはその通りなんですが、経済の実力が弱いんだったら「景気回復の足取りが弱いのに、なぜ利上げをするのか」ってのは極めて真っ当なツッコミになってしまうんですよね。

でまあ今回の展望レポ^−トではそうじゃなくて、むしろ物価上昇に関しては物価と需給ギャップの連関が弱くなっていて、供給制約をベースにした構造変化によって物価がトレンドとして上がりやすくなっている、という説明をしていたと思うのですが、そことの整合性はどないなっとんねんというお話なんですよねこの内田さんの説明。

『日本銀行のスタッフの推計では、潜在成長率は0%台の半ばです。より高い成長を求めるのであれば、生産性の向上など実力そのものを高める方策が必要です。』

それは良いんだが金融緩和して低金利にして需要を喚起するという施策は、投資に対する必要リターンのハードルを下げることによって投資を活性化させるというルートによって効いてくるんだから、経済の実力を高める方策とは逆に逝くじゃろ一般的に、というお話ではあります。


・供給制約で潜在成長率が上がらないとな

でもってその続きなんですが、

『図表 10 をご覧ください。この点、潜在成長率の頭を押さえているのは、人員面の制約と思われます。』

????????????????????????

なんじゃこの理屈は、と思うのですがその先を見ますと、

『通常、企業は、人手が足りないときには、機械やソフトウェアで代替しようとするのですが、上の2つのグラフを見ていただきますと、最近は人手不足がどんどん厳しくなる一方で、設備の過不足感はほぼトントンという状況が続いています。これは過去にあまり見られなかった現象で、特に非製造業で顕著になっています。』

『そこで、業種ごとに労働と資本がどの程度代替できているかを検証したところ、図表の下のグラフのようになりました。右端の宿泊・飲食など、非製造業の一部では代替がほとんど働かず、人手不足がそのまま生産(すなわちサービス提供)の限界を画しています。』

これは1月展望レポートの「(BOX2)資本と労働の代替性と労働の供給制約」の話をしているのですが、この件の含意は「需給ギャップに注目するのは、その前提に資本と労働の代替性があることを置いており、労働供給の制約が強く、資本との代替性が必ずしも機能しない場合、需給ギャップの数値が必ずしも物価に反映しないこともあるでしょう」って話をしていた訳で、別に供給制約があるから潜在成長率が上がらんという話ではないでしょというお話ですわな。

だいたいからして供給制約が潜在成長の頭を押さえているんだたtら、労働需給の需給制約を意識しないですんでいた以前の経済において何で潜在成長率上がらなかったのよという話だし、なんかこの内田さんの説明って展望レポートなどで示している公式見解の説明をなぞっているようでなぞっていない、という不思議な説明になっているんですよね。

でもってその続きですが、

『実際、全国のホテル・旅館から、「従業員を確保できないので、客室は余っているが、予約を断っている」という声が聞かれます。グラフの右側の業種は、もともと労働集約的であることに加えて、規模が小さい企業が多く、省力化投資のメリットを受けにくい面があります。機械化しても従業員一人分にならないということです。この代替性の問題をどうクリアしていくのか、例えば共同でソフトウェアを導入するとか、事業規模の集約を図るとか、単に「省力化投資を促す」というだけではない工夫が必要なように思います。』

『企業の皆様がよくご存じのとおり、生産性を高めるというのは地道な作業です。現場レベルのミクロの取り組みに役立つような方策を具体的に考える必要があると思います。』

結局多分最後のこれを言いたかったんだと思うのですが、その結論に至る過程が色々と変な謎説明になっていてマジで訳わからんのですが、と文句垂れてる私も別に経済学をちゃんと修めたわけではないのでまあアレなんですが、なんかこのあたりの内田さんの説明、全般的に違和感しか感じない説明(ただしこれその場で聞いてたら何となく納得した気になってしまうだろうなあという作りになっているのが諸葛孔明の罠)ではあります。



・・・・ということで3回にわたって小見出し『3.日本銀行の金融政策運営』の説明にツッコミを入れるという壮大な企画を実施しましたが、実はこの内田さんの講演、次の小見出し『4.金融政策の多角的レビュー』もツッコミどころが多くて色々と困るのです。

というかですね、全編にわたって妙な正当化ばっかりするから話が色々と変になっていまして、例えばこの小見出しの最初の部分に関して言えば、

『(2010 年代初頭までの金融政策)』のところから既にツッコミどころがありまして、

・ワシが育てたQQEで実質金利を大きく下げたそうですが

『図表 14 をご覧ください。まず、前半の 15 年間、2010 年代初頭までの金融緩和は、名目金利がゼロ%より大きく引き下げられない、という制約のもとで、実質金利を十分下げられず、必要な緩和効果を得られませんでした。』

ということで図表14のお手盛り実質金利のグラフがあって、2013年にワシが育てた金融緩和で実質金利を大きく下げた、ということになっていますが、必要な緩和効果が得られたんだったら何で物価目標達成云々がQQE導入から11年も経過しているのに物価目標達成していないんだ、という話で、必要なのはそれではなかったんじゃないですかねえ、というツッコミは完全にスルーする、というのが今回の多角的レビューの真骨頂でして、だからアタクシは全部無駄とか極論捏ねてこき下ろすわけですよ。


・流動性の問題と資本制約の問題は別物なのですが何で一緒くたにするんですか

でもってその続きの説明もおかしくてですね、

『ただ、当時の最大の課題は金融システム問題でしたので、流動性の供給により金融システムの崩壊を防いだ効果は、一般に理解されている以上に重要であったと思います。』

流動性の供給そのものは重要ですが・・・・・

『私は、2000 年代の初め、考査局の銀行グループという部署で、金融機関のモニタリングとLLR貸出の実務を担っていました。当時の金融機関は、不良債権処理の真っただ中で、自己資本面の制約を意識した業務運営を行っていたことは否定できません。』

問題が資本制約なのであれば、流動性供給は無いよりはある方がよいですけれども、必要なのは資本増強ですよね。

『金融政策の波及経路の重要な部分が十全ではなく、緩和効果が十分には伝わらなかったという実感があります。』

ということですが、なんかリクイディティーの問題とソルベンシーの問題がごちゃこちゃになって説明されていて読んでて物凄く引っかかるんですよね。

『また、現場で日々の資金繰りを見ていた立場からは、「量的緩和期で良かった」というのが偽らざる印象です。実際、金融機関によっては、個別の大口定期預金の期落まで計算して、詳細に資金繰りを把握・モニタリングするなど、現場の緊張感は相当のものでした。』

は良いんですけど、

『「量的緩和政策」のもと、非常に潤沢な流動性を市場に供給していたことで、資金繰りによる突然の破綻を起こすことなく、金融システム問題の処理を進めることができたと思います。』

うーんこのという感じでして、本来的にはバジョット・ルールでソルベントな金融機関に対して適切な流動性の確保を担保すればよいのであって、量的緩和だからどうのこうのというのは別問題じゃろという話だし、各金融機関が資本増強したり合併統合したりして、資本面の整備を進めたこととか、公的資金注入による資本増強における条件を緩和したり、そういう辺りの話の方が重要なポイントなのに、なぜか「量的緩和が危機を救った」みたいな話になっているのはどう見ても説明が変じゃろとしか言いようが無いですな。

・・・・・とこんな具合に説明が全編にわたって過去の正当化というか、説明のチェリーピッキングというか、歴史修正主義というか、うーんちょっとこういうのはどうなのか、というのが続くのですが、書いてる方が疲れてきたので(本当は全編ツッコミ入れるの終わらせたいのですが)一々こんな感じでツッコミをしないといけないので(別に行けなくはないけどwww)困ったもんです。

ということで明日以降まだまだ続くのでしたorzorz








2025/03/07

お題「ECB順当に利下げで物価はもう目標達成みたいな感じですね/内田副総裁静岡金懇」

ほほう
https://www.agrinews.co.jp/news/index/292646
2025年3月7日
初回放出の備蓄米、新潟産が最多 銘柄は山形産「はえぬき」 本紙分析

『政府備蓄米の放出で第1弾となる15万トンについて本紙が分析したところ、産地は新潟の3万トン超が最も多く、全体の2割を占めることが分かった。北海道、青森、宮城、秋田、山形、富山も1万トンを超えた。産地と品種を組み合わせた「産地品種銘柄」では、山形産「はえぬき」が2万トン超で最多だった。』(上記URL先より)


〇ECBですが毎度の如くポンチ絵で勘弁

ポンチ絵今回
https://www.ecb.europa.eu/press/press_conference/visual-mps/2025/html/mopo_statement_explained_march.en.html
Our monetary policy statement at a glance - March 2025

ポンチ絵前回
https://www.ecb.europa.eu/press/press_conference/visual-mps/2025/html/mopo_statement_explained_january.en.html
Our monetary policy statement at a glance - January 2025

・政策判断のお絵かき自体は前回と同じなんですが「経済の向かい風」が来ました

『We cut our key interest rates by 0.25 percentage points』(今回3月)
『We cut our key interest rates by 0.25 percentage points』(前回1月)

連続利下げですが、絵柄は変わらずでして、徐々に階段おりてまっせの図。でもって降りてる階段の段数がちゃんと1段増えているのは順当とはいえ芸が細かい。

『We are doing this because inflation is on track to settle at around our 2% target, and the economy is facing headwinds.』(今回3月)
『We are doing this because inflation is developing broadly as we expected and is on track to settle at around our 2% target』(前回1月)

でもってその理由ですが、物価がオントラックで2%に向けて落ち着く、という所の表現をよりクリアカットな言い方にしていまして、物価に関してはOKOKという雰囲気をより強く出している中で、「the economy is facing headwinds」を入れていますので、まあこのポンチ絵的には「物価はエエんじゃけど経済がねえ」というロジックになってきています。


・経済認識に関しては当然ながらトラ公の影響がという話で

『Uncertainty at home and abroad is a burden on the economy』(今回3月)
『The economy is weak』(前回1月)

とは言いましても、アタクシ今朝はちゃんと会見とか声明文とか読まない(読む体力がorz)で書いていますが、絵柄を見ますと前回の方がくらーーーい絵柄になっていまして、今回に関してはトラ公のアホウのせいで供給制約、みたいな感じの絵柄(上手く言語化できないのですがまあ絵を比較してちょという話)になっていまして、説明の方でも、

『Trade tensions could weigh on exports and make it more difficult for firms to plan ahead. Because of uncertainty, firms are holding back big investments and people are still saving a lot of their incomes.』(今回3月)

『Manufacturers are producing fewer goods. And there are risks, like greater barriers to trade, that make the outlook more uncertain. Services are doing better. 』(前回1月)

前回は製造業のところで「Manufacturers are producing fewer goods.」ということで生産が落ちていますがな、という話をしていたのですが、今回はその生産の話に直接言及しないで、より前面にトレードテンションの話を持って来ていまして、「問題は不確実性」というのを前面にだして、不確実性ゆえに設備投資の手控えや予備的貯蓄が起こる、という話になっていますので、逆に言えば不確実性解消すればよくなるってニュアンスはある意味今回の方が大きくなるともいえるのですが、なにせこのジジイ実は現時点で頭いかれとるんとチャウかという勢いのキチガイ政策をぶち込みまくって居るので、まあ不確実性は終らんじゃろうなという説は大有りなのが悲しいですね。

『But, gradually, the economy should get stronger.』(今回3月)
『Over time, the economy should grow more strongly again.』(前回1月)

ということもあってか「しょ、将来はよくなっていくもんね(震え声)」の震えが大きくなっている気がしますね。

これに関連して前回1月は3つ目のポンチ絵に『People are still not spending yet』というのがあったのですが、今回は見通し公表の時期になるので、その都合上もあり絵が二つ減っていまして、今回比較の対象になるものはありません。


・雇用は威勢の良い状態との認識なのは同じです

『Many people are in jobs』(今回3月)
『The job market remains strong』(前回1月)

絵の変化は謎の判じ物って感じですがまあ今回も雇用についてはお強い説明。

『Unemployment remains the lowest it has been since the start of the euro. Services, in particular, are doing well.』(今回3月)
『Unemployment is around the lowest it has been since the start of the euro, although firms are advertising fewer job vacancies.』(前回1月)

普通に強いですね。


・物価の2%達成に向けた動きに関しては自信を深めています

『Inflation is heading towards our 2% target』(今回3月)
『Inflation is, overall, on its way down』(前回1月)

ということで表現自体は2%目標達成に向かっている、と堂々と書いている

『Food prices are rising a bit faster than before. But, overall, inflation is coming down mainly because wages and prices for services are no longer going up as much.』(今回3月)
『Prices have gone up a bit faster over the past few months, including for energy. But in the course of the year, inflation is expected to settle around our 2% target.』(前回1月)

前回1月対比で表現がしっかりとしてきていますね。なので既に物価2%に下げるための政策というステージであることは(前回の時点でもまあそうでしたけれども)今回は特にそこをクリアに示した格好になっております。つまりは経済の調整のための金利調整という面を強くしているって話ですかしらね。

最後に前回1月は『More people want to take out loans to buy a house』というポンチ絵がありまして、利下げの効果で需要来ましたって話をしているのですが、今回はこでに対応する絵自体が無いのであらそうですかという感じです。

とまあそんな感じですかしら。


〇内田副総裁静岡金懇:いろいろな申し開きをしているのですが申し開きの説明が強引すぎます

https://www.boj.or.jp/about/press/koen_2025/data/ko250305a1.pdf

会見も既に出ているのですが金懇本編のツッコミどころが大杉栄でありまして、そっちのツッコミを皆様と確認して行こう企画にお付き合いいただくことになりますがよろしゅうおねがいします。

・実質金利が大幅マイナスなのでどうのこうのの説明ってそろそろ引っ込めた方が良いんじゃないですかねえ

昨日ネタにした部分の前段に当たりますが、『3.日本銀行の金融政策運営』の前半部分から参ろうかと思います。

『(最近の金融政策運営)』ってところです。

『続いて、金融政策運営についてお話しします。図表7をご覧ください。日本銀行は、1月の金融政策決定会合において、短期の政策金利を 0.25%引き上げ、0.5%程度としました。』

『先ほど申し上げたとおり、消費者物価の前年比は、3年近くにわたって、2%以上で推移しています。こうした中で、0.25%程度という金利は非常に低く、物価上昇率を勘案した実質金利は大幅なマイナスになっています。0.5%程度に引き上げた後でも、金融環境は緩和的であり、経済をしっかりと支えています。』

って説明していますが、この相変わらずの説明、問題点がいくつかあって、その1は今後政策金利を調整していく過程において、当然ながら政策金利が上昇していく中で徐々に実質金利が上がっていく筈(物価が上がらなければ)ということになりますので、そうなってくると「実質金利の水準はいくらなのか」「緩和的と言えなくなる状態はどこなのか、いつなのか」という話に発展してくるわけですわな。でもってそうなってくるとかなりのインチキ説明がおっぱじまることになるのは野良日銀ヲチャー(自称)のワシからみたらもう必然という感じなので、その際に政策の説明のイカサマ成分が高まり市場が混乱するでしょう、というのが有るわけでして、大概にこの説明止めた方が良いと思うんですよね。

でまあその2ですが、これは先日も申し上げましたけど、円安誘導批判食らった時に過去の経緯として黒田緩和を実施した際に「円高修正」を政策のトランスミッションメカニズムに加えていたことがここに来て祟る訳で、実質金利云々という話をしたら2013年4月対比で物価水準が全然違うんだから、当時よりもより一層円安圧力を金融政策が掛けていますよね(しかも内田さんは黒田緩和開始時の企画局長なので逃げようがない)ということで円安誘導批判されたら耐えられなくなるので、その面からも実質金利云々の話は回避した方が良いですよね。

でまあその説明ロジックはさておきまして、それ以前の問題として「何でそんな大幅なマイナスの実質金利が必要なのか」って件についてもアタクシとしては突っ込みたい訳でして、この先の部分にある説明で内田さん日本経済の現下のネックとして「供給制約(主に労働の供給制約)」を挙げているのですが、労働供給の制約によって経済のボトルネックが発生しているんだったら需要喚起策となる「大幅なマイナスの実質金利」をぶちこむとボトルネックの問題がさらに高まるだけの話で、別に金融引き締めをしろとは言わないですけれども、ボトルネックが問題になっているならば何も「大幅なマイナスの実質金利」という大規模緩和までおこなう必要があるのでしょうかという話だし、その大幅マイナスの実質金利が(QQEの時のロジックからしたら)為替市場での円安圧力に繋がることによってコストプッシュを招きやすいという弊害があるんだから、金利水準はもっと調整されて然るべき、って話になりませんかと思う訳ですな。

ですので、

『日本経済が緩やかとはいえ回復し、賃金上昇を伴う形で、基調的な物価上昇率が高まってきているのであれば、緩和の範囲内で、その程度を少しずつ、調整していくことが、長い目で見た経済と物価の安定につながります。』

とは言っているのですが、昨日引用したように、この先の部分で金融政策の調整に関連して、

『見通し期間の後半には(来年度後半〜2026 年度中の1年半の間のどこかで)、現実の物価と基調的な物価がともに2%程度になる、と考えています。その時点の政策金利は、景気や物価に中立的な金利水準に近付いていると考えられ、その水準は理論的には「2%+自然利子率」とされています。』(これはこの先の部分から引用)

とありまして、2025年度後半ってのはどこからどう見ても2025年10月から開始するわけでして、「緩和の範囲内でその程度を少しずつ調整」ってのが「今は大幅なマイナスの実質金利」からスタートして間に合うんですかって話がまるで腑に落ちない訳ですな。

『前半でご説明した経済・物価の状況は、概ね私どもが見ていた姿に沿ったものですので、ここで調整したということです。』

当然ながら12月からのジャガーチェンジの背景についてはどうなった、という話が続くのですが・・・・・・


・8月の土下座金懇に関する言い訳を打ち込んでいるのが中々の見苦しさなのですが

この続きの部分ですけどね、

『これが利上げの主たる理由ですが、今回このタイミングで利上げするにあたって、重要なチェックポイントとなったのは、海外経済、なかんずく米国経済の動向でした。』

12月と1月で何が変わったのか、という話だし、12月時点でおまいらは「米国新政権の政策の不確実性ガー」とか言ってた訳で、それがまさに今起きているのにお前らなんで見切り発車したんだ(なお一応申し上げますが、ワイはそもそも利上げが遅いわヴォケ派なので、発車したことに悪態ついてるんじゃなくてその前に発車しなかった理由のつけ方が下手くそにも程があると申し上げておりますのでよろしくです)という話になるのですが、ここで今回の内田副総裁の凄いのは、なんと7月まで話を戻してくることでこいつはビックリ。

『昨年7月、日本銀行が2回目の利上げを行った直後に公表された米国の雇用統計は、市場の予想を下回り、米国経済の減速懸念が高まりました。各国の株価が大きく下落し、為替市場ではドルが下落しました。円・ドル相場は、それ以前に円安が進んでいたこともあって変動幅が大きく、株価の下落も他国よりも大きなものとなりました。』

急にどこまで話を戻すのか、ということですがその理由はこの次のパラグラフに現れます。

『私は、同じ週の金融経済懇談会で、「市場が不安定な状況で、(さらなる)利上げをすることはない」こと、「米国経済はソフトランディングする可能性が高く、市場の反応は単月の指標に対するものとしては大きすぎる」ことを述べました。』

おいこらちょっと待てwwwwww

例の土下座金懇ですけれども、ちょっと長くなりますが当該部分を蒸し返・・・・もとい引用しましょう。

https://www.boj.or.jp/about/press/koen_2024/ko240807a.htm

(以下直上URL先の2024/08/07函館金懇挨拶より引用、長くなりますがちゃんと当時のニュアンスを確認するためなのでご勘弁ください)

『金融資本市場では、最初にお話しした米国の景気減速懸念を契機に、世界的に急速なドル安の動きと株価の下落が生じています。特に円ドル相場は、これまで円安方向で大きなポジションが積み上がっていたことの巻き戻しがあり、変動幅が大きくなっています。また、わが国の株価は、円安の修正もあって、他国に比べても下落幅が大きくなっています。

株価は、基本的には企業収益や経済の先行きの見通しを反映して形成されるものであり、この点、わが国企業の収益は歴史的な高水準にあります。これは単なる円安の恩恵といったものではなく、より本質的な収益力の強化によるものです。もちろん、株価の変動は、企業の投資行動や、資産効果などを通じた個人消費、ひいては経済・物価の見通しに影響するものであり、政策運営上重要な要素です。

また、為替相場の面では、円安が修正された結果、輸入物価を通じた物価上振れのリスクは、その分だけ小さくなりました。図表14の緑の線にあります通り、輸入物価の上昇は、契約通貨ベースではほぼゼロ%ですので、円ベースでの上昇は、ほぼこれまでの円安によるものです。この点で円安の修正は、政策運営に影響します。

こうした市場の変動の結果として、見通しやその上下のリスク、見通しの確度が変われば、当然金利のパスは変わってきます。もともと、欧米の利上げプロセスとは異なり、わが国の場合、一定のペースで利上げをしないとビハインド・ザ・カーブに陥ってしまうような状況ではありません。したがって、金融資本市場が不安定な状況で、利上げをすることはありません。

先ほど申し上げた通り、私自身は、米国経済はソフトランディングする可能性が高いと考えていますし、わが国の株価が上昇してきた背景には企業の収益力の強化があると思っています。両国の経済のファンダメンタルズが大きく変わったとは思えませんので、米国の単月の指標に対する反応としては、大きすぎると思っています。

もっとも、最近の内外の金融資本市場の動きは極めて急激ですので、その動向や経済・物価に与える影響について、極めて高い緊張感をもって注視し、政策運営において適切に対応してまいります。繰り返しになりますが、当面、現在の水準で金融緩和をしっかりと続ける必要があると考えています。』

(以上ここまで直上URL先の昨年8月7日の内田副総裁函館金懇挨拶より)


・・・・・・このどこからどう見ても土下座説明が半年たったらあら不思議。

(再掲)『私は、同じ週の金融経済懇談会で、「市場が不安定な状況で、(さらなる)利上げをすることはない」こと、「米国経済はソフトランディングする可能性が高く、市場の反応は単月の指標に対するものとしては大きすぎる」ことを述べました。』

・・・・・( ゚д゚)
・・・・・(つд⊂)ゴシゴシ
・・・・・(゚д゚)

なんでこうなっちゃうんでしょうかねえというお話ではあるのですが、まあこれは要するに昨年8月の土下座ムーブは土下座ムーブじゃないですよという風に歴史認識を変えましょうというプレイでしょとしか思えない訳ですが、そらまああの時他の海外中銀や財政運営当局で泡吹いてるところ無かったのに日銀だけ副総裁が堂々の土下座プレイをしてしまって滅茶苦茶目立ちましたので、まあそういうのは黒歴史として封印したいんでしょうな。

しかしこの説明の続きもさらに凄くて、

『その後の雇用統計は比較的良いものが多く、現在では、当時の雇用データはノイズであったことが市場のコンセンサスになっています。』

ノイズかどうかの見極めもしないでジャンピング土下座した結果その後の政策調整をしにくくした、というような事を完全にスルーするとはなんということでしょう、ってなもんや三度笠ですわな。


・でもって結局米国に関しては「強い」というお話になっております

その次。

『図表8をご覧ください。もともと、当時から、米国経済について、雇用の弱さと個人消費を中心としたGDP統計の強さがパラドックスと言われていました。』

だったらあの時点でもっと腹据えて状況を見てから対応しても良かったと思うのですが、あの調子で胆力無い状態ですと今後もなんか市場で有った時に一々過剰反応するんじゃなかろうか、というのが一番懸念される訳ですよ真面目な話。

『それを整合的に説明しようとすれば、「雇用や所得は弱いのに貯蓄を取り崩して消費しているので、いずれ息切れしてGDP成長率は減速する」ということになります。実際、当時の予測は、左のグラフの赤い点線のようになっていました。しかし、その後の雇用データに加え、中央のグラフにありますとおり、GDPに関するデータもリバイスされ、貯蓄率は下がっていないことが判明しました。この間、右グラフのとおり、インフレ率は、秋以降、若干足踏みしていますが、2〜3%の領域まで下がってきています。米国経済は、バランスの良い状態にあると言って良いと思います。』

図表8って市場の成長見通しが間違えていました、って話をしているんですけど、市場の成長見通しが間違えていたからワイも米国経済を過小評価してた、ってんだったら中央銀行の経済調査機能要らねえよって話になるんでそういう「市場が間違えているんだからこっちだって間違えるわ」という開き直り説明はしない方が良いと思うのですけれども・・・・・・・・・・

というのはさておきますと何か米国経済には強気ですわな。でもって、

『先行きについては、新政権の政策など、経済・物価双方に影響しうる事象があります。地政学的な緊張も高い状況が続いています。こうした要因の帰趨やこれらを巡る予想は、米国に限らず各国の企業・家計のコンフィデンスや国際金融資本市場の動向などに影響します。世界経済についての不確実性は高く、引き続き十分注視していきます。』

そりゃいいんだがだったら何で1月見切り発車できたのかという話は深堀しないんですよね。そりゃまあ深堀してしまいますと、そもそも実質金利とやらが飛んでもないマイナス水準にあるんだから見切り発車可能ですわ、という説明になってしまうと思うのですが、それを言い出すとじゃあ何でもっと調整しないのかとかいう方面からツッコまれるので深堀できないという悲しさがあるわけですな。

とまあそんな感じでツッコミどころのコーナーごとにこちらもチマチマとツッコミをしていますが、あと数か所あるのが中々のアレでして、再来週になると金融政策イソガシヤになるからその前に成敗していきたいのですけれどもこちらも生業というのがあるので中々のチンタラ振りで甚だ申し訳ございません(焼き土下座)。




2025/03/06

お題「ここぞというときに財政出せるドイツ様ですな(雑感)/内田副総裁静岡金懇(その1)」

いやこいつらなんなん??
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250305/k10014740201000.html
米 国防次官候補 公聴会出席“日本の防衛費GDPの3%にすべき”
2025年3月5日 13時53分

このアホウどもは日本が防衛費拡大したら米国の兵器産業が潤うし米国の経費が削減できるくらいにしか思っていないんじゃないかという気がするんだが、あの米国のスタンス見たらまともな思考回路をしてたら兵器の米国依存は危ないと思って防衛機器の自主開発政策に取り組んで米国の制御効かなくなると思わんのかね(なお欧州はマジでそうなるのではと思いますが日本はねえ・・・)

ま、さすがに防衛ネタではゲル当然の回答をぶっぱなしますな

『石破総理大臣は、参議院予算委員会で「日本の防衛費は日本が決めるものだ。政府として必要があれば予算を計上するということで、アメリカにかぎらず、他国に言われて決めるものではない。防衛費は、いろいろな積み上げの結果決まっていくもので、最初からGDPの何%ありきというような粗雑な議論をするつもりはない」と述べました。』(上記URL先より)

ということで関連で・・・・・・

〇欧州独自軍備拡大云々で欧州金利上昇とな

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-03-05/SSNKICT0G1KX00
ドイツ債過去35年で最大の下落、財政タカ派転換−欧州に「地殻変動」
Jorge Valero、Arne Delfs
2025年3月5日 23:50 JST 更新日時 2025年3月6日 4:59 JST

→10年債利回り30bp上昇、前回ここまで急騰したのは東西統一の頃
→メルツ氏の大胆な財政改革案を評価、欧州経済への期待高まる

『ドイツ連邦債が5日の取引で大きく売り込まれ、過去35年で最大の下落となった。』(上記URL先より、以下同様)

となった訳でして昨日の東京の夕刻にはもうホイホイと売られて18甘だ22甘だとかキタコレと言いながら見ておった(見てただけwww)訳ですが。

『次期首相就任が確実視されるメルツ氏が、防衛力強化のため、大胆な財政改革案を提示したことに反応した。財政規律を重視する「財政タカ派」として知られるドイツにとって劇的な変化となる。これを受けて、欧州各国で財政支出が増え、経済成長が促されるとの期待が強まった。』

今回ドイツ様が盛大に軍事支出を増やすわけですが、それだけドドーンと出せるだけの財政基盤があってこそこういうある意味有事みたいなことに対応できるわけで有って、ちょっと自然増で税収が増えたらその前に出したものの穴埋めに回すどころか「還元」とか言って財政出動余地をなくしているどこかの馬鹿国家とは話が違う訳ですわな。

『ドイツの10年物国債利回りは30ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し、2.80%と2023年11月以来の水準となった。1日の変動幅としては、ベルリンの壁崩壊後にドイツ再統一への準備が進められていた、1990年3月以来の大幅上昇だった。』

ほうほう30甘ですかそうですかそうですか。

『メルツ氏は4日夜、大規模な財政改革の一環として5000億ユーロ(約80兆円)の特別基金を設立すると発表。また、防衛費として国内総生産(GDP)の1%以上を支出する場合には、憲法上の借り入れ制限(債務ブレーキ)の対象外とすることも提案した。メルツ氏は、国を守るために「あらゆる手段を講じる」と強調した。』

『財政支出拡大への期待から、短期金融市場では年内の欧州中央銀行(ECB)利下げ見通しが大幅に後退した。ドイツ債のほか、イタリア債も売りを浴び、英国債も下落した。イタリアの10年債利回りは29bp上昇し、3.92%と8カ月ぶりの高水準になった。』

しかし米国とEUが別の道っぽくなってきますと色々なもんが流動化してくる訳で、日本も変化に対応できるようにせめてこの碌でもない財政事情もう少し何とかしろとは思ってしまいます、というか国防ネタが無かったとしても大規模自然災害起きやすいんですし・・・・・

というただの雑感でしたが記念メモ。


〇内田副総裁静岡金懇は先行きの政策に関する新しい話は無いのだがツッコミどころが満載過ぎて・・・・・

https://www.boj.or.jp/about/press/koen_2025/data/ko250305a1.pdf
最近の金融経済情勢と金融政策運営
── 静岡県金融経済懇談会における挨拶 ──
日本銀行副総裁 内田 眞一

・皆様ご案内の通りで内田プットも無いし早期利上げも無いしというお話ではありました

話の順序を無視して引用しますが本文6ページ(PDF7枚目、以下本文とPDFの関係は同様)にありますところの『3.日本銀行の金融政策運営』の『(物価見通しと利上げのパス)』ってところが先行きの金融政策運営に関する説明でして、まあ政策の見通しという意味ではこの部分に説明が集約されていますのでそちらを確認しましょう。

『図表 11 をご覧ください。先行きの金融政策運営については、「展望レポート」で示している経済・物価の見通しが実現していくとすれば、それに応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していく方針です。』

いつも通りの話であります。

『この点、私どもの見通しのポイントは、「2%の物価安定目標を実現できる」と予想していることです。』

だそうなのだが、そもそもこの前提にツッコミどころはありまして、

『すなわち、消費者物価の上昇率は、コストプッシュの影響が減衰していく中で、2%に向かって低下していく一方で、基調的な物価上昇率は、賃金の上昇を伴う形で、2%に向かって上昇していくとみています。この結果、見通し期間の後半には(来年度後半〜2026 年度中の1年半の間のどこかで)、現実の物価と基調的な物価がともに2%程度になる、と考えています。』

はいダウト。

まあこれは物価の話をしている本編でも突っ込む予定(なおツッコミどころが多過ぎて今日そこまでたどり着くのやらという説はオオアリクイ)なのですが、内田さんの今回の説明では全編にわたって(そらまあそれが今の日銀の見通しなんだからそう言わざるを得ないのは分かるが)この説明だけで押し通していますが、黒田末期から延々と日銀は「アクチュアルの物価見通しを下に外し続けている」という実績が有るわけでして、この「コストプッシュの影響が減衰していく中で、2%に向かって低下していく」って見通しが今後も外れていく場合にはどういう対処が行われるのか、という話は(これは今回の内田さんだえではなくて大本営が常にそうなのですが)徹頭徹尾触れない、というお話になっているのですよね。

いやまあ日銀様が現状の物価状況を問題だと思っていなくて、寧ろインフレ期待もっと上がるために今の状況を維持されている方が望ましいくらいに思っているならそれはそれで話はわかる(納得はしない)のですけれども、物価見通し的には今後鎮静化するって言いつつ政策運営の話をしているのに、一方で言ってる通りに物価が落ち着かないんだったら、本来は政策調整の速度を上げないと行けないはずなのですよね。

でも直接計測不可能な「基調的物価」というお手盛りのお気持ちを持ち出しているもんだから、現実の物価が下がらないうちは基調的物価が上がっていないことにしてその場しのぎをするという流れになっている訳でまあ怪しからん理屈な訳ですが、この「基調的物価」を使うことによって現実の物価が上振れていることは放置プレイというのが正当化されるという塩梅になっている次第なのでは通常運転ちゃあ通常運転ですが、この通常運転理屈が平然と飛び出ている所を見ると、まあ大本営としては利上げペースを速めないといけないとかいうような考えには至っていないのか、至っていたとしても長期金利上昇しているので刺激したくないのか、その辺は良くわかりませんけれども、とりあえず前のめり感は無しということではありますわ。

でもって、

『その時点の政策金利は、景気や物価に中立的な金利水準に近付いていると考えられ、その水準は理論的には「2%+自然利子率」とされています。』

という話なのですが、本編では長期国債買入に関する話もありまして、長期国債買入のストックの緩和効果に関して言及しているんですから、これ(私を含め)皆様すっかり政策金利パスの話をするときに忘れがちですが、長期国債買入の膨大なストック効果が緩和効果として働いている、という理屈からすれば、物価目標を達成した時の政策金利水準ってそのストック緩和効果を勘案したら中立金利の下限とみられるところに設定していたら低すぎワロリンチョというお話であって、もうちょっと上の方におかれないとおかしくないか(ただまあストック減らして利下げするのも変な話なのでそこは程度問題ですけど)ということで、そこから考えても1%って中間目標であっても最後の落ち着き先にはなるはずないのよね、というお話だったりするのですが、だれかこのストック効果と政策金利の具合について説明しだす猛者は出てこないですかねとは思います。

なお、普通はそういうことを言い出すと話がややこしくなるので、ストック効果がどうのこうので緩和的とかいうのは正常化局面に入ると黙ってしまってごまかすというのがFRBに見られるようなコミュニケーションだと思いますwwwwwww

でまあその中立金利に関しては、

『ただし、自然利子率は、概念としては、金融緩和と引き締めを分ける重要な基準ですが、推計方法によって、最小で−1%程度、最大で+0.5%程度と様々な結果がでてきますし、それぞれの推計値にさらに推計誤差がありますので、幅が広すぎて、実際の政策運営には使えません。』

まあそうなんですけれども、概念としての中立金利って中銀が説明で煙に巻く時にあまりにも便利な道具なのでつい安直に使って後で自分の首を絞める、というのが古今東西の仕様になっておりますし、だいたいからして中立金利は政策運営に使えないのに実質金利の話をして緩和的っていう話をするのはこれまた話に無理が有るわけでして、そらまあ物価上昇率+2.5%で政策金利+0.5%だったら実質金利の話を持ち出しても問題ないでしょうけれども、この実質金利の説明もそろそろお蔵入りさせないといけないと思います。

まあ内田さんさすがにそこは考えているようでして、

『実務上は、実際に金利を上げていく過程で、経済や物価の反応を点検しながら確認していくものであり、現時点では我々も確かなことはわかりません。』

なので、「この前利上げしたけれども特段これによって経済物価情勢に大きなブレーキが掛かったわけでもないのでまた利上げしますわ」という説明を軸に進めていった方が変な中立金利の言葉遊びにならないので有益なんじゃないかな、とは思うのですが、この説明の弱点は如何にも頭が悪そうな説明なことでしてwww、そういう説明をしたがらない可能性があるんですよね。でもまあ中立金利の話はあまりしないようにしていく姿勢だけはくみ取れたのは結構なことだと思います(個人の感想です)。

『想定される程度のペースの利上げであれば、経済の反応を確認しながら進めていけるだろうとは思っています。』


・市場の金利予想パスがどうのこうの

でまあ今の部分が基本的に政策運営の先行きの話、すなわち特に新しく何か言った訳ではありません、ということで内田プットなどというものはそもそも存在せず、ゆうて利上げが前のめりになることでもない、というのが結論でしたが、次の小見出しが『(市場の見方と金利形成)』なのですが、まあ骨子はさておきまして、説明にツッコミどころが早速出てくる。

『図表 12 をご覧ください。金融市場における政策金利のパスの予測です。』

でもって図表12を見ると、それはPDFの23枚目にあるのですが、

『(注)現時点は、3か月物の円OISレート。3か月先、6か月先、9か月先は各3か月間、12か月先、18か月先は各6か月間、24か月先は12か月間のフォワードレートを円OISレートから算出。3/3日時点の値。(出所)Bloomberg』

ってなっているのですが、そもそもこのOIS市場自体の参加者層って多様性ありましたっけという世界でして、本来なら国債市場のイールドカーブから計算する方が筋じゃろと思うのですが、ゆうて国債市場は短国のレートがご案内のレートになっていますがな、という感じでして、需給とか参加者の分断とかいろいろな要素があって今ってこの「市場の政策金利パス予測」自体がカオスというかバラバラになっている、というのがワタクシの感触でして、いやまあワタクシの感触がただの間違いであったらこの悪態は杞憂民にも程があるんですけれども、現在の円金利市場ではこのような感じでの綺麗な政策金利パス予測が無い、っていう方が正しいんじゃないかと思うのですよ。

ということでありまして、そんな中でこのように思いっきりピンポイントのフォワードフォーキャストみたいなものが示されることに対して違和感があります。まあ話を進める都合上一番出しやすいOIS使っているだけでこれは方便です、っていう事ならば良いのですが、今次利上げ局面においてその途中の局面変化の際に一々債券市場が面白反応をするのって、市場の見方が全然固まっていないことにあるとアタクシは思う(違ってたらゴメンやでですけど)のですが、なんかちょっとそこら辺の感覚が日銀大本営とワシの感覚にズレがありそうな気がして気になるところです。

でもって、

『繰り返しになりますが、この利上げのプロセスには「展望レポートの経済・物価の見通しが実現していくとすれば」という条件が付いています。』

は良いとしまして、

『市場参加者が、この前提条件と異なる経済・物価の見通しを持つことは自由ですし、自然利子率についても様々な見方があるでしょうから、それらをもとに、金利のパスや到達点を予想しているということになります。』

別にいいんですけどお前ら実際の物価を外し続けているのに偉そうじゃなオイ。


・政策反応関数云々の説明が酷すぎワロリンチョ

『市場が、日本銀行の政策運営の考え方(「政策反応関数」と言います)を正確に理解したうえで、これに、独自の経済・物価予測を代入して、金利等を形成することは、健全な市場の機能です。』

全くその通りです。

『日本銀行が、代入した「答え」だけを伝えることは、市場の貴重な情報創造機能を消してしまう恐れがあります。』

・・・・・(゚д゚)

毎度毎度事前予告しまくっているの誰でしたっけ????と思うのですがさらになんちゃらモーモーしいというお言葉が続きます。

『日本銀行は、昨年4月の展望レポート以降、一貫して同じ「政策反応関数」を示してきました。』

・・・・・( ゚д゚)
・・・・・(つд⊂)ゴシゴシ
・・・・・(;゚д゚)

お前は何を言ってるんだと思う訳ですが、これを堂々と言い切るのが内田副総裁の真骨頂(褒めていない)でございまして、今回の金懇挨拶の中でこの手の真骨頂がバンバン出てきてどこから突っ込んでいいのやらという感じでして、久々にねじり鉢巻きで夜なべ仕事したくなる物件に出会ったという感じではありますが、こちとら生業というものがありますしジジイなので体力がそこまで回らず本日はこのコーナーのツッコミだけで終ってしまうので今後をお楽しみにということで勘弁いただきたい。

いやもう何ですかこれはという話で、何とかガーって一々言い訳してたのは何なんですかねえというお話なのですけれども、それに関連して8月の土下座金懇の言い訳とかも今回の本編にございます(本当は今日ツッコミを入れようかと思ってたんですが一々上記のように引っかかるのでそこまでたどり着けない模様、と時計を見ながら書いておきますwww)ですわ。

『そのもとで、市場の経済・物価に関する見方が変化すれば(代入する数値が変化すれば)、金利は変動することになります。』

代入する数値の参照元コロコロ変えてませんでしたっけ、と聞いても堂々と「変化してません( ー`дー´)キリッ」と回答するのが内田クオリティなのは申すまでもございません。

『ただ、通常、経済・物価観といったものは連続的に変化するものですから、金利はそれを反映して安定的に推移することが期待されます。』

って話をしているのも変な話でして、お前らQQE導入するときに「インフレ期待を引き上げる」って言ってた訳で、ぜろあんかーされているインフレ期待を引き上げるためにQQEというショックを与えて期待に直接働きかける政策をしていたんだから、どこかで非連続的なものが起きないとアカンじゃろという話だし、だいたいからして物価に関してだってコロナショックとかウクライナショックとかで一気に動いているわけで、しかもそのショックこそが構造変化を起こすような動きになっていた訳で、非連続な変化というのは経済のどこかで発生しうるものなので、この説明も相当強引なんですよね。


・長期国債買入のストックが大きな緩和効果あるんだったら政策金利の調整はそれを加味しないのかと

でもってこのコーナーの最終部分が長期国債買入なんですが、

『また、長期金利は、このような政策金利のパスの予測に、満期に応じたタームプレミアムを加えて形成されます。日本銀行の国債買入れは、主として保有する残高に基づく効果(ストック効果)を通じて、このタームプレミアムを抑制しています。』

どさくさに紛れて長期国債買入で長期金利押し下げという話を「タームプレミアムの抑制」と話をすり替えているのも中々ポイント高い(褒めてない)んですけれども時間の都合上先に参りますと、

『国債買入れについては、昨年7月に公表した減額計画に沿って段階的に減額していますが、残高ベースの減少はわずかですので、引き続き大きな緩和効果を有していると考えられます。』

じゃあ政策金利の引き上げペース遅いじゃろという話なのですが、そこは完全スルーなのが今の日銀大本営。

『この減額計画では、@長期金利は金融市場において自由に形成されることが基本であり、経済・物価情勢に対する市場の見方や海外金利の動向などを反映して、ある程度変動することを想定している、Aただし、通常の市場の動きと異なるような形で、長期金利が急激に上昇するといった例外的な状況においては、安定的な金利形成を促す観点から、機動的に、国債買入れの増額、指値オペ、共通担保資金供給オペなどを実施する、という考え方を示しました。こうした考え方は、当然のことながら、現在でも有効です。』

ここは棒読み説明で済ませていますな。

『このように、日本銀行の短期政策金利の運営および国債買入れについての考え方に変化はありません。』

12月から1月にかけての大変化とかは変化じゃないと言っている訳です、いややはもう何ですかという感じですが、大変化したとは認めない、という内田副総裁の強い意図が伝わる良い(褒めてない)言葉ではありますねwwwwwwwww

『引き続き、大規模緩和からの移行において、金利が安定的に形成されるよう、適切なコミュニケーションとオペレーションを行ってまいります。』

そもそも「市場が決める」っていってるのに「金利が安定的に形成されるよう」って言ってる時点で語義矛盾にも程があるのですが、まあ内田さん的には矛盾していないという事でしょうな、ということで今朝はこの辺で簡単ですが勘弁して頂いてその他ツッコミどころを明日以降ボチボチと参りますね。






2025/03/05

お題「内田副総裁講演のプットは期待薄かと/短国レート3M以内が地味に水準調整中/債券市場サーベイはさすがに改善」

うーん積雪、ということで本日は雪予報もありますので短縮雑談バージョンでご勘弁願いたいです

〇トラ公の発言は昨日の市場には効きやがりましたけど今日の内田さんはこれ如何に(雑談メモ)

・トランプの例の発言やっぱり昨日は効きましたけど・・・・・・

最初マクラの雑談の予定でしたが微妙に長くなったので雑談ネタで一席。

電話無かったはクソワロタ
https://jp.reuters.com/opinion/forex-forum/BHDGGFMNINIC3MSXA52XOBOYIM-2025-03-04/
トランプ米大統領から電話受けてない=通貨政策巡り石破首相
竹本能文
2025年3月4日午後 1:21 GMT+9

『石破首相は「日本として、いわゆる通貨安政策は取っていない」とした上で、為替については第1次トランプ政権時と同様に専門家である日米の財務大臣の間で緊密な議論を継続すると説明していると言及。トランプ大統領と電話で話をしたかについては「そのような事実はない」と否定した。』(上記URL先より、以下同様)

とは言っても物価が上がっているのに日銀も認めている「きわめて緩和的」な金融政策をとっている、という時点で通貨安誘導してるだろと言われると抗弁しにくいし、QQE実施という大規模緩和政策をぶっこんだ時にトランスミッションメカニズムの図(別名は風が吹けば桶屋が儲かる置物フローチャート)を作った中でかなり上流の部分に

https://www.boj.or.jp/en/about/press/koen_2013/data/ko130828a2.pdf
Quantitative and Qualitative Monetary Easing and its Transmission Mechanism: Logic behind the First Arrow

6枚目の置物フローチャートの上流部分に『Correction in the Yen's Appreciation』からの『Exports(上斜め向き矢印)』とかいうトランプ先生大憤怒な説明があるわけでして、しかも実質金利で言えば今は寧ろこの当時よりも緩和的な政策金利水準にあるとみられるのですから、そらゴリゴリ突っ込まれたら申し開きできんじゃろというお話ではありますがな。

しかしまあ何ですな、この記事なんですけどこの直後の、

『桜井委員は、米国がドル高/円安是正を望むならば日本政府は外為特会を活用すべきでないかと質問した。』

はさすがにアホなのかと思いました。


・内田副総裁の金懇講演で昨年8月みたいな金融市場大サービスを期待するのはさすがに無理じゃろ

別にアメリカ様に言われたから利上げすることは無いのは事実なんですけど・・・・・・

とは言いましても昔みたいに「日本は物価水準が皆様と違ってゼロインフレなので」という申し開きができないし、まあ現実問題として物価高なのに大幅な金融緩和を継続しているから隙あらば円安にぶっ飛ぶわけですから、じゃあ今後の政策どうするのという話で今日の内田副総裁の金懇注目という事になるわけですが。

まあアレです。昨年8月の内田さんの金懇講演は物凄い勢いの土下座講演になっていて、いやー日銀ちゃんって何てビビりなのと思いましたけれども、よくよく考えてみたら時々変なものを食ったかのように、なのか植田さんが被っているハトハトチキンの被り物が外れて中の人が「どうじゃ見たかお前ら、これが真の植田和男じゃあ」みたいにエライ強気になるタイミングがあったりする訳でして、日銀ちゃんがビビりというよりは、官邸方面とかそっちの絡みのムーブが日銀の行動に影響を与えますがな、という話は当然ながらありそうなところでして(本来のべき論からいったら短期的な政治の志向に一々振り回されるとか前川春雄大先達が草葉の陰で泣いておられるゾと思いますけどそれはさておきまして)、つまりは足元の状況は昨年8月頭とは全然違う訳でして、そうなりますともしかしたら前任の雨宮副総裁よりも変幻自在な内田副総裁の事ですから、8月に言ったことはあれはあれ、今は局面が変わっているのでいう事も変わります、と華麗な手のひら返しをしてくる、と考える方が寧ろ妥当かと。

まああとは長期金利上昇をどのくらい怖がるかという話ではあるのですが、これは日銀単体でみたら長期金利上がった方が寧ろ日銀財務助かるまである(保有国債の再投資利回りがガンガン向上するので)ので、あとはこの金利上昇して利払い費ガーみたいな話だとは思うのですけれども、破壊的な金利上昇にでもなりゃ別ですけど、この程度の動きで一々強い牽制してたら身体がいくらあっても足りないんじゃないかねとは思います、知らんけど。


〇短国の利回りが地味に修正されてきている件について&GCレートは週前半だけに足元高め

毎度の売参
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html

だいたい適当に拾ってみますけど、2/28の売参値ってこうなっていたんですな。

(2/28)
4月償還
国庫短期証券1261 2025/04/10 平均値単利 0.314
国庫短期証券1280 2025/04/14 平均値単利 0.314
国庫短期証券1226 2025/04/21 平均値単利 0.310

5月償還
国庫短期証券1284 2025/05/07 平均値単利 0.310
国庫短期証券1267 2025/05/12 平均値単利 0.310

3Mカレント回り
国庫短期証券1289 2025/05/26 平均値単利 0.330
国庫短期証券1290 2025/06/02 平均値単利 0.330

月曜の引けが(3/3)
(4月償還)
国庫短期証券1261 2025/04/10 平均値単利 0.325
国庫短期証券1280 2025/04/14 平均値単利 0.325
国庫短期証券1226 2025/04/21 平均値単利 0.320
(5月償還)
国庫短期証券1284 2025/05/07 平均値単利 0.320
国庫短期証券1267 2025/05/12 平均値単利 0.320
(3Mカレント回り)
国庫短期証券1289 2025/05/26 平均値単利 0.335
国庫短期証券1290 2025/06/02 平均値単利 0.335

昨日の引けが(3/4)
(4月償還)
国庫短期証券1261 2025/04/10 平均値単利 0.345
国庫短期証券1280 2025/04/14 平均値単利 0.345
国庫短期証券1226 2025/04/21 平均値単利 0.340
(5月償還)
国庫短期証券1284 2025/05/07 平均値単利 0.340
国庫短期証券1267 2025/05/12 平均値単利 0.340
(3Mカレント回り)
国庫短期証券1289 2025/05/26 平均値単利 0.340
国庫短期証券1290 2025/06/02 平均値単利 0.340

ってな訳でここもとしれっと連日徐々にですけど水準訂正ムーブが起きておられまして、元々GC対比10bp逆鞘な上に利上げリスクをビタイチ織り込んでいない3Mまでの価格形成(まあ4月末利上げの可能性はと言われるとぐぬぬとはなりますけど笑)ってものを見ますと修正したといってもまだこれかよ、というのはあるのですが、やたら良好な需給を背景に何ぼ国債といっても「国債であることのプレミアム」が付きまくった状態から徐々に訂正の動きが入るのは市場の正常化という意味では良い傾向。

ていうかですね、今次利上げ局面においては短国って一定の逃避資金が「期間が短いから価格変動幅が小さいので」といってやってきて、中長期の金利が上がっているのに短国の需給がクソタイトになる、というような面白現象を見せられていましたので、今回利上げ後にさらにおかわりがどうのこうのの話の中で短国に避難資金殺到という感じになっていないのはほえーという感じではあります、まあゆうてそこまで利上げが切迫している訳ではない、という認識が広く持たれているだけなのかもしれませんが、期末帳尻買いが見られるような感じも今のところはしませんし、ちょっと拍子抜けしている今日この頃であります。とだけ申し上げて置こうかと思ってメモって見ました。


一方でGCレートちゃんですがいつものを見ますと
https://www.jsda.or.jp/shiryoshitsu/toukei/trr/index.html

        O/N  T/N  1w  2w  3w  1m  3m  6m  1y
2025/2/28 0.401 0.465 0.441 0.439 0.435 0.432 0.458 0.494 0.588
2025/3/3 0.482 0.477 0.443 0.439 0.436 0.433 0.456 0.494 0.593
2025/3/4 0.494 0.486 0.444 0.439 0.436 0.434 0.457 0.495 0.594

ということで週前半だからという毎度の現象っぽいですけれども足許GCは高めに推移しておりまして、一方でタームのレートは綺麗に安定している、という図になっております。特に期末ムーブもなく推移していてホンマカイナとは思うのですが、まあ足元のGCがこの水準ですとそりゃ0.3%台前半の短国在庫で持ったら逆ザヤがアレじゃろという風情ではありますな。



〇利上げが輪番の減額の効果を引き出した感じですかねえ

https://www.boj.or.jp/paym/bond/bond_list/bond2502.pdf
債券市場サーベイ
<2025年2月調査>
回答期間:2025年2月3日〜2月7日
調査対象先数:75先

『1.債券市場の機能度の状況(長期国債の流通市場を念頭において、ご回答下さい)』

『(1)貴行(庫・社)からみた債券市場の機能度』

機能度判断DI(現状)の全体が

(前回)-20 ⇒(今回) -13

ということで改善していますし、

機能度判断DI(3か月前と比べた変化)の全体も

(前回)+9 ⇒(今回)+15

ということで改善と。期間が2/3〜2/7で抜刀斎が抜刀(ただし抜刀斎にしては割と穏やか)してたのが2/6ですからまだその時間帯ではありまして、特に先月後半からのアイヤー相場だとどうなるんでしょというのはあるのですが、ただまあ絶対水準の金利があるのってのはやっぱり影響しているだろうなあというのは(世の中が全然違うから過去の政策金利アリ局面との単純比較は禁物だけど)ベースの金利がある方が債券市場への参加もしやすくなるでしょうし、それこそ今までアロケーションされていなかった円債にも注目がとかいうのは出て市場のパイが拡大するかも知れませんし、輪番を減額したり(地味に減額措置でチーペスト周りの流動性が改善したり)しているのも利上げと相まっての効果が出てきてはおるんじゃなかろうかと勝手に喜んでおります。

しかしまあ何ですな、この前の植田さんの国会答弁前後って(高田さんの金懇の時もそうですけど)早速けん制発言来たいみたいなクレクレコジキなコメントが市場のお声としてベンダーに採り上げられていたりしているのを見ますと、QQEというかLSAPのせいで日銀の市場介入があるのが当たり前で何かあったらお助けが来る、という飼いならされ系の情けない輩がこんなにもいるのかと思ってしまうと昭和生まれのジジイは悲しいよと思ってしまう訳ですが、世の中を見れば財政に関しても同じ現象が起きている訳で、人々の精神をクレクレ悪魔の悪魔漬けにするサタンの政策がこの10数年行われていた(財政はもっと長いかもしれんけど)ということでもありますので正常化にはお時間かかるのそういう面からもそうなんじゃろうなあとおじいちゃんは思うのでありました、というのはただの個人の感想ですが。

てなゴミのような与太話はさておきまして、

『(2)債券市場の機能度・流動性に関する各論』に参りますと、

『@貴行(庫・社)からみたビッド・アスク・スプレッドについてご回答下さい。』

ビッド・アスク・スプレッド判断DI(現状)の全体が

(前回)-30 ⇒(今回)-24

でして、もともとの絶対水準からみた回答者の分布という意味では同じような傾向ではありますが、機能度の評価のプラマイが近くなってきたんだったらスプレッドももうちょい改善しろやとは思うところでして、うーんまだまだなのねという感じですな。まあ、

ビッド・アスク・スプレッド判断DI(3か月前と比べた変化)

(前回)+3 ⇒(今回)+8

って改善傾向がより見られている辺りは結構な話なのですが、最近はイールドカーブも相場水準もトランポリンかよという感じで動きやがりますので、この辺って実際のところどうなんというのは気にはなりますけれども、マイナス金利とかいうサタン政策時代からみたら結構なお話ととりあえずは言っておけばよろしゅございますでしょうか、という所ではあります。

『A貴行(庫・社)からみた市場参加者の注文量について、板の厚み(注)等を念頭においてご回答下さい。』

こちらもスプレッドと同様に改善傾向はみられるのですが絶対水準がまだまだ全然ダメじゃん状態なので、今後の改善に期待したい訳ですが、輪番の減額もっとちゃっちゃと進めればもっとさっさと機能改善するじゃろというお話だとは思うのですが、なにせクレクレ悪魔漬けになっている方が相応に散見されるとみられる円債市場ちゃんに置きまして、6月の見直しで輪番減額ペース加速(ワシは加速しろ来年で一旦何ならゼロ、シャーナイなら月間8000億円まで減らせやという過激派おじさんですが)ってのが出るとまたギャースカとクレクレ悪魔が言い出しそうではあるなあというのは気がかりな点ではあります。

とは言え日銀のバランスシートも早急に縮小していかないと、今はETFの配当金という謎のドル箱がありますけれど、なんかの拍子で召し上げの刑を食らったら期間損益の赤が大変に華麗なことになってしまいますので、バランスシート縮小ってのも結構な急務なんですよね。利上げの陰に隠れてはいますけど・・・・・・


ということで本日は雪とか何とかなので短縮バージョンの雑談大会になりまして甚だ恐縮でございます。







2025/03/04

お題「またも金利上がっているのでポエム雑談メモ/理事人事メモ/植田総裁G20会見を改めて/トランプ円安誘導批判キタコレ!!」

これは悪意の発言切り取り
https://www.jiji.com/jc/article?k=2025030300231&g=pol
石破首相「どちら側にも立たず」 G7結束維持に全力―米ウクライナ決裂
時事通信 編集局2025年03月03日12時05分配信

これだけみたら単なる「蝙蝠の寓話」になってしまうのだが記事を見たらこの発言は、

『「どちらかの側に立つつもりは全くない。いかに米国の関与をつなぎ留め、G7(先進7カ国)全体の結束を図るかに尽力していきたい」』(上記URL先より)

って言ってるんだから、後半の方を取り上げて差し上げろと思うのだが、最初の一言は言わなくても良かったんじゃないのかね(質問の流れが分からんけど)とは思いますな。この記事全体を見れば色々良い事言ってるのにタイトル詐欺で損してるわゲル。


〇いやー何か知らんけど金利上がりますのうという備忘メモ(フラグではありませんw)

https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/HUWVTHKX2BJPDMDALSIG32SBFY-2025-03-03/
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は反落、長期金利1.405% 前週末の反動で売り優勢
ロイター編集
2025年3月3日午後 3:29 GMT+9

『[東京 3日 ロイター] - <15:15> 国債先物は反落、長期金利1.405% 前週末の反動で売り優勢

国債先物中心限月3月限は、前営業日比33銭安の139円44銭と反落して取引を終えた。新発10年国債利回り(長期金利)は同3.5ベーシスポイント(bp)上昇の1.405%。前週末に買われた反動や時間外取引の米長期金利の上昇などを背景に国債先物は軟調に推移した。』(上記URL先より、以下同様)

金曜日にリスクオフムードの中で買われた分をお返しするの巻になっていて、なんか知らんけど相当のリスクオフになった時にはさすがに買われるのですがそうじゃないと売られチックな相場になりますなあと。

『国債先物は朝方から売りが先行。前週末にリスク回避の流れから大きく買われた反動に加えて、時間外取引の米長期金利が上昇に転じたことから、債券の売り圧力が強まった。あすの10年債入札に向けた調整圧力もかかり、「朝からポジション調整の動きが出ている」(国内証券債券セールス担当)という。  』

ということなのですが、そもそも論として日銀が今次局面でどのような感じでどの水準まで政策金利を調整するのか、というのに対する見方が多分バッラバラで、しかも日銀の説明っていうのが、「2%物価目標達成すれば金融緩和じゃない状態にする、引き締めするわけではない」というシンプルなものにしておけば良いものを、ああだこうだとゴテゴテと変なデコレーションするし、しかもそのデコレーションがその場その場の脊髄反射でその時の説明に調子の良いことを言うもんだから、米国不確実ガーとか金融市場が不安定ガーとか賃金との好循環ガーとか実質所得ガーとか基調的物価ガーとか軸が分からんことによって市場の見方がバラバラになってしまう、すなわち人によって見ている政策反応関数が違うもんだからそりゃ混乱するじゃろ(念のため申し上げますと市場の見方が一致する必要はないのですが、あくまでも同じ政策反応関数を見ながら、先行きの見通しについての意見の相違によって発生する差で有ればそこまで混乱せんじゃろという話です)というお話。

でまあ5月(4月みたいなもんだが)だの6月だの7月だのというトークはありますけれども、昨今の人心の荒廃(どう見たって無責任極まりないあの政党とかあの政党が支持伸ばしてるとか人心の荒廃以外の何物でもないじゃろ)を見ますに、物価高放置がマジのマジで非常によろしくないという状態にまで来ているとアタクシは思う(第二種兼業主夫なので買い物の値段が昨今一段と馬鹿上がりしているのは実感できる)次第で、「7月に利上げして半年に1回のペースでゆっくりと対応」とかそういう呑気な事言ってる場合じゃないんでネーノという方が気になるんですけれども、いまいちそういう話にならんような気がしましてその辺は不思議ではありまする。

などというポエムはさておきまして、

『  OFFER  BID  前日比 時間
2年  0.824 0.83   0.021  15:07
5年  1.033 1.041  0.036  15:04
10年 1.399 1.405  0.031  15:03
20年 2.044 2.05   0.023  15:00
30年 2.355 2.363  0.005  15:11
40年 2.695 2.7   -0.006  15:08』

手前から10年とかの方が弱いのですが、まあ冷静に考えてみたらこのクッソ高い物価上昇が継続しようという中でチンタラと利上げしていたら欧州のように(米国とは言わないw)政策がビハインドするんじゃネーノって考えたら何ですかこの中長期の絶対水準はという話だし、そもそも期間プレミアムだけじゃなくて財政リスクプレミアム(ドイツ様みたいに)だって考えた方がエエンチャウノとか思った時にこの絶対水準は、とはなりますわなとは思うのですが、まあアタクシが思っているだけなので知らんけど、後ろ対比で中長期の金利上昇が出遅れていますな感があるのでそりゃそうじゃろというお話なんでしょうかね、よく分かりませんが。


〇日銀理事人事(メモ)

https://www.boj.or.jp/about/release_2025/rel250303a.htm
理事の発令について
2025年3月3日
日本銀行政策委員会室

『次のとおり発令がありました。

正木 一博
日本銀行理事に任命する

令和7年3月3日
財務大臣 加藤 勝信

なお、高口 博英 理事は、3月2日任期満了により退任しました。』

ということで正木企画局長が理事に昇任して大阪支店長、理事大阪支店長の神山さんが高口理事の後任という形になられましたようですが、正木さんなんせ政策企画課長としてはマイナス金利とかいう飛んでもないものをぶち込んでいただきましたのでとりあえず企画局長として政策金利0.5%まで戻したのはよろしゅうございましたが、QQE+YCCやってるあいだにアホみたいなバランスシートの拡大が行われていまして(特に最後の方のYCC維持のために行った拡大が酷すぎた)、そっちの方はまだまだ全然というのが甚だ遺憾の極みですし、短国の金利が変だったり、それこそ中短期の金利が中々上がらなかったりとかホイホイ弊害出ていますし、貸増止めたのは大変に結構でしたが残高がアホみたいに出ているのでこれが戻る時に市場は正常化しますが、ゆうて金融機関の調達という意味ではそれなりにインパクトが出ますよねというのは貸増停止のせいじゃなくてその前に貸増を馬鹿みたいに出る仕組みを物価が上がりだしても温存していたせいなのですが、まあとにかくバランスシートの規模縮小は後任に委ねられたという感じですな、ナムナム。

企画局長の後任は奥野総務人事局長ですが、奥野さんも黒田時代の政策企画課長経験者ということで(別に当時の奥野さん時代は変な追加策ぶっこんだわけではないけど)せっせと黒田時代に盛大に積み上げられてしまった聳え立つバランスシートとかいう汚物を消毒していただきつつ金利の方は上げてもろていただいて、という所ではございますな。


〇不確実性ってのを昨年後半に多用したのは良くなかったなと改めて思う総裁G20会見

https://www.boj.or.jp/about/press/kaiken_2025/kk250303a.pdf
植田総裁記者会見(2月27日)
――G20終了後の斎藤財務副大臣、植田総裁 共同記者会見における総裁発言
2025年3月3日
日本銀行

―― 於・ケープタウン(南アフリカ)
2025年2月27日(木)
午後5時39分から約12分間(現地時間)

こいつが出ておりましたが、

『【冒頭発言】
私からは一部重複しますけれども、昨日から今日の会合において、世界経済の成長が総じてみれば勢いに欠けるものの、多くの地域は頑健性を維持しているというふうに総括されたということをまず申し上げたいと思います。ただし、地域間のばらつきは大きいという認識があったかと思います。』

ということでレジリアントと行った傍から、

『先行きについて、これもちょっとダブりますが、不確実性の高さを強調する参加者が多かったという点が印象的です。』

まあ事実そうなんでしょうからこういうしかないんですけれども、ここで祟るのが昨年後半から年末にかけて「米国新政権の政策の不確実性ガー」を利上げ躊躇する理由にしていたことでして、この「不確実性の高さ」というのが植田さんの言葉じゃなくて他の参加者の言葉として紹介されていたにしても、情報ベンダーのヘッドラインはこの「不確実性の高さ」に飛びついてしまってそういうニュアンスの記事になってしまいがちなので、今後の説明を難しくしている感が否めません。

しかもですね、

『一部、上振れリスクの指摘もありましたけれども、地政学的緊張やサプライチェーンの分断など、下振れリスクが顕在化した場合には、強固で、持続可能性があり、バランスの取れた包括的な成長というG20共通の目標達成が阻害され得るとの見方が示されました。』

って話をしているんですが、これって成長にはマイナス要因の不確実性なのですが、物価に関して言えば上振れに作用する話ばっかりでして、ただで無くさえ実際の上がっている物価の方が見通しに反してさがってこない状況で問題が起きているのに、グローバルでスタグフになったら日本はどうするんだ問題っていうのはさらに深刻になると思うのよね。

『そのうえで、こうしたリスクに対処するためには、多国間協調の維持、あるいはそれを強化するということが重要であるとの議長総括に支持が集まったところです。』

とまあそういう話になっているのですが、日本の中銀総裁という立場ではこの話が金融政策運営に対してどういうインプリケーションが起き得るのかというニュアンスでも示してほしいわけですけどここから質疑になりまして、

『【問】
世界経済についてのG20の総括を先ほどご紹介頂いたのですが、トランプ政権の関税政策の不確実性と下振れリスクが高い中、世界経済の今回の議論を経て、植田総裁としては世界経済についての見方、どういうふうにみていらっしゃって、そうしたリスク、世界経済の先行きが、日本経済および日銀の金融政策にどういうふうに影響を及ぼすのかについてのご見解をお願いします。』

物価についてからめて頂きたかった感はあるけどそもそもG20後の会見は時間も無いのでそんな細かい話はできないのが惜しまれますが政策インプリケーションを聞くのは当然だが重要。

『【答】
これは先ほど申し上げたこととかなり重なりますけれども、関税政策を含めまして米国がどういう政策を全体として打ち出してくるか、それに対して他の国がどういう対応を取るかを含めまして、まだ不確実なところが非常に多いという認識を持っております。』

そらまあ事実そうなんですが、これ言い出すと12月の利上げ見送りの言い訳文言からのジャガーチェンジで1月利上げした理由が1ミリも理解できなくなるので、結局12月の説明が後になって祟っているの図になっていまして、もうちょっと後先の事を考えた想定問答を作っていただきますように切にお願いしたいところであります。

『従いまして、それを少しずつ見極めつつ、また、トランプ政権であれば、他の重要な政策もありますので、これについても少しずつ新しい展開があるという中ですので、これらを総合的に考えて、まず世界経済にどういう影響があるか、マーケットにどういう影響があるか、それを通じて日本経済、日本の物価あるいはリスクの見通しにどういう影響があるかということを考えて、最終的に日本の金融政策の判断につなげる、そこはこれまでと同じ姿勢でございます。』

まあこんなところでそんなにピンポイントの回答はできないですけれども、今回のこの回答では「少しづつ見極めつつ」という辺りが相変わらずの地蔵音頭っぽい部分はありますが、従来みたいに「余裕を持って対応」とか「対応する時間的余裕がある」というようなニュアンスがかなり削除されているのは、12月までとの違いではなかろうかと思うのですよ。まあそんなわけですのでどうせ今月の決定会合(再来週ですねもう)はなんも無いと思いますけれども(さすがにあったらビビるわ)、「政策対応の時間的余裕」について物価上振れを軸に(経済を軸に質問したら絶対に地蔵回答になるので無意味)質問をして頂けたりするとアリガタヤと思うのですが一つお願いしたいものですな。

でもって次の質疑ですが、

『【問】
植田総裁にもお伺いしたいんですけれども、今後もみていかれるということなのですけれども、これまでも世界経済の不確実性というのを注視されていくということをおっしゃってきたわけですが、この会合を踏まえて、その見方については引き続き不確実性が高いとみていらっしゃるのか、思ったよりも高いとみていらっしゃるのか。』

さすがにG20後の会見ともなると良く練られていまして(決定会合は出てから会見までの時間が少ないですからね)綺麗に構成された質問ですよね。

『あと、その不確実性の高い中で、今後市場の動向というのは一つ鍵になってくると思うのですけれども、先週、長期金利について国会でご発言されていますけれども、あのときは経済・物価の見方を反映しているという見方で、例外的に、長期金利が急上昇するようであれば、国債買い増しということだったと思うのですけれども、少なくとも足元については特に長期金利の動向について問題視されていないという理解でいいのかどうか、お願い致します。』

これも良い聞き方ですよね。では植田総裁の回答ですが、

『【答】
私からは、地政学的リスクと申しましょうか、関税政策等を含めまして、それに関する不確実性とか、もしもそれが実行された場合に経済にどういう影響を与えるかという点に関する不透明性・不確実性、これをいろいろな国の参加者が共有していたなということを感じました。』

と思ったら前半の問いは無回答ですね、せめて「今回の議論で得られた各国の認識を踏まえて今後の検討に生かします」くらい言えばいいのにとは思ったのと、物価の話は無かったのかなというのはちょっと不思議ちゃんではありました。そっちの方が正直気になる(今直面している話は経済下振れかも知れないけど物価には確実に上振れ要因になるでしょ)。

『それから、日本の長期金利でございますが、これは先週国会で申し上げたところから変化はございませんで、まず、もちろん短期的に、あるいは今の状況はどうかということについて、具体的にコメントすることは差し控えたいと思います。』

直近で特段の措置を取っていないのだから、その通りに「直近で特段の措置を取っておりませんので、少なくとも前日までの時点で「例外的な状況」に陥っているとは考えていません」くらい言っても罰は当たらんと思う訳ですよ。

なぜならその前にてめえが「例外的に、長期金利が急上昇するようであれば」って発動条件の話をしているのですから、発動条件は何ですかって聞かれるの当たり前だし、発動していないんだったらじゃあ今はその発動条件に達していないってことですよね、って言われたときに、「もちろん短期的に、あるいは今の状況はどうかということについて、具体的にコメントすることは差し控えたいと思います」っていうのおかしくねえかというお話な訳でございます。

ってまあこれは結局のところその前の国会での「例外的に、長期金利が急上昇するようであれば」という言い方が悪いわけであって、もっとざっくりと「金融市場で市場メカニズムによって決まるのが筋であり、金利が変動した際にその背景を的確に読み取っていき、必要があれば適切な対応をすることが大事です」みたいな回答をすればこういう感じで後から問答が複雑にならなくて済んだ(どうせこの例外的な急上昇に関しては今後も聞かれ続けるでしょうからこれまたコミュニケーション上の禍根を残している)と思う訳ですし、日銀大本営だってその程度のことは先刻ご承知だと思うんですけど、どうしてああいう回答になってしまったんでしょうかね。

でまあ大本営宣伝部想定問答班(そんなものは無い(あるかもしれないがw))は「国債買入を増やす」と思いっきりピンポイントで回答してしまったのがマズイと判断して答弁の微修正を実施していた、というのは既に記事になっていたので先週ロイターさんの記事かなんかからネタにしたと思いますがここで改めて確認しておきましょう。

『そのうえで、先週も申し上げました通り、長期金利は経済・物価情勢に対する市場の見方、あるいは海外金利の動向等を反映して変動するということは当然想定されるところでございます。更に、先週も申し上げました通り、昨年 7 月ですか、決めたことの確認でございますが、こうした通常の市場の動きを超えて長期金利が急激に上昇するというような例外的な状況では、機動的なオペを打つ、あるいは工夫をするということも考え得るということでございます。』

ということで、「機動的なオペ」に「あるいは工夫をする」という文言を加えることによって、輪番増額(あるいは臨時輪番実施)の決め打ち回答だったように見える先般の国会答弁をソロリと修正しているのがチャーミングでございまして、まあこれ植田総裁の仕様なのかもしれませんが、丁寧な説明をするのが悪いとは思わないのですが、丁寧に説明しようとして言う事が一々決め打ち調になってしまうのがコミュニケーションにおいてジャガーチェンジの反復横跳びに見えてしまう要因の一つでもある(まあそもそも論として屁理屈の使い方にも問題があるし政策反応関数が訳わからんのが最大の問題だけど)訳でして、もうちょっと突き放して説明した方が良いんじゃないかとは思うのですが、まあこのお歳になってスタイル変えるのも難しいでしょうから、大本営宣伝部想定問答班の奮起を期待したいものでありますwww


〇おやトラ公が円安誘導批判をしているのが思いっきり出てしまいましたね

ホイホイと駄文を書きつつネットもちらちらと見ていていたら先ほどこんなのが
https://www.jiji.com/jc/article?k=2025030400181&g=int
トランプ氏、円安誘導と批判 関税引き上げも示唆
時事通信 外経部2025年03月04日05時37分配信

『 【ワシントン時事】トランプ米大統領は3日の記者会見で、日本の石破茂首相に「円安誘導を続けることはできない。米国にとって不公正だと伝えた」と述べた。その上で「関税を使えば、解決は簡単だ」と話し、日本からの輸入品に追加関税を課す可能性を示唆した。』(上記URL先より)

「関税を使えば、解決は簡単だ」って頭の悪さの極北みたいな発言にしか見えませんが、まあそれはさておき「円安誘導を続けることはできない。米国にとって不公正だと伝えた」はどう見てキタコレな訳でして、12月会合後の記者会見であれだけ威勢よく(あるいは悪く)利上げ見送りの理由を滔々と並べ立て、挙句に年末クリスマスの経団連での講演でもダメ押しをしまくっていた日銀が1月に入って突如ジャガーチェンジしたのはやっぱりこれだがね、というお話であれば話は分かりやすいわけでして、どう見ても全然円安是正が進んでおりませんのでこれは7月とかのんびりした事言ってられんじゃろと。

まあこれで日本の政策金利が1.5%とか2%とかあるか、あるいは日本の物価水準がゼロインフレ状態なのであればこの金融政策もシャーナシってはなしになりますけれども、計算の仕方によって差はあれ奴、実質金利で比較して主要国の中で日本だけ突出してとんでもない水準の緩和をしているのは、多少の計算の差を吹き飛ばすレベルじゃろ、とまあそのように考えますと、どこからどう見ても超緩和政策の継続には白羽の矢が立つ罠ということで、矢が立ったので慌ててジャガーチェンジ、と考えればリーズナブルはリーズナブルじゃなと思いますし、それならこの状況だったら利上げのおかわり急務じゃないのとは思いました、ゆうて再来週やったらそれはそれで大騒ぎなので4月末(5月頭)にやってもろて頂いてとは思いますけど、まあ円安誘導の是正を前面に出して金融政策するのは悪手だし無理筋なのでさあどうするって感じですわな、ナムナム。


すいませんローガンネタがまた後回しに(まあ急ぐネタでもないので勘弁)










2025/03/03

お題「3M短国の金利がちょっと上昇しましたかね/都区部CPIメモ/ローガン総裁のバランスシートのお話(その2)」

ほえーーーー
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250302/k10014737791000.html
きょうから再び冬の寒さに 東京23区などでも積雪のおそれ
2025年3月2日 21時03分

〇もしかして3MTDBやっとの水準訂正(まだ十分利回り低いけど)かしら

金曜の3M
https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20250228.htm
国庫短期証券(第1290回)の入札結果

『本日実施した国庫短期証券(第1290回)の価格競争入札及び国債市場特別参加者・第T非価格競争入札について、下記のように募入の決定を行いました。



1.名称及び記号    国庫短期証券(第1290回)
2.発行根拠法律及びその条項
財政法(昭和22年法律第34号)第7条第1項、財政融資資金法(昭和26年法律第100号)第9条第1項並びに特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)第83条第1項、第94条第2項、同条第4項、第95条第1項、第136条第1項及び第137条第1項

3.発行日      令和7年3月3日
4.償還期限     令和7年6月2日
5.価格競争入札について
(1)応募額        9兆4,194億1,000万円
(2)募入決定額     3兆4,558億8,000万円
(3)募入最低価格      99円91銭4厘5毛
(募入最高利回り)    (0.3432%)
(4)募入最低価格における案分比率    7.7154%
(5)募入平均価格      99円91銭8厘9毛
(募入平均利回り)    (0.3255%)』

今回は応札が9.4兆円で前回よりもすくなく、しかも平均0.3255%の足切り0.3432%ということで、延々と0.30%カツカツのところでやっていた新発3Mの水準訂正来たかどうか、って風情ではございましたがじゃあ売参ちゃんはと言いますと、

https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html

(2/28引値)
国庫短期証券1286 2025/05/12 平均値単利 0.310
国庫短期証券1287 2025/05/19 平均値単利 0.330
国庫短期証券1231 2025/05/20 平均値単利 0.330
国庫短期証券1289 2025/05/26 平均値単利 0.330
国庫短期証券1290 2025/06/02 平均値単利 0.330←新発

(2/27引値)
国庫短期証券1286 2025/05/12 平均値単利 0.305
国庫短期証券1287 2025/05/19 平均値単利 0.300
国庫短期証券1231 2025/05/20 平均値単利 0.300
国庫短期証券1289 2025/05/26 平均値単利 0.300
国庫短期証券1290 2025/06/02 平均値単利 0.320

1290は金曜日に申し上げましたように木曜の引値で急に0.300⇒0.320と値付けが修正されてきたのですが、それまでは短国って3Mカレントの辺りが0.300%で一番利回りが低くて、後ろの金利が高いのはまあ当然としても、手前から3Mカレントに掛けて緩やかながらも逆イールドという面白値付けになっておりましたが、今回3Mカレントの辺りの値付けが甘くなって、この5/12償還と5/19償還の間に2毛のスプレッドあるのは何の意味があるんじゃという話はさておきまして(というかそういう訳わからん値付けばかりなのが短国クオリティなのでもはやこれはしゃあない世界ではあります。これで日銀の短国買入があったりすると売参の値付けどうなのよ問題というのも大事な話になりますが、短国は当面日銀の買入がないから時価付けへの影響だけの世界なので大勢に大きな問題があるかというとまあそこは微妙だけど)、まあナンノコッチャではありますが、3Mカレントゾーン0.30-0.31%でやってたのがやっと水準訂正というのは結構なお話ではありますな。

とは言いましてもGCレートから見たら相変わらずクッソ低い利回りで推移していて、要するに物としての短国需要に対して供給がバランスしていないというのは変わってはいないのですけれども・・・・・・


東京レポ―レート
https://www.jsda.or.jp/shiryoshitsu/toukei/trr/index.html

        O/N  T/N  1w  2w  3w  1m  3m  6m  1y 
2025/2/25 0.492 0.491 0.445 0.441 0.439 0.435 0.457 0.489 0.577
2025/2/26 0.476 0.474 0.444 0.442 0.439 0.435 0.456 0.492 0.580
2025/2/27 0.478 0.439 0.441 0.439 0.437 0.434 0.458 0.493 0.586
2025/2/28 0.401 0.465 0.441 0.439 0.435 0.432 0.458 0.494 0.588

金曜は末初モードのオーバーナイトが案の定0.401%まで下がっていましたが、トモネは0.465%に戻しておりまして、トムスタート1mが期末越えになる1mのレートは特段変化なし、ということでGC特段の波乱は無かったようですな。まあ短国需給が影響する云々はあるのですが、そもそも論として3Mの金利水準(というか6Mくらいより短い期間の短国が全般的にそうですけれども)がクッソ低いので、短国の水準訂正があったとて別にタームGCに影響与えるわけで無し(金利がクソ低下したときは影響しそうですけど)というところでしょうか、知らんけど。


ということで、まあ3月なので期末期初がどうしたこうした、というのは注目されるべきところではあるのですが、特段なんも無く発進という感じですな。まあ今回の期末に関しては3/31が月曜ということもありまして、3/31発行の3Mがカジュアルに出てくるというオシャンティーな日程なので、最後の残高調整そこまで引っ張ろうと思えば引っ張れるので、いまのところ年末越えの時とは違って平穏ですわな。というかまあ期末に関しては年末と違って休み前に1週間以上発行償還がないというプレイは無いので、年末越えみたいに手当を前倒しでやっておかないと気が付けば大量購入ができなくなるというリスクは少ないので最近の短国は期末よりも年末年始要因の方がアレという感じですわな・・・・・



〇東京都区部CPIは毎度の補助金効果で伸び鈍化ですけど

https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/kubu.pdf
2020年基準 消 費 者 物 価 指 数
東京都区部 2025年(令和7年)2月分(中旬速報値)

『◎ 概 況

(1) 総合指数は2020年を100として109.7
前年同月比は2.9%の上昇 前月比(季節調整値)は0.3%の下落

(2) 生鮮食品を除く総合指数は108.5
前年同月比は2.2%の上昇 前月比(季節調整値)は0.1%の下落

(3) 生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数は108.0
前年同月比は1.9%の上昇 前月比(季節調整値)は0.2%の上昇』

総合とコアは前月比で下落ですね良かったですねと思うのですが、これがまたコアコアみると前月比でちゃっかり上昇しているというのが誠にアレでございますし、そもそも補助金効果で伸び鈍化だったらそれは財政なんだから結局のところ別のところで物価押上げ効果に後から効いてくるじゃろ、というお話ではありますが、金曜にネタにしました「物価が上がっている状態が続いているのでインフレ期待が適合的に動くかも問題」に関してはそれこそ日銀もそうだし、毎度クソ低い見通し出して外し続けるESPフォーキャストのフォーキャスターとかいう人々あたりのデフレ脳が今回の東京都区部見て何を言い出すのかなとかヲチしていきたいものでありまする。


〇FEDのバランスシートに関するダラス連銀ローガン総裁の講演より(続き)

https://www.dallasfed.org/news/speeches/logan/2025/lkl250225
Speech by President Lorie K. Logan
Efficient and effective central bank balance sheets
February 25, 2025
Dallas Fed President Lorie K. Logan delivered these remarks at the Bank of England Agenda for Research Conference in London.

ボチボチと成敗して参ります。

・現状のFEDのバランスシートと「望ましいバランスシート」の差分について

引き続きFEDバランスシート話の資産サイドの話で、本来この講演負債サイドのデザインの方がメインなのでこっちはおまけなのですが、まあ債券市場としては資産サイドの方が気になる罠(短期市場的には負債サイドの方が気になるけど)というお話なので木曜の続きから参りますと、

・今のFRBの保有国債の満期構成は長期に寄り過ぎているので買うなら短期債というお話だが結構その期間は長い模様

『At present, the Fed’s portfolio is significantly overweight longer-term securities and underweight Treasury bills.』

というのから始まる終盤の方のパラグラフから参ります。まあこの時点で出オチにもほどがありますが。

『Our reinvestments of maturing securities represent a small fraction of the portfolio. And when we eventually reach an efficient level of reserves and need to begin expanding the portfolio in line with growth in demand for our liabilities, those purchases will also be small relative to existing holdings.』

今は償還再投資って償還が多い時だけ平準化で買ってるだけですが、適正な規模の負債サイド(これをどうデザインするのかが今回のキモなのでその辺は明日以降にでも)になった際には、負債サイドの増加(基本的には成長通貨見合いですね)に見合うだけの買入を再開する必要があります。とは言いましても今のFEDのポートからみたら相対的に小さいです。

とまあそのように書いていることでお分かりになりますように、ローガン総裁的には超過準備が割とふんだんにある(その代わりに常設オペとか付利とかを使って超過準備を不胎化して短期金利を誘導する)状況が将来の姿、と考えております(だってベースの資産サイドが大きいことが前提の書き方だから)わな。

『In this context, it could take many years to reach a neutral mix of holdings by structuring our purchases to be proportional to issuance. So although I view a neutral mix of purchases relative to issuance as appropriate in the long run, it would make sense in the medium term to overweight purchases of shorter-dated securities so as to more promptly return the Fed’s holdings to a neutral allocation.』

でもって、ローガン総裁によりますと、資産買入が再開されたとて、もともとのポートがデカいので再投資で徐々にポートの構成を「現存する財務省証券の残存構成に対してプロラタにする」としましても、それには「it could take many years」とのことでして、その間どうなるかというと、「it would make sense in the medium term to overweight purchases of shorter-dated securities so as to more promptly return the Fed’s holdings to a neutral allocation.」ということで、本来あるべきポートフォリオに速やかに戻そうとすると短期証券の買いばかりでしばらくやっていくということになる、という説明になっております。

ということで、まあ結論としてはローガン総裁の方式を採用するとなった場合って、いわゆるQT(アタクシはそもそも論として超過準備がクソ余っている状態でタイトニングも糞もあるかと思うのであんまりこのQTって言葉は好まない、売りオペでもガンガンやっているならTと言っても良いけど)の終了自体は早めかも知れませんが、結局長期債の購入は碌すっぽ行われなくて短期債の購入ばっかり、となるので、QT終了で長期債の買いみたいな話とは若干異なる気がしますわな、と思いました。


・ディスカウントウィンドウを使ってデイリーの実質売手入札を実施しようというご提案

『Finally, while securities represent nearly all the Fed’s assets, we’ve always held small quantities of other assets, such as discount window loans and repos. Loans also feature prominently among the assets of other central banks.』

最後に「その他の資産の保有について」の話をしているのですが、

『In the long term, in my view, it could be interesting to consider whether allocating a modest share of the Fed’s long-run balance sheet to loans or repos could improve the efficiency and effectiveness of policy implementation.』

あくまでも一部ではありますが、FEDの長期資産の中の一部に、ローンとかレポとかを入れるのは政策遂行の有効性や効率性を高めるのではないか、という論点は興味深い、だそうですわよ。

『For example, auctioning a fixed quantity of discount window loans each day could encourage banks’ operational readiness and demonstrate that borrowing is a normal activity for healthy firms.[14]』

というのと上記のFor exampleの例がどうリンクしているのかが多少謎なのですが、ディスカウントウィンドウをリクエストベースだけではなくて、金額固定オークション形式で毎日翌日物で実施するのはどうでしょうか、という話をしておりまして、そういやFEDの場合は売出手形みたいな方式のオペレーションがないわなと今更ながらに思うのですが、まあこの話って事実上の翌日物の売出手形みたいなもんだとは思うのですが、売手を毎日オファーすることによって金融機関のオペレーショやりやすくなる(資金の運用場所が増える)上に、ディスカウントウィンドウを使うことによって通常からディスカウントウィンドウを使うのが普通になり、ひいては毎度危機時に問題になるスティグマ問題の解消に資する、って話をしたいみたいですね。文脈としてこれが出てくるのは謎ですが、単体の話としてはオモロイ。

『Such a facility might also smooth the redistribution of reserves around the banking system. The U.S. has about 9,000 banks and credit unions. Unexpected payment shocks can leave some of them short of reserves at the same time as others have a surplus. Frictions in interbank lending may slow the movement of reserves to whichever banks need them most.』

でまあ今アタクシが申し上げた能書きに関しましてローガン総裁が説明していますが、物凄いたくさんの金融機関が米国の金融決済システムにいますので、なんかの危機が起きた際、あるいは何らかの事故が起きた際に、銀行間市場での機能が上手く行ってないときはアカンタレになるけれども、

『But if the Fed held a daily lending auction, the depository institutions most in need of reserves on any given day would likely place the highest bids, automatically redistributing liquidity away from firms with less need.』

このようなレンディングオークション(要は毎日実施する売出手形)を設けることによって、金融機関の資金繰りの最終的なバッファとして機能して、ひいては銀行間市場の安定につながるでしょう、ということだそうです。まあちょっと微妙な気もせんでもない(危機時にオークションの金利がクソ上がりしたら却って不安に拍車をかけるとかそういう変化だってあり得るし、本来はそういうのはバジョット・ルールで対応する方が筋としては綺麗で、常設ファシリティ化するとその制度に寝転がり(一種のフリーライド)する向きも出てきかねないと思うので、まあこのローガン総裁の提案に関してはホンマカイナ感はあるけど。

『Let me just strongly emphasize that the FOMC is not considering any changes to its implementation framework, and even beginning to consider such a tool would require substantial conversation, analysis and learning from the experience of other central banks.』

まああくまでもローガン総裁個人アイデア段階だしそもそも検討している段階ですらないので悪しからず、ということでこのコーナーは終了の巻となっています。

今朝はこの辺で勘弁していただきとう存じます。