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2023/03/31
お題「末初レポレートェ・・・・・・・・/地区連銀総裁発言を拾っておく」
「パンが無いならお米を食べればいいじゃない」byマリー・アントワネット(大嘘)
https://www.agrinews.co.jp/news/index/146619
2023年3月30日
ご飯1日3杯なら―― 食料自給率6ポイントアップ 農水省試算
『国民1人が1日に米を3杯食べるようになれば、食料自給率はカロリーベースで6ポイント上昇する――。29日の衆院農林水産委員会で、農水省がこんな試算を明らかにした。同4杯食べれば15ポイント上昇するという。2021年度に38%にとどまる自給率の向上へ、米の消費拡大の重要性が改めて浮き彫りになった。』
『自民党の細田健一氏の質問に対し、同省の杉中淳大臣官房総括審議官が答弁した。1人当たりの米の年間消費量をご飯に換算した場合、現在は1日に2・4杯食べている計算になるという。1人1日当たりの供給熱量を一定とし、国産米の消費が増えた分、小麦などの輸入品が減ると仮定して機械的に試算した結果として説明した。』
『同省によると、1965年度は国民1人当たり1日に5杯の米を食べていた。少子高齢化や食生活の多様化に伴い、半世紀余りで半減したことになる。』(以上上記URL先より)
日本の米生産量も確か昭和40年近辺がピークだった筈です。
・・・・・・・という訳で(どういう訳だ)期末でございまして期末が既に締まっている人、既に諦めている人と、非常によく似た文字ですが明暗の分かれる所でありまして、さて不肖このアタクシはと申しますと以下略。
〇末初の東京レポレートがドイヒーな事になっていたのだが日銀そっちはノーケアーかよ
さすがにあれだけぶっ飛ぶとあちこちで話題になるわな、ということなので皆様既にご案内のお話で恐縮ですが末初GCレポが爆発してしまいました、合掌。
https://www.jsda.or.jp/shiryoshitsu/toukei/trr/index.html
東京レポ・レート
GCのT/Nですけど、受け渡しベースで先週金曜スタートになる23日のから並べると、
2023/3/23 -0.113
2023/3/24 -0.118
2023/3/27 -0.197
2023/3/28 -0.251
2023/3/29 -0.331
2023/3/30 -1.205
▲1.205%とは・・・・・・・という感じでこりゃひでえの巻(東京レポレートはリファレンスレートなのでこういう荒れてる日の場合はもっとキツいレートがついている筈です)となってますし、GCがこれだとSCだって▲1.5%とか▲2.0%とかなんかエグい世界になっているんでしょうし、しかも末初3日あるから辛さ3倍というどっかのラーメンみたいな状態になっておる訳でこれはドイヒー。
でまあこのドイヒーが昨日の債券市場の方にも影響してたっぽくて、なんか知らんが日中横綱は謎の挙動不審だったし、イールドカーブも日中にウネウネと動いてたし、引けのカーブもうねうねしてたし、まあ債券現物の流動性が枯渇してくるとオファービットが安定しなくなって、そうなると債券市場におけるインデックス運用というのが売買コストと取引執行可能な市場流動性、という面から苦しい局面を迎えますし、インデックス運用がワークしにくくなる、コストが馬鹿高くなる、となって来るとそれは回りまわって誰の負担になるのかね、という話を考えるに、日銀は馬鹿みたいに市場の流動性を吸い上げて回っている場合じゃないと思うのですけどね。
GCの1W方面でも昨日は採りあがりになったんでしょうねーという感じでありまして、
2023/3/22 -0.114
2023/3/23 -0.119
2023/3/24 -0.207
2023/3/27 -0.309
2023/3/28 -0.360
2023/3/29 -0.414
2023/3/30 -0.639
24日から期末越えになっていますがこの有様で、末初のモノ無しが顕著なのですけれども、何が悲しいって去年は無風だから比較対象にならんのでコロナショックの2020を見ますと、
GCトモネと1w、ちょっと日数を長めに見ますと(左がトモネで右が1w)
2020/3/10 -0.104 -0.117
2020/3/11 -0.111 -0.120
2020/3/12 -0.153 -0.159
2020/3/13 -0.198 -0.182
2020/3/16 -0.215 -0.215
2020/3/17 -0.422 -0.336
2020/3/18 -0.218 -0.222
2020/3/19 -0.268 -0.239
2020/3/23 -0.620 -0.335
2020/3/24 -0.880 -0.450
2020/3/25 -0.284 -0.401
2020/3/26 -0.200 -0.270
2020/3/27 -0.160 -0.189
2020/3/30 -0.575 -0.262
2020/3/31 -0.243 -0.198
2020/4/1 -0.142 -0.149
寧ろこの時はドル資金取れない問題⇒ドル資金供給オペとかのように、市場のシュリンクに外貨に関しては国際協調してたし、国内の流動性確保にも各国は動いていたということもありまして、期末前の方がもっとエライコッチャになっていたのが徐々に落ち着いてくれた、という感じでの動きでありましたのです。
それに対して今回はもうなんか漫然と放置プレイを続け、別に昨日も短国売現T+1翌日物でもやってGCの急低下を抑えるなどという気の利いた事もせずに漫然とGCのクソ低下を放置プレイするというやる気ナッシングプレイに打って出られまして、案の定の修羅の巷になってしまいましたので、レポ担の皆様はモヒカンでヒャッハーと言いながら世紀末状態だったかと思うと落涙を禁じ得ません。
しかしこの調子で年度末迎えられちゃいますと、年度末ほどじゃないですけど、締めの関係で半期末とか四半期末だって色々と問題含みになるのがレポ市場の常だというのに、日銀は別に漫然と放置プレイの上に、今後も国債散々っぱら買い占めて放置プレイされますと(しかも一部ではSLF締め上げまでする)マーケットメイクするのにもオファービット払ってちょとかロットは捌けませんゴメンちょとかそういう話にさらに拍車がかかることを懸念するのでありました。
という訳で、レポ市場に関して言えば「コロナショックを上回るショック襲来」ということで、その中のファクターとして欧米金融機関アイヤーからの短国海外に持っていかれ現象もあった訳なのですが、日銀がまったくここに手を付けないで放置プレイしてるし、大体からして市場の流通玉買い上げ捲ってるのおめーだおめーってのもあるし、なんちゅうかこれはもうちょっと何とかならなかったのかよと思うのでありました。
〇FED高官が何か言ってるようなのでクリップだけしておく(中身を見る余裕はない)
・ボストン連銀コリンズ総裁
https://jp.reuters.com/article/usa-fed-collins-idJPKBN2VW1RN
2023年3月31日3:22 午前
FRB、あと1回利上げし年内維持へ 利下げの根拠確認せず=ボストン連銀総裁
『[ワシントン 30日 ロイター] - 米ボストン地区連銀のコリンズ総裁は30日、米連邦準備理事会(FRB)が年内にあと1回利上げを実施し、その後は年末までその水準を維持する公算が大きいという見通しを示した。金融部門のストレスにより、それ以上の利上げを必要とする圧力が減退している可能性があるとした。』
『地銀の破綻などによって金融政策見通しを巡る不確実性が高まったと指摘。「銀行システムは引き続き強固で強靭だが、最近の動向を踏まえ、銀行がやや保守的な見通しを示し融資基準を厳格化することで、景気の減速とインフレ圧力の緩和に寄与する可能性が高い」とし、「こうした動きは追加利上げの必要性を部分的に相殺する可能性がある」と述べた。さらに、金融セクターで再び問題が発生すれば、現行の金融政策見通しに「影響を与えるだろう」という認識を示した。』(上記URL先より)
本チャンはこちらにあります
https://www.bostonfed.org/news-and-events/speeches/2023/remarks-on-the-outlook-monetary-policy-and-supporting-a-vibrant-economy.aspx
URLが信じがたいほど長いのでハイパーリングは途中までの文字列にしか貼っていませんが、
ちゃんと当該ページに飛ぶ筈です(失敗してたらゴメンちょ)。
Remarks on the Outlook, Monetary Policy, and Supporting a Vibrant Economy
By Susan M. Collins
39th Annual NABE Economic Policy Conference
National Association of Business Economics
全文はこちら
https://www.bostonfed.org/-/media/Documents/Speeches/PDF/collins/2023/20230330-text.pdf
でもって最初の方のHTMLバージョンに『Takeaways from Boston Fed President
Susan M. Collins’ March 30, 2023 Remarks』というのがあるのでそこだけ読んでみる、しかも前半の2つだけ。
『1.Financial stability: The banking system is strong and resilient, with
well-capitalized institutions and ample liquidity. Recent difficulties,
and the decisive actions taken in response, demonstrate commitment to use
all our tools to ensure the financial system remains safe and sound, and
to take action as needed. The lessons learned from the review underway
will be welcome, and instructive.』
ということで金融システム問題は大丈夫です(キリッ)という話で、我々的にメインネタの金融政策は、
『2.Monetary policy and the macroeconomic outlook: Recent data show that
inflation is still too high, continuing to take a toll on households and
firms. I anticipate that some additional policy tightening will be needed
as we follow through on our commitment to price stability.』
ごく普通に最初は「幾分かの追加の金融引き締めが必要」ときましたが、このあとハウエバーが来る。
『However, while recognizing the risks and uncertainties to the outlook,
I remain optimistic there is a path to bringing inflation down without
a significant downturn, because of the resilience I see in the economy.』
まあ詳しくは本文、って感じなんでしょうけど(読んでる時間がないからパス)ハウエバーとは言ってますが基本的には不確実性がありますね、というのがテイクアウェイの中でのお話という感じになっておられますですな。
・リッチモンド連銀バーキン総裁
https://jp.reuters.com/article/fed-barkin-idJPKBN2VW1WF
2023年3月31日4:57 午前
FRB、会合ごとに決定 自身の見解は未定=リッチモンド連銀総裁
『[リッチモンド(米バージニア州)30日 ロイター] - 米リッチモンド地区連銀のバーキン総裁は30日、連邦準備理事会(FRB)の政策を会合ごとに決めていくことに「抵抗はない」とし、5月の次回会合でどのような決定が適切になるか、自身の見解はまだ固まっていないと述べた。』(上記URL先より、以下同様)
これはまた正直で宜しい。
『バーキン総裁はバージニア州で開かれた会合で、銀行預金はこれまでのところ「比較的安定している」とし、シリコンバレー銀行とシグネチャー・バンクの経営破綻が広範な金融危機につながるとは思えないと述べた。』
ほうほうそうですかそうですか。
『同時に「インフレは極めて高く、労働市場はなお引き締まった状態にある」としながらも、「現在の銀行を巡る状況が消費者心理、景況感、企業投資、個人消費、信用供与などにどのような影響を及ぼすのか、不透明な部分が多い。需要やインフレがどのように推移するのか、多くの疑問がある」と指摘。現時点で判断するのは難しいとし、「0.25%ポイントの利上げが必要かどうか、会合ごとに判断する現在の軌道に満足している」と述べた。』
まあ皆さん揃ってこんな感じですっとぼけておいて市場に勝手に連想させるようにする(のにドットは邪魔だからやっぱりドットチャート無しにしようよ、と毎度思うんだが)ようにしたら、と思ってしまいます。
バーキンさんの本チャンはこっちだが久々にニンブルみたなw
https://www.richmondfed.org/press_room/speeches/thomas_i_barkin/2023/barkin_speech_20230330
The Need to Be Nimble
March 30, 2023
Tom Barkin
President, Federal Reserve Bank of Richmond
The Virginia Council of CEOs
University of Richmond
Richmond, Va.
ということでそんなに長くはないのですがこれまた読んでる時間があんまりないので、最初の『Highlights:』ってのだけ拾っておきます。
『・The challenge in assessing today’s economy is reconciling the strength
of the recent data with the potential for weakness coming from the banking
system.』
リコンサイルの時期ですよということで、どっちとも決め打ちしないで金融セクター問題の波及を見たいと。
『・It is possible that tightening credit conditions, along with the lagged
effect of our rate moves, will bring inflation down relatively quickly.
But I still think it could take time for inflation to return to target.』
バーキンさんは今の金融機関アイヤー問題とこれまでに行った引き締めの累積効果で物価2%への落ち着きが速くなるんじゃなかろうかという風に見ているのだが、ゆうて全然そのパスに自信はない、という事なので、まあホーキッシュではないのは分かりますね。
『・Policy will need to be nimble. If inflation persists, we can react
by raising rates further. If I am wrong about the pricing dynamics at play,
or about credit conditions, then we can respond appropriately.』
分からんから政策は出たとこ勝負、ということで一切の決め打ちが無いのは潔いです。
・ミネアポリス連銀カシュカリ総裁
しかし他の地区連銀ニュースのサムネは建築物なのにカシュカリ大僧正については大僧正ご近影を使うというロイターさん、カシュカリ僧正の顔面芸が絵になる事に気が付いたようです。
https://jp.reuters.com/article/usa-fed-kashkari-idJPKBN2VW1WL
2023年3月31日4:58 午前
インフレ抑制へ「さらにやるべきことある」=ミネアポリス連銀総裁
『[30日 ロイター] - 米ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁は30日、インフレを目標の2%まで低下させるために「さらにやるべきことがある」という見解を示した。ただ、金利があとどの程度上昇すべきかどうかについては明確にはしなかった。』(上記URL先より、以下同様)
で???
『カシュカリ総裁は、米連邦準備理事会(FRB)がこれまでに実施した利上げによって「実質的な進展が見られた」とし、住宅市場が減速し、商品価格が下落したことなどに言及した。』
ほうほう。
『同時に「現時点でとりわけ懸念されるのは住宅以外のサービス経済が減速の兆しを示していないことだ」とし、「賃金の伸びは依然2%のインフレ目標と一致するペースを上回っており、経済のサービス部門の均衡を取り戻すためになおやるべきことがあると示唆している。われわれはインフレを低下させる必要があり、そうするつもりだ」と述べた。』
あらそうですか。
『また、米銀行システムは健全で、大半の銀行が金利上昇に備えた態勢を整えているとしつつも、シリコンバレー銀行とシグネチャー銀行の破綻を発端とする銀行セクターのストレスが「どの程度持続的な信用収縮につながり、さらに米経済を減速させるかは現時点で不明」とし、FRBは状況を「注視する」と述べた。』
だそうです、って全文引用スレスレになってしまいました申し訳ございません。
大僧正ですが、これはどうもシンポジウムだか何だかのQAコーナーでのお話っぽくて、
https://www.minneapolisfed.org/speeches/2023/Neel-Kashkari-QA-with-the-Minnesota-Housing-Partnership
Neel Kashkari Q&A with the Minnesota Housing Partnership
March 30, 2023 | 12:00 - 1:00 p.m. CT
author photo not available
Neel Kashkari
President and CEO
Full event
[YouTube]
A conversation with Minneapolis Fed President Neel Kashkari, moderated by Minnesota Housing Partnership’s Executive Director Anne Mavity at the Wilder Foundation in St. Paul, Minnesota.
ユーチューブの埋め込み画像があって、見に行くと56分35秒という文字をみた瞬間に萎えてしまうのですけど、7分ほどするとディスカッション(カンバセーションとか言ってるけど)のコーナーが始まって、そこに大僧正が登場しておる(中身は全然見てないが)という感じのようであります。
〇FSR別冊でてますよ(備忘メモだけ)
https://www.boj.or.jp/research/brp/fsr/fsrb230330.htm
地域金融機関の引当方法の見直しと経営改善支援への取り組み
2023年3月30日
日本銀行金融機構局
全文はこちら
https://www.boj.or.jp/research/brp/fsr/data/fsrb230330.pdf
これ出て来る度に同じこと言うんですけど、要は無税引き当てをもっと広範に認めてくれればホイホイと引き上げ増やすと思うのですが、それやると税収が減るので無税引き当てを認めないというお方がいらっしゃるというのがねーとは思うのであります。ちょっと後半含めて暇なときに読んで置こうかとは思いますが。
2023/03/30
お題「副総裁国会答弁とな/横綱の挙動がアレ/末初でもないのにGC急低下しているんですが」
ニュースの題名を見て一瞬首相とか大統領府長官か何かとして迎えるのかと思って以下割愛
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-03-29/RS9IWET1UM0W01
【ウクライナ】ゼレンスキー氏、習氏をウクライナに迎える用意−報道
Bloomberg News
2023年3月29日 15:17 JST
〇就任会見の前に国会答弁が先になってしまったではないか
何かネット版の記事がエライ雑なんですが。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-03-29/RS9G1CT0G1KW01
YCC見直し、事前に織り込ませること難しい−内田日銀副総裁
伊藤純夫
2023年3月29日 12:06 JST 更新日時 2023年3月29日 13:17 JST
『日本銀行の内田真一副総裁は29日、イールドカーブコントロール(長短金利操作・YCC)の見直しについて「YCCの性質上、事前に市場に織り込ませることは難しい」と述べるとともに、「金融市場の安定が極めて重要な要素の一つになる」との見解を示した。衆院財務金融委員会で答弁した。こうした特性を踏まえた上で市場との適切なコミュニケーションが必要だとし、「経済物価金融情勢についての見方、あるいはそれを踏まえた政策運営について、今後とも丁寧に説明していきたい」と語った。』
『また、日銀が目指す2%の物価目標を実現する過程において、今行われていないことも含めてあらゆる金融政策の方策を考えていくことが与えられた役割だとし、「日本経済あるいは物価安定のために必要であれば、あらゆる選択肢を排除しない」と述べた。』(上記URL先より)
ゆうてアタクシも別にこの衆院財務金融委員会質疑を真面目に見て無かったので何とも申し上げられないのですが、ベンダーフラッシュ見てた感じだともうちょっと印象が違くて、「基調的な物価は目標達成の判断に重要」とか「国債保有のストック効果は金利の押し下げ効果」とかそんな感じで、YCCを見直した時の理屈もきっちりと説明していた感じに見えたので、ネット版の記事が何でこうなるのかが謎なのですが、まあ答弁聞いてないので全体の文脈が分からん、というのは正直ある。
ただまあ内田さんのこの説明を見れば、さすがに内田さんだけの事はありまして、YCCの変更を事前に示唆するような「点検指示」とかそういうことはしないで、やるならスパッと一発で実施、というのが示されたな〜と思いますし、変な小細工はしてこないんじゃなかろうかというのは若干の期待感(まだ始まってもいないので真の安心感はもちろんないのですが、へなちょこ小細工レジームからの脱却には少しだけ期待している)がありますな。
しかしまあ何ですな、国会の委員会質疑が就任記者会見よりも前に来ちゃうのって、就任会見を植田総裁と同時に行うためとは言え、ちょっとコミュニケーションポリシー的にはどうだったのかとは思わざるを得ない所でありまして、そうなってしまったのは残念としか申しあげようが在りません。
〇黒ちゃんはただの頑固者なのかわざと悪役をやっているのかが良く分からんが
そもそもこの期に及んで黒ちゃん呼んで答弁させたって何の意味もねえだろと思うんだが。
内田さん(氷見野さんもそうだったようだが)の国会答弁って黒ちゃんの同席の所でやっていたのでして、黒ちゃんの任期中に会見やらせると黒田路線についての質問されたら答えにくいだろう、って配慮もあって会見を4月10日まで引っ張ってるのに、国会答弁させる立憲も大概にクソオブクソで、黒ちゃんの面前で黒田緩和にも直すべきところがあるかどうか検討するとかそんな発言できんじゃろと思うのでありまして、逆にここで黒田踏襲とか発言させたら黒田以外誰も得しない展開になるのが自明なのに国会に呼ぶ立憲はゴミクズとしか申し上げようがない(そもそも報道見たら内田さんと氷見野さんの答弁を要請したのは立憲の委員だと出てたので)のだが、まあそれはともかく黒ちゃん相変わらずのこれである。
https://jp.reuters.com/article/idJPKBN2VV03O
2023年3月29日11:21 午前
金融政策運営、反省すべきとは全く考えていない=黒田日銀総裁
『[東京 29日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は29日、衆議院財務金融委員会で、自身の金融政策運営について債券市場の関係者が評価していないことは承知しているが、「反省すべきとは全く考えていない」と述べた。階猛議員(立憲民主党・無所属)の質問に答えた。』(上記URL先より)
2年程度を念頭に出来るだけ早期に達成すると豪語して開始した政策が10年たっても達成の目途が立たない(立たないからマイナス金利と10年0%をやっているのだから)状況だというのに「反省すべきとは全く考えていない」とかこのジジイは認知に問題があるのかと思ってしまうが、幾らなんでもこれは黒ちゃんとしての植田さんに向けたエール、すなわち次の植田さんがまともな人間であるという好印象を与えるためにワザと狂気じみた頑固ジジイのキャラクターを前面に出しているものだと信じたいし、そうじゃなかったら人間として如何なものかと思うので総裁退任ついでに可及的速やかに天寿を全うして頂けると大変にありがたく存じます。
という国会雑談メモでしたが、内田副総裁の説明は通しで読んでみないと何とも言えないけど、なんか単純にそれを好感して債券買うとかそういうものでは無いと思うんだが。
〇債券市場のあちこちで流動性低下が著しいように見えるのだが(横綱とGC)
・ニュースフローもないのに横綱怒涛の寄り身とな
https://port.jpx.co.jp/jpx/template/quote.cgi?F=tmp/popchart&QCODE=601.555
長期国債先物(夜間除く) 23年6月限
取引日:2023/03/29
立会区分:日中取引
始値:148.50(03/29)(08:45)
高値:148.81(03/29)(13:14)
安値:148.42(03/29)(08:51)
現在値:148.62(03/29)(15:02)
前日比:+0.11
取引高:11,760
ということでこちらのページですとネットでもディレイの日中足が見れるんですけど、たしか前場の注文受付時間になったらだか何だか忘れましたが、昨日の先物足は見れなくなってしまうという残念な設計になっておりますので日中足を朗読しながら。
昨日の横綱なんですけど、前日比引けからちょい安近辺でうだうだしてて、前場引けにかけて何か上がってきて前日比マイナスを解消した、と思ったら後場寄ってから更にジリジリと上がったのですけど、13時ちょいすぎに突如148.53⇒148.77に横綱怒涛のがぶり寄りというか電車道というかの物凄い勢いで日中高値の30銭高とか付けに行ったのですが、13時半くらいから今度は横綱急にヘタれてしまいまして、青菜に塩という感じでズルズルと後退して148.55近辺まで押し戻される、というなんかよく分からん展開。
この間に何かニュースフローとか材料とかありましたっけというのがこれまた謎で、どこぞのベンダーは「内田副総裁発言を好感」とかもうヤケクソになって講釈してましたが、いやいやいや内田さんの発言出たの前場引けから昼休みに掛けてじゃろという事で、最早何が何だかワケワカメで、不肖このアタクシまるで理解できなかったのですが。
まあ何ですな、前日の40年入札(うっかりメモを忘れましたが事前予想を盛大にぶっ飛ばす入札で昨日一昨日で超長期の後ろって20毛位強くなってるのよね)の余波で後ろが激強になってて、何かフローが飛んでくるとそれがそのまま場に出てしまって(その理由の一旦は次のネタで考察してみる)、横綱もそういったフローのオマジナイヘッジとかにつかわれたりするのかな、とか何とか思ってみたりもしたのですが、とにかくまあ10年カレントレッツゴー三匹とか言ってる場合じゃないくらいカーブ全般に流動性がねええええええという状況になっておられますなこりゃ、と思いました。
ちなみにイブニングになったら今度はまた怒涛の寄り身とかしてて夕方ごろは70銭台になってて(高値79銭で18:22)ナンジャソラと思ってたらイブニングの引けは148円42銭のようで、もう何が何だかという展開ですね。まあ夜間は海外金利と海外銀行アイヤー問題だとは思いますけど。
・GCレートが期末期初でもないのにクソ低下している件について
マイナス金利政策によって債券村飛地集落短期地区から出稼ぎに行かなければ行けなくなって早や何年というアタクシでございますが、植田総裁ならきっとやってくれるとの思いで帰郷の準備でもと思ってもうちょっとガチで確認しなければ、とか言ってGCレートとか見てるとこれがまた何か物凄い変な事が起きておられまして、何か修羅の地になっているように見えるわけですわ。
https://www.jsda.or.jp/shiryoshitsu/toukei/trr/index.html
東京レポ・レート
・公表データ
東京レポ・レート(2023.3.29) XLS
東京レポ・レート(一覧) XLS
ってのがありますが、「一覧」の方を見た方が分かりやすいんですけどね。
GCトモネのレート推移がこうなっているんですけど・・・・・・・・・
2023/3/17 -0.096
2023/3/20 -0.097
2023/3/22 -0.096
2023/3/23 -0.113
2023/3/24 -0.118
2023/3/27 -0.197
2023/3/28 -0.251
2023/3/29 -0.331
例えば去年の期末だとGCトモネはこうなっておりました。
2022/3/22 -0.085
2022/3/23 -0.085
2022/3/24 -0.089
2022/3/25 -0.088
2022/3/28 -0.091
2022/3/29 -0.103
2022/3/30 -0.300
2022/3/31 -0.126
ご覧の通りで、末初に関してはGCで玉出す人が本決算なので減ってしまって、レートがクッソ下がるのですが、今回の場合、末初でもない27日のトモネからレートが低下してて、昨日のトモネだって末初でもないのに▲33.1とかいう碌でもないレートになってます。
でもってGCが下がるとスライドしてSCレートの方も下がってしまいますので、これはまた債券のマーケットメーカーがマーケットメイクしにくい(SCレポのコストがクソ高くなるから)という流れになってしまいますので、これはまた新たな流動性低下要因キタコレという感じになっていて甚だ遺憾極まる展開。
そもそも12月以降日銀がアホのように国債を買うわ変な共担で担保玉吸い上げるわと来た所に海外金融機関のアイヤーがあってスワップ円転絡みの短国買いは入るわで、とにかく世の中に国債が足りない状態になっているのがGCレートが期末になる前からドコドコ下がりだすという異様な状況を生んでいるんだと思われるところですが、このインプリケーションについては帰郷の為の勉強中につきちょっと詳しい人教えろ下さいと思ったが、この東京レポレート見ておりますとどう見ても今日のレポ市場とか修羅の巷にしか見えませんので、そんな相手をしている余裕はないですねモヒカンにしてヒャッハーと言いながらレポの皆様の奮戦を祈念致しますですわ。
ちなみにGC1W(東京レポレート、クソ長い所とかは見てもご参考程度で、翌日物(のトモネ)と1W位見ておけば十分というのは変わっていない筈)ですが、
昨年は
2022/3/22 -0.085
2022/3/23 -0.085
2022/3/24 -0.092
2022/3/25 -0.092
2022/3/28 -0.094
2022/3/29 -0.103
2022/3/30 -0.121
2022/3/31 -0.111
と平穏そのものでありましたが、今年の場合はと申しますと、
2023/3/22 -0.114
2023/3/23 -0.119
2023/3/24 -0.207
2023/3/27 -0.309
2023/3/28 -0.360
2023/3/29 -0.414
1Wはトムスタートのレートなんで、トムスタートが末越えになるのは24日の所からになるのでございますが、こちら1Wのレートがバシバシ上がっておりまして、1wがこんなにバシバシと金利下がると換算末初レート幾らですねんと言いたくなりますが、それ以前の問題で先に申し上げた通りで末初じゃないのにGCがクソ低下している訳でして、なんかエライことになっておるのですが、これは末初の短国売現とかやった方がエエンデネエノと思ったのですが、日銀保有の短国って総ざらえしても3兆ほどとかなのか、と思いながらさてどうするんじゃろとか思いながらGC市場がエライコッチャになっておられるのを遠巻きに眺めるアタクシなのでありました。
・・・・・マニアネタですいません&そんなメモ作ってるうちに時間が無くなってしまいました本日はFOMC会見とか要人発言ネタでもと思ってたのですがついうっかりGCネタに(滝汗)。
〇ああそういえばご案内だと思いますが(これまた備忘メモ)
https://www.imf.org/ja/Publications/fandd
ファイナンス&ディベロップメント - セレクト記事
暫く前にちょっとだけネタにしてそのままでしたラジャンさんのIMFへの寄稿なんですけど、日本語訳バージョンが親切にも公表されておりまして、ご案内の方も多いと思いますがアタクシの備忘メモ代わりにリンクをはっておきます。まあ黒ちゃんはこれを百回朗読して桶と。
https://www.imf.org/ja/Publications/fandd/issues/2023/03/Central-Banks-less-is-more-raghuram-rajan
過ぎたるは及ばざるが如し
ラグラム・ラジャン
2023年3月
最初の小見出し『中央銀行が政策の焦点を絞り、介入の度合いを弱めれば、より良い成果が得られるだろう』から実にイイハナシダナーとしか言いようがなくて、日銀の皆様におかれましても毎朝朗読をすべきでは無かろうかと思うのでありました(^^)。
2023/03/29
お題「最頻値2%乗せキタコレ/FOMC会見QA続きでやっぱり物価重視に見えるんだよなこの説明」
まあこういう流れになるよなー
https://jp.reuters.com/article/eurozone-banks-ecb-idJPL6N360073
2023年3月28日6:05 午後
銀行セクターの動揺、厳しい監督必要=ECB
っていう感じで威勢よく規制強化をするんだが、結局毎度の如く欧州とか米国が同じような事をやらかすわけでありまして、そのたびに規制強化されてしまって、日本は真面目なのでこれにきっちり対応することによって以下割愛。
〇どう見ても山が動いています本当にありがとうございました(基調的な物価)
https://www.boj.or.jp/research/research_data/cpi/index.htm
基調的なインフレ率を捕捉するための指標
PDFのグラフを見ても大概ですがいつものデータをエクセルちゃんから拾ってくるのですが、2020年基準での計算が出ている2021年1月からのデータを見ますと中々感慨深いものを感じる訳でして、
Jan-21 -0.3 0.0 0.0
Feb-21 -0.2 0.1 0.1
Mar-21 -0.1 0.1 0.1
Apr-21 -0.3 0.1 0.1
May-21 -0.1 0.1 0.1
Jun-21 0.0 0.1 0.1
Jul-21 0.2 0.1 0.1
Aug-21 0.3 0.1 0.2
Sep-21 0.6 0.2 0.2
Oct-21 0.6 0.1 0.2
Nov-21 0.8 0.1 0.2
Dec-21 0.9 0.1 0.3
Jan-22 0.8 0.2 0.3
Feb-22 1.0 0.1 0.3
Mar-22 1.1 0.2 0.3
Apr-22 1.4 0.3 0.4
May-22 1.5 0.4 0.5
Jun-22 1.6 0.5 0.5
Jul-22 1.8 0.3 0.7
Aug-22 1.9 0.5 0.8
Sep-22 2.0 0.5 0.9
Oct-22 2.7 1.1 1.3
Nov-22 2.9 1.2 1.5
Dec-22 3.1 1.4 1.6
Jan-23 3.1 1.1 1.6
Feb-23 2.7 0.8 2.1
いつものように左から刈込平均値、加重中央値、最頻値(前年比、%)ですけど、とうとう最頻値が2.1%まで上がっているのでして、これでインフレ期待が上がっていないわけがないという状況になっております。この辺りが強いというのって、何とかストとか日銀が言ってる「一時的」というのが実は一時的じゃなくて、なんだかんだ「これこれが下がると思ったら別のが上がってた」状態が続いている事を示しているというお話だと思われるわけでして、東京都区部3月もコアコア物価が強かったし、粘着的な価格云々って言い訳も使っていますけど、先日出た企業向けサービス価格指数も強かったし、こんなの素直に「物価目標達成に向けた前向きな動きがみられる」って進軍ラッパを吹きまくって、いまこそインフレ期待を2%にアンカーさせる絶好のチャンス。
でもってそういうインフレ期待を引き上げるには、マイナス金利とかいうデフレっぽいものはとっとと停止して(別に短期金利を1%2%に上げろというのではない)YCCなんぞ以ての外、という事にしていかないとやはり「2%インフレ期待のアンカー」という威勢の良い話にならんじゃろと思うのだが、なんかYCCを外した位で景気が大コケするみたいな話ばっかり(債券村を除く一般の外界で)横行してて、何なんでしょうかね、と思います、というのは債券村のポジショントークですかそうですかそうですかすいませんすいません。
上昇下落品目比率に関しても、
Jan-21 46.7 44.6 2.1
Feb-21 49.0 42.7 6.3
Mar-21 51.0 41.0 10.0
Apr-21 50.2 41.8 8.4
May-21 51.1 41.4 9.8
Jun-21 50.6 42.0 8.6
Jul-21 51.9 41.0 10.9
Aug-21 56.1 36.2 19.9
Sep-21 57.1 35.1 22.0
Oct-21 58.4 34.1 24.3
Nov-21 59.2 33.3 25.9
Dec-21 58.8 34.3 24.5
Jan-22 61.5 31.0 30.5
Feb-22 64.0 28.9 35.1
Mar-22 63.2 29.7 33.5
Apr-22 68.8 24.9 43.9
May-22 69.2 24.5 44.6
Jun-22 71.3 22.2 49.0
Jul-22 73.2 20.7 52.5
Aug-22 72.6 21.5 51.1
Sep-22 74.9 18.6 56.3
Oct-22 78.9 14.6 64.4
Nov-22 79.9 13.6 66.3
Dec-22 81.2 11.7 69.5
Jan-23 80.3 12.6 67.6
Feb-23 81.0 11.7 69.3
10月以降5か月に渡って上昇品目ー下落品目がほぼ7割という状況が続いている訳でございますが、2021年の2月とか3月と比べますとこの品目比率だってそうですし、上記の基調的な物価の数値だってそうなのですが、雲泥の差がある訳でして、雲泥の差があるのに何故YCCの目標値が昨年12月会合まで0%±0.25%だったのかと小一時間問い詰めたい訳ですな。だってそうじゃんそもそも±0.25%決めたのって昨年どころか一昨年、2021年の3月会合だった訳でして、そこから物価に関してこれだけの劇的な変化が起きているのに「10年0%」は変えないし、±0.25%を±0.50%にはしたけど滅茶苦茶な勢いで国債の買入をするわSLFを無茶苦茶スクイーズするわと「売り禁止」みたいな動きはするわ、ということでして、お前らはどういう発想で10年0%をやっていたんだ(もし今の水準が適切だというのならば、なぜ過去の時点でマイナスの深掘りをしなかったのかという話ですがな)というお話に帰着するんですよね。
まあ黒ちゃんによるまともな対応は1ミクロンも期待できませんし、退任の時に目標達成できないのに威張りくさってたら記者はタコ殴り(物理)すべき案件とは思いますが、三月会合における腑抜け(R社のK記者のみちゃんとツッコミをしてたけど)対応を見るに、どうせシャンシャン会見で終わるんだろうなあと今から来週末(ですよね)の会見でトサカに来そうな悪寒しかしません。
〇引き続きサラサラとFOMCパウエル会見の続きを
何せ金融機関問題は落ち着いたと思わせたらなんか出て来るとか、とにかくドタバタが酷いので目先一々反応してポジションを右に左に動かすと往復ビンタを無限に食らいそうなのでここは心を落ち着かせるためにも会見鑑賞(ナンジャソラ)。
https://www.federalreserve.gov/
を見てますと、
Testimony by Vice Chair for Supervision Barr on bank oversight
Testimony - 3/28/2023
Speech by Governor Jefferson on the implementation and transmission of monetary policy
Speech - 3/27/2023
というのもありまして、特にこのバーさん(って書くと婆さんみたいなのでバー副議長の方が良さそうですな、本人は何かよい感じでテカテカしておられるオッサンですけどね⇒https://www.federalreserve.gov/aboutthefed/bios/board/barr.htm)のは一瞬先にネタにしようかとも思いましたが、どうせこの件で身に降りかかりそうなのは「今後これを受けてバンキングにどんな規制が来るか」「そのバンキング規制の返す刀でどうせ抜け道塞ぎにシャドウバンキングに対しても規制が来るじゃろ」という話なのでまあ急がんということで。
https://www.federalreserve.gov/mediacenter/files/FOMCpresconf20230322.pdf
Transcript of Chair Powell’s Press Conference
March 22, 2023
FEDの会見は話のマクラ用質問⇒回答⇒その回答を受けてこの質問⇒回答、という流れが完全に定着してて大変結構だし、黒ちゃんがこの流れで質問食らってたらもっとみっともない会見が出来上がっていたでしょうなあと思ってしまう訳ですが・・・・・・・・・・・・・・
・金融環境のタイト化はディスインフレーション方向へのうんたらかんたら
昨日の続きですがちょっと飛ばしてこの質疑から。
『HOWARD SCHNEIDER. Chair Powell, Howard Schneider from Reuters. So I want
to go back to your February press conference, you mentioned the word; disinflation
I believe nine or ten times, a process that you felt was, I forget the
word you used, but gratefully underway or something like that. Is disinflation
still occurring in the U.S. today? 』
この質問に関しても、次のフォローアップ質問の内容が見え見えという質問ではあるのですが、質問して回答させて前提を明確にさせた後に本命の質問をする、という流れになっていまして、やはりこうでなければならんと思いますし、まあ植田さんにおかれましてはこの問答形式を受け付けるようにしてほしいし、こういうちゃんとした質疑応答が続けばアホみたいな質問する記者は自然に排除されるもんだと思いたいんですけど道のりは長そうですな日本の場合は。
『CHAIR POWELL. Yes, I mean, what actually happened, Howard, was I got
the question 12 times, so maybe it's a feature, not a bug. But so but yeah,
absolutely the same, the story is intact so it's really three parts, right?』
2月会合の会見で謎のディスインフレーション連呼というのがあって、まあ思い起こせばこういうのを言ってたのにやっぱり物価つええジャンとなって50bp利上げの話をおっぱじめてからの銀行アイヤーな訳で、だからもう事後の説明を一生懸命やって事前説明は「インフレが2%に向けて落ち着くように持って行くのですが出たとこ勝負です」で済ませた方がエエンチャウノかと思います。
さてこの質疑ですがこの後財のインフレがどうのこうのとか2月の頭に説明してたのが続きますが、
『Goods inflation has been coming down now for six months, it's proceeding
more slowly than we would have liked but it's certainly proceeding.』
『Housing services is really a matter of time passing, we continue to see
the new leases being signed at much lower levels of inflation. So that's
44 percent of the core PCE index, where you've got a story that's ongoing.』
『What we didn't have in February, and we still don't have now, is a sign
of progress in the non-housing services sector. And that is, that's just
something that will have to come through softening demand and perhaps some
softening in labor market conditions, we don't see that yet. And that's
of course 56 percent of the index. 』
『So the story is pretty much the same. I will say that the inflation data
that we got, to your point, really pointed to stronger inflation.』
まあこれパウエルも二の矢が飛ばしやすいようにわざと銀行アイヤーの話をしてないってのが阿吽の呼吸っぽいですけど、前回会合からの違いは、住宅以外のサービスセクターのインフレが継続していることです。財や住宅サービスに関しては2月FOMCで観察された物価落ち着き(を何故かこの人ディスインフレーションと強めの言葉を使ってるんだが)の流れが続いていますよ、と説明するので当然のように更問が来る。
『HOWARD SCHNEIDER. If I could follow-up on that, I was curious why you
don't see more coming from the credit crunch because it seems to me that's
something that you would actually welcome to a degree and expect. You're
not seeing more coming from that because you don't know, or because you
just don't want to have another round of wishful thinking? 』
もう流れるように更問で「ところで最近の銀行アイヤーは物価落ち着かせ圧力になるんですよね」と質問されてパウエルさんも流れるように回答。
『CHAIR POWELL. So it's really just a question of not knowing at this point.
There's a great deal of literature on the connection between tighter credit
conditions, economic activity, hiring, and inflation. Very large body of
literature. The question is, how significant will this credit tightening
be and how sustainable it will be. That's the issue. And we don't really
see it yet, so people are making estimates, people are publishing estimates
but it's very kind of rule of thumb guesswork almost at this point. 』
銀行アイヤー問題は当然の如く経済活動に対してマイナスの影響を与えるし、その影響が大きくなるのもご案内の通りではあるものの、今はまだこの問題がどの程度の影響になるかというのは決め打ちできないし、これから精査していく状況でありますよ、と来てからの、
『But we think it's potentially quite real and that argues for being alert
as we go forward, as we think about further rate hikes for us, we'll be
paying attention to the actual and expected effects from that. 』
ということで、将来の利上げにも当然影響してくるよ、という辺りがダビッシュハイクとか言われた所以になるのかしらとか(リアルタイムで聞きながら相場を見るなどという殊勝な事はしてないし朝起きれんので)まあそんな感じはしました。
まあそれはそれで仰る通りで銀行問題が一段と拡大して伝染病になりますとそら利上げどころの騒ぎではなくなる、というのは実際そうなるじゃろと思うのですが、昨日引用した冒頭部分では「今回の銀行アイヤーなかりせば50bp利上げだったんだよなー」にほぼ近い言い方を繰り返しておりましたので、本件の深刻度をどの程度見るのか、というのにもよるのですけれども、まあ株が上がりながら利下げだヒャッハーみたいな動きになるのはどっちかの市場が考え違いをしている、ということになるかと思いますし、正直最近は米国については株式市場の動きの方が信用できそうな事が多い気がする(あくまでも個人の感想です)ので、ダビッシュハイクだぜ利下げも近いぜと言ってるのはちと違うんじゃネーノ、と思う今日この頃でございます。
・やっぱり「物価重視」に見えるんだよなー
SVBネタの質疑もあるんですがまあそっちは何ともかんともなので(バー副議長の話しとかを追っかけた方が良さそう)その辺りは飛ばして市場の金利織り込みに関しての応答を見ますが、
『MICHAEL MCKEE. Michael McKee from Bloomberg Radio and Television. You've
been very consistent in saying that the Fed would be raising interest rates
and then holding them there for quite some time. Following today's decision,
the markets have now priced in one more increase in May and then every
meeting the rest of this year, they're pricing in rate cuts. Are they getting
this totally wrong from the Fed or is there something different about the
way you're looking at it, given that you're now thinking that moves might
be appropriate as opposed to ongoing?』
今日の決定見て市場はあと1回利上げしたあと年内の利下げを織り込みにいってるけどどうよ??という質問で、
『CHAIR POWELL. So we published an SEP today, as you will have seen, it
shows that basically participants expect relatively slow growth, a gradual
rebalancing of supply and demand, and labor market, with inflation moving
down gradually. In that most likely case, if that happens, participants
don't see rate cuts this year. They just don't. I would just say, as always,
the path of the economy is uncertain and policy is going to reflect what
actually happens rather than what we write down in the SEP. But that's
not our baseline expectation.』
ごくごく普通にうちらの見通しはこうですがな、という話をしまして更問が来る。
『MICHAEL MCKEE. Well, if I could follow-up and ask, as you look forward
into the rest of the year here, are you saying that what you see and the
5.1 percent basically consensus is based on being, it will be sufficiently
restrictive?』
なるほどそっちで来たかということですが、今後5.1%程度の政策金利を維持するのは十分に引き締め的ですか、と来ましたな。
『Or is it leavened by the idea of, you don't know what's going to happen?』
ってナンノコッチャかというと、
『In other words, what should people think about in terms of how the Fed
thinks about how far it is from the terminal?』
ターミナルレートの距離はどうなんですか。ときましてこれに対してパウエルさんは、
『CHAIR POWELL. It's going to depend, remember, we're looking for purposes
of our monetary policy tool, we're looking at what's happening among the
banks and asking, is there going to be some tightening in credit conditions,
and then we're thinking about that as effectively doing the same thing
that rate hikes do. So, in a way, that substitutes for rate hikes.』
『So, the key is, we have to have policy has got to be tight enough to
bring inflation down to 2 percent over time. It doesn't all have to come
from rate hikes, it can come from tighter credit conditions. So we're looking
at, and it's highly uncertain how long the situation will be sustained
or how significant any of those affects would be, so we're just going to
have to watch. In the meantime, obviously at the end of the day, we will
do enough to bring inflation down to 2 percent. No one should doubt that.
』
回答の前半では銀行アイヤーの件の影響については、銀行アイヤーがタイトニング効果があるという話をしているので、まあこの辺りもダビッシュハイクと言われるゆえんなのでしょうけれども、よく見ますとこの部分に関しては、「that
substitutes for rate hikes」とあって、その後に続くのが「the key is, we
have to have policy has got to be tight enough to bring inflation down
to 2 percent over time」ということで、銀行アイヤーの影響はもちろん注意するけど、キーイッシューは物価を2%に向けておちつかせることです、という風に説明しているので、結局の所物価が順調に落ち着かないでサガランチ会長ムーブになってきたら利上げはチマチマと継続することになる、という話をしているんで、結構そういう意味では普通にインフレファイターポーズを崩してなくて、ダビッシュハイクと違うんじゃないのかしら、と読み進めるほどに思うのでありました。
という所で本日は勘弁して頂きとうございます。
2023/03/28
お題「米国銀行には良いニュース来たのか(ただの備忘メモ)/FOMCパウエル会見(その1)銀行アイヤー無ければ50上げだったのか・・・・」
期末が金曜だと週が長く感じる・・・・・・・
〇なんか日替わりで良い話が出たり悪い話が出たりですが(SVB関連備忘メモ)
中短期のマーケットメイクしてたら毎日命取られる気がします(ってこれマーケットメーカーがもはや市場に向かうリスク取れないからこういう無茶苦茶スイングするんでしょうけど・・・・・・)。
https://jp.reuters.com/article/-idJPL4N35Z3MO
2023年3月28日4:49 午前
米金融・債券市場=利回り上昇、銀行問題への楽観的見方で
『 [ニューヨーク 27日 ロイター] - 米金融・債券市場では、利回りが上昇した。銀行部門のストレスが抑制されるとの楽観的な見方や、財務省が実施した2年債入札が軟調だったことを受けた。』(上記URL先より、以下同様)
ほうほう。
『米地銀ファースト・シチズンズ・バンクシェアーズFCNCA.Oは27日、経営破綻したシリコンバレー銀行(SVB)の預金、融資債権、一部資産を米連邦預金保険公社(FDIC)から取得すると発表。これを受けて市場の不安感が和らいだ。』
イイハナシダナーという所ですが、よく考えてみればこの銀行、長短ミスマッチ取ってたら資金足りなくなって含み損を顕在化させなければ行けなくなったという思いっきり流動性管理ミスの問題で、不良債権で飛んだわけではないのできちんと公正価値でビットしてそれを保有して平気な流動性を確保してれば買う奴はおるわなという世界ですからぬー。
『 指標となる10年債利回りは15ベーシスポイント(bp)上昇し3.526%。24日に付けた半年ぶり低水準である3.285%からは上昇したものの、昨年10月21日に付けた15年ぶり高水準4.338%は依然として下回る水準にある。2年債利回りは23bp上昇し4.008%。』
もはや大きな値動きに目が慣れたものの、これ自分でマーケットメイクしてて2年とかやってたら3日と持たずにロスカットでぱなるてぃボックス入りする自信があるわ。ナムナム。
何か今後どう転ぶのかさっぱり分からんから判断保留してまったりとFOMC会見QAでも見物する、という出遅れ感満載ジジイのアタクシなのでありますが(円債ちゃんも何だかよくわからんち会長ですが、とりあえず昨日は月曜相場だからというのはあるにせよ、最近横綱の出来高が夜間と昼で大差ないのを見てると何だよこの市場とは思ってしまう程度には愛国者のアタクシ)・・・・・・・・
〇ということで遅れまくってますがFOMC会見見物(たぶんその1)
FOMCも終わって色々と発言が出て来るのでそっちを追っかけつつ、というか日銀が何せ副総裁就任会見すらしない(まあ就任会見で黒ちゃんの顔潰すわけにもいかないから10日までだんまりなのもわからんでもないし、黒ちゃんの顔を潰すことをいうんだから10日までだんまりなのであって、政策は正しいので今まで通り市場無理筋介入を続けますってんだったらとっとと会見しろやとしか思わんので、10日しょうもない会見なら速攻で悪態が始まるかもしれませんわよ奥様)ので、暫くはまた海外中銀追いかけ爺さんになりそうな悪寒。
などという無駄口はさておきまして、
https://www.federalreserve.gov/mediacenter/files/FOMCpresconf20230322.pdf
Transcript of Chair Powell’s Press Conference
March 22, 2023
質疑応答から参ります。
・銀行アイヤーが無かったら50利上げする気だったんかいな
今回の一番打者はFTのコルビースミスさんで早速銀行問題。
『COLBY SMITH. Thank you, Colby Smith with the Financial Times. How confident
is the Committee that the recent stress that we've seen, and you've alluded
to, is contained at this point, and that deposit flight among mid-size
lenders in particular, has ceased?』
預金流出が収まる事に関してどの程度コンフィデントですかとかそうおっしゃられましてもシランガナという感じの質問な気もしますが、まあこれは大丈夫ですの回答をして欲しい質問っすかね。
『CHAIR POWELL. Thanks, so I guess our view is the banking systems is sound
and it's resilient, it's got strong capital liquidity. We took powerful
actions with Treasury and the FDIC, which demonstrate that all depositors'
savings are safe and that the banking system is safe.』
「We took powerful actions with Treasury and the FDIC, which demonstrate
that all depositors' savings are safe and that the banking system is safe.」というのが保護宣言なのかというとそういう訳でもない言い回しのような気もする。まあ何はともあれ、
『Deposit flows in the banking system have stabilized over the last week.
And the last thing I'll say is that we've undertaken, we're undertaking
a thorough internal review that will identify where we can strengthen supervision
and regulation.』
さすがに預金のフローに関しては先行き不透明と申しておりまして更問。
『COLBY SMITH. Okay, just a quick follow-up; I mean given all the stress
and the uncertainty that you've also alluded to in the statement, how seriously
was a pause considered for this meeting?』
現状の銀行アイヤーに関して利上げ見送りをどの程度真剣に考えましたか、と来ました。まあこっちの質問が本命ですね、クイックフォローアップとか言ってるけど。
『CHAIR POWELL. So, we considered, we did consider that in the days running
up to the meeting and you see the decision that we made, which I'll say
a couple things about. First, it was supported by a very strong consensus,
and I'll be happy to explain why, and really it is that the intermeeting
data on inflation and the labor market came in stronger than expected and
really, before the recent events, we were clearly on track to continue
with ongoing rate hikes. In fact, as of a couple of weeks ago, it looked
like we'd need to raise rates over the course of the year more than we
had expected at the time of the SEP in December, at the time of the December
meeting. 』
そもそもこの2週間の銀行アイヤー無かりせば、雇用と物価が上振れておりましたので利上げコースに全く変化は無かったどころか今までよりも利上げ強化と思ってましたがな、ということでその前の50bp利上げ織り込ませ攻撃はガチの織り込ませだったと仰せのようです。
『We are committed to restoring price stability and all of the evidence
says that the public has confidence that we will do so, that we'll bring
inflation down to 2 percent over time. It is important that we sustain
that confidence with our actions as well as our words.』
でもってワシらが2%まで物価落ち着かせるというアクションをするということへの皆様のコンフィデンスがあるのが(インフレ期待形成にも物価落ち着かせにも)重要ですよ、と言ったあとに、例の「今回の銀行アイヤーで金融環境がタイト化したので云々」につながる。
『So, we also assess, as I mentioned, that the events of the last two weeks
are likely to result in some tightening credit conditions for households
and businesses and thereby weigh on demand on the labor market
and on inflation.』
はい。
『Such a tightening in financial conditions would work in the same direction
as rate tightening. In principle as a matter of fact, you can think of
it as being the equivalent of a rate hike or perhaps more than that, of
course it's not possible to make that assessment today with any precision
whatsoever.』
うーんこのという感じで、銀行アイヤーのタイトニング効果が利上げと同様でっせ、という話をするのは理屈としてはいいんだけど、こういうの言い出すと直ぐに謎の定量化の話になってしまって、へんな数字遊びが始まるからあんまりこういう説明しない方が良いように思うんですよね。
『So our decision was to move ahead with the 25 basis point hike and to
change our guidance, as I mentioned, from ongoing hikes to some additional
hikes maybe, some policy firming may be appropriate.』
銀行アイヤーがあったからその分のタイトニング効果があるので25bpで止めた、という言い方をしちゃうと、じゃあ銀行アイヤーが片付いた時に次回50上げるのかよって話(次回は5月の頭)になってしまいますし、逆にある程度落ち着きを取り戻している中で25しか上げなかったらじゃあ何なのとか、危機の程度を見ながら金利を調節するみたいな定量化できないものを無理矢理定量化するようなことになって、コミュニケーションとして変なことにならんのかな、とは思いました。
『So going forward, as I mentioned, in assessing the need for further hikes,
we'll be focused as always on the incoming data and the evolving outlook,
and in particular on our assessment of the actual and expected effects
of credit tightening.』
まあこの辺りは外野で見ているアタクシと米国の中の人では当然感覚が違うから、そもそも銀行アイヤーってやってる中で何で利上げするねん、という話が多くて、そっちに対応するために「そもそも50利上げの所を金融環境見て25で勘弁してやったんだ」という説明をしたかったのか、その辺りの文脈はイマイチ実感がないのでなんですが、これみるとやっぱり「物価と雇用見たらもっと利上げ強化でした」って話をしていまして、金融アイヤーが落ち着くまでどのくらいかかるかわからんですし、落ち着かないかもしれませんけれども、いずれにしましても、ちょっと落ち着いてきたらまた威勢の良い事言い出す可能性は存分にありそうですな、今はまあ無理でしょうからもうちょっと先の話になると思いますが。
・マクロ経済的に利上げが正当化されまっせという説明
次の人。
『STEVE LIESMAN. Mr. Chairman, can you explain the difference between ongoing
rate increases and firming. Does firming imply a rate increase per se or
could policy firm without you increasing rates?』
今後の利上げ、というのと今後の引き締め、という場合の定義の違いについてという質問が来ました。利上げしなくても引き締めというのはあるのか?だそうですが、
『CHAIR POWELL. No, I think it's meant to refer to our policy rate. Really
I would focus on the words may and some, as opposed to ongoing. Ongoing.
So, we clearly were, what we were doing there was taking onboard the--
trying to reflect the uncertainty about what will happen. I mean it's possible
that this will turn out to have very modest effects, that these events
will turn out to be very modest effects on the economy.』
『In which case, inflation will continue to be strong, in which case the
path will look, might look different. It's also possible that this potential
tightening will contribute significant, tightening in credit conditions
over time and in principle, if that, that means that monetary policy may
have less work to do. We simply don't know. So.』
『STEVE LIESMAN. Do you have concerns that the recent, that the hike you
did today could further exacerbate the problem in the banks?』
『CHAIR POWELL. No, I mean with our monetary policy, we're really focused
on macroeconomic outcomes, in particular we're focused on this potential
credit tightening and what can that produce in the way of tighter credit
conditions. I think when we think about the situation with the banks, we're
focused on our financial stability tools in particular our lending facilities,
the debt, sorry, the discount window and also the new facility.』
蒟蒻問答チックな会話になってますが、今後のポリシーファーミング、という時は利上げするという話なのでレートハイクと同じでっせという話をしてまして、マクロ経済的には利上げが適切なので利上げした、ただし銀行アイヤーが事実上の利上げ効果をもたらす引き締めに作用することも勘案して今回の利上げは25で勘弁しました。銀行アイヤーの問題は金融安定化の側面で対応するのが一義的、という説明になっておりますな。
・流れとして質問する方が「こんな銀行アイヤー状態の中で何で様子見しないで利上げすんねん」だったのね
3人目もいつもの人、というかFEDの会見は基本的にいつもの人が殆どでたまにメンバーの交代が起こるというものでありますけどね。
『NICK TIMIRAOS. Nick Timiraos, the Wall Street Journal. Chair Powell,
in your testimony two weeks ago, you had indicated you thought the terminal
rate would be higher. Obviously that was before the stress in the banking
sector. And I realize there's a lot of uncertainty but can you explain
at all, to what extent your forecasts or those of your colleagues, or those
of the Board staff, incorporated today a material tightening of credit
availability because of the stress in the banking sector or, are you waiting
to see it in the data before you incorporate that potential tightening
into your forecasts?』
ニックも「なんで今回利上げしたのよ」的な言い方(質問の趣旨は銀行アイヤーの影響見てから利上げという判断に何故ならなかったのか、という感じですね)になっていますね。なるほどなるほどそういう感じか。
『CHAIR POWELL. So, we have just come from an FOMC meeting and the people
who write the minutes will be very carefully counting, but I'll tell you
what I heard, what I heard was significant number of people saying that
they anticipated there would be some tightening of credit conditions and
that would really have the same affects as our policies do. And that therefore,
they were including that in their assessment and that if that did turn
out not to be the case, in principle you would need more rate hikes.』
ここでも思いっきり「銀行アイヤー無かりせばもっと利上げしとったで」ってゆうとりますな。何で利上げしたんだこのウスラトンカチ(とは言ってませんが)とばかりに同じ質問3連発でちと売り言葉に買い言葉チックなものがあるんだが。
『So, some people did reflect that in their, in their SEP forecasts.』
SEPの見通しにsome peopleは銀行アイヤーのタイトニングを織り込んでおる、とな。
『I think there may also just have been, remember, this is 12 days ago,
we're trying to assess something that just is so recent and it's very difficult,
there's so much uncertainty.』
とは言え銀行アイヤーは12日前からおっぱじまった話であり、今はまだその影響については不確定な事が多いので、ワシとしてはまだ定量的に織り込むという訳には行きません(定性的にはタイトニング効果があるのは認めてますよ為念)。
『So December was a good place to start and we wound up with, we wound
up with very similar outcomes for December. And in a way, the early, the
data in the first part, the first five weeks of the intermeeting period
pointed to stronger inflation and stronger labor market, so that pointed
to higher rates and then this latter part kind of, the possibility of credit
conditions tightening really offset that effectively.』
でもってここで前回SEPの12月との対比、という文脈で説明しているんですが、ここでも改めて「12月と比較したら雇用物価が強いんで本来は利上げ(終着点なのか3月FOMCでの幅なのかはここでは曖昧になっていますが)をもっとするところでした」という説明になっております。
でもってニックの更問。
『NICK TIMIRAOS. To follow-up, have you considered at all whether your
primary tool, the funds rate, is going to be enough to sustain the kind
of tighter financial conditions that you believe will be necessary without
doing significant damage to the banking sector? Have you, for example,
considered changing reserve requirements, selling assets out of the system
open market account, as a way to better achieve tighter financial conditions
that don't accelerate deposit erosion for example from banks? 』
質問で言いたいことは分かるんだがそれは正直どうなんでしょうという質問なんですが、利上げじゃなくて準備率引き上げや資産売却によってタイトニングをすることによって、銀行セクターにダメージを与えずにファイナンシャルコンディションをタイト化させるって手段は無かったのか?という質問なんだが、
『CHAIR POWELL. Yeah, we know that we have other tools in effect, but no,
we think our monetary policy tool works and we think many, many banks our
rate hikes were well-telegraphed to the market and many banks have managed
to handle them.』
他の手段もあるけど利上げが適切だし、多くの銀行に対しては別に利上げしたから銀行セクターにダメージが来るというもんでもないですがな普通は利上げをマネージ出来るっしょ、という回答をしていて、まあそりゃそうだよねというか資産売却とかしたら益々アカンヤロ、と思うので、今回は質問する方が割とこうトサカに血が上っている感じを最初の3問見たところでは受けてしまいますた。
・・・・・・・・ということで、冒頭から3つ質疑を拾ったら例によって時間切れなのですが(事前に夜なべしておけと言われるとぐうの音も出ないが期末駆け込み帳尻で生業が暇じゃないのよこれがまた)、冒頭から3つの質疑見てると「本当なら今回は50上げる気満々だった」という説明になっていますな。まあこれって「何で利上げしたんだ」というツッコミに対応するための回答だから殊更に強く言ってるという面もあろうかとは思うのですが、この文字起こしだけ見てると何でこれがダビッシュハイクなのかがイマイチ良く分からんのですけど、まあこの先にダビッシュな話でもあったんでしょうけれども、「何で利上げしたんだよ」質問に「いや本来はもっと利上げするところを足元の銀行アイヤーで手加減してやったんだぜ」という回答してるので、この辺だけ見ると落ち着いたらバシッと利上げみたいな感じも漂う訳であります、まあ結局はこの後の雇用と物価次第なんでしょうけどね。
2023/03/27
お題「コアコアCPI(日本)ェ・・・・・・・・・/オープニングリマークは金融問題への言及がもうちょっとシャキッとして欲しかったですね」
花粉症についての考察が無いとか控えめに申しあげて馬鹿なんじゃなかろうか・・・・・・
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA220PF0S3A320C2000000/
「脱マスク」厚労省苦心 高まらぬ機運、情報発信に課題
2023年3月26日 5:00 [有料会員限定]
『厚生労働省が新型コロナウイルス対策のマスク着用を「個人の判断」に改めた13日から2週間がたつ。コロナ対策を担当する幹部らは「脱マスク」への転機になると期待し、初日からノーマスクで出勤した。それでも世間の着用率は依然として高いままだ。』(上記URL先より)
「コロナ対策を担当する幹部ら」が全員そろって花粉症の心配がない、って方が不思議なんだが、もしかして患部もとい幹部の皆様だけにはスペシャルな薬とかがあってノーマスクでも平気だというのなら花粉症の皆さんに市販して頂きたいものですな、ズルズルビービー。
まあ厚労省がアレなのか単にこれ書いてる日経の記者があれなのかは内容読まないとわからんですが、なにせ厚労省様と言えば2年前のこれがもうね。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210420/k10012985401000.html
(2021年4月20日 17時55分、の記事になります)
〇コアコアCPIが順調に上昇トレンドを継続しておりますが・・・・・・・・・・・
https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/index-z.html
2020年基準 消費者物価指数 全国 2023年(令和5年)2月分(2023年3月24日公表)
≪ポイント≫
(1) 総合指数は2020年を100として104.0
前年同月比は3.3%の上昇
(2) 生鮮食品を除く総合指数は103.6
前年同月比は3.1%の上昇
(3) 生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数は102.6
前年同月比は3.5%の上昇
https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/zenkoku.pdf
2020年基準 消費者物価指数
全国 2023年(令和5年)2月分
1ページ目に『表2 総合、生鮮食品を除く総合、生鮮食品及びエネルギーを除く総合の前月比(季節調整値)』ってのがありますが、そちらを見ると政府の対策で下がっている総合とコアは、まあそれは直接下げに行ったから上昇幅縮小するよな、という話ですが、何気にコアコアの「前月比」の方が+0.4%ということで、相変わらず順調に上昇している訳です。
昨年4月の展望レポートで突如見通し数値に「生鮮食品・エネルギーを除いた消費者物価指数」の見通しをだしてきまして、その時の定例記者会見においても、
https://www.boj.or.jp/about/press/kaiken_2022/kk220502a.htm
総裁記者会見要旨
2022年4月28日(木)午後3時半から約60分
『二点目はそれに関連するわけですが、エネルギー価格は大きく変動していますので、それを除いたところでみた趨勢という意味では、今回お示しした生鮮食品・エネルギーを除いた消費者物価指数で、2022年度は+0.9%、2023年度が+1.2%、2024年度が+1.5%ということで、確かに基調としての消費者物価指数が緩やかに上昇していくという見通しであることは事実です。けれども、1.5%でも2%にはまだ届いていませんし、除く生鮮食品の物価上昇率で言いますと、2024年度でも1.1%という見通しであり、今のところ、こういう見通しの通りであれば、金融緩和の出口を早急に探るということにはなっていないと思います。そういう意味では、粘り強く金融緩和政策を続けていく必要があると考えています。』(この部分だけ直上URL先の2022年4月決定会合後の黒田総裁会見より)
というような感じで、「コアコアは物価の趨勢を示す」というお話をしておあられまして、でもってこのコアコアが前月比で見た時に今年度ってさっきの物価統計の「表2」にあるようにずーっと年度を通して前月比(季節調整済)ベースで+0.2%〜+0.4%程度で上昇を続けている、という状況になっておられまして、前年比で見たらご案内の通り+3.5%ということで、昨年4月は「2022年度は+0.9%、2023年度が+1.2%、2024年度が+1.5%」の見通しで、「こういう見通しの通りであれば、金融緩和の出口を早急に探るということにはなっていない」とのご認識を示しておられましたのですが、状況は全く持って変わっているのに何で出口はおろか国債買入を大幅に強化して特定銘柄ではSLFの貸し債も渋って事実上の緩和大強化を行っているのは何なんでしょうかねと申し上げたいのでございますが、まあどうせこのまま黒ちゃん閉店だし、10年間かけて目標達成してないのに大威張りで退任(せめて「努力したものの2%物価目標が達成できなくて申し訳ない」というのを前面に出すならまだ分かるがあんなの20世紀の金融機関の営業会議で言い出したら大変なことが起こるわwww)するしでございまして、寝言はCPI見てから言えと小一時間問い詰めたいですね。
〇FOMCネタの続きで完全に出遅れているが会見のオープニングリマークです
ちょっと土日暇じゃなかったので出遅れまくっておりますすいませんすいません。
https://www.federalreserve.gov/mediacenter/files/FOMCpresconf20230322.pdf
Transcript of Chair Powell’s Press Conference
March 22, 2023
・冒頭に金融機関アイヤーの話があるのですが、やたら長く説明するのかえって逆効果な気がせんでもないですよね
冒頭に金融機関がアレになってる問題についての話があるんですが、いつもの冒頭ご挨拶の目の子2倍半くらいの長大文言になっておりまして、まずそもそも論としてそんだけグダグダと言い訳する時点で大丈夫か感が漂って来てしますんんだが。
『CHAIR POWELL. Good afternoon. Before discussing today’s meeting, let
me briefly address recent developments in the banking sector.』
から始まるんですけどね。
『In the past two weeks, serious difficulties at a small number of banks
have emerged. History has shown that isolated banking problems, if left
unaddressed, can undermine confidence in healthy banks and threaten the
ability of the banking system as a whole to play its vital role in supporting
the savings and credit needs of households and businesses.』
これは次にありますように、何でSVBの預金全額保護に出たか、という理由の説明になるんですけど、この「不健全銀行が飛んだのを放置プレイすると健全な銀行にも飛び火するという教訓がある」というのがそもそも論としていうべきじゃない言い訳の仕方で、これじゃあ金融恐慌を自分から煽ってるだろアホかとは思う次第。
『That is why, in response to these events, the Federal Reserve, working
with the Treasury Department and the FDIC, took decisive actions to protect
the U.S. economy and to strengthen public confidence in our banking system.』
何でしょうねえ、まあ難しい所かも知れませんけど、基本的に法人預金ばっかりだった銀行だったら正直そのまま飛ばしてしまって「これは特殊な変な銀行で、一般の個人の方々の預金が極めて少ない銀行でして、通常の個人の皆さまがお使いになられているような銀行はこの例に非ず」という風にしておいた方がやっぱり良かったんんじゃ無かろうかと思うんですけどねえ、という疑問はまだ晴れないアタクシ。
『These actions demonstrate that all depositors' savings and the banking system are safe.』
とのことだがそもそもこんな変態銀行を保護してたら全国銀行全部保護できるのかよ問題が。
『With the support of the Treasury, the Federal Reserve Board created the
Bank Term Funding Program to ensure that banks that hold safe and liquid
assets can, if needed, borrow reserves against those assets at par. This
program, along with our long-standing discount window, is effectively meeting
the unusual funding needs that some banks have faced and makes clear that
ample liquidity in the system is available.』
『Our banking system is sound and resilient, with strong capital and liquidity.
We will continue to closely monitor conditions in the banking system and
are prepared to use all of our tools as needed to keep it safe and sound.
In addition, we are committed to learning the lessons from this episode
and to work to prevent events like this from happening again』
ということでタームファンディングプログラム導入の意義の説明をした後に「Our
banking system is sound and resilient, with strong capital and liquidity.」と言ってるんだが、だったらそもそもレンディングプログラム創設は要らんじゃろという話になる訳で、なんかまあ慣れてないからなのかもしれんけど、もうちょっとこう「資本と収益力があるので大丈夫ですよ」みたいな「ソルベンシー大丈夫だからヘーキヘーキ、一時的な流動性はFEDがサポートしますから」って話の持って行き方にした方が良かった気もするんですが、まあアメリカンの場合はこういう言い方が良いのかも知れず、そういう気質は分からんので保留しておきます。
ただまあ最初の時点で結構なスペースを使ってこういう話をする辺りが、今回の金融問題に関してFED的には不意打ちだったんだろうなあ、というのは伝わる訳で、「資本も流動性もあります」と言ってるのに「不健全銀行の問題が健全行に伝播すると困るからBTFP作った」みたいな緊急対応しましたって話をしてて、これはちょっとわかりにくいんじゃなかろうかと思いました(個人の感想です)。
・経済見通しは24年までトレンド以下の成長
という最初の説明で紙1枚分近く使っていまして、1ページ目のケツから通常の説明になります。
『Turning to the broader economy and monetary policy, inflation remains
too high, and the labor market continues to be very tight. My colleagues
and I understand the hardship that high inflation is causing, and we remain
strongly committed to bringing inflation back down to our 2 percent goal.
Price stability is the responsibility of the Federal Reserve. Without price
stability, the economy does not work for anyone. In particular, without
price stability, we will not achieve a sustained period of strong labor
market conditions that benefit all』
この辺は物価2%にする(抑える)のがダイジダイジネーという精神訓話の世界なので次に行く。
『The U.S. economy slowed significantly last year, with real GDP rising
at a below-trend pace of 0.9 percent. Consumer spending appears to have
picked up this quarter, although some of that strength may reflect the
effects of swings in the weather across the turn of the year. In contrast,
activity in the housing sector remains weak, largely reflecting higher
mortgage rates. Higher interest rates and slower output growth also appear
to be weighing on business fixed investment. Committee participants generally
expect subdued growth to continue. As shown in our Summary of Economic
Projections, the median projection for real GDP growth stands at just 0.4
percent this year and 1.2 percent next year, well below the median estimate
of the longer-run normal growth rate. And nearly all participants see the
risks to GDP growth as weighted to the downside. 』
経済の現状とSEPで示した経済の見通しの話で、2024年までは長期トレンド成長率を十分に下回る(ので物価の上昇が抑制されていく)水準で推移するよと。
・労働市場が軟化しないと物価上昇圧力が弱くならんという話
『Yet the labor market remains extremely tight. Job gains have picked up
in recent months, with employment rising by an average of 351 thousand
jobs per month over the last three months. The unemployment rate remained
low in February, at 3.6 percent. The labor force participation rate has
edged up in recent months, and wage growth has shown some signs of easing.
However, with job vacancies still very high, labor demand substantially
exceeds the supply of available workers. FOMC participants expect supply
and demand conditions in the labor market to come into better balance over
time, easing upward pressures on wages and prices. The median unemployment
rate projection in the SEP rises to 4.5 percent at the end of this year
and 4.6 percent at the end of next year. 』
一方で労働市場がアホのように強いという話でして、これまたSEPの見通しなども含めて説明していますが、ここで先行きの労働市場は「FOMC
participants expect supply and demand conditions in the labor market to
come into better balance over time, easing upward pressures on wages and
prices. 」としているのは当然の見通しですけど、よく考えたら労働市場のタイトさが緩んで来ないと「easing
upward pressures on wages and prices」も起きませんよ、って言ってるんですから、そう考えますとやっぱり雇用関連の統計は今後も重要だよね、という事になると思います。
・物価の先行き見通しはbumpyだよと
次は物価。
『Inflation remains well above our longer-run goal of 2 percent. Over the
12 months ending in January, total PCE prices rose 5.4 percent; excluding
the volatile food and energy categories, core PCE prices rose 4.7 percent.
In February, the 12-month change in the CPI came in at 6 percent, and the
change in the core CPI was 5.5 percent.』
『Inflation has moderated somewhat since the middle of last year, but the
strength of these recent readings indicates that inflation pressures continue
to run high.』
『The median projection in the SEP for total PCE inflation is 3.3 percent
for this year, 2.5 percent next year, and 2.1 percent in 2025. The process
of getting inflation back down to 2 percent has a long way to go and is
likely to be bumpy.』
『Despite elevated inflation, longer-term inflation expectations appear
to remain well anchored, as reflected in a broad range of surveys of households,
businesses, and forecasters, aswell as measures from financial markets.』
物価見通しに関しては先行きの見通しはバンピーということで、要するにその時になってみないと分からん面が多分にありまっせということなので、まあ今の時点で年内早速利下げだヒャッハーとやるのはちょっと何ぼ何でも決め打ちにも程があるとアタクシは思いますがどうでしょうかね。
・想定より強い物価&雇用VS金融機関あばばばばばーでどっちだから分からん宣言
でもって政策決定。
『The Fed’s monetary policy actions are guided by our mandate to promote
maximum employment and stable prices for the American people. My colleagues
and I are acutely aware that high inflation imposes significant hardship
as it erodes purchasing power, especially for those least able to meet
the higher costs of essentials like food, housing, and transportation.
We are highly attentive to the risks that high inflation poses to both
sides of our mandate, and we are strongly committed to returning inflation
to our 2 percent objective.』
ここはいつものオマジナイ文言。
『At today’s meeting the Committee raised the target range for the federal
funds rate by 1/4 percentage point, bringing the target range to 4-3/4
to 5 percent. And we are continuing the process of significantly reducing
our securities holdings.』
と利上げしまして、
『Since our previous FOMC meeting, economic indicators have generally come
in stronger than expected, demonstrating greater momentum in economic activity
and inflation.』
たぶんこの辺って金融問題の方にかき消されて華麗にスルーされているのですが、声明文でもありましたように、今回って物価と雇用が思ったより強い(まあだから直前になるまで50利上げあるで、という情報発信があったんですけど)と仰せになっているのは忘れないようにした方が吉かと。
『We believe, however, that events in the banking system over the past
two weeks are likely to result in tighter credit conditions for households
and businesses, which would in turn affect economic outcomes.』
ここも同じ趣旨の話が声明文にありましたよね。結局のところこの2つの要因はチャラって事にると思いまして、あとは当局がちゃんと米国金融機関がアジャパーみたいな話を燎原の火にするのかボヤで止めれるのか次第ですよね、というお話になるかと思います。
『It is too soon to determine the extent of these effects and therefore
too soon to tell how monetary policy should respond. As a result, we no
longer state that we anticipate that ongoing rate increases will be appropriate
to quell inflation; instead, we now anticipate that some additional policy
firming may be appropriate. We will closely monitor incoming data and carefully
assess the actual and expected effects of tighter credit conditions on
economic activity, the labor market, and inflation, and our policy decisions
will reflect that assessment』
でもって大火災なのかボヤなのか分からんので何とも申し上げようがありません、と言ってるのですが、まあ実際問題としても分からんのでしょうな。
・MBMアプローチが益々「出たとこ勝負」になるんだから事前織り込ませとかしなきゃいいのにとは思う
『In our SEP, each FOMC participant wrote down an appropriate path for
the federal funds rate based on what that participant judges to be the
most likely scenario going forward. If the economy evolves as projected,
the median participant projects that the appropriate level of the federal
funds rate will be 5.1 percent at the end of this year, 4.3 percent at
the end of 2024, and 3.1 percent at the end of 2025.』
ここはSEPの計数の説明。
『These are little changed from our December projections, reflecting offsetting factors.』
12月とそんなに変わらんのは相殺するファクターがあるから、って言っているので、まあ声明文見てアタクシが思った「インフレと雇用が強くて金融問題あばばばーでチャラ」で良かったようです。
『These projections are not a Committee decision or plan; if the economy
does not evolve as projected, the path for policy will adjust as appropriate
to foster our maximum employment and price stability goals. We will continue
to make our decisions meeting by meeting, based on the totality of incoming
data and their implications for the outlook for economic activity and inflation.』
ここはいつも通りの文言ですが、MRMアプローチキタコレということで。
『We remain committed to bring inflation back down to our 2 percent goal
and to keep longer-term inflation expectations well anchored. Reducing
inflation is likely to require a period of below-trend growth and some
softening of labor market conditions. Restoring price stability is essential
to set the stage for achieving maximum employment and stable prices over
the longer run.』
物価とインフレ期待を落ち着かるためには経済の減速やむなし、も従来通りですね。
・最後にまとめだがこれはいつものオマジナイ文言です
『To conclude, we understand that our actions affect communities, families,
and businesses across the country. Everything we do is in service to our
public mission. We at the Fed will do everything we can to achieve our
maximum employment and price stability goals. Thank you. I look forward
to your questions.』
ここはいつものオマジナイ文言なので特にアレというのは無い。結局最初のクソ長いのだけが今回目立つけど、内容に関しては「あくまでも今の状況は労働市場と物価の強さが金融機関問題で相殺されているだけ」ステージということになっておりますな。
これでハト派的利上げってのも何だかなあーーって感じで、お前らそもそも以前から23年は1回か2回25bp上げてその後横這いって予想してたじゃん、これ前回FOMCからのインラインじゃないの、って思うのですが、まあ要はその前の「50bpあるで」が完全に失投で、あのせいで市場に無駄なボアを放り込んでしまった、ということになるんでしょうなあと思いました。
2023/03/24
お題「米国市場の反応で昨日の答え合わせ/日銀保有国債残高のメモと副総裁就任会見なんでやらんの雑談と雑談ばっかりですいません」
おまいら来週金曜は期末だぞ期末(ヤバイ・・・・・)
〇ほうほうハト派FOMCと預金保護で安心ですかそうですか(米国答え合わせメモ)
何回か申し上げておりますが、FOMCの時だけは絶対に市場の反応を見分しないようにしておりますので答え合わせ(まあ市場が正とは限らんが)しておくということで。
https://jp.reuters.com/article/-idJPL4N35V3VX?il=0
2023年3月24日5:01 午前
米金融・債券市場=利回り低下、FRBのハト派的対応で利上げ一服感
『[ニューヨーク 23日 ロイター] - 米金融・債券市場では、米債利回りが低下した。米連邦準備理事会(FRB)は22日、25ベーシスポイント(bp)の利上げを決定したものの、米銀2行の破綻を受けて金融引き締めを一時停止する方向性を示した。』(上記URL先より)
まあ何か昨日の朝も金利下がって帰ってきてて、最近は初期反応と翌日の反応が違ってたりするので一泊二日してから確認しようかと思いましたが、連日金利が下がっているのではあそういう解釈ですかという所で。
ってまだ会見QAどころかオープニングリマークまだという大変恐縮なアレなのですが、基本的に最近のFEDって最終的には声明文が一番よく練り込んで作ってありまして、正直会見のQAって後で平気な顔して引っくり返してくる感じが強いんですよね。まあどうしても会見のヘッドラインって(アタクシはその時間起きてないしそもそもそんな時間にベンダー見ないからリアタイで見て無くてわからんけど)声明文なんかよりも「切り取り」をやりやすくて、キャッチーなものになりやすくなると思うの。
黒ちゃんの会見だってその場で聞いているのを翌日文字起こしで読むと、如何に不誠実に回答しているのかが良く分かってトサカに来るように、会見のオーラルってその場の勢いみたいなのがあるから、FEDの場合って声明文があって、その補足文書としてオープニングリマークがあって、まあそれはそれとしてSEPがあるぜよ、って感じの方が変にヘッドラインに振らされないと思います。
・・・・・とは言っても相場というのは「集団は力」なのでありますので、集団がソイヤソイヤと神輿担いで進んでいくのに向かってもケガするだけですし、ケガで済めばいいですけどソイヤソイヤに意地張って再起不能のケガしたら元も子もない、というのがムツカシヤではあります。でもって多分大昔は株なんかより債券の方が理知的みたいなイメージあったと思うのですけど、最近はどう見ても株の反応見てた方が合ってるだろというような感じの集団ソイヤソイヤマーケットが債券、って感じ(これはだいたい緩和ジャンキーなのと中銀ガイダンス依存症になっているからなので逆さ絵ウスラハゲが悪い)なので(個人の偏見です)、まあこれはこういう祭りをやってるからシャーナイナイと思うのでありました。
つーかですね、what do you mean by「金融引き締めを一時停止する方向性」な訳でして、声明文読んだら「先行きは知らん」と言ってるだけであって、書き方的には「雇用と物価は想定よりも上振れているけど金融機関のアイヤーでファイナンシャルコンディションがタイト化しているのでチャラ、今後は金融機関のアイヤーの拡大状況次第でんがな」としか言ってるように見えませんありますので、一時停止を決め打ちするのも何なのよとは思う(1回利上げして「様子見」ならわかるけど)ので、まーた期待がそっちにぶれてる(とにかく「年内利下げ」から「50bpキター」まで連銀高官が余計な事言い過ぎなのもあるけど期待の振れ方が極端すぎる)なと思うのですが、実際はどうなんでしょうかね。
ただまあ2月FOMCの時に声明文の造りが「どっちでもいけるようにヘッジ入れた」格好で、「なんか結構ひよってるじゃん」ってアタクシ思ってそう書いた筈(その気になればこれ次回利上げ無しもできるじゃんとか書いたわ)で、今回のFOMCってそこの時の線からインラインで推移している感じですので、結局は出たとこ勝負になる話だと思うのですよね。決め打ちを求める市場とそれに一々エサを与えるコミュニケーションには問題があると思います。
とか何とか申し上げてたら株式の方は水曜の現地は下がってたと思うのですが今朝になったら、
https://jp.reuters.com/article/ny-stx-us-idJPKBN2VP1RS
2023年3月24日5:27 午前
米国株式市場=反発、預金保護巡る財務長官の発言を好感
ほうほうそうですかそうですか。
『[ニューヨーク 23日 ロイター] - 米国株式市場は激しい値動きとなった後、反発して終了した。イエレン財務長官が預金保護に向けた措置を講じると発言したことで、安心感が広がった。』(上記URL先より)
ということですが、しかしおまいら1990年台の日本に好き勝手言ってたのは何だったのかと小一時間問い詰めたいし、あの頃は欧米タヒねやと何度も思ったし、日本売り煽ってた何とかストとか地獄に落ちて来世は便所虫にでも転生しろやと何度思ったことかというのを思い出すわけで何かこう釈然としないものは常にあるのでありました。
まあ当時ひどかったと言えばインドネシアに対する扱いもそうで、スハルト政権をクローニーキャピタリズムとかいって散々罵って政権倒れるまで行っちゃいましたが(その煽りで公募サムライ債のデフォルト戦後第一号(だったと思うが違ってたらゴメン)が出たりしてましたな、ダルマラ・インティウタマって名前がパワーワードなので忘れん)、お前らも大概にクローニー(以下延々と悪態が続くので割愛されました)。なおスハルト政権の是非については本件悪態とは別次元の問題として問われる話なので念のため申し添えます。
〇レッツゴー2匹の日銀保有がやっと発行額を割りそうな件のメモ
まあこの話はアタクシがああだこうだ言うまでもなく皆様の方がよほどお詳しいので書くのも恐縮ではございますが(滝汗)。
https://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/mei/index.htm
日本銀行が保有する国債の銘柄別残高
みんな大好きレッツゴー3匹の日銀保有額と3/10残高との比較を見ますと(なお例によってアタクシが手元でエクセルでセル参照しながら式ぶっこんで計算させたベースなので間違ってたらゴメンよ。間違ってないとおもうけど)、
367 78,964 ▲ 6,745
368 86,039 ▲ 2,429
369 74,625 ▲ 400
おまけに昨日は長期ゾーンの流動性供給が華麗に行われまして、
https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/nyusatsu/resul20230323a.htm
流動性供給(第378回)入札において追加発行した国債の銘柄
10年債 367 861
10年債 368 1,315
ということなので、目の子日銀の保有が発行の100%割れになったんですが、これって日銀がいきなり君子豹変のジャガーチェンジを行って「買いまくってから後でいきなりSLFを締め上げる」という畜生プレイによって売り方を締め上げるというかなり無茶なことをやる中で、(全然神風んじゃないけど本件に関してだけは)神風というべき欧米金融機関あばばばばー事案が発生して債券市場が踏み上げ御所となったから買戻しが一段と促されたというだけのお話ではありますわな。
でもってこれ売り方征伐したのは日銀としてはしたやったりと思ってるかもしれませんが、自分の決めたルールを引っくり返して、しかも悪質なショートスクイーズとか普通の仕手がそれやると商品市場とかだったら永久追放されても文句言えないことまでやってしまったというのは、国債セカンダリー市場が市場として成り立つのか問題(突如中央銀行が武力介入してくる市場で自由な価格形成が出来るのか問題)にもつながるかなり問題含みの話だし、まあそのような大上段の話はさて置いても、今回売り方が焼かれた結果として「YCCの点検を行います」とか言ったらショートのカバーが居ないんだからヨーイドンで売り大会になってしまうリスクも高まってしまうのよね。
もちろん足元では欧米金融機関アイヤー問題があるから、そっちの問題で目が覚めたらカウンターパンチのリスクがあってよー売り込みにいかんとは思う(個人の感想です)のですが、逆に言えばこの問題が一段落してしまうとYCC見直しとか言い出した時の売り直しパワーが出てしまう訳で、なんかこの件で日銀にYCC見直しタイミングを後ろに持って行く余裕が出来たって言ってるの何なんでしょうねと思いますけどね。あくまでもYCC見直しは引き締めでも何でもなくて市場の資源分配機能を正常化させるという文脈で語られるべき話だと思うんですけどねー。
あとですね、今の指値の買い方の方法を改良しないと結局金利上昇圧力が掛かりだしたら同じことが繰り返して起きる訳でして、こうやって相場が戻っているうちに何とか改良した方がエエンデネエノ(まあ期末前には動きにくいのは分かるから4月入ったらでも良いとは思うのですが)と思いました。
〇そういえば副総裁就任記者会見はどうなってるの?????????
https://www.boj.or.jp/about/calendar/index.htm
公表予定
資料や統計などの公表予定、金融政策決定会合や総裁定例記者会見の開催日程などを掲載しています。原則として、毎週金曜日に更新されます
(2023年3月17日更新)。
ということで、今朝見ればまだ今週の予定から先の予定が記載されております。そもそも副総裁就任記者会見があったらベンダーでフラッシュ出て来るから気が付くんですけど(^^)、予定表みますと副総裁就任記者会見の予定が未定のようにしか見えません。
ちなみに黒ちゃんの任期は4月8日までなので植田さんの就任が9日になるから、10日月曜日には就任記者会見をやると思うのですが、そっちも上記予定表には入っておりませんな。まあ植田さんに関しては正式に辞令が出るまでは就任記者会見について書けない(ので予定表には載らないままで会見になだれ込む)ということなのかとは思うのですが、副総裁はもう辞令出て着任しているんだし、会見日程入れてくれたっていいじゃんケチ、と思いました。
まあどうせ総裁と一緒に会見ってことになるんでしょうなと想像する(なおアタクシ20日会見あると思って正座待機してたんですがいつまで経ってもそれらしいヘッドラインが出ないし、かといって会見は4月10日にまとめてやりますみたいなアナウンスも無いので????と不承不承状態で閉店しました)のですけれども、わざわざ20日も空白期間作る意味is何????というのを考えるのも味わいがある訳ですな。
願望込みで想像しますと、「黒田さんの政策は間違っていた訳ではないけれども一部副作用なども大きい所もあったのでこれから子細に点検しないと行けません」みたいな黒ちゃんの面目玉を潰しに掛かる手のひらクルー(内田さん限定)攻撃が予定されているので、さすがに黒ちゃんが総裁でいるうちにそんな会見できないから黒ちゃん退任を待って会見する」という事ではあるのですが、非常に悪い方の想像をすると、例の趙高胡亥ムーブの継続で、植田さんになって黒ちゃん路線引っくり返しを認めない(認めると実行犯であるBC級戦犯の訴追リスクがあるので宦官ムーブの皆様の保身の都合が悪くなる)という流れで、黒ちゃんの時と同様にまともなコミュニケーションやる気無しモードのため20日間の間情報発信無しとかいう舐めたムーブをしてきている、という方が懸念される所ではあります、まあ杞憂であってほしいんですけどね。
半分おちゃらけながら書いてますけど、真面目な話植田さんに対する期待って結構高いと思うので、初動で何もしないで黒田路線の踏襲バリバリみたいな感じで来ると失望の方もかなり大きくなって、今後無茶苦茶苦労すると思いますので、老婆心ながら就任会見(たぶん4月10日にまとめて実施)ではきっちりと練り込んだお話をして頂きたいですし、して頂けるものと思ってますし、なんかクソどうしようもない会見だと初手からアタクシ「お前はこんな所に出てこないで夜の帝王でもやってろ」とか言い出しそうで今から怖いんですがwwwwwwwwwww
まあどうなるんでしょうね、今は期末ってこともあってとりあえず何もできないってのは理解するんですけどさて4月にどうなるかですよねー。
〇FOMC会見ネタは週明けでご勘弁
まあアレですよ、期末と言えば期末な訳でございまして、期末前に各種やるべきことを終わらせてリフレッシュという方もおいでの中、いつものクオリティでありますところの不肖このアタクシは連日涙目になりながら必死の帳尻モードとなっておりまして会見QAをじっくり読み込んでいる余裕というものがですねえ(言い訳)。
期末まであと1週間(と1日)、締まっている人も締まっていない人もそもそも3月期末じゃない人も皆さま頑張って参りましょうでございますなのであります(超大汗)。
2023/03/23
お題「いつものFOMC:市場が何期待してたかによるんだけど結局前回のインラインっしょこれ」
なお例によって答え合わせをしていないので、そもそも論として寝てる間に起きた案件については知らん状態で臨んでるから銀行なんちゃら系で全然別の話があったらサーセンという事で。
〇声明文:物価と雇用は強くしたけど金融アイヤーで相殺して結局データ次第なのと利上げゴール近しメッセージ
って小見出し長いですねすいませんすいません。
今回
https://www.federalreserve.gov/newsevents/pressreleases/monetary20230322a.htm
https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/files/monetary20230322a1.pdf
前回
https://www.federalreserve.gov/newsevents/pressreleases/monetary20230201a.htm
https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/files/monetary20230201a1.pdf
・1パラ:雇用と物価は前回よりも表現が若干強めなんですよね〜
『Recent indicators point to modest growth in spending and production.』(今回)
『Recent indicators point to modest growth in spending and production.』(前回)
総括判断は同じ。
『Job gains have picked up in recent months and are running at a robust
pace; the unemployment rate has remained low. Inflation remains elevated.』(今回)
『Job gains have been robust in recent months, and the unemployment rate
has remained low. Inflation has eased somewhat but remains elevated.』(前回)
一瞬だけ今回のジョブゲインにロバストが抜けキタコレとか思ったら違くて、ロバストでありピックアップなので何のことはない上方修正。インフレについても「has
eased somewhat」が今回削除されているのでちゃっかり上方修正、とどっちも上方修正になっています。
・2パラ:不確実性がウクライナから金融問題に変わりました
『The U.S. banking system is sound and resilient. Recent developments are
likely to result in tighter credit conditions for households and businesses
and to weigh on economic activity, hiring, and inflation. The extent of
these effects is uncertain.』(今回)
『Russia's war against Ukraine is causing tremendous human and economic
hardship and is contributing to elevated global uncertainty.』(前回)
そらまあ米国の金融問題がどうのこうのに関しては入れて来るのは自明だったのですが、そのドサクサに紛れてウクライナの話をしれっと削除してきましたな。まあ書いてるとダンダラになってしまうってのもあるとは思いますけどこれはゼレンスキー涙目(違)。
でもってゼレンスキーの涙はさておきまして、今回はこの金融問題が明確に「Recent
developments are likely to result in tighter credit conditions for households
and businesses and to weigh on economic activity, hiring, and inflation.」とファイナンシャルコンディションをタイト化させて、それによって経済活動やらインフレに押し下げの影響を与えるでしょう、としているので、ハトハトクレクレ派的にはこれでヒャッハー言うのかもしれませんがちょっとここで思い出して頂きたいのは、1パラでは物価と雇用の判断を引き上げていることでして、これは1パラと相殺されてチャラという文学表現である、とアタクシは解釈しました(個人の感想です)し、だいたいからして物価に関しては次にあるように、
『The Committee remains highly attentive to inflation risks.』(今回)
『The Committee is highly attentive to inflation risks.』(前回)
と相変わらずインフレリスクに注意(remainsというのが英語的にbe動詞対比どういうニュアンスなのかとかワタシガイジンジャナイカラワカラナイネーなのですが、汗)結語の部分は同じなんで、別にこの現象によってファイナンシャルコンディションの悪化を受けて今すぐにスタンス変更、とはならん(もちろんこれは先行き次第なのは言うまでもないのであくまでも足元今いまの時点での話ですよ為念)というのを示した締めになっている、という感じだと思いますよ。よー知らんけど。
・3パラ:25bp利上げ、資産買入縮小ペースに変化なし、ただし利上げはゴール近い表現に変更
『The Committee seeks to achieve maximum employment and inflation at the rate of 2 percent over the longer run.』(今回)
『The Committee seeks to achieve maximum employment and inflation at the rate of 2 percent over the longer run.』(前回)
ここは開経偈みたいなもんでいつも同じ。
『In support of these goals, the Committee decided to raise the target range for the federal funds rate to 4-3/4 to 5 percent.』(今回)
『In support of these goals, the Committee decided to raise the target range for the federal funds rate to 4-1/2 to 4-3/4 percent.』(前回)
25bpの利上げでした。これは市場予想インラインで良いんですよね。
『The Committee will closely monitor incoming information and assess the
implications for monetary policy. The Committee anticipates that some additional
policy firming may be appropriate in order to attain a stance of monetary
policy that is sufficiently restrictive to return inflation to 2 percent
over time.』(今回)
『The Committee anticipates that ongoing increases in the target range
will be appropriate in order to attain a stance of monetary policy that
is sufficiently restrictive to return inflation to 2 percent over time.
』(前回)
近い将来の政策見通し文言のこの部分ですけど、前回が「ongoing increases」がアプロプリエイトだと言ってるのに対して、今回は「some
additional policy firming」と言っていまして、これはつまり今次引き締めによる利上げのゴールが近いというお話をより明確化しました。
ゆうてですね、前回も結構その意味では「先行きはデータディペンデントだよ」っぽい言い方が多かったんで、結局2月(実質1月)FOMCの時に戻っただけ、という感はあるのですが、この間にやたら強い物価雇用指標が出て50bpヒャッハーとやってそのあとシリコンバレー銀行が飛んだのが余計な一幕で、結局この2つが相殺されてチャラということなんでしょうなさっきのパラもそんな感じだったし。
でもって今回は「The Committee will closely monitor incoming information
and assess the implications for monetary policy.」の一文を入れることによって「先行きは出たとこ勝負」をより明確化したわけでして、実はこれ後でネタにしますがSEPのドットチャートの出し方にも味わいがあって、たぶん「先行き決め打ちはもう無理ぽ」となって来たというか、今回の一連の流れで50bp利上げの地均しだしたらSVBアイヤー(直接の要因ではないけど)事案が発生して、結局地均しがパーになるというか、無駄なクソボラを発生させてしまったというのを反省した結果としてこの「closely
monitor incoming information」を独立した一文として出した、と思いたいです(そこはアタクシの妄想ね)、というか市場もいい加減FEDに対して次回政策で何するのかクレクレを止めろよと思うのですが、それはもう逆さ絵ウスラハゲのバーナンキが市場のクレクレに何でも対応して市場をジャンキーにしてしまうというサタンの所業を行ったツケが回ってきているということでありますな(個人の偏見です)。
という悪態はさて置き続き。
『In determining the extent of future increases in the target range, the
Committee will take into account the cumulative tightening of monetary
policy, the lags with which monetary policy affects economic activity and
inflation, and economic and financial developments.』(今回)
『In determining the extent of future increases in the target range, the
Committee will take into account the cumulative tightening of monetary
policy, the lags with which monetary policy affects economic activity and
inflation, and economic and financial developments.』(前回)
今後の利上げの程度を判断する際には云々、というのは同じ文言を使っていて、まあSEPでもあと1回は利上げというのが殆どだからこの文言が前回通りなんでしょうね。次回利上げした時にどう変わるか今から楽しみ。
『In addition, the Committee will continue reducing its holdings of Treasury
securities and agency debt and agency mortgage-backed securities, as described
in its previously announced plans. The Committee is strongly committed
to returning inflation to its 2 percent objective.』(今回)
『In addition, the Committee will continue reducing its holdings of Treasury
securities and agency debt and agency mortgage-backed securities, as described
in its previously announced plans. The Committee is strongly committed
to returning inflation to its 2 percent objective.』(前回)
この後でやります(と言ってもメモだけですけど)NY連銀デスクへのディレクティブおよび関連文言を見ますと、資産規模縮小に関する文言には変更がありませんで、声明文のこの部分にも勿論変更はありませんので、もしかして資産買入の縮小が緩和されるとか見ている人がいるとがっかりという感じになるのかしら、どうなんでしょう。
・4パラ:ここは全文一致
『In assessing the appropriate stance of monetary policy, the Committee
will continue to monitor the implications of incoming information for the
economic outlook. The Committee would be prepared to adjust the stance
of monetary policy as appropriate if risks emerge that could impede the
attainment of the Committee's goals. The Committee's assessments will take
into account a wide range of information, including readings on labor market
conditions, inflation pressures and inflation expectations, and financial
and international developments.』(今回)
『In assessing the appropriate stance of monetary policy, the Committee
will continue to monitor the implications of incoming information for the
economic outlook. The Committee would be prepared to adjust the stance
of monetary policy as appropriate if risks emerge that could impede the
attainment of the Committee's goals. The Committee's assessments will take
into account a wide range of information, including readings on labor market
conditions, inflation pressures and inflation expectations, and financial
and international developments.』(前回)
より抽象的(というか何というか)な将来の金融政策スタンスがどうのこうのの部分は全文一致です。
・5パラ:議決は全会一致
『Voting for the monetary policy action were Jerome H. Powell, Chair; John
C. Williams, Vice Chair; Michael S. Barr; Michelle W. Bowman; Lisa D. Cook;
Austan D. Goolsbee; Patrick Harker; Philip N. Jefferson; Neel Kashkari;
Lorie K. Logan; and Christopher J. Waller.』(今回)
『Voting for the monetary policy action were Jerome H. Powell, Chair; John
C. Williams, Vice Chair; Michael S. Barr; Michelle W. Bowman; Lael Brainard;
Lisa D. Cook; Austan D. Goolsbee; Patrick Harker; Philip N. Jefferson;
Neel Kashkari; Lorie K. Logan; and Christopher J. Waller.』(前回)
ブレイナードの姉御が居なくなりましたな(退任したから当たり前だが)。
・ディレクティブは「全部の金利をフルスライド25bp引き上げ、ランオフのペースは変更なし、ファシリティ限度額同じ」です
今回
https://www.federalreserve.gov/newsevents/pressreleases/monetary20230322a1.htm
March 22, 2023
Implementation Note issued March 22, 2023
Decisions Regarding Monetary Policy Implementation
前回
https://www.federalreserve.gov/newsevents/pressreleases/monetary20230201a1.htm
例によって例の如くPDFだと声明文の後についています。これ一々引用していると長くなってしまうのでこっちの引用は割愛しますが、小見出しの通りで、
当座預金付利金利:4.90%
翌日物システムレポ最低貸出金利:5.00%、上限5000億ドル
ONRRP金利:4.80%、1先あたり上限1600億ドル
プライマリークレジット金利:5.00%
という金利体系と、FEDのバランスシートの減額上限(上限以上に減る場合はその分は買入を行う)(の国債600億ドル、MBS350億ドルはレートを25bp全部フルスライドで上げた以外の変更はない、とみました(ご確認あれ)。
・SEPはまあそんなに大した違いはないと思ったですけど
今回
https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/files/fomcprojtabl20230322.pdf
前回12月
https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/files/fomcprojtabl20221214.pdf
引用の方は
https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/fomcprojtabl20230322.htm
March 22, 2023: FOMC Projections materials, accessible version
Accessible version
からやったりします。
Table 1. Economic projections of Federal Reserve Board members and Federal
Reserve Bank presidents, under their individual assumptions of projected
appropriate monetary policy, March 2023
左から2023、2024、2025、Longer runですな。
Change in real GDP: 0.4 1.2 1.9 1.8
December projection: 0.5 1.6 1.8 1.8
こちら『Central Tendency』を見ると2023年の見通しが0.4-1.0⇒0.0-0.8となっていて、下方シフトしてるなーと思いましたが、全員の『Range』を見ると、-0.5-1.0⇒-0.2-1.3と上方シフトしているという面白結果になっておりますが、いずれにせよ見通しの豪快なバラバラッぷりが中々。
Unemployment rate: 4.5 4.6 4.6 4.0
December projection: 4.6 4.6 4.5 4.0
PCE inflation: 3.3 2.5 2.1 2.0
December projection: 3.1 2.5 2.1 2.0
となっていて、成長見通しは手前で下がっているのですが物価と失業は特に悪化していないどころか、物価に関しては2023年の『Central
Tendency』が2.9-3.5⇒3.0-3.8で『Range』が2.6-4.1⇒2.8-4.1と上がってますねという所です。
でもってみんな大好きドットプロットですが、前回もそうなんですけど今回も「そろそろ利上げはピークとなって年末までは維持、来年から利下げを始めますけど2025年末の時点でもロンガーラン金利よりも若干高い金利ですね」というのは同じでして、24年以降のドットってバラバラ過ぎてもう何が何だかという感じなので今年のだけ見るわw
2023年末FF目標金利
4.75-5.00(現状維持):前回2名→今回1名
5.00-5.25(1回利上げ):前回10名→今回10名
5.25-5.50(2回利上げ):前回5名→今回3名
5.50-5.75(3回利上げ):前回2名→今回3名
5.75-6.00(4回利上げ):前回なし⇒今回1名
ということで中心は5.00-5.25のままですが上を予想している人が上に勝手に振れました、って感じなのと、4.75-5.00って前回の2名中1名はブレイナードだったのかねえとか、まあ色々と思いました。
細かく見てないけどイメージ的には24年のドットも何となく上方シフトしている感じはあるので、やはり足もとのアイヤーが落ち着くか次第で、落ち着くようなら次回1回利上げしてその後はステイだけど物価が下がらんかったらまだ利上げ余地あるで、って感じですか。
あとおもろかったのは、ドットプロットが前回と今回(これはPDFの方を見ないと分からん話だが)で各ドットの間隔が広くなっている事で、ちゃちゃっと過去のSEPを改めて見て見たら、昨年は3月のSEPが同じように間隔のあいたドット、残りの3回は間隔の詰まったドットでだしてて、なんかこれ意味あるのかないのか謎なのですが(もうちょっと見たがどういう傾向なのかとか朝見ただけではぱっと見イメージが、笑)、まあなんですかこれは「見解は分かれてまっせ」とでも言いたいのかとかそういう妄想をしてしまいました。まあ全体のドットが揃っている所があるとそこで間隔を詰めないと行けないくなるのでとかそういう単純にデザインの問題のような気もしますが(汗)。
ということで、オープニングリマークまで今日は手が回りませんでしたすいませんすいません。
2023/03/22
お題「ECBのデレツン発動/副総裁理事人事でましたな/3月会合主な意見より」
高市センセイ産経新聞に見捨てられるの巻(産経広告大杉)
https://www.sankei.com/article/20230320-DBISMYUW2FJPBEDLY4DVLAHLQQ/
高市氏、孤立無援 自民の予算委員長も異例の注意
2023/3/20 21:28
永原 慎吾
サムネの選択に悪意しか感じないし、
『「閣僚が国会議員の質問する権利を否定することは大きな間違いだ」末松氏は予算委で高市氏にこう注意した。』
『政府・自民党内にはこの問題について、高市氏を擁護する声は多くはない。高市氏が立民議員にあおられ、文書が「捏造(ねつぞう)」でなければ閣僚や議員を辞職すると進退問題に発展させたことを冷ややかに見る向きもあるからだ。』
『この日の午前中の審議では自民の広瀬めぐみ氏も「さまざまな事情があると拝察するが、自民の立場としてもこの発言は遺憾だ」と指摘した。』(以上上記URL先より)
とはこれまたエライ書かれようで、安倍ちゃん残滓の勢力争いが反映しているのかなとか色々と妄想を巡らす記事ではありました。
〇クレディスイスさんの件は何か進行が速すぎでもうね
・ECBのツンデレじゃなくてデレツン方式が何とも。
ご案内のように株式全損しないのにAT1債が全損。いや何ちゅうかかんちゅうかという感じでは
あるのですが、担保付かシニアじゃない金融機関の債権(あるいは債券)って何を食らうか分からん
という強権発動が炸裂して、スイスそれでエエノンカイナと思ったのですが。
ラガルドはん
https://www.ecb.europa.eu/press/pr/date/2023/html/ecb.pr230319~744758829c.en.html
PRESS RELEASE
Statement by Christine Lagarde, President of the European Central Bank, on the announcement on 19 March 2023 by the Swiss authorities
19 March 2023
『“I welcome the swift action and the decisions taken by the Swiss authorities.
They are instrumental for restoring orderly market conditions and ensuring
financial stability.
The euro area banking sector is resilient, with strong capital and liquidity
positions. In any case, our policy toolkit is fully equipped to provide
liquidity support to the euro area financial system if needed and to preserve
the smooth transmission of monetary policy.”』
スイスの当局の素早い対応を歓迎する、とぶち上げておりますが、その一方でしれっと、AT1債をこかしたことによって債券市場がアイヤーとなっているのを見たからなのか、監督担当の方から20日付けでしれっとこのようなお告げがw
https://www.bankingsupervision.europa.eu/press/pr/date/2023/html/ssm.pr230320~9f0ae34dc5.en.html
PRESS RELEASE
ECB Banking Supervision, SRB and EBA statement on the announcement on 19 March 2023 by Swiss authorities
20 March 2023
『ECB Banking Supervision, the Single Resolution Board and the European
Banking Authority welcome the comprehensive set of actions taken yesterday
by the Swiss authorities in order to ensure financial stability.』
まずスイス当局の素早い対応によって金融安定に資すことになったのは歓迎しまして、
『The European banking sector is resilient, with robust levels of capital and liquidity.』
ワシらの銀行システムはレジリアントで資本と流動性はロバストなレベルにある、とかあーそうですかそうですかはいはいおじいちゃん満洲の話はさっきもいったでしょという話が続き。
『The resolution framework implementing in the European Union the reforms
recommended by the Financial Stability Board after the Great Financial
Crisis has established, among others, the order according to which shareholders
and creditors of a troubled bank should bear losses.』
ここでデレからツンに移行というか梯子外しというか、EUにおける金融機関破綻措置においては、リーマンショック以降に色々と決めました通り、金融機関がアカン奴になった時のロス食らう順番はきちんと決定されております(キリッ)と来ましてからの、
『In particular, common equity instruments are the first ones to absorb
losses, and only after their full use would Additional Tier 1 be required
to be written down. This approach has been consistently applied in past
cases and will continue to guide the actions of the SRB and ECB banking
supervision in crisis interventions.』
そのルールによればまず最初に毀損の刑を食らうのは普通株式の保有者でありまして、その方々が全損しても足りない場合はAT1社債の方が食らうということになっておりまして、過去のケース(スペインのどっかでやってましたっけ)においてもそのようにやっております(のでAT1債の叩き売りとAT1発行残高見ながら信用問題どうこう言うの止めてチョーダイ)のでそこんとこヨロシク(キリッ)、と燃えるのはスイスだけにして頂きたい、というのがガッツリと出されています。
『Additional Tier 1 is and will remain an important component of the capital structure of European banks.』
AT1債券は今でも今後もEUの銀行の資本構成における重要なコンポーネントですよ、ってのはこれを機にAT1債発行出来なくなる(まあ普通に警戒するっしょというか少なくともAT1のリファイの時にはスプレッド拡大しちゃうでしょうよ)のはアレということでまあこういうのを入れておりますな。サックリと反応する辺りがまあそういう点でピリピリしてるんじゃろうなあとは思いました(個人の感想です)。
・・・・・まあ本件に関しては大楠公の旗印(と言われている事になっている)「非理法権天」攻撃が発生したということで、権に勝つのは天ということですので、スイス金融に関して今後天道がどのようなお裁きを下すのでしょうか(まあ天道は結構漏れがあるんですけどぬー)という話ですな。
〇副総裁交代で理事昇格やら理事の担当編成変更やら
・副総裁の記載順序というかなりどうでも良い事を気にするアタクシ(^^)
https://www.boj.or.jp/about/organization/policyboard/pb230320a.htm
2023年3月20日
日本銀行政策委員会室
次のとおり発令がありました。
内田 眞一
日本銀行副総裁に任命する
氷見野 良三
日本銀行副総裁に任命する
令和5年3月20日
内閣
ということなのですが、
https://www.boj.or.jp/about/organization/policyboard/pb230320b.pdf
2023年3月20日
日本銀行政策委員会
政策委員会議長の職務を代理する者の決定について
『政策委員会は、本日、日本銀行法第16条第5項の規定に基づき、政策委員会議長
黒田東彦委員に事故がある場合に議長の職務を代理する者および代理する場合の順位を以下のとおり定めた。
氷見野 良三 委員 第一順位
内 田 眞 一 委員 第二順位
以 上』
という順序になっていて、いやまあこの議長代行の順位って日銀が中で決めるもんだから内閣の辞令順とは一致しないのはわかるんですが、
https://www.boj.or.jp/about/organization/tanto.htm
総裁・副総裁・理事の担当
2023年3月20日現在
の表を見ると内田さんの方が上に書いてあって、ちょろっと前のを見たら、
https://www.boj.or.jp/about/organization/policyboard/rel180320b.htm(前回)
https://www.boj.or.jp/about/organization/policyboard/rel130321b.htm(前々回)
内閣の辞令(?)はどうもアイウエオ順になっている(前回は雨宮、若田部の順でその前は岩田、中曽の順)ようなので納得したのですが、日銀の議長代行順位って前回は雨宮⇒若田部で、その前が中曽⇒岩田になっていて、まあその辺は年次よりも日銀での経験年数とかもあるよねとは思ったのですが、理事担当表を過去の理事担当表、と言っても前回の理事担当表が(あるのは有る筈ですが検索へくってアレなので)雨宮⇒若田部で、前々回は(https://www.boj.or.jp/about/release_2013/rel130321d.pdf)中曽⇒岩田になっているのに今回は何で内田さん上に乗っけてるねんということで、実はそこそこ不思議に思いながらこの表の眺めておりました。
まあ何となく企画局担当ってのを上に乗っけようとしているのは何となく分かるのですが、さっきの「総裁・副総裁・理事の担当」の表って他の理事に関しては担当部局云々ではなくて先任順に名前が並んでいる(そして政策委員会議長の代行順位の3番目は基本的に今は最先任の理事)ので、なんですかこの表の意味は、と????????になりながら考える
まあ何ですか、2013年の時の代行順位は(https://www.boj.or.jp/about/release_2013/rel130321d.pdf)「企画局担当理事」が第三順位だったからその時のアレを継承しているってことなんですかねえ。
・・・・・・と物凄くどうでも良さそうなことにお前は何を言ってるんだというツッコミは甘んじて受けるのですけれども、こういう順序については日銀とか中央官庁とか死ぬほどこだわりがあると思いますので、何か微妙なこの書き方は気になったです。恐らく「企画局担当がエライ」みたいな暗黙のアレがあると思うのですけど、なんか氷見野さんの扱いが雑じゃねと直感的に思ったんで(と思う辺りアタクシもこういう発想に毒されているんですけど)。
・理事には中島名古屋支店長が昇格
https://www.boj.or.jp/about/release_2023/rel230320a.htm
理事の発令について
2023年3月20日
日本銀行政策委員会室
次のとおり発令がありました。
中島 健至
日本銀行理事に任命する
令和5年3月20日
財務大臣 鈴木 俊一
ということで名古屋支店長の中島さんが大阪支店長理事になりまして、大阪支店長理事だった高口さんが本店に来まして理事担当割は以下のようになりました(URL再掲)。
https://www.boj.or.jp/about/organization/tanto.htm
総裁・副総裁・理事の担当
理事
清水季子 国際局、国際関係統括
貝塚正彰 決済機構局(業務継続企画課)、調査統計局、業務局、金融研究所
高口博英 金融機構局、発券局、情報サービス局
加藤毅 政策委員会室、システム情報局、総務人事局、文書局
清水誠一 企画局、決済機構局(決済システム課)、金融市場局
中島健至 大阪支店
清水誠一さんが企画局とか市場局担当になりましたが、加藤さん担当変わらんのけと思いつつ、まあとりあえず今のへっぽこ政策および誰得オペレーションを何とか立て直して頂きたいものだと思うのでありました。
〇3月会合主な意見はいつものアレと思いきや「物価」の部分で変化の胎動が見られる(かもしれない)
いやマジな話このテイタラクで植田先生の厳しいツッコミが来たらどうすんねんおんどれらは、と思うがまあ4月からどうなるかが楽しみである。小見出しにも書いたように変化の胎動があるのかもしれないので・・・・・・
https://www.boj.or.jp/mopo/mpmsche_minu/opinion_2023/opi230310.pdf
金融政策決定会合における主な意見
(2023 年 3 月 9、10 日開催分)1
『T.金融経済情勢に関する意見』から参る訳だが、おんどれらは評論家かと言いたくなる話が続いて泣ける。
・賃金が物価上昇に追いついてないから持続的な物価上昇にならんならそもそもアジェンダセッティング考え直せよヴォケ
『・消費の弱さの背景には、家計の名目所得の伸びが物価上昇率に届いていないことがあり、何かの支出が増えれば他の支出を切り詰めざるを得ないというのが実情と考えられる。名目所得の上昇により実質所得が上昇するかどうかが重要であるが、今年の労使間の賃金交渉の結果だけでなく、その後の賃上げの広がりと持続性も確認したい。』
あのーすいません、言ってることはその通りなのですが、だったら何で「何が何でも物価を2%に引き上げて行って」って話をしてたんですか今まで。そもそもそのアジェンダセッティングに問題があったんじゃないかと思いますし、賃金の上昇が追いつかないのってその原因の一つにはおどれらがこの1年間「物価が持続的に上がらない」って連呼しているから物価が持続的に上がらないとなると賃金も上げようという意欲が弱まる、という期待を自ら壊しに行ってる面があるんじゃないか、という日銀の情報発信に関する話とかにならんのかね。
・だから金融政策決定会合なんだからそんな話は「主な意見」にするなよと小一時間問い詰めたい
『・持続的な賃上げの実現には、従業員のエンゲージメントを高めるような職務に応じた賃金カーブへの改革や、コア事業を強化するポートフォリオ改革、労働の高付加価値化や高生産性事業への労働力のシフトが重要であり、まずは労使交渉による賃金構造の変化に注目している。また、中小企業の賃上げ率向上には、適正な価格転嫁と持続的な付加価値向上が重要である。』
なるほど仰る通りなのですが、それに対して金融政策は何をしようと仰るのでしょうか????それどう見ても金融政策と関係ないですよね。
・なおちゃんと「賃金が上がるかもしれない」という話をしている人もいます
この1名しかいないというのが大本営右にならえ軍団(除く1名)の真骨頂なのですが、この人達4月からどうジャガーチェンジするのかが今から楽しみです。ということでこれは除く1名の方のご意見。
『・「物価安定の目標」の持続的・安定的な実現に向けた一歩として、今春の労使間の賃金交渉の結果は重要である。この点、前向きな企業の賃金・価格設定行動がみられているだけに、想定以上の賃金上昇率につながる可能性がある。』
とりあえず連合の中間発表は良かったですよね。
・しかしどさくさに紛れて物価に関する部分では・・・・・・・・・・
『(物価)』のパートに来るとあれれ???という感じになるのですよこれがまた。こっちは全部引用しておく。
『・消費者物価の前年比は、政府の経済対策によるエネルギー価格の押し下げ効果に加え、輸入物価の上昇を起点とする価格転嫁の影響も減衰していくことから、来年度半ばにかけて、プラス幅を縮小していくと予想される。』
『・ 消費者物価は、輸入物価の上昇を起点とする価格転嫁の影響の減衰から、財価格を中心にプラス幅を縮小していくとみられる。』
これは大本営。
『・消費者物価上昇率は、本年後半に2%を下回るとみている。その後再び2%に向けて伸びを高めるためには、粘着性の高いサービス価格の持続的上昇が必要である。そのためには賃金の一段の上昇が不可欠の要件である。』
いつもの「粘着性の高いサービス価格」と「賃金」の話でこれも大本営だし、もともと「基調的物価」を重視してた筈なのにゴールポストを勝手に変えるいつもの屁理屈。
などと思ったら………
『・企業の価格転嫁の動きは続いており、持家の帰属家賃を除くサービスの価格も、前年比1%台後半まで上昇してきている。この先、物価が想定以上に上振れるリスクに対して、注意のうえにも注意を重ねていく必要がある。』
おお!
『・昨年来の海外発の大幅な価格ショックが、物価に対する「ノルム」を転換させる可能性がある。その場合、コスト・プッシュ圧力の減衰後も企業の前向きな価格・賃金設定行動が続き、想定よりも高い物価上昇が持続することも考えられる。』
おおお!
『・物価が上がりにくいという「ノルム」には変化がみられるが、需給ギャップの改善が遅れたり、賃上げが広がりや持続性を欠く場合には、今後予想されるコスト・プッシュ圧力の減衰とともに、再び物価が上がりにくい状況に戻るリスクも残っている。』
これは留保条件入りながらもほほーって感じですね。
ということで6つ(何でこの重要なタイミングで9人いるのに6つしか意見無いんだよ)の意見中3つが何かおやおやおやって感じなのはちょっと味わいを感じましたでございますわ(唐突にお嬢様状態)。
・金融政策に関する意見は相変わらずで1名しかちゃんとした話をしていないでございますわ
『U.金融政策運営に関する意見』になる訳ですが相変わらずである。なお大本営そのままはめんどいから割愛します。
『・イールドカーブの歪みなどの副作用もあるだけに、効果と副作用とのバランスの検証も含め、市場の機能度を予断なく見極めていく必要があるが、現在は大規模緩和を粘り強く続けていくべき局面である。』
おどりゃ何か月見極めとるんならシゴウしたるぞ、と思いましたが次の意見はクッソワロタ。
『・イールドカーブ・コントロールの運用見直しの市場機能への効果を見極めるにはまだ時間が必要であるが、消費者物価上昇率が実際に低下し、それを受けて市場の金利見通しが落ち着いてくれば、イールドカーブの歪みも是正されていくものとみている。』
>消費者物価上昇率が実際に低下し、それを受けて市場の金利見通しが落ち着いてくれば、
>消費者物価上昇率が実際に低下し、それを受けて市場の金利見通しが落ち着いてくれば、
>消費者物価上昇率が実際に低下し、それを受けて市場の金利見通しが落ち着いてくれば、
ちょwwwwwおまwwwwwwwwww自分の言ってることのいみわかってるのかwwwwwwwwwwwww
おんどれは2%物価安定目標達成のために金融政策やってるのに、何で消費者物価指数が下がって来ると歪みもなくなるから無問題とか言い出すんだよちょっと誰だよこれ書いたのさすがにこれは面出せやヴォケ案件ですな。
次のも酷い。
『・イールドカーブの形状は、共通担保オペや国債補完供給の運用面の工夫などもあって、ひと頃に比べれば総じてスムーズとなっているが、今後も、各種措置の影響を含め、市場の動向を注意深くみていくべきである。』
>ひと頃に比べれば総じてスムーズとなっているが
>ひと頃に比べれば総じてスムーズとなっているが
>ひと頃に比べれば総じてスムーズとなっているが
????????????????????
いやマジでこれ趙高胡亥ムーブやってるんじゃねえか大丈夫か事務方の報告?????
次は一服の清涼剤。
『・12 月の会合以降、数々の措置を講じ、一定の効果が出てきた面はあるが、市場機能の根本的な改善には至っていない。今後のマーケットの状況、経済、物価や賃金の動向を、謙虚かつ真摯にみていき、必要な場合には、社債市場やスワップ市場を含めた市場機能の改善を図り、金融緩和の効果が実体経済に持続的・効果的に伝わるようにすることが必要である。』
イイハナシダナー
『・ 社債市場では発行スプレッドの拡大は一服しているが、国債市場の機能度低下の影響は引き続き残っており、注視が必要である。』
微妙ちゃあ微妙だけど問題意識があるのは結構結構。
なおこの後も何だかなーというのが並ぶがあと3つほどネタにしておく。
『・「物価安定の目標」の達成には、日本銀行が2%の目標を堅持しつつ、その達成にコミットすることによって、予想物価上昇率を目標にアンカーすることが重要である。』
じゃあ何で物価2%は持続的じゃないって言い張るんだよ長期の期待を自分たちが下げてどうする、と思いました。
『・足もとの物価高を受けて緩和の見直しを求める声もあるが、現在は「物価安定の目標」の実現に向けて良い方向に環境が変化しつつある状況であり、政策転換が遅れるリスクよりも、拙速な政策転換によって目標達成の機会を逃すリスクの方を重視すべきである。』
海外がそう言ってビハインドした結果があのテイタラクなのですから、じゃあその違いは何だという考察を入れて頂ければまあ見れる話しになるんですけどこれじゃあ単に「見直したくないから見直したくない」にしか見えませんね。
『・ 2%の「物価安定の目標」へのコミットメントを堅持することがきわめて重要である。目標についての議論を始めると、「物価安定の目標」の実現の可能性が増しているにもかかわらず、金融政策運営に関する無用な憶測を招く惧れがある。同様に、共同声明についても改定の必要性はないと考えている。』
何ちゅうかこのまあ言いたいことも分かるんだが債券市場で起きてる問題への対処の話をして欲しいし、そもそも市場は別に2%をさげろとかそういう話してるんじゃないのであって、なんかこう言うの見てるとちょっとちがうんだよなー感が。
という感じであります。
2023/03/20
お題「連銀貸出ドカンと出た件に関する反応についての雑感メモ/ドルジ大暴れというより板の無い中で飛び回るのマジ勘弁」
来週末は期末ですよ中年男性老いやすく何も成り難し。
#ECBネタを成敗とか大口叩いてましたが今日はただの雑談で勘弁してつかあさい
〇まだまだ落ち着かないようなのですが米国債券市場ちゃんの備忘メモ雑感
・インフレと金融市場のテンションの両方を相手にする破目になっていますなあ
日替わりメニューで上に行って下に行っての繰り返しでいい加減にトサカに来るんだが・・・・・・
https://jp.reuters.com/article/-idJPL4N35P3MM
2023年3月18日6:07 午前
米金融・債券市場=利回り急低下、銀行懸念払拭されず国債に買い
『[ニューヨーク 17日 ロイター] - 米金融・債券市場では、銀行システムの流動性不足に対する投資家の懸念が払拭されない中、国債に買いが入り、利回りが大きく低下した。』(上記URL先より、以下同様)
あらあら木曜の相場ではいったんの連鎖は避けられる話だったのに。
『欧米で銀行部門に対する懸念が広がる中、スイスの金融大手クレディ・スイスは16日、スイス国立銀行(中央銀行)から最大500億スイスフラン(540億ドル)を借り入れる選択肢を行使すると表明。米国では大手銀行11行が同日、株価急落に見舞われた中堅銀行ファースト・リパブリック・バンクの資金繰りを支えるため、合計300億ドルの預金を預け入れると発表した。[nL4N35O4G6]ただ、こうした措置を受けても市場心理は十分に回復していない。』
というのは全部終わった話なのですが、木曜はどっちかというとこれで一旦何とかなりますがなみたいな雰囲気を漂わせていたようにも思えますが何ちゅう節操のない相場。
『終盤の取引で10年債利回りは16.8bp低下の3.416%。週初からは28bp低下し、週間ベースの低下としては昨年11月以来の大きさとなった。30年債利回りは10.5bp低下の3.609%。2年債利回りは25bp低下の3.872%。』
こんな相場でマーケットメイクしてたらさすがに生きてる自信は無い・・・・・・・・
『フェデラル・ファンド(FF)金利先物は現在、来週の連邦公開市場委員会(FOMC)で決定される利上げの幅は0.25%ポイントにとどまるとの観測を織り込む水準にある。』
ECBがさっくりと50利上げしたんでFEDも25はやりやすくなりましたなという感じで、これ物価が下がらんと非常にややこしい事になるんんですよね。結局はインフレにビハインドして利上げのペースを速くせざるを得なくなったのが悪いので、つまりはバーナンキが悪いし、あの逆さ絵ウスラハゲにノーベル賞授与する経済学会は焚書k(八つ当たり)。
30年債 17時05分 3.6274% 前営業日終値 3.7140%
10年債 17時05分 3.4379% 前営業日終値 3.5830%
5年債 17時05分 3.5070% 前営業日終値 3.7370%
2年債 17時05分 3.8458% 前営業日終値 4.1300%
あらあらまあまあという所ですが。
・連銀貸出急増を捕まえてQEというのはさすがにちょっと筋が違うと思うの
さーせんこれ金曜日に書かないと行けない話なのですがECB見てるだけで手いっぱいでorzorz
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-03-16/RRMRQRT0G1KZ01
FRBから1週間で22兆円借り入れ−銀行が流動性の最終手段に殺到
Alex Harris、Craig Torres
2023年3月17日 7:32 JST
・連銀窓口貸出制度の利用、1528億5000万ドルと過去最高を記録
・新設バンク・ターム・ファンディング・プログラムでは119億ドル
ということですが、題名にあるようにこちらのBBG記事は状況に関する説明としては小見出しの方向で問題のある記述をしている訳ではないので先にお断りしておきますね。最初に連銀貸出で引っ掛かったのがこれなので。、
『米連邦準備制度理事会(FRB)が最後の貸し手として提供する2つの貸出制度を通じた銀行の借り入れが15日までの1週間に計1648億ドル(約22兆円)に達した。シリコンバレー銀行(SVB)の経営破綻の影響で資金調達状況が悪化したことを示すものだ。』
『FRBのデータによると、連銀窓口貸出制度を通じた借り入れは1528億5000万ドルと、前週の45億8000万ドルから増え、過去最高を記録した。これまでの最高は、2008年の金融危機時に記録した1110億ドル。』(上記URL先より)
・・・・・とはいえ、これも記述としては問題があるんですよね。方向性が逆だが。
つまりですね、この動きというのは突如シリコンバレー銀行が飛んだというイベントが発生して「予備的な資金需要が大量に発生した」から借入が増えている訳で、その予備的資金需要に対応するために連銀貸出で当座の予備的資金需要に対応した、というお話。
もちろん、予備的な資金需要が拡大したということは、それ自体インターバンク市場の資金不足要因であるからして、資金調達という意味では状況がタイト化した、ということになりますが、そのための最終兵器として連銀貸出があるのですから、「資金調達状況が悪化した」という解説はブルームバーグの煽りが入っていますわな。
まあ一方で金曜日とかは最初この連銀貸出がドドーンと出たのを見て、連銀貸出拡大⇒FEDのバランスシート拡大⇒QTからQE⇒ヒャッハー、みたいな解説とかがベンダー見てるとホイホイと出ていて、いやお前それも調子に乗り過ぎというかどんだけQE大好き緩和ジャンキー脳ですねんというお話ではあります。
今申し上げましたように、そもそも今回連銀貸出がドカンと出たのは実際の資金繰り云々の前に他行で破綻事例があったので予備的資金需要が急拡大しました、って話で、それに対応して常設ファシリティであるところの連銀貸出が出た訳ですわな。
また例として出すのに極端かも知れんけど、ジャパンの場合って年末に銀行券の越年需要が発生するから、年末になると銀行券引き出しに備えた資金需要がインターバンク市場で発生して、それに対応して(今はクソ超過準備の時代だからやらないけど本来であれば)日銀は銀行券の越年需要に対応した資金供給オペレーションを行う訳ですが、それを捕まえて金融緩和とかいうのは寝言にも程がある(ただし日本の場合は学者の名に値しない馬鹿学者がこういうのまで金融緩和とか言ってしまうのが頭クラクラするんですけど)ということになりますわな。もちろん銀行券の越年需要に対応した資金供給を行わない、となるとテクニカルには引き締め的になりますのですが、いずれにせよテクニカルな問題。
・・・・・・の筈なのですが、まあ茲許の金融機関がアイヤーの連日の相場はもうその場瞬間の勢いで雰囲気でドッタンバッタンしているもんだから、木曜日の海外とか金曜の時点ではどちらかと言えば「連銀貸出出て量的緩和だヒャッハー」みたいなのが出てて、いやそれはちょっと調子に乗り過ぎとは思ってて、金曜の日中の時点では、よ〜しパポ月曜日にこのネタで一席書いちゃうぞ〜と思っていたのですが、何のことはない連銀貸出が多いのはやべえということに1日開けると一転していたのが何ともかんともでございました。
まあアレです、予備的需要で連銀貸出が出ること自体はテクニカルな話なのですが、その額がGFC並みというのは状況に対して深刻に受け止めている、ということを示す可能性はありますし、ただ単にその前の時代のQEジャンキーのせいで資金繰り運営のバッファーとかを読む能力が下がっていて、なんかわからんけどとりあえず取っておくか、的なのが多いのかもしれないし、その辺は良く分からんのですが、まあ今回のはスタート台であって、ここから更に連銀貸出が増える(予備的需要拡大=危機意識の強さ)のか減る(その逆)のかのバロメーターにでもしておけば良いのではないでしょうかね、と思いました。
でですね、更にオマケの話をすると、この予備的需要に対する貸出金利の設定が異様に低くてサービスレートになっている場合は確かに思いっきり金融緩和って感じになりますが、連銀貸出は金利水準自体はそんなに高くない(利上げの間で金利コリドアを全然拡大しなかったため)水準ではありますが、一応はなんちゃってペナルティ金利(ちなみにもう一つのBTFPは1年OIS+10bpなのでただの予備的需要で借りるんだったら通常のプライマリークレジットに行くわな)にはなっているので、そっちの意味からも、今回のFEDのバランスシート拡大を受けてQTからまたQEとか言っちゃうのはちょっとそれは飛ばし過ぎだと思うのでありました。
・・・・でまあ金曜の時点ではこれに「そうはいっても相場は数が力になりますので、連銀貸出の量を見てQEとかいう緩和ジャンキーが多ければジャンキーに引っ張られて普通の人も皆で揃って阿片窟で変な踊りをおっぱじめるんですよね」という締め文句を書こうと思ってたのですが、連銀貸出の額が大きいしなんとGFC並みじゃん!!!の方に一夜明けたらなってたのでチッと思いつつもまあ書いておきましたです、はい。
〇空売り成敗して市場の流動性益々枯渇と
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba230317.htm
落札結果 (3月17日<金>)
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注4) 6,104 6,104 -1.100 -2.483
(注4) 国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)の売却銘柄は、
利付国(10年)第367回(1,395億円)、
368回(2,830億円)、
369回(1,879億円)です。
ということで海外金利低下にも助けれられてSLFの額をバンバン絞っているのも効いてカレント3銘柄のSLFもだいぶ減ったでござるの巻ですが、まあ今回の空売り大征伐によりまして、SLFに関しても日銀その気になったら何だかんだと理由を付けて前の話は反故にして貸出をしませんよ攻撃をする、というのを実証した訳ですので、そらあーた見た目は金利が下がることによって何となくイールドカーブの形状もマシに見える(除く10-368)ようになったのですが、とにかく日銀が無理筋介入をしてくるって宣言をしてしまったのはアカンにも程がある。
こうなりますと、基本的にマーケットメイクはオファービット取らざるを得なくなるし、それなりに大きなロットの売買を市場でさばけるのかも怪しいし、という感じになってきていまして、債券のインデックス投資が商品としてどうなのみたいな話に発展してくることになりまして、ただ単に黒田の体面の為に何でこんな目に遭わねばならんのかというお話。
ということで横綱なんですけどね。
https://port.jpx.co.jp/jpx/template/quote.cgi?F=tmp/future_daytime
長期国債先物
限月:23年6月限
取引日:03/17
日中取引
始値:147.96(03/17)(08:45)
高値:148.43(03/17)(15:00)
安値:147.86(03/17)(08:52)
現在値:148.27(03/17)(15:02)
前日比:-0.17
取引高:10,949
高値が15時についてて引けが高値から16銭下という事はつまり引けの板寄せで16銭下に飛ばしているのですが、
https://port.jpx.co.jp/jpx/template/quote.cgi?F=tmp/popchart&QCODE=601.555
長期国債先物(夜間除く) 23年6月限
金曜の日中足の動きは例によって今日の注文受付時間位になると消えちゃうと思うのですが、金曜日って寄りから1時間くらい板が碌すっぽない中で15銭以上の値幅取ってあげたり下げたりしておりましたし、引け際最後の数分とかも結構な値幅をとりまして、最後なんか最後の10秒か20秒くらいで一気に先物が高値の148.43まで上がって引けの板寄せで最後の急騰を全部お返しして板寄せで戻る、というような何やってるんだかというようなチョッピーな動きをしておりまして、しかも売買高10949とあるように基本的に板がスカスカの中で値動きだけは禿しい、というアカン奴の典型のような相場様になっておられるわけですな。
いやもう現物にしろ先物にしろ、この板スカスカチョッピー相場ばっかりやられますと、オファービットが拡大せざるを得ないですし、ロット物の売買をするとなるとそれが更に拡大しないと行けない、となりますので、先週木曜の超長期入札然りで、これ究極的には最終投資家と国債の発行体の所に拡大したオファービットのケツが回って来る、という誰得にも程がある展開になってしまう訳で、日銀は黒田の面目の為に国債流通市場を壊して何が楽しいのか(いやまあもしかしたら汚物は消毒だヒャッハーって言いながら火炎放射するのって楽しいのかもしれなですけど)と小一時間問い詰めたい所でございます。
なお夜間取引の結果は米国金利がアレの為お察しの通りに
https://port.jpx.co.jp/jpx/template/quote.cgi?F=tmp/future_night
長期国債先物
限月:23年6月限
取引日:03/20
夜間取引
始値:148.25(03/17)(15:30)
高値:149.14(03/18)(04:40)
安値:147.98(03/17)(17:16)
現在値:148.96(03/18)(06:00)
前日比:+0.69
取引高:8,296
また前日比69銭高だし、高安は1円16銭もあるしもうやだこの先物、と思いますけど、海外の債券先物に比べればマシという呪文を334回唱えて慰めとしたいと思います、南無大師遍照金剛。
・・・・・すいませんなんかECBのラガルドネタとかもっと色々とネタがある筈なのですが、ちょっとまだ全然整理できていない(この時期だからというのもあって中々まとまって整理している時間が取れないのですすいませんすいません)ので明日こそ整理、と言いたいが明日は春のお彼岸。
2023/03/17
お題「ECB50bp利上げしましたが先行きは出たとこ勝負と仰せになってますな」
自己資本の170倍も国債を保有している人が金利上昇問題ないとかいってますけど考査とか検査とかしなくて良いんでしょうか(棒読み)。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-03-16/RRL8Z7T0G1L001
出口局面での金利上昇、債務超過に陥る可能性低い−日銀総裁
伊藤純夫
2023年3月16日 10:46 JST 更新日時 2023年3月16日 12:13 JST
『ただ保有国債の評価方法は償却原価法を採用しており、「国債保有について時価評価しておらず、資産がマイナスになる可能性は極めて少ないと思う」と述べ、債務超過になる可能性は低いとの認識を示した。』(上記URL先より、以下同様)
会計上セーフならセーフ理論が糞なのは今まさに米国で起きてる話で、日銀の場合は資金繰りでお父さんにはならんけど、インフレ高進が仮に進み過ぎたらただの利上げじゃ間に合わなくなって国債売却によってインフレ抑制をしなけりゃいけなくなる事態が起きると会計上セーフだったものの顕在化が起きるんだよこのクソボケが、というか利上げ時の期間損失だって相当なもんになる筈だぞ(さすがにそっちは出るとは言ってるけど)。
という何時ものアレもあるのですが、もっとひどいのが前半にあって、
『総裁は出口での金利上昇が日銀の収益に与える影響に関し、「日銀の保有する国債の平均残存期間は7年程度で、大半は4−5年だ」と説明した。このため、「そのくらいで相当部分は金利の高いものに入れ替わっていく。償還が来た場合に金利の高い国債に乗り換えていけば、金利収入は増えていく」と述べた。』
まだ4−5年物価目標達成できない積りなのかよ、というのもさることながら、この答弁の最悪にインチキなのは「償還が来た場合に金利の高い国債に乗り換えていけば、金利収入は増えていく」って話で、金利上昇している出口の時に保有国債は削減するんだから「金利の高い国債に乗り換え」はできねえだろ買ってたらインフレ止められないだろイカサマ説明もいい加減にしろと思いますし、こんなの大門先生が居たら更問で簡単に撃破されるレベルの雑な回答で、黒ちゃんの「私が大丈夫と思うから大丈夫」理論で想定問答作るのに慣れ過ぎて、想定問答作成能力が落ちてるんじゃないかと思いますし、植田総裁に見せたらスタッフの皆さんボコボコにされるんじゃないですか、とそっちが心配になりますな。
いや真面目な話、これ質問側に大門先生が10人くらい居たら普通にボコボコになるじゃないですかって思ってしまうんですよね。植田総裁VS大門先生とか見たかったですけどよく考えたら共感モードでMCバトルにならない説がw
・・・・・あ、すいませんマクラがつい興奮して長くなりました。
〇さすがラガルドはん50bp利上げパネエっすがさすがに先行きは利上げシバキモードから出たとこ勝負モードへ
・いつもの「一目で分かる今日の決定」がどっかの中銀と違って分かりやすくて非常にヨロシアルよ
今回のはこちらですが、
https://www.ecb.europa.eu/press/pressconf/visual-mps/2023/html/mopo_statement_explained_march.en.html(今回)
Our monetary policy statement at a glance - March 2023
過去のはここに一覧がありまして、
https://www.ecb.europa.eu/press/pressconf/visual-mps/html/index.en.html
Monetary policy statements at a glance
We take decisions on monetary policy every six weeks determining what should
be done to keep inflation under control. Our visual statement explains
this in short and easy-to-understand language.
Below you find links to all visual statements of the previous press conferences.
前回のはこちらになって、これを比較するだけで取りあえず基本的に言いたいことは直感的に伝わるんですよね。
https://www.ecb.europa.eu/press/pressconf/visual-mps/2023/html/mopo_statement_explained_february.en.html(前回)
Our monetary policy statement at a glance - February 2023
でもってこれ見ますと、という前にECBのトップに今だと今回分のリンクがあって、そこのサムネが思いっきり「2%の物価目標に進むしっかりとした道路」という前回と同じ絵の時点で「あっ・・・・・・(察し)」ということになる訳でして、今回も50bpの利上げをしやがりましたが、声明文比較とかオープニングリマーク比較とかを普通はやるのですが、アホの子なのでこのビジュアルを比較するという手抜き企画を考えてみました。以下今回と前回(2月の頭)を比較してみますわよ。
最初は『What did we decide?』ですが。
『We raised interest rates, by 0.5 percentage points
Our future decisions will depend on how we see future inflation developing
and how well our past rate hikes tame inflation.』(今回)
『We raised interest rates again, by 0.5 percentage points
We are in the process of raising rates significantly, and at a steady pace.
We are doing this to bring inflation down.』(前回)
とありまして、今回はさすがに「この先の利上げは状況をみまして」ということで、前回は「引き続き我々の利上げ祭りは続く」だったのと、よく見ると同じイラストを使っているのですが、トリミングをすることによって、先行き何か上げるようには見せているけど、矢印の終端をトリミングして、しかも階段状になっているように見えるけど上がるか上がらないかわからんような絵にして(口で説明すると難しいけど上記URL先に行って見れば一発で分かります)することによって「上げると決め打ちした訳ではない」というのを示した、という芸の細かさが素敵です。
あと、前回はAPPについてもいじっていたので『We are adjusting our purchase
programmes』という小見出しもありますが今回は該当するものが無いのでそこはすっ飛ばします。
次が『What is going on in the economy?』です。
『Inflation is still too high and will remain so for some time yet
Energy prices have dropped sharply. But pressures keeping prices high are
increasingly coming from food, industrial goods and services.』(今回)
『Inflation has come down slightly but remains too high
Energy prices have dropped sharply in recent weeks, but food prices are
still rising strongly. The earlier surge in energy costs is still spreading
throughout the economy. This makes many goods and services more expensive.』(前回)
これがまた出来上がりの絵が前回と今回で違っていて、前回はもうインフレが高止まりして紙飛行機が空を飛んじゃってる絵とかあってなんかインフレインフレ感をだしているのですが、今回は「ものによっては体温下がって来ましたわ」って感じの絵柄になっていて、もしかしたらインフレがここらあたりから落ち着いてくれるかもしれませんぜみたいな絵の表現にしていて、この辺りも今回は利上げ50bpぶっこんだけど先もシバキモードかというと一応含みを持たせた格好にしているなとは思いました。
『The economy is doing better than expected, but it remains weak
It is set to recover in the coming months, even though uncertainty has
increased. With cheaper energy, fewer supply problems and businesses hard
at work to fulfil past orders, firms and consumers feel more confident
about the future.』(今回)
『The economy is weak right now, but it should soon pick up
The war, high inflation and a weaker world economy are still holding back
our economy. But with wages going up and prices no longer rising as much,
people will likely spend more and the economy should recover later this
year.』(前回)
この絵も(口で説明するよりも絵を見てちょんまげなのですが)味わいがあって、まあ書いてある通りではあるものの、経済のお天気は真っ暗雲のクソ大雨からややマシな雨になっているとか芸が細かい細かい。ただしスマホで見ている先行きの回復予想は前回の方が強そうな書きかたなんだよなー。
『The labour market remains strong
New jobs are still being created. With higher wages, workers get back some
of the purchasing power they have lost because of high inflation.』(今回)
『Many people have jobs and new jobs are still being created
Unemployment remains the lowest it has been in the history of the euro.
Workers are demanding larger pay increases to make up for high inflation.』(前回)
ここは前回がジョブクリエーションを強調していて、今回もまあ似たような感じだが寧ろお賃金が上がっているように見えなくもない(契約更改で握手してるっぽい絵なので)絵ですね。この絵の差分が何を意味するのかはアタクシの感性ではイマイチワカランチ会長(滝汗)。
でもって前回は、
『Loans from banks are becoming more expensive
As interest rates rise, fewer people are taking out mortgages. Businesses
are also requesting fewer loans for their investments.』(前回)
というのがあったのですが、今回は何故かなしになっています。
そして今回はECBスタッフの四半期見通しの見直しが行われる会合ですので、『How
do we see the economy developing?』ってのがあって、
『Though the economy is now weak, we expect it to recover in the coming
years. Recent tensions in financial market make this outlook more uncertain.
Projections for euro area economic growth in 2023 and the coming years
(projections from March 2023)』
ということで、さすがに「Recent tensions in financial market make this outlook
more uncertain.」というのを入れています。
・会見とステートメントは時間の関係で週末か月曜にでも
https://www.ecb.europa.eu/press/pressconf/2023/html/ecb.is230316~6c10b087b5.en.html
MONETARY POLICY STATEMENT
PRESS CONFERENCE
Christine Lagarde, President of the ECB,
Luis de Guindos, Vice-President of the ECB
Frankfurt am Main, 16 March 2023
本日は物凄く手抜きでステートメント相当の最初の説明部分のまとめを読んでみるのと、最初の質疑応答でいきなり火の玉ストレートが飛んできたのでそこを取り急ぎ読んでみますわ。
『Conclusion
Summing up, inflation is projected to remain too high for too long. Therefore,
the Governing Council today decided to increase the three key ECB interest
rates by 50 basis points, in line with our determination to ensure the
timely return of inflation to our two per cent medium-term target.』
まあアレです、会見でその話出ているのかどうかは全然見てない(というか会見のQA出るのはええええええ)ので何なのですが、やっぱり伝統的中銀っぽく発想(ってアタクシ別に中銀の人間じゃないからそれであってるのかどうかは知らんけど多分伝統的な中銀の中の人ならこう発想するだろ、と想像してるだけですけど為念)すると、米国の今回のスットコドッコイにも程がある豊臣利息守銀行のあばばばばーって「インフレ対応が遅れて急激な利上げを行ったために市場環境の急変をもたらして、その結果逃げ遅れる間抜けが発生した」という事案な訳でありまして、そこからのインプリケーションは「インフレ対応は後手に回るのダメ!!ゼッタイ!!!!」であり、プロアクティブにインフレ対応を行うことが金融環境の急変を防ぎ、ファイナンシャルスタビリティーの維持を可能にする、という話なので、インフレが現実に強いんだからそら50bp利上げしますわ(鼻ホジホジ)というのはご尤もな話ではあります、ということになりますな。
いやまあそこまで普通に原理主義でぶっこんでくるとはパネエっすとは思うけど・・・・・・・・
『The elevated level of uncertainty reinforces the importance of a data-dependent
approach to our policy rate decisions, which will be determined by our
assessment of the inflation outlook in light of the incoming economic and
financial data, the dynamics of underlying inflation, and the strength
of monetary policy transmission.』
とは言いましても、さっきのポンチ絵比較でもお分かりのように、先行きに関しては何がどうなるかワカランチ会長ではあるので、そこに関して今後もインフレ退治するぞインフレ退治するぞしばくぞしばくぞ、ではなくてヘッジを入れている格好になっておりますね。
『We are monitoring current market tensions closely and stand ready to
respond as necessary to preserve price stability and financial stability
in the euro area.』
当たり前だが「price stability and financial stability」と並べているので事態の状況次第でしょ、って感じなんでございましょうね。
『In any case, we stand ready to adjust all of our instruments within our
mandate to ensure that inflation returns to our medium-term target and
to preserve the smooth functioning of monetary policy transmission.』
まあこれはオマジナイみたいな文言なので別にどうという話でもない。
『We are now ready to take your questions.』
ということで質疑が始まるのだが、先頭打者がいきなり火の玉ストレート質問をしたのでそこも見ておきます今日は。
・先行き利上げするぞの勢いはなくなったというのが分かる
『I was wondering, could you explain a little bit how you see the path
of interest rates ahead? Until a few days ago, it seemed pretty clear that
interest rates would have to rise further after this meeting, but you didn't
give any guidance in the statement. Does this mean it could be that we've
already reached the peak in interest rates?(後半割愛)』
前回の利上げの時は先ほどのポンチ絵比較で一発でお分かりのように、前回は「我々は盛大に利上げを実施していくプロセスの途中にある(キリリッ)」とか禿げ上がる程威勢の良い話をしていたのですが、今回は一気にそこはトーンダウンしましたので、この質問者、わざとこういう聞き方してるんじゃないかという気がするのですが「何かトーンダウンしましたけどこれは利上げが適正なところまできたって認識っすかあ」とぶっこんできました。
ラガルドはんの回答。
『On your first question: I would call your attention to one particular
paragraph, which is the first one in our monetary policy statement in which
we are really trying to dissect for you the mechanism of our reaction function.
This is really the best guidance that we can provide and it is 1) the assessment
of the inflation outlook in light of the incoming economic and financial
data, 2) the dynamics of underlying inflation, and 3) the strength of our
monetary policy transmission. So, that's brand new. These three components,
we never discussed them, we never let them out and they are clearly identified
as the three elements that will be taken into account to determine our
reaction function going forward.』
ああだこうだ言ってるけど、「we never let them out and they are clearly
identified as the three elements that will be taken into account to determine
our reaction function going forward.」などと前回はあんなに今後も利上げとかぶっこんでいるのをすっかり知らんぷりして、政策反応関数(物価見通し、基調的な物価の推移、金融政策の波及度合いの強さ)を見ながら判断していくので現時点で先行きの話を決め打ちしません(キリッ)とか言ってて、このご都合主義めとは思いますが、先行きは出たとこ勝負だと仰せですね。
『Second point: if our baseline was to persist when the uncertainty reduces,
we know that we have a lot more ground to cover. But it's a big caveat.
If our baseline was to persist. 』
足もとでは先行きの大きな不透明要因があるのですが、これがまあ減って来ればベースラインシナリオ見通しに沿ってああだこうだって話も出来るかもしれませんけどちょっと足もとは、という話をしてるのはいいんだけど、
『As you know, the projections that were determined by staff - are based
on data and assessment of the situation with a cut-off date. That cut-off
date was 15 February for the international outlook and technical assumptions
and 1 March for the euro area macroeconomic projections. Now, since 1 March
a lot obviously has developed and the projections that we have do not incorporate
any of the most recent developments and certainly not the impact of the
most recent financial tensions that we have observed on the markets.』
海外の見通しは2月15日までに作っててユーロ圏の見通しは3月1日までに作ってますから、とか内幕バラシしてるの姐さんパネエっすと思いましたが、要はマクロ見通しに関しては直近のイベント織り込んでないから、マクロ経済見通しに沿って云々という話ができるのは足元のあばばばばーが一服しないと無理っすという言い訳をぶっこんできました。
『So, there is a level of uncertainty that has been completely elevated
as a result of that, and that is the reason why we reinforced the principle
of data dependency that we have indicated in the past with a clear map
of the reaction function that we will have in the future.』
『So, it is not possible at this point in time and on the basis of the
first component that I have mentioned, which is assessment of the inflation
outlook in light of the incoming economic and financial data, it is not
possible to determine at this point in time what the path will be going
forward. But we know that it will be data dependent and we know that if
the baseline as we have it was confirmed and was to persist, we would have
more ground to cover.』
じゃあお前何で50bp利上げしましたねん、とは思わんでもないのですが、なんかまあそういう開き直りをみせて先行きの方の決め打ちできませんわ出たとこ勝負ですわ、という理由にしているラガルド姐さんなのでありました。
ということで詳しくは後日で勘弁。
2023/03/16
お題「さすがにG−SIBは当局の鼎の軽重が問われますな/ドルジ相場等メモ雑談/1月議事要旨のYCC運営に関する所だけ鑑賞」
一晩明けて帰って来ると毎度風景が変わるという落ち着かん状況でこれはワタクシの花粉症も悪化するというものです(鼻ずるずる)。
〇今度は欧州ネタだしG−SIBネタだし・・・・・・・・・orzorz
https://jp.reuters.com/article/credit-suisse-gp-crisis-idJPKBN2VH1UO?il=0
2023年3月16日5:15 午前
スイス中銀、必要に応じクレディ・スイスに流動性供給へ=規制当局
何かあると必ず名前がだされるところ、として暫く前は別の国の別の名門銀行様がよくやり玉にあがっていましたが、最近はだいたいここが最初に名前が出ますな、ということではあるのですが。
『[チューリヒ/フランクフルト 15日 ロイター] - スイス金融市場監査局(FINMA)とスイス国立銀行(中央銀行)は15日、中銀が「必要に応じ」、金融大手クレディ・スイスに流動性を供給すると表明した。
FINMAと中銀は共同声明で、クレディ・スイスが「システム上重要とされる銀行に課される資本と流動性の要件を満たしている」と強調。さらに「現在の米銀行市場における混乱の影響がスイス金融機関に直接的に波及しているリスクの兆候はない」とした。
クレディ・スイスの筆頭株主であるサウジ・ナショナル・バンク(SNB)が追加出資できないと明らかにしたことを受け、同社の株価は急落。関係筋によると、主要国などからスイスに対し何らかの対応を取るよう圧力がかかっていた。』(上記URL先より)
スイス中銀と同じ略称で紛らわしいにも程がある筆頭株主だなおい。
まあなんせご案内の通り、
https://www.fsb.org/wp-content/uploads/P211122.pdf
2022 List of Global Systemically Important Banks (G-SIBs)
21 November 2022
のカテゴリー1の所に燦然とその名を連ねる「Credit Suisse」様であらされますので、これで何か無秩序なアレになった場合、バーゼルFSBIOSCOは今まで何をやっていたんだという話になりますし、まあそれこそマジで政治の方面からも腹をかっさばいて以下割愛とか言われかねない訳で、監督当局の真価が問われる展開になってまいりましたが、しかし確かに収益状況がアレで部門売却したりとかやってたとは言え、シリコンバレー銀行とかいう豊臣利息守(天才バカボンで検索すれば出てきますわ、原作読んで最後の1コマでクソワロタ)もビックリの事案から飛び火とか割と不憫というかかなり理不尽な市場の暴力っぽい展開だけど日頃の仕振りはダイジダイジネーという事で。
という訳で益々続報待ちになってまいりまして最早何が何だかわかりませんな。とりあえず無駄にまたクソ忙しくなりそうなのは把握したのだが、なぜこの手の事案は3月の期末ギリギリになると発生するのかと小一時間である。
〇6月限延々とこのままドルジ相場になるとか頭がクラクラしますね、しゃーないけど
昨日のドルジ
https://port.jpx.co.jp/jpx/template/quote.cgi?F=tmp/future_daytime
長期国債先物
限月:23年6月限
取引日:03/15
日中取引
始値:147.70(03/15)(08:45)
高値:147.98(03/15)(13:05)
安値:147.48(03/15)(09:07)
現在値:147.72(03/15)(15:02)
前日比:-0.38
取引高:19,099
とりあえず高安50銭で済んだし引け近くの大暴れとかもなかったですねって感じでしたが、夜の街に繰り出したドルジ様は、
https://port.jpx.co.jp/jpx/template/quote.cgi?F=tmp/future_night
長期国債先物
限月:23年6月限
取引日:03/16
夜間取引
始値:147.72(03/15)(15:30)
高値:149.35(03/16)(00:42)
安値:147.19(03/15)(16:54)
現在値:148.86(03/16)(05:37)
前日比:+1.14
取引高:23,652
ネタがネタだけにシャーナイとは言え高安216銭だわマザーマーケットの日中よりも取引高が多いわ、というお巡りさんこいつです状態の大暴れは勘弁して頂きたいのですが、毎晩これをやられますとこっちも寝つきが悪くなって健康にもよろしくないですが、昨日の引けの建玉を見ますと(これ速報でしたっけ確報でしたっけ)、さっきの夜のドルジの行状記の一番右に
建玉残高;162,675(03/15)
ってなってて、14日の建玉が17兆円台に乗ってたので少し建玉が解消されたわとは思うのですが、前の限月ってだいたい15兆円台で建玉が推移してたので建玉今回増えてるんですけど、例のレッツゴーSLFショートスクイーズ事案とかもありまして、現物でショートという訳にも行かなくなった以上は、とりあえず6月2週(たぶん2週のケツのあたりで限月交代すると思いますが)までは時間的な余裕のある横綱の方に売りが来てしまったとか、ヘッジ売りするにしたって3月に入ってから3月限月売りに行くのは限月交代が直ぐなんで交代を待つかみたいな感じもあったでしょうし、そもそもこの限月って後退した瞬間でも既に建玉が16兆円台に乗ってて、建玉残高は前の限月よりも明らかに多いという感じですので、これは人気の大横綱ドルジ様が昼も夜も大暴れして、市場の皆様の安眠を妨害して場口銭がバカスカ入るJPXだけはウハウハという展開になりそうですなナムナム。
〇相場が相場なだけに空売り討伐は進捗しておられるようなのですが・・・・・・・・・(あんど輪番減額)
・輪番減額は順当だがこれは評価できますな
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of230315.htm
オファー (3月15日<水>)
国債買入(残存期間1年超3年以下) 4,250 2023年3月16日
国債買入(残存期間3年超5年以下) 5,000 2023年3月16日
国債買入(残存期間5年超10年以下) 5,750 2023年3月16日
国債買入(残存期間25年超) 500 2023年3月16日
前回と比較すると
中期前半:(3/8)4250→4250
中期後半:(3/8)5000→5000
長期:(3/8)6750→5750
超長期後半:(3/3)1000→500
ということで長期と超長期を減額しているのは結構な事というか、金利が下がっている今減らしておかないと何時減らすという話になるので当然とは言え、ついこの前まで散々超長期締め上げてしまったせいで超長期のボラがエライことになってしまってここにきて連日米債みたいに値がかっ飛んでしまい、しかもその間に流動性というものが無いのでインデックス運用が甚だ困る展開になっておったと理解しているので、いいからもっと減らせやという感じだし、4−6のオペ紙はもっと減らせ(と言ってもまあ10年のYCC生きてるので長期はそう無茶減らしはしにくいのは分かるが)という所でございます。まあこれやって昨日の超長期が12毛甘だの15毛甘だのやってたのでアイヤーとは思ったのですが、一晩明けて見ると(今日20年の入札があるというのにクソ忌々しい事に)ドルジ様が1円以上上昇してウハウハしておられるので、また今日も超長期バタバタやるんでしょうかねえ、よくわからんけど。
・SLFの成敗は神風のお蔭で進捗するするなのだがただの神風要因であってこれを成功体験にしてはいけません
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba230315.htm
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注4) 9,395 9,395 -1.100 -2.445
(注4) 国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)の売却銘柄は、
利付国(10年)第367回(3,021億円)、
368回(3,179億円)、
369回(3,195億円)です。
367のSLFが一気に減っていますが、どうせ減額措置出てたりして(いやこれレポディーラーだったら当然こういうのを刻銘に記録しておかないと行けないのですが、いかんせんアタクシ今はレポディーラーじゃないのでどっかでまとめて数字見ながら確認しようとおもってはいるのですが全部フォロー出来ないので恐縮なのですが、皆様のお近くに座っておられるであろうレポディーラーに状況聞いてちょということで)上限減らしたんじゃろ状態ですけど、3月の頭くらいから始まった再売却も来月の頭にケツが来て強制減額措置攻撃になるとかになれば日銀の367368100%超買い占めも収まるとは思うので見た目はまあ日銀の意志通りに進みつつあるわけでございます。
・・・・・と言いましても、これって単純に海外クレジット要因で急に金利がクソ下がりしたから、ショート買戻しのインセンティブが大発生したことによる話だし、この間にやってたSLF締め上げって「調節担当部局の一存で債券市場の価格形成に強烈にマニュピレーションを行って強引に特定銘柄の価格がぐちゃぐちゃになるのを辞さずに買戻しを促した」ということでして、何度も申し上げているようにこれによって「日銀の言う事を真に受けて債券売買をやってたら突如梯子を外される」という強烈な経験値が出来てしまったので、今後想定される正常化局面においても、日銀が何か市場誘導しようとした際に(もちろん市場誘導止めちまえばそのうち世代交代したりおじいちゃん満洲の話はさっきもしたでしょ状態になったりするんでしょうけど)、市場は日銀が笛を吹いても踊る訳もなく、結果的にまたぞろ筋悪の強引な介入策を取らないと行けなくなる、というコストの掛かるオペレーションをしないと行けなくなる、という禍根を残したと言えましょう。
あとね、もっと怖いのはこういうただの神風ラッキーパンチでショート筋の成敗が出来たのを完全に「我らの力の大勝利」とか神州不滅で大和魂があればB29も叩き落とせる方面の完全なる勘違いが発生するリスクがありまして、そういう間違いレビューをされますと、次の戦の時にもっと悲惨な事が起こるのは言うまでも無いので、お願いだからお手盛り大戦果レビューとかしないで頂きたいものであります。
というかですね、気が付けば15年も前の話になっちゃうのかよって事ですが、かつてリーマンショックの時にCP市場の金利大上昇(利下げしているのにGCレポの金利が上がって短い所の各種市場金利が全部上がったのでAAクラスでもとんでもない金利になった)があった時に「CP買現先オペ」をやって案の定全然効かなかったのに、後日出てきた日銀レビュー見たら勝手に効いたことになっていた、というとんでもない事案があったので大体この人たちの政策レビューは真摯さが欠如しているというのは今に始まった話でもなく黒田日銀だからという問題でもないし日銀の遺伝子レベルの問題なんですよね。
あとですね、空売り征伐したらちょっと指値オペの運営方法(複数銘柄の指値レベルの基準の決め方の欠陥が今回の問題の根をさらに深くしていたのは間違いないでしょ)の手直しもしておかないと、どうせまた金利が上がる時間帯もやってくるんだから(来なかったら悲劇でしょ)、まあちゃんと考えて頂きたいもんだと思うのでありました。
〇1月会合議事要旨だがYCCの運営に関する部分(と事務方報告)だけ鑑賞してみましょう
https://www.boj.or.jp/mopo/mpmsche_minu/minu_2023/g230118.pdf
・さすがに「歪みがある」という報告をしておられるようですが3月会合議事要旨が今から楽しみですね!!!
真っ先に『T.金融経済情勢に関する執行部からの報告の概要』といういつもならスルーするところを見る(ちなみに市場にショックがあった時とかの議事録はこの冒頭の市場の動向の報告が凄い臨場感があって読み応えあるんですよね、特にその時に現場にいて記憶があると色々と思い出すのよ。
『1.最近の金融市場調節の運営実績』
『金融市場調節は、前回会合(12 月 19、20 日)で決定された短期政策金利(−
0.1%)および長期金利操作目標(注)に従って、国債買入れを行った。また、前回会合で決定された長短金利操作の運用方針に従って、10
年物国債を対象とする 0.5%の利回りでの固定利回り方式による国債買入れ(指値オペ)を毎営業日実施した。』
でまあこの「10 年物国債を対象とする 0.5%の利回りでの固定利回り方式による国債買入れ」なんですけど、ここにあるように会合で決定されたのは「0.5%の利回りでの固定利回り方式」なのに、何で引値較差方式だからと言って0.3%台だの0.2%台だので367や368の買入を行ったのか、というのは誰も突っ込まなかったのかねと思うのだが
『このほか、チーペスト銘柄を対象とする指値オペを毎営業日実施した。』
『また、各年限において、機動的に、買入れ額のさらなる増額や2年物、5年物、20
年物国債を対象とする指値オペを実施したほか、』
どういう基準で指値の金利を決定したのか、という事に関しては議事要旨に書くのは時期尚早だというのは分からんでもないのですが、これ当然「どういう基準でこのレートにしたのか」っていう説明あったんですよね???何の説明もなくてどスルーだったらガバナンスに問題があるので金融機構局が考査をした方が良いと思います(棒読み)。
『固定金利方式による貸付期間2年の共通担保資金供給オペを実施した。』
これも発動基準は何だったのかという話で、ただ単に金利上昇を見て頭に血が上って連発してたようにしかこっちには見えなかったんですけどねえ。
『そのもとで、10 年物国債金利はゼロ%程度で推移している。』
1月のMPM直前の水準が「10 年物国債金利はゼロ%程度で推移している」ならば別にSLFスクイーズして金利を無理矢理押し下げる必要ないんじゃでしょうか(鼻ホジホジ)。
『前回会合以降のイールドカーブの形状をみると、歪みが縮小に向かう局面もみられたものの、足もと、一部で逆イールドが強まるなど、引き続き、歪みが観察されている。
』
色々といちゃもんは申しあげたが、この点はちゃんと報告しているのは評価して差し上げよう、というか当たり前の事なんだが。
・市場機能の改善を掲げて12月に行った施策は結局何だったのかというお話になるのだが
さてまあポンコツドテカボチャの皆さんのカボチャ話を見ても時間の無駄にも程があるので『Y.金融政策運営に関する委員会の検討の概要
』のYCC運営の話まで一気にワープする。
『長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)について、委員は、金融市場調節上の様々な工夫により、金融市場調節方針に沿って、長期金利はゼロ%程度で推移しているとの認識を共有した。』
じゃあ何で5年のオペ入れたん???
『ただし、多くの委員は、イールドカーブの歪みは、現時点では必ずしも解消されていないと指摘した。』
そもそも「金利変動幅の拡大」と「市場介入の拡大」を同時に行い。かつ「市場機能の改善」をする、というのが相互矛盾というかサイクス・ピコ協定とバルフォア宣言とフサイン・マクホマン協定くらいの3枚舌状態である、という事についてどうせ誰も指摘せんわなと思いますが、実は12月にあれだけ「市場機能の改善」を連呼していたのに、この議事要旨で「市場機能」の単語があるのはこのコーナーだけで5か所しかないのですよね(F5で調べた安直調査による)。
『このうち一人の委員は、市場が落ち着き、市場機能が回復するにはやや時間がかかる可能性があるとの見方を示した。』
この時はまだ実質2〜3週間くらいだからまだ良いのだが、3月会合でも同じ言い訳を黒ちゃんがしてたのは流石に酷いと思いましたが・・・・・・・・・
『こうした点について、何人かの委員は、国債買入れの増額や共通担保資金供給オペの拡充等により、イールドカーブ全体にわたって金利上昇を抑制することが適当であるとの意見を述べた。』
そういうことして市場機能を抑圧してたら神風が吹いてやっと金利上昇が抑制できたんですけど、完全に市場機能の話がどっかに逝っておられます。
『一人の委員は、共通担保資金供給オペの拡充は、現在の大規模な国債買入れとともに、安定的なイールドカーブの形成に役立つ仕組みであるとの認識を示した。』
1ミリも効かない単なる無駄玉に終わったんですが・・・・・・・・・・・・
『複数の委員は、拡充した共通担保資金供給オペも活用しながら、機動的な市場調節運営を続けることで、市場機能が改善していくことを期待していると述べた。』
お前ら期待した成果が3月会合時点で全然上がってないどころか悪化したのに11時半前に3月会合終わらせたのは何だったの???馬鹿なの????記憶喪失なの????????????
『ある委員は、市場機能の改善にも配意しつつ、適切なオペ運営に努めるとともに、イールドカーブの形状、流動性など市場機能の状況、社債市場の状況などを謙虚かつ丁寧にフォローしていくことが重要であると述べた。』
さてこれを受けて3月会合で事務方はどういう報告をしてたんだか気になりますねー(ハイパー棒読み)。
『多くの委員は、イールドカーブ・コントロールの運用見直しが市場機能に及ぼす影響については、いましばらく時間をかけて見極める必要があるとの認識を共有した。』
物価じゃないんだからそんなノンビリした話してるなよ市場だぞ市場、という話でこんなノホホンとした事言ってると危機対応も出来なさそうんですよね、って思ってしまいます。
そして今回の白眉は次の意見です!!!
・これは酷い「間違えたら死ぬ病」の重篤患者
『一人の委員は、市場ではイールドカーブ・コントロールの運用のさらなる見直しを予想する向きもあるが、時間を置かずに再び運用を見直すと、かえって先行きの政策運営に関する不透明感を高める可能性があると述べた。』
>時間を置かずに再び運用を見直すと、かえって先行きの政策運営に関する不透明感を高める可能性がある
>時間を置かずに再び運用を見直すと、かえって先行きの政策運営に関する不透明感を高める可能性がある
>時間を置かずに再び運用を見直すと、かえって先行きの政策運営に関する不透明感を高める可能性がある
これは酷い「間違えたら死ぬ病」ですね速やかに入院による加療をお勧めしたい。
いやあのですね、やってダメなら別の方法考えるのがPDCAでしょという話であって、この人は天ぷら火災に水ぶっかけて火が燃えあがったら更に水をぶっかけるタイプの人とお見受けしますので、そういうのを政策決定の場においておくのはどう見ても危険としか申し上げようがないですから、即刻辞任をされることをお勧めしたいですね、誰だか知らないけど。
というのが今回の白眉でありました。あとは最後に、
『別の一人の委員は、市場機能の動向を見極めたうえで、必要になれば、イールドカーブ・コントロールの運用について改めて議論すればよいのではないかと付け加えた。
』
とやっとまともっぽい意見があるものの、なにせ大本営趙高胡亥ムーブなので必要になるという情勢判断が出てこないというのが悲しみが止まらない、という所でございます。
2023/03/15
お題「米国CPIメモ/横綱が昼も夜も大暴れのドルジ状態/浜田先生・・・・・(ヒマネタ)/総裁会見だが記者は何やってるんだふざけるなよ」
いやーしかしこれだけドタバタされると期末月で色々な帳尻もある中でご勘弁頂きたいでありまして生業が忙しくなるんですよねえ、忙しくて儲かるなら何ぼ忙しくても構わんのですが以下の記述は内務省検閲により削除されました。
〇米国CPIは結局インラインなので50とかあり得んけど25の線はアリエールってことか(利下げは無い)
米国CPIはインラインのようですがヘッドラインが詐欺チックで困るわ。
https://jp.reuters.com/article/us-cpi-feb23-idJPKBN2VG0XJ
2023年3月14日10:04 午後
米CPI、2月は前年比+6.0%に減速 21年9月以来の穏やかな伸び
『[ワシントン 14日 ロイター] - 米労働省が14日発表した2月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は前年比伸び率が6.0%と、前月の6.4%から減速し2021年9月以来の穏やかな伸びになった。』(上記URL先より、以下同様)
いやお前らパンチドランカーかよという感じでして6%って水準が全然緩やかな伸びでも何でもないだろと思うのですが、まあこういうのに「緩やかな」というヘッドラインを付けたくなるワシントンのロイターはん、まあそういうインフレマイルド化のヘッドラインを米国金融市場が求めているっていうことの証左なのかなと思いましたが、原文の方に緩やかなってのが無かったらちょっとイカる。
『しかし、家賃や食品の根強い上昇を背景になお高水準で推移しているほか、米シリコンバレー銀行の破綻などを受け、米連邦準備理事会(FRB)はインフレ対応で難しい舵取りを強いられることになる。』
うんうん。
『CPI統計を受け、フェデラル・ファンド(FF)金利先物市場では、米連邦準備理事会(FRB)が来週と5月にそれぞれ0.25%ポイントの利上げを決定するとの見方が織り込まれた。』
以外に冷静じゃん昨日の日本時間の米国債券市場の方はもうUST2年とか全身火だるまになって暴れているような動きで大変なことになっておりましたが。
『BMOキャピタル・マーケッツのシニアエコノミスト、サール・グアティエリ氏は「FRBにとってインフレの粘着性が高すぎることが示されている。現時点で、来週は0.25%ポイント利上げが検討されている公算が大きい」としつつも、「FRBは根強いインフレと金融不安定の板ばさみになっている」と述べた。』
まあそういうことですが、何せ本件に関しては例のへっぽこ銀行のアレが連鎖するのか連鎖しないのかというのによりけりで展開が変わってしまうのですが、FOMC今週じゃなくて良かったですねとしか言いようの無い展開でして、まあ来週になったら例のへっぽこ銀行案件の広がりがどうなるかというのもある程度の目鼻立つと思いますので、そこまでは何とも言い難いですね。
しかしまあ何ですな、これFOMC直前になって50を織り込ませに行ったら突発事態でカウンターパンチを食らったという絵にかいたようなFRBの間抜けプレイなんですけど、いい加減に市場に織り込ませる手法を止めないと、今回のような事が起きた時に金利市場のボラを余計に与えた責任はFEDにあるってことになる訳ですから、先行きのガイダンスを示さないで行くような手法に切り替えていかないと、こーゆーのが起きる度にFEDの信認が削られていくことになると思うんですよねー。
なのでまだ銀行ネタの方がどうなるか分からんので今月のFOMCの予想は予測不能という感じですが、まあ市場の方が25はある程度見てるなら25に乗っかっておいた方が、変にゴルディロックスヒャッハー相場を招かないで済むというメリットがあるので利上げするんちゃいますかねえとは思いますけどよくわからん。
〇横綱大暴れで昨日は適格ゾーンの歪みが少なくなったよ!!!!やったね!!!!!!!(超棒読み)
6月限とかいう横綱ですが、チーペストの金利があと一息で0.50%って所からスタートしてからの怒涛の電車道凄まじすぎますし、
https://port.jpx.co.jp/jpx/template/quote.cgi?F=tmp/future_daytime
先物価格情報
長期国債先物
限月:23年6月限
取引日:03/14
日中取引
始値:148.34(03/14)(08:45)
高値:148.99(03/14)(08:55)
安値:147.88(03/14)(13:11)
現在値:148.10(03/14)(15:02)
前日比:+1.38
取引高:27,091
日中高安1円11銭だわ前日引け対比の値動きが最大で2円27銭だわという大暴れな上に、
https://port.jpx.co.jp/jpx/template/quote.cgi?F=tmp/future_night
長期国債先物
限月:23年6月限
取引日:03/15
夜間取引
始値:148.35(03/14)(15:30)
高値:148.82(03/14)(16:04)
安値:147.46(03/15)(01:17)
現在値:147.78(03/15)(05:46)
前日比:-0.32
取引高:17,028
昨日の東証引け(この引けも引けの板寄せで直前ザラ場価格から12銭下にかっ飛ばして引けるというプレイをやりやがっていた訳だが)から30分後のイブニング寄付きで既に25銭窓を開けて寄り付き、30分後にはそこから27銭上まで行き、人様が寝てる間に(米国金利の動きを受けて何だとおもうけど)夜のセッションでも日中高安1円36銭とか、この土俵狭しと大暴れする上に、昼も暴れて夜も暴れるとかこれはどこからどう見ても懐かしのドルジじゃないですか!!!別に待ってはいなかったのですが、何故かやってきましたドルジ相場コワイヨー。
・・・・・さてそれはそれとして、いつもの売参
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html
まあ358は適格ゾーンから外れているけど一応入れておく
長期国債 358 2030/03/20 0.209 ▲ 0.106
長期国債 359 2030/06/20 0.240 ▲ 0.110
長期国債 360 2030/09/20 0.260 ▲ 0.120
長期国債 361 2030/12/20 0.275 ▲ 0.125
長期国債 362 2031/03/20 0.295 ▲ 0.125
長期国債 363 2031/06/20 0.310 ▲ 0.125
長期国債 364 2031/09/20 0.320 ▲ 0.125
長期国債 365 2031/12/20 0.320 ▲ 0.125
長期国債 366 2032/03/20 0.300 ▲ 0.125
長期国債 367 2032/06/20 0.255 ▲ 0.040
長期国債 368 2032/09/20 -0.005 ▲ 0.015
長期国債 369 2032/12/20 0.277 ▲ 0.023
横綱の怒涛の寄り身に引っ張られたようで(というかまあ369も途中0.24%とかやってたようですが)昨日はやっと適格ゾーンがレッツゴー3匹よりも利回りの低下幅が大きくなっておりますが、まあゆうて8−9年ゾーンと10年レッツゴー3匹のイールドは逆イールドになっているし、ドサクサにまぎえて368の利回りはマイナスで引けているし、相変わらずのへっぽこカーブなのですが、米国のトンチキ銀行のお蔭でこれならショート筋の踏みも期待できますし、全然日銀の成果じゃなくてただのラッキー事変による物とは言え、空売り征伐が進んだでしょうかねえよくわかりませんが。
https://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/mei/index.htm
日本銀行が保有する国債の銘柄別残高
今回の残高および2/28との比較ですが
367 85,709 ▲ 2,224
368 88,468 ▲ 3,571
369 75,025 33,598
若干日銀の保有は減りましたので減額措置とか特例SLFによる強制終了とかあったんでしょうけど、相変わらず発行超お持ちになっておられる様子。とは言えこの残高10日のなので、その後も更に強引な措置をしていたのを踏まえるとさてどうなんでしょという感じですな。しかしこの(自分で指値オペやっておいて後からSLFをくそ締めるとかただの諸葛孔明の罠に他ならないプレイなのですがそれはさておきまして)流れでSLF減ってきたら「黒田様に盾突く空売りをこのように成敗して空売りを仕掛けていたものの売りポジションを解消しました」となるのですが、そうなりますと実は「空売りを成敗したのか、それならYCC解除しても国賊を利することはないな」とか言い出して驚異のサプライズ臨時会合でYCCの10年ターゲット解除とかしたらクソ面白い(幾らサプライズジジイの黒田とてそれはやらんでしょうが)のですがさてどうなるやら。
というかですね、そもそも論として「防衛ラインから遠い時じゃないと円滑に解除できない」っていうのが長期金利YCCの制度上の宿命であって、この点については以前ネタにしたと思いますが、RBAが3年債のYCCをなし崩しで解除せざるを得なくなった後に、反省文レビューを書いている中で、「物価目標達成が強く意識される前に3年ターゲットを廃止なりなんなりしておけば市場の混乱は無かった」としておった訳ですので、どっからどう考えても今この時点こそYCC解除なんだよなー、っての確か8月の米国金利低下局面でも同じような雑談してたら案の定9月の日銀会合前にはまた0.50%砦まで国内金利は押し戻されていた訳で、何せ次回が4月末なもんでもうねって感じです。
〇面白ネタではあるがハマコーこれは酷いwwwwwww
色々と酷すぎる老害キタコレ
https://www.tokyo-np.co.jp/article/237764
「賃金上がらず予想外」アベノミクス指南役・浜田宏一氏証言 トリクルダウン起こせず…「望ましくない方向」
2023年3月14日 06時00分
ちょっと待てそもそもお前当初(週刊ダイヤモンドのWebインタビューで思いっきり言ってたのだがダイヤモンド社のトンチキがアーカイブにしてしまって今では普通には見れないのが残念ですが)「物価が上がる中で賃金が上がらない方が良くてそうしないと雇用が増えない」って言ってただろ名に勝手に歴史改竄してるんだと思いますし、こんなのが何でイェール大学の名誉教授になれるのかと思いますと経済学ってのはそもそも学問の名に値しないのではないかと(なおワイは経済学部は出てないのでただの偏見)。
『大規模な金融緩和を中心とした安倍晋三元首相の経済政策「アベノミクス」の指南役として、当時内閣官房参与を務めた浜田宏一米エール大学名誉教授(87)は本紙のインタビューで、10年に及ぶ政策の効果について「賃金が上がらなかったのは予想外。私は上がると漠然と思っていたし、安倍首相(当時)も同じだと思う」と証言した。』(上記URL先より)
>私は上がると漠然と思っていたし
>私は上がると漠然と思っていたし
>私は上がると漠然と思っていたし
「漠然と」「思っていた」が世界標準の経済政策だったとはこれまた呆れてものも言えないのですが、この前もそういえば政府のナントカ会議だか何だかで清滝先生を前に「世界標準の財政政策」とかポンチ絵出してた置物残滓が誰とは言いませんが居たと思いますのですが置物残滓とか政府とかのアレに呼ぶなよとしか思えん。
以下、インタビュー詳報とかある訳ですが、こういう腐れ外道の「漠然と思っていた」理論に乗っかって筋悪な金融政策の屋上に屋を重ねてできたグロテスクな昭和温泉旅館というのも昭和温泉旅館に失礼なものを構築したのが黒田日銀な訳ですな。
しかしこの東京新聞の記事も雑で、「アベノミクスはトリクルダウン」どころか浜田大先生は「賃金はむしろ上がらない方が良い」と仰せになっていたのであって、トリクルダウン云々はそもそもこの腐れジジイの脳内歴史改竄なんだよなー。
ちなみに「インタビュー詳報」とあるのに全然詳報じゃなくて3分で会話終わってるだろうというのはこちらにございます。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/237766
アベノミクスの10年、労働者にツケ…「意外。教科書にはなかった」 元首相の指南役・浜田宏一氏インタビュー
2023年3月14日 17時00分
しかしこの受け答えは酷い
『―10年間たっても賃金があまり上がらなかったことは予想外だったのか。
「予想外だった。僕は漠然と賃金が上がっていくと思っていた。安倍首相もそう思っていたと思う。賃金がほとんど増えないで雇用だけが増えるようなことに対して、もう少し早く疑問を持つべきだった。普通の経済学の教科書には、需要が高まっていけば実質賃金も上がっていくはずだと書いてある。ツケを川下の方に回すようなシステムで調整されるなんてことは書いていない。意外で、望ましくない方向にいっている」』(上記URL先より)
とりあえずこのジジイは(以下の記述は内務省検閲により削除されました)。
まあしかしそんなことも書かれていない経済学という学問はそもそも学問の名に値しませんな、というただのヒマネタ(ヒマでもないのに)なんですが、後日ちゃんと過去ログ帳に残すためにマクラじゃなくてコーナーにしておきましたとさ。
〇ヘソが茶を沸かしついでに来年度の日銀考査方針がマネポウィングへの当てつけのような方針になっている件について
まあ本当は真面目な話なのだがこれもおもわず勢いで茶にしてしまう訳だが。
https://www.boj.or.jp/finsys/exam_monit/exampolicy/kpolicy23.pdf
2023 年度の考査の実施方針等について
とは言いましても、上記URL先の紙の右上に燦然と輝くのは『2023年3月14日 日本銀行』とあるように、これは金融機構局限りではなくて政策として出ている物件でありまして、最初の所にも思いっきり、
『日本銀行は、毎年度の考査の実施方針等を政策委員会で決定している1。』
とありますように、こちらはいわゆる通常会合の方で決定する(金融政策決定会合は「マネタリーポリシー」の決定会合でして、こちらはプルーデンス政策になるのでマネポではない会合で決められますな)物件ですが、ゆうてMPMと同じ面子で最終的に機関決定しているんですが、マネタリーポリシーウィングに対してプルーデンスによる渾身の皮肉かと思う出来栄えになっているのでちょっと見て見ようかと。
でもって22年度レビューはどうでもいいので(こら)すっ飛ばして『3.2023
年度の考査の実施方針』を読みながらヘソで茶を沸かしつつ草を生やすわけですけどね。
『2023 年度の考査の実施方針は以下のとおり(より詳細な重点事項については(別紙)参照)。』
『(1)収益力および経営体力に関する経営管理の実効性
内外金融経済情勢などの外部環境に対する経営陣の認識と中長期的な経営戦略の実現可能性、および、そのもとでの収益力および経営体力に関する経営管理の実効性を点検する。その際、特に注視するポイントは以下のとおり。』
>内外金融経済情勢などの外部環境に対する経営陣の認識
物価見通しという政策の最も重要な部分を1年間延々と外し続けてきた日銀に言われたくはありませんねw
>中長期的な経営戦略の実現可能性
中長期的どころか2年で達成すると言ってた政策が10年たっても実現できないし、実現できないのを大威張りしながら政策を変更しないトップのおられる日銀に言われたくはありませんなww
しかもその次が
『(チェックマーク) 持続可能なビジネスモデルの構築への取組み状況。(以下割愛)』
と来た日には無茶苦茶な事やってYCCを無理矢理延命させている日銀に以下同文という訳でございまして、大草原不可避とはまさにこのことwwwwww
挙句の果てには、
『(チェックマーク)内外イールドカーブの変化やボラティリティの上昇等に伴う有価証券評価損やリスク量の拡大、有価証券利息配当金の減少や逆ざや、投資信託償還損の発生、預貸金収益への影響等を踏まえた経営体力・収益管理。
―― 資産・負債の構成や多様性等を踏まえ、収益力シミュレーション等により確認する。』
って金融機関に求めるんだったらまず隗より始めよってなもんでおどれが物価目標達成して中立金利まで政策金利を引き上げた時の期間損益を計算してみろと小一時間問い詰めたい訳ですが。
そして次の項目がなんとこうである。
『(2)ガバナンス体制の整備状況や有効性
経営管理やリスク管理の実効性を確保するために必要なガバナンス体制の整備状況や有効性について点検する。その際、特に注視するポイントは以下のとおり。』
総裁の言う事をヘイコラと碌に議論もしないで承認しているわ、先行きの不確実性が高いとか言ってるのに何故か先行きの物価見通しの数字がやたら狭いレンジで示されるわ、おまけに「市場機能の向上」の為に政策の見直しをした筈なのに現場部局の一存でドンドン市場に無理筋介入してくるような事案が放置されているような政策運営を行っているウィングが御行内にいらっしゃいますので、まずそこのガバナンス体制の整備状況や有効性について厳格な考査を行われるのがよろしいのではないかと存じます。
で、止めに『4.考査運営面での対応』のところに、
『(3)金融機関の納得性を踏まえた運営
日本銀行としては、考査の運営や結果に関して十分な納得や信頼が得られるよう、「考査運営に関するアンケート」や、考査終了後に必要に応じて実施するヒアリングを活用しながら金融機関とのコミュニケーションの充実に努め、金融機関から寄せられた意見・要望に適切に対応することで、考査運営の改善に不断に取り組んでおり、今後も継続していく。』
とあるのは何のギャグかと思いましたが、金融政策運営に対する納得性がまるで無いのを何とかして頂きたいと思いましたけど、まあこれって去年も同じこと書いてある(下に貼ったURL先のPDF7枚目にありますよ)ので単に前年の焼き直しではあるのですが、このタイミングでこれを出すのはツッコミ待ちの盛大なボケであって、プルーデンスウィングのマネタリーポリシーウイングに対する壮絶なイヤガラセなんじゃないかと思ってしまいました(んなこたあない)。
あ、ちなみに去年のはこちらになります。
https://www.boj.or.jp/finsys/exam_monit/exampolicy/kpolicy22.pdf
・・・・・すいません2打席連続でヒマネタで。
〇黒田総裁会見なのだがお前ら何揃いも揃って同じ質問だし足元の市場について1名しか質問してないとかどうなってるんだよ
https://www.boj.or.jp/about/press/kaiken_2023/kk230313a.pdf
総裁記者会見
――2023年3月10日(金)午後3時半から約60分
あのさあ、13枚ある質疑なんだが、市場機能の改善を謳って始めた12月以降の施策がそれに逆行する形になって強引かつ強権発動な措置を取って日銀が市場をスクイーズしている話と、そういう市場の状況があるにもかかわらず今回の決定会合11時20分台という明らかに何もその点の問題意識についてのディスカッションが無かったらだろ、という点についての質問が全然無くて、タイコモチよろしく「総裁お疲れさまでした(そもそも大口叩いて前任を石持て追い出しておいて叩いた大口は全然達成してないのにそれを威張り腐って政策の変更をしないゴミクズにお疲れ様も糞もあるかよと思う訳だが)」とか言いながら思い出話ばっかりさせてて、肝心の「今回何故今の状況を問題視しないであっさり会合を現状維持で終わったのか」という「今回の会合」についての質問したのがたった一人しかいないとかいやこれ記者会見ライブで聞いてたら脳の血管キレてたわと思うんですよ。
だいたいからして黒田の場合は退任の時に記者会見やるんだから、その時に聞けよという質問ばっかりで、今回のMPMに関する質問しないの全員職務放棄だろ馬鹿かよ、と思いました。
ということで唯一議事要旨7ページにありました、
『(問)(前半割愛)二点目は、市場機能といった副作用に対して、日銀は様々な工夫をしてきたとは思うんですが、今日の市場の動きをみても、やはり一部の
10 年債の利回りがマイナスになると、やはりちょっとイレギュラーな動きが大きいと思います。市場の歪みっていうものが解消されない中、12
月の変動幅の拡大を受けて、日銀の早期緩和修正の観測が消えないということだと思うんですが、こういった歪みを考えると、低金利とか緩和は続けつつも、YCCの仕組みである必要があるのか、その辺りについてどうお考えでしょうか。』
ってのだけですよ今回市場機能問題に関して質問あったの。最近ちょっと質問が良い感じになってきてたので評価してたんですが、やっぱりお前ら全員(上記質問をした記者を除く)幇間やってる方が似合ってるわ今すぐ腹かっさばいて(以下の記述は内務省検閲により削除されました)。なお、相変わらず動画の方は見てないのでどこの誰様が質問したのかは確認していませんサーセン。まあ当然の質問とは言え良くこの幇間合戦の流れの中でこの質問を入れ込んだ!!
まあ回答も相変わらず舐め腐っていて、
『(答)(前半割愛)市場の機能につきましては、従来から申し上げている通り、そういったものについても十分配慮しつつ様々な対応をしてきたわけですけれども、12
月の 10 年物国債の変動幅を±0.25%程度から±0.5%程度に拡大したわけです。そのもとで、特に
1 月の決定会合以降、イールドカーブの形状は、ひと頃に比べると総じてスムーズになってますけれども、歪みが解消するまでには至ってないということです。』
全然わかっていない・・・・・・・・・
『依然としてそうした機能度の問題が残っていることは事実なんですけれども、これは一部には、長らく±0.25%程度でイールドカーブ・コントロールの運営を行ってきたことも踏まえますと、』
このクソジジイ、インフレ期待と一緒にした説明をしてて理屈になってると思ってるのかよというか、いくら牽強付会でもこんな説明で何か月も引っ張るなよ、と思ったんだが、冷静に考えて見ると「2年を目途に出来るだけ早期に達成する」と言ってたものを10年引っ張りしかも達成しないで平然としていられた、という恐ろしいまでの成功体験があるから、黒田が消えるからいいようなものの、これ消えないであと1年任期があったら、
『新たな運営方針のもとで市場の金利形成が定着していくには、ある程度時間を要するのではないかというふうに思っておりますし、』
という言い逃れで1年間くらい平気な顔して引っ張りそうでしたな、まあ無茶苦茶な説明ですわ。
『様々な手段を有効に組み合わせて機動的な市場調節運営を続けることで、市場機能は順次回復していく、あるいは改善していくというふうに考えております。』
まるっきりその逆をやってたから足もとでは横綱がドルジになってしまうし、まあ酷い事になってるんですけどね!!!!!
2023/03/14
お題「目先の連鎖回避のために将来の金融不均衡の種を播く/金融市場局の一存でこんなに変更しちゃっていいんでしょうかねえ」
しかし何ですな、米銀問題でこんなに金利がさがるんだったら実は金曜日にYCC解除しておけばよかったんじゃないかという気がするし、今のこの勢いならYCC解除しても0.5%にもいかないんじゃないですかねえ(鼻ホジホジ)。
〇とにかく金融資産のファイヤーセールを防ぎたいというのに全振りした施策なのは把握したが・・・・・・・
突然コケたから激変緩和措置を取りたいというのも一理はあるんだけど・・・・・・・・・・
出てきた順に。
・預金全額保護して納税者負担がないとはどういう判じ物かと思ったら結局銀行に奉加帳かよ
https://www.federalreserve.gov/newsevents/pressreleases/monetary20230312b.htm
March 12, 2023
Joint Statement by Treasury, Federal Reserve, and FDIC
Department of the Treasury
Board of Governors of the Federal Reserve System
Federal Deposit Insurance Corporation
For release at 6:15 p.m. EDT
『Washington, DC -- The following statement was released by Secretary of
the Treasury Janet L. Yellen, Federal Reserve Board Chair Jerome H. Powell,
and FDIC Chairman Martin J. Gruenberg:』
で、これは日本時間の昨日の朝出ている奴なのでご案内かとは思いますが。
『Today we are taking decisive actions to protect the U.S. economy by strengthening
public confidence in our banking system. This step will ensure that the
U.S. banking system continues to perform its vital roles of protecting
deposits and providing access to credit to households and businesses in
a manner that promotes strong and sustainable economic growth.』
とのことですが、
『After receiving a recommendation from the boards of the FDIC and the
Federal Reserve, and consulting with the President, Secretary Yellen approved
actions enabling the FDIC to complete its resolution of Silicon Valley
Bank, Santa Clara, California, in a manner that fully protects all depositors.』
in a manner that fully protects all depositorsなのだが、それは連鎖を起こさせないためにやっているというのは分かるんだが、これやりだすと「どうせ全額救済されますからうちの高金利預金に預けましょう」という馬鹿が間違いなく出てきて、その銀行がリスクの高い投資をおっぱじめて儲かれば職員一同ボーナスがっぽり預金者利息がっぽりで(゚д゚)ウマーだし大損しても別に職員の命は取られないし、預金は保護されるから預金者から追い回されることもないしで(゚д゚)ウマーという典型的なフリーライダーを続発させるということになる訳ですな。これリーマンショックの時に経営者を牢屋にぶちこまなかったのと同じかそれ以上に問題を将来に残す、というか金融不均衡待ったなしでまた変な投機が色々と起きますぜ米国さん。
ちなみに日本でもかつて日本振興銀行という所で事実上の創業者であったキムラゴーとかいうのが「我々の高金利預金は1000万円限定で集めていますので、預金保険で全額保護されるのがミソです」とかてめえのブログで宣伝していたというフリーライダー極まれりな案件があったのは一昔前のアタクシの過去ログにもあったと思いますが、預金保険の外側(25万ドル超でしたっけ)を全額保護とかもっと壮大なフリーライダーが続出するのは想像に難くありません。
『Depositors will have access to all of their money starting Monday, March
13. No losses associated with the resolution of Silicon Valley Bank will
be borne by the taxpayer.』
どうやると預金全額保護しているのに「No losses associated with the resolution
of Silicon Valley Bank will be borne by the taxpayer.」になるんでしょうか????当局一同が自分に生命保険掛けてピーでもするんでしょうか???よくわかりませんね。
『We are also announcing a similar systemic risk exception for Signature
Bank, New York, New York, which was closed today by its state chartering
authority. All depositors of this institution will be made whole. As with
the resolution of Silicon Valley Bank, no losses will be borne by the taxpayer.』
その根拠は如何にって感じですな。
『Shareholders and certain unsecured debtholders will not be protected.
Senior management has also been removed. Any losses to the Deposit Insurance
Fund to support uninsured depositors will be recovered by a special assessment
on banks, as required by law.』
ということで、TLACが発動する前に一足飛びにシニア社債以降が全部デフォルトするということになるのでございますが、それでカバーできるんだったらまあ良いんですけどどうなんでしょうかというのは誰かがどうせ計算していると思うので解説を探してきてネット上で公開されてるレポートだったらレポートがここにあるって宣伝(人様の会社の謹製レポートとかになると思うのでURLと表題をご紹介するだけになると思うが)をしようかと思いますので誰か良さそうなのあったら教えてジェネラルである。
「Senior management has also been removed.」だそうだが、牢屋にぶち込むなりバミューダ三角地域ドラム缶ツアーに永久参加なり三途の川と西方浄土特別ツアー期間無制限にぶちこむなり、何なりの厳しい落とし前をつけないとアカンヤロ。
でもって「Any losses to the Deposit Insurance Fund to support uninsured
depositors will be recovered by a special assessment on banks, as required
by law.」ということで、預金保険が足りなくなったらその分の奉加帳が預金保険参加金融機関に回って来る、ということですので、「no
losses will be borne by the taxpayer」を連呼していますが、結局全米の銀行に奉加帳が回って来るんですから間接的には同じじゃんと思うのでありまして、とりあえず米国財務省とFEDは切腹をして謝罪しろという話ですな。
『Finally, the Federal Reserve Board on Sunday announced it will make available
additional funding to eligible depository institutions to help assure banks
have the ability to meet the needs of all their depositors.』
ということで月曜から預金流出が起きるかもしれんので資金繰りプログラムを用意した。
『The U.S. banking system remains resilient and on a solid foundation,
in large part due to reforms that were made after the financial crisis
that ensured better safeguards for the banking industry. Those reforms
combined with today's actions demonstrate our commitment to take the necessary
steps to ensure that depositors' savings remain safe.』
最後のはオマジナイみたいなもんですが、結局銀行に奉加帳回すってお前らが大昔邦銀をボコボコにしてた時の批判文句の護送船団方式にも程がある訳で、結局の所昔のジャパニーズ仕草が正しかったということじゃねえか(たぶんそうじゃない^^)と当時海外に無茶苦茶煽られるわ、日経新聞はじめメディアはその尻馬にのって揃いも揃って金融機関批判する国賊報道ばっかりしてやがったわケケ中屁蔵とかいう(以下長くなるので割愛)、などというのを前世紀の出来事だというのに昨日のように思い出して。ヘソが茶を沸かすのでありまする。
・でもってとりあえず担保持って来れば金貸すぞという物件
https://www.federalreserve.gov/newsevents/pressreleases/monetary20230312a.htm
March 12, 2023
Federal Reserve Board announces it will make available additional funding to eligible depository institutions to help assure banks have the ability to meet the needs of all their depositors
For release at 6:15 p.m. EDT
『To support American businesses and households, the Federal Reserve Board
on Sunday announced it will make available additional funding to eligible
depository institutions to help assure banks have the ability to meet the
needs of all their depositors. This action will bolster the capacity of
the banking system to safeguard deposits and ensure the ongoing provision
of money and credit to the economy.』
資金繰りファシリティ用意したよ。ということなのですが、本来だったらディスカウントウィンドウ使えよとは思うのですが、こういうのが出て来るってことは、ディスカウントウィンドウに関してはやはりスティグマ問題が抜けきらないということなんでしょうかね、よー知らんけど。
『The Federal Reserve is prepared to address any liquidity pressures that may arise.』
でもって内容ですが、
『The additional funding will be made available through the creation of
a new Bank Term Funding Program (BTFP), offering loans of up to one year
in length to banks, savings associations, credit unions, and other eligible
depository institutions pledging U.S. Treasuries, agency debt and mortgage-backed
securities, and other qualifying assets as collateral. These assets will
be valued at par. The BTFP will be an additional source of liquidity against
high-quality securities, eliminating an institution's need to quickly sell
those securities in times of stress.』
適格担保を持って来れば何と額面!で1年の融資をお付けしますとの事で、それ担保割れしている部分が無担保融資になってしまうんですけど何ですかそれという感じですな。
でもってしょうもない事思いつきましたが、これ30年国債持って行っても100円でしか担保にならないですが、30年国債をストリップス化して元金と利息を別々の券面にすると全部100円で担保になるんですかしら(悪)???
というのはまあさて置きまして、まあ見せ金積んでるって奴ではあるのだが実質一部無担保融資かよたまげたなあとは思いますが、1年期限の貸出だし、利息は(タームシートにあるように)1年OIS+10bpと一応はちゃんとした金利取るし、そういう意味ではCP買入とかやってたのを考えるとまあそうですかねって感じでもあるにはあるけど、なんかまた無茶しやがってとは思います。
ま、今回仮に預金流出が一部の金融機関に起きるにしたって、大銀行の方にその預金が回っていく話になるでしょう(またはトレジャリーオンリーのMMFとか個人向け国債みたいな安全な所)から、金融システム全体で急に金が無くなるって話でもないとは思いますけど。
『With approval of the Treasury Secretary, the Department of the Treasury
will make available up to $25 billion from the Exchange Stabilization Fund
as a backstop for the BTFP. The Federal Reserve does not anticipate that
it will be necessary to draw on these backstop funds.』
250億ドルを用意しました、ということですがまあ一時的な資金繰り対策なんでそんなもんなんですかね。
『After receiving a recommendation from the boards of the Federal Deposit
Insurance Corporation (FDIC) and the Federal Reserve, Treasury Secretary
Yellen, after consultation with the President, approved actions to enable
the FDIC to complete its resolutions of Silicon Valley Bank and Signature
Bank in a manner that fully protects all depositors, both insured and uninsured.
These actions will reduce stress across the financial system, support financial
stability and minimize any impact on businesses, households, taxpayers,
and the broader economy.』
でもってシリコンバレー銀行(しかしこれどうでもいいですがシリコンバレーに風評被害にも程がある)とシグネチャー銀行の預金は全額保護されますよ(だから預金者の皆さんは取り付け騒ぎとか起こさないで下さいね起こさなければそもそもこのファシリティ誰も使わないですし)というのをアナウンスしまして、
『The Board is carefully monitoring developments in financial markets.
The capital and liquidity positions of the U.S. banking system are strong
and the U.S. financial system is resilient.』
はいはいそうですかそうですか。
『Depository institutions may obtain liquidity against a wide range of
collateral through the discount window, which remains open and available.
In addition, the discount window will apply the same margins used for the
securities eligible for the BTFP, further increasing lendable value at
the window.』
ディスカウントウィンドウが既にありますが今回のは上乗せ措置です。
『The Board is closely monitoring conditions across the financial system
and is prepared to use its full range of tools to support households and
businesses, and will take additional steps as appropriate.』
必要ならば更なる上乗せも。だそうです何をやるのか知らんけど。
・なおこのファシリティのタームシート
さっきのURL先の最後に「Term Sheet: Bank Term Funding Program (PDF)」というのがあるので
https://www.federalreserve.gov/newsevents/pressreleases/files/monetary20230312a1.pdf
Bank Term Funding Program
Program: To provide liquidity to U.S. depository institutions, each Federal
Reserve Bank would make advances to eligible borrowers, taking as collateral
certain types of securities.
Borrower Eligibility: Any U.S. federally insured depository institution
(including a bank, savings association, or credit union) or U.S. branch
or agency of a foreign bank that is eligible for primary credit (see 12
CFR 201.4(a)) is eligible to borrow under the Program.
Eligible Collateral: Eligible collateral includes any collateral eligible
for purchase by the Federal Reserve Banks in open market operations (see
12 CFR 201.108(b)), provided that such collateral was owned by the borrower
as of March 12, 2023.
Advance Size: Advances will be limited to the value of eligible collateral
pledged by the eligible borrower.
Rate: The rate for term advances will be the one-year overnight index swap
rate plus 10 basis points; the rate will be fixed for the term of the advance
on the day the advance is made.
Collateral Valuation: The collateral valuation will be par value. Margin
will be 100% of par value.
Prepayment: Borrowers may prepay advances (including for purposes of refinancing)
at any time without penalty.
Advance Term: Advances will be made available to eligible borrowers for a term of up to one year.
Fees: There are no fees associated with the Program.
Credit Protection by the Department of the Treasury: The Department of
the Treasury, using the Exchange Stabilization Fund, would provide $25
billion as credit protection to the Federal Reserve Banks in connection
with the Program.
Recourse: Advances made under the Program are made with recourse beyond
the pledged collateral to the eligible borrower.
Program Duration: Advances can be requested under the Program until at least March 11, 2024.
ということでございますが、金利に関しては「借り入れ時の1年ものOIS金利+10bp」で「期限までの固定金利方式」で「中途返済は可能」で、「借り換えの理由による中途返済(即ち期中に1年OIS金利が下がって借り換えするのはOK)」です、とありますが、どっかのへぼ中銀と違っていつものように「Program
Duration: Advances can be requested under the Program until at least March
11, 2024.」と1年間の時限措置であることを明記しています。そりゃそうだ。
でもって「Advance Size: Advances will be limited to the value of eligible
collateral pledged by the eligible borrower.」で額面ですよという貸出キタコレでありますがさっきあった通りですね。まあ使われないで済むに越したことはないけど、レートがバジョットレートになってないのがちょっとまあねという感じではあります。
・シリコンバレー銀行に対する状況の検査の報告というか何というかを5月1日に出すんですと
これは日本時間の早朝出てきた物件
https://www.federalreserve.gov/newsevents/pressreleases/bcreg20230313a.htm
March 13, 2023
Federal Reserve Board announces that Vice Chair for Supervision Michael S. Barr is leading a review of the supervision and regulation of Silicon Valley Bank, in light of its failure
For release at 4:00 p.m. EDT
最初詫び状でも書いてるのかと勘違いしましたが、そんな殊勝なことではありませんでしたw
『The Federal Reserve Board on Monday announced that Vice Chair for Supervision
Michael S. Barr is leading a review of the supervision and regulation of
Silicon Valley Bank, in light of its failure. The review will be publicly
released by May 1.
"The events surrounding Silicon Valley Bank demand a thorough, transparent,
and swift review by the Federal Reserve," said Chair Jerome H. Powell.
"We need to have humility, and conduct a careful and thorough review
of how we supervised and regulated this firm, and what we should learn
from this experience," said Vice Chair Barr.』
いつものFEDビュー来ましたという感じですな。
・ということですがじゃあ利上げ云々どうなるのというとインフレはインフレで問題なので・・・・・・・・・・
という話になると思うんですよね。本件に関して色々と見ましたけど、そもそもが負債資産構造がかなり変な銀行で、リテール預金じゃなくて法人預金が主体になってててMBSに大張りしてましたって銀行とは思えんしどういう経営してたんだよヴォケという感じだし、それを野放しにしている米国金融当局何やってるんだよ、というのまでは把握しまして、これはリテール預金主体の日本の銀行が売られるのは無茶苦茶にも程があるし、
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB120850S3A310C2000000/
SVB破綻は対岸の火事か 危うい債券依存、金融庁警鐘
シリコンバレー銀行破綻
2023年3月12日 17:00 [有料会員限定]
この無料で見れるリード部分に『ビジネスモデルは日本の地銀と似通っており、』(上記URL先より)とか書いてる日経新聞何言ってるのという感じでして、日本の金融機関のどこにホールセール預金ばっかりの金融機関があるんだよちょっとお前そこのドラム缶に乗って大阪南港片道ツアーに行ってこいやボケというかこういうの風雪のルルになんでならんのやと言いたくなりますがまあそれはそれとしまして、
まあ本件でガチのガチで金融危機にでもなればそらまあ話は別なんですけど、預金全額保護はさっき申し上げた通りに如何なものかというか将来に問題の地雷を思いっきり播いているとは言え、目先の預金流出防止になるし、額面で金貸す強引スキームに関しても預金流出した金融機関が保有資産をファイヤーセールしないで済むための措置、というか一連の措置って資産市場におけるファイヤーセール阻止に思いっきり寄せている施策なので、まあそういう事じゃろ、と思う訳ですよ。
でもって物価の方ですけどこれで少しマインドでも下がれば物価上昇圧力の下げに寄与するのかも知れませんけれども、インフレはインフレで問題なので、そうそう利下げになるとかそういう話じゃないし、それをしないで済むために預金全額保護と額面で1年間の資金繰り付けまっせ攻撃をかましているのですから、そらまあ50の利上げはなくなったとは思いますけど、インフレ退治は続くと思いますけどどうでしょうかね。
ま、昨日も申し上げました通りで、「インフレ対策が後手に回るとこのような思わぬ弊害が起きる」というのが今回のインプリケーションと考えるのが妥当とアタクシは思いますので、こういうの見るとECBとかは「グラデュアルかつプリエンティブに引き締めをしないといけない」と思うでしょうし、植田先生だってインフレ対応はフォワードルッキングに行わないといけない、ビハインドして急速な利上げをするとフリクションが起きる、と考えると思うんだけどなーということでとりあえず本件は続報待ち。
〇10年カレントを巡る日銀の対応がアレなので価格形成がアレな上に更に無茶苦茶打ち込んで来る金融市場局キタコレ
・本来金利低下局面では10年カレントの歪みが解消されるはずなのに・・・・・・・・・・・
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html
公社債店頭売買参考統計値/格付マトリクス表
ということでいつものアレでございますが、元々10年カレント指値をやっているので金利上昇局面では
0.50%で指値パワーがあって手前の年限と逆イールド、というのはあっても、逆に金利低下局面では指値オペによる割高が相対的に緩和される(おかげで10年カレントの引値推移を取ると「〇月の長期金利は横ばいで推移しました」ばっかりになってしまう)というのが少なくともこれまでの仕様でして、ただまあ2月に関してはレッツゴー2匹が品薄化して引値がカレントより全然強くなっているのに日銀がその歪んだ引値を容認する形で指値買入をするもんだから10年カレントだけがその現象って感じになっておりましたのですが・・・・・・・・・・・・・・・・
まあ金曜日の引け時点でもアレだったのですが、
長期国債 358 2030/03/20 0.349
長期国債 359 2030/06/20 0.395
長期国債 360 2030/09/20 0.429
長期国債 361 2030/12/20 0.450
長期国債 362 2031/03/20 0.470
長期国債 363 2031/06/20 0.490
長期国債 364 2031/09/20 0.500
長期国債 365 2031/12/20 0.500
長期国債 366 2032/03/20 0.485
長期国債 367 2032/06/20 0.329
長期国債 368 2032/09/20 0.029
長期国債 369 2032/12/20 0.390
月曜の引けですが、これ単利並べるだけだとアレなので前日比の単利の差というのを計算させて反映して付け加えるとこんな結果になります(チマチマと加工したので間違ってないとは思うけど違ったらゴメンちょ)。
長期国債 358 2030/03/20 0.315 ▲ 0.034
長期国債 359 2030/06/20 0.350 ▲ 0.045
長期国債 360 2030/09/20 0.380 ▲ 0.049
長期国債 361 2030/12/20 0.400 ▲ 0.050
長期国債 362 2031/03/20 0.420 ▲ 0.050
長期国債 363 2031/06/20 0.435 ▲ 0.055
長期国債 364 2031/09/20 0.445 ▲ 0.055
長期国債 365 2031/12/20 0.445 ▲ 0.055
長期国債 366 2032/03/20 0.425 ▲ 0.060
長期国債 367 2032/06/20 0.295 ▲ 0.034
長期国債 368 2032/09/20 0.010 ▲ 0.019
長期国債 369 2032/12/20 0.300 ▲ 0.090
えーっとすいません、金利低下局面では10年カレントが置いて行かれてカーブの歪みが是正されるのが指値オペの仕組みみたいなところがあった筈なのですが、金利低下する中で10年369の利回り低下の方が大きくて適格ゾーンの10年国債のイールドカーブが更にグロテスクな形状になってきてるんですけど何ですかこれは?????
ということで、昨日書いてる時間が無かったですが背景は皆様ご案内の通り
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba230310.htm
落札結果 (3月10日<金>)
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注7) 17,214 16,133 -1.100 -3.373
の
(注7) 国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)の売却銘柄は、
利付国(10年)第367回(落札額7,000億円、応札額7,757億円)、
368回(落札額4,499億円、応札額4,823億円)、
369回(落札額4,634億円、応札額4,634億円)です。
でして、369もSLFスクイーズ対象銘柄に加わるということになるわ、10年367のSLF限度額が前日木曜日が落札7500億円だったのに更に減らして7000億円と日銀によるスクイーズを更にかけるわ(368に関してはここの数字だけだと木曜の応札が4295で全額落札だったので何とも書きようがないのでパスする)という状況でありました。
ということで、金曜日の金融政策決定会合は「現状維持」と「SLFの一段の締め上げ」のコンボという最後の最後にマーライオンもビックリのゲロ大噴出最後っ屁攻撃をかましてきた訳ですな。
でもって月曜ですが、
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba230313.htm
落札結果 (3月13日<月>)
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注4) 13,940 13,940 -1.100 -3.451
(注4) 国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)の売却銘柄は、
利付国(10年)第367回(6,414億円)、
368回(3,430億円)、
369回(4,096億円)です。
まあこれだけだとSLFの上限さげたのか札が勝手に減ったのかがわからんのでアレですが、まあとにかくSLFで借りさせないという完全なる手のひら返し(昨日申し上げたように)をしているのですが、それに加えて昨日引け後にはこんなのまで打ち込んできやがりました。
https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2023/mpr230313a.pdf
10 年利付国債 367 回にかかる金融市場調節面の措置について
20 3 年3月 13 日
日本銀行金融市場局
『日本銀行では、国債補完供給の趣旨に即した利用を確保するとともに、金融市場調節の一層の円滑化を図る観点から、10
年利付国債 367 回について、本年4月5日以降、必要に応じ、以下の措置を講じることとしますので、お知らせします。
1.国債補完供給上の措置
「10 年物国債のカレント3銘柄にかかる金融市場調節面の措置について」(本年2月 16 日公表)で示した措置を実施します。
2.連続指値オペ上の措置
「長期国債買入れの買入金額の増額等について」(2022 年 12 月 20 日公表)2.(1)により行う連続指値オペの対象に加えます。』
これはどういうことかというと「従来は10年カレント銘柄の指値オペは3銘柄だったがですが金融市場局様の一存によってこれを4銘柄に拡大します」というお話。4月にカレント銘柄が後退して367がカレント3銘柄対象から外れたら価格が手前の銘柄にサヤ寄せされる(1月の10年366が現にそうなった)のが怪しからんという事のようで、367のSLF残高が多いままだから悔しいので嫌がらせをしよう、という趣旨のようです。
空売り成敗したいという事のようですが、指値オペを実施するとそのゾーンの価格形成が歪んでしまう、というのは既に散々実演されている状態の中で、金融市場局が勝手に指値の銘柄を増やすということで、まあもともと3銘柄というのも金融市場局マターだから勝手に増やせる建付けになっているのはその通りなのですが、10年指値は3銘柄、というもとでやってたのに突如4銘柄に増やすとかお前それ建付け上市場局が出来るにしたって、イールドカーブの形成とか市場機能の向上とか、そっちのマターとコンフリクトする問題を市場局が勝手にやっちゃうって政策委員会軽視というか事実上の越権行為だろという世界だし、市場局の一存で指値銘柄ドンドン増やせるんだったらそれこそ何が飛んでくるかわからない、しかも決定会合通さないんだから予見の仕様もない、ということになりますので、益々国債のマーケットメイクできなくなる(今でも大概酷いんだが)ということなりますよね。
しかもこれ4月からの措置なんですが、新執行部着任前に火事場泥棒のようにこういうの決めて4月からの政策を市場局が勝手に縛って良いんですかという話でもありまして、さすがにこれは何ぼ何でもおまえ酷くないかというのがドンドンと続くわけで、いやお前これ権力の濫用だろとだけ申し上げておいて時間も無くなったのでまた明日にでも続きば。
・・・・ということで黒ちゃん会見どころではありませんでしたorzorz
2023/03/13
お題「MPMは現状維持とSLFの締め上げという最後まで巻き散らかしムーブになったのでしたというレビュー」
またこいつかよ。
https://jp.reuters.com/article/japan-ldp-seko-idJPKBN2VE01U
2023年3月12日11:35 午前
子ども政策の財源、国債も十分あり得る=世耕・自民参院幹事長
銀のスプーンくわえてお育ちの方は金が天から降ってくるもんだとでも思ってるんでしょうかねえ、と国債を打ち出の小づちと勘違いしている世襲議員を見て思うのでありました(個人の感想です)。
〇また米国のやらかしかよ(シリコンバレー銀行経営破綻とな)
あほの極み過ぎて言う言葉がない。
https://jp.reuters.com/article/idJPKBN2VC1FS
2023年3月11日2:10 午前
米カリフォルニア州当局、シリコンバレー銀行を閉鎖=FDIC
『[10日 ロイター] - 米連邦預金保険公社(FDIC)は10日、米カリフォルニア州の規制当局が米金融持ち株会社SVBファイナンシャル・グループ傘下のシリコンバレー銀行を閉鎖したと発表した。FDICが管財人として選任されたという。』(上記URL先より)
だいたい毎度そうなんですけど、金融プルーデンス関係のやらかしってほぼ米国(たまに欧州)なのですが、この銀行だって背景そんなにアタクシ知見ないので何となく聞いた話で書くのもなんだからアレですけど、ちょっと所ではない間抜けな経営してたのを当局が全然どスルーでこの有様とかそういう話みたいですな。日本振興銀行タイプなのかオレンジ郡タイプなのかその複合型なのかとか詳しくは見てないけど。
とまあそういうことなのですが、こういう案件が起こるたびにFSBが鼻息荒くして金融規制強化で我の存在意義発揮とばかりに「国際規制の上乗せやるぞ」と息巻き、問題の張本人であるところの米国(たまに欧州)は毎度のようにその後も何かのやらかしをする中、またぞろ規制が上乗せされるので対応コストがまた掛かるし、そうしてもまた米国野郎がやらかすという事になるので、何ちゅうかもうこのまたアメリカン野郎いい加減にしろやという感想しか湧き起らないのでありました。
まあ何ですな、こういうのがあったから金融政策がどうのこうのって話は、そらまあ連鎖が起きて金融不安にでもなるなら別ですが、単発事案でしかも特殊事案なのであれば、そらおめー競馬で身を持ち崩した奴が出たからといって一足飛びに競馬禁止にはならんじゃろというのと同じ理屈なんじゃなかろうかと思いますし(個人の感想です)、米国当局の急激な利上げがいかんという話を持ち出すのもそれは筋がおかしくて、利上げ自体は高インフレ抑制に必要なものであるからして、それを言うなら「インフレが顕在化しているのに金融引き締めをビハインドさせて結果的に近年にない勢いの急速な利上げをす状況に追い込まれたたのが悪い」という話であって、つまりはこれはインフレ対応をビハインドさせると良くない、というエピソードであり、高圧経済アプローチが悪かったのと、高圧経済アプローチに乗っかった金融市場にショックを与えたくないと言って引き締めがビハインドしたというのが大間違いだった、ということになろうかと思います。
まあどっかの基地外中銀と違って、FEDはいずれそういう「経済構造の変化に気が付かないまま高圧経済アプローチ的な手法を取ったのは間違いだった」というレビューはちゃんとすると思いますけど、この件でまたぞろ「やっぱり金融緩和だヒャッハー」と金融市場がなってしまうのでは完全に高圧経済アプローチに脳幹まで毒されているとしか思えませんな(別に売りたたく材料でもないけど)、うんうん。
まあ不勉強にして詳しくないので詳しくは色々な方のご解説を読んでまいりたいと思います。
〇決定会合レビュー:現状維持とSLFの締め上げのセットという最後にうんこをぶちまける黒田なのであった
・お前ら市場の状況がこんななのに何で決定会合11時半公表になるの?????????????
まあどうせ現状維持だとは思ってましたがそれにしてもこれは酷い
https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2023/k230310a.pdf
当面の金融政策運営について
『(参考)
・開催時間――3 月 9 日(木) 14:00〜16:06
3 月 10 日(金) 9:00〜11:23』
>3 月 10 日(金) 9:00〜11:23
>3 月 10 日(金) 9:00〜11:23
>3 月 10 日(金) 9:00〜11:23
まあどうせ早く終わるだろと思って前場引けたら脱兎のごとく昼飯買いに行って物凄い勢いで昼飯を成敗したら案の定のこれである(ベンダーに結果が出たのは多分30分くらい)
いやあのさあ、お前らが「市場機能の改善」を狙って実施した10年金利の変動幅拡大が完全に裏目に出て国債の買入は馬鹿みたいに増えるわ、日銀自らがSLFの締め上げを始めるもんだからSLFが前提で何とか流動性が確保できてた市場がドンドンエライことになるわで、惨状としか言いようがない国債市場がいままさに展開されているのに、お前らこの時間に終了ってことは国債市場の惨状に関して何も議論してねえだろこのポンコツども(田村さんは免除)がという話であって、総裁副総裁以外も田村さん以外全員今すぐ辞任しろやこのクソボケとしか申し上げようがなかったのが今回のMPMでありましたな。
黒田は人の道云々はまああれはそもそも黒田に人道を踏むという発想があるとは到底思えない外道人間なのでまあ別に何も期待はしていなかったわけですが(12月のレンジ拡大の時に人道を踏んだと思ったのはただの勘違いだったようだ、残念無念)、黒田が外道であっても他の政策委員が何か言えばまだ救いはあるんですが、とにかくこの暴走機関車を止められないってのが酷かったし、日銀のガバナンスってESGとしてどうなのよと思う訳で、そんなガバナンスの日銀が気候変動何とかかんとかとか言ってるのはまず自分たちの総裁独走組織を何とかしてから言えとヘソが茶を沸かす次第ですな。
などと思いながら発表時間の速さに呆れていた訳ですが・・・・・・・・・・・・・
・政策委員会では「中原の賊は順調に平定されつつあります」っていう趙高ムーブなんじゃねえのか疑惑を提唱したい
いやしかしですね、市場がこれだけの騒ぎになり、局地的には3か月しか違わない償還で0.045%と0.500%の引値、のような無茶苦茶なことまで起きていますし、イールドカーブは相変わらずうねうねしていますし、連日のようにSLFの締め上げという従来から行っていた流れ(=日銀が大量の国債買入を行うので市場機能の円滑化のためにSLFを使いやすくすることによってマーケットメイクを円滑化する)に大逆行する強権発動をぶっこむまでに至る異常な状況がおきておるわけですよね。
この状況、市場の数字とか引値表とかでも見てればそれだけでも何か変な事が起きているんじゃないかと想像がつくと思いますし、国債のイールドカーブがこうなっているとか。SLFのレートがこうなっているとか、フェイルが続出していますとか、そういうの報告してたら普通は「国債市場の市場機能強化」と銘打って12月以降に実施した施策に関してのPDCAはどうなってるの、という話になると思うのですよね、何ぼ今の政策委員会がポンコツとイエスマン(除く田村さん)しか居ないにしたって普通そうじゃんよと。
・・・・・・ということでアタクシの脳は最悪の想像に走る訳ですが、歴史でも何なら漢文の授業で史記をやってりゃご案内の秦の二世皇帝胡亥と胡亥を誤らしめた(まあ胡亥の素材が素材だったようですけど)悪宦官の趙高のエピソードにありますように、これって政策委員が胡亥で悪宦官どもが「金融市場の混乱は順調に収まりつつあります」って状況を歪めて報告してるんじゃないか、とそっちの方に妄想が進んでしまう訳ですよ。いやマジな話、そうでも思わないとこの議論時間のあり得ない少なさはちょっと信じがたい所でありますし、事前にブリーフィングあったにしたって導入した施策が3か月近く経過してて状況が改善どころか悪化しているとなったら「政策の手法は無いのか」って話になるだろと思う訳ですよ。
ということで、これはまあ悪宦官が自分たちに都合の良いように(そもそもが「レンジ拡大して国債買入を拡大すると市場機能が向上する」というのが間違いとは言え、それに輪を掛けたような大介入をおこなったのは金融市場局だから「何でこうなったのか」となった時に市場局もタダでは済まないのでそれを糊塗するために)実情から遮断して大したことは起きていないって説明をぶっかますという悪宦官ムーブを行っているとしますと、いやこれ植田日銀になってからも起きそうなこの悪宦官ムーブに植田さんや氷見野さんが騙されないで政策判断を行うことが極めて重要なんじゃなかろうか、とそういう事を危惧する今回の「11時23分終了ムーブ」なのでありましたですな。
まあアレです、黒田さんそもそも債券市場がどうのこうのとか興味元からない人だし、若田部は置物一派なので論外ということでありまして、そういう意味では債券市場で何が起きてる云々に関しては十分に胡亥となってしまうタマだった事は言うまでもありませんが、植田さんにしろ氷見野さんにしろ、胡亥ムーブとはならないことを期待したいと思いますが、このまま趙高が跋扈することになりますと、それは大秦帝国と同じ末路を一直線と成り兼ねず、日銀が滅びるだけなら勝手に滅んで結構なのですが、そういう訳にも行かずにそこら中に巻き添えを生むことになるので胡亥趙高ムーブはマジ勘弁ということでお願いします。
しかしまあ何ですな、黒田体制最後の1年、物価が上がりだしてからこの方というもの、黒田日銀って22年の1月に黒田が突っ張ってしまったのを切っ掛けにして、本来勝利宣言すりゃいいのにその逆を意地張ってどんどん拡大し、その間に無茶苦茶なもの(一番最初は指値オペですけど、12月以降は加えて国債の一段の馬鹿買入と市場機能の破壊および日銀と国債市場の信頼関係破壊と長期共担による将来負担の拡大)をぶっこみ、この間に日銀の悪宦官体質というか茶坊主体質というかの一番悪い所が一番悪い形で出て来るわと、実に忌々しい流れでございまして、やっとこのゴミクズの最後のMPMかと思うと、あの男の顔もみたくないし声も聴きたくないし、「私がそう思うかからそうです」という安倍ちゃん理論も聴きたくなかったので会見はヘッドラインを偶に見るだけでしたですわアタクシ。
・などと悪態言ってるだけだと何なので声明文比較するが特段の変更点が無いのが逆に唸ってしまう
https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2023/k230310a.pdf(今回)
https://www.boj.or.jp/mopo/outlook/gor2301a.pdf(1月展望レポート)
経済物価情勢判断と先行き見通しを比較しておきましょう。悪態ついてるだけだとアレなので。
『わが国の景気は、資源高の影響などを受けつつも、新型コロナウイルス感染症抑制と経済活動の両立が進むもとで、持ち直している。』(今回)
『わが国の景気は、資源高の影響などを受けつつも、新型コロナウイルス感染症抑制と経済活動の両立が進むもとで、持ち直している。』(1月展望レポート)
しかし今日(3/13)からマスク任意(この花粉症ど真ん中のタイミングで任意にするのって何なのと思うけど)とか言ってるのにこのコロナ文言変えないのね。
『海外経済は、回復ペースが鈍化している。そうした影響を受けつつも、輸出や鉱工業生産は、供給制約の影響の緩和に支えられて、横ばい圏内の動きとなっている。企業収益が全体として高水準で推移するもとで、設備投資は緩やかに増加している。』(今回)
『海外経済は、回復ペースが鈍化している。輸出や鉱工業生産は、供給制約の影響が和らぐもとで、基調として増加している。企業収益は全体として高水準で推移しており、業況感は横ばいとなっている。こうしたもとで、設備投資は緩やかに増加している。』(1月展望レポート)
輸出や生産が「基調として増加」→「横ばい圏内の動き」と判断引き下げ。業況感に関してはこの間に短観が無いので割愛されているだけです。
『雇用・所得環境は、全体として緩やかに改善している。』(今回)
『雇用・所得環境は、全体として緩やかに改善している。』(1月展望レポート)
まあ実質賃金は下がっていますけどね!!!!!!!
『個人消費は、物価上昇の影響を受けつつも、感染症の影響が和らぐもとで、緩やかに増加している。住宅投資は弱めの動きとなっている。公共投資は横ばい圏内の動きとなっている。』(今回)
『個人消費は、感染症の影響を受けつつも、緩やかに増加している。住宅投資は弱めの動きとなっている。公共投資は横ばい圏内の動きとなっている。』(1月展望レポート)
こっちでやっと感染症云々の判断が改善していることが示されました。さっきの設備投資以下ここまで現状判断に変更はないですね。
『わが国の金融環境は、企業の資金繰りの一部に厳しさが残っているものの、全体として緩和した状態にある。』(今回)
『わが国の金融環境は、企業の資金繰りの一部に厳しさが残っているものの、全体として緩和した状態にある。』(1月展望レポート)
これも同じなんだがここ判断ずーっと同じで良いのかなって思いまして、そもそも「企業の資金繰りの一部に厳しさ」ってコロナの話な訳で、そっちの方が片付く中でこの文言を残す意味が不明だし、一般的に言えば世の中の企業のどこかでは資金繰り厳しいやつおるじゃろという話になるので、この判断文言って元々はコロナの話だったのに、なんか「とりあえず入れておけ文言」にすり替わっていないかというのが最近気になっています。
『物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、エネルギーや食料品、耐久財などの価格上昇により、4%程度となっている。また、予想物価上昇率は上昇している。』(今回)
『物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、エネルギーや食料品、耐久財などの価格上昇により、3%台後半となっている。また、予想物価上昇率は上昇している。』(1月展望レポート)
えー「予想物価上昇率は上昇している」ですけど、これだけ延々と「上昇している」が続いたら常識的に考えますと2%物価目標に対して整合的な予想物価上昇率が実現できているんとチャウんでしょうか。この点は実に意味が分からない訳で、お前らはこの「予想物価上昇率が上昇している」という現状判断を出せるのであれ、別にピンポイントじゃなくてレンジで十分なんだか、予想物価上昇率がどの程度の水準にあるのか、という推計をしている筈なんだから、これだけ延々と「上場している」と公表している位だからどのように推移して今どの程度にあり、それは物価目標達成に対してどの程度足りないのか、というのを定量的に示して頂けませんですかねえ。
と悪態をついたところで先行き。
『先行きのわが国経済を展望すると、資源高や海外経済減速による下押し圧力を受けるものの、新型コロナウイルス感染症や供給制約の影響が和らぐもとで、回復していくとみられる。』(今回)
『わが国経済の先行きを展望すると、見通し期間の中盤にかけては、資源高や海外経済減速による下押し圧力を受けるものの、感染症や供給制約の影響が和らぐもとで、緩和的な金融環境や政府の経済対策の効果にも支えられて、回復していくとみられる。』(1月展望レポート)
あっそう。
『その後は、所得から支出への前向きの循環メカニズムが徐々に強まるもとで、潜在成長率を上回る成長を続けると考えられる。』(今回)
『見通し期間の中盤以降は、所得から支出への前向きの循環メカニズムが経済全体で徐々に強まっていくなかで、わが国経済は、潜在成長率を上回る成長を続けると考えられる。ただし、ペントアップ需要の顕在化による押し上げ圧力が和らいでいくほか、経済対策の効果の反動もあって、成長ペースは鈍化していく可能性が高い』(1月展望レポート)
展望の方が見通し期間が長いのでこうなるのですが、そもそも声明文って向こう1年程度の見通しを出すという建付けで、展望レポートは向こう2年から3年の見通しを出す、という建付けになっているので、展望で「見通し期間の後半は」と言っている期間って本来は声明文でカバーしない話の筈なのですが、この矛盾点に関して今度きちんとしてくれませんかねえ展望レポートの時に。
『消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、政府の経済対策によるエネルギー価格の押し下げ効果に加え、輸入物価の上昇を起点とする価格転嫁の影響も減衰していくことから、来年度半ばにかけて、プラス幅を縮小していくと予想される。』(今回)
『物価の先行きを展望すると、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、目先、輸入物価の上昇を起点とする価格転嫁の影響から高めの伸びとなったあと、そうした影響の減衰に加え、政府の経済対策によるエネルギー価格の押し下げ効果もあって、来年度半ばにかけて、プラス幅を縮小していくと予想される。』(1月展望レポート)
でもって、
『その後は、マクロ的な需給ギャップが改善し、中長期的な予想物価上昇率や賃金上昇率も高まっていくもとで、経済対策によるエネルギー価格の押し下げ効果の反動もあって、再びプラス幅を緩やかに拡大していくとみられる。』(今回)
『その後は、マクロ的な需給ギャップが改善し、中長期的な予想物価上昇率や賃金上昇率も高まっていくもとで、経済対策によるエネルギー価格の押し下げ効果の反動もあって、再びプラス幅を緩やかに拡大していくとみられる。』(1月展望レポート)
器用な見通しでおじゃりますなと思いますが、こっちは「来年度半ばにかけて」なので物価の見通しの説明は声明文と展望レポートで期間のミスマッチは無いので、正直気持ち悪いんだがそういうのも全体的に雑になったのは黒田日銀10年の弊害と申し上げておきましょう。
〇しかし現状維持と同時にSLFの一段の締め上げによるスクイーズで市場大破壊とはたまげたなあ
・・・・・・というネタが続くはずだったのですが、下準備不足(そもそも下書きしてない)によりまして時間が無くなるという失態を演じたため、この部分は本日の市場レビューも含めまして明日書こうと思います。
それにしても「植田総裁が初手から市場の督促相場で困らないように黒田さんはYCC解除」とかいう一部の声が聞こえでもしたのか、盛大にその逆をぶっこんでくる日銀さん、さすが悪宦官のやることはパネェっすという感じですが、お前らもしかして「植田さんがYCC解除するときに金利上昇しても出来上がりがそこまでの急騰にならないように」って思ってるんじゃないのかと思うんだが、一連のSLF締め上げがここまで来ると権力を暴力的に使う嗜虐的なムーブになってきまして、まあ市場と日銀との信頼関係は崩壊してしまったと思う(あくまでも個人の感想です)ので、これは正常化政策やる時のフリクションに加え、日銀が笛吹けども市場はその言う事聞きません状態になってしまうリスクを一段と高めているわなと悪宦官ムーブに呆れるというのだけ申し上げておきましょうです、はい。
2023/03/10
お題「MPM結果の前日にまた何か売り売りになりましたな/FEDの危機対応メニューはちゃんと考えられていたのに日銀と来たら・・・・・・」
ほほう。
https://www.boj.or.jp/note_tfjgs/note/related/note230309a.htm
新しい日本銀行券に関するポスターの作成について
2023年3月9日
日本銀行
『日本銀行では、2024年度上期を目途に発行を開始する予定の新しい日本銀行券(一万円、五千円、千円)に関するポスターを作成しました。』
左のポスターのキャッチコピー「二〇二四年度上期 日本銀行券は生まれ変わります」というのがあるのだが、むしろ2023年度上期に日本銀行が生まれ変わって頂きたいし、生まれ変わるというのはその前に(ピー)という事が起きるということなので、即ち本日のMPMを持って即刻日本銀行のポンコツ委員会(除く田村さん)が(ピー)して頂きたいものだと切に願って止まないものでありまする。
ちなみに日銀HP記載の通り「本ポスターの無断転載を禁じます。」なので画像素材にするのはダメ!!ゼッタイ!!!!ですよ。
〇決定会合1日目に債券市場の歪みをきっちり作って結果待ちとはお茶目な市場ですね!
久々にロイターさんから市況をば。
https://jp.reuters.com/article/tokyo-dbt-idJPL4N35H0TL
2023年3月9日3:22 午後
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は大幅続落で引け、限月交代で不安定な動き
『[東京 9日 ロイター] -
<15:10> 国債先物は大幅続落で引け、限月交代で不安定な動き
事実上の中心限月となった国債先物6月限は前営業日比40銭安の145円06銭と続落して取引を終えた。3月限は買いが先行したが、同29銭安の146円50銭で終えた。新発10年国債利回り(長期金利)は同変わらずの0.500%。』(上記URL先より、以下同様)
だいたいですな、債券先物の取引最終日の前日に決定会合2日目を持って来る、というのが日銀のセンスが欠片もない所でして、前も申し上げましたが何せこの日銀、10年国債入札の日の前場引け後、すなわちプライマリーディーラーが入札に参加するための準備でショートポジションを作ったその後に「本日臨時政策委員会を開催します」とやらかしたという過去の恐ろしい実績もあるように、昔も今も債券市場というのを碌に分かっていない訳ですよ。いやまあ輪番の規模が大きくなっていく中で債券市場への関与が強まり、その間にはまあちゃんとわかってるじゃんという債券市場へのかかわり方が出来ている局面もあったにはあったのですが、どう見てもそれが組織化されていないというのは、この3月会合の日程を見ただけで良く分かる次第であります。
でまあMPMの2日目がある中で、債券先物の限月交代がある(昨日は前場早い時間から売買高逆転してた筈)ということでしたが、「限月交代で不安定な動き」というよりは、昨日の場合は「10日の決定会合での万が一と、その後の植田日銀による政策見直しの可能性を考えると先物売っておきたいけど、3月限は13日で取引最終なので売ると6月限への乗り換えを直ぐにしないといけないよね困ったなあ」という方々からしてみたら、6月限が中心限月に移行してアウトライトの板も中心限月っぽくなってきた所で、万が一のオマジナイ売りを入れてきた、って動きがどの位あったのかとか不肖このアタクシに分かりようがない訳ですが、しかしこんなに売り圧力あるのかよと正直かなりビビったのはビビりました。
『現物市場で新発債利回りは総じて上昇。2年債は前日比2.0bp上昇のマイナス0.025%、5年債は同2.0bp上昇の0.220%。20年債は同1.5bp上昇の1.265%。一方、30年債は同変わらずの1.450%、40年債は同1.0bp上昇の1.675%となった。』
『 TRADEWEB
OFFER BID 前日比 時間
2年 -0.025 -0.016 0.023 15:02
5年 0.222 0.231 0.031 15:05
10年 0.493 0.502 -0.003 15:07
20年 1.257 1.273 0.015 15:10
30年 1.445 1.457 0.002 15:08
40年 1.671 1.688 0.02 15:10』
アメリカさんの金利の動きの影響なのか何気に中短期がアカンタレでして、これまた5年の水準が長期共担水準に近づいてるんですけど、無駄にも程がある5年共担をこの期に及んでまだ打つのかと呆れる思いというか、転封命令にぶち切れて領内全部略奪して焦土にした不毛の地を次の大名に渡すムーブをやってるって理解は無いのかというプレイが出るかが楽しみ(楽しくない)ではあります。
あとですね、
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/
何時もの売参ですが、
長期国債 358 2030/03/20 0.435
長期国債 359 2030/06/20 0.485
でまあご案内の通り359が6月限の受渡最割安銘柄になりますが、ちょっとちょっとお兄さんお兄さん指値水準まであと1毛5糸しかないじゃんの世界に来ておられまして、大変に(ノ∀`)アチャーな感じになっておりますが、チーペ以降の銘柄も良い感じで、
長期国債 360 2030/09/20 0.525
長期国債 361 2030/12/20 0.550
長期国債 362 2031/03/20 0.575
長期国債 363 2031/06/20 0.595
長期国債 364 2031/09/20 0.610
長期国債 365 2031/12/20 0.610
ってなムーブ8〜9年ゾーンが単利0.60%台に乗ってきて、10年0.50%とは何の意味があるのかということになっておりますし、例のレッツゴー3匹(参考に3匹の1回号前を並べておくが)は、
長期国債 366 2032/03/20 0.595
長期国債 367 2032/06/20 0.340
長期国債 368 2032/09/20 0.045
長期国債 369 2032/12/20 0.500
ということで、2倍2倍どことか遂に償還3か月違いで利回り10倍超の差が発生(しかも0.001と0.01とかいうようなレベルではない)するという無茶苦茶事案が発生しておりますが、この事案は日銀の自作自演による「強権発動によるショートスクイーズ」によるものでありまして、市場機能の改善を標榜して実施した12月の決定は何だったのかという大変に楽しい事案がまたMPMの結果が出る前日の引けで出て来る、という辺りに大変に味わい深いものを感じました。
なお昨日のSLFと指値オペですが、
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba230309.htm
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注4) 11,822 11,795 -1.100 -3.634
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注5) 44,860 44,860 -0.350 -0.364
国債補完供給(国債売現先)・即日(午後オファー分)(注6) 2,146 2,146 -0.350 -0.365
いつものレッツゴー2匹SLFもさることながら、通常のSLFで午後オファー分増えてるなあとか、平均利回りが相変わらず▲0.35%からちょっととは言え乖離してるなあとか思いながら見る訳でございますが。
(注4) 国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)の売却銘柄は、
利付国(10年)第367回(落札額7,500億円、応札額7,527億円)、
368回(落札額4,295億円、応札額4,295億円)です。
火曜日からの推移が、
367回:8200→(8932/8499)→7588→(7527/7500)
368回:5023→(5198/5198)→4078→(4295/4295)
となっているので、相変わらずSLFの上限額を減らしてるなというのは何か想像できる訳ですが、昨日の重複になっちゃうからアレですけど、「日銀が国債を大量買入れしているのでマーケットメークが難しくなるといけませんからSLFの活用をするのはOKOKよ」からのムーブに関しては、何ぼ何でもちょっとどうにかしないとこれから物価目標達成となった場合のうんこタワーの解体工事において、市場が日銀の誘導に乗らんという事態が容易に想定されるので企画局・金融市場局担当の内田さん何やってるのよと思うし、副総裁になって出口における政策立案できるのかよというのが無茶苦茶不安になって参りますが、ちょっとこの指値オペとかSLFの運営とかに関しては何か手直ししないと事態がどんどんどうしようもなくなっていくんじゃまいかと思うのでありました。
〇とまあそんな日銀に贈っている訳でも何でもないのだがボウマン理事のスピーチがあったのでおまけに
https://www.federalreserve.gov/newsevents/speech/bowman20230303a.htm
March 03, 2023
Panel on “Design Issues for Central Bank Facilities in the Future”
Governor Michelle W. Bowman
At The Chicago Booth Initiative on Global Markets Workshop on Market Dysfunction, Chicago, Illinois
最初の挨拶はさておきまして、
『Financial stability is essential for a well-functioning economy. A financial
system is considered stable when its markets and institutions are resilient
and able to function even following a severe shock. The Federal Reserve
monitors risks to financial stability and uses its supervisory and regulatory
tools to mitigate the risks and consequences of financial instability.』
ということで、まあお話としては「将来また起きるかもしれない金融ショックに対して金融市場の安定を図る為のファシリティをどうデザインするのがよいのか」ということなんですけど。
『During periods of financial system stress, the Federal Reserve can use
additional tools, such as lending facilities and open market operations,
to directly support the effective functioning of key financial markets
and the flow of credit throughout the economy.』
金融ストレスの時に「to directly support the effective functioning of key
financial markets and the flow of credit throughout the economy」の為に追加のレンディングファシリティを活用しました、という話な訳です。
然るにここで日銀の行動を鑑みますと、危機対応も通常対応もごっちゃにして「3本の鉛筆」とか言い出して、しかもその対応結局今もノーズロで継続してたりするし、なんかの拍子におっぱじめた「企業金融支援なんとかかんとか」みたいなのも、既にアフターコロナの世界に突入しているのにどこまで企業金融支援するんだよというのをダラダラと継続していて、とにかく黒田日銀ってやったらやりっぱなしで片づけというのをまるでしないから、ドンドンと昭和温泉旅館政策になっていくわけですな、うんうん。
『The onset of the global pandemic in the spring of 2020 was a severe shock
both to financial markets and to the U.S. economy, and the Federal Reserve
responded forcefully to support market functioning and the flow of credit.
To address the liquidity strains in Treasury and repo markets, the Fed
directly purchased large amounts of Treasury securities and conducted term
and overnight repo operations using the FOMC's open market operations authority.
To address strains in other markets, with the backing of the U.S. Treasury,
the Fed used its 13(3) emergency lending authority to establish a number
of facilities to support the flow of credit to households, businesses,
and communities.2 The Federal Reserve also took a number of other actions,
including easing terms on discount window lending and supervisory and regulatory
actions, to encourage banks to lend and act as market intermediaries.3』
この辺は実施した施策の話をしていますが、上記の説明(ザクッと目を泳がせていただけるだけで良いかと思いますけれども)を見ても「この施策はこの為に実施」というのを明確にうたっていて、ティンバーゲンルールよろしく「一つの目的に一つの手法を割り当てる」というのをやっているんですけど、とにかく黒田日銀になってから酷いのは「突っ込んだ施策が本来の機能を発揮しないとか、本来の機能がもはや不要になった後でも、その施策を別の目的に流用してダラダラと継続する」という悪癖が目立っているわけですよ。
『The Fed's actions were effective in restoring financial market functioning,
but the channels through which they operated varied.』
と仰っていますよね。市場機能を維持するための施策、と言ってもチャネルは別に、ということでチャネルごとに対策を入れるというのを明確にすれば、昭和温泉旅館なグロテスクな政策デザインには本来ならない筈なのよ。
『Significant asset purchases and take-up of the Fed's repo operations
were required to restore smooth functioning in Treasury markets because
of the liquidity needs of a wide swath of investors. By comparison, many
of the 13(3) lending facilities saw relatively limited take-up, but they
helped support market functioning and the supply of credit in the targeted
markets by offering a backstop and bolstering investor confidence.4』
てな感じで各種のツールがこのような点にフォーカスして実施しました、って話が続きます。まあこれ自体は後日自分でFEDの政策ツールと対応する機能の対照表でも作るのに便利かなと思って引用していますが、そこまで根詰めて読む歩とではないかもしれませんのでひたすらぺたぺた貼りまくっておりますすいませんすいません。
『The pandemic lending programs that experienced more usage saw a decline
in use as market functioning was restored, which is a key benefit of lending
programs compared with asset purchases. Moreover, shorter-term loans under
these programs were relatively quick to roll off the Fed's balance sheet.
In fact, most of the lending programs expired by late 2020. And some of
the emergency securities purchase programs, such as the Secondary Market
Corporate Credit Facility, sold the securities they had purchased during
their wind-down phases.』
各種のファシリティの設置目的が明確化され、別の用途に流用する(さっき言った「コロナ対策3本の鉛筆」だと通常の輪番オペまでが何故か「コロナ対策3本の鉛筆」になっていましたし、先般来行われている「本来はインターバンク市場の資金過不足を平準化する手段であるはずの共通担保貸出を企業金融支援だの長期金利抑制だのという用途に転用する」というような日銀の昭和温泉旅館仕草の事を言います)という事がないため、「In
fact, most of the lending programs expired by late 2020. And some of the
emergency securities purchase programs, such as the Secondary Market Corporate
Credit Facility, sold the securities they had purchased during their wind-down
phases.」ということになる訳です。
ということで、
『The pandemic experience demonstrated the effectiveness of lending programs
designed to serve as backstops to support market functioning and the flow
of credit in times of stress.』
まあYCCという政策自体が強烈な市場介入&統制主義的な本質を持っている施策になっているから、そういう人にこのボウマンさんの説明を見せてもシランガナなのかもしれませんが、「designed
to serve as backstops to support market functioning and the flow of credit
in times of stress」で行う施策ってのが本来のファシリティだと思うのですが、もう日銀の場合は市場機能とか言いながら介入度合いを高めて、あまつさえ市場の円滑な国債の流通の為のファシリティ使ってショートスクイーズしてるんだから世話はない。
以下、危機対応ファシリティのデザインにおけるバジョットルール的な話とか、対象ターゲットの絞り方とかのデザインの論点になっていますが割愛します。
まあ要するに何だ、何か施策ぶっこむのは良いんだけど目的と目標を決めてそれが達成される、または的外れな事が判明したら、さっさとその施策を手じまう、ってのをやらないといかんじゃろと思いました、ってアタクシの雑談の酒の肴状態で恐縮なのですが、まあこれは先般の危機対応に関しての「個別施策それぞれの目的と目標」の簡単な整理になってるなと思ったのでネタにしておきましたです、はい。
2023/03/09
お題「やっぱり市場機能がドンドンひどい事になっているようなのでその辺りを書きなぐっておきます」
要するに出たとこ勝負で経済指標にリアクティブに反応する、ちゅうことやろ。
https://jp.reuters.com/article/usa-fed-powell-march-idJPKBN2VA1BJ
2023年3月9日1:06 午前
FRB議長、3月会合は指標次第で決定まだと強調 タカ派トーンは維持
〇決定会合プレビュー雑談でもしようと思ったが市場機能が案の定のアレ化への道の話しでも
決定会合に即つながるのかというとそうでもない可能性はありますが、市場機能という意味では直近で更に色々な問題が発生しており、黒田日銀はその死に際に無茶苦茶な事をやりまくって幕を引くという前代未聞の結果を迎えることになりそうですし、これは決定機関の問題もあるけど、執行機関も大きく問題があるなあと思わざるを得ない状況になってきたな、というのを感じる今日この頃でございます。
という話を一席になるので村の皆様におかれましてはお詳しい方が何人もおいでだと思いますので、その辺の方々に状況を聞いてみてちょ、という所でありますし、何か認識違いありましたらご教示いただきますよう伏してお願い申しある次第なのでありまする。
では参ります。
・そら指値で幾らでも買いながら貸出止めて指値の気配をドンドン吊り上げれば見た目の金利は下がるわ
レッツゴー3匹が相変わらずこれで、どこまで気配上がっても日銀が引けで買うという日銀自らがショートスクイーズという一般の仕手の方が行いますと直球ストレートで違反行為とされる事案を率先してやっているのでそら気配は吊り上がるわ、となりますが。
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/
長期国債 367 2032/06/20 98.82 -2 0.330
長期国債 368 2032/09/20 101.42 +15 0.050
長期国債 369 2032/12/20 100.00 0 0.500
ここまで来るともう無茶苦茶としか言いようがないのですが、これでもどうせあのデコスケ市場局は今日も368を0.050%でツケロ買いしますって1010にアナウンスするんですからタチが悪いとしか申し上げようがなくて、商品市場で一般の仕手がこれやったら永久追放もんだろというのは先般も悪態を申し上げた通り。
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba230308.htm
落札結果 (3月8日<水>)
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注4) 11,666 11,666 -1.100 -3.325
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注5) 36,558 36,558 -0.350 -0.388
(注4) 国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)の売却銘柄は、
利付国(10年)第367回(7,588億円)、
368回(4,078億円)です。
となっているので367回:8499→7588、368回5198→4078と兎に角SLFを減らそうとしているのは良く分かるんですが、黒田日銀になってからこの方って「大規模な国債買入を行う際に発生する現物国債市場の流動性低下が債券市場の円滑な価格形成に悪影響を与えないように」っていうことで元々は駆け込み寺でスティグマ付きディスカウントウィンドウみたいな建付けだったSLFを徐々に「市場流動性維持のためにどうぞお使いください」という流れにしていった訳で、それをしたからこそ発行額の8割9割買ってもまあ何とか市場が回っていた、という流れだった訳ですよね。
然るに、今般の措置ですが、確かに367、368の買入も元からかなり多かったのですが、これはYCCアタックもへったくれもなくて、同残存の20年とかと比べても割高な水準になっていたから、という状況だった訳ですけれども、それでも12月のレンジ拡大前はゆうて367、368が369と10毛じゃ聞かなく乖離するような事態は起きて無かったし、日銀の保有だって発行額の100%までは行ってなかったんですよね。
ところが、レンジ拡大した後買入増えちゃって、更に拍車をかけたのが1月のMPMの後で相場が戻る中、品薄になっている357、358は気配が強くなって、新発がもうすぐ出る359は値上がりしない、という状況となって357、358と359の乖離が極端に大きくなってきているのだから、指値オペの趣旨からいって357と358の買入レートを変更しないといけないのに「359と同じ引値較差」という引値乖離を容認する買入を行って、一気に発行額以上の買入水準まで日銀が買い上げてしまった訳です。
そもそもYCCアタックもへったくれも8年や9年ゾーンの金利が0.5%を上回っているんだし、大体からして一番最初の頃のYCCアタックと違って、明らかに物価水準は高い(先日の東京都区部CPIも概ねインラインだったけど内容自体はすげえ強くて基調的な部分つよかったじゃないですか)ですし、過去最大の貿易赤字に示されるように円安誘導的な政策を取っている事の妥当性も怪しいという状況、即ち経済物価情勢に即した価格形成を市場が行っているのを日銀が怪しからんと叩き潰しに掛かっているのですから、そら売りが出るのも別にアタックでも何でもないわーと思う訳ですよ。って1月にも言ってた気がしますが。
でもってですよ、昨日もちらっと申し上げましたが、今回のレッツゴーへの対処って要するに「日銀の一存、しかも金融政策決定会合で決めたことなら兎も角、ただの金融市場局の一存によって、これまで行ってきた「大規模国債買入によって起きるであろう国債セカンダリー市場における現物国債の流動性の低下を補完する為にSLFの利用条件を緩和する」という形で延々と積み上げてきた流れをいとも簡単に引っくり返して梯子を外すことになっていることでして、これでまたSLFの利用がスティグマである、の時代に戻ってしまいますと、日銀が保有玉の市中売却を行い、かつこれ以上の国債買入を止めない限り、債券市場におけるまともなマーケットメイクが出来ない、となるとマーケットメイクできなくなってくれば最終投資家に取っての売買コストが跳ね上がり、それってひいては銀行やら保険会社やらのポートや、投資信託や年金基金などのポートに対してダメージを与える、という事になる訳ですな。
というような重大な問題を本件は孕んでいる訳でして、ここまでの間大規模国債買入をしながらも何とか最低限の機能は維持できていた国債市場が、SLF制度利用のこれまでの流れを根本から引っくり返す動きによって、特に流通量が多いけど指値オペとかで日銀が吸い上げをしやすいカレント銘柄中心に、まともな売買ができなくなる、というようなことになりますと、これ植田日銀初手から債券市場の機能回復というよりも蘇生措置から入らないといけないという恐ろしい事になりますし、ここまで盛大な梯子外しを行ってしまうと市場は「日銀が決定会合の決定とか通さないでも一存でいきなりちゃぶ台返しを現場でも行うことができる」と分かってしまっただけに、色々な施策に関しても「待てあわてるな、これは孔明の罠だ(画像割愛)」となってしまって、爾後の政策運営に無茶苦茶支障を来すんですけど状況分かってるのかねこの人達、と申し上げざるを得ません。
まあ何ですな、これ個別銘柄のSCレポの状況とかには如実に出て来ると思うのですが、何せSCレポ取引ってインターバンクとかCP市場とかと同じくらいに個別性が高いので、公示データみたいなのってない(CPはフワッとした新規発行利回りの分布は証券保管振替決済機構から公表されております)し、出せない面があるから売買参考統計値のように表にどばーんと出るもんじゃないのでアレですけど、SLFがスティグマって元の話に戻ってしまうと、これSCレポのレート(借り賃)形成にもややこしい影響がでそうんですな。
あとですね、まあそのレポレート云々もそうなんですけど、こういう状況になってしまうと、クリアリング機構使った決済にフェイルのケツが持ち込まれやすくなる筈なので、それはそれでまたややこしい話でして、何のためにクリアリング機構ってあったんでしたっけと考えるとそっちの方でも貰い事故という話だと思うんですよね。
いやあのですね、最初からSLF使うのはスティグマだからお前ら使うんじゃねえぞ、で通しているんだったら別にここまで問題は大きくならないんですけど、どうぞどうぞお使い下さいって言って置いてから急に「お前らがSLF使って空売りするのは怪しからんから使うんじゃねえ」とやるのはどう見ても騙し討ちで、これ市場と日銀の信頼関係にも大きなヒビが入る話に発展してますよね、と思いますし、信頼関係って一度壊れると再構築するのは何万倍もの労力を要する訳ですから、こんな過激な虐殺ショーをする必要があったのかよと思いますがまあこういうのを時すでにお寿司、とか社畜盆に帰らず、って言うんだろうなあと思うのでありました、南無大師遍照金剛。
結局ね、これってピンポイントでショートポジションやってるポジションテイカーを焼きにいっているつもりなのかも知れないけど、台所のゴキブリを駆除するのに戦略核兵器使っているようなもんで、普通のマーケットメーカーまで全部巻き込んで大変なことになっておりますがなとおもうんですけどねえ。
ということですいませんまあ何かまた微妙な悪態をひたすら並べてしまいましたが、「非理法権天」って大楠公の旗印(でしたっけ?)の言葉を思い出すわけで、まあ最後は天が(以下の記述は内務省検閲により削除されました)。
〇ということで決定会合プレビューですが
そういや明日でしたなって感じですが、黒田が野々村号泣会見をおっぱじめる訳もないですし、勝利宣言をする訳でもないでしょ、とは思うのですが、とにかく市場機能の改善を目指して行った施策が、1月会合時点で「却って悪化してんじゃね」状態で、それに更に拍車をかけているのが昨今の流れで、もはや市場でも何でもないだろこの価格形成、というようなものまで発生するわ、SLFを巡る市場と日銀の信頼(というか了解というか)関係は壊れるわでありまして、表面上の価格形成以上に問題は深刻化している、と申し上げざるを得ません。
あ、ちなみに円債村ってそういうもんですし、特にレポとかマネーとかやっているとこの手の梯子外しに対して敏感になるし、敏感にならないとある日突然開いた孔明の罠に嵌って奈落の底に落とされますのでご注意ください。
とまあそういう事ですので、本来はこの惨状を解消して後任に対してちゃんとしたフリーハンドを渡すためにはYCCの撤廃(マイナス金利も大概だがまあこれは徐々にやっても何とかなるかもしれないけど今年の夏にかけて物価が全然下がらないとマイナス金利とか言ってる場合じゃなくなるかもしれませんよね)をすべきだし、指値オペとかそういう馬鹿な事はやらないようにするしかないし、少なくともテーパリングはバンバン行わないといけないし、とは思うのですけれども、まあ黒田がそんなタマじゃ無い(なんなら最後の逆切れ追加緩和までやりかねない)ですし、大体からしてこうやってアタクシが村の外れの場末でグダグダと申し上げているような惨状につきましてご存知の訳が無いですし、下々だって自分らのオペでドンドン市場機能を破壊して回ってますなんて報告しないでしょう(そもそもそれが罪万死に値する行為だが)し、と考えますとまあ現状維持でしょ現状維持。
最後くらい記者会見は時間無制限でやって欲しいと思います。
2023/03/08
お題「パウエル議会証言は物価上昇圧力やっぱ強いわテヘペロですな/いつものSLF回りのメモメモ」
何か総務省凄いのぶっこんできましたナー
https://www.soumu.go.jp/menu_kyotsuu/important/kinkyu02_000503.html
政治的公平に関する文書の公開について
令和5年3月7日
『3月2日、小西洋之議員が、放送法第4条第1項に定める「政治的公平」の解釈について、当時の総理補佐官と総務省との間のやりとりに関する一連の文書を公開しました。
これを受けて総務省では、公開された文書について、総務省に文書として保存されているものと同一かといった点についてこれまで慎重に精査を行った結果、小西議員が公開した文書については、すべて総務省の「行政文書」であることが確認できましたのでお知らせします。
なお、既に同じ内容の文書が、一般に公開されていることに鑑みて、全て公表PDFすることとしました。また、その記載内容の正確性が確認できないもの、作成の経緯が判明しないものがある点にはご留意いただければと思います。』
PDFが「海苔弁当じゃない」のがビックラこき太郎。
〇パウエル議会証言は最近の「物価上昇圧力がやっぱ強いわテヘペロ」要人発言の仕上げみたいな感じですね
https://www.federalreserve.gov/newsevents/testimony/powell20230307a.htm
March 07, 2023
Semiannual Monetary Policy Report to the Congress
Chair Jerome H. Powell
Before the Committee on Banking, Housing, and Urban Affairs, U.S. Senate, Washington, D.C.
・しょっぱなから「インフレ圧力はこの前のFOMCで考えた時よりも強い」きました
最初のご挨拶は飛ばして手抜きしないで『Current Economic Situation and Outlook』から。
『The data from January on employment, consumer spending, manufacturing
production, and inflation have partly reversed the softening trends that
we had seen in the data just a month ago. Some of this reversal likely
reflects the unseasonably warm weather in January in much of the country.
Still, the breadth of the reversal along with revisions to the previous
quarter suggests that inflationary pressures are running higher than expected
at the time of our previous Federal Open Market Committee (FOMC) meeting.』
いきなり「inflationary pressures are running higher than expected at the
time of our previous Federal Open Market Committee (FOMC) meeting.」であって、なんだよ1月FOMCでどっちかというと利上げ停止も出来そうな言い方してたの何だったのよという話になるのですが、まあこれが「データディペンデント」の醍醐味ということで、もはや対応が全然プリエンティブじゃねえええええええということになりますな、南無三。
『From a broader perspective, inflation has moderated somewhat since the
middle of last year but remains well above the FOMC's longer-run objective
of 2 percent. The 12-month change in total personal consumption expenditures
(PCE) prices has slowed from its peak of 7 percent in June to 5.4 percent
in January as energy prices have declined and supply chain bottlenecks
have eased.』
この見通しはいつも通りで「ゆうてもこれから物価上昇圧力は軽減されてきますよああそれでも今年は2%とかそんなのからは全然上の水準で推移しますわ」のいつもの認識。
『Over the past 12 months, core PCE inflation, which excludes the volatile
food and energy prices, was 4.7 percent. As supply chain bottlenecks have
eased and tighter policy has restrained demand, inflation in the core goods
sector has fallen. And while housing services inflation remains too high,
the flattening out in rents evident in recently signed leases points to
a deceleration in this component of inflation over the year ahead.』
財のインフレは収まって来ましたが、住宅サービスのインフレーションが高いです。でもレントがの上昇がやっと収まって来ているの今後はこっちのインフレも徐々に収まるでしょう、とこの辺は1月議事要旨で言ってた話と変わらんです。
・物価の落ち着きには労働市場の緩和が必要ですという話で物価の話を締める
『That said, there is little sign of disinflation thus far in the category
of core services excluding housing, which accounts for more than half of
core consumer expenditures. To restore price stability, we will need to
see lower inflation in this sector, and there will very likely be some
softening in labor market conditions. Although nominal wage gains have
slowed somewhat in recent months, they remain above what is consistent
with 2 percent inflation and current trends in productivity. Strong wage
growth is good for workers but only if it is not eroded by inflation.』
コアサービスも今の所インフレが落ち着いてくる兆候が無くて、消費支出の半分以上を占めるサービス支出関連の物価上昇が落ち着かんとイカンデーという話なので、じゃあそれが落ち着くにはどうしたらエエノンカといいますと、雇用市場の緩和が必要です、ということで後半がお賃金の話でして、「Strong
wage growth is good for workers but only if it is not eroded by inflation.」で締めてますが、お賃金上がってるんだけど、結局その分がコスト増からの価格引き上げ圧力になるのはアカン、とかどっからどう見てもこれ「賃金と物価のスパイラル」になっておりますがなという残念な話になっていて、いやおまえ1月FOMCでディスインフレーションとかインパクトのあるパワーワード使ったのは何だったのかと小一時間問い詰めたい。
・Current Economic Situation and Outlookなのにインフレ関連の話ししかしてないやん
今回はパラをぶつ切りしないで引用(分量だけ見て中身見ないで寝起き即書きでやってるから)なので上記の部分が全部1パラとなっていまして、物価の話をあれだけぶっこんでますが成長の話はここからか、と思って引用してよく見たら労働市場の話をしているというあらあらまあまあという感じの物件ですな今回は。
『Despite the slowdown in growth, the labor market remains extremely tight.
The unemployment rate was 3.4 percent in January, its lowest level since
1969. Job gains remained very strong in January, while the supply of labor
has continued to lag.1 As of the end of December, there were 1.9 job openings
for each unemployed individual, close to the all-time peak recorded last
March, while unemployment insurance claims have remained near historical
lows.』
最初「growth」の文字列があるから成長の話をしているのかと思ってここの小見出しに「成長の話はあっさり味」と書いて引用してよく見たらこれ労働市場の話しじゃんということで、この次が金融政策の話になるので何と経済の話をしているのにほぼインフレネタという状態でありました、ちゃんちゃん。(ここは労働市場が強いという話をして数字をああでもないこうでもないと出しています)。
うーん結局何が「1月FOMCよりも物価上昇圧力が強い事がわかった」理由なのかが直接的に書かれてはいないのですが、基本的には物価の内容と雇用関連なんでしょうかねえ・・・・・・・・・・
・金融政策
でもって次は『Monetary Policy』の小見出しになってしまうので経済の話は結局「インフレ圧力が相変わらず強いし1月FOMCで見てたのよりも強いわテヘペロ」以外の話は無かったのでした。
『With inflation well above our longer-run goal of 2 percent and with the
labor market remaining extremely tight, the FOMC has continued to tighten
the stance of monetary policy, raising interest rates by 4-1/2 percentage
points over the past year. We continue to anticipate that ongoing increases
in the target range for the federal funds rate will be appropriate in order
to attain a stance of monetary policy that is sufficiently restrictive
to return inflation to 2 percent over time. In addition, we are continuing
the process of significantly reducing the size of our balance sheet.2』
ここは1月FOMC議事要旨などで示されている理屈と同じ。
『We are seeing the effects of our policy actions on demand in the most
interest-sensitive sectors of the economy. It will take time, however,
for the full effects of monetary restraint to be realized, especially on
inflation. In light of the cumulative tightening of monetary policy and
the lags with which monetary policy affects economic activity and inflation,
the Committee slowed the pace of interest rate increases over its past
two meetings. We will continue to make our decisions meeting by meeting,
taking into account the totality of incoming data and their implications
for the outlook for economic activity and inflation.』
ここも1月FOMC議事要旨で示されていた話とほぼ同じで、ここまでの利上げの効果を見ていくために利上げペースを落としましたよ、という話ですな。
ちょっと違うちゃあ違うのは最後の所。「We will continue to make our decisions
meeting by meeting, taking into account the totality of incoming data and
their implications for the outlook for economic activity and inflation.」と「totality
of incoming data」という言い方をしてて、まあ深い意味があるのかどうかはアレなんですが、「出て来るデータを総合的に判断していきます」という「総合的判断」を強調していることでして、これってアタクシ思いまするに、上記のインフレ圧力の話で雇用とサービス価格に関してフォーカスした言い方しているけど、今後財価格の落ち着きが本当にこのまま落ち着くかとか、それこそファイナンシャルコンディション、というか資産価格動向とかそういうのも考慮に入れまっせという形で、単一の経済指標に紐つかない話をすることによって、政策の自由度を上げようとしているのと、決め打ちが全然できないから下手に単一の指標にフォーカスしない方が自分で自分の首を締めなくて良い、という判断が働いてるんじゃないかな、と思いましたが読み過ぎかもしれませんので個人の感想ということでよろしくお願いします。
次のパラグラフは話の都合上ぶつ切りしますね。
『Although inflation has been moderating in recent months, the process
of getting inflation back down to 2 percent has a long way to go and is
likely to be bumpy. As I mentioned, the latest economic data have come
in stronger than expected, which suggests that the ultimate level of interest
rates is likely to be higher than previously anticipated.』
さっき言ったように最近の経済指標が想定以上に強かったので1月に考えていたよりも今次利上げ局面のゴールの金利は高くなるでしょう、と露骨プレイキタコレでして、
『If the totality of the data were to indicate that faster tightening is
warranted, we would be prepared to increase the pace of rate hikes. Restoring
price stability will likely require that we maintain a restrictive stance
of monetary policy for some time.』
ここでも「totality」というのが出てきてて、この曖昧総合判断キタコレという感じですが、まあそれはそれとして構文自体は仮定法構文になっているから別に決め打ちではないのですが、仮の話だが「the
totality of the data were to indicate that faster tightening is warranted」ならば「we
would be prepared to increase the pace of rate hikes」と50bp利上げに戻す可能性もあるでよとかぶっこみやがってあらあらあらって感じですけど、まあその前にも先鋒次鋒あたりが既にこの辺の話をしているにはしていますが、パウエルも言ったかーって感じです。
あんど、この「50に戻すもあるでよ」については勿論議事要旨や声明文でも「あくまでもデータディペンデント」ということなので話の上ではアリエールではあったものの、ここまで露骨な言及プレイはしていなかったので、まあ今回新しい情報としては(と言っても既に露払いは出てたけど)「1月FOMC以降に出てきたデータのとーたりてぃーはインフレ圧力が想定よりも強い」、「もし必要なら利上げペース50に戻すでよ」という話ですな。
では次のパラに参りまして、
『Our overarching focus is using our tools to bring inflation back down
to our 2 percent goal and to keep longer-term inflation expectations well
anchored. Restoring price stability is essential to set the stage for achieving
maximum employment and stable prices over the longer run. The historical
record cautions strongly against prematurely loosening policy. We will
stay the course until the job is done.』
まとめに入っています。ここはほぼお約束のご挨拶みたいな感じですが、いつものように「The
historical record cautions strongly against prematurely loosening policy.」と早期利下げ転換について全力で否定する文言を忘れていません。
『To conclude, we understand that our actions affect communities, families,
and businesses across the country. Everything we do is in service to our
public mission. We at the Federal Reserve will do everything we can to
achieve our maximum-employment and price-stability goals.
Thank you. I am happy to take your questions.』
ここはまあいつものご挨拶みたいなもんです、ということでまあ既に先鋒次鋒副将くらいまで出てきてた感はありますが、大将もちゃっかりと「スマン、物価上昇圧力の強さ舐めてたわテヘペロ」という話をしてきたという感じですな、ナムナムナム。
〇相変わらずのレッツゴー2匹(というか368)だがその他でも
うむ。
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba230307.htm
落札結果 (3月7日<火>)
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注4) 14,130 13,697 -1.100 -3.450
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注5) 35,493 35,273 -0.350 -0.420
(注4) 国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)の売却銘柄は、
利付国(10年)第367回(落札額8,499億円、応札額8,932億円)、
368回(落札額5,198億円、応札額5,198億円)です。
となっていまして、平均レートの方は前日の▲4.005%よりもマシになっているのですが、落札額とか見ますと、367は8200→8499で368は5023→5198で何のこたあないSLFの利用増えてるじゃんと思いました。この銘柄のSLF限度額ガンガン絞ったので結構再売却の方に回ってしまったためにSLFの利用が減ったのですが、実はその中にはフェイル可能なカウンターパーティーにフェイルしてた分もあって、それがSLFに少し戻ったんですかね。しらんけど。
でもってそれはそれとしてありゃーと思ったのは(注5)のモブ銘柄の方でして、これ先週金曜までは▲0.350%の平均&足切りということで最低品貸料率1本値だったのですが、月曜の平均が▲0.401%、昨日の平均が▲0.420%としれっと上昇しているのはどうされましたのんと思いましたが、昨日はこっちでも「SLF空振り」が出ているんですね。
ただまあ注5(クソ長いダンダラになるので引用割愛しますが)を見てもどの銘柄が空振りになったのかがわからんという謎の不親切仕様になっていて(何で2匹は出すのにこっちはださんのかという基準が分からん)、その辺がこのページでは分からんというアレですが、SLFのコスト自体が全体的に上がって来るということになると、益々マーケットメイクがやりにくくなる→マーケットメーカーはリスク軽減のためにオファービットを拡大せざるを得なくなる→最終投資家の執行コストが上がる→マズーという債券市場機能度低下まっしぐらという流れになる訳でございまして、もうお前ら言ってることとやってることの整合性を取れよこのスカポンタンがと小一時間問い詰めたい所ではあります。
なおレッツゴーの引値ちゃんですがちょっと手前から並べてみますと、、
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/
長期国債 364 2031/09/20 0.575
長期国債 365 2031/12/20 0.574
長期国債 366 2032/03/20 0.560
長期国債 367 2032/06/20 0.328
長期国債 368 2032/09/20 0.065
長期国債 369 2032/12/20 0.500
ということで何が何だか分からない世界に旅立っておられますが、これベンチマーク構成銘柄なんで勘弁して貰えませんかねえ。
なお、
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/jx230307.htm
日銀当座預金増減要因と金融調節 (3月7日<火>分)
国債補完供給の予想と速報の差分が9900ですが、まあ再売却は再売却で粘っておられる感じでして、
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/jp230308.htm
日銀当座預金増減要因と金融調節 (3月8日<水>分)
国債補完供給の7日のスタートが48,600で8日のエンドが58,300で差分が9700だから、まあこの辺は再売却で頑張っておられるということですな、はてさてどうなるのやらといった感じですが、そもそもSLFの要件緩和したのにやっぱりガチガチ縛りますわとかまさにあの古き悪しき時代の「窓口指導」を彷彿させるプレイなのではないか、というテレパシーを感じた訳でして、最早先進国の政策じゃねえええええとかいうテレパシーを受信したのでありますが、その辺については追々考えて生きたいと思います。
2023/03/07
お題「性懲りもなくSLF回りの雑談ですがどうなっちゃうんでしょうね(この雑談は基本今日まで)」
春分の日も近くなるとやっとこう表が真っ暗じゃなくなる時間が早くなってくるのですが、あたくし根が原始人なので外が暗い時と明るい時では文章を書く速度が倍速くらいは違うんですよねー。
〇性懲りもなく2匹その他横綱回りとかを見て回るが結局日銀は何をしたいのやら
はいどうも。市場の方既にご案内の話で申し訳ありませんが、後日の記録に(実はこっそり過去ログの整理を真面目に始めだしたのだが、足元の惨状ってだいたい始まりが昨年1月のロイター砲とそれに謎のガチギレした黒ちゃんの「死んでも政策をいじらん」とそれに迎合して無茶をドンドン推進した茶坊主のみなさんのアレから始まっているんですよね)と思って今日も又。
・結局の所12月から実施した「市場機能回復」の措置で市場機能が更に悪化しているという悲しい件について
段々面倒になってURLは貼るがハイパーリンク貼らなかったりするけどw
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html
公社債店頭売買参考統計値/格付マトリクス表
残存5年くらいから引っ張ってみると(今日は単利だけにしておく)
長期国債 349 2027/12/20 0.200
長期国債 350 2028/03/20 0.222
長期国債 351 2028/06/20 0.249
長期国債 352 2028/09/20 0.279
長期国債 353 2028/12/20 0.304
長期国債 354 2029/03/20 0.330
長期国債 355 2029/06/20 0.359
長期国債 356 2029/09/20 0.385
長期国債 357 2029/12/20 0.400
長期国債 358 2030/03/20 0.405
長期国債 359 2030/06/20 0.450
長期国債 360 2030/09/20 0.495
長期国債 361 2030/12/20 0.525
長期国債 362 2031/03/20 0.555
長期国債 363 2031/06/20 0.575
長期国債 364 2031/09/20 0.590
長期国債 365 2031/12/20 0.590
長期国債 366 2032/03/20 0.574
長期国債 367 2032/06/20 0.328
長期国債 368 2032/09/20 0.080
長期国債 369 2032/12/20 0.500
368が前日の0.095%から更に金利低下して何やってますねんという話もありますが、横綱のチーペストであります358って、横綱の価格自体は358の現物が減額措置の優遇制度もあって358対比での関係性は回復しておるのですが、よく見たら手前と0.5毛で後ろと4.5毛のスプレッドになってて、確かに「358と先物の関係性」は機能度回復しているのですが、そもそも358の位置がヘナチョコな所にあるということで、こういうの見てると「先物の機能度が回復した」と言えるのかというと、358との関係で機能しても他の現物のヘッジにならないんだったら意味あるのか問題は多少ある(横綱だけ単体で暴れるよりはましだけど)でありますな。
というかこれ見るとまた8−9年ゾーン0.6%接近だし、358の近くでカーブがうねっていますし、中期から10年にかけての10年国カーブって何かクネクネとしておりまして、名鉄名古屋駅のような風情を醸し出しておりますが、
https://www.boj.or.jp/about/press/kaiken_2023/kk230119a.pdf
総裁記者会見
――2023年1月18日(水)午後3時半から65分
『(答)
まず、日本銀行は前回の金融政策決定会合におきまして、緩和的な金融環境を維持しつつ、市場機能の改善を図る観点から、イールドカーブ・コントロールの運用の一部見直しを決定致しました。すなわち、長期金利の変動幅の拡大と同時に、国債買入れ額の大幅な増加や、必要に応じて各年限において買入れ額の更なる増額や指値オペを機動的に実施することなどを決定しました。加えて、今回の会合では共通担保オペの拡充も行いました。運用の見直しからさほど時間が経っておりませんので、これらの措置が市場機能に及ぼす影響を評価するには、なお時間を要すると思いますが、機動的な市場調節運営を続けることで、今後、市場機能は改善していくとみております(以下割愛、直上URL先2023/1/18総裁定例会見録の3ページより引用)』
とありまして、市場のゆがみを是正しようとして昨年12月来の措置を取ったという理解でございますけれども、その間にとんでもない量の買入を拡大して、長期共通担保は13兆も実施して、挙句にSLFの適用を一部特定銘柄で日銀がショートスクイーズ掛けてるのかという勢いで厳しくして、という一連の施策を実施することによった訳ですが・・・・・・・・・・
さてここで12月MPM前ということで、まあどこでも良かったんですが12月14日の売参を拾ってみました。3か月違うので348〜368の売買参考統計値を見てみましょう。
長期国債 349 2027/12/20 0.130
長期国債 350 2028/03/20 0.140
長期国債 351 2028/06/20 0.145
長期国債 352 2028/09/20 0.150
長期国債 353 2028/12/20 0.160
長期国債 354 2029/03/20 0.170
長期国債 355 2029/06/20 0.180
長期国債 356 2029/09/20 0.195
長期国債 357 2029/12/20 0.210
長期国債 358 2030/03/20 0.220
長期国債 359 2030/06/20 0.235
長期国債 360 2030/09/20 0.255
長期国債 361 2030/12/20 0.270
長期国債 362 2031/03/20 0.280
長期国債 363 2031/06/20 0.285
長期国債 364 2031/09/20 0.285
長期国債 365 2031/12/20 0.280
長期国債 366 2032/03/20 0.185
長期国債 367 2032/06/20 0.235
長期国債 368 2032/09/20 0.250(これは2022/12/15公表分即ち12/14の売買参考統計値です)
このころも8年9年って日銀ラインの0.25%を超えてたり、カレント3匹の所の個別銘柄の関係がアレだったりという事案は存在しますが、利回り変動幅拡大した後の方が変動幅が拡大しただけに歪みも拡大しているように見えるのが中々お茶目ではありますな。
もちろん超長期との比較でどうのこうのという話もあるので、まあここだけ取り出すのはちょっとインチキではあるのですけれども、何ちゅうかこのやらない方が良かった施策すなわち無駄な上に、長期共担にしろ馬鹿買入にしろ、将来の金融政策運営において負担になることばっかりやっている訳でして、そらまあ植田さん着任後に変更、という話かもしれませんけれども、今の調子で4月末までやるんだって膨大な無駄の積み上げ(しかも2%物価目標達成に何の役にも立っていないで将来の政策コストだけ掛かっているという無駄の極み政策)を行うことになるし、6月までこんなオペレーション引っ張ったらどんだけの惨状がまってるのよと思いますと、何で今の惨状としか言いようがないオペレーションを6月まで引っ張るような政策判断になるのか、というのがちょっと理解致しかねる次第でありまして、「政策見直しの時間的余裕がある」とか言ってる何とかストはちょっとお前レポデスクの所に座ってみろと小一時間問い詰めたい次第であります。
ということで人の道としては黒ちゃんは今週YCC撤廃(謎の勝利宣言と共に)をしろと思いますが、まあこの人昨年の1月のMPM以来頭に血が上ってしまって政策の手直しをすること即死亡だと思ってるでしょうし、12月に変動幅拡大して却って債券市場もオペレーションもハチャメチャになってしまったのを見て「お前らが変動幅拡大したら市場機能が改善するというから渋々やってやったのに何だこの状況は!!!!!!」とお怒りになっておられるのではないか(後段は完全にアタクシの妄想)と存じますので、そらまあ梃子でも動かんわなと思います。
なお、ここでロートルとして思い出しますのは福井の俊ちゃんでして、就任直後にイラクへの武力行使があったのを理由に臨時会合をぶっこむというプレイがありましたのですが、
https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2003/k030325.htm
本日の金融政策決定会合について
2003年 3月25日
日本銀行
(これだけ見てもわかりにくいのですが会見の方で「政策決定会合の臨時会合を実施」と言ってます)
https://www2.boj.or.jp/archive/announcements/press/kaiken_2003/kk0303d.htm
政策委員会議長記者会見要旨(3月25日)
声明文の方のURL先を見るとそこに植田審議委員の名前がありますね(だからどうした)。
・レッツゴー2匹は何処に逝く、というか1匹がお星さまになられてしまったようですが
・・・・・・ところで昨日の2匹ですが、さっきありましたように368がますますひどい事になっておられます。
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba230306.htm
落札結果 (3月6日<月>)
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注4) 13,223 13,223 -1.100 -4.005
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注5) 37,020 37,020 -0.350 -0.401
国債補完供給(国債売現先)・即日(午後オファー分)(注6) 61 61 -0.350 -0.350
国債買入(固定利回り方式)(残存期間5年超10年以下)(注7) 2,650 2,650
額が減ってますが平均利回りがまた▲4%に突っ込んでおりますので、これはどうせ上限をまたも絞りやがったなという風情の結果でありますが。
(注4) 国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)の売却銘柄は、
利付国(10年)第367回(8,200億円)、
368回(5,023億円)です。
前日からみると10499→8200あんど6182→5023なので都合3000位SLFの利用が減っておられます。
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/jx230306.htm
日銀当座預金増減要因と金融調節 (3月6日<月>分)
国債補完供給を見ると国債補完供給と再売却の戻りが61800予想に対して49500なので、12300が再売却の戻りと減額措置ですかそうですかという感じですが、国債補完供給のスタートは50000になっておりますが、これは2匹以外も含めた補完供給全部足すと額面50304なのでこれはこれで良さそう。
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/jp230307.htm
日銀当座預金増減要因と金融調節 (3月7日<火>分)
国債補完供給の合計が61900になっているので、差分の11900が再売却ということになりますが、前日アタクシが手計算した(のでまちがてたらゴメンよ)の9700なので、再売却2200は増えてる計算になって、まあSLF削ってもかなりの部分は再売却に回っているだけという何が何だかという感じでありますな。
いやマジでどうなっちゃうのこれ、という話ではあるんですが・・・・・・・・・・・・
・調子に乗って369を指値にバンバン入れると同じことが起きるんジャマイカとかその手の雑感
ところで昨日の指値でも当然の如く369が入っていたと思われる結果になってて、
国債買入(固定利回り方式)(残存期間5年超10年以下)(注7) 2,650 2,650
とかいうお茶目な数字が出ておりましたが、レッツゴー2匹におかれまして虐殺ショーが展開されている訳でございますので、これも調子に乗って発行量以上に日銀が保有、とかいうことになると、これまでは「次の新発リオープンがあるからヘーキヘーキ」でしたが、4月の新発は新回号で実施されるわけで、これ以上は増えないという事を勘案するに、日銀の保有が発行量以上とかになるとこれも成敗始めるのではないかというオソロシスな悪寒がする訳でございます。
まあ自分らでノーズロで買いまくった挙句に締め上げするとか日銀のガバガバぶりがそもそも招いた虐殺ショーなのですけれども、いやマジな話こいつら何しでかすか分からんという感じですね。
・こういうのやっちゃうとSLFの運営などの日銀のファシリティに関しても色々と禍根を残すと思うのよね
さすがに目の前で2匹の虐殺ショーが行われているので、昨日の369回のSLFって「369回(1,100)」と1100億円しか使われていないのでありますが、ひとたび日銀がこういう虐殺プレイを始めてしまうと、「買入を我々も政策でバンバンやっているからマーケットメークもお困りでしょう、SLFの要件も緩和したのでマーケットメークをして市場の価格機能を維持して下さい」という話だったものが鬼夜叉のように豹変してしまったという事ですので、まあ要するに「日銀の言う事を真に受けてマーケットメイクをしているとある日突然日銀の気が変わってエライことになる」という教訓を得たのと同じ、という話でありまして、こういう梯子外しプレイをやりますと、日銀と市場との間の信頼関係とかもぶち壊しにも程がある訳でございます。
まあ元々は「発行されている国債を8割だろうが9割だろうが買う」という無茶苦茶な政策を決定する政策委員会がアカンのでありますし、12月の「変動幅拡大」「でも買入も拡大」「ところがこれは市場機能向上の施策」という無茶苦茶な決定をしている政策委員会のとばっちりを食らっているのが金融市場局である、というのが根本にあるのですが、それにしても酷い事になってしまいましたが、この惨状について総裁記者会見で聞いてもそもそも黒ちゃん分かって無くて、秦の二世皇帝状態になってるんとチャウかというのが危惧されるところです。
でまあ一事が万事(共通一次でコケると後が全滅リスクがあるので共一は頑張ろうという意味で使ってたなあ〜)という言葉もありますように、こういう「強権発動して制度の利用を制限するプレイ」が出てしまうと、各種のファシリティに関してもある日強権発動プレイをしてくるんじゃなかろうか、という疑念を抱く(いやまあ当局ってそういうもんだから常設と言えどもファシリティに依存するもんじゃない、っていうのは古参兵になればなるほど体感的に思うようになるんだけど)ことになりますと、今後想定される金融政策の正常化措置の際に、激変緩和措置で使うための各種ファシリティに関しても必ずしもその効果を発揮できなくなる、という事が起こり得ると思われますし、まあそういう面からも12月以降の政策っていうのは(最初に出た瞬間だけは「ああ黒ちゃんやっと最後に雨宮さんにバトンタッチするために政策の撤収に掛かるんださすが役人道を弁えてらっしゃる」と思ったんですが・・・・・・)後任に対してゲロと大小便をまき散らしまくって退去するプレイとしか申し上げようがなくて、そういうプレイの趣味のあるかたなら結構なんですが、普通はそういうプレイはするもんじゃないと思うので、変態じゃなかったらただの嫌がらせにしか見えないんですけど大丈夫でしょうかという事で金曜のMPMを待ちたいです。
ま、この件に関しては明日からは淡々と数字だけメモっておく感じで、他の政策ネタに戻ろうと思います。
2023/03/06
お題「レッツゴー2匹問題/ラジャンのIMF寄稿の最初の部分だけご紹介」
土日ついうっかり怠惰病(言い訳をすると要因の30%はスギ花粉)が発生しまして結局ネタ渋滞してるのにまた溜め込んでしまいましたサーセン。
〇いやあの指値オペって何のためにやるんでしたっけ????(レッツゴー2匹の変&その他の話)
・通常輪番は超長期後半だけの減額かよ
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of230303.htm
オファー (3月3日<金>)
国債買入(残存期間1年以下) 1,500 2023年3月6日
国債買入(残存期間1年超3年以下) 4,250 2023年3月6日
国債買入(残存期間3年超5年以下) 5,000 2023年3月6日
国債買入(残存期間10年超25年以下) 3,000 2023年3月6日
国債買入(残存期間25年超) 1,000 2023年3月6日
通常の輪番を引用しましたが、前回と比較しますと(1年以下は比較しませんよ)、
中期前半:4250(2/20)→4250
中期後半:5000(2/27)→5000
超長期前半:3000(2/27)→3000
超長期後半:1500(2/20)→1000
ということで超長期後半だけしか減らさんという結果になっていますが、そもそも論としてこんなに長期国債を買っている意味is何という話でありまして、新発10年は右から左に同値で日銀が購入(入札翌日以降の指値なら一応経過利子分が入って来るので、短期の利回り0.5%運用だと思えばバランスシートのコストを度外視すれば(゚д゚)ウマー)するし、何のためだか最早訳の分からん買入をバンバンやって、債券市場を不安定(特にイールドカーブの動きがちょっとフローがあっただけでハチャメチャに動く)にしてるだけ。
いやあのですね、この買入の量的な効果でもあるんだったら話はまだ分かるんですが、量的な効果ってありましたっけという話だし、実質金利がどうしたこうした(しれっと所信聴取で内田さんその話をしているのは昭和温泉旅館解体に向けた第一歩である可能性がありますがその辺は国会会議録出たらと思いつつまだ確認してません)という理論から言ったら「物価もインフレ期待も上がっている」んだからここまで無茶して買入をする意味ってありましたっけというお話。
・指値オペは「金利の上限を画する」ための物であって相場操縦をするための物ではないのですが
まずは先に金曜の毎度おなじみ売買参考統計値。
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html
公社債店頭売買参考統計値/格付マトリクス表
長期国債 367 2032/06/20 98.82 0 0.328
長期国債 368 2032/09/20 100.97 +41 0.097
長期国債 369 2032/12/20 100.00 0 0.500
今度は368の方が酷い事になって10bp切る有様で、市場機能もへったくれもない状態になっておりまるな。
でまあ市場の中の人は先刻ご承知の介だからアレですけど、どうせ何年もすると記憶が妖しくなるから備忘しておきますと、
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba230303.htm
落札結果 (3月3日<金>)
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注4) 18,242 16,681 -1.100 -3.540
(その他大勢のSLFの分は割愛する)
ということで、明細が
(注4) 国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)の売却銘柄は、
利付国(10年)第367回(落札額10,499億円、応札額12,060億円)、
368回(落札額6,182億円、応札額6,182億円)です。
となっていて、前日の2匹のSLF落札額は367=11500、368=7354なので、367が足切り掛かって1000減っていますので、これはSLFの上限を絞ってきたんでしょうというのが見え見えですから、368の応札が減っているのも別にショートカバーが片付いたから減ったのではなく(そうなら368の利回りは上昇する筈)利回りクソ低下しているんですから、こちらもSLFの実施を減らしたんでしょうな。
資金需給表見ると
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/jx230303.htm
日銀当座預金増減要因と金融調節 (3月3日<金>分)
国債補完供給(と国債補完供給の再売却措置)が予想61,900で実績51,200だから、10700億円が再売却か減額措置で減った分(木曜の特例SLFはそもそもスタートの時点で資金需給表に反映されてなかったように見えるのでその分はたぶん関係ない、と思う)。
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/jp230306.htm
日銀当座預金増減要因と金融調節 (3月6日<月>分)
国債補完供給のところの予想が61,800の資金余剰になっていて、金曜の速報の国債補完供給のスタートが-52,100の資金不足だから、9700億円が再売却で1000億円が減額措置(チーペストかしら)になったんでしょうなと思いますが、再売却が増えてる(一番多く見積もって木曜の時点での再売却が7100の筈)という事態になっております。
・・・・・・・・いやあのですね、これって日銀はその積りが無かったにしろ、結果的に起きてる現象って物凄くタチの悪い仕手やってるのと変わらんのでして、@特定銘柄をその銘柄のフェアバリューから乖離した所まで買い上げる(=引値が明らかに変な状態になっているのに指値オペで買い続ける)、A乖離した値段でも買いを続けることによってフェアバリューに戻るであろうという見通しの空売りを誘因する、B空売りが入ってきてもひたすらツケロ買いを繰り返して品薄状態にする、C品貸しを急に絞って売り方を踏み上げさせる、という流れで、最後は解け合いかなんかで(゚д゚)ウマーってパティーンですかいなという話なんだが、普通の仕手は無限に買い上げする資金力は無いし、だいたいからして建玉制限とかあるから、そこまで行かないんでして、お前ら石井定七の米買い占めか鐘紡新株の仕手戦でもやってる積りか(米の買い占めは買い占めたっていったって80万石であって日本の米の当時の生産全て買った訳でもないし鐘紡新株の時は信用不安で買い方の足並みが崩れた訳だが)と小一時間問い詰めたい訳ですよ。
という訳で、何ですかねえこの指値オペ相変わらず引けで買ってるの何なんですかという感じで、本日368を買うと利回り0.095%で買う事になるんですけど、本来の指値オペの趣旨っていうのは
https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2023/k230118a.pdf
当面の金融政策運営について
2023年1月18日
日本銀行
『A長短金利操作の運用
長期金利の変動幅を「±0.5%程度」とし、10 年物国債金利について 0.5%の利回りでの指値オペを、明らかに応札が見込まれない場合を除き、毎営業日、実施する。上記の金融市場調節方針と整合的なイールドカーブの形成を促すため、大規模な国債買入れを継続するとともに、各年限において、機動的に、買入れ額の増額や指値オペを実施する。』
>10 年物国債金利について 0.5%の利回りでの指値オペを(略)実施する。
>10 年物国債金利について 0.5%の利回りでの指値オペを(略)実施する。
>10 年物国債金利について 0.5%の利回りでの指値オペを(略)実施する。
ということで、指値オペは「0.5%で実施する」と言ってるわけで、そらまあレッツゴー3匹は償還が違うからイールドカーブが順イールドのためより残存の短い銘柄は0.5%よりも低い金利であることも妥当、というのはまだ説明がつくのですが、そもそもディレクティブに「0.5%」と書いてあるのに0.2%だの0.1%だので購入するというのはこれは金融市場局によるディレクティブ違反なんじゃないでしょうかと言われたらどう回答するんでしょうか、というか政策委員会の皆様これで良いんでしょうかちょっと田村さん(他は全員大本営かポンポコリンなので回答を求めるだけ無駄)というお話ですが、まあこれは金曜の記者会見での言い訳(想定問答ともいう)がもう出来てるんでしょう、とは思うのですが、何がどうディレクティブ違反じゃないのかという事について「ディレクティブ違反ではないと判断するからディレクティブ違反ではない」以外の回答をお願いしたいし、何ならちょっと田村さん決定会合で本件について暴れてみませんかというか是非この件についてきちんとした理屈を説明していただきたい所ではありますな。
とまあそういう話で、まあ色々とこれは後できちんと落とし前を付けて頂きたいという所であります。
〇しゅうもない審議委員のしょうもない話はパスしておもむろにラジャン節を鑑賞なのだ
麿が寄稿していたことで著名となったIMFの例の奴ですが、麿のも良いのですが大体お察しの内容でありますので、ここはラジャン大先生の方を鑑賞するのが吉な訳ですよ多分。
https://www.imf.org/en/Publications/fandd/issues/2023/03/Central-Banks-less-is-more-raghuram-rajan
FINANCE & DEVELOPMENT
FOR CENTRAL BANKS, LESS IS MORE
RAGHURAM RAJAN
MARCH 2023
・冒頭からこれである
最初の小見出しの時点で『More focused, less interventionist central banks
would likely deliver better outcomes』とか不穏な始まりなのですが、
『Central bankers of industrialized countries have fallen tremendously
in the public’s estimation. Not long ago they were heroes, supporting
feeble growth with unconventional monetary policies, promoting the hiring
of minorities by allowing the labor market to run a little hot, and even
trying to hold back climate change, all the while berating paralyzed legislatures
for not doing more.』
ついこの前まで中銀は非伝統的な政策を駆使したヒーローで、経済成長を成し遂げて、マイノリティーへの雇用を与え、ついには気候変動に関する取り組みまでするようになりました。
『Now they stand accused of botching their most basic task, keeping inflation low and stable.』
wwwwwwwwwwwwwwww
『Politicians, sniffing blood and mistrustful of unelected power, want to reexamine central bank mandates.』
はい。
『Did central banks get it all wrong? If so, what should they do? 』
冒頭からこの内容で、お題が「FOR CENTRAL BANKS, LESS IS MORE」な訳でございまして、これは麿もニッコリというお話をしておりますし、ちょっと黒ちゃんのご所感をお伺いしたいもんでありますな。
『The case for central bankers』って小見出しに参りますが。
『I’ll start first with why central banks should be cut some slack. Hindsight
is, of course, 20/20. The pandemic was unprecedented, and its consequences
for the globalized economy very hard to predict. The fiscal response, perhaps
much more generous because polarized legislatures could not agree on whom
to exclude, was not easy to forecast. Few thought Vladimir Putin would
go to war in February 2022, disrupting supply chains further and sending
energy and food prices skyrocketing.』
コロナ以降の財政ドバーからインフレアイヤーの流れについての説明をしておりまして、次のパラの冒頭にがっつりと
『Undoubtedly, central bankers were slow to react to growing signs of inflation.』
中銀はインフレへの対処が遅れたのは間違いない、と来ました。
『In part, they believed they were still in the post?2008 financial crisis
regime, when every price spike, even of oil, barely affected the overall
price level.』
価格が上がりだしてもポストコロナの物価がアガランチレジームが頭にありましたな。
『In an attempt to boost excessively low inflation, the Federal Reserve
even changed its framework during the pandemic, announcing it would be
less reactive to anticipated inflation and keep policies more accommodative
for longer. This framework was appropriate for an era of structurally low
demand and weak inflation, but exactly the wrong one to espouse just as
inflation was about to take off and every price increase fueled another.
But who knew the times were a-changing?』
そのために金融をバンバン緩和してしまったのが結局インフレを呼んでしまったんですが、これは構造的に需要が弱くてインフレが弱い時の処方箋だったのですよね。
『Even with perfect foresight, central bankers-who are in reality no better
informed than capable market players-might still have been understandably
behind the curve.』
次のパラに行くとまあそうは行っても今回はビハインドになってしまうのは中々避けられん所ではあった、という話をしておりまして、
『A central bank cools inflation by slowing economic growth. Its policies
have to be seen as reasonable, or else it loses its independence. With
governments having spent trillions to support their economies, employment
just recovered from terrible lows, and inflation barely noticeable for
over a decade, only a foolhardy central banker would have raised rates
to disrupt growth if the public did not yet see inflation as a danger.』
『Put differently, preemptive rate rises that slowed growth would have
lacked public legitimacy-especially if they were successful and inflation
did not rise subsequently, and even more so if they deflated the frothy
financial asset prices that gave the public a sense of well-being. Central
banks needed the public to see higher inflation to be able to take strong
measures against it.』
勿論インフレの初期段階で利上げとかすればという話になるのだが、財政出して景気が回復ヒャッハーと言っている段階においてそういうのはムツカシくて、中々プリエンティブな対応ってのは一般の皆様からも批判食らうし難しいわという現実問題の話をして、
『In sum, central bank hands were tied in different ways-by recent history
and their beliefs, by the frameworks they had adopted to combat low inflation,
and by the politics of the moment, with each of these factors influencing
the others.』
まあ今回は財政ということでしょうが、過去の流れ(物価の上がらん構造状態)にどうしても縛られてしまってこういう大きな変化の時ってそういうのに対応するの難しいし、他のファクターも色々とあるわな、という話をしておりますね。
・と引用した所で細かくやってる時間がない事に気が付いたのでトピック的に
『The case against』ってのが次にあって、色々と話があるのですが、一々仰せ御尤もと思ったのを飛ばし飛ばし引用しますね。
・低金利と流動性の拡大という話で・・・・・・・・・・・
今の小見出しの2つ目のパラになるのですが。
『Long periods of low interest rates and high liquidity prompt an increase
in asset prices and associated leveraging. And both the government and
the private sector leveraged up. Of course, the pandemic and Putin’s
war pushed up government spending.』
長期間の緩和で資産価格の上昇とレバレッジの拡大が起きますよと。おまけにウクライナ戦争で財政まで拡大しまして、
『But so did ultralow long-term interest rates and a bond market anesthetized
by central bank actions such as quantitative easing.』
中銀も量的緩和でバランスシート拡大。
『Indeed, there was a case for targeted government spending financed by
issuing long-term debt. Yet sensible economists making the case for spending
did not caveat their recommendations enough, and fractured politics ensured
that the only spending that could be legislated had something for everyone.』
でまあ要らん財政が出る可能性を指摘しているのですが、最後にしれっと、
『Politicians, as always, drew on unsound but convenient theories (think
modern monetary theory) that gave them license for unbridled spending.』
と、MMTを思いっきりこき下ろしているのがワロタ。
・中央銀行が国債を買いまくると統合政府の負債構造がおかしなことになる件について
『Central banks compounded the problem by buying government debt financed
by overnight reserves, thus shortening the maturity of the financing of
the government and central bank’s consolidated balance sheets.』
この場合統合政府で見た場合に国債の短期化が行われているのと同じことになり、
『This means that as interest rates rise, government finances-especially
for slow-growing countries with significant debt-are likely to become more
problematic.』
どう見ても日本の話です本当にありがとうございました。
『Fiscal considerations already weigh on the policies of some central banks-for
instance, the European Central Bank worries about the effect of its monetary
actions on “fragmentation,” the yields of fiscally weaker countries’
debt blowing out relative to those of stronger countries. 』
『At the very least, perhaps central banks should have recognized the changing
nature of politics that made unbridled spending more likely in response
to shocks, even if they did not anticipate the shocks. This may have made
them more concerned about suppressing long rates and espousing low-for-long
policy rates.』
後半はECBを名指ししてて、フラグメンテーション問題とかそういう一種財政に関する配慮に踏み込んでしまうと、低金利政策(インフレ止められない)を長く継続するリスクあるよね、って話でしたこのパラは。
・・・・・などとやっているうちに時間が無くなったので後はあとでやるかパスするかします。
2023/03/03
お題「毎度指値オペとその関連のめもばっかですいませんすいません」
ほうほうそうですかそうですか(数字はアタクシが今朝のテキトーな時間に拾ったもの)
https://jp.reuters.com/markets/bonds/us
金利・国債
情報は20分以上の遅れで表示しています。
米国債3ヶ月 利回り US3MT=RR +4.856 -0.011
米国債2年 利回り US2YT=RR +4.912 +0.023
米国債5年 利回り US5YT=RR +4.330 +0.065
米国債10年 利回り US10YT=RR +4.079 +0.083
〇レッツゴー2匹関連は後日の備忘の為にメモっておくのが仕様なので本日もそれから
まあご案内の人は既にご案内なのでお前が書かなくても知っとるわという話ではあるのですが、こちらの駄文はそもそも俺様備忘録なので俺様の備忘にお付き合いくださいますと幸いです、ということにしておいて。
・367回SLFでまたも需要超過による落札空振りが発生
まずは前場のSLF結果。
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba230302.htm
落札結果 (3月2日<木>)
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注4) 19,439 18,854 -1.100 -3.423
(注4)国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)の売却銘柄は、利付国(10年)第367回(落札額11,500億円、応札額12,085億円)、368回(落札額7,354億円、応札額7,354億円)です。
ということで、レートは前日よりマシになったのですが、また367で足切りが出ておりまして、落札額がラウンドで足切りってこれまた限度額に対して需要超過だし、2日前の28日の367での需要超過の時は13000の落札だからSLF実施の限度額を縮小している、というのはまあこちらその辺の数字をみれない人でもお察しの状況。
と思ったら13時にこれが登場
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of230302.htm
オファー (3月2日<木>)
国債補完供給(国債売現先)・即日(午後オファー分) 2023年3月2日 2023年3月3日 -3.000
細かい要綱とかどこにありましたっけという感じで相変わらず国債個別銘柄の需給に関わる即ち価格形成に関わるネタなのにこの辺の話がオペ先への通知だけで回っている、という時点で金融市場局って債券市場の市場機能を何だと思ってるんだと思うのですが、たぶんそういうセンスが無いんだと思われます。ちょっとお前ら財務省理財局行って勉強してこいとしか申し上げようがない。
いやまあそのクソ細かいところまで全部だすことも無いのではあるんですけど、さすがにこのレッツゴー2匹にからむ空売り焼き討ち措置って個別銘柄の需給に直接的に影響を与える問題なのに金利市場参加者に対する公平な情報開示が無いのは何なのよと思うのですが、まあ何はともあれこの方々にはYCCとかいうクソ下らん政策を終わってもらって、元の短期金融市場における資金需給調整の世界にお帰り頂きまして、債券市場という貴方様方の能力を超える世界で刃物と爆弾持って大暴れするのを止めて頂きたいものだと思うのでありまする。
どっかに公表されてるのあったら(ワンチャン「事務連絡」https://www5.boj.or.jp/の所にある場合もあるのだが残念ながら無さそうな感じ)そこから引用できるのですが、無いのであれですけどレートが▲3.00%になっているということで何かまあ特殊なSLFですよということです。(そういう事情だから内容については過去ログ入りさせたところで追記します←HP記載時にはこの()部分白文字記載の隠れ文書にします)
・後場に実施の▲3.00%のSLFで空振りは100億円除いて埋まりましたが
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba230302.htm
落札結果 (3月2日<木>)
国債補完供給(国債売現先)・即日(午後オファー分)(注7) 485 485 -3.000 -3.000
(注7) 国債補完供給(国債売現先)・即日(午後オファー分)の売却銘柄は、利付国(10年)第367回です。
午前のSLFで367が585億円の空振りがあったのですがそのうち485億円はこっちのオペで充足できましたな。
・資金需給表を見る
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/jx230302.htm
日銀当座預金増減要因と金融調節 (3月2日<木>分)
国債補完供給 (予想)58,800(速報) 51,700および-56,500
前日(1日)の資金需給表上は補完供給オペの実施予定額と2日のエンド予想額が5300億円差分があったのでこれが再売却に回った分(ロール2日目)と思われました(1日の予想されていた補完供給エンドと実際のエンドの額が5300だったので再売却は返済されなかった)が、昨日(2日)はこの差分が7100億円になっていて、5300の再売却ロールの他にも何かあったという話で、それが1800あるのですが、減額措置(入るとすればチーペスト銘柄)か新たな再売却。
資金需給表の2日のSLFスタートが56500になってて、SLFの額面ベースが上記の▲3.00%のSLFを除いた56414なので、恐らく▲3.00%SLFが資金需給表上では国債補完供給の資金需給に含めて無さそうで、その分は1800から差っ引くと概ね1300億円ぶんの再売却おかわりか減額措置の実施、ということになりそうですな。
ということで、なんか毎日ヒャッハー!空売りは消毒だー!!!ってやってるのですが・・・・・・・・・・・
・なお日銀の保有は2/28時点ではレッツゴー2匹増加中(&チーペはまた減ってる)
https://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/mei/index.htm
日本銀行が保有する国債の銘柄別残高
20日の残高と比較してみますと、
367:+353
368:+2,741
と盛大に増えております。と言いましてもカレント指値に応札が沢山あったのは成敗開始前の先週(2/20-2/24で3446億円、2/27の指値は174億円の落札に留まる)ではあったのですけど、これ確かにSLF借りて指値ぶっこむ人はいなくても、ルールベース運用をやってたりして持ちになっている人とか買ったら基本は満期保有なので売らないよって人は存在する筈でして、そういう人たちの中で誰かが「今回は同残存の超長期銘柄に入れ替えるとちょっと見たことない位盛大に利回りアップになるし、こんなのは指値オペなどという異常事態で起きている歪みだから取りに行きましょうずんずらよ♪」となって売りに来る人だっていても不思議ではなくて、空売りの人じゃなくてリアル持ってる人の残存勢力がオペにぶつけに行く、というのはアリエールだと思うので、あのアナウンス出てどっちに振れるかも運用次第になるから、とりあえず指値あるうちに外しましょうってのはいるんでしょうね、としか思えない増加になっておりますな。
いやもうなんか色々とカオス過ぎてアレですが、
358:-2,412
とこちらは今回も減少しておりまして、まあ結構なことちゃあ結構な事なのですが、そもそもおまいら買いすぎだわさと思うのでありました。
〇新発10年国債が指値オペ水準の一本値で落札されて即座に指値オペに入る事態を財政ファイナンスと言わずして何というのでしょうか
はいご案内の昨日の10年国債入札。
https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/nyusatsu/resul20230302.htm
10年利付国債(第369回)の入札結果
6.価格競争入札について
(1)応募額 16兆9,594億円
(2)募入決定額 2兆2,462億円
(3)募入最低価格 100円00銭(募入最高利回り)(0.500%)
(4)募入最低価格における案分比率 30.8365%
(5)募入平均価格 100円00銭(募入平均利回り)(0.500%)
どう見ても一本値です本当にありがとうございました。(なお第一非価格は4524億円、第二非価格は433億円)。
そして昨日の指値オペ結果
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba230302.htm
落札結果 (3月2日<木>)
国債買入(固定利回り方式)(残存期間5年超10年以下)(注8)17,698 17,698
(注8)カレント3銘柄が対象。
ということで、価格競争と第一非価格合わせて2.7兆円のうち1.77兆円が本当の本当に右から左に売却されるという大変にグロな結果となりまして、お前せめて一泊2日くらいさせてから指値に入れろよという所ではあるのですけれども、もはやそのような配慮(???)もなく、露骨な新発国債引き受けプレイということでこれはムガベ大統領もニッコリというジンバブエプレイキタコレの図となっております。
数泊してから指値にぶっこめば保有期間中の経過利息はゲットできますし、利回りだって50bpあるんだし、ということで、利息収益入るデーの経済合理性だけで言えば別にポジションに宿泊させてもいいじゃないか利回りものだもの、という話で、右から左に動かしているだけだと、それだけでは1銭にもならないどころか日銀ネット動かしている手間賃と手数料分だけ足が出ているのですけれども、右から左に動かしプレイをするのってバランスシートをオーバーナイトで使うことなく、ノーリスクでリーグテーブルの数字を物凄い勢いで作れるという意味で神ディールと言っても差し支えないという面もこれありという事で、まあやる人達のご事情も理解できるのですが、お前らちったあ日銀に気を使って1泊2日位してやれよとは思いましたwwwww
しかしまあ何ですな、この「日銀が事前に購入価格をアナウンスしているので、その値段ピッタリで価格競争入札が決着し、即座に発行された国債の65%が日銀に購入される」という状況は、どこからどう見ても日銀による固定価格による新発国債の事実上の引き受けに過ぎなくて、こういうのを一般的には脱pp(ここで回線が途切れる)。
〇ポンポコリンの皆様の金懇が2本(と実はあと1本ある)も溜まってしまいましたができれば土日に
足元はこの指値オペに絡む日々の無茶苦茶なプレイのネタばっかりで恐縮なのですが、この間にポンポコリンの皆様が金懇などを実施されまして、田村さんのは猫被り金懇として鑑賞して(特に会見)、はんなりとした中に悪態を感じるという雅なアレをみまして、田村さんやっぱり戦闘民族っぽいわこれは植田さんと話が合いそう、等と思って先週土日にしれっとネタにしましたわな。
然るに、その後のアレに関してはまあアレでございまして、とにかくアレなんで別に急いでネタにするほとでもないのですが、ゆうてネタにはしないといかんがね、と思うのでネタにします。
ああそれからですね、アタクシちょっと最初の方から仄めかしは書いたつもりでいるんですけど高田さん。どうも最近数年の高田さんってそれまでの正論が影を潜めてきて、何が動機になったのかわかりませんけど、リフレ派に魂を売ってしまったんじゃなかろうかと疑問を抱かせるレポートみたいなのがチョイチョイとみられていたのですが、今回の金懇と会見(昨日はヘッドラインだけですので詳しくは今日ですけど)を見た感じ、この人やっぱり隠れリフレ派なんじゃないかという疑念が沸きあがって来るのですよ、杞憂であることを願っているし、杞憂のままに終わったら今申し上げたこと申し訳ございませんとジャンピング土下座しますんですけどね・・・・・・・・・・
ああそれからもう一本ですけど
https://www.boj.or.jp/whatsnew/index.htm
ニュース一覧
ここを見ても出てこないのですが、右上の「English」を押すとあら不思議。
https://www.boj.or.jp/en/whatsnew/index.htm
News List
Feb. 28, 2023
Public Relations
Speech by Deputy Governor WAKATABE at the CJEB, Columbia University on Feb. 27, 2023 (Seven Reflections on Japan's Economy, Monetary Policy, and the Bank of Japan)
・・・・・・・・これはこれは若田部副総裁、日銀のお金で豪華卒業旅行ですかそうですか。
なお中身はあんまり読む気は起きないので気が向いたら読むけど、英文読むならIMFの麿とかラジャンの論説読んでる方がどう見ても時間の有効活動なのでちょっとねえ・・・・・・・・・・
2023/03/02
お題「市場が色々とあばばばばーな件についての雑談雑感&TBSニュースで債券市場サーベイネタはワロタ」
妙に暖かいと思ったら今日の予想最高気温(東京)19度もあるのかよ・・・・・・・
〇レッツゴー2匹が益々将軍様による成敗モードに
・暴れん坊将軍の成敗モードは更に続くのでありまして
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba230301.htm
落札結果 (3月1日<水>)
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注4) 20,841 20,841 -1.100 -4.550
火曜と違って空振りはいなかったものの平均が▲4.55%かよという結果なんですけど。
(注4) 国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)の売却銘柄は、利付国(10年)第367回(12,272億円)、368回(8,569億円)です。
前日の補完供給では第367回(落札額13,000億円)、368回(落札額10,751億円)でしたので2匹のSLF利用自体は3000億円くらい減ってるのですが、
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/jd230228.htm
日銀当座預金増減要因と金融調節 (2月28日<火>分)
国債補完供給の所が予想と速報(でも確報でも良いけど)で5300減ってて(59800→54500)、減額措置キタコレとかそこで即断してましたけど、
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/jx230301.htm
日銀当座預金増減要因と金融調節 (3月1日<水>分)
国債補完供給の予想が67100になってて、28日の国債補完供給って
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba230228.htm
落札結果 (2月28日<火>)
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注4) 24,383 23,751 -1.100 -3.828
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注5) 38,628 38,628 -0.350 -0.350
にあるように合計62379なので、これはSLFの減額措置ではなくて21営業日まで問題を先送りできる(ただし借り賃3%)再売却の方に行きました(まあ早速SLFのレートの方が▲4.55%に飛んでるから1日目は正解だった感じですけど)ということでしょうな。
というのは再売却に関してもこれは一応資金需給予測を作る時には翌日には再売却分が日銀に返却される前提で予測を作る訳でして、つまりは前日のSLF+再売却分がエンドになる=日銀に国債返して資金が払われるので資金余剰要因、で計算するのですけど、まあ再売却したものがこの水準で戻す訳もなく、1日も再売却延長措置となるので、
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/jp230302.htm
日銀当座預金増減要因と金融調節 (3月2日<木>分)
1日時点での資金需給予測の国債補完供給の所は58800になっていて、昨日のSLF実施額53809(レッツゴー2匹20841+その他モブ銘柄32968)から5000ちょい多い、という事になっておりますので、再売却が5000程度実施されているという推測になりますな、ナムナム。
ということですが、昨日の2匹の方のSLFレート更に下がったのってどうせ上限額をいじったんでしょう(そうじゃなかったら前日よりも1%も強い所で絶対落札マン勝負しにいく必要はない)けれども、これHP上では出てこないので、落札結果見てありゃー何かやりましたねえと判断するしか(オペ先以外では)ないように思えるのがやや釈然としないのですが、まあそんなこんなで昨日も債券市場後場一辺りが一番高かったですけど、その時の2匹の気配はアイヤーって感じだったようですし(引けは引けなので引けだけで見ると平穏なんですが)もうハチャメチャと状況であります。
なお、
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba230301.htm
落札結果 (3月1日<水>)
国債買入(固定利回り方式)(残存期間5年超10年以下)(注6) 20 20
(注6) カレント3銘柄が対象。
昨日もちょろっと入っているのもチャーミング。
・・・・・・でまあ成敗モードは分かるのですが、インデックス構成銘柄でこういう無茶苦茶理不尽な値段のつき方をすると甚だ遺憾の極みですがな、というのは昨日申し上げた通りなのですが更にアレなのは、
・いいから輪番減額しろと小一時間
28日のちょっと前からそうでしたけれども、日銀が超長期の馬鹿買いを減らさないもんだから超長期の値動きがチョッピーになってるわと思ってたらご案内の通り月末インデックスの長期化に伴うフローが市場に出る日の28日にイールドカーブ特に超長期が盛大にぶっ飛んでしまったのはご案内の通り。
でまあそういうチョッピーなマーケットになりますと、当たり前なのですがマーケットメーカーもオファービット出す時にマージン無いと厳しいですし、同時にレッツゴー2匹みたいな無茶苦茶な事も起きてるし、マーケットメーカー受難の時代に対応すべくオファービットが開くのは理の当然。
そうなりますと、レッツゴー2匹がどうのこうのとかいう以前の問題で、またまた市場での円滑なポジション調整が難しくなって来るし、コストもかかるし、という流れになっていきまして、これまたこのムーブで被弾するのは輪番や入札に参加できない人達に執行コストの増加という形で着弾という事に相成る訳でございますな、ナムナムナム。
でもって市場の流動性落ちて来ると国債の円滑消化にも支障を来す、というなんか1月にも同じ話をしてたぞという話を蒸し返すことになる訳なのですが、そこまで来ますとこれは金融市場局のムーブが売国奴糞野郎殿と申しあげても差し支えないのではないか、とまあそういう話になるのでここは一丁ガーデンにお願いしていばら姫を差し向けた方が良いのではないか、とまあ斯様に考えてしまいたくなる次第でございまして、もうお前らエエカゲンニセエヨと思うのでありますが、ここで華麗に債券市場サーベイが出てくるのでありました。
〇債券市場サーベイを見ると12月の措置の完全に逆になっているのですが責任の所在を明確化して頂きたい
いやーこれTBSテレビのニュースのネタになるのかよ(驚)
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/355485?display=1
債券市場の機能はより「悪化」とのアンケート結果 日銀2月「債券市場サーベイ」
2023年3月1日(水) 19:27
『大手金融機関の多くが「債券市場の機能が低下している」と考えているというアンケート調査が発表されました。日銀は『市場機能の改善のため』として、去年12月に政策修正を行いましたが、債券市場の環境はより悪化しています。』(上記URL先より、以下同様)
>日銀は『市場機能の改善のため』として、去年12月に政策修正を行いましたが、債券市場の環境はより悪化しています。
>日銀は『市場機能の改善のため』として、去年12月に政策修正を行いましたが、債券市場の環境はより悪化しています。
>日銀は『市場機能の改善のため』として、去年12月に政策修正を行いましたが、債券市場の環境はより悪化しています。
あっはっは。
『回答項目のひとつ、債券市場の取引頻度や円滑さを示す「機能度判断DI」は、マイナスの数字が大きいほど市場参加者が『債券市場の機能低下』を感じている事をあらわします。』
はい。
『2月調査では、この「機能度判断DI」は前回11月調査よりも13ポイント悪化したマイナス64で、2015年2月の調査開始以来最低を更新しました。』
いやーこれはアタクシが過去の数字を拾いに行く手間が省けて助かる(良い子の皆さんは一次資料が取れるときは必ず自分でも確認しましょう)。
『日本銀行は、前回11月調査の後に行われた12月の金融政策決定会合で金融政策を修正し、黒田総裁は「市場機能の改善」を理由としていましたが、逆に、市場機能は「悪化した」というアンケート結果となりました。』
お前は俺かという位にアタクシが書こうと思ってたネタを代弁しておられるTBS只者ではないわけでございますが・・・・・・・・・・・
https://www.boj.or.jp/paym/bond/bond2302.pdf
債券市場サーベイ
<2023年2月調査>
回答期間:2023年2月1日〜2月7日
ということでですね、これ先月の頭の時点での調査なので、もし今日あたりサーベイ取ったらもっと悪化してるんじゃネーノという気がしますが(個人の感想です)、何せポイントが高いのがTBSの記事にもありましたように前回の調査が「回答期間:2022年11月1日〜11月8日」だったことでして、そこから悪化しているという事はどういう事やという話であります。
一応サーベイ結果を貼りますが
『(1)貴行(庫・社)からみた債券市場の機能度』
機能度判断DI(現状):▲51→▲64
でもって構成比をインデックスじゃなくて社数で見た方が分かりやすいので前回のこいつ
https://www.boj.or.jp/paym/bond/bond2211.pdf(前回)
も引っ張り出して数字を並べておきますと、
1. 高い:1先→0先
2. さほど高くない: 32先→ 25先
3. 低い: 36先→45先
前回の36先ってのも70先調査なので綺麗に過半数に乗った数字で大概なのですが、今回はなんせ45/70と来てますのでこれはもう圧倒的な優勝としか申し上げようがありませんね。
そして債券市場の機能という意味ではやっぱりこれだがねと思うのですが、
『(2)債券市場の機能度・流動性に関する各論
@貴行(庫・社)からみたビッド・アスク・スプレッドについてご回答下さい。』
これが大きいということは、先ほど申し上げたような次第で、入札や輪番への直接アクセスの無い投資家の執行コストが高まっている訳で、これ物凄く主語のデカい話にしますと、こういう投資家で大きいのって年金とかのお金になる訳なので、つまりは皆様の年金(というよりは将来の年金原資、と言った方が良いのかもしれませんが)に売国奴糞野郎殿の政策によって余計なコストを強いている、とまあ無茶苦茶主語をデカくしてしまえばそういう話も出来ないわけではない(やや強引なのは認めます、笑)のでありまして、つまりは売国奴糞野郎殿なのでガーデンにいばら姫の派遣を依頼して(違)。
ビッド・アスク・スプレッド判断DI(現状):▲45→▲57
1. タイトである:2先→0先
2. さほどタイトでない: 34先→ 30先
3. ワイドである: 33先→ 40先
11月調査ではワイドであるという回答は半数に届いてませんでたが今回は貫禄の過半数乗せとなっております。
・・・・・・・とまあこういう次第ですが、あたくしがここに貼り付けるまでもなく12月の決定はこのようになっておりましたよね。
https://www.boj.or.jp/about/press/kaiken_2022/kk221221a.pdf
総裁記者会見
――2022年12月20日(火)午後3時半から約60分
『(答)
本日の決定会合では、長短金利操作、いわゆるイールドカーブ・コントロールのもとでの金融市場調節方針について、現状維持とすることを全員一致で決定しました。そのうえで、緩和的な金融環境を維持しつつ、市場機能の改善を図り、より円滑にイールドカーブ全体の形成を促していくため、イールドカーブ・コントロールの運用について一部見直すことを、併せて決定しました。(以下割愛)』
おまけに後の質疑の中で、
『(答)
(冒頭部分割愛)為替その他への影響というのは、あり得るかもしれませんが、そういうことではなくて、あくまでも国債・社債等の債券市場の機能度、これが色々なアンケート調査でも相当低下しているというデータが出ておりますし、われわれの検討でも国債のイールドカーブの歪みというものが、様々な影響を与えていると。(以下割愛)』
と事もあろうに債券市場サーベイの結果も持ち出しておるわけですな、ナムナム。
ところがやったことは国債買入の大拡大で、指値オペの運営においてもレッツゴー3匹の引値乖離をそのまま容認する買入を行って変な投機的ポジションを呼び込むような策を取り、おまけに長期共担は乱発(まあこれ自体は債券市場の機能度云々関係ないかもしれんけど)とかまあ市場介入を更にハチャメチャにした訳ですな。
1月会合の時に、
https://www.boj.or.jp/about/press/kaiken_2023/kk230119a.pdf
総裁記者会見
――2023年1月18日(水)午後3時半から65分
市場機能が悪化しているだろ、というツッコミが何本も来ておりましたが、
『(答)
まず、日本銀行は前回の金融政策決定会合におきまして、緩和的な金融環境を維持しつつ、市場機能の改善を図る観点から、イールドカーブ・コントロールの運用の一部見直しを決定致しました。(途中割愛)運用の見直しからさほど時間が経っておりませんので、これらの措置が市場機能に及ぼす影響を評価するには、なお時間を要すると思いますが、機動的な市場調節運営を続けることで、今後、市場機能は改善していくとみております。(以下割愛)』
という大変にふざけ切った回答をしておりましたが、ここから更に日数経過して12月の措置から1か月以上経過した2月の頭の時点であのサーベイ結果ですし、直近では更に状況が悪化しているとしか思えない動きになっている訳でございます。
しかし(今日は時間がないしネタにする価値も低いので後回しにしますが)昨日のポン子お姉さんの金懇でも相変わらず「経過を見ている」とか言ってまして、いやあの実体経済への影響とチャウんだから2カ月も様子見して改善してなかったらダメだろとしか申し上げようがない訳です。
・・・・・・とまあそういう状況なのでございますが、こうなって来るとさすがに責任の所在というのを明確にして頂きたい、とアタクシなんぞは斯様に思う訳でございます。
つまりですね、足もとの明らかな市場機能の悪化ですけれども、12月の決定会合での措置と1月の追加措置が、債券市場の機能度改善に資する措置として導入された筈なのですが、これが全然機能しない所か逆効果としか申しあげようがない状態になっている訳ですよね、しかももう最初の措置から2か月以上経過してるんですから、一時的な遷移状態だからどうのこうのとかいう言い訳を使うのはさすがに無理矢理すぎますがな、という話。
では、この状況になったのは何でなのか????と考えた場合、こんなの2つしか可能性が無くて、(1)導入した制度自体は市場機能の改善に資するものの筈だったのだがオペレーションのやり方に問題があって逆効果になってしまった、つまりはオペレーション部隊がディレクティブ違反をしている、(2)オペレーション部隊はディレクティブ通りに日々の調節を実施しているのだが、そもそもの措置が根本的に間違えていたために、市場機能が改善どころか逆行して悪化した、つまり金融市場調節方針を決定した政策委員会が致命的に判断を間違えてた、の2択しかあり得ん訳で、どっちにしても責任の所在というのを明確にして頂きませんと、債券市場の中の人の端っこの方で細々と飯を頂いて居る身としては納得致しかねますが、というお話になるわけでございますよいやマジで。
まあ要するにどっちにしてもちょっとイケニエール書記官出て来なさいというお話になってしまう訳ですが、昭和温泉旅館の解体工事を行っていくであろう中で、何でこんなことになってるんだ問題はこれからも色々と出て来る話な訳でして、新執行部は難儀な話だわと思いますし、そういうのを考えるに、黒田お前3月会合でYCC撤廃(マイナス金利はまあ後で良いと思うけど)しといて、植田執行部が初手から市場に追い込まれるのをお前のイケニエールで防いでやるのが人の道だろ、と思ってしまう今日この頃ではありまする。まあそうなると今やってる暴れん坊将軍の空売り焼き払いが途中で頓挫してしまうというのもちょっとアレという話は無くはないのですけど・・・・・・・・・・・・
2023/03/01
お題「ヒャッハー!空売りは消毒だ!!!・・・・・・ということでレッツゴー2匹レビュー雑感」
あばばばばー。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230227/k10013992791000.html
スギ花粉飛散シーズン到来 東京など12都府県 過去10年で最多か
2023年2月27日 20時28分
URL先のイメージ図とかいうの花粉症の方にはグロ画像以外の何物でもありませんので踏まない方が良いのですが(先に書け)、この時期はうっかり風邪を引くと地獄だし(無限鼻水が5月まで治らないという地獄)、思考力は下がるし(それはいつものこと)、「杉良太郎ディナーショー」とかいう文字列を見ると暴れそうになるし(ただの八つ当たり)、全く持って碌なもんじゃない3月が到来しました。
唯一の救いは日銀の副総裁が退任することですね!!!!!!!!!!!
〇空売りは消毒だヒャッハーなのはわかるが市場は壊れるのであった
そういや昨日の駄文でSLFの話をしている中に指値オペの結果を混ぜ込んでしまってかいておりました(計数自体はあってましたが)ので過去ログの方に追記を入れておきましたサーセン。
さて昨日のレッツゴー2匹ですが・・・・・・・・・・・
・SLFも成敗モードのスイッチ入ったようですな
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of230228.htm
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分) 2023年2月28日 2023年3月1日 -1.100
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分) 2023年2月28日 2023年3月1日 -0.350
と言ってもここら辺を見ても最低品貸し率相当のレートの事しかわからなくて、限度額については日銀HPの方には特段の開示が無い(もちろんオペ先には通知されておりますはずですが)その辺りに関してはリファレンス引っ張ってきて講釈できないのでアレなのですが・・・・・・・・・・・
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba230228.htm
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注4) 24,383 23,751 -1.100 -3.828
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注5) 38,628 38,628 -0.350 -0.350
でまあ注5の方は普通の銘柄の方なので割愛しますが、
(注4) 国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)の売却銘柄は、利付国(10年)第367回(落札額13,000億円、応札額13,632億円)、368回(落札額10,751億円、応札額10,751億円)です。
とありますように、空振りが発生しておりまして、これだと按分が掛かったのかどうかとかイマイチよく分からんですが、いずれにしましても367回でSLF応札空振りが発生しておりまして、後場のおかわりがない以上どうなってしまったのやら問題が生じておりますな。
しかも平均が▲3.828%ということで、月曜は▲1.380%平均だったので、いきなりコスト3倍だし、そもそも成敗措置実施前の金曜日は平均▲0.354%だったのでコスト10倍キタコレということになっておりますが、これって上限が発生したので空振り回避で強い札を入れざるを得なかったという事で理解すれば良いのかね、って感じですな。ナムナム。
・空売りは消毒だ〜は分かるんだが物凄い流れ弾というか火炎放射器を浴びる事案が発生するんですけどねえ
ということで、何故か27日ではなく1日置いてからの「ヒャッハー!!空売りは消毒だ〜!!!」が表れてしまってリアル北斗の拳状態になって参りましたが、この結果現物には踏み上げ圧力があったのか空売り消毒ムーブを受けたアオリイカなのかよくわかりませんけれども・・・・・・・・・・
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html
公社債店頭売買参考統計値/格付マトリクス表
レッツゴー3匹だけじゃなくて参考までにもうちょっと手前の銘柄も並べてみますと
長期国債 364 2031/09/20 96.28 +16 0.555
長期国債 365 2031/12/20 96.21 +16 0.550
長期国債 366 2032/03/20 97.23 +17 0.520
長期国債 367 2032/06/20 98.82 +31 0.330
長期国債 368 2032/09/20 100.20 +67 0.178
長期国債 369 2032/12/20 100.00 0 0.500
別の理由で昨日は相場強かったので手前も金利下がっているのですが、そうはいっても相変わらず10年カレントゾーンのカーブだけ下に歪んでいるのはさて置きまして、なんですかこの10年367と368の利回りはというお話でして、空売り消毒しているのは分かるんだが、その流れの一環でお値段が無茶苦茶に吊り上がってしまって(場中もクソ強かったようですな)最早イールドカーブとかそういう概念を超越した何かのグロ画像と化しております。
でですね、まあ空売りを消毒するからというのは話としては分かるんですが、この銘柄、円債の債券インデックスを構成する銘柄となっておりまして、インデックスをベンチマークにする運用で、債券の場合って基本的に構成銘柄の数と一般的なホールセールにおける標準的な売買ロットの関係上、日経225インデックスみたいな完全法のどパッシブを組むには相応の残高ないとムツカシイのと、債券インデックスの場合新規発行、償還というものがあるので、銘柄の入れ替えが毎月行われるので、中々こうガチガチの完全法どパッシブってムツカシイんですな(特に社債とかも入った総合インデックスだと不可能)。
となりますと、どうしても銘柄を何らかの方法で最適化しながら絞っていかんと、という話になるのですが、そうする中でアホのように割高になってしまっている銘柄というのは新規では買いにくいし、持っていても入れ替えで外したくなるわけで、そういう銘柄の異常値が更に異常値になると、アンダーウェイトしている分がこの異常値で理不尽なパフォーマンスマイナス要因になる、というアカン奴なことになるのがもうねということです。まあほぼどパッシブ完全法に限りなく近い人とか、ラダーポートフォリオでガッチガチのルールで縛っている人じゃないとレッツゴー2匹って中々持ちが無いと思うのですが、絶対水準の場合はまあ気にしなければ言いだけの話ですが、インデックスがベンチマークになっていると理不尽なマイナスパフォーマンスが出ておられたかと思うと落涙を禁じ得ません。
まあアンダーウェイトでやられている方は366回みたいに我慢していればそのうち解消に向かうのかもしれません(とは言えその間やられっぱなしなのではアレ)けれども、ガッチガチのルールで縛っている所にアロケーションでレッツゴー3匹に買いを入れないと行けない、とかなったらこれまた悲劇ですなという話で、まあこの「日銀が吸い上げすぎるとこんな指値オペで日銀が締め上げるとか想定してない商品」の運営が大変な話になりますわなということで、空売り成敗ヒャッハーと言って火炎放射器やナパーム弾で砲撃を加えて回っているのですが、空売りだけが成敗されるのではなくて、完全に巻き添え着弾している事案も発生している、という状況でもある訳ですな。
・そもそも馬鹿引値を容認する指値打ってた日銀が事の発端なのですけどねえ
ということでこの小見出しの件に関しては45回くらいは申し上げたと思いますので今さらジローですけど、馬鹿引値を容認する指値オペの入れ方をしていた日銀が空売りを助長していたという面は否めない、というか0.50%から素っ頓狂に低いレート(一応レッツゴー3匹は償還が3か月毎違うのだから多少の利回り差はあっても良いけど、今の金利体系の中で残存半年違いで15bpも20bpも違う利回りはおかしいわな)を買う必要があったのかと問い詰めたい訳です。
つまりですね、確かにSLFの趣旨に反したムーブが起きているのはケシカランから成敗するのは分かるんだけど、そもそもお前らだってカレント3銘柄の指値オペを本来の趣旨である「10年を50bpで止めること」から逸脱しまくった買い方してたじゃねえかという話でありまして、そういう意味では空売り成敗は継続するのは分かるのですが、原因を作った「カレント3銘柄の指値オペの運用が金利を0.50%の上限を画するという本来の趣旨を逸脱していた」という件について落とし前というのを付けて頂きたいものだと思う訳でして、市場を壊した罪状でイケニエール書記官をいばら姫ことヨル・フォージャー様が成敗でも戸田の地下金庫の特設締所に幽閉の刑でも何でもよいのですけど・・・・・・
・・・・・などと言っても話が全然建設的じゃないので真面目に申し上げれば、さすがにちょっとこの件については何らかのレビューをして頂きたいですよね。レビューについてはもちろん公表して欲しいけどまあちゃんと分析して今後の教訓として生かしてくれるようなちゃんとしたものなら公表しなくても別にいいんですけど、何はともあれその際に空売りが全部悪いみたいなふざけた結論で話を終わらせますと、それは今後想定されますところの昭和温泉旅館金融政策の解体工事におきまして不測の事態の発生が起こるリスクが非常に大きく、せっかくまともな金融政策が期待される植田日銀が実務面で高転びに転んでしまうのだけは避けて欲しいんですよね。
しかしまあ何ですな、3銘柄だけカーブから飛ぶ、なのは制度上こうなるのはシャーナイ面があるのですけれども(売り圧力強ければそうなるわな)3銘柄の中での格差が無茶苦茶発生する、ってのは、別に今に始まった事ではないのですが、上限0.25%の時はそこまで目立たなかったのと、366の場合はYCC解除やレンジ拡大などの思惑で単純に売り圧力が強くて品薄になって値段がおかしくなったという面があったのが違いますが、ゆうて366もレッツゴー3匹を構成している時にはヘナチョコ値付けになっていた訳で、前からこの「引値がどう歪んでいようともそれを容認する方式の買入」については問題点の指摘があちこちからあったのでありまして、それを放置した挙句に馬鹿引値を容認する指値オペの運営を行っていた日銀サイドも相応に猛省すべき事案だと思いますし、くり返しになりますがこれをきちんとした教訓にしていただかないと、昭和温泉旅館の解体工事の途中で大事故が発生する恐れがありますので、きちんとして頂きたいものだと猛烈に苦言を呈しておきます。
・しかし何ちゅうフラットニングしてますねん
https://jp.reuters.com/article/tokyo-dbt-idJPL4N3581HR
2023年2月28日3:16 午後
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は反発で引け、超長期金利が一段と低下
ロイターさんの市況コメント、
『[東京 28日 ロイター] -
<15:10> 国債先物は反発で引け、超長期金利が一段と低下
国債先物中心限月3月限は前営業日比19銭高の146円65銭と反発して取引を終えた。新発10年国債利回り(長期金利)は同変わらずの0.500%。強い経済指標を受けた米金利上昇が一服し、円債も超長期債中心に買いが優勢の展開となった。』(上記URL先より、以下同様)
ということで何か書きようもなかったというのは良く分かるのですが、月末インデックス長期化(中長期国債が四半期償還の関係上2月末のインデックス銘柄は結構動くので)くらいしかネタもない相場なのにまあドイヒーなフラットニングをしやがりました昨日は。
『TRADEWEB
OFFER BID 前日比 時間
2年 -0.047 -0.037 -0.015 15:06
5年 0.205 0.211 -0.019 15:07
10年 0.493 0.502 0 15:02
20年 1.179 1.197 -0.074 15:07
30年 1.355 1.371 -0.068 15:04
40年 1.515 1.535 -0.104 15:10』
ということで10年は指値銘柄なのでスルーするとして超長期フラットニング。日銀が超長期の輪番馬鹿みたいに増やすもんだからこっちはこっちで流動性が落ちてしまって、需給イベントがあると盛大に振れてしまう、というアホアホマーケットになってしまいまして、いやマジで日銀ちょっと国債の馬鹿買入止めろやとしか申しあげようがないのですが・・・・・・・・・・・・・・
・なおオペ紙に変更なし
https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2023/mpr230228c.pdf
長期国債買入れ(利回り・価格入札方式)の四半期予定
(2023年1〜3月)[一部変更]
はい、別にオペ紙のレンジに変更などはございませんでしたわorzorz
という流れでして、市場機能がどうのこうのとか内田理事が国会の所信聴取で話をしているのが空しくなるアレでございましたな、ちゃんちゃん。
〇5年共担はレートがちょっと上昇
結局またも1兆円のオファーだったのですが、
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba230228.htm
共通担保資金供給(全店)<金利入札方式>(3月1日スタート分) 30,245 10,010 0.110 0.133 3.8
前回は30,318/10,004の平均0.121%で足切り0.100%なので若干上昇しました。まあ冷静に考えてこのオペなんでまだやってるの状態で、何の意味をもってやってるのかさっぱり分からない訳ですが、オペに応札する金融機関からしてみたら担保繰りさえ回れば(゚д゚)ウマーなのですから、まあそれ札は入りますなと思いますし、よく考えたらそんなにこれホイホイと今後も実施するもんじゃないんじゃなかろうか、という判断が働けば1bp位ケチらんで応札するわな、という所でしょうか、よくわからんけど。
〇基調的物価は12月のところから横這いなり頭打ちなりですかしら
・・・・・という話もあるのですが、レッツゴー2匹の話でうだうだ書いているうちに時間が例によって無くなって参りましたのでスイマセン続きは明日。