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2024/11/07
お題「トランプ2雑メモ/高圧経済の唯一最大の副作用はインフレですかそうですか/9月会合議事要旨より(その1)」
あらあらまあまあ
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241107/k10014631101000.html
維新 代表選へ 馬場代表は立候補しない考えを明らかに
2024年11月7日 4時17分
〇でまあトランプ先生な訳だが
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-11-06/SMJ6J3T0G1KX00
トランプ氏勝利、FRBの独立性に暗影投じる−経済の先行きにも影響
Amara Omeokwe
2024年11月7日 3:01 JST
→FOMCは利下げの時期と幅に慎重になる可能性も−タン氏
→トランプ氏は議論に参加しないが、口だけは挟みたい−ベッセント氏
『トランプ氏は選挙戦で、貿易相手国に対してより積極的に関税をかけ、数百万人の不法移民を強制送還し、2017年に導入した減税の延長を公約した。これらの政策が実施されれば、物価や賃金、連邦財政赤字に上昇圧力がかかるとの試算は多い。』
『労働市場を保護しながらインフレ率を目標の2%まで引き下げるというFRBの任務が複雑になりそうだ。トランプ氏がパウエルFRB議長を公然と攻撃するこれまでの姿勢を維持すれば、FRBは金融政策の微妙なかじ取りの中で、不快な政治的スポットライトを浴びる恐れがある。』(上記URL先より、以下同様)
とまあそういうことで、今回は
『調査会社LHマイヤー/マネタリー・ポリシー・アナリティクスのエコノミスト、デレク・タン氏はFOMCが今後、トランプ氏の経済公約が実際の政策にどのように反映されるかを見極めながら、利下げの時期と幅についてより慎重な姿勢で臨む可能性があるとの見方を示した。』
『さらに「関税引き上げや移民の減少によって、今後数年間はインフレリスクが高まると考えるかもしれない」とタン氏は指摘。「当局者の間で『もう少しゆっくり利下げを実施し、インフレ期待や労働市場で実際に何が起きているのかを見極める時間をもう少し増やそう』とする心理が働く可能性がある」と述べた。』
まあこの辺の見方が穏当なところになるかな、とは思いましたので今朝ちょろちょろ見た中でこれをクリップしておきましたが、なんかよーわからんけどインフレ的なことにはなりそうなので金融政策は締め気味にしておくしかなさそうですわな。
しかしまあ蓋開けてみるとメイクアメリカグレートアゲインのキャラ訴求がハリスさんと対照的だったってえのもありますけど、事前に民主党苦しかったのはやっぱり米国でもインフレの高進によって経済政策に対する不満があったんじゃないかと思う訳ですし、日本だって数字は低いけどそれまでがちょっとのプラスで安定してたインフレ率から見れば3倍とかの水準になってしまっておるのって効いていると思うのですが・・・・・・・・・・
〇そういや国民民主火曜日にも中々凄い事をおっしゃっておられましたね
忘れていたのでクリップクリップ
https://jp.reuters.com/economy/bank-of-japan/CY4WFPWOARLF7FAN2UNZN6M654-2024-11-05/
高圧経済の余地ある、日銀は賃上げ見定める必要=玉木国民民主代表
By ロイター編集
2024年11月5日午前 10:20 GMT+9
『[東京 5日 ロイター] - 国民民主党の玉木雄一郎代表は5日の定例会見で、同党が提案している財政・金融政策による高圧経済の唯一最大の副作用はインフレとの認識を示したうえで、日本は米国に比べ物価上昇が抑えられており、「高圧経済を推し進める余地がまだ残っている」と語った。金融政策についても「日銀はもう少し政策変更せず(中小企業の賃上げなどの状況を)見定める必要がある」とした。』(上記URL先より)
>同党が提案している財政・金融政策による高圧経済の唯一最大の副作用はインフレ
>同党が提案している財政・金融政策による高圧経済の唯一最大の副作用はインフレ
>同党が提案している財政・金融政策による高圧経済の唯一最大の副作用はインフレ
・・・・・・お前は何を言ってるんだ。
どうも玉木n先生によりますと引用部分にありますように「インフレ水準が高くないのでまだ上がっても大丈夫」とのお告げですが、だったら「手取りを増やす政策」って何だよというお話だし、「賃金上昇率を物価控除後で2%で推移」っての無理筋にもほどがあるだろいい加減にしろというお話。
でまあアレです、どっかの誰かさんのように国宝級の無知蒙昧なのにうっかり変なものを信じた結果として「高圧経済が正しい」と信じ切って発言しているのなら単なる「情熱を持った馬鹿」なので可愛げというのもあるのですけれども(どこの誰かさんを差すのかは皆様のお好きな方でどぞ)、「唯一最大の副作用はインフレ」、って言いながら「賃金上がるまで高圧経済アプローチ」を提唱して、かつ「手取りを増やす」だの「実質賃金2%程度の上昇」とか言ってるんですから、このケースは悪意を持った確信犯がポピュリズムによるプロパガンダを行っているという文脈で整理できてしまうので一段とタチが悪い、というかアタクシの駄文にお付き合いいただいているとお分かりかとは存じますが、アタクシ何が嫌いかって「知的誠実性に欠ける悪意の確信犯」が一番嫌いであって、今まで出ている報道だけで見ておりますと、どうもそっち方面の分類に入れざるを得ないのではないか、と思わざるを得ないということで(あくまでも個人の感想ですwww)、まあメモしておきましょうという所です。
でもってこれ日銀も対岸の火事とか、立法府の話はこちらではどうしようもない(まあそれはそうなんだが)のでどうしようもないですねえとか拱手している場合でもないな、と思うのは、この「唯一最大の副作用はインフレ」という説明には「私言いましたよね」というのが含まれているところでして、つまりインフレ批判が高まってきた場合に玉木大先生におかれましては、自分たちが提唱した高圧経済アプローチが悪いのではなくて、端から起きる可能性があるのが分かっている副作用をコントロールできなかった日銀が無能オブ無能である、と言って盛大に日銀に責任を押し付けてくる、というのを今から予言させていただきたい訳でして、まあ日銀もあんまりノンビリしているわけにはいかないと思いますよ、という個人の感想でした。
まあメイクアメリカグレートアゲインになったことですし、インフレ圧力復活となりますと、円安ちゃんも気になる次第ですが、昨日引用した大先生のインタビューですと「為替を気にして金融政策やるべきではない」だそうなので、こうなってきますと155円とかケチなこと言わないで、160円170円バッチコーイというお話でして、そうなって再度円安批判が飛び回ってくる中で堂々と「為替にフォーカスした金融政策を取るべきではないし今取るべき金融政策は高圧経済アプローチ」って堂々と主張を続けるのか、という方が近い未来においてはインフレ批判の前にどういう所業に出るのかが楽しみになっておりますので、まあ是非その先行きもみたいので闘魂込めて大空に円安飛ぶ飛ぶ炎と燃えて頂きたいところではございますわ(ヤケクソ)
〇9月決定会合議事要旨から(その1)
展望レポートはどこに逝ったといわれそうですが先入先出法を使いますもんで
https://www.boj.or.jp/mopo/mpmsche_minu/minu_2024/g240920.pdf
政策委員会金融政策決定会合議事要旨
(2024年9月19、20日開催分)
・日銀ショックとは頑なに認めないというのが公式記録になっておりますwwwwwww
まあこの前の植田さんの会見でもそうでしたけどね。『U.金融経済情勢に関する委員会の検討の概要』の頭の部分見て笑いましたw
『国際金融資本市場について、委員は、8月初に、米国の景気減速懸念の高まりを契機に世界的な株価下落とドル安が進み、市場センチメントが急速に悪化したとの見方を共有した。』
お前らが3月以降延々と「緩和政策を継続する」って情報発信を繰り返した結果として発生したポジションの巻き戻しが、お前らの利上げとその後のタカタカ姿勢で盛大に巻き戻された、という視点はこの先に出てくるのですが、まずこうなっている、という時点でもうねというお話でして、
『また、委員は、その後、米国株価等は反転上昇したものの、米国経済をはじめとする海外経済の先行きは引き続き不透明であり、金融資本市場も引き続き不安定な状況にあるとの認識で一致した。』
これ8月くらいの会合ならともかく、9月20日なのに何で不安定なのかとw
でまあやっとその後にポジションの巻き戻しの話があるんですけれども、
『多くの委員は、こうしたもとで8月入り後のわが国の金融・為替市場の変動が特に大きくなった背景には、これまで蓄積されてきたポジションの巻き戻しが急速に進んだこともあったと指摘した。』
そのポジションの蓄積の要因はお前らだお前ら。という話はなくて何かもう他人事のようにポジションが蓄積されていましたなあみたいな説明になっている訳です。
それでまあここの説明だけ見ていおるとこの「ポジションの巻き戻し」ってあくまでも米国ガーの話になっていて、てめえらが実施した7月の政策コミュニケーションがその前のコミュニケーションとのセット販売で手のひら返しになっていてサプライズ、という分析がここではないことになっている(議事要旨だから無かった話を勝手にあったことにするのは不可だが。あった話を恣意的に割愛するのは可能ですので議論があったか無かったかは10年たたないとわからん)というのもドイヒーな訳ですな。
これ後のほうで出てきますが、「7月の政策が市場からサプライズとして受け止められた」点についての議論がきっちり行われている訳でして、だったらなんでこの部分でその点の言及がないのか、まああったんでしょうけれども大本営としては自分の振付が間抜けだったことを認めようとしたくないし、8月頭に内田副総裁が株式市場に全面降伏したことも株式市場じゃなくて米国経済の下振れリスクのせいにしたいから、こうやって「米国経済」って話を前面に出した文章にとどめているんでしょ、というのが非常に良くわかる作りになっている訳ですよ。
でまあこの米国経済ガーに関しても緊急避難の方便で持ち出したんだったら今回の決定会合後におけるコミュニケーションにおいて、「ちょっと弱い指標見て懸念をしていましたが杞憂に終わったような感じがしますねよかったよかった」という情報発信をすればまだ可愛げがあるんですけれども、そういうのを認めないで自分たちは無謬だということにしたいもんだから、急に会見で「6月7月から米国下振れリスクがあった」とか言い出すわ展望レポート基本的見解の最終パラフラフにまた余計な米国経済ガー文言を付け加えてコミュニケーションの昭和温泉旅館をドンドンと増築しているんですから世話は無いわけです。非常に困った傾向にあると申し上げて起きましょう。
でまあその続きの部分は市場の変動が金融システムに影響があったかどうかの話なので流しますけど引用はしておきます。
『そのうえで、委員は、現時点ではこうした株価や為替の変動は金融システム
などに大きな影響を及ぼしていない との認識を共有した。何人かの委員は、その背景として、市場流動性が相応に維持されるもとで、ポジションの調整が比較的短期間に収束したこともあると指摘した。これに関連して、ある委員は、市場動向や資金フローのモニタリング体制
を一層整備 していく必要があると付け加えた。また、別の一人の委員は、開示や規制の少ないファンドなどの存在感が高まっていることから、あらゆる可能性を念頭にモニタリングしていくことが重要との見解を示した。』
正直モニタリングそんな無限にして意味あるのって気はします。なんでもモニタリングモニタリングって言ってるとそれは暗黙の規制になってしまいかねないし、逆に変な制度アービトラージを生んで訳わからんリスクを溜める要因になりかねない、というのは特に科学的な根拠があるわけではなくてアタクシの野性のカンでしたか無いですけど。
・まあ結局金融市場の動きにビビっていた8月9月だったというお話
でまあ先に飛びまして『V.金融政策運営に関する委員会の検討の概要』ですけれども。
『先行きの金融政策運営について、委員は、経済・物価の見通しが実現していくとすれば、それに応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくという基本的な考え方を共有した。そのうえで、米国経済をはじめとする海外経済の先行きは引き続き不透明であり、金融資本市場も引き続き不安定な状況にあることを踏まえると、当面は、これらの動向を高い緊張感をもって注視し、わが国の経済・物価見通しやリスク、見通しが実現する確度に及ぼす影響を、しっかりと見極めていく必要があるとの見方で一致した。また、これまでの政策金利引き上げの経済・物価への影響をみていく必要があるとの認識も共有した。』
とかいうのは置きましてその次なんですけど、
『多くの委員は、政策判断にあたっては、内外の金融市場の動きそのものだけではなく、その変動の背後にある米国をはじめとする海外経済の状況などについても、丁寧に確認していくことが重要であるとの見解を示した。』
wwwwwwwwwwww
いやおまえら金融政策って経済物価情勢の判断と先行き見通しに沿って実施するもんじゃろという話でして、何で主文が「内外の金融上の動きそのもの」になっててその付属部分が「米国をはじめとする海外経済の状況」になるんだよ順序が逆だろwwwwwwwwww
まあこう書かざるを得ないほど8月(9月)は「金融市場の動きそのもの」に反応していた、というお話になるんでしょうけれども、まあこの表現はドイヒーというか事務方のささやかな良心なのかよくわかりませんが、ナンジャソラと思いました。
まあこの部分、好意的??に読みますと以下のようにも読める訳でして、上記文章を全部読みますと「多くの委員は」から始まっていて、「であることが重要」という話をしていますよね。
つまりですね、これは何かといいますと、8月の内田植田のコミュニケーションが明らかに「内外の金融市場の動きそのもの」にビビっていて、「その変動の背後にある米国をはじめとする海外経済の状況など」への「丁寧に確認していくこと」ができていなかったのではないか、という批判をしている、とも読める訳ですな。
ただまその後の文章を読んでいると、緩和続けろの連呼になっているので何が何やらという感じなのが甚だ遺憾ではありますがwwwwwwwwwwwww
『このうちの 一人の委員は、海外経済の不確実性が高まっただけに、市場変動の影響も見極めるため、当面は海外・市場動向を見守り、金融緩和の一段の調整は不確実性が低下した段階にすることが妥当であると述べた。』
ほほう、10月不確実性が低下しているということになっていましたが。
『そのうえで、この委員は、現在は、経済活動のサポートのために、緩和的な金融環境を粘り強く続ける我慢の局面であるとの見方を示した。』
しかしまあ意味わからんのは、前段でお前ら「委員は、経済・物価の見通しが実現していくとすれば、それに応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくという基本的な考え方を共有」しているのに、何で「緩和的な金融環境を粘り強く続ける我慢の局面」みたいなものの言い方が行われるのかということで、お前ら全然共有してねえだろ徐々に政策修正って話、と思わざるを得ません。
『ある委員は、「物価安定の目標」が実現しておらず、金融経済情勢を巡る不確実性が払拭できない中、現時点では本格的な引き締め政策への転換を連想させるような追加的な政策金利の変更は望ましくないとの見解を示した。』
0.25%→0.50%が本格的な引き締め政策への転換を連想させるっていう発想が全く意味不明にもほどがありますので、ちょっとその頭をかち割って中身を拝見したいのですけれどもよろしいでしょうかwwwwwwwwwwwwwwww
『別の一人の委員は、今後の政策運営は、下方リスクに十分配慮し、データを慎重に確認して進める必要があると付け加えた。』
8月くらいの会合で言ってるならともかく、9月20日に急にこれを言うかって話だし、この前の植田さんの会見に寄りますとそもそも米国経済の下振れリスクは6月7月くらいからあった訳でして、だったらお前ら何で7月に利上げしたんだよアホなのか、という所ですな。
でまあこの後コミュニケーションの話になるのですが、ショパンの事情で今朝はここで勘弁させていただきとう存じます(すんません)。FOMCがややこしくなければ明日で無理なら月曜ですかね(汗)
2024/11/06
お題「財政問題盛り上がっているので国民民主のお話を確認/桜井元審議委員インタビューのターミナル金利はちょっと興味深い」
ほほう
https://www.agrinews.co.jp/news/index/269037
2024年11月6日
「伝統的酒造り」無形文化遺産へ ユネスコ機関が登録勧告
とは言え同記事にありますように、
『酒造業界からは日本酒や焼酎などの消費拡大へ期待の声が上がる。日本酒造組合中央会は「(日本の酒にまつわる)技術と文化をしっかりと継承し、魅力を内外に広めたい」
とコメントを出した。
近年、日本酒や焼酎の国内消費量は減少傾向にある。無形文化遺産登録は消費拡大の起爆剤になると展望。12月に登録となった場合、同中央会は日本酒などのPRイベントを企画する予定だ。
日本酒の輸出拡大に向けて、全日本コメ・コメ関連食品輸出促進協議会(全米輸)は「(登録となれば)輸出の訴求ポイントになる」と歓迎した。』(上記URL先より)
ということで国内消費は落ちているんですよね。。。。。
〇何か財政問題が賑やかなのでちょっと決定会合レビューをさておいて財政ネタ雑談
https://jp.reuters.com/opinion/forex-forum/54LUUEPRCRJKTHQ6QJ5S2VBORA-2024-11-01/
インタビュー:向こう半年は利上げ急ぐべきでない=玉木国民民主代表
By 山口貴也, 山崎牧子, Tim Kelly
2024年11月1日午後 6:55 GMT+9
まあ同じようなインタビューがBBGさんからも出ていたんですけど先にロイターさんから。
『[東京 1日 ロイター] - 国民民主党の玉木雄一郎代表は1日、日銀の金融政策を巡り「向こう半年は利上げを急ぐべきではない」と述べ、早期利上げに否定的な見解を示した。都内でロイターのインタビューに応じた。』(上記URL先記事より、以下同様)
玉木n先生ノリノリですなあwwwwwwwwww
えーっと、
『玉木代表はインタビューで「いつかは(金融政策を)正常化していくことは必要」と、正常化路線そのものには理解を示した。一方、物価高に負けない賃上げ定着に向け、現状の金融政策を「急激に変更すべきではない」と強調。少なくとも年度内は追加利上げを見送るべきかとの問いに、「動かすべきではない」と応えた。』
誰も連続利上げしろとか言ってるわけではないですし、そもそも今の金融政策が物価を上げようとしている政策なんですから、「物価高」の方が加速したら賃金もっと上げないといけなくなるんですけど大丈夫ですか玉木さん。
しかも低金利定着の予想が広まった結果今年の4−6は円安が進行してエライことになっていたのですが、
『利上げが後ずれすることに伴う為替円安にどう対処するかは「(そもそも)為替を目的に(金融政策を)変更すべきではない」とした。為替介入の効果は短期的との認識も示した。』
と思いっきり斜め上の回答をしておりまして、ネット受け狙いをやっているうちにエコーチェンバーのサイクルに入って来ている典型的な症状を示しておられます。お大事に。
でもってBBGの方ですが、
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-11-01/SM94X0T0G1KW00
追加利上げは来年3月まで回避を、春闘見極め必要−国民・玉木代表
照喜納明美、野原良明
2024年11月1日 18:44 JST 更新日時 2024年11月1日 20:16 JST
→過度に為替への影響を意識して金融政策を動かすべきではない
→所得減税による税収減は4兆ー5兆円、消費喚起で大きく減らない
と来ましたが同じく、
『国民民主党の玉木雄一郎代表は1日、金融政策の変更は来年の春闘の動向を見極める必要があるとし、3月までは利上げをすべきではないとの認識を明らかにした。ブルームバーグとのインタビューで語った。』(上記URL先記事より、以下同様)
だいたいからしてお前が利上げしろするなとか言ってるんじゃねえよという話ですが、
『玉木氏は「物価上昇率プラス2%の名目賃金上昇率が安定的に達成するまでは金融緩和と積極財政をやるべきだ」と指摘。』
潜在成長率が1%にもいかないような経済状況で「物価上昇率プラス2%の名目賃金上昇率」というのがそもそも持続可能な話の訳が無いのにお前は何を言ってるんだという話だし、その間に金融緩和と積極財政とかいう寧ろ経済の非効率を温存する政策を実施してたら経済の成長力が強化されないので益々無理になる話だろ何言ってるんだこいつは、という所ではあります。
しかしこの減税なんですけどね、
『こうした見方に対し、玉木氏は、4兆円から5兆円程度の税収減を想定しているが、消費の活性化に効果があるため、トータルでは大きく減らないと反論した。非課税枠を178万に恒久的に引き上げれば、「消費マインドはガラッと変わるだろう」とも述べた。』
でた「減税をしても税収は増えるので問題ない」理論、という所ですが、これはアタクシのような年寄りには懐かしい事案が既にありまして、前世紀のお話になるんですけど、とある国の大統領選挙で「減税して経済が活性化したら税収が増えるので問題ない」という面白経済学を唱えた人が大統領になったことがあったのですが、まあその頃はまだ選挙権もないガキでしたがガキながらに何かおかしくねえかと思っていたのですが、結局案の定で連邦債務はバチクソ増えたままになりました、という結果になったわけですな。
ちなみにこの時って高インフレで金融は引き締め状態だったようで、高圧経済とかいう圧力鍋が爆発する方向の話はなかった次第でして、それをも勘案すると玉木先生何言ってるんでしょうねえこの人は、という所だし、何ならチラ見しただけだからちゃんと見てないけど、直近ではどこかのアホウ何とかストが同じように「減税すると税収が増える」理論のレポートを出していたように思われるのですが、良心とか持ってないのかと思ってしまいました。誰とは言わないけど。
まあしかしあの面白経済学が40年以上の時を経て海の向こうの島国で復活するとは頭がクラクラ来るわけでして、こんなスーパーポピュリズムが若者に人気とかさらに頭痛いけど、氷河期世代辺りまでくると若者ほどには相対的に人気高くないようで、まあそれが答えでしょというお話ですわな、うんうん。
まあ定性的に考えたって消費刺激効果が永続するものではないし、課税ベースが減るのと政府債務拡大による利払いが増えることが負の複利で効いてくるんだから、単年度では兎も角消費効果の逓減と相まって政府債務は減るどころか増えるじゃろ、という理屈になる筈なんですけどね・・・・・・・
〇ここで玉木先生の過去の雄姿を確認しましょう(190回国会、財務金融委員会H280223)
例によって読者様から教えて頂いているんですが(人のふんどしばかりですいませんすいません)
https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kaigirokua.nsf/html/kaigirokua/009519020160223005.htm
第190回国会 財務金融委員会 第5号(平成28年2月23日(火曜日))
第5号 平成28年2月23日(火曜日)
こちら質疑のトップバッターに玉木大先生が立っておられるわけでして、当時は民主党なので尺は多くなっておりましていくつかの話をしていますが、その中でも金融政策に関する質疑が誠に結構なお話になっておりまして、まあ詳しくは上記URL先を見てちょという話になりますけれども、ちょいちょい引用してみようかという企画です。
・マネタリーベース置物直線一気理論についての質疑
質疑の途中からになりまして恐縮ですが。
『○玉木委員 昨年の十二月十八日の金融政策決定会合後の記者会見で、総裁は同じようなことをおっしゃっていますね。ごく短期のインフレ期待が下がってきているが、中長期のインフレ期待はそれほど下がっていません、そういう話でありましたが、ただ、今、私、まさに日銀が出している調査結果をもとに申し上げたのは、一年後の物価上昇に加えて、五年後の物価上昇期待についても下がっているんですね。もちろん、いろいろな数字を出されると思いますが、私は、ここは少しファクトに正直に向き合った方がいいのではないかなと思うんですね。
岩田副総裁にお聞きします。
私も、今、黒田総裁がおっしゃったようなこと、つまり、マネタリーベースを量的に拡大すれば、そのことをもって期待インフレ率が上がっていくという極めてシンプルなメカニズムというのは、余り信用していません。ただ、この学習院大学の教授だったときに書かれた論文によると、手元に資料を配っていますが、ある種、非常に業界では有名な、一のこの右肩上がりの線ですけれども、マネタリーベースをふやすと予想インフレ率が上がるというこのグラフ。
岩田副総裁は、マネタリーベースをふやすと予想インフレ率が上がるというのは、論文に書かれているように、それは信じておられますね。』
置物の回答がクソのように長くて言い訳タラタラなので割愛しますがそれを受けた玉木委員のツッコミ。
『○玉木委員 同じ論文の中で、買う資産によって予想インフレ率が変わるということは、記述がありますか。』
『○岩田参考人 そこではちょっと覚えていませんが、私がずっと長年から書いていた論文を読んでいただければ、常に、長期国債を買いなさいといったことを言っています。』
『○玉木委員 よくわかりませんね。
これは、学者の岩田先生に私が申し上げるのもあれなんですが、この一のグラフ、確かに、リグレッションを走らせてみるとこういう線が引かれるんでしょう、リニアな。ただ、これはサンプル数が六つしかない。確かにアールスクエアが高い、〇・九一二出ていますけれども、これはそもそも統計的に有意なのかなというのは純粋に思います。』
>これはサンプル数が六つしかない
>これはサンプル数が六つしかない
>これはサンプル数が六つしかない
玉木先生さすがですwwwwwwwwwwww
『半年ごとのばらけた生データにすると下になりまして、それでリグレッションを走らせると決定係数はかなり落ちる。
もう一つ注目しているのは、私もこれは客観的にどうなのかなと思って、自分自身も虚心坦懐、さまざまなデータに今向き合っていますけれども、アメリカのことを言われるのでアメリカのをちょっと調べてみて、少し長い目で見て、これはかなり過去から、一九九七年から二〇一五年までの同じようなところからとってきて、それでプロットしてみました。
今、赤で引かれているところが岩田副総裁がとられたデータですね。ここだと、確かに右上の数字が書かれるんですけれども、全ての全データに基づいて回帰直線を引いてみると、ほとんど横一線になるわけです。
私が注目しているのは、二〇一二年一月二十五日に、まさにバーナンキがPCEのインフレ率二%を長期目標にするということを明確に出した後、むしろ量的緩和と期待インフレ率との相関が崩れているような気がするんです。
私はエコノメトリシャンではないですから、詳細な分析は学者に譲りますけれども、ただ、二〇一二年に岩田副総裁が書かれた論文、そしてそれに基づいて少なくとも私は行われているやに承知をしていた現在の日銀の量的緩和は、私は、理論的根拠は極めて乏しい、理論的、実証的にもそう思います。』
以下割愛しますが良い話をしていますねえ。(遠い目)でもってこの発言の最後の方には・・・・・・
・2年で達成しなければ職を辞すと言ってたはずですが問題
『(以下玉木委員の直上引用発言の最後の部分になります) 私、今同じ思いです。別に岩田副総裁が憎くも何ともありません。ただ、私が重視しているのは中央銀行のクレディビリティーです。これのみです。ですから、総裁、副総裁、この金融政策を担っている人々、そしてその発言、政策は、人々から、世界から信頼されるものでなければならないと思っています。さまざまな困難な時代ですから、財政、金融で実験的なことを試みるのは私は構わないと思う。しかし、コミットした期間、コミットした目標を達成できなければ、私は職を辞するということが明確な信認を保つ責任のとり方だと思いますけれども、岩田副総裁、いかがでしょうか。』
以下置物のクソ見苦しい言い訳が並びますが割愛しまして、この言い訳に対して
『○玉木委員 見苦しいという一言に尽きます。』
一刀両断さすがです!!!!!
・マイナス金利はデフレ的であるという話
でまあ一刀両断した後に黒田総裁に対してこのような質問をしておりまして、
『(以下直上の玉木委員の発言の続き)総裁にお伺いします。
マイナス金利の導入によって、私は、金融政策のありようが実はかなり変わったのではないかと思っています。今までは物価の上昇を求めていく、私はこれは、デフレはよくないですから、物の値段を上げていく、サービスの値段を上げていく、そういうことは方向性としては正しいと思っています。ただ、唯一上がっていない値段があって、それはお金の値段です。金利だけが極めてデフレなんですね。私は、この今回のマイナス金利のデフレ効果というのは軽視すべきではないと実は思っているんです。
住宅ローンが下がりますという話がプラスの面で語られることが多いですけれども、金利支払いを入れた住宅取得の価格が下がっているとも言えます。そして、総裁がおっしゃったように、さらに何かあればちゅうちょなく対応をとるということをおっしゃっていて、マイナス金利もさらに下げる余地があると思えば、もっと下がるんだと思ったら待ちますね。
これは予算委員会でも私指摘をしましたが、預金金利についてもそうです。個人の預金金利はマイナスにならないとおっしゃいましたけれども、これは日銀が当座預金に課している、ある種マイナスの付加の仕方と似ているんですけれども、名前はどうあれ、口座維持のための管理料であったり、あるいは手数料を上げたりということが極めて低金利の中で行われると、実質的なマイナス口座になってしまうことは明らかであります。
そうすると、消費者心理としては、持っているものが減っていく、特に元本まで食い込んでくるんだというある種の懸念、おそれ、そして、先ほど申し上げたように、お金の値段たる金利が下がるということは、ある種のデフレ効果をあるルートで経済に対して及ぼすというふうに私は思うんです。
改めてお伺いしますけれども、このマイナス金利が消費者の心理、特に消費者のコンフィデンスですね、この消費者の心理や購買の意欲、安心感、そういったものにマイナスの影響を与えるおそれが私はあると思いますけれども、総裁はいかがでしょうか。』
ほうほうそうですかそうですか。
・金融緩和を過度に続けることに対する弊害
さっきの質問の回答
『○玉木委員 私が申し上げている実質マイナス金利と今総裁がおっしゃった実質マイナス金利は、ちょっと話が違うと思いますので、そのことは申し述べたいと思います。
あと二つだけ聞いて、お忙しいと思いますのでお帰りいただきたいと思いますが、きのう、ほぼ我が国は完全雇用の状態にあるというふうな発言がありました。
お伺いします。
FRBのいわゆるデュアルマンデートであれば、雇用の安定と物価の安定ですけれども、我が国において、完全雇用が達成されてなお二%の物価安定目標が達成できない場合でも、今の質的・量的あるいはマイナス金利つき、この異次元の金融政策は完全雇用を達成してもなお続けるということでよろしいですか。』
でもって黒田さんの回答があるのですがそれは割愛しますので見に行ってくださいという所ですが、これに対して玉木委員は、
『○玉木委員 これも大事な答弁だと思います。
私は、完全雇用を達成してなお過度な金融緩和をすべきではないという立場です。もちろん、デフレに逆戻りするようなことがあってはならないと思いますが、二%、もう二年守られていませんけれども、二年で二%という期限を切った二%を完全雇用を達成してなおやっていくのは、私はやり過ぎだと思っています。』
以下最後の質問部分は割愛しますが、過去の玉木先生の雄姿をちょっと確認させていただきましたということでwww
〇また桜井さんがしゃべっておられる
何か知らんけど謎に定期的に出てきますよねこの人。
https://jp.reuters.com/opinion/forex-forum/P2BFHMFCEJJTVFYFSQHHIAAI64-2024-11-05/
インタビュー:利上げは1月が最有力、市場動向と政治情勢が焦点=桜井元日銀委員
By 和田崇彦, 木原麗花
2024年11月5日午後 4:05 GMT+9
『[東京 5日 ロイター] - 桜井真・元日銀審議委員は5日、ロイターのインタビューに応じ、日銀の追加利上げは来年1月が最有力との見方を示した。利上げ時期の見極めに当たっては、市場動向と国内の政治情勢が焦点になると話した。日本の成長率が1%程度、物価上昇率が2%程度で推移するとすれば政策金利の上限は2%程度との見方を示し、日銀は2025年度以降27年度にかけては年1―2回のペースで利上げを実施すると予想した。』(上記URL先記事より、以下同様)
ということで何か知らんけど定期的に登場する元腹話術のおじさん(使い手ではない)ですけれども。
『桜井氏は日銀の追加利上げについて、12月、来年1月、3月と3回開かれる金融政策決定会合のどこかで実施される可能性が高いとした上で、最も可能性が高いのは来年1月だと述べた。』
3月と4月ってセットなんじゃないの??まあいいけど。
『鍵を握るのは「マーケットと政治状況」だと指摘した。その上で、12月の決定会合は来年度予算案の閣議決定が迫るタイミングで開かれるため、利上げに対する石破政権の理解を得るのは難しいのではないかとの見方を示した。』
政治状況はわかるが「マーケット」が何を言っているのかこの記事全般を読んでもいまいちわからん(多分為替だと思うのだが)のが惜しいのですが。むしろ1月に出来なかったら3月4月も厳しいんじゃないのと思いますけど、前回のように1月会合で思いっきり予告ホームランを入れてしまうなら3月というのはできるのかもしれないですね。
でまあちょっと面白かったのは記事中のこの部分でして、
『<政策金利、到達点は2%程度か>
桜井氏は、成長率が1%程度・物価上昇率が2%程度の状況が続けば、政策金利は「1.5%程度まではそれほど問題ないだろう」と指摘。2%を超えてくると政治からの反発が高まる可能性があり、2%程度が政策金利の上限になるとの見通しを示した。』
ほほうそうですかそうですか。
『その上で、政治情勢がなかなか安定しないことから、日銀の利上げは「年2回がやっとではないか」との見通しを示した。25年度入り後、0.25%ずつ年1―2回のペースで利上げしていけば、植田和男総裁が任期満了となる28年4月時点で政策金利は2%程度まで到達している計算になる。』
これ植田総裁の任期中に政策金利が2%程度になって出口完遂、という美しいお絵かきになっているのですが、この「植田総裁の任期との兼ね合い」を発想のタネにするのって、まだ任期2年も終わっていないのにいきなりこれですかというのはもちろんあるのですが、そのくらいの遠大な計画がある、というのであれば確かにこの発想は無くは無い話になりますので、その点面白いなあとは思いましたですよ。まあそこまで遠大な計画練ってるようなコミュニケーションを今の日銀がしているのか、と言いますとどこからどう見てもハイパーその場しのぎのコミュニケーションをしている訳でして、特に7月以降のコミュニケーションは酷いとしか言いようが無いので、まあ日銀大本営にそんな遠大な計画があるように見えないのが惜しいところです。
とは言え物価目標をガチで達成するならそもそも1%とかいう政策金利がゴールになるのはおかしいだろという話でありまして、桜井さんの言うように2%に近いところ、普通に考えて1.5%程度とか全然ありじゃろ、という方が発想として自然な訳でして(個人の感想です)、1%だって全然低いのに織り込めてないのは日銀の買入が悪いのと、やる気があるのか無いのかの間で手のひらをクルクルと返すしょうもないコミュニケーションをしている(最初からよくわからんから出たとこ勝負、ならそういえばいいのにあたかも分かったかのような言い方でハトハトチキンになってみたり急にやる気を出したりする不安定なメンヘルコミュニケーション勘弁して欲しい)日銀のせいだとは思うのですけどね。
などと書いていたら時間が無くなってしまったので本日はMPMレビューでも短国市場でもなくて引用祭りとかいう増量企画になってしまいまして誠に申し訳ございませんでした(土下座)。
2024/11/05
お題「決定会合レビュー:総裁記者会見から」
これは例によって読者様から教えていただいたのですが
https://www.jiji.com/jc/article?k=2024102100951&g=pol
繰り上げ当選、3人を決定 参院【24衆院選】
時事通信 政治部2024年10月21日19時15分配信
『中央選挙管理会は21日の選挙会で、参院議員3人が衆院選に立候補して自動失職したことに伴う欠員補充として、共産党元職の大門実紀史氏、公明党新人の高橋次郎氏、日本維新の会元職の山口和之氏の繰り上げ当選を決めた。2019年と22年の参院選比例名簿に基づく。
大門 実紀史氏(だいもん・みきし)神戸大経中退。党参院国対副委員長。参院当選5回。68歳。』(上記URL先より)
これは参院財金の国会中継見るのが楽しみになってまいりました!!!!
日銀からいろんなものが出ていましたが、ちょいとこの連休は時間というよりも体力がなくて全然更新できませんでした(滝汗)。ぼちぼち追いついてまいりますがそんなことしているうちにアメリカン大統領選挙じゃないですかヤダー。
〇総裁記者会見:いくつか面白特徴のある会見でしたな
https://www.boj.or.jp/about/press/kaiken_2024/kk241101a.pdf
総裁記者会見
――2024年10月31日(木)午後3時30分から約65分
・すさまじいまでの棒読みムーブに「余計な発言をしないように」という強い意志を感じたwww
最初の幹事社質問ですが、
『(問)一問目が次の利上げについての考え方についてお伺いしたいと思います。次回会合で7
月の利上げ決定から 5 か月ほど経過することになります。次回以降の会合で、経済・物価がオントラックなら、利上げできる環境は十分整うと考えていらっしゃいますか。足元の円安の進行による物価の上振れリスクへの見方も含めてお願い致します。』
円安に絡めては絶対来るわな。
『二問目は米国経済についてお伺いしたいと思います。展望レポートの政策運営のところでも、米国経済に言及しています。米国経済の現状をどう評価し、新大統領の政策が、日本経済、金融政策に及ぼす影響をどのくらいの時間軸で見極めていけるとお考えになりますでしょうか』
これもまあ聞かれる罠、という典型的な質問2問来ましたが植田さんの回答は・・・・・・・・
『(答)まず当面の政策運営についてですが、先ほどの繰り返しになりますけれども、金融政策運営については、経済・物価の見通しが実現していくとすれば、それに応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和度合いを調整していくことになると考えています。』
『そのうえで、米国をはじめとする海外経済の今後の展開や金融資本市場の動向を十分注視し、わが国の経済・物価の見通しやリスク、見通しが実現する確度に及ぼす影響を見極めていく必要があると考えています。』
見事な棒読みムーブというか展望レポートの文言通り。
『見極めに必要な時間や利上げのタイミングについて予断は持っておらず、今後、毎回の決定会合において、その時点で利用可能な各種のデータや情報から、経済・物価の現状評価や見通しをアップデートしながら、政策判断を行っていく方針です。』
これもまた棒読みですねえ。
『為替相場ですけれども、その水準や評価について具体的なコメントは差し控えたいと思いますが、もちろん経済・物価に大きな影響を与えるものではあります。』
からの、
『為替円安の物価への影響を考える際には、先ほど申し上げましたが、企業の賃金・価格設定行動が積極化するもとで、過去と比べると、為替の変動が物価に影響を及ぼしやすくなっている面がある点には、引き続き、留意する必要があると考えております。』
これまた展望レポートに書いてある文言通りの棒読みムーブ。さらに二問目については、
『米国経済ですけれども、前回会合以降、9 月の雇用統計が市場予想を大幅に上回るなど、良好な経済指標がみられています。もっとも、今後の米国経済を巡っては、これまでの利上げが経済・物価に及ぼす影響など、不透明な部分がまだなお大きいと判断しており、その動向を注視していく必要があると考えています。』
で??
『また、アメリカの大統領選挙後の新政権の政策運営、それがわが国に及ぼす影響ですが、これは、他国の政治情勢に関わるものですので、具体的なコメントは差し控えたいと思います。』
じゃあ米国ガーを連呼するなや、と思いますが。
『ただ、もとより、先ほど申し上げましたように、米国をはじめとする海外経済の今後の展開や、金融資本市場動向を十分注視し、私どもの経済・物価見通し、リスク、見通し実現の確度に及ぼす影響を見極めていく必要があると考えております。』
ちょwwwこれも展望レポートの文言通り、ということで初手から盛大な棒読みムーブをかましておりまして、植田さん「余計なことは言わないように」と本人がやっと反省して心掛けているのか、振付師に厳しく言われているのかは知らんですけど、まあ余計な事を言わないように、というのがこの棒読みムーブに出ているんでしょうなあと思いました。
・「時間的余裕」についてと政治圧力に対して植田さん「この正直者!」って思ったんですけどね
次の質問。
『(問)二問お伺いします。一点目が現状で追加利上げの判断に時間的余裕があるとお考えかどうか。もし先ほどの回答であえてそう発言されていないのであれば理由も併せてお願いします。
もう一点が政治との関係についてお伺いします。今月上旬に石破首相が追加利上げする環境にないと発言されました。また、衆院選で与党が過半数割れをして政権の枠組みによっては利上げを急ぐべきではないという声が強まる可能性もあると思います。こうした政治側の意向が日銀の政策判断に与える影響について、どのようにお考えか。』
まあ後半は紋切り型の回答になりますけどねw
『(答)どちらにつきましても私どもの基本的な姿勢は、先ほど申し上げましたように、金融政策運営については、経済・物価の見通しが実現していくとすれば、それに応じて適宜政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくということでございます。』
wwwwww
『これは二問目が先になりますが、特定の政治家のコメントにはコメントしませんけれども、そうしたものがあるとないにかかわらず、今申し上げたようなスタンスで臨みたいというふうに思っております。』
>今申し上げたようなスタンスで臨みたい
ここはリアタイで聞いてて吹いたのですが、「臨む」じゃなくて「臨みたい」ってところに物凄い勢いで植田さんの本音が駄々洩れしているなと思いまして、「臨む」と言い切れないのはつまり日銀が政治圧力によわよわであり、それに対して植田さんは何らか思うところがあるのか、それとも植田さんが「臨みたいんだけどいざ政治圧力が来ると耐えられないんでちゅー」という悲しさを表明してるのか、そのあたりは判然としませんけれども、「臨みたい」という願望系になっていて「臨む」という意思表示系になっていない辺りに植田さんの本音を垣間見ることができましたwwwwwwwwww
『そのうえで一番目のご質問ですけれども、こうした判断、基本的な判断については毎回の決定会合で、そこまでに得られたデータ、その他の情報をもとに判断していくということにしたいと思います。』
>判断していくということにしたいと思います
これも同様なのですが、「判断していきます」じゃなくて「判断していくということにしたいと思います」って持って回った言い方が植田さんの悲しみが止まらないという風情でありまして、中々泣けてくるわと思いました。
・時間的余裕封印宣言
ということでさっきの質問では「時間的余裕」の回答が無かったので更問。
『(問)最近、時間的余裕という言葉を多く使っていらっしゃるように感じるんですけれども、改めて、今どういった理由で時間的余裕がある状況なのかというのと、またその余裕とおっしゃったときに、どのぐらいのスパン、期間で考えていらっしゃるのか、例えば次回の会合までの余裕なのか、それとももっと中長期的なものなのかというのを知りたい方が多いと思いますので教えて頂ければと思います。(後半割愛)』
さっき時間的余裕について微妙にスルーしてたのでこういう質問になったのですが、
『(答)前半ですけれども、時間的余裕という表現についてですが、やや長くなるかもしれませんが、私どもこの表現を使い始めたのは
8 月に入って以降だと思います。』
ほうほうそれでそれで?
『それで、その理由と致しましては申し上げるまでもないかと思いますが、当時の、特に米国の弱い雇用統計、予想以上に弱かった雇用統計、こうしたものに影響されまして、マーケットが非常に荒い動きになったというようなことを、非常に重要な現象だし今後の日本経済をみる際にも重要なリスクと判断しまして、ある意味他のリスク以上にここについて注意深く検討していかないといけないと、この姿勢を注意深く検討していくという意味で、時間的余裕を持ってみていくという表現で表したところでございます。』
振れ幅が大きくて遡及改定もホイホイと行われる雇用統計の単月のムーブでこれだけ注目する中央銀行、しかも自国じゃなくて他国ってのは何かもう笑えますし、そもそも論としてお前ら単に株式市場にビビっただけだろという過去は無かったことになっているのがインチキ臭い。
『現状、その以降の動きをみていますと、データが少しずつ改善し、市場も少しずつ安定を取り戻し、更に米国の統計に限りますと、さっき申し上げましたようにここ
1 か月くらいに出ている統計についてはかなり良いものが続いています。』
人の国の単月の指標で一喜一憂するなよ・・・・・・・・・・・
『それでもなお、完全に安心できるというところまではいっていないんで、先ほどの展望レポートの最後のところにある文章には、米国経済をはじめとする世界経済の動きという表現を付け加えて、ここのリスクをまだ重視してみてるという姿勢は貫いてはいますけれども、』
つまりこの説明ですと展望レポート基本的見解の最終部分にある「追加文言」は「下振れ警戒文言」になるので、こちらを見ますと普通に「政策修正に新たな留保文言を加えた」というハトハトチキンムーブに見えてしまいますが・・・・・・・
『やや行ったり来たりになりますが、リスクの度合いは少しずつ下がってきていますので、もう少しみて今のようないい動きが続けば、普通のリスクと同等のところになる。』
ああ要するに株式市場にビビって入れた「時間的余裕」をフェードアウトさせたいとwww
『そういう意味で、このリスクに光を強く当てて、時間的余裕を持ってみていくという表現は不要になるのではないかというふうに考えて、今日も使ってないということでございます。』
ということでここでやっと「時間的余裕」の封印ムーブが来ましたが、「リスクに強く光を当てる必要はない」のであれば、そもそも論として何で展望レポートの最終段落に余計なもんを追加したのかというのが訳わからんですわ。
『ただ他のリスクは常にあって、それはまた米国について新しいリスクが出てくるかもしれませんし、それについては毎回毎回、普段通り決定会合で判断して、政策判断につなげていくということでございます。(後半割愛)』
って言ってるけど、米国って上振れリスクだってあるよね、というかそっちの方が今は大きいんじゃないですか、というのは後の方でも質問がある。
・「市場の安定性」も結局は8月のその場しのぎのコミュニケーションでしたなwww
こんな質疑がこの次にありましてですね、
『(問)(前半割愛)もう一つ金融市場についてはですね、これまで引き続き不安定であるとおっしゃってましたが、徐々に安定はしてきたというような表現をされてましたけれども、円キャリートレードの投機的なポジションも解消されましたが、今後、市場の安定度合いを見極めるうえでは、どの辺を注意してみていくお考えでしょうか。』
と来まして植田さんの回答ですが、
『(答)(前半割愛)それから、市場の安定性を評価していく際にどういうデータをみていくのかという二番目のご質問ですけれども、これは特定のこのマーケットのこういう指標をみるということを具体的に申し上げるのは適切でないかと思います。つまり、いろいろ不安定な動きになるときにどこが不安定になるかというのは、その時その時で変わり得るものですし、われわれとしては様々な広い指標について、なるべく努力して良い情報を得て、全体をみているというふうに申し上げるしかないかなと思います。』
お前が最初に言い出したんだろうがお前が、ということでどの口がゆうてますねんという発言を堂々としておられる次第ですが、結局この「市場の安定性」も8月の株価にビビって慌ててその場しのぎで威勢の良い事言っちゃいましたゴメンチャイって素直に言えばいいものを素直に言わないもんだからこういう謎発言になるのでした、こまった人たちではあります。
・7月利上げにおける市場金利の動きが「予想通りの動き」ってウソつけとしか言いようが無い
この質疑なんですけどね、
『(問)二点伺います。一点目なんですけれども、現状の利上げの評価、有効性について伺えればと思います。7
月末の追加利上げで企業融資ですとか住宅ローン金利への影響の大きい短期プライムレートも上がりました。一方で、預金も金利が段階的に引き上げられまして、地域金融機関では、市場金利を上回る、ちょっと一見すると経済合理性に欠くんではないかという水準でキャンペーン的に集める先も広がってます。資金余剰の金融環境の中で、あとオーバー・バンキングであったり、あと金利形成で最近ネット銀行も全国的に存在感が増してます。今回の利上げ局面でです。金融緩和度合いは、想定通り調整されているのか、今のご認識を伺えればと思います。(後半割愛)』
長いわ質問が、と思いますがこの回答の中で植田さんはですね、
『(答)まず、7 月の利上げの影響ですけれども、これは概ね予想通りに近いところの動きになっているかなとみています。市場金利の動き、それから貸出・預金金利がいくぶん上昇しているというようなこと、』
ちょwwwwwwおまwwwwwww市場金利の動きwwwwwwwwwww
えーっとすいません、7月から足元にかけてなんですが、市場金利ってろくすっぽ上がっていませんし、何なら短国とか下がってるんじゃないか位の勢いになっていますけれども、どこがどう「7月利上げ後の市場金利の動きがおおむね予想通りに近いところの動き」になるのか小一時間問い詰めたいというか、どういう認識でいるんだよマーケットの事を、という所ではあります。
以下この質疑応答では、
『ただし、もちろんその中に、競争が厳しいところでは、ちょっと動きが大きかったり逆に小さかったり、予想からずれてるところもあるかと思います。それから、そうは言っても、もともとの利上げ幅が
15bps程度であったということで、金融機関の貸出態度や企業からみた資金繰り等のところには、強いマイナスの影響が出ているという状態では、全くないかと思います。マインド面にも今のところ大きな影響はみられていないということだと思います。8月の前半にマーケットの混乱はあったわけですが、それがわれわれの金融システムにマイナスの波及効果をもたらしているということも確認できていないというふうにみております。(後半割愛)』
ということで、そもそも質問も市場金利の話ではなくていわゆるファイナンシャルコンディションの質問だったのでそっちの回答になっているのはまあ良いんですけど、この「市場金利」に関しては聞き捨てならないというか、植田さんがうっかり口走っただけなのかもしれませんけれども、そういう事やぞ植田さん、というお話ではあります。
・市場金利とかいうから債券市場の質問があったのだが
その次の質問。
『(問)最近の債券相場についてお伺いしたいんですけども、ストック効果とか米国の金利低下に影響されてるのは分かるんですけれども、日銀は今日も言われてましたけど、見通し期間の後半にかけて基調的なインフレ率が
2%にいくという見通しを持たれてて、そうなってくると想定される中立金利が大体
1%で、生産性の上昇を入れるとそれよりも上で推移するのが普通かと思うんですけども、長期金利がやはり現状1%以下で推移していると。』
日銀の買入が過大なのがとにかくよくないんですけど。
『現にいろいろ聞くところによると、やっぱり日銀が言われている景気見通し、物価見通し、正常化のパスに関して市場参加者があまり信じてないような気もするんですけれども、』
それはどうかと思うのでありまして、市場でポジション持っている人たちも普通に12月か1月(12月と1月の間に本質的な差はない、これが3月になると本質的に違う感じになってくる)に利上げと思っている人の方が多いし、何なら正常化のパスが日銀は遅いと思っている人多いと思うんですけどね。
『どういう状況になってくれば、市場参加者が日銀の正常化のパスとか、物価の見通しを信じて、それを金利に織り込むようになっていくようなことが考えられるのか、その点をお伺いしたいと思います。』
という質問で、これひっかけなのかもしれないけど、何で輪番の弊害について聞かないんだと思いました。まあそれはともかくとして回答が中々の面白回答でして。
『(答)確かに現状 10 年金利が 1%ないし 1%弱というところと、持続的な物価安定が達成されたときのインフレ率は
2%というものを比べますと、中立金利の見方次第ですけれども、両者の整合性はどうかという質問はあり得ると思いますが、私どもの見通しにしましても、妙な言い方になりますけれども、中心的な見通しとしてこういうことであるという見通しを
24、25、26 年度について出しているわけで、例えば24[年度]については、その可能性はかなり高いと思いますけれども、25、26[年度]と先に行くほど
100%で当たるというところからは、かなり確度は下になっているということだと思います。』
何を言い出すのかと思ったら、
『マーケットの価格形成はそういうところまでも織り込んでなされていると思いますので、中心的な見通しがどうかという質問だけを投げかければ、そんなに違いはないかもしれないかと、そこも違うかもしれませんが、差はそれほど大きくないかもしれないと思います。しかし、いろいろなリスクシナリオを考えた際に、現状程度の長期金利水準になるということは十分あり得ると思います。』
市場が各種の下振れリスクを織り込んでいるので長期金利が一般的に考えられる長期的な中立金利よりもだいぶ下で推移しています、という面白説明をしているんだが、だったらお前ら「ストック効果」とか言ってるのはアレは何なんだという話でして、アホみたいに長期国債の買入を継続して冗談みたいなバランスシートを持っている状態で長期金利に押し下げ効果が出ているのに、その押し下げ効果があたかも無いような話をして「市場は下振れリスクを織り込んでいるのではないか」とか言い出すの幾ら何でも屁理屈にもほどがあると思います。
『両者が収束していくのは、お互いにどちらが先行するか分かりませんが、もう少し先の見通しに関する確度がもう少しみえてくるかなとは思います。』
とかいう無茶苦茶な説明になっていますが、これ長期国債の大量買入れが無いならおっしゃる通りではあるのですが、長期国債買入をバンバン実施して長期金利に低下圧力を恒常的に掛けているのにこの言い草は酷いとしか申し上げようがないのですが、とにかく今の日銀って「その場しのぎの屁理屈」だけは達者なので、このように「依然として続いている大量の長期国債買入というのを無視するとこの部分だけで言えば理屈は通っている」というようなその場しのぎ説明が見れてしまう、ということになってくるんだと思います(個人の感想です)。
・為替円安の物価上振れリスクに関しては終始棒読み対応
実は前にもそういう質疑があったのですが割愛しています。
『(問)質問二問あります。やや重なるんですけれども、足元の為替相場、円安にちょっと戻ってきてるっていう部分について、物価上振れリスクの警戒度合いみたいなところはどういうふうにご覧になってるかっていうのが一点です。(後半割愛)』
『(答)円安がもたらす物価上振れリスクについてですけれども、先ほどもちょっとお話ししたんですけれども、問二ですか、幹事社からの。過去と比べますと企業の賃金・価格設定行動が積極化するもとで、為替の変動が、この場合円安ですが、物価に及ぼす影響が少し大きくなっているという面には注意しつつ、先ほども別の方の質問でお答えしましたように、円安の背後にある経済の動きと総合して物価への影響をみていくということでございます。(後半割愛)』
なんという棒読み(棒読み)
・米国経済のダウンサイドリスクが心配されていたのに7月に大胆にも利上げをしたという恐ろしい発言キタコレ
こちらの質疑で植田さん驚異の回答を行ったのですが、
『(問)総裁、先ほど時間的余裕があるという言葉、リスクが低減することによって必要なくなってきていることをおっしゃっていらっしゃいましたけれども、それに加えて今日の展望レポートでもですね、オントラックという姿がみえてるということは、総裁の中では利上げへの環境は少しずつ、まだ不確実性は高いんですけど整いつつあるというお考えなのか。米国経済についてご覧になっていくということですけれども、大統領選は来週ですが、大統領就任というのは来年
1 月になると思います。それまで総裁は待たなければいけないというようなお考えを持っているのかどうか、お願い致します。(後半割愛)』
この回答、クソ長いので途中から引用しますのはビックリしたのはこの部分でして・・・・・
『(答)まず、ここのところ、私どもが私どもの見通し実現の確度についてどういうふうに判断しているかというご質問だと思いますけれども、これは政策委員一人一人で違うと思いますけれども、今日はそれを総合した結果、今日のところは現状維持でいいという答えになったということだと思います。(途中割愛)当面時間をかけて見極めたいというふうに申し上げていた米国にまつわるリスクは、少し長く取れば
6 月のどこかくらいから始まった近い将来の米国経済のダウンサイドリスクについての見方ということであるというふうに私どもとしては認識しています。(以下割愛)』
> 6 月のどこかくらいから始まった近い将来の米国経済のダウンサイドリスク
> 6 月のどこかくらいから始まった近い将来の米国経済のダウンサイドリスク
> 6 月のどこかくらいから始まった近い将来の米国経済のダウンサイドリスク
おいこらちょっと待てという話ですが、この次の質疑でも同様に、
『(問)(前半割愛)もう一点がさっきからちょっと出てる時間的余裕の部分なんですけれども、今日はあえて使っていないっていうふうにおっしゃったと思うんですけど、今日はあえて使ってないってことでよろしかったんでしょうか。』
というのに対して、
『(答)(前半割愛)それから、二番目の時間的余裕の話ですけれども、これは直前のご質問でもありましたが、6、7
月から 9 月上旬くらいまでに心配されていた米国経済のダウンサイドリスクにまつわるもの、そこのところを見極めるための時間的余裕という意味で使っていますので、これがなくなるとともにこの表現も使わなくなるというふうに考えています。』
>6、7 月から 9 月上旬くらいまでに心配されていた米国経済のダウンサイドリスク
>6、7 月から 9 月上旬くらいまでに心配されていた米国経済のダウンサイドリスク
>6、7 月から 9 月上旬くらいまでに心配されていた米国経済のダウンサイドリスク
まwwwwwじwwwwwwかwwwwwwww
こではリアタイで聞いてて思わず声が出てしまった部分ですが、ちょっと待てお前ら7月利上げの時に米国のダウンサイドリスクを心配してたのかよという話で、そんな心配があるのに何で利上げしたんだよおどれらはという話だし、だいたいからして7月お前らそんな説明してなかっただろというお話。
まあアレですな、この「米国経済のダウンサイドリスク」を持ち出したのも結局のところ8月の株価暴落にビビって言い訳を考えて後付けで持ってきた話であることはほぼ確実なんでしょうけれども、そう言ってしまうと身も蓋も無いので、もうちょっと高尚に考えていましたと見栄を張るために「8月」とは言わずに「6、7月」って言い出したんだろういい加減にしろというお話なんですが、別に植田さんが間違えていったわけではなさそうなのは2回連続してこの言い方をしていたのですから、そういうことに後付けで勝手になっている、という事を示すわけでございまして、さっきの市場金利の説明もそうですけれども、何ちゅうその場しのぎの屁理屈昭和温泉旅館、とあきれてしまう次第であります。
・8月の市場の動きはまさにお前らのコミュニケーションによる投機ポジションの積み上がりだろいい加減にしろ
こんな質疑がありましてですね、
『(問)(前半割愛)二点目は、先週ですか、IMFの講演において、総裁がおっしゃってた点で面白いなと思ったのが、不確実性が高いうちは、金融政策の変更は慎重にゆっくり動きたいんですけれども、あまりゆっくりするという印象を与え過ぎると、低金利が長期間続くことによって、そういう市場の期待によって、投機的なポジションが積み上がってしまう可能性もあると、その両方のバランスが大事なのである、というご発言があったと思います。両者のバランスを考えた際、今の日本の経済やマーケットの環境というのは、どちらをより重視して政策運営、コミュニケーションをとるべきなのか、お考えをお願いします。』
『(答)(前半割愛)二番目の不確実性が高いときには、確かにいろいろな政策は注意深く進めるということですが、金融政策においては、そういう期待を過度に作り出すと、場合によっては不健全な投機的ポジションの積み上がりになってしまうリスクもあるということで、その辺のバランスをどう考えるのか、というご質問だと思いますが、これは、今どの辺というふうにお答えするのは難しいですけれども、結局は、私どもの経済・物価見通しと、それから今後の金融政策の考え方、戦略を丁寧に繰り返しご説明していくということに尽きるのかな、というふうに思っております。』
いやそれに失敗して8月頭の盛大なポジション巻き戻し起こしたんだろ反省するという思想は無いのかよ・・・・・
・植田さんの本音駄々洩れシリーズその2で「8月9月は普通の政策運営じゃなかった」らしいです
これはワロタw
『(問)先ほど来からの繰り返しで恐縮なんですけども、時間的余裕があるという言葉をですね、今回使わなかったとおっしゃった理由に米国経済のある種のリスクが低減したということの趣旨をおっしゃっているんですけども、なかなかちょっと理解しにくいとか、市場も理解しにくいかなと思うんですが、この時間的余裕があるという表現、今回なくしたことは端的に大雑把に言うと、これは次の利上げに向けてのステップが以前よりも高まったという理解でいいんでしょうか。』
に対して、
『(答)先ほど来申し上げてきたような意味で米国経済に関するある種のリスクに特に注目するということは、将来復活する可能性はゼロではないとは思いますけれども、いったんやめて、普通の金融政策決定のやり方に戻るということでございます。毎回毎回データと情報を点検して判断していくということでございます。』
>いったんやめて、普通の金融政策決定のやり方に戻る
>いったんやめて、普通の金融政策決定のやり方に戻る
>いったんやめて、普通の金融政策決定のやり方に戻る
本音駄々洩れwwwwwwwwwwwwwwwwww
ってこれつまりは8月9月は異常なことをしていた、っていうのが植田さんの認識だって話ですな。いや別にリスクが高いものがあるのを見極めるってのも普通の金融政策決定だと思うのですが、このように8月9月の動きから今回への流れを「変化」と見て「普通の金融政策決定のやり方に戻る」って言ってるのは、それ以前が普通じゃなかったというのを思いっきりお漏らししている状態で大変に味わいが深いですwww
・財政健全化についてはもっと言え
この質疑は良かったがもっと財政の健全運営について日銀は言うべきである。
『(問)
金利が上がってくるってことが前提として、企業とか家計とかっていうのは金利が出てくる世界に対して備えってのができてきてるかと思うんですけど、政府の部分ということを考えるとどうなのか、先ほどからも政治の影響っていうのが出てきますけど、だんだんと財政拡張的な政策が打ち出されていくと、今後日銀としてはどういうふうになっていくのかということを、お考えをお聞かせ頂けますでしょうか。』
『(答)私ども、財政政策については、政府、国会においてお決めになるものですので、コメントを差し控えるということでずっときております。ただし、そういう中でも、中長期的な財政の維持可能性についてきちんと配慮して頂くことは重要であるということはいつも申し上げています。』
いつも申し上げております、って大見得切るほど言ってるかいな・・・・・
・展望レポート最終段落の文言追加はこの質疑を見ているとやっぱり「下振れ警戒追加文言」に見えてしまいますよね
『(問)今回の展望レポートの最後の部分の金融政策運営の文章に加わった、7
月になかった新たな文章の部分ですけども、これは今のところ市場のファーストリアクションとしてはどちらかというと、物価目標実現の確度が下がる下振れリスクについて注意を喚起したって文章だという解釈をされているようですけども、』
でしたなあ。
『逆にその確度が高まる上振れリスク、例えばアメリカの新政権の政策運営次第ではインフレ的あるいは金利に上げ圧力がかかって円安になって、結果的に日本の物価に上げ圧力が加わる、結果的に確度が高まるような上振れリスクもあり得ると思うんですが、』
これは実にいい質問である。リアタイで聞いてて「よく聞いた」とか声出てしまったw
『そういったリスクも留意するという含意があってそれを加えているんでしょうか。その辺りはいかがでしょうか。』
でもって植田さんの回答。
『(答)ちょっと難しいところですけれども、7 月と比べますとおっしゃったような含意もあるかもしれませんが、むしろもっと直近の
9 月ぐらいに私どもが申し上げていたことからしますと、ここの米国をはじめとするというリスクをもっと強く申し上げていたわけで、それと比べて少しリスクの評価、弱めになってるけれどもちょっと残っているという感じを出せればなという文章でございます。』
うーんこれだと下振れ警戒だけに見えてしまうな〜。
・植田さんの本音駄々洩れシリーズの白眉「ワシは内田や渡辺とは違うんじゃ馬鹿にするな」
これはクソワロタんですけどね。
『(問)春闘についてお伺いします。先頃、連合は基本構想として 2025 年の春闘で
5%以上と、昨年と同じ水準の目標を示しました。昨年が 5.1%の賃上げを実現したことと、足元の物価を考えると抑えた目標とも言えるかと思うんですけれども、中長期、巡航軌道として
2%の物価目標が実現するという前提をもとに巡航軌道を描いているということです。政府・日銀が掲げる物価目標が、賃金の一つの、決める大きな要素である春闘でも前提とされたことについて総裁どう受け止めますか。』
とまあ質問の方は至って普通の質問なんですけどこの回答を聞いててこれまたリアタイで爆笑の発作が起きました。
『(答)以前より私はあまり使ったことはないかとは思いますが、物価や賃金が上がらないというノルムが社会の中に
形成されて、』
>以前より私はあまり使ったことはないかとは思いますが
>以前より私はあまり使ったことはないかとは思いますが
>以前より私はあまり使ったことはないかとは思いますが
>以前より私はあまり使ったことはないかとは思いますが
>以前より私はあまり使ったことはないかとは思いますが
もうね、この枕詞の後に出てきたのが「ノルム」なわけですよ「ノルム」。
先般もこの話をネタにしましたが、
https://www.boj.or.jp/research/brp/ron_2024/data/ron240627a.pdf
「金融政策の多角的レビュー」に関するワークショップ
第2回「過去 25 年間の経済・物価情勢と金融政策」の模様
のPDF20枚目にある『(ノルムの位置づけ)』のコーナーで柳川先生と吉川先生が「ノルム」の話をケチョンケチョンにしていた訳ですが、植田さんも真っ当な学者として柳川先生や吉川先生の主張にシンパシーを感じている、というのがこの「以前より私はあまり使ったことはないかとは思いますが」に出ているのがクソ笑いましたし、
『それがインフレ率が上がることを難しくしてきたということがあったかと思います。おっしゃったように春闘の中で、2%という私どもの目標が一つのメルクマールとして使われるということになれば、』
という後にもう一度、
『そうしたノルムみたいなものが変わりつつあるということとも言えまして、2%の[物価安定の]目標が持続的になるという状態に一歩近づくのかなというふうに判断致します』
>ノルムみたいなもの
>ノルムみたいなもの
>ノルムみたいなもの
>ノルムみたいなもの
>ノルムみたいなもの
wwwwwwwwww
まあこれは「ワシは内田や渡辺とは違うぞ」という植田さんの気概を感じて大変に素晴らしく思いました。
といったところで他のネタまでやっている時間もないので本日はこれで勘弁。
2024/11/01
お題「決定会合レビュー(その1)」
円安に飛ばなかったのは結構ですけれども結局152円とかなのか・・・・・・・
〇展望レポート基本的見解概要部分:リスクバランスを下げてきましたな
今回の声明文は決定事項の話しかないので展望レポート基本的見解の比較と総裁記者会見での説明(例の「時間的余裕」や「米国経済下振れガー」のうち時間的余裕というのは講演とか会見での説明であって声明文や展望にはでてこない)がダイジダイジネーなのですが、会見ちゃんの方は(さすがに今回は最初から最後まできっちりと日銀よつべチャンネルで聞いていましたが)詳細が本日出ますので週末に追加する”時間的な余裕があれば”追加しますwwwww
10月展望レポート基本的見解
https://www.boj.or.jp/mopo/outlook/gor2410a.pdf
9月金融政策決定会合声明文
https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2024/k240920a.pdf
7月展望レポート基本的見解
https://www.boj.or.jp/mopo/outlook/gor2407a.pdf
主に展望の比較をしつつ時々9月声明文も入るって感じでまずは参ります。
『<概要>』の部分(ワイは鏡とうっかり言ってしまうのだがそれが一般用語なのかどうかは知らん)を比較してみるある。
・先行き経済見通し総括部分:全文一致が続く
『先行きのわが国経済を展望すると、海外経済が緩やかな成長を続けるもとで、緩和的な金融環境などを背景に、所得から支出への前向きの循環メカニズムが徐々に強まることから、潜在成長率を上回る成長を続けると考えられる。』(今回)
『先行きのわが国経済を展望すると、海外経済が緩やかな成長を続けるもとで、緩和的な金融環境などを背景に、所得から支出への前向きの循環メカニズムが徐々に強まることから、潜在成長率を上回る成長を続けると考えられる。』(9月声明文)
『先行きのわが国経済を展望すると、海外経済が緩やかな成長を続けるもとで、緩和的な金融環境などを背景に、所得から支出への前向きの循環メカニズムが徐々に強まることから、潜在成長率を上回る成長を続けると考えられる。』(7月展望)
毎回ここ同じことしか言ってませんwww見事に全文一致が継続。
・物価の先行き見通し部分
物価の先行き見通しに関しては年度別展開の説明が非展望会合の声明文では基本的に行われませんのでそこの表現が9月声明文で抜けているのはテクニカル要因です、為念。
『物価の先行きを展望すると、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、2024
年度に2%台半ばとなったあと、2025 年度および2026 年度は、概ね2%程度で推移すると予想される。』(今回)
『物価の先行きを展望すると、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、2024
年度に2%台半ばとなったあと、2025 年度および2026 年度は、概ね2%程度で推移すると予想される。』(7月展望)
9月声明文では比較該当部分無いです。こちらは展望レポートの見通し計数(はっきり言って今回の鉛筆舐め舐め感がものすごく強くて、何でこういう数字出来上がりになったのよというのはあるのですがそこはまあ追々)とその後の説明から見て「おおむね同じようなもん」という話なのと整合的な全文一致。
でもって背景説明がこの先になるのですが、書きぶり的に比較するときには展望同士で比較して9月はおまけの方がよさそうなのでそんな感じで引用しますが。
『既往の輸入物価上昇を起点とする価格転嫁の影響が減衰する一方、消費者物価の基調的な上昇率は、マクロ的な需給ギャップの改善に加え、賃金と物価の好循環が引き続き強まり中長期的な予想物価上昇率が上昇していくことから、徐々に高まっていくと予想され、見通し期間後半には「物価安定の目標」と概ね整合的な水準で推移すると考えられる。』(今回)
『既往の輸入物価上昇を起点とする価格転嫁の影響が減衰する一方、2025 年度にかけては、政府による施策の反動等が前年比を押し上げる方向に作用すると考えられる。この間、消費者物価の基調的な上昇率は、マクロ的な需給ギャップの改善に加え、賃金と物価の好循環が引き続き強まり中長期的な予想物価上昇率が上昇していくことから、徐々に高まっていくと予想され、見通し期間後半には「物価安定の目標」と概ね整合的な水準で推移すると考えられる。』(7月展望)
途中にある特殊要因でカクカクしている部分って説明が必要ではあるのはわかるのですが、展望レポート基本的見解の「概要」部分で説明すべきことなのか、というのは改めて考えて見ると若干疑問があって、基本的見解の本文の中で記載するような形にした方が良いのではないかと思うのですよね。
と申しますのも、特殊要因でカクカクしている部分って特殊要因だから本来はそこはネグって考える話の類のものであって、経済物価見通しにおける本質的な意味合いが無いものを鏡の部分という比較的重要な部分で説明していると、特殊要因が滅多にない場合は良いんですけれども、今のように馬鹿政治家共が隙あらばなんとか補助金とか出そうとすると、そのたびに特殊要因がカクカクするわけで、それを一々鏡に載せていると特殊要因の説明ばっかり悪目立ちしてしまいかねないと思うし、だいいち余計な文言が増えるので分かりにくくなりますがな、というのがアタクシの考え(個人の感想です)。
モチのロンですが、特殊要因ったって財政がガバガバ出てくるような施策に関しては、テクニカルにCPIを動かすだけではなく、ガバガバ財政によって総需要に影響が出るから経済物価見通しに影響する、というのはあるのですが、それはそれで鏡に書いてあるメインの見通し部分で討ち取ればよい話で、テクニカルの入り繰りを細かく書いていると、その要因がものすごく重要な話っぽく見えてしまうのイクナイんじゃないでしょうかね。
なお9月声明文ですが、
『消費者物価(除く生鮮食品)については、既往の輸入物価上昇を起点とする価格転嫁の影響が減衰する一方、来年度にかけては、政府による施策の反動等が前年比を押し上げる方向に作用すると考えられる。この間、消費者物価の基調的な上昇率は、マクロ的な需給ギャップの改善に加え、賃金と物価の好循環が引き続き強まり中長期的な予想物価上昇率が上昇していくことから、徐々に高まっていくと予想され、「展望レポート」の見通し期間後半には「物価安定の目標」と概ね整合的な水準で推移すると考えられる。』(9月声明文)
年別展開の部分はさておきまして7月から10月まで見通しは同じですね。ちなみにこれ9月声明文の時にも申し上げましたが、本来声明文会合の時は見通しのタイムホライズンはそんなに長くなくて、展望レポートの時に長いタイムホライズンの見通しを出す、という建付けになっていたので、若干この「展望レポートの見通し期間後半には」云々のところは違和感があるなという感じはあります。
あと、最後に
『なお、2025 年度にかけては、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比に対して、政府による施策の反動が押し上げ方向で、このところの原油等の資源価格下落の影響などが押し下げ方向で、それぞれ作用すると見込まれる。』(今回)
ってのが今回入っています。
・前回見通しとの差異
『前回の見通しと比べると、成長率については概ね不変である。消費者物価(除く生鮮食品)の前年比については、2025
年度が、このところの原油等の資源価格下落の影響などから幾分下振れている。』(今回)
『前回の見通しと比べると、成長率については、2024 年度は、前年度の統計改定の影響等から、幾分下振れている。消費者物価(除く生鮮食品)の前年比については、2024
年度は、政府の施策がエネルギー価格を押し下げることを主因に下振れている一方、2025
年度は、こうした施策による押し下げの反動から、幾分上振れている。』(7月展望)
まあここは前回と比較する意味あんまりありませんけどww2025年度の見通し下げておいて後のリスクバランスでは2025年度の上振れリスクって話があるのナンジャソラ感はあります。だったら見通し下げるなよと思うんだがwww
・リスクアセスメントの要因の表現に変化はないのよね
『リスク要因をみると、海外の経済・物価動向、資源価格の動向、企業の賃金・価格設定行動など、わが国経済・物価を巡る不確実性は引き続き高い。そのもとで、金融・為替市場の動向やそのわが国経済・物価への影響を、十分注視する必要がある。とくに、このところ、企業の賃金・価格設定行動が積極化するもとで、過去と比べると、為替の変動が物価に影響を及ぼしやすくなっている面がある。』(今回)
『リスク要因をみると、海外の経済・物価動向、資源価格の動向、企業の賃金・価格設定行動など、わが国経済・物価を巡る不確実性は引き続き高い。そのもとで、金融・為替市場の動向やそのわが国経済・物価への影響を、十分注視する必要がある。とくに、このところ、企業の賃金・価格設定行動が積極化するもとで、過去と比べると、為替の変動が物価に影響を及ぼしやすくなっている面がある。』(9月声明文)
『リスク要因をみると、海外の経済・物価動向、資源価格の動向、企業の賃金・価格設定行動など、わが国経済・物価を巡る不確実性は引き続き高い。そのもとで、金融・為替市場の動向やそのわが国経済・物価への影響を、十分注視する必要がある。とくに、このところ、企業の賃金・価格設定行動が積極化するもとで、過去と比べると、為替の変動が物価に影響を及ぼしやすくなっている面がある。』(7月展望)
実はここは面白くて、8月9月、とくに9月会合って「米国経済の下振れリスクガー」を会見で大連呼するわ「主な意見」も7月まではそんな話なかったのに突如「米国経済の下振れリスクガー」の大連呼するわ、ということになっているのですが、声明文の方では別に大連呼していなかったのですよね。でもって比較してみると実は7月展望の「為替の変動ガー」の追加文言で注目されたリスク要因の記述がそのまま継続している、という形になっていまして、一方ではご案内の通りで米国経済下振れリスクガーの大連呼をしていた訳でして、なんのこっちゃという感じですよね。
・リスクバランスは前回対比引き下げ
9月はリスクバランスの評価はありませんでした。
『リスクバランスをみると、経済の見通しについては概ね上下にバランスしている。物価の見通しについては、2025
年度は上振れリスクの方が大きい。』(今回)
『リスクバランスをみると、経済の見通しについては、2025 年度は上振れリスクの方が大きい。物価の見通しについては、2024
年度と 2025 年度は上振れリスクの方が大きい。』(7月展望)
見通し下げておいてリスクバランスは上振れってぱっと見意味くじ分からん世界なんですよね、しかもこれ最後のチャートを見ますと2025年度の委員のリスクバランスって上振れ3、バランス5、下振れ1になっているんだから普通はこういうのは多数決で「おおむねバランス」になるじゃろと思いますが、以前もそんなのがあった記憶があるが、この記述方法なんか変じゃね??とは思います
〇問題になるのは「今後の金融政策運営」だがまた余計なもんを作りやがりまして甚だ怪しからん
でもって本来ですとここから経済物価見通しの逐語比較をしていくんですが、そっちよりも今回は今後の金融政策運営に関するコミュニケーションの方が大問題、という会合でしたので、展望レポート基本的見解の最終部分をネタにしてまいります。
『4.金融政策運営 』の最終パラフラフです。
『金融政策運営については、先行きの経済・物価・金融情勢次第であるが、現在の実質金利がきわめて低い水準にあることを踏まえると、以上のような経済・物価の見通しが実現していくとすれば、それに応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになると考えている。』(今回)
『金融政策運営については、先行きの経済・物価・金融情勢次第であるが、現在の実質金利がきわめて低い水準にあることを踏まえると、以上のような経済・物価の見通しが実現していくとすれば、それに応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになると考えている。』(7月展望)
でまあこの次に「日本銀行は2%達成に向けて適切な政策をしまっせ」というのが入るのですが、ご案内の通り今回クソ意味不明な文言追加がぶっこまれております。
『そのうえで、米国をはじめとする海外経済の今後の展開や金融資本市場の動向を十分注視し、わが国の経済・物価の見通しやリスク、見通しが実現する確度に及ぼす影響を見極めていく必要がある。』(今回)
・・・・・( ゚д゚)
なんですかこれはという話でして、4月展望で余計な文言ぶっこんで利上げがだいぶ先という思惑を招いて円安をぶっ飛ばした挙句に7月利上げがサプライズ扱いになってしまった、という点の反省はどこに逝ったんでしょうか、という話ではありますわな。
いやまあこれが実は11月以降の米国新政権によって米国経済がウホウホと上向き米国物価もウホウホ状態になってくるので日本にも上振れリスクが出てくることも検討しないといけませんね、って意味だったら実は米国上振れ警戒、という話でそれはそれでオシャンティーなんですけれども、ここまでの話の流れからすると「米国経済下振れリスクガー」を「見える化」したという物件に見えてしまいますし、総裁会見でも
https://jp.reuters.com/opinion/forex-forum/56YMURFM5FLALMREVDVSFK2MWY-2024-10-31/
今後「時間的余裕」は使わない、毎回会合で情勢判断=植田日銀総裁
By 和田崇彦, 杉山健太郎
2024年10月31日午後 6:25 GMT+9
『そのうえで植田総裁は、展望リポートの金融政策運営の部分には米国経済などの今後の展開を注視する考えを明記し、リスクを重視しているという姿勢は貫いていると語った。』(この部分のみ直上URL先のロイター記事より、以下同様)
って言ってまして、この説明だと「下振れリスク警戒文言をわざわざ入れた」という説明になっているように思えるわけですし、会見の配信聞いている感じだと「やっぱり下振れ文言なのかな」と思わせる印象があったんですよね(個人の感想です)。
ただまあロイターさんの記事でも上記の部分の直後に、
『11月上旬の米大統領選後の新政権の政策運営が日本に与える影響については、新大統領が打ち出してくる政策次第では新たなリスクになるが、各会合で点検していくと述べた。』
ってなっていて、この「新たなリスク」が上振れなのか下振れなのかは言ってなかった記憶がある(少なくとも上振れって言ってた記憶は無いのだがまあこれは会見録が出て点検しましょう)のですが、会見での説明の文脈だと新たな下振れリスク、って聞こえてしまうのですよね。
ただまあ書いてある文言では下振れとは限定して書いていないので、上振れも下振れもアリエールという話になってしまうのが諸葛孔明の罠にも程がある話で、それこそ先週の植田総裁のワシントンでの会見の「一応」2連発が(アタクシが最初に気が付いたわけではなくて読者様から指摘されて成程と思っただけなのでそこはタネを割っておきますがw)実は今回の「時間的余裕」撤廃の布石だったように、これも後から利上げする段になって「米国経済は下振れリスクよりもむしろ上振れの可能性の方が高まっており金融緩和度合いの調整をサポートしています(
ー`дー´)キリッ」とか言い出すための諸葛孔明の罠の可能性もある、という玉虫色文言になっています。
まあしかし何ですな、そういう諸葛孔明の罠なのかもしれませんけれども、こういう文言は基本的にゴテゴテと入れることによって、「条件付き」という印象を強めるものになりますし、しかも本来総合判断で行うべき金融政策判断に関して「米国経済に注目して金融政策を行っている」というような本筋からみたら明らかに変な事をやっている印象を与えるので、まあこういう表現を加えているのは筋悪にも程があるんですが、どういう事情でこの別に入れなくてもよさそうな文言を入れる破目になったのかというのは不思議ちゃんではございます。下振れリスク警戒しないといけないからそのためにこの文言を入れたのならまあ話は分からんでもないのですが、上下のリスクがあるのは何だってそうなんだからわざわざ入れる必要あるのか??って話ですよね。
ちなみに記憶の備忘のために、となりますが悪名高かった4月展望ですが、
『金融政策運営については、先行きの経済・物価・金融情勢次第であり、この点を巡る内外の経済・金融面の不確実性は引き続き高い。以上のような経済・物価の見通しが実現し、基調的な物価上昇率が上昇していくとすれば、金融緩和度合いを調整していくことになるが、当面、緩和的な金融環境が継続すると考えている。』(4月展望)
ってなっていて、この「当面、緩和的な金融環境が継続すると考えている」が政策金利引き上げへの市場の、というか特に為替市場方面の金融政策に関する見方に大きく影響を与えていた訳ですな。
なお、最終パラの最後は、
『日本銀行は、2%の「物価安定の目標」のもとで、その持続的・安定的な実現という観点から、経済・物価・金融情勢に応じて適切に金融政策を運営していく。』(今回)
『日本銀行は、2%の「物価安定の目標」のもとで、その持続的・安定的な実現という観点から、経済・物価・金融情勢に応じて適切に金融政策を運営していく。』(7月展望)
でして、ちなみに4月展望をおまけでつけると、
『日本銀行は、2%の「物価安定の目標」のもとで、その持続的・安定的な実現という観点から、経済・物価・金融情勢に応じて適切に金融政策を運営していく。』(4月展望)
となっています。
〇総裁記者会見:詳しくは会見録出てからですが「時間的余裕」を完全封印したのは結構結構
ロイターさん(再掲)
https://jp.reuters.com/opinion/forex-forum/56YMURFM5FLALMREVDVSFK2MWY-2024-10-31/
今後「時間的余裕」は使わない、毎回会合で情勢判断=植田日銀総裁
By 和田崇彦, 杉山健太郎
2024年10月31日午後 6:25 GMT+9
ほぼ出オチですけど、
『[東京 31日 ロイター] - 日銀の植田和男総裁は31日、金融政策決定会合後の記者会見で、米国経済の下振れリスクが後退しているとして、今後、経済・物価情勢の見極めなどで「時間的な余裕はある」という表現は使わないと説明した。日銀の経済・物価見通しが実現していけば「引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになる」と強調する一方で、追加利上げの是非は毎回の決定会合までに入ってきたデータや情報に基づいて判断していくと述べるにとどめた。』(上記URL先より、以下同様)
いやマジであの表現害悪以外の何物でもなかったので削除したのは結構なことでした。
『植田総裁は9月の決定会合後の記者会見以降、円安修正で輸入物価上昇に伴う物価上振れリスクが後退しており、政策判断に当たって「時間的な余裕がある」と繰り返し述べてきた。しかし、「時間的な余裕」との文言が市場で次回の利上げ時期を示すキーワード化しつつあるとの警戒感が日銀では出ていた
。』
次回どころかその先までのキーワードになっていましたけどwww
『植田総裁はこの日の会見で「時間的な余裕がある」との文言を封印。米国経済の現状について「良好な経済指標がみられる」とし、完全に安心できるまではいかないがリスクの度合いは下がっていると指摘。米経済や市場の波乱が日本経済に与えるリスクに強く光を当てる意味で使ってきた「時間的余裕」という表現は不要になったと説明した。米国経済のリスクに特に注目するのはやめ、「普通の金融政策決定のやり方に戻る」とも述べた。』
まあこの辺もツッコミどころがあるのですが、そのあたりは会見録出てから改めて参ります。