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2023/01/31
お題「輪番あれこれ/令和臨調政策提言とな/日銀レビューシリーズから」
お、例の人工石油案件、全力二階建てがまとめとるな。
https://kabumatome.doorblog.jp/archives/66004250.html
大阪、イソジンと大阪ワクチンでは飽き足らず夢の人工石油に手を出す
〇定例輪番の増額の仕方がイマイチよくわからなかった件&オペ紙は不変とな
・昨日の超長期前半定例輪番の増額は目先の動きに振り回され過ぎなんじゃないでしょうか
いつものように国債買入だけ引用しますが
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of230130.htm
国債買入(固定利回り方式)(残存期間5年超10年以下)(注4) 2023年1月31日 0.025
国債買入(固定利回り方式)(残存期間5年超10年以下)(注5) 2023年1月31日 0.131
国債買入(残存期間3年超5年以下) 5,000 2023年1月31日
国債買入(残存期間5年超10年以下) 6,750 2023年1月31日
国債買入(残存期間10年超25年以下) 4,000 2023年1月31日
国債買入(残存期間25年超) 2,000 2023年1月31日
国債買入(物価連動債) 600 2023年1月31日
最初の2本がまいにちさしねおぺで残りの4本が定例オペ。物国輪番は今月やってなかったので昨日入るもんだし額は予定通りなのでさておきまして。
3−5年:レンジの下限に下げた1/25から横這いでレンジの下限
5−10年:レンジの下限に下げた1/25から1000億円増額でレンジの真ん中
10−25年:1/25から1000億円増額でレンジの上限
25年超:1/20から横ばいでレンジの真ん中
・・・・・・・うーんこの。
いやまあ8−9年が0.5%乗せとかになっていたし、前回はレンジの下限だったので今回5−10が増えるのは分かるんですが、だったら5年の長期共担を本日打とうとしている3−5の輪番がレンジの下限のまま、ってのは結局この人たちは中期の金利をさげたいのか下げたくないのかが意味不明(そもそも長期共担なんて最後の手段であって、そっち増やすくらいならまだ輪番を増やした方がマシですがな)でありまして、何ちゅうか思想を感じないんですよね。
さらにアレだったのは10−25の輪番増額で、いやまあ確かに金曜日に超長期20年とか大甘になっていたのはその通りなのですが、前日に売りがあって甘くなってたからって一々反応して輪番増額するのはあまりにも市場の動きに振らされすぎで、いいから落ち着けと小一時間。
ま、そもそも論からして12月に10年許容限度拡大して結局地獄のような国債買入やって市場機能論でぶっこんだ施策で市場機能を完全に殺しにかかる、というギャグのような展開をやってるのって、「10年カレントに指値入れてワシらは10年ピン止めしてYCCをやっとるんじゃがのう」と開き直ってイールドカーブがどうのこうの言われても知らぬ顔の半兵衛を決め込んでおけば良いものを、売られて泡吹いて追い立てられるようにパニック的に買入増やしたり2年共担を後先考えずに(長期共担をアベイラブルにする構想が元々あるなら2年共担の乱発は絶対にやってはいけなくて、シグナルオペだけにとどめるべきだった)乱発したり、という事で、昨日の輪番の打ち方を見てますと、(いやまあ輪番なんぞもうしなくて良い派ですけどそれはさておきまして)中期増額しないの意味わからなかったし、超長期前半増額するのは「あーまた目先の相場の動きにパニクってるわ」と思ってしまう次第でありまして、この調子で2月持ちこたえられるのかよ、という風に思うのでした。
(なお、結果見るともはや輪番と言っても入れるものも怪しいという感じがして、そっちの面からも結構マズーだなとは思ったのですがまあそれは思っただけ)
ちなみに超長期前半の輪番増やしましたが、後半の輪番がイマイチさんだったみたいで結局昨日ってカーブはツイストスティープしてましたな。
ロイターさんより。
https://jp.reuters.com/article/tokyo-dbt-idJPL4N34F1GU
2023年1月30日3:20 午後
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は反発で引け、日銀オペが支援材料 長期金利は横ばい
『[東京 30日 ロイター] -
<15:10> 国債先物は反発で引け、日銀オペが支援材料 長期金利は横ばい
国債先物中心限月3月限は前営業日比13銭高の146円86銭と反発して取引を終えた。日銀の幅広いオペが相場をサポートした。新発10年国債利回り(長期金利)は同横ばいの0.475%。』(上記URL先より、以下同様)
ということではあるのですが、
『 OFFER BID 前日比 時間
2年 -0.015 -0.004 -0.004 15:11
5年 0.173 0.182 -0.014 15:09
10年 0.469 0.474 -0.006 15:07
20年 1.375 1.389 0.011 15:00
30年 1.582 1.599 0.032 15:09
40年 1.833 1.853 0.035 15:09』
ということなので輪番がサポートした割には超長期大甘の王子ですし、昨日の横綱も14時半過ぎくらいからの値動きが変な動きでして、いやまあ別に操縦とかそういう話ではなくて、なんか上げるにしても下げるにしても強引な動きになってて、閉店するから成り行きセール(または成行買い)ちっくな上に急にグイっと上がってみたりしたにグイっと下がってみたりというのを続け、挙句の果てに引けの板寄せで引け前最終から10銭以上の値幅で下に飛ばして終わる、という何とも訳の分からん横綱のブレブレというか反復横跳びというか、わけのわからんムーブではございましたな。
・オペ紙は変更なしでした(まあ順当ですかね)
2月のオペ紙(四半期のに追記)
https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2023/mpr230130c.pdf
先週途中までの上げ相場がそのまま維持されていたら減額キボンヌって感じでしたが、まあ金曜に突然親の仇のように叩かれてしまって横綱の147円も維持できなかったんでシャーナイと言えばシャーナイ。
ちなみに(そろそろこっちも真面目に見るの戻さないと)
https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2023/mpr230130a.pdf
CP・社債等買入のオファー日程(2023年2月〜3月)
こっちも特に何か変化があるという感じでもなく(CPについては期末月だからオファー多めにする、というようなムーブはもうだいぶ前からやらなくなってるし、月中と月末スタートってのも同じ)推移している感じではありますな。
〇令和臨調緊急政策提言とな
一応存在するのは最近聞きまして、その時になんかやたら錚々たるメンバーが入ってるな、というのはチラ見しておりましたのですが・・・・・・・・・・・・・・・
https://www.reiwarincho.jp/
令和臨調
https://www.reiwarincho.jp/news/2022/20230130_001.html
初の緊急提言、政府と日本銀行に新たな「共同声明」の作成・公表を求める
『2023年01月30日
令和国民会議(令和臨調)は、1月30日(月)、初となる緊急提言「政府と日本銀行の新たな『共同声明』の作成・公表を」を行いました。』(直上URL先のリリースより、以下同様)
「国民会議」ってのを聞くと「デフレ脱却国民会議」とかいう置物一派の巣窟集会を思い出してしまう次第で、ジャパンにおける政策絡みのネタでこのネーミングに碌なイメージが無くて、これはインド国民会議派も憤怒という所だと思います(ソウジャナイ)。
『令和臨調では、昨年6月の発足以来、「統治構造」「財政・社会保障」「国土構想」の3つの部会において、それぞれ議論を進めており、本年度末を目途に第一次提言をとりまとめる予定です。今回の緊急提言は、それに先立ち、「財政・社会保障」部会(座長:平野信行、翁百合)において「財政と金融政策の一体改革」に焦点を当てて検討を重ね、国会での2023年度予算案審議の論戦本格化を前に公表したものです。詳細は以下資料をご覧ください。』
・共同声明の書き換えの話だがこれなら別に書き換えるほどの事でもないし書いてあることが微妙に微妙なんだよなー
ということで、なんか資料があるのですが全部見るのめんどいので差分の表を見ますと、
https://www.reiwarincho.jp/news/2022/pdf/20230130_001_04.pdf
資料4 新旧共同声明の主な内容の比較
「政府・日本銀行共通の目標」ってのが、
現行→・デフレからの早期脱却 ・物価安定の下での持続的な経済成長
提言→・生産性向上、賃金上昇、安定的物価上昇が起こる持続的な経済成長が実現するための環境を作る、留意事項
・国債市場正常化を図る際、市場の安定に特段の注意を払う
ってなっているのですが、何でしょうねえそもそも「生産性向上」なんて言うのはタダですけどそれがずーっと出来て無かったのに何をどうすると出来るのか分からんし、さらにヤバそうなのは『留意事項
・国債市場正常化を図る際、市場の安定に特段の注意を払う』って所です(個人の偏見です)。
と申しますのは、そもそも12月のMPM以来の日銀のテイタラクって何でしたっけと言えば、「市場機能の改善を図る」とか言いながら実際に動き出したら無茶苦茶に市場に介入しまくって更に市場機能を悪化させ、その状況について問いただされると「これは10年金利のレンジ拡大を行った結果として新しい落ち着きどころを探す遷移の中で起きている状況であり、今後は市場機能の回復に向かって進んでいくでしょう(キリリッ)」とか言い訳をして誤魔化している訳であります。
つまり何が言いたいかというと、お前らが「市場の安定に特段の注意を払う」とか言い出すと碌なことしないというのが仕様であって、マーケットが壊れた時の「最後のカウンターパーティー」と「常設ファシリティを使った緊急避難所(ディスカウントウィンドウみたいなものね)」とLLRをちゃんとやり、あとは余計な介入をしないで市場に勝手にやらせておけば、市場の方で勝手に落ち着きどころを見つけるのでありまして、市場の動きに対して一々リアクティブに反応して介入をするから話がややこしくなる、ということ。
でもってこの緊急提言もそういう意味では「市場の安定に特段の注意を払う」と言ってるのが、余計な介入をして複雑骨折になりそうな未来しか見えないのでうーん大丈夫かって感じはします。
「政府の責務」ってのも
現行→・日本経済の競争力と成長力強化に向けた取組を具体化、強力に推進 ・財政運営に対する信認を確保
提言→・戦略的かつ効果的な財政支出重点化と構造改革で潜在成長率高める・歳出入改革で持続可能な財政構造確立
ってなってますけど、そもそも現行でも出来てないのにハードル上げてどないしますねんというのはあるし、「戦略的かつ効果的な財政支出重点化」とかワイズスペンディングっぽい雰囲気が流れてて、さっきの「市場の安定に特段の注意を払う」と同じ種類の言うだけならタダなんだよな〜感が漂ってまして、何ちゅうかこれなら別に文書変える必要ないんじゃないの、と思いました率直に申し上げて。
以下ありますがその辺は割愛しますけど、ま〜この件自体はアベノミクス的なものの見直しってことで象徴としてやり玉に挙がっているって感じだと勝手に推測しますので、まあそ〜ゆ〜文脈なんでしょ、と思いました。
・緋村抜刀斎状態の平野さんは面白かった&このタイミングでぶっこむ真意is何??????
でまあこのヘッドライン出ている時に『「財政・社会保障」部会(座長:平野信行、翁百合)』ということで平野さんと翁さんがプレスに出て発表してたんですが・・・・・・・・・・
いやー平野さん言葉一応選んではいたのですが、質疑応答とかでの説明がどうみても緋村抜刀斎になってて、何ちゅうかこの見敵必殺と申しますか斬人斬馬と申しますか、どこの剣豪だよという感じで今のテイタラクを滅多切りにしていたのはクソ笑いました(褒めてる)。アーカイブ転がっていると思いますのでまあお暇な方は探して味噌。
でもって質疑応答で聞かれてたのですが、翁百合さん、下馬評で日銀総裁や副総裁候補にお名前も挙がっているという中で、しかもあと10日もすれば同意人事案が公表されそうだ、という状況の中で抜刀斎と一緒に抜刀(平野さんほど抜刀はしていませんでしたが)の巻だし、そもそも日銀の共同声明とか思いっきり地雷を自分から踏み抜きに行くという豪気なプレイにナンジャソラというのはありました。
まあ何ですな、人事ネタは何かあんまりネタにするのもアレなのでしないようにしてますが、さすがに今回のは人事ネタに絡んでの思惑になるわなと思うのですが、可能性としては(1)お断りっクスムーブメント、というのがまあ常識的な見方になるように思えますが、対抗としては(2)ノミネートされる事を前提に高めの球を敢えて放り込んできて踏み絵を迫る、というのかもしれないな〜などと思うのですが、まあいずれにせよこれぶっこんでノミネートって話になるとそれはそれでヤヤコシヤな展開になりそうですな。
#そういうのもあって債券市場ちゃんって最初下で反応したけどその後上がったんじゃないかな、というのは穿ち過ぎかな??
〇これはタイムリーなレポート(日銀レビュー)
https://www.boj.or.jp/research/wps_rev/rev_2023/rev23j02.htm
企業年金の運用戦略からみた金融安定への含意
―英国債市場の混乱からの教訓―
2023年1月30日
金融機構局 伊藤雄一郎、河西桂靖、轟木亮太朗*
豊田融世、堀江里佳子
*現・岡山支店
『要旨
2022年9月、英国債市場において金利が大きく上昇した。英国企業年金は、金利急騰で現金準備を上回る追加証拠金に直面し、一時的な流動性逼迫に陥った。この背景には、英国企業年金において、積立不足解消に向けた利回り追求などから、デリバティブなどを用いたレバレッジ取引を拡大する運用戦略が広がる一方で、現金準備や流動性枯渇時の対応策が不十分であったことが挙げられる。』
はい。
『今回の事例は、長期投資を行う機関投資家であっても、金融システムを脅かし得ることを示唆している。』
まあデリバ使ってマージンコール掛かるって話ですから長期投資と言えどもちょっと話が特殊な気はしますけどね。
『この点、わが国をみると、企業年金では、過度な利回り追求は行われておらず、レバレッジ取引の活用は限定的で、現金化が比較的容易な運用資産構成となっている。また、年金と同様、長期負債を抱える生命保険会社では、負債の時価評価を行う新規制の導入が控える中で、レバレッジ取引が幾分増加傾向にあるが、財務健全性や収益は改善傾向にあり、流動性も相応の頑健性を備えている。』
ということで本文は
https://www.boj.or.jp/research/wps_rev/rev_2023/data/rev23j02.pdf
企業年金の運用戦略からみた金融安定への含意
―英国債市場の混乱からの教訓―
でありまして、まだ本文の方をちゃんと読めてない(目を通しただけ)ですが、一見したところでは面白そうでした。
ま、日本の場合は「この点、わが国をみると〜」云々ありますが、そういう意味では日銀が一種のレバレッジ状態で、物価安定目標を達成したのちに、通常の金利体系の下で通常の金融政策を実施しようとした場合、「消えない超過準備」がどの程度残り、その消えない超過準備の不胎化を行う(行わないと短期市場金利の調整ができない)ために、日銀がどの程度の期間損失を垂れ流すことになるのか、という「日銀財政の後年度負担」の方が重大な問題だったりするような気がしますがね!!!!!
などという悪態はさておきまあ読んで味噌とお勧めしておきます。
2023/01/30
お題「月曜につき市場メモ雑談ばっかりで恐縮至極です(土下座)」
ほうほうそうですかそうですか。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-01-27/RP354TT0G1KW01
国内金利上昇に備えを、金融庁が地銀トップに要請−関係者
伊藤純夫、萩原ゆき
2023年1月27日 15:30 JST
→市場変動対応が経営の優先課題、ポートフォリオなど影響分析を
→金融庁も詳細を分析、有価証券や信用コストなどへの影響注視
『金融庁幹部が地方銀行のトップに対し、上昇局面にある国内金利の動向を踏まえ、ポートフォリオや信用コストなどへの影響を経営者が的確に分析・把握し、市場変動対応に優先的に取り組むよう促していることが分かった。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。』(上記URL先より)
〇東京都区部CPIソイヤソイヤ
https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/index-t.html
2020年基準 消費者物価指数 東京都区部 2023年(令和5年)1月分(中旬速報値)
2023年1月27日公表
まあアレです。ソイヤソイヤとか言いながらアタクシのお財布からもソイヤソイヤとお金が出ていくので甚だ残念極まりないんですけど(ここで給いやなんでもありません)。
という訳で
https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/kubu.pdf
2020年基準 消費者物価指数
東京都区部 2023年(令和5年)1月分(中旬速報値)
令和5年1月27日
『◎ 概 況
(1) 総合指数は2020年を100として104.7
前年同月比は4.4%の上昇 前月比(季節調整値)は0.7%の上昇
(2) 生鮮食品を除く総合指数は104.2
前年同月比は4.3%の上昇 前月比(季節調整値)は0.5%の上昇
(3) 生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数は102.4
前年同月比は3.0%の上昇 前月比(季節調整値)は0.5%の上昇』
何気にすげえなと毎回思ってるのが、季節調整後の前月比ってのが『表2 総合、生鮮食品を除く総合、生鮮食品及びエネルギーを除く総合の前月比(季節調整値)』ってところにあるんですが、最近はずーっと前月比+0.5%近辺の上昇を継続していまして、なんかこう行くたびに何かの物価が上がってるなという印象は深くなるわけで、夜マックのビックマックパティ2倍が+200円になってしまったのを見てすごすごと2倍を諦めるアタクシ(しかしいずれ200円払うことになるとみているのも事実^^)としてはさもありなんという所ではありますな(まあダブルバーガーでもシングルバーガーでも100円というのがアレでしたが)。
こちらは物価の専門家の皆様が色々とコメントをして下さると思うので素人のアタクシがどうのこうのいう話でもないのですが、相変わらず今回も事前のコンセンサス対比上振れしていますし、なんかやたらいろんな項目で上がってるし、日銀の物価見通しってそもそも大丈夫なんけ??????というお話isある訳で、市場機能云々も日本国債市場を焼き尽くしてエライことになっているとは言いましても、どうせ債券村とか世の中からしたらサブカルどころかアンダーグラウンドなんじゃないかってくらいに注目度は無い世界なんで、市場機能云々というネタでは日銀って本源的な部分が動くわけはない(というのも困るが)のですが、物価見通しを下に外し続けてその結果物価高くて生活者アイヤーという状態になっている、ってえのは中央銀行として良くないんじゃないでしょうかねえ・・・・・・・・・・
〇IMFなのか都区部CPIなのか合わせ技なのか(市場メモ)
https://port.jpx.co.jp/jpx/template/quote.cgi?F=tmp/popchart&QCODE=601.555
長期国債先物(夜間除く) 23年3月限
先週は火曜水曜木曜と横綱が引け引けベースだと(日中の高安はそこそこありましたけど)3日連続で一桁銭の値動きでしたが、これがまた何という事でしょう、前日比一桁銭で引けたのってその前をたどれば(アタクシの手元の手帳だと)1月4日以来という事でして、そらおめーこんな相場毎日やってたら疲れるわ、という感じであります今月。
まあ先週の火曜水曜木曜も横綱は上下振れた挙句に前日比では小幅の動きとは言え、カーブが毎度変なところでツイストしてみたりするような動きで、まあ市場全体的には動いてないということでもなかったのですが、何はともあれ先週末は平和になるかと思いきや。
取引日:2023/01/27
立会区分:日中取引
始値:146.98(01/27)(08:45)
高値:147.05(01/27)(09:04)
安値:146.69(01/27)(14:57)
現在値:146.73(01/27)(15:02)
前日比:-0.67
取引高:17,373
昨日は夜間取引ではIMFが「あーはいはいそうですね」というようなしょうもない提言をしてたのですけれども、時間が外人タイムなだけに外人が反応したんだと思われますけどなんか知らんがそんな材料で売るのかよというさげ方、と思ったらあっさり味でフォローして始まり、その後も10時過ぎくらいから
さげまして、後場持ち直したかなと思ったものの、後述する長期共担事前予告砲は少なくとも横綱に対してはなんのサポートにもならず、14時15分くらいからズルズルと土俵を割って行きまして、ほぼ安値引けみたいな引けかたで67銭も下げやがったの巻。
何時もの売参様の7−10ゾーンを拝読しますとこうなっておられます。
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html
公社債店頭売買参考統計値/格付マトリクス表
長期国債 358 2030/03/20 -44 0.369
長期国債 359 2030/06/20 -38 0.425
長期国債 360 2030/09/20 -40 0.455
長期国債 361 2030/12/20 -43 0.483
長期国債 362 2031/03/20 -45 0.500
長期国債 363 2031/06/20 -50 0.514
長期国債 364 2031/09/20 -54 0.528
長期国債 365 2031/12/20 -62 0.530
長期国債 366 2032/03/20 -72 0.494
長期国債 367 2032/06/20 -54 0.285
長期国債 368 2032/09/20 -9 0.165
長期国債 369 2032/12/20 -14 0.475
あーあ、また8年〜9年ゾーンの金利が50bp上回っちゃったじゃんという所でございまして、イールドカーブの歪みとは何なのかと小一時間問い詰めたい次第ですし、10年368はこれどうにもならんですなという感じでございまして、指値オペの対象外にしたらどうなのよと思ってしまいますけれども、なんかこれ日銀の方も意地になって売り方を踏み上げさせに行ってるのか説も考えてしまう次第ではありますが、アホウ投機筋と日銀で対自消滅してくれませんかねえって所でもう口をあんぐりと空けてみているしかありませんですわよ。
ロイターさんによりますと東京CPIで売りってんですからこれはファンダメンタルズを受けた売り(なのかな?)ですな。
https://jp.reuters.com/article/tokyo-dbt-idJPL4N34C0LC
2023年1月27日3:22 午後
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は急反落で引け、東京CPI上振れで売り強まる
『[東京 27日 ロイター] -
<15:10> 国債先物は急反落で引け、東京CPI上振れで売り強まる
国債先物中心限月3月限は前営業日比67銭安の146円73銭と大きく反落して取引を終えた。新発10年国債利回り(長期金利)は同1.5bp上昇の0.475%。1月の東京都区部消費者物価指数(CPI)が上振れし、売り材料となった。円債先物は朝から売り優勢の展開となったが、日銀の政策修正観測が再び強まったわけではないとの指摘もある。』(上記URL先より、以下同様)
どうでも良いんだがこの後に「先物のロングが何枚」ってのがあって、いや先物のロングはショートと同じ枚数だし、債券先物の建玉残高は違うんじゃネーノと思った(何か特定の主体の買い越し売り越しの話について説明した何とかストの説明を記者が端折った可能性がオオアリクイなので晒し上げはしない)です。まあそれは良いんですが、いつものTRADEWEBを拝見すると、
『TRADEWEB
OFFER BID 前日 時間
2年 -0.01 0 0.009 15:11
5年 0.185 0.194 0.009 15:12
10年 0.475 0.481 0.021 15:03
20年 1.365 1.379 0.074 15:12
30年 1.555 1.568 0.05 15:10
40年 1.806 1.821 0.038 15:12』
20年が一番甘くて波打ってますな何ちゅうイールドカーブという感じですが、まあ最近の債券市場ちゃんは流動性がないだけにそこそこ大きめのフローが投資家から出るとそのフローがモロにカーブ形状に出てしまうというのが仕様になっておりまして、20年が大甘の王子になっているということはつまりそういう事なんでございましょうかねえというお話です。
なお夜間取引
https://port.jpx.co.jp/jpx/template/quote.cgi?F=tmp/future_night
先物価格情報
長期国債先物
限月:23年3月限
取引日:01/30
夜間取引
始値:146.77(01/27)(15:30)
高値:146.79(01/27)(15:33)
安値:146.47(01/28)(00:43)
現在値:146.59(01/28)(06:00)
前日比:-0.14
取引高:6,121
さ あ ま す ま す 焦 げ 臭 く な っ て ま い り ま し た ! ! !
焦げ臭くなる→オペ増額や長期共担や臨時輪番の乱発→焼け石にガソリン
こうですね!!!!
〇しかし日銀案の定の辛抱不足である(5年長期共担キタコレ)
13時頃だと思いましたが、こんなのが出て、まあ横綱は若干この時に反応したような反応しなかったような(寧ろ瞬間売られて戻ったりしてて謎だった)動きではございましたが。
https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2023/mpr230127b.pdf
共通担保資金供給オペレーションの実施について
2023年1月 27日
日本銀行 金融市場局
日本銀行は、2023 年1月 31 日、次のとおり共通担保資金供給オペレーションを実施することとしましたので、お知らせします。
貸付利率:入札方式
貸付店:全店貸付
オファー金額:オファー時に通知
期間:2023 年2月1日〜2028 年2月1日
ということで、金曜日に「さあ焦げ臭くなってまいりました!!!」とか書いたら案の定でありまして、早くも第2回の長期共担を実施することになりました。
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/jd230126.htm
日銀当座預金増減要因と金融調節 (1月26日<木>分)
『参考
積み期間(1/16〜2/15日)の所要準備額(積数) 3,910,200
積み期間(1/16〜2/15日)の所要準備額(1日平均) 126,100』
とありますように、この前も書いたけど現状の所要準備預金って12.6兆円なのですけれども、既に2年共担で9兆(と最後にやったコマイ金額)の実施があり、5年共担を1兆円実施しています。その他にも貸出増加支援とかのオペもあったりして、長期の資金供給が既に所要準備を上回っている状態になっていて、そこにさらに今回2発目の5年共担オペが撃ち込まれる、という流れになっております。
まあ前回3兆円札があったんですから、今回もある程度札が見込めそうなので、1兆円オファーとかになると思うのですけれども、1兆円やったら長期共担だけで11兆円の残高になってしまう事になりまして、これがまたECBのLTROみたいに途中で金利のリセットがあって「適用金利は貸出当該期間の政策金利水準の平均値」みたいなものならまだしも、こちらは固定金利で実施しているので、低利融資を放り投げている形(なのでECBの施策と比較すると筋悪案件であることは間違いない訳ですね)格好ですから、何度も申し上げるように後任に地獄だけ押し付けるというあたおか案件であり、しかもこのあたおか、何のためにこれをやらなければならないのかというのが全く持って意味不明な案件となっている(年間80兆円にしてもマイナス金利にしても、実際にはただの机上の空論の空振り案件だったが、机上の空論としての空理空論なりの思想とかロジックがあったのだが、この長期共担はそれすら無いという案件)物件で、しかも短期金融市場に濃密な地雷原を敷設して回っているというものですわな。
という何時もの悪態は兎も角として(^^)、この調子でオペやってたら黒ちゃん退任まで政策もつんかいなという世界でもありまして、黒ちゃん退任まであと正味2カ月ちょいあるんですよそもそもこのペースで5年共担打てるわけないじゃんと思うし、間違って打てたとして、ここで積みあがった低利固定融資、しかも5年間も動かせない物件が2年共担と合わせて所要当座預金の倍額とかに積みあがったらどうなっちゃうんでしょうかねえというお話でもあります。
ということで、さて明日の共担はどうなるのやら・・・・・・・・・・・・・・
なお今日は輪番の日だったりもするのでして、前回の輪番でも何かイマイチ減額度合いが足りないと思いましたけれども、ビビりなので今日は輪番をまた増額してくるに1万ジンバブエドルといった所です。
これでまた日銀が泡吹いて輪番増額して上限張り付きとかすると、「日銀また慌ててオペで買入拡大して市場機能をさらに低下させる」という話になりますな。まあゆうて3月までMPM無いから、1月みたいに政策変更見込んだアタックナンバーワンってことにはならない(やっても結局日銀のヤケクソが更にタチ悪くなるだけ)のでしょうけれども・・・・・・・・・
#月曜なので雑談メモばっかですいませんすいません
2023/01/27
お題「市場メモ雑談(レッツゴー三匹動向など)/1月主な意見は案の定のアレであった件」
YCCの長期ターゲット撤廃ならわかるがレンジ拡大はねえだろう
https://jp.reuters.com/article/imf-japan-idJPKBN2U50SV
2023年1月26日8:31 午後
日銀は金利変動幅拡大可能、持続的な物価目標達成前でも=IMF
IMFが碌な事を言わない確率の高さは大変高い(個人の偏見です)のですが、イブニングだからしょうがないけどアホウ外人が反応したのか良く分かりませんけれども、横綱がズルズルと後退してたのはナンジャソラでありましたな。
IMFなんてだいたい碌なこと言わない所なんですかIMFから支援受けないとアカン国なら仕方ないけど、普通の理性が働く国だと酔っ払いの説教くらいの扱いで、「あーはいはいそうですねそうですね(棒読み)」としかあしわらんと思うし、東京時間中に出たら完全スルーされるネタですわな(個人の感想です)。
なお、アタクシは横綱が動いてるからニュースに気が付く位のトンチキでしたサーセン。
〇オペ関連備忘メモ雑談
・補完供給がまた増えやがったか
うーんこの
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba230126.htm
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注4) 77,315 77,315 -0.350 -0.360
国債補完供給(国債売現先)・即日(午後オファー分)(注5) 7 7 -0.350 -0.350
水曜日が74200+0だったのでまた増えやがりまして、何だかんだ言いましても結局のところ日銀に入ったものは(減額措置以外では)支配残として復活することはないので、補完供給を使わないとどもならん、というこの市場ェ・・・・・・・・・
・368と369が30bpスプレッドクソワロタ&369じりじりと海岸に追い詰められつつあるの巻
いつものレッツゴー三匹であるが
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html
長期国債 358 2030/03/20 +5 0.305
長期国債 359 2030/06/20 +4 0.370
長期国債 360 2030/09/20 0 0.400
長期国債 361 2030/12/20 -2 0.425
長期国債 362 2031/03/20 -5 0.440
長期国債 363 2031/06/20 -5 0.450
長期国債 364 2031/09/20 -10 0.460
長期国債 365 2031/12/20 -13 0.455
長期国債 366 2032/03/20 -19 0.410
長期国債 367 2032/06/20 -5 0.225
長期国債 368 2032/09/20 -4 0.155
長期国債 369 2032/12/20 -24 0.460
いやーとうとう368-369が30.5毛差になってしまいましたねえこれ指値の時にマジで368を20bpとかで日銀買うんですかそもそもそれって指値オペの趣旨に反してませんかって話ですよね。
だって指値オペは「当該ゾーンの金利上昇を指値ポイントで拠点防御することによって適切なイールドカーブの形成を促す」ものなんですから、10年カレント3銘柄を0.50%付近で防御する、というために実施しているのであって、2032年9月償還のグリッドの金利がいきなり0.20%(今日なら指値の水準は0.195%になる訳ですからね)で防衛する意味って全くないし、寧ろそのことによって「適切なイールドカーブの形成」が阻害されますよねという話なので、これは即ちそもそも今の方式の指値オペを継続すること自体がディレクティブに反している、と断ぜざるを得ませんが、ディレクティブおよび声明文に記載されている金融調節方針との関係はどうなっているのでございましょうかちょっと明確な説明というのを日銀から頂きたいのですが。
まあチーペストもチーペストで相変わらず358-359のスプレッドが6毛5糸もありますし、今の所何とか8−9年ゾーンの単利が369の単利と並びくらいの所で持ちこたえていますが、またぞろここのカーブが膨らんできますと、早くも1月18日の目くらまし(にしては後世に残す負の遺産が大杉栄な)オペの神通力がアレという感じになってまいりますな。
しかもよく見ればしらっと369が0.460%と0.4台後半へとなっていまして、まあ来週10年369のおかわりというイベントがあるからその前に日銀指値ゾーンに近づけておかないと投資家のニーズが無かった場合に遠投して日銀に打ち込まないといけなくなりますから、その調整というのはあるのですが、それにしも、
さ あ 焦 げ 臭 く な っ て 参 り ま し た ! ! !
という風情を醸し出してくるのでありまして、これが0.48とか0.49とか0.5に近い方の0.4台後半になってきた場合に、またまた日銀ちゃん、追い詰められた時に繰り出す発狂オペを投下→政策の限界が意識→血の匂いを感じてピラニアが大集合→さらに発狂、という円債村がまた焼かれるパティーンになるのではないかと懸念しておりますが、まあ心境としてはもうどうにでもなってくださいって感じですけどね(焼け出された人)。
〇1月会合主な意見だが案の定である
https://www.boj.or.jp/mopo/mpmsche_minu/opinion_2023/opi230118.pdf
金融政策決定会合における主な意見
(2023 年 1月 17、18日開催分)1
そういや木内さんが物凄い勢いで
https://www.nri.com/jp/knowledge/blog/lst/2023/fis/kiuchi/0126_2
日銀主な意見:決定会合では多様な意見が見られず
#木内 登英 2023/01/26
とか書いてて、この男ノリノリである、と思いましたが、そもそもポンコツの皆様に市場機能だのと言っても理解できる訳もなく(除く田村さん高田さん、ああ雨宮さんは分かってるでしょ)、馬鹿の馬鹿意見を一生懸命真面目に読み込んでいると馬鹿が伝染するので、まずは「このポンコツはどういうポンコツ意見を述べているのか」と珍獣観察の積りで檻の外から檻の中を眺める、というスタンスで距離を保たないといけません。というのは誰とは言わないけど金懇で「神」とか言い出すおじさんの原稿が出ると読者様から「明日は期待しています」とか言われるもんだからこちとら気合入れて夜なべして必死こいて読み込むんですけど、あの「神」の回とかはあの文章によってこっちも異世界に引きずり込まれるのではないかと感じてしまったりという経験もありまして、屁理屈を一生懸命捏ねている分にはこっちも一生懸命屁理屈に対抗しようと思うのですが、底抜けの馬鹿が相手の場合はですねえ・・・・・
ま、そんな話は兎も角として参りましょう。
・いつもの謎のジョブ型制度推しの謎理屈
『T.金融経済情勢に関する意見』の『(経済情勢)』で賃金の話があったのですが・・・・・・・
『・持続的な賃金上昇の実現には、仕事に応じた賃金カーブへの変革が必要であり、春の労使交渉では、給与・人事制度改革への取り組みにも注目している。』
何か毎回微妙にこのネタを推してる人が居るんだが、単純に年功序列にした方が個人ベースで持続的に賃金が上昇するので、それこそ将来の収入についての不確定要素が排除できて、だからこそ住宅ローンドーンだのローンでマイカードーンだの行けるんじゃなかろうかと思う次第で、仕事に応じた賃金カーブの変革で持続的な賃金上昇になるという理屈がよくわからん。というかそもそも論として、経済が名目ベースで成長を続ければ別に年功序列だろうとジョブ型雇用であろうとも持続的に賃金が上昇すると思うんだがアタクシの気のせいですかそうですか。
・お前ら毎回物価見通し外してるのに何で意見が毎度揃うの????????????????
次は『(物価)』である。最初の4つくらい引用しますが
『・消費者物価は、目先、輸入物価の上昇を起点とする価格転嫁の影響から高めの伸びとなったあと、そうした影響の減衰に加え、政府の経済対策によるエネルギー価格の押し下げ効果もあって、来年度半ばにかけて、プラス幅を縮小していくと予想される。』
『・ 消費者物価は、原油価格の下落や政府の経済対策によるエネルギー価格の押し下げ効果から、いったん上昇率が低下すると考えられる。その後は、賃金上昇率の高まりや企業の価格転嫁の動きが続くもと、再び上昇率が高まるとみられる。』
『・ 輸入物価の前年比プラス幅は明確に縮小しており、物価上昇の起点であるコスト・プッシュ圧力は減衰し始めている。
『・ 来年度以降、消費者物価のプラス幅は2%を下回るとみており、現時点では、「物価安定の目標」の実現には、なお距離がある。』
『・ 消費者物価上昇率は、コスト・プッシュ圧力の一巡後に2%を下回るとみている。2%の「物価安定の目標」を達成するためには、その後、名目賃金の上昇を受けてサービス価格を中心とする基調的物価が十分に上昇することが必要である。』
とまあこんな感じで続くのですが、毎度毎度物価見通しを外し続けているのにも関わらず、今回の展望レポートでも(しまったまだネタにしてない)基本的見解(https://www.boj.or.jp/mopo/outlook/gor2301a.pdf)の10ページ、11ページにあるように、2023年度、2024年度と先に行っても物価見通しの分布が皆さん見事なまでに同じところにいる、という割と凄まじいものになっておりまして、いやお前ら毎回同じような先行き見通し出して外してるんだから「これまでと違うアプローチで考えなければいけないのではないか」というようなPDCAは回らんのかと小一時間問い詰めたい訳でございますが、所詮は事務方が出してくる見通しをそのまま九官鳥のように繰り返してるから全員で同じような数字出してるんじゃろという所で、だったら九官鳥とオウムにでも審議委員やらせておけばコストも安くなるんじゃないですかねえと思いました。
・何か冬眠してた方もおいでのようですが良く考えると・・・・・・・・・
同じく物価の部分、これは読んでて腰が砕けた。
『・ 昨年来の海外発の大幅な価格ショックが、物価に対するノルムを変化させる可能性がある。』
ちょwwwwwおまwwwwwwwそれ言うなら昨年の夏、遅くとも秋には言う話だろ何今さらドヤ顔(かどうか知らんが)で言ってるんだよと思って腰が砕けたのですが、よくよく考えてみれば殊更にこの意見を書くというのは、そもそも上記の意見が政策委員会の中でビューとして全然共有されていない(されてるんだったらわざわざこれを載っけようとは思わんじゃろ)という驚愕の事実を示すものなのではないか、と思ったら冬眠云々よりもそっちの方がおそロシアであると思いました。
・市場機能云々は大本営からどういう報告受けてるんでしょうねえ・・・・・・・・・
『U.金融政策運営に関する意見』は1ミリも期待しないで読んだら期待通りであった。
最初の方はクソどうでもよいので途中から引用しますが、
『・ 前回会合で決定したイールドカーブ・コントロールの運用見直しは、あくまでも金融市場の機能改善を通じて金融緩和をより持続可能とするための措置である。』
これだけ書かれましても書いてる意味が分かり兼ねますが、そう思ってるんだったら市場機能が一段と悪化した事に関して何か意見というものはないのでしょうか?????と思ったがどうせ大本営からは「戦況は順調で先の台湾沖航空戦では敵艦隊に大きな打撃を与えました」とか報告されてるんでしょうなあと絶望的な思いをしました。
『・前回会合で決定したイールドカーブ・コントロールの運用の見直しが市場機能に及ぼす効果については、いましばらく時間をかけて見極める必要がある。』
市場機能を壊す効果なら時間かけなくても出てきましたし、時間をかけて見極めたらもっと悲惨な事になるんですけど何ノンビリした話をしているのかと思いましたがどうせ大本営以下同文。
『・市場が落ち着き、市場機能が回復するにはやや時間がかかる可能性がある。金融緩和の継続が必要であること、日本銀行の緩和姿勢は変わらないこと、また、賃金の上昇はこれからなので、2%の「物価安定の目標」の持続的・安定的な達成には時間がかかることを丁寧に説明していくべきである。』
別に10年0%(実際は+0.5%上限)に固執しなくても緩和的な金融環境は維持できるはずなんですけどねえ。
なお「市場機能が回復するまでやや時間が掛かる」とのことですが、12月の決定以降の措置によって市場機能の破壊が強烈な勢いで進行している、という事実についてのご認識はないのでしょうかと思いましたがどうせ大本営以下同文。
『・金融環境の評価にあたっては、イールドカーブ・コントロールの運用見直しが調達コスト等に及ぼす影響について、引き続き見極めていく必要があるが、現時点では、貸出における変動金利型・固定金利型の割合など、調達構造を含めた全体像を踏まえると、全体として緩和した状態を維持していると評価できる。』
微妙にムニャムニャと書いているからアレですが、この意見の理屈はさっきアタクシが申し上げた10年0%に固執しなくても緩和的な金融環境が維持できる筈、という話に繋がることをオブラートに包んでその上にトッピングをかぶせて書いているように見えました。
『・長期金利には上昇圧力が生じ、イールドカーブ上の歪みが解消していない中、国債買入れの増額や共通担保資金供給オペの拡充等により、イールドカーブ全体にわたって金利上昇を抑制すべきである。』
国債の発狂買入によって歪みが拡大しているんですけどお前は消火作業にガソリンをぶっかけろといってるに等しい発言してるの分かってるの???と思ったけど馬鹿だから分からないですよね。
以下時間もないのでサラサラ流しますが。
『・共通担保資金供給オペの拡充は、現在の大規模な国債買入れに加え、安定的なイールドカーブの形成に役立つ仕組みである。』
あーはいはいそうなるといいですね(棒読み)どう見ても禍根しか残さないけど。
『・ 共通担保資金供給オペも活用しながら、機動的な市場調節運営を続けることで、市場機能が改善していくことを期待している。』
無理ですが、改善していくことを期待というだけまだマシか。
『・ 市場機能の改善にも配意しつつ、適切なオペ運営に努めるとともに、イールドカーブの形状、流動性など市場機能の状況、社債市場の状況などを謙虚かつ丁寧にフォローしていくことが重要である。』
これはちょっと大本営に嫌味を言ってる感じですね。
『・ 前回会合では長期金利の変動幅の拡大と併せて国債買入れの増額を決定して金融緩和姿勢を維持したことについて、引き続き情報発信していくべきである。』
戯言は読むだけ時間の無駄ですね引用して失礼しました読者の皆様。
『・ 低金利の長期継続を前提とした資金運用・調達が続いてきただけに、将来の出口局面では、金利上昇に伴うリスクの所在や市場参加者の備えの確認が必要になると考えられる。』
お前だお前。
で、最後は
『・いずれかのタイミングでは検証を行い、効果と副作用のバランスを判断することが必要であるが、現時点では、金融緩和の継続が適当である。』
で締まっておりましたとさ。
2023/01/26
お題「オペ関連備忘メモと雑感/12月会合議事要旨より(その2)」
昨日は前日夜に書いてたせいか一部呂律の回っていない箇所があったような気がしますが、実は書いてる途中で2度ほど寝落ちしてたんですよすいませんすいません。
〇定例輪番何故全年限下限まで下げないのかと小一時間
昨日も昨日とて「まいにちさしねおぺ」だけは実施されましたが(しかし「明らかに応札が見込めない場合」はまいにちさしねおぺやらなくても良いという建付けになっている筈なのに、何でこんな遠い値段なのに指値打つんですかねえ、まあ売られるのが怖いんでしょうけど)、他年限指値、臨時輪番、長期共担オペの実施などは有りませんで、
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of230125.htm
(CP買入と補完供給は引用しません)
国債買入(固定利回り方式)(残存期間5年超10年以下)(注4) 2023年1月26日 0.095
国債買入(固定利回り方式)(残存期間5年超10年以下)(注5) 2023年1月26日 0.196
国債買入(残存期間1年超3年以下) 5,000 2023年1月26日
国債買入(残存期間3年超5年以下) 5,000 2023年1月26日
国債買入(残存期間5年超10年以下) 5,750 2023年1月26日
国債買入(残存期間10年超25年以下) 3,000 2023年1月26日
うーんこのという感じでして、12/20のオペ紙ちゃんでは
https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2022/rel221220d.pdf
1−3の下限は4250、10−25の下限は2000な訳でして、何でそこまで減らさん(3−5と5−10はオペ紙レンジの下限になっていますが)と思う次第で、輪番なんて減らせるときには兎に角減らしておかないとあとあといろんな面で苦労するんだから何故しらっと減らさんのじゃこのポンポコリンと思いましたが、まあ何なんでしょうかねえ不思議ちゃんではあります。
〇減額措置キタコレ
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/jx230125.htm
日銀当座預金増減要因と金融調節 (1月25日<水>分)
速報なんで後日参照するときは確報(今日の10時くらいに更新される)の方がよいかもですが。
予想
(即日オペ実施前) 速報
国債補完供給 80,300 77,900
-74,200
村の皆様ご案内のように、前日に実行された補完供給は80300億円でしたので、この補完供給は(翌日物なので翌日には国債返済して担保金を受領するので)翌日の資金余剰要因に跳ねますが、今日締めてみますと77900億円の資金余剰にしかならなかったということなので、これは補完供給の一部が減額措置(つまりバイイン)されましたということでその額が時価ベースで2400億円となりました、という話ですな。
そらまあチーペストとレッツゴー三匹が発行量以上に日銀が持ってる状態でして、いやそれ日銀買入対象にするなよと思ったがそうすると指値オペが物理的理由で終了になるという面白事案になってしまうんで出来ない、ということなんでしょうけれどもやはり釈然としないし、こういう現象が発生してしまうと、将来悪意のスクイーズを掛ける輩が出た時にスクイーズ規制とか掛けられないじゃん(日銀がもっとエグイスクイーズやったのに何でやと言われるとぐうの音も出ない)とか思いますが、まあその辺の銘柄(特にチーペについてはバイインの緩和措置もあるし)なんですかよくわからんですわねという所ですが、キタコレなのでメモっておきます。
まあ結局の所、ファンダメンタルズを無視した水準の長期金利誘導というのは、資本規制と通貨規制をガチガチに行った規制金利の世界でしか通用しない(なお大昔のガチガチ時代にFEDがやった長期金利誘導も最後は経済財政のファンメタ対比無茶なことになったため破滅して政策を収拾する感にFRB議長の首を二つ飛ばすほどのヤヤコシマターになったのはご案内の通り)訳でして、今まで「YCCがワークしている」とか言われてたのは単に「日本の国内物価が上がらず、インフレ期待も上がらなかったから」というファンダメンタルズを反映していたに過ぎないのであって、(だからアタクシは極力YCCがワークしているとは書かないように心掛けてきました、手が滑って書いたことはあるかもしれんので自信は無いが^^)「10年金利ターゲットがワークしてる云々」みたいな言説は日銀を変に勘違いさせる効果はあったようですが、そもそもそんなものは最初から物価目標の早期達成を図っているならワークしえない施策でしたよね、とSLFの話をしていた筈なのに気が付けばYCCの悪態になってしまいましたすいませんすいません。
いや真面目な話、この物価情勢ではYCCの長期金利ターゲットって水準がもっと上ならともかく、0%なんちゅう水準では持続性が乏しい(物価目標が永遠に達成できないならYCCは持続可能なので、そもそも「YCCを持続可能にする」と言ってるのは「物価目標の達成を放棄しました」って言ってるのと同義である、ということは今後人口に膾炙すべきではないかと思う)訳ですが、長期ターゲット外した後に長期債ゾーンが日銀保有ばっかり、という事態になっているので、これ流動性供給入札を滅茶苦茶厚くする必要あるかもしれませんね。
だいたいからして政府の出している長期債を日銀が馬鹿買いしてしまうと、利払い的な意味では実質的に国の債務を短期化していることになる訳で、短期政策金利が0のうちは表面化しないですけど、物価目標達成した時にまさか0金利政策やってる場合じゃない(インフレが上に止まらなくなるリスクが非常に強くなる)のですから、その瞬間から日銀の地獄が開始されることになるのですから、いやもうこの際中期債とか減額して流動性供給入札(やや暴論)。
〇10年368回ェ・・・・・・・・・・・・および8年9年ゾーンちゃん(涙)
はいいつもの売参です。
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html
長期国債 358 2030/03/20 -6 0.313
長期国債 359 2030/06/20 -18 0.375
長期国債 360 2030/09/20 -22 0.399
長期国債 361 2030/12/20 -25 0.423
長期国債 362 2031/03/20 -26 0.434
長期国債 363 2031/06/20 -27 0.444
長期国債 364 2031/09/20 -28 0.448
長期国債 365 2031/12/20 -33 0.439
長期国債 366 2032/03/20 -33 0.389
長期国債 367 2032/06/20 -23 0.220
長期国債 368 2032/09/20 -1 0.151
長期国債 369 2032/12/20 -29 0.435
ちょwwww368自重しろwwwwwwwwwww
ということで、昨日は長期輪番が思ったほどでもなかったこともあって後場寄りで横綱は土俵を割るかと思ったらその後全然土俵割らないで上値も重そうなんですが何か下がらんよねって感じで(引けで5銭飛ばして5銭安にはなったけど)推移してたと思うので、358とその隣のカーブがあばばばばーなのもまあアレなんですけど、368-369のスプレッドが貫禄の28bpになっていまして、まあ指値水準が6毛5糸甘とは言え、この調子で推移したら指値オペで368だけ0.1%台とかで買ったりするわけ日銀ちゃん?????って感じでございますので、まあ何ちゅうかこの指値オペ運営のアホたれぶりが酷いですな。
もちろん、3つとも50bpで買入をしてしまうと、先にロンガーエンドの方が全部入ってしまう、という形での別の歪みが発生することもありまして、そもそも長期債の指値オペなどというのがクソバカアホボケ政策なので何をやってもダメなものはダメなのですけれども、それにしても前日の売参対比利回り較差ってのさすがに変えないとまずいんじゃないの(いまだって今日の指値オペの368のかいって0.216%とかいうトンチキレートになるんだし)と思うのですが、何とかならんもんですかねえ。
しかしまあ何ですな、一応まだ値動きをする(50が見えて来るとブレーキがかかるので爬行してくるけど)369対比で着々と8−9年ゾーンのインバートが近づいてきた感のする昨日の引けでして、市場機能改善とはどこに行ったのか&市場機能改善してないじゃん1月の措置で、ってところでして、1月会合での会見(すいません明日からそっち行きます)では黒ちゃん「市場機能の低下云々は25bpから50bpに変動許容幅を拡大したために移行期の混乱みたいなのが起きているのであって今後徐々に改善する」と言ってたようですので、この調子でまたオモシロカーブの形成が行われたり、社債市場に悪影響が来た場合には、臨時会合でもなんでもやってなんか考える、という理解でよろしゅうございますでしょうか????????
〇12月決定会合議事要旨ネタの続き
https://www.boj.or.jp/mopo/mpmsche_minu/minu_2022/g221220.pdf
政策委員会金融政策決定会合議事要旨
(2022年12月19、20日開催分)
昨日は事務方の報告部分における市場に関する説明の大本営発表が、この会では事実上の利上げ措置が実施される、という大きな決定をしたにも関わらず、いつもの大本営発表の積りで「イールドカーブは調節方針と整合的」(だったら変更する意味ないじゃん!!)とか、「社債の発行環境は良好」(だったら何で社債市場云々とか言い出したの??)とか、現状維持の決定の時とほぼ同じテンプレを使ってくる、という手抜きというか雑というか、もうちょっとお前ら体裁というのを整えようという発想は無いのかと小一時間問い詰めたい点について鑑賞致しました。
ということで本日はポンコツの会話コーナーでもみてやろうじゃないの。
・お前ら何を検討したらレンジ拡大になったの?????????????????
『U.金融経済情勢に関する委員会の検討の概要』という位だからポンコツの皆様が検討した体になっている部分があるんですけどね。
『1.経済・物価情勢 』ってのがあって、経済の話があって、さすがにちょっと物価の話も長くなっているのですが、何せこの会合でのレンジ拡大に関しては「金融情勢」に鑑みて決定を行った訳であって、別に経済物価情勢が好転したからレンジ拡大しても無問題、という文脈じゃなかったはずなんですよねすくなくとも公表文(とMPMと同時に出た1枚ぺらのインチキポンチ絵)によりますと。
ではさぞかし金融市場に関して議論をしているかと思ってみるじゃないですか。本文11ページ(PDFの13枚目)の中段に、『2.金融面の動向』ってのがあるんですよ。
『わが国の金融環境について、委員は、企業の資金繰りの一部に厳しさが残っているものの、全体として緩和した状態にあるとの見方で一致した。複数の委員は、原材料コスト高などを背景に資金需要は増加しているが、CPの発行環境は良好であるほか、金融機関の貸出態度も緩和した状態が続いており、全体として、企業は必要な資金を低いコストで調達できていると述べた。そのうえで、これらの委員は、債券市場の機能度が低下する中で、社債金利のスプレッドは拡大しており、発行金額・件数面を含めれば、社債の良好な発行環境は維持されているとみられるが、注意を要する状況にあると指摘した。』
・・・・・・え、これでおしまいなの?????????????????????
いやまあ一応この先の『V.金融政策運営に関する委員会の検討の概要』には何か文字数使ってポンコツの茶飲み話もとい議論のあとが記載されているんですけど、そもそも現状認識のところがこの超紋切りなのって、ちょっと雑なんじゃないのという所で、上記のような金融環境の認識を踏まえたら別に政策修正が必要になる理由がさっぱり分かりませんですよね。
ということで『V.金融政策運営に関する委員会の検討の概要』では一応字数を使って茶飲み話が記載されているので本文12ページに参りましょう。
『長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)について、委員は、金融市場調節上の様々な工夫により、金融市場調節方針と整合的なイールドカーブが形成されているとの認識を共有した。』
整合的なカーブが形成されてるなら見直しは不要だと思いますが。
『ある委員は、本年春先以降、海外金利が急上昇し、わが国の金利にも強い上昇圧力が生じた局面でも、イールドカーブ・コントロールによって金利の低位安定が維持されたとの評価を述べた。』
それは日本の物価が相対的に上げが弱かった(ように見えていた。エコノミストも基本的に昨年は物価見通しを外し続けてましたよね)のと、見通しとして物価上昇が持続的とか、ピークが4%だみたいなものが全然無かったから、でございましてあの時分から今の物価状況を想定できていたらもっと前に日本の金利上昇圧力が高まっていましたが。
『この委員は、海外金利の上昇という外生的な要因で国内金利が大きく上昇していた場合には、わが国経済への大きな下押し圧力となっていた可能性があると付け加えた。』
大きな下押し圧力って0%の長期金利が1%になって「大きな下押し」とかどんだけ日本の経済がポンコツだと思っているのかと小一時間ですねこのポンコツ。
『複数の委員は、物価上昇率の実績値や予想インフレ率が上昇する一方、イールドカーブ・コントロールによって名目金利が低位で安定しているため、実質金利の低下を通じ、金融緩和効果は強まっているとの見方を示した。』
実質金利論で行くなら実質金利論で変動幅拡大容認すべきだし、市場機能論でいくならそっち押しでいかないと、結局この人たちは何をもって判断したのかが訳分らん、というかどうせ結果が先(以下自粛)。
では次のパラグラフに参りますがその冒頭から、
『多くの委員は、10 年ゾーンにおける価格形成に歪みが生じており、年限間の金利の相対関係や現物と先物の裁定といった点で、債券市場の機能度が低下していると指摘した。』
ちょwwwwwなにこの唐突な登場wwwwwwwwww事務方の報告でもさっきの「金融面」の現状認識に関する議論の中でもこの話無かったのに急にこの脈絡も無い登場は何なのでしょうかwwwwwwww
『委員は、本年春先以降、海外の金融資本市場のボラティリティが高まり、わが国の債券市場もその影響を強く受けるもとで機能度が低下しているとの認識を共有した。』
日本の物価動向と、それを受けた物価の先行き見通し(物価上昇の水準と持続性)に変化が生じたから売り圧力が高まって政策に無理が生じたから機能度低下したんでしょうが、という話でありまして、海外のせいにするなら、直近では米国の長期金利とか明らかにピークアウトしてるんですから、このポンコツのポンコツ説明が正しいなら12月決定会合の時点でも機能度は改善に向かっていないと話の整合性が取れないんですけど、ポンコツだからわからないんだろうなーーーーーー。
『この点に関し、複数の委員は、11 月の債券市場サーベイで機能度判断DIがさらに悪化していると指摘し、その背景として、10
年金利の指標性の低下や、ボラティリティの拡大、ヘッジ機能の低下などを挙げた。』
『このうち一人の委員は、社債発行時に金利目線が定まらず、投資家の購入意欲の低下やスプレッドの上乗せを招いているという指摘も聞かれていると述べた。』
というのはさておきまして、
『こうした議論を経て、委員は、債券市場の機能度が低下した状態が続けば、企業の起債など金融環境に悪影響を及ぼし、金融緩和の効果の波及を阻害する惧れがあるとの見方で一致した。』
じゃあ1月会合の主な意見でこの点についての現状認識をみせてもらおうじゃないですか(棒読み)
『多くの委員は、市場機能の低下に対応する観点から、イールドカーブ・コントロールの運用を見直し、より円滑なイールドカーブの形成を促すことが考えられるのではないか、との意見を述べた。』
で??
『ある委員は、イールドカーブを全体として低位に安定させるべく、全年限で国債購入額を増額したうえで、状況に応じて機動的な買入れを実施することが適当であると述べたうえで、このことは、金融緩和の持続性強化につながるとの見方を示した。』
『別のある委員は、幅広い年限での積極的な国債買入れを通じて、現状の緩和スタンスを維持することが適当であると述べた。』
などとやったら、より市場機能が低下する結果になるのは某通信社の某木原さんや某テレビの某大江さんもその場で指摘する位な訳ですからして、つまりこの2名は入れ替え相当ですね!!!!
『さらに別のある委員は、持続的な賃金上昇に必要な経済・賃金構造変革の動きを後押しするうえでは、金利水準を低く抑えることが重要であり、そのために、イールドカーブ・コントロールの持続性を強化することが必要であるとの意見を述べた。』
まあ何をかいわんやというアレ。
『これに関して、複数の委員は、長期金利の変動幅を拡大した場合でも、インフレ予想の上昇もあって、実質金利の低下を通じた強力な緩和効果が続くとの認識を示した。』
だから市場機能なのか実質金利なのかちゃんと決めろと思うのだがファジーなままで突っ込みましたね。
『この間、ある委員は、社債の買入れについても工夫の余地があるのではないか、との問題提起を行った。』
はあそうですか。
『以上のような委員の意見を受けて、議長は、執行部に対し、委員から指摘があった市場機能の低下を踏まえて、どのような対応が考えられるか説明するよう指示した。
』
という話でした、何だかねー。
2023/01/25
お題「基調的なインフレとかオペ関係雑談/12月議事要旨だが事務方の報告文言が10月とほとんど変わらんのエライ雑ですな」
昨日も申し上げました通り、レンタルサーバーのさくらインターネットで今朝深夜からサーバーメンテナンスを行っておりまして、8時くらいまでやっている予定、と聞いておりますので、こちらは昨晩に作成して昨晩中にあっぷしたものであります。
〇基調的なインフレが大変に素敵な事になっているのですが
https://www.boj.or.jp/research/research_data/cpi/index.htm
まあPDFのこれを見てもエライコッチャですけど
https://www.boj.or.jp/research/research_data/cpi/cpirev.pdf
エクセルから落としてきますね。いつものように左から順に、
刈込平均値、加重中央値、最頻値な訳ですが、
Jan-21- 0.3 0.0 0.0
Feb-21 -0.2 0.1 0.1
Mar-21 -0.1 0.1 0.1
Apr-21 -0.3 0.1 0.1
May-21 -0.1 0.1 0.1
Jun-21 0.0 0.1 0.1
Jul-21 0.2 0.1 0.1
Aug-21 0.3 0.1 0.2
Sep-21 0.6 0.2 0.2
Oct-21 0.6 0.1 0.2
Nov-21 0.8 0.1 0.2
Dec-21 0.9 0.1 0.3
Jan-22 0.8 0.2 0.3
Feb-22 1.0 0.1 0.3
Mar-22 1.1 0.2 0.3
Apr-22 1.4 0.3 0.4
May-22 1.5 0.4 0.5
Jun-22 1.6 0.5 0.5
Jul-22 1.8 0.3 0.7
Aug-22 1.9 0.5 0.8
Sep-22 2.0 0.5 0.9
Oct-22 2.7 1.1 1.3
Nov-22 2.9 1.2 1.5
Dec-22 3.1 1.4 1.6
刈込平均の3%台も驚愕ですけど、もっと驚愕なのは加重中央値と最頻値がドスコイドスコイと電車道状態になっていることで、横綱が暴れるのは取引所だけにしていただきたいものだと思うのであります(物価は横綱じゃないけど)。てかこの状態で物価目標達成してません今後は下がりますって大本営発表するだけならまだしも、向こう2年だの5年だのの期間に渡って低利での過剰流動性を供給するとか、普通にインフレ促進要因をバンバンぶち込みにいっているのが酷い訳で、こちとら別に引き締めしろと言ってるんじゃないんだが、まるで聞く耳を持たない狂った独裁者に率いられた日銀はちょっと自分等で出してる数字の意味というのを考えて頂きたいものだと切に願って止みません。
上昇品目、下落品目は以下の通りで、
Jan-21 46.7 44.6 2.1
Feb-21 49.0 42.7 6.3
Mar-21 51.0 41.0 10.0
Apr-21 50.2 41.8 8.4
May-21 51.1 41.4 9.8
Jun-21 50.6 42.0 8.6
Jul-21 51.9 41.0 10.9
Aug-21 56.1 36.2 19.9
Sep-21 57.1 35.1 22.0
Oct-21 58.4 34.1 24.3
Nov-21 59.2 33.3 25.9
Dec-21 58.8 34.3 24.5
Jan-22 61.5 31.0 30.5
Feb-22 64.0 28.9 35.1
Mar-22 63.2 29.7 33.5
Apr-22 68.8 24.9 43.9
May-22 69.2 24.5 44.6
Jun-22 71.3 22.2 49.0
Jul-22 73.2 20.7 52.5
Aug-22 72.6 21.5 51.1
Sep-22 74.9 18.6 56.3
Oct-22 78.9 14.6 64.4
Nov-22 79.9 13.6 66.3
Dec-22 81.2 11.7 69.5
上昇品目8割ですかそうですかという所でして、そら財布も軽くなるわと思いながら見てますが、どう見たって今までと違いますがな状態の中でなぜ向こう2年とか5年だのの期間に渡って以下同文。
とにかくですね、この状況についてもっときちんと説明をして頂きたい訳ですよ。
〇さて問題は今日の定例輪番ですな
昨日のオペオファー
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of230124.htm
国庫短期証券買入 1,000 2023年1月25日
国債買入(固定利回り方式)(残存期間5年超10年以下)(注4) 2023年1月25日 0.125
国債買入(固定利回り方式)(残存期間5年超10年以下)(注5) 2023年1月25日 0.230
米ドル資金供給 2023年1月26日 2023年2月2日 4.580
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分) 2023年1月24日 2023年1月25日 -0.350
共通担保資金供給(全店)<固定金利・金額無制限> 2023年1月25日 2023年2月8日 0.000
国債補完供給(国債売現先)・即日(午後オファー分) 2023年1月24日 2023年1月25日 -0.350
ということで、昨日も臨時輪番もなければ他年限指値もなく、前日に札がはいったもんだから今日もあるんじゃないかみたいなちょっと物を考えろよというようなコメントもあった長期共担のオファーもなし(無制限の共担は例の「企業金融なんとか」という今となっては何だかさっぱり分からないオペ)と相成りまして、なんだやれば出来るじゃんという所ですが、問題は今日(書いてるの昨日だけど)の輪番をどこまで少なく出来るのか、という所ですな。
まあ全年限レンジの一番下(できればそれも突き抜けて桶)と思うのですが、とにかく輪番の打ちすぎと長期共担(2年も含め)の打ちすぎで最後の最後にYCCが国債市場を巻き込みながら壮大な自爆の花火をぶちあげまくっておりますけど、せめて減らせるときに減らせよとしか申し上げようがない。
なお、そんな中で補完供給ちゃんですけど。
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba230124.htm
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注4) 79,789 79,789 -0.350 -0.360
国債補完供給(国債売現先)・即日(午後オファー分)(注5) 425 425 -0.350 -0.360
ということで相変わらず8兆円なのですが、これ月曜日が79767で金曜日が80299で木曜日が85202、水曜日(決定会合の日)が84314という推移でして、木曜日をピークにちょっとすつとは言え下がって来たかな〜って喜んでいたら、結局火曜日の補完供給また8兆円台に戻っておりまして、これでは個別銘柄の流動性とは何ぞやという世界になりますので・・・・・・・・・・・・・
〇10年のレッツゴー三匹が二匹(または一匹)ほど大暴れしているのですが・・・・・・・・
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html
長期国債 358 2030/03/20 -23 0.304
長期国債 359 2030/06/20 -20 0.350
長期国債 360 2030/09/20 -18 0.369
長期国債 361 2030/12/20 -18 0.389
長期国債 362 2031/03/20 -16 0.400
長期国債 363 2031/06/20 -15 0.410
長期国債 364 2031/09/20 -16 0.413
長期国債 365 2031/12/20 -17 0.399
長期国債 366 2032/03/20 -14 0.350
長期国債 367 2032/06/20 -14 0.195
長期国債 368 2032/09/20 0 0.150
長期国債 369 2032/12/20 -29 0.405
ちょwwwwwww
10年368と10年369のスプレッドが25毛もあるわ、そもそも358だけ前日比変わらずだから、367とのスプレッドもついてきてますし、何やってるんだよと思うのですが、何が一番恐ろしいかってこのまま10年369が甘くなっていくと、368の指値買いレートがとんでもないお値段(というか利回りというか)になってしまう訳ですよ。
以前申しあげてた6年債事件の時って、結局終盤になるとこの銘柄、引け値(っぽいもの)で見ると勝っていたとしても、その引値っぽいものではどこにも売れないという状態になってしまいましたので、最終的にはクッソ割高を維持できなかったのですよ。
然るに、10年368の場合はどんだけ引値がクソ割高になっても、日銀の指値オペというのがそのクソ割高引値を容認するような買い方をするもんだから、またこれ何かの拍子で10年369が50bp近くになって来ると、この素っ頓狂な水準に近い所で日銀が何ぼでも買いまっせと来るんですから、この謎の引けが正当化されてしまう、というおそロシアな事態になる訳ですよ。普通はそういうのが無いからいくら頑張って気配強くしても、それが見るからにおかしい水準になったら「マーケットメーカーもビットを出さない」となるのでどこかの地点でブレーキがかかるもんですが、この踏み踏み状態が日銀の買いで正当化されちゃう事になってしまいかねないのが恐ろしいのですが、怖いもの見たさに369がここから8毛位甘くなった時に368がどうなるのか見てみたい気もします。
まあ要するに日銀のオペは物価目標達成のためにやってるんじゃなくて黒田の面目玉を持たせるついでに新体制への嫌がらせで以下自主規制。
〇ところで日銀の保有残高なんですが
https://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/mei/index.htm
日本銀行が保有する国債の銘柄別残高
一時ステルステーパーの計算で随分とネタにしてましたが、個別銘柄の需給を見る世界になりましたし、もはやネタとして秀逸(市場的にはクソ面白くもないが)
直近1/20残高ですな
358 78,746
359 55,476
360 71,834
361 65,410
362 65,413
363 56,172
364 64,627
365 69,327
366 82,262
367 86,538
368 88,432
369 30,265
おいこらちょっと待て、チーペストとカレント近辺って発行量以上持ってるじゃねえかという話ですが、この前もそういうの瞬間芸で起きてましたけど、あの時はまもなく新発リオープンが出るので、その時点で発行量以上の買入問題は解決(というのか?)する物件だったのですが、チーペとかカレントの369以外とかもうこれから発行されない(財務省の流動性供給入札で出て来るかチャンスがない)という銘柄で発行量以上買うのかよ(まあ10日〜20日の間に何が起きてましたかと考えれば発行量以上に日銀が持ってるだろうなあというのは想像に難くないですが)という話ですな。
そもそも論として、世の中には国債をポートとして保有してなければいけないという人がいます(元々運用資金を顧客から預かって来るところを出発点にする業態、というと銀行も同じじゃねえかと言われそうですが、もともと日本の国債にアロケーションしないといけないようにアロケーションが決まっている人と、そのへんに自由度のある人はだいぶ意味合いが違うんですが、まあとにかく国債ポートを組んでロングで入らなければ行けないという人が一定量いるんですよね。
つまり、少なくともその手の方が持ち切り兄さん姉さんとして債券市場に入っているので、もともと発行量満額買っているということも(持ち切りが世の中には存在するのでその分を勘案したら)無茶苦茶でありまして、この前のちょっと足出たのはご愛敬で済んだかもしれませんが、ちょっとこれ酷くないですかと思う次第。
チーペストも大概なのですが、やはり先ほど申し上げたカレント3銘柄の一番金利高いもの以外、に関しては、指値オペのやり方考え直さないでノホホンとしていると、なんかの拍子に更に日銀の保有が増えるってことに成り兼ねないですし、日銀は買った国債は売らないのでいつまで経っても個別銘柄の品薄地獄は解消されないんですよね・・・・・・・・・・・・・・コマッタネ
〇順序は逆で恐れ入りますが12月議事要旨から成敗して行きましょう
https://www.boj.or.jp/mopo/mpmsche_minu/minu_2022/g221220.pdf
政策委員会金融政策決定会合議事要旨
(2022年12月19、20日開催分)
今回は時々その前の10月会合議事要旨を確認する場合があります。
https://www.boj.or.jp/mopo/mpmsche_minu/minu_2022/g221028.pdf
政策委員会金融政策決定会合議事要旨
(2022年10月27、28日開催分)
最初の『T.金融経済情勢に関する執行部からの報告の概要』の『1.最近の金融市場調節の運営実績』から早速笑ってしまいます。
前回はですね、
『金融市場調節は、前回会合(9月 21、22 日)で決定された短期政策金利(−
0.1%)および長期金利操作目標(注)に従って、国債買入れを行った。また、前回会合で決定された連続指値オペの運営方針に従って、10
年物国債を対象とする固定利回り( 0.25%)方式による国債買入れ(指値オペ)を毎営業日実施した。このほか、チーペスト銘柄を対象とする指値オペを毎営業日実施した。そのもとで、10
年物国債金利はゼロ%程度で推移し、日本国債のイールドカーブは金融市場調節方針と整合的な形状となっている。』(10月議事要旨)
だったのですが、12月になりますと。
『金融市場調節は、前回会合(10 月 27、28 日)で決定された短期政策金利(−
0.1%)および長期金利操作目標(注)に従って、国債買入れを行った。また、前回会合で決定された連続指値オペの運営方針に従って、10
年物国債を対象とする固定利回り( 0.25%)方式による国債買入れ(指値オペ)を毎営業日実施した。このほか、チーペスト銘柄を対象とする指値オペを毎営業日実施した。なお、チーペスト銘柄の指値オペおよびチーペスト銘柄等にかかる国債補完供給の要件緩和措置については、長期国債先物の限月交代を踏まえて、対象銘柄の追加・入れ替えを実施した。』
(12月議事要旨)
と、ここまでは特に笑いどころは無いのですが、この次が凄い。
『そのもとで、10 年物国債金利はゼロ%程度で推移し、』(12月議事要旨)
まあこれはいいとして、
『日本国債のイールドカーブは金融市場調節方針と整合的な形状となっている。ただし、各年限間の金利の相対関係や現物と先物の裁定などの面で、債券市場の機能度は低下している。
』(12月議事要旨)
各年限間の金利の相対関係がおかしいのにイールドカーブが整合的な形状、とは大本営発表にしても言ってることの意味が解りませんがどういうギャグなんでしょうか????そもそもイールドカーブが調節方針に整合的な形状にあるんだったら何で政策の手直しが必要だったんでしょうか?????
この次の『4.国内金融経済情勢』に『(2)金融環境』ってのがあるのですが・・・・・・・
まず10月のを見てみましょう。
『(2)金融環境
わが国の金融環境は、企業の資金繰りの一部に厳しさが残っているものの、全体として緩和した状態にある。
資金需要面では、経済活動の再開や原材料コストの上昇を受けた運転資金需要の高まりから、緩やかに増加している。資金供給面では、企業からみた金融機関の貸出態度は、緩和した状態にある。CP市場では、良好な発行環境となっている。社債市場では、総じて良好な発行環境となっている。企業の資金調達コストは、きわめて低い水準で推移している。こうした中、銀行貸出残高の前年比、CP・社債計の発行残高の前年比は、それぞれ2%台後半、7%程度となっており、これらの残高は引き続き高水準となっている。企業倒産は低水準で推移している。企業の資金繰りは、一部に厳しさが残っているものの、経済の持ち直しに伴い中小企業も含めて改善傾向が続いている。
』(10月議事要旨)
12月には社債市場だのなんだのと言ってYCCの手直しを行ったんですからさぞかし認識が違うかと思えば、って違ってないと思うでしょー。その通りなのよね。
『(2)金融環境
わが国の金融環境は、企業の資金繰りの一部に厳しさが残っているものの、全体として緩和した状態にある。
資金需要面では、経済活動の持ち直しや原材料コストの上昇を受けた運転資金需要の高まりから、緩やかに増加している。資金供給面では、企業からみた金融機関の貸出態度は、緩和した状態にある。CP市場では、良好な発行環境となっている。社債市場では、発行スプレッドは拡大しているが、総じて良好な発行環境となっている。企業の資金調達コストは、きわめて低い水準で推移している。こうした中、銀行貸出残高の前年比、CP・社債計の発行残高の前年比は、それぞれ3%程度、6%程度となっており、これらの残高は引き続き高水準となっている。企業倒産は低水準で推移している。企業の資金繰りは、一部に厳しさが残っているものの、経済の持ち直しに伴い中小企業も含めて改善傾向が続いている。
もっとも、内外の金融資本市場のボラティリティの高まりなどを背景に、わが国の債券市場の機能度が低下している。こうした状態が続く場合、企業の起債など、金融環境に悪影響を及ぼす惧れがある点には留意が必要である。
』(12月議事要旨)
ということで、現状認識部分で「社債の発行スプレッドが拡大している」というのが入っていますが、結論としての「総じて良好な発行環境」という全般的な認識は同じとなっております。そして最後に「もっとも〜」で書いているという状況なのですが、えーっとこんな程度の認識なのに何でレンジ拡大なんて大きな決定をする背景になったんでしょうか??????????????
でもってこの後はドテカボチャの皆様のどうせ議論もしてないくせに議論をした体になっている部分を鑑賞して悪態をつくのですが、おじいちゃん夜なべも中々アレでございますので、とりあえずここまででアップさせて頂きまして、朝のさくらインターネットのメンテナンスが前倒しで終わることを祈りながらも、まあこの続きも含めて木曜日にアップしようかと思いますサーセン。
2023/01/24
お題「こんな相場で生業がアレで決定会合議事要旨とオペの雑談で引き続きご勘弁ください」
日銀の主にオペ関連のネタが尽きないし、大体からしてこんな相場じゃ生業も暇ではないしということで何かすいませんすいません。
https://jp.reuters.com/article/ecb-policy-lagarde-idJPKBN2U21JG
2023年1月24日5:08 午前
ECB、迅速な利上げを継続へ=ラガルド総裁
まあ目の前で米国がおもいっくそビハインドしてしまったのを強引な利上げで金利水準を引き締め的なところまで持って行くことによって物価が落ち着きだしたというのを見ますと、ECBもチンタラ利上げしたらアカンし、利上げ期間を長く引っ張らない方が吉という判断になってきてるんじゃないでしょうかね。よー知らんけど。
〇12月決定会合議事要旨、と言っても中身は見ていないのだが議論していないのは把握した
まあ12月議事要旨に関してはここで論点になっていたことが1月の決定に継続しているのか、また12月に市場機能を真面目に議論したんだったら、12月から1月にかけてのオペレーションはディレクティブ違反なんじゃないの、というような点をみたいですし、その辺りを見れば今の政策委員が「無能なのに地位を得た人の悲劇」になっているのか「有能だけど理念が無いので上が言うとヘイコラという事を聞いて残忍な捕虜虐待でも何でもしてしまう人たち」なのかというのが分かるというものです。
と思ったのですが本日は中身をまだ真面目に読んでいる暇がない程度に生業も多忙ですので、この部分だけね。
https://www.boj.or.jp/mopo/mpmsche_minu/minu_2022/g221220.pdf
・おんどりゃワレ利上げという重大決定なのに真面目に議論しとるんかシゴウしたるぞ
『W.政府からの出席者の発言』のところです、ニュースにもなっていましたけど。
『以上の議論を踏まえ、政府からの出席者から、会議の一時中断の申し出があった。議長はこれを承諾した(10
時 51 分中断、11 時 28 分再開)。』
ということですので、つまり政策委員会のポンコツの皆様におかれましては、金融政策決定会合を実質的に
『1.開催日時:
2022 年 12 月 19 日(14:00〜15:50)
12 月 20 日( 9:00〜11:54) 』
とあって、1日目は事務方からの説明とその質疑という議事要旨の『T.金融経済情勢に関する執行部からの報告の概要』の部分をしておりまして、2日目は『U.金融経済情勢に関する委員会の検討の概要』と『V.金融政策運営に関する委員会の検討の概要
』の話をしているのですが、これを2時間弱しか討議してない訳ですよ。
しかもですね、通常の会合で現状維持で別に新しいオペがある訳でもない、とかそういう案件なら話は分かるのですが、この時の決定は「実質利上げ」という大きな決定だった訳だから、利上げをするならするで論点、「柔軟化」と強弁するなら強弁するで論点があり、甲論乙駁の議論が起きて然るべきなのですが、何ですかこのクッソ短い検討時間は。
通常何もない決定会合でも11時40分前後(早いと30分前後)に終了している訳でして、今回って上記のように11時54分まで決定会合をやっていたとはいえ、いつもと違う37分間の中断があったのですから、上記中断時間を加味すると12月会合って何と「11時17分結果発表」になっていたという事でして、通常の何もない回号よりも早く終了しているという訳ですよね。これで議論をしたとか言えるんでしょうか??????????
ここでまだネタにしていない1月総裁定例記者会見の総裁発言を確認してみましょう。
https://www.boj.or.jp/about/press/kaiken_2023/kk230119a.pdf
市場との対話云々の質問の回答の中でこんな一節がありました。
『私どもとしては、別に必要なことは、常に金融政策についてオープンに議論して、その考え方・見通しを明らかにして、そういったことを踏まえて、毎回の金融政策決定会合で金融政策を決定していくということに尽きると思っております。』(この部分だけ直上URL先の1/18総裁記者会見より)
・・・・・・・・12月の実質利上げという重大な決定をするのにいつもよりもむしろ短い時間なんじゃないかというようなシャンシャン決定会合を実施しておいてどの口が「金融政策についてオープンに議論」なのかと小一時間な訳で、決定会合前に「ご説明」をして「根回し」をしたましたよと言わんばかりのこの議論時間という状態の中で、何が「金融政策についてオープンに議論」だよやってるの会合前の裏工(以下の部分は内務省検閲によって削除されました)。
とまあそういう訳ですが、おまえらせめてちゃんと議論している体くらい出せよと思う訳ですよ。何かこいつら金融政策決定会合を「事前に話が決まっている件の話をご説明を聞く会議」って勘違いしてないかということで、やはり日銀のガバナンスには甚だ問題があると思わざるを得ません。
・政府側出席者の中断要請って単純に「聞いてねえよ」なだけだと思う
今回の政府側出席者の中断要請の件については、本件が明らかに闇討ちの世界に相当する政策修正に相当しますので、単純に情報漏れをしないように政府側に「こういうことをしようかと考えておるのですが」みたいな連絡をするカウンターパーティーを滅茶苦茶絞ったか、連絡を物凄いギリギリにしたのかのどっちかであって、別にそれ以上の意味(政府が実質利上げに反対だったとかそういうような類のこと)ではないと思います。
何せですね、決定会合の内容(あるいはかつて同時発表じゃなかった展望レポートの計数)が当日の会合終了前にいきなり出てしまう(書き方はもちろん「〜の模様」ってなりますけど)という事案って過去それなりにあって、情報管理どうなってるんだと問題視はするものの、毎度の如くその話は気が付くと有耶無耶になっておった訳ですよ。
でもってまあこういうの決定事項が決定結果公表前にフライング報道されちゃうことによって、日銀にだって政府側にだって別になんかメリットのある話ではない(そもそも数時間後に出て来るネタが抜かれたから何だって話もあるし)のですが、報道機関にとっては特ダネになるらしいのでメリットがあるし、じゃあそういう場合にどこから情報漏洩するかと言えば以下お察し。
ということで、まあその以下お察しなこともあるから、今回決定会合にお出掛けになる政府側出席者には今回の実質利上げの話は伝えられてなくて、用意していた政府側出席者の発言を差し替えないといけないじゃんというのと、ワイは聞いてないのだが今回のこういう決定になって問題ないのか、ってのの確認って感じで、別に反対だからどうのこうのという話ではないと思います。
そういやちなみに、置物一派って過去の決定会合で情報漏れのような事案があった時、なぜか「日銀のせい」と鉦や太鼓を鳴らして罵っていたのを懐かしく思う所でありまする。
〇5年オペは無事(?)に済みましたが調子にのって乱発するとアレ&輪番をいかに減らすかもポイント
さて昨日の5年長期共担。
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of230123.htm
共通担保資金供給(全店)<金利入札方式> 10,000 2023年1月24日 2028年1月24日
オファー1兆円ですけど、とにかく最近の(1月会合までの)オペは何でそんなに切羽詰まったオファーの仕方をするんだ、って勢いのオペ運営でしたから、今回の買入が兆円に乗ってないとなんか「しょぼい」感が出てしまう所でしたので、1兆円オファーと来ましたので、まあさすがに札読みしてオファー額だしている筈だから、ここで札割れとか無いでしょうし、最低でも2兆円前半の応札があるでしょうねと思いながら結果を見たら以下の通り。
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba230123.htm
共通担保資金供給(全店)<金利入札方式>(1月24日スタート分) 31,290 10,003 0.110 0.145 18.6
18日に(間抜け極まりない事に)実施した2年共担が大幅に札割れしていましたので、その分はこっちに回るんでしょうなあと思いましたら札が3兆円集まって良かったね、という所なのですが、よくよく考えてみますと1/4に実施した最初の2年共担固定金利の応札は58,267億円もございましたので、やっぱり2年共担で結構ニーズを先食いしてしまってるよね、ということでして、別に2年共担やらんでも2年指値を出来上がり0%で毎日指しておけば良かったじゃんと思うし、それなら別に8兆円(除く最初の1兆円)も追加でオペ打たなくても良かったんじゃないの、という風に思う訳で、計画性がないにも程がある訳ですな。
まあ過去の話はさておきまして、これなんかベンダーのコメントとか見てたら「こんなに応札があるなら連日入れられる」とか間抜けなコメントがどっかに転がっていましたが、最初の時点で3兆そこそこしか札がないんだから、まあ2年共担の実績から考えて、あといいとこ4兆打てるか打てないかって所じゃないのとしか思えない(ちなみに計算根拠に深いものは無いけど初回オファーの空振り分の2倍前後は打てるかなっていう山本勘助)のですよ。
つまりですね、こんなの調子にのって連日打ったりしようもんなら1週間でオットーがカンバンになってしまう訳でございまして、カンバンになったと市場が認識したらその時点でまた「オペ運営の限界」って話になって来るんだから、切羽詰まった2年共担オペの大失敗(結果的に無駄玉な上に向こう2年間の政策運営に重い足枷になる実弾を打ったという点で極めて罪が重くて、率直に言って罪万死に値するし、又吉イエスに地獄の火の中に投げ込まれるべきオペですわ、最初の1兆はまあ良いとしてもその後の乱発がね)だったので、何ぼ何でもその教訓から今回は「抜くと見せかけて市場に警戒を与えるためのオペ」にしておかないと、正常化後の短期市場調節云々の前に、どうせ3月会合に向けてもう一戦の可能性がある中、調子にのって2月中に残弾無し状態にしてしまうと、肝心の時に何も出来なくなりますからね。
・ここからは輪番を減らすのが重要
月曜日ネタにしませんでしたけど金曜の定例輪番は
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of230120.htm
国債買入(残存期間1年超3年以下) 5,000 2023年1月23日
国債買入(残存期間3年超5年以下) 5,750 2023年1月23日
国債買入(残存期間5年超10年以下) 5,750 2023年1月23日
国債買入(残存期間25年超) 2,000 2023年1月23日
となりまして、12日の定例輪番の時と比較して長期輪番を7750→5750と減額してきまして、長期輪番を12月20日に出したオペ紙の下限まで減らしました。
直近では臨時輪番、他年限指値も実施していませんし、とにかく買入バカスカやると政策の限界って話になってしまうので、明日の輪番とかもっと減らせるもんなら減らした方が良いんでネーノと思うのですが、一応「レンジの範囲内で」とか書いてしまっているから月末の所でレンジを上下に拡大して、じつは下限引き下げみたいなことをしておかないと、いずれにしたってこの調子で買ってたら黒ちゃんの退任まですら持つかどうか怪しいので(市場は既にぶっ壊れている)、輪番減らして頂かないとどうにもならんと思いますがさてどうなるやら。
〇10年367368ェ・・・・・・・・・・・・・・・
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html
公社債店頭売買参考統計値/格付マトリクス表
長期国債 356 2029/09/20 +37 0.279
長期国債 357 2029/12/20 +39 0.290
-------------ここからいわゆる「裁定ゾーン(ってもしかして死語?)」-------------
長期国債 358 2030/03/20 +37 0.270
長期国債 359 2030/06/20 +41 0.322
長期国債 360 2030/09/20 +41 0.344
長期国債 361 2030/12/20 +45 0.365
長期国債 362 2031/03/20 +47 0.379
長期国債 363 2031/06/20 +47 0.390
長期国債 364 2031/09/20 +50 0.393
長期国債 365 2031/12/20 +51 0.379
長期国債 366 2032/03/20 +57 0.335
長期国債 367 2032/06/20 +92 0.180
長期国債 368 2032/09/20 +99 0.150
長期国債 369 2032/12/20 +24 0.375
もう何をか言わんやという感じでして、何ですかこの0.18%とか0.15%って数字は・・・・・・・・・
ちなみにしれっと358も前後対比でお茶目な事になっていますがこれ3月限チーペストなんですよね・・・・・・・
〇事務連絡
明日なんですけど、こちらの駄文をアップしているレンタルサーバーのさくらインターネットでメンテというかなんかそういうのが行われまして、夜中の2時から朝の8時までサーバーに物がアップロードできないというお告げがありまして、明日の駄文は仕方ないので今晩明日付で作成しますが、メンテの方が早く終われば追補でも出そうかと思います。(ざっくり7時の時点で鯖のメンテ終わってれば出せるんですけどね)
2023/01/23
お題「今朝はカレント3銘柄の引けがアレとか5年長期共担に関する雑談で勘弁である」
ん???
https://jp.reuters.com/article/kishida-boj-accord-idJPKBN2U1016?il=0
2023年1月22日11:11 午前
岸田首相、日銀総裁「代わる」と明言 2月に人事案を国会提示
『[東京 22日 ロイター] - 岸田文雄首相は22日、民放のテレビ番組で、日銀の次の正副総裁の人事案を2月中に国会に提示する考えを示した。その上で「人は代わる」と明言。物価2%目標の早期実現などを盛り込んだ政府・日銀の共同声明については、新総裁が決まった後で議論すると改めて述べた。』(上記URL先より)
「人は代わる」というのは雨宮さんじゃないってことですか?????(黒田さん再任じゃないのは最初から分かっている話だから殊更に言う事じゃないと思うんですが)
・・・・・・雨宮さん次に責任もって収拾する予定じゃないのに12月20日以降のキチガイオペを実施させてんだったら外道にも程がありまして、この前書いてた「改易転封の腹いせに領内の物産をすべて略奪して、それだけでは満足できずに領内をすべて火の海にして破壊しつくした挙句に領民全員ぬっ転がして完全なる廃墟にしてしまうレベルの基地外大名」ムーブになるんですが、いやあのまさかとは思いますがそうなるのオソロシスすぎる。
#とは申しましても、何でもかんでも小手先で目的外使用で変な技ばっかり駆使して問題の先送りをこれからまた5年やられたらもっと困る、という事実もある訳で悩ましい
〇輪番雑談及び雑考でございます(カレント3銘柄の引けをみながらつらつらと)
・カレントレッツゴー三匹の二匹が伝説の6年国債状態になっている(しかも状況は更に凶悪)な件について
毎度の昨日の売買参考統計値ですが。
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html
本日は「前日比」のお値段(銭)を入れて引用しますね。
長期国債 358 2030/03/20 +29 0.324
長期国債 359 2030/06/20 +31 0.379
長期国債 360 2030/09/20 +36 0.400
長期国債 361 2030/12/20 +38 0.425
長期国債 362 2031/03/20 +39 0.440
長期国債 363 2031/06/20 +40 0.450
長期国債 364 2031/09/20 +41 0.455
長期国債 365 2031/12/20 +42 0.440
長期国債 366 2032/03/20 +44 0.400
長期国債 367 2032/06/20 +54 0.280
長期国債 368 2032/09/20 +61 0.255
長期国債 369 2032/12/20 +5 0.400
まあアレです。8年9年ゾーンの戻りがデカいのはその前に売られてたからで、おおだいぶカーブが綺麗になってきたじゃん(指値オペの水準から遠くなるから)と思いきや、10年367と368が物凄い値上がりしていて369が全然値上がりしていない(利回りご覧になれば分かるようにそもそも指値で歪んでたのを修正する動きなのでカレントが値上がりしない方が普通、つまり367と368がおかしい)という現象が発生しておられますな。
まあ元々この銘柄は日銀指値買い買い攻撃によってスーパー品薄銘柄になっているのですが、日銀のレッツゴー三匹の買入方式に欠陥があって、「一番安い銘柄が50bpになるように前日比利回り較差を設定して引け対比の利回りで買う」という方式なもんで、(実際問題これ以前からそうだったのですが)369が0.500%の売参だったら、367と368は売参対比引けで買う、という方式になっていまして、引けのカーブがどんなに歪んでいても、日銀がこの3銘柄を引け対比の同じバランスで指値買入してしまうもんですから、その歪んだカーブの割高割安修正が全然起きないことになりまうs。
という所まではまあ戻りの前からそうだったのですが、金曜日の戻し局面ではその差が更に拡大するというオモシロ現象になってしまいまして、まあ真相はこの値段付けている人に聞いて欲しいので正直アタクシの解釈もツッコミどころあったら教えていただけるとありがたい訳ですが、レッツゴー三匹にショートカバーが入るものの、玉が全然無い367と368は大踏み上げになるものの2月に追加発行があるのが分かっている369回は2月入札まで粘れば玉が出てきて需給が緩むという希望があるので踏まないで粘っているという対照的な動きの結果こうなった、という理解でよろしゅおすかね??????
まあ何ちゅうかですね、為替と違って債券は銘柄の発行量という制約があるんで、無限にショートできないんですよというのも丸無視して売ってくる人が踏み上げを食らうのは自業自得にも程があるからどうでも良いのですが、こういう無茶苦茶なカーブの状態(ちなみに恐らくなんだが次に売られるときって益々酷い事になりそう)にされちゃいますと、引値というのものが意味をなさなくなってしまうわけで、いやだってこの2銘柄って新しく買いに行く(踏み以外で今更買わないと思うけど)とすると上記のレートにさらにハンデ、みたいなことが起きますけど、まあそっちはそっちで良いんだが、売りに行った場合にビットって立つのかよ問題が発生しますがな、というお話。
そこで昔話をすると、昔々その昔、中期国債4年ってのと長期国債6年ってのがあった時代がありまして、(中期国債5年が発行されるようになったので発行停止になって今は跡形もありません)これが発行量が数千億(今と市場規模違うのでまあそこの数字はあんまり気にしないで下さい)というような債券だったのですが、昔は銀行ポートへの会計規則の関係で(大事だけど今回の話の趣旨からズレてしまうので割愛、詳しくは古老に聞いて下さい、どっかに息も絶え絶えになって転がっている筈ですわよ)ニーズがあった訳なんですよ。
そしたらですね、6年13回(だったとおもうのだが何せ四半世紀以上前の事でおじいちゃん四半世紀前に対顧ディーラーやってた気がするんだが咄嗟に回号が出てこんわorz)をどこぞの金融機関グループが入札で発行額のほぼ全額を高値落札しやがったんですよ。
高値落札なもんだからマーケットメーカーがショートになって、しばらく踏み上げになってしまてって、同残存の10年国債との複利差が無茶苦茶な事になって(ピークで80位強でしたっけもう覚えてないので牛熊先生に聞いて下さい)、最終的に何が起こったかと言えば「この銘柄はたとえレポ付きでも出せません」となった次第。昔は国債の引き合いだったら基本は(とんでもない超長期のオフザラン以外)レートだすもんだったというのと、RTGS決済の前はループ取引が出来たので指標銘柄とかだと流通額以上のショートがマーケットメーカーに発生する現象は日常茶飯事だったのだが、そういう状況で「出せません」というのですから異常事態なんですが、同残存10年とスプレッドが無茶苦茶付いているので、ビットは幾らと聞かれると「基本ビット出せないんですけど強いて言うなら50毛甘からご相談っすかね」となる有様。
まあこの銘柄はその後とある理由で「非上場国債の非上場プレミアム」が「非上場国債の流動性ディスカウント」となってしまい晩年は普通の銘柄になりましたが、まあそんなのが昔あったのよね。
でまあ四半世紀の時を超えて亡霊が蘇ってきたんですが、これが困るのは10年国債なので、この銘柄ってどうせ債券インデックスに入っているでしょうからこの銘柄のヘナチョコ価格が債券インデックス対比でポートを構築する人達にとってはた迷惑な銘柄なのと、今回の場合買い占めをしているのが日銀で、しかも(売る方も売る方なんだが)引値が歪んでいるのを容認する買い方を行うから、このヘナチョコカーブが解消される気が全然しない所ですな。あと、引値がヘナチョコになっていましても、そうはいってもマークトゥーマーケットをこれで行う、とかになってしまいますと、(そんな商品は無いと思うのであくまでも極端な例えですが、10年367回債に投資する、という建付けで作った運用商品があって、それが不幸にもオープン投信だったら、「売買の出来ない引値」を基準に基準価額計算されてしまって、入出金のあるたびにオファービット無茶苦茶払う事によって想定外のコストをバカスカ食われていく(もちろん多少のコストは商品設計上想定していますわ為念)みたいなまあそういう話になってしまいます次第。
6年債事件の時ってたぶん「マーケットの総意でこの銘柄は無かったことにする」状態でやってた筈なんですけれども、現代はそういう訳にいかない(そもそもマーケットの総意とか言ったって馬鹿外人がそういうの無視して突っ込んで来るのが分かってるからそういうのはもう作りようがない)でしょうし、実際にそこの値段で売買できないという意味で架空の引値状態で走っている状況(ってそれ言い出したら低流動性債券全部同じじゃんと言われそうですが、流動性の低い債券の場合はそもそも引値に対して大きめのコストを払って売買することを前提にこれらの商品に投資するときの建付けが出来ているが今回のケースは国債でございますからね)がどの位続くのか、というかこの2銘柄が先物チーペストになったらどうするんだよ、とか何とか、まあいろんな問題が大いにある訳でございますな、ナムナムナム。
#なお論点はまだありそうだが整理しきれていない
〇さあ今日は5年長期共通担保ですが・・・・・・・・・・・・・
・つらつら考えてみたがこれは「オペ先金融機関には強力なツール」ですね
ということで今日は5年長期共担なのですが、こちらに関しては結果をみてからまた色々と感想が出て来ると思うのですが、明らかに言えるのは「オペ先金融機関にはアリタガヤ」であることでしょうな。特に負債デュレーションの短い人達。
つまりですね、既に皆様もご指摘のように別にこの5年共担で資金引っ張ってきたからといって、よーしパパ5年国債買っちゃうぞーとか5年のスワップレシーブするぞーとは、(1)そもそもバランスシート食う、(2)そもそもヘッジ会計でマッチングするの無理筋で多分ダメ(3)そうなると資産側をMTM評価しないといけなくて時価ブレ問題がある(4)これらの問題点をクリアできるほどスプレッドがある取引でもないので余程の暇人かバラスシートに余裕がなければやる必然性は無い、とまあそういう事になるので、これ自体が当該年限の金利を思いっきり下げることは無いですわな、というお話。
とは言いましても、これ自体が期間5年の固定金利負債になりますので、調達側の負債デュレーションが長期化されるわけでして、負債と資産のデュレーションの部分でリスクを取って収益上げてる預金金融機関系の皆様おかれましては、負債側のリスクが減ることになるので金利リスク管理的な財務上ウマウマという話になりますですわな。
まあ何ですな、そういう意味でこちらの長期共通担保、オペ先にとっては悪い話はあんまりないのですが、裏を返せば日銀またYCC政策の延命のためにオペ先優遇政策ぶっこんできやがった、ともいえる施策でございまして、何かこう色々な歪みとか裁定機会のようなものを日銀がせっせと作っているのってどうなのよ、とは思う所であります。
それ言い出したら短期の所の「マイナス金利の弊害防止措置」に関してもという話になるのですが、そこにつきましてはまあ後日またその辺りを総合的に考えて行きたいです。
・本日はレートがどの程度になるのかとオファーがそもそもどの位なのかを楽しみに
このオペ、指値で実施することが確かに建付け上は可能なのですが、指値で実施するのはさすがにアレな面があって、あまりにも低金利での指値を実施してしまうと、「金融機関優遇問題」というのが浮上して来るわけですよ。
まあそういうのを回避したいのと、そもそも水準何処にしていいのか5年ともなると市場も動きますので、金利入札方式にしたのは、レートの問題で日銀がボコボコにされるのを回避するにはこれが良いでしょうな、と思われます。
まー初回だからそれなりにちゃんとした額が出ると思うのですが、これもバンバン出すと出既に9兆円出している2年共担と合わせて、所要準備(12兆円程度)を超えてしまうことになってしまいますので、将来に渡って短期金融市場の金利誘導の重い足かせになるだろうなあ、というのは先日申し上げた通りです。
まあ何ちゅうかどっちも「黒ちゃん退任までのその場しのぎ」にしてはちょっと将来に残す問題が大杉栄でございまして、いやこれ雨宮さん次収拾するんですよね責任もって、と思いながらマクラにある岸田さんの「人は変わる」を眺めておりました。
#全然レビューが進まなくて恐縮至極
2023/01/20
お題「共担オペのマイナスは現在は建付け上出来ないと思います/展望レポート全文の社債市場の記述を見て卒倒した件について」
いやーやっと金曜日ですねえ。まあ月曜は5年長期共担があるんだけどwwww
〇共通担保オペのマイナス金利を排除していない云々総裁発言問題の補足
総裁会見での例の「共通担保オペのマイナス金利排除されていない」発言なんですが、昨日出てきた会見文字起こしの中で訂正が入るのかと思ったら入っていませんで、ありゃりゃ???と思ったりもしたんですが、読者様でお詳しい方からご指導を頂きまして、確認をしてみましたわよ。
えーっとですね、こちらに関しては最早こっちの世界になります。
https://www5.boj.or.jp/bojnet/saisoku/saisoku.htm
日本銀行金融ネットワークシステム利用細則
が、どこの何がどうなっているかという話になりますと、今回利回り競争入札方式の共通担保に関して実は若干の変更がありまして、
https://www5.boj.or.jp/
業務上の事務連絡
の中の2番目、
日銀ネット 2023年1月18日
「共通担保資金供給オペレーションについての日本銀行金融ネットワークシステムの利用に関する規則」の一部改正に関する件等
を見に行く必要があります。
https://www5.boj.or.jp/bojnet/kaisei-tuuchi/net16230118.pdf
「日本銀行金融ネットワークシステム利用細則(金融調節等入札連絡事務)」の一部改正に関する件
日本銀行では、本年1月 17 日、18 日の金融政策決定会合において「共通担保資金供給オペレーション基本要領」の一部改正等を決定したこと等に伴い、標題規程の一部を別紙のとおり改正することとしましたので、通知します。なお、本件改正の実施日については、別途日本銀行ホームページの「業務上の事務連絡」(https://www5.boj.or.jp/)において通知します。
また、本件改正の実施日の前営業日までに入札要項通知の送信を行った共通担保資金供給オペレーションに基づく貸付けについては、なお従前の例によります。
―― 本件に伴う事務上の変更点については、日本銀行金融市場オンラインに掲載の「共通担保資金供給オペレーションの制度変更に伴う事務上の変更点について」を必ずご確認ください。
こちらの10ページのケツの辺りから次のページの辺りになります。
なお、以下の部分「横線の通り改める」なのですが、アタクシテキストサイトの下書きをWin(ちなみにまだ10)についているテキストエディタ使ってるので横線の部分を<<<>>>>で括って引用します。悪しからずご了承くださいというか、日銀のリリースも見てくんなまし。
『○ 第1編7.(3)DおよびEを横線のとおり改める。
D 売買利回り等および売買価格の値
略(不変)
(借入利率)
正<<<またはゼロのいずれか>>>の値としてください。日銀共通担保資金供給オペ(本店貸付)<固定金利方式>、<<<日銀共通担保資金供給オペ(本店貸付・1年超)<固定金利方式>、日銀共通担保資金供給オペ(全店貸付)<固定金利方式>>>>または日銀共通担保資金供給オペ(全店貸付・<<<1年超>>>)<固定金利方式>の場合には、入札要項通知において通知する値を入力してください(注)。』
該当する細則に関してはさっきの
https://www5.boj.or.jp/bojnet/saisoku/saisoku.htm
日本銀行金融ネットワークシステム利用細則
の
17.日本銀行金融ネットワークシステム利用細則(金融調節等入札連絡事務)
(改正通知一覧)(一括ダウンロード 244KB)
になりまして、こちらワードとかになるのですが、ちなみにワードをDLしまして中身を見ると、
7.入札 の(3)「応募通知」の送信(オンライン応募)の中に
『(借入利率)
正の値としてください。日銀共通担保資金供給オペ(本店貸付)<固定金利方式>または日銀共通担保資金供給オペ(全店貸付)<固定金利方式>の場合には、入札要項通知において通知する値を入力してください。』
とあります。
・・・・・・・つまりですね、金利入札方式の場合、共通担保オペにおける借入利率はマイナス利回りでの応募は出来ない、ということになります。欲張ってマイナスを入力しようとしても弾かれる仕様になっているかと思います。(太古の昔は輪番の利回り較差で欲張って買入レートマイナスになってしまうのとかが入ってしまう(当然その応札は無効とされますけど)という仕様だった時代もあったと記憶しておるが20年前レベルの話なのでどうでもよい)
では固定金利方式の場合はどうかという話になると、もうちょっと掘ると出て来るかもしれませんが、この細則上においては「入札要項通知において通知する値」だからマイナスがこの規則部分だけだとグレーなんですが、たぶんなんですけど、このオペは「貸出金」扱いになりますによって、「貸出金利のマイナス」って扱いは有りや無しや問題があって、(債券の場合は購入価格の調整で出来上がりの利回りがマイナスになるので預金、貸出金のマイナス金利設定が出来るのか問題で悩む必要はない)現状では共通担保オペではマイナス金利は無しってことになっていると思うのよね。
この貸出金マイナス有りや無しや問題って、
https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/2301.htm
入札カレンダー:令和5年1月
の『(3)借入金』の所でもありまして、特別会計がテナー6Mで借入をおこなう入札ってのやってますけど、これは特別会計が「借り入れ」を行う奴なんですが、こちらについてもマイナス金利は実施しないという建付けになっている物件ですので、おそらくなんですけど、共通担保貸出のマイナス金利化ってのは、この特別会計借入金の下限金利と同じ話になっていると思うんですがどうでしたっけ。
・・・・・などと、突如昔取った杵柄(埃被ってますが、汗)を持ち出してきて解説してみましたが、結論としては黒ちゃんの「マイナス金利排除していない」というのは、現行のオペ規則と、法令解釈を前提にすると説明に間違いがある、という話になります。
ただし、法令解釈の世界で「マイナス金利の貸出金」ってのが明確にありですよという話になるとか、マイナス金利の預金、貸出金に関する民法だか何だか忘れましたが、法令上明確に扱って宜しいという事になった場合、理屈上マイナス金利の実施も不可能ではないので、全くの嘘八百という事でもないとは思うのですが、本件の黒ちゃんの回答は、やはりミスリードになると思いますので、本来ならば総裁会見文字起こしの中で注釈を入れて頂いた方が良かったのではないかと思います。
なお、このように偉そうに講釈していますが、さきほど申し上げましたように読者様から解説頂きました受け売り成分濃厚、という物件でございますので念のため繰り返させて頂きます(平伏)。
〇おいこらなんだこの解釈は(すべてをすっ飛ばして展望レポート全文の一部を)
普段あんまりネタにしない展望レポート全文、とは言え、もしかしたらあの読売新聞砲で言われていた「点検」は展望レポートの全文の中(最後にBOXってコラムがあって時々寸鉄人を刺すようなのがあって味わいが深い場合もある、これは書いている中の人とか、その上の方のキャラ次第で微妙に毒気がある場合と大本営発表大忖度パティーンになっている場合があるのでそれもまた面白い)にあるのかな、と興味があったので展望レポートの全文を先に見るという順序丸無視方式で昨日出たのをチラ見したんですよね。
https://www.boj.or.jp/mopo/outlook/gor2301b.pdf
そうしたらBOXの方に点検を連想させるような物件は存在しなくて読売新聞出てこいオラオラオラ(ガンガンガン!)という思いを新たにした訳ですが、その前の金融市場のアセスメントを見て腰が砕けました。本文37ページ(PDFの39枚目)の『3.わが国の金融情勢
』になります。
では拝読してみましょう。
『(金融環境)
わが国の金融環境は、企業の資金繰りの一部に厳しさが残っているものの、全体として緩和した状態にある。』
というのはまあ基本的見解で示された大本営発表なので致し方ない。次行きましょう次。
『日本国債のイールドカーブをみると、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」のもとで、現行の金融市場調節方針(短期政策金利:−0.1%、10年物国債金利:ゼロ%程度)と整合的な形状となっている(図表
48)。』
図表48ってのはこちらの文章の右に掲載されています。「整合的な形状」とは何なんでしょうかというのがありますし、そもそも論として「整合的な形状」に関しては一定の幅を持った形で均衡イールドカーブを示して頂けないんでしょうか(既に100回くらい言ってますが一向に出て来る気配がありません)。
・・・・・まあ整合的じゃないとなると政策変更なんで今回現状維持ってるんだからこういう言い方になるのは1億歩譲ってOKOKとしまして次。
『この間、2022 年 12 月の金融政策決定会合では、各年限間の金利の相対関係や現物と先物の裁定などの面で、債券市場の市場機能が低下していたことを受けて、国債買入れ額を大幅に増額しつつ、10
年物国債金利の変動幅を、従来の「±0.25%程度」から「±0.5%程度」に拡大するなど、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)の運用を一部見直すことを決定した。』
まあそもそも論として「市場機能」と「国債買入の大幅拡大」は矛盾するんですけどね。はい次行きましょう。
『企業の資金調達コストは、きわめて低い水準で推移している(図表 49)。』
ふむふむ。
『CPの発行金利をみると、良好な発行環境が維持されるもとで、きわめて低い水準で推移している。』
足もとで言えばテナーの長いものを中心に環境が悪化しておりますが、そらまあ元の金利がお安いですので、上がったと言っても絶対水準でみれば別にマズーみたいな金利上昇でもないですし、アベイラビリティに関してはテナーが1年近くになると微妙感はありますが、そのちょっとした金利上昇を容認して頂ければアベイラビリティ自体が問題になるような事も一般的には無いは無い。
・・・・・のですが、なんかこの文言だと一切何の変化も起きていないかのような説明になっているのですが、なんかそれは違和感を感じますね。
『短観のCP発行環境判断DIは、資源高を受けた運転資金需要の高まりから低下したものの、引き続き「楽である」超となっている。』
ちょwwwwwおまえ何時時点の話ししてるんだよこのスットコドッコイという感じでして、12月短観って12月の金融政策決定会合の前の時点での話だろお前らYCC運営の手直しやってるんだから、今回は直近のアップデートを加味しろよ何やってるんだと小一時間問い詰めたい。
いやあのですね、別に12月に何もしてなくて、ごくごく平和裏にマーケットが展開しているんだったら12月短観の話を背景説明の理由の中に書いておしマイケルでも問題ないとは思うのですが、さすがに今回はその辺り勘案しねえのかよお前らどういう感覚してるんだ、と思いましたが、もっとすごいのはその次である。
『社債市場では、総じて良好な発行環境は維持されているが、発行スプレッドは拡大しており、発行金利も上昇している。この間、貸出金利(新規約定平均金利)は、既往ボトム圏の水準で推移している。』
貸出金利云々はそこだけ切るのも何だから文章の流れの中でつけておきましたが・・・・・・・・・・・
えーっとですねすいません、あんさんら12月のYCC運営の一部手直しの時に、社債市場への影響がどうのこうのって言って、社債買入のテーパリングに関しても手直しの話を入れる、ということもしてましたよね。
皆さまの記憶に新しい昨年12月のポンチ絵
https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2022/rel221220h.pdf
イールドカーブ・コントロール(YCC)の運用の見直し
でもって、先日の決定会合に向けて債券市場の機能が一段と低下し、(一々引用しませんが)社債市場においては一部のテナーの発行見送りに追い込まれた発行体さんの例がいくつも出ていたと存じますが、
>社債市場では、総じて良好な発行環境は維持されているが、
>社債市場では、総じて良好な発行環境は維持されているが、
>社債市場では、総じて良好な発行環境は維持されているが、
というこの認識は何なんですかお前ら舐めてんの???????????????????
まあ何ですな、この部分の記述はさすがに円債市場の皆様の琴線を大変に刺激する物件だなあと感心して読んでしまいましたが、いや真面目な話これが単に黒ちゃんと茶坊主の皆様への忖度ですというのならまだサラリーマン的な意味での悲哀は分からんでもない(でもこの文章はあり得ない)のですが、そうじゃなくて内向き忖度ばっかりしているうちにガチで世の中をみなくなっているんだとしたら大問題にも程があるので、この辺どのような認識なのか、ということを小一時間問い詰めたいですね。
〇なんか長期共担は効果があるんじゃなかろうか話になっているようですがさてどうなんでしょうかね
という小見出しを考えて何となく構想を練ったのだがまとまっていないのでパス、月曜日長期共担の結果が出る前にプレビュー雑談の積りで書こうかと思います。
いや今週は疲れましたな(ってまだ今日がまる1日あるわけだがorzorz)。
2023/01/19
お題「まさかのランボー怒りの追加緩和(に一見見える施策)キタコレでありましたなあ」
ゴルァ!!読売新聞!!!出てこーい(ガンガンガン)
・・・・・・こうですねわかります。
あ、最初に申し上げますが会見(相変わらず棒読みしている時間が長かったとはいえ)ちゃんといつも通りにやった黒ちゃん、ダボス理由に打ち切りとか逃亡とかしなかったのは(よく考えりゃ当たり前とは言え)ちゃんとやったじゃないですかこれはまた大変に失礼いたしました誠に申し訳ございませんでした(ジャンピング土下座のあと五体投地して謝罪)。
というかですね、18日の深夜の飛行機で出国するなら何も「18日から出張」とか逃亡を連想させるような発表の仕方じゃなくて、もうちょっとこう工夫というのをして欲しいんですが、どうも日銀ってこの辺りの感覚が微妙に足りないんですよね(個人の感想です)。
〇日銀まさかの逆切れ緩和(の印象を強く与える施策導入のヘッドライン)キタコレ!!!!!!
いやまあ確かに2015年12月の補完措置導入〜2016年1月の逆切れマイナス金利政策導入(逆切れだけに副作用が炸裂してその後YCC導入になったのはご案内の通り)と流れが似ているとは申し上げましたが、マジのマジで逆切れ措置打ち込んで来るとは恐れ入谷の鬼子母神。
https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2023/k230118a.pdf
・(逆切れ緩和してるんだから当たり前だが)YCCの中途半端なレンジ拡大という最悪の選択肢は回避されました
『(1)長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)(全員一致)
(引用途中割愛)
A長短金利操作の運用
長期金利の変動幅を「±0.5%程度」とし、10 年物国債金利について 0.5%の利回りでの指値オペを、明らかに応札が見込まれない場合を除き、毎営業日、実施する。上記の金融市場調節方針と整合的なイールドカーブの形成を促すため、大規模な国債買入れを継続するとともに、各年限において、機動的に、買入れ額の増額や指値オペを実施する。』
何も変わらんのか・・・・・・・・・・・・・・・・・
と思ったら、
『2.日本銀行は、@「貸出増加を支援するための資金供給」の貸付実行期限を1年間延長すること、A「気候変動対応オペ」の対象先を拡大し、新たに、系統会員金融機関を含めること、B「共通担保資金供給オペ」を拡充すること、を決定した(いずれも全員一致)。』
ということですが、これを導入する理由とか何も書いてないのかよ、と思いながら問題のBを確認するのだ。
・金融調節の円滑化を図る観点とは何ぞ?????
https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2023/mpr230118c.pdf
「共通担保資金供給オペレーション基本要領」の一部改正等について
『日本銀行は、令和5年1月17・18日の政策委員会・金融政策決定会合において、金融調節の円滑化を図る観点から、下記の諸措置を講ずることを決定しましたので、お知らせします。
記
1.「共通担保資金供給オペレーション基本要領」(平成18年4月11日決定)を別紙1のとおり一部改正すること。
2.「「共通担保資金供給オペレーション基本要領」等の特則について」(平成28年1月29日決定)を別紙2のとおり一部改正すること。
以 上』
とまあそういうことで、結論としては「長期共通担保オペを実施」ということで、そのオペのテナーは10年以内の日銀の定める任意の期間、オペはいつも通りの共通担保オペなので、貸付時に決定している金利が満期まで適用される固定金利方式でオペ見合いの適格担保が必要。
でもって肝心の金利とかアロットメントに関しては、金利入札方式と固定金利方式の両方があって、金利入札方式はまあ入札方式なので良いとして、固定金利の金利がどうやって決まるかと言いますと・・・・・・・・・
・固定金利方式の長期共担オペの指値金利の決定方法は「YCCの方針に整合的なレート」だそうですわよ奥様!!
別紙2になります。『「「共通担保資金供給オペレーション基本要領」等の特則について」中一部改正
』の所に固定金利共担オペの金利が何ぼになるのかというのがありまして、
『1. 「共通担保資金供給オペレーション基本要領」(平成18年4月11日付政委第31号別紙1.)
6.(2)に定める固定金利方式における貸付利率
年限ごとの国債の市場実勢相場を踏まえ、金融市場調節方針と整合的なイールドカーブの形成を促す観点から、貸付けのつど決定する利率
』
ほうほうなるほど把握した(全然わかっていない)。
ちなみに輪番指値オペの場合、この固定金利方式の金利がどう決まっているかというのは、
https://www.boj.or.jp/mopo/measures/term_cond/yoryo06.htm
国債売買基本要領
の項番5を見ますと、
『ロ.固定利回り方式
基準利回りに本行が金融市場調節方針を踏まえて売買のつど国債の銘柄ごとに定める値を加えて得た利回りにより売買する方式とする。』
「金融市場調節方針を踏まえて」としか無くて、まあこれは基本要綱だから(震え声)と思いながら12月の時のリリースとか見ても、
https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2022/rel221220f.pdf
当面の長期国債等の買入れの運営について
こちらの「固定金利方式」を見ても(声明文で0.50%が明示されている10年カレント3銘柄とチーペストは別にしまして)固定金利利回りについてどのようなロジックで計算してこのような利回りを出します、というのはまるで記載がないですな。
まあその点で言えば、今回の長期共担に関しては「年限ごとの国債の市場実勢相場を踏まえ、金融市場調節方針と整合的なイールドカーブの形成を促す観点から」という謎の文言が入っているので、一応は記載があるだけマシなのですが、問題はこの「金融市場調節方針と整合的なイールドカーブ」とは何ぞやというのが一度も示されたことが無い点でございます。
〇という訳で長期しかも何と10年までの資金供給をするって豪気な話だから短期筋ショートは全員轢死ということで
そりゃそうだ(例によって今朝の寄り前までしか昨日のは見れません)
https://port.jpx.co.jp/jpx/template/quote.cgi?F=tmp/popchart&QCODE=601.555
長期国債先物(夜間除く) 23年3月限
取引日:2023/01/18
立会区分:日中取引
始値:144.80(01/18)(08:45)
高値:146.65(01/18)(13:04)
安値:144.75(01/18)(09:07)
現在値:146.13(01/18)(15:02)
前日比:+1.29
取引高:27,696
ということで、そらまあ豪気な資金供給しますしかも日銀様が指値する場合もあります、っていう豪気ここに極まるというオペの実施をリリースしたら「ランボー怒りの追加緩和炸裂キタコレ!」という話になります(ヘッドライン見た時変な声出してしまったわアタクシも)ので、オーバーランチで1円じゃ効かなく窓を開けてウエールズになってしまう訳ですが、何気にチャーミングなのが高値から50銭も下げて(しかも途中からは引けにかけてジリジリ失速して引け前15分かそこらで20銭近く下がってしまった)終了の巻となりました。
ついでに夜間取引ですが何か最初さがってましたが持ち直して東京引けちょち安位ですね
https://port.jpx.co.jp/jpx/template/quote.cgi?F=tmp/future_night
長期国債先物
限月:23年3月限
取引日:01/19
夜間取引
始値:146.23(01/18)(15:30)
高値:146.32(01/18)(15:47)
安値:145.83(01/18)(18:06)
現在値:146.05(01/19)(05:54)
前日比:-0.08
取引高:14,993
まあ何ですな、以下アタクシが申し上げるような微妙なところもあって、今回の逆切れ追加緩和(のように見えてしまう)長期共通担保貸出の新設については、本当にこれで金利下げられるのけ問題があるのと、よくよく考えてみれば今の国債市場における「現物流通玉の逼迫によるマーケットメイク機能の著しい低下」という問題や「YCC維持のための国債馬鹿買入の持続可能性問題」という問題に対して直接的な対策もなく、SLFに関しても特段の手直し無し状態となっておりまして、実際問題として12/20の決定以降、というか年末年始の発狂買入2年共担乱発のケツは何ら拭けていない、ということで、これはもしかして黒ちゃん退任までの時間稼ぎ効果程度しかないんでネーノということで、短期筋のスケベショートとか読売新聞砲を受けたヘッジポジションとかの巻き戻しは起きても、そもそも論として「経済物価情勢を踏まえた時に10年50bpで抑えつけるのそれ無理があるんじゃないの」というファンメタから入っている人たちを踏み上げさせるには至らなかった、ってことなんでしょうかね、良く知らんけど。
〇長期共担に話を戻しまして色々とこれ本当に金利押し下げ効果あるのか問題について愚考してみるの巻
昨日はさっそく「5年共担やるよ」という事前予告が登場しました。
https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2023/mpr230118d.pdf
共通担保資金供給オペレーションの実施について
日本銀行は、2023 年 1 月 17・18 日の政策委員会・金融政策決定会合で一部改正が決定された「共通担保資金供給オペレーション基本要領」に基づき、2023
年1月 23 日に、次のとおり、貸付期間を5年とする共通担保資金供給オペレーションを実施することとしましたので、お知らせします。
貸付利率:入札方式
貸付店:全店貸付
オファー金額:オファー時に通知
期間:
2023 年1月 24 日〜
2028 年1月 24 日
ということで、5年オペの実施予定がアナウンスされた訳ですが、何だよ入札方式かよツマンネ、とか思いながら「オファー金額はその時に決める」という辺りに「ほうほうなるほど」と思ってしまいました。
・そもそも「共通担保オペ」なので担保制約の問題がある
このオペですが、当然ながら「共通担保オペ」なので担保を出さないと行けないという問題がありまして、しかも5年オペなら5年間の担保繰りを拘束(共通担保のプールに必要な分を入れておけば良いので、別に担保そのものが5年間フィックスされるわけではありません、為念)することになるので、そうそうアホのように担保ぶっこめるかというとその辺はこのオペに応札する人たちの懐具合次第なのでよくわからんけど、そんなに無茶苦茶に放り込めるもんでもない気がするので、あっという間に何十兆円って残高作れるのかは甚だよくわからん。
・担保制約の問題があるのに何でお前ら2年オペを直前に延べ9兆円も実施したの馬鹿なの???????
いやあのですね、これが正直一番意味不明でして、長期共担オペって担保繰り制約の問題があって、別に無限にオペに参加できるわけでもないのに、年始以来2年の共通担保オペをバカスカオファーして、直近の2年共担って先週の金曜日にありましたけど、バカスカオファーして先週金曜の時点で累計9兆円のオファーになった訳ですが、13日は遂に入れるニーズも減ってきて2兆のオファーに対して応札が2.2兆円しかなかったんですよね。
当初は応札6兆とかあった訳ですけど、そらオペバンバンやればその分担保繰りを食っていくわけで、段々応札減るのは理の当然。
でですよ、上記の長期共担オペ打つって、要綱作ったり何なりのロジがあるんだから、まあ1/4のは仕方ないにしても、あそこの時点でシグナルオペで止めておけば、少なくとも共担オペ参加者の担保繰りが8兆円分違っていた訳でして、最初の2回くらいはともかく、何で先週何かにとりつかれたかのように3連発で6兆円も長期共担をオファーしたのか全くもって無駄打ちだし、大体からして2年オペに応札した金融機関にしてみれば、長期共担があるんだったら(クッソ高いレートでない限り)こっちに応札する方が基本的にオイチイのですから、結果的に梯子外しているのと同じ効果を発揮してて、これワイが2年オペバンバン落札してたらその場に倒れ込んでしまうかも知れないと思うと、金融機関の皆様の「しまった!」感が半端ないのではないかと思うのですよ。
ということで、1月1週のはまあ仕方ないにしましても、先週何であんなに狂ったように2年共担を実施したのか、いやまあ情報管理上市場局は知らんかったのでとかそういう言い訳はあると思いますけれども、結果的にオペ先を盛大に裏切ることをやっている訳ですし、そもそもあの時点で2年共担をバカスカ打つ必然性に乏しい(債券市場が急落してたから臨時輪番バカスカ入れるのとは話が違う)状態だったのですから、これはちょっとアカンでしょと思うのでありました。
でまあそのオペ先梯子外し問題もそうなのですが、結局この直前の2年オペ乱発によって、長期共担に本来入れられるはずだった担保繰りを食ってしまっているのが大問題で、担保足りなくて長期共担札割れ、とかになってしまいますと、例えば入札方式の場合、札割れになったら足切りが物凄い低利回り(ちなみに総裁会見で総裁「マイナス金利の共担は可能」みたいな発言してたが出来ないんじゃなかったっけ?と思うのだが教えてジェネラル)になるので、瞬間的には「おおおおお金利低下じゃ金利低下じゃ」と思うかもしれませんが、札割れするようだと、「長期共担の残高は積み上げられない」という事になってしまいますので、それって「長期共担は空砲あるいは張子の虎」っていうことになってしまいますと、またぞろオペの限界話が復活してくるという流れに成り兼ねないわけですよ。
という訳で、少なくとも先週の2年共担3連発は無駄どころか長期共担の政策効果を削ぐものになるという何ちゅう間抜けな所業、と思いました。
・・・・・とアタクシは思うのですが、昨日のこれは輪をかけて意味不明でしたな。
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of230118.htm
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式> 10,000 2023年1月19日 2025年1月20日
来週月曜に5年長期共担オペをやる、ってアナウンスしているのに2年共担に好き好んで札入れる奴どんだけおんねんと思ったら案の定盛大に札割れしておりました。
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba230118.htm
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式>(1月19日スタート分) 1,163 1,163
そらそうでしょうよ。5年長期共担オペを実施しますよってアナウンスして(逆に短い共担なら兎も角)テナー2年の共担に入れるニーズとか滅茶苦茶限定的な訳で、このタイミングで2年共担をオファーしてくるセンスがさっぱり分からないんですけど。
・長期共担は直接その年限の金利を下げるというものでもないですからねー
でまあ長期共担ですけど、これは金融機関の負債デュレーションに関して、特に預金金融機関のように負債デュレーションの短い金融機関には長期の負債を増やす効果があるので、理屈の上では長期債を買う余力が高まる、ということになりますので、そらまあ長期の金利に低下効果がないという事は無いです。
ただ、長期共担オペの負債にマッチングさせてよーしパパ長期国債買うぞーとなるかというとそれはそれでかなり疑問で、(1)そもそもオペで資金取ってきて債券購入したら両サイドでバランスシートが拡大してしまうバランスシート制約問題がある、(2)資産サイドは評価ブレ(PL直入しなくてもその他有価証券の評価差の注記が必要ですからね)の問題があるし、長期資産を持てばVaRとかあの手のリスクも増える、というような制約があるので、別に10年長期共担1兆円出たからと言って、1兆円の10年国債買いに繋がるかというとそれは話にかなり無理がある、ということになりまする。
・そんなこんなあるのでこれってどこまで「直接的な金利押し下げ効果があるか」は謎
という結論になると思いますので、なんかこう時間稼ぎチックな香りが漂ってくるのですよね・・・・・・・・・・
〇時間稼ぎだとしてもこれ後任の人達に結構な面倒を押し付けることに成り兼ねないんですけど・・・・・・・・・
えーっと時間も無くなってきたので簡単に申し上げますと、このオペって相変わらずの「共担オペの目的外使用」になるのですが、購入した国債の場合、いざとなれば究極兵器「国債売却」でバランスから落とすこともできますが、共担オペの場合、「長期貸付金しかも期限一括弁済」になってしまいますので、長期共担とかやってしまいますと、将来に渡って日銀のバランスに残りますし、将来物価目標が達成されて、政策金利が1%だ1.5%だ(控えめに言っておく)となった場合、このオペ残高が長期間に渡って日銀の損失垂れ流し資産になってしまいまして、日銀が長期に損失垂れ流すというのは、ひいては国民負担を長期に垂れ流すという事に他ならない訳ですよ。
ということで、何ちゅうかそもそも論としてこのオペ無茶苦茶筋悪オペで、たかが黒田退任までの時間稼ぎに使うにしては、かなり呪いの深いオペになっております。という事は指摘させて頂きたいわけでございまして、まさかとは思いますが、現執行部は後任に呪いの爆弾だけ放り投げてあとはシランガナ、といいながらこの呪いのオペをこれから乱発するんじゃないでしょうかと思うと、将来に渡って禍根を残しかねないなあ、と苦し紛れの昭和温泉旅館増築もだんだん碌でも無い物ばかり増やすようになってきまして、早急に建物をスクラッチで更地から作り直すことを祈念いたしまして、お時間もないので本日はこの辺で勘弁させて頂きとう存じます。
2023/01/18
お題「さあ決定会合・・・・・・なのはいいんだが」
かの高橋亀吉先生は著書「私の実践経済学」でこのように喝破しておられます。
『もう一つ重要な点がある、経済理論もしくは経済原論というものは、世界全体を一体としてみれば正しいけれども、個々の国民経済そのものについては必ずしも妥当しない場合が多いことである。ところが、経済学者は往々にして、世界全体に妥当するからといって、その理論で日本の国民経済を診断し処方箋を書いている。』
(高橋亀吉「私の実践経済学」東洋経済新報社(1978/01/10初版発行、引用者の手元にあるのは1995/12/01の第24刷版)本文20ページより引用。ISBN4-492-39005-7 C3033 P1750E(巻頭言は1975年10月に書かれておられますちなみに)
・・・・・ツイッターランドの方でこういうのを見つけてくださった方が居まして、謹んでワタクシも便乗させて頂こうかと思いまして。
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2023/0116/agenda.html
第1回会議資料:会議結果 令和5年
「説明資料」ということで多くの資料がありますが、どこの誰とは言いませんけど、とある資料のタイトルを見て高橋亀吉先生がもし今の世にいらっしゃったら何と仰るでしょうかね。
〇おやおや今日は臨時輪番も2年共担も実施しなかったんですね
昨日の国債買入オファー(短国は除く)。
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of230117.htm
国債買入(固定利回り方式)(残存期間5年超10年以下)(注4)2023年1月18日 0.000
国債買入(固定利回り方式)(残存期間5年超10年以下)(注5)2023年1月18日 0.000
・・・・・・・ということで、昨日は何とまいにちさしねおぺ、というそもそも実施することが決定しているオペだけの実施に留まり、臨時輪番のオファーはありませんでした。
月曜日に関してはご案内の通りで、金曜の夕刻に「月曜日に追加輪番やるから覚悟しとけ、どの年限で何億円買うかとか当日のその時間にならないと分からないからな」という威嚇をしていたのですが、月曜の追加輪番(12月26日の例からすると追加輪番の方が臨時輪番より規模が大きそうにも見えたのですが)は何の事はない前週にせっせと入れて何が臨時だかよくわからん臨時輪番と同じ額、しかも臨時輪番のおかわりとか2年共担とかは無くて、謎のムービング指値2年指値があっただけ、という動きでしたので、まあこの時点で前週のヤケクソオペとちょっと微妙に違った訳です。
でもって昨日は上記の通りで、なんか魔法が解けたんだか何だか知りませんが、急に他年限指値も臨時輪番も2年共担も実施しないという平穏なオペ運営に戻っておりまして、これが何を意味するのかは結果から逆算するしかないのですが、そもそも論として国債買入を持続的に行うためには、「買い過ぎない事」が最も大事なポイントで、何なら「少ない買入で効果を出せるのが一番良い」ということでありますから、政策を現状維持しながら粘りたければ本来は臨時輪番などの乱発をするのは最も避けるべきことだったんですよ、と考えますと・・・・・・・・・・・・・・・・
〇しかし時すでにお寿司とは良く言ったものです(SLF編)
先週の連休明けとその翌日の朝の幣駄文の方では「あの大量買入れは年末年始に債券市場が不安定化をするのを避けるための措置でしたテヘペロ」とやって、買入ペースを落とすと立て直せるかもね(と言ってもそもそも通常輪番を大幅拡大している時点でオワッテタという話はあるがそれはさておきまして)ってな話をしておりましたが、水曜日からの怒涛の火の3日間で発狂買入に拍車をかけた結果破局を思いっきり接近させたわけでございます、とは言っても結局の所破局は避けられなかったとは思いますが、今回に関して言えば黒ちゃんの任期が終わって次のMPM、即ち4月末までの破局を回避すれば良かっただけの話なので。
さてさて、まあそんな訳で覆水盆に返らず社畜盆に帰らずという事で、月曜から臨時輪番を若干ですけど抑制したように見えましたが、まあ何と申しますか時すでにお寿司とはまさにこのことでして・・・・・・・・・・・・
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba230117.htm
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注4) 83,593 83,593 -0.350 -0.435
国債補完供給(国債売現先)・即日(午後オファー分)(注5) 3,044 3,044 -0.350 -0.662
あばばばばばばばーとしか申し上げようが在りませんことで、SLF8.6兆円だわよく見ればコストも更に上昇(平均のマイナスの数値が大きくなっている)するわとなっていまして、マーケットメイクができませんですバイという状況。
今週の頭以来申し上げていますが、とにかくこの問題を本質的に改善するには「日銀が保有銘柄の市中売却を行う必要がある」という話でして、だからスイッチングオークションを検討しやがれコノヤローとは思うのですが、そんなものは急場に間に合う訳はありません。
・・・・・・・ということで何ですな、SLFに関しての条件大緩和というのが本日現状維持だろうがYCC撤廃だろうが目標年限の短期化だろうが会見場で黒ちゃんのが腰ミノ一丁でファイヤーダンスしながら登場しようが、まあいずれの場合にせよ急務であろうかと存じます次第であります。
ただSLFの要件緩和って結局の所弥縫策に過ぎず、市場における流通玉を復活させないと行けないので、せめて日銀保有を個別銘柄ベースで残存額の70%までは減らせよ(昔の事を考えれば50%と言いたいけど)と思うのでありました。
ここまでの馬鹿買いをしてなければ良かったのですが、直近の馬鹿買入によってただでなくさえ怪しい流動性が完全に枯渇してまともにマーケットメークが出来ない状況になっていますので、本当は今すぐにでも検討しないと行けないんですけど、まあ次期総裁の下でこれはとにかく実施しないと話にならんと思いますがどうでしょうかね。
〇しかし時すでにお寿司とはよく言ったものです(指値オペに今日も飛ぶ飛ぶ応札玉)
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba230117.htm
国債買入(固定利回り方式)(残存期間5年超10年以下)(注6) 4,288 4,288
国債買入(固定利回り方式)(残存期間5年超10年以下)(注7) 4,677 4,677
・・・・・・・・orzorz
ということで、昨日も昨日とて指値には合計9000億円近くの買入が入ってしまいまして、しかもチーペストさらに4677億円落札ってあーたもうどうなってるのよ・・・・・・・・・・・・・・・
〇しかし時すでにお寿司とはよく言ったものです(チーペスト銘柄の引値ェ・・・・・・・・・)
例によって昨日の売参ちゃん
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html
色々と味わいがありまして、まずは先物3月限チーペスト銘柄になりまして、まいにちさしねおぺの対象になっておられます10年358回債の引値を見てみましょう。
長期国債 358 2030/03/20 0.505
・・・・・・・・・10年カレント3兄弟の一番金利の高い10年369回に関しては場中に0.50%突破、というのは昨日もニュースになってましたように金曜から3営業日連続とは言え、引けになると引けに吸い寄せられて引値は0.500%に落ち着くという仕様になっておりまして、昨日も引値は0.500%になってくださっておったわけでございます。
しかしながら、チーペストちゃんは何か引けが0.50%を抜けて引けやがっておりまして、まあこっちが抜けてもニュースで扱う側としては「チーペストって何??」から話を始めないと行けないので、金融ファクシミリ新聞さんくらいしか大々的にネタにできそうな方はいないと思うのですが、まあとにかくひっそりと0.505%を引けにしてきました。
何かチーペストの輪番もこれ入り過ぎな気がするような入り方でして、オペ先が全員ショートでしかも全員がSLFの世話になってしまうと、そもそも当該銘柄の指値オペは物理的に誰も応札できないので、市中の取引水準は指値オペと無関係に値段が付くかもしれない、とかこれも地獄おぶ地獄でして、しかも債券先物3月限の建玉残高って目の子で通常の2割増し位になっている(ただし先物の建玉に関しては限月交代前後の動きをみれば分かると思うのですが、「未決済の両建て」で水増しされているとしか思えない挙動をしているので、必ずしもこの数字が当てになる訳では無い点ご留意ありたし)んですよねー、うーんこの。
なお、せっかくなので記念にこの辺の単利をまた並べてみましょう。アタクシの備忘も兼ねて。
長期国債 358 2030/03/20 0.505
長期国債 359 2030/06/20 0.560
長期国債 360 2030/09/20 0.590
長期国債 361 2030/12/20 0.610
長期国債 362 2031/03/20 0.620
長期国債 363 2031/06/20 0.630
長期国債 364 2031/09/20 0.635
長期国債 365 2031/12/20 0.620
長期国債 366 2032/03/20 0.580
長期国債 367 2032/06/20 0.440
長期国債 368 2032/09/20 0.420
長期国債 369 2032/12/20 0.500
8年〜9年ゾーンって既に60bp越えてるんですよね〜。
このゾーンはクーポン差があるから単利引値で比較するのはあまり推奨されませんけど、今回は傾向をみるだけの話なので単利引値で勘弁してもらいますが、上記の数値でみるとカーブが横から下がりだしている2022年以降の償還の所の既発超長期の残存9〜10年ゾーンの引値を見てみましょう。おまけに2033/03償還もつけておきます。
超長期国債 134 2032/03/20 0.610
超長期国債 135 2032/03/20 0.615
超長期国債 136 2032/03/20 0.615
超長期国債 137 2032/06/20 0.625
超長期国債 138 2032/06/20 0.630
超長期国債 139 2032/06/20 0.625
超長期国債 140 2032/09/20 0.630
超長期国債 141 2032/12/20 0.655
超長期国債 142 2032/12/20 0.655
超長期国債 143 2033/03/20 0.680
超長期国債 144 2033/03/20 0.680
2032/12/20償還は10年債だと0.500%だけど日銀の指値が入らない既発20年国債の同残存物になると単利0.655%と・・・・・・・メモメモ。
とまあそういう訳で時すでにお寿司だし、12月20日よりも市場の状況は格段に悪化しておりまして、市場機能の改善とか言い出して12月20日にバンド拡大を行ったのですが、どこからどうみても裏目だし、しかも何度も申し上げているように、この間の国債馬鹿買入により現物国債市場の流動性の低下は著しく進行してしまい、将来に渡っても禍根を残すような状態になっていまして、市場機能改善を謳って実施した施策が完全に逆方向に大噴火している、という恐ろしい状態になっておる訳ですな。
〇今日は何をしでかしてもおかしくないので最早予想もへったくれもないが50→75は多分最悪の結果を招くでしょう
まあ何ですな、補完供給オペの取り扱いを大幅に緩和しておけば現状維持でも目先誤魔化せるのかもしれない、とい淡い期待はありますし、なんとなくその方向かもなーとは思うのですが、それをやったとて多分問題は悪化する一方なので、本来ならここは長期ターゲット撤廃、長期ターゲットを100位まで広げる(でも100って言ったら却って100まで飛んじゃうかもしれないので黙ってた方が良い気がします)、5年にターゲットの短期化を行う、とかそういう話ですかね。
これ今となっては50→75ってのが多分最悪の選択肢で、これをやると瞬時に75に張り付いて同じオペのくり返しになってあっという間に大爆発ってことになるのでは無いかと思う、というのは割と自信もって(そんなので自信もへったくれもないけど)思います。
あと、これは12月20日以降ちょこちょこ申しあげたとおもいますが、この流れって2015年から2016年の流れと同じで、「QQEの限界(当時は買入が物理的に無理になるって話で、現実問題としてTDBはこの時当預付利が0.10%あるのにジャンジャンマイナスに突っ込んでしまうという日銀の買入のせいで短期市場におけるリスクフリーレート市場の一角が壊れてしまっていた)」とか言われる中で「補完措置」ってのを実施したのが2015年の12月で、これやったら却ってQQEの限界が目立つ形になってしまって、2016年1月末の決定会合でまさかの「マイナス金利導入」という逆切れ緩和が行われた訳ですよ。
その時と相似形、と思うと、今回も黒ちゃんヤケのヤンパチで追加緩和とかしてきても何らおかしくない、というのが凄まじい所でして、まあさすがに今回は予測不能です勘弁して下さい。
べき論はYCC完全撤廃、マイナス金利は本当は一緒に解除して欲しいけど、まあそこは「まだ上げませんよ」ってメッセージ出して長期金利の跳ね上がりをけん制、ただし実弾牽制はもう行わない、というのもこれ重要で、今の惨状を是正するには「長期国債の馬鹿買入をどないかせんといかん」のであります。
とまあそんな雑談ばっかで申し訳ありません、まあアーニャも正月早々ワクワクですね。
今日のおまけ:元歌詞については「今日も飛ぶ飛ぶロッキード」あたりのワードで検索すればわかりますわよ
命惜しさに東彦が
ダボスに逃げたその後にゃ
今日も飛ぶ飛ぶ鬼質問
でっかい爆弾に身が縮む
まあ(死なないように)頑張りましょう、何を頑張るのか分からないですけど同士の皆様エイエイオー!なのです。
2023/01/17
お題「企業物価指数ェ・・・・・・・・・/SLFが8兆円に接近という困った状態になっておる」
こういうのを制度の濫用という
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230116/k10013950721000.html
水道橋博士氏が参院議員辞職 れいわ「残り任期 5人で交代」
2023年1月16日 13時15分
非拘束式比例代表制の趣旨に反する制度の濫用で、全く持ってゴミクズの所業としか申しあげようがないのですが、(ちなアタクシは比例代表反対論者)、共通担保オペを「企業金融の円滑化」とか言って急にフルアロットメントの2週間ものといういろんな意味で制度の趣旨に反することをしている中央銀行もいる訳で、制度の濫用がいたるところにあるのが今のジャパンではありますなorz
〇企業物価指数が相変わらずでありましてそもそもの始まりは物価見通しを盛大に外していることである
・コストを価格転嫁する動きは結構長く続くんでネーノという素人話
https://www.boj.or.jp/statistics/pi/cgpi_release/cgpi2212.pdf
企業物価指数(2022年12月速報)
付. 2022 年中の企業物価指数の動向
(特別掲載)暦年指数(総平均)の長期時系列
今回は色々とおまけがついているようですが、まあ何はともあれ
『国内企業物価指数は、前月比+0.5%(前年比+10.2%)。
輸出物価指数は、契約通貨ベースで前月比0.0%、円ベースで同▲3.1%(前年比+12.1%)。
輸入物価指数は、契約通貨ベースで前月比▲0.1%、円ベースで同▲4.1%(前年比+22.8%)。』
はい。輸入物価指数は下がってきても国内企業物価指数は上昇で、こちら事前のエコノミスト予想よりも強くて9月以来の2ケタ乗せと相成っております。企業のコスト上昇転嫁の動きについてはお詳しい方にお伺いした方が良いのであんまり素人のアタクシがどうこう言うもんじゃないと思いますが、結局のところはコストの価格転嫁の動きってのはそうビビットに進むもんではなくて、時間を掛けながら何とか追いつかせていく、という流れになっていて、そういう文脈からすると、今年の夏にかけて1%台前半水準程度までコアCPIが落ち着く(から物価目標の達成からほど遠い)という日銀の見方は眉唾モンという話になろうかと思います。大体からして年初来延々と物価見通しを外しているんだし。
・問題は「経済物価状況に対して無理のあり過ぎる金融政策を実施している」ことであって市場との戦いではない
閑話休題
https://www3.nhk.or.jp/news/special/sakusakukeizai/20230116/560/
2023年01月16日
日銀の金融政策決定会合 注目点は?
『日銀がさらに金融政策を修正するのではないか。こうした思惑から国債の売り圧力を強める市場。これに対抗して、連日、過去最大規模の国債の買い入れで金利を抑え込もうとする日銀。市場対日銀の攻防が激しさを増す中で、今回の日銀の会合には大きな注目が集まっています。』(上記URL先より)
ここのQAも肝心な部分には微妙にかすっているだけ、というのが残念なんですが、単なる「売り仕掛け」であれば大量の買いで制圧は可能なんですけど、今回の問題の本質は「日銀が言っている物価見通しがこの1年間下方に外れ続け、しかも途中からは明らかに日銀は恣意的に物価見通しを低めに見積もることによって金融政策運営を行ってきた」ことにあるわけですよ。
でもって国内物価が今後一段高するかどうかはともかくとしても、CPI前年比+4.0%とかまで上昇するわ、国内企業物価指数の高止まりに見られるように先行き急に+1%カツカツまで下がるのかも怪しいし、そもそも論として今回の物価上昇ってここ20年くらいと違って基調的な部分と見られる加重中央値や最頻値などでも過去にない上昇を示している、というような物価の動きが夏以降(なので統計として出てくるのは秋以降)特に高まっているわけですがな。
つまりは、これ「市場対日銀」というのは皮相な話であって、「経済物価情勢の基礎的条件を無視した金融政策が持続可能なのか」という問題が根底にある訳ですわ。
そらまあ市場対中央銀行、とかいうとセンセーショナルなので「映え」る訳ですけど、為替市場の固定相場維持とかと同じで、経済物価の基礎的条件からの乖離がある政策を持続して行って、そこに徐々に無理が掛かり、その無理が維持不能になった結果が12月の政策修正であり、その修正じゃあ全然足りない、ってのが足元の話、とまあそういう辺り、公共放送さんの上記URL先のQAでもその肝心な部分の周辺にはタッチしているんだけど、そこに触れていないのは残念だな〜と思うので
ありました。
せっかく割と冷静に良い解説してくれることの多い公共放送ネット版だけについネタにしてしまいますけど。
〇追加オペを実施したが臨時輪番と同額でしたし珍しくおかわりと2年共担なかったじゃん
昨日は追加オペが事前アナウンスされていた訳ですが。
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of230116.htm
国債買入(固定利回り方式)(残存期間5年超10年以下)(注4)2023年1月17日 0.000
国債買入(固定利回り方式)(残存期間5年超10年以下)(注5)2023年1月17日 0.000
国債買入(固定利回り方式)(残存期間1年超3年以下)(注6)2023年1月17日 0.000
国債買入(残存期間1年超3年以下) 1,000 2023年1月17日
国債買入(残存期間3年超5年以下) 5,000 2023年1月17日
国債買入(残存期間5年超10年以下) 5,000 2023年1月17日
国債買入(残存期間10年超25年以下) 3,000 2023年1月17日
・2年指値オペの買入利回り水準が毎度毎度異なることについての理論的背景について小一時間問い詰めたい
前半のまいにちさしねおぺ2本はまあいつも通りとしまして、昨日も何故か2年の指値だけ実施していましてこれがまた、
(注6)固定利回較差の結果、2年利付国債444回の買入利回りは、0.030%となる。買入金額に制限を設けずオファー。
2年指値について利回り較差が毎回「引け」なのは同じなのは分かったんだが、引けってのは毎日ブレるものでございまして、今年に入ってから2年の指値オペって複数回実施されているのですが、その基準利回りは「前日引け利回り対比0.000%」ってのは同じなんですけど、出来上がりを見ると0.030%→0.025%→0.040%→0.030%という風に推移しています。
えーっとすいません、YCCで円滑なイールドカーブの形成を促すための補助ツールとして2年の指値オペを使っていると思うのですが、この指値水準が毎回異なる上に、水準が毎度毎度前日の引けと同じ利回りです、ってあたかも何も考えてい無さそうにしか愚昧なアタクシには見えない指値の打ち方をしていて、甚だ理解に苦慮する今日この頃なのではございますが、当然のことながら日本銀行様におかれましては高度な経済理論に基づいてこの指値水準をお決めになられておられるものと思料されますので、その高度な計算式についてちょっと解説して頂けませんでしょうか?????????????
・事前に大アナウンスした割には金曜の臨時と同額か
いやまあそもそも追加輪番も臨時輪番もやるなやヴォケ(理由はこの次で書く)と思うのでそもそも実施することは無いのですが、金曜日に鉦や太鼓を打ち鳴らしておいて結局輪番オファー額がダマテンで打ってきた金曜の午前の臨時輪番と同額で、金曜日にぶっこんできていたおかわり+2年共担(札の入り方から言って今度入れたらおもいっくそ札割れしそうですが)は無し、とのことですが、こちらも発動基準から金額の決定方法から、何から何までさっぱり分からないわけですわ。
いやまあ「相場が下がっていないから今日は穏当にしておきました」し「金曜は急落してたからバンバンオペ打ちました」って事だとは思うのですが、そうなると11日の30年入札後に相場が強めに推移していたのに臨時輪番しかも超長期後半入り、というのをやったのが意味不明にも程があるという話、というかまあその前の時点から「この調子で輪番やら2年共担やってたらオペが3月4月まで続かないだろ」とは言われだしておった訳ですけれども、まあアタクシ思うにやっぱり11日午後の臨時輪番が最後の止めになってて、あそこでコミュニケーションが完全に崩壊して何か変な薬物でもキメてラリパッパになってるとしか思えない手あたり次第輪番モードになった(と思った所に読売砲(後続無くて誤報疑惑もあるが)で引導渡された格好)って感じですわな。
まあそんな訳で、そもそも「臨時輪番」ってのは余程の時にやるからこそ臨時輪番としての意味がある訳で、こう毎日臨時輪番やっててオペが続くわけもないし、しかも指値オペだと空砲の場合は別に前後で債券需給に変化は起きないけど、輪番の場合は確実にその分の買入が増えますから・・・・・・・・・・・・
〇SLFがドンドン大変なことになっているのですがこの調子で期末を迎えたら大惨事必至ではないかと懸念します
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba230116.htm
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分)(注4)75,330 75,330 -0.350 -0.563
国債補完供給(国債売現先)・即日(午後オファー分)(注5)4,199 4,199 -0.350 -0.543
注釈は銘柄明細でこのダンダラが物凄い事になっていますが、それはさておきまして、午前午後でSLFがほぼ8兆円!!の落札になっていますがな。
金額で言えば
13日:51,847+0
12日:38,418+135
11日:35,019+87
10日:37,110+60
6日:26,037+30
ってな具合で推移していまして、平均落札レートの方も足もと急低下(=SCレポ市場における玉確保逼迫)しておりまして、おまけに昨日も追加輪番と指値オペで2兆円ほど日銀が市場から国債をご購入あそばされておりますので、つまりはここもと毎度のように申し上げておりますように、「国債市場でマーケットメイクしようにもマーケットメーカーが投資家からくる売買フローのヘッジがまるで出来ない」状態になり売買フローのヘッジが出来ないからオファービットが死ぬほど広がる、またはそのままマーケットにフローが出てしまいそれに向かう動きが直ぐに出てこないのでちょっとしたフローが出るたびに債券市場がそっちの一方方向に振れてしまう、またはそもそも投資家の売買を受けられない、というような惨状が発生するリスクはドンドン高まっているわけですよ、というか一部そんな感じじゃないかという気もせんでもない。
あとは毎度申し上げている通りですが、国債の流通市場壊滅しちゃいますと、そらまあ日銀オペに直接参加して新発債の入札に直接参加しているならまだ売買するチャンスありますけど、日銀オペに直接参加していない債券市場における投資家においては、ポートフォリオの運営に物凄く支障を来すわけですが、何せ今は新発債が出た側から指値とか輪番とかで買ってしまえば見た目で言えば恐らく安定消化ができているような体は取り繕えてしまいますので、国債流通市場の事を丸無視してしまえば「市場は安定して推移している(キリッ)」とか言い張れる状態で引っ張れるんじゃなかろうか、って気がするのよね。
まあモチのロンなのですが、既に12月20日以降の流れがまさにそうなっておりますけど、国債市場の方が不安定かつただしい水準がさっぱり分からん、という状況になってしまいますと、その国債をベースにプライシングしている社債市場などはモロに煽りを食らう訳でございまして、表の国債市場で金利のヘッジもしにくい状況になったらそら社債のビットしろって言われてもリスクプレミアムを乗っけざるを得なくなりますわなという話。
つまり、企業のクレジットとかそういう理由ではなくて、表の国債市場の方が混乱しててスプレッドが拡大する、という状況になってしまう訳ですが、まあこれがリーマンショックやコロナショックみたいな経済への負のショックによるものだったら、そらまあ企業セクター全体的に影響あるから仕方ないね、という面があるのですが、今回の場合は経済物価情勢が良好な中で、日銀が物価情勢の好転を丸無視した無理矢理緩和を継続したために起きてる国債市場のショックな訳で、常識的に考えてマクロ的に企業業績が全部悪くなるような話ではないのにスプレッドが開いてしまう、という完全に貰い事故状態になっているのがテラヒドスな次第でありますな。
〇ということで明日はどうするんだか&黒田は会見を放棄してダボスに逃亡する気かよ
とまあそういう訳ですが、明日のMPM、本来は12/20に見直しをしたばっかりで再見直しって明らかに「12/20の判断が間違えていました」というのを認めることになりまして、まあ実際に判断間違えた結果がこのテイタラクだから認めろやこのカスとしか思えませんけれども、まあ体面上認めたくないから現状維持したい、というインセンティブがあるのは分かります。
まあそんな訳でして、こうなってくると、(1)屁理屈を付けて10年レンジの大幅再拡大かギブアップ、(2)絶対に退かぬ!として現状維持、の2択しか無くて、「検討指示」みたいな生ぬるい中間案をすると次のMPMまで相場が無茶苦茶になりそうですね。なお(3)ランボー怒りの10年レンジやっぱりプラマイ25bpに戻すわ攻撃。というスーパー逆切れの可能性はゼロとは言い切れないのが手負いの日銀の恐ろしい所です。
いずれにしても、上述したような日銀による国債馬鹿買入によるセカンダリー市場の惨状そのものは(1)でも(2)でも状況が改善することは無くて、現状維持しようとすれば更に悲惨なのは当然ですが、YCCを仮に撤廃しても、結局金利上昇のスムージングとか言いながら国債馬鹿買入したら同じことだし、追加の馬鹿買入が減ったとしても、既に購入しちゃった分は何らかの施策をついかしないことには市場の流通玉が復活する訳でもない、ということで、後の金融政策運営にも禍根を残しまくっているのが酷いのでして、この調子で3月期末とか大丈夫かよってのは非常に痛感する所であります。
しかしまあ何ですな、
https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/20230116-06428589-klugfx-fx
黒田日銀総裁、ダボス会議出席のためスイス出張、18日から22日まで
1/16 18:01 配信
まさかとは思いますがダボスに出るから会見を早々に打ち切り、とか会見から逃亡、とかするんじゃないでしょうかという感じですが、もう黒田じゃクソの役にも経たないから最初から雨宮さんが代理で出てきて説明して、何なら黒田はダボスに行ったまま国外追放でも良いんですけどね。
てかさ、G7とか蔵相中銀総裁会談とかならともかく、ダボス会議如きを理由にして会見の時間を切るとかアカウンタビリティーを愚弄するにも程があり、日銀法違反相当じゃないのかって思ってしまいますね。
ということで今日も何か雑談ばっかですいませんでした。いよいよ明日ですな。
2023/01/16
お題「長期金利ターゲット継続するにしても撤廃するにしてもこんなに買入をしたら国債焼け野原ェ・・・・・・・・・・」
「腹を切って死ぬべきである」ですか懐かしい(又吉イエス氏は2018年にご逝去されました)。
https://news.yahoo.co.jp/articles/d28547911ea9312f861bd748dfa9c61c5037d1f4
岸田首相に「切腹」要求 ロシア前大統領、日米に反発
1/14(土) 19:10配信
本来腹を切るべきなのは(以下はお好きな語句をどうぞ)。
〇何で円債村が地獄の火の中に投げ込まれなければならんのかと小一時間(金曜の市場備忘メモ)
・日銀が買いすぎてしまって市場がワークしなくなるという現象がアカラサマに明らかになる(しかも朝一から)
さて金曜日の市場ちゃんですが、ご案内の通りでして、
https://jp.reuters.com/article/tokyo-dbt-idJPL4N33Y029
2023年1月13日10:04 午前
新発10年国債利回りが0.530%に上昇、日銀許容幅「上限」超える
『[東京 13日 ロイター] - 朝方の東京円債市場で、新発10年国債利回り(長期金利)が3.0bp(ベーシスポイント)上昇の0.530%を付けた。日銀の長期金利の許容変動幅の「上限」である0.500%を突破した。2015年7月2日以来の高水準。日銀による追加政策修正への思惑が強まっている。』(上記URL先より)
ということで、確か54.5bpまでつけていたと思うのですが、追加修正云々は勿論あるんだけど、ここの問題は「日銀が流通玉を買いすぎてしまってオペ参加先が指値オペに応札できなくなってしまった」ことによる訳でございまして、金曜もちょろっと書いたけど円債市場の皆さん既にご案内の通りで、日銀が市中残高を吸い上げ過ぎてしまったために、元々マーケットメーカーって顧客の注文に応じる際に(特に顧客が買いたがる銘柄は)ショートポジションになってレポ調達して対応、ということになるのですが、そのレポも日銀のSLFを使うしかなくなってしまい、SLF使って指値オペ入れるのは不可(OKにするとループが始まってしまう)という事で、マーケットメーカー、自分は既にSLF使っている状態だから指値入れられない上に、顧客からの売りを受けてもそれを指値オペに入れられない(自分のショートが埋まってSLF解消したとしても指値に入れるためには結局世の中にSCレポで貸してくれる所が無ければ日銀のSLFに行くしかないので)ので、そうなってしまうと場では指値オペ水準並みではビットが出来ない(指値レートで外せないんだから仕方ない)という事になって、0.50%を抜けてしまう訳ですなナムナムナム。
以前0.25%の拡大か、みたいな話があった時に瞬間芸みたいな感じで0.255%とか付いたことがあるのですけれども、あの時は瞬間芸っぽかったのに対して、今回は0.50%抜けの出会いが入り、粛々と甘くなるという流れになっていたので、前回の瞬間抜けよりも全然マジな崩れ方で、まあこれも日銀が無駄に買いすぎた結果でありますので日銀自業自得ざまあwwwと言いながらも、日銀が流通玉全部吸い上げてしまうと、そもそもSCレポがワークしない(無茶苦茶とんでもないレートになってします)となると、マーケーっとメイクそのものが出来ないことになります。
ついこの前までは「どの基準で臨時輪番や他年限指値が来るかの基準が全く明確ではないので、マーケットメイクをすること自体が「日銀オペによってカウンター食らうリスクがあって、しかも予見できないのでマーケットメイクが出来ない」とか言ってたのですが、もはやそんな話をぶち越えてしまって、「市場の流通玉を日銀が吸い上げてしまうことによって現物債券の流動性が皆無になりマーケットメイクが物理的に不可能になる」という恐ろしい状態になっている、というのが指値水準ぶち抜け事件によって白日の物となる(ちょっと前からまあそうだったんですけど満天下に明らか、というのは金曜の10年カレントのクソ出合いを持って嚆矢とするんでしょうな、と思うの)のでありました。
つまりですね、そもそもSCレポで借りれないものは空振って売れないし、顧客からの売りに対してヘッジで別の銘柄をショートする、というのもSCレポ市場が機能してこその話なので、結局のところマーケットメイクそのものが出来ない。ということになり、これって日銀が輪番の発動基準を明確にすればどうのこうのとかそういうレベルを超えてしまって、国債市場自体が市場の体をなしていない、という無茶苦茶な状況になるまで買入を行っている、という事を示しておりますなあ、というお話な訳ですよ。12/20の決定を市場機能の理由でやっていた筈なのに、市場破壊のテロ行為を日銀が率先して行っているという知っててやってるのか知らないでやってるのか良く分からないのですが、端的に言って罪万死に値するの100乗くらいのレベルのテロ破壊にあってしまった日本国債市場なのでありました。
まあ同じような話になりますけど、先物も大概な事になっていて、前日の引けの時点で先物チーペスト銘柄は50bpになっていたものの、その水準でも大概にチーペストは先物対してベーシス付過ぎ(つまり先物価格が割安)になっていた次第ですが、チーペストの指値が前日対比引け水準で入ってくるのはまいにちさしねおぺが50bpで入るのでいるというのに、(他に売れるもの無いから仕方ないのは分かるけど)情け容赦なく叩き料理の世界になって、10時10分のオペオファー後10時30分に向けては先物1円安以上の下げとかになっておりましたわ、こっちもドイヒーである。
・持続性を1ミクロンたりとも考慮しない買入が続くの巻
まあそんな状況ですが10時10分の輪番は、当日に5年入札あるというのにもかかわらず、
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of230113.htm
国債買入(固定利回り方式)(残存期間5年超10年以下)(注4)2023年1月16日 0.000
国債買入(固定利回り方式)(残存期間5年超10年以下)(注5)2023年1月16日 0.000
--------------------ここまでまいにちさしねおぺ--------------------------
国債買入(固定利回り方式)(残存期間1年超3年以下)(注6)2023年1月16日 0.000
---------------------なぜか2年だけ臨時指値オペ---------------------------
国債買入(残存期間1年超3年以下)1,000 2023年1月16日
国債買入(残存期間3年超5年以下)5,000 2023年1月16日
国債買入(残存期間5年超10年以下) 5,000 2023年1月16日
国債買入(残存期間10年超25年以下) 3,000 2023年1月16日
---------------------午前の臨時輪番----------------------------------------
ということで、2年の臨時指値オペが
(注6)固定利回較差の結果、2年利付国債444回の買入利回りは、0.040%となる。買入金額に制限を設けずオファー。
となっていたのですが、こちら前々日に2年と5年の指値をしてましたが、2年の指値水準は「引け」で出来上がりが2年444ベースで2.5bpだったのですが、金曜の指値は「引け」かつ「4bp」ということで、まあ「引け」ってのは同じなんですけど、絶対水準自体は引けが変わると変わる、という最早何をやりたくて指値やってるのだかさっぱり理解できない水準。
でもって臨時輪番の方はと言えば(毎日のようにやってて臨時も糞もないのだが)5年入札の前場に5年ゾーンに厚い輪番を打つ、というこれまた碌なことしません輪番ですし、買入ロットも金曜は奮発して増やして来ましたが、なにせ上記のように「そもそも日銀が買いすぎてしまっているのでオペレーションの持続可能性がどんどんなくなり、しかも既に10年カレントで「買入の限界」がアカラサマに示されている」って状態なのですから、輪番をやったらやったで益々「この国債買入は2月3月まで持続不可能」という事になりますので。そら売られるものは売られるわなという展開となりまして、こんなのがありながら5年新発の入札を迎える、という展開になりました。
・40bpまで水準訂正したので入札自体は一応落札予想対比無難なのだがそもそもこれを無難というのかは知らん
なんかロイターさんからの引用ばっかりで恐縮ですが。
https://jp.reuters.com/article/tokyo-dbt-idJPL4N33Y0K3
2023年1月13日11:24 午前
〔マーケットアイ〕金利:前場の国債先物は大幅続落、長期金利は日銀上限突破し一時0.545%
『[東京 13日 ロイター] -
<11:15> 前場の国債先物は大幅続落、長期金利は日銀上限突破し一時0.545%
国債先物中心限月3月限は前営業日比84銭安の144円33銭と大幅続落して午前の取引を終えた。来週の日銀会合を前に金融政策修正の思惑が根強く、売り手掛かりとなった。新発10年国債利回り(長期金利)は一時同4.5ベーシスポイント(bp)上昇の0.545%と、日銀がイールドカーブ・コントロール(YCC)政策で許容する変動幅上限の0.5%を大きく上抜け、2015年5月以来の高水準を付けた。』
『 OFFER BID 前日比 時間
2年 0.037 0.048 0.007 11:01
5年 0.319 0.325 0.051 11:01
10年 0.533 0.541 0.036 11:00
20年 1.434 1.451 0.044 11:01
30年 1.679 1.702 0.04 11:00
40年 1.975 2.005 0.033 11:01』(以上上記URL先より)
政策変更の思惑、じゃなくて「日銀の国債買入が強引すぎて到底持続不可能とみられている」っていうのがここまで来ると正しくて、お願いだから今日からはそういう書き方してくれませんかねえメディアの皆さん。
でもって臨時輪番と入札が終わりまして、
https://jp.reuters.com/article/tokyo-dbt-idJPL4N33Y0R1
2023年1月13日12:54 午後
〔マーケットアイ〕金利:5年債入札結果は無難、国債先物は下げ幅縮小
『 <12:51> 5年債入札結果は無難、国債先物は下げ幅縮小
財務省が午後0時35分に発表した5年利付国債の入札結果は、最低落札価格が99円52銭(最高落札利回り0.399%)、平均落札価格が99円55銭(平均落札利回り0.393%)となった。落札価格の最低と平均の開き(テール)は3銭と前回(2銭)からやや拡大した。応札倍率は3.66倍と前回(3.58倍)から上昇した。』(上記URL先より)
無難、ということになっているのですが、絶対水準の0.40%だったら仮に10年ターゲット撤廃になったとしても、足もとの政策金利がマイナス(ちなみにマイナスの解除だってあり得ますけど、さすがにそれは「目標達成」という世界線まで持って行くということになるので何ぼ何でも飛躍がある、と思いますけど世の中何があるかは知らん)を前提にした時にどうなんでございましょ、ってのもあるでしょうしねー、って感じというか既発債との乖離ェ・・・・・・と思うんですけどね。
・追加輪番おかわりに2年共担までも打ってくるひとたち
何ですかね、12/20のいっちゃん最初時点では「ああ後任の人がやりやすいようにする為に硬直した政策を柔軟化するんだ、やっぱりちゃんと人の道として後の事も考えているジャン」と思っていたのですが、まあ先ほど申しあげましたように、直近におきましては日本国債市場を破壊しつくすオペレーションを連発しているという全くもって真逆の破壊行為を日々行っておられる日銀ちゃん、何と申しますか、改易転封の腹いせに領内の物産をすべて略奪して、それだけでは満足できずに領内をすべて火の海にして破壊しつくした挙句に領民全員ぬっ転がして完全なる廃墟にしてしまうレベルの基地外大名かよコイツラ、というヤケクソ破壊行為はまだ続くのでありまして、
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of230113.htm
(午後分)
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式> 20,000 2023年1月16日 2025年1月16日
国債買入(残存期間3年超5年以下) 1,000 2023年1月16日
国債買入(残存期間5年超10年以下) 2,000 2023年1月16日
国債買入(残存期間10年超25年以下) 1,000 2023年1月16日
まあこの人達、完全に頭に血が上って最早自分たちも何やってるのか分かってないだろうなあという状況なのは察することが出来ますので、どうせ後場も臨時輪番打つだろうなあと思ったら2年共担まで打って来まして、国債市場を徹底破壊する上に、後任の短期金融市場操作まで面倒にするという破廉恥にも程があるオペをぶっこんでおりました。
・ここまで来ると「10年目標撤廃した方が材料出尽くしで好感するんじゃねえか」って感じですな
さすがに14時のオペは無かったのですが、結局最後はこうである。
https://jp.reuters.com/article/tokyo-dbt-idJPL4N33Y11K
2023年1月13日3:19 午後
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は大幅続落で引け、長期金利は0.5%に戻す
『<15:10> 国債先物は大幅続落で引け、長期金利は0.5%に戻す
国債先物中心限月3月限は前営業日比76銭安の144円41銭と続落して取引を終えた。新発10年国債利回り(長期金利)は同変わらずの0.500%。一時0.545%と日銀が許容変動幅上限の0.5%を超え、2015年5月以来の高水準を付けた。』
『新発債利回りはまちまち。2年債は前日比1.0bp低下の0.030%、5年債は同0.5bp上昇の0.270%。20年債は同変わらずの1.400%、30年債は同4.5bp低下の1.610%。40年債は出合いがみられなかった。』
『TRADEWEB
OFFER BID 前日比 時間
2年 0.027 0.037 -0.004 15:05
5年 0.269 0.274 0 15:12
10年 0.498 0.506 0.001 15:00
20年 1.374 1.394 -0.013 15:06
30年 1.602 1.627 -0.035 15:07
40年 1.908 1.931 -0.041 15:10』(以上上記URL先より)
ということで、なんか後ろの方ブルフラットしているのですが、もしかして「10年ターゲットが守れないのが見えてきた」→「じゃあ売り圧力を超長期が一手に引き受けることないじゃん」→「もともと無茶苦茶売り込まれてたし見直しですよ」とかいう流れで堅調だったりしたら味わいがあるのですが、何ちゅうか最早何が何だか分からんので実際どうなのかは????っすけど。
ああ一応7−10年の長期国債の売買参考統計値。
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html
長期国債 358 2030/03/20 0.500
長期国債 359 2030/06/20 0.563
長期国債 360 2030/09/20 0.599
長期国債 361 2030/12/20 0.625
長期国債 362 2031/03/20 0.640
長期国債 363 2031/06/20 0.655
長期国債 364 2031/09/20 0.660
長期国債 365 2031/12/20 0.660
長期国債 366 2032/03/20 0.610
長期国債 367 2032/06/20 0.435
長期国債 368 2032/09/20 0.415
長期国債 369 2032/12/20 0.500
・そしてチーペスト指値が案の定であるが案の定の結果ェ・・・・・・・・・・・
指値と共担だけ結果引用しますね。
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba230113.htm
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式>(1月16日スタート分)22,162 20,009 90.3
・・・・・そらこんなに売ったら担保無いわな、というかこれ担保問題も短期市場に変な歪みを残しそうで非常に嫌なんですよね。
国債買入(固定利回り方式)(残存期間5年超10年以下)(注5)12,511 12,511
国債買入(固定利回り方式)(残存期間5年超10年以下)(注6)19,563 19,563
国債買入(固定利回り方式)(残存期間1年超3年以下)(注7) 0 0
(注5)カレント3銘柄が対象。
(注6)チーペスト銘柄が対象。
(注7)2年利付国債444回が対象。
・・・・・チーペストいきなり2兆円吸い上げとかって、そらまあ先物は前日引けから76銭下がってるのにチーペストは引けで買入するんだからそうなるわなと思うのですが、いやちょっとあのですねこれは何ですかってことで、益々こうなるとマーケットメーク出来ないというかまあ不可能となると、ディーラーも大変だけど投資家はポートの運営が出来ないということになるし、もう無茶苦茶ですわな。
https://port.jpx.co.jp/jpx/template/quote.cgi?F=tmp/popchart&QCODE=601.555
取引日:2023/01/13
立会区分:日中取引
始値:144.81(01/13)(08:45)
高値:144.82(01/13)(08:45)
安値:144.15(01/13)(10:28)
現在値:144.41(01/13)(15:02)
前日比:-0.76
取引高:31,316
・でもって最後に月曜日の追加輪番のご案内キタコレ
まあアナウンスするんじゃないかなとは思ったが
https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2023/mpr230113a.pdf
長期国債買入れのオファー日程の追加について
2023年1月 13日
日本銀行金融市場局
『日本銀行は、2023 年1月 16 日に、所要の長期国債買入れを実施することとしましたので、お知らせします。買入金額等は、市場の動向等を踏まえ、オファー時に通知いたします。』
あっそう。
『なお、今後も、市場の動向等を踏まえつつ、機動的に、追加的な長期国債の買入れを実施します。』
いやあの市場の動向を踏まえたら買入すればするほど市場破壊をしているっての分かってるの???君たち馬鹿なの?????
・なお買入をすればするほど逆効果なのでイブニングはこうなる
はいさようなら。
https://port.jpx.co.jp/jpx/template/quote.cgi?F=tmp/future_night
長期国債先物
限月:23年3月限
取引日:01/16
夜間取引
始値:144.44(01/13)(15:30)
高値:144.58(01/13)(15:30)
安値:144.19(01/13)(20:37)
現在値:144.26(01/14)(06:00)
前日比:-0.15
取引高:11,406
〇相変わらずどこぞの新聞社は「空売りに対抗して買入」という見出しなんですけどね
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB1514B0V10C23A1000000/
日銀、16日も国債買い入れへ 空売り対抗で攻防激しく
2023年1月15日 19:40 [有料会員限定]
『日銀は16日に臨時の国債買い入れを実施する。13日までの2日間で約10兆円買い入れたものの、金融政策の再修正を見越した海外投資家らが巨額の国債を売り続ける公算が大きい。長期金利の上昇を抑える必要があるためだ。』(上記URL先より)
ということで読む価値のない記事に課金しない主義のアタクシとしては有料部分読めないから中身知らんのですが、例えば金曜の横綱の日中チャート(と言ってもこれ今日の朝8時くらいまでしか見れなくてそれ以降は今日の日中チャートになる)のURL再掲しますとね。
https://port.jpx.co.jp/jpx/template/quote.cgi?F=tmp/popchart&QCODE=601.555
長期国債先物(夜間除く) 23年3月限
寄りの後下がったのは10年新発がガチの50bpオーバー(上述のように先日0.255%付けた時よりもヤバそうな感じだったしその後更に売られたし)になったのを見たってのがあると思うのですが、10時10分の輪番オファー前にいったん戻し気味になったものの、オペオファーを見て横綱って下がってるんですよね。
5年国債の結果がまずまず(というべきなのかはともかくとして、入札で相場崩壊しなかったという意味では上出来といっても良いのでしょう、知らんけど)だったのを受けて後場のスタートは上昇したんですけど13時の輪番(と2年共担)のオファー出てからこれまた横綱って下がっている訳でして、強引な国債買入をオファーすればするほど「このオペは2月3月までこのペースで継続できない」し、「12月20日に標榜していた「市場機能」や「社債市場」などの問題は12月決定会合以前よりも急速に悪化しており、政策を継続するにしても手段を変更さぜるを得ない」という事で売り売り攻撃になっている訳で(個人の感想です)、つまりはこれ元々は臨時輪番だの指値だの乱発した上に2年共担まで乱発して、オペレーションが持続できない(これ始まってしばらくした年末の辺りでアタクシも「大丈夫かこの調子でやってて」って書きましたし、例のブルームバーグ砲のあった6日の市況をネタにした時も書いたよね)のがどこからどう考えても自明という状況に自分で追い込んだ自爆なんですよね。
50bpに拡大したのがどうのこうのというよりも、カレント3銘柄だけ25bpになっていて他のカーブが既に売り込まれているのに対してすっとぼけてそのままオペレーションを維持していれば、カーブのゆがみは益々ひどくなって、国債市場が金利のリファレンスの意味をなさなくなるから、スワップなどの市場での実力のイールドカーブをベースに社債とかの値付けが行われて、見た目だけでいうと地方債や社債のスプレッドが拡大、みたいなことになる(実は国債のイールドの方が異常値)ものの、足元のような国債市場破壊までの惨状は起きなかったのかもしれませんけれども、YCCのレンジを広げたらこうなる、っての日銀の中の人達予想出来なかったわけはないと思うのですが、止められるって高括ってやってたのか、それともわざと最後に政策の死期を早めて自爆しようと思ったのか、その辺はよくわかりませんな。
〇ここで12月20日の記者会見から改めて質疑を2つみてみましょう。
さて、ここで12月20日のMPM後の記者会見の中で今見ますと実に慧眼であったという質問を2本ピックアップしてみましょう。
https://www.boj.or.jp/about/press/kaiken_2022/kk221221a.pdf
5ページ。日銀のユーチューブチャンネルで見れば記録が残っているので誰が発言したかもわかりますので、ここで書いても無問題でしょうから書くとロイターの木原さんですねこれ質問したの。
『(問)二点お願いします。今回、10 年金利の周りの、このバンドというか、拡大したんですけども、一方で国債の買入れの増額も決めました。そうなるとやはり、歪みを是正するために他の年限の国債の買入れを増やしたりということで、むしろイールドカーブ全体へのコントロールを強めるということなのか、その買入れ増額の背景について教えて頂きたいのが一点目です。(後半割愛)』
『(答)今回の見直しは 10 年金利の変動幅を拡大するだけではなくて、国債買入れの大幅な増額、それから機動的な追加買入れおよび指値オペの実施ということによって、金融市場調節方針と整合的なイールドカーブの形成を促すものでありまして、これらの措置によって、より円滑にイールドカーブが形成されれば、各年限間の金利の相対関係あるいは現物と先物の裁定などの面で、市場機能は改善するということが期待されます。(後半割愛)』
6ページ、こちらはテレビ東京の大江さんです。
『(問)(前半割愛)また、もう一点ですね、いったん、この上限金利というのを上げてしまいますと、マーケット、次のまた変動幅の拡大みたいなものを催促するようなかたちになりませんでしょうか。そして、YCCをやめるまで、これからマーケットのプレッシャーというのが続くのではないか、その可能性についての議論というのをなさったのかどうか、その辺りも教えて頂けますでしょうか。』
『(答)今回のような変動幅の拡大措置が一回あると、また市場が催促するのではないかという議論ですけれども、そういう可能性がないとは言えませんが、他方で、それはあくまでも、いわば内外の物価とか金融資本市場の動向によるものでありまして、欧米の物価上昇率は、米国の場合は明確にピークアウトしていますし、欧州の場合はまだピークアウトしていませんけれども、それぞれの政府や中央銀行の見通しでは、来年において物価上昇率が下がっていくという見通しになっておりますので、そういう状況の中で、他国の中央銀行の金融政策についてコメントするのは差し控えますけれども、これまでのような調子でどんどんすごい勢いで金利が上がっていくとか、そういうことはちょっと考えにくいと思います。いずれにせよ、市場が何か催促するということはいつでもあるのですけれども、そういう客観的な情勢があるかと言われると、そういう情勢はあまり考えられないと思っております。』
木原さんや大江さんが極めて真っ当に市場の懸念について正面から質問しているに、まあポンコツというか舐め腐ったというかふざけたというか、碌な回答をしていない黒ちゃんな訳でして、これが実質的にはほぼ3週間前(年末年始あったから)の出来事というのが酷いとしか申し上げようがないし、木原さんや大江さんこれからも是非こういうご質問をして頂きたいものですと祈念して止まないでありまする。
〇しかしここまで馬鹿買入してしまうと特に先物チーペストとか向こう3年くらいワークしなくなる恐れまであるんだが
ということで、YCCの長期金利ターゲット云々はどうせ持たなくて、遅かれ早かれ撤廃(というか18日に撤廃しないとその後もこのペースで買入するとかあり得ないんですよね、だからこそ先週の連休明けに一度毎日指値だけに戻すのが最後の持続力維持チャンスだったんですけど)となるのですが、更に問題になるのはこの馬鹿買入の後に長期適格ゾーンの国債の流通量が碌すっぽない状態が3年後とかまで継続して、先物チーペストとの関係で先物のヘッジ機能が損なわれてしまったままで推移してしまうリスクが高い事。
でまあこれに関しては、SLFがあるからどうのこうのとかそういう話で済むもんでも無くて、やはり日銀は買い上げ過ぎた個別銘柄に関して市中売却を行って、長期国債市場の現物債の流通玉を復活させるべきではなかろうか、とまあアタクシは思うのですよ。
とは言いましても、単に売り切りだけやったらそれは引き締めアイヤーとなるので、スイッチングオークションみたいな方式で売り買いをバランス(または買い超かしら?)させながらって手段を取らざるを得ないのでしょうけれども、今のままだとSLFをバイインする以外で日銀が買い入れてしまった玉が市中に実質的に戻ってこないので、YCCの50bp維持がどうのこうのとかいうクッソ下らない(しかもこの50bpを維持する経済合理性がさっぱり不明)オペレーションの為に向こう数年に渡る国債市場の流動性低下を招いてしまった落とし前を付けないと先々エライコッチャになると思うですよね。
まあこのスイッチングオークション話は時々「これやったらどうよ」という話として出てくるのですが、日銀は建付け上、国債の買入に関しては満期保有前提で持っているということになっていて、会計上も確かアモチ会計扱いだったと思いますし、企業会計原則的にはスイッチングオークションしてるんならそれは売買目的有価証券だからMark
to marketをしないとアカンのとチャイマスカ(ただしそもそも論として日銀が企業会計原則に合わせなければいけないのか、というとそこは議論の余地があると思われます)とか、そもそもMTMしてないからスイッチングで売りを入れるたびに会計上の損益がポコポコ出て来るとか、その手の問題があったりしますので(物理的なハードルは無いはずなんだが)、そこそこめんどいとは思います。
とは申しましても、何ぼ何でもこのぺんぺん草も生えない吸い上げをしちゃって、そらまあYCCやってるときはそれでも100京歩ほど譲って長期金利ターゲットの為、ということだとしても、長期金利ターゲットが不要になった世界でもこの馬鹿買入による現物国債流通玉無しの介状態は残ってしまいますので、さすがにこの件は真剣なる検討(会計面の論点整理が一番重いと思うのですが)をお願いしたいと思います。
〇おまけ:平野耕太さんの漫画「ヘルシング」から
― すばらしい能力だね リップヴァーン中尉 さすがは「魔弾」まさしく伝説の魔の猟師だ
― はッ はい 少佐殿ッ!!
―「魔弾の射手」か まるでまさしく魔の所業そのものだ しかし心に留めておいた方がよいぞ中尉
― は はい?
―「魔弾の射手」の終幕(ラスト)を知っているかね中尉
歌劇の最後 狩りの魔王ザミエルをもて遊んだカスパールは ザミエルによって地獄へと連れ去られ その骸は谷底に投げ捨てられる
亡霊を装いてたわむれれば 汝・亡霊となるべし
中尉 心せよ 君の前にも魔王(ザミエル)が現れよう
(平野耕太「ヘルシング」第5巻第5話 84〜86pより 少年画報社YOUNG KING COMICS)
はい、今日も中の人厨二病満艦飾ですねすいませんすいません。
2023/01/13
お題「陥落前夜の様相を呈していますがこの流れは別に市場のチンピラの仕掛けではないという点を大書したいです」
しっかしまあ先週の金曜の1445にこれ↓
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-01-06/RO1LZ5T0G1KW01
日銀はYCCの再修正急がず、12月決定の影響と効果見極め-関係者
伊藤純夫、藤岡徹
2023年1月6日 14:45 JST 更新日時 2023年1月6日 16:34 JST
を書かせておいて、3連休挟んで木曜の朝だから実質は中2営業日でこう↓
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20230112-OYT1T50050/
日銀、大規模緩和の副作用点検へ…年末の政策修正後も市場金利にゆがみ
2023/01/12 07:45
なってしまったという案件、どうせ日銀のことだから「市場の強引な仕掛けによって無理矢理金利が上昇した」とか被害者の積りでこの流れを総括してくると思うのですけれども、ここは特にメディアの皆様にお願いしたいのですが、「投機筋に負けた」みたいな話ではなくて、今回の動きの本質的な部分は「経済物価のファンダメンタルズからみて極めて無理のある長期金利水準を無理矢理維持しようとした日本銀行の政策そのものが自己崩壊を起こしている」ということであり、投機筋との戦いみたいなネタにして海外売名ファンドとかにコメント取りに行くメディアは3流無用メディア以外の何物でもない、ってことを念頭に置いてニュースフローを見るべし、って思いますわな(個人の偏見です)。
あ、今日は米国CPIどころの話ではないのでそっちはパスね(^^)。
〇備忘のためにざざっと昨日の動きをメモっておく
・読売新聞の朝刊(電子版?)記事があったのですなー(滝汗)
朝ってさすがに一応ニュースチェックしないと、と思ってたんですが、そうは言いましてもアタクシ、日経の電子版とロイターくらいしかチェックしていなかったので不覚にも気が付かずに昨日はせっせと駄文を書いておった訳ですが(汗)。
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20230112-OYT1T50050/
日銀、大規模緩和の副作用点検へ…年末の政策修正後も市場金利にゆがみ
2023/01/12 07:45
(ゆうて0745だったら気が付いてないの不可避か・・・・・・)
『日本銀行は17、18日の金融政策決定会合で、大規模な金融緩和策に伴う副作用を点検する。昨年末の政策修正後も市場金利にゆがみがあるためだ。悪影響を減らして緩和的な金融環境を維持し、物価高の下での投資や消費を支える。』
『債券市場における金利の形成や、短期金利の状況を確認する。昨年12月会合で、0%程度に操作する長期金利の上限を0・25%から0・5%に拡大した。ただ、1月以降は長期金利が上限で推移するほか、償還期限のさらに短い金利も上昇しやすく、日銀の狙いと異なる金利の動きがみられる。国債の購入量の調整などで市場のゆがみを是正できるかを見極める。必要な場合は追加の政策修正を行う。』(上記URL先より、以下同様)
ゆがみって日銀が自分で無茶苦茶オペを実施することによって歪み作ってるんじゃろ何寝言ゆうてますねん、というのはさて置きまして、この記事(全文引用はしませんけど)特徴として「観測記事じゃなくて思いっきり確報のような書き方になっている」のと「読売新聞様が出している」というのがどひゃーという話でありまして、先物ちゃん大幅安(27銭安1の45.30)でスタートとなり、その後も先物の叩き料理大会となって145.11まで叩かれるの巻と相成りました。ナムナム。
・定例輪番に上乗せがあるかと思ったら何故か5-10をちょっと増やしただけというイミフオペその1
その後いったん戻りましたのですが、1010の輪番、元々定例輪番が入る予定になっていたのですが、オファーされた輪番はというと、
(午前の輪番のみ引用)
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of230112.htm
国債買入(固定利回り方式)(残存期間5年超10年以下)(注4)2023年1月13日 0.000
国債買入(固定利回り方式)(残存期間5年超10年以下)(注5)2023年1月13日 0.025
----------------ここまで「まいにちさしねおぺ」-----------------------
国債買入(残存期間1年超3年以下) 5,000 2023年1月13日
国債買入(残存期間5年超10年以下) 7,750 2023年1月13日
国債買入(残存期間10年超25年以下) 3,000 2023年1月13日
国債買入(残存期間25年超) 2,000 2023年1月13日
国債買入(変動利付債) 300 2023年1月13日
----------------ここまで実施が予定されていた定例輪番-----------------------
直近の各年限の定例輪番は中期前半5000(12/6)、長期6750(12/26)、超長期前半3000(1/6)、超長期後半2000(12/26)だったので、長期だけ1000増額して、12/20に出したレンジの上限いっぱいまでオファーを増やしました、という格好。
まあそれは良いんですけど、水曜日に順調な結果だった30年国債入札後にわざわざ臨時輪番をぶっこんだときに同時に実施していた2年と5年の指値オペをこの大下げ相場の中で何故か実施してこない、という摩訶不思議というか奇妙奇天烈というか、まるっきりやってることが首尾一貫していない謎のオペオファー実施と相成りまして、暫くは値持ちしてたんですが前場の引けにかけて弱含みになるの巻となりました。
いやあのですね、水曜にわざわざ2年5年の指値打つんだったら何で昨日指さないのよという話で、もしかしてこの下げ相場の中、うっかり利回り較差引けとかで指そうもんならオファー千客万来になるから回避した、とかそういう話ですかしら意味わかんねーと思いながら後場を迎えるのでした。
・13時は何故か「2年共担」という一番無駄打ち感の強いものを打つだけにとどめる
でもって後場もよってから一段下げになって、145.20割れ水準で推移する悲しい横綱といった感じでしょんぼりと動いていましたが、そうは申しましても前日には13時の臨時輪番全ゾーンというのが炸裂したこともあり、さてどうなんでしょうねーと思っていたらこれである。
(午後の共担2年のみ引用)
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of230112.htm
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式> 20,000 2023年1月13日 2025年1月14日
という訳で2年共担を今日も2兆円ですので、これで合計7兆円かよーとか思いながら見てたら、先物ちゃん一瞬戻りましたけど、やはり臨時輪番も他年限指値も引き続きなかったこともあってか、単に現物債市場のご都合なのかは知りませんが、その後も一進一退と言いながらも横綱に関してはじり安シーザー相場となるのでありました。
・14時にもおかわりは無く
一応14時でも輪番ぶっこんで来るのは可能なので、14時ってのもちょっと警戒されていたようでありますが、こちらは何もなく華麗にスルーしてまして、その間にやっぱり売れるの横綱じゃん、なのかどうなのかは知らんですけど、まあ横綱弱い弱いということで。引けにかけてほぼ安値引け、と思ったら大引けの板寄せで何故か12銭も上に飛ばして終了しましたが、ゆうて前日比43銭安ですから大幅安で引けたのには変わりなし。
いつものことですが、朝注文受付時間かそこらになると昨日のデータや日中足はこれでは取れませんです。
https://port.jpx.co.jp/jpx/template/quote.cgi?F=tmp/popchart&QCODE=601.555
長期国債先物(夜間除く) 23年3月限
取引日:2023/01/12
立会区分:日中取引
始値:145.33(01/12)(08:45)
高値:145.37(01/12)(08:52)
安値:145.03(01/12)(14:55)
現在値:145.17(01/12)(15:02)
前日比:-0.43
取引高:23,236
とまあそういうことで、売買高2万3千枚とかひさびさに(って12/20は大商いでしたけど)見た気がします横綱の活況さでございました。
・”The temperature in Saigon is 105 degrees and rising. ”
中の人は基本的に厨二病の傾向があるので変な小見出しを付けて見ましたが、何となくお察しかと思いますが、お察しにならない場合はここをみてくんなまし(英語のウィキでサーセン、厨二病なので)。
https://en.wikipedia.org/wiki/Operation_Frequent_Wind
(『6。Option 4 - White Christmas in April』をご覧あれ)
ニュースにもなっておりましたのでご案内の通りですが、昨日の「まいにちさしねおぺ」の結果は以下の通り。
(CTDと10年カレントトリオの50bp指値だけ引用します)
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba230112.htm
国債買入(固定利回り方式)(残存期間5年超10年以下)(注6) 25,084 25,084
国債買入(固定利回り方式)(残存期間5年超10年以下)(注7) 3,000 3,000
(注6)カレント3銘柄が対象。
(注7)チーペスト銘柄が対象。
ということで、カレント3銘柄2.5兆円は今までのレコードハイということでございますが、そらあーたどっからどう見てもビング・クロスビーの”I'm
Dreaming of a White Christmas”が流れてますからシャーナイナイなのですが、そもそもこんなに入るともう入れる玉が無くなって、入れる玉が無くなると指値オペを打ってくれても応札そのものが出来ないので(補完供給で借りる前提での指値オペ応札=落札禁止だから)つまりは指値打ってもガチで止められないという珍妙な事になってしまいますわなー、ナムナムナム。
ま、今日を含めてあと3営業日半ですけどね!!!!!!!
・でもってチーペストと10年カレントが50bpの引値という完全に崩壊した7年10年の10年国債カーブェ・・・・・・・
いつものこれですが・・・・・・・・・・
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html
長期国債 358 2030/03/20 0.500
長期国債 359 2030/06/20 0.540
長期国債 360 2030/09/20 0.570
長期国債 361 2030/12/20 0.590
長期国債 362 2031/03/20 0.606
長期国債 363 2031/06/20 0.620
長期国債 364 2031/09/20 0.625
長期国債 365 2031/12/20 0.620
長期国債 366 2032/03/20 0.570
長期国債 367 2032/06/20 0.435
長期国債 368 2032/09/20 0.415
長期国債 369 2032/12/20 0.500
・・・・・・・・もはやカーブとかそういう概念が消失しておられる。
というかですね、もうこうなってしまうと立て直すの無理じゃね???って感じですし、長期金利ターゲットをギブアップしてアホみたいな買入も止めた方が(ゼロにしろと言ってる訳ではないので念のため申し添えます)当初はそらまあ落ち着き所を見つけるまでワチャワチャするかも知れないけど、いずれ落ち着くべき所に落ち着くんでネーノ、って状態になって参りましたわな、酷すぎる。
・ということでメモったが一応いつものロイターさん
https://jp.reuters.com/article/tokyo-dbt-idJPL4N33X0UY
2023年1月12日3:18 午後
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は大幅続落で引け、日銀政策修正の思惑で
『[東京 12日 ロイター] -
<15:10> 国債先物は大幅続落で引け、日銀政策修正の思惑で
国債先物中心限月3月限は前営業日比43銭安の145円17銭と続落して取引を終えた。日銀の追加政策修正観測が強まり、売り優勢の展開となった。新発10年国債利回り(長期金利)は0.500%に張り付いたままだったが、中期債や超長期債の金利が上昇した。
読売新聞は12日、日銀が17─18日に開催する金融政策決定会合で大規模な金融緩和策に伴う副作用を点検し、必要な場合は追加の政策修正を行うなどと報じた[nP8N326077]。』
『現物市場で新発債利回りは総じて上昇。2年債は前日比1.5bp上昇の0.040%、5年債は同3.5bp上昇の0.265%。日銀は午前、中期債の指し値オペを見送ったが、午後に2年物の共通担保オペ(全店)を通告した。オファー額は2兆円。ただ、中期金利の上昇傾向は終日続いた。』
『20年債は同7.0bp上昇の1.400%と2014年9月以来の高水準を付けた。30年債は同4.5bp上昇の1.655%、40年債は同5.0bp上昇の1.950%。前日の30年債入札が好調だった流れが後場前半までは続いたが、徐々に売りに押される展開になった。』(以上上記URL先より)
読売の記事がダメ押しになったのはその通りなのですが、それ以前の問題で12/20の金融政策決定会合を受けて行った一連の日銀による「市場介入」が、あまりにも恣意的かつ発動基準が分からないまま、とにかく買入をバンバンすればよい、というような安直な発想で、オペレーションの持続可能性に対して誰もが疑問を持たざるを得ないレベルで実施しており、その間に出てきたCPIや消費者意識アンケート、物価動向に関する政治のスタンスなどを勘案すると、早晩この政策運営が続けられない、となっている、というベースがあった訳ですよね。
だってさ、金曜日のブルームバーグのタイミングが悪意としか言いようがないヘッドライン案件だって、あれ瞬間は先物上昇したけど結局引けにかけて上昇幅縮小したし、水曜日の30年国債入札結果発表直後の臨時輪番って悪徳オペだって、輪番入れにくい(レポ手当てがしにくい)タイミングで入れたから現物の気配は強くなったけどあれだって先物の下げを結果的には誘発してたんだし、まあそういう意味では遅かれ早かれこういう流れにならざるを得なかったって話だと思うのよね。
さてロイターさん提供のTRADEWEBの気配も拝見。
『TRADEWEB
OFFER BID 前日比 時間
2年 0.034 0.041 0.013 15:02
5年 0.262 0.269 0.039 15:09
10年 0.499 0.505 0.005 10:32
20年 1.391 1.403 0.066 15:05
30年 1.647 1.663 -0.007 15:04
40年 1.948 1.97 0.066 15:11』(引用は上記URL先ママ)
30年新発って11日の引けが単利1.610%の筈だから、30年の前日比の数値が何か変なもの入ってませんかという気がします(というか記事の方で4.5bp上昇の1.655%って書いてるな)がそれはさておき、イールドカーブ全線に渡って大崩壊してしまいまして、これは覆水盆に返らずを絵にかいたような展開ですな。
〇そもそもYCCの枠組み自体物価目標が達成に向かって進めば柔軟化されていくべきものだったのに・・・・・・・・
という話を一席。
そもそもですね、YCCって「経済物価水準に対して均衡的(緩和的でも引き締め的でもない)政策金利水準」という短期均衡政策金利の考え方をイールドカーブ全体に広げて、中長期ゾーンの金利に対して均衡金利よりも低い水準に市場金利を誘導することによって緩和効果を出す、という話になっていた訳ですよ。
(まあありていに言えばマイナス金利政策の失敗を糊塗するためにぶっこんだ政策で理論は後付け、という説は大幅にありますが、まあそれはそれとしまして)
であれば、足もとの経済物価情勢が改善し、先行きの経済物価情勢についても特に良からぬ悪化とかは見込んでいない、というような状況になれば、均衡金利水準というのは上昇してしかるべきだし、その場合って物価上がらんですねえのゼロ金利状態を発射台にしてたら、短期金利よりも長期金利の均衡金利の方が上がりやすい(状況によりけりだけど)というのもこれまた然りじゃねえのって話になると思うのよね。
ところが、日銀が間違えたのは昨年の1月がそもそもの始まりで、物価が上がらんという見通しに固執して、YCCの長期金利目標の柔軟化を拒んだうえに、昨年の2月3月以降がそうですけど、国内物価も海外対比遅ればせながら上昇が始まった、という流れの中で、それに逆らうように無理矢理10年ターゲットを維持するために買入を拡大して指値オペを乱発し、というような事をしたのがアカンかった訳ですよね。
でもって国内の物価は足元でコアCPI+4.0%とかやってるし、日銀の見通しにあるような「来年度は+1%台そこそこに落ちますよ」というのもホンマカイナという感じになっている物価情勢を踏まえたら、そらどこからどう見たって10年金利の0.25%だの0.50%だのってファンダメンタルズからの乖離が滅茶苦茶すぎる訳で、別に投機筋が売るとか売らないとかそういう問題じゃなくて、日銀がずーっとこの1年言い続けてきた「物価上昇は一時的(先日申し上げたようにこれは最近封印しているけど)」「2022年の上昇要因が剥落すると2023年には物価はせいぜい1%台半ば」という物価の見方を盛大に外しているのに、中長期金利の形成を市場に任せないからこういうことになった、という話で、本質的には「長期金利コントロール」というのは統制経済をやっていない限りにおいては、一時的にそれは可能だったり、ファンダメンタルズから何らかの要因でオーバーシュートしたものを是正したりはできる事はあっても、経済物価情勢から著しく乖離した水準に政策的にとどめておくことは統制経済じゃない限り不可能。というのを身を切って示しただけでした、って事なんですよねー。
ということでしつこいけど、この直近の流れは「チンピラ投機筋の仕掛けに日銀が負けた」というような矮小な視点では無いのですが、問題は日銀が事ここに至っても「市場は我々がコントロール可能なのでやり方を工夫すればまだまだコントロールできる」とかいうような全く持って現実を直視しない認識で18日にまた変なもんぶっこんで来ようとするんじゃないのか、ってのはかなり思ったりしています。
そもそもファンダメンタルズから大きく乖離した金利を固定化しようというのに無理があるのに、その無理を通そうとして意味不明なオペを乱打した結果、政策の持続性があり得ないくらいに問われてしまう流れになってしまって、結果死期が大幅に早まることになった訳ですが、これとて日銀の盛大な自爆であるということに日銀がそもそも気が付いていない説もこれまたある訳ですよ。でもってそこまで現状認識に認知の間違いがあると、市場の中にいると思ってるワタクシ辺りからは想像を絶するような施策を18日に打ち込んで来る可能性(それこそランボー怒りの追加緩和^^)もある訳でして、こういうのどういう認識で今の市場の惨状をみているのか、というのは小一時間どころじゃなくて半日くらいトックリと問い詰めて見たいですよね。その認知がどうなっているか次第で次にどうするのか(弥縫策入れるのかギブアップするのか)が分かるというものです。
〇ところで今日は5年国債入札なんですけど・・・・・・・・・・・・・・
https://port.jpx.co.jp/jpx/template/quote.cgi?F=tmp/future_night
長期国債先物
限月:23年3月限
夜間取引
取引日:01/13
始値:145.11(01/12)(15:30)
高値:145.15(01/12)(15:31)
安値:144.57(01/13)(05:20)
現在値:144.67(01/13)(06:00)
前日比:-0.50
取引高:14,243
ちょwwww横綱夜間で1万4000枚ってエライ大商いじゃんだし、昨日の大証の引けから50銭安(今朝最初見た時にはまだ4時台の値段だったのでちょっと安かったけどまあ似たようなもん)とかになっておられて(でもCTDは0.500%で買入するんですよね・・・・・・ナンジャソラ状態ですが)、いやはや何ともなのですけど。
週明けくらいは30年って難しいよねとか思っていましたが、マジのマジで18日に枠組み崩壊ということを仮定した場合、5年の居所is何???ってのが訳ワカランチ会長でございますが、かといって事前にやるやると言っている先物チーペストや10年カレント3銘柄の指値と違って、5年の指値って事前にやるかやらないかアナウンスしないし、そもそも水準が事前確定していないものなので、そんなものを5年国債入札当日に入れるのは流石に諸々問題大杉栄でしょ、とは思うのですが、もし日銀ちゃんの認知が変な事になっているとまさに(ピー)に刃物状態なので何をどう出て来るのかわからんし、しかもただの(ピー)ではなくて完全に手負いになっているので、もっと何が何だか分からんですな。これはアーニャもワクワクですよ!!!
・・・・・・しかしまあ何ですな。これ財務省理財局方面にしてみれば日銀がアクセルとブレーキを踏み間違えて暴走しまくった挙句の貰い事故をモロに食らう可能性もあるという入札になってしまいまして、一昨日は理財局長のテレビでのご発言に思いっきり泥を塗る臨時輪番と他年限指値をぶっこんでいましたが、今日はそんなもんじゃないワクワク入札(いやさすがにこれはいち国民としてワクワクしてる場合じゃないんですけど)とか、馬鹿が抜き身の刀を振り回して馬鹿踊りしてるのの完全に貰い事故食らってご愁傷様としか申し上げようが在りませんな、ナムナム。
〇そういえば支店長会議があったんですよね
いつもならさくらレポートネタの日なのですが、もはやそんなこと言ってる場合じゃないのでこれまたパスなんですけど、今回ってしれっと「地域の経済の現状判断引き上げ」が複数という内容になっているようで(ちゃんと見てないですサーセン)すな。
ということでありますと、来週の展望レポートで「経済物価情勢の改善が続き、YCC政策に関しても短期政策金利のマイナスは維持する必要があるが、長期金利の目標設定は不要と判断できる経済物価情勢に状況が変化しました(キリリッ)」と12月20日にお前ら何言ってたってというのを完全に無かったことにして「状況が変化しましたので(キリリッ)」というスーパー二枚舌理論によって10年コントロール撤廃、ってことにするのは無理矢理屁理屈の中では一番まともな屁理屈のような気がします(個人の感想です)。
まあさすがに「目標達成が展望できる状況になったので」まで行くと12月20日との差が巨大すぎますし、それ以外での10年ターゲットギブアップは黒ちゃんが会見場に白パン一丁で登場してその場に土下座したあと失禁と脱糞をしながらあばばばばーって暴れだすくらいしか言い訳のしようが無いと思いますので(あくまでも個人の偏見の強い感想です)、まあこうなったら「経済物価情勢に変化が生じまして状況が変わりました」って言い張るしかなさそうですよね。
もちろん、現状維持でクソ粘り、というのは可能性としてはありますけど、事ここに至ると12月20日以降(というか年末年始に、というか)に無茶苦茶な市場介入をしたツケによって今の枠組みの中でのオペレーション維持が3月まで持つのは無理でしょうから・・・・・・・・・
同じ理由で今回「点検指示」とか悠長な事を言ってる場合でも無くて、せめて3月頭の会合まで持てばそれもアリだったと思うのですが、何をトチ狂ったのか無茶苦茶おぺを乱発して政策の死期を滅茶苦茶早めてしまったので、点検指示も無理なんじゃねえのと思うのですが・・・・・・・・・
〇あ、何はともあれ水曜の会見は時間無制限でお願いします
どういう結果になろうとも、今回の会見いつもの調子で想定問答棒読み、しかも聞かれてもいないことを延々とグダグダと説明して、挙句の果てに1時間で会見打ち切り、とかしたら黒田がどうのこうのの前に日銀の組織としての存在意義に関わって来るので、会見は時間無制限、それが嫌でも2時間は尺を取って質問が無くなるまできちんと説明してほしいですし、黒ちゃんの体力的に無理があるなら雨宮さんの代打でも良いですから、きちんと「説明」というアカウンタビリティーを示して頂きたいと思います。
#今日の相場次第では土曜か日曜にもネタ投下ですかねー
2023/01/12
お題「水曜日は全く必要のないオペ乱打で却って先物下げてやんの/生活意識アンケートで日銀がボロカスですが」
昨日は後場入るまでは「ああやっと普通っぽい相場になってきたわ」と喜んでおりましたが結局糠喜びに終わりましたが、その中でこのヘッドラインにはクソウケタ。
https://jp.reuters.com/article/idJPKBN2TQ0D7
2023年1月11日4:00 午後
日銀に政策検証を進言、白井元審議委員「よりシンプルな枠組みに」
あの白川体制から黒田体制に変更になることが確定していた3月決定会合(当然ながら白川さん退任直前)において突如国債買入の大拡大とかを提案する、という新体制に真っ先に媚を売りに行くという手のひらクルーな風見鶏ムーブを起こし、中沢啓治先生著作の「はだしのゲン」に登場する鮫島伝次郎(町内会長)が現世に降臨したかと世上の笑いと呆れを取ったあの白井大先生様までがこのようなことを正面切って言うようになっておられていまして、鮫島伝次郎までが現行政策枠組み批判に回るとは黒ちゃん気が付けば四面楚歌ってことですかねえ(・∀・)ニヤニヤ
〇全く必要のないオペ乱打(しかも結構エゲツナイ)を再度ぶっこんできて3月4月までオペ持たせる気ないんでしょうか
・日本銀行アホアホオペ乱打備忘記録メモと悪態
昨日の債券市場。海外の影響で何かエライ下で横綱が始まりましたが、ゆうてそこからは横綱の怒涛のがぶり寄りで値を戻しましてマイナス幅縮小。問題の30年入札は前場も調整して迎えることになりました、といってもまあ2毛少々の調整でしたが、このご時世なので事前調整入るのはやむなし、という感じでございました。
でもってこの間、さすがに10時10分にあったのはいつものまいにちCTD&10年カレントトリオの指値だけでしたので、臨時のおかわりはなく、その意味でも調整も順調というか、変な攪乱されずに済んで良かったですね、という感じでした。
入札の結果ちゃんですが、こちらは足切り事前予想としてベンダーが聞いて回っていたレベルよりも10銭程度高い足切りになり、テールも短めでして、事前の調整が功を奏して無事に堅調な入札(事前調整している分を割り引くと強い、っていうのもちょっとどうなのとは思う、いやまあ前場引け水準から見たら強いけどそれは前場調整してるからね)になりました。
・・・・・・とまあそういう訳で、朝方はイブニングの引けが大甘だったので下スタートだった横綱様も落札結果発表後も更に順調にマイナスを縮小して、13時前には前日比プラテンまで戻ってた所で、これで2年共担とか打たなかったら波乱もなくて自律反発して終わるかなーとまったりと(ただし警戒は怠らず)ベンダーをみていたら13時になんとこんなものがががが。
オファー (1月11日<水>)
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of230111.htm
(例によって輪番と共担だけ引用します、他のオペは割愛)
国債買入(固定利回り方式)(残存期間5年超10年以下)(注4)2023年1月12日 0.000
国債買入(固定利回り方式)(残存期間5年超10年以下)(注5)2023年1月12日 0.030
----------------------ここまで前場の「まいにちさしね」-----------------------------
国債買入(固定利回り方式)(残存期間1年超3年以下)(注7) 2023年1月12日 0.000
国債買入(固定利回り方式)(残存期間3年超5年以下)(注8) 2023年1月12日 0.005
(注7) 固定利回較差の結果、2年利付国債444回の買入利回りは、0.025%となる。買入金額に制限を設けずオファー。
(注8) 固定利回較差の結果、5年利付国債154回の買入利回りは、0.230%となる。買入金額に制限を設けずオファー。
国債買入(残存期間1年超3年以下) 1,000 2023年1月12日
国債買入(残存期間3年超5年以下) 1,000 2023年1月12日
国債買入(残存期間5年超10年以下) 3,000 2023年1月12日
国債買入(残存期間10年超25年以下) 2,000 2023年1月12日
国債買入(残存期間25年超) 500 2023年1月12日
最初ベンダーの方見てたので「なんで30年の臨時輪番やるんだよ(25年超の臨時輪番の文字列に反応)」と思いながらよくよく見たらなんか無茶苦茶輪番のオファーが多いじゃねえか・・・・・・・・と冷静に見ると全年限(除く1年以下&物国変国)の臨時輪番と2年と5年の指値オペをオファーしているの図で、さすがにこれは開いた口がふさがらなくて顎関節症になるかと思ったわという状況。
いや真面目な話、昨日はこんなのやらなくても普通に自律反発しただろと思うし、火曜に臨時系の輪番と2年共担オペを実施しなかったので、「ああさすがにオペの持続性を考えてあのオペ乱打は年末年始対応ってことにしたのですね」ということで、じゃあまあさすがにオペ運営もそこまで無茶苦茶やらなければ黒田さんいるうちはオペを持たせて枠組み維持しようってことなんですねー、というイメージを作る流れができて相場の自律反発とともに徐々に落ち着いてくる(と言っても日銀のせいでレポがタイトなので大変は大変だけど)のかなーって思っていた訳ですよ。
然るに、このまるで必要ないタイミングでのオペだし、大体からして30年新発国債の入札結果発表直後(25分後)に30年も対象になる(ただし昨日の新発債は発行日に代わり金の払い込みが行われないと法的に存在できないので昨日の時点では輪番の対象に入れられないので新発そのものズバリの買入は回避されていますが)輪番を実施するとか、お前ら財政ファイナンスとかどうなってるのと小一時間だし、大体からして入札直後に日銀が買入とか何のマニュピレーションだよという世界で、実にエゲツナイというか下品な輪番であることは論を待たないわけです。
まあそんなのもあったので昨日の現物は超長期方面が強く引けたのですけれども、横綱は実に味わいが深くて、13時直前はだいたい145円68銭〜71銭くらいと、朝からの戻りで遂にプラマイゼロ位まで戻ったかーなどとやっておったのですが、輪番オペがオファーされて瞬間上にスパイクして13:00に当日高値145円80銭(+9銭)をマークしてその後もしばらくはその辺に居たのですが、30分と持たずに横綱は土俵を割ってしまいまして、挙句の果てに臨時輪番の結果が出た辺りから一段と弱くなって結局「臨時輪番を実施したのに先物は下げる」という大変に味わいの深い展開になってしまいまして、あおりを食らったのか中期も全般引け甘で終了となり、何のためにこいつら臨時輪番やったんだか(何もしなければ普通に引けから引け強の穏当な相場だったんじゃないかと思うんですけどね)という結果になりました。
ま。実際問題先物下がった理由は良く分からん(売りの勢いが強かったから、という理由にならない理由しか思い浮かばない^^)のですが、「市場の状況からして全く入れる必要のなかった臨時輪番と中期指値を入れるという不自然な行動」を見て、「YCC維持のために行っているオペレーションの持続可能性に改めて疑問」からの「そもそもこの人達オペを18日(厳密にいえば18日は前場までのまいにち指値おぺを入れておけば十分なので17日までですかね)までしか持たせる気が無い、すなわち18日に枠組みの再修正があるのではなかろうか」ってのがリスクシナリオとして意識され、その中で現状売れるもの何かっていったら横綱ですわ、と横綱大安売りごっつあんですとなる、とでも考えないと・・・・・・・って感じですな(個人の感想です)。
いや真面目な話、オペ運営に関する信認というか予見可能性皆無になってしまって、こうなると「日銀は何をやらかすか全くわからん」となるので、そらMPM前にヘッジしたくなるわなと思いまして、せっかく火曜日に臨時輪番等打たないで頑張ったかと思ったのに、なんか台無しになってしまいましたなという所です。
・ところで中期指値の水準の意味is何???
再掲すると、
国債買入(固定利回り方式)(残存期間1年超3年以下)(注7) 2023年1月12日 0.000
国債買入(固定利回り方式)(残存期間3年超5年以下)(注8) 2023年1月12日 0.005
(注7) 固定利回較差の結果、2年利付国債444回の買入利回りは、0.025%となる。買入金額に制限を設けずオファー。
(注8) 固定利回較差の結果、5年利付国債154回の買入利回りは、0.230%となる。買入金額に制限を設けずオファー。
なんですが、この前から暫く「引け」で指値入れてたと思うのですが、昨日は5年が謎の「5糸甘」になっていたのは何ぞという感じでして、前回実施した中期指値の場合は、
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of230104.htm
オファー (1月4日<水>)
国債買入(固定利回り方式)(残存期間1年超3年以下)(注6) 2023年1月5日 0.000
国債買入(固定利回り方式)(残存期間3年超5年以下)(注7) 2023年1月5日 0.000
(注6) 固定利回較差の結果、2年利付国債444回の買入利回りは、0.030%となる。買入金額に制限を設けずオファー。
(注7) 固定利回較差の結果、5年利付国債154回の買入利回りは、0.230%となる。買入金額に制限を設けずオファー。
となっていて、2年債の方の指値は「利回り較差引け」を維持した結果前回対比5糸強になっていて、5年債の方の指値は「0.230%」を維持した結果利回り較差が5糸甘になっている、という謎の微調整をしていて、この水準の意味するところがさっぱり分かり兼ねますが、均衡イールドカーブの観点からご説明を頂けると大変ありがたく存じます(棒読み)。
・齋藤理財局長の折角のイイハナシダナーを積極的に台無しにしていくスタイルとは日銀も大胆不敵ですな
ところでアタクシ不覚にも存じ上げませんでしたが昨日はこんな事案があったようですな。
https://jp.reuters.com/article/low-rates-idJPKBN2TP1RL
2023年1月11日8:19 午前
低金利、いつまでも続くわけではない=斎藤・財務省理財局長
『[東京 11日 ロイター] - 財務省の斎藤通雄理財局長は11日朝、テレビ番組に出演し、近年は金利が低い水準で安定して推移してきたが「海外の状況を見ても分かるように、今の状況がいつまでも続くわけではない」と述べた。国債の買い手として海外勢に期待感を示した。
金利上昇局面では保有国債の評価損が生じやすく、投資家も国債を買いづらくなる。斎藤局長は「海外投資家は買ってもすぐに売ってしまうのではないかと言われるが、もともと円資金を持っていて安全な運用先として日本国債を選択している投資家など、長期の保有に期待できる投資家もいる」と話し、海外投資家向けの広報にも引き続き力を入れていきたいと述べた。』(上記URL先より)
いやー全く仰せの通りとは思いますが(肝心の番組は見てないので他にどういう話をしてたのかは知らん)、日銀による超豪快な介入が何の予見可能性もなく親の敵の如く乱打される中におきまして、(日本円で資金を預かって来ている日本国内ドメドメ人間は致し方ないけど)わざわざこの市場にすきこのんで資金を投資しようって気になりませんですよねーこんな日銀発狂オペ連日ぶっこんだら。
これで昨日の臨時輪番他年限指値が無かったら良かったのですが、上記のオペってどこからどう見ても齋藤局長の顔に物凄い勢いで泥を塗っているようにしか見えませんで、いいから落ち着け日銀と思いますですし、そこまで全方面に喧嘩を打ってるのは何なんでしょうね、と思ってしまうのですが、そんな中で昨日の後場に出てきた「生活意識アンケート」は泣けたのでそのネタに流れるようにバトンタッチしますね。
〇生活意識アンケートだが「日銀の政策に批判的な文脈で注目が高まってきている」という日銀的には最悪の内容である
概要
https://www.boj.or.jp/research/o_survey/ishiki2301.htm
全文
https://www.boj.or.jp/research/o_survey/data/ishiki2301.pdf
基本的にPDFの方から引用します。
ゆうて後の方がオモロイのでこっちは軽めに。『1-1. 景況感等』の『1-1-1. 景況感』から。
『景況感のうち、現在(1年前対比)については、「悪くなった」との回答が増加したことから、景況感D.I.は悪化した。
先行き(1年後)については、「良くなる」との回答が減少し、「悪くなる」との回答が増加したことから、景況感D.I.は悪化した。
なお、現在の景気水準については、「悪い」、「どちらかと言えば、悪い」との回答の合計は増加した。』
というのがいつもの一発目ですが、『(図表1)景況感〔Q1、3、4〕』の3つのグラフを見ると落涙を禁じ得ません。
・暮らし向きと支出の項目がこの半年で10ptも悪化しておる
そして本文5ページ(PDFも5枚目です)の『1-2. 暮らし向き、消費意識』も言うまでもなく、
『1-2-1. 現在の暮らし向き
現在の暮らし向き(1年前対比)については、「ゆとりがなくなってきた」との回答が増加したことから、暮らし向きD.I.は悪化した。』
ということで、『(図表4)現在の暮らし向き〔Q6〕』を見るとこの半年で「ゆとりがなくなってきた」が10ptも増加していましてどう見ても物価高であばばばばーです本当にありがとうございましたというお話。
6ページからの『1-2-2. 収入・支出』は7ページの支出の方が同様に味わいがあって、
『支出については、実績(1年前対比)は、「増えた」との回答が増加したことから、現在の支出D.I.はプラス幅が拡大した。先行き(1年後)は、「増やす」との回答が減少し、「減らす」との回答が増加したことから、1年後の支出D.I.はマイナス幅が拡大した。』
まあ支出が「増えた」のが要因として積極的な消費が増えてるんだったら別に悪い話ではないのですが、「先行きの消費を減らす」が増えているんだから非自発的な支出増加ですよねって話で、これがまた『(図表6)支
出〔Q9、11(1)〕』を見るとさっきのと同じで半年で10pt支出拡大方向に振れている訳ですな、ナムナム。
・景況感の影響なのか物価高の影響なのか
本文9ページの『1-2-3. 雇用環境』はややアイヤーと思った結果でして、
『1年後を見た勤労者(注)の勤め先での雇用・処遇の不安については、「かなり感じる」との回答が増加したことから、雇用環境D.I.は悪化した。
(注)勤労者:会社員・公務員(会社役員を含む)およびパート・アルバイトなど。』
『(図表9)1年後を見た勤め先での雇用・処遇についての不安(勤労者) 〔Q20<うち勤労者>〕』を見るとなんと直近で悪化していて、これはウヘーと思ってしまいました。1回だけなら統計誤差かもしれないので意見は保留しますけど、物価は上がるわ雇用不安が増えるわじゃあ踏んだり投げたりにも程がありますので・・・・・・・・・・・
・物価のところは今更付け加えることもないのですが
本文10ページからの『1-3. 物価に対する実感』ですけど、こちらはまあ前回からドイヒーでしたけど今回も引き続きドイヒーということで・・・・・・・・・
『1-3-1. 現在の物価
現在の物価(注1)に対する実感(1年前対比)は、『上がった』(注2)と回答した人の割合が9割台半ばとなった。1年前に比べ、物価は何%程度変化したかについて、具体的な数値による回答を求めたところ、平均値は+12.1%(前回:+10.3%)、中央値は+10.0%(前回:+10.0%)となった。
(注1)「あなたが購入する物やサービスの価格全体」と定義。
(注2)『上がった』は「かなり上がった」と「少し上がった」の合計。』
こちらですが、ちょうど火曜日に出てきた12月東京都区部で目立つ品目の物価上昇が軒並み2ケタ%のプラスになっている、というのと整合的ですなーって見ながらこの辺りを見ると、この手のアネクサーベイてのもやはりいい味わいを出しているなーと思いました。
いつもの物価見通しとかは相変わらずクソ高い訳でして、本文11ページからの先行き見通しは、
『1-3-2. 1年後の物価
1年後の物価については、『上がる』(注)と回答した人の割合が8割台半ばとなった。
1年後の物価は現在と比べ何%程度変化すると思うかについて、具体的な数値による回答を求めたところ、平均値は+9.7%(前回:+8.5%)、中央値は+10.0%(前回:+5.0%)となった。
(注)『上がる』は「かなり上がる」と「少し上がる」の合計』
ウヘーって感じですよね。当然『(図表11)1年後の物価に対する見方〔Q14、15〕』も涙なしには見れない。
『1-3-3. 5年後の物価
5年後の物価については、『上がる』(注)と回答した人の割合が7割台後半となった。これから5年間で物価は現在と比べ毎年、平均何%程度変化すると思うかについて、具体的な数値による回答を求めたところ、平均値は+7.5%(前回:+6.7%)、中央値は+5.0%(前回:+5.0%)となった。
(注)『上がる』は「かなり上がる」と「少し上がる」の合計。』
あばばばばーですが、『(図表12)5年後の物価に対する見方〔Q16、17〕』の棒グラフ見ると(1年先の方は「かなり上がる」の上昇っぷりが目立ちますけどそれに対して)上がるかどうかの定性的選択問題の解答が特に内訳でのシフトが起きていないのが不幸中の幸い。
・もともと「物価上昇は困った事だ」の多い項目ではあるのですがそれも更に悪化の巻
本文13ページ
『1-3-4. 物価上昇についての感想
1年前と比べて物価が『上がった』(注)と答えた人(9割台半ば)に、その感想を聞くと、8割台後半の人が「どちらかと言えば、困ったことだ」と回答した。
(注)『上がった』は「かなり上がった」と「少し上がった」の合計。』
まあこれ自体は「困ったこと」という回答が多いというバイアスがあるのですが、それにしても『(図表13)物価上昇についての感想〔Q12-a〕』を見ると、その困った事だ軍団が半年で4pt増えているんですよね、ナムナム。
というのが物価の話だが、更に日銀に痛手と思われるのは以下の金融政策に関するサーベイ結果でありまして・・・・・・・・
・日銀政策への関心が高まったのだが・・・・・・・・・・・・
16ページからの『1-6. 日本銀行に関する認知度・信頼度等』があまりにもジャストタイミングで実に結構結構。きちんとこれを出す情サもエライのであります(いやまあやったんだから不都合でも出すのは当たり前だけど今の頭沸いてるオペ運営とか見たら握りつぶすのが正義くらいに成り兼ねませんからねえ)。
『1-6-1. 日本銀行の目的
日本銀行が「物価の安定」を目的としていることについては、「知っている」との回答が約3割となった。また、日本銀行が、消費者物価の前年比上昇率2%の「物価安定の目標」を掲げていることについては、「知っている」との回答が2割台半ばとなった。
日本銀行が、積極的な金融緩和を行っていることについては、「知っている」との回答が4割台前半となった。
また、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を行っていることについては、「知っている」との回答が2割台前半となった。
日本銀行が、「金融システムの安定」を図ることを目的としていることについては、「知っている」との回答が2割台後半となった。』
改行はちょっとこちらでいじりましたが、以下図表『(図表16)日本銀行の目的「物価の安定」に関する認知度』として各項目の回答分布が示されていますが、なんと上記項目のすべてにおいて今回「認知度の上昇」が起きております。
さらに19ページからの『1-6-2. 日本銀行に対する関心や認知度、評価』を見ますと、
『1-6-2. 日本銀行に対する関心や認知度、評価
日本銀行に対する関心や認知度等について尋ねたところ、
『日本銀行の活動に日頃から関心がある』(注1)と回答した人の割合は2割台後半、
『日本銀行は私たちの生活に関係がある』(注2)と回答した人の割合は7割台後半、
『日本銀行は私たちの生活に役立っている』(注3)と回答した人の割合は4割台前半となった。
(注1)『関心がある』は「関心がある」と「どちらかと言えば、関心がある」の合計。
(注2)『関係がある』は「関係がある」と「どちらかと言えば、関係がある」の合計。
(注3)『役立っている』は「役立っている」と「どちらかと言えば、役立っている」の合計。』
こちらも『(図表18)日本銀行に対する関心や認知度、評価』があるのですが、「関心がある」「関係がある」に関しても認知度の上昇、と日本銀行に対する世の中の認知、関心が高まっていてまさしく日銀大勝利、としたい所でございますが、最後の
『(3)日本銀行は私たちの生活に役立っている〔Q23(3)〕』
の「役立っている」が顕著に減少しておりまして、既にこの時点で暗雲が垂れ込めて参りました!!!!
・そして信頼度が・・・・・・・・・・・
説明がどうのこうのの部分はすっ飛ばして24ページの『1-6-5. 日本銀行への信頼度』に参ります(ワクワク)。
『1-6-5. 日本銀行への信頼度
日本銀行への信頼度を尋ねたところ、『信頼している』(注1)と回答した人の割合は約4割となり、『信頼していない』(注2)と回答した人の割合は1割台前半となった。
『信頼している』との回答の理由としては、「日本銀行の活動が物価や金融システムの安定に役立っていると思うから」との回答が最も多かった。
『信頼していない』との回答の理由としては、「日本銀行の活動が物価や金融システムの安定に役立っていると思わないから」との回答が最も多かった。
(注1)『信頼している』は「信頼している」と「どちらかと言えば、信頼している」の合計。
(注2)『信頼していない』は「信頼していない」と「どちらかと言えば、信頼していない」の合計。』
でもって『(図表21)日本銀行への信頼度』ですがwwwwww
『(1)日本銀行を信頼している〔Q23(5)〕』の「信頼している」が今回きっちりと低下していますし、11%の回答とは言え、「信頼していない」人の理由について、『(3)日本銀行を信頼していない理由(2つまでの複数回答)〔Q23-c〕』を見ますと、『日本銀行の活動が物価や金融システムの安定に役立っていると思わないから』の理由が(もともと1位項目ではありますが)さらに拡大、ということで、日銀が物価の安定に役立っていないというお答えも増えていますな。
ということで、日銀への関心は高まってきたのですが、どこからどう見てもこれは「批判的な意味で関心が高まっている」とゆー結果であり、これは世論の動向を無駄に気にするキッシーにとっても黒ちゃん首チョンパ(事実上の)に持って行った方がエエンデネエノ、という考えを持たせてしまいそうな味わいの深い(まあ順当ちゃあ順当だけど)結果になったということであります。
でまあ何ですな、やる必要もなかった臨時輪番他年限指値オペを紙振り乱して乱打している中で、こういう日銀国賊コースへの道が坦々と開けていくようなサーベイが出て来るのを見ていると、18日に何かしでかすリスクと共に、日銀ってもしかして自暴自棄になってヤケクソオペを連発してるんじゃなかろうか、ということで、ヤケになった中年男性が自暴自棄になって両手に包丁振り回して新宿駅構内で暴れまわって(ピー)とか、そういうレベルでヤケクソになってるのかと心配になってしまいますので、ヤケクソではない理由についてちょっと丁寧にご説明された方が宜しいんじゃないでしょうかいやマジで。
ま、そうじゃなくて実はこれは18日に向けて「Operation Frequent Wind」をやっているのだ、という事で別にヤケクソではない、という事なのかもしれませんが(笑)、いずれにしましても今日の定例輪番に何がマシマシされるのか、とか実にしょうもない事に毎日注目しないと行けない世界でございます。
・・・・あ、ちなみに18日に突如展望レポートが「2%目標達成万歳」とかいう内容になって大勝利宣言と共にQQEYCCの枠組み見直し検討、とか出たらそれはそれで爆笑もんではありますけど、号泣会見じゃない方法で説明つく政策修正するなら目標達成大勝利宣言を突如出すという大技しかないですかしら。なんかイマイチ他のアイデアが思いつかないけど、屁理屈大王の日銀さん、なんかやるにしてもやらないにしても屁理屈をどうつけるのかとか水曜に向けてワクワクが止まらないでございますな。
2023/01/11
お題「東京都区部CPI(メモ)/臨時オペなど実施しないで我慢したのですが・・・・・/パウエル講演は目先政策的には無風でした」
〇短国入札が1日延期とはこれはまた世が世ならエライコッチャでしたな(備忘メモ)
電話と紙で何とかする、という技が使えない程度だったのかしら・・・・・・・
https://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/20230110.htm
国庫短期証券(第1131回)の入札予定の変更
令和5年1月10日 財務省
『1月10日(火)に実施を予定しておりました国庫短期証券(第1131回)の入札につきましては、日銀ネットが一部利用できない状況にあったことから、延期致します。なお、当該状況は既に解消しております。』
資金繰りが1日とは言え6兆円ブレるとはねえ、って感じですが、まあ償還超過なので短期市場的にはただの資金余剰要因で、問題は政府預金の金繰りだけですから最終的にはFB出せば何とかなるんでしょうけど。
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/jp230111.htm
日銀当座預金増減要因と金融調節 (1月11日<水>分)
財政等要因(受超=マイナス)48,000
ところで、
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGD048EE0U0A201C2000000/
東証社長、統治及ばず引責辞任 「必要なし」から一転
真相深層
東証システム障害
2020年12月15日 22:30 (2020年12月16日 4:48更新) [有料会員限定]
せいふしきんぐりに6ちょうえんも1にちとはいえあなをあけたんだからくろだもじにんそうとうですね!!!!
・・・・あ、念のため申しあげますが今のはネタでして、アタクシ当時「なんでこれで宮原社長引責辞任しないといかんのよ」と申し上げておりました(ちなみに宮原さんは現在JPX総研の社長とJPXグループの執行役を勤めていらっしゃいます)のでマジで言ってるわけではないことをお断りします。
〇東京都区部CPIェ・・・・・・・・・・・・
https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/kubu.pdf
2020年基準 消費者物価指数
東京都区部 2022年(令和4年)12月分(中旬速報値)
『◎概況
(1) 総合指数は2020年を100として104.0
前年同月比は4.0%の上昇 前月比(季節調整値)は0.3%の上昇
(2) 生鮮食品を除く総合指数は103.9
前年同月比は4.0%の上昇 前月比(季節調整値)は0.5%の上昇
(3) 生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数は102.2
前年同月比は2.7%の上昇 前月比(季節調整値)は0.3%の上昇』
あばばばばーという所ですが、20日に12月全国が出ると記憶していますが、18日に出す展望レポート、出した途端に上の数字が出たら流石にハズイから22年度の数字はちゃんとまとめるでしょうけれども、
https://www.boj.or.jp/mopo/outlook/gor2210a.pdf
経済・物価情勢の展望(2022 年10 月)
『物価の先行きを展望すると、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、本年末にかけて、エネルギーや食料品、耐久財などの価格上昇により上昇率を高めたあと、これらの押し上げ寄与の減衰に伴い、来年度半ばにかけて、プラス幅を縮小していくと予想される。その後は、マクロ的な需給ギャップが改善し、中長期的な予想物価上昇率や賃金上昇率も高まっていくもとで、再びプラス幅を緩やかに拡大していくとみられる。』(この部分だけ直上URL先10月展望レポート基本的見解より)
ってなっていた10月の見通しって「本年末にかけて上昇率を高めたあと」下がるという話になっておりますので、幸いにも今回は12月CPIなのでセーフなのですが、そもそも論として需給ギャップが昨日ネタにしたように日銀推計ベースだと7−9月期でほぼゼロ近傍に改善している訳で、この見通しの文言をどう変更するのか、というのが益々楽しみになってまいりました。
しかしまあ何ですな、この東京都区部の統計表なんですが、1ページ目の真ん中あたりを見ますと、
『[総合指数の前年同月比に寄与した主な内訳]
10大費目 中分類、前年同月比(寄与度) 品目、前年同月比(寄与度)』の『上昇』が、
『食料
外食 6.9%(0.37) ・・・・・ ハンバーガー(外食)18.3%(0.05) など
調理食品 7.1%(0.25) ・・・・・ 焼き魚 24.6%(0.03) など
穀類 10.9%(0.19) ・・・・・ あんパン 18.4%(0.06) など
生鮮魚介 14.5%(0.17) ・・・・・ まぐろ 12.5%(0.04) など
菓子類 6.6%(0.14) ・・・・・ チョコレート 9.2%(0.02) など
肉類 6.2%(0.14) ・・・・・ 牛肉(輸入品)13.1%(0.03) など
乳卵類 9.6%(0.11) ・・・・・ 牛乳 8.6%(0.03) など
油脂・調味料 9.8%(0.10) ・・・・・ 食用油 32.5%(0.04) など
飲料 7.0%(0.10) ・・・・・ 炭酸飲料 15.6%(0.03) など
住居
設備修繕・維持 3.6%(0.11) ・・・・・ 火災・地震保険料 6.2%(0.04) など
光熱・水道
電気代 26.0%(0.73)
ガス代 36.2%(0.58) ・・・・・ 都市ガス代 36.9%(0.58)
家具・家事用品
家庭用耐久財 11.0%(0.12) ・・・・・ ルームエアコン 13.7%(0.04) など
交通・通信
通信 6.9%(0.16) ・・・・・ 携帯電話機 22.1%(0.14) など
教養娯楽
教養娯楽用品 6.7%(0.11) ・・・・・ ペットトイレ用品 22.0%(0.04) など』
って個別品目みると軒並み上昇率が2ケタな訳でございまして、そりゃ物価上がった感無茶苦茶出るわなあと思う訳ですし、しかもこれで給料が(内務省検閲により削除されました)。
・・・・・・いやこれで日銀「一時的(実は最近日銀ちゃん、「一時的」という言葉を使わなくなっているのにお気づきでございましょうか????見通し外したのをサイレント誤魔化しに掛かっているいつものあれでございますわよ)」だの「来年(今年になっちゃいましたが)は下がる」とか言い張ってて大丈夫なんですかってな話だし、全国はもうちょっと上に出るはずなので、「12月がピークですから」で言い訳してても1−3で特殊要因部分しか下げ寄与しなかったらどうするんでしょうねとは思うのでありまして・・・・・・・・・
〇オペ乱発すれば「限界が近づく」と言われオペを打たなければ金利抑制姿勢が問われるという雪隠詰め
昨日は朝の駄文で散々「今日は臨時輪番他年限指値2年共担実施したら18日までしかオペを持たせない意思が明らかになりますな」と悪態をついたのが聞こえたのか聞こえないのか存じませんが(^^)、定例のまいにちCTDとカレントトリオの指値だけに留まりました。
オファー (1月10日<火>)
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of230110.htm
国債買入(固定利回り方式)(残存期間5年超10年以下)(注4) 2023年1月11日 0.000
国債買入(固定利回り方式)(残存期間5年超10年以下)(注5) 2023年1月11日 0.055
米ドル資金供給 2023年1月12日 2023年1月19日 4.580
国債補完供給(国債売現先)・即日(午前オファー分) 2023年1月10日 2023年1月11日 -0.350
共通担保資金供給(全店)<固定金利・金額無制限> 2023年1月11日 2023年1月25日
国債補完供給(国債売現先)・即日(午後オファー分) 2023年1月10日 2023年1月11日 -0.350
実に結構結構、と思ったのですが、横綱様はと言いますと、後場13時過ぎくらいからスコーンと下がってしまい、その後持ち直したのですが、引けにかけてもう一回売られて安値圏での終了となりました。
まあ今日30年国債入札あるので、その入札前に横綱ロングってのもアレですし、オマジナイでショートみたいなのもある(正直30年国債の入札ヘッジになる気はしないけど何もしないよりはマシでしょう位のオマジナイ)のでしょうけれども、後場寄ってから暫くズルズル下がったあとに13時5分くらいだったかな、まあその辺りでスココーンと下がったのは印象悪いというか笑えるというか、という展開でございましたなあっはっは。
・・・・・・ということで、まあ即ち何がどういうことかと言えば、小見出しでも申し上げましたように、あまりにも湯気ポッポーのオペを髪振り乱して乱発した結果、オペを実施しないだけでさっくりと売られてしまう、という金利抑制姿勢が問われる方向でのネタになってしまうという訳でございまして、こんなのその前に発狂オペを乱打した自業自得以外の何物でもないので1ミクロンたりとも同情の余地はなく、むしろざまあwwwwwとしか申し上げようがないのですが、オペを乱打すれば限界が目の前にやってくるし、オペを見送れば隙あらば金利上昇、ということで日銀完全に八方塞がりになってしまいまして、そりゃまあブルームバーグに泣きついて悪意満々の時間帯にヘナチョコヘッドライン打ってもらう・・・・というのは全くの妄想でまあ嘘八百の陰謀論なのですが。こういう相場を見ると金曜の悪意のヘッドライン事案ってマジで八方塞がりの日銀が泣きを入れたんじゃないか、という邪推をしたくなりますな、あっはっは。
挙句の果てに昨日の夜間取引では、
https://port.jpx.co.jp/jpx/template/quote.cgi?F=tmp/future_night
長期国債先物
限月:23年3月限
取引日:01/11
夜間取引
始値:145.72(01/10)(15:30)
高値:145.76(01/10)(15:34)
安値:145.42(01/10)(21:48)
現在値:145.44(01/11)(05:54)
前日比:-0.27
取引高:5,522
などという引けになっておりますし、本日の30年国債入札(ゆうて絶対水準も随分と調整したのですから何ともならんってことないでしょうし、この年限は変な臨時輪番入ってないので、その点でも変なコストのロングやショートが上や下に捕まって悪さをするって事もないとは思いますが)がある訳ですけれども、日銀ちゃんは本日の10時10分、果たして我慢できるのか我慢できずに倫理輪番や他年限指値をぶっ放すのかという話で、
お も し ろ く な っ て ま い り ま し た !!!!
という感じではありまする。
〇パウエル講演は目先の金利がどうのこうのの話は無かったですな
https://www.federalreserve.gov/newsevents/speech/powell20230110a.htm
January 10, 2023
Panel on "Central Bank Independence and the Mandate-Evolving Views"
Chair Jerome H. Powell
At the Symposium on Central Bank Independence, Sveriges Riksbank, Stockholm, Sweden
エライ短い講演、というかパネルでのお話なんだかよくわからんが、リクスバンクのシンポジウムでの発言で、そもそもシンポジウムのお題が「中央銀行の独立性」がどうしたこうしたなので、目先の金融政策の話にはならなかったようです(質疑応答があった筈でそこで誰かその件について聞いたのかどうかはよくわからん)。
短いのでざざっと全文を。まずマクラ部分。
『I will address three main points.』
いきなりこれである。
『First, the Federal Reserve's monetary policy independence is an important
and broadly supported institutional arrangement that has served the American
public well.』
ここがさすがアメリカンだと感心しましたが、主語が「中央銀行一般」じゃなくて「FRB」なので、存在意義についても「アメリカンピープルのために」って言ってしまうところで、これが麿とかだったら「日本銀行」を主語にしないだろうなあと思ったのでちょっと笑いました。
『Second, the Fed must continuously earn that independence by using our
tools to achieve our assigned goals of maximum employment and price stability,
and by providing transparency to facilitate understanding and effective
oversight by the public and their elected representatives in Congress.』
はい。
『Third, we should "stick to our knitting" and not wander off
to pursue perceived social benefits that are not tightly linked to our
statutory goals and authorities.』
3番目がちょっと面白いですな、ということで話が始まる。
『Central bank independence and transparency』ですけど、
『On the first point, the case for monetary policy independence lies in
the benefits of insulating monetary policy decisions from short-term political
considerations.1 Price stability is the bedrock of a healthy economy and
provides the public with immeasurable benefits over time. But restoring
price stability when inflation is high can require measures that are not
popular in the short term as we raise interest rates to slow the economy.
The absence of direct political control over our decisions allows us to
take these necessary measures without considering short-term political
factors. I believe that the benefits of independent monetary policy in
the U.S. context are well understood and broadly accepted.2』
一般的な話をしているものの、ドサクサに紛れて「But restoring price stability
when inflation is high can require measures that are not popular in the
short term as we raise interest rates to slow the economy.」とかしれっとぶっこんでいまして、「高インフレを鎮静化させるためには短期的に景気がコケるのはやむなし」というのをアピールしておられますな。
『In a well-functioning democracy, important public policy decisions should
be made, in almost all cases, by the elected branches of government. Grants
of independence to agencies should be exceedingly rare, explicit, tightly
circumscribed, and limited to those issues that clearly warrant protection
from short-term political considerations.』
良く機能した民主主義的な統治においては、重要な決定は本来選挙で選ばれた人たちによって行われるものであって、独立機関による決定というのは非常に限定的なものであるべきで、それは「短期的な政治的な意図からの隔離」という明確な理由のあることに限られるべきである、とかイイハナシダナーである。
『With independence comes the responsibility to provide the transparency
that enables effective oversight by Congress, which, in turn, supports
the Fed's democratic legitimacy.』
とりあえず理屈にもならない屁理屈、しかも前言ってた事と整合性が取れているなら兎も角、その一貫性もない説明しかしないし説明の場では質問にまともに回答しない上に説明時間は切ってしまう、というどこかのうんこ中銀においてはきちんとこの部分を百回朗読して頂きたい。
『At the Fed, we treat this as an active, not passive, responsibility,
and over the past several decades we have steadily broadened our efforts
to provide meaningful transparency about the basis for, and consequences
of, the decisions we make in service to the American public. We are tightly
focused on achieving our statutory mandate and on providing useful and
appropriate transparency.3』
うんこ中銀との比較をするのもFEDに失礼ですね。でもって次の小見出しが『Sticking to our mandate』ですが、
『It is essential that we stick to our statutory goals and authorities,
and that we resist the temptation to broaden our scope to address other
important social issues of the day.4』
「賃金上昇を伴う形での「物価安定の目標」の持続的・安定的な実現に向けて」というのがまさに「the
temptation to broaden our scope to address other important social issues
of the day」ですねわかります。
『Taking on new goals, however worthy, without a clear statutory mandate would undermine the case for our independence.』
もしかしてこれ日銀に向けて警告してるんじゃないか、と思う位に日銀にはまっていて味わいが深すぎる。
『In the area of bank regulation, too, the Fed has a degree of independence,
as do the other federal bank regulators. Independence in this area helps
ensure that the public can be confident that our supervisory decisions
are not influenced by political considerations.5 』
と、プルーデンス政策について触れた後、
『Today, some analysts ask whether incorporating into bank supervision
the perceived risks associated with climate change is appropriate, wise,
and consistent with our existing mandates.』
なるほど気候変動もプルーデンスの一環として捉えるとこれは金融安定へのリスクになり得ます、って説明です。
『Addressing climate change seems likely to require policies that would
have significant distributional and other effects on companies, industries,
regions, and nations. Decisions about policies to directly address climate
change should be made by the elected branches of government and thus reflect
the public's will as expressed through elections.』
まあ話をしている場所が欧州だから気を使っているんでしょうけれども、何ちゅうかこの辺の説明は「ぶぶ漬け話法」に見えてしまうのはアタクシの性格が悪いからですかそうですか。
『At the same time, in my view, the Fed does have narrow, but important,
responsibilities regarding climate-related financial risks. These responsibilities
are tightly linked to our responsibilities for bank supervision.6 The public
reasonably expects supervisors to require that banks understand, and appropriately
manage, their material risks, including the financial risks of climate
change.』
『But without explicit congressional legislation, it would be inappropriate
for us to use our monetary policy or supervisory tools to promote a greener
economy or to achieve other climate-based goals.7 We are not, and will
not be, a "climate policymaker."』
とまあそういう締め方をしていて、あくまでも気候変動対応に関してはFEDとしては「金融システムの不安定化につながるようなイッシューに対して関与していきますが、議会からの新たな付託が無い限りにおいて、FEDとしては気候変動関連に基づいた政策目的をアクティブに設定してそれに向かって一人のプレイヤーとして臨む、ということはしませんよ(政府と民間がやる話で中央銀行がアクティブにシャシャリでる話ではない)という説明をしていて、まあ何だかんだ言ってECBに軽くジャブは放っていますな、と思いました。
という所でおしマイケルだったので、政策金利に関する話はさっきの「インフレが高騰する中ではインフレ鎮静化の為に経済がスローダウンするのもやむなし」という部分でして、これ自体はいつも通りの話をいつも通りのトーンでしていただけなので、まあ目先の金融政策的には(質疑応答で何か追加情報ない限りにおいては)無風でした、ということかと思います。
2023/01/10
お題「金曜も必死の形相でオペ実施/さて今日のオペはこれが継続されるのか否か/需給ギャップキタコレなど」
しっかし年初早々笑わせてくれるのだが・・・・・・・・・・・・・
〇意固地になっているのか知らんが金曜もオペ大乱打に引け際に悪質ヘッドラインまで飛び出す金曜日
・5−10臨時輪番3000億円に2年共担2兆円で、12/20以降の輪番実績が9.6兆円に2年オペ5兆円ですな
ということで金曜のオペですけどね。
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of230106.htm
国債買入(固定利回り方式)(残存期間5年超10年以下)(注4)2023年1月10日 0.000
国債買入(固定利回り方式)(残存期間5年超10年以下)(注5)2023年1月10日 0.040
国債買入(残存期間1年以下) 1,500 2023年1月10日
国債買入(残存期間1年超3年以下) 5,000 2023年1月10日
国債買入(残存期間3年超5年以下) 5,750 2023年1月10日
国債買入(残存期間5年超10年以下) 3,000 2023年1月10日
国債買入(残存期間10年超25年以下) 3,000 2023年1月10日
----------------------ここまで午前の国債買入----------------------------------
そして午後の2年共担がこれであるwwww
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式> 20,000 2023年1月10日 2025年1月10日
とまあそういう訳で、1年以下はどこで入れても同じなので良いんですけど、入札の翌日に5−10の臨時輪番を入れやがりまして、いや確かに入れようと思えば入れれるのだが、別にそんなにボコボコに売られていた訳でもない(寧ろ前日より基本的に横綱はプラスで推移)のですが、まあやりやがったなと思いましたが、惜しくも(笑)他年限の指値は無し。
でもって午後にこれがまた狂気の沙汰としか申し上げようがないのだが、またまた2年共担を2兆円実施して、これで都合5兆円の実施になってしまいました。何考えてるんでしょうこの人達。
ちなみに共通担保の方はさすがに応札1兆円減って金曜は40,721/20,011(木曜は51,717/20,014)になっておりましたが、3日で5兆円も実施してどうするんでしょうかねえ。
・・・・・・・ということで、何意固地になってオペやってるんだかという感じですが、輪番にしたって12/20の決定会合結果出てから以降(前場の指値を除いて)で計算して物価連動国債の600を別にしたって12/20-1/6での買入がオペ結果をアタクシが手元で足し合わせて計算してるので間違ってたらゴメンやでなのですが、額面で9.6兆円の買入(臨時輪番とか指値とか通常輪番を物国以外全部足した)を行っていて(ちなみに長期がほぼ3.2兆円ですが中期が結構多くて5年指値と中期後半の輪番が3.5兆円以上、中期前半は1.4兆円弱)とかいう、「イールドカーブの円滑な形成を促す」とは何だったのかという買入ですが、そんなことよりも実質2週間ちょいだというのにこの買入をしていて黒田さんの任期までオペが持つと誰も思えない買い方をしているのがアカンですよね。
しかも、シグナルなのかと思ってたら2年指値が3日で5兆円も打っているのだが、これこそこの調子でオペが継続できないものという事で、日銀意固地になっているのかヤケクソになっているのか分からんのですが、まあ率直に申し上げて馬鹿なんじゃなかろうかという勢いで買いだの2年オペだのやってるの、どういう意味なんでしょうねえ・・・・・・・・・・・
まあアレですな、たぶんこれ日銀の中の人の発想的には「いつまで経っても市場が「オペの限界」とか言うから断固たる姿勢を示している(キリリッ)」って所だと思うのですが、これって市場サイドから見たらやればやるほどオペの限界を手前に引き寄せる(しかも超過激に)ように見えるから、市場の中の人の1人として申しあげると、「やればやるほど逆効果」という解釈になってしまう訳ですな、ナムナムナム。
・しょうもないヘッドラインが引け際に打ち込まれましたがこれも陰謀論を逞しくすると大変楽しい
とまあそういう日銀ちゃん紙を振り乱してのオペ乱打の挙句に金曜の引け前15分とかいう測ったようなタイミングでブルームバーグから「関係者」のヘッドラインが。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-01-06/RO1LZ5T0G1KW01
日銀はYCCの再修正急がず、12月決定の影響と効果見極め-関係者
伊藤純夫、藤岡徹
2023年1月6日 14:45 JST 更新日時 2023年1月6日 16:34 JST
こちらにもあるように1445にこのヘッドライン。そら当たり前だろ日銀からしてみたら12月20日に見直しをしたのに1月18日に再見直しする気はないだろ、という話で、記事(忌々しいから一々引用しませんが)も良く見りゃただの憶測記事にも程があるし、そら日銀は変えたくないだろお前「明日の太陽は東から出てきます」っていう位にどうでも良いニュース、ではあるのですが、3連休前の金曜の引け前15分に出たヘッドラインで記事を読んでる前に反応の方が先にでる、という毎度おなじみの動きで横綱におかれましては145.78くらい→146.04高値(1454)→引けは145.89というボラタイルな値動きをしやがりまして、実にはた迷惑な連休前の引け際でありました。
・・・・・・・・いやまあさすがこれは陰謀脳にも程があるんですけどね。年末週の途中から日銀が必死の形相でオペを乱打しているのを見ますと、このしょうもないこたつ記事かよと言いたくなるような記事も、ヘッドラインタイミングがあまりにも狙ったタイミングなだけに「金利上昇抑制のために何でもやる」という状態のあの方々がブルームバーグに泣きを入れてヘッドラインでも打ってもらったんじゃないかって陰謀論を唱えたくなるような話でして、ヘイヘイピッチャービビってるよビビってるよ!!!というよりもピッチャーヤケクソになって打者の頭と顔面に直球放り込んで来てねえかって姿を思わせてくれるわけで、実に味わいの深いプレイが行われましたという感じです(個人の妄想です)。
まあそんな陰謀はさて置きましても、そもそも12月に見直しをしたばっかりのYCC運営が3週間やそこらで行き詰って再々見直しに追い込まれる、という方が本来はあり得ない話なので、上記のようなネタが「記事」として成立してしまう所に今の悲惨っぷりが示されているのですけどね。
・どうでもよいのだが「2年オペ」って9月の決定で行ったフルアロットメント固定金利オペとの整合性どうなってるの??
ところで3日であっという間に5兆円の残高が積みあがった2年オペなのですが・・・・・・・・・・・・・
https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2022/k220922a.pdf
9月の決定会合で、
『1.わが国の金融環境は、全体として緩和した状態にある。新型コロナウイルス感染症の影響は、中小企業等の一部になお残存しているものの、これらの中小企業等の資金繰りも改善方向にある。こうした情勢を踏まえ、日本銀行は、本日の政策委員会・金融政策決定会合において、新型コロナ対応金融支援特別オペを段階的に終了しつつ、幅広い資金繰りニーズに応える資金供給による対応に移行していくことを決定した(全員一致)。』
『(2)金額無制限の共通担保資金供給オペの実施
上記オペの期限到来後も中小企業等の資金繰りを支えるとともに、より幅広い資金繰りニーズに応える観点から、幅広い担保を
裏付けとして資金を供給している「共通担保資金供給オペ」について、金額に上限を設けずに実施することとする(以上は9月
27 日に
予定している次回実施分から変更)。』(以上直上URL先の2022年9月決定会合公表文より)
というのがあって、これを受けて、フルアロットメントの共通担保オペ(2週間物が延々とロールされ続けている)が実施されていて、前回は年末跨ぎだったので3週間物で実施されてて、12/19に12/20-1/11(基本は水曜スタートエンドなのですが12/21スタートにすると12/20がMPMだったので回避したんでしょうな)で実施されて、4,660億円の実行があったんですよね。
・・・・・・・2年固定金利オペ、なんて実施しちゃったらこのオペの意味is何???って話になってしまう(そもそも論としてインターバンク市場における短期的な資金課不足調節のための共通担保オペを「フルアロットメント」で実施するのが目的外使用な上に、「中小企業金融支援」などという意義づけをするのがもっとおかしいのでこのオペの存在自体に問題がある、という話は昨年の9月に散々行いましたが、まあそれはそれとしましても)のですが、このオペとの整合性はどうなっているのでしょうか??????というのもお伺いしたいですね!!!!
だってもし2年の共担オペやってくれるんだったら、この2週間物永遠ロールいらないじゃん、って話になるので、9月に鳴り物入りで突っ込んだ自分たちの施策を3か月であっさり空文化している訳でして、まあ勿論のこと元々の共通担保フルアロットメントしかも中小企業支援、などというオペの目的外使用は後任に迷惑を掛けるのでマジで止めて欲しいわと思っていたので、このどさくさで事実上の残高0に追い込んでしまえば、正常化の時に屁理屈の上塗りをしなくても「もともと利用がすくないオペなので廃止」とかしれっと出来るのですよね。
しかし3か月前に自分の出した施策よりもはるかに有利なものをただの通常オペでやるとはねえ・・・・・・・・・・・
〇注目は本日のオペの打ち方で「あれは年末年始のマーケットの薄い時に仕掛けなどが来ない対応です」と言い張るには今日が重要
まあ何ですな、問題は今日からのオペ運営でして、これでまた今日も2年共担だの臨時輪番だの他年限指値だのというのをぶっこんでいく体制ですと、年末年始からの動きにまるで変わりがない、ということになりますので、そらもうどっからどう考えても日銀は「1月18日までとりあえず持ちこたえれば良い」というスキームに入ってしまっている、という事かと想定されるわけですよ。
それすなわち本日もまた先週と同じような無節操オペ大乱打をするようでしたら、「18日以降はまた変更ありますよ」って宣伝しているようなもんでして、これはちょっと面白くなって参りました、って話になると思うんですよね、あくまでもアタクシの個人の感想ですって奴ですけど。
まあどこからどう見ても年末年始のオペの打ち方異常なので、そもそもオペが3月とか4月まで持つ気もしないのですけれども、そうは言いましてもオペを延命させるなら3連休で少しは頭も冷えたでしょうから、今日からの各種オペをもっと平穏にレギュラーの輪番とディレクティブにある方の指値(CTDとトリオザカレント10年)だけに戻して、「あれは年末年始対応ですので」とか誤魔化しに掛かっておかないと、18日に向けて更にオペレーション運営の限界について色々と言われると思うのですがどうでしょうかねえ・・・・・・・・・・・・・
米国様の長期金利が低下して返ってきているようですので、今日は普通に考えると要らんオペ打たなくても大してバチは当たらんような気がしますが(個人の感想です)、日銀が過剰反応してオペレーションをしまくっている、という現在の状況について「わざと限界に達するようにヤケクソオペを行って政策転換の前触れにしている」的な解釈から米国金利離れ(まあ年末くらいからこの方、日本国内の金利って米債離れしてて、日銀の政策がどう進展していくかの話で動いている感じはあるけど)で、別に投機筋が追い込むとかじゃなくて、ごくごく普通にファンダメンタルズみたらおまえ売りじゃん、という売りに押される可能性もあるので、今日の相場は楽しみに見たいと思います。
しかしこの必死ぶり、何をどうするとこういう追い詰められ方になるのか知らんけど、オペの打ち方がヒステリーと申しますか何と申しますかな訳でしたので、3連休で水入りして落ち着いていることを希望しますが、パニックオペを今日も連発、という方がネタとしては面白いので精々おまいらパニクってろという感じですな。
〇ハイパー緩和政策を継続するための錦の御旗が実は有効期限切れだったことが判明する需給ギャップ
https://www.boj.or.jp/research/research_data/gap/index.htm
需給ギャップと潜在成長率
ということで図表はこちら
https://www.boj.or.jp/research/research_data/gap/gap.pdf
需給ギャップと潜在成長率
『(1)需給ギャップ』を見ますとあら不思議、需給ギャップのマイナスが解消されているっぽく見えますが、数字の方はエクセルをDLした方が分かりやすいのでそちらを見ることにしましょう。
コロナ前の2019年下半期からの四半期展開を出してみましょう。
数字は左から「需給ギャップ」「資本投入ギャップ」「労働投入ギャップ」になりますが、(需=資+労です)
2019.3Q 1.47 0.60 0.87
2019.4Q 1.00 0.24 0.76
2020.1Q 0.38 0.04 0.34
2020.2Q -4.24 -2.81 -1.43
2020.3Q -3.01 -2.09 -0.93
2020.4Q -1.81 -1.31 -0.50
2021.1Q -1.48 -1.02 -0.46
2021.2Q -1.68 -1.02 -0.66
2021.3Q -1.80 -1.18 -0.62
2021.4Q -1.67 -0.89 -0.78
2022.1Q -1.13 -0.69 -0.45
2022.2Q -0.71 -0.84 0.14
2022.3Q -0.06 -0.20 0.14
ということで資本投入ギャップのマイナスが急縮小しまして、2022の3Q、即ち昨年の7−9月期の時点で需給ギャップはほぼゼロ近傍まで回復している、という状況です。
11月の金融政策決定会合後の黒田総裁の記者会見
https://www.boj.or.jp/about/press/kaiken_2022/kk221115a.pdf
会見文字起こし6ページの黒田総裁の説明。
『まだ 2%には達していませんが、上方修正になっていまして、その背景としては、やはり比較的順調な経済成長が
2023 年度、24 年度と続き、需給ギャップもマイナスがなくなってプラスの方に転化して、それが拡大していく、労働需給も更に引き締まっていくという中で、賃金が上昇していくということも反映して、物価が少し前回の見通しよりも、特に
2024 年度はかなりの程度引き上げられているわけですね。
そういう意味では、何度も申し上げるように賃金が緩やかに現在上昇していますし、更に需給ギャップがマイナスからプラスに転化し、労働需給が更に引き締まり、そうした中で、今後、賃金の上昇率が更に高まっていくという可能性は高いというふうにみております。
ただ、それでも今の見通しでは、2023 年度も 2024 年度も、2%の物価安定目標には達していないという状況ですので、引き続き、経済の成長をしっかり支えて、労働需給が更に引き締まって、賃金の上昇がしっかり達成されて、物価の持続的・安定的な上昇につながるように、経済をしっかり支えていくということが重要だというふうに考えています。』(この部分だけ直上22年11月決定会合後の黒田総裁定例会見より。改行は筆者による)
12月金融政策決定会合後の黒田総裁の記者会見
https://www.boj.or.jp/about/press/kaiken_2022/kk221221a.pdf
会見文字起こし7ページ目の黒田総裁の説明。
『十分、海外経済の動向、その日本の経済・物価への影響というのは注視していく必要があるということはその通りですけれども、今のところ、メインシナリオとしては、比較的潜在成長率を上回る成長が続き、そのもとで需給ギャップもマイナスからプラスになり、労働市場のタイトさもどんどん更に強くなり、賃金・物価へのプラスの影響が出てくると思っております。
足元は確かに、今の輸入物価の上昇による影響がだんだん減衰していきますので、物価上昇率が来年度において下がっていくわけですけれども、その後、好循環の効果もあって、物価上昇率が緩やかに反転していくとは思うのですけれども、来年度自体としては、全体としては
2%を下回る可能性が高いと、今のところはみています。
具体的な見通しは来年1月の展望レポートにおいてお示しすることになると思っております。』(この部分だけ直上22年12月決定会合後の黒田総裁定例会見より。改行は筆者による)
・・・・・とまあそういう訳ですが、この辺の需給ギャップ推計値がどのあたりでなんとなく読めるのかというのはアタクシエコノミストじゃないからさっぱりワカランチ会長ではありますけど、7−9の時点でほぼゼロということですから、足元は既にプラス転化してるんじゃなかろうかという気もしますし、まあこの辺分かったうえでこういう説明は作っていると思います。
つまりですね、1月の展望レポートでは足もとで既に需給ギャップがプラスに転じた可能性が高そう、ということで、継続的な物価上昇に思いっきり資する需給ギャップのプラテンをどういう評価してくるのかが楽しみですし、何ならこの辺りって今まで「日本は欧米と違う」って言い訳をするのに使っていた話なので、そういう文脈からも(さすがにその予想は超大穴予想になるのでギャグとして聞いていただければと思いますし、アタクシもそこまでは予想してないけど)1月の展望レポートで需給ギャップがプラスになったのも利用して「苦節10年、遂に物価目標達成が展望できました!!!!!!」という驚異の勝ち逃げ宣言をするのは可能なんですよね。
なお、物価に関してですけど、先日の経団連の講演で黒ちゃんこういう説明してて、
https://www.boj.or.jp/about/press/koen_2022/ko221226a.htm
賃金上昇を伴う形での「物価安定の目標」の持続的・安定的な実現に向けて
『次に、物価情勢についてご説明します。生鮮食品を除く消費者物価の前年比は、直近11月の計数は+3.7%となっています(図表3)。最近の物価上昇は、エネルギーや食料品、外食、さらには白物家電などの耐久消費財が中心です。これらはいずれも輸入品への依存度が高い点が共通しています。資源高や為替円安を背景とした輸入物価の上昇とその転嫁が、現在、消費者物価が上昇している要因です。ただ、原油をはじめとする国際商品市況は、海外経済の減速を織り込む形で、既に下落に転じています。年明け以降、輸入物価の上昇を起点とした価格転嫁の影響は減衰していくと見込まれます。このため、消費者物価の前年比プラス幅も、来年度半ばにかけて、縮小していくと考えています。』(この部分だけ直上22年12月の黒田総裁講演より)
という説明をしているのですが、実は最近ってここの言い方が「足もとの上げは一時的です2%なんてとてもとても」というような全否定モードではなくなっていて、しかもここに需給ギャップのプラス転化が確実、というものが登場しているので、黒ちゃん最後の展望レポートでまさかの物価目標達成が展望できますで花道を飾る、というプレイが出ても何らおかしくない、ということが言えるのではないでしょうか???????????????
まあ何ですな、そう考えると次回の決定会合、普通に考えれば何かある筈はない筈なのですが、明日にでもハレー彗星が特攻してくるんじゃないかというような後先考えないヤケクソオペの一方で、需給ギャップ推計値という日銀様の理屈にも使われている数値がほぼプラテンという状況などを見ておりますと、18日の金融政策決定会合では、まさかの黒ちゃん大勝利宣言で「物価目標の達成は見えました、次の執行部にはこの物価目標を安定的に維持できるようにお願いしたい」とか安定的じゃないオペを全部丸投げするの図、から始まり、オペ運営が行き詰まって大爆発(メジャー年限では30年入札と5年入札がMPMの前にありますか)した挙句に野々村総裁が登場して「ほんっと------------に申し訳ございませんでしたああああああ」と号泣しながら会見するという左右両極端の何があってもおかしくない(特に今日のオペが先週同様のオペ乱打戦だったら)という感じだと思うのですがどうでしょうかねえ皆様。
〇海外ネタを放置しておりましたのでクリップだけ(デーリーもボスティックも利上げにやる気満々感はありませんね)
雇用統計も出ましたので要人発言のクリップですが、まあやっぱり今年は25bp2回上げて様子見地蔵って感じなのかなーと思ってしまう一連の流れ。
・だいたい執行部の鉄砲玉をやっている事が多いデーリー総裁
https://jp.reuters.com/article/usa-fed-daly-idJPKBN2TO1BK
2023年1月10日3:58 午前
次回FOMC、0.25%・0.5%利上げいずれも可能=SF連銀総裁
『[9日 ロイター] - 米サンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁は9日、次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、0.25%ポイントもしくは0.5%ポイントの利上げいずれも可能という見解を示した。
デイリー総裁は米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が動画配信したインタビューで、0.25%ポイント、0.5%ポイントの「いずれの利上げにも論拠を示すことができる」と指摘。米連邦準備理事会(FRB)は「可能な限り穏やかに」インフレを低下させることに注力すべきとしつつも、高インフレが定着しないよう確実にすることが「絶対的に」必要と語った。』(上記URL先より)
ということで何ともコウモリ発言ですが、まあ要するに「引き締め的な水準にはなっているので、あとは物価の押し下げを図るのに今の水準で足りるか問題」というのと、「物価下げるだけならボルカーショックでも何でもしますけど、インフレ期待が上振れしないのであれば無理矢理下げにいくような大引き締めはすべきではない」ってのをどう両立させましょうか、
ってな話ですねこれは。
・ボスティックもまあ本質的に言ってることに大差はないと思う
思っているだけで講演の本紙みたいなのを呼んだ方が良い説は大有りだがそれはさておき手抜きで勘弁。
https://jp.reuters.com/article/usa-fed-bostic-idJPKBN2TO1C7
2023年1月10日4:08 午前
今後の政策変更、「より慎重なことが適切」=アトランタ連銀総裁
『[ワシントン 9日 ロイター] - 米アトランタ地区連銀のボスティック総裁は9日、金融政策が現在制約的な水準にあることは米連邦準備理事会(FRB)で広く合意されているとし、FRBが今後「より正常なペース」で金利を変更することが「適切かつ重要」だと述べた。「世の中の不確実性を考えると(政策変更で)われわれがより慎重になるのは適切だ」とした。』(上記URL先より)
ここにあるように、米国の場合は既に政策金利は引き締め水準になっているので、まあこういう考え方は考え方となるものの、一方で先般ネタにしたFOMC議事要旨でも思いっきり書かれていましたが、「方向性としての引き締めの話が無い、となると隙あらばゴルディロックスヒャッハーをしようとする金融市場」というのがあって、こいつらがヒャッハーすると家計のウェルスが無駄に強まって、よーしパパホームエクイティ増えたからランドクルーザー買い替えるよーというアメリカンドリームな皆様が消費をホイホイと増やしてしまい、物価がサガランチ会長になってしまう、というこの米国特有(ホームエクイティ云々は北欧も大概に凶悪だが)のプレイをどうさばくか、って辺りは難しそうですな。
ただ、直近出てきているのを見ると、従来のように頭ごなしに株価に鉄槌を下すかというとそこまででもないのかなあ?????まあ事案が2本しかないから良く分からんです、はい。
2023/01/06
お題「市場機能の改善のために10年金利のバンド拡大した筈なのに・・・・・・・・・・(日銀オペ雑感悪態)」
しっかし毎日日銀オペのネタが尽きないとかどういうことやって感じですな・・・・・・・・・
〇2年共通担保連発は酷い&長期ゾーンのイールドカーブがぐちゃぐちゃ
・2年共通担保オペを連発しかも増額とか「立つ鳥あとを濁さず」という言葉を知らんのか
昨日は10年入札があったからさすがに臨時輪番と他年限指値が無かったわ、と思って油断していたらまさかのこれである。
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of230105.htm
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式> 20,000 2023年1月6日 2025年1月6日
ちょwwwwwwおまwwwwwwwww
ちなみに昨日ネタにしませんでしたが、昨日の2年共担は
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba230104.htm
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式>(1月5日スタート分) 58,267 10,016 17.2
ということで1兆円のオファーに6兆円近くの応札があったのですが、それにしてもこれシグナルオペみたいなもんかと思ってたら何と連日オペ実施、しかも前日の倍額実施とかさすがにこれはちょっとキテイルとしか思えません。
・・・・・・と申しますのは、そもそも論として今の法定所要準備って
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/jd230104.htm
積み期間(12/16〜1/15日)の所要準備額(1日平均) 126,000
ということで12.6兆円(これも何だかんだ言ってしらっと増えてて、2018年辺りで10兆円そこそこだったしQQEの前はもっと少なかった)なのですが、2年共担を2日で3兆円ぶっこんでしまいますと、この調子では来週中にも「2年オペだけで所要準備分の資金供給を行っている」という格好になってしまいかねませんけれども、こういうのをやってしまうと、QQEを引くときに「引けないオペ残高」の積み上がりによって短期市場における資金調節が難しくなる(というかそもそも共担オペって短期市場における資金調節の為に行うものであって、この前突如言い出した「企業金融」云々はまるで関係ないので、目的外使用の最たるもの)のですよ。
まあどうせこいつら「超過準備がそう簡単に減らないから同じじゃ」とでも思っているのでしょうけれども、馬鹿輪番も大概にクソですけれども、2年共担の乱発というのは日銀が本来行う短期金利誘導のための短期金融市場における資金過不足の調節、という本来のオペレーションの運営という観点からしたら無茶苦茶に筋悪案件だし、後の人の運営に禍根をもたらす、という意味で(雨宮さんが責任もって後の収拾をするなら1兆歩譲って勘弁できないこともないけど)、酷すぎるとしか申し上げようがないです。
ちなみにオペ結果。
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/ba230105.htm
共通担保資金供給(全店)<固定金利方式>(1月6日スタート分) 51,717 20,014 38.7
前日が5.8兆の応札で1兆落札されて機能が5.2兆の応札ですかそうですか、という感じですが、さて日銀は今日も共通担保2年オペの乱発、という筋悪おぶ筋悪を打ってくるのでしょうか、というのが本日午後の注目材料となりそうです。
なお、本日は幸か不幸か中期と超長期前半の輪番が予定されいる日なので、何ぼ何でも臨時輪番や他年限指値は(やろうと思えば長期と超長期後半なら臨時輪番打てますが、笑)無いと思うのですけれども、ここで今日その手の上乗せ措置打ってきたら笑えます。
ちなみに昨日も申し上げましたが(今日はやらないと思いますが)他年限指値を打つ際に基準利回りが「引け」になるのかどうか、という点に関しましても、昨日は5年カレントは売参ベースで1毛5糸強で引かせているのですが、これで今日(はやらんと思うけど)5年指値の基準利回り較差がまた「引け」だったら更に笑えますので(全くシャレになっていないのだが)、まあ精々オペタイムを楽しみにしています。
・この「末期症状」オペをみていると逆に18日に何かあるんじゃないかと考えてしまう説を唱えたい
って多分水曜からその話してるような気もしますが、先週の水曜辺りから急に変なものでも食ったのか、ここまで日銀が後の迷惑考えずに無茶苦茶オペをぶっこんでいる訳ですけれども、この調子で連日やれ2年共担だやれ臨時輪番だやれ他年限指値だ、って連発してますが、こんなの全然サステナブルじゃない話であって、黒田総裁の任期切れまで動かないにしたって、黒ちゃんの任期切れの次のMPMって4月末のMPM(今回3月会合が妙に早めなのは副総裁と総裁の任期切れがズレている分を意識して副総裁だけ代わった状態のMPMを回避したのかなとは思いますけどよくわからん)なのであって、どこからどうみたってこの調子で臨時輪番だ他年限指値だ2年共担だ、って打てるわけないじゃんという話になる訳ですよ。
いやまあ日銀からしたら「金利上昇圧力を抑えてYCCフォーエバー」って言いたいのかも知れませんけれども、こっちの側に座って見ていますと、「後先考えずヤケクソでオペを乱打してて、オペの持続性も考えていないんだがこの人達何月までこのオペ出来るとか考えないのかな」と思ってしまうレベルになる訳で、そらまあ物理的に馬鹿買いをすれば国債の金利だけは止まるかもしれんけど、その間に無茶苦茶オペやるせいで国債市場自体の流動性がおかしくなり、価格形成が無茶苦茶になって、メルクマールの金利が実力ベースでどこにあるか分からんという状態になれば、当然ながら国債以外の一般債などのスプレッドにはリスクプレミアムが乗っかることになる訳で、お前らこの前何のためと言ってYCCの長期金利変動許容幅拡大したのかもう忘れたのかと小一時間問い詰めたい。
というか大体ですね、こんな無茶苦茶オペを何で平然とやっちゃうんだかという話でもあって、お前らさあ、上官の命令だからってやって良い事と悪い事がある訳で、「上官の命令でやりました」で何でも免責されると思うなよ例えば(以下の記述は内務省検閲により削除されました)。
・・・・・・・とまあ年末年始の1週間程度にして「明日はもう無い」かのようなオペの打ち方を乱発しております日銀ちゃんですが、ここまで来ると逆に(オペの持続性考えないでその場しのぎだけで乱打しており、発動基準も訳分らんだけに)こいつら「次回の決定会合まで何とか持たせる」ということだけ考えてて、実は18日に10年ターゲット解除するんじゃねえの(でもって2年0%にするとかwwww)くらいのオペの追い込まれっぷりで、しかもこれって別に投機筋が追い込んでいるとかそういうんじゃなくて、日銀が訳の分からんオペを乱打して市場を壊しているのが主な要因という日銀による完全なる自爆での国債市場ぶっ壊しに起因するものでして、ここまでやってることが極端だとまあ18日に何かある説を提唱したくなる(当初はギャグの積りだったけどリスクシナリオ位には昇格してしまいましたわアタクシの中では)次第ではあります。
というか、このオペの打ち方って18日までは何とか持つかもしれないけど、その次のMPMって3月の9日10日(こともあろうに横綱の中心限月交代時期に絡むという大変に質の悪い日程でこの日程を考えたのは誰だ!(ガラッ)っと海原雄山状態になりたくなる所存なのだが)でして、そもそも3月のこの時期までこの調子で持つとは到底思えないのですが・・・・・・・・・・・
・長期ゾーンのイールドカーブがもう酷い事に
いつもの売参である。
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html
これで昨日の引け(1/6発表)と一昨日の引け(1/5発表)を見ると益々面白い(面白くないけど)ことになっているのが分かります。例によって先物チーペストから10年カレントまでの10年国債。
昨日の引け 一昨日の引け
長期国債 358 2030/03/20 0.460 0.474
長期国債 359 2030/06/20 0.485 0.498
長期国債 360 2030/09/20 0.500 0.515
長期国債 361 2030/12/20 0.515 0.530
長期国債 362 2031/03/20 0.525 0.540
長期国債 363 2031/06/20 0.529 0.540
長期国債 364 2031/09/20 0.530 0.540
長期国債 365 2031/12/20 0.510 0.520
長期国債 366 2032/03/20 0.460 0.470
長期国債 367 2032/06/20 0.435 0.465
長期国債 368 2032/09/20 0.415 0.455
長期国債 369 2032/12/20 0.500 -----
1月なので今回の新発債は償還が既発カレント債から3か月延びまして新回号になった訳ですが、こちらは入札がきっちり指値レベルで惜しくも99.99には届きませんでしたけど、まあ結局売参は0.500%と相成った次第。
それはまあいいんですが、一昨日はイールドカーブが7年と10年カレントで単利逆転してて、その間ではイールドカーブが右肩上がりになるものの残存8年9か月から9年9か月に掛けてインバートして上に凸、という7−10年カーブを形成していましたな。
でもって昨日ですが、横綱を含めて新発以外は(新発はWIの売参あるけどあれは参考にならない参考値なので一昨日の引けは無しにしておく)前日比概ね1毛5糸利回り低下しているのは良いんですけど、よく見ますと367回368回というトリオ・ザ・指値銘柄の一角を見ますと、ここだけ3毛強の4毛強という引けになっておりまして、2032年9月償還と12月償還の間で突如イールドカーブが3か月で8毛立っている、という面白カーブになってしまいました。
ということで、一昨日までは7年10年が上に凸、だったのですが、昨日の引けでは7年10年が上に凸、と思いきや10年カレント1銘柄だけ急に利回り上昇、ということで、イールドカーブの形状が更に訳の分からんことになって参りまして、いやまあ指値銘柄日銀に殆ど吸い上げられてるからちょっとスクイーズ掛かるとエラく強くなるのは分かるんですけど、もはや国債とは言い難いカーブ形成になっておりまして、これは落涙を禁じ得ません。
さて、ここで12月20日に長期金利の変動許容幅拡大を行ったときの黒田総裁の会見での冒頭説明の冒頭部分を確認してみましょう。
https://www.boj.or.jp/about/press/kaiken_2022/kk221221a.pdf
『本日の決定会合では、長短金利操作、いわゆるイールドカーブ・コントロールのもとでの金融市場調節方針について、現状維持とすることを全員一致で決定しました。そのうえで、緩和的な金融環境を維持しつつ、市場機能の改善を図り、より円滑にイールドカーブ全体の形成を促していくため、イールドカーブ・コントロールの運用について一部見直すことを、併せて決定しました。本年春先以降、海外の金融資本市場のボラティリティが高まっており、わが国の市場もその影響を強く受けています。債券市場では、各年限間の金利の相対関係や現物と先物の裁定などの面で、市場機能が低下しています。国債金利は、社債や貸出等の金利の基準となるものですので、こうした状態が続けば、企業の起債など金融環境に悪影響を及ぼす恐れがあります。本日の決定は、こうした情勢を踏まえたものです。(以下割愛)』(直上URL先の2022年12月20日金融政策決定会合後の黒田総裁記者会見より、以下暫く同様)
>債券市場では、各年限間の金利の相対関係や現物と先物の裁定などの面で、市場機能が低下しています。
>債券市場では、各年限間の金利の相対関係や現物と先物の裁定などの面で、市場機能が低下しています。
>債券市場では、各年限間の金利の相対関係や現物と先物の裁定などの面で、市場機能が低下しています。
各年限間の金利の相対関係と仰っておりますが、10年カレント部分での金利の相対関係や、長期ゾーンにおける(10年新発以外の)カーブ形状なとに関しましては、12月の決定前と変わらんどころか、カレント銘柄だけヘナチョコカーブになるとか一段のオモシロカーブになっているので、これは「市場機能の改善」のためにYCC運営の見直しの見直しをしないといけないじゃないですかヤダー(超棒読み)。
しかしまあ何ですな、いずれこの説明のボロが出るのは明らかでしたが、まさかMPMから実質わずか2週間でこの質疑応答での回答の馬脚が現れるとは・・・・・・・・・・・・・・・・
質疑応答の5ページ目(PDFも同じ)になりますが・・・・・・・・
『(問)二点お願いします。今回、10 年金利の周りの、このバンドというか、拡大したんですけども、一方で国債の買入れの増額も決めました。そうなるとやはり、歪みを是正するために他の年限の国債の買入れを増やしたりということで、むしろイールドカーブ全体へのコントロールを強めるということなのか、その買入れ増額の背景について教えて頂きたいのが一点目です。(後半割愛)』
『(答)今回の見直しは 10 年金利の変動幅を拡大するだけではなくて、国債買入れの大幅な増額、それから機動的な追加買入れおよび指値オペの実施ということによって、金融市場調節方針と整合的なイールドカーブの形成を促すものでありまして、これらの措置によって、より円滑にイールドカーブが形成されれば、各年限間の金利の相対関係あるいは現物と先物の裁定などの面で、市場機能は改善するということが期待されます。(後半割愛)』
ちょwwwww「これらの措置によって、より円滑にイールドカーブが形成されれば、各年限間の金利の相対関係あるいは現物と先物の裁定などの面で、市場機能は改善するということが期待されます。」だってよwwwwwwwwwwwwテラワロス2週間でボロが出てやんのwwwwwwwwwwwざまあwwwwwwwwww
・・・・・・などと面白がって草を生やしている場合ではなくて、いやマジでこの調子で国債市場をぶっ壊して回って後に何が残るのかとか考えると戦慄すら覚える訳でございまして、今日は本当はFOMC議事要旨の積りだったのですけれども、日銀のオペ運営があまりにもヤケクソ過ぎるので、ちょっとお前ら落ち着けやと思いながら本日のオペがどういう打ち方になるのかを戦々恐々としながら待ちたいと思います。
ただの雑感悪態ですいませんでした(滝汗)。
2023/01/05
お題「他年限指値の数値の根拠と臨時輪番上げ下げの根拠は??/今回の決定部分ではハトっぽい面もあるがその後はインフレ警戒を前面に出してますね」
さて今日は10年入札か。
〇昨日も昨日とて臨時輪番に他年限指値乱発なのだが他年限指値の水準の根拠を示して頂きたい
昨日の輪番オファー
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of230104.htm
国債買入(固定利回り方式)(残存期間5年超10年以下)(注4)2023年1月5日 0.075
国債買入(固定利回り方式)(残存期間5年超10年以下)(注5)2023年1月5日 0.045
国債買入(固定利回り方式)(残存期間1年超3年以下)(注6)2023年1月5日 0.000
国債買入(固定利回り方式)(残存期間3年超5年以下)(注7)2023年1月5日 0.000
国債買入(残存期間1年超3年以下) 2,000 2023年1月5日
国債買入(残存期間3年超5年以下) 1,000 2023年1月5日
国債買入(残存期間5年超10年以下) 1,500 2023年1月5日
国債買入(残存期間10年超25年以下) 1,500 2023年1月5日
ということで、1−3から10−25までの臨時輪番入れた上に2年と5年の指値を入れてきました。
でもって臨時輪番の額ですが、何故か知らんけど前日12/30は3000、1000、3000、3000だったのに、昨日は2000、1000、1500、1500と謎の金額調整を行いまして、まあ30日の金額調整も謎だったので今に始まった話ではないのですが、そもそもオファー額が猫の目状態で、しかもなんか根拠でもあるのなら(例えば10年が50bpに張り付いたので増額したけど50bpから金利低下してきたので減額する、とかなら話は分かる)良いのですが、30日に増額&超長期臨時輪番盛大にぶちこみと4日との差が何なのか一切分からんという状況。
そして更に訳分らんのは他年限指値の件でして、
(注6)固定利回較差の結果、2年利付国債444回の買入利回りは、0.030%となる。買入金額に制限を設けずオファー。
(注7)固定利回較差の結果、5年利付国債154回の買入利回りは、0.230%となる。買入金額に制限を設けずオファー。
こちらですが、28日から2年と5年の指値が毎日入るようになったのですが、この間の指値利回りって「2年443ベースで3bp、5年154ベースで24bp」で連続して同じレートが入った(31日は2年444ベースの4bpでしたがこれは443ベースの3bpに相当)のですよね。
然るに、4日になって急に1bp指値を強くしたわけですが、何で指値を強くする理由があったのか、「望ましい緩和状況となるイールドカーブの形成に必要」なのは既にお伺いしましたが、30日と4日の間でその金利水準が変化する理由は何なんでしょうかねえ???????
いままでの日銀の説明からしたら、このイールド変化は、「望ましいイールドカーブの水準が1bp変化したから指値が変化した」という風に解釈されるべきものだと存じますが、その根拠というのを明確に示していただきませんと、10年と先物チーペストは50bpで決まっているからこれは紛れがないですけど、2年と5年のカレントの指値レートが何の根拠もなくコロコロと変化されますと、こっちとしては債券の投資もマーケットメークもできないんですけど勘弁してくれますかねえという話ではございますので、いいから早くその根拠出せやゴルァという所ですな。
さて、この指値オペ、よくよく見れば28日以降の指値オペは「引け変わらずの指値」で指しているという事実もありまして、まさかとは思うのですが日銀さん、他年限の指値オペは「何だかよくわからないからとりあえず前日終値で指しておくわ」とでも思っているんじゃないかという疑惑もあるわけでございまして、それやりだすと臨時指値の入るカレント銘柄近辺だけ気配を持ち上げられてヘナチョコな高値となる引値になってしまう次第で、しかも質が悪いのは10年みたいに50bpとか決まっている訳じゃないから、引値を吊り上げても日銀が引けで買ってくれるという認識になったら市場だってそりゃ特定銘柄だけ気配が馬鹿強にしていくわな、という話になって、ただでなくさえワークしない割高割安の概念とかが更に無茶苦茶になってしまうんですけど・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
これで明日(今日は10年入札だから他年限指値とか臨時輪番さすがに入れないと思うが入れたら世も末)あたりにまた「まいにちさしねオペ」の感覚で2年5年の指値入れて、利回り較差が0で来ると市場としては「日銀は市場がどう動いても2年5年カレントは引けで買う」という認識になってしまって、それ以外の事をすれば非難轟轟だし、引けで買い続けをしていたら上述のように10年カレントもビックリのカーブの歪みを5年カレント辺りで発生させることになってしまって結局非難轟轟になる、ということで他年限の指値を乱発するのも大概にしないとドンドンオペ運営が汚くなってきますよ(まあ現時点で汚濁まみれではあるが)、と思うのでありました。
まあ政策が汚いのでオペ運営が汚くなる、と言ってしまえばそれまでなのですが、毎度申し上げるのだが何で黒田にこの期に及んで忠節尽くしているのかさっぱり分からんのですが、これが世にいうストックホルム症候群って奴ですかそうですかと謎の納得をするアタクシでありました。
〇FOMC議事要旨を慌てて読むの巻(政策運営に関するパートだけで勘弁)
https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/files/fomcminutes20221214.pdf(PDF)
https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/fomcminutes20221214.htm(HTML)
Minutes of the Federal Open Market Committee
December 13-14, 2022
A joint meeting of the Federal Open Market Committee and the Board of Governors
of the Federal Reserve System was held in the offices of the Board of Governors
on Tuesday, December 13, 2022, at 10:00 a.m. and continued on Wednesday,
December 14, 2022, at 9:00 a.m.1
ということで、いつもの手抜き読みで『Participants' Views on Current Conditions
and the Economic Outlook』の政策運営に関するパートだけで今朝は勘弁して頂く。
今回は全般的にこのパートがあっさり味になっている印象で、まあ大体そういう意味では方向性(暫く利上げした後様子見してその後は物価次第でどっちもあり、という出たとこ勝負な方向性ですけど)は固まった、って事なんでしょうなあと思いましたが、政策判断以降の話は11パラグラフ目から15パラグラフ目になります。その部分だけ普通の順番で読んでみますね。
・11パラ:利上げサイクルのゴールは近いが雇用情勢は相変わらず警戒モード
『In their consideration of appropriate monetary policy actions at this
meeting, participants concurred that the Committee had made significant
progress over the past year in moving toward a sufficiently restrictive
stance of monetary policy.』
一発目に「moving toward a sufficiently restrictive」に対して「had made
significant progress」と来まして、引き締めスタンス完成へのゴールが近いという事を示していますね。まあこれで出オチみたいなもんですけど以下続く。
『Even so, participants agreed that inflation remained well above the Committee's
longer-run goal of 2 percent, while the labor market remained very tight,
contributing to upward pressures on wages and prices.』
ここで「そうはいってもまだ2%に比べれば高杉晋作」と言っているのですが、注目すべきなのはここで「while
the labor market remained very tight, contributing to upward pressures
on wages and prices.」としていて、他の話ではなくてとにかく労働市場でありお賃金であり、この辺りがアヒャヒャヒャヒャとなっているうちは物価が下がりにくい、って認識な訳でして、そういう意味では利下げモードに戻ってくれるためには景気がどうのこうのよりも賃金、ということを示しているんじゃないでしょうか。
『Against this backdrop, all participants agreed that it was appropriate
to raise the target range for the federal funds rate 50 basis points at
this meeting and to continue the process of reducing the Federal Reserve's
securities holdings, as described in the Plans for Reducing the Size of
the Federal Reserve's Balance Sheet that the Committee issued in May.』
これは12月の決定について。
『Participants observed that a slowing in the pace of rate increases at
this meeting would better allow the Committee to assess the economy's progress
toward the Committee's goals of maximum employment and price stability,
as monetary policy approached a stance that was sufficiently restrictive
to achieve these goals.』
でもって利上げペース鈍化が適切という説明の中で「economy's progress」って入れてて、景気に対しての配慮も入れているという芸の細かさ。
・12パラ:今後の部分では「そう簡単に利下げには転じないよ」というアピールをしていますね
12パラは今後の政策運営。
『In discussing the policy outlook, participants continued to anticipate
that ongoing increases in the target range for the federal funds rate would
be appropriate to achieve the Committee's objectives.』
『In determining the pace of future increases in the target range, participants
judged that it would be appropriate to take into account the cumulative
tightening of monetary policy, the lags with which monetary policy affects
economic activity and inflation, and economic and financial developments.』
この辺りは従来より言ってる話。
『With inflation staying persistently above the Committee's 2 percent goal
and the labor market remaining very tight, all participants had raised
their assessment of the appropriate path of the federal funds rate relative
to their assessment at the time of the September meeting. No participants
anticipated that it would be appropriate to begin reducing the federal
funds rate target in 2023.』
ここはどっとチャートの結果の話。
『Participants generally observed that a restrictive policy stance would
need to be maintained until the incoming data provided confidence that
inflation was on a sustained downward path to 2 percent, which was likely
to take some time. In view of the persistent and unacceptably high level
of inflation, several participants commented that historical experience
cautioned against prematurely loosening monetary policy.』
その後引き締め政策を終了するには十分なデータが必要で数名は「早まった引き締め終了ダメ!ゼッタイ!」と主張といつも通りである。
・13パラ:今後は「MBMアプローチ」だという話ですが要はインフレ出たとこ勝負ですね
『In light of the heightened uncertainty regarding the outlooks for both
inflation and real economic activity, most participants emphasized the
need to retain flexibility and optionality when moving policy to a more
restrictive stance. Participants generally noted that the Committee's future
decisions regarding policy would continue to be informed by the incoming
data and their implications for the outlook for economic activity and inflation,
and that the Committee would continue to make decisions meeting by meeting.』
13パラは「データディペンデントでミーティングバイミーティングアプローチ」というただの出たとこ勝負ですよという認識で一致しましたという話でした。
・14パラ:引き締めペースを緩めることによって金融市場がヒャッハーすることに対する露骨な警戒感を示しててワロタ
『Participants reaffirmed their strong commitment to returning inflation to the Committee's 2 percent objective.』
2%へのストロングコミットメントについて再確認した、と冒頭に来るパラグラフ、何の話かと思えば・・・・・・・・・・
『A number of participants emphasized that it would be important to clearly
communicate that a slowing in the pace of rate increases was not an indication
of any weakening of the Committee's resolve to achieve its price-stability
goal or a judgment that inflation was already on a persistent downward
path.』
何人かの参加者は強調しました、ということで何を強調したかというと利上げペースの縮小は別に2%へのコミットメントを弱めた訳ではない事を説明すべき、と来まして、
『Participants noted that, because monetary policy worked importantly through
financial markets, an unwarranted easing in financial conditions, especially
if driven by a misperception by the public of the Committee's reaction
function, would complicate the Committee's effort to restore price stability.』
ここまで露骨な牽制があっただろうか、いやありません、って感じですが、思いっきりこれは凄くて、「金融政策は金融市場経由で効果が出るのだが、金融市場が今回の措置を受けてヒャッハー相場になって金融環境が我々の望まない形で緩和的になってしまうと、物価安定のための阻害要因になる」って話をしてるわけでして、おまえらゴルディロックスヒャッハー相場やるんじゃねえとここまで露骨に書いてるのも中銀文学の中ではあまり見られないかと思います(個人の感想です)。
『Several participants commented that the medians of participants' assessments
for the appropriate path of the federal funds rate in the Summary of Economic
Projections, which tracked notably above market-based measures of policy
rate expectations, underscored the Committee's strong commitment to returning
inflation to its 2 percent goal.』
また数名の参加者は、「ワシらの出している政策金利見通しに対して市場の金利見通しが低すぎ、という状況に関しては、金融市場が我々の2%達成に向けたコミットメントの強さを過小評価してやがる」とご指摘になっておられます、ワロタ。
・15パラ:リスクマネジメントの話も結局インフレ上方リスク
『Participants discussed a number of risk-management considerations related to the conduct of monetary policy.』
リスクマネジメント的な考察とは??
『Many participants highlighted that the Committee needed to continue to
balance two risks. One risk was that an insufficiently restrictive monetary
policy could cause inflation to remain above the Committee's target for
longer than anticipated, leading to unanchored inflation expectations and
eroding the purchasing power of households, especially for those already
facing difficulty making ends meet. The other risk was that the lagged
cumulative effect of policy tightening could end up being more restrictive
than is necessary to bring down inflation to 2 percent and lead to an unnecessary
reduction in economic activity, potentially placing the largest burdens
on the most vulnerable groups of the population.』
引き締めが実は足りなくてインフレ期待のアンカーが外れるリスクと、引き締めが実は行き過ぎてて景気を壊すリスクについて、とのことではあるのですが・・・・・・・・・
『Participants generally indicated that upside risks to the inflation outlook remained a key factor shaping the outlook for policy.』
やっぱり引き締め足りないリスクの方がキーだって。
『A couple of participants noted that risks to the inflation outlook were becoming more balanced.』
2名は「物価の見通しのリスクは概ねバランスしてきたんでネーノ」と指摘。
『Participants generally observed that maintaining a restrictive policy
stance for a sustained period until inflation is clearly on a path toward
2 percent is appropriate from a risk-management perspective.』
リスクマネジメント、とか言ってる割には結局インフレ上方リスクの話が殆どでしたな。最後も「十分に物価が下がって来るパスが明確にならん限りは引き締め的なスタンスが必要でしょ」で締めています。
2023/01/04
お題「年末最終営業日も輪番乱れ打ちしまくっているのだがこの調子でいつまで輪番やる気なんだこの人達」
どもども、新年ですね新年。
そーいや何か菓子パンの量が減ったことに関連して某全力二階建てのスレがツイッターランドに流れていたのでひっさびさに見に行ったらインフレがすっかり安倍ちゃんのせいじゃ無くなっていて、おまえらどんだけ記憶力が無いのかと思ったけど、そもそも全力二階建てが安倍ちゃん大好きアベノミクス大好きの偏向が徐々に酷くなったわなあってのを思い出して、安倍ちゃん肝入りの政策でも失敗すると後任のせいっていうのがいつもの平常運転だなあ、と改めて認識した新年の始まりなのでした。
それはそうと、予告通りに日銀のHPリニューアルされてましたな。年始早々お疲れさまです。
https://www.boj.or.jp/
〇22年の最終営業日は日銀大発狂オペが乱発されたがこの調子で3月まで持つのかね??????
・7年先物ゾーンと10年カレントの金利がインバートしちゃいましたねえ
まずはいつものロイターさん。
https://jp.reuters.com/article/tokyo-dbt-idJPL4N33K0TY
2022年12月30日3:40 午後
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は続落、長期金利0.41%に低下 日銀オペがサポート
『[東京 30日 ロイター] -
<15:15> 国債先物は続落、長期金利0.41%に低下 日銀オペがサポート
国債先物中心限月3月限は前営業日比7銭安の145円46銭と6営業日続落して取引を終えた。年内最終営業日で商いが薄い中、序盤は自律反発や日銀の幅広いオペがオファーされたことを追い風に上昇したが、買い一巡後は売り戻された。新発10年国債利回り(長期金利)は同3.5ベーシスポイント(bp)低下の0.410%。』(上記URL先より、以下同様)
引けにかけて横綱がズルっと下げやがりまして、一方で10年はご案内の通り、ということでして何ともアレな相場になったのですが、
『国債先物は前日までの続落や日銀が午前の金融市場調節で超長期を含む幅広い年限対象の臨時オペや中長期債対象の指し値オペをオファーしたことがサポート材料となり、寄り付きから取引中盤にかけては買い優勢の展開が続いたが、終盤にマイナス圏に沈んだ。』
ということで、いつものロイターさんご提供のTRADEWEBだと
OFFER BID 前日比 時間
2年 0.028 0.035 -0.011 15:08
5年 0.224 0.23 -0.01 15:11
10年 0.407 0.418 -0.036 15:06
20年 1.286 1.3 -0.027 15:11
30年 1.599 1.608 -0.012 15:11
40年 1.856 1.875 0.015 15:12
という訳ですが、一方の横綱はと言えば
https://port.jpx.co.jp/jpx/template/quote.cgi?F=tmp/future_daytime
限月:23年3月限
取引日:12/30
日中取引
始値:145.71(12/30)(08:45)
高値:145.80(12/30)(12:30)
安値:145.45(12/30)(14:59)
現在値:145.46(12/30)(15:02)
前日比:-0.07
取引高:12,937
ということで輪番乱発の為後場いち高値までつけましたが、引けにかけてグダグダに下がって終わるという図式。
そらまあ日銀が後述のように現物国債買うぞ買うぞハードに買うぞって言いながら発狂オペをしているのだから、そら現物国債売りにくいですわそれより先物最終日までに金融政策決定会合がなんと2回(と言っても3月会合は3/9-3/10で先物最終日が13日月曜だからかなり際どいけど)もあるから横綱売れるわなという話、かどうかは知らんけど、お蔭で7年と10年のイールドが逆転しやがっているのですが、お前ら「国債市場のゆがみが酷いことになったから」YCCの運営見直ししたのに何やってるのとしか申し上げようがない展開に年末になって無茶苦茶事案ということで、おもわず年末年始に更新したくなるほどトサカに来ながら金曜は呆れて見ているのでありました(見てるだけかよというツッコミはしないように)。
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html
長期国債 358 2030/03/20 0.455
長期国債 359 2030/06/20 0.475
長期国債 360 2030/09/20 0.490
長期国債 361 2030/12/20 0.505
長期国債 362 2031/03/20 0.510
長期国債 363 2031/06/20 0.510
長期国債 364 2031/09/20 0.505
長期国債 365 2031/12/20 0.485
長期国債 366 2032/03/20 0.415
長期国債 367 2032/06/20 0.425
長期国債 368 2032/09/20 0.410
木曜の引けでは一応チーペとカレントは同水準程度だったのですが、上述のように10年の金利は下がるわ先物は弱いわですので、金曜の引けの先物適格ゾーンの売買参考統計値単利でとうとう先物7年ゾーンと10年カレントの金利がインバートしてしまいました。
何と申しますか、国債市場のメルクマールとしての機能が無くなっているのが更に拍車掛かるの巻で、お前ら20日に何のためにYCCの見直しをしたのかと小一時間問い詰めたいのですが、これは金曜の駄文で申しあげた時はギャグの積りで書いていたのですが、これ結構マジな話、
黒田:「〇〇君!YCC政策の見直しを行えば3月まで大丈夫という話は何だったんだ!話が違うじゃないか!!」
???:「金融市場局!何としてでも10年の金利をさげろ!!」
という流れが発生しましたかというような事でもないと、20日に言ってた事を1週間ちょいで引っくり返して更なる大市場介入大会をすることになるとは思えない、というかまあそもそもこの人たちに「市場機能の重要性」などというものは所詮分かっていなかったということではあったのかと思いますが、国債の金利だけ国債買いまくってあげられなくしたって結局スワップの金利が上昇したり、社債や地方債などの国債対比のスプレッドが(スワップの金利が上がって国債の金利が上がらないのだから当たり前だが)拡大したりして調整するだけじゃん、って話をするのって、結局12月のMPMから何も変わっていないし、まあもっと手厳しく申しあげれば、何で12月に挫けずにクソ粘りしなかったのかが全く持って意味不明ですわな。
12月、別に誰も何もあると思ってなかったのであって、現状維持でも「あーはいはい現状維持現状維持」と言いながら総裁交代後の4月会合に向けてのお楽しみ相場だったと思うのですが、変に挫けてしまったもんだから却って敗勢がさらに勢い増してきたって感じでして、こんなことなら12月普通に粘ってりゃ良かったんじゃないですかねえ(棒読み)という風情ではあります。
・発狂オペの内訳を備忘の為に
しかし年末とは思えないこのオペ乱打クソワロタ(補完供給は割愛します)。
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/of221230.htm
国債買入(固定利回り方式)(残存期間5年超10年以下)(注4) 2023年1月4日 0.052
国債買入(固定利回り方式)(残存期間5年超10年以下)(注5) 2023年1月4日 0.040
国債買入(固定利回り方式)(残存期間1年超3年以下)(注6) 2023年1月4日 0.000
国債買入(固定利回り方式)(残存期間3年超5年以下)(注7) 2023年1月4日 0.000
国債買入(残存期間1年超3年以下) 3,000 2023年1月4日
国債買入(残存期間3年超5年以下) 1,000 2023年1月4日
国債買入(残存期間5年超10年以下) 3,000 2023年1月4日
国債買入(残存期間10年超25年以下) 3,000 2023年1月4日
(注4)固定利回較差の結果、10年利付国債367回の買入利回りは、0.500%となる。買入金額に制限を設けずオファー。
(注5)固定利回較差の結果、10年利付国債358回の買入利回りは、0.500%となる。買入金額に制限を設けずオファー。
(注6)固定利回較差の結果、2年利付国債444回の買入利回りは、0.040%となる。買入金額に制限を設けずオファー。
(注7)固定利回較差の結果、5年利付国債154回の買入利回りは、0.240%となる。買入金額に制限を設けずオファー。
ということで、最初の2つは「まいにち指値オペ」なのでまあ良いとしまして、1−3と3−5で指値オペを打って来まして、水準は事実上前日と同じ(2年はレギュラー受け渡しベースで発行日迎えた444が金曜からカレント扱いで前日までカレントだった443回の前日の指値0.030%相当なので)になっておりますが、臨時輪番がとにかくすごいのよね。
つまり、超長期臨時輪番に関しては20日のMPM後場に打つのはまあ分からんでもないから良いとして、その時も1000億円の買入だったのですけど、その後は超長期の臨時輪番は回避していたか、と思っていたのに金曜日に至って突如打ってくる上に、そのロットが3000億円に増額してるのですが、この3000億円っての通常の輪番(しかも今回12月会合での増額後)の1回分と同じ額まで一気に増やしてきてまして、いやおまえ中長期の輪番増額と同じノリで増額するなよというヤケクソ買入な訳でございますよ。
さらに1-3の輪番増やすわ、おまけに前日は3000億円→1000億円に減額した5-10年の輪番を再度3000億円に増やすわということで、金曜の輪番は市場介入の限りを尽くすオペレーション。
いやあのですね、長期ゾーンこの調子で買入してったら先物適格ゾーンの現物国債の流動性がずーっとスッカラカンの状態になってしまいまして、向こう3年くらい先物と現物の関係(要はベーシス)がハチャメチャな値付けになってしまう訳で、黒田の面目を保つために向こう3年くらい市場ぶっ壊すってどんだけ焼け野原にして後任に渡したいんだよという話でして、まあ無茶苦茶にも程がありますな。
何せ5-10年の輪番に関しては、20日のMPM後場の臨時輪番はまあシャーナイとしましても、それ以降って21日1000(臨時輪番)22日6750(追加輪番)26日6750(通常輪番増額後)28日1000+3000(臨時輪番後場おかわりあり)、30日3000でして、、MPMの翌日から計算しても2兆円以上の買入をやっている格好ですし、1日3000億円臨時輪番入れてたら、通常輪番で2.7兆円買っているどころの騒ぎじゃなくて、月間買入が5兆円とかになってしまうんですけど、それで4月会合までやったら事実上4か月あるんですけど・・・・・・・・・・・・・
まあそれ以前の問題で1月会合までですら持つのかよ(1月会合は今年は17−18なので2週間ある)って感じになっておりますけれども、どうも国債の現物の金利だけ別世界で誰もそれを参照しない金利になっていたとしても日銀というか黒田の面目は立つ、ってことで運営する気なんでしょうね。全く酷い話ですが、これは先日も申し上げましたように、2015年12月の補完措置〜2016年1月に黒田逆切れマイナス金利政策炸裂、の流れを彷彿させますので、マジでマジの話、再来週はどんなハプニングが起きても不思議じゃないんでネーノ位の気は物凄い勢いでするのですよね。
12/30の夜間のだからあんまりあてにはならんがイブニング。
限月:23年3月限
取引日:01/04
夜間取引
始値:145.49(12/30)(15:30)
高値:145.55(12/30)(16:21)
安値:145.17(12/31)(05:43)
現在値:145.22(12/31)(05:54)
前日比:-0.24
取引高:3,734
ということでごじゃりますが、まあ何と申しますか、「おもしろくなってまいりました!!!!」って感じで、今日も今日とて日銀の発狂オペを見ることになると思うと頭がクラクラします・・・・・・・・・・
〇ということで今年もよろしくお願いします
いやー何か日銀がおもしろくなってきたので海外ネタ放置しておりますが、今年は米国に関しては概ね「CPI次第だけどそろそろ利上げは終わりであとはCPIが下がってくるまで横這い」というのだけはコンセンサスになっていると思うのですけど、ECBはまだ訳分らんし、日銀は次期総裁人事次第(というか総裁人事に向けてどのような差し込みが官邸から来るか次第)の所は多々あるしですし、あとはまあ毎日日銀発狂オペでも楽しみにしていれば(全然楽しくないけど)という感じですな。
しかしまあ何ですな、日銀が必死にオペを打てば打つほど、確かに国債の金利自体は指値ある所とか馬鹿買いするところを中心に上がりにくくなると思うのですが、結局のところそことは関係なく経済と物価(たぶん物価)から乖離したものは砂上の楼閣レートになるだけの話なので、砂上の楼閣がいつ崩壊するか、その前にどれだけ楼閣積み上げて被害が増えることになるのか、が見ものではありますな。一国民としては極めて遺憾ですけどね。
ということで今年もよろしくお願いいたします。