朝のドラめもん

2025/04/01

お題「米国のせいとは言え中々の期末相場/オペ紙メモ/PD懇と投資家懇議事要旨より少々」

ちょっと何言ってるか分からない
https://jp.reuters.com/world/security/7PT5HXVCPBKFRMILVB3LNK7IYE-2025-03-31/
米を不公平に扱った国、関税を予期すべき=ホワイトハウス
ロイター編集
2025年4月1日午前 4:51 GMT+9

政権皆で関税芸人になっていますが頭大丈夫なのかこいつら・・・・・

〇なんか期末相場無茶苦茶でしたな

わけわからん
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/XDR4THKFORL6PGFITJIB2CEJHI-2025-03-31/
〔マーケットアイ〕金利:国債先物は大幅続伸、長期金利1.485%と3週間半ぶり低水準 リスクオフで
ロイター編集
2025年3月31日午後 3:33 GMT+9

『[東京 31日 ロイター] -    <15:23> 国債先物は大幅続伸、長期金利1.485%と3週間半ぶり低水準 リスクオフで

国債先物6月限は、前営業日比63銭高の138円40銭と大幅続伸して取引を終えた。新発10年国債利回り(長期金利)は同6.0ベーシスポイント(bp)低下の1.485%と3月5日以来の低水準を付けた。リスク回避の流れが強まったほか、2年債入札が無難に通過したことも好感され、円債は堅調に推移した。』(上記URL先より、以下同様)

ということで何かハチャメチャな展開になっていましたが、

『2年債は同3.5bp低下の0.830%、5年債は同5.5bp低下の1.095%。20年債は同3.0bp低下の2.220%。30年債は同0.5bp低下の2.520%。一方、40年債は同1.0bp上昇の2.790%。』

というなんかドイヒーなカーブになっていたのですが、いや確かに米国リスクオフみたいな展開にはなっていたけど、最近のアメリカン市場って関税芸人がなんか言うと一々過剰に反応する(ので人間じゃなくてロボみたいな感情の無い馬鹿がやってるんじゃないかと疑いたくなるんだが)のが仕様になっているのもう見え見えなのに一々国内市場がそれに大反応するのって如何なものか(月曜の最初の大市場がうちんちだからしゃあない面はあるのは分かるけど)とは思うんですけどね。

でまあ表組みの方で見ますと、

『    OFFER  BID   前日比 時間
2年   0.829  0.835   -0.033 15:14
5年    1.09  1.098   -0.054 15:14
10年  1.479  1.485   -0.064 15:15
20年  2.215  2.224   -0.026 15:14
30年  2.512  2.521   -0.009 15:13
40年  2.774  2.787    0.011 15:18』

先週激強ダッチ入札をやった40年は何をやってらっしゃるのですかという悲しいことになっているのですが、なんかまあ随所に変なことが起きてまして短国方面では、

売買参考統計値
https://market.jsda.or.jp/shijyo/saiken/baibai/baisanchi/index.html


(3/28引値)
国庫短期証券1290 2025/06/02 平均値単利 0.350
国庫短期証券1292 2025/06/09 平均値単利 0.350
国庫短期証券1274 2025/06/10 平均値単利 0.350
国庫短期証券1293 2025/06/16 平均値単利 0.350
国庫短期証券1238 2025/06/20 平均値単利 0.350
国庫短期証券1295 2025/06/23 平均値単利 0.350
国庫短期証券1296 2025/06/30 平均値単利 0.350←新発カレント3M

からの

(3/31引値)
国庫短期証券1290 2025/06/02 平均値単利 0.360
国庫短期証券1292 2025/06/09 平均値単利 0.360
国庫短期証券1274 2025/06/10 平均値単利 0.360
国庫短期証券1293 2025/06/16 平均値単利 0.360
国庫短期証券1238 2025/06/20 平均値単利 0.360
国庫短期証券1295 2025/06/23 平均値単利 0.360
国庫短期証券1296 2025/06/30 平均値単利 0.375←新発カレント3M

ということで、全体的に1毛甘くなってやっと0.3台後半(もっと手前の方は0.35とかですけど0.35〜0.36の引けになりやした)金曜日にクソ流れ応札少なし入札をやった新発3Mの1296の引けが0.375%になっている訳でして、何だよそれって感じです。この銘柄償還が6/30月曜で年末でも半期末でもない四半期末だからそこまでのドイヒーにはならないかもですが、ゆうて今回の期末のところで割と理不尽な相場をやってくれた短国な訳で、ロールを前提にして買うということになりますとこの償還は基本避けて通るじゃろ、となるので昔の常識だと期末に足の来る3Mってのは基本あまり好まれない(期末で落とすのが確定なら逆に買いやすいけど)というのが仕様でしたが、まあ何か1回やってみてご教訓得られました的なもんですかね、と言っても1週前の償還と段差があり過ぎですけどまあこれはただの需給。

ということで、先週は40年と言い3Mと言い碌なもんじゃなかった、というのが週開けてみると判明しておりましたという悲しい期末でした。


〇オペ紙久々に雑感

何か最近あんまりネタにしていませんでしたが(汗)
https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2025/mpr250331a.pdf
長期国債買入れ(利回り・価格入札方式)の四半期予定(2025年4〜6月)

順調に減額しているにはしていますし、まあ今回超長期10-25が減額されるのは想定内で、なんか若干ビビッてないかという感じですが、

-1年  1500×1⇒1000×1
1-3年 3000×4⇒2750×4 
3-5年 3000×4⇒2750×4
5-10年 3250×4⇒3000×4 
10-25年 1500×3⇒1350×3
25-年  750×2⇒750×2
物国   500×1⇒500×1
合計   45000⇒41050

でまあ10-25の減らし方ですが、たぶんこれ合計額を500億円くらい減らそうということで150×3にしたんだろうとは思うのですが、他の年限が250減ってるのにここだけ150減ってるのが見た目として超長期の金利上昇にビビってるんじゃねえのと思ってしまわないでもないのですが、ここは市場がどう受け止めているか次第なのでそこに関してはアタクシ(日銀の屁理屈と短い方みているだけで忙しいので)きちんとフォローできている訳でもないので有識者のご見解を待ちたいと思います。

ただまあ今回に関しても超長期が減額になるのならないので事前にちょっとだけだとは思うのですが話題になったりしたりで、オペ紙がまだ材料になる感がありまして、昨年の6月(開始は7月)会合によりまして輪番に関しては今の扱いは「正常化に向けたスムージング、ただし正常化がどこなのかは知らん」という状態になっている筈なので、減額に関してもっと露骨にプロラタ感を出した減額をしていくのは一つの考えとしてありだと思う(買入の刻みが細かくなるけど)のですが、どうでしょうかねえとは思います。

しかしまだこの時点で月額4兆とか意味わからん規模の買入になっていまして、四半期4000で今のところ減らしているのですが、買入が1兆円切るのにあと2年も掛かるとかあり得んというかただの財政ファイナンスな訳で、6月の見直しでは減額ペース加速しろよと思いますが、加速どころか減速しろとかいう情けないにも程がある市場の意見が結構出るんでしょうなあと思うとおじちゃんは情けなくて情けなくて。

昨日駄文のマクラに引用したこれ
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250328/k10014763291000.html
超長期国債の金利上昇 財政に反応?【経済コラム】
2025年3月30日 0時02分

みたいなのをもっと市場が出すのが本来の市場経済じゃろという話でして、「金利が上がるのが懸念されるので日銀の輪番減額ペースを緩めろ」とかほざく輩はどっかの計画経済の国に逝ってもろて頂いて欲しい訳で、もっとじゃんじゃん減額して減税だの高圧経済だの寝言を言ってる馬鹿連中の目を覚まさせた方が中長期的に本邦の為になるじゃろ、くらいの原理主義発想のアタクシなのは毎度申し上げておりますので耳にタコだと思いますが期初なので改めて申し添えますwwwwwwww


〇PD懇と投資家懇の議事要旨から入札方式雑感と国債投資家のインフレ期待が垣間見れた気がしますので

PD懇
https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/meeting_of_jgbsp/proceedings/outline/250321.html
国債市場特別参加者会合(第113回)議事要旨
・日時 令和7年3月21日(金)16:00〜17:00
・場所 財務省 第3特別会議室

・内容 
1. 令和7年度における固定利付債のリオープン方式について
2. 令和7年度における固定利付債の入札方式等について
3. 令和7年4-6月期における物価連動債の発行額等について
4. 令和7年4-6月期における流動性供給入札の実施額等について

投資家懇
https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/meeting_of_jgbi/proceedings/outline/250324.html
国債投資家懇談会(第96回)議事要旨
・日時 令和7年3月24日(月)10:30〜12:10
・場所 財務省 第3特別会議室

お題は同じですな。

でまあPD懇ですが、40年国債のダッチ入札に関してPDの意見割れてましたが、

『・当局案に賛成。40年債について、意見が分かれていると認識。40年債は来年度から減額となるが、これは投資家のニーズが減少または不安定なためと認識しており、この先の入札時も不安定と考えている。このため、しばらくはダッチ方式の継続を希望。』(ここから暫くPD懇より引用)

はいいんですが、次の人はお前PDの看板下ろせやと思いましたけど謎の熱弁。

『・40年債に加えて20年債及び30年債もダッチ方式を希望。日本銀行の金融政策と、米国の通商政策及び米金利上昇によって、円金利上昇が後押しされている中、2020年6月に財務総合政策研究所が公表したディスカッション・ペーパーで論じられた、入札で高値掴みとなってしまう「勝者の呪い」と定義される現象が今まさに発生している。』

『この現象下で、ダッチ方式は発行コストの低減という点で比較優位とされているが、他方、共謀が懸念される場合、コンベンショナル方式が優位とされている。茲許のコンプライアンス意識の高まりを勘案すると、日本において共謀が行われる可能性は極めて低く、ダッチ方式が発行当局にとっても優位と考えている。』

うーん何を言いたいんだこの意見は。

『・需給面では、特に今、超長期ゾーンの需要が不安定な状況のため、発行市場に新しい投資家を呼び込むことが、中長期的に重要と考えている。その新しい投資家は、米国の投資家と考えている。彼らはダッチ方式に慣れており、「入札がダッチ方式であれば参加する」という投資家が少なからず当社には見えている一方、「ダッチ方式だから入札に参加しない」という意見は聞いたことがない。ダッチ方式の拡大により、発行市場に今より多くの投資家が参入することで、発行コストを安定させることに繋がると考えている。』

何で米国にあわせにゃならんのと思いますし、そもそもPDがマーケットメークしてセカンダリーの流動性が確保されていれば別に入札がコンベンショナルだろうとダッチだろうと参加するじゃろという話ですが、まあそれに関しては日銀の馬鹿買入のせいで個別銘柄の流動性が万全ではない、という問題点が大有りなのでPDだけのせいではない面は多々あるんですが、ちゃんとセカンダリーの流動性があればコンベンショナルだろうがダッチだろうが関係ないじゃろ、ろしか思えないのだがどうなんですかねえ。

『・40年債は、来年度から発行額が減額されるところ、現行のダッチ方式だと流通市場と比べ金利が低い方に大きく乖離する傾向が強まると思うため、価格コンベンショナル方式への移行を希望する。平成19年11月の発行開始以来、時間が経過し、40年債入札の市場は成熟したと考えており、コンベンショナル方式への移行が、流通市場を含め40年債市場の更なる価格発見機能の向上や市場の成熟に繋がると考えている。』

まあコンベンショナルでしょうよ、と思います。

『・CT債についても、来年度から発行額が減額されることもあり、コンベンショナル方式への移行を希望。40年債と同様、最終投資家が実際に買いたい水準よりも金利低下方向に乖離する可能性が高いと考えているため。

『・落札上位陣の意見を聞くべきと考えるが、当社としてはCT債以外、全てコンベンショナル方式を希望する。』

ということで意見が分かれていて味わいがありました。あと物価連動国債に関してですが、

『・当局の提案に賛成だが、従前から希望している、第U非価格競争入札再開の検討を開始すべき。当社店頭では、国内外の投資家から新規もしくは再投資希望の相談が寄せられているが、一部の投資家から、市場規模の小ささを理由に、投資を見送る投資家がいる。今後の課題として、投資家層の裾野を拡げ、より物価連動債市場の規模拡大に繋げていくため、発行増額となる方策を希望。』

ってのがあって、まあそうなんじゃろうなって話なんでしょうね、知らんけど。

これは日銀の輪番が相変わらず多くて、この前減ってやっと四半期ベースの発行額の方が少し多くなったのですけれども、相変わらず2500億円/四半期の発行に対して2100億円/四半期の輪番および買入消却となっていまして、しかも元本フロア設置で発行再開した後の物国が順次償還を迎えているので直近では償還分純減状態になっているということで、市場規模が増えないから流動性が厳しくて、流動性が厳しいから参加者が増えなくて、参加者が増えないから市場規模を増やせない、という永久機関が回っているんじゃなかろうか、というのを示していますなとは思いました。


投資家懇の方ですが、入札方式に関しては(自分が入札するわけでもないからあっさり味になるのは当然ですけれども)あっさり味で、

『・当局の提案を支持する。

・当局の提案に異論はない。特に40年債は流動性に乏しく、現行のダッチ方式のままでよい。

・当社は、基本的に満期保有を前提とした上で、流動性の確保を重視し、流動性が確保された商品に投資を行う方針。従って、当局の提案には賛成する。

・40年債について、将来的にはコンベンショナル方式への移行が適切と考えているが、足元の不安定な入札状況や市場の成熟度を考慮すると、しばらくは現行のダッチ方式の継続が適当。

・40年債について、発行量の少なさから現状維持でよい。

・40年債について、流動性の観点等からも現状維持が好ましい。』(ここから先は投資家懇より引用)

となっていますが、3番目の「基本的に満期保有を前提とした上で、流動性の確保を重視し、流動性が確保された商品に投資を行う方針」ってのが仰る通りですわなということでして、入札方式云々よりもセカンダリーのマーケットメイクをどうやって安定させられるか、というのがダイジダイジネーと思う訳で、買ったは良いけど売りに行ったら5毛甘でじゃあオファーはというとオファーありませんとか言われるようなもので流動性リスクプレミアム乗ってもいなかったら誰が買いますねんというお話なので、黒田末期の日銀の発行額以上に買ってしまいました問題とか(あれは超長期じゃなくて10年債の話だが)非常に罪が重い話だったとしか言いようが無いなあと思うのでありました、と隙あらば日銀の国債買入に悪態をつくのに余念のないアタクシ。


逆に物国の方は投資家懇の方が盛り上がるわなということで、なんと吉野座長からのご質問まで出ていました。

『〇また、吉野直行座長より、出席者に対して以下のとおり質問があった。

・物価連動債への投資が乏しい理由として、見合いの負債がないことは考えられないか。財政の不安定性は高まってしまうが、物価連動預金など、負債に見合う商品があれば購入促進につながるのではないか。』

うーん何とも微妙ではあるけど、負債サイドの話を含めた参加者の意見があったので面白いから一部引用します。

『・調達側が名目金利であるため保有しづらく、保有するにも基本的に時価評価される勘定科目になるため、評価損が懸念される。市場の安定性は改善傾向にあるものの、まだ脆弱な面もあり、投資判断は慎重にならざるを得ない。もっとも、インフレ局面において、物価連動債の商品性を評価はしている。』

というように、調達側が名目金利でインフレリスクに関しては預金なり保険商品なりの預入者や購入者が負っているというのが一般的なお姿になっている、というのが現状ですわな。

『・流動性の低さがネックであり、一定の投資額に留めている。なお、利上げに伴う貸出金利や短期金利の上昇で、長期的な目線でみると、インフレ局面自体は当社の収益にはプラス。そのため、価格変動リスクを負ってまで投資するメリットは薄いのかもしれない。』

そらまあ「インフレ局面自体は当社の収益にはプラス」なら別に良いじゃんとなりますわな。

『・当社は見合いの負債が存在せず、ALMの観点から今のところ需要はない。もっとも、物価連動する新しい商品の議論もあるのだが、顧客への商品内容説明等のハードルもあり、それをどうクリアしていくかにまだ答えが出ていない状況。将来的にはその様な商品への需要に期待しており、引き続き研究しつつ、商品を出せれば負債側からの要請で物価連動債に投資していくという局面もあるかもしれない。』

これは吉野座長のコメントの通りではありますな、ってご回答っすね。

でもって面白かったのはこの後のコーナーでして、じゃあそもそも論として今がその時期なのか、という話ですけれども、

『・本邦でのインフレ期待があまり大きくないこともあり、物価に連動する商品も現状ない。将来的にそのような商品があってもいいが、機は熟してないと考える。』

『・インフレヘッジや実質利回りの点で魅力的と考えており、引き続き注目し投資もしていくが、投資を増やすためには、投資家からのインフレヘッジ需要が強まり、インフレファンドからの資金流入が必要。海外と比べると日本は持続的なインフレ局面がなかったこともあり、今後インフレが続く場合は資金流入が期待できるが、まだそのタイミングではない。』

この他にも現状では時期じゃない、という意見が2つほどございましたし、1個上の商品作る作らないの話もそうですけれども、ジャパンの国債市場的に言えばインフレ期待って盛り上がっていないってところなんですわな、というのが垣間見れた感じがしまして、そらまあ早期利上げ観測って出てもちょっとリスクオフになると一気に巻き戻しが入るのは市場の中の人たちのベースのインフレ期待が弱ければそうなるわな、って思ったのですがどうでしょうかね〜〜。









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